衆議院

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第3号 平成16年1月22日(木曜日)

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平成十六年一月二十二日(木曜日)

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 議事日程 第三号

  平成十六年一月二十二日

    午後二時開議

 一 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)

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本日の会議に付した案件

 国務大臣の演説に対する質疑  (前会の続)


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    午後二時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

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 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)

議長(河野洋平君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。武正公一君。

    〔武正公一君登壇〕

武正公一君 民主党・無所属クラブの武正公一です。

 小泉首相の施政方針演説について、総理に質問を行います。(拍手)

 冒頭、きのうの松本議員への再答弁、再々答弁に触れます。

 再答弁で、質問に全部触れている、答弁に不満があることはわかります、委員会でお願いします、再々答弁で、答えています、本会議と委員会は違います、議運で協議してくださいとは、国会軽視も甚だしい、まさに問答無用の態度であります。(拍手)

 首相の言う国論を二分するイラク派遣だからこそ、丁寧な質疑が求められるのではないでしょうか。

 総理は、所信表明演説で憲法前文に触れました。では、憲法第四十一条に何と書いてありますか。国会は、国権の最高機関で、国の唯一の立法機関であると。なぜか。言うまでもなく、国民主権であるから。その代表者が集うのが国会であります。

 私たちは国会で、行政の、内閣のチェックを行います。三権分立であります。行政と国会は、お互い牽制し合うようになっています。本会議や委員会の質疑を通じてであります。それを封じたのであります。許されません。質問権の制約であります。御所見を伺います。(拍手)

 既に予兆はありました。さきの特別国会で、衆議院選挙後にもかかわらず、総理所信表明演説がなかったわけであります。そして、イラクへの自衛隊派遣、その基本計画の閣議決定という時期にもかかわらず、臨時国会開催要求を拒否いたしました。首相には、国会の権威を冒涜したことへの陳謝を求めます。(拍手)

 首相は、三年前、就任時に、国民に痛みをと言いました。私は、この場に初めて立ったとき、国民に痛みをという痛みは、安易に一人一人の国民に求めちゃいけない、痛みを求めるべき相手は、族議員であり、縦割り省庁であり、それにぶら下がっている業界団体、そして特殊法人などであると。今もその気持ちは変わりません。増税、減税取りやめ、そして支給額削減の前に、歳出の見直しです。それが相変わらずできていません。

 日本経済、企業収益の改善は喜ばしいことです。しかし、それら企業収益のかなりの部分が国外で計上されています。企業の収益をあらわす指標は連結ベースであり、日本以外の国で稼いだ金額も加算されることを忘れるべきではありません。日本のマクロの企業業績回復と地方経済の回復は、同じ意味ではないからであります。

 小泉改革の政策が、市場への信頼を高め、市場の厚みを増すことにつながっていないのです。そのためには、民主党が求める縦割り行政の打破が必要なのであります。(拍手)

 質問に入ります。

 雇用政策について伺います。

 この春高校を卒業する高校生の内定率が五〇%を切り、大学生の就職率、これが七三・五%、過去最悪であったこと、昨年十二月、ことし一月、相次いで報じられました。若年者雇用については、職業教育を充実させ、トライアル雇用などの導入が必要であります。

 また、高校の中退者約九万人の過半数は高校一年生です。これは、中学の進路指導に問題があると言えないでしょうか。そして、小中高と、将来どんな職業につくのかということを考えさせる指南役として、ガイダンスカウンセラーが必要です。これは、民主党が法案を提出したものであります。

 ただし、卒業しても、就職して、また再教育を受けて、そして職につく、これには教育政策と雇用政策の連携が必要です。文部科学大臣と厚生労働大臣は連携をと言いますが、縦割り行政の壁が立ちはだかります。六月、経済産業省が主導して四省庁の会合を立ち上げても、前述の就職率のありさまです。また、求職情報を自治体に提供して、自治体の雇用施策に寄与することについても実現できていません。数値目標の設定など、総合的な取り組みには首相の強いリーダーシップが求められますが、御所見を伺います。

 さらに、ハローワークで発表する就職率は約三〇%ですが、就職者を新規求職者で割った数字で、求職者で割ると実際は約六%です。首相の選挙区のある神奈川県、私の住む埼玉県はその半分、約三%台です。求人求職ミスマッチの正直な数字です。これは、国民年金の未納者の割合、これを未納率と言わず、払った人の割合、検認率を発表することと同じ、ごまかしであります。

 雇用労働市場に信頼感をもたらすために、わかりやすさ、透明さが必要です。きのうの答弁で首相は、三年でサービス分野の雇用は二百万人ふえたと言いましたが、再答弁で何と言ったでしょうか。ふえたのは百五十五万人、減ったのは百五十七万人では、ふえた額もサバを読み、結局二万人減ったのであります。これでは雇用労働市場に信頼感は生まれません。正直に国民に伝える努力が必要と考えますが、御所見を伺います。(拍手)

 年金改革について聞きます。

 選挙後ようやく出された厚生労働省案も、担当大臣みずから、長期的な視点に立っていないことを認めたものであります。政府・与党が年末合意した、保険料率一八・三五%への引き上げ、支給額は五〇%を確保、これが抜本改革なのですか。年内に取りまとめるならば、その方向性を示してください。また、支給額五〇%は今後も必ず維持できるんでしょうか、確保できるんでしょうか。御所見を伺います。

 四月から国民年金への国の拠出を二分の一に引き上げる財源は、取りやすいところから取る年金課税、そして働き盛り世代直撃の三兆五千億円に上る定率減税廃止であります。ビジョンが見えません。

 国民の皆さんが怒っているのは、納めた保険料がいいかげんに使われたことです。厚労省の試算では、グリーンピアと住宅融資事業で計一兆三千百億円の損失を出しました。グリーンピア十三施設のうち、地元自治体が買うのは二つで、あとは引き受けてもくれません。この損失の責任は、だれがどうとるんでしょうか、お答えください。特別国会で岡田幹事長が求めた調査報告書を出すべきと考えますが、その考えはありますか。

 国民が不安に思うのが、納めたお金の運用で昨年度末で過去最悪の六兆円の赤字を計上したことです。欧米では、株式運用を控えたり、リスクを分散したり、第三者の専門家に任せています。首相の言う郵政民営化による財政投融資改革の内実が、財務省資金運用部に預けないかわりに各省庁でお金の運用を行うのでは、国民の不安は解消されません。資金運用の透明性と信頼性をどう確保するのか、御所見を伺います。

 介護保険は、昨年四月、改定前に比べ一三・一%保険料率が上がりました。保険料負担を現行の四十歳以上から二十歳以上にしようと政府は検討中とも聞きます。医療保険も二割から三割に上がりました。社会保障保険料の月額換算が年収換算に変わったこともあわせ、年収五百万円の四人家族で約十万円の負担増という試算があります。これに定率減税廃止と年金保険料引き上げが加わります。

 実は、こうした法定福利関連諸制度転換により、事業主負担も増加しています。中小企業経営者が厚生年金保険料などの支払いのため、銀行から融資を受けているという実態を御存じでしょうか。これでは雇用抑制につながりかねません。御所見を伺います。

 民主党案は、基礎年金部分の財源捻出は歳出見直しで可能と、将来、景気が回復すれば全額消費税で賄うことを掲げました。また、歳出削減の具体策として、特殊法人改革、公共事業抑制、国会議員の定数削減、公務員人件費の一〇%削減等を挙げています。

 選挙中、首相は、民主党は役人集団の票を当てにしているから役所の構造改革ができないと言われましたが、民主党は公務員人件費削減を掲げ、自民党はそれに言及をしていません。総理の批判はこの点当たらないと思いますが、御所見を伺います。(拍手)

 昨年十二月二十二日、道路関係四公団民営化推進委員会の田中委員長代理と松田委員が辞任をされました。一昨年の委員会答申を基本的に尊重するとの閣議決定を総理が守らなかったことに対する抗議であります。総理は、基本的に尊重したと言いますが、尊重した部分はどこですか。具体的にお答えください。

 きのうの答弁では、債務は確実に返済と言っていますが、四十兆円以外に債務が拡大するという民営化推進委員会田中委員長代理の指摘をどう受けとめますか。お答えいただきたいと思います。

 民営化委員会は、やっているふりを国民に示すためのポーズだったのでしょうか。民主党は、委員会発足時、行政により強い力を行使できる国家行政組織法のいわゆる三条委員会を求めましたが、政府・与党は、より力の弱い八条委員会にしました。

 当委員会に限らず、行政改革に逆行の一点張りで拒否をし続けていますが、その真の理由は、担当省庁、担当大臣のさじかげんがきかなくなることを、そして族議員の無理を聞けなくなることを恐れてのものではないですか。御所見を伺います。(拍手)

 また、八条委員会といっても、内閣総理大臣への勧告権が設けられました。それを初めて昨年十月二十八日用いて、法律案の中身を委員会にゆとりを持って国交省が提出するように首相の指示を求めたのに、それが来たのは二人の委員が辞任を発表する日の朝、十二月二十二日であったのはなぜですか。なぜもっと前に出せなかったのですか。一昨年半年で三十七回、昨年末までに四十九回の会合を重ねた委員の誠意に対して、余りにも失礼であります。

 結局、一昨年七月発足の与党三百人以上のメンバーによる高速道路建設推進議員連盟の建設ありきではなかったんでしょうか。

 おまけに、二十兆円を削って十・五兆円にしたと胸を張るうちの新直轄方式三兆円分は、最も不採算のDランクからつくるというむちゃくちゃぶりです。コスト削減と言うけれども、非常電話一台二百五十万円などの個別の単価の引き下げは、このコスト削減の計算に含まれているんでしょうか。公団が公正取引委員会から指摘を受けたファミリー企業を初めとする談合体質をどう変えるのか。以上、総理の所見を伺います。(拍手)

 個別路線の建設の判断をする国幹審も、質疑時間は、委員二十名で四十五分間足らずでした。抜本的見直し区間は百四十三キロのみ、それも、つくらないとは言っていない。結局、丸々二千キロ全部つくるなら、なぜ、政権公約、マニフェストに書かなかったのですか。国民をだますことになりませんか。御所見を伺います。(拍手)

 民主党案に触れます。

 道路公団廃止、高速道路原則無料化案は、小泉首相が就任当時盛んに触れ、最近とんと触れなくなった道路特定財源の一般財源化もあわせて盛り込んだものであります。政府にある三十二の特別会計、総額三百七十兆円になるにもかかわらず、各省庁が自由に使える財布として、国会もノーチェックであります。自民党、公明党両党ともこの改革をマニフェストにうたっていますが、どう具体化するんでしょうか。総理は、道路特定財源の一般財源化の旗をおろしたのですか。伺います。

 三位一体改革について伺います。

 総理は、平成十八年度までに四兆円の補助金削減の数値目標を掲げ、十六年度、一兆円の削減をうたいました。しかし、社会保障関係の補助金で一兆円以上の大幅増があり、合計の補助金額は増額しているのではありませんか。合わせて幾ら減ったのか、ふえたのか、明確にお答えいただきたいと思います。

 具体的な項目も、地方にとっては、歳出を削りがたい、使途に自由度のない項目が並んでいます。こうした項目を選んだ理由は何なのでしょうか。

 民主党は、約十八兆円の補助金を削減し、全国知事会も九兆円の補助金廃止を提言しています。四兆円というのは余りにも少ない。補助金削減の数字を見直すつもりはありませんか。

 税源移譲については、約四千二百億円の所得譲与税という暫定措置にとどめています。税源移譲は平成十八年度までにどのような規模を想定しているのですか、お示しください。

 郵政民営化について伺います。

 首相は、この本会議場で、信書便法案、郵政公社化法案提出時に、民営化の一里塚と言い、総務委員会に出席したときは、民営化の第一歩と後退し、政府提出法案も修正に応じました。具体的には、公社の資本金一兆七千億円を十兆円にふやすために内部留保を認める趣旨の改正であります。

 十兆円とは、二百五十兆円の郵貯残高の四%、すなわちBIS規制を守るためであります。もしBIS規制にこだわるなら、一兆七千億円の二十五倍の四十二兆円まで郵貯は縮小すべきではないでしょうか。そして、二〇一〇年初頭のプライマリーバランスを目指すのであれば、内部留保せず、国庫に納付すべきではないでしょうか。

 一方、郵貯、簡保で引き受けている百十兆円の国債は、民営化しても引き受けられるんでしょうか。その判断は、民営化会社の経営者にゆだねられていると考えていいんでしょうか。だとすると、国債を引き受けない可能性もあると思いますが、それで民営化は可能ですか。お答えください。(拍手)

 BSE対策等、危機管理について伺います。

 十九日帰国した調査団報告では、今後、米国においてBSEが発生しないという保証はないとしています。

 民主党は、昨年、通称トレーサビリティー法案が政府から出されたときに、国内消費の六〇%を占める海外産牛肉を含めるべきとして、野党四党共同で輸入牛肉トレーサビリティー法案を提出しましたが、強引に政府案を可決した経緯があります。

 政府が直ちにOIEカテゴリーに準じたBSE表示をすべての牛肉に求め、消費者がみずからの判断で牛肉を買い求めることができるよう改めるべきと考えますが、総理の御所見を伺います。

 また、政府は国民の生命財産等を守ることが最重要課題です。拉致事件、北方領土、救急医療など、枚挙にいとまがありません。しかし、危機管理体制が阪神大震災以来相変わらず変わっていないことをまたもや露呈したのは、SARS対策でありました。問題発生から厚生労働省に連絡が行くまで十六時間かかりました。

 私が成田空港に行ったとき、まだサーモグラフィーはテスト中でした。一人いたお医者さんはアルバイトの大学院生で、その専門は整形外科でした。また、耳ではかる検温計も、売り切れて置いておりませんでした。検疫は厚生労働省、入管は法務省、税関は財務省の所管で、連携がとれていませんでした。

 縦割り行政を打破しなければ危機管理は機能しません。また、現場に判断の決定権があるため、現場が対応できなくなって初めて上部機関の指示を仰ぐような行政の仕組みは、危機管理には不向きであります。見直しについて御所見を伺います。

 信楽高原鉄道の遺族の方々が法案をつくりました。遺族からは、何で事故が起きたのか、なぜ犠牲になったのか知りたい、早く知りたい、そのためにも、犯人捜しではなく、原因究明、再発防止のための強い調査権限を持った組織が必要であるという内容です。御所見を伺います。

 電子政府について伺います。

 世界最先端のIT国家と首相は胸を張りますが、世界における日本の電子政府の位置づけは、国連で十八位、アクセンチュアで第十五位です。その理由として、日本は、利用者サイド、国民サイドの視点よりも供給者サイド、政府サイドの視点が先行しているからとのことです。

 また、e―Japan戦略2には、行政の効率化という言葉はありますが、行政改革という言葉はありません。ITには、国、地方合わせて三兆円の巨費が投ぜられています。その入札、受注のあり方も問われています。さらに、IT化により、公務員人件費が一・四兆円、建設関係経費が一・三兆円削減できるとの試算もあります。

 あくまでも電子政府化は利用者の利便性を中心に考えること、行政改革の視点を盛り込むことについて、総理の御所見を伺います。

 国会議員になって驚いたことは、私たち国会議員一人一人に国政調査権がなく、両院に、そして委員会にあるとの解釈です。だから、委員会で多数決をしなければ国政調査権は行使できないとのことです。そこで、ある自民党の若手の議員が情報公開法で役所に資料請求をしているという記事が新聞に載りました。行政が、求める情報を国会に提供しないからであります。

 これを打破するためにも、国会法百四条の見直しとともに、司法制度改革は必要であります。三権分立を働かせるため、裁判員制度導入に当たって、裁判員数は裁判官一人に対して十名前後とすべきというのが民主党案です。国民参加を進めるためです。御所見を伺います。

 また、情報公開法を改正して、国民の知る権利を入れることの御所見を伺います。

 さらに、さきの選挙はマニフェスト選挙、政権選択選挙とされました。総理は、政権交代の必要性を制度上認められますか。また、イギリスは、野党、影の内閣の報道を政府・与党と同程度に割くという暗黙の了解があるそうです。御所見を伺います。

 規制改革に対する総理の意気込みについて伺います。

 政府の総合規制改革会議の位置づけは、第三次答申が出されて以降、今後どうなるのでしょうか。また、規制改革に対する意気込みについて総理の答弁を求めます。

 環境政策について伺います。

 京都議定書の早期発効を、ロシアへ働きかけが必要であります。また、EU等と連携を図り、アメリカに対しても強い働きかけが必要ではないかと考えます。御所見を伺います。

 民主党では、百年間で三度上がった大都市の気温、東京の気温を三十年で三度下げる方策を講じるという提案をまとめました。数値目標とともに、関係省庁挙げての取り組みが必要です。御所見を伺います。

 目指すべきは、世界、そして近隣アジア諸国から信頼される日本、日本スタンダードの確立。信なくば立たず。国民が信頼するために首相は説明責任を果たすことを求め、質問を終わります。果たさなければ、本会議のルールにのっとり、以上の質問に関連のある問題について再質問させていただくことを申し上げ、以上で質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武正議員に対する答弁に先立って、昨日の松本議員の質問に対する補充答弁をいたします。

 自衛隊活動に係る国会承認についてでありますが、イラク特措法によれば、国会承認の対象は、基本計画に定められた対応措置の実施についてであり、具体的には、人道復興支援活動または安全確保支援活動を自衛隊の部隊等が実施すること、及び、いかなる国において実施するかという点であります。一つの基本計画に定められている対応措置の実施に関して、既にその全体について実施命令が出されていることから、一つの国会承認を求めることは適当であると考えます。

 自衛隊による安全確保支援活動についてでありますが、自衛隊の部隊は、人道復興支援活動を中心にするとの方針のもと、人道復興支援活動を行う区域に限って、人道復興支援活動に支障を及ぼさない範囲で、医療、輸送、修理もしくは整備、補給といった安全確保支援活動を行うこととしております。したがって、現地における安全確保のための活動を行う外国軍隊に対しては、自衛隊が支援活動を行うことがあり得るということになります。

 北朝鮮に関する諸問題の解決に向けた国際社会の理解と協力を得るために、中国に対しても積極的に協力を働きかけ、また、中国側からも積極的な理解と協力を得てきております。今後とも、中国を含む関係国と協力しながら、次回六者会合の開催に向けまして、できるだけ努力し、問題の解決に取り組んでまいります。

 消費税についてですが、私は常々、私の在任中は引き上げませんとはっきり申し上げております。ただし、議論は大いに結構でございます。今後、税制改革の一環として、引き続き徹底的な行財政改革を断行しつつ、国民的な議論を進めていくことが必要と考えておりますが、これは、私のこれまでの方針と何ら矛盾するものではありません。

 昨日の私の松本議員に対する再答弁などが、議員の質問権の制約ではないかとの御指摘がございました。

 私は、松本議員の再質問に対して、一部について追加的に答弁するとともに、その他のお尋ねに対しては最初の答弁につけ加えることがない旨をお答えしたものでありまして、議員の質問権を制約したとの御指摘は当たらないと考えております。(拍手)

 特別国会での所信表明や臨時国会の開催要求についてですが、先般の特別国会につきましては、国会においてお決めになったところに従いまして、本会議等の議事運営が行われたものと承知しております。

 昨年十一月二十七日、憲法第五十三条の規定に基づく臨時国会召集の要求が内閣に提出されました。政府としては、これに適切に対応すべく検討してまいりましたが、諸課題を整理して予算編成等を行うとともに、これらを踏まえて施政方針演説を用意して第百五十九回通常国会を召集したところであります。決して国会を軽視するものではございません。

 若年者の雇用問題につきましては、政府としては、この問題の解決のため、昨年六月に関係の四大臣で策定した若者自立・挑戦プランを推進することとしており、当面、三年間で若年失業者等の増加傾向を転換させることを目標として、関係府省が一体となって、我が国の将来を担うべき若年者の雇用の拡大に努めてまいります。

 サービス分野の雇用についてですが、経済環境が急速に変化する中で雇用の安定確保を図るためには、雇用減少分野における余剰雇用を吸収し、新たな雇用機会を創出することが必要であります。このため、政府としては、サービス分野を中心に五百三十万人の雇用の創出に取り組んでいるところであります。

 雇用情勢は依然として厳しく、二〇〇三年上半期を二〇〇〇年同期に比べると、全産業で百五十七万人の雇用が減少する一方、サービス業では百五十五万人増加しており、全体として雇用者は二万人の減少となっております。なお、サービス分野を中心とした五百三十万人雇用の対象分野では、約二百万人の雇用が創出されたと見込まれます。

 政府としては、今後とも、規制や制度の改革、人材育成や公的業務の民間委託などをさらに進め、サービス分野を中心とした雇用の創出に全力で取り組んでまいります。

 年金の改革についてでございますが、政府・与党が年末に合意した年金制度改革案は、将来の負担が過大とならないよう極力抑制して、その上限を国民に明らかにするとともに、少なくとも現役世代の平均的収入の五〇%の給付水準を維持しつつ、急速な少子高齢化が進行する中で、年金を支える力と給付の均衡をとることのできる仕組みに転換するものであります。また、課題であった基礎年金の国庫負担割合についても引き上げの道筋を示すなど、持続可能な制度の構築に向けた根幹にかかわる大きな改正であると考えております。

 少子化、高齢化の急速な進行が見込まれる中で、どのような制度体系をとろうとも、給付と負担の長期的な均衡を図ることは不可欠であります。これを先送りすることはできないと思います。したがって、まずは、給付と負担の長期的な均衡を確保し、安定的な仕組みとするための関連法案を本国会に提出することとしておりまして、長期的な制度の体系論については法案の国会審議に当たって議論がなされるべきものと私は考えておりまして、そのような議論を私も歓迎いたします。

 年金資金の使途についてでございますが、グリーンピア及び住宅融資については、平成十七年度末までに廃止することを決定しております。まず、その経緯や事業の内容についてきちんと整理し、これを国民に説明していくことは必要と考えております。

 また、年金積立金は長期的な観点から安全かつ効率的に運用するものであり、一時点をとらえて評価することは適当でないと考えております。

 いずれにせよ、専門性の徹底や責任の明確化の観点から十分検討を行い、国民の理解が得られる必要な改革を取りまとめてまいります。

 グリーンピアについては、政府としてきちんと報告することは必要と考えております。

 社会保険料の事業主負担が雇用に与える影響については、企業にとって、年金等の保険料を負担することは、労働者の老後の不安を解消し、安心して働くことを可能にするとともに、企業活動への貢献の動機づけを高めるなど、企業、労働者双方にとってプラスの面もあると考えます。

 いずれにしても、社会保障に係る負担が過剰にならないように、今後とも、給付の効率化など不断の改革に努めてまいります。

 民主党の提案についてでございますが、民主党の全額税財源の国民基礎年金の提案につきましては、給付と負担の連動のない税財源のみで費用を賄うことについての問題など根源的な問題がありまして、現時点において、現行制度にかわる現実的な選択肢にはならないのではないかと私は考えております。

 私は、基礎年金国庫負担の費用は高齢化の進展に伴い増大していくことから、これに見合う安定した財源を税制改革により確保していかなければならないと考えております。

 なお、提案された歳出削減等が実現可能かという問題に加えまして、大量の国債発行を伴わざるを得ない現在の財政状況の中では、歳出削減分は国債発行額の縮減に充てるべきではないかと考えます。

 道路公団民営化につきましては、民営化委員会は、国会審議においてその位置づけを明らかにした上で、法律により設置されたものであり、平成十四年十二月にその意見が提出された後、直ちに、ファミリー企業について公団職員の役員への天下りの原則禁止や入札・契約方式の見直し等の抜本的見直しを行うなど、実施が可能なものから意見書に沿って取り組んできたところであります。

 昨年末には、民営化委員会の意見を基本的に尊重し、債務を確実に返済するとともに、真に必要な道路について、会社の自主性を尊重しつつ、できるだけ少ない国民負担のもとでつくるとの方針のもと、あらかじめ複数案を提示して、民営化委員会を初め各方面の意見を伺った上で、民営化の基本的枠組みを取りまとめました。

 具体的には、未供用の整備計画区間約二千キロメートルについて、費用便益分析等を厳しく実施するとともに、五区間、百四十三キロメートルの抜本的見直し区間を設定いたしました。これについては、現行の計画のままで整備を進めることはありません。

 また、非常電話の単価を含む徹底したコスト縮減等により有料道路事業費をほぼ半減するとともに、その債務については、民営化時点の債務総額を上回らないようにし、民営化後四十五年以内にすべて返済いたします。

 さらに、競争原理を導入するため、日本道路公団を三分割し、当面六社体制とし、一方的命令の枠組みを廃止して会社の自主性を最大限尊重する仕組みとするとともに、民営化までに平均一割を超える高速道路料金の引き下げを実施することとしております。なお、会社は将来、株式の上場を目指すものとしております。

 これらの内容は、民営化委員会の意見を基本的に尊重し、戦後、有料道路制度の初の抜本的改革を行うものであります。

 道路特定財源についてですが、厳しい財政事情のもと、平成十六年度においても、受益と負担の観点から納税者の理解を求めつつ、使途の多様化を図っているところであります。

 いずれにせよ、民主党が主張するような一般財源化をすれば、高速道路を無料にするということは実現困難になるのだと私は考えております。(拍手)

 また、特別会計については、十六年度予算から、事務事業の見直しによる歳出の合理化、効率化など、具体的な見直しを進めているところであります。道路整備特別会計についても、道路特定財源の使途の多様化等を図っております。

 なお、一般財源化など道路特定財源のあり方については、今後とも納税者の考え方を踏まえるなど、幅広く検討を進めていきたいと考えております。

 補助金改革につきましては、国の関与を縮小して地方の権限、責任を拡大するとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を推進する観点から、平成十六年度に一兆円の廃止・縮減等を行うこととしております。

 一方、地方向け補助金等の総額としては、医療、介護、福祉等の社会保障制度の補助金の大幅な増加等により、対前年度で若干増加することになります。

 また、補助金改革の内容については、地方にできることは地方にとの原則のもと、数次にわたる閣僚間折衝や政府・与党間での協議など、関係者の十分な議論、検討を経た上で決定したものであります。

 なお、補助金改革については、十八年度までにおおむね四兆円程度を目途に改革を行うこととしておりますが、こうした取り組みについては、全国知事会、市長会など地方公共団体から改革の第一歩として評価をいただいており、地方自治体の声を軽視しており見直すべきとの御指摘は当たらないと考えております。

 税源移譲につきまして、基本方針二〇〇三において、廃止する補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについては、個別事業の見直し、精査を行い、所要額については基幹税の充実を基本として税源移譲することとしており、その規模については、補助金改革の状況に応じて検討してまいります。

 郵政民営化につきましては、これは、民間にできることは民間にとの方針のもとに進めてきた公的部門の改革の本丸として、行財政の改革にとどまらず、金融、地方の改革につながる複雑で大変大きな改革であります。

 具体論につきましては、現在、専門家の意見も伺いながら、多岐にわたる論点について経済財政諮問会議で予見なく議論しているところであり、財政改革や国債管理政策との整合性にも配慮しつつ検討を進めているところであります。

 今後、既に確認している五つの基本原則に沿って、幅広く国民的議論を行い、本年春ごろに中間報告を作成し、秋ごろまでに国民にとってよりよいサービスが可能となる民営化案を取りまとめて、平成十九年には郵政民営化を実現する考えであります。

 なお、郵便貯金に関し、御指摘のような内部留保を認める改正が行われた事実はなく、既に、公社化に伴い、郵便貯金の経営の健全性を確保するため必要な内部留保の額を超える額の二分の一について国庫納付する仕組みとなっているところであります。

 BSEについてですが、国民の安心と安全の確保が何よりも重要であります。BSE発生国からの輸入を認めるに当たっては、我が国で国産牛肉について講じておるBSE全頭検査及び特定危険部位の除去と同等の安全、安心確保策が必要と考えております。

 政府の危機管理体制については、さまざまな緊急事態の、特に初動段階に際しては、内閣官房を先頭に、政府全体が一体となって対応する仕組みを速やかに立ち上げることが重要であります。今後とも、関係機関との連携等、対処のあり方について不断の点検を行い、国民の安心、安全確保に万全を期してまいりたいと思います。

 鉄道事故の調査でございますが、事故調査と犯罪捜査は、異なる目的のもとに、異なる法律上の手続、方法によって行われるものであります。このため、事故調査と犯罪捜査が競合する場合には、航空・鉄道事故調査委員会と捜査機関との間で協力及び調整を行うことにより、事故調査を支障なく的確に実施しているところであります。

 電子政府につきましては、電子政府の構築は、行政分野へのITの活用とこれにあわせた業務や制度の見直しにより、国民の利便性、サービスの向上にあわせ、当然のことながら、行政運営の簡素化、効率化などにつながるものであり、行財政改革を進める上でも重要な問題と認識しております。このような方針のもと、今後とも電子政府を積極的に推進してまいります。

 裁判員制度につきましては、一般の国民が裁判手続に参画することには大きな意義があると考えます。裁判官と裁判員の人数の問題を含めた具体的な制度のあり方については、国民の負担を含め、さまざまな観点からの検討を踏まえ、国民的な理解を得られるものとする必要があると考えます。

 情報公開法についてですが、国民が行政文書の開示を請求できる権利を定めているものであることから、憲法の理念である「国民主権の理念にのっとり、」と規定されたものであり、いわゆる知る権利という概念につきましては、憲法学上さまざまな理解の仕方があることなどから、知る権利という言葉は用いられておりません。

 議院内閣制についてでございますが、政権交代が必要とされるかということでありますが、現在の制度でも、選挙が、有権者の判断によって政権交代が行われるんです。これは国民が決めることであります。

 私は、こういう選挙の際などにおける有権者の政権選択の意向を的確に反映できる制度はどういうものかということについては、現在でも可能でありますが、さらに、政治制度あるいは国民の政治意識の点について政治が努力するということについては必要ではないかなと、不断に国民に対する働きかけ、また、国民の参加を政治に求めていく努力は大事なことだと思っております。

 現行の制度に何らかの見直しが必要かどうかというのは、今後、国会の場において、政党間において十分御議論していただきたいと思っております。

 総合規制改革会議についてですが、この総合規制改革会議の終了後も、引き続き民間人主体の審議機関を設置することとし、民間主導の規制改革を強力に推進してまいります。

 また、これと併存して、政府にも推進本部を設置いたします。ここには審議機関の民間人主要メンバーも出席し、必要に応じて関係閣僚とも折衝を行ってもらうなど、政治的リーダーシップのもとに、これまで以上に規制改革を後押ししていく考えであります。

 京都議定書については、地球温暖化に対する国際的取り組み強化のための重要な第一歩であり、その早期発効が重要であります。京都議定書の発効にはロシアまたは米国の締結が不可欠であり、二国間協議や多国間協議等さまざまな機会を活用して、両国に対し、引き続き京都議定書の早期締結を働きかけてまいります。

 また、今後とも、米国や開発途上国を含むすべての国が参加する共通ルールの構築に向け最大限努力してまいります。

 ヒートアイランド対策につきましては、これは着実に推進するという観点から、政府は、規制改革推進三カ年計画において、ヒートアイランド対策に係る大綱を平成十五年度末までに策定することとしております。現在、本年度中に可能な限り数値目標を盛り込んだ総合的な大綱を取りまとめるべく、関係府省一体となって作業を進めているところでございます。(拍手)

議長(河野洋平君) 武正公一君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。武正公一君。

    〔武正公一君登壇〕

武正公一君 再質問をさせていただきます。

 まず、雇用政策でありますが、首相の答弁は私はもうわかっていて、それで、それがあっても、新卒、高卒が過去二番目に悪く、そして大卒が過去最悪なんだから、だから首相のリーダーシップを求めたのでありまして、これまでの取り組みを聞いたのではありません。首相としてのリーダーシップを聞かせていただきたいのが一点目でございます。

 二点目、年金でございますが、私は、保険料率一八・三五%、そして給付額五〇%、この五〇%を今後とも維持するのかどうか、維持できるということが言えるのかどうか、これを聞いたのでありまして、それに対する明確な答弁がありません。

 そして三番目は、道路のことであります。基本的などこを尊重したのかという中で、債務を返済できるということを言いましたが、リース料を担保に借金をして、そして道路建設をしていく、これでは四十兆円の債務が拡大していくことは日の目を見るよりも明らかであります。基本的な部分を尊重していません。このことについてもう一度、再答弁をお願いいたします。

 以上です。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の再質問については、すべて答弁したつもりでありますが、あえて要求されましたので、再度答弁いたします。

 雇用問題については、小泉内閣の最重要課題の一つであります。今後とも、リーダーシップを発揮してまいります。

 五〇%、年金の維持でございますが、この維持をできるように、これからも努力を続けてまいります。

 道路公団の債務につきましては、確実に返済してまいります。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 神崎武法君。

    〔神崎武法君登壇〕

神崎武法君 私は、公明党を代表して、小泉総理の施政方針演説を含む政府四演説に関連して、主要なテーマに絞って質問をいたします。(拍手)

 総理、私は、二〇〇四年という年はまさしく日本の国家百年の運命を決める重大な年であると認識しています。そして、こうしたときに政治家に求められるものが、時代を切り開く構想力と外交力だと思います。

 それは、国際競争時代に打ちかち、冷戦後続発しているテロの脅威の中で、地域や世界の安全保障をいかに構築するかとの構想力と外交力であります。国民が政治に求めているのは、この青写真ではないでしょうか。何のためにどういう国づくりをするのか、今日ほど長期的な視点に立った戦略が求められているときはありません。

 私は、こうした内政、外交の重要な転換期であるからこそ、総理が強いリーダーシップを発揮していただきたいと考えるのであります。世界の中にあって、日本の国をどういう国につくり変えていこうと考えておられるのか、まず、総理の率直な所感をお伺いいたしたい。

 さて、イラクの復興支援は、国連安全保障理事会の全会一致の決議に基づく国際社会の総意です。我が国も国際社会の一員として支援する責務があるのは当然です。既に三十七カ国がイラクの人々と手を携えながら活動し、イラクの再建、そして世界の平和と安定を願いながら、復興へのとうとい汗を流しているのです。

 殉職された外務省の奥大使、井ノ上一等書記官のお二人も、その中心的な役割を果たしておりました。改めて哀悼の意を表するとともに、そのとうとい志を継承するためにも、我が国はイラクの復興へ行動を起こさねばならないと思います。これを阻止しようとするテロリストに断じて屈するわけにはまいりません。(拍手)

 私は、昨年末、自衛隊の派遣予定地であるイラク南東部のサマワを訪問しました。それは、与党の責任者として、まず直接現場に行って、治安状況や自衛隊派遣のニーズを自分の目で確認しようと思ったからであります。

 百聞は一見にしかずで、旧フセイン時代の圧制下で、水や電気など生活基盤をなすインフラ整備が大幅におくれている上、一連の戦争で職を失い、途方に暮れる市民の姿は目に余るものがありました。私は、浄水、給水、電力、下水道の整備、そして学校や病院の改修などのインフラ整備が急務であり、当面は、そのお手伝いとして、現地の人を少しでも雇用できればと思いました。

 そこで、お伺いしますが、自衛隊がイラク市民への生活支援事業を実施する場合、補助的な仕事として現地の人の雇用も検討されているのかどうか。さらに、本格的な雇用対策の一つとして注目されているメソポタミア湿原の回復事業に我が国も全面的に協力するなど、多種多様な施策を検討されてはいかがでしょうか。あわせて御答弁をいただきたいと思います。

 イラクが真の意味で復興するためには、イラク国民が将来への希望を回復することが最も大切です。こうした観点から、イラクの未来を担う若い世代に対する教育支援を重視すべきではないかと思います。

 さらに、イラクは長い歴史を有する伝統ある国家であります。部族や宗派の違いを乗り越えて、イラクの国家としての一体性を維持強化していくためにも、イラク国民が誇りとする文化財の保護、修復等に力を入れるべきだと思いますが、総理のお考えを承りたいと存じます。(拍手)

 一方、派遣される自衛隊員の安全対策のために、外務省と防衛庁の連携、米国や各国政府との連携が極めて重要でありますし、イラク人から直接情報を収集することも欠かせません。安全対策の要諦は情報であり、日本政府としても、あらゆるチャンネルを使い万全の措置を講ずべきだと思いますが、政府の取り組みについてお尋ねいたします。

 国連の役割も重要です。最近、国連、CPA、イラク統治評議会による三者協議も開催され、イラクの政治プロセスの進展に国連が重要な役割を果たすことがますます期待されています。

 事実、国連としても、イラクにおける選挙が実施できるかどうか、調査団派遣を模索しているようでありますが、本格的なイラク支援を一段と進めるためにも、政府として、国連が現地にもう一度戻って活動再開できるよう一層の外交努力を払うべきだと思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。(拍手)

 今回のイラクの人道支援について、野党側は、自衛隊を派遣するな、お金だけ出せばいい、憲法違反だといったさまざまな批判があります。要するに、自衛隊を出さずに民間人にだけ任せるということですが、治安が不安定な状況下で民間人派遣は余りにもリスクが多過ぎ、結局は何もしないということになることは明らかです。仮にも、日本として人的貢献をしないという対応をとったときに、日本は国際社会の中でどういう評価を受け、今後、日本の外交にはどういう問題が生じるとお考えでしょうか。総理の率直な御所見をお伺いしたいと存じます。(拍手)

 現在、陸上自衛隊の先遣隊が現地の治安状況を調査しておりますが、この報告を踏まえ、陸上自衛隊本隊の派遣時期については、状況を十分に見きわめて最終判断するよう強く申し述べておきます。

 さて、私は、昨年一月の代表質問においても、新しい平和主義を掲げ、国際人道支援については迅速に対応できる体制を構築すべきだと提案いたしました。本当に必要なときに、困窮している人々へのスピーディーな支援が不可欠です。なぜなら、命に直結するからです。そういう意味で、自衛隊の国連待機制度への加入は急務です。

 この制度は、国連PKOの機動的かつ迅速な展開を可能とするために、国連加盟国が一定期間内に提供可能な要員の種類、数などを国連側にあらかじめ報告しておき、実際に展開が必要となった場合、国連がこれに基づき各国に要請するシステムであります。

 本年こそは、我が国も加入への意思表明をすべきであります。総理が繰り返し言われている、憲法前文にある国際社会において名誉ある地位を実現しようと思うのであれば、その決断を求めるものです。御答弁をいただきたいと存じます。

 今月、自民、公明両党の政調会長らが訪中をしましたところ、中国政府高官から、小泉総理が行った靖国神社参拝についての懸念が示されました。参拝を続けられる総理の信念は承知をしておりますが、総理は靖国神社への参拝が外交上の障害になっている点について、どのようにして解決を図っていくべきだとお考えでしょうか。

 私は、一昨年、追悼平和祈念懇談会が提言した新たな追悼平和祈念施設の建設は、日本が国際貢献により力強く踏み出していく環境づくりの上からも、早急に具体的な検討を開始していくべきだと思いますが、総理の御所見を伺いたいと存じます。(拍手)

 次に、武器輸出三原則の見直し問題についてお伺いします。

 大量破壊兵器が拡散している今日の状況を考えると、国民の生命と財産を守るために弾道ミサイル防衛構想を推進することはやぶさかではありませんが、武器輸出三原則については堅持すべきだと考えます。

 ただ、現在、日米で共同研究している弾道ミサイル防衛構想が開発、配備の段階になれば、相互に共同研究の成果を具体化する必要があるので、その限りにおいて三原則の例外を求めることについては検討の余地があると思います。

 この武器輸出三原則の見直し問題について、総理の御見解を承りたい。

 我が国経済は、ようやく、緩やかではありますが、回復への確かな歩みを始めました。しかしながら、今般の景気回復は設備投資と輸出に支えられたものであり、小泉改革の成果が芽吹き始めたとはいえ、まだまだ内需主導の本格的な回復にはなお遠く、その意味で重要な局面を迎えつつあると思います。今こそ、気を緩めることなく構造改革を着実に進める体制を強化していくことが重要であります。

 また、デフレも依然として続いている中で、その早期脱却に向け、特に新産業、雇用など、新たな需要の創出へ向けた取り組みを強化していくべきであります。

 その点、平成十六年度予算において、ライフサイエンス、情報通信、ナノテクノロジーなど、二十一世紀のリーディング産業の創出を目指して、早期の実用化が見込まれる研究開発プロジェクト、いわゆるみらい創造プロジェクトを大幅に拡充し、戦略的な推進体制が整ったことは大いに評価するものであります。今後のプロジェクトの具体的な取り組みについて御答弁いただければと存じます。

 また、高齢化や災害に備える住宅リフォームは喫緊の政策課題であり、同時に大きな経済効果も期待できます。

 高齢者がいる住宅は、現在一千万世帯を上回り、毎年平均三十一万世帯ふえ続けています。二〇二〇年には三軒に一軒が高齢者世帯になると言われ、住宅のバリアフリー化のニーズも当然高まりつつあります。住宅政策は、量を求める時代から、既存住宅でいかに快適で安全な住まいにさせるかの質を求める、いわゆるリフォーム時代に入ったことは明らかであります。

 段差をなくし、手すりをつけたいなど、バリアフリーを希望する世帯がリフォームするだけでも、四兆円を超える需要があるとの試算もあります。また、耐震性に問題があると指摘されている昭和五十六年以前の住宅が耐震改修工事を行うだけでも、約十四兆円の需要が発生します。

 総理、今こそ、リフォームを推進し、経済の活性化策を推進する上でも、助成、融資、税の優遇などの施策をパッケージにした政策プログラムを早急に策定し、実施すべきですが、総理の御答弁を求めます。(拍手)

 次に、少子高齢化に対応した施策の推進についてです。

 高齢化に少子化の進展が相まって、二〇〇二年から二〇一五年までに、生産年齢人口が約八百四十万人、労働力人口は約九十万人も減少します。高い技術とノウハウを持ったベテラン社員が労働市場から姿を消し、質量ともに深刻な労働力不足となることから、経済社会の支え手として高齢者を必要とする時代が到来すると思います。

 厚生年金の支給開始年齢が段階的に六十五歳に引き上げられることを考えると、まず、高齢者が何らかの形で六十五歳まで働き続けることが可能な雇用環境を整備しなければなりません。そのためには、定年年齢の引き上げ、または、原則希望者全員を対象とする継続雇用制度を義務化するなどの法的整備を進め、円滑な制度導入が図られるよう支援を講ずる必要があります。厚生労働大臣の御答弁を求めます。

 また、高齢者の多様な働き方をサポートするため、シルバー人材センターを活用し、地域に根差した総合的な就労支援を行うべきであります。高齢者の雇用確保について、厚生労働大臣の御見解を承りたい。

 一方、若者の雇用環境が深刻です。十五歳から二十四歳の若年者の失業率は一〇%前後、いわゆる七五三現象と呼ばれる学卒者の高い離職率、フリーターや無業者の増加など、中長期的に見て、日本の競争力の低下や社会不安に結びつきかねない状況であります。

 若者の雇用が深刻である理由は、もちろん求人が少ないことが理由の一つですが、私は、若者の仕事に対する夢がなくなってきていることにこそ問題があると思うのです。

 総理は、最近ベストセラーになった「十三歳のハローワーク」という本を御存じでしょうか。著者である村上龍氏は、「いい学校を出て、いい会社に入れば安心という時代は終わりました。好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか」と述べています。

 最近、私も若者と話をしていて感じることは、やりたい仕事がない、職業や将来についても何も考えがなくて悩んでいると話す若者が多いことには驚くばかりです。この問題の解決のため、私は、小中学生のころからの職業に対する体験学習などを行っていくことが必要だと考えますが、総理並びに文部科学大臣の御所見をお聞かせください。

 経済の活性化を考えるときに忘れてならないのが、中小企業・ベンチャー支援策です。日本の企業の九九・七%を占めるとも言われる中小企業に活力がなければ、我が国経済の活性化はありません。特に、市場を活性化するためには、ベンチャー企業の育成は不可欠であります。我が党はマニフェストなどで、従来の中小企業融資のあり方を見直し、物的担保によらない融資、個人保証を求めない融資の拡充など、中小企業金融の拡充を訴えてまいりました。

 このたびの予算案には、我が党の主張が大きく反映され、中小企業金融の多様化として、中小企業向け貸付債権の証券化支援、経営者の個人保証を免除する特例措置の創設、NOx・PM法対策のための融資制度の創設、無担保無保証で融資を行う新創業融資制度の貸出上限額の七百五十万円までの引き上げなどが盛り込まれました。

 しかし、地域の中小企業を見てみますと、まだまだ困難な状況が続いております。特に個人・零細企業や新規開業企業は、十分な融資を得ることができていません。

 このような状況下において、政府系金融機関の役割は非常に重要であります。民間金融機関ではリスクをとることのできない部分において、しっかりとカバーし、やる気のある企業を支援していくことが重要であります。そのためにも、中小企業金融の強化、特に無担保無保証融資や新規開業向け融資の拡充を図っていくべきであると考えますが、総理の御認識を伺いたい。(拍手)

 七十九年ぶりに我が国で鳥インフルエンザが発生しました。これは、強い感染力を有し、鶏の大量死をもたらす大変危険な家畜伝染病であります。これが人にうつる感染力の強い新型インフルエンザに変化するおそれもあると指摘されており、早急な封じ込めが必要であります。

 いまだに感染源は特定されておりませんが、感染源の徹底究明、迅速な蔓延防止対策、風評被害対策、移動禁止区域の養鶏業者の救済などに全力を挙げるべきでありますが、食の安全確保を含め、政府の対応と決意を総理にお尋ねいたします。

 米国のBSE発生に関し、我が国は直ちに輸入禁止措置を講じましたが、食の安全、安心確保の観点から極めて適切であったと思います。また、農林水産省は、BSEの全頭検査か、これと同等の検査体制の確認が輸入再開の条件としておりますが、食の安全、安心の観点からは必要な措置だと思います。

 しかし、米国産牛肉は国内需要の四分の一を占めているため、禁輸が長期化すると国民生活に大きな影響を与えることは必至であります。既に、牛どんの販売中止を表明した大手牛どんチェーンも出ておりますし、また、オーストラリア産牛肉は急騰しており、これが国産牛や豚、鶏肉価格へ波及することは避けられないと思います。

 米国産牛肉の輸入問題は、こうした観点も踏まえつつ、長期化しないよう対処すべきだと考えますが、総理並びに農林水産大臣の答弁を求めるものであります。

 次に、がん対策の強化についてであります。

 がんの罹患率と死亡率の激減を目指し、平成十六年度から第三次対がん十カ年総合戦略がスタートしますが、検診体制の充実など一層の予防推進に取り組むとともに、専門医の育成や診療拠点病院の整備を進め、質の高い最適ながん医療が全国どこでも受けられる体制を早急につくるべきであります。

 アメリカでは、がん死亡率が九〇年代初頭から劇的に低下に転じたと聞いておりますが、我が国においても、政府のリーダーシップのもと、強力にがん対策を推進していただきたいと考えますが、その取り組みと御決意について総理にお伺いをいたします。

 我が国では、平成十四年中の刑法犯認知件数は約二百八十五万件。平成八年以降、七年連続で戦後最多を記録。百四十万前後で推移してきた昭和期の二倍に上ります。

 そこで、治安対策の拡充について御質問いたします。

 第一は、空き交番の解消策の推進のため、国の財政支援のもと、警察官OBをより積極活用できるような施策を強力に推進すべきであります。総理の答弁を求めます。

 第二は、民間警備員の拡充です。

 現在、街頭犯罪対策はもちろんのこと、学校、幼稚園、保育園などの安全対策や通学路などの安全パトロールなど、民間警備員が警察の補助的な役割を担っている地域もあり、今後、ニーズはますます高まりつつあります。このように地域の治安活動に従事する民間警備員の拡充について、政府も努力すべきだと思います。

 あわせて、駐車違反取り締まり等、交通警察の一部民間化や自治体の職員への権限付与なども推進すべきだと考えますが、御答弁をいただきたい。

 ことしは改革の本丸に入る年です。それは、とりもなおさず、国民の皆様に負担増という痛みと覚悟をお願いすることになります。

 そうであるなら、私は、公明党が提案しておりますむだ遣い一掃対策本部のようなものを設置し、政府みずからが徹底した税金のむだ遣い追放、行政の合理化に努めるべきだと考えます。また、議員年金の見直し、国会議員の歳費カットの継続などについても範を示さなければなりません。総理のお考えをお聞かせください。

 昨年の衆院選で与野党の国会議員による選挙違反が相次いだことは、極めて遺憾であります。すべての政治家が襟を正して、再発防止、政治倫理の確立を図るために全力を挙げなければなりません。国民の政治への信頼を回復するために、再発防止と政治倫理の確立に向けての総理の決意を承りたいと存じます。

 次に、年金制度改革についてお尋ねいたします。

 言うまでもなく、公的年金制度は老後の安心生活の基盤であり、いかなる社会経済情勢の変化にもたえ得る万全の制度設計へと改革しなければなりません。

 具体的には、給付水準を現役世代の五〇%以上を確保するとしたことは画期的です。加えて、基礎年金の国庫負担割合二分の一引き上げへの明確な道筋をつけるなど、政府・与党で合意に至った内容を着実に実施することこそが国民への安心のメッセージになると考えますが、総理のお考えを伺います。

 また、昨年末からの積み残し課題であった在職老齢年金制度の見直しや、国民年金の最終的な保険料水準の上限設定、そして女性と年金にかかわる諸課題等についても、持続可能な制度の構築を図るとともに、今日のライフスタイルの多様化にも対応できる公正中立な視点で制度改革を行うべきであります。

 さらに、積立金の運用方法や福祉施設の見直し、保険料の未納者対策の強化など、制度改革の前提となるむだを削減し、公的年金に対する信頼回復に努めるべきであります。特に、国民から批判の強い年金資金運用やグリーンピア等の福祉施設は、国民からいただいた保険料を財源に諸事業を行っており、徹底的な見直しを行うべきです。

 いずれにしても、今国会でこうした諸課題をクリアにし、真に国民が安心できる年金制度の構築へ向け、総理並びに厚生労働大臣の改革断行への御決意を伺います。

 次に、教育について伺います。

 第一に、小学校における英語教育の必修化は急速な国際化の中では避けられないことだと思いますが、どのように取り組むお考えか。

 第二に、各学校に地域住民や保護者が学校運営に参画する学校評議会制度を創設することについていかにお考えか、文部科学大臣の御所見を伺います。

 第三に、教育基本法についてであります。

 教育基本法は、前文に「日本国憲法の精神に則り、」とあるように、憲法と密接に関連する法律であり、また、中教審の答申にある国を愛する心や宗教教育などについては慎重に議論すべき問題と考えます。

 いずれにせよ、現在、与党で議論しているところでありますが、大事なことは、教育のあり方を根本的に議論していくと同時に、いじめや不登校など今日の教育の諸課題に対する取り組みも一層強力に推進していく必要があります。

 今日の教育問題への取り組みに対する御決意を、総理並びに文部科学大臣に求めます。

 世界経済の発展に大きな役割を果たしてきたWTOの次期通商交渉が暗礁に乗り上げる中、各国は、二国間で関税ゼロを目指すFTA、貿易協定締結に全力を挙げております。しかし、我が国はこうした流れに立ちおくれていることを認めざるを得ません。特に成長著しいアジア諸国とのFTAは、我が国の経済発展にとって極めて重要であり、全力で推進すべきであると考えますが、総理のFTA推進の決意と我が国へのメリットについてお聞きします。

 一方では、FTAの推進で農産物価格が下がり、さらに農産物輸入がふえるなら、日本農業の停滞、食料自給率の一層の低下、農業の有する多面的機能の喪失に拍車がかかるのではないかと懸念する声もあります。

 総理は、農業国のアジアの中で我が国農業をどのように位置づけるのか、また我が国の食料、農業、農村をどう発展させていくのか、さらには担い手不足対策や農家に対する所得補償対策を含め、明快な答弁を求めるものであります。

 北朝鮮問題についてお伺いします。

 最近の北朝鮮は、拉致問題に関しさまざまな動きを見せ始めておりますが、あくまでも交渉は政府間で行うとの原則は崩すべきではありません。

 私は、六者会合の際、北朝鮮に対し、拉致被害者の御家族の早期帰国、生存未確認者の再調査に向け、日本人のメンバーを含めた調査委員会の設置など、拉致被害者や御家族の意向を十分踏まえた内容を断固要求すべきだと考えます。総理の御見解を求めます。

 また、北朝鮮の核問題がありますが、関係国や国際機関と連携を密にとりつつ、核を断固排除する強い決意がおありになるのか、改めて確認をしておきたい。

 一方で、北朝鮮は米国の訪朝団を受け入れ、核施設を視察させるなど、新たな姿勢を見せており、第二回の六者会談開催の機運が高まりつつあります。こうした状況を踏まえ、我が国としても、次回六者会合の実現へ向け、米中韓を初め関係諸国と緊密に連携していくことが重要であります。

 そこで、総理にお伺いしますが、次回六者会合の実現を目指しての我が国の取り組みとその見通しについて、御答弁をいただきたいと存じます。

 未来の国づくりについて、一点、私どものビジョンを申し上げます。

 国づくりに品格が求められ、人間力の陶冶が叫ばれる時代だからこそ、文化芸術の振興が重要視され、さながら世界は文化競争の時代に突入していることは、関係者の見解の一致するところであります。この点、我が国は、さきに公明党などの提案で文化芸術振興基本法を制定しましたが、今後、さらに予算措置も含めて具体的推進を図っていくべきであります。

 第一に、芸術文化は人が資源であり、開拓者そのものであることにかんがみ、それに携わる人を国や社会の宝として尊重、尊敬すべき人としての位置づけと、支える仕組みが必要であります。その具体策として、社会保障や権利の保護を制度化する芸術家の社会的地位向上法の制定と、芸術家の公的雇用を拡大すべきであります。

 第二は、町づくりなど公共事業などにおいて、文化芸術の視点を政策評価基準として採用してはどうかと考えます。

 芸術文化にとりわけ深い造詣を持っておられる総理に以上の二点についての御見解を求め、代表質問を終わりたいと思いますが、最後に、昨日の本会議におきまして、民主党の菅代表から、私に対する党代表の辞職勧告をしていただきました。

 私は、公明党大会において党員から党代表として選ばれているのでありまして、その立場に対して、野党の一党首から辞職勧告をされるいわれは毛頭ないのであります。(拍手)

 他党を云々するよりも、まずは、みずからの党所属議員の学歴詐称など、重大疑惑事件を徹底解明するとともに、出処進退を明らかにさせることこそ、党代表としての菅代表の責任であり、国民、有権者に対する政党の最低限の責務であると申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 神崎議員にお答えいたします。

 日本の国のあり方についてでございますが、御指摘のとおり、我が国は重要な転換期を迎えていると思います。

 小泉内閣は、日本の潜在力は大きいし、可能性も大いに持っている、この潜在力、可能性をいかに発揮していくか、これが重要であると認識しております。国民一人一人、また、地域、企業が主役となって、努力が報われ、一度や二度の失敗にくじけず再挑戦できるような、そういう社会を目標としていきたいと思います。国際社会にありましては、日米同盟と国際協調、この両立を重視しまして、世界の平和と繁栄のために日本は何ができるかということを考えながら、積極的に貢献していく所存でございます。

 そのために、国内におきましても、内政におきましても、もろもろの改革を断行して、日本再生の歩みを確実なものとしていかなきゃならないと思っております。また、イラクにおける人道復興支援を初め、日本も、行動によって国際社会の一員としての責任を果たさなければならないと思います。

 私は、自由民主党、また公明党、この連立の基盤、連立のパートナーによる、公明党との今までの御協力、この信頼関係を基盤にして、これからも改革を断固たる決意で進めていって、日本の安定した平和な民主的社会建設のために大いに努力をしていきたいと思います。そして、世界からも信頼される国家として繁栄できるような、発展できるような、平和を大事にした、そういう国家として評価を受けることができるように全力を尽くしてまいりたいと思います。(拍手)

 イラクにおける現地の雇用についてでございます。

 イラクにおける活動をいかなる態様で行うかについては、細部をなお検討中でございます。しかし、御指摘のように、現地の人々との友好関係をいかに築いていくか、極めて大事なことだと認識しております。今後、先遣隊による調査結果も踏まえまして、自衛隊の宿営地内におけるいろいろな業務、そして現地の方々の雇用についても十分配慮していきたいと思います。

 国内の雇用対策についても十分配慮するのは当然ではございますが、まずイラクの問題につきましては、我が国が今月十六日に決定した、国際機関経由の学校、住宅及び公共施設の再建事業支援では、サマワも対象となっておりまして、現地住民の雇用拡大にもある程度寄与できると考えております。今後とも迅速な支援に努めてまいります。

 なお、メソポタミア湿原についてでございますが、イラク側とも調整の上、関係国際機関とも提携しながら、可能な支援のあり方について、今後、積極的に検討してまいります。

 イラクの文化遺産についてでございますが、イラクはメソポタミア文明発祥の地でありまして、国内にはイラク国民が誇りとする貴重な文化遺産が多数存在しております。我が国は、文化遺産の保護をイラク復興支援策の柱の一つと位置づけております。我が国の経験や技術を生かしながら、可能な限り協力支援を実施したいと考えます。

 イラクへ派遣される自衛隊員の安全対策でございますが、この派遣に当たりましては、現地の治安情勢などについて事前に調査いたしまして、必要な装備、武器、部隊運用の検討に生かし、隊員の安全の確保については万全の対応をしてまいりたいと思います。

 また、防衛庁におきましては、迅速なる情報収集や各種報告など、防衛庁長官が常に現地の状況を十分に把握し得る態勢をとっております。不測の事態の発生を極力回避するとともに、万一不測の事態が発生した場合にも、的確に避難、実施区域を変更、活動を終了し、臨機応変に対応できるような準備をしております。

 イラク支援における国連の役割強化ですが、我が国は、イラクの復興には国際協調が不可欠であり、そのために国連の十分な関与が重要と考え、イラクで本格的活動を早期に再開するよう国連に働きかけてまいりました。国連の役割については、当面、選挙問題及び治安問題に焦点を当てて議論が行われていくものと承知しております。我が国としては、国際協調を強化するための外交努力を今後とも継続し、強化してまいりたいと思います。

 イラク復興に人的貢献をしない場合の問題について御指摘がございました。

 我が国は一貫して、テロに屈してはならない、国際社会が協調してイラクに復興支援するべきである。また、この国連の決議による、すべての加盟国に対して、国連はイラク復興支援を要請しております。こういう観点から、今、世界の平和と安定の中に日本の安全と繁栄があるということを考えるならば、日本としてもこのイラクの復興支援にできるだけの力を注いでいくというのは当然のことだと考えております。

 その際、今、必ずしも一〇〇%安全じゃない、危険を伴うから自衛隊はだめだといって、果たして民間人が行けるかどうか。現実には行けない状況なんです。こういうことを考えると、私は、資金的な協力のみならず、人的な支援をどのようにしていくかということを考えた場合、日ごろから厳しい訓練を積んでいる、そして危険を回避する能力も持っている、使命感を持っている自衛隊の諸君に、困難な任務でありますけれども、あえて行っていただく、こういうことも人的貢献を考えると必要ではないかと思います。

 自衛隊がイラクに行くから戦争に行くんだという誤った宣伝をしている人々もいますが、全くそうではありません。自衛隊の諸君は、戦争に行くんじゃありません。戦闘に参加するために行くんじゃないんです。イラクに安定した民主的政権をつくるために、復興支援のために、人道支援のためにできることをやろうとする、そういう自衛隊の諸君に対しては、できれば、反対している側からも敬意を持って自衛隊員諸君に接していただきたいと思います。(拍手)

 そして、資金的協力と人的協力、これを車の両輪として、できるだけ早く、イラク人が希望を持ってみずからの政府を立ち上げる、安定した民主的政権をつくるよう立ち上がることができるように、日本政府もできるだけの支援、協力をしていきたいと考えております。

 国連待機制度についてでございますが、我が国は、国連への協力を外交の重要な柱としております。今後とも、人道的な国際救援活動や国連平和維持活動などに積極的に協力してまいります。政府としては、国際社会の平和と安定のための自衛隊の活動のあり方について現在検討しているところであり、国連待機制度への参加についてもその一環として検討していきたいと思います。

 私の靖国参拝についてでございますが、この問題については、引き続き、中国、韓国に対しても理解を求めるよう努力をしていきたいと思います。中国と韓国は日本の重要な隣国でありまして、今後とも、幅広い分野において、両国との関係の発展、未来志向の協力関係の進展に努めてまいります。

 新たな追悼平和祈念施設につきましては、懇談会の意見を踏まえた上で、国民世論の動向等、諸般の状況を見きわめながら、今後の対応を検討してまいります。

 武器輸出三原則につきましては、弾道ミサイルシステムに関する日米共同技術研究が進む中、これとの関係を踏まえ、国際紛争等を助長することを回避するという平和国家としての基本理念に立って検討していくことが必要であると考えます。

 みらい創造プロジェクトについてですが、科学技術を振興して我が国の将来の発展基盤を整備するということは、小泉内閣の極めて重要な政策の柱であります。

 革新的ながんの治療技術に関する研究開発、国民の暮らしをよくし、経済活性化につながる研究開発プロジェクトでありますみらい創造プロジェクトについては、予算を重点的に配分し、積極的に推進することとしております。平成十六年度には、産学官の協力のもと、九十を超えるプロジェクトを進め、新たな産業の創出を通じて科学技術創造立国を実現してまいります。

 住宅リフォームについてでございます。

 高齢化が進み、地球環境が悪化する中で、豊かな住生活を実現していくためには、つくっては壊すという考え方から、いいものをつくって、いかに大切に長く使うか、こういう社会に移行することが重要だと思っております。住宅のリフォームの役割は、これからも推進していかなきゃならない課題だと思います。

 政府としては、これまで、耐震改修やバリアフリー化のための補助、事業者に関する情報提供、リフォームしやすい住宅や長寿命木造住宅の普及などに取り組んでいるところでありますが、今後さらに、各種施策を総合的に実施することにより、リフォームの推進を図ってまいります。

 若年者の雇用でございますが、高い失業率や離職率、フリーターの増大など、若年者をめぐる厳しい雇用情勢に対応するため、御指摘のとおり、若年者の職業体験機会を在学中の早い段階から充実し、若年者の職業意識形成を図っていくことは極めて重要であります。

 このため、昨年取りまとめました若者自立・挑戦プランを踏まえ、総合的な学習の時間等を活用しつつ、企業等の協力を得ながら、小学校段階から仕事と触れ合う機会を充実し、若年者が将来に希望を持ち、職業的な自立を図ることが可能となるよう、強力に取り組んでまいります。

 中小企業金融でございますが、我が国経済の活力の源泉である中小企業について、やる気と能力のある中小企業が厳しい環境の中にあってもその力を発揮していくためには、中小企業への円滑な資金供給を確保していかなければならないと思います。

 政府は、中小企業金融対策の強化に積極的に取り組んでまいりましたが、今後とも、担保や第三者保証人等に依存しない融資の拡大、売り掛け債権の担保化の促進など、多様な手法により、新規開業者を含め、中小企業への資金供給の円滑化を支援してまいります。

 鳥インフルエンザでございますが、我が国で七十九年ぶりに確認された高病原性鳥インフルエンザにつきましては、現在、家畜伝染病予防法に基づき、鶏の処分、周辺農場の移動制限等の蔓延防止措置を講じているところであります。この病気は、卵や肉により人に感染したという報告はございません。今後とも、関係府省が連携して、蔓延防止や感染原因の究明など各種対策を的確に実施してまいります。

 BSE発生についてでございますが、米国産牛肉の輸入禁止措置につきましては、我が国としても、食の安全、安心が確保されることを前提として、早期に輸入を再開することが望ましいと考えており、米国と十分協議してまいります。

 がん対策でございますが、我が国の死亡原因の第一位であるがんについては、昨年七月に策定した第三次対がん十カ年総合戦略に基づき、罹患率と死亡率の激減を目指し、革新的な治療法の開発など研究の推進、検診の充実など予防の推進、さらには、地域がん診療拠点病院の整備など医療の向上とそれを支える社会環境の整備の三本柱の対策を強力に推進してまいります。

 空き交番の解消でございますが、来年度は、空き交番の解消を目指し、三千名を超える警察官を増員するほか、退職警察官などを活用した交番相談員の増員を図ってまいります。

 地域の治安活動について、民間警備員を拡充してはどうかというお話でございます。

 警備業は、防災を初め、犯罪に強い社会の構築にも不可欠の存在であると認識しております。地方公共団体におけるさまざまな活用方策に加えて、政府といたしましても、緊急地域雇用創出特別交付金の活用などにより、警備業者による防犯パトロール事業を推進してまいりたいと思います。

 交通警察の一部民間委託についてでございますが、交通警察部門の業務の一層の効率化を図るため、今国会においては、駐車違反取り締まりに関係する事務について民間に委託できるように制度改正を行うこととしております。今後とも、民間への委託や地方自治体との協力を推進してまいります。

 行政のむだについてでございますが、小泉内閣におきましては、行政のむだを省くことを最優先課題の一つに位置づけまして、これまで強い決意でその実現に当たってまいりました。

 道路関係四公団改革では、当初の四兆円縮減に二・五兆円の上乗せを決定したところであります。また、公共工事全般では、今後五年間で、物価の下落等を除いて一五%の総合的なコスト縮減を達成することを決定しております。このほか、十六年度予算から、特別会計について徹底したむだの見直しを進めているところであります。

 今後とも、むだ遣いをなくす行財政改革に全力を挙げるとの方針を堅持いたしまして、簡素で効率的な政府の実現を目指していく考えであります。このため、引き続き経済財政諮問会議を活用しつつ、これまでの取り組みを強化するため、御提言も踏まえまして、内閣に検討チームを設けたいと思います。

 国会議員互助年金及び国会議員の歳費など国会議員の待遇については、その見直しや歳出カットの継続の必要について、国会議員みずからが不断に検討していくべきものと考えます。今後とも、各党において十分議論していただきたいと思います。

 政治への信頼についてでございますが、さきの総選挙に関し、公職選挙法違反容疑で衆議院議員が逮捕されるなど、政治の信頼を揺るがす一連の問題が起きていることは極めて遺憾に思っております。政治に対する国民の信頼は改革の原点でありますので、国民の信頼を得ることができるよう、政治家一人一人が襟を正していかなければならないと思います。さらに政治改革を進めて、信頼の政治の確立を目指してまいります。

 年金についてでございます。

 政府・与党で合意した年金制度改革案は、将来の負担が過大とならないよう極力抑制して、その上限を国民に明らかにするとともに、少なくとも現役世代の平均的収入の五〇%の給付水準を維持しつつ、急速な少子高齢化が進行する中で年金を支える力と給付の均衡をとることのできる仕組みに転換するものであります。また、課題であった基礎年金の国庫負担割合についても引き上げの道筋を示しました。

 また、多様な生き方、働き方に対応した制度の見直し、年金積立金の運用のあり方、保険料の収納対策の強化などの諸課題への対応策を取りまとめることとしております。

 これらは、持続可能な制度の構築に向けた根幹にかかわる大きな改正であり、国民の安心の確保につながるものであると考えておりまして、本国会に関連法案を提出して早期の成立をお願いし、改革を進めてまいりたいと考えます。

 教育の問題でありますが、日本発展の原動力は人であります。教育改革の推進も、まずは人が一番問題であるという認識に立ちまして、国政上の最重要課題の一つだと思います。

 教育全般についてさまざまな問題が生じております今日、二十一世紀の教育のあり方、子供たちのための教育とは何かという教育の根本にさかのぼった議論が必要と考えており、教育基本法の改正につきましては、国民的な議論を深めながら、また与党における議論も踏まえながら、精力的に取り組んでいく考えであります。

 また、御指摘のあったいじめ、不登校などの教育の諸課題に対する取り組みを強化していくことも重要であります。スクールカウンセラーなどの教育相談体制や、地域住民による学校を活用した小中学生の体験活動の充実など、社会全体で心豊かでたくましい子供をはぐくむ環境の整備に努めてまいります。

 アジア諸国とのFTAについてでございますが、貿易や投資の自由化を通じまして経済の活性化に資するものであり、今後とも積極的に取り組んでまいります。我が国と緊密な関係を有する東アジア諸国とのFTAは、重要な戦略的課題でもあります。特に、交渉開始を決定した韓国やASEAN諸国とのFTAはぜひとも成功させたいと私も考えております。

 農業でございますが、アジアは、農業国であると同時に世界の栄養不足人口が集中している地域でもあります。こうした中、食料輸入大国である我が国は、国境措置に過度に依存することなく、農産物の輸出も視野に置いた積極的な農政改革を展開し、競争力を強化していくことが重要であります。

 こうした考え方のもと、食料・農業・農村基本計画の見直しを進める中で、やる気と能力のある経営の支援など、御指摘の趣旨も踏まえて検討を進め、今後の農政の展開方向を見定めていく考えであります。

 北朝鮮の問題につきまして、六者会合における拉致問題でございますが、拉致問題の解決のため、北朝鮮に対して現在、政府間協議を求めているところでございます。拉致問題に進展が見られない現下の状況において、政府としては、次回六者会合におきましても拉致問題を取り上げ、北朝鮮の誠実な対応を求めていく考えであります。

 核問題についてでございます。

 北朝鮮による核兵器の開発は容認できず、北朝鮮は、すべての核開発計画を完全に検証可能かつ不可逆的な形で速やかに廃棄する必要があります。我が国としては、今後とも、関係国や関係国際機関と緊密に連携しながら、六者会合等さまざまな場において、北朝鮮に対して、国際社会の一員としての責任ある対応を求めていく考えであります。

 次回六者会合の実現への我が国の取り組みについてでございます。

 いまだ日程は確定しておりませんが、我が国は、次回会合を前提条件をつけずに可能な限り早期に開催すべきであるという立場をとっております。そのために、関係国と緊密に連携しながら、今後も外交努力を継続してまいります。

 芸術家の社会的地位についてでございます。

 芸術家等の社会的、経済的、文化的地位の向上については、文化芸術振興基本法に基づき閣議決定した基本的な方針においても、創造活動のための諸条件の整備や積極的な顕彰を行うことが盛り込まれております。また、著作権など芸術家の権利の充実や創作活動への公的助成の充実にも取り組んでおりまして、さらに幅広い観点から芸術家の地位向上策を検討してまいります。

 公共事業において、文化芸術の視点を政策評価基準とすることについてでございます。

 町づくりなど公共事業等において行う政策評価では、目標の達成度を客観的に測定するため指標の数値化が必要でありますが、それが困難な文化芸術の視点については、現在、これを取り入れるに至っておりません。

 しかしながら、公共事業等においても、文化芸術の視点は今後重要になると思います。例えば、町並みの保存、形成の中での文化財保護の状況など、比較的指標化になじみやすい分野での政策評価のあり方について、今後、十分研究してまいりたいと思います。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣亀井善之君登壇〕

国務大臣(亀井善之君) 神崎議員の御質問にお答えをいたします。

 米国産牛肉の輸入再開についてのお尋ねでありますが、食料の安定供給の確保を図るためには、まず消費者の安全、安心に対する要請を十分認識した上で、そのような要請に対応していくことが基本と考えております。したがいまして、我が国としては、食の安全、安心が確保されることを前提といたしまして、早期に輸入を再開することが望ましい、このように考えております。

 先日帰国いたしました調査団の報告では、今後米国でBSEが発生しないという保証はないとのことでもあります。このため、我が国に輸入される米国産牛肉につきましても、国産牛肉について講じているBSE全頭検査及び特定部位の除去を基本として、米国と十分協議をしてまいりたい、このように考えております。(拍手)

    〔国務大臣坂口力君登壇〕

国務大臣(坂口力君) 神崎代表から私に対しましては二問ございまして、一つは、高齢者の雇用確保でございます。

 少子高齢社会を乗り越えますためには、元気な高齢者の継続雇用は避けて通れないところでございます。年金支給開始年齢の引き上げにあわせまして、六十五歳まで定年の引き上げ、または継続雇用制度の導入など、それらにつきまして法改正を行いたいと考えているところでございます。

 シルバー人材センターの活用につきましてもお話がございましたけれども、現在、請負あるいは職業紹介等を行っておりますけれども、あわせて労働者派遣等もできるように機能を拡大したいと考えているところでございます。

 もう一点は年金改革についてでございまして、これは総理からも御答弁のあったところでございますので重複は避けたいと思いますけれども、少子高齢社会に対応した、その根幹にかかわるところをまず改革したいというふうに考えているところでございます。

 これを実現いたしますためには、実質賃金上昇率一・一%以上、あるいはまた合計特殊出生率一・三九以上というふうに、これらの問題もあわせて実現をする政策が必要であるというふうに考えているところでございます。

 高齢者の就業と年金をめぐる問題でございますとか、女性と年金をめぐる問題など、多様な生き方、働き方に対応した制度改革というものもあわせて行わなければならないというふうに思っております。

 国民年金保険料の収納につきましては、悪質な滞納者に対します強制徴収の実施も含めまして、徹底的な収納対策を講じたいというふうに思っておりますし、今回の改正におきまして、保険料を納めやすい仕組みもまたつくらなければならないというふうに考えているところでございます。

 積立金の運用につきましては、専門性の徹底や責任の明確化といった観点から、そのあり方を徹底的に見直してまいりたいというふうに思っておりまして、新しい制度を確立する決意でございます。

 以上、簡単でございますが、御答弁申し上げました。(拍手)

    〔国務大臣河村建夫君登壇〕

国務大臣(河村建夫君) 神崎議員から、三点の御質問をいただきました。

 まず第一点は、小中学校段階からの職業体験の必要性についてでございます。

 御指摘ありましたように、最近の若者は、就職いたしましても三年以内にどんどんやめていく傾向が高まっております。そして、フリーターも今ではもう二百万人に達しよう、こういう状況でございます。

 こうしたことのために対応していくということ、これは、やはり将来の自分の進路、職業、そういうものを早く考える機会をしっかり与えてやる、早い機会に自分のやりたい仕事を見つけ出してやる、いわゆるキャリア教育の重要性が高まっておるというふうに思います。これをやっていかなきゃいかぬと思います。額に汗して働くことの重要性、そういうものを子供たちに早い段階から、勤労観あるいは職業観を身につかせていくという重要性、教育の上で重要に考えていかなきゃいかぬと思います。

 このために、昨年、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣とともに、若者自立・挑戦プランを取りまとめさせていただきました。このことを踏まえながら、小中学校の段階から、子供たちの発達段階に応じて、企業等地域の関係者の皆さんの御協力をいただきながら、職場見学、職場体験あるいはインターンシップ、こういうことに積極的に取り組んで、各学校における職業に関する体験活動の充実にこれからも大いに努めてまいりたい、このように思っております。

 第二点は、小学校における英語教育と学校評議会制度の創設についてでございました。

 本格的な国際化時代を迎えておりまして、国際理解、英語教育の重要性が高まっております。小学校におきましては、総合的な学習の時間において、国際理解に関する学習の一環として、過半数の学校で英会話活動を取り入れております。また、構造改革特区におきましても、英語教育を必修とする取り組みが既に行われておるところでございます。

 御指摘ありましたように、小学校段階での英語教育の必修化、このあり方につきましては、昨年三月に策定をいたしました英語が使える日本人の育成のための行動計画、これを踏まえながら、総合的な学習の時間の実践例、あるいは、今、特区でまさにやろうとされていますが、この必修化の取り組み、こういうものを検証しながら、私は早い機会に、今年度中に文部科学省内に検討会を設けて必要な調査研究に着手したい、このように考えております。

 また、地域住民や保護者が学校運営に参画することは、学校の自主性を高め、また特色ある学校づくり、これを推進する上で極めて重要なことと考えます。

 昨年十二月に中央教育審議会におきまして、御指摘の学校評議会などを通じて地域住民や保護者が学校運営に参画する新しいタイプの学校運営のあり方について中間報告が取りまとめられたところでございます。この提言を踏まえつつ、御指摘の制度化に向けて検討を進めてまいりたい、このように考えます。

 最後は、教育改革についてのお尋ねでございます。

 現在、教育全般についてさまざまな問題が生じております。御指摘の点も踏まえながら、教育においても根本にさかのぼった大胆な見直しと改革をやる、このことが求められておると考えます。

 このために、教育基本法の改正の必要性を提言いたしました昨年三月の中央教育審議会の答申等を踏まえながら、全国各地で教育改革フォーラムあるいはタウンミーティングを開催させていただくなど努めながら、教育のあり方や教育改革の基本的なあり方に関する国民的な議論を高めるために努力をいたしておるところでございます。

 さて、教育基本法の改正につきましては、現在、与党間で教育基本法改正に関する協議会において議論をいただいておるところでございまして、この議論を踏まえながら、また国民的な議論を深めながら、精力的に取り組んでまいりたい、このように考えます。

 また、御指摘のように、いじめ、不登校や学級崩壊、こうした今日の教育の諸問題、この取り組みの強化も重要でございます。このために、習熟度別あるいは少人数学級、そういったわかる授業、いわゆる楽しい学校の実現、心の教育の充実など、学校教育の改善に努めてまいりまして、また、スクールカウンセラーなど教育相談体制を強化する、そして家庭、学校教育、地域、この連携の強化に努めて、高めながら、教育のこうした当面する課題に取り組んでまいりたい、このように考えます。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

    〔議長退席、副議長着席〕

副議長(中野寛成君) 志位和夫君。

    〔志位和夫君登壇〕

志位和夫君 日本共産党を代表して、小泉首相に質問します。(拍手)

 小泉政権が進めているイラクへの自衛隊派兵は、今なお戦争状態が続いている他国に重火器で武装した自衛隊を派兵するという、戦後初めての道に踏み込むものです。これは二十一世紀の日本の進路、日本国民の命運にかかわる重大問題であり、国会の場で事実と道理に立った冷静な議論が尽くされる必要があります。

 私は、きょうは、時間の制約もあるので、イラク問題に絞って、四つの角度から首相の認識の根本を問うものであります。

 第一は、首相が、米英軍によって行われたイラク戦争の性格をどう認識しているのかという根本問題です。

 イラク戦争に引き続く占領に合流するために自衛隊を派兵する以上、果たしてこの戦争に大義があったのかという根本問題への認識をあいまいにすることは許されません。

 首相は、昨年三月二十日に開始されたイラク戦争に際して、イラクが大量破壊兵器を保有していると繰り返し断言し、それを戦争を支持する最大の大義としました。ところが、今に至るも大量破壊兵器は発見されていません。

 さらに、この問題にかかわって、ことしに入って、米国で二つの重要な動きがありました。

 一つは、ことし一月八日付の米紙ニューヨーク・タイムズが、イラクで大量破壊兵器を捜索していた約四百人の米軍チームが大量破壊兵器の証拠を何も見つけることができないままイラクから撤収したと報じたことであります。

 いま一つは、ブッシュ政権のもとで二〇〇二年末まで財務長官を務めていたポール・オニール氏が、一月十一日付の米誌タイムで、二十三カ月間の在任中、私は一度も大量破壊兵器の証拠とみなせるようなものを見たことはなかったと証言したことであります。オニール氏は、更迭されるまでは国家安全保障会議に出席するなど最高機密を知り得る立場にいた人物であり、この証言は極めて重いものがあります。

 首相に伺いたい。

 戦争開始から十カ月、大量破壊兵器が見つからず、米軍の捜索チームも捜索をあきらめ、ブッシュ政権の元高官も証拠はなかったと述べている事実をどう説明するのですか。イラクが大量破壊兵器を保有していると断言し、それを戦争支持の唯一最大の大義にしたことは、明らかに誤りであったと認めるべきではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)

 もともと、この戦争は、国連安保理の承認なしに米英軍が勝手に始めた先制攻撃の戦争であり、無法な侵略戦争であります。その戦争が占領という形で継続しているイラクに自衛隊を派兵することは、どんな形であれ、侵略戦争への加担そのものとなるということをまず厳しく指摘しなければなりません。

 第二は、首相が、イラクの泥沼化ともいうべき状況の悪化の原因をどう認識しているのかという問題です。

 イラクの状況は、特に昨年の八月以降、急激に悪化しました。米英占領軍への攻撃が激化しただけではなく、八月には国連のイラク事務所が攻撃され、国連は撤退を余儀なくされました。十月には赤十字の事務所が攻撃され、赤十字も撤退を余儀なくされました。ことしに入って、バグダッドの暫定占領当局への大規模なテロ攻撃も行われました。

 首相は、施政方針演説の中でテロに屈してはならないと述べ、自衛隊派兵を合理化する理由にしました。もとより、民間人を無差別に殺傷するテロを許してはならないことは言うまでもないことであります。同時に、なぜイラクがテロと暴力の横行する国になったのか、その原因をつくり出したのは何であったのかが問われなければなりません。

 昨年十二月、国連安保理のテロ対策委員会が報告書を発表しました。この報告書は、イラクはフセイン政権の崩壊直後からテロ集団の活動に機会を提供するようになったと述べ、さらに、外国軍の大量駐留によって、イラクはテロ集団にとっての理想の戦場となったと指摘しています。戦争と占領がテロリストを呼び寄せたという指摘は否定できない事実だと思いますが、首相の見解を求めるものであります。

 首相は、テロに屈してはならないと言いますが、イラクをテロと暴力が横行する国に変えてしまったのは、米英軍の無法な侵略戦争とそれに続く不法な占領支配なのであります。米軍は、武装勢力への掃討作戦と称して、イラクの一般国民の家屋の乱暴な捜索や破壊、民衆のデモへの発砲などを行っています。こうした乱暴な占領支配が、イラク国民の怒りと憎しみを広げ、民衆自身の抵抗を引き起こすと同時に、テロ勢力と民衆が結びつく土壌を広げる結果となっているのであります。

 首相、テロ勢力を呼び寄せた根本原因である戦争と占領に加担しながら、テロに屈してはならないと言うのは、甚だしい自己矛盾ではありませんか。(拍手)

 さらに重大なことは、米英軍による占領統治が続いていることが、国際社会の人道支援にとっても最大の障害になっていることであります。

 赤十字国際委員会は、昨年十月の攻撃の後、バグダッドやバスラからの撤退を余儀なくされました。赤十字国際委員会は、アフガニスタンやチェチェンの紛争、ルワンダやブルンジの内戦でも、撤退することなく活動を続けています。その赤十字国際委員会がなぜ撤退を余儀なくされたのか。

 赤十字国際委員会のケレンバーガー委員長は、その理由について、イラクでは最大の人道組織である赤十字国際委員会さえ攻撃の対象とされていると述べています。そして、米軍による警護の申し出を拒否して、赤十字はいかなる軍事力のもとでも活動することはできない、中立で独立した人道組織として活動することが死活的に重要だと述べています。さらに、ケレンバーガー委員長は、イラクの現状では赤十字の再開はあり得ないこと、その原因は、米英軍主導の占領統治が続く限り状況の改善は望めないことにあると言い切っています。

 首相は、厳しい戦争下で人道支援の活動に従事してきた赤十字国際委員会の委員長のこの言明をどう考えますか。

 イラクの現状は、国連はおろか赤十字さえ撤退せざるを得ない状況なのです。その直接の契機となったのはテロ勢力による攻撃ですが、そのテロと暴力を横行させる根本原因となったのは、米英軍による戦争と占領であります。人道支援と占領支配は両立しないのであります。首相は、自衛隊派兵の最大の理由に人道復興支援を挙げていますが、国際社会の人道支援を不可能にした戦争と占領に加担しながら人道を語るとは、偽善と欺瞞そのものではありませんか。

 アナン国連事務総長は、占領が終結すればすぐに暴力や抵抗活動は減るだろうと述べました。占領支配を終結させてこそ、国際社会が安心してイラクへの人道支援を行う条件がつくれます。今、日本政府に求められているのは、米英軍主導の占領支配を一刻も早く終結させ、国連中心の復興支援に枠組みを移し、イラク国民の手に速やかに主権を返還するための、憲法九条を持つ国にふさわしい外交努力であります。首相の見解を求めるものです。

 第三は、自衛隊の占領軍への参加と日本国憲法が両立し得るのかという問題であります。二つの点について、首相の見解を問うものです。

 一つは、占領軍への参加は憲法が禁止した交戦権の行使に当たるのではないかという問題であります。

 昨年十二月十二日付で、連合国暫定当局、CPAのブレーマー行政官から日本政府にあてて書簡が出され、そこには、自衛隊は連合国要員としてCPA命令第十七号に定められたように処遇されると明記されています。CPA命令十七号とは、イラク占領軍の構成員は、刑事、民事、行政のいかなる裁判権からも免除され、逮捕、拘禁もされないというものですが、自衛隊にもこれが適用され、法的に占領軍の一員としての地位を持つことが認定されたのであります。

 さらに、自衛隊が実際に行う任務も、占領軍の一員そのものの活動です。首相は専ら人道復興支援活動を強調しますが、基本計画や実施要項には、安全確保支援活動も行うことが明記されています。

 首相は、安全確保支援活動の中には、武装した米兵の輸送、イラク人による米占領軍への抗議、抵抗運動の鎮圧への支援、フセイン軍残党に対する米軍の掃討作戦への支援など、米英占領軍が行う軍事作戦への支援も含まれることを認めています。すなわち、実態的にも自衛隊は、占領軍が行う占領支配の一翼を担うことになるのであります。

 しかし、これまでの政府の見解でも、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政などは、自衛のための必要最小限度を超えるとされ、憲法九条二項の交戦権に当たるものとして禁止されるとされてきました。この見解に照らせば、法的にも占領軍の一員としての地位が保障され、実態的にも占領支配の一翼を担うことになる自衛隊は、まさに憲法で禁止された交戦権の行使をすることになるのではありませんか。はっきりと答弁していただきたい。

 二つ目に、さらに重大なことは、派兵された自衛隊がイラクの一般民衆を殺傷しかねない立場に置かれることです。

 政府は、相手が国または国に準ずる組織であろうが、物取りであろうが、テロリストであろうが、急迫不正の侵害があった場合に正当防衛として武器を使用できると答弁しています。首相自身も、自衛隊員が相手を殺すかもしれないと答弁しました。

 しかし、占領軍の一員としての自衛隊を攻撃対象としてくる可能性があるのは、テロ集団などだけではありません。一般のイラク人によっても武力抵抗が起こっていることは、広く指摘されていることです。イラク戦争直前まで国連イラク査察団の報道官を務めた国連広報官の植木安弘氏は、一般のイラク人の中にも反米、反占領感情が強い人たちが多くいる、この強い反感から武力抵抗に出る人たちもいることを理解しなければなりませんと述べています。こうした一般のイラク人に対しても、自衛隊が銃口を向け、殺傷することが起きかねないのであります。

 首相は、これも正当防衛だから仕方がないと言うのでしょうか。他国に占領軍として乗り込んだ軍隊に対して、その国の国民がやむにやまれぬ気持ちで抵抗する、そうした国民を武器をもって殺傷する、これが憲法で禁止された武力行使でなくて何だというのでしょうか。(拍手)

 日本の国は、戦後、ただの一人も他の国の国民を殺傷してきませんでした。これは、憲法九条が海外での武力行使をかたく禁止してきたからにほかなりません。このことが、世界やアジア、中東の人々にとって、日本へのどれだけの信頼の源泉となってきたかは、はかり知れないものがあります。

 首相、自衛隊のイラク派兵は、この貴重な財産を一気に破壊しかねないものではありませんか。あなたは、自衛隊がイラクの民衆を殺傷するという事態に仮に立ち至ったときに、我が国の国益をどれだけ深刻に損なうことになるという認識をお持ちでしょうか。しかと答弁いただきたい。

 第四は、首相は施政方針演説で、イラクへの自衛隊派兵を国際社会の一員としての責任として合理化しましたが、首相の言う国際社会とは一体何かということであります。

 現在、米英軍主導のイラクへの占領支配に軍隊を派兵して合流している国は、政府の説明でも、日本も含めて世界でわずか三十八カ国、国連加盟国百九十一カ国の五分の一にすぎません。非同盟諸国首脳会議に参加する諸国、アラブ・イスラムの諸国の圧倒的多数は、派兵を拒否しています。世界平和に重要な責任を負っている国連安全保障理事会の理事国の中でも、十五カ国のうち軍隊を派兵している国は五カ国にとどまっており、フランス、ロシア、中国、ドイツを初め、派兵を拒否している国が多数派であります。

 首相は、施政方針演説で、自衛隊など人的貢献を行わない国は国際社会の一員としての責任を果たしたとは言えませんと言い切りましたが、この論理に従えば、フランス、ロシア、中国、ドイツなどの国々、さらには非同盟諸国首脳会議やアラブ・イスラム諸国の圧倒的多数の国々は、国際社会の一員としての責任を果たしていない国ということになるのでしょうか。はっきり答弁願いたい。

 結局、首相の言う国際社会とは、アメリカの一国の利益を世界平和の利益の上に置いたアメリカ中心の国際秩序ではありませんか。

 しかし、二十一世紀の世界の動きは、アメリカがどんな強大な軍事力をてこにしてアメリカ中心の国際秩序をつくろうとしても、世界は思いどおりにはならないことを示しています。イラクへの無法な侵略戦争が国際的に孤立したこと、それに続く軍事占領支配も国際的に孤立していることが、それを証明しているではありませんか。

 どんな超大国であれ、自国の利益を世界平和の上に置く横暴勝手は許されない、国連憲章に基づく平和のルールを何よりも大切にする、これこそが、二十一世紀の世界の本当の国際秩序となりつつあるのであります。そのときに、アメリカから、地上軍を出せ、お茶会ではないとしりをたたかれ、言われるままに自衛隊を差し出す、アメリカへの卑屈な従属の姿勢を、そうした態度をとることが、どんなに有害で愚かな行為かは明らかであります。

 イラクへの自衛隊派兵は、アメリカの無法な侵略戦争に加担し、不法な占領支配に合流し、日本国憲法を破壊し、平和の国際秩序を願う世界の大勢に逆行する、歴史的暴挙であります。我が党はイラクへの派兵計画を直ちに中止することを強く求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 志位議員にお答えいたします。

 イラクの大量破壊兵器問題と米国等による武力行使への支持についてでございます。

 イラクは、かつて実際に大量破壊兵器を使用しており、その後も大量破壊兵器の廃棄は立証されておりません。米国等によるイラクに対する武力行使は、安保理決議に基づき、イラクの武装解除等の実施を確保し、その地域の平和と安定を回復するための措置として行われたものであり、国連憲章にのっとったものであります。我が国がこれを支持したことは正しかったと考えております。

 現在、イラク監視グループが引き続きイラクの大量破壊兵器を捜索しており、我が国としてもこれを注視していく考えであります。

 イラクにおけるテロリスト活動についてでございますが、依然としてフセイン政権の残存勢力や国外から流入していると見られるイスラム過激主義者が、イラク国内を混乱させ、今後の政治プロセス及びイラク人による政府の樹立を妨げる目的で活動していると見られております。

 我が国は、テロに屈することなく、イラクの再建に向けたイラク国民の努力に対する支援を行っていくことこそが、イラクをテロの温床にしないため極めて重要であると考えております。(拍手)

 我が国の姿勢についてでございますが、テロに屈することなく、イラク人による民主的な政府の樹立と民生の安定に向けたイラク国民の努力を支援することは、イラクがテロリストの温床となることを防ぎ、我が国及び国際社会の利益にかなうものと考えております。我が国の姿勢が自己矛盾であるとの指摘は全く当たりません。

 イラクにおける国際社会の人道支援についてでございますが、赤十字国際委員会の見解の趣旨は、軍事的な保護を必要とするような治安状況下で人道支援活動に従事することは困難との認識を示したものであって、連合暫定施政当局による施政が障害となっているとの立場ではないと理解しております。

 我が国の自衛隊派遣の理由に人道復興支援を挙げることについての御質問でございます。

 イラクの復興は、中東の安定のみならず、国際社会の平和と安全の維持のために必要であります。

我が国は、国際社会の責任ある一員として、国際社会と協力しながら、イラク人が自国の再建に努力できるよう貢献していく考えであります。

 自衛隊がイラクで行う活動は、このような認識のもとに、イラク人の生活の改善と向上に直接貢献するものであり、まさに人道復興支援であると考えております。

 イラクにおける政治プロセスでございますが、我が国は、政治プロセスが着実に進展し、イラク人によるイラク人のための新しい政府が樹立され、統治権限の早期移譲が実現するよう期待しております。

 国連は、既にすべての加盟国に対しイラク復興支援を要請しており、我が国を含む多数の国が現在でも真剣に取り組んでおります。今後、イラク復興支援には国連の十分な関与が重要であると日本も考えております。我が国としては、このような認識を踏まえ、関係国や国連への働きかけを今後とも継続強化してまいります。

 自衛隊の活動と憲法の禁ずる交戦権との関係でございます。

 イラク特措法に基づく自衛隊の活動は、武力の行使に当たるものではありません。また、我が国として主体的にイラクの人道復興支援を中心とした活動に従事するものであり、米英などの占領行政の一翼を担うとの指摘は当たりません。

 また、自衛隊が行う安全確保支援の活動も、国連安保理決議第一四八三において加盟各国に協力を呼びかけているものであり、人道復興支援に支障のない範囲でそのような要請にこたえる活動をする国が直ちに占領国としての地位を得るというようなことはあり得ません。自衛隊の現地での活動が占領行為に当たるとして憲法違反であるとする御指摘は全く当たらないと考えております。

 自衛隊のイラク人に対する武器使用の可能性についてでございます。

 派遣された自衛隊の部隊は、隊員の安全確保を徹底しながら、イラクの人々から評価を得られるような人道復興のための活動を実施するものであります。現地の治安維持などの活動は行わないことから、一般のイラク人に対して武器を使用するような事態は現在想定しておりませんが、さらに、現地において一般のイラク人との衝突などの緊迫した事態を招くことがないよう、最大の注意を払ってまいりたいと考えます。

 いずれにせよ、イラク特措法上、自衛官が武器を使用できるのは、自己等の生命または身体を防衛するための必要最小限のものであり、憲法が禁じている武力の行使に当たるものではありません。

 イラクでの自衛隊の武器使用と我が国の国益との関係についてでございます。

 イラク人道復興特措法が想定する自衛隊員による武器使用は、自己等の生命、身体を守るための必要最小限のものであります。人道復興支援活動を中心とする自衛隊の活動は、国家再建に向けたイラク国民による自主的な努力を支援するものであります。私は、イラク国民にも評価され、我が国の国家利益にもかなうものであると確信しております。

 イラク復興支援に対する国際社会の支援についてのお尋ねでございます。

 国際社会の国々がどのようにイラク復興支援を行うかについては、それぞれの国が、それぞれの事情を踏まえて国際的な責任を果たすとの観点から判断すべき問題であると思います。それぞれの国が違って、私はおかしくないと思っております。

 イラクの復興が国際社会の平和と安定にとって重要であり、我が国の国益にかなうこと、国連がすべての加盟国にイラク復興支援を要請している、こういうことを踏まえれば、我が国として積極的に支援を行っていくべきだと考えております。その際、我が国の国際的な地位を考えれば、人的貢献については、危険を伴う可能性があるからといって、これはほかの国に任せようということで、真に責任ある国際社会の一員であると評価を受けることができるかということも考えていただきたいと思います。

 国際社会に対する認識についてでございます。

 私は、施政方針演説において、平和は唱えるだけでは実現できませんと申し上げました。国際社会が力を合わせて築き上げるものだと思っております。我が国も、口だけでなく行動によって、国際社会の一員としての責任を果たすべきだと考えております。このように私は考えておりますから、御指摘のような、特定国の利益をすべてに優先させるような国際秩序とは明確に異なるものでありまして、御指摘は当たらないと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(中野寛成君) 横光克彦君。

    〔横光克彦君登壇〕

横光克彦君 社民党の横光克彦でございます。

 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、総理の施政方針演説に対し、質問を行います。

 冒頭、少数政党にもかかわらず、こうして質問の場を与えていただきましたことに対し、各党の配慮に心から感謝を申し上げます。(拍手)

 質問に入ります。

 まず、政府が自衛隊をイラクに派遣したことに関して質問をいたします。

 私たち社民党は、イラクに対して、医療や生活物資、水道、電気、通信、道路、これらの復旧や整備など人道復興支援に協力していくことは当然のことだと考えております。国民も、こうした支援、協力には何らちゅうちょしないはずでございます。しかし、そのための自衛隊の派遣をめぐっては、国論は二分どころか派遣反対の方へ傾いており、国民の多くは、自衛隊派遣に危惧を抱いております。自衛隊派遣だけがイラク国民に評価される支援ではないからであります。NHKの調査では、政府は派遣について説明責任を果たしていないという回答が八割にも達しています。総理は、この国民の声をどう受けとめておられますか。まず、お聞かせください。

 政府は、一月十六日、陸上自衛隊先遣隊をイラクへ派遣しました。しかし、大きな戦争が終わったとはいえ、今なお連日のように小さな戦争が続くイラクに自衛隊を派遣できるような状況ではないことは明白であります。赤十字も攻撃の対象にされました。国連事務所も攻撃を受けました。日本の外交官二人も犠牲になりました。アメリカ兵の犠牲はふえる一方であります。イラク戦争開始以来、米兵の死者は五百人を超えました。そして、何よりも、イラク市民の犠牲者は一万人に迫るとの報道もあります。日本の外交官二人を初め、これまでのすべての犠牲者に心から哀悼の意を表します。

 総理もブッシュ大統領も、国際協調、国際協調と叫びますが、フランス、ドイツ、ロシア、中国という世界の大国がイラクに一兵たりとも派兵していないという現実を見たときに、この国際協調という言葉がむなしく聞こえ、逆に、アメリカ追従が鮮明になるばかりでございます。

 強調しておかなければならないことは、今回の米英によるイラク攻撃には全く大義がないということでございます。これは決して忘れてはなりません。イラク攻撃の口実であった大量破壊兵器は、いまだに見つかっておりません。アメリカやイギリスは証拠があると言って戦争に突入したのですが、今となっては、むなしくなるばかりでございます。こういった大義がない中で、復興支援の名のもとに自衛隊をイラクに派遣することは、アメリカやイギリスの占領政策に加担することになる、これが国民が反発する大きな理由なのであります。このことについて、総理の認識をお聞かせください。

 孟子の言葉に、「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」という有名な言葉がございます。人の和がなければ何事も成功しないという意味でございます。総理の決断された自衛隊のイラク派遣に、人の和、すなわち国民の総意はありません。「聖人には常の心なし、百姓(ひゃくせい)の心を以て心と為す」という老子の至言もあります。中国の古典の名言や至言に精通しておられる総理ですから、説明の必要はないでしょう。総理は、自分の考えに固執することなく、百姓(ひゃくせい)、つまり民の声に耳を傾けるべきなのであります。

 自衛隊員の方々やその御家族にとって、不安は限りなく大きいと思います。イラク現地はいまだに戦場であり、隊員は常に生命の危険と隣り合わせです。みずからの任務に対して国民の多くが反対している中では、隊員の士気も上がりにくいと思います。何のための任務かという疑念も当然起きるでしょう。

 自衛隊の任務は専守防衛であって、日本の国土と国民を守ることにあります。海外での活動はPKOまでとなっております。イラク特措法が憲法違反であり、さらにそのイラク特措法にも違反するという二重の法律違反を犯してまで、イラクのような国外で戦闘に遭遇するなどということは、そもそも想定されておりません。これは政府の自衛隊員に対する契約違反行為であり、さらに言えば、甚だしい人権侵害であると言わざるを得ません。

 総理は、国益国益と申しますが、国民一人一人の生命を顧みずして真の国益などありません。総理、ここは、派遣される自衛隊員、その御家族の方々のためにも派遣中止を決断していただきたい。そして、自衛隊派遣ではなく、イラク国民や周辺アラブ諸国が納得し、理解を示す復興支援こそ追求していくべきだと思います。総理の御決断をお聞かせください。

 続いて、政府予算案についてお伺いをいたします。

 政府予算案は、残念ながら、国民生活の視点が希薄だと言わざるを得ません。今、国民の多くが期待しているのは、現下のデフレ経済を好転させるための予算であります。

 現在、我が国の経済に明るい兆しが見えてきたと言われています。しかし、地方や中小企業や一般労働者には全くその実感はありません。わずかの明るさを総理は改革の成果だとおっしゃいますが、とんでもありません。これは、良好な輸出環境と相まって、民間の血のにじむような自助努力の結果なのであります。

 自助努力といっても、裏を返せばリストラであり、その結果、失業率は依然として五%台で高どまり、家計可処分所得が減少し、家計貯蓄率の低下が急激に進んでいるという数字がこれを示しています。いわば、働く人々の犠牲、家計の犠牲によって今の景気は支えられていると言っても過言ではありません。

 景気を本格的な回復基調にしていくためには、雇用失業対策や、年金、医療などの福祉を最優先とした、家計を助ける予算編成を行い、将来不安を払拭する以外に道はありません。

 しかし、来年度予算は、編成の重点が構造改革なのか景気回復なのか不明確であり、我々には中途半端な内容であるとしか映りません。来年度予算の重点はどこにあるのか、総理の明確な御答弁をお願いします。

 次に、年金制度改革についてお尋ねをいたします。

 我が国の年金制度は、今や、若い人を中心に深刻な不信が広がり、中高年を中心に大変な不安が募っております。そういう中で、今回の改正は、国民からの信頼を回復し、安心を取り戻す最大のチャンスであったにもかかわらず、政府の示した案は、国民を再度裏切り、不信、不安を助長するものであるということを申し上げなければなりません。

 特に、十年来の課題であります国庫負担の引き上げについて、総理は、年金課税の適正化により基礎年金の国庫負担割合二分の一への引き上げに道筋をつけたとおっしゃっております。

 しかし、年金課税強化による増収の見込みは、約一千六百三十二億円にすぎず、二分の一への引き上げに要する約二兆七千億円にははるかに及びません。与党が交わした合意書によれば、二〇〇七年度を目途に税制の抜本改革を行い、その上で二〇〇九年度までに二分の一を実現するとありますが、御自分の任期終了後の改革にまつという答えであり、あなたの言う、改革に道筋をつけたと言っても、単なる逃げ口上、問題の先送りとしか受け取れません。その点についてどのようにお考えでしょうか。

 次に、道路公団改革についてお尋ねをいたします。

 総理は、むだな道路はつくらないと明言をし、高速道路の新規建設を抑制する考えを示してきました。しかし、結果的には高速道路整備計画の九千三百四十二キロの道路建設を進める内容になっており、看板に偽りあると言わざるを得ません。

 今回の政府・与党合意をめぐっても、道路族側からは、ああいうものになってよかったという喜びの声が聞こえる一方で、総理が意見を基本的に尊重したという道路関係四公団民営化推進委員会は、政府・与党合意に反発した二人の委員の辞任などで空中分解し、機能停止に陥っております。本当に推進委員会の意見を尊重したというのであるならば、意見をまとめるために努力した二人の委員が怒りを込めて辞任などするはずがありません。

 公団改革をめぐる迷走、混乱は、総理の常套手段であった改革派対抵抗勢力の構図が利権の分捕り合いであったことをあらわしているのではないでしょうか。道路四公団の不明朗な経営、道路建設に関する特定の議員との癒着関係、ファミリー企業の存在や天下り問題など、一連の問題にメスをしっかり入れることから始めるべきであります。難しい問題はすべて半世紀後に先送りするというのであるのならば、何ら改革の名に値しないと考えますが、総理、いかがですか。

 次に、総理が構造改革の本丸と位置づけておられる郵政民営化問題についてお尋ねをいたします。

 郵便局は、地域で最も身近な国の機関として、国民の利便に大きく貢献しております。特に、生活弱者への貢献は大きく、国民の日常生活に深くかかわっております。少子高齢化社会が急速に進展し、二〇二五年には三人に一人が高齢者となる中、国民生活のセーフティーネットとして、全国の郵便局とそのネットワークを、国民生活共有の社会的インフラ、住民への公共サービスの拠点として積極的に活用していくことこそが大きな課題であると思います。

 総理は、かつて公約としていた三十兆円をはるかに超える国債の発行に踏み切りましたが、その多くを引き受けているのは郵貯・簡保資金であります。銀行を国営化して郵貯を民営化するという矛盾にお気づきにならないのでしょうか。総理、国債管理政策をどうされようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。郵政の民営化より、少子化の克服を初め、医療や年金など社会保障制度を将来にわたって維持するための政策こそ必要であろうと思います。

 以上、申し上げましたように、総理が改革の成果を叫べば叫ぶほど、私たちは、その成果のなさに、むしろむなしくなるばかりであります。

 最後に、今我が国が危うい方向に進もうとしている現状に言及しないわけにはまいりません。

 イラクへの自衛隊派遣は言うに及ばず、憲法改正の動き、その憲法の理念に基づく平和国家日本の原理原則であります、つまり、国是であります武器輸出三原則の見直しの動き、さらには、大本営発表に限りなく近づきかねない情報統制などなど、これまで考えられなかったことが、今、なし崩し的に動き始めております。

 総理、あなたは憲法前文を持ち出して、国際社会において名誉ある地位を占めたいとおっしゃいました。しかし、私には、アメリカに対して名誉ある地位を占めたいと言っているふうにしか聞こえません。憲法を引用するのであれば、憲法九条こそ引用すべきであります。

 あの悲惨な戦争から五十八年が経過いたしました。憲法九条と先人たちのたゆまぬ御努力のおかげで、私たちの国は、この間、どこの国ともただの一度も戦争することなく、平和な国として繁栄してまいりました。与えた痛み、受けた痛みを忘れ去ってしまうには、五十八年という歳月は余りにも短過ぎると思います。

 私は、日本の宝であります憲法九条の旗を世界にはためかせることができたときにこそ、日本が国際社会において名誉ある地位を占めることができると確信をいたしております。

 一歩踏み込めば、引き返すことがいかに困難なことであるかは、これまでの歴史が証明するところであります。いつの日か、ああ、こんなはずではなかったのにと言っても、もうそのときは遅いのです。それだけに、国会の責任が、本院の責任がいかに重要であるかということはおわかりのことと思います。

 総理を初め、国民の代表者であります議員の皆様方にこのことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 横光議員にお答えいたします。

 自衛隊のイラク派遣についてでございますが、イラクの復興と民生の安定を図ることは、中東の安定のみならず、我が国を含む国際社会全体の平和と安全の観点から重要であります。

 多くの国が、イラクの国家再建を現在支援しております。そういう中で、我が国は参加しないということでは、国際社会の信頼を得ることはできないと思います。統治権限のイラク人への移譲を円滑に進展させるためにも、今こそ、国際社会がイラクに対する支援を強化していくことが重要であり、我が国としても、我が国にふさわしい人道復興支援を行っていくべきであると考えます。

 こうした基本的方針について、自衛隊のイラク派遣に反対の立場をとる方もいるということを私は承知しております。自衛隊がイラクで戦闘に巻き込まれたり、あるいはテロや襲撃の被害に遭う現実の危険性を心配されているからだと思っております。

 しかし、自衛隊は、日ごろから訓練を積んでおります。厳しい環境においても十分に活動できる自己完結性も備えております。また、危険を回避する能力も持っております。また、派遣に当たっては、派遣される自衛隊が憲法の枠内で活動することを確保するとともに、隊員の安全確保にも万全を期してまいります。

 今後とも、国会審議等あらゆる機会をとらえて、自衛隊の派遣について国民の一層の理解を得るよう、私も努力を続けてまいりたいと思います。

 自衛隊派遣以外のイラク復興支援につきまして、我が国は、資金協力、人的貢献、これを車の両輪として進めてまいります。資金面での支援を供与する際にも、これまで行っているアラブ諸国との協力を進め、周辺国にも我が国の支援全体に十分理解が得られるよう努めてまいります。

 平成十六年度予算についてでございますが、これまでの歳出改革路線を堅持し、一般歳出を実質的に前年度の水準以下に抑制した一方、予算の内容につきましては、活力ある社会経済の実現や国民の安心の確保につながる分野には重点的な配分を行ったところであります。増加した部分は、社会保障関係予算、科学技術振興予算、中小企業対策予算だけでありまして、それ以外は全部減額する中で、重点分野をふやし、不必要な部分は削減していく、そういう配分を行ったところであります。

 今後とも、こうした歳出改革に加え、規制、金融、税制の各分野にわたる構造改革を推進することが、民間需要主導の持続的な経済成長の実現につながるものと考えております。

 年金についてでございますが、基礎年金に対する国庫負担割合については、平成二十一年度までに二分の一に引き上げることとし、平成十六年度からその引き上げに着手するなど、その道筋を明らかにする改革案を取りまとめたところであります。年金改革については、本国会に関係法案を提出し、持続可能な、安心できる制度の構築に向けた根幹にかかわる改革を進めてまいります。

 道路公団の改革につきましては、道路関係四公団民営化推進委員会の意見を基本的に尊重し、約四十兆円に上る債務を確実に返済し、真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設するとの方針のもとに、抜本的見直し区間の設定、有料道路事業費の半減、四十五年以内の債務返済、通行料金の引き下げ、道路公団を分割・民営化して民営化会社の自主性が生かされる仕組みとすることなどを内容とする民営化の基本的枠組みを昨年十二月に取りまとめました。

 また、これに先立ち、一昨年十二月に意見が提出された後、直ちに、役員への天下りの原則禁止などのファミリー企業の抜本的見直しに取り組むとともに、民間企業経験者の登用や民間企業並み財務諸表の作成、公表を行うなど、事業経営の効率化、透明化やサービスの向上に努めており、民営化に向けた準備を着実に進めております。

 これらは、民営化委員会の意見を基本的に尊重し、戦後、有料道路制度の初の抜本的改革として行うものであり、改革の名に値しないとの批判は全く当たらないものと考えております。

 郵政民営化と国債管理政策につきましては、ことしの秋ごろまでに、いかなる民営化案がいいかということを、各般の議論を踏まえながらまとめていきたいと思います。郵政民営化是か否かの議論は、決着がついております。いかに民営化のいい案をつくることであります。

 この問題につきましては、経済財政諮問会議で具体的な検討を進めているところでありまして、今後、既に確認している五つの基本原則に沿って、幅広く国民的議論を行い、本年春ごろに中間報告を作成し、秋ごろまでに、国民にとってよりよいサービスが可能となる民営化案を取りまとめ、平成十九年には郵政民営化を実現いたします。

 一方、国債管理政策については、財政構造改革の推進により国債に対する信認を確保しつつ、中長期的な調達コストを抑制し、国債の確実かつ円滑な消化を図るため、その適切な運営に努めることが重要であります。今後、民営化の具体案の策定に当たっては、財政改革や国債管理政策との整合性にも配慮しつつ検討を進めてまいります。

 社会保障につきましては、少子化対策や、若者と高齢者が支え合い、国民が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築に向けた改革も確実に進めてまいります。(拍手)

副議長(中野寛成君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(中野寛成君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        内閣総理大臣  小泉純一郎君

        総務大臣    麻生 太郎君

        法務大臣    野沢 太三君

        外務大臣    川口 順子君

        財務大臣    谷垣 禎一君

        文部科学大臣  河村 建夫君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        農林水産大臣  亀井 善之君

        経済産業大臣  中川 昭一君

        国土交通大臣  石原 伸晃君

        環境大臣    小池百合子君

        国務大臣    井上 喜一君

        国務大臣    石破  茂君

        国務大臣    小野 清子君

        国務大臣    金子 一義君

        国務大臣    竹中 平蔵君

        国務大臣    福田 康夫君

        国務大臣    茂木 敏充君

 出席内閣官房副長官

        内閣官房副長官 細田 博之君

 出席政府特別補佐人

        内閣法制局長官 秋山  收君


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