衆議院

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第3号 令和2年3月18日(水曜日)

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令和二年三月十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 土井  亨君

   理事 小里 泰弘君 理事 金子 恭之君

   理事 工藤 彰三君 理事 根本 幸典君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 小宮山泰子君

   理事 福田 昭夫君 理事 岡本 三成君

      秋本 真利君    小田原 潔君

      大塚 高司君    大西 英男君

      鬼木  誠君    門  博文君

      神谷  昇君    木村 次郎君

      小林 茂樹君    古賀  篤君

      佐々木 紀君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中村 裕之君

      長坂 康正君    鳩山 二郎君

      古田 圭一君    細田 健一君

      堀井  学君    三谷 英弘君

      宮内 秀樹君    簗  和生君

      山本  拓君    伊藤 俊輔君

      櫻井  周君    西岡 秀子君

      日吉 雄太君    広田  一君

      古川 元久君    馬淵 澄夫君

      道下 大樹君    矢上 雅義君

      谷田川 元君    伊藤  渉君

      北側 一雄君    高橋千鶴子君

      井上 英孝君

    …………………………………

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   国土交通副大臣      御法川信英君

   国土交通大臣政務官    門  博文君

   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 黒田 岳士君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 竹内  努君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 住澤  整君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           岸本 武史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           度山  徹君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局就業子育て世代支援対策室長)         辻田  博君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           倉重 泰彦君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            坂根 工博君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         青木 由行君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  北村 知久君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  和田 浩一君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田端  浩君

   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十八日

 辞任         補欠選任

  大西 英男君     古田 圭一君

  宮内 秀樹君     細田 健一君

  簗  和生君     木村 次郎君

  荒井  聰君     櫻井  周君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 次郎君     簗  和生君

  古田 圭一君     大西 英男君

  細田 健一君     宮内 秀樹君

  櫻井  周君     日吉 雄太君

同日

 辞任         補欠選任

  日吉 雄太君     荒井  聰君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 土地基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)


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     ――――◇―――――

土井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、土地基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土政策局長坂根工博君、土地・建設産業局長青木由行君、都市局長北村知久君、道路局長池田豊人君、住宅局長眞鍋純君、航空局長和田浩一君、観光庁長官田端浩君、内閣府大臣官房審議官黒田岳士君、総務省大臣官房審議官稲岡伸哉君、法務省大臣官房審議官竹内努君、財務省大臣官房審議官住澤整君、厚生労働省大臣官房審議官岸本武史君、大臣官房審議官度山徹君、雇用環境・均等局就業子育て世代支援対策室長辻田博君、農林水産省大臣官房審議官倉重泰彦君及び中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福田昭夫君。

福田(昭)委員 立国社の福田昭夫でございます。

 本日は土地基本法等の一部を改正する法律案の審議の時間でありますけれども、新型コロナ感染に対しまして、三月十日、政府の緊急対応策第二弾が閣議決定をされ、翌三月十一日にはWHOがパンデミックを宣言いたしました。そんなことを踏まえまして、本日は、緊急に、旅館、ホテル等観光業を中心に、観光業あるいは中小企業等に対する政府の考えをただしてまいりたいと思っていますので、大臣始め、簡潔にお答えいただきたいと思います。

 最初に、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾の旅館、ホテル業等観光業への対応についてをお尋ねをしたいと思います。

 まず一つ目でありますが、新型コロナウイルスの影響による宿泊者の減少状況についてであります。

 私の地元でも、皆さんのお手元に資料として提出をさせていただいておりますけれども、日光、鬼怒川温泉のそれぞれ旅館ホテル組合と、先週の三月七日、八日、土日ですね、懇談をしてまいりましたけれども、大変厳しい状況があります。特に、四月、五月、六月の予約が入っていないという大変惨たんたる状況になっております。

 そうした中で、観光庁がこの予約の状況などをきちっと把握をしているのかどうか、まずお伺いをしたいと思います。

田端政府参考人 お答えいたします。

 現在、旅館の関係、非常にキャンセルとかあるいは今後の予約の見送りが多くて大変厳しい状況です。

 私どもとしましては、宿泊の団体、日本旅館協会の調査によります二月末時点での調査結果、把握をしておりまして、本年三月から五月までの予約数、昨年同時期と比べまして約四割減少しています。この状況はもっと厳しくなる見込みもございます。

福田(昭)委員 私も日本旅館協会に小宮山先生と一緒に伺いましたけれども、今観光庁長官がお話しのように、三月―五月の予約が前年に比べると全国平均で四五%も減っているということでありまして、これは二月二十五日現在でのまとめですから、間もなく三月二十五日が来ますけれども、二十五日まとめだと、先ほど私が地元の日光の状況を申し上げましたけれども、四月、五月、六月の予約が入っていないというんですから、相当の多分キャンセルというか宿泊の予約がなくなる、だから、もしかすると八割、九割いっちゃうかもしれない。そういう大変厳しい状況だということを踏まえて、ぜひしっかりとした対応をとってほしいと思っています。

 そこで、二つ目の質問でありますが、中小・小規模事業者等への実質的に無利子無担保の貸付けについてであります。

 この実質的に、当初は原則としてという話で、総理の話は原則としてでしたが、実際に閣議決定されたときには実質的にと変わっているわけでありますが、この実質的にの意味がやはり不明で、地元の旅館、ホテル業を始め中小企業の皆さんが心配しておりますので、これについてちょっと御説明をいただきたいと思います。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 二月十三日に取りまとめました第一弾の緊急対策におきまして、五千億円規模の融資保証枠を確保し、事業者の資金繰りを徹底的に支援してまいりました。

 また、三月十日に取りまとめた第二弾の緊急対策には、日本政策金融公庫等において特別貸付制度を創設し、売上げが急減した個人事業主を含む中小・小規模事業者に対して実質無利子無担保の融資を行う、そして、これらを第一弾の緊急対策で講じた五千億円規模の資金繰り支援にもさかのぼって適用するなど、強力な資金繰り支援を盛り込んだところでございます。

 御指摘の実質無利子無担保の融資につきましては、日本政策金融公庫等において特別貸付けを実施する中小企業、小規模事業者のうち、売上高が急減した中小企業、小規模事業者、小規模な個人事業主を対象に利子補給を行う、事業者の金利負担をゼロにするものでございます。この利子補給の対象となる特別貸付けの上限額は最大一億円であり、対象期間は最長三年としているところでございます。

 これらによりまして、影響を受ける事業者が借入れによる金利負担なく事業を継続できるよう、徹底的に支援してまいります。

福田(昭)委員 これはちょっとお願いしておきたいと思いますが、旅館、ホテル業は、資本金五千万以上、中小企業庁では、従業員二百人以上が実は大企業になっているんですよね。そうすると、多分、旅館、ホテルの中でも、大企業として扱われている旅館、ホテルも今回予約がない、四月、五月、六月、予約がないということになると、この中小・小規模事業者等に入れてもらわないと多分おかしくなっちゃうんじゃないかなと。そういうことでありますので、そこを、どうですか、御検討いただけますか、今後。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 中小企業者の範囲及び用語の定義は中小企業基本法によって定められてございます。中小企業基本法において、旅館やホテルはサービス業の種類に分類され、その中で、資本金の額又は出資の総額が五千万以下の会社又は常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人が中小企業に該当するということにしてございます。

 なお、中小企業基本法で定める中小企業の定義は……(福田(昭)委員「いいですよ、それは。規定はそれで」と呼ぶ)はい。

福田(昭)委員 聞いていることは、じゃ、その規定が、資本金五千万円以上、従業員百人以上は大企業になっちゃうんでしょう、それをどう取り扱うかということを聞いているので。

渡邉政府参考人 委員御指摘のとおりでございますけれども、基本法では百人ですが、一方で、中小企業政策における基本的な政策対象の範囲を定めた原則でございますけれども、法律や制度によっては、中小企業として扱われている範囲が異なります。日本政策金融公庫法、中小企業信用保険法においては、旅館業は資本金を五千万以下又は従業員を二百人以下と、中小企業というところに定めているところでございます。

福田(昭)委員 定義はいいって言っているんだよね。定義を聞いているんじゃないんだ。

 定義を聞いているんじゃなくて、だから、旅館、ホテル業は、財務省、国税庁がかけるのを、普通の製造業者などは資本金一億円以上が大企業と位置づけられているわけですよ、税法上。それと違うんだ。だから、ここもちゃんと助けるようにしてちょうだいねといって、その考えを聞いているので、これからまたしっかりやりたいと思います。

 次に、三つ目ですけれども、三つ目は雇調金です。雇調金の特例措置の特例を出して、全都道府県を対象とすることについてであります。

 今回の第二弾では雇調金の特例の拡大をいたしましたけれども、しかし、北海道以外はすぐ対象にはなっておりません。先ほどから申し上げているように、三、四、五、六の状況を考えたら、実は北海道だけじゃなくて、雇調金のもともとの性格からいえば、当然、仕事量が減り収入が減れば対象になるのが雇調金でありますので。ですから、ウイルスの患者がたくさんいるから北海道だけ特例措置というのは、これはあり得ない話で。

 しかも、先ほどから申し上げているように全国で減っているわけですから、特例の特例を出して、例えば、助成率の上乗せ、中小企業は三分の二から五分の四、大企業は二分の一から四分の三へ、先ほど申し上げているように、五千万以上、従業員百人以上は大企業になっちゃうわけですからね、旅館、ホテルは。ですから、これも二分の一から四分の三へ。

 それから、支給限度日数も、一年間で百日では足りないので、例えば三百日とかそういう引上げを行って、それで、これは政府も決めているようでありますが、正規、非正規雇用を問わず、やはりこれを対象とした雇調金の助成を全国の都道府県、全部の都道府県に実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 北海道におきましては、新型コロナウイルス感染症患者が他の地域に比べて多数かつ集中的に発生いたしまして、感染拡大防止のために、知事から、三週間にわたって住民、企業の活動自粛を求める宣言が発せられたところでございます。

 こういった宣言を受けましたことで、他の地域にも増して事業活動が抑制されるだろうということで特例を設けたところでございますが、一つには、今後、北海道と同じような地域があらわれました場合には、同様の取扱いを実施することとしております。また、引き続き、新型コロナウイルス感染症の雇用への影響については十分注視しながら、更に必要な対応についても検討してまいりたいと考えております。

福田(昭)委員 今は誰でしたか、岸本さん、ちょっと認識が甘過ぎるよ。

 先ほどから言っているだろう。四月、五月、六月の旅館、ホテルの予約、ないんだよ。いいかい、北海道と同じなんだ、旅館、ホテルの状況は。患者がいなくても、少なくても。しっかりそういう認識に立ってやってもらわないと、旅館、ホテル、みんな潰れちゃうよ、本当に。そこをちゃんとやってほしいと思います。

 それから、これは質問通告していないので、けさ地元から入った情報なので、これはぜひ担当者に伝えてほしいと思います。

 保育所などのマスク等の購入の補助金なんですけれども、三月三十一日までに購入しないと補助の対象としないというのが、厚労省から全国の都道府県市町村に実はそういう指示が行っている。これは、在庫品がなくて手に入らないんだ、マスクは。それなのに、三月三十一日までに買えなかったら補助の対象にしないというのは、これは余りにもやはり現状を全く認識していない、そういう対応ですから、これは改めるように、ぜひ担当の方に伝えてください。

 次に、四番目。社会保険料の免除や法人税、固定資産税等の減免についてであります。

 これについては、いち早く国税庁などがいろいろ、現在できる対策などを打ち出しているようでありますが、中小企業の事業主にとって大変なのは、資金繰りが苦しいのに、社会保険料や消費税始め税金を優先して支払わなければならない、これが今一番厳しい状況になっています。

 それは実は当然の話でありますが、しかし、それが大変重要な問題で、こうした経済的な危機的状況のときには、やはりこうしたものについても減免や減税をしていくとか、あるいは納税猶予をするとか、そういうさまざまな施策が必要だと思いますが、このことについて、ぜひ簡潔にお答えいただきたいと思います。

度山政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生年金の保険料とか健康保険の保険料ですとか、月々納期限が参るわけでございますけれども、今お話のあったように、資金繰り等事業の継続が困難になるというおそれがある場合には、御申請いただいて、御相談をいただいて、納付を猶予する、例えば分割納付をしていただくなど状況に応じた対応をとるという制度を設けておりまして、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた場合についてもこうした仕組みを活用いただけるよう、我々も現場の方にはそういうふうに言っておりますし、関係の事業者の皆さんにも周知を図って対応していきたい、こういうふうに考えております。

住澤政府参考人 国税につきましてお答え申し上げます。

 国税当局におきましては、緊急に、確定申告期限の四月十六日までの延長等の措置を既に措置しているところではございますが、御指摘のように、予約のキャンセルですとか売上げの急減によりまして資金繰りに大変困難を来している納税者の方々も大勢いらっしゃるところでございます。

 こうした場合の対応といたしまして、納税の猶予でありますとか換価の猶予といったような制度がございまして、こういった制度につきましてわかりやすく十分周知、広報するとともに、納税者の方々の置かれた状況に十分配慮いたしまして、迅速かつ柔軟に対応していくことといたしております。

稲岡政府参考人 地方税の対応についてお答え申し上げます。

 国税における取扱いを踏まえ、申告期限の延長について適切な運用を地方団体にお願いしたところでございますが、総務省といたしましては、地方団体に対し、徴収の猶予等の措置について、今般の状況に対応した適用の具体例等を示しつつ、納税者の置かれた状況に十分配意して適切に対応するよう要請してまいりたいと考えておるところでございます。

福田(昭)委員 ぜひしっかりやってほしいと思います。

 五つ目ですけれども、東日本大震災やリーマン・ショックを超えるような景気の減退が懸念される中、消費税率の引下げを含めて大規模な経済対策が必要だと思いますが、いかがですか。お答えいただきたい。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 現状、まずは感染拡大を防止し、その流行を早期に終息させることが経済の観点からも最大の課題であると認識しております。

 政府としては、事業者の方々の資金繰り、雇用の維持、生活を守ることを当面最優先に全力を挙げて取り組むべく、先般決定した総額二兆円規模の緊急対応策第二弾を直ちに実行に移しているところでございます。事態の収束に際しては、消費や観光需要の喚起策も含め、何ができるかしっかりと知恵を絞っていく必要があると考えております。

 引き続き、強い危機感を持って内外経済や国民生活への影響についてしっかり見きわめ、時期を逸することなく、機動的に、必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります。

 なお、御指摘の消費税の減税については、一般論として言えば、消費税は社会保障財源として必要であることを踏まえる必要がありますが、あらゆる手段を幅広く検討してまいります。

福田(昭)委員 本題も質問しなくちゃならないのできょうはこれぐらいにしておきますが、最大の経済対策は、今お話があったように、まずこの感染症を阻止して患者を減らしていく、これが最大の経済対策ですけれども、でも、同時に、緊急の大型な経済対策をやらないと大変なことになってしまうということを、これは共通の認識だと思うので、しっかり取り組んでほしいと思います。

 それでは、本題の方に入りたいと思います。

 土地の適正な利用、管理の確保についてであります。土地基本法の改正でありますけれども、一つ目と二つ目はあわせてお伺いします。

 所有者不明土地及び管理不全土地は全国にどれくらいあるのか、そして、土地所有者等に登記等権利関係及び境界の明確化を義務づけることによって、所有者不明の土地及び管理不全土地はどれぐらい減らせると見込んでいるのか、お答えをいただきたい。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、所有者不明土地、管理不全土地は全国にどれくらいあるかというお尋ねでございます。

 所有者不明土地につきましては、平成二十九年度に、私どもが担当しております地籍調査におきまして、不動産登記簿から直ちには所有者の所在が判明しなかった土地の割合が、筆数ベースで申し上げますと約二二%ということになってございます。

 この中には調査を行えば所有者が判明するものも含まれてございまして、この年の地籍調査におきまして、市町村がいろいろ苦労して調査をした結果、最終的に所有者の所在が判明しなかった土地の割合、これが筆数ベースで約〇・四%、こういう形になってございます。

 したがって、探索を尽くしても所有者が不明の土地が二〇%あるということではもちろんないんですけれども、先ほど申し上げた、まず登記簿に当たって二〇%連絡がつかないところから始まりまして、最終的に〇・四%まで絞り込むまでの探索、これが膨大な時間、労力、費用がかかっているということが、いわば所有不明土地の大変深刻な問題というふうに認識してございます。

 また、所有者不明土地というのは、多くの場合、管理不全となる蓋然が高い、こういった土地ということでもありますので、この面積をどのようにしていくかというのは大変大きな課題でございます。

 続きまして、今回の法改正などによって対策をとることによってどれぐらい減らせると見込んでいるかという御質問についてでございます。

 今申し上げましたように、全体として人口減少が生じておりますので、これからも土地の所有者の意識というのが希薄化する中では、土地所有者の適正な土地の利用、管理が確保されないこと、こういったことが所有者不明土地、管理不全土地をふやしていくということになろうかと思っております。

 今回、土地基本法の改正におきまして、登記などの権利関係でありますとか、あるいは境界の明確化も含みます適正な土地の管理等を内容とする土地所有者の責務を新しく規定として新設して、明確化することとしてございます。

 御質問の定量的な見込みというのは、なかなかお答えすることは難しいわけなんですけれども、今回の改正によりまして、相続登記の義務化でございますとか管理不全土地対策などを内容とする民事基本法制の見直し、そして、今回、一緒に法律改正をお願いしておりますけれども、地籍調査の円滑化、迅速化、こういった個別具体の施策が今後展開されることになりますと、所有者不明土地などの発生を抑制し、減らすことには大きくつながってくるというふうに思います。

 また、今後も、この法律改正でできた土地基本方針の策定などを通じまして、今申し上げたことに限らず、所有者不明土地対策あるいは管理不全土地対策について、国土審議会などの議論も踏まえながら、関係省庁と連携して、検討を加速させてまいりたいと存じております。

 以上でございます。

福田(昭)委員 実は、昭和四十五、六年のころ、私の地元日光市では、山林が大きく分譲されました。そのほとんどが道路つき分譲です。公園や水道、浄化槽などの施設も全て民間のものでした。そこで、私が旧今市市長時代ですけれども、分譲地対策室をつくって、道路や公共施設は市に寄附をしてもらって、市が整備をして快適な住環境を整備しました。その面積は何と二十町歩を超えます、二十ヘクタールを超えます。

 こんなふうにできたのも、実は、地権者や不動産業者、あるいは銀行等も抵当権を外してくれたり、そういう協力があってできた話であります。私は、そのときに東京の銀行まで市長として出向きましてお願いをしましたが、そのとき、やはり、市、行政の信用力はすごいなということを感じました。

 ですから、そういった意味で、所有者不明の土地だとかそういったものが、しっかり市町村が取り組むことによって明確になっていくということをぜひ期待をいたしております。

 そこで、三番目は省略をして、四つ目の、所有者不明の農地は全国にどれくらいあって、農地法と農業経営基盤強化促進法の改正で所有者不明の農地利用はどの程度ふえているのか、農水省、教えていただきたいと思います。

倉重政府参考人 お答えいたします。

 所有者不明農地、すなわち相続未登記農地及びそのおそれのある農地は、全農地の約二割に相当する約九十三・四万ヘクタールとなっております。このうち遊休農地となっておりますのは約五・四万ヘクタールとなっておりますけれども、これを放置しておけば、権利関係の不明確化及び複雑化の原因となり、農地を権利移動する際に支障が生じることから、重要な課題と考えております。

 このため、平成三十年の農業経営基盤強化促進法等の一部改正で、所有者不明農地について、簡易な手続で農地中間管理機構に長期間利用権を設定することができる制度を創設したところでございますが、新制度を活用した事例につきましては着実にふえておりまして、令和元年十一月末時点で九十三件、約四十八ヘクタールとなっておりますので、引き続き新制度の活用を図ってまいりたいと思っております。

福田(昭)委員 御案内のとおり、人口減少時代に突入して、今の若い人たちは、家も宅地も要らない、農地も山も要らないという人たちが出てきております。ですから、国交省も農水省も林野庁も、都道府県や市町村と連携して、しっかり今後取り組んでいただきたいと申し上げておきたいと思います。

 次に、地籍調査の円滑化、迅速化について、国土調査法等の改正であります。

 時間の関係でこれも簡潔に行きますけれども、まず一つ目から三つ目、簡潔に答えてください。

 現地調査等の手続の見直しで何がどう変わるのか、都市部の地籍調査の迅速化はどのように進めるのか、山林部の地籍調査の迅速化はどのように進めるのか、また林地の地籍調査はどこがやるのか。簡潔にお答えいただきたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、現地調査の手続の見直しについて御質問いただきました。

 地籍調査、これは所有者の立会いを得て基本的に調査を進めておりますということから、その所有者の探索、それから、立ち会っていただいて境界の確認をしていただくというところに多くの時間、労力を要してございまして、先ほどお話しした所有者不明土地問題の顕在化とともにこの点が大きなボトルネックになってございます。

 今回、市町村にも、事業実施をしている公共団体、よくお伺いをさせていただきました。

 そういった中で、固定資産税の台帳の情報の活用で所有者の探索を容易にするというようなこと、あるいは、仮に所有者不明土地がある場合でも、一定の手続を踏めば調査が進められるようにしていくような手続の見直しでございますとか、あるいは、都市部で官民境界を先行的にする調査の仕組み、山村部についてリモートセンシングデータを活用して航空写真などを使っていくというようなことで、地域の特性に応じた効率的な手法の導入を図らせていただくことによりまして、ボトルネックが相当解消されて、調査のスピードを大きく上げることができるというふうに思ってございます。

 都市部についてとりたててということで申し上げますと、土地の……(福田(昭)委員「その辺でいいです」と呼ぶ)失礼いたしました。わかりました。ありがとうございます。

福田(昭)委員 時間がありませんので、四つ目を伺います。

 土地区画整理事業や圃場整備事業等によって一定程度地籍調査が明確化された土地は、地籍調査実施地域としてカウントされるのかされないのか、お伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御質問ございました土地区画整理事業あるいは圃場整備事業等が実施されただけでは地籍調査が実施された地域としては取り扱われませんが、地籍調査と同等以上の精度あるいは正確さを有するものとして国土交通大臣等が指定する手続というのが法律上ございまして、こうした指定を行いますと、地籍調査が実施された地域として取り扱われるということになります。

 この指定の申請につきましては、従来、土地区画整理事業などの事業を実施した主体みずからが行うということになってございましたが、今回の法改正におきまして、地籍調査を行う地方公共団体が事業者のかわりにこの申請手続がとれるということにしてございまして、地籍調査以外の測量成果を活用した地籍の整備、これもこれまで以上に促進してまいりたい、このように考えております。

福田(昭)委員 土地区画整理事業や圃場整備事業等をやる場合に、国土交通省が、今回、令和二年度から第七次の国土調査事業十カ年計画を立てるわけですが、そうした場合に、やはり土地区画整理事業や圃場整備事業等に地籍調査の補助事業をぜひ重ね合わせて導入して、しっかりカウントできるように、精度を高めていくということが必要だと思いますので、そういう対応をお願いしたいと思います。

 あと一分ぐらいですので、最後にお話し申し上げたいと思いますが、元安倍内閣の内閣官房参与でありました藤井聡京都大学大学院教授ですが、先日、今回の危機的状況は、昨年十月の消費税率の一〇%への引上げ、新型コロナ対策等のおくれによる令和恐慌となる、消費税率は、まず五%へ引き下げる、そして廃止も検討すべきだと力説をいたしました。

 私は、将来、歴史家から、令和恐慌ではなく、安倍恐慌と言われないように、今からでも、本年度予算を修正してでも、緊急の大型の経済対策を打ち出すべきだということを提言をして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

土井委員長 次に、小林茂樹君。

小林(茂)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の小林茂樹でございます。

 本日は、国土交通委員会において質問の機会をいただき、ありがとうございます。感謝申し上げます。

 国交省としては、新型コロナウイルス対策について日夜取り組まれているということであります。引き続きよろしくお願いいたします。感謝申し上げます。

 早速、このたびの土地基本法等の一部を改正する法律について質問をいたします。

 私、社会人としてのスタートは銀行員からスタートいたしておりまして、昭和六十三年から平成五年の暮れまで金融機関に勤務しておりました。そして、奈良に戻り、平成六年からは不動産開発業、住宅販売業に携わってまいりました。このような経験から、このたびの法律の質問をしてまいります。理解を深めてまいりたいと思っております。

 質問の一番目は、このたびの法律の制定の時代背景であります。

 平成元年に制定をされたこのたびの土地基本法、制定当時を振り返りまして、現在の状況と比較をいたします。

 昭和六十年のプラザ合意以降、不動産価格が更に上昇いたしました。土地が投機の対象となったわけであります。その後、金融機関は不動産融資に対するいわゆる総量規制を行い、結果として土地価格が暴落をした。バブルははじけたわけであります。

 平成元年に制定をされたこの土地基本法は地価高騰の抑制を目指したというものでありますが、その当初の目的は達せられたのでしょうか。まず、そのあたりをお尋ねいたします。

青木政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、平成元年に制定されました現行の土地基本法、これは、お話ございましたように、当時の地価高騰による例えば住宅取得の困難化など、こういった社会問題を背景といたしまして、地価抑制対策を図ることを主眼といたしまして、特に投機的取引を始めとした土地対策の方向性、これを総合的に示すということを目的として制定された、こういった時代背景でございました。

 こういった目的を有する現行の土地基本法において示された考えにのっとりまして、具体的な施策といたしまして、例えば、土地税制の見直しでございますとか、御指摘もございました不動産業向けの融資の総量規制、そして公的土地評価の見直しなど、適正な地価の形成に向けたさまざまな取組が具体的に行われてきておりまして、現行土地基本法の制定は一定の役割を果たしたものというふうに認識をしてございます。

小林(茂)委員 土地を、単に保有するというものから、活用するものに転換をしていこうというのが今回の法律の基本理念であると思うんですが、であるならば、旧法は既に地価を抑制するという役割を終えております。新たに全く新しい法律を制定した方がいいのではないかとこのたび思うんですが、いかがでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 近年は、人口減少等の進展に伴いまして、土地利用ニーズの低下等を背景といたしまして、所有者不明土地あるいは管理不全の土地が増加をいたしまして、これらの土地が生活環境の悪化の原因、あるいはインフラ整備、防災上の重大な支障になるといった対応が喫緊の課題になっているということでありまして、お話ございましたように、土地をめぐる環境、状況というのは、これは土地基本法が制定された平成元年当時と比べて大きく変化をしているということで、土地政策につきましても大きな変化が求められるもの、こういうふうに認識をしているところであります。

 ただ、本法案は、現行法に規定されております基本理念につきましては、これは一定の機能を果たしたということを先ほど申し上げたんですけれども、ある種の普遍性を一定持っているということから、今回、一部改正の方式というものをとってございます。

 ただ、一部改正の方式とはいいますものの、目的、基本理念、責務、基本施策といった法全般にわたって全面的な見直しを行いまして、管理の重要性の明確化でございますとか所有者の責務規定、あるいは具体的な施策の方向性を定める土地基本方針の新設など、その内容を大きく刷新する内容というふうになっているところでございます。

 私どもといたしましては、新たな土地基本法に基づきまして、関係省庁と連携をいたしまして、人口減少時代に対応した土地政策の再構築を進めてまいりたいと思ってございます。

 以上でございます。

小林(茂)委員 わかりました。

 先ほどの福田委員の質問にも触れられた所有者不明土地、この話題に移りたいと思うんですが、実際に所有者がわからない土地が二割、面積にすると、日本列島の二割、九州一つ分ということでありますが、最初に聞いたとき、民間の調査によればこれだけあるということなんですが、そんなにあるのかなと当初不思議に思いました。

 問題解決のためには、固定資産税を課している市町村というのがあるわけですから、ある程度これは調査が進むのではないかなと思うんですが、国と市町村との連携について、事業を進めれば所有者不明土地問題はある程度解決すると思うんですが、具体的な連携方法について、あれば、お尋ねをしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる所有者不明土地の面積についてのお話も今ございましたけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、地籍調査で不動産登記簿から直ちに所在が判明しなかった土地の割合が筆数ベースで約二〇%ということでございまして、お話ございました九州一つ分という民間の試算、これは、これをもとにして試算されたものというふうに聞いているところでございます。

 一方で、これも申し上げましたように、地籍調査において、実施主体の市町村が探索をした結果、最終的には筆数ベース〇・四%まで所有者不明の土地というのは減らすことができているということなんであります。

 もちろん、所有者不明の土地が二〇%、探索を尽くしてもあるということではございませんけれども、この二〇%から〇・四%まで絞り込むところの社会的コストが非常に深刻な課題ということで、これが公共事業の用地取得を始めとしていろいろなところで発生しているということです。

 お話ございましたように、仮に相続登記が行われない場合でも、通常、納税義務者を把握いたしますために、課税部局によって調査が行われるということがございます。そして、その結果が例えば固定資産課税台帳などに記載をされているということでございますので、この情報を利用できれば所有者の探索については大変役に立つ、こういうことでございます。

 そこで、昨年六月にも所有者不明土地法で固定資産税台帳の利用を可能にするという仕組みを構築したところでもございますし、また、本法案で、国土調査法で地籍調査についても固定資産税台帳を使えるようにということで法律改正をさせていただいたところでございます。

 いずれにいたしましても、市町村の固定資産課税台帳を所管とする部局を始めとして、不動産に関する情報をお持ちの部局との連携を強化しながら所有者不明土地対策に対応してまいりたいと考えてございます。

小林(茂)委員 ありがとうございます。

 続いて、地方の土地政策ということに話題をかえたいと思うんですが、少し話が飛躍するようでありますが、都市と地方と、それぞれ所有者不明土地問題に関する課題というのは違うわけでありまして、地方にはたくさん土地がある、しかし、人口減少で人が住まない、活用されていないという観点から、ちょっと当初の質問の順番を入れかえまして赤羽大臣にお尋ねしてみたいと思っております。

 地方居住を条件としていく二拠点居住、これは昨年の臨時国会の国土交通委員会においても大臣が触れられた内容でありますが、このことをお尋ねしたいと思います。

 国民の願いである住環境の改善につながる二拠点居住政策。私の地元奈良県でも、既に人口が減少いたしております。昭和四十五年ごろからニュータウンが建設をされ始め、京都府、奈良県との境に建設された平城ニュータウンは町開きから五十年がたちます。空き家が目立っております。競争力を持たない地域はますます人口が減っていく。若年層の人口減少によって学校の統廃合も進んでおります。

 地域再生法というものが制定をされて、用途地域を見直す等々、自主的に知恵を出せば一段の住宅地の空き家解消にもつながっていくわけであります。一定の効果を発揮するわけですけれども、しかし、これらの誘導策にも限界があるということであります。

 赤羽大臣が触れられた、地方への移住を促進する政策としての二拠点居住政策、このことをお尋ねしたいんですが、勤務先あるいは子供の学校の転校の都合で簡単に引っ越しができないという場合でももう一カ所自宅を所有しておきたい、そういう理由はさまざまにあります。親の介護、家族の療養、趣味に打ち込んでいく、こういう理由です。

 金持ち優遇という言葉も議事録にあるんですが、価格を制限していく、例えば面積、価格等々、要件を課すことで国民の幅広い理解が得られるのではないかと私は思うんですが、多様なこういった居住ニーズを後押しする二拠点居住政策を促進していくべきと私は考えますが、大臣の所見をお尋ねしたいと思います。

赤羽国務大臣 私は、実は一つも家を持っていないんですけれども、家も持っていない私が二拠点居住ということを言っていること自体、若干矛盾を感じるんですけれども。

 かつて、国土交通委員会の海外視察だったと思いますが、フランスのパリの郊外のサンジェルマン市というところに景観条例の件で行ったことがございました。そのとき改めて認識したんですが、多くの方々は、平日、パリで仕事をされている方が多くて、パリのアパートメントに住んでいて、サンジェルマン市という大変環境のいいところに御家族が住まれていて週末は帰る。日本の住まい方に比べると非常に豊かな生活を謳歌されているなということを実感いたしました。

 他方、今言われたように、我が国は、それぞれすばらしい地方が、人口減少、過疎化が進んでいてなかなか地方創生というのが難しい。そうした場合に、仕事場とは別に、週末を利用して、自分のふるさとですとか、また環境のいいところに居を構えるということは、私は、豊かな生活を実現するには大変いい観点ではないかというふうに思っておりました。

 ただ、こうした政策というのは、ややもすると、お金持ちじゃなければ二世帯も持てないというようなことで、金持ち優遇政策というような批判もあり、庶民の党公明党としてもなかなか政策として言い出せないということで、なかなか日の目を見てきませんでしたけれども、私は、今後は、そうした人口構成の異動等々を考えると、地方創生について、やはり交流人口をふやしていくというような観点から必要な政策ではないかというふうに思っております。

 現在、国交省では、この二地域居住を推進するために、セカンドハウスの取得に対しても、フラット35による融資、これは御専門ですからよく御存じだと思いますが、そうしたものも使えますし、また、取得した住宅のリフォームに対する補助金についても、これもかねてより支援をしております。また、全国版の空き家・空き地バンクによる情報提供の充実などにも取り組んでおるところでございます。

 まだなかなか我が国の住宅政策の中で二拠点居住というのはメーンストリームになっておりませんが、来年三月に予定をしております住生活基本計画の見直し、五年に一遍の見直しのときでございますので、有識者の方々からこの点も御意見をいただきながら、そうしたことの必要性が認められれば、我が国の国民の皆様の多様な居住ニーズを踏まえて、二地域居住の促進方策についてもしっかりと検討してまいりたい、こう考えております。

小林(茂)委員 大臣、前向きな御答弁ありがとうございます。ともに進めてまいりたいと思います。

 ちょっと時間がありませんので次に進めますが、特措法の話をいたします。

 この基本法の制定に先駆けて制定された特措法というものがありました。道路の建設、河川整備、公共事業を念頭に置かれているんですが、所有者が見つかるまで利用権を用いて工事にかかわる土地の利用を可能とするもので、この特措法が果たした役割というものは非常に大きいんですが、昨年六月に施行されたこの特措法、具体的に活用が進んでいるのでしょうか、実例を用いて御説明ください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 お話ございましたように、所有者不明土地の活用の円滑化を内容とする所有者不明土地法について、昨年六月から全面施行されてございます。

 この法律で措置されました特例の中で、一つは、公共事業等の実施の準備のために、固定資産税台帳情報など土地所有者に関する情報の利用を可能とする特例がございますけれども、これにつきましては、私どもが把握している、聞き及んでいるだけでも百件以上ということで、相当数の案件で活用が進んでいるというふうに認識してございます。

 また、公共事業の用地取得について収用手続を合理化、円滑化する、こういう特例もございますけれども、これにつきましては、先般、その手続を開始した最初の事例が出てまいったということでございます。

 また、もう一つの特例でございますけれども、所有者不明土地について地域住民のための公共的な事業に最長十年間の使用権を設定するという、これは地域福利増進事業と申しておりますけれども、これにつきましては、実際に所有者の探索を一定やらなきゃいけないということもあるものですからまだ実例は出ておりませんけれども、今年度、この活用を想定したモデル事業を全国で六件ほど実施をしてございまして、この先進事例の成果が出てまいると思いますので、これの横展開を図ることなどで活用を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

小林(茂)委員 ありがとうございました。

 最後に、新型コロナウイルスの感染防止対策に関して、住宅産業が影響を受けている、このことで一点要望したいと思うんですが。

 昨年十月から始まった制度、これは住宅ローン減税の十年から十三年への期間延長ですが、要件がことしの十二月の三十一日引渡し、入居ということなんですが、早期の今回の事態収束が見通せないということで、相当数、間に合わないという事例が起こりそうでございます。内需の柱であります住宅産業が、このままでは苦境に陥ってしまうということです。

 現時点でこの対策を発表されるということについては難しいとは思うんですが、この住宅ローン減税十三年への期間延長、要件緩和について、何らかの方向性をお示しいただけませんでしょうか。

眞鍋政府参考人 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして中国からの部品供給が停滞し、トイレやキッチンシステムなどの製造におくれが生じているということは承知しております。また、その影響を受けまして、住宅メーカーや工務店において住宅の着工、引渡しにおくれが生じつつあるとの声も聞いているところでございます。

 これまでにもさまざまな対策を打ってきておりますが、御指摘いただきました、住宅ローン減税の控除期間につきまして十年間から十三年に延長する特例は、住宅取得などを行って、本年十二月三十一日、年末までに入居することが要件となっております。

 関係の業界からは、新型コロナウイルス感染症の影響から住宅の完成や引渡しのおくれが生じている、この要件を満たせなくなるのではないかという懸念の声を聞いているところでございます。

 引き続き、国土交通省としても、つぶさに実態調査を行いまして、その把握に努めた上で、適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。

小林(茂)委員 よろしくお願いいたします。

 配付資料についての説明をしていなかったんですが、住宅着工が非常に落ち込みつつある、持家については、このままでいけばリーマン級ぐらいの水準に落ち込んでしまうということでございます。それから、もう一枚お配りした低未利用地の促進、低未利用地の適正な利用、管理についての、これについてもちょっとお尋ねするつもりだったんですが、割愛をしたいと思っております。

 私も、地元は奈良でありますが、旅館、ホテル、観光関係は非常に影響を受けております。地域を歩いて、また要望を聞いてまいりたいと思っております。家族経営の小さなところが多いということであります。国交省を挙げてこういった対策に取り組まれているわけでありますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 土地基本法の理念、所有から活用というふうに切りかわっていく、これらの理念が浸透されて、地方においても、このたびの法律改正に基づいて官民の施策が適切に実行されることを願っております。

 都市の再生のために本法が役立っていくことを期待をして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

土井委員長 次に、田中英之君。

田中(英)委員 おはようございます。自由民主党の田中英之でございます。

 本日は、土地基本法等の一部を改正する法律案の質疑の機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。

 冒頭、新型コロナウイルス等で命をなくされた皆さんの御冥福と、また、感染された方々、また御家族の皆さんの一日も早い御回復をお祈り申し上げたいと思います。

 今回の土地基本法等の改正は、先ほどからお話がございますとおり、人口減少社会に、土地の適正な利用やまた管理ということをすることによって、その土地の周辺に悪影響を与えないようにしていこうとするものでもあり、政府が土地基本方針をしっかりと示して、特に、先ほど申しました管理の部分をきっちり徹底してやっていこうということだというふうに思っております。

 近年、所有者不明土地、また管理不全土地と言われるようなものがあって、その所有者、また国や地方公共団体にも責任、責務をしっかりと規定させることによって、例えば登記等権利関係を明確化するということや境界の明確化に関するそういった規定を追加させることで、そういう問題を発生抑制させたり解消を図ろうとするものであるというふうに理解をいたしております。

 そして、そうするために国土調査法の改正をあわせてするということが重要なんだと思っています。土地の境界を明確化する地籍調査についても、円滑に、また迅速に実施ができるようにすることが、所有者不明土地や管理不全土地を発生させない大きな要素になってくるというふうに考えます。

 そこで、この国土調査法の改正、地籍調査についてお伺いしてまいりたいと思います。

 少し固めて申し上げますが、これまでの地籍調査の制度のあり方や進捗状況というものはどういったものであったかということ、また、予算が十分にとれていたのか、若しくはなかなか執行されなかったのか。そして、我々も、この地籍調査の制度をいろいろと見せていただく中で、比較的、予算の面なんかでは使い勝手がいい制度だなというふうに思っていますが、いろいろと資料を見ていると、進捗している地域と進捗していない地域というのがはっきり分かれておりますが、そういったところに関してはどのような理由があるのか、あわせてお伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、地籍調査の現在の仕組みのあらましでございますけれども、これは、土地の境界を明確化するということでございますから、ある種、個人の土地の権利と密接に関連する調査ということになります。したがいまして、原則として、現地での所有者の立会いを得ながら調査を進めるということが大きなポイントになってございます。

 その上で、進捗率を申し上げますと、国土調査法上やるべきと言われている対象地域全体、これは、平成三十年度末で申し上げますと、進捗率約五二%ということになってございます。

 ただ、近年は、この対象地域の中でも優先的にやるところというのを公共団体と協議しながら進捗を図ってございまして、例えば、区画整理事業の実施などによって一定程度地籍が明確化された地域でございますとか、あるいは、大規模な国公有地とか手を入れる必要のない天然林、こういった土地の取引が行われる可能性が低い地域についてはいわば優先度が低いということで考えておりまして、この地域を先ほどの対象地域の考え方の分母から除いてまいりまして、いわば優先実施地域ということで進捗率を見ますと、現時点で約八割の調査というような進捗状況というふうに考えているところでございます。

 二点目に、予算について御質問を頂戴いたしました。

 地籍調査というのは計画的に推進していくことが肝要でございますので、一定の予算をしっかりと確保していくということが重要であろうというふうに思います。これまでも、当初予算あるいは補正予算、それから最近の緊急対策の措置、こういったものを駆使しながら必要な予算の確保に努めてきたところでございます。

 かつては不用を出したような時期もあったやには聞いておりますけれども、近年、大変災害が発生してございます。こういったことを背景といたしまして、地方公共団体からの地籍調査の予算に関する要望も増加をしているということでございますので、私どもといたしましては、引き続き、必要な予算の確保、これが重要と思って、努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 それから、地籍調査の仕組みについてなんでございますけれども、今申し上げた予算の執行に当たりましては、国で二分の一出させていただいて、都道府県と市町村がそれぞれ四分の一を負担していただく、そして、地方である都道府県と市町村の負担分、これを八割、特別交付税の対象とするということで、地方公共団体の負担ができるだけ軽減されるように配慮した制度になっているところでございます。

 一方で、地籍調査につきましては、先ほども申し上げたように、所有者の立会いを得てということになるものですから、所有者の探索とか境界の確認に多くの時間、労力を要していまして、人口減少、高齢化の進展、所有者不明土地の問題の顕在化というのがこういった課題に拍車をかけているということがございます。

 それから、地域によって進んでいるところと進んでいないところというのがあるという御指摘を頂戴いたしました。

 これはおっしゃるとおりでありまして、一つには、災害なんかに対してある程度備えなければならないというところが熱心であるというような傾向でございますとか、あるいは、今申し上げたように、都市部というのが、やはり権利関係が複雑でなかなか手間がかかるので、都市部の進捗がおくれているとか、あるいは、近隣のところがやっていると、おのずとそのノウハウが蓄積をその地域でされるということで進捗しやすいとか、そういった分析をしているところでございます。

 以上でございます。

田中(英)委員 ありがとうございます。

 実は、今から七、八年になるんでしょうか、京都市にこういったことを聞いたときに、そのときの進捗状況で考えると、京都市で地籍調査をしなければならないところがどれだけあって、それをやるにはどれだけの時間がかかるんだと聞いたときに、三百年かかると言われたことがございました。

 三百年と聞くと、もうこれはやらないのと同じようなもので、そのときにいろいろと議論をしたんですが、やはり制度がよくても手間がかなりかかるというのが大きな理由なんだというふうに思っております。

 そこで、今回は第七次の国土調査事業十カ年計画というものがつくられるわけでありますし、その中で、先ほど来お話がございました、土地所有者の探索であったり現地調査のあり方ということを盛り込んだものになるというふうに聞いております。

 人口減少社会ということも一つのテーマとして今回この改正がある中で、であれば、もう少し早くできなかったのはなぜなのかなというふうに思うところもございますので、今のタイミングがなぜなのかということをお伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 なかなか厳しい御質問ではございますけれども、人口減少に伴う所有者不明の土地の問題というのは、恐らく、平成二十三年に発生いたしました東日本大震災の復旧復興に際しまして所有者の探索に多大な時間を要したということがいわば一つの契機になって、深刻な問題として大きく認識されたものというふうに思います。

 国交省といたしましては、例えば平成二十八年三月に、こういった所有者の探索が非常に難しい、不明な場合があるというようなことを実務担当者向けにまとめたガイドラインを策定をするというような取組、あるいは三十年六月に、公共事業などを中心といたしまして、所有者不明土地対策、これの特別措置法を制定するというようなことで対策を進めてまいりました。

 こういった流れの中で、地籍調査を行っている最前線の市町村の方々からも、所有者の探索、調査そのものが困難化しているという声、これが高まってまいりました。平成三十年に私どもが公共団体にアンケート調査をいたしますと、この所有者不明土地問題への対応を求める声が数多く寄せられたということでございました。

 これを受けまして、平成三十年十月から本格的に、国土審議会の国土調査のあり方に関する検討小委員会、これを開催させていただいて、調査手法の見直しなどについて検討を進めまして、昨年六月、取りまとめられた報告書をいただきまして、それに沿いまして、今回、調査上のボトルネックになる点を解消するべく法改正案を提出させていただいた、こういう経緯でございます。御理解いただければ幸いでございます。

田中(英)委員 ありがとうございます。

 次に、優先実施地域というものが今回は設けられるというふうにお伺いいたしております。必要度の高いところとそうでないところを区別することによって効果的に地籍調査を進めることにつなげようとするためだというふうに思っておりますが、進捗率を単に上げることだけにならないようにしてほしいなというので、これは要望にとどめさせていただきたいと思います。

 そして、事業の促進を、これはいろいろとお話をさせていただいていると、今の状況よりも五割増しぐらい、一・五倍ぐらい速度を上げて進めていきたいということを目標とされているというふうに聞いております。じゃ、その仕事を受けるだけのマンパワーというものはどれだけ確保できているのかなというところが少し心配されます。

 土地家屋調査士さんや測量関係の方に聞くと、全国的には土地家屋調査士の方で一・六万人ぐらいおられるというふうに聞いていますし、測量士も各会社に、大体三万社ぐらいの方が、しっかりとその会社の中にはそういった仕事をしていただく方がいると言われていますが、二十数年間デフレが続き、なかなかこういった仕事に携わる方を育てていくことができない時代もありましたので、そういった点について、マンパワーがどうなのかということをお伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘頂戴いたしましたように、今回の改正によりまして、調査手続の見直しでございますとか、あるいは、地域ごとに官民境界あるいはリモートセンシングデータの活用といった効率的な手法の導入を行うということを今回の法改正でお願いをしてございます。

 私ども、公共団体といろいろ議論させていただきながら、この措置を入れることによりまして、現行計画の実績である約十年間で一万平方キロというところ、これを、スピード一・五倍ということで、五割増しすることをぜひ目指したい、そのことによって、御説明いたしました優先地域での進捗率を約八割から約九割にするということで、先ほど三百年という御指摘もございましたけれども、ある程度の進捗が実感できるような形にぜひとも持っていきたいものだ、こういうふうに思っております。

 その中で、大変重要になってまいりますのが、市町村のマンパワーもさることながら、それをサポートしていただく民間の方々の人材確保、これは御指摘のとおりかというふうに思ってございます。

 実は、もう既に平成二十二年の法改正で、調査、測量の業務を包括的に民間に委託する制度ということが導入されてございまして、自来、測量の専門家でございます測量業者の方、それから、お話もございました、いわば筆界の専門家と言える土地家屋調査士の方々、こういった方々に地籍調査でも大変御活躍を頂戴している、こういうことでございます。

 今回のスピードアップをきちんと実のあるものにしていくということを考えますと民間事業者の役割は大変重要でして、申し上げた測量業者あるいは土地家屋調査士の団体では、これまでも地籍調査に関する研修会などを開催していただいて、人材育成などをやっていただいております。私ども国交省からも参加させていただいて、地籍調査の制度、あるいは具体的な進め方などについて説明をさせていただいております。

 今回法改正がされますので、改めまして関係する事業者団体としっかりと連携をして、新制度の積極的な周知、普及などの取組を進めまして、民間の人材確保につきましても万全を期してまいりたいと思います。

田中(英)委員 しっかりと確保していただきたいと思います。

 地籍調査は一筆ごとの土地で行うものでありまして、都市部では、権利関係が複雑になったり土地の細分化などによって、やはり進捗がなかなか進まないという現状があります。

 一部市町村では、街区周辺、とりわけ官民境界を先行して調査をして、その後に地籍調査に役立てる方法というものもとられておりますけれども、この官民境界調査というのは法的根拠はこれまでございませんでした。その調査結果は内部資料として公表されないというのが実情であります。

 官民境界調査を国土調査法に基づく調査と位置づけてほしい、そういった法的根拠を持たせてほしいという声はこれまでからもございましたので、今回、これに改正されることになりますけれども、これによってどれだけのいい効果が生まれるかということ、また一方でどんな課題があるかということ、このことをお伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、都市部では、土地が細分化されておりまして権利関係も複雑でございますものですから、民地と民地の間の地籍調査、これは時間がかかるということでございます。

 このため、今回、多くの方々の御要望をいただきまして、官民境界の先行的な調査、これを明確に、法律上の手続など、こういったものを整備するということにいたしました。

 このことによりまして、効果といたしましては、都市部における地方公共団体の官民境界の調査の実施が促進されるということ、そして、この調査の結果が、これまで必ずしも公表がうまくできなかったということから、きちんと公表されるものですから、災害復旧あるいはまちづくりなどに広く活用するということが期待されます。

 そして、この官民の境界調査の成果というものを生かして、これと整合した民間測量成果というのが進んでまいりますと、これがまた後続の地籍調査を大変容易にする、円滑化する、こういう相乗効果もあるというふうに見通しているところでございます。

 一方で、課題という御指摘もございましたけれども、従来、私ども、官民境界の調査をやや、基本調査という形でやってきているんですけれども、例えば、官民境界を先行調査した後で、最終的には後続の民地の調査、これがやはり円滑に行われるということにも留意すべき、私ども、既に課題としてこういう認識をしてございまして、例えば、街区内の民地の面積などの情報を収集して、それを勘案して官民境界の調査をするといったことも重要なポイントというふうに御指摘も頂戴しておりますので、こういったことも含めた詳細な作業の要領、これを実務担当者の方々の御意見も伺いながら法改正に連動して作成をしていきたい、このように考えております。

田中(英)委員 ありがとうございます。

 もう時間が来ておりますので。本当にもっと迅速に進めようと思えば、マイナンバーなんかと戸籍や登記簿が連動できればいいなというふうに思いますし、そうすることが恐らくこれからの所有者不明の土地なんかがなくなっていくものにつながっていくんだろうというふうに思いますので、そういったあたりもまた法務省なんかとも連携しながら取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。

 以上で終わります。

土井委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時十分開議

土井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小宮山泰子さん。

小宮山委員 立国社、小宮山泰子でございます。

 本日は、土地基本法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。

 その前に、新型コロナウイルス感染症について、本当に、まさかここまで拡散するとは思っていなかったのも事実でありますが、これまで私ども国民民主党としてもさまざまな提言もしてまいりました。その中では、最近では、家計第一の緊急経済対策案ということで、消費喚起で十兆円の家計減税や、また、生活保障としての、一人に十万円給付という給付措置など、また、事業継続支援としての、損失に対する十兆円規模の減収補償などを提案をさせていただいております。

 さて、三月十日、政府におきましても、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策の第二弾が決定、公表されたところでありますが、令和元年の予備費からの対処、雇用保険に基づく雇用調整助成金での対処並びに政府系金融機関などを通じての融資が重立った内容でありました。

 令和二年度の衆議院の予算審議の際からも、私ども野党は、二次補正の予算を組まなければならないなどのさまざまな提案をしておりましたが、残念ながら、この点はいまだに与党において受け入れられておりません。

 早くにやらなければならないこと、それは、特に国土交通省管轄でもあります、関係のあります観光政策などで、観光地などでは人影が本当になくなり、ホテル、旅館は宿泊や宴会のキャンセルと新規予約が入らない状況が、また、土産物屋、飲食店、宴会場、飲食の材料を納めている事業者、それらの事業者に食材を納めている一次産業従事者や、そして、輸送でありますバス、タクシーなど交通事業者、旅行業者など、観光に携わるさまざまな広い産業分野で、危機的な状況との厳しい現実の訴えが連日のように私どものところにも届けられております。

 さて、観光バス、通学バスなどの運行を行っているバス事業者の中には、仕事激減の状況の中、雇用調整助成金の申請をしたいと考えられている企業も多いと聞きます。たとえ終息しても、観光需要、旅客需要は今後更に予測が困難な状況でもありますが、この雇調金の申請に当たっては、休業の内容、本年度の年間休日カレンダーなどを記載した資料も求められ、観光に携わる事業者では申請しにくい若しくは申請ができないということだそうです。これは、労働基準監督署において、観光バス事業者では申請が難しいのではないかといった見解が担当者間でも示されたとのことを伺いました。

 新型コロナウイルス感染症の影響がどこまで続くと政府は見込んでいるのでしょうか。三月、四月には歓送迎会や総会などが開催され、書き入れどきにもかかわらず、不要不急の外出は控えてとの呼びかけもあり、イベントも宴会も中止、予約などもほとんどなくなっており、収入がなく日々の支払いも厳しいという悲鳴が聞こえております。

 日本各地の地域のにぎわいとなる、地域の飲食店や宴会場、生花など納入業者、その納入業者に納める業者や生産者なども被害は甚大であります。

 今月は決算期でもあり、政府が発表した予備費での対応は小さ過ぎるし、本予算成立後の四月に入ってからの補正予算対応では手おくれになるのではないかと心配しております。

 そこでまず、政府には、新型コロナウイルス対策で特例を設けたとはいえ、現実には雇用調整助成金の申請手続は将来予測の難しい業種では使いにくい、例えば今後の休業予定や当年の年間休日予定表など、記入や提出が難しい書類の提出自体を不要とするなど、早急に適用できるよう、申請書類のあり方なども見直すべきではないでしょうか。申請書が書きにくい業種、あるいは、今回初めて雇用調整助成金を申請するという者も多数出てくると考えられることから、柔軟かつ丁寧な対応も求められております。

 政府の見解をお聞かせください。

岸本政府参考人 雇用調整助成金についてお答えいたします。

 経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図っていただいた場合に、休業手当等の一部を助成するものでございまして、その適正支給という観点からは、休業等の実態については確認をさせていただく必要がございます。

 一方で、その申請手続につきましては、事業主の方の負担をできるだけ軽減できるよう、添付書類は必要最小限というふうになるように努めておるところでございまして、例えば、休業確認の前提として所定労働日の確認が必要となりますが、これにつきましては原則就業規則で行うことといたしまして、年間休日カレンダー等の提出は特に必要がない限りは求めないといった柔軟な運用を行っているところでございます。

 今後につきましても、適正支給の観点を踏まえつつではございますが、初めて本助成金を申請される事業主の方への丁寧な説明など、申請に当たっての事業主の方々への負担軽減に資するよう努めてまいりたいと考えております。

小宮山委員 厚生労働省は、感染拡大を防ぐため、保護者が仕事を休んだ場合に賃金を補償する制度として、雇用保険を活用し、雇用形態や企業規模にかかわらず、失業給付の日額上限である八千三百三十円を上限に企業に助成金を支給するとしております。さらに、フリーランスとして働く者に対しては日額四千百円を支給できるように特例で対応すると表明をされています。

 この額はともかくも、これと相入れないものがやはり建設現場です。建設現場では、建設会社や工務店の社員のような雇用者でない、一人親方の大工さんとか下請の職人さんが多く働いているわけです。このような一人親方や下請の個人事業主である職人さんとかでは、子供の小学校が休校となったことに伴い仕事に出られない状況になった者は助成対象とするフリーランスに含まれることになるのか、見解をお聞かせください。

辻田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の臨時休校要請によって小学校等に通う子供の世話を行うことが必要となった保護者の方であって、個人で業務委託契約で仕事をされている場合についても、今回、支援を広げることといたしました。委員御指摘のとおり、一日当たり四千百円というものでございます。

 支援金の対象となる方の要件といたしまして、契約を締結している本人が個人で契約を結び業務を行う場合、契約において、業務従事や業務遂行の態様、業務の場所、日時等について、発注者から一定の指定を受けている場合というものをお示ししているところでございます。

 委員御指摘の一人親方や建設現場で働く職人といっても、働き方や報酬の定め方は多種多様であるというふうに承知しておりますけれども、そういう意味で、職種だけで一概に一定の要件を満たすとは言えないのですが、業務を行う場所や日時等が指定されるなど要件を満たしており、臨時休校要請によって小学校等に通う子供の世話を行うために休業したということであれば、一人親方や職人といった方々も対象となり得るというふうに考えております。

小宮山委員 建設現場では、休校による影響ではないけれども、建設資材や住宅設備が入手できないことによって仕事ができなくなっているということもよく言われます。一人親方や下請の職人への対応も問題となりますけれども、新型コロナウイルス感染症による建設、建築の現場への影響をどのように捉えているのか伺いたいと思います。

 また、材料等の入手困難により仕事ができなくなっているなどとする一人親方、下請職人への支援について、大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。

土井委員長 小宮山さん、もう一度。

小宮山委員 はい。ちょっと時間がありませんので。

 建設現場に対してなかなか、雇用形態や、また下請であったりということもありますので、この部分に関してどう考えているのか、国交省の見解をぜひお聞かせいただければと思います。

 あわせて、この部分では最後になりますけれども、確認機関による工事の完了検査は、一部の機器がそろっていなくとも検査を行ってもらえるものではありますが、例えば、便器とかそういったものが入らないがために、引っ越される施主さんには渡らず、その際にも賃貸住宅で仮住まいをされているなど、現実の工事現場では余分なさまざまな料金がかかるのも事実であります。

 完了検査を受けた新築住宅など、一部住宅機器がそろっていないために入居できず、賃貸住宅暮らしの予定が、例えば施主には、予定より長くなったといった場合、家賃に対する補助であったり、あるいは、便器が設置できないなどのために入居できないなら、仮設トイレを敷地内に置くことで、不便はあるもののとりあえず入居ができて、引渡しができることによって、ある程度の収入のめどがつくということも考えられると思います。

 施主さんは支出が抑えられて、工務店さん、職人さんには、住宅ローンの実行により建設費用が回収できることとなりますので、前例にとらわれることなく、このような補助や支援も改めて検討していただきたいと思いますけれども、この点につきまして、お考えがありましたら、いかがでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、新型コロナウイルス感染症による建設産業への影響についてでございますけれども、中国からの部品供給が停滞をして、特に民間の建築工事で、トイレ、キッチン等の資材、設備機器の納入におくれが生じているという声が届いているところでございます。

 また、特に経営基盤が脆弱なところ、そういったところについて、元下間できちんとお金が払われるというようなことが大事になってまいりますので、そういった取引の適正化についても徹底を求めたところでございます。

 これは、お話がありました一人親方とか職人さん、こういったものを含めてということでございますし、また、特に中小・小規模事業者への実質無利子無担保、こういったものも、一人親方、下請職人も含めて適用可能というふうになってございますので、建設業団体などに対しましても、この活用につきまして周知を進めている、こういうところでございます。

眞鍋政府参考人 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして中国からの部品供給が停滞して、トイレやキッチンシステムなどの製造におくれが生じているというのは御指摘のとおりでございます。その影響を受けまして、住宅メーカーや工務店においても住宅の着工、引渡しにおくれが生じているというようなことも聞いておるところでございます。

 これまでにも、御指摘のように幾つかの対策を講じてきておりまして、一部の設備などが未設置の状態でも、建築基準法に基づく完了検査などが円滑に行われるよう、こうした場合の手続を明確化いたしまして、地方公共団体や確認検査機関などに周知しております。

 また、住宅金融支援機構のフラット35の融資の実行に必要な竣工現場検査、これがございますけれども、それについても円滑に行われるよう、同様に明確化して周知しております。加えて、フラット35については、申込みの後で、事情の変化などによって融資額が変化する、工事の金額が変わってくるというような場合もあろうと思いますので、そうした場合の対応でも、例えば資金の受取前であれば融資金額や資金計画の変更が可能というようなことになってございますので、この点を引き続いて周知してまいりたいと考えてございます。

小宮山委員 根本的に、融資が無利息だろうと、正直言って、借りるわけですから、借りられないということを、現場、結構かつかつで皆さん生きていらっしゃいますので、やはりここをしっかりと見ていただきたいと思います。その点はまた別途させていただきます。

 大臣、そんなに、職人さんたちというのは、必ずしも経済的に今裕福な、潤沢なわけではありません。一人親方たちは補償等一切ない状態で、そして建設職人基本法をつくったときのように、次の世代がない、高齢化をしているところでもありますので、ここはやはり、今回の対策という中で、恐らく閣内でも対策本部で議論されるでしょうけれども、前例にとらわれることなく、きちんと次の世代にしっかりとつなげられるように産業を守っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

赤羽国務大臣 一人親方の皆さんの、全日本土建組合ですとか、私も長いことおつき合いさせていただいておりますので、大変な状況であるということもよく承知をしております。

 今回さまざまな対策はとらせていただいておりますが、いわゆる営業補償的なことはお子さんが小学校にいるという子供縛りなんですね。ですから、子供がいないところはその対象に外れているとか。例えば国交省でいいますと、通訳士、通訳の人たちも、子供さんがいればフリーランスとして対応してもらえますがそうでないとそうにはならないということなので、所管の分野の中で本当にお困りの方はどうなのか、その方に対してどういうことができるのかというのは最大限努力をしなければいけないと思っております。

小宮山委員 よろしくお願いいたします。

 さて、土地基本法の背景について質問させていただきます。

 時間の関係で、かなり急ぎ目で行きたいと思いますので、簡潔な御答弁を皆様方よろしく御協力をお願いいたします。

 まず最初に確認をさせていただきます。今回の改正の必要性について、改めて確認をさせていただきますので、大臣からお願いいたします。

赤羽国務大臣 近年の土地をめぐる状況というのは、土地基本法を制定した平成元年当時と比べて随分状況は変わっているというふうに思っております。

 人口が減ることによりまして土地利用のニーズ自体が低下をしているということですとか、現実には所有者不明土地、管理不全の土地が増加している。所有者不明というのも、もう少し言いますと、登記上は登記はされていても、現実には所有者がどこにいるかわからないということも含めると、そうした土地がふえている。

 その結果、近年の災害、私も地元で土砂災害があって、これを見に行ったら、登記はされているけれども現実にはいない、だけれども民間の土地ということなので地方自治体は手が出せない、こうしたことも現実に起こっておりまして、このようなことは改善していかなければいけない。

 そのために、土地基本法として、適正な土地の利用と管理というのを確保すると同時に、そうした所有者不明的な土地の発生の抑制と解消をしていかなければいけない、これがもともとの今回の法改正の根っこでございまして、その中では、土地所有者には適正な土地の利用と管理を行う、そして土地の権利関係と境界の明確化を行う責務を求めておりますし、国や地方自治体につきましては、所有者不明土地の発生の抑制、解消のための措置を講ずることということを、方向性を示して、そしてそれを具体的には、土地基本方針の創設といったもので具体的な規定を盛り込んでおくということでございます。

 ここの中には、国交省だけではなくて、法務省とか関係省庁も含めてしっかりしたものをつくっていこうというのが今回の基本法の理念でございます。

小宮山委員 ありがとうございます。

 今大臣の方から、土地基本法第三条の適正な利用及び管理ということのためにやるんだ、今回の改正の必要性があるというお話もございました。

 それでは、その土地の適正な管理というのは実際はどのようなことを意味するのか、あわせて、周辺地域への悪影響防止の観点を盛り込んだ意味をお聞かせください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、第三条の方で土地の適正な管理という規定を盛り込みましたが、この管理は、周辺地域の良好な環境の形成と悪影響を防止する観点から行われるべきものでございまして、大きく分けますと、一つが物理的な管理、実際に悪影響を与えないようにするための物理的なもの、それから、登記を始めとする権利関係の明確化、境界の明確化といったところでは法的管理も含まれるもの、こういうふうに考えてございます。

 周辺地域への影響の防止ということを盛り込みましたけれども、これは、先生からもたびたび御指摘をいただいているごみ屋敷の問題とか、あるいは崩れかけている空き家とか、災害の発生のおそれがあるような、いわばそういったことが今顕在化しているということで、特に周辺地域への悪影響を防止するということが、重要性が高まっていると認識しましたためにこのような規定を盛り込ませていただいた、こういうことでございます。

小宮山委員 ありがとうございます。

 やはり適正な管理がなければいけないんだと思いますので、大切だと思います。

 ちょっと時間の関係で先の方に進ませていただきます。通し番号でいいますと四番ですね、第二十条、地方公共団体への支援についてお聞かせいただきたいと思います。

 第二十条において、「国は、地方公共団体が実施する土地に関する施策を支援するため、情報の提供その他必要な措置を講ずるように努めるもの」と定められております。

 国による地方公共団体への支援が努力義務規定なのは規定ぶりが弱いのではないかと思っておりますが、この点に関しての御見解をお聞かせください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 所有者不明土地を始めとして、今回の人口減少に対応するということになりますと、地方公共団体が非常に大きい役割を果たしていただくんですが、マンパワー、ノウハウの不足など大きな課題を抱えておりますということが認識してございまして、今回支援規定を位置づけたところでございます。

 規定ぶりにつきましては、同様の規定を有する他の基本法を参考とさせていただいた規定ぶりとさせていただいておりますけれども、こういった地方公共団体の役割の重要性、特に地域コミュニティーに寄り添うような、そういった重要性にも鑑みまして、この趣旨にのっとりまして、例えば専門的な知識経験を有するような職員の派遣、こういった人的支援であるとか、あるいは技術面、そういったことを含めて、関係省庁と連携しながら、しっかりと公共団体への支援に取り組んでいきたいと思います。

小宮山委員 関係団体と連携をとっていただきたいと思います。

 先に更に進みます。地籍調査に係る予算、経費などについて質問いたします。

 十カ年計画に基づいて実施する地籍調査事業の経費は、国二分の一、都道府県四分の一となり、残りの四分の一が市町村の負担となっています。都道府県及び市町村の負担額の八割について特別交付税で措置がとられるため、市町村の実質負担は二十分の一となります。

 総務省の地籍調査の推進に関する政策評価、令和元年の十二月に発表されたものですが、これでは、地籍調査の実施に関して国庫負担金の交付額が要望額を下回っているといった意見も多く、市町村にとってなお予算上の制約が大きいことが示されております。

 今回の改正で、所有者探索のために固定資産課税台帳等の利用ができるようにするなど、調査手続の見直しや効率的な調査手法の導入が行われることとなり、地籍調査の進展に期待をされているところですが、あわせて予算面での一層の支援が必要ではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきましたように、地籍調査をしっかりと進めてまいりますためには、予算の確保、これが大変重要でございます。また、公共団体の要望も強うございますので、これまでも、当初予算、補正予算、緊急対策の措置によりまして、必要な予算の確保に努めてきたところでございます。

 今回、調査手続の見直しによりまして、より効率的に実施が可能になるとは考えておりますけれども、昨今、災害の発生状況などを背景として、公共団体からの地籍調査の予算に関する要望も増加してきているところでございますので、引き続き必要な予算の確保にしっかりと取り組みたいと思います。

小宮山委員 実際に、ある県では、市町村が求めても県の方がやはり合意ができない、計画は県がつくるわけですけれども、そのために進められないというような話も聞こえてまいりました。

 地籍調査は、都道府県が都道府県内全体として計画を立て、その計画の中で基礎自治体が事業実行していくこととされておりますし、都道府県の役割、姿勢が進捗に果たす役割も大きいということが言えると思います。

 基礎自治体が積極的に地籍調査を進めたいという方針でいるとき、都道府県と歩調が合った対応ができていないという場合があるといった事例も聞こえてまいりますので、基礎自治体の主体的意思が地籍調査の推進に生かされやすくなるように、制度面での改善や例外を用意していくことも必要なのではないかと思いますが、この点に関して国交省の見解をお聞かせください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 地籍調査は、最も身近な基礎自治体の市町村が実施主体となっておりますけれども、この地籍調査の成果というものは、全国的な施策意義、広域的な施策意義、地域的な施策意義、それぞれ大きいものがございますので、国、都道府県、市町村、応分の負担ということを法律に定めているところでございます。

 一方で、各都道府県が、法律に基づきまして、毎年度、市町村との協議で調査の事業計画を定めることとされていますので、この中で市町村の意見については反映されるという仕組みになってございます。

 国交省といたしましては、今回、新しく十カ年の策定に向けまして、都道府県との意見交換を進めておりますので、こういった機会も捉えまして、地籍調査の意義、重要性を都道府県に御理解いただくように努力もしたいと思いますし、また、都道府県と市町村の緊密な連携のもとに推進されるよう助言を行っていきたいと思います。

小宮山委員 今回、第六次十カ年計画が終了いたします。次の計画である第七次十カ年計画へ移ろうとしているわけですが、昭和三十八年から四十七年までの第一次十カ年計画以来、長年にわたる計画と実行の中でも、進捗率が優先実施地域においても約七八%にとどまっております。今回の改正での目標も、実施率を八割、七八%から、九割へ向上させることも掲げられております。逆に言えば、第七次計画でも地籍調査は一〇〇%にならないということでもあります。

 このためには、なお一層の推進、予算面や国からの助成について更に見直し、拡大や上乗せをしていくべきだと考えております。この点を要請したいと思いますが、いかがでしょうか。大臣、よろしくお願いします。

赤羽国務大臣 地籍調査をしっかり進めなければいけないというのは、東日本大震災のときの復興で、東北地方は大変それが進んでおりまして、高台移転等々、うまくいったということもあります。都市部に行くとこれが随分進捗率が低いということも課題でございまして、そうしたことも踏まえてやっていきたい。

 かつて、小泉政権だったと思いますが、平成の地籍大改革といって、随分土地家屋調査士の皆さんとかから期待されたわけですけれども、今、小宮山委員が指摘のように、余り予算がつかなかったとか市町村に対する支援が足らなかったというようなこともあって、結局看板倒れに終わってしまったような反省も踏まえて、今回はしっかりと進められるように、きょう出た御意見も踏まえながら取り組んでいきたい、こう思っております。

小宮山委員 東日本大震災の後に、筆界がしっかり特定されていたからこそ、早い復旧、地図作成につながったと思っております。ぜひ完遂されるように御努力をいただきたいと思います。

 不動産登記法第百三十一条の筆界特定の申請についてお伺いいたします。

 筆界特定の申請について、所有権登記名義人等のうち、全員とか過半の者とかといった条件ではなく、いずれかの者の同意で行うことができるとした理由について説明をいただきたいと思います。また、いずれかの者は一人でも構わないものとなるのか、確認させてください。

竹内政府参考人 このたびの不動産登記法の一部改正におきまして、地方公共団体に申立て権を与えるという内容にしております。その内容としましては、対象土地の所有権登記名義人等のうち、いずれかの者から同意を得るということが要件になっております。

 このいずれかの者の意味についてお尋ねがありました。

 筆界を特定しようとする土地が二つ隣接しているというふうに考えますと、そのうちのいずれかの一つの土地の所有権登記名義人の同意が得られた場合、それに加えまして、その土地が複数人の共有に属する場合には、共有者の全員や過半数の同意を得る必要はありません。共有者の一人から同意が得られれば、地方公共団体は筆界特定の申請を行うことができるという意味でございます。

 これは、現行法の通常の筆界特定手続におきましても、隣接する土地のうちのいずれか一つの土地の所有権登記名義人が単独で申請することができますし、共有の場合には共有者の一人が単独で申請できるということを踏まえたものでございます。

小宮山委員 法務省におきましては、ぜひ、今後ですけれども、やはり相続人登記の義務化など、実行していただけるように頑張っていただきたいと思います。やはり、それをしていなかったからこそ、明治時代の名義が残ったり、さまざまなことが今つながっているんだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、最後になりますけれども、未登記道路に関して質問させていただきたいと思います。

 市町村道、県道あるいは国道として用いられている土地の一部に、過去に道路整備を行う際、所有者から寄附や売買、場合によっては土地収用を経て公共団体が得たものの、さまざまな事情により所有権移転がされず、民有地、個人名義などのまま登記上残っていることがあると言われております。

 道路の拡幅や利用を先行したために、公共団体への所有権移転が未了となっている土地で、未登記道路とか登記未履行道路、道路内民地、公簿上民地、過年度未登記用地などと、さまざまな形で呼ばれているようであります。

 平成七年にも、会計検査院より、国庫補助事業に係る道路用地取得の事後処理を適切に行われるように改善が求められたりなど、さまざま事案がございます。

 最後になりますけれども、未登記道路に係る問題が後に顕在化してくる可能性についてどのように捉えているのか、また、未登記道路解消のための取組をどう行っていくのか、国交省の見解をお聞かせいただければと思います。

土井委員長 池田道路局長、簡潔にお願いいたします。

池田政府参考人 お答えいたします。

 道路の敷地につきまして未登記のままの敷地がある場合に、登記名義人の相続時の場合に権利上のトラブルが生じる可能性もあることから、道路管理者は未登記用地について登記に努めることが重要であると認識しております。

 これまでに、平成八年には、全国の道路管理者に通達を出しまして、道路管理者がそれぞれ未登記用地の解消をするよう指導しております。例えば関東地方整備局の管内では、過去十年間で九件の未登記用地の解消が図られてきておりますけれども、未登記の用地はまだ全国的にたくさん存在していると認識をしております。

 今後トラブルが生じないためにも、改めて、道路管理者に対しまして、未登記用地の解消に向けて指導してまいりたいと考えております。

小宮山委員 今おっしゃっていただきましたように、未登記道路を放っておいては後に問題が生じることになります。早くに対応していただくことを要請いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

土井委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 馬淵でございます。

 前回の大臣所信に引き続きの質問の機会をいただきました。

 まず冒頭、前回、大臣所信でちょっと時間が足らずで積み残し、一点だけ宿題が残っておりまして、一点、これだけ御質問させていただきたいと思っております。

 前回の大臣所信で、羽田空港の新飛行ルートの件、私の方で質疑をさせていただきました。

 そこで、きょう、お手元の資料1をお配りをさせていただいておりますが、これがちょっと質問として積み残したんですが、京浜島の上空を飛ぶ飛行機、これがかつて訴訟が行われました。その際、国は裁判で、お手元は裁判のときの資料でございます、準備書面でありますが、新C滑走路が供用された段階においては原則として航空機は京浜島上空を飛行しないと、これは運輸大臣名で、釈明という形で出されております。実際に、ここ二十年以上は、原則として、京浜島の上空を飛行機は通過しておりません。ところが、今回の新ルートはこの京浜島上空通過ということが予定されております。

 そこでお尋ねですが、議事録に残していただきたいのですが、国が以前の訴訟の際に示したこの見解、これを変更したということでよろしいんでしょうか。そして、変更したというならば、この至った経緯、これは簡潔で結構ですので、お答えいただけますでしょうか。政府参考人、お願いいたします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 昭和六十三年に、京浜島の事業者等から京浜島上空の飛行禁止等を求める訴訟が提起をされました。その訴訟の中で、平成六年当時の航空事情を踏まえまして、沖合展開後の新しいC滑走路が供用開始された段階においては原則として航空機は京浜島上空を飛行しないということを国として表明したものでございます。

 その後、さまざまな事情変化がございます。

 まず一点目、平成六年からの二十五年間で訪日外国人旅行者が九倍以上増加するなど、国際航空需要が著しく増加をし、更にこれを伸ばしていこうとしていることや、二点目として、航空機性能の向上による低騒音化や、この約二十年で羽田空港の小型機の割合が一四%から四八%に上昇するなど航空機の小型化が大きく進展したことなど、航空を取り巻く環境も大きく変化をしております。

 こうした中、増加する訪日外国人旅行者の受入れ、また我が国の国際競争力の強化、また来る東京オリンピック・パラリンピック大会の成功等を実現するためには、首都圏空港の機能強化が必要不可欠と考えております。

 その中でも、羽田空港の機能強化に関する具体的方策につきましては、学者、専門家の方々にも御検討いただき、また東京都等を交えて協議を重ねました結果、羽田空港の飛行経路見直しによる容量拡大、つまり、これによれば南風時の三時間程度ではありますが、再び京浜島上空の飛行をお願いせざるを得ないという結論に至ったものでございます。

 この飛行経路見直しに対しましては、さまざまな御意見があることは承知しておりますので、私どもといたしましては、今後とも、地元への丁寧な情報提供や御説明を行うとともに、さまざまな御意見に耳を傾け、できる限り幅広い御理解が得られるよう、最大限努力してまいります。

馬淵委員 局長、簡潔にお願いしますね。

 今御説明いただきました。事情が変わったということであります。つまりは、この訴訟において約束をした大臣釈明からは大きく方針を転換したということであります。この地域の方々への説明というのは十分なされていたかということが私は若干懸念として残っております。

 実際には、騒音に関しましては、川崎市の川崎区で最大値九十四デシベルに達したという報道が上がっております。これは、大声、騒々しい工場、パチンコ店における騒音に匹敵いたします。平均では航空機のレベルにおさまっている、このように、六十から八十デシベルにおさまっている、想定内だということで国交省は表明をされているようでありますが、やはり単発では逸脱していたということも事実であります。

 地元の皆さん方の理解ということでありますが、これも品川区の中では、騒音、落下物、かつての約束、あるいは進入角度、これも以前に質問がありましたが、こういった点について新ルート運用の是非を問う住民投票の条例制定の動きも出ております。

 このような状況があるということも十分に踏まえながら、国交省としては、住民への説明、私はまだ不十分ではないかというふうに思っておりますので、よくこの点については御留意をいただきたいということを申し上げておきたいと思いますが、それに対して、イエスかノーかで結構です、お答えいただけるのであれば、短く簡潔に。

和田政府参考人 これからも丁寧に御説明をしてまいりたいと思います。

馬淵委員 よろしくお願いしたいというふうに思います。

 それでは、土地基本法の課題につきまして質問をさせていただきますが、まず、再三この法案の質疑の中でも、所有者不明土地、この問題について皆さん方から質問されておられました。

 先ほど来も局長からの御答弁がありましたが、登記簿上で現在所在が確認できない土地が二二・二%に及ぶ。これは、突き詰めていけば、狭義では〇・四四%ということでありますが、年数が経過するほど、所在が確認できない、所有者の確認ができないということが上昇していく、時間がかかってしまうということから、土地所有者の探索、これに対しまして、国土調査法の改正等々を含めて今回のこの土地基本法の関連改正法案ということになったわけでありますが、今までは、戸籍あるいは住民票、それをもとに所有者の探索が行われてきた、そして今回は、改正によって固定資産課税台帳等の情報利用が可能になるということであります。

 今回、この改正では、あくまでも地籍調査を行う際に固定資産課税台帳等の利用が可能になるということになっております。現在は、法務省では、相続登記の義務化、土地所有権の放棄制度の導入などを検討されておりまして、民法の大きな転換点にも差しかかってくるわけでありますが、こうした固定資産課税台帳等の利用が可能になるということは、あくまでもここでは地籍調査ということになっています。

 もちろん、自治体がそれ以外のことで使うこともできるとなっているわけでありますが、私の問題意識としては、平成三十年の六月十三日公布の国交省所管でありました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法、ここでは、所有者不明土地の効果的な探索を図るためには、所有者の探索を合理化することが重要であるということが基本方針にも述べられています。

 私は、一義的にはやはり国交省がこの所有者不明土地というものに対して先頭に立って、それこそトップランナーとしてこれをまとめていくということに取り組まなければならないというふうに、この法律の策定、そして今回の策定の中にも位置づけられているのではないかと思っておりまして、こうした効果的な探索のために、固定資産課税台帳や農地台帳、これらの情報を集約していくシステムを国交省が主導していくべきではないか、私はこのように思うわけであります。

 大臣、この法案の中身だけであれば地籍調査に限るということになっておりますが、今申し上げたように、過去に成立をしているこの所有者不明土地の利用の円滑化法、この趣旨を鑑みれば、まず国交省が、地籍調査のみならず統合したリンクをしていくシステムをつくる、その先頭に立つ責任があるのではないかと思っています。大臣、これに関してはどのようにお考えでしょうか。

赤羽国務大臣 馬淵先生もよく御存じだと思います。これまで我が国というのは土地の所有権というのが非常に強くて、この所有者不明土地の問題もいろいろ十年近く前から言われていて、さまざまなことを検討し、これは空き家問題も含めてですが、やはり、所有者が誰なのかとかといったプライベートなところに立ち入れない、これが非常に停滞をしていたという意味で、今回、地籍調査で固定資産課税台帳等を活用できるといったことは大変大きな前進だというふうに思っております。

 また、この土地基本法の改正につきましても、所有ということだけじゃなくて、所有をする以上は管理もしなければならない、こうした新しい概念をしっかり入れていこうということなので、これは相当大きなことで。

 ただ、国交省はそういう精神でやりますが、現状、今、登記等々は法務省の管轄でもありますので、恐らく、今先生が言われたように、法務省も、追って、そう遠くないときに、今検討していただいておりますので、民法も随分変わると思いますので、政府の中で、国交省と法務省と、それ以外の関係省庁も加えて、土地に対する大きな改革を行わなければいけない。

 結果がどうなるかは別にして、土地に対して、先生の御指導のとおり、国交省として、法務省任せとかではなくて、やはり土地をしっかり管理して適切に活用していくんだということは国交省の重要な本分だというふうに認識をして取り組んでいかなければいけない、こう思っております。

馬淵委員 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 もう大臣もよく御存じのように、所有権ということに対しては、法務省は非常に慎重な取組をされておられます。特に、この不動産の登記に関連する所有権の問題、なかなか前に進まなかったんですが、今回かなりの部分で法務省側さんも踏み込んでいただいています。

 ただ、繰り返しですが、国交省が所管している所有者不明土地の円滑化に関する特別措置法、この精神に基づけば、やはりこれは、各省と連携という言葉はわかりますが、国交省がフロントランナーに立つべきなんですね。この立法精神からいえば、まず全面的にそれをやるという強い姿勢を持って臨んでいかなければならないということを私の方から御指摘したいと思います。

 一言、そのとおりだということで御意見いただけるならば。

赤羽国務大臣 現実的に、我が省が土地基本法の見直しをこの通常国会に提出したということで、相当法務省もフォローしていこうということで大きな改革に踏み込んでいますので、これが一つの実証だと思いますので、しっかりと継続をしていきたいと思っています。

馬淵委員 ありがとうございます。

 こうした土地の問題、もう一つ別の観点から申し上げると、都市部の土地政策、この問題についても少し私は関心がありまして、触れたいと思います。直接この土地基本法ということではありませんが、かかわる問題としてきょうはお尋ねをしたいと思っています。

 それは、生産緑地の二〇二二年問題であります。

 九一年に、市街化区域内農地の宅地化を推進するという政府方針が示されました。お手元の資料の2であります。当時、バブル発生によって大都市の地価が大変高騰いたしました。それによって宅地の供給というものが大きな課題になる中で、総量規制等々あったわけですが、ここにありますように、五年間で二・六倍に三大都市圏の地価が上がっていく。そこで、ある意味、農地を守るのと同時に住宅の宅地の供給もスムーズに行わねばならないとして、市街化区域内農地の宅地化を推進する政府方針を決定。そこで法律をつくっていかれたわけであります。

 三大都市圏内の市街化区域農地内で三十年間農業を続けていくことを要件に、固定資産税や相続税などの優遇措置が受けられる土地指定を受けるという制度が九二年に成立をいたしました。これは3の資料にその制度の概要がございます。

 指定要件がつらつらとありますが、五百平米以上の一団の農地であるとか、そして、これを生産緑地に指定をすれば税制措置で優遇がある、しかし三十年間は、これは生産緑地としてのその枠組みの中で、売れませんよ、こういう制度ができたわけであります。そして、この生産緑地のうち八割が九二年の制定当時に指定を受けています。これが二〇二二年に一斉に期限を迎えるわけであります。

 期限を迎えたときにどういう状況になるのか。これもいろいろなメディアが一時、この法案、このことが問題になるということになった段階で、これは二〇一七年でしたか、法整備をしたわけでありますが、当時もマスコミでは大きく報道されまして、大量に土地が出回って地価が下落するのではないか、あるいは、住宅が大量に逆に供給されて、古家が残って空き家が大量に出てくるのではないかといったことが問題視されておりました。

 そこで、このような状況の中で生産緑地がどうなっているのかということでありますが、この指定面積の推移、これにつきまして、これは事務方で結構ですが、端的に生産緑地の面積推移についてお答えいただけますでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 制度創設当時の平成四年の十二月三十一日時点で、三大都市圏の特定市において指定された生産緑地は約一・五万ヘクタールでございました。

 直近の令和元年の十二月三十一日時点では、一・二万ヘクタールが指定され続けているということでございます。

馬淵委員 お手元の資料の4をごらんいただきますとわかりますように、生産緑地の指定、一・五万が一・二万ということでありますが、減ってはいますが、これは当たり前ですけれども、このような状況の中で推移をしてきた。

 一方で、生産緑地以外の市街化区域内の農地というのは、これは三万でありましたが、これが一万九百二十三ということで大きく減じるような形になって、現在は約五〇%が生産緑地として残っているということです。

 つまりは、生産緑地の指定を受けなかった農地というのは宅地化が進展していった。当時の政策の意図を、数値的に見れば、しっかりと実現してきたと言えるのではないかというふうに思います。

 こうした状況の中で、二〇二二年問題の対応として政府が新たに設けたのが特定生産緑地制度でありました。これは、特定生産緑地として新たに指定することで十年間の優遇措置が継続される、そして十年ごとに更新をされるということで、資料の5にございます。これが法制化して、新たに生産緑地を特定生産緑地に衣がえさせる、かつては三十年で切れて、そしてそこから先はなかったわけでありますが、そこからまた、指定すると三十年かかるわけですけれども、十年という、ある意味情勢の変化を受け入れやすいところに持っていったという制度でありました。

 生産緑地を特定生産緑地に変えることが指定がえでできるという状況の中で、現在の生産緑地に指定された土地のうち特定生産緑地に指定された土地の面積の割合というのは、これはどれぐらいでしょうか。これも端的に、数字だけで結構です。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 現在指定されている生産緑地のうち、平成四年中に指定されたものは約一万ヘクタールとなってございますが、その中で、令和元年十二月末現在、特定生産緑地に指定されている面積は、その約一%である約九十三ヘクタールとなってございます。

馬淵委員 一%なんですね、特定生産緑地の指定というものが。まだそこにとどまっているということであります。

 そこで、現在の農家の方々にお尋ねをしたアンケート調査、これが資料6にございますが、アンケート調査では、これは一部の自治体が対象であります、全てではありませんが、六三%の農家の方が、所有する全ての生産緑地について特定生産緑地の指定を受ける意向を示しているということがわかります。それ以外の方々は、全く指定しない、あるいは一部指定ということで、どんどんどんどん売り払っていきたいという方もいらっしゃるのかもしれませんが。

 二〇二二年でありますから、ここから二年程度で果たして、現時点で一%ですよ、それで六三%の方々が全て指定というふうに言っておられるわけですが、本当にここまで進んでいくんでしょうか。これはどのようなスケジュールで進めようとお考えになられているんでしょうか。お答えいただけますか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の六三%ということでございますが、私どもが直近で自治体から内々に意向を聞いている限りでは、自治体ごとにばらつきがございますが、大体六割から九割以上の所有者の方は特定生産緑地に指定する意向だというふうに伺っています。

 御案内のとおり、平成四年に指定されたものの期限が、令和四年の、三十年たったいずれかの日になりますが、法律上は、スケジュールとして、まずは、指定するに当たりまして、土地所有者その他の関係者の同意を得ること、それから、都市計画審議会の意見を聞くこと、そして、指定の公示を行うこと、こういった段階が踏まれることになってございます。

 ですので、最後の段階まで行ったものについては一%ということでございますけれども、現在、多くの自治体においてはこの手続を踏んでいる、多くのところでは関係者の同意を得るための所有者の意向確認をしているという段階だというふうに考えてございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、公共団体、また農水省、JA、農業委員会といった方々と連携いたしまして制度の周知に努め、特定生産緑地の指定を促進してまいりたいと考えてございます。

馬淵委員 やっているんだというお話かもしれませんが、お配りはしておりませんが、アンケート調査結果、昨年の十二月末現在、制度周知を完了しているのが六五%、継続中二八ということですから、まだ六割ぐらいしか完了していない。つまり、制度があるということを、昨年末ですよ、これはまだ周知徹底のところまで行っていないんですね。今、意向確認のお話がありましたが、意向確認が昨年末で一一%、継続中というか、やっているよというのが六六%ということでありまして、なかなか前に進まない可能性もあるわけでして、ここはしっかりと進めないことには、先ほど申し上げたように、二〇二二年にそれこそ慌ててというようなことがないように、これはしっかりと見ていただかなければならないというふうに思います。

 その上で、もう一つお尋ねをしておきたいのが、この特定生産緑地、なかなか前に進んでいないように見受けられますが、しっかり進めるということでありますが、生産緑地そのものについて、九二年の制度発足の後も追加で指定も可能でありました。じゃ、一旦生産緑地指定を離れた農地の特定生産緑地の指定も二〇二二年より後にできるのかというと、これはできないようになっているんですね。

 先ほどお手元に配りました5の資料でありますが、九二年の制度発足後は追加して可能だったんですが、一旦生産緑地指定を離れたら農地はもう二〇二二年以降指定ができなくなってしまうということになりますが、ここは随時可能にするということも一つ検討すべきではないのかというふうに私は思うわけであります。

 つまり、特定生産緑地に新規に指定することはできない、このように法定されているわけでありますが、事情の変更等々もあるわけでありまして、追加的に特定生産緑地指定を認めるべきではないか、後からそれができるようになると特定生産緑地指定が進まないということも理解はしますが、指定状況の推移によっては再考すべきではないかというふうに考えるんですが、これについてはいかがでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 この特定生産緑地制度といいますのは、建築物等の建築を制限して税制の特例措置を講ずることで都市農地を継続的に保全をするといったことが主眼の制度でございます。

 当初の生産緑地の指定から三十年を経過した日以後も、それ以降いつでも特定生産緑地の指定ができる、こういった制度にいたしますと、特定生産緑地に指定されるまではいつでも宅地化が可能だというような、これまでせっかく緑地として保全したものが、いつでも宅地化が可能だということになってしまいます。

 ですので、このような状態は特定農地を継続して保全するという特定生産緑地の制度趣旨に合致しないため、当初の指定から三十年を経過する、その日までに指定する、こういったことをお決めいただくという現行の制度となっております。

 国土交通省といたしましては、生産緑地の所有者の方がそういった制度趣旨を十分に御理解いただいて、当初の生産緑地の指定から三十年のこの期限までに、宅地化するのか、特定生産緑地として指定を受けるのか、こういった判断ができるように、地方公共団体、農業団体等と連携して周知をしっかりと図ってまいりたいと存じます。

馬淵委員 もともとの趣旨がそうだということでおっしゃっている部分と、また、農地を守るんだということもよくわかるんですが、一方で、宅地の供給ということについても責任を負うということであれば、追加の指定というのは、私は一つ方策としてあるのではないかというふうに思います。いずれにせよ、二〇二二年までに状況をよく見据えてということが必要ではないかということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。

 そして、先ほどの生産緑地指定の意向についてのアンケート、6をごらんいただいて。先ほど申し上げたように、その時点においては、全て指定を望む方が六割いらっしゃったというふうに申し上げましたが、逆に言うと、態度未定の方が九%であり、三七%の所有者の方々が、所有地の一部も含めて売却する可能性がある、このように考えておられるわけであります。

 そのうちの、この中にありますが、真ん中の丸ですが、二六%の方が、三十年経過後すぐですから、すぐに買取り申出、すなわち売却を希望しておられます。これらの方々が仮に全ての土地の売却に及ばれますと、生産緑地全体、先ほどのグラフにありましたように、一万二千四百ヘクタールの約一割程度、千二百ヘクタールが二〇二二年に宅地として供給される可能性がある。これはどれぐらいの規模かというと、東京ドーム約二百五十個分の広さに匹敵する広大な土地。これが練馬、世田谷の生産緑地所有者のお持ちの土地として供給されてくるわけですね。その後も一定期間内に土地の売却を望む層がいらっしゃるということであります。

 これによって何が起きるかということであります。総務省が発表しました平成三十年の住宅・土地統計調査によりますと、全国の空き家は八百四十六万戸、空き家率一三・六%ということでありますが、当然ながら、三大都市圏、特に首都圏に集中をしているということであります。

 したがいまして、先ほど私、雑誌等あるいはマスコミ報道等に上がっていたと申し上げましたが、まさにこれだけの土地が練馬、世田谷といったところで出てくると、古くなった、老朽化した空き家が増加していくということが十分に考えられる。そして、逆に言えば、首都圏に対して人口の流入あるいは地方の過疎化というものにより拍車がかかるのではないかということが考えられるわけであります。

 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、この特定生産緑地制度への移行というのは、長期的に見て、住宅の供給によって首都圏への人口流入と地方のさらなる過疎化ということに結びついていくんじゃないかという懸念があるわけでありますが、これに対してはどのようなお考えでありますでしょうか。

赤羽国務大臣 馬淵委員の御指摘、大変興味深い御指摘であるというふうに思っておりますが、他方で、私も東京一極集中化というのはいろいろな意味で改善しなければいけないというふうに日ごろから思っておりますが、今の人口別の動態を見ますと、東京圏への集中の九割が十五歳から二十九歳、大学への進学、企業への就職というところが主な要因となっておるという、これはもう客観的なデータとして出ております。

 こうしたことからしますと、宅地の供給も、二〇二二年にどのぐらい出てくるかというのもちょっとよくわからない状況でありますし、率直に申し上げて、国交省としては、そんなにドラスチックに宅地が出て相当大きなインパクトは出ないのではないかという見込みをしているんですけれども、それは、そうあってはならないとは思うので、注視は続けていくということは当然であります。

 今のところ、この二〇二二年の問題で東京一極集中が加速されるような要因にはならないのではないかと思っておりますが、しかし、それは、せっかくの御指摘でもございますので、フォローアップはしていかなければいけないと思っております。

馬淵委員 ありがとうございます。

 これは確かに、売り主側と買い手側の意思がしっかり合意に至ってということでありますから、全く想定はつかないんですが、ただ可能性はあるわけですよね。しかも、これは東京全体という話じゃなくて、練馬、世田谷という限定地域です。通勤圏でもあり非常に人気の場所でもあるということを考えると、一極集中に拍車がかかる可能性があるということでありまして、お手元の資料の7には、東京への転入状況ということでありますが、二十三年連続で転入超過が続いているわけであります。したがって、やはりここは十分に注意を払うべき観点ではないかということを改めて申し上げておきたいと思います。

 そして、最後に、時間がなくなってまいりましたが、生産緑地の問題でありますが、この生産緑地に関しては、自治体に対して、相続が発生したような場合に、その所属自治体に買上げを申し入れて、自治体がそれに応えて購入するという仕組みがございます。いわゆる自治体の先買い権というものでありますが、この生産緑地の買取り申込みに対して自治体が買い上げることになった割合というのはどの程度か、これも簡単に、数字だけで結構ですから、事務方、お願いいたします。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 生産緑地の買取り申出に対する買取りの実績でございます。直近十年間で計算しましたところ、件数で一万八千四百二十九件の買取り申出に対し、実際に地方公共団体が買い取った件数は百十八件ということで、割合にすると一%未満ということになってございます。

馬淵委員 一%なんですね、これ。ほとんど実効ならしめていないということではないかと思います。

 また、自治体は市民農園の整備事業なんというのをやっておられまして、生産緑地の保全活動ということでこれをやっておられるわけでありますが、じゃ、これがどの程度進んでいるのかというと、直近五年間で、これも事務方、数字だけお願いします。この市民農園等整備事業で実際に生産緑地を自治体が買い取った例というのはどれぐらいですか。これも数字だけで結構です。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 この市民農園等整備事業といいますのは、私どもの社会資本整備総合交付金により支援している市民農園整備事業ということでございますが、こちらの実績、過去五年間でこの事業を用いて生産緑地を買い取った件数は一件ということになってございます。

馬淵委員 このように、生産緑地の買取り申込みに対しての自治体の買上げ、先買い権、実態としては、これはほとんど機能しなかったわけです。こうした状況の中で、土地基本法の二条には、「土地については、公共の福祉を優先させる」という規定があるわけでして、こうした中で、先買い権をわざわざ設定しているにもかかわらず一%、そして一件。これはほとんど効果がありません。

 こうしたことについては、今後、自治体に買い取らせるなどという制度がそもそも機能していくのかということを、これはよく考えなければならないと思います。何か、あたかもオプションがあっていいように見えるのかもしれませんが、これは安易ですよね。実態上は動かないわけですよ。当然ながら各自治体は議会があって、そこで予算も承認され、土地の購入などというのは極めて厳しい監視にさらされるわけです。

 私も同じように国交省の立場にいたときにも感じましたけれども、やりがちなんですね、自治体に買い取らせたりとか、いろいろな自治体を受皿にするというオプションをつけてしまうというのは。でも、効果がないんですよ。

 こういうことをしっかり、所管するお立場として、今回の法案云々にはないんですが、やはりこうした制度設計というのをよくよく留意をしていただかなければならないということを私は思うわけでありますが、大臣、御所見いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 買取りの申出という制度はありますけれども、実際、恐らく宅地の価格で買い取らなければいけない。高いもので買って、都市農園とかということで公園みたいなものに使うというのは、これは基本的にファンクションしない制度だと思っております。

 ですから、我々が思うのは、特定生産緑地の制度をつくったり、今後、農水省の制度で、親族じゃなくてもそれが譲れるとか、そうしたことで、今あるのをなるべくそのまま農園として使っていただけるということに注力しなければいけないというふうに思っておりますが、この点についても、無駄な制度をそのまま放置しておくというのもなんなので、検討したいと思います。

馬淵委員 また大臣には前向きに取り組んでいただく旨御答弁いただきました。ありがとうございます。

 以上です。終わります。

土井委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法が十三日に成立しました。この点で、一点、大臣に質問したいと思います。

 第四十九条、特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域にかかわる新型インフルエンザ等緊急事態宣言の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができるとあります。

 問題は第二項で、前項の場合において土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに同意をしないとき、又は土地等の所有者若しくは占有者の所在が不明であるため同項の同意を求めることができないときは、特定都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため特に必要があると認めるときに限り、同項の規定にかかわらず、同意を得ないで、当該土地を使用することができるとあります。

 極めて厳しい、財産権に踏み込む条文だと思います。特定都道府県が主語とはいえ、緊急事態宣言に基づく土地の使用を県単独で決めるというのは到底考えられないわけで、緊急事態宣言を行う政府の考え方と一体であるのではないかと思います。

 この四十九条二項の発動について、大臣の認識を伺います。

赤羽国務大臣 今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法につきましては、総理の答弁にもありますように、これはあくまで万々々が一の備えをするための法律でありまして、さまざまな私権を制限することとなる緊急事態の判断に当たっては、当然専門家の御意見も伺いながら慎重な判断を行っていくとの考えが示されておりますし、私もそのように思っております。

 また、同法五条では、「新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。」と規定されておりまして、その趣旨にのっとって、土地の使用も含め、私権等の制限に十分配慮して、適切に判断が行われるものと認識をしております。

 以上です。

高橋(千)委員 万々々が一ということで、さまざまな私権を制限するということの問題意識を述べていただいたと思います。

 二〇一二年当時の内閣官房の質疑応答集によれば、今私が読み上げた条文の正当な理由について、それに応ずることが極めて困難な客観的事情がある場合に限られると。具体的には、対象となる家屋が老朽化等により使用に適さない場合、不能というそうですが、当該家屋において住民に対する予防接種を実施するなど他に使用することが決まっている場合、競合などが該当すると。

 つまり、正当な理由というのはこれだけなんですね。そうすると、本当に、問答無用の強力な権限行使にほかならないと思っております。

 本日議題の土地基本法には、第二条、「土地についての公共の福祉優先」がもともと書かれております。また、土地の収用や行政代執行という制度がもともとあります。しかし、あくまで財産権を守るという立場を貫きつつ、最後の手段と受けとめております。逆に、だからこそ、これ以上の強い条文は必要ないと思うんです。

 今大臣が紹介した特措法第五条で、必要最小限という一定の歯どめはあるものの、やはり発動すべきではないと思います。土地を所管する大臣として、閣内で適切に発言していただきたい。やはり、万々々が一でもまずないぞということで、役割を発揮していただきたいことは、これは要望にしたいと思います。

 さて、本題に入りますけれども、現行の土地基本法の基本理念は、バブル時代に制定され、地価が右肩上がりに上昇するというのが常識のような時代でありました。今回は、人口減少の中で、所有者不明土地などが焦点となっており、この三十年間で土地をめぐる状況は大きく変わったと思っております。

 そこで、現行法第四条、「土地は、投機的取引の対象とされてはならない。」この条文が残っている理由としてどんなことが考えられますか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今お話ございましたように、現行の土地基本法が平成元年に制定されましたとき、これはまさに、投機的取引の抑制を始めとした土地対策、地価対策をやっていく、こういう時期でありました。近年、人口減少等の進展に伴いまして大きく状況が変わったということで、今回、土地基本法について、適正な管理の確保、こういったことを内容とする改正を行うこととしております。

 他方で、今後の社会経済状況の変化に応じまして、例えば地域等によっては投機的取引が起こる可能性、これはあり得るものというふうに考えております。したがいまして、本法案において、投機的取引の抑制は引き続き重要な基本的理念として維持したいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 あり得るものという認識は、あるということであったと思います。

 今回の法案の土台となった国土審議会土地政策分科会企画部会の議論の中でも、例えばリゾートホテルに対する外資の参入などがありますよねと、やはりそういう意味では投機的取引というのはあり得ますよねという議論がされていたと思うんです。やはりそこが、抑制しなければならないという観点であるということをまずは確認させていただきたいと思います。

 そこで、今言ったのは四条なんですけれども、これは二項であって、一項には円滑な取引と書いてあります。今の企画部会の中間取りまとめでは、「第四章 新たな方向性を踏まえた当面の施策展開」として、一つに、土地、不動産の最適活用を図るための土地利用の推進、二つに、土地、不動産の最適活用を図るための取引の円滑化に関する施策として、不動産投資市場の活性化や不動産流通の活性化といった施策が並んでおります。

 円滑な取引とは、土地を開発や投資の対象として、取引の対象とすることを念頭に置いているということでよろしいでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今回の法律改正は、空き地、空き家など低未利用の土地、放置された土地、利用の意思が薄弱になっている、こういう状況の中で、土地の有効活用、適正な管理を確保するためには、そういった土地を利用、管理する意思と能力を持っている方、そこに土地などを円滑に移転することが重要ということに鑑みまして、御指摘の四条一項に円滑な取引を基本理念として新たに規定をいたしました。

 加えて、国、地方公共団体が講じる施策の中でも、円滑な土地取引に資するための不動産市場の整備に関する措置、これを規定させていただいているというところでございます。

 この規定に基づきまして、例えば、最近よく見られておりますが、古民家再生のためのクラウドファンディングの活用、こういった不動産投資市場の整備でありますとか、あるいは既存住宅の流通のための不動産市場の整備、こういった低未利用の土地の有効活用に資する取組を推進する、こういったことを想定しているところでございます。

高橋(千)委員 最初に所有者不明土地の説明を受けたとき、やはり地方に多いなということを印象として思ったんですね。だけれども、それは都市部の問題でもあるということなんだと思うんですね。

 今お話しした企画部会中間取りまとめによりますと、「平成三十一年地価公示では、全国の平均変動率は住宅地で二年連続、商業地で四年連続の上昇となり、地方部においても、住宅地が二十七年ぶりに上昇に転じ、商業地は二年連続の上昇となった。」つまり、新たな土地、不動産活用の需要が生まれているということじゃないでしょうか。

 この企画部会の取りまとめ、土地政策の基本的方向は、今おっしゃった、所有者不明土地の、いわゆる地方の問題ではなくて、都市部の問題から先に書かれているはずです。インバウンド投資、アクセスのよい鉄道と駅前大規模開発、マンション、オフィスビル等、インバウンドの受皿としてのホテル建設ラッシュなどが都市部では期待されております。

 本法案の改正部分は、所有者不明土地解消や災害対策の公共目的であるということも言われていますが、そのための権利の明確化や情報の提供、これも言われております。でも、同じことは都市部においても言える、これを排除できませんね。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、土地は、やはり所在するところの土地の利用のニーズ、これに基づきまして、いろいろな有効活用策というのが出てまいると思います。

 既に利用されている土地あるいは不動産を最大限有効活用していくということは、その地域にとってそれ自体経済的な意味を持つという重要性がございますとともに、今後、低未利用の土地の発生を、そういった土地がある意味そういったところに来ないようにする、抑制する観点からも重要な施策というふうに考えてございます。

高橋(千)委員 抑制だけではなくて、今さりげなく言いましたけれども、需要を呼び込む、そういう政策でもあるということはお認めになったかなと思っております。

 第六条三項の、「土地所有者等は、国又は地方公共団体が実施する土地に関する施策に協力しなければならない。」とあります。これは、いわゆる義務規定、協力義務規定なわけですよね。これを義務にした理由が何かということと、では、具体的にどのような場合を想定しているのか、お答えください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘ございました規定についてでございますけれども、近年、申し上げておりますように、空き地、空き家それから管理不全の土地の発生、こういったことが顕在化している中では、まずは土地所有者自身によって管理の取組をやっていただくことが最も効果的ということで、済みません、何度も紹介しておりますけれども、土地所有者の責務ということで、土地の適正な利用、管理に一次的な責務を負うということにいたしました。

 一方で、国、地方公共団体についても、同じく、こういった土地の適正な利用、管理の確保について施策を実施すべきことということで、責務として明確化したものでございます。

 そして、それに合わせた形で、御指摘の六条三項で、国、地方公共団体の施策に対して協力するということを所有者の責務として規定をさせていただくということにしたものでございます。

 そこで私どもが想定しておりますものは、例えば、公共団体が中心になりまして地域で行われる草刈り、見回りといったような地域を維持する取組への協力でございますとか、あるいは、空き地、空き家、こういったものをコミュニティーの施設とか広場に活用していくような取組、地域づくりへの協力でございますとか、あるいは、今回改正をお願いしておりますけれども、国、地方公共団体が行う地籍調査への協力など、未利用土地の有効活用、管理不全土地の適正な管理を確保した施策への協力を想定しているところでございます。

高橋(千)委員 地方公共団体がさまざまな施策をやるに当たって、事前に責務規定、管理規定を書いておいて、それをちゃんと言っているじゃないかと、裏返しの関係になっているという説明だったのかなと思っているんですけれども。

 でも、現行法には国民の努力義務が既に書かれてあります。これもやはり、そういう趣旨であれば努力義務で十分じゃないのか、あるいは、誤解がないように、何々の場合に限りとか、何々を除くという、一定限定をかけた条文でよかったんじゃないかと思いますが、いかがですか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 実は、現行法の中で申し上げますと、事業者については協力責務というのを置いてございます。現行法ができたときには、事業者にやはりそういったことに協力していただく責務を置いたということなんでありますけれども、これは審議会でも議論があったんですけれども、昨今の空き地、空き家などが発生していく、利用圧力が低下していく中では、やはりまず所有者の責務ということをしっかり明示していくことが重要であろうというふうに考えたものでございます。

 ただ、いずれにいたしましても、今、何か直接的なような条文の使い方のお話がございましたけれども、土地基本法の性質上は、この規定にある程度沿いまして、いろいろな仕組み、これは関係省庁、地方公共団体が個別施策によって措置していく、こういう事柄の性格になっております。

高橋(千)委員 なのであれば、なおさら努力義務でよかったと指摘をしたいと思います。

 それで、少し具体の話をしたいと思うんですが、三・一一から丸九年、この日に宮城県の石巻市に行ってきました。同市は、東日本大震災での浸水面積が七十三平方キロメートル、被災六県六十二市町村の浸水面積のうち一三%を占めて、ことし一月末現在で死者・行方不明者三千九百八十七名という、最大の津波被災地であります。

 復興事業としての土地区画整理事業は来年度でほぼ終了する見込みで、そのうち、未利用地は一二%の十五ヘクタールにとどまっています。被災三県の土地区画整理事業の二十一市町村の合計で見ますと、宅地造成したうちの約三割が未利用と言われている中で、この石巻市は、広大な被災地でありながら、非常に効率がよい取組が進んでいると思っております。

 一番の特徴は、地籍調査が九五%の進捗率であったことです。国全体では五二%と言いますから、大変高い進捗率ですし、合併前の旧六町でいいますと一〇〇%なんです。そのために、甚大な流出等被害で困難をきわめつつも、境界が迅速に復元できたと言われています。

 そうした点で、地籍調査を進める意義は強く実感しているところですが、教訓としては、大震災発災後は復旧復興事業に集中しているために、地籍調査は休止をしています。今後再開するに当たっては、経験ある職員が既に退職して、技術の継承が難しいということでありました。

 法案では、地籍調査を前に進めるための改正案が用意されておりますけれども、地籍調査の経験を継承するという観点からの人材と予算の確保という点で国の支援がどのようになっているのか、大臣に伺います。

赤羽国務大臣 私も、三・一一以降何度も石巻に足を運びまして、海辺の「がんばろう!石巻」の、本当にもう何もなくなってしまった地域の中で復旧復興をどれだけできるのかといった思いがありましたが、今、高橋委員御指摘のように、この石巻、実は地籍調査進捗率が大変高くて、そうしたことで復興事業も大変な勢いでというか、進捗しておると思います。

 ただ、その中で、今言われたように、地籍の調査、地籍調査の再開をするに当たりましては、御指摘どおり、担当職員の流出とか、そのための知識、技術の継承が途切れているといったことも課題となっているということも私どもも承知をしているところでございます。

 こうした観点で、今回、先ほど他の委員からの御質問にもお答えしましたが、測量事業者ですとか土地家屋調査士の、民間事業者の専門家の皆さんに包括的な業務委託をするなど、専門家の知見や技術のさらなる活用を促進する。また、今回の法改正で、専門家を地籍アドバイザーとして、国の職員の派遣とともに、そうした援助を法律的に位置づけてもおりますので、こうしたことを再開しながら、市町村への支援を一層強化してまいりたいと思います。

 そして、それに加えまして、大事なことは予算の確保でございまして、東日本大震災を始め、昨今の災害発生状況等を背景に、全国の地方公共団体から地籍調査の予算に関する要望も増加しておりますので、それを受けとめて、国交省としても引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 予算の確保と人材の確保、よろしくお願いしたいと思います。

 被災地で最も苦労したのが、土地の共同所有者の了解を取付けするために全国を捜さなければならなかったことです。石巻でも、青森、北海道、九州、また海外もあったということであります。今回の議題にもなっている登記の問題でも、登記がされていないために、相続人をたどっていくと家系図がA3の紙二十枚分もう延々と残っている、そういうケースもあったと聞きました。

 私は、限られた人材の中で、本当に手間のかかる困難な事業を、しかし、あくまで私的財産権を守るという立場で、大変な御苦労をされていると思いました。市街地で八地域の土地区画整理事業でしたけれども、本来の所有者が死亡して、相続者の最後の一名と連絡がつかず、土地収用手続に入る予定が一件だけあるということでございました。できるだけ土地収用制度は避けたいと繰り返しおっしゃっていたわけです。

 大臣、こうした現場の苦労をぜひ受けとめていただいて、財産権を尊重しつつ、用地取得を円滑に進めていく方策について見解を伺います。

赤羽国務大臣 用地取得を円滑に進めていく、その方策につきましては、所有者不明土地の公共事業のための活用の円滑化等を内容とします所有者不明土地法が平成三十年に制定されまして、昨年六月に全面施行されたところでございます。

 同法におきましては、土地収用法の特例措置が講じられておりまして、建築物が存在せず、利用されていない土地につきまして、大変な努力を払われて今のような、捜索をしても所有者が不明である場合には、補償金額等について異議のある権利者がいない場合については、収用委員会ではなく都道府県知事の判断によって土地を取得できることとする、そうした特例措置を講じておるところでございまして、財産権を尊重しつつ、用地取得の円滑化を図っていくということを期待しておるところでございます。

 国交省としましては、所有者不明土地が増加している現状に鑑みまして、この特例措置を含めた所有者不明土地法を適切に活用していただきたい、こう考えております。

 加えて、地方整備局と地方公共団体との協議会がございまして、この協議会のさらなる活用をし、技術的な支援を行うとか、また、先ほども申し上げました地方整備局の職員の派遣を通じた人的支援を行い、技術面、人材面から地方自治体へのサポートをしっかりと行ってまいりたい、こう考えております。

高橋(千)委員 それで、少し古い話をさせていただきますが、二〇〇四年の中越地震のときに、長岡市に、山を切り崩して上から見るとひょうたん形に盛土した、高町団地というところがありました。私有地であり、人工の擁壁が崩れたので何の支援策もないと、ある被災者が私の部屋に飛び込んできたのであります。でも、長岡市の市道と崩れた擁壁が入り組んでいるということで、これは公共土木として復旧工事を行うということで国交省の答弁をいただき、団地の再生につながっております。当時は北側大臣でございました。

 この方式を応用して国交省がつくったのが、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業。これが初めて適用されたのは、二〇〇七年、中越沖地震の柏崎市山本団地でありました。これは階段状に住宅が建って、上の宅地を補修しなければ下の宅地だけを直しても意味がないというところになっているわけですね。でも、川が流れているということで、今言ったような考え方で、公共とのミックスということで団地の再生にこぎつけました。

 ただ、四分の一住民負担というのがありまして、自治会全体がまとまるまで大変険しい道のりがありました。上物である住宅の再建と宅地改修への自己負担という点で、住民の負担は大きなものがありました。

 そこで伺いたいのは、法案では所有者の管理責任を明記したのは、今るる議論してきたことで理解をできるわけですけれども、影響を与えている側の宅地の所有者が、自分は別に危険でも何でもない、つまり、上にいるので、下の人は危険なんだけれども上の人は危険でも何でもないから必要ないと思っている場合、それをまずどう調整するか。それからもう一点は、危険だというのはわかっているんだけれども、資力がない、お金がない、どうしようもありませんと言われる場合に、管理責任を書いただけではなかなか解決しない、このような問題をどう処理していくんでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今お話ございましたように、今回創設しました土地所有者の責務だけではなかなか問題解決しないケース、これは審議会などでも議論させていただいたんですが、こういった場合には、必要に応じまして、地方公共団体それから地域住民、所有者以外の方が役割を担って、周辺地域への悪影響を排除する取組が推進されるということが重要だということでございます。

 そこで、本法案では、七条二項になるんですけれども、国、地方公共団体が、今申し上げた、土地所有者以外の方による土地の利用、管理を補完する取組を推進する措置を講ずるように努める、こういった規定を創設したところでございます。

 国土交通省といたしましては、こういった措置を含めまして、今般新たに創設をいたします土地基本方針の策定、更新、これを通じまして、関係省庁と連携を図りながら、土地の管理をめぐるさまざまな課題に対応するための施策について検討を進めてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 所有者以外の方たちが、例えばまちづくりNPOとか、いろいろなことが議論の中であったと思うんですが、それを補完するというのはすごく大事なことだと思うんですね。ただ、今言った資力の問題というのは一つネックになるかなと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今申し上げましたのは、地域の住民それから公共団体も含めて地域をどうしていくかということで、これは個別具体の制度の中で、今御指摘あったような住民負担のあり方、こういったことも議論されていくことになるのだろう、こういうふうに認識してございます。

高橋(千)委員 そうなんですね。この山本団地も、実はいろいろな形の交付金で支えていって、自己負担を少しずつ少しずつ減らしていったというふうなプロセスがございました。やはり、参加する人たちがふえることによって負担も減らすということができるというのが大事だと思いますし、今回の土地基本法で土地のいわゆる公共的な役割というのを再認識して、やはり土地所有者の責務ということ、管理ということも書かれてきたわけですから、その点では、私有財産であるけれどもやはり財政的な支援もするということもあわせてこの間ずっと議論してきたことでありますが、検討していく必要があるのかなと思って、きょうはここは指摘にとどめたいと思います。

 そこで、企画部会の中間取りまとめでは、災害リスク情報の提供についても指摘をしております。

 昨年、台風被害で注目された河川のハザードマップなどを活用していく必要があると思っているんですけれども、現状では、津波被害の想定地域、土砂災害それから造成宅地の危険性というのは、不動産取引にかかわる重要事項説明に書かれているということになっていると思いますけれども、この趣旨と効果について伺います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 宅地建物取引業につきましては、取引に対して義務的に説明すべき事項、これを重要事項説明として法令上規定してございます。

 お話ございました造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域につきましては、住民の生命身体等に危害を生ずるおそれがある区域でありまして、災害リスクを事前に提供することで取引の相手方の保護を図る必要があることから、不動産取引の際の重要事項説明として説明しているということでございます。

高橋(千)委員 最後に大臣に伺いたいと思いますが、滋賀県方式とも言われておりますが、ハザードマップの浸水地域に当たるということは、やはり重要事項説明に明記するべきだと思います。

 既に検討がされていると思うんですけれども、やはり、そうした災害リスク情報を真面目に提供した不動産業者とそうじゃない人がいるということは、真面目に提供した人が逆に不利になっちゃうということがあってはならないので、やはり制度化していくということが必要なんじゃないかなと思いますので、大臣の決意を伺いたいと思います。

赤羽国務大臣 この件につきましては、実は、本年一月二十七日の衆議院予算委員会で、公明党の國重委員からも同様の質問がございまして、今回、一連の水害で、ハザードマップでの浸水想定区域どおり洪水被害が起きたという事例を踏まえまして、義務化、重要事項として義務づけるという方向で指示を出しているところでございます。

 今、具体的な説明方法など、現場の実態も踏まえながら、詰めの作業を行っているところでございます。

 以上です。

高橋(千)委員 明確な答弁だったと思います。ありがとうございます。

 やはりこれまでも、私、きょう幾つか造成宅地の話をさせていただきましたけれども、もともと宅地造成した業者が既に破産をしていなくなってしまって、結局相手方がいない、そういう中で災害リスク情報が十分に提供されていなかった、争うべきか、あるいは直す方が先か、そういう立場に被災者が置かれているという状況がございました。

 この間も本当に災害が続いたという中で、このリスク情報をまず制度化していくということは非常に大事なことだと思っておりますので、この点では一致したと思いますから、よろしく要望しまして、問いが本当は一つ残っていたんですが、時間が中途半端になりますので、ここで終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

土井委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上です。よろしくお願いいたします。

 きょうは土地基本法の審議ということで、質疑に早速入らせていただきたいと思います。

 人口減少の進展などの社会経済情勢というのが非常に大きく変化があり、その変化に伴って、土地をめぐる問題というのは、バブル期のころは地価の高騰といった問題がありましたけれども、そういう地価高騰の問題から、今度は所有者不明土地の増加というのに移ってきているというふうに認識をしております。

 所有者不明土地は、相続が生じても登記がなされないことなどを原因として発生することが多く、民間の土地取引や公共事業の用地買収の際に支障になることに加えて、防災やインフラ整備の障害になっているというふうに思います。これから、まさに今解決しなければならない喫緊の課題であるというふうにも思っています。

 二年前にも、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特措法というのが提出をされました。今後も人口減少等の傾向が続き、相続多発時代というのを迎えようとしていますけれども、今後も相続の増加で問題はより深刻になっていくと思いますので、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えています。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まずは、バブル期、そしてバブル崩壊後と、土地をめぐる状況が大きく変わってきました。土地基本法が制定されてから三十年余りというのが経過する中で、逆に言うと、これまで改正を行わず今回改めて改正を行うというふうにしたのはなぜか、局長、お答えいただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ございましたように、土地を取り巻く環境は、土地基本法が制定された平成元年当時と大きく変わってきてございます。

 ただ一方で、既にちょっと一部答弁させていただきましたけれども、現行の土地基本法に掲げる基本理念なりその基本的施策、これは一定の普遍性を持っているものであるものですから、これまで基本法の改正までは行ってこなかったというふうに思ってございます。

 他方で、まさに先ほど御指摘ございましたように、本格的な人口減少社会を迎えまして、所有者不明土地問題、これが深刻な問題としてかなり顕在化してきたということが契機となりまして、放置されたりあるいは有効に利用されないという直面している諸課題に政府一体となって取り組むべき、こういう認識に至ったわけであります。

 そこで、この際、人口減少時代に対応した土地政策をいわば再構築していこう、関係省庁、地方公共団体が一体性を持って施策を講じていこうということで、今回、土地基本法の全面見直しを行うことが必要と考えまして、提案させていただいた次第でございます。

井上(英)委員 次に、先ほど言われていたような話、また、新たに問題点に取り組むためということでありますけれども、先ほども少し触れましたけれども、二年前に、通常国会中に、六月に成立した所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法というのが制定をされましたけれども、その施行後、同法に基づいて、当該土地を地域福利増進推進事業を実施するために一定期間使用することができるようになって、広場をつくったり公園などを整備したりといった所有者不明土地の利活用というのが図ることができるようになりましたけれども、現在においてどれぐらいの利活用が行われているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今お話ございました所有者不明土地法につきましては、昨年六月に全面施行されましたけれども、私どもといたしましては、地方整備局と公共団体の連携で設置された協議会だとか職員の派遣、こういったことで制度を円滑に使っていただこうという取組を進めてまいりました。

 それで、現時点で申し上げますと、まず、この法律で、固定資産税の課税台帳などが、所有者に対する情報利用、これができるようになった特例が創設されたんですけれども、これにつきましては、私どもが確認できているだけで百件を超える、相当数の案件で活用が進んでいる状況ということでございます。

 それから、お話ございました、地域の福祉増進事業ですね、広場とかそういったことに使える十年間の使用権設定、これについては、実際に所有者の探索をやった上で初めて使えるということがあるものですから、まだ実例は出ておりませんけれども、それを想定したモデル事業をやっていまして、これが今六件動いていますので、この成果を横展開をしていきたい、こういうふうに思っています。

 それから、公共用地の取得について、所有者不明土地については一定の場合には収用手続を合理化、円滑化する特例、これを創設されたんですけれども、これは、先般初めて事例が出てきた、こういう状況でございます。

井上(英)委員 まだ具体的なあれはないということで、モデルケースで六件ですか。ですから、当然、所有者不明土地なので、所有者を当たって、それがどうしても見つからないという土地じゃないと使えないということなので、時間もかかるとは思うんですけれども、やはり、それぞれの地元で、広場とか公園とか、そういったものに今後またしっかりと逆に使っていただけるように、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。

 所有者不明土地対策は、これは、先ほど局長の答弁にもあったように、政府全体として取り組むべきだというふうに考える、非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。

 民法などの民事基本法制を所管して、また、きょうは法務省から官房審議官にお越しをいただいていますけれども、こういった土地に関する権利関係を明らかにする不動産登記制度を預かる法務省、法務局の役割というのも極めて重要だというふうに思います。

 法務省として、所有者不明土地問題に関する現状の取組状況というのをお聞かせいただけますでしょうか。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員からも言及のありました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法でございますが、これに基づきまして、長期にわたって相続登記が未了の土地について、登記官がその相続人を探索するということを始めております。

 それから、昨年成立いたしました表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律というのがありますが、これは、歴史的な経緯によりまして表題部所有者の氏名、住所が正常に記録されていない土地について、登記官が所有者等を探索して、その結果を踏まえて登記を改めるという制度が設けられております。

 法務省では、これらの制度を着実に施行するほか、法定相続情報証明制度等の創設による相続登記の促進ですとか、あるいは共有私道に関するガイドラインの策定などに取り組んできたところであります。

 今後でございますが、昨年二月に、所有者不明土地問題の解決に向けて、法制審議会に対して民事基本法であります民法及び不動産登記法の改正に関する諮問を行いまして、昨年三月から法制審議会民法・不動産登記法部会において調査審議が始められております。

 この部会におきましては、昨年十二月、相続登記の申請の義務化、あるいは土地所有権の放棄、それから民法の共有制度ですとか財産管理制度、相隣関係に関する規定の見直し等、広く見直しを含む中間試案が取りまとめられまして、ことしの一月十日から三月十日までの二カ月間、パブリックコメントの手続が行われております。

 経済財政運営と改革の基本方針二〇一九等の関係する政府方針においては、民事基本法制の見直しにつきまして、令和二年中に必要な制度改正の実現を目指すということとされております。

 法務省といたしましては、この問題の解決に向けて、引き続き関係省庁とも連携しながら対策を推進してまいりたいと考えております。

井上(英)委員 審議官、ありがとうございます。

 本当に、法務省も一生懸命やっていただいているということで、民事局を先頭に頑張っていただきたいというふうに思うんです。パブコメなんかも行われているということで、更に進化をしていっていただいて、所有者不明土地、これは国交省とともにしっかりとやっていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 続きまして、国土調査法等の改正についてお伺いをいたします。

 地籍調査は、現在、国土調査促進特別措置法に基づき作成された第六次国土調査事業十カ年計画というのが平成二十二年五月に閣議決定をされて、その十カ年計画に基づいて今第六次が実施されているということであります。

 来年度、令和二年度を初年度とする第七次国土調査事業十カ年計画、これがあるから日切れということなんですけれども、それを策定して、地籍調査の優先実施地域での進捗率というのを現在の約八割から九割を目指すということであります。

 第六次計画、今現行行われている計画では、地籍調査の進捗率というのが、平成二十一年度末時点の四九%から、計画が終了する今年度、平成三十一年度、令和元年度末までに五七%とするという目標でありましたけれども、昨年度末の平成三十年度時点では進捗率が五二%だったということで、最終年度であります今年度で目標を達成するというのはなかなかちょっと困難な状況にあるかなというふうには思います。

 第六次計画で目標どおりに促進できなかった理由というのがあればお答えいただきたいのと、これから第七次を計画するわけですから、この目標を達成してもらわないとだめなので、その辺の決意を、局長、お願いいたします。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ございましたように、現行の六次計画、進捗率五七%の目標であるところ、現時点で五二%となっているということで、目標達成できていないということでございます。

 この要因といたしましては、地籍調査が個人の土地と密接に関連する調査なものですから、所有者の立会いを得るということで調査を進めているものですから、所有者の探索、それから所有者の方に境界を御確認いただくというところに多くの時間を要している。これはずっとそうなんですけれども、近年特に、人口減少、高齢化というのが進んで、所有者不明土地問題、これが顕在化してきた。これが困難な課題を更に難しくしてきている要因であろうというふうに考えております。

 したがいまして、今のままではなかなか次の十カ年計画で優先実施地域で九割に持っていくということも難しいというふうに思っていまして、そこで、公共団体の方にボトルネックを丁寧に聞き取って今回法律でお願いしておりますのが幾つかございます。

 一つが、所有者の探索をまず容易にして、そして、所有者不明の場合でも一定の手続を踏めば調査が進められるように調査手続を見直すということ、それから、例えば都市部では官民境界を先行的にやっていくというようなやり方、あるいは山村部ではリモートセンシングデータを活用して航空写真でやっていくというようなことで、地域の特性にも応じた効率的手法を導入したいということで、このことによりまして、従来よりもおおむね一・五倍のスピードで進めることによりまして優先地域での目標でございます九割を達成したい、このように考えております。

井上(英)委員 所有者不明土地の発生予防のためには、やはり土地の基礎的な情報インフラでありますこの地籍調査というのを進めるというのは当然大切であります。

 やはり、先ほど言われたように、実施環境というのが年々悪化しているというのもあります。特に所有者不明土地の存在というのが、地籍調査を進める上でやはり課題になっているということであります。

 この地籍調査の実施に当たって、所有者不明土地の課題に対応してどのように取り組んで進めていくお気持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、地籍調査をボトルネックを排除してしっかり進めていくということで、少し具体的に御紹介させていただきますと、この委員会でも御紹介させていただきましたが、固定資産税台帳を利用して所有者にアクセスできるようにしていく、それから、所有者不明で確認が得られない場合でも、公告でもって、一定期間レスポンスがなければ調査を進めさせていただくやり方。それから、立会いという手続しか持っていなかったのに対して、郵送だとか集会所で多くの方々に確認できるような方法。それから、法務省さんに御協力賜って筆界特定制度を使っていくというようなこと。これを進めていくということでございます。

 それから、先ほど申し上げた官民境界、リモートセンシング、こういったことを駆使して対応していきたい、このように考えております。

井上(英)委員 ぜひ具体的にどんどん進めていっていただけたらと思います。

 官房審議官にお伺いをいたします。

 地籍調査は市町村が主な実施主体というふうになっていますが、調査の成果である地図が登記所に送られるなど、法務省の不動産登記法に基づいて行っている登記事務にも密着に関連しているため、法務省との連携というのは、先ほども言いましたけれども、非常に大事だと思っています。

 地籍調査の推進を図るため、法務省所管の改正というのも盛り込まれておりますけれども、内容についてお伺いをしたいと思います。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 今回、不動産登記法におきまして、地方公共団体が筆界特定制度を活用できるという内容を盛り込んでおります。

 地籍調査におきましては、土地の所有者等が立会いに応じない場合ですとか、あるいは筆界の現地における位置の認識について所有者間で争いがあるというような理由から筆界を特定することができず、筆界が未定の土地が生ずることがあります。

 このような筆界未定地は、隣地との筆界を確定することができないため、土地の取引が困難になってしまうというような支障がありますし、また、地方公共団体にとっても各種事業に大きな障害となるという可能性がございます。そのため、周辺地域を含めて土地の有効活用が妨げられ、あるいは結果的に管理不全な地域の出現につながってしまうということが予想されます。

 そこで、このような筆界未定地が発生することを防止する観点から、地方公共団体が、所有者等のうちのいずれかの者の同意を得て、法務局の筆界特定登記官が現地における土地の筆界の位置を特定する筆界特定制度を活用することができるということを内容とする不動産登記法の改正を行うものであります。

井上(英)委員 法務省さん、今回、筆界特定制度をよくしていただいたと思いますし、不断の努力で今後も引き続き頑張っていただきたいというふうに思いますが、最後に大臣にお聞きします。

 所有者不明土地問題や空き地、空き家など低未利用土地の問題、さらに管理不全の土地といった問題に対応するには、やはり基礎的自治体としての市町村の役割というのが重要だというふうに考えます。

 国としては自治体をその点でどのようにサポートしていくのか、それから、不動産登記を義務化することが一番重要であるというふうに考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

赤羽国務大臣 人口減少時代に対応した土地政策の推進に当たりましては、地域住民や地域コミュニティーの取組を一番近いところで支えられている地方公共団体の役割は大変重要である、私もそう思っております。

 ただ他方、多くの地方公共団体が、先ほど答弁をさせていただきましたが、マンパワーですとかノウハウの不足など課題を抱えているのも現状でございます。

 こうしたことにつきまして、本法案では、新たに国による地方公共団体に対する支援について規定をさせていただきまして、その重要性を明確化させていただいております。

 そして、その点を踏まえまして、今後、国としては、例えば、先ほど申し上げました協議会のさらなる活用やガイドラインを通じた技術的な支援を行うということが一つと、もう一つは、専門的な知識や経験を有する地方整備局等の職員の派遣を通じた人的支援を行う。技術面、人材面両方から地方公共団体の一層のサポートを行っていくことが必要だというふうに思っております。

 大変重要な問題でございますので、国としても、当然のことながら地方公共団体と一体となって取組を進めていきたい、こう決意をしております。

井上(英)委員 所有者不明土地が大体九州ぐらいあると言われているので、ぜひ、国交省はもちろんですけれども、大臣先頭に、そして法務省も含めて今後も課題解決に取り組んでいただけたらと思いますので。

 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

土井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表して、土地基本法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 三十年ぶりの土地基本法改正は、所有者不明土地がキーワードとなっています。立法当時は、八〇年代のバブル経済に基づく異常な地価高騰への対応が土地政策の課題でした。近年、人口減少や経済の落ち込みの中で所有者不明土地が増加し、環境悪化や災害リスクなどの外部不経済をもたらすとともに、多発する災害からの復旧復興において障害となってきました。改正案が、災害予防と対策を法の目的に明示し、土地の適正な利用とともに管理を加えたことは重要であります。

 一方、都市部において新たな土地への需要が生じています。平成三十一年地価公示では、全国の平均変動率はもちろん、地方部も、住宅地、商業地ともに地価は上昇しています。改正案の土台となる国土審議会土地政策分科会では、土地、不動産の最適活用、低未利用の土地、不動産については市場を通じて利用につなげる創造的活用を目指すとしており、ここでも所有者不明土地の利活用が注目されています。

 反対理由の第一は、改正案が、住民無視の再開発事業のような土地の高度利用を一層促進し、民間資本のもうけに奉仕する土地施策となる懸念があるからです。改正案は、土地の市場価値を維持し高めるため、土地の管理の必要性を全体にわたり強調した上で、土地の取引の円滑化を定めました。外資呼び込み、インバウンド目当てのホテル、生産性の高いオフィスビルなど、国や地方公共団体は土地施策をこれ以上市場任せにするべきではありません。

 反対理由の第二は、土地基本法改正案が、土地所有者等に対し、行政の土地施策への一般的な協力義務を新たに規定した点です。一般の土地所有者に内容も無限定な協力義務を負わせることは、土地所有権の過度な制約につながるものであり、認められません。

 なお、所有者不明土地の発生の抑制並びに解消のための改正点である筆界の特定や手続の簡素化、地籍調査の迅速、円滑化については必要なことだと考えます。

 終わりに、東日本大震災から十年目となる来年度末には、ハードの復興事業はほとんどが完成します。土地の共同所有者を訪ねて被災自治体の職員が全国、海外までも問い合わせ、一つ一つを特定していったことは、少ない人員と忙殺される業務の中で想像を絶する苦労だったと思います。それは個人の財産権を尊重する思いでもあり、改正案がこうした被災自治体の努力に報い、今後の災害リスクと被害を減らすために資するものであることを強く望むものです。

 以上述べて、討論を終わります。

土井委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、土地基本法等の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小里泰弘君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党及び日本維新の会・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。小宮山泰子さん。

小宮山委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    土地基本法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 新たな土地についての基本理念や、土地所有者等の責務等について周知徹底を図るとともに、あわせて、土地の所有者が、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化及び当該土地の所有権の境界の明確化等の責務を果たすことを支援するための措置を講ずること。

 二 土地基本法の基本理念にのっとり、基本的施策の実現等が図られるよう、適正な土地の利用及び管理を確保するための施策については、財産権を不当に侵害することのないよう十分に配慮しつつ、土地の有効利用の誘導、防災・減災、地域への外部不経済の発生防止及び解消等に向け、土地基本方針の策定を通じた関係省庁の緊密な連携の下、総合的に進めること。

 三 新たに策定する土地基本方針に基づく施策の推進に当たっては、地籍調査の円滑化・迅速化を図るため新たに導入される手続等に関する国からの助言、有識者の派遣、知識・経験を有する民間事業者の積極的な活用等、地方公共団体への支援や連携協力に努めること。

 四 災害からの復旧・復興等に資する地籍調査の迅速化を図るため、その必要性及び重要性について、国民及び地方公共団体に周知すること。また、地籍調査の未着手・休止市町村の解消に向け、民間委託制度の活用促進等、体制が十分でない市町村へのきめ細やかな支援を行うとともに、早期に地籍調査を完了するため、新たに策定する国土調査事業十箇年計画に基づく事業の着実な推進のため必要となる予算の確保に努めること。

 五 地方公共団体による筆界特定の申請については、権利関係の明確化や円滑な地籍調査の実施等に資することから、地方公共団体による申請に応えられるよう、申請代理人や筆界調査委員などの専門的知識・経験を有する者の確保も含め、十分な体制及び必要な予算の確保に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

土井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣赤羽一嘉君。

赤羽国務大臣 土地基本法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 まことにありがとうございました。

    ―――――――――――――

土井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

土井委員長 次回は、来る二十四日火曜日正午理事会、午後零時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十三分散会


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