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第2号 平成29年3月8日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十九年三月八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 浮島 智子君

   理事 うえの賢一郎君 理事 大見  正君

   理事 佐藤ゆかり君 理事 白須賀貴樹君

   理事 吉川 貴盛君 理事 北神 圭朗君

   理事 近藤 洋介君 理事 高木美智代君

      穴見 陽一君    石川 昭政君

      小倉 將信君    尾身 朝子君

      岡下 昌平君    梶山 弘志君

      勝俣 孝明君    神山 佐市君

      工藤 彰三君    佐々木 紀君

      塩谷  立君    島田 佳和君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      中川 俊直君    星野 剛士君

      三原 朝彦君    宮崎 政久君

      八木 哲也君    簗  和生君

      山際大志郎君    今井 雅人君

      大畠 章宏君    落合 貴之君

      篠原  孝君    鈴木 義弘君

      田嶋  要君    中根 康浩君

      福島 伸享君    中野 洋昌君

      畠山 和也君    真島 省三君

      木下 智彦君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   経済産業大臣政務官    中川 俊直君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            栗田 照久君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     小糸 正樹君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   中尾  睦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 茂明君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          寺澤 達也君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          安藤 久佳君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            藤木 俊光君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        山下 隆一君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    宮本  聡君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           石田  優君

   政府参考人

   (国土交通省航空局次長) 平垣内久隆君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月八日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     津島  淳君

  鈴木 義弘君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     山際大志郎君

  今井 雅人君     鈴木 義弘君

    ―――――――――――――

二月二十四日

 原発から撤退し、再生可能エネルギーへの転換を求めることに関する請願(真島省三君紹介)(第一七一号)

 同(真島省三君紹介)(第二一六号)

 エネルギー政策の抜本的見直しに関する請願(穀田恵二君紹介)(第二五二号)

 同(清水忠史君紹介)(第二五三号)

 同(藤野保史君紹介)(第二五四号)

 国と東京電力が責任を果たすことに関する請願(真島省三君紹介)(第二九五号)

三月八日

 国と東京電力が責任を果たすことに関する請願(池内さおり君紹介)(第三三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件


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     ――――◇―――――

浮島委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、金融庁総務企画局参事官栗田照久君、復興庁統括官小糸正樹君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、財務省理財局次長中尾睦君、文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君、経済産業省大臣官房審議官田中茂明君、経済産業省貿易経済協力局長寺澤達也君、経済産業省商務情報政策局長安藤久佳君、資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長藤木俊光君、資源エネルギー庁資源・燃料部長山下隆一君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁長官宮本聡君、国土交通省大臣官房審議官石田優君及び国土交通省航空局次長平垣内久隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡下昌平君。

岡下委員 おはようございます。自由民主党の岡下昌平でございます。

 質問の機会をお与えいただきまして本当にありがとうございます。また、私ごとで大変恐縮ですけれども、本日三月八日、四十二回目の誕生日を迎えまして、そんな日に質問の機会をいただきました。本当にありがとうございます。

 それでは私の方からは、質問に入らせていただきますが、エネルギー政策についてと中小企業等についてお尋ねさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 日本のエネルギー政策の根幹を決めているのがエネルギー基本計画であります。この基本計画の考え方は、まず、安全性のセーフティーを大前提とした上で、エネルギーの安定供給のエナジーセキュリティー、そして、経済効率性の向上、エコノミックエフィシェンシー、環境への適合、エンバイロンメントという三つの条件を満たしていく、すなわち、SプラススリーEという考え方であります。

 そして、このSプラススリーEを達成するためには、具体的目標数値を定めたエネルギーミックスの実現と、制度面での改革であります電力・ガスシステムの改革の成功が必要となるということが大前提であります。

 したがって、きょうは、この二つ、この両方をチェックしていきたいと思っております。

 まず、エネルギーミックスの実現は可能であるかという観点について見ていきたいと思います。

 二〇一五年に決定いたしましたエネルギーミックスにおきましては、二〇三〇年に、再エネを二二から二四%、そして、原子力を二〇から二二%、LNGを二七%、石炭を二六%、石油を三%という方針でございます。この中では何といっても、原子力発電を再稼働させられるかどうかというのが一番鍵を握っていると思います。

 現在稼働している原子力発電は、川内原発一号、二号、伊方原発の三号機の三基で、二〇三〇年に二〇%から二二%という目標は、このままでは達成不可能だと思います。安全性のSを前提とした新規制基準をクリアし、国民や地元住民の根強い不信感を払拭するのはかなりハードルが高く、再稼働もままならない状況でこの数値の目標を達成するということになれば、四十年を超える古い原発の運転や、あるいは新増設も必要になってくると考えられます。

 したがって、原子力の比率を二〇%以上にするというのは、現状ではかなり難しいと言わざるを得ません。

 また、原子力の比率がエネルギーミックスの想定とかけ離れた場合、電力コストを現状より引き下げるようにしたエネルギーミックスの策定指針というものも覆ってしまうことになります。これは看過することのできない問題であります。

 そして、次に再生可能エネルギーについて見ていきたいと思いますが、二〇一二年に固定価格買い取り制度、いわゆるFIT法がスタートいたしまして、再生可能エネルギーの導入量が一気に二・五倍ふえました。エネルギーミックスでは、二〇三〇年に再生可能エネルギーを二二から二四%にするという目標を立てておりますので、現在の一二・八%をさらに倍ふやさなければならないという状態であります。

 また、このFIT法に関しましては、接続可能容量不足やコスト高、電源が不安定な太陽光発電への偏り、認定をとったけれども接続契約をしていない案件が多発するという課題が出てきたこともありまして、昨年の五月二十五日、改定されまして、ことし四月一日に施行されることとなります。その制度改正によって新たな認定制度が創設されました。

 具体的に申し上げますと、認定時期を系統接続の契約締結の後にする。点検、保守、報告、リサイクルなど遵守事項を定め、違反時には改善命令や認定取り消しもする。地熱や風力など、数年先の認定案件の買い取り価格をあらかじめ決定する。そして、大規模な事業用太陽光、二千キロワット以上につきましては、買い取り単価について入札を行う。三月三十一日までに電力会社と接続契約をしていない案件は、例外もありますけれども、認定を失効するなどの改正でありました。

 そこでお聞きしたいんですけれども、今回のこの制度改正で具体的にどれぐらい認定失効があると見込んでいるのか。教えてください。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、本年四月から改正FIT法が施行されます。本年三月三十一日までに電力会社との接続契約が締結できていない場合、原則として認定失効ということになります。

 接続の申し込みをしてからの標準処理期間、電力会社においては約九カ月ということでございますので、三月三十一日からさかのぼる九カ月、昨年の六月末時点での申し込みの状況を申し上げますと、太陽光についてFITの認定を受けているのは、設備容量で約八十五ギガワット、このうち接続の申し込みが済んでいるものが約六十八ギガワットでございますので、この差分の約十七ギガワット分の認定が失効する可能性があるということでございます。

 もちろん、今先生御指摘のようにさまざまな例外もございますし、申し込んだからといって必ず契約に至るというものでもありませんので、上下それぞれぶれると思いますが、こんな数字の感覚でございます。

岡下委員 ありがとうございます。

 今回の法改正では、地熱や風力などを促す施策をとっておりますけれども、余りに太陽光発電に偏っているように思います。

 そこで教えていただきたいんですけれども、太陽光発電の割合と地熱、風力の割合、具体的にどのようになっているんでしょうか。お聞かせください。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 固定価格買い取り制度以降の導入量で見ますと、太陽光、住宅と非住宅を合わせまして、全体のこのFIT法で導入したもののうちの九五%が太陽光ということになってございます。

 風力は、FIT法のもとで新たに入ったものは一・七%、地熱は〇・〇三%、こういうことになってございます。

岡下委員 太陽光が九五%ということは、ほとんどですね。

 では、今回の改正で太陽光への偏りというのはどれぐらい解消されると見込んでいるんでしょうか。お聞かせください。

藤木政府参考人 今回のFIT法の改正の目的の一つといたしまして、バランスのとれた電源の導入ということでございまして、特に今御指摘の、風力や地熱といったリードタイムの長い電源については、複数年度の買い取り価格をあらかじめ決定するということで事業の予見可能性を高めるという手当てをしてございます。

 また、広域的な系統整備、あるいは運用ルールといった問題、それから環境アセスメントの迅速化、さらには技術開発といったようなことで、こういったリードタイムの長い、足の長い電源についてもしっかり支援していきたいと思っております。

 究極的には、我々、エネルギーミックスでお示ししたような形で、太陽光のみならず、風力、地熱についても、例えば足元の三、四倍の水準ということで導入を目指してまいりたいというふうに考えているところでございまして、このミックスで示した水準を実現するためにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

岡下委員 ありがとうございます。

 では、このような法改正によってもやはり解決しないのが、コスト、Eの問題であります。

 この再エネ賦課金を見てみますと、制度がスタートした平成二十四年には一キロワットアワーで〇・二二円だったものが、平成二十八年には一キロワットアワーが二・二五円になっております。二〇一六年の再エネ買い取り費用は約二・三兆円、そのうち、賦課金は約一・八兆円となっております。平均的な一般家庭の負担は毎月六百七十五円ほどに達します。

 現在、原油価格が下がっているために、電気料金の明細を見ますと千四百円から千五百円ぐらいはマイナスになっておりますけれども、本来であればもっと電気料金は下がってもいいんじゃないかとそう感じる人は、決して少なくないと思います。この電気料金の値下げを阻んでいる要因の一つが、やはり、再生可能エネルギーが非常に割高だということだと思います。

 また、二〇一五年のエネルギーミックスの検討において二〇三〇年の買い取り費用を三・七兆円から四兆円と設定しておりますので、今後、家庭や企業への負担というものがさらにふえていくことが明白であります。

 ことし一月二十五日に開催されました再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会、省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会の合同会議におきまして、現在のFIT法は二〇一二年にスタートしたが、余剰電力買い取り制度として二〇〇九年にスタートした案件の買い取り期限がそろそろ満了するために、こういった案件の価格をどうするのか、または、認定後に増設したパネルで発電した買い取り価格についても今後調査、検討するべきであるという意見も出ておりました。

 少しでもコストを下げるという努力をしていただいていることはわかりますけれども、賦課金が今の倍になってしまっては国民の理解は得られないと思っております。

 このように、原子力が二〇から二二、そして再エネが二二から二四というこの目標数値が見通せない状況では、エネルギーミックスの実現というものはかなり厳しいと言わざるを得ません。

 次に、制度面の方を見ていきたいと思います。電力・ガスシステム改革であります。

 昨年の電力小売全面自由化に引き続きまして、ことしの四月一日からガスの小売全面自由化が予定されておりますけれども、なぜ電力システム改革をしたのかという目的をまず振り返りたいと思いますが、競争が生まれることによって電気料金が安くなる経済効率のE、そして、再生可能エネルギーをふやす環境分野のE、参入してくる新電力による再生可能エネルギーや、あるいは分散型エネルギーの活用、そして、地産地消による新しい小売事業が見込まれるということで始まったと思います。

 平成二十四年七月、電力システム改革専門委員会の「電力システム改革の基本方針」の中に、「需要サイドの改革」といたしまして、

  全ての国民に「電力選択」の自由を保証する。

  分散型の次世代システムは、需要家自身が電気を創ることを意味する画期的システムである。太陽光・蓄電池・水素エネルギーが創り出す燃料電池、それと、ITを駆使した制御技術のイノベーションがそれを可能にする。これが、二〇三〇年において、家庭・業務部門を中心に我が国エネルギー供給の主役になる。

こうありました。

 二〇二〇年に予定されています発送電分離の改革を控えまして、経済産業省では、二〇一六年の九月に電力システム改革貫徹のための政策小委員会を立ち上げられて、十二月に中間取りまとめを公表し、ことし二月に主要な施策を発表されました。

 まず、四つございますその制度として、一つ目がベースロード電源市場、二つ目が連系線利用ルール、三つ目が容量メカニズム、そして四つ目が、非化石価値取引市場というものが示されました。

 さらに、新たな電力市場の整備に向けまして、総合エネルギー調査会電力・ガス基本政策小委員会のもとに制度検討作業部会が新設されて、この三月六日に初会合されたと伺っております。

 ベースロード電源市場の創設のその考え方について少しお聞かせいただきたいんですけれども、新電力にも、電力コストが安いとされている安定的なベースロード電源、原子力、石炭、水力へのアクセスを可能とすることが目的、そして、現状、新電力の二〇一五年ベースロード電源比率は石炭が九%、一割程度にとどまっておって、二〇二〇年度をめどに、大手電力と同程度の、約三割になるようにベースロード電源の市場提供を求めていくというもの、そして、長期間、常に同じ出力で発電するため、ある程度長い期間を基本として取引所を通じて扱うと聞いておりますけれども、この理解でよろしいんでしょうか。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、ベースロード電源市場は、現状では実質的に既存電力会社がその大部分を保有しております石炭、水力、原子力といった安価なベースロード電源を市場に供出することを求めることを通じまして、新電力の電源へのアクセスを向上させまして競争を促進する、こういったことを目的としているものでございます。

 全体の市場供給量につきましては、新規参入者と旧一般電気事業者のベースロード電源に対するアクセス環境の公平性を確保する観点から、新電力の需要の三割程度のアクセスを目安といたしまして、また、電気を供給する期間については、一定程度長いもの、基本的には一年といったようなものを想定しているところでございます。

 制度設計の詳細につきましては、今御指摘いただきました、今月設置いたしました制度検討作業部会におきまして、新規参入者を初めとする事業者等の意見をしっかり聞いた上で有識者に徹底的に御議論いただいて検討していきたい、このように考えております。

 また、このような措置は、エネルギー基本計画でうたっております、「低廉で安定的なベースロード電源を国際的にも遜色のない水準で確保する」、その上で、「市場をより競争的なものとすることで、電気料金を最大限抑制する仕組みが働く構造を構築していく」という方針に沿ったもの、こういうふうに理解しております。

岡下委員 それならば、再生可能エネルギーを供給することを売りにする新電力にしてみれば、原子力から石炭まで入ったベースロード電源などなかなか買えませんし、安いベースロード電源を購入したほかの電力とは戦えないような状況になります。生き残る電力会社は、最終的には、電源構成という意味では似たり寄ったりになってしまうのではないでしょうか。

 また、昨年の十二月二十日に東京電力改革・一F問題委員会でまとめられた東電改革提言の中に、「賠償は、原発事故への対応に関する制度不備を反省しつつ、託送制度を活用した備え不足分の回収はするものの、託送料金の合理化等を同時に実施し、新電力への安価な電力提供を行う」とまとめられたことに対する施策だと思いますが、原発再稼働が進まなければ、この構想というものは石炭火力を新電力に促す施策となってしまって、先ほど申し上げた環境のEという部分が守られなくなる可能性が出てきます。

 また、北陸、中国、四国、東北電力などは、電源構成の中で非常に石炭比率が高い。その地域があって、市場に電力を出す割合がふえれば、結果、打撃が大きくなってしまう可能性が出てきてしまう。

 そして、次に非化石価値取引市場の創設について見ていきたいんですけれども、中間取りまとめにおきましては、エネルギー供給構造高度化法のもとで定められた、再生可能エネルギーや原子力発電など非化石電源比率を二〇三〇年度に四四%以上にするという小売事業者の目標を達成することと、需要家にとっての選択肢を拡大し、FITの国民負担の軽減という二つの目的を達成するためだとしております。

 確認したいんですけれども、これでよろしいんでしょうか。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 非化石価値取引市場は、実電気から分離された非化石価値を証書化いたしまして、実電気とは分けて卸電気取引所で取引する仕組みでございます。

 御指摘のとおり、エネルギー供給構造高度化法によりまして、小売電気事業者は、みずから調達する電気の非化石電源比率、ゼロエミッション比率を二〇三〇年度に四四%、これはミックスで示されているとおりでございますけれども、四四%以上にするということが求められておりまして、卸電力取引所では非化石電源と化石電源が区別されないために、取引所取引の割合が比較的高い新規参入者にとりましては、高度化法の目標達成が容易でない側面があります。

 こういったことを踏まえまして、FIT電源の持つ非化石価値等につきましては、従来、賦課金の負担に応じまして全需要家に均等に帰属させることと整理されてきましたけれども、その価値を顕在化させまして取引を可能とし、その売り上げをFIT制度における小売電気事業者等に対する交付金の原資に充当するということでFIT制度による国民負担を軽減する効果を期待していきたいということでありまして、委員御指摘のとおり、小売電気事業者による高度化法の目標の達成を後押しする、それから、需要家にとっての選択肢を拡大しながらFIT制度による国民負担の軽減に資する、こういったことを目的にしたものでございます。

岡下委員 電力事業者側も、電気事業低炭素社会協議会を設立して、自主目標を掲げて取り組んでいるんですけれども、再生可能エネルギーの導入ベースが鈍化して、原子力発電の再稼働が順調に進まない現状において、我が国の非化石電源比率が二〇三〇年度時点で四四%をはるかに上回る水準に達すると見込むことは、私は、不可能、現時点では無理だと思います。

 また、みずから非化石電源を開発できる小売電気事業者は限られているため、多くの小売電気事業者は、この市場で非化石価値を調達する事態になると予想されます。そうなってきますと小売電気事業者は、市場で非化石価値を調達するか、あるいは供給電力量を減らすかのどちらかを選択せざるを得なくなると思うんです。さらに、小売電気事業者への追加負担は、電気料金への転嫁を通じて、産業界を初め、国民全体の負担となります。

 そうなりますと、FITで国民負担軽減というものを目的の一つに掲げながら、総額として電気料金の国民負担が増すというおそれも出てきます。

 電力システム改革貫徹のために同時に打ち出した政策のベースロード電源市場、そして非化石価値取引市場において、ベースロード電源市場で石炭火力発電の増加を促す、一方で、温暖化対策として小売事業者向けに非化石価値取引市場を創設して石炭火力を否定するということは、これはちょっと一貫性がないように思われます。

 また、ベースロード電源市場、非化石価値取引市場、どちらも原子力発電なくしては成り立たない制度ではないでしょうか。仮に、原子力発電による電気を卸取引市場に出すことを義務化するということであれば、リスクの分担はどうするのかという新たな課題も出てきます。

 これらの政策の根幹であるエネルギー基本計画は、二〇〇二年六月に制定されたエネルギー政策基本法に基づいて、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るため、二〇〇三年十月に初めて策定されました。

 基本計画は、少なくとも三年ごとに検討を加え、必要に応じ改定することが法定されていることから、二〇〇七年の三月、二〇一〇年の六月、二〇一四年の四月と改定され、ことしはエネルギー基本計画の見直しの年であり、来年は、エネルギーミックスの見直しをする議論が始まると思います。

 これまでるる御指摘申し上げてきましたけれども、私は、この際、エネルギー基本計画のあり方についてしっかりとした議論をする時期に来ているのではないかなと思います。

 過去のエネルギー基本計画をもう一度見直してみたんですけれども、当初は、石炭、石油というエネルギー源に原子力が加わって、エネルギーの安全保障という観点からも、原子力を推し進めて、国際問題である環境問題を解決するという目的で計画を立てていたと思います。したがって、このときはある程度中長期の見通しができていて、高い目標を立てても、方向性は見えていたと思います。

 しかし現在は、原子力に対する国民の理解がなかなか進んでいない、そして再生可能エネルギーの価格が下がらない中で、エネルギー基本計画やそのミックスで決められた比率、これも現実離れしてしまっている。したがって、基本計画やミックスを実現させる施策が、どんどんとその整合性がとれなくなってきているのではないかなと非常に心配しております。

 そこで大臣にお伺いをしたいんですけれども、このエネルギー政策というのは、国の非常に重要な政策で、重要課題であると思います。我々の子供や孫、あるいはその次の世代にもしっかりとしたエネルギー政策を引き継いでいく、引き渡していくという観点から、抜本的な見直しというものを今後検討されていくべきだと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いさせてください。

世耕国務大臣 まず、お誕生日おめでとうございます。

 委員御指摘のとおり、やはりこのエネルギー政策というのは、非常に国の根幹にかかわることだと思います。私もたくさん海外も訪問しますし、海外で暮らしたこともありますが、日本ほど停電がなくて、安定的に電力が供給されている国がない。これが国民生活の快適さにつながり、あるいは、やはり競争力の日本の一つの強みになってきているというふうに思っています。

 いろいろなデータとかを見ていても、例えば、五十ヘルツ、六十ヘルツで電力は運営されていますが、これが少しでもぶれるだけで大変な影響が起きるというようなこともあるわけであります。

 だから、そういう中でやはりエネルギー政策というのはよく考えていかなきゃいけない。特にその電源、今はずっと御指摘いただいているように、それぞれの電源にいいところ、悪いところがあるわけです。コストの問題から始まって、環境への負荷の問題、あるいは安定性の問題とか、いろいろあります。

 ですから、こういったものを特に何か一つのエネルギーにぐっと頼っていく、一つのエネルギーを過大に評価するんじゃなくて、それぞれのエネルギー源のいいところ、悪いところを冷静に見詰めて、そして、それを相互にうまく補完し合うような、バランスあるエネルギー政策というのをやっていかなきゃいけない。

 そういう意味で、安倍政権になってから一度このエネルギー基本計画というのを、考えに考えて、特に震災後の国民の考えとか、再生可能エネルギーをふやしていかなきゃいけない。また、環境問題というのも、特にCO2の排出というのがもう国際的なアジェンダになっているという中でどういうふうにやればいいだろうかということをすごく考えて、今のエネルギー基本計画、そしてエネルギーミックスというのを考えさせていただいています。

 ただ、これはここで終わりというのはありません。今御指摘のように、三年たちましたので、見直しの検討の時期に来ております。ことしは、まずこのエネルギー基本計画について法律上検討をする時期ということになります。このまま進めていく、かなり三年前もいろいろな状況を踏まえてじっくり考えた結果ではありますから、このまま進むという選択肢も含めて、あるいは、やはりいろいろな動向を考えて方向を少し微修正した方がいいのか、何か大幅に変えるということはないと思いますけれども、何らかの調整をしていくのか。

 予断を持たずにしっかりとことしは検討していきたいというふうに思っております。

岡下委員 ぜひ、エネルギー政策に精通されておられる世耕大臣のもとで、実情に即した政策を打ち出していただきたいとお願い申し上げます。

 続きまして、中小企業経営強化法についてお尋ねをさせていただきます。

 昨年七月一日に施行した中小企業等経営強化法では、事業分野別指針に沿って、経営力向上計画の認定を受けた中小企業あるいは小規模事業者が生産性を高めるための機械装置を取得した場合に三年間固定資産税を半減する、計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援する、そして、補助制度における優先採択をするなどの支援を受けられることになりました。

 ことし一月三十一日現在、一万三千四百五十八件を認定しておりまして、産業機械受注高や白物家電国内出荷額がプラスに転じている製造業が大半を占めております。地域別に見てみますと、大阪が千五百一件、東京が千三百十三件など、多く認定を受けております。私の地元、堺におきましても説明会を昨年十一月に開催しまして、ものづくり補助金や、あるいは省エネ補助金と同じぐらい、地元企業も関心を寄せております。

 こうした国の動きに合わせて、地方自治体の中にも、独自で、自分たちで中小企業を支援しようと取り組んでいるところもございます。

 鳥取県では、中小企業庁と連携して、生産性向上に挑む県内中小企業を対象に、新しい支援策を始めておられます。

 新しい支援策では、国から減税などの認定を得たい企業に対し、県の定める県版経営革新計画にも申請するように勧めております。ただし、申請様式は国の経営力向上計画と統一されておりまして、国の認定を取得すると同時に県の認定を得られるようにするというもので、補助として、一社当たり上限一千万円の助成金が受けられるという画期的な取り組みであります。

 この取り組みは全国初で、補助、融資、そして税制、この中小企業施策の一体化を実現したものであると思います。

 そこで教えていただきたいんですけれども、実際どのような成果が上がっているのか、具体的な事例を教えてください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のこの鳥取県の取り組みでございますけれども、中小企業等経営強化法が施行されたことを受けまして、鳥取県の御提案に基づきまして、国と自治体が一体的に中小企業を支援する、こういう目的で、昨年九月、中小企業庁と鳥取県の間で締結されました連携協定に基づくものでございます。

 御指摘のとおり、具体的には、鳥取県が、この法律に基づく計画の認定を受けた県内の中小企業に対して、設備投資、人材育成、あるいは商品開発など、この計画の実施に必要な資金を最大限一千万円補助するなどの支援措置を講じているところでございます。

 これまで、国では、鳥取県内の中小企業から申請されました経営力向上計画を五十一件認定しているところでございますが、このうち、鳥取県では既に十五件について支援していると伺っております。

 こうした中小企業の中には、例えば、機械部品の製造事業者が高性能な加工設備を導入して、雇用増加、そして人材育成も図り、生産性の向上を目指す取り組み、あるいは、酒造メーカーが共同で発泡酒の高品質化あるいは安定供給に向けた体制を整備して、国内全国、さらには海外に展開しようとする取り組みなど、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を高めて地域経済の活性化に貢献する事例が出始めているところでございます。

 このため、経済産業省といたしましては、こうした事例が全国各地で少しでも多く生まれるよう、引き続きこの法律に基づいた支援に努めるとともに、他の都道府県とも連携を強化する取り組みを進めて、地域における中小企業の経営力向上、さらに、それを通じました地域経済の活性化、これに努めてまいりたいと思います。

岡下委員 ありがとうございます。

 この中小企業対策というのは、その企業数が多いので、中小企業庁だけでやはり不十分な部分もあります。自治体が自助でしっかりと自分たちが汗をかいて、支援あるいはバックアップしていくというのが非常に重要になってくると思います。

 しかし、残念ながら私の地元の大阪ではなかなか経済が上向いてこないというのが実情でございまして、ぜひ地域間にばらつきが出ないように、こういう自助の努力がというのが当然ですけれども、そういった自治体に対しても、国の方からいろいろと目配りや指導、あるいは広報活動の強化等々をしていただけたら大変ありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 最後になりますけれども、東京オリンピック・パラリンピックに向けた中小企業の取り組みについてお伺いしたいと思います。

 東京都江戸川区のホームページを見ておりますと、オリンピックに向けた中小企業の取り組みを応援しますというものが出てきました。

 いろいろとございまして、国及び東京都では、二〇二〇年を東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた地域経済の活性化、中小企業のビジネスチャンス獲得のサポート等々していっていただいております。また、江戸川区におきましても、昨年セミナーを開催し、助成事業等もございます。

 オリンピックに向けて大変盛り上がってきておりますけれども、関東経済産業局において具体的にどのような取り組みをオリンピックに向けてされているのか。教えてください。

安藤政府参考人 今委員御指摘のように、オリンピック・パラリンピックを使いまして地域の活性化を図っていくということは大変大事でございます。

 平成二十六年でございますけれども、関東経済産業局に有識者を集めていただきました。こういった戦略プランを策定をさせていただきました。

 具体的に、当省の補助金を活用いたしまして、中小企業が開発した非接触式の充電式の電動アシスト自転車を使った観光客の誘致、こういったお取り組みを例えばさいたま市で行っていただいております。また、昨年の十一月でございますけれども、新虎まつりということで、東北の六魂祭を新虎通りで開催をさせていただいた。あるいは、志をお持ちになられております首長の皆さん方に首長連合というものを形成をしていただいております。

 こういった動きを、関東圏のみならず、オリパラを契機とした全国の地域、企業の活性化を目指してさまざまな施策を講じさせてまいりたいと思っております。

岡下委員 ありがとうございます。

 オリンピックは東京都だけのものではなくて、やはり地方の方々にも、皆さん大変興味を持っておられます。伝統技法等々もございます。日本の伝統産業品等、どんどん世界にアピールしていくためにも、ぜひそちらの分野においてもお力添えいただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

浮島委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 まず大臣にお伺いをしてまいりたいと思っております。

 一昨日の夜、アメリカのロス商務長官との電話会談が行われたと伺っております。来週にも訪米され、直接会談が行われる、その調整中であるというお話でございますが、今後の自由貿易を進める経済連携をどのように進めていくかについて、我が国の方向性につきましては、各国から注視の的でございます。

 昨日もデンマークの国会議員団が見えまして、浮島委員長と御一緒にお会いをいたしました。そこでもやはり、早く日EU・EPA、これをやりましょう、日本からもうんと圧力をかけてください、こういうお話もあり、また、先般はカナダの方たちがお見えになりまして、早速にカナダは、もうTPPがだめなんだから、とにかくバイの交渉をやりましょう、そういうふうになるのかという、ここは日本の方向性を探るようなそうしたお話で、すぐにお見えになったわけでございます。

 これにつきましても、今、多くの議論があるところですが、世耕大臣の所信表明演説をお聞きしておりますと、日EU・EPA、また質の高いRCEP実現など、複線的にさまざまなものを駆使しながら全てやっていく、同時進行で取り組んでいく、もちろんTPPも諦めていない、こういうふうに受けとめさせていただきました。

 今後どのように経済連携を進めていかれるのか、また、アメリカに対してどのような姿勢で臨まれるのか、恐らく具体的なお考えもあられると思いますので、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

世耕国務大臣 今、やはり世界では内向きの保護主義的な風潮というのが非常に強まっている中で、日本は、この国の性格からいっても、自由貿易というのがやはり国家のよって立つ根本的なところだというふうに思っておりまして、我々は、この自由で公正な市場をしっかりと世界に広げていく、これを目標に頑張っていかなければいけないというふうに思っています。

 TPPについては、残念ながら、アメリカはトランプ政権のもとでは離脱ということを表明されているわけでありますけれども、でも、一方で、この十二カ国があれだけの難しい交渉を通して合意ができたということは非常に大きい。特に、二十一世紀型の新たなルールを、単にこの関税交渉だけではなくて新たな貿易ルールを入れることができたということは非常に大きいと思っております。通関手続の問題ですとかデジタル貿易、知財、こういったことが中身に入ったというのは、これは大きな成果だというふうに思っています。

 先日の安倍総理とトランプ大統領の首脳会談でも、日本が引き続きこういった地域の自由貿易の枠組みの旗振り役を務めていくということについては、トランプ大統領もそこは了承というか、認識をされているわけでありまして、日本は引き続きしっかりとやっていきたいと思います。

 今御指摘の、まず日EU・EPAでありますけれども、これはできるだけ早期の大枠合意を目指していきたいというふうに思います。ちょっと思っていたよりも若干スケジュールはおくれていますけれども、論点はかなり絞り込まれておりますので、精力的に交渉を進めていきたいというふうに思っています。

 もう一つ重要なのは、やはりRCEPであります。これも、TPPと同じような質の高いルールも含む協定にしていかなければいけません。ただ、一部の国の中には、早く妥結をしよう、内容はどうでもいいとは言いませんが、低いレベルで早く妥結をしようというような動きが出ておりますので、ここは今、日本が前面に立って、質の高い、ルールも含めた合意内容にしようということで、先週も神戸で交渉官会合が一週間ずっと行われました。

 私も今、関係閣僚に精力的に、各国に働きかけています。この間も、フィリピンの担当大臣がお見えになったとき、会談をやりました。ゆうべも、きのうもマレーシア、シンガポールの閣僚と会談をいたしました。四月には、ASEANの経済閣僚を全部お招きして、じっくり日本でも議論をしていきたいと思います。

 あと、米国との関係であります。これは日米で経済対話というのを行っていくことになりました。麻生副総理とペンス副大統領を中心に行われるわけであります。これは、二国間というスタイルはとっておりますけれども、できればここで、日米がまさに日米でなきゃできないようなレベルの高いルールの議論を特に進めていって、そして、この日米で合意したルール、これをアジア太平洋地域へ逆に広げていく、マルチの自由貿易の一つの根幹にしていくというような取り組みができないだろうか、私はそういう考え方で、日米、臨んでいきたいと思います。

 おとといの夜、ロス商務長官と初めて電話で会談をいたしました。非常に経済のことをよくわかっていらっしゃる方でありますし、もちろん、ASEANの重要性とかマルチの枠組みの重要性ということも認識をされていると私は感じました。国会のお許しがいただければ、できるだけ早くワシントンを訪問して、ロス商務長官ともそういった議論をぜひさせていただきたいと思っております。

高木(美)委員 トランプ大統領もビジネスマンのトップの方ですので、恐らく、こうした経済産業の分野がどのように折り合っていくのか、そこは一番重要なところと思いますので、ぜひとも成功を心からお祈りいたします。よろしくお願いいたします。

 東日本大震災から間もなく六年になります。復興、特に廃炉に向けましては、きょう高木副大臣に御出席いただいておりますが、我が党から赤羽前副大臣、また高木陽介副大臣、土曜も日曜もなく、懸命に、精力的に取り組んでこられた御奮闘に対しまして、改めて心から敬意を表するものでございます。

 二月二十日、公明党の経済産業部会といたしまして、一年ぶりに福島第一原発の視察に行ってまいりました。毎年、長い廃炉への道のりでございますので、今後もともに歩んでいくという決意で引き続き取り組ませていただきたいと思っております。

 印象ですが、昨年に比べまして、自然光が差す、明るい新事務本館ができ上がりまして、一瞬、私は、スウェーデンの新庁舎かと思うような、本当に、明るい中で皆様が談笑されている姿を見ながら、もう胸がいっぱいでございました。軽装備で動けるエリアもふえまして、労働環境は一段と整備が進んでいると思っております。

 二号機と同じ構造を持つ五号機の中に入りました。ちょうど撮影された、発表された直後でございましたので、ロボットがどのような経路で進んだのか、また、細い棒の先にカメラを設置して撮影されたその模様であるとか、そのときの放射線量が計測位置のわずかな違いでどのように変化をしたのか、こうしたことも詳細に説明を受けました。

 一方で、マスコミ報道では、ロボットの投入については失敗だったとする論調が大半ですが、ある専門家は、これまで推定するしかなかった二号機の内部の状態が見えたのは今後の廃炉作業工程で大きな進展だとのコメントを寄せております。現場の方たちの感想も同様でございました。

 一号機から三号機の圧力容器底部であるとか格納容器は安定的に冷却されていることも確認をいたしました。

 また、汚染水対策も、凍土壁の整備を初め、着実に進んでいるという印象を受けております。

 このように、現地に立ちますと、廃炉に向けて一歩ずつ前進していると考えるわけですが、現在のこの廃炉に向けての進捗状況等につきまして、高木副大臣の御見解を伺いたいと思います。

高木副大臣 温かいお言葉、ありがとうございます。

 私も、経産副大臣に就任してから二年半の間に、福島に二百二十日以上入らさせていただいております。その中で、第一原発そのものにも二、三カ月に一度は中に入りながら、この廃炉・汚染水の進捗を確認してまいりました。

 そういった中で、この福島第一原発の廃炉・汚染水対策というのは四十年かかると言われておりますけれども、私も、スコットランドのハンターストンという、廃炉をしている原発を見に行ったときに、イギリスでは八十年かけて廃炉すると。そこから考えますと、かなり野心的な廃炉の取り組みだと考えておりますが、これは世界で前例のない困難な取り組みでございますので、中長期ロードマップに基づいて、迅速さのみを追い求めるのではなくて、リスクの低減を最重視した考えのもとで、安全かつ着実に進めていかなければいけないと考えています。

 リスクは現在三つございまして、一つ目のリスクは、使用済みの核燃料がプールに存在している。二つ目のリスクは、いわゆる溶け落ちた燃料デブリ。これは、圧力容器内の中、またはそれを飛び出して、格納容器内の中でしっかりと隔離されている。三つ目のリスクが汚染水でございます。

 この一つ目の使用済み核燃料は、もう既に四号機ではプールから全て取り出して、キャスクの中に隔離をしている。三号機においても、建屋の瓦れきを取り除きまして、その後、今現在は、取り出すための機器の設置に入っております。そういった状況がまず使用済み核燃料。

 デブリについても、これは今、高木美智代委員からもお話がありましたように、二号機にロボットを投入しました。

 実は、二年前に既に一号機にロボットを投入しまして、過酷な原発の事故というのは、皆様も御存じのようにチェルノブイリとそしてまたスリーマイルがございますが、チェルノブイリの場合には、原子炉本体が爆破してしまいましたので、石棺状態になっている。一方、スリーマイルは、デブリを取り出しましたけれども、これは、ロボットを初めて投入したのは、六年半かかりました。一方で、福島の場合には、あれだけの過酷な事故、瓦れきもある中で、四年半でまず第一号のロボットを投入している。そういった部分では、世界と比肩しても、かなり進捗しているというふうに考えても結構だと思います。

 その上で、二号機の調査をさせていただきまして、途中でとまりましたけれども、初めてこの格納容器内の状況というのがわかりましたので、今後、それを分析しながら、さらに次のロボットを開発してまいりますし、今月中には一号機に、これは蛇型、サソリ型というロボットがございますが、一号機は蛇型で前回入れて、今度はワカサギ釣り型といいまして、そこから今度は糸のようにカメラを垂らして水中を見る、こういう形をとって、順次、この現状をはっきりと把握をしながら廃炉に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 一方、汚染水対策、三つ目のリスクでございますが、これは、サブドレーン、地下水バイパスということでくみ上げてまいりますし、海側の遮水壁はもう既にできておりますので、港湾内にはこの汚染水は流れ込んでおりません。

 一方で、凍土壁でございますけれども、昨年の十月に海側は完璧に凍結をいたしました。そのことによりまして、この凍土壁の海側の部分でございますが、日量四百トンだったくみ上げ量が約百二、三十トン、三分の一まで減っているという、遮水効果が明らかに出ているという状況でございます。

 現在、山側の凍土壁をつくっているんですが、九七%凍結が済んでおりまして、残る部分を原子力規制委員会の認可をいただいた上で凍結を始めますので、そこを最後、規制委員会の方と調整をしている。こういう形で、最終的には早期に凍結をしてまいりたいと思います。

 こういった状況下の中で、やはりしっかりと安全にこの作業を進めていくということで、国が前面に立って取り組んでまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ありがとうございました。

 印象としましては、やはりタンクの数が大変ふえている。九百本というお話で、大体つくるのに一本当たり約一億円、しかも、これが一週間に一本ずつふえていく。中にはトリチウムですから、諸外国はほとんどそれをそのまま海水に流しているというところが多いわけですけれども、風評被害、漁協の方たちとの交渉もあられると思いますが、恐らくこれは、千ぐらいに達する段階では何らかの対策をとらなければいけないと思いますので、ぜひともその検討もお願いをしたいと思います。

 先ほどスウェーデンのお話がありましたが、昨年夏、調査議員団としてドイツのグライフスバルト原子力発電所に行かせていただきました。ドイツ統一後にソ連型のこの原発は安全基準を満たさないということで廃炉が決定されまして、一九九五年から作業が続いております。担当者の方が、全ての作業が終わるのは二一〇〇年ごろになるだろうと。やはり百年がかりなんですね。福島も急いではいけません、時間をかけるべきです、特に元素の半減期とか減衰期とか、それをよく見て、特にコバルト60、事を急げば作業員のリスクが増します、時間をかけてください、このようにおっしゃっていたことが忘れられません。

 したがって、一Fにおきましても、まず全容を解明していただく、その上でどのような廃炉への道筋を考えていくのか、ぜひともこの言葉も参考にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ただ、一方で、廃炉が進まなければいつまでも風評被害にさらされるという現地の方たちのお声もあります。この廃炉は、先ほど申し上げましたように、長い道のりの作業でございます。それだけに、広報のあり方が重要だと思っております。国際的にも、これ以上不要な風評被害をつくらないよう、広報体制の整備を求めたいと思います。

 先月、格納容器内へのロボットの投入によりまして溶け落ちた燃料デブリの様子が一部明らかになった際に、五百三十シーベルトという高い放射線量が検出されたと、世界にその数字が一斉に配信されまして、一部海外メディアでは全く違った報道が流れまして、その結果、日本旅行をとめるとか、さまざまな誤解が走ったために、大きな影響が生じることとなったわけでございます。

 諸外国にありましては、風評被害により、いまだ農作物の輸入規制を解除していない国々もあります。今後、政府が安心と安全を伝える広報をしっかりと行うべきだと考えます。

 当然、受け手によりまして、誰が聞くか、避難している方なのか、十二市町村以外の福島県民なのか、福島県以外の人々なのか、海外の方たちなのか、海外によっても温度差があります。それぞれそうした温度差がある中で、どのように広報を行っていくのか、もう一段検討を進める必要があると考えます。

 経産省、環境省、厚労省、外務省、農水省、ばらばらの広報体制を政府として一元化して、正確な情報が必要な受け手にきちっと届くように政府を挙げて取り組むべきと考えますが、お考えはいかがでしょうか。

小糸政府参考人 お答えいたします。

 復興庁におきましては、放射線影響に関する情報発信に関係省庁が連携して施策を推進する体制づくりを行っておるところでございます。

 先月、二月二十四日に開催をいたしました風評対策タスクフォースにおきましても、あらゆる機会を捉えて、農林水産物の安全性あるいは放射線影響に関する正しい知識、こういったものについて最新の情報を国内外に発信することを復興大臣から各省庁に指示をさせていただいたところでございます。

 特に国外向けといたしましては、多言語の情報媒体を活用した政府広報、あるいは外国要人、外国プレス、在京大使館に対する情報発信などにより、国外における理解の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。

 今後とも、情報発信を強化すべく、新聞、テレビ、インターネットなど、国内、国外、それぞれの受け手に応じた訴求効果の高い媒体を活用するなどにより、政府一体となって風評の払拭に努めてまいりたい、このように考えております。

高木(美)委員 ここは、例えば中国は放射線ということに対して知識が余りおありにならないですよね、特に国民の皆様の間には。また、韓国もぴりぴりとしながら、まだ日本の輸入規制を続けている。

 それぞれの国の状況によっても、ここもやはり温度差が違うわけですから、それぞれの国の状況に応じて、説明が必要なところ、大使館に直接行くべきところ、そうしたところをきめ細やかにこれからさらに進めていきませんと、せっかく進めているところが、福島全体が、また東日本全体が、日本が危ないみたいな、そんな報道が走ったものですから、これをしっかりと教訓にしていただきながら、そうしたことを本当に力を合わせてやっていただきたいと思うんですが、現地で苦労されている高木副大臣、いかがでしょうか。

高木副大臣 今御指摘のとおりだと思います。

 やはり、誰に対してどういう広報をするかということをしっかりと考えていかなければいけない。そのためには、それぞれの部署がそれぞれやるのではなくて、やはり情報を一元化しながらやっていくような広報体制も今後検討してまいりたいと思います。

 その上で、これまで、オンサイトとオフサイト、双方の効果的な情報発信ということで、やはり映像が一番わかりやすいということで、海外向けと国内向けの動画をそれぞれ作製してまいりました。特に、外国の要人と会ったときにはそれをお渡しして、見ていただいて、福島の現状はこうです、こういったことで、最新の国内向けの動画も三・一一に向けて、近日、近いうちに発表してまいりたいと思います。

 また、官邸と連携をいたしまして作製をしました海外向けの短編動画ということで、九十秒の動画を、これはネットで三十二万回再生されておりまして、さらには、今後、四月からですが、JALとANAの国際線にその九十秒動画をずっと流すように、また、成田と羽田にも流すような体制をつくりまして、やはりいろいろな形で広報として発信をしてまいりたい、このように考えております。

高木(美)委員 できれば副大臣級とか、ちょっとそういうところでもう一回見直ししていただいて検討していただくということをお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 御指摘、本当にそのとおりだと思います。

 官邸の副大臣会議なんかでは、高木副大臣から従来から重要性を訴えていただいていますし、各省でいろいろな用意をしているツールをお互い共有して活用して、今の短編動画なんかは非常にできがいいですから、これをぜひ皆さんに御活用いただくことは非常に重要だと思いますし、廃炉も含めて原子力関係の広報というのは、私はこれから、ちょっと余りやっちゃいけないみたいな感じになっていましたけれども、少し前へ出て、わかりやすくやっていくということは重要だなというふうに思っておりまして、今、省内でも少し検討をしているところでございます。

高木(美)委員 風評被害の防止、よろしくお願いいたします。

 続きまして、中小企業、小規模事業者の事業承継問題について伺います。

 今後、二〇二〇年には数十万人の団塊の世代の経営者が平均引退年齢に差しかかります。この数年が重要でありまして、待ったなしの課題でございます。現在、中小企業政策審議会におきまして、事業承継及び中小企業への支援体制について見直しの議論が行われていると伺っております。

 日本政策金融公庫総合研究所のインターネット調査によりますと、親族外承継が六割を超えていますが、六十歳以上の経営者のうち約半数が廃業を予定している、特に、個人事業者で七割が自分の代で事業をやめるつもりとしている、廃業の理由として後継者難を挙げる企業が約三割を占めている、そうした調査でございます。

 そこで、三月三日、公明党の経済産業部会で東京都事業引継ぎ支援センターを視察してまいりました。センターでは、平成二十三年開設以来、きめ細やかな無料相談に応じておりまして、後継者不在のMアンドA支援に実績を上げてきております。

 五年間の相談実績、これは東京におきましてですが、五年間の相談実績二千六百二十七社、そのうちMアンドAの成立は百十三件、要するに、セカンドオピニオンとして、公正中立な機関なので、本当のところを聞きたいとか、こういう質問も多くあるようでございます。全国におきましては、相談実績約一万四千社、MアンドAは五百五十件と伺っておりまして、既に全国も、各都道府県、こうした引継ぎ支援センターが設置されていると伺っております。

 ただ、潜在的なニーズ、また、これからの爆発的に伸びていくニーズを考えますと、一層の取り組みの強化が重要かと思います。人材の確保とセンターの拡充が急務と考えております。

 また、事業承継が進まない背景として、経営者が外部に相談しづらいという事情があるとか、また、仕事が人生という方にとっては、承継するということは自分の人生が終わってしまう、そういう思いもあられるとか、さまざまな状況を伺っておりますが、いずれにしても、事業承継の手前で行う潜在的な支援を必要とするこうした対象者の方たちの啓発とか掘り起こし、また、事業承継の後の支援まで一貫して行うような体制の確立が急務であると考えております。

 政府は、こうした危機的な状況に対しましてどのように取り組むおつもりか、答弁を求めます。

世耕国務大臣 事業承継、本当に重要なテーマだと思います。特に、六十歳を超えた経営者の方で、もう事業承継の準備をちゃんとやっているという人はまだ半数に満ちません。八十を超えた方でも半数に満たない。これはいろいろ思いもあるんだろうとは思いますけれども。ですから、後継者の選定も含めて事業承継の準備をしっかり進めてもらうということは喫緊の課題だと思っていまして、政策総動員してやっていきたいと思います。

 具体的には、今御指摘の事業引継ぎ支援センターというところ、まず、ここの体制を大幅に拡充しました。今年度予算で、今までは十二億円でしたけれども、今年度は十七億円に拡充をして、体制が弱い地域に、この支援センター、しっかりとネットワークを張りめぐらせていくということをやりたいと思います。

 また、なかなか見ず知らずの人に相談しにくいということがありますから、身近な相談相手とも言える、例えば同業組合とか、地域の商工会、商工会議所、そういったところに事業承継ネットワークを構築していきたいというふうに思っておりまして、これも二十九年度予算で二・五億円ほど措置をさせていただいております。

 また、なかなか言いにくい方には、自分で診断してくださいということで、診断シートという仕組みを入れていまして、それで自分でチェックして、これはまずいなという自覚を持ってもらうというようなこともやっておりまして、その結果をまた先ほどの事業引継ぎ支援センターへ取り次いでいくというようなこともやらせていただいています。

 また、御指摘のように、承継後の支援というのも重要でありますので、事業承継補助金というのを、二十九年度、創設をさせていただいて、二億円ほどの予算を今、予算案の中に入れさせていただいています。

 こういうふうに、いろいろな施策を使って、まず経営者に自覚をしてもらって、事業承継の準備にかかってもらうことが重要だと考えております。

高木(美)委員 この事業承継それから中小企業の支援のあり方につきましては、我が党からもまた提案をさせていただくつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、ITにつきまして質問させていただきます。

 第四次産業革命の時代におきましては、やはりIoT、今私たちはソサエティー五・〇と言っておりますが、IoT、ビッグデータ等の大量のデータを保有し、そうした情報を効果的に組み合わせ、分析することで、新たな付加価値が創出されます。また、あわせてイノベーションが生まれるわけでございまして、IT戦争の、IT戦争とIT業界は言っておりますが、その成功要件は、一つは膨大なデータを集める。二つ目にその処理能力、これはデータセンターなどバックアップする仕組みも必要というお話です。また、三つ目にIT人材ということでございますが、そこで、議員立法で官民データ活用推進基本法を成立させ、施行されたところでございます。

 アメリカ初め海外では、データのそうした時代の変化を捉えた企業が出てきておりまして、グーグル、アマゾン、アップルなど、データ集中が起きております。既に日本のビジネスITデータの半分は海外クラウドに依存しております。ただ、日本からはこうした企業はまだ出てきていないというのが現状でございます。

 一方、中期的には、これから、自動運転、ロボット、AI等の技術の進展によりましてデータの流通量が爆発的に増大していきます。これを全て海外に持っていくというのではなくて、国内でもその処理を実施することが重要と考えております。

 特に、我が国で守るべき農業の関係とか健康・医療データとか、また自動運転などのデータは、私はこれは国内に置くべきだと考えておりますし、その峻別も、どのデータはクラウド、どのデータは日本に置く、こうした峻別も求められる段階に入っていると考えております。

 こうした状況を踏まえまして、我が国におきましても、国内のデータ流通のルール整備や、データセンター業を含めたデータビジネスに対する支援を充実させていくべきと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

世耕国務大臣 御指摘のとおり、これから、第四次産業革命のIoTですとかAI、これの成否を握るのは、やはりデータの量、ビッグデータをどれだけきちっと流通させていくかというところがポイントだと思っています。

 今御指摘のようなグーグルとかアマゾン、アップル、これは消費者のビッグデータをだあっと集めているわけです。日本はなかなかもうここでは対抗するのは今からでは難しいと思います。

 ただ、日本にもいいビッグデータがあるわけです。一つは、例えば、日本は国民皆保険であります。レセプトデータという形で診療の基本的データがある程度電子化をされている。これをうまく使えばビッグデータになってくる。あるいは、ものづくり、オートメーション、ロボット化というのが進んでいます。ここでとれるデータ、これをビッグデータとして扱っていくとおもしろいことになるかもしれないということで、チャンスはまだ幾つもあるというふうに思っています。

 ただ、どうしても個人情報保護との関係、あるいは、個別の社が自分のところの企業のデータを出すのはちょっと怖い、嫌だというような動きがありますので、そういったところをクリアするために、データ流通の環境整備というのも重要だと思っています。

 個人情報保護との関係とか、あるいは、業界内でルールをつくっていって他社へ漏えいというようなことにはならないような仕組みとか、そういったことをしっかりやっていくことが重要だと思います。

 あと、国際的な枠組みも非常に重要でありまして、やはりアメリカはどちらかというと自由なんですね。やってみて問題が起こったら、それで、そういうところからグーグルとかが出てきている。ヨーロッパは逆に個人情報は非常に厳格でありまして、日本がせっかく個人情報保護法ができているにもかかわらず、まだ日本の仕組みが十分理解されていないということがあって、日欧の間のデータ流通の協定はできていないという状況です。これも非常にゆゆしき問題なので、できるだけ交渉を加速していきたい。

 いろいろな形でビッグデータ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。

高木(美)委員 申し上げましたデータセンターを含むそうした人たちへのまたバックアップも今後どのように進めていくのか、ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、田嶋要君。

田嶋(要)委員 民進党の田嶋要でございます。

 今、第四次産業革命の話が出ておりましたけれども、所信の中でも大臣がそのことを強調されておりました。「成長戦略の柱である第四次産業革命の実現に向け、」というふうにおっしゃっておりましたけれども、最初の質問は、ちょっと質問通告してございませんですけれども、一点確認をさせていただきたいと思います。

 「日本の強みと弱みを分析し、」ということで、第四次産業革命の実現に向けてということで、いろいろな分野で「人工知能やロボットを活用し、グローバルな競争に勝ち抜かなければなりません。」、そういった中で「日本の強みと弱みを分析し、」ということがございました。ちょっと通告がないので、今わかっている範囲というか、大変な知見をお持ちだと思いますので、どのように日本の弱みを捉えているかということを大臣の言葉で聞かせていただきたいと思います。

世耕国務大臣 いろいろあると思いますけれども、例えば、いわゆるプラットホームビジネスというのがやはりIoTの中では非常に重要であるわけですが、ここは残念ながら日本は、プラットホーム、なかなかとれているものがないというのが現状。

 これはでも、プラットホームがどんどん巨大化していますから、いろいろなものを吸い込んでいっている中でどう対応していくか。そういう中で、自動運転のようなものに関してどういうプラットホームを、これから組み立てていくプラットホームをどういうふうに考えていくかということが重要だと思っています。

 あと、もう一つ言わせていただければ、日本の企業経営というのはどうしても垂直統合ですね。垂直統合できちっとすり合わせをして、これは下請企業も含めて、完璧なものをつくり出していく。一方で、第四次産業革命がどうなっていくかというのを見きわめなきゃいけませんが、やはり、第四次産業革命は水平に連携をしていくということであります。

 ですから、こういった日本のものづくりの垂直統合が横型のビジネスにどう適用していくかなんというところもちょっと日本にとっては大きな課題なんではないかなというふうに思っております。

田嶋(要)委員 アベノミクスのスタートのころにはこういう言葉すらどこにもなかったような感じがいたしますが、それが成長戦略の柱というふうに位置づけられてこの間御表明をされたわけでございますので、ここは誰にとっても未知な分野でございまして、今ある職業の半分がなくなるとか、今ない職業に将来の若者たちは半分がつくとか、本当にどうなっちゃうのかなというのは、みんなが持っている不安でもあり期待でもあるのかなというふうに思っております。

 そこで、きょうは私はエネルギーの分野に関連した質問をさせていただくわけでございますが、このインダストリー四・〇、第四次産業革命が、エネルギーの分野、とりわけ電力産業のあり方にどのような影響を与えるのかなという点に関してまず大臣の御所見をいただきたいというふうに思います。

世耕国務大臣 どういう変化が起こってくるかというのはなかなか見きわめにくいわけでありますけれども、例えばIoTとかAIを活用することによって、再生可能エネルギーというのはなかなか安定しないと言われているわけですが、それを人工知能で最適にネットワークを構築して最適に分配することによって安定性を増すとか、そういったことは、第四次産業革命と電力事業の関係ということで今後起こってくる可能性はあるのではないかというふうに思っています。

田嶋(要)委員 少し第四次産業革命に関係する本も読みながらの質問でございますけれども、一つは、資源の最適化ということがこれからうんと進むのではないかということが言われております。

 それは、やはり先ほどの御質問の中でも出ましたが、ITの付加価値によるところが大変大きいのではないかということで、まずビッグデータがあり、それを人工知能が生かし、そしてIoTでネットワーク化していくというような組み合わせがよく指摘されるわけでありますが、同じタイミングで自由化が始まった日本の電力、そして来月からはガスということになってきますが、そうなってきますと、従来では考えられなかったような仕組みが電力の世界でも可能になってくるのではないか。

 私、一昨年デンマークに行かせていただいていろいろ自分の目で見てまいりましたけれども、そのときも前の大臣に申し上げたかと思います。日本のウェザーニューズの天気情報なども、そのビッグデータをデンマークは入手をしながら、予測ができないと普通なら考える天気の情報、そういったことの不安定さをビッグデータ、人工知能の力をかりながら克服をし、まさに不安定が不安定じゃなくなるような、そういう仕組みに切りかえているような印象を私は持って帰ってきたわけでございます。

 電力は、これまで安定供給というふうにずっと言ってきたわけでありますけれども、私は、ここは、まさに自由化の今入り口に差しかかっている中で、インダストリー四・〇、大きな可能性がある中で、逆に言えば、今までのやり方では非常にリスクを伴うのではないかというふうに思っているんです。

 これは、世耕さんもいられた通信の世界でも、四半世紀前にメーンフレーム型という仕組みがありましたけれども、それが徐々に分散型の仕組みになって、かつてだったらメーンフレームでしかできないような機能がそれぞれの家庭やそれぞれの地域で分散的にできるような時代になっているわけでありまして、そのこと一つとっても、これから、電力やエネルギーの分野でも同じようなことが確実に起きてくるのではないのかなというふうに考えております。

 もう一つ私が思いますのは、日本の強みと弱みということでいえば、強みと弱みは表裏一体ではないのかなというふうに思っているんですが、何かにつけ、やはり変革がおくれてしまうのが日本の特徴だと思うんです。しかし、その一方で、先行事例をしっかりと研究して、間違いのない第四次産業革命を進めていっていただきたいなという思いもございます。

 このエネルギー革命に関しても、自由化は大変おくれて日本はスタートしたわけでありますので、デンマークやドイツやいろいろな国の事例をしっかりと研究して、この分散型のエネルギー、ネットワークでつながれた発電の仕組み、そうしたものもこれからぜひしっかり取り組んでいっていただきたいというふうに考えておりますけれども、大臣、改めてその決意をいただきたいというふうに思います。

世耕国務大臣 今おっしゃったように、田嶋委員と私が働いていた電気通信業界、一昔前は、当然電話交換機というものを中心にネットワークが構成されるんだ、それが当たり前であって、今みたいなルーターのような機器がネットワークをコントロールしていくような時代が来るなんてことは、はっきり言って想像もしていなかったわけであります。また、今それが、ついに電話ももうそちらでやっていくというような時代になってきたわけであります。

 ただ、一方で、こういう変化というのは何か一年とか二年でぽんと起こったわけではなくて、やはり電気通信の業界も徐々に徐々にそういうところへシフトをしていって、今、いよいよもうアナログ電話を終わりにするかどうかという議論になっている。また、今総務省で行われていると聞いていますが、その議論の中では、やはり一方で、アナログ電話も安定的なところはあって、緊急通報とかはどうするんだという議論も出てくる、あるいは過疎地のサービスはどうするんだという問題も出てくるわけであります。

 電力も、今はもうグーグルが参入を考えていたりとか、いろいろな変化がこれから起こってくるというふうに思います。

 おっしゃるように、なかなか、日本は変革のスピードというのは必ずしも欧米と比べて早くないという面があります。そういった新しい動きにおくれることがないように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

 経産省としても、今御指摘のようなIT、ビッグデータと電力事業を組み合わせたようなことというのはもう視野に入れておりまして、例えば、多数の分散型電源を束ねて制御をして、仮想的な発電所、バーチャルパワープラントというのを構築して、電力の需給調整に活用するような先駆的な取り組みも始めております。

 しっかり安定供給ということはやりながら、こういった新しい動きにもきちんと対応してまいりたいと思っています。

田嶋(要)委員 資料の一に、これはデンマークの地図でございますけれども、エネルギーの分散化という資料をつけさせていただいて、これはデンマークの話になると必ず出てくる比較表なんです。

 一九八〇年代のデンマークは、ちょうど今の十電力体制の日本みたいなところなんです。でっかい発電所が、セントラルパワープラントというものがやはり当時はデンマークも当たり前だったということでありまして、恐らく、デンマークは最初から原発をやっていませんので、そういう意味では火力発電が中心。これが二〇〇〇年になると、二十年間に劇的に変わったということで、横文字ばかりで大変恐縮でありますけれども、分散型のエネルギーの社会に変わっていった。

 特に、CHPと書いてあるのは、いわゆるコジェネですね、コンバインド・ヒート・アンド・パワーということで、熱に関しては遠くまで届けるということが難しいというのは言うまでもありませんので、熱を最大限利用していくとなると必然的に分散型のエネルギー社会にならざるを得ないし、そして、例えば今の日本の発電というのは、エネルギー効率でいくとおよそ四割というふうに言われておりますが、残りは海に捨てられたり、いろいろ無駄になっているということもよく指摘されております。

 一昨年、私が視察したフィンランドでは、電力会社の発電の残りの六割の部分、圧倒的な部分が熱として地域供給も行われている。トータルとしてのエネルギーの効率が九〇%まで高められている。そういう電力会社の現場も視察をさせていただいたところでございます。

 まさにこの八〇年のデンマークから二〇〇〇年のデンマーク、こういったところに変わっていく取り組みが、今大臣がおっしゃっていただいたバーチャルなプラントということも大変重要な鍵になってまいりますので、どうかそういった取り組みを強力に推進していただきたいということと同時に、私が次に申し上げたいのは、大型の初期投資の伴う事業という形の、これまでの、この左側のセントラルパワープラントのような事業には、私は、これから極めて事業リスクが高まってくるのではないかというふうに、大変な強い危機感を持ってございます。

 その最初の例は言うまでもなく原発でございますけれども、改めて、三・一一、間もなく六年でございますが、原発の経済性についてお伺いしたいと思います。

 この間、大変いろいろございました。五から十になり、十が二十一・五になりましたけれども、そういった現状を踏まえて、大臣は、原発は今でも安価な発電の方法だというふうに、大臣になられてしばらくたちましたね、この間、集中的にいろいろなこと、講義を受けられたと思いますが、どうですか、素朴な印象として。今でも原発は安いと思っていますか。

世耕国務大臣 素朴な印象で言いますと、原発に絡んで出てくる金額はやはりでかいですね。ふだん、私が経産大臣になるまでは余り話題にしたことがなかったような金額が出てくるので、えっとなります、はっきり言って。

 ただ、一方で、分母になる発電量というのも非常に膨大でありまして、キロワットアワー当たり、単位当たりのコストということをやはり見ていかなければいけないんだというのを、この経産大臣になって半年の間、いろいろ学習をしました。また、これは私の感覚で言っているのではなくて、やはり専門家による算定という、これは民主党政権のときもやっていただいています。

 やはり原発は、発電コストとしてはキロワットアワー当たり十・一円以上。今、その後いろいろコストがふえているじゃないかという御指摘があるわけですが、これがまさに分母の大きさがきいてくるということだと思います。例えば、事故関連費用が一兆円ふえたとした場合の算定をしてもらいましたら、一兆円当たりふえる金額というのは、キロワットアワー当たりでいきますと〇・〇一円から〇・〇三円という専門家の試算が出ているわけであります。

 そういう意味で、いろいろなことはありますけれども、引き続き原子力発電というのは安価な発電源だということになるのではないかというふうに思っています。

田嶋(要)委員 今、小声でおっしゃいましたけれども、十・何とか、その先の「から」というのがやはりすごく大事ですよ。ほかの発電は大体のその単位コストが計算できるわけでありますが、政府のつくった二〇一四年の資料をお持ちだと思いますけれども、その資料の中でも、やはり十・一円からという、どうしてもそのひげがとれないんです。ということは、青天井なんですよ。どういう事故が起きるかでやはり原発のコストは予測ができないということを指し示しているんだろうというふうに思います。

 今、分母が巨大だという話がありました。そこがまさにインダストリー四・〇だと私は思っているんですよ。このデンマークの表、確かに巨大な電力、百万キロワットを一基でつくれる能力がある。それは本当に夢のような話です。ほかの装置ではなかなかそうはいかない。しかし、やはりほかの分野とは違う、えっとするような巨大な桁のコストの数字を毎日大臣は見せられているんだろうと思いますよ。だから、リスクも巨大、だけれども、発電する能力も巨大。当時はそれしか選択肢がなかったんですよ。だから、地熱発電の新設も一つもやらずに、みんな、七〇年代、八〇年代、原発に流れていった。東芝も含めて流れていったんですよ。

 しかし、今はそうじゃない選択肢がふえてきているよということなんです。それがインダストリー四・〇のエネルギー分野でのアプリケーションだと私は思いますよ。まさにこのデンマークをごらんいただいても、あのデンマークですら、やはり同じような国の形だったんです、エネルギー社会は。それがこの二十年、三十年の間に劇的に、当時人工知能がどこまで使えたかわかりませんけれども、ネットワーク、インターネットの力もかりながら、あるいはビッグデータの力もかりながら、劇的に変えてきたのがデンマークである。

 確かに、大臣の強調された巨大な分母。巨大な分母は必ずしもメリットじゃない、これからの時代。そして、一気に大停電が起きるんですよ、実際三・一一で起きたように。

 私は、そのような視点をしっかり持って、まさか大臣が原発は安いというような認識を安易に持っていただくことは非常に危険だというふうに思いますので、よくよく研究をし続けていただきたいと思います。

 そこで、しかし、表向きにはそういうふうにおっしゃっている大臣でございますが、私は、今の政府・与党の方針というのは、非常に国民にはわかりにくくて、ややもすると、表現はどうかと思いますけれども、二枚舌を使っているような印象も受けかねないと思います。

 一方で、そんなにいいものだったら、なぜ方針として依存度を下げなきゃいけないんですか、大臣。

世耕国務大臣 いろいろなファクターがあると思います。

 原発の依存度をなぜ下げるのかということでありますけれども、やはり一つは、かつて安全神話に陥って十分な過酷事故への対応ができなかった、あのような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省、国民の意識に向き合った深い反省、そういったことを踏まえて依存度を下げていくということだと思います。

 また、現実問題としては、新増設、リプレース、なかなかこれは難しいわけであります。今、当然、安全第一で、規制委員会にチェックを受けて、それをクリアしたものは再稼働ということになっていきますが、それが再稼働できるベースで考えても、現実的にかつてのような依存度ということはできない、一方で再生可能エネルギーというのも育ってきている、そういったことを含めて総合的に判断して、依存度を徐々に下げていこうというのが政府の判断であります。

田嶋(要)委員 かつて安全神話に浸っていた、そのとおりでありますし、深く反省もしなきゃいけないと思いますが、今は安全神話に浸っていないんですよね。

世耕国務大臣 かつて想定外というような言葉がありましたが、そういうことはないように、これは規制委員会が厳しい基準を設けて、そして、その基準にのっとって厳しく審査をしていただいているというふうに考えております。

田嶋(要)委員 だから、今はかつてのような安全神話には浸っていないわけです。そして、安全基準も厳格にして稼働させてきているわけでありますから。

 私どもの政党はもうゼロを目指すということを決めているんです。二〇三〇年代原発ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。だけれども、皆さん方は、原発は今でも安い、分母がでかい、大変すぐれていると言いながら、一方で、ではなぜ低減させなきゃいけないのか、私にはよくわからないんですよ。

 では、低減させる先にはゼロに行くんですか。ゼロにするとは絶対言いませんね。二〇とか二二とかとおっしゃっている。なぜ低減させなきゃいけないんですか。CO2は出さない、コストは安い、いいことばかりじゃないですか。

 私は不思議ですよ。おっしゃっていることは、何か国民に向かって、そして今度は何か原子力広報を強化するんですか。さっきはそんなことをおっしゃっていましたよね。だったら、今までの誤解を解いて、そういうことをしっかりと広報して、もっと原子力を使ったらどうですか。フランスは七五から五〇ですよ。日本は逆の方向を行ったらどうですか。いいことばかりじゃないですか、原子力。どうですか。

世耕国務大臣 そういったいろいろなファクターを組み合わせてエネルギーミックスというのをつくっているわけです。

 先ほども別の委員の答弁で申し上げましたけれども、それぞれの電源にはいいところ、悪いところもあるわけです。それをうまく組み合わせて安定的に、安価に供給をし、環境の負荷も下げるというのが重要であります。

 ですから、原子力発電もいいところと悪いところがある、そういうところを総合的に判断しながら、今の比率を我々は専門家とも議論をしながら決めさせていただいたわけであります。

田嶋(要)委員 ですから、皆さんの考える原子力発電の悪いところというのは何ですか。

世耕国務大臣 やはり、過去あれだけの過酷事故を起こしたという、安全神話に浸って過酷事故を起こしてしまったというこの反省というところは非常に大きいと思います、実際の問題として。

 そしてもう一つは、やはり新増設というのはこれからなかなか現実問題として難しい、そして、今から新規制基準に適合した安全の確認されたものを安全最優先で再稼働させるとしても、実際に新増設がなかなか難しいという中で、稼働できる原発は現実問題としてそんなに多くないわけでありますから、そこは我々はやはり現実のエネルギー政策を考えていかなければいけませんから、現実的に今の二二から二〇という答えになるわけであります。

田嶋(要)委員 私は非常にわかりにくいと思いますよ。安全神話には浸っていたけれども、大いに反省をして、二度と安全神話に浸らないようにしているわけですよ。だから、これからしっかりと広報も強化をしていただいて、確かに現実はそんなに簡単じゃないですよ、世論調査すれば六割、七割は反対しているわけですから。ただし、国民のそういう声のみならず、皆さん方は確信されておるわけですから、二度と安全神話には浸らない、CO2は出さない、そして原発は安い。いいことずくめじゃないですか。フランスの逆張りを行って、これから五割、六割、七割と目指していく、我が党はそうやっていくんだということをはっきり言った方がよっぽどわかりやすいですよ。原子力依存度は下げる、だけれども絶対ゼロにはしない、よくわからないですよ、言っていることが。

 本当に依存度を下げたいんだったら、私たちが言っているように、原発ゼロを実現することを目指さなきゃおかしいと思いますけれども、大臣、いかがですか。

世耕国務大臣 依存度ゼロにできるとは我々は現段階では全く確信ができないわけであります。現実的に、二〇三〇年のエネルギーの姿をあらゆる角度で分析をした結果、やはり、二二%から二〇%は原子力発電に頼らざるを得ないということであります。

 原子力発電の比率を例えば一〇〇に、極論ですよ、一〇〇に持っていったとしたら、これはこれでまたエネルギー安全保障上いろいろ問題があるわけなんです。やはり分散をしておく、ダイバーシティーを持っておく、エネルギー源に関して、これがやはり一番安全なんです。

 原子力発電だって、数年はもつと言われていますが、ウランそのものは輸入をしているわけであり、日本はやはり資源がゼロに近いわけでありますから、そういう意味で、いろいろな形でエネルギー源をいろいろな種類持っておくということが、エネルギー安保の観点からも最もバランスがとれているのではないかというふうに考えます。

田嶋(要)委員 再生エネルギーをどんどんふやしていくということは、御党も今の政府も同じように考えがあると思いますよ。だから一〇〇%原子力ということには恐らくならないんだろうと思うんですけれども、私は、再生可能エネルギーをやりつつ、それらを促進させながら、しかし、皆さんの考え方をしっかり聞けば、残るところは、再エネで残った部分は全部原子力でやられたらどうですか。そうすると、国民には違いがよりはっきりわかってくるんじゃないのかなと思いますよ。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 次に、やはり私たちは、当面は、化石エネルギーの中でもLNGを基幹的な位置づけをしてやっていくしかないなと思っています。理想ではありませんが、これは何度も御指摘していますが、石炭火力にはやはり相当な難点があるという思いもございまして、LNGということで次にお話をさせていただきます。

 先ほどもトランプ政権の話が出ました。エネルギー分野も大変大きな分野でございます。また、今度訪米されるというようなことも書いてございましたけれども、どのように日米の具体的な共通の利害の分野を考えておられるのか、余り長くない答弁でお願いをしたいというふうに思います。

世耕国務大臣 まだこれから、日米経済対話は枠組みも含めてスタートをする前の段階でありますから、ちょっと予断を持ってお話はしたくありませんが、この間、日米首脳会談で合意された中には、その経済対話の中の三本柱がありまして、その分野別協力の中にエネルギーというのも入っているわけでありますから、当然、今後、経済対話で議論をしていくことになるだろうというふうに思います。私も、今度もし訪米、お許しがいただければ、ロス長官だけではなくて、新エネルギー長官ともしっかり会談はしてきたいというふうに思います。

 特に、アメリカということになりますと、やはりシェールガスが産出をされております。もう既にLNGタンカーで第一号は一回日本にやってきております。パナマ運河も拡幅をされまして、最新鋭のLNGタンカーが通過できるようになっていますから、アメリカからLNGを輸入するというのは、日本にとって現実的な選択肢の一つになってきているわけであります。

 ここが、日米、どういう形でお互いの利害に一致する形になるのかどうかというのは、今後の議論次第ではないかというふうに思っています。

田嶋(要)委員 おっしゃるとおり、貿易のことが焦点になっておりまして、特に自動車関係などは風当たりが強くなっていると思いますが、御案内のとおり、各国との間の日本の貿易収支を見ますと、圧倒的にアメリカに稼がせてもらっていて、その稼ぎはほとんどが中東を初め資源国に対する支払いに回っている。そういう構図が日本の貿易立国の現状であるわけでありますので、素人考えではありますが、やはり自動車は大変な輸出になっているけれども、では、我が国がこれからしっかり買えるものとして何があるのかなと考えたときに、やはり、エネルギー革命と言われている、純輸入国だったアメリカが純輸出国にもなってきたこのLNGの、シェールガスの革命というのが私たちにとっても大きなチャンスではないかなというふうに考えております。今大臣の御指摘が先にあったところでございますけれども。

 それでは、そもそも私、これは素朴な疑問でございますが、世界最大のLNG調達国である日本、これは第一位が日本、第二位が韓国ということで、両国を合わせて五割ぐらい。LNGですから、天然ガスのうち液化して買わなきゃいけない国ですね、島国のような日本は。あるいは、アジアには余りとれないということで、タンカーで持ってこなきゃいけないわけでありますが、なぜ日本の購入価格というのは、世界で最も高いというのは言い過ぎかもしれませんが、大変高い値段で、原油リンクの高い値段で買い続けなければいけない、そういう状況に今日まであったのか。普通考えたら、一番でかいバイヤーですから、一番価格交渉力があって、世界で一番安く買えている。もちろん、液化代とフレート代は乗っかると思いますよ。しかし、液化代とフレート代を乗っけた部分以外に上乗せされるなんということは、いわゆるアービトラージとか、そういうことを考えたってあり得ないと思うんですよ。

 世界最大のバイヤーが何でこんな高いものを買っていたんですか。そこはどういうふうにごらんになっていますか。

世耕国務大臣 私も委員と同じような問題意識は持っております。

 ただ、今御指摘のように、どうしても、パイプラインで簡単とは言いませんが、持ってこられる大陸にある国と比べて、日本はやはり液化をしてタンカーで運んでいかなければいけない。その液化天然ガスの液化施設などには巨額の投資が必要となる。これは、積み出す側も、産出国側もそうですし、受け入れる側もそういうことになるわけでありまして、かなり長期的な資金が必要なプロジェクトということになるわけであります。

 ですから、日本はそういった産出国側への投資も含めてかなり長期的な契約をしていかなければいけないという状況であったので、原油の高いときに長期契約したものが、今現実に我が国のLNG価格が割高だという状況になっているわけであります。

 私、これをこのまま放置していいとは思いません。今、LNG産消国会議、産出国と消費国会議というのを東京で開催をしています。

 例えば、仕向け地条項というのがあるわけです。これは、本当は買ったものだから転売自由なはずですが、仕向け地条項というのがあって、日本が買ったら日本で使うしかないんです。例えばこういう仕向け地条項を外してくれとか、あるいは、もっとオープンで自由なLNGの取引マーケット、日本が最大のバイヤーですから、これはきょう答弁勉強会でスタッフからは言わないでくれと言われまして、私はそういうマーケットを日本につくったらいいと思います。そういう取引所を日本につくってやっていくなんということも考えればいい。

 先ほどから御指摘のアメリカのシェールガスは、仕向け地条項がないんです。あるいは価格も、原油連動で常に変動している価格ということで、いかにもアメリカらしいと思いますけれども、こういったものも、ですから、これからそっちへ行くぞというようなことを言いながら、今の日本がたくさん買っている国々と交渉していくなんということも重要だというふうに思っています。

 割高感は私も実感をしますし、改めていかなければいけないという思いを持っております。

田嶋(要)委員 資料の二をごらんいただきたいんです。経産省の資料でございますが、世耕大臣が着任後そういう問題意識を持って頑張っていただくのは大いに結構なんですが、前任者や前任者やそのまた前任者は何をされていたのかなというのが素朴な疑問です。これは別に最近始まった乖離ではないですよ。

 ちょっとこれは色がついていなくて申しわけないですけれども、先に欧州の方がガスの自由化で下がり始めてきた。そしてアメリカは、上に書いてあるとおりでございます、シェール革命によって価格が下がってきた。ですよね、これは経産省のペーパーですから、世耕さん。

 要は、もうずっと前からこういう乖離状況が長年続いているわけですよ。これは三・一一前の話ですよ。三・一一前からこういう事態が起きてきて、何で世界で一番買っているのにこんな高く買わなきゃいけないんだという話は、当然、もう十年も前から議論があってしかるべきだというふうに私は思うわけであります。

 そこに関して、恐らく総括原価主義みたいなことも含めて、怠慢と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、一円でも安くという努力を、あるいは国が民間とも連携しながらそういうことをしっかりと仕掛けていく、あるいは、バーゲニングパワーがあるわけでありますから、そこをもう少し強気に、初めて仕向け地条項が外れるような話を今ごろ言うんじゃなくて、本来もっと昔からそういう交渉をしていなきゃいけなかったのに、できていなかったんじゃないのかなと勝手に想像するわけでありますけれども、その辺の評価はどうですか、大臣。

世耕国務大臣 この表、ちょっと色がついていないのでわかりにくいんですが、乖離が始まったのは民主党政権のころじゃないかななんということは言いません。経産大臣政務官をやっておられたんじゃないかなということも言いませんが、これはお互い、国の、国益のテーマとしてしっかりやっていきたい。

 今御指摘のように、電力業界あるいはガス業界は、やはり規制に守られて、総括原価主義に守られてコスト意識が低かった。高いガスを買ってきても、それを原価として消費者への価格に転嫁できたというところがあったと思います。これはぜひ、自由化を通じて、しっかりとした競争で、安いガスを調達してきた人間が電気代を安くでき、ガス代を安くできて、競争で勝っていく、こういう構造の中で改革をしていかなければいけないと思いますし、国としても、マーケットを創設するとか、仕向け地条項の撤廃へ向けた交渉をしっかりやっていくとか、そういうことで価格の低下に努めてまいりたいと思います。

田嶋(要)委員 これは、もしわかったら、アメリカ、それから、まだ始まっていませんがカナダ、それから、我々が上流を押さえたオーストラリア、この辺のような国々との取引は、資料によっても、これまでの国営のような相手とは大分違う、市場原理にもう少しのっとったパートナー、我々にとってはむしろ組みやすいのではないのかなという感じもしますが、そういう、供給側が多様化し量がふえるということは、当然価格には下の圧力がかかるわけでありますけれども、今までの中東などのそういうところとの交渉はもう既に変化の兆しが出ているんですか。どうなんですか。その辺、もしわかったら。

世耕国務大臣 私もカタールの担当大臣とか関係者と議論はしていますが、そこはなかなかまだかたいというところがありますし、そもそも中東のLNGは日本企業自身が投資をしていますから、やはりそれの回収ということも考えていかなきゃいけないという側面があろうかと思います。

 ただ、多様化は非常に重要だと思っています。これは、アメリカのシェールガスだけではなくて、例えば、ロシアからLNG調達、あるいは、まだ構想にもなっていない段階ですが、パイプラインで持ってきたらどうだというような話もあります。あるいは日本自身も、メタンハイドレートもあれば、日本の海域、最近アジアの海底からかなり天然ガスが出てきていますから、もう少しそこも本腰を入れて、日本の国内でのガス田開発なんというのを進めていって、いつでもそっちへ乗りかえるよというバーゲニングパワーは強めていく必要があると思っています。

田嶋(要)委員 今御指摘あったそういった分野も当然、半分は夢物語かもしれません、なかなか実現しないかもしれないけれども、大いに期待をしたいところですが、やはり当面の基幹には、今後、CO2のことも考えれば、LNGが大変な期待を寄せられるところでございます。

 私からの最後のこの件に関する質問ということでございますけれども、やはり今、原油価格が落ちついている、だからまだいいけれどもという話はよく聞きますね。電気料金はそれでもいろいろな事情で上がってきているわけでありますけれども。そうした事態が、原油の現状が、また将来、いつ何どき、世の中は無常でございますので、価格が変動する、高騰するような事態が発生することも当然あり得るわけでありまして、我々は、この期間、ある意味チャンスをいただいている、期間のメリットをいただいているというふうに思います。

 やはり、次に何らかの事情でそうした原油価格の高騰が起きないとも限りません。そういうときまでに、お尻を切って、原油連動の今のLNG調達価格が抜本的に改善をされていくように、これは、今までのようなお尻を切らないアプローチではなくて、民間との協力というようなこともおっしゃいましたけれども、ぜひ世耕さんが大臣の間に大きく前進させていただいて、日本が世界最大のLNGのバイヤーらしい、安価で安定したLNG供給を受けられるような構造に、仕向け地条項も含めて切りかえていっていただくということを、決意の御答弁をいただきたいと思います。

世耕国務大臣 ちょっと、前の答弁を一点修正させていただきたいと思います。

 アメリカのLNG、私は原油価格に連動と言いましたが、原油価格連動ではなくて、これはヘンリーハブというガス価格に連動ということで、ここはちょっと訂正をさせていただきたいと思います。

 その上で、ともかくLNGの調達のあり方、契約の枠組み、これは変えていきたいというふうに思いますが、相手もあることでありますし、日本企業自身も関係しているというところがありますので、いついつまでにというのはなかなか難しいと思いますが、もう既に去年の五月には、流動性の高い国際LNG市場を構築するとともに、我が国がハブとなって中核的な役割を果たしていくための包括的な取り組み、その戦略をLNG市場戦略としてまとめております。この戦略にのっとって、仕向け地条項の撤廃ですとか、あるいは我が国のLNG需要を反映した価格指標の構築、こういったことをしっかり進めていきたいと思います。

 あと、買い手側も、最近は、東京電力と中部電力が火力を統合して、これは統合すると本当に巨大な一社としてのLNGの購入会社ということになります。非常に交渉力も強まるというふうに思っておりまして、こういった戦略的な取り組みをいろいろな形で打って、LNG価格の低廉化に努めてまいりたいと思います。

田嶋(要)委員 本当にもっと早くからやってほしかったわけでありますけれども、高どまりの原因は、外に対しても理由を指摘することはあっても、やはり我々のできることは、日本でできることはまだたくさんあるというふうに思います。仕向け地条項にも一つ風穴があいたということでございますので、ほかの国との交渉にも使っていただきたいと思いますし、今の東京電力の話も結構なことだと思います。もともと世界最大のバイヤーでありますが、さらにバーゲニングパワーを上げていってもらいたい。

 あるいは、今まで長期契約が多いという話もございますが、最近はスポットが三割ぐらいまで上がってきているということでありますが、別に長期契約だと値段が高いというわけでもこれはないわけでありますので、まさに、長期契約、短期契約、スポット契約のそれこそベストミックスをよく考えていただいて、これからも定点観測を私もしていきたいというふうに思っております。

 これが当面、二〇五〇年までの日本のエネルギーのコストに与える影響は、私は非常に重要な要素になるんだろうというふうに思います。石炭火力以上に、今、燃料価格の部分が大きな割合を占めるのがこの天然ガス火力発電所でもございますので、発電コストという意味でも大変重要な要素になりますので、引き続きの御努力を、後ろ、お尻を切って、ここが大事ですよ、お尻を切ってやっていただくということをぜひお願いしたいというふうに思います。

 次に、今度はまた同じく電気料金のことでございますが、さまざまな理由で電気料金が上がっている。ちょっと時間が押しておりますので一点だけ、これは政府の方でも結構でございます。

 今、電気料金の明細書、我が家にも届くのを見ると、いわゆる再エネ賦課金というのが入ってございます。この再エネ賦課金というのは、言うまでもなくFIT制度のもとで始まっていますが、未来への投資ということもあって、国民挙げてこれを応援していかなきゃいけないわけでありますが、ドイツなどの先行事例、まさに先にやったところ、日本はおくれて始まりますから、逆に言えば、先行の失敗も成功も参考にしながら改善に取り組むことができるという意味で、私はこの再エネ賦課金に関して、一つ御検討の提案を申し上げたいわけでございます。

 ドイツなどは、一年間に導入する量の制約というようなことをやりました。去年のFIT法の改正でもいわゆるオークションのようなこともスタートさせるわけでありますが、昨日の安倍総理も、風力発電も強い反対があるなんという話もありましたし、メガソーラーもいろいろな課題がある。

 この辺は負の部分として私たちもしっかりと検証していきたいというふうに思っておりますが、一つの試みとしまして、賦課金の毎年の総額というものに、将来、まあ来年、再来年ということではないけれども、二十年の買い取り期間が終わるころの前後、二〇三〇年代になると思いますが、二〇三〇年代にピークが恐らくやってくるだろうと思います。そのときにやはり国民の悲痛な声の高まりということももちろん考え得るので、私は、一つ検討していただきたいこととしましては、やはり、賦課金の繰り延べ、それからキャップを設けるというようなことも一つ可能性としては検討に値するのではないのかなと。もちろん金利の負担みたいなことが出てまいりますが、その辺、一つ御提案を申し上げたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。

藤木政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、再生可能エネルギー、特にFIT制度のもとで導入を進めていくということになった場合、この賦課金というのが高騰していくということが問題になってきているわけでございます。

 一方で、この賦課金に関しましては、現在、法律上は、再生可能エネルギーを買い取った量に応じて当該年度に電気事業者が需要家から回収する賦課金ということで、年度の中で処理するということになっているわけでございます。

 この賦課金のキャップを設ける、キャップを設けた結果、それ以上は導入させないというようなことも一つの議論としてはあり得るというふうに思いますが、一方で、では、これを繰り延べる、再生可能エネルギーは導入するけれども、賦課金はキャップをはめる、そうすると足りない分が出てくる、その分は借り入れを起こさなければならない、こういうことになってくるわけでございまして、まさにこれから二〇三〇年に向けて買い取り費用がどんどん増大していくという過程では、債務がどんどん累積していくということになりかねないというふうに思っておりまして、御提案ではございますけれども、なかなか繰り延べというのはこのFITの制度というのになじみにくいのではないかというふうに考えている次第でございます。

田嶋(要)委員 このFIT制度そのものが、市場原理ではない形で計画経済的に最初の部分を支えるということでありますから、日本はいろいろ物が高いわけでありますが、風力も太陽光も現時点で大体ほかの国の二倍ぐらいコストがかかっているというような現実がある中で、当面は負担がかかるけれども、将来、再エネ立国をしていくときには、やはり重要な入り口に今あるわけでありますので、おっしゃるような欠点はもちろんありますが、私は来年からずっとというような提案を申し上げているわけじゃなくて、二〇三〇年代のことを予測しながら、大体最高でどのぐらいの国民負担に一年間になるのか、そういうこともあります。

 そういう中で、量を規制するというやり方と同時に、その年の国民の負担を一定程度までにキャップをかけるという選択肢も御検討をいただきたいというふうに考えてございます。

 それでは最後に、副大臣、時間をかけて、お待たせしまして失礼しました。省エネの話を少しさせていただきたいと思います。

 私ども民進党も、この間、エネルギーのことをいろいろ研究する中で、省エネは、日本はすごくやってきた部分とすごくやれてこなかった部分がある。まず、そういう現実をしっかりと理解をしなければいけないというふうに思います。

 けさテレビを見ていたら、三・一一前の冷蔵庫と今の冷蔵庫では、もう既に四三%省エネができているんですって。たった五、六年の話ですよ。もう日進月歩で省エネは進んでいるというのが、まさに経産省の分野での成果であります。

 だから、トップランナー制度なども含めて、こういう単体は非常によくやっているという評価ができると思いますが、しかし、もうちょっとつぶさに見ていくと、まだぬれ雑巾のような状況にあるところ、どこかで聞いた言葉でございますが、ぬれ雑巾のような状況も多々あるのではないかなというふうに思っています。

 省エネ法がその柱でございますけれども、省エネ法は、特定事業者というものを定めて、年平均一%以上のエネルギー消費効率の改善を努力義務としております。

 そこでお尋ねしますけれども、いろいろな企業に対してこういう努力義務がありますが、例えば、設備投資を行って一〇%の省エネ改善ができたら、それは十年分の努力を評価するという仕組みに今なっているんでしょうか。

高木副大臣 今御指摘いただきましたけれども、この省エネ法のもとで、設備更新、こういった形でエネルギーの消費効率の大幅な改善を促すことは大変重要でございますが、他方で、設備だけではなくて、運転と保守点検などで運用改善するというのもございますので、そういった意味では、今御指摘いただいたような形はございません。

田嶋(要)委員 保守、運転の努力も大事なのは言うまでもございませんが、ちょっとこの今の仕組みは、中小企業の投資のインセンティブというよりは、むしろディスインセンティブになっているという印象でございます。

 初年度に初期投資をして劇的にその機械によるエネルギー消費が改善されたんだったら、むしろボーナスをつけて評価してあげられるような仕組みに逆にしないことには、皆さん方、民間投資をふやしたいわけですよ。私も協力しますよ。そのために、ちまちまとと言ったら表現が悪いけれども、日々のこつこつした努力の省エネも大事だけれども、やはりまだまだ省エネは不十分。

 資料をお配りしておりますので、六ページをごらんください。

 生産設備の老朽化は当然日々進んでいくわけでありますが、「三丁目の夕日」の時代に投資をしたものがたくさん残っているというのも現実であります。そんなことは世界じゅうどこでも当たり前ですよ。設備投資というのは非連続でありますから、日々の努力とは違う性格です。しかし、日本の場合もその例外ではなくて、特に、投資をしてから十年、二十年、三十年、老朽しているものがたくさんあるし、三百八十五万者の中小企業がそういうものを抱えているわけであります。そこをどういうふうにして設備投資を進めていくかということをぜひともお願いしたい。

 もう一つ御提案は、省エネ法の、今申し上げた特定事業者。一定年数を経過した生産設備を有する事業者というものもこの特定事業者に加えたらどうか。要するに、今、年間何キロリットル以上の消費をしているというルールでございますけれども、これはちょっと細かい話ですが、こういう細かいところに私はポイントがあるような気がしますけれども、いかがですか。

高木副大臣 委員御指摘いただいたような問題意識をしっかり持って、検討はこれからも進めていきたいと思います。

 ただ、中小企業また小規模事業者というのは本当にさまざまな形でございますので、ただ単に、すぐに設備投資ができる状況かどうか、こういったこともございますので、そういった部分も含めて今の御提案をしっかりと検討してまいりたいと思います。

田嶋(要)委員 中小企業は、やはり数が多くて、一つ一つは小さい、経営力も厳しい場合もあるので、なかなか簡単ではありません。大きなところからしっかり押さえるというのは正しいアプローチだと思いますが、なかなかしっかり押さえられていない部分がたくさんあるんだということです、そこに働いている人も七割いらっしゃるわけですから。そういうことをやはり次のステップとしてぜひ経産省には考えていただきたい。

 それから、時間が来ておりますので最後にお尋ねしますけれども、やはり産業分野以外にすごく可能性が、ポテンシャルが大きいということで、大臣に今度はお尋ねしますけれども、住宅分野、これは国土交通省かもしれないんですけれども、これは、最近、私もあちこち見てきて、つくづく、本当に思いますよ。断熱なんというのは中小企業の分野ですよね。地域にお金が落ちますね。工務店さんにやはりお金が落ちるわけですが、まさに今まで断熱が進んでいなかったがゆえに中東にお金を払っていたのを、中東にお金を払うかわりに地域の工務店にお金を払うようなビジネスモデルに転換をしていくということをドイツなどはやってきているわけであります。

 私は、日本の特徴として新築が大変多いマーケットでありますから、まさに、新築の部分に関してそうした制度を行っていくことによってリフォーム産業を経産省がしっかり応援をして、そして同時にエネルギーの無駄をなくしていくという分野が、この中小企業とはまた違う分野として、家庭に関して大変大きな可能性があるというふうに考えてございますが、大臣、最後は聞けませんけれども、その点に関して、最後、決意をお願いしたいというふうに思います。

世耕国務大臣 私も去年、自宅のガラスに断熱の素材を張ってもらいましたら、やはり夏のエアコン代が激減しまして、本当に断熱というのは重要なんだなということがよくわかりました。そういう意味で、省エネをしていくということも重要な電源だというふうに私は思っております。(発言する者あり)いや、これは工務店さんにお願いしてやってもらったんですけれども。

 今、ゼロ・エネルギー・ハウスというようなものも出てきておりますので、なるべくこういったものを、これから住宅を建てる、あるいは賃貸に入られる方もわかりやすいような表示というのもしっかり工夫をしていく必要があるだろうと思っております。

田嶋(要)委員 やっているのはそのとおりですけれども、ちょっと歩みがやはり遅い感じがしますね。

 エネルギーパスという団体がありますけれども、まずは見える化させていくことです。見える化するとびっくりします。既存の流通している家も含めて、そのことをぜひとも力を入れていただきたいということをお願いしまして、質問とさせていただきます。

 以上です。

浮島委員長 次に、近藤洋介君。

近藤(洋)委員 民進党の近藤洋介です。

 本日は一般質疑の機会をいただきまして、委員長、そして理事の皆様に感謝を申し上げます。

 早速質問に入ります。

 世耕大臣、日経ビジネス、二月二十七日号、資料を配付させていただいておりますけれども、特集、お読みになられましたでしょうか。経済産業省が特集をされております。

 これは日経ビジネス本体でありますが、表紙の方は皆様方にも配付をさせていただいております。白黒でどうも済みません、恐縮なのですが、実物はカラーでございます。このカラーのものを見ますと、大臣らしき人物が国会議事堂を支えていらっしゃる挿絵での表紙でございますが、題して、「すべる経産省 舞台広がれど視野狭く」、こういう表題でございます。

 この「すべる」という意味は、私は最初、こける、つるっとする、まあこの時期、ちょっと受験生の方々がいるので禁句の言葉でございますが、そういう意味かなと思ったら、中身を読むと、最初のリードで、統括するの「統べる」というふうに筆者は書かれていたので、両方の意味も兼ねているような記事でありますが、中身はいろいろなことが、菅原次官の巻頭インタビューから始まって、いろいろなことが書かれております。

 まず大臣、この表題、「すべる経産省 舞台広がれど視野狭く」、そして、この表紙について御感想を伺いたい。

世耕国務大臣 私は日経ビジネスは毎週必ず読んでいまして、その表紙に私の勤める役所と私とおぼしき人間が出たということは、これは非常に栄誉なことだというふうに思います。

 ただ、イケメンだとは言いませんが、もうちょっといい顔していないかなという思いもありますし、何で国会議事堂を支えているんだろうという気もしております。

 あと、タイトル、「すべる経産省」、これはつるっと滑るという意味だと本当に困りますし、中に書いてあったように、統括する統べる、これも私は余りよろしくないと思いますね。産業界に対して我々はお手伝いをしてお支えをする役割でありますから、そういう意味でちょっと「すべる経産省」というのは、余り好きなタイトルではありません。

 ただ、中は読ませていただきました。厳しい見方はされていますけれども、経産省へのエールとして受けとめたい。舞台が広がっているんだから、視野を広く持って頑張ってくれというエールだと受けとめたいというふうに思っております。

近藤(洋)委員 この特集記事、いろいろ経産省の最近のことを書いておるわけでありますが、特集にはやや辛目に、「日本の頭脳が犯した四つのエラー」、こう題して、判断を誤る、そして攻め切れない、守れない、見ていないと、かなり厳しくそれぞれの事象を分析しております。もちろん、現場で奮闘している皆さん方のことも書かれておりますし、大臣の思いというのも書かれていますからそれぞれバランスをとっているわけでありますが、いずれにしろ、無名より悪名ということでしょうし、厳しく書かれるのは悪いことではない、こうは思うわけでありますけれども。

 この中で、まさに守り切れないという中でエレクトロニクス産業が取り上げられております。きょうはその電気分野を私は取り上げたいと思うんです。今まさに、その巨大企業が苦しんでおります。東芝であります。

 本日の一般質疑では、この東芝について、集中して大臣及び経済産業省、政府の見解を伺っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 配付資料の二枚目をごらんいただければと思います。

 東芝が事実上といいましょうか、正式な決算発表は三月十四日でありますが、既に一カ月前に見通しの数字を発表しておりますので、事実上、現時点でも債務超過に陥り、二〇一七年三月期の決算見通し、三千九百億円の連結ベースで赤字を、見通しベースですけれども、発表しております。大変大きく報道をされているわけであります。

 従業員数、連結ベースですが十八万八千人、国内でも十万人を超える従業員。そして、売上高は五兆七千億円でしょうか、二〇一五年ベースで。取引企業は一万三千社を超えるという、まさに日本を代表する企業であり、名門企業であります。

 この東芝の現状を、産業を所管する大臣としてどう受けとめているか。まず大臣にお伺いします。

世耕国務大臣 私、なるべく答弁は歯切れよく、わかりやすく心がけているんですが、この件だけは、個社の経営にかかわる、しかも現在進行中の事態でありますから、少し歯切れが悪くなることはお認めいただきたいというふうに思いますが、東芝というのは、我が国にとって非常に重要な事業を展開している企業だというふうに思っております。

 特にフラッシュメモリーの分野、これについては、日本で唯一の技術を持っている企業だろうというふうに思っております。また、原発に関しては、特に日本国内では、今の原発のいろいろな維持、メンテナンスから始まって、特に福島第一原発では、廃炉や汚染水対策にも参加をして、その技術で貢献している企業であります。

 そういった企業が、長期にわたって多額の虚偽記載が行われた、そしてまた、新たな債務が発覚をしたというような状態で、こういう苦境に立ち至っているということは、これは当然経営陣の責任ということになるんだと思いますけれども、まことに遺憾だというふうに考えております。

近藤(洋)委員 大臣御答弁のとおり、現在においても東芝は、福島の廃炉もそうでありますし、広い意味で産業に大きな影響を与えている。また、社会的な責任も負っている企業であり、また、歴史的にも日本を代表する製造業であるわけであります。

 そこが、御答弁にもございましたし、この資料にもございますように、大がかりな、ある意味で粉飾決算、これをちょっと耳なれない言葉で、不適切会計という、これは新語であると思うんですが、造語で、ちょっと不適切な会計というのは、私はこれはよくわからない表現だと思ってはおるんですけれども、いわゆる問題のある決算を繰り返してきた。二〇一五年に利益のかさ上げが発覚し、四千六百億円の最終赤字に転落して、今回、米国の原子力事業での損失、極めてお粗末な管理体制が続いていたということだろうと思うわけであります。

 これはすなわち、企業統治、コーポレートガバナンスの問題なわけでありますが、大臣、この点についてまずお伺いしたいんですけれども、いわゆる企業統治については、安倍内閣は二〇一三年の六月に策定した日本再興戦略で、企業価値の持続的拡大のためにコーポレートガバナンスの強化が必要だと非常に高らかに宣言をして、企業側に体制の整備を促してきたわけであります。これはいわば安倍内閣で非常に強く打ち出してきた政策です。

 残念ながら東芝のケースは、日本の企業統治の強化が非常に進んでいない、おくれている。代表的な企業で、しかも、企業のリーダー、産業界のリーダーを輩出していた企業においてなされていなかったということでありますから、この再興戦略がきちんと進んでいないということの証左であると受けとめるべきだと思いますが、経産大臣、いかがですか。

世耕国務大臣 政府は、これまでコーポレートガバナンス強化に向けていろいろな取り組みを行ってまいりました。

 例えば会社法を改正してやってまいりましたが、監査等委員会設置会社の割合が今一九%までふえてきています。

 スチュワードシップ・コードの制定というのも行いました。二百十四社の機関投資家がスチュワードシップ・コードの受け入れを表明しています。これはGPIFもその中に入るわけであります。

 あるいは、コーポレートガバナンス・コードの制定ということで、社外取締役を二名以上導入している企業の比率は、二〇一二年で一七%だったわけですが、現在では八二%まで増加をしています。

 ただ、課題はたくさんあると思います。今回の東芝が典型例だったと思いますけれども、非常に形式的に人数だけ社外取締役を入れていて、その社外取締役としっかり議論をしながら企業価値を向上させるということにつながっていない企業、これはまさに東芝だったと思いますが、そういうのが散見をされる。

 この間も著名な女性経営者が語っておられましたが、最近、やたらいろいろなところから、人材紹介会社から電話がかかってきて、社外取締役を引き受けてくれ、女性が必要なんですみたいな形で、そうやって形式的にそろえているような企業もあると思います。

 ただ、一方で、真剣にこのコーポレートガバナンスに向き合っている会社があります。経営者と話をしていても、こういう話は社外取締役にはなかなか了承してもらえないから無理だとか、そういう話をしている経営者もおられるわけであります。

 そういう会社ほど業績はよくなってきていると思いますし、グローバルな展開もうまくいっているんじゃないかというふうに思っておりますので、コーポレートガバナンス改革というのは、ここでいいということはなくて、これからも引き続き改善に取り組んでいきたいと思いますし、特に投資家の目が重要ですね。

 ちゃんとやっている会社じゃないともう投資をしない、この機関投資家の目を通して、各会社の社外取締役制を初めとするコーポレートガバナンスをしっかりとさせていくということが重要だというふうに思っています。

近藤(洋)委員 大臣おっしゃるとおり、これは形式だけを整えてもやはりだめなんだろうと私は思うんです。この議論はまた別の機会にと思うんですが、ただ、ちょっとまた後で質問するので。

 これはやはり僕は銀行だと思うんですよ。本来、最も重要な、ある意味で社外取締役は僕はメーンバンクだったと思うんですよ。メーンバンクがしっかり見ておけば、要するに、貸し手、投資家であり、常にお金を出している銀行がちゃんとチェックをしておけば、やはり最も危機は防げたし、ある意味で運命共同体なのはメーンバンクなんです。そのメーンバンクがメーンバンクたる機能をきっちり果たすことが必要なんだろう、こう思うわけです。これはまた次に質問していきますので、譲っておきたいと思うんです。

 ちょっと次の質問に移りますけれども、資料の三をごらんください。今回の経営悪化の直接の契機は、アメリカにおける原子力事業の損失なわけであります。

 東芝の子会社である米国のウェスチングハウスが受注した米国内での四基の原子力発電所、これの工事がおくれて建設費用が大幅に膨らんだ。当初よりも六十一億ドル以上膨らんでいる。この工事費用負担を、工事を受注したというか、ウェスチングハウス側が負担しなければならないというちょっと特殊な契約になっていたということであり、巨額の損失が発生したわけであります。

 さて伺います。

 ちまたでは、この工事のおくれは、東日本大震災以降、国際的に原子力発電所に対する規制が厳しくなったからだとこう言われておりますが、事実関係はどうなのか。実際なぜこのような事態になったのか。経産省はどこまで実態を把握していますか。お答えください。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 ウェスチングハウス社の米国における原発建設工事のおくれにつきましては、AP1000という、世界の中でも建設実績の全くない新型炉の建設であったこと、それから、米国内で三十年間原発の新設がなかったことによりまして、建設ノウハウや人材、それから鋼板溶接などの技術が失われていた面があったこと、それから、九・一一の同時多発テロ事件を踏まえまして航空機衝突対策の規制が強化されるなど、設計変更や追加安全対策が必要となったことなどにあると承知しております。

 東日本大震災後に米国の規制が見直されたこと自体は事実でありますけれども、親会社である東芝からは、今回の米国で建設する原発につきましては、現時点で三・一一後の規制の見直しによる直接のおくれが特段生じているとは認識していない、このように聞いているところでございます。

近藤(洋)委員 そうすると、要するに規制なり直接のおくれは、九・一一のテロのさまざまなことの工事であって、三・一一の原発事故の規制強化によるものではないということで、改めて確認でよろしいわけですね。うなずかれているのでそうだと、こういうことですね。

 いずれにしろ、工事がおくれて、しかしこれだけ巨額な費用負担が発生するというのは、ちょっとにわかに信じがたいわけであります。なぜこのようなことになったかというのは信じがたいわけであります。

 ちょっと改めて、では追加に伺います。さて、損失がさらに膨らむおそれはないのかということであります。

 これは要するに、今後工事がおくれればさらに損失が膨らむ可能性は否定できないのではないかということが第一点。お伺いしたい、これが第一点。第二点ですが、また、東芝側は、ウェスチングハウスがいわゆる日本の民事再生法に当たる米国連邦破産法C十一条、チャプターイレブンの適用申請も検討し始めたとの報道もございます。

 この場合は、東芝の損失は最大でどの程度膨らむ可能性があるというふうに経済産業省は把握していますか。お答えください。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 今回の損失の規模それから見通しにつきましては、現在、東芝が決算発表に向けた作業を行っているという状況であると承知しております。

 また、ウェスチングハウスに関して今チャプターイレブンといったような報道についての指摘もございましたが、そのような事実については承知していないところでございます。

 いずれにいたしましても、個別のプロジェクトをめぐる状況や民間企業の経営判断につきましてのコメントは控えさせていただきたい、このように思います。

近藤(洋)委員 ごめんなさい、これは別に判断を聞いているわけではなくて、チャプターイレブンを申請した場合、これはもう既にいろいろと出ているんです。要するに、八千億円程度さらに追加費用負担が発生するということは東芝がウェスチングハウスに対して債務保証しておって、追加費用負担が発生するというような報道はもう既に幾つも流れているので、その事実関係を確認したいだけなんですが、電ガ部長、いかがですか。

村瀬政府参考人 申しわけありません。今回の損失規模につきましては、現在、東芝が決算発表に向けた作業を行っているというところでございまして、個別のプロジェクトをめぐる状況や民間企業の経営判断についてコメントは控えさせていただきたいと思います。

近藤(洋)委員 経営判断を聞いているわけじゃなくて、ですから部長、事実関係を聞いているだけなので。別にこれは民間企業の話じゃないんですよ、部長。これを大臣に聞くのもちょっと酷なのですが、事実関係を大臣に聞くというのは異常なんですが、あえて聞きます。

 事は、東芝の原子力事業は一Fの再生を担っています。それだけの公的な機関です。ある意味では公的な仕事を担っています。要するに、一Fの行方を左右するんです。かつ、いわゆるサソリ型ロボットを開発したのは、かなりの部分、東芝ですよ。ですから、その意味では、それだけじゃありません、一Fの、福島の第一原発をどう再生するのかという大きな役割を担っている企業です。日本の原子力の今後を左右する企業です。極めて重要な企業だから聞いておりまして、それについて、仮にその子会社が破産した場合、最大の損失は幾ら受けるのかということを聞いているので。

 では大臣、お答えください。

世耕国務大臣 アメリカのチャプターイレブンというのは連邦破産法十一条ということになるんですが、必ずしも後ろ向きの話ではなくて、いろいろな条件を組み立てて、債権者と会社側が話し合って発動する形になるんですね。ですから、どういう形態になるのかということが確定しないと、実際、東芝に具体的に幾らの影響があるのかというのはなかなかわからないわけであります。

 例えば、チャプターイレブンをやることによって発電所の建設そのものが中止になってしまうということであれば、これは当然、電力会社に違約金というのが発生をするわけです。ですから、これはちょっと詳細が決まらないと申し上げられない。

 ただ、東芝はウェスチングハウスに対してやはり債務保証をやっているわけです。これが八千億、これは私も報道でしか知りませんが、八千億円ということですから、最悪の場合、それだけの債務保証を求められるというケースが出てくるということだと思います。

近藤(洋)委員 大臣、ありがとうございます。まさに、最悪の場合、そういうことがあり得るし、もちろん少ないケースも十分あるということです。したがって、今既に損失が発生しているものに加えて、それだけのものが乗っかる可能性もあり得る、こういうことなんですね。ですから、非常に事は深刻だということは受けとめなければいけないわけでありますが、それを避けなければいけない。

 何を言いたいかというと、ただ、これも大臣がおっしゃったとおり、何もそれだからといって、全て物事を悪い方に考えるだけではいけないと思うわけです。

 加えて、あえて言えば、債務超過になったからといって、その瞬間、全てが、東芝本体が単体で債務超過になったからといって、その瞬間、深刻になってはいけないわけであって、回復すればいいわけで、半導体事業の話を申し上げますが、まさにあらゆる手段を講じて復活すればいいわけであります。

 また、上場についていろいろな議論も報道もされておりますけれども、東証一部から仮に二部になったからといって、また復活すればいいわけでありまして、それは、これだけの巨額の損失が出ましたから、現状のままということは、客観的に見てそれは想定しにくいわけでありますけれども、しかしながら、一気に全てが破綻するというのは、これまた極めて乱暴な議論であって、そうならないようにどう工夫していくかということであり、東芝はまだまだ可能性のある会社であるということは、私は個人的には強く思うわけであります。

 そういう意味において、大臣にお伺いしたいわけでありますが、ウェスチングハウスは、まさに米国の原子力産業を担う中核企業であります。チャプターイレブン申請となれば、いずれにしろ、民事再生法とはいえ、それぞれ影響があるわけでありますし、これは、日米双方にいずれにしろ大きな影響があることは明らかであります。

 そこで大臣、私は、これは確かに民間の話ではありますが、やはり政府としても、連携を密にして事に対処すべきであろう、こう思うわけであります。

 既にロス長官とは電話で話をされている、また、国会が許せば訪米されるというお話ですが、ぜひ民進党としては、重要な時期なので今回は米国に行っていただきたい、こう思うわけであります。日程ではエネルギー庁長官ともお会いになると先ほど御答弁されました。ぜひエネルギー庁長官とも本件についても議論をするべきではないか。また、経済担当大臣とも、閣僚級の方とも、経済会議ですか、議長さんとお会いになると聞いておりますけれども、本件についても協議をする必要があるんじゃないかと思われますが、いかがでしょうか大臣。

世耕国務大臣 一昨日、ロス長官と電話会談を行いましたけれども、これはまだ初顔合わせというような感じでありますし、相手側が下のスタッフがまだ全然決まっていないんですね。また、就任された直後でもありますから、なかなか個社の話までまだブリーフィングも受けておられないだろうということで、その時点では、特段このウェスチングハウスのことは話題になっておりません。

 また、私も、お許しをいただければ早期に訪米をして、ロス長官、エネルギー庁ペリー長官とも会ってきたいというふうに思っていますが、まずウェスチングハウスというのは、これはアメリカで七千人から八千人ぐらいの雇用を抱えている企業でありますから、トランプ政権というのはやはり雇用を非常に重視していますから、そういう意味で、相手側が問題提起をしてくれば議論をする必要はあるだろうというふうに思っています。

 ただ、非常に難しいのは、アメリカは基本的に電力事業は州の管轄ということになってきますので、実際、今これを建てている州は、割と南部の方のジョージア州とかサウスカロライナ州か、その辺だったと思いますけれども、かなり州マターということになりますので、政府間の協議になじむかどうかという問題もあろうかと思っています。

 ただ、今、事務的には、まだアメリカ政権は立ち上がったばかりですから、過去の経緯とかわからないといけませんから、このウェスチングハウスの問題、親会社である東芝の問題も含めて、日本側からきちっと相手側の事務方には丁寧な情報伝達をするように私が指示しておりまして、多分、今まさにスタッフが言っているところだろうというふうに思います。

近藤(洋)委員 ぜひ大臣、これはされたらいいと思うんです。ウェスチングハウスだけじゃなくて、半導体部門についても、実は東芝の半導体は、米国と四日市でジョイントベンチャーを組んでいるわけです。東芝はまさに日米連携の会社なんです。その会社が、まさに日米で事業を展開している会社が今ある意味で大変な危機に瀕しているということですから、非常に時機を得た会談のテーマではないか、こう思うわけであります。

 そこで、半導体の話に移ります。

 この原発部門の損失を穴埋めし、債務超過を回避するために、東芝は半導体部門を売却する方針を打ち出しているわけであります。

 資料四をごらんいただきたいと思うわけでありますが、八〇年代後半、半導体では世界の上位を、日本企業はほぼ半分を占めていたわけでありますが、今や、売上高ベースで世界トップテンに入るのは東芝ただ一社だけとなっております。

 先ほども世耕大臣に御答弁をいただいておりましたが、改めて伺います。東芝の半導体部門は日本の産業競争力にとって重要という認識を持たれているか、また、この事業の売却について、経済産業省、政府はどのような姿勢で対処するお考えか、改めて御答弁いただきたい。

世耕国務大臣 東芝の半導体事業、特に、NANDフラッシュメモリーの分野で世界第二位のシェアを持っています。第一位はこれは韓国のサムスンでありまして、ちょっと水をあけられて東芝が二位、そしてウエスタンデジタル、アメリカの会社が三位という構成になって、そして、今、東芝がそのウエスタンデジタルと共同して四日市工場を運営をしていて、さあこれから世界一を目指してというときにこういうことが起こって、大変残念だというふうに思っています。

 特に四日市の工場は、一万人を超える雇用があります。雇用維持の観点からも、この東芝の四日市工場がどうなるかというのは非常に重要なテーマだと思います。

 また、NANDフラッシュメモリーというのは、今後、非常にビッグデータ等で需要がさらに高まってくるデータセンターなどで利用をされる、そこで大幅に需要が増加をしていくというふうに見通されておりまして、そういう意味から、情報セキュリティーの観点からも重要性があるというふうに思っております。

 そういう意味で、東芝が今売却を決めたということでありますけれども、その売却の行方がどういうふうになるのか、特に、海外資本が入ってくるとなった場合どういうことになるのかというのを、今、雇用と、特に情報セキュリティー、技術のセキュリティーといった観点から、一義的には会社が判断される問題でありますが、政府としても注視をしていきたいというふうに思いますし、法律上必要な手続をとらなければならないとなった場合は、しっかり判断をしていきたいというふうに思っております。

近藤(洋)委員 大臣、ありがとうございます。非常に重要な半導体技術であるということを御答弁をいただきました。

 資料の五にも付させていただいておりますように、いわゆるNANDフラッシュメモリー、大臣の御答弁にもありましたように、情報の分野で非常に市場が伸びているということでありますし、いろいろな部分に組み込まれているという話であります。今、事業が売却される、海外勢なりどういうところが買われるのか注視をしたい、こういう話でございました。

 その具体的な注視の中身をちょっと伺っていきたい、こう思うのでありますが、例えば、では、この事業が海外資本に買収された場合、先ほどおっしゃったように、まず、技術が海外に流出するということが懸念されるわけであります。その場合、外為法で規定されている機微技術にこのNANDフラッシュメモリーの東芝の技術が適用になるのかということだろうと思われるわけであります。

 そこはまだ実際行われていないわけでありますけれども、私は、今の大臣の御答弁で、注視ということは対象になるということを言外におっしゃっているんだろうなとこう解釈しますが、改めて、これは事務方でも大臣でも結構ですが、お答えいただけますか。

世耕国務大臣 個別の案件について答えるといろいろ支障がありますし、これを我々が機微技術と見ているかどうか、そして、どこを見ているかどうかなんということを言うとちょっと手のうちをさらすことになりますので、一般論としてお答えさせていただきたいと思いますが、機微な製品を製造する日本企業に対して外国投資家から投資が行われる場合は、外為法に基づく、審査つき事前届け出制の対象ということになります。

 そうなった場合は、国の安全等の観点から厳格に審査をしていきたいというふうに思っております。

近藤(洋)委員 では、非常に厳格に事前審査をすると。

 今の大臣の御答弁で、これは常識的に考えますと、このチップ、あらゆるところに入るわけです。ですから、私のような者から見ても、あらゆるところに入るものですから、製造が変なものになってしまったらこれは非常に危険だということは容易に想像できる、こう思うわけでありまして、ぜひここは厳格に、厳格に、厳格に、三度申し上げました、審査をしていただきたい、こう思うわけであります。

 では、もう一つ伺いたいんですが、技術を審査する、現行法だと、買収をして、その相手先が第三国に、一次技術が第三国に転売されちゃった。最初買った企業が、いいでしょう、米国企業に買われても、英国の企業に買われた、欧州の企業に買われた、どこぞの企業に買われた、では、それが仮に中国の企業に転売されてしまったとかロシアの企業に転売されてしまったとか、はたまたどこかの企業に転売された、こういう場合は防ぎようがない、現行法では審査のしようが果たしてないのではないかと思うわけでありますが、いかがですか。

世耕国務大臣 今御指摘のように、現行の外為法では、外国投資家がほかの外国投資家から非上場株式を取得するというような行為はいわゆる届け出制の対象外ということになっていますが、先ほど御指摘いただいたように、今回国会に提出をさせていただいている外為法改正案では、こうした外国投資家間の非上場株式の取引についても審査つき事前届け出制の対象となりますので、この法案が成立し、施行されれば、適切に対処することが可能になるというふうに思っております。

近藤(洋)委員 となると、これは外為法が極めて重要になってくるんですね。だからこれは国会の問題なんですが、しかし、いずれにしろ、もっと早く、去年の秋にでも出していただければやったんですけれども、こうなってしまっているわけでございまして、東芝はこの四月一日に分社化が決定しているわけです。仮に、例えば五月にでももし決められてしまったら、対応するようにできるものなのかということがちょっと気になるわけであります。実行されなければ、ぎりぎりそこは運用で対応することが可能なのかということなんですが、これは事務方でも結構なんですけれども、いかがですか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 なかなか、仮定の問題、個別事案についてお答えするのは難しいんですけれども、一般論で言いますと、投資が行われる三十日前に事前届けをするということになります。その上で、審査は最大五カ月延長することはできます。そうした審査を通じて、先ほど大臣から答弁がありましたように、国の安全の観点から厳格に審査することになります。

 他方で、委員から御指摘あったように、現行の外為法で対応し切れない部分があるのも事実でございます。

 これについて改正法案を国会に提出しているところでございますので、早期の成立、施行に向けて何とぞよろしくお願いしたいと考えておる次第でございます。

近藤(洋)委員 法案は本当に使えるものになっているかどうか、しっかり我々また国会で議論させてもらいたい、こう思うわけであります。必要あれば、ちゃんと対応できるように、後押しするような形で議論するのも国会の役割だと思っていますので、議論させてもらいたい、こう思うわけであります。

 あわせて、先ほど申し上げました、この東芝の半導体事業の売却については、私、金融機関、とりわけメーンバンクの役割が非常に重要だと思うんです。先ほどちょっと申し上げたように、やはりコーポレートガバナンス、企業統治の役割において、今回、金融機関の責任が非常に重かったと私は思うんです。きっちり役割を果たしたのかという部分はあると思うんですよ。

 その意味で、今回、銀行が本来の役割を果たすという意味からも、金融機関、メーンバンクは、短期的な視座に立つのではなくて、中長期の事業再生の立場で、まさに責任を持って東芝の再建に当たるべきだろう、こう考えるわけであります。

 また、主力銀行としてきちんと行動できるよう、監督官庁もその環境を整えるべきだと考えますが、金融庁、いかがですか。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げれば、金融機関におきましては、融資先の財務状況等を適切に把握し、適切なリスク管理のもとで融資判断等を行うことが重要であるというふうに考えております。

 本件は、個別金融機関とその取引先との関係でございますので詳細なコメントを申し上げることは差し控えたいと存じますけれども、先般、メーンバンクの三井住友銀行の頭取が記者会見におきまして、現在、東芝においてガバナンス体制の再構築や事業ポートフォリオの見直しに取り組まれており、今後、具体的な対策を伺った上で、メーンバンクとして可能な限りサポートをしていくつもりであると御発言されているというふうに承知しておりまして、金融庁としても、状況を注視してまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 参考人、メーンバンクはもう一行あったと思うんですが、三井住友銀行ともう一つ主力銀行、お答えいただけますか。どちらがメーンですか。並行メーンでしたっけ。

栗田政府参考人 もう一つ、みずほ銀行がメーンというふうに承知しております。

近藤(洋)委員 並行メーンの二行でよろしかったですね、どちらが優位というわけじゃなくて。みずほですか。

栗田政府参考人 どちらがどちらということではないと思いますが、ほぼ同じ融資残高を持っているというふうに承知しております。

近藤(洋)委員 そうなるとやや心配なのは、栗田さん、私はやはり心配なんです。

 あえて言いますけれども、やはり今の金融機関、かつての金融機関とは違うわけでありまして、私は昔かつて日経新聞というところで新聞記者を駆け出しでやらせていただいたとき、まだ日本興業銀行は九〇年代、八〇年代後半ございまして、まだ中山素平さんという方がいらしたころ、もう現役を退かれていましたけれども、何度か実物を取材をさせていただきました。時代であります。相談役でございましたけれども、中村頭取とかを取材させていただきました。

 化学の再編とか、石油化学工業、石油とかその辺の、あと、造船とかの再編、野戦病院と呼ばれていた日本興業銀行です。中山素平さん、中村頭取とか、こういった方々がやられた時代、非常に志を持って、日本の産業界かくあるべしという形で、思いを持って企業と向き合われていた方々ですが、残念ながらそのDNAは、あえて言うと、今のみずほ銀行にはみじんもないと言わざるを得ない状況ではないかと思うんです。

 ぜひそれを、参事官、きちんと指導していただきたいと思いますが、改めて金融庁としても本件について、中小企業に与える影響も大きいし、地場の産業に与える影響も大きい、ひいては地域の金融機関に与える影響も大きいと思いますので、注視をするということでよろしいですか。お答えください。

栗田政府参考人 本件につきましては、金融庁としても注視してまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 ぜひ大臣、ここら辺、閣僚としても金融担当大臣と話をすり合わせていただきたい、こう思うわけであります。

 何も、無理を金融機関に強いれと言うつもりはありません。ただ、長期的な視点からバンクとしての責任を果たすということだろうと思うわけであります。守るべきものは技術であり、雇用、大臣の御答弁のとおりだろうと思います。残念ながら、ここ数年の日本の国内のメガバンクの姿勢は、過去において、ここ数年間の姿勢から見て、心もとないわけであります。

 金融庁にもしっかり監督してもらいたいと思うわけでありますが、あわせて、資金の出し手というか、補完的な役割も含めて今回の半導体事業の資金の出し手というか、運営に産業革新機構も参画するということは検討してもいかがか、こう思うわけでありますが、経産大臣、いかがですか。

世耕国務大臣 まず、メガバンクの姿勢に関して非常に注意喚起していただいたこと、こういう議論はやはり、私は個別のことを言えないものですから、国会で問題というか提起いただくということは、非常に重要なことだというふうに思っております。

 産革機構については、どういう支援をするかというのは個別の案件になりますのでなかなかお答えしにくいんですが、一般論で申し上げますと、これは名前のとおり産業革新機構でありまして、企業救済機構ではないので、やはり、オープンイノベーションを通じて、日本の産業構造の革新につながるような案件であれば投資をするという前提になろうかと思います。

 企業救済という名目で産業革新機構は活用することは難しいのではないかと思っています。

近藤(洋)委員 半導体事業はまさにイノベーションを今進めているわけでありまして、それはぜひそういう観点から枠組みを構築するということなのだろうなと。もちろん、国内の企業の皆さん、また、海を越えてもぜひしっかりした企業と連携を、イノベーションを図れるような企業を選んで産革機構が役割を果たしてもらいたいとここは要望しておきたい、こう思うわけであります。

 時間が参ってまいりましたが、資料にもございますように、新興国が非常に投資を積極的にやっておるわけであります。中国を初め、中国企業が全部だめだと言うつもりはありませんが、あえて申し上げます。

 この四日市の東芝と連携している米国の会社に対しては、親会社はたしか中国の政府系ファンドが買収を仕掛けたわけでありますが、米国政府は非常に警戒をして、中国政府系ファンドは手を引いたということは大臣も十分御存じのはずであります。そういう事業である。

 そういう事業であるわけでありますから、ぜひここは、戦略的にこの半導体事業を見ながら、また、やはり東芝というのは、私は日本の産業そのものであろうかとこう思いますので、何も東芝の経営者を守れと言うつもりは毛頭ございませんが、東芝で働く人々、また、東芝の技術、そしてまた、それに連なる日本の産業の競争力をぜひ強化すべく、滑らずに、全力を尽くしていただきたいことをお願いして、時間ですので質問を終わります。

浮島委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。

 委員外のメンバーでありますけれども、質問の機会をいただいたことを関係者の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

 予算委員会で私ずっと森友学園の問題を追及してまいりましたけれども、その過程の中で、安倍総理夫人に今五名の役人の人がついていらっしゃるということが明らかになりまして、三名は外務省からということで、これは非常勤です。ですから、海外渡航に行くときに随行するとか、そういう役目ですからこれは理解ができるということでありますけれども、あと二名は、安倍政権になってからだと思うんですが、常勤で経産省から二名、出向で出ております。

 なぜ、経産省という省から二人、ある意味、ほかの省から出ていませんから偏っているんですけれども、なぜ経産省から二人、内閣官房の方に出向して安倍総理夫人に随行というか、おつきになっているかということの理由をちょっと大臣にお伺いしたいと思います。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 安倍内閣におきましては、地球儀を俯瞰する外交、それから、さらには経済最優先、こういったことを基本方針としているところでございます。

 そうした中で、例えばでございますけれども、各国首脳夫人も同行するサミットへの同行、夫妻で来日した外国要人への接遇、さらには、女性活躍など内閣の重要政策に関する会議等への出席、このような総理夫人の活動、これは内閣総理大臣の公務遂行を補助する活動ということでございますけれども、こうした活動が現内閣になりまして飛躍的に増大をしたということでございます。

 こうしたことから、内閣官房といたしましては、このように公務の遂行を補助していただく活動につきまして、総理夫人のサポートを常時円滑に行う必要性が生じてきているということでございます。

 したがいまして、先生今御指摘ございましたように、内閣官房に常駐する職員二名を置くという必要性を判断したものでございます。

 この二名の職員につきましては、先生御指摘のとおり、経済産業省で採用された職員の方でございますけれども、今申し上げましたように、外交とあわせまして経済最優先を旨とする内閣の方針の中で、外交案件のみならず、経済分野での交流へのサポート、こういった点も重視をいたしまして、内閣官房から要請をいたしまして経済産業省から派遣をしていただいた、このような経過でございます。

今井委員 経済産業省さんも国のために一生懸命やっていらっしゃるわけで、役人の皆さんも国のために頑張っていただかなきゃいけないわけです。そういうスタッフの人を内閣官房に出向させるんですから、それなりの意味はやはりないと、給料が税金ですから、そこをちゃんとやはりしっかり見ないといけないと思うんです。

 ではお伺いしますけれども、今、経済が安倍政権の軸だというふうにおっしゃって、それで経産省だとおっしゃっていますが、平成二十六年十二月、あるいは二十七年九月に塚本幼稚園で安倍総理夫人が講演をなさっていますが、これに同行していると思いますが、これはどう経済とつながるんですか。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 ただいま申し上げましたのは、そのように、公的遂行の補助のための活動が外交さらに経済にわたって極めて増大をしているということを申し上げたところでございます。そのために、常時の連絡調整あるいは夫人との打ち合わせというものが必要になりましたことから、常駐者を二名配置をさせていただいたということでございます。

 先生御指摘の塚本幼稚園の件でございますけれども、これは総理夫人が私的な活動として講演をされたということでございますけれども、職員としましては、当面の公務遂行補助活動に関する連絡調整を行うため、公務として同行をしていたということでございます。私的な活動そのものを職員がサポートするといったものではなかったものと承知をしているわけでございまして、先ほど申し上げておりますような、公務補助活動に関する連絡調整のために同行したものというふうに承知をしております。

今井委員 いやいや、公務の補助をするのに、なぜ経済産業省という特別な省の知見が必要なんですか。

土生政府参考人 御説明申し上げます。

 公務の遂行の補助をするために常駐職員を二名置くということをまず決めたわけでございます。その中で、内閣の方針として、先ほど申し上げたような趣旨で経済産業省に内閣官房からお願いをいたしまして、経済産業省から御了解をいただいて派遣をいただいたということでございます。

 職務そのものは、当然、政府全体、さまざまな案件にわたるということでございます。

今井委員 いや、全然答えになっていませんけれども。

 今、私と同じ名前の秘書官がいらっしゃいますが、経済産業省出身のようでありますので、その方のリーダーシップで経産省から二人持ってきてやっているんだと私は思いますし、夫人に随行させるだけで、そういう役人の人たちの仕事をそれにかかり切りにさせるというのは、私はこれは国にとってはマイナスだと思いますし、そこはぜひ考えていただきたいと思います。

 それで、今ちょっととても重要なことをおっしゃっていましたけれども、この二つの講演に行かれたときは、安倍総理夫人は私的活動ではありましたが、おつきの方たちは公務で行ったというふうに今おっしゃいましたね。

 先週の金曜日、国交委員会で玉木委員が平成二十七年九月五日のことについて質問しています。同じ参考人、土生さんですよね、同じ参考人。土生政府参考人はどうおっしゃっているかというと、平成二十七年九月につきましては、たしか土曜日であったと思いますけれども、勤務外勤務でございまして、これは職員の私的活動に関することでございますので、答弁は差し控えさせていただきますと。

 私的活動だとおっしゃっていましたよ。公務とはおっしゃっていませんよ。答弁、間違っています。どちらが正しいんですか。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 三月三日午前中の衆議院国土交通委員会におきまして、ただいま先生から御紹介ありました御質疑、確かにあったわけでございます。当日は、この点につきましては、私、答弁の準備が十分にできていなかったということでございまして、事実につきまして確認をしていなかったということでございます。

 なお、その際、同行したこと、あるいは公費は支給されていないこと、土曜日であったこと等々を記憶している中で、休日な私的な旅行、あるいは夫人の御負担による公務の同行、両方の可能性があるというふうに答弁しているところでございます。速記録の中でも、一般論と申し上げまして、夫人側の負担によりまして国内において出張することはあり得るものと承知しておりますということも発言をさせていただいたところでございます。

 ただ、その時点では確認をしておりませんでしたので、あるいは私的な行為の可能性もあるというふうに考えまして若干答弁にちゅうちょしたわけでございますけれども、最終的には、玉木議員の方から、私的かどうかはともかく、行ったかどうかだけなぜ答えられないんですか、答えてくださいという御質問がございましたので、二〇一五年九月五日につきましては、同行していたという事実を答弁させていただいた。このような経緯でございますので、よろしくお願い申し上げます。

今井委員 今の答弁、おかしいですね。だって、私的活動に関することでございましてと断定していますよ。そのときわからなかったんじゃなくて、参考人はここで断定しているじゃないですか。だから、それは、そのとき調べなかったことをちゃんとおわびして、ここでこの発言を訂正してください。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 さまざま記憶に頼りまして答弁している中で、先ほど申し上げましたとおり、国内において公務で出張している可能性、それから、勤務時間外であることの可能性を答弁させていただきましたけれども、確かに、委員御指摘の点は断定しているというふうにもとれると思いますので、その点につきましては、当時は可能性を想定していたということで、おわびして訂正をさせていただきます。

今井委員 では、訂正ということで承りました。

 ただ、やはり国会答弁ですから、確実じゃないことを断定したように言って、後で間違っていたというようなことは、これはやはりあってはならないことですから、今後本当に十分気をつけていただきたいというふうに思います。

 それで、私はもう一つここに問題意識を持っているのは、先ほど、役人の皆さんは公務で同行されたというふうにおっしゃっています。その公務の理由は、内閣総理大臣の公務の遂行に関連するいろいろな連絡だということでありましたけれども、辻元さんの答弁書にもこうありますが、どういうものが考えられますかということで、内閣総理大臣の外国出張への同行や、我が国に来訪する外国からのお客様の接遇、宮中の晩さん会への出席のほか、内閣総理大臣の公務の遂行に関連する国内外の会議等への単独の出席等が考えられると。

 恐らく日本の会議でいろいろ出席なさるのは、この最後に当たると思うんです。内閣総理大臣の公務の遂行に関係する国内外の会議等への単独での出席。つまり、内閣総理大臣のかわりにいろいろな会議に出ておられるということです。

 そこに公務として内閣官房から役人がついていかれているわけです。それはもう明らかに公人ですよね。違いますか。総理大臣のかわりにこういう会議に出て、そこに勤務として、公務として役人が一緒に随行する。これはどう考えても公人以外あり得ないと思うんですが、いかがですか。

土生政府参考人 御説明申し上げます。

 公人という言葉を一般的に辞書等で見ますと、公職にある者というふうに定義をされているというふうに心得ております。

 そうした意味で、安倍総理夫人に対しましては公務員としての発令はなされておりませんので、その意味で公人ではないというふうに認識しております。

今井委員 今の参考人の定義は狭義の定義ですね。公人の広義の定義ですと、公的な政治活動とかそういうものをやる人たちのことを公人というふうに一般的に言われています。これは私も辞書を調べてみました。

 だから、広義の意味では公人じゃないですか。

土生政府参考人 お答え申し上げます。

 大変繰り返しになって恐縮でございますけれども、私どもとしましては、公人というものは公職にある者というふうに定義をいたしまして、そうではないというふうに考えているところでございますけれども、定義を変えればカテゴリーが変わるということは、物事としてはあり得ることだと考えております。

今井委員 定義を変えればカテゴリーが変わることはあり得るということは、公人である可能性もあるということですね。そういうことをおっしゃっているね。

土生政府参考人 一般論といたしまして、定義によりましてカテゴリーが変わるということを申し上げた次第でございます。

今井委員 では、その、公人であるかどうかというのは誰が判断するんですか。

土生政府参考人 それは、全体として、発言している者がその言葉の定義をいたしまして、それに当たるかどうかを判断して発言をしているということではないかと思います。

今井委員 定義によっては公人ということの可能性もあり得るということを明確に答弁いただきましたので、私はもうこれは公人だと思いますが、では逆にお伺いしますけれども、私人の方が私的活動に行くのに公務で役人がついていくということは適切ですか。私人の方が私的活動をするのに公務で役人がついていくことは適切ですか。

土生政府参考人 本件について申し上げますと、私の定義によりますと総理夫人は公人ではないということでございますけれども、私的活動といたしまして講演をされるということでございます。

 先ほど申し上げましたとおり、公務遂行の補助に関する活動ということが、例えば、海外への同行出張だけでも四年間で二十五件、あるいは国内の会議でもさらに百四十数件だったと思いますけれども、そういった、飛躍的に公務遂行補助活動が増大しているということでございます。

 そうした中で、常時職員を置くわけでございますので、常時そうした連絡調整等の必要が生じているということでございますので、その時期に連絡調整等の業務が必要であれば、同行をしまして、夫人と、例えば車中あるいは空き時間等で打ち合わせをしまして、次の行動予定を決めていくということでございます。

 職員自体は連絡調整等という公務で同行しているということでございますので、問題はないというふうに考えております。

今井委員 いや、今まで二十四回、外に行って、百四十何回の公務とおっしゃっていましたから、ですから、夫人も公務じゃないんですか。(発言する者あり)そうですよ、安倍夫人は公務で行かれたというふうにおっしゃっているんですよ。

土生政府参考人 御説明いたします。

 私申し上げましたのは、職員が公務で同行しているということでございます。総理夫人の活動に関しましては、今申し上げました海外出張等は、旅費法上、公務の遂行の補助に当たるということでございまして、一定の公的支援を行うということが予定されているわけでございます。

 それから、総理夫人は、それ以外の、当然私的な行為というものもたくさん行っているわけでございますけれども、そのこと自体は職員はサポートをしていないということでございまして、あくまでも、同行をして公務遂行補助に係る連絡調整等を行っているということございますので、職員の同行については問題ないというふうに考えているということでございます。

今井委員 ちょっとほかにも聞きたいことがあるのでやめますけれども、今おっしゃっていた、例えば安倍総理だって、公務に行って私的な行動をされますよ。されるじゃないですか。それと同じじゃないですか。夫人だって、行って公務をされる、そして私的なこともされる。同じじゃないですか。だから、両方とも公人じゃないんですか。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 安倍総理は公務を行っていただいているわけでございます。総理夫人は、公務遂行の補助を、公人でない立場で、政府からの要請に基づいて行っている、このように考えております。

今井委員 いや、本当に私人とおっしゃるのであれば、そういう方を税金を使って私的な行動にまで随行させるのは間違っていますよ。そこははっきりした方がいい、どちらでも結構ですから。きちっと整理をして、また聞きますから、そこは整理してください。私人が私的行為をしているときに役所の人が公務でついていくのはおかしいじゃないですか。そこはちゃんと整理をしていただきたいと思います。

 それともう一個、きょうはいろいろ聞きたいことはあるんですが、時間がないのでもう一点。

 国交省さん、いらっしゃっていただいていると思いますけれども、サステナブル建築物等の先導事業についてですが、きょう、この前の文科委員会で、宮崎委員のところで私は見ておりましたけれども、森友学園から国交省さんに補助申請を出したときは二十一億八千万という金額で出たと思いますけれども、大阪府の私学審の方には七億五千六百万円という形で違う報告が出ていて、それは日付は同じらしいですが、その私学の審議会の方にも出た報告も中身を拝見したというふうにおっしゃっていましたが、それで間違いないですか。

石田政府参考人 お答えさせていただきます。

 私学審議会の書類そのものではございませんで、大阪府の方の入手されました、向こうの方に御説明されている金額の契約書については拝見しております。

今井委員 では、その、七億五千六百万円だったということを確認しているということですね。それでよろしいですね。

 これはどちらかが間違っているんです、同じ日に出していますから。だから、仮に、この二十一億八千万円という国交省さんに出しているものが、補助金をたくさんもらおうと思って意図的にしたものであれば、きょう法務省さんはいらっしゃっていますか、これは、刑法二百四十六条、詐欺罪、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」つまり、人を欺いて、この場合は国です、国に過大な見積もりを出して、補助金をたくさんとろう、財物を交付させようとした。まさにこのケースになるかもしれません。

 こういう、補助金をたくさんとろうと思って虚偽申告をするということは、詐欺罪に当たる可能性はありますか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますので、ただいまの御質問にはお答えを差し控えさせていただきます。

今井委員 それでは一般論でお伺いしますが、国の補助金を多目にとろうと思って虚偽の申告をして、国を欺いてたくさん補助金をとろうとした人は詐欺罪に当たる可能性はありますか。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 あくまで個別の事柄にはお答えを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、先ほど委員から御指摘があったように、刑法第二百四十六条の詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合などに成立するものと承知しております。

今井委員 そういう一般論であれば詐欺罪に当たるということを明確に答弁いただきました。

 ですから、今、国交省さん、これから調査するとおっしゃっていましたね。二十一億八千万なのか七億五千六百万、どっちが正しいかというのを調査して、もし過大に申告されていて国がだまされていたら、詐欺罪ですよ。詐欺罪の可能性があるから、国として対処する必要があるんじゃないですか。

石田政府参考人 済みません。お答えさせていただきます。

 まず最初に、我々の方でもう、出てきておりましたお金についてはチェックをしておりました。普通の学校の標準単価から見ても、そう違和感を感じるものではございませんでした。大体、学校が三十万ぐらいが平均でございまして、我々の方は三十八万円ぐらいでございます。

 ちなみに、七億幾らを割ると十三万ぐらいということで、かなりちょっと下がるかと思うんですが、ただ、こういうような事態が起きましたので、では、何が正しいことかということをきちっと調べて、そういう中におかしなことがないかどうか、もしおかしいことがあれば、当然それは、それを踏まえてきちっと対応いたします。

今井委員 しっかり調べて、問題があれば対処するということを明確に答弁いただきましたので、今後また委員会等でもしっかり報告していただきたいというふうに思います。

 それから、国交省さんにもう一点お伺いしたいんですけれども、補助事業ですから、当然、補助金の適正化法案の対象になると思いますけれども、補助金の適正化法案の第一条には、「補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。」ということが明快に書かれていますので、もしこの補助金が不正な申請であるということであれば当然この法律に抵触する、こういう理解でよろしいですか、国交省さん。

石田政府参考人 補助金適化法との関係でございますが、補助金適化法の関係で、不正な手続等でもしも補助金の交付を受けていた場合という事態に当たれば、それに基づいての交付決定の解除その他ということになってまいります。

今井委員 もう一回確認しますが、申請の内容が虚偽であったことも、それはこの法律に違反しているということでよろしいですね。

石田政府参考人 個別関係はその個別の状況の認定がございますので一概に申し上げられませんが、一つは、法律に基づくものと、交付の要綱に基づいて求めているものもございますので、どれに当たるかによって若干、その補助金の適正化法に基づいての措置になるもの、そうじゃなくて、要綱に基づいて一定の措置を求めるもの、物によって若干差が出てくるかとは思っておりますが、いずれにしても、きちっと中身も調べた上で、応じた対応をさせていただきたいと思っております。

今井委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、菅官房長官とか自民党の国対の皆さんは、違法性がないので民間人を参考人に呼ぶのは慎重であるべきというふうにおっしゃっておられますが、まず、完全に違法であれば、これは司法の手に行きます。

 今お話ししたとおり、違法性がある可能性が十分高い事案です。ですから、この国会に籠池理事長等関係者を呼ぶ大義は十分あります。十分あります。どの委員会でも十分あります。私はここで要求はしませんけれども、いろいろな党の皆さんがいらっしゃるので、これは十分国会に参考人として呼ぶだけの案件であるということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次回は、来る十日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二分散会


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