衆議院

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第13号 令和4年5月19日(木曜日)

会議録本文へ
令和四年五月十九日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   会長 森  英介君

   幹事 井上 貴博君 幹事 加藤 勝信君

   幹事 上川 陽子君 幹事 柴山 昌彦君

   幹事 新藤 義孝君 幹事 奥野総一郎君

   幹事 道下 大樹君 幹事 馬場 伸幸君

   幹事 北側 一雄君

      秋葉 賢也君    井出 庸生君

      井野 俊郎君    伊藤信太郎君

      伊藤 達也君    石橋林太郎君

      稲田 朋美君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    大串 正樹君

      國場幸之助君    下村 博文君

      田所 嘉徳君    土田  慎君

      中西 健治君    西村 康稔君

      船田  元君    細野 豪志君

      松本 剛明君    山口  晋君

      山田 賢司君    山本 左近君

      山本 有二君    新垣 邦男君

      近藤 昭一君    櫻井  周君

      中川 正春君    野田 佳彦君

      太  栄志君    本庄 知史君

      谷田川 元君    吉田はるみ君

      足立 康史君    小野 泰輔君

      三木 圭恵君    國重  徹君

      中野 洋昌君    吉田 宣弘君

      玉木雄一郎君    赤嶺 政賢君

      北神 圭朗君

    …………………………………

   衆議院憲法審査会事務局長 神崎 一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十九日

 辞任         補欠選任

  伊藤信太郎君     山本 左近君

  石破  茂君     田所 嘉徳君

  越智 隆雄君     石橋林太郎君

  山下 貴司君     山口  晋君

  山田 賢司君     土田  慎君

同日

 辞任         補欠選任

  石橋林太郎君     越智 隆雄君

  田所 嘉徳君     石破  茂君

  土田  慎君     山田 賢司君

  山口  晋君     山下 貴司君

  山本 左近君     伊藤信太郎君

    ―――――――――――――

五月十六日

 立憲主義の原則を堅持し、憲法九条を守り、生かすことに関する請願(宮本徹君紹介)(第一〇七〇号)

 憲法改悪を許さないことに関する請願(小宮山泰子君紹介)(第一〇七一号)

 同(宮本徹君紹介)(第一〇七二号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一九一号)

は本憲法審査会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題(特に、安全保障について))


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     ――――◇―――――

森会長 これより会議を開きます。

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。

 本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題、特に、安全保障について集中討議を行います。

 この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派一名ずつ大会派順に発言していただき、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。

 それでは、まず、各会派一名ずつによる発言に入ります。

 発言時間は七分以内といたします。

 発言時間の経過につきましては、おおむね七分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。

 発言の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。

 本日は、先週に引き続きまして、安全保障、特に国防規定と自衛隊明記について私の意見を申し上げたいと思います。

 ロシアによるウクライナ侵略などを背景に、国の防衛や安全保障に対する国民の関心が著しく高まっていることが最近の世論調査にも表れています。先週の討議におきましても、多くの委員から様々な意見が述べられたところです。

 この機会に、私ども自由民主党が提案している憲法九条改正の条文イメージ、たたき台素案について、私の意見を述べさせていただきます。

 憲法九条改正に当たって大前提となるのは、日本国憲法の三大原理、平和主義の精神を確認することだと思います。平和主義につきましては、憲法前文及び九条一項の戦争の放棄と二項の戦力の不保持、交戦権の否認で、その精神と専守防衛がうたわれており、この原理は今後もしっかりと受け継いでいかなければならないと考えます。

 国の最大の責務は、国民の生命と財産、領土や主権を守り抜くことです。にもかかわらず、日本国憲法には、その最も根幹の国防規定がありません。これこそが、私たちが憲法を改正すべきと考える理由であります。

 加えて、自衛隊は、一九五四年の創設以来、日々の国防、災害救援活動など、献身的な努力で国民の強い信頼と期待を得ていながら、国の基本法である憲法にその存在が位置づけられておりません。日本国憲法の根幹的な未整備部分である国防規定を設け、その実力組織である自衛隊を明記することは、主権国家として当然のことではないか、このように考えております。

 次に、条文イメージの内容でございます。

 現行の九条一項、二項をそのまま維持した上で、九条の二として新たな条項を追加することとしております。

 まず、九条の二第一項では、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。」と規定しています。

 このうち、我が国の独立と平和を守り、国及び国民の安全を保つという部分が、国民の生命と財産を守ることを表す国防規定であります。続く「そのための実力組織として、」「自衛隊を保持する。」という部分で、自衛隊を憲法に明記しています。さらに、シビリアンコントロールに関する規定として、一項で、「内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする」と規定いたしました。

 あわせて、二項で、「自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。」と規定し、行政府内部、そして国会による二重の民主的統制を定めております。

 以上が自民党たたき台素案の内容でございますが、先週の審査会でもこのたたき台素案の重要なポイントについて御質問いただきましたので、その関係を補足させていただきます。

 まず一点目、自民党案における自衛隊は、現行の九条二項で保持が禁止されている戦力や軍隊に該当するのかというものでございました。

 自民党素案における自衛隊は、現在の自衛隊をそのまま規定したものであり、九条二項で保持が禁止されている戦力や軍隊ではありません。必要最小限度の自衛の措置の担い手といった自衛隊の法的位置づけは、現在の解釈と全く同じでございます。

 二点目は、自民党案においては、「必要な自衛の措置をとることを妨げず、」と規定しているが、必要最小限度という解釈上の制約は引き継がれるのかということでございます。

 この必要最小限度の範囲内でのみ自衛権行使が許されるという憲法上の制約についても、全く変わるものではありません。

 条文イメージ、九条の二第一項の「必要な自衛の措置」という表現は、昭和三十四年の砂川事件最高裁判決にある、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」という一文を参照したものであります。

 砂川判決におけるこの必要な自衛のための措置は、九条二項の制約の下の措置であり、一貫して必要最小限度の自衛の措置の意味と理解されてきております。私どもの九条の二は、この解釈をいささかも変えるものではありません。

 なお、自民党案については、現行の九条二項の例外を認めることにより、制限のないフルスペック自衛権の行使が認められることにつながらないかとの御心配をいただくことがあります。

 九条の二は、現行法の自衛隊の法的位置づけや必要最小限度の自衛権行使の範囲において、これまでの解釈に全く変更を加えておらず、九条と九条の二は矛盾しない位置づけとしており、現行九条の例外を設けようとするものではありません。

 そもそも、国防規定と自衛隊を明記する憲法改正は、我が国の憲法を頂点とする法体系の整合性を確保するものであります。したがって、憲法改正が具体的な防衛体制の整備に直接影響を与えるとは考えておりません。

 ウクライナへのロシア侵略など、激変する安全保障環境に対応するための具体的な防衛政策は、防衛三文書と言われる国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防などの政策と関連防衛予算によって整備されるものです。安全保障は本質的に相対的なものであり、国と国民を守る必要最小限度の自衛力は、我が国を取り巻く国際情勢や我が国への脅威となる戦力の種類や能力によって対応するべきです。

 憲法九条の改正は、専守防衛の理念の下、我が国の防衛に関する法的整合性を完成させ、その自衛力を担う自衛隊を明確に位置づけるものであり、憲法改正によって、自衛権の範囲など、防衛力の質が変わるものではありません。

 自民党の改正案は際限のない防衛予算の増大をもたらすものではとして心配し、反対する声を時々聞くことがありますが、自民党のたたき台素案は、憲法を頂点とした防衛に関する法体系を整備するものであり、防衛力の質や内容を変えるものではないことを御理解いただきたいと思います。

 国にとって必要かつ適切な防衛力の整備は、平和安全法制や関連政策、予算によって進められており、この憲法改正によって大きく変化するものでないことを重ねて申し上げておきます。

 安全保障に関する議論は、緊急事態条項の論議と併せ、国の根幹を成すものであり、各会派には様々な御意見があることも承知をしております。大事なことは、意見の違いがあっても各会派が一つのテーブルに着き、議論を深めていくことです。そして、憲法改正に関する様々なテーマを議論していかなくてはならないと考えています。

 先ほどの幹事会において、これまでの討議や本日の内容を踏まえ、来週も審査会を開催することを提案いたしました。具体的な内容につきましては、筆頭間協議を行い、詰めてまいります。委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 以上です。

森会長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立憲民主党、奥野でございます。

 自民党さんの「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」というのがございまして、その中で、「憲法及び国際法の範囲内で日米の基本的な役割分担を維持しつつ、専守防衛の考え方の下で、弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し、対処する。」とあります。そして、専守防衛については、「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう。」という、従来の政府の定義を引用しているものであります。

 これまでの旧三要件の下では、他国の領域に侵攻すること、すなわち、武力行使の目的をもって自衛隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないとして、武力攻撃に対して反撃をする場合であっても、自らの武力行使に地理的な限界があるという理解を政府はしてきました。

 そして、いわゆる敵基地攻撃能力をめぐる議論は、この旧三要件の下の例外として、自衛のためであっても、その武力行使に地理的な限界が画されているという政府の考え方を前提としつつ、一定の条件下での敵基地攻撃は自衛隊の武力行使の地理的限界の例外とされてきたものであります。

 しかし、この安保法制、新三要件の下では、これは阪田元法制局長官が朝日新聞その他でおっしゃっていますが、日本に明白な危機が及ぶ場合だけとはいえ、他国の領域でも武力行使をできるようになったのだから、そうした地理的な限界はなくなったと考えるほかありません、こうおっしゃっています。明らかに前提が変わってきているわけですね。

 それでは、この新三要件、安保法制下での専守防衛というのはいかなるものかということについてですが、同じく阪田元長官は、従来は降りかかる火の粉を払うのに必要な最小限度の武力行使で、外敵を自国領域から排除するためにのみ戦うということであったのが、今や日本は海外に出向いて戦えるようになりました、軽々に海外派兵をしないことは他国も同じですから、日本は憲法に基づく専守防衛なのだと言い続けるなら、普通の国とどこが違うのか、九条によるたがをこれまで以上に見える化すべきだと述べておられます。

 そしてさらに、阪田さんは、日本の領域外で他国やその軍隊を守るなら、洋上で戦闘機を発進させる攻撃型空母なども必要最小限度に含まれかねない、こう指摘をしているわけであります。

 この自民党の提言下では、新三要件の下での専守防衛の具体的な内容については説明がありません。世論調査を行うと、専守防衛は今後も維持すべきだという方が七割近くに上ります。これで専守防衛という言葉を使って、国民を安心させているということなのかもしれません。

 そして、この専守防衛を維持する、専守防衛の下でという言葉に隠れてまだ議論されていないのが、安保法制、新三要件の下で集団的自衛権を行使する場合の武力行使に、そもそも憲法上どのような制約があるのか、あるのかどうか、あるとすればどのような制約があるのか、いかなる法理によるものかについては、議論がなされてきていません。

 安保法制下での必要最小限度の武力行使とは、具体的にどんな場合のどんな態様なのか。そして、戦力とならない自衛のための必要最小限度の実力とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。海外に行って戦うわけですから、空母のような攻撃的な兵器を持てるのでしょうか。あるいは、これまでは、攻めるのは米軍、そして守るのは日本、矛と盾と言っていましたが、その関係は一体どうなったのか、変質したのでしょうか。さらに、他国を守るために、その敵ですね、第三国の敵基地の攻撃は可能なように見えますが、どうなんでしょうか。

 政府がこうしたことをきちんと説明していないために、一方で、日本が無用の戦争に巻き込まれるんじゃないか、あるいは反対に、今の九条のままでは日本が守れないんじゃないか、こういうことをおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。まず、しっかりこの辺を議論して、どういうものなのかというのをはっきりさせるべきなんですね。

 それで、近年、急速に軍事技術が発達して、我が国の周辺環境も厳しい状況になっていますので、防衛力の強化自体は必要ですが、では、どのような能力を整えるのか、そして、その裏づけとなる法的な解釈が曖昧なままであります。その中で、積算根拠も曖昧なGDP比二%以上とか、これは約十一兆円になりますけれども、消費税二、三%相当ですね。こういう総額ありきの目標ではお話になりません。

 憲法改正の議論よりも、まず、現在の九条で日本を守るためにどのようなことができるのか、何ができないのかをはっきりさせるべきであります。こういったことについても、きちっと政府の参考人を呼んで、この場で議論をしたいと、集中討議を求めます。

 それから、新藤筆頭がおっしゃっていた九条の二ですが、自衛隊を規定するということなんですが、自衛隊に何ができるかということは書かれていないんですね。九条をそのまま残すからそのままだと言っていますが、九条の二で新たな条文が加わるわけですから、自衛隊が何ができるのか、何ができないのかということは規定されていません。

 先ほどあったように、自衛のための最小限度の実力という解釈が引き継がれるかどうか、それは戦力の分かれ目ですけれども、あるいは、フルスペックの集団的自衛権はどうなのかといった議論を、何も書いていないわけですから、また引き起こすわけですね。この自民党案ではかえって議論が複雑になってしまって、混乱を招くだけではないでしょうか。何のために九条の二を設けるのか。

 安倍元首相は最近も、憲法に自衛隊を明記して違憲論争に終止符を打つべきとおっしゃられたようですけれども、前から申し上げていますが、最近の世論調査を見ても、自衛隊は憲法に違反していると言っている人は一四%しかいません。違反していないと言っている人は七八%。ほとんどいないんですよね、違憲だと言っている人は。ですから、そういう方々の意見を聞いてということかもしれませんが、確かに、世論調査では、憲法に自衛隊を明記することへの賛成が多数を占めています。毎日新聞の直近の世論調査では、賛成五一%、反対三〇%ですが、これは、自衛隊は合憲だから規定することは問題ないんだろうという素朴な答えだと思うんですよ。

 そこで、自民党の自衛隊明記案は、とにかく即改憲をしようということだと思います。しかし、今言ったように、九条の二を付加しても、何をするための組織か書いていないので、かえって混乱を招くだけであります。賛成するかどうかは別として、今日、石破先生、いらっしゃらないんですね、石破案の方がよっぽどすっきりしていると思います。

 また、九条の改正については国民は慎重です。直近のNHKの世論調査でも、憲法九条については、改正する必要があるという方は全体の三割。読売新聞の調査でも、これまでどおり解釈や運用で対応するが四一%、解釈や運用で対応するのは限界なので九条を改正するというのが四一%と、賛否が拮抗しています。

 ここで、あえて、本当に国論を二分して強行して否決でもされたら、本当に自衛隊は違憲になってしまいます。慎重に判断すべきだし、改憲四項目ありきの議論は私は断固として反対、とりわけ九条については断固として反対をします。

 また、憲法改正そのものについても、朝日新聞の世論調査では、政治的に最も優先して取り組んでほしい課題、七つ挙げている中で、最下位で二%だったんですね。最も多いのは年金・医療・介護ということであります。じっくりと、論憲の立場から、我々の立場からこれは議論をすべきだと思います。

 そして、最後に、国民投票法についてですが、議論すべき点は、毎回指摘していますが、多く残っています。仮に九条の改正を優先させるという立場に立たれる方でも、その場合、外国政府の干渉をどうやって排除していくのか、こういうことを考えておくことが極めて重要なんですね。

 ですから、国民投票法の改正を、ネット規制の在り方、あるいは我々が言っている運動資金規制の在り方についてしっかり議論して結論を出していくことは、発議の前提だと思います。これらについても集中討議を求めます。

 私からは以上です。

森会長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 本日は、憲法と安全保障、中でも憲法九条について、日本維新の会の見解を申し述べます。

 日本維新の会は、結党以来、特定のイデオロギーを表現するためではなく、日本が抱える具体的な課題を解決するために憲法改正を行うべきと訴えてきました。いわゆる脱イデオロギーの憲法改正であります。

 憲法改正が必要となる社会的事実、つまり、憲法事実が明らかな項目のうち、国論を二分する安全保障や危機管理等の問題よりも、ほとんどの国民にとって身近で切実な問題を優先し、憲法改正に向けた選択肢を国民に示す、そうした観点から、二〇一六年三月、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の三項目から成る憲法改正原案を取りまとめ、憲法改正の発議に向けた審査を直ちに開始すべきと訴えてきました。

 しかし、本年二月二十四日、ウクライナ危機が勃発し、ロシアによるウクライナ侵略を目の当たりにした多くの国民が、日本の安全保障に対する不安を抱えるようになりました。憲法九条が、万年与党と万年野党によるイデオロギー闘争という名の茶番劇、そのお芝居の大道具から、真に国民にとって切実な問題へと昇華された瞬間でした。日本の安全保障は大丈夫か、憲法九条を後生大事に守っているだけで平和と安全を守ることができるのかという切実な問題認識が国民に広がっているのであります。

 私たち日本維新の会の答えは、否であります。つまり、これまでの受動的、消極的な安全保障体制では日本の平和と安全、国民の生命と財産を守ることはできない、こうした厳しい現状認識の下、私たち日本維新の会は、国会議員団の政務調査会に、これまでの憲法改正調査会に加えて新しい外交安保調査会を立ち上げ、新しい安全保障の在り方について審議を重ねてまいりました。そして、昨日、「憲法九条の改正に向けて」と題する文書を公表いたしました。

 具体的には、将来にわたり戦争を起こさず国民の生命と財産を確実に守るための積極防衛能力の整備を行う必要があると宣言し、一、防衛費の増額、GDP比二%、二、中距離ミサイル等新たな装備の拡充、三、核共有を含む拡大抑止に関する議論の開始、四、専守防衛の定義にある必要最小限に限るとの規定の見直し、五、自衛隊法に規定する自衛隊任務のネガティブリスト化、六、集団的自衛権の行使要件の明確化、七、自衛隊員の増員、待遇の抜本改善、危険手当の創設、八、戦争被害補償法制の整備、自衛官等殉職者の追悼の在り方検討等を打ち出すとともに、憲法九条に係る条文イメージを公表しました。

 もちろん、自民党が二〇一八年三月に公表された憲法九条に係る条文イメージ、たたき台素案は拝見しています。その上で、いわば自民党案と今般公表した維新案とを対比できるようにし、この憲法審査会での議論を喚起したい、憲法九条に関する国民的議論を喚起したい、そんな思いで条文イメージを策定、公表いたしました。

 具体的には、現行の第九条を維持した上で九条の二を新設し、簡潔に、「前条の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する。」と自衛隊を明記します。自衛権については、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする現在の枠組みを維持するとしました。

 まず、九条とは別に九条の二という条を新たに立ち上げた趣旨は、現行の九条に極力影響を与えないためであります。一項の戦争放棄、二項の戦力の不保持と交戦権の否認を規定した九条は、専守防衛と徹底した平和主義を体現するものであり、今後とも大切にしていく、そうした観点から、九条に三項を加えるのではなく、九条とは別の条として九条の二を立ち上げます。この点は、自民党の条文イメージも同じお考えではないのかなと推察をいたしております。

 次に、「行政各部の一として、」としたのは、憲法七十二条の「内閣総理大臣は、」中略して「行政各部を指揮監督する。」さらには、七十三条の内閣の事務に関する規定を意識しています。すなわち、自衛隊を防衛省よりも上位にある憲法機関に位置づけるのではなく、あくまでも「法律の定めるところにより、行政各部の一として、」であるということを明記するとともに、その枠内で民主的統制にも服せしめるということを最も簡潔に表現したのであります。

 この点については、自民党さんに、自民党の条文イメージではいわゆる憲法機関として自衛隊を位置づけているように見えますが、そう考えてよろしいか、またお時間、別途提供しますので、二巡目のときに御提供しますので、御教示を賜れれば幸いです。

 第三に、自衛隊の位置づけについては、「自衛のための実力組織として」と、これも最も簡潔に表現しました。これは、自衛権については、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする現在の枠組みを維持するとの観点から、極力自衛権に言及すべきではないとの趣旨からであります。

 他方、自民党の公表文書を拝見すると、自衛隊のみならず自衛権についても言及すべきとの観点からと明記した上で、「必要な自衛の措置をとることを妨げず、」と規定したと明記してあります。これは、いわゆる新三要件を更に拡大する意図がおありなのかどうか、御教示いただきたいと存じます。

 本日は、時間の関係から主に三点、つまり、九条と九条の二との関係、それが一ですね、それから二、自衛隊を憲法機関とするのか、そして三、自民党が自衛権に言及する意図は何かについて、私たちの考え方を示しながら、自民党案に係る当方の問題意識を披露しました。

 私たち日本維新の会は、結党から十年、ちょうど本年、二〇二二年から第二の十年をスタートさせました。ウクライナ戦争が勃発し、現行憲法の問題点に多くの国民が気づくこととなった今、何を差しおいても議論すべき項目の一つは、憲法九条であります。

 日本維新の会は、憲法九条の改正に取り組む野党の雄として、自民党とがっぷり四つに組んで憲法論議をリードしていくことをお誓いし、発言といたします。

森会長 次に、國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹です。

 安全保障に関する我が党の意見につきましては後の自由発言において行いますので、私からは、デジタル社会と憲法について意見を申し上げます。

 急速に進展するデジタル社会において人権や民主主義をどのように守るのか、この極めて重要なテーマについて、憲法審査会で議論をすべきという意見が今国会では多く述べられてきたように思います。私もその旨述べてまいりましたが、デジタル化の進展による社会経済構造の大きな変化に対応するための憲法論議、デジタル社会において人権保障や民主主義をどう強化していくのか、このことを含んだ未来志向の憲法論議を深めていく必要があると考えます。

 まずは、当審査会において、この問題に詳しい有識者を参考人として招致し、御意見を伺うことを改めて提案したいと思います。

 憲法論議においては、時代や社会の変化を踏まえた上で、個人の尊重原理を始め、憲法的価値が実社会で反映されているのかどうか、この視点で検討を行うことが重要です。この点、デジタル技術の飛躍的な進展は、社会の持続可能性を妨げる根本的な諸課題を改善し、一人一人が人間らしく幸福に生きられる社会の実現に寄与する反面、これまでになかった憲法上の様々な論点を生じさせていると指摘されています。

 例えば、AIは、個人そのものではなく、その個人が属しているセグメント、共通の属性を持つ集団を見てその個人を判断するところ、このようなAIによる評価のみによって人生が左右されることになると、十三条の個人の尊重が侵害されるおそれ、AIが読み込むデータの偏りやAIのアルゴリズムのブラックボックス化によって、十四条の平等権が侵害されるおそれがあるという指摘があります。

 また、AIのプロファイリングに基づいたマイクロターゲティングによって自律的な意思決定が脅かされ、十九条の思想及び良心の自由が侵害されるおそれ、そして、これが政治的に利用された場合には、選挙や国民投票の公正性が脅かされ、民主主義に悪影響を及ぼすおそれがあるといった指摘もあります。

 さらに、デジタル社会においては、デジタルを使いこなす能力が個人の生き方や在り方に大きな影響を与えることになります。そのため、国家には、デジタル社会における個人の生き方などをサポートするインフラの確保や権利の整備を行う責務があるといった指摘もされています。

 このような指摘に対し、憲法的価値が実社会に反映されているかという観点から検討し、反映されていないのであれば、その状況を正していかなければなりません。その際、課題は何か、どのような対策が考えられるのか、その対策において憲法改正は必須なのかという思考経路で検討することが有用と考えます。

 情報自己決定権や自己情報コントロール権を例に考えてみたいと思います。

 先ほど述べました個人の尊重原理が侵害されるおそれなど、これらの課題への対策として、情報自己決定権や自己情報コントロール権の確立が必要であるという指摘があります。私も大いに議論していくべきと考えます。

 ただ、この議論は、憲法改正に必ずしも直結するわけではありません。情報自己決定権や自己情報コントロール権は、憲法十三条後段の幸福追求権の解釈から導くことができるという見解もあります。当審査会においても、オンライン国会に関して、憲法五十六条一項の出席概念の解釈が議論されたところです。

 まずは、このような解釈について議論をし、それでは不十分と考えられる場合に、憲法上、新たな根拠条文をどのように創設するかを検討すべきであります。そして、課題の具体的な解決は法律レベルで図られることから、憲法上の情報自己決定権、自己情報コントロール権を考えるに当たっても、個別法を含めた法体系の全体像を踏まえた議論をしていかなければなりません。

 そこで、まずはその全体像を整理するために、憲法上保障された権利、憲法的価値とデジタル関係の法制がどのように結びついているのか、デジタル関係の法体系をマッピングすることが必要になります。

 その上で、情報自己決定権や自己情報コントロール権について、憲法解釈で導くか、憲法に新たな規定を創設するかにかかわらず、基本法のような、憲法附属法あるいは憲法具体化法を新たに制定して憲法上の権利を具体化する、そして、その下に個別法で具体的な解決策を図る、こういった法体系を構築することも検討していきたいと考えています。

 この点、EUでは、本年一月に、デジタル時代に必要となる権利等を掲げた、二十一世紀の人権宣言とも評価される、デジタル時代のデジタル権利及び原則に関する宣言案が公表され、今後、欧州議会等で審議される見込みです。この宣言案には、自己情報コントロール権が明記されているほか、人間をデジタルトランスフォーメーションの中心に置くことなどが掲げられています。

 このような諸外国の取組を参考にして、デジタル社会においても守られるべき国民の権利を明確にしていくことを検討していきたいと思います。

 以上申し上げたとおり、個別法を含めた法体系の全体像を踏まえて憲法レベルの議論を行い、その上で憲法上の権利を具体化する、このステップを踏んで検討を進めるのが適切と考えます。

 デジタル技術の進展は、人権保障や民主主義にとってこれまでになかった危険をもたらすと同時に、人権保障や民主主義を深化、強化させていくためのチャンスにもなります。このことを強く意識し、引き続き、当審査会において真摯な議論を行っていくことを申し述べ、私の意見表明といたします。

森会長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。

 前回、国民民主党として、憲法九条を論ずるに当たっての基本的な考え方を述べましたけれども、その際提起した問題のうち、本日は特に二つ、必要最小限という要件の話と、自衛官に対するいわゆる防衛司法制度の不備について改めて述べたいと思います。

 また、新藤幹事また足立委員からも、それぞれの党の九条に係る意見の表明がありましたので、併せて質問もさせていただきたいと思います。

 我が国は、現行憲法九条二項で戦力の不保持と交戦権の否認を認める一方で、現実の防衛政策として、国際的には戦力と言える自衛隊を保持しています。政府は、この条文と現実の乖離を埋めるため、自衛隊は、軍隊ではなく、自衛のための必要最小限度の実力組織という解釈で説明してきました。つまり、海外では軍隊だが、国内では軍隊ではないとの解釈です。しかし、この矛盾が、PKOを始めとした自衛隊の海外での活動の拡大や、今般、いわゆる敵基地攻撃能力の議論が広がる中で改めて浮き彫りになってきており、早急な議論また対応が必要だと考えます。

 そこで、まず、憲法九条がこの必要最小限という制約を取るために行う改正なのか、それとも、この必要最小限度は維持した上で他に改正の目的があるのか、このことを明確にする必要があると思います。今、両党からも改正案の提案がありましたけれども、これまでの解釈で維持されてきた、特に新三要件でも維持されてきた必要最小限という制約は変わるのか、変わらないのか、このことを改めて明らかにする必要があると思います。

 私たち国民民主党も自衛権についての議論をしております。まだ具体的な結論には至っておりませんが、ただ、幾つか議論しているいずれの案であっても、必要最小限の解釈は維持する、あるいは、それを条文上明示することを検討しています。

 ただし、同時に、私たちは、その必要最小限については、そもそも、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的な面を有する、これは令和二年七月八日の近藤内閣法制局長官の答弁にもありますけれども、元々相対的な概念だと考えます。

 具体的には、ICBMは駄目だけれどもスタンドオフミサイルは可能だという政府答弁もありますけれども、量的な概念だという説明もありますけれども、果たしてそれもそうなのかどうか、まだ国会議員間でも認識の共有ができていないのではないかと考えます。つまり、加害国に攻め込んで、相手国の領土の占領やそこにおける占領行政のようなことをしないという意味であることは明らかではありますけれども、量的な制約等を課したものではないと私たちは考えます。

 もし、現在の必要最小限の解釈について、そもそも議論が分かれるようであれば、まず、この憲法審査会で議論の対象となっている必要最小限についての解釈を、ある程度、共有、確定することを求めたいと思います。その共有の認識の形成が、国民の皆さんが改憲の必要性を判断することにも資すると考えるからです。

 もう一つ、海外では軍隊、国内では軍隊ではないとすることで放置されてきた課題があります。これも前回提起しましたけれども、自衛隊が海外において過って民間人、非戦闘員を殺傷することが発生した場合に、自衛官を適正に裁く司法体系が我が国には存在しないという問題です。特に、業務上過失致死罪の国外犯規定が日本の刑法には存在しません。加えて、命令を出した上官についても、平時の刑法体系では教唆や幇助でしか裁けないという問題もあります。

 そもそも、こうした軍事作戦にまつわる過失等を平時の刑法体系で問うことが適当なのかどうか、特別な防衛刑法と防衛裁判所の制度が必要ではないかという問題提起です。これはPKOを海外に派遣するときから生じてきた問題ではありますけれども、自衛隊が国内では軍隊ではないと解釈してきたこともあり、長年放置されてきた課題であります。

 この度、いわゆる敵基地攻撃能力の保持が問題となったことで、再び、相手国の領域内で非戦闘員、民間人を過って殺傷するケースが想定されます。特に、長距離ミサイルで誤爆が発生した際の当該自衛官の責任、また上官の責任を適正に裁く司法体系の不在は問題だと思います。再びこの問題を曖昧にしたまま放置することは、立法府の責任として行うべきではないと考えますので、我が党は、必要な制度整備を急ぐべきとの立場であります。

 そこで、まず、新藤幹事に改めてお伺いしたいと思います。

 前回の質問に対して、今日も改めて明確な御答弁をいただいたことに感謝を申し上げたいと思いますが、いわゆる九条の二に新たに規定しようとする自衛隊は軍隊あるいは九条二項が禁ずる戦力ではないという明確な説明がありましたので、それは理解をいたしました。

 その上で、九条の一項、二項及びその解釈は維持するという前提で、条文上は、自衛権の範囲として、「必要な自衛の措置」ということで、文言上は最小限は出てこなくなっております。ただ、あくまで「必要な自衛の措置」と文言上は書いており、最小限は取っているが、その解釈は、新三要件にもある必要最小限という制約は引き続きかかっているということの説明だったと思いますが、改めてそれを確認させていただきたいと思います。

 加えて、今申し上げましたが、その前提として、必要最小限のうち、この最小限という概念は量的な概念だというのが自民党の共通した認識なのか、それとも、今私が申し上げたように、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的な概念だと考えているのか、自民党の考えをお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、防衛刑法や防衛裁判所のような特別な制度を用意するつもりはあるのか、その場合、特別裁判所を禁じた憲法七十六条二項の改正も併せて考えているのか、これも教えていただきたいと思います。

 そして、最後に、足立議員にも質問をしたいと思うんですが、先ほどの説明では、必要最小限の概念は見直すということでありましたが、一方で、現在の新三要件等の解釈は維持するということでありましたし、一項、二項は自民党と同じように維持するということでありましたが、新三要件でも、三番目の要件である必要最小限ということは当然維持されることになるんですが、その上で必要最小限を見直すということは一体何を意味するのか、御説明をいただきたいと思います。

 以上です。

森会長 既に発言時間が終了しておりますので、答弁を……

玉木委員 では、次の質問のときにやります。

 もう時間はないんですよね。

森会長 もう過ぎた。

玉木委員 はい、分かりました。

森会長 では、簡潔に。

新藤委員 御質問ありがとうございます。また、こういった議論を是非しっかりと、機会をつくりながら煮詰めていくことが重要だ、このように思います。

 まず第一点の、文言上、必要最小限の中から最小限を取ったがということでございますが、そこは、もう私先ほど申しましたように、この「必要な自衛の措置」というのは、砂川事件最高裁判決にある一文から取りました。必要な自衛のための措置は、必要最小限度の自衛の措置の意味と理解をされている、これがずっと法的解釈として一定されております。したがいまして、私たちは、文言によって解釈の変更はないということで、先ほども申し上げましたが、改めて明言をしておきたいと思います。

 それから、必要最小限の防衛力は、量的なものか、相対的な根拠か。これは、まず、量的なものでこれまで整理しておりましたが、その大前提は、やはり相対的な安全保障、我が国に対する脅威の内容によって変わってくる、これは当然であり、また致し方がないところだと思います。ですから、量的なものに加えた相対的な、総合的な判断が必要ではないか、このように思っているわけであります。

 それから、三つ目の、いわゆる特別裁判所の規定を改正するつもりか。これは、ありません。そういったことは考えておりません。あくまで、この七十六条の、司法権は裁判所及び法律の定めるところに、下級裁判所に属する、この範囲の中で考えていかなければいけないと思います。

 ただ、自衛隊員の実力行使における規律の違反だとか、それから刑事事件、これらについては、通常の懲戒手続、裁判手続と違う側面があることは事実ですし、ましてや国外の場合のこともあります。ですから、こういった専門的知識を踏まえた裁判の必要性というのは、我が党の中でも議論しております。

 これをどのように具体的にしたらいいか、これは是非議論しなきゃいけないと思いますが、この大前提として、これは憲法に書き込むことではなくて、一般法の中できちんと法定していくべきものだ、このように考えているわけです。

足立委員 ありがとうございます。

 短く申し上げます。

 先ほど申し上げたように、我が党は、自衛権については、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする枠組みを支持しています。では、新三要件についてはどうかということですが、新三要件は自公内閣、自公政権の内閣が示した解釈でありますから、私たち野党はその解釈に縛られていないというのが現在の理解です。

 一言だけ。玉木さんが相対的とおっしゃった。実は、前回の憲法審査会で、私は相対的と言ったら、玉木さんは、あり得ないとおっしゃいました。私が言及したのが、科学技術ではなくて、米軍あるいは米国のスタンスと申し上げたから、日本が米国に左右されるのはおかしいという、まあ、いつもの格好のいいことをおっしゃったわけでありますが、私は、そういう相対性の中には当然、軍事同盟、日米同盟があるわけですから、米国の立場が私たちの国の防衛の在り方に影響する、相対性の中にそれも含まれているというのが私たちの考え方です。

 以上です。

森会長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 私は、前回、沖縄の本土復帰五十年となるに当たり、当時の屋良建議書や玉城デニー知事の新たな建議書を紹介し、沖縄県民が願った平和の島としての沖縄は実現していないことを指摘いたしました。

 五月十五日の式典で、玉城知事は、改めて平和の島の実現を求めています。沖縄の地元紙だけでなく、在京紙や地方紙でも建議書が取り上げられ、今でも日米地位協定と米軍基地によって憲法が踏みにじられている沖縄の実態が改めて注目されています。この沖縄の現実こそ変えるべきだと改めて強調したいと思います。

 五十年前、沖縄県民が最も強く願ったのが、九条を持つ日本国憲法の下に復帰することでした。その根底には、県民の四分の一が犠牲となった悲惨な沖縄戦を経験し、二度と戦争を起こしてはならないという強い決意があったからにほかなりません。

 復帰五十年がたった今、この県民の願いに逆行して、沖縄を含む南西諸島での自衛隊配備が推し進められ、日米一体での軍拡が進められています。沖縄を再び戦争の最前線にしようというものであり、断じて容認できません。

 さらに、安保法制により、この南西地域が戦場となる危険性が増大しています。今、台湾有事は日本有事だなどという主張がされていますが、それは、台湾問題にアメリカ軍が軍事介入し、日本がそれを重要影響事態や存立危機事態と認定して、米軍の軍事行動に参戦するというものです。そのとき日米の軍事拠点となるのが、南西諸島の島々です。相手が反撃してくれば、島の住民が犠牲になるのは火を見るより明らかです。

 重大なことは、安保法制の下で、敵基地攻撃能力保有の検討が進められていることです。政府は、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことも可能と答弁しています。日本に対する武力攻撃が行われていないにもかかわらず他国を攻撃するなど、憲法九条の下で許されるはずがありません。相手国を攻撃すれば、それ以上の反撃を受けることになり、日本全土が攻撃にさらされることになります。

 前回、安保法制について、憲法審査会でも何度も議論が行われたという発言がありました。国会の特別委員会で安保法制が審議されていた二〇一五年六月四日、この衆議院の憲法審査会に参考人として出席した三人の憲法学者は、そろって安保法制は憲法違反だと発言しました。ところが、自民党の委員からは、参考人の方が意見を言うのは自由だが、国を守るのは憲法学者ではなく我々政治家だなどという発言があり、参考人の意見を無視したのです。

 しかし、これを契機に、国民の中で、憲法を守れの声が大きく広がりました。国民が国会を包囲する中、自公政権は安保法制を強行したのです。安保法制は憲法違反という憲法学者の指摘にこそ立ち返るべきであります。

 玉城知事の新たな建議書が強調しているように、南西諸島での軍事強化や核兵器の共有、敵基地攻撃能力の保有など軍拡の動きは、悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いを踏みにじるものです。今、県民が最も恐れているのは、軍事力の増強が緊張を高め、武力衝突へと発展し、沖縄が攻撃目標になることです。だからこそ、建議書は、武力によらない、各国の協議を基本とする外交を求めているのであります。これは、沖縄戦を経験した県民の強い思いです。

 沖縄県糸満市の摩文仁の丘にある平和祈念資料館に、次のような言葉が掲げられています。

 沖縄戦の実相にふれるたびに

 戦争というものは

 これほど残忍でこれほど汚辱にまみれたものはない

 と思うのです

 このなまなましい体験の前では

 いかなる人でも

 戦争を肯定し美化することはできないはずです

 戦争をおこすのはたしかに人間です

 しかしそれ以上に

 戦争を許さない努力のできるのも

 私たち人間ではないでしょうか

 戦後このかた私たちは

 あらゆる戦争を憎み

 平和な島を建設せねばと思いつづけてきました

 これが

 あまりにも大きすぎた代償を払って得た

 ゆずることのできない

 私たちの信条なのです

 今、ウクライナ危機に便乗し、憲法九条を変えるべきだという主張がなされておりますが、これは平和憲法の根幹を覆すことであり、絶対に認められません。今必要なのは、国と国との争い事を絶対に戦争にしないための外交努力だということを指摘して、発言を終わります。

森会長 次に、北神圭朗君。

北神委員 有志の会の北神圭朗です。

 安全保障という議題ですが、本日は、憲法第九条についての今後の議論の仕方について、私なりの整理をしたいというふうに思います。

 前回、憲法第九条について新藤筆頭幹事から、自衛隊明記という自民党の案に触れて、今回も言われましたが、これまでの必要最小限度の実力という解釈は変わらない、しかし、我が国が安全保障の環境変化に対応できるようにするためには、何をもって必要最小限度の防衛体制なのかは議論の余地がある、ただし、このことは、憲法の議論ではなく、防衛三文書と防衛予算で別々に議論すべき事柄だという旨、発言がありました。

 これは、現在の第九条の解釈を変えなくとも、まだ議論すら始めていない防衛政策の変更は十分可能だということを暗に前提としています。逆に言えば、実際は、防衛政策を決めた上で、解釈技術により、必要最小限度の範囲内だという結論ありきの理屈をつくり上げる疑いが生じる可能性があります。このことは、立憲主義の観点から、おかしいとまで言わなくても、かなり分かりにくいと言わざるを得ません。

 問題は、必要最小限度という基準が、先ほど相対的という美しい言葉がありましたが、極めて曖昧なものだということです。国際情勢や軍事技術の変化に応じて中身が変わり得るものです。この曖昧な基準によって国家権力を統制しようとしているのが憲法第九条ではないでしょうか。

 例えば、平成三十年五月二十二日付の衆議院議員宮川伸君が提出された長距離巡航ミサイルに関する再質問に対する政府の答弁書において、次のような見解が述べられています。引用します。

 一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、諸外国の航空能力の進展が著しい中、我が国防衛に当たる自衛隊機が相手の脅威の圏外から対処できるようにすることで、自衛隊員の安全を確保しつつ、我が国を有効に防衛するために導入するものであり、あくまでも、専守防衛の下、国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くため、自衛隊の装備の質的向上を図る観点から導入するものであることから、これを保有することは、自衛のための必要最小限度の実力を超えるものではない。

としています。これは、一層厳しさを増す安全保障環境、諸外国の航空能力の進展が著しいといった新しい条件に合わせて、長距離巡航ミサイルの合憲判断がなされたものです。

 ということは、安全保障環境が更に厳しくなったり航空能力が更に進展した場合、現在違憲とされている、例えば大陸間弾道ミサイルとか空母なども論理的に保有可能となってきます。こうした相対性というのか曖昧さから、前回の審査会における玉木委員の、憲法九条は現実を規律、統制する規範力を事実上失っているといった見解が生まれているように思います。

 同じ曖昧さから、足立委員の、自衛隊については、まさに日米同盟の中で存在しているもので、端的に言えば、米国のスタンスによって伸縮しかねない内容だといった発言も出てくるのだと理解しています。さらに、同じ曖昧さから、新しい防衛方針等が出てくるたびに、解釈が伸縮しているように捉えられ、違憲の声が上がるのではないでしょうか。

 こうした混乱を正すために、国破れて九条ありとは許されないという私の立場に立つのであれば、二つの検討方法が考えられるというふうに思います。

 一つは、必要最小限度というのは、あくまで防衛に対する姿勢を示すものであり、厳密ではなくとも、憲法上の抑制機能として前向きに評価すること。そして、もう一つの方法は、自衛権を必要最小限度のものにとどめるといったこの曖昧な規定を憲法から外して、疑義が生じないようにすることです。その上で、必要最小限度という防衛姿勢は、むしろ、その時々の安全保障環境に応じて、法律や政策によって柔軟に対応することです。

 前者の方法で検討を進めるのであれば、やはり本審査会で、この新次元の冷戦に応じてどのように防衛政策が変化するのかという議論をしなければならないというふうに思います。なぜなら、本当にそうした新しい防衛政策が必要最小限度として認められるのかという検討をしなければいけないからです。もちろん、憲法の解釈権は、まずは政府、最終的には最高裁判所にありますが、必要最小限度が余りにも形骸化していると判断される場合もあると思います。そのときに改正の必要も考えられます。そして、この改正は本審査会の権限の範囲内にあります。

 もう一つの後者の方法であれば、一番単純な方法は、第九条第二項を削除し、法律や防衛政策によって我が国特有の方針を具現化することです。この場合は、本審査会で防衛政策の議論をする意義は確かに薄れるというふうに思います。

 前者の、一つ目の方法のよい点は、これまでの第九条の精神、建前というものを維持できることです。他方で、問題点としては、改憲に及ばない場合は、この曖昧な制約の下で防衛政策を決めざるを得ず、引き続き、立憲主義の観点からは疑義が生じやすいということです。

 二つ目のやり方のよい点は、防衛政策を変更するたびに苦しい説明が要らなくなり、立憲主義の観点からすっきりするということです。ただ、逆に、曖昧な基準といえども必要最小限度という基準がなくなれば、憲法上の制約が完全に取れて、法律や政策に委ねられるということになります。

 以上、本論に入る前にどちらの方法で議論を進めていくのかを決める必要があると思い立ち、参考までに私の考え方を申し上げました。

 ありがとうございます。

    ―――――――――――――

森会長 次に、委員各位による発言に入ります。

 発言を希望される委員は、お手元にある名札をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。

 なお、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。

 発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。

 また、幹事会の協議に基づき、一回当たりの発言時間は五分以内といたします。質疑を行う場合は、一回当たりの発言時間は答弁時間を含めて五分程度といたします。委員各位の御協力をお願い申し上げます。

 発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。

 それでは、発言を希望される委員は、名札をお立てください。

新藤委員 二度目で恐縮でございますが、私の発言に対してのコメント、また、御質問が入りましたので、短く行わせていただきたいと思います。

 まず、北神委員から今いただいた話でございますが、私たちの九条の改正によって立憲主義がなし崩しにならないかという御心配があったのではないかというふうに思います。

 必要最小限度が曖昧なことが問題だとおっしゃったわけでありますけれども、憲法が改正しない、現行憲法において、今、安全保障がどうあるべきかは不断の検討が行われている。そしてそれは、一般法、また防衛政策において、我が国を守るために、必要最小限度という範囲において、専守防衛の範囲で様々な政策が打ち立てられているわけであります。

 ですから、そのことを常に進めていくことと、そうしたことをやっていながら、憲法にはその大前提として国と国民を守るんだという規定がないまま、自然権でございますけれども、その行われているところを、ここの整合性を法的に整えようということであって、私たちの案が防衛政策の変更に大きな影響を与える、それをきっかけにして何か変質することではないというのは先ほども申し上げましたし、今、北神委員が御心配されていることは、というよりも指摘されたことは、現行法において既に行われていることだ、必要だから行われている、こういうことで私は理解しているわけであります。

 それから、簡単にします、足立委員から、九条の二、これは維新案が現行九条解釈を維持するということで、それは私たちと同じ考えだということで理解をしております。

 それから、自衛隊が憲法機関とならないのかというのは、これはならないと考えています。防衛省と自衛隊は、表裏一体の行政組織なんです。ですから、その中で行われているものであって、特別に、今はない憲法機関として位置づけるためにこの改正をするわけではない、このことをはっきり申し上げておきたいと思います。

 それから、自民党案では存立危機事態が拡大してしまわないかということでございますが、これは、九条の二において、例外規定を設けるのではなくて、これまでの九条一項、二項と矛盾しない、同じものですよということで規定をしているわけであります。ですから、私たちの案によって存立危機事態が拡大する、そういったことは考えていないということであります。

中川(正)委員 立憲民主党の中川正春です。ありがとうございます。

 基本的な部分について、安全保障と憲法、議論をしていきたいと思います。

 日本は、戦後の世界を、憲法の理念に基づいて、平和を希求する国家として生きてきました。また、これからも平和国家として生き続けることに迷いはないというふうに思っています。憲法の中で具体的にこの平和国家としての規範を表現している部分は、憲法の前文とそれから憲法九条であると言われております。

 一方で、この憲法の理念に基づいて歴代政府が具体的な運用規範を作って、その規範に基づいて安全保障政策を打ち出し、実行してきました。その規範というのは、まず自衛権については、個別的自衛権の適用範囲に限ることとして、専守防衛を前提とした防衛体制を構築すること、同時に、アメリカと安全保障条約を締結することで、一つは、アメリカの核の抑止力の傘下に入りました。そしてまた、日本国内にアメリカの軍事基地を提供することで、日本は通常戦力でも専守防衛に専念をするという体系ができました。

 憲法は、これまで日本が具体的な安全保障の課題に直面したときに、特にアメリカの安全保障戦略に対し、平和のおもしの役割を果たしてきたということもあります。憲法九条があるから日本はベトナム戦争に派兵できないとアメリカに説明をし、続く湾岸戦争やイラク、アフガニスタンにも、武力行使を前提とした自衛隊の派遣はしなかった。アメリカからブーツ・オン・ザ・グラウンドと求められても、それを九条を盾に取って断ってきたことは、結果として日本にとっては正しい生き方であったというふうに思っています。

 一方で、アメリカから出てきた日米防衛ガイドラインの見直しに伴い、先般の安倍政権下における安保法制のときには、集団的自衛権を一部容認、大多数の憲法の専門家から憲法違反だと指摘をされました。この部分の整理については、いまだ持ち越されたままであると思っています。

 ここに来て、ウクライナ危機に直面をしました。日本を取り巻く安保情勢が変わったと言われます。中国や北朝鮮の野心が刺激されて、台湾有事の可能性が高まるのではないかと言う人も出てきました。しかし、私は、本当に大きな変化があるとすれば、軍事面よりもむしろ経済や資源などの分野ではないかというふうに思っております。世界経済がブロック化していく可能性が見えてきている中で、日本の経済安全保障戦略の構築が急務というふうになっています。

 軍事面での変化を言えば、ウクライナ侵攻以前から、アメリカは、日本の軍事的役割を拡大して、極東の安全保障への更なる貢献を促してきました。アメリカは、トランプ時代から、EUとともに日本でも、基地負担の増額やイージス艦の導入、サイバーや宇宙などの新しい領域で自衛隊の能力を高めてアメリカと連携するために、予算の増額を求めています。さらに、スタンドオフミサイルの導入であるとか、クアッドや韓国等の国々との共同演習や情報共有の可能性、これなど、一見、二国間の同盟から集団的な安全保障の道筋への可能性を探っているようにも受け止められます。

 ここで私が注目したいのは、このような議論の前提が、今のところ憲法九条の範囲の中で日本の防衛戦略を描こうとしており、同時に、アメリカも、不本意ではあるんでしょうけれども、日本の立場、平和主義等、九条の限界を尊重してお互いの役割分担を考えていこう、そのスタンスに立って努力をしているという事実であります。

 見逃してはならないのは、日本がアメリカとの関係で日本なりの安保戦略を平和主義に基づいて描こうとするときに、今の九条規定は、日本ができること、その責任範囲を限定する基本になっております。超大国のはざまに置かれた中位国家がその意思を通していくためには適切な理念規定であるというふうに思っています。アメリカに対して、超大国ではない日本が日本の主張を通すときに、九条が重要な役割を果たしているということを見逃してはならないんだというふうに思うんです。

 憲法の中で安全保障をどのように捉えるかを考えるときに、一番やってはならないことは、九条改正案を決めつけて、それに賛成か反対の二択を迫るような議論です。これは国論を分断するだけで、国民の納得は得られません。したがって、この九条を議論するとすれば、まずやるべきは立法事実の確認です。この先の日本にあるべき安全保障戦略です。

 日本国民の総意は、平和国家をこれからも貫いていくという、その意思がはっきりとしています。そして、これまでのところ、日本も、またアメリカも、九条の制約自体を所与のものとして、九条の縛りの下で日米の役割分担と協力を進めていこうとしています。そうした意味では、憲法改正の立法事実はないというふうに見ていってもいいんだと思うんです。

 私は、将来的に、この範疇を超えた新たな地政学的な変化とそれに基づく防衛戦略議論が具体的に出てきたときは、改めて九条の議論が必要であると思います。しかし、今はそういう意味で改正のときではないというふうに考えております。

 以上です。

北側委員 公明党の北側一雄です。

 先週、私、平和安全法制についてのお話をさせていただきました。今日も、少しそれに付加して意見を述べたいと思います。

 平和安全法制は、二〇一五年の五月に国会に提出されました。そして、その年の九月に法案が成立をしたわけでございます。そして、二〇一六年、今から六年前の三月に法施行がなされております。

 この平和安全法制全体の出発になるものは、平成二十六年、二〇一四年の七月一日の閣議決定にあります。この閣議決定を作るに当たっても、政府、そして自民党、公明党、相当綿密な議論をさせていただいて、この閣議決定を作らせていただきました。今日は、事務局が作っていただきましたこの資料の中の三十ページ以降に全文が出ておりますので、また機会あるときに改めて読んでいただけるとありがたいというふうに思っております。

 今日、私がお話ししたいのは、その中で二点でございます。

 一つは、安全保障環境、我が国をめぐる安全保障環境というのが大きく変化をしている。これは恐らく今日いらっしゃる皆様も御理解されておりますけれども、そのことについてもこの閣議決定の中で書かせていただいております。

 この三十ページの、七月一日閣議決定の最初の方に書いてあるわけでございますが、その第二段落のところなんですけれども、「冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発及び拡散、国際テロなどの脅威」、さらには、「海洋、宇宙空間、サイバー空間に対する自由なアクセス及びその活用を妨げるリスクが拡散し深刻化」、このように書いております。こういう安全保障環境の認識がまず大前提にあります。

 現実問題、我が国をめぐる周辺の国々の動向を見ますと、これまた言うまでもございませんけれども、北朝鮮は、今年に入って既に十四回、ミサイルの発射実験をしております。報道によれば、核実験もするのではないか、このような報道もなされているわけでございます。中国も、軍事力を年々強化をいたしまして、海洋進出を強めております。ロシアも、私ども日本の隣接する国でございます。

 こういう中で、先ほど来申し上げた、安全保障環境が軍事技術の高度化等々大きく変化をしてきている中で、我が国と国民をどう守っていくのか、それも憲法九条の下で現実にどう守っていくのかというのが今問われているんだというふうに思っております。

 もう一点お話ししたいのは、やはりこの時代は、一国だけで自らの国を守るということはできない時代になっていると思います。先ほどの閣議決定の中にも触れているんですけれども、同盟関係を結び、そして自らの国の安全を確保していく。どの国でも、そういう考え方に立って、安全保障そして防衛ということを行っているわけでございます。

 一番典型なのは、NATO、北大西洋条約機構。現在、三十か国が加入をされていらっしゃいます。御承知のとおり、残念ながらウクライナはこのNATOに加盟をできませんでした。今、御承知のとおり、フィンランドやスウェーデンが、昨日でしたでしょうか、このNATOへの加盟申請を、長年の彼らの軍事的な中立という立場を変更して、NATOへの加盟申請をしているという状況下にあるわけでございます。

 翻って我が国はどうかというと、まさしく日米同盟です。日米安全保障条約の下で、日米同盟の下で我が国を守る、この国を守るというのが、基本的な私たちの安全保障政策の根幹にあることでございますけれども、今、こういう安全保障環境が厳しくなる中で何をしなければいけないかというと、私は、この日米同盟の信頼性というものを更に更に強化をしていくということが極めて重要なんだろうというふうに思います。日米同盟の信頼性を大きく向上させて、そして抑止力を強化していく、そのために何をしていくのか、これをしっかりと安全保障政策として検討をしていかなければいけないと思います。

 憲法九条について今日はいろいろな議論がございましたが、この平和安全法制では、憲法九条の専守防衛の下で、我が国を防衛するために活動する米軍に対し攻撃があった場合には、自衛隊はこれを排除できるということを、従来の憲法論理の中の枠内で決めさせていただいたわけでございます。それは、新三要件です。これによって、まさしく日米同盟の信頼性というのが大きく向上したことは間違いありません。

 具体的に申し上げますと、この平和安全法制整備から、日米間の共同訓練若しくは日米プラスアルファの国の共同訓練というのが、平時からしっかりとなされるようになりました。私、調べてみたんですけれども、平和安全法制が施行されてからこの二〇二一年の末まで、去年の年末までに、この共同訓練というのは何回されているか、二百八十五回です。平時から日米の共同訓練というのがこのようになされて、それがまさしく抑止力の強化につながっていると思います。

 そしてまた、武器等防護という規定を平和安全法制で設けました。これは平時から、グレーゾーン事態から適用になるわけでございますけれども、この米軍の武器等防護をこれまでどの程度やってきたかといいますと、去年でいいますと二十二回、おととしの二〇二〇年は二十五回。

 こういう形で日米間の連携が強化をされてきているわけでございまして、私は、今、この厳しい安全保障環境を考えたときに、あの平和安全法制を整備したことというのが間違いなく連携の強化につながり、抑止力の強化につながっているということを改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、今日は憲法九条に関する様々な議論がございました。詳しくはまた別の機会にしっかり述べたいと思うんですけれども、自民党の新藤幹事の方からは、九条一項、二項は維持をしていく、堅持をするんだ、また、平和安全法制等で、この九条一項、二項の解釈について、新三要件も含めて、これについても何ら変更を加えるものではないとおっしゃいました。その点については、私も全く同感、同意したい、評価したいというふうに思っております。

 その上で、要するに、国防の一番の担い手でございます、最大の担い手である自衛隊についてきちんと憲法上明記すべきではないか、こういう御趣旨だというふうに理解をしたわけでございます。

 これはこれまでも何度も申し上げてきましたが、恐らく、ここにいらっしゃる皆様、委員におかれても、自衛隊が憲法違反だと思っていらっしゃる方はごくごく一部だと思うんです。大半の方は、そんなもの、自衛隊が合憲なのは当たり前じゃないかと。皆さんも、国民もそうなんです。自衛隊の活動に対する理解また支持というのは間違いなくある。

 そういう中で、自衛隊の明記だけを理由にしてこの憲法九条を改正していこうというのではなくて、私はやはり、憲法価値を高めていくという意味では、自衛隊というのは日本の最大の実力組織です、最大の実力組織であるわけですから、それに対する民主的な統制を憲法上書き込んでいく、これは民主主義、国民主権という観点からも非常に憲法価値にふさわしい書きぶりなんだろうなというふうに思っております。そういう意味では、自民党の素案の中にある、たたき台の案にある一部は理解できるわけでございます。

 そう考えたときに、一番のポイントが最大の実力組織に対する民主的統制というふうな観点だとするならば、その憲法上の位置づけは、どこに書き込むことがふさわしいんだろうかというふうに考えておりまして、そういう意味では、現在、自衛隊法の七条には、「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」このように書いているわけです。この自衛隊法の七条の、内閣総理大臣が内閣を代表して指揮監督権を有する、これを憲法価値に高めていくという意味は十分理解できると思っておりますが、その位置づけは、恐らく、憲法の七十二条とか七十三条に内閣総理大臣の権限とか内閣の職務について規定をされているんですね、そこに書き込んでいくということも一つ考えられるのかなというふうに、私は、私個人ですけれども、思っているところでございまして、そうした議論についても是非していただければ。

 九条一項、二項については堅持をするという立場の下で、自衛隊の民主的統制をどうしていくのか、こういう観点で議論をしていくことも一つの考え方かなというふうに理解をしております。

 いずれにしても、この厳しい安全保障環境の中でどう安全保障政策をつくっていくのかというのは、まさしくこれから、年末の、国家安全保障戦略も含めて三文書の今見直しをしていこうとしているわけでございまして、しっかり議論をさせていただきたいと思います。

 以上です。

足立委員 日本維新の会の足立康史です。

 何か、二巡目も十分ぐらいお話ししていいようですので、ゆっくりお話ししたいと思いますが、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、新藤筆頭、先ほど御回答いただいてありがとうございました。大変明快に、よく分かりました。

 ただ、そういうことであれば、維新案でも十分、維新案というのは、「前条の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する。」これで十分なのかなと思いました。

 ただ、もしかしたらと思って伺いたいのは、強調されておられる、自衛権に触れているところです。まさに、自民党の紙には、自衛隊を明記するとともに、自衛権についても言及すべきとの観点から、自衛の措置を妨げず、こう書いてあるんです。

 では、国防規定とおっしゃった、その「必要な自衛の措置をとることを妨げず、」という規定は、これはいわゆる、訓示規定、プログラム規定とかいいますよね、要はそういうことであって、実態的な何かを変えるための規定ではなくて、これは、法律でいうと訓示規定といいますけれども、プログラム規定ということでしょうかということが一点、一点というか、新藤先生にはそれだけお願いしたいと思います。

 それから、奥野筆頭にも。前回、謝罪をしてください、憲法審査会を愚弄した発言について謝罪をと申し上げましたが、憲法審査会のレベルが下がっちゃうのでもうやめますが、質問は、自公内閣、自公政権が定めてきた新三要件、平和安全法制、これは違憲だと考えているのか、合憲だと考えているのか、それだけ是非教えてください。

 それから、玉木委員ですが、いろいろ御質問いただいたことは感謝を申し上げますが、やはり、我が党のように、自分たちはこうしたいんだということをおっしゃらないと議論が深まりません。ついては、要は自衛権について問題意識がおありだということであれば、それは新三要件を書くべきだと思っているのか、そこは是非、具体的に教えてください。

 それから、赤嶺委員。球根栽培法という冊子がありますよね、これは共産党のものかどうか。球根栽培法というのは火炎瓶の作り方が書いてあるんですけれども、火炎瓶を使って国民に戦ってもらうという、あらゆる手段の議論について、赤嶺さんはすぐ長い話を、関係ない話をされるので、最後にお願いします。

 以上です。

新藤委員 是非、こういう議論をやるためにも、今度は議員間の討議においても、そのポイントをお互いに整理して準備をできるようにしていったら、よりまた建設的な議論が深まるのではないかな、このように思います。

 御質問の点につきましては、これは先ほども申しましたが、九条の二というのは、例外を設けるものではなくて、一項、二項と矛盾しないというためのものであって、いわば確認のための規定だということで理解をしていただきたい、このように思います。

奥野(総)委員 党の立場を踏まえて発言しています。

 今日、新三要件について触れたのは、現実にあるものですから、そこの解釈、運用をきちんと詰めるべきだという趣旨で申し上げた次第であります。

森会長 次に……(足立委員「会長、違憲だと考えているのか、合憲だと考えているのかについて答えていないんです」と呼ぶ)取りあえず、今、党の立場で発言がありましたから。

玉木委員 お答えします。

 幾つかの自衛権についての議論を党内でしておりますが、いわゆる新三要件をそのまま書くというのも一つの案です。

 私は、本会議場で一回、個人的意見として申し上げたのは、旧三要件のうち、我が国に対する急迫不正のところを、我が国にとっての急迫不正ということで、一部集団的自衛権、それは究極的には我が国に関係するものということで考えるような形での、新しい形の三つの要件を書き込んでいくことは、立憲主義あるいは憲法の規律性を明確化する上で一つの案ではないかということで検討しています。

赤嶺委員 球根栽培法というのが何を指すか定かではないんですが、これまでよく日本共産党の暴力革命だという攻撃のために使われてきているもの、それが憲法の議論とどういう関係があるか分かりませんが、私たち日本共産党は、戦前も戦後も、党の正規の方針として、暴力革命の方針を取ったことは一度もありません。こういうビラを使って歴史の事実を歪曲するような攻撃は、しかも憲法審査会でそういうような発言をすることは許されないと思います。

 憲法が保障する結社の自由に対する重大な侵害行為はやめてほしい。

森会長 傍聴人の方は御静粛に願います。

赤嶺委員 私たちの立場は、二〇〇〇年の第二十二回党大会で、憲法違反の自衛隊を段階的に解消していくという立場を明確にしておりますので、明快であります。

 以上です。

森会長 足立康史君の質問に対する答弁は以上といたします。

玉木委員 再び質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 新藤先生に一問、足立先生に一問。

 北側先生が、今回、平和安全法制をやるときは、ぎりぎりいっぱいまで、今の解釈を限界まで広げたということでおっしゃっていました。その解釈の中でやることとは何も変わらないということなので、いわゆる憲法事実、立法事実なんですが、新たに何か、追加で何かをするために、あるいは制約を取るためにやるものではないということでよろしいんでしょうか。あくまで違憲の疑いを解消するというのが今の自民党の案だということであって、実態的な中身の変更はない、あるいはそれはしないということなのかということをお聞きします。

 足立さんに聞きたいのは、ちょっと曖昧だったので教えてほしいのは、今までの解釈は維持するということをおっしゃったんですが、平和安全法制で認められた新三要件のうち、三番目の要件の必要最小限は変えるということなんですか。そこがよく分からなくて。

 しかも、自民党以上に、前条、つまり九条の範囲内でという明確なことを、これは自民党以上に明確に書かれておられるので、その意味では、現行の一項、二項の制約がより強くかかると思うんですね、自民党に比べて。その中で、解釈の変更もしないということなんですが、でも必要最小限の見直しは行う、自公でやった平和安全法制にはとらわれないというところが素直に理解できないので、そこをちょっと御説明いただけますか。

新藤委員 解釈の内容に変更はないのかというのは、そのとおり、私も何度も申し上げております。

 そして、例えば自衛隊法には、三条で、「自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、」と書き込んでいるわけですよ。事態対処法においても、先ほどの平安法においても、自衛隊が国を守るんだ、このように書き込んでいながら、国の根本法規に、国防規定と、そしてその実力組織としての規定がない。ここの整合性を保つべきであって、その内容については、一般法やその他の政策で整理していく。これを何度も申し上げているところでございます。

足立委員 玉木議員、御質問ありがとうございます。

 先ほど申し上げたつもりですが、今回の我が党の九条の二の提案は、自衛隊を明記する、これは自民党と同じ立場であります。

 では、自衛権についてということでありますが、先ほど申し上げたように、これは、九条を触らずに、そして、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする現在の枠組みを維持するわけですが、私が申し上げているのは、閣議決定による憲法解釈と法律で規律づけしていくということを申し上げているのであって、私たちは平和安全法制にも反対しました。そして、新三要件についても、そのまま同意はしていません。

 だから、解釈の内容、それからどのような法律を整備していくかということについては、私たちは野党ですから、フリーハンドを持っているわけです。新三要件に縛られるつもりもないし、新三要件が現行の九条においての限界線であるという、北側先生とかがおっしゃったかな、そういう理解を私たちはしていません。

 以上です。

玉木委員 そうすると、その維持する解釈というのは、何を対象としているんですか。

足立委員 だから、それは、フリーハンドを持っているということです。私たちが政権を、要は内閣を構成すれば、それは、憲法九条の平和主義、これを堅持しながら、まさに先ほど申し上げた、様々な日本を取り巻く安全保障環境の中で必要な解釈をするということです。

 以上です。

玉木委員 ちょっと矛盾してしか聞こえませんが、維持するとする解釈にはとらわれないということになると、一体何を維持するのかが全く分からないので。

足立委員 繰り返しになりますが、私たちは、九条を改正せずに九条の二を立ち上げるという提案を昨日、本日させていただいています。

 他方、新三要件が限界であるという整理は、自民党、公明党が、自公政権、自公内閣がされたものでありますから、私たちはそれに縛られず、日本維新の会として政権を預かれば、しっかり内閣の解釈を示していくということです。

玉木委員 では、解釈を維持するとおっしゃった、その解釈は、旧三要件なんですか。何ですか、それは。

足立委員 解釈を維持するとどこかで申し上げたとすれば、ちょっと言葉の何か問題でありまして、そうではなくて、憲法九条、閣議決定による憲法解釈と申し上げましたが、自民党の憲法解釈を維持するんじゃないんです。

 自衛隊は明記する、自衛権については、閣議決定による、一般的なですよ、閣議決定による憲法解釈及び法律で規律づけするというレイヤーにあるんだ、そのレイヤーの整理をしたということです。

玉木委員 では、砂川判決以降、最高裁なり司法が出されたものには制約されるという意味ですか。

足立委員 司法権の判断は重要な問題だと思います。

森会長 予定した時間が過ぎましたので、これで終わりといたします。

稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。

 本日は、憲法議論の中核ともいうべき九条について発言します。

 憲法前文の恒久の平和を念願するという基本的考え方は日本国民に広く共有されていますが、その方法としての「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という部分は、国連の常任理事国ロシアがウクライナに対し武力行使に及ぶという国際社会の現実に照らし、もはや非現実的と言わざるを得ません。

 日本が何もしなくても、北朝鮮は日本を射程に入れたミサイルを二百発以上有し、実際にミサイルを日本海に発射し、日本列島を越えて太平洋に着弾しています。日本が何もしなくても、中国は短距離、中距離ミサイルを配備し、その数は千九百発以上と言われています。日本が何もしなくても、中国は海警法を施行し、我が国固有の領土である尖閣諸島周辺で活動を強化しています。日本が何もしなくても、中国、ロシア、北朝鮮からのサイバー攻撃が増えています。日本が何もしなくても、中東で日本人がテロ集団の人質になることがあります。

 国際社会の平和を念じつつ、日本の利益を侵害しようとする外国や、ならず者集団の行為に対しては、まずは自らの手で自らを守る姿勢を明らかにすることが必要です。その上で、共通の利益と価値観を有する国々との間で協力を進め、団結し、国際社会の平和と繁栄を実現する必要があります。

 日本が何も悪いことをしなくても、脅威は降りかかってくるのです。消極的平和主義、すなわち、相手の善意に委ねれば平和は保てるという考え方では、もはや我が国の平和を確保することはできません。

 まず、立憲主義の観点から、憲法に自衛隊と自衛権を明記することが必要です。

 自衛隊について合憲と主張する憲法学者は少なく、国会に議席を持つ政党の中に、自衛隊を違憲と主張する政党もあります。憲法制定前後は、自衛権を否定したと受け取られかねない国会答弁もありました。その後、政府の解釈が確立し、必要最小限度の実力は戦力には当たらないと整理されました。

 しかし、必要最小限度は、新藤幹事御指摘のとおり、周りの状況によって変わります。かつて北朝鮮は日本に届くミサイルを一発も持っていませんでしたが、今や数百発持ち、いつでもどこでも何発でも、潜水艦からでも撃てる体制を有し、その態様も、極超音速、変則軌道など、ミサイル防衛が極めて難しいものが存在しています。こうしたミサイル防衛を取り巻く環境の変化に対処するため、日本も反撃能力を持つ必要があります。

 国と国民を守る実力組織である自衛隊について、違憲論を解消するために憲法に自衛権と自衛隊を記載することは、立憲主義の要請でもありますし、主権国家として防衛の憲法上の位置づけを明確にすることが、すなわち国家意思を示すことにもなります。

 九条二項を削除するかどうか。これは、憲法上、集団的自衛権をフルサイズで認めるのか、それとも、平和安全法制で認めた、極めて限定的な集団的自衛権に限るのかに関わります。

 防衛大臣時代に実感したことは、自衛隊は、世界レベルのいわゆる普通の軍隊にならなくても、世界から尊敬され、頼りにされているということです。むしろ、謙抑的な存在であることで、世界から信頼され、高い評価を受けています。

 五十度を超える灼熱の南スーダンで、黙々と道路を補修し、施設を整備し、休日になれば現地の皆さんと触れ合いの行事を行い、撤収のときには重機の使い方を教えた上で置いていく、そんな自衛隊の姿は誇りでありました。現地の皆さんからも、世界からも称賛されていました。そんな現在の等身大の自衛隊を、誰からも憲法違反と言われることなく、活躍できる環境をつくることが必要だと思うのです。

 平和主義を堅持し、専守防衛の下での、謙抑的で、我が国の身の丈に合った自衛隊、そして、変わり行く安全保障環境の中で、日本を守るのに必要な自衛権をしっかりと憲法に明記すること、そのための憲法改正が必要であると考えます。

 以上です。

森会長 まだ御発言の御希望もあるようでございますが、予定した時間が経過いたしました。

 この討議の取扱いについては、ただいま与野党の筆頭間で協議をいたしております。今後については、これを踏まえ、幹事会等において対応をいたしたいと思います。

 これにて討議は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十八分散会


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