衆議院

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第4号 令和2年4月3日(金曜日)

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令和二年四月三日(金曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 富田 茂之君

   理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君

   理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君

   理事 武藤 容治君 理事 田嶋  要君

   理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君

      畦元 将吾君    穴見 陽一君

      安藤 高夫君    石川 昭政君

      石崎  徹君    岡下 昌平君

      神田  裕君    高村 正大君

      國場幸之助君    高木  啓君

      武部  新君    辻  清人君

      冨樫 博之君    野中  厚君

      福田 達夫君    穂坂  泰君

      星野 剛士君    細田 健一君

      三原 朝彦君    山際大志郎君

      吉川  赳君    和田 義明君

      浅野  哲君    今井 雅人君

      落合 貴之君    柿沢 未途君

      川内 博史君    菅  直人君

      斉木 武志君    宮川  伸君

      山崎  誠君    中野 洋昌君

      笠井  亮君    藤野 保史君

      足立 康史君

    …………………………………

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   内閣府副大臣       宮下 一郎君

   経済産業副大臣      牧原 秀樹君

   経済産業大臣政務官    中野 洋昌君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房総括審議官)           渡邉  清君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局次長)     水口  純君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 森  源二君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 沖部  望君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 竹内  努君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    重藤 哲郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           辺見  聡君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 平井 裕秀君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    前田 泰宏君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   参考人

   (関西電力株式会社代表取締役社長)        森本  孝君

   参考人

   (関西電力株式会社常務執行役員)         岡田 達志君

   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月三日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     高木  啓君

  落合 貴之君     川内 博史君

  宮川  伸君     今井 雅人君

  笠井  亮君     藤野 保史君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     山際大志郎君

  今井 雅人君     宮川  伸君

  川内 博史君     落合 貴之君

  藤野 保史君     笠井  亮君

    ―――――――――――――

四月三日

 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案(内閣提出第二二号)

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(内閣提出第二三号)

三月三十日

 即時原発ゼロを求めることに関する請願(藤野保史君紹介)(第三七三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案(内閣提出第二二号)

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(内閣提出第二三号)

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として関西電力株式会社代表取締役社長森本孝君及び関西電力株式会社常務執行役員岡田達志君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、金融庁証券取引等監視委員会事務局次長水口純君、総務省大臣官房審議官森源二君、総務省大臣官房審議官沖部望君、総務省自治行政局公務員部長大村慎一君、法務省大臣官房審議官竹内努君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、国税庁課税部長重藤哲郎君、厚生労働省大臣官房審議官辺見聡君、経済産業省大臣官房長糟谷敏秀君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁次長平井裕秀君、中小企業庁長官前田泰宏君及び中小企業庁事業環境部長奈須野太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。星野剛士君。

星野委員 おはようございます。

 貴重な質問の時間をいただきまして、委員長以下、理事の皆さん、そして各委員に感謝をし、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 金品受領問題について、関電のコンプライアンス体制などを監督指導する経済産業省が法令手続の遵守、公文書管理ができていないというのは、極めて大きな問題であるというふうに感じます。

 この問題をどう受けとめて、どのような処分を行い、また再発防止を講ずるのか、お答えをいただきたいと思います。

牧原副大臣 お答えいたします。

 行政の意思決定プロセスに対する国民の皆様の視線が大変厳しい中にありまして、こうした不適切な事案を起こしましたことにつきましては、まことに遺憾であり、経済産業行政に対する信用を損なったことに対しておわびを申し上げます。

 今回の事案の判明の後、直ちに事実関係の調査を行った上で、業務改善命令の手続のやり直しを行いました。その後、事案にかかわった職員及び監督責任として経済産業事務次官と資源エネルギー庁長官を速やかに処分するとともに、詳細な事実関係を公表したところでございます。このような事態を起こさないよう、省内の意識を改め、再発防止に努めたいと思います。

 具体的には、行政手続に関する監査などの体制の強化、人事評価への反映、全職員への徹底した研修などに取り組んでまいりたいと思いますし、また、業務改善命令のような決裁を行う際、必要な手続がきちんととられているかどうか、漏れがないようにチェックする仕組みも早急に構築してまいりたいと思っています。

星野委員 経済産業省には猛省を促したいというふうに思います。

 金品受領の事実だけではなくて、それが長年にわたり温存されていたことは、大変な問題だというふうに思います。そして、これは常識に照らして明らかにおかしいというふうに思います。

 この大失態の本質は一体何なのか。なぜ長年続き、誰もとめられなかったのか。原発に伴う巨額の資金が原因だったのではないかという指摘も多くあります。また、なぜ森山氏という人物に関電ほどの名門大企業があらがうことができなかったのか、明確にお答えを願いたいと思います。

森本参考人 今般の事態により、お客様や社会の皆様からの信頼を裏切り、多大な御迷惑をおかけしていることにつきまして、心よりおわび申し上げます。

 御質問にお答えさせていただきます。

 第三者委員会の調査報告書において、根本的な問題は、ユーザーや社会一般の視点が欠落してしまう内向きの企業体質であり、経営陣が問題を先送りし組織的に対峙しなかったと、厳しく指摘されております。また、原子力事業本部は専門性が高く、経営に絶大な影響を与える等、当社において特殊であり、組織が閉鎖的になっていたこと、本部に対するガバナンスが不十分であったことも指摘されております。

 私自身、第三者委員会の御指摘のとおりであると考えており、心から猛省をしております。そうした内向きの企業体質を改めること、そうした悪弊を断ち切ることが私自身の責務だと覚悟しております。

 また、弊社が森山氏という人物にあらがうことができなかった理由でございますが、森山氏による社会的儀礼の範囲をはるかに超える金品受領が、受け取った者にやましさ、罪悪感を抱かせ、いわば共犯関係の構図に入り込んでしまったと、第三者委員会から指摘をされております。

 こうした事態を二度と起こすことがないように、会社として適切に対処できるよう、コンプライアンス、発注・契約、ガバナンスにおいて、仕組みと運用を変革し、会社形態も再構築する、それが今回私どもが提出いたしました業務改善計画であり、私自身が不退転の決意で、情熱と信念を持ってその実行に取り組んでまいる所存でございます。

星野委員 今のお言葉、しっかりと受けとめましたので、全力を挙げて再建に取り組んでいただきたい。

 それでは、電気料金についてちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 工事発注に係る事前の情報提供などにより会社に金銭的な損害が生じ、その結果、電気料金が高くなっているのではないか、また、そのような不適切な工事発注によって手抜き工事が行われるなど、原子力の安全性に問題が生じているのではないかという疑念が大変多くあります。

 この点について、明確にお答えを願いたいと思います。

森本参考人 お答えいたします。

 第三者委員会の報告書では、土木・建築工事や点検業務の請負工事等、取引先に対する発注金額を水増ししていた等の事実は認められず、本件取引先に対する発注金額が不合理であったとまでは認めるには至らなかったと評価はいただいております。発注金額の水増しはなかったとの認識でございます。

 実務的には、建設単価や労務費等の市況を反映した査定価格で契約をしておりまして、今回御指摘を受けている企業との契約におきましても、弊社の価格査定基準に基づき査定を行い、交渉により価格を決定していることから、契約価格は妥当であり、電気料金が高くなったとは考えておりません。

 また、工事の実施に当たりましては、作業内容、方法、作業員の技能、体制の確認を行った上で、作業中及び作業後において適切に実施されたことを弊社が都度確認することで、原子力発電所の安全と品質の確保に努めております。

 しかしながら、同報告書で、弊社が事前に発注を約束するなど、森山氏の関連企業が受注できるように配慮していたことが認められるとの事実認定に基づき、公益的な役割を担う電力会社の発注行為において公正さが欠ける事態となっていたと言うべきとの指摘もございます。会社としては、猛省しているところでございます。

 今後につきましては、今回の反省も踏まえ、ユーザーの皆様に疑念を抱かれるようなことがないよう、新たに設置する調達等審査委員会において、発注プロセスの透明化等に向けた対策を講じるとともに、規制基準の枠組みにとどまらず、安全性を自主的かつ継続的に向上させる取組を続けることで、原子力の安全の確保に努めてまいります。

 以上でございます。

星野委員 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 業務改善計画が提出をされております。ただ、この業務改善計画だけではまさに絵に描いた餅でありまして、また、この業務改善計画が現場にどの程度浸透しているかということもわかりません。この計画にどのようにまさに魂を込めていくのか、本当にこの計画で関電が再生できるのか、まさに全国の注目が集まっているというふうに思います。

 この大変重い課題でありますけれども、信頼回復に向けた新社長の決意をお伺いをしたいというふうに思います。

森本参考人 改善計画では、三つの再発防止策を掲げております。コンプライアンス機能の強化、それから工事の発注、契約等に係る適切性、透明性の確保、さらに、指名委員会等設置会社への移行による、社外の取締役が中心になって監督機能を強化していく、この三点でございます。

 これらの活動をしっかりと引っ張るのは、私を始め役員の覚悟と実行力だと思っております。

 まず、私自身、三月三十日に、ステークホルダーの皆様に、業績や事業活動をコンプライアンスに優先させることは断じてあってはならず、時代の要請する社会規範とは何かを常にユーザー目線で考え行動し続けること、ためらうことなく改めるべきを改めていくことをお約束させていただきました。

 今後、私が先頭に立ち、経営幹部の意識改革を進めるとともに、従業員とコミュニケーションを重ね、地域の皆様の御理解もいただきながら、全社を挙げて確実に業務改善計画を実行してまいります。不退転の決意で、情熱と信念を持って業務改善計画に取り組み、失った信頼回復に全力で取り組んでまいります。

星野委員 決意を重く受けとめておりますので、しっかりと改善計画、実行に即して行っていただきたいというふうに思います。

 社外取締役そして会長に元経団連の榊原さんが御就任をなさったということであります。また、数多くの社外取締役も任命がなされるというふうにも聞いておりますけれども、重要な点は、外からの視点をしっかりと関電内で大切にしていくことだというふうに思います。社外取締役を迎えたけれども社外取締役が活動がしにくいとか情報がしっかり入ってこないとかということになったら、まさにこれは絵に描いた餅になります。

 この点についてだけ、ちょっとお答えを願いたいというふうに思います。決意を聞かせてください。

森本参考人 今御指摘をいただいた点、会社の組織機構、業務運営の中で、外部の客観的な視点、ユーザー目線をしっかり取り入れるとともに、執行側の、私以下の経営陣、現場も含めて、これをしっかりやり遂げていく。そのプロセスも、今回、指名委員会等設置会社に移行いたしますので、社外取締役の方が委員長を務める各委員会でこのプロセスもきっちり評価、管理いただいて、それをまた私たち執行がしっかり改善してやり遂げていく、こういうプロセスを確実にやって、皆様の信頼回復につながるように全力を尽くしてまいりたいと思います。

星野委員 決意が言葉だけで終わらず、しっかりと監督していくことが極めて重要だというふうに思いますが、経産省は業務改善計画をどのように評価をされておるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

牧原副大臣 今御指摘がありました業務改善計画につきましては、経済産業省の業務改善命令で求めていた内容については盛り込まれていると認識をしているところでございますが、しかし、この取組をきちんと速やかに実行し、委員御指摘のように、組織に根づかせるということが何より重要であると考えております。

 当省としましては、実施状況を六月末までに報告することを求めており、同社の取組を監督してまいるとともに、取組の進捗状況をきめ細かく把握し、しっかりとフォローアップをしていきたいと考えております。

星野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、鰐淵洋子君。

鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。

 森本社長におかれましては、お忙しい中、本日は国会までお越しいただきまして大変ありがとうございます。限られた時間ではございますが、最後までよろしくお願いいたします。

 まず初めに、経済産業省の方にお伺いしたいと思います。

 経済産業省から関西電力に業務改善命令を発出する際の手続につきまして、不適切な対応がありました。金品受領問題について関西電力のコンプライアンス体制等を監督指導する経済産業省が、法令手続の遵守、公文書管理ができていないということは大変に大きな問題であり、遺憾でございます。関西電力が信頼回復に向けて生まれ変わる決意で取組を実行しようという大事なときに、今回のような問題が起こるというのはあり得ないことでありまして、猛省を促したいと思います。

 今回のこの問題について、経済産業省の全職員が、人ごとと思うのではなく、徹底的に意識改革と再発防止対策に取り組まなければならないと考えますが、御見解と具体的取組についてお伺いいたします。

牧原副大臣 委員が今御指摘をいただいた点は全くもっともなことでございまして、改めて、経済産業行政に対する信用を損なったことについておわびを申し上げます。

 また、先ほど申し上げたとおり、業務改善命令の手続のやり直しを行ったり、あるいは、事案にかかわった職員や監督責任として経済産業事務次官や資源エネルギー庁長官を速やかに処分をするとともに、詳細な事実関係を公表したところでもございます。

 再発の防止につきましては、省内の意識を改めることが非常に重要でございまして、行政手続に関する監査などの体制の強化、人事評価への反映、全職員の徹底した研修などを行ってまいりたいと思いますし、また、こうした業務改善命令のような決裁を行う際、必要な手続がとられているかどうかの漏れがないようにチェックをする、こういうきちんとした仕組みも早急に構築してまいりたいと思っております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 今、防止対策につきましては、具体的に三点ほどあったと思いますけれども、これは通常から行うべきことでありまして、当たり前のことだと思いますが、しっかりと経済産業省自体が改革しなければ、電力会社の監督官庁としての役割は果たせないと思いますので、しっかりと経済産業省挙げて、先ほども申し上げました意識改革、そして、具体的に申し上げていただきましたが、再発防止対策、徹底的に取り組んでいただきたいと改めて強く要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、ここからは関西電力に質問させていただきたいと思います。

 ここ数年、今まで経験したことがない自然災害が相次ぎまして、その被害によって停電も起こりました。こういったことを通しまして、改めて電気、エネルギーがいかに私たちの生活に欠かせないものであるかを痛感しております。これは多くの国民の皆様が一様に感じたことだと思っております。

 電力会社は、電気という、災害時のみならず常に国民生活に欠かせないインフラを供給し、まさに公益事業を担っているわけでございますので、国民からの信頼があって初めて成り立つものでございます。そのことを改めて肝に銘じていただきまして、業務改善計画を着実に実行し、信頼回復に全力を尽くしていただきたいと、まず要望申し上げたいと思います。

 その上で、具体的に質問させていただきますが、まず役員報酬補填の問題でございます。

 第三者委員会からの報告の中でこのことを伺ったときに、ただただ驚きました。役員報酬カットといいながら、役員退任後に補填していたというのは、これはもう言語道断でございます。

 この問題にどのように取り組むのか、また、今回の改革により二度とこうしたことが起きないと言えるのか、お伺いをしたいと思います。

森本参考人 最初に、御期待に応えられるよう、今後しっかりやってまいります。

 今御指摘をいただきました、第三者委員会から受領した調査報告書の中で、一部の役員の退任後、嘱託等の業務を委嘱する際の報酬について、過去の経営不振時の役員報酬削減分を補填する趣旨が含まれていると指摘をされました。

 御指摘を厳粛かつ真摯に受けとめ、指摘を受けた部分の報酬について、全額の自主返還を要請しているところでございます。また、自主返還を受けられなかった場合は、当時報酬に関する方針を決定した取締役へ自主的な負担を要請してまいります。

 今後の再発防止策としましては、先ほども少し申し上げましたが、外部の方々の目線をしっかりとガバナンス体制に生かしていく、取締役会長には社外から招聘をさせていただき、執行部の独立性を確保して、しっかりと客観的な視点から監督をいただけるものと考えております。

 また、指名委員会等設置会社の移行に向けた準備も開始しておりますが、各委員会の委員長も社外取締役に担っていただこうと思っております。

 こうした機構それから制度を構築する中で、今後は二度とこのような事態が発生しないように、役員退任後の嘱託等の業務委嘱につきましては、その必要性を厳しく精査し、要否及び報酬について、指名委員会及び報酬委員会における審議を経て取締役会で決定することで、客観性を高め、再発防止に努めてまいります。

鰐淵委員 この補填の問題につきましては、国民の皆様また利用者の皆様の関心の高い問題の一つでもございますので、徹底して取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、森本社長自身のことについてお伺いしたいと思いますが、森本新社長は、旧体制下で選任されました。引き続きトップを務めることにつきまして、どのように説明責任を果たしていくのか、お伺いしたいと思います。

森本参考人 お答えいたします。

 私は、四十年余り、関西電力で経験を積んでまいりました。今回このような事象を経験し、二度とこういったことを起こしてはならないという思いは大変強く、社長就任後は、より一層、その思いを強くしております。

 弊社の人事・報酬等諮問委員会における社外取締役の皆様による審議の結論として、内部にいた人間だからこそ、組織風土の問題の把握が迅速にでき、スピード感を持って再発防止に当たれるという点も踏まえ、選定していただいたと聞いております。

 社長人事を含め、六月以降の役員人事につきましては、六月の株主総会で、指名委員会等設置会社の移行の承認を得た上で、改めて同日の取締役会を経て決定いたしますが、ただいま申し上げました私自身の思いを実現すべく、新体制でも最善を尽くして、選ばれるよう、ベストを尽くしていきたいと思っております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 力強い決意のもと、改革に全力で取り組んでいただきたいと重ねてお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、このガバナンス強化ということでお伺いしたいと思います。

 先ほどの質問にも少し重なる点もございますが、第三者委員会の提言に沿った会長職への外部人材の登用ということで、榊原前経団連会長を迎えることになりました。

 榊原次期会長は、記者会見で、今般の問題は信頼を損なうゆゆしき事態で危機的状況だ、遅くとも二年ほどで信頼を回復できるよう全力を注ぎたい、このようにおっしゃっておられました。

 榊原次期会長は、相当の御覚悟を持ってついていただくと思います。しかし、これまでの関西電力の対応を見ますと、実際には監査役によるチェックができていなかったわけでございますので、実効性のある外部の目によるチェックが本当にできるのか、難しいのではないかと思っております。

 今回の改革で法令遵守体制の抜本的な強化が図られるのか、また、新会長の考えも生かされる体制が構築されるのか、お伺いいたします。

森本参考人 私ども、指名委員会設置会社等に移行し社外中心の監督体制とするに当たり、社外取締役に存分に御活躍いただき、社外取締役を通じて、社外の風、ユーザーの目線を経営に取り入れ、より開かれた会社を目指していきたいと考えております。

 榊原会長には、取締役会議長という重責を担っていただきますが、外部の客観的な視点から、取締役会において実効的な御指導、監督をしていただき、弊社のガバナンスの透明性、公平性を高めることが極めて重要だと認識しております。

 そのため、榊原会長を始め社外取締役の方々に取締役会において活発な議論をしていただけるよう、執行側の重要情報が漏れなく集まる仕組みや、取締役の選任、報酬決定の仕組み等を構築してまいります。

 こうした仕組みを構築いたしますとともに、取締役会や各委員会の運営を迅速的確に進められるよう、社外取締役をサポートする専任スタッフを配置するなど、透明性や実効性を高めるための体制づくりも進めてまいります。詳細な体制は指名委員会等設置会社を採用されている他社の事例も参考にした上で、新会長を始め社外取締役の皆様に最大限力を発揮していただける環境をしっかりと構築してまいりたいと思います。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 先ほども申し上げましたが、特に外部の方、相当な覚悟を持って、決意を持って臨んでいただくことになると思いますけれども、そういった方々の思いも含めて、また力もおかりしながら、改革を全力で進めていただきたいと思いますので、ぜひとも、この内向きの体質を今こそ変える、そういった取組をお願い申し上げたいと思います。

 では、最後に、経済産業省にまたお伺いをしたいと思います。

 今回のこの関西電力の問題は、原子力の閉鎖性が原因の一つだと思いますけれども、ほかの電力会社でもこのような問題があるのではないかと思わざるを得ません。このような問題は絶対にないのか、また、起きないと言えるのか、経済産業省の方にお伺いしたいと思います。

牧原副大臣 御指摘の関西電力以外の電力各社に対しましては、今回の事案が発生した昨年の段階で既に確認を行っておりまして、結果としては今回問題となっている金品等の受領の事実は確認されなかったとの回答を得ているところではございます。

 さらに、今般、関西電力に対して業務改善命令を発出したことを受け、改めて各社に対し、コンプライアンスの徹底や、工事発注等に係る適切な業務執行を含めて、適切かつ公正な業務運営に取り組むように指示したところでございます。

 電気事業者たるものは、電気料金を支払う利用者の皆様から不信を持たれることがないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然でございまして、各社には、引き続き適切かつ公正な事業運営に取り組むよう指導監督してまいりますし、このような事案が起きないように指導監督してまいりたい、こう思っております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 冒頭にも申し上げましたけれども、そもそも電力会社の監督官庁である経済産業省、まず経済産業省の皆様がしっかりとみずからを律していただくという、そこをもう一度確認をさせていただきたいと思いますし、その上で、国民の皆様に信頼をしていただける電力業界として、力を合わせて改革に取り組んでいただきたいということを再度申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 きょうは、大変にありがとうございました。

富田委員長 次に、斉木武志君。

斉木委員 立国社の斉木武志でございます。

 森本社長、きょうはよろしくお願いいたします。

 まず冒頭、梶山経産大臣にお伺いをいたします。

 森本社長に手交した業務改善命令を出し直した。ここに二枚の、三月十六日、そして三月二十九日の二度にわたる業務改善命令というのがあります。大臣も経産省も、また電力・ガス取引監視等委員会も、電気事業法の六十六条を知らなかった、失念していたというふうに、私は電取さんそして資源エネルギー庁から説明を受けました。

 根本規定のこの電気事業法の規定というものを、大臣は電取にまず意見を聞かなければいけないという規定を、御自分の命令で出されていますよね、梶山弘志経産大臣名で二度にわたって出されております。御自分で命令を出すのに、電取に、要するに消費者の代表に、監視委員に意見を求めなければいけないという要件を失念していたんですか。

梶山国務大臣 担当者が失念をしていたということでありまして、行政の意思決定プロセスに対する国民の視線が厳しい昨今、非常に問題があることだと思っております。不適切であったと考えておりまして、経済産業行政への信用を損なったことについて、まずはおわびを申し上げる次第であります。

 私名で発出する文書も決裁はいろいろでありまして、課長決裁もあれば部長決裁もあるという中でそういう事象が起こったということでありまして、私名で出す文書を、全て決裁過程を私が目を通しているわけではないということでもあります。

斉木委員 質問にお答えいただきたいんですが、大臣はこの意見聴取が必要だということは知らなかったということでよろしいですね。

梶山国務大臣 法律は読んでおりますので、それは知っていたということであります。

斉木委員 では、なぜ意見聴取という重要なプロセスをネグレクトしたんですか、捨象したんですか。

梶山国務大臣 私名で発出するものも、決裁はそれぞれの立場の方たちがするわけであります。その決裁文書を私が一々全て見ているわけではない。

 ただ、これはあってはいけないことであるという認識であります。

斉木委員 本委員会そして予算委員会で梶山大臣御自身が、今、これから業務改善命令を出すから、出すから、出すからと言って、全て答弁されていますよね。業務改善命令を待って、改善計画を見て厳正に対処したいと、予算委員会でも本委員会でも何度も答弁されております。

 それだけ何度も答弁をされているのに、なぜ、最も重要な意見聴取、要するに、国民の監視方、規制方の意見を求める、それで命令を発出するという、これが行政のプロセスじゃないですか。あれだけ何度も何度もいわゆる大見えを切っていたのに、何で根本規定を知らないんですか。

梶山国務大臣 何度も申し上げますけれども、根本規定は承知をしておりましたけれども、決裁が課長決裁ということで文書を発出するということでありまして、私名で発出するものも、それぞれの課長であるとか部長の決裁のものもたくさんあるわけであります。私の決裁というものもあろうかと思いますけれども、そういうことであります。

斉木委員 決裁、決裁ではなくて、御自身が認識されていたかどうかを聞いておるんですが、このあれを見ると、前回の経産委員会でも、電気事業法一条、なぜ電力事業者があるのか、それは電力利用者の保護を目的とすると、第一条の第一文に書いてあります。根本規定です。

 やはりこういったことを、電気事業法のこういったプロセスを無視して、業務改善命令を出し、もう一回出し直すという、しかも隠蔽工作をした、公文書を改ざんした。これは、まさに経産省も経産大臣も、そして、規制側である取引等監視委員会も、いかにユーザーの保護ということを軽く見ているか、失念しているかということの証左だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 大臣、これに伴って、省内の職員、処分を受けておりますが、大臣御自身の処分、責任のとり方というのは言及されていないんですが、これに関して責任はとらないんでしょうか。

梶山国務大臣 十分に責任は感じております。

 三月十六日付の決裁文書、私のところに報告が上がってきたのが三月二十八日ということになるわけでありますけれども、この報告が遅かったということも含めて、非常にまずいことであると思っております。そして、透明性、信頼性というものをなくすものだと思っておりまして、失念したという言葉だけで済まされない重大な問題であると思っております。

 私自身は、責任を感じながらしっかりと、今後こういうことが二度と起こらないような体制づくり、また、職員に対してしっかりとそういう訓示をしていくことだと思っております。

斉木委員 電気事業法一条、利用者の保護も、六十六条、命令に必要なプロセス、もう一度よく読み返していただきたいというふうに思っております。

 電取さんにも来ていただいておりますので、伺います。

 私、今回の事案を聞いて愕然といたしました。そもそも電取さん、規制監視委員会というのは、経産省の職員から口裏合わせを頼まれましたね。そして、十六日の事後に、この一枚目の改善命令書、森本社長が十六日の八時に受け取りましたね。そして、受け取った後に、この委員会を招集しましょうと。要は、要件を満たすために経産省、資源エネルギー庁から頼まれて、つじつま合わせのために、全委員にメールで、意見聴取が事後になってしまいましたが御意見をお願いいたしますということを流しました。これは要するに、資源エネルギー庁のミス隠しに加担をした。

 私、愕然とするのは、監視委員会というのは国民の代表ではないんですか。ですので、こういった電気事業法をミスした口裏合わせの要求、要請が資源エネルギー庁からあったら、それをとめるのが監視委員会の役割だと思うんですが、どう感じていますか。

佐藤政府参考人 御答弁を申し上げます。

 私ども、日付を変えたりとか、そういった体裁を整えるために資源エネルギー庁に協力したということは一切ないというふうに思っております。

斉木委員 御答弁いただきたい。

 三月十六日の命令発出後に、なぜ委員会を、意見聴取を開催したんですか。それは、完全に電気事業法違反であるから、これは業務改善命令自体に瑕疵がある、法律を、これは手続を欠いているから、無効な命令であるというふうに資源エネルギー庁に回答するのがあなたの役割でしょう。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 事後ではありましたとしても、私ども、しっかりと見させていただきまして、必要があれば意見がある方が適当というふうに考えさせていただきまして、意見を回答したということであります。

斉木委員 六十六条には何て書いてありますか。事前に委員会の意見を求めることと書いてありますね。事前ですよ。何で事後に求めて、それでよしとするんですか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 それはやはり、業務改善命令を見させていただきましたが、中身ということであると思います。中身というのは、先生も何度か御指摘いただいておりますが、私どもの一番の仕事というのは、電力の市場の監視や適正な取引の確保であります。

 ということでございますが、今回の業務改善命令は、関西電力のコンプライアンスの是正に関するものが主でございまして、それは監視等委員会の所掌に直接的にかかわるものでないことを、私でありますとか委員長以下の各委員がしっかりと確認をしたということで、直接的に関係があるというものではないということですので、これは異論なしということなので、事後ということでありましてもしっかり意見は言うことが必要であるかというふうに思いまして、意見を回答したということであります。

 以上です。

斉木委員 根幹規定である電気事業法を、最後のとりでである監視委員会がやすやすと無視してしまって、推進側である資源エネルギー庁の口裏合わせに乗ってしまったら、誰が国民の利益を守るんですか。誰ですか。

佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 口裏合わせという意味は全くございませんで、やはり必要な意見は言う、そこが重要だと思いまして、事後になりましたが、委員長以下が判断をいたしまして、お答えをいたしました。

斉木委員 その事後になった時点で差戻しを、これは通りませんよと言うのが監視側の役割だと私は思います。

 そもそも、資源エネルギー庁の職員が、今回、刑法の虚偽公文書作成罪を犯しているという指摘も複数のマスメディア、新聞からも提起されております。要するに、日付をつけかえるであるとか、後から事前に聞いたことにしよう。これを、虚偽公文書作成罪に当たるという指摘に関しては、大臣、どのようにお考えですか。

梶山国務大臣 その件につきましては経済産業省では判断しかねますけれども、これまでも刑法犯との関係について指摘される可能性がある事案については警察に報告をしていることから、今回も警察に報告をさせていただきました。また、内閣府の公文書監察室にも報告を行いました。ただし、これは告発を行う前提のものではございません。

 今回のケースは業務改善命令や電取委の意見聴取の内容を書きかえる、不適切にゆがめるなどの行為は行われておらず、経産省として告発を行うまでの高い違法性があるとは考えていないということであります。

斉木委員 安倍政権では公文書の改ざん問題がさまざまな問題で指摘をされております。森友問題であるとか、桜の問題であるとか。また経産省もかと。いかに、その一員である梶山経産大臣も公文書作成に関して軽く見ているか。それが部下である資源エネルギー庁の職員に伝播し、既に軽く見ているからこそこういう事象が起こるのではないかと国民は疑念を呈しているところでございます。

 やはり、今回の問題、関電の問題とも通底するところはあるんですけれども、私が思うのは、原子力安全・保安院ですね。原子力特別委員会でも指摘させていただきました。原発の地下に予備電源があるとか、津波の波高を低く見積もっていたであるとか、さまざまな問題がありました。それを、身内だからこそ指摘できないであるとか、身内だから後で相談すれば何とかなるだろう。

 今回もそうです。事前に業務改善命令の瑕疵があるということを指摘すべき監視委員会が、じゃ、事後でもいいから開きましょうと資源エネルギー庁と相談をして事後開催をしたり。これはまさに、身内だからどうとでもなるというふうに、資源エネルギー庁もやはり身内意識で監視委員会に甘えているところがあるし、監視委員会も身内だからというふうに守っている。

 これはやはり外出しをするしかないというふうに思うんですね。

 海外では外出しをしている事例がたくさんあるんですよ。例えばアメリカ、連邦エネルギー委員会、FERCという組織があります。千三百七十人の、日本の十倍ぐらいの職員数がいるフェデラルの、連邦の委員会ですが、ここは準立法機能、規制制定権まで持っているんですね。また、準司法機能、違法行為の訴追もできる。

 実際に、過去、バークレイズという大手の銀行がありますね。このメガバンクがカリフォルニア州の電力市場を不正に操作したということで、FERC、このアメリカの監視委員会は改善命令を出し、課徴金命令、これは四億三千五百万ドルという巨額です、これを銀行に課して、銀行が従わなかったら連邦地裁に提訴したんですよ。提訴して、相手を司法の場で敗訴に追い込んで、払わせる。

 こういった訴追権限が日本の監視委員会にはないと思うんですが、こういった規制を制定したり、要するに、準立法機能、そして準司法機能、訴追権限というのは持っていますか、監視委員会。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 訴追権に関しましては、我が国では検察庁のみが持っているというふうに理解しております。

 以上です。

斉木委員 まあ、やはり、身内だから相談もできてしまうし、事後開催しようねと言ったら監視委員会も乗ってしまう。こういった大餅つき大会をやはり許さないためには、三条委員会、規制委員会のような形で独立をさせる、若しくは消費者庁に移す。今は八条委員会ですね。ですので、やはりより独立性を高めて、少なくとも事前のネゴシエーションができたらだめですよ。口裏合わせを、身内にいるからできちゃうんじゃないですか。これじゃ、規制って何のための規制ですか。保安院の議論と全く、私、デジャビュなんですよ。九年前にタイムスリップするんですね、頭が。

 やはりこれは、委員長、これは重要な経産省の制度論で、私は、今回、業務改善計画書を出したのは経産省だと思いますよ。だから、今回のこの事象というのは、少なくとも集中審議をし、しっかりと、経産省がそして監視委員会が、国民の代弁者だ、電力の使用者の利益の保護という第一条を守る組織だというふうに立て直すのが我が委員会の務めだと私は思いますので、ぜひ、最低、集中審議、若しくは小委員会の設置をお願いしたいと思います。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

斉木委員 森本新社長に伺います。

 私、今回のこの経産省の規制の問題というのは、関電の問題とこれは非常に似ているなというふうに思っております。それが、関電さんの旧経営陣、岩根社長が指名をした但木敬一第三者委員会チームによって今回の最終報告書がつくられているという点です。

 普通であれば、悪事を働いたその被調査対象者ですね、八木さんも岩根さんも、前会長も前社長もそうです、その被捜査対象者、被調査対象者である社長が指名した委員会が、どうしてその旧悪を暴くことができるんですか。少なくとも、森本新社長体制に交代して、森本さん御自身が調査委員長を指名すべきではなかったんですか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の調査は、日弁連ガイドラインに準拠して、会社から完全に独立した中立公正な社外委員のみによって構成されました第三者委員会によって、五カ月以上にわたって客観的かつ徹底的に調査をいただいたものでございます。

 具体的には、第三者委員会において、合計二百十四名に対し延べ二百四十八回のヒアリング、六百名以上を対象にした書面調査、電子メール等に関するデジタルフォレンジック調査、ホットライン調査を行うなど、できる限りの調査を尽くしてきました。

 弊社としても、当時の社長からグループ全体に対し協力依頼を行い、データ保全措置の徹底もあわせて行うことなど、全面的に協力をしてまいりました。

 その結果、今回の第三者委員会の報告書においては、ガバナンスやコンプライアンス、工事発注などさまざまな観点から大変厳しい御指摘をいただきました。第三者委員会の独立性、中立性の観点での問題はないものと考えております。

斉木委員 私は、なぜ委員長をあなたが指名しなかったんですか、新経営陣が指名すべきではないですかと言うのに、全くお答えになっていない。全て作文を今お読み上げなさったのが、地元議員としても非常に残念であります。

 関電の原子力発電所は、全て私の地元、小選挙区に十一基とも所在をしております。現行が七基、そして廃炉決定したのが四基。非常に経営の核心でもあると私も承知をしておりますし、地元の一番の大企業の社長さんでもあるというのも承知をしております。同時に、やはり国民の代表でもありますので、今回の電力の大餅つき大会とも言われかねないような、関電の経営層にも巻き込んで還流をしていた、これはやはりしっかり正して、うみをこの機会に、五十年分のうみをしっかり出すのがきょうの集中審議の意義だというふうに思っております。

 その点で、では、この調査報告書、二百ページに及ぶ内容に関して、ちょっと表現が、私はどうも事実と異なることを随分書いているなというふうに思わざるを得ないんですね。それが、この委員会でもるる指摘をしてまいりました、この当時の、報告書の六十九ページに書いてあります、浜田倫三高浜町長の個人口座、浜田氏名義の口座に九億円もの寄附金が、町の口座ではなくて、町長の口座になぜか入金されたという問題です。

 町の口座に振り込んでいただければ、私は大いにやっていただきたいと思うんですよ。それで、例えば、医療費が高三まで無料化できる、そして公共施設ができる、お年寄りの巡回バスができる、いろいろ社会福祉に役立てることができる。でも、町長の個人口座に振り込んでしまったら、それは町長を抱き込むための裏金ではないかというふうに、実際そういう住民監査請求も起きました。

 なぜ、そもそも町の口座ではなくて、町長の個人口座に振り込んだんですか。

岡田参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のとおり、第三者委員会の報告書におきまして、次のような認定がされております。すなわち、関西電力は、この地域振興対策への協力として、一九七六年から七七年に合計九億円の協力金を高浜町に対して支払っている。この九億円の協力金については、関西電力から浜田氏名義の口座に振り込まれ、浜田氏及び森山氏と地元関係者の協議結果を踏まえ、町道舗装や漁業整備等の地域振興対策や漁業振興対策の費用として支出されたというふうに認定されております。

 この事実認定につきましては大変重いものと受けとめまして、会社として猛省しているところでございます。

 そして、今先生御指摘のその経緯でございますけれども、このような支出の仕方につきまして会社で保管している関係資料を調査いたしましたが、これ以上確認できませんでした。

 以上でございます。

斉木委員 私が入手している、福井県が、当時の漁協ですね、七千万円ずつ、浜田さんは、自分の口座から三億三千万円、七千万、七千万、七千万、七千万、五千万ずつ、五支所に配りました。そして、当時反対と言っていた漁協の方に、これで拳をおろしてくれよ、金を渡すから黙ってくれということをやったと。これは、県の漁協の組合長に対する聞き取り、そして当時の新聞記事も記載をされております。

 そういった、要するに実弾攻撃ですね、浜田さんの口座九億円から三億三千万円は、反対と言っていた人に個別配付をして黙っていただく、それを森山さんと一緒に配っていった、浜田さんと。まさに、この六十八ページにはその実態が書いてあります。三、四号機の増設に、森山さんと浜田さん、助役と町長がセットになって一番力を注いだと。これは、但木敬一委員長が認定をしております。

 その実態が、要するに反対派を抑え込む、地元工作も森山さんは汗をかいたと言っております、その地元工作、中身、核心は、まさにお金を渡して反対派に拳をおろしてもらう、こういうことを不透明にやるために、使途がわからない個人口座に入れたんじゃないんですか。

岡田参考人 御指摘の点につきましては、第三者委員会の報告書におきまして不適切な手法との指摘を受けておりまして、大変反省しているところでございます。

 協力金の使途につきましては、報告書に記載しておりますとおり、町が実施する地域振興対策や漁業振興対策の費用として支出したものと認識しております。御指摘のような個別に配付等々といったことがあったかどうかにつきましては、承知しておりません。

 以上でございます。

斉木委員 きょうせっかく来ていただいても、承知しておりません、資料がありません、わかりませんの連発なんですが、やはりこれは、その資料を持っているはずの但木さんに来ていただく必要がありますね。このままでは押し問答になってしまう、知らない知らないですので。

 貴重な時間を浪費しないためにも、ぜひ次回、集中審議を但木敬一委員長、これは与野党協議調わずで、与党側の反対で、きょうは但木敬一さん、私要求をいたしましたが、何十度目かわかりませんが、拒否をされました。ぜひ但木敬一委員長、書いた本人に、なぜこういう表現をしたのかということを聞かないとわからないことはよくわかったので、ぜひ委員長にはこのお取り計らいをお願いしたいと思います。

富田委員長 理事会で協議させていただきます。

斉木委員 これは本当にゆゆしき問題でありますけれども。

 これは、この「広報たかはま」に載って、これは要するに、住民監査請求を昭和五十三年八月七日に、町長側が、住民から、おかしいじゃないか、何であんた個人口座でもらったんだ、誰に配ったんだ、口座に幾ら残っているのか、監査請求がありました。それに対して、八月七日に否決をして、その翌日にこの広報というのは全世帯に配付された。いわゆる町長側の言いわけの文書、町長側のまさに論拠とする文書でして、そこに載っているこの協力金九億円ですね、この表現をそっくりそのまま、今回の報告書にも引用されております。

 この九億円の配付について、但木さんはどう表現しているか。「浜田氏及び森山氏と地元関係者の協議の結果を踏まえ、町道舗装や漁港整備等の地域振興対策や漁業振興対策の費用として支出された」。言及されていないんですよ。

 三億三千万円は、県の調査でも、県の地方課長が漁協の組合長そして高浜町の総務課長に聞き取り調査を行いました。それに対しては、漁協は七千万ずつ浜田倫三町長から現金で直接受領したと答えております。そういうことが全く載っていない。しかも、配ったんですね。組合長は、各戸配付で、A漁協は一世帯五百万ずつ配付しましたよ、そして、B漁協は五十万ずつ渡しましたよ、C漁協は支所の建物を建てかえるから、うちは一円も配っていません、そういう具体的に答弁、調査に対して回答しております。それも全く書いていない。

 要するに、各戸配付で反対という方に握らせたという肝心なところが書いていないで、協議の結果、適切に費用として支出された、まさに浜田さんの言い分をそのまま書いている。これは要するに身内調査の限界だと私は思います。旧経営陣が関電を、私申し上げましたね、関電を非常に守りたいんだなと、但木さんは。

 そして、こうも指摘されている。二十五ページ、本調査の過程で収集した資料からは、関電が森山氏との関係を維持しなければならなかった決定的な理由は明らかにならなかった。

 明らかじゃないですか。森山さんと浜田さんに、浜田さんの個人口座に九億円を渡して、そして反対派に三億三千万円配らせて黙ってもらった。そして、残金の五億七千万円は、浜田さんは、事後ですよ、住民たちに指摘されて、慌てて、こういうふうに使います、適正に使いますと言ったけれども、実は自分の口座に全部あった。指摘されなければ、町長の裏金として、町長のポケットにそのまま入っていた。

 要するに、町長は、そうしたら、もう原発推進に目の色を変えるじゃないですか。町のためと言いながら、自分の懐に還流させるために誘致をしたと言われてもしようがない事案だと思います。それを関電さんが、その原資を渡して工作活動をしてもらった。こういった、森山さん、浜田さんという不適切な関係を森山さんにばらされたくないから、森山さんと関係を断ち切れなかったとしか言いようがないんですが、社長、どうお考えですか。

森本参考人 今回、第三者委員会では、しっかりとした体制で、十分な時間をかけて客観的、徹底的な調査をいただいたものと思っております。

 また、今回、第三者委員会は、高浜町関係者へのヒアリングも含めて客観的、徹底的な調査を実施していただいて、事実関係を認定いただいたと考えております。

斉木委員 答えられていないので、やはりこれは本委員会が小委員会等をつくって、国政調査権に基づいて調べるべきだということを委員長に申し上げたい、御提案をしたいというふうに思います。

 また、なぜ電取がこれを見抜けなかったのか。我が国においてこういった、過去、電力事業者が不正をやっていたら、誰が守ってくれるかというのは、私は電取しかないと思うんですが、電取はこの件に関して認知できましたか。共同通信の九月二十七日の報道で認知したと思うんですが、初めてこの問題の所在に気づいたのは、電取さん、いつですか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、共同通信の報道で私ども承知をいたしました。

斉木委員 これが実態です。マスコミが指摘をし、私ども国会がしっかりと事実をこうやって、九億円がありますよ、こういうことを指摘をして指摘をして、やっと認めていっているというのが実態ですので、これはやはり国民の疑念がなかなか晴れないんですね。

 ですので、しっかりと、電取をしっかりこの際、三条委員会等、外出しをして、資源エネルギー庁とも口裏合わせができない組織に生まれ変わらせること、そして再調査を行うことを私はすべきだと思うんですが、委員長、ぜひ、これは集中審議等でこの委員会で検討することをお願い申し上げます。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

斉木委員 そして、これは大分時計のねじが過去に行きましたので。

 こういった、原子力にまつわるお金を政治家の個人口座に流し込んでいる、政治家の所得にしているというのは、現在も行われております。

 予算委員会でも指摘をさせていただきました、これは、稲田朋美元防衛大臣の二〇一七年の資金収支報告書ですね。

 稲田朋美防衛大臣は、二〇一七年七月に防衛大臣を退任されるとき、同じ月に資金パーティーを予定していた。ですので、調整、中止をして返金をした。返金をすると二十万円以下の小口購入者でも全部リストに載りますので、関西電力さんは関連会社も含めて多く社名が載っております。

 関西電力二十万円、きんでん、配電会社ですね、十万円、関西不動産開発十万円、かんでんエンジニアリング十万円。そして、原子力事業者全員です。中部電力八万円、九州電力六万円、四国電力四万円、中国電力六万円、東北電力六万円、北陸電力八万円、北海道電力四万円、日本原子力発電十万円。そして、電気事業連合会十万円。沖縄電力はしっかり入っていません。これは、原子力事業者がこぞって、自民党閣僚、衆議院議員の資金パーティーを支えているという構図、しかもそれが表に出ないようにしているという構図であります。

 これは通底しております。豊松副社長以下、多くの役職者が報酬の減額分を後から補填をされておりました。そして、金沢国税局に今回の森山さんの件を所得とみなされて追徴課税を受けた豊松さんは、なぜかその追徴課税分も関西電力あなた方、会社に負担をさせていた。これはもう信じがたい問題ですね。

 要するに、役員の身を切る改革をしますよ、原子力が福島の事故後動かないから役員報酬を下げて対応しますと世間にアピールはしているけれども、役員はこっそりと、もう世間は忘れたから補填してあげるよ、追徴課税も払ったけれども、まあ、森山さん、あなたのせいじゃないから、豊松さん、あなたには三十万円上げるよということで、事後、わからないようにこっそり補填をしておりました。

 それで、今回のこの、まあ、せこいという声も上がりましたけれども、まさにそのとおりですよ。一九七四年に、あなた方、関西電力ほか電気事業連合会の原子力保有事業者全て、政治家への献金を廃止すると宣言しましたよね。一九七四年、オイルショックのときに、電力料金の値上げ分まで、政治家の献金を負担するのは嫌だという国民世論が起きたからですよ。だから、ではもう政治家にはお金は寄附しませんと言っているのに、二十万円以下の、表に出ない形で、収入には載っからないけれども、支出は出ちゃいますからね、一万円以上ですので。返金したら、びっくりしたことに、全原子力事業者が、関西電力さんは、関電、きんでん、関西不動産開発、かんでんエンジニアリングと、総がかりで二十万円以下の小口献金で支えている。こういった、わからなければいいという体質、どうお考えですか。

森本参考人 お答えいたします。

 弊社は、現在、政治献金は一切行っておりません。

 御指摘のとおり、昭和四十九年に公益事業としての立場を踏まえて行動するとの方針を表明しておりますので、少なくとも、それ以降は政治献金は行っていないということでございます。

 それから、最初に御指摘のあった点については、報道は承知しておりますが、具体的な購入実績については、お答えすることは御容赦いただきたく存じます。

 一般論といたしまして、こうしたパーティー券につきましては、有益な情報の収集が期待できるなど、弊社の事業を進めていく上で有意義と判断できる場合には必要に応じて会社として購入し、出席することとしております。

斉木委員 お隣に梶山経産大臣がいらっしゃいますが、梶山経産大臣のパーティー券を購入されたことがありますか。

岡田参考人 お答え申し上げます。

 一般論として、政治家のパーティー券につきましては、有益な情報の収集が期待できるなど、会社として有意義と判断できる場合には、必要に応じて、購入、出席しております。

 個別の具体的な購入実績につきましては、お答えすることは御容赦願いたいと思います。

斉木委員 梶山経産大臣は購入していただいた事実はありますか。

梶山国務大臣 パーティーの収入などの政治資金の収支につきましては、法令に基づいて適切に処理をし、収支報告書として公表をしております。

斉木委員 答えていないんですね。

 二十万円以下の小口献金、稲田さんはそうでした、予算委員会で否定はされませんでしたね。二十万円以下でも購入は受けてもらっていないということですか。

梶山国務大臣 私のパーティーは、個人的につながりのある方々に広く買っていただいているつもりでございます。その個人の方々の経歴というものは関係ないと思っております。

斉木委員 関電側も梶山大臣も否定をされなかったということを国民の方には御判断いただきたいなというふうに思っております。

 私は、この機に、浜田さん、地元首長に九億円もの自由なお金を渡して、反対派を黙らせるために三億三千万、余ったら、どうぞ首長、懐に入れてもわかりませんというような不透明な政治家への金の渡し方、これはもう一切やめるべきだと思うんですよ。だから、今、パーティー券や献金のことをお聞きしているんです。

 関連会社もすごいですよ。自民党山口県第四選挙区支部、代表者は安倍総理大臣ですね。安倍総理大臣は、きんでんさん、御社のグループ会社の送配電設備事業者が百四十四万円献金をしております。和歌山県第三選挙区支部、二階幹事長の選挙区支部です、こちらにも、きんでんさん、六十万円献金をしております。

 きんでんさんは、国民政治協会、自民党の政治献金受入れ窓口、こちらに平成二十九年四百万、平成三十年四百万、業界でも最多額の献金を毎年、二十九年、三十年、直近の数字を見ても、毎年毎年四百万円献金をされております。

 こういった原資は全部電力料金に乗っているんですよ。大阪のおかんは非常に怒っているんですよ。何でこんな政治家に渡すつかみ金まで私らの電力料金で払わされるんだ、そういう不満に応えるのが本当の改革なんじゃないですか。社長はどうお考えですか。今後、政治献金はやめますか。

森本参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたように、弊社は政治献金は行っておりません。なお、きんでんにつきましては、公開されている政治資金収支報告書で記載がある旨は承知しております。

 それから、パーティー券につきましても、先ほど申し上げましたが、業務を進めていく上で有意義なものにつきましては、必要に応じ購入し、出席することとしております。具体的な購入実績は先ほど申し上げたとおりでございます。

斉木委員 私は非常に、地元議員としても残念でなりません。この機に、チャンスですよ、もう政治家に、浜田町長、ほかにも、美浜町そしておおい町長に渡していないかという疑念も出てくるわけです。だから、町長につかみ金を渡して、忌避施設である原子力発電所を、どんどん受入れ推進派に転化させたんじゃないか、金の力で立地させたんじゃないか、そういう疑念は地元もふつふつと持っているわけなんですね。

 ですので、政治家にそういう、もう個人口座に送ることもしないし、また、献金はしないと言っているけれども、パーティー券を購入しているじゃないですか。買っていますね、稲田朋美元防衛大臣、二十万円、二〇一七年に買っている。収支報告書に出ております。

 だから、パーティー券だって、政治活動のマネーをつくるために、公職選挙法に規定のある、だから開示義務もあるんですよ、政治活動に資するためのお金を政治家が企業にお願いするパーティーでしょう。それを買うということは献金と同義じゃないですか。献金はしていないけれども、裏で、パーティー券は二十万円以下で、小口にして買っています、これからもやめませんというのは、再生の誓いと真逆だと思うんですが、いかがですか。

森本参考人 先ほど申し上げましたように、業務を進めていく上で有意義なものと判断したものは、購入し、出席することとしております。

 なお、前半におっしゃっていただいた件につきましては、協力金等を支出するに当たりましては、支出先の団体の公印を捺印した振り込み依頼書の受領、使途の確認、個人利用を前提としないことを確認することとしておりますが、これをきっちりと社内標準と規定し、それに基づく運用を厳格にしてまいります。

斉木委員 規制側にも国民目線がない、そして、改善計画を出してきた関電さんも政治家との関係は断ち切らない、原発マネーを献金やパーティー券で渡すことはやめないというのは、これは非常に残念だとしか言いようがありません。

 そして、大阪のおかんは憂えていますよ。もう豊松さんがミナミで遊ぶ金を補填するのは嫌やわ。では、今度、それを取り戻すと言っていますね。退任した役員からは我々は取り戻します。取り戻した三億ばかりのお金。そして、調達委員会をもって、今度、特命発注ではなくて競争入札で、安全対策工事も特重施設もその他の火力も含めて、調達委員会に移行すればこれは工事単価が下がります。

 電力料金は、役員から違法に還流した手当、そして追徴課税の肩がわり分、そして調達委員会を設けて工事単価を下げた分、その取り戻したお金は、当然国民に還元してくれますよね。電力料金の値下げに反映するお考え、電力料金に反映、値下げ、それを原資として、調達委員会で競争入札をして、する分、電気料金に反映させるお考え、値下げはお考えですか。当然、国民としては、それが本気の再生だと思うんですけれども。

森本参考人 お答えいたします。

 電気料金の改定につきましては、今後の経営環境、収支の動向、経営効率化の進捗などを慎重に見きわめた上で総合的に判断してまいりたいと思います。

斉木委員 時間が来ました。

 地元議員としても、非常にこれは、立地地域、複雑な心情を抱えております。きょう、その疑念に、国民も疑念を抱えている電力料金にも、十分に解明されたとは言えないと思います。やはり、但木敬一第三者委員会委員長を呼んで、関電問題に関しても集中審議、更に開いていただくことをお願い申し上げまして、本日の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

富田委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 立国社の今井雅人でございます。よろしくお願いします。

 関電の皆様、きょうはありがとうございます。

 最初に、先ほど斉木委員も指摘していましたけれども、今回の業務改善命令に係る不適切な経産省の手続についてお伺いをしたいと思うんですけれども。三月三十一日に、経産省から、この事案についての対応ということでプレスリリースをしておられますので、それに従ってちょっとお伺いしたいんですが。

 まず、ここにも書いてありますけれども、そもそもこの不祥事はどうやって明るみに出たんでしょうか。

梶山国務大臣 情報公開請求がございました。このことによって、省内での周知をすることとなったわけであります。

今井委員 そうなんですね。三月二十六日にこの決裁文書について情報公開請求があって、そこで慌ててこの偽造をしていたことがばれてしまっておたおたした、こういうことなんですけれども、つまり、外からの指摘がなかったら、これはこのままの状態だったということですよね、大臣。

梶山国務大臣 そういう可能性もあったということであります。

今井委員 これは本当に大変な問題だと私は思っていまして、もちろん、手続が逆になったこと、これも問題なんですが、それよりも更に問題だと思うのは、これは私は犯罪行為だと思うのでどうしても許せないんですが、行政文書、公文書たる行政文書の偽造があったのじゃないかという問題なんですね。

 まず、大臣、先ほども御答弁されていましたが、本来三月十六日に行われたものを三月十五日にやったことにしようということにして文書をつくったということは、これは事実と異なるものを故意に偽造をしてつくった文書である、そういう御認識はお持ちですか。

梶山国務大臣 先ほども申しましたけれども、私どもでは判断しかねるということで、これまでも、刑法犯との関係について指摘される可能性がある事案については警察に報告をしておりました。今回も警察に報告をし、また内閣府の公文書監察室にも報告を行ったところであります。

 ただし、これは告発を行う前提のものではなくて、今回のケースは、業務改善命令や電取委の意見聴取の内容を書きかえる、不適切にゆがめるなどの行為は行われておらず、経産省としては、告発を行うまでの高い違法性があるとは考えていないということであります。

今井委員 法務省さん、ちょっといらっしゃっていただいていると思いますので、刑法百五十五条だと思いますけれども、公文書偽造というものは一体どういうものなのかということを御説明いただけますか。

保坂政府参考人 まず、前提といたしまして、犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄ですので、その点についてはお答えを差し控えます。

 お尋ねの、刑法の公文書の偽造に関する罪といたしまして、例えば、公文書偽造罪というのは、行使の目的で公務員の印章等を使用してその作成すべき文書等を偽造した場合に成立する、あと、虚偽公文書作成罪、こちらは、公務員がその職務に関し行使の目的で虚偽の文書等を作成した場合に成立するというふうに規定されているところでございます。

今井委員 そうなんです。今、公務員が行使を目的に偽造したものに関しては罪になるというのが法律の規定であります。

 では、この事案がそれに当てはまるかということなんですけれども、このプレスリリースの中にこういう記載がありますね。「その際、資源エネルギー庁の担当者は、業務改善命令の手続に不備があったとなれば、対外的な批判は免れないとの懸念から、実際は三月十六日に意見を求める行為がなされるものの、業務改善命令の発出前に意見を求めていた体裁を整えるため、三月十五日付で電取委に意見を求めることを決裁する方針を考案。」したと書いてあります。まさに、法律上の手続を怠ってしまったから、そのことを隠そうとして偽造をしたんだとここに書いてあるわけです。

 みずからが法律違反をした手続をしたことを隠そうとして偽造した文書が、どうして違法性がないんでしょう。どうして悪質じゃないんでしょうか。とても悪質じゃないですか、これ。

 経産省はみずからこれを告発すべきだと私は思いますよ。それを、我々は判断をしない、ほかの方に委ねると。これはちょっと無責任ですね。外部の方の指摘を受けて、ばれて、ばれたけれども、自分たちは省内で多少処分をして、それで煙に巻こうとするなんて、そんなの許されないですよ。しっかりと経産省がこれを告発すべきです。いかがですか。

梶山国務大臣 不適切な手続があったことは私どもも認識をしておりますし、これは皆様におわびをしなければならないと思っております。

 三月十六日の決裁の文書で、三月十五日に電取委への意見聴取がされたようになっていたということでありまして、先ほど申しましたように、情報公開の文書が来てそれが明るみに出たという中で、これが二十六日。私自身は二十八日の夕刻にこの事案を把握したということでありまして、あってはならない大変な重大な問題が起きたという認識をいたしました。

 事実関係の徹底調査をするとともに、業務改善命令の有効性を確実なものにするために、直ちに手続のやり直しを命じ、また、次官そしてエネ庁長官を始めとする七名の処分を決定をし、今週の火曜日にみずから発表をしたところであります。

今井委員 済みません。先ほどから、告発をするほどの違法性はないというか悪質性はないとおっしゃっておりますけれども、私は十分悪質だと思うんです。

 だから、そこは見解が違うんですけれども、どうしてそれは悪質じゃないというふうに思われるんですか。

梶山国務大臣 不適切な手続があったということは私どもも十分に承知をしているということであります。そして、今後こういうことがあってはならないという認識も同じであります。

 私、就任以降、手続については大分厳しく言ってきたつもりでありましたが、今回、このような事案が発生をして、私自身大変大きな責任を感じているところであります。再発防止のために最善を尽くしてまいりたいと思っております。

今井委員 もう一度お伺いします。

 経産省としては告発するほどの悪質性はないとおっしゃいましたけれども、私はあると思うんです。なぜ、悪質性がない、そういう、告発をするまでの判断をする必要はないというふうに思われるんですかということです。

梶山国務大臣 三月十六日に発出された命令も、三月二十九日に再度発出した命令と全く同一でありました。命令の内容をゆがめた形跡はないということであります。

 十六日の命令発出後、電取委に事後的に意見照会しました。その際、異存ない旨の回答をいただきました。電取委の意見が業務改善命令に盛り込まれなかったという事実もございません。エネ庁職員が手続の不備があるにもかかわらず事実と異なる日に決裁をしようと取り繕った手続面での問題と認識をしているということであります。

今井委員 いや、ちょっと驚きました。

 内容が変わったんじゃなくて、法律に基づいた手続を自分が間違えちゃったものだから、それを隠蔽しているんですよ、隠蔽。だって、それを手続上はやったように日付を改ざん、前に戻してやっているわけですよ。自分の失敗を隠しているんですよ。めちゃくちゃ悪質じゃないですか、これ。

 こんな人に行政を任せられますか。だって、いろいろな失敗をしても、全部隠すんでしょう、この人は。そんな人に行政を任せてよろしいんでしょうか、本当に。大臣はそういう人に行政を任せてもいいというふうに考えていらっしゃるんですか。

梶山国務大臣 再発防止のために、まずは処分をするということと、職員全員に法令遵守、そして、こういう規定についてもしっかりと見直すような指示をしたところであります。

今井委員 もう、ちょっとこの話題はこれでやめますけれども、最近こういう話が多過ぎるんですよ。本当にどこの省庁も、みんなそう。内閣府もそう、財務省もそう。本当に頭から腐っていると言われても仕方ないぐらいのことを、各省庁で同じことが起きるんです。

 だから、やはりここは、どこかでこれを全部一掃するために厳しい処分をしないと。みずからが律して、きょうは関西電力の皆さんがいらっしゃっていますけれども、経産省がこんなことでは、関西電力だって立ち直れませんよ。示しがつかないんですよ。

 だから、それぐらいやはり厳しい処分をしていただきたいと思いますので、きょうはもうこれ以上お話ししても仕方ありませんけれども、この問題は本当に深刻な問題だというふうに受けとめて今後対応を考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、関西電力、済みません、きょうはありがとうございます、いろいろお伺いしていきたいと思いますけれども。

 まず、今回の事案によって役員の皆さんが何人か御退任をなさっているというふうに思いますけれども、この皆さんは、報酬の減額という処分は受けていると思うんですが、退職金、これはそれぞれどうなっているでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の件を受けて、昨年の十月とそれからことしの三月、九名が辞任しております。九名にはいずれも、退任時に退職金は支払っておりません。

今井委員 払っていないということで確認をさせていただきました。

 次に、先ほどもちょっと話題になりましたけれども、役員報酬を補填した件について、これは事案が二つあると思うんですけれども、一つは金品を受領した人がそれを納税したものを補填するということと、それから業績が悪化したことに対しての補填と、二つの指摘があったと思うんですけれども、まず、最初の経緯、最初の補填がある経緯については、誰が、どこで、どういう判断をしてこの行為がなされたのか、教えていただけますか。

森本参考人 御指摘いただいたように、今回は、追加納税分の補填の趣旨と、それからカットしたときの二つございます。

 それで、こちらの、経営不振時の役員報酬分の補填につきましては、当時トップにおりました森と八木、この二人でございます。

 それから、次の、もう一点の、追加納税等に対する補填、これは八木、岩根の二人になります。

今井委員 森元相談役ですね、森さんと八木元会長、それから八木元会長と岩根社長、それぞれということですけれども、それぞれ、この二人だけで決めたんでしょうか。

森本参考人 追加納税に関しましては、先ほどの、ちょっと私の説明が不十分でございまして、当時会長の八木と社長の岩根が方針を決めて、相談役の森に内容について相談をした、そのように承知しております。

今井委員 このことは、この三名の方以外には諮られてはいないんでしょうか。例えばほかの役員の皆さんとか、そういう方には諮られていないんですか。

森本参考人 方針を決めたのは先ほど申し上げたとおりなんですが、手続の中で、当時秘書担当でありました八嶋、これは、手続の中で本件については認識を、方針決定者の指示のもと執行する立場として認識をしていたと承知しております。

今井委員 そうすると、森本社長御自身は、そのときは、このことは、この二つの事案は御存じなかったですか。

森本参考人 私は、二つとも全く知りませんでした。

今井委員 これは本当にひどい事案だと私は思うんですけれども、先ほどのをもうちょっと確認したいんですが、皆さんから、三億円ぐらいでしたっけ、二億七千万円でしたっけ、を全部返してくれと、返してもらえなかったら、担当だった当時の岡田さんとかそのあたりの方でしたっけ、返してもらえなかった場合は、誰から返金を求めるということでしたっけ。

森本参考人 当時この意思決定をした森、八木、それから追徴分については岩根もこれに含まれると思っております。

今井委員 次に、森本社長御自身は、森山氏とは面識等はございましたか。

森本参考人 私が京都支店に勤務したときに、人権研修で講師として来たときに、受講生としてその人権研修を受けております。それが全てでございます。

今井委員 そうすると、そのときにお会いしたというだけで、その後、お話をしたこともないし、金品の受取もないということでよろしいですか。

森本参考人 もちろん、金品の受取等、一切ございません。

今井委員 それでは、ちょっと報告書の中身の方に入ってまいりたいというふうに思います。いろいろ聞きたいことがあるんですけれども、あと二十分しかございませんので。

 まず、報告書の百十九ページ、ここに、「一般的な建設業者であれば吉田開発でなくても施工可能な工事が含まれていたとのことである。」という記述がございます。

 つまり、以前の関西電力の説明では、特殊な技術を持っていたりとか、そこの業者じゃないとできないことだから発注をお願いしていたという説明を私は伺っておりましたが、この報告書はそれと真っ向に違うことが書いてあるわけですね。別に吉田開発でなくてもよかったというふうに、ほかでもできたというふうに書いてありますが、関西電力の皆さんもこれと同じ認識でよろしいですか。

岡田参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、今回の第三者委員会の報告書におきまして、吉田開発に対する特命発注案件に関しまして、特命理由の合理性につきましては疑問があると言わざるを得ない、こういった御指摘を頂戴しております。この点につきましては大変大いに反省しているところでございます。

 今後は、特命発注の理由の基準をしっかり明確化しまして、社外の専門家等で構成する調達等審査委員会においてしっかりとその適切性の評価を受ける、こういったことできっちり進めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

今井委員 恐らく、今の質問は、私のこれからの質問に対する答えなんです。

 今の質問は、別に吉田開発じゃなくても、ほかの人でもできたというふうに報告書では書いてありますが、そういう御認識でいらっしゃいますかということです。

岡田参考人 第三者委員会の報告書、今回、徹底的に中立、客観的な調査をいただいたと認識しております。その結果としましてそういう御指摘をいただいたということは、そういうことかというふうに認識しております。

 以上でございます。

今井委員 そういう認識を持っていただいてありがたいんですけれども、つまり、吉田開発じゃなくてもよかったということなんですよ。全てかどうかわかりませんが、そういう工事もあったということですから、この吉田開発に便宜が図られていたということはもう間違いないということで、そういう御認識だということです。

 ちょっと、お答えを先にいただきましたが、もう一度お伺いします。

 吉田開発、柳田産業、オーイングなどへの発注で、特命発注が異常に多い。特に柳田産業なんかはほぼ一〇〇%に近いんですけれども。このことに対して、報告書では、この特命発注が異常に多いことについての妥当性というか、これは仕方なかったのか、やはりやり過ぎだったのか、ここはどういうふうにお考えでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の第三者委員会の報告書の中で、保守、点検、修繕等の業務を特命発注することについては一定の合理性を認めることができるという表現と、原子力発電所の警備業務に関しては、これも、過去の実績、信頼性等の観点から、選定することについては一定の合理性を認めることができる等々の記述とともに、一部の業務については、発注行為において公正さが欠ける状態であったという認識をしてございます。したがって、大いに反省はしております。

 私ども、競争発注を大前提としておりますことから、まず特命発注理由の基準を明確化して、今後、社外の専門家の皆様方で構成される調達等審査委員会、こういったものの中で適切性の評価を受けてまいりたいと思います。

 その上で、個別の契約案件についても同委員会で審査を受けることで、合理性のない特命発注を行わないよう取り組んでいきたいと思っております。

今井委員 今まさに、関西電力では一般競争入札が原則であったが、今後はそういう改善策として第三者に見てもらうということは、今までは一般競争入札だという原則が守られていなかったという御認識ですね。

岡田参考人 今までから一般競争入札を原則とするという考え方でございました。

 しかしながら、今回、第三者委員会の報告書におきまして、先ほど来先生おっしゃったような御指摘をいただいたということで、これは大変重く受けとめております。

今井委員 先ほどの社長の話は、ある企業によっては一定の合理性はあるけれども、こっちの企業のやつは別にほかの会社でもできた、こういうことがいろいろまぜてありますから、そこはごちゃごちゃになさらないで。もちろん合理性があるのも中にはあるということですけれども、やはりこれはちょっとおかしいと言わざるを得ないというのがあるということですね。

 さらに、ちょっと私は疑問がありまして、吉田開発と塩浜工業というのに、これは一般競争入札の受注をやっていますけれども、そのうち九件は、事前にいろいろな情報をこの二社に与えている案件があります。報告書にありますね。この事前に入札の情報を渡していた九件、これは九件ともこの業者が入札に、札を入れている、要するに受注しています。これは異常ですよね。九件中九件とも、一〇〇%受注している。

 そこで、報告書では、競争発注の入札に当たっては、事前に与えた情報が有利に働き、その結果、競争発注が不適正になっていた面は認めざるを得ない、こうあります。

 確認したいんですが、つまり、競争入札をした場合においても、事前に情報を与えたことでこの業者たちが受注をしてしまった、こういうふうに報告書は書いてありますが、この御認識はお持ちですか。

森本参考人 お答えいたします。

 今御指摘の、報告書の「競争発注が不適切になっている面があることは認めざるを得ない。」、こういう報告書の御指摘ですが、私たちはこれを、指摘を真摯に受けとめており、大いに反省をしてございます。

今井委員 それで、この報告書の至るところにこういうことが書いてあります。関西電力の発注プロセスの適切性や透明性をゆがめる行為であり、ひいては関西電力の利益さえも損なわせるおそれをはらんでおりというのが、物すごく何度も出てくるんですね。ひいては関西電力の利益さえもと。

 つまり、特命発注、あるいは事前に情報をもらって競争入札する、受注した場合、このどちらの案件に関しても、もっと安い値段で発注ができた、この可能性があるということを私は報告書は指摘しているんだと思いますが、こういう御認識ですか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回、第三者委員会の報告書の中では、土木・建築工事、それから警備業務、こういったものについては発注金額が不合理であったとまでは認めるには至らなかった、こういう評価をいただいており、発注金額が水増しされていなかったとの認識でございます。

 実務的に、私ども、建設の物価や労務費、市況を反映した査定価格で契約をしておりますので、今回御指摘を受けている企業との契約においても、弊社の価格査定基準に基づいて査定を行い、交渉により価格を決定しておりますので、契約価格は妥当であると思っております。

 しかしながら、事前に発注を約束するなど、こういったことも、御指摘の事実認定に基づき、「公益的な役割を担う電力会社の発注行為において公正さが欠ける事態になっていたというべき」との指摘もされており、会社としては猛省しているところでございます。

 今回の反省を踏まえて、今後、ユーザーの皆様に疑念を抱かれるようなことがないように、特定の個人や企業のみを対象とした事前情報提供及び事前発注約束の禁止等を定める社内ルール、それから、特命発注理由の合理性確保にかかわる社内ルールを定めるとともに、実際の案件については、社外の専門家で構成される調達等審査専門委員会において、社内ルールに基づいて適切に発注が行われているか審査することで、透明性を高めてまいりたいと思っております。

今井委員 ちょっと私は今の御答弁には納得がいきません。

 それは今から申し上げますが、ちょっとその前に、この報告書の、私、この表現、本当は、とても不適切だと思うのは、ひいては関西電力の利益さえも損なわせるおそれをはらんでおりと書きますけれども、これは、関西電力の利益じゃなくて、お客様の利益じゃないですか。お客様の利益を損なっているんですよ。なぜ、この報告書の主体を関西電力にするんでしょうか。総括原価をやっていらっしゃるんだから、それは、ユーザーの利益を損なうんじゃないんですか。

 だから、こんな書き方をしている、報告をつくっている方は、やはり関西電力寄りなのかなと私は思ってしまいますよ。もっとやはり国民目線で、ユーザーの、消費者の目線に立って考えてもらわないと、だからこういう表現になるんですよ。

 このことは、本来、この報告をつくった方にきょうお伺いしたかったんですけれども、この場にいらっしゃらないので、大臣と社長にも申し上げておきますが、こういう書き方はやめた方がいい。本当に、結局、業者寄りなんだな、関西電力寄りだなと思われますよ。

 その上で、私は、水増しをした可能性があるとは申し上げていないんです。特命発注を一般競争入札にしたり、あるいは、一般競争入札で事前の情報を伝えなかったりすることによって、もっと安く調達できた可能性があるんじゃないですかと言っているんです。水増しが行われたとは言っていません。

 皆さんのところも、適切な価格で算定したんだと思うんですが、それよりも安い値段で調達できた可能性はありますよね。

岡田参考人 お答え申し上げます。

 今回の第三者委員会の報告書で大変厳しい御指摘を頂戴しております。

 実際の実務としましては、先ほど申し上げましたように、実際のいろいろな費用の市況をしっかり反映して、査定をいたしまして、その上で契約する、今回のような御指摘を受けている企業との間におきましても、査定の価格基準に基づきまして査定をして、交渉して、決定しているということから、契約価格は妥当であるというふうに考えております。

 しかしながら、事前発注約束のプロセスあるいは特命理由あるいは情報の提供等々、大変公正さを欠くような、電力会社としての公正さが欠ける事態というふうに御指摘を頂戴しております。これに関しましては、大変大きに反省をしているところでございます。

 以上でございます。

今井委員 参考人の皆さんでございますので、余り厳しい言い方も失礼だと思いますけれども、ただ、やはり、ちょっと今の御認識は私は納得いかないですね。

 常識的に考えて、もっと安く調達できた可能性はあるはずですよ。そのことをお認めにならないわけですね。それがないと思うなら、ないと断言していただければいいんですが、それと全然関係ない、用意してきた答弁書をずっと読んでおられますけれども、全然私の質問に答えていただいていないじゃないですか。

 私は、会社として妥当な計算をしたというところまでは理解していますが、更にそれよりも安く調達できた可能性はあるんじゃないでしょうかということをお伺いしているんです。なのに、妥当な金額で算定しているということをずっとおっしゃっているのは、私の質問にはちゃんと答えていただいていないですよ。

 そこをもう一度お答えになっていただけないでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 これまでやったプロセスも含めて、しっかりと今後、新たにつくる審査委員会等でも評価していただきながら次に生かしていく、これはしっかりやっていきたいと思っております。

今井委員 なかなかお答えいただけないんですけれども、これを可能性があると言ってしまうと、結局、電気料金にはねていた可能性があるということを認めてしまうのでなかなかおっしゃられないんだと思うんですけれども、私たちはやはり消費者目線で物を考えていますから、こういうことが電気料金に反映してしまっている可能性があるんじゃないか、だとすればこれは大変な大きな問題なので、そういう視点からお話を伺っているんですね。

 ですから、そういうことにはお答えいただけないのは大変遺憾ではありますけれども、私は、もうちょっとそういう、消費者にしっかり向き合う姿勢をもっと関西電力にも持っていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。

 あと五分でありますから、いろいろあるんですけれども、じゃ、もう一点。

 今回、金品をもらったことによって、ある意味いろいろな便宜を図ったということでありますけれども、金品は長期にわたってもらっていて、仕事を発注しているのはスポットですから、この仕事のためにお金をもらったというのは、これはひもつきになっているわけではありません。

 しかし、お伺いしたいんですが、多額の金品を長期間にわたってもらっていたことが結局森山氏のいろいろな要求を受けざるを得なくなった原因であるという、この認識はよろしいですか。

森本参考人 先ほども申し上げたところと共通する部分もあるんですが、こういった状況に、関係に巻き込まれて継続していた、こういう認識でございます。

今井委員 いや、金品をもらっていたことによってやましい気持ちになったのか、いろいろな気持ちがあるかもしれませんが、金品をもらったことによってこういう行為をせざるを得なかった、ここの相関はそういう御認識でよろしいですか。

森本参考人 今回あらがえなかったのは何かという、冒頭、御質問を頂戴したときに、その旨の回答をさせていただきました。それは一つの大きな要素であるという認識でございます。

今井委員 私も同じ認識なんですが、そうであれば、今回の処分は私は本当に甘いと思うんですね。

 特に、もう外に公表されていますから御名前をあえて出しますけれども、受領金額が多かった方が三名おられます。豊松さんと森中さんと鈴木さん。数千万から一億以上のお金をもらっていらっしゃるわけです。そして、この方々たちが森山氏の要求に応じていろいろな便宜を図ったということも報告書の中では断定されているわけです。

 だとすれば、やはり関西電力も、この方たちだけはしっかりとやはり法的な責任を問うべきじゃないですか。みずからがやはり告発をして、この法的責任を問う、それをやってこそ関西電力は再生すると私は思いますけれども。この点については、まあ、御本人たちには大変、かわいそうだなとは思いますけれども、やはり、事案としてちゃんと決着をつけるに当たっては、そういう措置をしっかりととるべきだというふうに私は思いますけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の報告書の指摘、この点から極めて重大かつ深刻な事態であると指摘を受けておりますので、弊社としましてもそういう認識でございますが、法的評価については申し上げる立場にないと認識をしております。

今井委員 もう一度、では、もう時間ですので、最後にお伺いしますけれども、法的なことを判断する立場ではないということではなくて、関西電力が再生をするために、ここでけじめをつけるために、みずからこの問題を、しっかりと責任を問う、法的な責任を問う、そして再生につなげる、そういうおつもりはございませんか。そのことを最後にお伺いして、終わりたいと思います。

森本参考人 私たちは、今回の報告書の分析並びに再発防止策の提言を踏まえて、徹底した再発防止策を進めていくことによって、今後二度とこういうことが起こらないようにしっかり努めていきたいと思いますし、今回提出いたしました業務改善計画、これを各方面の御意見も賜りながらしっかりと進めることが、現在、弊社にとって最重要課題だと認識をしております。

今井委員 経産省も関西電力も私はまだ認識が甘いと思います。ぜひ、先ほど申し上げましたが、消費者目線で、電力を使っていらっしゃる皆さんがどう考えるか、そういう目線でこれからも改革に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

富田委員長 次に、山崎誠君。

山崎委員 こんにちは。立憲民主党、山崎誠でございます。

 会派を代表しまして、続けて、今の問題、お話をお聞きをしてまいりたいと思います。

 今、同僚議員を含めて御質問をさせていただいている内容、本当に残念でなりません。これは何とか、エネルギー政策全体の問題、あるいは日本の問題として、日本の産業界の問題としても、やはり大きく注目をして解決の道を探っていかなければいけないという、私は大きな転機だと思います。

 私もいろいろ質問を準備したんですけれども、もう前の議員ともダブりますので、私の一番聞きたいというか、核心は一つございまして、きょうは森本社長にもお越しいただいて、本当にありがとうございます。

 私は、この経済産業委員会、エネルギー政策を議論する場ですので、常に梶山大臣とも、前大臣にもいろいろな質問をさせていただいて、エネルギー政策をどう合理的に、効果的に、そしていいものにしていくかということで議論を続けてきました。

 私たちは、立憲民主党、共産党他野党共同で原発ゼロ基本法案を提出しています。原発をとめていくというのが日本のあるべきエネルギー政策ではないかということで提案をしています。政府は、原発を維持をしていくというエネルギーミックスを今お持ちです。その中で、我々は極めて紳士的に真摯に議論を重ねていると思っています。データに基づいて、あるいは海外の事例なども引いて、それは丁寧に私は議論をさせていただいていると思うんです。

 私がどうしても納得いかないのは、原発がこれだけ、東京電力福島第一原発事故もありました、問題が本当に大きくて、コストも決して安くはない、それからバックエンドの問題、使用済み核燃料の問題なども含めれば、本当に将来にもツケを残すもので、例えば地震大国と言われている、皆様がお持ちの原発だって本当に安全だと言えるのかどうか、今さまざまな、安全設備もお金をかけて増強しなきゃいけないという状況の中で、この原発の合理性というのが本当に問われているというふうに思うんです。

 これだけ問題があるのに、何で原発を維持をして、そして再稼働を皆さんがそんなに固執をするのかなと。もちろん、今すぐとめることができるかできないかというのは経営上の大きな課題だと思います。それはわかります。そこは十歩、百歩譲っても、でも、原発に対しての考え方というのは、我々が今ここで議論しているようなことがベースではないかというふうに思っています。

 それで、今回起きた事件なんですよ。何だということになっちゃうんですよ。せっかく合理的に、何とかいいエネルギー政策を日本に、そう思って、皆さんも同じ土俵で議論をしていたはずだと信じていたんです。でも、どうですか。結局お金なんですよ。誰か、某大臣が、金目でしょうと。それが明らかになっちゃったわけじゃないですか。経営陣の皆さんのポケットの中に何千万、億に近いお金が入る、それでどうして合理的な経営ができるんですか。

 皆さんが何で原発に固執をして依存をしているのかは、私はこの一点、大きいのではないかと思うんですよ。森本社長、どうお感じですか。これは、私は大きな信頼の問題です。

森本参考人 お答えをさせていただきます。

 資源に乏しい我が国においては、エネルギーのセキュリティーの確保、経済性、地球環境問題への対応という3Eのバランスのすぐれる原子力発電の果たす役割は大きく、原子力発電所の安全確保を大前提として、有効に活用していきたいと考えております。

 原子力事業を進めていくに当たっては、立地地域を始め、社会の皆様に御理解いただくことが必要だと考えております。そうした御理解がいただけるように、今回の反省のもとに、業務改善計画に基づいた再発防止対策を徹底してまいりたいと思います。

山崎委員 それをおっしゃる前提として、今回の事件の本当に後始末、後処理、今後に対する責任ある対応というのが絶対求められます。

 今、今井さんからもありました、告発は絶対すべきだと思いますよ。そのぐらい強い意思を示して、そして第三者の調査もちゃんと入れて。今の第三者委員会のお話はこの後しますけれども、私は違うと思います。もっと、そういう意味では経産省の責任も重いんですが、例えば告発の話、これは真摯に受けとめて検討すべき、実施をすべきと思いますが、どうですか。

森本参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、今回の業務改善計画をしっかりと取り組み、御指摘いただいた点も含めて、今後、私たちの提出いたしました業務改善計画をしっかり進めてまいり、それによって、失った信頼の回復に全力を尽くしていきたいと思っております。

山崎委員 いろいろ今のお話を受けて次に行きたいと思いますが、第三者委員会の調査報告の受けとめ、これをまず森本社長、お聞きをしたいんですが、どうお感じになられましたか。

 その前提として、昨年の九月にもう社内調査が行われています。森本社長、これは御存じないというようなお話を聞いたんですが、その調査、本当に知らなかったのか、そして、そういう事態が実は社内ではもう議論があって、調査も行われていて、そこでも問題が指摘をされていて、それで今回の第三者委員会、調査報告というつながりの中で、どのようにお感じになられていますか。

森本参考人 お答えいたします。

 まず、第三者委員会の調査報告書に関しての受けとめでございますが、先ほども申し上げましたが、本件に通底する根本的原因は、ユーザーや社会一般の視点が欠落している内向きの企業体質であり、その中で組織的な対応ができなかったと強く厳しく指摘されており、これを大変重く受けとめております。

 また、原子力事業本部も、専門性が高く、経営に大変大きな影響を与える中で、弊社におきまして特殊であり組織が閉鎖的になっていたこと、これを閉鎖性を打破できない、ガバナンスも不十分であったことも指摘されており、私自身、第三者委員会の御指摘のとおりであると考えております。心から猛省をしており、こうした内向きの企業体質を改めること、悪弊を断ち切ることが私自身の責務だと、覚悟を持って臨んでおります。

 私自身は、二〇一九年の九月の報道前には社内報告書は見ておりません。

 以上でございます。

山崎委員 私は、今のお話の中に出てきた原子力発電事業の特殊性、恐らく森本社長は、ちょっと詳細、御経歴は見ておりませんけれども、原子力畑ではなくて、そういう意味で、例えばそういう去年の調査報告などを見る立場ではなかったのかもしれないけれども、でも、私は、まさにそこが関西電力の問題ですよね、今それも御認識はされていると思います。

 本当にその原子力という特殊な世界ができ上がってしまって、いわゆる原子力村と言われるんでしょうか、そういうような癒着の構造もあって、そして原子力マネーと言われるようなお話も言われている中でこういう事件がまさに起こっているということ。これについては、今回の業務改善計画で果たして、この原子力村あるいは原子力事業の閉鎖性、巨大組織、これが崩せるのかと。私は、全くそうは思いません。申しわけないですが、本当にこれが機能して、きちっと改善がなされるのか、ガバナンス、コンプライアンス、それが本当に生まれ変わるのかというのは、時間もかかるし、会社の風土の問題であり、原子力発電事業の意識の問題ですよね。

 先ほどの御説明にありました、安定供給のために原子力は必要なんだというその前提すら、やはり社内で再検討しないといけないんだと思いますよ。そのぐらいの意識の改革をやらないと、私は、今回の問題の根っこ、本質は決して拭い切れないと思うんですが、いかがですか。

森本参考人 お答えいたします。

 原子力は高度に専門的な分野で、大きな、経営を左右するベースロード電源を担っている発電事業でございます。そういった中で、専門家が多く集まって、原子力事業本部の中で日々努力を進めてきております。

 しかしながら、そういった中で今回のような事態が出てきているということ、これをまず、原子力事業本部が組織として孤立するのではなくて、新たにコンプライアンスを担当する本部長に次ぐ高いポジションの人間を入れて、日々の事業活動、コンプライアンスについては、徹底してこれを見ていくようにしてまいります。

 また、業務の監査、コンプライアンス以外も、全般の監査につきましても、そういったものを監査する、事業本部に常駐しながら、きちっと外部からチェックする、こういった職位についても新設をしてまいります。

 その上で、出てきたものについては、日常の中で原子力発電所、原子力事業本部の中でも議論し改善をしていきますが、取締役会に直接こういったコンプライアンス委員会等を通じてそのときの状況を直結して報告できるようにしてまいりますので、できる限り複眼的に事業本部の閉鎖的な状況を打破していく仕組みをつくり、これを運営し、評価していくことによって更にフォローを続けて、透明性のある事業運営活動ができるように努力してまいります。

山崎委員 真摯な御回答、ありがとうございます。

 私は、今のお話の中でやはりひっかかるのは、原子力というのは高度に専門的な、大変特殊な技術を持っている領域なんだという、その言葉なんですよ。

 私は、もちろんそういう面はあると思います。それは、ある種、原発の、その現場の発電設備の中はそういう世界かもしれません。でも、それを取り巻く事業としての社会性というのは変わりませんし、あるいは原発というのはより高い信頼性を今求められているということであるならば、そこで壁をつくってはいけないし、そこに専門性がないから口が出せないということはあり得ないと思いますので、ぜひそこは、私は、慎重に、かつ大胆に切り込んでいただく必要があると思います。

 そして、私は、やはり原発の事業を特殊化して何か別建ての事業部という、もちろんそれは事業部の組織はいいと思いますが、ほかのいろいろな、発電なら発電の仕組みと競争するなりして、きちっとその評価も公平に、そして国民にわかるようにやはりやっていかなきゃいけない。結局、原発でこういうお金が回って、特命発注で、コストがどうだったかという話には明確な答えは何もありませんでしたけれども、明らかに原発には余計なお金をかけて、地域の対策もやり、そして動かしているんです。もちろん、そういう経緯は今まであったとして、これからどうするかですよ。これからそういう原発を続けていくのかどうか。こういう不合理なものを温存することが本当に御社の経営にとって大事なのかどうか。

 国の方針もありますよ。国の方針はこれからいろいろまた議論をさせていただいて、私は、原発依存は減らすと言っている、その方針を持って皆さんの会社の方針も考えなきゃいけないと思いますが、いかがですか。

森本参考人 私どもは、現在、中期経営計画に取り組んでおります。この中では、今後の電源につきまして、CO2を出さない電源のウエートを高めていくというのを大きな目標としております。この柱となりますのが再生可能エネルギーと原子力である、かように思っております。

 今後、電源構成を、ベースロード電源、それからミドル電源、ピーク電源、適切に組み合わせながらCO2を削減していくということは、国の大きな目標でもあり、私どもエネルギー事業者にとっても大きな目標でございます。

 そういった観点から、原子力発電につきましては、引き続き、重要な電源だと認識して、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

山崎委員 今お話ありましたけれども、本当に原発の特殊性というのは、ベースロード、ピークだ、そういうお話とはまた違うところにもありますので。今もう本当に困っていらっしゃるでしょう、皆さん。放射能の使用済みの核燃料も本当にいっぱいになってきていますよね、それに対してまたお金をかけなきゃいけないんだと。

 そういったところ、ここではこれ以上議論しませんけれども、ぜひ、中期経営計画の中で、やはりこの原発をどうするのかというのは、せっかく、新社長、今お話しされたように、原発をある意味ゼロベースで事業全体見直していくんだ、そういうスタンスを期待して、ぜひ、私たちも応援をさせていただきたいと思っています。

 少しお話は戻るんですが、今上がってきた報告書の位置づけ、意味です。

 ちょっと戻ってしまって申しわけないんですが、私は、今回の第三者委員会というのは、日弁連の基準に従ってつくって、やっていることについては、かなり精緻にやっていただいたんだと思いますが、この大前提、前提条件と限界というのが報告書にも書いてありますよね。関西電力グループ及び本件ヒアリング対象者等が例えば当委員会に開示、提示した書類は全て真正な原本又はそれと同一性を有する写しであることとか、改変されていないこととか。一部の方からはヒアリングができなかったみたいなことも書いてあるんですよね。

 私は、ある意味、この調査報告書というのは、限界を抱えたまま提出されたものだと思います。時間もすごくたっています。その間にいろいろな文書が破棄されたかもしれません。当然、そういうことも想定しなければいけない。その中で最善を尽くされたというのは理解をしたとしても、そういう限界を持っているものだということは、森本社長、どのように御認識ですか。

森本参考人 お答えいたします。

 報告書では、第三者委員会の調査は、過去にさかのぼるに当たって、関係者がお亡くなりになっていることなど、限界、制約があったと記載されているのは承知しております。

 報告書では、今回の第三者委員会の調査に関して、調査の目的を果たすため合理的な方法を用いることができたものとも記載されております。

 但木委員長も、三月十四日の記者会見で、やるべきことはやったと御発言されていると認識しておりますので、弊社としても、徹底した調査を実施していただいたものと認識をしております。

山崎委員 これは大臣にお聞きしたいんですよ。

 これを提出されたのは、お聞きをしたら、三月の十四日だったと聞いていますが、大臣はすぐそれを受け取って読まれたというお話ですが、それでよろしいですか。

梶山国務大臣 三月十四日に受け取って、私にも参りましたし、またエネ庁全体でこういったものの協議をしたところであります。

山崎委員 それで、二百ページに及ぶ大きな調査報告ですね、これを三月十四日に受け取られて、午後一時ぐらいと聞きました、午後です。それから読まれて、そして十五日にはもう改善命令を発出するという決裁をして、今問題になっていますが、十六日には命令を出しているんですね。これ、おかしくないですか。業務改善命令を出すに当たっての調査報告の分析、読み込み、ほとんど半日ですよ。読んだ読んだと言いますけれども、本当にあれを読んで、これで十分な調査だったということを、どこが、誰が評価をして、業務改善命令につなげたんですか。

梶山国務大臣 調査報告書につきましては、関西電力から報告徴収命令に対する回答として受け取る以前から、国会や報道において指摘されていた内容を踏まえて、あらかじめ業務改善命令を発出することになった場合の措置、内容についてずっと検討を進めてまいりました。その上で、第三者委員会の調査報告書の内容を二日間かけて精査をした上で、そして今回の業務改善命令を発出したものであり、余り精査をしていないという指摘は当たらないと思っております。

山崎委員 二日間でどこまで精査をして、次の命令、どういう命令にしようかというのは、時間をかければいいというものではないかもしれないけれども、余りにも拙速じゃないですか。

 大事な調査ですよね。我々も、委員会でもいろいろ質問をしても、第三者委の調査が出ない限りは報告できないということで、ずっとこの結果を待っていたわけですよ。ですよね。だから、場合によっては、それがきちっと出て、委員会でも報告をして、そして業務改善命令はその後でもいいんじゃないんですか。きちっと報告をして、分析をして、いろんな意見を聴取をして。

 もっと言うと、この調査についての再調査だとか追加調査の指示は出していないですよね。

梶山国務大臣 業務改善命令を翌々日発出をいたしまして、それに基づいてこの回答が来る、回答に対しましてしっかりと監視をしていくということの前提でやらせていただいております。

山崎委員 しかしながら、調査報告が不十分だったら業務改善命令を出せないじゃないですか。

 私は、今大臣お話しがあって、いや、第三者委員会が調査している間にもいろんな情報があって、業務改善命令をつくっていたんだみたいな話がありましたけれども、それは言語道断じゃないですかね。正式なものがきちっと出て、そこからスタートして、いろいろな検討をして、私だったらば、ここ、ちょっとわかりにくいな、ここの表現どうなっているの、再調査、再質問というのが当然あって、但木委員長をお呼びして説明をしてもらうとか、そういうプロセスが少なくとも五日あった、一週間あったというのだったらわかりますよ。何の検討もしていないんじゃないんですか。

梶山国務大臣 先ほど申しましたように、昨年の十月以降、この議論をしております。

 そういった中で、関西電力に欠けている件、そういったことも含めてコンプライアンスの欠如、またこの金品を受領したことの見返りの部分、どうなのか、またさらに、取引先への不適切な発注そしてガバナンスの脆弱性、こういったものについては検討を進めておりました。

 そして、報告書をそうして精査の上、それらを含めて業務改善命令を出させていただいたということであります。

山崎委員 去年の内部の調査と内容はかなり違っていますよね。対象者も大幅にふえている。やはり調査をすればするほどいろいろな問題が出てきているのは明らかですよね。私は、その比較だけでもやはり経産省はもっと時間をかけて分析をしないといけないと思いますよ。

梶山国務大臣 業務改善命令を出しましたけれども、その改善がなされるかどうか、これはいつまでも監視をしていくということになりますし、なされなければ、また再度、業務改善命令というものも出すことになると思います。

山崎委員 それで、先ほど、業務改善命令を出しましたと。これは、出したものについては大臣は見ていないと。課長決裁で出したというお話ですよね。でも、中身というのは非常に重要なことがたくさん書いてありますよ。処分の理由だとか命令の内容だとか、極めて重要なことが私は書いてあると思うんですが、これについて、大臣、事前に見ないんですか。

梶山国務大臣 その内容の大筋については私も聞いております。そして、発出しました文書については見ております。ただ、決裁過程で、どういう経過を経て決裁をしていったか、そして法令遵守がされているかどうかということまでは確認をしておりませんでした。

山崎委員 矛盾していると思います、私は。これだけの内容、命令を出しなさいという一枚の紙じゃないんですよ。内容のある、こういう内容で改善しなさいという方向性なんかを出している大事なペーパーですよ。

 これを、少なくとも、たたき台でも見たときに、これを電取に確認したかぐらいのことは当然やって、いや、もっと言えば、電取からの意見書、こういう意見が出ましたみたいなものを添付したものを見てチェックをするぐらいでなかったら、大事な書類ですよ、おかしいんじゃないですか。

梶山国務大臣 これは本当に信頼を損ねる大変重要な事案であったと思っております。恥ずかしいという思いが正直なところであります。

 そして、これらについては、大臣名で発出しましても、先ほど申しましたように、決裁は課長であったり部長であったりということもありますので、法令を行使する人たちがそれらを欠いているという思いはありませんでした、正直なところ。

 そして、結果を聞いたときに、今回起こったことを聞いたときには、大変重大なことの欠落があったということと、大変私自身は恥ずかしい思い、そして皆さんにおわびをしなくちゃならないという思いで、きょうここに立たせていただいております。

山崎委員 私は、やはり皆さんの仕事のやり方とか御説明いただいている内容に非常に矛盾を感じるんです。何で、調査報告が出て、それも土曜日に受け取っているんですよね、まあ、急いだ方がいいから土曜日に受け取るのはわかりますよ。それで、日曜日ですよ、十五日、この働き方改革のさなかに、一生懸命読み込んで、決裁文書をつくって、慌てて十六日に出しちゃって、ああ、手続が間違っていたと。何を急いでいるんですか、そんなに。ここで、大事なプロセスの中で。早くこの問題を終わらせたい、何か私はそういう意思が感じられちゃうんですよ、この余りにも不合理な、不自然なやり方に。

 もう一つ言いますと、三月に報告を受けて、これは次が六月ですね、六月までに報告しなさいというお話ですよね。これは、六月はもう、すぐですよ。四、五、六。これで、ここに書かれているようなコンプライアンスのさまざまなことが決められて動き出す。動き出すのはまだまだ先ですね。そう思いますよ。

 これは、先ほどもお話ありました、本当に組織の根本にかかわる問題であり、私に言わせれば、本当に発電事業をどういうふうに今後再構築していくかという大事な局面だから、当然、この改善命令についての取組も多岐にわたり、深いものにならなきゃいけない。六月に報告しなさいというのは余りにも早過ぎる。どうですか。

梶山国務大臣 これは、六月で終わりということではなくて、六月までに、例えば、役員の過払い分というか納税分の補填であるとか、そういったものをまずは返納するような努力をしてくれということで、その時点でできなければ更にまたその期間を延ばすということにもなりますし、やはり、関西電力が変わった様子がなければ、私どもはしっかりと監視を続けていく所存であります。

山崎委員 ぜひそれは、監督官庁としての継続的なやはりフォローアップ。

 ぜひ、社長もいらしているから、六月、それで終わりじゃありませんよね、その後、どういうふうに御社を立て直していくのか、よりすばらしい会社にしていくのかというのをきちっと報告をしながら、場合によったら国会にも来ていただいて、六月の段階、そして例えば一年たった段階で報告をいただきたいと思いますが、社長、どうですか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回出しました業務改善計画の中には、指名委員会等設置会社への移行を始め、株主総会の決議を経て移るものがございます。そういったものも含めて、実施できたこと、その段階で我々が取り組んできたことについては経済産業省の方に報告はしていきたいと思っております。

 また、それを待つまでもなく、どういった形で我々従業員一同が今回の重い指摘を踏まえて信頼回復に向けて全力投球していくのか、できるものは確実に進めながら、そういったことも含めて、一定の評価をいただけるだけのことを、今後全力を尽くしていきたいと思っております。

山崎委員 議員の間で以前議論していて、要するに、皆さん、ユーザー、ユーザーとおっしゃるんですね。いや、ユーザーじゃないだろう、お客様でしょうというのが、例えばNTTの民営化のときですか、あったという話がございました。私は、やはりそういう目線から変えていかなきゃいけなくて、きょうのお話の中でもやはりユーザー、ユーザーと。ユーザーというのは、やはり上から、電力を供給してあげているよというふうに感じる。日本としては、日本人であれば、やはりお客様を大事にしなきゃいけない、お客様のために、より安い、そして安定したクリーンな電気を供給しなきゃいけないという思いがベースでなきゃいけないと思うんですよ。

 だから、今のいろいろな改革のお話も、ぜひ国民の皆さん、お客様の皆さん、お客様にやはり報告をするんだという思いをお持ちいただきたいと思いますが、もう一回。

森本参考人 私たちも、お客様、地域の皆様から信頼され、選択していただけるような会社を目指して、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

 そのために、今後、我々一丸となって、今回提出させていただいた業務改善計画をしっかりと進めていきますとともに、決してそれで終わるわけではなく、先ほど先生も御指摘いただいたような点も含めて、不断によくしていく努力も今後とも継続していく覚悟でございますので、御理解を賜ればと思います。

山崎委員 ありがとうございます。

 残り時間、ちょっとわずかになってまいりましたが、もう一つ、私、大事なポイントをお聞きしたいんですよ。

 これも私、実はすごく驚きました。他電力への対応です。

 他の電力会社、やはり原発を持っている会社に対して、これは予算委員会でも、昨年の十月の十日ですかね、石田議員も御質問されていて、こういう同様な事案がないのかどうか、他の電力会社に確認しているのか、指導しているのかというお話をしておりますよね。

 このときは菅原大臣なんですが、「九月三十日に、ほかの電力会社にもないかどうか、これをいわば、電事連を通じて、コンプライアンスをしっかり遵守すべきであるということを申し上げました。」と、これは予算委員会で答弁があります。それでは不十分なので、「十月四日に再度各社に、今度は各社長宛てに、コンプライアンスの状況を不断に確認して、その結果に基づいて国民への説明責任を果たすべきだということを依頼をいたしまして、その結果、電力会社並びに原子力関連の十二社全てから同様の事案の有無について聞き取りをしましたところ、今回のような類似の事案、いわゆる金品を受け取ったということは、ほかの電力会社等にはないということでございます。」という答弁があるんですが、これを裏づける書類がありませんかと聞いたんですけれども、何も出てきません。議事録もなければ、指示書もなければ、電力会社に何か発出した文書があるわけでもない。それから、電力会社から何か回答が返ってきた、何の証拠もないんですよ。

 この答弁の裏づけになる証拠は一切出してもらえていませんが、大臣、これはどういうことですか。

梶山国務大臣 口頭でこれらをやりとりしたということで聞いております。十月四日と十月七日というのは前大臣のときでしたけれども、そういう形でやりとりをしたということであります。

 さらに、本年に入りまして、第三者委員会による調査報告書を踏まえて関西電力に対しまして業務改善命令を発出したことを受けまして、三月十六日には、改めて事務方幹部から各社に対し、コンプライアンスの徹底や工事発注、処理に係る適切な業務執行を含め、適切かつ公正な業務運営に取り組むように口頭で指示をしたところであります。

 三月二十五日に電事連の池辺会長が訪問をされました。御挨拶ということでしたけれども、私から直接、時間をかけて、業界での一層のコンプライアンスの徹底を求めたところであります。

 四月になりまして、しっかりと私も文書でこれらをもう一度確認しようと思っております。

山崎委員 本当に、いろいろな虚偽文書の話もありましたし、今、本当に今の行政のやり方というのは乱れていると思いますよ。

 私、驚きました。だって、確認しました、どうしたんですか、電話で確認して、誰に電話したかわからない、誰が返答したかもわからない、でも、そういう事案はありませんでしたという答えしかないんですよ。こんな行政、ありますか。

 資料の二につけましたけれども、電力会社の監督責任は、経産省、すごい重責を担っていて、かつ、電事法においてもさまざまな権限を持っているんですよ、詳しくは聞かないですけれども。

 例えば、今の、各社にコンプライアンス状況を再確認して報告しなさいというのは、例えば百六条の報告、資料提出の命令を出してもおかしくないぐらいの問題じゃないですか。何でそれをやらないんですか。私は、当然それぐらいのことをやっていかないと、エネルギー基本計画の、社会的信頼を回復するんでしょう、つながらないと思いますが、どうですか。

梶山国務大臣 私も、機会あるたびにその話を電事連始め電力各社にお話をさせていただいております。

 ただ、委員がおっしゃるように、書類で皆さんに見せられるような形でというのは、それはそのとおりかと思いますので、先ほど申しましたように、四月にこれは文書を発出するつもりでおりますけれども、もう一度、関西電力の業務改善命令に対する回答書を受けた上で、各電力のコンプライアンスの遵守、またガバナンスの脆弱性を直していくということも含めて、発出をしてまいりたいと思っております。

山崎委員 ちょっと正確に見ていないんですが、今回の関西電力の事象で関係のある業者が例えば玄海の町長さんにお金を渡していたとか、そんな話も出てきていて、要するに、これは関西電力にとどまることではなくて、やはり原発事業全体に対してさまざまなこういうお金の還流が疑われるのではないかということは、これはやはり事実としてしっかりと受けとめて徹底的に調査しないと。原発が、一番初めに言いましたけれども、何でとめられないのか。お金が回っているから、それで潤っている人たちが、それも残念ながら一部の人が、関電のような事案がほかにもあるんじゃないかと疑われますよ。

 ぜひここは、文書をもってちゃんと通知をして、回答も文書でもらって、お客様である国民の皆さんにちゃんと開示ができる、そういう状況をぜひつくっていただきたいと思います。

 もう一つ、監督責任の中で、監査義務がございます。これは毎年やられている。この中にもこういったコンプライアンスの要素というのをやはり取り入れて、ぜひ、今はまだカバーされていないと思いますが、そういった権限もきちっと使って、本件を契機に電力会社をしっかりと監督していっていただきたいと思います。

 以上です。

富田委員長 次に、川内博史君。

川内委員 川内博史と申します。

 委員長、理事の先生方のお許しをいただいてこの関西電力さんの問題について質問をさせていただく機会をいただきましたことに、まず感謝を申し上げたいというふうに思います。

 さらに、きょうは、関西電力の社長様以下会社の皆様には、この新型コロナの問題の中でも、そして、かねて、台風、あるいは地震、どんな状況においても電力の安定供給のために日夜頑張っていらっしゃる関西電力の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げ、そして、しかし、御確認をさせていただきたいことについてはしっかりと確認をさせていただこうというふうに思いますので、よろしくお願いをします。

 それでは、まず、経産大臣にお尋ねをいたします。

 この調査報告書百八十一ページに、この調査報告書の中にも電気事業法一条が引用されていて、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによって電気の使用者の利益を保護し及び電気事業の健全な発達を図ることを目的とすると定めており、関西電力もみずからの経営理念の中で社会的責任を負うと明記している、しかし関西電力が公平な競争によって発注された工事等をもとに適正な原価を算出していることを当然の前提としているのであり、にもかかわらず本件金品受領行為や本件事前発注約束等に及んだことはユーザーへの背信と言わざるを得ないというふうに指摘がございます。

 この関西電力さんの今回抱えていらっしゃる問題というのは、経産大臣としても、電気事業法上の重大な問題であるという御認識でよろしいかということを、まず確認をさせてください。

梶山国務大臣 先ほど来議論がありますけれども、やはり、お客様の信頼を損なう大変重大な事案でありました。当然、私自身も、電気事業法上の重大問題として捉えております。

川内委員 そこで、森本社長様に教えていただきたいんですけれども。この第三者委員会の報告書で今般の関西電力さんの問題というのは全てうみを出し切った、もうこれが全てなんだというふうに、社長としてお考えになられていらっしゃるかということを教えてください。

森本参考人 お答えいたします。

 第三者委員会の今回の報告書は、徹底調査をいただいたものと受けとめております。

 その上で、御指摘の点、提言等についても、真摯に重く受けとめております。

川内委員 徹底調査をいただいたものと。その徹底調査が果たして本当に全ての問題を抽出したかということについて今後さまざまに議論をしていかなければならないんだろうというふうに思いますが。

 そこで、まず、第三者委員会のこの調査報告書では、吉田開発さんやあるいは柳田産業さんに対する発注金額、関西電力直接あるいは関西電力のグループ会社からの発注というものの金額が詳細に調査をされておるんですけれども、実は、昨年の十月、共同通信配信の記事がございまして、その記事の中では、関電によると吉田開発は二〇一三年から二〇一八年度に関電側から六十四億七千万円の工事を受注している、一方、柳田産業は二〇一四年度から二〇一八年度に関電側から約百四十九億四千万円を受注していたと見られるというふうに、こう書いてあるんですけれども、吉田開発さんというのは、この調査報告書では、関電並びに関電のグループ会社から、二〇一三年から二〇一八年度は十五億円ぐらいしか受注していないんです、この報告書の中では。

 しかし、この記事では、関電側から聞き取ったところによると六十四億七千万を受注していると書いてあるんですけれども、この数字の違いというのは一体どこにあるのかということを教えてください。

森本参考人 お答えいたします。

 第三者委員会の報告書に記載の金額は、弊社からの直接発注と子会社からの間接発注の合計でございます。一方、弊社が、昨年十月二日、臨時社長会見でお伝えし、共同通信が報じている金額は、それに加えまして、ゼネコン等の子会社以外の間接発注額も含まれているため、この差が生じているものでございます。

 ただ、ゼネコン等子会社以外の間接発注額につきましては、地元発注の規模感を把握するために、主な元請会社から年度ごとに合計額等を聞き取りベースで算出をしているものでございますので、詳細については把握はしておりません。

 以上でございます。

川内委員 今の社長さんの御説明だけとってみても、この森山さんという方が影響力を行使していたであろう吉田開発さんやあるいは柳田産業さんが実際に関電グループあるいは関電の仕事、ゼネコンを経由してどのくらい仕事を受注していたのかということについても、はっきりした数字、詳細な数字はわからないということなんですけれども。

 そこで、この報告書の二十六ページには、三十年以上にもわたって森山さんと関電との関係というのは続いてきているんだというふうに書かれているわけですけれども。そしてまた、七十六ページには、原子力事業本部や高浜発電所等において一定の役職に就任した従業員は森山氏に対して就任の挨拶や時候の挨拶等をしなければならないものとされておったと。さらに、その次、どこだっけ、余りにも膨大で私もちょっと探すのに苦労するんですけれども、ほかにも、原子力事業本部長や本部長代理、副本部長、その原子力事業本部の偉いポストにつくと森山さんから金品をもらうようになっていたというようなことも書いてあるんですけれども。

 この社内調査報告書は、二十何名の方が金品を受け取っていた、トータルで三億二千万ですと。この第三者委員会の調査報告書では、七十数人が金品を受け取っていた、合計三億六千万ですと。期間も延びて人数も三倍にふえているのに、金額は四千万しか、四千万しかという言い方はちょっと不適当ですね、三億二千万から三億六千万。期間が延びて人数もふえているのに、森山さんとの金品受領の関係についてはちょっと規模感が違うんじゃないか。だから、私は、この調査報告書で全てうみを出し切っているというふうには言えないのではないかというふうに思うのでございます。

 その一つの証左として、社内調査報告書で、一億円を超える森山さんからの金品を受け取っていたという豊松副社長さん、この豊松副社長さんは、昨年の株主総会後、退任をされてエグゼクティブフェローという役職につくわけですけれども、この豊松さんのエグゼクティブフェローとしての月額報酬が四百九十万だと。年間約六千万、報酬を受け取るわけです。関電さん、その時点においては受け取る予定だったわけです。今はどうか知りませんよ。

 だから、何で、森山さんとの関係を断ち切ろうね、もう今後こういうことをしないようにしようねという、昨年六月時点では公表はされていなかったけれども、だけれども、社内的には、もうそろそろこれはいいかげんにせないかぬねという思いもあったと思うんです。ところが、その豊松さんに月額四百九十万という報酬を払うようにした。エグゼクティブフェローとして。

 これは何でですか。なぜそんな報酬を支払う必要があったのかということを教えていただけますか。

森本参考人 お答えいたします。

 豊松氏の待遇につきましては、退任後も引き続き原子力事業を推進していく上で重要な役割を果たしていただくことから、相応の報酬額としたと認識をしております。

川内委員 大臣、この調査報告書には、かつて、関電のエグゼクティブフェローという名前で就任をされた方はもう一人いる、ただしその方の月額報酬は二百万円だった、こう書かれているんです。豊松さんだけ、今回、四百九十万という破格の報酬をその時点においては約束されていたということなんですよ。

 今、社長さんに教えていただいたことでは、いや、とにかく今までの知見を生かしてもらうためなんだ、こうおっしゃるんですけれども、その今の理由は、にわかに、おお、そうですかという理由にはなかなかなり得ないのではないかというふうに言わざるを得ないというふうに思うんです。

 そもそも、じゃ、その原子力事業本部長豊松氏を中心とする森山さんとのやりとり、その原子力事業本部長であった豊松さんの前任の原子力事業本部長は八木誠会長でいらっしゃるということで、この報告書を読むと、原子力事業本部を中心として森山さんにずっと対応するわけですけれども、八木さんが豊松さんにいろいろな仕事を引き継ぐ、森山さん対応も引き継ぐ。

 それで、八木さんのもらっている金額が少な過ぎるんじゃないかと私は思うんですよ。ずっと三十年以上続いている、原子力事業本部が中心だ、さまざまなやりとりがあったんだ、こう書いてあるんですけれども、豊松さん、今の原子力事業本部の皆さんだけが何か物すごい金額で、その前は余りそれほどでもないみたいな状況になってしまうんですけれども。この報告書によれば。

 私は、八木誠会長さんに本当は森山さんとの関係で幾らもらったんですかと聞いてくださいとちょっと申し上げてあったんですけれども、お聞きいただいたでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の調査は、日弁連のガイドラインに準拠して、弊社から完全に独立した委員のみの第三者委員会に実施していただき、その中で、私どもはグループ全体協力をし、データ保全等の徹底もあわせて行っております。そういったしっかりとした体制で、第三者委員会には十分な期間をかけて客観的かつ徹底的な調査を実施していただき事実関係を認定していただいたものと認識をしております。したがいまして、八木が受領した金品は、第三者委員会の報告書で認定されたとおりであると考えております。

 第三者委員会は、今申し上げましたように、しっかりとした体制で十分な期間をかけて行っていただきましたが、八木も第三者委員会の調査に全面的に協力し、回答すべきは全て回答したと聞いております。

川内委員 委員長、息苦しいので、ちょっとマスクを外していいですかね。

富田委員長 どうぞ。

川内委員 済みません。

 だから、先ほどの豊松さんの月額報酬四百九十万という話、これは岩根さんと八木さんが二人で相談して決めた、取締役会にも諮らずに決めたというふうに報告書に出ております。だから、私が先ほど申し上げた質問というのは、八木さん、会長さんが今までずっと背負ってきた部分を豊松さんに引き継いで、そして、豊松さん、ちょっとごめんね、月額報酬四百九十万にするから役員を外れてね、そういう趣旨もあったのではないかという、これはもしかしたら勘ぐりなのかもしれないですけれども。

 しかし、じゃ、法的なことを考えると、一昨年の九月に社内調査報告書がまとまって、昨年の九月まで経済産業省にもその社内調査報告書を報告しなかった、さらには、この報告書の中でも触れられておりますけれども、昨年の六月には株主総会があり、その株主総会で株主を欺いた。社内調査報告書、重大なコンプライアンス違反を株主に対して報告していないではないか、それはよくないよということが書いてあるということで。

 実は、金融商品取引法上は、有価証券報告書に重大なコンプライアンス違反事例などの重要な事項については記載をしなければならないということが法律上定められているわけですけれども、この有価証券報告書に重要な事項としてコンプライアンス違反を記載しなかったというのは、金融商品取引法に反することであったということを関西電力さんとしてお認めになられますかということを教えてください。

森本参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、法的評価を申し上げる立場にはないとの認識でございます。

川内委員 何か意外とあっさり、法的評価を申し上げる立場ではないと言われちゃうと。いや、御自分たちでどう考えますかということをお聞きしているんです。

 では、そこで、きょうは証券取引等監視委員会に来ていただいておりますのでお尋ねをさせていただきたいと思いますが、この関西電力さんの調査報告書を入手し、お読みになられていらっしゃるかということを教えてください。

水口政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の第三者委員会の調査報告書でございますけれども、読ませていただいております。

富田委員長 聞こえない。ちょっと、もう一回言って。

水口政府参考人 済みません。

 先生御指摘の調査報告書でございますけれども、監視委員会として読ませていただいております。

川内委員 では、重ねて教えていただきたいんですけれども。これは一般論になろうかと思いますけれども。金融商品取引法上定められている有価証券報告書に記載すべき事項を記載していない、あるいは記載していなかったとすれば、それは証券取引等監視委員会としても重要な関心を持って調査をするという理解でよろしいでしょうか。

水口政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の会社の事項については、恐縮ですがコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、証券取引等監視委員会としましては、有価証券報告書等の開示書類の虚偽記載等、金融商品取引法上の法令違反に該当する事実が疑われる場合には、適切に対応することになると考えてございます。

川内委員 社長さん、この本件事案が発覚をしたのも、発覚というのは社内的に問題になったのも、金沢国税局の国税調査によって初めて明らかになった、社内的に。それで社内調査報告書がつくられ、しかし、その社内調査報告書の中でも、実は、この第三者委員会の報告書とは違う、ちょっと甘い見方がされていたりして、この社内調査報告書を経て第三者委員会になり、報告書になり。

 なかなか自分たちで自分たちのうみを出すというのは大変なことだと思うんですよ、私も。それは私だって、自分のことを自分自身で改めようというのは本当は大変なことだと思うんです。だから、外部的に法的な責任を追及、逆に言うと、してもらうということによって関西電力さんの中のさまざまな体質というものも変えていくことがもしかしたらできるかもしれないというふうに思うし。

 私が何でこんなことを言うかというと、東日本大震災、福島の原発事故のとき、全国的に電力供給が物すごく心配されたじゃないですか。そのとき、私、関西電力さんの休止火力の視察をさせていただいて、経済産業省は、いやあ、あの休止火力を立ち上げるとすれば一年、二年平気でかかりますよ、こうおっしゃったので、じゃ、見に行こうといって見に行ったんですけれども。その休止火力の現場の所長さんとかは、我々は言われれば二カ月や三カ月ですぐ立ち上げてみせますよ、こうおっしゃったんです。

 やはり、そこに私は電力に携わる人々の気概というものを物すごく感じて、ああ、すごいな、現場の人たちというのはやはりすごいなというふうに思ったんです。その現場の人たちが働きやすい、誇りと気概を持って働ける環境をつくるのがボードメンバーの役割であるというふうに思うんですよ。

 では、そのボードメンバーの中でもし不祥事がある場合に、それは、自分を常務に引き立ててくれた、本部長に引き立ててくれた、あるいは社長にしてくれたという先輩の悪いことを指摘する、なかんずく法的責任を指摘するというのは、これは大変なことだ。普通の人はなかなかできぬですよ、正直に言って。建前上は、それをすべきだということを言うのは簡単だけれども、それはなかなかできないと思うんです。

 第三者委員会の報告書の中でも、取締役や監査役の義務というものをきちんと果たしていなかったのではないか、これは、会社法の中に取締役の責任、善管注意義務とか忠実義務とか書いてある、監査役は取締役会へちゃんと重要なことは報告しなさいよということが会社法に書いてある、でも、それらを果たしていなかったということが書いてあります。

 これらの、会社法に反する取締役や監査役の行動があったということについては、社長さんとしてはいかがお考えになられますか。

森本参考人 お答えいたします。

 本件につきまして、第三者委員会からは、コンプライアンスの面、ガバナンスの面で極めて重大かつ深刻な事態であるとの指摘を受けております。

 私たちも、今後、今先生がおっしゃっていただいたような会社に向けてベストを尽くしていくために今回の調査をやっていただきましたが、この指摘を重く受けとめておりますが、法的な評価につきましては申し上げる立場ではないとの認識でございます。

川内委員 大臣、この百五十六ページには、百五十六ページの中段から下のところなんですけれども、「森山氏による金品提供については、森山氏による個別の発注要求との関連が強く疑われるものも存在する。」、「例えば、二〇一一年十月一日の森山氏から豊松氏に対する現金一千万円の供与は、」「同年九月十二日に塩浜工業への発注要求を行った僅か三週間後に、塩浜工業の役員同席の下でなされており、森山氏による金品提供と工事の発注要求との関連性が疑われる。」と書いてあり、さらにその次、「森山氏は、関電不動産開発の担当者が吉田開発等への次年度の工事発注の増額要求に応じるなどする機会の都度、当該担当者に対し一定額の商品券を提供していた事実もあったことが認められ、これも金品提供と工事の発注との関連性を疑わざるを得ない。」、こう書いてあります。要するに、会社法上の収賄が疑われるんだと。

 さらに、八木さんと岩根さんと森さんが退任役員の報酬を水増しすることを三人で決めたり、豊松氏の報酬を四百九十万としてエグゼクティブフェローとして支払い続けますよということを八木さんと岩根さんが二人で決めたりとか、これは背任ですよね、背任の疑い。そして収賄の疑い。だから、やはり森本社長としては、いや、法的評価はなかなか言えないんだというふうにおっしゃるわけですよね。

 だから、私は、電力会社というのは、公益的、公共的な企業としてどんなときも、先ほど申し上げたように頑張っていただかなければならない企業である、それを監督すると同時にちゃんと支えるのも経済産業省としてのお役目ではないかというふうに思うんですよ。

 そういう意味では、業務改善命令を出しました、改善報告を六月に向けてまた様子を見ていくからねということなんですけれども、私は、やはりここは、電気事業法上のきちんとした、経済産業省、エネ庁としての立入りの検査をして、関西電力さんが、今後、きょう来ていただいている森本社長さんたちが仕事がしやすいようにしてさしあげることも経済産業省としての役目、役割ではないかというふうに思うんです。

 立入検査をしてしっかりと全部うみを出し切る、この際ですから、全部うみを出し切るということが必要なのではないかというふうに思うんですけれども、大臣としての御所見をいただきたいと思います。

梶山国務大臣 第三者委員会の報告がありました。そして、今委員がおっしゃるようにいろいろな疑念が持たれているわけでありまして、これらについては、第三者委員会で、例えばさかのぼれないものもあったかもしれません、でも、やはり疑念があったということは事実ですから、しっかりと、これらも含めて、解体的出直しという言葉がありますけれども、それに近いものをやはりしっかりコンプライアンス遵守ということでやっていただくということが第一だと思っております。

 今委員御指摘の調査、経済産業省としての検査ということでありますけれども、電気事業法上の報告徴収や立入検査に基づくことになるわけでありますけれども、その場合であっても、とり得る手法というのは、第三者委員会が実施したヒアリングや書面調査と同等と考えております。

 しかしながら、電気事業法に基づく報告徴収や立入検査、その対象が電気事業者に限られるということなんですね。そのほかの、例えば発注先であるとか、そういう関係者にまではなかなか及ばないということもありまして、そういったことも含めてなかなか難しいと思っております。

 第三者委員会の報告書をしっかりとのみ込んだ上で、懸念のあるものについても出直しということで、関西電力にしっかりと対応をしていただきたい。また、組織的にも人事的にも対応していただきたいと考えております。

川内委員 大臣、私はそもそも性善説なので、悪いことしようと思って悪いことする人はいないんですよ。だから、いろいろな事情がそれぞれあった、だけれども、それをみんなでどうやって改めていくかということを考えることが大事なことで、もちろん関西電力さんは一つの企業ですから、そこにむやみやたらに立入検査をするというのは、これは権力の濫用であって、それはしてはならないことだというふうに思います。

 他方で、この第三者委員会、但木委員長さんも、第三者委員会とはいいながら関西電力さんから報酬をもらってこの報告書をまとめた、そういう意味では、社長さん、疑わざるを得ないというような表現がいっぱい出てくるし、不適切であったという表現もいっぱい出てくるし。但木さんとしては精いっぱいのまとめ方をしたんだろうというふうに思うんですよ。

 それを、じゃ、今後はみんなでどうやって関西電力さんを地域の皆さんから御信頼いただける、そして解体的出直しができるようにしてさしあげられるかということを考えたときに、先ほど申し上げたとおり、この第三者委員会の中でも隠されていることがある、まだ全部のことが明らかにはなっていないのではないかと私は思うんですよ、まあ、冷静に見て。私みたいに冷静な男がそう言っているんですから、そうだと思うんですよ。だから、そこは、立入りで調査をすることによって、更に深掘りをしていく必要があるのではないか。

 例えば、この七十八ページに人事研修会のことが出てきます。社長さんもその人事研修会には出たことあるよというふうにおっしゃっていましたけれども、この人事研修会などは、国会議員の先生方も来賓で呼ばれていたことがあったんじゃないかというふうに思うんですけれども、もし呼ばれていた先生がいたら、もしよかったら名前まで教えていただければと思うんですけれども。

森本参考人 人権研修会に関しての御質問だと思います。(川内委員「はい、人権研修会」と呼ぶ)そういう国会議員の先生が一人もおりません。(川内委員「あ、そうですか」と呼ぶ)はい。

川内委員 ああ、なるほどですね。だから、やはり森山さんたちも、あるいは関西電力さんも、その辺は気をつけておやりになっていらっしゃったんだなということを改めて思うわけですが。

 ただ、私は、この関西電力さんが今回抱えられている問題というのは、ずっと以前からの流れの中で、吉田開発という名前が大きく出ているんですけれども、柳田産業さんも重要な役割を果たしているんじゃないかというふうに思うんです。受注額としては最も大きなお会社さんですし、これは、ゼネコン経由まで含めたら相当な金額を受注されていらっしゃるのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、この問題、これからも議論を続けていきますし、注視をしてまいりたいと思いますし、私は脱原発派なんですけれども、関西電力さんと仲よく議論しながら、地域の皆様の信頼をかち取れるお手伝いをさせていただこうというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

富田委員長 この際、森本参考人から発言を求められておりますので、これを許します。森本参考人。

森本参考人 貴重な時間をいただき、ありがとうございます。

 私の答弁の中で、今井先生への答弁、ちょっと不十分な点があったので、修正をお願いしたいと思います。

 過去の経営不振時の役員報酬の削減、これを決定したのは森、八木、これは変わりございません。それから、修正申告時の追加納税分の方針決定は岩根と八木が森と相談して決めた、これも変わりございません。ただ、その際、執行に関する立場の役員として、役員報酬削減分として関係した者として、当時秘書担当役員の八嶋と答弁をいたしました。これも修正はございません。

 ただ、追加納税分の方の秘書担当役員は、当時、月山でございました。この点について答弁できておりませんでしたので、この場をかりて修正をさせていただきたいと思います。

 大変申しわけございませんでした。

富田委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 きょうは、経産委員会での質問の機会をいただきました。富田委員長を始め理事、委員の皆様に感謝を申し上げます。

 先ほど来、業務改善命令にかかわる経産省の隠蔽、改ざん問題が取り上げられております。実は私、これは当事者でありまして、といいますのも、私、三月十六日に、この問題についてペーパーで同じ資料を要求しているんですね。

 今回、三月二十六日、この秘書課の文書によりますと、いろいろあるけれども、三月二十六日木曜日に外部からの情報公開請求があり、不適切な点があったことを把握したと。三月二十六日になっているんですが、私どもは、ペーパーで、三月十六日、十日前に要求し、既にこの委員会はいつ持たれるかという状況でしたから、再三にわたって、どうなったんですか、どうなったんですかと、レクもやって、督促といいますか、資料を求めておりました。いまだにこれは出てきていないわけですね。しかも、三回目のレクのときなんかは、そんなものを求めてどうなるんですかと、そんなことまでこっちに言ってくる状況だったわけであります。

 つまり、これは、経産省内部の問題だけではなくて、国会が求めた資料に対して、これがまだ出てきていないという問題なんですね。しかも、この命令に関する文書の中には、国会から求めがあったということは一言も出てこないんですね。三月二十六日に初めて知ったかのような書きぶりになっております。

 私、これは非常に重大だと思っておりまして、なぜ国会からの問合せを隠すのか。三月十六日に、そういう同じ、この命令にかかわる事実関係を裏づけるものを出してくださいと言っているのを、なぜ十六日の分は全く隠して、二十六日になっているのか。これは一体誰の指示なんですか。大臣の御指示ですか。

梶山国務大臣 国会からの資料要求は、今まで、私、存じ上げませんでした。

 先ほど来説明はしているので、一連の話については、そのプレスリリースも含めて御承知のこととは思いますけれども、大変重大なことであると思っておりますし、不適切な手続であったと思っております。

 まず、自分自身、先ほどから申し上げておりますが、恥ずかしい限りでありまして、また、皆様におわびをしなくちゃならないと思っていますし、手続は重要だということを口を酸っぱくして言ってきたつもりでありますので、こういうことが二度と起こらないような努力をしてまいりたいと思っております。

藤野委員 いや、大臣、恥ずかしいというのは、それは省内の問題だったらそういうあれでもあるかもしれませんが、国会との関係なんです。恥ずかしいとかそういうレベルではなくて、まさに森友問題、桜を見る会問題じゃないですけれども、行政と国会との問題が問われているわけですから、これはもうはっきり言って、与野党を超えた問題と私は思います。

 ですから、委員長にお諮りしたいんですが、私どもが十六日、何回も求めた資料は今に至るまで出てきておりません。ですから、それの資料を出した上で、改めて集中審議を求めたいと思います。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

藤野委員 その上で質疑に入っていきたいと思うんですが。先ほど来、今回、第三者委員会の報告書、さまざまな新しい事実、出てきていると思います。ただ、やはりまだ、先ほど川内委員からうみを出し切ったとは言えないという指摘もありましたし、同様の指摘が相次いでおりました。何より報告書自身が、十九ページでみずから限界を認めているということであります。対象となる人だとか時期だとか事柄だとか、やはりさらなる調査が必要だと思うんですね。

 きょうは、私、その一部をちょっと質問したいと思います。とりわけ、但木委員長とか大臣では答えられない、やはり、関電の社長でいらっしゃる森本社長で答えていただけるような質問をさせていただきたいと思っております。

 配付資料の一を見ていただきたいんですが、これは、高浜原発と大飯原発の中間にあります青戸入江という入り江なんです。その入り江の公有水面、海ですから公有水面がありまして、その埋立てをめぐって高浜原発の建設と同じ時期に、一号機、二号機、三号機、四号機、ずっとここがどんどんどんどんどんどん埋め立てられていくわけであります。

 公有水面というのは国民共有の財産でありまして、ですから、この公有水面を埋立てしますよとか、あるいは用途を変更しますよというのは、国なり県なりの許可が必要になってまいります。とりわけ用途変更というのは、転売による利権のおそれがあると政府も指摘している問題があります。

 配付資料の二を見ていただきますと、その埋立ての所有権の移転の状況であります。

 この赤とか青というのは、この一枚目の赤と青と対応させているんですけれども、例えば一番上の安土二という地番は、埋立てを申請したのは若狭開発株式会社、開発時の所有者は福放、これは福井放送のことなんですね。ただ、これは、会社は違うけれども、代表は同じ加藤尚さんという方です。その後、関電に売却される。安土の三も安土の四も、基本的には同じ構図なんですね。

 そのうち、ちょっと配付資料の三を見ていただきますと、この青の部分についての当時の埋立免許申請書を御紹介しております。一九七〇年九月二十八日、若狭開発株式会社の加藤尚代表取締役が、当時の福井県知事、中川平太夫氏に提出した申請書であります。

 ここの右側に「埋立の目的」というのがあると思うんです。「埋立の目的」というのが、「観光産業及工業の振興発展の為め」とあるんですね。

 ところが、この配付資料の二にありますように、これはもう関電のものになっておりまして、実際にそこへ行きますと、観光産業でも工業でもない、電気事業、特に原発に関連するさまざまな施設、高浜原発で働く社員寮だとか社宅だとか、関電プラントの原子力研修センターとか、こういうものが建っております。

 配付資料の四を見ていただきますと、まさにこの赤とか青の地域に建っている社宅とか独身寮とか、そういったものを吉田開発が受注しているという状況であります。

 これは、報告書の百五十六ページに金品提供と工事発注の関連性が疑われると指摘されたものがまさにこの関電不動産開発と吉田開発の取引なんですが、まさにその舞台はここなんですね。

 社長にお聞きしたいんですが、その資料の三にありますように、目的は、若狭開発が、埋め立てさせてください、今度、公有水面、国民共有の財産を埋め立てたいんですという目的は、観光産業及び工業の発展なんですね。それで免許を得たんですけれども、ところが実際には、電気事業である、とりわけ原発関連施設ばかりが建っている。これは何で目的と違うものが建っているんでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 安土の二、三、四の土地につきましては、弊社の社宅を建設するための用地として購入したものでございます。

 土地取得につきましては、高浜町及び関係者との間で協議をして売買契約を締結した上で登記を行っており、土地取得の手続に問題はないと考えております。

藤野委員 いや、私は、手続は、確かにもう調べた範囲では所有権を移転されております。売買契約もあります。ただ、もともと社宅のためにやるんだったら、関電さんが埋立てを申請して、それで建てられればいいのに、わざわざこの福放という会社、加藤さんの会社を挟んでいるわけですね。何でこんな必要があったのか。

 この関電に売却した加藤尚というのは大変興味深い方でいらっしゃって、「二十世紀ふくい群像」という本によりますと、でっち奉公から大富豪になった。織物工場をもとに一代で財をなした。東京の一等地に土地を持っていて、終戦直後には、全国の長者番付、かつて発表されておりましたが、これで日本一になったこともある方なんですね。福井放送社長、福放というのは福井放送なんですが、そういうテレビとかラジオの社長としてもまさに一時代を築いた方であります。

 ただ一方、その伝記、伝記というか本によると、福井の妖怪だとか怪物だとか、常に虚実が渦巻いた人物だったとも書かれております。

 配付資料の五を見ていただきますと、加藤尚伝刊行会という委員会がつくった「評伝加藤尚 一念不動」という本がありまして、この後ろの方に、米寿を祝う会というのが開かれております。開会の辞は福井銀行頭取で、発起人代表挨拶は福井県知事。だあっといって、祝電が、内閣総理大臣中曽根康弘、郵政大臣、大蔵大臣、外務大臣は安倍晋太郎さんです、自民党最高顧問は元総理大臣福田赳夫さん、日本民間放送連盟会長とか読売新聞社社長とか朝日新聞社社長とか、つまり、そうそうたるメンバーが勢ぞろいしているわけであります。

 森本社長にお聞きしたいんですが、こういう方が介在されているんです。国民共有の財産である埋立地が次々と関電のものになっていったプロセスにこういう方が関与している。関電と加藤尚さんはどのような関係だったんでしょうか。

森本参考人 お答えいたします。

 調べた限りにおきまして、弊社と加藤尚氏との関係については確認できませんでした。

藤野委員 それはおかしいと思うんですね。私どもは外部の人間ですから、登記簿を調べたり公開されているものでしか調べられないんですが、社長はやはり社長ですから、わかるんじゃないかと思うんですね。

 例えば、その一方当事者である加藤尚さんのこの評伝、同じ本ですけれども、二百五十四ページにこういう記述があるんですね。彼は、彼はというのは加藤さんですけれども、彼はこの原発の設置によって今まで全くの過疎地であった地方に道路がつくられていくことを知った、高浜青戸入江に八万八千平米の土地を造成、ここに観光施設をつくり、行く行くはその一部を原発の建設用地に譲渡するつもりであったと。

 二百五十五ページにはこう書いてあります。若狭高浜の海岸へ行ったとき、漁師風の老人が私に、福井に加藤尚さんという人がおりますかと問われたので、福井放送の社長さんですよと答えると、その老人は、その方がこのあたりの広い入り江を買収されたのですが一体何にするのでしょうねと不思議顔をしたことが忘れられません、その後、この青戸入江を埋め立て、やがて青戸園が建ち関西電力の社員住宅街ができ上がっていったのですが、常に十年、二十年先を考えておられる方だとその洞察力に感心いたしました、これが高浜地方開発の発端となった、そして原子力発電所の計画が表面化してきたのはそれから間もないことであったと。

 ですから、関電さんは知らないとおっしゃいますけれども、そのカウンターパートというか、一方当事者の加藤さんの伝記にもうリアルに書かれているんですね。要するに、行く行くはとか間もないとか、初めから関電の原発のためにというふうに書かれているわけです。埋立てはそのためでしたと、そういう非常に洞察力があったと書かれている。ですから、関電と加藤尚さんがタッグを組んで推進していた、これが実態だというふうに思うんですね。ぜひこれを調べていただきたいと思うんです。

 今のは高浜原発一、二号機をめぐる動きなんですが、三、四号機でも社長にお聞きしたいことがあるんです。ここで登場するのが森山元助役なんですね。

 配付資料の二に戻っていただきますと、その一番下の、オレンジで囲んである水明という公有水面埋立地ですが、これは加藤尚さんではなくて初めから高浜町が所有者なんです。というか、埋め立てたいですと申請し、やったのは高浜町なんですね。埋め立てたいですと言った理由は何かというと、運動公園とかそういう住民の憩いのための広場を建設するためだといって、当時の県知事にこの水明の土地を埋め立てさせてくださいと申請しました。それで許可がおりました。ところが、許可がおりたら、間もなく、更にこの用途変更を高浜町が申請するわけです。

 配付資料の六を見ていただきますと、その申請書になるんですが、右側に、変更前というところで、先ほど申し上げた運動場の用地が一・六ヘクタールとか緑地が二・四とかあると思うんですが、変更後は、それらがなくなったり物すごくちっちゃくなって、原子力保修訓練センター用地というのが最大の目的になります。下の方にありますけれども、何で変更するかというところに出てくるのは、原子力は国策だからだということなんですね。国策に協力するために、住民憩いの運動公園や緑地を原発の研修センターに変えますとあるんです。これは、高浜町はこういう申請を出しているんですけれども、何でこうなったのかがよくわからないんです。

 社長にお聞きしますが、何でこういう変更が起きたのか、これは関電から高浜町に要請したということですか。

森本参考人 お答えいたします。

 土地取得につきましては、高浜町との間で協議し、適切に実施してきたものと考えております。水明の土地につきましては、弊社の教育施設を建設するための用地として購入したものでございます。

藤野委員 全くお答えにならないんですが。

 これは森山氏がかかわっていまして、議会でも、浜田倫三町長という方がいらっしゃるんですが、この方がわざわざ森山助役に答えさせますと言って答えさせているんです。ですから、この取引を実質的に仕切っていたのはまさに森山助役なんです。ですから、何が起きたのか、これは本当に問題だと思うんですね。

 配付資料の七を見ていただきますと、高浜町と関電の売買契約書です、このときの。この売買金額は、一平米当たり一万七千九百円で、総額四億一千百七十万円になっております。

 社長にお聞きしたいんですが、今適正に行われたとおっしゃった売買、四億一千百七十万、土地の対価は支払われているはずなんですね。ところが、その前後、資料の八を見ていただきますと、この取引が一九八二年なんですけれども、その前後、関電から高浜町に対して寄附金が急増しております。集中していると言ってもいい。一体何でこんなものが必要なのか、売買代金、対価は払われているのに、これは何のための寄附だったんでしょうか、社長。

森本参考人 お答えいたします。

 今回の第三者委員会の報告書記載以外の実績につきましては、相手方との関係もございますので、まことに申しわけございませんが、御容赦いただきたいと思います。

 寄附金、協力金につきましては、個別の案件ごとに必要性を十分吟味して慎重に判断した上で支出を行っております。

 御指摘の関係の部分の土地につきましては、高浜町との間で協議し、適切に実施してきたものと考えております。

藤野委員 これも本当に、関電社長であれば答えられる。私は、何のためかというのは、やはり、わかるところとわからないところがあります。ですから、ここはやはりしっかり調べていただく必要があると思うんですね。加えて、やはり国会としても独自に調べる必要があると思うんです。

 委員長にお諮りしたいんですが、報告書を読みますと、例えば六十八ページには、一九七五年から七七年における「関西電力と福井県や高浜町との打合せ内容を記載した「高浜原子力発電所増設の経緯について(地元対策)」と題する資料」、「地元対策経緯資料」というのがあるんですね。こういうのが結構たくさんあるんです。ですから、ぜひ当委員会に、関連資料といいますか、ここまで具体的にこういうのがあるよと言われているわけですから、ぜひ提出を求めたいと思います。

    〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕

鈴木(淳)委員長代理 後刻、理事会で協議します。

藤野委員 やはり今回、まだまだ解明されていないという思いを新たにいたしました、強くいたしました。

 残りの時間で、業務改善計画についてお聞きしたいと思います。

 私は、実は、原子力事業本部にどういうメスが入るのかなということを注目しておりました。といいますのも、やはり森山氏との金品授受もこの事業本部の関係者が金額的には大宗を占めるわけですし、但木委員長も、三月十四日の記者会見で、独立王国みたいになっちゃっていたとか、非常に大きな病根だという言い方も、但木委員長自身がされております。まさに事業本部こそ、経営改革というなら本丸であるというふうに思っております。

 ところが、配付資料の九を見ていただきますと、これは事業改善計画なんですけれども、その原子力事業本部のところに何と書いてあるか。こう書いてあるんですね。「原子力事業本部に対する牽制と支援の強化」とあります。私は、もう一回見た、二度見しましたけれども、牽制と。いわゆる業務改善計画には全くなじまないといいますか、牽制というのは何なんだと。メスを入れますよではないんですね。何か、本体はそのままで強力だから、ちょっと何か牽制するみたいな、非常に関電の腰の引けた姿勢をあらわす言葉だなと思っております。

 しかも、その中身が、下にありますように、本部長代理を設置して、それが何かコンプライアンス委員会や取締役会長に報告を行うという、はっきり言ってそれだけなんです。

 先ほど森本社長は、本部長に次ぐ方をこのコンプライアンス室にというふうに答弁されましたが、まさにそうで、代理というのが本部長の下にあるんですね。こんな役職を設けて、しかも牽制させる、これで原子力事業本部に全くメスは入らないのじゃないかと思うんですね。

 もう一つ、社長からの答弁で私が驚いたのは、豊松氏をフェローとして月四百九十万円も報酬を出している理由について、今後も原子力事業で重要な役割を果たしてもらうためというふうにおっしゃったと思うんですが、社長、この判断、豊松氏を今後も原子力事業で重要な役割を果たしてもらう、このためにフェローに据えた判断、これは今でも正しかったとお思いですか。

森本参考人 お答え申し上げます。

 最初に、コンプライアンス担当本部長代理の御質問をいただきました。

 本部長代理は、執行の外にあり、コンプライアンス委員会及び取締役会会長に対して直接報告する立場にありますことから、御指摘のような懸念はなく、しっかり果たしていけるものと考えております。

 原子力事業本部の中に設置した意図は、実態を把握した上で、より効果的な対策を打てると考えたものでございます。

 さらに、監査委員会、これは六月総会決議以降、指名等委員会になってからつくられますが、この監査委員会スタッフとして本部に常駐する監査特命役員も設置いたしますので、執行から独立した客観的な視点からの原子力事業本部への監督、監査の機能は十分に強化されるものと考えております。(藤野委員「豊松氏について」と呼ぶ)はい。

 二点目につきましては、当時の立場で判断した状況のもと、これを仮定をもって私がここで述べるわけにはいきませんが、こういった事態を経験した今、このようなことは今後とも起こらないようにしていくために、実際に委嘱する必要性があるかどうか、それから、委嘱するに対しての報酬がどうかということを、外部の取締役もしっかり入った委員会で評価し、取締役会で決定していく、そういうプロセスをしっかり踏むことが大事だと思っておりますし、今後、そういった外部の目線それから評価をしっかり取り入れていただけるように取り組んでまいりたいと思っております。

    〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕

藤野委員 端的にお答えいただきたいんですが、要するに、豊松氏をそういう位置につけたということは、今の社長から見て、よいことなのか悪いことなのかということなんです。

森本参考人 当時の状況、私は判断しておりませんので、この場での回答は控えさせていただきます。

藤野委員 要するに、そういう社風というか、これがいかに問題になっているかということも、ある意味、おわかりになっているのかなと。しかも、この豊松さんというのは原子力本部長を長く務められた方なんですね。まさに内藤千百里さん以降最大の実力者だったとまで言われている。原子力事業本部にそういう方がいるというのは、関電社員全部知っているわけですよね。そこの本部長だった人がそういう扱いを受けて、今度また本部長代理なる役職を置いて、その人が幾らコンプライアンス、コンプライアンスと言っても、トップが原子力本部なり本部長をどう扱っているかということを抜きに、成り立たないと思うんです。

 もう一つお聞きしたいのは、この業務改善計画の中で、調達等審査委員会というのが新設されると聞いております。これはいわば、工事の発注、契約及び、そして先ほど言った寄附金、協力金の全件を、全てを調査するということを伺っております。いわば鍵を握る組織だと思うんですが、他方、業務改善計画九ページにあるガバナンス体制のイメージ図を見ますと、この調達等審査委員会は出てこないんですが、これはどういう位置づけになるんでしょうか。

森本参考人 調達等審査委員会は、発注、契約等において、ルールに基づいて適切に執行されているのかの審査を工事の発注契約等の全件について毎月行うことから、社長以下執行側の機関として設置するものでございます。構成員は、弁護士の方、公認会計士の方等、複数の有識者を社外委員として活用することで、客観性を確保してまいります。また、審査内容については、ともに社外の人材が委員長を務めるコンプライアンス委員会及び取締役会に報告し、指導、助言、監督を受けることとしており、複眼的に客観性を確保することを考えております。

 なお、指名委員会等設置会社の移行に伴う法定の三つの委員会が指名、報酬、監査の委員会ですので、機構としてはそういう絵になってはございます。

 これに加えて、私たちは、コンプライアンス委員会につきましても取締役会直下に委員会をつくってまいります。

 この調達審査委員会というのは、先ほど申し上げましたように、執行側できちっと発注、契約をルールに基づいて適切に行っていく、これを十分評価していく、そういう委員会でございます。

藤野委員 私がお聞きしたのは、この九ページの図に、この調達等審査委員会は出てこない。これがいわゆるどこにぶら下がるかによって、本当に独立して全件チェックできるのかということなので、どこにぶら下がるんでしょうか。

森本参考人 この調達等審査委員会は、執行側の社長の中で直結する委員会でございます。ここが工事発注をする部門等の指導、審査を行い、コンプライアンス委員会の指導、助言、監督をいただきながら、調達審査委員会の目的に沿った活動をしてまいります。

藤野委員 要するに社長の下にぶら下がるということで、これは本当に、何というんですかね。

 ちょっと大臣にお聞きしたいんですが、そういう計画なんです。これを大臣として、経産省としてよしとしたのかということなんですね。

 先ほど言ったように、原子力事業本部を牽制する、しかもそれを担うのが本部長代理ということですし、調達等審査委員会、私も、これは全件やるということですから、どういう組織になるのかなと注目していたんですが、今の御答弁だと、社長の下にぶら下がるということでありまして、これは大臣、進捗をこれから見守っていくというよりも、むしろ、これで本当にメスが入るのかという、中身が問題ではないか、不十分じゃないかと思うんですが、いかがですか。

梶山国務大臣 こちらから業務改善命令で指摘した件について回答があったわけでありますけれども、所期の機能をしっかりと発揮していただきたい、こちらが思った機能を発揮していただきたいと思うとともに、やはり外形的な部分でもどう思うかということも重要だと思いますので、組織図であるとか言葉遣いであるとか、そういったことも含めて、六月までも含めて見た上で、また私どもで指導をしてまいりたいと思っております。

藤野委員 終わりますけれども、本当に、引き続き、関電に来ていただいたりあるいは但木委員長に来ていただいての集中審議を求めて、質問を終わります。

富田委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 まず、きょうは関電集中ということですので、私からも若干、関電社長においでをいただいています。きょうはありがとうございます。

 今回の金品受領問題を受けて業務改善計画を提出されたということです。先日、四月一日かな、大阪市庁の方にもおいでをいただいた。その際に、松井市長から、大阪市が推薦する者を社外取締役への人選について検討してほしいということを、筆頭株主でございますから、おっしゃった。

 私は、大阪の国会議員であるし、日本維新の会という政党に所属していますが、大阪市とまた立場が全く違いますので、今申し上げるのは直接つながっていませんが。ただ、株主としての関心、当然あると思いますが、我々国会は国民の負託を受けています。国会としても、このガバナンスをどう構築されていくのか、大変関心を持って見ていますが、この社外取締役の件、どう御検討される御予定でしょうか。

森本参考人 お答え申し上げます。

 弊社は、今回の業務改善計画に盛り込んでおりますとおり、外部の客観的な視点、ユーザー目線といいますか、お客様、社会の方々の目線を経営に取り入れることが不可欠であると認識をしております。

 具体的には、指名委員会等設置会社への移行を検討しておりますし、過半の社外取締役から構成される三つの委員会の準備を開始しているところでございます。

 今後につきましては、株主総会以降の社外取締役については、社外取締役が過半を占める人事・報酬等諮問委員会で審議の上、取締役会で候補者を決定し、株主総会で決議をしていただくことになります。

 今回、大阪市から社外取締役を推薦したいとお聞きしておりますが、弊社としては、今申し上げたようなプロセスを踏まえながら、外部の客観的な視点を重視した監督機能の強化を通じて、お客様や地域社会の目線を重視した経営を実現し、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に取り組んでまいりたいと思っております。

足立委員 株主とともに国民も見ているということをぜひわきまえて、しっかり対応をお願いしたいと思います。

 その同じ四月一日から、法的分離ということで、関西電力送配電株式会社ができました。これはパンフレットですけれども、このマークも新しく。私は大阪生まれ、大阪育ちですので、もともと関電のロゴはこれじゃありません、似たようなあれですが、ずっと見て育ちました。法令遵守は当たり前だし、しっかりと適正な形で業務運営しながら、新しい体制のもとでその企業価値を最大化していっていただく、これが大事なことであると思います。

 この枠組みは法律で決められた、電事法改正でできた制度でありますが、そういう新しい体制になっていることについての受けとめと、それから、その新しい体制のもとで事業運営をしていく、その方針をお願いしておきます。

森本参考人 お答えいたします。

 システム対応等の準備も順調にいき、四月一日に無事、送配電会社の分社化を迎えることができました。

 分社化後も、関西電力株式会社は、保有する経営資源を最適に活用することでお客様や社会の皆様により多様なエネルギーソリューションをお届けして、グループ価値の最大化を図ってまいりたいと存じます。

 また、関西電力送配電株式会社は、中立性、公平性を確保し、社会の皆様の暮らしや産業の根幹となります電気を低廉な価格で安全かつ安定的にお届けし続けることに加えまして、新たなサービスを創出し、社会の持続的な発展に貢献してまいりたいと存じます。

足立委員 よろしくお願いします。

 こういう二つの話が同時に起こっていることは大変遺憾ではありますが、しかし、ピンチをチャンスに変えるべく頑張っていただきたい、こう思います。

 ここからは新型コロナに話をかえますので。まあ、いていただきましょうかね、もう質問しませんが。今、経済、また国民は、大変な中、頑張っていただいています。ぜひちょっとその私の問題意識も聞いていただいて、またお願いをしたいと思います。

 まず、今、この経済産業委員会でも、奈須野部長、きょうお越しいただいていますが、繰り返しですけれども、また同期ですよね。もう同期ばっかりなんですよ。それぞれの役所の部長級、審議官級がほとんど同期でありましてね。同期だから何かしてもらえるわけではないんですが。

 奈須野部長、ここにも何度かお出ましをいただいて、この新型コロナ対応ということで、信用保証の御答弁をいただいています。簡潔で結構ですが、これは事業資金を回す仕組みです、もう古くからあります、この事業資金を回す仕組みがいかに整備されていて、今、新型コロナでどう対応しているか、改めて御紹介をいただきたいと思います。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの信用保証制度でございますけれども、中小企業、小規模事業者が民間金融機関から融資を受ける際に、都道府県に信用保証協会というのがございまして、この信用保証協会が債務保証を行う、そういうことで、民間金融機関に生じるリスクを引き受けて事業者への事業資金の融通を円滑化する仕組みでございます。

 保証した債務の弁済が不能となった場合には、信用保証協会が中小企業者にかわって金融機関に弁済を行う、そして回収をするということでございます。代位弁済を行った一部については、日本政策金融公庫から信用保険によって填補されるということになっております。

 こうした仕組みでございますけれども、昭和二十五年に中小企業信用保険法ができまして、昭和三十一年に現在の仕組みになって、五十年以上、このような仕組みで中小企業、小規模事業者の方々の事業資金の調達の円滑化に貢献してきたというふうに考えております。

 リーマン・ショックのような経済危機、あるいは東日本大震災のような災害、そして今回の新型コロナウイルス感染症による影響ということに対しては、セーフティーネット保証という仕組みがございます。これは、昭和四十年に倒産関連保証というのがもともとありまして、それを平成十二年に拡充したものでございます。

 保証料は、一般保証と違いまして、事業者の財務状況によらないで一律というふうになっております。かつ、一般保証とは別枠ということですので、こうした緊急時において事業者の方々が事業資金の不足ということが生じないように、機動的に支援を行っているという仕組みでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 これは、皆様、当たり前のように議論してきているかもしれませんが、事業資金については、この信用保険、信用保証制度が本当に日本の中小企業を支えてきた、日本の戦後、ずっと支えてきたわけです。今あったように、危機対応についても万全を尽くしていただいている。これは感謝を申し上げたいし、今も、金融機関の窓口、信用保証協会の窓口は、今、大変な事態に陥っている事業者の皆様であふれ返っているわけであります。

 しっかり御対応いただきたい。改めてお願いしますが、私がきょう問題にしたいのは事業資金ではありません。生活資金です。

 今、国民の皆様は、もちろん、事業が動かない、経済が本当に凍りついていますから。こういう中で。

 野党は余りいない、野党もちゃんと聞いておいてほしいんだけれども、野党。大丈夫、野党。(発言する者あり)いや、お昼って、お昼御飯を食べに行ったの。委員長、ちょっと野党に注意してもらえませんか。

富田委員長 定数は足りていますので。

足立委員 定数は足りているということで。

 僕は、こういう中だから、与党もいなくていいと思いますよ。だって、こんなところに密集して集まっていて、ろくなことはないですよ。僕、だから、ずっと外していましたよ、さっき。でも、自分の事務所でずっと経産委を見ていました。当たり前でしょう。だから、ぜひ皆さん、事務所に帰ってくださいよ、事務所に。

 余り冗談はやめて。

 生活資金ですよ、皆さん。自民党の皆さんも真面目に考えてください。

 きょう、何かニュースで、二十万円を一千万世帯に配る。ふざけるなよ。ふざけているよ、皆さん。自民党、公明党もだ。五千八百万世帯の中で、困っている一千万世帯をどうやって選ぶんですか。選べるんですか。選べません、絶対に。

 私は、安倍政権をずっと、こっちの人たちが権力を持つよりよっぽどいいと思って応援してきたけれども、この直接給付だけは絶対失敗します。だって、二十万円をもらえる一千万世帯と、もらえない四千八百万世帯ができるんですよ、日本じゅうに。どうするんですか、それは。

 ちょっと話を戻します。スイッチが、最近はスイッチが入らないようにしているんですけれども、たまに入るので、ちょっと丁寧にやりたいと思いますが。

 私が生活資金と申し上げた。事業資金と生活資金の線引き、これが結構難しいんですね。

 奈須野部長、もう一度お願いしたいんですが、会社は当然、信用保証の対象ですね、信用保証協会。個人事業主も対象ですか。

奈須野政府参考人 お答えを申し上げます。

 事業資金ということであれば、個人事業主も信用保証制度の対象となります。

足立委員 まさに事業資金ということであれば、個人事業主も対象になる。

 でも、今、個人事業主がどういう状況にあるか、皆さんわかっていますね。わかっていますね。フリーランスの、個人事業主の皆様の事業が突然なくなったんですよ。いつ再開できるかわからないですね。だから、今、個人事業主がお金を借りたい、これは事業資金ですか。だって、事業できないんですよ。仕事が入ってこない。毎日百件来ていた仕事がゼロ件になった。この人たちはどこに行けばいいんですか。

 奈須野部長、私が今申し上げた、個人事業主が、仕事が途絶えた、いつ再開できるかもわからないけれども生活できないからお金を貸してくれ、これは信用保証協会の保証の対象ですか。

奈須野政府参考人 お答えを申し上げます。

 信用保証制度は、中小企業者に対する事業資金の融通ということを円滑にすることを目的とする、法律上そうなっているわけでございます。

 したがいまして、事業資金については信用保証の対象となるわけでございますけれども、生活資金ということですと法律上対象にはならないということでございます。

足立委員 そうなんですよ。当然、対象になりません。

 だからどうしているかというと、安倍政権が宣伝をしている、いわゆる生活福祉資金貸付制度というのがあります。ここに個人事業主の方が今、殺到しているわけです。

 そういう、個人事業主の方が突然仕事がなくなった。こういう方は生活福祉資金貸付制度の対象になりますね。厚労省。

辺見政府参考人 お答え申し上げます。

 生活福祉資金貸付制度は、社会福祉法に基づく社会福祉事業として、生計の維持が困難な方に対して必要な生活費等を貸し付けるものでございます。

 就業形態、職種を問わず、個人事業主の方が現に当座の生活費にお困りであれば、対象となり得るところでございます。

足立委員 だから、今、例えば私の地元、大阪府茨木市、選挙区は三市二町ありますが、私が住んでいる、小学校、中学校、高校を出たのは大阪府茨木市です。三十万都市です。この三十万都市に社会福祉協議会があります、茨木市の。市役所じゃないですよ、社会福祉協議会。この制度の担当者は、もともと一人か二人です。ふだんこの制度の窓口に何人ぐらい来ておられたんですかと聞くと、まあ、ほとんど来ません、たまに一人来ますというところに、一人か二人の担当者で対応していた制度です。これは福祉制度です。

 要は、生活保護に毛が生えたと言ったらちょっと表現が雑かもしれませんが、福祉制度として粛々と、お困りの方、困窮された方に十万円とか当座のお金を貸し出してきた、これがこの制度なんですね。

 今、こういう形で、たくさんの方が、例えば、一日二十件ぐらいは来ていて、ほかの仕事の方を回して五人体制で、毎日二十件の処理をして、大阪府の社会福祉協議会に書類を全部送っている。窓口は市町村でやっているんですね、市町村の社会福祉協議会。しかし、厚労省の辺見審議官、この制度で、これからこのパンデミック化に対応していく日本社会、日本国民の生活資金をこの生活福祉資金貸付制度でカバーできますか。

 私が心配しているのは、何か社会福祉法上の整理とかではありません。そんなものは法律改正したらいいんです。問題は、社会福祉協議会の体制です。三十万都市で担当者二人ですよ。拡充して、ほかから今緊急で寄せて五人ですよ。福祉の窓口ですよ。福祉の窓口で、五人で、三十万都市の生活資金のカバーをずっとやっていくんですか。

 やっていった上で、いいですよ、仮に、いや、もうこういう事態だからやりますと。それで、たくさんの債権、要は貸付けの山ができるわけですよ。それをどうやって管理していくんですか、これから。

 今申し上げた事業資金については、先ほど奈須野部長が御紹介くださった、要は、民間金融機関があり、全国の保証協会があり、その保証協会を日本政策金融公庫が支えている。戦後七十年つくってきた制度ですよ。でも、ここに至って我々は気づいたわけです。こういう危機対応の、生活資金対応できるインフラがないんですよ。

 では、辺見さん、決意表明してください。死んでもこの制度で支えますと言ってくださいよ、ちょっと。

辺見政府参考人 今般、収入の減少等により当面の生活費が必要な方について、生活福祉資金貸付制度に特例を設けまして、三月二十五日から全国の社会福祉協議会で受け付けを開始しているところでございます。

 この特例に際しまして、申込者が今後どれだけ増加するかについて見通すことは困難な面もございますけれども、社会福祉協議会における相談体制の構築につきましては、現在の窓口の状況を踏まえまして、市区町村社会福祉協議会内のほかの部署からの応援職員の配置ですとか、社会福祉協議会の元職員の方の臨時的雇用などを依頼しておりまして、地域の実情に応じて体制強化を進めていただいているところでございます。

足立委員 いや、だから、これは、あと二年、三年続いたとしても、ずっとあなたのところの部署で支え続けるんですね。

辺見政府参考人 お答え申し上げます。

 現状を踏まえまして、引き続き、先ほど申し上げました、他部署からの応援、元職員の臨時的雇用などの工夫について、引き続き、実情を踏まえた体制強化をお願いしてまいりたいと思っております。

足立委員 きょう、宮下一郎副大臣、内閣府からおいでをいただいています。今私が申し上げたこと、御理解いただけますね。そこ、穴があいているんですよ。平時であればそれでよかったけれども、生活資金を、これから経済対策打つんでしょう、七日に。経済対策、皆さんもぽおっとせずに考えてくださいよ。これ、どうするんですか。二十万円を、本当に、一千万世帯をどうやって選ぶんですか。僕ね、いろいろな人に聞きました。答えられる人、いません。みんな、多分無理だよとみんな言っています、与党も。

 宮下副大臣、どうするんですか、これ。

 私たちは、もうこれは消費者金融を使うしかない。消費者金融。消費者金融の中で、一定の要件を満たす消費者金融をマル適マークつけて一〇〇%保証をしたらいいんですよ、一〇〇%保証。それで、お金を借りていただく。三年か五年据え置いて、据え置いている間に、マイナンバーで所得と資産を捕捉して、本当に困っている人だけ急に切りかえたらいいんですよ。考えてくださいよ、ちょっとぐらい。

 やっていただけますか。

宮下副大臣 委員御指摘のその生活資金をどう支えるのかというのは大変重要な視点だと思います。そして、その生活福祉資金、この枠組みで本当に支え切れるのかというのも貴重な御指摘だと思います。

 その上で、委員御提案のスキームを、新しい制度創設のスキームも拝見をさせていただいたんですけれども、幾つか課題はあるなというのも感じました。

 一つは、政府保証の仕組みを整えるための制度整備にかなり時間がかかります。それから、これまで対象でない金融事業者に対する政府保証の措置ということでありますから、要するに、そこの事務コストとか、貸金業者の皆さんの経営とかそういったところにかかるコスト、これをどう見るのかというのも含めて、トータルのコストアップになるという可能性があるということ。

 それから、今回の対応について、日本維新の会の皆様から提言もいただいているわけですけれども、現金給付に当たっては、「役所窓口における給付申請や受け取りなどの手続きは極力簡素化する。」こういう御提言をいただいていまして、これに対して、新しい信用保証と貸金業の皆様を入れたスキームを出すと、まず信用保証の申請をやって認可を受けて、そして貸金の窓口へ行って、また資金が出る、こういうことで、むしろ手続上の、精緻にはなるかもしれないんですけれども、時間とコスト、手間もかかるというところが課題かなと。

 それから、もう一つは、生活福祉資金の果たしている役割として、困っていますか、はいとお金を渡すだけではなくて、生活再建の相談とか、福祉的観点からいろいろな相談に乗っているという機能がありまして、そこの機能がむしろ失われるという面もある、こういうことで慎重に検討すべきだなと思いました。

 一方で、マイナンバーを活用した支援策、これは大変重要な論点だと思います。今後の政策を進める上で、ぜひ参考にさせていただきたいというふうに思います。

 この生活福祉資金の拡充に加えて、今委員御指摘のような、どうやって本当に困った方を給付で支えるか、今まさにその制度設計をしているところですけれども、委員の御意見も踏まえて、しっかり検討していきたいと思っております。

足立委員 できない理由を列挙されましたね。うちの地元の市長さんみたいです。

 奈須野部長、今申し上げた生活資金のところに穴があいているという問題意識、共有していただけますか。

奈須野政府参考人 生活資金自体は私どもの担当外でございますので、ちょっとあくまでも一般論でお答えせざるを得ないところがあるんですけれども。ことしの四月一日から民法が改正になりまして、連帯保証人の規律が厳しくなっております。このことによって、個人が資金を借り入れるときにどういうふうな担保をとるか、こういう問題が生じますので、こういった穴を埋めるためにどういう制度があるべきかということは、議論の余地があるのではないかと思います。

足立委員 もう時間が来ましたので終わりますが、今御答弁があったとおりです。これは課題なんです。

 宮下副大臣、私、ちょっときょうは失礼な質問をしましたが、しかし、ふだん御指導もいただいていて尊敬もさせていただいていますが、今国民が直面している事態にもっともっと知恵を出して、現金給付がいいのか、維新の足立案がいいのか、よく国会でもっと議論して、法律が必要だったら徹夜して法律をつくったらいいじゃないですか。三日間で法律はできますよ。やりましょう。ぜひお願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

富田委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時三十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時十一分開議

富田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 本日付託になりました内閣提出、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案及び特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案の両案を議題といたします。

 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。梶山経済産業大臣。

    ―――――――――――――

 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

梶山国務大臣 ただいま議題となりました特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案及び特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 我が国は、新たなデジタル技術や多様なデータを活用して経済発展と社会的課題の解決の両立を目指すソサエティー五・〇の実現を目指しています。その鍵となる第五世代移動通信システム、いわゆる5Gや、撮影機器等を搭載し点検や測量などを行うことができる高性能ドローンを始めとする高度な情報通信技術を活用したシステムは、今後急速に普及し、国民生活及び経済活動、ひいては我が国の安全保障の重要な基盤となることが見込まれます。

 こうしたシステムの開発供給及び導入については、サイバーセキュリティーを確保しつつ適切に行われ、安全、安心が確保されることが重要です。また、システムの開発供給及び導入に向けては、関連する我が国の産業競争力の強化に戦略的に取り組むとともに、速やかに全国展開を進め、地方創生の切り札として、人手不足や高齢化等の課題解決にも寄与するような新事業の創出を促進することも重要です。

 このため、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入を促進するために必要な支援措置を講ずるべく、本法律案を提出した次第です。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入が、サイバーセキュリティーを確保しつつ適切に行われるよう、その促進に関する指針を国が定めます。

 第二に、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給又は導入を実施しようとする事業者から、計画が提出され、認定の申請があった場合において、指針に照らし、主務大臣が認定する制度を創設します。

 第三に、認定された計画に従って実施される特定高度情報通信技術活用システムの開発供給又は導入に対して金融支援措置等を講じます。特に、5Gを活用したシステムの導入に当たって、早期の普及に特に資するなどの要件を満たすと主務大臣が確認したものについては、課税の特例を適用します。

 次に、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 近年の情報通信技術の発達により、世界的規模でデータを活用した新たな産業が創出される中、デジタルプラットフォームは、中小企業等に販路開拓のチャンスを提供するなど、我が国の国民生活、経済活動にさまざまな便益をもたらす重要な存在となっています。他方で、一部の市場においては、デジタルプラットフォームで取引を行う中小企業等から、取引の透明性、公正性が低いといった懸念が指摘されています。

 こうした背景を踏まえ、変化の激しいデジタル市場において、安全、安心に取引が行える環境の整備と、イノベーションの促進を両立させることが必要です。このため、デジタルプラットフォームを提供する事業者の自主的かつ積極的な取組を基本としつつ、デジタルプラットフォームで取引を行う中小企業等との間の相互理解を促進することによって、取引の透明性、公正性を向上させるために必要な措置を講ずるべく、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、国民生活への影響の大きさや取引の実情等を踏まえて設定する事業の区分ごとに、一定の規模以上であるデジタルプラットフォームを提供する事業者を、取引の透明性及び公正性の向上が特に必要な特定デジタルプラットフォーム提供者として指定します。

 第二に、特定デジタルプラットフォーム提供者に対して、その主要な提供条件や取引を拒絶する場合の理由等の開示を求めるとともに、デジタルプラットフォームで取引を行う中小企業等との間の相互理解を促進するための手続や体制の整備等の措置をとることを求めます。

 第三に、特定デジタルプラットフォーム提供者がこのような取組の実施状況に関する報告書を国に提出し、利用者等の意見も聞いた上で国がその評価を行う仕組みを設けます。また、その評価の結果は公表し、取引の透明性及び公正性の自主的な向上を促進します。

 このほか、公正取引委員会への措置請求や、内外の別を問わず命令等の措置を行うために必要な手続等を整備します。

 以上が、両法律案の提案理由及びその要旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

富田委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十八分散会


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