衆議院

メインへスキップ



第16号 平成16年3月18日(木曜日)

会議録本文へ
平成十六年三月十八日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第九号

  平成十六年三月十八日

    午後一時開議

 第一 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 第三 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案(内閣提出)

 第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第六 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第七 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第八 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第九 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 小沢一郎君の故議員池田行彦君に対する追悼演説

 日程第一 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 日程第三 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案(内閣提出)

 日程第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第六 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第八 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第九 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)

 総合法律支援法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


このページのトップに戻る

    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。

 第七十五番、東海選挙区選出議員、津川祥吾君。

    〔津川祥吾君起立、拍手〕

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 御報告することがあります。

 議員池田行彦君は、去る一月二十八日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 池田行彦君に対する弔詞は、議長において去る二月二十五日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに大蔵委員長 国家基本政策委員長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた議員正三位旭日大綬章 池田行彦君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

 故議員池田行彦君に対する追悼演説

議長(河野洋平君) この際、弔意を表するため、小沢一郎君から発言を求められております。これを許します。小沢一郎君。

    〔小沢一郎君登壇〕

小沢一郎君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員池田行彦さんは、去る一月二十八日、六十六歳で逝去されました。政界の重鎮として、ますますの御活躍が期待された矢先、いかに天命とは申せ、貴方を失いましたことは、痛恨の極みであります。ましてや、紀子夫人をはじめ御家族皆様の御心情は、いかばかりかと存じ、お慰め申し上げる術もありません。

 ここに、私は、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べます。(拍手)

 私は、貴方の訃報を知り、深い悲しみと共に真っ先に思い出したことは、平成二年十月、私が幹事長、貴方が副幹事長として北朝鮮を一緒に訪問したときのことであります。

 当時、第十八富士山丸が北朝鮮側に拿捕され、紅粉船長と機関長の二人が人質として抑留されておりました。私は、二人の釈放を求める交渉を、池田さんに全面、お任せしたのであります。

 交渉は夜を徹して行われ、北朝鮮側は、紅粉船長らをスパイ行為などをした犯人だとし、「犯罪を犯し北朝鮮の法を破った。」「日本側代表団が「謝意文」に明記しなければ、引き渡さない。」と、強い態度で迫ってきました。

 貴方は、「真実でないことを書面にすることは、紅粉船長らの名誉を傷つけるだけではなく、日本国の主権が侵されることになる。」と反論し、「不条理な主張を続けるなら、これ以上の交渉には応じられない。」と突っ撥ねました。この毅然とした態度に北朝鮮側は驚き、それまでの態度を一変させて数時間後には二人の釈放に応じ、我々は、紅粉船長と栗浦機関長を連れ戻すことに成功したのであります。この時に示された先生の、日本国を代表する政治家としての、毅然たる姿勢と見識を改めて今思いおこしております。(拍手)

 貴方は、昭和十二年五月、神戸市にお生まれになり、七歳のとき父上、粟根信行氏を病気で失い、その後、教師となられた母上、アサヨ様の厳しい躾の下で育てられました。一家は父上の実家、広島市中島本町に住んでいらっしゃいましたが、原爆投下の日には、母上の赴任先にいて被爆を免れました。広島での生活は、社会状況も混沌とし、決して楽なものではありませんでしたが、お母様は、実家からの援助を断り、教師をされながら寝食を忘れて、女手一つで三兄弟を立派に育てられました。

 少年期を広島で過ごされた貴方は、勉強はもとより、小学校六年生の時には、被爆者用住宅建設現場で、材木や石を運ぶなどボランティア活動に汗を流し、社会活動の大切さを体験されました。このような体験が、その後の思想形成に大きな影響を与えたであろうことは、想像するに難くありません。

 中学二年生のとき、「これからの時代を生き抜いていくために最も大切なものは、教育である」との母上のお考えにより、一家は上京され、池田さんは都立日比谷高校を経て東京大学法学部で学ばれました。

 昭和三十六年、大蔵省に入省。時あたかも、後に岳父となる池田勇人首相が、所得倍増計画を打ち出し、これまでにない意欲的な経済政策を展開していたのであります。

 昭和三十九年、外務省に出向、ニューヨーク総領事館勤務となり、三年後、池田元首相の次女紀子さんと現地で、お見合いをなさいました。翌年五月、大蔵省に戻り、同四十四年五月に御結婚。これを機に池田姓を名乗ることになり、行彦さんは池田元首相の後継者として、将来を期待されることになったのであります。

 大蔵省にあって貴方は、めきめき頭角を現わし、広島国税局間税部長から大平正芳大蔵大臣秘書官に抜擢されました。

 この時、既に、オイルショックに苦しむ広島の現状をつぶさに見ていたこともあって、日本の新たな路線作りの必要性を強く感じ、その具体化のため、政治家になるという決心を固めていたのであります。

 昭和五十年五月、大蔵省を退官。郷里広島に帰り、翌年十二月、任期満了を受けた第三十四回総選挙に広島二区から勇躍、立候補されました。

 定員四名のところ、有力候補者七人が挑む全国でもまれに見る激戦区であり、熾烈な選挙戦が繰り広げられたのであります。貴方は、「公正で豊かな社会」「清潔で力強い政治」などを懸命に訴え、見事、初陣を飾られました。(拍手)

 本院に議席を得られてからは、予算、大蔵、外務、安保等の各委員会の委員、理事として、金融財政や安全保障問題をはじめ、各般にわたる国政審議に、卓越した見識と優れた行動力を発揮されました。昭和六十一年七月には、大蔵委員長に、平成十四年一月には、国家基本政策委員長に就任され、終始、毅然として公平かつ円満な委員会運営に努められ、その職責を全うされたのであります。

 内閣にありましては、昭和五十六年十一月、当選三回にして鈴木内閣の官房副長官に就任され、予算の成立、春闘の収拾、行政改革の推進等の問題山積の中、八面六臂の御活躍をされました。

 平成元年六月、宇野内閣の総務庁長官として初入閣を果たし、翌年十二月の海部内閣では、防衛庁長官に就任されました。

 その後、平成八年一月から翌年九月までは、橋本内閣の外務大臣を二期連続で務められ、日米防衛協力のためのガイドラインの見直し作業においては、日本側取り纏めの中心としてリーダーシップをとられました。

 更に、在職中に勃発したペルー大使公邸占拠事件では、直ちに現地に飛んで、人質解放のため陣頭指揮に立ちました。このことは、今も記憶に新しいところであります。

 党にありましては、平成十年七月には、政務調査会長に、翌年十月には、総務会長という要職を歴任され、党内屈指の政策通としての手腕を遺憾なく発揮されました。

 かくして、本院議員として連続当選十回、在職二十七年三月の長きに及び、平成十三年十月には永年在職議員として院議をもって、栄誉ある表彰を受けられました。

 この間、国政に残された功績はまことに偉大なものがあります。

 池田さん、貴方との楽しい想い出の一つに、平成二年七月、それぞれ夫人を伴ったヨーロッパ訪問があります。ベルリンの壁が崩れた直後を視察するなど、米ソ冷戦の終幕を見届けると共に、お互いに、新しい日本の政治理念と政策を創り上げようという気持ちを共有した旅行でもありました。この時の池田御夫妻の仲睦ましさは、強く私の印象に残っております。その事を思うにつけても、紀子夫人はじめ、御家族皆様のお悲しみは計り知れないものであろうと、心からお察し申し上げます。

 貴方とは志を同じくするところが多かったことから、私が自民党を離党した後も、酒を酌み交わしては、日本の行く末について率直に語り合ったことが、昨日のことのように、鮮明に甦って参ります。

 池田さん、貴方は「斗酒なお辞せず」という酒豪でもありました。これからは存分に、天上で池田総理と心行くまで酌み交わしてください。

 仕事も、また、人と人との付き合いも、誠心誠意、真正面から真心をもって取り組む貴方と、苦労をともにしたことは懐かしい想い出となっております。

 「岳父は岳父、私は私」と語りつつも、偉大な保守本流の政治家池田勇人をしっかり学び、「言うべきときには、きちんと言い」、「やるべきときには、だまってやる」、これが貴方の信条でありました。

 世論迎合の政治を嫌い、政策の立案と実行に自己責任ありと論じた貴方は、今や、この議場にはおりません。

 国の内外に新たな試練を迎えようとしている今日、志高く、卓抜した見識と国際感覚を備えた、比類なき政治家池田行彦を失いましたことは、国家、国民にとりましても大きな損失であり、惜しみても、なお、余りあるものがあります。(拍手)

 ここに、謹んで池田行彦さんの生前の御功績をたたえ、その人となりを偲び、心から御冥福をお祈りして、追悼の言葉といたします。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長佐田玄一郎君。

    ―――――――――――――

 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔佐田玄一郎君登壇〕

佐田玄一郎君 ただいま議題となりました新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、新東京国際空港周辺地域における道路、生活環境施設等の整備を促進するため、法律の有効期限を五年間延長するとともに、空港の名称変更に伴い、法律の題名の改正等を行おうとするものであります。

 本案は、去る二月二十日本委員会に付託され、三月十一日麻生総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、去る十六日に質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案(内閣提出)

 日程第三 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第二、東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案、日程第三、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長赤羽一嘉君。

    ―――――――――――――

 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案及び同報告書

 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔赤羽一嘉君登壇〕

赤羽一嘉君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案について申し上げます。

 本案は、東京国際空港における近年の航空機の発着回数の急激な増加等にいかに対応するかが喫緊の課題となっている現在の状況にかんがみ、同空港における滑走路等の新設に係る緊急整備事業の円滑な推進を図るため、地方公共団体が国の空港整備特別会計に対し、同事業に要する資金の一部を無利子で貸し付けることができるなどの特別措置を定めようとするものであります。

 本案は、去る三月五日本委員会に付託され、十二日石原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十六日に質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し、周辺地域との調和ある発展を図る観点から、騒音・環境対策を考慮した飛行ルートの設定等について関係地方公共団体の意見を聞くことなど、五項目の附帯決議が付されました。

 次に、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律案について申し上げます。

 本案は、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約、いわゆるSOLAS条約附属書の改正に伴い、国際航海船舶及び国際港湾施設のテロ等からの保安の確保のため、保安規程の作成及びその実施、保安管理者の選任など、国際航海船舶の所有者及び重要国際埠頭施設の管理者等が講ずべき措置を定めるとともに、その措置が的確に講じられているかどうか明らかでない国際航海船舶の本邦への入港に係る規制措置等を定めようとするものであります。

 本案は、去る三月十五日本委員会に付託され、十六日石原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、翌十七日に質疑を行い、質疑終了後、採決いたしました結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第でございます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第三につき採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長田野瀬良太郎君。

    ―――――――――――――

 関税定率法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔田野瀬良太郎君登壇〕

田野瀬良太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近における内外の経済情勢の変化に対応する等の見地から、関税率等について所要の措置を講ずるほか、知的財産権侵害物品に係る認定手続の充実及び税関における水際取り締まりの強化等を図ることとするものであり、以下、その概要を申し上げます。

 第一に、平成十六年三月三十一日に適用期限が到来する暫定税率の適用期限の延長等を行うことといたしております。

 第二に、知的財産権侵害物品に係る認定手続の充実策として、特許権等の知的財産権を侵害するおそれのある物品に係る認定手続が開始された場合に、輸入者の氏名等を権利者に通報するなどの制度を導入することといたしております。

 第三に、税関における水際取り締まりの強化策として、外国貿易船が開港に入港した際の旅客氏名表等の提出の義務化等を行うことといたしております。

 本案は、去る三月九日当委員会に付託され、十二日谷垣財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、十六日質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第六 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第五、外務省設置法の一部を改正する法律案、日程第六、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長米澤隆君。

    ―――――――――――――

 外務省設置法の一部を改正する法律案及び同報告書

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔米澤隆君登壇〕

米澤隆君 ただいま議題となりました両案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、外務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、能動的、戦略的な外交を展開するために外務省の機構を整備するものであり、その内容は、儀典長を廃止すること等であります。

 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、在外公館の新設等を行うものであり、その主な内容は、

 在カザフスタン日本国大使館の位置の地名をアルマティからアスタナに改めること、

 在重慶日本国総領事館及び在カルガリー日本国総領事館を新設し、在カンザスシティ、在エドモントン及び在パリの各日本国総領事館を廃止すること、

 新設公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めるとともに、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定すること、

 在外公館に勤務する外務公務員の子女教育手当の加算について改定すること

等であります。

 両案は、去る三月九日外務委員会に付託され、十一日川口外務大臣から提案理由の説明を聴取し、十六日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。

 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第七 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第七、植物防疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長高木義明君。

    ―――――――――――――

 植物防疫法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔高木義明君登壇〕

高木義明君 ただいま議題となりました植物防疫法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成十六年度における国及び地方公共団体を通じた財政改革のための国の補助金等の整理及び合理化等に伴い、病害虫防除所の職員に要する経費等を、国が都道府県に対して交付する交付金の対象外とするものであります。

 委員会におきましては、三月十一日亀井農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十七日質疑を行いました。質疑終局後、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第八 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第八、児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長衛藤晟一君。

    ―――――――――――――

 児童福祉法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔衛藤晟一君登壇〕

衛藤晟一君 ただいま議題となりました児童福祉法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成十六年度における国及び地方公共団体を通じた財政改革のため国の補助金等の整理及び合理化等を図るとの政府の方針に基づき、厚生労働省関係の国庫負担等の一部について、国と地方の役割分担のあり方の見直しを行おうとするもので、その主な内容は、

 第一に、地方公共団体が設置する保育所における保育の実施に要する費用について、国庫負担等の対象外とすること、

 第二に、介護保険法等四法律に基づく地方公共団体の法施行事務経費を国庫負担等の対象外とすること

であります。

 本案は、去る二月二十七日本委員会に付託され、三月三日に坂口厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十二日に審議に入り、昨十七日の委員会において質疑を終局し、討論の後、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第九 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第九、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長池坊保子君。

    ―――――――――――――

 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔池坊保子君登壇〕

池坊保子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、義務教育費国庫負担金について、平成十六年度における国の補助金等の整理及び合理化等に伴い、平成十六年度から、公立の義務教育諸学校の教職員等に係る退職手当及び児童手当に要する経費を国庫負担の対象外とするものであります。

 本案は、去る二月二十七日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、同日河村文部科学大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。去る三月十二日から質疑に入り、参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を重ねました。昨十七日に質疑を終局し、討論の後、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第でございます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

小渕優子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 議院運営委員長提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 小渕優子君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)

議長(河野洋平君) 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長武部勤君。

    ―――――――――――――

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔武部勤君登壇〕

武部勤君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。

 我々は、現下の経済情勢、財政状況等にかんがみ、既に一昨年の四月から、歳費月額の削減措置をみずからとってきたところでありますが、このたびの改正は、現在実施いたしております歳費月額の削減措置を現状のまま、さらに明年三月末まで、引き続き行うための措置をとろうとするものであります。

 本法律案は、本日議院運営委員会において起草し、提出したものであります。

 何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

 総合法律支援法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、総合法律支援法案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣野沢太三君。

    〔国務大臣野沢太三君登壇〕

国務大臣(野沢太三君) 総合法律支援法案について、その趣旨を御説明いたします。

 我が国においては、内外の社会経済情勢の変化に伴い、法による紛争の解決が一層重要になっております。この法律案は、このような状況にかんがみ、裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに、弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援、すなわち総合法律支援の実施及び体制の整備に関し、その基本理念、国等の責務その他の基本となる事項、その中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定め、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを目的とするものであります。

 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、総合法律支援の実施及び体制の整備については、民事、刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指して行われるものとするとともに、情報提供の充実強化、民事法律扶助事業の整備発展、国選弁護人の選任態勢の確保、被害者等の援助等に係る態勢の充実等が図られなければならないものとしております。

 第二に、これらに関する国の責務について所要の規定を置くとともに、地方公共団体及び日本弁護士連合会等の責務についても所要の規定を置いております。

 第三に、日本司法支援センターは、総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的とすることとし、その設立、組織及び運営に関し所要の規定を置くこととしております。

 この支援センターは、その業務として、法による紛争解決制度の有効な利用に資する情報提供の充実強化の業務、民事法律扶助業務、国選弁護人の選任に関する業務、弁護士等を依頼することに困難がある地域における法律事務に関する業務、犯罪被害者の支援業務等を行うこととしております。

 その組織及び運営については、役員の任命や中期目標を定める際等に最高裁判所の適切な関与を得ることとするとともに、その業務運営上特に弁護士等の職務の特性に配慮して判断すべき事項について審議させるため、支援センターに審査委員会を置くこととしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 総合法律支援法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。泉房穂君。

    〔泉房穂君登壇〕

泉房穂君 民主党の泉房穂です。

 民主党・無所属クラブを代表して、総合法律支援法案、いわゆる司法ネット法案につき、みずからの弁護士としての経験と現状認識を踏まえ、関係大臣に質問させていただきます。(拍手)

 この法案は、極めて重要な法案であります。司法改革の目的は、司法と国民の距離を縮める、国民に身近な司法をつくることです。国民が司法に参加する、裁判に参加することによって身近にさせるのが裁判員制度、司法サービスを国民にあまねく使いやすくするのがこの司法ネット法案です。この両者相まって初めて、司法改革は改革の名に値する改革になるわけであります。(拍手)

 世の中には、泣き寝入りしかかっている方がたくさんおられます。相談したくても、近くに相談するところもない。近くに弁護士もいない。相談に行っても、納得できる相談を受けられず、たらい回しにされてしまう。また、弁護士を頼みたくても、金が高くて頼めない。そんな中で、泣き寝入りしかかっている、あきらめかけている方がたくさんいます。

 皆さん、そういった方々の顔を一人一人ちょっと想像して思い浮かべてください。

 例えば、交通事故で片足をなくしてしまって、将来の夢を断たれてしまった若者の顔。医療ミスで小児麻痺で生まれてしまった子供を抱えて、悲しげな顔をする両親や祖父母の顔。訪問販売員にだまされ続けて、破産状態に追い込まれかねないお年寄りの顔。また、大震災で家や仕事、さらには家族までをも失ってしまった被災者の顔。犯罪に巻き込まれ父親の命を奪われ、茫然と立ちすくむ子供たちや母親の顔。

 そんな顔を少し思い浮かべてみてください。弁護士として、そんな方々と向き合って仕事をしてきました。そんな方々に対して、国が責任を持って法律的に支援をしていく、これが司法ネット構想だったわけではないですか。(拍手)

 小泉総理も、期待の持てる発言はしていました。こう言っていました。司法は高ねの花にとどまらず、だれにとっても手を伸ばせば届く存在にしていかなきゃいけない、気軽に相談できる窓口を広く開設して、全国あまねく、どこに住んでいても法的な救済を受けられるようにしなきゃいけない、そう語っていたのは総理本人です。随分期待もしました。でも、出てきた法案を見て、がっかりです。改革、改革と言いながら、この司法改革までもがこの程度なのかと、情けない。

 この法案、ポイントは五つあります。一つは司法過疎地域の解消、二つは相談窓口の開設、三つは民事法律扶助、四つは公的刑事弁護、五つは犯罪被害者支援、この五つです。順次問題点を指摘しながら質問させていただきます。(拍手)

 まず第一、司法過疎地域の解消です。

 小泉総理は、いいことを言っていました。全国三千三百余りある市町村のうち弁護士がいない地域が八五%、具体的な方策をとる必要がある。ところが、この法案、具体的なことは何も書いてないんです。どういうことですか。

 独立簡易裁判所という裁判所は、全国に百八十五あります。そのうちの百十四の裁判所では弁護士が一人もいない、こんなありさまです。地方に住んでいるからといって相談が気軽に受けられない、弁護士が頼めない、これではだめです。こんな状況をいつまでも放置していてはなりません。

 野沢大臣にお尋ねします。司法過疎地域を解消するために、いつまでに、幾つ支援センターをつくり、そして司法過疎地域を解消していくのか、具体的な数値をもってお答えください。(拍手)

 二つ目。二つ目は、気軽に相談できる相談窓口の開設です。

 これも、法案には資料や情報の提供としか書いていません。気軽に相談できる、手を伸ばせば届く存在、そうしていくためには、いろいろな工夫が必要です。土曜日や日曜日や夜であっても相談ができるような体制を組むとか、また、駅前や商店街に巡回相談をしていくとか、いろいろな工夫をしていくべきだと考えます。

 野沢法務大臣、どういった工夫をもって国民に身近な司法をつくっていくのか、お答えください。また、地方自治体における無料法律相談との関係も、その充実化についてもあわせてお答えください。(拍手)

 三つ目。三つ目は、民事法律扶助。要は、お金はすぐに用意できなくても法律相談を受けられるのか、弁護士を頼むことができるのかという問題です。

 この点、今回の法案、ほとんど何の改善もなされていません。今の日本は、余りにも予算が少な過ぎます。イギリスの場合、一人当たりの国庫等負担額は七千円以上です。ところが、日本の場合、幾らだと思います。たった八十五円。八十分の一以下ですよ。その結果、今の現状では、生活保護の方かそれに近い低所得者層、二割だけしか利用できていないんです。残りの八割は、この制度がまだ利用できていないんです。

 そこで、お尋ねします。これは法務大臣と財務大臣。谷垣財務大臣はみずから弁護士資格を持っておられる、よくこのことはわかっておられると思います。司法改革の重要性、司法ネットの必要性の認識をそれぞれの大臣に問います。(拍手)

 四つ目。四つ目は、公的刑事弁護。この点は、被疑者の段階から国選弁護人がつくことは、確かに前進です。しかしながら、選任時期、対象事件の範囲、また、弁護の独立性の確保、報酬の確保など、改善点はあります。この点、改善点、その決意を法務大臣、お答えください。

 五つ目。これは大事です。犯罪被害者の支援。与党の方々もここは共通すると思います。よく聞いてください。

 犯罪被害者の支援。今回、この法案、具体策は盛り込まれていません。残念でなりません。加害者側にだけ手厚くて、被害者側に冷たい司法であっていいはずがありません。犯人にかわって被害者や遺族のもとを訪ねていって、謝罪したり、示談交渉を申し込んだりして、被害者や遺族の顔を見るたびに思います。本当に支援が必要なのはそういった被害に遭われた方、遺族の方なのではないか、そんなふうに思います。(拍手)

 今回の法案、加害者側、被疑者についても前倒しして早い段階から税金をもって国選弁護人をつけるのであれば、せめて重大事件の被害者や遺族に対しては同様の支援体制を組むべきだと、私は心の奥からそう思います。国は、今、法的な支援を必要としているのは何よりも被害者や遺族の方々であるという認識をもっとしっかりと持つべきだと、心の奥からそう思います。(拍手)

 法務大臣、具体策をお伺いします。犯罪被害者支援にいつまでにどういった体制をとるのか、具体的にお答えください。

 また、犯罪に当たるかどうかはっきりしない場合であっても、法的な支援を必要とする場合があります。例えば、ドメスティック・バイオレンスによる被害、ストーカーによる被害、児童虐待などの場合です。こんなときは、犯罪に至る前に、早い段階から法的な支援が必要です。犯罪を防止する視点がとっても大事です。この点、犯罪防止の見地から、こういった問題にどのように取り組むのか、法務大臣、お答えください。(拍手)

 そして、成年後見制度の支援の問題です。

 今、日本には、痴呆性の高齢者百四十九万人、知的障害者四十六万人、精神障害者二百五十九万人、合計四百五十四万人、これらの方々が地域で安心して暮らしていくには、成年後見人、こういった方々の支援が必要です。

 例えば、ドイツの場合、人口八千百万人に対し、この制度を利用している方は既に百万人を超えています。ほかの国でもほぼ一%、人口の一%を超えています。日本に照らせば、人口の一%、百二十万人以上が利用してしかるべき制度なわけであります。

 ところが、今の日本、現状はわずか四万人。その結果、ひとり暮らしをしているお年寄りが消費者被害に遭って、何度も何度もだまされ、あげくに施設入所を余儀なくされる、そんな悲しい現実が今存在します。

 この問題にどうやって立ち向かっていくのか、この点、先月二月二十五日の法務委員会にて法務大臣に問いただしたところ、この司法ネット構想の中に成年後見制度を位置づける、そういった答弁をいただきました。

 では、問います。この本会議の場において、その具体的な方策をお述べください。(拍手)

 また、同様に、先月二月二十七日の厚生労働委員会において、厚生労働省としての対応を問いただしました。その際、坂口大臣より、心を入れかえて頑張るとの答弁をいただきました。この問題は、厚生労働省みずからが責任を持って頑張るべき問題です。

 では、問います。法的支援を必要としている高齢者や障害者に対して、どういった具体的な方策をもって支援していくのか。心を入れかえて頑張るとまでおっしゃった大臣でしょうから、前向きな答弁をぜひよろしくお願いいたします。(拍手)

 冒頭にも申しました、本当に困っている方、悩んでいる方、そんな方が全国にたくさんおられます。そんな方々に手を差し伸べる、それは国の責任、政治家の責任です。そういった方々の顔を思い浮かべながら、各大臣、お答えください。

 この司法ネットの拡充に、いわゆる反対勢力はいません。要は、やる気次第です。司法ネットにかける熱意と意気込みが伝わってくるような熱い答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣野沢太三君登壇〕

国務大臣(野沢太三君) 泉議員にお答えを申し上げます。

 熱意あふるる御質問、どうもありがとうございました。

 まず、日本司法支援センターの事務所などについてお尋ねがありました。

 日本司法支援センターの地方事務所については、民事法律扶助や国選弁護人の選任確保に関する業務を担当すること等に照らすと、少なくとも全国の地方裁判所本庁所在地五十カ所に事務所を設置する必要があると考えております。

 これに加えて、支援センターの業務内容に照らし、いわゆる司法過疎地域などにも事務所を設置することが考えられますが、その設置地域や設置数については、当該地域における法律サービスへの需要の動向等を見きわめつつ、決められることになると考えております。

 また、このような事務所設置などに伴って、相当数の常勤弁護士の確保が必要となると考えております。具体的には、事件数やいわゆる司法過疎地域における法律サービス需要の動向等を見きわめるとともに、常勤弁護士としての採用希望者の動向の把握に努めまして、業務の効果的かつ効率的な実行のために必要な人数が確保されることになると考えられます。

 次に、日本司法支援センターの相談窓口の開設などについてお尋ねがありました。

 支援センターにおいては、民事法律扶助事業としての法律相談を行うほか、司法過疎地域等において法律相談等を行うこととしております。このほか、支援センターにおいては、法的紛争を抱えた方々の個別の相談を受け付け、その内容に応じて、その解決に資する具体的な情報を提供して、紛争解決への道案内を行うこととしております。

 このような相談窓口の開設方法、開設場所、業務時間等、業務の実施の具体的なあり方については、サービスに対する需要の動向、利用者の利便性、業務運営の効率性等を考慮して検討されるものと考えております。

 また、総合法律支援の実施に当たっては、地方公共団体の果たす役割も重要であり、支援センターが業務を行う上では、法律相談を実施する地方公共団体と適切な連携協力を図る必要があると考えております。

 次に、いわゆる司法ネット構想に関する予算措置などについてお尋ねがありました。

 いわゆる司法ネット構想は、司法を国民により身近なものとするため、民事、刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられるような総合的な法律支援の体制を整備しようとするものであり、極めて重要な意義を有するものでありまして、その趣旨に沿った対応が適切になされる必要があると認識しております。

 そして、その運営主体となる日本司法支援センターは、これまで法務省において予算を確保してきた民事法律扶助事業関係の業務に加え、法による紛争解決制度の有効な利用に資する情報提供の充実強化の業務、国選弁護人の選任に関する業務、いわゆる司法過疎地域における法律事務に関する業務、犯罪被害者の支援に関する業務等、幅広い業務を担当することを予定しております。

 法務省といたしましては、これらの業務を効果的かつ効率的に処理するため必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えており、今後、運営上の詳細とあわせ、検討を重ねてまいりたいと考えております。

 次に、公的刑事弁護についてお尋ねがありました。

 被疑者に対する国選弁護制度の導入については、関係機関における事務の実情や弁護士の対応能力など制度の運営にかかわる諸条件を踏まえ、全国において迅速かつ確実に弁護人を選任できる制度のあり方について検討を行ってまいりました。

 その結果、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案において、死刑または無期もしくは短期一年以上の懲役もしくは禁錮に当たる罪の事件について、勾留段階から選任を行うこととし、改正法施行後、三年程度を経過した後は、対象事件の範囲を死刑または無期もしくは長期三年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪の事件に拡大することとしたものであります。

 また、国選弁護人の報酬については、総合法律支援法案により日本司法支援センターが適正な算定基準等を定めて支払うことになります。

 さらに、弁護活動の独立性につきましては、弁護士の職務の特性に常に配慮しなければならないことや契約弁護士の職務の独立性を法律に明記するなど、十分な措置を講じているところであります。

 被疑者、被告人が弁護人の援助を受ける権利を実効的に担保し、また充実し、かつ、迅速な刑事裁判の実現を可能にするため、公的弁護制度の整備とその適切な運営の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

 次に、犯罪被害者支援についてお尋ねがありました。

 犯罪の被害を受けた方や遺族の方は、突然の不幸に大きな肉体的、精神的負担を受け、みずからの利益の保護や権利の実現のためにどうすればよいか、途方に暮れてしまうのが実情ではないかと思われます。

 支援センターでは、犯罪被害者の方が置かれている状況を十分念頭に置き、その支援のために積極的に取り組んでいくことになると考えております。

 すなわち、支援センターは、犯罪被害者のためにさまざまな取り組みをしている組織等と緊密な連携関係を構築し、個々の犯罪被害者が、精神的ケアも含め、そのときに最も必要な援助を受けられるよう、集約した情報を速やかに、かつ、懇切丁寧に提供することになります。

 また、各地の弁護士会や日本弁護士連合会と提携して、犯罪被害者問題に精通した弁護士を犯罪被害者に紹介し得る態勢を整備することも予定されており、必要な場合には民事法律扶助制度をも活用しつつ、問題となっている事案に応じた適切な弁護士から必要な法的サービスが受けられるようにいたし、損害賠償等の実現や刑事手続への適切な関与が図られることになると考えております。

 次に、いわゆるドメスティック・バイオレンスなどの被害者等の支援体制についてお尋ねがありました。

 御指摘の分野についても、支援センターにおいて、それぞれの関係機関、団体との適切な連携の確保、強化を図るとともに、情報の収集、整理を行い、そうした被害に遭われた方々からの相談を受け付け、その分野に精通した弁護士に関する情報をも含め、個別の案件に応じた関係機関やそのサービスに関する情報の提供がなされるなど、適切な対応が行われる必要があると考えております。

 次に、総合法律支援構想の中における成年後見制度の位置づけについてお尋ねがありました。

 総合法律支援構想の中核となる日本司法支援センターの窓口においては、主要な業務の一つとして、相談の受け付け、情報提供、関係機関等への振り分けなどを行うこととしております。

 御指摘の成年後見制度についても、民間におけるものも含めて、関係する機関、団体と適切に連携しつつ、支援センターの窓口において相談を受け、一般的な、あるいは個別の案件に応じた適切な情報の提供がなされる必要があるものと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 泉議員にお答えいたします。

 私に対しましては、司法改革の重要性、それから司法ネット拡充の必要性についてのお尋ねであったと存じます。

 私も、司法改革の重要性については十分認識しているつもりでございます。

 司法ネットにつきましては、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指すとの制度の趣旨に沿った対応が適切になされる必要がございます。

 その予算措置につきましては、厳しい財政事情を勘案しつつ、関係省庁における検討状況も踏まえまして、適切な措置を講じてまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣坂口力君登壇〕

国務大臣(坂口力君) 泉議員にお答えを申し上げたいと思います。

 後見制度についての取り組みについてお尋ねをいただきました。

 成年後見制度は、介護保険制度と時を同じくして、平成十二年四月から実施されておりまして、利用者がサービスを選択し契約していくという、これからの介護福祉制度のあり方を法的に支援し、また、介護保険制度の根底にある理念であります高齢者の自立支援と尊厳の保持を担保いたします、介護保険制度と車の両輪ともいうべき重要な制度であるというふうに認識をいたしております。

 厚生労働省としましても、既に、必要な場合に後見制度が十分にその機能を発揮されるよう、成年後見制度利用支援事業への国庫補助等を通じまして、その普及、定着を図ってきたところでございます。

 現在、介護保険制度の見直しに向けて審議会等で議論を進めているところでございますが、介護・福祉分野と司法分野との連携の観点から、後見制度のさらなる普及、定着のための方策を含め、さらに前進させるため、検討を進めてまいりたいと思います。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 漆原良夫君。

    〔漆原良夫君登壇〕

漆原良夫君 公明党の漆原良夫でございます。

 私は、ただいま議題となりました総合法律支援法案につきまして、自由民主党、公明党を代表して質問をさせていただきます。(拍手)

 六十年に一度と言われますこの司法制度改革は、橋本内閣で提案され、小渕、森両内閣の準備期間を経て、今、小泉内閣によって実を結ぼうとしております。

 種々の改革の中で、この司法ネットの構想は、小泉総理の、司法は高ねの花にとどまらないで、だれにとっても手を伸ばせば届く存在にならなければならない、全国どの町でもあまねく市民が法的な救済を受けられるような司法ネットの整備を進める必要があるとの強い指導力によって、今回実現されるものでございます。

 我が党は、政治や行政から置き去りにされました市民に対して、かねてより、法律相談を初めとした市民相談を行い、市民の法律上、行政上の紛争に対する解決に取り組んでまいりました。また、国民の裁判を受ける権利を保障する観点から、民事法律扶助法の法制化の推進、予算の増額など、民事法律扶助事業の拡充に力を注いできたところであります。

 社会の複雑多様化などに伴い、法的解決を必要とする紛争が増加しております。しかし、その一方で、私たちは今、規制改革を進め、日本の社会を事前規制型社会から事後チェック・救済型社会へと大きく転換しようとしているわけでございます。

 私は、今こそ、国民の利益を保護するために、機動的できめ細やかな司法ネットを構築し、全国だれでも、どこでも利用できる、身近で頼りになる司法を実現しなければならないと考えております。

 本法案は、この要請にこたえるものでありますし、そしてまた、我が党が目指す、活力みなぎる安心・はつらつ社会の構築にも合致するものであります。ぜひとも今国会で成立させなければならないと考えているものでございます。

 そこで、以下、大臣に質問させていただきます。

 弁護士ゼロワン地域と言われます司法過疎地域は、地裁の支部全体の三〇%にも及んでおります。今回の総合法律支援によって、この問題の解消にどのように取り組んでいかれるのか、特に離島対策をも含めて、御見解をお尋ねいたします。

 国民に身近な司法の実現という命題に向けて、これまで日弁連やその他の民間組織や地方公共団体が地道に取り組んできたところであります。本法の成立によって、その意欲を失わせることがあってはならないと考えております。

 そこで、総合法律支援構想におきましては、これらの諸団体の活動と日本司法支援センター、以下センターと言いますが、との活動との関係についてどのように考えておられるのか、御見解をお伺いします。

 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命として、その活動については政府の監督を受けないという仕組みになっております。センターに所属する弁護士の職務の独立性の確保について、どのような措置が講じられておるのか、お尋ねします。

 センターの事業の中には、民事法律扶助及び公的刑事弁護も含まれております。国民に最も身近で、しかも国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するこの司法ネットの構想も、予算の裏づけがなければ絵にかいたもちになってしまいます。

 そこで、法務大臣に、必要な財政上の措置は十分に講ずるとの断固たる決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣野沢太三君登壇〕

国務大臣(野沢太三君) 漆原議員にお答えを申し上げます。

 まず、総合法律支援構想による司法過疎地域の解消への取り組みなどについてお尋ねがありました。

 日本司法支援センターは、民事法律扶助及び公的刑事弁護という全国的に均質な遂行が求められる業務を行うことから、各地に拠点となる事務所を配置する必要があります。

 これに加えて、離島におけるものも含めて司法過疎の問題を解消することは、国民に身近な司法を実現する上で重要な課題であり、これまでも日本弁護士連合会の公設事務所などの取り組みがなされてきたところであります。

 支援センターの事務所配置等に当たっては、各地のニーズや地理的条件などの地域の実情に十分配慮しながら、司法過疎地域の解消に向けて適切かつ効果的な対策が検討されることになります。

 次に、日本弁護士連合会や地方公共団体などの取り組みと日本司法支援センターの活動との関係についてお尋ねがありました。

 あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現する上で、日本弁護士連合会その他の民間組織や地方公共団体の役割は重要であり、支援センターは、これらの組織、団体の取り組みを尊重しつつ、これを補完していくべきものであると考えております。

 支援センターが設けられることによって、これらの組織、団体の取り組みについてその意欲を失わせることがあってはならないと考えております。したがいまして、総合法律支援の実施及び体制の整備に当たっては、支援センターと既にさまざまな取り組みを行っている各組織、団体との間の適切な連携協力を保ちながら進められる必要があると考えております。

 次に、支援センターに所属する弁護士の職務の独立性の確保についてお尋ねがありました。

 弁護士の職責が個々人の権利利益を擁護することにある点にかんがみれば、その職務の独立性を確保することは大変重要であると考えております。

 そこで、本法案においては、弁護士の職務の特性に常に配慮しなければならないものとした上で、支援センターとの間で契約をしている弁護士の職務の独立性を明記し、具体的な職務活動については支援センターの指揮命令を受けないこととしております。

 また、有識者等により構成される審査委員会を設け、契約弁護士に対する契約解除等の措置に関しては、その議決を経ることにしております。

 次に、総合法律支援に必要な財政上の措置についてお尋ねがありました。

 総合法律支援構想、いわゆる司法ネット構想の運営主体となる日本司法支援センターは、これまで法務省において予算を確保してきた民事法律扶助事業関係の業務に加え、法による紛争解決制度の有効な利用に資する情報提供の充実強化の業務、国選弁護人の選任に関する業務、いわゆる司法過疎地域における法律事務に関する業務、犯罪被害者の支援に関する業務等、幅広い業務を担当することを予定しております。

 法務省といたしましては、これらの業務を効果的かつ効率的に処理するため必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えており、今後、運営上の詳細とあわせ、検討を重ねてまいりたいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        総務大臣    麻生 太郎君

        法務大臣    野沢 太三君

        外務大臣    川口 順子君

        財務大臣    谷垣 禎一君

        文部科学大臣  河村 建夫君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        農林水産大臣  亀井 善之君

        国土交通大臣  石原 伸晃君

 出席副大臣

        法務副大臣   実川 幸夫君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.