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第46号 平成14年7月9日(火曜日)

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平成十四年七月九日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十七号
  平成十四年七月九日
    午後一時開議
 第一 日本郵政公社法案(内閣提出)
 第二 日本郵政公社法施行法案(内閣提出)
 第三 民間事業者による信書の送達に関する法律案(内閣提出)
 第四 民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日程第一 日本郵政公社法案(内閣提出)
 日程第二 日本郵政公社法施行法案(内閣提出)
 日程第三 民間事業者による信書の送達に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)


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    午後一時三分開議
議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 日本郵政公社法案(内閣提出)
 日程第二 日本郵政公社法施行法案(内閣提出)
 日程第三 民間事業者による信書の送達に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
議長(綿貫民輔君) 日程第一、日本郵政公社法案、日程第二、日本郵政公社法施行法案、日程第三、民間事業者による信書の送達に関する法律案、日程第四、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。総務委員長平林鴻三君。
    ―――――――――――――
 日本郵政公社法案及び同報告書
 日本郵政公社法施行法案及び同報告書
 民間事業者による信書の送達に関する法律案及び同報告書
 民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔平林鴻三君登壇〕
平林鴻三君 ただいま議題となりました日本郵政公社法案外三法案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、各法案の要旨について申し上げます。
 最初に、日本郵政公社法案は、中央省庁等改革基本法第三十三条第一項の規定に基づき、郵政事業を一体的に経営する国営の新たな公社として、日本郵政公社を設立しようとするもので、その主な内容について申し上げますと、
 第一に、公社は、独立採算制のもと、信書及び小包の送達の役務、簡易で確実な貯蓄、送金及び債権債務の決済の手段並びに簡易に利用できる生命保険を提供する業務等を総合的かつ効率的に行うことを目的とすることとしております。
 第二に、公社に、役員として総裁、副総裁、理事及び監事を置くとともに、総裁、副総裁及び理事で組織される理事会を置くこととしております。
 第三に、公社は、郵便、郵便貯金、簡易生命保険等の業務を行うとともに、郵便等の業務を行うため郵便局を設置しなければならないこととしております。
 このほか、中期経営目標等の作成、財務・会計、人事管理等について所要の規定を設けることとしております。
 次に、日本郵政公社法施行法案は、日本郵政公社法を施行するため、日本郵政公社の設立の準備に関する事項その他の同法の施行のための措置を定めるとともに、同法の施行に伴う関係法律の規定の整備等を行おうとするものであります。
 次に、民間事業者による信書の送達に関する法律案は、信書の送達の役務について、利用者の選択の機会の拡大を図る観点から、信書便の役務を他人の需要に応ずるために提供する事業として、「一般信書便事業」及び「特定信書便事業」の二つの事業類型を設け、それぞれの事業を営もうとする者は総務大臣の許可を受けなければならないものとし、これらの者が信書便物の送達を行う場合には郵便法第五条第二項の規定は適用しないこととするほか、許可の基準、料金の届け出制等、所要の規定を設けようとするものであります。
 次に、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴い、関係法律の規定の整備等を行おうとするものであります。
 以上の四法案は、五月二十一日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、五月三十日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取し、六月四日から四法案を一括して質疑に入り、小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取したほか、北海道及び熊本県において、いわゆる地方公聴会を開催するなど、熱心かつ慎重に審査を重ねてまいりました。
 七月三日、日本郵政公社法案及び日本郵政公社法施行法案に対し、自由民主党、公明党及び保守党の三会派共同提案により、郵便局のあまねく全国における設置の明記、出資に関する規定の追加、公社の経営の健全性を確保する見地から、その経営に支障が生じないよう積立金増加額の一部を国に納付すること等を内容とする修正案が提出され、翌四日趣旨の説明を聴取した後、質疑を行いました。
 かくて、五日、再度、小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、質疑を終局いたしました。
 次いで、討論に入り、自由民主党、公明党及び保守党を代表して山名靖英君から、郵政公社関連二法案の原案及び修正案並びに信書便関連二法案に賛成、民主党・無所属クラブの荒井聰君及び自由党の黄川田徹君から、郵政公社関連二法案の原案に賛成、修正案に反対、信書便関連二法案に反対、日本共産党の矢島恒夫君から、各案に反対、社会民主党・市民連合の重野安正君から、郵政公社関連二法案の原案及び修正案に賛成、信書便関連二法案に反対の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、順次、各案について採決いたしました結果、郵政公社関連二法案は、それぞれ賛成多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決し、信書便関連二法案は、それぞれ賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、各法案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 四案につき討論の通告があります。順次これを許します。中村哲治君。
    〔中村哲治君登壇〕
中村哲治君 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、政府提出に係る日本郵政公社法案及び同施行法案の原案に賛成、与党による委員会提出の日本郵政公社法案及び同施行法案に対する修正案には反対、民間事業者による信書の送達に関する法律案及び同施行法案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、与党提出の郵政公社関連の修正案について申し述べます。
 本修正案の提出に至るまでの過程は、小泉総理と自民党郵政族によって行われた、全くの猿芝居でした。国民のことも、日夜懸命に働く郵政職員のことも完全に無視し、ひたすらにみずからの選挙とメンツのことばかりを考えたこの三文芝居に多くの国民があきれ、政治に対する不信感をまたもや増大させました。
 仮に修正を行うのであれば、高祖事件を機に国民の不信感が高まった特定郵便局制度や渡切費の改革にこそ取り組むべきでした。しかし、このような国民の期待にこたえようとする決意は、官邸からも与党からも全くうかがえませんでした。
 修正案の内容についても疑問が残ります。
 特に出資条項については、やはり郵政公社の将来像を定めてから付与すべきものです。公社の経営環境を十分に検証しないまま出資を認めることは、官僚の裁量範囲や天下りの拡大につながりかねません。出資条項の追加に、経営の効率性を高めるとの理由がついていますが、仮にそれが本意であれば、まず膨大な管理組織や郵政監察官の見直しが行われるべきです。それを抜きにした安易な現業職員のリストラなどあり得ません。
 以上のように、本修正案の提出経緯及び内容については疑問があり、私たちは反対をいたします。
 次に、日本郵政公社法案についてです。
 本法案は、橋本内閣時に成立した中央省庁等改革基本法の規定に忠実に沿ったものです。その意味では、小泉総理の政治的意思は全く反映しておりません。民主党は、基本的には公社化に対して賛成の立場です。その上で、郵便局ネットワークの維持、郵政職員の雇用の安定など、公社化における原則を党として取りまとめてまいりました。政府提出に係る原案は、若干疑問な点が残るものの、私たちのまとめた原則と大枠では一致しており、賛成の立場であります。
 次に、信書便法案についてです。
 本法案は、政府が冷蔵庫にラブレターを書いた場合も信書に当たると答弁するなど、その名称である信書の範囲さえあいまいという法案でございます。その結果、参入を検討する民間の事業者からも、いわゆる抵抗勢力からも批判を受ける結果となりました。
 また、同法案は、総務省の許認可によってがんじがらめに民間を縛る内容となっており、最も参入に近いと言われていた大手宅配便業者でさえ、既に、一般信書便事業には到底参入できないとの見解を示しております。法案の第一条に明記されている「利用者の選択の機会の拡大を図り」という目的が達成されないことは明らかです。
 総理は、何度も、法案が成立すれば民間事業者が参入できることがわかると繰り返してまいりました。しかし、現段階に至っても、その気配は全く見えてまいりません。
 このように、改革、改革と大ぼらを吹きながら国民を惑わす小泉総理の振る舞いは、全く国民を欺くものだと言えます。よって、信書便法案及び同施行法案については反対をいたします。
 小泉総理は、道路公団改革についても、結局は、第三者委員会の人事問題へと矮小化させました。国債三十兆円枠も、隠れ借金でごまかしました。十年来の持論であり、自民党をぶっつぶしてでも敢行するとまで叫んできた郵政改革でさえ、結局は、郵政族と官僚に振り回される始末です。みずからの足元の自民党すら十分にまとめられず、大山鳴動ネズミ一匹を繰り返す小泉総理には、構造改革などできるはずがありません。
 総理自身が、みずからの資質を改めて振り返り、その任にあるかどうかを深く自問自答されることを切望しつつ、私の討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 伊藤信太郎君。
    〔伊藤信太郎君登壇〕
伊藤信太郎君 自由民主党の伊藤信太郎です。
 私は、自由民主党、公明党及び保守党を代表して、ただいま議題となっております郵政公社関連四法案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 もとより、郵政事業は、憲法に保障された国民の生活、権利の確保に必要不可欠な、公共性の極めて高い事業であります。このことを十分にかんがみて、今回の討論を行うものであります。
 郵便事業は、英国のローランド・ヒル卿が発明したポスト投函を用い、全国均一料金を基本としており、江戸時代には飛脚しかなかった我が国にだれもが利用できる郵便制度を取り入れた前島密翁が明治四年に採用したものであります。
 明治維新の先哲が近代国家の社会基盤づくりにいかに努力したかは、慶応義塾創立者の福沢諭吉全集緒言によっても伝えられています。このことは、郵便制度の持つ公共的性格を強く物語っています。
 以来、郵便事業は、ユニバーサルサービス、すなわち、全国あまねく均一料金で集配、配達するサービスの確保というその精神を今日に至るまで維持、実践して、円滑な国民生活、経済活動の確保に大きな存在感を示しています。
 日本郵政公社法案及び日本郵政公社法施行法案は、中央省庁等改革基本法に基づき、郵政三事業を一体的に経営する国営の新たな公社として、日本郵政公社を設立するものであります。
 これにより、郵便、郵便貯金、簡易保険など、国民の生活基礎サービスを郵便局ネットワークを活用して全国あまねく提供するという郵政事業の意義は維持しながらも、予算の国会議決等の事前管理から中期目標管理による事後評価に移行するなど、独立採算制のもと、郵政事業の自律的かつ弾力的な経営を可能とするものであります。これにより、引き続き全国公平なサービスの提供を確保しつつ、より一層、質の高いサービスを国民が利用できるようにするものであります。
 次に、民間事業者による信書の送達に関する法律案及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてであります。
 今日まで、郵便事業は、ユニバーサルサービスを確保するために、信書の送達を独占としてまいりました。このような郵便事業に対する民間参入のあり方については、平成十年、中央省庁等改革基本法において、政府は、郵便事業への民間事業者の参入について、その具体的な検討に入るものとすると規定され、平成十二年の行政改革大綱において、民間参入について公社化にあわせて実現するとされており、それを受け、法案が提出されたものであります。
 賛成する理由の第一は、郵便事業への民間参入に当たっては、郵便のユニバーサルサービスを確保しつつ、競争導入により利用者の選択の拡大や料金の低廉化を図ることとしている点であります。
 具体的には、クリームスキミング、いわゆるいいとこ取り防止のための条件つきで、全国全面参入を行う一般信書便事業、及び創意工夫を凝らした高い付加価値サービスなどの特殊な需要に応ずるための特定信書便事業を設け、ユニバーサルサービスと競争導入の成果のバランスを図っております。
 第二に、郵便事業においては、郵便法の規定により、憲法上保障された信書の秘密が確保されることとなっておりますが、民間事業者が信書の送達の事業を行う場合についても、同様に、信書の秘密が確保され、利用者保護が十分図られています。
 具体的には、郵便事業に従事する者が信書の秘密を侵した場合には加重された罰則が科されることと同様に、信書便事業に従事する者が信書の秘密を侵した場合にも罰則が科されるとともに、信書便管理規程を通じて適切な業務運営が確保される等、信書の秘密の確保が図られています。
 第三に、これまでいろいろ議論のあった信書の定義について、確立した判例に従い法律に定義規定が置かれたことは、信書の秘密及びユニバーサルサービスの確保がより一層図られることとなった点であります。そして、この法律の定義に基づき総務省において作成されるガイドラインにより、信書に該当するか否かの判断が容易となる手法が示されたことについても評価できます。
 次に、総務委員会における与党三党提出の修正案について申し上げます。
 この修正案では、郵便局のあまねく全国における設置を明記するとともに、郵便事業への民間参入を踏まえ、郵政公社の経営に自由度を付与する観点から、郵便の業務に密接に関連する事業を行う者への出資規定を追加し、国庫納付金については、郵政公社の経営の健全性をより確実にする観点から、中期経営計画の期間中の積立金の増加額の一部を納めることに改めています。
 これらの修正は、郵政のユニバーサルサービスを確保するとともに、国民に不可欠なサービスを提供する郵便局ネットワークを引き続き維持するために必要なものであり、適切かつ妥当なものであると考えます。
 以上のように、郵政公社は、引き続きユニバーサルサービスの提供を確保しつつ、より一層、質の高いサービスを国民に御享受いただけるようにするものであります。
 平成十五年四月一日の設立に向け、一日も早くこれらの法案が成立することを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 黄川田徹君。
    〔黄川田徹君登壇〕
黄川田徹君 自由党の黄川田徹であります。
 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました郵政関連四法案に対して反対の討論を行います。(拍手)
 これら四法案は、小泉総理が言うような郵政民営化を推進するものだとは、だれも思っておりません。口では郵政民営化を進めると言いながら、実際には、目先をごまかすだけで、実態は何も変わらない。小泉改革茶番劇そのものであります。
 小泉総理にとっては、内容はなくても法案を通したという名をとる、自民党は、小泉総理の顔だけは立てて、法案は通したが中身は何も変わらないという実をとる、それが政府の四法案提出から自民党の修正案提出に至るてんまつの真相であって、まるでかけ合い漫才を見ているようであります。これが改革とは、あきれるばかりであります。
 自由党は、対案として、郵政事業改革基本法案をこの国会に提出いたしました。郵政三事業をそれぞれに分離した上で、郵便貯金と簡易保険事業は十二年後までに完全民営化し、郵便局については、住民に身近な地域社会のサービス拠点と位置づけ、郵便の役務を日本全国あまねく公平に提供する体制を整備するという考え方であります。
 小泉総理は、国会答弁で、自由党案に対して、十二年後の将来を話せというならいろいろなことが言えると批判されましたが、我が党の案は、四年先なり八年先の民営化を目指しながら、どんなに遅くとも十二年後には完全民営化しているというゴールの姿を明示しております。空念仏に等しい小泉改革とは月とスッポンほどの開きがあると言わなければなりません。
 そもそも、郵政民営化がなぜ必要なのか、どう進めていくのかを、総理は明らかにしておりません。民営化の理念も哲学もないから、国会答弁では、ダイレクトメールは信書だがチラシは違うとか、クレジットカードや地域振興券は例外だとか、枝葉末節の議論ばかり繰り返したのであります。
 自由党が提出した基本法案が明瞭に示しているように、郵便貯金と簡易保険の民営化こそが、郵政事業改革のまさに本丸なのであります。郵便貯金、簡易保険を民営化することは、日本の経済構造を改革することそのものであり、自由で公正で開かれた市場経済を発展させるために必要にして不可欠な措置であります。
 また、国民の貴重な資産である郵貯、簡保を破綻から守るためにも、資金運用のノウハウに乏しい官僚主導から脱却し、民間金融機関並みの効率的な資金運用にしなければなりません。ところが、政府は、その一番肝心の郵便貯金と簡易保険の民営化について、何も触れておりません。そこにメスを入れない小泉総理の改革は、看板だけの、にせものであると言わなければなりません。
 また、郵便事業は、たとえそれが赤字になることがあっても、国が責任を持って維持しなければならない性格のものであります。どんな離島、僻地にも確実に信書を配達しなければならない公共性の強い郵便事業については、民間のコスト主義に任せるわけにはいかないのであります。
 政府案は、民間の参入を認めると言いながら、郵便事業を将来どうするのかというビジョンも見識も見られません。ましてや、自由党の対案のように、全国津々浦々に存在する郵便局を、地域住民に最も身近なサービス拠点として有効に活用し、さらに発展させていこうという発想は全くありません。
 我々は、民営化の準備、一つのプロセスとして、郵政三事業を公社化することを否定するものではありません。しかしながら、公社化は、あくまでも、郵便貯金と簡易保険を十二年後までに完全民営化することを前提とした措置でなければならないと考えます。
 この見地から、自由党は、総務委員会において、政府原案の日本郵政公社法案及び同施行法案には賛成いたしました。しかし、委員会では、与党側から、郵便局をあまねく全国に設置しなければならないこと、出資に関する規定を追加することなどの修正案が提出され、自由党はこれに反対いたしました。
 私たち自由党は、郵便の役務を日本全国あまねく公平に提供する体制を整備することは必要であると考えますが、そのことと郵便局をあまねく全国に設置することとは、似て非なるものであります。この規定は、郵便局の整理合理化など郵便ネットワークの合理的な整備に逆行するばかりでなく、それを根拠にして、利権の温床である特定郵便局をあまねく全国に設置することが可能になります。また、郵政公社に出資を認める修正を行ったことは、子会社や孫会社を好き放題につくり、天下り先をふやすなど、公社の焼け太りの道を開くものであります。
 まさに、民営化どころか、郵政公社を将来にわたり固定化し、官僚支配を続けようという試みにほかなりません。冒頭申し上げた、平成元禄小泉芝居、談合政治の極致であります。郵政公社化に関する政府原案にこうした修正が行われた以上、修正部分を含む政府案には反対せざるを得ません。
 以上、四法案に反対の理由を申し上げますとともに、我が自由党は、我が国の市場経済を健全に発展させる一方、住民の利便の維持、増進を図るための郵政事業改革を積極的に推進してまいることを申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 春名直章君。
    〔春名直章君登壇〕
春名直章君 私は、日本共産党を代表して、郵政関連四法案に反対の討論を行います。(拍手)
 まず、信書便法案であります。
 郵便法第一条は、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供すること」、すなわち、ユニバーサルサービスを国民に保障することを国の責務としております。
 過疎地にもポストを立て、その一つ一つから郵便物を収集し、離島も含む日本全国どこにでも配達する郵便事業は、そもそも、営利追求の事業とは性格を根本から異にしています。一種、二種の収入で三種、四種の政策減免を支え、大都市の収入で過疎地、地方の赤字を相殺するなど、国の事業だからこそ郵便事業のユニバーサルサービスが成り立っている現実を直視すべきであります。だからこそ、諸外国でも全面自由化を選択している国はごくわずかであり、その国も決して成功していないのであります。
 ところが、小泉内閣は、この郵便事業の本来の使命に反し、郵政民営化の突破口として、郵便事業への民間参入を強行しようとしています。
 何よりも、信書便法案は、信書の定義という法律の根幹が極めてあいまいな欠陥法であります。委員会採決の直前に提出された「信書の定義に関する政府の考え方」は、郵便事業の約二割を占めるダイレクトメールの大部分を、突如、信書から除外するとしています。これは、委員会審議での政府答弁を覆すものであって、本法案の根幹である信書の範囲が時の政府の恣意的な判断でくるくる変わることを如実に示すものであります。
 さらに、本法案は、ポストの数など具体的な参入条件をすべて政省令にゆだねる仕組みになっています。今は法律に基づく参入業者は見込めないとされていますが、一たん法律ができれば、政府の判断で民間参入のための条件をいかようにも変えることができる、このような欠陥法案は断じて認められるものではありません。
 本法案は、ダイレクトメールなど民間業者が確実にもうかる分野への参入を促進し、いいとこ取りを進めるものとならざるを得ません。それは、郵政公社の経営を悪化させ、ユニバーサルサービスの後退に直結するものであります。
 障害者団体などからの切実な要望にもかかわらず、点字郵便物の無料化条項を条文上復活しなかった理由も、ここにあります。民間参入による郵政公社の経営悪化を政策減免の廃止や縮小で対応する道を残したことは、この法案の危険性をまざまざと見せつけるものであります。到底、容認することはできません。
 次に、郵政公社法案であります。
 今、国民が期待する郵政改革は、高祖事件に見られる、政権党と郵政事業、特定郵便局長会との癒着、渡切費流用、裏金づくりなどの不正を正せということであります。ここには何らメスが入っておりません。
 本法案は、公社の役員の任免、経営目標、経営計画など、郵政公社の経営にかかわる重要な事項をすべて総務大臣の権限としています。国営公社なら当然あるべき、国民利用者による新たなチェック機能も設けられておりません。それどころか、国会には報告のみで、公社の予算、決算の議決権、役員の任免などへの国会の関与を一切排除しております。極めて重大であります。
 さらに、企業会計原則を導入することで過少資本となり、その解決のために、一層の労働者へのしわ寄せやユニバーサルサービスの低下が危惧されております。国営の公社にわざわざ民間企業のルールを適用することで公共的使命がないがしろにされるのでは、本末転倒ではありませんか。
 郵政公社の出資を可能にする修正案は、郵政利権の温床ともなっているファミリー企業と天下り先をふやし、新たな利権構造を拡大することにつながり、到底認められません。
 結局、郵政公社法案は、古い郵政利権を温存する一方、新しい利権をも生み出すものであり、きっぱり廃案にすべきであります。
 重大なことは、小泉首相がこの四法案を郵政三事業民営化の一里塚と位置づけていることであります。本丸である郵便貯金、簡易保険の民営化へつなげていこうというのがこの法案のねらいであります。
 郵政民営化は、大銀行の年来の野望です。全国銀行協会も、方向を一にする、公社化は民営化の一里塚と、小泉首相を激励してまいりました。大銀行は、簡易で確実な庶民の貯蓄である郵貯を葬り去ることによって、新たに口座維持手数料を取るなど、一層、もうけ本位の経営がやりやすくなります。元本保証もない投信などのリスク商品に国民の貯蓄を無理やり流し込み、もって、大銀行への巨大な利権が生み出されることになるのであります。一方、安心、安全の庶民の貯蓄は、根底から危機にさらされることになります。
 民間大企業、大銀行に新しいもうけ口を保証し、ユニバーサルサービスと国民の利便の後退につながる四法案、古い利権を温存し拡大する四法案、国民にとって百害あって一利なしのこの四法案に厳しく反対することを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) 重野安正君。
    〔重野安正君登壇〕
重野安正君 社会民主党・市民連合の重野安正です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、公社化関連法案に賛成、信書便関連法案に反対の討論を行います。(拍手)
 冒頭、この間の経緯について若干の批判を加えておきたいと思います。このたびの郵政法案をめぐる与党内の動きは、国民不在、野党軽視の法案審議だったことをまず申し上げざるを得ないのであります。
 小泉総理といわゆる郵政族との間で決着した法案の取り扱いは、相も変わらず改革派対抵抗勢力を演出しようとしたにすぎず、与党の事前了承なく法案を提出したことに何か政治のリーダーシップの発揮と見る向きもあったようですが、結局、与党と密室での調整を行い、あたかもお互いの顔が立つように決着をつけるのは、前近代的な談合政治にほかなりません。
 しかも、与党が決着したから即採決するというのは、国会軽視であり、法案の私物化ではないでしょうか。重要法案に不可欠な中央公聴会も行われておりません。野党も交えて国会の場で真摯な修正協議を行うべきであったことを強く訴えるものであります。
 さて、社会民主党は、国民から非常に長い間親しまれた、国民共通の財産として生活基盤に密着している郵便事業の民営化について、不採算部門を切り捨て、ユニバーサルサービスを崩壊に導くことから、かねてから反対してまいりました。
 むしろ、少子高齢化社会が急速に進展し、二〇二五年には三人に一人が高齢者となる中で、国民生活のセーフティーネットとして、全国二万四千七百カ所の郵便局とそのネットワークを国民生活共有の社会的インフラ、住民への公共サービスの拠点として積極的に活用していくことこそが大きな課題であると考えます。
 このような立場から郵政公社化法案を見ますと、我が党は、手放しで賛成するものではありません。
 重要なことは、ただいま指摘した少子高齢社会において公社化することのメリットを積極的に示し、国民から信頼され、愛される郵政事業像あるいは公社像を具体的に国民に示す必要があります。
 そうした責任を自覚するならば、政府は、とかく問題視される特定郵便局長制度や郵政ファミリーの改革を具体的俎上に上げることはもちろん、公社に移行しても、効率、収益、経営最優先に流されるのではなく、国民的労力の積み重ねの上に今日の郵政事業があることを忘れることなく、国営公社の事業として郵政三事業を一体でやるという公的な性格、公共性をしっかり発揮していくべき責任を深く肝に銘ずるべきであります。
 その意味で、本案にかかわる郵便局数の現行維持を初めとする修正部分は、郵政事業の公共性を守っていくという課題を最小限満たすものと受けとめます。
 なお、民間企業への出資を認める旨の修正については、いやしくも官僚の天下り先、利権の増殖とならないよう徹底した透明化と情報開示を行うなど、厳に留意すべきであります。
 信書便法案につきましては、通信の秘密を守るとともに、ユニバーサルサービスを守っていくという観点から種々の規制は必要ですが、ダイレクトメールやクレジットカードが信書に当たるかなどの詳細を法案に明記せず、省令、ガイドラインにゆだねることは典型的な裁量行政であり、厳に慎むべきものであります。
 信書の範囲を狭めれば、実質的に無条件全面参入と同じになるばかりか、民間によるクリームスキミング、いいとこ取りが行われることとなり、そのしわ寄せは、結局、過疎地域の住民にとって著しいサービス低下となることは明らかであります。離島や過疎地における郵便物の引き受け、配達が切り捨てられることのないよう、今後とも二万四千七百の郵便局数の現行水準を全国あまねく維持するなど、ユニバーサルサービスを提供するとともに、福祉施策としての第三種、四種郵便の堅持と必要な財政支援を図ることも政府に課せられた重要な責務であることを強く指摘するものであります。
 こうした郵便事業の社会的役割と信書便法案との関係を考えるならば、本案が民営化の一里塚になることが十分懸念される、このことをもって我々は賛同しかねる、反対の立場を明確にいたします。
 最後に、多くの国民はユニバーサルサービスを望んでおり、だれもがこれからも公平かつ平等に郵便サービスを受けられるよう、日本郵政公社には国民利用者の期待にこたえられるような事業の構築をなし遂げてもらいたいことを訴え、討論を終わります。(拍手)
議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり修正議決いたしました。
 次に、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十二分散会


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