衆議院

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第2号 令和元年5月9日(木曜日)

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令和元年五月九日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   会長 森  英介君

   幹事 江渡 聡徳君 幹事 木原  稔君

   幹事 小林 鷹之君 幹事 新藤 義孝君

   幹事 棚橋 泰文君 幹事 平沢 勝栄君

   幹事 山花 郁夫君 幹事 階   猛君

   幹事 北側 一雄君

      石破  茂君    稲田 朋美君

      衛藤征士郎君    越智 隆雄君

      大串 正樹君    大塚  拓君

      鬼木  誠君    上川 陽子君

      黄川田仁志君    後藤田正純君

      田所 嘉徳君    冨樫 博之君

      中谷  元君    中山 泰秀君

      野田  毅君    福井  照君

      船田  元君    松本 剛明君

      務台 俊介君    盛山 正仁君

      山本  拓君    枝野 幸男君

      小川 淳也君    近藤 昭一君

      辻元 清美君    中川 正春君

      本多 平直君    道下 大樹君

      山尾志桜里君    奥野総一郎君

      源馬謙太郎君    日吉 雄太君

      古川 元久君    岡本 三成君

      遠山 清彦君    赤嶺 政賢君

      馬場 伸幸君    井出 庸生君

      照屋 寛徳君    井上 一徳君

      長島 昭久君

    …………………………………

   参考人

   (一般社団法人日本民間放送連盟専務理事)     永原  伸君

   参考人

   (一般社団法人日本民間放送連盟理事待遇番組・著作権部長)         田嶋  炎君

   衆議院憲法審査会事務局長 望月  譲君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月八日

 辞任

  本村 伸子君

同日

            補欠選任

             日吉 雄太君

同月九日

 辞任         補欠選任

  田所 嘉徳君     冨樫 博之君

  本多 平直君     枝野 幸男君

同日

 辞任         補欠選任

  冨樫 博之君     田所 嘉徳君

  枝野 幸男君     本多 平直君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(憲法改正国民投票に係る有料広告の自主規制の検討状況について)


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     ――――◇―――――

森会長 これより会議を開きます。

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に憲法改正国民投票に係る有料広告の自主規制の検討状況について調査を進めます。

 本日は、本件調査のため、参考人として一般社団法人日本民間放送連盟専務理事永原伸君及び一般社団法人日本民間放送連盟理事待遇番組・著作権部長田嶋炎君に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわらず御出席をいただき、まことにありがとうございます。参考人のお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。

 本日の議事の順序について申し上げます。

 まず、永原参考人から代表して十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対し参考人各位にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際はその都度会長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑することはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 御発言は着席のままでお願いいたします。

 それでは、永原参考人、お願いいたします。

永原参考人 日本民間放送連盟専務理事の永原でございます。

 私どもは、昨年十二月二十日の理事会で、憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢を決定しました。また、本年三月二十日の理事会で、国民投票運動CMなどの取扱いに関する考査ガイドラインを決定いたしました。

 本日は、最初に、この基本姿勢と考査ガイドラインについて御説明申し上げます。その上で、CM規制に対する民放連の基本的な考え方について御説明申し上げます。

 お配りした資料の一が、昨年十二月二十日の理事会で決定しました基本姿勢でございます。

 まず冒頭、一ページ目の二段落目で、憲法改正が発議された場合には、番組とCMを通じて正確かつ多角的な情報を提供することが放送事業者としての当然の責務であることを改めて確認しております。番組、特に報道活動に関しましては、三段落目で、留意すべき民放連放送基準の条文、具体的には十一条、三十四条、四十七条への留意を強調しております。

 CMにつきましては、一ページ目の一番下の段落でございますが、テレビ、ラジオCMは生活になくてはならない存在であることをまずうたい、その上で、二ページ目の最初の段落で、留意すべき放送基準の条文、具体的には八十九条、百一条、九十七条を列挙して、より慎重な対応が求められることを強調しております。

 最後のパートは、憲法改正に関するいわゆる意見広告の扱いに関する言及となります。

 これは、先生方よく御存じのことと存じますが、国民投票法百五条で放送を禁止されているのは、憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘するCMでございます。そうしますと、直接的な勧誘を示す表現はないけれども、憲法改正に関して意見を述べる、いわゆる意見広告の形をとるCMは、百五条は直接的には禁じていないこととなります。しかしながら、投票日前の十四日間に憲法改正の意見CMが放送されれば、国民・視聴者が戸惑うのではなかろうかと私どもは考えました。

 百五条の趣旨は、投票日直前については言論の自由市場で淘汰する時間的な余裕がないので、放送を禁止して国民がクールダウンする時間を設定するというものであると理解しております。

 この条文の立法趣旨を踏まえまして、主権者一人一人が冷静な判断を行うための環境整備にも配慮することが、我々放送事業者に対する社会的な要請であると考え、いわゆる意見広告の形をとった憲法改正に関するCMなども、投票日前十四日間は放送しないことを会員各社に推奨することにした次第であります。

 なお、独占禁止法との関係から、選択肢という表現を用いましたとおり、最終的には会員各社が自主的に判断することといたしております。

 この決定に対して、昨年九月の理事会で決定しましたCM量の自主規制を行わないという方針との関係はどのように整理しているのかと思われる向きもあろうかと思いますので、この点を補足させていただきます。これは資料の三、カラーの図をごらんください。

 国民投票法は、百条で国民の表現の自由を不当に侵害しないよう求めています。憲法改正で発議された項目について賛成であれ反対であれ、それが広告という表現形態であっても、その意思の表明は政治的表現の自由として最大限尊重されなければならないというのが国民投票法の精神であると理解しております。

 そのため、広告放送に関しましても、十二年前の立法当時の御議論は、一言で言えば、広告合戦のような事態となっても、それは言論の自由市場で淘汰されるべきであって、安易な広告規制は国民の表現の自由を脅かすという考え方が、自民党、公明党、さらに当時の民主党の法案提出者の一致したお考えであったと理解しております。

 昨今、資金力の多寡によってCM量に違いが出て、それが国民の判断を左右してよいのかというCM規制論が盛んになっていることは、私どもも十分認識しております。しかしながら、私どもは事業者団体ですので、現在ある法律、現在あるルールに従って行動することとなります。今回の場合、国民投票法の条文や立法趣旨に沿って判断するということでございます。

 したがいまして、百条で国民の表現の自由を最大限尊重するよう求めていることを受けて、発議されてから投票日の十五日前までの間はCM量に特化した自主規制は行わないとしつつ、百五条で静かな投票環境を求めていることを受けて、投票日前十四日間は、国民投票を勧誘するCMだけでなく、憲法改正に関する意見CMなどもあわせて放送しないことを会員各社に推奨するということでありまして、百条、百五条という国民投票法の条文、立法趣旨にかなった対応であるという点で、首尾一貫しているものでございます。

 次に、本年三月二十日の理事会で決定した考査ガイドラインについて御説明します。

 資料の二をごらんください。

 一ページ目の放送事業者の責務、ガイドラインの位置づけ、原則。ここまでの記述は、ただいま御説明しました基本姿勢で示した内容を改めて確認したもので、ガイドラインの具体的中身は、二ページ目の中段にございます適用範囲以降となります。

 まず、適用範囲で、憲法改正に関するCM全般が対象であることを明示しております。

 次に、広告主では、門戸は平等に開かれていることを広告主にきちんと示すことが重要であると考え、(7)、(8)のような表現となっております。

 次に、三ページ目に移りまして、出演者で、(9)は、政党その他の政治活動を行う団体の場合は原則党首又は団体の代表のみとしております。

 次のCM内容も具体的な記述が並んでおりますが、これらの記述は、会員各社が政党スポット、意見広告のCMを取り扱う中で、従来から判断基準としていた内容を明文化したものでございます。先ほどの広告主の項目で個人の広告は取り扱わないとしているのも、出演者の項目で原則党首又は団体の代表しか受け付けないとしているのも、従来からの判断基準に沿った内容であります。

 以上が、昨年十二月及びことし三月の理事会で決定した基本姿勢と考査ガイドラインの内容の御説明でございます。

 民放連としましては、昨年九月の理事会でCM量の自主規制は行わないという方針を決定して以来、国民投票運動の放送対応について進めてきた検討作業は、これで一区切りとなります。

 次に、CM規制に対する民放連の基本的な考え方について申し述べたいと思います。

 昨年九月の理事会でCM量の自主規制は行わないという方針を決定して以来、さまざまな場面で、自主規制しないなら法規制してよいのかと問われることがございました。

 十二年前、民放連の参考人が、番組基準の日常的な運用や考査ガイドラインの策定を念頭に、放送事業者の自主規制に任せてほしいという趣旨の発言を行っております。こうした考えは、十二年前も今も基本的に変わりはございません。私どもは放送法で定められた範囲内でしっかりと自主規制を行っていく所存ですし、そこに法令による規制を加えることは望ましくないと考えます。それは、放送事業者の表現の自由を侵害するおそれがあるからでございます。

 放送事業者はメディアですから、メディアに対する行政府や立法府による不当な介入を排除するため、常に自主自立の存在でなければなりません。放送事業者の表現の自由に法令で規制をかける、強化するという動きには、常に、望ましくない、反対であるというのが私どもの一貫した立場でございます。他方で、放送事業者による自主規制では及ばない部分がございます。それが、国民の表現の自由に対して放送法の枠を超えて制約を課すというところでございます。

 これは、国民投票法の精神や百条の条文に反することでございますので、法的な根拠もない中で放送事業者の勝手な判断で行うわけにまいりませんし、行うべきでもございません。そのように考えて、昨年九月の理事会で、CM量に特化した自主規制は行わないと決定したわけでございます。

 国民投票運動CMの問題は、二つの表現の自由が関係します。一つは、放送事業者の表現の自由です。その観点から、私どもの自主的な取組はぜひ尊重していただきたいですし、そこに法規制をかけることには、十二年前も今も変わらずに反対であります。もう一つが、国民の表現の自由です。幾ら自分たち放送事業者の表現の自由が大事だからといって、他者の表現の自由をないがしろにしていいはずがございません。ですから、私どもは、国民の表現の自由に放送法の枠を超えて放送事業者独自の判断で規制をかけることは行わないと決めました。

 わかりにくくて大変恐縮ですが、二つの表現の自由が関係するためのわかりにくさであると御理解いただければ幸いでございます。

 その上で、国民の表現の自由に対する法規制についてでございますが、基本は国会で御議論いただくことでございますけれども、もし私どもの見解を問われたとすれば、これは、事は国民の表現の自由に制約を課すという話でございますので、法律で規制することにはやはり極めて慎重であるべきだと私どもは考えます。

 十二年前の国民投票法の立法過程において、具体的には、平成十八年六月一日の衆議院本会議で当時の民主党憲法調査会長枝野幸男先生がこのように発言しております。テレビ、ラジオの広告放送による改正賛成のキャンペーンについて一律に禁止してしまえば、改正賛成だけでなく改正反対の主張もできなくなり、表現の自由が脅かされます。この考え方に私どもは賛同いたします。国民の表現の自由を最大限尊重することが、議論の大前提、議論の出発点でなければならないと考えます。

 そもそも、国民投票運動は、国民一人一人が萎縮することなく自由に行うことが大原則であり、広告を厳しく規制してしまうと、国民投票運動の萎縮、すなわち、低投票率の懸念リスクを高める可能性があるというのが十二年前の国会の御議論であったと理解しております。

 広告には国民投票運動の盛り上がりを下支えする重要な役割があると私どもは考えます。少なくとも、広告規制と投票率がトレードオフの関係にあることは十分に意識して議論していただきたいと思います。それでも、広告にはさらなる規制が必要で、今ある投票日前十四日間の放送CMの禁止だけでは不十分とお考えになる方もおられるかもしれません。しかし、そうであれば、その場合の議論は放送CMだけを俎上にのせるのではなく、広告全般に対する議論でなければおかしいと考えます。

 民放連では、ことし、インターネット広告費が地上波テレビの広告費を抜くと予測しております。テレビ広告費は、一九七五年に新聞広告費を上回って以来四十年以上にわたって媒体別広告費で首位の座を占めてまいりましたが、ことしはついにインターネット広告にその座を譲るというエポックメーキングな年となります。

 にもかかわらず、一例に挙げて大変恐縮ですが、国民民主党が昨年発表した法案を拝見しますと、政党の広告放送を発議期間中全て禁止するとなっております。つまり、規制の対象はテレビとラジオであります。

 テレビとラジオのCMは発議期間中全て禁止し、インターネット上の動画CMは投票日前十四日間も含めて規制の対象外であるという御主張ですと、これは広告規制ではなく、広告規制に名をかりた放送メディア規制ではなかろうかと懸念しているところでございます。

 その観点から、国会の御議論でも参考になり得るケースを幾つか御紹介させていただきます。

 まず、たばこメーカーは、業界の自主規制によって、テレビ、ラジオだけでなくインターネットでも銘柄広告を全面自粛しております。

 具体的には、日本たばこ協会の製造たばこに係る広告、販売促進活動及び包装に関する自主規準という中で、テレビ、ラジオ、シネマ、TVボード、インターネットサイト又はこれらに類する媒体による製品広告は行わないという規定がございます。

 また、CM規制の議論では、ある特定の団体が全ての放送CMを買い占めたらどうするのかという仮定の御質問を受けることがございます。

 七十年に及ぶ民間放送の歴史の中でそのような現象に一度も遭遇しておりませんので、そのような事態になるとは想像しにくいのですが、それでも心配だということでしたら、貸金業の業界ではテレビCMの月間の上限本数を自主規制してございます。

 具体的には、日本貸金業協会の貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則というものの中で、各放送エリアにおける放送総量について、月間百本(十五秒=一本換算)とし、二十二時から二十四時の時間帯の放送数上限は五十本とすることという規定がございます。

 広告規制には、法令による規制、媒体、メディアの自主規制、そして広告主による自主規制と三種類ございます。

 このうち、法令による規制や媒体の自主規制ですと、国民投票法百条との関係、すなわち国民の表現の自由の問題が避けて通れません。

 これに対して、広告主の自主規制、この場合は政党による自主規制ということになるでしょうが、政党自身がみずからの取決めで広告出稿を自粛なさる、あるいは出稿量を調整なさるというのであれば、国民の表現の自由を脅かす心配はなくなります。

 以上、CM規制に対する民放連の基本的な考え方を申し述べさせていただきました。皆様の御議論の参考にしていただけましたら幸いでございます。

森会長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

森会長 これより参考人に対する質疑を行います。

 まず、山花郁夫会長代理より審査会を代表して質疑を行った後、委員各位の質疑を行うことといたします。

 それでは、山花郁夫会長代理よりお願いいたします。

山花会長代理 永原参考人、そして田嶋参考人、きょうはようこそお越しをいただきました。昨年は、常会、臨時会と、幹事懇談会の形ではございましたけれども、二回御出席をいただきました。御意見を参考にして、当審査会としても今後の議論を深めてまいりたいと思っております。

 憲法改正国民投票法におきまして、今御発言がございましたとおり、投票運動は原則自由としております。この制度設計は、私自身がかつて強く主張いたしまして、当時は民主党案という形で表現をいたしまして、自民、公明両党の立案担当者の方にも最終的には御理解をいただいて、当時の与党案という形で採用していただいたものでございます。そして、現在の形になっています。

 もともと、公職選挙法の規定を参考にして国民投票法をつくるというプランもあったんですけれども、選挙のルールというのは結構技術的と申しましょうか、パズルのようなルールになっているところがありまして、一般の方には適法なんだろうか違法なんだろうかというのがわかりづらいところがございます。

 それはそれとして一つの問題ではあるんですけれども、憲法改正の国民投票に際して、ごくごく一般の方々が参加される中で、違法なのか適法なのかわかりづらいというのは望ましくないのではないか、憲法改正の国民投票に際して投票運動が摘発を恐れて萎縮することは望ましくないということから、原則として自由というような形にしたものでございます。

 この点、法律をつくるときにも幾つかの点について懸念は当時も示されておりました。ただ、選挙の場合は、それまで幾つもの経験値があって、具体的な弊害があったということで規制が積み重ねられてきているということがあるんですけれども、憲法改正の国民投票というのは我が国ではこれまで例がございませんでしたので立法事実が確認できなかったということも、一つの規制をかけない大きな理由でありました。

 しかし、この法律ができた後に、大阪における、いわゆる都構想に関する住民投票であるとか、英国におけるEU離脱の国民投票など、国内外で参考になる立法事実というものが散見されるようになりました。

 先ほども御紹介がありました平成十八年六月の憲法調査特別委員会で民放連の参考人が、スポットCMの規制について、自主規制はできますし、やらなければならないと思っていますと発言をされています。これは、賛否、イコールタイムの確保が可能かということの質問に対して答えたものでありますので、その場にいた委員は、当然、量的な自主規制に取り組む趣旨だと理解したはずでありまして、今の国民投票法はその前提でつくられております。

 昨年七月の幹事懇談会にお二方をお招きした際にも、自主規制については、その要否を含めて秋口までに検討したいと発言をされておりました。

 法制定時の段階では、十二年前のことをおっしゃっておられましたけれども、あのときには量的な自主規制の検討も念頭に置いていたけれども、昨年来の検討の結果、実務的にはそれは無理だと判明したのだということであれば、その当否は別としても、理解できますけれども、先ほどのお話でも、十二年前と変わっていないのだという説明は、いささか理解に苦しむところがございます。この点について、改めて御説明をいただきたいと思います。

 また、当時の立案の担当者ないし交渉担当者が、本日、この後、質疑に立たれるようであれば、どのように受けとめて立案されたのかについてのコメントをしていただいた後、質疑されることを望みます。

 以上です。

田嶋参考人 お答えをいたします。

 当時の参考人のバランスを検討するという発言に関してでございますが、バランスを考慮した対応について、議論、検討を真剣に考えなければいけないという趣旨の発言を行ったのは、今先生御指摘のとおりでございます。

 ただ、参考人が、どういうことが我々の中でできるのかということをこれから真剣に考えなければいけないと申しましたとおり、当時、民放連において何か定まった方針があったわけではございません。

 議事録を見返しますと、参考人が、やや私見になる、あるいは民放連として意思決定した上での発言ではないということも申し添えさせていただきながら、仮定の話あるいは私見の部分も含めて発言した部分もございます。

 量あるいはバランスというものは、これは後ほども御質問をお受けすることになると思いますが、先ほど専務理事が御説明をした日常的な考査の要素でもございますので、そうした日常的な考査対応、日常的な各社の自律的な対応の中に要素として当然に含まれるので、そういった検討が必要だということを申し述べさせていただいたものだというふうに承知をしております。

 以上でございます。

森会長 次に、質疑の申出がありますので、順次これを許します。平沢勝栄君。

平沢委員 自民党の平沢勝栄でございます。

 永原参考人、田嶋参考人には、お忙しい中を本当においでいただきまして、ありがとうございました。

 質問に入らせていただきます。

 今、二つの文書について御説明がございました。この二つの文書に民放連の自主規制の全体像は出そろっているというふうに考えますけれども、この文書の中で、民放連は、国民投票運動は原則自由だけれども、しかし、放送メディアは影響力が大きいことから、国民一人一人が冷静な判断を行うことができる環境整備にも配慮するという観点から、憲法改正に関する意見表明CMなどの規制につきましては、国民投票運動CMと同様、投票期日前十四日から投票日までは取り扱わないこととするとしていますけれども、意見表明の場合は、民放連が各事業者に取り扱わないことを推奨する、こういった形で自主規制で行うという形になっているわけでございます。

 そこで、お尋ねします。

 まず、この二つの文書の位置づけなんですけれども、各会社が自主自律的な判断を行うときの参考資料として位置づけられているというふうに理解しますけれども、この二つの文書は民放連加盟事業者をどの程度拘束するものか、これをまず一つとしてお聞きします。

 二番目にお聞きしたいのは、憲法改正に関する意見表明CMなどについて、期日前十四日から投票日までの間は取り扱わないことを推奨するとありますけれども、この推奨というのはどういうことなんでしょうか。もし、これをぜひやってもらいたいなら、要請するとかということならわかりますけれども、随分弱い表現を使っているなという感じがしますけれども、この推奨という意味はどういうことなのか。

 それから、三つ目にお聞きしたいのは、最終的判断は、これは事業者に任せるということだろうと思いますけれども、事業者によって判断が当然分かれるわけですけれども、それについてはどうお考えか。

 それについて、まずお聞きしたいと思います。

田嶋参考人 御質問ありがとうございます。

 専務理事から先ほど御説明をいたしましたように、独禁法との関係などもございますので、選択肢という表現を用いさせていただいております。最終的には、会員各社が自主的に判断をするということになります。

 国民投票法の百五条の趣旨につきましても、先ほど申し上げさせていただきましたとおりでございますけれども、直前十四日間の国民投票運動CMの禁止、それに今回、この基本姿勢で、自主的にその他CMについても自粛をしてまいります。

 業界団体でございますので、いかなる表現をもちましても、会員社に対して強制力を発効するということは、これはもう不可能でございますが、この間、部内的には、丁寧に、あるいは慎重に、英知を集めて検討した結果ということがございますので、各社が自主的に判断をする上でも、それなりの合理性、あるいはそれなりの説得力のある中身であることは間違いがなかろうというふうに思います。

 ですので、表現ぶりにつきましては御意見があるかもしれませんが、その実効性、制度的なものではなくて実務的な実効性というものについては、言葉では拘束力というふうに申し上げるわけにはまいりませんけれども、それと同等のものが結果として運用の段階で持ってくるというふうに考えております。

 以上でございます。

平沢委員 次に質問したいと思いますけれども、対象事業者の範囲についてお聞きしたいと思うんですけれども、対象事業者、民放連に加盟するBSとかCSとかラジオ局などは当然対象になると思うんですけれども、先ほどございましたように、インターネットは全く対象にならないということだろうと思いますけれども、まず、民放連に入っていない事業者はどうなるのか。

 それから、インターネットは先ほど入っていないというお話がありましたけれども、インターネットは、広告料からするとテレビ局とインターネットというのはほぼ同じとも聞いていますけれども、そうであるならば、そのインターネットの影響力、これは、テレビ局などの、要するに民放連の加盟事業者とインターネットの影響力というのはどういうふうにお考えになっておられるか、教えてください。

田嶋参考人 民放連の決定でございますので、これはもう御案内のとおりでございますが、会員各社に対してというものが一義的な位置づけになります。

 ほかの事業者、媒体の皆様がそれをどうごらんになるかは、この場でお答えは控えさせていただきますが、御参考になさることもあろうかというふうには思います。

 インターネットにつきましても、放送の方で、民放連が、特に地上基幹の放送事業者の団体である民放連が、このような放送の公共性、影響力に鑑みてこういうことを決めたのだということは、まあインターネットの事業者もごらんになるでしょうから、御自身の対応ぶりはわかりませんけれども、一定の効果はあるのではないかというふうに思います。

平沢委員 次に、ガイドラインについては、特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう特に留意する必要があるという記述がございます。

 そこで、この記述についてお聞きしたいと思うんですけれども、まず、特定の広告主とはどういう意味なんでしょうか。広告主が一つということなんでしょうか。それとも、賛成、反対、グループ全体として広告主というふうに言っておられるのか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。

 それから、一部の時間帯ということを言っておられますけれども、これは、例えばゴールデンタイムとかあるいは深夜帯とか、そういったことを言っているんでしょうか。どういう意味でしょうか。

 それから、コマーシャルの時間帯を変更することによってある程度量的規制がいわば左右できるということであるならば、今、賛成派、反対派のいわば公平の確保というのが問題になっているわけですけれども、この公平の確保を、時間帯を移すことによってやることがある程度は可能になるというふうに見ていいのかどうか、これもちょっとお聞きしたいと思います。

田嶋参考人 このガイドライン上は、特定の広告主という表現は、ある一の広告主様、アドバタイザーを想定をしてございます。ただ、先生おっしゃいますように、意見の表明になる広告になりますので、賛成のお立場、反対のお立場という仕分についても、直接のガイドラインではございませんが、考慮の要素としてはあるようには思います。

 そういった特定の広告主のCMあるいは一方の御主張のCMが特定の時間あるいは特定の番組に集中をして放送されますと、一つには、ごらんになっている視聴者が、放送しているテレビ局あるいはラジオ局の意見なのではないかというふうに誤解をされる可能性もございます。ですので、一つには、そういう趣旨から留意する必要を述べております。

 あるいは、番組のカテゴリーもございまして、例えばニュースの中であるとか、こういうことは恐らく運用上はないと思いますが、ニュースの中であるとか直前、直後に特に国民投票運動CMなどが入ってまいりますと、放送事業者の意見と混同をよりされやすくなりますので、避ける必要もございます。

 あるいは、ラジオにおきましても、ラジオの特性として、やはりリスナーとパーソナリティーなどの距離が一層テレビより近うございますので、ラジオについても、番組の主張じゃないかということをリスナーが受け取られることがございますので、そういった点についても留意をしなければいけないということがございます。

 時間帯については、おっしゃるような要素は結果としてやはりCM全般に言えることですが、視聴者への過剰感というものがあってはならないために、民放連の自主基準の要素の中にも過剰感ということがキーワードになってまいりますので、結果としてこれは量の御議論と結びつくかどうかはわかりませんが、過剰感という要素では、これも公平というものに結びつくかどうかわかりませんが、要素的なものはあるというふうに思っております。

 以上です。

平沢委員 時間が来ましたので終わりますけれども、本日の参考人質疑を踏まえまして、我々としても更に検討を進めまして、放送事業者ともよく連絡を図りながら、よりよい自主規制のあり方を目指していきたいと思います。

 ありがとうございました。

森会長 次に、枝野幸男君。

枝野委員 立憲民主党の枝野でございます。

 きょうは、現行法を制定するプロセスの時点の野党側の責任者でございました、当時の与党側の責任者だった船田先生とかなり綿密な議論、協議をしながら現行法をつくってきた、その立場からお尋ねをさせていただきたいと思いますが、まず最初に確認をさせていただきたいと思います。

 平成十八年六月一日に、民放連の立場から、当時の山田良明さんが参考人としておいでをいただき、そこで自主規制をやるということを言っていただきました。きょう御報告をいただきました基本姿勢とガイドラインがそのガイドラインの全体像である、こういう受けとめでよろしいですね。

田嶋参考人 先生おっしゃるとおりでございます。

枝野委員 それで、私の過去の国会での発言も引用していただいて大変光栄でございますが、確かに当時から、できるだけ国民投票運動は自由であるべき、法規制をかけるべきではない、私もそういう立場でしたし、全体もそういう立場であったと思っております。

 ただ一方で、テレビコマーシャルに代表されるような部分のところで、特に、量的な偏在などが全部自由放任でいいのかどうかということについては大変重要なテーマであると。

 そして、当時の議論では、先ほど申しました平成十八年六月一日の参考人質疑における民放連を代表しての山田参考人の御発言、そこで自主規制について非常に積極的なお話をいただきました。

 量的規制についても、よく引用される桝屋先生の質問に対する答えにとどまらず、自民党の葉梨先生の質問に対する答えでも、中身の問題もそうですし、量の問題もそうですし、そういうことを自主的にきちっとルールづくりをしていかなければいけないとおっしゃっておられます。また、お金のある方がどんどんとCMを流していくみたいなことは、国民がそれを許さないと思っております、そういうことを念頭に置いて、きちっとした話をしてルールづくりをするべきだとおっしゃっておられます。鈴木克昌委員に対しては、量の格差というのもバランスを図ってやっていくと、これもおっしゃっておられます。

 こうした御発言を受けて、量的な規制をされるということを前提にして、そこまでしっかりと自主規制していただけるならば法規制はしなくてもいいだろうというのが当時の立法者の私の明確な意思でございますので、これが当時の個人の意見であって、そうではない結論だけれどもごめんなさいと言われちゃいますと、今の法律自体が欠陥法だと言わざるを得なくなるのですが、そういう受けとめでよろしいでしょうか。

田嶋参考人 参考人の発言について御紹介をいただきましたが、当時の発言が、CMの量あるいはCMの賛否のバランスのみに着目をした自主規制、例えば、CMの総量を規制をしたり、繰り返しますが、賛否それぞれのCMに対して同じ放送時間を確保するといったこと、あるいはCM量に特化した自主規制を民放連が行うといったこと、このように国会でお約束をしたのではないかというお尋ねかと存じます。そこは、そのようには承知を、認識をしておりません。

 当時の参考人の発言の真意は、これまでも前回十二月の幹事懇談会でも御説明をし、本日も資料の三枚目に記載をしてございますとおり、日常的に放送事業者が放送法で義務づけられている番組基準、あるいは日常的な運用の中で対応する。その中で、量も要素になるかもしれませんが、全体の自主基準のありようを当然に検討し、自主基準そのものはやらねばならないということを申し上げたものだというふうに理解をしております。

 平成十八年の六月の招致の際、参考人は、放送法で保障されております放送の自律、あるいは放送局が自社で定める番組基準を日常的に運用する中で自主的に判断することを決定していけるだろうと思っているというふうにも申し述べさせていただいておるところでございます。

 以上です。

枝野委員 いや、従来のルール、基準、原則の中ではできないということは、これは、当時の山田参考人が葉梨議員の質問に対する答えで、今までの放送基準の中のいわゆる広告放送に関する条文に想定をされていないと明言をされているところでございます。

 また、繰り返しになりますが、先ほど申しましたとおり、何人もの委員の方々がこの量的規制に特出ししてお尋ねになっていることに対して、いずれも積極的な御答弁をされておられます。

 しかも、新党日本の滝実先生の質問に対しては、お金がある人とない人があったら、例えば料金を下げればお金のない人の機会がふえる、それで機会がふえたところに合わせれば一対一になるというような考え方もありますね、そういう機会均等、バランスをとるということの中で、どういうことが我々の中でできるのかということは、これから真剣に考えていかなければいけないというふうに思います。

 値段を下げてまで均等とするということについては、これは私見であり、民放連の確定的な意見ではないなという言い方というのはよくわかります、今の部分は。でも、そういうことまでおっしゃって、量的なバランスをとる、それ以外に今のようなこういう考え方もありますというようなことではなくて、結論的にやりますという言い方を当時の山田さんは言っておりますので、我々としては、量的なバランスをとる自主規制がなされるものだという前提で受けとめました。

 それが私どもの勝手な解釈だったというのであるならば、それは我々の間違いだということになりますが、ということになると、我々の前提にしていたものが違いますので、現行法は欠陥法だということにならざるを得ない。したがって、現行法のまま、国民投票は施行できないということになります。

 もちろん、これは自主規制ですので、だからやりなさいということは申し上げません。法律の方を、当時の民放連の御発言が真意と違っていたという受けとめをした中で法律がつくられたということで、もう一度当時に戻って議論をし直さなければならないというふうに思っています。

 これは私が一方的に当時の立法当事者として申し上げただけで、反対尋問の機会なく一方的に言うだけでは失礼ですので、ぜひ、当時の立法当事者である私と、当時の与党の責任者である船田元先生を当委員会で早急に参考人として呼んでいただいて、当時の立法意図、そして、今のような民放連の御説明だと、前提を欠いた欠陥法であるということについて明らかにさせていただきたい。審査会長にお願い申し上げます。

森会長 承りました。幹事会で協議いたします。

枝野委員 法が欠陥だと当時の立法当事者の片方が言っているんですから、このままではこの国民投票法は使えませんので、早急に幹事会で御議論をいただかなければならないというふうに思っています。

 今のは当時の認識と立法の前提の話でありますが、もう一点、国民投票というのは日本でやったことがなかった。誰もが手探りでありました。ただ、その後、大阪都構想の住民投票という大変参考になる例を実施していただきました。今回のガイドラインをつくるに当たって、当然、平成二十七年の大阪都構想の住民投票、これについての検証をされているんだと思います。

 報道では、東京新聞が、推進派四百八十本、反対派百二十本のCMだった。朝日新聞では、推進派の量は反対派の数倍であった。正確な量はどちらもはっきりしません。当然、民放連として、今回のガイドラインをつくるに当たって正式に調査をし、それを参考にされたと思うんですが、これについてどういう認識をされているのか、お話しください。

田嶋参考人 お答えいたします。

 具体的な数字について承知をしたか、調査をしたかというのは、内部の検討のプロセスでもございますので、お答えは控えさせていただきますが、大阪都構想というのは大変大事な経験だったというふうに私どもも思っております。

 大阪都構想の住民投票の際には、番組も含めた、特に大阪各社の放送全体の対応、番組とCMを合わせた放送全体の対応については、私どもも、調査とは申しませんが、ヒアリングをしたり、当然にいろいろ参考にさせていただいております。

 テレビ、ラジオのCMについて申し上げますと、各社とも当然に、放送法あるいは自社の番組基準に照らして放送上の判断を行っております。

 当時の民主党から、例えばでございますが、府民のちから二〇一五という任意団体のお名前での素材の御提供がございましたので、放送局側でこれを民主党と表示していただくようにお願いをしたというような考査の運用もしております。

 いずれにしても、今回の検討の中で、大阪都の経験というのは、先生御指摘のように、十分に参考にしております。

 以上でございます。

枝野委員 今、東京新聞の報道でも四倍ぐらいの量的な差がある、それが本当に適切だったのかどうかということは、これはまた、その後に生じた事象としてきちっと検証しなければならないというふうに思っております。

 また、先ほどの参考人の要請に加えまして、自主規制で量的規制をやるというのが、我々からすれば撤回、当時から違う認識なんだというのが民放連の認識のようですが、我々の立場からは撤回された以上は、これについての基本的な考え方はどうなのかという各界の意見も伺わなければならないと思っています。少なくとも、日弁連は明確な方針を出されておりますので、日弁連から参考人としてこの場で意見を聞いていただくということをお願いを申し上げて、私の質疑を終わります。

森会長 ただいまの件につきましては、幹事会で協議をいたします。

 枝野君の質疑は終わりました。

 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 国民民主党の奥野総一郎でございます。

 きょうは、御意見をいただきましてありがとうございました。

 私も、表現の自由あるいは放送の自由、報道の自由をいろいろな場で取り上げてきて、重要性については一番理解しているつもりなんですけれども、事、放送という媒体、メディアについてはちょっと違うんじゃないか。

 放送法の特殊性といいますか、そもそも放送法四条というのは、お手元の資料にありますけれども、「政治的に公平であること。」とか、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」ということで、何でも自由に放送していいんだと書いていないわけですよね。これは昔から憲法違反じゃないかという議論がたしかあったはずなんですが、しかし、こうやって存続しているという中で、放送法と表現の自由は一定の緊張関係にあると思います。

 このことは国民投票法にも明らかでして、一方で、百一条でしたか、百五条でしたか、表現の自由を尊重しろと言いつつ、附則で、放送法についてはその趣旨を踏まえろ、こう書いているわけですよね。この点についてどうお考えか。

 まず、表現の自由は大切なんだけれども、それに先立って、放送法の、政治的な公平性、あるいはフェークニュースはいけない、あるいは意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにする、あるいは公序良俗に反しない、これがまずいかなる場合でも適用になるべきだと思いますが、いかがですか。

田嶋参考人 放送法の四条につきましては、私どもが事業をやっていく上で大変大切な条文でございます。

 放送法四条につきましては、日常的に、特に政治的に公平であることということにつきましては、国民投票運動に限られるものではございません。意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどという規定もあわせて国民投票運動に当てはめてまいりますれば、運動に関する放送の全体の中で量と質を総合的に加味した上で政治的に公平ということであれば、公平性を確保、実現していくことが当然に求められているというふうに理解をしてございます。

奥野(総)委員 ありがとうございます。

 四条が当然適用されるということなんですが、そうすると、この四条の政治的な公平性の解釈については、政府の公式見解としては、一つの番組ではなく、放送事業者の全体の中でバランスをとるべきだ、これはいろいろな国会答弁の場でも皆さんおっしゃっているんですね。これを当てはめたときに、国民投票についての賛否、意見表明も含めてだと思いますが、賛否は政治的な意見だと思うんですね。

 これについて、賛否については番組全体として同時間、なるべく同じ枠を割り当てるべきだ、同じ時間放送すべきだというこの放送法の規定がかかってくるということになるんじゃないですか。ですから、少なくとも、放送法の要請としては、賛否についてはバランスをとるという要請がまずかかっているんじゃないでしょうか。

田嶋参考人 賛否の取扱いの公平性につきましては、先生おっしゃるとおりだと思います。

 ただ、どうやって公平を確保していくのか、あるいは何が公平なのかという部分につきましては、必ずしもストップウオッチ的な時間要素まで個々の番組で求められているとも思っておりませんし、必ずしもそこまで実現していかなくても、放送の全体で公平を図っていくことは日常的に行われているものであるというふうに理解をしてございます。

奥野(総)委員 今、私はあえて個々の番組とは言っていないんですね。放送局全体でということは、放送している時間の中で、放送時間帯の中で各個別の局がバランスをとることが求められているんじゃないですか、こう申し上げているんです。それを今否定されたんですか。

田嶋参考人 個々の番組の中で公平であれば一番わかりやすいように思います。

 ただ、個々の番組の中で、一回一回の中で、必ずしも……

奥野(総)委員 全体の話をしているんです。だから、個々の番組は当然言っていません。CMですから、個々の番組という概念も成り立たないんですよね。

 だから、政府の公式見解は放送時間です。例えば朝の五時から夜中の二時までやっているとしたら、その放送時間、あるいは一カ月の放送時間でもいいんですが、その放送時間の中でバランスをとりなさいということが従来の公式解釈なわけですよね。それは当然かかってきているんじゃないですか。だとすれば、各個別の局において、賛否についてはバランスをとってなるべく公平に、一分一秒たりともということは難しいのかもしれないけれども、なるべく公平になるようにする義務がかかっているんじゃないですかという問いです。

田嶋参考人 そういう意味での各社の運用につきましては、当然に番組の編集の中で最も重要な要素として各社が意識をして番組づくりに取り組んでいるというふうに理解をしてございます。

奥野(総)委員 もう一度確認しますが、そうすると、放送法上、賛否については、国民投票運動プラス賛否の意見についても含めて、全体として一つの局の中でバランスをとるべきだ、放送法はそう求めているということで、皆さんがそういう理解をされているということでよろしいですよね。

田嶋参考人 全体と申し上げる中の要素には、先生おっしゃったように、例えば朝五時から夜の二十何時までという全体もございましょうし、番組とCMをあわせて全体ということもあろうかと思います。そういった全体の中で公平を各社は当然に図っているものと理解しております。

奥野(総)委員 ガイドラインにそこは明確に書かれていませんが、もう一度、公の場ですから確認しますが、当然、賛否については公平に取り扱うべきだ、国民投票運動、それから賛否の意見表明を問わず、賛否については公平に取り扱うべきだという理解を皆さんがされていて、それにのっとってガイドラインが運用されるべきだということでよろしいんですね。

田嶋参考人 繰り返しますが、ストップウオッチ的な時間量、あるいは時間量に基づく賛否の量についてということであれば、そういうことではございませんけれども、当然に放送の全体について、繰り返して申しわけございませんが、放送の全体で政治的公平性を確保していくことは、当然に放送法四条の要請であると理解をしてございます。

奥野(総)委員 では、これが自主規制の重要な中身だ、バランスをとるべきだというのが自主規制の中身の一つだということで確認します。

田嶋参考人 ストップウオッチ的な量の要素にはなりませんが、当然、いろいろな意味の量の要素は私どもの自主規制の大事な要素であるというふうに理解をしてございます。

奥野(総)委員 そこを厳密に守っていただけるのなら、確かに、それをきちんとガイドラインの中に書いていただけるのなら法的規制は要らないのかもしれないんですが、書いていないものだから、そこを明確にしないものだから、この話が出てくるんですね。

 時間がなくなってきましたが、もう一点、別の観点から伺いますが、外国資本、外国政府がCMを要請してきたときに、それはガイドライン上、拒めるんでしょうか。

田嶋参考人 今回のガイドラインは、日常的な民放の自主規制、民放各社が日常的に行っている自主規制に、特に憲法についてアドオンしたものでございます。

 ですので、大事なことなのに書いていないじゃないかという御指摘の向きもあるかもしれませんが、当然に、各社の日常的な考査実務、あるいはこれまでの考査経験の中で定着をしている考え方につきましては、場合によっては、もちろん大事なものであろうと思いますが、特に書いていないものはございます。それは、漏れているということでもないですし、書いていないのでやらないのだということでもございません。そのようにまずガイドラインをごらんいただければというふうに思います。

 外国政府の広告につきましては、通商関係で過去、広告出稿をいただいている実例はあると思いますが、憲法改正の中で外国政府の広告を受けるかどうかということについては、基本、各社が考えることになりますが、広告主という項目をガイドラインの中でも立てさせていただいていることからも、広告主という要素は大変大事な要素ですので、各社でも、民放連のガイドラインをもう送致してございますので、社内議論があると思いますので、それぞれにまず深めていただいて、問題があれば、必要があれば民放連に寄せていただけるのではないかというふうに思っております。

 以上です。

奥野(総)委員 時間が来たので終わりたいと思いますが、これは日本国憲法の改正ですから、結構重要な問題だと思うんですよね。行間を読んでくれと言われても読めないし、明確にこれを書いていただかないと国益に反することだと思いますので、その点を申し述べて終わりたいと思います。

森会長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 両参考人に、私も公明党を代表して心から感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、時間も限られておりますので、早速質問させていただきますが、公明党内におきましては、国民の知る権利や憲法で保障されております表現の自由に配慮して、憲法改正の国民投票運動期間中はなるべく自由闊達な議論が行われるべきで、規制は必要最小限にすべきとの考え方が強くございます。

 しかし、本日もありましたとおり、政党の一部には、憲法改正の議論の公平性、これに配慮いたしまして、テレビのスポットCM等を更に現行以上に規制する法律を策定すべきとの主張もあるわけでございます。

 私は、本日の参考人の御意見を伺っておりまして、テレビのスポットCM規制といった場合には三種類の規制がある、そういう整理が参考人のお話の中でもされていたと思います。一つは、関係法律による規制。これは、既に国民投票法、また、同僚委員からも指摘がありましたように、放送法も一定の規制がかかっているということでございます。二つ目の規制が放送事業者による自主規制ということで、それに当たるガイドラインがきょう民放連から示されたと理解しております。きょうは余り議論になっておりませんが、三つ目の規制は政党を含む広告主による自主規制、これも三つ目の規制として考えられるということでございます。

 これを踏まえて質問でございますが、先ほどの永原参考人のお話を伺っておりますと、民放連としては、私が挙げた二つ目の、放送事業者による自主規制というのを三月二十日に公表した考査ガイドラインに基づいて行えば問題がないわけで、一番目の法律の規制については、現行以上の規制は不要であるという考え方と理解してよろしいでしょうか。

永原参考人 まず、法令による規制につきましては、放送事業者の表現の自由を制約するような規制は大変困るという立場でございます。

 例えば、先ほどの量のバランスを放送事業者は留意しなければならないというようなことを書かれましても、現実に、実務上そういうことが非常に難しくなってまいります。

 今回の考査ガイドラインというのは、通常私たちが政党のスポットCMや意見広告のCMで日常的に取り扱っている判断基準を明文化したものでございまして、今回、憲法改正国民投票運動のために新たに考え方を加えたというものではございません。

 そこで、例えば量のバランスを、先ほど奥野先生の御質問もありましたが、同じ程度の時間帯を確保せよということを言われてしまいますと、仮にそれを法律で書かれたりしてしまいますと、違う意見のところが、あえてインターネットやSNSに広報戦略として広告を集中してしまう、わざと出さないというようなことをされたときにどうするのか。もっとひどいことを言うと、悪用してあの放送局には出さないとか、そういうときにどうするのか、実務上非常に難しい問題が発生してしまいます。

 ですので、ガイドラインに書いていない、曖昧であるという御指摘も先ほどございましたけれども、これは、なるべく放送事業者の自主的、自律的な判断を確保したいがための曖昧さであるというふうにぜひ御理解いただきたいと思います。

 それと、我々は放送法で定められている範囲内は自主規制でやっていきたいと思っておりますので、この基本姿勢と考査ガイドラインをまとめましたが、国民の表現の自由を放送事業者が法律の根拠がない中で規制せよと言われても、これはできかねる話ですので、これは国会で御議論いただければ幸いだ。ただし、やはり基本的には国民の表現の自由を縛る話ですから、極めて慎重な扱いが必要ではないかと冒頭述べさせていただいた次第でございます。

遠山委員 永原参考人、ありがとうございます。

 続けて、関連で伺いますが、先ほど私が申し上げましたように、法令、法律による規制、放送事業者による自主規制に加えまして、私ども政党を含む広告主による自主規制という要素も当然あり得るわけでございますが、先ほどの永原参考人の冒頭の発言の中でも、放送事業者による自主規制だけではなくて、広告主による自主規制も検討した方がいいのではないかという趣旨の発言があったように理解をしておりますが、確認のため、この点についてもう一度見解を伺いたいと思います。

永原参考人 申しわけありません。まず大前提として、国民の表現の自由に法律で制約を課すことには慎重であるということが大前提でございます。

 その上で、そうは言っても、広告規制が必要ではないかと御主張される方がいらっしゃるものですから、これは私どもが主張しているわけではなくて、そういう御主張をなされるのであれば、それは放送CMだけを議論の俎上にのせるのではなくて、広告全般ではないでしょうかという趣旨で発言させていただいたものでございます。

 インターネットを含めてほかの広告に規制を強化せよと民放連が言っているというふうに誤解されると甚だぐあいが悪いので、ここは御指摘させていただきたいと思います。

 その上で、やはりこの十二年間のメディア環境というのは非常に大きく変わってきてございます。

 ちょうどこの国会で放送法も電波法も改正案がかかっておりますが、いずれも、新しい5Gという通信環境の中で、放送と通信の融合という中でどういうふうに放送事業者が取り組むのかということが議論となってございます。

 そうしますと、二〇〇七年当時というのは、通信環境、3Gというんですけれども、DVDをダウンロードするのに一時間ぐらいかかった。それが、本年プレサービスが始まる5Gでは三秒ほどでダウンロードできてしまう。そうすると、今は4Gというのが主流ですけれども、これで三十秒ぐらいでダウンロードできてしまう。これで動画配信サービスが非常に盛んになって、インターネット上の動画CMというのが非常に多くなっている。

 そのときに、これも事例として挙げて大変恐縮でございましたが、国民民主党さんの案ですと、テレビとラジオCMを規制対象として、発議期間中、最大百八十日間、政党のCMを禁止するという案でございます。

 そうすると、これだけインターネット上の動画CMが影響力を増すことが想定されている中で、我々テレビのCM、十四日間は、言論の自由市場での淘汰できる時間的ゆとりがない中でどうなのかと言われて、法律で禁止。百五条がありますが、インターネット上の動画CMについては何も規制の対象外で、テレビは影響力が依然として大きいと自分たちは思いますが、ラジオまで百八十日間と言われてしまいますと、これは広告規制の話ではないんではないでしょうかということを指摘させていただいた。このようなことでございます。

遠山委員 ありがとうございます。

 私も、個人的には、テレビ、ラジオのCMと、いわゆるウエブCM、インターネット上のCMとのバランスというのは、時代環境の中で考えていかなきゃいけない点だということは指摘をさせていただきます。

 時間がなくなりましたので、最後の質問をさせていただきます。

 三月二十日の考査ガイドラインにおきましては、国民投票運動CMだけでなく、憲法改正に関する意見を表明するCM、意見CMも投票期日前十四日から投票日まで取り扱わないことを民放連として推奨しております。

 二つ質問いたします。

 一つは、この推奨基準に明白に違反した放送事業者があらわれた場合、民放連としていかなる措置をとる予定なのかという点が一点目。

 もう一つは、特定のCMが憲法改正に関する意見を表明するCMに当たるか否かは各放送事業者の判断に委ねられておりますが、その判断基準を民放連として示していないのはなぜなのか。

 この二点についてお伺いをいたします。

田嶋参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、投票日を含めてその前十四日、投票日を入れますと運動期間中の最後の十五日間、こちらが国民投票運動CMについては法律で禁止をされております。もう御案内のとおりでございますが、国民投票運動の定義がございますので、賛成あるいは反対に投じてほしい、あるいは賛成、反対に投じないでほしいという直接的な勧誘表現があるものが国民投票運動CMでございます。

 私どもがその他のCMについて定義をしていないかどうかということですが、まず、国民投票運動CMの定義が今申し上げたようなものでございまして、確かに、放送をごらんになった視聴者、主権者、国民の皆さんには両方の区別がわかりにくいかもしれません。あるいは、区別することにそもそも意味があるのかということもあるかもしれません。

 ですので、直前十四日間は、法律による禁止に加えて、考え方の方で示させていただきましたように、その他のもの、その他の領域がずっと広がっていくわけでございますが、ここはもう自主的に、同じ十四日間、投票日を入れて十五日間、もう放送しないようにしましょうということを各社にお勧めをしたわけでございます。

 これに従わないということでございますが、民放連はお勧め、勧誘をしておりますので、仮に放送する会社があっても、従わないということではなかろうと思いますが、放送すれば、その同じ視聴者の放送エリアの中で、放送した会社と放送しない会社が出てきますと、当然に放送した会社は説明責任を求められることになるだろうというふうに思います。

 そういったことも含めて、制裁とは言いませんが、社会的に責任を負っていくということを認識して各事業者が判断をすれば、先ほどの御質問にお答えしましたように、一定の幅にはおさまってくるものだというふうに想定をしてございます。

 以上でございます。

遠山委員 会長、時間がもう終わりましたので終わりますが、私の最後に指摘した憲法改正に関する意見CMというのはどういうものなのかということについて、放送事業者の裁量が大き過ぎるとまたいろいろな問題があるのではないかということだけ指摘をして、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

森会長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 私たちは、憲法審査会は憲法改正原案、改正の発議を審査するための場であり、国民の大多数が憲法改正を望んでいない中、憲法審査会は動かすべきではないという立場であります。

 国民投票法についても、国民が改憲を望んでいないもとで改憲手続のための法整備を行う必要はないという立場をとってまいりました。

 同時に、国民投票法には最低投票率の規定がないこと、公務員や教師の意見表明や運動を不当に規制していること、改憲案の広報や広告が改憲推進勢力に有利な仕組みになっていることなど、極めて重大な欠陥があると指摘してきたところであります。

 本日は、テーマである有料広告について参考人に幾つか質問をいたします。

 有料広告については、潤沢な資金力のある方が有利ではないかという危惧が多く出されています。

 例えば、日本弁護士連合会は、ことし一月十八日に出した憲法改正手続法における広告放送及び最低投票基準に関する意見書で、一般に、広告放送を効果的に行うには数千万円から億単位の資金が必要であると言われている、したがって、資金力の多寡により、国民に提供される改正案に対する賛成及び反対に関する情報量に格差が生じるおそれがある、このように指摘をしております。

 昨年九月の東京新聞では、二〇一五年の大阪都構想の賛否についての住民投票で、資金力のある推進派が十八種類四百八十本のテレビコマーシャルを流したのに対し、資金力に劣る反対派は一種類百二十本だったと報道しています。約四倍の量の差があり、この差が投票結果に影響したという指摘も多くあります。

 資金力によって賛否のコマーシャルの量が偏る、あるいは、資金の有無によってコマーシャルでの意見表明の機会が制限されることについて、この点については参考人はどのように考えておられますか。

田嶋参考人 量につきましては、賛否のバランスの要素と絶対量の要素と両方ございます。

 量の絶対量についてのお尋ねかと存じますが、特定の広告主にCM枠のほとんど全部が買い占められるというようなことは、私どもの感覚では想定のできないことでございます。ですので、仮に放送広告に充当していただける資金を、まあ潤沢かどうかわかりませんが、多くお持ちのお立場の方がいらっしゃったとしても、絶対的な量が、放送全体がそれで埋め尽くされるというようなことはないように理解をしてございます。

 以上です。

赤嶺委員 先ほど申し上げたのは、禁止期間が二週間あるといっても、それ以前はいわば広告の規制がないわけですから、やはり資金量によって広告の違いが出てくることの懸念を申し上げたことであります。

 それで、日弁連は意見書で、憲法改正案の賛否に関する広告について量の規制を行わないのであれば、仮に憲法改正案の賛成又は反対のいずれかの広告のみが出稿された場合、そのまま片方の広告のみを放送することになるのか、このような疑問を呈しています。さらに、仮にそのまま放送することになるのであれば、放送法四条や民放連の放送基準にある政治的公平性や多角的に論じるといった規定や基準に抵触することになるのではないかと日弁連は指摘しておりますが、この日弁連の指摘については参考人はどのようにお考えでしょうか。

永原参考人 お答えいたします。

 まず、正直なところ、先ほど田嶋が申しましたとおり、憲法改正が実際に発議されたとして、賛成でもいいですし反対でもよいのですが、どちらか片方だけの広告が媒体にあふれ返るという事態はにわかに想定しにくいというのが率直な感想でございます。

 現行憲法が制定されて以来初めて憲法を改正しようということですから、当然、さまざまな立場の方々がさまざまな意見を開陳なされるだろう、その表現の手段として広告を選択されるということなのではなかろうかと思っております。

 しかも、広告媒体はさまざまございます。じっくり読んでもらおうと新聞の一面広告を選ぶところもございましょうし、若者に訴求しようと動画配信サービスやインターネット広告に予算を割くところもございましょう。また、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票では、バスの車体にスローガンを印刷したラッピング広告がよくニュースで報道されておりました。屋外広告や、電車やタクシーなどの交通広告を多用するというところもございましょう。

 そのような広告媒体の組合せによって憲法改正の発議案についての意見を国民に訴えるときに、放送CMだけで議論をされても、当然、ネット、SNSなど、ほかの媒体を選択するということもございましょうし、また、放送CMについても中盤から大量に投下するというような広報戦略をとるというところもございましょうし、出稿する側の広報戦略というのは媒体側でコントロールできるものではございません。政党のスポットCM一つとってみましても、ある政党はCMを大量に流し、ある政党は一本も流さないというようなことは日常的にあることでございます。

 国民投票法の条文を見ましても、国民投票運動のCMだけを特別扱いするよう求めた条文というのはございません。むしろ、国民の表現の自由を不当に侵害してはならないと百条に書いてございますので、私どもは、放送法の四条の準則規定や放送基準、更に今回まとめた基本姿勢、考査ガイドライン、このようなことを踏まえて、放送事業者が自主的、自律的に対応していくということだろうと考えております。

赤嶺委員 表現の自由というのは極めて大事なもので、特に選挙や国民投票法などについても自由に行われるべきだと考えております。私も沖縄県の選出ですが、県民投票が二回行われた地域でもあります。

 ただ、実態として、憲法という事柄を考えてみた場合に、やはりそこの広告は公平でなければいけない、そして民放連自身が公平にコマーシャルを流すということがどういうことなのかということについても真剣にお考えいただきたいなということを申し上げて、質問を終わります。

森会長 次に、馬場伸幸君。

馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸です。

 本日、参考人として、両名の方、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 真っ当な憲法審査会、久しぶりでございまして、どれぐらい久しぶりか調べてまいりました。前回真っ当な憲法審査会が開かれましたのは、平成二十九年の十一月。この間十連休というゴールデンウイークがございましたが、二十九年の十一月からカウントしますと約六百連休、この憲法審査会が休んでいたということで、非常に国民の要望から外れた審査会の運営になっているのではないかということを大変危惧をいたしております。

 きょう、前半の野党の皆さん方の、日本維新の会も野党でございますが、野党の皆さん方の質問を聞いておりますと、何かCM問題で、いろいろ、あの人を呼べとかこの人を参考人にしろとか、いろんな御意見もございまして、この先、このCM規制で憲法審査会がだらだらとまた開催がされるのではないかということを大変心配いたしております。

 もちろん、この問題が重要ではないということを申し上げているのではありません。本来、憲法審査会の目的は、憲法改正項目を審査する、それが主たる目的の場でありますので、このスポットCM問題以外にもいろんな課題があることは十分認識をいたしておりますので、同時並行的にそういった問題を片づけていくべきではないかということを提言申し上げておきたいというふうに思います。

 また、自民党の皆様方におかれましても、ゴールデンウイーク前でしたですか、自民党幹部の方から、ゴールデンウイークが明ければワイルドな憲法審査会を開催するというような御発言がございましたので、そのお言葉どおりやっていただきたいというふうに思います。やるやると言いながらなかなかやらない。新藤筆頭幹事が大変御苦労していただいているということは十分承知をいたしておりますが、オオカミと少年のようにならないように、やると言った以上やっていただく。どんどんとこの審査会の前向きな運営をぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。

 本題の方に入りますが、今回問題になっておりますCM規制、憲法改正国民投票法が制定された平成十九年に随分議論がされたというふうに聞き及んでおります。当時、私が秘書で仕えておりました中山太郎衆議院議員が日本国憲法に関する調査特別委員長を務めまして、この採決のときにもいろんな紆余曲折があったということは記憶をいたしております。ただ、中身については、先ほど来披露がございましたように、制度設計の根幹になる部分というのは、自由な運動を活発に繰り広げる、また、公正公平な運動を担保する、そのために必要最小限の規制を行うということが根幹になっていると思われます。

 先ほどもお話がありましたように、これは、発案は当時の民主党でございます。与党側であった自民党、公明党さんが、その民主党案に乗るという形で、主要政党が一致した到達点であったというふうに思われますので、ぜひそのときのスピリッツを思い出していただいてこの問題に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。

 そこで、我が党が一丁目一番地、政策の根幹としております大阪都構想の問題でございますが、先ほど赤嶺委員からは潤沢な資金があったと御披露いただきましたが、全然潤沢な資金はございませんでした。とにかく、あるお金を寄せ集めて、あの当時運動したという記憶がございます。

 この大阪都構想の住民投票、直接民主主義としては大規模な、またきちっとした法的な根拠に基づく住民投票でありましたが、実は、昨年の九月にマスコミ倫理懇談会全国協議会というものが開かれております。この中で、国民投票に関する分科会というものが設けられまして、テレビ業界の皆様方、CM担当者の皆さん方が意見交換をされたというふうに聞いております。

 その中で、四年前に行われました大阪都構想への賛否、これを問う住民投票の経験談というものが報告をされておりますが、民放連として、このときの主な中身について把握をされておられるようであれば、御披露いただきたいと思います。

田嶋参考人 マスコミ倫理懇談会は、秋口に毎年一回、地元の新聞社さん、地元のテレビ局さんが多いですが、の招聘を受ける形で、地方で年一回の全国大会がございます。国民投票の報道全般、あるいは新聞の方もいらっしゃいますし、放送、新聞以外の方もいらっしゃいます。そういう方が集まられて、意見を交換されたところでございます。

 大阪のテレビ社の方がスピーカーに立たれて、当時のいわゆる大阪都構想のときの放送対応について経験談をお話をされ、まだ社内的にも御議論の進んでおらない各メディア分野の皆様には大変参考になるお話が開陳をされたというふうに思います。

 中身全体につきましては、手元にちょっと資料がございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、放送事業者の認識としては、初めての経験ではございましたけれども、およそ、その社の放送対応の全体の中で、特に問題なく、まずは対応させていただいたと。もちろん、苦労話なども御披瀝はございましたけれども、そういう内容であったと承知をしてございます。

馬場委員 このときの実は裏側の話は、我々維新の会としては、十分な準備、資料の作成、自立的な考査というものを事前にきちっと行っておりました。その結果、用意ドンと運動が始まったときには、資金量ではなしに準備力の高さで、CM放送というものについて十分に活用ができたんじゃないかなというふうに振り返っております。

 他方、他党の皆さん方はその辺の準備不足が響いたんではないかというふうに感じておりまして、慌てて、終盤になってからCM放送を流し出しましたが、テレビ局の方にお伺いをしますと、かなり、虚偽といいますか、ネガティブな中身であったと、その部分については修正をしてくれというような注文をつけていただいたというような話も聞かせていただいております。

 きょうの、改めて考査ガイドラインを拝見すると、そういった観点でいろいろと御配慮をいただいている、きちっとした制度設計を行おうとしているという姿勢は感じております。

 ただ、ざっと見させていただきますと、先ほども御披露がありましたが、イギリスがEUの残留離脱を問う国民投票の際に、キャンペーンバスを走らせまして、イギリスがどんどんどんどんEUに拠出金を出している、この拠出金を出さなければ、国民健康保険、安くなりますよというようなことを書いていたそうでございます。実際には、拠出金を出す一方で、EUからは払戻金というものが払われておりますので、その一部が国民健康保険の財源になっているという、そういった事実は欠落していたと言っても過言ではないというふうに思います。

 これを我が方の国民投票に振りかえますと、内容自体が事実で、うそはついていないんですけれども、誤ったイメージを植え付ける、そういうような、事実が欠落しているようなCMが持ち込まれた場合、皆様方の考査ガイドライン、これには明確な関連規定がないように思いますが、そのことについてどういうお考えかお聞かせをいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

森会長 田嶋参考人、質問時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

田嶋参考人 考査ガイドラインの方で御紹介をいただきましたように、適切に内容の考査、量ではございませんが内容の考査を放送事業者としても広告主様とやらせていただくために、事前の十分な時間をとりたいというふうに考えております。絵コンテ段階からの御相談をいただければというようなことも書かせていただいておりますので、御参考にしていただければと思います。

 広告の大事な要素、今どきフェークというようなことがございますが、広告にフェークがあってはいけません。放送広告にフェークなどというのが紛れ込んではいけないわけでございます。大きな要素として、真偽、事実かどうかはもちろんでございますが、大げさあるいは紛らわしさ、こういったものも当然に放送広告の場合には重要な考査の要素になってまいります。私どもとしては、そういった点に十分に注意をして対応したいと思います。

 以上でございます。

馬場委員 ありがとうございます。

森会長 次に、井出庸生君。

井出委員 社会保障を立て直す国民会議の井出庸生です。よろしくお願いをいたします。

 私ども、初めての憲法審の参加となりますが、憲法審査会の開催に当たりましては、特に、与野党を代表されておられます自由民主党それから立憲民主党でよく話合いを尽くされて開催の運営に至っていただきたい。そのことが憲法審査会をつくられた先人方の思いであろうと思いますので、そのことを一言お願いをいたします。

 早速質問に入ってまいります。

 参考人の冒頭の御発言の中で、CM規制について、法律の規制、それから放送事業者、メディアによる規制、それから広告主の規制というお話がございました。

 広告主の規制の中で、政党の自主規制ということについて言及がございました。その中で、政党の自主規制は表現の自由に抵触をしないというような御趣旨の発言があったように伺ったんですが、少しその真意を、御説明を改めてお願いいたします。

田嶋参考人 表現の自由に対する自主あるいは法律によるものと両方ございます。直接的に法律で規制をしていくということになれば、憲法が保障している表現の自由、放送事業者の自由というよりは、むしろ、意見広告主である広告主の皆さんの表現の自由、あるいはその広告主を後ろで応援をし支えておられる多くの主権者、国民の方の表現の自由にかかわる問題であるというふうに思っております。

 広告主の自主規制、あるいは、きょうの御議論も放送事業者の自主規制というポイントがございますが、法的規制よりは、自身で自律的に、どこまでのことをどれぐらいの量、いつのタイミングで言うのかを決めるのであれば、法的な規制よりも、相対的には表現の自由とのぶつかりが避けられるという意味合いかと思います。

 運用的にも実務的にも自主規制でやっていただいた方が、特に広告主の方の自主規制でやっていただいた方が、いろいろな表現の自由の問題を始めとする実務的な難しさが運用上少し、いろいろな具体のソリューションで解決がされやすいのではないかという考えでございます。

井出委員 法律による規制が非常に慎重を要するということは理解をいたします。

 一方で、もう一度伺いますが、放送メディアによる自主規制と、それから政党による自主規制、それは、その背景に多数の国民、有権者がいるという点においては同じであろうかと思いますし、政党の自主規制も表現の自由に抵触をするという指摘もあろうかと思います。

 自主規制という点においては、放送事業者であれ、政党であれ、大きな差はないのではないかと思いますし、むしろ、放送の最終的責任は放送事業者にあるということを考えれば、放送事業者の自主ですよ、強制ではなくて、自主規制、最後責任を持ってという部分は非常に重いのではないかと考えますが、その点の見解はいかがでしょうか。

永原参考人 放送事業者が自主的、自律的に自主規制を行っていく。それは、放送法の五条で各社、番組基準というのが義務づけられておりますので、これの日常的な運用、さらに、今回つくった基本姿勢、考査ガイドライン、これで行ってまいります。

 ただ、冒頭も申し上げましたとおり、国民投票法の百条で、国民の表現の自由を不当に侵害してはならないと書いてございます。そうしますと、放送法の枠内のことはもちろん私どもやろうとは思いますが、放送法の枠を超えて、CMの総量を枠をはめるであるとか、先ほども同一時間帯に同一の放送時間を確保して賛否流すようにするであるとか、市民団体の皆さんがそういう具体案を出されておるんですが、これはさすがに、放送法の枠外の、自分たち放送法にそのようなことは書いてございませんので、そのようなところまでは、私どもは、国民の表現の自由を法的な条文の根拠もない中で放送事業者が勝手な判断でやることはできません、行いませんということを決めさせていただきましたと申し述べました。

 ですので、法律による規制というのは、百条の国民の表現の自由を不当に侵害してはならないということとの関係性をどう整理するかの話だと思っております。ですから、国民民主党さんの案も、政党のスポットを禁止というふうに書いてありますが、たしか罰則規定がございません。これは、やはり百条との関係を意識されて罰則規定がないのかなと我々は拝察しているところでございますが、であるならば、政党の自主規制というやり方もあるのではないのでしょうかということを申し述べた、こういう整理でございます。

井出委員 原則として国民投票運動は自由であるべきということは非常に大事であると私も考えておりますが、イギリスの例を見たり、また各国の法制を見ますと、さまざま規制もございまして、本当に自由でやっていくのか、それとも、少し公選法的な要素を取り入れて、少し最低限の規制というものを法律で考えていくのかということは、これから立法府として考えなければいけないと思うのですが。

 一つ、放送の代表としてお伺いをしておきますが、公選法の現行の規制というものが、何か表現の自由に皆さんそれから国民にとって抵触しているというような考えがあるかないか、その点についてのお考えを伺います。

田嶋参考人 御案内のとおりでございますが、公選法では、放送による選挙運動はできないことになっておったり、いろいろな制限がございます。これにつきましては、もちろん、戸別訪問ができないとか、放送での選挙運動ができないとかといったことが憲法の表現の自由との関係でどういう関係にあるのかということについては、一貫して御議論があったところであることは承知をしておりますが、本日、参考人として出席をさせていただいている趣旨からは少し外れるかもしれませんので、これ以上の発言は控えさせていただきます。

井出委員 そうしましたら、最後にインターネットについて伺います。

 広告費が、テレビとずっと並ばれて、ことしインターネットの方が費用が上回るというお話がございますが、私は、費用イコール影響力でもないのかなと思います。

 実際にインターネットの広告の影響力がテレビ、ラジオを上回っているというような思いがあるのか。例えばテレビの視聴率ですとか何かキーワードといったトレンドの動向調査とか、そういったものでテレビの影響力よりもインターネットのCMの方がはるかに上である、そういうようなお考えがもしおありであれば、詳しくお聞かせ願いたいと思います。

永原参考人 先ほど、電通の日本の広告費の数字で、ちょうどことし三月に発表された数字が、地上波のテレビ広告費とインターネット広告費がお互い一兆七千億台と並んだということがございます。

 これは毎年三月にやっていますので、経年で追うことができますので、インターネット広告費はたしか五年連続二桁の前年比の伸び率ですので、民放連研究所では、もうこれは二〇一九年は確実に抜かれるという前提でございますが、私どもは、それによって自分たちの媒体価値が下がってしまっては非常に困るわけで、そういうことにならないように、民放連としては、自分たちの価値向上、未来像というものをいろいろ多角的に今検討しているところでございます。インターネットに抜かれたままでよいと思っているわけではございませんので、その点だけ御指摘させていただきます。

井出委員 費用以外に何かお示しできるインターネットとテレビとの影響力の比較というものはございますか。

永原参考人 なかなかちょっと、データをここで今、手元にそんなにありませんので、ぱっと言うのもあれですけれども、例えばよく若者のテレビ離れみたいな言い方がされるんですね。NHKさんがたしか、テレビを十五分以上見る人を行為者率というんですけれども、これを五年ずつ調査してございます。

 二〇〇五年の数字と、一番直近は二〇一五年の数字ですので、これを比較しますと、年配の方はほぼほぼ同じぐらいの比率なんですが、十代、二十代が二〇〇五年と二〇一五年を比較しますと一五%とか一七%ぐらい下がっております。若い人たちが恐らくユーチューブであるとかそういう動画配信サービスを非常に見ていることがデータとして出てきているのかなと。

 これは、私ども、去年この問題で有識者にヒアリングした方の中で、放送のみ規制をしてしまうと、若干、年配の方がより多く見ていて、若い人は見なくなっているという、ちょっとそういう特性が最近顕著になってきているということを踏まえて、CM放送のみ規制を強化した場合は、年代的なバイアスをかけることになるのではないか、そういうリスクがあるのではないか、こういう指摘もございました。

 データとしては、大変恐縮ですが、そのNHKの調査かなというふうに思っております。

井出委員 規制をかけるのであればテレビだけでなくという御発言もございましたが、それはあくまでも表現の自由という見地に立っていただいて、あくまでも放送の、自分たちの価値を守っていくというお話もございましたが、そちらに寄ることのないように、インターネットともいい意味でいい関係であっていただきたいと思います。

 それとあわせて、会長に、インターネットの関連事業者についても、こうした参考人として御意見を聞く必要があろうかと思いますので、そのことをお願いして、私の質問を終わります。

森会長 ただいまの件につきましては、幹事会で協議いたします。

 井出君の質問時間は終了いたしました。

 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 お二人の参考人に感謝を申し上げます。

 社民党は、現行憲法改正国民投票法や国民投票運動のCMの総量規制や、放送枠の賛否同量確保以外にも、最低投票率の規定新設、国民投票運動の資金規制、日本の広告業界の特殊性が与える影響の軽減、排除のあり方の論、多くの問題があり、いわば現行憲法改正国民投票法は今や欠陥法と言わざるを得ず、国会における根本的な議論と国民投票のルール整備に関する国民的議論が必要であると考えております。

 また、社民党は、安倍総理が唱える二〇二〇年明文改憲施行の方針にも断固反対であります。

 そこで、参考人に二点伺います。

 一点目は、国民投票法第百五条、すなわち、国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間禁止をしているいわゆる勧誘CMと非勧誘CMは、厳格に区別できるんでしょうか。

田嶋参考人 私どもは、国民投票運動の定義に従って、国民投票運動CMについて自主的に判断をしてまいります。その上で、視聴者が、これは国民投票運動に、あるいは国民投票に関連するCMだな、こう認識をするであろうという蓋然性の高いCMにつきましては、あえて厳格な定義を置くことなく、視聴者感覚で関連CMを、基本的考え方で取りまとめましたように、直前十四日間、自主的に放送しないようにしていくということを決めておりますので。

 もちろん、法律の運用、解釈は厳格にやってまいりますが、直前十四日間について両者を厳格に法的に区別をしていくことの、特に、国民・視聴者、主権者メリットというのは、私どもが両方やめてしまうことでもう既にある程度解決しているのではないか、こういうふうに理解をしてございます。

照屋委員 勧誘CMと非勧誘CMの問題、そして、私は、広告放送を見据えて、専門的な知識はございませんけれども、いわゆるスポット広告というんでしょうか、ああいうものが百五条との関係でどういう問題点をはらんでいるんでしょうか。

田嶋参考人 御質問に的確にお答えすることになるかどうかわかりませんけれども、先ほども申し上げましたように、特定の広告主のCMがどこか特定の番組の近くに集中的に露出をしないというようなことも含めて、ガイドラインの全体を今回公表をさせていただいております。

 ただ、直接的に、直前十四日間の国民投票運動CMの禁止という法規制と、そういった私どもの個々の素材の放送場所、放送のタイミングについて、先生がどのような御関心と御懸念があるかを理解できておりませんので、お答えは以上とさせていただきます。

照屋委員 次に、国民投票法成立時の参議院における附帯決議第十九項のテレビ、ラジオの有料広告について、民放連は公平性を確保するための自主的な努力と必要な検討を十分に尽くしてきたとお考えでしょうか。

田嶋参考人 附帯決議に、「テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加える」ということがございます。「本法施行までに」と。

 もちろん、この附帯決議は政府に向けてのものであるというふうに思いますが、私どもの自主的な検討、自助的な検討におきまして、確かに、本法施行までにガイドラインをお示しはしておりませんけれども、本日までにきょう御説明をさせていただいた取組の全体はまとめ終えましたので、現時点でやらなければいけないことは一応やり終えたという自覚でおります。

照屋委員 終わります。

森会長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。

 参考人の皆さんについては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございました。

 今、憲法改正の国民投票運動CMに関してですけれども、私たちの立場も、表現の自由は最大限尊重されるべきで、仮に規制が行われるにしても、必要最小限に行われるべきというのが基本的な立場です。

 それで、この問題は順番に議論していった方がいいと思うんですけれども、まず、実態上、特定の広告主、主体というのが、CM枠を、独占的という言葉がいいのか、集中的にというのか、ある一定の時間に集中的に使うことができるのかどうか。もし仮にできるんだとすると、それを規制すべきなのかどうなのか。それで、規制する必要があるとするのであれば、実効性のある規制はどうやったらできるのか。順番に議論していく必要があるんじゃないかと思っています。

 それで、最初の、特定の広告主がCM枠を集中的に使用する、独占的というのは、なかなか朝から晩までずっとやるというのは想定しにくいというのはそのとおりだと思うんですけれども、ある時間集中的に特定の広告主が広告を打つ、そういうことはできるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。

田嶋参考人 国民投票運動の期間が始まりますと、国民投票に関係するCMの出稿をお受けすることになります。その間は、日常的な商品やサービスの広告をお受けしながら、先ほど申し上げましたように、これが番組の意見なのではないか、あるいは放送している放送事業者の意見なのではないかといった視聴者の誤解なども避けながら、放送の具体のタイミングをはかっていくということをやってまいります。

 そういうことを考え合わせますと、そもそもCMの総量の自主規制もかかっておりますし、過去七十年の民放の実績を振り返りましても、先生が仮にとおっしゃいましたような集中するようなケースは起こらないのではないかというふうに私どもとしては認識しております。

井上(一)委員 テレビコマーシャルは二種類あるというふうに承知しておりますけれども、タイムCMですね、要は番組にスポンサーがついているもの。それからスポットCM、これは番組と番組の間に流されるCM。

 タイムCMの場合は、スポンサーがついていますので、これはある程度長期間契約するわけですから、そこにある特定の広告主が広告を打つということは非常に難しいと思うんですけれども、スポットのCMの場合は、事前に大手の広告代理店がある程度枠を押さえていて、それで、広告主の方からここで打ってほしいと言われたら、広告を打つ。

 そうした場合に、お金のあるところがスポット枠を、大手広告代理店の持っているものをもらう、その間に集中的に広告を打つ、こういうことがやはり考えられるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

田嶋参考人 特定の放送枠に集中をしないようにCMを出していくというような御説明をさせていただきますと、ただいま御質問をいただきましたように、では限られたスポット枠の取り合いになるのではないかという更問いをいただくことが多うございます。

 ただ、これも繰り返しの申し上げになりますが、日常的な通常の商品やサービスの広告主がおられる時間帯に、それを整理をさせていただいて、区画整理をして、国民投票のCMについて限られた上限の中で放送させていただくという、これが広告会社のお仕事でもございますが、そういうことが起こります。

 ただ、あくまでも、広告会社がもう既に先に枠を持っているから、そこに裁量で国民投票運動CMだけが差しかわるだろうという実務は、私どもの日常的な感覚からすると想定のできないところでございます。

 以上です。

井上(一)委員 わかりました。

 ただ、やはり国民の間にはそういう点について疑念があるのではないかというふうに思います。

 それで、これについて、では規制するかしないかということについて、これはお尋ねするのは違うと思いますのでちょっとそこはおいておいて、仮に規制するとした場合に、量的規制は実務的には非常に難しいということを以前御説明いただいたと思いますけれども、量的な規制の難しさ、これを御説明いただきたいと思います。

永原参考人 お答え申し上げます。

 量の賛否を同じ時間とるべきだという案が具体的に市民団体の皆さんが出していますので、これを一つ例として考えると非常にわかりやすいと思うんです。

 憲法九条について、自民党さんが新たに三項を加えて自衛隊の存在を明記するという発議案を御検討されているやに、報道を見ておりますとあります。これがもし、賛成CMが一団体だけでして、発議に反対するCMが一団体だけでしたらば、市民団体さんが皆さん言っているように、二分、二分、同じ時間帯に同じCMを流すということは理論上は可能なんだと思うんですが、仮に、反対の立場が三つの立場からCMの出稿要請があった場合どうするかということがございます。

 一つは、石破先生がいらっしゃいますが、きちんと国防軍と明記すべきだという立場からの反対意見、これも恐らく、国内の憲法九条の議論の中にございます。また、自衛隊は既に国民に定着しているので一項、二項で十分である、これも恐らく国民にかなり浸透している意見かと思います。また、憲法学者を中心に、違憲であるという立場の反対論もございます。

 そうすると、改正賛成の発議が二分間、一つの団体、それに対して、反対の立場で三つの団体から意見が出てきたときにどうするのかという問題が発生します。

 イギリスのEU離脱の際は、たしか選挙委員会という、下院が指名して、有識者で、一団体に絞って、二団体は流せないというふうにしたということがございます。もしそうしますと、三つの意見、出稿を一つだけ採用して、二つ流さないといった場合は、この流さないとなった二つの表現の自由はどうなるのか。

 あるいは、では同じ二分の中に三つの意見を入れましょうとなれば、四十秒ずつとなります。そうしますと、賛成発議のCMが二分間流せて、反対のCMは四十秒しか流せない。八十秒の機会を奪うということとなります。

 これは、実務におろすと、市民団体の皆さんの案というのは非常に難しい問題が発生するんじゃないだろうか。こういうことを考えていくことが恐らくこれから非常に大事になるんだろうと思っております。

 以上です。

井上(一)委員 私も、そうすると、広告主である政党あるいは政治団体、そこがどういうようなルールをつくっていくかというのが基本的には大事じゃないかなということを申し述べて、御質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

森会長 次に、長島昭久君。

長島委員 未来日本の長島昭久です。

 本日は質問の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。

 本日は、永原、田嶋両参考人には、長時間にわたり大変御苦労さまでございます。いずれも、私ども、議論をする立場に立っている議員に対しては参考になる貴重な御意見を開陳していただきまして、まことにありがとうございます。

 私からも、本題に入る前に、せっかく発言の機会をいただきましたので、一言申し上げたいというふうに思います。

 本日、この通常国会の会期も百日を過ぎて、ようやく憲法審査会の審議入りとなりました。しかも、実質審議は実に一年半ぶりということでございます。この間の、森会長を始め、関係者の御努力を多といたしますが、他方、この間、私から見ると、説得力のある合理的な理由もなく、ひたすら憲法審査会の開催に抵抗を続けてきた一部の野党の皆様方には、ここに強く苦言を呈したいというふうに思います。

 憲法審査会は、御案内のとおり、全党が一致して衆参両院に設置を決めた常設の委員会であります。本来、国会対策上の駆け引きとかあるいは党派的な利害を乗り越えて、熟議を尽くすべき場でございます。いかなる理由があろうとも、主権者国民の負託を受けた国会議員として、議論をしない、議論に入らない、こういう選択というのは私はあってはならないというふうに考えております。

 したがいまして、今後残された会期におきましては、本審査会が円滑に運営され、日本国憲法をめぐる諸問題に関し自由闊達な議論が尽くされることを切に希望いたします。

 それでは、本題に入りたいと思います。

 私も、先ほど井上議員からもありましたように、CMであれ意見表明であれ、表現の自由というものは、憲法保障において最上位に位置づけられる中核的な基本的人権でありますから、最大限尊重されるべきであります。したがいまして、法的規制はもとより、自主的な規制であったとしても、規制することについてはすべからく慎重であるべきだ、このように考えております。

 その上で、私から二問お尋ねをしたいと思います。

 まず、政治的公平性、これを担保する一手段でありますファクトチェックについて質問させていただきたいと思います。

 先ほど量的バランスの話も相当長い時間を割いて議論されましたけれども、我が国の放送法の第四条、これは、申し上げるまでもなく、政治的公平性、そして事実を曲げない、こういった番組編集を各放送事業者に義務づけています。

 他方、アメリカでは、この放送法の原型と言われるフェアネスドクトリンというものが既に三十年前に撤廃をされ、今では、例えばトランプ大統領支持を前面に出すFOXニュースや、あるいはトランプに対しては非常に批判的なCNNなど、各放送事業者がその政治的な主張を鮮明にしております。

 また、先ほど来議論がありましたとおり、放送以外の新聞、雑誌はもとより、今日は、ネットニュース、SNS、こういった個々人の情報発信も急速に普及をしております。そういったメディアは、時間的な制約や分量の制約などがほとんどなく、また、必ずしも政治的公平性に縛られることがないというのが特徴的だというふうに言えると思います。

 そのようなメディアの存在は、一方で社会の分断をあおる面が強調されますけれども、国民の各界各層に対してはっきりとした主張や論点を提供してくれるという意味では、大変重要な役割もあると考えております。

 本来は、フェークニュースと言われるものや、あるいは極端な考え方、度を超えた大げさな表現といった類いは言論の自由市場で淘汰されていくべきものだというふうに思いますけれども、この憲法改正の国民投票の議論を考えた場合、誤った情報が流布されたまま、修正されずに投票日を迎えてしまうことの影響の大きさというものは、我々は真剣に考えなければいけないというふうに思っています。

 先ほど来出ておりますように、イギリスのブレグジット、あるいは、ロシアが介入したと言われているさきのアメリカの大統領選挙、こういったこともしっかりと見ていく必要があろうかというふうに思います。

 そこで、CMに対するファクトチェックのあり方について質問したいと思います。

 憲法改正の是非を問う国民投票に対して、CMの中身の吟味も含めて、放送に当たっている民放連のガイドライン、これを私たちも参照させていただいているわけですけれども、どのようにしてこのファクトチェックを行っていくのか、具体的なプロセスについて御説明いただけるとありがたいと思っています。

 一口にファクトチェックと言っても、よって立つ政治的な立場によって事実の解釈というものが異なる場合も想定できるのではないかというふうに思います。そもそも、事実とは何かという判断についてはどのような基準でどのように行っていこうとされるのか。

 あるいは、先ほど馬場委員の質問に答える形で、ファクトチェックというのは事前に十分時間をかける、こういうお話がありましたけれども、それはそれとして、誤った情報が流布された場合の事後的チェック、あるいは訂正、修正、こういったことについてどのように具体的にお考えになるか、御説明をいただけますでしょうか。

田嶋参考人 仮に実際に運用が始まりました際に、極めて大事な御指摘をいただきました。

 先ほども申し上げましたように、放送広告においてフェークはあってはならないのでございます。あるいは、意図的なものではなくても、善意も含めて間違いがあっては視聴者の利益にかなわないということがございます。

 日常的な考査実務で申し上げますと、先ほども絵コンテの段階からぜひ御相談いただきたいというふうに申し上げましたが、多くの場合、事前に広告主あるいは広告会社さんを通じて素材について会話をさせていただくことが多いように思います。その中で、データ的なものにつきましては当然に事実確認が必要になりますので、必要に応じて、局の側から広告主の方にエビデンスの御照会などもさせていただくことになります。これは、選挙が始まりました際の、あるいは日常的な政党CMについても、各会派に同じようなお願いを日常的にさせていただいているところでございます。

 それで放送に至りますけれども、仮に何か国民に対して修正、訂正が必要な内容が万一あった場合には、これは当然にそれを訂正していくという手段が必要になってまいります。CMの間違いをCMで訂正するということはなかなか現実的には難しいのかもしれませんが、国民投票運動の放送対応の全体の中で当然に訂正の情報を国民にきちんと出していくというところが、全体を通じての放送のメディアとしての安心、安全を確保していく上で欠かせないフローだというふうに自覚をしております。

 以上です。

長島委員 ありがとうございます。

 今回議題とされているのは国民投票における放送メディア、テレビ、ラジオのCM規制でありますが、先ほど来お話がありますとおり、多様なメディアの中からあたかも放送メディアだけが自主規制を迫られているような、そんなふうにも見受けられるわけです。

 これも先ほど永原参考人の方からお話がありましたとおりで、広告収入については、いよいよことし、インターネットが放送を追い抜くということであります。国民投票法案が審議されていた十二年前とはメディア環境は劇的に変化をしていると思います。その意味では、規制対象が放送だけに限られて議論を進めていくということは私は妥当性を欠くのではないかというふうに思っているんです。

 最後に一点だけ。民放連として、他のメディア、特にネットメディアのCM規制のあり方についてどのような見解をお持ちなのか、ぜひ忌憚のない御意見を伺いたい。規制のあり方というのが放送と他のメディアで異なっていいとお考えなのか、それとも同じような基準というものが適用されてしかるべきか、この点についてお伺いできればと思います。

永原参考人 冒頭申し上げましたとおり、私どもは、まず法規制は望ましくないということが大前提でございますので、インターネットに規制をかけるべきだということを言っているわけではありませんので、ここはぜひとも、そんなことは放送事業者の役員が言っていい性格のものではございませんので、ここはくれぐれも誤解なさらないようにしていただきたいと思います。

 ですので、他メディアの規制のあり方について、放送事業者の代表である私が、この場で、こうした方がいいとか、ああした方がいいというふうに、これは大変申しわけないんですけれども、お答えしかねるということでどうか御理解いただきたいと思います。

長島委員 わかりました。後ほどまた個別に伺いたいというふうに思います。

 最後に、会長に、井出委員からも要望がありましたけれども、ネットメディアの関係者についてもぜひヒアリングの機会を設けていただきますようお願い申し上げます。

森会長 その件につきましては、幹事会で協議をいたします。

 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。憲法審査会を代表して、心から御礼を申し上げます。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十三分散会


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