衆議院

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第2号 平成29年3月7日(火曜日)

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平成二十九年三月七日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 城内  実君

   理事 助田 重義君 理事 高鳥 修一君

   理事 中川 郁子君 理事 中山 泰秀君

   理事 山田 美樹君 理事 青柳陽一郎君

   理事 鷲尾英一郎君 理事 上田  勇君

      あべ 俊子君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    今津  寛君

      斎藤 洋明君    笹川 博義君

      高木  毅君    辻  清人君

      長尾  敬君    宮路 拓馬君

      松田 直久君    松原  仁君

      浜地 雅一君    笠井  亮君

      松浪 健太君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 松本  純君

   国務大臣

   (拉致問題担当)     加藤 勝信君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          大町  寛君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月七日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     宮路 拓馬君

同日

 辞任         補欠選任

  宮路 拓馬君     大西 宏幸君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 北朝鮮による拉致問題等に関する件


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     ――――◇―――――

城内委員長 これより会議を開きます。

 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。

 この際、加藤拉致問題担当大臣、岸田外務大臣及び松本国家公安委員会委員長から、それぞれ所信を聴取いたします。加藤拉致問題担当大臣。

加藤国務大臣 拉致問題担当大臣の加藤勝信でございます。

 拉致問題をめぐる現状について御報告を申し上げます。

 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であると同時に、拉致された方々の貴重な未来、多くの夢を断絶し、家族とのかけがえのない時間を引き裂く、人権、人道上のゆゆしき問題であります。

 本年は、久米裕さん、松本京子さん、横田めぐみさんが拉致されてから四十年、家族会が結成されてから二十年となります。この間、二〇〇二年に五人の拉致被害者の方々が帰国して以来、一人の拉致被害者の方の帰国も実現しておらず、多くの方々がいまだに取り残されていることは痛恨のきわみであります。

 一方で、北朝鮮が、核実験や昨日の四発の弾道ミサイル発射も含め、たび重なる弾道ミサイル発射を強行していることは、断じて容認できません。我が国は、安保理決議に基づく制裁に加え、関係国と協調して独自の措置を着実に実施するなど、断固たる姿勢で臨んでいるところです。先月の十二日の弾道ミサイル発射に対しても、安倍総理はトランプ大統領とともに記者会見を行い、日米の強い結束を全世界に対して示しました。

 国際社会において北朝鮮の人権状況の改善を求める機運はこれまでになく高まっています。

 昨年十二月、国連総会において、北朝鮮に対し、拉致被害者の即時帰国を含め、全ての人権侵害を終わらせるための措置を早急にとることを要求する強い内容の決議が採択され、国連安保理においては、拉致問題を含む北朝鮮の状況が三年連続で取り上げられました。

 日本政府は、現在ジュネーブで開催中の国連人権理事会にも、北朝鮮人権状況決議案をEUと共同提出する予定です。

 今次人権理事会には、キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者及び北朝鮮の人権侵害に係る説明責任の問題に取り組む専門家による報告書も提出される予定です。

 また、先月の日米首脳会談では、両首脳間で拉致問題の早期解決の重要性について完全に一致し、日米共同声明という文書の形で初めて確認するに至りました。

 政府としては、今後も、米国や韓国などの関係国との連携強化や国連人権プロセスの活用を通じて、北朝鮮に対し、拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けた具体的な行動をとるよう強く求めてまいります。

 拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが肝要であり、拉致問題に関する啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。

 昨年十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間には、国内外の有識者を招聘し、拉致問題を初めとする北朝鮮の人権侵害に関する国際シンポジウムを開催し、問題解決につながる国際連携について議論を深めたところです。

 このほか、全国各地で集会や映画、舞台芸術を行うとともに、啓発セミナーや授業を行っております。引き続き、さまざまな広報啓発活動に取り組んでまいります。

 また、拉致被害者や北朝鮮の人々に対して、短波ラジオ放送を配信しております。来年度からは、聴取される機会をふやすことを目的として周波数増を図るべく、現在、国会において予算案を御審議いただいているところです。また、米国の北朝鮮向けラジオ放送局との連携についても取り組んでいるところです。今後とも、拉致被害者への激励や北朝鮮の人々に向けた情報発信の一層の拡充強化を図ってまいります。

 長い年月を経る中で、拉致被害者の方々そして御家族の方々も一年一年と年を重ね、御高齢となられており、もはや一刻の猶予も許されません。

 拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、政府の責任において最優先で取り組んでいくべき課題です。政府としては、御家族とその思いを共有しながら、今後とも対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、北朝鮮に対する一連の厳しい措置をてことし、対話を通じて、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な動きを引き出すべく、あらゆる施策を駆使する決意で当たってまいります。

 城内委員長を初め理事、委員の皆様の御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。

城内委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、最近の北朝鮮をめぐる状況について御報告いたします。

 昨日、北朝鮮は四発の弾道ミサイルを発射し、そのうち三発は我が国の排他的経済水域に落下しました。我が国を含む地域及び国際社会の安全保障に対する明らかな挑発行為であり、断じて容認できません。北朝鮮による核実験やたび重なる弾道ミサイル発射は、北朝鮮が新たな段階の脅威であることを改めて示すものです。

 昨日の弾道ミサイル発射を受け、北朝鮮に対して、直ちに北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議するとともに、最も強い表現で非難しました。また、米国及び韓国と外相電話会談を行い、日米、日韓、日米韓で緊密に連携しつつ、北朝鮮に対し断固たる姿勢を示し、さらなる挑発行動の自制、安保理決議等の遵守を強く求めていくことを確認しました。

 我が国は、米国、韓国及び関係国と緊密に連携しながら、安保理決議の実効性を確保し、独自の措置を着実に実施するなど、断固たる対応をとっていきます。さらに、北朝鮮の脅威に対処するため、日米韓の連携を主導し、日米及び日米韓の安全保障協力など、これまでの取り組みをさらに前進させていきます。

 日朝関係については、日朝平壌宣言に基づき、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題である拉致問題といった諸懸案の包括的な解決に向けて全力を尽くしていきます。拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、国の責任において解決すべき課題です。

 北朝鮮による拉致の発生から長い年月がたつ中で、もはや一刻の猶予も許されません。政府としては、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、引き続き、北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、拉致問題の解決を目指します。一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現し、御家族の皆様との再会という積年の思いを遂げるため、あらゆる努力を傾注する決意です。

 同時に、拉致問題は、基本的人権の侵害という、国際社会全体の普遍的問題です。政府としては、あらゆる機会を捉え、各国に対し拉致問題を提起し、協力を要請していきます。

 先月の日米首脳会談では、両首脳の間で、拉致問題の早期解決の重要性について完全に一致しました。拉致問題について早期解決の重要性を確認したのは、日米首脳間の文書としては初めてであり、拉致問題に対するトランプ政権の理解と支持を示すものとして高く評価しています。また、同月の日米韓外相会合においても、私から拉致問題について引き続き理解と協力を求め、米韓両国から支持を得ました。

 昨年十二月には、安保理において、人権状況を含む北朝鮮の状況に関する会合が三年連続で開催されるとともに、我が国及びEUが共同提案した北朝鮮人権状況決議が国連総会本会議において採択されました。現在開催中の第三十四回人権理事会においても、北朝鮮に対し拉致問題の早期解決や国際社会との協力に向けた具体的な行動をとるよう強く求める決議が採択されるよう取り組んでいきます。

 我が国としては、こうした国連の枠組みも活用しつつ、国際社会と連携しながら、北朝鮮が問題の解決に向け具体的行動をとるよう強く求めていく考えです。

 今後とも、城内委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

城内委員長 次に、松本国家公安委員会委員長。

松本国務大臣 国家公安委員会委員長の松本純でございます。

 拉致問題に関する警察の取り組みについて御報告申し上げます。

 北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐えがたい苦痛を与える許しがたい犯罪であり、治安上極めて重大な問題です。

 現在、警察においては、日本人が被害者である拉致容疑事案及び朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案、計十三件十九人を拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯等として、北朝鮮工作員等計十一人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところです。

 また、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識のもと、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意所要の捜査や調査を進めています。

 今後とも、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、拉致容疑事案等の全容解明に向けて徹底した捜査及び調査を推進します。

 また、北朝鮮が、核実験及び昨日の四発の弾道ミサイル発射も含め、たび重なる弾道ミサイル発射を強行していることは、断じて容認できません。

 我が国は、核、ミサイル、そして引き続き最重要課題である拉致問題といった諸懸案を包括的に解決するため、関連国連安保理決議に基づく措置及び独自の対北朝鮮措置を着実に実施してきたところです。

 警察では、これまで、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、これらの措置に係る違法行為の取り締まりを推進してきたところですが、引き続き、関係機関と緊密な連携を図りつつ、徹底した取り締まりを推進します。

 今後とも、拉致問題対策本部事務局や外務省等関係機関と緊密に連携し、政府全体としての取り組みにしっかり貢献します。

 城内委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

城内委員長 以上で各大臣の所信表明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十三分散会


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