衆議院

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第4号 平成29年6月12日(月曜日)

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平成二十九年六月十二日(月曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 三原 朝彦君

   理事 岩田 和親君 理事 高木 宏壽君

   理事 土井  亨君 理事 中村 裕之君

   理事 山際大志郎君 理事 木内 孝胤君

   理事 田嶋  要君 理事 中野 洋昌君

      赤枝 恒雄君    石川 昭政君

      うえの賢一郎君    江渡 聡徳君

      大西 英男君    北村 誠吾君

      國場幸之助君    佐々木 紀君

      助田 重義君    高木  毅君

      高鳥 修一君    津島  淳君

      額賀福志郎君    野中  厚君

      星野 剛士君    堀井  学君

      宗清 皇一君    村井 英樹君

      八木 哲也君    簗  和生君

      山田 美樹君    阿部 知子君

      荒井  聰君    逢坂 誠二君

      菅  直人君    初鹿 明博君

      伴野  豊君    輿水 恵一君

      斉藤 鉄夫君    角田 秀穂君

      塩川 鉄也君    藤野 保史君

      足立 康史君    木下 智彦君

    …………………………………

   参考人

   (アドバイザリー・ボード会長)

   (政策研究大学院大学名誉教授)          黒川  清君

   参考人

   (アドバイザリー・ボード会員)

   (政策研究大学院大学客員研究員)         石橋  哲君

   参考人

   (アドバイザリー・ボード会員)

   (東京大学大学院総合文化研究科教授)       藤垣 裕子君

   参考人

   (アドバイザリー・ボード会員)

   (一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事)         桑子 敏雄君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      関  武志君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十二日

 辞任         補欠選任

  勝沼 栄明君     八木 哲也君

  斎藤 洋明君     國場幸之助君

  高木  毅君     星野 剛士君

  宮路 拓馬君     赤枝 恒雄君

  輿水 恵一君     角田 秀穂君

同日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     山田 美樹君

  國場幸之助君     斎藤 洋明君

  星野 剛士君     高木  毅君

  八木 哲也君     勝沼 栄明君

  角田 秀穂君     輿水 恵一君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 美樹君     宮路 拓馬君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)


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     ――――◇―――――

三原委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。

 本日は、本件調査のため、参考人として、アドバイザリー・ボード会長及び会員の、政策研究大学院大学名誉教授黒川清君、政策研究大学院大学客員研究員石橋哲君、東京大学大学院総合文化研究科教授藤垣裕子君及び一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事桑子敏雄君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。

 皆様方におかれましては、本委員会に設置されましたアドバイザリー・ボード会員をお引き受けいただき、心から御礼申し上げたいと思います。皆様の専門的見地から助言をいただいて、委員会活動を進めてまいる所存でございます。本日は、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いします。

 初めての試みですので、いろいろ紆余曲折あるかもしれませんけれども、御理解、御協力を心からお願いしたいと思います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 御発言の際は着席のままで結構でございます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようによろしくお願いします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。

 それでは、まず黒川参考人にお願いいたします。

黒川参考人 黒川でございます。

 このような委員会にアドバイザリー・ボードというものをつくっていただきまして、七人を推薦させていただきましたところ、そのとおりに認めていただきまして、大変感謝しております。

 実を言いますと、国会事故調というのは、日本の憲政史上初ということで、立法府が独立した調査委員会をつくっていただきました。

 そのときに、あの三月十一日の事故が起こってから約一週間、私は世界じゅうのいろいろな人のツイッターをフォローしておりまして、どのような反応を皆がしているのかなという話もしましたし、そういう意味では、あのようなツイッターその他のITテクノロジーは非常に使いようがあるなと思いました。

 ちょうどあれはアラブの春が起こって三カ月後に起こったものですから、そのとき私は、ちょっと関係がありまして、アブダビとかカタールとか、それから、ちょうどあのときのあの事件が起こる、アラブの春が起こる一週間前に、日本の政府と経団連その他が集まって、日本、中東経済何とかという二百人ぐらいのデレゲートが会った会がありまして、私も参加していたものですから、その後に起こったアラブの春だったので、エジプトでも大騒ぎになりということで、非常に注目してフォローしていたんですが、そのときに、三カ月後にこれが起こったということで、アラブの春もさることながら、日本のこの事故、東北の大震災と原発の事故についての海外の反応は、どういうふうに見られているのかということを、非常に、日本のメディアはもちろん、いろいろなところで混乱していましたことはわかっていますけれども、そういうことで随分フォローいたしました。

 一週間後に、私、ちょっと、いろいろな議員さん、あるいはいろいろなところとコンタクトを始めまして、このような事故は立法府が独立したタスクフォースをつくらなくてはいけないということで、アメリカとも随分連絡を始めまして、ちょうど総理のところにも連絡をいたしまして、あれは多分三月の十九日か三月の中ごろ過ぎだったと思いますが、福山さんとも何回かお会いしまして、どうやったらこれを実現できるだろうかという話もしましたけれども、実際、九月までにそういうことが起こるようになり、十人の委員で十二月八日に発足しました。ちょうど真珠湾の七十年目の日だったんですが、それを私は辞令をいただくときにコメントしておりまして、議事録にも残っていますが、そういう話をして、これが実際に開始されたのが十二月八日でした。

 ほぼ六カ月ということで、大変でした。十人の委員だけではなかったのですが、最初のスライドをいただけますでしょうか、私どもは基本的に、その辞令をいただいたときに申し上げましたけれども、この委員会については、キーワードは、国民と未来と世界ということにしたいということを申し上げておりまして、国民の、国民による、国民のための委員会と認識しているということ。それから、未来を志向するのはいいんですけれども、それについては、歴史的背景を調査する、それによって初めて未来のことが見えるんだという話。三番目には、このような大事故は、世界に四百四十ほどの原子力発電所があるところでしたし、日本は、そういう意味では技術、科学その他の先進国でありますので、日本でのこのような大事故は、チェルノブイリと違い、皆さんと共有するということが大事だということで、世界と共有する事故の原因。それによって、もし原子力を使うのであれば、より安全な志向性をすることについて世界と共有したいという話を基本で始めました。

 そのほかで、いろいろなスタッフを集めたり、大変苦労いたしましたけれども、そのために、この委員会は、国会からも要請がありましたとおり、透明性と公開性ということに非常に留意をいたしましたし、さらに、全ての二十回の委員会については全て公開、その後の記者会見も、記者クラブはなしでありまして、特に、全部の委員会と記者会見も英語で発信するということで、世界と共有するということに非常に留意をいたしまして、七月の五日に、ほぼ六カ月ということで、報告書を衆議院、参議院の両議長に提出させていただいたところであります。

 結論としてそれは、次のスライドでございますけれども、日本のエスタブリッシュメントというか、政産官それからメディア、多くの科学者も巻き込んだ、いわゆる規制のとりこがあったということで、これが中心的なメッセージで、それの背景について幾つか考案しましたけれども、それが基本にあったんだなということをメッセージといたしまして、七つの提言というのをいたしました。

 さて、このような文化的な背景があるのではないかということで、非常に批判も受けたのでありますけれども、三つ目のスライドをいただくと、これを受けて、実を言うと、世界じゅうがこれについては非常に、興味津々というわけではないですけれども、何が起こったんだろうということを非常に知りたかったわけですね。

 もちろん、政府の事故調、民間のいろいろな人がいろいろなリポートを出しましたけれども、技術的なことはさることながら、幾つかの文化的な背景、あるいは技術的でない背景については、アメリカでは、この報告を受けてということもあるんですが、一つはGAO、ガバメント・アカウンタビリティー・オフィスという、議会の下にある、行政の政策の遂行状態あるいは効果などを常に調査している機関がありますけれども、その立法府、議会にあるところの機能が非常に充実しておりまして、今回の委員のお一人、後で説明いたしますが、これも実を言うと、このリポートでも、文化的、社会的な背景が非常に大事なんだという項目が取り上げられております。

 もう一つは、IAEAでも、それに従いまして、実を言うと、IAEAはいろいろなリコメンデーションを各国に出しておりますが、それをきちんとやっているかどうかということについてのやり方については、やはりこれはそれぞれの国の文化的背景もきちんと考えた上で強く押さなくてはならないということで、ワークショップが行われまして、このような国民というか国家の文化的背景と原子力の安全性についてのワークショップが行われた。

 もちろん私は呼ばれてもおりませんが、そういうことがわかっておりまして、実は、そういうことがあるたびに、私の方に海外の識者の方から、これはこうなんだけれどもあなたは呼ばれているのとか、いろいろな話が来ますけれども、そのようなことが起こっているということであります。

 三番目には、私たちが報告書を七月に提出したすぐ後に、アメリカのナショナルアカデミーは、やはり独立した調査の委員会を、議会の要請を受けて、特にこれは技術的な側面について調査をしろということで二年間の調査が行われまして、その報告書が二〇一四年に出てまいりました。これについても、わざわざ一つの章立てとして、それぞれの国の文化的背景に問題があるのではないかということを検討するようにということも出ているぐらいで、そういう意味では、私たちの報告書は相当世界の原子力の専門家の間では注目されておりまして、形だけでやっているような顔をしていても実はなかなかできない理由があるんだという話が識者に共有されております。

 そこで、私は、そういう意味では、日本では一体何が起こったんだということで、特に二〇一三年にはいろいろなところから講演に呼ばれまして、ヴァッテンフォールというのは、もちろんスウェーデンの会社ですけれども、ヨーロッパの主な原子力発電所を随分やっておりまして、そこの役員の方々や社内のセミナーにも呼ばれましたし、ノルウェーも、実は、三月十一日の事故が起こった後の夏に大きなテロリストによるシューティング事件が、夏休みの子供たちの事件が起こりまして、あの一カ月後にすぐに国会が独立した調査委員会を一年間ということで立ち上げておりまして、私どもの報告書が出たすぐ後に向こうの報告書も出て、両方とも政府の怠慢ということがコアのメッセージになっていたので、その後、向こうの首相、今はNATOのディレクターゼネラルのストルテンベルグさんですけれども、日本に来られたときにも私にぜひ会いたいということで、どうしてこういうことになったのかという話で随分議論をさせていただきました。

 そのほかに、スイス、英、米、仏ほかの多くの原子力の専門家が、日本の政府あるいは関係機関だけではどうも理解ができないなということで、結構私のところに問いかけ、あるいは聞きに来られる方も多いというのが現在でございます。

 次のスライドですが、そういう意味では、結果としては、どうしてこういうことが起こったのかということについては、日本人の常識、マインドセットといいますが、常識がどうも邪魔したのではないかということで、いわゆる同じような人たちが集まって組織にいると、よそになかなか動けないということもありますので、特に透明性、あるいは、事故が起こった後も、あの水の処理にしてもそうですし、メルトダウンしたものもそうですけれども、世界と共有してこの事故から学ぼうよということが余り見えていないなという気がするわけでありますし、実際、世界の方からも、日本の政府にももちろん問い合わせがありますが、私の方にも時々そういうことがよくありまして、どうしてこういうことができるんでしょうかなんという話は随分来ることが多いわけでございます。

 さらに、アカウンタビリティーというのは、専務、社長あるいは大臣あるいはいろいろなそれぞれの、社会的には組織で動きますから、立場として、何かを実行する責務、実行する責任があるわけですけれども、そのアカウンタビリティーが日本では説明責任というふうに誤訳をされておりまして、どうやって遂行するかというのが一番だという話についてはかなりの誤訳があるなというのが一つと、もう一つは、組織の中でも異論をいろいろ闘わせた上で決めるというプロセスが日本ではなかなかないというところに一つの問題があるなということが背景にあったということでございます。

 次のスライドですけれども、例えば、皆さんにお聞きしますが、三菱銀行の銀行員は途中で住友銀行に移れますでしょうか。あるいは日立のエンジニアは東芝に移りますでしょうか、あるいはパナソニックでもいいですけれども。普通、新卒で入るとずっといるものだと思っていますよね。ある省のキャリアは何省に途中で移れますか。こんなことが常識だという国がほかにあると思いますか、世界じゅうで。これがやはり問題なんですよ。移れないと思うから異論を言えない。

 大きな会社で新卒で、課長になると役員に初めてコンタクトをとれますし、新入社員にもコンタクトできますが、会社はこうあるべきではないかというような異論を言えば、何が起こると思いますか。「半沢直樹」状況ですね、出向だと。だから言わなくなっちゃう。そういうのが今の企業でも続いているというところが、世界じゅうで私がこういう話をすると初めて、えっ、日本はそういうのが本当、それは本当かねと随分いぶかしげに見られます。

 そういうところが、つい異論を言わないでだんだん進んできたところに大事故が起こったというわけでありまして、皆さん御存じのように、ナイン・イレブンの後のアメリカでは、もちろん原子力がテロのターゲットになるだろうということでいろいろな方策することを推薦いたしまして、日本にも二回、政府に、こういうことをした方がいいんじゃないのと言ったのが、二度とも無視されたというのも、この事故が起こってわかったわけですね。

 そういうことで、私どもは、特にこの報告書をもって、日本のグローバル世界での責任、日本はそれなりの経済大国であり先進国ですので、このような事故のレッスンを皆さんと共有しよう、何かいい解答がありませんかということを、もっとオープンで国際社会との交流、意見の交換、共同作業などをしてほしいということでありまして、失敗から学ぶ、前向きな姿勢、態度が弱い、福島第一原発の水の関係の問題、いろいろな問題がありますが、これを皆さんと共有しようよという話が見えるだろうかということですね。それから、汚染水の処理問題もそうです。それから、新しい原子力の安全委員会のあり方もそうですし、そのほかもろもろ関連事項についてぜひ世界と共有しようという、オープンな、もっと世界と共有したいという精神が見えないなということで、福島原発事故から何を学ぶのかということについて、世界と共有する姿勢、透明性がちょっと欠けているなということで、ぜひ、国会の、国民から選ばれた国権の最高機関のこのような委員会でこのような議論をしていただければと思いまして、今回のこの七人の委員で形成させていただいたという経過でございます。

 実は、衆議院では、森先生の委員会が一回立ち上がりまして、私ども、九人のこの委員会の人たちが呼ばれまして、ここで約三時間ほど質疑を受けました。その後、吉野先生の委員会が立ち上がりましたが、多分、私どもは一度も呼ばれておりませんし、これが三回目の委員会ができまして、三原委員会ということで、私たちのうちでアドバイザリー・ボードをつくるという話が、七つの提案のうちの一というのは、これで三回行われましたけれども、アドバイザリー・ボードも入れてやったのは初めてのことでありまして、六年たって初めてだということで、これも、七つの提言を出しているんだけれども何か起こっていますかということを時々外から聞かれるので、そういう意味では、ちょっと胸を張って、一回始まりましたよということを答えられるということで、日本の統治機構も世界にちょっと私も説明できる立場になったかなと思って感謝しております。

 ありがとうございます。(拍手)

三原委員長 ありがとうございました。

 それと、今、あとの石橋参考人、藤垣参考人、桑子参考人の履歴みたいなものを、これは御本人のホームページから通して私がつくらせましたので、黒川参考人は皆さん御存じでしょうから、あとの参考人の方々のこれをお配りしますので、事務方にやらせますので、よろしくお願いいたします。

 次に、石橋参考人にお願いいたします。

石橋参考人 石橋哲と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、国会事故調に参画しました。事務局で、全体工程のプロジェクトマネジメント機能として参画しておりました。

 事故調後は、首都圏、福島県、神戸の高校生、大学生、社会人の皆さんと「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」というサークル活動を御一緒しております。国会事故調報告を出発点として、社会のシステムについて世代を超えて学び合い、教訓を共有するという場をつくることを目指しております。

 国会事故調の報告書は市販されております。また、衆議院のホームページに設定されたバナーからも今もアクセスすることができます。当時の動画を見ることもできます。先生方におかれましては、子細に読み込まれていることと確信をしております。

 とはいっても、私のような一般人が約六百ページの報告書を手にとるというのはかなり高いハードルがあります。そこで、私が皆様と御一緒しているサークル活動「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」では、二、三分の動画六つで事故調の報告書を概観できるようなイラスト動画というものを作成いたしました。きょうは、先例がないということですのでごらんいただけないんですけれども、このnaiic.net/ivというところをごらんいただきますと、この動画がごらんいただけます。

 今ここのスライドに出ているところなんですけれども、この右下に、「原発をめぐる社会の仕組みの課題ってなに?」そういう動画がございます。その中にこんな言葉があります。

 事故を起こした福島原発や全国にある使用済み核燃料の課題がある日本は原発とそれに伴うリスクから逃げられない、原発についてはさまざまな考え方があります、しかし、いずれにせよ、その原発に伴うリスクを直視すること、民主主義の仕組みをちゃんと動かさなければいけないというのが国会事故調の今回の教訓であるというふうに結論づけている、そのようなことを言っております。

 私が考える国会事故調提言の根幹というのは、民主主義の仕組みをちゃんと動かすというフレーズに凝縮されているというふうに考えております。

 次のスライドをお願いします。

 本日、委員部の方々に事故調報告のダイジェスト版をお配りいただいております。お手元にあるこういう冊子でございます。

 この事故調の報告の中には、冒頭の方に「結論と提言」という場所を置いております。この資料の八ページでございます。その八ページの左側、中ほどの「問題解決に向けて」というところをごらんください。ここをちょっと御紹介したいと思います。

 「問題解決に向けて」「本事故の根源的原因は「人災」であるが、この「人災」を特定個人の過ちとして処理してしまう限り、問題の本質の解決策とはならず、失った国民の信頼回復は実現できない。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な組織、制度、さらにはそれらを許容する法的な枠組みであった。また関係者に共通していたのは、」ちょっと飛ばします、「無知と慢心であり、」「国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思い込み、常識)であった。」「当委員会は、事故原因を個々人の資質、能力の問題に帰結させるのではなく、規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である「組織的、制度的問題」がこのような「人災」を引き起こしたと考える。この根本原因の解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称を変えるだけでは、再発防止は不可能である。」。

 これらの根本原因の解決の道は、透明性、公開性の徹底による原子力規制の独立性を担保することであるというふうに考えます。

 ちなみに、このような考え方というのは、国会事故調ひとりがやっているのかというと、そうではありません。

 先般、四月二十六日、内閣府の原子力委員会第十八回定例会議に提示された案ですけれども、原子力利用に関する基本的な考え方というものが、今、パブリックコメントにかけられています。その中に次のようなフレーズがございます。「我が国では、特有のマインドセットやグループシンク(集団思考や集団浅慮)、多数意見に合わせるよう暗黙のうちに強制される同調圧力、現状維持志向が強いことが課題の一つとして考えられる。また、我が国では、組織内で部分最適に陥り、その中から生じる情報が共有され、必要な情報が適切に共有されない状況も生じており、組織内外を問わず、根拠に基づいて様々な意見を言い合える文化を創り出す必要もある。 このような従来の日本的組織や国民性の特徴が原子力の安全確保のみならず原子力利用全体にも影響を及ぼしたとの認識の下に抜本的な改善策を検討することが必要である。」。

 崩壊した国民の国家に対する信頼の真の再建というのは緒についたばかりだというふうに考えております。

 次のスライドをお願いします。

 これらの課題を実現するための方策として、国会事故調には七つの提言がなされています。ごらんいただいております国会事故調報告のダイジェスト版の二ページから三ページに記載されています。

 この委員会は、「提言一 規制当局に対する国会の監視」に基づいて設定されているとお聞きしております。

 各提言は、それぞれ、原子力をめぐるさまざまな場面において透明性、公開性の徹底をいかに確保するのかという視点に重点を置いて構築されています。七つの提言はいずれも、立法府、国権の最高機関である国会の先生方に対してなされたものです。提言全てに立法府の関与が不可欠です。

 「提言二 政府の危機管理体制の見直し」「提言三 被災住民に対する政府の対応」「提言四 電気事業者の監視」「提言五 新しい規制組織の要件」これらは、立法府による立法手当てに基づき、立法府による行政府の監視、履行がなされるはずのものでございます。

 「提言六 原子力法規制の見直し」「提言七 独立調査委員会の活用」これらは、立法府、国会の先生方自身による実行が不可欠です。

 次のスライドをお願いします。

 これら七つの提言、もしくは国民の国家に対する信頼の再建、非常に重い使命であるというふうに考えています。それらは、国民の代表者であり、国権の最高機関の構成員であられる先生方に託された重い使命であるというふうに思います。ただ、それらは、誰かがいつの間にかつくってくれたり、一夜にしてできるようなものではないというふうに思います。崩壊した国家に対する国民の信頼を再建するという使命遂行と同時に、原子力という巨大な力に対峙するための極めて大がかりなプロジェクトです。

 私は民間人ですが、民間では、このような大がかりで長期にわたるプロジェクトでは、プロジェクトに参画する者がその実行計画を共有し、進捗を共有することによって進められているのが一般的です。まさにプロジェクトマネジメントが不可欠です。そこでは、タスクごとに責任者が明確化され、節目、納期が明記され、共有されています。進捗確認の際には、何がうまくいって、何がそうでないのか、そうでない場合には誰に責任があって、どう取り返すのか、それらがクリアに議論できるようにすることが目指されています。

 国会事故調では、この国の信頼の再建、再構築も同じように大変大がかりなプロジェクトになるだろうというふうに考えました。そこでは、巨大なプロジェクトの遂行の例に倣い、実施計画の策定と進捗状況の公表を国会に期待するというふうに記載されています。先ほどのダイジェスト版九ページ目右側、「提言の実現に向けて」というところの冒頭に記載があります。

 事故から六年超、報告から丸五年経過した現在、ぜひ実行計画の議論をお願いしたいと思います。私は、この特別委員会が、国民と世界からの日本に対する信頼を再建するプロジェクトマネジメントの場になればというふうに考えております。

 次のページをお願いします。

 二〇一五年三月、先ほど御紹介した、私が参加するサークル活動「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」では、福島県と首都圏の高校生が三カ月をかけて共同コメントをつくるというプロジェクトに取り組みました。

 御紹介いたします。彼らはこのようなことを言っております。

 私たちは、こんな未来に参加したいと考えています。大人の本音が聞ける未来。皆が考えることに妥協せず、多様な意見が互いにウイン・ウインになるまで考え抜く未来。皆が考える材料を自分に当てはめ、みずからがどんな社会的役割を持てるか、主体的に考え続ける未来。対症療法に満足せず、慢性疾患を直視する未来。

 私たちを取り巻く世界、今福島原発事故を取り巻く状況を通して見える未来はそんな理想の世界でしょうか。

 私たちが参加したい未来をつくるためには、以下のようなことが必要だと考えます。

 大人と大人、大人と子供、多数と少数、個人と個人が本音で語り合うこと。そこでは立場などを介在させず、理由と根拠に基づく議論がウイン・ウインになるまで重ねられます。参加者は相互に信頼し、結論を急がず広い視野を持って少数の意見を尊重し、全員が主体的に考えます。

 このような場がつくられていくためには、自分の意見の根拠を考え、意見を交わし合意できる場とその教育が不可欠です。

 私たちはまず同世代と一緒に場をつくることに取り組み、子供が変わる姿を大人に見せていきたいと思います。私たちは未来に対する努力を重ねていきたいと思います。私たちは泳ぐことを諦め、ただ流されるままの魚のようになりたくはありません。

 この共同コメントはその中間報告です。

 私が参画するサークル活動の高校生は、未来に対する努力を重ねるというふうに宣言をしております。私はアドバイザリー・ボードの中の一員として、特別委員会の先生方とともに、国民が未来をつくる取り組みをお手伝いさせていただければというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。(拍手)

三原委員長 ありがとうございました。

 次に、藤垣参考人にお願いいたします。

藤垣参考人 藤垣と申します。

 私の専門は科学技術社会論というものなのですけれども、科学技術と社会との接点でさまざまな問題が、もちろん原子力も入るわけですが、そういう問題を、社会学、人類学、歴史学、政治学、経済学、科学計量学、科学技術政策、さまざまの方法論を用いて分析する研究分野でございます。

 きょうは、この科学技術社会論、STSと呼びますけれども、そこから、世界から日本の原発がどんなふうに見えているのか、あるいは、科学技術ガバナンス、原発ガバナンスでも世界に誇れる国をつくるためにはどうしたらいいかということを中心にお話ししたいと思います。

 次のスライドをお願いいたします。

 福島原発に関しましては、原発事故及び津波の災害に関しましては、さまざまなところでお話をしてきたんですけれども、特に、二〇一三年の二月にIAEAの応用健康部部長より国際電話をいただきまして、福島の原発事故後、低線量放射線被曝の健康影響について意見が割れている、福島県立医科大学と広島大学、長崎大学、放射線医学総合研究所のフォーラムをつくる、それをウィーンでつくりたい、それをやる上で、STS、つまり科学技術社会論は、そういった科学コミュニケーションに造詣が深いだろうということで、ウィーンに来てほしいと言われまして、行きました。このスライドの右側にある写真は、ウィーンのIAEA本部の噴水の前で、福島県立医科大学の先生たちと撮った写真でございます。

 二〇一三年にウィーンで開いた後、福島、広島、そして福島という形で国際会議を開きました。そこでもいろいろな意見交換がございました。

 次のページをごらんください。

 時間的に少しさかのぼりますけれども、二〇一一年の四月、ハーバード大学で、私の専門である科学技術社会論の会議が開かれました。これは、我々日本で起きた事故は三月十一日でしたので、一カ月もたたない間にあった会議でしたので、私はその会議で多くの人から質問攻めに遭いました。

 裕子、日本は科学技術立国と言ってきたのに、どうしてこんな事故が起きてしまったんだ、日本の原発というのは、日本の政治的、経済的、社会的文脈にどんなふうに埋め込まれてきたんですか。一体どういう科学技術と社会の関係のもとであの事故は起こってしまったんですか。そして、日本の科学技術と社会の関係は歴史的にどんなふうに構築されてきたんですか。

 質問攻めに遭って、かつ、彼らは知りたいと思うのに、多くの文献が全部日本語で書かれていて、英語で読めない。だから見えないんだ、とにかく答えてほしいと言われて、困惑した記憶がございます。

 次のスライドをお願いいたします。

 その多くの質問に答えるために本を編みました。こういう本なのでございますけれども、二〇一五年にシュプリンガーという理系の本を出す有名な出版社から本を出しました。これは、先ほどのハーバード大学での質問攻めに答えるために書いたものです。

 次のスライドをお願いいたします。

 本の構成は二部構成になっておりまして、第一部が福島原発事故の分析でございまして、日本の政治的、経済的、社会的文脈に原発がどのように埋め込まれてきたかとか、あるいは、科学コミュニケーションが直後どうであったかとか、そういったことが含まれております。つまり、先ほどの質問一つ目と二つ目への回答となっております。

 第二部は歴史的なことですね。事故以前に、日本において科学技術と社会の関係としてどんな事件が起きてきたか。水俣病、イタイイタイ病、「もんじゅ」の訴訟、薬害エイズ事件、そして現代的なものだとウィニーの訴訟というのがあるわけですけれども、そういうものを載せました。

 次のスライドをお願いいたします。

 そこからまた、先ほどのハーバード大学での会議の後、二〇一一年、クリーブランドで私の所属します4S、ソサエティー・フォー・ソーシャル・スタディーズ・オブ・サイエンス、科学技術社会論学会というところが、科学史学会と技術史学会と合同でプレナリーを開きました。福島原発に関してのものです。

 アメリカの文化人類学者が、菅直人先生、きょうもいらしていますけれども、菅先生と枝野先生がずっとカメラに、世界じゅうにこの映像も出たんですけれども、このスライドを使いながら文化人類学者が何と言ったかというと、日本政府はディスオーガナイズドナレッジを出し続けたと言った。そうしたら、そこにいた、プレナリーに八百人ぐらい聴衆がいたわけですけれども、その人たちがくすくすと笑い始めた。失笑が出たわけですね。私は、このプレナリーの司会をしておりましたけれども、ああ海外からはこう見えているのかと思って非常に恥ずかしい思いをいたしました。

 こういういろいろな反応を国際会議に行くたびにもらってきたんですが、海外の人から福島がどう見えているのか。コペンハーゲンであった会議での例をもとにまとめてみました。

 次のスライドをお願いいたします。

 例えば米国の災害研究者は、日本ではエネルギー政策に国民を交えた議論を行っている。これは二〇一二年ですので、デリバラティブポールをやった直後でございます。福島は日本の公共政策をそんなにも変化させたのか。

 あるいは、福島の影響はさまざまであるが、専門家への不信頼という点では一様性を持っている。福島は、日本における公衆と行政の境界を書きかえつつあるのではないか。

 あるいは、オランダの社会学者。ヨーロッパでは、日本の今後の原子力がどうなるのか人々が注目している。国会前に人々が並んだという映像もみんな流れていますので、市民の抵抗がどういう効果を持つのか注目している。

 フランスの社会経済学者です。日本の震災後の原発政策が欧州の政策に与える影響について強い関心を持っている。

 ドイツの報道関係者。閣議決定はされなかったが、日本も二〇三〇年代までに原発ゼロ%を選んだ人たちが多かったんですね、それは画期的なことだ。

 こういう反応がいろいろと返ってまいりますので、ポスト福島というのは決して日本だけの問題ではないというふうに考えることができます。

 次のスライドをお願いいたします。

 それでは、私たちは一体、今後何をすべきか。

 アメリカの科学史家であるポーターという人は、日本の原子力技術者というのは、アメリカの技術者が直面したような世間一般の監視の目からは驚くほど切り離されていたというようなことを書いております。つまり、いろいろな基準を決める、それが専門家だけに任されていて、世間一般の目からの、一般の監視の目というのが行き届いていないように見えたわけですね。

 日本の課題といたしましては、その監視の目としての公共空間をどうやってつくるかとか、責任のあるイノベーションでも世界に誇れる国をどうやってつくるかということが課題として残ってくるかと思います。

 次のスライドをお願いいたします。

 原発は、事故が起こりましたけれども、いろいろな不確実性というものが入ってきます。こういう不確実性が絡む問題は専門家だけの判断に任せるわけにはいかないので、欧米ではこの監視の目というのが非常に重視されます。例えば、意見が異なる専門家そして国民の意見をどうやって取り込んで監視をするか、どこにダムをつくるかとか、あるいは堤防の高さをどうするかでさえ議論する。安全と危険の隣り合わせである原子力発電所は当然であろうと。

 日本では、世界一厳しい基準ということをうたっておりますけれども、それだけでは、なぜこの数字が必要かという説明が不十分である。こういう説明のプロセスが踏まれていないために不信感を呼んでいるんでしょう。実際、本来、こうした議論をして監視の目になる場は国会であると思います。もちろん、司法の場で再稼働問題、再稼働をどうするかということを議論していますけれども、最もこういう監視をしなければいけない場は国会でございますので、委員の先生方には大いに期待したいと私は思っております。

 次のスライドをお願いいたします。

 このスライドは、現在のヨーロッパの科学技術政策、ホライズン二〇二〇というんですが、彼らは、RRI、レスポンシブル・リサーチ・アンド・イノベーションというものを挙げております。研究とイノベーションプロセスで社会のアクターが協働する、今までのスライドにもございましたように、きちんと監視をして責任あるイノベーションを果たす。

 もちろん、これから日本もイノベーションを掲げていくわけですけれども、ヨーロッパがこのようにレスポンシブルというものを掲げているにもかかわらず、今まで科学技術立国を挙げてきた日本がきちんとレスポンシブルをどうするかというのを明確にしていかなければ、世界からの日本の科学技術に対する信用がまた落ちてしまいます。ですので、日本独自のレスポンシブルのあり方を考えていく必要があるのではと思っております。

 次のスライドをお願いいたします。

 RRI、レスポンシブル・リサーチ・アンド・イノベーションのエッセンスを三つにまとめますとこれになります。まず、議論をたくさんの利害関係者に対して開くこと、行政官と専門家の閉じた空間で議論をするのではなくて、きちんと議論を開く。そして、相互に議論する、ミューチュアルディスカッションをする。そして、それをもとに新しい制度化を考える、これは大事なんですけれども、一度組織をつくってしまうと、それを壊すのが下手なのが日本の組織なんですけれども、上の二つ、議論をきちんとした後に、それでは最適な制度はどうあるべきか、例えば規制委員会は今後どうあるべきであるとかそういうことまで含めて、レスポンシブル、責任ある研究、そしてイノベーションということになるということになります。

 最後のスライドをお願いいたします。

 今申し上げたようなことは、市民講座でありますとかあるいは新聞といったメディアを使ってお話をしているんですけれども、きょうは国会議員の先生方にお伝えする機会があるということで、ぜひとも、世界から見て恥ずかしくない日本をつくっていただきたい、科学技術ガバナンスでも世界に誇れる国をつくっていただきたいということで、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

三原委員長 ありがとうございました。

 次に、桑子参考人にお願いいたします。

桑子参考人 桑子でございます。よろしくお願いいたします。

 このような場でお話しさせていただくことは大変名誉なことでございます。関係者の皆様に感謝申し上げます。

 これからお話しする内容ですけれども、まず簡単な自己紹介をさせていただき、次に、私の中心的なポイントでございます社会的合意形成のプロジェクトマネジメントということについてお話ししたいと思います。

 と申しますのも、社会的合意形成のプロジェクトマネジメントという観点から原子力の問題を考えますと、その中に含まれる多くの問題が社会的合意というものを必要としていると思います。そしてまた、合意を実現するためには、個々の課題を解決するプロセスをプロジェクトとして考えなければならない、こういうふうに思うからです。

 この社会的合意形成のプロジェクトマネジメントというのは、一つの社会的な技術、社会技術でございますけれども、それはどのようなケースに用いる考え方なのかをお話しして、最後に、この委員会においてどのようなことでお役に立てる考え方であるのかをお話ししたいと思います。

 前のスライドをお願いします。

 まず、簡単な自己紹介ですけれども、私は、一九五一年に群馬県の利根川のほとりで生まれました。環境のことが好きで、この問題を考えようとして哲学に志し、東大で哲学を学びまして、東京工業大学に移りましてから文理融合型の大学院の設立にもかかわりました。そういうこともありまして、二〇〇〇年から、国交省、農水省、環境省等の公共事業で特に住民と行政の間に厳しい対立があるような、そういうケースに参加を求められまして、具体的に社会的合意形成をどういうふうに進めるかということの実践経験と理論的な考察を重ねてまいりました。この春に大学を定年になりまして、この法人を設立しておりましたので、この法人を中心に活動しております。

 次をお願いします。

 ここで申します社会的合意形成、ソーシャル・コンセンサス・ビルディングと申しますけれども、それは、公共的な社会基盤整備あるいは税金を用いて進められる公共事業などで、多様な関係者の間で意見の対立がある、そのような場合に、これは開かれた話し合い、不特定多数の人々の間の話し合いが必要となりますけれども、こういう不特定多数の人々の間での合意をどういうふうに導くかというその考え方でございます。社会的合意形成とは、広く開かれた話し合いによって、合意のない状態から合意に至るプロセスをマネジメントするということです。

 この合意のない状態から合意が成立した状態へのプロセスを導くということで、先ほど石橋さんからもお話がありましたようなプロジェクトマネジメントということが必要になる、これは一つの社会技術であるということです。

 例えば、先生方の御関心でいいますと、選挙戦に勝利するということを一つのプロジェクトとして考えますと、確かにそれをマネジメントすることはプロジェクトマネジメントですけれども、これは、同じ意見の人々が一緒になってある目標を達成するということでございますので、社会的合意形成のプロジェクトマネジメントとは言いにくいことです。そういうことではなくて、むしろ、例えば、ダムの建設であるとかいろいろな公共事業に関して対立がある場合に、この意見の対立をどういうふうにして合意に導くかということでございます。

 こういうプロセスが欠けておりますと、対立、紛争になって、事業そのものが停滞いたします。そうしますと、事業コストが増大する、事業そのものが非効率化して、あるいは社会的な状況が変わったにもかかわらず、それに対して適切に適応できない、適合できないということになってしまいます。社会的な、あるいは経済的な損失も大きくなり、地域の停滞をもたらすということで、人々に大きな不幸をもたらします。したがって、社会的合意形成のプロジェクトマネジメント技術は、そういう意味で人々の不幸を回避するための社会的技術であるということも言えるのではないかと思います。

 原子力をめぐってもさまざまなケースで対立が起きておりますけれども、こういう問題をどういうふうにしたらいいかということでこの考え方を御提案させていただくということでございます。

 次をお願いします。

 私が従事しました例をお話しいたしますと、まず、島根県の斐伊川水系の大橋川周辺まちづくり基本計画策定事業というのがあります。これは、国交省と島根県、松江市の共同事業でした。これは国交省河川整備計画というのをつくらなければいけないんですけれども、それは治水を目標にする計画ですね。ところが、これをめぐっては、環境とか、景観とか、町づくり、いろいろな人たちが厳しい行政批判を展開いたしました。三年四カ月かけましたけれども、これを何とかこの考え方で解決いたしました。

 第二の例は、今も私、従事しておりますけれども、宮崎の海岸侵食対策です。これは、日本の海岸が、いろいろなところで砂浜がなくなっておりますけれども、この砂浜を確保するということについては皆さん同意しているんですけれども、その方法をめぐって厳しい対立が生じておりました。コンクリート護岸あるいは巨大な突堤をつくるというようなことに対して、市民、環境を守りたい、あるいはサーファーの人たちが厳しい批判を展開しておりましたけれども、これも話し合いで、今までのような工法ではなくて、サンドパックという新しい工法を開発することによって問題解決に至っております。

 第三の例は、沖縄本島の北部に広がります山原の森というのがありまして、この亜熱帯林の問題に関して、環境行政と林野行政が地元を巻き込んで厳しく対立しておりました。これは、地元の国頭村というところが中心になりまして、多様な人々の意見をきちんと取り入れた形で解決に至って、国立公園化、それから世界自然遺産登録も見えるようになっております。

 第四の例は、島根県の出雲大社の神門通りということで、これは非常に衰退していた表参道を復活させるための事業でした。厳しいスケジュールの中で、ワークショップ形式の話し合いだけでこれを成功に導いております。神門通りのにぎわいの復活と観光客の増加、地域経済の活性化に役立っております。

 私がかかわりましたのは、主に国、県、市町村と住民の方たちとの間の問題ですけれども、というのは、つまり行政の問題ですけれども、ここは立法府、国会の先生方の委員会ということで、こういうところでお話しさせていただいたことは今まで経験がないんですけれども、一つの重要な関係者、ステークホルダーとして、どんなことが考えられるのだろうかということですね。

 今お話しした例をうまく合意に導くことができたということはどういうことかと申しますと、適切な社会的合意形成プロセスをプロジェクトとしてマネジメントした。関係者に対する情報の共有、開かれた合意形成プロセスを実現できた。多様な関係者、ステークホルダーが参加できた。それから、事業を進める人々の間で、情報と知識、目標とモチベーション、これをしっかり共有できたということですね。それから、これらを統括するプロジェクトマネジメントチーム、モチベーションを持ったメンバーが解決に向かってマネジメントできたこと。こういう要素がうまく実現できたということが挙げられると思います。

 原子力問題の解決ということを考えますと、この合意形成の考え方から見ますと非常に難しいということがあると思います。

 確かに、原発の再稼働や、高レベル放射性廃棄物の処理問題、除染と地域への復帰、避難体制の構築、廃炉プロセスの構築、あるいは、さまざまな仕組み、制度設計などの問題というのは、どれもプロジェクトとして社会的合意形成を適切にマネジメントすべき課題であると思われますけれども、この問題は、とにかく、ステークホルダー、多様な関係者の利害が相当入り組んで、複雑になっている。しかも、長い歴史的な経緯がありますので、インタレストの対立、関心、懸念、利害関係が非常に硬直化して、固定化してしまっている。これを解きほぐしながら解決に導くのはなかなか難しい。コンフリクト構造そのものも非常に入り組んだ形になっているということです。

 それから、これはエネルギーとか環境にかかわっていますので、こういう方面でもさまざまな難しい問題があります。いわゆるエネルギー問題をめぐっては、コモンズの悲劇あるいは資源の呪いといったような問題が指摘されておりますけれども、そういう問題も含まれているように思います。

 こういった難しい構造を解決するための社会的合意形成をどういうふうに進めるかという、合意形成の設計、運営、進行ができる、そういう技術と実行力が必要なわけですけれども、我が国ではこの方面の研究と技術開発は非常におくれております。それから、そういうものを進めようとしたときに、そういう進めるための環境整備がおくれております。

 スライド五をお願いします。

 そういうような状況ですけれども、本委員会の役割について考えますと、多様なステークホルダーの中でとりわけ重要で特徴的な立場に立っているものが、国会のこの委員会であるというふうに思います。立法府という立場上、その問題にかかわるステークホルダーとして、非常に重要な役割を担っているというふうに思います。

 特に、原子力規制行政、行政とそれから立法府との関係、あるいは司法とのいわゆる三権分立の中で、それぞれの機能がどういう立場でこの問題に取り組むか、そういうことでございます。

 先ほど御紹介ありましたように、国会事故調は七つの提言を行っておりますけれども、多岐にわたる提言内容を実現するということを考えますときにも、どういうふうにそれを進めるかということをしっかり考えなければいけないというふうに思います。

 以上のように考えまして、本委員会に何か御提案できることはないかというふうに考えまして、次のようなことを挙げました。

 とにかく、原子力規制行政については、推進行政と、つまり、行政機関の中で考え方の違いも見えます。それに対して国会がどういうふうな形でかかわるかということをしっかり見据えなければいけないということで、委員会の中にそういう多様な、技術的な知見も含みますけれども、政治的、行政的、経済的等の社会的知見を持つメンバーによってプロジェクトを立ち上げてはどうかというふうに思います。

 それから、原子力政策全体が含みます社会的合意形成の課題を立法府の立場から分析するということも大事なことだと思います。それぞれの課題にかかわるステークホルダー、インタレスト分析に基づくコンフリクトの構造がどうなっているか、これを解決するためには、一体どういう考え方でどういうふうに進めて、そのプロセスをどういうふうに構築すればよいかということを検討することです。

 特に、国民もまた、私もかかわってきた事業では、住民、市民もまた対立関係の中にあることが多いんですね。国民の中にももちろん厳しい対立がありますけれども、先生方はその国民から選ばれた方々ですので、国民の考え方をどういうふうに問題解決の中に組み込んでその方法を見出すかということも非常に大事なのではないかというふうに思います。

 立法府としての活動ですので、立法府としての問題解決の措置の仕方、制度設計等、そういうものをどういうふうにして進めるかということについての委員会の中の合意形成も大事だというふうに思います。

 またさらに、もし課題解決のためのプロジェクトチームが結成されるようなことがありましたら、その目標達成に向けての効果的な環境整備を進める、どういうふうに進めるかということをお考えいただくといいのではないかと思います。

 私が申し上げる点は、以上の点でございます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

三原委員長 ありがとうございました。

 この際、黒川参考人から再度発言を求められておりますので、これを許します。

黒川参考人 本当に、このような委員会をつくっていただきまして、提言一に書いてあるように、私どもを含めたアドバイザリーを入れていただきましたので、この機会に、いよいよ日本の国会もこの提言を受けて活動を開始したという話を世界と共有していければいいなと思っております。

 そういう意味では、今回、与党、野党があの事故以後にどのような方々をいろいろ党内でヒアリングをされていろいろ考えておられるかという話のリストをいただきましたけれども、今回のこの七人のメンバーについては、現在の原子力、是か非かということだけではなくて、もうちょっと立法府の先生たちと、どのように国民の負託に対応していったらよろしいかという話ではないんですが、ちょっと違った顔ぶれを選ばせていただいたのはこのようなわけであります。

 きょう来られた方は、三人のうちのお二人は、原子力とある程度関係がありますけれども、政策のプロセスにどういうふうにかかわってきたのか、あるいは、海外ではどのように、科学政策、その他に見られているかというような話、それから、私もそうですが、きょう来ておられない三人の方については、鈴木先生は、前、近藤先生のときの原子力委員会の代理委員長でございますし、原子力の専門家でありますし、もう一人は、橘川先生は、原子力と日本の経済政策についてのエキスパートでありますし、もう一人の方は、益田さんですが、新進気鋭の女性の学者ですが、専ら米国の立法府の行政についての監視機構ということについて非常に勉強されて、いい御本を書いておられますので、そのような立法府の機能の強化ということについての見方についても、ぜひ先生方とも共有しながら、プロセスを、何とかうまくいったらいいなという気持ちで委員を選ばせていただいたということを私のメッセージとして受けていただき、いつこの委員会がまたなくなっちゃうのかどうかわかりませんけれども、ぜひこれを続けていただいて、あと六つの提言も、立法府としてどういうふうに受けるかということも含めましてやっていただけると、私どもも、ほかのメディアを通じて、やはり日本の立法府、しっかりやっているぞという話をさせていただければと思っております。

 以上です。

三原委員長 四人の会長及び会員の皆さん、御苦労さんでございます。ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

三原委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づき、各委員が自由に質疑を行うことといたします。

 この際、委員各位に申し上げます。

 質疑のある委員は、お手元のネームプレートを立てていただき、必ず委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。発言が終わりましたら、ネームプレートをまた横にしてください。また、発言の際は、所属会派及び氏名をはっきりと述べてください。

 理事会の協議によりまして、一回の発言時間は三分以内ですから、そのことを御理解いただいて、御協力をお願いしたいと思います。

 参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際は自席から着席のままで結構でございます。

 それでは、質疑のある方はネームプレートをお立てください。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 今回、第一回のアドバイザリー・ボードということで、本当に、四人の皆様に来ていただきまして、心から感謝を申し上げます。

 黒川先生の方からも、国会事故調の中心的メッセージ、規制のとりこだ、それに対して本当にさまざまな御意見もいただきまして。

 私も、東日本大震災発災当初から国会議員をしておったわけではないんですけれども、当時、国土交通省という役所におりまして、発災の対応ということでやらせていただきました。議員に当選をさせていただいてからは、こちらの委員会も所属をし、また復興の方の委員会にも所属をさせていただきました。

 まさに、原子力規制、この間に大きく制度も変わったわけでございますし、そして新規制基準もでき、そして原発の再稼働も今まさに進んできてということで、そして、原子力規制委員会も、田中委員長の方から、また人事の方も新人事ということで出てきておりまして、そういう意味では、この六年間やってきたわけでございますけれども、確かに、さまざまな国会事故調の指摘をいただきながら新しい仕組みというのをつくってきたということは確かであるというふうに思いますし、我々国会としても、規制側としても、そういう意味では、二度とああいう事故を起こさない、そして福島の教訓を生かしてということでやってきたということでございます。

 私、冒頭の質問でございますので、まず黒川先生の方に、規制行政、新しくやってきたこの六年間に対する率直な御評価、新しい規制基準もでき、そして原発の再稼働も今行われており、国会の方でもこういう形としてしっかり監視をしてやっていこうということでやってきたこの六年間に対する率直的な御評価というのを、まず黒川先生の方からいただければというふうに思います。

黒川参考人 ありがとうございます。

 あの国会事故調のときもそうですが、新しい規制委員会をつくるということで規制庁をつくられて、それは日本の立場からいうと環境省の下につきました。そのときに、五人の規制委員会のコミッショナーと言われますか、委員ができまして、交代して、最初に五年やられた田中先生が今回おやめになるということになりました。

 あのとき、野党、与党もそうですが、やはり行政の縦割りと、ホームベースが変わらないということで、やはりアメリカなんかの例も皆さん勉強されまして、これはノーリターンルールでいこうということになりましたが、いつの間にかみんな上の方は経産省になってしまって、経産省、御存じのように、自分のメールアドレスももちろん持っていますし、これは絶対戻らないぞなんという話はとても考えられないので、相変わらず、立法府が決めたことは全然聞いていないなということですね。それが一つです。

 それからもう一つは、やはり透明性、公開性が大事ですが、もちろん業者の人たちともお会いし、ブリーフィングもするべきだと思いますが、それをやはり、ちゃんと記録をとっておいて、要求があれば公開できるというふうにすべきでありまして、これも強く言っておいたんですが、ちっとも行われていないですね。最近になると、理財局の局長でさえも、何かすぐに捨ててしまうという話を平気でやっているという。

 これがルールだからいいというよりは、行政官として全く基本がなっていないんじゃないのかなということは、ぜひ、立法府でなければできないことですので、わかっていてもできない理由というのはいろいろあると思いますけれども、ぜひそこの基本をしっかりするということが一番大事だと思いまして、あとは、マイナーな、いろいろなテクニカリティーのことは二次的、三次的なことでありまして、基本はやはり、独立しているということと、透明性と、ノーリターンルールを守るという話が一番大事なのではないだろうかと思います。

三原委員長 ありがとうございます。

 各党からまず一人ずついきましょう。

足立委員 ありがとうございます。日本維新の会の足立康史でございます。

 原発事故の直後というか、原発事故調のあたりから、黒川先生、あるいは石橋先生にも、いろいろ御指導をいただきまして感謝を申し上げたいと思います。

 私からは三点伺えれば幸いです。基本的には黒川先生に伺いたいと思いますが、もし石橋先生の方でも特段ございましたらおっしゃっていただければと思います。

 一つ目は、まずこのアドバイザリー・ボードですが、今回できましたことを、私たちも、日本維新の会としても大変よかった、こう思いますが、これは、与党、野党の筆頭の御努力が、あるいは委員長の御努力が大きかったと思いますが、しかし、遅かったなと思います。本当はもっと早く、この特別委員会ができたときに設置をしておくべきだったと私は思っておりますが、来ていただいてそこにコメントしづらいと思いますが、率直なところを、もうこの際、黒川さんにちょっとコメントをいただきたい、こう思います。

 それから、過去を余り振り返っても仕方ない面ももちろんありますが、事故の総括なきところに将来の建設もありませんので一つちょっと振り返ると、余り時間もありませんので非常にざくっとした聞き方をいたしますが、結局、福島の原発事故は、自公政権、あるいは特に自民党がつくり上げてきた制度のもとで、民主党の政治家たちが治めているときに起こった。自民党の制度の上で民主党政権がマネージしたわけですが、仮に責任という問題があるとすれば、どれぐらいのウエートで、制度の自民党と、政権をつくった民主党、何対何ぐらいで、責任の配分もちょっとしていただけたらと思います。それが二点目。

三原委員長 足立君、もっと短くね。もう三分過ぎちゃった。

足立委員 あっ、過ぎましたか。

 あと一点だけ、現在の制度ですね。日本維新の会は原発再稼働責任法案という法律をつくっています。それから、例えば、今でも原発、電力会社は無限責任でやっているんですね。だから、私は、今の制度はとにかく課題が山積していると思いますが、今の原子力政策体系を点数で評価していただければと思います。

黒川参考人 ありがとうございます。

 これが、最初は森先生からこの委員会をつくって、参議院はまだできなかったんですね。一応、形だけつくったらしいんですけれども、実は内々に、何を聞いたらいいんでしょうと言われまして、結局、開かれませんでした。何か開かれたかもしれませんけれども、少なくとも、このような、ある程度公開された、議事録が残るような会はやられなかったということです。

 衆議院は、森先生がやられ、吉野先生がやられましたけれども、実際に森先生のときに、私ども九人の委員が呼ばれていろいろ聞かれたということだけでありまして、こっちのアドバイザリーはなしで私だけ呼ばれたんですが、全部、九人が呼ばれたんですが、そういう意味では本当に画期的で、三原先生以下、この委員会の、ここで頑張ってこういうことをしていただいたことについては本当に敬意を表しますし、ぜひこれは世界の関係者と共有していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 それからもう一つは、これが憲政史上初めてというところにまた問題がありまして、三権分立が機能していないということですね。つまり、行政府だとどうしてもまたこれが縦割りで横に行かないという極めて異例な制度ですけれども、そういうことからいうと、初めてだったので、やってよねと言われても議員の先生たちも余りわからなかったのかもしれませんし、こういうのはルーチンではありませんから、それから選挙ということもありますので、システムとしてできていなかったというところが問題なのかなと思います。

 海外に行きますと、イギリスなんかは年間三つか四つ、いつもやっているよという話が当然ですし、例えば、最近非常に話題になったのは、ブレアがイラクの戦争に行ったのは是か非かというのを、独立委員会をつくって九年かけて膨大な資料を出しましたよね。やはりそういう、いろいろなことから学んでいて、次の世代に続けていくという癖がなかったということで、行政は何も責任をとらないのかもしれませんけれども、それで済ませていたというところに問題があるんじゃないかと思います。

 ノルウェーもそうですけれども、すぐにあのシューティング事件の後に国会の事故調、独立したものを立ち上げて、一年間でやりました。フランスでもやりますし、アメリカはもうルーチンにやっておりまして、これは、リンカーン大統領がナショナルアカデミーを、ちょうどゲティスバーグのころですが、つくりまして、ナショナルアカデミーをつくる、これは、議会の法案について、いろいろな政策についてコメントを頂戴ということがあるので、年間百ぐらい、全て何か法律があるたびに諮問するというのが癖になっておりまして、そういう話があるので、常に立法府、アメリカは特に、法律は全部議会がつくりますから、そういうことになれているというのもありますが、そういう意味で、ちょっとなれていなかったということだろうと思います。

 ぜひ、これを契機に、例えば衆議院の議席の数とか、それから、使ったものをどうやって廃炉にするかなんという話も独立した委員会を使えばいいわけなので、それも提言に書いてありますが、その独立委員会は何も日本人だけである必要はなくて、これは世界的な問題ですので、世界のエキスパートと一緒にやろうよということをどんどんやっていただければいいと思います。それが一つの問題です。

 二つは、民主党政権のときがありまして、実際の行政の動かし方その他の体系がなかったのかもしれませんが、そういう意味では、冒頭に、原子力という膨大なエネルギーというか、産業界の、生活の一番トップの電気をつくるというところからいいますと、原子力の基本法ができてからいろいろな改革その他がありましたけれども、一旦オンになるとオフにできないというところが日本の問題ですね。だから、五十基つくってもまだつくらなくちゃならないというのは、あくまでも行政と専ら自民党という与党がある程度の協議をしながらやっていたとはいえ、なかなか、いろいろな利権の構造ができて、やめようという動きができなかったところに、数十年にわたる一党独裁政治の問題という話を書いてありますけれども、突然民主党になったというところは、いい悪いは別として、そういうときに起こってしまったというのは、やはり長期政権の一つのエフェクトが出てしまったんじゃないだろうかなと思います。

 そういう意味では、本当に規制委員会をどういうふうにするかというのは、中にも書いてありますが、ぜひ立法府の方で、行政府に任せないで、きちんとやれよなという話をしょっちゅうぎりぎりとやらないと、本当に世界的に、日本は一体何をやっているんだと。

 たまたま今再稼働していますけれども、IAEAがやっている五層の防御、つまり、もしシビアアクシデントが起きたときにはどういうふうに地方自治体が逃がすのかという話について、まだ日本はちゃんとやっていないということをみんな知っていますからね。だから、どうしてそんなことが済んでしまうんだという、自治体同士の問題、電源三法からきてしまっていますけれども、そういうことも与党が頑張ってやらないと、世界じゅうで、何か日本は何やっているのよという話が、一般的には私のところにもしょっちゅう聞かれます。

 先生たち方、ぜひ頑張っていただいて、原子力も、これからは高齢社会、人口が減るにもかかわらず、まだ再稼働、再稼働といって輸出をするぞなんて言っているけれども、本当に大丈夫なのというのが、世界の、IAEAその他の識者の日本に対する懸念というか、それだったらもういいやというような雰囲気もないわけではありませんが、その辺のことを世界に隠せない世の中になっていますので、ぜひ、そういう意味では、トランプ大統領ががあっと言っても、議会の方が反対だなんということを平気で言うようなカルチャーをつくっていくことは非常に大事だろうと思っております。

 そのほか、石橋さんの方から何か追加することはありますか。よろしければ。済みません。

石橋参考人 先ほど、事故の総括という二つ目の御質問がありました。

 先ほども申し上げましたけれども、このダイジェスト版の八ページ目の「問題解決に向けて」というところがございます。事故の根源的な原因は人災であるが、この人災を特定個人の過ちとして処理してしまう限り、問題の本質の解決にはなりません、逆転関係を形成した真因である組織的、制度的問題、その解決なくして、単に人を入れかえ、あるいは組織の名称を変えるだけでは再発防止は不可能であると。今、先生のお言葉を聞きながらここを思い出しました。

 以上でございます。ありがとうございます。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 きょうは貴重な御意見、ありがとうございます。

 私は、お話をお聞きしながら、この提言の、ダイジェスト版でもあるんですけれども、事業者と規制当局、それぞれが事故時にどういう状況だったのかということについてコメントがあるわけです。

 事業者については、規制された以上の安全対策を行わず、常により高い安全を目指す姿勢に欠け、緊急時に発電所の事故対応の支援ができない現場軽視の東京電力経営陣の姿勢、これは原子力を扱う事業者としての資格があるのかということを問い、規制当局については、規制のとりこの話が当然前提であるわけですけれども、国際的な安全基準に背を向けている、そういう姿勢が問われたということです。

 お話をお聞きしながら、東電については、率直に言って、事故後もさまざまな問題について隠蔽体質も問われてきたところです。柏崎刈羽における免震重要棟の耐震性不足を三年間も報告していなかった。こういう隠蔽体質というのも、黒川参考人のお言葉で言えば、日本の常識、マインドセットと深くかかわる問題だろうと思っております。

 そこで、黒川参考人と藤垣参考人にお尋ねをしたいんです。

 やはりこういった日本の常識、マインドセットというのが日本独特のもの、諸外国と比べて日本に固有の側面があるとするのであれば、こういった体質のものをどう変えるかということも問われるわけですけれども、規制機関のあり方として、諸外国と同等の、世界最高水準の規制基準といいますけれども、その妥当性も、先ほど言われたような第五層にかかわるような立地基準の問題なんかも問われているわけですけれども、やはり日本独特のこういう隠蔽体質を伴うようなマインドセットがあるのであれば、規制基準も、諸外国と同等ということではなくて日本独自の規制というのがあってしかるべきだろうと思うわけですが、この辺について、諸外国の例も念頭に置きながら、少しお話を聞かせていただければと思っています。

黒川参考人 実は、規制委員会についても、私は七月六日に、これを衆参両院議院の議長に提出してから、これから、会の任を解かれておりますから、一人の人間として、個人としては田中さんのところに三回ぐらい行きました。皆さん注目しているところですので、なかなか、ノーリターンルールといってもいつの間にかずるずるなってしまいますので、どうしたらいいかという話をしに行きました。

 実を言うと、もちろん電力会社も、スリーマイルアイランドから、非常に、アメリカが何をしてきたかということを知っておりまして、実は、ワシントンその他に私も行ったときに、向こうでは、原子力のオペレーターのインスティテュート、研究というかそういうグループがありまして、しょっちゅう各電力会社が自分たちは何をしているという会をしているわけです。それは一応秘密にはしておりますけれども、保険会社には全部公開しています。というのは、もしある電力会社が、全てのオペレーションがルールに従っていないなんということになると、保険会社が保険料を変えちゃいますから、どんどん上げていくので、お互いに非常に頑張って競争して、ベストプラクティスをしようということをしているわけですよね。

 日本の電力会社も入っているんですかと言ったら、もちろん入っていて知っていますよと言っていましたけれども、だったらそれをやればいいじゃないかという話が、保険会社も日本の中は系列になっているんですね。つまり、保険会社でさえもどんどん外資を入れてしまえば、あいつらあんなことをやっているぞということをどんどん外に見せてもらった方がきちんとできるんじゃないかという話なんですね。

 実はもう、この後の電力会社もいろいろなことで努力はしていると思うんですけれども、やはり地域独占となってしまうと、甘い汁がどこでも出てくるわけですよね。それをつなごうという、今グリッドをつくろうということも、いろいろエネ庁もあの後頑張ったんですけれども、なかなか進まないですね。

 それはいろいろな、お金をめぐるような、あるいは権力、あるいは利権の闘争というのがありますから、それはもうぜひ先生方にも頑張っていただいて、できない理由はなかなかありますけれども、どうやったら国民に対して、あるいは世界の中の日本という国に対してアカウンタブルかということをぜひ頑張っていただきたいというわけです。

 そういう意味では、先生方も、日本は、IAEAの、もし事故が起きたときに実際にどうやって逃がしてどうするかということはほっぽらかしということはみんな知っています。ノーリターンのルールがなっていないということもわかっています。しかし、もうこういう報告が出たので、実は日本も横には動けない世界なんだという話もわかっています。それをどうやってやるかということがやはり立法府としては大きな責任であるし、どうやってやっていくかということがすごく大事になるんじゃないかなと思っていますので、ぜひその辺は、できない理由はいろいろありますけれども、少しずつでもいいから前進していただければ大変ありがたいんじゃないかなと思います。

藤垣参考人 今の御質問を受けまして、一つ議論を紹介したいと思います。

 福島原発事故は果たして日本固有の災害かという議論がございまして、ノーの立場の人とイエスの立場の人に分かれました。

 ノーの立場の方は、今回の事故は技術的に発達したハイテク国家日本で起きた事故であって、同様の事故が原子力発電所を持つどんな国でも起こり得る可能性があるから対処しなくてはいけない。

 皆様御存じのように、ドイツでは、そういう、今回の事故がハイテク大国日本で起きたことを重視して、日本の事故によって、大規模な原子力事故がドイツでは起こり得ないという確信を持てなくなったので、原発事故は原発を保有するほかのどのような国でも起こり得るという認識を持ってドイツの政策を決めていった。

 つまり、この立場は、日本固有の災害かという問いに対してはノーと答えて、事故を一般化することによって今回の事故の教訓を世界の人々と共有することができます。

 それに対して、イエスの立場をとりますと、今おっしゃったように、日本固有の災害としてしまって、先ほどおっしゃった隠蔽体質が招いたとしますと、テクノオリエンタリズム、オリエンタリズムというのは日本、アジアをさげすむために使うものにテクノがついてしまう。あの事故は、グローバルなハイテク国で起きた事故というよりも、日本固有のことであってということにしてしまう。そうすると、欧米諸国は自分たちには関係ないこととして片づけることが可能になってしまいます。

 今御発言のあった、その規制、日本の隠蔽体質がもし問題だとして、規制基準も日本独自という言葉には非常なる政治性がございますので、隠蔽体質を、むしろ、世界標準である公開性と透明性をきちんと担保するような方向へ持っていくというふうに立論していった方が実はいいのではないかと考えております。

逢坂委員 委員長、どうもありがとうございます。

 民進党の逢坂誠二でございます。

 きょう、このような場ができたことを大変高く評価したいと思いますし、与野党の理事の皆さん、それから三原委員長に敬意を表したいと思います。

 三原委員長にお願いがあるんですけれども、このアドバイザリー・ボード、これは継続して開かれるというふうには承知はしておりますけれども、国会はさまざまなことがありますので、絶対これを途切れさせないでいただきたいということと、それから、回数についても、なるべく多く開かれるように御配慮いただきたいというふうに思っております。

 それから、ここでいろいろ議論をしてくると、このアドバイザリー・ボードが果たす役割についてもいろいろと進化していくというふうに私は思っております。その意味で、最初つくった形にこだわることなく、その役割がもし変わっていくのであれば、それに応じて柔軟な形でアドバイザリー・ボードも発展をさせていただきたいなというふうに思っております。

 委員長、お願いでございます。よろしくお願いいたします。

三原委員長 はい。

逢坂委員 そこで、アドバイザリー・ボードの先生方にお伺いしたいんですが、基本的なことと具体的なこと、聞きたいことが山のようにあるんですが、きょうは具体的なことを二点だけ。

 まず一点は、先ほど黒川先生がもう言及されましたけれども、避難計画のことであります。

 IAEAの立地の審査においては、原発が稼働する前に有効な避難計画ができていなければ、それは原発立地地域としては不適切である、そういうルールがあったように承知はしております。日本には、残念ながら、そういうルールはございません。

 そういう意味では、私は、世界一厳しい基準などというふうには日本の基準は言えないんだろうと思っているわけですが、現実が今そうなっているわけでありますので、これはこれとして受け入れるとして、そうであるにしても、これから再稼働させようとする原発について避難計画をつくる、その際に、やはり、有効な避難計画がつくれないということであるならば、私は稼働させてはいけないというふうに思うのでありますが、この点、それぞれの先生方はどのようにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。

 それからもう一点でありますが、稼働に際しての合意ということについてであります。

 稼働において、当該自治体が合意する、しないということは、これは法令上明確にルールがあるわけではないと承知はしておりますけれども、合意が非常に重要な要素になっていることは事実であります。

 その際に、この合意を要する自治体の範囲、これをどのように考えるべきなのか。都道府県だけでいいのか、市町村を含むのか、あるいは、原発からの距離といったようなものをどのように判断するのか、あるいは、その合意を得る自治体の範囲を決めるのは誰なのか。こういったところについて何かお考えがあれば、お聞かせいただければと思います。

 以上でございます。

黒川参考人 私、外でもよく話しますが、今、原子力は、いろいろな国でオペレートしていますし、つくろうとしていますけれども、例えば、これが、皆さんが考えて、ああ、あの国じゃ事故が起こってもしようがないよななんという国もあるかもしれませんが、日本で起こったということだからこそ、ドイツもスイスもイタリアも、あの年のうちに原子力をフェードアウトしたわけですよ。日本という先進国で、しかも日本は、科学技術がすぐれていて、ノーベル賞もたくさんもらって、しかも、製造業、科学技術の性能、工業がすばらしい、強いというところで起こったからこそみんなやめたわけで、うちだったらもっと起こるかもしれないなという謙虚なことがあったわけです。これが、もっと、そうじゃないような途上国で起こったら、皆さんも恐らく、ああ、しようがないなと思うんじゃないかと思いますよ。

 それが日本という国の、世界から見た日本のやはり強さであったわけですし、だからこそ日本が信用されていたわけなので、そこでこんなことが起こって、アメリカもみんな知っていますよ、B5bの後で、テロのアタックにこれ大丈夫という、電源も複数にしなさいということをやったんだけれども、日本は全然それを、ちゃんとブリーフィングもしたにもかかわらず、何もしなかったことというのはもうわかっちゃっているわけでしょう。では、それを直したのかという話はみんな見ているわけですよ。

 それが、このような、IAEAもやっているような、もしシビアアクシデントが起きたらば、皆さんを、自治体は、自治体の区域じゃなくて、やはり三十キロ、五十キロとなってしまうわけだから、そこのところは全部それはオーケーをとらなくちゃいけないというふうにしているんだけれども、なぜとれないのというのが、日本の文化的、そういうような背景でできていないのであれば、やはりしないとまずいんじゃないかと思いますよね。

 だから、特にみんなが心配しているのは、あの規制委員会は最高に厳しいんだ、だから規制委員会がオーケーすれば再稼働していいんだというふうに政権の方は言っていますけれども、そんなレトリックはないんじゃないかとみんな思っていますよね。

 だから、そういう意味で、どういうふうにその声を広げていくかということと、これを行政府にやれといっても、行政府は決めるという権限があるわけではありませんから、ぜひ、そういう意味では、政権と政権与党がしっかりときちんとやって、胸を張って、本当に最高の安全基準をやって、それをちゃんと施行するところまで責任を持ってやっているよと言わない限りは、ちょっと再起動すると、またやっているなと多分思われているんじゃないかと思います。

 それは、エネルギーの必要量とかいろいろなことはあるかもしれませんけれども、やはりそれを超えてでも、やろうと言えば日本人はやりますよ。そういうところが本当に先生たちの、立法府の役割は非常に私は重いと思っていますし、規制委員会でも、何かずぶずぶのうちに、みんな経産省の人がまだノーリターンでもないしという話は非常にまずいんじゃないかなと思って、私、外に行っていろいろなところで聞かれますけれども、そういうことをなかなかあからさまに言うのもちょっと恥ずかしくて、何にも言えないなというところが私の気持ちであります。

 以上です。

石橋参考人 ありがとうございます。

 避難計画の実効性と再稼働をどう考えるかという御質問と、再稼働についての法制上の自治体の範囲をどのように位置づけるのかということについての御質問だったというふうに理解しました。

 いずれも、どのようにロジックを突き詰めるかというところに尽きるのではないかというふうに思います。

 事故時、放射性物質は、放射性物質は人ではありませんので、非人間的なレベルで、極めて急速な勢いで、ロジカルに物事を進行させます。少しでも非論理的というのでしょうか、ロジカルでない、すきがあれば、そこは攻められます。そこをどう考えるか、どのように判断するのかは国民の選択であり、国会議員の先生方のお力というか、お考え次第なのではないかというふうに考えております。

 以上です。

桑子参考人 避難計画で合意を達成するための範囲をどういうふうに考えるかということでございますけれども、私は福島の南相馬に参りまして市民と話をしましたけれども、二十キロ、三十キロと円が描かれて、その範囲で人々の意識というのは本当に異なっておりまして、その範囲で区切られただけで、お互いに心理的には非常に大きな葛藤が生じております。

 また、原発の事故がありましたときに、その拡散の状況ですね。これは、季節風の関係もありますし、それから地形の問題が非常に大きいわけです。ですので、一律に三十キロとか五十キロとかということでいいますと、その影響する範囲が非常に画一的に考えられてしまう。

 その制度的なルールを考えることも大事だと思いますけれども、例えば、私がかかわりました、先ほども御紹介しました島根県の松江の大橋川という川があります。これは、島根原発の事故が起きたときには、松江の市民たちがその川を渡って避難しなければいけない、そこに相当な渋滞が起きるだろうと言われておりますし、また、島根原発の近くに川が流れておりまして、恐らくその川を原発の事故のときの放射性物質が遡上して、宍道湖・中海で拡散するだろうというふうに言われております。

 ですので、それぞれの原発の立地条件によって影響が相当違って、地域の原発に対する懸念もそれぞれ違うということが考えられますので、その辺も、どういうふうに地域の合意を形成するかということに関してきちんと議論をする必要があるんじゃないかなというふうに思います。

 それと、原発立地の、原発の地域の先生方は特に御関心が強いでしょうけれども、なかなかそれも一律に論じることは難しさもありますし、また、制度としての合理性ということも考えなければいけないと思いますし、さまざまな要因をしっかり考えながら制度化することが大事ではないかというふうに思います。

津島委員 自民党の津島淳であります。

 きょうは、四人の参考人の先生方、大変ありがとうございました。

 今後の原子力行政を進めるに当たって、公開性を重要視する、それから、国会の役割というものをもっとしっかりと果たすべきということ、そして、桑子先生のおっしゃる言葉をかりるなら、社会的合意というものの形成にしっかりと制度の部分からかかわっていかなければいけない、そういった部分で非常に示唆に富んだお話をいただきました。ありがとうございます。

 私からは一点、桑子参考人にお伺いしたいんですが、私、二〇〇八年にフランスのラ・アーグ再処理工場へ行きました。また、当時のアレバ社にも訪問し、社会的合意形成という部分でどういう取り組みをやっているか見てきたんですが、非常に印象に残ったのは、幅広く公開をし、なおかつ定期的に多様な関係者を集めての会議を行っている、そのことが今、記憶に鮮明に残っております。

 桑子参考人は、フランス政府に招聘されて、フランスにおられたこともある、ないですか。(桑子参考人「それは私の専門とは別のところで」と呼ぶ)ああ、そうですか。そういうことで、経歴にあったものですから、ちょっと、桑子参考人にフランスについてどういう御印象を持っているかとお聞きしたかったんですが、どなたか御見識ある方に、ではお伺いしたいと思います。

桑子参考人 私がフランスの客員教授になりましたのは、原子力とは直接関係のない、地域づくりというか合意形成のことで講義をさせていただいたんですけれども、フランスのことで聞いておりますと、やはりフランスは非常に官僚の力が強い国であるというふうに聞いております。

 議会がどういうふうに機能しているかということについて私はよく存じ上げないんですけれども、やはり、技術系の官僚は非常にしっかりしたシステムを組み立てているということぐらいは聞いております。

藤垣参考人 フランスに関しまして一つ情報をつけ加えさせていただきたいと思います。

 フランスには、透明性を担保するための市民会議といいますか、それが非常に発達している点がございます。日本の柏崎刈羽も、フランスにおける市民の、ベースとした公開性を担保する会を、参考にしてつくっているという点を伺っております。

土井委員 自民党の土井です。よろしくお願いをいたします。きょうは御苦労さまでございます。

 委員長を初め、理事の皆さん方、委員の皆さん方でアドバイザリー・ボード、本当に先生方の提言の一番初めがしっかりと実現をされて、先ほどのお話のように、継続的に私たちにいろいろお話をいただければというふうに思います。

 時間も時間ですので、簡潔にお話を伺いたいと思います。

 私も報告書を読ませていただいて、これは安全神話とかそういう以前の問題で、事業者の責任、規制当局の責任、政府の責任、こういうものが全く機能していなかった、ずぶずぶだったからこそ起きた人災だという、私からすると、報告書はそういう結論なんだなと。ここをやはりしっかりやっていかないと、日本の原子力の技術というのも向上しませんし、世界に、また国民の皆さん方にしっかり認められないのだろう。そういう意味では、残り六つの提言というものをしっかり立法府として真摯に受けとめながら一つ一つ実現をしていく努力をしていかなければいけない、そういうふうに思っております。

 そこで、黒川先生に、原子力規制委員会もいろいろ活動いたしておりますけれども、その活動の状況を見て、ここがおかしいとか、正直、どのような形で評価されているのか、そしてまた、政府、電気事業者、今、安全、安心に対する取り組みが行われておりますけれども、その辺についての評価というものをどういうふうにお考えか、そしてまた、立法府としてどういう取り組みを期待されているのか、ぜひお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

黒川参考人 ありがとうございます。

 先生おっしゃったように、やはり原子力というのはすごいパワーの源泉ですし、電力会社が地域独占となると、独占企業で腐らなかったことなんて歴史上ないですよね。それがやはり電気という、政産官じゃないですけれども、産業界、生活の一番トップにある企業が独占であれば、それはみんな寄りたかってきまして、できますよね。

 自民党政権という一党がずっと続いていたのでというふうに書きましたけれども、自民党にも呼ばれて一回この話をしに行きました、提出した直後ですね。そうしたら、みんな、そうだよねで終わるところだったんですが、実は、保岡先生が、ちゃんとここに自民党の責任があると書いてあるじゃないか、もっと真剣に考えなきゃだめだよとおっしゃってくださったので、私はちょっとほっとしたんですけれども、そういうところがあったんじゃないのかなと思います。

 そういう意味では、なかなか、私は、フランスも、これを出したときに、フランスのEDFもそうですし、それから、調査のとき、終わってすぐにフランスにも行きましたけれども、EDFもアレバも大歓迎ですね。それから、WANOという、世界の、ワールド・オーガニゼーション・オブ・ニュークリア・オペレーターのローレン・ストライカーさんというのがそのときのプレジデントでしたけれども、フランス人で。私のオフィスへいらっしゃいと言って、この報告書は本当に自分たちにも役に立つ、これをやはりしっかりやらなくちゃいけないなということをすごく褒めてくれまして、フランスに行ったときに、放射線と医療の研究所も郊外にありますけれども、そこもぜひいらっしゃいと。行きましたら、フランスとEUと日本の旗が立っているんですね。何で日本の旗が立っているんですかと言ったら、あなたが来たからだと言ってくれました。そのぐらい真剣に一応対応してくれているわけですよ。

 だから、そういう話が日本ではあるのかなという、日本人のマインドそのものですね。何かというと行政に相談に行くけれども、地元に行くのは陳情だけという話もありますけれども、そうじゃなくて、やはりぜひ国民の代表として、こういう話を世界と共通しようというのはすごく大事なことだと思います。

 そういう意味では、フランス、スウェーデンのヴァッテンフォールもそうですけれども、非常にやはり自分たちもどうやってこれを生かせるのかという話を常に聞いてきますので、ぜひ本当にこの委員会を続けていただけることは、委員長その他かわるかもしれませんけれども、すごく大事なことで、ぜひ、それを僕らとしては、こういうエキスパートが違った視点でこういうことを共有していきたいんだという話をそれぞれに発信できていくと、民意も少しずつ変わってくるんじゃないだろうかなと。そう急には変わらないと思いますけれども、少なくとも、正しい方向に一歩出る。

 つまり、規制の委員会であれば、業者ともどんどん会っていいんですよ。だけれども、今、こういうものがありますから、全て記録はとっておくということも大事だし、規制委員会が会合するときも、下とディスコネクトになっていますから、やはり役所から来たあの九百何十人の人たちに、あれを調べてこい、これを調べてこいと、どんどんどんどん権限が、言えるような構造にしなくてはいけないんじゃないかと思います。

 そういう意味では、ノーリターンといっても、アメリカも、スリーマイルアイランドからずっと苦労してやってきたんですけれども、少なくとも、NRCは非常に尊敬されているというのは、あそこの公務員ですけれども、ほかの公務員であるよりは給料もよくしていますし、そういう意味では、いろいろな意味で自分たちが非常にプライドを持っていますし、それから、オペレーターのところにいつでも行けるようになっていますし、常に常駐していますので、そういうシステムを知っていてやらないというところが一番問題なわけですね。

 それは規制委員会の五人の委員が言っていてもしようがないわけで、やはり規制委員会のスタッフそのものがそういうつもりで行く、戻らなくてもいいよというような話を、ぜひ、考えるのは立法府の先生たちだと思いますし、そうすると、若い人たちも入ってくるし、今から、デコミッショニング処理をするとか、いろいろなところにそういう人たちがいなくなっちゃうと皆さん言っていますけれども、だけれども、そういうことをすれば、幾らでも、自分のキャリアとしては、これはいいキャリアだと思う人は、若い人たちが出てくると思います。

 それから、フランスのこともそうですけれども、フランスは、ENAのエリートがずっと行っていますけれども、日本のように、年功序列で上がっていて、役所の中も全然動けない、そんなことはあり得ませんよ。向こうは、財界にも行くし、政治にも行くし、また戻るし、ずっと縦で、役所でも経産省から横に行けないとか、そういう話は、随分日本は特殊な国だなとみんな思っていますので、そんな話をすると、えっ、そんな国だったのかなんて、私たちは全然知らなかったと結構言われますが、そこがやはりいろいろな、異論を言えない、役所と大きな会社のサラリーマンのつらさがあるんじゃないかなと思います。

 それをぜひ開放してあげると、伸び伸びとやはり自分のキャリアをつくっていくという選択肢ができるわけです。それが、向こうの規制委員会もそうですし、NRCにいる人たちも大学を出てからずっとNRCにいるわけではないし、いろいろな人がやはりいろいろなところで交流し合って実際に仕事を動けるということをするのがすごく大事だろうと思います。

木内(孝)委員 民進党の木内孝胤でございます。

 四名の先生方、きょうはありがとうございました。

 きょうのキーワードとしてありますのが、透明性、公開性、それに加えて説明責任というのがあると思います。

 一方で、今、振り返りますと、それに全く逆行した状態から議論がスタートしていると思っているんですが、それは、まず第一に、東京電力の財務内容ですけれども、東京電力は、二十一・五兆円の廃炉とか除染とか賠償費用のうち、十五兆円ぐらいは負担することになっています。本来であれば、今、上場を維持できる状態にない、それを原子力損害賠償・廃炉支援機構をかませることによって存続会社として認定している。

 我々は、相当意見の対立する難しい議論をする上で、正しい数字に向き合って議論しなければならないところを、事実上倒産した会社、しかも、本来、破綻したときに、銀行は銀行としての責任、あるいは株主は株主としての責任、みんな負わなければならなかったにもかかわらず、全ての責任を東京電力に負わせている。国民負担もないというような説明もしておりますけれども、これは四十年の分割払いで電力料金に上乗せして払うようなことになっておりますので、事実上の国民負担でもございます。

 そこで、黒川先生と石橋先生にお伺いしたいんですけれども、こういうインチキ、粉飾の前提の上でやっている状態を一回解消して、政治家も責任を負わない、あるいは官僚も責任を負わない、東京電力に押しつけているのを解消して議論を進めないと、恣意的に行政がゆがめられてしまうと思うんですけれども、その点について御意見をいただければと思います。

黒川参考人 私は専門家でないのでわかりませんけれども、本当に恣意的、いいかげんですよ。だから、そういう意味では、外から見ると笑い事になっているんじゃないですか。誰も責任を負わないし、結局みんな国民に負担をやっているだけの話ですから。これで済んでいるし、どこも余りストライキも起こらないみたいで不思議だなと思っていると思います。

 それは、本当に、やはり行政にやれと言っても無理な話で、これは与党もそうですけれども、やはり政治家の方々が、立法府がこうだよという話をやる、そのやり方、ガッツですね、やはり国の信用というのは本当に今大事だなと思っていますが、そういうところじゃないでしょうか。

 ディテールはわかりませんが、確かにどう見てもおかしいとみんな思っていますよ。このおかしいことをみんな何で黙っているのかなというのが世界の不思議でしょうね。

 と思いますが、ほかに何か、石橋さん、ありますか。

石橋参考人 東京電力さんの財務状況が粉飾なのかどうかという御質問ということなんでしょうか。監査法人さんの監査が通っているので何とも言いづらいところではあると思います。

 ただ、いろいろな条件が積み重なって設定されて今の状態があるというのは事実だと思います。いろいろな条件を設定されたのは先生方ですので、どのようにお考えになるのかは先生方の御判断ではないかというふうに思います。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 本日は、アドバイザリー・ボードの参考人の皆様、本当にありがとうございます。

 私は北陸信越ブロックから選出していただいておりまして、ここには福井県若狭の原発群初め、新潟の柏崎刈羽、石川の志賀原発、それぞれあります。原子炉でいいますと、日本の原子炉の約半分が集中しているブロックでもございます。

 私は、原発に頼らない社会というのをライフワークとして実現していきたいというふうに思っておりまして、国会に来て初質問、初めての質問は、この事故調の報告書に基づいてやらせていただきました。

 一つ私はきょうは具体的な点でお聞きをしたいと思うんですが、最近、福井県でもう再稼働が行われておりまして、もともと、あそこは原発銀座と言われる集中立地の地域であります。

 つまり、集中立地についてちょっとお聞きをしたいと思っております。

 ことしの六月一日には、柏崎刈羽があります新潟県の柏崎市の桜井雅浩市長が、記者会見でこう述べております。簡単に言いますと、東電福島第一原発の事故を考えても七基の集中立地は多過ぎるというコメントをされました。

 市長がそう言うぐらい、福井もそうですが、地元へ行きますと、やはり、集中立地ということが非常に関心が高いというのが実態でございます。

 国会事故調の報告書にもこの集中立地の指摘がございまして、私も何回も読んでいますし、質問もさせてもらったんですが、ちょっと紹介させていただいた上で、御見解をいただければと思います。

 事故調報告書の二百一ページから始まる「同時多発事象に対する備え」という部分で、以下のように指摘をされています。「一〜四号機」、これは福島ですが、「一〜四号機の事故は、発電所周辺の放射線量を上昇させることで、近接する五、六号機に影響を及ぼし、さらに、福島第一原発から約十二キロメートル離れた福島第二原発の復旧活動にも影響を与えた。」「どのような事象が、ユニット間及び近接する原子力発電所間での波及的影響を起こし得るかは、個別の評価によって判定しなければならず、今後の詳細な検討が必要である。」。

 今後の詳細な検討が必要だということを指摘された上で、今は一つ一つの原子炉を独立で審査しているんですけれども、そういう集中立地の場合どうなんだということについて、続けてこのように指摘をされております。「「安全目標」が、個々の原子炉を対象として設定される現在の考え方は、複数ユニットの原子力発電所や」……

三原委員長 藤野君、短くね、早く。もう三分過ぎちゃった。

藤野委員 はい。

 「近接する複数の原子力発電所の周辺住民の立場からは不合理なものであるかもしれない。」つまり、集中立地というので、「より高いリスクの下に置かれている」「居住者の立場からリスクの公平性を考えるならば、このような多数のユニットが集中して設置されている原子力発電所に対しては、より保守的な安全目標が設定されるべきとする概念も検討されるべきである。」というふうに報告書で指摘されております。

 やはり、集中立地については、まず、どう考えるかという問題と、それと、この指摘のように、より保守的な、つまり、より厳しい基準なり審査というのも検討すべきではないかという、この二点についてお考えをお聞かせいただければと思います。

黒川参考人 これは一般的なことですけれども、やはり日本は、発電所がずっと、福島第一だと六つですよね。そういうことは大体やらないことになっていますよね。柏崎も七つですよね。こういうことはやらないことになっていますよね。一つ、そばにあるとという話で。

 そういうことを余りみんな言わないで、福島の事故が起こっても同じことをやっているというのは非常に不思議ですね。やはり、女川はよかったんじゃないの、高さのことばかり言いますけれども。やはり、二つ以上一緒にやらないということは基本的な考え方になっているんですけれども、なぜ言わないか。

 そういう意味では、メディアもそんたくしているんですかね、ちょっとわかりませんが。オールそんたくカルチャーじゃないかと、私は、最近、学の世界で言いましたけれども。

 そういうことは国民が知らされていないので、特に福井は、地元とおっしゃいましたけれども、福井は、あれだけたくさんのものがあって、福井は多分、七、八十年前に大地震があったんですよね。そのときに子供だった人はまだ生存しておられますし、津波が来たらどうするんですかね、冬、雪が降っていたらどうするんですかね、道が動かなかったらどうやってレスキューに行くのかしらと思って私も心配なんですけれども。電源が切れたとき、お互いの電源が相互には全く関係なくなっているのか、お互い電気を供給しているのかということを考えると、そんなことは誰も話さないですよね、関係者はみんな知っていると思いますけれども。

 柏崎もそうですが、私どもの国会事故調は全部公開していますが、一番最後に東電の清水社長を呼んできて、清水社長にいろいろな話を伺いました。清水社長も、十分、皆さん、準備してきますから何を聞かれても、どんどんしゃべられるんですけれども、一番最後に清水さんが言ったことは、私は非常に記憶に残っています。

 それは、最後に何かありますかと言ったら、あの福島第一に、免震棟が、柏崎の結果からつくっていたわけですよね。あれがちょうど事故の前にできていたんですね。あれがあったから助かったと。もしあれができていなかったら何が起こるだろうというところを考えるとぞっとするとおっしゃっていますけれども、それが本当にできているんですかね。この間も、柏崎の免震棟もおかしい話がありましたけれども、やはり二つずつペアで、一生懸命並べている、あれは誰が並べるんですかね。

 だから、一度オンになるととめられないという日本の三権分立の欠如というところが一番問題かなと思っていますけれども、政権与党もそうですけれども、立法府がこれをやらない限り、行政府は多分やるという性格はないですね。だから、行政府に私はしょっちゅう言っていますけれども、あなたたちはオンにするのはうまいけれどもオフにできないだろうと言ったら、そうですねと言っていましたけれども、そうなんですよ。それをぜひやっていただきたいというのが、一つは、国会事故調のメッセージ、立法府に対する提言はこの七つということが基本的な姿勢で、これが、憲政史上初だったけれども何も起こらなかったということにはならないようにしていただきたいと思います。

阿部委員 ありがとうございます。民進党の阿部知子です。

 まず、今回アドバイザリー・ボードをお引き受けいただいた黒川先生には、国会初の事故調、そして国際社会への発信、本当に敬意を表します。

 きょう、私は、残るお三方、初めてですので、短く一つずつお願いいたします。

 まず、石橋参考人には、私は、あの「わかりやすいプロジェクト」ってすごくおもしろくて、高校生がいっぱい見てくれるといいなと思いましたが、若い世代への波及というか、実際どのように活用されていますでしょうか。

 そして、藤垣委員には、ドイツは、いわゆる倫理委員会をもって原発の廃止を決めていきました。そこには、科学技術と、それを受けての人間という、そこの間に起こることを一番重要に、すなわち、市民参加、住民参加ということを第一に、その意見を酌んでという形を行ったと思いますが、今後、我が国がそのような形になっていくために、まず何をやるべきか。

 最後に、桑子委員には、先ほどお隣の木内さんも言われましたが、東電の事故にかかわる費用も試算もばらばら。原発、安いのか高いのかもばらばら。データをどう読むか。国民が共有できるデータのあり方はどうか。

 お願いいたします。

石橋参考人 ありがとうございます。

 「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」では、国会事故調の報告書、今でも、先ほど御紹介した衆議院のホームページからもアクセスできる国会事故調のホームページから、委員会の動画も見ることができます。それを活用して、いろいろなことを考えるということをやっております。

 例えば、事故調の委員会を見て、当時、黒川先生が、委員長コメントというのを、委員会の最後に、三十分後にやるということをやっておりました。そのコメントを実際につくる、記者会見のようなものをしてみるというふうな取り組みをしたりしています。

 また、先ほど、私の前半のお話の中で一番最後に御紹介した共同コメントというのがありましたけれども、福島原発事故を取り巻くさまざまなステークホルダーになり切って、過去を振り返って、今何をどう思うのかということを発言してみる。その中で、自分の本当の心の中と、自分の口から出てくる言葉のずれはなぜ起こるのか。そこから、何をどう考えるのかというふうなことをみんなで議論して考えるということをしております。

 その結果、これは福島高校の生徒ですけれども、何が大事なのか、自分の頭で考えること。自分の頭で考えたふりをして、自分の外側にある権威に寄り添って、それをそのまま口に出して言ってしまうことをいかに防ぐのかということが大事だという気持ちになっている人がたくさんいます。

 以上のような活用をしております。ありがとうございます。

藤垣参考人 御質問ありがとうございます。

 ドイツには、確かに、安全なエネルギー供給に関する倫理委員会というものがございまして、そこが、日本の事故を受けまして、ドイツでも二〇二二年までに原発を全廃するということを決めました。

 この倫理委員会にはどういう人が入っていたかというと、科学技術社会を考える人、社会学者、それから倫理学者、人類学者、社会科学系の人が多いんですけれども、日本が倫理という言葉を使うときに込める倫理という意味と、この倫理委員会の倫理の意味は少々違っておりまして、それこそ、市民参加も含めて、科学技術ガバナンスを考える委員会と考えていいんじゃないかと思います。

 それで、御質問は、まず、そういうことを考えるときに、それと同様のことを考えるとき、日本は何をすべきかという御質問だったと思いますけれども、それこそ、市民参加も、市民の議論も含めた形で規制委員会を改組するのか、あるいは、規制委員会と並行して、原発ガバナンスを考える国民会議みたいなものを、さまざまなステークホルダーなり、あるいはドイツの倫理委員会を模擬してつくるのか、両方の道があるかと考えます。

桑子参考人 ありがとうございます。

 費用とデータのあり方というとても重要なポイントだと思います。黒川先生の方からアカウンタビリティーというお話がありました。アカウンタビリティーのとても大事な意味は、アカウンティングといいますか、会計についての情報をしっかり開示して、それに基づいて、関係者がきちんとした判断ができることというふうに思います。

 原発の問題をめぐっては、東電の財政状態、それと、例えば東芝も関係しているでしょうし、大きな企業、あるいは、ゼネコン等の関係する、そういう財政的な問題がさまざま入りまじっていると思います。あるいは、国民がどういうふうな形でこれを負担しなければいけないかということが、国民にわかるような形で示されていないと思いますね。

 これは、どういうふうな形で、会計のあり方、財政のあり方を示すのかということも含めて、やはり制度をしっかりしていかなきゃいけないんじゃないかというのが私の考え方でありまして、会計というのは、もともと司馬遷の史記にある由緒ある言葉なんですね。治水をやった禹という王様が、その事業について、関係した人たちの事業評価をきちんとして、それに対する報酬を考えるというのが会計の考え方ということで、そういう意味で、原発の問題は、会計、財政、費用、このデータをどういうふうに整理して、またわかりやすいやり方で国民に情報を共有してもらうかということが非常に大事なポイントだと思います。

 ありがとうございます。

三原委員長 そろそろ理事会で決定した時間になりましたので、今回の会議は、これにて参考人に対する質疑を終了させていただきたいと思います。

 この際、一言御礼を申し上げたいと思います。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。(拍手)

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三分散会


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