衆議院

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第8号 令和元年11月22日(金曜日)

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令和元年十一月二十二日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 富田 茂之君

   理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君

   理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君

   理事 武藤 容治君 理事 田嶋  要君

   理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君

      あきもと司君    畦元 将吾君

      穴見 陽一君    石川 昭政君

      石崎  徹君    岡下 昌平君

      神田  裕君    高村 正大君

      武井 俊輔君    辻  清人君

      冨樫 博之君    野中  厚君

      福田 達夫君    穂坂  泰君

      星野 剛士君    細田 健一君

      本田 太郎君    三原 朝彦君

      宮澤 博行君    山際大志郎君

      和田 義明君    落合 貴之君

      柿沢 未途君    菅  直人君

      斉木 武志君    関 健一郎君

      宮川  伸君    山崎  誠君

      中野 洋昌君    笠井  亮君

      足立 康史君

    …………………………………

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   外務大臣政務官      中山 展宏君

   経済産業大臣政務官    中野 洋昌君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 河野  真君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         田中 勝也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 山内 達矢君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 高杉 優弘君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山中  修君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 遠藤 和也君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           大内  聡君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局通商機構部長)       黒田淳一郎君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          保坂  伸君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     飯田 陽一君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     林  俊行君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           市川 篤志君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            星  澄男君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 青木 健至君

   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十二日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     武井 俊輔君

  吉川  赳君     本田 太郎君

  浅野  哲君     関 健一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  武井 俊輔君     國場幸之助君

  本田 太郎君     吉川  赳君

  関 健一郎君     浅野  哲君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件(内閣提出、第百九十八回国会承認第三号)


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより会議を開きます。

 第百九十八回国会、内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官河野真君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長田中勝也君、総務省大臣官房審議官山内達矢君、外務省大臣官房審議官高杉優弘君、外務省大臣官房参事官山中修君、外務省大臣官房参事官遠藤和也君、財務省大臣官房審議官山名規雄君、厚生労働省大臣官房審議官吉永和生君、経済産業省大臣官房審議官大内聡君、経済産業省通商政策局通商機構部長黒田淳一郎君、経済産業省貿易経済協力局長保坂伸君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長飯田陽一君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官林俊行君、国土交通省大臣官房審議官市川篤志君、海上保安庁警備救難部長星澄男君及び防衛省大臣官房審議官青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮川伸君。

宮川委員 おはようございます。立憲民主党の宮川伸でございます。

 北朝鮮に対する輸出入禁止措置について質問いたします。

 この措置は、拉致、核、ミサイルの問題を解決するために必要だということで、国会承認が必要だということですので、判断する上で必要な事実関係に関してきょうは御質問したいというように思います。

 私が持っている問題意識の一つが、経済制裁を加えた場合に、北朝鮮が追い詰められて、そして私たちがイメージしているような常識的なやり方で拉致、核、ミサイルの問題が解決の方向に進んでいけばいいんですけれども、これが、経済制裁が非常に強くて政情が非常に不安定になって暴走するような、そういったことにならないように注意をする必要があるというように思っています。

 そういった視点から、やはり、経済制裁を加えた中で北朝鮮の経済状況あるいは社会状況がどういうふうになっているのかというのをしっかりと見ていく必要があるのではないかと思います。

 もう一点、国際情勢でありますが、他の国の制裁も、どのような形で他国が進んでいるのか、そこにどういうふうに日本が歩調を合わせるのか、そういった視点もしっかりと議論する必要があるというように思います。

 約二年前になりますが、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射実験を繰り返し行っていた、あるいは核実験を繰り返し行っていたというときに、国連がかなり厳しい経済制裁を決議をしています。

 例えば、北朝鮮の輸出品の主要品目として石炭だとか繊維製品というのがありますが、こういったものを買い取らないというようなもの、あるいは石油関係、原油ですとか石油精製品といったようなものをある一定以上を供給しないというような、かなり厳しい経済制裁が国連で決議されたわけであります。

 まず最初に、ちょっと確認したいんですが、この国連の経済制裁は今も続いているということでよろしいでしょうか。お答えください。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御質問の対北朝鮮制裁の国連安保理決議でございますけれども、包括的なものの一つでございます決議案第二三七五号というものは現在も有効でございます。

宮川委員 ちょっとわかりにくかったんですが、私の理解では、今も石油関係あるいは石炭関係の制裁はそのまま続いているという理解でいます。

 そういった約二年間かなり厳しい経済制裁が科されてきたということでありますが、ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、この経済制裁がしっかり有効にきいているのか、今どういう状況なのか、こういう状況の中で、このまま輸出入禁止を続けるべきということなんでしょうけれども、その辺の見解をお話しいただけますでしょうか。

梶山国務大臣 経済産業省におきましては、北朝鮮に対する経済制裁として、平成十八年に輸入を、平成二十一年に輸出を、それぞれ全面禁止しており、措置の例外となる人道目的等に該当する貨物を除き、北朝鮮から日本への輸入は平成十九年から、日本から北朝鮮への輸出は平成二十二年から、ゼロになっております。

 こうした措置を含む経済制裁は、日本からの物資の調達や資金獲得の阻止に寄与していると考えております。北朝鮮の厳しい経済状況とあわせて考えた場合、一定の効果を及ぼしているという認識を持っております。

 引き続き、経済産業省としましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、関係省庁と緊密に連携をしながら、北朝鮮との間の輸出入禁止などの制裁措置を厳格に実施してまいりたいと考えております。

宮川委員 少し細かく、もう少し中を見ていきたいと思います。

 北朝鮮との貿易は、やはり中国、特に中国、そしてロシアとの貿易が多いわけでありますが、この中国やロシアは今国連決議に基づいた制裁をしっかり守ってやっているのかどうか。あるいは、そういった制裁をしっかりやってくださいというような形で、日本が中国やロシアとどのような交渉をしているのかということを教えていただけますでしょうか。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘のあった中国及びロシア双方とも、北朝鮮に対する累次の安保理決議には賛成してきております。

 こうしたことを踏まえ、中国との間では、今月行われた安倍総理と李克強総理との間の日中首脳会談を含め、関連安保理決議の完全な履行の重要性について一致してきております。

 また、ロシアとの間でも、安保理決議の履行が重要であるとの両国の立場を確認してきており、九月に行われた安倍総理とプーチン大統領との間の日ロ首脳会談におきましても、日ロ共通の目標である朝鮮半島の非核化に向けて議論を行い、今後とも緊密に連携していくことを確認しております。

 我が国といたしましては、引き続き、朝鮮半島の非核化に向けて、安保理決議の完全な履行を含め、中国及びロシアを含む各国との間で、あらゆるレベルにおいて緊密に連携をしていく所存でございます。

宮川委員 次に、日本の関係で輸出入の違反に関する報道がしばしば出ているわけでございますが、例えば、国連安保理、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門パネルというのがありまして、このパネルの報告が出ています。その中には、例えば、北朝鮮の軍艦に日本製のレーダーが使われているとか、あるいは無人機のカメラが日本製であったりというようなことが書かれているというふうに聞いております。

 こういったものが輸出違反になるのかどうかというのはちょっと別にしまして、こういったことも問題になっているわけでありますが、過去三年におきまして日本が関係する輸出入違反というのは何件ぐらい摘発されていて、その物品内容だとか総額というのはどのようになっているんでしょうか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 警察におきましては、対北朝鮮措置に係る輸出入違反事件として、それぞれ、二〇一七年に一件、二〇一八年に一件、二〇一九年に二件検挙しているところでございます。

 主な物品の内容につきましては、食品、シャンプー、家具、ガスこんろ、電気洗濯機などの日用品であり、申告価格に基づく総額につきましては、約五千二百万円となっております。

宮川委員 ありがとうございます。

 報道を見ているよりは数が少ないというような印象がありますが、こういう輸出入違反が出ないように取り締まっていっていただければというように思います。

 もう一つ、今大きな話題になっているのが、石炭の問題が一つあります。報道で流れていますが、韓国政府が北朝鮮産の石炭輸入に関与したと言われている船の入港を入港禁止にした船舶が、日本に寄港していたというようなことが報道をされています。こういった船が日本に何回ぐらい寄港をしていたんでしょうか。教えてください。

星政府参考人 お答えいたします。

 韓国政府が、同国内への北朝鮮産石炭の不正輸入事案に関して、安保理決議に違反したと判断した計十隻の船舶について入港禁止措置を講じたことは承知しております。

 これら船舶が過去に我が国の港に入港した実績につきましては、韓国政府が入港禁止措置を講じた日以降昨日までは二十八回となっております。

 なお、これら船舶に対しましては当庁を含む関係機関で連携して立入検査などを実施しておりますが、北朝鮮産石炭の運搬や国内法令に違反する事実は確認されておりません。

宮川委員 今ちょっとお答えいただいておりますが、もう一度、一応確認のために、こういった寄港した船が積んでいた石炭だとか、そういったものが日本に輸入されて中に入ってきたという事実はないということでよろしいでしょうか。ちょっと、一応、お答えください。

星政府参考人 お答えいたします。

 そのような事実はございません。

宮川委員 もう一つ、瀬取りと言われている問題が上がっております。これは、北朝鮮関連の船舶が、洋上、海上で物資を積みかえをしているということです。北朝鮮の船はそのまま貿易ができないので、海の上で荷を積みかえて貿易ができるような形にして物資を輸出入しているというようなことが報道されておりますが、国連制裁の決議が行われてから、こういう瀬取りというようなものは何回ぐらい今確認されているんでしょうか。教えてください。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一七年の九月十一日に採択をされました安保理決議二三七五号では、国連加盟国が北朝鮮籍船舶に対する又は北朝鮮籍船舶からの洋上での船舶間の物資の積みかえ、いわゆる瀬取りですけれども、を容易にし又は関与することを禁止しております。

 その瀬取りの数について、必ずしも網羅的に全てを把握されているわけではございませんが、当該決議の採択以降に公表されました安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルによる報告書では、安保理決議で禁止された瀬取りの事案が複数紹介をされております。

 例えば、ことし九月に公表された最新の報告書におきましては、これは米国による分析を引用しておりますが、瀬取りを実施したものを含めた七十回のタンカー輸送を対象とする推算によって、米国及び我が国を含むその他二十五カ国が、制裁委員会に対して、北朝鮮への石油精製品供給量が安保理決議で定められた年間上限である五十万バレルを本年四月の時点で既に超過していることを通報した旨、記載しております。

 また、同パネルが、二〇一八年九月から十月にベトナムのトンキン湾において四隻の北朝鮮船舶が船籍不明の小型船舶に対し瀬取りにより石炭を積みかえている画像を入手した旨も記載されております。

 このように、北朝鮮が瀬取りにより石油精製品の不正輸入や石炭の不正輸出を行っている旨が指摘されているところでございます。

宮川委員 済みません、ちょっとわかりにくかったんですが、もう一度、国連制裁決議後、端的に何回今確認されているのか教えていただけますか。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 全ての瀬取りを網羅的に把握できているわけではございませんで、制裁パネルにおいて、いろいろな指摘がされている中で、パネルとして証拠に足りるというふうに判断したものを報告書で記載しているものでございまして、今申し上げた、最新の報告書の例を御紹介させていただいた次第でございます。

宮川委員 ちょっとわかりにくいんですが、しっかり調べていただきたいと思います。

 報道ベースだと、二〇一八年のパネルのデータもあって、私のあれでは百四十八回というような報告もあると聞いています。さっきの七十回というのはことしに入ったやつなんじゃないかと思いますが、しっかりとデータを見ていただきたいと思います。

 追加で、自衛隊が確認をしたものは何回分ぐらいあるんでしょうか。

青木政府参考人 お答えを申し上げます。

 過去に瀬取りの実施が強く疑われるということで防衛省が公表して確認をしたものにつきましては、約二十件ございます。

宮川委員 ありがとうございます。

 今、石油、石炭というようなものが主なものだというような理解をしていますが、この国連の制裁が加わってから北朝鮮への石油の供給というのは減っているのかどうか、どのぐらい減っているのかというのをちょっと教えていただけますか。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、二〇一七年八月に採択された安保理決議二千三百七十一号は、国連加盟国による北朝鮮産石炭の全面禁輸を決定しておるというところでございます。

 また、同じ年の十二月に採択された決議二千三百九十七号では、国連加盟国による北朝鮮への原油の年間供給量上限を四百万バレル又は五十二万五千トンに制限するとともに、石油精製品の年間供給量上限を五十万バレルに制限するということを決定しておるというところでございます。

 その上で、北朝鮮の活動について確定的なことを申し上げるというのはなかなか困難でございますが、例えば、大韓貿易投資振興公社の報告によれば、二〇一八年の石炭を含む鉱物性生産品の北朝鮮からの輸出は、二〇一六年に比較しまして九六・六%減の四千八百九十一万ドルとなっているというところでございます。

 また、同じ報告書によれば、二〇一八年の原油及び石油精製品を含む鉱物性生産品の北朝鮮による輸入は、二〇一六年比二一・四%減の三億六千五百五十万ドルということでございます。

 いずれにせよ、我が国としては、引き続き米国始め国際社会と緊密に連携しながら、決議を完全に履行していくという考えでございます。

宮川委員 ありがとうございます。

 今政府が確認しているデータということですのでそれを尊重したいと思いますが、報道ベースですと、規制の五十万バレルをかなり超える量も入っているんじゃないかというような報道もなされておりますので、どういう状況なのかをしっかり把握をしなければ制裁をどこまでかけるのかという判断ができないわけですので、ぜひ国連やアメリカも含めてしっかり連携をとっていただければと思います。

 そして、この瀬取りの警戒監視活動なんですが、他国も参加しているというように聞いております。どういう国が参加しているのか、そして日本の基地を使っているのかどうか、どういう法令に基づいて日本の基地を使っているのかどうか、御説明いただけますでしょうか。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 安保理決議によって禁止されました北朝鮮籍船舶の瀬取りを含む違法な海上活動に対しまして、これまで米国、豪州、カナダ、フランス、ニュージーランド、英国が航空機や艦船を派遣して警戒監視活動を行ってきております。このうち、豪州、カナダ、フランス及びニュージーランドは、国連軍地位協定に基づき、在日米軍嘉手納飛行場を使用し、航空機による警戒監視活動を行ってきております。

 これらの取組を通じ、北朝鮮籍船舶のみならず、北朝鮮籍船舶と瀬取りを実施した疑いのある他国籍の船舶につきましても、国連安保理北朝鮮制裁委員会や関係国によって適切な措置がとられているところでございます。

宮川委員 艦船は日本にある基地は使っていないんでしょうか。教えてください。

山中政府参考人 お答え申し上げます。

 艦船につきましては、航空機とは違いまして、他の海域から航行し直接警戒監視活動に従事する場合や、警戒監視活動後にミッションを切りかえて親善訪問として入港する場合などもございまして、一概に申し上げるところはなかなか難しいところがあります。

宮川委員 もう少しこの件もお聞きしたいんですが、少し本質からずれていくので、また別の機会にしたいと思います。

 もう一つ、私が気になっているのが人道支援の問題なので、お聞きしたいと思います。

 この制裁をしていく中で、人道支援の観点から日本はどのようなことをしているんでしょうか、教えてください。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでの我が国による対北朝鮮人道支援につきましては、我が国としては一九九五年から直近では二〇〇四年までの間、国際機関等を通じて北朝鮮に対し無償の人道支援を実施したということがございます。

 直近の二〇〇四年においては、十万ドル相当の緊急医療物資のほか、約四千万ドル相当の、小麦五万トン、米四万八千トン、トウモロコシ一万八千五百トン、大豆五千トン、砂糖二千トン及び食用油千五百トン、それから五百万ドル相当の基礎医薬品、医療器具、並びに約二百万ドル相当の病院用キットを支援したということがございます。

宮川委員 国連を通しては、国際社会としてはどのような、二〇〇四年とおっしゃっていましたけれども、最近は国際関係、国連を通してもそういった人道支援には関与されていないんでしょうか。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、我が国として国際機関等を通じて行った人道支援というのは、直近では二〇〇四年ということでございます。

宮川委員 私はやはり、経済制裁をしていく上で、拉致、核、ミサイル問題を解決するようにしていくべきなんですが、経済制裁で困るのは庶民であって、庶民が非常に苦しい状況になっているのかどうかというのは非常に重要な問題だと思います。

 現状、特に農村部等で北朝鮮の状況がどういうふうになっているのか、今お持ちの情報を教えていただけますでしょうか。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 北朝鮮の農村部の状況あるいは食料事情等については、さまざまな見方が存在すると承知しております。

 我が国として、北朝鮮をめぐる動向について重大な関心を持って平素から情報収集、分析に努めておるところでございますけれども、具体的な内容、分析について、事柄の性質上、お答えを申し上げるのは差し控えたいと思います。

 その上で申し上げさせていただければ、韓国銀行、韓国統計庁の報告では、例えばですけれども、主要穀物生産量はここ十年でほぼ横ばいである一方で、二〇一八年の北朝鮮の経済成長率は四・一%減を記録し、前年に続くマイナス成長とされておると承知しております。

 引き続き、関連の動向について、情報収集、分析に努めてまいりたいと思っております。

宮川委員 北朝鮮の庶民の方々がどういう状況なのかというのを、ぜひ情報収集していただければというように思います。

 もう一つ、隣国韓国の問題を少しお伺いをしたいと思います。

 韓国との輸出管理強化の問題が出ております。その中で、弗化水素などの半導体関連三品目の輸出管理強化が行われておりますが、この弗化水素等のものは北朝鮮に流れているというような事実はあるんでしょうか。

保坂政府参考人 他国のことでございまして、事実関係について責任を持ってコメントする立場にございません。

宮川委員 他国というか、輸出管理強化の話なので、もう少しお答えいただければなと思ったんですが。

 小野寺前防衛大臣が、テレビ番組の中で、日本は今まで、ウラン濃縮にも使える素材、弗化水素について、韓国企業から一〇〇欲しいと言われたら一〇〇渡していた、ところが実際に工業製品に使うのは七〇ぐらいで、残り三〇はどうかと韓国政府に確認しても報告がないというような発言をされたと聞いておりますが、こういったような状況、三〇ぐらいなくなってしまうというような状況は本当に確認されているんでしょうか。

保坂政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の報道は承知してございますけれども、小野寺議員がどのような案件を念頭にそのような発言をしていたのかは承知しておりませんで、コメントは差し控えたいと考えております。

宮川委員 小野寺防衛大臣の発言があったかどうかということではなくて、やはりいろいろ経済にも問題が出ていますし、今、GSOMIAの問題も出ていますが、どういった問題があったのかというのをもう少し国民も私は知るべきじゃないか、知ってもいいんじゃないかと思うんです。

 こういうように、工業製品は七〇ぐらいで使われているんだけれども、残り三〇ぐらい、七〇か三〇という数字はとにかくとして、輸出した一部の部分が行方がわからなくなっているというような状況は、政府は確認しているんでしょうか。

保坂政府参考人 お答え申し上げます。

 そのような事実は確認しておりません。

宮川委員 もう一度、済みません。

 確認できていないのか、確認していないのか、どちらでしょうか。

保坂政府参考人 そのような事実を確認していないということでございます。

宮川委員 どういう状況なのか、ぜひ確認もして、状況把握をしていただければというように思います。

 経済産業委員会ですので、この弗化水素の影響についてもちょっとお伺いしたいんですが、どのぐらいの今経済損失が出ているような状況になっているんでしょうか。

保坂政府参考人 お答え申し上げます。

 外為法上規制されている三品目でございますが、弗化水素、弗化ポリイミド、レジストでございまして、これにつきまして、貿易統計上、それぞれ直接規制をしている対応品目の統計品目番号が設定されていないと承知しています。要するに、対応する形になっていない、規制をしている番号とそれから統計上の品目番号が一致をしていないということでございまして、そのため、仮に貿易統計から当該三品目が分類されると考えられる統計品目番号に係る韓国向けの輸出量を調べたといたしましても、経済産業大臣の輸出許可を受けた当該三品目の韓国向けの輸出量とは一致しないと考えられております。

 その上で、例えば、本年七月から九月までの弗化水素の日本の対韓輸出量は、貿易統計上、四百七十九トンとなっていると認識をしてございます。

 今回の運用見直しは禁輸措置ではなく、厳正な審査の上正当な民間取引であると確認された輸出については許可する方針でございまして、弗化水素も含めた三品目の全てについて既に韓国向け輸出を許可しているところでございます。

 したがって、個別許可へ移行した七月四日以降、審査に時間がかかりますので当面の間はそれ以前に個別許可を取得した企業による輸出のみとなるため一時的に弗化水素の輸出量が減少することは想定しておりまして、実際減少したわけでございますが、その後、問題がないものについてはこれまでと同様に輸出が行われているところでございます。

 いずれにせよ、日本企業の動向を含めた影響については、引き続きしっかりと注視してまいりたいと考えております。

宮川委員 ちょっと時間がなくなってきたのでこれはこれでやめようと思いますが、日本の経済にどういう影響が出るのか、経済産業委員会としてもぜひ議論していきたいと思います。

 そして、北朝鮮の問題とも関係しますので、このGSOMIAの問題、非常に大きな問題ですので、北朝鮮のこういった問題も含めて、大臣、ぜひ、GSOMIA、どうあるべきか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

梶山国務大臣 GSOMIAにつきましては、経済産業省の所掌外でありますけれども、東アジアの安全保障上重要な役割であることには変わりなく、韓国政府が賢明な対応をすることを求めていく方針と承知をしております。

宮川委員 ぜひ、韓国ともしっかり連携して北朝鮮の問題に取り組めるように、政府も力を入れていっていただければと思います。

 そして、きょう北朝鮮に対する輸出入禁止措置ということでありますが、改めてこれは拉致、核、ミサイルの問題を解決するために必要というふうに理解をしておりますが、特に拉致問題に関しましては、横田めぐみさんを始めとしてまだ多くの方々が日本に戻ってこられない状況になっていると思います。

 そして、今月の十五日ですが、横田めぐみさんがいなくなってしまってから四十二年目になるというふうに聞いています。そういった中で、お父さんの滋さんが、ぐあいが悪くて入院が続いているということで、毎日病室でめぐみさんの写真を見ているというような記事が出ていますが、早紀江さんのお話では、めぐみさんの弟の哲也さんが、めぐみちゃんも頑張っているから待っていてあげなきゃだめだよと言うと、滋さんがわかっているというようにお話をされているそうです。

 一刻も早く、元気な間に子供たちを取り返してほしいというようにお訴えされているようですけれども、改めて、この拉致、核、ミサイルの問題についてしっかり取り組んでいくというのを、大臣として、意気込み、お考え、最後に聞かせていただけますでしょうか。

梶山国務大臣 今拉致のお話がありましたけれども、国民皆さんが同じような思いであると思います。拉致、核、ミサイルの懸案の課題を解決するために、経済産業省として全力を尽くしてまいります。

宮川委員 ありがとうございました。

富田委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 本件は、北朝鮮を仕向け地とする全ての品目の輸出入を全面的に禁止するという措置について、外為法に基づき承認を求めるものであります。北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に対する対応措置は、国連安保理決議に基づき国際社会として行っているものがありますが、本件措置は、我が国独自の制裁措置である二〇〇六年からのものであります。

 前回、二〇一七年の制裁期間延長後、朝鮮半島をめぐる情勢は大きく変化いたしました。十年ぶりの南北首脳会談に続いて、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長による史上初の米朝首脳会談が行われております。これら前向きな変化は、曲折はあるものの、朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制構築への一体的、段階的な発展につながるよう期待をしたいと思います。

 その上で、本件には、北朝鮮を対話の道に復帰させ、核問題などの外交的解決を図る手段として、賛成をいたします。

 日本政府が北朝鮮をめぐる平和のプロセスが前進するように積極的に関与することは、拉致問題の解決にもつながります。

 そこで、外務省に伺います。

 二〇〇二年九月の日朝平壌宣言から、ことしで十七年が経過しました。政府として、拉致問題の解決に向けてどのように取り組んでいくのか、改めて端的に確認をしたいと思いますが、いかがですか。

中山大臣政務官 お答え申し上げます。

 我が国は、従来から一貫して、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指すとの考えであり、その方針に何ら変わりはないと考えております。

 拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要であり、安倍総理自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意でございます。

 御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、引き続き、米国等と緊密な関係を維持しながら、連携しながら、冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動していく所存でございます。

笠井委員 梶山大臣、日本と北朝鮮の間にある核、ミサイル、拉致、過去の清算といった諸懸案を包括的に解決をし、国交正常化に進むということが求められております。そのためには、日朝平壌宣言を基礎に据える、このことが大事だと思うんです。

 日朝平壌宣言の精神とは、日朝間の諸懸案を包括的に解決をして国交正常化に進もうというものでありまして、包括的な解決とは、いわば優先順位をつけないで、全てをテーブルの上にのせて、同時に解決して先に進もうという外交の知恵であります。

 日本政府が憲法九条の精神でこの立場から積極的に取り組むことが、日朝交渉、日朝の会談を行っていく上で成功の鍵になると考えます。この点で全力を挙げるように、大臣にも改めて強く求めておきたいと思います。よろしくお願いします。

 この際、残余の時間ですが、この間の質疑にかかわって、若干確認したいことがあります。

 関西電力の原発マネー還流問題で、十一月八日の当委員会での私の質問に対して、梶山大臣は、森山元助役が関係する吉田開発が高浜町から六年間で十二事業、十一億円の電源立地交付金事業を受注していたことをお認めになって、国として確認すべきは、交付金を活用して自治体が行う事業が適切に執行されているかどうかだ、こういう点も答弁をされました。

 そこで、昨日なんですけれども、福井県の調査委員会が公表いたしました、この高浜町元助役との関係に係る調査報告書というのがございます。この結果によりますと、退職者を含む県職員ら百九人が、高浜町の森山元助役から、金品など、小判もあったということですけれども、受領していたことが判明いたしました。福井県は、吉田開発に百四十七件、約六十億円も発注をしているというわけであります。

 その面でも、国の交付金の執行状況の徹底的な究明といいますか、大臣も言われました、適切に執行されたかどうかはしっかりと確認をする必要があるのではないかと思うんですが、その点ではいかがでしょうか、大臣。

梶山国務大臣 確認をしてまいりますということです。

笠井委員 徹底究明が必要であり、確認が必要だと思います。

 では、この電源立地交付金がどう活用されているか。

 梶山大臣に伺いますが、電気代に転嫁されている電源開発促進税を原資とする電源立地交付金の今年度の予算額というのは幾らでしょうか。

梶山国務大臣 当省が所管をします電源立地地域対策交付金の令和元年度の予算額は、約八百九億円でございます。

笠井委員 資源エネルギー庁に確認をいたします。

 電源立地交付金のうち、水力発電施設周辺地域交付金以外の六つの交付金メニューがあると思うんですが、その中で、原子力のみを対象電源としているものはどれでしょうか。交付金の名称と、その幾つかある交付金の予算額の総額について示していただきたいと思います。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 当省が所管する電源立地地域対策交付金のうち、原子力のみを対象としております相当部分の名称及び令和元年度の予算額につきましては、三つございまして、まず第一に、原子力発電施設等周辺地域交付金相当部分、これが約二百十六億円、二つ目に、原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金相当部分、これが約百七十二億円、三つ目に、核燃料サイクル施設交付金相当部分、これが約八十七億円となってございます。

笠井委員 三つ合わせると四百七十五億円ぐらいになると思うんですけれども、総額八百九億円のうち、原子力に限定された交付金が今挙げた三つ、その予算額が約四百七十五億円になるということは、電源立地交付金の全体の六割が原子力のみを対象としたものだということになります。

 では、原子力、火力、水力、地熱を対象にしているその他の三つの、電源立地初期対策交付金、電源立地促進対策交付金、電力移出県交付金のメニューについて、それぞれの予算額と電源別の交付割合はどうなっているでしょうか。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 三つございます。

 まず第一に、電源立地促進対策交付金相当部分につきましては、全体で約三十九億円となってございます。このうち、電源種別の割合は、原子力が約六三・四%、火力が約三四・九%、水力が約一・七%となってございます。

 二つ目に、電源立地等初期対策交付金相当部分がございます。これが全体で約四十一億円となってございます。このうち、電源種別の割合は、原子力が約九二・五%、火力が約一・二%、水力が約六・三%となってございます。

 三つ目に、電力移出県等交付金相当部分も原子力、火力、水力、地熱を対象としてございますけれども、金額は総額で約二百億円となってございます。

 他方で、この予算額は、道県内の発電電力量から消費地における消費電力量を差し引いたものに交付単価を乗じることで算出してございまして、消費電力量は電源種別には分けられないということになってございますけれども、発電部分で申し上げますと、この算定に用いられている発電の電源種別の発電電力量の割合を申し上げますと、原子力は約五一・五%、火力は約四一・一%、水力は約七・一%、地熱は約〇・三%となっているところでございます。

笠井委員 今最後に言われた、電源別の内訳を算出できないという電力移出県交付金の交付先上位五県は、どういう県になっているでしょうか。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきました電源立地地域交付金のうち、電力移出県等交付金相当部分の交付先上位五県でございますけれども、一位から順に申し上げますと、福井県、新潟県、福島県、佐賀県、茨城県となってございます。

笠井委員 この電力移出県交付金という今挙げられた二百億余りのものを除く六メニューでいうと、六百八億六千万円分の交付先電源で見ますと、原子力が八八・四%にもなります。

 それで、電源別の内訳を算出できないという今挙げられました電力移出県交付金の交付先の上位というのは、いずれも、福井、新潟、福島、佐賀、茨城ということで、原発立地県であります。五位以下も、北海道、青森、鹿児島ということで、原発所在道県が並んでおります。

 その中でも、一番多い福井県の今年度の電力移出県交付金の算定発電電力量を見ますと、百七十三・九テラワットアワーのうち原子力は百六十二・八テラワットアワーということで、ほぼ大宗を占めているということで、火力は八・五、水力は二・六テラワットアワーにすぎないということになります。

 そういうことになりますと、梶山大臣に伺いたいと思うんですけれども、やはりこの電源立地交付金というのは、今数字も挙げていただいて確認いたしましたけれども、結局のところ、電源立地交付金、電源といいながら、大部分は原発立地交付金というのが実態になっている、それらが原発立地自治体向けに交付されている、多くの額は。そういうことになるんじゃないかと思うんですが、そういう点ではいかがですか。そういう確認はできますか。

梶山国務大臣 今数値を申し上げたとおりでありますので、そういうことになると思います。

笠井委員 そうしますと、やはり交付金というのは、これを見ますと、着工から運転開始までの約十年間に手厚く交付されるわけでありますけれども、運転開始後は徐々に減らされるために、原発の場合だと、一号機を受け入れてつくったときには交付金が配られるけれども、それがだんだん減らされるということになると、今度は、二号機、三号機増設という形で、どんどん原発依存が強まっていく、そういう構図にもつながってくるというふうに思うんです。だから、原発の増設や工事に関連して、高浜町の森山元助役のような極めて強い影響力を持つ存在があらわれる。交付金も、こうしたゆがんだ構図をつくった要因の一つと言わなければいけないということになるんじゃないかと思うんですね。

 そういう点でも、電源立地交付金というのは原発がかなり占めているということは今確認もいただいたんですけれども、もともとは、原資は国民の税金から来ているということで電力料金にかけているわけですから、その使途というか、このお金が適切に執行されているかどうか、事業の執行状況については、やはり、前回も大臣、確認されましたけれども、そしてきょうも確認いただきましたが、これは厳格に、適切にやられているかどうかはきちんと確認する、徹底してそこは調べるということが大事だと思うんですけれども、その点、改めて確認したいと思います。いかがでしょうか。

梶山国務大臣 仮に交付金に関して不適切な事例が判明すれば、経済産業省として、厳しく対処をしてまいりたいと思っております。

笠井委員 原発立地自治体の経済を原発依存に誘導した国と電力会社の責任は、やはり私、この構図から見ても、重大だと思うんですね。このような交付金の仕組みで、このままでいいのかということが大きく問われてまいります。

 この点では、この際、執行状況を徹底的に明らかにするということをやるのとあわせて、この仕組み自体についても見直していくということも、やはり今後の日本のエネルギー政策との関連でも必要ですし、そして、国民の税金の使途という点でも大事ではないかというふうに考えます。

 我が党は、この点では、こういう交付金ということでいうと、仕組みも改めて、再エネの設備の設置とか送電線の系統増強などにも大いに充てるということでどんどんやらないといけないということになると思うので、やはり再エネの利用拡大のためにこそ、こうした交付金は活用すべきだという提案もしてまいりました。

 やはり内発的な地域産業の再生ということで国として取り組んでやっていく上でもその点は大事だと思うんですけれども、大臣、改めてこの点はいかがでしょうか。交付金のあり方について。

梶山国務大臣 長期の安定エネルギーということでこれは対象になっていると思いますけれども、今委員がおっしゃったように、再エネの導入、FITから今八年目ということであります。こういったものも検証しながら、将来は検討していくべきことではないかなと考えております。

笠井委員 やはり今後の日本のエネルギーをどうするかというのにもかかわる大事な問題で、電力料金、そして国民の税金、それが本当にちゃんと使われていたのかどうかということもあって、その中でいろいろな疑惑もあるという状況の中ですから一層ですが、やはりこの点はしっかりと議論が必要だと思います。

 内発的な地域産業の再生に本当に国として取り組んで、原発ゼロと一体で立地自治体の住民の暮らしあるいは地域産業の再建支援にかじを切るということで、やはり強くこのことを政治としてもやらなきゃいけない、このことも改めて求めまして、きょうの質問は終わりたいと思います。

富田委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは、北朝鮮ということで何点か御質問させていただきたいと思います。

 大臣には、もうきょうは質問しませんので、気楽に。いつも気楽かもしれませんが。外していただいても構いません。それから、保坂先輩も、ちょっときょうは時間がないので、もう大丈夫ですので、お忙しければ。

 北朝鮮については、かねて砂利利権ということが云々喧伝されてきた、一部そういう喧伝する向きがございます。

 北朝鮮からの砂利の輸入、いつごろピークで、今どうなっているか、御紹介ください。

山名政府参考人 お答え申し上げます。

 貿易統計によりますと、北朝鮮からの砂利及び砕石の輸入数量につきましては、統計システム上確認ができる一九八八年以降において最も多かったのは一九九四年の一万一千トン、その金額は四千万円でございます。

 また、二〇〇六年以降、北朝鮮からの輸入の実績はございません。

足立委員 全面禁輸しているわけですから、今はない、これは当たり前ですね。

 その砂利と関連して、連帯ユニオン関西生コン支部の事件がございます。

 捜査の経緯と現状を警察から御紹介いただきたいと思いますが、これは、二〇一七年の年末のゼネストを機に大きな事件となりまして、多数の逮捕者を出している。ただ、その関西生コン支部の執行委員長の武建一については、かねてから、要は逮捕されてはまた出てきて執行委員長をやるということで、往復を何度かされているようでありますが、その辺も含めて、可能な範囲で結構ですので、御紹介をいただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えを申し上げます。

 滋賀県警察、京都府警察、大阪府警察、和歌山県警察におきましては、平成三十年七月から現在までに、御指摘の全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の組合役員、組合員等が建設工事に関連して嫌がらせを行ったり、金品を要求するなどしたりした複数の事件に関し、これらの者を威力業務妨害罪、恐喝罪等の罪名で逮捕しているものと承知をいたしております。

足立委員 もうちょっと行けませんかね、人数というか。

田中政府参考人 警察庁におきましては、関係府県警察からの報告によりまして、関係府県警察におきまして、平成三十年七月から現在までに、先ほど申し上げました事件に関し、御指摘の組合の組合役員、組合員等延べ八十九名、実員で五十七名を逮捕しているものと承知をいたしております。

足立委員 なかなか大きいですよね。

 ところが、マスコミはこれをやらないんですよ、余り。関テレとか関西が一部、もうぱぱっと一回ちょっとさわるだけで、東京のメディア、東京のキー局がやったのは余り知らないですね。五十七名ですよ。(発言する者あり)あっ、ここ全員逮捕されている。一緒にしない方がいいと思いますよ。

 マスコミの方に何でこれを報道しないんだと言ったら、怖いからしないんだ、こういうふうにおっしゃっていた記者の方もおられました。

 武建一執行委員長についてはもう何十年にもわたって議論があると思いますが、これもちょっと行けませんか。

田中政府参考人 先ほど申し上げました事件に関連いたしましては、御指摘の全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の執行委員長につきましては六回逮捕されている、そういうところでございます。

足立委員 とにかく、逮捕されてはまた執行委員長、逮捕されてはまた執行委員長と、有罪になった上でですよ、そういう経緯があります。

 そうした中で、マスコミは取り上げないんですが、この国会の中、特に議員会館においては、活発にこの関係の会合が開催をされています。

 例えば、この四月の十五日には参議院議員会館において関西生コンを支援する会が結成され、不当捜査だ、弾圧だ、共謀罪適用の前ぶれだとかいうことで、これは弾圧だということで大変な抗議運動が繰り広げられていますが、そこでは、要は不当捜査だと言われています。

 こういう会が結成されていること、あるいは、参院議員会館で結成されたこと、不当捜査だと主張していること、御存じだと思いますが、政府の見解をお願いします。

田中政府参考人 国会の議員会館において開催されました会合について申し上げる立場にはございませんが、いずれにいたしましても、関係府県警察におきましては、法と証拠に基づいて捜査が行われているものと認識をいたしております。

足立委員 誰も、いや、私もやりたくないんですけれども、やりたくないんだけれども、私は別にこれを好きでやっているんじゃないんです。

 とにかく、私が国会活動において旨とするのは、公正公平、透明、それを旨としているので、今の維新以外の野党さんのように、都合のいいものを都合のいいときに取り上げるだけ、それでマスコミが追いかけてこなくなれば忘れる、そういうことは、やはり国会議員の活動としては大変問題が多いと私は思います。むしろ、マスコミが取り上げないならなおさら、マスコミとは違う、商業ベースのマスメディアが取り上げない、あるいは覚悟のないマスメディアが取り上げない問題をこそ国会議員がしっかりと取り上げていく、そのためにやっているわけでありまして、決して好きでやっているのではないということだけはちょっと申し上げておきたいと思います。

 私は、今回の大量の逮捕で連帯ユニオン関西生コン支部がなくなればいいと思いますが、これはなくならないんですね。労働組合法という立派な法律がありまして、守られているんです。

 私は、労働組合法について、まあ多少存じ上げていますが、やはり何らかの指導とか解散命令とか、そういうものがあってもいいような気がしますが、厚労省、この労働組合法で何かできることがあるのかないのか、御紹介ください。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案についてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げまして、労働組合法上、労働組合とは、「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」とされてございます。

 この趣旨から、労働組合につきましては、行政上の許可でありますとかそういうものは必要なく、自由に設立することができておりまして、また、労働組合法上、労働組合の活動につきまして行政が指導を行ったり、労働組合を解散させたりするということは明記されているものではございません。

 ただ、一般論で申し上げますけれども、労働組合の活動につきましては、正当なものであれば民事上あるいは刑事上の免責が認められておりますけれども、司法において正当でないと判断された場合につきましては、当然に民事上、刑事上の責任を負うものでございます。

足立委員 大変労働組合法上のハードルがある中で今回の対応に至ったことについては、当局の御努力に敬意を表したいと思っています。

 ただ、またこれが出てきて活動を再開していくというようなことでは、社会の秩序を保つことができません。

 だから、今、刑法に基づいてさまざまな措置がとられているわけでありますが、私はいずれ、もし本当にこのグループがこの労働組合法を隠れみのにして活動を続けるようなことがあれば、また国会で改めて時間をとって議論したいと思いますが、いわゆる共産党が調査対象になっている破壊活動防止法やあるいは暴対法、そうしたものも、しっかりその適用の可否も国会で議論していくべきであると指摘をしておきたいと思います。

 残る時間、ちょっと関連ということになりますが、その関係で、生コン価格が激しく動いております。これは、関東、東京オリンピック・パラリンピックもあれば、五年後には大阪、関西で万博もある、IRもある。そうした中で、やはりおかしな活動についてはしっかりと取り締まるとともに、経済活動、生コンといっても、よく関生、関生と言うと、生コン業界の人が、いや、生コンにもいい会社もあるんだと。当たり前ですね。だから、連帯ユニオンと言ってくれと。生コンと言わないでくれ、連帯ユニオンと言ってくれ、こういう話がよく来ますので、ぜひその辺、皆さんも深い御理解をいただきたいと思いますが、その生コン価格の急騰等への対応について。

 業界が適正化することはいいことだと思います。そして、それがしっかりと公共工事の価格に反映される。

 業界が適正化されていく、そして地域がよくなっていく、このために私も取り上げているわけでありますので、この生コン価格の急騰への対応について、国交省での対応を御紹介いただきたいと思います。

林政府参考人 お答えをいたします。

 建設工事の円滑な施工に当たりまして、適切な請負代金での契約をすることに加えまして、契約締結後に、委員御指摘の建設資材等が急激に価格変動があった場合には、請負代金額そのものについて変更を適切に行う、こういうことが重要でございます。

 こうした考え方に基づきまして、かつて、第二次オイルショックがございまして、物価高騰がありました際には、昭和五十六年になりますけれども、公共工事標準請負契約約款、これを改正をいたしまして、単品スライド条項というものを設けました。これは、契約締結後に燃料油等の建設資材価格が著しく変動した場合に請負代金額の変更を行うことができるとするものでございます。

 また、平成二十年の九月には、この単品スライド条項の活用を促すために、生コンを含みます建設資材全般について単品スライド条項が適用であることを明確化する通知を行いました。

 さらに、ことしの、台風十九号がございました、広範な被災地域がございますので、建設工事における工事費の積算に当たりましても、直接工事費の中の材料単価が変動した場合には、単品スライド条項を活用して適切な支払いに努めるように、地方公共団体に対しまして、総務省さんと連名で十月十五日に通知をいたしました。

 今後とも、このスライド条項の適切な活用が図られるように周知を徹底してまいりたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 委員の皆様もよく御存じだと思いますが、この制度、大変大事であります。現場できゅうきゅうと発注価格と現場の実態の乖離に苦しんでおられる事業者の方々の中には、これを御存じない方もいらっしゃいますから、よく周知をしていただいて、活用していくということが大事であると思います。

 最後に、建設残土の不法投棄防止に向けて、さまざまな取組を行ってきています、国交省における取組を御紹介をいただきたいと思います。

市川政府参考人 お答えいたします。

 建設残土の崩落に関する関係省庁連絡会議を、先生の御指摘を踏まえまして立ち上げました。我々国交省が事務局になりまして、環境省、農水省等の関係省庁の参画を得まして、平成二十七年六月二十六日に第一回を開催し、これまでに五回開催してまいりました。

 この連絡会議の議論を踏まえまして、平成二十九年八月には建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料を作成いたしまして、関係法令や条例に基づく適正な取扱いをより一層促すべく、地方公共団体に周知したところであります。

 直近では、六月二十五日に第五回会議を開催しております。この会議では、建設残土の崩落事案等についての実態把握の重要性を関係省庁間で確認いたしまして、大阪府に事務局を務めていただいております残土等にかかる土砂問題対策全国ネットワーク会議に建設残土崩落事案等の調査について依頼することを決定いたしました。現在、同ネットワーク会議において実態調査を行っていただいているところでございます。

 今後とも、必要に応じて関係省庁連絡会議を開催し、情報交換、意見交換をしてまいりたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 時間が来ましたので終わりますが、この建設残土の問題も今大変な問題になっていますが、自民党の方は余り取り上げません。国交省が今一肌脱いでくださっていますが、総務省も令和元年度の行政評価局調査予定テーマに建設残土対策を入れていただきました。これにしっかりと政府を挙げて取り組んでいただくことをお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

富田委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

富田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 第百九十八回国会、内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

富田委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

富田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時六分散会


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