第12号 平成15年3月4日(火曜日)
平成十五年三月四日(火曜日)―――――――――――――
議事日程 第八号
平成十五年三月四日
午後一時開議
第一 平成十五年度一般会計予算
第二 平成十五年度特別会計予算
第三 平成十五年度政府関係機関予算
第四 平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
第五 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
第六 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 平成十五年度一般会計予算
日程第二 平成十五年度特別会計予算
日程第三 平成十五年度政府関係機関予算
日程第四 平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
日程第五 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第六 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後一時三分開議
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
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日程第一 平成十五年度一般会計予算
日程第二 平成十五年度特別会計予算
日程第三 平成十五年度政府関係機関予算
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、平成十五年度一般会計予算、日程第二、平成十五年度特別会計予算、日程第三、平成十五年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。予算委員長藤井孝男君。
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平成十五年度一般会計予算及び同報告書
平成十五年度特別会計予算及び同報告書
平成十五年度政府関係機関予算及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
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〔藤井孝男君登壇〕
○藤井孝男君 ただいま議題となりました平成十五年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この予算三案は、去る一月二十四日本委員会に付託され、二月五日塩川財務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。その後、基本的質疑等、公聴会、分科会を行い、昨三月三日、締めくくり質疑をもって、討論、採決をいたしたものであります。
まず、予算三案の概要について申し上げます。
平成十五年度一般会計予算は、歳出の徹底した見直しを行うため、まず、概算要求段階において要望可能額を大幅に緩和するとともに、重点的、効率的配分を行うこととして編成されており、歳入歳出とも、その規模は八十一兆七千八百九十一億円でありまして、前年度当初予算に対して〇・七%の増加となっております。
歳入のうち、公債の発行額は、建設公債、特例公債合わせて三十六兆四千四百五十億円で、公債依存度は四四・六%となっております。
特別会計及び政府関係機関予算につきましては、資金の重点的、効率的な配分に努め、事業の適切な運営を図ることとされております。その数は、特別会計に関しては、郵政事業特別会計等が平成十四年度限りで廃止され、三十二となっております。政府関係機関は、前年度と変わりなく九であります。
なお、財政投融資計画でありますが、その規模は二十三兆四千百十五億円で、前年度当初計画に対して一二・六%の減少となっております。
次に、予算委員会における主な質疑について申し上げます。
質疑は、デフレ克服の見通し、財政再建、イラク問題への我が国の対応、貸し渋り問題と不良債権処理、政治資金問題、公務員制度改革、医療保険制度改革、インフレ目標導入の是非、道路関係四公団民営化問題、北朝鮮問題、名古屋刑務所における特別公務員暴行陵虐致死事件など、国政の各般にわたって熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
かくして、昨三日、質疑を終局いたしましたところ、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案により、平成十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、原口一博君から趣旨の説明がありました。
次いで、予算三案及び動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党、公明党及び保守新党を代表して石井啓一君から政府原案に賛成、動議に反対の意見が、民主党・無所属クラブを代表して中村哲治君から動議に賛成、政府原案に反対の意見が、自由党を代表して中塚一宏君から動議に賛成、政府原案に反対の意見が、日本共産党を代表して矢島恒夫君から動議に賛成、政府原案に反対の意見が、社会民主党・市民連合を代表して横光克彦君から動議に賛成、政府原案に反対の意見が、それぞれ述べられました。
引き続き採決を行いました結果、動議は否決され、平成十五年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(綿貫民輔君) 平成十五年度一般会計予算外二案に対しては、細川律夫君外六名から、三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
この際、その趣旨弁明を許します。細野豪志君。
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平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算及び平成十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
〔本号(二)に掲載〕
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〔細野豪志君登壇〕
○細野豪志君 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算及び平成十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合の野党四会派を代表し、その趣旨の弁明を行います。(拍手)
予算の編成替えを求める第一の理由は、政府の提出した平成十五年度予算に、国民生活を破滅させかねない新たな国民負担増が数多く含まれていることであります。
小泉政権発足以来、一年十カ月を経過いたしましたが、この間、我が国の経済状況は、株価などに代表されるように、悪化の一途をたどっております。中でも、国民生活は極めて厳しい状況に追い込まれ、小泉政権発足時に比べて、失業率は四・八%から五・五%へと悪化し、就業者は二百万人以上も減少しております。また、職を失わずとも収入の低下はとまらず、勤労者世帯の実収入は二十七万円も減少するというありさまでございます。
このように極めて厳しい生活を背景に、自殺者の数は高水準で推移し、中でも、小泉失政の究極のしわ寄せとも言える、経済・生活苦を動機とする自殺者は、過去最悪の水準となっております。国民生活はまさに危機に直面しており、これ以上のしわ寄せに耐えられる状態にはないのであります。
しかし、政府は、このような国民生活の苦しみを顧みず、新たな国民負担増を次々と実施しようとしております。
四月からは、サラリーマンの医療費窓口負担を二割から三割へと五〇%も引き上げようとしており、これによって、国民は四千億円もの負担増を押しつけられることとなっています。さらに、雇用状況が厳しい中で、最大のセーフティーネットである雇用保険についても、昨年十月に保険料率を引き上げたにもかかわらず、さらに四千億円もの給付カットを実施しようとしております。
また、現在、政府が提案している平成十五年度税制改革案は、さまざまな大衆増税が含まれております。平成十五年度には酒・たばこ税の引き上げによって約三千億円もの負担増を押しつけた上に、平成十六年度の所得税増税等を宣言しており、これでは、国民の生活の不安は高まるばかりであります。
まさに、政府提案の平成十五年度予算及び関連法案は、国民負担増のオンパレードであり、何ら将来の理念もないままに、取りやすいところから取るといった政府の姿勢を天下にさらすものであります。(拍手)
これら政府提案をそのまま実施すれば、国民生活がさらに困窮に追い込まれることは明らかであります。政府が安易に国民に痛みを押しつける前に、まず政府として行うべきことは数限りなくあり、これを放置したまま数兆円もの新たな国民負担増を押しつけることは、決して許されるものではありません。
よって、最低限、医療費患者負担増の引き上げ、雇用保険給付のカット、たばこ、酒の増税は、凍結・中止することは当然であります。医療費負担増についても、既に野党四会派で凍結法案を国会に提出済みであり、速やかに同法案の審議、成立を図れば、凍結は十分に可能であると考えます。(拍手)
第二の理由は、政府予算が、現下の深刻な状況にある雇用及び中小企業に対する施策が全く不十分なことであります。
雇用環境が極めて厳しいことは申し上げたとおりでございますが、同時に、中小企業も深刻な状況に追い込まれており、このままでは、我が国経済の基盤であり、雇用の七割を担う中小企業が崩壊しかねない状況にあります。
しかし、小泉内閣、自民党政権のもとでは、政治家も、そして霞が関も、従来の既得権益を守ることにきゅうきゅうとし、新年度予算に求められる、失業に対する不安の解消、新たな産業育成や中小企業の活性化を通じた雇用の創出への取り組みが全く不十分なままであります。
そこで、国民の安心を確保し、危機的な経済状況からの脱却を実現するために、求職者の能力開発を推進し、実際の雇用に結びつくような失業給付制度の改善を行った上での給付延長、雇用保険の財源安定化、就職支援体制の強化、失業者の生活を守るための子弟の教育費対策等、緊急地域雇用創出特別交付金事業の積極的活用、労使協力による雇用維持・創出に対する支援などの雇用対策の抜本的拡充が必要であります。
また、中小企業対策として、特別信用保証の時限的復活、連鎖倒産回避のための支援措置拡充、起業に対する強力な支援、不当な下請圧迫の防止措置等が必要であります。
さらに、国民が現在必要とするサービスを十分に提供することができること、この状況を整えることによって、将来への展望を生み出すことも重要であります。多様な子育て支援策の拡充、小児医療体制の整備、介護サービスの基盤拡充、障害者対策の推進、三十人学級の早期実現に向けた条件整備、老朽化の進む教育施設の耐震化を含む速やかな改修などが必要であります。
第三の理由は、予算を編成し、執行する内閣そのものに大きな問題があることでございます。
衆議院の予算審議において、小泉総理を筆頭とする現内閣の構成員の資質に大きな疑問があることが明らかになりました。
証取法違反まがいの発言を平然と行う竹中経済財政・金融大臣、二枚舌外交の川口外務大臣、部下が殺人の疑いを受けながら、みずからの責任をとろうとしない森山法務大臣、秘書疑惑、答弁問題で大臣の資質さえ感じさせない大島農水大臣、そして最後に、きわめつけは、公約破りを大したことないと公言し、国民を破滅に追い込もうとする小泉総理、あなたであります。(拍手)
このような閣僚から成る現内閣のもとで編成された政府予算では、国民の信頼も期待も得られることはなく、国民の不安は高まり、景気は一層悪化せざるを得ません。内閣を構成するすべての閣僚がみずからを真摯に反省した上で、新たな国民負担増の凍結・中止など、真に国民の立場に立った予算へと組み替えることが最低限の責任であります。(拍手)
このほか、我が国社会の新たな方向性を本予算で示すために、環境重視等の観点から、環境循環型農業、有機農業などの推進、新エネルギーの研究開発・普及のための支援策拡充、公共交通機関等への低公害車導入促進、森林整備拡充など、総合的な施策が必要であります。
また、高齢化社会への対応の一環としての公共交通機関等のバリアフリー化や、食の安全の確保に向けた、信頼できる食品表示を担保するための検査・監視体制の強化等が必要であります。
同時に、従来の需要追加型景気対策の効果が乏しくなっていること、危機的な財政状況を踏まえ、予算を伴わない、あるいは予算の執行上の工夫によって、景気・雇用対策を推進することも不可欠であります。
一方、前記、新たな国民負担増の凍結・中止、雇用対策、中小企業対策等、国民の生活を守り、経済の活性化を図るための施策を行うに当たって、その財源は、政府提出の予算に内包されているむだを排除し、効率性を高めることによって見出すべきであります。
公共事業関係費は、いまだコスト削減が不十分であり、入札制度の改革、単価の見直しなどによって節減できる余地は十分にあります。また、自民党の長崎県連事件で明らかになっているように、不法な政治の介入が公共事業のコストを大きく引き上げております。野党四会派で国会に提出している政治資金規正法改正案の速やかな審議、成立を図ることによって、一層の公共事業の経費節減が可能であると考えます。
また、外務省報償費及び官房報償費についても、国民の求める真実の解明、制度の抜本改革は全く進んでおりません。財政法、会計法を逸脱した状態が続いている以上、大幅削減は当然のことであり、同時に、一層の行政経費の効率化、真の特殊法人改革に向けた関係予算の見直しが必要であります。
以上のように、来年度予算については、国民の生活を守るため、新たな負担増の凍結・中止、危機に面した雇用環境、中小企業等に対する支援策の拡充・追加、小泉総理を筆頭とするすべての閣僚の真摯な反省と、真に国民の立場に立った予算への組み替え等が必要であります。
野党四会派は、以上のような観点から、二〇〇三年度政府予算を、別途お配りしております重点事項に沿って組み替えるよう要求するものであります。
政府・与党は、一昨年、昨年と続けて、野党四会派の組み替え要求を受け入れず、その結果、景気を悪化させ、国民生活を危機に追いやりました。ことしもまた同様の愚を犯してはなりません。
国民を真に代表し、賢明なる本議場の議員各位におかれましては、何とぞ、私どもの真意をお酌み取りいただき、御賛同いただきますようお願い申し上げまして、趣旨の弁明といたします。(拍手)
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○議長(綿貫民輔君) これより、予算三案に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。自見庄三郎君。
〔自見庄三郎君登壇〕
○自見庄三郎君 私は、自由民主党、公明党、保守新党を代表して、ただいま議題となっております平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
一昨年に発足した小泉内閣のもと、政府は、我が国経済と社会の再生を図るべく、改革なくして成長なしとの基本的考え方に立ち、諸般の構造改革を進めております。本予算は、動き出した小泉内閣の改革路線をさらに確固たる軌道に乗せるために編成されたものであります。
現在、我が国は、厳しい経済情勢に直面しており、国民生活も大きな影響を受けております。しかし、そうした厳しい環境の中でも、前向きに挑戦を続ける多くの人々や企業や、そして、地域があります。
今、政府がなすべきことは、こうした前向きに挑戦する力を一日でも早く顕在化させ、我が国の国益の確固たる基盤を築くことであります。
特に、財政においては、その一翼を担うべく、歳出歳入両面にわたり「聖域なき見直し」を行い、持続可能性を確保するとともに、民間の活力を最大限に引き出せるような、効率的な資源配分を行うことが期待されております。困難にあってもひるむことなく、この改革路線を加速させることこそが、今、求められています。
こうした確固たる理念に基づき、平成十五年度予算の編成に当たっては、活力ある経済社会の実現に向けて、経済活性化や、将来の活力と安定の基盤構築などにつながる分野に大胆な予算配分を進めるとともに、徹底したむだの排除による効率化を図っています。
以下、賛成する理由を具体的に申し上げます。
本予算が、従来の枠組みにとらわれず、歳出構造をより抜本的に見直し、めり張りのあるものとされた点であります。
例えば、公共投資について、大都市圏拠点空港や三大都市圏環状道路等への重点配分を図るなど、時代のニーズに応じた施策への重点配分を進めることとされました。
また、科学技術振興費については、総合科学技術会議による優先順位づけなども積極的に取り入れられ、大胆な再配分が実現されました。
さらに、本予算は、重点配分のみならず、むだの徹底した排除にも努めたものとなっております。徹底した単価の見直し、国庫補助負担金の削減、雇用保険制度の抜本的改革などにより、スリムな予算を実現していると考えております。
こうした重点的かつ効率的な予算配分は、将来における我が国の発展と国民生活の安定をより確実にするものとして、大いに評価すべきものと考えております。(拍手)
以上、本予算に賛成する理由を申し述べました。私は、この平成十五年度予算が我が国の今後の発展に向けて必要不可欠なものであるとして、賛成の意を表するものであります。ぜひとも、その速やかな成立を期待いたします。
ここで、先日発表された民主党の予算案について、一言申し上げます。
まず、民主党予算案は、予算規模、公債金、地方交付税など、予算の骨格はすべて政府案と同じであります。民主党は、昨年五月に、平成十三年度から平成十五年度までの公債発行限度額を三十兆円とする法案を提出いたしましたが、その主張は捨てたのでしょうか。
また、民主党予算案においては、補助金の一括交付金化が目玉として掲げられていますが、手続の効率化という美名のもとに、教員の給与や社会保障の負担金を含め、具体策も示さず、単純に二割カットするという、極めて無責任な予算案であります。
次に、民主党予算案においては、公共事業を二割以上カットするとの主張がなされておりますが、これは経済や雇用全体に深刻な影響を与え、雇用減にすらなりかねません。経済及び雇用の全体像を示さず、予算をふやす部分にのみ着目し、百万人の雇用増をうたう、まやかしの予算案であると言わざるを得ません。
さらに、医療費三割負担の凍結、雇用保険給付カットの凍結、介護保険の国庫負担増などが主張されていますが、現世代の目先の受益を優先して、効率化すべき給付を見直さず、負担すべきを負担しない内容であり、後世への負担のツケ回しとなっております。次の世代への責任を果たすとの民主党予算案のキャッチフレーズとは裏腹の、次世代へのツケ回し予算案と言えます。
なお、野党の皆様方の御協力も得ながら、昨年を上回る八十時間以上の予算審議を行いました。それにもかかわらず、民主党、自由党、日本共産党、社会民主党から平成十五年度政府予算に対する共同組み替え要求が提出されたことは、まことに遺憾であります。現在の経済情勢などに照らして、この要求は、到底、現実的な提案とは言いがたく、私は、断固反対いたします。
以上、申し述べまして、私の賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) 田中慶秋君。
〔田中慶秋君登壇〕
○田中慶秋君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました平成十五年度政府予算三案に反対し、野党四党共同提案の組み替え動議に賛成する立場で討論をいたします。(拍手)
まず、小泉内閣の失政によって不況が拡大し、国民生活を破壊している責任は重大であります。予算の内容もさることながら、たび重なる大臣の不祥事が露呈し、政権末期の様相を呈してきた政権が存続していること自体、国民にとって不幸なことであります。
まず第一に、小泉内閣は、経済や安全保障で深刻な問題を抱えているにもかかわらず、何一つ、的確に対応できておりません。
内閣発足以来、次から次へと新たな経済政策を発表するものの、すべてが先送りで終わり、実行が伴わないために、我が国経済はますます悪化の一途をたどっております。
バブル崩壊後の八つの内閣の中で、小泉内閣は、最もGDPを減らし、最も失業者をふやし、最も株価を下げました。
日本経済を必死で支えてきた中小企業の経営者は、小泉不況の中で、なすすべもなく、二万件の倒産、三万二千余の自殺者、二十万の夜逃げ、三百五十万の失業者などを数え、憲政史上最悪の状態に追い込まれているのであります。すぐれた物づくりを継承してきた町の工場や、庶民の生活の命綱となっていた商店街が廃墟と化しております。失業の憂き目に遭い、家族と別れてホームレス生活を余儀なくされている人たちもふえております。
また、総理は、国債発行額三十兆円の公約を守れなかったことは大したことでないと開き直りました。実は、国債発行額も、小渕内閣に迫る歴代第二位の多額な発行であります。
このような厳しい経済の情勢にありながら、来月にはサラリーマンの医療費を五割も引き上げるなど、小泉内閣の経済政策はいよいよ支離滅裂なものとなっております。
安全保障面では、国民に対しては全く説明責任も果たしていない一方で、国際社会に対し、早々と、イラク攻撃に前のめりの米国を支持する二枚舌外交を行っているのであります。また、北朝鮮のミサイル発射という重大な情報が、官邸はおろか、防衛庁長官にも知らされていないという、お粗末な危機管理体制にとどまっている。
このような状態で、政府原案のまま有事関連法案を成立させたとしても、国民の生命と財産が守られるとは考えられません。
まさしく、総理初め関係大臣の責任を国民の前に明らかにしてもらいたいものであります。
第二は、多くの閣僚の資質の欠如が露呈されております。
受刑者の情願書を一度も見ることなく却下する人権感覚の森山法務大臣、答弁をころころ変え、人権だけではなく国会も軽視するその姿は、法務大臣として明らかに失格であります。
次に、仮定の質問には答えられないとの答弁を連発し、国会を不毛な論議の場におとしめている川口外務大臣、その存在の耐えられない軽さには、与党からも、やめろコールが噴き出しているのであります。
次に、ETFは絶対もうかると、ネズミ講かマルチ商法もどきの営業トークで閣僚にETF購入を勧めた竹中金融・経済財政担当大臣、竹中大臣は、さまざまな経済指標を真っ先に知る立場にあるだけではなく、以前より日銀にETFの買い入れを要求していることから、本当にもうかれば、完全なインサイダー取引の状態であります。
第三に、自民党を変えると大見えを切りながら、自民党の金権体質には全く手をつけられない小泉自民党の姿が明らかになりました。
自民党の国対委員長だった昨年、議員にはすべて秘書の監督責任があると述べた大島農水大臣が、みずからに金銭疑惑が降りかかるや、すべて秘書の責任とばかりに逃げようとしているのであります。しかも、予算委員会集中審議に臨むに当たって衆議院法制局に答弁書を書かせ、立法府の信頼を揺るがせるという前代未聞の不祥事まで引き起こしたのであります。しかし、総理は、次から次へと疑問が噴き出す大島大臣を、ひたすらかばい続けているのであります。
自民党長崎県連の幹部が違法献金で逮捕されたことについて、自民党総裁として問いただされたにもかかわらず、私に聞いてもわかるわけがないでしょうと、まるで他人事のような開き直りの姿勢に終始しておりました。総理みずからのファミリー企業に関する疑惑が問われても、そういう事実はありませんの一点張りで、全く説明責任を果たそうとしていないのであります。
総理自身がこうした姿勢だから、自民党内では、KSDで批判を浴びて廃止したはずの、党員集めのノルマを復活させようという動きが出てくるのであります。自民党の自浄能力のなさに、ただただあきれるばかりであります。
平成十五年度予算三案は、こうした政権末期の内閣が編成したにふさわしい、末期的な欠陥予算と言わざるを得ません。
以下、平成十五年度政府予算三案に反対する理由を申し述べます。
第一に、この予算が不況・デフレを加速する内容となっていることであります。
相変わらず、既得権でがんじがらめの歳出構造を続けております。森内閣のときと比較しても、省庁別シェアも公共事業シェアも、ほとんどかわりばえがありません。いまだにむだな公共事業が続けられ、その口ききで政治家が税金をピンはねしており、まさに税金のむだ遣い、使い方が間違っているのであります。政官業癒着構造が温存され、税金の使い方を間違い続ける限り、どんなに財政出動を繰り返したとしても、景気浮揚効果は期待できません。
民主党が主張しているように、中小企業の貸し渋り・貸しはがし対策、雇用のセーフティーネット、福祉、環境、NPOなど新しい分野への投資や減税を重点的に行うことがなくては、日本の再生は望めません。
大幅な税収の落ち込みは、小泉経済政策を象徴しているのであります。総理は、税収の落ち込みはあたかも自然現象であるかのような無責任な姿勢を見せておりますが、そのような責任転嫁は認められるわけもありません。
第二に、この予算は、経済悪化だけではなく、財政悪化を招くものであります。
国債発行額三十兆円の公約が放棄されたことに対し、その原因がみずからの経済失政によるものであるにもかかわらず、総理が、この程度の約束を守れなかったのは大したことではないと言いっ放しでは、言語道断であります。
第三に、サラリーマンの医療費自己負担の五割アップ、雇用保険の失業等給付の削減、介護保険の介護報酬の引き下げ、配偶者特別控除の廃止、発泡酒とたばこの税率アップなど、新たな国民負担増により、みずからの経済失政のツケを国民に負わせようとしていることであります。
五年前、小泉厚生大臣は、二〇〇〇年までに医療制度の抜本改革を行うと公約して、負担増を強行しました。しかし、現在に至るまで、抜本改革は先送りを続け、またしても負担増だけが強行されようとしているのであります。
総理、医療制度の抜本改革という重大問題も、この程度の約束だったのでしょうか。約束の期限が二年過ぎても問題が先送りされていることも、大したことではないのでしょうか。
第四に、総理の改革姿勢の後退であります。
集中調整期間は一年先延ばし、成長軌道への回帰とデフレ克服は二年先送り、塩川財務大臣の答弁によれば、プライマリーバランスの黒字化も二、三年先送りするようであります。
小泉内閣の目玉であります構造改革特区についても、総理が、すべて実現するつもりでやってほしいと述べたにもかかわらず、実現したのはほんのわずかであります。
次に、野党四党共同提案の組み替え動議に賛成する理由を申し上げます。
第一に、本動議は、サラリーマン医療費自己負担の五割アップなど、経済失政のツケを国民に押しつけようとする新たな国民負担増の凍結・中止を盛り込んでいることであります。
第二に、過去最悪の完全失業率を記録するなど極めて深刻な雇用情勢に対応し、雇用保険の失業等給付の給付期間の延長や若年層に対する就職支援体制の強化など、雇用対策に七千億を追加していることであります。
第三に、多くの中小企業者が理不尽な銀行の貸しはがしに苦しめられている中、時限的に信用保証協会の特別保証を復活させるほか、連鎖倒産の回避のためのセーフティーネット保証・貸付制度を拡充するなど、中小企業対策に二千億を追加していることであります。
中小企業に冷たい小泉政権との違いは、火を見るよりも明らかであります。
第四に、三十人学級の実現や日本育英事業の無利子貸付枠の拡充、学校施設の改修等を含め、教育関係に二千五百億を追加していることであります。
第五に、これらの真に必要な歳出に充てるため、巨額の財政赤字と政治腐敗、さらには、自然破壊の原因となっているむだな公共事業を一兆六千億削減していることであります。
今回、民主党は、初めて独自の予算案を編成いたしました。中長期的な改革ビジョンに基づいて、地方への個別補助金を全廃し、大くくりの一括補助金、すなわち交付金に改めるほか、百万人の雇用増に結びつく新しい需要策を講じ、ローン利子控除の創設など斬新な税制改革案を盛り込んでいるのであります。
我々は、いつでも政権を担う覚悟であります。このことを国民の皆さんに強く訴え、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) 東祥三君。
〔東祥三君登壇〕
○東祥三君 私は、自由党を代表して、野党四会派提出の平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成、政府提出の平成十五年度予算案三案に反対の討論を行います。(拍手)
冒頭申し上げます。
ことしは、日本の経済社会の未来を左右しかねない分水嶺、歴史的大転換の年になるかもしれません。内政、外交、どれをとってみても、憂慮すべき危機的状況が迫っているのであります。
そうした緊迫した状況にあるにもかかわらず、政府・自民党は、ことしも緩みっ放しの体質的・構造的不祥事を露出させることとなりました。そもそも、これは、長年、与党自民党が官僚と癒着し、国民不在の政治を続けてきた結果にほかならず、また、先送り、不問に付して事なきを得るという自民党の伝統的・構造的体質だからこそ、生み出されるものであります。しかも、どんな緊迫した状況の中でも、自分自身の体質的・構造的問題について、何ら説明も改善も行わないのが自民党政治そのものなのであります。(拍手)
大島農林水産大臣は、自民党政治特有の、秘書を隠れみのにした不正献金疑惑を抱え続け、十分な説明をしておりません。そして、新たに、農林水産大臣としての答弁を衆議院法制局に依頼して作成させたという、前代未聞の重大な問題を提起しております。
問題となっている想定問答の作成は、本来、自分の顧問弁護士にでもつくってもらえばいいものであります。それを、なぜ、農林水産大臣大島理森として国会で答弁することを目前にし、想定文を立法府の機関である衆議院法制局につくらせたのか。これは、行政府の長による立法府の機関の私物的利用、三権分立を侵害する行為であることにほかなりません。(拍手)しかし、大島大臣は、これに対する説明責任を果たすことはありませんでした。
今国会での来年度予算案審議においては、小泉総理を筆頭として、閣僚の発言の軽さ、物の考え方の軽さが目立つものでありました。
森山法務大臣は、獄中の受刑者へ刑務官が行った暴行に対して、論理的な説明をすることもできませんでした。
竹中経済財政・金融担当大臣は、ETFを引き合いに出して絶対にもうかると発言したことの意味を問われ、これもまた、お茶を濁すような答弁に終始しました。
さらに、日本の外交・安全保障のリーダーである小泉総理並びに川口外務大臣は、緊迫していくイラク情勢に対して、基本原則も明確にしないまま、場当たり的な対応に終始するばかりであります。
また、イラク以上に日本にとって切迫する北朝鮮問題については、昨年九月の北朝鮮訪問、日朝平壌宣言は成功だ、成功だと、総理はマスコミも巻き込みながら宣伝しておりましたが、その後、拉致問題を含め、協議は進展していないばかりか、地対艦ミサイルの発射問題や核保有問題、原子炉再稼働など、次々と明るみになる問題に対しても、小泉総理や川口外務大臣は、平壌宣言の精神を原則としてと、何か夢でも見ているのか、現実を無視した空手形の宣言に固執して、全く的外れの答弁をしているのであります。(拍手)
また、小泉総理並びに石破防衛庁長官は、いざというとき、国民をどのように守るかの責任を第一義的に有しているのでありますが、朝鮮半島の危機が十年前から取りざたされてきたにもかかわらず、国家の安全保障に対して何を研究されてきたのでしょうか。国家の安全保障に何も責任をとらない体質を温存し続け、今ごろあたふたしているのが現状であります。
予算案審議を通じ、この国会は、大臣自身の説明責任と資質が問われていることが明白となりました。日本の外交、経済、社会を牽引していくべきリーダーたちの資質そのものが疑われているとは、情けない限りであります。
そして、そうした資質を問われる大臣らによって組み立てられた来年度予算、また、日本の経済財政運営に、我々は、憂慮の念を通り過ぎて、危機感を抱かざるを得ません。みずからの身の潔白、発言に対する釈明、編成した予算に対する責任、これら一つ一つの説明をすべきであるにもかかわらず、これが十分に行われてこなかったことは、まことに遺憾であります。
一方、なし崩し的、先送りの自民党体質による来年度予算案では、この国の将来の形を明確に描くことはできないばかりでなく、直近の実体経済に対してどのように効果的に寄与するのかも不明確であると言わざるを得ません。我々は、そうした日本の実体経済とは乖離した予算案には、断固反対であります。(拍手)
以下、平成十五年度政府予算案に反対する理由を申し上げます。
第一に、この予算案と、小泉総理大臣が就任当初から言っていたこととは大きく乖離するものであり、予算案が何を目指すものなのか、さっぱりわからないことであります。
小泉総理は、就任当初から、国債発行三十兆円枠というワンフレーズ・ポリティックスを踏襲してきました。どんなに総理が、そんなワンフレーズ・ポリティックスはマスコミのつくった言葉だと言ったとしても、それを利用して、国民の信用を得て政策実行を推進しようとしてきたのは、小泉総理御自身であります。
結果として、その公約は実行されず、そんな公約など大したことはないと叫んだ小泉総理は、みずからの政策実行能力を否定したことになります。しかし、そうした矛盾に対して、何ら説明しておりません。方針が変わったのであれば、その説明を果たさなければならないにもかかわらず、それを回避する、いや、する気もないのが小泉総理の実態であります。
これでは、小泉総理の編成する予算案というものが、中長期的な日本の将来を俯瞰して、どのように日本の現状を認識しているのか、直近の来年度の課題に対してどのように対応しようとしているのか、それが予算案としてどのように反映されているのか、これらを理解することなどできません。
このような支離滅裂な予算案に国民の安全、安心、未来を預けることなど、当然ながら、できないのであります。(拍手)
第二に、具体的にその予算案の中身を見れば、国民の安心、安全に対して何ら答えを与えることのできない代物であることが明白であります。
先行減税、多年度税収中立と称した予算案は、将来の加速度的増税を意味しております。たとえ今、政策減税として時限的な減税を実行したとしても、将来は、これまでの政府の、小出しにして増税してきたことを加速度的に実行することを宣言するだけのものであり、これで、日本経済が回復するということはあり得ません。むしろ、多年度税収中立というこの手法は、今後、政府の歳出構造を抜本的に変えることなく、膨張していく歳出を将来確保していくことを確約したようなものであります。
小泉総理がかねてから口にしていた歳出見直し、ゼロベースからの見直しということからは全く乖離する予算案であることにほかなりません。(拍手)
第三に、こうした予算案と国民の切実な叫びとの乖離は、政府と国民との信頼関係、ひいては、国民の将来設計に対して政府がどのようにサポートするのかという基本的な関係に影を落とすことであります。
そもそも、政府は、国民の切実な生活実態に対して、十分に把握しているのでしょうか。税制にしても、予算にしても、国民から広く意見を聞いていると言っておりますが、それは、会合を形式的にセットするだけで、半ば内々で決めた既定路線を固めるためのセレモニーでしかないではありませんか。国民不在の予算、税制は、国民の信頼を得ることはなく、また、国民一人一人が自主的にみずからの信念で活動することもできず、日本の経済社会は荒廃するばかりであります。
こうした政府・自民党の編成する堕落的な予算案に対して、野党四会派の平成十五年度予算案に対し編成替えを求めるの動議は、国民の切迫する問題に的確に対処するため、重点的な項目に編成替えを求めています。
単なる負担増でしかない医療制度改革に対し、国民が信頼を確保することができる本格的な制度改革を実行するまで安易に負担増を行わないよう、被保険者本人の医療負担三割の実行などを当面凍結する経費が充てられております。
また、中小企業の資金繰りの悪化に対応するための、中小企業信用保証の特別保証制度の時限的な復活や、雇用保険制度の見直しなど、小泉不況によって塗炭の苦しみにあえいでいる企業や国民への重点的、緊急的な対応に配慮しています。
以上のように、野党四会派が提出した平成十五年度予算案に対して編成替えを求めるの動議は、小泉政権の経済運営の失敗に対し、国民の切迫する問題に重点的かつ的確に対処するために予算編成し直すことを明確に主張しているものであり、賛成いたします。(拍手)
最後に、ことしはペリー来航百五十周年の年に当たります。当時、幕藩体制の末期、この新しい事態に何をしてよいかわからず、あたふたとうごめく徳川幕府と今日の政府・与党、小泉政権が重なり合って見えるのは、私だけでありましょうか。明確な、来るべき改革の方向性を示すことができず、言葉と実態が乖離した政権は、いずれ倒れざるを得ないわけでありますが、時代の要請にこたえることができない政権である以上、一日も早く倒さざるを得ないということを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) 松本善明君。
〔松本善明君登壇〕
○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇三年度政府予算三案に反対、野党共同提出の予算組み替え動議に賛成の討論を行います。(拍手)
私は、まず、この予算にはまだまだ徹底審議すべき重大問題が多数あるにもかかわらず、与党が必要な審議を尽くさず衆院通過をごり押ししていることに、強く抗議をするものであります。(拍手)
イラク問題は、二十一世紀の世界のあり方にかかわる重大問題であります。今、査察の継続強化によってイラクの大量破壊兵器の武装解除を図り、問題を平和的に解決するという史上かつて見ない巨大な世界世論の前に、ブッシュ政権が日に日に孤立を深めているという情勢であります。
ところが、小泉内閣は、今までのどの内閣よりも、ブッシュ政権に忠実に対米従属外交を推進し、武力行使に道を開く新たな国連決議のために奔走しております。人類が二度にわたる世界大戦という惨禍を経て確立した国連憲章に基づいて、国連の枠の中で問題を平和的に解決し、平和の秩序を守ろうとする世界の反戦平和の声を、イラクに誤ったメッセージを送ることになるなどと、敵視する態度をとっております。これは、国連憲章と同じ精神でつくられた憲法を持つ国の政府としては、恥ずかしくて見ておられないような、惨めな姿であります。(拍手)
イラク問題を戦争によって、特に大量破壊兵器の問題を武力によって決着をつけようということは、中東に地獄の門を開くだけではなく、世界の平和ルールを壊し、世界を、政治の面でも、経済の面でも、はかり知れない大混乱に引き込む危険をはらんでおります。今は、断固として戦争をやめさせなければならないときであります。これは徹底審議すべき、最も重大なことであります。(拍手)
政治と金をめぐる問題も重大であります。
大島農水相にかかわる複数の疑惑は、衆議院法制局の私物化ということにまで及び、小泉内閣の信頼性に直接かかわる大きな問題になってまいりました。また、自民党長崎県連事件は、献金のあり方の問題として、自民党全体を揺さぶる重大事件となってきております。
我が党は、予算委員会で、小泉首相、森山法務大臣を含む関係閣僚や政権与党幹部ら十九人が公共事業受注企業から選挙期間中に献金を受けたことを明らかにいたしましたが、これは、長崎事件同様、事実上、選挙に関する寄附と疑われる献金であります。小泉内閣は、これらについて、いずれも何の自浄能力も示しませんでした。
昨年、鈴木宗男議員事件など、一連の自民党幹部の問題は、税金の還流だと、国民の厳しい批判を浴びました。野党四党は、昨年五月、共同して、公共事業受注企業からの政治献金禁止を盛り込んだ法案を提出いたしました。小泉首相は、法整備を含め、もう一段踏み込んだ仕組みを考える必要があると答弁いたしましたが、今に至るも、何の処置もないままであります。これでは、小泉内閣に、予算の公正な執行を期待することは到底できません。
小泉政治の行き詰まりと破綻は、経済財政のかじ取りにおいて、とりわけ深刻であります。小泉内閣の一年十カ月で、国民生活と日本経済はどうなったでありましょうか。
昨年、完全失業率は五・四%と過去最高になり、さらに上がりつつあります。企業倒産は一万九千四百五十八件と、戦後二番目の高水準となりました。勤労者世帯の実収入は二年前に比べ二十七万円、消費支出は十二万円も落ち込みました。この結果、国の税収が九兆円も落ち込み、国債発行は三十兆円枠をはるかに超え、史上最高の三十六兆円になる始末であります。
不良債権は不況の深刻化などで新たに発生し続け、処理しても処理しても残高はほとんど減らないという状況に陥っております。
小泉構造改革路線の破綻は、今や明白であります。日本経済を破局に導いた小泉内閣に予算編成の能力がないことは、明白であります。小泉内閣は、この破綻済みの路線に今だ固執しております。そのあらわれがこの政府予算案であります。
以下、具体的に反対理由を述べます。
政府予算案に反対する第一の理由は、社会保障分野の負担増・給付減と庶民増税で国民に莫大な負担増を押しつけ、国民生活と日本経済に破壊的な打撃をもたらすものだということであります。
政府の方針が強行されるなら、国民負担増は、平年度ベースで見れば、医療、年金、介護、雇用保険など社会保障の負担増と給付削減で二・七兆円、発泡酒の税率引き上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税点引き下げ、簡易課税制度の縮小などの庶民増税は地方税を含めて一・七兆円、合計年間四・四兆円の巨額に達するものであります。
これは、サラリーマン標準世帯の場合、年間十一万一千円もの負担増となり、リストラ、賃下げなどでの実収入十五万一千円減と合計いたしますと、二十六万二千円もの購買力が奪われることになります。この金額は、一九九七年の九兆円負担増のときの二万四千円の十倍をはるかに超えるものであります。これが日本経済に破壊的な影響を与えることは、言うまでもありません。
医療費の国民負担増は、とりわけ深刻であります。昨年十月に老人医療改悪が施行され、医療費負担が大きくなった結果、医療を中断する高齢者が続出するなど、国民の生命にかかわる深刻な事態が進行しております。この上、サラリーマンなどの患者負担を三割に引き上げれば、全国民の健康にとって、一層重大な事態をもたらすことは明らかであります。だからこそ、日本医師会など医療関係四団体が、「国民の健康に対する国の責任を放棄し、国民皆保険制度を根底から崩壊させるもの」との共同声明を発表し、異例ともいえる凍結運動を展開しているのであります。
野党四党は、共同で、この健康保険本人三割負担を凍結する法案を提出いたしましたが、これを審議することさえ拒否する与党の姿勢は、国会の機能を空洞化させるものであって、断じて許すことはできません。(拍手)
反対の理由の第二は、不良債権処理の加速化政策が、中小企業をますます苦境と倒産に追い込み、その結果、不良債権問題の解決そのものも遠ざける金融政策と一体となっているものだからであります。
小泉内閣は、不良債権処理の加速化の方針のもと、銀行の資産査定を厳格化し、不良債権でないものにまで引当金の積み増しを求めるなど、銀行への圧力を強めております。銀行は、自己資本比率を維持するために、貸しはがしを強めるとともに、金利引き上げに走っております。この結果、赤字企業がつぶされるだけでなく、この大不況の中で何とか踏みとどまっている多くの企業までが窮地に追い込まれ、成長の芽を摘まれるという事態が広範に起こっております。
二、三年と期限を区切って無理やり不良債権を処理するやり方をやめ、借り手企業の育成という、銀行本来の機能を復活させる金融政策に転換すべきであります。
中小企業対策費は、前年度当初比で七・一%も減らされ、四半世紀前の一九七七年度と同額水準まで落ち込んでおります。不況と銀行の貸しはがし、金利引き上げの被害を最も受けている中小企業に対するこうした仕打ちは、許されるものではありません。(拍手)
予算案に反対する第三の理由は、深刻な雇用情勢をさらに悪化させ、失業者の生活保障に背を向けた予算だということであります。
政府は、来年度の経済見通しで、完全失業率を五・六%と見込んでおります。史上最悪の失業率をさらに悪化させることを前提とした政治を進める政府が、世界のどこにあるでしょうか。
三百六十万人もの失業者が職を求めている一方で、雇用の現場では違法なサービス残業や異常な長時間労働がはびこって、過労死や過労自殺もふえております。雇用が過剰なのではなく、過剰なのは労働者の労働時間なのであります。
小泉首相の言う、しっかりした雇用対策の中心は、失業者への給付を大幅に削減して、職もないのに早く就職せよと催促することであって、セーフティーネットなどというものでは到底ありません。
予算案に反対する第四の理由は、むだな公共事業が放置され、歳出構造にメスが入っていないということであります。
むだな公共事業というのは、自民党議員でさえ、東京湾横断道路、関西空港、本四架橋を三大ばか事業と言うくらい、目に余るものとなっております。ところが、その関西空港二期工事も、諫早湾干拓や川辺川ダムなど問題工事とともに、そのまま続行であります。
小泉首相が昨年掲げた、国債発行三十兆円、公共事業一〇%削減、道路特定財源の見直しなどは、二〇〇二年度補正予算の編成、すなわち、四兆円もの国債発行と一・五兆円の公共事業積み増しによって、名実ともに破綻いたしました。
二〇〇三年度予算案は、浪費の温存、拡大を一層進める内容となっており、十五カ月予算として見れば、道路予算を含め、公共事業予算は、削減どころか実質的大幅増で、浪費構造は明白であります。
イージス艦や空中給油機を初めとした正面装備費、ミサイル防衛日米共同技術研究、米軍との共同訓練経費、米軍への思いやり予算など、沖縄を主要基地として使用するアメリカの軍事行動に協力することを主眼とする軍事費が手厚く措置されていることも、今日の世界情勢から見ると、到底容認することはできません。
日本共産党は、こうした経済も財政も破綻させる小泉改革を中止し、国民の暮らし中心の予算へと組み替えることを内容とした組み替え要求を提案しております。その基本方向は、国民生活の再建なくして日本経済の再建なしというものであります。この方向への転換こそ、今、切実に求められているものであります。(拍手)
また、野党四党共同提出の予算の組み替え動議は、一致点に基づき、国民負担増の中止、雇用・中小企業対策の強化など緊急の要求を盛り込んだものであり、議員各位の御賛同を心から訴えるものであります。(拍手)
最後に、私は、小泉内閣の退陣こそが日本経済再建の第一歩であることを強調し、討論を終わります。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) 重野安正君。
〔重野安正君登壇〕
○重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、三案に対し反対討論、野党四党提出の平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算及び平成十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成討論を行います。(拍手)
初めに、私は、大島農林水産大臣秘書の公選法違反・政治資金規正法違反疑惑、想定問答を法制局に依頼する大島大臣の非常識、さらには、森山法務大臣の予算委員会における人権感覚の欠落した対応等、このような閣僚のいる内閣、また、このような閣僚をやめさせようともせず、逆に、何か問題でもあるのかと言わんばかりに振る舞う総理の姿勢を、厳しく批判するものであります。(拍手)
加えて、名古屋刑務所問題に関連した我が党の議員の質問に、自分が人権教育のための国連十年推進本部の本部長であったことも忘れていたばかりか、一々覚えていられないという居直りとも言える態度すらとった総理の対応は、結局、今の内閣が人権問題について全くむとんちゃくであるばかりか、政治と金にまつわる問題にも極めて無神経であり、国民の常識から余りにも隔絶していることを如実にさらけ出したのであります。
そればかりではありません。イラクに対するアメリカの単独行動主義による軍事攻撃が目前に迫っているにもかかわらず、小泉内閣は、国内においては賛否を明らかにしないまま、国連ではアメリカ支持を明確にするなど、国民に対するアカウンタビリティーは全く果たしておりません。内外に国家行動のよって立つ理念を示し得ないで、果たして総理と言えるでありましょうか。
このような内閣が提案した予算案など、そもそも審議に値しないものであることを、冒頭まず強調しておきます。
次に、政府予算案に反対し、野党の動議に賛成する理由を申し上げます。
第一は、野党案が、サラリーマンの健康保険本人窓口負担の引き上げ凍結を初め、雇用保険給付カットの中止、酒・たばこ税の引き上げ中止など、新たな国民負担増の凍結・中止を求めているからであり、野党が動議を行った最大の理由は、国民に犠牲を強いる政府予算案の組み替えを通して、国民負担を軽減し、国民の元気さを取り戻し、デフレを克服していく予算案とするためであります。
政府は、昨年の十月から、老人医療の窓口負担をアップしました。四月からは、サラリーマン保険料率の引き上げとサラリーマン健保の三割負担増が実施されます。それだけではありません。介護保険料は引き上げられ、年金給付額は逆に引き下げられるのであります。雇用保険も、昨年の十月から、保険料が引き上げられ、五月からは、失業給付が削減されようとしています。
これらに加え、発泡酒、ワイン、たばこの増税、配偶者特別控除の廃止、消費税特例の縮小など、国民生活が困窮しているこの時期に、国民にさらに犠牲を強いる施策を実施しようという小泉内閣は、一体どういう性格の内閣なのでありましょうか。
しかも、一方では、一兆五千億円にも上る法人税減税、相続税、贈与税の減税といった大企業優遇、資産家優遇の減税が先行して実施されようとしています。これらの減税分は、多年度税収中立の原則から、近い将来、所得税、住民税のアップ、社会保障の切り捨て、消費税の引き上げ等々となって、国民にはね返ってくることは目に見えています。これでは、将来不安から、国民の消費は、さらに冷え込むことは必至であります。
このような政府予算案では、伸び悩んでいる消費を回復し、デフレを克服することなど、到底できません。
第二に、政府予算案では、国債発行額を三十兆円以下に抑えるという小泉総理の公約が完全にほごにされているにもかかわらず、政府は、国民に対して何ら説明責任を果たしておりません。
野党の説明責任を求める追及に対して、小泉総理の答弁は、あろうことか、公約は大したことではないというものでした。これほど国民を愚弄した発言はありません。
小泉内閣が成立して約二年近く、この間、日本の経済は、改善に向かうどころか、悪化の一途をたどってきました。構造改革と称する政策に小泉総理が固執する余り、景気が悪化したことは明らかであります。その結果、税収不足すら招いたことは紛れもない事実であり、構造改革路線が破綻していることも明らかであります。小泉総理は、みずからの経済失政を謝罪し、責任を明確にすべきであります。
第三は、政府予算案が雇用対策や中小企業対策に余りに消極的だということであります。
完全失業率は、依然五・五%と、過去最悪の水準で高どまりしたままであります。雇用不安は深刻であり、政府が雇用問題を国の最重要課題として取り組まない限り、このままでは、失業問題は解決しないどころか、悪化の一途をたどるでありましょう。
今、次代の日本を背負う若者は絶望のふちにたたずんでいると言えます。野党が提案しているように、実際の雇用に結びつくような失業給付制度の改善を行い、給付期間の延長はもちろん、そのための財源の安定確保を図るべきです。また、高卒者など若年層に対する就職援助措置の充実や雇用対策の拡充を図るとともに、労使が協力して雇用の維持や創出を図ろうとする場合の支援も、政府が積極的に行うべきです。今こそ、考えられる限りのあらゆる対策を総動員しなければ、現状を打開することはできません。
しかるに、政府は、財政の論理を優先し、雇用給付水準の引き下げにまで手を染めようとしています。このこと自体、小泉政権の国民生活軽視の性格を端的に示すものであり、断じて認めるわけにはまいりません。
中小企業対策も、全く不十分であります。小泉内閣が進めようとしている不良債権の処理が加速化されれば、金融機関による貸し渋り、貸しはがしはさらに厳しくなるのは、火を見るよりも明らかであります。時限的に特別信用保証を復活させるとともに、過去の債務についても、返済猶予措置、リスケジュール等を講じるべきであり、連鎖倒産を回避するためのセーフティーネット保証制度、セーフティーネット貸付制度を拡充し、あわせて、保有債券を担保とする融資制度の運用改善等を図るべきであります。
また、国民が必要とする諸施策を国、自治体が十分に提供することによって国民の安心感を高めるとともに、多様な子育て支援策の拡充、小児医療体制の整備、介護サービスの基盤拡充、障害者対策の推進、三十人学級早期実現に向けた条件整備、老朽化の進む教育施設の耐震化やエコスクール化等を進めるべきであります。
第四は、公共投資関係費のむだを省く姿勢が不十分だということであります。
公共投資の中身は、大都市圏拠点空港や三大都市圏環状道路などのビッグプロジェクトが中心であり、地方と大都市の格差是正等、地域や生活に密着した事業への目配りは薄いとしか言いようがありません。
また、道路予算の構造にもメスが入っていません。道路特定財源の見直しについても、総合交通体系の整備や生活交通維持、環境対策などのための財源とする努力が感じられない枠組みとなっています。
第五は、農業関連、森林・環境予算が時代の要請にこたえていない点であります。
また、食の安全を確保するために必要な自給率向上と安定供給、有機農業を振興していくという視点が不十分であり、到底認めるわけにはまいりません。政府の目指す方向は、消費者や生産者が望む食の安全の方向とは異なっており、生産者や消費者の理解が得られるはずはありません。
また、森林の二酸化炭素吸収源としての役割、地球温暖化対策に果たす役割が大いに期待されているにもかかわらず、政府の姿勢は及び腰であり、日本の世界への公約、マイナス六%のうち、三・九%を森林対策で達成していく方針でありますが、この方針を達成するための具体策はほとんど見えてまいりません。世界に向けた温暖化防止の公約を実現できるのか、甚だ疑問であります。
野党四党が主張しているように、間伐等の森林整備の拡充、森林整備を担う人々の山村定住対策、公有林の再生を大胆に促進すべきであります。
第六は、政府の言う国庫補助負担金、税源移譲、交付税の三位一体改革が、実は、地方財政の抑制と国の責任、負担を自治体へ転嫁するだけにほかならない点であります。
また、地方への税源移譲は自動車重量税の一部だけであり、義務教育国庫負担金等の一般財源化についても、本来、税源の移譲によって措置すべきであるにもかかわらず、地方特例交付金に置きかえられたにすぎません。結局、約五兆九千億円にも及ぶ赤字地方債である臨時財政対策債の発行は、地方財政計画と交付税の分離をもたらし、地方財政制度の根幹をゆがめるものとなっております。
以上、平成十五年度政府予算案に対する反対理由、野党四党提出の組み替え動議に対する賛成理由を述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
まず、細川律夫君外六名提出、平成十五年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
細川律夫君外六名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(綿貫民輔君) 起立少数。よって、細川律夫君外六名提出の動議は否決されました。
次に、平成十五年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。
この採決は記名投票をもって行います。
三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
氏名点呼を命じます。
〔参事氏名を点呼〕
〔各員投票〕
○議長(綿貫民輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
投票を計算させます。
〔参事投票を計算〕
○議長(綿貫民輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
〔事務総長報告〕
投票総数 四百六十
可とする者(白票) 二百八十三
否とする者(青票) 百七十七
〔拍手〕
○議長(綿貫民輔君) 右の結果、平成十五年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
――――◇―――――
日程第四 平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
日程第五 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(綿貫民輔君) 日程第四、平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案、日程第五、所得税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。財務金融委員長小坂憲次君。
―――――――――――――
平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案及び同報告書
所得税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
―――――――――――――
〔小坂憲次君登壇〕
○小坂憲次君 ただいま議題となりました両案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
初めに、平成十五年度における公債の発行の特例に関する法律案について申し上げます。
本案は、平成十五年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができること等とするものであります。
次に、所得税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制を構築しようとするものであります。
その概要を申し上げますと、法人税制として試験研究費の総額に係る特別税額控除制度の創設等を、相続税・贈与税について相続時精算課税制度の創設等を、金融・証券税制として上場株式等の配当及び譲渡所得等に対する税率を軽減する特例制度の創設等を、土地・住宅税制として不動産に係る登録免許税の負担の軽減等を、所得税について配偶者控除に上乗せして適用される部分の配偶者特別控除の廃止等を、消費税について事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用上限の引き下げ等を行うとともに、租税特別措置について所要の措置を講ずることとするものであります。
両案は、去る二月十四日当委員会に付託され、同月二十一日塩川財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、昨日質疑を終局いたしましたところ、所得税法等の一部を改正する法律案に対し、生方幸夫君外一名から、民主党・無所属クラブの提案に係る修正案が提出されました。次いで、修正案について内閣の意見を聴取した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、修正案は否決され、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、所得税法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――
○議長(綿貫民輔君) 両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
――――◇―――――
日程第六 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(綿貫民輔君) 日程第六、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。総務委員長遠藤武彦君。
―――――――――――――
地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
―――――――――――――
〔遠藤武彦君登壇〕
○遠藤武彦君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十五年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、道府県の基準税率の引き下げ、単位費用の改正等地方交付税の算定方法を改めるほか、国庫補助負担金の見直しに伴い地方特例交付金の拡充を図る等の措置を講じようとするものであります。
本案は、去る二月十八日本委員会に付託され、同月二十五日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。昨日質疑を行い、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
――――◇―――――
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
午後二時五十四分散会