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第40号 平成14年6月6日(木曜日)

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平成十四年六月六日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十九号
  平成十四年六月六日
    午後一時開議
 第一 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案(内閣提出)
 第二 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件
 第四 エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 第五 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第六 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第七 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第八 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第九 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第十 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 第十一 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)
 第十二 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)
 第十三 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)
 第十四 平成十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)
 第十五 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日程第一 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第四 エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第六 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第七 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第八 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第九 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第十 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第十一 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)
 日程第十二 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)
 日程第十三 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)
 日程第十四 平成十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)
 日程第十五 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(岡田克也君外九名提出)
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外六名提出)
 石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案(内閣提出)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議
議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
議長(綿貫民輔君) 日程第一、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案、日程第二、文化財保護法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長河村建夫君。
    ―――――――――――――
 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び同報告書
 文化財保護法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔河村建夫君登壇〕
河村建夫君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約の適確な実施を確保するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、条約締約国の博物館等から盗取された文化財を特定外国文化財として指定するとともに、特定外国文化財を輸入承認事項とし、我が国内への流入を防止すること、
 第二に、国内文化財について文化財保護法に基づく亡失または盗難に係る届け出があったときは、その旨を官報に公示するとともに、当該文化財が博物館等から盗取されたものであるときは、その内容を他の締約国に通知すること、
 第三に、特定外国文化財の盗難の被害者については、現行民法で認められている善意取得者に対する回復の請求に加え、盗難のときから二年を経過した後十年を経過するまでの期間にあっては、占有者が支払った代価を弁償することにより、回復することを求めることができること
であります。
 次に、文化財保護法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、条約の適確な実施を確保する等のため、重要有形民俗文化財の輸出について、届け出制を許可制に改めるとともに、許可を受けないで輸出した者の罰則を定めることであります。
 両法律案は、五月二十八日本委員会にそれぞれ付託されました。翌二十九日一括して議題とし、遠山文部科学大臣から提案理由の説明を聴取し、昨六月五日質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第四 エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件
議長(綿貫民輔君) 日程第三、エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件、日程第四、エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長吉田公一君。
    ―――――――――――――
 エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔吉田公一君登壇〕
吉田公一君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、エネルギー憲章条約について申し上げます。
 平成三年十二月、当時のソ連及び欧米諸国と我が国は、ソ連及び中東欧諸国のエネルギー分野における改革の促進を念頭に、エネルギー分野における貿易、投資活動を全世界的に促進すること等を宣言する欧州エネルギー憲章を作成しました。
 本条約は、欧州エネルギー憲章の内容を実施するための法的枠組みを創設することを目指して作成されたものであり、約三年間の交渉を経て、平成六年十二月十七日、リスボンで開催された国際会議において採択されました。
 本条約の主な内容は、
 締約国は、自国の地域における他の締約国の投資家の投資財産及び当該投資財産に関連する活動に対し、内国民待遇または最恵国待遇のうちいずれか有利な待遇を与えること、
 この条約の締約国間のエネルギー原料等の貿易については、WTO非加盟国との間においてもガット及び関連文書によって規律すること
等であります。
 次に、エネルギー効率等に関するエネルギー憲章議定書について申し上げます。
 エネルギー効率の向上が、地球温暖化、酸性雨等の環境問題への対策として重要であるとの認識が高まったことを背景として、環境に配慮したエネルギー効率の向上のための政策的な指針を示す議定書の作成がエネルギー憲章条約の作成と並行して行われました結果、平成六年十二月十七日、リスボンで開催された国際会議において、本議定書は採択されました。
 本議定書の主な内容は、
 締約国は、エネルギー効率に関する政策及び法令を作成し及び実施するに当たり、相互に協力し、適当な場合には相互に援助すること、
 締約国は、エネルギー効率の向上を図り及びその結果としてエネルギーサイクルの環境上の影響を軽減するため、適切な戦略及び政策目標を作成することとし、この戦略及び政策目標は、利害関係を有するすべての者にとって透明性を有するものとすること
等であります。
 以上両件は、去る五月三十日外務委員会に付託され、翌三十一日川口外務大臣から提案理由の説明を聴取し、六月五日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、両件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第五 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第六 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第七 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第八 平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第九 平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第十 平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十一回国会、内閣提出)
 日程第十一 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)
 日程第十二 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)
 日程第十三 平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)
 日程第十四 平成十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)
 日程第十五 平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)
議長(綿貫民輔君) 日程第五ないし第十五に掲げました平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)外十件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。決算行政監視委員長渡海紀三朗君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔渡海紀三朗君登壇〕
渡海紀三朗君 ただいま議題となりました各件につきまして、決算行政監視委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、平成十二年度の予備費の使用総額等の概数を申し上げます。
 一般会計(その1)は四百四十八億四千四百万円であり、(その2)は三十八億五千三百万円であります。
 特別会計(その1)は四十九億七千三百万円であり、(その2)は一億九百万円であります。
 特別会計経費増額(その1)は三千九百六億八百万円であり、(その2)は七十億三千九百万円であります。
 次に、平成十三年度の予備費の使用総額等の概数を申し上げます。
 一般会計(その1)は一千二百二十億四千六百万円であり、(その2)は二十七億一千三百万円であります。
 特別会計は四十四億四千万円であります。
 特別会計経費増額(その1)は三百六十八億八千四百万円であり、(その2)は五億五千百万円であります。
 本委員会におきましては、昨五日概要説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、質疑終了後、討論、採決の結果、各件はいずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第五及び第七の両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。
 次に、日程第六及び第八ないし第十の四件を一括して採決いたします。
 四件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、四件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。
 次に、日程第十一ないし第十三の三件を一括して採決いたします。
 三件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。
 次に、日程第十四及び第十五の両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
馳浩君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 岡田克也君外九名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、保利耕輔君外六名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
議長(綿貫民輔君) 馳浩君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(岡田克也君外九名提出)
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外六名提出)
議長(綿貫民輔君) 岡田克也君外九名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、保利耕輔君外六名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長赤城徳彦君。
    ―――――――――――――
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(岡田克也君外九名提出)及び同報告書
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外六名提出)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔赤城徳彦君登壇〕
赤城徳彦君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、両法律案の主な内容について申し上げます。
 岡田克也君外九名提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案は、最近の政治家秘書による公共事業等への口きき不祥事の発覚を踏まえ、国民の政治に対する信頼を取り戻すため、あっせん利得処罰法について、犯罪の主体を広げるとともに、犯罪の構成要件を含めて見直そうとするもので、その主な内容は、
 第一に、法律の題名を「公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律」に改めることといたしております。
 第二に、犯罪の主体に、公職にある者の私設秘書及び一定の親族を加えることといたしております。
 第三に、犯罪の構成要件について、請託及びその権限に基づく影響力の行使等を削除し、特定の者に利益を得させる目的で公務員等にその職務に関する行為をさせ、または、させないようにあっせんすること、または、あっせんしたことに改めることといたしております。
 第四に、収受に加えて、要求、約束も処罰の対象とするとともに、第三者供与の規定を設けることといたしております。
 次に、保利耕輔君外六名提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案は、最近の私設秘書等による一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受けとめ、政治に対する国民の信頼を回復しようとするもので、その主な内容は、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に、衆議院議員または参議院議員に使用される者でその政治活動を補佐するもの、すなわち、いわゆる私設秘書を追加することといたしております。
 両法律案は、去る五月十六日本委員会に付託され、二十二日それぞれ提案理由の説明を聴取し、二十九日に質疑に入りました。
 質疑では、新たに処罰の対象とする私設秘書の範囲、法律の規制内容と政治活動の自由との調和、政治に対する国民の信頼回復の方策などについて真摯な議論が交わされました。
 本日、両法律案に対する質疑を終了し、討論の後、まず、野党提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、採決の結果、賛成少数をもって否決すべきものと議決し、次に、与党提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、採決の結果、賛成多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。阿久津幸彦君。
    〔阿久津幸彦君登壇〕
阿久津幸彦君 民主党の阿久津幸彦でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表し、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党並びに社会民主党・市民連合共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成し、自由民主党、公明党及び保守党共同提案の同改正案は、その余りに不十分な内容から、反対する討論を行います。(拍手)
 そもそも、現行法が審議された一昨年の第百五十回国会において、我々は、私設秘書を処罰対象から外していることを初め、与党案は、抜け道が多く、実効性がないことを厳しく指摘しました。しかし、与党があえて目をふさぎ、耳を閉ざして、世論からも抜け穴だらけのざる法と厳しく批判される法制定を行った結果、その後も政治と金をめぐる事件が後を絶たず、公設、私設を問わず、秘書による公共事業等への口ききの不祥事も相次いで発覚し、三権の長までが議員辞職する事態となりました。図らずも我々の主張の正しさが証明されたわけで、与党各党は、猛省と国民への謝罪を行うべきであります。
 委員会質疑においても、与党は、第百五十回国会で繰り返していた、罪刑法定主義に反するので私設秘書は対象にできないとの詭弁を撤回することもなく、今回、みずからの改正案に私設秘書を加えることの自己矛盾、それも国会議員の私設秘書に限定するという不合理、いずれも論理的な説明がなし得ておらず、到底、国民の理解を得られるものではありません。
 特に、都道府県や政令指定市などの事業は、大規模で、口きき政治の温床であるとの批判が集中しております。そして、地方分権の進展によって、ますます自治体の権限は高まり、懸念も一層膨らむばかりであり、自治体の長や議員も含め、政治家の秘書全般を対象とすべきことは当然であります。
 また、与党改正案は、我々野党が改正案で示している、その他のさまざまな抜け道をふさぐ手だてには一切手をつけておらず、国民の期待を欺く、まやかしにほかなりません。
 野党四党が法案をもって強く主張していることは、第一に、処罰の対象に、私設秘書並びに政治家の隠然たる影響力を行使し得る父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を加えること。
 第二に、与党幹部などいわゆる大物議員の抜け道となり得る「権限に基づく影響力を行使して」という構成要件を削除すること。
 第三に、密室で行われ、立証が極めて困難な請託を要件から削除すること。
 第四に、公共事業等の箇所づけなどでも、特定の者に利益を得させる目的で行うあっせん行為であれば処罰の対象とするよう、公務員の職務全般を対象とすること。
 第五に、政治家は資金管理団体関係や政党支部という抜け道を悪用しやすいことから、第三者に供与させる場合も処罰すること。
 第六に、刑法の各種収賄罪と同様、収受のほか、その要求、約束、申し込みも処罰の対象とすること。
 第七に、報酬の範囲を財産上の利益に限らず、これをわいろに改め、あっせんの見返りとしての企業ぐるみの労務提供等も処罰の対象とすることであります。
 野党案は、抜け道のすべてに対応し、みずからを律し、政治の体質の抜本的改革につながるものであります。野党案にこそ理があること、与党案は余りに不十分な内容であることは、審議を通じても国民の前に明らかになりました。
 また、本件は、政治家みずからの倫理確立の問題であり、本来は、与野党の垣根を越え、真摯に議論を重ね、成案を得るべきであります。この視点から、我々は、委員会審議と並行し与党に修正協議を呼びかけましたが、与党はこれを拒否しました。できるだけ抜け道を残しておきたいという与党の相も変わらぬ姿を国民は決して見逃すことはありません。
 国民の政治不信は今や極限に達し、まさに、口きき政治と決別することこそが強く求められているのであります。国民の信は我が野党案にあることは、自明の理であります。
 このことを最後に申し上げ、野党案に賛成し、余りに不十分な与党案に反対する討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 山名靖英君。
    〔山名靖英君登壇〕
山名靖英君 公明党の山名靖英でございます。
 私は、自由民主党、公明党及び保守党の与党三党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対し、与党案に賛成、野党案に反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 国民の負託にこたえ、未来を創造することが政治の目的であります。国内外の急速な変化の潮流の中で、我が国のかじ取りはどのようになされるのか。政治が果たす役割とその責務は、かつてないほど大きくなっております。
 いかなる政策の実行も、国民の信頼、国民の高い信任を得られなければ成り立ちません。しかしながら、最近、一部政治家による国民の信頼を裏切る行為が相次いで生じ、厳しい政治不信を招いていることは、極めて残念なことであります。
 このとき、深刻な状況を真摯かつ重大に受けとめ、与党も野党も十分な議論を積み重ね、いわゆるあっせん利得処罰法の改正案をともに提出したことの意義は高いと評価するものであります。
 ここで与党案と野党案の違いを国民の前に明らかにし、与党案に対して国民の信任を得るべく、以下、討論を進めてまいりたいと存じます。
 まず、与党案と野党案の最大の違いを挙げるとするならば、本法律の導入によって何を目指すのかという基本的な理念、考え方において大きな違いがあることであります。言いかえれば、法案の法的性格ないしは保護法益において根本的な隔たりがあるということであります。
 本法は、主権者たる国民から国政等に関する権能を信託された公職にある者は、みずからの良心と責任感を持って政治活動を行わなければならないとの観点から、公職にある者の政治活動の性質に着目し構成されており、その保護すべき法益を、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼としているのであります。
 したがって、与党案が前提としているあっせん行為は、公務員に正当な職務行為をさせ、または不当な職務行為をさせないというものであってもよく、刑法のあっせん収賄罪より広範なものとされているのでありますが、野党案は、報酬の範囲をわいろとし、刑法の汚職の罪等と同様にするなど、本法の保護法益が刑法の汚職の罪等とは異なることを全く無視したものとなっており、あっせん利得罪を、刑法のわいろ罪の一類型、あるいは収賄罪の延長線上でとらえようとしていると言わざるを得ません。そうであるとすれば、刑法体系の中で、刑法の一部改正として、汚職の罪の中に規定されるよう組み立てるのが本来の筋だと考えます。
 次に、政治活動の自由への配慮について申し上げます。
 私は、国政においても、地方議会においても、何物にも拘束されない、自由な政治活動が保障されてこそ、政治の進運が図られるものと考えております。その意味で、法律の構成要件を明確にし、十分な配慮がなされることが大事だと考えますが、野党案を見る限り、このような観点から検討がなされているのか、疑問であります。
 野党案では、殊さらあいまいさが残る「特定の者に利益を得させる目的」を要件にした上、本法の既存の構成要件から、その明確性を確保するためには欠かせない要件を大幅に削っております。このことは、憲法で保障されている政治活動の自由をなし崩しにするきっかけとなる危険性が大きいことに強い抵抗感を覚えると申し上げざるを得ません。
 また、今回、野党案においては、処罰の対象に、公職にある者の父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を加えておりますが、これも本法の保護法益を逸脱した無理な拡大であり、理屈に合わないと考えます。
 与党案では、親族であっても「衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの」に該当する者は、新たに、私設秘書として独立の犯罪主体となることから処罰の対象となり、実態に即した内容で、かつ、整合性のとれた改正案となっております。
 以上、与党案と野党案との間で、その理念、考え方を中心に著しく異なる点を指摘した次第であります。
 今回、与党案では、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に、「衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの」、すなわち、いわゆる国会議員の私設秘書を追加することとしておりますが、構成要件の明確性の観点から十分に吟味されているものであり、評価するとともに、国外犯の規定の整備、施行期日についても妥当なものであると考えます。
 よって、私は、与党案につきまして賛意をあらわし、したがって野党案には反対であることを表明いたし、討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 東祥三君。
    〔東祥三君登壇〕
東祥三君 私は、自由党を代表して、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合、自由党提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対して賛成、自由民主党、公明党、保守党提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対して反対の立場から討論を行います。(拍手)
 冒頭に申し上げます。
 まず、自民党を初めとする与党は、みずからの態度を深く反省し改め、国民に対して謝罪すべきであります。
 そもそも、与党が今回の修正案を提出した理由は、元自民党幹事長加藤紘一氏の地元事務所所長の口きき料による脱税事件、元自民党鈴木宗男衆議院議員や秘書の疑惑、前参議院議長井上裕氏の秘書の口きき事件などの、一連の政治と金をめぐる汚職事件に対する国民の怒りの矛先を少しでもかわそうとするためのパフォーマンスにほかなりません。
 なぜなら、自由党を初めとする我々野党は、政治家や秘書のいわゆる口きき行為に絡む疑惑をなくすため、現行法が審議された一年半前、第百五十国会から、現行法の問題点、抜け道を指摘し、第百五十一国会では修正案も提出いたしました。しかし、与党は、今まで、何かと理屈にならない理屈をつけて、修正を拒否し続けてきたのであります。
 それが今度は、国民の間に政治不信が高まり、マスコミが騒ぎ立てると、慌てて形だけ、格好だけ取り繕おうと、最低限度の修正案を作成し、提出されました。これは、まさに国民を愚弄する行為以外の何物でもありません。
 たとえ与党の修正案が成立したとしても、この法律は抜け道だらけであります。与党案には、一、新たに犯罪の主体となる私設秘書について、首長、地方議員の秘書が対象外となっております。二、犯罪の主体に、父母、配偶者、子、兄弟姉妹が含まれていない。三、犯罪の構成要件に請託が含まれており、しかも、「その権限に基づく影響力を行使して」という文言があるため、立証が極めて困難である。四、対象となる行為が、契約、行政庁の処分に限定されている。五、第三者供与の処罰規定が明記されていない。六、罰せられる行為が収受のみである等の問題点が多々あり、これら問題点を改善しないと、実効性は著しく低くなることは、明白であります。
 そのため、我々野党は、この法律の実効性を少しでも高めるために、与党に再三再四、修正協議を求めるとともに、実情をさらに深く理解するために、首長や地方議員の参考人招致を提案いたしました。また、我々野党が提出している政治資金規正法等の改正案などの早急な審議を求めましたが、与党は、一顧だにせず、拒否し続けたのであります。
 与党には、なれ合い、惰性の延長線上で失って久しい、国民の政治に対する信頼を回復しようとする覚悟が全く感じられないと断ぜざるを得ないのであります。
 このことは、まさに国民の期待を裏切る行為であります。自由党を初めとする我々野党は、断固として与党と対峙し、国民の期待に沿えるよう全力を尽くすことを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 大幡基夫君。
    〔大幡基夫君登壇〕
大幡基夫君 私は、日本共産党を代表して、野党四党共同提出のあっせん利得処罰法改正案に賛成し、与党案に反対する討論を行います。(拍手)
 政治と金をめぐる利権と腐敗を断ち切り、国民の政治不信を払拭することは、今国会の最重要課題であります。
 鈴木宗男衆議院議員をめぐる一連の疑惑、加藤紘一自民党元幹事長の疑惑、井上裕前参議院議長の疑惑など、この間明るみに出た腐敗疑惑のいずれも、政権政党の影響力を背景にして、公共事業など国民の税金を食い物にした、許しがたいものであります。
 ところが、自民党を変える、自民党を壊すと標榜してきた小泉総理は、疑惑の解明は本人の問題だと言い逃れ、与党三党は、自民党自身の問題でありながら、何らの自浄能力を示し得ないのであります。極めて異常かつ深刻な事態であります。
 国民の税金を食い物にして恥じない自民党政治の腐敗体質に国民は厳しい批判の目を向けています。一連の疑惑を徹底解明し、その政治的道義的責任を明らかにし、再発防止策をとることは、国会に課せられた当然の責務であります。その一つとして、野党四党は、あっせん利得処罰法を強化する抜本的改正案を提案したのであります。
 もともと、あっせん利得処罰法は、二年前の総選挙直後、公共事業や予算など国民の税金を食い物にする口きき政治を断ち切るために、野党四党が提起したものであります。ところが、与党側は、野党提案に耳をかさず、抜け穴だらけの現行法を成立させたのであります。
 当時の審議で私設秘書を対象にすることを全面拒否した与党が今回の法改正に踏み切らざるを得なかったことは、現行法が抜け穴だらけで実効がない法律であるという野党の指摘を与党自身が認めたものにほかなりません。ところが、今回の与党改正案は、私設秘書を対象に加えるのみであります。
 与党三党は、その提案理由で、「最近の国会議員の私設秘書等による一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受けとめ、政治に対する国民の信頼を回復する」と述べております。与党が本当に政治不信を重大に受けとめるというならば、なぜ、野党四党の抜本的改正案をまともに検討しないのでしょうか。
 野党改正案は、犯罪構成要件から請託や職務権限に係る規定を外し、対象を私設秘書だけでなく政治家の親族にまで広げ、第三者供賄の処罰規定を盛り込むなど、抜け穴すべて防いで、真に実効あるものに強化しようとするものであります。これこそが、国民の信頼を回復するための法改正であります。
 与党は、口ききの規制を強めると自由な政治活動が萎縮するなどと言います。しかし、国民の要求を政治に反映させることは当然のことであり、野党改正案が問題にしているのは、国民の要求を口ききして、利益を得る行為であります。与党がこれに反対するのは口ききに対する見返りを期待しているからにほかなりません。
 あっせん利得処罰法を真に実効あるものにする野党改正案を一顧だにせず、野党修正要求をも全面的に拒否する与党三党の態度を厳しく批判するものであります。
 最後に、今国会の残された会期、最優先でやるべきことは、政治と金をめぐる腐敗を断ち切ることであります。そのためには、鈴木宗男議員の証人喚問を実現し、国会自身が自浄能力を発揮することであり、野党提案の実効あるあっせん利得処罰法への抜本改正、加えて、公共事業受注企業からの政治献金を禁止するための政治資金規正法の改正が必要であります。
 以上を指摘して、私の討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 日森文尋君。
    〔日森文尋君登壇〕
日森文尋君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、野党共同提出案に賛成、与党案に反対の立場で討論を行います。(拍手)
 小泉総理が「聖域なき構造改革」を掲げ、自民党をぶっ壊すと言いながら、郵政選挙違反事件、加藤紘一自民党元幹事長秘書事件、あるいは井上前参議院議長の元秘書が逮捕される事件など、金まみれ・口きき政治が相変わらず横行し、国民の怒りは頂点に達しています。小泉総理は、政官業の癒着構造、利益誘導と金権腐敗体質にメスを入れる姿勢も覚悟もないということが、国民の共通認識になってきたのではないでしょうか。
 あっせん利得の禁止は、社会民主党の閣外協力解消の原因の一つにもなった重要なテーマであります。一貫して後ろ向きだった自民党は、二〇〇〇年の中尾元建設大臣の逮捕を受けて、ようやく法制化に乗り出したのが事実であります。
 このときの審議で、私たち野党側は、大物政治家の金庫番に私設秘書が多く、ダーティーな裏の仕事はむしろ私設にやらせている事例が多いことから、私設秘書を対象に加えることを強く求めてきました。しかし、与党は、審議の最中に私設秘書が融資に関する口きき事件で逮捕されたにもかかわらず、最後まで私設秘書を含むことを拒否いたしました。
 与党は、過去の過ちを今、率直に認めるべきではないでしょうか。しかも、今回、首長や地方議員の秘書は対象外にしたままです。国会議員の公設秘書も、私設秘書も危ないから、系列の自治体議員の秘書を抜け道にしようとでもいうのでしょうか。
 与党案は、犯罪対象が狭いことに加え、抜け道を許す現行法の問題点を多々引きずったままにしております。しかし、国民の期待は、法の抜け穴をふさぎ、実効ある手だてをとることにあります。私たちは誠意を持って与党に修正協議を求めましたが、かたくなに協議すら拒否するゼロ回答で、扉を閉ざされてしまいました。小手先の改正でお茶を濁そうとする与党の姿勢は極めて問題と言わなければなりません。
 事件が起こるたびに、罰則が強化されたり、新法が制定されたりいたしますが、それを超えてまた腐敗が生じるというイタチごっこに国民はもうあきれ返っているのが現状ではないでしょうか。
 最後に、小泉政権、与党三党に猛省を促し、将来、また再びあっせん利得処罰法の改正問題が議論されるような場当たり政治は国民の政治不信を増長するだけであることを指摘して、討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、岡田克也君外九名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
 次に、保利耕輔君外六名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案(内閣提出)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案(内閣提出)の趣旨説明
議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案について、趣旨の説明を求めます。経済産業大臣平沼赳夫君。
    〔国務大臣平沼赳夫君登壇〕
国務大臣(平沼赳夫君) 石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国のエネルギー供給の大宗を占める石油天然ガスは、国内供給のほぼ全量を輸入に依存しており、その安定的な供給を確保するため、自主開発油田・ガス田の確保と石油備蓄の増強が引き続き重要であります。
 しかしながら、石油公団が、これらを実施してきたこれまでの手法において、効率的な事業運営への要請に対する対応に迅速さ、的確さが欠けていた面があることは否定できません。そのため、今般の特殊法人等改革において、事業及び組織形態について抜本的な見直しを行うことが求められてきたところであります。
 こうした状況を踏まえ、昨年十二月に特殊法人等改革基本法に基づいて決定された特殊法人等整理合理化計画の着実な実施を図るため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、石油公団及び金属鉱業事業団の廃止等を円滑に実施するため、以下のような措置を講ずるものであります。
 第一に、この法律の公布の日において、石油公団の探鉱融資業務等を廃止するとともに、開発事業資産の管理・処分の業務を新たに加えることといたします。同公団の事業計画を経済産業大臣が認可する際には、当該業務に関する部分について、あらかじめ、内閣総理大臣に協議するとともに、総合資源エネルギー調査会の意見を聞くことといたします。
 第二に、この法律の公布の日から一年八カ月以内に、現在石油公団が行っている国家備蓄を国の直轄事業として行うことといたします。
 第三に、この法律の公布の日から一年九カ月以内に、金属鉱業事業団を廃止することとし、同事業団の権利及び義務は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に承継することといたします。また、石油公団の業務のうち、石油開発技術指導、国家備蓄管理等の業務を同機構に移管し、これらに関する権利及び義務を同機構に承継することといたします。その際、石油公団の業務を資産の管理・処分業務に縮小し、臨時の業務として、既に同公団が締結している契約に係る出資及び債務保証を行うことといたします。
 第四に、この法律の公布の日から三年以内に、石油公団を廃止し、その権利及び義務を国及び別に法律で定める株式会社に承継することといたします。また、当該株式会社をできるだけ早期に民営化するため、必要な措置を講ずることといたします。
 引き続きまして、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 今般の特殊法人等改革において、石油公団及び金属鉱業事業団の事業及び組織形態については抜本的な見直しを行うことが求められてきたところでありますが、石油天然ガス及び金属鉱産物の安定的な供給を確保するための必要な事業等は引き続き実施していくことが重要であります。
 本法律案は、石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案に基づき金属鉱業事業団が解散し、石油公団がその業務の一部を廃止することに伴い、それらの業務並びに権利及び義務を承継する独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構を設立するため、必要な規定を整備するものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、石油天然ガスの探鉱等及び金属鉱物の探鉱に必要な資金の出資と債務の保証、それらの鉱物資源に係る技術の実証及び指導、国が備蓄を行っている石油及びその備蓄施設の管理の受託、金属鉱産物の備蓄、金属鉱業の鉱害の防止等の業務を行うことといたします。なお、石油等の開発に係る債務保証については、債務保証のための信用基金を設け、これに基づき一定の限度を設けることといたします。
 第二に、本機構はこの法律の公布の日から一年九カ月以内に設立することといたします。
 第三に、本機構設立後、石油公団が廃止されるまでの間は、同公団の既存契約に係る出資・債務保証については、同公団の臨時の業務として行われるため、本機構の出資・債務保証業務の対象としないことといたします。
 以上が、これら法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案(内閣提出)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山田敏雅君。
    〔山田敏雅君登壇〕
山田敏雅君 民主党の山田敏雅でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表しまして、ただいま議題となりました本法案について質問いたします。(拍手)
 質問に入ります前に、一言、私の意見を申し述べたいと思います。
 私は、広島県の出身でございます。私の親戚、知り合い、原爆で被爆された方が身近におられます。小さいころから、その体験を聞かされてまいりました。八月六日には、あの原爆が投下されたその場所、その時間において、数万人の方と一緒に集います。心から世界平和を願うものであります。
 しかし、今般の福田官房長官の発言は、私たちの、本当に日本が世界平和を追求する唯一の原爆体験国である、この国家としてのアイデンティティーを踏みにじるものであります。
 福田長官は反省されているようですけれども、しかし、これから、我が国の外交政策上、こんなことで本当にいいのでしょうか。私は、辞任をもって責任をとられるのが一番適当であると考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。(拍手)
 さて、行政改革についてお尋ねいたします。
 私のもとに、内部告発がございました。ある公団で働いていらっしゃった方でございますが、若い方で、既にこの公団を退社されました。この方の内部告発によりますと、この公団の理事の方、幹部の方の働きぶりについてでございます。
 この公団の理事の方は、朝十一時に出社されます。一時間、新聞を読んで、昼になると二時間から三時間、昼休みをとられます。三時ごろ、会社に帰ってこられて、一時間、夕刊を読んで、四時に退社されます。この理事の方の年収は二千数百万円、三年間いると三千万円の退職金。
 このような理事の方が数百人、数千人いらっしゃいます。国民の常識からいうと、二千数百万円の年収というのは、普通の中小企業の社長でも取ることはできません。もし、二千数百万円の年収を取られるのであれば、相当の才能があって、本当に死に物狂いで働く方でないと、会社はその年収を払うことはできません。
 では、この多くの理事のこの勤務状況は一体どうして生まれたのでしょうか。もし、監督官庁が働いているのであれば、直ちにこの理事は首であります。なぜ、首にならないのでしょうか。
 私は、通産省で働いておりました。今回の石油公団のトップの方にも、私がお世話になった先輩の方がいらっしゃいます。もし、私が通産省のこの監督の責任者であって、この方たちに、あなたたちは働かないからきょうから首だ、そんなことは決して言うことはできません。それは、七十七の特殊法人すべての監督官庁に言えることではないでしょうか。
 今回の石油公団の三十五年間に行われたことを細かく見れば見るほど、余りにもずさん、余りにもいいかげん、国民の税金を本当に湯水のように使った、これを見ることができます。
 そこで、平沼大臣、お伺いいたします。
 このような、役所のOBが天下って公団、特殊法人の幹部にいる場合、法律上、これは所管官庁が監督するのですが、制度上、法律上はあるけれども、実態上、ワークしたためしがない。このことについて、平沼大臣、国民の代表である政治家として御意見を聞かせていただきたいと思います。
 福田官房長官、これから改革を進められるその責任者として、この同じ質問にお答えいただきたいと思います。
 さて、片山大臣、去年の十二月、特殊法人等整理合理化計画が発表されました。ほとんどの特殊法人は独立行政法人になるというのがございます。きょう現在、五十七の法人が独立行政法人に変わりました。
 しかし、この独立行政法人、皆さん御存じのとおり、完全な焼け太りでございます。役員ポストの数が大体倍ぐらいにふえました。この五十七を数えてみましたけれども、役員ポストが百ふえました。そして、九百人の人員が増員になりました。これは行政改革と言えるのでしょうか。
 この独立行政法人の致命的な欠陥は、独立行政法人にして経営責任を持たせる、すなわち、あなたに任せます、そのかわり第三者評価委員会で経営責任を追及しますということです。しかし、今、この五十七の法人を見ましたように、任せられた法人は、役員の数をふやします、人員の数をふやします。そして、監視すべき第三者評価委員会は、実質上、役所が指名したメンバーでございますので、本当に経営責任を追及する立場にはありません。
 片山総務大臣、このまま小泉改革がどんどん進んで、今回の石油公団もそうですが、独立行政法人がどんどんふえていったら、一体、我が国の行政改革はどうなるのでしょうか。正確にお答えいただきたいと思います。
 次に、石油公団について質問いたします。
 ここに、石油元売大手の幹部の意見があります。こういうふうにおっしゃっています。この石油公団は「役人の天下りだけのための存在で、設立の目的を果たしていないのだから、廃止の声が上がるのもやむを得ない」。また、石油連盟の岡部敬一郎会長は、最近の会見で、「公団的機能は終わったのかもしれない」、こう発言されております。
 石油業界、この身内の中から、何でこんな冷たい意見が出るのでしょうか。それは、中にいる人たちが、この石油公団がやってきた三十五年間を見て、これは国民の血税のむだ遣いと天下りの道具でしかなかった、こう思っていらっしゃるからではないでしょうか。
 一体、石油公団の設立の目的と国策は何だったのでしょうか。三十五年前、メジャーに支配された石油、これを自主開発して、そして日の丸原油を三〇%まで上げよう、これがナショナルセキュリティーだ、この目的であったはずであります。二兆円の資金が投入されました。その結果、一兆四千億円が不良債権化し、海の藻くずになりました。その結果、中東依存度は八七%、過去最高の中東依存度になりました。これは、この法律、この公団の目的そのものと反対の方向に結果がなったのではないでしょうか。
 自主開発についてお尋ねします。
 一二、三%の自主開発原油が入っているということになっておりますが、その中身はほとんどが中東からであります。一体、最初の目的はどこに行ったのでしょうか。そして、その中で最も生産量の多いジャパン石油開発、これは生産しているにもかかわらず、三千二百億円の赤字を持っています。
 これは極めて単純なことであります。当初、相手国政府との交渉で、二五%の権益を差し上げます、こういう約束で発足いたしました。しかし、いつの間にか、相手国政府の権益が六〇%になりました。したがって、我が国のシェアは一二%。数千億円の資金をかけて、一二%しかもらえない。しかも、その上に、高いロイヤルティーを請求されました。したがって、この最大の自主原油の産出会社でありますジャパン石油開発は、このような膨大な赤字をつくってしまいました。
 石油ショック以降、産油国の態度は変わりました。産油国の中で産出する石油については国有化しよう、こういう考えのもとで行われております。このようなわずかな、そして二兆円もかけた自主開発油田から、本当に石油危機が起こったときに我が国に石油が来るということは、可能性としてはほとんどないと思います。明確に言えば、この自主開発は完全に失敗であります。
 平沼大臣、今、この法律を読み上げられました。自主開発は必要である、こういう御意見であります。私が今言いましたこの自主開発の実情についてよく理解していただいて、なぜ自主開発が必要なのか、国民の皆さんにわかりやすい言葉で、明確に御説明いただきたいと思います。
 最後に、国家エネルギー戦略でございます。
 御存じのように、我が国は、間もなく、京都議定書を批准いたします。この京都議定書は、参加国の中で日本が最も不利な条件をつけられております。専門家の意見を聞けば聞くほど、この京都議定書の達成は不可能であるということがわかってまいります。
 その結果、我が国は、排出権取引において、数兆円のお金を払わなければいけない。国民に新たな負担を強いるわけであります。今後の環境エネルギー政策、この自主開発で本当にいいのでしょうか。平沼大臣、お答えいただきたいと思います。
 私は、今後のエネルギー政策は、エネルギー政策と呼ばないで、環境エネルギー政策と呼ぶべき時代に入ったと思います。(拍手)
 私の持論は、七千万台の日本の自動車、これを、排気ガスのない国にしよう、すなわち、電気自動車で置きかえるべきだと思います。石油の埋蔵量は、あと四十年で枯渇すると言われております。枯渇しないでも、四十年で需給が非常にタイトになります。遅かれ早かれ、石油を使わない車を使わないといけない時代が来る。それであるならば、世界に先駆けて、バッテリーとモーターだけで走る電気自動車を我が国で普及させるべきではないでしょうか。しかも、バッテリーとモーターは、日本が世界で最高の技術を持っています。これを量産化すれば、新しい産業として世界に輸出することができます。
 それだけではなく、この電気自動車は、深夜に充電いたします。御存じのように、四〇%近い原子力発電は、二十四時間、発電しております。この深夜に充電することによって、総エネルギー効率が二五%上がります。石油の原油の輸入量を大幅に減らすことができます。石油公団がやったことよりもはるかに効率的に、ナショナルセキュリティーを達成することができます。
 私の試算では、一千億円で数十万台の電気自動車を普及させることができます。数十万台の規模であれば、今考えられるバッテリー、モーターが大幅にコストダウンを図れ、その後、経済的に見合うマーケットを創出することができます。
 これは、平沼大臣に私は委員会で二回ほど御提案いたしました。きょうは、本会議でこの点についてお答えいただきたいと思います。
 最後に、石油公団は、直ちに、きょう、全面的に廃止すべきものだと思います。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣福田康夫君登壇〕
国務大臣(福田康夫君) 山田議員にお答えします。
 公団等特殊法人の失敗と天下りについてのお尋ねがございました。
 特殊法人については、かねてより、経営責任の不明確性、事業運営の非効率性、不透明性、組織、業務の自己増殖性、経営の自律性の欠如等の問題が指摘されていたことから、今般、民間にできることは民間にゆだねるとの基本原則に基づき、徹底した見直しを行い、昨年十二月に、特殊法人等整理合理化計画を作成したところでございます。
 他方、特殊法人等への公務員の再就職につきましては、国民の批判と関心の対象となっていることを十分踏まえ、特殊法人等整理合理化計画及び公務員制度改革大綱において、役員退職金の大幅削減、役員給与の削減を行う、内閣が、役員の人事及び処遇のあり方について、透明で客観的なルールを定めて公表するとともに、各府省に対する監督体制を強化する、法人の子会社等への再就職を含め、再就職状況等に関する情報公開を徹底するなど、厳しい措置を定めたところであります。
 次に、石油公団に続く道路公団等の改革の明確なスケジュールについてお尋ねがございました。
 道路四公団の改革については、現在、道路四公団民営化推進委員会設置法案を参議院において鋭意御審議いただいており、法案成立後、速やかに委員会を立ち上げたいと考えております。
 また、政府系金融機関については、公的金融の対象分野、規模、組織の見直しを行うために、既に経済財政諮問会議において検討を開始しているところであり、年内には結論を得るよう努力してまいります。
 都市基盤整備公団を含め、その他の特殊法人等につきましても、組織形態について、原則として今年度中に法制上の措置その他必要な措置を講じ、平成十五年度には具体化を図ることとしており、各府省においてその準備作業を鋭意進めているところであります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣平沼赳夫君登壇〕
国務大臣(平沼赳夫君) 山田先生にお答えさせていただきます。
 まず、天下りの問題、その御指摘がございました。そして、内部告発によって、大変怠慢な勤務状況だ、こういう御指摘がございました。
 私どもは、そういう事実というのは承知しておりませんけれども、もし、そういうことが事実であれば、ゆゆしき問題でございます。早速、そういうことを調査させていただいて、監督責任者として私は適切な措置を講じなければならない、こういうふうに思います。(拍手)
 それから、現在の石油公団には、当省の役員というのが三名おります。これはいずれも、その知識、経験、そういった知見を生かして一生懸命働いてくれる、こういうふうに思っております。
 そして、天下り全般に関しましては、今、官房長官から答弁がございましたけれども、そういった大前提に従いまして、国民の皆様方の不信を招かないように、私どもも全力を尽くして頑張らせていただきたい、このように思っております。
 それから、自主開発について国民の皆様方にわかりやすく説明しろ、こういうことであります。
 言うまでもなく、日本は資源小国であります。そして、お互いに経験した七三年のオイルショック、このときに、国は危急存亡のふちに立たされました。そういう中で、国のいわゆる行政だけでなくて、民間からも、国民の皆様方の中からも、ほうはいとして、やはり自主的に石油を開発して安定的な供給を維持しよう、こういうことに基づいて自主開発が進みました。
 確かに、御指摘のように、ジャパン石油開発、ここは現時点では大変な累積の赤字が出ております。これは、一つは、今御指摘のように、いわゆる権益の比率が変わった、こういうことは事実であります。七三年のオイルショックのときに、特に昭和四十九年以降、産油国が自分のところの権益を高める、こういう政策をとったために、残念ながら、私どもの分が二五から一二に減ったということは事実です。
 しかし、七三年、あのオイルショックのときも、そして、その後のオイルショックのときも、自主開発の石油というのは安定的に供給されてきていることは事実でありまして、今、ジャパン石油開発は自主開発分の三八%を安定的に供給されているわけであります。
 したがいまして、これは国民の皆様方の税金ですから、その管理はしっかりとしなければなりませんけれども、私はやはり、長期的に見て、日本の国家百年のエネルギー政策、こういうことを考えたときに、厳しいわけでありますけれども、自主開発というものを国民の皆様方の御理解をいただいてやっていかなければならない、そういう意味で、今回の法律の改正もお願いしたところでございます。
 また、京都議定書についてのお尋ねがございました。
 京都議定書の目標を達成するために、温暖化対策に当たっては、過度な負担を回避しまして、その負担も公平なものとなるように留意するとともに、国民経済や雇用等へ及ぼす影響等を十分に踏まえまして、やはり環境と経済の両立を目指すことを私は基本とすべきだと思っています。
 私といたしましても、現下の厳しい経済状況にかんがみまして、技術革新や経済界の創意工夫が生かされる自主的な取り組みを対策の中心に据えまして、温室効果ガス削減への取り組みが我が国の経済活性化につながるように積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
 資源に乏しい我が国が持続的に発展していくためには、国民生活や産業活動の基盤であるエネルギーを安定的に供給することは、極めて重要な課題だと思っております。また、それとともに地球温暖化を防止するためにも、エネルギー問題について国を挙げて取り組んでいくべきものと考えています。
 このため、今後のエネルギー政策といたしましては、効率性にも配慮しつつ、安定供給と環境保全の同時達成を可能とするような環境調和型エネルギー需給構造の実現を目指して、戦略的に対応していかなければならないと思っています。
 七三年のオイルショックのときに、日本は、技術革新によって、そして今、例えば産業サイドでは、省エネルギーというものが世界でもトップの位置にあるわけであります。したがいまして、これからも、新しい企業を生み出す、あるいは雇用を創出する、そういう意味で、マイナスにとらえられておりますこういう環境問題をやはりプラスの成長エンジンにするように、私どもは、大きくそのところを伸ばし、そして、エネルギーと環境の両立を図っていかなければならないと思っております。
 最後に、私が申し上げたい、電気自動車、未来の自動車のことについてお触れいただきました。
 これは、小泉総理も、やはりこれからは省エネルギー、そしてCO2の排出量の少ない、そういう新しい自動車を導入しなければならない、こういうことで、まず隗より始めよ、こういうことで役所からその導入を促進しております。私もハイブリッドカーの第一号を使わせていただいておりまして、これはまだエンジンとバッテリーの両用でございます。
 しかし、山田議員も御指摘のように、日本はそういった分野で非常に先進的な国でございまして、これから、燃料電池を含めて、そういう電気自動車、環境に優しい自動車を大宗のものにしていかなければならない。このことはおっしゃるとおりでございますので、私も、経済産業大臣として、この件については全力でこれからあらゆる角度から検討させていただいて一生懸命努力したい、このように思っているわけであります。
 もう一つは、中東依存度の件についてお話がございました。
 これは、やはりエネルギーの安定供給のために、一カ所に偏ることなく分散すべきだ、こういうことで、中国でございますとかインドネシア、そういったところに自主開発を求めてやりました。しかし、中国自体が経済化を遂げて、そして、中国の消費量がふえる、インドネシアも同様なことになる、そういう中で、残念ながら、中東の依存度が御指摘のようなことに相なっております。
 そういう意味では、私どもは、エネルギーの安定供給のために、石油だけに依存することなく、幅広いエネルギーというものを利用していかなきゃいけない、こういう形で、かつては七〇%を超える石油依存度が今五〇%になっている、こういうことによって、石油以外にも、そして御指摘の新しいそういうエネルギーも含めて、石油そしてエネルギーの安定供給を図っていかなければならない、このように思っている次第でございます。
 以上で、お答えを終わらせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣片山虎之助君登壇〕
国務大臣(片山虎之助君) 山田議員の御質問にお答えいたします。
 独立行政法人の役員等についてのお尋ねでございます。
 独立行政法人は、それまで国の機関でありましたものがまさに独立して一つの法人になるわけでありまして、その役員数は、それぞれの個別法の根拠で、国会が御承認された法律に基づいて置かれたわけであります。
 一つの世帯を張るわけでありますから、理事長、理事、監事はどうしても要るわけでございまして、国の機関より役員の数がふえるということは、それはやむを得ない、こういうふうに思っておりますが、今後は、政策評価というのが行われますので、各府省に独立行政法人評価委員会というのが置かれます。これが業績評価をやりまして、業績が上がらない場合には役員の数を減らすとか役員をかえるとか、そういうことを行うわけでありますし、全体をまとめる私どもの方の委員会もその調整を加える、こういうことでございますので、ぜひその辺は御理解を賜りたい。
 また、今後、特殊法人から独立行政法人に変わるものにつきましては、これは、合理化計画で、必要最小限度にするということを決めておりますので、独立行政法人化する場合に、行政改革事務局とも連携をとりながら、私どもの方で十分査定してまいりたい、チェックしてまいりたい、こういうふうに考えておりますので、よろしく御理解を賜りたい。(拍手)
議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十二分散会


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