衆議院

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第5号 平成29年5月15日(月曜日)

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衆議院情報監視審査会規程第二十九条第四項に基づく会議録

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平成二十九年五月十五日(月曜日)

    午後三時十分開議

 出席委員

   会長 額賀福志郎君

      岩屋  毅君    平沢 勝栄君

      今津  寛君    大塚 高司君

      井出 庸生君    後藤 祐一君

      漆原 良夫君

    …………………………………

   参考人

   (三井住友銀行顧問)

   (元内閣情報官)     三谷 秀史君

   参考人

   (ジャーナリスト)    春名 幹男君

   参考人

   (特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長)          三木由希子君

   衆議院情報監視審査会事務局長           紅谷 弘志君

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本日の会議に付した案件

 行政における特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関する件(平成二十八年年次報告書)


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額賀会長 これより会議を開きます。

 行政における特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関する件、特に平成二十八年年次報告書について調査を進めたいと思います。

 本日は、本件調査のため、参考人として、三井住友銀行顧問・元内閣情報官三谷秀史君、ジャーナリスト春名幹男君、特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長三木由希子君、以上三名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に対しまして一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本審査会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、今般私どもが提出いたしました平成二十八年年次報告書につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げたいと思います。

 三谷参考人、春名参考人、三木参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと思います。

 なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度会長の許可を得て御発言くださいますようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっております。あらかじめ御承知おき願いたいと思います。

 なお、御発言は着席のままでお願いをいたします。

 それでは、まず三谷参考人にお願いをいたします。

三谷参考人 それでは、着席のまま失礼いたします。

 本日は、当審査会にお招きいただきまして発言する機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

 実は、先ほど来、個人的な感慨に浸っております。と申しますのは、お手元に私の略歴を配らせていただきましたが、昭和四十九年警察庁入庁以来、約四十年間の公務員人生の相当部分をインテリジェンスとカウンターインテリジェンス、いわゆる情報分野で過ごしてまいりました。その中でも、平成十八年から二十二年、内閣情報官を務めさせていただきました。

 この間、これも資料にございます、一部抜粋ではございますが、官邸の情報機能強化の方針というものを取りまとめ、参画いたしました。この取りまとめに際しまして、いわば積み残しましたのが二点ございます。そのうちの大きな一点が秘密保護の強化でございました。先ほど申し上げました部分の抜粋を記載しておりますが、この後、いろいろな進展あるいは関係各位の御努力により特定秘密保護法が制定され、本日、当審査会にこうしてお招きいただきまして、ある種、感無量でございます。重ねて御礼申し上げます。

 なお、本日の発言は、あくまで個人、退官した一インテリジェンスオフィサーとしての発言にすぎないことを御了解いただきたいと思いますし、また、私の経歴、インテリジェンスサイドが中心でございます。主としてインテリジェンス活動と秘密保護法ないしは当審査会との関係についてお話ししたいと思いますので、御了解賜りたいと願います。

 また、本題に入る前にどうしても申し上げたい点が一点ございます。といいますのは、情報という日本語の抱える問題点、情報という日本語の多様性ないし曖昧さでございます。

 この情報という言葉には、インテリジェンスとインフォメーションという二つの英語が入ってしまっております。しかも、このインテリジェンスとインフォメーションには、それぞれ幾つかの異なる意味がございます。このため、情報に関して議論する際あるいは意見表明する際には、どの意味で情報という言葉を使っているのかということを常に確認する必要があると思っております。さもなければ、語り手と受け手、聞き手の間に認識ギャップが生じてしまう可能性が大きいと思います。

 甚だ僣越ではございますが、その意味におきまして、本日は、可能な限り私の発言の中では情報という言葉を使わずにお話をさせていただきたいと思っております。

 それでは、本題に入らせていただきます。

 本日のキーワードは信頼でございます。

 特定秘密保護法は、まず信頼確保、醸成を実現したというのが一点目でございます。二点目は、特定秘密保護法の効果的運用には信頼関係の醸成が必要ではないかという意見でございます。それらを踏まえまして、将来に関しましてもう一点意見を申し上げたいと思います。二つ目の部分に時間を割かせていただきたいと思います。

 まず、意見表明の一点目でございます。本法の施行は大いに効果を生んでいるということでございます。

 かつて、亡くなられた町村先生は、我が国のインテリジェンスコミュニティーの最大の欠陥として、上がらない、回らない、漏れると看破されました。私、当時から、この上がらない、回らない最大の理由は、実は漏れる、漏れるがゆえにお互い信頼しない、だから上がらない、回らないではないか。すなわち、この欠点を改善するためには、漏れない状態をつくらなければならないと考えておりまして、この点、本法は極めて重大な効果を既に生みつつあるというふうに考えております。

 すなわち、インテリジェンスサイドと、その使用者たる政策サイドの間の信頼感はでき上がってきたと思います。すなわち、上がる、報告される、その情報が、インテリジェンスが活用される、さらに、インテリジェンスコミュニティーの中で信頼感が醸成され、回る、すなわちインテリジェンスの結果が共有される、あるいは友好国インテリジェンスからの信頼も上がる、提供されるモノの質と量の向上が実際実現しておるのではないかと仄聞いたします。

 さらに申し上げれば、本法の信頼醸成効果は国会と行政の間にも始まりつつある。すなわち、当審査会と対象行政機関の間に一定の信頼関係が構築されつつあるのではないかというふうに感じます。

 さはさりながらというのが、二点目の意見表明でございます。

 二点目の中で、甚だ僣越ではございますが、意見具申を三点盛り込ませていただきました。

 問題意識は、当審査会と各行政機関にいまだに相互疑心があるのではないかと報告書を読ませていただいて感じました。しからば何をなすべきかというのが意見表明の二点目であります。三点意見具申申し上げます。

 一点目は、今申し上げた、いまだ相互に疑心があるのではないかという具体的場面は、何をどこまで開示すべきか相互に模索しておられるという印象を報告書から受けました。では、これを乗り越えるために何を考えていただけばいいんだろうかというのが一点目であります。

 情報という言葉の曖昧さについては冒頭申し上げました。当審査会の名前自体が、情報監視審査会でございます。しかし、インテリジェンス監視審査会ではない。これは事実であると思います。したがいまして、特定秘密を離れて、インテリジェンス、すなわち政府の情報活動全てが調査の対象になるわけでは残念ながらないというのは事実であろうと思います。

 一方で、特定秘密の中身や指定された状況を知らなければ、その指定の適否を初め運用状況について判断ができない。したがって、インテリジェンス活動そのものなどについても開示を求めるマンデートは当審査会にあるという考えがあるということ自体は理解させていただいております。

 この二つの見解、どちらか一方が正しい、正しくないというオール・オア・ナッシングの関係ではないと思います。相互の信頼関係の上に立って、当審査会の運営が積み重ねられていく中で慣習法的に解決されるべき問題、別の言い方をしますと、信頼関係が構築されることによって、おのずと特定な問題に課題が収れんしていくのではないかというふうに感じております。もしこれが正しければ、当面、当審査会におかれましては、行政と静かではあるけれども熱い議論を重ねていただければいかがかというのが意見具申一点目でございます。

 済みません、ちょっと時間をオーバーしそうであります。急がせていただきます。

 次に、今申し上げた見解、二つの見解の相違を乗り越えるためにどうすればいいかという点でありますが、守るべき秘密、言いかえれば、秘密保護法の客体の差異、性格の差異、何を守るのか、何が秘密なのだという点に関しての相互理解があれば、お互いの信頼は進むのではないかと思います。正直申し上げて、秘密保護法で守られている情報ないし特定秘密それ自体、いろいろなものがまじってしまっていると思います。性格が異なるものを客体としているのではないかという点であります。

 例えば、政府の対外方針、その決定の過程あるいは決定されたことが当然含まれております。外交交渉の中身が含まれております。あるいはインテリジェンス活動そのものの中身も含まれておりますし、さらには、防衛という分野での部隊の運用、兵器、暗号、もろもろのものも含まれております。これを一つにくくってしまっていいんだろうかという問題意識でございます。

 そこで、具体的な例を挙げてお話しいたします。

 例えば、ヒューミント、人的情報源によるインテリジェンス活動を考えていただきたいのでありますが、ヒューミント機関が、あるいはヒューミントの担当者が、私自身かつてそうでございましたが、最も守りたいのは情報源であります。文字どおり、情報源が暴露されるということは、この情報源の命にかかわります。また、同時に、情報源を守れない組織は誰からも信頼されません。情報活動ができなくなります。

 そういう意味で、実務上、ヒューミント関係者は、情報源の人定につきましては、最も信頼する関係者、具体的には政策決定者のトップであっても情報源の人定は伏せようとします。さらには、可能な限り情報源にたどり着くヒントも伏せよう、知悉範囲を減らそう減らそうという努力をいたします。例えば、その中には、情報源との連絡方法に関するヒント、時期、場所、その他もろもろ、いろいろなものが含まれてまいります。

 この意味におきまして、ヒューミントに関する特定秘密につきましては、各種の帳簿上、文書上の記載にいろいろな工夫が入ってくると思います。あるいは、場合によっては、年次報告書の中に含まれておりますあらかじめ指定の問題が出てくると思います。この点についての御配慮をいただくことで、ヒューミント情報機関との信頼関係を築いていただけるのではないかと思います。

 時間をオーバーしておりますが、もう一つだけ例を申し上げます。衛星でございます。

 衛星によるイミントに関して言えば、衛星情報機関が最も守りたいのは何か。何がどう写っているかであります。何を写すか、撮像対象と、解像度、どこまで見えているかという問題であります。この点に十分配慮していただける第三者に対しては、衛星情報機関は通常かなりオープンな態度をとります。

 いろいろな具体例は切りがないんです。時間の関係で以後ははしょらせていただきますが、秘密の客体ごとに何が最も守られるべきかということを突き詰めていくことで相互理解の一助になるのではないかというふうに思います。ぜひ御考慮賜りたいというのが意見具申二点目であります。

 三点目は、行政機関への要請と同時に当審査会への要請でございます。

 行政機関は、みずからの特定秘密運用に対する国民の理解と信頼を確保するためにみずからが努力しなければならない、その努力する場所が、一つが当審査会であるということを肝に銘じるべきであるというふうに思いますし、当審査会におかれても、行政側をそのように導いていただきたい、このように思います。

 あえて申し添えますが、当審査会も調査団を派遣されたと聞きますイギリスの情報保安委員会と、かつて意見交換するチャンスがございました。その際に、次のような話が双方から、委員会並びに情報機関側から別個にあったことに感銘を受けました。申し上げます。当委員会、情報保安委員会は、情報機関側と敵対しているのではない、時として彼らを守ることもある、委員会は情報機関に対する理解者でもあり、中立の見張り役でもある、相互にリスペクトし、信頼しているという言葉でございます。あえて御紹介申し上げました。

 もう時間がなくなりました。

 意見表明の三点目でございます。

 近い将来、当審査会の発展形態として、あるいは当審査会のリードによる別形態によるインテリジェンスオーバーサイト委員会は設置されるべきであると考えます。そのためには、国会と行政の間、国会とインテリジェンス機関相互の間に信頼関係があることが何よりも必要かと思います。

 当審査会がその信頼関係醸成に一歩も二歩も貢献していただくことをお願いいたしまして、そして最後に、本法の成立、施行に御努力いただいた皆さん、そしてその精神を具体化していただいている当審査会、額賀会長を初めとする先生方に改めて敬意を表して、本日の意見表明とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

額賀会長 ありがとうございました。

 続きまして、春名参考人にお願いをいたします。

春名参考人 特定秘密保護法の施行から二年半を経過いたしましたけれども、衆議院情報監視審査会の額賀会長を初めとしまして、議員の皆さんには、真剣な討議を続けてこられましたことに敬意を表したいと思います。本日は、お招きいただいて拙論をお話しさせていただくことをまことに光栄に思います。

 私自身は、三谷さんとは全く逆の立場でして、秘密をどう報道するか、秘密開示をどのようにして求めるかという立場から取材をしてまいりました。ワシントンに合計七年いたものですから、特に、冷戦終結後、情報機関の無用論がワシントンの政界で出まして、逆に、インテリジェンス機関の方から、特にCIAなどは、みずからの過去の業績を公開するという動きに出まして、それでたびたびシンポジウムなども開きましたので、私自身、そういうものに参加して、それで取材を重ねて、情報公開を利用して、歴史的な事実の解明に努めるという形で報道してまいりました。

 二〇〇〇年に出ました「秘密のファイル」という拙著でございますが、そういうものにそういった成果を公開させていただいたんですけれども、結局、私が考えておりますのは、シークレシーというのは、当然、個人機密、個人の機密もありますし、個人情報には公開できないものが多々あるわけですけれども、シークレシーということは当然近代国家として認めるべきだと思いますけれども、それとともに、もう一つのやはり大きい価値観というのはデモクラシーだと。つまり、シークレシーとデモクラシーのバランスというものが非常に重要であるというふうに思いますし、そういう観点からきょうはお話しさせていただけたらありがたいと思います。

 政府の情報・公文書の保護、管理、公開につきましては、過去二十年間で法律の整備が進められてまいりまして、特に公開の分野で一定の前進はあったと思いますけれども、国民の期待に応えるためには、さらに改善の余地はあろうかというふうに感じております。

 最近では、自衛隊の南スーダンPKOの日報問題、あるいは大阪の森友学園等も情報公開の問題でありまして、国民の不信感が高まっているのは非常に残念だと思います。やはり、公文書管理法の第一条にありますように、公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であるということは非常に重要な観点だと思います。公文書あるいはその中に記載されています情報の活用が民主主義的な手続で進められることを切に願いたいというふうに思います。

 前半では、具体的にお話ししたいと思いますけれども、手続だとか運用の問題で、場合によってはすぐにでも解決可能かもしれないなと思うようなことを挙げさせていただいて、後半では、もう少し理念的な問題に触れたいというふうに思います。

 先ほども三谷さんからありましたけれども、行政文書の不存在の問題というのがことし新聞にも少し出たんですけれども、私自身が、この記事を読んで、すぐには理解ができませんでした。つまり、この問題で、報告書の中にありますように、政府は一定の措置をとるとのことですけれども、時間的制約があっても、文書が作成される前から特定秘密に指定することは、どう考えても、普通の人間からすると、合理的ではないんじゃないかというふうに思います。この点について、適切な措置を期待したいと思います。

 それから、指定管理簿のつづりをいただいたんですけれども、これにさまざまな文書が書いてあるんですが、幾つかの問題点に気づきましたので、この点について申し上げたいと思います。

 この中で一番最初に出ているのが、省庁の名前の次に「指定をした年月日」、それから「指定に係る特定秘密の概要」というふうにあるんですが、これがまず非常にわかりにくいと思います。文書のタイトルではなくて、特定秘密に指定した理由が書かれている場合が多いと思います。「秘密の概要」であって、これをわかりやすい表現にしていただくことが非常に重要ではないかと思います。

 それと、やはり、真っ黒な伏せ字になっている文書は、先生方も非常に困られると思いますけれども、審査不能だと思いますし、何らかの説明はできるのではないかと思われますし、その辺の努力をさらに求めたいと思います。

 それから、先ほどの不存在の問題とかかわるかもしれないんですけれども、一括の掲載ですね。例えば、この一ページの国家安全保障会議のところでは二項目出ていますけれども、一括掲載になっているわけですね。これだと、やはり何月何日の文書なのかわかりませんし、全部で何ページになるのか不明でありますので、文書別に日付をつけていただいた方がいいのではないかというふうに思いました。

 それから、省庁間で共有した文書は、オリジナルを提供した省庁名のみとして、共有を受けた省庁名は別枠で併記することで件数も減りますし、そういうことで掲載していただければわかりやすいのではないかというふうに思います。

 それと、最後なんですけれども、衛星情報、暗号情報などの技術情報につきましては、三番目で国家安全保障会議のように一括掲載にしない方がいいと言ったんですけれども、技術情報につきましては、全くそれとは逆に、一括掲載として、共有省庁名も併記するだけでいいのではないかというふうに感じました。それによって、二十七万件という数字を大幅に減らすことが可能になるのではないかというふうに思います。

 それでは、後半の、デモクラシーとシークレシーについて述べたいと思うんです。

 近代国家は、秘密の保持を政府に委託することで成り立っています。しかし、その濫用は防がなければなりません。つまり、シークレシーは認めますが、秘密指定の継続は最小限とし、デモクラシーとのバランスに常に注意するということだと思います。その意味で、僣越ですが、皆さんの御任務は、デモクラシーとシークレシーのバランスを維持するゲートキーパーのようなものではないかというふうに思います。その点から、最後に三点申し上げたいと思います。

 まず最初は、文書廃棄の問題です。

 私も、いわゆる密約に関する有識者委員として、民主党政権の時代だったのですが、密約に関する文書を探って、どういうことだったかということを報告書を書いたんですけれども、そのときも文書廃棄が問題になりました。

 文書廃棄はもっと慎重であってほしいというふうに思います。特定秘密は各省の省秘よりもレベルが高い文書だと思われますので、基本的に廃棄されるべきものとは考えられないというふうに感じております。まして、公文書管理法上の行政文書の保存期間前に廃棄されるようなことは避けるべきだというふうに思います。それと、やはり、歴史的に重要な情報が消えてなくなるようなことがあり得ますので、そういうことを防ぐためには、内閣府の独立公文書管理監は、廃棄前に、例えば現代史の専門家などの意見を求めるべきだというふうに思います。

 それと、国家安全保障会議の関係文書ですね。これについて、報告書の百九ページから百十七ページまで、この審査会における非常に詰めた議論をされて、特にこの御議論、皆さん方の御議論を読んで、審査会の役割が非常に難しいことを改めて痛感いたしました。国家安全保障会議関係文書の扱いについては、可能な限り説明ないしは情報開示をお願いして、皆さんの、先生方の御議論を具体的にできるように、できるだけ説明を丁寧に詳しくお願いしたいというふうに思います。

 それから、最後に、南スーダンの自衛隊のPKOの活動日報なんですけれども、日報は、伝えられるところ、保存期間一年と言われて、特定秘密になっていないようですけれども、国民の財産であるこの種の情報が一年で廃棄されるのはおかしいと思います。国連等での外交上、あるいはテロ対策上、情報を共有する必要、恐らく外務省などと、あるいは警察庁などと情報を共有する必要もあるでしょうし、この点について御検討を求めたいというふうに思います。

 以上です。どうもありがとうございました。(拍手)

額賀会長 ありがとうございました。

 次に、三木参考人にお願いをいたします。

三木参考人 情報公開クリアリングハウスの三木でございます。

 昨年もここで意見を述べさせていただきまして、ことしも機会を与えていただき、大変感謝を申し上げます。

 まず初めに、情報監視審査会の報告書を拝見いたしまして、多くの御尽力をいただいているということをよく理解できる報告書でございまして、大変敬意を表しますとともに、私どもとしては、このような報告書が出ていること自体は歓迎をしております。

 私たちは、完全なるアウトサイダーでございますので、実際に、インテリジェンス、コミュニティーの中や安全保障セクターの中で何をしているかということは知り得る立場にありませんが、一方で、それに対して信頼なり理解を向けなければいけない国民という立場でこの制度を見ております。

 特定秘密保護法は、実質的な中身についてこの審査会で明らかにするということが一般に対してできないということはよく理解をしておりますが、一方で、仕組みやシステムとしてどう運用されて、そのシステムとしてのアカウンタビリティーがどの程度果たされているのかということは、この審査会の御検討、御議論を通じて報告書をまとめていただくことによって、私たちは初めて理解できることもたくさんございます。ですので、この審査会がどのような活動をするかということは、イコールで、政府がどの程度のアカウンタビリティーを果たせるのか、あるいは私どもの知る権利なり情報にアクセスする権利がどの程度保障されるのかということと一体のものだというふうに考えておりまして、引き続きぜひ御尽力をいただければというふうに考えております。

 今回の報告書を拝見しまして、これまで理解ができていなかった、あるいは全く気づいていなかった大事な論点が幾つかあるということに気がつきましたので、きょうは、そのことを中心に意見を述べさせていただきたいと思います。

 先ほど来お話が出ておりますが、特定秘密文書の不存在類型というのがあるということが、確かに今回は非常にわかりやすい問題としてあらわれたということが言えると思うんですが、私は、この不存在類型を拝見しまして、実はすごく根幹にかかわる問題が明らかになったというふうに考えました。

 と申しますのは、特定秘密は、そもそも情報を指定するもので、文書を指定するものではないということは、これは制度の枠組みとしてもう決まっていることでございます。なので、情報と文書のずれというのが思いのほか大きく、かつ、制度の運用を考えるとわかりにくいということがよくわかったということであります。

 なので、この両者の関係をより審査会で深めて整理をしていただいて、より、運用レベルで、どういうことが文書と情報の関係にあるのかということをぜひ明らかにしていっていただきたいというふうに思っております。

 なぜ根幹にかかわる問題と思ったかといいますと、特定秘密保護法の罰則規定との関係を見まして、これはとても重要な問題だと思ったということであります。

 二十三条の一項は、情報漏えいに対して刑事罰を科す規定になっております。レジュメを用意させていただいていますけれども、「特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密」というふうになっておりまして、知得という言葉を使ってあります。知得は、逐条解説、内閣官房がつくりましたものを見ますと、無形的な事項あるいは事実または情報を知っている状態をいうということでありますので、知るということそのものが漏えいに当たるという規定になっています。

 ですので、文書を得たかどうかではなくて、情報を得たかどうかが重要であって、その情報を漏えいしたかどうかというのが刑事罰の一つの判断基準になるということになっている。

 それを前提に考えますと、不存在類型の2と4というものがございます。

 他機関が保有して、現に自分の機関は持っていないというものを類型2としてまとめてありますけれども、他機関にはオリジナルがあって、現に自分たちは廃棄をしてもう持っていないけれども、それを特定秘密として指定している、これは知得をした状態であるので保護が必要だということを類型2は言っているということになります。

 それから類型4も、廃棄して、ないものが頭の中に知識として残っているという、知得した状態であるということをもとに、これも保護が必要だということを各行政機関が言っているということで、この二つの類型は基本的には同質の問題であるというふうに整理すべきではないかというふうに考えています。

 なので、この両者の共通点は、行政文書ではないけれども、情報としては保有している状態にあるというふうに各行政機関が認識しているということであります。

 この課題から、私どもの立場で課題として言えると思うのは、行政文書として廃棄をされた特定秘密は、廃棄後も、知得状態で保護が必要だというふうにみなされれば特定秘密としての指定を継続し続けるということになります。まだ施行から日が浅いので廃棄文書はそんなにたくさん出ておりませんけれども、この先、文書の廃棄が仮にふえたとしますと、情報としては存在するけれども文書がないという情報カテゴリーがたくさん出てくる可能性があるということが、今回の報告書からわかったということだと思います。

 そうしますと、これは情報の管理というよりも、その情報を知っている人の管理をするという仕組みになっていくということになります。これは文書の管理とは明らかに異なる問題であるというふうに私なんかは考えております。ですので、ここが一体この先どんな保護と管理になっていくのかということは、報告書を拝見して大変懸念を覚えたというところがあります。

 それからもう一点、長期的な特定秘密の指定というのは、例えば三十年を超えますと、内閣の承認を得られなかったものは移管義務が発生するというふうに法律上は規定をされています。それから、統一基準の方で、三十年を超える特定秘密は移管対象だと言っておりますので、今の運用を前提にしますと、三十年を超える特定秘密は国立公文書館に移管をするということになります。これは、行政文書が残っていればという話になります。

 文書が途中で廃棄をされましたけれども、三十年、四十年、特定秘密の指定が必要なものは、文書がないまま特定秘密として長期持つということになります。そうしますと、歴史的な検証を付すことで長期特定秘密を許容しようという法枠組みでスタートしておりますけれども、その移管すべき、残すべき行政文書がないという状況も、このままだとあり得るということになってくるのではないかということであります。

 既に報告書の中でも言及されておりますけれども、特定秘密の解除あるいは指定期間満了と行政文書の保存期間満了の考え方を改めて整理していただくということが、この際重要なのではないかというふうに考えております。

 それで、行政文書と特定秘密について、管理という観点から、少し行政文書の管理についてフローを、特定秘密もまぜ込んでまとめてみました。

 行政文書というカテゴリーの中に全ての特定秘密文書も含まれるという前提になりますので、基本的には行政文書なんですけれども、特定秘密と表示をされると特定秘密文書等という名前が特別につくということでありまして、この文書の、どこに配付をしたかとか、誰が閲覧をしたかということを管理するために文書管理簿というものがつくられるということですので、これは公文書の管理とは別の管理のルールになります。

 特定秘密文書を含む行政文書は、ファイルにまとめられて基本的には整理をされて管理をされるということになりますので、このファイル単位で基本的には保存がされる、保存期間が設定されるということになります。

 一年以上の保存期間がついているものについては、ファイル管理簿というものが公文書管理法上定められておりますので、ここで管理をされて、保存期間満了に伴って、移管、廃棄ということが判断をされます。この部分については、移管・廃棄簿というものが作成されることになっていますので、どの文書、どのファイルが廃棄をされて、移管をされたのかということは、行政内部では明らかになる仕組みになっている。

 一年未満というのが、最近のさまざまな問題で問題になっておりますけれども、これはファイル管理簿に登録をされておりませんので、移管・廃棄簿の作成の対象に現在なっておりません。ですので、仮に一年未満の特定秘密文書がございますと、廃棄したかどうかも確認ができないという仕組みになっているということなんですね。なので、保存期間の問題というのは、特定秘密の管理とかそういうものをめぐっては非常に重要なものになってくるのではないかというふうに考えています。

 それから、行政文書ファイル管理簿から、特定秘密を含む文書が入っているファイルについては特定行政文書ファイル等という名称がつけられまして、これが独立公文書管理監に全部送られることになっています。ですから、文書単位だけではなくてファイル単位で、どのファイルに特定秘密を含むのか、そのファイルが何年保存で、保存期間満了後に移管していくのか、廃棄するのかというのは、あらかじめ独立公文書管理監は把握できる状況にございます。ですので、特定秘密については、文書単位だけではなくてファイル単位で監視をしていく、あるいはチェックをしていくということも実はできなくはないということになってございます。

 それから、一年未満と一年以上の保存期間で、行政文書で申しますと、一年以上に関しては、必ず内閣総理大臣の同意が必要になりますので、事前協議がされますけれども、一年未満は個別の同意の対象になっていないんですね。最近私も発見をしたんですけれども、廃棄については、一年未満は、事前の包括同意をしていますという仕組みになっていまして、個別のファイルごとの審査をしないという仕組みになっていますので、まとめて全部一括で一年未満は廃棄ができますという仕組みに実はなっているというところで、ここに特定秘密が入っていると、まずチェックが難しいという状況になってきます。

 今回の報告書を拝見しますと、消防庁では一年未満保存文書があったということで報告がされておりまして、これは、廃棄したかどうかについては客観的な記録が残らないというものになっている。

 それから、特定秘密文書管理簿というのは、これは保存期間を管理するものではありませんので、特定秘密に該当するかどうかだけしか管理をしないんですね。ですので、現状を申し上げますと、行政文書の保存期間と特定秘密の指定期間を一覧的に確認できる簿冊とかファイルとか、そういうものが制度上は予定をされていないということになります。ですので、期間がずれた状態でそれぞれの管理のシステムが走っている状態になってしまっているということになります。

 さらに申し上げますと、国立公文書館に移管をされる文書については、歴史公文書等という名前が特別についていまして、これは移管義務の対象になるんですけれども、それ以外は、個別審査を内閣府の公文書管理課が行います。ここは、特定行政文書ファイル等という、特定秘密を含むファイルかどうかという情報を送られていませんので、特定秘密が含まれているかどうかがわからないファイルの一覧を見て審査をしているという状況になりますので、実はここではチェックがきかないんですね。

 そうしますと、独立公文書管理監がそれを見ておりますので、そこが廃棄のチェックをするかというと、必ずしもそういう仕組みになっていないというところがございますので、ここの両者の関係を少し整理して、廃棄をしてはいけないというよりも、廃棄をするのであれば、それが妥当に審査をされているという制度的な担保をきちんと置かないと何を言っても信頼されない、そういう仕組みになっていくのではないかというふうに考えています。

 独立公文書監は、この審査会において、慎重に慎重を期して行う、監視をするというふうに言っておりましたが、何がどう慎重にやるのかという、そこの何がが非常に重要でありますし、それが制度的にどう担保されるのかということが非常に重要であるというふうに思いますので、ここをぜひ審査会で状況を整理していただいて、説明をしっかり聞いていただいて、それを可能な範囲で報告書に反映していただければというふうに考えております。

 その廃棄の問題というのは、先ほど申し上げましたけれども、知得として情報を保護するというその仕組みとも非常に関係してまいりますので、ぜひその点について特に今回お願いできればというふうに考えております。

 以上でございます。(拍手)

額賀会長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

額賀会長 これより自由質疑を行います。

 自由質疑は、運営協議会における協議に基づく方法で行いますので、御協力をお願いいたします。

 それでは、質疑を希望される方は挙手をお願いいたします。

平沢委員 三人の参考人の皆さん、ありがとうございました。

 三谷参考人にお聞きしたいんですけれども、情報の保全それから情報源、とりわけヒューミントの保全、これについて、今の日本のあり方をどう考えるか、これについて教えていただければと思います。

 というのは、私も三谷参考人と同じような経歴をたどってきたんですけれども、とりわけ日本の赤軍が各国、世界じゅうで暴れまくっていたときに、外国のインテリジェンスに行って情報をとったときに、外国のインテリジェンスから言われたのは三つありまして、何でインテリジェンスから来ないで警察から来るんだということが一つ。二つ目は、ギブ・アンド・テークが情報機関間の鉄則なのに、日本は何のギブ情報があるんだ、これが二番目。三番目は、要するに、情報を渡してもいいけれども、保全が大丈夫かと。

 向こうは命がけで、先ほど三谷参考人が言われたように、まさに情報というのは命をかけてとってくるわけで、その結果として、その情報をもらって防いだ事件もいっぱいあるんです。

 これは余り報道なんかにはほとんど出ないから知られていませんけれども、一九七七年のダッカ事件を日本赤軍が起こして、それ以降日本赤軍の事件が起こっていないのは、向こうが起こさなかったんじゃないんです。起こすのを、こちらが積極的に動いて情報をつかんで、そしていろいろ手を打って事前に防いだんです。

 ですから、そういったことも案外知ってもらわなきゃならないなと思いますけれども、それはともかくとして、ただ、日本の場合は、こういった、せっかくいろいろと動いていても、諸外国からはかなり信用されていないな、とりわけ、情報を渡しても情報の保全があれなのか、そして、もし渡した場合に大丈夫なのかと。

 それで、逆に日本も、今やいろいろと情報を、ヒューミントなんかを使っていろいろ情報をとっているようですけれども、何か中国で、知りませんけれども、何か捕まった人が日本のどこかの当局のいわば情報源として動いていたというようなことも言われていますけれども、その意味でいえば、日本の情報活動というのはどうなっているんだろう、ヒューミントの保護は大丈夫なのかという気もしないでもないんですけれども、その辺について、三谷参考人、教えていただけますか。

三谷参考人 これはまだ私に守秘義務がかかっているのかどうか確認しないといけないんですが、私もかつて平沢先生と同じような仕事をさせていただきました。今御指摘の点、とりわけ最後の保全の問題、これはもう三十年来、私が各国の情報機関から突きつけられてきた問題でございます。情報を上げる、上げてもいいけれども、あなたはどうやって守れるんだ、それをどうやって担保するんだということは、もう本当に毎月のように突きつけられた時期がございました。その意味で、先ほど申し上げた感無量という思いが出てくるわけでございます。

 では、現状はどうだと。端的に申し上げます。まだ不十分でございます。

 それはなぜかといいますと、情報保全の必要性、あるいはヒューミントそのものに対する理解、ヒューミントというものの活用に対する能力と理解、これがまだ日本全体を見たときは十分でないという印象がございます。

 すなわち、仮に私が何かの情報をとってきた、ある情報源からある情報がとれたときに、私は、では、当時、十年前あるいは五年前に、どこまで、どの方を信頼してお渡しすることが、御説明することができただろうかという、過去を振り返りますと、正直、じくじたるものがございます。その現状は、当審査会が活動を始められたここ二年、多少は改善されたかもしれませんが、まだまだ道遠しと正直感じております。

 その一つがクリアランスの問題でございます。

 私が仄聞する限り、アメリカにおきましては、このクリアランス制度運用のために、恐らく一万人という人がそのためだけに働いているのではないかと仄聞しております。この点、なかなか公表されないわけでございます。

 では、今の適性審査の過程において、どれだけの方がその適性審査を真剣に考えて対応しておられるのか。私、実務を離れまして定かな知識は持ち合わせませんが、気になる点でございます。

 以上でございます。

井出委員 民進党の井出と申します。

 三人の参考人の皆様、きょうはありがとうございます。

 きょう、まず伺いたいのは、昨今、エドワード・スノーデンですとか、かつてはウィキリークスとか、古いものが外交文書の公開によって事実が公表されることのほかに、最近はそういうインターネットの発展もありまして、本当に、より近い、現在進行形の各国のインテリジェンスというものの一部、それと思われるようなものが世の中に出るようになっております。

 それに対して、アメリカやイギリス、ドイツの議会は、少なくともそういったことに対して調査をして、ドイツの首相も盗聴されていたんじゃないかということで調査をして、三谷先生がおっしゃったように、議会としても政府の情報活動に理解を示して、必要なものは立法化する、そんなような措置もあったように聞いておるんですが、日本は、残念ながら議会による調査もされていないし、また、議会が調査をするに当たっての事実確認ですね、政府においても、やはりこれは事実確認ぐらいはしっかりしておかなければ、さきのスノーデンの話ですと、何か捕鯨の交渉のときには日本の情報が事前に抜かれてアメリカやイギリスにいいようにやられたというようなものをうかがわせるような文書もありましたし、そういう、政府の、行政の秘密裏にやっていることに対する反応というものは、政府も日本の国会も極めて薄い。

 むしろ必要なものは立法化するということも含めて、もう少し政府も議会もそういったものに対して調査をすべきではないかなと思っているんですが、その点をちょっと三谷さんから御感想をいただければと思います。

三谷参考人 井出先生、二点御指摘があったと思うんです。

 まず、近い方から、捕鯨の問題ですが、私も当該記事、ネットは読ませていただきました。これは、保全に対する意識がいかに低いか。恐らく、あえて申し上げます、大使館あるいはその周辺の文書が読まれた、何らかの方法によって、ではないかとあの文書を読む限りは推察しております。そこに対する保全意識が薄かったのではないかというのが一点目でございます。保全意識がまだまだ低いというのが一点目。

 二点目は、スノーデンの問題あるいはウィキリークスの問題で、直近の、種々の活動が漏れております、確かに漏れてはおります。しかし、ごらんいただきますと、どれも古いんです。直近そのものはないんです。それがなぜないのかということです。

 一つは、当該リークされた情報機関の保全措置がそれなりのものであるのか。二つ目、情報保全に対する罰則が大変厳しゅうございます。したがって、オンゴーイング、今行われていることに対して漏らした瞬間にかなりな厳罰がかかる。そのことを逆に、今はやりの言葉で言いますと、そんたくして情報を抑えている。この二つの可能性があると思います。私、どちらかはわかりません。しかし、できたら前者であってほしいなと。それなりに頑張っておるんだろうなというふうに考えております。

 以上です。

漆原委員 公明党の漆原でございます。

 きょうは、三人の参考人の方、大変貴重な御意見をありがとうございました。

 私からは、三谷参考人と春名参考人にお伺いしたいと思います。

 三谷参考人から、信頼関係が大事なんだということ、行政に対する、あるいは国民に対するという話がありました。私は、国民に対する信頼関係、この特定秘密保護法という制度そのものが、国民に対する信頼関係が果たして十分なんだろうか、まだまだ本来国民に開示すべきものを国家が国家の必要のために隠しているんじゃないか、こういうような国民の疑念がまだ残っていると思うんですね。これをどのように解消していくべきか、これを一点、お尋ねしたいと思います。

 それから、あわせて春名先生にお伺い申し上げたいと思うんですが、先生のお書きになりました「欠けていた制度設計への配慮」という文書を読ませていただきましたが、その中で、米国の議員は秘密文書の閲覧権限があるんだ、それを大前提としまして、日本でも、一定の立法に絡む場合には、国会議員一人一人に特定秘密の閲覧権限を与えるべきではないかというふうなお話を読ませていただきました。

 御承知のとおり、日本では、我が国は、特定秘密の請求権というのは、この情報監視審査会と、それから国会の各委員会にしか与えられておらず、各議員には請求権はない。私、これは、ある意味では、秘密が散逸したりあるいは漏えいされたりすることの危険性をどう排除するか、こういう観点からの配慮だなと思って、私は今の制度、納得しておるんですが、そういう前提で、まず米国の制度、システム、議員個人が秘密情報の開示を求めるというシステム、どんなふうになっているのかお教えいただきたいのが一つ。

 もう一点、日本で特定秘密の開示請求権を国会議員に認めた場合に、特定秘密の漏えいだとか分散だとか、これをどう防止するのか、このような観点についてお尋ねしたいと思います。

 まず、三谷先生の方から。

三谷参考人 ありがとうございます。

 国民の理解と信頼を情報サイド側が得る、この責任は、まず第一には情報サイド側にあると思います。インテリジェンスサイド側がその努力をすべきだと思います。

 そのためには、国会において、国会の機能として、インテリジェンスサイドが監督を受けているんだという事実を国民の前に見せていく。このことが、インテリジェンスの力が強くなればなるほど、組織が充実すればするほど必要になっていく、そのことによって信頼を得ることができるんじゃないかというふうに思います。

 先ほど私、意見表明の中で三点目に希望を申し上げました。インテリジェンスオーバーサイトコミッティー、ぜひ日本にも実現していただきたい。その裏返しとして、そのオーバーサイトコミッティーを通して日本のインテリジェンス各機関が国民の信頼と理解を得ていく、そういう時期がそろそろ来ているのではないかというのが私の極めて個人的な考えでございます。

春名参考人 アメリカ議会におきましては、議員にオーバーサイトの権限が与えられておりまして、セキュリティークリアランスも与えられております。スタッフにも与えられております。したがって、議員のオフィスのファイル、鍵をかけて、どのようにして格納しておくかというところも、一定の決まりに従って、ルールに従って行われているわけなんです。

 情報機関は、情報収集のほかに、特に超大国の場合は秘密工作というのをやっております。コバートオペレーションと言っておりますけれども、コバートオペレーションの場合は、いわゆるアメリカ議会では、上下両院のギャング・オブ・エイト、八人のギャングというふうに呼ばれているんですけれども、上下両院の情報特別委員会の、議長はマジョリティーなんですが、副議長がマイノリティーですね、全部で八人の議員に対して通告義務があるわけであります。

 したがって、その辺のところで、議員に対しても責任があるということで、日本もそれをやはり検討すべき時期に来ているのではないかというふうに私は思いますし、先日も、北朝鮮の問題で、ホワイトハウスで上院議員百人を呼んでブリーフィングが行われたわけですが、それについても、やはりセキュリティークリアランスを持っているという前提で、秘密が、口外してはならないということで、漏えい防止の措置もとられていた、こういうことであります。

岩屋委員 岩屋です。

 きょうは、三人の先生方、本当にありがとうございました。それぞれに審査会の活動を評価していただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ただ、我々もまた試行錯誤を続けている途中段階でございまして、御意見を踏まえて、さらに努力してまいりたいというふうに思います。

 そこで、先生方に一点ずつ、できるだけ簡潔にお伺いしたいんですが、まず三谷先生。

 今、国会で審議をしているテロ等準備罪法案が、どうなるかわかりませんが、いずれにしても、先生が治安外交とおっしゃっている、そういう治安当局同士の情報交換、情報交流というのは、さらに加速していく、またされていくべきだろうというふうに思っています。そうなりますと、いわゆるサードパーティールールであるがゆえに公開できないんだというのが警察関連でも非常にふえていくのではないか。

 これは、何かサードパーティールールだと言われると、錦の御旗というか、黄門様の印籠みたいな感じで、そこではなかなか審査ができないということが間々あるんですけれども、一定のサードパーティールールのルールを示してくれないかと言っても、なかなか内調からは確たる返事が返ってこないという状況にあります。この問題をどう考えたらいいかということで御指導いただければと思います。

 それから、春名先生は、NSC関係のものについては十分な詳しい説明を受けるべきだとおっしゃっていただきました。我々もそう努力はしているんですが、正直、ここが一番ハードルが高いんですよね。

 しかし、さっき漆原先生からもお話がありましたように、当審査会は政策判断をするところではなくて、特にオンゴーイングのオペレーションについて政策判断をするところではないんですが、平和安全法にしろ何にしろ、我が国の安全保障法制からすると、国会の判断を経なければいけないという決まりが幾つかありまして、そうすると、関係委員会、当該委員会から情報開示要求が当審査会に上がってくる、その公開の是非を判断するという任務は我々負っているので、やはりNSCの持っている情報については、一体どういうルールでもう少し審査会に対しても開示要求をすべきか。さっきギャング・エイトというお話もいただきましたが、その辺についてもう少し御指導いただければと思います。

 それから、三木先生の指摘、指定と保存の期間がずれているという、これは最近特に問題として浮上していることでございまして、我々もここには重大な関心を払っているんですが、ここについて、しからばどういうルールを設けるべきか。

 例えば、さっき日報の話も出ましたが、防衛省は多分、防衛特別監察の結果と同時に、日報についてどう扱うかという防衛省の中の文書管理規則みたいなものを新たに示すかもしれませんけれども、本当は、横串で、まず大きなものがあって、それにつけ加えて、防衛省がこういう機微な情報を含んだ日報についてどう扱うかというのがその上につけ足されるという仕組みが本当は妥当なのかな、防衛省の中だけで処理していい問題でもないのかなと思ったりするので、そこら辺について、どういう整理をすることが一番適当か、妥当かということについてお教えいただければありがたいと思います。

三谷参考人 サードパーティールールについてお尋ねいただきました。

 個人的なお話を申し上げますと、四十年近く前に初めてインテリジェンスの世界に足を踏み入れた若い私に対して諸先輩たちが厳しく教え込んだのが、サードパーティールールとニード・ツー・ノウ、この二つでございました。今考えてみますと、実はこの二つとも、情報源を守るための具体的な方策としてたたき込まれたというふうに思っております。

 その上で申し上げますが、サードパーティールールというのは、私、この言葉とずっとつき合ってまいりました、結論から申し上げます、慣習法です。したがって、どこにも定義が書いてないんです。

 一方で、厳しくそれを守ることを要求される慣習法でもあります。サードパーティールールを破ったその瞬間に、情報はとまります、確実にとまります、諸外国との間で。これも言えると思います。これが二点目。

 三点目。サードパーティールール自体の中身は変化し続けていると思います。少なくとも、私が仕込まれた三十有余年前は、情報機関対情報機関の間の約束事、すなわち、Aという情報機関が別の国のBという情報機関に、サードパーティールールを前提に、前提にです、どこにも書いてないです、当たり前のルールとして渡した、この情報機関が同じ国の中のCという機関に渡したその瞬間に、ばれれば相当な抗議が来たという時期がございました。少なくとも、これは今は変わった。すなわち、インテリジェンスコミュニティーの中であれば、よほど厳しい、あなたの機関限り、あなた限りという条件がついていない限りは、インテリジェンスコミュニティーの中での共有は基本的には認められているのではないかというふうに最近感じております。

 では、それが、対他の行政機関、政策執行機関との関係、さらに、あえて申し上げれば国会との関係ではどうかということは、実はいまだに確定的な解釈は固まっていない。各国、各地、各機関が模索している、それが現状ではないかと思います。したがいまして、私は、内閣調査室の担当者にある種同情を感じます。

 以上であります。

春名参考人 岩屋先生からいただきました御質問なんですけれども、やはり、日本の場合、情報コミュニティーというものにまず事務局がないと思います。情報コミュニティーを取りまとめて、そこで、例えば防衛省の情報本部とか外務省の情報統括官とか、幾つも日本には情報機関があるわけですけれども、やはり、それを、いずれの情報機関からも集まった情報を取りまとめてやる情報評価がされていないと思います。

 一応、合同情報会議とか内閣情報会議というのがあるんですけれども、事務局というものがないと思いますし、やはりその辺の、事務局と国家安全保障会議との関連を結ぶもの、恐らく内調がやるべきだと私は思いますけれども、そういった形の制度設計上の、先ほども漆原先生から聞かれたんですけれども、制度設計上の整備が、国家安全保障会議ができたときに明確にされなかったと思います。その宿題がまだ残っているんじゃないかというふうに思います。

 かつて、例えば尖閣諸島の国有化の問題があったときに、中国はそれほど反発しないんだということで国有化に踏み切ったというふうに言われていますけれども、そういうふうな場合に、例えば国家安全保障会議から情報コミュニティーに対していわゆるタスキングのようなことをして、各情報機関から、例えば衛星情報も含めて、あるいは防諜情報も含めて、それから外交上の情報も含めて、総合した情報の分析というものがなされていたらまた違った結果が出ていたかもしれないというふうにも思いますし、その辺の総力を挙げた情報収集のあり方がまだ十分にはなされていないかもしれない、制度上は。

 以前よりは情報の共有なんかも前進しているというふうに言われていますし、その点では前進があるかもしれないんですけれども、制度設計上の、NIC、国家情報会議というのはアメリカにはありますし、情報コミュニティーとホワイトハウスの間にNIC、国家情報会議というのがありますので、そこでやはり各情報機関からの情報を集めて、練った上で結論を出すわけであります。したがって、そういった情報の評価を中心とする制度設計を改めて考え直していただけるといいかもしれないというふうに思います。

 どうもありがとうございました。

三木参考人 二点御質問いただいたかと思います。一点が、特定秘密の指定期間とそれから行政文書の保存期間のずれをどうするかということ、二点目が、恐らく公文書管理というか行政文書の管理のあり方そのものだというふうに理解をいたしました。

 一点目なんですけれども、私の答えは割とシンプルでございまして、特定秘密として指定が必要なのであれば、行政文書としての必要性がまだあるというふうに判断すべきではないか。

 つまり、何が秘密であるかということを特定するためには行政文書がなければ本来はいけないわけです。行政文書に限らず、何かの媒体とか何かの形で形になっていないと、何が秘密かを共有できるような状況にならないわけであります。そうである以上は、行政文書は行政機関の必要性に応じて保存期間が設定されますけれども、秘密の指定をする必要性があるということであれば、それは継続して行政機関としての必要性があるということで、秘密指定期間は行政文書としての保存期間にすべきだというのが私の一つの考え方であります。

 それで、この問題は、私、もう一つ別の視点から見る必要があるなとも思っていまして、というのは、二年半ほど前にイギリスの公文書館を訪ねる機会がありまして、そこで、イギリスの公文書館の中で、非公開の情報や秘密指定された情報についての公開審査をする立場の方のお話を聞いたことがあります。

 そのときの時点では、イギリスの公文書館にはインテリジェンスセクターとかセキュリティーセクターの情報は移管をされてきていなくて、ごくごく最近、セキュリティーセクターの本当にごく一部が移管されたというお話を聞きましたので、実はよくわからないという話をされていたんですが、一方で印象的でしたのが、ああいうセクターの人たちは情報がどれだけ大事か知っているから、あの人たちは捨てないんだという言い方をされたんですね。私どもの感覚からすると、捨てられるという感覚がございますので、どうやってそれを防ぐかという議論にどうしてもなるんですが、どうも、お話をしていると、そういうセクターの人たちは一次情報を重視するので捨てないんだという話をされていました。

 ですので、日本は、インテリジェンスセクターなり安全保障セクターがどういう組織であるのかということが、そもそも文書の廃棄に関しては問われるということになってくるのではないかというふうに思っております。

 私の制度的なアイデアとしては、やはり、保存期間イコール指定期間というふうにしていただくのが一番合理的ではないかというふうに思います。

 二点目の、公文書管理に関しては、先生おっしゃるとおりでありまして、日報の問題に特化すべき問題ではないと思っております。つまり、文書が共有される状態が維持されていないと、誰も検証もできませんし、あるいは、国会でも、質問されても、当時の担当職員から聞いてきて、こうらしいという答弁しかできないということになります。これがまともな状態かということがそもそも問われなければいけないと思っています。

 記録がない、公文書がないということは、基本的にはその組織の信頼性の問題だというふうに行政機関として考えていただく必要がありますし、それがなければ、情報公開なんという議論はもう当然成り立たないわけであります。これがないと、記録を捨てる組織なんだ、そういうレッテルが行政機関に対して張られて、何をしても、でもあそこはどうせ捨てるでしょうという話になっていくわけであります。

 これを何とかするためには、やはり、公文書管理法というものの今さまざまな抜け穴があると私は思っておりまして、それは、行政を締めつけるというよりは、よりシステムとしての信頼性を高めるように改正をする、あるいはガイドラインの見直しをするということを包括的に行った上で日報問題のような問題も扱っていただくというのが非常に重要ではないかと思っております。

後藤(祐)委員 三人の参考人の皆さん、本当にきょうはありがとうございます。

 まず一点目は、春名参考人のお話しされたことから触発された面もあることを、三谷参考人にちょっとお伺いしたいんですが。

 三谷参考人の最初のお話の中で、行政府と立法府あるいは情報監視審査会の間の信頼が前提だというお話、まさにそのとおりで、我々もそれをどうつくっていくかという中でいろいろ苦労してきたわけですが、三谷参考人の最後の方で、秘密の客体ごとに何を守るべきかというものは、もうごった煮になっているので、ちょっと違っていいんじゃないかというような趣旨のお話があったと思うんです。

 これは非常に我々もそのところを感じておりまして、例えば単なる暗号そのものというのは、我々は別に知ってもしようがないわけですよね。あるいは、情報源情報の、人の名前そのものを我々が知ってもしようがないわけですね。ですが、政策決定過程でどういう議論がなされてその結論に至ったのかみたいな話は、リアルタイムかどうかは別として、少し時間がたったら検証できてもいいんじゃないかとか、特定秘密の中でも、我々が知ってもいいんじゃないかということと、知ってもしようがないんじゃないかということはかなり違うと思うんです。

 そのような中で、行政側からすると、我々情報監視審査会に対してすら見せるべきでないもの、例えばさっきの情報源情報の人の名前とかいうものと、情報監視審査会に対しては、リアルタイムかどうかはともかく、後では見せてもしようがないかなというようなものですとか、あるいは、将来的には、世の中に対しての公開も含めて、いいのではないかというようなもの、それは五年だったり三十年だったりすると思います、こういったものは結構違うと思うんですね。

 秘密の客体ごとにその差をつけていくということが信頼につながるということについて、今、私は推測で物を言っていますが、我々の思い込みでもいけませんので、行政の中におられた、まさに我々にすら、情報監視審査会にすら説明したくないものを見ておられた三谷参考人の感触をお聞きしたいと思いますというのが一つ目です。

 二つ目は、その関係で、先ほど岩屋先生からもありましたけれども、やはりNSC四大臣会合での議論の内容についてもそういう面があるのかなと思っておりまして、その四大臣会合の中でも、特定の入手してしまった情報の事の経緯から、サードパーティールールが働いて言えない情報もあるかもしれません。ですが、いろいろな価値判断をする上で、こういう選択肢がある中でこれを選んだんだみたいなことは、もしかしたら説明できるかもしれないんですね。

 こういったNSC四大臣会合での議論について、我々はどうやって接したらいいのかというのは今最大の課題になっていて、もう少しその中も、今言ったような形で、我々が知るべきもの、知る必要のないもの、あるいは知らない方がいいものというような考え方もあるんじゃないのかなと思うんですが、これについても三谷参考人に伺いたいと思います。

 三つ目は、これは三木参考人と春名参考人にもぜひお伺いしたいなと思うんですが、これも先ほど来、三木参考人のお話と岩屋先生のお話の中で出てきている話ですが、特定秘密の指定期間の問題と文書の保存期間の問題と廃棄の問題をどう整理していくかという中で、特定秘密の指定期間より前に保存期間が来てしまうことはおかしいのではないかという問題提起が三木参考人からありました。これを同時にした場合、文書の保存期間と特定秘密の指定期間が同じ場合、指定期間になった瞬間、廃棄される可能性があるんですね。それでいいのかどうか。

 つまり、特定秘密保護法をつくるとき、私も議論に参加した一人ですが、何となくイメージにあったのは、先ほどの春名参考人のシークレシーとデモクラシーのバランスでいうと、特定秘密の指定期間というのがあって、文書の保存期間はそれよりもうちょっと長くて、公開というのはそのうちされるんだろうというような希望的前提みたいなものがあったんですが、実はそうでないことが明らかになってきている中で、特定秘密の指定期間が終わった後も文書は捨てちゃいけないんだ、その後もとっておかなきゃいけないんだ、そのうちどこかで公開されるんだというのを原則としながら、そうはいってもねというものもあるというような、この指定期間と保存期間と廃棄、そして公開の問題のトータルの整理について、先ほど半分以上はお話しいただいているとは思うんですが、特に同時の場合、指定期間が来た瞬間、廃棄されると私は思います。それでは見ることはできないわけですよね。ということを含めて、これは春名参考人と三木参考人にお伺いしたいと思います。

三谷参考人 まず、私の話の中で、客体の性格というものに着目されてはいかがかという点でございますが、既に春名参考人も一部触れられております。

 これはまさに先生の御指摘のとおり、例えば暗号そのものを当審査会で調査ないし審査していただく必要もないし、また、まことに申しわけございませんが、その細部を技術的にチェックする、あるいはその中に何か隠されているというようなことはないと思います。したがって、これはまさに春名参考人の御指摘のとおり、暗号であるというその事実をもって特定秘密である、イコールであるということでよろしいかと思います。

 兵器に関する情報でも、かなりな部分は言えると思います。あえて申し上げますが、今回いただいた特定秘密指定管理簿つづりの中で、一部兵器に関しては、ちょっと出し過ぎじゃないのというものを正直感じました。さらに申し上げれば、この秘密指定管理簿を、我が国に対して悪意を持つ国の情報機関のボスが見れば、宝の山だと思います。あ、ここに欲しい情報があるんだ、こういう情報があるんだということを、かなりな部分割り出すことができると思います。そういう意味では宝の山でございます。

 しかし一方で、繰り返し両参考人から御指摘がありますとおり、国民に対して一定の公開はなすべきであります。結局、そこのバランスの問題になっていこうかと思います。

 そこで、先生に対するお答えですが、やはり各情報、項目、あえて項目ごとに真剣な議論を担当行政機関としていただく。そのことによって一定のカテゴリーが生まれてくる。今の暗号のように、簡単に結論の出る問題じゃないと思います。

 また、先生方からは、ヒューミントに関してはかなりな御理解を頂戴していると思います。問題は、まさに政策決定過程あるいは外交交渉の過程ではないかと私感じております。これは、正直申し上げて、信頼に基づいた慣習法を目指していただくしかないんじゃないか。そこにこうだからこうだという結論は、私は安易に求めるべきでもないと思います。

 特に、安全保障会議における議論ということは、文字どおり森羅万象にわたるはずでございます。地域も、時系列も、いろいろなことが議論されてしかるべきだと思います。それを一定の基準に当てはめて、こうなる場合は公開すべしということにはならないのではないだろうかと、今とっさに感じております。

 長くなりました。以上でございます。

春名参考人 先ほど、やはり私の発言が、言葉が足りなかったと思います。

 廃棄はやはり別に考えるべきだと思いますし、廃棄に当たっての、先ほども少し申し上げたんですけれども、やはり、内閣府の管理監については、専門家の意見を拝聴して廃棄のことは決定すべきだというふうに思いますし、そういったケースと、参考になるのは、アメリカの国務省がやっているような、公開に当たって現代史の専門家をグループとして集めて議論をして、それで、FRUS、フォーリン・リレーションズ・オブ・ユナイテッド・ステーツという赤い本を出しているんですけれども、その本を出すときに、何を掲載するかというのを、公開して掲載するのかということを決めているわけですね。

 したがって、ともかく歴史にかかわるような問題はまさに国民の資産だと思いますし、そういう形で、廃棄はまず避けるということと、公開のときもやはりそういう専門家の意見を聞いていただければ望ましいというふうに思います。

 ありがとうございます。

三木参考人 指定期間と保存期間と廃棄の問題は、幾つかのところに権限、少なくとも二つのところともう一つ、もともと行政文書を持っている、特定秘密を指定しているところと、幾つかのところに今権限が分かれている状態だと思います。指定については各行政機関が行いますし、それについて審査会等でチェックはされていますけれども、基本的な権限は全部そこに委ねられているわけであります。

 公文書の問題でいいますと、基本的には各行政機関に一義的には全て権限がありますけれども、廃棄の段階についてのみ内閣府の方で審査ができる、協議ができるということで、権限が一部移っているということになります。その内閣府に独立公文書管理監と公文書管理課と両方ございますけれども、内閣府設置法をこの前確認しましたところ、独立公文書管理監が公文書の廃棄審査、協議ができるというふうには読めないかなという規定になっておりました。ですので、特定秘密を含む行政文書の廃棄については、基本的には公文書管理課が、特定秘密が含まれているかどうかがわからずに審査をしている可能性が極めて高いのではないかなと思っています。

 ですので、今の体制でいいますと、先ほど委員が御指摘されたように、保存期間満了とともに廃棄となっても、廃棄審査はされるけれどもわからないという状況にはなると思います。ここは、権限の整理を廃棄の部分についてはしていただくことが、今の制度の枠組みを前提にして申し上げますと大事だというふうに思います。

 あと、もう一点なんですけれども、保存期間と指定期間を満了させたとともに廃棄をするといったときに、既に、例えば独立公文書管理監のもとには特定行政文書ファイル等というものが行っていますというお話を先ほどしました。私のレジュメの二ページの上の図の、行政文書ファイル管理簿の下から少し矢印を伸ばしているんですけれども、それを見ていただくと、この行政文書ファイル等には保存期間満了後の措置というものが記載をされていて、保存期間満了後に移管をするのか廃棄をするのかという区分は既に独立公文書管理監は持っております。これは、もともとファイル管理簿の中に記載をされている事項が一部取り出されて行っているという状態なんですね。

 ですので、少なくとも審査会で報告を求めていただければ、独立公文書管理監から、現在の行政文書ファイルで特定秘密を含むものが、保存期間満了後に移管するのが何%とか何件、廃棄に回るのが何件、何%かということはわかるはずなんですね。ですので、そこをまずベースに、実際に廃棄がどれくらいになって、保存期間がどれくらいでそうなるのかということを、まずきちんと数字として把握をしていただくことはとても大事なのではないかなと思います。

 それから、あと、この間、特定秘密文書件数と、それから、実際に経年とともに文書の件数が揺れているところがあるということで、今回報告書で指摘されておりますけれども、それを見ると、特定秘密文書件数の方には一年未満が含まれている、ただしファイルの方は一年未満を含んでいないと、ここもずれています。

 ですので、少なくとも行政機関側は一年未満の文書があるかないかは把握していると思いますので、一年未満というものがそもそもあるのかどうかということも少し数字として把握をしていただいて、その上で、どうやって整理をするかというところで、先ほどのお話に戻りますけれども、特定秘密の指定期間イコール保存期間にまずするということが可能かどうかということを御検討いただくということと、あと、移管と廃棄のところできちんと権限を適切なところに与えて、大事な文書が簡単に捨てられないという仕組みをつくっていただく。

 絶対捨ててはいけないというよりも、捨てる必要があるのであれば、それは捨てる必要があるんですということで堂々と捨てればいいと思うんですね。問題なのは、そうではなくて、気がついたらなくなっていたという状態が一番よくありませんので、そこをどうやってきちんと仕組みとして担保をするかということの整理をぜひお願いしたいというふうに思います。

井出委員 済みません、三谷さんに最初の質問の関係でもう一回伺いたかったんです。

 スノーデンとかいろいろなものでリークがあったときに、例えば捕鯨の関係で情報を抜かれて、何か対策が必要だ、そうであれば、では予算をつけて対策すればいいじゃないか。アメリカに何か言われて協力していて、そういうものがぽんと表に出されて、いや、それは必要なんだと、説明をして、説明を得られれば、ではそれをやっていこう、合法化していこうという道を、ほかの国は議会とそういうことをやってきたと思いますし、一方で、いや、これは明らかに問題だろうといって徹底的に調査、検証がなされたものもあるんですが、そういう意味では、私は、まだ海外と比べると議会と政府の信頼関係が浅くて、そういう、事実関係として出てきたものに対しても、政府側からももう少し審査会なり国会全体に事実関係の説明というものが、スタンスがあってもいいのではないかなというところを、政府にいらっしゃったお立場としてコメントをいただきたい。

 あと、三谷さんから、将来的にはインテリジェンスのオーバーサイトで政策や外交というものをやるべしというような御示唆があったかと思いますけれども、ほかのお二方からも、将来的な、こういう課題に取り組んだらどうかというものを一言ずつ教えてください。

三谷参考人 先ほど、冒頭、会長から、忌憚のない意見をということを言っていただきました。

 あえて申し上げます。国会と行政の信頼関係ではなくて、政治と情報機関の信頼関係がかつては成り立っていなかったのではないか。そのことが、上がらない、回らないにつながっていったんじゃないかというふうに思っております。

 さらにあえて申し上げれば、戦後七十有余年、インテリジェンスという問題にタッチせずに、あえて避けてきた。それは、正直申し上げて、昭和の五十年代までは続いていたのではないか。そのことによって、インテリジェンスそのものに対する知識、ノウハウ、あるいはやってはならないことの理解が、国民全体、あるいは日本をリードしていただく政治の皆さんに対してどうしても不足していたのではないか。それが、昭和の五十年代、あるいは平成の初め、そして平成の二桁と、何度かの過程を経て、今やっと国会の場でインテリジェンスについて大いに議論をしていただける、そういう時代がやってきたんだ、私はそういうふうに理解しております。

 したがいまして、今後どんどん質問していただければいいんだと思います、いろいろな場で。日本には、幸か不幸か、いやいや、あえて私は不幸だと思いますが、インテリジェンスオーバーサイトコミッティーは現在ございません。その裏返しとして、どの委員会であっても、インテリジェンスに関する質問は可能でございます、逆に申し上げれば。その委員会のマンデートに従う限りにおいてはという条件つきですが。思い切りあちこちで質問していただいて、行政機関側が真摯にそれに答えていく、そのことによって初めて、将来に向かっての真摯な議論ができるんだというふうに思います。

 ぜひ、踏み込み過ぎかもしれませんが、オーバーサイトコミッティーに関して、いま一度御賢察を賜りたいと存じます。

 以上でございます。

春名参考人 井出先生から、何でも忌憚なくということで。

 やはり、日本のインテリジェンスコミュニティーにおいては情報の共有がおくれてきたと思います。しかし、今回の特定秘密の指定管理簿のつづりを見ても、共有がかなり進んでいるということがわかったと思います。進んではいるんですけれども、その利用が、共有してもそれを利用しないと意味がないわけで、やはり違う角度から情報を見ることによって全体像が出てくる可能性がありますので、共有だけではだめで、それを利用するということが大事じゃないか。

 ただ、それによって、日本の場合、全部ネットでは共有していないと思いますけれども、先ほどから出ていますスノーデンだとかウィキリークスの問題では、特にウィキリークスのときに出たのは、やはり、国務省と国防総省の情報が同時に盗まれたのは、同じ閉鎖性のネットワークで同じものが共有されているということで何十万件もの情報が出てしまった。これは、二〇〇一年のアメリカ中枢同時多発テロのときに、CIAとFBIの間で情報共有が進んでいなかったので、やはりこれを進めるべきだということで、同じネットで情報がとれるようになってしまったので、それで、ああいう形の情報漏えいが起きると非常に大きいダメージになってしまうということがあるわけなんですね。

 したがって、日本の場合は、まだまだ、これから共有して、利用するということによって、やはりそれが外交政策にも生きてきますし、安保政策にも利用されるということがあり得ますので、その辺のところを考えていただけたらなというふうに思います。

三木参考人 将来的な課題ということで申し上げますと、一つが、今回お出しになった報告書に、去年の参考人質疑の私の意見、指摘に対する考えを示していただいているんですけれども、昨年一番最初に申し上げたことが、政府活動そのものと秘密が生まれるということは切り離せないので、政府活動そのものについてもやはり一定の監視が及ばないと、秘密指定が適切かどうかが当然判断できないのではないかということを指摘させていただきました。

 ですので、お二方の参考人と少し似てしまうところがあるんですが、特定秘密を含む分野というのは、これは意図してかどうかは別にしても、人権侵害、権利侵害とかなりすれすれのところは当然ございます。ですので、この分野がどうやって監視、監督されているのかということは、実は一般市民からすると重大な関心事のはずです。情報公開を通じてなるべくそこの情報を出してもらうということは大事だとは思うんですけれども、一方で、私はふだん情報公開を求める立場で活動しておりますので、いかにそれが難しいかも痛いほどよくわかっております。

 ですので、情報を出さないことを責めているだけですと、私たちの権利侵害が起こった場合に何の抑止にもならないということになりますので、国会として、ここの場でやるかどうかということはいろいろ議論はあるとは思いますが、一方で、どうやってこの分野の監視活動、監督活動をして、その結果を可能な範囲で情報公開をして一定の説明責任を果たすというような、そういうプロセスをまずつくるということが大事だというふうには考えています。

 そういうことを申し上げるのは、やはり、国外のNGOとおつき合いしていますと、皆さんそういう報告書を手がかりに、さらにここの分野の情報は大事だということで情報を求める行動をしているんですね。私たちはその手がかりすらない状態で、どうやって私たちはより情報にアクセスできるのかとか、知るべき情報にたどり着けるのかということに本当に悪戦苦闘しているという状態でもございますので、これは、警察が必要ないとかインテリジェンスコミュニティーが必要ないとか外交政策は必要ないとかそういう問題ではなくて、そういうものがあるという以上は、どうやってそこをより適切なものにしていくかということを、ここで特定秘密の状況を把握していただきながら、将来的にはそこに目を向けていただけると大変よいのではないかと思っています。

大塚(高)委員 自由民主党の大塚高司でございます。

 本日は、三人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見、ありがとうございます。

 この審査会ができまして、はや二年でございます。その二年間、本当にいろいろな問題がございました。それを我々一つずつひもといて、何とか前へ前へということで努力をしてきたところでございますが、先ほど春名参考人からもお話ございましたように、特定秘密の概要、黒塗りいっぱいになっている、この部分の開示、我々も聞かせていただきました。特に、国名が入っていたら、その国が、日本調べているのかとかいうこともわかりますのでとかいう御意見も頂戴しました。例えば、そういう話を突き詰めていくとなかなか開示ができないというところも、つらいつらい我々の部分もあったわけでございます。

 また、先ほど三木参考人からもお話ございました、知得をしている人の、人の管理が大事だということ。では、そういう人は、知ってしまったがために、もう亡くなるまで、最期まで持っていかないといけないのかという、人の話も、我々もその会で議論させていただいたのも当然であります。そういったところもこれから含めて、何が大事かということは、やはり行政側との信頼関係がこれからいかに大切になってくるかということでございます。そういったところを我々も突き詰めてやっていかねばならないというふうに思います。

 そこで、三谷参考人に、最後、御質問させていただきたいんですが、特に、先ほどお話ございました、情報保全はいろいろな国々から突きつけられている、しかしまだまだ不十分だという話でございます。そういった中で、いろいろな諸外国から見て、日本は情報の公開また保全、そういったところがどれだけおくれているかというところも、もっともっと我々これからもオープンにしていかねばならない部分もあると思いますので、そういったところもちょっとお聞かせいただきたいと思います。

三谷参考人 情報保全ということを、一定の国民あるいは一定の政府に関して、その成長の過程というのは三段階だと思います。英語で恐縮ですが、シークレシーアウェアネス、要するに、秘密というものが存在するんだ、ある程度必要なんだという段階。それから、シークレシーリテラシー、それがきちっと運用されているということは理解するんだ。最後に、シークレシーマネジメント、その運用をしっかりコントロールし、よりよいものにしていく。その三段階だと思います。

 まことに残念ながら、戦後しばらくの間、日本という国は、シークレシーアウェアネスさえなかった。保全の必要がなかった、そういう時代が随分続いたんだと思います。例えば、今の官邸こそ保全に随分意を尽くしていますが、旧官邸、玄関まで国民誰でも行けたんじゃなかったでしょうか。外務省の食堂、誰でも御飯を食べていたんじゃなかったでしょうか。そういう時代が現にあったわけです。それではならぬということで、ある程度のことはしよう、それがリテラシーの時代、その時代に入った。

 いよいよ今、シークレシーマネジメント、保全というものをいかにきちんとやり、かつその弊害をなくし、かつ情報公開、国民の知る権利とのバランスをいかにきれいにとっていくか、そういう最終段階に今入ってきたんだというふうに思います。

 私は、心から、当審査会がここ二年真剣に議論されてきたことに敬意を表しますとともに、今後さらにくれぐれもよろしくお願いしますと申し上げて、発言を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

額賀会長 ありがとうございました。

 時間も参りましたので、これによりまして参考人に対する質疑は終了をいたしました。

 この際、一言申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきました。我々も、審査会発足後、二年半に近くなってきたわけでありますが、米国、イギリス、ドイツ等に行きまして、歴史的な経緯等からそれぞれニュアンスが若干違いますけれども、日本も、そういう意味で、このインテリジェンスと我々の国民と、それから行政、国会との間合いをきちっと正しい方向につくっていくために努力をしていくわけでありますが、きょうは、お三人に貴重な御意見をいただきました。これを参考にして、より一段と国民の皆さん方の理解ができるように頑張っていきたいと思っております。

 委員を代表し、委員そろって感謝の意をお伝えしたいと思っております。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 次回は、公報をもってお知らせすることといたしますので、本日は、これにて散会をいたします。

    午後四時五十二分散会


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