衆議院

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第14号 平成29年5月19日(金曜日)

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平成二十九年五月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 浮島 智子君

   理事 うえの賢一郎君 理事 大見  正君

   理事 佐藤ゆかり君 理事 白須賀貴樹君

   理事 吉川 貴盛君 理事 北神 圭朗君

   理事 近藤 洋介君 理事 高木美智代君

      穴見 陽一君    石川 昭政君

      小倉 將信君    尾身 朝子君

      大串 正樹君    岡下 昌平君

      梶山 弘志君    勝俣 孝明君

      神山 佐市君    工藤 彰三君

      佐々木 紀君    塩谷  立君

      島田 佳和君    新谷 正義君

      中山 展宏君    星野 剛士君

      三原 朝彦君    宮崎 政久君

      八木 哲也君    簗  和生君

      山際大志郎君    和田 義明君

      大畠 章宏君    落合 貴之君

      篠原  孝君    鈴木 克昌君

      鈴木 義弘君    田嶋  要君

      中根 康浩君    福島 伸享君

      中野 洋昌君    畠山 和也君

      真島 省三君    木下 智彦君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   経済産業大臣政務官    大串 正樹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 林  伴子君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            西田 直樹君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            藤木 俊光君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    宮本  聡君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    吉野 恭司君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            吾郷 進平君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     海堀 安喜君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十九日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     和田 義明君

  高木 宏壽君     中山 展宏君

  宮崎 政久君     新谷 正義君

  篠原  孝君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     宮崎 政久君

  中山 展宏君     高木 宏壽君

  和田 義明君     穴見 陽一君

  鈴木 克昌君     篠原  孝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)


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     ――――◇―――――

浮島委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官林伴子さん、金融庁総務企画局審議官西田直樹君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長藤木俊光君、中小企業庁長官宮本聡君、中小企業庁次長吉野恭司君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君及び国土交通省大臣官房建設流通政策審議官海堀安喜君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田嶋要君。

田嶋(要)委員 おはようございます。民進党の田嶋要でございます。

 きょうは、信用保証、信用保険という中小企業政策の大変重要な部分で御質問させていただきますが、割と最近、何かこの議論を二年前ぐらいにしたような気がしていまして、まあしていたんですけれども、割と早いタイミングでまたこういうチャンスが参りました。

 当時もいろいろと私なりに研究させていただいたところでありますが、いろいろ調べると、調べれば調べるほど、この信用保証というのが、日本の抱える中小企業のいろいろな問題にいろいろ関係しているということを感じるわけでございますが、前回、課題がいろいろと残されていたような気もいたしておりますので、そうした観点からきょう質問させていただきたいと思います。

 まず第一問目でございますが、いわゆるセーフティーネットの五号関連保証でございますが、私の立場からは、今回、この部分の改正が大変画期的だというふうに思っておるわけでございます。もちろん心配の声もあろうかと思いますけれども、これに関しまして大臣にまずお尋ねします。

 役所の内外を含めてかなりな抵抗もあったというようなこともお伺いをしておりますけれども、まず、その辺の経緯を大臣からおっしゃっていただきたいというふうに思います。

世耕国務大臣 今回の信用保証制度の見直しに当たりましては、中小企業政策審議会において、保証協会、中小企業団体、そして金融機関の団体なども含めた関係者と丁寧に意見交換を行いながら、検討が行われてまいりました。

 そして、今御指摘の、不況業種に対応するセーフティーネット保証五号の見直しについては、特に慎重かつ活発な議論が行われましたけれども、事態の突発性が高くないにもかかわらず一〇〇%保証が活用され続けてしまうと、金融機関の支援姿勢が崩れ、本来進められるべき構造的な改善が進まず、中小企業のためにならないという観点から、その保証割合を八〇%に引き下げるとの結論に達したわけであります。

 この議論の過程で中小企業団体の方からは、中小企業の資金繰りが悪化しないよう、まずは民間金融機関の対応、そして小口向けの一〇〇%保証の拡充、さらには念には念を入れて、政策金融により、万が一のときに対する万全な対応をお願いしたいといった意見が示されたわけであります。

 リーマン・ショックや大規模災害等に備えた危機関連保証、これは一〇〇%保証になりますが、これを新設をし、また、小口向けの一〇〇%保証の限度額の拡充などをパッケージとして見直すことで最終的な取りまとめに至ったという経緯でございます。

田嶋(要)委員 今、もう既に二問目の質問も答えをいただいたような気がいたしますけれども、要するに、危機関連の新設の保証とパッケージだったということをおっしゃいました。加えて、小口に関しても拡充をするということで、私の次の質問は、むしろそこもどうかなという部分でございますが、しかし、第一歩として、今回、この五号に関する大きな方向転換、方針転換ということを獲得するために、抱き合わせでこういった改正になったのかなというふうに私は思っておるわけでございます。

 前回の審議をしたときの附帯決議がございまして、こういうような附帯をとらせていただきました。「我が国経済の新陳代謝を図るといった中小企業支援の目的に沿って信用保証協会が業務を遂行するよう、」「先進各国との比較も行いながら所要の措置を講ずる」ということで、平成二十七年の附帯決議、衆議院でございますが、お手元の資料の一に役所からいただいた資料を再掲させていただいておりますけれども、これを見ても、やはり、いろいろ信用保証の制度設計はかなり違うということでございます。

 世耕大臣よりも前の多くの大臣とも、中小企業のいわゆる創業率、廃業率の問題、長年ずっとこの問題を抱えているわけでございますし、生産性の問題等もございますが、しかし私は、やはり、この信用保証の制度設計もそういったことに影響をかなり与えているのではないかというふうに考えておるわけでございます。

 そこで大臣にお尋ねをいたしますけれども、この五号というのは、確かに、利用の実績の面でも、それから、保険の収支の面でも圧倒的にボリュームが大きいということでございますが、この表を見ていただいても、韓国はともかく、いわゆる私たちが目標にし参考にするアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、一〇〇%の保証という考え方がそもそもないわけでありまして、その点、五号という大きな部分は今回改正をされますけれども、いわゆるそれ以外のセーフティーネット保証、それから、創業や、今おっしゃっていただいた小口の一〇〇%保証というものは、今回むしろ拡充というようなことを今おっしゃったわけでございます。

 私は、そもそも論として、平時であろうが危機のときであろうが、一〇〇%の保証という考え方がほかの先進国にはない、なぜ日本だけはそういったことができないのか、なぜ日本はほかの先進国にはない一〇〇%保証が必要なのかということに関して、大臣のお考えをいただきたいと思います。

世耕国務大臣 あの二年前のこの信用保険法改正の際にも、田嶋委員から同様の指摘を受けていたということであります。

 確かに、今の資料を見る限り、日本と韓国以外は一〇〇%の信用保証というのはない。日本と韓国だけが一〇〇%の信用保証を入れている。これは、国によって金融慣行や中小企業向けの貸付残高などにいろいろ違いがあって、そういった違いを受けて、それぞれの信用保証制度について、それぞれの国で位置づけができているんだろうというふうに思います。

 いろいろ見てみて、なかなか学者でもわからないらしいです、何で日本と韓国だけそうなっているのか。一つ推論できるのは、全企業向けの貸付残高のうち対中小企業の比率がやはり日本と韓国はぼんと高くなっているということは、割と、中小企業あるいは零細事業の皆さんが比較的やはり間接金融に頼っている率が高い。これが欧米先進国はちょっと違う事情なのかなというふうに、これはもう推論でしかありませんけれども、推測をしているわけであります。

 このように、我が国においては、結果としてこの信用保証制度というのは、中小企業の資金繰りを支える最後のとりでとして重要なものになっているわけでありまして、中小企業のライフステージにおける多様な資金需要への対応が求められるわけですけれども、特に、事業実績の少ない創業期ですとか、あるいは小規模事業者、そして、経済危機や災害、事故などの突発的な危機のときにおいては中小企業の信用リスクは高いわけでありまして、それをカバーするために、一〇〇%保証を行うことは必要なのではないかというふうに考えております。

田嶋(要)委員 今の時点での大臣の答弁としてはそのぐらいしか言えないのかもしれませんけれども、私は、今のような、おっしゃっていただいた、例えば間接金融の話も含めていろいろと私なりに検証もさせていただき、調べさせていただいたりしましたけれども、それは何かやはり余り説得力がない感じがするんですよ。それは本当の理由じゃない感じがして、だから日本は一〇〇%保証じゃなきゃだめなんだと言われてしまうと、結局、何か生産性の問題とか人間の行動として、いい方向に向けないんじゃないか。これは金融機関にとってもだし、中小企業にとってもだし、やはり、何か最後は守ってくれるみたいな、そういう逆の方向に力が働いてしまってモラルハザードになるんじゃないか。一部の方々はそういうことをおっしゃっているし、ここは科学的証明はなかなか難しいと思うんですが、私はその検証はとめちゃいけないというふうに思うんです。

 だから、評価する部分は、この五号保証に関して今回大きな判断していただいたので、しばらくずっとまた定点観測していく必要があって、ここをいじったことでどういう動きがこれから出てくるのかを、今の金融庁の長官もいろいろと発信されておられる方のようでございますので、ぜひ定点観測していただいて、二年後、三年後、また法改正もあるかもしれませんし、そういったことをぜひとお願いをしたいと思うんですが、一つ大事なことは、中小企業の経営者も、日本しかこんなことやってないよということを多分知らないんじゃないかな。これが普通だと思っているのかなという感じは私はするんです。それはどの程度周知がされているのかわかりませんけれども、私も前回の二年前の法改正で初めて、私の言葉で言えば、日本がちょっと異常な状況にある、信用保証ということに関して。それを初めて学びました。

 そういう意味では、中小企業の経営者に、日本の制度は大分ほかの国と違うよと、言葉としては信用保証と言っていても、そういう周知も必要だと思いますし、私は、ノーマライズしていくことに大事なのは、予見可能性を与えていくことだと思うんです。何年後にこれはなくなるよということをちゃんとやれば、私は日本でも一〇〇%保証をなくすことはできるだろうと思うし、私は、むしろなくしていかなければいけないというふうに思っておる立場でございます。

 そこで政府参考人にお尋ねしますが、リーマン・ショックのときに日本は一〇〇%保証で多くの企業が潰れなかったんだという話がどこかに書いてあるわけですが、では、英米仏というのは、一〇〇%保証がなかったわけですが、その結果、相当な数の倒産が惹起された、こういう報告があるのかどうか。お尋ねしたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 アメリカ、ドイツ、フランスでは、リーマン・ショックの後の対応として、平時よりも保証割合を引き上げる、こういう措置はとりましたが、御指摘のとおり、いわゆる一〇〇%保証は行わなかったものと承知しております。

 一方で我が国においては、リーマン・ショックの直後より、いわゆる緊急保証といたしまして、一〇〇%保証であるセーフティーネット保証五号、この対象業種を拡大して対応したところでございます。

 御指摘の点につきまして、リーマン・ショックが生じた二〇〇八年と二〇〇九年の中小企業の倒産件数をリーマン・ショック前の二〇〇七年を基準として各国で比較してみますと、アメリカでは、二〇〇八年に二〇〇七年の一・五倍、二〇〇九年に二・一倍と倒産件数が大幅に増加しております。一方、フランスでは、二〇〇八年に一・一倍、二〇〇九年に一・二倍、ドイツでは、二〇〇八年に一・〇倍、二〇〇九年に一・一倍、日本では、二〇〇八年に一・一倍、二〇〇九年に一・一倍となっており、これらの国では急激な倒産の件数増加は見られておりません。

 我が国においては、緊急保証等の措置によって危機による中小企業の資金繰り倒産を一定程度回避できたものと考えておりますが、他方で、御質問の、各国で一〇〇%保証がなかった結果としてどの程度倒産を惹起したかという点については、リーマン・ショック及びその後の世界同時不況によって各国の経済が受けた影響はそれぞれであるために、この変化だけをもって、一〇〇%保証の有無や保証割合の違いによって説明することは難しいのかもしれないと考えているところでございます。

田嶋(要)委員 数はふえたということですが、やはりそれが、一〇〇%保証がなかったからどのぐらい大きな問題になったかどうかというのはなかなか難しいと。

 先ほど世耕大臣もおっしゃったとおり、これはまあ実証的に見ていくしかない問題であろうと思いますが、また資料一に戻って改めて見ますと、危機的な状況であっても、全く一〇〇%への引き上げというのはどの国もないんだということは僕は非常に大事な点だと思います。長い目で見ると、若干それによって倒産件数がふえたとしても、やはり、その国の経済を強くするもとであろうと思うし、そこを一〇〇%にしてしまうと、やはり、長い目では、我が国の国益を損ねるのではないかというふうに個人的には考えております。

 そこで次の質問でございますが、全体の信用保証のボリュームに関して政府参考人にお尋ねします。

 二年前も指摘させていただきました。他国と比較をして我が国のこの信用保証の規模というのが、ストックベースでもフローベースでも飛び抜けて大きいという指摘がございます。それはファクトでございますが。今回の改正では、その点に関してはどのような対策を講じておいでですか。

宮本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、我が国の信用保証の規模でございますが、昨年度末時点のフローベースの保証承諾額で八兆五千億円、ストックベースの保証債務残高、約二十三兆九千億円となっており、各国の数字は割愛いたしますが、委員御指摘のとおり、諸外国と比較すると大きな規模となっております。

 この要因としては、先ほどお話がございましたが、各国の中小企業金融全体における信用補完制度の位置づけ、あるいは中小企業の貸付残高、金融慣行等さまざまな要素がありますが、やはり日本においては、そもそも、全企業向け貸付残高のうち中小企業向けのものが約七割と大きいことなどによるものと考えられます。

 ただ、信用保証の数値の多寡だけをもって日本の信用保証制度を評価することはなかなか難しいとは思います。

 大切なことは、あくまで、中小企業の目線に立って中小企業の資金需要に対応しつつ、経営改善、再生、生産向上につながる支援を行っていくことと考えております。

 こうした観点から、今回の信用保証制度の見直しでは、規律を確保し経営支援を促すための措置として、保証つき融資と保証のつかないプロパー融資の適切な組み合わせ、それから、不況業種向けのセーフティーネット保証五号制度の見直しにより、適切なリスク分担、こうしたものを進めようと考えているところでございます。

田嶋(要)委員 資料の二をごらんをいただきたいと思います。

 今の御答弁と、それから、先ほどの大臣の御答弁に関係する資料でございますけれども、一番左側の欧米諸国等の保証残高の対GDP比と比べて、日本が非常に高い。よくいろいろなところに出ておる数字でございますが、この右側が、それを分解して、先ほど世耕大臣にもおっしゃっていただきました、この分解の中のポイントは左側だ、すなわち、中小企業向けの貸出残高が多いんだということを御指摘をいただいたわけでございます。

 後ほどこの点に関してもお尋ねをしたいと思いますが、もう一点、この資料を見ながら、一番左側でございますが、保証債務残高の対GDP比、これはやはり本当に、全く違う制度だというぐらい、比較できないほど全然違う状況なわけでございますが、この保証額や貸出額を半減させる、保証額を変えるとか、貸出額そのものを変えるとか、いずれにしても、一番左側の保証債務残高の対GDP比を半減させるということが毎年の財政負担ということではどのぐらいの効果になるのかということを、数字をもしお持ちでしたら御答弁いただきたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 毎年の信用補完制度に対する予算、財政支出でございますが、将来の保証債務の事故率を想定した上で、あらかじめ必要額を日本政策金融公庫への出資金等によって措置しているものでありまして、保証債務残高の多寡と直ちに関連するというものではありません。

 ただ、その上で、例えば平成十年度から平成二十八年度にかけて、信用補完制度に対して計八兆六千六百二十六億円、年平均で申し上げますと四千五百五十九億円の予算を措置しているところでございますが、これについて、仮に事故率が一定で、将来にわたって信用保証の利用が半減するという仮定を置いた場合で見ますと、計算上は、予算額はおよそ半額の約二千三百億円となります。

 いずれにしましても、まずこの信用保証制度そのものは、中小企業にとっては資金繰りを支える最後のとりででございますので、今回の見直しを通じてその一層の充実に努めてまいりたいと思っているところでございます。

田嶋(要)委員 最後のとりでは結構なんですけれども、やはり、毎年四千六百億円弱、巨額が使われているということをよく我々は認識しなきゃいけない。これは大事、あれは大事とみんな金を使うわけにはいかないんですから、私は二年前と同じことをもう一度言わせていただき、若干、政府の方でも、例えば起業の教育部分への支援とか、そういうのは強化されつつあるということでお話も伺っておりますけれども、今回の改正は改正として、将来的なゴールとしては、今回の五号保証、五号セーフティーネットの変更によってボリュームも下がっていくかもしれないけれども、やはり半減ぐらいはして、五千億にも及ばんとするこの予算をもう少しほかの分野に回す、予算制約がありますから。そういったことをやはり目指すことが、中小企業政策として非常に私は大事になってくるんだろうというふうに思うんです。

 結果としてやはり、早期の承継や廃業を奨励していく、大事なものはきちんと承継していく。それによって節約をされる財源が、むしろ創業率を高めるための起業家教育の方に向けられていかなければ私は正しくないというふうに考えているものでございます。

 それで大臣にお尋ねしますが、OECDとか世界銀行とか、そういったところからも、日本のこの信用保証に関してはかなりな記述がございます。要は、彼らも、日本の中小企業の課題、生産性の問題とかもやはりこの辺に答えがあるんじゃないかなと思っているんだろうと私は想像するんですが、今回の改正というのはそうした指摘を真正面から受けたものになっているというふうに評価しているのか、私は改革道半ばではないかという認識でございますが、その点に関して改めて大臣の御認識をいただきたいのと、あわせて、この資料の二で、今申し上げました、大臣先ほど指摘で、中小企業向けの貸出残高が非常に高いということでございますが、その次の資料におつけをいたしましたが、改めて見ますと、上のグラフでございますが、日本の、銀行借り入れに占める中小企業の割合も確かに高い。そして下を見ていただくと、もう歴史的に、いわゆるDEレシオ、負債の比率がかなり大企業よりは高い。そういう相対的な状況にずっとなってきておるわけでございます。

 このことも含めて、保証制度の問題だけじゃないかもしれないけれども、この、負債を大変多く抱えて経営を余儀なくされている状況も含めて、あるいは、今回の信用保証の改正が道半ばかどうか、そういったことを含めて全体としての大臣の御認識を、あるいはこれからの取り組みの御決意をいただきたいというふうに思います。

世耕国務大臣 御指摘のように、ことし四月に公表された最新のOECDの対日審査報告書というのがありますけれども、この中で日本の信用保証制度については、保証残高をほかのOECD諸国の水準に削減をすること、また、銀行の積極的なモニタリングを促すために保証割合は縮小すること、そして、創業、小口、危機などの市場の失敗の是正に重点化をしていくことといった指摘をいただいています。

 また、二〇一五年には世界銀行が公的信用保証制度に対する原則というのを出しておりまして、それについては、各国の信用保証制度について、金融機関と中小企業のモラルハザードを避けるため、部分保証を原則とするということが述べられております。

 そういう意味からいくと、もう先ほどから資料を何回も示していただいていますが、やはり日本の信用保証制度というのは世界に比べて特異なところはあると思いますし、そのバックグラウンドにあるのは、今もお話しになっているとおり、やはり融資依存型だということだと思います。

 これは、金融というのはもう経済の血流ですから、いろいろなファクターが複雑に絡み合っているんだと思うんです。信用保証だけぼんとたたいても、ここで急ハンドルを切ってもなかなかうまくいかないんじゃないか。恐らく、今数字は持ち合わせていませんが、やはり欧米は、出資という形のものが多いんだろう。現に、例えばベンチャーキャピタルの規模なんかは、もう日本は本当に微々たるものですが、アメリカは非常に大規模なものがあるわけでありまして、やはり、日本は融資依存型の金融資金調達になっている。

 そうすると、融資依存ということになると、融資というのは基本的に失敗が許されませんから、どうしても安全なところにしかお金が回らない。投資というのは、多少打率が一割、二割であっても、全体のポートフォリオで利回りが確保できていれば投資の方はいいわけですから、そういったことがまた、開業率、廃業率の日本が低いということにも影響してきているのかな。

 だから、複雑なファクターが絡み合ってきていますから、田嶋委員おっしゃるように、息長く、日本の経済の構造を改革するという視点で取り組んでいかなければいけないのかなというふうに思います。

 今回は、ですから、セーフティーネット保証五号を抜本的に見直して、これを八〇%にした上で、しかし一方で、危機等に備えて、あるいは小規模な貸し付けについては、一〇〇%の保証を残すという形にさせていただきました。

 そういうことで、保証のついている融資と保証のつかないプロパー融資の適切な組み合わせやセーフティーネット保証五号の見直しによる適切なリスク分担を進めることになりまして、これは、OECDや世界銀行の指摘に沿った、一歩一歩の改革の一つだろうというふうに思っております。

田嶋(要)委員 エクイティーの部分がやはり片方で問題があるからこそ、結局、デットの大きな経営になるのはおっしゃるとおりだろうというふうに思いますが、さまざまなことをやっていかないと、一朝一夕に変わるものではないと思いますが、今回、出資ファンドの対象拡大みたいなことも書かれております。

 何か、協会の本業ではない、本業に影響しない限りというようなことも付されておるわけでございますけれども、質問をちょっと飛ばさせていただきますけれども、エクイティーに関しても、さまざま中小企業がしっかりと厚くしていけるように、トレンドとしては改善が見られるわけでありますが、そういった部分もこれから思い切った施策をぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 大臣、もう一問質問いたしますけれども、考えてきますと、企業の倒産件数、安倍内閣になって減ってきたとおっしゃっているわけでありますけれども、倒産件数の裏には、倒産ではなくて廃業していく件数というのがあって、これは配付されている次の資料に載せてありますけれども、廃業件数はどんどんふえている。

 どっちがいいのかといえば、倒産よりは聞こえも廃業の方がいいわけでありますが、ステークホルダーに与える影響も考えれば、廃業の方がいい。我々は廃業率も高めようと今しているわけでありますが、しかし、何でもかんでも廃業されては、日本の大事なものも失われる可能性があるので、大事なことは仕分けだと思います。もう既に、大量にそういった企業が、後継ぎがいないために終わっていく時代が始まっているわけでありますが、私は、これから加速をしていく中で一つ御提案としては、プッシュ型の支援策というのをやはり考えなきゃいけないということです。

 人間にも寿命があるように、企業にも寿命がある。しかし、企業の寿命が来る前に経営者の寿命が来ちゃうわけでありますから、要は、経営者が何歳になっているかというのは、もう帝国データバンクを初め、全部情報はあるわけです、金融機関に。そうすると、そういうことに関心を持った経営者の相談に乗るという待ちの姿勢の支援策ではもうもたない時代になってくる。

 そうじゃなくて、会社の定年に準じて、社長が五十歳になったら、五十五歳になったら、もうすべからくどういうふうにしていくか、自分のところは承継するのか、それとも廃業にするのか、そういうことをいち早く検討を始めるような形を国として挙げてやっていかないと、最後は、国益にもかかわる大事な日本のものづくりの技術などが失われるリスクは高まるのではないかというふうに思いますが、そういう支援策をぜひ御提案をいただいて、私は最後に副大臣に一問質問したいものですから、短い御答弁を大臣からいただきたいと思います。

世耕国務大臣 それでは短く。

 今、プッシュ型の支援とおっしゃいました。それは我々も考えております。今後五年間で五万人程度の経営者の方に関して、支援機関が事業承継に向けた準備状況を診断シートを用いて診断するという、まさにこれがプッシュ型に当たると思いますが、こういった情報提供をやることによって経営者の皆さんに気づいていただくということをしっかりやってまいりたいというふうに思います。

田嶋(要)委員 最後の資料にも、日本の実質退職年齢というのは非常に高い、日本人は長生きする方が多いのでということもあると思いますが、新しい経営者にかわると、そこで当然経営の流れも私は変わってくるんだろうというふうに思うんです。

 そこで、副大臣に最後にお尋ねします。

 以前、省エネの設備投資の話をさせていただきましたが、地域を歩いていて、何で太陽光をやらないのかなと聞くと、私はもう年寄りだからあと何年生きられるかわからないのに、今から屋根に太陽光なんかつけたくないわ、そうおっしゃる。非常に当たり前ですね。つまり、その主が高齢者だと、投資というのはやはり衰えるんです。それは当たり前です。

 だから、高齢な経営者であれば、一日も早く設備投資の判断をしてもらう。さもなくば、次の世代にやはり経営者がかわってもらう。経営者がかわると、恐らく設備投資がより攻めの設備投資に当然なりますよ、これから二十年、三十年、俺がやるんだとなれば、やはりもう一度ということになる。だから、私はそのどっちかだろうというふうに思います。

 そこで、以前、省エネ法に関して、特定事業者の平均一%のエネルギー消費効率を推進する努力義務の話がございました。設備投資を行う場合は、一〇%改善したら、それは今そういった評価の対象にはなっていないというのが三月八日の副大臣の御答弁でございましたけれども、そうじゃなくて、日々の現場の努力による省エネもこれは大事ですが、設備投資はトップの判断です。そして、設備投資を行えば、もっとスピードを上げてエネルギー節約も進むわけでありまして、その判断はやはり一日も早く行わないと、経営者が高齢になっていけばだんだんそういったことにおっくうになるのは当たり前でありますから、ぜひとも、設備投資による企業の省エネの取り組みにより大きなインセンティブを働かせる制度設計にしていく、変えていくべきだというふうに私は考えておりますが、副大臣、前回、明確に答えをいただけませんでしたので、きょうは明確にいただきたいと思います。

高木副大臣 前回、三月八日の所信のあの質疑で、現状の制度についての説明だけの答弁で終わりました。

 その上で、今委員御指摘のように、特に中小企業は、省エネに対して、取り組みたいんだけれどもなかなかできない現状というのがあると思います。省エネ法で特定事業者ということでやっておりますけれども、やはり大切なことは、三百五十万の全体の中小企業がどこまで省エネをやれるかどうかという問題でもございますので、今御指摘あったようなインセンティブの問題をしっかり検討していきたいと思います。

 現状では、特に設備投資の場合には、多額の資金負担、これが障害となるということで、省エネ補助金によって設備投資を促進しておりますし、また、中小企業の場合には、その採択審査の点で加点措置を講じて優先的に採択しておりますけれども、三百五十万という母数から見たらまだまだごく一部でございますので、そういった意味では、大胆な設備投資ができるような、こういったことをこれからもしっかりと検討してまいりたいと思います。

田嶋(要)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 おはようございます。民進党の福島伸享でございます。

 中小企業信用保険法等の一部改正法案について質問をさせていただきます。

 先ほど田嶋さんから、特にセーフティーネット五号の見直しについては画期的だという話がありましたけれども、私も、見かけは地味でありますけれども、内容はかなり画期的であると思っておりまして、本質的な改正だと思っておりまして、今回の改正については……(発言する者あり)珍しい。いつも大体そうなんですけれども、支持をさせていただきたい、高く評価をさせていただきたいと思っております。(発言する者あり)何でそこでえっと言うんですか。立法府でありますので、地道に法案審査をきょうはさせていただきたいと思っているんです。

 まず一つは、残る危機関連保証、一〇〇%の部分が残る危機関連保証についてでありますけれども、その対象となる特例中小企業者、この定義が中小企業信用保険法の二条六項に新しく設けられておりまして、「内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため我が国の中小企業に係る著しい信用の収縮が全国的に生じていると経済産業大臣が認める場合」というのが一つの定義としてあります。ほかにも定義はありますけれども。

 この一つですけれども、この内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じて信用の収縮が全国的に生じている場合、これは具体的にどういう場合なのか。阪神・淡路大震災は入るのか、東日本大震災は入るのか、リーマン・ショックは入るのか、かつてあったブラックマンデーと言われる株価の暴落は入るのか。これまでの事例だと、これはどういうものを入れることを想定しているのでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回創設いたします新たなセーフティーネットであります危機関連保証は、まず、リーマン・ショックや東日本大震災のような大規模な災害等の突発的な事態によりまして著しい信用収縮が全国レベルで生じた場合に、業種、地域を問わず、直ちに一〇〇%保証を実施するものでございます。

 その発動に当たっては、今般改正を行います信用保険法の規定に基づきまして、全国的な資金繰りの状況を示す資金繰りDI等の客観的な指標が、リーマン・ショック時や東日本大震災などと同程度に短期かつ急速に低下するといった著しい信用収縮が起こった場合に限って発動することを想定しているところでございます。

 そうした意味で、リーマン・ショックあるいは東日本、こうしたものには適用されますが、地域が限定されたようなもの、例えば熊本地震とか一部の地域の台風とか、そういうものについては、もし同じようなものが起こったとしても適用されないことを想定しているところでございます。

福島委員 それは多分、曖昧であって、明確な基準はないと思うんです。

 阪神・淡路が入るのか入らないのか。東日本は入るとおっしゃいました。それぞれケース・バイ・ケース。では、阪神・淡路は入りますか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、判断基準としては、著しい信用収縮が全国レベルで生じたかということでございまして、その観点で見ますと、阪神・淡路大震災あるいは熊本地震その他幾つかの、例えば糸魚川の大規模火災といった災害であれば、地域についてはもちろん甚大な影響を及ぼしているわけでございますが、著しい信用収縮が全国レベルでという観点から資金繰りDIとかを見た限りは、全国レベルとは言えないということでございまして、仮に同様の事象が起こった場合には、これは適用しないということでございます。

福島委員 私は、それは多分、災害が起きたときの国民感情的には納得できないと思うんです。全国的にといった場合に、沖縄から北海道まで全てが悪化することなのか、大阪だけなのか、それとも西日本なのか。私は、西日本全域がそうした状況になれば全国的と思えるだろうし、何をもって著しい信用収縮かというのは、これまたいろいろな政治判断、政策判断があると思うんですよ。

 それを行うときに、先ほど資金繰りDIとかとおっしゃいましたけれども、これは年に何回公表されますか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 定期的な資金繰りDIの調査は三カ月に一度ということでございます。

福島委員 三カ月に一度ですよ。これは、タイミングが合わなかったら、三カ月このDIは出てこないわけですよ。

 こういうのは、これまでも時々の政権のまさに高度な政治判断で行ってきたと思うんです。そうした意味では、これはさらっと「経済産業大臣が認める場合」となっていますけれども、経済産業大臣個人の判断だけでもだめだろうし、時の与党、野党も含めた政治の状況や、あるいは内閣全体の判断が必要であると思っておりまして、これは極めて政治的にタッチーな、大事な問題だと思うんですよ。

 大臣、そういう意味では、これはどういうときに発令するかというのは、この法律の条文ではだめだし、役人がDIなんて見て判断していたらもうとっくに大事なときは過ぎちゃっているわけですから、もうちょっとこの発動基準、あるいは発動の仕方のルールを詰めるべきだと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

世耕国務大臣 非常に重要な御指摘だと思います。

 私も、自分一人で考えるつもりはなくて、それは当然、その時々、もちろん、いろいろな学者とかアナリストとか、そういう人の意見も聞くでしょうし、私もリーマン・ショックのときをよく記憶していますけれども、当時与党の一議員でありましたけれども、やはり党内で非常に大きな議論が起こって、ここはやはり信用保証制度を発動すべきだというような話になりましたし、当時、当然野党でもそういう議論が行われていると思いますから、そういったことを総合的に勘案して、そして、資金繰りのDIというのは、多分、後づけで、やはりこの判断は正しかったということをきちっと判断していく指標にもなっていくんだろうというふうに思います。

 いずれにしても、何か勝手に決めるのではなくて、世の中が、やはりこれは危機だよなというとき、こここそ出動しなきゃだめだなというときに使うべきものだと思います。

福島委員 ぜひそれは、機械的な指標とかで決めるんじゃなくて、まさにそのときの生の経済の皮膚感、それは政治家が感じるものだと思いますので、それに基づいてやれるように、きょうは世耕大臣はそう答弁されましたけれども、こういう制度というのは、しばらくたつと忘れちゃったり、その時々の経済産業大臣もいろいろな方がいらっしゃると思いますので、誰が大臣をやっても適切な判断ができるような仕組みをつくっていただければと思っております。

 そしてもう一つ、二番目の条件として、信用収縮の影響により銀行その他の金融機関の借り入れの減少その他経済産業大臣が定める事由が生じているためその経営の安定に支障が生じることについて、その所在地を管轄する市町村長または特別区長の認定を受けた者というのがありますけれども、借り入れの減少その他経済産業大臣が定める事由の「その他経済産業大臣が定める事由」とはどのようなものを想定しているんでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 危機関連保証の対象とする中小企業は、危機の影響により金融機関からの借り入れが一定程度減少していることや、あるいは取引の数量が減少していること、これによりまして経営に支障が生じている場合を想定しております。

 具体的な基準につきましてはまだ検討の途中でございますが、例えばセーフティーネット保証四号においては、前年同期比で売り上げ二〇%減となっている中小企業などを対象としているところでございます。

福島委員 これも、判断するのは市町村長または特別区長なんですね。

 例えば東日本大震災のときに、市町村長がどれだけ判断する能力があるかといえば、私の地元の水戸市も、東日本大震災の後の一カ月ぐらいは市役所が使用不能になって、大混乱の中、まずは救難物資を届けるとかそういうことが優先されていて、一つ一つの個別の企業がこの基準に当てはまるかどうかなんという細かい審査ができる状況にないと思うんです。

 そうした意味では、運用面で、機械的にばっと出るような、まずは全部適用させて、後は徐々に縮小していけばいいわけですから、そうした基準にすべきだと思いますけれども、大臣、その点についての御見解はいかがでしょうか。

世耕国務大臣 あくまでも個々の認定は市町村がやるということになるわけですけれども、当然その地域の実情に一番通じている方でありますから、そこら辺は柔軟に、救うべき人を救う認定をしていただきたいというふうに考えております。

福島委員 問題は、よくありがちなんですけれども、経済産業省というのは、私もいたんですけれども、大体法律のつくり方が雑なんですよ。省令とか経済産業大臣が定めるといって、雑なんですよ。それで、実際運用してみると、結構混乱したりするんですよ。

 私は、これはきちんと文書化、マニュアル化すべきだと思っておりまして、これは極めて大事だと思うんですよ、どういうプロセスでやるか。

 確かに、「経済産業大臣が認める」だけれども、それに当たっては、きちんと与野党とも相談をした上で、官邸の判断も仰いだ上で、なるべく早く適用することが必要だと思っていますから、誰がどういう順序で判断するということもマニュアル化すべきでありましょうし、市町村長が認める、だから市町村長の任意だとやるんじゃなくて、明確な基準を出すから、それに合わせて機械的にどんどん出せというようなことを、手順をマニュアル化して文書化する、そういうことが必要だと思いますけれども、大臣、それをされる予定はありますか。

世耕国務大臣 今マニュアルがあるかないか、ちょっと私はわからない。まあ一定のものはあると思いますけれども、それが、今御指摘のように、市町村長の判断の基準になるような明確なわかりやすいものになっているかどうかというのはよく点検してみたいと思いますし、当然、運用に当たって、こういうときは発動するんですよというような例を示すとか、その辺のわかりやすい市町村への伝達に努めたいと思います。

福島委員 ぜひ、いざというときはいつ来るかわかりませんから、万全の用意をしていただければと思っております。

 その一方、今回の法改正では、幾つか保証の充実的なものも行われております。

 例えば、今、保証割合が一〇〇%の特別小口保険、小企業に対するものですけれども、それの付保限度額を千二百五十万円から二千万円に拡充するということを行っております。

 これを何でやるかというのは、中小企業政策審議会の金融ワーキンググループで、去年の年末に、小規模事業者は経営が急変する場合が少なくないが、こうした場合にも新規資金の調達を容易とし経営の立て直しを可能とすべく、その資金需要の実態を踏まえ、千二百五十万円を二千万円としたと言っております。

 これは、実は平成十三年にも一千万円を千二百五十万円まで拡大しておりますが、お手持ちの資料の四の一、後ろから二枚目なんですけれども、それを見ていただきますと、一千万以下が六八%、この新たにふやした一千万から一千二百五十万はわずか四・六%で、これは効果があったかどうかというのはよくわからないんです。

 平成十三年に付保限度額を二百五十万ふやしたことに伴って、何か具体的な効果というのは認められたんですか。

宮本政府参考人 今、その部分についてだけの効果をあらわす数字というのは手元にございませんが、これが拡大することによって、やはり、財政基盤が弱い小口の方々について、一定の財務基盤の安定化、それから事業の継続とかが図られたものと考えております。

福島委員 長官、随分自信がなさそうな答弁でありますけれども、一千万から千二百五十万に上げた効果がよくわからないのに、なぜ今回二千万にするんですか。何で千五百万じゃなくて二千万。なぜ三千万ではなくて二千万。二千万にした方が何が変わるという、具体的な事実は何なんでしょうか。

宮本政府参考人 小規模事業者の方々の資金ニーズを見たときに、千二百五十万から二千万に拡大することによって、利用者の八割の方々の必要額、資金ニーズを満たすことができるということを考えておりまして、そういう意味で、まさにこれは、小口の方々、小規模事業者の方々が本来望むであろう資金繰りについて、多大なる効果があるものと判断したところでございます。

福島委員 わからないですね。

 では、一千万と二千万で、どういう資金需要の違いなんですか。資金需要の実態を踏まえて変えたと言っておりますけれども、例えば、一千万以下だったら当面の運転資金みたいなものしか出ないけれども、一千万から二千万になったら設備の方も出るから事業の革新につながるんだとか、何かそういうのがあれば一千二百五十万を二千万にするというのはわかるんですけれども、何となく、まあ、法律改正するから、それに合わせてちょっとふやしてみましょうかということにしか思えない。

 いや、私はこれはだめだと言っているわけじゃないですよ。ちゃんと政策を、事実を分析した上で、何をやるかという目的を明示してやらないと、逆にモラルハザードを生む可能性もあると思うんです、先ほどの田嶋議員の議論じゃないですけれども。そうしたことをしっかりしていただきたいと思います。

 もう一点、同じようなのが、創業期における資金需要。これも一〇〇%の保証を受けられますが、これを今回、付保限度額を一千万から二千万に拡充する。私はこれも評価いたします。

 金融ワーキンググループの報告書では、「事業リスクの判定が困難となる創業時の資金供給を可能とし、多くの創業チャレンジを可能とするよう、また、できるだけ多くの創業者が「死の谷」を越えられるよう支援を行うこと」。

 もうこれはずっと、この十年以上、私が役所にいるころから言われていることでありますが、資料の次のページ、一番最後の資料の四の二というのを見ていただきますと、七一・一%が一千万円以下の保証の利用状況。これは、まさに一千万円という頭打ちがあるからこそ、七割が一千万以下におさまっているんじゃないかなと私は推測をいたしますけれども、これも、なぜ今回二千万にふやしたのか。何で三千万とか四千万じゃないんですか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 創業者の方々の資金ニーズを見たときに、七割弱の創業者の必要額を今満たしているところでございますが、それが二千万の保証枠になることで八割強の方々の必要な資金に対応できるということでございます。

 これをさらに引き上げるかどうかという議論はもちろんあるわけでございますけれども、さらに高い資金となりますと、研究開発を行うベンチャー等、こうした資金もあることでありますが、そういう意味でいうと、一層リスクの高いものも考えられますので、こうした点につきましては、もちろん融資というやり方もありますが、別途、中小機構からのベンチャーファンドの出資、こうしたことも活用して資金を満たすことができるのではないかと考えているところでございます。

福島委員 では、なぜ二千万なんですか。千二百五十万、小口を二千万にしたから、それに合わせて二千万というふうに、えいやと決めたのか、何かの根拠があって二千万にした。どうでしょうか。

宮本政府参考人 先ほど申し上げましたように、二千万にすることで八割強の方々の資金ニーズに対応できるということをもって二千万という判断をさせていただいたところでございます。

福島委員 何か小学校の夏休みの課題研究並みの分析ですね、それは。

 だって、今は恐らく、保証の利用状況がこういう比率になっているのは一千万円の限度があるからなんです。ベンチャーはもっと、私は一千万どころじゃない資金需要があると思いますよ。お店を開業してサービス業や小売をやるのと研究開発型のベンチャーは全く違って、死の谷というのは、まさにそういう研究開発型ベンチャー、初期に膨大な資金を必要とするところによく生じるわけですよ。

 ですから、私は、業種によって一律に一千万だとか二千万だということを決めること自体が、経産省は余りビジネスに頓着しないわけじゃないんでしょうけれども、現実に即しないのであって、場合によったら、バイオ産業なんというのは、初期投資がリターンを得るまでには物すごく必要なんです。そういうところはむしろ一千万の限度額をなくしてもいいぐらいだと思うんです。

 もっと、私は、ベンチャーの業態に応じた、丁寧な、きめの細かな保証の制度というのをつくった方がいいんじゃないかと思うんですよ。何か一千万を二千万に倍にしたからいいでしょうという、えいやというのじゃなくて、もうちょっと丁寧に、それぞれのベンチャーの業態を見ながら信用保証の限度枠を設定した方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

世耕国務大臣 恐らく、信用保証で、創業関連保証で付保をつけている融資の対象になるいわゆる創業というのは、何かいわゆる創薬ベンチャーとかバイオベンチャーというよりは、今おっしゃっているように、少し飲食店を開くとか、小さなものづくりの工場を立ち上げるとか、そういうイメージなんじゃないかなと思うんです。

 どちらかというと、そういうバイオベンチャーみたいなのは、これはもうまさにベンチャーキャピタルとかもっと大きな規模の、どちらかというと出資という形で行われていくべきものなのではないかというふうに思っていまして、今回は、これは二千万ということで枠を広げた、これで対象になる人がふえてくるということではないかというふうに思います。

福島委員 本当ですか。創薬ベンチャーみたいなのは対象にしていないんですか。むしろリスクがあるのは、そういう業態での起業だからこそ、当然エクイティーによる資金調達も必要ですよ、でも、デットもそれは組み合わせてやるんですよ、もう大臣よく御存じのように。そういうものは、デットの部分は、エクイティーの部分も、膨大な、しかも期間は結構長い場合もあるかもしれない資金調達をしなければならないわけだから、まさに、そうしたリスクを分担するためには信用保証制度というのは必要なんですよ。そういうものに応じた制度にすべきだと思うんですよ。

 恐らく、想像するに、財務省がいろいろ言ったりして、二千万円でしょうとかと、戦力の逐次投入じゃないですけれども。一歩一歩進まざるを得ないというのは、役所の論理としてあると思うんですよ。ただ、先ほど田嶋さんにもありました、こうやって何年かに一回、言いわけのようにとは言わないですけれども、法律改正して、一千二百万が二千万になって、次は二千五百万ぐらいになってとやるような政策の進め方をやっているから、だからだめなんですよ。

 だから、きちんと、もっときめ細かく、具体的な事実に基づいて政策をつくらせるようにしないと、何となく、ああ、二千万になったからいいやというので終わって、次また何年か後に同じようなものが出てきてやることになってしまうと思うので、そういう乱暴に考えるんじゃなくて、ぜひ、もうちょっと丁寧に政策を再検討いただけませんでしょうか。

世耕国務大臣 今、この法案をよろしくお願いしますという立場でなかなか再検討ということは申し上げられませんが、もちろん、これで終わりではなくて、当然、ベンチャー支援という視点からいろいろな選択肢はふやしていく必要があるというふうに思っております。

福島委員 ぜひ、強く指導してください。経済産業省は霞が関では能力の高い役所だと思っておりますけれども、いろいろなはざまの中で、えいやとやっちゃうときがあるんです。実際に自分で起業したりしたことがある経験のある人はほとんどいないわけでありますから、そのえいやとやったことの影響がどれぐらいかという皮膚感がないんですよ。

 それを変えるのが政府に入る政治家の役割であると思いますから、今回の法案を見直せとか修正しろと私は申し上げるつもりはないので、どうせまた二、三年後にこれの割合をふやした法案が出てきますから。単に戦力の逐次投入をやるのではない、もうちょっと制度的なきちんとしたものを次回には出すように御指導いただきたいというふうに思います。

 そして、時間がなくなってまいりましたけれども、今回の本丸のセーフティーネット五号について、報告書では、構造的な改善を進めるためには、まずは経営者みずからが改善に向けた強い意思を持ち、金融機関と十分なコミュニケーションをとりつつ収支改善や経営力強化の取り組みを進め、また、場合によっては事業転換を進めることも必要、金融仲介機能も正常に機能している中で一〇〇%保証が活用され続けてしまうと金融機関の支援が実施されないとして、八〇%にする。

 これは極めて私は妥当なものだと思いますけれども、ただ、いきなりこれを切っちゃうと、八〇%を六〇%に二〇%縮めるのは別にそう変わりないけれども、一〇〇%というのは金融機関にとってはある意味リスクがほとんどないわけでありますから、一〇〇から八〇にするというのは結構大きな転換だと思うんですよ。ましてや、これに指定されているのは不況業種で苦しんでいる人たちなわけですから、この制度の変更に伴って金融機関が行動、態度を変えれば、命綱を断ち切ることにもなりかねないと思っております。

 これは経過措置が必要だと思うのですけれども、まず金融庁、何らかの対策をこれに伴ってやることをお考えでしょうか。

西田政府参考人 お答えいたします。

 金融庁といたしましては、これまでも、金融機関が、信用保証を含めまして担保、保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性を適切に評価して、企業の経営改善あるいは生産性向上に資する融資、本業支援を行うことが重要と考えております。

 これまでも、検査監督を通じて金融機関に対してこうした取り組みを促してきたところでございますけれども、今般、こういった信用保証制度の見直しが行われますので、金融庁といたしましては、金融機関において今回の信用保証制度の見直しの趣旨に沿った対応がなされるよう、引き続き金融機関に対して、ただいま申し上げたような取り組みを組織全体として継続的に行っていくよう促していくということと、もう一つは、中小企業庁さんとも連携をいたしまして、金融機関による中小企業への円滑な資金供給がなされるよう、きめ細かくモニタリングをしていきたいと考えております。

福島委員 もう一歩踏み込んでいただきたいんですけれども。

 引き続きじゃ困るんですよ。今までと同じことじゃない状況が生じるわけです。不況業種が今まで一〇〇%保証ついていたのが八〇%、つまり、残る分は金融機関みずからがリスクを負った上で融資をしなければならないという転換があるわけだから、引き続きじゃ困るんですよ。具体的に、今回、引き続きじゃない何かをされる予定はありますか。

西田政府参考人 お答えいたします。

 金融庁といたしましては、金融機関の融資姿勢等に関する実態把握、あるいは企業アンケート調査等を行いまして、その結果や、金融仲介機能のベンチマークといった客観的な指標も活用して、特に、金融機関の経営陣との間で顧客本位の取り組みについて深い、深度ある対話を行うということをやりたいと思います。

 そういうことを通じて、信用保証を含めまして、担保、保証に過度に依存しない、事業の内容や成長可能性等を適切に評価した融資というものを組織全体で継続的に行うよう促したいと思いますし、金融庁としては、まずは、各金融機関における保証利用の状況であるとか、あるいはプロパー融資の状況等についてきめ細かくモニタリングを行いまして、その結果、仮に今回の信用保証制度の趣旨に反するような業務運営が認められた場合には、適切な対応を行うよう指導していきたいと思います。

福島委員 ぜひ、制度が変わるときには特に重点的に、きめ細かくやっていただければと思っております。

 大事になってくるのは、各県にある信用保証協会の役割であるというふうに思っております。この審議会の報告書では、例えば、仮にメーンバンクが十分な融資を行えない場合には、保証協会が他の金融機関を紹介するといった取り組みを充実させていくことも重要、こういう記述もあります。

 書くのは簡単ですけれども、単にこの銀行に電話してくださいという紹介であったら意味がないんです。メーンバンクにかわる、ちゃんと資金を供給できるような、新しいバックアップをできるような金融機関を紹介するというのは非常に大事で、この記述は物すごく大事だと思うんですけれども、大臣、具体的にどのようなことをやることを想定しているんでしょうか。

世耕国務大臣 御指摘のように、これを審議するに当たってのワーキンググループで、中小企業団体の方から、やはり、万が一、この五号の見直しで中小企業の資金繰りが悪化しないように、民間金融機関の対応と、そしてさらに小口向け一〇〇%保証の拡充と、さらに念には念を入れて政策金融ということを言われているわけでありまして、その中で、やはり信用保証協会が、万が一メーンバンクがきちっと対応できない場合には他の金融機関を紹介するという取り組みを行うということになるんだろうというふうに思っておりますが、ともかく、これは地道に、丁寧に、親切にやってもらうしかないんだろうというふうに思います。

福島委員 書くはやすし、やるのはかたしだと思うんですよ。

 私の地元でも、ある老舗の企業が、信用保証協会の保証もつけて、銀行が保証をつけるから金を借りてくれといって、膨大な設備投資をして、新しい立派な工場を建てたんですけれども、うちは東日本大震災の後、風評被害が深刻でありましたから、売り上げが上がらなくなった、その途端にメーンバンクがさあっと下がっていって、ほかは誰もなかなかあらわれてくれない、困ったという事例が結構起きているんです。

 そのときに、信用保証協会に頼ったとしても、一番上のページにあるのが茨城県の信用保証協会の役員ですけれども、これが悪いと言っているんじゃない、私は知り合いばかりだから、それぞれの能力の高さは確信をしておりますが、会長、専務は茨城県からの天下りの人、理事として、各金融機関が全部ずらっと横並びで、その頭取が入っているわけですよ。仮に常陽銀行がメーンバンクだったところが、では次、筑波銀行といっても、同じ信用保証協会の中に理事として入っていて、そんなことができるのかと思うんですよ。

 だから、言うはやすし、行うはかたしと言っているのはそういうことで、本当に今のままの信用保証協会でメーンバンクに次ぐ銀行を紹介することができるのか、そのために何が必要なのか、もうちょっと具体的な話を、長官が話したがっているので、話していただけませんでしょうか。

宮本政府参考人 ありがとうございます。お答えいたします。

 実は、昔、信用保証協会はそもそも、金融機関に中小企業が行く前に、まずお客さんが信用保証協会に来て、金融機関を紹介する、そういうプラクティスであったわけでございます。それは今変わっておりますが、ただ、今でもやはり一部の保証協会では同じような取り組みをしています。

 二つぐらい申し上げますと、創業の局面では、むしろ保証協会がハンズオンで、創業スクールとかいうことで創業自体を支援しておりますので、みずからも創業関連保証をつけるという前提で、保証協会がふさわしい金融機関とマッチングをするというような取り組みもしているところはございます。

 それから、創業という、こういうある意味前向きの部分だけではなくて、例えば、業況がよいときには大手の金融機関あるいは他県の地銀とかが取引をして、その後、中小企業の業況が悪くなるとこういう金融機関がさっと引いてしまったというようなときに、経営者の相談に応じて、他の金融機関、地元の金融機関、こうしたものを御紹介する、こういうことも既に行われております。

 ただ、これは一部の保証協会でございますので、こういうプラクティスをできるだけ全国に広げるということをやっていきたいと思っております。

福島委員 もうちょっと、どうやってそのプラクティスを全国に広げるかの方策をお聞きしたかったんですよ。もう何を言っても表層的なんですね、残念ながら。もうちょっと、そこの具体的なことをやっていただきたい。

 時間がないので最後に。

 今回の信用保証の制度の改正というのは、実は、信用保証制度それ自体を変えることが目的じゃないんだと思うんです。一番の問題は、先ほどの田嶋議員にもありましたように、日本の中小企業金融というのは世界的にもいびつなものじゃないかと。信用保証が余りにも膨らんだがゆえに、マーケットメカニズムの適切なガバナンスのもとに中小企業に対する与信が行われていないし、中小企業の側も、適切なマーケットのガバナンスがきかないからこそ生産性の低い構図になっていってしまって、鶏が先か卵が先かわからないんですけれども、構造的な金融システムの問題が私はあると思っているんですよ。

 経済産業省は、確かに金融行政には直接携われないかもしれないけれども、信用保証制度を見直すことによって金融システムそのものにも変革を促す可能性は私はあると思うんです。私は、今回の法改正というのはそういう目的でやったんじゃないかなと思うんです。

 いきなり急激にはこれは変えられません、金融の仕組みだから。一千万を千二百五十万、二千万みたいなせこい話ではなく、ちょっとずつ信用保証の領域を減らしていって金融機関のプロパー融資を強めていって、信用保証協会自体が各金融機関にプレッシャーをかけ続けることによって金融機関の行動を促すようなことによって、金融システムそのものを変えていくということが目的だと思うんですけれども、この点について大臣の御所見と、中長期的に見た信用保証制度のあり方についてのお考えについて、最後にお聞きしたいと思います。

世耕国務大臣 今おっしゃっていただいたように、今回、セーフティーネット五号を見直すというのは、まさに、この日本のいろいろな慣行を見直していく中の一つの一手だというふうに思っています。

 今御指摘のように、信用保証だけを急にハンドルを切っても全然変わらないと思います。これは、先ほども申し上げたように、ベンチャーキャピタルのあり方ですとか、あるいは、直接金融、間接金融の関係とか、金融の構造自体をしっかりと見直していかなければいけない、その中の歩みの一つだろうというふうに思っております。

 信用保証制度自体は、いわゆる構造不況業種とかそういったものに関する信用保証というのは長期的にはやはりなくなっていって、金融機関がきちっと判断をする、リスクとリターンをちゃんと見てやっていくというのが本来のあるべき姿だと思っています。

 ただ、一方で、危機対応はある程度残らないと、これは、いざというときに経済をちゃんと支えるという機能として、信用保証の役割はそういう面で最終的には残っていくべきではないかなというふうに思っております。

福島委員 ありがとうございます。

 実は、私はこの分野が中小企業政策の一番の本丸だと思っているんですよ。腰を据えてやっていただきたいし、ちょっと数字をいじくる程度の小手先のことじゃなくて、本質的なことを、長い時間、スパンをかけて、継続してちょっとずつ取り組んでいくことが大事だと思っておりますので、しっかり今後ともやっていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 おはようございます。民進党の仏の鈴木義弘です。どうぞよろしくお願いします。

 先週の本会議に引き続きまして質問をする機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 本会議のときに、世耕大臣は真摯な答弁をいただいたんですけれども、ほかのお二人の大臣からは、私が投げかけた質問に対して、ストライクで投げ返されたんじゃなくて、ちょっと球がとれないところのボールだったなというふうに思いますので、簡潔にそこのところを一回おさらいをさせていただきたいと思います。

 石原大臣が、今の中小企業の置かれている状況をどういうふうに感じていますかというお尋ねに対して、名目GDPの増加だとか、雇用の改善だとか、倒産件数、DIだとか、景気が回復していると言うんですけれども、でも、日経新聞なんかで出しているネットの記事を見ても、「アベノミクス景気、戦後三位の五十二カ月 実感乏しい回復」というような見出しで記事を流しているんです。雇用関係はよくなったんですけれども、賃金の伸びは限られていて、回復の実感は乏しいというふうな指摘なんです。

 それでもやはり、本会議で答弁のような都合のいい数字、これは、答弁をされる側からすれば都合のいい数字を並べるのは当たり前だと思うんですけれども、前任の方の質問の中にもありましたけれども、倒産件数が減ったから景気がよくなったと言うんじゃなくて、例えば創業者数がふえたから景気がよくなったと言うのならわかるんですけれども、逆の指数を出すんです。だから、その辺について、内閣府、お答えいただけたら、最初にお願いしたいと思います。

武村大臣政務官 繰り返しになりますが、お答えをさせていただきます。

 アベノミクスの取り組みによりまして、GDPは過去最高の水準となりまして、デフレではないという状況をつくり出すことができていると考えております。

 御指摘の、地方や中小企業におきましても、有効求人倍率、史上初めて四十七都道府県で一倍を超えました。日銀短観の業況判断DIも、全九地域全てで改善をし、中小企業についても、リーマン・ショック前の水準を超え、中小企業の倒産件数は政権交代前と比べて約三割減少するなど、明るい動きが見られています。

 政府といたしましては、こうした動きをさらに拡大し、国民一人一人に景気の回復の実感を持っていただけるよう、目配りを怠らず、経済再生に取り組んでいきたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 では大臣、中小企業の実態をどういうふうに見ておられるか。簡単で結構ですから、ちょっと。あと、いっぱいありますので。

世耕国務大臣 いろいろな数字じゃなくて、生の声としては、中小企業の景況調査というのでいろいろなヒアリングをしています。そういう中からは、やはり、大手との取引がふえてフル稼働で生産しているとか、製造業の設備投資が持ち直して需要が好転しているといった中小企業の声も出ています。

 ただ、これで手放しでいいとは私も思っていません。人手不足の問題ですとか、後継者がいないという問題ですとか、それこそ金融の問題も含めて、中小企業の経営者というのはいろいろな悩みは抱えてやっておられるんだろうというふうに思っていますが、ベースとしての景気は少しずつよくなってきているというふうに考えています。

鈴木(義)委員 私、二年ぐらい前までは景気がすごくよくなったなという実感なんですけれども、やはりここ一年とか一年半ぐらいからちょっと息切れがしてきたんじゃないかなと思うんです。業種が偏ってきたり地域が偏ったりしているのが実態なんじゃないかと思うんです。

 日本全体というふうに見れば、今大臣が御答弁されたような形でもいいんでしょうけれども、これも本会議のときに質問申し上げたんですけれども、結局、不動産バブルが始まっちゃっているんじゃないかという考え方なんです。それには明快な大臣の答弁はいただけなかったんです。もう一回復唱させてもらいたいんですけれども、アパートだとかマンション、特に賃貸物件がバブルになっているんじゃないかということです。

 昨年の十二月の銀行の貸出先別貸出金、金融庁がレポートを出しているものを例示に挙げさせてもらっているんです。このレポートで指摘しているのは、海外の円借款、地方公共団体、不動産業、金融業、保険業といった、目きき力を発揮できる分野とは言いがたい業種で貸出金残高が拡大していると指摘しているんです。片や、今度、目きき力を上げるんだ、上げるんだと言いながら金融庁は取り組んでいるんですけれども、実際に金融機関の中でも、不動産業に全体の七割の貸し出しをしているところが出ているんです。それを、どう今のデータを読むのかということなんです。

 それと、時間がないのでもう一つ。

 これは予算委員会の第八分科会で私指摘したんですけれども、内閣府の政策統括官付のレポートで、アパート、マンションがバブル、これに警鐘を鳴らしている、これの御認識をというふうに時の大臣に、国土交通大臣だったと思います、質問したんですけれども、返ってきた答えは、個人的レポートで、内閣府は関知していないという答弁なんです。では、なぜわざわざ内閣府の政策統括官という肩書をつけてレポートを出しているのかということなんです。鈴木義弘が、ただ名前を出してレポートを出したって誰も読んでくれない。内閣府の政策統括官だから警鐘を鳴らしたんだと思うんですよ。

 だから、確かに、アベノミクスをもっと地方に、中小企業にというのはいいんですけれども、二十何年前のバブルがはじけた後、誰がその尻拭いをしたんですか。最終的には国民の税金。それが今、ずっと積み上がってきて、国債の残高が一千兆円近くなっちゃっている。これが今の実態なんだと思うんです。そこを少し、ちょっと気をつけたらいいんじゃないですかと。

 例えば、サブリースローンでアパート、賃貸のマンションを建てるというのをどんどん建築会社さんがやっているところに、金を借りるのは家主さんなんですよ。人がもういないのにもかかわらず、八百四十万戸の空き家がある。それでも相続税対策の名のもとで、二年前からどんどんどんどんやるんですよ。家賃収入がなかったら、それは不良債権になるじゃないですか。それを放置していていいのかという考え方なんです。

 そこのところをぜひ御答弁いただきたいと思うんですけれども。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 住宅の着工戸数を見ると、二〇一六年度は、前年比プラス五・八%となっております。中でも、特に貸し家の建設はプラス一一・四%と大きく増加している状況でございます。この背景には、金利の低下などを背景に家計の住宅取得意欲が高まったこと、また、貸し家建設の採算性が改善をしたことなどがあるというふうに考えております。

 御指摘の不動産バブルにつきましては、一概にお答えをすることは難しいと考えますが、今後、若年世帯を中心に世帯数の伸びが低下することが見込まれていることから、住宅市場における需給の状況については注視をしていく必要があるというふうに考えております。

 引き続き、経済財政運営に万全を期すためにも、経済動向につきましては細心の注意を払ってまいりたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 金融庁の方も来られていると思うんですけれども、今の答弁は内閣府からいただいたんですけれども、お答えできる方がいらっしゃったら。いや、内閣府じゃなくて金融庁で……(武村大臣政務官「金融担当政務官なので」と呼ぶ)済みません。では、わかりました。内閣府の方だとばかり思っていたんです。

 では、引き続いて質問申し上げますけれども、金融庁の考え方の中で、目きき、目ききと言うんです。眼力とかとおとといの参考人のときにはおっしゃっていたんですけれども、その中に、具体的なお名前を挙げると、せっかく参考人でお見えいただいた銀行さんなんですけれども、銀行のホームページをプリントアウトしたものをちょっと見せてもらったら、ほとんど文系の資格を持っている人たちが羅列されているんです。目きき、目ききと言って、例えば、これをつくりたいんだと、私がつくったときに、これが価値あるものなのかどうか、文系の人がわかりますかね。これが価値があるかどうか。

 だから、そういったところの人の育て方をしていかないと、いざ製造業に、それも先ほどのレポートの中で、一〇%を下回っている貸し出ししかしていないんですよ。では、これが将来、百万個売れるのか、一億個売れるのか、そのぐらいの将来性があるのかといったときに、技術的な評価ができる人が行員の中にいなかったら、融資するといっても、これは目きき力になるのかどうか。

 マネジメントだけの目ききじゃしようがないんですよ。だって、製造業に融資するということは、新しく研究開発したものが将来売れるか売れないかというのを見定めるから、工場も大きくするし、販売の販路を拡大するということにつながっていくんだと思うんですけれども、その辺について、もし金融庁の、失礼いたしました、お答えいただければと思います。

武村大臣政務官 金融庁の立場でお答えをさせていただきます。

 目きき力というお話でございました。直接のお答えになっているかどうかあれですけれども、金融庁では、担保、保証に過度に依存することなく、事業性評価、すなわち企業の事業内容や成長可能性などを適切に評価した上で、企業価値の向上に資する融資や経営支援等を行うことが重要であるというふうに認識をしております。

 これまで、金融機関に対しまして、担保、保証に依存した融資姿勢からの転換を促してまいりました。その具体的な取り組みといたしましては、金融行政方針等において事業性評価融資の重要性を明記するとともに、金融機関との対話を通じてその周知徹底に努めてまいりました。

 さらに、金融機関に対する顧客の評価を把握するため、企業ヒアリングを実施してきたところであります。その結果、多くの企業が、金融機関に対して、融資の金利条件よりも事業への理解を求めている、その一方で、金融機関は、企業の事業内容を深く理解することなく、依然として、担保、保証の有無や財務指標を中心とした定型的な融資基準により融資判断を行っているのではないかという意見を伺っております。

 まだ取り組みは道半ばだというふうに考えておりますが、できるだけ早期に、金融機関において、事業性評価に基づく融資や経営支援等の取り組みがより一層促進されるように、今結果を取りまとめていますが、金融機関の融資姿勢の実態を把握して、その上で、実態把握の結果や金融仲介機能のベンチマーク、こうした客観的な指標も活用して、深度ある対話を行っていきたいというふうに思いますし、あわせて、金融機関のすぐれた取り組みの公表、表彰なども検討をしていきたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 例えば、十年前に実際あった話なんです。私が、ある都市銀行の営業の方に、私が持っている特許、特許化されているものがあったんですね、この特許に対して幾ら融資ができるか。その銀行さんは、新聞の見開きのところに、ベンチャーキャピタル支援しますというふうに、銀行名を大きく書いて、すぐにでも知的財産を商業化させることができるんだというような広告を載せて、私が尋ねたんです。

 では、本部に持ち帰って検討させてほしい。この特許の、菊の御紋のある特許証がありますから、それをコピーしてお持ち帰りいただいて、三週間か四週間ぐらいたって、時間ありますかと来られたんです。これを事業化するのに幾ら金を貸してくれると言ったら、いや、申しわけないんですけれども、会社の総合評価でお金を貸しますと。いや、私が聞いているのは会社の評価じゃないんだ、この特許がどれだけ将来性があるのか評価してくれとあなたに頼んだんでしょうという話なんです。大手の、世界に羽ばたいている何とか銀行なんですよ。名前を言うと後からお金を貸してくれなくなっちゃうから言わないんですけれども。

 よくよく聞いてみたら、どうしたかといったら、自分のところでは評価できないから、専門の業者に、提携している先にそれを評価してもらって、そこから上がってきたABCDの評価で行内でもう一度再検討して私の方に出してきた。これが十年前の実態ですよ。

 もう一つ、理系だとか工学系の大卒の方で金融関係に就職している人が、確かに昭和四十二年から見ると時間がもう大分たっていますから、そのころは本当に、〇・何%しか理工系の方は金融関係には就職していないんですけれども、今、少しずつやはり上がってきて、全体で見ると七・二%ぐらい理工系の職員さんが、まあ職員というより、金融関係に就職してくれているんですけれども、この中身、どういう勉強をしてこられた方かはよくわかりませんけれども、ほとんど金融工学か何かを学んできた方なんだと思うんです。では、それではこれが有益かどうかと判断できるかといったら、できないよ。だから、目きき力というのはなかなか難しいと思うんです。

 一つは、もう六十とか六十五歳で定年をして第二の人生で子会社に行くとかグループ会社に行くとかというんじゃなくて、目きき力のある人にはきちっとそれなりの報酬を払って、きちっとしたその将来を見てもらう。

 逆に、中小企業にとってみればありがたい話なんです。これを将来事業化して、お金を一億借りて、うまくいかなかったら、それは全部借金を背負うわけでしょう。その前段として、これは物になるか物にならないかという段階できちっと評価をしてもらうというのは、中小企業にとってもありがたい話なんです。

 そのためにも、やはり目きき力をもっとグレードアップしていかなくちゃいけないし、その辺を、先ほど御答弁いただいたのは、何か行政の方がお書きになったもので、やはり政務三役なんだから意気込みを出してもらいたいんですよ、頑張れよというのを。ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 先生おっしゃるように、担保、保証の有無や財務指標を中心とした定型的な融資判断、それによって融資が行われている、そういった現状もあるのかというふうに思います。

 そういった中で、企業に対する理解、事業そのものに対する理解、これは、先生のおっしゃる特許権など、技術も含んだ事業自体に対する理解というものを深めていく必要があると思いますし、それをするのは人材そのものであります。

 そういう意味では、職員の能力向上、専門人材の育成、また、人事評価、実績評価、こうしたものも人材の行動には影響を与えますので、こうしたものを組織全体として取り組む体制整備、これを行っているかどうか、こうしたことも含めて深度ある対話を行っていかなければならないというふうに認識をしております。

鈴木(義)委員 私の言葉が足らなかったんですかね。

 だから、例えば、金融庁が、こういう人材になったら、一人なら一人カウントするとか、ちょっと余りいいやり方じゃないんですけれども、Aランク、Bランク、Cランクというのはいいかどうかわかりません。でも、やはり、Aランクの目ききの人がうちの銀行には百人いるんだよ、うちの信用金庫では五十人いるんだよというのをセールスポイントにして営業をかけてもらった方がいいんじゃないかと思う。そういうのを、今すぐじゃなくてもいいから、やはり情報を公開していくということですよ。

 だから、金融機関の中でも、例えば製造業に強い銀行があってもいいし、サービス業に強い銀行があってもいいんですよ。これからはそういう形で、目ききを育てていくということは、うちの得意分野はサービス業なんですよ、この分野だったらきちっとしたコンサルもできるしアドバイスもできますよというような金融機関に育っていかなかったら、どこでもみんな同じように、お金貸しますよといったら同じことになるんですよ。

 そこをきちっと特色のある金融機関になっていってもらいたいのと、なおかつ、その目ききを育てていく。目ききだって、漠然とした言い方ですから、何をもって目ききかというのをもう少し詳細に出していかないと、せっかく事業性評価融資という言葉を二年前、三年前から使い始めたのが、長官がかわっちゃったらまたもとのもくあみで、やはりリスクをとりたくないから保証協会につけさせろ、担保をとれという話になったのでは意味がないんじゃないかと思うんです。

 それともう一つ。議論を聞いていて、お金を貸してもらうのがすごくいいことなんだというんですけれども、金ばっかり借りたって、本来は無借金経営が一番理想なんですよ。お金を借りなくて商売ができれば一番いいんです。でも、日本の世の中で商習慣になっているのは売り掛け、買い掛けなんです。キャッシュでやるんじゃなくて、今、経産委員会なんかが、キャッシュレスだといってまた何かよくわからないことをやり始めようとしているんですけれども。あと、手形も、去年の予算委員会でも質問しましたけれども、中小企業だって手形を使っているんだからいいじゃないか、年明けて一年たったらなるべく手形じゃなくてキャッシュにしてくれ。キャッシュフローがよくなれば、お金を借りなくても何とかなるんです。もっと言えば、税金を払うためにお金を借りているんですよ、中小零細は。おかしくないですか。

 そこのところを直していかなかったら、保証協会だけ、先ほど大臣が答弁されたみたいに、小手先だけちょこちょこっと、二年とか三年でころころころころ変えていっても、金融システム全体を金融庁が主導して変えていかないと、やはり歯車がうまい方向に回っていかないんじゃないかと思うんですけれども、もう一度、御決意をお聞かせいただきたいと思います。

武村大臣政務官 お答え申し上げます。

 金融機関はそれぞれ、みずからのビジネスモデル、それから戦略、こうしたものを経営判断として行っておりますが、それぞれさまざま、すぐれた取り組みというものもございます。そうしたものを開示、公表していく、そうした取り組みの中で、今事務年度の中で、金融機関のすぐれた取り組みを公表、表彰する、そういった制度を設けようというふうに考えております。

 また、みずからの取り組みをアピールするというお話がございましたけれども、金融仲介機能のベンチマークなどの客観的な指標、これを列挙しています。この中から、みずからがアピールをしたい、そういった指標を選んでいただいて、これを積極的に開示していく、こういった取り組みを進めているところでございます。

鈴木(義)委員 ぜひ、これからの一年、三年先を楽しみにお待ちしておりますので、頑張ってもらいたいと思います。

 では、信用保証協会の組織についてなんですが、これも一部質問させていただいた中です。

 我が国には五十二の信用保証協会が組織されているんですけれども、おのおのテリトリーが法律で定められているんだそうです。四十七都道府県、例えば名古屋にも二つあったり、大阪にも二つあったり、こういうふうにテリトリーが義務づけられています。

 経産省の方がこの法案の説明にお越しいただいたときに私は申し上げたんですけれども、私は埼玉の三郷というところなんですけれども、埼玉の保証協会と東京の保証協会で利率が違う。川一つ挟んだだけで利率が違うんだね。これは何でかというと、テリトリーが独占的に区分けされちゃっているからなんです。だから、私が東京の安い保証協会に借りたいと言うと、だめなんですよ。ところが、多少の地域差があっても業務内容は全部一律なんです。ここで細分化している。昔は、近くにあったから顔もわかるし、金融機関も利用しやすかったんでしょうけれども、その信用保証協会をつくったころと今の金融機関の数は格段に違うと思うんですよ。数が多いということです。

 私のところも、都市銀からもお金を借りるし、地銀からもお金を借りるし、農協さんからも、信用金庫からもお金を借りますよ。いっぱいありますから、条件のいいところから借りるようにします。保証協会をつけてくれと言ったら借りない。

 だから、先ほども前任の方が取り上げていましたけれども、地域に密着し過ぎると天下りが顕著になっている。私もお世話になっている人が埼玉県でいます。みんな、部長をやったとか副知事をやった人が役職で入ってくるんです。私も監査委員を一年やりましたけれども、監査委員として保証協会の監事に一年間行ったこともあります。

 この中で、やはり、ブロック分けをして少しスケールメリットを生かせるようにして、保証協会自体のコストを下げていく努力をしていった方がいいんじゃないかという考え方です。

 一つは、統廃合するということが一つです。それは、なぜそういうふうにするかといったときに、各協会で全く同じ業務をしている総務、企画、電算、人事等の部署を統合することによって、今全国で約六千人の協会の職員さんがいらっしゃるんだそうです、役員さんは二百三十七名、この方々を少し縮小していった方がいいんじゃないかという考え方です。どういうふうに理解をいただくかはこれから考えなくちゃいけないんでしょうけれども、こういった役員さんだとか職員さんを効率化することによって、人件費だけで実に年間百億円カットできるというふうに指摘する方もいるんです。

 だから、今回の保証協会の改正案で、確かに一千二百五十万を二千万にしたとかいろいろ改革はしているんですけれども、保証協会のあり方そのものを変えようという考え方はない。

 先ほど申し上げましたように、お金は借りないで商売できた方が一番いいんです。金融機関がどんどんどんどん貸出残高をふやしていったから世の中いいのかといったら、そうじゃないんです。

 日本は、大企業、中小零細も含めて、お金を借りている。短期、長期、社債、これだけで五百兆円お金を借りているんです。GDPに匹敵するお金を借金して、それで事業を回しているのがこの国なんです。果たしてこれが本当にいい国なのかといったら、何かあればばたばたといってしまう。だから、なるべく借金の残高を下げていくように、営業するに当たっても、アドバイスをするとかコンサルをするとか、目きき力を上げていくということが必要になってくるんだと私は思うんです。

 最終的にはその残高を本来だったら下げていく方向でいろいろ検討していかなくちゃいけないというのが法律の改正の本当の趣旨じゃないかと私は思うんですけれども、その辺について、これは大臣なのか、では政務官から、せっかくお越しいただいていますので。

大串大臣政務官 お答えいたします。

 全国にある保証協会はそれぞれの地域の自治体等の発意によって創立されたものでありますため、統合の必要性についても、既に事例があるようでございますけれども、必要に応じて当該自治体がまずは判断すべきものと考えております。

 各地域の産業構造、また、委員がおっしゃいましたように金融慣行等が異なっておりますので、その運営に一定の違いがあるのは自然なものと考えております。

 他方で、スケールメリットを生かせるよう、これまで各保証協会で異なっておりました審査書式の統一化や事務手続の簡素化、さらにはシステムの共同化などを進めてきたところであります。

 今後とも、各保証協会の特色を生かしつつ、スケールメリットも出していけるよう、保証協会の適切な組織運営を期待してまいりたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 これは、地方に任せていたら、自分たちの座る椅子がなくなっちゃうのに、それを自分たちで少なくしろと言ったって、それは無理ですよ。国だって結局、あの日本政策銀行だって三つの金庫を統合したわけじゃないですか。それはその担当者の方々は嫌ですよ。だって、天下りで行くポストが一つしかなくなっちゃうんだもの。それでもやはり行革をしていかないと今のニーズにたえ切れないだろうということで統廃合したわけじゃないですか。

 だから、国が指導してこことここはやっていかないと、だって、きょうはグラフはもうお出ししていませんけれども、赤字なんですよ、保証協会自体が。努力している、努力していると言っても、赤字の保証協会があるのに、自分たちの自主性に任せますと言ったって、改善できないから統合しろというふうにするんじゃないんですか。ほかの金融機関だって、金融庁の政務官いらっしゃっていますけれども、だって、赤字になっちゃってどうしようもならなくなれば、どこかと一緒になれよと言って行政指導してくっつけさせるじゃないですか。しないんですか。今はしないの。では、潰れてもらうのは結構ですと、山一だとか拓銀みたいにしちゃうんですか。

 それはやはり、赤字のところとどうなのかとよく経産省の方で見て、やはりこことここは大体くっついていった方が効率がいいんじゃないのというのを出していかなければ赤字は解消されないと思うんですけれども、最後に政務官、御決意をいただきたいんですけれども。

大串大臣政務官 御指摘いただいたところについては、しっかり検討して、また、各地域の事情を踏まえた上で、相談しながら検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。

鈴木(義)委員 大臣、元気がないんだよ。経産省の政務官も含めて元気出さなければ日本が明るくなるわけがないと思うんですよ。一つ最後に御決意を。

世耕国務大臣 うちの副大臣、政務官には元気を出してもらうように頑張っていきたいというふうに思います。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 民進党の落合貴之でございます。

 本日は、中小企業の経営改善発達を促進するための中小企業保険法等の一部を改正する法律案ということで、その質問をさせていただきます。

 私はもともと銀行員でございました。したがって、特に新人のころは保証協会とかかわることもありましたので、その観点からも考えさせていただいたんですが、その経験等の中でも、この保証協会の意義というのは大変大きいものだと思います。一方で留意しなきゃいけないのは、この改正案の題名にもありますように、中小企業の経営の改善発達を促進するためのものでなければならないということだと思います。保証協会が主役なわけではありませんで、あくまでも脇役のプロとして働いていかなければならない。主役である借り手の中小企業ですとか、それから、貸し手の金融機関がスムーズに経済活動を行えるように支えていく。そのプロという立場を追求していかなければならない。そうでなければこの制度はうまくいかないというふうに思います。

 その観点から、きょうは四十分質問をさせていただければと思います。

 まず冒頭にですが、こういった改正は常に必要なんですが、この中身のものが、今の時期、このタイミングで出てきた。これについてどう御見解を持たれているか、大臣からお聞かせいただければと思います。

世耕国務大臣 信用保証は中小企業の資金繰りを支える非常に重要な制度でありまして、中小企業の多様な資金需要に一層対応できるものとしていくことが重要でありますが、金融機関が過度に信用保証に依存することとなると、事業性評価の融資や、その後の期中管理、経営支援への動機が失われるおそれがあるというふうに思っております。

 なぜ今かということ、これはやはり、リーマン・ショックのときの危機対応がずっとあって、それが何となく続いてきている。そしてまた、今はデフレが脱却できていないという危機対応、これが一〇〇%のまま続いている。そのままでいいのかという問題意識があって、その中で中小企業政策審議会で議論を進めていただきまして、昨年の末に見直しのパッケージが取りまとめられたわけであります。

 具体的には、中小企業の多様な資金需要に一層きめ細かく対応するための措置として、大規模な経済危機等に備えたセーフティーネット保証の創設、そして、創業者、小規模事業者向けの、事業承継時の支援の措置の拡充、それを行いながら、一方で、保証協会と金融機関との間で規律を確保しながら中小企業への経営支援を促すための措置として、保証協会業務に経営支援を法律上明記をしましたし、保証協会と金融機関が連携する旨を規定をして、適切なリスク分担を進めることとしているわけでございます。

落合委員 九〇年代後半以降ぐらいから政策金融の改革というのは、特に力を入れて歴代政権も話し合いを行ってきたわけであります。

 そういったものの記録ですとか専門家の意見を見てみますと、この信用保証制度に関しては、金融機関が過度に頼り過ぎてしまって、先ほどの目ききという言葉もありましたけれども、事業性を評価する力が全然ついていかないということ、これが大きいのが一点目。

 それから、保証を受けると貸し倒れリスクがない、一〇〇%保証が多かったですので。そういった中で、一回貸したらもうほったらかしにしてしまう。もうちょっと経営をよくしましょうとかいうアドバイスをするインセンティブも金融機関に働かない部分があったり、借りる側、貸す側両方にも、保証をもらえれば借りれるし、あと、リスクなく貸せるので、モラルハザードが起きやすいのではないかというところがずっと指摘がされてきたわけでございます。

 今、そういった点からしても、こういった改正を行いますと、大臣からも説明をいただきましたが、いろいろ調べてみますと、この一〇〇%保証を全廃した方がいいんじゃないかという意見も過去には出ていますし、それから責任共有制度、今は八割ですけれども、五割にというような意見も一部あったわけです。

 先ほどの答弁を伺いますと、最終的にはそれも選択肢であるのかもしれませんが、今回の改正は今回の内容にとどまっているわけですが、大臣は、今回の改正、これでいいというふうにお考えかどうか。その問題意識をお聞かせください。

世耕国務大臣 考え方としては、今御指摘のように、やはりこの信用保証制度、特に一〇〇%の保証というのが、一種麻薬のようなものになって、金融機関もリスク管理をしないで貸す。そして、貸した後、本来は期中管理という、きちっと返してもらうために、その企業に寄り添っていろいろとアドバイスをしたり、時には厳しいことを言うというようなことも重要なんですが、そういうことが行われない。そして、逆に借りる側もモラルハザードが起きやすいということで、この辺をやはり少し改革していく必要はあるだろうという視点に立った見直しでありまして、これから、保証つきの融資とプロパー融資がうまく組み合わさって、貸し手側としては金融機関が主役になりながら、しかし保証協会がきちっと保証すべきところは保証して、そして中小企業の健全な経営につなげていくという趣旨の改革であって、今回の改革の効果に期待をしたいというふうに思っております。

落合委員 今回の改革に期待をしつつ、もうちょっと先まで踏み込んでやっていこうという御意思はありますでしょうか。

世耕国務大臣 これはあくまでも今回はこの改正をお願いしている立場ですから、まずこのことをしっかりとやっていきたいというふうに思います。

 信用保証というのは何も悪い制度ではなくて、濫用とかモラルハザードを起こさないということが重要でありまして、一方で、急激な経営環境の変化、なかなか民間の金融機関が貸したがらないような状況になったときにはやはり信用保証制度というのが非常に重要だというふうに思っておりますので、引き続き、この制度の健全な利用をされる状況の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

落合委員 今回の改正は、大きく分けると二つに分けることができると思います。

 一つ目が、ただの保証業務を機械的に行うだけではなくて、経営支援を行ったりですとか、金融機関の提携を深めていくですとか、保証業務以外の付随する業務も少しずつ力を入れていこうというのが一つ目。それからもう一つは、その保証自体の見直しもあるんですが、下の方に概要ペーパーも書いてありますけれども、ファンドですとか、保証ではなくて、そういう出資の機能も少し考えていこうという、大きな変化としてはこの二つも保証以外ではあると思います。

 一つずつちょっと確認をさせていただければと思うんですが、まず一つ目、経営支援についてですが、信用保証協会法の第二十条の二項の第一号に、「債務の保証に係る中小企業者に対する経営の改善発達に係る助言その他の支援」というような文言を入れて経営支援が追加されるわけですけれども、経営支援をしていくということは書いてあるんですが、具体的にどういうことを想定しているのかをお聞かせいただければと思います。

世耕国務大臣 今までは信用保証協会の業務というのは、保証、その審査、それと債権回収、これが中心であったわけですけれども、今後は、信用保証協会の中小企業に対する経営支援を行うという内容の法改正になっています。

 具体的にどういう支援を考えているかといいますと、例えば経営支援の局面で、経営の改善を進めていかなければいけない局面で、保証協会が経営者とそして複数の金融機関を一堂に集めたバンクミーティングを開催をして、経営改善計画への合意をしっかり円滑に進めていく、そういう仲介役を保証協会が果たすということ。

 あるいは、中小企業に対する個別の経営支援としては、本来はメーンバンクの仕事なんですけれども、何らかの事情によって十分に支援が行われない、例えば都市銀行からお金を借りていたりすると、なかなか地方の中小企業の経営支援まで手が回らないというようなところもありますから、そういったようなときには、保証協会が専門家の派遣などを行って支援を行うということが考えられるのかなというふうに思っています。

 さらに、例えば創業するような、創業チャレンジのような、地方ではなかなかベンチャー経営者と出会う機会もありませんから、例えばセミナーを開いて、都道府県と連携をして地域の資金需要を開拓する制度融資を創設するといった地方創生への貢献、こういったことを想定をしているところでございます。

落合委員 こういったコンサル的な業務というのは、民間の金融機関も、今までそういう機能が足りないということでたびたび指摘がされてきて、そして、民間も努力をしてきたわけでございます。

 そういった中で恐らく大きな問題だったのは、誰がやるのかと。今まで、例えば保証協会は、電卓をたたいて、幾ら貸せます、ランクはどうです等やってきた。そういうスタッフが多かった中で、今までとは違う業務を課されることとなる。民間の金融機関も苦労してまだ軌道に乗っていないような今おっしゃったことを、民間の金融機関よりもっと外回りもしないようなそういう保証協会の人たちができるのかという現実的な問題があると思います。

 この人材の問題、これは大丈夫なんでしょうか。

世耕国務大臣 それはやはり新しいことにチャレンジするわけですから、人材の課題というのはあります。

 まず、今いる職員の皆さんが、やはりマインドをしっかり変えていただく。ずっと建物の中にいて、審査の書類をつくって判こを押しているだけではもうだめであって、外へ出て現場の状況を見るとか、あるいは積極的に金融機関の皆さんと対話をするとか、経営者の話を聞くとか、やはり、そういうマインドを変えてもらうということは非常に重要だと思いますし、これから新たに採用される方々も、そういう仕事をやるんだというつもりで保証協会に入っていっていただく必要があるだろうというふうに思っています。

落合委員 私が就職したのは不良債権問題のときですので、まさに、民間金融機関がこういうことをやろうということを始めていたときでございます。

 しかし、外回りになれている民間金融機関の先輩たちでさえも、こういった業務に対応することがなかなかできなかった。それが今も収益性の低さ等にもつながっているというふうな指摘もあるわけでございます。

 今まで、先ほども申し上げましたが、受け身で、来た書類を見るプロの人たちが、外を回って、しかもこっちの人とこっちの人をつなげてですとか、事業自体をどうやってというのは、本当に難しい問題だと思います。

 そして、それがたとえできたとしたら、今、マイナス金利、低金利の中で信用金庫等がこういったことをやって、貸し金では収益が上げられないのでこういったコンサル業務をどんどんやっていこうという中で、競合をしてしまうことも考えられると思います。

 ここへの配慮も必要だと思いますが、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 まさに先ほどおっしゃったように、保証協会というのは脇役であります。あくまでも主役は、貸し手側は金融機関ということになるわけであります。

 当然、民業を圧迫するようなことはないように、逆に、例えば信用金庫などとよく連携をして、同じ仲間として企業の経営改善に努めていく、そういう役割を果たすべきだというふうに思っております。

落合委員 この人材の難が出てくるということと民業圧迫については、ぜひ大臣も注視をしていただければと思います。

 今おっしゃりました金融機関との連携ということも、新たに法律にも書き加えられて重視をされていくわけですけれども、この信用保証協会法第二十条の二の中で、「金融機関と連携を図るものとする。」というものが追加がされます。金融機関の連携といっても、これも担当者に任されては大変なことで、いろいろと規定を内部でつくっていかなければならないと思うんですが、どういったことを想定されているんでしょうか。

世耕国務大臣 今回の改正法案で保証協会と金融機関の連携を規定する趣旨は、今後、この保証協会と金融機関の両者が対話をしながら、保証つきの融資と、そして保証のつかないプロパー融資、これをうまく組み合わせていく、そしてリスク分担を進めることで、金融機関がより前に立って中小企業に対する経営支援を行うことを促していきたい、そのことを狙った法改正であります。

 具体的にどういう連携を考えているかといいますと、例えば長期の設備資金については、これは保証つきの融資で対応する。しかし、一方で、追加の運転資金とか、そういったものは短期のプロパー融資で対応する。こういうケースがあり得るかというふうに思います。

 あるいは、保証つき融資とプロパー融資を五対五で組み合わせるようなメニューをつくって新規の保証案件に適用する、こういったこともありますし、こういったことに限らず、さまざまな連携の形があるというふうに思っておりまして、今後、こういった取り組みが全国の保証協会と金融機関の間で幅広く進められるよう、これは金融庁ともよく連携をして、状況のモニタリング等を行っていきたいというふうに思います。

落合委員 今おっしゃったことは理想に近いものだとは思います。

 ただ、対話をする、それから、今でも保証協会の担当者が担当する企業の数というのは物すごく多いわけです。それから、融資の組み合わせといっても、毎年、融資の残高が増減をしてくるわけです。どうやってどういうふうにチェックするか、かなりマニュアルを正確なものを細かくつくらなくてはいけないと思うんですが、参考人に伺えればと思いますが、法改正に当たって、しっかり現実的なマニュアルをつくっていく準備はできているんでしょうか。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 こうしたプロパー融資と保証つき融資の間でどのような形で適正なリスク分担をするか、そのためにどういう対応をしていくかということにつきましては、まず、保証協会に対する監督指針の中でそうした業務について書き込んでいきたいと思っております。

 また一方、最初から、では何割がどうとかというふうにそこまで決めますと、なかなかこれは導入が難しくなりますので、そこは柔軟な形にしていく中で、どういう行動をとらなきゃいけないか、こういう点については、できるだけわかりやすいように規定していきたいと思っております。

落合委員 役人が監督指針を書くというのは大変難しいと思うんですが、これについては、どういうふうに監督指針をつくっていくんですか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるように、我々が実務を常に見ているわけではございませんので、実際の運用が回る形で、中小企業の方々にとって最終的に経営改善につながるような形で、それから信用保証協会と金融機関の間は、本当の意味でちゃんと対話ができるような形で、生きたそういうやり方にしなければいけないと思います。

 これは、いろいろな有識者の意見も聞いた上で、本当に実効性のあるものをつくっていきたいと思っております。

落合委員 ここも一つの大きなポイントだと思います。どんな組織も、新たな業務が加わると、その業務が、上からの指示が全然現実的なものではなくて、組織が混乱するですとか、今までの業務にも支障を来すということは、民間企業でも今まであったことですので、重要なポイントだと思います。

 それから、有識者から伺うということがありましたけれども、銀行業界ですとか銀行側からの話は聞くんでしょうか。

宮本政府参考人 今具体的に、どなたから、どこからというところまでは検討しているわけではございませんが、実はこれまでも、当然ながら、この今回のプロパー融資と保証つき融資とのリスク分担については、金融機関側、保証協会側、あるいは中小企業の方々、こうしたステークホルダーの方々のいろいろな意見をお聞きしていますので、今後も、もしそうした検討のためにいろいろな知恵を拝借するぐらいは、当然、金融機関の方々からも御意見を聞かせていただくことになると思います。

落合委員 ここは緊張感を持たなければならない重要なポイントであると思います。銀行業界にもし丸投げをしてしまった場合は、経験したことがある方々はみんな言っていますけれども、保証協会がやってくれれば自分たちには得になりますので、銀行にとって一方的に都合のいい制度になってしまえば意味がないわけでございます。ここは、公正中立に制度ができるように御尽力をいただければと思います。

 それでは、もう一つの新しい業務として、ファンドへの出資、今まで投資事業というのも行ってきたわけですが、今回、同じように、信用保証協会法第二十条第二項第四号の投資事業のところに、括弧書きのところに、「創業若しくは中小企業者の経営の改善発達を支援するもの」ということで、出資の機能が新たにもう少し範囲が広がるわけでございます。

 この新たに広げる理由、これをお聞かせいただければと思います。

世耕国務大臣 保証協会は、既に平成二十年の法改正以降、いわゆる再生ファンドに対してはLP出資が行えるということになっておりまして、これまでの実績は、累計で二十三件、合計約四・五億円の出資を行っているところであります。

 この再生ファンドに出資したことで、地域の金融機関と再生企業に対する支援方針を合わせやすくなった。例えば、再生後の新会社が必要とする新規資金を入れる際のリスク分担が円滑に進められる。また、間接的な効果としても、保証協会の参画によって、自治体のいわゆる政策などとの連携も深まって、地域の産業政策との相乗効果が発揮をされるといった効果があったわけであります。

 今回の対象範囲の拡大については、この再生ファンドでの実績や効果も踏まえて、そして、各地域から示されてきた、創業ですとか経営改善などの分野に係るニーズに対応して措置することにしたものであります。

 例えば、創業のときにリスクマネーとして出資をすることと、そして運転資金としての融資、これをセットで実施することで、死の谷を越える確率を高める、こういったことができるようになるというふうに考えております。

 こうした取り組みを通じて、保証協会が一層地域の中小企業や地域経済の活性化に貢献していくことが重要だと考えております。

落合委員 長官に伺えればと思いますが、これまで四・五億円ということですが、年間でいうと大体どんな感じなのか。例えばで昨年の数字はどんな感じなのかということと、これまで四・五億円の出資をファンドに行って、回収というのはしているんでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 実行ベースで、二十六年度末に三億円の出資がございました。それが二十七年度末に四・五億円ということで、ちょっとここ一年度限りで恐縮でございますが、一・五億円の出資増、プラスアルファの出資ということになってございます。

 回収につきましては、済みません、ちょっと今手元に数字がございません。(落合委員「大丈夫です、調べてあるので大丈夫です」と呼ぶ)

落合委員 回収は恐らくしていないものと思います。

 そもそも、年間一・五億円というのはかなり少ないのではないかということが一点と、それから、ほかに中小企業基盤機構もありますし、ほかの政府系の機関があるのに、信用保証協会がわざわざ保証にプラスして出資する必要というのはあるのかという問題があると思います。

 金融機関と連携するのであれば、ほかの、そういう出資を専門としている公的な機関、ノウハウがある機関と連携する方がいいのではないかと思うんですが、大臣いかがですか。

世耕国務大臣 やはり自分で出資ができるという選択肢もあるということも、柔軟な対応につながるのではないでしょうか。

 まだ回収していないということですから、これはまさに出資でありますから、企業が健全に運営をされていればそのままずっとつき合い続けるという、今中身がどうなっているか、私は具体的には個別の案件はわかりませんけれども、そういう意味では出資という選択肢も、この、融資を保証するという機能に共存しているというのは私は悪くはないことだというふうに思いますし、現に、再生ファンド、既に平成二十年から可能になっているものは一定の成果を上げているというふうに思います。

 もちろん、これが民業圧迫になることがあってはいけないし、金融機関が出資を希望しているのを、それを押しのけて保証協会が出資しているファンドがやるなんということはよくないというふうに思いますので、それはいろいろな組み合わせでやっていく、その中の選択肢がふえていることだというふうに思います。

落合委員 長官、数字ではなくて、把握されているかを伺えればと思うんですけれども、投資と融資に対する保証というのは、全然分野が、同じ金融ですけれども、民間企業でいうと全然専門性が違うものです。新しい機能をつけ加えて、それで現場というのは混乱していないのか、専門性は大丈夫なんでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 信用保証協会による出資は、まず、事実といたしまして、GPとして、ゼネラルパートナーとしての出資はございませんで、地域の金融機関あるいは中小基盤機構、こうしたところがGPになっているファンド……(発言する者あり)済みません。みずからがGPとしてこのファンドを組んでいるというのではなくて、例えば中小機構のファンド、こうしたところでGPをやっていくことに対してLPとして参加しているということでございますし、それぞれのファンドに占める割合も、平均で一%、それから、各保証協会だと一千万、二千万ということでございますので、もちろん、一定の知見は必要でございますけれども、大きなリスクを負った、みずからのリターンを求める形の出資にはなっていないというところでございます。

落合委員 今おっしゃった、基盤機構がかかわっているところに出資していますということで、基盤機構を管轄しているのも経産省で、保証協会を管轄しているのも経産省で、もう経産省の下に機能を持っているわけですから、だからこそ、やはり自前に持つ必要はないんじゃないかなと、わざわざコストもかけて。そういうふうに私は思います。

 保証するだけより、ファンドに出資していると言った方が、格好よく見えると言ったらあれですけれども、何かそういう乗りでやっているんじゃないかと。それは違いますね。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 乗りでということではございませんで、実際この保証協会は、当然、融資の部分を見ているわけなのでございますけれども、融資と出資、これがシームレスで動くような形にするには、みずからがGPである必要はないんですけれども、地域の金融機関が主体になっているファンドに一緒に出資することで、早期の段階から協調することができるとか、その逆に、融資の後の出資という形で負担を軽減する、こういう事業計画を、これも地域金融機関とともに組んでいけるというこういう効果が非常に多うございますので、これはやはり保証協会としても、出資という形で一部機能を持つことは非常に重要かと思っております。

落合委員 一つ一つが、新しくやるには難しい機能が法改正によってどんどん追加されている。しかも、今までの公的な機能にもあるにもかかわらず、こっちにも追加して、こっちにも追加してと。これは一つの見直しも検討するべきポイントだと思いますので、私もこれは注視をさせていただきたいと思います。

 それでは、何回も今まで話題になっていました一〇〇%保証のあり方について、ちょっと私、今までの委員の方々の更問いの意味も含めて、大臣に御見解を伺えればと思います。

 危機時の保証協会の一〇〇%保証というのは、絶対に必要なものであると思います。危機時に、いい優良な企業であっても、中小企業であったことで一つのものしか扱っていなかったりして、急激に売り上げが落ちたりですとか、それから、金融機関自体が、もうこれ以上貸せない、どうしても金融環境によって姿勢が変化してしまうということで、この危機時の一〇〇%保証を見直すということに関しては、慎重な姿勢で臨まなきゃいけないと思います。

 一方で、今までやっていた小規模事業者への特別小口の保証ですとか、あと、創業時関連の保証についても、枠が大きくなるのと同時に、一〇〇%保証が、危機であっても危機でなくても続くわけでございます。

 本来であれば、特に創業時へのファイナンスなんというものは、本当は民間がどんどんやっていかなければならない。それが理想であるわけですけれども、一方で、先ほどまでの、目きき力が育っていかないというような問題があるわけですけれども、こういう本来の金融機関がやるべきことである創業者に対する融資ですとか小口の融資ですとか、こういうのを一〇〇%保証で続けていく。これはモラルハザードにならないか、一〇〇%保証のままでいいのかどうか。これについて御見解を伺えればと思います。

世耕国務大臣 やはりモラルハザードは防がなければなりませんが、民間の金融機関がなかなか進んで対応をしないような危機的な状況ですとか、あるいは本当の小口の融資に関しては、これはやはり一〇〇%の保証というのは、ある程度残っていないとなかなか経済は回らないんじゃないかというふうに思います。

 先ほどから議論になっていますように、どうしても日本は、諸外国と比べて間接金融に依存する割合が高い。これは日本と韓国ということになりますけれども。そういう中で、やはり非常にある意味金融弱者的なところに関しては、一〇〇%の信用保証というのは残さざるを得ないんではないかというふうに考えております。

落合委員 先ほど金融庁の方々もおっしゃっていましたけれども、ずっとここ何年、十年以上、二十年以上かもしれませんが、金融機関が本来の機能を果たしていないじゃないかということは言われてきたわけです。それで、政府としては何らかの形で、中小企業ですとか小口ですとか創業時の、民間金融機関が対応できていない部分に関して、やはり民間が対応できるように、主役は民間の金融機関が対応できるようにしていかなければならないわけですけれども、ずっと一〇〇%の保証が続いていたらなかなか施策が進まないのではないか。

 例えば、何が有効かはこれは慎重に検討しなきゃいけないですけれども、保証を九五%にするですとか、ほかに施策を打っていくですとか、創業時ですとか小口に対して一〇〇%の保証をこのまま続けていくのではなくて、危機時以外の一〇〇%保証については見直しを検討していくべきだと思うんですが、見直しの検討についてはいかがですか。

世耕国務大臣 やはり、信用保証で今御指摘のように金融機関が育たないとかモラルハザードが起こるということは、これは避けなければいけない。だからこそ、我々は今回、いわゆる五号保証、セーフティーネットの五号、これを一〇〇%ではなく八〇%にすることで、保証つきの融資とそしてプロパー融資がうまく組み合わさった金融が行われるようにというそういう趣旨で改正をさせていただいたわけであります。

 ただ、一方で、やはりどうしても一〇〇%を残しておかなければいけないところというのはあるというふうに思っております。

 だから、そういう意味で、いわゆる小口ですとか、あるいは急激な経営環境の変化に対応するような融資に関しては、これは一〇〇%保証というのは一定程度残していかなければいけないというふうに考えております。

落合委員 そういった中で見直しも検討するということは、危機時以外の一〇〇%保証に対して見直しも検討するということに対してはいかがでしょうか。

世耕国務大臣 今回の法律の中では、セーフティーネット五号ですから、いわゆる不況業種に属した事業を行っている場合、これについては一〇〇ではなくて八〇、これもリーマン・ショック対応で一定の役割を果たした保証制度ですけれども、これを八〇%にさせていただくということで対応をしていきたいというふうに思っております。

 その他については、今回の法改正では見直しは考えていないということであります。

落合委員 危機時の一〇〇%保証は、私は今のところは重要だとは思うんですが、それ以外の一〇〇%保証の見直しについては、ぜひ検討ぐらいはしていくべきであると思いますので、その点を指摘をさせていただければと思います。

 それでは、今回いろいろとこの保証制度について見ていく中で、いろいろな歴史の中で、かなり具体的に、この分野についてはちゃんと保証しますということを経産省は施策を打ってきました。

 それで、今、エネルギーの問題で節電をどんどんしていこうという中で、昭和五十七年にエネルギー対策、オイルショックのためにですけれども、保証の枠がつくられまして、省エネ、それから非化石燃料の設備を導入するときは保証がつきますというのもしっかりもう制度としてあるわけですけれども、今、省エネをどんどん進めていかなきゃいけない、それが中小企業のコストにとってもプラスである中で、実績を見たらほとんど使われていない。全体の総額の中ではかなり少ない金額しか使われていないわけです。

 実際に企業の設備投資によって省エネが進んで電気代が下がれば、これは経営改善につながる、そして国全体のエネルギーの問題についても前進することになると思うんですが、いろいろな分野がありますけれども、特にエネルギーの分野について、こういった制度をもう少し拡充、バーを下げていくことで経産省のほかの分野の施策も進めていくんだという姿勢も必要だと思いますが、大臣いかがですか。

世耕国務大臣 エネルギー対策保険に係る保証制度というのがありまして、これは、中小企業が比較的大規模な省エネ、新エネ設備を導入しようとする場合に、通常二・八億円の保証枠に追加で二億円の保証を可能とするものであります。

 平成二十七年度では百六十二件の利用となっていますが、中小企業が省エネルギー型のボイラー、あるいは太陽光、バイオマス発電設備などを導入しようとする際に非常に有用な仕組みでありまして、保証協会のみならず、商工団体、金融機関とのネットワークを通じて普及を進めることで、中小企業における省エネルギー、新エネルギー設備の導入を支援してまいりたいというふうに考えております。

落合委員 せっかくこういう仕組みがあるのに、余り使われていないのはもったいないものがたくさんほかの分野にもあると思いますので、そこのところは、横の部署の連携をして、ぜひ活性化させていただければと思います。

 これで質問を終わりますが、いろいろ調べてみますと、都道府県ごとにそれぞれ別々の組織です。基幹システムさえもまだ統合が終わっていない。保証の制度も速さも、基幹システムの統合だけで全然変わってくるわけで、二十年ぐらいおくれてしまっていると思います。こういった点も、大臣が今の任にあるうちにどんどん指揮をしていただければと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、真島省三君。

真島委員 日本共産党の真島省三です。

 中小企業信用保険法改正案について質問します。

 まず、前回の続きですが、阪神・淡路大震災の緊急災害復旧資金融資を活用した被災中小業者は、借りた金は必ず返して商売を続けると決意して、営業再建に挑みつつ、身を削って懸命に返してきました。しかし、二十二年がたち、返済が生活費に食い込み、これでは百歳まで返し続けなければならないと、将来不安が広がっています。

 前回の委員会で大臣は、こうした実態について、いま一度よく検証して、必要があれば適切な対応をとるとおっしゃいました。これは、踏ん張ってきた方々に大変勇気を与える答弁だったと思います。

 大臣、確認しますけれども、この検証作業、すぐ着手していただけるでしょうか。

世耕国務大臣 前回の委員会でもお答え申し上げましたが、阪神・淡路大震災の被災中小企業者への対応については、保証協会においてできる限り被災者に寄り添った対応がなされてきたものと認識していますが、委員からの御指摘もございますので、実態がどうなっているか、いま一度の検証に直ちに着手をして、必要があれば適切な対応を検討させていただきたいと思います。

真島委員 阪神・淡路大震災の被災中小業者の皆さんは、その後、金融危機による貸し渋り、貸し剥がし、リーマン・ショック、円高不況、急激な円安による燃料、原材料高、消費税率の五%、八%への二回もの増税、個人消費の長引く低迷、大変厳しい経済情勢に追い打ちをかけられてきました。震災当時は働き盛りだった方も高齢になって、親子二代にわたって債務返済が続いていることが事業承継も阻害しております。

 ところが、災害援護資金は資力調査で債務免除というのがあるんですが、事業資金にはそういう仕組みがありません。今こそ、グループ補助のような直接支援がなかったという阪神・淡路大震災の特別の事情を踏まえた対応も検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 まずはやはり、二十二年が経過した今も阪神・淡路大震災の影響で非常に苦しい経営状況にいらっしゃる方に関して、私も胸を痛める思いであります。

 被災した個人への貸付制度である災害援護資金は債務免除となる一定の要件が決まっていることや、阪神・淡路大震災の当時にはグループ補助金などの政策支援ツールがなかった、これは確かでありますけれども、これまで信用保証協会において実態に応じてできる限り被災者に寄り添った対応がなされてきたのではないかなというふうに思います。

 政府としては、信用協会に対して、回収先である債務者の再起を支援する対応や、回収時において債務者の資産、収入を踏まえたきめ細やかな対応を行うことを監督指針などを通じて求めてきているところであります。

 これを受けて、各保証協会では、代位弁済後も事業を継続しながら誠実に返済を行っていただいている場合は、事業再生を支援して金融機関との取引を再開させるという対応ですとか、あるいは、事業を継続していない、もう廃業されてしまっても、誠実に返済してきた債務者からの申し出であって、その資力に応じた一定の弁済がなされた場合には、残りの債務保証の免除を行うなど、個々の債務者の実情に応じた柔軟な対応を進めてきたところであります。

 いずれにしても、委員からの御指摘もいただいておりますので、いま一度の検証には直ちに着手をして、必要があれば適切な対応を検討してまいりたいと思います。

真島委員 ぜひよろしくお願いします。

 次に、発災後一年たった熊本地震の被災事業者のなりわいの再建の問題です。

 昨年十月の当委員会で取り上げたので大臣も覚えていただいていると思いますが、宇土市の中華料理店のSさんの事例ですが、私、先日、地震から一年たって、四月にお会いしてきました。地震から一年後のオープンを目指して、グループ補助金も決まって必死でやってこられたんですが、まだ現場は更地でした。鉄骨の建物なのでもともと受注できる工務店が少なかったそうですが、まだ建設工事を請け負う工務店が見つからないというんです。先日は鹿児島まで行って頼んで回ったけれども見つからない。九州じゅうを探し回っているということなんです。

 国交省にちょっと聞きたいんですけれども、熊本は今、復旧復興需要で工務店も職人さんも足りなくて、被災者みずからが再建のための業者探しに県外まで走り回っているという実態があります。現地のニーズをつかんで、被災者、被災中小業者に建設業者の情報を提供できる仕組みを講じ、住宅や店舗等の再建を後押しすべきだと思うんですが、どうでしょうか。

海堀政府参考人 お答え申し上げます。

 熊本地震で被災した住民や中小企業の方々が一刻も早くもとの生活を取り戻すためには、住宅や店舗の迅速な再建が不可欠です。

 国土交通省では、これまで、被災地における復旧復興工事の円滑な施工を確保するため、昨年六月には、官民、建築土木を問わず、資材、労働力の需給状況あるいは課題等について把握、共有する復旧事業円滑化官民ネットワークを設置しています。また、ことしの一月より、国、地方公共団体等の発注見通しを統合したり、二月には、復興係数、復興歩掛かりを導入する、あるいは、三月には、公共工事の設計労務単価の引き上げなどを実施してまいりました。

 また、住宅につきましては、被災者が早期に補修できるよう、被災住宅の補修工事に対応できる九州各県の事業者をリスト化し、国土交通省の依頼を受けました住宅リフォーム・紛争処理支援センターのホームページにおいて情報提供をしているところです。

 加えて、地域の特性に合った住宅を再建するため、工務店や設計事務所等の団体から成る熊本県地域型復興住宅推進協議会を設置され、熊本型の復興住宅、これは地域の県産材などを活用するものでございますが、そういった地域の工務店グループやそのプランを取りまとめて住宅相談を承るなど、地域の住宅生産者による供給を促進しております。

 グループ補助金を活用しました店舗の再建につきましても、地元の地方公共団体や建設業団体とも連携しながら、今後、どのような対応ができるか検討してまいりたいと考えております。

真島委員 熊本でも足りなくなっている、九州じゅう探してもなかなか見つからないという現実があるんです。

 Sさんは、グループ補助金の自己負担分四分の一と、一旦全額を立てかえなければいけない四分の三の補助金分をどのタイミングで借りるのか、ぎりぎりで借りるようにしないと金利負担も膨らんで返済が大変になる、とにかく工務店が決まらないと前に進めないんだというふうにおっしゃっているんです。

 ここは非常に大きな中華料理店で、今、宇土市にはほかにまとまって宴会ができるところがない状態なんです。だから、みんな宇土市の皆さんは隣町の宇城市まで行って宴会をしている。早く再建して町ににぎわいを取り戻したいんだ、市長さんも、早く再建してほしいということでおっしゃっているんです。

 大臣にお聞きしますけれども、せっかくグループ補助などの支援制度を使って事業を再建しようと頑張っている中小業者の皆さんが、建設業者不足で前に進めない、この現実を放置していいのかと思うんです。経産省としても、国交省に声をかけて、解決のために連携すべきだと思いますが、どうでしょうか。

世耕国務大臣 熊本県では、建設業の人手が非常に不足している中、せっかくグループ補助金の交付決定を受けたにもかかわらず、建設業者が見つからないことで工事が未着工の状態にある事業者、これが相当程度存在しているということは我々としても把握をしております。

 我々も、こういった復旧工事のおくれについては、国土交通省を初めとする関係省庁や熊本県庁とも連携をして、被災事業者に寄り添って対応してまいりたいと思いますし、どうしても工事業者が見つからないためにグループ補助金が使えないという人たちに対しては、繰り越し等によって柔軟に対応もしてまいりたいというふうに考えております。

真島委員 被災事業者に最後まで寄り添うというふうに繰り返しおっしゃっておりますので、政府として、こういう実態を迅速につかんで、必要な手だてを機動的に講じていただきたいと思います。

 次に、法案について、不況業種を対象にしたセーフティーネット保証五号の保証割合、今回、現行の一〇〇%から八〇%にする問題です。

 まず、中小企業の四割、約百三十八万者が利用しております信用保証制度が果たしてきた役割についてお聞きします。

 保証を利用する中小企業のうち、従業員五人以下の小企業者が占める割合は幾らでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 信用保証制度を利用する中小企業のうち、従業員五人以下のいわゆる小規模事業者が占める割合は、約七五%となっております。

真島委員 小企業者の利用割合は七五%と非常に高いんですが、これは、規模が大きい企業ほど保証に頼らなくても金融機関から融資が受けられるということなんです。

 信用保証の利用先を従業員規模別で見たときに、融資全体のうち、信用保証つき融資が占める割合を、従業員ゼロ人から五人、六人から十人、十一人から二十人、百一人以上の区分で見たとき、それぞれどれだけなのか、御紹介ください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 信用保証について、プロパー融資がなく保証つき融資のみの割合ということで申し上げますと、従業員ゼロから五人の区分では六五%、六から十人の区分で四六%、十一から二十人の区分で三六%、少し飛びまして、百一人以上の区分では一二%となってございます。

真島委員 今御紹介いただいたように、従業員規模が小さいほど保証つき融資の割合が高く、ゼロから五人では六五%と、小さい企業ほど保証がなければ融資を受けられないという状態です。

 規模の小さい事業者にとって、信用保証はまさに資金繰りの命綱だと思いますが、大臣の認識を改めてお聞きします。

世耕国務大臣 小規模事業者の経営の特徴として、資金力に乏しい一方で、非常に差別化された商品、サービスの一点で勝負をしている、そういう場合も多くて、こうした場合、たった一度の不良品を出したことで経営はたちまち急変をして、再びもとの状態に戻るためには時間を要するといった、そういうリスクを抱えているというふうに思います。

 このため、金融機関にとっては、例えば、事業性評価融資を行って、その後、適切に期中管理をしていたとしても、ささいなことで経営が急変することから、十分な資金供給を行いにくいというのが実態だというふうに思っています。

 このため、資金繰りを支える信用保証制度は、こういった信用力の乏しい小規模事業者にとっては非常に重要な制度だと考えております。

真島委員 小規模企業振興基本法は、従業員五人以下の事業者を小企業者と定義しています。「小企業者がその経営資源を有効に活用し、その活力の向上が図られ、その円滑かつ着実な事業の運営が確保されるよう考慮されなければならない。」と規定をしております。

 災害や不況など外的要因の影響を受けやすいからこそ、命綱を太くして、安定した支えとなるものにしなければなりません。

 過去の大規模な経済危機や災害時、この命綱がどんな役割を果たしてきたのか。一九九八年の金融システム危機時の金融安定化特別保証、二〇〇八年のリーマン・ショックに端を発した世界的な金融経済危機に対応した緊急保証と、それに続く景気対応緊急保証の保証承諾件数及び金額と、倒産回避件数の推計値をお示しください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、一九九八年の金融システム危機時に金融安定化特別保証というのがございまして、累計で、保証承諾件数が約百七十二万件、保証承諾額が二十八兆九千四百三十七億円、そして、倒産回避件数については、約九千六百件と推計されております。

 続きまして、二〇〇八年のリーマン・ショックに端を発した世界的な金融経済危機に対応した緊急保証、それに続きます景気対応緊急保証については、累計で、保証承諾件数が約百五十万件、保証承諾額が二十七兆二千百六十二億円、そして、倒産回避件数については、約一万六千百先と推計されております。

真島委員 五月十七日の参考人質疑で全国中小企業団体中央会の大村会長が、セーフティーネット保証を危機を支える最後のとりでだと評されましたが、本当にそのとおりだと思います。

 緊急保証は、もともと、原油、原材料価格の高騰の影響を受ける業種をセーフティーネット五号の不況業種として指定する形でスタートをし、その後、リーマン・ショックに対応するために全ての業種が対象に指定され、二〇一〇年二月に景気対応緊急保証と名前を変えて、二〇一二年十月末まで全業種対応が継続し、激変緩和のためのソフトランディング措置が講じられた後、二〇一四年三月から平常時の運用に移行しております。

 この緊急保証と景気対応緊急保証を実施してきた二〇〇八年度から二〇一三年度にかけてのセーフティーネット保証全体の保証承諾額と五号の保証承諾額、全体に占める割合はどうなっているでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、二〇〇八年度から二〇一三年度にかけてのセーフティーネット保証全体の保証承諾額は約三十六兆八百十三億円であり、これが全信用保証に占める割合は四五%となっております。

 同じ期間で、セーフティーネット保証の五号についての保証承諾額は約三十五兆四千四百九十五億円、全信用保証に占める割合は四四%となっております。

真島委員 六年足し合わせますと、総保証承諾額は三十六兆八百十三億円、そのうちセーフティーネット五号は三十五兆四千四百九十五億円ということで、九八・二%を占めているんです。セーフティーネット保証全体のうち、利用されているのは圧倒的に五号なんです。

 現在、五号保証の対象業種の数は幾つでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 対象業種の数は、全業種が今千百三十八業種ですが、そのうちの二百四十七業種となってございます。

真島委員 今おっしゃったように、今、全業種のわずか二割ということになっています。

 ソフトランディング措置が終了して指定業種が絞られた二〇一四年度には、セーフティーネット保証の利用が一気に前年度の三分の一に激減をいたしました。指定業種を減らした上に、保証割合を全額保証から八割の部分保証に引き下げる、これでは、私、制度があっても使えなくなるという不安の声が上がるのは当然だと思うんです。

 五号保証の利用が最も多い業種は建設業、全体の三割を占めています。続いて、医療・福祉が二〇%、製造業が一八%、小売業が一二%です。建設業の業界紙でも、この部分保証化が中小建設企業の資金繰りに大きな影響を与えることになると報じております。

 なぜ、我が国で信用保証制度は資金繰りの命綱と呼ばれるような存在になっているんでしょうか。中小企業が信用保証をしている割合、日本では約四割ですけれども、米国、イギリス、ドイツ、フランス、何%でしょうか。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 今委員が言われた数字と少し別の観点で大変恐縮なんですが、中小企業信用保証の利用割合を仮に中小企業向けの貸出残高に占める保証債務残高の比率という観点で見てみますと、我が国では一一%、他の国で見ると、米国が一二・四%、イギリスは一%、ドイツは二%、フランスは六・二%となってございます。

真島委員 金額ベースで言われたんですが、件数ベースで見ると、米国が一・一一%、イギリスが〇・一五%、ドイツが〇・〇三%、フランスが三・三二%という資料が出ております。

 そもそも、我が国で信用保証制度の利用割合が突出して高い、資金繰りの命綱になっているというのは、民間金融機関が担保、保証依存の金融姿勢が強い、担保力や信用力が不足している中小・小規模事業者が必要とする融資に消極的だからということではないんでしょうか。

世耕国務大臣 この一〇〇%を保証するセーフティーネット保証は、急激な景気の後退期ですとか自然災害等における当面の中小企業の資金繰り改善や資金調達の円滑化に寄与してきたというふうに認識をしております。

 とりわけリーマン・ショックのときには、不況業種向けの一〇〇%保証であるセーフティーネット保証五号の対象を順次全業種に拡大することで対応したため、一〇〇%保証の利用割合が高まりまして、保証承諾全体の六〇%になりました。

 一方で、景気が持ち直して以降は、この割合が急速に下がってきていまして、足元では約五%になっています。

 このように、個々の中小企業者ごとで状況は異なるものの、総じて言えば、平時においては、一〇〇%保証を前提としない民間金融機関の融資が大部分を占める状況ではないかと認識をしております。

真島委員 突発的なことに対応するための一〇〇%保証だとおっしゃっているんですが、中小企業景況調査の中小企業の資金繰りDI、これを見ますと、直近二十年間で、上下はありますけれども、ずっと二桁のマイナスが続いているんです。ですから、中小・小規模事業者の資金繰りを下支えしてきたのは間違いなく信用保証だと思うんですね。

 では、この不況業種を対象にしたセーフティーネット保証五号の保証割合を現行の一〇〇%から八〇%にする理由について、改めてお聞きします。

世耕国務大臣 このセーフティーネット保証五号は、不況業種に該当する中小企業が経営改善や事業転換などに取り組む際に必要となる資金繰りを支援する制度であります。

 一方で、一〇〇%保証をずっと継続することになりますと、金融機関が過度に信用保証に依存することとなって、かえって中小企業の経営改善や事業転換などが進まない場合もあるという指摘があるわけであります。

 こうした問題意識から、今回の見直しにおいては、金融機関がより前面に立って経営改善や事業転換等が促されるよう、セーフティーネット保証五号の保証割合を八〇%とすることとしております。

 大規模な経済危機などに備えたセーフティーネット保証の創設、そして小規模事業者向けの一〇〇%保証の支援拡充も行うなどの総合的なパッケージで、円滑な資金繰りと中小企業の経営改善や生産性向上の促進の双方を両立していきたいと思っております。

真島委員 一〇〇%保証の信用保証制度があるために金融機関のモラルハザードが起きるんだという指摘があると。指摘があると、ずっと、何を見ても書いてあるし、おっしゃるんです。

 一〇〇%保証の信用保証制度があるおかげでそういうモラルハザードが起きているという具体的な証拠は何なんでしょうか。

世耕国務大臣 金融機関の対応にはばらつきがあるものの、一般的に、融資の全てを一〇〇%保証で保全している場合には、融資先の中小企業に対する期中管理ですとか業況が悪化した場合の経営支援が行われないことが多いという実態がある、そういうふうに認識をしております。

 特に、実例としては、リーマン・ショック時においては、一〇〇%保証であるセーフティーネット保証五号の対象を拡大する措置を長らく、約四年間にわたって実施をしたことなどによって、借入金の返済期日の延期など貸し付け条件の変更を行う企業が著しく増加をして、その後も、金融機関から適切な支援を受けられず、条件変更を繰り返す企業の数が依然として高い水準となっていること、これが一つの証拠ではないかというふうに思っています。

 いわゆる返済期日の延期という意味でリスケといいますが、これを行った企業というのは、リーマン・ショック前は十・二万先であったわけですが、現在は十七・五万件ということになっているわけであります。

真島委員 それが信用保証制度があるからそうなっているんだという、そこのところが何度お聞きしてもよくわかりません。

 もともと信用保証制度は、市場原理から排除されるような、経営基盤が脆弱で、担保もないし信用力もない、だから通常では金融機関からお金を借りることができないというリスクの高い企業に対してどうやって円滑な資金供給を実現できるのかということが目的になっています。

 その信用保証制度が本来の機能を発揮すればするほどモラルハザードが起きているんだと言ってしまったら、信用保証制度そのものを否定してしまっていることになるんじゃないですか。

世耕国務大臣 いや、そんなことはないですね。

 ですから、経営環境の急激な変化に備えたセーフティーネット保証というのはいろいろなパターンがあるわけで、そういったものもしっかり継続をしているわけでありますし、今回、危機対応というのも追加をしたわけでありますから、当然、信用保証といったものの機能はしっかりとこれからも果たされていくものだというふうに考えております。

真島委員 なかなか、いろいろお聞きしていると、すかっとわからないんですよ。それは、私は、何か本音を隠してやろうとしているからじゃないかなというふうに思うんです。

 結局、経産省は、この間、信用保証の利用を減らしたい減らしたいという動きをしてきました。

 これまでも信用保証制度への部分保証の導入を広げてきたわけですが、二〇〇六年に、借り手のリスクが高いほど保証料率を高くする仕組みを入れました。二〇〇七年は、一般保証を全額保証から八割保証にする責任共有制度というのを導入し、今、制度上はこれが基本になっているわけです。二〇一五年、一昨年は、中小企業信用保険法の改正で、NPOを信用保証の対象に追加するということにあわせて、条文上は特別小口も部分保証にできるというものに変えてしまいました。

 ただ、当時、私質問したんですが、当時の宮沢大臣は、特別小口保険等は引き続き一〇〇%保証として運用していきますと約束をされました。同時に、繰り返し私がただしたのに対して、これは非常に重い答弁だと思ってくださいというふうにおっしゃいました。

 責任共有制度要綱では、特別小口やセーフティーネット保証を部分保証の対象外とするのはあくまで当面の間だとされています。特別小口保険等は引き続き一〇〇%保証として運用していくという当時の宮沢元大臣の約束、当然、世耕大臣も守っていただけると思うんですが、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 当然、前々大臣の答弁はしっかり維持していきたいと思いますし、今回の見直しにおいては、維持どころか、特別小口保険の限度額を拡充するという対応もとらせていただいているわけであります。引き続き、資金力に乏しい小規模事業者の資金繰りをしっかりと支えてまいりたいと思います。

真島委員 確認していただきました。

 二〇一五年の当委員会でも指摘したんですが、中小・小規模企業者の資金繰りの命綱、セーフティーネット五号保証の部分保証化、これは、法律も変えずに、経産省のさじかげん一つでこの部分保証化ができる、そういう仕組みになっていること自体、私、問題だというふうに思うんです。

 法案の提案理由の中に、「中小企業がライフステージの中で必要とする多様な資金需要に対応できるものとしていくことが重要」だと書いてありますけれども、これは、ライフステージに即して保証割合を変えるということなんでしょうか。ちょっとこれは質問通告していませんが。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 必ずしもそれが保証割合自体をライフステージに応じて変えるということに直結しているわけではございませんで、例えば、創業時、あるいは、その後の成長期、それから、多少業績が悪くなったとき、さらに、悪化して再生したとき、再生が必要なとき、あるいは、事業承継、廃業のときと、それぞれ資金ニーズ、それは額もありますし、期間もありますし、そういうのが変わってきますので、それに少しでもきめ細かく応じられるような形にしていきたいということでございまして、保証割合以外にも、保証のメニューをふやすとか、先ほど来お話のあります経営支援、経営改革を支援していく、こうしたことも含めての対応と考えております。

真島委員 必ずしもとおっしゃったけれども、否定はされませんでした。

 二〇一五年十一月の金融ワーキンググループの会議で、全国信用保証協会連合会が提出した資料の中に「業歴別の利用状況」というのがあります。これを見ますと、私もびっくりしたんですが、十年以上信用保証を使い続けている企業が何と八〇%近くもある。これを見たら、ライフステージ論という、このイメージ図というのは、大多数の中小企業の実態とかけ離れているんじゃないか。信用保証というのは、冒頭にやりとりしましたように、四割近くの中小企業が利用している、そのうちの八割が十年以上も使い続けている、本当に命綱になっているんですね。だから、ライフステージと、あんなきれいな絵で成長、発展している企業というのはほとんどない。

 金融ワーキンググループのヒアリングでも、中小企業団体、現場の要望は、セーフティーネット保証五号に責任共有制度が導入されれば、金融機関による貸し渋りも懸念されると、これは全国商工会連合会の方がおっしゃっていますが、セーフティーネット保証や特別小口保証は維持拡充してほしいというのがそろった御意見でございました。

 もう時間が来たので終わりますけれども、信用保証制度の維持拡充とともに、小規模な資金需要への迅速な対応、金利、保証料の負担軽減、返済条件の弾力化など、きめの細かい対応を求めて、質問を終わります。

浮島委員長 次に、木下智彦君。

木下委員 日本維新の会、木下智彦です。

 本日もお時間いただきまして、ありがとうございます。

 まず最初なんですけれども、おととい、この法案について参考人質疑がありました。それで、いろいろな立場の方が来られていました。政策金融公庫であるとか全国信用保証協会、それから弁護士の方であるとか、全国地銀協会それから中小企業団体中央会のそれぞれの代表の方々が来られていました。

 皆さんに聞いたんですけれども、おおむねこの法案について賛成というのか、非常に前向きに考えられている。もっと何というんでしょうね、懸念点が出てきたりとか大きな要望があったりするのかなと。まあ中小企業団体中央会の方はちょっと、先ほどの共産党の方と同じように、八〇%にせずに一〇〇%残しておいてほしいであるとかというようなことは言われていましたけれども、言いながら、今回の法律改正案については非常に期待を持っていらっしゃるような、そういう形の御意見が多かったなというふうに思うんです。

 私は、例えば地銀の方なんかは、だって保証があるんだから、それをとやかく言わないでくれよ、プロパー融資を自分らでやるからと言うのかなと思ったら、お立場もあるんだろうと思うんですけれども、余りそういうふうな話も言わず、逆に言うと期待薄だったんですけれども、そうはいいながら、非常にいいなと、私の考えている考え方、今回のこの法案に対する考え方とよく似ているなというふうに思ったんです。

 そんな中でちょっと話をさせていただいたんですけれども、これからの保証制度のあり方、先ほど、朝、福島委員もちょっと触れられていたかと思うんですけれども、これからの保証制度のあり方というのをもう少し根本から考えてみる必要はあるんじゃないかなと。この法案自体はそんなに大きく問題はないのかなと私は思うんですけれども、それで、たまたま福島委員が出されていた資料、もう多分皆さんも手元にもないかもしれませんけれども、中小企業向けの貸し出しの比率。欧米、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、韓国、日本という形で貸出残高を見てみると、アメリカであるとかドイツ、フランスは、イギリスもそうですね、二〇%前後で貸出残高の割合がある。それに比して韓国、日本は、韓国は七四%、日本は六五%。残高もそれなりに大きくて、全企業向けの貸出残高で比してみても、日本、韓国は結構大きい。

 貸出残高もそうなんですけれども、これもちょっと口頭で申しわけないんですけれども、保証の規模、割合を見てみると、件数ベースでいうと、国の規模にもよるんですけれども、二〇一四年の数字、アメリカが六万四千件弱、ドイツが六千五百ぐらい、フランス八万六千、英国二千七百、韓国は六十六万件、日本が七十一万五千件。件数でも桁がちょっと違うんです、一桁。それで金額でいっても、これは円ベースでいくと、アメリカ八兆円、ドイツが七千億円、フランス一・六兆円、イギリスが千三百億円、韓国は六千八百億円、日本が二十七兆円。結構すごいんですよ。これが悪いのかどうか。もうちょっと言うと、そうだな、まあいいや。それぐらいの感じなんです。GDP比で見てみても相当高い比率だ。

 これが果たしていいのか悪いのか、これは非常に難しい判断だと思うんです。

 ただ、保証制度のあり方自体を考えたときに、果たしてどっちの方向に行くのが理想なのか。これがやはり定まっていない中で、この保証制度をこれからどうしていくのか、今の状態であるべきなのかどうなのか。これを論じるというのは非常に難しいと思うんです。

 なぜならば、こうやって残高はこういうふうにしてあります、保証の割合が大きいです、だから日本はうまく回っているんだ、中小企業の数も多いし、そして日本の経済を下支えしているのは中小企業だから、しっかりそこを特徴的に捉えて、こういう保証制度が充実しているからいいんだということも考えられるし、いやいや、そうじゃなくて、しっかりもっと民間の金融機関が頑張ってプロパー融資をどんどんやって、お金の流れも非常に円滑に積極的に動いていく、そういう方が経済が発展するんだ。これ、どっちが結論なのかがどうも私もわからないんです。

 経産省さん、そして大臣、どう思われているか。この今の保証のあり方、これだけ過度に、過度にと言ったらあれですが、ほかの国とも比して大きな割合でやっている。これが本当にいいのかどうかというところは、大臣、何か御意見ありますでしょうか。

世耕国務大臣 やはり、日本がなぜ信用保証の残高がこれだけ大きくなっているのかというのは、先ほども申し上げましたけれども、まず一つは、全融資に占める中小企業向けの融資が七割、日本と韓国がやはり突出して高い。この高い日本と韓国は、やはり一〇〇%の保証を行っている。そういうことと関係をしているのかなというふうに思います。

 これは結構長い歴史があるんだろうと思うんです。日本の産業構造の、もともと国民の高い貯蓄率をバックにして、護送船団方式で守られた大銀行がお金をうわっと集めて、そしてそれが融資をして、経済を回して高度成長を実現していった。今度は地銀も同じようなビジネスモデルで地方の中小企業にお金を供給していった。その歴史がずっとあるんだろうというふうに思っています。

 ですから、日本の特に中小企業の金融に関しては、非常に融資の比率が高い、出資よりも高いということだというふうに思います。

 そのことが、どうしても融資というのはリスクマネーになりませんから、エクイティーの、出資の方がやはりリスクをとるお金になるわけですから、どうしても安全重視のお金の比率が高いということが、私は、日本の開業率、廃業率ともに低い一つの原因になっているのではないかというふうに思います。

 では、突然ここでいきなりハンドルを切って、規制を何かかけてこの信用保証制度そのものを根本から崩してしまうと、これはまた副作用も非常に大きいわけでありまして、徐々にやはりエクイティーをもっと活性化していかなければいけない。ベンチャーキャピタルのようなものがもっと元気に、もっと大規模に活動できるようにしていかなきゃいけない。それによって開業率、廃業率をともに上げていかなければいけない。

 そっちの方向へ徐々に向けていかなければいけないというのが私は方向感だというふうに思っていますし、今回の法改正もその方向感に立って、しかし激変は起こさずに、そして、特に小口の人たちはしっかりと守るという精神は維持しながら一歩改革を進めたということかなというふうに思っております。

木下委員 ありがとうございます。

 非常に今の大臣のお話、私が言うのも僣越ですけれども、うれしいなと。大きな方向性をしっかり今のは示していただいたんだというふうに思うんです。

 というのは、やはりわからないんですよ、こういうふうにしたら経済がうまくいくのかどうか。徐々に徐々にやっていかなきゃいけないことは確かだと思うんですけれども、その方向性も今までは大きく示されていなかったと思うんです。そして、特に経済界なんかであるとか学問の世界の中ではそういうふうなことは割と言われていたかと思うんですけれども、政治家が、こういった政治の場、そして行政の場でそういうふうな形をとって方向性を示していくということがなかなかできなかった。これが今回大きなポイントだし、それを先ほどの大臣の御答弁が如実にあらわしているのではないかなと。

 多分、十年前の大臣だったらそういうことは言われなかったんじゃないかなというふうに、思っていても言わなかったんじゃないかなと思うので、非常にうれしいなというふうに思いました。

 まあ、そうは言いながら、大臣も言われているように、急にそうはできない。だからいろいろなことをこの中でも書いてあるし、セーフティーネットみたいなものをしっかりと充実は確保しなきゃいけないというのはここの中にも盛り込まれていると思うんです。

 これもこの法案を審議されてからいろいろな方々が言われていたところで、私も同じ話を聞いて非常にちょっと申しわけないですけれども、例の大規模な経済危機、このところで、きょうもそうだったんですけれども、阪神大震災は入っていないというふうにおっしゃられていたんです。何でなんだろうなと。私なんかは、大阪におりまして阪神大震災を経験した口なので、何でなんだろうと思ったんです。大規模な金融収縮がどうたらこうたらとかいろいろ言われていたんですけれども、その定義、それから、どういった場合に発動するのかというところを、もう一度ちょっとお答えいただけますか。

吉野政府参考人 お答えをいたします。

 今回創設いたします新たなセーフティーネット保証でございますけれども、リーマン・ショックや東日本大震災のような大規模な災害等で突発的な事態により著しい信用収縮が全国レベルで生じた場合に、業者、地域を問わずに直ちに一〇〇%保証を実施するものということでございまして、繰り返し御答弁申し上げておりますけれども、リーマン・ショック、東日本大震災と同程度に資金繰りDI等の指標が短期かつ急速に低下する場合にということでございます。

 それで、少し具体的に数字を申し上げますと、あの金融システム不安のころ、平成九年の十―十二月期から平成十年の一―三月期で資金繰りDIがマイナス三・六%ポイント下がっている、それから、リーマン・ショックの折には前期からマイナス三・二%ポイント下がっている、東日本のときにもマイナス四・六%下がっているということで、こうした形で全国規模で信用収縮が起こっているということが見られるのは、こうしたケースということでございます。

 他方で、今手元に数字はないんですけれども、神戸の地震の際にはここまで行っていなかったのではなかろうかというふうに思います。

 ただ、他方で、それぞれの局地的な災害に対しましては、熊本のケースなどもそうですけれども、セーフティーネット四号ということで、地域特定のセーフティーネット保証制度がございますので、そういうものを適用しているということでございます。

木下委員 大体はわかるんですけれども、ちょっと言葉のあれで申しわけないんですけれども、大規模な金融収縮が認められた場合というような感じのことを言われたんですけれども、私、これじゃだめだと思っているんです。大規模な金融収縮が明らかに予見される場合、私はこうするべきなんじゃないかなと思っているんです。

 というのは、もう資金繰りはあっという間に、特に中小企業の場合はだめになってしまいます。一気に銀行が引きます。これを考えると、何かが起こったときに先に手を下すのは金融機関、それより先にこの法律をばちんとやらなきゃいけないから、だから私は聞いたんです、定義と発動はどうするの。これがないと全く意味をなさないんだというふうに思っているんです。

 だから、阪神大震災がどうだとかということは、これはある程度の指標というのを、本当はやはりしっかり線引きをしなきゃいけない。今の形でいうと、現象面でこうだった、どうだったということになるんだけれども、これも福島委員が同じようなことを言っていましたけれども、一旦はばちっと決めておいて、それから、後を直していく。

 これは今まで国の政策では難しかったと思うんです、当然。一遍やっちゃうと、私も私も、急にやめると言ったら、いややめないでくれという陳情が大きい。ただ、そういうものだというふうな形に変えていかなければ私はだめだと思っているので、一旦ばちんとやってしまう。予測できるんだったらやってしまって、後でしっかり調整していけるようなそういう形をするために、定義それから発動のやり方、これを少し考えていただきたいなというふうに思いました。

 ちょっと早く終わりたいなと思っているので、もう一個だけ質問して終わろうかなというふうに思っているんですけれども、創業チャレンジの理想像というところでちょっと話を聞きたいんです。

 これはなぜかというと、ちょっと前にも言ったんですけれども、本当にしっかり経営できる資質を持った人、それから、そういう事業性のあるというふうに認められるところは、おとといの地銀の協会の方も言われていましたけれども、そこには、彼らの立場でいうと、金利をうまくやって、はっきり言えば別に保証も要らないし、とは言わなかったですけれども、そうであるかのような言い方をしましたけれども、保証も要らないし、政府系の金融機関からの融資なんかも要らない、自分たちが見つけてきて、そして、自分たちがその地域で一緒に発達していくんだというのが理想像だと。私もそういうふうに思います。

 そういう意味では、この創業チャレンジというのを、呼び水をつくるのはあれかもしれないですけれども、ここをどういうふうにそういう人たちの意識をそがないようにして、民業を圧迫せずにやっていくか。これは非常に難しいと思うんです。

 実際に、そういうことに対してどういう歯どめをかけるのか。これは何らかの方策を考えられているかどうか。これだけお答えください。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員がおっしゃられましたように、各金融機関において、創業された企業の将来性だとか事業性だとかをしっかり評価をされて、リスク分しっかり金利を取って融資をしていかれる、これは理想の姿かと思われますけれども、他方で、幅広い創業の実態を踏まえますと、現状では、創業者は手元資金、信用力に乏しい上に、過去の財務データ等がないために、金融機関は事業リスクを判断できず、融資をちゅうちょし、十分な資金を調達できないのが実態となっているというふうに思います。

 また、仮にある程度の資金を調達して創業したとしましても、事業が軌道に乗り、安定的な収入を得られるようになる前に運転資金が枯渇する、先ほど来ありますけれども、死の谷に断念することも多いことから、創業におきましては信用保証制度は引き続き重要というふうに考えております。

木下委員 ありがとうございます。

 要するに今の話だと、銀行もっとしっかりしろよという話だということ。それから大臣が言われているように、やはりエクイティー、投資の方、そっちの方を充実していかないとこの構造は直っていかないんだなというふうに思いました。

 きょうはもうこれで以上にしたいと思います。ありがとうございます。

浮島委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。畠山和也君。

畠山委員 私は、日本共産党を代表して、中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。

 信用保証協会が、信用力、担保力の弱い中小企業の公的保証人として金融機関との橋渡しを行う信用補完制度を、中小企業の四割、約百三十六万者が利用しています。その八割が従業員五人以下の小企業であることは、担保に依存しがちな民間金融機関が中小企業向け融資を減らしてきた中で、この制度が、まさに資金繰りの命綱としての役割を果たしてきたことを示しています。

 中でも、取引先の倒産や災害に見舞われた特定中小企業を対象としたセーフティーネット保証は、突発的な経営環境悪化に苦しむ中小企業にとって、まさに最後のとりでともいうべき存在です。

 本法案は、特別小口保証や創業保証の融資上限の引き上げという拡充策と引きかえに、セーフティーネット保証の大宗を占める五号保証を全額保証から部分保証へと大改悪しようとするものであり、断じて容認できません。

 二〇〇七年十月の責任共有制度導入以来、保証割合が引き下げられた一般保証の利用は大きく減少しています。緊急保証として全業種を対象としたセーフティーネット保証五号により、一万六千先を超える倒産が回避されたことをきちんと評価すべきです。

 民間金融機関による事業性評価の取り組みや経営者保証ガイドラインの活用の取り組みも緒についたばかりの今、セーフティーネット保証五号に部分保証を持ち込むことは、中小企業の資金繰りの命綱を断つことになります。

 さらに問題なのは、これを突破口に、特別小口や他のセーフティーネット保証にも部分保証が導入される危険性が一層高まることです。

 責任共有制度要綱では、特別小口などを、当面の間、部分保証の対象外としているにすぎません。経産省は、部分保証が原則で全額保証は例外との方針を掲げており、今後、部分保証の対象拡大や、保証割合の引き下げに向けた議論が加速することは明らかです。

 セーフティーネット保証も含め信用保証制度全体の拡充を、これが中小・小規模事業者の切実な声です。官公需の拡大による仕事起こし、強化された下請二法の運用基準の実効性を高めることにより、地域経済と雇用を必死で支える中小・小規模事業者を支える方向へ施策を大きく転換すべきであることを最後に指摘し、反対討論といたします。

浮島委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、吉川貴盛君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。北神圭朗君。

北神委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 中小企業に対する金融機関の経営支援を促すため、信用保証協会及び金融機関の連携により、保証付き融資及びプロパー融資の適切な組み合わせによるリスク分担を一層推進するとともに、金融機関のリスク分担状況について、モニタリングの実施等により、その実効性の確保に努めること。

 二 金融機関において、目利き力を持った人材の育成・確保等により、適切な事業性評価に基づく融資能力の向上が図られるよう、必要な支援及び指導を行うとともに、職員の目利き力の発揮状況を含む業務実績が適正に評価されるよう努めること。

 三 不況業種に係る経営安定保証については、保証割合が八割に縮減されることから、充分な周知期間の確保及び丁寧な説明等により、中小企業及び関係団体に混乱が生じることのないよう充分な配慮を行うとともに、不況業種において貸し渋り等により資金調達に突然の困難が生じることのないよう注視し、不況業種の中小企業に対する金融機関の経営支援が確保されるよう努めること。

 四 危機関連保証については、大規模な経済危機や災害等により著しい信用収縮が生じた際に、政府が前面に立って中小企業の事業継続を支え、資金繰りに支障を来すことがないよう、透明性の確保の下、迅速かつ的確な対応を行うための体制の整備に万全を期すること。

 五 信用保証協会の業務に中小企業に対する経営の改善発達支援が追加されたことに伴い、各協会が地域の実情に応じつつ、必要な人材の育成・確保等に努め、実効ある経営支援機能が確実に発揮されるよう必要な指導監督を行うほか、経営支援の取組みに地域による格差が生じないよう、全国の各協会の支援体制の底上げを図ること。

 六 信用保証協会が管轄区域を見直すことにより、スケールメリットを発揮し、事業の一層の効率化が図れるよう、組織の再編を行う場合は、適切な措置を講じること。

 七 信用補完制度に対する国庫負担については、近年減少傾向にあるものの引き続き多額の予算措置が講じられている現状に鑑み、国民負担の軽減及び制度の持続可能性を確保する観点から、各信用保証協会の財務の健全性確保、業務の効率化及びガバナンスの一層の強化を図るとともに、信用保証協会による保証業務や保証基準の在り方についても、不断の検証及び見直しを行うこと。また、信用保証協会への天下りについてはその抑制に努めること。

 八 中小企業の自立の促進、生産性や操業・廃業率の向上、ひいては我が国経済の新陳代謝を図るといった中小企業支援の目的に沿って信用保証協会が業務を遂行するよう、政府は先進各国との比較も含めて我が国の信用補完制度の引き続きの検証を行い、所要の措置を講ずること。

 九 信用保証協会及び政策金融機関等の中小企業金融に携わる者は、納税者である国民の信頼を損なうことのないよう、倫理観の向上及びコンプライアンスの徹底を図り、政策金融に対する理解の促進と信頼の醸成に努めること。また、政府は、中小企業の経営の改善発達を促進する観点から、政策金融全般の在り方について適切な見直しに向けた検討を行うこと。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

浮島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕経済産業大臣。

世耕国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

浮島委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

浮島委員長 次回は、来る二十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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