衆議院

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第8号 平成31年4月24日(水曜日)

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平成三十一年四月二十四日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 谷  公一君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 岩田 和親君

   理事 金子 恭之君 理事 根本 幸典君

   理事 松本 文明君 理事 矢上 雅義君

   理事 津村 啓介君 理事 中野 洋昌君

      秋本 真利君    池田 道孝君

      鬼木  誠君    門  博文君

      金子 俊平君    神谷  昇君

      黄川田仁志君    工藤 彰三君

      古賀  篤君    田中 英之君

      高木  毅君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中谷 真一君

      鳩山 二郎君    福田 達夫君

      藤井比早之君    藤丸  敏君

      古田 圭一君    堀内 詔子君

      三谷 英弘君    宮内 秀樹君

      宮崎 政久君    盛山 正仁君

      簗  和生君    荒井  聰君

      初鹿 明博君    福田 昭夫君

      道下 大樹君    森山 浩行君

      小宮山泰子君    下条 みつ君

      日吉 雄太君    伊藤  渉君

      北側 一雄君    赤嶺 政賢君

      清水 忠史君    井上 英孝君

      重徳 和彦君    広田  一君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   国土交通副大臣      大塚 高司君

   国土交通大臣政務官    工藤 彰三君

   国土交通大臣政務官    田中 英之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            水口  純君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局農村政策部長)       高橋 孝雄君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            麦島 健志君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         野村 正史君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  青木 由行君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        塚原 浩一君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  石田  優君

   政府参考人

   (気象庁長官)      関田 康雄君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 森田 治男君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         里見  晋君

   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  宮本  徹君     清水 忠史君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     黄川田仁志君

  加藤 鮎子君     古田 圭一君

  小島 敏文君     金子 俊平君

  土屋 品子君     堀内 詔子君

  望月 義夫君     藤丸  敏君

  道下 大樹君     初鹿 明博君

  清水 忠史君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 俊平君     池田 道孝君

  黄川田仁志君     鬼木  誠君

  藤丸  敏君     望月 義夫君

  古田 圭一君     加藤 鮎子君

  堀内 詔子君     土屋 品子君

  初鹿 明博君     道下 大樹君

  赤嶺 政賢君     清水 忠史君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     小島 敏文君

    ―――――――――――――

四月二十三日

 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

谷委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事里見晋君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官五道仁実君、国土政策局長麦島健志君、土地・建設産業局長野村正史君、都市局長青木由行君、水管理・国土保全局長塚原浩一君、道路局長池田豊人君、住宅局長石田優君、気象庁長官関田康雄君、内閣官房内閣審議官大西証史君、金融庁総合政策局審議官水口純君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長椎葉茂樹君、農林水産省農村振興局農村政策部長高橋孝雄君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君、大臣官房審議官森田治男君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 きょうは一般質疑ということで、よろしくお願いを申し上げます。

 まず冒頭、私の方から通告に従いまして質問させていただきますけれども、国土交通委員会でも何度か取り上げさせていただきましたURの住宅に関して質問をまずさせていただきたいというふうに思います。

 このUR住宅に関しましては、やはり安心して住み続けられるような仕組みづくりをしっかりしてほしいという御要望を大変に多く伺っております。居住者の方の高齢化というのも進みまして、やはり年金暮らしの方ですとかそういった方も大変にふえてきたということも伺っておりますので。

 昨年の十二月の十一日には、私、公明党の国土交通部会長を今拝命しておりますけれども、石井国土交通大臣の方にも御要望にも行かせていただきました。

 何点か御要望はあったんですけれども、例えば、高齢者向け優良賃貸住宅、二十年やっていくということで当初決まっておりましたので、これが二十一年目に入っていく方がいらっしゃる中で、どのようになるのか、こういうのを継続してほしい、こういうことも要望させていただいたり、そうした関連の予算というのも今年度の予算に盛り込んでいただいたりということもさせていただいております。

 中でも、URに関しましては、修繕費に関して、居住者の負担のものが非常に多いということも御要望させていただきまして、これについてはしっかり見直しをしていくということで大臣にも御答弁もいただきまして、居住者の負担で直さないといけない項目というのが非常に今回減少した、URの負担で修繕をする仕組みに変わったというのがことしの制度改正でございました。

 例えば、畳床ですとか、あるいはふすまの骨組みでありますとか、ビニールクロス、こうした、通常の民間の賃貸の住宅であれば、居住者の負担というよりはオーナーの方の、家主の方の負担ということで直すような項目というのが大変多うございましたので、これもUR側の負担で補修をするように制度改正をまさにしていただいたところでございます。

 現場に行きますと、この修繕費の見直しがなされたということを実は余り、まだまだ存じ上げない、住んでいる住民の方が、それは知らなかった、そんな制度改正があったのかということで話を伺うこともございます。やはりURの方でも、こうした生活に非常に大きくかかわる改正をせっかくされたわけでございますので、これは、住民の方に対して、きめ細やかに、まず周知徹底をぜひしていただきたいというふうにお願いをしたいというふうに思います。

 きょうは、URの方からも来ていただいておりますので、ぜひこの点について答弁をいただければというふうに思います。

里見参考人 お答え申し上げます。

 当機構におきましては、今委員御指摘のとおり、昨年の十二月二十五日にUR賃貸住宅の居住者の負担を大幅に軽減する修繕負担区分の見直しを公表いたしまして、本年一月末から適用をしておりますが、お住まいの方々にその内容を御理解いただくことは重要と考えているところでございます。

 これまでは、お住まいの方々にその周知を図るために、十二月二十五日に見直しの内容をURのホームページで公表した後、その内容について各団地の掲示板に掲示し、更に、二カ月ごとに全戸に配付しております居住者向けの情報誌であります管理報というものにも掲載をいたしました。

 また、絵図を用いまして修繕負担区分をわかりやすく解説した修理細目のしおりというものを、団地を管理する住まいセンターあるいは管理サービス事務所に配備しまして、今月の十一日にはURのホームページからも閲覧できるようにしているところでございます。

 ただ、今御指摘ございますように、知らない方もいらっしゃるということで、更に周知を徹底するために、当機構といたしましては、現在お住まいの方々には、全戸配付の管理報におきまして、改めて六回にわたりまして修理細目のしおりの内容を掲載し、更に詳しく広く周知していくとともに、来月五月から始めます、五十年以上お住まいの長期の居住者の方への修繕申出に係る個別案内をさせていただくときに、順次、継続居住者の方へ修理細目のしおりも同封してお届けしてまいることとしております。

 また、新たに入居される方々につきましては、入居当初に配付する住まいのしおりに修理細目のしおりの内容も記載しまして、周知してまいります。

 さらに、あわせまして、団地自治会などの御要望を踏まえまして、いろいろな御案内あるいは周知の方法等について適切に対応してまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、このようなさまざまな方法を使いまして、お住まいの方々への周知をしっかり、改めて行っていきたいと考えております。

 以上でございます。

中野委員 ありがとうございます。

 きめ細やかに周知徹底をしていただくということで、改めてお話もいただきました。ぜひとも、安心して住み続けることができるURということを現場でもしっかりと対応していただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 私、続きまして、ちょっと何問かお伺いをしたいのが、やはり現場を回っていますと、今、非常に各分野で人手不足ということは言われるわけでございまして、特に国土交通省で集中的に取り組んでいただいておりますのが建設業の関係で担い手の確保、これの関連で何問か質問をさせていただきたいというふうに思います。

 もちろん、今、政府の方でも法改正というものを準備をされておられるということも承知をしておりますけれども、それ以外にもさまざまな取組もございます。ちょっとこの一般質疑の場もかりまして、少し、何点かお伺いをしたいというふうに思います。

 私ども公明党の国土交通部会でも、石井大臣の方に、建設業の担い手の確保、これが非常に大事だということで御要望もことしの二月にさせていただきました。

 現場を回っておりますと、どうしても、賃金の上昇というのが、業種や職種や、建設業と一口に言いましてもいろいろな方がおられますので、やはりさまざまだなということを非常に感じるわけでございます。

 例えば公共工事の設計労務単価、これをぜひ、引上げをどんどんやっていく、国が引っ張っていく必要があるのではないか、こういうこともいつもお訴えをさせていただいております。

 他方で、民間の工事であるとか、あるいは、一番現場の、一人親方のような方、そこまで来ると、なかなかこうした取組というのが、賃金が行き渡っていないんじゃないか、こういう指摘もまたあるわけでございます。

 もちろん、国が民間工事というものを、直接賃金がどうこうというわけではありませんけれども、公共工事の方でやはりこうした賃金の上昇というのはしっかりと引っ張っていくことが大事だというふうに思っております。

 まず一問、この公共工事の設計労務単価の引上げの現状、そして今年度の状況、これについてまずお伺いをしたいというふうに思います。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 公共工事の設計労務単価につきましては、直近、本年二月の改定により、全国全職種平均で、前年度比プラス三・三%の一万九千三百九十二円となっております。これにより、平成二十四年度に法定福利費を反映させる形で引上げを行って以降、七年連続での引上げとなっており、平成二十四年度と比べて四八%の引上げになっております。

 また、この一万九千三百九十二円という数字は、全国全職種の平均値の公表を開始した平成九年度以降で最高の値となっております。

 この引上げが現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。

中野委員 先ほど、まさに局長の方からも最後に発言していただきましたとおり、設計労務単価というのは、かなり国土交通省でも頑張って引き上げていただいているという状況にあるというふうに認識をしております。

 しかし、これが、最後、現場のやはり職人さんを含め、こうしたところに行き渡るということが何よりも大事でありまして、法定福利費の話も少し出していただきましたけれども、必要な法定福利費を確保する、そして必要な賃金を確保する、こうしたことが下請の事業者あるいは現場、こうしたところに届く、これが大事であるというふうに思います。

 これは、やはり、発注者であるとか元請の方であるとか、そうしたところもしっかり必要な経費を確保するということをしていく、下請にそういうものが回るようにしていくということが大事でありまして、これは本当に、さまざまなチャンネルを通じて粘り強くこれを働きかけていくということが必要であるというふうに思います。

 大臣の方に、下請が必要な経費を確保するためにどういう取組を引き続き続けていかれるのか、これについて答弁いただきたいと思います。

石井国務大臣 建設業は、現場で作業に従事する人で成り立っている産業であります。建設技能者の処遇改善を図ること、特に適切な賃金水準や法定福利費の確保が重要であります。

 このため、社会保険加入に必要な法定福利費が確保されるよう、必要な法定福利費を予定価格に反映をする、法定福利費を内訳明示した見積書の活用を促進する、平成二十九年には、請負代金内訳書に法定福利費が明示されるよう契約約款を改定するなどの取組を行ってまいりました。

 また、本年三月には、私から、建設業関係団体のトップに対しまして、元請、下請の立場を問わず、改定後の労務単価の水準を踏まえた適切な請負代金で契約をし、技能者の賃金水準を確保していただくよう要請を行ったところであります。

 さらに、この四月からは、技能や経験に見合った評価や処遇を受けられるようにするため、建設キャリアアップシステムが本格運用を開始をしております。

 今後も、システムの普及拡大と能力評価基準の整備などを進めまして、技能者の処遇改善が図られる環境の整備に努めてまいりたいと考えています。

中野委員 ありがとうございます。

 大臣の方からも、やはり強いリーダーシップで粘り強い取組というのが必要になってこようかと思います。ぜひともよろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、今度は工事の安全の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。

 議員立法なんですけれども、いわゆる建設職人基本法というものもつくらせていただきました。これは、やはり工事に従事をする方の安全をしっかり確保することが大事だ、こういうことでつくられて、これに基づいた基本計画、基本方針というようなものもつくっていくということを承知をしております。

 他方、安全の確保に必要な経費が本当にどれだけ確保できているのか、こういう御指摘はよくいただくところもございまして、どうしてもコストというところがございますので、しかし、この安全確保に必要な経費というものがしっかり確保できていかないと、いわゆる現場の職人さんというのが非常に危険な状況で作業しないといけなくなってしまうということでありますので、これは非常に担い手確保という意味でも重要な取組だというふうに思っております。

 これについて、国土交通省、厚生労働省それぞれが所管をしてやっていくというふうに承知をしております。この安全確保に必要な経費の確保についての取組につきまして、両省庁から答弁をいただきたいというふうに思います。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 まず、国土交通省におきましては、建設職人基本法に基づく基本計画を踏まえ、安全衛生経費が適切に支払われるような実効性のある施策を検討するために、建設工事における安全衛生経費の確保に関する実務者検討会を設置いたしました。これまで三回の検討会を開催して、安全衛生経費の実態把握調査計画などについて議論を行ってまいりました。

 現在、この施策検討のために必要な基礎データの作成を目的として、建設業者約二万社に対しまして、建設工事の安全衛生経費の実態に関する調査を実施しております。

 今後、この結果も踏まえ、また、検討会において御意見をいただきながら、安全衛生経費が下請負人まで適切に支払われるような施策の検討を進めていきたいと考えております。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 災害撲滅に向けた取組の一つといたしまして、建設工事の安全確保に必要な費用の確保が重要であることから、厚生労働省におきましては、平成二十九年度に安全衛生経費確保のためのガイドブックを策定するとともに、平成二十年度に国交省と連名でリーフレットを作成したところでございます。これらにより、労働安全衛生法に基づく注文者による費用などについての配慮義務に加え、建設業法などの規定も含め、周知啓発を図っているところでございます。

 厚労省といたしましては、引き続き、国土交通省と連携して、建設工事従事者の安全の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上です。

中野委員 ありがとうございます。

 大変重要な分野だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 時間が参りましたので、済みません、住宅局長も通告はしておりましたが、ちょっとまた次の機会に質問させていただきます。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、福田達夫君。

福田(達)委員 自由民主党、福田達夫でございます。

 本国会から、国土交通委員会の仲間にさせていただきまして、初めての質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 国土交通委員会というのは、本当に、数ある委員会の中でも最も雄大な議論ができる委員会だというふうに思っています。何しろ、国家を構成する三要素、領土、国民、主権でありますけれども、この三要素の一つについて議論ができる場所というのはほかの委員会にはございません。

 ぜひ、きょう、ちょっと大きな議論になるかもしれませんけれども、我が国の国土計画について議論させていただきたいというふうに思っております。

 高度成長期前から平成の中期にかけまして国土開発の指導的立場にありました下河辺淳さん、この方も、国土計画というのは時の政府の国土に対する夢であるというふうに語っております。そういう視点から、ちょっと大き目な話でございますけれども、させていただきたいというふうにきょうは思っております。

 私がまだ民間、商社の調査部というところにいたとき、また、この永田町に参ったころも、国土構造の視点から、統治体制から考えるような大きな議論というものが、永田町を問わず一般でもされていたというふうに記憶しております。例えば、道州制だとか遷都論、国内での地域経済論、若しくはアジアの活力を取り込むような国際的な地域経済構想、こういう話があったというふうにありますが、最近ではこういう話はほとんど聞かなくなってしまったなというふうに思っています。

 きょう、資料をお配りさせていただいておりますけれども、この資料一、横紙でございますが、これは、先ほど申し上げました下河辺氏が整理しました国土計画の三つの視点であります。

 国土計画というものは、左側に書いてあります国土構造論、国土構成論、そして国土利用、管理、この三つの視点から策定もされますし、常にこれはチェックをこの三つの視点からされるべきである、こういうふうに下河辺さんは言っていたわけでありますけれども、以前は、国土全体でも語るべき必要があるという視座があったというふうに思います。その一方で、個別の課題もされてきたというふうに思っております。

 すなわち、この一個目の視点と二個目の視点、このクロスの中で国土というものが語られてきたというような気がしますが、最近は、どちらかというと、個別の課題に対する個別の政策を各個に語っていく、そういう視点が大変に多くて、全体観を共有する場というものがちょっと少なくなっているんじゃないかな、そういうふうに思います。また、社会全体について想起しながら個別の課題について議論する場、これも少なくなっているのではないかという気がしています。

 地方創生ということが語られてもうしばらくたちますけれども、これも、基本が、千七百の自治体、この基礎自治体がそれぞれ頑張るというミクロの視点はありますけれども、では、全体像として、例えば、今、地方に対して、総合計画をつくってもらっています。人口計画をつくっているわけでありますけれども、これを全部足し上げると日本の人口をはるかに超えます。

 では、地方の努力を本当に是とするのであれば、この地方が出している計画の人口の総和と実際にある人口の差、これをしっかりと国政が受けとめる、これが実際国政の立場としてはあるべきなのかと思いますけれども、そういう議論が余りされる場がないというのが現状かなというふうに思っております。

 国土全体をどうマネージするのか、そういう視点を語るという機会がなくなってきているかなという気がしているんですが、確かに、国土計画というものが古いという考え方もあると思います。ただ、以前よりも今の方がよほど構造的に語らなければいけない、構造変化というものについてはそのころよりも随分とふえているのかなと。少子高齢化でありますとか、いわゆる東京一極集中、これが更に加速をしている、その反面、地方は疲弊をしていくという状況。

 また、余りグローバル化の中でもって国土の話が語られることはないんですけれども、実は、この国というのは、東京は世界でも誇れます、しかし、地域の力というのは、国際的に見たときに、アジアの都市よりも最近は経済成長という意味では落ちている。このことを踏まえた上で議論していかないといけないのであります。

 また一方で、技術進歩、これが、ソサエティー五・〇という話も出てまいりました、社会実装が実現化する、そういう時代にある中、又は、温暖化の進行等で、住環境とか若しくは農林水産業関係、この変化でありますとか、若しくは自然災害の頻発、激甚化、さまざまな形で、昔よりも更に構造的に考えなければいけない、国全体で考えなければいけないということがふえているように私には思えるのでありますけれども、なかなかこれを国民とも共有しながら議論する場というものは減っているのではないかというふうに思っています。

 実は、国交省におきましては、二〇一一年に、国土審議会の長期展望委員会の「国土の長期展望」の中間取りまとめで、さまざまな構造変化というものを既に提案していただいております。

 ただ、この中で、地方自治体が一部でもって減少していくというリスクにつきましても、増田寛也さんの「地方消滅」が上梓される三年前に既に指摘していて、地方公共団体の方からも、これはある意味大きな反響を得ているわけでありますが、この議論というのが、東日本大震災を経てしまって、なかなかこれが盛り上がってこなかったというのも事実であると思っています。

 この中間報告の流れを受けた形で四年前に第二次国土形成計画がつくられたわけでありますけれども、これらの構造課題に対してどのような認識を持ち国土形成計画をつくられたのか、そのことについて方針を教えてください。

麦島政府参考人 お答えを申し上げます。

 二〇一五年の第二次国土形成計画の策定に当たりましては、東京圏への人口集中が依然として進みますとともに、二〇五〇年には約二割の地域が無居住化すると推計され、多くの地域でさまざまな生活サービス機能の維持が困難となる可能性が高いこと、また、首都直下地震及び南海トラフ地震の発生が三十年以内に七〇%程度と高い確率で予測されているとともに、災害の頻発、激甚化が懸念されているということに加えまして、さらに、国際社会の中での競争の激化、技術革新の進展等を国土を取り巻く課題として取り上げたところでございます。

 そして、このような認識のもと、コンパクト・プラス・ネットワークの国土構造の形成を進め、各種サービス機能等を集約して効率的なサービスの提供を可能とするとともに、災害からの安全性を高めることを計画に掲げたところでございます。

 さらにまた、人、物、金、情報の双方向の流れであります対流を活発にするとともに、技術革新の成果を活用し、全国各地で新しい価値を創造するイノベーションを起こすこと、これにより都市から地方への人の流れをつくり、東京一極集中を是正するということを基本構想として示したところでございます。

福田(達)委員 ありがとうございます。

 この形成計画、大体、国土形成計画というものは、なかなか耳にさわりがあるようなことについて大きく書くわけではなくて、ある意味、未来に対して夢を持ってつくり上げるものでありますけれども、やはり中長期的な社会構造変化というものは、プラスの面ももちろんあります、ただ、余り聞きたくない、若しくは難しい課題というものも十分あるわけでありますから、そういうことも含めて、国民により深い理解を求めること、これも必要なのかなというふうに思っております。

 その際に大切なことは、やはり、今顕在している課題、例えば先ほども挙げました東京一極集中でございますけれども、東京への人口流入をどうとめるかという点に着目するのみならず、なぜ人口流入が起きてしまっているのか、人口が集中する構造になったのかというこの原因ですね、これが余り実は語られることがないのかなというふうに思っています。

 長く言ってしまうと、太平洋ベルト地帯というものができ上がりました。そこによって、東京、名古屋、大阪、福岡等に人が集まるという構造が数十年前にでき上がっていて、それが更にサービス産業化をする中で、又はネットワーク化が進む中で、その中で最も比較優位の高い東京に人が集まる。

 ある意味、数十年間かけてこの構造というのもでき上がってきているというふうに思うわけであります。

 じゃ、待機児童問題を語られるときも、このレベルの深さで構造論を語られた上でそういう問題が語れるかというと、必ずしもそうではないのかなと。

 東京の一極集中という問題と待機児童問題が別々に語られるというのが今の現状なのではないのかというふうに考えますと、やはりこういう点につきましても深い認識というものを、我々、この永田町で語るだけではなくて、一般の方にもより深くわかっていただくということは非常に重要なのかなというふうに思っています。

 このような、現在目に見える課題を生み出す原因へのより深い理解の上に、より長期的な議論、これが国民を巻き込みつつ必要だというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見をいただければと思います。

石井国務大臣 人口や経済の動向など、国土を取り巻く現状や変化を分析をし、広く情報提供を行うとともに、中長期の視点に立って今後の国土づくりの方向性を考えることは重要と思っております。

 また、その方向性を示す国土計画につきましては、これまで以上に国民の理解や共感を強め、多様な主体の協働でその実現を図ることが必要と考えております。

 このような中、前回の「国土の長期展望」中間取りまとめから約八年が経過することから、三十年あるいは五十年先の国土の姿を描き出し、将来の課題を整理するとともに、解決方策を検討する「国土の長期展望」の議論を今年度より開始をしたいと思っております。

 その際には、東京一極集中に伴う大規模災害リスクの分散、人口減少下の生活関連サービスの提供可能性、新技術の実装化に伴う人と社会の変化と国土への影響、関係人口などの地域を支える多業、多拠点居住者の活用等の論点に対しまして、課題を生み出す原因を分析するとともに、国民の皆さんの関心が高まるよう、国土審議会等の場も活用しながら議論を行ってまいりたいと考えております。

福田(達)委員 ありがとうございます。

 これまでの延長線上にないパラダイムシフトを踏まえた上でもって、国民を広範な議論に巻き込むということでよろしくお願いしたいと思います。

 特に、首都直下地震を予測されている東京につきましては、やはり東京というところが、首都圏というところがしっかりと日本のみならず世界の経済をリードする、このことを依然として維持し続けること、これは大事なことであります。

 一方で、三十年以内に七〇%以上の確率で首都直下地震がある、しかも、これは一時的な被害の想定はされているけれども、そこからの復旧コストについては算定はされていないという状況においては、やはりこういうこともしっかりと踏まえた上で、実際に、この東京に人が集まる、東京に資本ストックが集まっていくということ、この長期的なリスクコストについてもしっかり我々は議論しなければいけないというふうに思っておりますので、国交省一省でどうこうなるものではありませんけれども、ぜひ、国土について語る、そういう所管を持っている国交省において、政府の中でも議論をリードしていただきたいと思っております。

 先ほどお配りしました紙の中で、国土構造論、国土構成論、右側にマクロの国土構造分析、ミクロの地域経済分析というのがございますけれども、全体的には、国土構造論と、ほかにまた、地域がいかに活性化されていくかという議論も必要であるということをつなぐのが、この右に書いてあります、上下に矢印が出ています、双方をつなぐ交通・通信ネットワークでございます。

 国土計画の歴史をひもといても、拠点開発とあわせてインパクトが大きいのが交通ネットワークの整備でありますけれども、ただ、これはやはり地元サイドが、このメリットをどう生かすかという、その方策をしっかりと議論ができるかということがこの成果を左右するものだと思っています。

 また、加えまして、常に現状の状況を踏まえて、このメリットというものが現在的な中でもって生かされていくのか、このことを地域がしっかりと捉えた上で議論していくということも必要だと思っています。あるときのメリットは時代が変わったらデメリットになる、このことをしっかり踏まえる必要があると思っています。

 群馬県を例にとって恐縮でありますけれども、明治期に鉄路の導入に積極的であった、高崎を中心とする西の方は、やはりこれを中心に繁栄いたしました。必ずしもそうでなかった桐生地域とは、大分その発展度合いを変えたわけであります。

 特に、私の選挙区にあります高崎市の新町というところでありますが、富岡にありました世界遺産の富岡製糸場、これにも関係します官営の新町くず糸紡績所というものがありましたけれども、ここに高崎線という線路が通ることによって非常に大きく発展をいたしました。

 ただ、この高崎線が発展するとともに、町が大きくなるとともに、町の真ん中を通るこの高崎線というものが市街地を二分してしまって、それ以上の発展をとどめてしまったという側面も出てまいりました。

 というわけで、四十年ぐらい前から、この鉄道の立体化というものを経ることによりまして、さらなる新町の町の発展化ということをやってきたわけでありますけれども、ある意味、地元の悲願としてこういうことを進めてきたわけであります。

 やはり、そのときそのときによって、それまでの交通ネットワーク等が変わっていくことを受けまして、この鉄路のもたらす効果を享受しつつも更に現代的なまちづくりをするという複合的な意味を持つ事業というものは、これは国としてもしっかりと応援していかなければいけないと思っておりますけれども、国交省としての見解を求めたいと思います。

青木政府参考人 お答えさせていただきます。

 連続立体交差事業につきましては、これは、鉄道を連続的に立体交差化いたしまして、踏切事故の解消、そして交通の円滑化、そして、御指摘もございました、分断された市街地の一体化により都市の活性化を図るという極めて重要な事業と認識してございます。

 お話のございましたJR高崎線の新町駅周辺における連続立体交差事業につきましては、その事業化に向けまして、群馬県におきまして連続立体交差事業調査を行ってきておられまして、国土交通省といたしましても、調査費補助による支援を行ってきたところでございます。

 この事業は、新町駅周辺におきましてピーク時に慢性的な渋滞の原因となってございます踏切を除却いたします。そして、事故の防止、鉄道による地域分断を解消する。すなわち、地域の安全の確保、それから渋滞解消によります地域の生産性向上、つまり地域経済の活性化、そして市街地の一体化を図ろう、こういう極めて重要な事業であるというふうに私ども認識しているところでございます。

 現在、この事業の検討とあわせまして、御指摘もございました事業のメリットを生かすという観点も含めて、群馬県と高崎市、藤岡市などによりまして、駅周辺の駅前広場、そして交差道路など、まちづくりに関する検討を進めておられるというふうに伺ってございますので、私ども国交省といたしましても、その状況も踏まえながら、事業化に向けまして可能な限り支援をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

福田(達)委員 ありがとうございます。

 大事なことは、やはり時代によって必要性は変わっていくということなんだと思います。そのときそのときに最も必要なことをしっかり考えて判断していくということが大事なのかなというふうに思っています。

 鉄路と同様に、道路整備、これはもちろん地域の発展にとって非常に大きなインパクトがあることは言をまたないわけでありますけれども、群馬県におきましても、北関東自動車道、これができましてから過去二十年間で千件以上企業立地が進んでいるということで、非常に影響があることであります。

 そういう観点からしますと、昨今、下関北九州道路というものが話題になっておりまして、本委員会でも何度も取り上げられているというふうに認識しています。

 正直申し上げますと、地元から大変遠くて、余りよく知らなかったことでありますけれども、委員会でのやりとり等、虚心坦懐にやりとりを聞いていても、どうにもちょっと理解ができないところが幾つかあります。

 まず確認したいのは、この道路が地域住民にとって、そして我が国にとって必要なのか不必要なのか、ここの部分をもう一遍ちょっと確認をしていきたいなと思っています。

 この委員会で初めてこの地域のことを少しく勉強させていただきまして、どうも、地域住民のみならず、例えば農産品、畜産品、機械部品など、広域的な物流として、日本の国の経済として、生活に対してこれは意味が大分あるなというふうなことを今感じています。

 また、熊本地震発生時にも、自衛隊の車両、若しくは車両、供給車両等が関門海峡を越えている事実にも鑑みますと、やはりこの海峡を横断するということは、これは非常に意味があるのであろうなというふうに思っていますが、一方で、その海峡を渡る橋とトンネルの老朽化が激しい、それゆえに地元の皆さんが新しい道路を熱望していることもよく理解ができております。

 改めてこれは政府にお尋ねしたいんですが、地元住民やより大きな我が国産業へのインパクトなどに鑑みて、下関北九州道路は真に必要な道路なのか、このことを明確に聞かせていただきたいと思います。

池田政府参考人 関門海峡を結ぶ関門トンネルと関門橋の二つの道路は、一日七万台もの人流や物流を支えまして、本州と九州を結ぶ日本の大動脈になっております。

 例えば、日本の基幹産業、自動車産業でございますけれども、九州の生産台数は全国の約一四%を占めておりまして、山口県は、その生産を支える部品工場が立地しております。部品輸送に、七割以上がトラック輸送でこの関門海峡を横断しておりまして、サプライチェーンがこれを支えておるところでございます。

 このように重要な関門海峡を連絡する道路でございますが、その現状を見ますと、関門トンネルを含む国道の二号、三号は慢性的な渋滞になっておりますし、関門トンネルは非常に幅員が狭い対面の二車線の道路でありますから、事故や落下物がありますとすぐに全面通行どめにせざるを得ないということで、二日に一回以上の頻度で通行どめも起こっております。

 また、老朽化についても、関門トンネルは開通後六十一年たっておりますので、平成二十年から二十二年にかけて延べ二百七十七日も通行どめになりましたし、平成二十六年には連続六十日の通行どめで補修をしておりまして、今後とも定期的な補修が必要であると考えております。

 このような関門海峡をめぐる道路の課題を解決する点において、下関北九州道路は非常に大きな、重要な役割を持っている道路であると考えております。

福田(達)委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間が終わってしまったので簡単にいたしますけれども、やはりこれは地域経済にとっても地元にとっても重要であるということが確認できたと思います。

 正直申し上げまして、このことを多分一番に重要視されて、大臣も御判断されているというふうに思います。

 正直、山口県に安倍総理がいらっしゃることは、これは誰でも知っている話でありまして、幾つも、山ほどある要望書の中でもって、一つの、関門会というところのだけに安倍総理の名前が入ったからといって、それが判断に寄与するというのは、普通に考えて余りないんじゃないかなというふうに思っておりまして、やはりこのことはしっかりと常識で考えないといけないんじゃないかなというふうに思います。

 改めて大臣に確認したいんですが、この下関北九州道路に関する一連の判断というのは、しっかりと、地域住民と国家に対しての重要性、これを踏まえたものであるということを理解するのが自然だと考えますけれども、いかがでしょうか。簡単にお願いいたします。

石井国務大臣 先ほど道路局長からも答弁をいたしましたとおり、下関北九州道路につきましては、地域及び国にとりましても非常に重要な道路であると認識をしております。

福田(達)委員 ありがとうございました。

 政権にある者は、やはりしっかりと批判は甘んじて受ける、正すべきは正す、これは当たり前でありますけれども、余り常識で考えても根拠の薄い事実をねじ曲げると、そんたくにより行政がゆがめられたという指摘を続けると、本来なされるべき国民への貢献、これがなかなかできないというふうに思います。ぜひこの部分を指摘いたしまして、私の質問を終わります。

 以上です。

谷委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上です。

 無電柱化についてお伺いしたいというふうに思うんですけれども、四十五分に大臣が出られるということなんで、冒頭、先に大臣にお聞きをしたいと思うんです。

 無電柱化推進法というのは二〇一六年十二月十六日に公布、施行され、同法に基づいて国土交通省は、昨年四月、二〇一八年度からの三年間で緊急輸送道路を始めとする千四百キロメートルの無電柱化に着手をする無電柱化推進計画というのを策定した。

 また、昨年の台風二十一号による暴風雨で関西地方を中心に甚大な被害がもたらされ、特に大阪南部では、約一千本の電柱が倒壊したことにより、大規模な停電が発生し、また道路の寸断を招くなど、地域住民の生活や復旧作業に大きな影響を及ぼしました。

 このような中、政府は、無電柱化推進計画に加えて、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策として、緊急輸送道路のうち、電柱倒壊の危険性が高い約一千キロの無電柱化に着手しようとされている。

 しかしながら、全国にはいまだ約三千六百万本の電柱が立っています。おまけに、毎年約七万本ずつふえているとお聞きをします。

 国土交通省がまとめた資料によれば、ロンドン、パリ、香港、シンガポールなどは、かなり早い時期に一〇〇%の無電柱化率というのを達成しています。台湾の台北では、二〇一五年時点ですけれども、九五%の達成率となっています。アジアの主要都市も高い無電柱化率となっています。

 それに対して、東京二十三区というのは八%、大阪市においては六%。これはいずれも二〇一七年時点です。

 大阪も、私は地元なので調べました、昭和四十五年に電柱の美化柱化というのが始まって、それから、昭和五十九年度に地中化のモデル事業というのが始まって、昭和六十一年度以降、国が策定したおおむね五年ごとの電線類地中化計画というのを踏まえて今日まで来ているんですけれども、先ほど言ったように六%です。

 このような状況を踏まえて、余りにもその進捗が悪いと思うんですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

石井国務大臣 無電柱化は、道路の防災性の向上や、安全、円滑な交通の確保、良好な景観形成などの観点から大変重要な施策であります。

 このため、国土交通省では、今委員から御紹介いただいたように、無電柱化推進計画に加えまして、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策に基づき、二〇二〇年度までに合計二千四百キロの無電柱化に着手することとしております。

 国土交通省といたしましては、無電柱化のコストの縮減や電柱の占用の制限の拡大など、さまざまな施策に取り組みつつ、地方公共団体への働きかけも含めまして、無電柱化事業のスピードアップを推進してまいりたいと考えております。

井上(英)委員 先ほど言われたコストの削減なんかは後ほど参考人にお聞きをしたいと思うんですけれども、やはり達成率というのが非常に低過ぎると思うんですね。東京で、二十三区内で八%となると、いつまでかかったらこれが一〇〇になるんやというのを、単純に考えるだけでも非常に怖い。先ほども言いましたけれども、災害なんかも含めたときに、やはり早急に整えていく必要があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 大臣、もう抜けていただいても結構なんで、よろしくお願いします。

 それじゃ、細かく参考人にお伺いをしていきたいと思いますけれども、先ほど大臣が言われたように、なぜ無電柱化が進まないのかというのは、やはりコストの問題ではないかなと思うんですね。

 自治体に確認しますと、無電柱化を進めたいが、整備コストが高いため、なかなか進められないというふうに言っています。無電柱化を行うには、一キロメートル当たり約五から六億円もの費用を要するというふうにも聞いています。

 このコスト縮減に向けた国交省の所見と対策というのをお伺いしたいと思います。

池田政府参考人 委員御指摘のとおり、無電柱化を進める上で、従来行っております管路方式の電線共同溝の整備ではコストが高いこと、これがスピードが上がっていない原因の一つであると認識をしております。

 このため、国土交通省では、低コスト手法の導入に向けて取り組んでおります。

 具体的には、管路を浅く埋設する浅層埋設方式や管路方式にかわる小型ボックスの活用方式、こういった方式につきまして、基準を改定しましてこの普及を図っております。

 また、ケーブルを直接埋設します直接埋設方式についても、適用できる場所の条件、適用時の留意事項などをまとめました手引を作成しまして、今後導入を進めてまいりたいと考えております。

 引き続き、地方公共団体や電線管理者と連携して、コストの縮減に取り組んでまいります。

井上(英)委員 じゃ、次に、無電柱化を行う電力会社の方からは、無電柱化のコスト、電力会社のことなので、きょうは経産省の参考人も来ていただいていますけれども、無電柱化のコストは電柱を立てる場合の約十倍と言われていますけれども、電線やトランスなどの地上機器のコスト縮減について、経産省の所見と対策というのをお伺いいたします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、無電柱化を行います際には、変圧器等の地上機器につきまして、架空設備に比べますとより高い絶縁性能を備える必要があること、また、細い管路にケーブルを敷設したり、また防水のための密封処理などに時間を要するということで工事費が高くなることから、単価が十倍ぐらいかかるというのが現状でございますけれども、このコストを下げるということが重要だというふうに考えてございまして、例えば地上機器につきましては、地中化のコストの約三割をここで占めるものですから、そのコストの縮減に取り組んでいるところでございます。

 例えばでございますけれども、電力会社において一台当たりの送電容量が大きい地上機器を開発することによりまして設置必要数を削減いたしまして、これによってコスト低減を図っているところでございます。

 また、機器の仕様の統一というのが重要だと考えてございまして、コスト削減のために、現在、一部の電力会社がよりコンパクトな地上設備を新たに開発し、試験運用を実施しているところでございますけれども、こういった機器の仕様を他の電力会社とも共有していくことによりまして開発コストを削減していって、量産化によるコスト低減を図っていくことが重要だと考えておりまして、このような取組を進めているところでございます。

 また、地上機器の設置が困難な狭い場所といったようなところがございます。または、地上にトランスを置くものですから、水没リスクのある場所にはなかなか置けないといった課題もございますので、これを街路灯に設置するタイプの地上機器といったようなものを開発いたしまして、これもまた仕様の統一化によって電力会社全体のコストを下げていくといったようなことに取り組んでいきたいと考えてございます。

 政府といたしましても、これまで、実証事業ですとかいったような、交付金も使いまして支援を行ってきたところでございますし、また、今後新たな機器の規格ですとか設置場所についての規則、基準を設ける際には合理的なものとするように配慮いたしまして、このコスト削減に国としても取り組んでまいりたいと考えてございます。

井上(英)委員 いずれにいたしましても、経産省、国交省、協力してコストの縮減というのを進めていかないと、先ほども言いましたけれども、当時、昭和四十年代、五十年代ぐらいからスタートさせて、そのころよりも今はもっと財政状況も厳しいわけで、それで、先ほども言いましたけれども、まだ東京二十三区で八%の進捗率なんということになると、これからそれをアジア各国の主要都市並みにしようと思うと、まあまあ、本当に天文学的数字になるんじゃないかなというぐらいの先の話じゃないかなというふうに思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。

 無電柱化すると、変圧器や開閉器など、地上機器が必要ということになります。この機器の置き場所が、長期間にわたる工事によって住民から苦情が続出することも多いというふうにお聞きします。騒音や振動、通行どめだけではなく、商店や飲食店なら営業への影響もあり、何よりも住民の理解を得ることが必要であるが、国土交通省の所見をお伺いしたい。

 また、幅員が狭い道路で、電柱撤去後、歩道上に地上機器を設置した場合、地上機器が通行の妨げになるおそれがあります。幅員が狭い道路における無電柱化の推進に向けて、歩行者の安全かつ円滑な通行を確保するために、地上機器の設置場所として、何例かあるとはお聞きしているんですけれども、民有地だとか又は公有地の活用というのをスピード感を持って検討すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

池田政府参考人 委員御指摘のとおり、無電柱化の事業を進める上で、地上機器の設置場所の確保については、最も苦労している点の一つでございます。現在、電力会社と連携して、地上機器を小型化をすることで受け入れやすくすることを進めております。

 また、先ほど御指摘ありましたように、狭い道路などを中心に、道路内の設置のほかに、沿道の民地や公園などの公有地の設置についても検討することが重要と考えておりまして、地元の方々の協力を得ながら進めていくことにしております。

 こういったことから、無電柱化の事業に着手するときに、早い段階から地元の方への説明会を開催するなど、丁寧な調整を図ることに取り組んでおります。

 国交省としても、引き続き、地元の理解を得ながら、無電柱化が進むように、さまざまな取組を進めたいと思います。

井上(英)委員 ぜひ、場所がやはり必要なので、お願いしたいと思うんです。

 それじゃ、次に、路上変圧器の有効活用についてお伺いをしたいと思うんです。

 近年、激甚化する自然災害から国民の生命財産を守るために、住民に対し、きめ細やかな防災情報の提供というのが求められています。また、最近では、観光立国実現に向けて、訪日外国人を始めとする観光客へのわかりやすい観光情報の提供というのが必要とされています。

 このような中、国土交通省は、無電柱化された道路の歩道上の路上変圧器を活用して防災、観光情報等を提供するという実証実験を、埼玉県のさいたま市及び岐阜県の岐阜市で行おうとされているというふうにお聞きをしています。

 路上変圧器を活用した防災、観光情報の提供というのは、地域防災力を向上させるとともに観光振興にも資すると考えますが、活用の意義及び今後のスケジュール、さらには全国展開についてお伺いをしたいと思います。

池田政府参考人 道路利用の観点から見ますと、地上機器の存在というのは、先ほど委員からも御指摘のように、必ずしも望ましいものではございませんが、近年、ニーズの高い防災や観光の情報の提供について地上機器の側面などを利用することは、地上機器を有効活用する観点で意義があることだというふうに考えております。

 このため、国交省では、無電柱化に伴う地上機器の側面や上部にデジタルサイネージなどを設けまして防災、観光の情報を提供する実証実験を、さいたま市及び岐阜市において今年三月末より実験の開始をしたところでございます。

 今後についてでございますけれども、実験期間はおおむね一年程度実施する予定にしておりまして、住民の方や観光客へのアンケートを通じて、その効果の検証をする予定でございます。その後、実験結果を踏まえて、全国展開の方針についても検討を行いたいと考えております。

井上(英)委員 地上機器は必要でありますけれども、場所がなかなかないし、住民の理解もなかなか得られない。そういう中で、やはり、そういったことをやっていくことによって、少しでも理解が深まって、変圧器に対する考え方も寛容になっていただくということも非常に大事だと思いますので、ぜひ進めていっていただきたいと思います。

 日本は地震が多く、地震が起きた場合、無電柱化により、地震で電柱が倒れるという災害リスクというのが軽減できる効果があります。このため、災害大国である我が国では、防災の観点から、無電柱化は極めて重要と考えています。

 現在、国及び一部の地方公共団体において、緊急輸送道路などにおける新たな電柱の道路占用を禁止していると承知しておりますが、無電柱化を推進するためには、電柱の新設を禁止する措置を全国展開させるとともに、既に設置されている電柱についても占用を禁止すべきじゃないか、それぐらいの強行的な考え方も要るのではないかと思いますけれども、国交省の所見をお伺いいたします。

池田政府参考人 緊急輸送道路におきましては、電柱の倒壊によって救急救援活動に支障を来すことから、電柱を立てないということが極めて重要なことだと考えております。

 この新設電柱の占用禁止については、国土交通省では直轄国道の約二万キロのほぼ全線で導入をしたところでありますけれども、地方公共団体が管理する緊急輸送道路では約五割の導入にとどまっておりまして、引き続き、未実施の地方公共団体において導入されるように、強く働きかけをしていきたいと思います。

 また、既に設置している電柱については、現在のところは当分の間の占用を認めることとしておりますけれども、昨年の台風二十一号で約千七百本以上の電柱が倒壊をしたりしまして、通行障害、救急救援活動の障害にもなったことがあります。

 早急に取組を進めていく必要があると考えておりまして、今後、関係事業者と連携をいたしまして、既設電柱の占用制限に向けても具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

井上(英)委員 だから、先ほども言いましたけれども、時間がやはりかかり過ぎていると思うんですね。

 ですから、本当に無電柱化というのは、我々は非常に大事な、重要な政策だと思っていますので、やはりもう電柱はできないというようなことをやっていくぐらいのことをやらないと、冒頭申し上げたように、年間で七万本ぐらい新設でふえていっているというんですね、無電柱化と言っているのに。だから、やはりそれは少し考えていかないと進まないと言わざるを得ないんですけれども。

 ぜひ、まあ余り強行的なのは、私も言っているだけですけれども、やはりそれぐらいの気概でやっていかないと、一方ではふえながら、一方で無電柱化と言っていたって、そんなの進むわけないんですよね。ですから、その辺はしっかりと肝に銘じてやっていただきたいなというふうに思います。

 時間も時間ですので、経産省に最後にお伺いをしたいと思いますけれども、昨年の大規模停電を踏まえ、電力の安全、安定供給を確保するためにも、無電柱化の推進に向けて、国や地方自治体はもちろん、電線管理者、要は電力会社も主体的に取り組むことが必要ではないかというふうに考えます。また、政府は電線管理者に対し、無電柱化に積極的に取り組むよう働きかけるべきではないかというふうに考えます。

 政府はこれまで電線管理者、電力会社にどのような働きかけを行ってきたのか、経産省にお伺いしたいと思います。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、無電柱化は、送電線を地中化しますことにより地震や台風などの自然災害に対する強靱性が高まるということから、電力の安定供給というエネルギー政策上の観点からも推進することが重要だと考えてございます。

 他方で、先ほど申し上げたように、無電柱化に必要となる地中設備には、地上設備に比べるとやはり設置費用が高くなるといった課題があることから、これまでも、経済産業省におきましては、電線地中化の低コスト化に資する調査、実証事業など、事業者の取組を促してきたところでございます。

 現在、昨年策定されました無電柱化推進計画、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急計画の実現に向けまして、国交省さんなどとも協力しまして、また、自治体、電力会社等の関係者で構成される各地方の協議体等におきまして具体的検討が進められているところでございます。

 経済産業省といたしましても、電力会社に対して、計画に基づいた主体的な取組、それを通じた着実な無電柱化の実施を求めていきたいと考えてございまして、国交省などとの関係省庁とも連携いたしまして、取組をしっかりと進めてまいりたいと考えてございます。

井上(英)委員 時間が来たので終わります。

 ありがとうございました。

谷委員長 以上で午前中の質疑を終えます。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。初鹿明博君。

初鹿委員 立憲民主党の初鹿明博です。

 きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 これまでに引き続き、四回目になりますけれども、下関北九州道路について今回も質問をさせていただきます。

 この間、四回目になりますけれども、質問を続けさせていただいていて、だんだん、幾つかのフェーズがあるんだなということがわかってきました。そのそれぞれのフェーズの中で、通常だったらなかなかこう進まなかったんじゃないかなということが幾つも起こっているのではないかなということも、この間わかってきたところです。

 ただ、残念ながら、幾つかこの委員会でも資料を提出するように要求をさせていただいておりますが、それがなかなか提出をさせてもらっていないので、肝心なところがなかなかわからない部分が非常にまだ多くて、非常に私も質問をつくるに当たって困っていることもありますので、ぜひ、要求している資料は速やかに提出していただくように、まず冒頭、求めさせていただきます。

 ですので、委員長、どうぞお取り計らい、よろしくお願いいたします。

谷委員長 後日、理事会で、既に諮っているところでございますが、再度理事会で協議をいたします。

初鹿委員 きょうは、大きく分けて三つのフェーズに分けて質問をしていこうと思います。

 まず最初は、昨年の十二月二十日に、吉田参議院幹事長が会長を務める参議院の会の皆さんがやめられました塚田前副大臣に要望をしていったところから、実際に今回直轄予算がついたことしの三月末まで、この間が一つのフェーズだと思いますので、ここについて。

 そして次は、三年さかのぼって、二〇一六年の三月三十一日に、安倍総理が名前を連ねている関門会が要望を行った、その前後について。

 そして最後に、ちょっと古い話ですけれども、福田内閣が海峡横断プロジェクトの調査を行わないという、最初に調査をしないという決断をしたその時点での話も、少しきょうは取り上げさせていただきたいと思います。

 では、まず最初に、直近のところから入っていきますが、十二月二十日のやりとりについては、省内で共有するメールも提出をされております。ただ、この以降、ほかの資料が出てきていないんですけれども、私もこの前も質問でも指摘をさせていただきましたが、通常、こういう要望を受ける際に、大臣なり副大臣なり、対応される政務の方に、どういう趣旨で発言をするのかというメモをきちんと役所はつくっているものだと思います。そのメモについて、あったんじゃないかというか、あるはずだということで、提出をするように求めておりますけれども、まだ出てきていないんですよね、残念ながら。

 それと、事前に説明もされていると思いますので、その事前の、十二月二十日に副大臣に説明をした際に、具体的にどういう説明をしたのか。その資料と説明をしたときの議事録のようなもの又は説明資料、それも出していただいていないんですけれども、それは出せないんですか。なぜ出せないんでしょうか。

池田政府参考人 平成三十年の十二月二十日に塚田副大臣のところに要望に来た際のことで、塚田前副大臣に事前に道路局から説明するために用意したメモにつきましては、確認の上、御報告をさせていただきたいと思います。

初鹿委員 あるんですか。存在しているのかどうかということ。

 あと、事前に説明したメモと別に、当日、塚田副大臣が手元に持っていたメモもあるはずですけれども、それはどうなっていますか。

池田政府参考人 通常、政務三役の方に御要望が来られる際には、事前に御説明する資料を用意することが通常でございますので、あるというふうに思いますので、確認させていただいて、御報告をさせていただきます。

 もう一つは……(初鹿委員「事前に説明したときのメモはありますよねということ」と呼ぶ)メモはあると思いますので、後刻報告させていただきます。申しわけありません。

初鹿委員 確認すればすぐわかるようなことだと思うんですけれども、ちょっとここまでずっと出てこないのはいかがなものかなと思いますので、本当に速やかに出してください。

 それで、何でここをこだわるかというと、やはり、この段階で、十二月二十日の段階で皆さん方がどういう説明をしていて、もうほぼこれは直轄調査の予算をつける、そういう説明をされているのか、それともそうじゃないのかということは非常に重要だと思いますし、そもそも、まだこの段階では自治体の調査の報告書は出ていないわけですよね。

 調査の報告書が出ていない段階で、この道路が本当に必要なのかどうか、必要性があるのかどうかということが、その時点でわからないはずだと思うんですよ、調査はまだ結果が出ていないわけですから。そのことが、事前の説明でどうされていたのかということが資料を出していただければわかるので、そこを示していただきたいということで申し上げているわけです。

 その上で、道路局長はここの席におりまして、この提出された共有メールによりますと、局長は、マスコミが退席した後に、必要性ははっきりしている道路と発言しております。これはこのとおりに発言されているんですよね。うんうんと言っているから、されているんですね。

 それで、先ほども言ったように、自治体の調査もまだ終わっていない段階で、必要性がはっきりしていると、もう断定的に言われたんですかね。ちょっとそこも確認をさせていただきたいんですが、はっきりしているというふうに決めて言っているその根拠は何なんでしょうか。根拠がなくてここは言わないと思うので、何を根拠にこのような発言をされたのかをお答えいただきたいです。

池田政府参考人 当日の表現については、今の時点で私自身がはっきりすることではございませんけれども、そのような発言をしたのではないかと思います。

 その上で、この発言につきましてでありますけれども、本州と九州を結ぶ日本の大動脈である関門海峡の道路の連絡が脆弱であることや、関門海峡を含む国道二号、三号の慢性渋滞、それと関門トンネルの頻発する通行どめ、このような関門海峡の連絡する道路の課題につきましては、自治体の調査のみならず、私自身が蓄積としてこれまでも認識していたものでございます。

 そういうことで、下関北九州道路は、日本の大動脈である関門海峡の連絡強化や道路交通の課題の解消に必要な道路であると考えており、その時点でも、これを踏まえ発言したものと思います。

初鹿委員 それは、個人の認識として答えたということなんですか。国土交通省の中できちんと議論がされて、省の統一した見解として必要性がある道路だという発言をされたんですか。どちらですか。

池田政府参考人 私自身もそのような認識でおりましたし、国土交通省、道路局につきましても、その時点でそのような認識であったと考えております。

初鹿委員 そのような認識であったということですが、そもそも、御承知のとおり、この海峡横断プロジェクトは一回凍結がされたわけです。その後、二〇一六年に関門会が要望に行った後から動き出して、自治体の調査に補助が出た。この間に、一体、じゃ、国土交通省の中でこの道路の必要性について議論をしたことがあるんですか。議論をしたことがあるとしたら、それはいつで、どのような場で議論をしたのか、お答えください。

石井国務大臣 当時、池田局長は道路局にはおりませんでした。私はおりましたので、私の方が詳しいと思いますから私がお答えいたしますけれども、これまでもこの委員会でお答えをしておりますけれども、二〇一七年十月に大臣に就任して以来、地元の皆様から、この下関北九州道路についてはたびたび御陳情を受けてまいりました。

 当初は、これは平成二十年に海峡横断プロジェクトは調査をやらない、その一つとして関門海峡も入っているということでありましたので、そういう対応をしたというふうに思いますけれども、その後、いろいろ地元の皆様からのお話を聞くにつれ、この関門海峡は残りの五つの海峡とやはり違うのではないかという問題意識を持つようになり、それを私が事務方に伝えたのが平成二十八年の夏ごろということであります。

 それから数カ月たって、そのことについて説明を受け、二十八年の秋、十一月の臨時国会において御質問を受けましたので、この下関北九州道路は、ほかの五つの海峡プロジェクトとは切り離して、必要性についてゼロベースで調査をする必要があるというふうに答弁をして今日に至っているという状況でございます。

初鹿委員 じゃ、国土交通省としては、平成二十八年の夏から秋にかけて具体的な検討を道路局において行ったということで、それで間違いないですね、局長。

池田政府参考人 二十八年の夏ごろの時点のその当時の道路局長を始め、この問題に関係しております担当職員にも聞き取りをいたしました。そのような、今委員おっしゃったような経過で、おおむねそういう状況であったかと考えております。

初鹿委員 となると、もうそのころから、自治体の調査を何年間かやった後に国の直轄調査に行くということをおおむね考えていた、そういう理解をすればよろしいんでしょうか。

池田政府参考人 先ほど石井大臣から答弁したとおり、道路局での検討を大臣に報告をして、五つの他のプロジェクトとは違うのではないかというような国交省としての方針になって、ゼロベースでの再検討という方針になったわけでございます。

 そういったことを受けて、次の年に補助調査ということで予算化がされたところでありますけれども、補助調査といいますのは、地方公共団体が主体になって行う調査の中で、広域的な意味合いを持つ道路の調査について国が調査費をつけるということでございますので、補助調査をつけた時点で、その後、直轄で調査をし、さらに事業化をするというようなことまで決まっていたということではないということでございます。

初鹿委員 ちょっと、通常の道路の建設が進んでいくルートというか経過を教えてもらいたいんですけれども、そうやって補助調査を何回かやりますよね。その後、国の調査に行かないで候補路線が計画路線になるということはあるんですか、それとも、やるためには国の調査をやるのか、どちらですか。

池田政府参考人 補助調査に採択された後に直轄の調査に移り、直轄事業になるものもあります。また、一部がそういう直轄の調査に移って、直轄事業になるものもあります。また、そのほかに、地方公共団体がそのまま調査を進めて事業に入るものもございます。

初鹿委員 どれをとるかはそれぞれの路線次第、そういう理解をすればよろしいですか。わかりました。はい。

 では、ちょっと次の、別の話に移りますが、先日の質問の際に、大臣に、三月十九日の、予算がつく直前の要望の際の発言について聞きました。その段階で、大臣、かなりはっきりと、直轄調査に進むようにもう検討をしているということをはっきり言っていて、その旨、答弁でも答えているんですが、まだ予算が成立もしていない、そして箇所づけも済んでいない段階で、それを確定的に、検討していると言いながらも、検討しているということはもう確定的に言っているに等しいと思うんですが、ちょっと、いささか勇み足ではないかなと思うんですけれども、その点はどのようにお考えになっているんでしょうか、大臣。

石井国務大臣 その御質問は、前回も同じ御質問をいただいて、お答えしたと思いますけれども。

 ことしの三月十九日に、下関北九州道路整備促進期成同盟会等による要望において、私の方から、この下関北九州道路については、三十一年度から、山口県、福岡県と協力しつつ、直轄調査を行う方向で検討しています、こういう趣旨のお話をしたところでございます。

 この時点では、予算が成立する直前の実施計画の検討段階でありまして、調査内容や調査規模を含めまして、関係機関と直轄調査を行う方向で調整をしておったという状況でございます。

初鹿委員 そうやって検討しているのは、直前だからわかるんですけれども、通常、箇所づけを予算が通る前に伝えるということはしないんじゃないかと思いますよね。自民党の先生方もよくわかっていると思いますが、一日も早く、どこに予算がつくのか、箇所づけ、具体的に知りたいと思っているんじゃないかと思いますが、予算成立前にそれを教えてもらうなんということはないはずだと思いますよ。

 私も自民党の議員の秘書をやっておりましたから、二十年ぐらい前ですけれども、その当時の仕事は、予算が成立したら、走って各省庁を回って箇所づけを集めてきて、それをいち早く伝えるというのが秘書の仕事だったと思います。特に中選挙区時代は、自民党の中でお互い、候補がしのぎを削っていたわけですから、相手よりも早く伝えるということが必要だということで、箇所づけをみんな集めて回るということをされていたと思うんですよね。それぐらいに、役所の人たちは多分厳密に管理をしていたんじゃないかと思います。

 それを、相手が自治体の方だとはいえ、ちょっと不用意過ぎるんじゃないかと思うのと、伝えたことを、山口県はすぐにホームページにアップしちゃったんですよね。下関の方は、予算が成立してから、そういうふうに言われたという書き方をしてコメントを出していましたけれども、山口県は先にアップしちゃっているというのは、私はいかがなものかなと。かなりこれは特異なことじゃないかなということは指摘をさせていただきます。

 それでは、少し前回の続きになるんですけれども、大臣が答弁で、この関門トンネルと関門橋と二つしかルートがなくて、その二つが同時にとまってしまうと本州と九州の間の物流が完全に途絶えてしまう、分断されてしまうということをしばしば言っていて、前回、質問で、じゃ、トンネルと橋が同時にとまったのは何回あって、そしてその最長の時間が何分だったのか、何時間だったのかと聞いたら、NEXCO西日本が管理をしてからは五回で、最大は十七分だった、そういう答弁を道路局長がされました。

 つまり、今あるトンネルと道路が両方とまったことは十七分しかないわけですね。ですから、両方一遍にとまっていくというのはそうそうあることじゃない。

 では、新しい橋をつくったら代替機能がきちんと確保できるのかということなんですが、橋がとまった例として、台風と、あと積雪がパンフレットに挙げられておりました。その台風のときに、では、新しい橋ができて、関門橋が台風の風の影響でとまったときに、新しい橋は風の影響でとまらないのか、そういう調査をしたのかと聞いたら、調査していないとおっしゃいましたね。

 気象庁に来てもらって、とまったときの平成二十七年の台風十五号の経路図、ちょっと出してもらったんです。それで、次のページには風の観測データも出してもらいました。ただ、観測所が、下関と八幡なので、ちょっと離れているんですよね。もう一枚めくっていただいて、九ページに観測所の位置を描かせていただいておりますが、下関と八幡、ちょっと離れているんです。ただ、下関の観測所で、今ある関門橋と新しくつくろうとしている道路の橋の建設予定地の真ん中ぐらいにこの観測所があるので、恐らく下関の観測所で観測されている風のデータが両方に合うんじゃないかなと思うんですよ。

 その上で、きょうは気象庁の方にも来てもらっていますが、平成二十七年の台風十五号のこの経路図で、暴風域が半径東百九十キロ、西側九十キロ、強風域の範囲は四百六十キロというふうに出ております。

 では、このときの台風で、現在ある関門橋の位置と、予定されているところは、ルート図、地図を示しておりますが、こことで、風速が変わっておりましたでしょうか。

関田政府参考人 お答えいたします。

 当時観測がございませんので、あくまで一般論として申し上げますが、一般的に、関門橋と下関九州道路、大体五ないし六キロ程度離れているかと思いますが、この程度の範囲内で実際に吹く風の風速でございますが、もちろん同程度の場合がございます。一方で、地形などの影響で風が通りやすい方向が違うような場合には、五ないし六キロメートル程度の距離であっても、場所によって風速が大きく変動するという可能性がございます。

 関門橋ですが、これは海峡の方向が北東から南西に向いています。それから、下関北九州道路につきましては北西から南東と、直角方向でございますので、風の吹き方によっては、大きく風、風速が異なるという可能性はあるだろうというふうに考えております。

初鹿委員 ただ、変わることはあっても、変わらないことの方が多いんじゃないんでしょうかね、この距離なら。うんとうなずいていただきましたが。つまり、風で関門橋が通行どめになるときは、新しい橋をつくっても通行どめになるんですよ。代替機能という意味では、そこは疑わしいと言わざるを得ません。

 雪についても、積雪のデータを出してもらったんですけれども、こちらは残念ながら、下関と福岡という、もっと距離の離れているところのデータしかないんですけれども、下関と福岡のデータを見比べても、積雪量は大体同じぐらいの量になっているので、恐らく、雪でとまるときも両方とまるんだということを指摘をさせていただきます。

 ですので、代替機能としてもう一本橋が必要なんだというのは必ずしも当たらないんじゃないかということは言えるんじゃないかなと思います。

 ただ、道路ができれば便利になることは便利になるんですよ。そこを否定しているわけではありませんよ。ただ、代替機能として必要なんだという主張は必ずしも当たらないということを指摘をさせていただいているわけです。

 では、次の、ちょっと別のフェーズに移っていきますが、やはり私としては気になるのは、三月三十一日に関門会という安倍総理も名前を連ねている議員の集まりが要望に行って、それ以降動きが始まっているというように見えるんですよね。

 その前に、直前に、ちゃんと国会の質問主意書の答弁で、個別の調査はしないという答弁を八月二十四日に決めていて、その翌年の三月三十一日に要望があって、その後から検討をしていって、今回こうやって調査の予算がつくようになっているわけで、明らかにこのときに、この間に見解が変わっているわけですから、この三月三十一日の関門会での要望というのが一つのキーになっているんじゃないかというふうに思います。

 どうも、大臣は余り覚えていないような答弁をこの前もされておりましたけれども、そのときに、事前に説明をしてもらっていた資料や、また、そのとき大臣が発言をするために用意をされていたメモがあったら、それを出していただきたいんですが、いかがでしょうか。

石井国務大臣 今委員から、平成二十八年三月三十一日の関門会の要望が今回の下関北九州道路の海峡プロジェクトの取扱いの変更の大きなきっかけになったのではないかという趣旨の御発言がございました。

 直接のきっかけは、私が問題提起を平成二十八年の夏にやったということでありますけれども、私の問題提起は、関門会の要望がきっかけになったということはございません。全くございません。そのことは、私自身の問題ですから、はっきりと言っておきます。委員はそうではないかというふうに疑問を呈されましたが、そうではないと私自身はお答えをいたしたいと思います。

 その上で、この要望ですね。事前といいますか、通常直前なんですね、説明をやるときは。だから、事前と直前と二つ、二種類あるわけではありません。大体、直前に説明を受けまして、そのとおりお答えをするということなんですけれども。

 残っていれば、私の今説明したことがはっきりわかると思うんですけれども、残念ながら、そのときの説明資料は残っていないようなんです。

 といいますのも、仮に当時つくっていたとしても、要望に関する文書の保存期間が一年未満となっておりまして、このことから、文書は残っていないものと考えております。

初鹿委員 大臣はそうはおっしゃるんですけれども、でも、その前に、やはり、どういうような説明の資料が出されていたのかとか、そういうことは非常に私は重要なんだと思うので、そこは、残っているものがあればぜひ出していただきたいということを改めてお願いをさせていただきます。

 それでは、ちょっと古い話に行きたいと思います。ちょっと時間がなくなってきたので。平成二十年の、海峡横断プロジェクトの調査をしないという決定をした当時のことを少し振り返って検証していきたいと思うんです。

 調査をしないということになったきっかけというのは、どちらかというと、財団法人の海洋架橋・橋梁調査会という外郭団体に対して国交省が調査費ということで七十億円の調査を委託していた、こういうようなやり方が問題なんじゃないかということで、公益法人の改革の中でこの法人自体がなくなる、廃止になる、解散になる。それに合わせて、海峡横断プロジェクト全部が、もうここで調査はしないということになったということなんだと思うんですね。

 ですので、海峡横断プロジェクトそれぞれの、一つ一つを精査をしたというよりも、この調査会自体をなくすということで、一緒に、全部調査がされなくなったということなんだというふうに理解をしております。

 このときに、調査をしないということは決めたんだけれども、プロジェクト自体を中止するということまでは決めなかった、その理由は何なんでしょうか。

池田政府参考人 海峡横断プロジェクトについて、平成二十年当時に個別プロジェクトに関する調査は行わないということを決めた理由としては、主として財政難を背景として実現が見通せない状況の中で、調査の継続が難しかったものというふうに当時判断されたものと考えております。

 したがいまして、将来にわたってこういった海峡横断のプロジェクト自身がその時点で必ずしも否定されたものではないということから、プロジェクト自身まで中止がされなかったものと考えております。

初鹿委員 十二ページにその当時の記者会見で配付した資料をおつけをさせていただいております。「高規格幹線道路等の手続き・海峡横断プロジェクトについて」ということで、海峡横断プロジェクトについては個別のプロジェクトに関する調査は今後行わないということが書いてある記者会見の資料なんですね。

 ここでこう書いてあるんですよ。「これらについては、画期的な技術開発や財政の大幅な改善があり、仮に将来、整備段階に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線毎に議論するような手続きを経ることとする。」個別路線の議論を国会でするというふうに答えているんですね。

 後ろにまた議事録をつけさせていただいておりますが、これは、まず最初が平成二十年三月十二日の国土交通委員会、ここで冬柴大臣が、海峡横断プロジェクトの調査については今後行わないという決断をいたしましたということに続けて、これは共産党の穀田委員の質問に対してなんですが、やはりこういう候補路線を格上げするというようなことが将来起こった場合には、これはやはり国会にお諮りしなきゃならない、そんな思いもありましてと答えているんですね。国会でお諮りしなきゃならないと。

 さらに、具体的にどういうことなのかなと思って、更にもう一枚めくっていただいて、十四ページには三月十八日の予算委員会の議事録をつけさせていただきました。

 こちらは共産党の仁比議員、こちらは参議院ですね、仁比議員の質問に対して、仁比議員からはこういう趣旨で質問をされているんですよ。今回、調査は中止にしたけれども、やらないということになったけれども、プロジェクト自体は中止にしないのは何でなのか、中止すべきじゃないかという趣旨で質問をしたことに対して、冬柴大臣はこういうふうに答えているんですね。「私は、そういうものを、これ候補ですよ、候補路線から予定路線とかに格上げするというようなときには、私ここではっきり申し上げますよ、国会に諮りますよ、一本一本法律にして。それ否決してください。それでいいじゃないですか。やったらいいんですよ。」一本一本法律にしてと言っているんです。

 ここで、一本一本法律にしてというのは、具体的にどういうことをイメージされているのかなというのが私は疑問だったんですね。

 それで、十五ページに一枚紙をつけさせていただいていますが、高規格幹線道路網計画の変遷というのを出させていただいておりますが、高規格道路については、ここに書いてあるように、昭和四十一年からいろいろ計画が進んでいって、昭和六十二年の計画で全長一万四千キロメートルとして決定をしていて、これが今でも生きているわけですよね。

 つまりは、冬柴大臣は、この高規格道路に加えるということで、その前提として法律を出さなきゃいけない、そういう趣旨で言っていたんでしょうか。どういう趣旨だったんでしょうか、これは。

池田政府参考人 今御指摘のありました平成二十年当時の冬柴大臣の国会の答弁及びその直後に冬柴大臣から国交省として発表した三月二十八日の今後の方針、こういったものを振り返ってみますと、今御指摘されました海峡横断プロジェクトを高規格幹線道路網の計画に加えることを念頭に置いた発言だったり、決定だったりしたものではないというふうに考えております。

初鹿委員 では、具体的に聞きますけれども、どういう法律を出すということなんですか。

 それで、加えて、これは政府の方針として答弁で言っているわけですから、一本一本法律を出すと言っているんですから、今回、仮に調査が進んでいって、これが事業化ということになったら、何らかの形で法律を出して国会で諮るということをするんでしょうか。

池田政府参考人 この三月二十八日の資料にもありますように、今御指摘のとおり、整備段階に格上げを検討する場合であっても、国会の場で個別路線ごとに議論するような手続を経るというふうになっておりまして、これは事業化に当たっての手続というふうに認識をしております。

 そして、具体的なその際の手続やあるいは必要となる法律については、将来、海峡横断プロジェクトが仮に事業化される場合には、その際までには具体的に整理をしていくというふうに考えておるところでございます。

初鹿委員 普通に地域高規格道路を事業化するのに、法律は必要ないですよね。

池田政府参考人 御指摘のとおり、地域高規格道路、通常のものを事業化する際に、法律が必要になるものではございません。

初鹿委員 となると、国の高規格道路に格上げをしないで地域高規格道路として整備を進めるということになると、冬柴大臣の答弁は撤回をする、そういうことになるわけですけれども、そういうことでしょうか。

池田政府参考人 一般的には地域高規格道路の事業化は法律が要らないということでございまして、まさに、この海峡横断プロジェクトについては平成二十年の当時に国会を含めていろいろな議論がありまして、この海峡横断プロジェクトについては、国会で諮っていくというようなことで、特別な扱いをしていこうというふうに決定したものと考えております。

初鹿委員 ということは、今回この道路が事業化するに当たっては、海峡横断プロジェクトの一つだから法律にする、国会で何らかの形で諮る、そこはお約束をするということでいいですね。

池田政府参考人 下関北九州道路については、現時点は直轄調査に着手する時点でございますので、事業化する段階よりは随分早い段階であることをまず申し上げたいと思います。

 その上で、この下関北九州道路は、先ほどから御説明しているとおり、ほかの五つのプロジェクトとは違う性格があるということで、再整理をして進んでいるものではございますけれども、平成二十年からの経緯もございますし、仮に下関北九州道路が事業化されるような段階におきましては、国会の手続についても整理をしていきたいと考えております。

初鹿委員 整理をしていきたいということで、法律を出すとまでは断言していませんけれども、答弁でちゃんと冬柴大臣は、下関北九州道路のことについて聞かれて、一本一本法律にして、それを否決してくださいと答えているんですから、何らかの法律をつくる必要があるということを指摘をさせていただきます。

 その上で、この黒く囲っているところ、仁比議員の発言のところで、この発言を見ると、この調査会がかなりこれはもう調査していて、構造計算までやって、平成十一年にはルートの検討まで終わっているということなんですよ。それを見ると、下関西道路から彦島インターチェンジで橋とつながっていて、小倉に渡ったら北九州都市高速と西港ジャンクションで接続すると書いてあって、それが千五百五十七億七千万円となっているんですね。

 ちょっとめくっていただいて、十ページのこの地図、これは三月十九日に石井国土交通大臣に説明をしたときに用いた資料ということなんですが、仁比議員がここで紹介をしているルートと全く同じようなところに点々々がついているわけですよ。つまり、仁比議員が指摘していたように、この計画がここまでできているから、すぐに事業化するというなら事業に進んじゃうんじゃないかということが、本当にここは実現しているんですが、このルートが一番有力だということで県でも検討がされているという理解でよろしいんでしょうか。

池田政府参考人 今御指摘の三月十九日の大臣の説明資料のルート図でございますけれども、これは、下関北九州道路について、事前に地元の自治体等から受け取った要望書に示されたものの矢印を国交省の方で図面に記載したものでございます。

 今後でございますけれども、直轄調査に入るわけですけれども、その直轄調査の中でルートや構造の検討をしますが、特にこのルートのみを前提に検討することは考えてございません。

初鹿委員 まだまだわからないことがたくさんありますので、引き続き質問していきたいと思います。

 質疑を終わります。

谷委員長 次に、日吉雄太君。

日吉委員 国民民主党・無所属クラブの日吉雄太でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。きょうは、大きく二つのテーマで質問をさせていただこうと思っております。

 先ほど初鹿委員が質問されていましたが、この下関北九州道路について、そしてもう一つは、沖縄の辺野古基地、新基地建設についてお伺いいたします。

 まず、下関北九州道路についてです。

 箇所づけのやり方を最初にちょっと教えていただきたいなと思うんですけれども、私のイメージですと、大臣なりが予算の中で方向性を示した上で、事務方がそれぞれ予算の範囲内で決定し、それを大臣始め政務三役で総合的判断をしながら決定していく、こういうような流れになるのかなというふうに考えているんですけれども、その点、まず教えてください。

池田政府参考人 具体の路線の箇所づけでございますけれども、政務三役の方には、日常の仕事の中で個別路線の御指導や助言を受けることがございます。

 こういった日常的な業務を踏まえた上で、通常でありますと三月の末に実施計画の承認を経て箇所づけということになるわけでございますけれども、その直前の段階で道路局で案をつくりまして、政務三役に必要な部分を御説明をしまして、その中で必要な手直しをして決定していく、こういう流れになってございます。

日吉委員 ありがとうございます。

 今のお話ですと、政務三役の方が最終的に調整をしながら国交省として決定されるというふうに理解をいたしました。

 そういった中で、今回、関門会の要望書が問題になっております。この要望書の冒頭の部分をちょっと読ませていただきますと、「「関門会」は、関門すなわち下関、北九州にゆかりのある自民党、公明党国会議員の有志によって結成された会である。去る二月二十四日、安倍総理を囲み懇談会を開催させていただいたところ、その際、「第二関門橋」の早期建設促進の件が話題となり、「関門会」の総意として要請活動を行うこととなった。」こういうふうになっております。

 こういった中で、安倍総理の名前がこの要望書の中にあるんですけれども、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範という大臣規範がございます。

 この中で、政治家であって国務大臣等の公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保するとともに、国家公務員の政治的中立性を確保し、副大臣等の役割分担を明確とするため、国務大臣等は、国民全体の奉仕者として公共の利益のためにその職務を行い、公私混交を断ち、職務に関して廉潔性を保持することとする、こういう大臣規範がありますが、大臣、政務三役というのは国民全体の利益のために活動をしていく、こういった中で、一つの道路の要望書、これに名前を連ねることというのはこの大臣規範に反しないかどうか、これを教えてください。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣等規範は、公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する観点から、国務大臣等がみずから律すべき規範として、閣議決定により定められたものでございます。

 同規範には、服務を始めとしまして、国務大臣等が遵守すべき事項が定められております。これを踏まえまして、各国務大臣等は、その趣旨にのっとって、具体の事案に即し、適切に対処されるものと考えております。

日吉委員 その規範にのっとって適切に対処されるということですが、石井大臣にお伺いしたいんですけれども、各自が判断するということですが、こういった総理の名前がある要望書が出てきたときに、これは大臣として、この規範に、安倍総理、違反しているんじゃないか、こういうふうに認識はされませんでしたか。

石井国務大臣 平成二十八年の三月に関門会から御要請、御要望を受けましたが、その要望書の中に総理のお名前もあったということでありますけれども、私は、それで総理から何か陳情を受けたとか指示があったとは受けとめておりません。

日吉委員 そこで陳情を受けた、こういう認識はないということなんですけれども、そもそも、そういうことがあっていいのかどうかということが知りたいんですけれども。

 例えば、石井大臣が大臣の名前で要請書を作成し、それを大臣が国交大臣として受け取ったというようなことがあったとしたら、それは適正なものだと認識されますか。

石井国務大臣 国土交通省では、政務三役が政務三役として国土交通省に要望をするということはございません。

日吉委員 政務三役として要望することはないんですけれども、その政務三役の方が仮に要請をした場合、それは適切か適切でないかといったら、どちらになりますか。

石井国務大臣 少なくとも私は国土交通省に要望したことがございませんので、そのことを申し上げたいと思います。

日吉委員 大臣は要請されたことがないというお話でした。

 ただ、ちょっと、このメンバーの方を、この関門会の要望書に載っている方のお名前の中で、江島潔参議院議員、この方、この当時、国土交通大臣政務官をやられていたと記憶しておりますが、そういった方がここで要望する、これは適切でしょうか。

石井国務大臣 総理も、総理として御要望されたわけではないというふうに参議院の決算委員会で申しておりますし、江島潔さんも、当時の国土交通大臣政務官として御要望したということではないというふうに理解をしております。

日吉委員 政務官として要望をしていない。ですが、その要望をした方が箇所づけに関与されるということですので、いわばお手盛り、自分で自分を決めるみたいな、そういうことになるんですけれども、これは不適切ではないでしょうか。大臣、いかがですか。

石井国務大臣 先ほども申し上げましたように、政務三役としての立場で要望することはないということでございます。

日吉委員 立場はそうですけれども、実際にその方が箇所づけに関与するわけですから、自分で要望して自分で決めているということになると思うんですけれども、それについて、そういう仕組み自体をおかしいと思いませんか。

石井国務大臣 政務三役としては要望しておりませんので、政務三役として箇所づけをするということはないと思います。

日吉委員 済みません、最後の、政務三役として箇所づけをすることはない、これはどういう意味ですか。

石井国務大臣 仮に一議員として要望をしたところであっても、そのことについて政務三役として箇所づけすることはないというふうに思っております。

日吉委員 そうはいっても、人ですから、そこをはっきりと区別して、御自身の地元への利害と全体の利害、これをしっかりと区分けして判断するというのは難しいと思うんです。

 ですので、いろいろなケースでは、自分の利害に関係のある方は箇所づけのそういった意思決定からは除外される、そこには入らないというようなことが一般的だと思うんですけれども、そういった場合に、政務三役の方が箇所づけにかかわらない、こういった制度なりはあるんですか。

石井国務大臣 これは津村委員からの御質問にお答えしたと思いますが、箇所づけについては決裁という行為は行っておりません。

 国土交通省は膨大な数の箇所づけがありますから、私も一つ一つの箇所づけにかかわっているわけではありません。日常のいろいろな陳情等を受ける中で、個別の箇所について担当の部局と話をするということはありますけれども、それ以上に、個別の箇所づけ、個別の事業箇所についてどうこう言うという機会はないと思いますし、それから、事前に聞くのも、本当に限定された、例えば新規事業をやるような場合で、事前に知事さんに、あれは何というんでしょうかね、手続上、ちょっと名前を忘れましたけれども、知事さんの同意を得るというんでしょうかね、そういうケースに事前にお話を聞くということはありますけれども、個別の箇所について網羅的に何かかかわっているということはございません。

日吉委員 実際問題として、網羅的にかかわっていない、御自身の地元の箇所づけについてはかかわっていないということかもしれませんけれども、ただ、そういったことが行われているんじゃないかというふうに思われてしまうこと自体をあらかじめ除外できるような仕組みといいますか、それは要するに、大臣なり政務三役という、こういった国民全体の利害を調整し判断をする役職にあった場合には、こういった個別の要請活動、これはやるべきではないんじゃないかと思いますが、それについて、どのようにお考えになりますか。

石井国務大臣 例えば、この関門会の要望については、先般、参議院決算委員会で総理は、その委員会で指摘をされて初めて自分がその要望書に名前を連ねていたことがわかったと。

 総理は、私は総理大臣としてそこに名前を載せているのではなくて、関門会のメンバーの名前が載っているということなんだろうと思う、総理大臣として陳情する立場にはない、そういう旨答弁されているように、まあ御本人の知らないところで名前が使われているというケースもあろうかと思いますので、私、先ほど申し上げましたように、政務三役として要請することはないということかと思います。

日吉委員 政務三役として要請することはないかもしれませんけれども、この総理のケース、関門会の要望書の冒頭を先ほど読み上げさせていただきましたけれども、二月二十四日に安倍総理を囲み懇談会を開催させていただいた、総理も、その中で、関門会の総意として要請活動を行うことになったというふうに文章になっている中で、これは総理が、実際に要請活動をするということを、この文章を読む限りでは、理解していたというふうに思うんですね。

 なので、それを総理は知らなかったというような、名前が載っていたのは知らなかったかもしれないですけれども、要請活動自体をやっているというのを総理は知っていたんじゃないですか。

石井国務大臣 それは総理にお聞きいただきたいと思います。

日吉委員 はい。じゃ、それは今度、機会がありましたら総理に確認させていただきます。

 何度も申し上げて恐縮ですけれども、この箇所づけにおきまして、それを決定される方が要請する行為をする、これ自体はやはり公平性を欠くのではないかというふうに思いますので、その辺に対してまた改めて質問をさせていただきたいと思います。

 もう一つ。今回の国直轄調査で下関北九州道路が採択されたわけですけれども、この箇所づけをする際、実際に考慮した項目、必要性とか緊急性、こういったことがありますけれども、もう少し具体的なレベルで、どういった項目を検討したのか教えてください。

池田政府参考人 国の直轄調査の箇所づけにつきましては、データに基づく渋滞や交通事故などの道路交通上の課題の状況把握、周辺道路の整備状況、こういったものを総合的に勘案した上で、個別の路線ごとに調査着手の判断をしているところでございます。

 また、地域ごとに地形や気候や産業構造が違いますし、多様なそれぞれの実情があります。例えば、物流の効率化が一番重要な地域であったり、観光の振興がそうであったり、医療、防災の確保がそうであったりということでございます。地域が求める政策ニーズも多様であることから、こうした地域の実情も踏まえながら、個別の、路線ごとの調査の実施を判断しているところでございます。

日吉委員 そういった項目がある中で、今回、下関北九州道路は地域高規格道路百八路線の中で一つ採択されましたということです。いろいろ、こういった調査を行う予算がついた道路は幾つもあるわけでございますが、その中で、この百八の地域高規格道路の中では一つであった。

 そういった前提において、具体的に先ほど挙げていただいた考慮項目、これを照らし合わせた上で、実際採択されたポイントは何だったのか、大臣、お伺いできますか。

石井国務大臣 今、委員の御質問の中で、地域高規格道路の百八路線とおっしゃいましたが、地域高規格道路の候補路線の百八路線でございますので、そこは御理解いただきたいと思います。

 関門トンネルを含む国道二号及び三号の慢性的な渋滞や、二日に一回以上の頻度で発生いたします関門トンネルの通行どめ等、関門海峡の周辺の道路交通の課題は大きいと認識をしております。

 また、関門海峡を結ぶ道路につきましては、関門地域における通勤や観光交流に加えまして、我が国の自動車産業や農業、畜産業等の物流を支えるなどの本州と九州を結ぶ日本の大動脈という役割を担っており、その強化は重要な政策であると考えております。

 さらに、下関北九州道路は、海峡を横断するという高い技術力の求められる道路になります。

 加えて、下関北九州道路につきましては、これまでも地元から多くの御要望をいただいており、平成二十九年度からは、福岡県、山口県、北九州市などによって道路のルートや構造、整備手法について調査が実施をされ、本年三月八日には下関北九州道路調査検討会が開催をされ、調査検討の取りまとめがなされたところであります。

 このようなことを踏まえまして、下関北九州道路につきましては、今年度より国の直轄調査に着手をしたところでございます。

日吉委員 そうしますと、百八路線があります、それで、一つが採択されました。それ以外で、この検討の過程において、下関北九州道路と同様に、必要性や緊急性が高いとして、どちらにしようかなというような候補に残ったというか、そういった道路、こういったものはありましたでしょうか。

池田政府参考人 地域高規格道路の候補路線は、将来幹線道路として整備を行う可能性があるものの、具体的なルート、構造が未決定な路線であるものを、全国百八路線、平成六年と平成十年に指定しておるところであります。

 それで、この調査自身は、並行する現道の管理者が国や地方公共団体にまたがっていますので、その両方が分担して調査を行っております。

 このうち、国で調査を実施している路線や、調査がもう既に一応完了している路線は、その百八の中で三十四路線ございます。

 それで、この下関北九州道路のように、地方公共団体が主体となって調査している路線のうち、将来、直轄調査への移行も含めて検討している路線は六路線でありまして、このうち下関北九州道路を含む三路線が、これまでに地方公共団体の調査結果がまとまって直轄調査に移行したということで、その他の三路線については、まだ検討結果の取りまとめが行われておりませんので、直轄への移行という段階には至っていない、そういう状況でございます。

日吉委員 今回の採択において、競合した、競合というか、どちらにしようかなといったものが今の御説明だとちょっとあやふやだったんですけれども、それはあったという理解でよろしいんですか。

池田政府参考人 先ほどの説明の最後のところで御説明したとおり、地方公共団体が主体となって調査をして、将来、直轄調査への移行も考えながらという路線がありまして、それで考えますと、下関北九州道路を含めて、現時点で四路線あったということでございます。

 その中で、この下関北九州道路は、地域の調査がまとまって直轄調査に移行した、こういう状況でございます。

日吉委員 調査に移行しなかったその三路線、これについて、それがどこかというのは、これを教えていただくことというのはできるんですか。

池田政府参考人 先ほど申しましたように、下関北九州道路を含めて四路線あって、その下関北九州道路が直轄に行きましたので、その他三路線は特定できますので、後ほど御報告させていただきます。

日吉委員 それでは、後ほど教えてください。

 続きまして、今度は沖縄の辺野古の新基地建設について質問をさせていただきます。

 先般、沖縄三区衆院補選がございまして、辺野古新基地建設反対を訴えて屋良さんが当選を果たしました。こういった中で、さきの玉城デニー知事の知事選挙、県民の七〇%以上が反対を表明した県民投票の結果、そして今回の衆議院選挙で屋良朝博さんの勝利、いずれも争点は、辺野古基地建設反対、この是非でありました。

 安倍内閣におきまして連立を組む公明党さんは、ある意味、政権の中でのチェック機能を果たしている、このように言われておりますが、そこで質問をさせていただきます。公明党さんから入閣されている石井大臣、今回、沖縄県の民意、これをどのように感じられましたでしょうか。

石井国務大臣 国土交通大臣といたしましては、個別の選挙結果につきましてはコメントする立場にございません。

日吉委員 先般の県民投票、これについても辺野古新基地建設反対の民意が示されたと思いますが、これについても、石井大臣はどのように考えられているか、改めて。

石井国務大臣 条例に基づく個別の投票結果につきましても、国土交通大臣としてはコメントする立場にございません。

日吉委員 憲法九十五条では、特定の地域に限定した法律をつくるときには県民の意思を確かめるというような規定がございます。

 その趣旨というのは、そこの地域に不利なことをやるのであれば、そこの意見を聞きましょうということであると認識していますが、前回の県民投票、そして今回の衆院補選の結果、こういったことを受けたときに、それでも辺野古基地建設を進めていくというのは、この憲法の精神に反するのではないかと考えますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

石井国務大臣 繰り返しになりますが、個別の選挙結果あるいは条例に基づく住民投票の結果につきまして、国土交通大臣としてはコメントする立場にございません。

日吉委員 そうしますと、ちょっと別の聞き方をさせていただきます。

 公有水面埋立法について、その四条一項一号に要件がございまして、国土利用上適正かつ合理的であること、こういったことが求められています。その中で、二〇一六年九月の福岡高裁の那覇支部の判決文では、適正性や合理性を判断するに当たっては、国土利用上の観点から、当該埋立ての必要性及び公共性の高さ、埋立てに係る環境への影響などの比較考量をし、地域の実情などを踏まえて総合的に判断することですというふうに記載されております。

 この地域の実情というのが、県民投票の結果であったり、さきの補選の結果であったりするというふうに認識しますが、この地域の実情について、大臣は、この公有水面埋立法の適正かつ合理性、これを満たすかどうかについての判断において、どのように考慮されましたか。

石井国務大臣 沖縄防衛局から、沖縄県による埋立承認の撤回処分について、行政不服審査法に基づく審査請求が昨年十月十七日にございました。

 このため、行政不服審査法上の審査庁として、国土交通大臣は審査庁という立場でありますが、法の規定に基づき、審理員から提出された審理員意見書とともに、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容や、審理員の求めた鑑定の結果を検討いたしました。

 その結果、沖縄県が指摘する事項をもって公有水面埋立法第四条に定める埋立承認の要件を欠くに至ったと認めることはできず、埋立承認の撤回処分には理由がないと判断をいたしまして、沖縄県による埋立承認の撤回処分を取り消すとの裁決を行ったところであります。

 このように、今回の裁決は、行政不服審査法上の審査庁として、法の規定に基づき適切に対応したものでございます。

日吉委員 法の規定にのっとりというところはわかったんですけれども、この地域の実情についてどのように検討されたのか、そこをもう少し具体的に教えてください。

塚原政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨年十月十七日に、沖縄防衛局から、沖縄県による埋立承認の撤回処分につきまして、行政不服審査法に基づく審査請求がございました。

 そのため、行政不服審査法上の審査庁として、法の規定に基づきまして、審理員から提出された審理員意見書とともに、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容や、審理員の求めた鑑定の結果を検討いたしました。

 その結果、沖縄県が指摘する事項をもって公有水面埋立法第四条に定めます埋立承認の要件を欠くに至ったと認めることはできず、埋立承認の撤回処分には理由がないと判断をいたしました。

日吉委員 先ほど大臣が御答弁いただいたのと同じ内容で、具体的な地域の実情、これについてどのように検討されたのか、お答えがなかったように思われますが。

 そうしたら、続きまして、同じく適正かつ合理性のこの四条一項一号の要件について、別の角度からお伺いさせていただきます。

 この合理性というか、埋立ての合理性について考えるに当たりまして、経済的合理性についても検討しなければいけない、このように考えます。幾らかかるのか。何兆、何十兆かかる埋立てをするわけにはいかないわけです、税金を投入するという中から考えますと。そういう意味で、必ず経済的合理性についても検討をしなければならない。

 その中で、じゃ、この工事に一体幾らかかるのかといった場合、今その総額は、かつてはわかりましたが、軟弱地盤対応等を含め、地盤改良工事を行うに当たって、その総額がわからない、まだ算定できていないというこの状態で、その経済合理性というのは判断できていないんじゃないか、こういうふうに考えますが、それは、したがって、この四条一項一号の埋立ての要件を満たしていないというふうに考えますが、これについての見解をお願いします。

塚原政府参考人 経済合理性というお尋ねでございますけれども、これは埋立工事にかかる経費についてというふうに考えてございます。

 今回の裁決は、行政不服審査法の審査庁として、昨年八月に沖縄県が行った埋立承認の撤回について理由があるかどうかを審査したものでございます。

 御指摘の埋立工事にかかる経費につきましては、沖縄県は撤回の理由とはしておらず、また、その後の行政不服審査手続におきましても沖縄県からの指摘はございませんでした。

 そのため、裁決に当たっては、埋立工事にかかる経費については判断しておりません。

日吉委員 今のお話ですと、その経費が幾らかかるか、その適切性といいますか合理性については検討をしていなかった、こういった答弁でございました。

 じゃ、一般論でちょっと質問させていただきますが、公有水面埋立法、これについて、この合理性、ここには経済的合理性も当然含まれるという理解でいますが、それでよろしいですか。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 公有水面埋立法第四条第一項の六号におきまして、「出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト」という、資金調達面からの埋立承認の要件を審査するための事項が規定をされております。工事費の多寡、多い少ないにより経済的な合理性を評価することとはされておりません。

日吉委員 済みません、そうすると、幾らかかってもいい、あり得る、それは、それでも承認をする、埋立てができる、こういう理解でよろしいんですか。

塚原政府参考人 繰り返しのお答えになりますけれども、先ほどの第四条第一項六号におきます規定は、資金調達面からの埋立承認の要件を審査するための事項が規定されているということでございまして、工事費の多い少ないといった形での経済的な合理性を評価することとはされてございません。

日吉委員 この六号というのは、「出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト」、これは有していなければいけないということです。それと、この「国土利用上適正且合理的ナルコト」というのは、別の号で定められていますので、その意味が違うというふうに当然考えます。

 ということは、その埋立てに対して、それが合理的な場所なのか、合理的な工事になるのか、こういったことを総合的に言っている、その中にはやはり、経済的に費用が余りにも多額だったらその工事はやらない、それは不合理だ、こういうふうに解釈するんですけれども、そういうことじゃないんですか。

塚原政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、資金面につきましては、先ほど来申し上げてございます、公有水面埋立法第四条第一項六号におきます「出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト」ということで、資金調達面からの埋立承認の要件を審査することとされております。

日吉委員 いや、答えになっていないと思うんですけれども。これは資力を言っていますけれども、幾ら工事にかかるのかといったところ、これについてやはり合理性を検討しなければいけないと思います。

 そういった意味で、この工事の費用の総額がわかっていない、この現状を踏まえれば、合理性があるかどうかということは判断ができないということで、そういう意味でこの四条一項一号の要件を満たしていないというふうに考えます。その点を指摘させていただきます。

 そして、もう一つ、ジュゴンについて質問をさせていただきます。

 先般、個体Bの死亡が確認されました。その死因はわかったのでしょうか。

辰己政府参考人 死亡が確認されたジュゴン、これを我々は個体Bと呼んでおりますが、これまでの確認状況を踏まえると、工事区域から遠く離れた沖縄島の西海岸にある古宇利島沖を主な生息域としていたものと考えています。

 今後、今帰仁村が主体となって、関係者立会いのもと解剖が行われる予定と聞いており、引き続きこの死因についても今帰仁村などから情報収集をしていく考えです。

日吉委員 そうしますと、現時点で死亡の原因がわからないということです。

 そういった中で、公有水面埋立法四条一項二号の「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」といったこの要件を満たしているのか。

 すなわち、その死因がわからない中で、環境保全が十分なされたのかどうか、これも不明じゃないのかというふうに考えますが、この二号を満たしていないというふうに考えますが、これについて御答弁お願いします。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありましたジュゴン一頭の死骸の発見は、承認撤回後の事情でございます。

 行政不服審査手続において提出された書面によれば、沖縄防衛局は、環境保全図書の記載に従いつつ、沖縄県が承認時に設置を求めた専門家等から構成される環境監視等委員会の指導助言を受けジュゴン監視・警戒システムを構築、運用するとともに、各種調査を行うなどしてジュゴンに関する環境保全措置を行っていることが認められます。

 このようなことから、ジュゴンに関する環境保全措置が適切ではないとの沖縄県の指摘には理由がないものというふうに判断をいたしました。

日吉委員 裁決の審査をする基準日自体では、このジュゴンの死亡というのは確認されていませんでした。なので、それは考慮に入れていないということなんですけれども、その後、死亡が確認されました。ということは、環境保全が十分できているのかできていないのかということに関する新しい、ある意味の情報が入ったわけでございます。

 そうすると、死亡したその原因が何だったのか、もしかしたら環境保全がうまくできていなかったのではないか、そこに不備があったのではないか、こういったことを考えて、検討した上で裁決をするべきであると考えますが、今現在その死因がわかっていない、そういった意味では、ここについて、この二号を満たしているかどうかも不明である、これが本来の状況じゃないでしょうか。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、ジュゴン一頭の死骸が発見されたのは、報道等により承知しておるところでございますけれども、承認撤回後の事情であり、承認撤回の理由ともされておりませんでした。

 行政不服審査手続において提出された書面によれば、沖縄防衛局は、環境保全図書の記載に従いつつ各種調査を行うなど、ジュゴンに関する環境保全措置を行っていることが認められます。このようなことから、ジュゴンに関する環境保全措置が適切ではないとの沖縄県の指摘には理由がないものと判断いたしました。

 いずれにいたしましても、今回の裁決は、行政不服審査法上の審査庁として、法の規定に基づき、審理員から提出された審理員意見書とともに、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容や、審理員の求めた鑑定の結果を検討し、法の規定に基づき適切に対応したものでございます。

日吉委員 ジュゴンの死亡については沖縄県からの書面には記載されていなかったという話でございますけれども、この裁決書を出す前に死亡についてはわかっていたわけですから、その情報を得た段階で本当にその保全措置が十分だったのかどうかというようなことは考えることができたはずであり、それをこの裁決書に反映させることもできたわけです。そういった意味では、本当に不明のままこれを、死因がわかっていない以上、不明と言わざるを得ません。そういった状況でこの裁決書を出してしまったというわけでございます。

 そういった意味で、ここも公有水面埋立法四条一項二号の要件を満たしていないということを指摘させていただきます。

 そして、時間が大分なくなってまいりましたが、最後に一問。

 先般、沖縄のアメリカ海兵隊の航空計画が発表されました。二〇二八年までの航空計画には、普天間基地の使用が見込まれている、そういったことで、辺野古の新基地建設に伴う施設建設計画も削除されていたということでございますが、今後、二〇二八年までこの辺野古の新基地は完成しない、運用されない、それまで普天間を使い続ける、こういう理解でよろしいですか。

森田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの海兵隊航空計画につきましては、今後十年程度における航空機、装備等の意向を見据えて米海兵隊が公表しているもので、その内容が随時変更されることを前提とした海兵隊内の報告用資料として作成されたものであって、米国防省の公式な立場を反映したものではないと承知しております。

 普天間飛行場の返還時期につきましては、二〇二二年度又はその後というのが日米両政府の合意となっておりまして、防衛省としては、普天間飛行場の一日も早い返還に向けて一歩一歩取り組んでまいりたいと考えております。

日吉委員 時間が参りましたので終わりますが、引き続き、この道路の問題、そして辺野古の問題について質問をさせていただきます。

 きょうはありがとうございました。

谷委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、国土交通委員会で質問を与えていただきました。委員長を始め、理事の皆様にお礼を申し上げたいと思います。

 私も、日吉議員に続きまして、辺野古新基地建設の問題について質問をいたします。

 四月五日、石井大臣は沖縄県の埋立承認撤回を取り消す裁決を出しました。沖縄防衛局が同じ政府内の国交大臣に審査請求を行い、大臣が審査することについては、当初から自作自演だという強い批判が上がっていました。

 この審査のために審理員が一人指名されております。この審理員は、軟弱地盤の問題について東京工業大学の日下部治教授に鑑定を依頼しています。日下部教授に鑑定を依頼することについて、大臣はいつ知ったんですか。

石井国務大臣 行政不服審査法第三十四条におきまして、審理員は職権で適当と認める者に鑑定を求めることができるとされており、本件につきましても、この行政不服審査法の規定に基づき、審理員が、平成三十一年一月二十四日付で、沖縄防衛局が作成をした地盤に係る設計・施工の検討結果報告書の内容の当否について、日下部先生に鑑定を依頼したものと承知をしております。

 私は、審理員が日下部先生に鑑定を依頼した後に、事務方からその旨の報告を受けたところであります。

赤嶺委員 四月十日の外務委員会で、私の質問に対し国交省は、鑑定を複数人に依頼する選択肢もあったが、時間がなかったので一人にした、このように答弁しております。

 辺野古の地盤改良の工事については、これまで経験したことがないほどの難工事になると指摘する専門家もいらっしゃいます。そもそも、土木や地盤工学は、同じデータでも見る人によって解釈が異なることがよくある、このように言われています。

 さまざまな見解がある中で、なぜ一人の鑑定結果だけで裁決を行ったんですか。複数人に鑑定を依頼するよう大臣は指示しなかったんですか。

石井国務大臣 繰り返しになりますけれども、行政不服審査法第三十四条において、審理員は職権で適当と認める者に鑑定を求めることができるとされており、本件につきましても、こうした行政不服審査法の規定に基づき、審理員が、平成三十一年一月二十四日付で、沖縄防衛局が作成した地盤に係る設計・施工の検討結果報告書の内容の当否について、日下部先生に鑑定を依頼したものと承知をしております。

 なお、行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定について指示をすることは、このような法律の趣旨に反することとなります。

 いずれにいたしましても、日下部先生は、地盤改良や地盤工学の研究経験が四十年を超え、その実績が国際的にも評価をされておりまして、日下部先生に鑑定を依頼すれば、審理手続に必要な専門的な御意見をいただけるものと判断したものと承知をしております。

赤嶺委員 鑑定人を複数選ぶということもその審理員の頭の中であったけれども、結局は一人になったということを私は問うているのであります。本当に、専門家がいろいろな意見がある中で、一人でよかったのかということであります。

 外務委員会で私は、日下部教授が辺野古工事を行っている業者から寄附や研究費などを受け取っていないか確認するよう求めました。依頼した鑑定人が関係者から寄附などを受けていないかということは、真っ先に確認すべきことであります。

 大臣は、審理員から報告書を受け取ったとき、日下部教授と工事業者との関係について確認いたしましたか。

石井国務大臣 行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定等について指示することは、このような法律の趣旨に反することとなります。

 いずれにいたしましても、日下部先生は、地盤改良や地盤工学の研究経験が四十年を超え、その実績が国際的にも評価をされ、東京工業大学名誉教授、国際圧入学会会長等を務められている方であり、現在、国土交通省設置法に基づき置かれる審議会の委員にはなっていないことから、鑑定に当たっては、地盤改良や地盤工学に係る専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

赤嶺委員 私は、大臣のところに審理員が裁決書を持ってきたときに、鑑定人が一人だけれどもこれは大丈夫か、そういう疑問も呈しなかったのかということを聞いているのであります。

 さらに、日下部教授の国交省内の審議会や外郭団体、国交省が設置した委員会などの委員としての経歴についても確認するよう求めています。この点について明らかにしていただけますか。

塚原政府参考人 お答えします。

 把握できる範囲で確認したところ、国土交通省設置法に基づき置かれる審議会の委員にはなってございません。

 また、国土技術政策総合研究所につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの間、研究評価委員会分科会の委員についていらっしゃったことを承知をしております。

 そのほか、現在、一般財団法人沿岸技術研究センターの海洋・港湾構造物設計士資格制度監理委員会の委員長、また、国立研究開発法人海上・港湾・航空研究所港湾空港技術研究所の外部評価委員会の委員長に就任されているということを承知をしております。

 いずれにしましても、日下部先生は、四十年を超える豊富な研究の御経験もございますし、国際的にも評価をされているということもございまして、また、国土交通省設置法に基づき置かれている審議会の委員にもなっていないということで、鑑定に当たっては、専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

赤嶺委員 今出ました国土技術政策総合研究所ですか、国総研、これはどのようなところですか。国交省とはどういう関係にあるのか、説明していただけますか。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 国土技術政策総合研究所は、国土交通省組織令第百九十二条において施設等機関の一つとして位置づけられております。

 また、組織令第百九十四条において、国土の利用、開発及び保全のための社会資本の整備に関連する技術であって国土交通省の所掌事務に係る政策の企画及び立案に関するものの総合的な調査、試験、研究及び開発等を行うこととされております。

赤嶺委員 つまり、日下部先生は、国交省内の一機関の評価委員であったということであります。

 日下部教授は、そのほかにも、先ほど説明がありましたように、国交省が設置した土木・建築の基本設計検討委員会、建設業等の国際展開フォーラム、とび・土工工事業の適正な施工確保に関する検討会の座長、こういう経歴も説明がありました。

 大臣、日下部教授という方は国交省の複数の委員会で委員を務めていた、そういう方ということ、これは御存じでしたか。

石井国務大臣 先ほどから繰り返しになって恐縮ですが、行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定について指示する等は、このような法律の趣旨に反することとなります。

 いずれにいたしましても、日下部先生は、鑑定に当たって、地盤改良や地盤工学に係る専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

赤嶺委員 私は、一人の専門家しか選ばなかった、しかも、国交省と密接にかかわりのある専門家しか選ばなかった、これでは国交省そのものじゃないかという疑いさえ持つわけですね。複数人に依頼することもできたのに、一人にしか依頼しなかった。さらに、その一人というのは、国交省が設置する委員会などの委員を何度も務めたことがあった。これで中立公正だととても言えない、このように申し上げておきたいと思います。

 問われているのは、今度の審査庁、もともと行政不服審査請求に、防衛局はそれを使うこと自体が間違いですが、中立公平性、これも担保されていなかったということも強く申し上げておきたいと思います。

 それでは、裁決書の中身について伺います。

 そもそも、沖縄県は、軟弱地盤が明らかになったため、辺野古新基地建設による普天間飛行場からの移駐は早期にはなし得ないことを撤回の理由に挙げていました。

 大臣は、この撤回理由について、どのように判断したんですか。

石井国務大臣 沖縄県は、行政不服審査手続におきまして、地盤改良工事により工期が延びれば普天間基地の返還がおくれるとして、公有水面埋立法第四条の「国土利用上適正且合理的ナルコト」の要件を満たさないと指摘をしておりました。

 行政不服審査法に基づき審理員が求めた鑑定の結果や、沖縄県及び沖縄防衛局の双方から提出された書面の内容を検討したところ、地盤改良工事は施工実績も豊富な一般的な工法によること、今後の詳細な検討によって、より合理的な設計、施工方法によることも考えられることからいたしますと、工期が延びるといたしましても、埋立てが実現可能なものと見込まれる状況にあることから、公有水面埋立法第四条の埋立承認の要件を満たさないとは言えないと判断をしたところでございます。

赤嶺委員 工期が延びるとしても工事は完成するんだというのは本当にとんでもない発言ですよ、これは。大臣、自分の発言の意味を御存じですか。

 沖縄県が指摘しているのは、工期が長くなり、そして、政府が繰り返し言ってきた、辺野古新基地建設を推し進めるために、普天間飛行場の早期返還ができないということを政府は言ってきたじゃないですか。それを理由に行政不服審査請求をやったじゃないですか。工期は延びるが工事は完成する、そんなのは全く今まで言ってきたことと違うじゃないですか。

 沖縄防衛局は、埋立承認申請の中で、辺野古に新基地をつくる理由について、普天間飛行場の危険性を早期に除去する必要があり、極力短期間で移設できると書いてあるんですよ。今回の審査請求でも、普天間飛行場の危険性除去が喫緊の問題である、このように繰り返しているわけです。工事が完成するかどうかだけでなくて、普天間基地が早期に返還できるかどうかが撤回の争点であることは明らかではありませんか。

 防衛局の地盤改良に関する報告書でも、辺野古新基地が完成するまで少なくとも十三年はかかることが明らかになっています。詳細設計はこれからであります。いまだに、砂の調達のめども立っていません。さらには、地盤改良に必要な作業船も計画どおり確保できるかも不透明な状況であります。

 これでは、当初の政府の原点である、防衛局の原点である普天間基地の早期の返還などできないじゃないですか。それを何で、いや、いつかは工事が完成するから防衛局は正しいという、そんな判断ができるんですか。どうですか。

石井国務大臣 重ねての答弁になりますが、行政不服審査法に基づき審理員が求めた鑑定の結果や、沖縄県及び沖縄防衛局の双方から提出された書面の内容を検討したところ、地盤改良工事は施工実績も豊富な一般的な工法によること、今後の詳細な検討によって、より合理的な設計、施工方法によることも考えられることからいたしますと、工期が延びるといたしましても、埋立てが実現可能なものと見込まれる状況にあることから、公有水面埋立法第四条の埋立承認の要件を満たさないとは言えないと判断をしたところであります。

赤嶺委員 本当に横暴勝手な判断であります。もともと、早期の普天間基地の返還、そのために唯一の辺野古新基地建設と言っていながら、いまだに完成の時期も見えない、そして軟弱地盤の作業体制もわからない、こういう中でも、勝手に政府がやはり閣議決定に縛られて辺野古を唯一だと。あと、早期の工事の完成なんか問答無用ということで、最初の論点をわざわざそこからずらした大臣の答弁だと言わざるを得ません。

 それで、沖縄県は、防衛局が全体の実施設計を県と協議しないまま護岸工事に着工したことが、埋立承認に付した留意事項、留意事項の一番目に、工事の実施設計について事前に県と協議を行うこと、こう言っておりますが、それに違反すると指摘しております。

 この点については、大臣はどのように判断したんですか。

石井国務大臣 沖縄県は、行政不服審査手続において、埋立承認に付した留意事項一、実施設計協議の不履行があったと指摘をしておりました。

 しかしながら、留意事項一は、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないものと認められます。

 また、留意事項一における協議は、承認との文言が用いられている他の留意事項とは異なり、最終的に処分庁の了解を得ることまで必要としないものと解釈をされます。実際に行われた協議の期間や内容からすれば、留意事項一で求められる協議が行われていないとは言えません。

 このようなことから、沖縄防衛局が留意事項一に違反したと言うことはできないと判断をしたところであります。

赤嶺委員 留意事項というのは、処分庁がつけた、沖縄県がつけた留意事項ですよね。これをどう解釈するかというのは、有権解釈は沖縄県の側にあるのではありませんか。何で国交省が、実施設計全体について事前協議は行わなくていいんだとか、果ては沖縄県の許可を得なくてもできるんだとか、そんな勝手な解釈ができるんですか。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の留意事項一につきましては、工事の施工について、工事の実施設計について事前に県と協議を行うことというふうにされております。一方で、留意事項の四には、添付図書の変更についてということで、申請書の添付図書等につきまして変更して実施する場合には承認を受けること、こういうふうに書き分けがしてございます。

 そういう趣旨を踏まえまして、留意事項一における協議は、承認との文言が用いられているほかの留意事項と異なり、最終的に処分庁の理解を得ることまでは必要としないものというふうに解釈されるというふうに考えております。

 また、留意事項一につきましても、文章上、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないものというふうに考えております。

赤嶺委員 まさに政府の都合のいいように留意事項を解釈する、有権解釈は沖縄県が持っているのに、牽強付会というのか、政府の自分勝手というのか、そういうやり方が沖縄県民の怒りを呼んでいるわけであります。

 県は、軟弱地盤が見つかったことを含めて、全体の実施設計が示されなければ安全性を認めることはできない、このように指摘してきました。大浦湾側の地盤改良工事について県に承認変更申請を行うことは防衛省も認めていますが、全体の実施設計が示されなければ安全かどうかわからない、このように言っている県の主張に国は従うべきじゃないですか。いかがですか。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しで恐縮でございますけれども、留意事項の一の不履行という沖縄県の指摘につきましては、裁決の上では、留意事項一は、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないというふうに認められると考えております。

赤嶺委員 繰り返しますけれども、留意事項の有権解釈権は沖縄県の側にあり、国が自分たちの都合のいいように解釈して、果ては審査庁である国土交通省まで中立公平性を失って防衛局の言い分をオウム返しにしている、これじゃとても中立公平な裁決とは言えません。自作自演としか言いようのない今度の国土交通省の裁決だということを申し上げておきたいと思います。

 それじゃ、防衛省にお伺いをしますけれども、沖縄防衛局は、水面下九十メートルの深さまで軟弱地盤が広がっているB―27の地点について、強度を調べるボーリング調査は行っていないことが明らかになっています。岩屋大臣は、国会で、B―27地点の強度について、S―3地点など離れた場所の調査結果をもとに、水深約七十メートルより深い土の層は非常にかたい粘土層に分類されると答弁しています。

 防衛省が提出した地盤に係る設計・施工の検討結果報告書では、具体的にB―27地点のあるC―1護岸付近では水面下何メートルからかたい粘土層になるとしているんですか。

辰己政府参考人 お答えします。

 御指摘の報告書十六ページにおいて、Avf―c層とAvf―c2層、これは物理試験、力学試験の結果により、地盤強度等の特性が異なるから分離をしているということでございまして、地層境界としては、C―1護岸周辺ではCDLマイナス七十四メーター程度であって、上記グラフというのはこの十六ページのグラフですが、その中で、GLからの深度四十二メートル付近と記載しております。

赤嶺委員 難しい専門用語も飛び出しましたけれども、つまり、かたい粘土層になっているのは水面下七十四メートルというぐあいに報告書の中では書いてある。水面下七十四メートルだけで、地層が変わるというのは、注釈にそういう記述があるわけで、防衛局が根拠として出している図を見ても、七十四メートルなのか、これは全くわかりません。

 防衛省がB―27地点の地層の強度を推定するのに用いた、S―3地点の調査結果を使っています。ところが、S―3地点の調査結果を見てみますと、海面下七十六・七メートルで地層が変わるとしています。S―3地点は七十六・七メートルなのに、なぜB―27地点では七十四メートルというぐあいに違うんですか。S―3地点から推定したわけですよね。何で違うんですか。

辰己政府参考人 土の層の分布は場所によって異なります。その分布状況に応じて地盤の強度が場所ごとに異なる、これは一般的だと思っています。

 その上で申し上げますと、報告書の十六ページに、こうした場所ごとの調査結果を総合して、Avf―c2層などの地盤強度特性を示しております。ここにおきましては先ほど来申している七十四メーターということで、そういう点をこれまでも述べているところでございます。

赤嶺委員 ぴたりと当てたんじゃなくて、総合して、いろいろ図を見たら大体七十四メートルだねというぐあいの答弁だったと思います。

 七十四メートル、七十七メートル、深さの違い、意味があるんですが、もうちょっと聞いていきます。

 報告書では、非常にかたいとされる粘土層の特徴について示されています。特徴の一つは、土の色について、目視観察では黒灰の色調を示すということで間違いありませんね。

辰己政府参考人 御指摘の点は報告書の六ページのことだと思いますが、Avf―c2層については、Avf―cの下部に堆積している土層で、目視観察では有機物を含んだ黒灰の色調を示し、上部のAvf―cと異なる、こういう記述をしております。

赤嶺委員 つまり、黒灰の色調、これがかたいという証明になるというぐあいになっているんですが、防衛局は、B―27の地点の土質について調査した柱状図では、水面下七十七メートルから黒灰色になると記載していますよね。

辰己政府参考人 御指摘の点につきましては、ケーソン新設工事の土質調査結果の報告書でございますが、ここにおきまして、B―27地点の柱状図、これにつきましては標高マイナス七十七・〇三メーターから黒灰と記載しております。

赤嶺委員 もう終わりますけれども、七十七メートルからというぐあいの資料も提出させていただきました。

 つまり、七十七メートルからは安定度の計算式に当てはめると非常に不安定になる、七十四メートルでは安定する、つまり、今まで安定する安定すると言ってきた指数そのものを、実際の調査結果の数字を偽って国会で説明している。これは非常に許しがたいことで、引き続き追及していきたいと思います。

 終わります。

谷委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。

 きょうは十五分間いただいております。三点、大きく質問をさせていただきます。

 まず一つ目は、投資用不動産への融資審査の明確化についてなんですけれども、スルガ銀行のシェアハウス向け融資の問題というのがありました。この再発防止のために投資用不動産への融資審査の適正化というのが必要だと思うんですね。

 適正化というと、適正化、いいことだというふうにしか聞こえませんけれども、実際の現場では、融資が要するに厳しくなったというふうに受けとめられるケースが多いと思うんです。どうすれば融資してもらえるのか、その基準もはっきりしなくて全然わからない、こういうケースもあると思います。

 そういう意味で、本当にいい、良質な不動産投資まで萎縮することがないように、例えば、自己資金、預貯金残高などの最低限の外形的な基準については国が示すとか、あるいは、各金融機関が一応内部規定を持っていると思いますので、それを対外的に何らかの形で明らかにする、こういったことができないかと思うんですけれども、金融庁、いかがでしょうか。

水口政府参考人 お答え申し上げます。

 金融機関におきましては、融資の審査における基準やプロセスというものを内部規定で定めておりますが、例えば、物件の取得資金の一部を自己資金で賄うよう顧客に求めるケースも多いものというふうに理解してございます。

 このような中で、金融機関における審査の基準を当局が示すかどうかにつきましては、金融機関によるいわゆる創意工夫若しくは自主的な判断を妨げるおそれがあること等に鑑みまして、金融庁としては、個々の具体的な基準というものを示していないところでございます。

 また、金融機関が内部規定を対外的に明示するかどうかにつきましては、基本的に金融機関において判断すべき事項でございますけれども、その判断に当たりましては、例えば融資の審査では、物件の収支見込み若しくはリスク等も勘案して総合的な判断を行う必要がございますが、この中で、必要な自己資金若しくは預貯金の残高等の水準を一律に示すということは通常なかなか難しいと思われますこと、また、審査基準を明示いたしますと、審査を通りやすくするために実態と異なる情報が顧客等から提示されるおそれもあること等の事情が一般的に考慮されるものと考えてございます。

 ただ、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、金融機関において、適切なリスク管理、顧客保護を前提とするような融資が行われるということが重要であると考えてございまして、金融機関がみずからの顧客の財産、収入状況を把握するなど、適切な管理体制が構築されるように幅広く金融機関に対して促していきたい、働きかけていきたいというふうに考えてございます。

重徳委員 一概に示すのは難しいというのが、一言で言えば今の答弁なのかなと思うんですけれども。

 確かに、賃貸住宅、サブリース契約、本当にトラブルが相次いで報じられているので、何となくイメージは悪化している感じがします。だけれども、しかし、投資というのは、もちろん悪い投資もあるかもしれないけれども、良質な投資であれば、これは経済活性化のためにも社会の発展のためにも必要なことだと思うんですね。ですから、金融庁は、とりあえずきょうの時点では今のような御答弁でありますけれども、むしろ国交省側として、もっともっと現場の実態を把握したり、不動産業界の意見をヒアリングしたり、それから、それこそ金融庁ともっと連携して、こういう適切な投資環境というものをつくるために国交省も取り組まなきゃいけないと思うんです。

 明確な基準がないとなかなか投資が、あるいは融資を受けられない、こういう状況を何とか、大臣として、いい方向に持っていけるように取り組んでいただけないでしょうか。

石井国務大臣 サブリースに関しましては、サブリース業者と家主との間での家賃保証をめぐるトラブル等が多発していることを踏まえまして、国土交通省におきましては、平成二十九年の九月より検討会を開催をいたしまして、登録制度の法制化を含めまして、今後の賃貸住宅の管理業のあり方について検討を深めてまいりました。

 この検討会におきまして、賃貸住宅管理業の枠組みについて、より実効性のある形で制度の構築、改善を図っていくことが必要とした上で、投資用不動産をめぐるトラブルが多発していることに鑑み、実態を詳細に把握した上で、法制化に向けた検討を進めるべきとの提言が昨年十月に取りまとめられたところであります。

 国土交通省といたしましては、多様化しておりますトラブルの実態を正確に把握するために、今年度、調査を実施する予定でありまして、その結果を踏まえ、関係団体や関係省庁とも連携を深めつつ、引き続き、法制化も視野に入れて検討を進めていく考えでございます。

重徳委員 今年度、実態の把握の調査ということなので、ちょっとこれからの取組かもしれませんが、今申し上げましたような、現場が必要以上に萎縮するとかいうことがないように、金融庁とも連携して、ぜひ、できるだけ明確な、わかりやすいガイドラインといいましょうか方針というものを示していただきたいということを要望申し上げたいと思います。

 次に、二つ目ですけれども、自宅死、自宅でお亡くなりになった方がいる、そういう不動産に係る告知義務について質問します。

 宅地建物取引業法四十七条で、宅建業者は相手方の判断に重要な影響を及ぼす事項について告知することが義務づけられているんですけれども、まずこの告知義務、これはどういう事項を告知しなきゃいかぬのか、これを御答弁願います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘の宅地建物取引業法第四十七条では、宅建業者は取引の当事者の判断に重要な影響を及ぼす事項について告知しなければならないこととされております。

 取引の当事者の判断に重要な影響を及ぼすか否かは、個々具体的な契約の内容によって異なるものと認識しておりますけれども、例えば、日照阻害など環境に関する事項、あるいは鉄道の移設など交通の利便に関する事項、さらには建物内の事件の事実など心理的な瑕疵に関する事項などは、告知することが必要となる事項に該当し得るものとして想定しております。

重徳委員 そこでなんですけれども、最近結構、これも現場の悩みというのがあるみたいなんですね。特に告知がなかったら、なかったことをもって買い主は訴訟を起こすこともありますし、それから、逆に、余り告知しなくてもいいようなことまでばんばん、要するに悪いことを言ってしまって売り値が下がってしまったら今度は売り主からも怒られるということで、仲介業者もその辺で迷っている、こういう実態があるんだと思います。

 例えば孤独死ですね。最近はおひとり暮らしの高齢者がふえています。孤独死、亡くなって、もちろん何カ月もたって異臭が残っている状態のものを売るなんというのは、まさに今御答弁があったような、事件といいましょうか、それに近い事故物件と言われるようなものなのかもしれませんけれども、異臭が残っている家は取り壊して、一旦更地にして新しく建て直した、それでも告知しなきゃいけないのかとか、あるいは、孤独死をされた、けれども、すぐ数時間後には見つけて、別に異臭が残るなんということは全くないというようなケースまで、孤独死は孤独死だということで告知しなきゃいかぬのかとか。

 更に言うと、これは時代が変わっていますね。自宅で普通に家族に囲まれてみとられた、そういうケースは昔では当たり前だと思うんですよね。自宅でお亡くなりになる。今でも、死ぬなら自宅で死にたいという人だって現にたくさんいる。だけれども、そういうケースが減ってきている。だから、誰かがこの部屋で死んだということを伝えなかったらこれは告知義務違反になるのかとか、いろいろ受けとめ方によって、今、心理的瑕疵とおっしゃいましたけれども、心理的な影響があるんだ、こういうことをどう捉えるのかというのは非常に難しい判断があると思うんです。

 そういう中で、関係者が判断を迷わないように、過去の判例も随分あるようでありますので、判例なんかを踏まえて、国の考えを整理してガイドラインにして示す、こんなようなことができないんでしょうか。御答弁願います。

野村政府参考人 委員御指摘のとおり、不動産というものはさまざまな、多様な事情を抱えるものであろうかと思います。

 その中で、いわゆる心理的な瑕疵の有無につきまして、判例では、例えば、事件などの性質やあるいは事件からの経過年数、そして、当該事案の公知の程度、公に知られているかどうかというその程度、居住用あるいは事業用などの使用目的など、さまざまな個別事情を総合的に勘案して判断されているものと承知しております。したがって、判例からは、どのような事故などが心理的瑕疵に該当するものとして説明を要することになるのか、画一的な基準は得られておりません。

 一方、既存住宅市場の活性化が我が国の重要な政策課題となっている中、また、空き家などの発生を抑制する観点から、こうした物件であっても、できる限りその円滑な流通や利活用が求められている状況となっていると承知しております。

 このため、国土交通省におきましては、平成三十一年度予算として計上した調査費を活用しながら、宅建業者が告知の要否を容易に判断できるよう、過去の判例を整理するなど一定の考え方を整理することとしております。

 このような取組を通じて、買い主、売り主双方の利益を確保しながら、既存住宅市場の活性化の実現に努めてまいりたいと考えております。

重徳委員 これも重ねて要望しておきますが、考え方を今年度の調査を踏まえて示すということで、今局長さんから御答弁がありましたので、ぜひわかりやすい基準をお示しいただきたいと思います。

 三点目ですが、ビニールハウスの農園ですね、これを、最近、観光農園にしていこう、これが国の農業プラス観光といったことで政府が推進している政策だというふうに認識しております。

 このビニールハウスの果樹園、例えば、イチゴ園とかイチジクとかメロンとかあると思いますが、それを観光農園にする際に、ビニールハウスが建築基準法上の建築物に当たっちゃう、建築確認が必要になっちゃう、こんなことでは、政府が進めている政策の阻害要因になっちゃうんじゃないかと思うんですね。

 ビニールハウスに建築確認が必要だなんというのは、常識的にはというか、私はそんなことあり得ないんじゃないかなと思うんですが、これは県によって判断も違うようですが、県によっては、ビニールはもちろん、ガラス張りのハウスでも建築確認が不要だという判断をしているところもありますよね。

 国交省の御見解をお聞きしたいと思います。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 建築物に当たるか否かなど、具体的な施設に対します建築基準法の適用につきましては、個々の構造や規模、形態、利用方法などが異なることから、法の目的や条文に照らしながら特定行政庁において判断をされることになります。

 ただ、ビニールハウスなどにつきましては、従来から、屋根をビニールなどで覆い、それらの材料が容易に取り外せる場合には建築物としては取り扱わなくて差し支えない旨を国交省としてお示しをしているところでございます。

重徳委員 確認ですが、ビニールハウスで取り外しが容易なものは建築物には当たらないということでよろしいですか。ちょっと今の点、もう一回お願いします。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 建築基準法の規定上、適用に関しては特定行政庁が判断権を持っております。なので、それを我々としては侵害することはできませんが、いわゆる技術的な助言として、先ほど申し上げたように、容易に取り外せるようなもの、これについては建築物に当たらないという扱いでいいんだということをお示しをしているところでございます。

重徳委員 きのう打ち合わせた段階より少し前向きな御答弁というふうに感じております。現場も判断しやすくなると思いますので、今の御答弁は大変重要な御答弁だと思います。ありがとうございます。

 ビニールハウスについては今のような話なんですけれども、観光農園というのはいろいろな形態がほかにもあると思います。

 国交省側は、建築物の安全性とか利活用がきちんとできるようにという観点で法律の運用をされているわけですけれども、観光農園を推進するというのはむしろ農水省側が頑張らないといけないというふうに思いますので、これからも、今の観光農園に限らずかもしれませんが、いろいろと各省庁の持っている法令の適用関係というのは農水省がもっと主導して整理をして、調整をして、現場がもっと取り組みやすい環境をつくっていかなきゃいけないと思うんですけれども、農水省のお考え、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘のございました観光農園に関する各種法令の適用関係でございますけれども、この適用関係を明らかにすることにつきましては、第一義的にはまずは法令の所管省庁において対応すべきものと考えておりまして、農林水産省といたしましても、農地法その他当省が所管する農地の利用に関する制度上の取扱いにつきましてホームページ上に通知を掲載するなど、対応を行っているところでございます。

 また、法令の適用に関する疑義等を把握いたしました場合には、関係省庁に情報提供する等によりまして、関係省庁と連携しながら、観光農園に取り組みやすい環境を整えてまいりたいと考えております。

重徳委員 若干農水省の方が弱腰な御答弁だったような感じがしますが、情報提供にとどまらず、現場の要請はこれからも伝えてまいりたいと思いますので、ぜひ省庁連携の上で取り組んでいただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

谷委員長 次に、内閣提出、道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣石井啓一君。

    ―――――――――――――

 道路運送車両法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

石井国務大臣 ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 我が国の自動車保有台数は、今日、八千万台を超え、自動車は国民各層に普及し、まさに国民生活に欠くことのできないものとなっております。このため、自動車技術の進展や自動車を取り巻くさまざまな状況の変化を踏まえつつ、自動車の安全の確保と環境の保全、国民や地域の多様なニーズへの対応に取り組むことが必要であります。特に、自動車の自動運転については、政府目標である二〇二〇年めどでの実用化が見込まれていることから、設計、製造から使用までの安全性を一体的に確保するための制度整備を行うことが不可欠であります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、保安基準の対象装置に、プログラムにより自動的に自動車を運行させるために必要な装置として、自動運行装置を追加することとしております。

 第二に、事業として行う場合に認証が必要な分解整備の範囲について、対象装置を取り外して行う整備等に限らず、対象装置の作動に影響を及ぼすおそれのある整備等に拡大するとともに、名称を特定整備に改めることとするほか、自動車メーカーは、特定整備を行う事業者等に対し、点検整備に必要な自動車の型式固有の技術情報を提供しなければならないこととしております。

 第三に、自動車の電子的な検査の導入に伴い、当該検査に必要な技術情報の管理に関する事務を独立行政法人自動車技術総合機構に行わせることとしております。

 第四に、自動車の電子制御装置に組み込まれたプログラムの改変による改造を電気通信回線の使用によりする行為等に係る許可制度を創設するとともに、許可に関する事務のうち技術的な審査を独立行政法人自動車技術総合機構に行わせることとしております。

 第五に、自動車の型式指定制度における完成検査について不適切な取扱いを行っている自動車メーカーに対し、国土交通大臣は、是正命令等を行うことができることとするほか、是正命令等を行うための報告徴収等において虚偽の報告等を行った者に対する罰則を強化することとしております。

 第六に、電子的方法等により記録した自動車検査証を交付することとするとともに、国土交通大臣は、自動車検査証に有効期間を記録する業務及び検査標章を交付する業務等について、一定の要件を備える者に委託できることとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、十連休明けの再来週五月八日の水曜日午後一時二十分理事会、午後一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十三分散会


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