衆議院

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第2号 平成28年12月7日(水曜日)

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平成二十八年十二月七日(水曜日)

    午後四時開議

 出席委員

   委員長 城内  実君

   理事 助田 重義君 理事 高鳥 修一君

   理事 中川 郁子君 理事 中山 泰秀君

   理事 山田 美樹君 理事 青柳陽一郎君

   理事 鷲尾英一郎君 理事 上田  勇君

      あべ 俊子君    石崎  徹君

      大西 宏幸君    笹川 博義君

      高木  毅君    辻  清人君

      中村 裕之君    長尾  敬君

      前田 一男君    中島 克仁君

      松田 直久君    松原  仁君

      浜地 雅一君    穀田 恵二君

      松浪 健太君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 松本  純君

   国務大臣

   (拉致問題担当)     加藤 勝信君

   内閣府副大臣       石原 宏高君

   外務副大臣        薗浦健太郎君

   内閣府大臣政務官     豊田 俊郎君

   外務大臣政務官      小田原 潔君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          大町  寛君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月七日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     前田 一男君

  斎藤 洋明君     中村 裕之君

  原口 一博君     中島 克仁君

  笠井  亮君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  中村 裕之君     斎藤 洋明君

  前田 一男君     池田 佳隆君

  中島 克仁君     原口 一博君

  穀田 恵二君     笠井  亮君


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     ――――◇―――――

城内委員長 これより会議を開きます。

 この際、加藤拉致問題担当大臣、岸田外務大臣、松本国家公安委員会委員長、石原内閣府副大臣、薗浦外務副大臣、豊田内閣府大臣政務官及び小田原外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。加藤拉致問題担当大臣。

加藤国務大臣 拉致問題担当大臣の加藤勝信でございます。

 拉致問題をめぐる現状について御報告申し上げます。

 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であると同時に、拉致された方々の貴重な未来、多くの夢を断絶し、家族とのかけがえのない時間を引き裂く、人権、人道上のゆゆしき問題であります。

 北朝鮮が特別調査委員会による調査を開始してから二年以上経過しても、拉致被害者の帰国はおろか、帰国に向けた道筋さえ見えていないことは痛恨のきわみであります。

 このような中、北朝鮮は九月に五回目となる核実験を行いました。また、ことしに入って二十発以上もの弾道ミサイルを発射しています。

 このような暴挙は断じて容認できず、先週、国連安全保障理事会は、北朝鮮に対する制裁措置を格段に強化する安保理決議を採択し、また、我が国は、米国及び韓国とも協調の上、さらなる独自の措置を講ずることとし、北朝鮮に対する断固たる対応を示したところです。

 拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、政府の責任において最優先で取り組んでいくべき課題であります。政府としては、今後とも、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、今般の一連の対北朝鮮措置をてことしながら、対話を通じて、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な動きを引き出すべく、あらゆる施策を講じていくとの決意で当たってまいります。

 国際社会において北朝鮮の人権状況の改善を求める機運はこれまでになく高まっています。

 国連においては、本年九月、人権理事会の決議に基づき、北朝鮮における人権侵害に係る説明責任の問題に取り組む専門家グループが指名され、先月十六日には、我が国及びEUが共同提案した北朝鮮人権状況決議が国連総会第三委員会において採択されました。

 本年八月に国連北朝鮮人権状況特別報告者に新たに任命されたトマス・オヘア・キンタナ氏が先月来日しましたが、私は、同特別報告者と面会し、問題解決に向けた国連との緊密な連携を確認しました。

 また、米国においては、九月二十八日、北朝鮮による拉致の疑いのあるデービッド・スネドン氏の失踪に関する下院決議が可決、成立しました。

 今後も、拉致問題の早期解決に向けて、米国や韓国などの関係国との連携を強化するとともに、キンタナ特別報告者及び専門家グループの活動に全面的に協力しながら、国連人権プロセスを活用してまいります。

 私は、こうした観点から、十二月一日に国連本部で、日、EU、豪、米、韓が共催した北朝鮮の人権状況に関するパネルディスカッションに、日本政府を代表して出席しました。私からは、拉致問題の深刻さや、拉致被害者及びその御家族の高齢化が進む中で拉致被害者の救出が切迫した課題であることを国際社会に訴えると同時に、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、国連の北朝鮮の人権問題への取り組みと連携した具体的戦略について議論してまいりました。

 また、潘基文国連事務総長や安保理理事国各国の政府関係者と面会し、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況、核、ミサイルといった北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けて、有意義な意見交換を行ってまいりました。

 拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが肝要であり、拉致問題に関する啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。

 全国各地で集会や映画、舞台芸術を行うとともに、啓発セミナーや授業を行っております。本年十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間には、政府主催行事を開催する予定です。引き続き、さまざまな広報啓発活動に取り組んでまいります。

 また、拉致被害者や北朝鮮の人々に対して、短波ラジオ放送を配信しております。今年度から、聴取される機会をふやすことを目的として、周波数を倍増させるとともに、送信出力の強化を図ったところであります。今後とも、拉致被害者への激励や北朝鮮の人々に向けた情報発信の一層の拡充強化を図ってまいります。

 北朝鮮に残されている拉致被害者の方々の心情や健康状態、そして肉親との再会を切なる思いで待ち続ける御高齢の御家族の心痛を察すると、もはや一刻の猶予も許されません。関係各方面の御意見にしっかりと耳を傾けながら、そして、御家族とその思いを共有しながら、全ての拉致被害者の即時帰国に向け、全力を尽くしていく所存です。

 城内委員長を初め理事、委員の皆様の御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。

城内委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、最近の北朝鮮をめぐる状況について御報告いたします。

 北朝鮮は、本年二度にわたり核実験を強行しました。また、ことしに入って二十発を超える弾道ミサイルを発射し、我が国及び国際社会に対する新たな段階の脅威となっています。

 北朝鮮による核・ミサイル開発は、日朝平壌宣言や六者会合共同声明及び累次の国連安保理決議の明白な違反であると同時に、国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦であり、断じて容認できません。

 今般、北朝鮮への人、物、金の流れをさらに厳しく規制する安保理決議が全会一致で採択されたことは、国際社会の姿勢を示したものです。我が国は、安保理理事国として、関係国と緊密に連携しながら、安保理の議論を主導してきました。

 また、我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、米国及び韓国とも協調の上、さらなる独自の措置を実施することとしました。

 日朝関係については、日朝平壌宣言に基づき、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題である拉致問題といった諸懸案の包括的な解決に向けて全力を傾けていきます。拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、国の責任において解決すべき課題です。

 いまだに拉致被害者の帰国が実現していないことは、痛恨のきわみです。政府としては、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、厳しい圧力をかけながら、ストックホルム合意に基づき、拉致問題の解決を目指します。一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現し、御家族の皆様との再会という積年の思いを遂げるため、あらゆる努力を傾注する決意です。

 同時に、拉致問題は、基本的人権の侵害という、国際社会全体の普遍的問題です。政府としては、あらゆる機会を捉え、各国に対し拉致問題を提起し、協力を要請してきています。

 私が議長を務めたG7広島外相会合の際にも、拉致問題を含む人権問題について説明し、共同コミュニケにおいて、北朝鮮に対し、拉致を含む国際社会の人道及び人権上の懸念に直ちに対処するよう強く求めました。国連総会の際にも、安倍総理の一般討論演説において、また、日米韓外相会合やG7外相会合等の際に、私から、全ての拉致被害者の帰国に向け、各国に対して理解と協力を求めました。

 本年九月には、米国下院議会において、北朝鮮に拉致された可能性のある米国人について、米国政府に対し、日本、中国、韓国の政府と連携して調査を求める決議が可決されるなど、拉致問題の解決に向けた国際的な機運は高まっています。

 先月には、我が国及びEUが共同提案した北朝鮮人権状況決議が国連総会第三委員会において採択されました。さらに、新たな安保理決議は、初めて主文において北朝鮮の人権、人道問題に言及し、拉致問題を初めとする北朝鮮の人権、人道問題に対する安保理の強い懸念を示しています。

 我が国としては、北朝鮮人権状況決議や、北朝鮮の状況に関する安保理会合の開催等、国連の枠組みも活用しつつ、国際社会と連携しながら、北朝鮮が問題の解決に向け具体的行動をとるよう強く求めていく考えです。

 今後とも、城内委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

城内委員長 次に、松本国家公安委員会委員長。

松本国務大臣 国家公安委員会委員長の松本純でございます。

 拉致問題に関する警察の取り組みについて御報告申し上げます。

 北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐えがたい苦痛を与える許しがたい犯罪であり、治安上極めて重大な問題であります。

 現在、警察においては、日本人が被害者である拉致容疑事案及び朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案、計十三件十九人を拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯等として、北朝鮮工作員等、計十一人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところでございます。

 また、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識のもと、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意所要の捜査や調査を進めております。

 今後とも、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、拉致容疑事案等の全容解明に向けて徹底した捜査及び調査を推進してまいります。

 また、北朝鮮の核実験及び弾道ミサイルの発射は許しがたい暴挙であり、断じて容認できません。

 このたび、我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、さらなる独自の対北朝鮮措置を実施することとしました。

 警察では、これまで、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、同措置に係る違法行為の取り締まりを推進してきたところですが、引き続き、関係機関と緊密な連携を図りつつ、徹底した取り締まりを推進してまいります。

 今後とも、拉致問題対策本部事務局や外務省等関係機関と緊密に連携し、政府全体としての取り組みにしっかり貢献してまいります。

 城内委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

城内委員長 次に、石原内閣府副大臣。

石原副大臣 内閣府副大臣の石原宏高でございます。

 先ほど加藤大臣からお話がありましたように、拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であります。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、豊田政務官とともに加藤大臣を補佐し、全力で取り組んでまいる所存でございます。

 城内委員長を初め各理事、委員の方々の御指導をよろしくお願い申し上げます。

城内委員長 次に、薗浦外務副大臣。

薗浦副大臣 外務副大臣を拝命いたしました薗浦健太郎でございます。

 拉致被害者の御家族の皆様は御高齢となっております。拉致問題の一日も早い解決が不可欠であり、岸田外務大臣を補佐し、全ての拉致被害者の帰国に向けてあらゆる努力を傾注してまいります。

 城内委員長を初め理事、委員各位の御支援、御協力を心からお願い申し上げます。

城内委員長 次に、豊田内閣府大臣政務官。

豊田大臣政務官 内閣府大臣政務官の豊田俊郎でございます。

 拉致問題の早期解決に向けて、城内委員長を初め各理事、委員の方々の御指導、御鞭撻を賜りながら、加藤大臣を石原副大臣とともに補佐し、全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

城内委員長 次に、小田原外務大臣政務官。

小田原大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしました小田原潔であります。

 拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる安倍政権の最重要課題であります。岸田外務大臣を補佐し、拉致問題の一日も早い解決に向けて全力を尽くす決意であります。

 城内委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

城内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十五分散会


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