衆議院

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第5号 平成30年3月20日(火曜日)

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平成三十年三月二十日(火曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 西村 明宏君

   理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君

   理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君

   理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君

   理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君

      岩田 和親君    大塚 高司君

      大西 英男君    加藤 鮎子君

      門  博文君    神谷  昇君

      神田 憲次君    工藤 彰三君

      鈴木 憲和君    田中 英之君

      高木  毅君    谷川 とむ君

      中谷 真一君    中村 裕之君

      根本 幸典君    鳩山 二郎君

      藤井比早之君    藤丸  敏君

      星野 剛士君    三浦  靖君

      三谷 英弘君    宮内 秀樹君

      宮路 拓馬君    望月 義夫君

      簗  和生君    山本 公一君

      初鹿 明博君    道下 大樹君

      森山 浩行君    早稲田夕季君

      伊藤 俊輔君    大島  敦君

      もとむら賢太郎君    森田 俊和君

      北側 一雄君    高木 陽介君

      広田  一君    宮本 岳志君

      井上 英孝君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   国土交通副大臣      あきもと司君

   国土交通大臣政務官    簗  和生君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局審議官) 高橋 一郎君

   政府参考人

   (総務省国際戦略局長)  今林 顯一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   富山 一成君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   山崎 秀保君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房物流審議官)         重田 雅史君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 奥田 哲也君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  菊地身智雄君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君

   政府参考人

   (国土交通省航空局次長) 和田 浩一君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田村明比古君

   国土交通委員会専門員   山崎  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     神田 憲次君

  大塚 高司君     三浦  靖君

  鳩山 二郎君     宮路 拓馬君

  藤井比早之君     星野 剛士君

  望月 義夫君     藤丸  敏君

同日

 辞任         補欠選任

  神田 憲次君     秋本 真利君

  藤丸  敏君     望月 義夫君

  星野 剛士君     藤井比早之君

  三浦  靖君     大塚 高司君

  宮路 拓馬君     鳩山 二郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長藤田耕三君、大臣官房物流審議官重田雅史君、自動車局長奥田哲也君、港湾局長菊地身智雄君、航空局長蝦名邦晴君、航空局次長和田浩一君、観光庁長官田村明比古君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局審議官高橋一郎君、総務省国際戦略局長今林顯一君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、財務省理財局次長富山一成君及び文化庁文化財部長山崎秀保君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。土屋品子君。

土屋委員 自由民主党の土屋品子でございます。

 本日は、外客旅行容易化法の法律の一部を改正する法律案についての質問をさせていただきますが、ぜひ有意義な議論をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 初めに、この法律は一九九七年に制定されたもので、当時、大都市圏への団体旅行が中心で、日本への旅行は高額と捉えられていたことから、旅行費用の低廉化、外国人観光客に対する接遇方法の効率化などが主な内容で、来訪地域の多様化を図るためのものであったと認識しているところでございます。

 しかし、当時と比べますと、訪日外国人旅行者数は七倍以上に増加しています。そして、海外旅行の経験者がふえると同時に、パッケージツアーなどではなくて、自分の目的に合わせた旅行をしたいという要望で旅行者がFIT化する、また、団体旅行で来ても、自由に行動する方が圧倒的に多くなっております。

 二十年前の古い法律を手直しする必要があり、観光先進国を目指す我が国にとって法改正が遅きに失した感もありますが、今回の改正は観光資源の開発、活用や観光情報入手の容易化などについても盛り込まれているということですので、具体的にお伺いしてまいりたいと思います。

 先ほども述べましたが、一九九七年に約四百万人であった訪日外国人旅行者数が、昨年二千八百六十九万人という七倍の大幅増となっているわけですけれども、私も一九九六年が初当選でございましたが、その当時、訪日外国人旅行者をふやそうということで、目標七百万人ということ、ウェルカムプラン21ということについて提言があったということを覚えております。

 また、翌年の一九九七年六月には、特に地方圏への誘客促進の具体化を図るために、今回の法案のもととなる法律が施行されたということで、大変懐かしく思うわけでございます。

 また、二〇〇三年に外務大臣政務官をしていたときに、当時、小泉総理のもとで、観光立国への取組が非常に大々的に行われたというのも経験したわけでございます。これは国策の大きな柱となったと思うわけでございまして、それを考えながら質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初、観光先進国の実現のために、国際的な観光旅客の往来の促進による国際交流の拡大をしていくための目標、効果を定めているわけですが、二〇二〇年に訪日外国人旅行者数四千万人などの目標達成について、現状での達成見通しをどのように捉えているか、お伺いしたいと思います。また、目標達成に向けての取組と今回の改正法案との関係についても御説明をよろしくお願いいたします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 政府では、観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱として位置づけ、取り組んでいるわけでございますけれども、今先生おっしゃいましたように、昨年の訪日外国人旅行者数は前年比一九%増の二千八百六十九万人、消費額は一八%増の四兆四千百六十一億円と、いずれも過去最高を記録いたしております。

 他方、明日の日本を支える観光ビジョンに掲げられました訪日外国人旅行者数二〇二〇年四千万人あるいは二〇三〇年六千万人等の目標達成にはいまだ道半ばでございまして、目標を実現するためには、特定の地域に集中している旅行者の全国各地への来訪、それから、滞在のさらなる拡大、旅行ニーズの多様化への対応といった課題に対しまして、より高次元な観光施策を展開していく必要があるというふうに考えております。

 このため、今般、観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充強化を図るための恒久的な財源である国際観光旅客税が創設されることとなったことを踏まえまして、本法案によりまして、この税を、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備を初めとする三つの分野に充てることを規定するとともに、外国人観光旅客の地方へのさらなる誘客拡大、事業者等による受入れ環境整備の拡充に必要な措置を講ずることといたしたものでございます。

 本法案に盛り込まれました措置を着実に実施するとともに、目前に迫りましたラグビーワールドカップ及び二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた受入れ体制の整備などに万全を期すことによりまして、観光ビジョンに掲げられた目標達成、観光先進国の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

土屋委員 ありがとうございます。

 まだまだ道半ばという中で、この法律を通す重要性というのを述べていただいたのかなと思いますけれども、観光財源についてお伺いしたいと思います。

 既に、衆議院の財金で国際観光旅客税法が審議されまして、観光財源の検討経緯等についても議論してきたと承知していますが、改めて、新税創設で財源を確保することにした理由と、特定財源として無駄遣いを防ぐ手だてをどのような方策で検討しているかについてお伺いしたいと思います。

 また、外国人旅行者だけでなく、日本人の出国者にも負担を求めることにした理由についてもお願いいたします。

田村政府参考人 先ほどお答え申し上げましたとおり、政府においては観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱として位置づけ、観光ビジョンに掲げられた目標の達成に向けて、政府一丸、官民一体となって取り組んでいるところでございまして、目標を実現するためには、より高次元な観光施策を展開していく必要があります。

 また、ラグビーワールドカップあるいは東京オリンピック・パラリンピック競技大会と、全世界から多くの訪日旅客が見込まれるイベントを目前に控えておりまして、これらに向けて受入れ体制等の充実を図るためにも、国際観光旅客税により早急に観光財源を確保する必要があるというふうに考えております。

 今般の観光財源の検討につきましては、一昨年の三月の明日の日本を支える観光ビジョンや昨年六月の未来投資戦略二〇一七におきまして、観光施策に充てる財源の確保を目指すとされていることを踏まえまして、昨年九月に外部の有識者や関係者も交えた観光庁の有識者検討会を立ち上げまして、関係事業者や地方自治体の御意見も幅広く伺いながら、諸外国の事例も参考にしつつ、丁寧に御議論いただいたところでございます。

 その結果、財源確保の手法につきましては、観光施策が今後も高度化すること等に鑑みれば、負担者の納得が得られる範囲で、政策目的に合った柔軟な活用が可能な税方式が適当であるという検討会の提言も踏まえつつ、今回の新税の創設に至ったものでございます。

 お尋ねの、無駄遣いを防ぐ手だてでございますけれども、観光を取り巻く各種予算につきましては、例えば、ここ数年で観光庁予算を二倍以上に増額するなど観光関連支出への重点化を図ってきた一方で、無駄遣いを排除すべく、観光庁の予算事業につきましても、行政事業レビュー等を活用して、効果の高い施策への見直しを不断に進めてまいりました。

 今回の新税を充当する施策につきましても、昨年十二月に閣議決定された基本方針において明らかにしておりますとおり、行政事業レビュー等を活用し、第三者の視点から適切なPDCAサイクルの循環を図ること等によりまして、無駄遣いを防止し、使途の透明性を確保してまいりたいというふうに考えております。

 なお、平成三十一年度以降の税収の使途につきましては、先ほど申し上げました基本方針に示された考え方を十分踏まえつつ、具体の施策、事業につきまして、民間有識者の意見を聞きながら検討を行うことといたしているところでございます。

 なお、日本人にも負担を求める理由ということでございますけれども、本税は、観光立国の受益者の負担による方法による観光財源の確保を目指した検討を踏まえて創設されるものでございます。二〇二〇年四千万人の目標等を達成することに向けまして講じられる観光施策は、空港、港湾の出入国環境の円滑化、利便性向上等が含まれるとともに、国際航空、海運ネットワークの維持拡大にも資することを勘案すれば、日本人出国者にも負担を求めることは、また合理的であるというふうに考えております。

 なお、我が国が各国と締結している租税条約には国籍無差別を定めた条項が一般に付されているため、日本人、外国人にひとしく負担を求めることが前提となっているところでございます。

土屋委員 丁寧にありがとうございました。

 税収の特定財源として無駄遣いを防ぐということ、これはやはり今回のこの改正については、国民は、本当にひとしく非常に注目をしている改正だと思います。そういう意味では、やはり何に使うんだろうかということを本当に注視している中で、協議会をつくって無駄を省く、また、どういうものに使うかというのをしっかりと決めていくということでございますけれども、しっかりと、二〇二〇年の目標達成や東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて努力をしていただきたいと思います。

 今、余り細かくは出てこなかったんですが、税収によって得られた観光財源をどのように有効に使うかというところで、三十年度の税収見込みが六十億円ということですが、その使い道については、今お話があったような内容までで、特に具体的には決まっていないんでしょうか。それはまた三十一年度以降でも、あらあら何かこういうものというのは決まっているんでしょうか。ちょっともう一度お願いいたします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税につきましては、先ほど申し上げました、昨年の暮れの閣僚会議の決定によります基本方針を踏まえまして、平成三十年度予算におきまして、平成三十一年一月七日からの徴収による総額六十億円の歳入につきまして、CIQ体制の整備や日本人海外旅行者向けの旅行安全情報等に関する情報プラットフォームの構築など、特に新規性、緊急性の高い施策に充てることといたしております。

 また、国際観光旅客税の税収は、訪日外国人旅行者二〇二〇年四千万人等の目標達成に向けまして、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報入手の容易化、それから、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上の三つの分野に充当する旨を本法律案第十二条第一項に規定しているところでございます。

 あわせまして、この同じ十二条の第三項におきまして、財源を充当する施策につきましては、受益と負担の関係から負担者の納得が得られること、先進性が高く費用対効果が高い取組であること、地方創生を始めとする我が国が直面する重要な政策課題に合致することを基本とするものと規定しております。

 平成三十一年度以降の予算におきましては、これらの規定に基づきまして、受益と負担の関係や先進性、費用対効果等の観点から、民間有識者の意見を踏まえつつ、個々の中身をしっかり精査してまいりたいと考えております。

土屋委員 ありがとうございます。

 使い道がしっかりと規定されているということを認識いたしました。高次元の観光施策にスピーディーに取り組めることを期待しているところでございます。

 次に、具体的な事例についてお伺いしたいと思います。

 今もちょっと出ました話ですが、地方自治体が管理する道路看板等の整備とか地方の観光資源PRソフトや情報発信ツールなどにもこれを充てることができるのかということと、さらに、今お話があった、日本人観光客、外国へ行かれる方、アウトバウンド対策ですけれども、これも、外務省が現在実施している邦人の海外安全情報システム、たびレジというのがございますが、これは登録制でございます。これを、登録制ではなくて、現地に入ると自動的に携帯に入ってくるようなサービスが充実できないか。また、大使館の領事業務の拡大にも充てることができないか。そこら辺についても御所見を伺いたいと思います。

田村政府参考人 今先生からお尋ねのありました個々の事業につきましては、やはり、先ほど申し上げました、受益と負担の関係あるいは先進性、費用対効果等の観点から、民間有識者の意見も踏まえつつ、個々の中身をしっかり精査してまいりたいというふうに考えております。

 なお、たびレジのお尋ねがございました。今、私どもが日本人海外旅行者向けの旅行安全情報等に関する情報プラットフォームの構築を三十年度から取りかかろうというふうにしているわけでございますけれども、たびレジと緊密に連携をして、双方の相乗効果が出るような形で構築をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

土屋委員 どうもありがとうございます。

 最近は、若い方が韓国や台湾など近距離への旅行が多いんですけれども、大体ほとんどが独自の旅行で、団体では行かない。要するにFITです。五五・一%の方がFITの旅行。あと、スケルトンツアーを含めますと八割が個人旅行をしている中で、たびレジというのは非常に大事なんじゃないかと思いますので、ぜひ邦人保護の観点から、邦人保護の政策の未来図をしっかりとつくっていただきたいと思います。

 それから次に、協議会制度の取組に関してですが、法律の名称を外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律に変更し、地方における計画の策定主体を都道府県から地方運輸局、都道府県、DMO等が参加する広域的な協議会に変更することで、行政区画を越えて多様な主体による観光地域づくりを推進するとしていますが、制度の取組に対して、助言だけでなく、DMOにも財政支援というのはできるんでしょうか。

 それからまた、協議会制度のイメージをつかむために伺いたいんですけれども、例えば、私の地元には日本で最大規模の首都圏外郭放水路があります。これは世界的にも非常に最大の外郭放水路でありますが、このような国家プロジェクトでその効果が広域にわたる観光資源は、地方自治体と協議会のいずれが主体的に取り組むべきであるかということをお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 今お尋ねになりました協議会の件でございます。

 本法案では、地方運輸局、関係都道府県、観光地域づくりのかじ取り役であるDMOなど、観光地域づくりに関する多様な関係者間の連携、調整を確保するため、これらの関係者から成る協議会というのをおおむね地方ブロック単位で組織できることとし、広域的な観光地域づくりを戦略的に促進することといたしております。

 この協議会が策定する外客来訪促進計画に定められた計画区域の方針を踏まえまして、計画区域に係る各DMOが策定した事業計画に位置づけられた事業等についても支援をすることとしたいと考えております。

 また、地方部における広域的な周遊観光を促し、ゴールデンルート等の特定の地域に集中している訪日外国人旅行者の各地への来訪、滞在のさらなる拡大を促進するため、このDMOに対する必要な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 なお、今お尋ねのありました首都圏外郭放水路でございますけれども、国はインフラを観光資源として公開、開放する取組というのを現在推進しているところでございまして、この放水路につきましても、見学機会の拡充などを進めてきているところでございます。

 引き続き、国といたしましても、これはもちろんいろいろな単位がありますけれども、それぞれの地域と、地域というのは、小さい市町村単位もありますし、もう少し広域的な取組もありますけれども、いずれとも連携しながら、インフラを活用した取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

土屋委員 ありがとうございます。

 外郭放水路は大変広域にわたっておりますので、そういうモデルケースにもなればと思いますし、また、DMOの役割は今後もますます増加していくと思いますので、ぜひDMOへの支援をお願いしたいと思います。

 最後の質問になりますが、法案では、公共交通事業者等に対する努力義務の範囲を拡充していくということでございまして、この措置によってどのような効果が期待できるか。あと、WiFi整備やトイレの洋式化の取組に財政支援は措置されるのか。もう時間になりますので、簡単にお願いいたします。

田村政府参考人 今回の法案では、外国人観光旅客利便増進措置を拡充いたしまして、従来の多言語表示等による情報提供に加えまして、無料WiFi環境やトイレ洋式化等の取組につきましても、公共交通事業者に努力義務、また、外国人旅行者の利用が多い区間等については計画的な取組を義務づけることといたしております。

 お尋ねのそういった取組に対する支援でございますけれども、平成三十年度観光庁予算におきまして、交通施設や車両等における無料WiFi環境整備、あるいは交通施設や車両等におけるトイレの洋式化を含めまして、こうした取組に支援をしていくことといたしております。

土屋委員 インバウンド、アウトバウンド両方にメリットを感じてもらえるような形で実行していただきたいと思います。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

西村委員長 次に、田中英之君。

田中(英)委員 自由民主党の田中英之でございます。

 土屋品子先生に続きまして、本法案に対して質疑をさせていただきたいと思います。できるだけ重複は避けさせていただきたいと思います。

 この間、日本の外国人観光旅客の数をふやしていくということの取組は、この三年間は非常に、ある意味で急激に伸びているというのは事実でございます。

 ビジット・ジャパンやさまざまなことを取り組んでこられたこの間に、国もですし、地方もですし、また、観光に携わる仕事をされる方々それぞれのいろいろな知恵や工夫、努力というものによって昨年の二〇一七年の二千八百六十九万人まで伸びてきたということは、本当に大きな成果だというふうに思っております。

 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けては四千万人という一つの目標や、また、さまざまな目標というものを掲げているわけでありますけれども、今回、そういったことに合わせていくために法改正が行われるということであろうかと思います。

 今回の法改正で少し変わるなというのは、まず名称のこともあれば、また、これまでの基本方針をつくっておられた方法であったり、また、外客の来訪促進計画、こういったことを取り組んでいただく枠組みを変更していく、こういったところが変わってくるところなんだろうなというふうに、私自身も資料を見たり説明を聞かせていただいたり、感じているところであります。

 当然ながら、この目標とかいろいろと効果を築き上げていくために、そういった変化をつけて本法律案の審議をするわけでありますけれども、今申し上げました二つの部分、名称の変更も、容易化というところから今度は訪日の促進という言葉にもなりますし、このことについての変化の意義、意味というところ、また、その基本方針の枠組みや、また、外客の来訪促進計画のいろいろと考えている枠組みが変わるということ、そこには、変わることによりどのようなことを生み出そうとされているのか。この二点をあわせてお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 昨今、訪日外国人旅行者につきましては、団体旅行から個人手配旅行への急速なシフト等の多様化が図られておりますほか、十年前に比べたら徐々に解消されておりますものの、なお訪問先につきましてはゴールデンルート等の特定地域に集中するなど、全国各地への来訪、滞在のさらなる拡大の促進が、今後、我が国の観光施策におきまして重要な課題となっているところでございます。

 そういうことに対応いたしますために今回法改正をさせていただく提案をさせていただいているわけでございますけれども、本法におきましては、国際観光の振興に資する施策を広く展開することとしておりますことから、改正後の基本方針を国際観光の振興を図るための基本方針とするとともに、基本方針において示す事項も、この趣旨に沿った事項に改めることにいたしております。

 具体的には、観光先進国の実現のためには、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、それから第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、そして第三に、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上、こういうものが必要でありますことから、これらに関する事項を基本方針において定めることといたしております。

 また、外客来訪促進計画につきましては、現行のものが、いわゆる観光ルートの設定とそれを海外へ発信するというようなそういうことに重点を置いたものでありましたけれども、海外の情報発信などは都道府県単位の対応では発信力が弱いということなどに鑑みまして、各地域の連携を確保した地域ブロックごとの広域な単位での周遊観光の促進や海外への情報発信を行うため、基本方針に掲げた三つの事項をこの計画にも定めることといたしているところでございます。

 これらの改正によりまして、先ほど申し上げましたいろいろな課題に対しまして、広域的な観光地域づくりを戦略的に促進することが可能になるというふうに考えているところでございます。

田中(英)委員 ありがとうございます。

 名称の変更のところは少し触れていただくことがなかったんですが、基本方針なんというものは、恐らく、後にちょっと質問しますけれども、新税に合わせて、その新税の使途、どのような形で使っていこうかということを今回明確に実は三つの分野で示していただいたのが、ストレスフリーであったり情報の入手の容易化、そして、それぞれの地域の文化とか自然というものを生かせるために体験滞在型の満足度を上げていこうということに使っていくということ、こういったことをすることによって、今までよりも魅力ある日本の観光を築いていこうということであろうかと思いますし、都道府県だけで考えていただくんではなくして、DMOなんかも絡めてこれからの計画というものを立てていただくというものも、今までであるとこの一部の地域だけというようなことがあったと思いますけれども、少し広域に広げていくことによって、日本のさまざまな、隅々までの魅力というものを見て知って、行っていただくことで感じていただくこともできる。

 そういったことを広めることによって、ゴールデンルートのみならず、いろいろなところに行っていただけるようにしていくためには、そういった、少し考えていただく、枠組みを広げていただくという意味では、大いに私自身は今までと違う知恵も出てきていいんだろうというふうに思っています。

 ただ、ちょっと気になるのは、いいことをやろうと思うときには、当然ながら余り悪いことは考えません。しっかりとDMOなんかが入っていっていただいていろいろと計画をしていただくと思いますから、当然ながら、地域なんかとも連携をしていただくことになると思います。突然そういった計画がされてわっと人が来てしまったときなんというのは、対応がし切れなかった例というのは今までもあったと思いますので、そういったことがないようにというふうに思います。

 かつて石垣島に行ったときに、クルーズ船で一気に二千人、三千人の方が来られて、全てのショップから物がなくなって、実は、生活をされている人の生活圏がわっとその数日間狂ってしまったということもあったやに聞いておりますので、いろいろな範囲、広くやっていただくということは、今まで人が行っておられなかったようなところにも行っていただくことになろうかと思いますので、そういった急激に人が入るようなことがないというか、あってもある程度対処ができるようにとか、また、そういった人々がもっと分散しながら行くようになんというものも、この計画をつくっていただく中にはしっかりと考えてやっていただくことによって、住んでいる人も、また、観光に行かれる外国の方々にとっても、ああ行ってよかったなと思っていただける地域をふやしていただくためにそういうことをしていただければと思います。

 恐らく名称の方は、私のこれは推測でもありますけれども、かつては、日本に来るのにもお金かかるし、物価も高かったでしょうし、なかなか来るのにはハードルが高かった部分を、この間いろいろとできるだけ旅行価格なんかも下げることができたり、してきた経過の中で、観光の方々が外国からいっぱい来ていただくようになってきた。

 そういった方々を、今度、来ていただいて、今回のところにもあるように、ストレスフリーであったり、いろいろとお金の部分でも免税の部分でやったりということをこつこつ積み上げてきた経過があって簡単に来ることはできやすくなってきたので、今度は幅広く、外国から来ていただく方々にもっともっともっと来ていただけるように推進しようとちょっと広い幅の中でやったので、名称の変更なんというものがあったものだというふうに思っております。

 そういう意味では、今回、実態に合わせた形での法改正であるということを私自身は理解をいたしておりますので、この審議があって、ますますそういった意味では外国の方々に日本の魅力を知っていただくために、来やすい環境と、そして、もっとPRをしながら日本にどんどん来ていただけるような、そのかわり、しっかりと日本の中ではそのベースというものをつくっていけるような形をこの法律によって築いていただければなというふうに思っております。

 それでは次にでありますけれども、三点目になりますけれども、これはもう国際観光旅客税に関してでございます。

 十二月の税制改正の際にいろいろな議論がありましたけれども、恐らく観光庁の予算というのも、観光庁ができてから、昨年が二百四十億を少し超える部分であったのかなと思っておりますけれども、四倍ぐらいに実は予算の方がふえてきた。その他、他の省庁なんかも連携する予算というものもあるわけでありますけれども、それでも、なかなか十分な予算があったというわけではなかったんだと思います。

 そういった意味では、今回、税を新たにいただいて、そしてそれを観光に有効に使わせてほしいというそのところでありますけれども、先ほど、土屋先生の質疑にもありましたけれども、外国の方々の出国のときもあれば、日本の方々が出国する際にもこの税は頂戴するということでありますので、そういった意味では、日本人の出国される方々、この方々、やはり納得して実はその税を払って、そしてその恩恵を受けるということがなければ、なかなか理解が得られない部分があろうかと思います。

 その出国される方々に対してもでありますし、実は、決して観光は出国される方だけのものでもないと思います。今回、三分野でしっかりとつくっていただいていますから、そこは含められないこともあるのかもわかりませんけれども、おもてなしとして迎える日本の方々、こういった方々に対して、例えばこういった新税をどのような形で使っていくことが将来的に考えられ得るのかということも、あわせてひとつお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 まず、御質問の、日本人の出国者からも税を頂戴するということで、納得のいく施策に充てられる必要があるということでございますけれども、今回の観光財源に充当する施策につきましては、スムーズな出入国手続を始めといたしまして、快適に旅行できる環境の整備などの国際観光振興施策に充てまして、日本人も含めまして、受益と負担の関係から負担者の納得が得られることを基本としておりまして、この改正法案におきましてもその旨を規定しているところでございます。

 こうした観点から、平成三十年度予算におきましては、日本人旅行者にもメリットが感じられるものといたしまして、最新技術を活用した顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備等によりますCIQ体制の整備に二十億円を充てることといたしておりますとともに、日本人旅行者が安心して海外旅行ができるよう、旅行先の正確な安全、安心情報の提供等を行う情報プラットフォームの構築に一億円を充てるなどしているところでございます。

 いずれにいたしましても、この観光財源を活用して、日本人の出国者も含めまして、受益を実感していただけるようにすることが重要であるというふうに考えております。

 もちろん、もう少し広い国民全体ということでのお尋ねに対しましては、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備と、それから、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、そして、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上、こういうもので全国津々浦々に観光客に来ていただいて、それによりまして地域の方々にもメリットというものが実感していただけるようにする。そういう目的で使わせていただくということにいたしているところでございます。

田中(英)委員 ありがとうございます。

 実は、三十一年度以降にタスクフォースの中でまたいろいろと御協議をされて、以降の予算というところではまた生かしていただくことが可能なのかもわかりませんが、とりあえずは、まず導入されてからのその部分に関しては一定の枠組みがある程度決まっているということは認識しておりますので、やはりその次の年度以降のところでは、少し広域に物事が考えられるようにしていただいたりできればなという思いがあってちょっと質疑をしました。

 そこで、自治体なんかでは先行して観光にかかわる税なんかを取りながら、宿泊税等々なんてやっているところが先行してやって、そういった自治体は既に、今回、新税を活用しながらやろうとしているようなお手洗いの部分、WiFiの部分、こういったところを先に整備をしているようなところもあるわけであります。

 実は、今回のこの新しい税に関しては、先進性があるとかということでもありますので、新しいものでないとなかなかやはりそういったサポートを将来的にはしてもらうことがしにくいのかなという疑問を自治体なんかはやはり持つところもございますので、そういう意味では、この公平性というものをしっかりとある意味では担保をしていただくことがやはり可能であっていただきたいなというふうに思います。

 そこで、その公平性の部分、先行していろいろなものを取り組んでいただいているような自治体と、また、なかなかそういったことに取り組んでいないところの自治体との公平性をどのように確保していくかという点と、また、もう一点もあわせて聞いてしまいますけれども、多く旅行者が来ていただいて大変うれしいという声を聞く一方で、実際にやはり、先ほど少し触れましたけれども、生活にちょっと影響が出るようなそんな地域もあるわけであります。

 三十一年の一月からいただくこの税というのは使途がある程度決まっておりますけれども、以降の部分で、そういう生活に支障のあるようなところに対して何か支援ができるような議論をこれからしていただけるのかどうか。あわせてちょっとお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 今最初にお尋ねになったところは、例えば、地方自治体の中で既に独自の財源確保に取り組みながら観光施策を進めているところがあるということだろうというふうに思いますけれども、例えば宿泊税というような形で、増加する観光需要への財源確保に取り組んでおられるところがあるというふうには承知しております。

 昨年秋に観光財源のあり方を議論した観光庁の有識者会議では、そのような自治体における取組も含めまして総合的に検討を行ったところでございます。

 例えば全国知事会からは、ヒアリングの場で地方譲与税の創設に関する御要望などもいただきましたけれども、やはり事業者からは、自治体によりまして観光以外の使途に充てられるんじゃないかという、その受益と負担の関係からのちょっと懸念といいますか、慎重な御意見などもあったところでございます。

 これらを踏まえまして、観光庁といたしましては、いろいろな、スムーズな出入国手続を始めとして、快適に旅行できる環境を整備するということが国全体の喫緊の課題であるということもありますので、国の財源として、観光立国の推進に資する、地域の新たな取組等も含めまして適切に対応していくことが適当であるという結論に至ったわけでございますけれども、他方で、この税収を充てる施策というのは、地域経済の活性化その他の我が国における政策課題の解決に資するものであるということを基本とするということになっておりますので、地域の実情に応じた形でできるだけ使われるように、民間有識者の意見も聞きながらしっかりと精査をしてまいりたいというふうに考えております。

 その上で、お尋ねの、例えば、観光客が来過ぎて少し生活環境に影響が出ているんじゃないかというような御質問でございますけれども、急増する外国人観光旅客などによりまして地域住民の生活環境に負の影響が生じている状況、観光地におけるオーバーツーリズムというような問題でございますけれども、我が国が観光先進国になるために克服しなければいけない、不可避のステップでございます。

 これにつきましては、例えば京都市など、他の観光地に先んじてそういう状況になりかかっているわけでございまして、いろいろ御心配の声もいただいております。

 こうしたことを観光抜きにして発展できない地域において両立をさせるということについては、規制でありますとか、プライシングでありますとか、インセンティブなどの手法とともに、住民参加でいろいろな御議論をいただく仕組みなども組み合わせて、その量と質のコントロールというのをしていかなければいけないということでございます。

 こうした課題に対しまして、やはり、一都市だけで取り組むことが必ずしも適切でないものにつきましては広域的なアプローチというのも必要でございますし、今後、国として何かできることがあれば支援も検討したいというふうに考えております。

田中(英)委員 これで終わりたいと思いますけれども、間違いなく一つ一つの政策をつくって進めていくということは、明るい未来であったり、いいことをいい方向に進めていこうということは当然であります。しかしながら、やはりいいことばかりじゃなくして、ちょっと後ろを見てみると、負の部分というものがあるのも実態でございます。今申し上げたような生活に関した部分もそうであれば、恐らく今問題になっているのは、国際免許でよく事故を起こされる方々がいたりするようなことも外国人観光客の方にはあられますし、医療の問題なんかもこれからいろいろと考えていかなければならないところは多々あると思います。

 そういった意味では、この外国人観光に関して、我々は来てほしい来てほしいという思いもありますけれども、しかし、何かやはり起こり得る問題というものには、敏感になりながら今後とも取り組んでいかなければならないということ、このことを申し添えて、終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、三谷英弘君。

三谷委員 ありがとうございます。自由民主党の三谷英弘でございます。

 本日は貴重な質問の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。

 国際観光旅客税を新設をしてそれをしっかりと使っていくということが議論をされているわけでございますけれども、本当にその背景といたしましては、ここ最近の海外から訪日をされるそういう外国人の旅行客、こういった方々が多くなって、そしてその方々にどう楽しんでいただくか、そして、楽しんでいただいた上で、もう一度、もう二度とリピーターになっていただくかということをしっかりと国として後押しをしていかなければいけないということでこういった議論がされているんだろうというふうに思っております。

 その上でまずお伺いをしたいのは、きょうは観光庁の田村長官に伺っていきたいと思いますけれども、まず、政府全体の観光予算の現在の規模、内容、そして、今回新設をされる国際観光旅客税の税収見込みについて、簡潔にお答えいただきたいと思います。

田村政府参考人 政府全体の観光予算の規模につきましては、観光ビジョン関連施策といたしまして、いわゆる内数として整理されているものを除きまして、平成二十九年度当初予算ベースで七百億円程度の予算が計上されているところでございます。

 具体的な内容といたしましては、円滑かつ厳格な出入国管理体制の整備、それから訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業、それから、JNTO、日本政府観光局によります訪日プロモーション事業、文化財活用・観光振興戦略プラン、あるいは国立公園満喫プロジェクト等推進事業などの施策につきまして、それぞれ予算が計上されているところでございます。

 また、国際観光旅客税の税収見込みにつきましては、平年度ベースで四百三十億円の増収を見込んでいるところでございます。

 以上でございます。

三谷委員 その上で、今回、新税の創設をして観光財源を追加的に確保するということにしたその根拠についても手短にお答えいただきたいと思います。

田村政府参考人 政府におきましては、観光を地方創生への切り札、成長戦略の柱として位置づけてきたところでございますけれども、先ほどからいろいろお話が出ておりますように、昨年の訪日外国人旅行者数、一九%増の二千八百六十九万人、消費額、一八%増の四兆四千百六十一億円など、いずれも五年連続で過去最高を記録するなど、着実に成果も上がってきているところでございます。

 他方で、明日の日本を支える観光ビジョンに掲げられました訪日外国人旅行者数、二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人等の目標達成にはいまだ道半ばでございまして、目標を実現するためには、特定の地域に集中している旅行者の全国各地への来訪、滞在のさらなる拡大、旅行ニーズの多様化への対応といった課題に対しまして、より高次元な観光施策を展開していく必要があると考えております。

 また、二〇一九年にラグビーワールドカップ、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会と、全世界から多くの訪日旅客が見込まれるイベントも目前に控えております。

 厳しい財政制約のもとでこのような課題に対応していくために、受益と負担の関係も踏まえつつ、国際観光旅客税を創設し、出国旅客に負担を求めることによりまして、こうした観光施策の充実に必要な財源の確保を図ることとしたものでございます。

三谷委員 一般的に新しい税金というものをつくるという際には、さまざまな批判なりなんなりというものがあるというのは十分よくは理解できるところではございますけれども、しかしながら、今まで観光予算というものが七百億円今ありますという中で、四・四兆円、これは二〇一七年の数字だというふうに理解をしておりますけれども、訪日外国客がそういったお金を日本に使っていく。そして二〇二〇年には、何と、四千万人が訪日されることが見込まれるという中で八兆円規模のお金を海外の方が日本に使っていくということを目指しているわけです。

 これは、二〇一七年の日本の貿易黒字額というものが二兆九千九百十億円、約三兆円、日本全体が一年間貿易をして黒字を上げたというのが三兆円であることを考えると、八兆円ものお金を海外の人が日本に来て使ってくれるというのは、その効果というのは極めて大きいものだということは、もう率直に言って言わざるを得ません。この四百億円という追加の投資でこれを見込むということですから、もうこれは即刻行うべきだというふうに、私は率直にそう感じております。

 いろいろな方がいろいろなことを言うわけですけれども、とにかく、まずは本当に外国の方が日本に来ていただいて楽しんで帰っていただくということを目的に、さまざまな施策、これはいろいろ考えられるところではあると思いますので、しっかりとこれを使っていくということをまずは目指していただきたいなというふうに思っております。

 無駄遣いをどう防ぐかという質問もしようかなというふうに思っておりましたけれども、先に土屋先生がされておりましたので、その質問は割愛をさせていただきます。

 今申し上げました、外国の方が日本に来て楽しんでいただくということの一つの大きなハードルとなるのが、言葉の問題だというふうに理解をしております。

 私は実はこの前、浅草の辺でお昼御飯を食べたときに、浅草というのは御存じのとおり、海外からの旅行客も非常に多いところではございますけれども、たまたま亭主の方の機嫌が悪かったのかもしれません、お昼御飯のときに、どんなお酒があるのかなみたいな感じで、壁に書いてある日本酒のこういう名前とかをいろいろ見てちょっと亭主に話しかけたときに、ノンアルコール、ノンアルコールと言って怒って帰しちゃったというそういう現場を見まして、いやあ本当に大変だなというふうに思った次第でございます。

 本当にこれからゴールデンルート以外のところにもどんどん外国人の方が行っていただかなければいけないときに、本当にその言葉の壁をどう乗り越えていくのか。正直、もっと頑張っていかなければいけない。何を頑張るかなんです。いかなければいけないというところは当然なんですが、日本人の側にもっと英語を勉強してくださいと言っても、正直難しいところがあるというふうに思っています。

 そして、きょう二つ目の質問に移るわけですけれども、私も、この言葉の壁、非常に深く感じた経験もございまして、自分には海外に留学をしたという経験がございます。日本で勉強をしてアメリカのロースクールに行かせていただきました。それなりに英語で勉強して、TOEFLでしっかりとテストを受けて、向こうの許可を得て海外に行って、初めて、まだ当時、英語に自信がなかったので、まあマクドナルドならさすがに注文できるだろうと思って、迷わずマクドナルドに入ったんです。そして、そこで最初にやったこと、僕はもう、何とかセットみたいなのがあるので、ナンバーセブンとかナンバーフォーとか言えば通じるだろうと思ってそのところに行ったら、最初に何と言われたかというと、フォーヒア・オア・ツーゴーと言われたんですよ。何ですかそれってと思ったんです。後で確認をしたら、フォーヒアというのはここで食べるか、ツーゴーというのは持ち帰りか。僕の頭では持ち帰りというのはテークアウトだと思っていましたし、ここで食べるというのはイートインぐらいだと思っていたので、最初の言葉でそう言われて完全に頭が真っ白になって、これはもう無理だということで、本当に自分の至らなさを痛感したわけです。

 本当に何かそういう言葉というのでもう完全に日本人は心が折られちゃうんだなというのを僕自身すごい実感をしたので、何とか言葉の壁を乗り越えていかなければいけないということへの思いは非常に強くございます。

 その上で、きょうは総務省の方にもお越しいただいておりますけれども、この言葉を乗り越えるための手段として今は多言語音声翻訳システムというものが開発されているということを理解をしておりますけれども、それはVoiceTraというふうに認識をしております。

 そのVoiceTraの開発に関して、どのような予算を今や使われているか、お答えいただきたいと思います。

今林政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省におきましては、国立研究開発法人情報通信研究機構、NICTと呼んでおりますが、こちらの開発した多言語音声翻訳技術を高度化しまして、社会実装をすることによりまして言葉の壁を打破したいということで、二〇一四年にグローバルコミュニケーション計画というふうに名づけて発表して、推進をしております。

 この計画におきましては、NICTや民間企業と連携しまして、二〇二〇年までに、十カ国語について、旅行会話を中心とした生活会話で実用レベルの翻訳精度を実現するということを目指しております。

 本研究における予算でございますけれども、平成二十七年度が十三億八千万円、二十八年度が十二億六千万円、二十九年度が十二億六千万円、確保いたしまして、研究開発や利活用の実証を各地域などで推進しております。

 また、現在御審議を賜っております平成三十年度予算案におきましても、七億円を計上しているところでございます。

 さらに、先般お認めをいただきました平成二十九年度の補正予算におきましても、多言語音声翻訳の精度向上に向けまして、AI用の計算機をNICTに整備するということで五十億円を確保していただいたところでございます。

 今後、これまでの成果の上に立ちまして、計画の実現に向けて取組を更に強力に推進してまいる所存でございます。

三谷委員 今お答えいただきましたこのVoiceTra、今、補正予算で五十億円、さらに、ことし審議をしている部分で七億円を含めまして、約百億円近くの研究開発予算というものを使っているというようなところでございます。

 そういった、本当に国が一生懸命今このシステムをつくっているというところでございますけれども、正直なところ、このVoiceTraという名前、自分も教えていただくまでは存じ上げませんでした。

 このVoiceTraはアプリで提供されているということではありますけれども、現時点でのそのダウンロード数はどれぐらいか。そして、恐らくさまざまな競合する民間のビジネス、サービスというものが、例えばグーグルとかマイクロソフトとかそういったものがあると思うんですけれども、そういったものにどんなものがあるか。そういったことも含めてお答えいただければと思います。

今林政府参考人 お答え申し上げます。

 VoiceTraのダウンロード数でございますが、現在提供しております翻訳アプリのVoiceTraは、平成二十七年の五月からインターネット上に公開されております。平成三十年二月末までに約百五十五万回のダウンロードをいただいているところでございます。

 また、民間の取組、製品化、サービス化ということでございますが、先生がおっしゃるとおり、研究開発はそれで終わってはなりませんで、その成果を生かして実装を進めるというためには、民間における製品化、サービス化の取組を促進してまいることが重要でございます。

 そこで、平成二十六年の十二月には、NICTを中心に産学官の力を結集して、グローバルコミュニケーション開発推進協議会というものが設立をされました。総務省も協力いたしまして、実証、普及推進の取組が進められております。

 VoiceTraの多言語翻訳率、これは技術を気軽に体験していただくために公開されたアプリでございますが、また、その技術の民間移転も着実に進んでおりまして、各種のスマートフォンアプリ、あるいは小型の翻訳端末などの製品が次々と実用化をされております。

 それからまた、競合サービスというお話でございますが、確かに、例えばほかのサービスでは、百を超える言語に対応するというようなことを売り文句にしているものもございますけれども、このNICTの技術は、日本語を中心として質の高い翻訳データの蓄積をリソースとしまして、日本語を中心とした会話における翻訳の精度を高めております。

 また、利用者に合わせた柔軟なカスタマイズも可能でございますので、観光名所の名前、特産品の名前、業務上の用語、こういった、地域や店舗で使われる固有の表現を翻訳エンジンに学習させたものが既に実用化されているところでございます。

 さらにこの技術は、インターネットにつながらないクローズの空間でも利用することができるということで、警察の方々ですとか病院での診察、こういった中で、秘匿性の高い会話の技術の翻訳にも対応可能ということでございます。

 昨今、セキュリティーとかデータプライバシー、こういったところに社会的な関心が集まっておりますので、我が国が独自の技術を確保することは大変重要じゃないかと考えております。

三谷委員 ちょっと時間が限られてきたのでさまざまな質問も割愛させていただきますけれども、先ほど、今お答えいただきましたとおり、百五十五万ダウンロードということではございますけれども、アクティブユーザーという意味では極めて少ない数だというふうに理解をしております。これは恐らくそうだろうというふうに思っておりますけれども。

 それに加えて、例えばグーグルですとかマイクロソフトというのが、本当に億とかそれ以上の数で多く使われているということで、この精度が高まっていくためには、AIでいわゆるディープラーニングというような形で、さまざまな使っている事例が多ければ多いほど精度が上がっていくというような性質のものでございますから、とにかく使っていかなければいけないということでありますけれども、この使っていかなければいけないというのは、ちょっと最初に伺った百億円ぐらいの予算が無駄になっちゃうかもしれないというだけじゃないんですよ。

 もう一度お伺いしたいんですけれども、海外の事業者が翻訳サービスを、仮に日本のサービスを駆逐して独占してしまったときに、民間も含めてですけれども、我が国がこうむる損失というものはどのようなものがあるか。もう一度お答えいただきたいと思います。

今林政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃったとおり、非常に重要な問題だと思っております。

 我が国では今、IoT、ビッグデータ、AIといったものを活用しまして、第四次産業革命あるいはソサエティー五・〇ということで、生産性の向上あるいは社会生活の質の向上というものに取り組んでおりますけれども、その基盤となるのはデータだと思っております。

 またさらに、観光でお話がありましたように、我が国のおもてなしの心が感じられるような個々のニーズに応じたきめ細かないろいろなサービス、これを提供するためにも、データを活用していくということが必要不可欠でございます。

 例えば観光の現場で我が国のこの技術が利用されますと、そのデータが我が国の中で処理されて蓄積される。そのデータは、外国人の観光客の方々のさまざまな関心事項あるいはトレンドを把握することもできる大変な貴重なデータでございますし、これを活用していくことが極めて重要であると思っております。

 しかし、海外の技術が利用される場合には、そのデータの蓄積ができずに、活用ができないということになります。

 こういった機会損失を防ぎまして、データ活用による成長あるいは生活の質の向上といったことを実現するためにも、我が国において高精度な多言語音声翻訳技術を確立することは極めて重要と考えますので、御支援をよろしくお願いいたします。

三谷委員 今、機会の損失というふうにおっしゃいましたけれども、もっとありていに言えば、そういった機会は海外に持っていかれるということなんですよ。日本の中でどういうことが今トレンドとしてはやっているかということを全部持っていかれてしまって、国内でビジネスをするのはそういった事業者が大手を振るっていくということで、またまたこの日本の全体として損失をこうむるということになりかねません。

 正直、VoiceTraという名前はそれ自体知られなくてもいいと思ってはいるんですけれども、しっかりともっともっとおもしろいサービス、そして、非常に便利なサービスというものにこのVoiceTraというエンジンを提供していただくことで、本当の意味でそういった翻訳サービスが、それこそゴールデンルートに乗らないところまで全市町村にこういったシステムが入って、海外からの人が全くストレスなく使えますよ、日本語通じますよというようなことを、そういった環境をつくっていただくことで、ビジネスも失わない、そして海外からのリピーターも逃さない、両方の意味でウイン・ウイン、本当にいいことになるんじゃないかなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 質問時間が終わりましたのでこれで終了いたします。ありがとうございました。

西村委員長 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 どうも、公明党の赤羽一嘉でございます。

 本日は、与えられた三十分間の時間で、まず、外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光に関する法律の一部を改正する法律案について、また、時間があれば民泊についても少し質問したいと思います。

 まず今回、本日議題となっております法改正につきまして、この法改正の趣旨に書かれておりますように、これからもインバウンド政策を、今、国として推進をし、二〇二〇年には四千万人、また、二〇三〇年には六千万人という大変大きなチャレンジングな目標を掲げて推進する中、「今後更に増加する観光需要に対して必要となる高次元の観光施策」、「高次元の観光施策」がどういうことかよくわかりかねますが、こうした施策の実行のための財源として新たに国際観光旅客税を創設して、観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充及び強化を図ること等により外国人観光旅客の来訪等を促進することは、私自身大変重要なものと考えておりますし、評価しておるところでございます。

 新税の増税といいますと、相当その支出にナーバスになる。これはもう当たり前かもしれませんが、海外に行きますと、さまざま、こうした類似の税金というのはあるわけです。

 私、かつてイタリアを訪問したときに、イタリアは美術館とかたくさんあるわけですけれども、そうすると、国公認の通訳を雇わなければいけないとか、かなりコストがかかるなと思っておりましたが、多分、そういったものも財源として、文化財ですとかそうした美術館の維持管理に使われているのではないかな。それはもう極めてリーズナブルだなというふうに思いました。

 そうした意味で、私は、これだけインバウンドがふえることに関しての税金を新設して、それを使っていくというのは大変いいことだというふうに肯定的に評価をしておりますが、ただし、重要なのは使い方なんです。

 この使い方というのは、私は財務省的な使い方が問題だと言っているわけではなくて、今回の新税で得られた税収を使って本当に地方の観光資源のブラッシュアップにつながるのかどうか。また、先ほどからの観光長官の御答弁にもありますが、いわゆるゴールデンルートに集中しているものを地方都市にどれだけ分散化できるのか。こうした法の目的がかなえられるような使い方が重要だというふうに思っておるところでございます。

 観光庁の予算、現在約二百十億円と承知をしておりますが、今回、まず三十一年からは、この二百十億円の二倍以上の税収が予想されるわけでございます。一般論として、役所の予算の二倍以上の予算が突然降りかかってくる、ある年から三倍の予算になるということは、これは基本的には、使い切れるというのは、大変な、並大抵のことじゃないと考えているわけです。ですから、そうしたことについて本当に大丈夫なのかなと。

 今回の国際観光旅客税の使途というのは、先ほどからの御答弁にもありますが、三つの分野に規定されています。一つ目は、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、二つ目は、我が国の多様な魅力に関する情報入手の容易化、三つ目は、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上、こうあります。

 例えば、一つ目のストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備の中で、いわゆる円滑な出入国のための環境整備というのがありますが、こうしたものは、ある程度整えていくと、それ以上は要らなくなるという性質のものだと思うんです。常に継続的にずっと必要かというと、そうではないのではないか。こうしたことを規定する中で、これほど大きな財源が入ってくることに十分対応ができるのか。

 私は、観光庁、先ほど長官の答弁を聞いていますと、もう少し、何というか、非常に優秀な財務省を意識せざるを得ない答弁だというのはよく理解できますけれども、もっと爪を隠しているというか、もっと前向きに、本当はこれだけやりたかったんだ、今までは財務省の制約があって、財源がなくてできなかったんだと、ぎらぎらした答弁がやはり必要だ。そういった迫力が余り感じられない。これは田村さんのお人柄にもよるかもしれないけれども、やはり、だって予算の二倍が来るわけですから、三倍になるんだから、これだけやってやろうぜという野心的なものを言わないと、財務省にやられますよ、これは。

 だから私は、まずその決意というか、具体的な話も必要なんだけれども、そういう決意をまず、やる気があるのかないのかということをちょっと聞きたい。

田村政府参考人 若干繰り返しになるところもございますけれども、今般の国際観光旅客税による観光財源、これは、政府が掲げております高い目標を達成するために、そして観光先進国の実現に向けて観光基盤の拡充強化を図るために、より高次元の観光施策を実行していくということが必要であるということで創設をお願いしたものでございますけれども、この平年度の税収として見込まれております四百億円程度の税収というのは、これは観光庁のみならず、政府全体の観光関連施策に充てられるものというふうに考えております。

 これまでも観光庁は、政府全体の観光行政のかじ取りをやっていくという立場で、みずから、海外への情報発信、国内での受入れ体制整備、観光資源の磨き上げに取り組むとともに、関係省庁にも、観光戦略実行推進タスクフォースの場などを活用しながら、連携協力をお願いしてきたところでございます。

 そして、観光ビジョン関連施策として内数として整理されているものを除いて、すなわち、主として観光ビジョンに振り向けられているものだけでも、観光庁予算の二百十億円含めて七百億円程度の予算が計上されているということでございます。

 そして、先ほど先生言っていただきました、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報入手の容易化、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上、これはやはり、例えば、観光先進国と言われますフランスでございますとかドイツでございますとかそういうところと比べますと、もう彼らは百年前からインバウンドの政策というのをやってしっかりと観光地づくりというのをやってきているわけです。そういうことを考えますと、我が国との彼我の差というのは、数年で埋まるような差ではございません。

 そういう意味で、先ほど申し上げましたこの三つの分野で観光庁として取り組むべき課題というのは山積しているというふうに考えております。

 そういう意味で、もちろん、基本的な方針に基づきましてしっかり精査して使っていくわけでございますけれども、やるべきことはたくさんあるということを申し上げておきたいというふうに思います。

赤羽委員 よくわかりました。今も既に観光関連の諸省庁の予算を入れると七百億円あるんだということはわかりました。だけれども、私が求めたいのは、観光庁がキーポストなんだから、調整型じゃなくて、主導型のことで旗を振っていただきたいという思いが強いんです。

 先ほど、私、三谷さんでしたかの質問を聞いていてなるほどなと思って、私はちょっと通告に入っていなかったんだけれども、VoiceTraという話がある。これは、やはり日本というと遠い言葉の障壁があるということがある。そこはやはり、では戦略的にどうするのか。私は、全然準備していなかったので、三谷議員のやりとりを聞いていて思ったんですけれども、日本に着いたらVoiceTraというのは全員に貸出しができる。だから、語学に関してのストレスはフリーですよというようなことを思い切りやるとか、そのくらい使い応えがある予算じゃないんですかね。

 だから、やはりそういうことを発信するということが観光庁に求められる。厳密に言えばそれは総務省の予算だと言うかもしれないけれども、そうじゃなくて、そうしたことのメッセージが大切なので、観光庁から発されるメッセージというのは、他省庁にしてみれば迷惑な話もいろいろあるかもしれないけれども、今回新たに新税として財源ができるんだから、少々他省庁のことでも観光関連のことは発言していくんだということで、私はそこの発言は戦略的にうまくやっていってもらいたいと思う。

 いろいろな有識者の会議とかということがあって、私が懸念するのは、中央でわけ知りの人たちが集まって言うのは非常にいい議論になるかもしれないけれども、それが本当に観光地とか地方にヒットしているのかどうかというのは常にギャップとしてあるんですよ。中央政府でいろいろなことを考えたからといって、結局、中央政府がつくるようなビラとかなんかというのはほとんど読まれていないみたいな、そんな話というのは常にあることなんですよ。それをどうするのか。

 だから、本当に戦略的にやらなきゃいけないと思いますし、三谷議員の最後の質問で、質問されるかと思ったけれどもされなかったので、ちょっと私は通告していませんけれども、今言われたようなVoiceTraみたいな話を逆に宣伝として使う。それが、何というか、日本は言葉の問題はなくなったのねというふうに一瞬に変えられるかもしれない。ちょっと私も粗っぽい質問なんだけれども、そうしたことについて観光庁長官は否定的じゃないでしょうねということで御答弁いただきたい。

田村政府参考人 これは、平成二十八年度に観光庁で、訪日外国人旅行者に対して、日本の受入れ環境についてアンケート調査をした結果、旅行中に困ったこと、一位は、施設等のスタッフとのコミュニケーションというものでございます。多言語のコミュニケーションの改善というのは喫緊の課題であるということは認識しております。

 今後、訪日外国人旅行者の個人旅行化が一層進むことを考慮いたしますと、複雑なコミュニケーションが必要となるということも、そういう場面もふえることが考えられます。

 したがいまして、VoiceTra、それから、その技術を活用した多言語音声翻訳システム等、ICTを活用した先進的なコミュニケーション強化の取組は一層重要であるというふうに考えております。

 御指摘の点については既に取組を始めておりまして、平成二十九年度には、総務省と連携をいたしまして、大阪市、金沢市、それから富良野市、大多喜町、この四つの地域と東北の六県におきまして、公共交通機関、宿泊施設、観光案内所等でこの多言語音声翻訳システムの利活用実証事業というのを実施してまいりましたけれども、来年度は更に全国の主要観光地に対象を広げまして、公共交通機関、宿泊施設、観光案内所等におきまして、この多言語音声翻訳システムの利活用実証を実施いたしまして、このVoiceTra等のさらなる認知度向上、それから利用促進というのを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

赤羽委員 そうした実証実験をやられている。我々もほとんど知らないので、そういうことをぜひ、我々は知らなくてもいいんだけれども、世界じゅう、JNTOの出先があるわけです。JNTOですとか在外の日本大使館にこのことは徹底して、日本は言語に対するストレスはフリーになっていくんだということを、それは観光庁として発信していただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。

 それで、私ちょっと勘違いしたんですけれども、明日の日本を支える観光ビジョンに示された観光関連施策が約七百億円ある。これはビジョンで、私は、実はこれから実現していくのかなと、まだビジョンの段階なのかなと思ったんだけれども、ちょっといろいろ調べていると、これはもう既に今年度としてこのビジョンは予算が計上されていて、それが約七百億円ということですか。ちょっと済みません、長官に聞くような話じゃないんだけれども、細かい話で恐縮ですけれども、御答弁いただけますか。

田村政府参考人 これは、一昨年の三月に明日の日本を支える観光ビジョンというのは策定をされておりますから、それに基づいて、その後から全省庁挙げて取組が始まっているところでございます。

 そういう意味で、平成二十九年度の数字として、先ほど申し上げました七百億円というのを申し上げたところでございます。

赤羽委員 ちょっと細かいことで確認したいし、恐らくそれはこれから決めることなのかもしれませんが、三番目で、今言った文化財や国立公園等に対する多言語解説の整備というのがありますが、他方で、よくアトキンソンさんなんかが言われているのは、日本の文化財というのは修復とか修繕がなされないと本当にだめになるということを危機的に感じていて、よく発言をされておりますが、そうしたものについてこの新税として使えるのかどうか、お願いします。

田村政府参考人 文化財などにつきましては、既に平成三十年度の予算でも、文化財とか、いろいろな非常にいいものが地方にもあるんですけれども、ほとんどろくな解説が付されていないということはございます。

 大変申しわけございませんけれども、立派な脇差しが飾ってありましても、日本語で脇差し、それから英語でショートソードしか書いていないというような事例が枚挙にいとまがございません。

 こういうものに、ちゃんとその文化財の時代的な背景だとか価値みたいなものをしっかりとネーティブの方にもわかるような形で解説をつけるということが、滞在時間を延ばして、そして、それが積もり積もると一泊延ばそうということになるわけでございますので、そういう解説に充てていく、それも先端技術なども活用しながらということでございます。

 という意味では、修復そのものは、直接今は、既存の施策の単なる移しかえとしてはこの税収を充てるということは考えておりませんけれども、多言語解説などというのは今後どんどん進めていくべきものというふうに考えております。

赤羽委員 よくわかりましたけれども、今後の検討課題として、これは税収もふえていくでしょうから、文化財の修復なんということも無制限にはいかないと思いますけれども、それもやはり文化財があっての多言語解説だと思います。文化財が廃れて朽ち果ててしまってはそんなことは使えないので、そうしたことも総合的にぜひ勘案していただきたい、こう思います。

 次は、今回地方にということでありますが、要するに、地方空港もやはり国際線を誘致したいと思っているんですが、なかなか苦労しているんです。さまざまな理由があるんだけれども、その誘致活動みたいなものに今回使いたいと考えている地方自治体はたくさんあると思いますが、そうしたことについてこの新税の使い道として考えられているのかどうか。確認をしてみたいと思います。

田村政府参考人 できるだけ大都市に集中している外国人のお客さんを地方に誘客していくということは非常に重要なことであります。

 昨年の三大都市圏以外の地方部における外国人延べ宿泊者数、これは対前年比一五・八%伸びておりまして、これは三大都市圏の伸び率が一〇・二%でございますから、これを上回っております。そういう意味では、少しずつ地方への誘客が進んでいるということではございます。

 他方で、観光ビジョンには二〇二〇年に地方部における外国人延べ宿泊者数七千万人泊という目標を掲げておりまして、現状を比べますと倍にしなきゃいけないということでございます。そういう意味で、地方への来訪、滞在拡大につながる取組を強化していく必要があるというふうに考えております。

 それで、地方空港への国際線誘致に関してでございますけれども、平成三十年度予算に計上されております、最新技術を活用した顔認証ゲートとか税関検査場電子化ゲートの整備等によるCIQ体制の整備、こういった空港の利用環境の向上というのも国際線就航に向けた環境整備に資するというふうに考えております。

 三十一年度以降につきましては、その具体の施策、事業について、この法案に規定する使途や基本的な考え方、そして昨年暮れの観光立国推進閣僚会議決定の方針を踏まえまして、民間有識者の意見も伺いながらしっかりと精査をしてまいりたいというふうに考えております。

赤羽委員 具体的には、例えば東北の観光というのは今政府で全力を挙げているんですけれども、なかなか大変だと。この前も福島に復興加速化会議がありまして行きましたが、須賀川市の市長から、ぜひ福島空港の国際誘致について協力していただきたいと。昔は、韓国から福島空港というのは随分飛んでこられていて、そこで、温泉だったりゴルフだったりと長期滞在もされていた。そこが今ほとんどゼロになっている。就航もされていないというような状況がある。

 今のお話ですと、もちろん第一義的には、来られた方がストレスを感じないようにという受け身の話だと思いますが、それだけではなくて、やはり呼び込むことができるようなことも知恵を使って、細かく言うと、今のここの答弁でなかなか御答弁いただけないのはよく理解できますけれども、観光は、結果としてそこの地域がインバウンドがふえれば、そんな理由なんか誰も文句言わなくなるんですよ、粗っぽく言えば。

 細かいことだけやっていて、では、財務省の規定どおり使った、しかしお客は何もふえなかったんだったら、何のための予算なんだという話にもなるわけで、そこはやはり、私が冒頭に申し上げたのは、そういった意味で腹を決めてやってもらいたい、こう思います。

 ちょっと他方なんですけれども、観光庁の施策というのは、私の認識では、JR三社とか首都圏の大手私鉄にはなかなか補助事業というのは対象としてないというふうに承知していますが、今回、この点について、この新税の使い道についても同じ原則ですか。確認しておきます。

田村政府参考人 公共交通の利便性の向上というのも非常に大きな課題でございますし、先ほどのアンケート調査、多言語のコミュニケーションがナンバーワンなんですけれども、公共交通の使いにくさというのもベストスリーかフォーぐらいに入っているわけでございます。そういう意味で、改善が求められているものでございます。

 他方で、限られた財政資金の中で、資金的に余裕のある会社に補助金を出すということにつきましては、諸般の状況から考えてなかなか難しいものもございます。

 ということでございますけれども、例えば、これまでにない画期的な取組が行われる。そして、その負担者から見ても、物すごく目に見えて利便性が向上した、変わったというような、そういう納得できる施策、事業が、そういう御提案があるのであれば、将来、検討の余地はないわけではないというふうに思っております。

赤羽委員 私は、もちろん、経営状態が潤沢なところに補助事業は難しいというのはよくわかりますが、だから、そういう前提だと、例えば、JR東海に何か物が言えないという状況があるんですよね、率直に言って国交省は。

 要するに、例えば、この前予算委員会で取り上げましたけれども、今、新幹線十六両の中で、バリアフリー、車椅子の人が座れる席は何個担保するんだというのは、JR東海としては一席だけなんですよ。十六両の、何千席あるかわからないんだけれども、その一席だけだと。

 そこを追及したら、国交省の鉄道局の答弁は、要するに、利用状況が進まないんです、利用しないから、それをふやせとはなかなか言えないんですと言うんですけれども、ふざけるなというんですよ。だって、一席だけだったらそれは使えないって。そもそも現状がおかしいんだから。

 オリンピック、パラリンピックで世界じゅうから障害を持たれている方がこれからたくさん来ることが予想されるのに、今国交省がJR東海に求めているのは、それを二つにふやせと言っているんですから、情けない限りなんですよ。

 総じて国交省行政は、JR各社に対して物が本当に言えていない。それは、補助金も出せないから言う立場じゃないとすぐ言うんだけれども、私は本当に情けないと思うんですよ。

 だから、今国会でバリアフリーの大きな改正もあるし、その中でも対象に入っていない、JR、新幹線なんかは。しかし、それはやはり観光行政として、インバウンドでこれだけ首都圏から地方に行く、新幹線に乗らなきゃいけないといったときに、そこのバリアフリー化も進んでいないし、スーツケースの置く場所もないんですよ。東北新幹線なんかは結構スーツケースを置く場所はありますけれども、東海道新幹線なんてほとんどない。こんな、要するに、旅客ファーストじゃないあり方というのは徹底的に変えるべきだと思いますよ。

 それは本来税金なんか関係なくやるべきなんだけれども、では、言えないんだったら、そのことについてどうするのかということを課題として考えてもらいたいし、加えて言うならば、これもあれなんだけれども、例えば東京駅のタクシー乗り場だって、余りにもプアですよ。雨が降ったら雨に降られてしまう。申しわけ程度に屋根はついているけれども、八重洲口のああいうところとか。

 だから私は、何かせっかく国としてやる中に、本当に協力してもらわなきゃいけないJR三社、大手民鉄なんというところを、本当にもう一度その部分を正してもらわなきゃいけないと考えておるんですけれども、その点についてはどうですか。

田村政府参考人 今先生御指摘いただきましたこと、それぞれ大変重要な課題であるというふうに考えております。

 日本の例えば高速鉄道システムを始めとする公共交通機関、安全性だとか定時性みたいなものでは世界に冠たるものではありますけれども、旅行者の目線で利便性ということを考えてみますと、諸外国と比べて必ずしもトップを走っているわけではございません。

 そういう意味で、そういったことの改善というのは、政府を挙げて取り組んでいくべき課題であるというふうに考えております。

赤羽委員 ぜひ観光庁としてもその点を出張って、これは鉄道局のテリトリーだなんて言わずに、よろしく発信をしていただきたいと思います。

 最後に、時間が限られていますので、私、今回のスキームの中でちょっと心配していることがあって、従来型の今の観光予算でやっていることと新税の支出というのは、なかなか立て分けることはできないと思うんです。

 そうすると、私は、財務省というのは行く行くは、新税ができたんだからそっちでやれと言って、観光庁の本来の当初予算の分を増加させようなんというそういう発想にはならないと思うんですよ。これは何のためにやったのか。当初予算をゼロにして全部新税で賄えというような話になるんじゃないかということの懸念が一つ。

 もう一つは、これは直近の出国者数をもとに多分予算の見積りをするんです。ですから、多分、三十一年は四百三十億とか予算を見積もる。多分インバウンドがふえてきますから、実質の税収はふえるわけです。余った分が出てくる、毎年順調にいけば。そこの余った分は、プールされずに、一般会計として使われるということになるんです。その点の確認。

 そうした場合に、今回本税の使途を厳格に決めようとするんだけれども、余った分は一般会計に入るということは、この税金によって得られた税収が、結果としては本来の三つの規定じゃないものに、あろうことか国交省以外の予算に使われるということになってしまうのではないか。

 ですから、余った分は、プールをして何らかの観光施策に使えるような仕組みにするように努力すべきだと私は思います。なかなか財務省の手前で答弁しにくいと思いますが、その点について最後に御質問したいと思います。

田村政府参考人 御心配を賜りましてまことにありがとうございます。

 観光施策は日々変化をし、高度化をしております。予算の質の改善を不断に図っていく以上、それぞれの施策について、既存施策に係る部分とそうでない部分を明確に切り分けるということはなかなか困難な点があるということにも留意が必要であるというふうに考えております。

 その上で、一般論として、既存の施策、事業については、毎年度の予算編成過程において不断の見直しを行うものであることに加えまして、特に観光施策については、国際観光旅客税を充当する高次元の観光施策の実施に伴いまして、既存施策の必要性なども厳しく見直しをしていくということになるんだろうというふうに思いますけれども、あと、上振れをしたときにどうするんだという御質問でございました。

 国際観光旅客税の税収につきましては、上振れをするときもあれば下振れをすることも当然考えられるわけでございますけれども、各年度で必要となる観光財源を安定的に確保していくことが重要であるというふうに考えております。

 このため、今回の観光財源におきましては、当該年度の国際観光旅客税の税収見込み額に相当する額だけ国際観光の振興に資する施策の予算を確保することとしたところでありまして、後年度に何か調整を行うような仕組みとはしなかったところでございます。

 いずれにしましても、観光財源は観光以外の分野に充てることは想定しておりません。

赤羽委員 まあ、まだ一円も税収は入ってきていないわけで、これから先のことを言ってもしようがありません。少しずつ仕組みができてくると思いますので、ぜひ有用に使っていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 大臣要求もちょっと僕はないので、繰り上げて質疑をしろということなので、矢上筆頭を始め野党の先生方には御理解いただきまして、ありがとうございます。

 早速質疑に入らせていただきたいんですけれども、きょうは国際観光旅客税の法案審議ということなんですけれども、ちょっと森友に関して、昨日からけさにかけて緊急性の高い報道等もありましたので、法案審議の時間を少し割かせていただいて、二問だけ聞かせていただきたいんです。

 まずは、昨日の報道で、森友文書、森友に関する事案の文書を財務省が改ざんしたということで、今、火を噴いた状態になっているんですけれども、森友文書の財務省の改ざんを、口裏合わせと言ったら語弊があるかもわかりませんけれども、国交省に対しても改ざんを要請していたという報道がありましたけれども、いかがか。次長、お答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 報道の方は承知してございますけれども、御指摘のような依頼があったかについては現時点では確認ができておりませんので、昨日大臣からも御答弁を申し上げておりますけれども、確認をさせていただくこととしてございます。

井上(英)委員 これは、改ざんを要請していて、もしそれが事実なら国交省も改ざんしていたということを把握していたということに必然的になりますので、しっかりと早急に調査をしていただきたいというふうに思います。

 それから二つ目は、けさの報道なんですけれども、この森友の件に関して、ごみの撤去費用という大幅値引きに関して、大阪航空局が提案ということで、大阪航空局の所有の土地ですから一定の調査をするのは普通なのかなというふうに私は思っていますけれども、ただ、問題になっているのは、八・二億円、八億円余りの値引き額というのが算定をされているわけで、報道等では、近財が大阪航空局にその積算を依頼したのと、それから学園側が予算の上限が幾らなのかということを、同じ時期だったというような感じで報道されているということであります。

 我々は、この八億円余りの値引き額が妥当なのか妥当じゃないのかということがやはり一番問題じゃないかなというふうに思っています。八億円余りの値引き金額というのは妥当だったのか妥当じゃないのか。お答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 本件土地につきましては、今先生御指摘のとおり、八・二億円を引いて売却をされておりますけれども、大阪航空局の立場といたしましては、本件土地の売却に当たりまして、近畿財務局からごみの撤去、処分費用の見積りを依頼されてございます。

 これにつきまして、これまでの土地の調査結果がございますので、そういったものですとか職員による現地の確認、また地歴、そして事業者からの情報、そういったものを用いまして、検証可能な材料を用いて八・二億円の見積りを行い、そして近畿財務局にこの金額を御報告をしたというものでございます。

井上(英)委員 八億円が妥当というのであるならばいいですし、先ほど言われるような、近財が学園側から出せる予算の上限というのを聞いた上でもし値引き額が確定しているとなれば、またこれはゆゆしき事態ですけれども、独自で八億円余りと算出した積算根拠もあった上で値引き額が確定している、妥当であるというなら、まあいいんじゃないかなと思うので、その辺をやはりはっきりとさせるべきではないかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、法案審議ということで、法案の審議の方に入らせていただきます。

 まずは、今回の国際旅客税を導入するということにおいて、観光客の一人当たりの消費額の増加というのがやはり非常に大事じゃないかなというふうに思います。そういうことも踏まえてIRなんかどんどん進めていくと、当然一人当たりの消費額というのはやはりふえていくんじゃないかな、副大臣も多分そのように思っておられるかと思います。

 その中で、昨年の訪日外国人の客数は二千八百六十九万人ということで、前年比一九・三%ふえています。訪日の外国人客の国内消費額というのは四・四兆円となるなど、少子高齢化で国内マーケットが縮小する中にあって、インバウンド市場というのはやはり拡大を続けています。我々の住んでいる大阪なんかも、非常にインバウンド市場というのが伸びているなというふうに思いますし、逆に、それだけが今のところちょっと際立っていますので、それが関西又は日本全体の景気の底上げにつながってくれればと思う限りであります。

 明日の日本を支える観光ビジョンというのがありまして、それにおいて、二〇二〇年には訪日外国人の旅行者数を四千万人、これは何度も申し上げていますけれども、それと同時に、訪日外国人の旅行消費額というのを八兆円というふうに目標としています。さらには、二〇三〇年には旅行者数を六千万人、そしてまた消費額を十五兆円とすることが目標として定められておりますけれども、産業政策としてインバウンド消費を伸ばしていく意味においても、訪日外国人に対するサービスというのを充実させるというのはやはり必要不可欠ではないかなというふうに思います。

 訪日外国人の消費額について一人当たりに換算すると、二〇二〇年には二十万円です。二〇三〇年には二十五万円というのが目標値となります。外国人旅行者が、物の消費ではなく、そこでしかできない経験に対して支出する傾向というのが出ているというふうにも言われています。

 本法案では、今回導入される国際観光旅客税の使途として、地域固有の文化、自然その他の特性を活用した観光資源の開発及び活用による当該地域における体験及び滞在の質の向上に関する施策に充当することが規定をされておりますが、一人当たりの消費額二十万円から二十五万円という目標を達成するという視点から、具体的にはどのような事業に活用するというのが効果的であり、また、訪日の外国人のニーズに応えられると観光庁はお考えでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生おっしゃいましたように、現在、二千八百六十九万人、そして消費額四・四兆円ということでございますから、一人当たりの旅行支出というのが、昨年の場合、十五・四万円ぐらいということでございます。

 二〇二〇年八兆円の目標達成に向けましては、一人当たり旅行支出二十万円を目指さなければいけないわけでございます。これにはやはり、地域や観光施設での旅行者の滞在の長期化を促し、そして、娯楽サービス費のほか、宿泊、飲食、交通費等を含めた消費額全体を拡大していくことが必要でございます。

 昨今、世界における旅行の形態というのが団体旅行から個人旅行、物消費から事消費に移行しておりまして、我が国におきましてもこの個人旅行形態が中心となりつつありますけれども、一昨年の訪日外国人旅行消費額のうち、買物代が四割弱、そして宿泊費は三割弱でございますけれども、娯楽サービス費というのは全体の三%にすぎないわけでございます。これは、諸外国、ほかの先進国などと比べましても、これが八%から一〇%ぐらいを占めているというようなことと比較いたしましても、低い水準であるということでございます。

 このため、文化財、国立公園等に関する多言語解説の整備や各地域における体験型観光の充実を図るとともに、これらの観光資源の魅力を海外に対して的確に発信することによりまして、外国人旅行者の来訪を促進するとともに、できるだけ長く滞在してもらえるよう取り組んでまいる所存でございます。

井上(英)委員 長期滞在とかその辺のことについてはまた後ほど聞かせていただこうと思うんですけれども、たくさんの方に徐々に徐々にこの日本に訪問というか訪日していただいている傾向はあるんですけれども、やはり大都市圏が圧倒的に多いといいますか、そういった観光客の方々に地方に行っていただくようにちょっと質問をしたいんですけれども、観光庁の資料によれば、平成二十八年における地方部の外国人の延べ宿泊数というのは九・五%増加している。三大都市圏の三・四%よりも伸び率自体は高くなっております。

 地方における観光需要の伸びというのは歓迎すべきことでありますし、三大都市圏をめぐるゴールデンルートに集中した訪日観光旅客が二回目以降の訪日の際に地方を訪れるということが増加をしておりますし、観光振興による経済効果というのが全国的に波及し始めているんではないかなというふうに思いますけれども、このような全国的な経済波及効果を今後更に持続的に拡大していくためには、訪日旅客の新規開拓とともに、リピーターによる全国各地域への訪問を促進していくということが必要と考えます。

 世界から何度も訪問先として選ばれる日本であるために、また、その経済波及効果を全国的に持続的に拡大するために、どのように戦略を打っていかれるお考えなのかをお聞かせいただけますでしょうか。

田村政府参考人 観光は我が国の地方創生の柱でございます。そういう意味で、明日の日本を支える観光ビジョンにおきましても、観光先進国への三つの視点の一つとして、観光資源の魅力をきわめて地方創生の礎にするんだということが明記されているところでございます。

 文化財を観光資源として開花させるというようなこと、それから、国立公園をナショナルパークとしてブランド化するというようなこと、そういったことにつきまして政府一丸となって取り組んでおるところでございます。

 昨年の三大都市圏以外の地方部における外国人延べ宿泊者数、先生がおっしゃった数字と若干違いますけれども、対前年比一五・八%増でございます。三大都市圏の対前年比一〇・二%を上回っておりまして、着実に地方への誘客が進んでいるということではございます。

 ただ、先ほど申し上げましたように、二〇二〇年の地方部における外国人延べ宿泊者数七千万人泊という目標の達成に向けましては、やはり、これまで以上に訪日外国人旅行者の地方への来訪、滞在拡大につながる取組を強化していく必要があるというふうに考えております。

 各地域において観光地域のマネジメント及びマーケティングを担う法人であるDMOが中心となって、多様な関係者が広域的に連携した上で取組を進めることが重要であるというふうに考えておりまして、このため、広域連携DMO、地域単位のDMO、あるいは地方公共団体等の多様な関係者、これらが広域的な連携をして、さっき申し上げたような体験型の観光を充実していく、あるいは、自然や文化を活用して魅力を高めていくというような取組をしていかなければいけませんので、これは国としても支援していこうということでございます。

 今御提出させていただいております法案の第四条におきましても、海外への情報発信等につきまして広域的な取組が促進されるように、DMOや自治体等から構成される協議会制度を創設いたしております。

 そして、十二条一項には、新しい税収を充てる分野の一つとして、地域固有の文化、自然その他の特性を活用した観光資源の開発及び活用による当該地域の体験及び滞在の質の向上に関する施策というものを明記しておりまして、今後、こういった税の活用もしながら、訪日外国人旅行者の地方への来訪、滞在の促進を一層進めてまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 ぜひ、全国的な波及効果というのが出るようにしていただきたいなと思います。

 先日、ちょっと滋賀県の方とお話ししていたときに、大阪はインバウンドがすごいふえているけれども、やはり滋賀には来ていない。ただ、数字だけでいうと、滋賀に来られている観光客はふえているんです。それは、ふえているのは何でかというと、京都の宿泊施設がもういっぱいだから、隣のうちに来ているだけやというふうに滋賀の方がおっしゃっています。

 やはりそれぞれの地域に訪れてもらえるようにぜひ観光庁にはバックアップをしっかりしていただいて、日本全国で観光客が、大阪にも来ていただきたいですけれども、大阪にばかり来ていても当然飽きてくるかと思いますし、また違う地域に行ってもらえるように、日本全体の魅力というかプロモーションをぜひしていってもらえたらというふうに思います。

 次に、本法案の施行を急ぐ理由として日切れ扱いということで、野党の中では、これはもう日切れ扱いにもならぬのちゃうかというような議論も正直あったのも事実ですけれども、急ぐ理由としては、国土交通省は、日本人海外旅行者及び訪日外国人旅行者により、非常にお客さんが多い多客期となる夏の繁忙期までにCIQの体制の整備というのを進めたいということで、日切れ法案の扱いというふうに聞いています。

 また、来年、二〇一九年のラグビーワールドカップとか、そしてまた、再来年に予定されている二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの競技大会に向けて早期のプロモーション活動が必要であるというふうにも言われています。

 ラグビーワールドカップの開催会場、きょう中谷先生もおられますけれども、私もラグビー議連ですので、余り大きくない体ですけれどもラグビーをやっていましたので、ラグビーをぜひ成功させてもらいたいというふうにも思います。

 このラグビーのワールドカップ一つとっても、開催会場というのはもう全国、これは東京のオリンピックとはまたちょっと違うところで、オリンピックはもう東京で、原則関東一円、ほとんどが東京に集中していると思いますけれども、ラグビーのワールドカップの場合は開催会場というのが全国に展開をしております。訪日観光旅客に我が国のさまざまな地域を訪問していただく、本当にまたとない機会ではないかなと考えております。

 当然、ワールドカップの本大会自体の成功というのは願っておりますけれども、それをまた地方への、先ほども申し上げたような経済波及効果というのにもぜひ発揮してもらいたいなというふうに考えます。

 このためにも、早期のプロモーション活動を行うことは大変重要でありますし、早期の予算執行が必要という趣旨も理解できるんですけれども、本法案成立後、ラグビーのワールドカップの時期に合わせた訪日観光プロモーションとか具体的に考えておられるのか。

 そしてまた、ワールドカップやオリンピックなど世界的なイベントがいろいろ迫ってくる中で、テロなどに対して、大都市の空港だけじゃなく地方空港も含めて、そういう保安体制ということに対してCIQの整備というのをどのようなスケジュールで進めていくお考えなのか。お聞かせいただけますでしょうか。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 ラグビーワールドカップ大会、大会期間中に地方を中心に全国各地で試合が行われまして、また、欧米豪地域など世界各国から大会関係者や富裕層を含む観戦客が多数訪日して長期間滞在をするなど、日本各地がそれぞれすばらしい観光地であることを世界じゅうに向けて強力かつ戦略的にアピールする絶好の機会であります。我が国が観光先進国になるための重要なステップであるというふうに認識しております。

 この機会を活用していくべく、大会のオフィシャルトラベルエージェントを通じた旅行商品の造成や、日本政府観光局のラグビーワールドカップ特設サイトを開設いたしまして、各会場周辺地域を含めて全国各地の情報発信を行うといったプロモーションを今後行っていくこととしております。

 また、世界じゅうの関心は開催直前や期間中に最大化することが予想されるため、こうした関心に応える海外メディア招請等を企画するなど、戦略的に取組を展開していきたいというふうに思います。

 それから、大会期間中を含めまして、保安体制の強化というのも非常に重要でございます。平成三十年度予算におきましても、特に新規性、緊急性が高い施策、事業として、国際観光旅客税の税収のうち二十億円を、最新技術を活用した顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備等によるCIQ体制の整備に充てることとしております。

 二〇二〇年四千万人の目標、それから、ラグビーワールドカップそしてオリンピック・パラリンピック、こういうものへの対応ということも含めまして、関係省庁と連携して、我が国のゲートウエーである空港、港湾における出入国環境の円滑化等に係る施策を早急に進めてまいりたいというふうに考えています。

井上(英)委員 ぜひ、もう一九年、二〇年、メジロ押しですので急いで、やはり皆さん、来年からですけれども、千円ずつ取られるわけです。それは、日本から出ていかれる方、日本国内に入ってこられる方を問わず取られるわけですから、そういった目に見えるサービスが向上するように、それも、大きいイベントに合わせてぜひスケジュール感を持って、スピード感を持ってやっていただけたらというふうに思います。

 それから、ちょっと時間がなくなってきたので、税源移譲に関しての話を飛ばさせていただいて、今般導入される予定の国際観光旅客税は、訪日外国人観光旅客だけでなく、日本から海外に観光、ビジネスで渡航される方々というのも課税対象であります。

 内外無差別という課税の原則というのは理解する一方で、日本人の出国者にとっては、受益と負担の関係というのがやはり見えにくいのではないかなというふうに思います。

 観光庁は、日本人出国者が受ける便益として、先ほど長官が答弁されたように、顔認証ゲートの整備だとかという説明がありますけれども、訪日外国人旅客が受ける利益に比べればバランスをちょっと欠いているような印象が否めないというふうに思います。

 日本人の海外渡航者に課税に理解してもらうためには、CIQの整備以外にも、日本人海外渡航者に受益があるものに使われるべきものであり、かつ、そのことを丁寧に説明すべきではないかと思いますけれども、本法案においても、国際観光旅客税の収入見込み額に相当する額を充てて実施する国際観光振興施策に該当する要件として、「納税者の理解を得られるものであること。」というふうに規定されております。

 具体的には、日本人海外渡航者に対してどのようにその利益を確保されるおつもりか。お答えいただけますでしょうか。

田村政府参考人 今回の観光財源を充当する施策につきましては、スムーズな出入国手続を始め、快適に旅行できる環境の整備などの国際観光振興施策に充てて、日本人を含め、受益と負担の関係から負担者の納得が得られることを基本としておりまして、本改正法案におきましてもその旨を規定しているところでございます。

 こうした観点から、先ほども申し上げましたけれども、平成三十年度予算におきましては、日本人旅行者にもメリットが感じられるものとして、最新技術を活用した顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備等によるCIQ体制の整備、そして、日本人旅行者が安心して海外旅行ができるように、旅行先の正確な安全、安心情報の提供等を行う情報プラットフォームの構築などに充てることといたしております。

 先生御指摘のように、国民一人一人受益がちゃんと実感できるように使っていくということが重要でございますけれども、三十一年度以降の税収の使途につきましては、具体的な施策、事業につきまして、民間有識者の意見も伺いながら、受益と負担の関係や先進性、費用対効果等の観点からしっかりと精査して決めてまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 観光庁の資料にもあるように、訪日観光旅客というのは従来の団体型から個人旅行というのに急激に移行しつつありますし、日本語にふなれな個人でもストレスなく観光できるような環境整備というのが、当然、外国人の方々には必要ではないかなというふうに思います。

 また、彼ら訪日観光旅客が日本国内をめぐる上で頼りにしているというのは、やはり個人で持っているスマートフォンだとか、モバイルによるネットやSNSといったものの情報発信で、アクセスをして、情報をキャッチしていくというのが通常かなというふうに思います。そういうアクセスができるように、無料WiFiの利用の可能な範囲というのを拡大させていくということも非常に大事かなというふうに考えます。

 この無料WiFiで考えると、大阪なんかでも心斎橋と言われる繁華街があるんですけれども、そこはいち早く無料WiFiを導入したんですけれども、結局、当時の容量ではもう飽和状態で、みんなが接続しても、誰もそのWiFiが利用できていないというような現状もあって、早くやればやったでマイナスもあるんです。

 レクに来てくれた担当者の方と話をしていたのは、WiFiなんかでも、例えば日本の航空会社の飛行機、今、JALなんかは国内線のWiFiは無料でできていますけれども、ANAはまだ国内線のWiFiは有料になっていますし、国際線も当然有料ですから、そういった日本の航空会社の飛行機のWiFiを例えばフリーにするとか、そういうことをすることによって、先ほども言っているような利益というのを非常に感じやすいんではないかなというふうにも思うんです。当然、訪日されている旅客が情報を的確に入手できたりするように、また、そういう必要もあるというふうにも思います。

 本法案でも、国際観光旅客税の使途として、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と規定されておりますけれども、訪日旅客がどのような情報を求めているかというのをしっかり見きわめながら、費用対効果の高い情報提供というのを展開する必要があると思います。

 観光庁は、今後、具体的にどのような取組で情報の入手の容易化というのを図るのか。また、その費用対効果というのをどのように検証するのかをお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 今先生おっしゃいましたように、今般、創設される見込みである国際観光旅客税の税収を充てる分野の一つとして、「我が国の多様な観光の魅力に関する情報の入手の容易化に関する施策」というものをこの法案の中でも規定しているわけでございますけれども、特に昨今、訪日外国人旅行者の多くが、旅行前、旅行中、そして旅行の後を問わず、インターネットを活用して情報収集、あるいは、みずからの情報発信ということを行っております。

 このため、今後は、ウエブサイトを通じて、旅行の企画などの旅行前の情報、それから旅の振り返りを行う旅行後の情報の提供を行うとともに、日本への滞在中は、スマートフォンアプリなどを通じて交通機関などの情報提供に取り組んでまいりたいと思います。

 また、これらの利用者の反応をデータとして蓄積、活用することで、旅行者のニーズに応じたコンテンツの提供を行うことを可能といたしますし、その費用対効果ということの計測にも使えるということであります。

 こうしたデジタルマーケティングというものを本格的に実施していくことといたしております。

井上(英)委員 私は余り個人的にその辺、なかなか詳しくはないんですけれども、そういう我々であっても、恐らく高齢者の方々になってくるともっとそういったことがわからない方々もたくさんおられますので、ぜひお願いしたいなというふうに思います。

 もう時間も来ていますので、世界に対する国際観光競争力の向上というのをちょっと聞かせていただきたいんですけれども、これもまたレクに来ていただいた担当者の方と話していたんですけれども、我々日本人が海外に行ったときでも、それから海外の方が日本に来たときでも、お金の支払いをする決済の手法というのがやはり単純明快な方がいいのかなと。

 今はクレジットカードが徐々にそういうふうにもなってきましたし、日本人はもともと現金主義ですから、現金で物を買ってやりとりするというのが大体昔からの日本人の傾向なんですけれども、それでも大分クレジットカードというのが普及をしてきた。市民権も得てきたんじゃないかなと思うんです。

 ただ、海外に行ったときに、中国なんかではアリペイだとかそういった支払い方法があって、夜店、露店、そういう夜店でもQRコードをかざして決済ができる。日本では、どっちかというと露店や夜店となってくると現金なんですけれども、そういうところでも、モバイルを使って、スマートフォンを使って決済ができるというようなことになっています。

 ですから、逆にそういう面では日本はちょっとおくれていると言ったらあれですけれども、そういう中国で支払えている決済方式が、当然、日本の外国人の旅客の中に中国人の割合というのは非常に高いわけですから、そういう方々が日本に来てそういう決済をできるとか、また、日本人が今度出かけるときには、今持っている例えばICカードだとかクレジットカードだとか、そういったもので全て海外の買物が決済できるようになると、これは国際観光競争力という意味では、どこの国も共通になるので、決して競争力が特化してよくなるというわけではないんですけれども、逆に言うと、おくれている部分を取り戻せるということも言えます。

 だから、どこでも同じような決済方式でやれるような、そういったことも含めた国際観光競争力の向上ということについて長官はどのようにお考えか。お答えいただけますでしょうか。

田村政府参考人 国際競争力というお尋ねでございますけれども、日本の国際観光競争力ということにつきましては、世界経済フォーラムという、ダボス会議を主催しているところが実施した旅行・観光競争ランキングというのがございまして、総合順位では日本は四位と高い評価を得ているんですけれども、例えば観光サービスインフラだとか、それから自然資源とか、そういうものの評価が低いというようなことがございます。

 自然資源については、これまで神社仏閣だとか東京の都会の魅力だとかそういうものを発信してきたので、日本で、自然の中でアクティビティーを楽しむというような発信ができていないということはあります。

 それから、観光サービスインフラというのは、リーズナブルなものから高級志向のものまで多様な品ぞろえがないというようなところ、それから、今のような決済環境みたいなところもやはり影響をしているというふうに思います。

 ということで、決済環境について申し上げれば、日本に来られて困ったことの中で、コミュニケーションや無料WiFiに次いで、やはり公共交通とクレジットカードだとかキャッシュレスの話が出てまいります。

 ということで、今後、訪日外国人旅行者の満足度向上や消費機会の拡大のためにも、クレジットカード決済、あるいは、さっきのスマホ決済も含めたキャッシュレス環境の飛躍的な改善が重要であるというふうに考えておりまして、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

井上(英)委員 以上です。ありがとうございました。

西村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

西村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。初鹿明博君。

初鹿委員 立憲民主党の初鹿明博です。午後のトップバッターを務めさせていただきます。

 きょうは国際観光振興法の質疑でありますけれども、その前に、森友学園の問題について質問をさせていただきます。

 皆様のお手元に資料をお配りをしておりますけれども、ちょっと一枚めくっていただいて、きのうの日テレのニュースの記事を皆様にお配りをさせていただきます。先ほど午前中の質疑の中で井上議員が若干触れておりましたけれども、国交省に対して財務省が改ざんをするように依頼をしていた、こういう報道がされたわけです。国交省、先ほど答弁では、調査中だということであります。

 でも皆さん、三月五日に、朝日新聞に、書きかえがあったんじゃないか、改ざんがあったんじゃないかという報道がされたわけです。実際にこれが事実だとして、財務省から国交省の職員が依頼を受けていたとしたら、当然そのときに、あっ、自分が依頼を受けていたのはこのことかとわかっているんじゃないかと思うんですよ。つまり、もう二十四時間以上たっていますけれども、調査するって、何を調査をしているのかなというのが私は疑問なわけです。

 そこで伺いますけれども、この依頼があったということは事実なのかということと、今調査は何をしているのか。具体的にどの文書の改ざんを指示されたのかとか、そういうことで財務省とすり合わせをしたりしているのに時間がかかって今の段階で言えないということなのか。それともほかに理由があるのか。少なくとも、依頼があったかどうかはわかっているんじゃないんですか。違いますか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 報道がございまして、現時点で御指摘のような依頼があったかということにつきましては確認ができておりませんので、確認をいたすことにいたしております。

 中身として、現在、大阪地検による捜査が進められております中で、財務省において引き続き調査が進められているという状況でございますので、財務省で行われている調査の状況も見きわめながら確認を進める必要があるというふうに考えております。

初鹿委員 いや、大阪地検の捜査とか財務省の調査とか関係ないと思いますよ。

 国交省の職員、対象者は何人いるかわかりませんけれども、そんなに多いわけではないですよね。一人一人に依頼があったかどうか確認すれば済む話じゃないんですか。全員の聞き取りはもう終わっているんですか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、地検による調査が進められている中で、財務省において引き続き調査が進められているところでもございますので、その調査の状況も見きわめながら、調査の正確性を期すためにも慎重に作業を進めていく必要があるというふうに考えております。

初鹿委員 質問に答えてください。職員の聞き取りは終わったのかということを聞いているんです。

蝦名政府参考人 現在、確認作業を行っているという状況でございます。

初鹿委員 ちゃんと答えてもらえないようですけれども。

 財務省さんにもお伺いしますが、当然、財務省の依頼をしている方はわかっているわけですよね、依頼をしたということ。事実であればもうそのことは把握をされていると思いますが、財務省の方の調査はどのように今進んでいるんでしょうか。

富山政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、今回、報道の後、財務省といたしまして書きかえの存否等について調査をいたしました。その書きかえの事実につきまして、十二日に国会報告をさせていただきました。本当にあってはならないことだというふうに思っております。引き続き、我々として、さらなる足りない部分については努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

 その上で、委員お尋ねのような報道があるということについては承知をしておりますけれども、決裁文書の書きかえという事実関係につきましては確認ができたところですが、現在進行中の捜査にも全面的に協力するという立場であるということと、財務省としましては、さらなる細かい経緯等について調査を進めているところでございます。

 そういった意味で、この記事との関係で、現時点では確たることを申し上げられない状況です。

 いずれにしましても、お尋ねのような書きかえをめぐる経緯という点につきましては、引き続きまして、我々のおります理財局という処分担当の部署だけでなくて、財務省の人事当局によるさらなる調査を進めるということで、捜査中の捜査にも全面的に協力していく中でこういった事実関係も明らかになっていくのではないかと考えているところでございます。

初鹿委員 理財局は今職員の人数は何人ですか。

富山政府参考人 お答えいたします。

 本省の理財局としまして約三百名強だと思いますが、恐らく先生の御指摘の部分で申しますと、そのうちいわゆる国有財産の担当部局というのは約三分の一、ほかに、財政投融資、あるいは国債の発行の関係の部署がありますので、全体の約三分の一、百名程度ではないかと思っております。

初鹿委員 百人ぐらいでしたらそんなに長くはかからないですよね。しかも、依頼をしたかどうかの確認をするだけでしたら、もう一日たっていますけれども、もう確認はできていてもおかしくないと思うんです。

 この問題、皆さん方はこれまでずっと、指摘があって一週間、二週間飛びまして、結局やはりそうでしたということが続いているわけじゃないですか。これは、わかった時点で早くちゃんと報告するべきだと思います。

 この国交省に依頼をしていたかどうかということについて、いつまでに調査の結果を報告するんですか。期限をきちんと切ってください。いつまでですか。財務省、国交省とお互いに答えてください。

蝦名政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、現在、大阪地検による捜査が進められる中で財務省において引き続き調査が進められているところでもございますし、財務省で行われている調査の状況も見きわめながら確認を進めてまいりたいと思っています。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 先生のおっしゃられる点は十分認識をしているところでございますけれども、現時点におきましては、期限を切った形でのお答えはちょっとできない状況であります。

 ただ、いずれにしましても、先ほども御指摘のあった財務省の理財局という本省の部局、それから、実際には、現場としては近畿財務局ということもございますので、本省の理財局及び近畿財務局全体について、特に今後重要なのは本省なりの人事当局による調査というところだと思いますので、できるだけ速やかにその結果が取りまとめられるように努力してまいりたいと考えております。

初鹿委員 これ以上は言いませんけれども、できるだけ早く結論を出してください。そんなに難しい調査ではないと思います。

 依頼をした人も依頼をされた人も、当然、事実であればわかっているはずですから、具体的にでは何の文章を依頼し、書きかえを頼まれたとかということは後からの報告でもいいと思いますので、ぜひ早く調査の結果を出すようにしていただきたいとお願いをさせていただきます。

 それでは資料の一ページ目に戻っていただいて、こちらの四月四日付の資料ですけれども、こちらは、昨日の参議院の予算委員会の理事会に後から提出をされた資料だということであります。

 十二日に決裁文書の書きかえがわかったわけですけれども、なぜ、そのタイミングではなくて、ずれて後からの発表というか公表になったのか。その理由を御説明ください。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今先生から御指摘のありました、二十八年の四月四日付の「森友学園事案に係る今後の対応方針について」という紙の関係でございます。

 これにつきましては、本来であれば、十二日に十四件の決裁文書の書きかえの御報告を国会にさせていただいたところでございまして、そのときにこの一枚の決裁参考メモにつきましても同様に御報告をすべき紙であったというふうに認識をしております。

 実際のこの参考メモは、先般、十四件の書きかえの御報告をいたしましたが、その中の売払いの決議書に「調書」という形でついていたものでございますけれども、これが、昨年の二十九年の二月下旬から四月の書きかえが行われていた際に、もともとのオリジナルの売払いの決議書のものから抜き取られた形で削除されていたというものでございます。

 なぜこういう形でこの一枚が御報告がおくれてしまったかということにつきましては、その点は本当に申しわけなく思っておりますし、そういった結果になったところも検証したところ、まずは十二日の報告は、主に各決裁文書の「調書」という部分を中心に、我々、書きかえ前のものがないか、その事実関係を確認しておりました。

 一方で、これは決裁文書の後ろについております添付資料といいますか参考資料ということもございまして、これについては、参考資料はそれぞれ決裁文書によって若干違いますが、百ページを超えるようなものもございます。

 そういった中で、全くこれは申しわけないんですが、事務的なミスということで、この決裁参考メモがあるということがこの直前の週末に改めて参考資料も確認作業をした中で気づいたということで、この一枚のものについて報告が一週間おくれてしまったということで、その点については我々の不手際でございます。深くおわびを申し上げます。

初鹿委員 今の説明を聞いておりますと、十二日に我々に提示したのは決裁文書であって、これはそこに添付をされている参考メモだから見逃してしまったというそういうことですよね。

 そういう今の答弁を聞くと、これ以外にもまだ見逃しているものがあるのではないかということを疑わざるを得なくなるんですよ。

 これで最後ですか。それとも、まだ可能性として、明らかにしていないもの、明らかになっていないものが存在する可能性はあるという判断をしておりますか。どちらですか。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今回の三月二日の報道以降、また、その日の夜なべの財金での委員長指示等もあって、調査を始めております。

 本省あるいは近畿財務局の我々のサイドでできる限りの調査をしたところでございますが、やはりそこは金曜日の段階におきましても、これが本当に一〇〇%か、オリジナルのものまで確認できているかということについての自信が持てなかったということもあり、あの金曜日の段階で、捜査当局の方にもお願いをいたしまして、捜査当局の方からは大変ありがたいことでございましたが御協力をいただけまして、我々がこれが書きかえ前の決裁文書ではないかというものについての先方が持っておられるコピーもお出しいただきまして、最終的な突合をして、財務省としての責任で十二日の報告をしております。

 そういった意味では、御協力をいただいて出していただいたものの全てのものについての、この参考資料も含めて現時点では確認がとれておりますので、一枚一週間おくれてしまったわけですが、それ以外のものについては、今この一枚のものも含めて、お出ししているものが書きかえ前のもの全てだというふうに確信をしているところでございます。

初鹿委員 確信をしているということですが、にわかになかなか信じがたいところなんですが、この後の調査の中でまたそれは明らかになると思いますのでこれ以上はきょうは質問しないことにしますが、では、この文書をちょっと見ていきたいと思うんですけれども、この文書を作成したのは理財局でよろしいんですよね。次長、理財局でよろしいんですよね。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 この紙自体は、先ほども申し上げましたように、売払いの決議書に添付されている資料でございます。売払いの決議書自体は近畿財務局の方で決裁が完了している決裁文書でございますので、基本的にはこの決裁参考メモは近畿財務局でつくられたものだとは思いますが、ただ、具体的な内容で、例えば四ポツのところに、「本省審理室指示事項」といったような、本省にかかわる部分もございますので、近畿財務局だけでつくったかというところは確認が必要かと思いますが、紙の性格としてはそういうものでございます。

初鹿委員 この文書を見ますと、「3.学園の申し出内容」というところの四つ目の丸に「売却価格の提示を考えてもらいたい。」という記載があるわけです。森友学園側からの要望です。「6.大阪航空局との調整内容」というところで五行目の終わりから六行目に、「廃棄物処理費用を減額した価格提示を行い売却を行う方針」と書いてあります。価格提示を行って売却をする方針だということは、これは理財局の中で確認をされている方針だったということでよろしいわけですね。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 本件につきましては、もともと二十七年に売払い前提の貸付契約というものが先方と結ばれておりました。そういった中におきまして、ここの1にもございますように、二十八年の三月になったところで、大量の地下埋設物があるというところからさまざまな検討を近畿財務局あるいは本省でも行った上で、また、その地下埋設物の撤去費用の見積りといったことについては、大阪航空局の御協力もいただいて、最終的には二十八年の六月に売払いの契約ということになったわけでございます。

 そういった意味で、今委員の御指摘のところで申しますと、本件は非常に大量の地下埋設物があるということで、これは選択の話ですけれども、いわゆる見積り合わせというものを行わないということで、大量の埋設物がある、また、学校法人さんであるということで、そういった積算についてのノウハウといったようなところについても、また、早期にそういった見積りをする必要もあるということで、見積り合わせをしないということになりました。

 そうしますと、当時、近畿財務局の処分担当が考えておりましたのは、先般出ておりました法律相談なんかにも出ておりますけれども、基本的には、鑑定評価をいただいて、これは更地価格、この鑑定評価による更地価格から地下埋設物の撤去費用を差し引いて予定価格を出す。この予定価格を出した上で先方に対してそれを提示したときに、それを受け入れれば契約に至る、受け入れなければ契約に至らないという考え方の整理をした上で当該土地の処分をしたということでございます。

初鹿委員 先方に価格を提示して受け入れられれば売却するし、受け入れられなければ売却をしない。つまり、価格の提示をするということであったわけですよね。それが方針だったわけですよね。

 では、去年三月十五日に私が佐川局長に財務金融委員会で質問をした際に、もともと貸付契約だったものが、つまりそれは、お金がないから貸してくださいと学園は言っていたわけです。ごみが見つかった段階で買いますと言っても、それは買える価格じゃないと買えないわけだから、当然、価格の提示なり価格の相談なんかそういうのがあったんじゃないかという質問をしたときに佐川局長は、こちらから価格を提示したこともなければ、森友学園側から希望も聞いたこともないという答弁をしていたわけであります。

 当然、これは後になって音声データも出てきて、価格の提示があったということは明らかになっているわけですが、つまり、この佐川局長の答弁は虚偽だったということでよろしいわけですね。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今委員の方からの御指摘のところでございますけれども、直前に私が御答弁させていただいたような、いわゆる鑑定評価額たる更地価格から地下埋設費用を差し引いて予定価格を出すという考え方、これは昨年の三月十五日であったかと思いますが、委員と佐川前局長との質疑の中でも、佐川前理財局長はその部分を、そういった考え方を前段で申し上げたのではないかというふうに私はあの議事録では思っております。

 その上で、後段のところで佐川前理財局長は、「そういう価格」という表現を使っていたかと思います。その「そういう価格」というのは、その直前に、前段で、議事録でいうと十行ぐらいのうちの五行なんですが、そこで言っていた予定価格のことを念頭に答弁をさせていただいたんじゃないかというふうに私は思っております。

 そういう意味で、その「そういう価格」、つまり、予定価格というものを事前に先方に伝えるというようなことはしていないという趣旨を述べたかったと思いますし、先方から具体的に予定価格の提示があったということはなかったという趣旨の答弁であったのではないかというふうに考えているところでございます。

初鹿委員 普通に考えるとそれはへ理屈にしか聞こえないですよ。素直に、佐川局長の答弁は、虚偽じゃないにしても、事実とは違うことを答弁していたということを認めた方がいいと思いますよ。だからこの部分を決裁文書から取り除いていたんじゃないんですか。

 では、取り除いて我々に提出した理由は何ですか。取り除かなければいけない理由があったわけですよね。それは当然、佐川局長の答弁が間違った答弁をしていたからだと考えるのが普通だと思いますが、そこはどうなんですか。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今まさに委員の御指摘のところは、三月十二日に今回の決裁文書の書きかえ前の事実確認をし、国会報告をした以降、また、特に申し上げれば、先週の後段から、いわゆる参議院の予算委員会の集中審議という中でもるる御答弁をしているところでございますけれども、基本的には、現段階で我々として考えておりますのは、こういった書きかえが行われた、今先生御指摘のところの価格といったところにかかわるものも当然含んだ上でございますけれども、そういったものは二月下旬から四月の間に書きかえが行われていたと。

 そういった意味で時点時点があるわけですが、特に国会での御質疑がございましたのは、二月、三月というのは初期の段階で、大量の御質問をいただいて答弁をしております。主に答弁をしていたのは佐川前理財局長でございました。

 そういった中におきまして、その時点その時点でのそれまでの国会答弁、あるいは、今後想定される議論の展開という中での国会答弁というものを念頭に置いた中で、こんなことをやってはいけないことですが、書きかえをするという対応をとったというところが、当時の理財局として一部の職員において行われたということでございますので、そういった意味で、国会答弁が虚偽だったからということだとは私は思っておりませんで、いずれにしても、国会でのその答弁が誤解を受けないようにといったようなことでこういった対応になってしまったのではないかというふうに考えているところでございます。

初鹿委員 いや、誤解を受けないようにするんだったら、ちゃんと答弁で正しいことを言えばよかったんだと思いますけれどもね。文書を改ざんをするなんということはもってのほかで、それをやってまで隠したい事実があったんじゃないかと考えざるを得ません。そのことは指摘をさせていただきます。

 もう一回国土交通省に伺いますけれども、三月二日に報道が出て、国土交通省の中で調べて、改ざん前の文書が国土交通省にあることは三月五日にわかっていたわけですよね。三月五日にわかっていたというのは事実でよろしいんですよね。

蝦名政府参考人 三月二日の朝日新聞の報道を受けまして、三月五日に、既に議員の皆様から公開されています文書を財務省の方から入手をいたしまして、その時点で突合しまして、それで事実関係を確認した、こういうことでございます。

初鹿委員 それですぐに財務省や官邸に報告をして、六日の日には総理や財務大臣の耳にも入っているということであります。

 その点では、国交省はすぐに対応したということで一定の評価はしたいと思うんですけれども、けれどもですよ、その後、三月五日以降に野党六党のヒアリングを行って、その席に国交省の担当者も座っていたわけですよ。なぜ一言、国交省にはこういう文書がありましたということをヒアリングの際に言わなかったんですか。隠していたんですか。

蝦名政府参考人 書きかえがあった文書につきまして、財務省において作成、公開されたものでございまして、財務省において、大阪地検による捜査に影響を与えないよう留意をしつつ調査が進められているという状況でございましたので、国土交通省としては、財務省に対し、当方が確認した事実をお伝えをしたということでございます。

初鹿委員 では、我々野党のヒアリングの際にその事実を明らかにしなかったのは、財務省からとめられていた、若しくは、それ以外の誰かからとめられていたということですか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、三月二日に当省に保存されている文書と公開されているものとの内容が異なる部分があり、当省に保存されているものが書きかえ前のものである可能性があるということは認識しておりましたけれども、これはあくまでも可能性ということでございまして、当省において正確な事実関係を確認することができないということでございますので、文書の作成者である、調査を行っている財務省に対して、当方が確認した事実をお伝えするということにしたということでございます。

初鹿委員 野党にはそれを明らかにしないでもいいという判断をしたということでありますよね。本当に国会をばかにしているとしか言いようがない対応だということを指摘をさせていただきます。

 もう少し中身のことを財務省にお伺いしますけれども、昨日、参議院の予算委員会の質疑の中で太田局長は、昭恵夫人がほかの政治家と並んで記載をされているのはなぜなのかと聞かれたときに、総理夫人だから記載をされているというお答えをしておりましたが、総理夫人だから記載をされているというのはどういう意味で申し上げていたんでしょうか。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今委員御指摘のところは、今回書きかえがあったという事実確認ができた十四件のうちの、いわゆる本省の決裁が唯一、一つあります。また、これは特例承認をするための決裁でございまして、また、それを申請するための国交省からの特例承認の決裁というところのいわゆる経緯というところに総理夫人のお名前が二カ所ほど、いわゆる籠池理事長の発言の引用される部分と、それから、報道機関の報道の内容のところに夫人のお名前があるというところでございます。

 昨日の太田理財局長の参議院予算委員会での答弁で、総理夫人であったからというところは、まず、誤解なきよう御説明すると、この決裁文書の経緯に総理夫人のお名前を書いた趣旨はどういうことか、書きかえたということではなくて、もともとのその書きかえ前のものに書いたというのはなぜかという質問に対して理財局長の方からは、それは、他の政治家の先生も複数名前を経緯に詳細に書いてあります。それに準ずる形で、総理夫人だから書いたのではないかというふうに私は認識しております。

 なぜこの特例承認の関係の経緯には政治家のお名前あるいは総理夫人のお名前があったかといえば、恐らく近畿財務局の方では、ほかの、他の決裁には政治家のお名前なんかは一切経緯に書いておらないということからすると、この特例承認は本省の決裁が必要だということで、本省は国会対応を常時行っているということでの、参考としての情報として書いていたということではないかというふうに考えております。

初鹿委員 特例をする上で、こういう政治家や、また、総理夫人ともかかわりのあるそういう学校法人だから認めてください、そういう趣旨で書かれていたということですよね。つまり、名前を書くことによって、一定の、そんたくというのか配慮というのかわかりませんが、働くというその前提じゃないと名前を出す必要はなかったんだと思います。

 これは、佐川さんが書きかえのことで証人喚問または参考人招致されることになりますが、それと同時に、やはり書きかえの前の文書を書いた責任者にもきちんと来てもらって、なぜ昭恵夫人をそこに書かなければいけなかったのか、書いた目的は何なのか、書くことによってどういう効果を期待したのかということをきちんと証言してもらわないと事実がわからないと思いますので、そのことも求めていきたいということを言いまして、これで質問を終わらせていただきます。

西村委員長 次に、早稲田夕季君。

早稲田委員 それでは質問をさせていただきます。

 まず、国際観光振興法改正に関連いたしまして、国際観光旅客税の使途等について伺ってまいります。

 私は、常日ごろから、やはり滞在型の観光にしていくことが息の長い観光の施策だというふうに考えております。その中で、今言われておりますのは、非常に訪日外国人が多くなっている、そしてまたさらに、二〇二〇年には四千万人ということを目標にされているのはよろしいわけですけれども、ただ数だけふえればよろしいかということをもう少し政府としてもお考えをいただきたいという視点で私は質問をさせていただきたいと思います。

 このことですけれども、二〇一七年で消費総額四兆四千百六十一億円、訪日観光客のその総額がなったわけです。そして、四兆円を初めて突破をして、ずっと連続で過去最高を更新した。大変それはそれで評価することではありますけれども、新聞等の報道にもございますが、これからの日本観光は物消費から事消費に変わっていくのではないかという指摘もありまして、まさにこれは訪日外国人観光客だけではなくて、日本人の方もそういう志向になっている。

 世界的に見てもやはりそういうトレンドなんだろうと思いますけれども、観光を滞在型にしていく、これは何もIRだけではないいろいろな部分がありまして、そこのところをどのように地方でも地方創生につなげてもやっていくのかということが今からの一番の大きな視点ではないかと思いますが、観光庁としてどのような施策を考えておられるのか、端的に伺います。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、昨年の訪日外国人旅行者数二千八百六十九万人、そしてその消費額が約四・四兆円ということで、いずれも過去最高を記録しております。

 一方、一人当たりの旅行消費額というのは約十五・四万円ということで、ほぼ横ばいに推移しております。

 二〇二〇年の目標というのは、単に人数というだけではなくて、消費額でございますとか地方における延べ宿泊者数なども掲げているわけでございますけれども、この旅行消費額、二〇二〇年八兆円の目標を達成するには、御指摘のように、体験型観光の充実、滞在の長期化を促す、こういうさまざまな面で外国人旅行者の消費を促進していく必要があるというふうに考えております。

 観光庁といたしましては、これまでも、酒蔵やアニメなど特定の観光資源に魅せられて各地を訪れるテーマ別観光を推進し、地域への来訪機会を広げるほか、昨年十月からは「楽しい国日本」の実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議を開催いたしまして、野外アクティビティーや文化体験など体験型コンテンツの充実に向けた課題と今後の方針を有識者と議論し、その内容を提言化するなど、体験型観光の充実を通じた旅行消費額の向上に向けた取組を行ってきたところでございます。

 また、文化財や国立公園等に関する多言語解説の充実や各地域における体験型観光充実を図るとともに、これらの観光資源の魅力を海外に対して的確に発信することによりまして、外国人旅行者の来訪を促進するとともに、できるだけ長く滞在してもらえるよう取り組んでまいりたいと考えております。

早稲田委員 今御答弁いただきましたが、一人当たり消費額十五万四千円、でも、昨年、一昨年からは少しずつ落ちてきていますよね。そういうこともございますので、爆買いが終わったということとはまた少し違うのではないかと私は思っておりまして、なかなか滞在型といっても、そこに至っていない何かがあるのではないかというところをもう少し考えていただきたいと思います。

 そして、今後、この旅客税の関係で、新税で非常に予算が入ってくるわけですけれども、その使途の厳格化ということを私は申し上げたいのですが、そもそも、観光関連産業を安倍内閣ではリーディング産業と位置づけておられるわけです。そうしたときに、本来であれば、リーディング産業なんですから、国交省の中でそこをしっかりと予算づけをしていく、そういう方向にすべきではないかと私は考えます。

 そういたしまして、先ほども議論の中でございましたが、観光庁の予算が二百十億円、そして、その三倍に当たるような六百億円、通年でこれからですけれども入ってくる新税ですけれども、その中で、これほどの多くの財源をどのように本当に観光振興に資するような形で、そしてまた厳格にやっていくということが今問われていると思いますので、新税を創設するということではなくて、予算をやりくりしても安定した予算を国交省の中でつくっていくべきと。

 そういたしますと、公共事業が大体五兆円ですから、その一%でも五百億円ということになるわけで、六百億円と遜色のないものが出てくるわけですけれども、国交大臣、このリーディング産業ということについて国交省の中でそういうことをもっと考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

石井国務大臣 国土交通省の平成三十年度予算におきましては、東日本大震災、熊本地震や九州北部豪雨等の大規模自然災害による被災地の復旧復興、防災・減災、老朽化対策や戦略的海上保安体制の構築など国民の安全、安心の確保、ストック効果を重視した社会資本整備など生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化、コンパクト・プラス・ネットワークの推進など豊かで活力のある地域づくりの四分野に重点化をしつつ、必要な予算を計上しているところであります。

 他方、二〇二〇年の訪日外国人旅行者数四千万人等の目標達成にはいまだ道半ばでありまして、また、今後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も踏まえれば、より高次元な観光施策を展開していくことが急務でございます。

 このため、受益と負担の関係も踏まえまして、国際観光旅客税を創設し、出国旅客に負担を求めることによりまして、観光庁関係のみならず、政府全体として、こうした観光施策の充実に必要な財源の確保を図ることとしたものであります。

早稲田委員 それは、御説明は所信表明でもいただいておりますので私も理解しているつもりですけれども、それでも、全体で見て一%でもそういう額になるということでありますし、また、二〇一二年の外国人旅行消費額は一・一兆円から二〇一七年は四・四兆円と四倍増しているわけです。

 そういうときに、法人税等のもちろん税収増もあると思いますし、そういうことを充てるべきではないかと思いますけれども、この消費額総額がふえたことに対する税収増というのはきちんと精査をされているんでしょうか。それからまた、そのことについての財源と、それを充てるということについてはどのようにお考えでしょうか。

田村政府参考人 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、政府全体、いろいろな必要な施策というものを講じていかなければいけませんし、国交省におきましても、四分野に重点化して必要な予算を計上しているということでございます。

 そういう必要なものをいろいろな税収も充てながら実行をしていくという中でも、他方、二〇二〇年の訪日外国人旅行者数四千万人等の目標達成には道半ばである。そして、今後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催なども踏まえれば、より高次元な観光施策を展開していくことが急務であって、そのためにこの国際観光旅客税の創設というものをお願いをしているということでございます。

早稲田委員 私がお聞きしたのは、四・四兆円に四倍増になって、そこで法人税等の増収を精査していらっしゃるのかどうかという質問なんです。それにお答えいただけますか。

田村政府参考人 これは私どもがお答えを申し上げるのが適当かどうかわかりませんけれども、政府全体として当然そういう精査をした上での御提案ということでございます。

早稲田委員 それは精査をしていただいて、やはり観光庁としてもしっかりと把握をしていただきたいと思います。税は財務省ですけれども、それだけではなくて、こうやって新税までわざわざつくるわけですから、その前に、四倍になっているその中でどのくらい税収もふえたのかということは、当然、働き手の方もふえたでしょうし、そういうことも踏まえて全体で考えていただく。それを調査をしていただきたいと要望させていただきます。

 それでは使途等の厳格化についてでございますが、先ほど来、お話、議論を聞いておりますと、道路整備とか、それから自然環境保全などにも広く使われることもある、観光という名目ならというようなことにも聞こえかねませんし、非常に疑問があるわけなんです。

 観光産業従事者からは、旅館等の人手不足などにいろいろ支援をしていただくとかそういうのならまだいいけれども、ゼネコンに回るのではないか、そういう心配の声も実際に私、現場でお聞きしています。

 そういう中で、文化財修復とか文化財を観光の目玉にするということは当然あるでしょうけれども、だからといって、どこまで広げていくのか。それを皆さんにお示しする案内板の表示ならまだしも、修復までに使われるのはいかがなものかとか、それから、空港の外国人誘致とか、そういうことも含めると非常に限りなく広がっていくという懸念がありまして、そこのところでお伺いをしたいのですが、平成三十年度では約六十億円の新税の増収分、そして、その中でも観光庁というふうに書かれたところだけを見ると、三十三億円ぐらいですよね。そうすると、ほかのところ、もちろん空港のストレスフリーなどの法務省関係もありますから、ほかの分野で使うのはもちろん観光でよろしいかと思いますけれども、今でも六十億のうち三十三億が観光庁のみということになっておりますので、今後の使い方、大変懸念をされます。

 そのことについて、厳格化ということについて田村長官からお答えいただきたいと思います。

田村政府参考人 国際観光旅客税の税収につきましては、昨年暮れの観光立国推進閣僚会議におきまして、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、第三に、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上、この三つの分野に充当することとされたところでございます。

 また、この同じ閣僚会議決定におきましては、観光財源を充当する施策は、受益と負担の関係から負担者の納得が得られること等を基本的な考え方としております。

 国際観光旅客税の税収は、観光庁だけではなくて、政府全体として高次元の観光施策を実行するために充てられることとなりますけれども、使途の適正性を確保する観点から、税収の使途やその基本的な考え方について、今お出しをさせていただいています改正法案の第十二条におきまして明記するとともに、平成三十年度の国際観光旅客税の税収を充てる施策、事業については、予算書においても明確化しているところでございます。

 三十一年度以降の税収につきましても、こうした方針に沿った施策、事業に充てることとしておりまして、具体の施策、事業につきましては、民間有識者の意見も聞きながら、中身をしっかりと精査してまいりたいと考えております。何にでも使えてしまうということにはならないようにいたしたいと考えております。

早稲田委員 今までと同じ御答弁がありましたけれども、高次元化とかいいますと、非常に広いわけですよ。それよりも、私はやはり現場を見ていただきたいんですけれども、多言語化の案内、もちろんこれは必要です。それからトイレの洋式化というのは、観光地ではこれはもう待ったなしなんです。それで、なかなか進まない部分なんです。公衆トイレを改修しようとすると大体三千万から五千万円かかって、これも大変な課題になっておりまして、まさに外国人の方ということであれば、日本人だって今はトイレは洋式じゃないと大変だと高齢の方はおっしゃるのに、外国人の方については、トイレの洋式化、それからあとは、先ほども出ておりましたが、キャッシュレス、それから両替です。

 こういうことが本当にできていない中で更に高次元の部分ばかりを追っていかれるよりも、まずは、その有識者の方の御意見も大切ですが、そういう地元、観光地の部分でよく意見を聞いていただきたいと思います。

 決してその協議会が、今まで都道府県単位でできていたものが、いろいろもっと有識者も入れて等々広くなるようですけれども、そういうことでただコンサルに計画をつくらせる、そういう委託費ばかりが膨らむことのないように、ぜひ実効性のある、そして、地元にいらした方が、もちろん東京都それから神奈川あたりはまだいいんでしょうけれども、地方でも公衆トイレに入れるようにするというのは最高のおもてなしではないかと私は考えておりますので、そういう地に根差したことに使っていただけますよう要望いたしますが、最後にもう一度、お願いいたします。

田村政府参考人 先生御指摘のとおり、訪日外国人旅行者にも使いやすいように、トイレの洋式化というのは重要な課題というふうに認識しております。

 これは、観光庁が昨年度に全国の都道府県、市区町村に対しまして観光地の公衆トイレの現況についてアンケート調査を行ったところ、三千八百七十二カ所の公衆トイレ、ちょっと申しわけございませんが、大便器数では二万四千五百二十四基について回答があって、和式便器の比率というのは全体で四二%、そして、和式便器の比率が五〇%を超える県は全国で十県に上っております。

 そういう意味で、観光庁では、今年度より観光地の公衆トイレの洋式化を支援する補助制度を創設しておりまして、来年度も引き続き支援を継続することとしております。

 また、決済環境の御指摘もいただきましたけれども、御指摘のように、地域の実情も踏まえてしっかりと観光施策を実行してまいりたいと考えております。

早稲田委員 今、五〇%の洋式化比率とおっしゃいましたけれども、なかなか五〇%には達していないと思います、実際のところ。なので、いろいろ調査、精査をしていただきまして、これが地元に対するきちんとした外国人観光客誘致のための施策になるように、使途を明確化していただきたいということを再度要望いたします。

 続きまして、森友学園の問題について伺ってまいります。

 いろいろ前段の御議論を聞いていても、なかなか、捜査の段階でということでお答えがいただけない部分が多いなと思います。財務省が国交省に改ざんを指示したというような報道もありますし、それから、事業者がごみは虚偽だったというような話も出ておりますけれども、一切お答えがないので、大変残念だなと思って聞いておりました。

 まず、ごみの積算について伺いますが、これは確認でございますが、ごみの積算については、国交省航空局長の責任ということでよろしいんでしょうか。

蝦名政府参考人 売却に当たっての地下埋設物の撤去費用の見積りは、大阪航空局が行ったということでございます。

早稲田委員 大阪航空局長の責任でということでよろしいですか。

蝦名政府参考人 大阪航空局長ということになると思います。

早稲田委員 そうすると、売却価格の決定については財務省、そういうことでよろしいでしょうか。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 本件の処分に当たりましては、大阪航空局から近畿財務局がその契約についての委任を受けて担当しておりました。

 そういった意味で、地下埋設物の撤去費用については、近畿財務局から大阪航空局に依頼をして見積りを出していただきましたが、最終的な鑑定評価額である更地価格から撤去費用を差し引いて予定価格を出して契約をするといったところについての考え方、あるいは実際の契約といったところについては、近畿財務局の責任で行わせていただいたものでございます。

早稲田委員 わかりました。

 売却の前の貸付けについて契約書も、いろいろ改ざん前そして改ざん後と、文書が重要文書の一つの中に出ておりました。

 この中に、平成二十七年四月二十八日付の「普通財産決議書(貸付)」というのがございます。この中の「調書」の中に汚染土壌に関する問題というのがありまして、四月になって森友学園の方が、その前年の十月にボーリング調査をしているにもかかわらず、四月になって、この土地は軟弱地盤であり、貸付料に反映されるべきものだと書かれておりました。

 これについて、地質調査会社に対して、ボーリング調査をもとにこの土地の地盤について意見を求めたところ、その地質の専門業者は「特別に軟弱であるとは思えない」と書かれています。

 そして、改ざん後の文書では、近畿財務局は専門家にそう確認するとともに、肝心のその特別軟弱とは思えないというところが削られて、「不動産鑑定評価を依頼した不動産鑑定士に意見を聴取したところ、新たな価格形成要因であり、賃料に影響するとの見解があり、」「鑑定評価を見直すこととした。」

 こうやって全く真逆の方にかじを切っているわけですけれども、これについて御説明ください。

富山政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員の方からは、今回の貸付決議書の中の書きかえ前の文章の部分と書きかえ後の部分と両方読み上げていただいたところでございますので、順を追ってちょっと私の方からも御説明をしたいと思います。

 まず、本件土地の貸付けに際しましては、二十七年一月に不動産鑑定士から貸付料の鑑定評価額を聴取した後、同年四月に森友学園からボーリング調査の結果が近畿財務局に提出され、今委員御指摘のとおり、本地が軟弱地盤と見受けられたため賃料を引き下げるべきではないかとの主張がございました。それがまず一点。

 その上で、また、この調査結果について近畿財務局としてはどのように対応するのかということで、近畿財務局においても内部的な検討を行ったようでございますが、その対応の一つとしまして、外部の専門業者、今御指摘の地質調査会社にも意見を聴取した結果、「特別に軟弱であるとは思えない」という御意見をいただいた。そういった意味で、「通常と比較して軟弱かどうかという問題は、通常地盤の定義が困難であるため回答は難しい」という見解をこの地質調査会社からいただいたということでございます。

 今二つ申し上げたところを踏まえた上で、近畿財務局としましては、森友学園が地盤改良を行って、長期間の使用を前提とした堅固な建物を設置しようとしていることも当然念頭に置きながら、これらの実態を適正にやはり反映する必要があるだろうということで、近畿財務局として、改めてこのボーリング調査の結果を不動産鑑定士に提示をいたしまして、改めて賃料の評価を依頼したということでございます。

 その結果、平成二十七年四月二十七日に鑑定評価としての価格調査報告書が不動産鑑定士より提出され、それを踏まえて契約を締結したというのが事実関係だと考えております。

早稲田委員 一月に出た鑑定評価と四月に出た評価書を見比べてみますと、これは同じ方が出していますよね、同じ方が。いいです、同じ難波さんという方ですか、出されているわけですけれども、一月の方では、弊社所蔵の大阪地盤図というものによるとといって書かれておりますけれども、周辺の土地利用でも高層住宅をやっている。だからこれは軟弱地盤とは言えない。通常のこのあたりの、豊中市の通常の水準だというようなことがしっかり書かれているわけなんです。

 それでまた同じ方が、その三カ月後ですよ、三カ月後に、そこにも書かれています、「高層共同住宅の建築を想定した場合において、特に建設工事費が上昇するような土地ではない旨」というふうに書かれています。

 それで、前にも書かれているんですけれども、池や沼が存することによって表層部分が軟弱であるため、表層から一メートル程度の地盤改良を要するものと判断し、新たな価格形成要因としたというふうに、何か取って張りつけたように書かれているわけなんですが、前のところでも、一月の評価書でもこの池、沼ついては書かれています。書かれていますけれども、特段問題はないというところなんです。

 それで、明らかに何か三カ月間でここまで変わるか。今堅固な建物とおっしゃいましたけれども、高層住宅が建っているんですよ、周りには。それで大丈夫だと一旦同じ同一人物の鑑定の方が書かれているのに、なぜこういうことになったのか。

 それから更に申し上げると、時間がないので続けて言いますけれども、リーガルチェックの分厚い資料が出てまいりましたよね。あそこにも、貸付けのところのリーガルチェック、本当にたくさん何回も何回も法務の方にやっていらっしゃる。その中では、まさに近畿財務局さんが、これだけ無理難題を言われて、貸さなくてもよいかみたいに書いてあります。そうですよね、お聞きになっていらっしゃいますね。それは間違いじゃないですよね。

 それからまた、こうも聞かれています。ボーリング調査、森友学園さんがなさったところはたったの二カ所。二カ所のボーリング調査でこんな軟弱地盤と言えるのかと、私たちはこれを考慮したくないんだけれどもどうかというふうにも聞かれている。これはそれで間違いありませんね。

 そのときはそういうふうにお考えになっていたということではないでしょうか、一月の評価書の観点も踏まえて。

富山政府参考人 お答えをいたします。

 今委員が御指摘のあった一月の報告書それから四月の報告書といったところで、一月のところにまさにそういった指摘が報告書の中に入っていたというふうに認識しております。

 その上で、四月の報告書との違いは何であったかということでございますが、一つは、このボーリング調査の結果というのを近畿財務局から改めてこの鑑定士さんにお渡しをした上で鑑定評価をお願いした結果がこうであったというのが一つ。

 それから、今お話の中で法律相談のお話もございましたけれども、法律相談の中では、本件土地の種類、これは小学校の校舎建設用地、に応じて、取引通念上、通常有する程度の地耐力、地面の耐える力ですが、地耐力が不足し、当該建物の建築に不向きな場合には、地盤の調査等をした上で貸し主に説明する義務等があるといったような回答もあったという中で、本件についての鑑定評価、新たな、四月における鑑定評価といったようなものを近畿財務局としても専門的見地としていただいたということだと思っております。

早稲田委員 いえいえ、だって、御自身というか近畿財務局の方で、たったの二カ所のボーリング調査で、これが地盤が弱いなんて言えるのかと聞いていらっしゃるんですから、それは違うと思いますよ。おかしいと思いながらやられた形跡が明らかに残っておりますので、そこはしっかりと、もう今はこの期に及んでですから、答えていただきたい。自分たちはそうじゃないと思っていたということもやっていただかないと、私たちいつまで、これは先輩議員の方たちは一年間やっていらっしゃる。その中ですから、本当にきちんとした答えを正確に言っていただきたいと思います。

 それから最後に申し上げますが、杉田和博内閣官房副長官、それから今井尚哉内閣総理大臣秘書官、参考人としてお呼びをしておりましたけれども認められず、これは私、大変遺憾、残念でございます。

 私がお聞きしたかったのは、国交省から五日に杉田和博官房副長官の方にお話をされた、そしてその六日、杉田氏から今井尚哉秘書官の方に、通じて総理に報告をされた、これがずっとあったにもかかわらず、八日の予算の理事会には改ざん後の文書だけが出されたということについて、国交省としてはこれについて、国交大臣、どのように認識をされておりますでしょうか。

石井国務大臣 私どもとしましては、先ほど航空局長が答弁いたしましたが、私どもの持っている文書が書きかえられている可能性は認識をしておりましたけれども、正確な事実を確認できる状況にはございませんでしたので、調査を行っている財務省にその旨を連絡をしたということでございます。

西村委員長 申合せの時間が既に過ぎておりますので、御協力をお願いします。

早稲田委員 時間が来ましたのでこれで終了いたします。ありがとうございました。

西村委員長 次に、もとむら賢太郎君。

もとむら委員 もとむら賢太郎です。どうぞよろしくお願いいたします。

 まずきょうは、日本を知って外国人旅行客の皆さんに来たいと思ってもらう、それから本国の空港に来た、そして観光された、また来たいと思った、つまりリピーターです、というような流れで質問してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、日本の魅力を世界各国にアピールするために政府はどのような戦略を持っているのか。現地でのテレビ番組の活用など、現在の取組状況とあわせてお伺いいたします。

石井国務大臣 二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人等の目標の達成のためには、我が国の多様な魅力を効果的に海外へ発信していくことが重要であります。

 このため、政府においては、海外現地にネットワークを持つ日本政府観光局、JNTOを中心といたしまして、ウエブサイトやSNSによる情報の発信、現地旅行会社による訪日ツアーの造成を促すための旅行会社の招請や商談会の実施、日本の観光についての情報発信を働きかけるためのテレビ局を含む海外メディアの招請、欧米豪旅行者が好むアクティビティーや自然に着目したコンテンツなど、日本の旅行先としてのさまざまな魅力を発信するグローバルキャンペーンの展開等を行っているところであります。

 今後は、創設されます国際観光旅客税の税収を活用いたしまして、ウエブサイトやスマートフォンアプリなどを通じた情報提供を行うとともに、利用者の反応をデータとして蓄積、活用することで、旅行者のニーズに応じたコンテンツの提供を行うことを可能といたしますデジタルマーケティングの本格的な実施によりまして、外国人旅行者の興味、関心に応じたきめ細やかな情報発信を実現するなど、プロモーションのさらなる高度化を進めてまいりたいと考えております。

もとむら委員 先般、私も、平昌オリンピックに、大島議長とともに日韓議会未来対話で韓国に行った際にテレビをホテルで見ていましたら、私、趣味が釣りなものですから、韓国の釣りの番組がいっぱいあって、それを見ていて韓国にも釣りに来てみたいなというふうに思ったものですから、そういった意味で、世界でやはり、日本のいろいろな今デジタルマーケティングを創設するという話もいただきましたが、ぜひ日本のよいところをプロモーションしていただいて、外国人の皆さんに日本に来たいなと思えるような発信をお願いしてまいりたいと思います。

 次に、これは文部科学委員会でも質問しましたが、ラグビーワールドカップが来年ございます。世界三大大会と言われているオリンピック、そしてサッカー、ラグビーとある中の一つでありますが、なかなか国内での認識がまだまだ低くございまして、ラグビーワールドカップに行ってみたいという人が一〇%をまだ国内で切っているという状態でありますので、その点で先般、文科委員会で質問させていただきましたが、きょうは国交委員会ということでございますので、ふだん、外国旅行客が日本にやってきますとゴールデンルートなどに旅客が集中するということでありますが、地方へも足を延ばしてもらうための施策を今後講じていかなきゃいけないと思っております。

 そういう中で、ラグビーワールドカップは、東京圏以外でも大会が開催され、地方都市の開催もございますし、また、試合の間隔が長いため長期滞在もしてもらえる可能性が高いと考えております。

 ラグビーワールドカップを契機とした世界各国へのアピールの戦略、そして、開催都市プラスワンを訪問してもらうための施策について政府はどのように考えていらっしゃるか、お伺いいたします。

    〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕

石井国務大臣 二〇一九年に開催をされますラグビーワールドカップ大会は、大会期間中、地方を中心に全国各地で試合が行われ、また、欧米豪地域など世界各国から大会関係者や富裕層を含む観戦客が多数来日し、長期間滞在するなど、日本各地がそれぞれすばらしい観光地であることを世界じゅうに向け強力かつ戦略的にアピールする絶好の機会であり、我が国が観光先進国になるための重要なステップであると認識をしております。

 この機会を活用していくために、大会のオフィシャルトラベルエージェント、これは観戦チケットを含めたパッケージ商品の販売が可能な公式旅行会社でありますが、これを通じた旅行商品の造成や、日本政府観光局ラグビーワールドカップ特設サイトを開設をいたしまして、各会場周辺地域を含めた全国各地の情報発信を行うといったプロモーションを行っております。

 また、世界じゅうの関心は開催直前や期間中に最大化することが予想されますので、こうした関心に応える海外メディア招請等を企画するなど、戦略的に取組を展開してまいりたいと考えています。

もとむら委員 今回の法改正の目的の一つに、ゴールデンルートから地方への誘客拡大というものも一つありますので、ラグビーワールドカップをまた視野に入れながら、この開催都市プラスワン、例えば釜石でやる大会に訪れた方々が仙台市内や松島などを観光していただくというような、こういった地方への誘客拡大をぜひとも図っていただければというふうに思います。

 次に、空港における体制整備についてお伺いいたします。

 民進党時代に議員立法で航空保安法を提出した経緯もございますが、航空サービス調査会社のスカイトラックスが毎年発表します世界の空港ランキングでは、羽田空港が二位、中部国際空港七位、関西国際空港十二位、成田空港十四位と、日本から国内四空港がランクインされておりまして、他方、シンガポールのチャンギ国際空港は五年連続で世界最高の空港に選ばれているということがございます。

 こういった中で、我が日本における航空保安体制は民間企業が責任を負っているわけでありまして、昭和四十九年からできた仕組みだというふうに伺っております。しかし、その昭和四十九年から既に四十年以上経過し、当時と今ではテロの状況や訪日外国人数も大きく違うことから、テロの危険なども考慮しますと、航空保安体制において国が中核的な役割を果たしていくことが求められると思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

石井国務大臣 国際ルールでは、国が航空保安対策に関する制度を定め施行する義務を負う一方で、これらの対策の実施責任主体は各国に委ねられているところでございます。

 我が国におきましては、国が航空保安対策基準を定め、関係者は、これらの基準に従って具体的な対策を講じることとなっております。さらに、国は、関係者への監査を行い、適切に対策が講じられるよう厳しく指導監督しておりまして、これらによりまして米国等の諸外国と同等の安全が確保されているものと考えております。

 一方、保安検査機器の整備費用や保安検査業務を行う検査員の費用につきまして、国管理空港となる空港管理者といたしまして、費用の二分の一を負担するなど、積極的な支援を行ってきております。

 さらに、昨今においては、国際テロの脅威が高まる中で、航空保安対策を速やかに進めることが喫緊の課題となっており、ボディースキャナーを始め先進的な保安検査機器について、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催までに国内の主要空港に導入することとしております。

 このため、先進的な保安検査機器の整備に当たりましては、国際テロ対策として、従来の空港管理者による航空会社への二分の一補助に加え、国が新たに航空会社に二分の一補助を行う制度を創設をいたしまして、昨年度から航空会社の負担を大幅に軽減することにより普及を図っているところでございます。

 今後とも、航空会社を始め関係者と連携を深めつつ、国として責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと考えております。

もとむら委員 我が国では、保安検査は旅客の協力のもと任意で行うというのが基本だというふうに伺っておりますが、世界各国を見ますと、この保安検査は旅客の協力がなければいけないという、ちょっと日本らしいところもあるんですが、今後、テロやハイジャックの未然防止など含めて、CIQの体制強化や顔の認証制度の導入というのも平成三十年度予算に入っているようでございますので、やはりこの辺はしっかりと対応をお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問に入りますが、訪日外国人が増加している一方、空港スタッフの人手不足が問題となっております。

 昨年の二月、NHKで放映されたわけでありますが、成田空港では九百名の保安員のうち二百七十名ぐらいの方々が離職をされるというニュースが報じられたわけでありまして、ノウハウの継承が進まず、検査の質が下がるという懸念の声も上がっています。

 人材の確保や資質向上のために、スタッフの処遇や資格、教育訓練のあり方について検討すること、また、必要な設備投資を行うことが求められているというふうに考えておりますが、政府の見解をお伺いいたします。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 空港におけます保安検査は空の安全を確保するために大変重要でございまして、質の高い航空保安検査員を確保することは重要でございます。

 しかしながら、先生も御指摘のように、保安検査員の離職率は大都市圏の空港で高いとの報告を受けておりますほか、保安検査員を含む保安の職業の有効求人倍率は全職種の中でも突出して高く、最も採用が困難な職種となっておりまして、航空保安検査員の確保が課題になっていると認識しております。

 こうした保安検査員の人材確保等の問題に対応するために、国土交通省におきましては、航空局、航空会社、空港管理者、警備会社などをメンバーといたします検討体制を構築いたしまして、課題の整理や解決策について検討をしているところでございます。

 これまでのところ、保安検査員の確保に具体的に有効であると考えられる取組といたしましては、警備会社による新規採用活動に対する航空会社などの協力、クレームやトラブル対応への体制の充実、保安検査員の休憩施設や必要備品の充実、混雑時間帯における航空会社職員配置の改善などについて検討を行い、関係者においてすぐ実現できるところから対応がとられているところでございます。

 また、保安検査員の処遇の改善につきましても、重要な課題として関係者間で認識を共有しておりまして、航空会社と委託先の警備会社との間の契約におけます人件費の契約単価は以前に比べて改善の傾向にあると承知しております。

 なお、保安検査員の費用につきましては、国も、国管理空港におけます空港管理者といたしまして、費用の二分の一を負担しているところでございます。

 さらに、設備投資につきましても、ボディースキャナー等の先進的な保安検査機器の導入や、爆発物等の自動検知といった検査のオートメーション化を推進しておりまして、当該機器の整備費について、ハイジャック対策のみならず、国際テロ対策として、従来の空港管理者によります航空会社への二分の一補助に加えまして、国が新たに航空会社にも二分の一補助を行っておりまして、検査の厳格化や円滑化に加え、保安検査員の負担軽減や効率化も図っているところでございます。

 国土交通省といたしましては、今後とも、国として責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと思います。

もとむら委員 今、保安検査員のほかに、グランドスタッフやグランドハンドリング、貨物などの人手不足も深刻だということで、一点指摘をしておきたいと思います。

 次に、現在の空港体制において、二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人の訪日外国人を受け入れることは可能なのかどうか。お伺いいたします。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 明日の日本を支える観光ビジョンの目標に基づきまして、訪日外国人旅行者数、二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年六千万人を受け入れるためには、我が国に入国します外国人のうちの四割を超える方々が利用します首都圏空港を始めといたしまして、全国の空港の機能向上を図ってまいる必要がございます。

 まず、二〇二〇年に訪日外国人旅行者四千万人の目標達成に向けましては、羽田空港の飛行経路の見直しや成田空港の高速離脱誘導路の整備等によりまして発着枠をそれぞれ約四万回ずつ増加させることなどを通じまして、首都圏における訪日客の受入れ体制の整備に取り組んでまいります。

 また、地方空港の機能強化も大変重要でございまして、那覇空港などの滑走路の増設、あるいは空港のCIQ機能の向上等の必要な施設整備に加えまして、国際線誘致促進のための着陸料への支援など、ハード、ソフト両面から施策を講じてまいりたいと思います。

 さらに、二〇三〇年に六千万人との目標達成に向けましては、先ほど述べました取組に加えまして、第三滑走路の整備など成田空港のさらなる機能強化などの取組を進めてまいりたいと考えております。

もとむら委員 今の空港体制では、この四千万人、六千万人の受入れはなかなか難しいということでよろしいですか。

蝦名政府参考人 ただいま御説明しましたとおり、さまざまな首都圏空港の機能整備や地方空港の整備など、ハード、ソフトの両面を機能強化していく必要があるというふうに考えております。

もとむら委員 機能強化はわかったんですが、現状では難しいということでよろしいですか。

蝦名政府参考人 現状のような状況のままでなくて、いろいろな機能整備をしていくということによってそういったスムーズな受入れをしていきたいというふうに考えているということでございます。

もとむら委員 次に、旅行環境の整備についてお伺いいたします。

 訪日外国人にとってフリーWiFiの環境の整備は重要でありまして、防災体制では総務省、そして商店街対策では経産省が中心となってWiFiの整備をされていることは承知をしておりますが、現在の整備状況と今後の取組についてお伺いいたします。

田村政府参考人 無料WiFi環境整備は訪日外国人旅行者からのニーズが特に高い項目でございますけれども、平成二十六年度の観光庁のアンケート調査によりますと、外国人旅行者に対しまして日本の受入れ環境で困ったこととして最も多かったのが、この無料WiFi環境整備であります。

 そして、二年後の平成二十八年度の調査のときにはそれが第二位になっているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、少しずつ取組の成果は出てきておりますけれども、まだまだ足りないということでございます。

 観光庁では、総務省と連携し、地方自治体、通信、交通等の民間事業者で構成する無料公衆無線LAN整備促進協議会を平成二十六年八月に立ち上げまして、我が国における無料WiFi整備の促進、周知、広報等に官民一体となって取り組んでおります。

 この中で観光庁といたしましては、平成二十八年度以降、訪日外国人旅行者の受入れ環境整備を促進するため、宿泊施設に加えまして、外国人観光案内所、観光拠点情報交流施設や鉄道、バス等の公共交通機関におけるフリーWiFi整備に対する補助制度により、支援をしております。

 また、日本政府観光局のホームページ上での約十四万四千件のスポット検索、無料WiFiスポットを識別しやすいシンボルマーク入りステッカーの配布等を行っております。

 今後は、公共交通機関を利用し、移動中にスマートフォンで目的地の情報を収集する個人旅行者がますますふえていくことから、平成三十年度では地方部を中心とした鉄道、バス車両の無料WiFi環境整備も補助対象とするなど、訪日外国人旅行者のさらなる利便性向上のため無料WiFi環境の充実を図ってまいりたいと考えております。

    〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕

もとむら委員 既に、昨年六月、日本航空では国内線でWiFiが無料化しておりますし、ことし四月からは全日空が国内線で無料化する。そしてJR東海では、ことし夏からどなたでも使えるWiFiを全車両に装備する工事を進めているということでありまして、公共交通網にもWiFiの整備が必要でありますので、ぜひともまた御支援をお願いしてまいりたいと思います。

 次に、よく町中で、外国人の方が押しボタン式の横断歩道で対応ができず、青信号に変わらず立ったままの者をよく目にするわけでありますが、日中は通常に渡れる分、夜は気づかずにずっと信号が変わるまで待つ外国人の姿を目にしている中で、外国語で表記してあってもわかりにくいと思われます。

 そこで、道路地図や標識、町中の各種表示などを多言語表記化していくことが必要だと考えていますが、現在の整備状況と今後の取組について伺います。

田村政府参考人 先生御指摘のとおり、案内表示の多言語化等多言語対応につきましては、これも、平成二十八年度に観光庁が行った調査におきまして、訪日外国人旅行者の不満事項の第三位となっているなど、訪日客のニーズが高い事項でございます。

 そこで観光庁におきましては、美術館、博物館、自然公園、観光地、道路、公共交通機関など幅広い分野で共通する多言語表示のガイドラインを平成二十六年三月に観光庁として策定、公表し、これに基づき、関係省庁や地方自治体、関係事業者等と連携して、駅の案内看板等の多言語による整備を促進してまいりました。

 また、平成二十七年度補正予算からは、公共交通機関、観光案内所、宿泊施設等における多言語表示の取組に対する補助制度を創設して支援してまいりました。

 来年度予算においては、国際観光旅客税も活用しながら、ICTの活用等、先進的な取組も含めた多言語対応の取組を支援していくこととしておりまして、個人旅行化する訪日客の快適な旅行環境の整備を更に強化してまいりたいと考えております。

もとむら委員 アメリカ国務省が発表している外国語習得難易度ランキングにおいて、日本語は唯一のカテゴリー五プラスとなっており、世界で最も習得が難しい言語とされております。そのために、多言語化していくことは非常に重要でありますので、今後も、その点を加味しながら推進していただきたいというふうに思います。

 次に、個人旅行もふえる中、個別移動ニーズが高まっていることが想定をされ、外国人に向けた違法な白タク行為がふえる懸念があるのではないかというふうに思います。

 タクシー業者の皆様も訪日外国人対応を進めていただくことと、白タク行為への厳格な対応、対処が求められていると思いますが、政府の見解をお聞きします。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の訪日外国人向けに行われております白タク行為につきましては、道路運送法違反でございまして、運転者が二種免を有しない、運行管理が行われない、事故時の責任が運転者のみにあることなどから、利用者の安全、安心の観点から問題があるというふうに考えております。

 このため、国土交通省では、このような白タクへの対策につきまして、警察庁、法務省、業界団体などとの連携によりまして、羽田、成田、関空における対策会議を設置をいたしまして、取締りを強化するとともに、中国語などでの注意喚起のチラシの作成、配布を行っております。本年は、訪日中国人が増加する二月十五日から二十一日の春節休暇に合わせまして、取締りや啓発活動を強化したところでございます。

 また、昨年十一月に開催されました日中両政府によります日中経済パートナーシップ協議におきまして、中国政府に対して、訪日客に対する日本のルールの周知について協力要請を行ったところでございます。その後、本年の春節期間前に、在日本中国大使館のホームページにおきまして二回にわたって、訪日中国人に対しまして、営業許可がない車両は安全上の問題が無視できないため利用しないようにという注意喚起がなされたところでございます。

 これらの対策を行う中で、昨年は三件七名、本年は三月までの三カ月間で五件七名が道路運送法違反等の疑いで逮捕されたと承知いたしております。引き続き、関係機関と連携してしっかり対策に取り組んでまいります。

 一方で、観光先進国の実現に向けましては、訪日外国人旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できるよう、タクシーを利用する際の言葉や決済面での不安を解消し、サービスを向上させることが不可欠でございます。

 このような観点から、全国ハイヤー・タクシー連合会におきまして、ことしの一月に訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプランが策定されたところでございます。

 具体的には、訪日外国人が母国と同じようにタクシーが利用できるよう、日本のタクシー配車アプリや日本のタクシー会社と海外の主要配車アプリとの連携等を推進すること、外国語対応ドライバーの採用やキャッシュレス対応車両の増加などによる言葉や決済の不安を解消すること、訪日外国人向けのプロモーション活動などが盛り込まれてございます。

 国土交通省といたしましては、タクシー事業者によるこのようなアクションプランの取組につきましても、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

もとむら委員 次に、民泊新法が間もなく施行されますのでちょっとここに触れようと思いましたが、ちょっと時間がないので、また次回に触れさせていただきます。

 ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど一時的な宿泊需要が想定される場合、ホテルシップも有効な手段だと考えておりますが、政府の見解をお伺いいたします。

菊地政府参考人 お答えいたします。

 クルーズ船を一定期間港湾に停泊をさせまして宿泊施設として活用するいわゆるホテルシップにつきましては、過去のオリンピックにおきましても実施された事例があることから、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催時に、東京及びその周辺地域において宿泊施設の供給を十分に確保する一つの方策として有効な手段と考えております。

 そのため、国土交通省では、昨年六月、内閣官房と共同で、関係行政機関、関係地方公共団体、船会社等から成る、クルーズ船のホテルとしての活用に関する分科会を設置をいたしまして、検討を進めてまいりました。

 今月五日に行われました分科会におきまして、ホテルシップを行う場合の旅館業法や出入国管理及び難民認定法等の規制の運用についての整理を行ったところでございまして、今後、関係機関と連携して、クルーズ船を宿泊施設として活用するために必要となる基礎的な確認事項をガイドラインとして取りまとめるなど、ホテルシップの利用に向けて環境整備を進めてまいりたいと考えております。

もとむら委員 私、地元横浜や川崎市も誘致に名乗りを上げておりますので、今後も注視をしていきたいと思います。

 次にリピーター対策について。

 ラグビーワールドカップ、東京オリ・パラリンピックが予定される中、二〇二〇年訪日外国人四千万人を達成することは困難ではないかもしれません。

 他方、この間にリピーターとなってもらわねば翌年以降の激変が想定されるわけでありまして、二〇三〇年六千万人を目指すためには、リピーター対策について政府はどのように考えているのか、お伺いいたします。

石井国務大臣 昨年の訪日外国人旅行者数は、対前年比一九・三%増となる二千八百六十九万人となりましたが、訪日外国人旅行者数二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人の目標達成に向けましては、急増する外国人旅行者に一層御満足いただき、リピーターとなっていただくことが大変重要と考えております。

 昨年の実績ではリピーターが対前年比で二割以上増加をいたしましたが、更に多くの外国人旅行者のリピーターを獲得するために、訪日旅行の質の向上を目指す必要があると考えております。

 そのため、これまで以上に、空港、港湾のCIQ体制の強化、貸切りバスや宿泊施設の確保等の受入れ体制の充実や、我が国の自然や文化財、食などの観光資源の磨き上げと多様な魅力の発信等、訪日いただいた方々の満足度を高めるよう努力する必要がございます。

 また、一度訪日いただいた外国人旅行者に対しましても、再度別の地域や季節に訪れていただけるよう、国内各地の魅力や四季折々の魅力等の発信を通じまして、一度の訪日だけではわからない日本観光の奥深さを認識していただくことも重要であります。

 こういった観点から、世界が訪れたくなる日本を目指しまして、観光ビジョンに盛り込まれた施策を政府一丸、官民一体となって着実に実施をしてまいりたいと考えております。

もとむら委員 訪日外国人が期待することに、食事や温泉と自然、景勝地鑑賞がございます。昨今話題となっている温泉・ガストロノミーツーリズムなどはこれを満たすものであり、地方への誘客にも有効だと思いますが、こうした取組を政府としてもどのように支援していくか。お伺いいたします。

田村政府参考人 我が国は、自然、文化、気候、食という観光振興に必要な四つの条件を兼ね備えており、これらの豊富な観光資源を活用し、地方創生の礎としていくことが重要であります。

 中でも、日本食や自然、景勝地観光、温泉入浴、日本の酒は訪日動機の上位に位置づけられており、特に温泉入浴は、次回も体験したいこととして満足度が高い観光資源の一つです。

 民間の団体と地方自治体が連携して行っている温泉・ガストロノミーツーリズムは、これまで必ずしも面的に結びついていなかった食、自然、歴史、文化等の地域資源を温泉地を拠点にしてウオーキングで結ぶことにより、地域資源の磨き上げや地域内連携の強化に資するツーリズムであると理解をしております。

 国土交通省といたしましても、このような体験型観光を通じまして、全国津々浦々の豊富で多様な観光資源を磨き上げる取組を支援し、地方への誘客の増加に取り組んでまいりたいと考えております。

もとむら委員 時間になりましたので、これで質問を終わりにします。

西村委員長 次に、伊藤俊輔君。

伊藤(俊)委員 希望の党の伊藤俊輔でございます。よろしくお願いいたします。

 冒頭、各委員からも森友の質問がありましたけれども、私からも数問質問させていただき、国際観光旅客税の質疑に入らせていただきたいと思っております。

 森友問題で、公文書の改ざん、隠蔽、そういったものが明らかになり、今、政治の信頼が根底から失われている。そんな中において、財務省のみならず、国交省にもその疑惑がかけられている。そんな現状、説明責任が問われていると思っています。

 井上委員やあるいは初鹿委員の方からも質問がありましたけれども、改めて質問させていただきたいと思います。

 さきの報道で、財務省は、近畿財務局だけでなく国交省にも改ざんを依頼していたとの報道がありました。石井大臣は、まだ確認ができていない、あるいは確認をするという答弁をきのうされていると思います。そしてまた、国交省ももちろん調査に努力されていることと思いますけれども、一日たって、きょう局長からも、調査中だと明確な回答がありませんでした。

 その経過について、どんな調査が行われているのか、あるいは職員にどれくらいの聞き込みが今できているのか、そんな経過の報告すらもできないということであれば、これは極めて不誠実だと私は言わざるを得ないと思っております。

 改めてお聞きをしたいと思います。財務省又は近畿財務局などから、改ざん前、改ざん後の文書などについて何らかの指示や問合せがあったかどうか。そしてまた、調査の経過を教えていただきたいと思います。

石井国務大臣 委員の御趣旨の報道が昨日あったことは承知をしております。これは昨日の参議院の予算委員会でも答弁をさせていただきまして、事実関係が確認できておりませんので、確認を始めたところでございます。

 先ほど航空局長からも答弁をさせていただいているところでありますが、現在、大阪地検による捜査が進められている中で、財務省において引き続き調査が進められているところでございますので、財務省で行われている調査の状況も見きわめながら確認を進めていきたいと考えております。

伊藤(俊)委員 大臣、調査の経過ぐらいは、どんな調査が今行われているか大臣が指示をしていただければ、それぐらいのことはお答えいただいてもいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。

石井国務大臣 当時の担当職員に対する聞き取りなどが当然考えられるわけでありますけれども、今ほど申し上げたとおり、報道では財務省が依頼をしたというふうにされておりますが、依頼をしたと報道されている財務省においても引き続き調査が進められているところでありますので、財務省で行われている調査の状況も見きわめながら進めていきたいと考えております。

伊藤(俊)委員 速やかに調査結果を出していただきたいと思っております。

 もう一点、国交省は、三月二日の報道で初めて異なる二つの文書を把握し、三月五日、財務省に伝え、改ざん前の決裁書のコピーを渡したとされております。

 もし今回の報道が事実ならこれまでの国交省の答弁や説明も問題になるかと思いますけれども、改めて、国交省は二つの決裁書が存在することを三月二日の朝日の報道の前に確認をしていた事実はありませんでしょうか。

蝦名政府参考人 このたびの決裁文書の書きかえの報道につきましては、三月二日に本件につきまして朝日新聞による報道がございまして、その報道の当日に、財務省から国会議員等に公開されている決議書を入手いたしまして、航空局内にあるものと比較をして確認をしたところ、財務省が公開している決議書と航空局で保有している決議書のうち、貸付決議書の添付資料の一部が異なる記載があるということが判明をしたということでございます。

伊藤(俊)委員 では、野党合同ヒアリングの場で会計検査院が、二十九年四月下旬には、財務省からの決裁書と国交省からの決裁書、二つ、異なった文書の存在を認めております。会計検査院は財務省には確認をしたと言っておりますけれども、国交省には確認をしていないという信じがたい発言をしております。

 会計検査院から、国交省が提出された決裁書について本当に確認等の問合せはなかったんでしょうか。

蝦名政府参考人 会計検査院に対しましては、参議院からの御要請に基づきまして行われた特別検査におきまして、平成二十九年四月二十六日、航空局で保有していた貸付決議書を提出しております。

 決議書の提出後、会計検査院より、財務省提出分と異なる部分があったことも含めて、この決議書についてお尋ねは国交省にはなかったというふうに承知をしております。

伊藤(俊)委員 常識では考えられないことだと思っています。二つの正式な異なる決裁書が存在していながら、双方に確認をする、これが現実的な対応だと思いますけれども、もし本当に確認をしていないということであれば、これは、会計検査院の役割やチェック機能にも大きな問題があると言わざるを得ないと思います。

 そしてもう一点、業者が地検に対し、三・八メートル、ごみの埋蔵量などを改ざんするよう学園や財務省からの指示を受けたとの報道がありました。

 この件、業者に対して、国交省並びに航空局などから指示、問合せなどをした事実はないでしょうか。

蝦名政府参考人 そのような問合せとか指示とかというようなことはないものだと承知しております。

伊藤(俊)委員 ありがとうございます。

 当時、二十八年四月五日に、業者と航空局ともに立会いのもと、現地の確認をしていると思いますけれども、これまで提示をされている工事の写真や、あるいはいろいろな質疑の中からも、明確に証明できる根拠にはなっていない、私はそう思っておりますけれども、いまだに、八・二億円の算出、これは妥当と言えるんでしょうか。私は妥当と言えないと思いますけれども、どうでしょうか。

蝦名政府参考人 報道されております内容が事実か否かわからない中で、大阪航空局の見積りの考え方が変わるということではございません。

 いずれにいたしましても、大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去、処分費用の見積りにつきましては、売り主の責任が一切免除されるとの特約を付すことを前提に、その実効性を担保するため、既存の調査で明らかとなっていた範囲のみならず、職員によります現地確認などの追加材料も含めまして、当時の検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであることと御説明をしてきております。

伊藤(俊)委員 既に八億円値引きの根拠が会計検査院からも十分ではないという指摘もある中で、今回こういう報道が事実なら、航空局の算出も、改めて、八億円の値引きがありきで最初から進められたのではないかと言わざるを得ない状況だ、私はそう思っています。

 そもそも今回の問題の核心は、このごみが本当にあるのかないのかだと思います。これだけの指摘を受けながら再調査もせずに、これは早期に調査をして、もしごみがあることが立証されたならば、国交省として説明責任を果たすことができます。もしごみがないことがわかれば、これまでの政府の対応も今とは変わっていたと私は思いますし、財務省の改ざんも、また、もしかすれば自殺者の方も防げたのではないか。こういう意味では、国交省の責任が大変重いのではないか、そう思っております。

 それでも再調査をやらないんでしょうか。やっていただけませんか。

石井国務大臣 同様の御指摘は実はいろいろな方からいただいておりますが、現状、当該土地がどうなっているかといいますと、森友学園側から校舎の建設を請け負った工事事業者が、工事代金の未払いのために建物については所有権を主張しております。土地については留置権を主張しておりまして、いずれも占用されているという状況でございますので、直ちに当該土地について調査は困難な状況でございます。

伊藤(俊)委員 以前もそういう質問、回答されているのを聞いておりますけれども、承知の上で質問させていただいております。

 これは、再調査をすれば国交省の方の疑惑も晴らすことになる、私はそう思いますので、努力を続けていただきたい、ぜひ調査もしていただきたいと思っております。

 時間が限られておりますので、この事実確認は追及をしていくこととして、国際観光旅客税についても質問させていただきたいと思います。

 国際観光旅客税は、国税として二十七年ぶりの新税ということになります。この間わずか二カ月弱の期間で十分な議論をなされたのか。そういう指摘に対してどのような説明をされますでしょうか。

 また、負担額千円について、利用者のことも考えれば、座席ごとの税額に差をつける、そんな方法もあったのではないかと考えます。そして、そういう意見が出ていたということも承知をしておりますけれども、海外の事例なども比較をして具体的な導入コストなどの検討をされたのか。お聞きをしたいと思います。

田村政府参考人 国際観光旅客税の検討は、一昨年三月の観光ビジョン、そして昨年六月の未来投資戦略二〇一七において、観光施策に充てる財源の確保を目指すとされていることを踏まえたものでございます。

 昨年九月には、外部の有識者や関係者も交えた観光庁の有識者検討会を行いまして、当初から新税ありき、国民負担前提の検討ではなくて、諸外国の事例を参考にしつつ、関係事業者や地方自治体の御意見も幅広く伺いながら、ゼロベースでいろいろな選択肢について丁寧に御議論をいただきました。

 検討会では、事業者からは観光財源の必要性についておおむね理解が示されたほか、財源の使途については負担者の納得感が得られるものとすべきとの意見が多く寄せられました。

 また、観光施策がその範囲に幅があり、今後も高度化を遂げていくといった観光施策の特性に鑑みれば、受益と負担の対応が相対的に厳格に求められる手数料方式に比べ、毎年度の予算編成で機動的に必要な措置を講ずることのできる税方式が適当であるとの提言がなされたところでございます。

 あわせて、事業者の徴収実務についても検討を行った結果、簡素な制度設計等を通じて事業者の負担軽減を図るべきとの提言がなされているところでございます。

 今、負担額千円の御質問がございました。税額の水準につきましても、この有識者検討会におきまして、旅行需要の影響等について航空業界等の関係事業者や地方自治体からヒアリングを行うとともに、海外事例の比較を含めて検討いたしました。

 イギリスやドイツのような欧州各国の場合は、国内線を含めた航空旅客に座席別、距離別の区分に応じて税額に差額をつけた航空旅客税を導入しておりまして、税収は一般財源として活用されております。

 他方、韓国やオーストラリアなどでは、出国旅客に一律、定額の負担を求め、その全部又は一部を観光財源として活用しているところでございます。

 我が国とインバウンド旅客の獲得という点で競争関係にある韓国、中国、台湾、香港など近隣アジア諸国では、出国旅客におおむね千円から二千円程度の負担を求めております。

 これらを踏まえて、検討会では、観光財源の確保策として、近隣アジア諸国との競争環境や訪日旅客需要への影響等を考慮し、一人一回の出国につき千円を超えない範囲で、必要となる財政需要を勘案しつつ検討することという提言がなされたところではございまして、これを踏まえて今回の新税の要望に至ったものでございます。

伊藤(俊)委員 それでは、先ほど言った座席ごとに税額の差をつける、そんな具体的な導入コストの検討というのはされたんでしょうか。

田村政府参考人 やはり総合的な勘案が必要でございますけれども、近隣アジア諸国等との競争関係、それから、内外の旅行者の旅行費用に占める全体の額をできるだけ影響を少なくするために低く抑えるということ、そして、徴税の実務の面で、事業者からはできるだけ簡素で一律の徴税をしてほしいという意見が多く寄せられたということを踏まえて、こういう要望をさせていただいているということでございます。

伊藤(俊)委員 総合的な判断ということはわかります。できれば具体的な導入コストなどの検討、恐らくされていないのではないかなと思いますけれども、LCCなどの事業者からも具体的な意見が出ていたということも聞いておりますし、逆進性の観点からも、導入コストなど具体的な検討があってしかるべきだろうと思っております。指摘をさせていただいて、また次に質問させていただきたいと思います。

 これはもとむら委員からも質問させていただきましたが、外国人観光旅客の地方への誘客はまだ道半ばの状態、さらなる取組が必要と考えられますけれども、その認識と、そしてまたリピート率の回答もいただきました。これは、どの地域がどういうリピートになっているかなどの具体的な調査が行われているか。あるいは、もしその調査の仕方、具体的な案があれば教えていただきたいと思います。

田村政府参考人 まず、地方誘客の問題でございますけれども、観光は我が国の地方創生の柱でございまして、明日の日本を支える観光ビジョンにおいても、重要な三つの視点の一つとして、「観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に」と明記されているところでございます。

 その観光ビジョンに盛り込まれたいろいろな施策、政府一丸となって取り組んできた結果といたしまして、昨年の三大都市圏以外の地方部における外国人延べ宿泊者数は三千百八十八万人泊と、対前年比一五・八%増ということで、三大都市圏の対前年比一〇・二%増を上回りまして、だんだんに地方への誘客が進んでいるというふうに考えております。

 他方で、観光ビジョンでの目標というのは、二〇二〇年、地方部において延べ宿泊者数七千万人泊ということでございますので、この達成に向けまして、これまで以上に訪日外国人旅行者の地方への来訪、滞在拡大につながる取組を強化していく必要があるというふうに考えております。

 そのためには、観光地域のマネジメント及びマーケティングを担う法人であるDMOというのが非常に重要でありまして、これが中心となって、多様な関係者が広域的に連携した上で取組を進めることが重要でございます。

 地域固有の自然や生活、文化を活用しながら、各地域における体験型観光の充実を図るということで、広域連携DMO、地域単位のDMO、そして地方自治体等の多様な関係者による広域的な連携に向けた取組を支援してまいりたいというふうに考えております。

 それから、海外への情報発信というのも的確に行っていく必要があるということで、広域的な取組が非常に重要であるということで、今回の法案はおおむねブロック単位ぐらいのDMOや自治体等から構成される協議会制度を創設することとしているわけでございます。

 こういったいろいろな取組によりまして、地方の誘客というのを更に進めてまいりたいというふうに考えております。

 リピーターにつきましては、今手元にはございませんけれども、各国ごとにどれぐらいのリピーター率があるのかというのはある程度詳細にとってございます。その上で、例えば台湾ですとか香港というのは非常に今リピーター率が高くなってきております。中国はまだまだ初めて日本にお越しになる方というのが多いんですけれども、それでもこの二、三年で急速にリピーター率というのが高くなってきております。

 そうした詳細なデータも踏まえまして、各国ごとに戦略的な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

伊藤(俊)委員 都市間競争の観点から見ても各国のリピート率というのが調査としてあるということですけれども、日本の国内の各地域、特色を出しながら、いろいろな競争、御努力をされていると思いますけれども、各地域のまたリピート率なんかもこれは戦略的に調査をしていただいて、また次に活用ができる重要な観点だと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。

 そして、地方への来訪、滞在を拡大するためのさらなる利便増進措置の充実を公共交通事業者等に対し求めようとしておりますけれども、公共交通事業者等に対する国からの支援がないと取組の加速化は難しいのではないかと思います。それが一点。

 そしてまた、公共交通事業者等に、努力義務やあるいは義務化などの拡充によって過度な負担増にならないか。独自の、積極的に環境づくりを推進できるような、そんな環境が必要だと思いますけれども、どうお考えか。お聞かせいただきたいと思います。

田村政府参考人 委員御指摘の公共交通事業者による外国人旅行者の快適な旅行環境を整備する取組につきましては、平成三十年度観光庁予算において支援をすることといたしております。

 具体的には、地方部を中心とする鉄道、バス事業者による交通施設や車両等における無料WiFi環境整備、あるいは多言語案内用のタブレット端末の整備でありますとか、デジタルサイネージ等による多言語の案内表示の整備、そして、交通施設や車両等におけるトイレの洋式化等の取組を支援してまいりたいというふうに考えております。

 引き続き、この新しい財源も活用しながら高次元の観光施策に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますけれども、委員御指摘の、公共交通事業者が積極的に取り組める環境づくりにつきまして、公共交通事業者が利便増進措置を講ずることで訪日外国人旅行者の利用者がふえ、それを次の投資に結びつけていくことができるような好循環をつくることが重要であるというふうに考えておりますけれども、そのために、最初の段階としていろいろな支援が必要であるということでありますから、先ほど申し上げましたようないろいろな支援というものをしっかりと講じてまいりたいというふうに考えておりますし、この利便増進措置というのは、それぞれの交通事業者の体力に応じて具体的な施策というものを実施していくということでございますので、過度な負担にならないようなそういう対応になっているというふうに考えております。

伊藤(俊)委員 今回のことで義務化も拡大をしていくということを聞いておりますので、ぜひそこは対応していただきたいと思っております。

 そして、今、訪日外国人のうち、中国圏、台湾も含めてですが、約四割という現状だと思います。もちろん外国語の対応等々も必要かと思いますけれども、今、決済の問題も各委員からありましたけれども、特に中国では今、アリペイやウィーチャットペイなど、スマートフォンによるモバイル決済なども普及をしております。中国人の中でも、スマホを持たない高齢者や農民は支払い難民になりつつある。そんな現状も聞いております。

 中国人旅行者を更に日本に取り込む、そんなことも考えた上で、このアリペイ等のモバイル決済に対応した決済環境の整備が喫緊の課題だと思っております。

 これはデータがあればと思いますが、世界的にこのアリペイやウィーチャットペイなどの普及率がどのくらいになっているか。あるいは、日本国内では普及率はどんな状況になっているか。もし、これはわかればで大丈夫ですが、どんな環境か。教えていただきたいと思います。

田村政府参考人 また詳細は追って御報告をさせていただきたいと思いますけれども、急速に中国などで普及しておりますそういったスマホ決済につきましての受入れ環境というのは、我が国では相当おくれているというふうに考えております。

伊藤(俊)委員 中国圏が四〇%を占めるということもありますので、中国の方々がどんな決済の仕方が主流になっているかといったこともしっかりと取り入れていただいて、そしてまた、二〇二〇年に向かって、これは国家戦略としても大事な観点だと思いますので、ぜひ取り組みをいただきたいと思っています。

 そして私も、学生時代から社会人になってまでも、アメリカや中国に留学をしたり、あるいは十二年以上自分で会社を経営したり、外国に渡航することが多くありました。海外の生活の経験もあります。

 そんな中において、現実的に、WiFi環境を探して生活をしていた。ホテルやあるいは喫茶店や食事をするところも、具体的に、本当に前もって調べてから行動している。

 そんな状況だったと私も記憶しながら、今、WiFiの環境は極めて大事だと思う中で、多くの委員からも質問がありましたけれども、公共の施設等々だけではなくて、今後、これもまた東京五輪を含めて国家戦略として、ショッピングゾーンなど集客施設など、国の支援も拡大していく重要性があるのではないか、必要性があるのではないかということの見解をお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 今先生がおっしゃいますように、無料のWiFi環境というのは非常に重要でございます。先ほども申し上げましたけれども、観光庁が行った調査でも、訪日外国人旅行者の不満事項で非常に上位になっているということでございます。

 このため観光庁では、公共交通機関、観光案内所など、訪日外国人旅行者が多く集まる公共性の高い施設への無料公衆無線LAN、WiFi環境整備等の取組を支援しているところでございます。

 今後、更に多くの訪日外国人旅行者を受け入れられますように、無料WiFi環境整備を推進してまいりたいと思っております。

 なお、先生御指摘のショッピングゾーンなどの集客施設への支援につきましては、公共性の観点などから慎重な検討が必要だと思いますけれども、例えば、当該施設の中に観光案内所が設置されているというような場合には、そういう案内所に対しての支援というのは考えられると思いますし、今後、いろいろな御提案を伺って、精査してまいりたいというふうに考えております。

伊藤(俊)委員 ぜひ前向きに対応していただきたいと思っております。

 そしてもう一点、外国人の旅行者が買物をした後、大きな荷物を持って観光が楽しめないといったそんな意見も多くある中で、今対策をされていると思いますけれども、民間でも荷物を預かって配送するサービスなど広がりつつあります。

 通関等の問題もありますけれども、極めて、外国人の観光客がより買物をしていただく、楽しんでいただく、そんな観点からおいても、この配送のサービスとシステムを整えていく必要があると思いますけれども、現状、今後の展開等々について見解をいただきたいと思います。

重田政府参考人 お答えいたします。

 外国人旅行者の皆さんが荷物や土産物を持ち運ぶ不便を解消し快適な旅行環境を整備することは、旅行者の利便向上だけではなく、先生御指摘のように、消費の拡大にもつながるものと認識しております。

 私どもの国交省では、日本のすぐれた宅配サービスを活用しまして、次の目的地あるいは海外の自宅へ荷物を配送することを実現しまして、外国人旅行者に対し手ぶらで快適な旅行環境を提供する、いわゆる手ぶら観光というプロジェクトを推進しております。

 具体的には、外国人旅行者の皆さんが安心して発送依頼を行うことができます拠点として、手ぶら観光カウンターというものを設置を推進しております。平成二十八年度からは、多言語対応を可能としますタブレットの導入やカウンター設置に要する経費の一部について支援を行っているところであります。

 現在では、ちょうどこの三月で、全国で二百十カ所の設置に広がっておりますけれども、海外の自宅への荷物や土産物の国際配送に関しましては、相手国側における通関等の課題が先生御指摘のとおりございますが、昨年より、この手ぶら観光カウンターから日本郵便の国際スピード郵便、いわゆるEMSを利用したサービスは開始されているところでございます。

 国土交通省としましては、引き続き、外国人旅行者の皆さんの具体的な配送ニーズに即して、その受入れ環境の整備に取り組んでまいります。

伊藤(俊)委員 観光のみならず、二〇二〇年東京五輪などもありますけれども、国際競争あるいは都市間競争などを考えれば、国家戦略としても、このWiFiの環境や、あるいはモバイル決済、あるいは配送システムなど、早急に確立することが求められていると思います。

 引き続き対応を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

西村委員長 次に、広田一君。

広田委員 無所属の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。

 まず、第一条関係についてお伺いをいたします。

 今回、目的を全面的に改定をしたわけでございますが、特に目的そのものが、「国際相互理解の増進」という規定から、「我が国の観光及びその関連産業の国際競争力の強化並びに地域経済の活性化その他の地域の活力の向上に寄与する」に変わったわけでありますけれども、その理由についてまずお伺いをいたします。

石井国務大臣 改正前の国際観光振興法は、今から二十年前、インバウンドが現在ほど盛んではなく、旅行費用の低廉化等が課題となっていたことを背景に制定をされたものでございます。

 現在では、国際観光をめぐる状況は大きく変化をし、本格的な少子高齢化、人口減少を迎える中で、外国人観光旅客の来訪の促進は、我が国に対する理解の増進はもとより、我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱となってきております。

 このため、平成二十八年三月に策定をいたしました観光ビジョンにおきましては、二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人、二〇三〇年六千万人等の大きな目標を掲げ、観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充強化を図るため、政府一丸となって取り組むこととされております。

 これらを踏まえまして、本法案におきましては、外国人観光旅客の来訪を促進するための措置及び国際観光施策の財源に関する措置を講ずることによりまして、もって我が国の観光関連産業の国際競争力の強化及び地域経済の活性化等の向上を目的とし、それらを第一条において明記することとしたものでございます。

広田委員 御答弁を頂戴したわけでございますけれども、確かに、これから日本の成長戦略を考えた場合に、この観光業というもの、経済を前面に出すことは、実は自分の実家も観光業をやっておりまして、非常に賛成なところがあるわけでございますが、同時に、この現行法、確かに二十年前に制定されたものではありますけれども、外国人観光客を増加させることが、日本固有の文化、歴史等に関する理解が進んで、日本のよさ、すばらしさを世界に発信する、こういった視点もとても大切な視点だというふうに思います。午前中に赤羽議員さんの方からも、文化財保護の大切さについてお話があったところでございます。

 そういう意味で、本来、どちらかを選択をするというものではなくて、まさしく、先ほど来、リピーターをふやしていく、こういった議論もなされていたわけでございますけれども、この観光産業を成長産業とする意味でも、やはり日本の固有の文化、歴史、これをしっかりと守ってブラッシュアップさせて、世界に発信をさせていく。これは、むしろ両立をさせていかなければならないもう一方の大切な価値ではないかなというふうに思います。

 そういう意味で私は、なぜこれまでの規定というものを削ってしまったのか、この文言はやはり残した方がよかったんじゃないか、このように思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

    〔委員長退席、新谷委員長代理着席〕

田村政府参考人 第一条の改定の目的につきましては、今大臣から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、改正後の第一条におきましても、「外国人観光旅客の来訪を促進することが」ちょっと飛ばしますけれども、「我が国に対する理解の増進に資するものであること並びに国際観光旅客の往来を促進することが国際交流の拡大に資するものであることに鑑み、」というその部分は削っておらないわけでございます。

 この点が非常に重要であるという認識は私ども全く先生と同感でございますし、これまで経済のことは全く書いていなかったというところが問題ではあったわけでございますけれども、この両立というのは非常に重要であるというふうに考えております。

広田委員 そうしますと、確認なんですが、先ほど長官の方からも御答弁がございました。当初からあった日本の固有の文化、歴史、これを大事にしていくんだ、これを世界に発信していくんだという理念は、先ほどの理解等々の増進の中に含まれている、そういう思いはしっかりと理念は残っている、こういう理解でよろしいんでしょうか。

田村政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。

広田委員 それでは、次に七条関係についてお伺いをいたします。

 この七条関係についても、午前中、午後、段々の御議論があったわけでございます。

 このたびの改正で、公共交通事業者等が講ずべき措置について、現行法の外国語などの情報提供に加えて、WiFiや洋式トイレの整備、設置など、これは非常に具体的に規定をしているわけであります。

 これらは既に多くの事業者でも取り組んでいるということも段々のお話でもあったわけでございますが、やはり外国人旅行者の地方への来訪、滞在というものを更に拡大させるためには、これはむしろ最低限やっていかなければならない受入れ環境の整備だというふうに考えるところでございます。

 その上でお伺いをいたしますけれども、最低限しなければいけないことではありますけれども、こういうふうに法律に規定をするということは私は大変重いことだろうというふうに思いますので、確認の意味で、今回追加規定をした理由についてお伺いをしたいと思います。

田村政府参考人 やはり、もとの法案が制定されましたときには、一番の問題というのが、交通事業者の多言語表示等、外国語による情報提供ということに焦点が当たっておったわけでございます。

 しかしながら、昨今、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、日本にお越しになる外国人の旅行者の方々も、団体旅行から個人旅行に変わってきておられる。そして、個人旅行になられますと、団体旅行で添乗員さんに連れられて団体のバスでがあっと行動しているときには気がつかなかったいろいろな不便というものを、個人でスマホを持って情報をとり、そして自分で切符を買って例えば電車に乗り、そして博物館なんかへ行って、自分でその表示を読まなきゃいけない。そして、お店で食事や買物の注文をしなければいけない。そういういろいろなところで不便をお感じになっている。そういうことがございます。

 そういうこともありますものですから、この七条におきまして、もう少し幅広い、いろいろな利便増進措置というものについて努力をしていただきたいということで追加をさせていただいたということでございます。

広田委員 FITに対応してさまざまな取組を追加をしていくということでございます。

 一方、法律に規定された取組、これを進めるということになりますと、現実的には、事業者の皆さんに対して費用負担が増大をすることになるわけでございます。もちろん、利用者が増加をしていくということに伴ってやる設備投資ということであれば、本来は、民間事業者であれば独力で実施をする、これが基本でなければならないというふうに思うところでございます。

 しかしながら、先ほど来言っていますように、努力義務とはいいましても、また、今回のこの出国税については既存の制度には基本的には充てないといったような制約があるわけでございますけれども、しかしながら、七条で規定をいたしました国の責務というものも私は大変重いものがあるのではないかなというふうに思います。

 先ほど来、田村長官の方から、なぜ規定をしたのか、その思いについての御説明があったわけでございますけれども、そういったFITの方、外国人の旅行者の方々が、ストレスフリーで全国津々浦々、日本の観光を楽しんでいただく。そのために、この七条に掲げたいろいろな課題というものを解決をしていくというためには、もちろん今回の税というものは、新規性であるとか先進性、緊急性、こういったものを十分踏まえつつ、特に経営基盤が脆弱な事業者、うちでいえばJR四国なんかもずっとトイレについても和式でございまして、高知をよく知っている田村長官だったらよく存じ上げているというふうに思いますけれども、そういったことも含めて、やはり財政支援といったこと、既存の事業でございますので、さまざまな慎重な検討等はしていかなければならないというふうに思いますけれども、この面についての御所見をお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 先生御指摘の公共交通事業者による外国人旅行者の快適な旅行環境を整備する取組につきましては、特に経営基盤が脆弱な事業者への支援というお話でございますけれども、平成三十年度観光庁予算におきまして従来よりも支援を拡充することといたしております。

 具体的には、経営基盤が脆弱な事業者も含めまして、地方部を中心とする鉄道、バス事業者による、車両等における無料WiFi環境整備、多言語案内用タブレット端末の整備、交通施設や車両等におけるトイレの洋式化等の取組を新たに支援してまいりたいと考えております。

 今後とも、いろいろ精査してまいりますけれども、観光促進税等も活用しながら高次元の観光施策に取り組んでまいりたいと考えております。

広田委員 どうかよろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人のこの目標達成のための必要な施策の一例で掲げられているものに受入れ環境整備があるわけでございますけれども、その具体例といたしまして、地方の観光地における二次交通などの利便性の向上、こういったものが挙げられております。

 そこでお伺いしたいと思いますけれども、この二次交通、三次交通の現状や課題についてどう認識をされているのかお伺いをしますとともに、その利便性の向上のためにどのような具体的な支援策といったものを考えられているのか。これは古くて新しい問題でもありますけれども、御所見をお伺いをいたします。

田村政府参考人 訪日外国人旅行者の個人旅行化が急速に進む中で、鉄道、バスなどを利用して地方の観光地をめぐる旅行者がふえておりまして、地域の足としてのみならず、今後、こうした訪日客の旅行動態の変化に対応する上でも、ますます公共交通の役割は重要になってきているというふうに考えております。

 この点、先ほどからいろいろ出ております、昨年度に観光庁が訪日外国人旅行者に対して旅行中に困ったことについてアンケート調査を行ったところ、公共交通機関の利用についての不満というのは、いろいろなものと並んで上位の不満項目となっておりまして、公共交通の早急なサービス改善は喫緊の課題だというふうに認識をしております。

 公共交通政策全体の話でありますけれども、観光庁といたしましてできるところといたしましては、平成三十年度観光庁予算において、先ほど申し上げました、従来よりもこの支援を拡充して、地方部を中心とする鉄道、バス事業者によります無料WiFi環境整備でありますとか、それから多言語案内用のタブレット端末の整備でありますとか、トイレの洋式化でございますとか、こういった取組を新たに支援してまいりたいというふうに考えておりますし、この先につきましても、観光促進税なども活用しながら、高次元の観光施策に取り組んでまいりたいと考えております。

広田委員 もちろん、こういった二次交通、三次交通というのは、観光の視点だけで進めるものではありません。しかし、国土交通省の場合には交通政策基本法があるわけでございまして、そういった全体的な視野に立ってこの二次交通、三次交通というものを考えていただく。外国人の方にとっても乗り継ぎがスムーズなそういった交通体系というのは、地方に住む方にとっても私はプラスになるというふうに思うわけでございますので、そういう視点も大事にしながらぜひ施策等も進めていただければなというふうに思います。

 続きまして、使途についてお伺いをいたします。

 今回の国際観光旅客税の使途でありますけれども、その基本方針の1で、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備というものが掲げられております。来年度予算案でも、お手元の方に資料等も配付をさせていただいておりますけれども、最新技術を活用しました顔認証ゲートや税関検査場の電子化ゲートなどの整備などによるCIQ体制の整備について二十億円計上をしているところでございます。

 そのうち、出入国の顔認証検査の整備に約十二億円充てられることになります。これは、羽田、成田、関空、中部、福岡の五大空港で使われるというふうにお聞きをしているわけでございますけれども、その理由と十二億円の内訳について示していただきたいと思います。

 これは法務省の佐々木審議官、よろしくお願いします。

佐々木政府参考人 それではまず、平成三十年度予算案におきまして、国際観光旅客税を充てる施策のうち、法務省に計上されております十二億円の内訳について御報告を申し上げます。

 まず、日本人出帰国手続用顔認証ゲートのシステム運用支援や案内整理員の委託に必要な経費として約五億六千万円、同ゲートの外国人出国手続への対応のためのシステム改修に必要な経費として約四億七千万円、空海港施設の拡張に伴います審査端末機器等の整備に必要な経費として約一億二千万円、さらに、増加するクルーズ船旅客に対応するため、審査端末機器等の整備に必要な経費として約五千万円となっております。

 今御指摘の顔認証ゲートにつきましては、日本人出帰国者数の多い空港として、全部で合わせて日本人出帰国者全体の約九五%の方が利用されています成田、羽田、中部、関西、福岡空港の五大空港を選定し、導入を予定しているものでございます。

 法務省といたしまして、これらの取組を進め、今後も、円滑な入国審査とあわせて、厳格な水際対策、これを高度な次元で両立させることができるよう努めてまいります。

広田委員 御答弁を頂戴をいたしました。

 それでは確認なんですけれども、この五・六億円の内訳というのは、これは顔認証ゲートの機器そのものの設置というものではなくて、例えばコンシェルジュとかシステムエンジニアとか、そういった人件費の委託費といった理解でよろしいんでしょうか。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 人件費といいましても、今御指摘のように委託費ということになりますけれども、この顔認証ゲートを運用するために必要なもろもろの関係経費と御理解いただきたいと思います。

広田委員 済みません、これは観光庁、国交省に確認をしたいんですが、こちらの資料、お配りをさせていただいているところでございます。

 今回、具体的な使途ということで、最新技術を活用した顔認証ゲートの整備等によるCIQ体制の整備というふうになっております。これだけ聞きますと、顔認証ゲートの機器を設置をする、そのためにこれだけのお金を使っているんだというふうに読むのが私は自然なんだろうというふうに思いますが、これが実は大宗が委託費というふうになってしまうと、考えてみますと、委託費ということになれば固定経費になってきます。

 本来、具体的な使途を考える際に基本方針等がございまして、この税金といったものは硬直的な予算配分にはしないというふうなことが掲げられているわけでございますが、そうすると、今後、いわゆる委託費を含めた人件費ということであれば、このシステムを運用する以上ずっと固定経費として計上されていく、こういったような理解になってしまうんですけれども、この点についてどのように整理、理解をされているのか。お伺いしたいと思います。

    〔新谷委員長代理退席、委員長着席〕

田村政府参考人 税収の使途につきましては、先ほど先生もおっしゃいました、昨年暮れの基本方針に基づいて精査をしていくということでございますけれども、まず、三十年度につきましては、新規性、緊急性等の観点から必要な施策というものをピックアップしたということでございますけれども、三十一年度以降につきまして、これらの受益と負担の関係、それから先進性でございますとか、そして効果の問題でありますとか、いろいろな観点を踏まえまして精査をしていくということでございますし、それは毎年洗いかえができるように検討をしていくということでございます。

広田委員 いや、田村長官のその方針というものは自分たちも了とするわけでありますけれども、しかし、その方針とちょっと違う使い方がされているんじゃないかということであります。

 つまり、これは大事な事業だと思います、それはもちろん人なかりせばこういった認証ゲートというのは運用できないわけでありますので、これは私は必要な経費だというふうに思いますが、しかしながら、段々お話があったように、この使途等については固定化しないんだ、そして先進性の高いものに使っていくんだというふうなお話があるわけでございまして、これを三十年度で最初に認めますと、今後もずっとこのシステムを運用する以上、固定費として計上していかなければならないんじゃないかなというふうな懸念が残るわけですけれども、そういうことはない、今年度限りのものだというふうな理解でよろしいんでしょうか、では。

田村政府参考人 三十一年度以降の使途につきましては、タスクフォースにおきまして有識者の意見も聞きながら、その基本方針に基づいて十分に精査をして決めていくということでございます。

広田委員 ちょっとほかにも聞きたいことがあるのでこれ以上は言いませんけれども、いずれにいたしましても、この国交省さんがおつくりになった資料を見ますと、これは顔認証ゲートの機器を設置するんだというふうにやはり普通読めてしまいますし、これであれば、それは出国税を使ってしっかりと整備をしていかなければならないという国民の皆さんの理解も得られるんでしょうけれども、実は中身がそうではないんだということになってしまうと、これはまたいろいろな議論が出てくるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひ、三十一年度以降はさらなる精査というものもお願いをしたいと思います。

 それで、これがちょっと今後の課題になるんですけれども、先ほど御答弁があったように、羽田等々五大空港、これからやはり保安検査についても、顔認証の整備というものを進めていかなければならないというふうに思います。

 そのあり方について、それこそ三十一年度以降検討すべきだというふうに思いますけれども、これは航空局の御所見をお伺いをいたします。

蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨今の国際テロの脅威が高まる中で、荷物の預け入れ時の対応を含めまして航空保安対策の強化を速やかに進めることが喫緊の課題となっておりまして、国土交通省といたしましては、テロに強い空港を目指して、航空保安検査の高度化を進めているところでございます。

 一方で、国際観光旅客税の税収につきましては、昨年十二月の観光立国推進閣僚会議で、今先生御紹介のございましたような基本方針に基づきまして、具体的な施策、事業を検討することとされていますと承知しております。

 航空局といたしましても、引き続き航空保安対策の強化に取り組みますとともに、保安検査も含めた航空分野において国際観光旅客税の税収により実施すべき取組としてどういったものが考えられるかということを真剣に検討して、今後の予算編成あるいは基本方針での具体的な検討にしっかりと対応してまいりたいと思っております。

広田委員 ぜひしっかりと対応していただくと同時に、計画的に整備等も進めていただきますようによろしくお願いを申し上げます。

 そこで、航空保安のお話がございました。先ほど、もとむら議員の方からもお話があったんですけれども、確かにこの航空保安、今、国と航空会社、費用を折半しているというふうなことでございます。その御答弁がるるあったわけでございます。

 しかし、その国の負担分、実は中身を見てみますと、空港使用料からの収入が多くを占める、いわゆる空港整備勘定からの補助であります。ということは、これは実質は航空旅客であるとか航空会社がその多くを負担をしているというふうな、原資はなるわけでございまして、そういうことを考えたときに、確かに折半ということは理解はできるわけでございますけれども、しかし一方で、これからテロ対策というのは国家的な課題であるとすれば、航空保安における費用負担のあり方については、やはり、国の一般財源を含めて負担割合というものを引き上げていく方向で私は検討すべきだというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いをいたします。

蝦名政府参考人 航空保安対策につきましては、ルールを国がつくり、その具体的な実施主体として各国に委ねられた責任のもとで、官民連携で実施をしているという状況でございます。

 航空保安に対するその費用の財源につきましては、やはり最終的には受益と負担の関係を明確にした形で旅客に御負担いただくのが原則と考えておりまして、これは、大多数の主要国でも同様な考え方がとられていると思います。

 他方で、保安検査機器の整備費用、あるいは保安検査業務を行う検査員の費用などを含めましてさまざまな形で積極的に支援を行うという形で、国としても、航空保安体制の充実、そういったものに積極的に御支援を申し上げるという形で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

広田委員 ぜひともよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、最後になると思うんですけれども、使途に関連してもう一問お聞きをいたします。

 基本方針の2におきまして、多様な魅力に関する情報入手の容易化に関連してお伺いをいたします。

 日本の食文化に触れることは、外国人旅行者が日本を訪問する一つのきっかけであります。しかしながら、段々のお話がございましたように、日本食の説明について訪日客への多言語対応等が必須でありますけれども、例えば外国人の方が、自分のふるさとであります土佐の名物料理である皿鉢料理とか清水サバとかカツオのたたきとか、こういうことについて知りたいと思っていても、お店のスタッフの説明では語学力の課題があります。これは、午前中に自民党の三谷議員さんの方からも言葉の壁の体験談の御紹介もありましたし、アンケートでもこのことが裏づけられているわけであります。

 例えば、これから恐らくホテル関係とか飲食業から出てくると思いますけれども、メニューにQRコードをつけて、その料理の特徴を多言語で説明するサービス、こういったことが今後ますます求められてくるんじゃないかなというふうに思いますけれども、このようなサービスの体制を整備することがこれから非常に重要になってくるし、この2の多様な魅力に関する情報の入手の容易化に資する取組になるんじゃないかなというふうに考えますけれども、この点についての御所見をお伺いをいたします。

田村政府参考人 先生御指摘のように、外国人旅行者にとりまして、旅行中の日本食の説明に関する多言語対応でございますとか、それらを説明するスタッフの語学力の問題、これは非常に重要でございます。こうしたことを始め、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化を図っていくということが我々は必要であるというふうに認識しております。

 そういう意味で、先生の御提案も含めまして、平成三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきまして、基本的な考え方に照らして十分精査してまいりたいというふうに考えております。

広田委員 時間が来ましたので、これで質問を終了いたします。どうもありがとうございました。

西村委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 まず、前回の質問の最後にお伺いした財務省の改ざん問題で、国土交通省には改ざん前のものがあったという二つの債権発生通知を国土交通省はいつ受け取ったか、その後調べていただいて、おわかりになりましたか、大臣。

石井国務大臣 まず、貸付契約に伴う債権発生通知につきましては、平成二十七年六月九日から六月二十三日の間に本省航空局において受領していると考えられます。

 また、売買契約に伴う債権発生通知につきましては、平成二十八年の六月の二十日に本省航空局において受領していると考えられているところでございます。

宮本(岳)委員 お調べをいただきまして、ありがとうございました。

 これらの問題は引き続きお伺いをしていきたいと思っておりますが、きょうは法案について質疑を行いたいと思います。

 我が党は、日本の文化や歴史などの魅力が広がり、訪日外国人がふえることは歓迎すべきであり、訪日客が何度でも訪れてみたいと思うような日本の魅力を広げる取組を進めることは、もちろん必要なことであると考えております。

 前回の本委員会で石井大臣は、趣旨説明において、「観光は我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱」、こう述べられました。その目的の背景には、安倍政権の成長戦略や、二〇一六年三月三十日閣議決定の明日の日本を支える観光ビジョンなど、政府が進めてきた観光政策の数値目標の達成があるとこう思いますけれども、これは間違いないですね。

田村政府参考人 今回の改正法案でございますけれども、改正前の国際観光振興法、今から二十年前、インバウンドが現在ほど盛んでなくて、旅行費用の低廉化等が課題となっていることを背景に制定されたものでございます。

 現在では、国際観光をめぐる状況というのは大きく変化をいたしまして、本格的な少子高齢化、人口減少を迎える中で、外国人観光旅客の来訪の促進というのが、我が国に対する理解の増進はもとより、我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱となってきております。

 このため、平成二十八年三月に策定いたしました明日の日本を支える観光ビジョンにおきまして、この二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人等の大きな目標を掲げまして、観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充強化を図るため、政府一丸となって取り組むこととされております。

 こうした背景を踏まえまして、今般、外国人観光旅客の来訪を促進するための措置及び国際観光施策の財源に関する措置を講ずることによりまして、もって我が国の観光関連産業の国際競争力の強化及び地域経済の活性化等の向上を目的として、国際観光振興法の改正法案を提出させていただいているところでございます。

宮本(岳)委員 長々と答弁していただきましたが、つまり、観光ビジョン、こういうものの数値目標、これもそこに含まれると。当然のことだと思うんです。

 では、そもそも我が国の観光政策、政府観光政策の基本理念とはいかなるものかを議論したいと思うんです。

 政府の観光政策の基本理念の前提として、観光立国推進基本法があるわけでありますけれども、この法律の基本理念について、第二条第一項と第二項には何と書いてあるか。観光庁長官、お述べいただけますか。

田村政府参考人 観光立国推進基本法の第二条におきましては、観光立国の実現に関する施策の基本理念について規定しているところでございます。

 このうち、第一項におきましては、いわゆる、住んでよし、訪れてよしの国づくりの認識の重要性というのが規定されておりまして、具体的には、「観光立国の実現に関する施策は、地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生活の実現のため特に重要であるという認識の下に講ぜられなければならない。」というふうに記載されているところでございます。

 また、第二項におきましては、国民の観光旅行の促進の重要性というのが規定されておりまして、具体的には、「観光立国の実現に関する施策は、観光が健康的でゆとりのある生活を実現する上で果たす役割の重要性にかんがみ、国民の観光旅行の促進が図られるよう講ぜられなければならない。」というふうに規定されているところでございます。

宮本(岳)委員 まさに、住んでよし、訪れてよしの国づくりの理念、そして、国民の観光旅行の促進ということが我が国の政策の根本なわけであります。

 ところが、明日の日本を支える観光ビジョン、二ページ目には「「観光先進国」に向けて」というものがついておりますけれども、これも観光庁長官、上から十行目から後の三行、観光について何と述べてありますか。

田村政府参考人 明日の日本を支える観光ビジョンの前文、「「観光先進国」に向けて」、今先生御指示のありました十行目からでございますけれども、「観光は、まさに「地方創生」への切り札、GDP六百兆円達成への成長戦略の柱。 国を挙げて、観光を我が国の基幹産業へと成長させ、「観光先進国」という新たな挑戦に踏み切る覚悟が必要である。」というふうに書いてあります。

宮本(岳)委員 私は、ここには一つの大きな開きがあると思うんです。

 地方創生への切り札と言いますけれども、私はこの観光ビジョンを読んでみて、後に続く「視点一 観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に」というところを読んで驚きました。国立公園に民活を導入することや、「「文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ」などの表現、記述があったからであります。

 今国会の総理の施政方針演説においても、安倍首相は、観光立国は地方創生の起爆剤だとして、文化財保護法を改正してまで文化財の活用促進や、美しい環境を守りつつと言いながらも、その反面、自然に恵まれた国立公園についても、民間投資を呼び込み、観光資源として生かします、こういう演説を行いました。

 そこできょうは文化庁に来ていただいておりますけれども、ここで言われている文化財保護法の改正というものは、ここに言われる文化財の活用促進というものは、文化財の保存を二の次にするということでございますでしょうか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 文化財保護法では、文化財の保存と活用の両方が目的とされているところでございます。

 このような文化財保護の意義と社会状況の変化を踏まえ、文化審議会において、将来にわたり文化財保護を確固なものとするとの観点から文化財保護制度について検討が行われ、昨年十二月に文化審議会の答申がまとめられたところでございます。

 この答申を踏まえて、文化財の次世代への確実な継承のため、文化財保護法の改正法案を今国会に提出したところであります。

 文化庁としましては、文化財を観光資源として活用するためにも、修理など文化財の保存もしっかりと行い、文化財の保存と活用の両面から適切に取り組んでまいりたいと考えております。

宮本(岳)委員 文化財の保存を二の次にするということでは決してないという答弁だったと思いますが、文化庁はそう答弁しておりますけれども、では、観光庁はどうなのか。

 たくさん観光客を呼び込むことさえできれば、文化財や自然は破壊されてもよい、こうお考えですか。

田村政府参考人 明日の日本を支える観光ビジョンにおきましては、「「文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ」という文言が掲載されております。

 これは、我が国の重要な観光資源である文化財が良好な状態で保存されているということを大前提として、文化財の価値を内外の観光客に理解してもらうことが重要であるとの認識のもと、適切でわかりやすい多言語解説の整備充実を推進するとともに、効果的な情報発信等を行い、文化財の観光資源としての魅力を最大限に開花させるという趣旨であるというふうに考えております。

 このため、観光庁といたしましては、これまで、文化庁と連携しながら、英語解説の改善充実に当たってのガイドラインの策定等に取り組んできたところでございます。

 また、今般の国際観光旅客税の税収を充てる施策の一つとして、平成三十年度予算におきましても、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上に係る施策として、文化財等に関する多言語解説の整備に取り組むこととしております。

 このように、明日の日本を支える観光ビジョンに基づき、文化財の保存と理解促進、活用を両立するべく取り組んでいるところでございまして、文化財が傷むこともいとわないというようなことは全くございません。

宮本(岳)委員 最後のところだけでいいんですよ。

 国は、本来、観光資源に利益優先の企業が参加して自然や文化財が壊されることに歯どめをかけ、守るべき立場でなければなりません。

 私は、先日、私自身、籍を置いたことのある和歌山大学を訪ねました。この大学の観光学部は、国連世界観光機構から、世界の観光学教育、研究をリードする大学、研究機関が受けるTedQual認証を日本で初めて受けている大学であります。藤田武弘学部長も、日本の文化財など大切なものを守ってこそ真の観光振興になりますとおっしゃっておりました。大変重要だと思います。

 今、文化庁と観光庁は、文化財や自然保護を二の次にするものではないと答弁をされました。その約束をくれぐれも忘れないで、しっかり守っていただきたいと思います。

 さて、そういうもとで今政府の進めていることは何かと。

 首相は施政方針演説で、IR推進法に基づき、世界じゅうから観光客を集める滞在型観光を推進してまいりますと述べました。そこで、複合観光施設、いわゆるカジノIRについて問いたいと思います。

 本法案の新税の使い道からカジノIRは排除されておりますか、観光庁長官。

田村政府参考人 お尋ねのIRにつきましては、現在、内閣官房におきまして具体的な制度設計に関する検討がなされておりまして、現時点ではその具体的な内容が明らかになっていないものと理解しておりますので、お尋ねの点につきまして現時点で確定的にお答えすることは困難であるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、国際観光旅客税の使途につきましては、毎年度の予算編成の中で、受益と負担の関係や、先進性、費用対効果等の観点からしっかりと精査してまいりたいというふうに考えているところでございます。

宮本(岳)委員 端的に答えてくださいよ。

 角度を変えて聞きましょう。法文上、本法案には、カジノIRには使えないという規定がございますか。

田村政府参考人 使途につきましては、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報入手の容易化、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上、この三つの分野に充当するというふうに規定されているところでございます。

宮本(岳)委員 ちゃんと聞いてくださいよ。これを排除する法文はないと思うんです。

 この新税はMICEには使うんですね、観光庁長官。

田村政府参考人 三十一年度以降の使途につきましては、基本方針に基づきまして、十分精査して決めてまいりたいというふうに考えております。

宮本(岳)委員 いや、MICEには使えるんですね。

田村政府参考人 国際会議、あるいは展示会、こういうものの誘致というのは非常に観光の促進にも重要でありますので、はなから排除するものではないというふうに考えております。

宮本(岳)委員 きょうは内閣府のこのIRの担当の部局にも来ていただいております。

 お伺いしますが、カジノIRにはMICEは必置ではありませんか。

高橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 IR推進法を踏まえまして、IR推進会議の取りまとめにおきましては、委員御指摘のMICE施設につきまして、IR施設を構成すべき中核施設の一つとすべきとされておるところでございます。

宮本(岳)委員 まさにIR推進法第二条により、MICEは必置なんです。中心的な施設として求められるわけです。

 カジノIRにMICEは中心的施設として必置であり、そしてMICEには新税が投入できる、今そういう答弁でありました。それでどうして、カジノIRに使わない、こう言い切れるのか。これは言い切れませんね、観光庁長官。

田村政府参考人 カジノIRという御質問、何を指すのかというのは必ずしも明らかでございませんけれども、今内閣官房で制度設計をしておりますのは、いわゆるIRでございます。

 これにつきましては、現時点でその具体的な内容が明らかになっていないというふうに理解しておりますので、お尋ねの点について現時点で確定的にお答えすることはできないというふうに考えております。

宮本(岳)委員 カジノIRが何を意味するのかは、たった今内閣府がお答えになったとおりですよ。それは、これから計画ですから確定的にお答えできないのはわかっているんですが、排除されないことは少なくとも認めざるを得ないでしょう。いかがですか。

田村政府参考人 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、現時点でその具体的な内容が明らかになっていないものと理解しておりますので、現時点で確定的にお答えすることは困難であるというふうに考えております。

宮本(岳)委員 よっぽどお答えしたくないほどカジノというのは、評判の悪い、そういうものに使われるというふうに言われると非常に困るようなものであるというようなことが何となく伝わってはまいりました。

 共同通信、世論調査を紹介したい。二〇一六年十二月十七、十八日、カジノを中心とする統合型リゾート施設整備推進法の成立を踏まえ、カジノ解禁の賛否を尋ねた問いであります。

 賛成が二四・六%、反対は六九・六%に上っておりますけれども、さらに、あなたの住んでいる地域につくる計画が持ち上がったらどう思うかとこう問いましたら、一般論以上に反対が高くなりまして、七五%が反対ということでありました。

 地域住民にとったら、日本のどこかにつくる話には反対ではなくても、自分の住んでいるところにつくるのには反対というのは、やはり七割五分まで高いんです。地域住民が望まない施設であることは明らかだと。

 観光立国推進基本法の住んでよしという理念とは残念ながら全く相入れないと私は思うんですが、これはひとつ大臣に御見解をお伺いしたい。

石井国務大臣 統合型リゾート、IRは、カジノ施設のみならず、宿泊施設、会議場施設、展示施設、レクリエーション施設等が一体となった複合的な施設であるという特徴がございます。

 このため、十分な国際競争力を有する施設を備えたIRが整備されれば、魅力ある新たな観光資源となるとともに、滞在型観光の拠点となり得るものと考えておりまして、さらには、新たなインバウンド需要の創出、MICE開催の誘致競争力の強化、全国各地への送客等が期待をされます。

 また、IR推進法では、カジノを含むIRの整備の推進は、「地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与する」ということを基本といたしまして、「地方公共団体の申請に基づき」行うこととされております。

 こういったことから、カジノを含むIRの整備の推進は、観光立国推進基本法第二条第一項の、「地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進する」とされた理念に沿うものでありまして、地域を含めた観光振興に寄与するものと考えております。

宮本(岳)委員 随分、観光庁長官とトーンの違う御答弁でしたので、では大臣は、このMICEを含むカジノIRにこの観光税の税収を充てるということは、当然あってしかるべしとお考えですか。

石井国務大臣 今、IRは、まだ世の中に認められている、存在しているものではありません。法案も提出をしておりません。それに充てるということは当然あり得ない、現状では、ないということであります。

宮本(岳)委員 いや、不思議な答弁ですね。

 そういうことであれば、先ほどのように、とうとうと結構なものだという答弁もまたしなければよいのに、結構だと御答弁になるから、使うことも結構だとお考えなのかと私は聞いたまででありまして、私は、この世論調査結果に明瞭なように、住んでいる方々にとったら反対が高い。これはもう動かざる事実だと言わざるを得ないと思います。

 「ここからはじめる観光学」というこの本でありますけれども、以前、母校を訪問したときに購入したものであります。和歌山大学観光学部では教科書にも使われているということでありました。

 「第十三章 観光と地域再生」という論考は大浦由美和歌山大学観光学部教授が書いておられますけれども、以下のようにこの中に書かれております。

 「現在の「観光立国」政策のもとでの観光振興は、国際観光における競争力の強化を強調するあまりに、インバウンド増大や受入体制整備が政策的に偏重されている傾向にある。そのなかにはカジノを含むIR構想など、かつてのリゾート構想を想起させるような巨大プロジェクトが含まれていることにも注意する必要があるだろう。また、昨今の地方創生政策においても観光は重視されているが、事業の申請に際してあらかじめ「重要業績評価指標(KPI)」という数値目標の決定が義務づけられているため、交流人口の増加や観光消費額増加など、数値目標としやすい分野だけが強調されることも問題である。」中略でありまして、「個性的で魅力的な観光地域づくりと、その基盤となる農林漁業や地場産業などの地域産業の振興は、一体的に進められていくべきであろう。」

 大浦教授が指摘するように、インバウンド増大や受入れ体制整備にのみ偏重するのではなく、日本国民が観光を楽しめるようにしなくてはならないことは当然だと思います。

 そこで聞きますけれども、世界観光倫理憲章第七条一項には何と書かれているか。観光庁長官、お答えいただけますか。

田村政府参考人 お尋ねの世界観光倫理憲章第七条でございます。第一項におきまして、「直接的に、個人的に、地球の魅力を発見し、楽しむという側面は、全世界の住民に平等に開かれている権利である。ますます広がる国内、国際観光への参加は、持続的に増大している自由時間の最も良い表れのひとつであると見做されるべきであり、この観光への参加に障害となるものは取り除かれるべきである。」というふうに規定されているところでございます。

宮本(岳)委員 まさに全ての人に観光権を保障する、これが世界のいわば基準なわけです。

 今、手元に資料を配付いたしました。二〇一〇年から二〇一七年までの訪日外国人旅行者数と日本人国内延べ旅行者数の推移であります。

 訪日外国人旅行者は、これはもうウナギ登り、右肩上がりでありますけれども、国内旅行者は残念ながら伸びておりません。これはなぜですか、観光庁長官。

田村政府参考人 背景にありますのは、本格的な人口減少時代を迎えた我が国におきまして、やはりインバウンドの場合には、急速な経済成長とともに中間層がどんどんとふえておりまして、この海外旅行の需要というものが急速に拡大をしている。

 それを取り込んでいるからインバウンドというのはふえているわけでありますけれども、国内旅行の場合には、この本格的な人口減少時代を迎えた我が国において、なかなか現状のままでは大きく成長が期待できない状況にあるということでございます。

宮本(岳)委員 それは人口減少だけでは理由は説明できないと思うんです。

 先ほどの世界観光倫理憲章は、読んでいただいたところ、「観光への参加に障害となるものは取り除かれるべきである。」障害となっているものを取り除かなければならぬわけですよ。

 それで、原因が知りたいと調べておりましたら、公益財団法人日本交通公社のデータがございました。二〇一七年、「旅行の阻害要因」というデータですが、この阻害要因の上位四つを御答弁いただきたい。

田村政府参考人 財団法人日本交通公社が二〇一七年の六月に実施したJTBF旅行意識調査の調査結果におきまして、旅行の阻害要因として挙げられた要因のうち上位四つでございますけれども、「仕事などで休暇がとれなかった」、「家計の制約がある」、「何となく旅行しないままに過ぎた」及び「家族、友人等と休日が重ならなかった」というふうになっております。

宮本(岳)委員 トップが「仕事などで休暇がとれなかったので」、二つ目が「家計の制約があるので」、そして、四つまでに入っていないですが、「介護しなければならない家族がいた」、これが阻害要因なんですよ。こういうものを解決することが、国内でも誰もが観光に親しめる権利、これを保障する道なんです。

 石井大臣に最後にお伺いいたしますけれども、観光庁を所管する大臣として、インバウンド政策も大事ですけれども、国民が観光を楽しむ権利を行使できるように、労働時間の短縮、休暇の取得、所得の底上げ、これこそ省庁横断的に進めていかなければならない真の観光振興政策だと私は思いますが、いかがですか。

石井国務大臣 旅行消費額全体から見ますと、依然として国内観光は約八割を占めておりまして、国内観光の振興を図ることは極めて重要と考えております。

 平成二十九年におけます日本人の延べ旅行者数は前年度比で約一%の増加、国内旅行消費額は前年比で約〇・七%の増加となっておりますけれども、本格的な人口減少時代を迎えた我が国におきましては、現状のままでは大きな成長は期待ができないところでございます。

 このため、明日の日本を支える観光ビジョンにおきましても、日本人が旅行しやすい環境をつくるため、休暇改革を施策の柱の一つとして掲げており、来年度から本格実施をいたします、大人と子供が一緒にまとまった休日を過ごす機会を創出するキッズウイークなどの取組をより一層推進をしてまいりたいと考えております。

 また、この観光ビジョンに盛り込まれまして、現在政府一丸となって取り組んでおりますインバウンド観光促進のための施策の多くも、国内観光の振興に資するものと考えております。

 引き続き、観光ビジョンの施策の推進によりまして、外国人のみならず、日本人にとりましても魅力ある観光地域づくりの推進や、観光サービスの改善等によりましてインバウンドの観光促進とあわせて国内観光のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。

宮本(岳)委員 観光政策を口実に観光を成長戦略の柱の一つに位置づけ、大企業の利益を最優先に、地域住民が迷惑や不安を感じ、住みづらくなるようなインバウンド偏重は、我々自身がつくった観光立国推進基本法の、住んでよし、訪れてよしの観光政策の理念とも無縁のものであります。観光振興を語るなら、国民が余暇をとり、観光に出かけ、観光地で消費し、その地域が活性化する政策こそとるべきだと思います。

 政府や観光庁は観光立国推進基本法の理念に立ち返ることを強く求めて、私の質問を終わります。

西村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。宮本岳志君。

宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。

 本法案は、国際観光旅客税、いわゆる出国税の使途に係る規定を整備するものであります。

 そもそも出国税は、その政策決定プロセスに国民的合意がなく、政府税制調査会での審議もされないまま、拙速に提出されたものです。一旦財源の枠を決めてしまえば、政府の都合で使い道が広がり、予算の無駄遣いの温床になりかねません。

 また、法案に規定する個別の施策について、必ずしも否定するものではありませんが、首都圏空港の国際線増便計画や民泊解禁などを始めとした、地域住民が迷惑や不安を感じ、住みづらくなるようなゆがんだ施策に予算を充てることは排除されておりません。

 新設される協議会については、地域や住民の参加と合意形成の手続など、生活環境を守るための規定が不十分で、住民の意向が反映するかどうか明確ではありません。

 政府が成長戦略の一環として推進する訪日外国人旅客受入れ施設整備等の政策は、二〇二〇年に四千万人など目標ありきで、規制緩和と大規模開発を加速、推進する口実にするものにほかなりません。観光地の住民が誇りと愛着を持つことのできる地域社会の持続可能な発展を前提にする、住んでよし、訪れてよしの観光まちづくりの理念に全く反するやり方です。

 住んでよし、訪れてよしの理念に立ち返り、地域住民を置き去りにしない観光政策をとるべきことを重ねて強く主張し、討論といたします。

西村委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、盛山正仁君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、公明党、無所属の会及び日本維新の会の六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。広田一君。

広田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

    外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 国際観光旅客税の平成三十一年一月七日からの導入にあたり、課税の対象である出国者に混乱を来さないよう国内のみならず国外にも新制度の周知の徹底を図ること。また、周知にあたっては、納税者の理解が得られるよう、国際観光旅客税の受益と負担の関係について丁寧な説明を行うこと。

 二 国際観光旅客税を財源とする施策を実施するための予算の配分にあたっては、透明性や公平性を確保し、使途を厳格にすること。

 三 国際観光旅客税の税収を充当する三分野については、予算の適正な運用と透明性を確保するとともに、無駄遣いや野放図な歳出拡大につながらないよう第三者機関等による執行状況を厳正に監視する体制を構築すること。

 四 国際観光旅客税の税収の使途については、本法施行後三年を目途にその在り方について検討を加え、結果を公表するとともに国会に報告すること。

 五 国際観光旅客税を財源とする施策の実施にあたっては、負担者である日本人と訪日外国人旅行者双方が直接的に受益を実感できる使途に充当するべきであり、ストレスフリーで快適かつ安全・安心な旅行が実感できるよう、出入国手続きの簡素化及び保安検査の円滑化・厳格化等、空港環境整備の充実を図ること。

 六 外国人観光旅客の地方誘客の拡大につながる観光地づくりの実現に意欲的な地域に対し、観光資源の商品化及びブラッシュアップ並びに人材及びノウハウの提供等必要に応じた支援を行うこと。

 七 公共交通事業者等が外国人観光旅客利便増進措置を実施するにあたっては、事前の意見聴取を十分に行うとともに、事業者に対し必要な支援等を行うこと。また、二次交通や三次交通の充実・強化等を図る取組を推進すること。

 八 国際観光旅客税は出国する日本人も課税対象となるため、国際交流に資するアウトバウンドの活性化につながる取組を強化すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

西村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣石井啓一君。

石井国務大臣 外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 まことにありがとうございました。

    ―――――――――――――

西村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十分散会


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