衆議院

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第10号 平成16年2月19日(木曜日)

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平成十六年二月十九日(木曜日)

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  平成十六年二月十九日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 麻生総務大臣の平成十六年度地方財政計画についての発言並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、所得譲与税法案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

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 国務大臣の発言(平成十六年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、所得譲与税法案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、平成十六年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、所得譲与税法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣麻生太郎君。

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 平成十六年度地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、所得譲与税法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明を申し上げます。

 まず、平成十六年度の地方財政計画の策定方針について御説明をさせていただきます。

 極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三に沿って対応することとし、歳出面におきましては、その徹底した見直しを行うことにより歳出総額の抑制に努め、地方財政の健全化を進めるとともに、人間力の向上・発揮を初めとする新重点四分野や市町村合併、治安維持対策等の当面の重要政策課題に適切に対処いたしたく存じます。一方、歳入面におきましては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本といたしております。

 また、通常収支におきます地方財源不足見込み額につきましては、地方交付税法第六条の三第二項の制度改正として、平成十六年度から十八年度までの間におきましては、国と地方が折半して補てんすることとし、国負担分につきましては一般会計からの加算により、地方負担分につきましては特例地方債の発行により補てんすることにより、地方財政の運営上支障が生じないよう措置することといたします。このための法律改正を行うとともに、減税等に伴います影響額につきましても、所要の財源を確保する措置を講ずることといたしております。

 また、三位一体の改革の一環として行われる国庫補助負担金の一般財源化等に対応し、所得譲与税によります税源移譲等の措置を講ずることといたしております。

 以上の方針のもと、平成十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十四兆六千六百六十九億円、前年度に比べまして一兆五千四百三十八億円、一・八%の減となります。

 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明させていただきます。

 現下の経済財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた改革の一環として、市町村民税の均等割に係る人口段階別の税率区分の廃止等の個人住民税均等割の見直し、商業地等に係る固定資産税及び都市計画税の条例による減額を可能とする制度の創設を図ることといたしております。また、固定資産税の制限税率の廃止等の課税自主権の拡大、軽油引取税に係る罰則の強化等の適切な措置を講ずるとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うことといたしております。

 次に、所得譲与税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 個人の所得課税に係る国から地方公共団体への本格的な税源の移譲を行うまでの間の措置として、毎年度の所得税の税収の一部を所得譲与税として都道府県及び市町村に対して譲与する制度を創設するものであります。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 平成十六年度分の地方交付税の総額につきましては、一般会計から交付税特別会計への繰り入れ等により、十六兆八千八百六十一億円といたします。普通交付税の算定のための単位費用の改定等を行うほか、税源移譲予定特例交付金の創設、臨時財政対策債の発行期間の延長、地方公務員共済組合の事務に要する費用に係る地方団体の負担の特例措置の延長等を図るため、関係法律の改正を行うことといたしております。

 以上が、平成十六年度地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、所得譲与税法案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。

 何とぞ、御慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをよろしくお願い申し上げます。(拍手)

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 国務大臣の発言(平成十六年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、所得譲与税法案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの地方財政計画についての発言及び三法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松崎公昭君。

    〔松崎公昭君登壇〕

松崎公昭君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、地方財政計画、地方税法等改正案及び地方交付税法等改正案について質問いたします。(拍手)

 冒頭、質問を行う前に、政府の地方分権政策の問題点について指摘しておかなければなりません。

 小泉総理が三位一体の改革をぶち上げたとき、地方はこの改革に大変期待しました。長年にわたる地方財政計画を中心とした地方制度に限界が来たからこそ、分権一括法以来の改革が徐々にではあっても進み、三位一体改革にこぎつけたと思ったのです。しかし、かつての地方分権推進委員会答申でも財源問題に手をつけられなかったように、今回の小泉三位一体改革も、税源移譲はごまかしの所得譲与税や税源移譲予定交付金に変わった一方で、補助金と交付税の削減のみが先行。今や、三位一体は三位ばらばらとなってしまったのです。(拍手)

 まず、指摘しなければならないことは、小泉三位一体改革が財務省主導の単なる地方いじめとなっていることです。

 このことは、数字を見れば明らかです。政府が示している本年度の補助金削減は一兆三百億円、地方交付税の削減は一兆一千八百三十二億円の合計約二兆二千億円です。それに対して、地方への税源移譲はたった四千五百七億円。

 加えて、赤字地方債であります臨時財政対策債の削減によって、地方にとってさらに事態は悪化しております。この分の約一兆六千八百億円をさきの補助金、交付税の削減額と合わせれば、地方にとって削減総額は、実は三兆八千八百億円に膨れ上がります。ここまで計算に入れますと、今回の税源移譲は削減総額の約一一・六%にすぎない。税源移譲の実態はほとんどないに等しいと言わざるを得ません。

 私は、補助金や交付税の削減自体が悪いと言っているのではありません。しかし、それは、地方への税源移譲を伴って初めて意味のある政策となるのです。ところが、政府が行おうとしていることは、税源移譲の大幅先送りです。昨年六月四日に福田官房長官も、一つを先送りするのでは三位一体にならない、税源はいいんですというわけにはいかない、こう発言しておられました。まさに、三位一体は入り口で空中分解してしまったわけです。

 官房長官の見解はいかがでしょうか。

 他方、国の予算に目を転じてみますと、長期債務残高の対GDP比一四三%、このような大借金は、歴史上、昭和十九年の対GNP比一五五%以来のことであり、まさに戦時下同様の水準に達しております。しかし、地方に匹敵するような大規模な削減もしないで、相変わらずの借金漬けの体質のまま、国債発行総額は百六十二兆円を超える未曾有の規模です。借金を減らす努力よりも、いかに借金をスムーズに行うかだけに腐心した数字合わせの予算案でした。

 結局、中央政府の歳出削減のしわ寄せ、財政再建の負担をただ地方に押しつけているだけではありませんか。これでは、財務省の財務省による財務省のための地方搾取と呼ばざるを得ません。(拍手)

 昨年の暮れになって補助金と交付税の大幅削減方針を示され、国のような数字合わせもままならない地方は、予算編成の見直し作業に追われ、大混乱の状態にあります。

 中には、沖縄県の宮古島の平良市のように、赤字予算を発表した自治体まであらわれました。国の指導により撤回させられましたが、地方からの声として改革の無理さかげんを国に知らしめたい、こういう市長さんのねらいだったようであります。

 このほかにも、多くの知事から、国の財政再建が優先されて地方分権の進展と全くかけ離れている、交付税ばかり減らして税源移譲はわずかで補助金行政は温存しているなど、激しい声が届いております。

 これでは、ことしだけは何とか乗り切ったとしても、来年度以降、地方財政が完全に行き詰まってしまうことは間違いありません。政府は、今後さらにこのような改革を進めること自体が可能だと考えているのか、特に、税源移譲の先送りを来年度以降も続けるつもりなのかどうか、財務大臣と総務大臣の見解をお聞きします。

 また、このような地方の苦しみを政府はどの程度認識しているのか、甚だ疑問であります。今回の三位一体予算によって、四十四都道府県で二兆六千百六十億円の財源不足が生じていると言われておりますが、市町村ではどの程度の財源不足が生じているのか。そして、この地方の悲鳴に対して何か対策を考えているのか。この点について総務大臣に質問をいたします。

 三位ばらばら改革のもう一つの特徴は、中央省庁と与党族議員の既得権益を最大限温存し、逆に地方の自主性向上をできるだけ抑えた、かけ声は地方分権、実態は中央集権であることです。

 今回、税源移譲予定交付金として手当てされる義務教育費国庫負担金の退職手当、児童手当分の暫定的な一般財源化についても、教職員退職手当は地方が独自に減額できるものではなく、裁量の余地は極めて少ないと言えます。同じことは、所得譲与税で手当てされる公立保育所運営費についても言えることです。基準を国が握っている限り、地方の裁量権は発揮されません。

 地方が廃止を求めていた奨励的補助金には余りメスを入れず、国の権限、コントロールを温存できるように、中央省庁の官僚と与党の族議員たちが談合して絞り出したのが、今年度の政府の三位一体改革です。

 もっと、国による基準を弾力化したり、自治体が地域に合った基準をつくれるようにすべきだと考えますが、総務大臣の見解を伺います。

 次に、地方税法改正について質問します。

 本法案には、さまざまな理由のもとに数々の増税策が盛り込まれております。しかし、私がこれまで述べてきましたように、補助金や交付税の削減を税源移譲に先行させて地方財政を絞り込み、地方の権限の増大にもブレーキをかける政府の方針から見ると、本法案の実質は、課税自主権拡大などの美名のもとに、相変わらず地方税の細部まで国が決め、政府の財政失政の負担を単に国民に押しつけるものではないでしょうか。総務大臣の見解を伺います。

 次に、交付税法改正に関連して質問します。

 本法案には、十分な税源移譲を担保しないままに、中央政府が一方的に地方の歳出をマイナスに見直し、地方交付税総額を抑制するものであると同時に、交付税制度の抜本的改革に全く手をつけていないという根本的な問題があります。

 不交付団体が全体の三・五%しかない現状では、交付税制度は、本来の財政調整機能よりも財源保障機能に大きく重心が移ってしまっているのが現実です。制度誕生から五十年、制度疲労は著しく、交付税特別会計はパンク寸前のところまで来ております。総務省内部からも、地方交付税制度は破綻状態に近く、今のままでは制度として維持できないという声さえ上がっています。

 政府は、交付税法第六条の三の二にある交付税率の変更または制度の改正が必要な事態が九年も続きながら、何の変更や改正も行わず、ただ借金の算段だけをしてきたのではありませんか。

 交付税制度の現状をどのように認識し、どのように抜本改革しようと考えているのか、総務大臣の見解を求めます。

 次に、最近、与党の圧力によって行われた政府の政策混乱についてお聞きします。

 参議院選挙を控え、自民党からも、政府の三位ばらばらでの地方いびりに対して批判が上がり、ついには自民党が麻生大臣に強く要請し、先週二月十三日、政府は、地域再生事業債の発行枠八千億円の拡大と建設地方債であります財政健全化債の弾力的運用を決定しました。これは、自民党の選挙対策以外の何物でもない上、三位一体改革の名のもとにはがした地方向け補助金や財政対策債を新たな地方債で穴埋めをし、地域再生事業債については交付税措置をするという支離滅裂な手法であります。

 本来なら、地方への税源移譲という王道をとるべきだったと考えますが、そうはしないでこのような手法をとった理由と、来年度以降もこのような制度を続けるつもりかどうか、総務大臣にお聞きいたします。

 政府の名ばかりの三位一体改革に対して、我々民主党は、真の地方分権を実現するためのマスタープランを用意しております。

 時間の都合で簡単にしか述べませんが、民主党の改革案では、総額二十・四兆円の地方に対する補助金を抜本的に改革し、まず、五・五兆円の税源移譲と十三・二兆円の一括交付金創設を行います。最近発表した民主党予算案によれば、民主党案の地方自主財源は六十五・七兆円であります。政府の案であります五十一・五兆円に対して、十四・二兆円も増加をしております。民主党の地方分権案こそが三位一体の名に値する改革案であり、地方に自由を約束するものです。

 民主党の地方分権案について御見解があれば、総務大臣の所見を伺います。(拍手)

 分権時代を迎え、財源は国から県、県から市町村という流れは基本的に変わりません。だとすると、国家公務員を地方に、県職員を市町村へ移す仕組みが必要になると私は思います。

 二〇〇〇年四月の分権一括法で、県から市町村へ分権を進めていますが、財源と同時に人が不足しているのが現状です。政府は、このような人の面からの分権政策を検討しているのでしょうか。岩手県や宮城県では既に人つきの分権を始めていますが、それについて政府はどのような見解を持っているのか。二点について総務大臣に伺います。

 次に、政府の合併促進策について御質問します。

 地方分権時代にふさわしい基礎自治体づくりを目指して、平成十七年三月を期限として市町村合併が進められております。政府は、合併促進のあめとして、合併特例債の発行を大盤振る舞いで認めております。しかし、来年度の交付税を無理やり削減しようとする一方で、交付税の先食いそのものである合併特例債の大幅発行を進めるということは、政策として実に矛盾していると考えます。

 そこで、総務大臣に質問します。

 平成十七年三月時点での合併特例債発行予想額は幾らと見積もっているのか、さらに、その償還はどうするつもりか、お聞きをいたします。

 最後に、小泉改革の本丸であります郵政民営化についてお聞きします。

 小泉首相は、郵政民営化法案について、内閣官房を中心に作成する方向で検討に入ったと伝えられております。本来、郵政事業の管轄は総務省であるはずでありますが、総務省に任せない理由について官房長官に伺います。渦中の総務大臣にも一言お願いをいたします。(拍手)

 道路公団改革などでの妥協、後退で、小泉改革の最後のとりでとなりました郵政民営化論議が、十七日から経済財政諮問会議で始まりました。妥協なら改革総崩れの声を前に、総理が、郵政民営化ができないときは自民党がぶっつぶれるときだとの意気込みで臨む法案化に対して、郵政族の牙城である郵政事業懇話会は綿貫会長にかわって引き締めを図り、郵政事業改革特命委員会も民営化の慎重派で固めております。

 一月二十七日の財政諮問会議で、麻生総務大臣は中間報告に対して慎重論を述べております。ポスト小泉を意識して、総務省と同調し、郵政民営化を骨抜きにするのではないかと考えられているのですが、総理の最重要政策である郵政民営化に対して、総務大臣としてどのように対応するのか、明確な考えをお示しください。(拍手)

 ことしの夏には参議院選挙があります。かけ声ばかりの改革、国民や自治体にばかり負担を押しつけてくる小泉改革に厳しい審判が下るのも間近であります。

 結局は、民主党政権による新しい国づくりによって初めて分権型社会が実現するのだということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣福田康夫君登壇〕

国務大臣(福田康夫君) 松崎議員にお答えします。

 まず、三位一体の改革についてお尋ねがございました。

 十六年度においては、十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することとし、当面の措置として、所得譲与税の創設により税源を移譲します。また、義務教育費国庫負担金の退職手当等の一般財源化については、税源移譲予定特例交付金により暫定的に財源措置を講ずることとしており、合わせて六千五百五十八億円の手当てを行うこととしております。

 このように、三位一体の改革については、税源移譲を含め着実に進められたと考えております。

 また、郵政民営化法案についてのお尋ねがございました。

 郵政事業の民営化については、現在、経済財政諮問会議において検討を進めており、本年春ごろに中間報告を作成し、秋ごろまでに国民にとってよりよいサービスが可能となる民営化案を取りまとめ、平成十七年に改革法案を提出することとしております。

 郵政民営化の法案作成をどのような体制で進めるかについては、現時点では決まっておりません。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 松崎議員にお答えいたします。

 三位一体の改革についてのお尋ねでありますが、いわゆる三位一体の改革は、地方にできることは地方に、権限も責任も持ってやっていただくということとあわせて、国、地方全体のスリム化も推進するという観点から進めていくものでございます。

 こうした原則のもとで、税源の移譲につきましては、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することといたしまして、当面の措置としては、先ほど官房長官からも御答弁がございましたように、所得譲与税の創設により税源を移譲するとともに、義務教育費国庫負担金の退職手当等の一般財源化につきましては、特例的な交付金により暫定的に財源措置を講ずることとしておりますので、税源移譲を先送りしているとの御指摘は当たらないものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 松崎公昭議員から十一問質問をいただいております。

 まず最初に、今後の改革の推進及び税源移譲に関するお尋ねをいただいております。

 御存じのように、平成十六年度におきましては、国庫補助負担金については一兆円程度の廃止・縮減等を行いましたが、事業そのものを廃止・縮減するものにつきましては四千二百億円程度と、事業を引き続き継続する、地方が主体となってやっていく必要のあるもの六千百億円というものに分けまして、精査した上、後者につきましては財源措置を行うことといたしております。

 すなわち、いわゆる恒久的な一般財源化を行ったものにつきましては、税源移譲対象額として精査した額を所得譲与税として税源移譲し、そして、その他、例えば義務教等につきましては、税源移譲予定特例交付金及び御存じのまちづくり交付金により措置をすることといたしております。

 この所得譲与税につきましては、平成十八年度までに所得税から個人住民税へ本格的ないわゆる税源移譲を実施することを前提にして、十六年度におきます移譲規模などを考慮いたしまして暫定的な税源移譲措置を創設したものでありまして、税源移譲を先送りしたのではないかという御懸念は当たらないものと存じます。

 一方、交付税総額の抑制につきましては、地方財政が平成十六年度末で借入金残高約二百四兆円と多額になることが見込まれております非常事態とも言えるような状況であることを考えまして、三位一体の改革の中でいろいろ御議論があり、地方歳出の抑制等を通じまして財源不足を圧縮し、いわゆる健全財政を進めることは避けられないと判断をした上から決定をいたしております。

 したがいまして、各地方団体におきましては、それぞれの歳出を、その構造にまで踏み込んで、これまで以上に厳しく財政支出等々を見直していただき、健全財政化について一層御努力をお願いせねばならないと考えております。

 いずれにいたしましても、地方財政というものの健全化を念頭に置きまして、地方がこの結果元気が出、そのために自由度がふえ、そして、そのために自主財源というものが拡充するということを目的として、地方団体の声を聞きながら、今後とも三位一体の改革に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、市町村の財源不足額及び地方の財源不足に対する対応についてのお尋ねがあっております。

 この財源不足に関するとらえ方がまちまちなため、統一的に把握するということは極めて困難でありますが、地方交付税総額等の抑制につきましては、今申し上げましたとおり、御存じのような非常事態でもありますので、こういう地方歳出の抑制、財源不足の圧縮によるいわゆる健全化というものは避けて通れないところでありまして、この点は努力をしていただかねばならぬところでもあります。

 しかし、それでもなお財源不足が生じ、予算編成が困難な団体、地方団体、公共団体に対しましては、きめ細かく相談に応じながら、地域再生事業債の活用や財政健全化債等を弾力的に運用して措置を講ずることにより対応させていただきたいと存じます。

 国によります基準の弾力化についても御質問がありました。

 まことにごもっともな点だと思いますが、この点、財源面における地方の自由度の拡大が図られたところではありますが、あわせて、多様な行政サービスに対応していくためには国の義務づけについても見直す必要があるということにつきましては、同じように考えてもおりますので、こうした点につきましては、地方団体の声も踏まえつつ、所管省庁に対して制度の見直しの働きかけを行ってまいりたいと思っております。

 四番目に、地方税法の改正についてのお話がありました。

 今回の地方税法改正は、いわゆる地方分権を推進するため、地方の自主財源であります地方税の充実確保を図るという基本的な考えに立ちまして、持続的な経済社会の活性化というものを実現するためのあるべき税制の構築を目指して、個人住民税の均等割の見直し、固定資産税のいわゆる条例減額制度の創設、また課税自主権の拡大などの措置を講ずることといたしておりまして、国民へ負担を押しつけているのではないかとの御指摘は当たらないと考えております。

 次に、地方交付税の現状認識及び改革の方向性についてのお尋ねがあっております。

 御存じのように、現在の地方財政は大幅な財源不足となっておりまして、交付税特別会計の借入金残高は、平成十六年度末で五十兆二千億円となる見込みとなっておる状況にあります。

 これらにつきましては、まず借入金への依存から脱却するということは大事なことでありますので、経済社会の構造改革の推進等々によりまして、やはり経済の活性化を通じて、地方税などの地方の一般財源の収入増を図ろうとするのは当然でありますが、国、地方を通じまして、行財政の簡素効率化を図ることもまた当然重要であります。

 収支のギャップを縮小していくことというのが基本でありますが、いずれにいたしましても、地方税の充実を基本とした国と地方の税源の配分の見直しなど、地方財政の課題につきまして、三位一体の改革の中で幅広く検討を行っていかねばならぬものと思っております。

 このような中で、平成十六年度の地方財政は、引き続き大幅な財源不足が生じることと見込まれます。したがいまして、地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当することと相なりました。

 そのため、交付税特別会計借入金の償還の繰り延べ、建設地方債の増発などを行ってもなお生じます財源不足につきましては、引き続き国と地方が折半してこれを補てんすることといたしまして、国負担分につきましては国の一般会計から交付税の加算、また、地方負担につきましては特例的な地方債、いわゆる臨時財政対策債によりまして補てん措置を講じる制度の改正を行いまして、これに基づいて交付税法改正案を今国会に提出いたしております。

 次に、地域再生事業債の拡大や財政健全化債の運用についてのお話がございました。

 地方財政の健全化に必要な理由は先ほど申し上げたとおりでありまして、地方団体においても一層の御努力をいただかねばならぬ必要がありますが、それでもなお予算編成が困難というような団体に対しましては、地域再生事業債の活用や財政健全化債の弾力化の措置を講ずることといたしております。

 これらの地方債の次年度以降の取り扱いにつきましては、三位一体の改革の進展状況や税収の動向、地方団体の財政状況などなど、総合的に勘案して判断することとさせていただきたいと存じます。

 次に、三位一体の改革に対する民主党案についてお尋ねがありました。

 民主党の予算案については、それに対応する地方の歳入歳出の見込みが作成、公表されておりませんので、適切な地方財源の確保がなされているかどうかという点に私どもとしては疑問があります。

 個別の点につきましては、補助金の改革は個別に精査しつつ進めていくことが必要であると私どもは思っておりますが、補助金の大半を極めて短期間に一律交付金化することとしておられる点、また、五・五兆円の税源移譲の具体的な制度設計が余り明確でない、次に、三・四兆円の地方交付税の減額が地方の財源確保の観点から適切なものであるかどうかが不明等々の点で問題点があるように感じております。

 次に、人の分権に関するお尋ねがありました。

 地方を元気にするためには、これは当然のこととして、分権を推進する必要があるのは当然なんですが、そのために、事務権限や財源の移譲とともに、地域を担う人材の育成とその確保が不可欠ということに関しましては、私もそのように感じております。

 こうした観点から、部内の職員の資質向上のほか、新たな職員の採用や都道府県から市町村への職員の派遣など、多様な手法を活用すべきということも、私も同じように考えております。

 御指摘のありました岩手県、宮城県の取り組みも大変参考になるところでありまして、総務省といたしましては、各地域におけるこうした取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、合併特例債についてのお尋ねがありました。

 これは、平成十七年度三月時点での累積の発行予想額は三千五百億円程度になるものと見込んでおります。また、合併特例債を含め地方債の元利償還に要する経費につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして歳出に適切に計上し、地方交付税等必要な地方財源を確保することといたしております。

 郵政民営化についてのお尋ねがありました。

 先ほど官房長官からも御答弁があったとおりでありまして、郵政民営化につきましては、現在、財政諮問会議において検討が進められておりまして、本年春ごろ中間報告を作成、秋ごろまでに国民にとってよりよいサービスが可能となる民営化案を取りまとめ、平成十七年に改革法案を提出することといたしております。

 郵政民営化の法案作成をどのような体制で進めるかにつきましては、現時点ではいまだ決まっておりません。

 最後になりますが、郵政民営化に対してのお尋ねがありました。

 今後の郵政事業のあり方につきましては、現在、経済財政諮問会議で議論が行われておりますのは御存じのとおりでありますが、この民営化というものは、御存じのように、これはそもそも手段でありまして、民営化は目的ではありません。

 したがいまして、郵政、郵便というものを利用する利用者の利便が、一層向上が図られ、勤めております従業員約二十八万人、ゆうメイト十二万人を含めて約四十万人にも上ります勤労者がおるわけでございますので、この職員が意欲を持って職務に取り組めるように、今後とも、そのシステムができ上がり、そして国全体から見ましてもプラスとなるような観点でしなければならぬと、たびたび本会議で答弁をいたしてまいりましたとおりであります。

 以上です。(拍手)

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議長(河野洋平君) 松野頼久君。

    〔松野頼久君登壇〕

松野頼久君 民主党の松野頼久でございます。

 民主党・無所属クラブを代表して、所得譲与税法案について質問をいたします。(拍手)

 中央から地方だ、自治だ、税源を含めて県議会や市議会などにもっと権限、税源を出していい、地方にもっと財源、裁量権を与えてもいい、その中で補助金、交付税をどのように減らせるのかだ。また、税源移譲についても平成十六年度中に確実に行う。これは、経済財政諮問会議などにおける総理の過去の発言であります。しかし、現在政府が示している三位一体改革の内容は、こうした総理の言葉が完全にかけ声倒れで終わっていることを示しています。

 総理は、平成十八年までに四兆円の国庫補助負担金の削減を指示し、その削減額のうち、義務的事業は全額、それ以外については八割を、国から地方自治体へ税源移譲するという方針を示しました。その結果、平成十六年度は、暫定措置として、四千二百四十九億円の所得譲与税、二千三百九億円の税源移譲予定特例交付金が創設されようとしています。

 しかし、三位一体改革の今年度分を見る限り、補助金削減や税源移譲ともに、そのスケールが余りにも小さ過ぎるではありませんか。税源移譲の額が小さいからこそ、本法案の所得譲与税という暫定措置がとられることになったのです。同時に、これは本格的な税源移譲の実施が先送りされたことを意味しています。わずか四千数百億円の所得譲与税という中途半端な暫定措置では、地方分権の名が泣きます。

 思い起こせば、片山前総務大臣が示したいわゆる片山プランには、五・五兆円の税源移譲が盛り込まれていました。あの片山プランはどこに行ってしまったのでしょうか。片山プランの五・五兆円がほごにされ、四千億円余りの所得譲与税に化けた理由につきまして、現総務大臣にお伺いをいたします。

 税源移譲の規模が小さいことは、国庫補助負担金の削減が足りないことの裏返しでもあります。

 例えば、全国知事会は、国庫補助負担金の対象事業を個別に精査した上で、八兆九千億円の国庫補助負担金を廃止し、七兆九千億円の税源移譲を提言しています。廃止すべき補助金の項目を示し、この事業は自分たちでできる、自分たちならより効率よくできるから財源をくれ、こういう提案がありました。全国市長会は、市町村向け補助金十五・三兆円のうち、五・九兆円を廃止し、約五兆円を税源移譲するように提言をしています。

 これに対し、小泉内閣の提示した数字は、四兆円の補助金削減にすぎず、最終的な税源移譲額はいまだに不明であります。補助金削減の目標額を四兆円とした根拠及び平成十八年度における最終的な税源移譲額について、総務大臣に質問をいたします。その上で、今後、補助金廃止額と税源移譲の目標数値を見直すつもりはないのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

 ここで、我々民主党の地方分権改革案について一言触れておきます。

 我々の予算では、二十・四兆円の地方に対する補助金のほとんどを廃止し、五・五兆円を所得税から個人住民税へダイレクトに税源移譲を行います。中途半端な所得譲与税は創設いたしません。加えて、十三・二兆円の一括交付金の創設を行います。その結果、約十九兆円のお金を地方がそれぞれの裁量で自由に使えるようになり、これこそが真の地方分権の形だと考えております。(拍手)

 次に、所得譲与税法案の中身についてお伺いをいたします。

 同法案によれば、公立保育所運営費にかかわる補助金が廃止をされ、所得譲与税として税源が地方へ移譲されることになっています。一見、自主財源化によって地方の裁量が拡大するかのような錯覚にとらわれます。しかし、国が基準作成の権限を握り続ける限り、地方の自由度は高まりません。地方の自由度をより高めるという観点から、今後何らかの措置を検討されるつもりがあるのか否か、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 また、なぜ公立保育所だけが対象で、民間の保育所は対象外になっているんでしょうか。その明確な理由を説明していただきたいと思います。

 続いて、義務教育費国庫負担金の退職手当の暫定的一般財源化についてお伺いをいたします。

 今後十五年ぐらいの間は教職員の退職者が増加することが明らかであり、退職手当の総額が現状よりも大幅に膨れ上がることは必至であります。今後の状況によっては国庫負担へ戻すということさえ公然とささやかれています。よもや、そのような後退はないかと思いますが、今回廃止する予定の義務教育費国庫負担金退職手当分を国庫負担に戻す可能性について、文部科学大臣、総務大臣の両名に伺います。

 次に、生活保護費の国庫補助負担率引き下げについてお伺いをいたします。

 今回の補助金削減の検討段階で、厚生労働省は、生活保護費の国庫補助負担率引き下げを提案いたしました。今年度は見送られましたけれども、平成十七年度には実施される予定とのことであります。

 民主党は、生活保護などはナショナルミニマムとして国が行うべき事業であり、それ以外の国庫補助負担事業こそをドラスチックに削減すべきであると考えます。厚生労働大臣に、生活保護費の国庫補助負担率の引き下げについての見解をお伺いいたします。また、麻生大臣はこの点に消極的な見解と聞いていますが、今もその考えに変わりはないか、お聞かせください。

 次に、三位一体の改革の今後の見通しについて伺います。

 総理の掲げた四兆円の補助金削減のうち、今年度の一兆円を実現する段階ですら、各省庁の強い抵抗が見られました。出だしから既にこの騒ぎでは、先が思いやられるばかりです。

 ここで、基本的な数字について確認を求めます。

 政府の計画では、平成十八年度までに四兆円の補助金を削減するということでありますが、この数字には昨年度の削減分が含まれるとの説もあります。来年度、再来年度の二カ年であと幾ら削減する必要があるのか、総務大臣に質問をいたします。

 また、この四兆円で補助金改革が終わるようでは、真の地方分権にはとてもほど遠く、三位一体が聞いてあきれるばかりであります。平成十八年度以降の補助金改革の将来像について、総務大臣から説明を求めます。

 まさか、これで終わりということではないでしょうが、小泉内閣のことですから、郵政改革、年金改革、道路公団改革と同じように小手先の対症療法を繰り返しても、私たちは驚きません。(拍手)

 三位一体の改革は、補助金削減、交付税改革、税源移譲、これらが同時に一体に行われるからこその三位一体であって、そのうちの一つが先送りされても欠陥品になってしまいます。国の歳出削減のためだけの改革では、地方がぼろぼろになってしまいます。現に、補助金の削減と交付税の総額抑制ばかりが先行して税源移譲が先送りになった結果、地方自治体からは、予算が組めないとの悲鳴が聞こえてくるばかりであります。

 私の地元、熊本県を例に挙げさせていただきますと、補助金の削減、交付税の総額削減が合わせて約三百七十億円、それに対して、暫定的に移譲されるのはたった約六十億円、差し引き三百十億円の減となっています。この現状をどのようにお考えになるでしょうか。

 与野党を問わず、地方の深刻な状況に大きな危機感を抱いている議員も多いことでしょう。総務大臣、こうした地方の危機的状況をどのように認識し、どのような対策をとるつもりがあるのか、質問をいたします。

 次に、市町村民税の均等割について質問いたします。

 今回の地方税法改正では、現行の二千円、二千五百円、三千円となっている税率区分を廃止して、税率を全国一律三千円に統一するとされています。なぜ、二千円ではなく、三千円の最高額に合わせるのでしょうか。総務大臣、お答えください。

 この税率の統一と生計同一の妻に対する非課税措置の廃止は事実上の増税と認識しますが、それぞれどの程度の増税となるのでしょうか、お答えください。

 最後に、固定資産税についてお伺いをいたします。

 麻生大臣は、自民党の政調会長のときに、土地の値段が下がっているのに税収は三倍になっている、評価額を五〇%に下げるべきだと、平成十四年の十一月に日本記者クラブで発言をされ、それ以外にも、たびたび固定資産税の減税について言及をされてまいりました。

 しかし、今回の改正では、自治体の判断で負担水準の引き下げが可能であると、随分と後退をしています。固定資産税の軽減を図るならば、負担水準ではなく評価基準を引き下げる方が明らかに有効であるのに、なぜこのような改正としたのでしょうか。総務大臣に伺います。

 固定資産税を所管する大臣になられたのですから、大臣の持論を実現する最大のチャンスではないでしょうか。持論のとおり評価基準を五割に引き下げなかった理由をお聞かせいただきたいと思います。

 また、平成四年に、全国でばらつきのある土地の評価基準を均等にするという理由で、旧自治省の告示で、土地の評価額を平成六年から一律七割に引き上げました。それにより事実上の大増税となり、全国で税額を不服として約二万二千件の審査申し出がありました。税額に直接直結する評価基準を告示により変更するということは租税法律主義に反すると考えますが、総務大臣の所見を伺います。

 現在の不況は、バブル経済崩壊の引き金となった、金融と税制による地価抑制策によるものです。土地関連税収の約三分の二を占める固定資産税の過重の負担を軽減することが地価下落解消の最良の策だと私は考えます。地価下落にもかかわらず、固定資産税評価額が高どまりをしているため、地方都市の商店街や中小企業の経営者の間には重税感が募っています。次回の平成十八年度の評価がえの際には、政府はどのようにお答えになるつもりでしょうか。総務大臣に伺います。

 小泉内閣の進める地方分権は、財務省主導であり、国の財政をスリム化することが先行し、地方にとっては、都市と地方、地域と地域の格差の拡大を助長し、小規模な自治体を生殺しにするものであります。そこには、国と地方が痛みを分かち合うという共助の精神もなければ、地方に対してみずからやる気を起こさせるインセンティブ付与の仕組みもありません。これが小泉内閣の限界であります。その限界を民主党が打ち破り、本当に地方の発展をもたらす地方分権の改革を我々が実行することを誓い、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) いわゆる片山プランにつきまして、所得譲与税によります税源移譲についてのお尋ねがありました。

 片山前総務大臣が平成十四年五月に提案されました五・五兆円の税源移譲は、当面、国と地方のいわゆる税源配分を一対一とすることを目標として、同規模の国庫補助負担金の削減とあわせて税源移譲を実施するということを提案されたのが、その内容であります。

 このような提案などを踏まえまして検討されました結果、平成十五年六月の基本方針二〇〇三におきまして、三位一体改革の基本方針が決定されたところであります。

 平成十六年度におきましては、この基本方針二〇〇三に沿って、国庫補助負担金について一兆円規模の廃止・縮減を行うこととし、そのうち、対象事業を引き続き地方が主体となって実施する必要のある国庫補助負担金約二千四百億円、正確には二千四百四十億円につきましては一般財源化することとしておりまして、税源移譲対象額として精査した額の二千百九十八億円につきましては、平成十五年度の国庫補助負担金の一般財源化とあわせまして、所得譲与税として税源移譲することとしたところでありまして、合計四千二百四十九億円となっております。

 このような所得譲与税による税源移譲は暫定措置でありますのは御存じのとおりで、今後の補助金改革の状況を踏まえつつ、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することといたしております。

 次に、補助金の削減目標額と税源移譲額についてのお尋ねもあっております。

 国庫補助負担金の改革につきましては、同じく基本方針二〇〇三におきまして、地方分権改革推進会議が示しました重点十一項目に含まれます国庫補助負担金等につきまして、改革工程に沿って改革に取り組むこととしておりまして、公共事業につきましては、重点項目として市町村事業等に係る国庫補助負担事業について原則廃止・縮減していくこと等に加え、行財政の効率化等の観点からも改革に取り組むこと、さらには、対象期限が平成十八年度までであること等を総合的に勘案し、地方団体向け国庫補助負担金二十兆円のうち、おおむね四兆円程度をめどに改革を行うという目標を決定いたしたものであります。

 また、税源移譲につきましては、廃止する補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要がありますものにつきましては、個別事業の見直し、また、その内容を精査していただき、所要額を税源移譲することとしておりまして、その規模につきましては、補助金改革の状況に応じて検討してまいります。

 義務教育費国庫負担金の退職手当分の取り扱いについてのお尋ねがありました。

 義務教育費国庫負担金につきましては、昨年の六月に閣議決定をいたしました基本方針二〇〇三によって、その全額の一般財源化について、平成十八年度末までに所要の検討を行うこととされているところでありまして、退職手当等に係る部分の取り扱いにつきましては、その検討結果が明らかになった時点で、その結論を踏まえまして具体的な対応を決定すべきものと考えております。

 次に、生活保護費の国庫負担率の見直しについてのお尋ねがあっております。

 生活保護は、これは御存じのように、全国画一的に金銭給付を行うという制度の基本的な性格がございますので、地方の自由裁量が許されない行政分野となっております。このため、全国知事会を初め地方団体も、生活保護費負担金の廃止、縮減に強く反対しているところでありまして、こうしたことから、総務省といたしましては、生活保護費負担金の負担率カットに一貫して反対してきたところであります。

 今後も、昨年末の政府・与党の決定の趣旨に沿いまして、関係省庁や地方団体等の間において、生活保護制度のあり方につきまして検討を進めていくことにいたしておりますが、その際、制度の抜本的な見直しを伴わない、いわゆる単なる負担率の引き下げなどという内容のものでは、これは断じて容認できないものだと考えております。

 次に、平成十七年度以降の補助金改革についてのお尋ねがあっております。

 これまで、平成十五年度に改革の芽出しということで約五千六百億円、翌年の平成十六年度には一兆円の改革を行い、これらを踏まえて税源移譲を行うなど、着実にその実績を上げてきておりますのは御存じのとおりです。

 今後の補助金改革につきましては、これまでの実績を踏まえつつ、平成十八年度までにできる限り三兆円程度を目指し、最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。

 なお、おおむね四兆円程度という目標は、あくまでも平成十八年度末までの取り組み目標として閣議決定されたものでありまして、おおむね四兆円程度の補助金改革とそれに対応した税源移譲が最終的な目標というわけでは必ずしもないというのは、御想像のとおりです。

 平成十六年度の地方財政への認識及び対応につきましてのお尋ねがありました。

 今回の交付税総額の抑制につきましては、地方財政が非常事態とも言えるような状況にあることを勘案いたしまして、三位一体の改革を進めていく中におきましても、財政健全化というものを進めていくためにはこれは避けては通れないものと判断して、決定をさせていただいております。

 したがいまして、各地方団体におきましても、その財政健全化につきましては一層の努力を図っていただかねばならぬことは当然でありますが、それでもなお財源不足が生じ、予算編成が困難というような団体に対しましては、地域再生事業債の活用並びに財政健全化債の弾力的運用の措置等によって対応させていただきたいと存じます。

 次に、個人市町村民税均等割の税率、年額三千円につきましての理由についてのお尋ねがありました。

 御存じかと思いますが、この均等割は、税収総額で個人住民税の税収全体の二%という極めて低い水準でありますので、このため、税率の統一を行うに際しましては、この最高税率額を三千円ということにさせていただいたというのが、その背景であります。

 次に、個人住民税均等割の見直しによる増収額についてのお尋ねがあっております。

 今回の見直しによる平年度の増収は、市町村民税均等割の人口段階別の税率区分の廃止によりまして二百十六億円、また生計同一、一緒におられる奥さんに対する、生計同一の妻に対する非課税措置の廃止によりまして三百二十三億円と見込んでおるところであります。重ねて申し上げますが、平年度であります。

 次に、固定資産税に関する改正についてのお尋ねがあっております。

 御存じのように、商業地等に係る固定資産税につきましては、いわゆる七割評価のもとで算定されておりました評価額の七〇%を課税標準額の上限として課税を行っているところであります。

 今回の税制改正におきましては、課税標準額の上限七〇%につきましては、経済界等々から引き下げを行うべきとの強い要請があっておりましたのは御存じのとおりです。

 一方で、平成十五年度の固定資産税収は、評価がえなどの影響によりまして大幅な減収となる見込みであることなどから、自己決定、自己責任という地方分権の観点も踏まえまして、商業地につきましては、全国一律ということではなく、市町村の判断で、条例により税額を減額できる仕組みを創設することにしたというのが、その背景であります。

 次に、固定資産評価基準の七割評価事項についてのお話があっておりました。

 固定資産の評価の基準や評価の実施の方法及び手続、いわゆる固定資産評価基準につきましては、その内容が極めて専門的で技術的な性質を持っていることから、地方税法の規定によりまして、その作成が総務大臣に委任されております。第三百八十八条第一項と書いてありますが、この法律によりまして決められておりまして、租税法律主義に反するものという御意見は当たっていないので、それに沿っておるものと思っております。

 このことは、裁判例においても認められているところでありまして、平成十三年二月二日、大阪高裁判決も、この趣旨に沿っております。

 最後になりましたけれども、平成十八年度評価がえに当たっての考え方についての御質問があっております。

 平成十八年度の評価がえに当たりましては、負担水準の状況や市町村の財政状況などを十分に踏まえまして、また、今回創設することといたしております条例減額制度の実施状況も見ながら、固定資産税の税負担のあり方について、今後とも慎重に検討してまいりたいと考えております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣坂口力君登壇〕

国務大臣(坂口力君) 松野議員からお尋ねがございました二点でございます。

 第一点目につきましては、保育所の運営費についてのお尋ねでございました。

 公立保育所につきましては、自治体がみずからその責任に基づきまして設置していることにかんがみまして、運営費を一般財源化したところでございます。民間保育所につきましては、市町村が設置する公の施設とは異なりまして、今後とも引き続き、運営費につきまして国が負担を行うべきものと考えております。

 保育所の基準につきましては、児童の健康を守り、心身の健全な育成を図るために必要な最低基準といたしまして、施設や職員配置の基準を定めているものでございます。引き続きまして最低の基準を維持する必要があると考えております。

 しかし、今回の一般財源化に伴いまして、公立保育所と公立幼稚園の相互の連携が容易になること、従来の運営費における使途の制限がなくなること等におきまして、地方の自由度が高まるものと考えております。

 もう一つ、生活保護につきましてのお尋ねがございました。

 国庫補助負担金の見直しにつきましては、平成十八年度までの三年間で四兆円という改革の規模がございます。厚生労働省の地方公共団体向け予算の八割以上が、医療、介護、生活保護などの制度的な経費でございます。改革の実現のためには、国庫補助負担割合の変更は避けて通れない問題だというふうに考えております。

 特に、生活保護につきましては、最低生活の保障という国の責任を果たすものであります一方で、実際の認定、支給等の事務は地方自治体に分担をしていただいているものでございます。地方が必要とする財源の確保ということが大前提でございますが、この大前提の上で、昨年末、国庫補助負担割合の引き下げを提案したところでございます。

 この問題につきましては、今後、総務省あるいは地方公共団体ともよく協議を重ねまして結論を得たいと考えているところでございます。(拍手)

    〔国務大臣河村建夫君登壇〕

国務大臣(河村建夫君) 国庫負担の対象外とする予定の義務教育費国庫負担金の退職手当を、今後の状況により国庫負担へ戻す可能性についてのお尋ねでございました。

 義務教育費国庫負担金の退職手当につきましては、昨年六月の経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三等を踏まえ、国庫負担の対象外とするための法案を今国会に提出しているところでありまして、再び国庫負担の対象に戻すことはあらかじめ想定していないところであります。

 なお、昨年十二月の三位一体の改革に関する政府・与党協議会の決定を踏まえて、税源移譲の時期といった退職手当等に係る最終的な取り扱いは今後決定されるべきものと考えております。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 桝屋敬悟君。

    〔桝屋敬悟君登壇〕

桝屋敬悟君 公明党の桝屋敬悟でございます。

 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十六年度地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律案など関連三法案に対しまして質問を行います。(拍手)

 今回の関連三法案や平成十六年度の予算案などを見ますと、改めて地方分権改革による大きな変化を感ずる次第であります。と同時に、地財計画の歳出の見直し、とりわけ臨時財政対策債を含めた交付税額一二%の抑制などは、先ほどから議論がありますように、地方団体にとりましてはまことに厳しい数字であり、改革の必要性は理解しているものの、これでは平成十六年度の予算が組めないという地方団体の不安の声が伝わってきているのも事実であります。

 そこで、まず総務大臣にお伺いしたいのであります。三位一体改革の真の目的は何であったのか、そして、今回の関連法案の姿や十六年度予算案の姿はその目的に即したものなのかどうか、総務大臣の見解を伺いたいのであります。

 三位一体改革は、十七年度も十八年度も続いてまいります。その一歩を踏み出した今、それぞれの自治体に何を求めるのか、政府の具体的なメッセージを出していただきたいのであります。総務大臣、全国三千二百の市町村に対する応援歌として、ぜひともお答えをいただきたいのであります。

 さて、三位一体改革は、手順が大事であります。この手順を誤りますと、地方団体から国の財政再建のためだけの改革だとの批判を招きます。三位一体改革は、地方団体の理解と主体的な取り組みがなければ成就できないのであります。廃止・縮減される国庫補助負担金の対象事業の中で引き続き地方団体が実施する必要のあるものにつきましては、ぜひとも税源移譲が実現されなければなりません。

 今回の改革については、地方から見ると、所得税から住民税への税源移譲の道筋が示されたものの、国庫補助負担金の削減一兆三百億円のうち純粋な税源移譲と言えるものは、所得譲与税のわずか二千二百億円ではないかとの声もあるわけであります。今後、十八年度までの改革の中で税源移譲をどのように進めていかれるのか、財務大臣の所見を伺いたいと思います。

 私ども公明党は、全国で三千四百名を超える地方議員を擁しております。地方議員も参画する地方分権改革推進委員会を設置し、三位一体改革に取り組んできたところでありますが、多くの自治体議員から苦しい声が届けられております。自民党の皆さんも同様の状況と伺います。(拍手)

 こうした与党の取り組みを受けて、総務省においては、一般財源負担の軽減を図るため、八千億円の地域再生事業債の拡大や財政健全化債の弾力的運用などを打ち出されたようでありますが、総務大臣にお伺いをいたします。

 せんずるところは地方団体の借金であり、厳しい事態の中で地方財政への本当に対応になるのかどうか。また、地域再生事業債の元利償還金について地方交付税の基準財政需要額に算入するとなると、再び地方財政上のモラルハザードになるのではないか、三位一体改革の目的に逆行しかねないと危惧いたしますが、いかがでありましょうか。(拍手)

 私は、今こそ、市町村合併を含めた本格的な地方行財政改革に取り組まなければならないと強く感ずる次第であります。先ほどからの民主党の皆さんの議論の中にこの点がないのはいささか寂しいわけでありますが、事務事業の見直しや組織機構の簡素効率化、外郭団体の統廃合など行財政運営全般にわたる改革について、諸般の事情により取り組みが進んでいない団体があるのも事実であります。

 例えば、私ども公明党が主張しております都道府県の知事の皆さんなどの退職金制度は、いまだに国民の目線からすると改革が不十分と考えます。こうした取り組みも含め、地方行革が今どの程度進んでいるとお考えなのか、総務大臣の所見をお伺いしたいと思います。

 総理は、過日の衆議院本会議におきまして、我が党の神崎代表のむだ遣い一掃対策本部の提言を受けて、内閣に検討チームを設けることを明言され、既に行政効率化関係省庁連絡会議を設置されたようであります。迅速な対応を評価したいと思いますが、ぜひともこうした舞台で、地方分権の趣旨をも十分踏まえ、地方行財政改革についても特段の支援策を国としても打ち出せるように、総務大臣のさらなる取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでありましょうか。

 最後になりますが、私は、十八年度までの三位一体改革に当たっては、今後、単に自治体の財政を抑制するのではなく、あくまでも地方の主体的な行財政改革を促進する方向でなければならないと強く主張し、このたびの法改正やさまざまな措置が全国の自治体の懸命な努力と相まって大きな成果を上げることを祈って、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 桝屋敬悟議員から五つの御質問をちょうだいいたしております。

 三位一体の改革について、まず最初にお答えを申し上げます。

 御存じのように、この三位一体改革は、地方分権という理念に沿いまして、歳入歳出面での地方の自由化を進めまして、これによって利益と負担の関係を明確化し、地方がみずからの支出をみずからの権限、みずからの責任、みずからの財源で賄う割合をふやすことによって、住民にとりまして真に必要な行政サービスを地方自治体がみずからの責任で自主的、効率的に選択する幅を拡大することを本来の目的といたして、それを目指しているところであります。

 平成十六年度におきましては、この方向に沿いまして、国庫補助負担金につきましては一兆円の廃止・縮減等々の改革を行うとともに、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することといたしておりまして、当面の措置として、所得譲与税を創設し税源移譲を実施し、これらとあわせて、地方の歳出の見直しにより地方交付税を抑制するなどの交付税改革に着手することといたしております。

 今後も、この三位一体の改革については、地方分権、地域主権の理念を踏まえまして、地方公共団体の声を伺いながら、国庫補助負担金の改革、税源移譲、地方交付税の改革などを同時並行的に、一体的に進めてまいりたいと思っております。

 一方、地方財政は、平成十六年度末の借入金残高が約二百四兆円と見込まれるなど非常事態とも言える状況にありまして、三位一体の改革を進めていく中におきましても、地方歳出の抑制というものを通じまして財源不足を圧縮し財政健全化を進めることは、これは避けては通れぬところだと思っております。

 したがいまして、各地方におきましては、今回の地方財政対策に沿いまして、それぞれ歳出を、いろいろ踏み込んでいただいてこれまで以上に厳しく見直していただき、財政の健全化につきまして一層の努力を図っていただきたいと考えております。

 次に、地域再生事業債や財政健全化債による地方財政への対応についてのお尋ねがあっております。

 まず、地域再生事業債は、各地方団体の平成十六年度におきます地方単独事業の実施状況に応じまして、一定の要件を満たしております地方団体、当該団体におきましては、通常の地方債の充当に加えまして、一〇〇%までの範囲内で地域再生事業債を充当することができることとするようにいたしております。

 また、財政健全化債につきましては、行財政改革の確実な取り組みにより将来の財政負担の軽減が確実に見込まれるというようなところにつきましては、その範囲内において発行可能額の拡大と充当事業を拡大するという方向にいたしております。

 これらの措置によりまして、各地方団体の財政運営が円滑に行われますよう、きめ細かく個別の相談に応じ、適切に対処してまいりたいと考えております。

 なお、これらの地方債に係ります返済、元利償還金につきましては、後年度の地方財政計画の公債費に計上することによりまして地方交付税等の所要の財源を確保するとともに、地域再生事業債の元利償還金につきましても、交付税の基準財政需要額の算定に用います単位費用にも算入いたしまして、各地方団体の財政運営に支障の生じることのないよう対処してまいりたいと存じております。

 地方再生事業債の元利償還金についてのお尋ねが重ねてあっておりました。

 地域再生事業債に係ります元利償還金の基準財政需要額への算入につきましては、各地方団体の実際の元利償還金を指標として設定するものではありません。標準的な団体におきます標準的な発行額を想定しておりまして、その元利償還金を単位費用に算入する標準事業費方式によることといたしております。

 したがって、御指摘のように、地方財政上いわゆるモラルハザードが起きるのではないかというようなことにならないように努めなければならないと思っております。

 行革についてのお尋ねがあっておりました。

 総務省では、地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針、いわゆる地方行革推進指針というものを策定して、種々の行政改革の取り組みを要請するなど、地方の行革の促進に努めてきたところであります。

 地方公共団体では、市町村合併に対します真剣な取り組みとともに、定員管理や給与の適正化、行政評価システムの導入や事務の外部委託の推進などの積極的な取り組みが行われているところでありますのは御存じのとおりです。地方公共団体では、厳しい財政事情のもと、行財政改革に懸命に取り組んでおられるものと考えております。

 例を申し上げれば、地方公務員につきましては、平成七年から九年連続して地方公務員総数は減っております。地方公務員の給与水準、いわゆるラスパイレス指数につきましても、既に全国の四分の三以上の団体が一〇〇未満でありまして、すべての地方公共団体平均でも一〇〇・六、一昨年の四月一日現在などなど、全体的に低下基調にあるところでございます。

 また、御指摘をいただきました都道府県知事の退職手当につきましては、都道府県議会の審議などを通じて、住民の十分な理解と支持が得られる水準とすべきである旨、各都道府県に対し引き続き強く要請をしてまいりたいと思っております。

 最後になりましたが、行政効率化関係省庁連絡会議と地方行財政改革の支援策についてのお尋ねがあっております。

 この会議には、総務省からも自治行政局長を参加させておりまして、会議での議論に活用可能な地方におきます取り組み事例を提供するなどの協力が求められているところでもありますが、地方公共団体の行政改革に役立つ国の取り組みがあれば、積極的にその活用を促したいと考えているところであります。

 総務省としては、昨年六月に地方自治法を改正しておりまして、公の施設の管理を株式会社等の民間事業者にも行わせることができます指定管理者制度を導入しておるところでありまして、最近の民間委託等の実施率や取り組み事例等の情報を提供しながら、全地方公共団体に改めて民間委託の推進の観点から事務事業の総点検を再要請したいと考えているところです。

 今後とも、地方行革にかかわります情報提供や必要な助言等を行うとともに、新たな民間委託の準備や移行につきまして地方財政措置を行うなど、地方公共団体の自主的な行財政改革の促進を我々としては援助し、かつ、一層取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 桝屋議員からは、税源移譲の進め方いかんというお尋ねがございました。

 これにつきましては、三位一体改革の一環として、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行うというのが大方針でございます。そして、それまでの間は、所得譲与税によりまして暫定的に税源移譲を行うということにしております。

 したがいまして、今後、こういう方針のもとで、補助金改革の成果を踏まえながら、着実に税源移譲を実施してまいりたいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十七分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        総務大臣    麻生 太郎君

        財務大臣    谷垣 禎一君

        文部科学大臣  河村 建夫君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        国務大臣    福田 康夫君

 出席副大臣

        総務副大臣   山口 俊一君


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