衆議院

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第5号 平成29年4月6日(木曜日)

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平成二十九年四月六日(木曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 吉野 正芳君

   理事 亀岡 偉民君 理事 島田 佳和君

   理事 谷  公一君 理事 橋本 英教君

   理事 藤原  崇君 理事 金子 恵美君

   理事 郡  和子君 理事 高木美智代君

      秋本 真利君    伊藤信太郎君

      岩田 和親君    小野寺五典君

      大串 正樹君    大西 宏幸君

      勝沼 栄明君    門  博文君

      門山 宏哲君    菅家 一郎君

      小松  裕君    古賀  篤君

      坂井  学君    新谷 正義君

      鈴木 俊一君    鈴木 憲和君

      瀬戸 隆一君    田野瀬太道君

      高橋ひなこ君    津島  淳君

      土井  亨君    中谷 真一君

      長尾  敬君    西村 明宏君

      根本  匠君    野中  厚君

      宮川 典子君   山本ともひろ君

      小熊 慎司君    大畠 章宏君

      岡田 克也君    落合 貴之君

      黄川田 徹君    玄葉光一郎君

      階   猛君    福田 昭夫君

      赤羽 一嘉君    岡本 三成君

      中野 洋昌君    真山 祐一君

      高橋千鶴子君    畠山 和也君

      浦野 靖人君    木下 智彦君

    …………………………………

   国務大臣

   (復興大臣)       今村 雅弘君

   復興副大臣        橘 慶一郎君

   復興副大臣        長沢 広明君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   復興大臣政務官      田野瀬太道君

   農林水産大臣政務官    矢倉 克夫君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     関  博之君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     小糸 正樹君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官)  塩川 白良君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         田中 繁広君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           星野 岳穂君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           土田 浩史君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            高橋 康夫君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     宇佐美雅樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月六日

 辞任         補欠選任

  伊藤信太郎君     岩田 和親君

  石川 昭政君     宮川 典子君

  小泉進次郎君     津島  淳君

  小松  裕君     中谷 真一君

  坂井  学君     長尾  敬君

  野中  厚君     新谷 正義君

  落合 貴之君     福田 昭夫君

  真山 祐一君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     伊藤信太郎君

  新谷 正義君     野中  厚君

  津島  淳君     大西 宏幸君

  中谷 真一君     小松  裕君

  長尾  敬君     山本ともひろ君

  宮川 典子君     石川 昭政君

  福田 昭夫君     落合 貴之君

  赤羽 一嘉君     真山 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     小泉進次郎君

  山本ともひろ君    坂井  学君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


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     ――――◇―――――

吉野委員長 これより会議を開きます。

 この際、今村復興大臣から発言を求められておりますので、これを許します。復興大臣今村雅弘君。

今村国務大臣 おはようございます。

 当委員会を開会するに当たり、一昨日、私の発言で皆様に御迷惑をおかけいたしましたことをおわび申し上げます。

 記者会見の場において感情的になってしまいました。今後は冷静、適切に対応してまいります。引き続き、誠心誠意職務に当たり、被災者に寄り添い、復興に全力を尽くしてまいります。

     ――――◇―――――

吉野委員長 内閣提出、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として復興庁統括官関博之君、復興庁統括官小糸正樹君、農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官塩川白良君、経済産業省大臣官房総括審議官田中繁広君、経済産業省大臣官房審議官星野岳穂君、経済産業省大臣官房審議官土田浩史君及び環境省水・大気環境局長高橋康夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉野委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。根本匠君。

根本(匠)委員 自由民主党の根本匠です。

 質問に入る前に、一言申し上げたいと思います。

 先ほど大臣から謝罪がありました。あの東日本大震災から六年が過ぎました。この間、復興が大きく加速しましたが、福島の再生は息の長い取り組みが必要です。東日本大震災からの復興は待ったなし。とりわけ、今般の避難指示の解除も受け、福島の原発事故からの復興再生はより一層本格化いたします。

 政府は、これまでも責任を持って東日本大震災の復興に取り組んできました。私も、復興大臣として、また、自民党復興加速化本部長代理として、魂を込めて全力を尽くしてまいりました。特に被災地出身の議員として、被災者の心に寄り添うことが何よりも大切であるということを強く感じてまいりました。

 復興大臣におかれては、いま一度気を引き締めていただき、復興の司令塔として、被災者に寄り添い、東北の復興を全力で進めていっていただきたいと強く思います。

 質問に移ります。

 復興は、政府・与党一体、安倍内閣は、復興加速を最重要課題に、復興大臣を司令塔として閣僚は全て復興大臣、内閣を挙げて取り組んでいます。自民党も、復興加速化本部を司令塔に、政府・与党一体となって取り組んでまいりました。

 今回の法改正は、自民党、与党の六次提言を受けて、提言のうち法改正が必要な措置を立法化したものであります。自民党の六次提言を取りまとめた立場から、質問というよりも、法改正の意義、趣旨、内容を法案の審議を通じて明らかにしていきたいと思います。

 なお、私は久しぶりの質問であります。きょうの日経にも質問通告の話が出ていました。私は、質問は、国会の二日前ルールに従って、二日前に通告をいたしました。私は、かつて委員会の前日の夜十二時に百問出されたことがある。関係省庁の皆さんは夜中へとへとですよ。今、働き方改革の観点から、二日前に通告をいたしました。これは余談であります。

 帰還困難区域の復興拠点についてお話をしたいと思います。

 避難指示区域については、帰還困難区域を除き、三月三十一日に浪江、飯舘、川俣、四月一日に富岡が避難指示を解除いたしました。

 避難指示区域の八万一千人のうち、今回の解除で、既に解除とされた区域と合わせると五万七千人、規制が解除されたので、帰りたいと思う人はふるさとに帰れる。相双地域の復興に弾みがつく。本格復興へ新たなスタートだと思います。

 帰還困難区域についても、その復興再生に早期に取り組む必要があります。帰還困難区域について、復興拠点を整備し、新たなまちづくりを支援することにいたしました。復興拠点、法律上は、特定復興再生拠点となりますが、その意義、手法、今後の整備方針についてお尋ねをいたします。

今村国務大臣 お答えいたします。

 昨年八月の第六次与党提言も踏まえ、本法案では、可能なところから着実かつ段階的に帰還困難区域の復興再生に取り組むものとして、まずは特定復興再生拠点区域を定めて、復興再生の足がかりを築いていこうと考えております。

 具体的には、改正法の成立の後、帰還困難区域を有する市町村のお考えをよくお聞きしながら、新たな制度のもとで特定復興再生拠点となる区域を設定し、特定復興再生拠点区域復興再生計画に基づいて除染、解体事業についてもインフラ整備等と一体的に実施し、生活環境や働く場を整え、おおむね五年を目途に避難指示を解除し、特定復興再生拠点への住民の帰還や事業者の立地を促進してまいります。

根本(匠)委員 復興拠点の整備は、私は新しい東北という発想も必要だと思います。単にもとに戻すのではなくて、新しい魅力ある町をつくる。地域によって状況はさまざまですが、例えば、現在整備中の大熊町の大川原地区、これは白地に絵を描く、私は新たな未来都市になると思います。

 コンパクトシティーの視点も必要だと思います。過疎化、少子高齢化、人口減少、これからの地方の抱える課題、このまちづくりにもコンパクトシティーの発想が必要だと思います。とにかく国、県、市町村が一体となって、知恵を出し合いながら魅力的な地域づくりを進めていきたい。我々も推進したいと思います。

 帰還困難区域は、当初は帰還できないことを前提に、全損賠償、これに加えてふるさと喪失慰謝料が払われました。時間の経過とともに放射線量も下がって、帰還可能な地域がふえています。たとえ長い年月を要するとしても、将来的には全ての避難指示を解除するという決意のもとで復興に責任を持って取り組んでいきたいと思います。

 その意味で、帰還困難区域についても、将来帰還区域とするんだというつもりで取り組んでいただきたいと思います。その上で、まずは復興拠点から着実に整備していくというのがこの法案の狙いだと思います。

 次に、官民合同チームの体制強化についてお伺いをいたします。

 避難指示区域の復興再生に当たって、インフラ、医療、介護等の生活環境、ハード面の整備に加えて、営業再開などのソフト面の取り組みが必要であります。官民合同チームを創設しました。被災十二市町村の八千事業者を対象に、官民合同チームは、四千六百を超える商工事業者に対して個別訪問支援を実施しました。販路開拓の支援やニーズを受け、新しい予算や施策にもこれをフィードバックいたしました。営農再開に向けても、地域農業の将来づくりへの取り組みの支援、そして、新たに農業者にも個別訪問支援を始めています。

 さまざまな要望を受けて予算、制度面で対応したのが、一つは事業再開補助金の創設です。これは、グループ補助金のグループ化の要件を撤廃しました。

 そして、農業施策においても、農水省の従来の施策はリース事業まででしたが、これを個別農業者への新たな補助金、これも創設しました。

 官民合同チームは、産業の再生、とりわけ、なりわいの再生に大きな力になる。今回、官民合同チームを法律に位置づけ、体制を強化することにいたしました。そのポイントと、今後どう運用していくのか、これをお尋ねいたします。

高木副大臣 委員御指摘のとおり、官民合同チームは、一昨年の平成二十七年八月の創設以来、これまでに四千六百を超える被災事業者を個別に訪問し、事業、なりわいの再建に向けて、販路開拓、そういったさまざまな支援を実施してまいりました。

 今後は、福島県の被災十二市町村の復興再生のために、営農再開、また十二市町村外の事業者の呼び込みといった課題にも取り組んでいくことが重要であると考えています。

 こうした課題に持続的に対応するべく、今般の福島特措法の改正案では、チームの中核である福島相双復興推進機構に国の職員を派遣できるようにすることで、まず、国の職員の知見、人脈の継続的な活用や、チーム内における意思決定のプロセスの統合を実現することとしております。

 これによりまして、官民合同チームにおいては、国、県、民間が一体となって活動する体制を整えて、被災十二市町村の復興再生に向けて腰を据えて取り組んでまいりたいと考えております。

根本(匠)委員 今回の法改正により、官民合同チームの組織が一元化され、効率的に運営される組織体制に強化されます。

 官民合同チームは、個々の事業者、農業者に直接当たる、私は、これは画期的な取り組みだと思います。組織強化によって、事業者、農業者に対するコンサルティングや販路開拓の支援が拡充され、なりわいの再生に弾みがつくことを期待しています。腰を据えてぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 次に、産業の再生の観点からお尋ねをいたします。

 官民合同チームの取り組みは、地域のなりわいの再生に大きな力になります。一方で、戦略的に域外の企業を誘致して、地元企業の活力も引き出しながら新たな産業の集積、再生を図る、これも私は重要だと思います。その象徴がイノベーション・コースト構想であります。

 イノベーション・コースト構想は、振り返りますと、平成二十六年六月に取りまとめたものであります。当初は、あくまで現地対策本部の構想にすぎなかった。実は、そのときの骨太方針を策定するとき、私が佐藤雄平知事から骨太方針に書いてもらいたいと強い要請を受けました。しかし、これは閣議決定文書ですから、実は、本文には、イノベーション・コースト構想を地域経済の将来ビジョンとして抽象的に表現して、ここで読めるという話もいたしましたが、最後は、脚注の中にイノベーション・コースト構想というのを注書きで位置づけました。

 今、廃炉、ロボットなど具体的プロジェクトが進みつつあります。イノベーション・コースト構想を推進するために、今回、法律上明記をいたしました。そして、具体的支援措置も法定化した。これを今後どのように展開していくのか、その方針についてお伺いしたいと思います。

高木副大臣 今委員がイノベーション・コースト構想についてお話をされましたけれども、まさに当初は、現地対策本部の提案というような形で、私の前の現地対策本部長の赤羽議員が中心となってやってまいりました。それがようやくこの法律に書き込まれるまでになった。その間、今委員御指摘のように、与党の方で、骨太の方針に対してしっかりと組み込む、そういう政府・与党一体となった動きの中でこの構想ができてまいりました。

 一方で、これまで、被災してから六年間、除染をし、インフラ復旧をし、先ほど御指摘の官民合同チームのようななりわいは事業者の再開ということでやってまいりましたけれども、それはあくまでもマイナスからゼロまでの問題でありました。やはり、この被災した浜通り地域が、ゼロではなくてプラスにしていくという観点から、この新たなイノベーション・コースト構想というのが展開されていると考えております。

 その上で、新たな産業の柱を創出するこのイノベーション・コースト構想について、廃炉研究またロボット開発、実証を中心とする重点分野の拠点整備や研究開発などの各種プロジェクトの実現に向けて、今、着実に取り組んでおるところであります。

 今後は、拠点を核とした産業集積の実現や周辺環境の整備、地元企業と域外企業との連携によるビジネスの創出など、多岐にわたる政策課題を解決していくことが必要であると考えています。このため、この構想を福島特措法に位置づけて、国有施設の低廉使用や中小企業の特許取得にかかわる経費低減によりロボットなどの研究開発を促進するとともに、関係閣僚級による会議体を創設するなど、関係省庁が主体的に参画し、構想の具体化に協力して取り組む枠組みの構築を行うこととしております。

 経産省としても、この新たな枠組みのもと、復興庁を初めとする関係省庁と緊密に連携しつつ、この福島イノベーション・コースト構想を強力に推進し、浜通り地域に新たな産業基盤の構築を進めてまいりたいと考えております。

根本(匠)委員 私は、今回の法案、そして今、高木副大臣のおっしゃられた話を聞いて、二点申し上げたいと思います。

 一つは、法案の中で、研究開発に取り組む企業のニーズを酌み取って、特許料の減免あるいは国有試験研究施設の低廉使用の施策につなげました。やはり、こういう現場主義、そしてその施策のネタを掘り起こしてそして実現する、私はその姿勢が大切だと思います。さらにイノベーション・コースト構想を実現するためには、どう政府全体を動かしていくか、これが鍵ですから、関係閣僚会議も設けるということなので、実現に弾みがつくと思います。政府を挙げて取り組んでいただきたいと思います。

 そして、避難指示区域の復興再生はもとより、福島の復興のためには、将来の雇用の確保、産業の集積が必要です。浜通りイノベーション・コースト構想推進の法定化、これはずんと進んでいくと思います。そして、ロボットや廃炉技術の先端技術を福島に集積する。さらに、洋上風力発電、水素など再生可能エネルギー、医療機器産業、農業の先端技術の実証の地として、福島のこの産業集積、新たな未来を切り開いていきたいと思います。

 次に、風評対策に移ります。

 福島県の農林水産品については、検査済みで安全、安心なものが流通しています。ただ、残念ながら、震災前の価格まで戻らない、全国平均と差がある、あるいは輸入を禁止している国があるなどの風評被害がまだ残っています。

 風評対策については、私が復興大臣の平成二十五年三月に、復興大臣をトップに各省庁を束ねる風評被害対策タスクフォースを設置しました。このタスクフォースのもとで全体の各省庁の施策を束ね、そして横断的に取り組んで対策を推進してきました。そして、二十九年度予算では、谷さん、小泉さんとともに、福島県、農林水産省などの関係各省庁と、何が必要か徹底的に議論をしました。そして、福島県の農林水産業の再生に向けて、新たな施策として、生産から流通、販売に至るまでの風評の払拭を総合的に講じる四十七億円の予算を新たに措置いたしました。

 一方で、福島の農産物は、米を含め、買いたたきに遭っているんだ、こういう話もよく聞きます。それなら、買いたたき防止を含め、農林水産省が中心となって国がこの実態調査をやるべきだとなって、法律に位置づけたものであります。福島県産農林水産物などの風評被害の払拭に向け、どう運用するか、これが非常に重要であります。

 今後、どのような体制で、具体的にどういう運用をしていくのか、お尋ねをいたします。

矢倉大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおりでありまして、私も風評については個々の農家の方や専門家の方と協議を重ねてまいりましたが、そこで感じたことは、風評とは、安全性に対しての情報が伝わっていないことであるとともに、特に流通や販売面において、風評の実態としては、福島産であることのみをもって著しく、時には不当に市場評価が下げられていることなのではないかというような懸念を持ったところであります。

 御指摘のとおり、販売等の実態調査が必要であることを痛感したところであり、平成二十九年度予算において、新たに福島県産農産物等流通実態調査事業、これを措置したところであります。

 体制ということでありますが、同事業を活用した委託調査を行う予定であり、そのために業者を早期に決定いたします。その上で、米や牛肉、桃、キュウリ、シイタケ、ヒラメ、コウナゴ等の幅広い品目につきまして、流通、販売の実態調査、販売等の不振の要因分析、積極的な販売等の優良事例の把握、こちらを行うことといたしております。

 具体的な運営につきましては、福島県内のほか、首都圏、関西圏を中心といたしまして、卸売市場関係者、小売業者、外食、中食事業者を対象に、取引量、取引価格、取引相手の反応、積極的な販売等の優良事例等を調査するほか、消費者に対しまして、福島県産品の印象、購入の意向を調査する考えでございます。

 今後、このような調査結果を踏まえまして、当該商品の販売等を行う者に対しまして、必要に応じ、指導、助言等の措置を講じまして、福島県産品が従前のように実力に応じた評価をいただけるよう、積極的に努力してまいりたいと思います。

根本(匠)委員 今お話をいただきました。

 要は、大事なのは、単なる実態調査にとどまらずに、さらに要因分析をして、施策を深掘りできるように幅広に取り組む必要があると思います。

 そして、この体制も、農林水産省だけではなくて、例えば、下請いじめの調査に知見のある経済産業省などの関係省庁、そして福島県、JAなど、総合的な取り組みが必要だと思います。そして、スピード感も大切なので、できるだけ早期にどんどん動かしていただきたいと思います。

 最後に、風評対策とリスクコミュニケーションについて取り上げたいと思います。

 風評対策に必要なのは、農林水産品の安全をアピールするとともにリスクコミュニケーションをどう効果的に展開するかであります。リスクコミュニケーションについては、一つは、正確な情報を発信し、理解してもらうこと。

 私が復興大臣に就任したときには、わかりやすく説明する資料がない、こんな分厚い資料はありましたけれどもね。これではリスコミの資料にならない、すぐにつくろうと取りかかって、復興庁被災者支援チームを中心に、専門家の意見を聞き、関係省庁と連絡をして、二十六年二月に放射線リスクに関する基礎的情報を作成しました。これはもう二十六年二月に作成してあるんですよ。これを読めばほとんどわかる。これをぜひ活用してもらいたいと思います。

 復興特の先生方は専門家だから、こういうものをつくって、これをベースにどんどんリスコミを展開してもらいたい。ただ、これも少し難し過ぎるので、もうちょっとわかりやすくと私は思います。

 もう一つは、具体的なリスコミの手法。座談会形式、これが非常に効果的なんですね。それを含めて工夫をして今取り組んでもらっています。震災後六年、改めてリスクコミュニケーションに焦点を当て、新たに取り組む必要があると私は思います。今までの取り組みを点検して、復興・創生期にふさわしいリスコミをやってもらいたいと思っています。

 幾つか申し上げたいと思いますが、この震災後六年でさまざまな実態が明らかになって、知見も集積されている。この分野の実態調査あるいは研究、これは非常に進みました。

 幾つか例を挙げますが、例えば、山林の放射性物質の動向、これは、セシウム137は、地中、ほとんど下に落ちて、そしてセシウム137は土と固着しますから、地表下五センチで土に固着している。風が吹いても、その意味では影響はない、あるいは、土に固着しているから川に流れることもない、これも専門家の報告書が出ています。

 放射線の健康影響も、高村昇先生、中川恵一先生、坪倉正治先生、専門家としてリスコミも実践的に取り組んでいただいている、ここでも現場の現状の知見も集積していただいている。

 国連科学委員会、UNSCEAR、これは国連の最大の専門機関ですが、これも毎年報告書を出している。例えば、福島県ではチェルノブイリ原発事故のように多数の放射線誘発性甲状腺がんの発症を考慮に入れる必要はない、これは専門機関が述べています。

 そして、除染の実施区域の設定における基準となる〇・二三マイクロシーベルト、これの考え方は、空間線量を毎時〇・二三マイクロシーベルトに下げれば、年間の外部被曝線量を一ミリシーベルト以下に抑えることができるとされています。ただ、これも実際のガラスバッジではかったデータとかなり乖離があるということが、宮崎真先生、早野龍五先生のデータに基づく最近の論文、これは対外的にも発信されたと聞いています。

 国が示している、要は、空間線量から推定される個人線量というのを、原発事故後は、屋内、屋外、八時間、十六時間という、屋内は遮蔽効果がありますから、その係数を用いて個人線量を空間線量から推定した。この数値に比べると、実際に測定した個人線量は四分の一だ、こういう結果が得られている、こういう話がこの六年間で本当に進みました。集積もされた、研究者もたくさんいる。

 私は、これまで明らかになった知見を集積しながら、政府において、福島県あるいは専門家、国際機関とも連携しながら、とにかく復興・創生期に入ったわけですから、改めてリスコミを、省庁挙げて取り組んで強化してもらいたいと思いますが、その点についてお伺いをいたします。

今村国務大臣 お答えする前に、時間の都合で言えなかったことでありますが、根本委員におかれましては、発災直後の大変な時期に、一日も早い復旧復興を目指して大変な御尽力を賜ったわけであります。今後もぜひその経験、そして知見を生かして我々を指導していってもらいたいと思いますし、また私たちも、気を引き締めて、一日も早い福島の復興再生ということに向けて頑張っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 その上で、ただいまの質問でありますが、いわゆる放射線に関するリスクコミュニケーションにつきましては、復興庁と環境省が中心となって平成二十六年二月に取りまとめた帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージに基づき、関係省庁が連携して施策を実施しております。また、各施策の実施状況等を確認するために、関係省庁によるフォローアップ会合も開催してきたところであります。

 震災後六年が経過いたしましたが、しかしながら、教育現場を含め、社会全般に放射線についての誤った理解がいまだ存在し、リスクコミュニケーションの手法等についてさらなる工夫が必要であると考えております。委員の御指摘のとおりであります。

 復興庁としては、引き続き政府における司令塔としての役割を果たし、関係省庁との密接な連携のもと、このリスクコミュニケーションについてもしっかりと取り組んで推進してまいりたいと思います。

 そして、先ほども御指摘ありましたが、今後はさらに一般向けのわかりやすい資料を作成することとし、また今作成中でありますが、官民挙げて、放射線に関する正しい理解の促進と情報発信の強化ということに努めてまいりたいと思います。

根本(匠)委員 正確な情報を発信し、理解を求める、これは非常に大事で、ただ、要は、今までの施策のフォローアップということだけではなくて、今、関係省庁、一生懸命やっていただいていますが、もう少し一段とギアを上げて、そして、これが本当に大事な分野ですから、とにかく国際機関とも連携しながら、そして専門家もたくさんいる、我々のときは、一人一人専門家に当たってこれをつくったんですよ、一人一人専門家に行ってきてくれと。そして、これを最終的に専門家にもチェックしてもらった。

 その意味で、この復興・創生期間に新たな体制でこれをやってもらう、そしてリスクコミュニケーションのやり方も工夫してもらう。これは、私は、今までの状況を踏まえながら、一段と体制を強化して臨んでもらいたいと思いますし、私も評論家ではありません、自民党の復興加速化本部でもこれについてはしっかり取り組んでいきたいと思います。

 ありがとうございました。

吉野委員長 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 まず、今村復興大臣におかれましては、連日、福島復興の陣頭指揮に立っていただいております。大変お疲れさまでございます。

 きょうは、福島復興再生特別措置法、待望の法案についての審議でございますが、それに入ります前に、委員会冒頭、大臣からも謝罪がございましたが、先日の記者会見について、私自身が原子力災害現地対策本部長として一年九カ月間務めていたことをもとに、ちょっと思うことを一、二点確認したいと思います。

 私は、平成二十三年三・一一の東日本大震災、また東京電力福島第一原発の事故発災のときには、残念ながら浪人をしておりました。私は在野におりましたが、二十二年前の阪神・淡路大震災で私自身も住む家を失った経験をし、以来一貫して、防災政策こそ我が政治家としての使命だという思いで闘ってきた。そういう私にとりましては、単身、現地に何回か、福島また東北地方にも乗り込みましたが、当時、未曽有の大津波、また原子力災害という未曽有の災害であったにせよ、余りの混乱と余りの復旧復興の遅さに大変悔しい思いをしていたことを、記憶を鮮明にしております。

 そして、二十四年の十二月の選挙で復活をさせていただきまして、十二月二十七日、安倍総理から、経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長の任命を受けたわけでございます。

 私は、阪神・淡路大震災のときに、みずから被災者という立場で、当時の村山政権と被災地の余りの温度差に本当に悔しい思いをしました。やはり現場に行かなければ何もわからないという思いで、十二月二十七日、任命と同時に、一日も早く福島の現地に入らなければいけないという思いがございました。しかし、残念ながら、事務方も、年末年始だと迷惑がかかるというような話があって、なかなか日程が組めませんでしたが、あえて一月二日から、飯舘村と、また南相馬の市役所に足を運び、一月十七日の阪神・淡路大震災のその日まで、被災十二自治体は全て訪問させていただきました。

 以降、一年九カ月間、原子力災害現地対策本部長を一人で務めたわけでございますが、できるだけ足しげく現地に入って仕事をしようということを心がけてやってまいりました。

 私にとりましては、原子力災害現地対策本部長というのは、被災地また被災者のために仕事をする、そのためだということで意気込んで現地に入ったわけでございますが、被災地での反応はかなり冷たいものであって、どうせまたこれまでどおり一カ月か二カ月でかわるんだろう、またすぐ東京に戻ってしまうんだろうと、大変冷ややかなものでありましたし、冷ややか以上に、いろいろなことが、さも敵対関係であるかのように、頭ごなしに、けんか腰に、いろいろな物言いをされました。

 本当に、びっくりすると同時に戸惑いの連続であり、また、時には腹も立ちましたけれども、ある日気づいたことは、福島県民の皆さんというのは一〇〇%被害者であって、我々は加害者なんだ、やはり敵対関係そのものなんだということでございまして、以来、任期の一年九カ月間においては、私自身の思いの中で言いたいことがあったとしても、被災者の皆さんに対しては絶対それは抑えなければいけないということを肝に銘じて仕事をしてまいりました。

 そうしたことで、本当に足しげく通うことで、はっきり申し上げて前政権下で失ってしまった信頼のきずなを築くことから始めなければ何も福島の復興というものは成り立たないということで、私自身は仕事をしてきたつもりでございます。

 その点、復興大臣は私以上に使命と責任が大きいものだと思いますが、このことは共通のことだと思いますので、どうか決して忘れることなく、与えられた使命と責任を全うしていただきたいというのが第一点でございます。

 他方、やはり現場におりますと、被災者の皆さんとのリスクコミュニケーションの難しさということが、本当に仕事が大変だったということでございます。

 例えば、政府として、当時、避難指示解除の要件というのを三つ決めて、そのうちの放射線の線量は二十ミリシーベルトと決めたんですね。ところが、決めた当人から、被災地とのいろいろなやりとりがあったんだと思いますが、一ミリシーベルトを目指すということになって、以後、私たちが引き継いだときには、一ミリシーベルトにならないと安全は保たれないということが大変強く被災者の皆さんの中に浸透された。このことが結果として復旧復興のおくれの最大の要因の一つになったと私は思っております。

 私自身、科学的根拠において、百ミリシーベルト以下であれば医学的な発生の原因とはならないという、これは医学界の常識と思われる発言をした瞬間に、2ちゃんねるで相当たたかれたような経験もいたしました。しかし、こうした科学的根拠を無視したような、風評をあおるようなマスコミ報道があったことも事実でありまして、そのときには、当時の事務方に対して、事実と異なることは事実を報道していただくように徹底的に議論するべきだ、それをしなければ、ふるさとに帰りたいと思っている被災者にとってもマイナスであるし、既にふるさとに帰られている方々にとりましても安心した暮らし、日々を送ることができないんだ、これは大事な取り組みだということも強調しました。

 しかしながら、今回の記者会見のやりとりで、恐らく自主避難者に対するテーマがあったと思います。これはいろいろな見方があるわけでありますが、六年たって今なお、避難指示区域でない地域のところ、福島市とか郡山市から、放射能を心配されて県外に自主避難されている方も少なからずいらっしゃるのも、これも現実でございます。こうした方々に対して、国としては安全な環境は整備したのだから、戻るか戻らないかは本人次第だ、こういうような発言は、まさに私は正論だと思いますけれども、その正論がそういう方たちに通るかどうかというのは、また別の話であると。

 特に、自主避難者の方の多くは、小さな子供さんの将来を心配されて自主避難をされている若いお母さんたちが多いというふうに承知をしておりますので、そうした人たちの心配というのももっともなことで、私は、いま一度、そうした方たちに対して国が責任を持って丁寧にリスクコミュニケーションをして、事実はこうなんですよ、ああなんですよということを、信頼のきずなを構築しなければ、なかなかこの問題は解決しない。大変根本的な問題だと思います。

 そうした点で、連日、大変難しい仕事で、いろいろなやりとりがあると思いますけれども、どうか、忍耐心をと言うと、私は、僣越ですけれども、忍耐心を持って、思いを寄せて、ぜひ自主避難者の問題というのも、これも非常に難しいと思いますが、できることに限りがあることは承知をしておりますけれども、丁寧に取り組むべきだというふうに思いますが、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

今村国務大臣 赤羽委員には、みずからの体験に基づいた貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。

 私自身も、福島が本当に大変な状況なんだということ、これは認識しておりますし、もう一日も早くふるさとに帰り、そしてまた、ふるさとを取り戻していただきたいという気持ちが非常に強い者であります。

 そういう中で、ついついそういうことで、余りにも意気込み過ぎた嫌いもありますし、また、先般の記者会見の中で、いろいろなやりとりの中でああいう発言になってしまったことについては、大変私自身も反省をしているところであります。

 今委員が言われたように、本当に、自主避難をされている方々の心にもしっかり立ち入って、そして寄り添いながら、丁寧な対応を、国として、そしてまた福島県と一緒になってやっていきたいというふうに思っておりますので、今後ともよろしく御指導のほど、お願いいたします。

赤羽委員 私も、一年九カ月間、現地対策本部長をやらせていただきました。最初は、そういった、けんか腰でありましたし、一ミリシーベルトじゃなきゃだめだといった被災者の皆さんとも、やはり、真面目に足を運んで、できることは精いっぱいやらせていただくということの積み重ねで、最終的には、今、一ミリシーベルトじゃなければ帰らないというようなことを言っている方も少なくなった。現実にはもうこの辺で大丈夫だろうということを気づくことができたと思いますし、なかなか、一〇〇%の、満点の回答というのは出しにくいことばかりだと思いますが、やはり誠意を持って、今村復興大臣にここまでやってもらっているんだからよしとしよう、頑張ろうということが大事だと思いますので、言わずもがなでございますけれども、よろしくお願いしたい、こう思っております。

 それでは、法案の内容に入りたいと思いますが、まずは避難指示解除でございます。これは、平成二十三年三月十一日に発生以来、実は三年かかりまして、平成二十六年の四月一日から、田村市の都路地区で初めて避難指示解除が実現をいたしました。私、その責任者でやらせてもらいました。

 大変な作業でございまして、これも、率直に言って、避難している期間の長さと精神的な賠償額がリンクしているといった当時定めた方式というのは、大変、やはりうまくなかったのではないかと私は思います。

 いろいろな思いがあって、本来であれば、自分のふるさとには一日も早く帰りたいというのが自然災害地域のほとんどの通例なんですけれども、今回の原子力災害のこの地域だけはそうしたことではない、違った現象が起きまして大変苦慮したわけでございますが、関係者の皆さん、また被災者の皆さんの御理解もいただいて、三年目に田村市の都路地区が避難指示解除が実現でき、そしてこの四月一日に帰還困難区域以外の避難指示地域の全ての解除が実現したというのは、私はまさに、これからが本格的な福島の復興の大変大きな第一歩だ、こう思っております。

 ただ、この避難指示解除の住民集会なんかをやっておりますと、避難指示を解除したら国は復興の手を引くんではないかということを大変心配されているのも、被災自治体の皆さん、被災地の皆さんの率直な思いです。そういうわけではないということを繰り返し言ってきましたし、政府もさまざまな復興支援策を打っていただいているわけでありますけれども、今大変大きな節目でありますので、帰還困難区域外の全ての地域に避難指示解除が実現をしたという、この機をもう一度捉えて、ぜひ復興大臣から、この避難指示解除こそ、これから本格的福島復興の第一歩なんだと、これから国は、さらに本格的な復興に、政府を挙げて全力を挙げるということをいま一度宣言していただきたいと思いますが、大臣の御決意をいただきたいと思います。

今村国務大臣 ただいま御指摘のとおり、まさに今回避難解除ということになったわけでございます。この辺については、いろいろな地域の事情等々も勘案しながら、一日も早く皆さんに帰っていただく環境を整備しようということでやったわけであります。

 そういう意味では、避難指示を解除したからといってこれで終わりではないわけでありまして、これからだというふうに思っております。今まさにスタートと言われますが、ゼロからのスタートという言葉もありますが、私はむしろ、もうマイナスからのスタートだというぐらいに思っております。一歩ずつ着実にステップを踏んで、これからの復興に全力を挙げていかなければいけない。そして、そのために、引き続きいろいろな、教育や医療やあるいは商業施設等々の生活環境整備、そしてまた、そこで仕事ができるように、産業、なりわいの再生等について、しっかりと取り組んでいきます。

 改めてでありますが、避難指示解除後も、政府一丸となって被災地の復興再生に全力で取り組んでまいります。

赤羽委員 また、避難指示、もう六年もたちましたので、この間、避難先で家を買われた方も少なくないと思います。人それぞれ状況がいろいろあると思いますが、ぜひ丁寧に対応していただいて、家は買ってもふるさとには戻りたいという方も少なからずいらっしゃると思いますので、ぜひ本格的な復興を始めていただきたい、こう強くお願いをいたします。

 次に、帰還困難区域についてでございます。

 今回、ようやく特定復興再生拠点区域ということで、申請を認めるということが法定化されたということは、私、大変これも画期的なことだと思いますが、三つの要件が付されております。ただ、私、この三つの要件、財務省がこの要件を入れないと法律を認めなかったのではないかと邪推をしておりますけれども、この帰還困難区域の状況というのは十二市町村でそれぞれなんですね。双葉町とか大熊町のように町の大宗を帰還困難区域が占める地域ですとか、また複数の集落が合併してできた浪江町なんというのは、どこか一つに復興拠点を集約するなんということは現実には無理だと。また、飯舘村とか葛尾村みたいに、帰還困難区域がそもそも町の外れにあって、村の外れにあって、そこに拠点化しなければいけないとなると、何か無駄な復興になってしまうというようなさまざまな状況がありますので、こうしたことは勘案していただいて、三つの要件は要件としても、これは帰っていただくことが目的なんであって、帰さないことが目的ではないわけでして、このことをぜひ、帰還困難区域復興の第一歩だと思いますので、この点は地元の意向を最大限に最優先していただいて柔軟に運営をするべきだと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。

今村国務大臣 特定復興再生拠点区域につきまして、ただいま申されたように、三つの要件ということを基本にやっていくわけでありますが、私自身も、先ほど申しましたように、帰還を希望される方々に、可能な限りふるさとに帰っていただきたいというふうに考えております。

 そしてまた、御指摘のとおり、帰還困難区域を有する市町村の状況は本当にさまざまであるというふうに今認識をしております。そういう意味で、特定復興再生拠点区域の具体的な場所や規模等については、どういうふうな拠点づくりをすれば着実かつ効率的に整備が進み、住民の帰還や事業所の立地が進むのかという観点を含め、法令にのっとった上で、地元のお考えをよくよくお聞きしながら、柔軟に調整して当初の目的をしっかり着実に果たせるようにしていきたいというふうに思っております。

赤羽委員 この帰還困難区域については、先ほど根本さんの質問にもありましたが、自民党と公明党の与党で第六次提言の中に明確に述べております。これは、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むべきだということを提言し、その第一歩として、今回、こういった特定地域の制度がなされたものと承知をしています。

 これに対して、私、別にいろいろな議論をするつもりはありませんが、民進党の一昨日の本会議の代表質問では、立場が違うんだな、考え方が違うんだなというふうな御発言がございました。

 帰還困難区域の全てを復興再生することができるのでしょうか、耳ざわりのいいことだけを言って実現できなければ、福島の皆さんをもう一度裏切ることになってしまいます、そのことを懸念します、特定復興拠点を整備するだけでも相当の困難が予想される中で、それ以外の地域については、避難を解除するめどは全く立っていないのが現実です、六年が経過し、被災者の皆さんと国民に対して帰還困難区域の将来像を示す責任は政府にあると考えますが、復興大臣、いかがでしょうかという質問がされました。

 まさに、六年が経過して、帰還困難区域の将来像を示す責任は政府にあるということは全く私も一緒でありますが、その前段では、私が信頼するというか尊敬する、かつてこの復興を担当された大臣が質問者でありましたので、正直言って我が耳を疑いました。帰還困難区域の大変さというのはよくよく承知をしておりますが、この六年間でさまざまな努力がなされてきたのも事実でございますし、双葉町、大熊町を初め、帰還困難区域の復旧復興なしには町の再生がない地域は必死の思いでやってきたわけであります。

 そうしたことに対して、政府の責任は、敗北主義的な、また第三者的なことではなくて、地元の皆さんたちが自分たちの土地を返してもらいたいということに対しては、いかなる困難があっても乗り越えるというのがまさに政府の責任ではないだろうか。それを、どういう御見解があるのかわかりませんけれども、こうした発言というのは私は全く受け入れられない、こう思っております。

 ですから、まだまだ困難な過程は続くと思いますが、線量も相当下がっておりますし、残っているのは山林が大半でありますので、こうしたことは、いろいろな知恵がつくし、またやらなければいけないと思っておりますので、詳細な工程は今結構でございますけれども、今回のこの措置は帰還困難区域の復興の第一歩だ、まだまだこれから続くんだ、それは政府が責任を持ってなすんだということを、ぜひはっきりと言明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

今村国務大臣 ただいまおっしゃったように、時間の経過とともに、いろいろな施策が進み、そしてまた線量の低下等々もあり、環境が変わってきております。そういったことを踏まえ、そしてまた何よりも、ふるさとを取り戻すんだという強い地元の皆さん方の気持ちに沿って我々もこれから取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。

 今回の復興拠点の整備は、そういったことを前提にしながら、まずは、足がかり、手がかりをつくってやっていくんだというビジョンのもとに、そして、これから、しっかりとそういったところ、外縁地区にも広げていくんだという思いでしっかりと取り組んでいく決意でございます。

赤羽委員 私たち公明党も、いかなる困難があろうとも、与党として責任ある立場でしっかりとフォローしていきたい、こうお約束をしたいと思います。

 次に、福島イノベーション・コースト構想と福島復興相双官民合同チームについて、これは、福島イノベーション・コースト構想について、私自身がつくり出した責任者として、これまでの経緯を、僣越ながらちょっと申し上げたいと思います。

 私も、一年九カ月間、この地域を回っておりまして、ある日突然、原発事故でふるさとを追われ、その将来のめどが全く立っていない、ふるさとを追われた上に、これからの希望も夢も持てない地域に、何とかしなければいけないという必死の思いでございました。

 私自身は、一番苦しまれた方々が一番幸せになる権利があるはずだ、その思いの中で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでは、世界じゅうの方々が日本を訪れる、そうした方々が瞠目するような、この浜通り地域の再生をすることが政府の責任だ、こういう思いでおりました。まさに、この地域は歴史と文化がありまして、大変すばらしい美しい自然環境があるこの浜通りの地域を再生しながら、また、新しく生まれ変わらせていかなければいけないと。

 米国のハンフォードという地区がございます。復興大臣も、国会終了後にぜひ行っていただきたいんですが、この地域は、かつてマンハッタン計画の中心拠点でございましたが、後に放射線漏れの事故を起こしまして大変な状況になりました。その中で、国立研究所を設置して除染とか廃炉を全てやり切った。

 それだけではなくて、新たにブドウ畑をつくり、ワインの製造をし、新たな産業を興して、新しいコミュニティーをつくり出して、人口も実はすごくふえているんです。アメリカの州の中で、人口増加の上から五番目ぐらいに数えられるぐらいの再生がなされた地域でございまして、私は、この米国のハンフォード地区こそ、福島の浜通りの模範となるモデルだと思って、この福島イノベーション・コースト構想というものを、このハンフォード地区の復興を例にとって練り上げたわけでございます。

 このことというのは、事故炉の廃炉という人類史上初めてのチャレンジをなし得るためには、世界一のロボットの技術開発の拠点にしなければいけないし、また同時に、原発事故で被害に苦しむ福島だからこそ、再生可能エネルギーと水素の大拠点もつくらなければいけない、また、風評被害に負けない最新鋭の近代的な農林水産業も生み出していかなければいけないという思いで構想をつくったわけでございますが、先ほどの御質問にもありましたように、最初、でき上がったときは、まさに絵に描いた餅でありまして、どこも相手にしない。経済産業副大臣がつくった私案でありながら、経済産業省も、いや、これは持ってこないでくれと。復興庁も、当時の事務次官に、明らかにこれは経済産業省が勝手にやっていることだからと、誰もまともに相手にしてくれない。

 しかし他方で、福島の皆様は本当に真剣に期待をしてくれている。ですから、あの骨太方針のやりとりも、私も深くかかわっていましたが、脚注に入れるのが精いっぱいだったんです。

 ところが、安倍総理が本会議の中で、福島イノベーション・コースト構想というものをはっきりと答弁してくれたことによって、政府も各局も重い腰を上げて、今ようやく、時間もかかりましたけれども、法定化されることになったわけです。

 残念ながら、この福島イノベーション・コースト構想なんですが、法律の中では、福島国際研究産業都市構想という、漢字になっていまして、私は、これはひどく反対したんです。誰がこんな勝手にやったんだと。こうしないと法制局は通らないと。しかし、私がつくった構想を何で勝手に変えるんだといって、説明に来いと言っても、これは来ないんですよ。

 これは、ちょっと話がずれますけれども、法律の名前をどうするかというのを、法制局が独占的に決めるなんというのは、私は、根本的に変えなければいけないし、片仮名じゃまずいなんという話は、全く通らないということを、ちょっとあえて付言しておきたいと思います。

 まず、この福島イノベーション・コースト構想は、そういった経緯があるということなんです。

 あたかも、どこか政府がこうしたことを予定していて、官民合同チームもそうなんですが、何か、今の復興庁も、経産省も、内閣府も、担当の職員もがらっと変わりましたので、でき合いのものを淡々とこなすみたいな形では私は絶対うまくいかない、魂がないとこれはやり切れないと思います、新しいことですから。

 官民合同チームだって、八千社を相手に四千六百社の訪問でヒアリングするなんということは、これは高木現本部長が現場の中で苦しんで、これしかないと思って決めたこと、それが今、ようやく国としても認める。

 福島イノベーション・コーストも、私の私案として絵に描いた餅も、いろいろな変遷があって、ようやく国として認められた。このプロセスをぜひ継承していただきたい。ここなしには、その魂なしにはできないということを、浪花節みたいな質問ですけれども、ここは私は一番大事だということを申し上げておきたいのでございます。

 具体的には一つだけあるんですが、福島イノベーション・コースト構想で今具体的になっているロボットテストフィールド、この前もドローンの実験が大変うまくいった。しかし、このロボットテストフィールドは、世界一のものを目指している以上、日本でオンリーワンでなければいけないんですね。経済団体とかいろいろな政策要望を聞くたびに、私は、ロボットの話が出ると、福島のロボットテストフィールドというのは知っていますかと言うと、まだ認知されていないんですね。

 いろいろなところでやる。ロボットオリンピックも福島でと言っていますが、一部しかできなくて、一部はやはりどこか企業のフィールドでやるみたいな話になりがちなんですが、これは、経産省なのかもしれませんが、政府全体で、政府の責任として世界一のロボットテストフィールドをつくる。

 同時に、これはロボットテストフィールドだけじゃなくて、研究開発拠点だけじゃなくて、基準の認証制度の拠点、世界的にはNISTという権威があるんですが、そのNISTに負けないようなものを福島でつくるということが、実はこれは一番の具体的なプロジェクトの肝だというふうに認識しております。

 このことについてお答えをいただきたいと思いますが、経産省でも結構ですので、よろしくお願いします。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 福島ロボットテストフィールドは、物流、インフラ点検、災害対応で活躍するロボット、ドローンの研究開発に必要な実証試験と性能評価が一カ所でできる、世界に類を見ない拠点でございます。

 今年度からは幅広い企業の参画を得まして、福島ロボットテストフィールドで、ロボットやドローンの性能試験方法、ドローンを遠隔でも管理できる運行管理システムや、障害物に対する衝突回避技術の研究開発を始めるところでございます。

 この中で、制度的な課題なども抽出し、安全が確保された新技術から遅滞なく社会に実装できるよう、関係省庁と密接に連携しつつ、必要な措置の検討を順次進めてまいります。

 また、国内外の企業への周知につきましては、昨年より海外のシンポジウムへこちらから参加いたしましたり、また、国内のシンポジウムやセミナーの開催を通じまして、国内外の有識者を招いております。福島ロボットテストフィールドの周知に努めているところでございます。

 今後は、ロボット、ドローン関連企業にとどまらない業界にも幅広く広報活動を行い、福島ロボットテストフィールドの活用を促してまいりたいというふうに思っております。

 また、先月開催いたしました研究開発成果発表シンポジウムにおきましては、委員御指摘の米国の国立標準・技術研究所からも参加いただいておりまして、よりよい制度構築に向けて今後とも連携してまいる所存でございます。

赤羽委員 ぜひNISTとも連携をしながら、よろしくお願いしたいと思います。

 時間が来ましたので、最後に風評被害についても、福島産の農産品は日本で一番厳しい安全基準をクリアした一番安全で安心な農産品であるはずです。それがなかなか通らないということは、何とかしなければいけないし、加えて、賠償が出ているからその分買いたたくなんということは、これはあってはならないことですから、消費税の転嫁の対策のときに、消費税転嫁Gメンということを経産省でつくって徹底的にやりました。これは断固とした措置を政府としてとっていただきたい、その指揮を大臣にとっていただきたいことを強く要望して、時間が参りましたので私の質問とさせていただきたいと思います。

 最後に、では一言だけ。

今村国務大臣 相双地域には常磐炭鉱がありました。暗い地の底から、本当に皆さんが汗みどろで石炭を掘り出し、戦後の復興を支えていただいたわけであります。そして、原発がありました。これによって、リスクにおびえながらも日本の高度成長を支えてくれたところでございます。そういうところが今大変なことになっているわけでありまして、これについては、我々は、しっかりとこの復旧復興、そして再生、新しい地域をつくるんだという強い思いで全力で取り組んでいかなければいけない、これは国家的な、国民的な私は義務だというふうに思っております。

 そういう意味で、赤羽委員が大変御苦労されてここまでこぎつけてきているわけでございますので、この芽をしっかり育てて、また大きくしていきたい。

 そして、風評被害についてでありますが、私も農林関係でいろいろやっておりまして、大変今の状況については遺憾に思っております。これについてもしっかりと取り組んでまいります。

赤羽委員 終わります。ありがとうございました。

吉野委員長 次に、郡和子さん。

郡委員 民進党の郡和子です。

 冒頭、大臣から、冷静さを欠いたことを反省されて、そして、職責を全うするというふうに御発言がありました。私には謝罪というふうには受けとめることのできない発言だったと思いますし、それをもって法案の審議には到底入れない。

 問題の発言が出たのは、本会議でまさに福島特措法改正案についての審議が始まろうとしていた、そしてまた、この委員会もそうですけれども、与野党の理事で合意をして、あの厳しい原発事故からの福島の復旧復興についてさらに進めていくんだという強い気持ちでそれぞれの委員も質問の準備を始めていたわけであります。そのタイミングで、あの発言であります。

 被災者の皆さんに寄り添って、豊かで美しかった福島を取り戻していただくためにどんなふうに取り組んでいくのか、それを議論するというときに、よりによって、福島県民の方々、被災者の方々を侮辱されたというふうに思います。この御発言、一連の流れについて、大変驚きましたし、悔しくて、恥ずかしくて、許せない気持ちでありました。

 幾つか確認をさせていただきたいというふうに思っています。

 あの問題の記者会見ですけれども、復興庁の垂れ幕のようなものの前で行う定例の記者会見での出来事だったわけですけれども、同席していた復興庁の職員はいたのか、何人同席していたのか。

今村国務大臣 同席をしておりました。人数は定かではありませんが、五、六人はいたと思います。

郡委員 大臣は激高して退席されたわけですけれども、その復興庁の職員も一緒に退席したんでしょうか。その職員は何も言わなかったんでしょうか。

今村国務大臣 これは、退席したことについては、いろいろなやりとりがあって、時間の関係もあって、これでやめますということで、出た次第でございます。

 以上です。

郡委員 ですから、そのときに、ああいう会見の終わり方をしたことについて、復興庁の職員は何か大臣におっしゃったか、何か言ったか。そしてまた、その後、あの会場をどういうふうにおさめたのか、聞かせてください。

今村国務大臣 その後のことについては、私も特に聞いておりません。

郡委員 大臣は職員からの進言などお嫌いなんだろうと思います。だから、誰も大臣に何も言わなくなっちゃうんです。

 大臣という立場は、職員の話にも耳を傾けて、復興庁の中でも一番の被災者への奉仕者であるべきだと私は思っています。でも、その姿勢はみじんも感じられませんでした。

 四日の会見ですけれども、定例の会見の中でもとりわけ大事な会見だったというふうに私は捉えています。つまりは、原発事故に伴う福島県内の避難指示が浪江町など四町村で困難区域を除いて解除されて初めての会見だったわけです。そして、自主避難者への住宅への支援が三月で打ち切られた、そのタイミングでの会見でありました。

 被災者に寄り添う姿勢というのがとても大切であるというふうに思うわけですけれども、大臣はこの大事な会見で被災者を冷たく突き放す発言に終始しました。そう思われませんか。

今村国務大臣 冒頭、意見を聞かないという話がありましたが、決してそんなことはありません。私は、よく皆さん方からしっかりと意見を言ってもらい、またそれを取り入れているつもりでございます。

 その上で、今の記者会見のお話でありますが、これについては、特に自主避難者の方についての対応についてどうするんだということを再三言われて、また、それについて丁寧に答えてきたつもりでございます。

 そういうことがありまして、私も、最終的には、帰られないという方についてはどうするんですかというような、いろいろ話もあった中で、いろいろなやりとりをして、もう時間が来たのでやめたということであります。

郡委員 きのうも復興庁の前で多くの方々が抗議の声を上げたようです。大臣は、その声が届きましたでしょうか。大臣はお聞きになりましたでしょうか。

今村国務大臣 聞こえてきました。

郡委員 どのように思われましたか。

今村国務大臣 大変私自身反省しなきゃいけないというふうに思ったところであります。

郡委員 帰りたくても帰れない、一人一人の事情を大臣は本当に御存じなんでしょうか。

 避難者の方々、ふるさとを離れて、今も全国に散らばっておられます。大臣の御地元の佐賀県にもいらっしゃいます。御存じですよね。佐賀県でその避難者の方々とお会いになって、お話をお聞きになったことはありますか。

今村国務大臣 いろいろな事情でまだお帰りになっていないということは、私も伺っております。

 佐賀県の方については、お会いしたことはありません。

郡委員 お会いになったことがない。

 私たちは、原発事故の被災者が、みずからの意思による居住、お住まい、どうするか、それから、移動、そこにとどまるのか、あるいは出ていくのかどうかも含めて、また、帰還の選択、これらをその方々にお任せして、権利として委ねて、それを支援するという立法を行ったわけです。子ども・被災者支援法です。そのことさえ、あの四日の会見のときに思い出すこともなかった。私は、大臣は復興のトップの資格はないというふうに思います。

 大臣、おわかりになるでしょうか。避難指示を解除された後も避難をし続ければ、その人たちも自主避難者というくくりに入ってくるわけです。帰還をしない、したくてもできないという人たちがどれほどいるのか、そしてどういうお気持ちなのか、私はわかっているというふうにはとても思えませんでした。

 やりとりの中で、記者が聞きます、では、帰れない人はどうするんでしょう。大臣は答えます、それは本人の責任でしょう、本人の判断でしょう。記者が聞きます、自己責任ですか。大臣が答えます、それは基本そうだと思いますよ。国はそういう姿勢なんですね、責任をとらないとと記者が聞きます。大臣はこう答えました、そういう線引きをして、ルールにのっとって今まで進んできた、その経緯はわかってもらわないと、さっきあなたが言ったように、裁判だ何だ、そこはやればいい。

 この発言は今でも正しいと思っていらっしゃいますか。

今村国務大臣 このことについては、それぞれの御家庭といいますか、自主避難者の方の事情等々があるわけであります。仕事の関係あるいは子供の通学、そういったものがあるわけでありまして、今後、そういったものを勘案しながら、どうするか。避難する、環境がこうやって整いつつある中で、それは皆様がまさに判断をされることではないですかということを淡々と言ったつもりでございます。

郡委員 よくわからないです。

 私は、大臣の、本人の責任だと言い放った、そして、裁判をやればいいじゃないかと言った、それは今も同じ気持ちですかと聞いたんです。

今村国務大臣 この件につきましては、私も、冒頭申しましたように、自己責任ということについての言葉の使い方がよくなかったなというふうに思っております。みずからのそういったいろいろな状況を勘案しながら自己判断でやられるということなんじゃないでしょうかと言ったつもりであります。

 そして、今裁判の話が出ましたが、こういったことについては、いろいろな、やはり、物事がうまく折り合いがつかないときには、一般論として、最終的には司法の判断に委ねるということもあるわけであって、現に先般、前橋の地裁でもあったような、そういったこともやられている例もあるわけでございますので、そういったことを念頭に置いて淡々と言ったということであります。

郡委員 淡々と。

 裁判をやればいいじゃないか、これは政府の統一見解ですか。

今村国務大臣 今言いましたように、やればいいじゃないかということじゃなくて、最終的にはそういったことでも今取り組んでおられる例がありますよということを念頭に置いて言ったつもりでございまして、これは政府の見解ではありません。私がそういうふうに言ったわけであります。

郡委員 ですから、この発言をもって多くの皆さんたちが大変傷つきました。そのことに対する謝罪も撤回もありません。どうなんですか。

今村国務大臣 ですから、冒頭でも申しましたとおり、そして先ほども申しましたように、こういった自己責任という言葉の使い方がよくなかったということでの反省はしっかりしているつもりであります。

郡委員 この委員会で幾ら反省をされても、きょうはインターネットの中継でごらんになっていらっしゃる被災者の方々がおられるかもしれないけれども、被災者の方々、きのうも復興庁の前に多く押し寄せましたけれども、全国に散らばっているそういう被災者の方々。

 私も、地元に自主避難の方々がおられます。電話で話を聞かせていただきましたけれども、本当に、誰の責任だったんだ、あの原発事故がなければ私たちはこういうふうにはなっていなかったということをおっしゃっていましたし、福島の今いる方々も、大臣のこの御発言に大変落胆されています。被災者の気持ちというのをわかっていない。いつになったら、それこそもとのあの暮らしに戻れるのか。米だって、キノコだって食べることができないというふうなことを、自分でつくって食べることができないという地域でそういうふうにおっしゃっていました。

 そういう方々が、今回の大臣の御発言にとても怒っておられるんです。がっかりされているんです。そのお一人お一人に謝罪をすべきではないですか。この場で委員のみんなに反省をしているというふうに言われても、被災者の方々にわかるように、テレビでもしっかり会見を開いていただくなりなんなりして謝罪をすべきだと思います。

今村国務大臣 自己責任という言葉が非常にまずかったというふうに今思っているわけであります。

 それはどういうことかというと、皆さんは、自主避難者の方であっても、事故後の影響等を考え、そしてまた事故のために避難をしておられるということであります。それが何か、にもかかわらず、みずからの責任であるような印象を与えてしまったということで、それについては、私は大変申しわけなかったなということで、深くおわびを申し上げます。

郡委員 大臣は、今回の四日の記者会見でのあの激高発言だけじゃないんです。

 まず、十一月二十五日、大臣の記者会見の議事録の中で、予算を作成する段階だったと思うんですけれども、我々が手とり足とりやっていくというよりも、むしろ地元の方が、俺たちはこういうふうにして立ち上がってやっていくんだという気持ちをあらわしてほしいという、これはある部分でわからないでもないんですけれども、しかし、福島県知事から要望を受けられた際に、気力が足りないというようなことをおっしゃったと記者に聞かれております。それに対して、大臣がこう答えておられるんですよ。農業者の方々のお話に言及をされていて、なかなかこれは買えというふうに強制的に我々が言うわけにはいかないわけだから、これはやはり生産者の努力というのがまだまだ私は必要だと思う、こういうふうにおっしゃっているんです。

 生産者の方々が物すごい努力をして、これまで苦労して、そしてやってきているんです。しかし、それでもまだまだ、それこそ値段は買いたたかれ、厳しい状況になっている状況は、これは国としてちゃんと支援をしていくべきことですよ。それに対して、大臣はこんなに冷たく言い放っているんですよ。

 これもびっくりしますし、どうも、ずっと見ていますと、大臣は非常に感情的な言葉でいろいろなことをお話しになっておられる。

 マラソンに例えてお話しになったのは、二月の予算委員会の中で金子恵美議員も大臣に問わせていただきましたけれども、その議事録を読ませていただいても、全く意味がわかりませんでした。

 これは、福島の協議会の場で、大臣がその議長を務めておられる協議会の場で、福島の復興をマラソンに例えられて、今三十キロだというふうにおっしゃったわけですね。これを聞いて、やはりみんながびっくりされて、首をかしげられたわけです。その後の大臣は、一番頑張りどころなんだという意味だというふうにおっしゃっているけれども、これも大変誤解を招くような御発言であったと思います。(発言する者あり)ちょっと与党の委員の方々、黙っていただいていいですか。

 私は、こういうふうに大臣が、これだけじゃないんです、本当にたくさんあるんです。なぜ、こうも被災者に対して、被災地に対して鈍感な大臣なんだろう、そう思いますよ。

 大臣、答えてください。

今村国務大臣 今、知事に対して、気力が足りないとか、農家の努力が足りないとか、私はそういうことは言った覚えは余りありません。それが一つ。ですから、それはちょっと、もう少し私にも精査させてください。

 それから、私の発言の中で、先ほどマラソンという言葉もありました。

 やはりこれは、福島で大きないろいろ課題が、三つに分けられるかなと。

 一つは、いろいろなインフラストラクチャー、道路だ何だ、そういったところを早く整備してやっていくということが一つ。

 それからもう一つは、第一原発の廃炉とか除染土の処理の問題。これは非常に中長期的な課題で、しっかり腰を据えてやらなければいけない、これは私もしっかり認識をしております。

 もう一つ、やはり風評、風化という戦い、これがあるわけであります。これについては、まさに時間との戦いということで、これはやはり急がないと、どんどん、福島の農産物で例をとっても、販路が狭まっていくとか、値段が買いたたかれるとか、そういうことに今なってきているわけでありますから、ぜひ、ここは頑張ってやろうじゃないかと。まさに福島の言葉で言えば、頑張っぺ福島ということになるかもしれませんが。

 そういうことで、我々もいろいろな環境整備はしますよ、皆さん一緒にやりましょう、今ここで立ち上がって、本当に苦しいけれども頑張らなければいけないということをマラソンの一番苦しいときに例えて言ったということで御理解を願いたいと思います。

郡委員 今、また生産者の方々のこともおっしゃられている。記者会見の議事録によると、やはりそれは、生産者の方々の努力というのがまだまだ私は必要ではないかと考えていますと。これは生産者任せにしろと言っているとしか私は捉えられませんけれども。

 どうも、そういう意味で、大臣という立場は被災されている方々に対して言葉で伝えるんだとすれば、その言葉が誤解を招くような言葉を使っていては、とてもじゃないけれども、やはり資格がおありじゃないんじゃないかというふうに思いますよ。みんな誤解してとりますもの。これ以上、まだまだ私たち、自分たちの責任で頑張っていかなくちゃいけないのかと、毎回毎回おっしゃっているのと同じです。

 済みません、激高したことについての謝罪はありましたけれども、謝って済む話ではないと思っています。

 何度も笑わないでください。真面目に質問しているんです。

 いいですか。大臣が……(発言する者あり)

 委員長、何とかしてください。

吉野委員長 不規則発言は控えてください。

郡委員 大臣の記者に対する、うるさい、出ていきなさいとの発言ですけれども、これは憲法二十一条に反している発言であります。

 今、与党の議員から苦笑が漏れましたけれども、全然おわかりじゃないと思いますよ。

 報道の自由というのは、憲法が標榜する民主主義社会の基盤をなすものとして、表現の自由を保障する憲法二十一条においても枢要な地位を占めるものである、皆さんもおわかりのことと思います。報道の自由を全うするには、取材の自由もまた不可欠のものとして保障されなければならない、これは昭和四十四年の最高裁大法廷の判例要旨であります。

 憲法を尊重し、擁護する義務を負う九十九条にも違反しているんじゃないかと思います。

 罵倒した記者にも謝罪が必要ではないでしょうか。

今村国務大臣 先ほどから言っていますように、四日の記者会見の対応については深くおわびをしたところであります。

 その上で、今、報道の自由という話がありましたが、これはもとより、大変大事な権利であるというふうに私も認識をしているところであります。

郡委員 今の、それだけですか。

今村国務大臣 先ほどの対応について、では、もう少し詳しく話させていただきます。(郡委員「いや、違います。罵倒した記者に対して謝罪すべきだと言っています」と呼ぶ)(発言する者あり)

郡委員 罵倒した記者に対しても謝罪を公式の場でするべきだというふうに思いますが、いかがですかと問いました。

今村国務大臣 これは、必要であれば、私も謝罪するのにやぶさかではありません。

郡委員 私も、与党の議員からやじが飛んでいましたけれども、この福島特措法の改正案について、質問を準備して、議論をさせていただくつもりでいたわけです。しかし、大臣がこのような発言をなさっていて、復興の任に当たるにふさわしいのかどうか、改めて問わせていただかねばならないと思いまして、私は、非常に残念でならないんですけれども、大臣に問わせていただいているんです。

 しかし、先ほど来お話を聞かせていただきましても、大臣自身が、自己責任という言葉については少々言い過ぎたというふうにおっしゃっておられるようだが、だけれども、それがちゃんと当事者の方々に伝わっていかなければだめなわけですよ。これは復興に対する信頼にもかかわる問題なんです。福島の皆さんたちが、復興をしていこうというトップの大臣に対する信頼を取り戻さなければ、復興施策そのものに対する信頼も得られないんじゃないでしょうか。だからこそ、こういうふうに声を大きくして私は申し上げているんです。

今村国務大臣 記者会見の件は、私も随分丁寧に応答したんです。そして、そういう中で、例えば、自主避難者にはお金を払っていないとか、あるいは無責任だとか言われるものですから。我々としては一生懸命やっております、私も、それから復興庁の職員も。そういったことに対して、私もやはり感情が高ぶって、ああいうことになったわけでありますから、もう少し記者会見の流れをしっかりとまた見てもらって、やっていただければというふうに思っております。

 それから、今の、資質の問題かもしれませんが、私の至らないところは、それは素直に反省しなきゃいけないと思っておりますが、私は、先ほども申しましたように、福島というのが同じ被災地の中でも大変な状況になっていたんだ、何とかしなきゃいけないという強い思いがあるから、みんなで頑張っていこう、そういうことを言っているわけであります。そこのところはしっかりと御理解を願いたいと思います。

郡委員 だとすれば、コミュニケーション能力がおありじゃないと思います。であるならば、大臣として被災者の方々にさまざまな御説明をなさる、その任はやはり難しいんじゃないでしょうか。

 私のことを申し上げれば、私も福島に親戚がたくさんおりまして、とりわけ沿岸部に多くいたんです。あの震災の後、原発事故が発生して、そして、もう入れなくなった地域に、どこの避難所を捜しても見つかりませんで、まだ残っているかもしれないというので、しかし、捜索にも入れなかったんです。大変厳しかったですよ。そういう状況を本当におわかりになっていらっしゃるのか。

 先ほど、当時の民主党政権が、さも、悪口をおっしゃる方がおられたけれども、私たちも初めての経験で、今まで日本が経験したことのない事態に陥って、しかし、一生懸命対応してきたんです。そして、今、それこそ復興庁の土台になっている復興施策の中で基本になっているのは、私たちがつくったもの、たくさんあるじゃないか。

 私は、非常に、ですから、そういう大臣の被災地のことに余りにも御関心が薄いといいましょうか、あの最も厳しい状況のところも理解できないような発言でしかないですよ。これを、私はやはりとっても、この大臣のもとで復興の議論というのをやるということはとてもできないというふうに思うんです。

 今回、帰還困難区域で国の復興拠点をつくっていこうということで、新しい福島の方々のそれこそ復興の道筋をつくる、そのスタートラインでこういうことを申し上げなくちゃいけなくて、その責任というのはやはり大臣御自身におありになるということをいま一度お考えいただかなくちゃいけない。そして、私は、そういう大臣を任命された安倍総理の責任も大いにあるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 与党の皆さんたちは、またいろいろとやじを飛ばされましたけれども、であるならば、被災者の方々の前で同じように言っていただきたいと思います。

 私は、今回、私どもの議員、この後いろいろ質問をさせていただくことになるかと思うんですけれども、私は個人的に、やはり今村大臣のもとできょうのやりとりをさせていただいても納得いくものは全くございませんでしたし、辞任をしていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。

吉野委員長 次に、岡田克也君。

岡田委員 民進党の岡田克也です。

 まず、大臣に基本的なことをお聞きしたいと思いますが、この福島の原発事故に対して、国の責任というものを大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

今村国務大臣 これにつきましては、これまでいろいろな、事故調の報告等々もいろいろありますが、基本的には、やはり安全神話に余りにも頼り過ぎて、そして今回の大変な被災を招いてしまった、これについてはしっかり反省をしていかなければいけないということが第一であります。

 その上で、二度とこういうことがないように、いろいろな対応を、これからしっかりと対策を立てていくということで考えております。

岡田委員 今回、審議の対象になっております福島復興再生特別措置法の第一条、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえて福島の復興及び再生が行われるべきだ、このことについてはどうお考えですか。

今村国務大臣 まさにそこに書いてあるとおりの認識でおります。

岡田委員 この原子力政策を推進してきたことについての国の社会的責任を踏まえてというところは、我々、常にこの原点に戻って福島の復興について議論しなければいけない、そのことを改めて確認させていただきたいというふうに思います。

 そこで、今回、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域の除染費用について、東電に求償することはしない、国が負担するということになりました。その理由が、私は、少なくとも法文上は全く書かれていないし、明らかでないというふうに思うわけです。

 本会議での質疑の中で、大臣は、国の新たな政策決定を踏まえ、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであるために国が負担する、こういうふうに言われたわけですが、新たな政策決定あるいは新たなまちづくりということになれば、なぜ東電は免責されるんでしょうか。

今村国務大臣 この帰還困難区域内の特定復興再生拠点の対応でありますが、これは、被災から六年たって、いろいろな環境の変化があります。非常に好転した部分もあります。そういったものを踏まえ、そして、やはりふるさとを取り戻したいという地元の意向、そういったものを勘案しながら、何とかここに戻ってもらおう、ふるさとを取り戻そう、そのための第一歩として拠点をつくろうじゃないかということであります。

 ある意味では、当初から新しいステージに入ってきたということでありまして、それに対応した対応ということで、国で見るという方向を今出しているところであります。

岡田委員 質問に答えていただいていないんですが、なぜ、新しいステージにおいて新しいまちづくりであれば東電は免責されるのかと問うているわけです。

今村国務大臣 東電の賠償責任については、その時点でそういったルールで決めているわけであります。

 今回は、それとはもう一つまた違う形での、追加された形での対応であるということで、これは国でやるべきではないかということで、東電ではないということに踏み切ったわけであります。

岡田委員 除染の費用は、東電が負担するということは決まっているんじゃないんですか。

 ですから、まちづくりの主体を国が中心になってやるというのはいいと思いますけれども、最終的な費用について東電が免責されている理由を聞いているわけです。

今村国務大臣 ですから、当初の線引きといいますか、考え方ということは、これはこれとしてあるわけであります。その上で、なおかつ追加的な対応をするということになるので、東電の賠償の責任はそこまでであって、それで、これから先、追加的なものについては、国がそういった新しいステージに対応してやるということであるから、これは国で持とうということであるわけであります。

岡田委員 今回の特定復興再生拠点区域、東電は除染したんですか。

今村国務大臣 ちょっと質問の意味がいま一つあれでございますが、特定復興、ちょっと済みません、もう一回。済みません。

岡田委員 今回、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域を指定して、そこは国がさまざまな対応をする、そして負担も国が行う。私は、国が負担するということは正しい選択だと思いますけれども、最終的にその中には、一体的に行うわけですけれども、除染という作業も含まれている。

 本来、除染を行えば東電がそれを負担するというのが今までの整理。少なくとも除染の部分については、東電が免責されるのはどういう理由に基づくものかということを聞いているわけです。

今村国務大臣 これは、先ほどから答えておりますように、新しいステージに来るんだ、それについてやはり新しい仕組みで対応しようということで、東電じゃなく、国がそれをやるということで御理解を願いたいと思います。

岡田委員 ですから、最初の質問に戻るんですが、新しいステージならなぜ東電は除染についての賠償を免責されるのかと聞いているわけです。

今村国務大臣 それは、先ほどから言っていますように、東電が負担するのはここまでですということで、当初、そういう一つの線引きといいますか、考え方をしたわけでありますね。だから、東電はその範囲内で責任を負うということであります。

 今回は、さらにその上に、ある意味では追加的な新しいステージということでやりますから、それは国で、東電には求めないということで御理解願えると思いますが、いかがでしょうか。

岡田委員 除染については、最終的には東電が責任を負うというのが最初の整理じゃないんですか。

 今回、一体的にやるとはいえ、除染も含まれている。なぜそこで東電が免責されるのかと聞いているわけです。

今村国務大臣 ここで東電の負担を決めたときには、この地域は、そういった復興拠点等をつくる考えはなかったわけですよ。ですから、その範囲で東電の責任を求めたものであって、今回は、そういう環境変化、状況変化を踏まえて新しくここにつくりますということでありますから、それをさらに東電が負担するというのじゃなくて、これは、国が新しいそういう取り組みをするんだから国が負担するんですということで御理解願いたいと思います。

岡田委員 全く答えていただいていないんですが、大臣の言われるのはあれですか……(発言する者あり)

吉野委員長 時間をとめてください。

    〔速記中止〕

吉野委員長 速記を起こしてください。

 岡田克也君。

岡田委員 何度も同じことを聞いているわけですけれども、新しいステージに入ったから東電が免責されるというのが理解できないというふうに私は質問しているわけです。そこをちゃんと説明してくださいと。

 そのお答えが新しいステージに入ったからだというのでは、これはトートロジーで、答えになっていないじゃないですか。

今村国務大臣 私の説明がちょっと簡単過ぎたのかもしれませんが、では、これまでの経緯を少し説明させていただきます。

 帰還困難区域は、当初、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域と設定して、一つは、区域境界においてバリケードを設置し、厳しい立ち入り制限を行う、そして、除染は当面実施せず、ふるさとに長期間帰れないことを前提として賠償を行う等の対応を行ってきたわけであります、この区域についてですね。

 これに対して、帰還困難区域内で放射線量が低下していることや、帰還を希望される住民の強い思いを背景とする地元からの要望を踏まえて、従来の方針から前に踏み出し、新たに住民の居住を目指す特定復興拠点を整備することとしたということであります。

 こういう中で、この特定復興拠点の整備のうち除染事業については、本法案の特定復興再生拠点復興再生計画のもと、インフラ整備等々を一体的かつ効率的に実施するものであり、復興のステージに応じた新たなまちづくりを進めていく事業の一部となることから、国の負担のもとで行うとしたものであります。

 すっきり言えばそういうことです。

岡田委員 ですから、事業を国がやることはいい、わかると言っているわけです。しかし、最終的な責任、そこまで東電を免責してしまっている理由が説明されていないということを言っているわけです。

 大臣、今、帰還困難区域というのは、当初、戻れないということで組み立てていたのが今回変わるんだというお話ですが、帰還が困難だとしても、それで東京電力の除染の責任が免除されたということにはなっていないはずじゃないですか。

今村国務大臣 本当に繰り返しで申しわけございませんが、従来の進め方から、今回、いろいろな、先ほど言った地元の要望等々を受けて、新しいまちづくりをやるということなので、それについては国が前面に立ってやる、そして、その分の除染等の費用も国が持つということでこれは割り切った、そういうふうに政策判断をしたということであります。

岡田委員 政治の判断の問題じゃなくて、これは法的責任の問題だというふうに思うんです。

 汚染者負担原則、これに例外を設けているのではないか、細野議員も本会議の中でそういう質問をしました。

 きょう、環境省、来ていただいていると思いますが、山本環境大臣は、今回の方針が汚染者負担の原則に矛盾するものでない以上、御指摘の懸念は当たらないというふうに答弁されました。どういう意味でしょうか。つまり、汚染者負担の原則というものは基本的には帰還困難区域にもかかっているという意味なのか、いや、それは外れているという意味なのか、どちらなんでしょうか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 先日の本会議におきます環境大臣の答弁の趣旨につきまして、補足して御説明をさせていただきます。

 いわゆる汚染者負担の原則につきましては、環境基本法第三十七条におきまして、公的事業主体が公害防止事業を実施する際の費用負担につきまして必要な措置を講ずるということとされてございます。環境基本法は、環境法制における原因者負担制度を総括したプログラム規定でございまして、制度設計の詳細につきましては個別法に委ねられているということでございます。

 それを踏まえた上で、帰還困難区域の復興拠点整備は、それまでの方針から国として前に踏み出し、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであること、除染とインフラ整備を一体的かつ効率的に実施するものであることといったさまざまな事情を勘案した上で、除染特措法ではなく福島復興再生特措法に基づいて実施することとし、国費で実施するとの方針となったものでございまして、環境基本法の規定と矛盾するものではないと考えているという趣旨でございます。

岡田委員 汚染者負担の原則の例外を設けましたということですか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、環境基本法はあくまでもプログラム規定でございまして、個別の制度の設計については個別法に委ねられているという趣旨でございます。

岡田委員 個別法に委ねられているといっても、基本的な考え方に反するようなことはできないはず。今回、なぜ汚染者である東電の責任が免責されているのかという説明は、新しいことをやるからというのは、私は全く説明になっていないというふうに考えるわけです。

 他方で、東電は、帰還困難区域については上乗せして補償しているということも言われることがありますが、そういう論理は、大臣はどう考えておられるんですか。

今村国務大臣 そういう御指摘があるかどうかも含めて、もう少し勉強させてください。

岡田委員 御指摘じゃなくて、閣議決定の中にはそういう表現が出てくるんじゃないんですか。(発言する者あり)

吉野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

吉野委員長 速記を起こしてください。

 今村復興大臣。

今村国務大臣 先ほどから言っておりますように、これは一つの政策判断として、新たなステージ、新しいまちづくりということで取り組むわけでありますから、そういった意味で国の負担でするということ、これを重ねてお答え申し上げます。

岡田委員 そうしますと、政府が決定した基本指針の中には、「東京電力は帰還困難区域の全域・全住民に対して、当該区域での居住が長期にわたってできなくなることを前提として、賠償を既に実施してきている。」という表現がありますが、ここはどういう位置づけになるんですか。

今村国務大臣 東京電力が賠償していることのみならず、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして復興拠点を整備するということでありまして、先ほどから言っているように、政策的な判断として、国の負担のもとで除染を行うということであります。

岡田委員 除染を行うのはいいんです。最終的にそこの費用をどこが負担するかということを議論しているわけです。

 先ほどの基本指針に基づいて、賠償を既に実施してきているということを理由にしてしまうと、帰還困難区域、今回の特定復興再生拠点区域に指定された以外の帰還困難区域全域について、東電は免責されるということになるんじゃありませんか。

今村国務大臣 ですから、これについては全てではなくて、まず、復興拠点をつくるところについて、そこを中心に除染を行うということになってくるわけであります。

岡田委員 では、基本指針になぜわざわざこんな、先ほど私が述べた表現が書かれているわけですか。(今村国務大臣「ちょっと済みません、もう一回」と呼ぶ)

 先ほど言いましたように、政府の決定した基本指針の中には、「東京電力は帰還困難区域の全域・全住民に対して、当該区域での居住が長期にわたってできなくなることを前提として、賠償を既に実施してきている。」これが一つの理由であるかのように挙げられているわけですね、国が賠償する東電を免責することの。

 この論理を受け入れると、今回の特定復興再生拠点区域以外の帰還困難区域全域について、もう既に東電は責任を負わないということになりかねないんじゃないですかということを聞いているわけです。

今村国務大臣 まずこの復興拠点についてやるということでありまして、今言われました、では、県内のほかの地域についてどうするかということ、これは今後の一つの検討課題というふうに考えております。

岡田委員 復興拠点外の取り組み、その費用負担については今後の検討課題であるというのは、大臣の本会議における御答弁です。

 取り組みについてどうするかというのは政策判断の問題だと思いますが、その費用負担について、これは政府が自由に決められることなんですか。本来、法的に責任を負っている東京電力、それを、よくわからない、先ほど言った新しいステージに入ったというような曖昧な理由で免責してしまっていいんですか。

今村国務大臣 この帰還困難区域の復興再生、これを加速していくためには、やはり東電任せだけではなくて国も前面に出る必要がある、そういうことで、先ほど来、新しいステージ、それについての国の負担ということも言っているわけであります。

 この国の負担とする考え方は今申したとおりでもありますし、それから、福島特措法に規定された、原子力政策を推進してきた国の社会的な責任を踏まえ、原子力災害からの福島の復興及び再生を継続的かつ迅速に実施する責務を有するというこの精神、これは委員も当初申されたわけでありますが、それに沿うものであるというふうに思います。

 それに加えていろいろ地元等からの要望等もあって、今回そういった判断に踏み込んだ次第であります。

岡田委員 確認しますけれども、この基本指針の中にある「賠償を既に実施してきている。」ということは、これは帰還困難区域全体に対する東電の免責を意味するものではない、そこは確認していただけますね。

今村国務大臣 今申しましたように、この特措法のここに掲げる精神にのっとってやるということであります。

 今後、具体的なケースもまた出てくるかもしれませんが、そういったものについては今後の検討課題ということで対応していきたいと思います。

岡田委員 私は何でこういう議論をしているかといいますと、安易に東京電力を免責してしまう、しかし国には予算に限りがある、そういう中で、結局、復興が進まないんじゃないかということを非常に懸念しているわけですね。

 本来、法的責任を負っているものを、私に言わせればよくわからない理由で、だって法律には何も書いてないわけですから。単に国が責任を負うということだけ書いてあって、理由も何も書いてないわけですね。そして、閣議決定の中ではいろいろな理由が書いてあって、どれが本当の理由かよくわからない。果たして東電がもう既に賠償しているからいいのかというふうにも読まれかねないということでは、これは将来大きな禍根を残すことになるのではないか、そういう趣旨で質疑をしているわけです。

 帰還困難区域全域について東電の責任は残っているということは確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

今村国務大臣 その辺は、今後の帰還困難区域をどういうふうにしていくかということに沿っていろいろ検討していきたいというふうに思います。

岡田委員 これからいろいろな検討をしていく中でまた議論することになるでしょうが、基本的に除染の責任というのは東電が広く負っているわけですから、帰還困難区域だからといってその責任が免れるものではない、そのぐらいはちゃんと言わないと、本当に東電は免責されることになりますよ。

 誰が責任を負ってやるんですか、これから。

今村国務大臣 東電のいろいろな能力といいますか、そういったものもあるわけであります。そういったものも勘案しながら、やはり国が前面に出る部分は出るというようなことも考えなければいけないということで、今回のこの対応、この特措法の第一条にのっとって、そういった政策判断でやろうということであります。

岡田委員 東電も非常に厳しい状況にあることは理解しますし、当初、法的整理をしないということを決断したのはやはり補償ということが念頭にあったからだ、そこは私も認識を共有しております。

 ただ、だからといって、無限定に責任を、帰還困難区域全域についてこれから検討します、検討課題だ、つまり、東電に一義的に責任があるということすら認めないということでは、これは私は政府としていかがなものかと。そして、もしそう言うのであれば、では、国がきちっとその責任を負います、財源はこういうものを用意します、例えば、当初行ったように所得税、法人税を復興のために引き上げます、そういうところまで伴っている、そういう覚悟があるのならわかりますが、一方で東電を免責し、そして国の財源については、将来については明確でない、こういう無責任な状態、私は認めるわけにいかないんですよ。

 だから、東電の責任は一義的にはかかっているということは、はっきりおっしゃるべきじゃないですか。

今村国務大臣 この帰還困難区域を今後どうするか、そのいろいろな範囲とか、その進め方はこれからいろいろな話が出てくると思います。それに応じて国の予算なりなんなりはどうするんだということであるわけでありまして、そういったことを踏まえながら、今後、予算の規模なりなんなりも対応していくということになると思います。

 以上です。

岡田委員 そのことを私は否定しているわけじゃないんですが、一義的には東電に、除染の費用について、それを賄う責任がありますね、それは帰還困難区域も基本的にはそういうことですねということを申し上げているわけです。

 それすら否定されるんですか。

今村国務大臣 ですから、当初決めた枠組みの中で対応していく、そして、新しいこういった復興拠点づくり、あるいはこの困難区域等々についてはどうするんだということをこれからはもう少し具体的な検討を進めていくということで、そういう中でいろいろな対応はまた変わってくる、決まっていくというふうに思っています。

岡田委員 当初枠組みを決めたのは、それは帰還困難区域についてはなかなかもとに戻ることは難しいということもあって、東電の除染の責任については言及されていないだけであって、基本的には責任は法的に負っているというふうに考えないとおかしいんじゃないんですか。

今村国務大臣 決して、今言ったように、免責をしているというわけではないわけであります。先ほどから言っているように、今後の検討課題ということで、御理解願いたいと思います。

岡田委員 検討課題じゃなくて、基本的には責任を負っていると。

 もちろん、将来、今回のように、いろいろ国が前面に立って復興していく、そういう中で、費用について、東電の一義的な責任という大きな枠の中でいろいろな展開があるというのなら私も理解しますよ。だけれども、一義的に全部、帰還困難区域についてこれからの検討だと言って、東電の一義的に負っている責任を免責してしまっているのは、私は非常に問題じゃないかと思いますが、もう一度確認します。

今村国務大臣 先ほどから言っていますように、免責はしているわけではありません。これははっきり御理解ください。

 その中で、この復興拠点については、いろいろな状況を鑑みて、国の予算で、責任でやっていくということであります。免責しているというわけではないということは、はっきり申します。

岡田委員 免責しているわけではないということは、一義的には、帰還困難区域についても、除染に当たったその費用について東電が責任を持つというのが基本的な原則である、そういう認識ですね。

今村国務大臣 ですから、先ほども言いましたように、今後この帰還困難区域をどうするかということ、これについて、その中の費用負担についてもこれからの検討課題でありますということを申しているわけであります。

岡田委員 基本的な考え方についてしっかりしないと、だんだんだんだん、極めて責任の所在が不透明になって、それで復興が進むのならいいんですが、私は逆だというふうに思うから質問しているわけです。

 では、同様の事例で、除染特別地域の今後の除染についてお聞きしたいと思います。

 除染特別地域における除染は終了したと一部のメディアは伝えましたが、これは極めて誤解を招く発言だと思うんですね。除染特別地域における環境省の定めるガイドラインに沿った除染が終了したということであって、まだ除染特別地域においても除染すべき地域は私は残っているというふうに考えるんですが、そういう認識は共有されますか。

今村国務大臣 これは、いろいろな山林等々、そういったところがあるということは私も認識しております。

岡田委員 どこまでやるのかというのは、これから議論していかなければなりません。

 全てというのは、私は大きな困難を伴うというふうに思うわけですが、今、林縁から二十メートルまで除染するというのは、私はかなり問題が残るというふうに思うわけです。町中でも里山があれば二十メートルまでしか除染されていないということでは、私は、その里山に子供たちが立ち入ることすらできなくなってしまう、それが町の中にある、そういう事例だってあると思うんですね。

 したがって、これはこれからしっかり議論していかなきゃいけないということだと思います。

 その際に、その費用はどこが持つんですか。

今村国務大臣 この除染は、いわゆる除染特措法に基づくものでありますから、費用は東京電力に求償されるというふうに思っております。

岡田委員 どの範囲でやるかということはありますが、基本的に、原子力損害賠償法三条に基づいて東電が負うという認識でよろしいですね。もう一回確認します。

今村国務大臣 そのとおりであります。

岡田委員 除染特別地域は原賠法三条で東電が責任を持ち、帰還困難区域はこれからですというのは、私には整合的な御答弁だとは思えないわけですね。この点はさらにしっかり議論していきたいというふうに思います。

 そこで、除染費用の全体像ということになります。

 先般、十二月の原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針によりますと、除染費用は二・五兆円から四・〇兆円に増加するということになっています。しかし、この中には、先ほど大臣もお認めになった除染特別地域におけるさらなる除染というのは含まれていないんじゃないですか。

今村国務大臣 帰還困難区域における復興拠点は、改正法の成立の後に、まずは各市町村において具体的な場所や規模等を検討していくというふうになってまいります。

 そして、この改正法案は復興拠点の復興再生を推進するということを具体化したものであって、復興拠点外の取り組みについては、先ほどから言っていますように、今後の検討課題であると認識しておりまして、この除染費用につきましては、農地や宅地などの土地利用、あるいは建物、そういったものの状態、放射線量、労働単価等によって変動してまいるものでありますから、除染を行う範囲や時期等が定まらない限り、この辺での、帰還困難区域全体での費用の算定というのはなかなか難しいんじゃないかと思っております。

 以上ですか。

岡田委員 私は、帰還困難区域の質問をしているのではなくて、除染特別地域における、先ほど大臣御自身がお認めになったさらなる除染、これについての費用というものは、この四兆円の中に含まれていないんじゃないかと聞いているわけです。

長沢副大臣 大臣の答弁に補足をさせていただきます。

 今大臣の答弁されたとおりのことなんですが、除染、汚染廃棄物処理に要する費用として見込んでいる四・二兆円、これには、今後、いわゆる特定復興再生拠点区域、この帰還困難区域の中につくる特定復興再生拠点区域で実施される除染費用は含まれておりません。

岡田委員 私が聞いているのは、帰還困難区域の話じゃなくて、今の除染特別地域。先ほど大臣は、まだまだ、例えば森林とかですね、もちろん全てはできないということですけれども、今回、除染が終了したのではなくて、まだやらなければいけないところは残っているというふうに御答弁になりましたから、そこの費用は今回の基本指針の中に含まれていないんじゃないかということを申し上げているわけです。

高橋政府参考人 環境省が実施する除染でございますので、御答弁させていただきます。

 先ほど復興大臣が申し上げられたとおり、除染特別地域の中で今後行う里山除染等につきましては、東電に求償するということでございますし、先般の四・二兆円の見通しの中に含まれているものでございます。

岡田委員 基本指針、四・二兆円の中に含まれているということですと、そうすると、どこまで除染するかという基本的考え方はもう既にまとまっているということですね。

高橋政府参考人 森林の除染でございますけれども、これは、広範囲にわたって実施をしますと、生態系、森林を破壊し、土壌の流出とか地力の低下等、悪影響を及ぼすということが懸念されておりますので、技術的に難しい部分はございますけれども、昨年三月に、これは、復興庁、林野庁、環境省で取りまとめました総合的な取り組みに基づきまして、例えば、住居等の周辺や日常的に人が立ち入る場所につきましては、一部、二十メートル以遠でございましても除染を実施するという考え方をまとめてございます。

 この考え方に基づきまして進めていきたいというふうに考えております。

岡田委員 今おっしゃったのは、これはモデル的にやっているという段階じゃないですか。それを踏まえて、どういう考え方で二十メートルを超えるところについて除染するのかということは、きちんと決まっているんですか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今、モデル事業というのを十カ所でやってございます。そういう結果も踏まえて、今後、各市町村の状況を踏まえながら進めていきたいというふうに考えております。

岡田委員 ですから、今の答弁は極めていいかげんだったということですよね。まだモデル的にやっていて、どこまでやるかはこれから決める。まだ決まっていないのに、なぜ四・二兆円の中に含まれているということが言えるのか。私は、全く支離滅裂の答弁だというふうに思いますよ。

 私は非常に懸念するのは、言葉が先走りして、そして、東京電力について帰還困難区域などについては免責するような話も出ていて、そうすると、結局、今回のこの予算の枠の中におさまらないわけですけれども、そのおさまらない部分についてどう負担するのかという議論が全く欠落している。つまり、現実的な姿になっていない。

 やはり将来どこまでどうするのかということを明示して、先ほど与党の議員の方からも、きちんとビジョンを示せというのがありましたけれども、きちんとそういった姿を示して、そのための費用負担、今の枠組みの中では足りないのであれば、それは、私は、基本的に国民負担ということにならざるを得ない。そうであれば、例えば、当初行ったように、所得税、法人税の増税ということでお願いしました。それがさらに上積みが必要とされるということなら、そのことも国民に正直に申し上げるべきだし、そういったことが極めて不透明なまま、とにかくやりますということで進んでいる現状は極めて問題だということを申し上げておきたいと思います。

 終わります。

吉野委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民進党の福田昭夫でございます。

 私は、今回の法律改正案について、特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設以外は全て賛成であります。しかしながら、帰還困難区域の復興拠点整備については大きな疑問があります。本日はその点を中心に政府の考えをただしてまいりますので、今村大臣初め答弁者は簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 まず、帰還困難区域の復興拠点整備についてであります。

 一つ目は、帰還困難区域に復興拠点を整備する理由についてであります。

 大臣、帰還困難区域は、平成二十三年十二月に、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されたのに、なぜ多額のお金をかけて除染し、そこに復興拠点を整備する理由、その理由は何なのか、教えていただきたいと思います。

今村国務大臣 今委員がおっしゃったように、帰還困難区域についての対応はそういうことで決めたわけであります。しかし、やはりその後のいろいろな情勢変化、例えば放射線量が低下していることでありますとか、あるいは、地元からどうしてもふるさとを取り戻したい、何とかならぬかというような強い要望を受けて、昨年の八月に、政府方針として、帰還困難区域にまず復興拠点を設定して整備しようということにしたわけであります。

 そういう意味で、復興拠点についてのいきさつは今言ったようなことでありますから、そこを踏まえつつ、ぜひ、やはり少しずつ足がかり、手がかりをつくってやっていくんだということについての御理解を願いたいと思います。

福田(昭)委員 この理由が書いてありますけれども、放射線量が低下しているといっても、まだ帰れるだけ低下しているわけではありません。それから、帰還を希望される住民の思いが地元から届いていると言っていますけれども、しかし、その思いはごく一部の方々であって、多くの方々が帰還したいと言っているわけではありません。それは、今後、住民意向調査で明らかにしていきたいと思っています。

 ですから、本当に一部の方々の要望を聞いて、まず帰還困難区域に復興の拠点をつくるんだという結論ありきで進めてきたというふうな、私はそういう疑いを持っております。

 そこで、二つ目でありますが、二つ目は、帰還困難区域の住民を対象とする東京電力の賠償についてであります。

 一点目は財物賠償についてでありますが、財物賠償については、居住制限区域等については避難指示解除までの期間に応じた賠償を行っており、帰還困難区域については当初から事故前価値の全額が失われたものとして賠償金が支払われております。

 経産省からの話によりますと、避難指示区域全体で、平成二十八年十二月末時点で総額一兆二千五百億円が支払われているということでありますが、間違いございませんか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 最新の数字といたしましては、平成二十九年二月末時点で総額一兆二千六百二十一億円となっております。

 以上でございます。

福田(昭)委員 次に、二点目でありますが、ふるさと喪失慰謝料についてでありますが、一人当たり七百万円を支払っており、平成二十八年十二月末時点で総額約千九百三十四億円が支払われている。このふるさと喪失慰謝料については、帰還困難区域の方々のみ対象となっているということでありますが、これで間違いありませんか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 そのとおりでございます。

福田(昭)委員 それでは、三つ目でありますが、帰還困難区域のモデル除染の面積と費用についてであります。

 帰還困難区域のモデル除染は三カ所で実施したそうでありますが、それぞれの地名と除染の面積と費用についてお答えをいただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 帰還困難区域におきまして先行的に除染をしているところは今三カ所ございます。

 一つが、双葉町駅西地区でございまして、約四十ヘクタール、費用は約四十六億円でございます。

 二つ目が、大熊町下野上地区、約百四十七ヘクタール、費用は約二百三十億円でございます。

 三つ目が、富岡町夜の森地区、約十ヘクタールでございます。ここにつきましては、他の事業と一括で発注しておりますので、帰還困難区域の部分だけの算出は困難でございますけれども、全体として約四百九十一億円の中の内数ということになってございます。

福田(昭)委員 この数字を見ますと、一ヘクタール一億円以上のお金がかかっているわけであります。

 そして、環境省は、平成二十五年、二十六年の二カ年にわたってモデル除染をした結果、多分、竹下復興大臣のときに、帰還困難区域はこれ以上除染しないと一度結論を出したのではないですか。どうですか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 委員の御指摘の、過去に行いましたモデル除染につきましては、帰還困難区域、線量の高い地域で除染によってどのぐらい線量が下がるかという効果でございますとか、線量の高い地域における作業員の安全管理等についての知見を得るというために実施をいたしましたけれども、その結果、帰還困難区域を除染しないという結論を下したということはないものでございます。

福田(昭)委員 私の記憶では、竹下大臣が記者会見で一度発表したはずです。その結果、どこからかきっとクレームがついて、それを竹下大臣が取り消したということが多分報道であったと思います。真偽のほどはこれ以上追及いたしませんが、そんなことがあったことは確かだというふうに私は記憶をいたしております。

 四つ目でありますが、四つ目の、帰還困難区域全域の除染費用についてであります。

 帰還困難区域全域を本当に除染する考えなのかどうか、そして、その費用はどのぐらいかかると考えているのか、ぜひお答えをいただきたい。

今村国務大臣 この件につきましては、先ほど来も言っておりますが、復興拠点外を含め、帰還困難区域全域での対応ということについては、放射線量を初め、多くの課題がまだあります。そしてまた、帰還困難区域を有する市町村の置かれている状況もさまざまでありますから、今後の検討課題であるというふうに認識しております。

福田(昭)委員 基本方針では帰還困難区域全域が帰れるようにするということでありますから、とても無理なことが基本方針に書かれていると私は思っております。

 双葉駅西地区、約四十ヘクタールでも、現時点で約四十六億円であります。まだこれからきっと費用もかかるということだと思いますが、帰還困難区域全域となると約三百三十七平方キロメートルもあり、そこには、住宅地だけではなく、道路はもちろんでありますが、田、畑、山、川、沼等もあるわけです。

 どうやって除染するんですか、その方法もまだ決まっていないんじゃないですか。どうなんですか。

今村国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、この辺は、どこをどういうふうにやっていくかということも含めて、今後の検討課題であります。

福田(昭)委員 多分、これを全部やれば、先ほど岡田委員の質問にありましたけれども、除染費用は四・二兆円と。四・二兆円じゃおさまらないことははっきりしていると思います。

 そこで、五つ目でありますが、五つ目は、中間貯蔵施設用地、十六平方キロの買収費用についてであります。

 中間貯蔵施設用地の買収費用は総額約千九百億円を見込んでいるということでありますが、これに間違いございませんか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 現時点の見通しは、おっしゃるとおりでございます。

福田(昭)委員 そうすると、この用地の中には、建物があったり、不動産、財物賠償の対象になったものがいろいろあるんだと思いますけれども、十六平方キロを総額千九百億円で買収するということになると、もし仮に土地だけとして、平米にすると、これは平米幾らぐらいになるんですか。

高橋政府参考人 土地と建物を合わせますと、平均で一ヘクタール当たり約一億円ということでございます。

福田(昭)委員 相当のお金がかかるということでありますけれども、このことについて、実は東京電力から、中間貯蔵施設の用地は全て帰還困難区域です、帰還困難区域は財物賠償もしっかり支払われているわけでありますが、公共用地の賠償基準と、この中間貯蔵用地の買収費用、これについては、どんな法律的な整合性を持たせて買収の値段を決めたんですか。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 中間貯蔵施設用地の賠償といいますか補償費の算定につきましては、いわゆる公共事業に必要な用地の取得に係るルールに基づいて算定をしているというものでございます。

福田(昭)委員 私は、被害に遭われた方々がたくさん補償してもらうことは悪いことじゃないと思っておりますけれども、しかし、この辺、考え方をしっかり整理する必要があるんじゃないでしょうか。この問題は後でまたやりたいと思います。

 六つ目でありますが、六つ目は、帰還困難区域、三百三十七平方キロの買収費用についてであります。

 帰還困難区域全域を事故前の土地の評価額で買収するとどれぐらいかかると試算したことはありますか。

今村国務大臣 これについては、試算はしておりません。

福田(昭)委員 実は、この問題のプロフェッショナル、専門家の中下裕子という弁護士の先生、この先生が試算をしてみました。そうしたら、帰還困難区域全域の土地の買い取り試算ということで、もし国が帰還困難地域全体の土地を事故前価格で買い取った場合、それに要する費用を試算すると、たった千六十三億八千百七十七万四千円にすぎない、こういうことを試算いたしております。

 もし、これに、中間貯蔵施設に準ずれば、きっと、建物があれば建物だとか、いろいろなものを加えなくちゃならないのかもしれませんが、土地だけの取得を、事故前の価格で買い取ってもこれぐらいの費用にしかならない、こういう試算をしております。

 どうですか、政府として一回試算をしてみる考えはありませんか。

今村国務大臣 どういう根拠でされたのか存じませんが、必要であれば、我々も試算ということについては取り組んでいきたいと思います。

福田(昭)委員 これはぜひしてみる価値があると思います。なぜかというと、帰還困難区域を除染して復興拠点をつくるよりも、全域を買い取らせていただいて、例えばですけれども、そこを福島復興再生の森として造成して、しっかり政府が管理していくとか、そうした方が多分地元の人たちも喜ぶと思います。

 私のもとには、地元の人が帰還困難区域の土地をぜひ買ってほしいと言っている、そういう声も私のところには届いております。政府には届いておりませんか。

今村国務大臣 そういう話は私のところには来ておりません。

福田(昭)委員 それでは、この次の質問に入りますけれども、ぜひ住民意向調査でそういうことを聞いてみてください。住民意向調査でぜひ尋ねてみてください。

 それでは次に、二番目に、住民意向調査の結果と復興の拠点づくりについてであります。

 一つ目は、帰還困難区域の取扱いに関する考え方であります。平成二十八年の八月三十一日に政府が決定した話であります。「帰還困難区域のうち、五年を目途に、線量の低下状況も踏まえて避難指示を解除し、居住を可能とすることを目指す「復興拠点」を、各市町村の実情に応じて適切な範囲で設定し、整備する。」といたしましたが、これはいかにも、私から言わせれば、結論ありき、先ほども申し上げましたけれども、結論ありきの方針だということであります。先ほど大体聞きましたから理由は聞きませんけれども、では、なぜ結論ありきと私が申し上げるかということをこれから指摘してまいりたいと思います。

 二つ目は、原子力被災自治体における住民意向調査、帰還意向等の把握についてであります。そして三つ目の、避難住民のうち、戻りたいと考えている回答者の世代別内訳についてであります。

 資料の一と二をごらんいただきたいと思います。これは復興庁が昨年の十二月にまとめた資料であります。そこに、二枚目の資料の二の方には、調査対象の回答者数、それから戻りたいと考えている回答者数のパーセンテージ、割合を私の事務所で記入いたしております。

 そこで、まず資料の一をごらんいただきたいと思いますが、避難指示区域住民の帰還の意向ということでまとめてありますが、富岡町を調査したのは昨年の八月、双葉町と浪江町は九月、大熊町は一年前の二十七年の八月ということであります。

 つまり、先ほど申し上げたように、政府が基本方針を定めた、基本的な考え方を定めた八月三十一日、その月と同じ月、そして、その翌月に実は住民の意向調査をしております。だから結論ありきだと言っているんです。ですから、こうした調査を先にやって、住民の皆さんの考えを踏まえた上で対応策を考えるというのが普通じゃないですか。どう思いますか。

今村国務大臣 これは、先ほど言いましたように、何とかふるさとを取り戻したいという意向、そしてまた、いろいろな線量等の客観的な環境等々を勘案してこういった政府方針を出したわけであります。

 その中で、今委員おっしゃるように、住民の意向調査というもの、これをもとにしてということも確かに考えとしてはあるかもしれません。しかし一方で、やはりきちんとしたこういった対応方針を出すということで、ふるさとにその拠点をつくるということで、ある意味での一つの見える化といいますか、そういったものをやっていくと、また皆さん方の意向も変わってくるんじゃないかということも考えるわけでありまして、どちらを先にやるべきだ、こうだということは、それぞれの考え方があると思います。

福田(昭)委員 大臣、この住民意向調査は実はずっと何年もやっているんですよ。だから、住民の皆さんの考えというのは大体わかっているんですよ。この後言いますけれども、どんどんどんどん回収率が下がってきている。手紙を出しても返ってこない。

 ですから、まず資料の一でごらんいただいたように、戻りたいという人は、原発周辺の四町で見ると、大熊町が一一・四%、双葉町が一三・四%、富岡町一六%、浪江町一七・五%。戻らないという人たちが、大熊町が六三・五%、双葉町六二・三%、富岡町五七・六%、浪江町五二・六%です。戻らない人が過半数を占めている、六割も超えているところもある。

 次に、資料の二をごらんいただきたいと思いますが、避難住民のうち、戻りたいと考えている回答者の世代別内訳、これを見ると愕然とします。

 左の方からいきますと、まず富岡町は、調査対象に比べて回答者は四六・二六%、そして、戻りたいと考えている人はそのうちの一五・九七%ですが、全世帯の七・三九%です。五百二十世帯。

 双葉町は、三千三百五十五世帯のうち、四八・四%が回答して、そして、戻りたいという人はそのうちの一三・四一%、全世帯の六・五〇%。

 浪江町は、九千八十七世帯のうち、回答者は五三・五六%、そのうち、戻りたい人は一七・四九%ですが、全世帯の九・三七%。

 大熊町は、五千三百三十一世帯のうち、回答が五〇・〇三%、そのうち、戻りたいと考えている人が一一・三六%、三百三世帯です。全世帯の五・六八%です。

 これは、原発周辺の大熊町と双葉町は、戻りたいと考えている人は全世帯のわずか五・六八%、六・五〇%です。こんな状態。

 しかも、十代から二十代に至っては、これは全部大変なものですね。一番多くて、大熊町が三・六%。三十代、これは一番多い大熊町が五・六%。四十代、一番多い双葉町が一〇・一%。若い人ほど戻りたくないんですね、これは。

 これだけの資料を見て、どうして、復興拠点を除染して、戻る場所をつくる、こういう判断ができるんでしょうか。大臣、いかがですか。

今村国務大臣 先ほども言いましたように、やはり、ふるさとを取り戻すということは、これは私たちもしっかり支えていかなければいけないというふうに思っております。

 そういう中で、今まで六年間、ある意味では本当にひどい状態のままで来たわけでありますが、ここに来て、新しいこういったことをやりますよ等々、一つのビジョンをしっかり示していく。先ほど、イノベーション・コーストという話もありましたが、例えばそれをベースにして、その外周部にも住んで、そして、そこに働き場を見つけるというようなこともできるわけでありますから、やはりしっかりしたビジョンを、今まで出せなかったそういったものを提示しながらやっていくと、また皆さん方の意向は変わってくるんじゃないか。

 そして、御存じかと思いますが、早く解除したところは、比較的、戻りたいという人がふえているということも、私が言っていることをある意味では少し裏づけているんじゃないかなというふうにも思っています。

福田(昭)委員 大臣、それは違うと思いますよ。

 四つ目の質問に入りますが、原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針を、そうしたことを踏まえて、二十八年の十二月二十日に閣議決定したわけでありますが、しかし、御案内のとおり、チェルノブイリは三十年たっても三十キロ圏内は出入り禁止ですよ。(発言する者あり)それはわかっていますよ。出入り禁止していますよ。しかし、それこそ帰りたくてしようがない人が帰っているのを政府は黙認しております。

 ですから、そういう意味では、先ほども質問の中にもありましたけれども、それぞれが自己決定する自由権、移動する権利、戻らない権利、そこに戻りたい権利、どこかへ行く権利、それは当然、子ども・被災者支援法の中でそうしたことは位置づけた話であります。

 そこで、チェルノブイリの例等を考えてみれば、帰還困難区域まで戻すというのは私はミステークじゃないかなというふうに思っております。

 次に、五つ目でありますが、五つ目が、避難指示解除後の帰還状況についてであります。

 先ほど大臣からもちょっとありましたが、それでは、住民の帰還状況、そして児童の帰還状況、これが現在どんなふうになっているか、ぜひ答弁をしてください。これは事務方の方がいいかもしれないね。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 避難指示解除後の住民の帰還状況でございますけれども、各市町村の数字によりますと、最新の帰還率が、田村市の旧避難指示区域につきましては七三%、川内村全域で約七〇%、楢葉町で約一一%、葛尾村で約九%、南相馬市の旧避難指示区域で約一六%という数字でございます。

 また、児童の状況でございます。これは六年たっておりますので厳密な意味での帰還とはちょっと違いますけれども、本日、楢葉町、それから南相馬市小高区で小中学校が再開しておりますので、そちらを例にとりますと、楢葉町では、震災前の小中学校の生徒さんに対しまして、割合といたしますと約一五%、百五名の方がきょう入学をしている、それから、南相馬市小高区の方でございますけれども、こちらは百三十一名で、震災前との比較でいいますと約一二%という数字になっております。

 以上でございます。

福田(昭)委員 今話があったように、本当に戻る人たちはごくわずかなんですよ、これは。しかも、帰還困難区域じゃない。今まで解除したのは避難指示解除準備区域の解除ですね。それでも戻る人は少ない。今度は居住制限区域まで解除することになったわけですが、これで本当にどれぐらい戻るのかというのをしっかり様子を見れば、私ははっきりしてくるんじゃないかなと思っています。

 そこで、六番目の、復興の拠点づくりよりも合併を望む声についてであります。

 私のところへは、やはり健康不安がいっぱいの帰還困難区域の復興の拠点をつくるよりも、双葉郡の南の方はいわき市と、北の方は南相馬市と合併してもらった方がよいという声も届いておりますが、政府には届いておりませんか。

今村国務大臣 そういう話は私のところにはまだ届いておりません。

 この問題は、まさにそれぞれの自治体において判断されるべきものだというふうに思っています。

福田(昭)委員 確かに、町がなくなるということについては、大変なことですから、これは厳しい決断が必要だと思います。しかし、これは体制は違いましたけれども、足尾鉱毒事件のときには、当時の政府が谷中村を廃村にしました。そして、チェルノブイリでも同じく、これはソビエト連邦時代ですけれども、廃町にしました。

 そうしたことを考えると、もしこれから帰還困難区域を除染して、役場を初め学校だとか病院だとか買い物の場を整備して、五年後、では、どうぞ、帰ってくださいとなったときに、本当に帰ってくる人がどれだけいるんでしょうか。事故から十一年たつんですよ、あと五年ということは。八十歳の人は八十五歳を超える、七十五歳の人は八十歳になる。そうした中で、本当にどれだけの人が帰ってくるというふうになるんでしょうか。若い人はほとんど帰ってこない。それで町がしっかり残っていくんでしょうか。私は非常に疑問に思いますが、いかがですか。

今村国務大臣 委員が言われることもわかりますが、他方、先ほどもちょっと申しましたが、やはりこの地域を、また新しい産業を起こし、そして、いろいろな働き場ができる、そして、この日本の経済を引っ張っていく、そういう地域をしっかりつくっていくんだということを示し、そしてまた、具体的にそういう動きが出てくると、それを見て、若い人たちも、では、こっちに行ってみるかというようなこともあると思うんですね。

 だから、現状がこうだから、もうこのままで廃れていくんじゃないかということだけじゃなくて、やはり新しいそういった魅力ある地域をしっかりつくって、この流れをいい方に持っていくということも私は大事なんじゃないかなというふうに思います。

福田(昭)委員 私も、最初に申し上げたように、イノベーション・コースト構想とか、そのほかのものは大賛成ですよ。しかし、では、それをやったからといって、帰還困難区域に人が住んでくれるようになるのか、帰還困難区域の復興の拠点に。私はならないと思っているんですよ、基本的に。

 そういうことで、地元の人たちの住民意向調査を毎年やっているんですから、ぜひもう一度やってみてください。これはあと五年後ですから、もし始まって、除染をして、やったとしても、五年後に帰還宣言をするということになるんだと思いますけれども、そのとおりにいくかどうかは別として、ぜひこれは住民の皆さんの意向を聞いてみてください。

 政府として、私はやはり合併をするという方が好ましい、そして、帰還困難区域は全部買い上げる、これの方が好ましい、そう思って、私の質問を終わります。

 以上です。

吉野委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 民進党の玄葉光一郎です。

 まず冒頭、大臣からお話のあった、自主避難者は自己責任という問題でありますけれども、私、追及しようなどとは思っておりませんが、一言だけ申し上げると、私は被災地の国会議員でありますけれども、自主避難者の皆さんにどういうふうに申し上げてきたかといいますと、いつまでも戻るのを待っています、自分が納得できた時点で戻ってきてほしい、ずっと待っているから、そういうメッセージを自分は出し続けようということを心がけてきたんですね。

 そういう言い方をしていくのが私はいいんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。

今村国務大臣 おっしゃることももっともだというふうに思います。

 しかし、その一方で、まさに風化といいますか、時間がたつと、なかなかやはり、そこに住みついて、戻ってくるというのも難しくなるんじゃないかということも片一方であるわけですから、ですから、できるだけ早く環境整備をして、そして、ぜひ皆さん帰ってきてくださいということを強く私も望んで、また言ってきているわけでありまして、そういったところが余りにも前のめりに過ぎて、ちょっと発言が誤解を招いたようなことはあるかと思っておりますが、委員の言われることも、それはそれなりに胸のうちに秘めて取り組んでいきたいというふうに思います。

玄葉委員 多分、委員長はわかってくれると思うんですね。

 すごく思いはあるんです。例えば、残念ながら、科学的合理性に基づいた放射線に対する知見に対して、必ずしも理解をしていただけないという方も中にはいらっしゃるし、いろいろなことを思うと思います。でも、特に大臣、閣僚、あるいは私たちは被災地の国会議員なので、まさに言葉を選んで、やはり私たちは向き合わなきゃいけないと思うんです。

 私は、納得した時点で戻ってきてほしい、それが一番メッセージとして伝わるなというふうに思ってきたから、この六年の間、アドバイスとして、僣越かもしれませんけれども、申し上げているということです。

 いかがですか。

今村国務大臣 本当に、現地におられて一番苦労された玄葉委員のお言葉は大変私も重く感じますので、そこはしっかり受けとめて今後取り組んでいきたいと思います。

玄葉委員 さて、この法案でございますけれども、さまざまな角度から今も議論がございました。私は、この法案について、大きな方向性について賛同しています。

 ただ、心配なのは、やはり先ほども御議論がありましたけれども、財源の裏づけなんですね。ですから、恐らく、復興拠点をつくる今回の法案に関してのみなら、財源は今の枠組みの中から出せるのではないかというふうに想定もできるのでありますけれども、将来、全ての帰還困難区域の避難指示解除を目指すという立場でいくとなると、どういった裏づけで復興を進めていくのかということは、どうしても我々としては懸念せざるを得ないわけです。だから先ほどのような議論になったということだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

今村国務大臣 ですから、これは新たな取り組みであるわけであります。それで、やはりどういう拠点をつくっていけばいいのか、そしてまた、それによってどれだけの方がまた戻ってきていただけるのか、そういったことをしっかりと精査しながらやっていかなければいけないというふうに思っております。

 それによって、予算の規模なり必要なお金もまた変わってくるというふうに思っておりますから、そういった場合に、地元の皆さんともよく話をし、またいろいろな意向調査もしながら、そういった取り組みをし、そして、それに必要な予算は確実につけていくということでいきたいと思います。

玄葉委員 財源がなくて復興が進まないというのは一番困るんですね。このことは本当に肝に銘じていただきたいというふうに思いますし、一つのお願いでもあるわけでありますけれども、恐らく、特措法が成立すると、福島の復興基本方針の改定であるとか、さまざまなことをこれからアクションとして起こしていくというふうに思うんですけれども、ぜひ、自民党、公明党さん、与党の意見だけじゃなくて、民進党初め野党の意見にも、できればやはり決める前に、ヒアリングというか、意見を聞いてもらいたいなと思うんです。

 今回、こういう形でさまざまな角度から議論が出るのも、やはり事前の意見聴取というのが少ないように思うんですね。もちろん、混乱期というか、三・一一直後だったからかもしれませんけれども、私、ちょうどそのときは与党の政調会長と閣僚を兼任するという立場でした。あのとき何をやったかというと、直接担当していたわけではないんですけれども、自民党本部にも出かけました、公明党本部にも出かけて山口代表に会いました、そして、要望を聞いて、それを踏まえて方針をつくりました。

 これは、今村大臣、やはりいろいろな角度から議論が出るのは、もちろん国会だから、ある意味いいんです。いいんですけれども、本来、この問題というのは与野党ないと思うんですよ。与野党ないものに対して無用な対立を起こしたくないということもあるんです、地元のために。

 だから、今回のことだって、できるだけ、例えば、閣議決定の前に、関係者、あるいは復興本部というのが民進党にもある、本部長を初め幹部の皆さんにどうだろうかと、幹部の皆さんが、復興庁の皆さんが意見を聞くというのはやはり必要だと思うんですけれども、大臣、それは指示してもらえませんか。

 今までは、残念ながら、いや、私のところなんかには時々来ますけれども、では、復興本部の幹部にみんな行っているかというと、来ていないし、やはりこれは大臣がきちっと復興庁の中に指示してもらった方がいいと思いますね。

今村国務大臣 今言われた、復興にはまさに与野党はないということは、私もそれは同感であるというふうに思っております。

 その上で、やはり責任政党という立場から、今回のものもこうやって案を出してきているわけでありますが、今委員が言われたような取り組みというのも、私もそれなりに考えてやっていきたいというふうに思います。

玄葉委員 これは復興庁の幹部にぜひ指示してもらえますか。

今村国務大臣 そこはしっかり対応していきます。

玄葉委員 あと、本来は、原発事故を起こした国の責任の議論をちょっとしたいんですけれども、その前に、先ほども議論になっていましたけれども、私もこの六年間で一番大事な問題の一つだなと思うのはリスコミなんですね。このリスクコミュニケーションがきちっとできていないから、風評被害もなくならないし、原発避難者のいじめの問題も起きているというふうに思います。

 今までの答弁はもう聞いたので、今まで、例えば根本大臣のときに、私も質問して、根本さんが先頭に立って、省庁横断でつくったらいいんじゃないかと言った方でした。できました、でも、もっとわかりやすいものをつくると言ってくれています。

 問題は、その教材というか、つくったものをどうするかなのね。残念ながら、なかなか、つくって終わっちゃっているわけじゃないんだけれども、十分それらが浸透していない。だから、テレビも使う、ネットも使う。私は、あのときから言っているのは、例えば保健師さんだとか民生委員さんだとか、みんな使って、県内だけじゃなくてですよ、やはり日本全国一回りするとか、そのぐらいのことをやらないとこの問題はだめですね。

 大臣、やはりそのぐらい大胆にこの問題は、それこそ強い対応、大胆な対応をとるというふうに言ってください。

今村国務大臣 私も、今言われたことについては非常に問題意識を持っております。

 例えば、放射能とは何だということの理解が、一つの例ですが、何かウイルスみたいに思っている人もいるんですよ。だから、何かうつるんじゃないかとか、これは非常に単純な間違いなんですけれども、それが現実ですから、そういう意味では、放射能とはどういうものだ、放射性物質から出て、こういうものだ、そういったものを含めて、きちんとした放射能に対する理解、これをわかりやすくアピールすることが必要だと思います。

 そういう意味で、先ほどの前の委員の質問にも答えましたけれども、そういったビラ等も私が先頭に立っていろいろ今やってつくっているところでありまして、これを、今委員が言われたように、ただつくって、それでどこかに置いておくというんじゃ困るわけであって、具体的にやはり国民の皆さん一人一人に、ああ、こういうものかというのがわかるように、その広報体制や周知体制、そういったものもしっかりと、これはまさに官民挙げてやっていく決意でございます。

玄葉委員 これは本当に、大臣、相当決意を持ってやってもらわないと困ります。

 今までも一歩一歩は進んでいるんだとは思っているんです。本当に、この間、やはり六年間、私は、誰がよかったとか誰が悪かったじゃなくて、それぞれの関係者はそれぞれの立場で、その時々、与党だったり野党だったりしたけれども、努力してきたと思いますよ。だから福島も何とかここまで来たんだと思うんですね。それをやはりそれぞれが認め合いながら、しかし、この問題はちょっと足りない。

 これは、本気で腹を据えてやるぞと、自分が大臣のときに決着させる、もちろん一〇〇%の決着はできないかもしれないけれども、決着させるんだぐらいの気持ちでぜひ取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

今村国務大臣 これはもう全力を挙げて取り組んで、早急にやってまいります。

玄葉委員 先ほども出ていましたけれども、最新のデータもたくさん出ていますので、それも織り込みながらやっていただければ私は大分理解は進むはずだというふうに思っています。

 最後に、私、この間の本会議場でショックだったことがありまして、それは、原発事故を起こした国の責任を自覚すべきだと、細野さんだったんですけれども、言ったときに、議場で、何を言っているんだみたいなやじがかなり飛んだのを聞いて、ちょっと私はショックだったんです。

 これは、どの政権で起きた事故だからどうだこうだとか、そういう問題じゃ全くないと私は思うんですね。この原発事故というのは、福島第一原子力発電所の事故というのは、根源的な原因は一体何だったのかということは、やはり、あの本会議場での多くの皆さんのどよめきを聞いて、あるいはやじを聞いて、私はもう一回確認しないといけないなと強く思いました。

 大臣は、第一原子力発電所、一Fの事故の根源的な原因は何だというふうにお考えですか。

今村国務大臣 私は、やはりこの問題は、まさに安全神話ということに陥ってしまっていたということであると思います。

 安全安全とずっと言い続けてきたわけでありまして、本当にこういう事故が起きたらどうするんだ、こういうケースの場合はどうするんだという、二の陣、三の陣で対応するというような取り組みがやはり少し不足していたんじゃないかなということで、こういったことの反省も踏まえて、これからしっかりと取り組んでいくことが大事だというふうに思います。

玄葉委員 大臣、これはもっとよく深く考えてもらいたいと思うんですね。そうじゃないと、このことでの国の責任というのがやはり腹に入っていないと、これから復興の政策は定まりません。大きな基本方針は定まりません。

 国会事故調、これはニュートラルに調査報告を出したというふうに思いますけれども、どう書いてあるか。平成十八年、二〇〇六年ですよ、「二〇〇六年には、福島第一原発の敷地高さを超える津波が来た場合に全電源喪失に至ること、土木学会評価を上回る津波が到来した場合、海水ポンプが機能喪失し、炉心損傷に至る危険があることは、保安院と東電の間で認識が共有されていた。保安院は、東電が対応を先延ばししていることを承知していたが、明確な指示を行わなかった。」こう書いています。

 あるいは、「今回の事故は、これまで何回も対策を打つ機会があったにもかかわらず、歴代の規制当局及び東電経営陣が、それぞれ意図的な先送り、不作為、あるいは自己の組織に都合の良い判断を行うことによって、安全対策が取られないまま三・一一を迎えたことで発生したものであった。」こういうふうに書いてありますけれども、大臣はどう感想を持たれますか。

今村国務大臣 やはり、この意見をもっと真摯に受けとめて、ちゃんとした対策をとっていくべきだったというふうに思っております。

 どうしても、先ほど言ったように、そうはいっても安全だというふうなことについつい陥ってしまっていたんじゃないかというふうに思いますから、やはりそこは謙虚に反省し、また、今後こういった意見が出たときには、それをちゃんと受け入れて対応していくということが大事だと思います。

玄葉委員 これは、要は原子力安全についての監督機能が、規制機能が全く機能していなかったと言っているわけです。国の責任だと言っているわけですよね。

 これは私たちも含めて国会議員、吉野委員長も唯一自民党の中で保安院を分離しろと言っていた議員だと私は記憶をしていますけれども、私も、保安院を分離すべきだ、規制当局は中に置くんじゃなくて、推進する経産省の中に置くんじゃなくて、外に置いて厳しくチェックすべきだと当時の福島県知事は何度も言ってきたんですよ。

 もし本当にそれをやっていたら、起きていなかったかもしれませんよ。厳しい審査をして、厳しい規制をかけて、起きていなかったかもしれないんですよ。これは明らかに国の責任でしょう。どう思いますか。

今村国務大臣 まさに今回の事故の経緯は、大きな津波が来て、そしてそれが、先ほど言われたように、配電系統がやられ、あるいはポンプがやられ、そしてまた外部からの電源も来ない、そして自家発電もうまくいかない、そういったことが現に起きたわけでありますから、そういったことはしっかり受けとめて、今後、そんなことが二度とないようにやっていかなければいけないというふうに思っております。

玄葉委員 ぜひこれは、私たち国会議員全員そうなのでありますけれども、国会議員全員もこういうことを自覚した上で、この原発事故に対しての復興の政策を考えていかなければならないということを改めて私はこの場で申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

吉野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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