衆議院

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第3号 平成29年3月30日(木曜日)

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平成二十九年三月三十日(木曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 原田 義昭君

   理事 穴見 陽一君 理事 伊藤信太郎君

   理事 勝俣 孝明君 理事 河野 太郎君

   理事 豊田真由子君 理事 中島 克仁君

   理事 中根 康浩君 理事 濱村  進君

      井上 貴博君    江崎 鐵磨君

      小倉 將信君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    加藤 鮎子君

      鴨下 一郎君    木村 弥生君

      小島 敏文君    小林 史明君

      後藤田正純君    鈴木 憲和君

      田畑 裕明君    津島  淳君

      とかしきなおみ君    中谷 真一君

      中村 裕之君    前川  恵君

      前田 一男君    山田 美樹君

      阿部 知子君    井坂 信彦君

      大西 健介君    田島 一成君

      西村智奈美君    柚木 道義君

      浜地 雅一君    吉田 宣弘君

      梅村さえこ君    清水 忠史君

      吉田 豊史君

    …………………………………

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            松本  純君

   内閣府副大臣       松本 洋平君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   経済産業大臣政務官    井原  巧君

   政府参考人

   (内閣府再就職等監視委員会事務局長)       塚田  治君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        山本佐和子君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     川口 康裕君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    東出 浩一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    小野  稔君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    吉井  巧君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     巻口 英司君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 金子  修君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 飯田 圭哉君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    能化 正樹君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 井上 裕之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           前田 泰宏君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小瀬 達之君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           石田  優君

   政府参考人

   (観光庁次長)      蝦名 邦晴君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     中村 裕之君

  加藤 鮎子君     鈴木 憲和君

  田畑 裕明君     中谷 真一君

  とかしきなおみ君   津島  淳君

  西村智奈美君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 憲和君     加藤 鮎子君

  津島  淳君     とかしきなおみ君

  中谷 真一君     田畑 裕明君

  中村 裕之君     井上 貴博君

  阿部 知子君     西村智奈美君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

原田委員長 これより会議を開きます。

 この際、長坂内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。長坂内閣府大臣政務官。

長坂大臣政務官 おはようございます。消費者行政を担当いたします内閣府大臣政務官に就任いたしました長坂康正でございます。

 消費者の安全で安心な暮らしを守るために、松本副大臣とともに松本大臣を支えてまいりますので、原田委員長を初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございます。(拍手)

     ――――◇―――――

原田委員長 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府再就職等監視委員会事務局長塚田治君、公正取引委員会事務総局審査局長山本佐和子君、消費者庁次長川口康裕君、消費者庁審議官東出浩一君、消費者庁審議官小野稔君、消費者庁審議官吉井巧君、消費者庁審議官福岡徹君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長巻口英司君、法務省大臣官房審議官金子修君、外務省大臣官房審議官飯田圭哉君、外務省領事局長能化正樹君、財務省大臣官房審議官井上裕之君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省大臣官房審議官小瀬達之君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、国土交通省大臣官房審議官石田優君及び観光庁次長蝦名邦晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤信太郎君。

伊藤(信)委員 自由民主党の伊藤信太郎でございます。

 きょうは、発言の機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。

 今は時代が非常に進んできて、とりわけインターネットというものが国民生活の各般にわたって大変な関連また重要性を持っております。大げさに言えば、全ての国民生活というものがインターネットとの関連なしでは考えられないというのが現代社会だと思います。そういった中で、今、インターネット通販というものも急速に増加しています。

 そういうことで、それに伴って、当然、資料一をごらんいただきたいんですけれども、平成二十八年版の消費者白書によれば、消費者庁に寄せられた販売購入形態別相談割合のうち、六十五歳未満では、インターネット通販に関するものが三四・九%ということで、店舗販売の三〇・四%を超えているわけでございます。

 そしてまた、インターネット通販の構成比を見ますと、これは資料二をごらんいただきたいのでございますけれども、いわゆる商品が二二・五%、サービスが七七・五%で、そのサービスのうち六八・六%がデジタルコンテンツであるということであります。

 そしてまた、インターネットの特徴でありますけれども、国境を越えるものであります。そういった中において、インターネットに関連する消費者のトラブルというのは当然国際化し、多様化し、また量的にも急速に増加しているというのが今日の状況ではないかなと思います。その中で一番多いのは架空請求であるということでありますが、その手口も技術の進歩に伴って急速に巧妙化しているという状況があります。

 こういう、消費者が大変大きな、インターネットの闇ともいいますけれども、困難な状況に対面しているわけですけれども、消費者庁としては、現在のこれに関連する法体系、組織体制で消費者保護ということが十分に図られているのかどうか、その点について松本大臣にお伺いいたしたいと思います。

松本国務大臣 インターネット取引に関連する消費者保護については、例えば、消費者庁の所管法令では、特定商取引法、景品表示法におきまして、事業者がインターネット上で表示すべき事項や不当な表示の禁止等に関する規定を置いているほか、違反者に対しましては厳正に対処することとしております。

 消費者庁におきましては、そうした法規制を執行するための体制を整備するほか、消費者相談の体制を整備するなど、消費者保護のための取り組みを確実に実施をしているところでございます。

 さらに、情報通信技術が発展し、急速にグローバル化が進む昨今の状況を踏まえますと、今後も新たな形態のインターネットトラブルが発生することが考えられます。消費者庁としては、インターネットに関連する最近の消費者トラブルの動向等を踏まえ、今後とも適切な対策を講じてまいりたいと存じます。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 消費者の立場から実際のトラブルにどういう形で今対処できるのか、その件について幾つかのケーススタディーをしてみたいと思います。

 まず、ケースの一でありますけれども、これは一番多いケースなんですけれども、ネット通販事業者から架空請求があって、うっかりというか、振り込んでしまった。

 相手が誰かを知りたいために、プロバイダーに発信者情報開示請求がどのようにできるのか。これは通信でありますので、電気通信事業法上の通信の秘密ということが関連するのかどうか、その点について。

 そしてまた、実際に既に振り込んでしまった場合に、どのような形で相談できるのか。救済措置や、あるいは救済措置をする際の法的根拠はどの辺になっているのか。

 それぞれ関係の役所からお答え願いたいと思います。

巻口政府参考人 一般論といたしまして、ある特定のウエブサイトの運営者が誰であるかという情報自体は、個々の通信の存在とか内容に係るものではなく、電気通信事業法上の通信の秘密には該当いたしません。

 ただし、サイト運営者に関する情報は、当該サイト運営者にサービスを提供している者にとっては顧客情報に該当することから、外部の第三者から求められたとしても、開示できるものとは限らないというふうに考えております。

福岡政府参考人 委員御指摘のございました架空請求の問題でございますけれども、このようなトラブルにつきましては、全国各地にございます消費生活センター等において相談等を受け付けているところでございます。

 具体的には、クレジットカード会社との関係というようなことが救済措置としては問題となることが多いかと思いますけれども、クレジットカード会社との折衝方法についてのアドバイス等を行っているところでございます。

 消費者の皆様が取引に係るトラブルに遭った際にはぜひ御相談いただくように、私どもも一八八という電話番号をつくって相談対応をするようにしておりまして、その広報にも努めてまいりたいと考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 二つ目のケースをお伺いしたいと思います。

 皆さんも、ネットサーフィンとか、ネットでいろいろなものを見たりすると思うんですけれども、そういうネット閲覧中、何かをクリックしたところ、いわゆる表で消費者が見ている画面とは全く違う、いわゆる裏プログラム、これは組めるんですね、画面で表示されているものと違う形のものが裏にあって、それを了承した、契約したということになって、お金を請求される。

 この場合、消費者がコンピューター画面上見てクリックした画面と実際の契約内容が違うということを立証する責任は事業者側にあるのか、あるいは消費者側にあるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

福岡政府参考人 委員の御質問の、インターネットサイトでの商品購入に関するトラブルでございますけれども、御指摘のようなトラブルが起きた場合、まずは消費者と事業者の話し合いによって問題が解決されているケースが多いと思いますが、先ほど申し上げましたように、こういったトラブルについては、消費生活センター等において相談、あっせん等を行っております。御相談いただきたいと思います。

 委員の御質問のありました立証責任の問題ですけれども、そういった事業者との協議の際に立証責任の問題が論点となる場合があるかと思います。

 ただ、この点につきまして、一般的な民事ルールでは、立証責任の分配については、自己に有利な具体的な法律効果の発生を主張する者がその要件に該当する事実について立証責任を負うというものとされているところでございます。インターネットにおける取引においても、基本的には、他の取引と同様、一般的な民事ルールに従うものと認識しております。

 ただ、いずれにせよ、消費者の皆様が取引に係るトラブルに遭った際には、消費生活センター、一八八に御相談をいただくようにお願いしたいと思っております。

伊藤(信)委員 実際問題、自分が画面で見たものと何か送られてきた請求が違うというのを消費者が立証するのは非常に難しいと思うんですね。見た画面、全部記録しているわけではありませんから。これについて、私は何らかの手当てが必要だと思います。

 それから、ケーススタディーの三に入りたいと思いますけれども、ネット通販業者、この前も事件がありましたが、情報漏えいをして、あるいはフィッシングによってクレジットカード番号及びその暗証番号が盗まれて、クレジットカード会社から身に覚えのない請求が来て、金額が引き落とされた。

 この場合、その責任関係、もちろん漏えいとフィッシングとは違うと思うんですけれども、それぞれどうなのか、そして賠償責任はどこが持つのか、これについてお聞かせ願いたいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 ネット通販会社からのクレジットカード番号等の情報漏えいやフィッシングサイトからのクレジットカード番号の窃取による不正使用被害が発生した場合でございますけれども、こうした不正使用によってカード会社から消費者に身に覚えのないカード利用による請求があった場合には、消費者から申し出を行えば、一般的な会員規約におきまして、原則、カード会社が負担することになっております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 次に、グローバルな時代ですので、海外との関係についてお聞きしたいと思います。

 ちょっとケース一とかぶりますけれども、この場合は、海外にサーバーのある海外事業者のサイトから日本に住む日本人消費者に対し、納得のいかない請求があって、架空請求も含めてですね、クレジットカードから引き落とされた。

 この場合、総務省にもう一度お聞きしたいんですけれども、プロバイダーに開示請求ができるのかできないか、海外ですので、その強制力や実効性についても含めてお聞かせいただきたい。

 その後、消費者庁からお考えをお聞きしたいと思います。

巻口政府参考人 お答えいたします。

 先ほどウエブの開設者の情報についてお答えいたしましたが、例えば海外からメールなどでそのような請求が行われたというような場合に関しましても、そうしたメールの送信者、メールアドレスの利用者が誰であるかといったような情報は、ウエブの開設者の情報と同様に、電気通信事業法における通信の秘密には該当しないものというふうに考えております。

 ただし、メールサービスの利用者に関しても、国内の事業者であるか海外の事業者であるかにかかわらず、当該メールサービスなどを提供している者にとっては顧客情報に該当するということから、外部の第三者から求められたとしても、やはり開示されるとは限らないものというふうに考えております。

福岡政府参考人 総務省に引き続きまして御説明いたします。

 先ほどの先生の御指摘のクレジットカードから引き落とされた場合の解決方法ということでございますけれども、先ほども別のケースで御説明したとおりでございますけれども、消費生活センター等におきましては、相談、あっせん等を行ってございます。その中で、クレジットカード会社との折衝、協議方法、証拠の保全方法等についていろいろなアドバイスをしているところでございますので、ぜひ御利用をいただいて、適切な解決に結びつけていただければと思っております。

伊藤(信)委員 今、海外のサーバーの話をしたんですけれども、一般論として逆にお聞きしたいと思うんですけれども、海外にサーバーのある海外事業者のサイトから日本に居住する日本人がデジタルコンテンツをダウンロードで購入する場合、契約に関する法律、税法等はどこの国が準拠法となるのか、そしてまた裁判管轄権はどこにあるのか、それぞれ関係の役所からお答え願いたいと思います。

金子政府参考人 お答えいたします。

 委員お尋ねの消費者と事業者との契約に関し、消費者が事業者に対して裁判を提起しようというような場合を例としてお答えします。

 まず、民事訴訟法第三条の四第一項によりますと、消費者契約に関する消費者から事業者に対する訴えは、訴えの提起のときまたは契約の締結のときにおける消費者の住所が日本国内にあるときは、我が国の裁判所に提起することができるとされております。したがって、日本国内に居住する消費者は、その契約に基づいて、海外の事業者に契約どおりの債務の履行や、履行がされない場合の損害賠償を求める訴えを我が国の裁判所に提起することができることになります。

 そして、委員お尋ねの契約などの法律行為の成立及び効力の準拠法につきましては、法の適用に関する通則法第七条によりますと、当事者が当該法律行為のときに選択した地の法によるとされますので、消費者が日本国内に居住していても、契約により日本法以外の法律を準拠法として定める場合はあるのではございますが、そのような場合であっても、法の適用に関する通則法十一条第一項によりますと、日本国内に居住する消費者が我が国における強行法規を適用すべき旨の意思を事業者に表示したときは、例えば消費者を保護するために設けられた消費者契約法等の我が国の強行法規をも適用されるということになります。

井上政府参考人 契約に関する税法の所管ということで、消費税に関するお尋ねと承知をしております。

 実は、この点につきましては、平成二十七年度に改正をしております。

 改正前は、国外事業者が行うデジタルコンテンツの配信等は、サービス提供者が国外に所在しているということに着目して、国外取引ということで扱われておりまして、実は消費税は課されておりませんでした。

 この点について、国外からCDなどを輸入した場合には消費税が課される一方で、デジタルコンテンツとして海外から配信された場合には消費税が課されないということで、消費税の取り扱いに差異が生じていたということ、それから、消費税が課される国内事業者からの配信との間で競争上の不均衡が生じていたこと等々を踏まえまして、平成二十七年度改正において、国外事業者が行うデジタルコンテンツの配信等につきましても、サービスの提供を受ける者の所在地が国内にある場合は、日本の消費税法に基づいて消費税を課すという取り扱いにしております。

伊藤(信)委員 こういう国際間のインターネットにかかわる取引というのは今後ふえることが予想されますし、それに伴っていろいろなトラブルや国際間の調整も必要だと思うんですけれども、これに関連した条約あるいは国際間の取り決めが現在あるのかどうか、また、日本がそのような条約を締結しているのか、そして諸外国の諸情勢はどうか、これは外務省にお伺いしたいと思います。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 委員お尋ねの電子商取引の消費者保護についての条約でございますけれども、我が国について発効している関連の国際約束といたしましては、スイス、オーストラリア、モンゴルとの間で二国間のEPAというものがございます。このEPAの中で電子商取引章というのを設けておりまして、今委員お尋ねのいろいろありました電子商取引の消費者保護に資する措置の重要性でありますとか、また、特にこれは重要でございますが、これに関する当局間の協力の重要性、それをそれぞれ確認しているところでございます。

 また、他国につきましては、網羅的に把握しているわけではございませんけれども、例えば豪州、ニュージー、ASEANの間のFTAでは同様の規定を設けるなど、同じような取り組みをしているのではないかというふうに認識をしているところでございます。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 このように非常に大きな問題や将来的な発展の可能性があるわけですが、こういうことに関して、特に関係する経済産業省、外務省、消費者庁等は、このインターネット取引における消費者保護を図るための政策を総合的に、消費者の立場から、切れ目なく実行するための連絡会議等のスキームが現在あるのかどうか。そしてまた、国際間のインターネット取引におけるトラブルが、現在、どのような種類で、どの程度あるのか。

 それから、今後、さらにグローバル化が進み、インターネットの利用がふえますので、どういう消費者被害というものが予想され、その傾向がどうなるのか、それをどう考えているのか。そして、関係省庁がその対処方針をどのように考えているのか。そしてまた、将来を見通して、どのような戦略でこの問題をプロアクティブにというか率先して、先取りして解決する政策なり戦略を進めようとしているのか。大臣にお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 今後のトラブルがどのようなものが発生してくるか、また消費者庁としてどのように取り組んでいくかということについてお答えをしたいと思います。

 海外に所在する事業者と日本の消費者の間のインターネット取引等において生じたトラブルに関しましては、消費者からの相談を受ける窓口として、国民生活センターに越境消費者センター、CCJを設置しております。

 消費者からCCJに寄せられた具体的な相談としては、例えば、海外事業者からの商品購入を解約したいが言葉が通じず解約交渉ができない、また、海外事業者が運営するウエブサイトで商品を購入しお金を支払ったが商品が届かないといった内容が多く見受けられるところでございます。CCJでは、このような相談に対し、消費者への助言や英語文書の作成支援、海外の消費者相談機関への仲介依頼等を行っております。

 情報化やグローバル化のさらなる進展に伴い、国境を越えたインターネット取引に関する消費者トラブルは今後も増加、多様化することが予想されます。消費者庁としては、CCJの相談対応機能のさらなる充実を図るとともに、今後の消費者トラブル動向等を踏まえ、関係府省庁や海外の消費者相談機関等とも協力しながら、引き続き国境を越えた消費者トラブルに適切に対処してまいりたいと思います。

伊藤(信)委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。

原田委員長 次に、木村弥生君。

木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 昨年のときには、私の家族に実際に起こりましたエピソードをもとに、高齢者の振り込め詐欺被害の対策等について質問をさせていただきました。ことしは、若い世代、現役世代を中心に、さまざまな内容を質問したいと思っております。

 初めに、新入生や新入社員が遭いやすい消費者被害について質問させていただきます。

 桜も咲き始めたこの時期、私の地元の皆様からも、お子さんが住みなれた京都の地を離れ、大学生や新入社員として東京などで新生活を迎える、そういった話を伺います。新たな巣立ちを迎えるお子さんを誇らしく思う一方で、新たな環境に飛び込むことでトラブルに巻き込まれる、遭うケースを心配しておられることも拝察いたします。

 そこで、質問でございます。

 ここ数年、特に取り上げられているのが、悪質な投資勧誘です。いいバイトがあるという口コミだったり、また先輩や仲間の勧誘だったりする中で、高価な投資用教材のDVDの購入を持ちかけて、払えないとローンを組ませて購入させる、あるいは、投資がうまくいかないとして返金を求める学生に対しては、ほかの学生を勧誘すれば紹介料を払うとして応じない、そういったケースがございます。

 また、マルチ商法に誘われるような事例もございます。例えば、新入生の歓迎イベントに参加したところ、商品宣伝のアルバイトをしないかと誘われて聞いてみたところ、化粧品を十万円で購入して、これを知人に紹介すれば収入が得られるとか、そういった悪質商法に誘われるといったケースがあります。

 これは、先輩や仲間との人間関係を築いていきたい、良好な関係を築きたいという思いからなかなか断り切れないところにつけ込む、非常に悪質なものだと思います。

 現在、勧誘された者が二十未満であれば、未成年者取り消しの権利を使ってそれは取り消すこともできるんですけれども、これがまた二十に達していると、それを行使することもできないといった、そういう事情もございます。

 そこで、消費者庁はそういう若者たちが不当な契約を締結しないようにどのような広報や周知を行っているのか、お聞かせいただきたい。そしてまた、そういう不当な契約を締結してしまった場合、今クーリングオフシステムというのがありますけれども、それを知らないがために、一週間ただ一人で悩んでいて、もう過ぎてしまったとか、そういうこともあり得るかと思いますので、そういうこともぜひきちんと啓発活動すべきと思うんですが、その点に関してお聞かせいただければと思います。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のような悪質商法等の被害あるいは契約等のトラブルに遭う若者は、大学あるいは新入社員等の中に少なからずいるという状態でございます。

 こうした中で、私どもとしては、若者、若年者からの相談に対応する体制をしっかり整える、また、この相談体制、どのようにしたら相談ができるかという相談窓口の広報をしっかりするということにあわせまして、消費者問題に関する情報提供の機会の拡大に努めているところでございます。

 既に、大学の中には、消費生活センターによる講義を取り入れた授業科目の開設、あるいは学生等への啓発講座の実施等、積極的に取り組む事例が見られまして、そうした事例を普及していきたいと考えております。

 また、企業においても、新入社員教育の一環として、悪質商法など若者の被害防止等について取り組む事例がございます。

 それから、消費生活センターの窓口については、一八八という三桁の電話番号を設置いたしまして、相談窓口等にアクセスを可能にしているところでございます。こうしたことをしっかり御利用いただきたいと思っております。

 以上でございます。

木村(弥)委員 ありがとうございました。

 まだまだそういった啓発が十分ではないといったような指摘もあります。例えば、性暴力の被害に関する支援センター、京都などでは、大学の女子トイレのドアですとか、また駅やコンビニのトイレにそういう相談窓口の電話番号を張ってあったりとか、そういうこともしておりますので、さまざまな省庁の分担でちょっと難しいところもあるかもしれませんが、ぜひ、新たな希望を胸に頑張っていこうとする若い人たちの気持ちをしっかりと応援していくような形で進めていきたいと思っております。

 今、先輩方からの勧誘についての質問をいたしましたが、住まいについての質問を次にさせていただきます。

 また、彼ら、彼女らが親元を離れてひとり暮らしをする際に契約する賃貸アパート、それに関する相談も多くて、若者の消費者生活の相談の上位を占めていると伺っております。敷金の返還や借り主が負担する原状回復の範囲をめぐりまして、借り主とそして貸した側との意見が食い違うことが多いとのことでございます。

 そこで、国土交通省におきましては、民間賃貸住宅に関して、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを公表し、同ガイドラインのQアンドAにおきまして、年数の経過や自然現象により品質や性能が劣化したものや、借り主の通常の使用により生ずる傷、そういったものについて、原状回復の義務を負わないとされております。しかしながら、退去時に原状回復として高額な費用を請求されるといった相談も後を絶たないそうです。

 そこで、政府は賃貸契約において消費者に過大な負担がかからないようにどのような施策を講じているのか、お知らせくださいませ。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生の方から御指摘のありましたトラブルとガイドラインにつきましては、民間賃貸住宅の退去時のトラブルを未然に防止するという観点で、一般的な基準として取りまとめております。

 このガイドラインにつきまして、国交省のホームページで公表いたしますとともに、消費者生活センターや不動産事業者などの方々に参加をいただきます無料の研修会、これの開催を補助で支援をさせていただいております。また、賃貸住宅の経営者の方々または賃貸住宅の管理業者の方々、こういった方々の業界団体におきましてもこのガイドラインを踏まえました相談会の実施などを行っていただくなど、ガイドラインの周知等に努めているところでございます。

 引き続き、周知その他、この施策の推進に努めてまいりたいと思っております。

木村(弥)委員 ありがとうございました。

 いろいろな周知活動をされておられる、特にホームページ等も強化されているということもよく承知しておりますが、まだまだネット環境が格差がある場合もあります。ネット、ホームページ以外でもちゃんとわかるような形をきめ細かく進めていっていただきたいと思っております。

 胸いっぱいに希望を抱えながら、新たな土地で、そして新たなスタートを踏み出そうとする若者たちへの応援も込めて、ぜひ、若者への消費者庁の取り組みについて、大臣の所見を伺いたいと思います。

松本国務大臣 進学や就職等をきっかけとして保護者のもとを離れ、新たな土地で始まる新生活に心を躍らされている若者の皆さんたちが大勢いらっしゃることと思います。

 消費者トラブルに遭わないためには、ネット検索による情報をうのみにせず、みずから信頼できる情報を収集することが大切であります。国民生活センターでは、若者に被害が多い事例をまとめてホームページで公表するなどの取り組みを行い、消費者庁においても、消費者トラブルを避ける上で参考となる情報提供を行っております。

 他方、注意していても消費者トラブルに巻き込まれることもあります。その際は、消費生活ホットラインの一八八、一八八番まで電話すれば最寄りの消費生活相談窓口につながりますので、御対応をお願いしたいと思います。

 消費者庁は、日本の将来を担う若者の皆さんを全力でサポートしてまいりたいと思います。

木村(弥)委員 大臣、ありがとうございました。

 一八八につきましては、実は私、昨年、このホットラインについても質問いたしまして、児童虐待の一八九に比べて余りにもまだ認知率が低いというところでございまして、一年たった今でもまだまだかなと思います。児童虐待の「いちはやく」同様、この一八八がしっかりと浸透していくように、私も一議員として頑張りたいと思っております。

 なかなか、大学との連携ですとか、また国土交通省系のそういった、省庁の縦割りをなくしてこういうことを連携して進めていくべき問題だと思いますので、ぜひ大臣には今後ともこの取り組みを進めていただければと思います。ありがとうございました。

 次に、私は、看護師出身でございまして、また一人の子供の母親として、口腔ケアについてちょっとお尋ねしたいと思っております。

 口腔内ケアというのは、それこそ乳児からお年寄りまで、健康増進そしてQOLの向上という点で、非常に重要な視点でございます。

 その中で、乳酸菌の一種のBLIS―M18を使用した子供用の歯磨き粉、ブリアンというものがありまして、それが今、子供を持つ親の間で話題になっているという話を聞きました。こちらは、個人のブログ、またネット上の商品サイトでもユーザーの口コミが寄せられているとのことでございます。

 これについて、私も歯科医師の知人やまた地元の歯科医師会の先生方にちょっと意見を伺った中で幾つか疑問点が生じましたので、それを質問させていただきます。

 まず第一点で、歯磨き類は化粧品、薬用歯磨き類は医薬部外品というふうに分類されております。化粧品である歯磨き類、医薬部外品である薬用歯磨き類、表示できる表現や成分について何が違うのか、ちょっとよくわからないので、お聞かせください。

森政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の件につきまして、医薬品医療機器法上の化粧品や医薬部外品につきましては、それぞれの効能、効果として表示できる具体的な範囲を局長通知で示しております。

 具体的に、化粧品であります歯磨き類については、おおむね、虫歯を防ぐ、歯を白くする、歯垢を除去する、口中を浄化する、口臭を防ぐ、歯のやにを取る、歯石の沈着を防ぐというふうにしております。

 医薬部外品であります薬用歯磨き類につきましては、殺菌成分の配合等がなされておりますため、化粧品である歯磨き類での効能に加えて、歯周炎の予防、歯肉炎の予防等も表示することが可能としております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 といいますと、普通の化粧品である歯磨き類は、口臭防止や歯垢除去、しかしながら、殺菌成分が配合されておりますのが、医薬部外品として、歯周病や歯肉炎を予防する効果があるということでございますね。

 この商品の表示についてなんですけれども、本来の性質よりも不当にすぐれた表示というのをすることはできないとされているところでございます。さらに、公正な競争を促進するために、歯磨き業は、公正取引委員会及び消費者庁の長官が認定した歯みがき類の表示に関する公正競争規約によって、必要な表示や、不当表示の禁止や、比較表示の基準を定めております。

 そこで、質問でございます。この公正競争規約についても、表示できる表現というのはそれぞれどういうふうになっているのか、お聞かせください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 歯磨き類につきましては、歯みがき類の表示に関する公正競争規約というものが設定されております。

 この公正競争規約におきまして、表示に関する規定といたしましては、幾つか御紹介いたしますと、歯磨き類の効能、効果を表示する場合には、医薬品医療機器等法で許容される範囲内において表示しなければならないということでございます。

 また、不当表示の禁止といたしましては、事業者は、歯磨き類の取引に関し、容器、包装、説明書、ポスター、新聞、雑誌等により、歯磨き類の製造方法について、実際の製造方法と異なる表示またはその優秀性に関し事実に反する印象を一般消費者に与えるおそれのある表示、あるいは、歯磨き類の含有成分について、虚偽、誇大または不正確な表現を用いることにより、その効果、効能または安全性について、一般消費者に誤認されるおそれのある表示、あるいは、歯磨き類の効能、効果または安全性について、その限度を超えた効能、効果または安全性があるかのように一般消費者に誤認されるおそれのある表示などの表示はしてはならないといった事項が定められているところでございます。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 そこで、くだんのブリアンという子供用歯磨きなんですが、これが虫歯予防のために乳酸菌BLIS―M18を採用しているというふうに表示されているんですけれども、この効能を表示しているホームページ上の注意書きでは、「むし歯予防はブラッシング効果による」という小さな注釈が入っておりまして、その乳酸菌が虫歯を防ぐというエビデンスというものが果たしてあるのか、消費者庁の方は承知しておられるのでしょうか。もし承知していないとすると、このBLIS―M18が虫歯を防ぐという表現についてはどのように思われますか、お聞かせください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のブリアンの含有成分であるBLIS―M18が虫歯を防ぐとのエビデンスの有無につきましては、消費者庁としては承知しておりません。

 また、乳酸菌BLIS―M18が虫歯を防ぐとの表現についてのお尋ねでございますが、既に販売されている個別商品に係る表現についてのお尋ねになりますので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

木村(弥)委員 そういうふうになってしまうかなとは思うんですけれども、子供の歯を守りたい、子供の健康のためなら多少金額がかさんでも何とかしたいという親心をひとつ酌み取っていただきたい。大臣も私も医療職出身でございます。こういった健康増進に関するような、消費者の思いをぜひ酌み取るようなことを今後とも進めていただきたいと思っております。

 次の質問に移らせていただきます。地方消費者の行政に関する支援でございます。

 平成二十六年度に、これまでの基金から交付金に変更されました。これまで、交付金が給付される新規事業の開始というのは平成二十九年度末が期限となっておりまして、継続事業に対する交付金の給付は平成三十九年度末が期限となっております。

 時間がもうちょっとなくなってしまったので、最後に、済みません、大臣に。

 各自治体の消費者安全確保の地域協議会設立の促進に向けて、今どんどん進めておられるところだと思いますけれども、地方行政が、各自治体が消費者を支援していくという体制をさらにどのように進めていくのか、最後に大臣の所見を伺って、私の質問を終わりとさせていただきます。

松本国務大臣 地方公共団体における消費者安全確保地域協議会の設置促進を図るべく、消費者庁では、平成二十七年三月に地方消費者行政強化作戦を改定し、人口五万人以上の全市町への協議会設置を目標として盛り込んでいるところでございます。

 本目標の達成に向け、地方消費者行政推進交付金等を通じて、関係者が広く参画する見守りネットワークの構築や協議会の設置に係る地方公共団体の取り組みを支援しております。

 また、現在、消費者庁において、協議会設置済みの地方公共団体の先進事例を取りまとめた事例集を作成しており、来年度早々にも公表する予定でございます。

 今後も、必要な情報提供等を行いながら、消費者安全確保地域協議会の設置促進を図ってまいりたいと存じます。

木村(弥)委員 ありがとうございました。これで私の質問を終わります。

原田委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。

 本日も、消費者問題に関する特別委員会で質問の機会を賜りましたこと、委員長また理事の皆様、委員各位に心から感謝を申し上げたいと思います。

 まず冒頭、栃木県の那須町で発生をいたしました雪崩事故においてお亡くなりになられた皆様に御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げさせていただきたいと思います。

 では、限られた質問時間でございますので、通告に従い、質問に入らせていただきます。

 私は、てるみくらぶの経営破綻事件について御質問をさせていただきたいと思います。

 資料で一枚、破綻直後の報道の新聞記事を配らせていただいておりますけれども、このてるみくらぶの破綻で、海外渡航中の旅行者が約二千五百人海外にいらっしゃる、そして、この海外渡航者は、宿泊予定であったホテルに宿泊できないかもしれない、また搭乗予定であった飛行機に搭乗できないかもしれないといった心配の中でお過ごしになられているのではないかと思われます。

 政府におきましては、この渡航者の皆様の心配については、不安をしっかり解消していただきたく、万全の対策を期していただきたく要望いたしますけれども、政府の対応についてお聞かせください。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の事案発生を受けまして、観光庁では、現在、海外旅行をされている方々が円滑に帰国できますように、関係者の皆様と連携して必要な対応を行っているところでございます。

 当該旅行会社を利用して旅行している方が、ホテルを確保するために現地で追加の費用負担を求められているといったケースが生じているということを伺っております。

 このため、当該旅行会社を利用した旅行者が渡航している国、地域の在外公館に対しまして邦人旅行者より支援要請があった場合には、日本からの送金方法を御案内するなどの必要な支援を行うよう外務省に依頼をいたしまして、二十五日の夜までに各公館の方に連絡が行われたものと伺っております。

 また、当該旅行会社を利用して旅行されているお客様につきましては、全員に航空券が発券されております。運送契約が成立をしているということで運送義務が発生いたしますので、改めて、国土交通省の方から各航空会社に対しまして、お客様が円滑に帰国できるよう、二十七日にその旨を周知いたしました。

 今後とも、関係者と連携を図りまして、お客様の帰国に支障が生じないよう、引き続き万全を尽くしてまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 飛行機については心配は解消されたのかなと思っております。また、宿泊についても、外務省としっかり連携をとっていただいているということについて、渡航者の皆様には安心の前提ができているというふうに理解をいたしました。

 ただ、このような政府の万全の対策についても、海外にいる渡航者がそのことを知らなければ全く意味をなさないわけなんですね。したがって、今のような政府の対応については、渡航者の皆様にしっかりお伝えをする必要性があろうかと思います。

 この点、てるみくらぶは、破綻をしたとはいえ、旅行業者としてしっかり渡航者の皆様の安全を図る義務、これはいまだに継続しているのであろうと思います。

 また一方で、渡航者の情報ということについても、てるみくらぶが一番情報を担ってわかっているということですから、政府におかれましては、てるみくらぶに、今外国にいる渡航者の皆様に政府の対応、そういった情報をしっかり伝達するということを、そして、周知を図るように指示すべきであると私は考えますけれども、いかがでしょうか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 当該旅行会社に対しましては、観光庁から、海外旅行をされている方が円滑に日本に帰国できるよう誠実な対応をしろということで求めているところでございます。

 具体的には、宿泊施設に泊まれない場合等に在外公館で対処方法を相談できるということを旅行者各位に連絡するよう観光庁より当該旅行会社に対して強く働きかけをしておりまして、旅行会社は渡航している旅行者にメールあるいは電話でその旨を連絡しているというふうに報告を受けております。

吉田(宣)委員 しっかり最後の一人までやっていただきたいと思いますし、そもそも、このことというのは、二日前に私がこの報道を受けて申し入れたことでございます。素早い対応であったかと思いますので、非常に感謝を申し上げたいと思います。

 次に、外務省にお聞きしたいと思います。

 先ほど観光庁よりお話がありましたとおり、外務省と連携をして、資金面の理由で宿泊がなかなかかなわないといった方への送金の説明というふうなお話がありました。そういった渡航者は非常に不安な思いでいらっしゃるであろうと思います。

 問い合わせがあった公館には本当に親身になって対応をしていただきたいというふうに強く要望したいところでございますが、外務省の対応についてお聞かせください。

能化政府参考人 お答え申し上げます。

 外務省の方では、三月二十五日土曜日の時点で、観光庁から、てるみくらぶで海外旅行中の日本人の方々がトラブルに直面する可能性があるという御連絡をいただきました。

 旅行客が約四十の国や地域にわたるということでございましたので、直ちにこれら関係国に所在する在外公館や事務所に連絡を入れまして、相談があった場合は御相談に応じて支援するようにということを指示いたしました。

 既に幾つかの在外公館に具体的な相談が寄せられておりますので、例えばクレジットカードの限度額を超えるか心配ですというような御相談につきましては、限度額引き上げをクレジットカード会社にお願いしなきゃいけませんよとか、それから、日本にいる御家族から送金してもらう方法、特にその日のうちに受け取りが可能な手続を御紹介するといった対応をしております。

 これからも、御相談の内容に応じましてきちんと支援をしていきたいと考えております。

吉田(宣)委員 ぜひ、今おっしゃっていただいた丁寧な対応をよろしくお願いしたいと思います。

 再度観光庁にお聞きしたいと思います。

 この破綻の件で実現をしなかった海外渡航代金等の返金についてどのようにするおつもりなのか、検討についてお聞かせいただければと思います。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 旅行業務に関しまして取引をした旅行者が、その取引によって生じた債権につきまして、日本旅行業協会が国に供託しました弁済業務保証金から一定の範囲で旅行者に弁済する制度がありまして、これを活用するということになります。

 また、一般的に、破産した法人につきましては、破産管財人による債権確定が行われまして、確定した債権額に応じて会社財産の処分代金により配当がされるということになります。旅行者に対しまして弁済される具体的な額につきましては、今後、これらの制度を通じて確定された上、返金をされるということになります。

 一方、今後さらなる消費者保護のためにどのような対策が必要かということにつきましては、今般の事案を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 この事件、やはり一つの教訓にしていかなければいけないんだろうと思います。しっかり私もやりますし、観光庁におかれましてもしっかり研究をしていただいて、こういった破綻に基づく渡航者の安心、安全というものが脅かされるような事態、これについてはできる限りなくしていくような努力というものもぜひお願いをしたいと思います。

 次に、もうこれは言うまでもないことですけれども、旅行をしたいと思う方、旅行商品を購入する方というのも消費者なわけでございます。消費者保護行政を担う消費者庁としても、この件を受けて何らかの対応というものはやはり考えていかなければいけないんだろうというふうに私は思っておりますけれども、消費者庁における対応について、まず総論的にお聞かせいただければと思います。

福岡政府参考人 消費者庁の対応につきまして御説明申し上げます。

 消費者庁といたしましては、本件につきまして、観光庁から関連する情報の収集を行いまして、国民生活センター及び全国の消費生活センター等に対しましてその情報を提供することによりまして、それらの機関の窓口での消費者からの相談への対応を支援しているところでございます。

 また、国民生活センターにおきましては、全国の消費生活センター等に対しまして、本件に関する相談につきましては、トラブル時に旅行代金の弁済を行う日本旅行業協会の窓口等を紹介するように情報提供を実施したというふうにも聞いてございます。

 消費者庁におきましては、引き続き、観光庁及び国民生活センター等と連携いたしまして、消費生活センター等における相談の充実に万全を期してまいりたいと思っております。

吉田(宣)委員 対応の方をしっかりお願いしたいと思います。

 次に、加えて、海外旅行については、今度のような事件が起きる可能性は残念ながら否定し切れないんだろうというふうに思います。とすれば、事前に予防的なことというものをしっかりとっておく必要性も私はあるんだろうと思うんですね。

 事前の予防的な取り組みとして、消費者庁で、旅行にかかわる件についてどのような取り組みを行っていらっしゃるか、それについて確認をさせていただきたいと思います。

福岡政府参考人 海外旅行等の旅行についての消費者トラブルについての御質問でございます。

 消費者庁におきましては、海外旅行を含む旅行関係の消費者トラブルに係る取り組みとして、消費者への注意喚起とか情報提供を行ってきているところでございます。

 具体的に申し上げますと、例えば、インターネットでのオンラインでの旅行予約に係るトラブルにつきまして、本年三月一日に消費者に向けた注意喚起を公表しているところでございます。

 具体的には、インターネットのサイトの運営事業者の名称、住所等の基本的な情報を確認しておくこと、予約内容や解約等についての契約条件を確認すること、また、予約内容が確認できる画面等の写しを保管することといった、オンラインでの旅行予約に当たって確認すべき具体的なチェックポイントを示しているところでございます。

 また、加えまして、国民生活センターを初めとする全国の消費生活相談窓口におきましては、消費者から旅行に関するトラブルについて相談を受け付けた場合には適切に助言や情報提供を行っているというところでございます。

 今後とも、旅行関係の消費者トラブルについて情報収集に努めてまいりまして、必要に応じ、適切に対処してまいりたい、そういうふうに考えてございます。

吉田(宣)委員 今のは事後的な対応についても御説明いただきました。ありがとうございました。

 ただ、今回の話が、破綻直前まで新聞の新規の募集広告を出したというふうなところというのは、実は私は非常に問題であろうというふうに思っております。これについては答弁を求めませんけれども、こういったところについても私はしっかり研究を深めていかなければいけないんだろうというふうに思っております。

 今消費者庁から御説明いただいたことについても、やはり国民が安心して旅行に行っていただけるような、そういった環境整備に資する取り組みであろうかと思いますし、積極的に私は評価もしていきたいと思っておりますので、どうかこれからも、消費者の皆様が安心して旅行をしていただけるようなことについて、しっかり努力を払っていただければというふうに思います。

 では、残りの時間を使わせていただきまして、大臣の所信について数点御質問をさせていただきたいと思います。

 松本大臣は、「安全、安心で豊かな消費生活のための制度づくり」という所信表明演説に関連をされまして、「食品表示法に基づく新たな食品表示制度については、消費者の自主的かつ合理的な食品の選択に資するよう、栄養成分表示の適切な活用を含め、普及啓発や適正な執行に努めます。」とお述べになられております。

 まず、ここで述べられている新たな食品表示制度の概要について、確認の意味でお教えいただければと思います。

吉井政府参考人 お答えをいたします。

 これまで食品の表示につきまして一般的なルールを定めていた食品衛生法、JAS法、健康増進法、三つの法律の食品表示に関する規定を統合いたしまして、平成二十七年四月に新たに食品表示法に基づく包括的かつ一元的な食品表示制度を施行したところでございます。

 それまで、目的の異なる三法それぞれに表示のルールが定められておりまして、制度が複雑でわかりにくいという御指摘がございました。それぞれの法律のもとに定められていた生鮮食品、加工食品、あるいは遺伝子組み換え食品等々に関する五十八本の表示基準、これを、新たな法律に基づく食品表示基準といたしまして一本化をさせていただいたところでございます。

 また、消費者、事業者双方にとってわかりやすい表示となりますよう、従来の食品表示制度の改善等も行ったところでございます。

 具体的には、これまで任意表示でありました加工食品に係る熱量、たんぱく質、脂質等々の栄養成分表示につきまして義務化をすること、また、科学的根拠に基づき、事業者などの責任におきまして食品に機能性を表示できる機能性表示食品制度を新たに創設すること、さらに、個々の原材料ごとに、その中に含まれるアレルゲンが明確となりますよう個別表示を行うなどのアレルギー表示に係るルールの改善を行ったこと等の措置を講じたところでございます。

吉田(宣)委員 時間が間もなくやってまいります。申しわけありません、一問質問を飛ばさせていただきます。

 その上で、この食品の表示というものは、消費者の皆様の本当に有益な選択に資する制度として効果がある、もう一方で、実は食品の加工製造業者の非常な負担の上にも成り立っているというふうな制度であろうかというふうに私は理解をしております。製造業者が負担をしつつも、やはり消費者の皆様のために努力を払っていただいているということをしっかり踏まえた上で、要は、この食品表示制度をやはりしっかり守っていただきたいということでございます。

 所信の中にも、適正な執行にお努めいただくというふうなことが述べられております。違反事例については、そういった製造業者の皆様の負担を考えれば、厳正に対処をしていただきたいというふうに強く要望させていただきたいと思いますが、人数が少ない消費者庁だけでなかなかその適正な執行というものを担保できないのではないのかというふうな思いもあります。

 そこで、消費者に身近な自治体の皆様としっかり連携をとって取り組むべきであろうかというふうに私は考えておりますけれども、消費者庁がどのように取り組んでいかれるか、それについてお聞かせいただければと思います。

東出政府参考人 食品表示法の執行につきましては、地域的には、広域事案につきまして消費者庁が担当をする、それから、地域的な、いわゆるローカルな事案については都道府県等の自治体の方が担当するということで執行を行っておりまして、引き続き、効率的かつ効果的な監視ということを行いまして、表示の適正化に努めていきたいというふうに考えております。

吉田(宣)委員 御説明があったように、しっかり自治体と連携をとって取り組んでおられるということが確認できました。

 これからも食品の表示について私は深く掘り下げて取り上げていきたいというふうに思っております。

 本日、大臣にも答弁いただけませんでしたけれども、これからしっかりまた私も取り組んでいきますので、どうか皆様、よろしくお願い申し上げて、私の質問とかえさせていただきます。ありがとうございました。

原田委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。

 私は、消費者庁の天下り問題について御質問させていただきたいと思います。

 皆さんのお手元に資料をお配りしておりますけれども、これはジャパンライフ社の二〇一六年の会社案内です。この左の下のところに、関連法律担当の顧問として水庫孝夫さんという方が載っていますけれども、この方は消費者庁の取引対策課の元課長補佐。この中にもまさに「特商法、預託法を担当。」というふうに書いてあります。

 この方については、再就職等監視委員会が、昨年三月二十四日に、在職中の利害関係企業への求職があったということで、違法認定が行われております。

 本事案は、法執行を担当している消費者庁の職員が、処分対象の企業に天下りを要求し、再就職していたという点で、私は極めて悪質な事例だというふうに思います。こんなことでは、消費者被害の拡大防止をする消費者庁がその処分をする取り締まり対象のところに天下っていたのでは、これは全く信用できないということになってしまいますので、これはもう消費者行政の根幹を揺るがす事件と言っても私は過言ではないというふうに思います。

 これは論点が多岐にわたっておりますので、まず問わなきゃいけないと思っているのは、消費者庁が水庫補佐の求職規制違反を見逃した責任というのが私はあるというふうに思っています。

 この点ですけれども、消費者庁は、二〇一五年の九月のジャパンライフ社への立入検査の際に、水庫氏が顧問として再就職している事実を把握して、そして、再就職等監視委員会にもそのことを伝えた。しかし、その後、消費者庁内の調査で、五カ月もたって、再就職等監視委員会に違反が断定できなかったという調査結果を提出しています。

 お手元の資料、二枚目をめくっていただきますと、これは水庫補佐が人事課の担当者に対してメールのやりとりを何度もやっているんですけれども、その一部であります。これは線が引いてありますけれども、「既に何度も同様の問い合わせをいただいていることから、具体的な相手方がある程度見込まれている状況であるのであろうと推察しています。」とあるんですね。まさにこれは人事課の担当者は怪しいと気づいているんですよ。でも、水庫補佐は、「いやいや そんな話ではありません 単に 一般論としての確認に過ぎません」とはぐらかしているんですけれども、これはずっとメールのやりとりが何回もあって、これは幾ら本人が否定しても怪しいだろうと気づくはずなんですよ。

 また、消費者庁は、立入検査で、ジャパンライフの職員が同社のトップに対して水庫氏との面会を依頼する社内の決裁文書を入手していたんですね。しかし、これは水庫氏とのやりとりの中で受けたストレスを解消するために偽造したというジャパンライフ社職員の言いわけをうのみにして、これも見逃してしまった。これも何か本当に小学生の言いわけみたいな話で、そんなことがあるのかと、にわかには信じがたい話なんですけれども、こういうのを全部見逃してしまっている。

 そこで、再就職等監視委員会にお尋ねしたいというふうに思うんですけれども、私は、今申し上げたようなメールのやりとり、あるいは社内の決裁文書、伺い書というんですかね、こういうものだけでも十分にこれは違法認定できた、消費者庁自身で五カ月もかからなくても違法認定できた事例だと私は思いますけれども、再就職等監視委員会の御見解をお示しいただきたいと思います。

塚田政府参考人 お答えいたします。

 私ども再就職等監視委員会は、消費者庁の元職員による再就職等規制違反行為が疑われた事案につきまして、平成二十八年二月四日に委員会調査の開始を決定し、その調査の結果、同年三月二十四日に違反の認定をしております。

 消費者庁は、平成二十七年十月七日、任命権者調査を開始し、平成二十八年二月一日に、違反があったとの断定はできない旨の調査結果を委員会に提出しております。しかし、当委員会の違反の疑いは払拭されず、その調査の過程、証拠、事実認定に鑑みまして、特に必要があると認め、委員会調査を行ったというものでございます。

 監視委員会といたしましては、消費者庁による任命権者調査で再就職等規制違反を認定することは可能だったと考えております。

大西(健)委員 まさに今、可能だったと言っていただきましたけれども、監視委員会がやったら、二月四日で三月二十四日だから、一カ月ちょっとでできているんですよ。五カ月もかかって、しかも結論は断定できなかったというのは、これは本当におかしいんですよ。

 もう一つ、この件についてお伺いしたいと思うんですけれども、水庫補佐については、二〇一二年に行政処分を受けたネイチャーウェイという会社に対しても、あと二年で定年退職とか、御社の顧問になるかどうかという発言をしていたということがわかっています。

 この発言を、いつ、どのように把握したのか、また、把握した時点でなぜ再就職等監視委員会に報告しなかったのかについて簡潔に御説明いただきたいと思います。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 再就職監視委員会の平成二十八年三月二十四日付資料における、ただいま御指摘ございました、その資料ではX職員のB社への発言とされているものでございます。「あと二年で定年退職」「御社の顧問になるかどうか」というところでございますが、ここにつきましては、再就職監視委員会の調査で明らかになったものでございまして、消費者庁としては、この調査に接しまして把握したものでございます。

大西(健)委員 時間がないからきょうは私はここは突っ込みませんけれども、本当に、きょう、いろいろなことをこの後聞いていきますけれども、正直に答えていただきたいんですよね。

 これ、私は関係者からは音声記録が残っていると聞いていますよ。そういう明確な証拠があったにもかかわらず、総務課でもみ消したという話まであるんですよ。

 これは、もし音声記録が出てきたら、川口次長、どう責任をとるんですか。

川口政府参考人 御指摘の当時の事実確認でございます。それから、その後、消費者庁でも確認をいたしましたが、当時、委員会調査で明らかになった発言箇所については、聞き取り困難というふうにされた記録というのがございまして、それをもとに、二十五年当時、いろいろ判断をして進めたということでございます。

 それから、消費者庁の任命権者調査においても、その報告、記録文書を確認した上で、当該音声につきましても、何度も聞き取りをしたわけでございますが、委員会調査で明らかになった部分については確認ができなかったということでございます。

大西(健)委員 もっと本質論をやらなきゃいけないのでこの点は突っ込みませんけれども、では、私も音声記録をぜひ入手して聞いてみたいと思います。

 問題は、水庫補佐の求職規制違反がその後のジャパンライフの処分に影響を与えたおそれがあるということですね。

 第一に、水庫補佐が再就職を期待して、本来行政処分にするところを行政指導にとどめたんじゃないか、こういう疑いがあるわけです。

 そこで、確認したいんですけれども、消費者庁は、二〇一四年に行政指導をした時点で、供述聴取に応じてくれる消費者を確保することが困難だったために違反認定ができなかったというふうに説明していますけれども、では、このとき、何人の消費者に供述聴取に協力してもらったんでしょうか。数だけ簡単に答えてください。

東出政府参考人 当時の記録によりますと、少なくとも十人の消費者に供述をしてくれるよう協力を求めておりますけれども、記憶の曖昧な方などがいらっしゃいました関係で、結局、きちんとした内容の聴取を行うことができましたのは、ジャパンライフさんの契約者本人からは一名、それからその御家族から一名の計二名ということでございます。

大西(健)委員 たった二名しか聞いていないということなんですけれども、では、昨年の十二月十六日に三カ月の業務停止命令を出すに当たっては何人の消費者から聞いたか、これも人数だけ答えてください。

東出政府参考人 昨年十二月の処分に当たりましては数十人の方から聴取を行いまして、おおむねきちんとした内容の供述を得ております。このうち六人の方から得られました供述をそのときの法違反の証拠として採用しております。

大西(健)委員 今数十人と言われましたけれども、私が関係者から聞いているところでは、消費者本人から十八人から十九人ぐらい、家族、関係者等から二十八人、大体五十人ぐらいですね。

 だから、最初の行政指導のときには十人に聞いて二人しか供述を得られなかった。でも、昨年の十二月のときには五十人ぐらいから聞けているわけですよ。何で十二月のときに五十人に聞けて、最初のときに十人や二人しか聞き取れなかったか。まさにそこで指導にとどまったのは、やはり対応が甘かったんじゃないかということなんですよ。(発言する者あり)手心が加えられていると私も思わざるを得ないというふうに思います。

 もう一つ、これはちょっと先に進めていきたいと思うんですけれども、次に、二〇一五年の九月の立入調査から、今申し上げた二〇一六年の十二月の行政処分まで、なぜ一年三カ月もかかったか。この点について、かかり過ぎじゃないかという疑惑があります。過去に業務停止三カ月という同水準の処分を行ったケースで、立入検査から処分までに要した期間が一年を超えた例というのはわずか一件だけなんです。ですから、やはり一年三カ月というのは明らかに長い。

 それからもう一つ、消費者庁の取引対策課の業務マニュアルの中に七カ月ルールというのがあるんですよ。これはどういうことかというと、調査着手後、事前報告書作成まで三カ月、そこから立入検査まで一カ月、立入検査後、分析認定書作成まで二カ月、そして、認定書を作成してから処分、公表まで一カ月、これを合わせると七カ月になるんですけれども、こういうスケジュールで執行マネジメントをちゃんとやってくださいねという、こういうマニュアルがあるんですね。

 私はこれは当然だと思うんですよ。というのは、立入検査をして、処分までだらだらだらだら時間がかかってしまうと、その間に相手方はいろいろな手を講じてごまかしをするんですから、だから、立入検査したからには、処分までは大体七カ月、ちゃんとお尻を切ってやるのは当たり前だというふうに思うんです。

 これ、一年三カ月というのはどう考えても私はかかり過ぎだというふうに思いますけれども、大臣、そういうふうにお思いになりませんか。

松本国務大臣 事案の内容等に応じて行政処分までに要する期間は一定ではなく、特に、本件につきましては、消費者庁として初の預託法違反事案であり、特に慎重な調査が必要であったと聞いております。消費者庁において適正な調査を行い、収集した証拠に基づいて法違反事実を厳正に認定した上で、可能な限り迅速な行政処分が行われたものと承知をしております。

 いずれにいたしましても、消費者被害の防止のためには一刻も早く対処することが基本であり、所管法令を厳正に執行し、悪質商法や不当表示を徹底的に排除していくことが肝要と存じます。

大西(健)委員 預託法で初の処分だったから長くかかったんだという話ですけれども、今申し上げたように、普通は七カ月ルールというのがあるんです。それから、同じ水準の処分をした事例でいうと、一年を超えているのはわずか一つしかない。ですから、一年三カ月というのは、一般的に見て、やはりこれは長い。

 さっきから申し上げているように、その長くかかったことに関して、先ほど来お話ししている、きょうの水庫補佐の天下り、再就職というのが何らかの影響をしていないのかと疑われるのは当然じゃないですか。

 普通に七カ月でやっていれば、通常の期間でやっていれば何の疑いも受けることはないわけですけれども、そこが普通より長くて、かつ、天下り、再就職をしているということになると、何かあったんじゃないかというふうに疑われても仕方がないと思いますけれども、今の大臣の御説明というのはその疑いを払拭するに足るものではないというふうに私は思います。

 実は、この一年三カ月の間にいろいろなことが起きているんですよ。例えば、特商法の改正案、この与党審査が大体この時期に行われているんですよ。まさに特商法にかかわる事案ですよね。ですから、その法案の閣議決定とか国会審議に影響が出ないようにこの話を引き延ばしたんじゃないか、こういう疑いも持たれるわけです。

 あるいは、もう一つは、ちょうど河野大臣が徳島移転というのを言い出して、徳島移転の試行をやっていた。幹部の皆さんも徳島に行って、やりとりがなかなか大変だった、そういうことももしかしたら影響するのかもしれない。

 そして、何とこの一年三カ月の期間に、ちょうど五月ですけれども、水庫氏がジャパンライフの顧問を退職しているんです。つまり、処分を引き延ばししている間に水庫さんは退職をしている。

 やはり、なぜもっと早く処分できなかったかというのは、こういういろいろなことが一年三カ月の間に起こっているということを見ても、私は、そういう疑念というのは拭い去れないというふうに思いますし、問題は、そうやっている間にも被害が拡大しているんじゃないか、こういうことなんですよ。ですから、立入検査して、処分を、消費者庁が手をこまねいている間にどんどんどんどん被害が拡大していたかもしれない。

 この点、昨年の十二月の処分が、処分内容も果たして適正だったのかという問題もあります。

 消費者庁は、三月十六日、先日ですけれども、二度目の処分を行いました。これはそもそも、一回の立入検査に対して二回処分するというのは変ですよね。それだったら一回でやってしまえよと。立入検査して、全部資料も押収というのか提出させて、関係者からも事情聴取して、いろいろなことが認定できているんだったら一回でやればいいんですよ。それを二回やっていること自体が何なんだ、では一回目の処分というのは何だったんだという話になるんじゃないでしょうか。

 今回、三月十六日の二回目の処分の違反認定した事例も、二〇一五年の五月、七月、二〇一六年の一月、七月の事案であって、違反事実の時期から見て、一回目の処分時に十分認定できたんじゃないか、こういうふうに思うんです。

 それから、今回の処分で、ジャパンライフは、ネックレスタイプの磁気治療器約二万個を販売し、レンタルする目的で預かっていましたけれども、実際にレンタルされていたのは約二千七百個にすぎず、工場にも九十五個しかない。それも今後新たに販売するための商品だったということがこの三月十六日の処分の中では明らかにされているわけです。

 しかし、二〇一五年の九月の立入検査で、先ほども言いましたように、財務関係の書類とかデータを提出させているんですよ。そして、経理担当者から事情聴取も行っている。さらには、十月の下旬には、埼玉工場に立入検査をして、商品がないことも確認しているんです。

 つまり、三月ではなくて、既に二〇一五年の少なくとも十月ごろには、レンタルしているはずの商品と実際レンタルされている商品の数が見合っていないというのを消費者庁は気づいていたんじゃないですか。いかがですか。

川口政府参考人 今御質問の中で御紹介ございましたが、今回、三月十六日の処分に当たりましては、少なくとも平成二十七年三月末から二十八年十二月末までの間に、同社が保有する一部の商品の数が預託取引契約の目的物となる当該商品の数に比して大幅に不足していて、約定どおり顧客に割り当てる当該商品が存在しないにもかかわらず、複数の顧客に対してその旨を故意に告げなかったということを認定したところでございます。

 このような法違反の認定に当たりましては、今御質問のありました立入検査との関係でございますが、立入検査により収集した証拠のみではこうした法違反を認定するに至らなかったということでございます。そのため、その後も消費者からの報告徴収、消費者聴取、事業者聴取等を行いまして、収集した証拠を多角的かつ慎重に分析した上で、事業者が預託を受けている商品の数量や保有している商品の数量に関する事業者の主張、あるいは書類の信憑性、整合性を厳格に検証した上で認定をしているということでございます。

 また、今回のような処分を行うに当たりましては、将来にわたる消費者被害のおそれがあることを示すために、ある一時点における商品の不存在だけでは足りません。一定期間にわたる継続的な法違反を認定する必要があったし、また、そういう認定をしているということでございます。

 私ども、消費者被害の防止のためには可能な限り速やかに対応を行うということを基本にしておりますが、業務停止命令という不利益処分を行うに当たっては、法律に基づき十分な証拠を固めた上で法違反の有無を厳正に認定する必要がある、また、あったということで御理解いただきたいと思います。

大西(健)委員 私は、十月下旬の時点で既に消費者庁は気づいていたと思いますよ。

 関係者からは、そのころに、もうこれは内部的にも問題だと。これは、手をこまねいていて処分がおくれれば、後になって、先ほど来私が言っているのは、その間にも被害が拡大した可能性があるということなんです。もし、ジャパンライフが今後破綻するようなことがあったら、消費者庁の処分がおくれたことによって被害が拡大したということによって、これは国家賠償に問われる可能性だってあるんじゃないか。そういうことを消費者庁の内部でも検討していた、だから、十月下旬に、早くこれは処分しないとまずいと言っていたということを私は関係者からも聞いていますよ。今のは全くうそですよ。

 だから、これは普通に考えたら、立入検査したときに全部ちゃんと持ってくるわけですよ、財務書類のデータも。それから、そのときに聞き取りをすれば、明らかにこれはちょっとした違いじゃないですよ。二万個で、二千七百個ですよ。これはもう明らかに、言い過ぎかもしれないけれども、詐欺的商法ですよ。全くレンタルするものがないんですから、そもそも。

 だから、その時点で、これはまずい、放っておいたら本当に被害がどんどん拡大して、そして、消費者庁の処分が遅かったということになれば、後で国家賠償になるぞと思うのが当然じゃないですか。内部でそういう検討をしたんじゃないですか、そのときに。もう一度。

東出政府参考人 本件の調査に当たりましては、できるだけ早く処分を行うということは一般的な事案と同じでありまして、そのために鋭意証拠の収集というものに努めたところでございます。

 立入検査で収集した証拠によって容易に把握できたのではないかという御指摘がございましたけれども、次長からも御説明しましたとおり、立入検査で収集した証拠のみによっては立証することができないというのが当時の判断であったということでございます。

 若干例示を挙げて申しますと、三月の処分でも、ジャパンライフが預託をしている消費者の方に渡している法定の書類について、虚偽の記載というのがあったことを認定しておりますけれども、そのような書類の信憑性というようなところが持ってきた書類の中でございましたので、その辺についての分析というのが必要だったということでございます。

大西(健)委員 では、重ねてお聞きしますけれども、レンタルされているはずの商品とレンタルを実際にされている商品の数が見合っていないというのを消費者庁が気づいたのはいつなんですか。

東出政府参考人 気づいたという点でございますけれども、預託されている商品とそれから現物の数について合っていないのではないかということは、かなり早い時期から調査の視野には入っておりました。ただ、それについて立証するに至るのに時間を要したということでございます。

大西(健)委員 かなり早い時期というのがいつかにもよりますけれども、結局、私が申し上げているのは、立ち入りから処分まで一年三カ月はかかり過ぎじゃないですかということを先ほど来申し上げているわけですから、気づいていて一年三カ月ももしかかったんだったらば、これは消費者庁がやはり不手際があったんじゃないか、その間に消費者被害が拡大したんじゃないかということになるんじゃないですか。いかがですか。

東出政府参考人 私ども、本件につきましてはできるだけ早く処分をするということで調査を進めております。

 先ほど委員から、二回にわたって処分をしたということにつきましては異例ではないかという御指摘がありましたけれども、異例であることは御指摘のとおりでございます。

 ただ、本件につきましては、三月の処分の対象としました違反行為も含めて一回で処分をするということが通常のやり方でありますけれども、三月の処分の対象となる違反行為の認定につきましては、昨年十二月の時点ではまだ証拠が十分固まっておりませんでしたので、証拠が固まった十二月の処分の対象違反行為だけでも早く処分をいたしまして業務停止命令をかけるということでやったものでございます。

大西(健)委員 今言ったように、私は遅過ぎると思います。それからもう一つは、甘過ぎると思います。

 資料をごらんいただきたいんですけれども、このジャパンライフの商品一覧というもので、今回、その三月十六日の処分でも、このネックレスタイプのファイブピュアジュエールというものだけを違法認定しているんです。ほかにも、同じレンタル商品としてベストタイプとかバンドタイプとかあるんですよ。これは、普通に考えたら、ベストタイプもバンドタイプもレンタルの数が見合っていないことは容易に予想されるのに、何でネックレスタイプだけやるんですか。これも甘過ぎるんじゃないですか。いかがですか。

東出政府参考人 御指摘のとおり、三月の処分に当たりましては、ネックレスタイプの商品のみを違反の認定をしております。ただ、違反事実の認定をいたしましたのはネックレスタイプの商品のみでございますけれども、ジャパンライフ社に対して命令をいたしました業務停止の方につきましては、ネックレスタイプ以外の商品も含めまして、預託取引、連鎖販売取引等につきまして業務停止を命じているというところでございます。

 それから、ネックレスタイプ以外の商品について同様の違反行為が行われている可能性というのは否定できないわけでございますけれども、業務停止命令をかける、早くかけるということを優先いたしまして、証拠が固まったものにつきまして最大限の処分を行ったということでございます。

大西(健)委員 まさに否定できないんですよ。

 消費者庁は、先ほど来言っているように、私は、二〇一五年の十月ごろには、ジャパンライフが自転車操業で、ちょっとした資金ショートが起きると破綻する状況にあるというのをわかっていたんじゃないか。にもかかわらず、処分をおくらせて、その間も消費者被害が拡大したとすれば、これは重大な問題だと思います。

 資料をごらんいただきたいと思うんですけれども、次のページですけれども、ジャパンライフに関して寄せられた消費者相談を見ると、最高額は二億円。一説には、この後、PIO―NETでまた五億円というのが出たという話も聞いています。それから、一億円以上が十件ある。平均の既払い金額が一千五百万円ですよ。年齢も、大体七五%が七十代以上と高齢者が完全に狙われているんです。カモになっている。

 また次の資料、次をめくっていただくと、新聞記事をごらんいただきたいと思いますけれども、最初の資料の一ページ目にあった会社案内に写真と名前が載っていますけれども、ジャパンライフの代表取締役会長山口隆祥氏、これは一九七〇年代にジェッカー・フランチャイズ・チェーン社長としてマルチ商法被害を出しているんです。

 また次の新聞記事を見ていただきたいんですけれども、一九八五年の十二月、衆議院の商工委員会の流通問題小委員会で、マルチまがいとしてジャパンライフ商法の集中審議というのをやっているんですよ。

 そういう人が会長をやっている企業が、ここまで、レンタル商品の、見合っていないとか、あるいはこれだけ相談も寄せられていて、今みたいな、ネックレスだけしかやらない、一年三カ月もかかっている、こんなことでいいんですか。相談に上がっているのはごく一部ですよ。これは破綻したら大変なことになるんじゃないか。

 一部の関係者からは、第二の安愚楽、いや、豊田商事事件だ、こういうことまで言われているんですよ。これはもっと真剣にやらなきゃいけないと大臣は思いませんか。大臣は国家公安委員長でもありますし、これは刑事事件にもなるんじゃないですか。私は消費者庁の今までの対応も問題だと思うけれども、今ちゃんとやらないと、本当にこれは大変な事件になりますよ。

 大臣、ちょっとこれは本当に深刻に受けとめていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

松本国務大臣 今般、ジャパンライフ社に対しましては、消費者庁が、昨年十二月及び今回の二度にわたりまして、預託法及び特定商取引法に基づき、預託等取引契約、訪問販売及び連鎖販売取引に関する業務の一部を、法律上認められた最長期間である合計十二カ月間にわたり切れ目なく停止するよう命じるなどの厳正な処分を行ったところでございます。

 あわせて、同社に対しましては、顧客等からの問い合わせ等への対応結果を毎月報告するよう命じております。

 継続的に注視していくことと承知をしているところでございまして、消費者被害の防止のため、所管法令を厳正に執行し、法違反行為に対しては厳正に対処してまいりたいと存じます。

大西(健)委員 ちょっと大臣も答弁書を棒読みで、私は深刻さがないと思うんです。

 ある関係者によると、月々のレンタル収入五千万円、オーナーへの支払い額が五億円から六億円、毎月少なくとも二十億円程度の新規契約がまだあるんですよ。被害総額が一説には千四百億円です。さっきのてるみくらぶが新聞記事で九十九億ですから、千四百億円ですよ、これは大変なことになりますよ。

 本当に、大臣、守るべきは消費者庁の省益じゃないですよ、消費者の利益ですよ。そこをしっかり考えていただいて、そもそもこんな会社に消費者庁の取引対策課の担当者だった人間が天下りしていたこと自体が消費者行政の信頼を揺るがす深刻な問題だと私は思いますし、その水庫補佐の天下りの影響があって対応がおくれた、被害が拡大したということになれば、先ほど来言っていますけれども、破綻した場合には国家賠償になるおそれがあるというふうに思います。

 大臣、このことを真剣に受けとめていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。

原田委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 大西委員に引き続きまして、ジャパンライフ社の天下り問題をやりたいというふうに思います。

 まず、大臣にお伺いをいたします。

 そもそも預託法ができた経緯は何だったのかということであります。

 豊田商事や安愚楽牧場のような現物まがい商法から高齢者を守るためではなかったのでしょうか。現物がないのに、そして、その現物から運用益が上がっていないのに、あたかも金や和牛やエビがそこにいて、そこから上がった運用益をあたかも配当しているかのごとくだます現物なき詐欺商法から、老後の資産を少しでもふやしたいという高齢者を守るために預託法ができたのではなかったでしょうか。

 そうであれば、大臣、お伺いいたしますが、この預託法違反で調査すべき本丸は、書面やセールストークの形式的違反ではなく、預託物が本当に存在をしているのか、そして、その預託物で本当に運用益が上がっているのか、ここが調査すべき本丸ではないでしょうか。お伺いいたします。

松本国務大臣 預託法が規制対象としております預託等取引契約は、事業者等が顧客から特定の商品預託を受け、これに関しレンタル料等の名目で財産上の利益を供与することなどを約束するものでございます。

 預託等取引契約の締結に当たり、事業者等が契約の目的とするために顧客に購入させる商品を十分保有していなければ、顧客に供与すべき財産上の利益を生み出すこともできず、顧客がそのような事業者等と契約することは合理的には考えられないことでございます。

 委員御指摘のように、預託法違反が疑われる事案におきましては、預託等取引契約の目的となる商品が十分存在しているか否かは調査すべき重要な点であると承知をしているところでございます。

 このため、預託法及びその施行令は、事業者等が顧客に対して預託等取引契約の勧誘を行う際に、その目的となる商品の保有状況について故意に事実を告げない行為等を禁じ、業務停止命令等の行政処分の対象としているところでございます。

井坂委員 先月、二月七日の予算委員会で、私は、ジャパンライフ社に消費者庁の課長補佐が天下った問題を取り上げて、この課長補佐が、自身が天下りをするために、ジャパンライフ社の調査に手心を加えたのではないかという質疑を行いました。

 その後も党の部会で厳しく追及をさせていただいた結果、今月になって、おくればせながら、そもそも預託物が存在していないのではないかという本丸を調査されて九カ月の処分を行ったことは、私はこの点に関してはよかったというふうに思っています。

 平成二十七年九月末で、本来預託を受けていた商品は、要は、あなたの商品を預かって運用しますよとお客さんに言っていた商品の数は二万二千四百個だったはずなのに、実際に本当にレンタルして、いわゆる運用していたのはその十分の一、二千七百個。そして、その差一万九千六百個は当然同社が保管をしていなければおかしいにもかかわらず、実際には九十五個しか物がなかった、こういう調査結果であります。

 そこで、大臣に伺いますけれども、この預託法の適用対象に家庭用電気治療器が加えられました。平成二十五年です。加えられた理由というのは、まさにジャパンライフの相談件数がふえていた、しかし、当時は、和牛とかそういうのは入っていたかもしれませんけれども、こういう磁気治療器、家庭用治療器は入っていなかったので預託法の対象にできなかった、だから平成二十五年に、まさにジャパンライフ社が一つの大きな理由となって対象に加わったのではなかったですか。

松本国務大臣 預託法につきましては、規制対象となる商品を政令で指定しております。本件事業者の取扱商品である家庭用治療機器については、平成二十五年にいわゆる自動販売機及び健康食品とあわせて追加されたものと承知をしておりますが、これらの品目が追加された理由は、当時、一定の消費者相談件数が認められたためであるとも承知をしております。

 なお、家庭用治療機器に関する消費者相談の中には、ジャパンライフ社に関するものも相当程度含まれていたと思われます。当時の家庭用治療機器に関する消費者相談のうち、何件がジャパンライフ社に関するものであったかは不明でございます。

 以上でございます。

井坂委員 ちょっとこの件、参考人にも少し詳しくお伺いしたいんですけれども、ジャパンライフ社に関する相談件数というものを事前に出していただいております。

 最初は過去三年分ぐらいしか出されなかったわけでありますけれども、もっと前からあるのではないかということで出していただいたところ、少なくとも十年前には年八十件前後ずっとあって、そして、平成二十二年以降はまた年百五十件前後に急増した。これを受けて、平成二十五年に家庭用電気治療器を預託法の適用対象に加えたというふうに思いますが、参考人、いかがですか。

東出政府参考人 平成二十五年に政令で預託法の対象物品として家庭用治療器というものを追加いたしましたのは、大臣から申し上げましたとおり、家庭用治療器に関する消費者相談がふえたということが背景だったというふうに考えております。

 御指摘のジャパンライフ社に関するものも相当程度含まれていたというのは推察されますけれども、相談の中に会社名がそもそも書いていないとか、そういうものが多数含まれておりますので、どれほどの件数だったかということにつきましては、正確なところは把握をしておりません。

井坂委員 そういう言い逃れのようなことはよしていただきたいんです。

 では、ジャパンライフ社以外に相談件数が多い企業があるんだったら、今すぐ取り締まらなきゃいけないんじゃないんですか。ほかにあるんですか。

東出政府参考人 相談があったことのみをもって違反被疑として調査を行うという運用はしておりません。相談内容あるいは相談の数というのは、事件の端緒といたしましては参考となる情報として重視をしておりますけれども、ほかの情報も含めまして違反の疑いがあるかどうかということは判断をしておるところでございます。

 それから、ほかに会社があるかという御指摘でありますけれども、個別の案件については回答は差し控えさせていただきます。

井坂委員 相談件数が、非常に長期にわたり、しかも多い状態が続いていた。しかも、先ほど大西議員が出されたこの資料、消費者庁の発表によれば、このジャパンライフ社の相談で、だまされているのは七十歳以上のお年寄りばかりであります。しかも、相談一件当たりの支払い済み金額が平均で一千五百万円とくれば、これは現物まがい商法を疑うのは、預託法ができた経緯から当たり前だというふうに思います。早急に現物の有無を、まさに大臣が答弁された本丸を立入検査で確認すべき状態が、少なくとも平成二十五年当時からあったというふうに思うわけです。

 そこで、大臣にお伺いいたしますが、ところが、実際は、平成二十六年の八月ですか、行政指導を行ったのみで、何の解決にもならなかった。平成二十六年に立入検査をしなかった理由は、大臣、何ですか。

松本国務大臣 消費者庁は、消費者からの相談情報の分析など調査を行って、二〇一四年、平成二十六年の七月時点で、ジャパンライフ社について、預託法及び特定商取引法に違反する事実として、預託等取引、訪問販売及び連鎖販売取引に係る書面の記載不備及び交付、備え置き義務違反があるおそれがあると判断したものと聞いているところでございます。

 しかしながら、その時点、二〇一四年、平成二十六年の七月時点までに、十分な具体性のあるきちんとした供述をしてくれる消費者を十分に確保することが困難であったこともありまして、これ以外、法違反事実の認定は困難であったと聞いております。

 このため、消費者庁におきましては、まずは行政指導により改善を促すこととし、同年九月及び十月に、同社に対し、文書による行政指導を行ったものと承知をしております。

井坂委員 ちょっと大臣、今から申し上げることは答弁書から離れて一度考えていただきたいと思うんですけれども、この預託法というのは、まさに本丸は、現物がないんですよ。ない現物を運用しているふりをして多額のお金を預かって、月々、配当といって元本を取り崩して返していれば、高齢者は安心するんですよ、ああ、今月も配当が来た。でも、それは元本を取り崩しているだけであって、運用はしていないんですよ。

 普通の消費者相談と決定的に違うのは、消費者相談を幾ら眺めても、消費者から幾ら供述をとっても、現物がない、現物がないかもしれないということは消費者は知るすべがありません。聞けるのは、せいぜい、セールストークがどうであったのか、説明資料がどうであったのか、そこだけしか相談を幾ら眺めても出てこないんですよ。

 だから、本丸を疑ったら、立入検査する以外にないんですよ。おじいちゃん、おばあちゃんが、何か磁気ベストを預けて運用してもらっているらしいんだけれども、どうも磁気ベストが本当はなさそうなんだ、こんなことはあり得ないですから。だから、相談だけを見て、相談のセールストークとか契約書だけを、まさに枝葉の軽微な違反の有無だけを幾ら調べていても、本丸にはたどり着けないんです。

 立入検査をすることが預託法の違反をはっきりさせるには必須であり、最初に行うべきだと私は思いますが、大臣、今の話を聞いていかが思われますか。

松本国務大臣 まさに、立入検査を行うという前提として、事実をしっかりと理解し、受けとめて、その証拠をもって、そして対応していくということも必要なことでありまして、その手続に一定の時間がかかったということと受けとめているところでございます。

井坂委員 参考人にお伺いします。

 この平成二十六年というのは、まさにこのジャパンライフ社に後に天下る課長補佐がジャパンライフ社を担当していた、その時期そのものであります。平成二十六年にこの課長補佐がジャパンライフ社の調査担当に入って、そして、まさに調査を三カ月ほどして、先ほど七カ月ルールという話がありましたけれども、三カ月調査をやって、立入検査に入って、その後四カ月以内にはきちんと処分の有無まで決めましょう、こういう標準的な仕事の仕方があるんです。四月から担当して、まさに七月に調査を終えて、この段階で普通だったら立入検査に入るべき事案だ、これは多くの関係者、専門家がそのように言っています。

 参考人にお伺いしたいんですが、この平成二十六年八月、後にジャパンライフ社に天下る課長補佐が調査結果を上司に報告をしたでしょう。その結果、庁内で立入検査をしようかしまいか、こういう検討をされた経緯はありますか。

東出政府参考人 御指摘の当時課長補佐だった職員が事件について調べた結果について、担当の管理職に報告をしたという記録はございます。

 そこで、課長も含めました議論の結果、本件については、書類、書面の記載不備、備え置き義務違反について行政指導ということで対処しようという処理方針が決まったということでございます。

井坂委員 お尋ねしたことにお答えいただきたいと思います。

 立入検査もやる必要があるかもしれない、立入検査の是非について検討した事実はありますか。

東出政府参考人 立入検査につきましても、そのときの議論にはあった模様でございます。

井坂委員 なぜやらないということになったんですか。

東出政府参考人 個別の事件につきまして、どういう理由で立入検査をしなかったということの詳細を申し上げますと、今後の事件の調査について支障が生ずることも懸念されますので、具体的なことは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般的に、立入検査というのは相手方事業者の事業活動に大変大きな影響を与えるものというふうに認識をしておりまして、立入検査をするに足る十分な疑いというものをもって立入検査に臨むということが重要だというふうに認識をしております。

 それから、この当時でございますけれども、書類とか書面の不備につきましては、別途の手段でその書面とか書類を入手するということは立入検査をしなくてもできましたので、そちらの方で処理をしたということでございます。

井坂委員 その書類や書面の不備というのは、この預託法に関しては完全に枝葉の話なんですよ。

 そして、書類や書面を幾ら見たって、まさに今回のジャパンライフ社は書類や書面にうそを書いていたわけですよね。だから、書類や書面を幾ら見たって、確かに、磁気ベスト、磁気ネックレス、たくさんありますねという結果にしかならないんですよ。立入検査をして、物があるのかないのか、本当に運用がされているのか、それを調べるのが本丸だ、これは大臣もそう思っていただいていると思いますよ。

 一般論としては、もちろん、みだりに立入検査をしたら、それは相手先企業に多少の影響はあるかもしれない、わかりますが、先ほど申し上げたように、ほとんどが七十歳以上の高齢者、そして相談一件当たり平均一千五百万円のお金を払っていて、本当に大丈夫なんだろうかという相談が年百五十件前後もずっと来ているような会社に、立入検査をしない合理的な理由はありますか。

東出政府参考人 預託商品がないということについて、年百五十件以上の相談があったという御指摘でありましたけれども、相談がありましたのは百五十件程度ありますが、その全てがそういうものではなかったということは申し上げたいと思います。

 それから、書類を見ただけでは、書類に虚偽があれば本質は見抜けないのではないかという御指摘はそのとおりでございます。

 本件につきましては、当時でございますけれども、立入検査につきましてはしないで、書類について行政指導を行ったということでありますけれども、その後もジャパンライフ社につきましては消費者庁としましては情報収集に努めまして、今回の処分につながる立入検査を行ったということでございます。

井坂委員 大臣、お答えをいただきたいのですが、今回、消費者庁が処分の対象にしたのは短期レンタルオーナー契約という一年限りの契約、しかもジャパンライフ社の商品の中では一番安い百万円のネックレスのみを調べて、それでもまさに平成二十六年度に二百八十七億円の契約が行われているんですよ。これがもし詐欺だったら、二百八十七億円の被害が、まさに後にジャパンライフに天下りをする課長補佐がいた時期に起きているんですよ。

 ほかにも、二十年の長期契約というのがこの会社にはあります。さらには、一番安い百万円のネックレスだけではなくて、四百八十万円のベストとか六百万円のバンドとかいろいろな商品があるんです。このあたりまで加えたら、一年間で一千億円を超える被害が出ている可能性もあるんですよ。

 大臣、お伺いいたしますが、平成二十五年にわざわざこれらの家庭用電気治療器を預託法の適用対象に加えました。ところが、平成二十六年に、八月の段階で、後にジャパンライフ社に天下る課長補佐がジャパンライフ社の調査を三カ月やって、本来であれば預託法十条の立入検査や罰則つき報告徴取をすべきであったにもかかわらず、しなかったのは余りにも不自然であり、処分まで結果的に三年おくれたことで数千億円の被害が拡大したということになれば、私は国家賠償請求されても仕方のない不作為ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

松本国務大臣 消費者庁での取り組みにつきましては、一つ一つ丁寧に適正な調査を行って、また収集した証拠に基づいて法違反を見つけ出すというようなことでの努力を積み重ねてきたと私は受けとめているところでございます。

 そして、その上で、当初十分その証拠をつかみ切れず至らなかったところと今回の措置で、二つ、二回になってしまいましたが、最長期間の一年間というところでの業務停止ということに至ったわけでございまして、これをすることによって、会社そのものが他の業務についてはまだ営業している、そんな状況にもあるところでございまして、その中にあって、今後、しっかり、どういう方向に歩んでいくのかということを適切に見きわめていくということが大事なんだろうと思います。一生懸命取り組んでいきたいと思います。

井坂委員 ちょっと先ほど強い口調になりましたが、私は別に大臣を責めるつもりは全くないんです。当時大臣をされていたわけでもありませんし、また、むしろ現大臣になられて、先月の私の質疑を受けて今回この本丸にきちんと切り込んで処分をしていただいたので、そこのところは私は本当によかったというふうに思っております。

 ですから、大臣、私の質疑は大臣を責めているのではなくて、平成二十六年当時の、後にジャパンライフ社に天下った課長補佐がジャパンライフ社に手心を加えたのではないか、そして、消費者庁全体として適正な調査をせずに、本来であれば平成二十六年段階でできていたはずの処分ができなかったのではないか、その結果、処分が二年、三年おくれて、その間に数千億円規模の新たな契約が結ばれているわけですから、それがもし実際詐欺だった、運用するものがないということまでは消費者庁は認定しているんですから、これはその疑いが非常に強いわけでありますが、その場合、やはり大臣、一度調べていただく必要があると思います。

 平成二十六年八月に立入検査ではなくて指導にとどめた、その判断は、当時の調査結果、あるいは上司とこの課長補佐の協議記録、調べていただきたいと思います。

 大臣、自信を持って問題なかったと言えるような状況ではないと思いますよ。私も多少は情報を持っておりますから。参考人の方がいろいろおっしゃるかもしれませんが、大臣みずからの目で当時の書類に当たって、本当に立入検査をしなかった判断は正しかったのか、これは調べていただけませんか。

松本国務大臣 ただいま御指摘いただいて、いろいろな角度からもう一度確認をさせていただいて、御報告をさせていただきたいと思います。

井坂委員 ありがとうございます。

 加えて、我々立法府の側でもやはりきちんと書類に当たって調べたいというふうに思っておりますので、当時の事前調査の報告書、平成二十六年春から夏にかけて行った調査報告書、また、できれば協議記録、問題があれば本当に国家賠償になる重要な問題ですから、この記録を出していただきたい、国会の側に出していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

松本国務大臣 今決意を述べさせていただきましたが、この精査をぜひさせてください。どこまで、何が、どのようにお示しすることができるかを含めて、検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

井坂委員 ちょっと委員長にお願いをしたいんですが、今の議論を聞いていただいて、もちろん、私もふだん個別の消費者庁の調査結果なんかは出していただくべきではないと思いますが、この件は、本当に金額も非常に大きい上に、実際、今回、消費者庁が認定したのはまさに現物まがい商法そのものと言える、物がないというところまで既に認定がされているんです。しかも、当時、まさに処分がおくれた理由が、この天下りをした課長補佐が担当していたことが原因である疑いが私は非常に濃いと思っておりますから、委員会としても、当時の調査記録、また庁内での立入検査をしないという結論に至った協議記録、これを委員会にもきちんと提出いただけるように取り計らいをお願いしたいと思います。

原田委員長 後刻理事会で検討させていただきます。

井坂委員 最後にお伺いをいたしますけれども、今回、消費者庁の中でも、当時、課長補佐がジャパンライフ社を担当していた、相談件数が多いのは中で働いている人は誰でもわかっていることですから、それがゆえに預託法の対象にこの家庭用電気治療器も加えられた、なのになぜこんな甘い処分なんだろう、平成二十六年当時の話ですよ。平成二十六年のこの天下りをした課長補佐がいたころには、何でこんな甘い調査なんだろう、何で指導だけなんだろう、何で立入検査すればわかることをしないんだろう、こういう疑念が非常にあったやにも聞いております。

 ちょっと参考人にお伺いをしたいのは、チームごとに分けて調査をするのは、これは仕事の仕組み上仕方ないと思いますが、ほかのチームが一体どういう証拠を集めてどういう対応をしようとしているのか、お互いにチェックをする、そして必要ならアドバイスをし合う、こういう当たり前の仕組みは当時なかったんですか。

東出政府参考人 消費者庁では、違反事件の調査につきましては、複数名から成るチームがそれぞれの事件を担当するという体制で調査を行っております。

 御指摘の、他のチームが扱っている案件の証拠について別のチームの者が見る仕組みがあったかということでございますけれども、その仕組みはございません。と申しますのは、それぞれの事件につきましては、個々の企業の事業秘密とかも扱いますので、保秘の観点から担当チームしか見ないというのが原則でございます。

 ただ、各担当のチームがどういう調査をしているかということにつきましては、担当の管理職が定期的に進捗状況ですとかというのは聴取してしかるべき指示を与えておりますし、定期的な会議とは別に、調査の節目節目で担当のチームの方から管理職の方に報告をしております。

 ただ、処分方針を決定するというようなときには、長官まで諮って組織としての方針を決定するということでやっております。

井坂委員 大臣、今の件、最後にお伺いしますが、要は、チームごとに、しかも一チームを二人とかそういう小分けにして、対象企業も多いですから調査しているんです。横でお互い情報共有する仕組みはなくて、定期的に上司に調査結果を報告する。今回は立入検査はせずに口頭で指導するにとどめようと思いますと言われれば、上司は全てを知っているわけではないですから、担当の君が言うならそうかなとなりがちだと思うんですよ。

 やはり、横の調査官同士で見ていれば、よっぽどおかしい場合だけでいいと思うんですよ。そんな一から十までお互い口出しする必要はないですけれども、しかし、当時は本当に、何でジャパンライフ社にこんな軽い指導なのかと思っておられた方が、言っておられたというふうにも聞いておりますから、ちょっと仕組みを変える必要があるんじゃないですか。一度御検討いただけないでしょうか。

松本国務大臣 調査の方法につきまして、聞くところによりますと、複数人で対応をし、そして上司に報告をする、そんな流れと承っておりますけれども、その意味は何をするところかというと、個人で作為的に事をなすということができないように複数で確認をしながら、調査なども含めて進められていると私は受けとめているところでございます。

 今御指摘がありましたように、それでも足りないという御心配がこれで払拭できるのか、また、他に方法があるのかなどについては、私自身が確認をさせていただきたいと思います。

井坂委員 終わりますが、複数人でとおっしゃいましたが、この平成二十六年度の後半は、まさにジャパンライフ社に天下った課長補佐が、チームではなくて単独でジャパンライフ社の担当をしていたというふうに聞いておりますから、全く歯どめがきかない状況があったのではないかというふうに思います。

 またそのあたりも、まず内部の仕事の仕方、一番大事なのは当時の経緯、立入検査をしなかった経緯、これは死活的に重要ですから、ぜひよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

原田委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 本日は、消費者委員会に質疑のお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。

 私からは、昔々から公共料金と言われております、ガス、水道、電気、国民の生活に非常にかかわりが深い部分でお尋ねをしたいと思います。とりわけ電気料金についてであります。

 二〇一一年の三月十一日、東日本で起きました東京電力福島第一原発事故の後は、電気料金が、特に原発が動いていないから石油等々を輸入するために価格が高騰して、それに伴って電気料金も上がることの指摘はよくなされてまいりました。あるいはまた、再生可能エネルギー促進法が導入されて、再生可能エネルギーによる賦課金も電気料金が上がる要因であるということが指摘されております。

 私は、この間全く指摘されずに、しかし、電気料金に大きく影響を及ぼしているのが、東京電力福島第一原発事故の賠償にかかわる部分を各電力会社が一般負担金という形で負担をするようになった、二〇一一年の原子力賠償機構法の成立以降の賠償にかかわる費用を電気料金に上乗せしている部分ということについて、本日明らかにしていきたいと思います。

 まず、経済産業省にお伺いいたしますが、この間、経産省が出された資料の中には、この一般負担金が、各電力会社が負担するわけですが、各家庭の電気料金にどのくらい影響を及ぼしておるか、各家庭ごとに見たデータが全く見当たりませんが、この点について、まず政務官の方からお答えをいただきたいと思います。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 今のお話は、一般負担金の負担についての開示の話かと思います。これは、料金査定のプロセスの中で、原価の中に入っているコストというのはそのプロセスの中で公表をさせていただいているところでございます。

阿部委員 よく質問を聞いてくださいな。各家庭にどのくらい負担になっているのということを出していないでしょうと聞いているんですよ。ないなら、ないと言ってください。もういいですよ、時間を食うだけです。出していないでしょう。そのことがいかに問題かなんです。

 皆さんのお手元に、これは朝日新聞の二月二十七日の記事ですが、既に、この一般負担金というのは電力会社に課せられますが、それによって各家庭の電気料金が一年間、年でどのくらい上がったかということの試算であります。これはあくまでも試算でありますが、幾つかの前提を置いて計算すると、例えば東電、東京電力では、一世帯、二〇一六年の負担額が千百五十九円。これは、事故が起きたための賠償の費用をこれだけ高く消費者は払ったということであります。

 私は、経産省にはこうしたデータを、これは新聞社が試算しましたが、本来は国民にわかりやすく見せる、見える化する役割があると思いますし、特に、消費者行政を扱う松本担当大臣に伺いますが、このことが全く水面下、表に出てこない、この状態は消費者にとっていいことなのかどうかであります。

 先ほど申し上げました、事故で原発がとまれば石油が高いから上がるよ、再エネも上がるよと言われますけれども、賠償だって電気料金を上げているわけです。事実として国民に伝えるべきですし、各家庭、消費者側から見た目がなければ、実は本当の姿は見えないと思います。

 大臣はこういう実態について御存じであったか、あるいは、消費者行政から見ていかにお考えになるか、この二点、お願いします。

松本国務大臣 昨年七月に取りまとめられました消費者委員会による電力託送料金に関する調査会報告書では、使用済み燃料再処理等既発電費用、電源開発促進税等の政策的観点からの費用について、本来、送配電事業に要する費用ではないが、託送料金の仕組みを通じて集めるものとして、料金制度上、原価算入されている、これについて、消費者に十分周知、納得されているとは見られないと評価されております。

 また、報告書では、これらの政策的観点からの費用について、送配電事業に要する費用と区別して、検針票に記載するべきなど、消費者へのわかりやすい情報提供について提言をしているところでございます。

 この報告書の内容につきましては、昨年七月に、消費者担当大臣から経済産業大臣に申し入れを実施しております。私も経済産業省に申し入れました。経済産業省において適切な対応が講じられ、今後、消費者に向けた情報提供が一層進むことを期待しているところでございます。

阿部委員 済みません、松本大臣、質問が一つ飛びました。

 お手元の資料の四枚目というか、裏表になっておりますので、資料四というのをごらんいただきたいと思います。ここには電気料金の構造が書いてございます。

 今大臣が御答弁いただきましたように、電気料金には、発電にかかわる部分と送配電にかかわる部分がございます。電気料金と言われますけれども、大口のものは電力料金、そして家庭は電灯料金という分けがございますが、いずれにしろ、発電にかかわる部分と、送電にかかわる、この二つがあるということであります。

 今、私が前段で御指摘いたしました一般負担金で、原子力賠償機構法ができてから上乗せされているのは、この上の各電力会社の発電の料金に上乗せを既にされておるということであります。今大臣が御答弁されたのは、プラス、送電部分にもこれから上乗せされていくということでありまして、丁寧に御答弁いただきましたが、一つ前の質問を私はさせていただきました。

    〔委員長退席、河野(太)委員長代理着席〕

 御答弁の中にもございましたが、実は、今座席に着かれた河野議員が大臣であられたころ、松本大臣がおっしゃった託送料金については、電気料金の中でも特に見えづらいので、内閣総理大臣から消費者委員会に対して、託送料金の実態がどうなっているのかということで諮問がなされました。託送料金についての諮問がなされた、内閣総理大臣から消費者委員会に対してです。

 その中で、先ほどの電源開発促進税、これは電源立地のための補助金です、プラス、使用済み燃料の再処理に係る費用も全部この託送料金に上乗せをされておるという指摘と、それが国民から見えづらいということで答申が出されております。

 お手元の資料の二でありますが、ここには答申書という形で、内閣総理大臣の安倍晋三殿に対して、消費者委員会の河上さんから答申書がございます。すなわち、「消費者利益の擁護・増進の観点から、経済産業省に対応を求めるなど、消費者庁において必要な取組を進めることが適当である。」

 松本大臣がおっしゃってくださったように、ほとんどの国民が、電源開発促進税や再処理に係る費用が託送料にかかっておるということは、知られておりません。やはり、見える化、見せる化していく努力が必要と思いますが、大臣、改めてこの点について、河野大臣当時も、あるいは松本大臣も記者会見等々でこの託送料金の持つ見えづらさについては言及しておられますので、重ねて御答弁をいただけますか。

松本国務大臣 昨年七月に消費者担当大臣から経済産業大臣に申し入れが実施され、私も同様に経済産業省に申し入れをしたとおり、今後、消費者に向けた情報提供が一層進んでいただかなければ、理解、納得をいただくことはできないと思っておりまして、さらに引き続き努力していきたいと思います。

阿部委員 そういう消費者委員会の答申を受けて、松本大臣も含めて、経済産業大臣に対して、これはまだ、当時、河野大臣の時代ですが、「意見」というものが具申をされております。資料の三つ目であります。ここには、「消費者利益を擁護・増進する観点から、当該答申は重要な提言であり、速やかに当該答申の内容に対応することを要請する。」と経済産業省に要請がなされました。

 さて、経済産業省としては、見えづらい、隠されている電源開発促進税や再処理費用について、かかる答申を受けてどのような対処をなされたかというのが、これは政務官がお答えいただけると思いますが、一点。

 プラス、にもかかわらず、引き続いて、いわゆる電力自由化に伴う電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間取りまとめというのを年末にかけて経産省はずっと行われて、その中でも、実は託送料金にさらに賠償費用を転嫁していくということを編み出しました。もうびっくりする、それまでもオープンじゃない、それにかてて加えて託送料金にまた乗せていこうかなんて、消費者委員会からの提言を何ら受けとめていないと思いますが、いかがですか。

井原大臣政務官 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、昨年七月の消費者委員会の答申をいただきましたし、松本大臣また河野前大臣からも御指摘を記者会見でいただいているところでありまして、今後の託送料金制度のあり方につきましては、消費者の目線からしっかりしろ、こういう提言をいただいたものと認識いたしております。

 この提言も踏まえ、経済産業省では、託送料金を含む電気料金制度についてわかりやすく解説するホームページを充実させるほか、電力・ガス取引監視等委員会において、託送の収支とかあるいは効率化の取り組み状況について事後評価を実施する方針を決定いたしまして、また、送配電網の維持、運用費用の負担のあり方に関して検討を進めていると承知いたしております。

 また、電力システム改革貫徹のための政策小委員会の中間取りまとめに当たりましては、賠償への備えの不足分を託送料金の仕組みを利用して広く消費者から回収する際、消費者の負担の内容を料金明細書に明記するように求めていくことを報告書に盛り込むなど、消費者委員会の答申や松本消費者担当大臣の御発言を踏まえた対応をさせていただいていると認識をいたしております。

阿部委員 今、政務官がお答えでありますが、ホームページはどうなっておるかというと、資料の四を見ていただければと、私の資料ではナンバー五であります、下に書いてございますが。

 これは、いわゆる検針票に、例えば電源開発促進税が取られていることとか、使用済み燃料の再処理の料金が乗っかっていることが書かれているかというと、電源開発促進税については東京電力以外は書かれておりません。検針票を見ても、取られているということがわからない。下がホームページです。各電力会社のつくっているホームページによる情報提供ですが、電源開発促進税のところには、バツ、バツ、バツ、バツ、バツ、ほとんどが開示されていない。

 それでいて、今回また託送料金に賠償費用を乗せようというのは、物の手順が違うし、消費者の納得は到底得られない。

 実態をちゃんと提示して国民の合意を得ないと事は進まないと思いますが、はてさて、消費者庁にあっては、この消費者委員会からの答申を受けて、特に消費者庁に期待するところ大と思いますが、それはこの文面の中にも、「消費者庁において必要な取組を進めることが適当である。」と消費者委員会から答申されましたが、果たしてどんな取り組みをしたんでしょうか。今までのものも開示されていない、プラス、さらに転嫁される、これでは消費者は蚊帳の外ですよね。消費者庁、いかがですか。

福岡政府参考人 御質問につきまして、先ほど委員からも御指摘がございましたように、消費者委員会から昨年七月、電力託送料金に関する答申をいただきまして、その答申につきまして、同じく七月に、消費者担当大臣から経済産業大臣宛てに、提言内容の速やかな対応につき申し入れを行ったところでございます。その後、消費者庁としては、継続して、経済産業省にその対応を求めてきているところでございます。

 特に、委員からもお話がございましたが、昨年ございました、経済産業省の電力システム改革貫徹のための政策小委員会の中間取りまとめの策定につきましても、昨年十二月九日の時点で案が公表されたところ、廃炉、賠償費用の託送料金への算入について、十二月十三日の定例記者会見において消費者担当大臣から、託送料金は送配電に必要な費用に限定すべきであり、賠償、廃炉費用の上乗せは極力慎重であるべき、そして続きまして、仮にどうしてもやむを得ないという場合でも、消費者に丁寧な説明、周知をして納得を得られるよう、電気料金の請求書などで、廃炉、賠償費用の総額としての支払い相当額を区分して表示することなどを求める発言を行ったところでございます。

 この大臣発言に基づきまして、消費者庁と経済産業省の間で調整を実施いたしまして、十二月十六日の中間取りまとめ案では、賠償への備えの不足分を託送料金の仕組みを利用して広く消費者から回収する際におきまして、消費者の負担の内容を料金明細票に明記するよう求めていくことを報告書に盛り込むなどの対応が図られた、そういった調整を行っているところでございます。

阿部委員 賠償費用の上乗せを極力慎重にと言われましても、実は、過去に原発を使った、一九六六年から二〇一一年、機構法ができるまでの間、原発を使った過去の分を託送料に上乗せするんですね。これからじゃなくて、過去。

 普通、物の取引で、一旦売買が成立した後に、昔もっと金がかかったんだから払ってくださいよなんていうのは、商取引の世界ではないんですよ。一旦そこで契約は終わっている。昔取りっぱぐれたからこれから払ってくださいなんていう商取引がまかり通ったら、今、価格を設定したり約束したりすることは何の意味も持たない。

 極力慎重にじゃなくて、過去分をまず上乗せすることが倫理的に許されるのか、商取引から、消費者保護の観点から。売買をさかのぼって金を出せというルールはいいのですかということを、国民にわかりやすく合意を得るべきだと思いますよ。到底合意できません、そんなものは。もう払ったし、これからさらに昔のを出してよなんて言われた日には、私たちは何の買い物もできなくなりますよ。

 松本大臣、いかがですか。私は資料の六につけましたが、これは経産省が編み出したからくりで、過去、賠償費用として積み立ててこなかったから、足りない分はこれからの人から取りましょう、生まれてもいない子供からこれから先四十年取りましょうというのは、本当に商取引でいいですか、消費者保護でいいですか。大臣、いかがでしょう。

松本国務大臣 平成二十八年十二月二十日閣議決定の「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について」では、「国民全体で福島を支える観点から、福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負担とし、そのために必要な託送料金の見直し等の制度整備を行う。」とされております。

 今後、消費者の過度な負担につながらないよう、送配電事業者におきましては、これまで以上の合理化によるコスト削減を進めるとともに、経済産業省におかれては、引き続き、消費者に丁寧な説明、十分な周知を行い、納得を得られるように対応していただきたいと考えております。

阿部委員 どんなに説明されても納得できない、商取引の原則から逸脱しているというのが私の指摘であります。

 今、松本大臣もおっしゃったように、福島復興のための閣議決定の中でこれがぽんと決められるわけです。過去分も含めて消費者に負担してもらいましょうと。これじゃ消費者行政はないがしろ、本当に消費者は守られない。

 私は、原発事故を、国全体として進めてきましたし、国民も何らかの形でこれはかかわっていかざるを得ないとは思っております。しかし、その場合であれば、例えば、それを税で負担すべきか、あるいはこれからの消費者に転嫁していくべきかなどは、しかるべく議論があって当然なことであります。今までもやぶの中、これからも知らないうちに転嫁される、これでは余りにも消費者は保護されない。

 経済産業省に伺いますが、なぜ、こんな政省令の手のうちで勝手な賠償を乗せて、本来、原子力賠償機構法の改正や、どういう形でお金を、足らざるならば、ここで生み出していくかについて、もっと、どうして法改正やあるいは税による手当ても含めて考えないのですか。託送料で、政省令でやってしまえば、国会も関与できない、もちろん国民だって、今までも知らない、これからも知らない、でも負担はかさむ、この点についてどうですか。

井原大臣政務官 お答えを申し上げます。

 まず一つ目には、過去分について、商取引上いかなる理由をもって許されるんだろうか、また、しっかりと法でするべきではないかということであります。

 規制料金のもとでは、一般的な商取引のように、将来に追加的な費用が発生するそのリスクを勘案し、もっと言えばリスクの範囲を想定するわけですが、あらかじめその費用を料金で回収することは認められておりません。料金の算定で、現に発生している費用等、合理的に見積もられたもののみを原価に算入するということが認められております。

 このため、元来合理的に算定できない時点では回収してこなかったものの、費用の発生が明らかになった時点で、その時点の料金原価として算入をするということでございますので、今回の措置に商取引上の問題はないと考えております。

 また、御指摘の過去分に関する議論でありますが、福島事故以前には、賠償に係る備えが、原子力賠償法に基づく賠償措置、千二百億円でございました。制度上、事業者がこれを超える備えを規制料金のもとで回収し、みずから資金を確保する自由は認められていなかったということでございまして、一つには、政府としては、制度の見通しが不十分だったということは素直に認めて、反省しなきゃならないことだろうというふうには思っております。

 ただ、自由化の進展に伴いまして、これまで規制料金での回収が認められていた機構法による一般負担金を負担しない消費者がふえていくという環境のもとでございますので、この備えの不足分について、福島の復興を支えるという観点とか、あるいは原子力の電気を広く消費者が利用していた実態があること等を勘案すれば、消費者間の公平性の観点を考えると、託送制度を利用した公平な回収措置を講じることが適切というふうに考えております。

 その料金上の扱いをどのようにするかという議論でございますので、原賠機構法の改正が必要とは考えておりません。むしろ、これは電気事業法の関係になるのではないかというふうに思っております。

 託送料金については、電気事業法上、送配電網の維持管理に係る費用などに加え、ユニバーサルサービス料金など、全ての消費者が広く公平に負担すべき費用を含めることができる制度となっておりますので、今回の不足分については現行の電気事業法のもとで対応できると考えております。

 以上です。

阿部委員 これまで分じゃなくて、これからなんです。使ったのは過去、それをこれから料金を取るなんということはあり得ないのです。

 こんな論理がまかり通ったら、さっき言いました、どんな商売も、いや、これからもっと払ってもらいましょうで、先ほどのいろいろな消費者保護という観点からは逸脱をしますし、最後に言わせていただきますが、ほとんどの国民が知らないんです。知らない中で経産省が勝手にやっていいことでもない。

 松本大臣にはお願いがあります。

 消費者庁並びに消費者委員会は、もっと積極的にこのことに関与していくべきであります。これからガス等々の、電力取引監視委員会等々にもかかると言いますが、それは全部経産省の手のうちなんです。誰が消費者の利益を守るか。プラス、託送料金が自由化されていないから、またそこから取るんです。

河野(太)委員長代理 阿部知子君、既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

阿部委員 はい、済みません。

 強制的に取れるところを狙って取るという方法は、私は非倫理的だと思います。

 済みません、長くなりました。ありがとうございます。

河野(太)委員長代理 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。

 早速資料の一を見ていただきたいんですけれども、ことし一月に発行された消費者法ニュースに、新聞残紙問題、いわゆる押し紙問題の特集が組まれ、弁護士などが寄稿しておりまして、きょうはこの問題について取り上げたいと思うんです。

 松本大臣、突然なんですけれども、松本大臣自身は新聞配達のアルバイトの経験はございますか。

松本国務大臣 新聞配達のアルバイトはありません。

清水委員 実は、私は中学のときからずっと配達しておりまして、大学受験に失敗して予備校時代には、毎日新聞の販売所に一年間住み込みをいたしました。配達、集金、折り込み作業というのが本当に大変でして、将来こんな仕事は大変だな、やりたくないなと思っていたんですけれども、共産党に入ったら赤旗の配達、集金をやらされまして、何の因果か、本当に大変だなと思っております。

 それだけに、何げなく日々新聞が届いているんですけれども、我々の手元に届くまでは、新聞本社はもちろん、それから記者の皆さんの努力、さらには配送だとか印刷だとか皆さんの努力があると思います。何といっても、やはり販売所と配達員の毎日の努力があってこそ、私たちがそうした新聞を手にとることができるというふうに思うんですね。

 それで、新聞残紙、押し紙というものは、新聞本社から供給されている新聞のうち、販売店から個別の読者に配られることのない、読者のいない新聞のことでありまして、これはほとんどがごみとして捨てられます、古紙回収業として。また、販売店の営業を圧迫しているというふうに言われております。

 最初に公正取引委員会の方に伺うんですが、一般的に、新聞本社が販売店に対して注文部数を大幅に超える新聞を発送していること、この押し紙行為が判明した場合にはどのような対処をされておられるでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 独占禁止法におきましては、禁止する行為といたしまして、不公正な取引方法というものがございます。新聞業につきましては、新聞業における特定の不公正な取引方法、新聞特殊指定というふうに申しております。これにおきまして、発行業者が、販売業者に対し、正当かつ合理的な理由がないのに、販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること、または、販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること、これによりまして販売業者に不利益を与えることを不公正な取引方法として規定しておりまして、このような行為は独占禁止法で禁止されているということでございます。

 公正取引委員会といたしましては、このような行為が行われている場合には、独占禁止法に基づきまして厳正に対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。

清水委員 昨年三月二十四日に、公正取引委員会は朝日新聞社に対して、独占禁止法違反につながるおそれがあるとして、違法行為の未然防止を図るという観点から注意を行っております。しかし、その後もいわゆる押し紙問題は解決しておりませんし、これはほかの新聞社に対しても言えることだと思うんです。

 資料の二をごらんください。ちょうどきのうなんです、これ。ちょうどきのう、佐賀新聞押し紙訴訟というもので判決が出ました。その弁護団の声明をきょう皆さんに、弁護団の皆さんの了解を得てお配りさせていただいております。

 この事件は、ある販売店が、押し紙の仕入れ代金の増加に苦しめられておりまして、昨年四月に、弁護士を通じて、新聞社に対して減らしてほしいという減紙の申し入れを行ったわけです。ところが、佐賀新聞社は、減紙の申し入れに応じないばかりか、押し紙の仕入れ代金七百万円を払えと請求してきた。それだけではありません。この販売店との契約を一方的に解除するという通告をしたということなんですね。そのために、弁護団が契約更新拒絶の無効を求める仮処分の申請を行い、それが認められたという声明なんですね。

 それで、本当にこれはリアルなんですけれども、資料の三、皆さんにお配りしている四枚目をごらんいただきたいというふうに思います。

 これは、販売店の注文部数と佐賀新聞社が供給した部数の生数字です。これも了解を得て、きょう皆さんにお示しさせていただいております。

 平成二十八年、二〇一六年四月、販売店の注文部数が二千五百五十部であったのに対し、佐賀新聞社は、四百三十部も多い二千九百八十部を毎日供給していたわけであります。ずっと続きまして、ことしの二月にも、二千五百二十部で注文しているにもかかわらず、二千九百五十九部、四百三十九部多い、これは一・二割ぐらいですからね、そういう新聞を供給している。これはまさしく、先ほど公正取引委員会の方からも答弁ありましたけれども、独占禁止法に違反する行為だと言えるのではないでしょうか。

 それで、資料の二枚目、三枚目にもつけましたけれども、この声明文にもありますように、やはり、販売店を苦境に追い込む押し紙というのは、佐賀新聞社のことだけじゃないんです。ほかの新聞にもあるんです。

 実は私調べました。直接伺った朝日新聞の販売店、特定しません、読者数が約二千なんですね。それに対して予備紙が七百部でした、七百部。読者がいない新聞が三割以上ごみになっているんです、毎日。

 さらに言いますと、読売の販売店では、管理能力を超えた残紙のせいで新聞こん包が入り乱れる。つまり、千二百とか千三百とか千四百とかの残紙があると、もう一々販売所の中に入れないで出しっ放しにするんですよ。そこに古紙回収業者が来て積んでいくのですけれども、古紙回収業者も最近もうかりまして、夫婦二人でやっていたのを従業員を雇うようになったんですよ。そうしたら、従業員は一週間に一回休まさなあかんでしょう。休みの日にとりに来なくて、そこへ次の日に読売新聞の翌日の朝刊がどさっとおりて、混在して、前の日の新聞を読者に届けるという事件も起こっております。

 毎日新聞も結構ひどいんですね。大阪地裁では今二件の訴訟、いわゆる本社と販売店の訴訟が係争中であります。

 結局、三百も四百も五百もある新聞というのはごみになりますから、ちょっとでもお金を払ってくれるんやったら配達した方がいいんですよ。ですから、これは原価割れ、まさしく再販を崩して、新聞の定価を独自に決めて、例えばスポーツ新聞に本紙をつける。昔は毎日新聞に土日スポーツニッポンをつけていたんですけれども、今は逆で、スポーツニッポンに毎日新聞の本紙をつけるというようなこともやっておりまして、まさしく読者間の負担の公平性という観点から、これは消費者問題にもつながるというふうに私は思っております。

 それで、なぜこのようなことが放置されているのか。実は、これは一九八二年三月八日に、我が党、共産党の議員が初めてこれを取り上げたんですね。瀬崎衆議院議員でありました。三十五年たってもいまだにこのような状況が残されているというのは大問題だと思います。

 そんなんやったら、要らぬと言うたらええやん、切ってくれと言ったらいいんじゃないの、販売店はと思われるかもわかりませんが、実は、新聞本社が優越的な立場を利用して販売店が告発させないという仕組みができ上がっているんですよ。

 例えば、販売店の方が公正取引委員会に告発するとか、あるいは弁護士とか政治家に何とかしてくれとお願いしているのが知れると、もうとんでもない嫌がらせや仕打ちを受けると。例えば改廃というのがあります、強制改廃。先ほどの佐賀新聞の例ではありませんけれども、一方的に契約を解除する、そして、そこの販売店が持っていた読者を別の販売店に全部つけかえて廃業に追い込む、こういうことが行われるので物が言えないという状況があるんですね。

 もう一つは、読者に配られていない新聞については補助金とか奨励金が出るんですよ、補助金、奨励金が、一部当たり幾らかというのが。ですから、新聞残紙、押し紙を減らすと自動的に補助金、奨励金も減るので販売店にとってはやはり減収になるという。

 さらに、折り込み広告が持ち込まれますけれども、この折り込み広告というのは、いわゆる申請部数に基づいて基本的に持ち込まれますので、供給部数が減ると、スーパーやあるいはマンションのチラシなどが持ち込まれる、その折り込み部数も減るということでこれも減収になる。どっちにしてもジレンマに陥って、販売店の方々が余分な新聞を、大量の新聞を切ってくれというふうに言い出せないというような仕組みがあるということを、私はいろいろな方からお話を聞いてわかりました。

 胸を痛めた話がありますので、紹介します。

 この販売店では日本経済新聞社に対して毎月増減表を送付しているんですが、全くこれが改善されない。私は見せてもらいました、注文票とそして請求書。全くこれは反映されない。結局、この方は、立場が弱いですから、日本経済新聞社に対して仕入れ代金を納めるために泣く泣く六百万円の借金を背負ったと。この方はおっしゃいます、このままでは、日本の伝統文化である新聞宅配制度がもう崩壊しますよ、やっていられないですよと。これはやはり私は危機だというふうに思うんですね。

 公正取引委員会にお伺いするんですけれども、こうした販売店の方々が公正取引委員会に通報した場合、具体的にどう対応してくれるのかということですよ。個別の例はいいですよ。一般的な話なんです。

 というのは、どの方に聞いても、公取は当てにならぬと言うんですよ。それは人によるかもしれませんよ。潰されるかもわからない、不利益を受けるかもしれないという決死の思いで通報しているにもかかわらず、それに応じた対処をしてもらえていないという声を私はたくさん聞きましたので、具体的にどのように対応していただけるのか、今のお話を聞いていただいて、そして、販売店の情報はしっかり守られるのか、この辺いかがか、お答え願えますでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 公正取引委員会におきましては、独占禁止法に違反すると思料される事実について申告を受ける場合には、電話、書面、こういったものだけではありませんで、必要に応じまして、申告をしたいという方々と面談をするなどによりまして、丁寧にお話を聞くこととしておるところでございます。

 また、例えば、申告される方が不公正な取引方法により被害を受けている、このような事業者の方の場合には、やはり、公正取引委員会に申告を行った事実が外に漏れてしまいますと、そのことによりまして立場の強い取引先から取引を切られてしまう、こういった懸念を抱いていることは大変多いというふうに私ども認識をしております。

 このため、事業者の方々が安心して公正取引委員会に情報を寄せていただけますように、申告いただいた場合には、その事実が外部に漏れることのないよう万全の管理はしているところでございます。

清水委員 ぜひそうした対応をしていただきたいと思うんです。販売店の皆さん、今の答弁を聞いていらっしゃると思います。

 それで、公正取引委員会さんには、この間、私の事務所を通じて、さまざまな、押し紙や残紙の実態を告発する資料についてお渡しもさせていただいております。ぜひこれを分析してほしいんですけれども、相談があれば対応するという受け身ではなくて、本当に、本社とか販売店に抜き打ちの調査とか実態調査、こういうものをやっていただくということが私は効果的ではないかというふうに思いますので、これも販売店の皆さんの思いですから、しっかり反映させていただきたいということを要望しておきたいと思います。

 大臣、ほかにも、販売店が苦しむというだけじゃなくて、この残紙の問題、押し紙の問題にはさまざまな実は弊害があります。

 例えば、ごみになるということですね。読まれないんですよ。大量の古紙ができるわけで、ある販売店の方は、販売所におろさないで、もうそのまま持って帰ってくれ、そのまま古紙回収業者に搬入してくれ、その方が手間が省けるというふうな話まであるんですね。これは、やはり再生紙に利用するよりも押し紙をなくした方が、CO2排出などの環境にもいい影響を与えるというふうに思います。

 それから、先ほど申し上げました、新聞に入る折り込み広告です。これは、実際の読者数を超えて持ち込まれているということであれば不当な取引ですよ。不利益をこうむるわけですよ。ですから、ここも大問題だということ。

 それから、これも大事な問題なんですけれども、新聞折り込みには政府が発行する広報もございます。この間、私の事務所でこれを調べたんですけれども、政府広告には、内閣府が発行しているもののほかに、各省庁独自に折り込みを広告代理店の方に委託をして行っております。ただ、私、いろいろ、ABC協会とかも調べたんですけれども、実際の読者数なのかあるいは販売店に供給している部数なのか、これは定かでないんですよね、政府広告であるにもかかわらずですよ。

 つまり、これがもし残紙の分も含んで折り込みチラシが印刷されて販売店に供給されているとすれば、読者に届かない政府広報が印刷されているということになるわけで、これは国民の税金が無駄に使われているということにもつながりかねない問題だというふうに私は思っております。

 大臣にお伺いします。

 国民生活センターの資料によりますと、新聞勧誘トラブル、これが二〇〇六年から二〇一六年の間で十万八千件確認されているということなんですね。とりわけ、この間は、高齢者の皆さんに対する新聞勧誘のトラブルというのが非常にふえていまして、第一位なんですよ。第二位は屋根工事なんですけれども、屋根工事の相談の十倍が新聞勧誘トラブルなんですね。

 もちろん、高齢者ですから、認知症の方もおられるでしょうし、結局、何でこんなことになっているのかというと、大量に販売所に届けられる、ごみと化す、これを少しでも読者に結びつけたいという意識がこうした強引な勧誘に結びついているとすれば、これはやはり新聞残紙問題が消費者問題、消費者トラブルの要因の一つだと私は考えられると思うんですね。

 ぜひ、大臣、この議論を聞いていただいて、押し紙かどうかの定義は新聞本社や販売所によって違うんです、実は。新聞社は、我々は押し紙はやっていない、注文部数をちゃんと供給していると。しかし、販売店の方はそうじゃないと。

 定義はいろいろありますが、日本の全国に、訴訟のお話もしましたけれども、配られない大量の新聞があるということ、そして、これが新聞勧誘トラブルの一つの要因にもなりかねないということについては、きょうの私の質疑を聞いて少しは認識を持っていただけたのではないでしょうか。いかがでしょうか。

松本国務大臣 消費者庁といたしましては、どのような背景にあるかにかかわらず、また商品やサービスの種類を問わず、事業者の強引な勧誘による消費者被害が発生している場合には、法に違反する事実があれば、所管法令に基づいて厳正な対応を行うことが重要と認識をしております。

 また、悪質な事業者による消費者被害に対応するためには、法執行の強化、また相談体制等の強化充実、消費者教育の推進等を行うことが重要と認識をしております。

清水委員 直接、残紙の問題については触れていらっしゃらないんですけれども、私の質疑を聞いていただいて、その一つの要因になっているということについては理解していただけたというふうに思います。

 やはり拡張員の方も、五百部も千部も押し紙があったら、一部、二部ふえてもうれしくないと言うんですよ。私は、我が国の組織ジャーナリズムを健全にしていくためには、やはり一社だけじゃなくて新聞業界全体でこの残紙、押し紙の制度を解消していくべきだというふうに思っています。フリーのジャーナリストの皆さんも活躍されているんですが、やはり何が正しいかというときに、組織ジャーナリズムの重要性というのは絶対必要ですよ。日本の場合は宅配率がずば抜けていますでしょう。駅売りというのも一部じゃないですか。よその国と比べたら、宅配率はすごいんですよ。これが、言論の自由を守り、平和で豊かな暮らしを求める国民に正確で必要な情報を与えるジャーナリズムの役割。

 インターネットが普及していますけれども、僕は、紙媒体、新聞というのはこれからもずっと残していくべきだし、残っていくべきものだと思っています。昼夜を分かたず配達、集金に苦労されている販売所やあるいは配達員の方々の御苦労をしっかりと受けとめていくというのが、私たち政治家の役割ではないのかなというふうに思っております。声なき声にしっかり応えていくということが大事だと思っております。

 誇りを持ってこの仕事に取り組んでおられる販売所の皆さん、配達員の皆さん、この汗と苦労と涙にしっかりと応えていくために、本委員会の皆様方にも、この新聞残紙問題、押し紙問題についてぜひ御理解とそして認識を持っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

河野(太)委員長代理 次に、吉田豊史君。

吉田(豊)委員 日本維新の吉田です。きょうもよろしくお願い申し上げます。

 きょうは、遺伝子組み換え食品ということでお聞きしてまいりたいと思います。

 農水委員会の方にも所属しておりまして、特にこの国会、種子法の廃止がありました。種子ということ、種ですね。これが非常に大きなテーマになっておるんですが、遺伝子組み換え食品という話もやはりもとは種という、種自身に大きな違いが今世の中にあるということなわけです。

 GMO、GMOというのは調べました。ジェネティカリー・モディファイド・オーガニズムズということで、GMO食品ということがよく言われるわけですけれども、これは何のことかなというのは、消費者としても、非常に意識の高い消費者はこのことについて御認識されている、一方では、全く意味がわからないままの消費者の方々もいらっしゃる、こういう状況だと思うわけです。

 改めて、遺伝子組み換え食品というものはどういうものなのかということをわかりやすく説明いただきたいと思います。

北島政府参考人 お答えいたします。

 食品衛生法上、組み換えDNA技術とは、酵素等を用いた切断及び再結合の操作によりまして、DNAをつなぎ合わせた組み換えDNA分子を作製し、それを生細胞に移入して、かつ、増殖させる技術とされております。

 この技術を用いて、例えば、ほかの生物から害虫に強いなどの有用な性質を持つ遺伝子を取り出しまして、その性質を持たせたい植物などに組み込んでつくられた食品などを遺伝子組み換え食品と称しているものでございます。

吉田(豊)委員 そして、この遺伝子組み換えの食品なんですが、これについて、やはり安全なのかどうなのか、そしてそれは安心につながるということですが、この安全性の確認ということについて、どのような形で今我が国がこれに対応しているのかということ、そして、このような手続は当然あるんでしょうけれども、それが行われている状況ということについて確認させていただきたいと思います。

北島政府参考人 遺伝子組み換え食品につきましては、食品衛生法に基づき、品目ごとにリスク評価を専門的に行う食品安全委員会による科学的な評価の結果を踏まえまして、厚生労働省においてその安全性を確認した上で、当該品目を公表し、食品としての流通を認めております。

 これまでにこれらの手続を経て公表した遺伝子組み換え食品は八作物、三百十品種でございます。

吉田(豊)委員 八作物ということなんですが、その中に大豆があるんです。

 何で大豆かといいますと、ちょっと話がそれますけれども、私が国会の方に参りましてから幾つも質問の機会は頂戴しておる中に、インターネットとかでよく調べますと、結果的に私はどういう評価をされているかというと、質問の中では、つかみはオーケー、そういう議員だというふうに出てくるんですね。これは本当に光栄なことなんですが、何かというと、質問する前に幾つか前振りをするのでそこのところはおもしろいと。

 質問の中身はこれからまだまだ勉強しなさいということだろう、こういうふうには思うんですけれども、きょう共産党の清水委員の質問を聞いていまして、ああ、これこそすばらしいつかみであり、中身もある質問だな、こういうふうにお聞きしておりました。

 大臣にアルバイトの御経験をお聞きしておられましたので、私の方は、大臣にお聞きしたいと思いますのは、私は国会議員になる前は豆腐屋をやっておりました。豆腐屋のアルバイトまたは豆腐屋の御経験がおありかどうかお聞きしてみたいと思います。

松本国務大臣 恐れ入ります。経験はございません。済みません。

吉田(豊)委員 ありがとうございます。本当に立っていただいて恐縮なんですけれども。

 そうであっても、日本人、多くの方々は豆腐が嫌いだという人はなかなかいらっしゃらないと思いまして、そして、大臣も、これから暖かくなってきますし、暑くなってくれば冷ややっこというのは当然食卓に上って食べられるだろうな、こう思うわけです。

 私自身は豆腐屋をやっておりまして、結局、豆腐というのは非常にシンプルな食品なんですね。原材料は、大豆と、そして固める、凝固剤と申しますが、その二つ、それに水、それだけでつくるものなんです。

 そして、そのときに、一方では、消費者の方々の志向が非常に健康そして安全ということにこだわっていらっしゃる。

 その中で、私も豆腐屋を始めるときには、原材料の大豆一つをとっても、それはどういう豆を使うのがいいのかなということをやはり考えるわけです。そうしたら、アメリカからの輸入大豆の選択肢もあれば、私は富山におりますので、富山の方でエンレイという品種があります、それは、全国の、豆腐をつくるためのエンレイという品種、非常に高い評価はいただいているんですが、そういう国産の、それも地元のものにこだわるという選択肢もある。

 こういう中で、消費者の方々が何を求めていらっしゃるのかということを考えたときに、遺伝子組み換えということは非常に大きな選択肢の分かれ目だろうな、こう思うわけです。

 改めてきょうは大豆を中心に質問していきたいと思うのですけれども、まず、遺伝子組み換えということ自身に表示の対象範囲を絞っているわけですね、今ほどの御答弁をいただきました。この理由はどこにあるのかというところを確認したいと思います。

吉井政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど厚生労働省の方からお答えをしたとおり、遺伝子組み換え食品につきましては、農産物の品種ごとに科学的な評価を行いまして、安全性が確認されたものにつきまして、当該農産物それからその加工品、この輸入や流通等ができる仕組みとなっております。

 一方で、安全性が確認されたものであっても、遺伝子組み換え食品は避けたいといった消費者のニーズがございます。

 そのため、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保、そうした観点から、科学的に検証できることを前提といたしまして、安全性審査を経た八つの農産物、それから、これを原材料とする三十三の品目の加工食品を対象といたしまして、遺伝子組み換え農作物を使っている場合には遺伝子組み換えとの表示、区別せずに使っている場合には遺伝子組み換え不分別という表示を義務化いたしまして、消費者の商品選択に資する情報を提供しているところでございます。

吉田(豊)委員 そして、大事な大豆ですけれども、大豆が原材料の加工食品は、表示義務があるところに入っているわけですね。大豆が入っている、それはなぜかというところを確認したいと思います。

吉井政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど御説明いたしましたとおり、食品表示法に基づく食品表示基準におきましては、遺伝子組み換え農作物、それから、その農作物を使用する一定範囲の加工食品を対象に表示することを義務づけております。

 食品表示基準違反、これは罰則の対象となります。このため、制度の実効性を確保するという観点から、義務表示の対象となります加工品につきましては、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むかどうか科学的に検証できることを前提としております。

 大豆の加工品を例にとりますと、例えば、豆腐、納豆などにつきましては、組み換えられたDNAや、それによって生じるたんぱく質が最終製品において検出できるということから、表示義務の対象にしております。

 一方で、しょうゆなどにつきましては、組み換えられたDNAなどが加工工程において除去、分解されまして、最終製品においては検出できないということがございます。そうしたことから、表示義務の対象とはしていないというものでございます。

吉田(豊)委員 表示義務のあるものというと、八作物、トウモロコシ、大豆、菜種、綿実、ジャガイモ、てん菜、アルファルファ、パパイヤ。特に、トウモロコシ、大豆、菜種あたりなんかは、常に私たちの食卓に上る非常に重要な素材であることは間違いなくて、なぜこれが選ばれているかということについては、いろいろ、検出できるという科学的な裏づけが必要だということもわかりますが、やはり、何よりも私たちの日々の食生活の食卓のところに上ってくることの重要性からすると、非常に的確に押さえられているだろうというふうに私は認識しているわけです。

 その上で、今ほど幾つか御紹介いただきましたが、実際に表示自身を気にする方というのは、やはりとことん気にするんですよね。せっかく食べるときに、遺伝子組み換えでないか、そうであるかというところまで気にしていくということになると、やはりそれは、きちっとそこにわかりやすさ、それから制度上の分類もきちっとされているということの重要性を今改めて私は感じるわけです。

 それで、豆腐にこだわりますけれども、今、冷ややっこを食べます、そのときには、豆腐があって、あってもネギ、ショウガぐらいですよね。その上にしょうゆをかけて食べるというのが普通のことだと思うんですけれども、豆腐は、ちょっとこだわって、きょうはしっかりと裏もチェックして、遺伝子組み換えでない、そういう豆腐を選んだ、そして、ネギも国産、ショウガも国産、これでオーケーだと思って、しょうゆをかけておいしいなと食べていたら、実は、その人は、きょうは遺伝子組み換えでないというふうにこだわっていたのに、しょうゆはそうじゃなかったということが今の仕組みだとあり得るんですね。

 こういうことというのがそのままでいいのかどうなのかというところを、私は少し突き詰めて考えてみたいと思うんです。

 改めてもう一回、しょうゆが表示の外になっているというところの理由を確認させていただきたいと思います。

吉井政府参考人 お答えをいたします。

 先ほどもお答えをいたしましたように、義務表示の対象となる加工食品につきましては、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むかどうか科学的に検証できることを前提といたしまして義務表示の範囲を定めております。

 しょうゆにつきましても、先ほどお答えいたしましたように、組み換えられたDNA、それから、それによって生じたたんぱく質が加工工程において除去、分解をされ、結果として最終製品において検出できないということから、表示の義務の対象としていないものでございます。

吉田(豊)委員 本当にそのとおりですし、まさに日本人のよい部分と悪い部分が出ているなと思うんです。

 しっかりと検査ができる、そして確認ができるということの担保というのは非常に重要なんですけれども、でも、一方で、それができるかできないかわからないからその部分はよけてしまうと、本来の目的、遺伝子組み換え作物あるいは食品ということについての危険性を感じている、感じていないというその前提のところで、何でこの仕組みを必要としているのかという、そこに大きな穴があいてしまうということも私は間違いないと思うわけです。

 具体的に、大豆でいいますと、しょうゆが表示義務がない食品として除外されている。もう一つ大きな大事なところは油関係なんですね。サラダ油とか植物油、マヨネーズ、マーガリン、ショートニングとか、こういうあたりについても、全部これは結局はよけられてしまうという話になる。これでいいのかというところを改めて考え直すところに来ていると私は思うわけです。

 遺伝子組み換え食品の規制ということについて、私がいただいた資料なんですが、二〇一六年三月、日本貿易振興機構、ジェトロのブリュッセル事務所というところでの調査、これは農水省の補助事業として調査をやっているんです。

 遺伝子の組み換え作物ということについての考え方、実は、世界で一番こういう物事について進んだ考え方をしているのはEUだということについては、私は間違いないだろうと思うんです。何でそうなるかというと、やはり、さまざまな国が一カ所のところにあって、お互いに食品についても助け合い、依存しながら生活をしているという状況にあって、一つのきちっとした共通のスタンダードをつくらないと、そこに安全、安心ということを確保することが難しいのではないかということの考え方が定着しているだろうと思うわけです。

 改めて、しょうゆ、それから我が国の仕組みでは除外されているものについて確認しますと、EUの方はそうではないところに今進んでいるんですよね。この状況をどういうふうに把握されているか、ちょっと確認したいと思います。

吉井政府参考人 お答えをいたします。

 先生御指摘のとおり、EUの方は、この遺伝子組み換えの表示につきましては大分進んでおります。

 EUの場合ですと、やはり国内の流通ということがございます。制度としても、トレーサビリティーの仕組みがしっかりとされておるということで、先ほどお答えをさせていただきましたが、私どもは、科学的にしっかりとチェックができるということを前提に制度を仕組ませていただいておりますけれども、EUの場合は、このトレーサビリティー制度がしっかりしているということで、その確認が書類をもって確認をできるという前提で、全ての商品につきまして遺伝子組み換えの表示が可能になっているということと承知をしております。

吉田(豊)委員 そういうことでいろいろな方法はあるということを今確認させていただきました。

 改めて大臣に、今、この制度、やはりつくってから時間がたっています、それのバージョンアップをお願いしたいと思うんですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。

松本国務大臣 ここまで政府参考人が、遺伝子組み換え表示制度につきまして、特に委員が御関心高い大豆の加工食品の表示を例にしてお答えをしてきたところでございます。

 組み換え食品の表示制度が消費者ニーズに沿ったものとなっているか、現状をしっかり把握するということを目的といたしまして、表示対象品目の検討に係る調査、二つ目に、米国及びカナダにおける遺伝子組み換え農作物の流通状況の調査、三つ目に、消費者意向調査など、制度の見直しに向けて必要な調査を順次実施しているところでございます。

吉田(豊)委員 よろしくお願いします。

 終わります。ありがとうございました。

河野(太)委員長代理 次回は、来る四月四日火曜日午後零時十分理事会、午後零時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十八分散会


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