衆議院

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第9号 平成16年2月17日(火曜日)

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平成十六年二月十七日(火曜日)

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  平成十六年二月十七日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

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 平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣谷垣禎一君。

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 まず、平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。

 平成十六年度予算については、引き続き歳出改革路線を堅持し、一般会計歳出及び一般歳出について、実質的に前年度の水準以下に抑制いたしました。一方、予算の内容については、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三等を踏まえ、例えば科学技術や治安対策など活力ある社会経済の実現や国民の安心の確保に資する分野に重点的に配分したほか、各分野においても真に必要な施策への絞り込みを行い、めり張りのある予算の配分を実現しました。

 しかしながら、我が国の財政収支は引き続き厳しい状況となっており、特例公債の発行等の措置を講じることが必要であります。

 本法律案は、厳しい財政事情のもと、平成十六年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び年金事業等の事務費に係る国の負担の特例に関する措置を定めるものであります。

 以下、その大要を申し上げます。

 第一に、平成十六年度の一般会計歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができること等としております。

 第二に、平成十六年度において、国民年金事業、厚生年金保険事業及び国家公務員共済組合の事務の執行に要する費用に係る国の負担を抑制するため、国民年金法、国民年金特別会計法、厚生保険特別会計法及び国家公務員共済組合法の特例を設けることとしております。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 本法律案は、現下の経済財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向け、住宅・土地税制、中小企業関連税制、金融・証券税制、年金税制、法人税制、国際課税等につき所要の措置を講ずるものであります。

 以下、その大要を申し上げます。

 第一に、住宅・土地税制について、景気情勢を踏まえ、計画的な持ち家取得を支援する観点から、住宅借入金等に係る所得税額控除制度を見直しの上、延長するとともに、住宅の住みかえ等を支援する観点から、居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度を拡充、創設するほか、土地取引の活性化を後押しする観点から、土地、建物等の長期譲渡所得の税率の引き下げ等を行うこととしております。

 第二に、中小企業関連税制について、ベンチャー企業、中小企業の支援や事業承継の円滑化の観点から、非上場株式の譲渡益に対する税率の引き下げ、いわゆるエンゼル税制の拡充、中小同族株に係る相続税の課税価格の軽減特例の拡充等を行うこととしております。

 第三に、金融・証券税制について、貯蓄から投資へという政策要請を踏まえ、公募株式投資信託の譲渡益に対する税率の引き下げ等を行うこととしております。

 第四に、年金税制について、世代間及び高齢者間の負担の公平を確保するため、公的年金等控除の上乗せ措置及び老年者控除の廃止を行うとともに、標準的以下の年金だけで暮らしている高齢者の方々に十分に配慮する観点から、六十五歳以上の者については、公的年金等控除の最低保障額を通常の額に五十万円加算して百二十万円とする特例措置を講じることとしております。

 第五に、法人税制について、金融、産業の構造改革を促進し、企業の競争力強化を図る観点から、欠損金の繰越期間を延長するとともに、連結付加税の廃止等を行うこととしております。

 第六に、国際課税について、租税条約の相手国との間で課税の取り扱いが異なる事業体に係る課税の特例の創設等を行うこととしております。

 そのほか、特定余暇利用施設の特別償却制度の廃止等既存の特別措置の整理合理化を図るとともに、特別国際金融取引勘定に係る利子の非課税制度等期限の到来する特別措置について、その適用期限を延長するなど所要の措置を講ずることとしております。

 以上、平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

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 平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。江渡聡徳君。

    〔江渡聡徳君登壇〕

江渡聡徳君 自由民主党の江渡聡徳でございます。

 ただいま議題となりました平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 まず、我が国経済の状況についてお聞きいたします。

 我が国経済は、輸出の増加などによって、企業の生産活動がひところに比べて持ち直してきていると言われております。一部の大企業では、今年度、相当な利益の計上が見込まれるとの報道もなされております。しかしながら、地方経済の実態を見ますと、本当に景気が回復し、地域の企業が活力を取り戻してきたという実感を持つことが難しいと言わざるを得ません。

 確かに、我が国全体を見れば、ひところ経済全体を覆っていた悲観論は声を潜め、明るい兆しが見えてきたことも事実ではないかと考えられますが、このような状況の中では、一日も早く十六年度予算を成立させ、政府の諸施策を早急に実行に移すことにより、景気を着実なものとし、地方経済の活力回復につなげていくことが極めて重要であると考えております。

 そこで、まず、財務大臣に、我が国経済の現状についてどのような御認識をお持ちになっておられるのか、また、どのような経済運営を行っていくお考えなのか、基本的なお考えをお伺いしたいと考えております。

 続きまして、財政状況についてお伺いいたします。

 我が国の財政状況は、十六年度末の国の借金が約四百八十三兆円と税収の約十二年分にも相当する金額に上るなど、大変厳しい状況にあります。他の主要先進諸国を見渡しましても、かくも巨額の借金を背負っている国はありません。国民はこうした財政の状況に不安を感じ、それが将来への確たる展望を持たせにくくしているとも考えられます。国民の安心を確保するためにも、厳しい状況の中にあることは十分理解するところでありますが、持続可能な財政をできる限り早く構築することが喫緊の課題であることは言うまでもありません。

 政府は、二〇一〇年代初頭には国、地方のプライマリーバランスを黒字化させると言っているわけでありますけれども、そのために今後どのような取り組みを進めていくお考えなのか、財務大臣の所見をお伺いしたいと思います。

 また、今般の平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきましては、税収等の歳入と歳出の間に相当額の乖離が現実問題として存在する以上、やむを得ざる措置であるわけでありますが、新規の特例公債の発行は、十六年度において三十兆円を上回るものとなると承知しております。過去に発行した国債の借りかえに要する国債発行を含めれば、年間の国債発行額は百六十兆円にも上るものと聞いておるところでございます。

 一方で、今後、我が国経済の回復が本格化してくれば、当然、民間部門における資金需要が強まってくるものと予想されますが、そうした中で、国債管理政策がこれまでにも増して極めて重要な課題になるものと考えます。大臣は、どのような点にポイントを置いた国債管理政策を行っていくお考えであるか、お伺いしたいと思います。

 次に、税制改革についてお尋ねしたいと思います。

 今、日本にとって一番大切なことは、デフレ不況から一刻も早く抜け出し、少子高齢化やグローバル化といった構造変化に対応するために必要な改革を着実に実行していくことであります。これにより、日本企業の競争力強化を後押しするとともに、国民一人一人が能力を最大限に発揮し、将来に不安を抱かず、安心して暮らしていける社会を築いていかなければなりません。

 このような認識に立って、我々与党は、平成十五年度の税制改正で、デフレ不況の克服に向け、さまざまな改革を実行に移しました。例えば、将来の日本を支える新しい産業、技術の芽を育てる研究開発、設備投資に対する大胆な支援措置、中小企業の方々への最大限の配慮、金融・証券税制の大幅な軽減・簡素化など、思い切った内容となっており、早くもその効果が出てきていると評価されております。これらの措置により、平成十六年度も約一・五兆円の減税が継続するわけでありますが、ここで改革の手を緩めず、さらに経済活性化のために思い切った措置を講じていくことが肝要であります。

 そこで、お尋ねいたします。本法案に盛り込まれている平成十六年度の税制改正は、経済活性化、デフレ不況の克服のために、どのような改革を実施することとしているのでしょうか。

 他方、先ほど述べましたように、国民が将来に不安を抱かず、安心して暮らしていける社会を築くためには、国民の自助努力を促すとともに、国民の信頼に足る安定的な社会保障制度を用意していく必要があります。そうした社会保障制度には相当の財源が必要であり、これをどのように賄っていくかを真剣に考えなければなりません。

 私は、国民皆広く公平に負担を分かち合うということが基本であると考えております。最近の税制改革も、そうした考え方に立った改革が実行されていると思いますが、平成十六年度改正について言えば、年金税制の見直しであります。これは、お年寄りの方も若い世代も、その能力に応じて公平に負担していただこうということで見直しが行われ、その際、所得の少ないお年寄りの方にはきちんと配慮をしていると理解しております。

 そこで、お尋ねいたします。年金税制の見直しの趣旨はどのようなものでありますか。また、お年寄りの方の中には、わずかな年金にまで税金がかけられたら生活が成り立たない、大変だという心配を持っておられる方もいらっしゃると思います。年金税制の見直しに当たってどのような配慮がなされているかもあわせて質問させていただき、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 江渡議員にお答えいたします。

 我が国経済の現状認識と経済運営の基本的な考え方についてお尋ねがありました。

 我が国経済の現状を見ますと、多くの国民の英知と努力によって培われてきた活力が、政府、民間の改革への取り組みによってようやく発揮され始めて、経済に明るい兆しが見られるところでございます。

 政府としては、この景気回復の動きを地域経済にまで広げ、民間需要主導の持続的な成長につなげていくために、経済の活性化、子や孫の世代に負担を先送りしない持続可能な財政の構築、それから国民の安心、安全の確保、こういったことを目指した諸般の取り組みを総合的に進めていくことが重要であると考えております。

 それから、基礎的財政収支の黒字化に向けた取り組みについてのお尋ねですが、我が国の財政状況は、平成十六年度末の公債残高が四百八十三兆円程度に達する見込みであるなど、世界の先進国の中でも最悪の水準となっております。政府としては、中長期的な財政運営に当たりまして、二〇一〇年代初頭の国、地方の基礎的財政収支の黒字化を目指しております。

 こうした中で、平成十六年度予算におきましては、一般会計歳出それから一般歳出を実質的に前年度の水準以下に抑制したところでございますし、こうした努力などの結果、国、地方を通じた基礎的財政収支は改善が見込まれまして、黒字化に向けた一つの手がかりをつくることができたと考えております。

 今後も、持続可能な財政構造の構築に向けて、歳出改革を推進するとともに、民需主導の持続的成長を実現するための構造改革を加速いたしまして、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指してまいります。

 それから、国債管理政策についてのお尋ねがございました。

 国債管理政策については、従来から、中長期的なコストを抑制しながら確実かつ円滑な消化を図るという基本的な考えの上に、市場のニーズとか動向等を十分に踏まえた国債発行を行うなど、適切な運営に努めているところでありますが、昨年十二月には、今後の国債管理政策上講ずべき新たな施策を取りまとめた「国債管理政策の新たな展開」を公表したところであります。

 今後、市場のインフラ整備や、国債の商品性の多様化を通じた国債保有者層の拡大など、この取りまとめに盛り込まれた各種の施策を着実に実施して、国債管理政策に万全を期してまいります。

 それから、平成十六年度の税制改正についてのお尋ねがございました。

 十六年度の税制改正におきましては、最近の社会経済情勢それから財政状況を踏まえまして、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けて、十五年度税制改正に続きまして、切れ目なく施策を講ずることとしております。

 具体的には、景気動向と住宅政策の両面に配意して、住宅ローン減税を見直した上で延長するほか、個人資産の活用を促進するため、土地譲渡益課税の税率を引き下げるとともに、公募株式投資信託の譲渡益課税を上場株式並みに軽減することとしております。

 また、創造的な企業活動と事業の再構築を支援するため、エンゼル税制の拡充を初めとする中小企業関連税制、それから法人税制の見直しを行いますほか、国際的な投資交流を促進するため、日米租税条約の全面改正に関連する国内法令の見直しを行うこととしております。

 これらの措置は、十五年度税制改正の効果と相まって、デフレ不況の克服と民間需要主導の持続的な経済成長の実現に寄与するものと考えております。

 それから、最後に、年金税制の見直しについてのお尋ねがございました。

 今回の年金税制の見直しは、世代間、高齢者間の税負担の公平を確保する観点から、年齢のみを基準に高齢者を優遇する措置である公的年金等控除の上乗せ措置及び老年者控除を廃止することとしたものであります。

 その際に、標準的な年金以下の年金だけで暮らしている高齢者世帯に十分な配慮を行う観点から、六十五歳以上の高齢者については、公的年金等控除の最低保障額を加算する特例措置を講じることとしております。

 以上でございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 長妻昭君。

    〔長妻昭君登壇〕

長妻昭君 長妻昭でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました公債特例等に関する法律案及び所得税法等の改正案について質問いたします。(拍手)

 この公債特例等法律案には、年金事業等の事務費に係る国の負担の特例という、とんでもない悪法が隠されております。これは、年金掛金ピンはね継続法とでもいうべきものであります。(拍手)

 社会保険庁長官の交際費、年間約六十万円のうち、約三十万円は厚生年金の掛金が充てられております。この交際費で、長官は、自分の出身県人会への出席に際しての御祝儀や、同僚の退職に対しての記念品代を支出しております。

 さらに、社会保険庁の職員用マンション。例えば、横浜の三DK六十一平方メートルの新築マンションは家賃二万一千円と格安ですが、この三DKが十二戸、一Kが十八戸あるマンションの建設費三億六千四百万円も厚生年金の掛金であります。

 全国三十六カ所の職員用マンションが厚生年金の掛金で建設され、一カ所は国民年金の掛金で建設されております。総建設費六十六億二千五百万円すべてが、厚生年金、国民年金の掛金で賄われました。国家公務員の年金である共済には手をつけず、民間の皆様が支払う年金の掛金を使った職員用マンションの建設がとまりません。

 社会保険庁が持っている乗用車二百五十一台も、厚生年金の掛金や国民年金の掛金で購入されました。その中には、幹部用の黒塗りの車も含まれます。うち四十七台には専用運転手がついております。

 平成十四年度一年間で、社会保険庁職員の外国旅費は二千百十二万円でしたが、これも厚生年金の掛金が充てられました。

 例を出せば切りがありませんが、ただいま議題となっております公債特例等法律案が成立すれば、平成十六年度には、国民年金の掛金六百八十三億円分、厚生年金の掛金三百九十六億円分、これを先ほど申し上げた社会保険庁の職員のための経費に充当することが可能となってしまいます。

 これまでは、財政構造改革特別措置法によって、一九九八年四月から本年三月末まで六年間に限る時限措置で年金掛金の経費充当が可能でした。何もしなければ、本年四月からは年金の掛金のピンはねができなくなるというあるべき姿に戻るわけでありますが、今回の法案は、掛金の経費充当をさらに一年延長するという、とんでもないものであります。

 厚生年金の掛金や国民年金の掛金は年金支払いのためだけに使ってほしいというのが国民の皆様の切なる願いだと思いますが、ぜひ、そうすると御答弁ください。谷垣大臣、坂口大臣、お願いいたします。(拍手)

 また、年金の掛金を使うからには、年金財政が苦しい中、交際費を初めとする経費を大幅カットする必要があると考えますが、両大臣、いかがでしょうか。

 また、年金の掛金を経費に充当する前提となった、一九九七年六月三日の閣議決定である「社会保険の事務に要する費用について、一層の節減・合理化等を行うなど、その在り方について見直す。」こういう指示を受けて、これまでどのような削減をしてきましたか。坂口大臣にお尋ねをいたします。

 厚生年金、国民年金ともに特別会計です。特別会計とは、収支を一くくりにして示し、苦しいときは、その会計に携わる者に厳しく節約を促すための制度でもあると考えます。

 平成十六年度予算で、年金経費に関して、従来に比べて大幅カットするものは何がありますか。坂口大臣、お教えください。過去の厚生年金の掛金を充てた長官交際費の使途についてもお示しください。

 また、せめて、平成十七年度からは年金の掛金を年金事務費に充てないと御決断いただけますか。両大臣、お答えください。(拍手)

 また、厚生年金の掛金を算定する対象にこれまでは退職金を含めていなかったにもかかわらず、突然、昨年十月一日の通達で、前払い退職金からも年金の掛金を取ることになりました。退職金は、その性格上、報酬には当たらず、この通達の撤回を求めますが、坂口大臣、いかがですか。

 年金会計も含めて特別会計の弊害が指摘をされております。財政制度等審議会でも改善策が検討されているようですが、一体どの特別会計をいつまでに廃止をするのか。谷垣大臣、その決意を明確にお示しください。また、特別会計の民間借り入れを停止する措置をするならば、いつまでに、どの特別会計を対象とされるのか。谷垣大臣、お答えください。

 平成十六年度予算審議にとって極めて重要な数値である二〇〇七年度の新規国債発行額の見込みが、財務省と内閣府で大きく食い違っております。財務省は四十二・八兆円、内閣府は三十八・四兆円。内閣府の数字は改革を前提にしたとの説明ですが、そうであれば、財務省は改革ができないと見込んでの数字なのでしょうか。どちらか、一本化をしていただきたい。谷垣大臣と竹中大臣にお尋ねをいたします。

 また、プライマリーバランスの黒字化も、内閣府は二〇一三年度達成、谷垣大臣は二〇一〇年代初頭と達成時期をぼかしていますが、二〇一三年度達成ということでよろしいですね。両大臣にお尋ねをいたします。

 また、竹中大臣は、二〇一三年度の公債等残高を九百兆円強と見込んでいるようでありますが、そのとおりですか。具体的には幾らですか。その前提条件と評価、プライマリーバランス黒字化目標に与える影響をお尋ねいたします。

 二〇〇三年末で、国内銀行が保有する国債残高は、過去最高の九十三兆八千六百億円にも上り、金融への国債のリスクは年々増大をしております。

 谷垣大臣は、平成十五年十一月二十八日の記者会見で、予算の仕上がりぐあいとして、国債発行額が税収よりもふえるというような姿はやはり避けなければいけないと発言をされています。しかし、長期金利を三%と仮定した財務省の試算では、平成十九年度には新規国債発行額が税収を上回ることになるではないですか。谷垣大臣、どうなされますか。

 歳出見直しも急務であります。

 談合で年間数兆円の税金が失われていると言われております。私が提出いたしました質問主意書で、国には、二〇〇二年度たった一年間だけで、予定価格と落札価格が同一だった入札が五千五百八十二件もあることが判明をいたしました。

 これに関して、福田官房長官は、会見で、記者から談合や情報漏えいの疑いを指摘され、よく確認をする必要があると思います、まあ、一件一件どういうふうなことだったのかね、ちょっと状況は調べなきゃわからぬなと述べております。

 これは公正取引委員会の調査も含むのか、五千五百八十二件について、一件一件どのような調査をして、いつまでに御報告いただけるのか、福田官房長官と谷垣大臣にお尋ねをいたします。

 また、三年前の二〇〇一年六月六日、財務金融委員会で、塩川前財務大臣は、私の質問に、日本の高過ぎる公共投資の対GDP比を今後十年で欧米並みの一から二%台に引き下げることを目標とする考えを明らかにされました。

 この目標に対する現在の政府の進捗率をお尋ねいたします。また、十年後である二〇一一年に、公共投資の対GDP比を一から二%に本当に引き下げる決意がおありになるのか、改めて谷垣大臣にお尋ねをいたします。くれぐれも塩川前大臣の個人的発言などと言わずに、政府の公約として真摯に受けとめていただきますようお願いを申し上げます。(拍手)

 国家公務員の退職時の特別昇給が問題となっております。

 二十年以上の勤務に加え、勤務成績が特に良好であることを条件に退職金を上乗せするものです。昨年度、対象となる候補者のうち、九割もが特別昇給をしていた実態が報道されました。当然、政府は調査されていると思いますが、正確には何%が特別昇給していましたか。また、今後、本制度をいつまでに、どのように見直すおつもりですか。谷垣大臣にお尋ねをいたします。

 税制改正に関してお尋ねする前に、触れざるを得ない大きな問題がございます。

 いまだに国税庁挙げて、OB税理士への顧問先企業のあっせんが組織的に続けられております。時代錯誤と言わざるを得ません。既に顧問税理士がいる企業にも国税局からの売り込みがあり、断り切れない中小企業が本当に悲鳴を上げております。

 平成十五年七月の国税局等の退職者三百三十六人が、国税局等のあっせんで合計四千百三十二社の顧問となりました。これによって、退職者であるOB税理士は、一人当たり月額七十六万七千円もの報酬をもらっております。

 国税局によるあっせんは、企業にとっては無言の圧力ととられかねず、即刻中止すべきと考えますが、いかがですか。また、さらなる改善策はどのようなことをお考えでしょうか。谷垣大臣にお尋ねをいたします。(拍手)

 今回の税制改正は、目玉もなく、政策意図も不明確です。そして、国税が九十億円減税、地方税が二百二十五億円増税、差し引き百三十五億円の増税であり、一九九五年以来、九年ぶりの増税型です。今後、年金の大幅負担増も加わり、国民の負担感が増大し、景気に冷水を浴びせかねない改正と考えますが、谷垣大臣と竹中大臣の御所見をお伺いいたします。

 また、今回の税制改革では、土地建物の譲渡所得と他の所得との損益通算を廃止することが盛り込まれております。

 これまでどの程度本制度が利用されたのか不明であるとのお話ですが、制度を改廃するときに、どの程度の増減収になるのかを予想するためのベースとなる数字である利用状況を把握していないというのは怠慢と言わざるを得ませんが、谷垣大臣、いかがですか。

 また、適用は遡及して本年一月一日からとなっております。まさに納税者にとってはやみ討ちに近いと考えますが、いかがですか。また、納税者に不利益となる改正は遡及適用しないという考え方、不利益不遡及を谷垣大臣は御存じでしょうか、お尋ねをいたします。

 政府は、遡及せずに周知期間を置くと土地の損売りが出ると言いますが、むしろ土地はすべて吐き出して底値を早く定着させるという発想もあると考えますが、谷垣大臣と竹中大臣の御所見をお伺いいたします。

 昨年の税制改正において拙速に導入が決められた消費税の総額表示は、実施直前の現在となっても、さまざまな混乱や不安をもたらしております。

 例えば、先月のある民間会社のインターネットでの調査によれば、四割もの人が総額表示義務づけについて知らないと回答し、八割もの人々が便乗値上げについて懸念を表明しております。

 そもそも、この改正は、目的が説明されず、多くの国民の皆様に影響を与える問題にもかかわらずきちんとした議論がないままに法案化され、民主党が昨年の通常国会で同条項の修正案を提出したにもかかわらず、与党が強引に押し切ったものであります。

 将来の消費税増税を念頭に、国民の反発を和らげようとするこそくな手段としか思えないこの改正については、今からでも実施を見合わせるべきと考えますが、谷垣大臣の御所見を伺います。(拍手)

 平成十六年度の予算は、過去最悪記録のオンパレードです。主要なものを見ても、新規国債の発行額が三十六兆五千九百億円で過去最悪。一般会計の歳入総額に占める国債発行の割合を示す国債依存度も四四・五六一%で過去最悪。一般会計の歳出総額を国税収入でどれだけ賄ったかを示す税収比率も五〇・八%で過去最悪です。

 経済面での日本の国際貢献は、何より国、地方の借金を減らすことだと考えます。ふえ続ける借金を放置し、仮に国債が暴落すれば、日本はもとより、世界は大きな打撃を受けます。しかし、日本政府は、その懸念を払拭するどころか、最悪の記録を更新し続けております。

 もはや現政権では、日本の財政はコントロール不能です。即刻、下野して、政権交代すべきと考えます。谷垣大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 長妻議員にお答えいたします。

 まず、年金事業等の事務費に係る国の負担の特例についてのお尋ねでございます。

 国民年金事業、それから厚生年金事業及び国家公務員共済組合の事務費の一部について、財政構造改革法で国の負担を抑制し保険料財源に充てるための措置が講じられてまいりましたが、十五年度末で期限が切れますから、十六年度の財政状況を踏まえ、十六年度においても引き続き同様の措置を継続することとしております。

 十七年度以降については、その時点での財政状況等を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。

 また、年金事業等の事務費についても、今後とも節減合理化に努めてまいりたいと考えております。

 それから、特別会計の見直しについてお尋ねがございました。

 特別会計は、事業ごとの受益と負担の関係や収支をより明確にし、それによって適正な受益者負担や歳出削減努力を促すといった意義がある一方、特別会計が多数設置された場合には、財政の一覧性を阻害し、また、予算全体としての効率性が損なわれるというおそれもあるため、社会経済情勢の推移等を踏まえ、その存続の必要性について絶えず見直しを行っていくことが必要と考えております。

 特別会計の見直しに関する財政制度等審議会の提言におきましては、特別会計の事業内容の不断の見直しを進めていく過程において、特別会計の事務事業を廃止すべきもの、それからその運営主体を見直すべきもの、これらについては、特別会計として区分経理すること自体を見直す必要があるとされており、このような基本的考え方に沿った不断の見直しが必要と考えております。

 それから、特別会計の民間借り入れについてお尋ねがありました。

 特別会計の借り入れについては、特別会計の見直しに関する財政制度等審議会の提言において、「事業の肥大化を招き、財政規律を損なうおそれがあることから、各特別会計の将来の収入に見合った範囲で行われることが基本であり、各特別会計の性格を踏まえつつ、借入れの縮減を図る必要がある。」とされております。政府といたしましては、こうした基本的考え方に沿って、各特別会計の借り入れについて検討を行うことが必要であると考えております。

 それから、後年度影響試算と内閣府の参考試算についてのお尋ねですが、財務省の試算は、特定の政策判断を加えることなく、平成十六年度当初予算の制度、施策を継続した場合の後年度予算への影響を積み上げて計算したものであるのに対しまして、内閣府の試算は、「改革と展望」二〇〇三年度改定で示された構造改革の方向性のもと、内閣府が、各分野の具体的な改革の進め方について多様な可能性の中から一つを前提として選んで、経済財政モデルによってマクロ経済の姿や国と地方の財政の姿を試算したものであります。

 したがって、両試算は前提や手法が異なるため、結果も異なりますが、今後の予算編成等の議論において、それぞれの特質に応じて、中期的な経済財政運営のあり方を検討する上で、一つの参考、手がかりとして活用すべきものと考えております。

 それから、内閣府の試算における基礎的財政収支黒字化の時期についてのお尋ねですが、ただいま申し上げたモデルの性格にかんがみまして、政府としての目標という性格のものではなく、その特質を踏まえながら、中期的な経済財政運営のあり方を検討する上での一つの参考、手がかりとして活用すべきものと考えております。

 それから、新規国債発行額が税収を上回るとの試算結果についてのお尋ねです。

 御指摘の試算結果は、平成十六年度当初予算の制度、施策を継続した場合の後年度予算への影響を積み上げて計算する際に、さらに国債金利について十七年度以降三%との仮定を置いた試算をお示ししたものですが、我が国の財政状況が極めて厳しい状況にあることを示しているものと考えております。

 いずれにせよ、今後の予算編成におきましては、持続可能な財政構造の構築に向けて、「改革と展望」二〇〇三年度改定で示されている方針を踏まえ、引き続き歳出改革を推進するなど、今後とも手綱を緩めることなく、財政構造改革に向けた努力を重ねていく必要があると考えております。

 それから、「落札率をはじめとする入札等に関する質問主意書」についてのお尋ねです。

 御指摘の質問主意書に係る入札案件については、契約事務の執行に当たる各省各庁において、現在、事実関係の確認等が行われているものと承知しております。財務省としては、各省各庁において、事実関係の確認等が適切かつ可及的速やかに行われることを期待しております。

 公共投資の対GDP比について質問がありました。

 我が国の公共投資のGDPに占める割合が主要先進国に比べて高い水準にあることは事実であり、コストの削減等を通じて、各国の水準も参考としながら、公共投資対GDP比を中期的に引き下げていくことは必要であると認識しております。

 国の公共投資については、政府として、十年後の公共投資対GDP比の目標値を設定しているわけではございませんが、「改革と展望」に基づいて、二〇〇六年度までの間、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、さらなる重点化、効率化を図っていくこととしておりまして、現在、着実に実施しているところであります。

 この結果、我が国の一般政府ベースの公共投資の対GDP比については、平成十二年度で五・一%、平成十三年度で四・九%、平成十四年度で四・六%と推移しているところであります。

 それから、公務員の退職時の特別昇給についてのお尋ねですが、勤務成績の特に良好な職員が二十年以上勤続して退職する場合には、人事院規則に基づいて、特別昇給を実施することができることとされております。

 平成十五年度における退職時の特別昇給の実施状況につきましては、現在、人事院において、本年三月三十一日までの実施状況について調査しておりまして、四月に取りまとめる予定であると聞いております。

 それから、各国税局等が行っている退職職員への税理士顧問先あっせんについてのお尋ねですが、過去の国会等での御指摘などを踏まえて、平成十四年七月退職者に対する事務以降、押しつけ等の疑惑を招かないよう、副署長等による補助業務を廃止するとともに、対象職員の氏名や一人当たりの平均件数等の公表を行っているところであります。

 このあっせんについては、職員の在職中の職務の適正な執行を確保する等の観点から、必要に応じ行っているものでありまして、民間の需要に対する的確な対応等の面でも有益であることを御理解願いたいと考えております。

 今回の税制改正の景気への影響についてのお尋ねがありました。

 我が国税制については、近年、累次にわたる減税が行われてきた結果、国民所得に対する租税負担の割合、租税負担率が主要先進国中、最も低い状況が続いております。

 こういった中で、平成十六年度におきましては、持続的な経済社会の活性化に向け広範な改革を実現した十五年度税制改正の実施により、国、地方合わせて実質一・五兆円の減税が継続しております。

 また、十六年度改正においても、経済活性化の観点から、住宅ローン減税の期限の延長、土地や株式投信の譲渡益課税の軽減など、切れ目なく施策を実施することとしております。

 一方、十六年度改正においては、年金税制の見直しなど、結果として増収となる改正も盛り込まれておりますが、これらは、経済社会の構造変化に対応し、税負担の公平を確保するために必要な改正であると考えております。

 それから、土地建物の譲渡所得と他の所得との損益通算の廃止による増減収を予想するため、これまでの利用状況を把握すべきとの御指摘ですが、所得税について、土地の譲渡損失と他の所得との損益通算が行われるケースにはさまざまなものがありまして、譲渡損失が他の所得を上回り納税額が生じないために申告を要しない場合もあることから、本制度の利用状況を具体的に把握することは困難であることを御理解いただきたいと考えております。

 それから、土地の譲渡損失の損益通算についてのお尋ねでありますが、今回の土地譲渡益課税の見直しは、土地市場の活性化を図る観点から、株式に対する課税とのバランスを踏まえまして、譲渡益に対する税率の引き下げ、損益通算の廃止等を行うものです。損益通算の廃止は、土地市場における使用収益に応じた適切な価格形成の実現を図るものでありまして、税率引き下げとのパッケージで早急に実施することが必要であると考えております。

 こうした考え方に立って、また、所得税は年間を通じた所得に対して課税する仕組みであることから、過去の類似の改正と同様、現在進行している平成十六年分以降の所得税について適用することとしたところであります。

 なお、本改正の適用をおくらせるとした場合、損益通算を目的とした土地売却を招いて、土地市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることにも留意が必要であります。

 それから、消費税の総額表示についてお尋ねがございました。

 総額表示の義務づけは、消費税額を含む支払い総額を値札などに表示することにより、消費者が幾ら払えばその商品が購入できるか、消費者が購入の判断をする前に、一目でわかるようにするものであります。

 こうしたわかりやすい価格表示によって消費者の買い物の際の煩わしさを解消していくことが、消費税に対する国民の御理解を深めていただく上で重要であると考えております。

 総額表示の義務づけを円滑かつ着実に実施するため、引き続き、消費者への広報や事業者への説明、相談等、きめ細かな対応を図ってまいります。

 最後に、日本の財政はコントロール不能ではないかとの御発言がございました。

 我が国の財政は、平成十六年度末の公債残高が四百八十三兆円程度に達する見込みであるなど、大変厳しい状況にありまして、政府としては、子や孫の世代に負担を先送りしない持続可能な財政の構築に向けた取り組みを進めることが重要であると考えております。

 こうした中、平成十六年度予算につきましては、引き続き歳出改革路線を堅持し、一般会計歳出及び一般歳出を実質的に前年度の水準以下に抑制したところでありまして、こうした努力などの結果、基礎的財政収支の黒字化に向けた一つの手がかりをつくることができたと考えております。

 今後とも手綱を緩めることなく、財政構造改革への不断の努力を重ねてまいりたいと考えておりますので、現政権では日本の財政はコントロール不能であるとの御心配は無用であると考えております。(拍手)

    〔国務大臣坂口力君登壇〕

国務大臣(坂口力君) 長妻議員にお答えを申し上げたいと思います。

 三点ございまして、一番最初は、年金事務費の特例措置についてのお尋ねでございました。

 谷垣大臣からも御答弁がありましたとおりでございますが、年金事業の事務費につきましては、国民年金法等において国庫で負担することとされておりますが、財政構造改革法を受けて、平成十年以降、財政上の特例措置が講じられてきたところでございます。

 平成十六年につきましても、国の極めて厳しい財政状況を踏まえまして、財政上の特例措置を継続することとしたものでありまして、やむを得ないものと考えております。

 平成十七年度以降の取り扱いにつきましては、これは再度調整をする、お話し合いをするということになっているところでございます。

 社会保険の事務に関する経費の削減についてお尋ねがございました。

 年金事業の事務費につきましては、年金手帳でありますとか、保険料の納入告知書の印刷費、郵送料や、交際費等に係る経費が含まれておりまして、交際費につきましては、儀礼的、社交的意味からの香典代等の経費に係る支出をいたしております。しかし、ここは、御指摘のとおり、経費の削減に努めなければならないわけでありまして、内部におけるチェックも徹底的に行っていきたいと考えているところでございます。

 年金受給者の増加に伴いまして年金事業の業務量が増大する状況のもとで、事務の効率的な遂行に努めておりまして、平成十年度には、財政上の特例措置により保険料負担を増大させないとの方針に立ちまして、委託事業の見直しでありますとか、あるいは福祉施設整備費の額を半減させるなどの所要の措置を講じてまいりました。

 平成九年におきます保険料財源によります事業運営経費は二千九百三十四億円、これは、特例措置はこのときには含まれておりません。二千九百三十四億円でありましたが、平成十六年度予算案におきましては、事務費の特例措置一千七十九億円を含めまして二千八百六十七億円となっているところでございます。

 今後も、設備整備費の見直しなど、全体として経費の削減に努めてまいりたいと考えております。

 それから、最後に、社会保険料の対象とする範囲についてのお尋ねがございました。

 健康保険法でありますとか厚生年金保険法におきましては、賃金、手当、賞与等の名称を問わず、従来より、労働者が労働の対価として受け取るものを対象として保険料負担をお願いしているところでございます。

 平成十年ごろから退職金の前払いを行うケースがあらわれ始めたと認識をいたしておりますが、退職金が、実際の退職を伴わずに、通常の給与や賞与に上乗せして前払いされる場合には、労働の対価としての性格が強いと考えられますことから、国税におきましても、このようなケースにおきましては退職所得とみなさずに給与所得として取り扱われているところでございまして、これらにつきましては、保険料につきましても、保険料の対象として取り扱いをさせていただいているところでございます。

 御指摘の昨年十月の通知は、こうした従来からの取り扱いを再確認したものでございまして、保険料の対象に関する扱いを変更したものではございません。御理解をいただきたいと存じます。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 長妻議員から、実は五問、御質問いただいておりますが、谷垣大臣との重複を避けて、簡潔に答弁をさせていただきます。

 内閣府試算と財務省の試算との関係についてでありますが、内閣府の試算は、構造改革の方向性のもとで、改革の進め方について一つの前提を選んでマクロモデルで推計をしたものだということでございます。財務省の試算は、谷垣大臣の答弁のとおりでございます。これは前提指標が異なりますので、おのずと結果も異なりますが、それぞれの特質に応じて活用すべきものであると思っております。

 基礎的財政収支黒字化の達成時期でございますけれども、内閣府での試算では黒字化は二〇一三年度と試算をしておりますが、これは議論の参考として内閣府が作成したものでありまして、政府の目標という性格のものではございません。いずれにしても、二〇一〇年代初頭における黒字化を目指してまいります。

 二〇一三年度の国、地方合わせた公的債務残高と基礎的財政収支についてのお尋ねでございますが、「改革と展望」の内閣府試算では、二〇一三年度末の普通国債、地方債及び交付税特別会計借り入れの合計である公債等残高は九百兆円強になると試算をしております。

 ただし、この公債残高については、利払い費に影響を与えますけれども、基礎的財政収支そのものに直接に影響を与えるものではございません。もちろん、世代間の公平の観点からも、その増大を抑制していくことは重大な課題であるというふうに思っております。

 今回の税制改正の景気に与える影響についてのお尋ねでございますが、今回の税制改正につきましては、年金課税の見直し等を行うものの、十五年度税制改正等の一・五兆円の先行減税が継続される、十六年度の税制改正においても、住宅ローン減税の期限の延長や土地課税の軽減等、経済活性化のための措置を講じておりまして、全体として見れば、十六年度の景気に対して大きな影響を及ぼすほどのものではないと考えております。

 こうしたことも踏まえて策定した政府経済見通しにおきましては、十六年度実質経済成長率は一・八%、個人消費についても一・一%程度の成長を見込んでおります。

 最後に、土地価格の下落の対応策についてのお尋ねでございますが、日本経済は民需主導で着実に回復する。全体として地価は下落していますが、その一方で、一部の地域では下げどまりの動きも見られる。不動産市場の活性化に関しては、十六年度におきましても、都市再生を促進するとともに、不動産取引の活性化につながる課税の軽減など、引き続き、土地の流動化、有効利用のための施策を講ずるところでございます。

 政府としては、引き続き、こうした取り組みを含む構造改革を進めて、期待収益の上昇等を通じて地価下落にも歯どめがかかることを期待しております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣福田康夫君登壇〕

国務大臣(福田康夫君) 長妻議員から、「落札率をはじめとする入札等に関する質問主意書」についてのお尋ねがございました。

 先ほど財務大臣からも答弁がございましたけれども、本件は、契約事務の執行に当たる各省各庁において、現在、事実関係の確認等が行われているものと承知しております。

 なお、公正取引委員会におきましては、各省各庁における事実関係の確認結果を踏まえ、事業者が共同して受注予定者を決定するというような独占禁止法に違反する疑いがある具体的事実に接した場合には必要な調査が行われるものと承知しております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        財務大臣    谷垣 禎一君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        国務大臣    竹中 平蔵君

        国務大臣    福田 康夫君

 出席副大臣

        財務副大臣   山本 有二君


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