衆議院

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第9号 平成29年4月19日(水曜日)

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平成二十九年四月十九日(水曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 浮島 智子君

   理事 うえの賢一郎君 理事 大見  正君

   理事 佐藤ゆかり君 理事 白須賀貴樹君

   理事 吉川 貴盛君 理事 北神 圭朗君

   理事 近藤 洋介君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    穴見 陽一君

      池田 道孝君    石川 昭政君

      石崎  徹君    小倉 將信君

      大串 正樹君    岡下 昌平君

      梶山 弘志君    勝俣 孝明君

      神山 佐市君    工藤 彰三君

      佐々木 紀君    斎藤 洋明君

      笹川 博義君    塩谷  立君

      島田 佳和君    鈴木 憲和君

      田所 嘉徳君    高木 宏壽君

      鳩山 二郎君    古田 圭一君

      星野 剛士君    前田 一男君

      三原 朝彦君    宮崎 政久君

      村井 英樹君    八木 哲也君

      簗  和生君    山際大志郎君

      阿部 知子君    大畠 章宏君

      落合 貴之君    吉良 州司君

      小山 展弘君    篠原  孝君

      鈴木 義弘君    田嶋  要君

      中根 康浩君    福島 伸享君

      升田世喜男君    中野 洋昌君

      畠山 和也君    真島 省三君

      木下 智彦君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   法務大臣政務官      井野 俊郎君

   外務大臣政務官      滝沢  求君

   経済産業大臣政務官    大串 正樹君

   経済産業大臣政務官    井原  巧君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  増田 和夫君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  相馬 弘尚君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            中島 淳一君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局国際・情報総括官)           瀬戸  毅君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 相木 俊宏君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 四方 敬之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 小泉  勉君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 田中 琢二君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)          松尾 泰樹君

   政府参考人

   (文部科学省国際統括官) 川端 和明君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 茂明君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           赤石 浩一君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       渡辺 哲也君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          寺澤 達也君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     飯田 陽一君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (防衛装備庁装備政策部長)            中村 吉利君

   政府参考人

   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        田中  聡君

   参考人

   (株式会社国際協力銀行執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長)     内藤 英雄君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  中川 俊直君     大串 正樹君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     鳩山 二郎君

  石川 昭政君     田所 嘉徳君

  小倉 將信君     石崎  徹君

  尾身 朝子君     池田 道孝君

  工藤 彰三君     斎藤 洋明君

  佐々木 紀君     前田 一男君

  八木 哲也君     笹川 博義君

  山際大志郎君     青山 周平君

  大畠 章宏君     升田世喜男君

  落合 貴之君     吉良 州司君

  篠原  孝君     阿部 知子君

  中根 康浩君     小山 展弘君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     村井 英樹君

  池田 道孝君     古田 圭一君

  石崎  徹君     小倉 將信君

  斎藤 洋明君     工藤 彰三君

  笹川 博義君     八木 哲也君

  田所 嘉徳君     石川 昭政君

  鳩山 二郎君     穴見 陽一君

  前田 一男君     佐々木 紀君

  阿部 知子君     篠原  孝君

  吉良 州司君     落合 貴之君

  小山 展弘君     中根 康浩君

  升田世喜男君     大畠 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  古田 圭一君     尾身 朝子君

  村井 英樹君     鈴木 憲和君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 憲和君     山際大志郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)


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     ――――◇―――――

浮島委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として株式会社国際協力銀行執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長内藤英雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田和夫君、内閣官房内閣参事官相馬弘尚君、金融庁総務企画局審議官中島淳一君、金融庁証券取引等監視委員会事務局国際・情報総括官瀬戸毅君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子さん、外務省大臣官房審議官相木俊宏君、外務省大臣官房参事官四方敬之君、外務省大臣官房参事官小泉勉君、財務省大臣官房審議官田中琢二君、文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、文部科学省国際統括官川端和明君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、経済産業省大臣官房審議官田中茂明君、経済産業省大臣官房審議官赤石浩一君、経済産業省通商政策局通商機構部長渡辺哲也君、経済産業省貿易経済協力局長寺澤達也君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長飯田陽一君、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀君、防衛装備庁装備政策部長中村吉利君及び防衛装備庁プロジェクト管理部長田中聡君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白須賀貴樹君。

白須賀委員 自民党の白須賀貴樹でございます。

 私、経産委員会で初めての質問になりますので、よろしくお願いいたします。私も五年目になりましたけれども、今まで厚生労働の方の委員会をずっとやってきましたので、初めて今回から経産委員会の方をさせてもらいました。

 ずっと厚労の方の委員会をやっていましたので、だんだん私、口が悪くなってきましたが、経産委員会の雰囲気がすごくよくて、特に与党、野党の先生方が皆さんすごく優秀なんです。本当に私は優秀だと思っていて、特に野党の民進党の先生方も、田嶋先生、きょうはまだ今いらっしゃっていないですけれども、千葉の田嶋先生とか、福島先生とか鈴木先生とか、本当に優秀ですし、また、筆頭の近藤先生とか、あと北神先生は声が大きくてすごいですし、本当に経産委員会というのはすごくいい場所だなと思いますので、きょうは、皆様方の胸をかりるつもりで質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、私がいつも思っていることを大臣を含めて皆さんにまず話したいなと思うのが、日本は本当はもっとすごいんだよという話なんです。

 世界のGDPを全部を一〇〇だとすると、日本は世界第三位の経済大国です。世界第一位はアメリカで、世界全体のGDPのうち二四%がアメリカです。第二位が中国、世界全体の一二%。そして、日本が第三位で六%を占めております。これはすごい数で、例えばEU、イギリスを含めて二十八カ国全部足しても、世界のGDP比で見ますと二二パーしかありません。ですから、どれだけ日本一国で六%という数字がすごいことか。

 そしてまた、人口の話もしますと、世界一の人口は中国で、十三億七千万人います。第二位がインドの、十二億九千万人います。第三位がアメリカの三億四千万人で、第四位がインドネシアの二億五千万人、そして第九位がロシアの一億四千万人で、第十位がこの日本の一億二千七百万人なんです。

 つまり、世界第三位の、世界のGDPの六%を占めていて、世界の十番目の人口を有している。それがこの日本なんです。

 よく社会保障の話とかをするときにはスウェーデンの話とかノルウェーとかフィンランドの話が出ますけれども、スウェーデンの人口なんて大体一千万人ちょっとで、神奈川県とほとんど同じ人口、経済規模です。ノルウェーとかフィンランドは五百五十万人ですから、我が千葉県が六百二十万人いますので、我が千葉県よりも少ない数。もっと言うと、私の選挙区の船橋は六十二万人ですけれども、ブータンという国は七十万人ぐらいですから、一つの市が一つの国と同じぐらいの規模がこの日本で、この日本が、では、なぜこれだけすごい経済大国で、人口を維持することができるのかというと、やはりこの国は、資源もない、何もない中で、人材、そして技術力、そして知的財産、そういったもので支えられているのがこの日本なんです。

 今回の外為法は、特に技術の点において、日本から大切な技術を外に出さない、また、日本が誇るべき素材、そういったものをむやみに外に出ないようにしていく。そういった意味で今回の改正は、まさにこの国が抱えている、将来に向けてどうやって食っていくのか、そのことも含めて必要な法改正だと思っております。

 そして、最近は、北朝鮮のミサイルの問題、核の問題もございます。そもそも、ちょっと話がそれますけれども、日本人の方、特に国民の皆様方というのは、どうしても北朝鮮を不当に低く見てしまっているところが、能力を低く評価しているところがあると思います。基本的に、世界で核開発ができる国というのは、アメリカとかロシア、そしてフランス、イギリス、そしてインド、パキスタン、北朝鮮ですよ。(発言する者あり)中国もそうです。ごめんなさい。(発言する者あり)核兵器としてです。

 そしてまた、ロケットのことも考えますと、やはりロケットを飛ばせる国というのは、アメリカとかイギリス、ロシア、中国そして韓国とか日本、また、今は北朝鮮も打っている。つまり、すごく生意気ですけれども、北朝鮮という国は、やはりそれなりに技術力があります。

 そしてまた、例えば北朝鮮と韓国で、韓国に対して北朝鮮は、普通の通常兵器からしてみれば非常に劣勢に追い込まれていますから、ロケットと核によって自分たちの武力を誇示するというのは戦略上最も費用対効果が高いはずなので、非常に戦略的に彼らがやっていることというのは、理屈上は間違っていない。つまり、彼らがあの開発をやめるということは余り考えにくい。

 ですから圧力をかけなきゃいけないとか、そういうことは話をおいておいて、つまり、彼らはどうしてもこの先もロケットを開発し、そして、そういったものに頼らざるを得なくなる。そのときに、やはりこの日本の持っている素材、技術、そういったものは間違いなく狙われる。

 そしてまた、どこの国とは言いませんが、基本的に余り知的財産を大切にしない国、そういった国は、結局、自分の国で技術開発しても全部まねされちゃいますから、そちらの方の能力を上げることというのは余り国民全体としてやらないわけです。でも、彼らは新しい技術を欲しがる。簡単に言えば、日本から盗むという大前提でやはり考えなきゃいけません。

 そういった意味で、今回の外為法の改正というのは、私はもう遅かったぐらいじゃないかなと思っていて、今回の改正に関しては全面的に非常に賛成というか、本当に大切な法案だと思うので、どうか与野党ともに迅速に進めていただけたらと思います。

 最初に質問に入りますが、今回の外為法で、罰則の引き上げや行政制裁の実効性の強化を図ることで抑止力を高めたいというこのことは本当によくわかるんですが、前回の改正の二十一年のときに、外為法改正で罰則を引き上げたと思います。でも、結局違反行為がずっと続いている結果、また今回の改正に引き続いたと思います。

 ですから、抑止力を高めるために、例えば、本当に罰金の額を大幅に引き上げなければ実際の抑止力効果は期待できないということなので、今回の罰則の見直しは、逆に言うと、この抑止力に十分期待できるものなのかどうか、事務方の方からお答えいただきたいと思います。

寺澤政府参考人 お答えします。

 委員御指摘のとおり、前回の外為法改正は平成二十一年だったんですけれども、そのときに、外為法の罰金の上限、当時二百万円を一千万円に引き上げました、最大で。ただ、委員御指摘のとおり、では、抑止力はこれで十分なのかというと、まだまだ不十分だろうということで、今般、罰則の大幅な引き上げをお願いしているところでございます。

 具体的には、個人については上限を一千万円から最大で三千万円、さらに、法人だと三千万円は少ないという問題がございますので、最大で十億円に引き上げます。これは、現状からすると、法人については、百倍、罰金の上限を引き上げることとなります。

 ちなみに、この十億円という水準は、日本の国内においては、不正競争防止法に基づく営業秘密の侵害に対する罰金の最大が十億円なものですから、国内の経済法令におきましては最高水準となります。

 それに加えまして、外為法においては五倍スライド規定というのがございまして、違法輸出の金額の五倍まで罰金をかけられるということになっています。したがって、例えば五億円の違法な輸出がございますと、最大で二十五億円の罰金を科することもできます。

 この五倍スライド規定もあわせて鑑みますと、経済法令としては、国内の罰金としては最も厳しいものが今回の改正によって実現し得ると考えています。

 このように、委員の御指摘も踏まえた上で、今般、この改正によって違反行為、違法輸出に対するペナルティーを大幅に引き上げて、抑止力を抜本的に高めたいと考えている次第でございます。

白須賀委員 ありがとうございました。

 今回の改正によって、いわゆる罰金の上限が経済関係法においては最高水準になっているということは十分理解できましたが、では、これが実際に罰金を決めるときというか、裁判、これにおいて本当に実際どれだけの高額な罰金を科すことができるかというのは、基本的には、まだまだ正直、お金だけだと弱いところが多々あります。

 ですから、今回の違法行為の抑止力としては、やはり、もう一つの両輪となる輸出入禁止の行政制裁措置、本当にこちらの方が私は重要だと思っております。

 今回の改正で、輸出入禁止の行政制裁措置を逃れる行為を防止するための措置を創設したということでございますけれども、一体そういうのはどういう内容なのか、もう一回御説明の方をよろしくお願いします。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 現在、外為法におきましては、安全保障上機微な貨物を無許可で輸出した場合、あるいは北朝鮮制裁による全面輸出入禁止に違反した場合、こういった場合に、法人や個人に対しまして、一定期間の輸出入を禁じる行政制裁を科することができるとされております。

 しかしながら、この行政制裁を受けた個人が別の法人の役員などに就任をいたしまして、禁じられた輸出入行為を継続するということが懸念されるということでございます。

 したがいまして、今回の改正法案におきましては、輸出入禁止措置を受けた個人が、その制裁を受けている期間のうちに、個人業として禁止された業務を新たに会社を立ち上げて始める場合、こういったものを禁じる、あるいは、禁止措置を受けていない別の法人において禁止された業務を担当する役員などになることを禁止をするということで新しい制度を創設させていただいております。

 この措置によりまして、別の会社を利用して輸出入禁止処分の行政制裁を潜脱するような行為、行政制裁逃れを阻止したいというふうに考えております。

白須賀委員 僕はちょっと性格が悪いので、どうやってその法律を逃れようかということばかり考えますので、例えば、本人が会社のオーナーとかそういう形で会社をされていて、今回の行政措置を受けて処分されて、次の会社も例えば役員になっている、これはとめられますよね。

 でしたら、逆に、コンサルタントみたいな形でその会社にかかわって、同じような業務をやろうとした場合はどうなりそうですか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 先生御懸念のとおりのことを私ども考えておりまして、したがいまして、今回、改正法案の五十三条の三項というのがございます。

 ここでは、行政制裁措置を受けた個人が別の企業の制裁対象業務の役員となることを禁止すると書いてあるんですが、その役員といたしまして、「相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。」という規定を置いておりまして、したがいまして、御質問のように、行政制裁を受けた別の企業と雇用関係がないコンサルタントのような身分であっても、あるいは、そもそもその肩書の名称が何であろうとも、その方が実際に行政制裁の対象業務に対して支配力を有するというふうに認められることでありましたら、そうした立場でもし仮に行政制裁の対象となった業務を継続すれば、これは、役員となることを禁止した処分に違反する行為となるというふうに考えております。

 したがって、御指摘のようなコンサルタント、顧問となってその業務を支配力を有して行う場合におきましては、今回の改正によりましてそうした行為を阻止することができる、このように考えております。

白須賀委員 もっと性格悪く言うと、例えば、ある技術がある会社があって、そこを悪意を持って買収しました。そこの製品は出さないけれども、そこにいる技術スタッフを、某国、その技術を欲しがっているところに人として研修としてそちらの方に出してしまう。結果的にそこでいわゆる技術が漏れるというリスクはどういうふうに対応できるんでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 委員御指摘があったような事例、例えば、外国企業が日本企業を買収して、仮にその買収が通ったとして、その上で、当該日本企業の例えば技術者を本国に呼び寄せて技術指導を受けさせるということの御指摘だったと思います。

 私どもは、外国企業が日本企業を買収する時点で、外為法に基づいて、まずその段階で厳格に審査をします。その上で、これは一段階目ですよ、二段階目として、投資だけじゃなくて、技術取引も外為法によって規制をしております。

 したがって、資本関係があったとしても、日本における子会社であったとしても、日本の技術者を例えば本国に戻してそこで技術指導をさせる、これは技術取引規制の対象になりますので、許可の対象となります。

 このように、投資の時点でチェックをし、技術取引の段階でチェックするという二重のチェックにより、委員の御指摘のような問題についてはしっかりと対応していきたいと考えております。

白須賀委員 今のお話で、株を上場している会社は恐らくチェックがすごくしやすいと思いますが、逆に、非上場の、でも優秀な技術を持っている中小企業もたくさんございますから、そういったところと外国人の投資家が相対で取引をするということに関しては、なかなか把握するのは難しいと思います。

 でも、我が国の中小企業にはたくさんの技術を持っている会社がございますけれども、そういった場合にはどういった対応をされるんでしょうか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、こういった相対取引を捕捉するというのは、大変難しい面、決して簡単なことではないというふうに考えております。

 他方で我々、外為法を施行するに当たりまして、こういったことの情報をしっかりと把握をしていきたいというふうに考えております。先ほど申し上げましたとおり、外国投資家に対しては、外為法に基づきまして報告徴収を求めるということもできます。これをしっかりと活用させていただきたいというのが一つです。

 それから、私ども経済産業省におきましては、産業を担当する部局が業界からの情報をある意味吸い上げるネットワークというものがございますので、そういった相対取引そのものはいわば秘密裏に行われる可能性があるわけですけれども、その結果として行われる事業については、さまざまな形で、産業界、ビジネスの関係のある方から情報を収集することができるのではないかというふうに考えております。

 これに加えまして、今のケースですと、無届けで投資が行われる、対内投資が行われるということでございますので、今回の改正におきまして、投資が行われた後において無届けで投資が行われた場合には、株式の売却命令を出せるといったような制度も創設させていただきたいというふうに考えておりますので、これが、無届けで、相対で、届け出することなく投資をすることに対する抑止効果を持っているというふうに考えております。

白須賀委員 つまり、外国の投資家が株を取得する、中小企業であっても非上場の会社であっても、無届けで株を取得した場合には行政処分の対象になるという考えでいいんですよね。

 そうしますと、また性格が悪いので、例えば、ある中小企業とか技術のあるところに本当に最初からわなを仕掛けて、我が国に工場を進出してくれ、そして、その資金も私たちがある程度提供するからと、資金提供をしながら工場を移転してもらって、そこに工場をしっかりとつくらせる。その後、いろいろな嫌がらせとかあちらの国内法とかいろいろなもので邪魔したりして撤退を余儀なくさせる。結果的に、我が国の、物をつくる製造ラインとか機器がそちらの国に残ることも、これはある意味、技術流出にも当たります。

 ちょっと前の時代は、やはり中国に進出した我が国の企業が相当それでいろいろなものが流出したと私は把握しておりますけれども、これも同じような技術流出になりますので、それに対してはどのような措置が考えられますか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 委員御指摘の問題は、私どもとしては、非常に潜在的に重要な、重大な問題だと考えています。

 そのための対応策でございますけれども、日本企業が中国などに進出する際に、工作機械などの機微な設備、製造ラインを持ち出すということはあり得るわけですけれども、この場合、仮に日本企業が投資した案件であったとしても、そうした機微の技術の輸出については、許可を求めています。その際、輸出許可をする際に、慎重に、厳格に、まず審査をします。

 その上で、設備が相手国に行きました。委員御指摘のように、いろいろな嫌がらせ等を通じて合弁企業から日本企業が撤退をする。その機械設備が例えば再輸出されるということがあり得るわけですけれども、そうした問題については、私ども、再輸出する場合には、あらかじめ経産大臣の事前同意が必要だということを許可の際の条件としております。そこでチェックします。

 さらに、工作機械については、移転防止装置の搭載というのを求めています。この移転防止装置というのは、勝手に工作機械を移動したとした場合、ソフトウエアが働いてその機械がとまってしまう、こういう装置でございます。これを解除するためには、メーカーのサポートがないとまた動かせないということでございますので、相手のユーザーが勝手に工作機械を移動した場合、その移動防止装置が働いてとまってしまう、使えなくなるという技術的な手当てもします。

 このように、最初に物を出すときに厳格にチェックをし、次に、再輸出についても事前チェックを求め、さらに、技術で、勝手に移動した場合にとまるという仕組みを入れること、こうした多層的な取り組みによって、委員御指摘のような懸念に対してしっかりと対応しているところでございます。

白須賀委員 本当に、機械を勝手に移動するだけでもソフトウエアがとまっちゃうぐらいなんですね。びっくりしました。

 本当にそうやってありとあらゆることを考えないと、悪意を持って何かをしようとする人たちは、ありとあらゆる方法を考えて、ありとあらゆる我が国の法律をよく精査して、そして穴を見つけてやってきますので、少しでも今回の外為法の改正で穴を埋めていかないと、本当にこの国の技術というのは、この先の、我が国が五十年先食べていく、子供たちが食べていくための大切な技術が流れるというのは本当に危ないことでございます。

 特に炭素繊維の世界では、やはり東レさんとかが優秀で、今はT300までは中国ではもうつくれるようになっている。我が国しかつくれないT700、800、900、1000、このレベルは絶対に流出してはいけませんし、また、この先、恐らくスパイバーとか、いわゆるクモの糸とか、ああいった本当の新しい……(発言する者あり)先ほど褒めたんですよ。本当に我が国のこれからひょっとしたら百年食べていけるかもしれない、そういった素材もたくさんございますので、こういった技術が流れるというのは本当に我が国にとって致命傷になりますから、何とか守っていっていただきたいなと思います。

 用意していた質問が全部終わってしまったので、少し時間が早いですけれども、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日は、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法の法案審議ということですが、規制法でもありますので、さまざまな角度から議論をさせていただきたいと思います。

 それに先立ちまして、昨日、初の日米経済対話が行われまして、世耕大臣はロス商務長官と二度目の会談をされました。

 私は、日米の経済連携のさらなる深化は非常に重要と考えておりまして、自由貿易を推進していく観点からは、日本は、アメリカに対してだけではなく、世界に対してオープンな姿勢を見せるべきだと日ごろから考えております。

 そこで、質問に先立ちまして、昨日の経済対話及びロス商務長官との会談につきまして、どのような内容であられたのか、今後の展望も含めまして、大臣から御説明をお願いしたいと思います。

世耕国務大臣 私は経済対話本体には入っておりません。これは麻生副総理とペンス副大統領の間で。ただ、同時にロス商務長官も同行して訪日をされましたので、きのう、私とロス商務長官の間で個別会談の機会を持ちました。一時間ほど予定していたんですが、四十分オーバーするぐらい、非常に中身のある会談だったというふうに思っております。

 詳細はなかなか、相手のこともあって御説明しづらいんですけれども、前の二月の首脳会談で安倍総理とトランプ大統領の間で合意をしている、日米でこれから新しい貿易・投資ルールをつくっていこう、そして、そのルールを、アジアを初めとする地域にしっかりと広めていこうというのが首脳会談の合意でありました。今回のロス長官との会談は、その延長上で、では具体的にどうしていくのかということについて、かなりいい話し合いができたというふうに思っております。

 今回のロス商務長官と私の間で合意できた内容を、これからしばらく事務的に、といっても、相手がまだ事務方がほとんど承認されていない状況なんですが、相手の人事も待ちながら、今後事務方で少し詰めさせて、そしてまた、機会を見て私とロス長官で再会談をして、その進捗を確認するという形で進めていけたらなというふうに思っております。

 いわゆる何か二国間で個別の物品について議論をするというような形には、全くきのうの私とロス長官の間ではなっておりません。首脳会談で合意された貿易・投資のルールという範囲の中でいい議論ができたというふうに考えております。

高木(美)委員 また今後の進展も、日本に有利になりますように、大変だと思いますが、ぜひともよろしくお願いいたします。

 近年、日本の国際化が進展しつつあるというのはもう誰もが実感していることだと思いますが、二〇一五年末の対内直接投資残高の対GDP比を見ますと、日本が四・九%であるのに対して、他の先進諸国は軒並み三〇%以上というふうになっております。こうした状況を踏まえると、日本の国際化の水準はまだまだ低い、まだまだ可能性があると言わざるを得ません。

 したがいまして、外国企業や外国人が活躍しやすい環境整備等を通じて、今後ともさらなる国際化を推進していくことが重要であると考えております。先ほども白須賀議員から、日本が子や孫が食べていくためにというお話がありましたが、全く同感でございます。

 ただ、一方で、大臣が提案理由説明で言及されていたように、先端的な民生技術の軍事転用についての懸念であるとか、また、アジアにおける国際関係の緊張の高まり等を考えますと、こうした国際化の推進と安全保障上機微な技術の流出懸念というのは、表裏一体にあると思われます。また、核実験、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動きについても強い懸念を持たざるを得ません。

 こうした背景から、機微技術の管理等を強化すべく外為法を改正するということですが、規制の強化については、その実効性や規制を受ける側の負担等を踏まえまして、丁寧に議論すべきものと考えます。このような観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、一般的に、規制強化を行いましても、規制を受ける側がその規制を必要とする背景をしっかりと認識をしていく、理解をしておく、これがなければ、規制による効果を十分に上げることはできないと思います。外為法による規制は、法の目的に「国際社会の平和及び安全の維持」と掲げられておりますが、日々刻々と変化する国際情勢の変化に対応したものであり、特に、安全保障と貿易管理の関係についてしっかりと対応することが求められております。

 大臣にお伺いいたしますが、前回の外為法改正から八年、この間に国際環境はどのように変化し、今回の外為法の改正内容はこうした国際環境の変化にどのように対応したものになっているのでしょうか。お伺いします。

世耕国務大臣 前回の外為法を改正して以来八年がたちまして、技術動向とか安全保障環境とか、あるいは、新興国が非常に国際的な投資をふやしているというような環境変化が起こってきております。また、国際的な商取引もかなり複雑化をして、ブローカーとかダミー企業が関与するようなケースも出てきているということであります。

 具体的には、まず技術の環境変化ですけれども、技術革新が進んだということと、あと、途上国も新興国もかなり工業化が進んだということになっておりまして、今までだと先進国しか買わなかったような技術ですとか製品、例えば炭素繊維などの新素材ですとか、あるいは情報通信技術ですとか、精密加工に必要な機械ですとか、こういったものを買うようなケースがふえてきておりまして、この民生技術が軍事的に転用される、そういう懸念が全世界に広がっていっているという状況であります。

 また、安保環境も非常に変化をしておりまして、今、喫緊の課題となっております、北朝鮮による核・ミサイル開発ですとか、あるいは南シナ海での緊張の増大などによって、アジアの安保環境が非常に厳しさを増しているわけであります。二〇一二年には、実はヨーロッパ地域の軍事支出をアジア地域の軍事支出の方が上回るというような状況、これは大きな変化だと思いますが、そういうふうに緊張も高まってきているわけであります。

 先ほど申し上げましたように、新興国はかなり国際的な投資をふやしておりまして、二〇一五年現在で、ストックベースでいくと二割、フローベースでいくと三割が新興国による国際投資という形になっているわけでありまして、投資の環境も大きく変化をしてきています。そういう中で、アメリカ、ドイツなどの先進国では、安全保障の観点から、新興国からの直接投資に対して中止命令が出されるというようなケースも出てきているわけであります。

 こういう中で、しかし、先ほど委員御指摘のように、対内直接投資、日本はまだまだふやしていかなきゃいけない、そういうアクセルを踏まなきゃいけない部分もあるわけですが、一方で、安全保障環境の観点から、やはりブレーキももうちょっと強いものが必要だということで、今回、法改正という判断をさせていただいたわけであります。

 今回の改正案の中では、まず、輸出入、技術取引規制について、違反を行った法人に対する十億円の重科を創設するなど、罰則を大幅に強化いたしました。

 また、輸出入に係る制裁の実効性を強化するために、輸出入の違反者に対する行政制裁について、別法人を利用した制裁逃れに対応するための制度を創設したり、あるいは、北朝鮮との輸出入禁止措置など、我が国独自の経済制裁に違反した場合の行政制裁措置の期間を一年から三年に延長するなどの措置を講じさせていただいています。

 また、対内直接投資についても、違法投資に対して株式売却命令を事後的に命令ができるというような、規制強化の措置も講じさせていただきました。

 こういうことを使って、機微技術の管理の抜本的な強化を、この国際化の環境の中でしっかりと行っていきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 丁寧な御説明をいただきました。

 その中で、私が日ごろから注視しておりますのは、世界の対外直接投資の構造が大きく変化し、新興国の存在感が増しているという、ここをずっと注目しております。

 新興国の企業は、当然のことながら、先進国企業の先端技術を手にする、それを目的に企業買収に積極的に動いているということを認識しておりまして、我が国企業の先端技術が軍事転用されてしまうという懸念は常につきまとっております。

 例えば、この委員会でも何度も議論されておりますが、今まさに東芝の半導体事業の売却先として海外企業の名前が挙がっているわけでございまして、言うまでもなく、東芝には、コンピューター、スマートフォンなどの記憶装置や、すぐれたレーダー技術など、保有するデータも含めて、ここは、我が国産業や安全保障を支える重要な技術を持つ、いわば基幹産業の一つであると言っても過言ではないのが東芝であると思っております。

 大臣の今の御説明では、アメリカなどでは、安全保障の観点から、新興国企業からの直接投資に対して中止命令が出されたというケースもあるという御答弁をいただきました。

 日本では、外国資本に買収されることを想定した技術流出を防ぐためのルール整備がおくれているのではないかという指摘も実は受けておりまして、その意味では、今回の外為法の改正は、外国企業が日本企業を買収するための直接投資を適切に規制できるようにするための措置を盛り込んだものであるわけですが、具体的にどのようにして技術流出を阻止することができるのか。そして、東芝の事案もあるわけですから、この改正法案はできるだけ早く施行させる必要があると思いますが、大臣のお考えをお伺いします。

世耕国務大臣 現在の外為法でも、外国投資家による日本企業の株式などの取得に対しては事前届け出義務があって、そして、それが出てきた場合に、国の安全を損なうおそれがあるか否かの観点から、かなり厳格な審査を行っています。

 この審査において、安保上重要な技術の流出のおそれがあるかどうかも含めて、かなりしっかりとした確認を行っておりまして、国の安全を損なうなどの事態を生じるおそれがある投資に対しては、投資内容の変更または中止の勧告や命令を行うことができるというふうになっています。

 私も大臣になってからいろいろレクを受けましたが、思ったよりかなり厳格にやっているという感じであります。

 ただ、やはりこれでもまだ足りないところがありますので、今回の改正によって、規制の対象外でありました、まず、外国投資家間の非上場株式について事前届け出義務の対象とするということ。あるいは、外国人投資家が、技術流出防止措置を講じるなど、その届け出の中にいろいろな、こうやりますから大丈夫ですよということを書いてもらうんですね。それをちゃんと届け出てもらって、それを確認して、まあこれならいいかという判断をする場合もあるわけですが、それをちゃんと遵守しなかった場合、遵守するように強制力を持った命令を行うことができるようにするという意味で、さらにこの規制の効力を高めるということがあるわけでありまして、この改正によって、日本の投資規制においても、諸外国と同様に、投資の内容を迅速に遵守させることができるようになるというふうに考えております。

 この法律は、別に何か個別のことを想定してつくった法律ではないわけですけれども、施行の時期については、議員の御指摘のとおり、今いろいろな動きもあるわけですから、できる限り早く施行することが望ましいというふうに考えております。この衆議院においても、早く審議入りもしていただきました。ぜひこの改正法案を御審議いただいて、経産省としては、できるだけ早く成立をさせていただくことを期待させていただいておりますし、成立させていただいた後は、できる限り早く施行するべく、事務方に早期施行に向けた準備を進めさせたいというふうに考えております。

高木(美)委員 ありがとうございます。力強い御答弁をいただきました。

 大臣、この後、参議院本会議と伺っておりますので、どうぞここで御退席いただければと思います。ありがとうございました。

 次に、対北朝鮮措置に関係する質問につきまして伺いたいと思います。

 先ほど大臣から、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対して、我が国の制裁をより実効的なものとするために、輸出入禁止に違反した者に対する行政制裁措置を強化したという御説明をいただきました。

 北朝鮮に対しましては、日本は、独自規制として全貨物の輸出入禁止措置を講じるなど、国連安保理決議よりもさらに踏み込んだ対応をしてきているのは確かですし、私はそれは当然必要な対応だと考えております。

 しかしながら、幾らそこでこうした措置をとったとしても、先日、金正男氏の事件で明らかになったとおり、東南アジアの国々など、北朝鮮と経済関係を持つ国が多くあります。その中で日本だけがしっかりと輸出管理をしていても、ほかの国が機微技術を北朝鮮に出してしまうのでは、技術流出阻止の実効性は担保されず、北朝鮮の脅威は拭い切れないと考えます。

 したがいまして、東南アジアなどの国においてもしっかりとした輸出管理が行われることが必要であるわけですが、このような問題に対してどのように対応していくのか、井原政務官にお伺いします。

井原大臣政務官 お答えを申し上げます。

 まず、今回の法律、外為法と言われておりますが、外国為替及び外国貿易法という名前でございまして、これは実は、投資というお金と貿易という技術とか物というのが一体的に管理される法律ということでありますが、意外とこの法律は、主な国ではドイツと日本でしかありません。このそれぞれの物やお金の流れについて情報共有をするという管理体制がしっかりとれているのが我が国でありまして、この法律のおかげということになります。

 しかし、先生のおっしゃるとおり、この管理は国際的に行ってこそ効果があるということでありまして、東南アジア等の国々が軍事転用可能な貨物等の製造拠点や迂回輸出先となっておりまして、北朝鮮等の懸念国等に流出することが大きな脅威となっているところでございます。

 日本はアジアの中でいち早くこのような管理体制を構築した国でもございまして、この懸念の高まる中、これまでに培ってきた輸出管理の経験を東南アジア等の国々とぜひ共有を行いまして、アジアにおける強固な輸出管理体制の構築に貢献することは非常に重要と考えております。

 具体的な取り組みでありますが、毎年四つから五つの国に、政府間によるアドバイスとか、あるいは現地産業界への普及啓発活動を行っております。また、二十四年間にわたりまして、アジアでは最大規模となるアジア輸出管理セミナーというのを開催いたしております。

 さらに、平成二十八年度からは、輸出管理制度の構築を具体的に検討している国の政府を対象に、我が国の専門家を派遣する事業も開始しており、今後、こうした取り組みをさらに強化をしてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 よくわかりましたが、厳格な輸出管理を実現していくためにはやはり運用が重要でございますので、ぜひともさらなる取り組みをお願いしたいと思います。

 また、近年では、民生技術が軍事技術に応用されるスピンオン、今までは副産物のスピンオフの方でしたが、スピンオンが主流となってきておりまして、管理すべき技術の裾野が広がっております。

 先ほど来お話あります炭素繊維は、ゴルフクラブのシャフトとかテニスラケットにも使われている一方で、戦闘機やミサイルにも利用が可能な最も機微性の高い技術でございます。また、炭素繊維のような汎用性の高い材料は、海外に輸出されてから用途が決まるといったケースもありまして、一度海外で保管されて売られる、いわゆるストックセールのような取引も行われております。

 そこで、実務について伺いたいのですが、こうした炭素繊維のストックセールのような場合、輸出許可の審査はどのように行われているのでしょうか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 炭素繊維のような機微な貨物の輸出に当たっては、原則は、最終需要者、最終的にこの貨物を使用する事業者、それから、その最終的な用途、それから、具体的にどのような形で使っていくかという計画が明らかになっているということを確認した上でその輸出を認めるというのが原則でございます。

 ただ、今委員御指摘のとおり、海外でストックセールを行うというような事業の実態もございまして、ここを考慮いたしまして、国際的な輸出管理レジーム、ワッセナー・アレンジメントのような国際的なレジーム全てに参加しているなど、輸出管理を厳格に行っている国に輸出する場合には、そのエンドユーザー、エンドユースが最終的に確定していない段階におきましても、厳格に炭素繊維を管理、保管することを条件として輸出を許可する場合がございます。

 ただ、これも先ほどの原則に立ち返りまして、もし仮に懸念用途に使用されるおそれがある場合には、改めて個別に輸出許可申請をすることを事業者に求めまして、問題のないことを確認してから輸出を許可する、こうした運用をしております。

高木(美)委員 恐らく、こうしたことは審査官の方々の日々の規制の運用によって防がれているというふうに思っております。

 輸出管理の実務が非常に厳格に行われているということですが、他方で、これだけ厳格な輸出管理をしている実態を考えると、今度は、規制を受ける側、特に技術を持つ中小企業がどこまでこうしたことを理解されているのかという点が気になるわけでございます。

 私も今、ずっと中小企業の視察を重ねておりますけれども、日本には、世界じゅうでその企業でしかつくれないようなすぐれた技術を持つ中小企業がたくさんあります。そうした高度な技術の中には、輸出管理規制の対象になっているものもあると思います。しかし、経営者の方たちは、自社の技術がどれだけ重要で、どれだけすばらしいのか、機微なものなのか、これを理解されていない方もいらっしゃるかと思います。日本の技術が軍事転用されることで、我が国の安全保障が脅かされるだけではなく、世界の安全保障に悪影響を与えるようなことは絶対にあってはなりませんし、そうしたことは経営者の方たちは考えているわけではないと思っております。

 そこで、長年、中小企業政策に携わってこられた高木副大臣にお伺いいたします。

 こうした輸出管理に関して、中小企業の方々によく理解をしていただき、取り組みを進めてもらうために、経済産業省としてどのように支援をされているんでしょうか。

高木副大臣 ただいま委員御指摘のとおり、中小企業の方々に安全保障貿易に対する認識を高めていただくことは大変重要であると認識をしております。

 その上で、経済産業省としては、全国各地で年間百回程度の安全保障貿易管理に関する説明会などを開催しておりまして、安全保障貿易管理をわかりやすく説明しているパンフレットの配布など、さまざまな普及啓発活動を行っております。特に、説明会の一部は各地の商工会議所やジェトロが主催するなど、輸出などを検討する中小企業にも規制の内容や必要な取り組みが十分に周知がされるよう工夫をしております。

 また、こうした取り組みによりまして、多くの企業では安全保障貿易管理に関する自主管理内部規程が策定されるなど、理解が進んでおりまして、一定の輸出管理体制構築も進んでおります。

 今後、中小企業を主な対象とした説明会をさらに充実させていくとともに、法令遵守のアドバイスを行うための企業訪問などを行うことを通じまして、この輸出管理の一層の徹底を図ってまいりたい、このように考えております。

高木(美)委員 大変重要な取り組みだと思います。どういう場合にそうした軍事転用される危険性があるのか。どういう業種なのか。業種もいろいろあろうかと思いますけれども、ただ、そうした業種でなくても、持っている技術が転用の懸念がある、そうした技術に対する認識、そしてまた、先ほどお話がありましたこうした内部規程のあり方等々を含めまして、今後とも徹底をお願いしたいと思います。

 さて、その次に気になりますのは、今度は中小企業。今、事業承継が大きなテーマになっておりまして、そのための施策、どうすることがいいのか。金融機関が伴走するなどさまざまな施策が今後必要になるわけでございますが、外国資本がすぐれた技術を持つ中小企業を買収して、技術が流出するようなことはないのかという懸念でございます。

 中小企業の場合、どんなにすぐれた技術を持っていても、景気などの影響で経営が行き詰まることがあります。私もそうした相談に何件も乗ってまいりまして、経産省につなげながら、そこで、こういう融資があります、また、こういう機器を購入することのためにこうした補助金がある等、ちょっとやっていただくだけで、その次、大きな経営効果を生んでいく。そして今、見事に飛躍している、こういう企業もよく存じ上げているわけですが、このように経営が行き詰まってしまってからでは、外国資本が買収しようとアプローチをかけている、それを断ってしまうと中小企業はそのまま倒産するしかなくなるという事例も見受けられます。

 また、外国の事業者が買収を図る場合に、団塊の世代の中小企業の経営者が引退するタイミングを待っている。こうした、実に中小企業の弱みにつけ込むような戦略的買収も予想されるわけでございまして、こうした中小企業の経営実態を踏まえますと、外為法による対内直接投資の規制だけでは十分に技術を守ることができないのではないか、また、そうしたこともあるのではないかと思います。

 そこで重要になるのが、すぐれた技術を持つ中小企業が外国資本に頼らざるを得なくなる前にいかにして支援をしていくか、ここが重要でございまして、高木副大臣に再びお伺いいたしますが、経産省はこうした中小企業に対してどのように対応していくのでしょうか。

高木副大臣 ただいま委員御指摘いただきましたように、すぐれた技術を持つ中小企業であっても、景気の状況などにより厳しい経営環境に置かれて、外部からの支援が得られなければ事業を継続できない、また、外国資本の買収を受けなければ倒産をしてしまって、結果として技術そのものが失われるという事態が生じることがあり得ると思います。

 そこで、外為法の対内直接投資規制の前段階、早目早目の状況把握をして対応することが重要になってくると思います。日ごろから、すぐれた技術につきましては、どの企業がどのようにかかわっているか、また、関係する企業の経営状況などを把握していくことにより、外国企業に買収されなければ倒産という状況となる前にさまざまな支援策を紹介したり、取引先による支援につなげるといった対応が可能になると考えております。

 このため、経産省としては、我が国の産業競争力上重要な技術で安全保障に資する技術、いわゆる重要技術につきまして、技術の最新動向も踏まえまして、どの重要技術をどの企業が保有しているか、また、どのような用途に用いられているかなど、実態の把握を進めております。

 また、すぐれた技術が次世代に引き継がれていくという円滑な事業承継に向けた準備を促すための支援、また、財務状況が悪化している中小企業に対する経営改善また事業再生支援を行っております。

 例えば、事業承継につきましては、委員御存じのように、平成二十九年度から、商工会、商工会議所、また、金融機関、同業種組合などから構成される事業承継ネットワークを都道府県ごとに順次構築いたしまして、その構成員の方々から経営者の方々に対しまして、事業承継診断の実施などにより、潜在的な事業承継ニーズを掘り起こしていただき、適切な支援機関につないでいただくようにしています。

 また、後継者不在の中小企業に対しましても、全国に事業引継ぎ支援センターを設置しまして、MアンドAなどの後継者マッチングの支援を行うなどの支援を実施しているところでございます。

 また、経営改善、事業再生につきましては、税理士や中小企業診断士などの認定支援機関を活用した中小企業の経営改善計画策定への支援、また、中小企業再生支援協議会による中小企業の個別状況に応じた相談対応や、専門家による再生計画の策定支援、債権者である金融機関との調整などの支援などを行っております。

 いずれにしても、機微な技術の問題だけではなくて、中小企業全体をしっかり支えていくということが最も重要であると思いますので、今申し上げましたそれぞれの施策を十二分に生かしながら、そして、この貿易の問題に関しましても、しっかりと守っていけるように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

高木(美)委員 大変力強い御答弁をいただきました。

 今、公明党におきましても、中小企業活性化対策本部並びに経済産業部会でヒアリングそしてまた視察等を繰り返しておりまして、提言を近々出したいと思っております。

 中小企業支援について、今お話しありました、メニューは出そろっておりますが、ここをどのように組み合わせながら、また、どのパーツを強化しながら、また、新たな提案も加えながら前に進めていくことが、外国企業に買収されないためにも必要であると思っております。

 ただ、貿易管理の制度と中小企業支援策の両方を持っているのは経済産業省でございますので、ぜひ、経済産業省のイニシアチブに今後期待をしていきたいと思っております。

 日本が国際化を進めていくことはもちろん重要ですが、適切な技術管理とのバランスをとることが、日本だけではなく、世界にとっても重要と思います。先ほど大臣の御答弁にありましたとおり、こうした観点を踏まえまして、今回の外為法の改正が実効性ある規制となりますように、そしてまた、本法案が速やかに成立され、施行されますように、私どもも力を合わせて頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時五十七分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時三十九分開議

浮島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。近藤洋介君。

近藤(洋)委員 民進党の近藤洋介です。

 本日は、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の改正案の質疑であります。

 技術輸出を初めとする輸出規制の見直し等でありますけれども、思い出しますのは、外為法といいますと、一九八七年の東芝機械によるソ連への工作機械の不正輸出、いわゆる東芝ココム事件であります。この事件は、当時、私もまだ学生から社会人になったばかりだったんですが、あれはまさに日米貿易摩擦の象徴のような事件ともなってしまいました。この事件をきっかけに外為法も改正をされたわけであります。

 あれから三十年たったわけであります。日本をめぐる環境も大きく変わったわけでありますが、歴史の皮肉といいましょうか、あの事件で東芝も大揺れ、大変なことになったわけでありますが、今再び東芝が揺れているわけであります。

 したがって、最初冒頭、東芝について伺いたいとこう思います。

 債務超過に陥った東芝は、経営再建の切り札として半導体部門の売却方針を決めておるわけであります。その半導体子会社の東芝メモリに向けた入札で、売却先の有力候補となっている米半導体大手ブロードコムに、政府系ファンドである産革機構、産業革新機構と日本政策投資銀行が合流する方向であるとの報道がされております。これは事実かどうかというのを、まず冒頭、大臣にお伺いをしたいと思うわけであります。

 このことは、いわゆる技術流出防止の観点からも、私は一つの政府の知恵かなとも思っておりますし、ブロードコムと日米連携でこの半導体事業を育てていくというのは、一つの組み立てとしてあり得るのではないかとこう考えるわけでありますが、この日米連携について、もし事実とすれば、これは政府系の機関でありますから大臣の考えをお伺いしたい、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 今、東芝半導体子会社の売却をめぐっていろいろな動きがある。いろいろな報道がある。今御指摘のようなブロードコムとかいう名前も出た報道も承知をしておりますけれども、これはそれぞれ上場企業の経営に関する話でありますし、最終的にはこれは東芝が受け付けて判断をする話ですので、コメントは控えさせていただきたいというふうに思っております。

 また、政府系の、少し金融機関等の名前も出ました。その中では産業革新機構というのが一応経産省所管になるわけですが、これも、たてつけ上、経産省があそこに投資しろとかするなではなくて、基本的には、機構が決めてきたものを我々がオーケーを出すかどうかという話でありますので、これも、今私の方で主体的にコメントをするのはちょっと難しいわけであります。

 ただ、一方で、東芝のこの半導体事業、いわゆるNANDメモリーという技術でありますけれども、これは世界的に見て非常に高い競争力を有しておりますし、工場等で非常に大きな雇用も生み出しているわけでありますから、そういう観点から我々は非常に重視をしていますし、今後いろいろなデータセンターなどで使われるということを考えますと、情報セキュリティーの観点からも非常に重要であります。

 海外資本の参入については、こういった観点も十分に考慮した上で最終的に会社としてしっかり御判断をいただく問題でありますが、まさに今御審議いただいている外為法上の権限を我々は持っておりますので、国の安全等の観点から、しっかりと見て、必要があれば厳格な審査を行ってまいりたいというふうに思っております。

近藤(洋)委員 外為法の観点から、必要があれば厳格な審査を行わなければいけない対象である、こういう御答弁、ありがとうございます。このNANDフラッシュメモリーはそういう意味では非常に重要な技術である、こういうことでありました。

 であると同時に、お伺いしたのは、産革機構は、これはまさに経産省所管のファンドなわけでありますから、産業を育てるという観点から、産革機構が判断するとはいうものの、これはまさに産業政策上この事業を、何も東芝を救う云々ではなくて、半導体、NANDフラッシュメモリーというか、この分野を我が国としてしっかり位置づけて育てるという観点から、産革機構であり、かつ政投銀、これもやはり政府の金融機関としてしっかり支えていくという問題意識を、やはり産業政策を所管する大臣としてお持ちかということを聞いているのですが、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 なかなかそこが答えにくいところであるわけです。あくまでも産革機構が判断すべきだと思いますし、産革機構から判断した結果として上がってきた案件に関して、今御指摘のように、法律上、やはり何でも投資できるというわけではありません。特に、個別の会社を救うために出資をするなんということは産革機構はあり得ないわけであります。法律上は、オープンイノベーションにつながるかどうかということと、やはり、日本の国益につながるかということであります。

 ですから、これは一般論ですけれども、産革機構が判断をして上げてきた場合は、その物差しに従って、私の方でオーケーを出すかどうかという判断をしてまいりたいというふうに思っております。

近藤(洋)委員 私は、東芝のこの半導体メモリー、東芝メモリについては、これは成長分野ですから、ある台湾企業は、報道によると、二兆円どころか三兆円出してもいいと言っているぐらいの有望な会社ですから、ここに出資するというのは、何も救済でも何でもないと思うんです。いい分野だからなんです。そこに出資するというのは、我が国としては、伸び行くところに出すわけですから、全く問題ないのではないかと一般的に思えるわけであります。ですから、何の問題もない案件ではないかと思うんです、そこ自体は。

 ですから、それは専門的な見地から冷静に判断されたらいいとこう思うわけでありますが、いずれにいたしましても、本法案の改正案は、こうした状況も鑑みて、吉川自民党理事の御意見も伺いながら、衆議院経産委員会として、やはり重要な法案であるということから、本法案の審議に速やかに着手すべきだということできょうに至っているわけであります。

 したがって、高木委員の御質問にも大臣は答えられましたが、しっかりした審議をするのは前提でありますけれども、審議を踏まえた上で、やはりしっかりした御答弁もいただいた上でではありますけれども、仮に、成立した場合は速やかに施行する必要がある、こう考えますが、改めていかがでしょうか。

世耕国務大臣 個別のことをターゲットにした法改正ではないわけでありますけれども、今御指摘のとおり、いろいろ起こっている中で、やはり施行の時期については、できるだけ早く施行することが望ましいというふうに考えておりますし、こういう形で御理解をいただいて早く審議入りをしていただいたことに関しては、これは本当に心から感謝を申し上げたいと思いますし、審議はしっかりした上で、できる限り早く成立をさせていただくことを期待を申し上げたいと思います。

 いつとはなかなか申し上げられませんが、いろいろな手続があります。一定の周知期間も必要なんだろうというふうに思いますけれども、そういった官報の手続とか、そういったことをできるだけスピーディーに進めて、できるだけ早く、早期に施行できるよう、事務方に対してしっかりと指示をしてまいりたいというふうに思います。

近藤(洋)委員 では、次の質問に移ります。

 委員長のお許しを得て配付資料を配らせていただいておりますので、一枚目と二枚目をごらんいただければと思うんです。

 近年、いわゆる軍事技術と民生技術、それぞれの技術があるわけでありますが、非常に境目が曖昧になっているわけであります。かつては、確かに軍用の技術が、例えば言われている炭素繊維も、もともとは確かに軍用で開発されたものかもしれないけれども、今や、逆に民間のものが軍用に使われる、こういうケースも非常に多くなっている。いわゆるデュアルユース、両面で使われるようになってきているわけであります。どちらが軍事技術で、どちらが民生技術かわからない、これが最近の状況だろうとこう思うわけであります。

 そういう状況下であるわけでありますが、こうした状況の中、三月二十四日に日本学術会議が、軍事的安全保障研究に関する声明を発表いたしました。二枚目をごらんいただければと思うんですが、日本学術会議の軍事的安全保障研究に関する声明であります。長い声明なので下線部のところだけ読ませていただきますが、しかし、大事な声明であります。

 「日本学術会議が一九四九年に創設され、一九五〇年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」旨の声明を、また一九六七年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究は行わない声明」を発表した」ということを書いた上で、この「二つの声明を継承する」と。

 そして二段落目ですが、最後に、軍事的安全保障研究では、「政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある。」と表明した上で、三パラ目ですけれども、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度、二〇一五年度創設では、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い。」というふうに批判をしておるわけです。

 すなわち、安倍政権の防衛技術政策、二〇一五年に発足したこの制度に対して、真っ向から異議ありと意見を表明したわけであります。

 一ページ目に戻りますけれども、日本学術会議法、昭和二十三年に制定された法に基づいた、内閣総理大臣の所管の会議体、法律に基づいた会議体であり、第二条で、我が国科学者の内外に対する代表機関である、こう規定されております。すなわち、いわゆる科学者の国会とまで言われておるわけであります。この声明は、まさに科学者による国会決議であります。

 極めて重たい声明であろうかと思うわけでありますが、第三条では、独立して職務を行うということで、科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること等々と書いていますけれども、この声明を、大臣、どのように受けとめておられるか、お答えいただけますか。

世耕国務大臣 今委員から御指摘あったように、いわゆるデュアルユースといいますか、もともと民生用の技術が軍事用でも使える。例えば炭素繊維なんかは、近藤委員も多分お持ちの高級クラブのシャフトにも使われていれば、ロケットの中でも使われるということで、そういうことがいっぱい出てきているわけでありまして、特に高度な技術が軍事技術と民生技術の両方で活用されているという状況になっています。

 今回公表されました日本学術会議の報告書は、こうした軍事技術と民生技術の間に明確な線引きを行うことが困難になりつつあるという認識のもと、安全保障にかかわる事項と学術の関係について、独立の立場、これが重要でありまして、日本学術会議法ではもうこの会議の独立性というのが非常に担保されていますので、その独立の立場において決定されたものでありますので、これについて経産大臣として何かコメントをするとこれは問題になってくるわけでありますから、これは独立の決定ということで、私の方としてはコメントは控えたいと思います。

 ただ、こういった科学技術に関しては、いろいろな決定が政府の中で行われてきております。経産省としては、政府全体の方針に沿って、産業競争力上重要な技術で安全保障にも資する技術について実態把握に努めるとともに、引き続き、関係府省との連携のもと、国及び国民の安全、安心を確保するため、我が国のさまざまな高い技術力の活用に取り組んでまいりたいというふうに思います。

近藤(洋)委員 御答弁としてはそう答えざるを得ないと思うんですが、ただはっきりしているのは、きょうはあえて防衛省は来てもらっていませんが、この防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度、これは真っ向から否定されているわけであって、これ自体は縮小せざるを得ないのではないかとこう思うわけであります、率直に申し上げて。急拡大したこの制度については異議を唱えられてしまったのではないか、私はこう思うわけです。

 もう一つ、この学術会議が言っているのは、いずれにしろ見分けがつかないんです、したがって防衛省が入り口となっているのはきつい、やはり軍事研究と言わざるを得ないので難しいということを明確に言っている。

 加えて、同時に、下線部ですけれども、やはり各大学においてしっかり審査をする体制を整えるべきだということも学術会議は提言をしている。こういうことだろうと思うんです。

 そして、この学術会議の考え方もひもときながらこの法案に戻りたいと思うんですが、まさに大学というのは、人材及び研究開発の場として非常に重要な存在なわけであります。留学生の受け入れの場としても非常に研究は拡大しているわけであります。その大学における機微技術の管理というのも非常に重要である。民間企業と連携して開発するケースも非常に多い。

 そうなると、機微技術の管理が果たして実態がどうなっているのか、ここを伺いたいんですが、文部科学省、いかがでしょうか。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 安全保障の観点から、機微技術の流出を防止するための、外為法に基づきまして、企業だけではなく、先生御指摘の、機微技術を扱う大学、公的研究機関においても輸出管理担当部署を設置するなどの体制を整備することによりまして、適切な安全保障貿易管理を行うことが求められていると理解しております。

 文科省におきましては、これまでも大学等に対しまして、組織的な輸出管理体制の構築を要請する累次の通知を出しております。そして、それに基づいて外為法の遵守を図っていただいているところでございまして、また、経産省から出されております安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスについても周知を図っており、かつ、大学等を対象といたしまして、経産省と連携して全国で説明会も実施しております。

 そういった活動を通じまして、平成二十九年二月、ことし二月現在で、国立大学におきましては、九四%で既に輸出管理を担当する部署が設置されているところでございます。一方で、私学、私立大学でございますけれども、ここは、医、歯、薬、理、工、農学系の学部を置く大学については四割弱ということになってございます。

 引き続き、外為法の遵守徹底及び大学等における安全保障管理体制の強化を図るべく、経産省とも連携をして取り組んでまいりたいと思っております。

近藤(洋)委員 文科省の松尾審議官、お答えいただきましたが、資料の三ページ目をごらんいただければと思うんですが、私のいただいている数字とちょっと数字が違うんですけれども、しかし趨勢は変わらない。

 国立で九〇%とこういうお答えでしたけれども、私の持っている数字を見ますと、国立大学及び医学部、歯学部、理工系を持つ公立、私立大学二百九十二大学における輸出管理部署の設置状況は、二百九十二大学の中で未設置は百四十九、要するに半分ぐらいは未設置であるということ。また、内部規定の策定は、二百九十二大学中百八十七大学がまだ私学も含めるとできていない。国立は、さすがにそれは国立大学ですからできていますが、私立はまだまだ。国立に至ってもまだできていない。さすがに旧帝大、旧帝大という言い方をするかどうかわかりませんが、はできているかもしれませんが、しかし、今や我が山形大学でもかなりレベルの高い研究をしているわけでありまして、いかがか、こういうことであります。

 こういう状況では、幾ら法律をつくっても、大学から出てしまうということが考えられるわけでありまして、やはり一刻も早い体制整備が必要と考えますが、大臣の御認識、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 御指摘のように、大学や研究機関であっても、例えば、外国企業との共同研究で製品開発を行う過程で安全保障上機微な技術を取引するような場合については、これはもう従来から輸出管理の対象となっているわけでありますから、大学などにおける安全保障貿易管理の徹底は非常に重要だというふうに思います。

 そういう認識でこれまでもいろいろ文科省と協力して経産省もやってきておりまして、まず、大学等研究機関向けの安全保障貿易管理に関する説明会、年間十回、千名ぐらい参加いただいていますが、これを開催をしてきておりまして、管理上留意すべき事項というのをわかりやすく解説をした安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス、こういったものを全国の大学などに提供をさせていただいております。

 そういったことを受けて各大学でも、規定の整備とか部署の設置などが進んできている。多分、議員のお示しの資料からまた直近まで、かなりふえてきている、そういう意識も高まってきているんだろうというふうに思っています。

 さらに、やはり執行面での対応強化というのを大学でも行ってもらわなければいけないというふうに思っていまして、先ほど申し上げた管理ガイダンスをさらに明確化する。例えば、入国後六カ月を経過をした外国人は、これは居住者扱いになるわけですが、それでも技術の持ち出しの規制については、居住者、非居住者の双方に係りますので、機微技術の提供の管理は重要であるということを明確にしていくということとか、あるいは、相談のあった全ての大学にきめ細やかな支援を行うアドバイザーを派遣をするとか、あるいは、国費が入った研究開発事業に参加をする大学などへの安全保障管理に係る注意喚起や資格の要件化といったこと、そういったいろいろな施策を総動員して、大学や研究機関における機微技術管理がしっかりとなされるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。

近藤(洋)委員 ぜひここをしっかり進めていただきたい、こう思うんです。大臣も大学の経営にかかわってこられた方ですからおわかりいただけると思うわけでありますけれども、やはり相当大学も国際化が進んでいるわけでありますから、そういう状況を鑑みますと、しっかりこの法律をつくって、仏つくって魂入れずになりかねませんので、ここの部分を対応を急いでいただきたい、こう思うわけであります。

 続いて資料をめくっていただければと思うんですが、日米、海外の体制を見てみたいと思うんですが、四ページ目、ちょっと見にくくて、細かい字で恐縮なんですが、結論からいいますと、ようやく今回の改正で日本も海外の先進国並みの規制の強化になったとこう言えるんだろう、こう思うわけであります。

 こういう規制の強化、ようやく追いついた、こういうことなんだろうと思うんですが、さて米国は、次の五ページ目を見ていただければと思うんですが、かなり厳しい規制をかけているということだと思うんです、アメリカという国は。やはり、安全保障に対して大変厳しい目を向けているのは米国ですから、法的にも厳しいし、例えば五ページ目を見ていただくと、審査対象は全ての取引、全ての業種、これが対象になっているという、日本はある程度限定しているわけですけれども、アメリカは全部が対象になっている。この間口から見ても違うわけであります。かなり米国はその点からしてみても広いし、厳しい、こういうことが言えると思うんです。

 さて、政府参考人にお伺いしたいんですが、米国は、対米外国投資委員会、CFIUSというんでしょうか、が管理しているようでありますけれども、この対外投資管理委員会というものの審査は、どういう状況で審査されるのか、また、何人体制で貿易というのを管理、チェックしているのか。状況について簡潔にお答えいただけますでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 委員御指摘があったとおり、アメリカにおいては、海外からの投資について安全保障の観点からチェックする機関が、CFIUS、対米外国投資委員会となっております。

 このCFIUSというのは、省庁横断の委員会であり、委員は財務省、国防総省、商務省など九機関の長で、委員長は財務長官が務めています。委員会事務局は財務省の投資安全保障局が行っているところでございます。

 なお、この事務局の人数についてはオープンになっておりませんが、私ども把握している限りでは、比較的少人数でやっているというふうに承知しております。

 このCFIUSの委員会において、安全保障上問題があるという投資案件については、最終的には大統領命令によって中止なり延期の命令が発せられる、こういう形となっております。

近藤(洋)委員 次に、隣の日本なのでございますけれども、最後のページをごらんいただければと思うんですが、何もアメリカが全ていいとは言わないのですが、ちょっと気になるところがございまして、日本は、これは外為審という審議会で審査するんですね。審査をして、最後、審議会。体制でいうと財務大臣及び所管大臣なんですが、財務大臣が長に立ってというのは米国も一緒なんですが、審議会がかかわる、ここが違うんです。審議会というのは外部有識者なんです。外部有識者の意見を聞いて、やります。

 ただ、ここで財務省、僕はちょっとどうかなと思うのは、これは、違反行為を審査して、そして執行するわけです。そもそも、外部有識者の意見を聞くというのがなじむのかということだと思うんです。制度設計をしたりするのは、それは有識者に聞くのは理解できるんですが、そもそも、有識者の意見を聞いて執行するというのは、いかがなものか、現時点では現状にそぐわないのではないかという気がして仕方がないのですが、財務省、この制度を見直す気はございませんか。

 要するに、省庁のしかるべき方々がきっちり議論をして、そして執行すればよいだけであって、何も外部有識者の審議会を開いて議論をするというのは、こういうものとしてなじまないのではないかと思いますが、いかがですか。

田中(琢)政府参考人 お答え申し上げます。

 外為法上、国の安全等を損なうおそれのある投資に対しまして、関税・外国為替等審議会、外為審の意見を聞いた上で、財務大臣、事業所管大臣が当該対内直接投資等に係る内容の変更または中止の命令等をすることができるというのは、委員御指摘のとおりでございます。

 外部の有識者で構成されている外為審の意見を聞くこととしている趣旨は、当局による対内直接投資等に対する変更や中止の命令等が、外為法の目的に沿った適切な判断のもと、公平かつ中立に行われることを確保するためでございます。

 なお、外為審の委員には、一般的な行政機関の職員と同じく、国家公務員法上の守秘義務がかかっており、これにより機密保持も確保されているところでございます。

 現在、この運用は適切、スムーズに行われているという認識でございます。

近藤(洋)委員 これは審議官、では、国税の摘発も審議会でやったらどうですかとなるわけですよ。

 そもそも、こういうものはほとんど今まで例がなかったんですよ。こういうもので命令は過去余り例がなかったから、審議会でたてつけをして、意見を聞いてやってみましょうというのでもよかったかもしれないけれども、これから本格的に体制を整えてしっかりチェックするという体制ならば、私は、審議会を開いて悠長にやるという話ではないのではないかという問題提起を強く持つものであります。

 何も、形式だけつけて、審議会を開いてやるべき制度設計のものとこういう執行をやるものとはやはり違うのではないかという問題意識を持つものでありますが、この点について経産大臣のお考えを聞いて、時間ですので私の質問を終わります。

世耕国務大臣 これは、経済活動の自由をある程度制限するという権利の制限にかかわることでありますから、手続はやはり公平で中立じゃなきゃいけない。

 恐らくこの審議会は、ここでこの技術がいい、悪いをしているんじゃなくて、判断するに当たってのプロセスが適正かどうかというところだけ見てもらっていて、最終的にその技術をどうするかというような判断は、これは、所管官庁が財務省と一緒に行っていくということだろうというふうに思っています。

 いずれにしても、こういう時代でありますから、この審議会がかかわることで悠長なことになるようなことはないように、運用上、しっかりスピーディーな対応ができるようにしていくべきだと考えます。

近藤(洋)委員 終わります。

浮島委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

浮島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。福島伸享君。

福島委員 民進党の福島伸享でございます。

 きょうは、外為法の審議ということで、私の同期が担当課長ということでありますので、張り切って、まさに時宜を得た法案であると思っておりますので、しっかり審議した上で、早期に成立をさせた上で、運用面でしっかりすることを望みながら、そうはいいながら、疑問にあるところを質問させていただきたいと思います。

 その前に、きのう行われた日米経済対話等についてお聞きしたいと思っております。

 きのう出された共同プレスリリースでは、「高い貿易及び投資に関する基準についての二国間枠組み、」これをカバーするというのが書かれていますけれども、この「高い貿易及び投資に関する基準についての二国間枠組み、」これは一体、具体的に何を意味するのか、外務省の答弁を求めます。

滝沢大臣政務官 福島委員の質問にお答えさせていただきます。

 安全保障と経済は、日米同盟の両輪であり、アジア太平洋地域の安定のためには経済的な繁栄が不可欠であるとの観点から、昨日の日米経済対話の初回会合では、麻生副総理とペンス副大統領がじっくり議論することができたと承知しております。

 この対話では、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略、経済及び構造政策分野での協力、分野別協力の三本柱で引き続き議論を進めていくことで一致したところでございます。これら三本柱のもと、今後、日米経済関係をさらに大きく飛躍させ、日米両国で、アジア太平洋地域、ひいては世界の経済成長を力強くリードしてまいります。

 日米がウイン・ウインの経済関係を一層深め、日米関係の新たな歴史を築くために、引き続き、麻生副総理とペンス副大統領の間で今後とも建設的な議論を進めていくと承知しております。

 なお、日米FTAの具体的な言及はなかったと承知しております。

福島委員 それはまだ聞いていないんですけれども。

 このプレスリリースによると、「ア バイラテラル フレームワーク フォー セッティング ハイ トレード アンド インベストメント スタンダーズ」とあるんですよ。この「バイラテラル フレームワーク」というのは何ですか。日米FTAについては言及していないと言っていますけれども、「バイラテラル フレームワーク」というのはFTAのことも含む概念なんじゃないですか。なぜこの文言を入れたのかということをお聞きしているんです。

世耕国務大臣 それは、きのう発表されたこのプレスリリースは、この言葉どおりだというふうに思います。この後これが具体的にどうなっていくかというのは、これからのそれぞれのレイヤー、事務レベルあるいは閣僚レベル、そして最終的には麻生・ペンス間の話し合いによって具体化をされていくんだろうというふうに思っています。

 ただ、普通に考えて、高いレベルの貿易・投資ルールと言ったら、我々が考えているのは、例えば、デジタル貿易とか、知財の保護とか、模倣品対策とか、そういったルールを日米二国間でしっかりと高いレベルのものをつくっていくことになるのではないかと思いますが、これは、いずれにしてもこれからの話し合い次第だと思います。

福島委員 見事な助け船なんですけれども。

 ところで、大臣はこの日米経済対話にはいらっしゃったんですか。

世耕国務大臣 日米経済対話は、麻生副総理とペンス副大統領と、それ以外は全て日米の事務方で行われておりますので。

 ただ、当然、私も、特に今御指摘のルールの分野に関しては経産省にかかわる部分が多いわけですから、事後的にその内容等はよく報告を受けているところでございます。

福島委員 いらっしゃらないのに答弁するのは、随分張り切っていらっしゃるなと思うんですけれども。

 その一方で、よくわからないのは、ロス商務長官もいらっしゃっていますよね。大臣はロス商務長官と会談をされたんですけれども、これは日米経済対話とどういう関係なんですか。その一環なのか、全く別なのにたまたま同じ日に来ちゃったのか。この位置づけはどうなっているんでしょうか。

世耕国務大臣 いい質問ですねと言いたいところなんですが、基本は別であります。経済対話のメンバーには我々は入っておりませんので、基本的には別です。

 ただ、経済対話がこれから進んでいくと、当然そのパーツ、パーツは経産省の所管の部分、商務省の所管の部分が結構ありますから、そこへ向けての話し合いを少し行ったという形かなというふうに思っております。

 いずれにしても、きのうの話し合いは経産省所管と商務省所管の部分のどういう連携ができるかという話し合いがあったというふうに思っております。

福島委員 多分、向こうもちゃんと体制が整えられていないんでしょうけれども、私は、これは注意した方がいいと思うんですよ。いろいろなルートでやって混乱するということがないように注意した方がいいし、逆に、それで分断作戦みたいになるのもよろしくないと思うんです。

 先ほどの午前中の議論で、具体的なことについていい議論ができたということを、大臣はその趣旨のことをおっしゃっていました。まさに具体的なことを議論されたわけですよね、そういう意味では。ここでロス長官は、先ほどの答弁ともダブりますけれども、二国間の協定をつくりましょうとか個別分野について話しましょうとか、そういうまさに具体的なことというのは出されたという認識でよろしいんですね。

世耕国務大臣 何か個別の品目とか、あるいは、いわゆる明示的な二国間FTAのような話は全く出なかったというふうに思っています。どちらかというと、首脳会談で合意し、また、きのう経済対話で副総理と副大統領の間で合意をされているいわゆるルールベースの話、そういう話が私とロス長官との間でも大宗だったというふうに思っております。

福島委員 もう一つお聞きしたいんですけれども、TPPのことについては何かロス長官はおっしゃっていましたか。

世耕国務大臣 これも、もう既に二月の首脳会談で、アメリカが離脱したことを我々はテークノートし、そして、日本が引き続き地域の枠組みの中でリーダーシップを発揮していくということをアメリカは認めるということになっていますから、そこで終わっておりましたので、きのう、そんな具体的な話はなかったと思っております。

福島委員 具体的な中身は多分なかなか聞いても出てこないんでしょうけれども、少なくとも、終わった後の記者会見では、ペンス副大統領は、TPPは米国にとって過去のものだと言った上で、二国ずつの貿易関係をつくりたい、結果として二国間の通商交渉に至るかもしれないというふうに言っておりますし、ロス商務長官も、会談後の会見で、何らかの協定の形式で日本との貿易関係を強化させたいというふうに、ある意味、はっきりと二国間FTAを目指すという姿勢を二人とも言っているわけですよ、別の枠組みと言いながら。

 アメリカは相当、二国間の協定をつくりましょうというのを、これは記者に言っているわけですから、今後強く求めるということが容易に予想されるんですけれども、日米二国間の貿易協定交渉に今後乗るという可能性はあるんですか。一%でもあるのかどうか。

 もう出ているはずなんですよ、おっしゃらないけれども。記者会見では露骨に、終わった後に言っているわけでありますから、結果として二国間の通商交渉に至るとか、何らかの協定の形式で日本との貿易関係を強化させたいということをコメントとしておっしゃっているわけですから、そのことに対して、それに応じる余地というのはあるのでしょうか。どうでしょうか。

世耕国務大臣 ペンス副大統領もロス長官も終わった後に記者会見をされているわけでありますけれども、記者会見でおっしゃっていることというのは、FTAという言葉は少なくとも、ロス長官の終わった後のぶら下がりのやりとりを私もちょっと聞いてみましたけれども、記者側はFTA、FTAと聞いていますが、ロス長官はFTAという言葉は使っていないですね。

 だから、我々はもう既に、きのうの段階で少なくとも二国間で話し合っているわけです。それを二国間協議というのかどうかという話もあると思いますし、当然、話し合っているということは、二国間で何かの合意はするわけですから、それもどういう合意と表現するのか、そのことがイコール日米FTAとはならないのではないか。

 いずれにしても、これから二国間で、もう既に経済対話という枠組みが立ち上がったわけでありますから、その対話の中で話し合いをしていく、その話し合いの方向性は、きのう共同プレスリリースで出された三本柱の中で行われていく、もうそのことに尽きるんだろうというふうに思います。

福島委員 私は、今の段階で、これからもそうなんですけれども、TPPを私たちは反対したし、私はずっと一貫して反対しておりましたけれども、しかし、それを我々国会として通した中で、日米の二国間に乗るようなそぶりというのは一切見せるべきじゃないと思うし、そのような土俵に乗らないということを明確にすべきだと思うんです。

 そして、向こうはいろいろな手を通じて、日米経済対話というのをやって、ペンスさんはちょっと日本に優しそうだなと思ったら、こわもてのロスさんを別の枠組みで持ってきて、所管分野について話したということであれば、今度は六月にもやるんですよね。(世耕国務大臣「いや、まだ決まっていない」と呼ぶ)まだ決まっていないですか。まあ、いずれやりますよね。そのときに、自動車はまさに経産省の所管分野になるわけですよ。商務長官と大臣というのはそういうカウンターパートになると思うけれども、しかし、そうした個別分野の、TPP協定とも絡むようなものの二国間協議には応じないということは私は明確にした方がいいと思いますよ。

 だから最初、冒頭、外務政務官にお聞きしたのは、この「高い貿易及び投資に関する基準についての二国間枠組み、」はどうかということをお聞きしたんです。

 恐らくこれは、玉虫色ということで、日本が考えていることとアメリカが考えていることは違うということが今の政府の言い分でしょうけれども、向こうから見たら、日本までやってきて二国間交渉の糸口をつかんできたということになりかねないし、USTRの体制はまだ固まっていないですけれども、これから固まっていく中で、私は、この序盤に、日本は一切そんなものには応じない、土俵をつくろうとアメリカが提案しても乗らないということを明確にすべきだと思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

世耕国務大臣 何かペンス副大統領が優しくて、ロス長官がこわもてと。私は逆に感じましたね。ペンス副大統領の方が割とリジッドな感じで、きちっとした感じで、ロス商務長官の方が割と親しみが持てるというか好々爺というか、そういう印象も受けましたけれども、それはおいておくとしまして。

 ロス長官との話の中では、まさにこの共同プレスリリースにあるような枠の中の話がしっかり行えたというふうに思っています。あくまでもこの枠の中で議論をしていくということが、これは日本の姿勢でもありますし、少なくとも、首脳間、そして副総理、副大統領間で合意された中身もこの紙に尽きるんだろうというふうに思います。

 決して、きのうのロス長官との話でも、この枠の中で話していく中で、同床異夢という感じはしなかった。同じ方向を向いている、ルールベースでしっかりやっていこう、それを地域にも広めていこうという感覚は非常に一致をしているという印象を私は受けております。

福島委員 余りにわかには信じられませんけれども、この問題はまた引き続き追うとして、本題の方に入りたいと思っております。

 外為法改正案のことですけれども、いろいろ、人、物、金、情報が自由に行き交うようになったときに、その自由化、積極的に行き交うようにすることは必要であるけれども、それに合わせたリスクを管理するためにも、こうした仕組みが必要なことは私は理解をいたします。

 その中で、今政府が日本版高度人材グリーンカードというのを創設しようとしています。

 資料の最初の一枚目を見ていただきたいんですけれども、これはポイント制で、上の囲みの二つ目の丸なんですけれども、高度外国人材の中でも特に高度と認められる者、八十点以上のポイントで認められた者は永住許可が一年で出るようにしますというのが日本版高度人材グリーンカードというものであります。

 今までも高度人材というのをやっておりまして、その実績が三ページ目にあるんですけれども、高度人材の認定件数、これは安倍政権になって始まった、短期間で永住権を取れるというものですけれども、オレンジ色が中国、赤が米国、緑がインド、紫が韓国・朝鮮、青はその他の国なんですけれども、圧倒的多くが中国です。今の段階での実績というのは、圧倒的に多くが中国であります。ほかの、欧米の諸国は、最近、テロなどを受けて、こうした永住権の付与については厳しい運用がされつつあるというふうに聞いております。

 一方、日本は、法務省での検討が行われたんですけれども、昨年十一月二日に出入国管理政策懇談会というのがあって、たった二時間、一回だけの会議でこれの実施を決めて、一月からパブリックコメントに付しております。

 これは法務省にお聞きしたいんですけれども、この日本版高度外国人材グリーンカード、いつから実施する予定なんでしょうか。

井野大臣政務官 スケジュールについてでございますけれども、今回の日本版高度外国人材グリーンカードですけれども、一応、今月中に実施できるように準備を進めているところでございます。

福島委員 まさに、もうすぐ実施されるんですね。

 パブリックコメントというのは何件ぐらい来て、どういう意見が何割ぐらいありましたか。その中身を教えてください。

井野大臣政務官 パブリックコメントでございますけれども、本年一月十八日から二月十六日まで行いました。

 意見の総数でございますけれども、三千八百四十五件ございました。そのうち、反対意見といいましょうか、外国人の受け入れ拡大自体に懸念を表明するものが約七一%。国内人材の育成を優先すべきとの意見が七%。永住許可後に要件に該当しなくなった場合に永住許可を取り消すなど、許可後の在留管理を強化すべきであるという意見が五%。なお、一年で永住の許可を出すのは短過ぎるのではないかという意見が約一三%。そのほか、賛成の意見が十八件ということですが、これはちょっとパーセンテージとしては示しておりませんけれども、十八件あったということでございます。

福島委員 三千八百四十五件の意見が寄せられて、賛成はわずか十八件。比率にしたらコンマ以下ですよ。これだけ多くの国民が反対しているものを知らないうちに四月に施行するというのは、私は慎重であるべきだと思うんです。

 なぜかというと、さっき言った高度人材の八十点がどうやったらとれるかというのは、二ページ目を見てほしいんですけれども、まず、学歴で博士号だと三十ポイントがつきます。年収が一千万円以上だと四十ポイントがつきます。年収一千万円以上の博士号を持った人はそれだけで七十点なんですよ。あと、年齢の要件がありまして、年齢が三十四歳以下だったら十点ですから、これで八十点です。つまり、三十四歳以下の博士号を持った一千万円以上の年収で来る人であればこれに該当するということになります。

 これは日経ビジネスというところの記事が出ているんですけれども、香港の新聞のアップル・デーリーというので、中国の博士号授与数は米国を抜き、中国は世界一の博士号授与国となったと書いてあるんですが、これにはからくりがありまして、中国では、二百五十九カ所の大学のみならず、百四十カ所の軍隊の系統の大学や政府の科学研究所なども博士号を授与することができる。米国の三流大学の学術レベルで評価すれば、アメリカの三流大学ですよ、中国国内の指導教官やその指導を受けて大学院を卒業した博士の九九%が不合格である。

 アメリカの三流大学の基準で見ても九九%は博士号を与えるのに値しない。しかも、軍の大学とかそういうのでも博士号が出ちゃう人も、これは形式要件として、博士号を持っていて一千万円以上の年収で三十代であれば、今回、一年のこのグリーンカードを与えられるということでよろしいんでしょうか。

井野大臣政務官 先ほど福島委員御指摘のとおり、いろいろな点数については、明示されているとおりでございます。

 ただ、この点数のみで要件を満たしたから直ちに永住許可を出すというものではございませんで、もちろん、永住許可申請に対する厳格な審査、例えば、素行であったり、国益要件、日本国内における生計の状況であったり、そういったさまざまな要件、事情を考慮した上で、当然、永住許可申請というものを、許否の判断をするということでございます。

福島委員 それは一年間日本にいるときの素行だから、一年間、極端な話、猫をかぶっていればいいわけです。例えば、その人がどういう分野で博士号を受けたかとか、どういう仕事をしていたとか、年間二千人以上の人が今もう高度人材で入ってきていますけれども、そうしたことは入国管理のときには審査するんでしょうか。

佐々木政府参考人 運用面ですけれども、提出されました書類を厳格に確認をいたしまして、今先生のおっしゃられたようなことに疑義があれば、さらに調査をするという運用を行っております。

福島委員 法務省は、それぞれの博士号がどういうバックグラウンドで与えられたということを審査する能力はあるんですか。

佐々木政府参考人 疑義がある、あるいは判断に評価を要するということでありましたら、関係省庁等に意見を求めるなど、情報を収集しております。

福島委員 いや、それはわからないと思います。疑義があればやるということであって、疑義がなければ入ってきちゃうんですよ。もう既に二千人以上の人が入ってきて、この人が悪い人だとは言いませんよ。でも、これを審査するだけで大変で、物すごい勢いでこれはふえていますよね。うがった見方をすれば、一年の永住権を目指して来るという、悪意があって入ってくる人もなしとは言わないんですよ。

 この外為法上、中国はいわゆるホワイト国ではないですよね。懸念のあるかもしれない国ということで、ホワイト国ではないんですよ。これは安全保障上の観点からも、中国から大量の博士号取得者が永住権を持ってきて、入って、さまざまな共同研究などを行って、技術が相手国に行くということは、世耕大臣、懸念はありませんか。

世耕国務大臣 であるからこそ、高度人材として入ってくる人は例えば大学とか研究機関に入られるわけでありますから、やはりそういったところの情報の管理体制というのは強化をしていかなければいけない。

 だから、先ほどの別の答弁でもお答えいたしましたけれども、やはりガイダンスであるとか、あるいは各大学のそういう監視する組織をちゃんと充実してもらうとか、そういった機微技術管理の体制の構築というのはしっかりと進めていかなければいけないだろうというふうに思っております。

福島委員 これは、永住権を獲得したら外為法の規制の対象にならないんじゃないですか。どうですか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 仮に、これは、日本人であれ、外国人であれ、永住権を持っているであれ、何人であったとしても、平成二十一年の外為法の改正の際に、まさしく委員御指摘のような技術取引が最大のテーマとなりました。その結果として、外国人であれ、日本人であれ、永住権をとった人であれ、機微にわたる技術を海外に出すこと、これについては禁止の対象になっております。さらに、平成二十一年の法改正は、持ち出す手段として、例えばUSBメモリーを持ち出すこと、あるいは電子メールで技術供与すること、これも禁止対象にしておるわけでございます。

 したがって、そういう機微にわたる技術の国外への持ち出しについては、平成二十一年の法改正でしっかりと手当てをしたところでございます。

福島委員 何でこの話をするかというと、今回の制度改正の一つの柱は、いわゆるみなし輸出管理であったわけですよ。

 一月二十三日の産構審の安全保障貿易管理小委員会の中間報告でも、我が国における役務取引、技術譲渡そのものですね、その管理についても、国内における居住者から非居住者への技術情報の提供については、外為法に基づき、役務取引許可の取得を求めているところである、しかしながら、日本の制度では、外国人であっても入国後六カ月以上経過する等により居住者と扱われることになり、その場合は外為法上、国内で機微技術に関する情報を入手することの制約がなくなる。

 これは、その報告書のとおりですよね。今、規制しているようなことを言ったけれども、みなし輸出というものをやるためにはそこが穴になっているというのは認めているわけですよ。

 機微技術の取引にかかわるみなし輸出管理については、日本の制度は他国の制度と比べて管理する期間が六カ月と短く、実効性の観点から課題がある、したがって、各国の管理体制、状況と整合性を図る観点からも、制度改正を含めた管理のあり方を検討すべきであると書いてあるからこそ、これはどうするんですか。結局、これは今回の制度改正で何も出ていないんですけれども、大臣、どうするつもりなんでしょうか。

世耕国務大臣 今御指摘のように、このみなし輸出制度というのは、六カ月を超えないでまだ居住者にならない人に情報が渡るというその行為そのものを、日本国内で行われている行為だけれども、輸出としてみなすことができる。そこで、ですから、ある意味一つの輸出ということで制限をかけることが国内でできるということであります。

 これを今回延ばすかどうかという議論をいたしました。いたしましたが、一方で、これは、物すごくたくさんの研究者の人とかが海外から一時的に来たりとか、いろいろな形がある中で、逆に、大学とか研究機関が受け皿としてきっちりその準備ができていないと、なかなか実効性ができないし、研究とか大学の現場がかなり混乱する可能性があるということで、まずは、輸出管理体制を十分に整備できていない中小企業や大学への説明や理解促進を進めて、大学等への輸出管理体制の強化支援策の抜本的な拡大などを行って、まず体制を整えることが重要だ。

 例えば、これが何年かに延びたとしますよね。六カ月が例えば三年に延びたとしたら、それだけで、その人に技術を渡しただけで輸出になりますよという研究者がどっとふえるわけですから、これはやはり大学とか研究機関にそれなりの体制ができていないといけないということで、その体制ができていない中でこれをやると混乱するだろうということで、このみなし輸出の期間を延ばすということは今回はやらないという判断をしました。

 ただし、先ほど局長が答えたように、いずれにしろ、今度、誰にしろ、技術を実際に外国へ持ち出すということについては、これはもう厳しい規制が二十一年改正でかかっているわけですから、それを実効あらしめるような体制を大学とか研究機関にしっかり構築してもらいたいというふうに思っています。

福島委員 雄弁に語られていましたけれども、それは、私は、やらない言いわけをつくっているとしか思えません。

 というのは、平成二十年、もう十年近く前ですよ、この三月の産構審の安全保障貿易管理小委員会の制度改正ワーキング・グループの最終取りまとめでは、とりわけ、技術移転への対応がより難しさを増す中で、いかにして現行規制を実効的にするかという観点が重要と言って、法制面、実務面での検討を十分に行っていくことが求められると、もう平成二十年のときから言っているんですよ。十年たっているんです。

 今回、たまたま奥家君というやる気のある課長がいるから進んだかもしれないけれども、そうじゃない人が、法律改正は面倒くさいといってやらなかったら、またないかもしれない中で、さっき言ったグリーンカードみたいなもので、一年でじゃかすか、ホワイト国じゃない人の国が、博士かどうかも怪しいけれども、とりあえずその国の博士号を持って悪意を持って来ることだってあり得るんです。こういう世界は、何かを狙って悪意でやってくると考えた方がいいんですよ。その人が一年間羊の皮をかぶって、その後は、その国の思惑を受けて動くようになったら危ないんですよ。

 だからこそ、私は今、実効性ある規制を今回導入することが必要だと思いますよ。少なくとも、四月に施行すると言っているんだから、この面も、そのグリーンカードの創設もそうだし、それに合わせた実効性のある機微情報の流出に関する対策をまさに世耕大臣のもとで取りまとめるべきだと思いますけれども、どうですか、御認識は。

世耕国務大臣 激励、ありがとうございます。

 私、本当に福島委員と問題意識は大変共有しております。みなし輸出のこの期間の見直しについても、これは、おっしゃるように随分前から提言があったのに、なぜここまで手がついていないのかということも含めて、これはしっかり今後も検討していきたい。

 ただし、一方で、大学とか研究現場での、日本人であろうと外国人であろうと、その情報のやりとりを管理する仕組みというのがまだまだ不十分だと思います。そこをまずしっかりつくることも、これは技術流出防止に直結する問題だというふうに思っていますから、そういうところもしっかり取り組みながら、今御指摘の期間延長についても、これは私も大臣として問題意識は持っていますので、しっかりと議論をしていきたいと思います。

福島委員 ぜひお願いします。

 最後に、時間がないので一問だけなんですけれども、北方領土において、この外為法がどうなるか。

 昨年十二月の日ロ首脳会談で、北方四島でのロシアとの共同経済活動をやるというのが決まりまして、今、世耕さんも一緒に、一生懸命やられていますけれども、三月十八日には東京で日ロ次官級会談、今月には安倍首相も訪ロすると言われております。

 この北方四島は、省令で外為法の適用の範囲の外になっていますよね。でも、実際にやるとなったら、特別な制度でやるにせよ、私はこの問題が起きると思っています。例えば、医療の協力かたがた医療機器を持っていけば、医療機器の中には軍事上転用される可能性のある技術があるわけですよ。そのときに、北方領土が国内とするためには、私は、この省令を一刻も早く改正して、外為法の対象とまずした上で外務省と話をするべきだと思っているんですけれども、この省令を改正して、外為法の規定の適用を北方四島でも受けると改正するつもりはおありでしょうか。どうでしょうか、大臣。

世耕国務大臣 いずれにしても、共同経済活動の具体的内容というのはこれから詰まっていく。恐らく、プロジェクトがはっきりしてきて、それに伴っていろいろな法的な整理を日ロ双方がやるということになっていくだろうというふうに思いますので、いずれにしても、機微技術などを北方四島向けに提供する場合は、現時点では外為法に基づく厳格な審査を受けることになるわけですけれども、これは、実際、共同経済活動をやるときにどういう扱いになるかということについては、その過程でまた議論され、決められていくものだと思います。

福島委員 きのう役所から聞いたら、外務省が勝手にやっていて、経産省は何も聞いていないと言うんですよ。いや、でも、担当者がそう言っているんだから、していないんですよ。

 ですから、そのことも含めて、交渉はもう始まっているんですよ。北方四島でどういう制度のもとでやられるかというのは我が国の主権にかかわる重大な問題で、もうそこから北方領土交渉の第一歩は始まっているわけですよ。今、明確に省令で北方領土は当分除くとなっているわけだから、私は、この規定は早急に改正をして、対象とした上で、これからのロシアとの交渉に臨むべきだということを最後に申し上げまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 民進党、Cクラスの鈴木義弘です。

 ぜひそんたくした答弁をしていただけたらありがたいなというふうに、最近、そんたくという言葉がはやっていますので。

 私の地元で、今はちょっと体調を崩されている方がねじの卸をやっておりまして、ねじのところに、現物を持ってくればよかったんでしょうけれども、ブルーのペイントをちょっとつけただけで、ねじを締め込んでいくと外れないねじなんです。でも、ある一定の力をかけると外れるんです。このブルーのペイントはどこの技術なんですかと尋ねたら、アメリカのNASAが開発したペイントなんだそうです。

 普通だったらワッシャーをかますだとかしてボルトが外れづらくするんですけれども、これ一つとったって、機微技術になるかもしれないんです。でも、実際は日本に入ってきて、いろいろな機械の装置であったり建設現場で使われている塗料なんです。

 それで質問に入っていきたいと思うんですけれども、まず一点目は、ポリケミカルズの事件が二年前に起きて、外為法違反で逮捕者が出たんです。

 マスコミの記事なんですけれども、なぜ、韓国の会社や中国に渡った先の会社の実名が公表されないのか。出さないのか出せないのか、そこのところをまずお尋ねしたいと思います。

高木副大臣 まず、個別違反事案に関する具体的な言及は避けたいんですけれども、一般論として、違反事実の公表は、外為法に違反した者を公表するものでありまして、違反事案に関係する場合でも、外為法の直接の規制対象ではない海外の需要者は公表しておりません。

 ただ、外国ユーザーリストは、国内外のさまざまな情報に基づき、大量破壊兵器の開発に関係する懸念のある不正な輸出入に関与した疑いのある外国企業につきましては、その名称などを公表し、輸出者に、大量破壊兵器の開発に巻き込まれることがないように注意喚起を行うものであります。

 したがって、外国ユーザーリストに掲載することが適切であると判断した企業については掲載をすることになります。

 また、国際的な輸出管理レジーム全てに参加しており、輸出管理が厳格になされているとみなしている国、いわゆるホワイト国への輸出についても、規制対象品目の重要度を踏まえて、必要に応じて個別の輸出許可に係らしめているところでございます。

 個別許可の対象になっていない品目についても、ホワイト国を経由して第三国に輸出されるものであり、大量破壊兵器などの開発等に使用されるおそれがある場合には、厳格な輸出規制の対象となっておりますので、今後とも、警察、税関など国内の関係省庁に加え、関係国の関係機関とも連携をしつつ、厳格に法律を運用し、こういった形の違法な流出がないよう最善を尽くしていきたいと思っております。

鈴木(義)委員 それであれば、経済産業省のホームページに海外ユーザーリストというのを情報公開しないと、自分の取引先がどこの国で、それがホワイト国かそうじゃないのかといって、午前中も質問がありましたけれども、ガイダンスするとか説明を何回もしますからそれでわかってくださいと言ったって、それはもう話にならないと思うんですよ。申請して初めて危ないんじゃないかというふうに経産省の方から言われて、いやまあどうしようかというのでは、話にならないと思うんですよ。

 だって、この外為法を改正するというのは、武器にかかわるものを外に出さないようにということなんでしょう。相手がどういう使い方をするかはわからないで素材を出すところもあれば、部品を出すところもあるんです。そこのところをもう一度御答弁いただきたいと思います。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 まず最初に、外国ユーザーリストでございますけれども、これは、私どもが輸出審査を運用していく中で蓄積した情報、あるいは海外の関係機関との情報交換、これらに基づきましてこれはリストを公表しております。

 現在、十一カ国、四百六十二団体を掲載しておりまして、先ほど高木副大臣が御答弁申し上げたとおり、輸出者の方に対して、委員の御指摘のような、違反事案に巻き込まれないようにという観点から外国ユーザーリストを公表をしております。

鈴木(義)委員 では、次の質問に移りたいと思うんです。

 クラウドサービス事業者というのが世の中にあるんだそうです。世界じゅうに置かれたデータセンターに利用者データを分散して保管、管理する企業もあるんだそうです。

 利用者がこのような企業のサービスを利用することは、海外のデータセンターに情報を提供することと同じ意味になり、利用者がクラウドサービスに保管したデータに外為法の規制対象となる技術に関する情報が含まれていた場合には外為法違反になってしまうというふうに言われているんですけれども、間違いありませんか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のありましたクラウドサービスでございますけれども、電子データをインターネットを介しまして外部サーバーに保管をするサービス形態ということで、その中には、外国のサーバーを活用する場合もあるというふうに考えております。

 その上で、今、機微情報がこのクラウドサービスを通じて外国に流れてしまうのではないか、これは外為法違反なのかどうなのかという御指摘がございました。

 現在、外為法の二十五条に基づきまして、こうしたサーバーに機微情報を保管し、それを通じて、先ほども議論にございました非居住者等に機微情報を提供するというのは、外為法上規制対象になっておりますので、一般論でございますけれども、外部サーバーに機微情報を保管した後に、経済産業大臣の許可をとらずに、非居住者に例えばアクセスのパスワードを渡して機微情報を入手できるような形にした場合、これは外為法違反であるというふうに私ども考えております。

鈴木(義)委員 私がそんたくしちゃってはいけなかったんでしょうけれども、通達により、みずから使用する場合に限っては違反にならないというふうにお答えいただけるものだと思ってそんたくしたんですけれども。

 ユーザーが、外為法規制対象技術情報を外国の第三者が閲覧、取得等をすることを知りながらクラウドサービス契約を締結し、その技術情報を海外サーバーで保管する場合、もう一つ、クラウドサービス契約の締結の当初は想定していなくても、外国の第三者がその技術情報を閲覧、取得等していることが事後的に判明したにもかかわらず、その技術情報の海外での保管を継続する場合には外為法違反になるというふうに言われているんですけれども、間違いありませんか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 今委員がお読み上げになったものは、経済産業省が通達として、こういうものは外為法上規制対象になっておりますということを対外的に説明している文書でございまして、今御指摘ございましたとおり、それに反して情報を提供した場合は外為法違反になるということでございます。

鈴木(義)委員 でも、これをどうやって確認して取り締まるのか。私は、サーバーの中はどうやって見ればいいのかなと思うんですけれども。なおさら、国内にまだあるんだったらいいんでしょうけれども、海外にあるサーバーのチェックはできるのかどうか、では誰がするんだという。

 サーバーの設置者が外国人で、そこをクラウドサービスで使っている企業があって、では、私がもし海外展開をする企業だったら、自分が持っている技術を、悪気があってやろうとすれば、誰が見てもわからないように細かくばらばらにして、何かそのヒントを与えて、別に産業スパイでも何でもないんですよ、それを外国のサーバーに入れて、そこの国にある工場で日本と同じようなものをつくりたいと言って、向こうでその細分化させられたものをもう一回組み立て直して、それがノウハウであったり図面であったりというのは、今の技術だったら起こせると思うんです。

 それをやられたときに、今回の外為法改正をやったとしても、クラウドサービスを利用しちゃっている企業なり、その国に対してどこまで監視が行き届くのか。そこのところをちょっと、今回の外為法の対応で可能なのかどうか、お尋ねしたいと思います。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、我々、輸出管理、まずは技術情報を提供する側に着目をして、許可に係らしめ、規制をしているわけです。その技術情報を提供する可能性のある者に対しては、私ども、報告徴収あるいは立入検査といったことができるのが現行の外為法でございますし、立入検査につきましては、今回、対象となる者を関係者という形で広げていただいておりますので、まずは、そういった法的な権限を使いながら情報を捕捉していく。

 ただ、先生おっしゃるとおり、情報の提供、あるいは、逆に言いますと、技術の調達の活動というのは非常に複雑化しておりますし巧妙化しておりますので、こういったものは、私どもだけではなくて、警察でありますとか、あるいは諸外国の関係機関などと情報をよく交換をしながら、端緒情報をしっかりと捕捉していきたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 質問している私が難しいなと思っているんです。だって、今まで議論してきたのは、形があるものを外に出しますと言ったら、誰が見たって、これは規制か規制じゃないかってわかるんです。形のない、だってソフトの部分はわからないんです。今、USBで持ち歩くなんていうのは普通はしないですよ。

 では、ちょっと続けてもう一ついきます。

 安全保障上、機微な技術情報は企業だけが保有するものでない。先ほど前任の方も質問に立ったと思うんですけれども、大学や公的研究機関に対して輸出管理の体制強化はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。

 その中で、大学や研究機関において、留学生や研究生の増大、これは先ほども議論になりました。国際的な研究連携や産学連携の推進が見られているんですけれども、同時に、技術情報流出の危険も増大していると言われています。それで、我が国に入国後六カ月経過すれば、外為法上、居住者という扱いになって、外為法の規制の対象となるのは先ほどの議論でもありました。

 そこで、まず初めにお尋ねしたいんですけれども、留学生や研究生、外国の籍を持っておられる方が日本の大学や研究施設に来られるときに、まず、入国をするときにビザを申請してくると思うんです。半年なのか一年なのか三年なのか五年なのかわかりませんけれども、そこを法務省のイミグレーションが、その大学で何をやるのかというのをきちっと審査する条件にして入国を認めない限り、入国してから、どうぞ、何やるんだかわかりませんけれどもちゃんとやってくださいねというのでは、ちょっと後先が前後しちゃっているんじゃないかと思うんですけれども、その制度についてどうお考えですか。

井野大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、入国審査についてでございます。

 先ほど例に挙げられました留学生、勉強のためにいらっしゃる方の入国審査についてでございますけれども、基本的には、入学が許可されている事実であったり、在留中の生活に要する費用、ですから、ちゃんと生活できるというかお金を持っている、単純に言うとそういうことなんですけれども、そういうことがあるかどうかということで審査をしておりまして、具体的に現時点では、大学でどのような勉強をされるかだとか、そういう能力を有しているかどうかということについてまでは入国審査の段階では審査をしていない状況でございます。

鈴木(義)委員 では、例えば一年のビザを出したときに、半年たってもう一回入管に来てもらって、ちゃんと生活できているか、勉強しているか、一年に一回なのか半年に一回か、たしか、検査じゃないけど審査すると思うんです。そのときに、今政務官が御答弁されましたけれども、大学でちゃんと勉強するかしないか以前に、その大学の学部の学科のその研究室の先生がどういう研究をしていて配属されるのかというところまで、それが機微技術に当たるのか当たらないのかというのをやらない限り、今回の外為法規制の中で、大学だとか公的研究機関で研究生として勤め始めたときに、いや、あなたのやっていることは機微技術ですよと後から言ったって、これは話にならないと思うんです。

 それをやはり入管の条件にしない限り、今回の外為法を改正しただけでは、人の出入りについて、なおかつ、紙に残すとか電子データで残すなんというのは何とかそれはわかるんですけれども、ここに残ったものというのは規制がかからないんです。だから入り口を厳しくしましょうという考えを持たないと、先ほどの前任の方も同じような質問をしたと思うんですけれども、そこが抜けているんじゃないかというふうに思うんですけれども、もう一回、法務政務官の方でお答えいただきたいと思います。

 追加する規制をもう少し厳しくする考えがあるのか。厳格に対応していくというふうにお考えがあるんだったら、お答えいただきたいと思います。

井野大臣政務官 大学でどのようなことを研究されるかだとか、そういったものは基本的には法務省の所管外の部分で、文科省との関係であって、今回問題となっております外為法の問題、経産省の問題、そういった機微情報についても、これを法務省のみで判断することは大変難しいところもありますので、そこら辺については、関係省庁との協議で進むのであれば何らかの方策がとれるかと思いますけれども、外為法等についてはあくまで経産省の所管でございますので、そこら辺は、経産省の方からそういった部分でのアプローチがあればこちらも検討していきたいというふうには考えております。

鈴木(義)委員 では、例えば、留学生や研究生が最初からそれを目的にしてもし来て、ああ、いい技術だなと思って、とって自分の国に帰っちゃったら、幾らそれは機微技術だから置いていきなさいよと言ったって、話にならないでしょう。その人は二度と日本に来ない。来るんだったらチェックできるけれども。その辺の対応ができていない、だから水際できちっとやりましょうという考え方なんだ。

 今、政務官が御答弁された中では、連携していきますとか協議していきます。だって、法律は早く施行したい。それに伴って、法務省と経済産業省、文科省できちっと連携をとって、一カ月でも二カ月もしないうちに方向を出さなかったら、局長通達でも何でもいいですよ、閣議決定でもいいし、それをやるというふうにしなければ、ここのところは守れないんじゃないか。

 まず政務官にお答えいただいて、その後、大臣、御決意をお願いしたいと思います。

井野大臣政務官 当然、今回の外為法等の改正によって、違反事実といいましょうか、犯罪事実がこちらの方で認知できるということであれば、警察ないし我々法務省の検察当局において捜査に着手し、そして検挙する。当然、そうなった段階では、いろいろな入管法上の在留許可の取り消し等も行えるかと思いますけれども、そういった違反がない段階で水際でその者をとめるというのは、なかなか法務省としては難しいということだけ御理解いただければというふうに思います。

高木副大臣 今委員ずっと御指摘いただいているように、水際でとめるという考え方は一つあると思います。一方で、今政務官がお答えになったように、その段階でそれが違反事案なのかどうかということは、なかなかはっきりとつかみ切ることというのは難しい状況だと思います。

 その一方で、今ずっと御指摘のある、政府の研究開発事業におきましても、原則として外為法を含む法令遵守は当たり前のように求められていますし、この規制対象に該当する機微技術に関する研究成果につきまして、事業を受託するそれぞれの大学や研究機関におきまして、外為法に基づき厳格に管理すること、いわゆる統治者ですね、これが必要となってきますので、経産省としては、文科省と協力の上、大学並びに研究機関に向けての安全保障貿易管理に関する説明会を開催するとともに、安全保障貿易管理に当たっての留意すべき事項、また、わかりやすく解説した安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスを全国の大学などに提供するなど、大学または研究機関における安全保障管理の取り組みを促してきております。

 また、機微技術流出の懸念が高まる中で、執行面での対応強化を行うことが急務ですので、政府としては、このガイダンスの明確化、また、相談のあった全ての大学にきめ細かな支援を行うアドバイザーの派遣など、そういった政策を総動員しながら、大学などの機微技術管理がしっかりとなされるように全力を尽くしたいと考えております。

鈴木(義)委員 副大臣、お言葉を返すようで大変恐縮なんですけれども、例えば、肉を切るんだったら骨まで切っちゃうようなすごい素材を開発したとします。鉄の包丁なのかステンレスなのかセラミックなのか、その次の包丁をもしつくったときに、その切れるだけ切れる包丁をつくるのを研究者は一生懸命やるんだ。でも、肉も切れるけれども、人も切れちゃうんです。それが機微技術かどうかは、経産省や文科省に聞いてもわからないんです。

 だから問題なので、水際でどう、どこまで、私も海外には何回かしか行っていませんけれども、相手の国に行ったとき、イミグレーションを通るときに、にこっと笑いますよ。こいつは危ないやつだなと思ったら、ちょっとちょっとととめられるんだ。だから、日本に来たって、みんないい顔をするの。そうでしょう。みんなそういうふうにやって、その国にお世話になろうと思って行くから、観光で行ったって業務で行ったって留学したって同じですよ。みんなにこっと、私だってにこっと笑いますよ。そうすると何か写真を撮られているんです。

 だから、そこのところはちょっと厳格に、早急に対策をとらないと後で困ったことになるんじゃないかと思いますが、それの御決意を、大臣、お願いしたいと思います。

世耕国務大臣 機微技術を守るというのは、外為を今回強化して、これは非常に大きなツールになるわけですけれども、これだけで守れるわけじゃないんです。水際でも、水際といったって、例えば、炭素繊維の勉強に来ました、では、大学レベルで、大学院レベルでやる炭素繊維の技術がそのまま即ミサイルに使えるか。そうじゃないわけであります。

 私は、これは実際、日々の運用による管理が非常に重要だと思いますよ、機微技術。民間はある程度しっかりしている。なぜならば、それを抜かれてライバル企業へ持っていかれたらもう利益にかかわるから、いろいろな工夫をしていますよ。入室管理とかパソコンのアクセス制限とか、あるいは場合によっては、もう特定の国の人は一人で研究所の中を歩かさない。必ず誰かが横について、もう見せないとか絶対見せないみたいなことを民間はやっています。そこが大学とかはまだ緩いところがあるんだろうというふうに思います。

 だから私は、大学とか研究機関にもやはりそういう運用のルールはしっかり入れてほしい。そして、この外為法もしっかりと使いこなしていく。そのことが本質的な機微技術の流出につながるんじゃないかというふうに考えています。

 外為法もこれで全部完全に十分だとは言いません。さっきのみなし輸出の問題も含めてまだまだ不断に見直していかなきゃいけないところは御指摘のようにあると思いますから、そこはまだこれからもずっと検討は続けてまいりたいと思います。

鈴木(義)委員 埼玉の和光市にある理化学研究所でも、外国籍の人、いっぱいいらっしゃるんだよね。

 例えば、まあアメリカがいつもいいわけじゃないんですけれども、アメリカの輸出管理というのは、研究成果が公表されるという原則があって、科学界で共有されるようなものは、基礎研究として輸出管理の対象外にしているんだそうです。さらに、これが日本と違う制度なんです。秘密保護制度というのがあって、研究を秘密指定することが可能であるために、米国の大学や研究機関は、研究費の受託に当たって、研究成果の公表等に関する規制を契約から排除しようとして交渉するんだそうです。日本でも同様の基準の導入を求める声もあるんですけれども、いまだ現実に至っていないんです。

 だから、もともとあなたの持っている技術、研究開発しようとしていることは機微技術に当たるんだから厳格な管理をしなさいよ、それをちゃんと保護する制度もつくっていきながら、そうじゃないものは基礎研究として広く一般、今大臣がおっしゃられたように、炭素繊維を持っていたからといったって、使い方を知らない人はどうにもならない。使い方をよく知っている人はどうにかなる。だから、そこのところをきちっと切り分ける制度も新たにつくらなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、これは経産でお答えになるのか、せっかく文科で来られているんですけれども、お答えできますか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 必ずしも経産省の所管というわけではございませんけれども、委員御指摘の秘密保護制度というのは、我々が理解するところ、自国民も含めて幅広い人たちに対して、秘密保護に値する技術があればそれを指定して、アクセスを制限するということでございますので、確かに一つの御提案だと思いますけれども、それを導入する場合は、外国人だけではなくて、日本国民も含めて、機微にわたる研究をやっている場合には、それを指定してその秘密を保護するという制度になってくると思います。

 これは、いろいろな観点から幅広い議論を国全体として慎重にやっていく必要がある課題だと考えております。

鈴木(義)委員 時間がないので、もうあと何点かお願いしたいと思います。

 輸出許可とか役務の提供許可を出す際に、さまざまな条件をつけて許可をしている場合がありますよね。この条件に違反した場合の罰則が十万円以下の過料、改正で三年以下の懲役もしくは百万円以下、また、その併科というんですか、両方科しますよということなんですけれども、これは甘くないかなと思うんですけれども、いかがですか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 今御質問のございました、現行制度では十万円以下の過料ということになっております。けれども、今回の改正案におきましては、これを刑事罰に引き上げて、御指摘のございましたように百万円、それから三倍のスライドで罰金が決まってくるという形になってございます。

 二つございまして、一つは、過料から刑罰になるということで、前科がつくということにおいて一定の威嚇効果があるのではないかというふうに考えております。

 これにあわせまして、十万円から百万円というのが低いのではないかという御指摘かもしれませんけれども、あわせまして、違法な輸出が行われた場合の価格の三倍のスライド規定というのがございますので、これで百万円以上の罰金を科すこともあるということで、一定の抑止効果がある。

 それからあわせまして、懲役三年ということで、個人に対しては、懲役刑を科す可能性があるということで抑止効果があるのではないかというふうに考えております。

鈴木(義)委員 例えば、中国から来られた方が技術を持っていっちゃったときに、そこで犯人の引き渡し条約みたいなのは中国と日本は結んでいないですよね。日本に来なくて、もう中国にお帰りになったきりで、百万円をどうやってとるんですか。

飯田政府参考人 基本的には、相手国政府に対してこの執行の協力を求めていくというのが基本であろうかというふうに考えております。

鈴木(義)委員 先ほど質問になりましたみなし輸出の件で、もう一回だけ、確認をしたいんです。

 技術の習得を図る者が、習得する国とは別の国に活動基盤を置いて、機微技術を獲得した後に活動基盤を置く国に帰って、ちょっとわかりづらいんですけれども、ほかのAという国の国籍を持っている人なんですけれども、活動しているのはBという国、それで日本に来るんです。真っすぐAという国には帰らないで、Bという国に帰っちゃったら、それがホワイト国じゃなかった場合、どうするのか。

 そういったことも想定のうちに入らなくちゃいけないんですけれども、時間がないので最後に大臣にお尋ねしたいんですけれども、一生懸命研究開発をしました。今まで一億円使って研究開発をしたんですけれども、これが機微技術に当たってしまった。あなたの持っているのは海外に出せません、国内ではなかなか需要がありませんといったときに、それを国が買い上げてくれますか。

世耕国務大臣 それはなかなか難しいんだろうと思います。

 ただ、機微技術といっても、絶対海外へ出しちゃいけないというわけではなくて、当然、その用途とか相手によってさまざまでありますから、それは個別のケースで判断されていくことだろうというふうに思います。

鈴木(義)委員 いや、規制をかけるというのはそういうことですよね。だって、長年、何十年もかけて研究開発してきて、こういう品物ができたんです。さあ売ろうじゃないかと思ったら、あなたの技術は機微技術で、規制の対象ですから売っちゃだめですよと言ったら、国内で買う人はいないんですよ。どうするんですか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 本日この委員会で議論の中心になっているのはいわゆるデュアルユースということで、機微技術といっても、軍事目的だけではなくて、民生用にも使われる高いレベルの技術だと思います。

 委員御指摘のようなそれほどすごい技術であれば、一般的には民生用途で十分需要がございますし、輸出についても、相手国、相手方によっては輸出も可能になるということでございますので、およそ売り先がないという事態というのは恐らくないんだろうと思いますし、私どもも、そうした形の具体的なコンプレインを受けたことは今のところございません。

鈴木(義)委員 笑っていますけれども、本気で言っているんですよ。

 だから、いつも言うのに、研究者というのは、世の中で誰もやっていないことを一生懸命研究するのが研究者なんです。その研究した成果を誰が評価するといったって、誰も本来できないんですよ。だから研究するんです。競争相手がいっぱいいるところの研究なんて誰もしない。だから、それが民生で使えるのか軍需で使えるのかわかりませんけれども、それを使っちゃだめだよといったときには、やはり保証する制度もあわせてつくっておいてもらわないと、研究開発を一生懸命やる人は恵まれないと思うんですけれども、最後に大臣のお答えを聞いて終わりにしたいと思います。

世耕国務大臣 今局長がお答えしたとおり、具体例がなかなかないですよね、すごい技術ができたけれども全く誰も買ってくれないというのは。およそ想定できないというふうに思いますし、当然、研究開発をする企業といっても、研究開発した後の製品をどこへ売るかというのは、考えながら、マーケティングもやりながら研究してもらうというのが重要だというふうに考えます。

鈴木(義)委員 終わります。

浮島委員長 次に、吉良州司君。

吉良委員 民進党の吉良州司でございます。

 外務委員なんですけれども、きょうは経産委員会に出席させてもらって、感謝を申し上げます。

 実は、外務委員会ではおなじみの冒頭のせりふなんですけれども、私の見解、それから質問、そして提案は、議員としての吉良州司個人の責任で行うものでありまして、民進党の正式見解を代弁するものではないということをあらかじめお断りさせてもらった上で質問をさせていただきたいと思っています。

 まず、当該改正案についてでありますけれども、これまでの質疑の中にも出ていますように、罰則の強化であるとか、行政制裁の強化、対内直接投資規制の強化、こういったことについては誰も反対しようがないというか、極めて重要なこと、必要なことだというふうに思っています。ただ、これを実効あらしめるため、抑止であり、実効性を高める、そこが一番重要なんだというふうに思っています。

 午前中でも質問があったやにも聞いていますけれども、改めて、簡潔に、どうやって抑止力を高めるのか、そして実効性を高めるのかについてまずはお答えいただきたいと思います。

寺澤政府参考人 午前中、当方からも御説明しましたとおり、外為法に対する違反というのは後を絶たないという問題がございます。これについて、取り締まりについては税関とか警察と連携することが重要でございますけれども、制度的にできるのは、違反があった場合のペナルティーを高めるということでございます。

 一つは、罰則を大幅に高めるということで、法人については、罰則は、現行上限最大一千万円というのを最大で十億円ということで、百倍に上げるということで大きな抑止力を持たせようと。

 さらに、罰則に加えて、行政制裁をかけるという形も可能でございます。これは輸出入業務をさせないという行政制裁でございます。例えば、北朝鮮に対する制裁に違反した場合の行政制裁の期間を、今最大一年間というのを三年に延ばそうということでございます。

 また、行政制裁をかけても、別法人で同じことをやるという行政制裁逃れがございますので、それができないように手当てをするということで、さまざまな措置を今回改正法案に盛り込むことによって、規制、制裁の実効性を高めたいと考えている次第でございます。

吉良委員 今おっしゃったことは、一定程度の効果はあると思っています。

 ただ、先ほど福島委員からもあったように、例えば悪意を持った人たち、確信犯的な人たち、この人たちにとって、または、特定の国を意識するわけではない、実は意識しながら特定の国を意識するわけではないとあえて言いますけれども、国が背後にいるような場合は、別に罰金が幾ら高かろうが、そんなの関係ないんですよ。何十億、何百億かかろうが、必要な機微技術を入手したい。

 こういう意味で、悪意を持ったところ、確信犯的な行為を行おうとする者に対する実効性、これについてはどう考えておられるんでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 非常に難しい御質問だと思います。

 他方、いろいろな機微にわたる技術を輸出する場合に、多くの場合、日本企業が協力した上で、そこで物を調達して輸出されるというのが実態でございます。今回の罰則強化とかあるいは行政制裁の強化というのは、何もそういう確信犯の人だけではなくて、それに協力する日本の関係者にも及ぶわけです。

 今までは、場合によっては、そういう確信犯に日本の企業、関係者が協力することが経済的利得になるということで協力していたことが残念ながらあったと思います。

 今回、大幅に罰則なり行政制裁を強めることによって、日本の関係者がそういう確信犯に協力することは割に合わない、こういう効果は大いに期待できるというふうに考えている次第でございます。

吉良委員 今の答弁も先ほどの私の見解と同じになりますけれども、一定の効果があることは認めるし、これはやらないよりやった方がいいし、やるべきなんです。そこのところは十分わかった上での質問なんですよ。

 午前中出たかもしれませんけれども、昨今、電子メールでの送信、USBでの持ち出し、場合によってはDVDだとか、そういう電子データ化されたものを持ち出すとき、それを全てチェックできるのかという問題があると思うんですよ。

 もう少し言いますと、これはちょっと余りにも極端な例かもしれませんけれども、あの忌まわしい事件であった九・一一のテロ、あれは、アッタ容疑者などによる十年プロジェクトですよね。それこそ、飛行機の免許を取り、パイロットの免許を取りというところから始めて、まさに十年がかり。

 そういう意味で、今回も、例えば、対内直接投資規制の強化というのが行われていますけれども、その時点では別に規制の対象になるような会社でもないし、にらまれるようでもない会社を買収する。でも、その買収の意図は何かといったら、今現在は機微技術に相当するようなものをつくってはいない、けれども、そこの研究者たちは極めて優秀である、この頭脳を全部とってやれということで、まさに十年がかりである企業を買収し、しかも、日本では網がかかっているので、その買収した企業から、海外の支店をつくらせ、または海外の現地法人をつくらせ、そこで頭脳も一緒に海外に移転をし、その人たちに、今言った、ある意図を持って機微技術の研究をさせる。

 極端な例ですけれども、人の頭だとか、将来を見据えた対内投資だとか、そういうものに対して、それも、先ほど言いました確信犯的なそういう行為に対して、どう抑止できるんでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 またなかなか難しい質問でございますけれども。

 まず、投資案件があった場合に、委員御指摘のとおり、私どもが、例えば、当該中小企業の価値を十分に理解しないまま投資をオーケーしてしまうということはあってはいけないというふうに思います。機微技術の宝の山である中小企業、それをチェックもせずに投資を認めてしまう、こういうことはあってはいけないということでございますので、今回の外為法の改正とあわせまして、経産省の中における体制を強化して、どういうサプライチェーンの中でどういう企業が非常に重要な技術を持っているのかということについて、しっかり把握する体制というのを強化したいと思います。

 次に、別の国に技術開発拠点を設けて、そこで技術開発をやってしまうということにどう応えるのかという御質問がございました。

 これにつきましては、仮に外資に買収された日本企業であったとしても、その企業から海外の拠点に対して技術を出す、これは技術取引規制の対象になりますので、その段階で機微にわたる技術でございましたら、そこできっちりと規制をするという形で対応することになります。

吉良委員 後段の部分が、先ほど言いましたように、その時点では機微技術に相当するような技術を持っていなくても、その企業そのものが頭脳を持っている場合に、その頭脳を生かして、長期にわたる長期プロジェクトで、今言った、機微技術というものを、結局、人の頭脳を買収することによって将来的にそういう可能性が出てくるのではないか。これはなかなか今もって回答できないと思いますので、ただ、検討材料、研究材料にはしていただきたいと思います。

 そういう意味で、繰り返しになりますが、この法案についてはやるべきだ。ただ、必要ながら十分条件を備えるには高いハードルがあるということを指摘させていただいた上で、その上で、エールを送ることになると思うんですが、先ほど答弁された中で私も納得することは、日本企業あたりで、今までは罰則のハードルが低かったので、協力して、仮に見つかっても大した痛手にはならないというような日本の企業が、今回の制裁強化、罰則強化によってびびるといいますか、多少抑制するという効果はあると思っています。

 その効果を高めるためにも、抜き打ち検査、それから、大臣もしきりに言っていました、研究機関、大学等に対するガイダンスというものは充実させるべきだと思いますけれども、その体制強化について、今、また今後、どう考えているのか、お聞きします。

寺澤政府参考人 お答えします。

 まず、立入検査でございますけれども、今の外為法の立入検査は範囲が非常に狭くなっているという問題がございます。今般の改正法案においては、立入検査を行える範囲を非常に幅広くします。

 例えば、よく、違法輸出ですと、ブローカーが実は悪いやつだと。これについて、これまでの外為法では直接手を出せなかったということでございますけれども、今後は、改正法案が成立、施行されましたら、そういう輸出入業者でもないブローカーに対しても立入検査ができる、そういうことで、委員御指摘のような問題点には対応していきたいと思います。

 また、あわせて、先ほどからこの場で大変議論が集中しています、大学における機微技術の管理、これは、非常に立派にやっている大学がある一方、まだまだという大学も多数あるということで、そこについては、文科省と連携しながら、しっかり大学における機微技術の管理を強化していきたいと考えている次第でございます。

吉良委員 この機微技術については、絶対に渡してはならない国、今であれば北朝鮮がその最たるものでありますけれども、絶対出してはいけない国がある一方、日本自体の国益も考えて、ある程度、向こうが欲しがっている技術協力等をしていかなければならない国もあるんだろうというふうに思っています。

 その意味で、今、外務委員会の方でも日印原子力協定というものが議論をこれからされることになっていますけれども、インドについては、今、日本政府としても、日本としても、経済関係の強化という意味で一番力を入れている国、そこと原子力協定を結ぶ、そして、原子力協定が結ばれたならば、向こうが欲しがっている原子力関連の機器、そして技術というものを提供していくことになるんだと思います。それゆえ、この経済産業委員会でこの問題を取り上げさせていただきたいと思うんです。

 まず、日印原子力協定を締結する意義について簡潔にお答えいただきたいと思います。

四方政府参考人 お答え申し上げます。

 日印原子力協定は、インドが表明いたしました核実験モラトリアムの継続等を前提にしております。その上で、本協定を締結することにより、インドと日本との間で、インドは、核物質等の平和的目的に限りました利用や不拡散の義務等を負うことになり、原子力の平和的利用について責任ある行動をとることが確保されます。このように、本協定は、インドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させることにつながると考えております。

 また、日本とインドは、普遍的価値と戦略的利益を共有するアジアの二大民主主義国家でありまして、両国の関係は世界で最も可能性を秘めた二国間関係であると考えております。その中で、我が国にとって戦略的に最も重要なパートナーの一つであるインドとの原子力分野の協力は、日印関係の深化、拡大に資するものであると考えております。

吉良委員 今、インドとは戦略的価値を共有するという答弁があったので、そこをよしとしたいと思いますけれども、私、吉良州司としても、もし今答弁があった原子力部分だけを取り出したならば、場合によっては、この原子力協定、私個人としても反対かもしれません。

 ただ、この日印原子力協定というのは、今から少し述べたいと思いますけれども、いろいろなリスク、課題はあるんです。けれども、そのリスクだ課題だがありながら、それを超える、インドと提携していく価値が私はあると思っているんです。それは、地政学的な価値であり、そして戦略的な価値であるというふうに思っています。

 もうちょっと具体的に言えば、一つは、我が国のシーレーンの確保です、安全確保。そして二つ目は、この先、世界一の人口大国になるであろうインド、そして経済成長著しいインド、このインドと経済面でウイン・ウインの関係をつくる、これが二点目。三番目は、最初のシーレーンとも関係しますけれども、なかなか外務省からは言いづらいと思いますが、対中牽制戦略、それが極めて重要なんです。

 外務省からは言いづらいと思いますから私の方で言わせていただきたいと思いますが、私は、中国の肩を持とうとは思いませんけれども、ただ、中国の南シナ海への進出をただ単に既存秩序への挑戦という見方だけをするのは、私は間違いだと思っているんです。

 我が国が、ペルシャ湾からインド洋、マラッカ、南シナ海、それから東シナ海というシーレーンの防衛、極めて重要だと認識していると同じように、中国も当然ながら、十三億の民を食わせていくために、資源が必要、エネルギーが必要、食料が必要。そういう中で、南シナ海は俺のものだと言った途端に、アメリカだ、日本だ、もう世界じゅうから抵抗を受ける。そういう中にあって、中国の十三億の民を生かしていくのに、何かと文句を言われるマラッカから南シナ海だけにその基盤を置くことは極めてリスクが高い。

 したがって、インド洋からも中東の油を陸揚げして、そしてまた、中央アジア、今まさに一帯一路、陸のシルクロード、そして海のシルクロード計画がありますけれども、そういう地域と連携し、そういう資源豊富な国と直接つながることによって、今言った、中国十三億の民を食べさせていこうとしている。

 そういう意味で、彼ら中国ももう必死なんだという思いを持たなきゃいけないんだと思うんです。だからこそ、パキスタンのグワダル港ですか、そこを八〇%ものお金を出して中国が使えるように、しかも軍港として使えるようにする。そしてミャンマーに進出をする、スリランカに進出をする。真珠の首飾りの戦略を今まさに実現せんとしている。

 ここに加えてインドまでもが、仮に中印国境紛争がある程度解決されて、インドまで中国の影響力が及ぶようになってしまったならば、あのインド洋に突き出たインド、あそこのあちらこちらといいますか、東側、西側に中国の軍港が置かれたならば、我が国のシーレーン防衛というのは、実は非常にリスクの高いものになってしまう。

 そういう意味で、先ほど言いました、原子力協定だけ取り出して見れば、いろいろな課題がある。そしてリスクもある。それでもインドと手を握らなければいけない。私はこういうふうに思っているんですが、外務省でも世耕大臣でも、お答えいただければと思います。

世耕国務大臣 今の吉良議員の地政学的解説、大変興味深く聞かせていただきました。

 やはり、インドは日本にとって非常に重要な戦略的なパートナーだと思います。

 まず一つは、やはり基本的価値観を共有している国だということ。そして、今御指摘のように、人口はふえている、そして経済成長はしている、ということは、中間層が非常に広がってきている。ということは、これは日本企業のマーケットとしても非常に重要でありますし、そして何よりも、親日的な国だということです。国民が割と、日本に対して大変親しみを感じてくれているという国だということであります。

 今、非常にインドに対して日本企業の進出が進んでいます。また、モディ首相も、日本企業の誘致に関して非常に熱心であります。また、安倍総理とモディ首相の間にもかなり個人的な信頼関係も醸成されています。私も、自分のカウンターパートであるシタラマンという商工大臣とはもう何度も会談をして、そちらの交流も非常に深めていますし、一大臣である私が行っても、インドは非常に手厚く対応をしてくれます。それだけ、一方で日本に対する期待が大きいんだろうというふうに思います。

 今いろいろ、中国が港を整備しているとか、パイプラインを別の国を通しているとかというお話がありましたけれども、そうやってお金で何かばんばん物をつくっていくというアプローチとは違う、一つは、企業がちゃんと進出をして、投資をして雇用をつくる、あるいは、同じインフラ整備でも、質の高い、多くの国民が裨益できるようなインフラをしっかりつくっていくというようなことを日本はこれまでも地道に続けてきているわけであります。

 そんな中で、インドの発展のために、やはり電力というのも非常に重要で、インドに行かれたらよくわかりますけれども、首都でも毎日何回か停電するような国ですから、やはり電力の安定供給というのも彼らの非常に真剣なニーズでありますから、そういうことにもちゃんと我々も持てる技術で協力をしていくということも重要だと思っています。

 また、これから非常に重要なのが、TPPからアメリカが離脱した後、RCEPというのが非常に重要になってくる。これはASEANプラス6であります。インドも重要なメンバー国になっていくわけでありまして、この多国間の貿易交渉という面からも、日本とインドの連携というのは非常に重要になっていく。

 そういう意味で、御指摘のように、地政学的にも、そしてマーケットとしても、そして貿易交渉のパートナーとしても、非常にインドは重要であって、インドのいろいろな期待に日本のできることでしっかり応えていくということは、日本の外交戦略上、非常に重要だと考えております。

吉良委員 ありがとうございます。

 大臣と問題意識それから目的を共有できたというふうに思っています。

 日印原子力協定が結ばれたならば、それに基づいて経済的に何が考えられるかといえば、先ほども少し触れましたけれども、インドから見れば、日本が持つ原子力の高い技術が欲しい、それに基づく原子力関連の機器が欲しいということになります。日本企業は、実際、そのニーズに基づいて、そういう機器関連の輸出等の交渉を始める可能性があります。そうなったときに、日本企業が想定しなければいけないリスクというものはどういうものがあるんでしょうか。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に、インドという国のビジネス環境全般にかかわるリスクというのがまず第一に挙げられるわけですけれども、なかんずく、原子力の平和利用にかかわるところというところで具体的に考えられますのは、原発の輸出ということになります。

 そうした場合に、これをどうビジネス上可能ならしめるかというところについては、どれだけの代金を確実にもらえるのかというところが非常に大きな話になるわけでございまして、それに当たっては、相手方の財政状況、経済状況というところがまず一つ大きなところでございます。

 それに当たりまして、最終的に、では、どういうふうに輸出をしていく、代金を確保するのかというところに当たっては、どういうふうにそれをファイナンスしていくのか。そのファイナンスをどこから引っ張ってくるのかというところもあろうかと思います。

 さらに、実際に原発を建設するというところになった場合には、現地できっちりとそれが建設できるのかといったようなところも問題になろうかと思います。

 さらには、それが運開したという暁には、その後も含めてですけれども、この原子力協定に関連するところで申し上げれば、よく御指摘をいただきますのが、インドが核実験をまた開始してしまったといったようなことが、我々想定は余りしていないわけでございますけれども、そうしたことが万が一にも起こった場合には、協定自体の根底が崩れてしまうというようなリスクも含めて、実際の原発輸出を考える民間事業者は考えていかなきゃいけないリスクだというふうに認識しているところでございます。

吉良委員 今答弁があった中で、私自身が期待したのは、前半のコマーシャルベースの話ではなくて、後段の、核実験をやった際の停止、撤退というリスクなんです。

 よく、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言われますけれども、私自身は、思いっ切り愚か者の代表選手として、経験に学ぶところ大なんですけれども、実は、多分どなたもここにいらっしゃる方で経験した方はいらっしゃらないと思いますが、私は、この核実験によってプロジェクトが大きな損失を受けたという担当者というか、まさにプロジェクトを遂行していた者なんです。

 私が商社でニューヨークに駐在していた当時に、実はパキスタン向けに、米国企業と組んでパキスタンに電力プロジェクトを仕掛けておりました。そこの中心企業というのが、投資家としては、コースタルというヒューストン在の会社。そして、EPCという、プラントの請負は、トランプ大統領を勝たせた州ではないですけれども、オハイオにあるB&Wという会社だったんです。その米国企業が中心で、私どもは、今残念な状況になっていますけれども、東芝さんのタービンをそれに加えるということで、日米連合ということでパキスタンに電力プロジェクトを仕掛けておりました。仕掛けているどころか、米国政府の協力も得て、どういう協力かというと、US―EXIMバンク、米国輸出入銀行の融資を受けるという前提で、もうパキスタンで建設を始めておりました。

 そうしたら、九八年にインドが核実験をやり、そしてパキが核実験をやった。米国政府としては、もうかんかんに怒りまして、もう協力をやめると言いまして、米国輸出入銀行の融資を引き揚げると言い出したんです。たまったものじゃないということで、関係者がワシントンのUS―EXIMバンクに押しかけて、何とか思いとどまるように言って、結果としては、直融資は引き揚げる、やらない、だけれども、US―EXIMバンクの保証は残して、実融資はコマーシャルバンクでやってくれという話になりました。しかし、金利は大幅に上がりますので、プロジェクトの採算は大幅に悪化しました。

 そうしていましたら、今度は、当時参謀総長であったムシャラフ参謀総長がクーデターをやって政権を奪取しましたので、米国政府はもう完全に怒って、輸出入銀行の協力はもう一切引き揚げる、こういうことになって、保証もない中で、さらに金利が上がり、プロジェクトとしてはもう赤字になるぐらいの採算悪化を余儀なくされた。

 こういう経験を私自身は持っています。

 そういう意味で、今モラトリアムを宣言しているからということで突き進んでいますけれども、これは、さっき言いました地政学的な状況からして、やはりパキスタンが何らかの事情で核実験をやる、また、ミサイル発射実験をやる、また、中国が、直接インドに対して、またはパキスタンに対して、ミャンマーに対して、インドが一線を越えると思えるような協力なり支援をやってきて、インドの安全保障、また経済の安全保障、エネルギーの安全保障を脅かすような状況になったときには、インドも黙ってはおかないという可能性は十分あるんです。

 そういうリスクに対してどう手当てをするのか。短く答えられるのだったら答えていただきたいし、長くなるのであればもう私の方から言います。

 では、短くお願いします。

平井政府参考人 短くお答え申し上げます。

 契約の履行が困難になるということが、核実験の履行ということで起こる場合があるというふうに考えられるわけですが、事業者といたしましては、そうした万が一の場合のリスクも含めまして、代金の支払い時期をいかに設定するのか、危険負担をいかに明記するのかといったようなことで、あらかじめ契約に盛り込む条件をしっかりと考慮して、インドにおける事業実施の是非を判断していくというふうに理解しております。

吉良委員 大変申しわけないんだけれども、私なんかは商社で二十二年間やっておりまして、役所と民間企業の一番大きな違いは何かといったら、金利の感覚なんですよ。

 例えば、保険が整備されています、貿易保険があります、原発でいえば五千億のプロジェクトになりました、そのうち三千億円分は既にもう仕掛かっています、現地で工事もやっています、機器もある程度輸出しています、そこで急遽中止になりましたと。そうしたときに、保険申請をする。そして、よしんば三千億の保険がおりたとします。けれども、その保険がおりるまでの間、例えば一年だったり、場合によっては二年だったり、その時間がかかるわけです。一方、契約条件、支払い条件というのは、通常は、前金は一五%とか、多くて二〇%です。あとは出来高払い。

 ということになると、三千億の仕掛かり、途上ではありますけれども、その資金手当て、三千億分をつくるに当たっての資金手当てというのは、借り入れが必要になるんですよ。前金では足りないわけですよ。そういう金利つきの借入金を使って、今言った機器の製作、現地工事を進めていくわけなんです。しかも、それが事故になりました、もうこれ以上継続してはならないという国の方針が出ました、一年後、二年後に保険がおりました。けれども、その三千億は、当初の、今言った仕掛かり段階でも金利がかかっている。そして、今言った、保険金がおりるまでにも金利がかかっている。

 先ほど、私が冒頭あえて、インドについては、地政学的、戦略的に重要だから、いろいろリスクがあっても突っ込むんだという話をしました。

 これはどういうことかというと、このインドとの日印原子力協定、それに基づく原子力機器の輸出、技術の提供というのは、ある意味では国策で民営なんです。ある意味では国のためにやるんです。国のその戦略的重要性に基づいて民間が今言ったようについていっているときに、いろいろな制度があります。でも、その制度は民間がこうむる損失を全額カバーするものではない。そうしたときに、国としては、国策上、そうやってついてくる民間に対しては、一銭も損をさせないというぐらいの手当てが必要なんじゃないかというふうに思っています。

 そういう意味で、先ほどの答弁では、一般論であって、私が今申し上げたような観点で、民間がこうむる全ての損失をカバーすることはできないと思っています。それをカバーする方法はありますか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 まず、核実験の結果として輸出がとまって輸出代金をもらえないという場合には、貿易保険の対象になりますので、輸出代金についてはそこでまずカバーいたします。

 次に、いろいろな金融機関が融資をしている場合があります。これについては、その金利部分も含めて貿易保険法の対象になりますので、金融機関については、金利部分を含めてカバーされるということになると思います。

 最初の輸出代金の支払いについて、貿易保険の支払いがおくれると、その間の金利期間があるじゃないかというお話がございました。

 これについては、ことし四月一日から、NEXIは独立行政法人から株式会社化されたわけでございます。これによって、より民間ニーズに対応できるようにスピーディーに対応するということを図り、民間負担の最小化を図っていきたいと考えている次第でございます。

吉良委員 今答弁があったことで私は全然納得できないですけれども、ちょっと時間の関係もありますので、ここであえて指摘させてもらいたいのは、大臣、ぜひお願いしたいんですが、この日印原子力協定に基づいて、国の方針にのっとって進出していこうという企業に対して、今言った、一切損をさせないための特別な貿易保険のプログラム、ぜひ検討いただきたいというふうに思っているんです。

 私にアイデアはありますけれども、これはまた一般質疑等で時間をいただけることがあればそのときにさせていただきたいと思いますが、今はそういう提案をさせていただきたいと思います。

 大臣、前向きに検討とかなんとかいう言葉でもいただければありがたいんですけれども。

世耕国務大臣 質の高いインフラ輸出の一環で、原発も、相手国が求めるのであれば、これは輸出をするというのが我々の考え方であります。

 そこで、保険、契約の形態その他含めて、国として支援のできる部分はできるだけ支援をしていきたいというふうに思っております。

吉良委員 ぜひお願いをいたします。

 次に移っていきます。

 今大臣からもありました、まさにインフラ輸出。私自身がそのインフラ輸出に物すごいこだわりがあって、私自身が民主党政権の外務大臣政務官、その後、副大臣もやらせてもらいましたけれども、そのときに最も力を入れたのもこのインフラ輸出でありました。

 もう一つ資料を用意していたんですが、資料になっていないということなので。

 まさに私、その外務大臣政務官のときにブラジルで高速鉄道案件というのがありまして、そのときに、国交省の政務官と、それから私は外務省を代表して、ある種売り込みに行ったんですけれども、そのときに愕然としたことがあります。それは、大変申しわけないですけれども、国交省の人、そしてそこの政務官がブラジル政府に対して、日本の新幹線技術というのはいかにすぐれたものであるかということを一生懸命セールスしようとしていたんです。

 けれども、お気づきになると思いますけれども、当時ブラジルがやろうとしていたプロジェクトというのは何かというと、リオデジャネイロからサンパウロ、そしてカンピーナスというこの路線について、高速鉄道を事業としてやる事業者を選択する事業権入札をやるという入札だったんです。ブラジル政府が新幹線の機器、システムを買うというプロジェクトではないんです。事業権を誰に付与するかということを決める入札だったんです。

 ですから、我々として新幹線がいかに技術的にすぐれているかというのを売り込むべきは、ブラジル政府ではなくて、その事業権入札に参加しようとするインベスターだったんです、事業者だったんです。

 逆に、私は当時何をしたかというと、ブラジルの運輸大臣に、当時の入札条件というのはとても世界のプロジェクトファイナンスにかかわるプレーヤーが参加できるような条件ではなかったので、こんな条件では入札そのものが成立しないから、ここをこう改めろ、こうしろああしろというようなことをずっと言っていました。

 我が国は今、インフラ輸出、インフラ輸出と言っていますけれども、多くの人が、いまだに何か機器だプラントだを売り込むということを頭の中に描いています。もちろん、そういうビジネス形態も残っているんですけれども、私自身の問題意識として、今後日本がインフラ輸出として特に力を入れて取り組むべきは、事業型のインフラビジネスであります。

 だから、そういう意味では、もう既に経産省の方でも、また、それを後押しするNEXIそしてJBICの方でも、都市開発であったり、まさに高速鉄道案件であったり、そして一番需要の多い電力案件であったり、そういうものについて事業型を支援するという方向が出ている。このことについては大変高く評価をしております。

 私は、その事業型のインフラプロジェクトを支援する、このメニューをもっともっと拡充してもらいたいというふうに思っているんですけれども、現時点でそういう事業型のプロジェクトを支援するメニューというのはどういうものがあるか、これも簡潔にお願いします。

相馬政府参考人 お答え申し上げます。

 政府としましては、インフラシステム輸出戦略に基づき、質の高いインフラパートナーシップ、質の高いインフラ輸出拡大イニシアチブを発表するなど、インフラシステムの輸出を強力に推進しておるところでございますが、近年、委員御指摘のとおり、事業型インフラプロジェクトが急増していることから、JICAの海外投融資の改善、JBIC法改正等によるJBICやNEXIの機能強化等に取り組みまして、資金調達に係る制度改善も図っておるところでございます。

 政府といたしましては、これらの施策を着実に実施し、日本企業の受注参入を一層後押ししてまいります。

吉良委員 ありがとうございます。

 JICAの機能拡充、そして、今もあったJBICの昨年度の改正によって非常にメニューが多くなったし、まさに機能が拡充された。特にリスクテーキングのところで、JBIC自身もリスクテークしますけれども、そのリスクテークをする事業者に対して非常に支援をする仕組みができたというふうに思っていますので、それは大変高く評価をしております。

 ただ、もうちょっと使い勝手のいい事業型プロジェクトの資金調達の仕組みがあるということで、世耕大臣、アメリカの証券市場の中にルール百四十四Aという仕組みがあるんですが、これは、私の質問通告がある前、御存じだったでしょうか。

世耕国務大臣 知りませんでした。

吉良委員 ちょっと時間がなくなったので、実はこれに一番時間を割きたかったんですが、ぜひまた時間をいただいて、きょうはちょっと頭出しだけにさせてもらいたいと思っているんです。

 米国の証券市場において社債を発行するというときには、社債の発行体もそうですけれども、発行する社債についての登録が必要になって、その登録における開示義務というのが非常にハードルが高いんです。

 最近非常に人気を博しているのが、私が今申し上げた、アメリカのSECの証券法の例外規定ということになりまして、社債の買い手をある一定のアセットを持った、資産を持ったプロの機関投資家に限ってそれを引き受けていいということになって、そのかわりに開示義務を大きく下げていくというルールなんです。

 これによって、アメリカではなくて、途上国それから新興国あたりのプロジェクト、そのプロジェクトを遂行するための目的会社、SPCをつくる。そのSPCが、一定の情報を提供するだけで社債を発行して、そして、さっき言ったプロの機関投資家がそれを買うということで、一日にしてプロジェクト資金を手にできるんです。

 これも、先ほど言いましたけれども、愚者は経験に学ぶということで、愚者の代表であります私自身が、実はやはり、先ほど言ったニューヨーク勤務のときに、メキシコの三億ドルほどの電力案件を、スイスのABBという会社と一緒になって事業会社を設立して、そこがこのルールを使って社債を発行したところ、三億ドルを一遍に調達できたということがあるんです。ですから、これは非常に使い勝手がいい。

 ちょっと古い年代になるんですけれども、二〇〇六年段階でも年間一・五兆ドルもの発行がなされているというような大きな市場になりつつあります。これを利用しない手はないというふうに思っていまして、なぜそういうことを思ったかといいますと、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、JBICの機能強化の中で、JBICがボンドを引き受けることができるという機能が新たに加わっていたんです。

 ですから、一番いいのは、さっき言った、米国証券市場で百四十四Aルールに基づいて、日本の機関投資家ではない、アメリカ、世界じゅうの投資家が買ってくれるのが一番いいわけなんですが、日本として、国益があるために、このマーケットにどうしても突っ込みたい、このマーケットにおいてこのプロジェクトを実現したいと思うときには、今言った、JBICが、その事業主体が発行する社債を引き受けることによって、日の丸連合として資金を供与できるというメカニズムをつくれるのではないかという思いでこのルール百四十四Aというものを紹介したいと思っていますし、これを使って事業型インフラプロジェクトをより力強く推進していただきたいと思っています。

 世耕大臣の方から一言。

世耕国務大臣 全く問題意識は一緒であります。米国の仕組みはよく知りませんでしたけれども。

 インフラに関しては、資金の需要も供給もたっぷりあるんです。その間をつなぐ仕組み、ちゃんと案件を組成して、そしてリスクとリターンを管理して、そしてそれをある種、証券のような形できちっと投資家に販売をしていくという、ここのメカニズムがまだなかなかできていない。だから、AIIBも鳴り物入りでやっていますけれども、まだ案件組成はそんなにできていないですよ。逆に、ADBとか、あるいはJICAも、これまで案件組成にすごく時間がかかると言われていました。

 その辺をもう少しスピーディーにやるような仕組みを、私も、これは絶対、特にアジアのインフラ向けにやる必要があるなという問題意識を持っておりますので、いつまで大臣をやっていられるかわかりませんけれども、何か在任中にそういう仕掛けを組み立てられたらなという思いを持っております。

吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。これで終わります。

浮島委員長 次に、小山展弘君。

小山委員 民進党の小山展弘です。

 外為法や経済、技術安全保障については、以前、予算委員会の分科会で質問させていただいたことがありまして、それの続きというか更問い的な形で……(発言する者あり)いや、そこまででもないんですけれども、きょうは質問させていただければと思います。

 大臣、きょうは、ちょっとこの季節には暑いんですけれども、私の地元の福田というところで別珍のちゃんと上下そろえたもの、実は前回の質問のときに、注文してつくっていたんですけれども間に合わなくて、そうしたら、大臣があのときに、上着だけ、ジャケットだけ、あれはコールテンで今度は別珍ですけれども、着てきましたら、上下そろっておつくりになられたらいかがでしょうかといただきましたので、ちゃんと公約を守ってつくってまいりましたものですから、きょうはぜひ前向きな御答弁をいただきたいと思います。

 まず最初に、大変基本的なことで恐縮なんですけれども、技術移転防止と、一方では、相互依存が進む世界の中で、どうしても、物品やあるいは投資の自由化が進んで、こういった技術流出というのは自然に起こりやすい状況にもある。

 ただ、一方で、日本にとって脅威となり得るような国の軍事力の増強を防ぐということからも、非常にこの技術移転防止というのは重要だと考えられますけれども、政府は、この技術移転防止とか技術安全保障について、もともとこれは五番目に通告をさせていただいていた質問ですけれども、どのような基本的認識を持っていらっしゃるか、大臣にお尋ねしたいと思います。

世耕国務大臣 今おっしゃるように、やはり経済がグローバル化をしてきていますから、日本も、いろいろな投資を受け入れるとか買収をされるとかいうことも含めて、グローバルな動きに対応していかなければいけない。

 しかし、一方で、安全保障環境が非常に変化をしてきていて、民生技術が軍事の技術に転用される事例がふえてきているとか、あるいは新興国、途上国による投資がふえてきているとか、あるいは、アジアにおける安全保障環境が非常にリスクが増してきているというような中で、技術にかかわる安全保障というのは重要だというふうに思っています。

 いわば、グローバル化というアクセルを踏むと同時に、やはりブレーキもちゃんと持って、きちっと、一つの技術と安全保障というのをしっかりと操縦していかなければいけないというふうに考えております。

小山委員 まさにそのとおりだと思いますけれども、戦後、ココムがあったり、あるいは中国語にチンコムといったものもあって、あるいはそれ以外の経済統制体制といったものも、実は軍事的な冷戦の裏側であったんじゃないか。

 そういう中で日本は、いかに経済的利得も求めながら、このココムあるいはチンコムといったものに対して、鳩山内閣のときに、例えば当時の石橋湛山通産大臣は、特認制度を使って中国に対する輸出を少しでもやっていくと。ところが、アメリカはそこのところがちょっとやり過ぎじゃないかと。当時の岸総理がアイゼンハワー大統領のところに行って、少なくとも中国が、ココムよりも厳しい統制リストがあったところを、チャイナ・ディファレンシャルを撤廃していくというようなこともありまして、ずっとこういったものは、今でも、ワッセナー協約だけでなくて、MTCRとか生物・化学兵器の統制とか、いろいろな国際レジームが、余り表に出てこないんですけれども、ありますし、また一方で、ECHELONみたいな、国際的盗聴システムじゃないかというようなものもあろうかと思うんです。

 前回大臣に質問させていただいたときに、大臣は、政府は北朝鮮に対して機微技術の移転については厳格な管理を行ってきたという答弁をいただいておりますけれども、済みません、これはもともと四番目に質問をさせていただくということで事前に申し出ていたんですけれども、北朝鮮では、連日ミサイルの発射実験を繰り返したりとか、非常に今、国際的な緊張の高まりも示してはおります。

 少し前のことになりますが、二〇〇三年には、前回の質問のときも申し上げましたが、米国の上院で、北朝鮮の脱北技術者が、北朝鮮のミサイル、物資、技術の九〇%は日本製であるというような証言もしている。これももちろん、この脱北技術者の言うことが全て正しいということが検証されているわけではないんですけれども、これは相当な、日本から北朝鮮に技術なり物資が何らかの形で流出をしている。今、経済制裁をやっていますから、直接的な輸出というものがなくても、迂回輸出のような形で回っている可能性は高いと思います。

 北朝鮮に行った方から聞くと、北朝鮮の一番のホテルのテレビは全部、日本の某有名、まあ、パナソニックの液晶テレビだったという話もあるということで、かなりこれは迂回輸出のような形や、第三国の生産したものが流れていく可能性はあると思っているんです。

 日本の技術管理がこれだけ厳格であった。それはもちろん頑張ってきたと思うんです、役所の方々も。外為法にも今回も我が党も反対ということではありませんので、基本的には私も建設的な質問をしていきたいというスタンスでおりますけれども、にもかかわらず、かかる事態、ミサイルのこういう技術が相当行って、北朝鮮のこれだけのミサイル実験が繰り返されている。こういう事態を招いた原因ということについて政府はどのように認識されているでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 今委員から御指摘がありました米国上院における脱北技術者による証言というのは、平成十五年五月、二〇〇三年の五月という段階でございます。

 ちなみに、我が国が北朝鮮に対して全ての品目の輸入禁止をしたのがその後の平成十八年十月、全ての品目の輸出禁止措置を講じたのは平成二十一年五月ということでございますので、そのアメリカ上院における証言というのは、我が国が北朝鮮に対する制裁を全面的に適用する以前のことであったということが一点ございます。

 その上で、北朝鮮については、技術取引についても、国連安保理決議に基づいて大量破壊兵器に関する技術取引を禁止している、こういう状況でございます。

 他方で、委員が御指摘していらっしゃるとおり、こうした全面的な制裁をかけた上でも、制裁に違反して迂回輸出が、あるいは迂回輸入がなくなっているわけではございません。最近の事例でも、北朝鮮産のマツタケが中国経由で輸入されてしまったり、あるいは、炭素繊維が中国経由で北朝鮮へ行った事例がございます。

 そうした問題については、警察、税関などと連携しながらしっかり取り締まるということが重要でございますけれども、あわせて、制度面としては、違反があった場合のペナルティーを強くするということで、罰則の大幅強化、行政制裁期間の引き上げということで抑止力を高めたいというふうに考えている次第でございます。

小山委員 この罰則の強化というところは、まさに今回の外為法の改正にあるところだと思います。

 警察とか他の省庁との連携というところは、ちょっとこの後質問をさせていただきたいと思っておりますが、その前に、実は、ことしのこの四月は東芝ココム違反事件三十周年で、三十年前のココム事件が起きたのも四月なんです。その年に、ちょうどまた東芝の件がいろいろ報道されております。

 大体どういう答弁になるかはわかってはいるんですけれども、あえてお尋ねしますが、東芝の半導体事業の売却といったものが報道されていますけれども、これについては、かなり軍民両用技術を有するのではないかという懸念があるんですが、これについて、外為法に基づいて停止するというようなことは政府は考えているんでしょうか。

寺澤政府参考人 個別案件についての回答は差し控えさせていただきたいと申し上げた上で、一般論としては、機微な製品を製造する我が国企業に対する外国投資家からの投資については、外為法に基づく審査つき事前届け出制の対象であり、国の安全等の観点から厳格な審査を実施しています。

 その上で、必要がある場合、外国投資家からの投資に対する変更、中止の勧告、命令を行うことが制度上可能となっている次第でございます。

小山委員 もう一つ、ついでというわけではないんですけれども、まさにココム違反を起こした、スクリュー研磨機を輸出してしまったという事件を起こした東芝機械、これも実は買収事案の対象として報道もされているようですけれども、これについてはいかがでしょう。明らかに機微技術を持っていると考えていいと思うんですけれども。

寺澤政府参考人 お答えします。

 確かに東芝機械は、三十年前、まさしく東芝機械事件の当事者になった企業でございまして、一般的に言うと、機微技術を保有している企業だろうとは考えています。

 他方で、あくまでも個別具体的事案についての御質問については回答を控えさせていただくと。

 政府としての対応というのは、先ほど、東芝の半導体事業に関するものと全く同じでございます。

 その上で、こうした対内投資規制については、まだまだ十分じゃないところがあるということで、今回の改正法案においては、例えば、非上場の株式について、外国投資家間の取引については外為法の規制が及ばないという穴がございます。この穴を塞ぐことは重要だと思っています。

 また、無届けで投資をされるといった場合に、罰則しかないという状況というのも、これも十分ではないというふうに考えている次第でございますので、そうした場合に対する措置命令ということを導入したい。

 こういうことによって、対内投資についてもきちっと対応するような、そうした制度にしたいと考えている次第でございます。

小山委員 確かに、個別事案ということでありますし、これ以上何かをお尋ねするということではないんですけれども、しかし、ココム事件を三十年前に起こしているということもありますし、機微技術を明らかに有しているという場合には、これは許さないんだというような態度を明確に出すというのも一つのあり方ではないだろうかということもちょっと思いまして、午前中にも近藤議員から近い質問があったということは伺っていたんですけれども、あえてお尋ねをしたんです。

 今まさに、非上場株式の取得に際しても審査つき事前届け出の規制対象とする、そういう規定を加えるというこの外為法の改正ではあるんですが、日本の非上場のまさに中小企業がどのような軍民両用技術あるいは機微技術を有しているのかどうかというようなデータベース、そういったものがあるのかどうか。あるいは、外国人投資家が買収に動いているんじゃないだろうかとか、あるいは、勤務している従業員に新興経済国とかから来た技術者がいて、産業スパイみたいなことをやっていないかどうかというようなことを絶えずモニタリングしていく必要があると思うんですけれども、そういったことはやっていらっしゃるんでしょうか。

高木副大臣 非上場企業、中小企業の機微技術の保有状況につきましては、機微技術に係る過去の輸出許可の実績、また、担当部局を中心としました重要技術を保有する企業の実態把握、また、業界とのネットワークなどを駆使した日常的な情報の収集などによりまして、常に状況の把握に努めております。

 なお、今回の改正におきまして、無届けで行われました対内直接投資が国の安全を損ねると判断された場合には、事後的に株式売却命令などの措置を講ずることが可能となることから、機微技術を有する非上場の中小企業の株式を外国投資家が無届けで取得するリスクが高まり、より強い抑止力が働くことになると考えております。

小山委員 法案には決して反対するつもりはないですし、そのとおりだと思うんですけれども、今、輸出をする際に事前に届け出をした企業についてデータベースにしているということでありました。

 では、輸出をしたことのない企業についてはデータベースに載っかっていないということになりますか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど実は質疑の中でもございましたけれども、産業競争力上重要であって、かつ安全保障に資するような技術をどのような企業が保有し、それを例えば製造する場合にどのようなサプライチェーンを組んでいるのかということについて、最近いろいろな状況が、変化がございますので、それについて私どもも調査を行い、実態の把握に努め、それを今申し上げました外為法の審査などにも反映させていきたいというふうに考えております。

小山委員 もう一つ、更問いで確認させていただきます。

 サプライチェーンの調査ということだったんですけれども、どういう取引先と取引されているかというようなこと、これを確認していくというのは、これは任意調査なんですか、それとも、ある程度強制的な調査でやっていらっしゃるんですか。

飯田政府参考人 基本的には任意の調査ということでございますけれども、調査の趣旨を十分に企業に御説明をして御協力をいただくということでございます。

小山委員 ということは、これは教えたくないというケースも企業によってはあるわけですよね、それは当然だと思うんですけれども。農水委員会のSBS米じゃないですけれども、教えたくないということであれば、これはデータベースの中に載ってこない。だけれども、実際には機微技術を有していると考えられる中小企業はデータベースに載っていない企業の中にもあるということになりはしませんか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 情報のソース、本当に秘匿されているものはわからないというのは御指摘のとおりだと思うんですけれども、さまざまな形で情報が、オープンソースの情報がございまして、一つは、論文の形で、論文の協力者という形で。中小企業といっても、最近は博士課程、博士号を取られたような技術者を抱えた中小企業もございます。こういったところで一つは情報が収集ができる。それからもう一つは、特許を出願するという形で情報が公開されておりまして、これも私ども、重要な技術については特許の出願状況の調査というのも特許庁の方であわせてやっておりますので、そういったオープンソースの情報も勘案しながら、しっかりとした情報の把握に努めるということでございます。

小山委員 それこそ、経産省の貿易管理課の皆さんにも事前にちょっとお会いしたりもしましたが、いろいろな研究機関にも、あるいは大学等にも留学されたりとか、国内留学も含めて、あるいは企業に出向もされたりしてそういったサプライチェーンを調べたりとかと、かなり一生懸命頑張られているということは十分にわかった上で、あえてそんなことを申し上げさせていただいておりますけれども、ぜひここのところは、このデータベースというものが基本になると思いますので、また後半の方で質問できればと思っておりますが、いかに中小企業の皆さんにこの外為法について理解を深めてもらって、事前審査から漏れないようにしていくかということのアピールというか、認知度を深めていくということもこれからの課題ではないかなと思っているものですから、そんな意味で質問をさせていただいたんです。

 ちなみに、このデータベースというのは、国会の秘密会みたいなものでも、別に私が盗み見たいというわけではないんですが、やはり秘密会でも見せるというのは難しいんですか。

高木副大臣 今ずっと御指摘をいただきましたけれども、外為法で、ワッセナー・アレンジメントなどの国際レジームにおきまして、レジーム参加国間で合意した通常兵器または大量破壊兵器の開発などに使用される可能性のある機微な貨物の設計、製造または使用に関する技術を機微技術として管理しておりますけれども、この機微技術を有する企業をリストとして管理しているわけではなくて、また、そうした情報を把握したとしても、個別企業の企業活動に影響を与える懸念などがございますから、リストにして公表するというような、これは適切ではないと考えてはおります。

小山委員 副大臣のおっしゃることもそのとおりだと思うところはあり、でも、それは、逆に言えば、議会としてチェックをできないということでもありますので、ぜひ行政の方で、そこは信頼をしておりますので、ぜひそこはというふうに我々も答えざるを得ないものですから、しっかりそこは対応していただきたいということを申し上げたいと思います。

 ちょっとここで視点を変えまして、アメリカでは、技術安全保障ということよりももう少し広い概念で、産業安全保障という概念を用いて、軍事的な技術の観点だけではなくて、企業競争力とか国の経済競争力を維持する、そういう観点から、産業全般において重要な技術を守る、産業基盤の技術流出を防いで国の経済競争力、産業競争力の弱体化を防ぐというような観点も含めて、企業買収への対策を立てているということです。

 世耕大臣は、このような、技術安全保障という概念よりやや広い概念かと思いますが、産業安全保障という概念についてはどのように評価をされますでしょうか。

世耕国務大臣 私も、産業安全保障という概念は非常に重要だというふうに思っています。

 ただ、これは誰が主体なのかということだと思うんです。まずは経済産業省も主体の一つだというふうに思っています。

 経済産業省としては、例えばどういう技術がどういうふうに狙われているのか、あるいはどういうふうに転用されていくのかということ、これはやはり、日々、どんどんどんどん、勉強をして、そしてそういう目ききのできる人材も育ててという形で、まず技術の目ききをしていくことが重要だと思います。

 あと、それがどういう形で流出をするリスクがあるのか、それを防ぐためにどういうふうに管理をしていかなきゃいけないのか。あるいは、場合によっては、その企業丸ごと、どういう形で狙われているのか。海外から、悪意を持った買収というか、そういう形で狙われているのか、あるいは、悪意がなくても、やはりこれをとられたら日本の産業安全保障上よくないということを常日ごろウオッチしていくということも非常に重要だと思います。

 でも、企業も一方で主体なんです。企業自身も、自分の持っている技術が、単に自分の会社の利益のためだけじゃなくて、日本の国益にかかわる部分があるということを自覚してもらう必要がある。そのために、やはり情報の管理とか技術の管理ということを企業自身もしっかりやってもらわなきゃいけないですし、私は、中小企業もこれからそういう取り組みが重要になってくると思っています。

 それは、サプライチェーンの中に組み込まれている中小企業であれば、そのトップに立つ大企業も一緒になりながら見ていかなければいけないですし、よくテレビ番組で町の工場訪問とかいう、あれは割と、情報管理のプロが見ると、こんなところを撮らせちゃだめだよというようなものをよく撮らせているらしいですね。だから、やはりそういう意識を持ってもらわなきゃいけない。

 この間、私、アジアの経済閣僚たちを日本最先端の研究所とか企業に連れていきましたけれども、やはりそういうところは、肝心なところは全く見せてくれないですね。会議室へ通されて、展示用のものを見せられて、はいどうぞという感じでした。やはりそういう意識というのは高めていく必要がある。

 その上で、外為法とか不正競争防止法、こういう法律もツールとしてもっと使いやすくなる、あるいは抑止力を高めるようにしていく。そういうことで、政府も、企業も、中小企業も、そして法制度も、産業安全保障という視点を持ちながら、どんどんどんどんバージョンアップをしていくことが重要だというふうに思っています。

小山委員 今、大臣のお話を伺っていて、二つのことをちょっと思いました。

 一つは、先ほど答弁の中にあった、中小企業の中でも、博士課程を持っている人がいて、あるいは特許と。だけれども、結構、職人みたいな、中小企業のおやじみたいな、すごい技術を持っていて、私の地元でも、海外の自動車メーカーから、板金の技術なんといって、それが機微技術かどうかはともかくとして、だから、博士号なんか持っていない、だけれども、すごい技術を職人のように持っている、そういう人が、多分、テレビカメラなんかが来たときにどうぞどうぞと言って見せちゃうんじゃないかなと。まさにそういうところに一番、この外為法あるいは技術安全保障という理解を深めていただくということが必要なんだろうということを一つ思いました。

 私は、今、産業安全保障、これは本当は、大臣の答弁に対する私の発言でこんなことを言おうと思っていなかったんですけれども、ああ、今のお話は農水省に聞かせてやりたいということを思いました。本会議でもこの間通りまして、私、大変恐縮ですが、反対討論をさせていただいた農業競争力強化法。主要農作物種子法を廃止して、今まで都道府県やあるいは国が農研機構なんかでやってきた種子の技術といったものを民間に無償で公開するということが競争力強化法に書いてあるんです。

 これは、政府の方からすると、民間に種子生産をさせるんだから、今までためてきた行政の情報をある程度公開するんだということなんですけれども、だけれども、これを外資にも公開するということを実は山本農水大臣が答弁しているんです。これが日本の食料産業競争力といったところ、農業競争力といったところで本当にどうなんだろうかということも、ちょっと今、ジャストアイデアで思いついたものですから少しお話しさせていただいたんですが、余り余計なことを言っていると時間がなくなってしまいますので。

 例えば、今お話をいただいたことで、製造局でも、きのう実は事前通告の中で、サプライチェーンの把握調査を昨年から始めているということだったんですが、本当でしたら、昨年と言わず、もっと前からやっていただいていたのかなというところもあるんですけれども、ぜひこういう取り組みはこれからも進めていただきたいと思います。

 ちなみに、この産業安全保障あるいは技術安全保障というような、こういう概念にある程度近いところから、アメリカなんかでは、例えば、米軍基地の近くに風力発電所があって、そこが外資に買収されそうになると、それもとめるんです。日本の場合には、例えば、自衛隊基地の周辺の、電力に限らず、いろいろなインフラ、結構日本の場合は公営でやっている場合が多いですけれども、そういったインフラ企業の買収事案というものが発生するような場合にはどういうふうに対応されるんでしょうか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 外為法におきましては、国の安全、公の秩序、こういった観点から、外国投資家による対内直接投資を規制しております。その際には、業種を指定して、事前届け出の対象となる直接投資というものを定めているのは、先生御案内のとおりでございます。

 このため、自衛隊基地周辺の例えばインフラを有する企業が外為法で定められた業種に該当する場合には、外国投資家は事前届け出をしていただくということになりますし、届け出を受けた結果として、私どもは、実際に国の安全あるいは公の秩序といった観点から問題がないかどうかを審査いたしまして、これを損なうおそれがあると認められる場合には、投資の変更や中止を勧告あるいは命令するということにしております。

 したがいまして、今御指摘の、もし電力会社がということであれば、それが通常ですと電気業に該当する。これは規制対象の業種として指定されておりますので、事前届け出及び審査の対象になるというふうに認識しております。

小山委員 こういった立地面というか地理的な面というか、ちょっとなかなか表現しづらいんですが、基地周辺の、日本の安全保障に関するようなところの、企業でやっているけれども、実は、これが買収をされてしまって何か支障が出ると自衛隊の基地運営にも支障が出るというようなことにもなりかねないようなところもかなり多岐にわたると思うんですが、ぜひこれからもチェックをしていっていただきたいと思います。

 こんなお話をしてまいりましたのも、米国では、二〇〇七年にFINSAに法律を改正して、かなりの停止案件というものがある。日本が停止案件が少ないからしっかりやっていないということは決して言いませんけれども、日本の場合、Jパワーをイギリスの投資会社が買収するときにこれを拒否した、この一件のみということで、決して疑っているわけではないんですけれども、議会として確認的に申し上げているんです。

 しかし、先ほど世耕大臣からも、産業安全保障のときに、主体はどこがやるのかといったときに、経産省なんだろうかと。あるいは、私は農水の話題をちょっと出しましたけれども、他省庁にまたがるこういった技術の情報共有といったものが今まで以上に必要になってこようかと思っております。

 米国では、CFIUSという、財務長官をトップにした法定の協議体というものをつくっております。日常的に機微技術とか買収案件の動きについて情報共有する、こういう仕組みをつくって、外国企業の買収事案、あるいは、買収しそうだというようなことが出てきた場合には即応するという体制をとっているんですけれども、日本では省庁間にまたがる情報共有の仕組みというものはどのようになっておりますでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 我が国においては、対内投資規制については財務省と事業所管官庁が連携して審査に当たる、そういう体制になっております。

 審査に当たっては、各事業所管官庁、経産省の場合が多いですけれども、農水省の場合も含めて、当該事業所管官庁が業界と持っているいろいろなネットワークとか、その業界を所管する観点から持っているいろいろな知見を生かし、そうした観点から審査に臨む。さらに、省庁間の人材交流を含め、密接に連携することで的確な審査を実行しているということで対応している次第でございます。

小山委員 貿易管理部さんにも、特に防衛省の方も出向で来られていて、本当にこれが軍事的に機微技術になるのかどうか、一見そうではなくても、防衛省の出向の方も含めてチェックをして、機微技術だということであればこれをしっかりチェックしていくという体制になっているというふうにも伺っております。

 しかし、本当に省庁間の情報共有が必要だなと思ったのは、むしろ、財務省は投資案件はそうですけれども、例えば警察庁なんかもそうじゃないかなと思うんです。

 例えば、デンソー事件というのがありましたね。これもきのう追加で聞いておりますけれども、デンソーにいた中国人技術者が横領事件を起こして、警察で取り調べていた。そうしたら、どうも産業スパイもやっていたということがわかった。ところが、これが、警察が任意同行でしょっぴこうとしたら、パソコンをぶっ壊して、実際に産業スパイをどの程度やっていたかどうかというのがはっきりわからなくなってしまった。

 ちなみに、多分、個別事案だからお答えできないということかもしれないんですけれども、経産省の貿易管理部は、このデンソー事件というのは警察庁から情報提供をいつ受けたんでしょうか。

飯田政府参考人 お答えをいたします。

 二〇〇七年に報道されましたデンソー事件については、広く報道されていましたので私どもも承知をしておりますが、私どもがその中でどのような対応をしたのかについては、個別の案件でございますので、コメントを控えさせていただきたいと思います。

小山委員 EUにおいても、米国のCFIUSに倣った省庁間の情報共有協議体を法定化しようという動きもあって、これは中国からのEUに対する投資の増加といったことに対する対策といったような側面があろうかと思いますけれども、私は、日本版CFIUSのようなものも検討してもいいんじゃないかなとも思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 今、EUの話がございました。ただ、現状においては、フランスもドイツも対内投資管理は、貿易管理も含めて一つの役所が担当しています。ドイツは連邦経済エネルギー省、フランスは経済・生産再建・デジタル省、単一の役所が担当しているということで、国によっていろいろさまざまだろうと思っています。

 アメリカのCFIUSという省庁横断的組織というのは、きょうも午前中からお話がございますけれども、九省庁の機関の長、あるいは、実際にはそのスタッフの人たちが、案件があればアドホックに集まってそこで議決をするという形になっています。

 それに対して、経産省でございますと、先ほど委員から御指摘がありましたように、他省庁から人事交流を受けながら、恒常的に各省庁のノウハウを生かしながら、知見を生かしながら審査をするということで、アメリカのやり方もあれば、ドイツ、フランスのやり方もあれば、日本のやり方もあるということで、それぞれ国の実情に応じて対応するというのが適当かと考えている次第でございます。

小山委員 先ほども質問の中でも少し触れましたけれども、中小企業の認知度、こういった理解を上げていくということがもっと必要だと思っています。特に、先ほど申し上げたような、特許を申請したとか博士課程の研究者がいるとかというわけでもないけれども、実は職人的な技術を持っているというような、そういう中小企業さんに対する認知度の向上とか外為法規制に対する理解の深化といったことについて、政府は今後どのような対策をとっていこうとお考えでしょうか。

高木副大臣 午前中にも御指摘もいただいたんですけれども、まさに中小企業の方々にこの安全保障貿易に対する認識を高めていただくこと、大変重要だと考えております。

 経産省では、全国各地で年間百回程度の安全保障貿易管理に関する説明会などを開催しておりますし、また、これを、わかりやすいパンフレットの配布など、さまざまな啓発活動を行っております。また、この説明会の一部では、各地の商工会議所、ジェトロが主催するなど、輸出などを検討する中小企業にも、規制の内容、必要な取り組みが十分に周知されるよう工夫しております。

 また、こういった取り組みによりまして、それぞれの企業で、安全保障貿易管理に関する自主管理内部規程、いわゆるコンプライアンスプログラムが策定されるなど理解が進んでおりますので、今後もしっかりとこういった取り組みを深めてまいりたいと思います。

小山委員 もう一つ、今後の課題といったところで考えられるのが、先ほどもちょっと申し上げました迂回輸出ですね。先ほど、ワッセナーとかいろいろ輸出管理レジームがあるということですけれども、そこに入っていない国々が、特に東南アジアとか、そういった国々があろうかと思いますが、直接日本から輸出を管理しても、そういった第三国を迂回した輸出に対する取り組みといったこともこれから必要になってくるかと思いますが、現状の取り組みと、今後の対策というか方針について答弁いただきたいと思います。

高木副大臣 今御指摘いただきました、アジアなどを経由したということ、大変な問題だと思いますし、こういった中で、日本はアジアの中でいち早く厳格な輸出管理制度を構築した国でありますので、これまで培ってきた輸出管理の経験を東南アジアなどの国々と共有し、アジアにおける強固な輸出管理体制の構築に貢献すること、これは大変重要であり、当然の責務と考えております。

 具体的な取り組みは、毎年四、五カ国に、政府間によるアドバイス、または現地産業界への普及啓発活動を行っており、また、二十四年間にわたりまして、アジアでは最大規模となるアジア輸出管理セミナーを開催しております。

 さらに、平成二十八年度からは、輸出管理制度の構築を具体的に検討している国の政府を対象に、我が国の専門家を派遣する事業も開始しておりまして、今後、こうした取り組みをさらに拡充してまいります。

小山委員 ちょうど時間も参りましたので終わりたいと思いますが、こういった今回の法改正は通過点だと思っておりまして、また、それこそ旧民主党政権のときは、役人とけんかして、それで全然調和がとれなかったということだと思いますので、こういった問題については、軍事オタクで軍事安全保障のことに関心を持っている人はたくさんいるんですけれども、むしろ、役人の方のお話も、現場の声も聞きながら、国全体として、こういう技術安全保障、経済安全保障というものを今以上に進めていく、あるいは国際的な取り組みを進めていくということが必要だと思って、応援団のつもりでおりますので、またぜひお取り組みをいただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

浮島委員長 次に、畠山和也君。

畠山委員 日本共産党の畠山和也です。

 法案質疑に入る前に、きょうはほかの委員からも何人か質問がありましたが、昨日十八日の、世耕大臣と米国ロス商務長官が行った会談の内容について伺っておきたいと思います。

 この会談は、麻生副総理とペンス副大統領による日米経済対話を前に開かれておりました。それで、まず、報道ベースなどでしか私たちも知らないわけですけれども、会談の内容についての概要を御報告いただきたいのと、これは通告していないんですが、先ほど質疑の中で、世耕大臣とロス長官との対話というのは日米経済対話と別であるという話もありまして、では改めて、その区別と関連について御答弁いただけたらいいなと思っております。よろしくお願いします。

世耕国務大臣 きのう、ロス長官とは、一時間四十分にわたって個別で会談をさせていただきました。

 一番最初は、私からまず、アジアの通商情勢をめぐる状況について幅広く意見交換をさせてもらいました。ちょうど先々週にASEANの経済大臣会合というのを日本で開いたということもありましたので、そういったことも踏まえながら意見交換をさせていただきました。

 その上で、経産省と商務省の共通する協力分野、例えばサイバーセキュリティー人材育成ですとか、あるいはAPECにおける越境プライバシールールですとか、あるいは質の高いインフラ協力などについて話し合って、今後日米で協力を深めていくことに合意をしたわけであります。

 それともう一つ、首脳会談でも合意をし、きのう、麻生・ペンスの経済対話の中でも合意をされた三つの柱の中でも、特に貿易・投資ルールの部分が我々関係してくるわけでありますから、その点についても議論をさせていただいた。

 また、先ほどから申し上げているように、FTAとか、あるいは個別の品目の議論にはならなかったという形であります。

 経済対話はあくまでも、もうメンバーも両国間で合意をしていて、これは、麻生副総理とペンス副大統領、そして両国の関係省の次官級というか、その事務方が入ってやるという構成になっています。

 ただ、当然、副総理と副大統領でありますからそんな頻繁に会ってということはありませんので、その間の具体的な交渉については、これは各省が行う、場合によっては各省の閣僚が行うこともある。

 私とロス長官は、今後そういう形で、経済対話の傘の下で、その中の一部を具体化していくために、会談をして話し合う可能性があるということであります。

畠山委員 それで、経済上においても国民的な関心においても、一つが、TPPにかわって日米FTAを目指すのかどうかにありますので、このことについても一つ確認しておきたいと思います。

 報道によれば、ロス商務長官はFTAについて、少し時期尚早と述べつつも、協定に基づいた形で日本との貿易関係を高めたいとも述べているようです。「二国間貿易協定に意欲」と見出しを立てた報道機関もありました。

 そこで、大臣の記者会見等を見ますと、こういう表現があるんです。かなり具体的で、率直で、実務的な話ができたと語っておられます。時期が尚早なのかどうかはともかく、日米FTAについても、具体的で、率直で、実務的な話としての議題となったのでしょうか。

世耕国務大臣 ですから、FTAについて、私とロス長官の間で、一時間四十分の会談の間で、それについて向こうからも言及はありませんでした。当然、こちらからもすることはありません。

 あくまでも、首脳会談あるいは後で麻生・ペンスで合意をした、特に貿易・投資のルールについての議論を、これは相手のあることですから具体的には申し上げられませんが、かなり具体的に踏み込んで、いい議論ができたというふうに思っています。

 私との会談が終わった後、ロス長官は、経産省の一階におりまして、記者団のぶら下がりに答える形で記者会見をされています。今御指摘の部分については、記者の側がFTAの前進に関する道筋はどうですかという質問をして、それに対してはロス長官は、当然、私との会談でその話はしていませんから、どのような形になるか発言するには少し早い、我々は日本との通商関係を強化すること、それを協定の形で行うことに意欲的であるという極めて一般論でお答えになっておる。これにも尽きるというふうに思います。

畠山委員 今、御答弁でも貿易・投資ルールにかかわる発言があって、先ほども、いわゆるルールベースの話はしてきたということが世耕大臣からありました。

 私もTPPの特別委員会で大分質問をさせていただいたんですけれども、TPPは、もちろん関税の分野と非関税障壁の分野とある中で、そのいろいろなチャプターの中でも、先ほど大臣が言った貿易、投資であったり、国有企業であったり、さまざまな形とともに、日米、ほかの国も含めてあります、二国間におけるサイドレターで取り決めを行っているものなどもありました。

 これは、ことしの予算委員会で岸田外務大臣に、このサイドレターはまだ生きているんですよねと私が質問したところ、否定はされませんでした。

 ですから、貿易・投資ルールなど踏み込んだ話ができてきているということの土台に、この間、日米でそのように合意してきたものが前提となっているという理解でよろしいんでしょうか。

世耕国務大臣 これは麻生副総理から答弁をいただかなければいけないと思いますが、少なくとも、きのうの共同プレスリリースを読む限りは、そういうものがベースになっているという前提ではないんではないでしょうか。

畠山委員 ちょっときょうは時間の関係もあるし、本題に入らなければいけませんのでここまでにしておきたいし、別の機会に譲るんですが、TPP交渉の中身というのは、特別委員会のときにも中身がなかなか国民、国会に明確にされてこなかったという経過がありました。

 今回、米国がTPPを離脱表明しましたが、安倍首相は、TPPを今後の通商交渉の基準にすると繰り返しています。そうであれば、米国から日本にTPP以上の譲歩を求めてくるのは当然ですが、日本の側として、私、今紹介しましたが、例えばサイドレター、例えば協定本文のルールの中身、あわせて前提となって今後議論が進展するのではないかということについては大変懸念があります。話し合ってきて突然結論だけが出てくるような交渉は認められないことは、一言述べておきたいと思います。

 そこでもう一つ、法案にもかかわるので、昨日の会談についてこの点も伺いたいです。東芝問題です。

 これは、きのうの会談だけではなく、三月に世耕大臣とロス商務長官が会談した際にも、ロス長官とともに米国のペリー・エネルギー長官が、東芝の財政的な安定性は米国にとって非常に重要だと東芝の経営問題に懸念を示したとの報道がありました。

 半導体事業をどの国でどの会社が買うかというのは、仮にそういうことになればですけれども、本法案の対内直接投資規制にももちろん直接関係してくる内容となります。きょうもデュアルユースの話はたくさん出てきていますけれども、そこでかかわる株式売却は、本法案でも言う国の安全に関係する問題であり、今回の会談でも、水面下の議題とも言われてきました。

 きょうの日経新聞なんですけれども、それで、ロス長官から東芝の再建問題に言及があり、「半導体メモリー事業の売却計画には、中国への技術流出に懸念を示した」と報じられています。それに対して日本側から、「必要な場合は外為法を活用して防ぐとの立場を説明した。」との報道です。

 三月に前回話し合われた状況とは、東芝をめぐる情勢というのはまた変わりまして、御存じのように、決算を発表した際に監査法人が監査意見を表明しなかったという、極めて異例な状況も起きました。

 ですから、私が言いたいのは、日米両政府が関心を持って当然だというふうに思うんです。

 それで、どこまでも話せないとは思いますけれども、東芝問題でもまた、具体的で、率直で、実務的な話としての議題としてあったのでしょうか。

世耕国務大臣 これは二つの意味で、一つは相手とのやりとりということもありますし、もう一つは東芝という個社の経営にかかわる問題でありますので、詳細については説明を控えたいと思いますけれども、東芝、ウェスチングハウスの件については、先方から議題として取り上げられまして、今後も情報交換を続けていくということを確認をしたところであります。

畠山委員 これだけ経営危機に陥った背景は、きょうは本筋の議論ではありませんが、原発事業にかかわるものであると思っておりまして、日米経済対話のテーマにエネルギー問題が入っているということからも、これも、中身だけが突然結論として出てくるような交渉であってはならないことを一言述べておきたいと思います。

 法案の質疑にかかわって、本題の質問を行います。

 外為法ですけれども、二〇〇九年に前回改正を行いました。そもそもこの外為法の安全保障条項については、かつて、西側諸国におけるココム体制を国内法化するものでありました。

 その前回の改正では、今日において世界的な安全な維持を意味するものになったとする政府の解釈ということを我が党としても首肯して、武器関連の技術取引に係る規制の抜け穴を塞ぎ、強化する合理性を認めて、私たち、前回は賛成したんです。

 ただ、前回の改正というのは、武器輸出三原則等を大原則としてきたものでした。そのときはです。これは、輸出規制のみならず、外為法の運用面でも原則としていたものだったと思います。

 ですが、安倍政権のもとで二〇一四年四月一日に新たな方針として、防衛移転整備三原則を閣議決定しました。武器輸出三原則等のもとでは、武器輸出はもちろん全面禁止が原則でした。しかし、今回の防衛移転整備三原則では、武器の輸出は基本的に認めることとしております。

 ですから、今回の外為法の運用にかかわる原則、基本についてはまず伺っておきたいと思うんです。

 大臣に、この原則が変わったことによって外為法の運用面でどのような変化があるのかないのか。答弁願います。

世耕国務大臣 今御指摘のように、平成二十六年四月一日に、防衛装備移転三原則というものを閣議決定をさせていただきました。

 これは、国連憲章を遵守するとの平和国家の基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持した上で、これまで積み重ねてきた武器輸出三原則等の例外化の実例を踏まえて、これを包括的に整理をしつつ、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めたものでありまして、防衛装備の海外移転に係る手続や歯どめを今まで以上に明確化をし、内外に対して透明性のあるルールを定めたものであります。

 このため、積極的に武器輸出をする方針に転換をしたりとか輸出を大幅に解禁をするといったことではなく、外為法の運用についても何ら変わることはなく、これまで同様、厳正かつ慎重に対処しているところであります。

畠山委員 大幅な輸出などはしない、ものではないというふうな答弁でありましたので、少し具体的事例で経過を確認しておきたいと思うんです。

 この二〇一四年以降の武器輸出について、国家安全保障会議、NSCで承認したものが何件かあります。その数字を答弁してください。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛装備移転三原則及び防衛装備移転三原則の運用指針に従いましてこれまで国家安全保障会議で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した案件は六件でございます。

畠山委員 というわけで、閣議決定を変えてから六件となっています。

 それで私も調べまして、最初の事例で承認されたのが、ペトリオットPAC2ミサイルだったということでいいんだと思います。

 そのPAC2について具体的にもう少し聞きたいと思います。

 これは、米国がペトリオットPAC2の量産に当たり、その部品となるシーカージャイロの生産ラインがアメリカにないということから、日本で引き受けたということが背景にあったと思います。

 これは米国の軍需産業の補完という意味でもありますが、ただ、日本政府としては、そのときに決められた文書の中にこういう表現で書いているんです。「我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化、ひいては我が国の防衛力の確保に資するもの」として認めています。ですが、このPAC2の最終需要者といいますか最終使用者といいますか、それが米国とは限らないと思います。

 同じように、その決定文書にこのような表現もありました。ジャイロが組み込まれたペトリオットPAC2は米国以外の第三国に移転されることが想定として、管理体制については米国国防省に確認すると書いてあります。

 どのように確認されたのか、答弁してください。

田中(聡)政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのペトリオットPAC2のシーカージャイロの米国への移転は、PAC2の部品であるシーカージャイロを、ライセンス元である米国企業へ納入するものでございます。

 この場合、防衛装備移転三原則及び同運用指針に従いまして、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保するということとしております。

 具体的に申し上げますと、最終需要者である米国企業から最終用途誓約書、エンドユース認証と申しますが、これを提出させ、確認を行っているところでございます。

 また、米国国防省からは、本件ジャイロが組み込まれたPAC2を一元的に管理すること及びPAC2ユーザー国以外への移転が厳しく制限されるということにつきまして、書簡により確認を行っているところでございます。

畠山委員 今答弁があった内容で、書簡で確認しているということを押さえておきたいと思います。

 ただ、一応今エンドユーザーという言葉は使われましたけれども、米国から第三国へ移転、移出することは可能だというふうに思います。

 そこで、その際に日本政府の同意が必要となっているのかどうか、その仕組みについて確認をしておきたいと思います。

田中(聡)政府参考人 防衛装備移転三原則の運用指針第三項、「適正管理の確保」の規定におきまして、「原則として目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けること」となっていることは、委員御指摘のとおりでございます。

 ただし、本条項につきましてはただし書きがございまして、その中に、部品等をライセンス元に納入する場合には、「仕向先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とする。」と、可能とされているところでございます。

 本件移転につきましてはこれに該当するものというふうに考えております。

畠山委員 ちょっとわかりやすく確認しておきたいんですけれども、つまり、日本政府として事前同意はできる、事前に同意する仕組みになっているということで理解してよろしいんですか。

田中(聡)政府参考人 平成二十六年七月の国家安全保障会議における確認におきまして、先ほど答弁申し上げたとおり、原則は相手国政府に対して我が国の事前同意を義務づけているところではございますけれども、ただし書きの方を適用いたしまして、本件につきましては、仕向け先、すなわち米国でございますけれども、米国の管理体制の確認、これは先ほど申し上げました書簡等でございますけれども、これをもって適正な管理が確保されているというふうに認識しているというところでございます。

畠山委員 つまり、原則はありますが、ただし書きもついていて、米国が責任を持つ形であるならば、どこの国でもその後可能になるというふうになるんですね。

 PAC2を装備品として持っている国というのは、事前にも確認しましたが、十二カ国だったかな、日本も含めてある。その中には、国名を挙げて言いますと、イスラエルだとか、実際に戦闘で用いているのではないかという可能性の国の名前などもあるわけです。

 したがいまして、今の閣議決定で方針とされている防衛装備移転三原則のもとで、責任は米国が持つ形となっているけれども、日本の製造部品など、現に起きている紛争にこれが使用される危険がある、可能性があるということは否定できないと思います。

 ここに武器輸出三原則を変えてしまった大もとの問題があると我が党は指摘をしてきました。

 日本は平和国家としての歩みがあり、それは国会の決意でもあり、この外為法などにかかわっても、私、衆参両院の本会議で上げられている決議というのを議事録に残しておきたいと思っているんです。

 一九八一年に堀田ハガネ事件が起きたことを受けて、次のような決議が衆参両院で上げられています。

 「武器輸出問題等に関する決議」、「わが国は、日本国憲法の理念である平和国家としての立場をふまえ、武器輸出三原則並びに昭和五十一年政府統一方針に基づいて、武器輸出について慎重に対処してきたところである。 しかるに、」この「方針に反した事例を生じたことは遺憾である。 よつて政府は、武器輸出について、厳正かつ慎重な態度をもつて対処すると共に制度上の改善を含め実効ある措置を講ずべきである。 右決議する。」

 以上が全文です。

 ここに出てくる昭和五十一年政府統一方針というのが、当時の三木内閣による原則全面禁止を指しています。

 大臣に、運用面についてそこで確認をしておきたいと思います。

 一片の閣議決定で、戦後日本の、非核三原則とともに国是とされてきた武器輸出禁止の方針が変わったことを我が党は容認できないと主張してきました。今取り上げたPAC2の例のように、紛争を武器の面で支える死の商人としての日本であってはならないというふうに私は思います。

 そこで、外為法の運用の基本にかかわって、原則を変えたことで重大な問題が生まれているというような認識は大臣にあるでしょうか。

世耕国務大臣 そのような認識は持っておりません。

 平和国家としての基本理念ですとか、平和国家としての歩み、こういったものは堅持をした上で、今まで武器輸出三原則等ではこの例外化に関して特段のルールがなかったわけですけれども、それを包括的にしっかり整理をして、そして、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めたものであります。防衛装備の海外移転に係る手続、歯どめを今まで以上に明確化し、内外に対して透明性のあるルールを定めたものだと理解しています。

 一片の閣議決定とおっしゃいましたが、武器輸出三原則等は、国会答弁、また、官房長官談話であったわけですが、それをきちっと防衛装備移転三原則は、国家安全保障会議決定、そして閣議決定ときちっとした手続も踏んで、透明性のあるルールになっているというふうに思っております。

 ですから、経産省としては、この防衛装備移転三原則になったからといって、何か積極的に武器輸出をする方針に転換したり、輸出を大幅に解禁をするというふうには理解をしておりませんので、外為法の運用についても、今までと何ら変わることなく、厳正かつ慎重に対処しているところであります。

畠山委員 ただ、今回の原則では、国連安保理による制裁措置などが課せられていない場合、紛争当事国であっても武器輸出を可能にしている中身にはなっているんですよ。実際に紛争に加担することにならないのかという懸念は述べておきたいと思います。

 運用面の根本にあるこの防衛装備移転三原則から武器輸出三原則へ戻すべきであることを強く求めておきたいと思います。

 法案の中身にかかわって、次に、大学などでの研究、留学についてお聞きします。

 本法案は、安全保障に関する技術や貨物、機微技術等が適切に管理されるために、輸出入にかかわる制裁の実効性を強化することを立法事実としています。

 きょうも機微技術について中身のさまざまな議論がありましたように、整理するために、本法案で言う機微技術とは何を指すのか、改めて定義等をお答えください。

飯田政府参考人 外為法におきましては、機微技術は政令において具体的に指定しております。

 これにつきましては、通常兵器についてはワッセナー・アレンジメント、それから、核関連についてはNSGという原子力供給国会合、それから、ミサイルにつきましてはMTCR、ミサイル技術の規制会合、そして、生物兵器、化学兵器につきましてはオーストラリア・グループといったところで、どういうものを規制するかというのを合意しておりますし、それ以外にも大量破壊兵器関連の国際条約がございますので、こういったものを踏まえまして、通常兵器や大量破壊兵器の開発に使用される可能性のある貨物、そして、その設計、製造または使用に関する技術を機微技術あるいは貨物として指定をして規制をしております。

 具体的に申し上げますと、政令で書いておりますのは、例えば、工作機械、あるいは、本日の審議にもございましたけれども、炭素繊維、あるいは高度な電子機器、こういったものが指定をされております。

畠山委員 法案上は特定技術という言葉で示されているし、今ありましたリストで規制されている技術、加えて、経産大臣が安全保障上懸念し、輸出者等に通知した技術も含むということでよろしいですね。ちょっともう一回、そこだけイエス、ノーで確認しておきます。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきましたのは、最初に私が答弁させていただきましたのはいわゆるリスト規制ということで、国際レジーム、国際会議で合意された個別具体的な品目でございます。

 これに加えまして、それ以外の品目についても、キャッチオール規制と言っておりますけれども、輸出者の方が、それが大量破壊兵器に現に使われる可能性があるということを認知した場合、あるいは、経済産業大臣がそういうおそれがあるとして許可申請をするように通知するケースがございまして、こういう場合も規制に係らしめているということでございます。

畠山委員 そういうわけで、私が述べたとおりでいいわけです。そんなに気になさらないで、イエスかノーかで答えていただいていい質問であったわけですが、ただ、大臣の安全保障上懸念する中身で範囲が決められていくということですから、政治判断次第となるという条項であることは一言指摘だけはしておきたいと思っております。

 そこでその機微技術なんですが、大学等での研究や留学する外国人に対してもかかわってくることは、きょうもずっと議論がされてきました。

 それで、法案のベースになっています経産省の審議会、安全保障貿易管理小委員会での中間報告を読みました。ここで、いわゆるみなし輸出が問題になってきています。

 きょう議論されていますから、整理する上で、改めて、みなし輸出とは何で、この審議会でどのような議論が中心的にされてきたのか。端的でよろしいので、お答えください。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 技術取引につきましては、国境を越えた時点で規制をするというだけでは限界がございますので、国内で居住者から非居住者に対して技術取引が発生した時点で、これを輸出が行われたものとみなすということがみなし輸出の定義でございます。

 具体的に、国内におきましては、入国後六カ月未満の外国人の方を中心として、非居住者に対する技術取引をみなし輸出として規制をしております。

 安全保障貿易管理小委員会、今御指摘ございましたけれども、こちらでは、このみなし輸出に関する我が国の課題について、有識者の方々によりまして議論が行われました。この中には、大学関係者ということで、国立大学、私立大学を代表した方の出席も得て議論を行っております。

 今御指摘のありました中間報告におきましては、このみなし輸出管理につきましては、日本の制度は他国の制度と比べて管理する期間が短く、実効性の観点から課題があり、各国の管理体制や状況と整合性を図る観点からも、制度改正も含めた管理のあり方を検討すべきであるという御指摘がある一方で、「大学や研究機関の持つ性格、実施体制上の課題を踏まえ、「みなし輸出」の管理強化を行う場合には、国際取極や各国の管理状況を踏まえつつ、規制対象の適正化・明確化を図るとともに、大学等の取組を支援するための体制作りを並行して進めていくことが必要である。」という提言がまとめられてございます。

畠山委員 きょうも大臣は、大学等での懸念といいますか、現在困っていることなどについても触れられていたと思うんです。それで、今述べられたように、大学関係者などからの強い懸念の声が上がっていました。

 少しだけ紹介します。例えば、ことし一月十九日の小委員会三回目会合では、国立大学協会三島会長補佐から参考資料が出されて、国大協としての考え方、ですからこれが正式なものになると思いますが、次のような記述がありました。「現行の制度でも、「公知」の技術や「基礎科学分野の研究活動」に伴う情報の提供は、安全保障貿易管理の規制対象から除外されている。しかし、前者の定義は、すでに不特定多数の者に対し公開されたものに制限されており、学内や学会での教育・研究活動に適用し難いことや、後者の定義する基礎科学の範囲が必ずしも明確でないことから、各大学は個別事例における具体的な判断に苦慮している。」という考え方の基本が示されていて、要望しているのは、「大学で実施される研究の多くの部分を占める「研究成果の公開を前提とした研究活動」は規制対象から明確に除外するように、」という要望になっているわけです。

 日本私立大学団体連合会菱山玲子さんからも次のような資料が出されておりました。「大学の技術情報(流出防止)管理に関する運用は、「誰が誰に何をどこまでどうすればよいのかが明確でない」ため、大学によってはリスクを避けるため過剰に安全サイドで運用する、場合によっては一部の海外国・地域・特定機関との交流に対して過度に萎縮してしまうということがすでに現状でも見られており、さらにその傾向が強まる懸念を強く抱きます。」と、明快なことを述べられています。

 これは、研究、学問交流が過度に安全保障上の理由で萎縮してしまうということは、もちろんこれはあってはならないことだと思うんです。

 大臣、この点は同意されますよね。

世耕国務大臣 技術の移転というのは、国境をまたいで国外へ行くだけではなくて、国内での取引とか技術の受け渡し、これも、これだけ国際化が進んで外国の人たちが国内で活動しているという状況の中では、やはり、機微技術防止の観点からもそこはしっかり管理をしていかなければいけないというので、政府として検討をやってきたわけであります。

 ただ、一方で、規制を実際に制度設計するに当たっては、きちっと行われているような国際的な経済活動とか研究活動、これの足を引っ張るようなことがあってはならないということと、外国人だからといって不当に扱うというようなこともあってはならないですし、あるいは、既にもう民間はかなりきちっとやっているわけです。そこに、民間に対してちょっと屋上屋を重ねるようなことになって、過度な負担になるようなことにならないようなこと、こういう配慮はやっていかなければいけないだろうということで、国際化を進めていくということと、一方で規制はしなきゃいけないというこのバランスも考えた上で、検討に検討を重ねた結果、まずは、輸出管理体制がまだ十分にできていない大学、ここにしっかりと理解を促進をしてもらって、大学での輸出管理体制の強化、そしてそれに対する支援策の抜本的拡充などによって、まず、国内における技術取引の管理が確実に行われる体制を整えることとしたわけであります。

 制度的にどう対応するかということは今回の法改正では入れておりませんけれども、今後、関係者と丁寧に意見交換をしながら、大学からそういう声が出ているということも踏まえながら、しっかりと、特に研究活動とか留学生の交流といったことを過度に萎縮させることがないよう、留意をしていきたいというふうに思っています。

畠山委員 今、留学生のこともあったので、重ねてなので、せっかくですから御紹介もしておきます。

 その資料において、国大協においても私立大学においても、懸念や心配がやはり表明されているんですよ。国大協の資料でも、「過度な規制が導入されれば、留学生等の受入れにおいてマイナスの影響があるのみならず不当な差別が生じることも懸念される。」私立大学団体連合会の方でも、今でさえ、留学生や外国人研究者は銀行口座の開設なんかも非常に苦労されている、困難だということも紹介して、生活への影響とともに、機微技術の規制強化がされることになれば、希望する研究計画が達成できなくなるおそれから、不安を抱く留学生や外国人研究者がふえることが懸念され、日本の大学に留学、あるいは研究活動に従事することへのちゅうちょが広がることが予見されるとまで書いていらっしゃいました。

 今回の改正で、大臣が今答弁されましたけれども、みなし輸出というか、こういうことが盛り込まれなかったことは、さまざまなこのような意見が反映されたものだというふうに理解してよろしいんですね。

寺澤政府参考人 お答えします。

 委員御指摘のとおり、安全保障貿易管理小委員会の場で大学の方から御指摘があったように、規制によって国際的な研究活動の阻害要因にならないようにすること、これについて要望がございましたし、また、大学における管理体制はまだまだ不十分だというようなさまざまな御指摘がございました。

 そういうことを総合勘案をして、きょう御説明しているとおり、みなし輸出については、今回制度的な手当てはしません。

 他方で、大学の体制強化は非常に重要だということで、きちっと丁寧に説明会を行い、また、機微技術管理のガイダンスについて明確化を図る、それから、アドバイザーを派遣するということで、まず、大学の体制を強化するということをしっかりと取り組んでいきたいと考えている次第でございます。

畠山委員 そこで、最後に大臣に確認をしておきたいと思います。

 国際的な研究と人事交流、研究者の育成については誰も異論はもちろんありません。しかし現実は、先ほどから紹介しているように、過度な萎縮が起きるのではないかという心配も報告されています。したがって、一定の必要な線引きが示されないと困るのは、研究現場であり、当事者である研究者であり、そして、未来ある若者たちだと思います。

 前回、二〇〇九年の改正の後に省としてのガイダンスを出して、これも私は読みましたが、確かに、受けとめる現場がいろいろ考えて苦労するだろうなというふうに感じました。

 このような、過度な規制はしないでほしいという要望をしっかり踏まえた明確な基準にするべきだと思いますが、最後に大臣、この点での見解を伺います。

世耕国務大臣 我が国では、この規制対象を規定するに当たっては、ワッセナー・アレンジメントなど国際輸出管理レジームの定義を踏まえて、外為法の関係法令において規定をしているわけであります。

 大学からは、先ほど御指摘があったように、規制の例外となる公知や基礎科学に該当する技術について、詳細な説明を加えることで明確化してほしいという御要望があることは承知をしております。

 しかし、一方で、我が国の外為法は、先ほども申し上げたように、国際輸出管理レジームで決定された内容をできるだけ忠実に対応させる形で規制対象を定めているというところがあるものですから、さまざまな説明を加えることで逆に規制対象が独自のものになってしまわないよう、慎重な検討も必要であると考えております。

 いずれにしろ、引き続き大学等の現場からの意見も丁寧に伺いながら、より適切な機微技術の管理が行われるよう、検討を重ねてまいりたいと思います。

畠山委員 我が党の態度について最後に述べておきたいと思います。

 そもそも論ですが、安全保障を理由にした、学問の自由が制限されてはもちろんなりませんし、もちろん、戦前のような、軍事研究へ協力させるようなことがあってはならないことは強調しておきたいと思います。

 あわせて、外為法の運用については、きょう質問したように、安倍政権の積極的平和主義に基づく運用方針における問題点については、最後に改めて指摘をしておきたいと思っております。運用方針の転換を、憲法の平和原則を守る立場から今後も厳しく追及していくことは表明しておきます。

 同時に、本法案にかかわっては、罰則、行政制裁の強化は、重大な経済犯罪に対するもので、限定的な趣旨と措置内容であると考えます。また、対内直接投資の規制強化については、運用方針は注視していきますが、多国籍企業の直接投資がグローバルに急増する中では、一定の規制が必要な場面ももちろん想定され得ります。

 これらの点を今回の我が党としての賛否の理由とすることを最後に述べておきまして、私の質問を終わります。

浮島委員長 次に、木下智彦君。

木下委員 日本維新の会、木下智彦です。

 本日もお時間いただきまして、ありがとうございます。

 質問しようかなと思ったんですけれども、さっきの話を聞いていて、後ろで民進党の福島委員と話をしていたんですけれども、きのうロス長官とお会いされてという話をしていたので、一般質問でこの話をしようかなと思っていたんですけれども、質問というのか、ちょっと話を聞きたいんです。

 安倍総理とトランプ大統領、それから麻生副総理とペンス副大統領、そして世耕大臣とロス長官、うまくというのか、ちゃんと相手が誰なのか、やはりそういう形で親交をしっかりと深めていく。そこから我が国の国益に資するようなそういったものをつかんでいく。やはり人間関係をしっかりつかんで、それでいて、それから先、実際に交渉にこれから、恐らく私は思っていますけれども、前の質疑でもさせていただきましたけれども、二国間のFTAになっていく、首をひねられていますけれども、それか、どうなるかわかりませんが、そういった交渉は必ず米国とはやっていくことになると思っているんです。ですから、そういう人間関係というのはしっかり構築していっていただきたいというふうに思っています。

 ただ、私がというよりも、誰と言ったらあれですけれども、あそこにいらっしゃる方が言われていたんですけれども、実際にどういった交渉をするのか、どういった権限によるものなのか、どういったエリアについて委任がされているのかということが、まだ今の時点では実際決まっていないんじゃないのということを言われていたんです。

 今回は貿易・投資ルールについてお話をされたということなんですけれども、どういった部分で権限を持っていて、どういった部分に対してライトパーソンが誰でというふうなところは、まだ私は、具体的な話は成っていないから決まっていないとは思っているんですけれども、具体的な話ではないというふうに言いながら、貿易・投資ルールということについて話がされ、しかも一時間四十分された。私はいいことだと思っているんですけれども、そうするのであれば、早いこと、通商関連に関して、誰が先頭に立ってどういう形で相手の誰と交渉していくのか、もう決まっているといえば決まっているのかもしれませんけれども、これをオフィシャルにちゃんと決めて体制を整えるべきだ。

 一つは、言ってきたのが、あのUSTRみたいなもの、日本版をつくるべきなんじゃないかと私は言わせていただいていたんですけれども、こういうことを、もう既にできているというふうに世耕大臣は言っていただけるのか、それともこれからなのか。これはちょっと一言、通告はないので、お答えいただけるんだったら。お答えいただけますか。だったらぜひ。

世耕国務大臣 だから対話なんですね、これは。何とか条約を目指しての交渉とかそういうものにはなっていなくて、今、日米経済対話という形になっている。その経済対話の中で、副総理と副大統領ですから、当然、両国の全ての範囲を見ることのできる権限のある人でありますから、この人たちがヘッドになって経済対話というのを進めていっている。

 ただ、その中の具体的項目については、各省がそれぞれに、経産省の場合はやはり経産省設置法上の仕事というのがあるわけでありますから、それにかかわるところは、あくまでも麻生・ペンスの傘のもとでありますけれども、私とロス長官で話し合っていく部分もあるという形であります。

 何かこうがちっとした紙に書いたものというよりも、そういう流れの中でやっていきますし、アメリカ自身、ちょっとそれぞれ、USTRがまだ決まっていないとか、次官級、局長級もまだ承認されていないという状況でありますから、そういうことを見ながら、これから少し動きながら考えていくようなところも出てくる。

 ただ、経産省と商務省というのは、これはもう明確にある意味パートナー関係であるわけですから、私とロス長官の間では、いろいろな形で話を進めていくことになるんだろうと思います。

木下委員 通告なしでお答えいただきましてありがとうございます。今ので理解されたかどうかちょっとわからないんですけれども、後ろの方々は。いろいろあるようですけれども。

 私はそれなりに納得できるかなと。残念ながら、経産省の範囲内とやはり言わざるを得ないというのが非常に残念ではあるんですけれども、まずは人間関係というのか、コンタクトパーソンをしっかりと決めていく。その中から、条件を向こうにとられないように頑張っていくという形にしていただきたいので、そのための体制をしっかりとつくっていただきたいと思います。

 では質問の方に入らせていただきますが、そういった関連にも近しいのかなと思っているんですけれども、今回の外為法の話、そこを話す時点で、今の周辺における状況というのは非常に切っても切れない話、特に北朝鮮の問題というのは切っても切れないだろうと思うので、まずちょっと、そういった大きなところから話をさせていただきたいと思います。

 常々、北朝鮮に対する経済制裁ということがずっと我が国では言われてきて、実際にそういうふうなことが対策として講じられてきた。今回、米国なんかも経済制裁という形を、言ってやってきた。ただ、私が思うに、皆さんもほとんどそうだと思っていらっしゃると思いますけれども、この経済制裁が実際に効果があるのかどうかということだと私は思っているんです。

 たまたまこの会期中に、大変申しわけないですけれども、三週間ほど前ですか、ワシントンに行かせていただいて、さまざまな米国の国会議員の方々、マケインさんとかそういった方にもお話を聞かせていただきました。聞いていても、経済制裁、アメリカもそうなんだけれども、実際にそんなことでうまくいくのか、効果があると思っているのかということを聞かせていただきました。そのときは非常に難しい顔をされていたけれども、それをせざるを得ないというふうに言っていながら、実際に見てみると、空母を近海に持っていった。それを考えていると、経済制裁では、もう実際、今の状況の中では立ち行かない部分があるんではないかなというふうに私は思っているんです。

 そういう中で、根本的な解決をする際、日本国政府としてどういうことが実質的には問題の解決になるというふうに大臣は思っていらっしゃるのか。ここは非常に難しいところだと思うんです。

 なぜかというと、空母を米国がああいうふうにして行かせたと言っていたら、さっき言っていましたけれども、実際には行かせていなかったらしいですね、あのカール・ビンソンというのは。あの発言をしたときには何かインド洋の方に向かって行っていて、今、朝鮮半島の方に向かって進んでいるという状況で、私、見ていて、米国はどこまで本気なんだろうと、まだちょっと半信半疑です。

 まあ、攻められたらやるんでしょう。ただ、そのかわり、攻められたらやるというふうに言いながら、その後のことを考えたときに、あそこで金正恩さん、例えば暗殺されたというふうにしたその後の体制の中に、では、例えば米国が空爆をしたとか攻めたとか、それかもしくは暗殺計画で暗殺したとか、そういうふうなことが起こった後、その後に米国はそのままあそこに駐留していくかというと、私はなかなかそうはいかないと。恐らく中国は絶対出てくるんですよ。そんな、アメリカがあそこにいてもらっては困るのは中国だ。こんなところで持論を話してもしようがないんですけれども、と思っている。

 だからこそアメリカは、こうしてくれこうしてくれというふうに、自分たちもここまでやっているから、中国、ちゃんと経済制裁もやってくれよというふうに言っているんだろうと私は思っているんです。じゃなければ、ロシアも恐らく、アメリカがそんなことをしたら出てくる。アメリカもそこまでしっかり考えているから、ただ単に自分たちのところへ攻められる状況になっているから、だからそれを引き金にしてやるんだと言葉では言っているけれども、私は、まだまだそこまでの状態にはないんじゃないかなと。ただ、一触即発であることは確かだというふうに思っている。

 そんな中で、実際に、これは話が戻りますけれども、経済制裁だけでは、既に効果がもうない。そうだからといって経済制裁をやめるべきだということでは絶対的にはないと思っているんですけれども、この問題、日本として講じれる対策として根本的解決につながるものは、経済制裁以外にあるのかないのか。実際どう考えていらっしゃるかということを聞かせていただければ。なかなか難しいとは思いますけれども、お願いいたします。

世耕国務大臣 まず、日本はもう既に輸出入の全面禁止をやっているんですね。これは、各国と比べて日本独自の制裁なんです。拉致問題があって、そして核ミサイルで一番危険にさらされている国である日本が、やはり、世界の先頭に立って制裁をやっていかなきゃいけない。

 ただ、我々は、空母を派遣したりとか暗殺したりという選択肢は我が国にはないわけでありますから、そういう中で、やはり経済面で各国と比べて一番厳しい先頭を走らなきゃいけないという思いで、輸出入の全面禁止というのをやっているんだろうというふうに思っています。

 これをさらに実効あらしめていくことにも尽きるんだろうと思います。これまでもやっています。第三国を迂回するようなことも今回禁止されていますから、そういう事案を摘発をしてやっていくというようなことも、これまでも取り組んできております。それは一定の効果は上げているというふうに思います。

 今回のこの外為法の改正によってさらに罰則が強化されますから、例えば、大量破壊兵器につながるようなものを迂回も含めて輸出をした場合は、これは最大十億円の罰金がかかるというわけでありますから、もうそういうことはペイしないという形になっていきます。

 すごく切れ味のいい、わかりやすい対策はないかもしれないですけれども、ともかく、この全面輸出入禁止を実効あらしめるために、やれることをすべてやっていく、日本はそういう取り組みをしていくしかないんだろうと思っています。

木下委員 今大臣が言われたことがもう全てだと私は思うんです。これはいいか悪いかという問題はあるかもしれませんけれども、我が国としてできることはこれしかないんだということがもう明らかなんですよ、今できることは。

 ではそれ以外に何を準備していくかということは、これはこの経済産業委員会の中で話すことではないかもしれない。いろいろな法整備があると思います。例えば集団的自衛権の話とか、そういうところも恐らくそういったところから出てくるんだと。

 ただ、今できる範囲としたらやはり限界があるんだということ、限界があるとは言われませんでしたけれども、実質的に限界があるんですよ、恐らく今の大臣の御答弁を聞いていたら。今できることはこれだということだということをちょっと理解いたしました。

 そういうことも含めて、その他のことを話ししていきたいなと思っています。

 きょうは、そんなことを言いながらもうここまでにしておきたいというふうに思うんですけれども、では、この法案の中身についてなんですけれども、今回のところで一番大きなところは、対内投資に対する規制というのが強化されている。

 先ほど、どなたかも言われていましたけれども、Jパワー、電源開発に対する、TCI、チルドレン・インベストメントか何かというイギリスの会社でしたね。二〇〇八年ですか、やられたときに、外為法で中止命令かな、が出されたんです。うなずいていただいている。二年か三年前に私は質問させていただいたんです、この話。

 ただ、これも聞いていても、以前もそうだったと思うんですけれども、外為法で罰せざるを得ない。その他の法律で中止できないという状況だったんじゃないかなというふうに前に質問をさせていただいたんです。というのは、制限する方法がこれ以外ないんだと思うんです。

 今回の対内投資の規制の部分でいいますと、一つは、どういうものに対するものかというと、国の安全を損なう、もしくは二番目、公の秩序の維持を妨げる、この電源開発なんかは二番目のそういうものだったと思うんです。それから公衆の安全の保護に支障を来す、こういったものに対して規制をするというふうな形なんですけれども、結局、公の秩序の維持を妨げる、例えば今のJパワーに対してイギリスの投資会社が投資しました、ではどうなの、実際に何が公の秩序の維持を妨げるのかと。これは多分このときに議論に相当なったんだと。

 それとこれが結びつくかどうか、先ほど、どなたかまた質問されていたんですけれども、外為審議会みたいなものもあって、その中で審議していくんだというふうに言われているんですけれども、結局、その線引きが非常に難しいんだと思うんです。うなずかれている。だからここはもう質問しませんけれども、難しいんだなというふうに理解したんです。

 私が言いたいのは、これ以外、これと逆のパターンもあるんじゃないかな。今回、これは対内投資の部分について言われていますけれども、日本企業が対外投資を行う際の規制、これもあってしかるべきなんじゃないかなと思うんですよ。

 というのは、日本の企業は別にそんなことは何も考えていなかった、ただ、そのかわり、自分たちのあるブランチの中では規制対象になるようなものを開発している。ただ、違う形で海外進出していきたいから、ほかの海外の企業に投資して合弁会社をつくる。実際そこからそういうことが流れていくというようなこともあり得ると思っているんです。

 だから規制しろ云々というのではないんですけれども、そういうことも考えなきゃいけないと私は思っているんですけれども、実際にこういう観点から何か対策ということはされているんですか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 本日の議論は、御指摘のように、対内直接投資に関する議論が中心でありました。他方で、委員御指摘のように、対外投資を通じて技術が流出する、これも懸念点であるのは間違いございません。

 具体的な事案を想像しながら申し上げると、日本企業が海外に投資して海外に子会社をつくりました。当該海外子会社に対して日本から技術を提供する。その技術が機微技術に当たるような場合は、当該技術供与は技術取引ということで外為法の規制対象になりますので、そこでまずチェックができます。

 また、多くの場合、海外に投資をして工場をつくる場合に、設備を日本から持っていくということが一般的でございます。その設備や工作機械とか機微技術に該当するものであれば、物の輸出として、これも外為法に基づいてチェックをするということで、海外に投資する場合も、技術を供与する場合、物を出す場合、両面からチェックをできるという形になっています。

 ただ、本点については、多くの企業はちゃんと認識する必要があるんだろうと。特に、中小企業においても、海外に進出した場合にそういう機微技術の流出がないようにしっかりやらなきゃいけないということの周知徹底が重要だろうということで、私ども、年間で百回程度の説明会をやっておりまして、中堅・中小企業においてもこうした問題点の周知徹底を図っているところでございます。

 こうしたさまざまな方策を総合的に動員することによって、対外投資を通じて機微技術が流出しないようにしっかりと取り組んでいく所存でございます。

木下委員 ありがとうございます。

 基本的にはそういう形でできるんだろう。現実問題の話、こういうこともあり得るだろうとかいろいろ言っていたらもうしようがないかもしれませんけれども、役職がかわるというのか、部署がかわったりする人も出てくるでしょうし、そういう人がある程度のノウハウを持っているとか、そういったものまで規制するのはなかなか難しかったり、あとは、連結子会社という状態だったらあれですけれども、実質的に社内システムフレームワークなんかが一緒で、システムというか、コンピューターネットワークは一緒だったりとかしたら、そこに対するアクセス権限を持っていたりとか、そういうことででもどんどん外へ流出していく可能性がある。

 これをやはり取り締まるというのは非常に僕は限界があるんじゃないかなと思っているので、だからほっておくわけではなく、こういったものをつくってあらゆることを考えていかなければならない。ただ、あらゆることと言いながら、法律の中でやれることには限界があるということだと私は認識しているんです。

 ちょっとそういう話なんですけれども、実際、私、貿易を主にしているような、今は貿易だけじゃなくて投資なんかが多いんですけれども、総合商社におりましたので、実際、実務上の話をある程度経験しているんです。しかも、会社でそういった貿易管理のためのシステムであるとか会社の売買のトランザクションであるとか、そういうのをつかさどるシステムの開発プロジェクトのプロマネをしていたので、そういったことをずっとやっていたんです。

 そしたら思うんですけれども、きょうは誰もやはりそういう話はされなかったですけれども、実務のことを考えたら非常に大変なんですよ。

 なぜならば、例えばどこかに物を輸出します。輸出するときに、相手の国のどこどこへ輸出しますというふうにいったら、普通だったら、輸出して、送金されて受け取ってとか、そういうことをするだけですけれども、まず最初に、売り先がこれを最終的にどこで使いますかと売るお客さんに対して聞かなきゃいけないんですよ、売る側は、輸出する側は。そしたら、いやいやそこまでというのを、海外のお客さんに、売るお客さんですよ、お客さんに、あんた、これを何に使うの、最後にどこまで持っていくの、どういう使い方をするのというのをお客さんに一々聞くというので、考えてみていただきたいんですけれども、非常に大変なんです。

 大分国際的にそういうふうな慣習をわかってきたから、話のわかる人も出てきましたけれども、お客さんに、いやあ、これを証明してください、あなたがこれにしか使いません、こういう目的にしか使いません、ほかの国には持っていきませんと言ってくださいねとこれを言わなきゃいけない。

 これは銀行なんかもそうらしいんですけれども、お金を送金するときに、この対価は何でお金をやっていますか、この口座はどういうものに使われていますかと全部証明しなきゃいけない。いや、お金をこっちが払うのに、受け取る側に、何に使うのか、証明してくれと言わなきゃいけない。これはめちゃめちゃ面倒くさいです。

 ただ、大きな会社は、そういうふうなことも今までずっと経験しているからできるんだろうけれども、小さい会社、先ほど言われた中小企業なんかは、そういうことをほとんどやられていない。交渉がそれで決裂しちゃうことだってあり得るというふうに私は思っているんです。

 それを考えたときに、これは両面あると思っているんです。中小企業がそういう海外と取引をする際に、こういうことを全然考えられていない、考えられていないというのか、たけていない人たちに対して、やはりある程度、こういう規制をするからには、支援策というのは必要なんじゃないかなということが一つ。

 それからもう一つは、そうですね、では、一個、そこから先に言っていただきましょうか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘ございましたとおり、この輸出管理を実効あるものとするためには、言ってみましたら、機微技術を輸出する可能性のある、あるいは、技術を提供する可能性のある方々全てに法令を遵守していただく必要がございます。

 他方で、中小企業はその能力が足りないのではないかというお話がありまして、私どもも、年間百回以上、説明会あるいは個別の企業を訪問をさせていただいているんですけれども、これでもなおまだ中小企業の方から、法令の内容がわかりにくいであるとか、あるいは、どういう手続をしたらいいかわからないという声がやはり聞こえますので、ここは、中小企業に対する丁寧な説明と個別の御相談に対応することも含めて、しっかりと対応させていただきたいというふうに考えております。

木下委員 あと、大きな会社なんかは、特にそういうトランザクションをつかさどるようなソフトウエアを入れているんです。その中で、さっき言われていたようなリスト規制であるとかキャッチオール規制であるとか、そういうものが全てある程度内封されたようなシステムを使っている。そういう会社からすれば、何だよ、大きな会社はちゃんとやっているのに、中小企業は全然やれていないじゃないの。コンプライアンスを遵守してやって、どんどんそれによって生産性が、一時的にだと私は思っていますけれども、一時的に下がっていっているというふうな声もあるんです。

 だから、そういうことを考えたら、今、中小企業の話を先に聞いたんですけれども、逆に、ちゃんとやっている企業、大きな会社だと思います、そういったところに対して、例えば、トランザクションをつかさどるようなシステムを入れたであるとか、輸出管理をきっちりできるような、認証できるようなソフトウエアを導入したとか、そういったところに対して何か支援策というのはあってしかるべきだと思うんですけれども、その辺を。

高木副大臣 今御指摘のように、輸出管理を円滑に進めるためのさまざまな手段を講じている企業というのはあると思いますし、今、トランザクションソフトの部分も御指摘もいただきましたけれども、例えば、合理的、効率的に輸出管理できるように、どの企業もできるようになることが最も重要だと考えておりますので、EUとのまず関係でございますけれども、具体的に日本とEU等の規制リストのカテゴリー構成の整合化ということを検討することにいたしました。

 これは、それぞれリストが違うということで、かなり企業側にとっては負担になっているというのもございますので、これによって、規制対象者が海外との取引時においてより容易に規制品目などを確認することが可能になる。違法な輸出などを未然に防ぐためには、企業みずから積極的に輸出管理に取り組める環境を整えることも重要な課題であると認識しておりますので、輸出者となる企業などの負担軽減策、これについてはさらに検討を進めてまいりたいと思います。

木下委員 ありがとうございます。ぜひ進めていっていただきたいと思います。

 時間がもうちょっとなので、もう一問やらせていただきたいんですけれども、もう一つは、今、機微技術というふうにして言われましたけれども、そういった知識、ノウハウというのを、例えば、そういう技術自体が国籍がないようなものも実際にはあるんだろうなと思っているんです。

 あるのかもしれませんけれども、例えば自動車レースのF1とか、ああいうのは風洞実験をしたりとかして、一つの炭素繊維の塊みたいなもので変わるというのか、風防がつけられているんです。それを焼く窯というのが相当大きな窯じゃなきゃいけなくて、それがある場所は決まっているらしいんですけれども、それを焼ける技術を持っている人というのは限られている。そういう人たちが各チームにぐるぐる引き抜きをされていて、そういう中には日本人の人もいるんだけれども、どこで開発されたとか、どこでやられたというよりも、もう既に一つのノウハウ、蓄積、その人にくっついたものというふうになっているというところで、そんな人をこういうところで何か適用するかという、非常に難しいなというふうに思ったんです。

 そこはそういう問題があるから、ちょっとまたそれを適用することを考えていかなきゃいけないのか、そういうことは規制できるのかというところは非常に難しいなと思ったんです。

 きょうちょっと聞きたいのは、そういう関連の中で特になんですけれども、まあいいや、そういう話があるんですけれども、それ以外にもちょっとあるのが、人種だとかオリジナリティー。国籍主義というふうな形じゃなくて、さっき言われていましたけれども、みなし輸出だとか六カ月とか言われていましたよね。そうなんだけれども、日本は特に、ここは非常に言いにくいんですけれども、過去の経緯からして、例えば在日外国人の人で日本で帰化したような人たちでも、祖国と関係を続けている人たちは無論多いわけです。特に日本の場合は、やはり朝鮮半島から来た人が多いんですよ。人種差別になってはいけないんですけれども、そういう人たちが主たる経営陣となって、日本の企業として会社を日本国内に設立して、技術を開発してということがあり得ると思っているんです。

 これはいろいろな形で規制するんだというふうに言っているんだけれども、こういう人たちというのを規制できないのかなと。非常にこれは難しいと思います。だから、どういう考えを持ってやっていくべきか。本当に差別になってはいけないし、ただ、事例として非常に多い。マレーシアなんかでも、金正男さんが殺されたあれにちょっと何か絡んでいたような話も聞いていますけれども、朝鮮の人たちが企業として。こういうことをどう考えていけばいいのかなと。こういう中で何か適用できるんですか。

寺澤政府参考人 前回、平成二十一年の外為法の改正の結果として、日本人であれ外国人であれどういう人であれ、日本国内から特定国に対して機微技術を出す、これは技術取引規制の対象になるということでございます。

 したがって、委員が御指摘があったような事例で、日本で開発された技術、これが海外に出される場合、たとえその人が日本国籍を取得している人であったとしても、それが機微技術である場合には、外為法に基づいてそこでチェックをするということでございます。それは、物の輸出であった場合も同様にそこでチェックする。

 そういう形で、機微技術の流出について、国籍の有無にかかわらず、チェックをするということが外為法の規制となっております。

木下委員 形としてはそれしかないんですよね。でも、さっきどなたか言われていましたけれども、制裁金が幾らであろうが、そのままぽんともとの祖国に帰っちゃえば、もうそのままですよ。だから、そこは非常に限界があるんだけれども、ただ、そういう整備はしておかなきゃいけないんだなと。もうそれしかないんだと思うんです。

 だから、できる限り、想定し得る限りのことをこれから先もこれは考えていっていただきたいなと。きょうはそれだけで終わりにしたいと思います。

 ありがとうございます。

浮島委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、吉川貴盛君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。北神圭朗君。

北神委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 世界の安全保障環境が厳しさを増している現状を踏まえ、罰則等の強化を図る本改正が、安全保障貿易管理の厳格な実施について実効を上げ、我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資するものとなるよう、関係省庁の一層緊密な連携を図るとともに、海外における我が国の政府関係機関や進出企業等との連携強化を図ること。

   また、安全保障貿易管理体制の構築に取り組む各国政府等との連携を深めるよう、情報提供等の支援措置を講ずること。

 二 海外でのビジネス展開等を図る中小企業の取組に対して、本法の定める輸出管理規制が適正に実施されるよう、講習会の開催や中小企業の海外展開支援施策との連携等、中小企業の十分な理解と協力を得るための所要の措置を講ずること。

 三 海外の優れた人材や技術を呼び込むことは我が国経済の発展にも資するものであるため、引き続き対内直接投資の一層の活性化に向けた取組を進めつつ、他方で、国の安全等に係る対内直接投資については、機微技術の流出が生じることのないよう、規制の確実な実施を図ること。

   また、審査に係る申請者や外国投資家等に対して、本法に基づく我が国の対内直接投資規制の考え方等が十分理解されるよう、事前及び事後に情報を提供する等の説明責任を果たすこと。

 四 クラウド空間に安全保障上の機微な技術情報を保存・管理する企業に対し、運営状況の報告を定期的に受ける等の適切な指導を行うこと。

 五 安全保障上の機微な技術情報の管理の強化の観点から、「みなし輸出」管理の在り方等の諸課題について検討を進めること。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

浮島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕経済産業大臣。

世耕国務大臣 ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

浮島委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

浮島委員長 次回は、来る二十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十九分散会


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