衆議院

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第17号 平成16年3月23日(火曜日)

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平成十六年三月二十三日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十号

  平成十六年三月二十三日

    午後一時開議

 第一 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案(城島正光君外四名提出)

 第三 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)

 第四 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 小里貞利君の故議員山中貞則君に対する追悼演説

 日程第一 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案(城島正光君外四名提出)

 日程第三 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)

 日程第四 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 森林法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出)、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び市町村の合併の特例等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 御報告することがあります。

 議員山中貞則君は、去る二月二十日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 山中貞則君に対する弔詞は、議長において去る十七日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに大蔵委員長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた議員正三位勲一等山中貞則君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

 故議員山中貞則君に対する追悼演説

議長(河野洋平君) この際、弔意を表するため、小里貞利君から発言を求められております。これを許します。小里貞利君。

    〔小里貞利君登壇〕

小里貞利君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員、山中貞則先生は、去る二月二十日逝去されました。

 山中先生は、本年に入り、にわかに体調を崩して入院され、治療に専念しておられましたが、ご家族の懸命なご看護もむなしく、ついに不帰の客となられたのであります。

 「不惜身命」「不惜身命」、これは先生が先の総選挙に立候補されたときの言葉であります。おのれの一身を顧みず、ただひたすら国政に邁進される先生の壮烈なお姿に接し、同じ政治の道を歩んできた者として、痛恨哀惜の念極まるものがあります。

 私はここに、諸君のご同意を得まして、議員一同を代表し、謹んで追悼の言葉を述べたいと存じます。(拍手)

 山中先生は、大正十年七月九日、遠く南国霧島連山を仰ぐ鹿児島県末吉町にお生まれになりました。尋常小学校から上に進学するのが一般的ではなかった時代、そして、母君アキノ様の女手一つで育てられ、裕福とは言い難い状況の中で先生が中学に進学できたのは、「こんなに人望のある子をここで終わりにしては教師として悔いが残る」と母君を説得した担任の先生の存在がありました。

 宮崎県立都城中学に進学された先生は、毎日、毎日、大淀川を渡り、県境を越えて四里の道を、雨の日も風の日も、一日も休むことなく通われました。昨年十二月三十日、ご夫婦共々鹿児島に帰っておられました山中先生をご自宅にお訪ねした折り、そんな思い出話を承りました。青年時代を顧みて、「将来必ず自分の力で名を上げてやる」と誓ったと述懐しておられますが、そこには、苦しい生活の中からやりくりをして進学させてくれた母君への深い感謝の念とともに、何事にも負けず、相手が手ごわければ手ごわいほど、全力を尽くして向かっていく不撓不屈の精神が早くもうかがえるのであります。

 昭和十四年、台湾総督府立第二師範学校演習科へと進まれた先生は、ここでも級友、後輩の信頼を集め、そのリーダーシップを遺憾なく発揮されます。ところが、勢い余った正義感から、生徒同士の喧嘩騒動で警察が出動するほどの事態に巻き込まれてしまいます。先生は、責任を負って危うく退学・放校の憂き目にあうところとなりましたが、その才能を惜しんだ良き師に恵まれ、昭和十六年、無事に師範学校を卒業し、晴れて高雄州公立学校の教員として赴任されました。

 しかしながら、先の大戦の勃発により、一年足らずでその生活は終わりを告げることとなります。先生は、熊本第六師団に召集・入隊、中国東北部に派遣され、彼の地で幾多の戦火を潜り、死線を彷徨われたのであります。この間、先生が詠まれた二千三百に及ぶ短歌は、そのひとつひとつが、辞世の句といっても過言ではありませんでした。

  「いささかの愛惜を断ち焚き捨つる万葉代匠記の炎よ赤し」

  「いささかの愛惜を断ち焚き捨つる万葉代匠記の炎よ赤し」

 これは、明日の総攻撃を前に愛読書を焼き捨てられたときの心情を詠われたものであります。いまこの瞬間を生き抜くことも覚束なかった毎日の中で、歌を詠むことでふるさとに思いをいたし、また自らを鼓舞されたのでありましょう。この苛烈な体験を通して、先生は、戦友の死を、そして幾百万の人々の犠牲を決して無駄にはせぬと固く決意されたのであります。

 復員後は、先生は青年団活動を経て、ペンによる祖国再建を願い南日本新聞社の記者となられましたが、昭和二十二年、二十五歳、青雲の志をもって、鹿児島県議会議員選挙に立候補されたのであります。誰の目にも若輩と映り、立候補は無謀ともいわれたのでありますが、馬にまたがり山奥もいとわず演説を続ける熱意は確実に人々の心を捉え、見事に当選を勝ち取ったのであります。(拍手)

 そして県議二期目半ばの昭和二十八年四月、更なる活躍を期待する支持者に推されまして、当時の鹿児島三区から勇躍第二十六回総選挙に立候補、絶大な支持を得て初当選を果たされ、ここに山中貞則代議士は華々しい第一歩を踏み出したのであります。(拍手)

 爾来、当選十七回、在職実に四十七年九ヶ月の永きに及びました。

 昭和三十年、保守合同により、自由党から自由民主党の結党に参加した先生は、たちまちにして頭角を現し、昭和三十三年には、大蔵政務次官に就任され、品目ごとに利害が絡み合って税率の設定は至難の業であるといわれた物品税の大改正をやり遂げられました。この折りの血のにじむような努力こそが、先生を戦後税制の生き字引といわしめ、幾多の税制改正に取り組ませる礎となったのであります。(拍手)

 昭和四十五年には、第三次佐藤内閣の最重要課題であり、戦後、日本の最重要課題であった沖縄返還の掌にあたるため、先生は請われて総理府総務長官に就任されました。沖縄の祖国復帰が終わらない限り、我が国の戦後は終わらないとの佐藤総理の決意に応えるべく、先生は全身全霊を傾けられたのであります。

 沖縄返還には、数々の難問が待ち受けておりました。その一つが円・ドル交換問題であります。昭和四十六年のいわゆるニクソンショックによる変動相場制への移行が、ドル経済下にあった沖縄の人々の暮らしを根底から破壊してしまいかねない事態を招いたのであります。先生は、辞表を懐に、危機回避の陣頭に立ち、一ドル・三六〇円を国の責任で保証するという、一つ間違えば、日米交渉の行方にさえ悪影響を与えかねなかった大胆な方法で通貨切り替えを断行し、沖縄の人々の生活を安堵したのであります。(拍手)

 昭和四十六年の内閣改造でも総務長官を留任、翌四十七年五月十五日、沖縄が本土復帰を果たしたその日、初代の沖縄開発庁長官に就任され、都合三期にわたり沖縄担当相を務められました。この間、沖縄復帰特別措置法、沖縄振興特別措置法など数々の施策の確立と実施に腐心されたのは云うに及ばず、その後も、「本土の政治家として命ある限り、沖縄のためにと決心している」との言葉どおり、山中先生は沖縄の振興に尽力されました。首里城の復元、金融・情報特区の創設も、山中先生なくしては実現しえなかったのであります。

 この終生変わらぬ沖縄への思いは、台湾の師範学校時代に沖縄の友人たちとの交流から芽生えたものであります。また、あの悲惨な沖縄戦の犠牲の上に今の日本の繁栄があるのだという根元的な思いが、先生の脳裏から去ることは決してありませんでした。

 昨年十二月には、沖縄県名誉県民第一号が贈呈されることが決まっておりました。記念のメダルには、沖縄のデイゴやリュウキュウ松が、そして先生の名前が刻印されているそうであります。何よりも楽しみにしておられた授与式を待たずに先生は逝ってしまわれました。誠に、誠に無念であったでありましょう。

 総務長官時代には、また、公害対策担当相として、あの公害国会といわれた昭和四十五年の第六十四回国会を控え、連日深夜まで脂汗を流し心血をそそいで立案作業にあたられました。そして公害対策基本法改正案など関連十四法案は国民の広範な支持を受けて見事成立いたしました。その後、初代環境庁長官に就任され、数々の施策を具体化することによって、先生は、現在の環境先進立国の基礎を築かれたのであります。(拍手)

 その後も先生のご活躍は、国政の各般にわたりとどまることを知らず、田中内閣においては防衛庁長官、第一次中曽根内閣においては通商産業大臣を歴任されました。国を憂えること人後に落ちない先生が、国の防衛に遺憾なきを期し、また、我が国の産業構造改革のために獅子奮迅の活躍をされましたことなどなど、もはや語るまでもないことであります。

 また、自由民主党にありましても、政務調査会長、行財政調査会長、独占禁止法調査会長などを歴任され、先生の前にあっては何人といえども一歩引かざるを得ない圧倒的な存在感で、重要施策の立案、決定に重責を担われ続けました。

 昭和四十九年の三木内閣時代から、独占禁止法調査会長として、自由経済社会の基本的ルール確立のためにその強化が急務とされた独占禁止法の改正に携わり、党内外に噴出する異論に敢然と立ち向かって理解を求め続け、遂に、昭和五十二年全会派一致の改正法成立に導いて、我が国の独占禁止政策に新時代を開かれたのであります。(拍手)

 人は先生のことを畏敬の念を込めて「ミスター税調」と呼びました。昭和五十四年以来、自民党税制調査会の会長を務め、シャウプ税制以来の税制改革・新型間接税の導入に取り組まれ、ついには消費税生みの親ともなられました。国論を大きく分けた消費税の導入は、平成二年の総選挙で先生を落選させるという皮肉な結果も招きましたが、後世のために正しいと思うならば、どんなに反対があろうともやり遂げなければならないとの強い思いが先生を突き動かしていたのであります。

 昭和五十三年、在職二十五年表彰の栄に浴された先生は、この本会議場で、郷土の偉人西郷南洲翁の遺訓「廟堂に立ちて政を為すは天の道を行うものなれば些も私を挾みては相済まぬもの也」をお引きになり、「これからも一切の私心を捨て、自分の人生はこれでよかった、悔いるところはないと、莞爾として死ねる道を歩き続けたいと思います」と語られました。

 内外の諸情勢、誠に厳しいこのときに先生を失いましたことは、本院にとっても、国家にとってもただただ不幸と申す以外に言葉はありません。しかし、己に課した険しい道をひたすら歩み続け、多くの偉業を成し遂げられた先生の御遺徳は、憲政史に燦然と光を放ち続け、私どもを導いていただけるものと信じて疑わないのであります。(拍手)

 他界されて早一月、私には、先生が相変わらず、天上の街路を、いつものあの風貌で哲理を説き、悠然として歩いているように思えてなりません。思い出は尽きず、悲しみは深まるばかりではありますが、幽明境を異にしてはただただ先生のご冥福をお祈りするばかりであります。

 ここに、諸君とともに、今は亡き山中貞則先生のご功績をたたえ、謹んで哀悼の誠を捧げる次第であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長堀込征雄君。

    ―――――――――――――

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔堀込征雄君登壇〕

堀込征雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、被災者の居住の安定の確保による自立した生活の開始を支援するため、被災者生活再建支援金の支給限度額について、百万円を三百万円に、五十万円を百五十万円にそれぞれ引き上げるとともに、支援業務を運営するための運用資金を基金に改める等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、三月五日本委員会に付託され、去る十一日井上防災担当大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。十八日松原仁君外四名から、民主党・無所属クラブ、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案に係る修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、本案及び修正案について質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。次いで、修正案について念のため内閣の意見を聴取した後、順次採決いたしましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案(城島正光君外四名提出)

 日程第三 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第二、城島正光君外四名提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案、日程第三、内閣提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長衛藤晟一君。

    ―――――――――――――

 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案及び同報告書

 平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔衛藤晟一君登壇〕

衛藤晟一君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、内閣提出の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について申し上げます。

 本案は、平成十六年度の公的年金及び各種手当の額について、現下の社会経済情勢にかんがみ、平成十五年度の特例措置と同様に、平成十五年の消費者物価の下落分であるマイナス〇・三%を基準として改定することとするものであります。

 次に、城島正光君外四名提出の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案について申し上げます。

 本案は、平成十六年度の公的年金及び各種手当の額について、平成十五年の消費者物価の下落分であるマイナス〇・三%を基準として改定する一方、最低保障年金制度の創設を念頭に、平成十六年度における公的年金受給合計額が基準額を下回る者の年金額について、平成十五年度の年金額によることとするものであります。

 両案については、去る三月十七日坂口厚生労働大臣及び提出者金田誠一君からそれぞれ提案理由の説明を聴取し、十九日に質疑に入り、同日に質疑を終了しました。質疑終了後、内閣提出の法律案について、日本共産党より修正案が提出され、城島正光君外四名提出の法律案及び修正案について内閣の意見を聴取しました。次いで、両案及び修正案について討論を行った後、採決を行い、城島正光君外四名提出の法律案は賛成少数をもって否決すべきものと議決いたしました。次に、日本共産党提出の修正案は否決され、内閣提出の法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第二、城島正光君外四名提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例等に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第三、内閣提出、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第四 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長山本公一君。

    ―――――――――――――

 警察法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山本公一君登壇〕

山本公一君 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国の治安責任の明確化を図るため、国家公安委員会の所掌事務に犯罪の取り締まりのための情報技術の解析に関する事務等を追加するほか、警察運営の効率化を図るため、警察庁の組織について刑事局に組織犯罪対策部を、警備局に外事情報部を設置する等の改正を行うとともに、皇宮護衛官の職務に関する規定その他所要の規定を整備しようとするものであります。

 本案は、去る三月十六日本委員会に付託され、翌十七日小野国家公安委員会委員長から提案理由の説明を聴取いたしました。同月十九日質疑を行い、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

小渕優子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 小渕優子君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

議長(河野洋平君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長佐田玄一郎君。

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 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔佐田玄一郎君登壇〕

佐田玄一郎君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本件は、日本放送協会の平成十六年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。

 まず、収支予算の概要について申し上げます。

 一般勘定の事業収支につきましては、受信料等の事業収入は六千七百八十五億円、国内放送費等の事業支出は六千七百十三億円となっており、収支差金七十一億円は、全額を債務償還に使用することとしております。

 また、資本収支につきましては、収入、支出とも九百二十九億円となっております。

 次に、事業計画につきましては、地上デジタル放送の普及促進、緊急報道などの取材体制の強化等を図るとともに、地上デジタルテレビ放送設備の整備等を行うこととしております。

 また、本件には、これらの収支予算等について、「おおむね適当なものと認める。」との総務大臣の意見が付されております。

 本件は、去る三月十八日本委員会に付託され、同日麻生総務大臣から提案理由の説明を、海老沢日本放送協会会長から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑に入り、本日質疑を終局し、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決しました。

 なお、本件に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

小渕優子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、日本学術会議法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 小渕優子君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日本学術会議法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長池坊保子君。

    ―――――――――――――

 日本学術会議法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔池坊保子君登壇〕

池坊保子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、中央省庁等改革基本法の規定に基づき行われた、総合科学技術会議における日本学術会議のあり方についての検討の結果等を踏まえ、日本学術会議の所轄、組織、会員の推薦方法等を改めようとするもので、その主な内容は、

 第一に、日本学術会議の所轄を総務大臣から内閣総理大臣に変更すること、

 第二に、日本学術会議の組織について、副会長を一名増員し、部の構成を三部に大くくり化するとともに、日本学術会議の職務の一部を行う幹事会及び日本学術会議連携会員を置くもの等とすること、

 第三に、日本学術会議会員に関して、その任期を六年とし、定年制を導入するとともに、日本学術会議がすぐれた研究または業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦するもの等とすること

などであります。

 本案は、三月十六日本委員会に付託され、翌十七日茂木国務大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十九日質疑を行い、本日質疑を終局し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

小渕優子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、森林法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 小渕優子君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 森林法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 森林法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長高木義明君。

    ―――――――――――――

 森林法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔高木義明君登壇〕

高木義明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地球温暖化防止のための森林吸収源対策の柱である健全な森林の整備、保安林の適切な管理保全、国民参加の森林づくり等を推進するため、要間伐森林制度の改善、特定保安林制度の恒久化等の措置を講じようとするものであります。

 委員会におきましては、三月十七日亀井農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、本二十三日質疑を行いました。質疑終局後、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

小渕優子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 小渕優子君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長赤羽一嘉君。

    ―――――――――――――

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔赤羽一嘉君登壇〕

赤羽一嘉君 ただいま議題となりました法律案につき、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地方にできることは地方にとの原則のもと、国及び地方公共団体を通じた財政改革のための国の補助金等の整理合理化等を行うことによって、地方の自由度や裁量を拡大するとともに、稚内から石垣までを合い言葉に国を挙げて取り組んでいる全国都市再生を一層推進するため、地域の実情に応じた都市の再生を効果的に進めていくための所要の措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、国土利用計画法に基づく交付金制度を廃止すること、

 第二に、地方の自主性、裁量性を大幅に拡大した都市再生のための交付金制度、いわゆるまちづくり交付金を創設すること、

 第三に、市町村のまちづくりに関する都市計画決定及び道路整備に係る権限を、都道府県から、より地域の実情を熟知した市町村に移譲する制度を設けること

などであります。

 本案は、去る二月二十七日本委員会に付託され、三月十七日石原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。同月十九日質疑に入り、同日参考人からの意見聴取を行い、本日質疑を終了いたしました。質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し、市町村の創意と工夫による自主的な都市再生を推進する等の観点から、まちづくり交付金への国の関与を極力少なくすること、また、住民主体のまちづくりを支援する専門家やまちづくりNPOなどの育成に努めることなど、七項目の附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出)、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び市町村の合併の特例等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、地方自治法の一部を改正する法律案、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び市町村の合併の特例等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣麻生太郎君。

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 地方自治法の一部を改正する法律案、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び市町村の合併の特例等に関する法律案の趣旨について、御説明を申し上げます。

 まず、地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、地方分権を推進するとともに、地方公共団体の組織及び運営を合理化するため、都道府県合併の手続の整備、地域自治区の制度の創設、条例による事務処理特例の制度の拡充、収入役の制度及び議会の定例会の制度の見直し等を行おうとするものであります。

 次に、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、現行の市町村の合併の特例に関する法律が失効する平成十七年三月三十一日までに市町村が合併の申請を行い、平成十八年三月三十一日までに合併したものについて、同法律はなお効力を有するものとするものであります。あわせて、合併後の一定期間、合併関係市町村の区域を単位として、合併特例区を設けることができるものといたしております。

 次に、合併に関する新たな法律として提案をいたします、市町村の合併の特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、議会の議員の定数に関する特例、一部事務組合等に関する特例及び地方税に関する特例などの措置を講ずることといたします。

 第二に、合併関係市町村の協議により、市町村の合併後の一定期間、合併関係市町村の区域を単位として、合併特例区を設けることができるとするものであります。

 第三に、総務大臣の定める基本方針に基づき、都道府県が自主的な市町村の合併の推進に関する構想を定めるものといたします。また、市町村合併調整委員による合併協議会に係るあっせん及び調停、都道府県知事による市町村の合併に関する協議の推進に関する勧告等の規定を設けることといたします。

 なお、この法律は、平成十七年四月一日から施行するものとし、平成二十二年三月三十一日にその効力を失うものといたしております。

 以上が、地方自治法の一部を改正する法律案、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び市町村の合併の特例等に関する法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出)、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び市町村の合併の特例等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。保坂武君。

    〔保坂武君登壇〕

保坂武君 自由民主党の保坂武です。

 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案、市町村の合併の特例等に関する法律案、この三法案に対しまして質問を行います。(拍手)

 明治の大合併、昭和の大合併に続き、現在は平成の大合併と呼ばれております。全国の多くの地域で市町村合併に向けた真剣な議論や取り組みが展開をされております。現行の合併特例法の期限が来年の三月末に迫っていることもあり、ことしはまさに市町村合併を推進する上で正念場の年であると言えます。

 顧みますと、平成十二年四月に地方分権一括法が施行されたことにより、機関委任事務制度は廃止され、国と地方との役割分担も明確にされるなど、地方分権改革は確かな一歩を歩み出しました。また、昨年十一月の地方制度調査会の答申の中では、市町村は、基礎自治体として地域において包括的な役割を果たしていくことがこれまで以上に期待されていると書かれています。このように、これからの行政の中心は市町村であり、地方分権を強力に推進していくためには、市町村合併により、市町村の行財政基盤の強化を急がなければなりません。

 こうした状況の中で、二十一世紀の地域の将来像を真剣に考え、市町村合併について話し合う合併協議が全国において行われているところであります。最近では多くの自治体で合併のゴールを迎えているところでありますが、私の地元山梨県におきましても活発な取り組みがなされておりまして、既に十一の町村が合併して、一つの市、二つの町が成立をいたしております。

 その中には、片仮名の親しみやすい名称として有名になりました南アルプス市も入っており、さらに本年九月には、私の住む竜王町も甲斐の国・武田信玄の里として甲斐市となる予定であるなど、現在でも、六割近い市町村が法定協議会に加入して協議を続けております。

 しかしながら、合併協議の現場を見てみますと、地域ごとにさまざまな課題を抱えております。全国的には、関係者の長年の努力も報われず、法定協議会が解散する例も見られるようになっているところであります。

 こうした状況を踏まえて、麻生大臣に伺います。

 まず、全国における市町村合併の取り組みの状況はどうなっているのでしょうか。また、今回、市町村合併を進めるための新しい法案が提出されたところでありますが、どのような背景、理由で平成十七年四月以降も引き続き市町村合併を推進することが必要となったのでしょうか。わかりやすく御説明をお願いいたします。

 さらに、今回提出された合併新法案には、これまでの合併特例法とは異なった措置がいろいろと盛り込まれているようですが、この合併新法では、具体的にはどのような手法により市町村合併を進めていこうとされているのでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、合併特例区について伺います。

 これまでも各地で市町村合併が行われてきていますけれども、どの地域においても、新しくできた市町村の一体感を醸成するために大変な努力をしているというのが実態であります。

 こうした中で、今回の法案を見てみますと、市町村合併を推進するための方策として、合併する前の市町村の区域を単位として、法人格のある合併特例区制度を創設するようであります。

 これでは、一つの市町村の中にあたかも別の市町村ができるようなものであり、せっかく苦労して合併したにもかかわらず、合併特例区があることで、むしろ合併した後の市町村の一体化を阻むことになりはしないかと心配する向きもあると言われております。

 そこで、合併特例区制度を導入することの理由はどのようなものであるのか、麻生大臣にお伺いをいたします。

 次に、都道府県の姿を見てみますと、御承知のように、明治二十一年に四十七ある現在の都道府県の区域の原型が確立されて以来、その名称や区域はほとんど変わることなく今日に至っております。

 しかしながら、市町村合併が進展いたしますと、市町村の区域が拡大し、その能力が強化されることになります。こうした中で、市町村を包括する都道府県のあり方も変容が求められることになると思います。

 そこで、総務大臣にお伺いしますが、市町村合併が進めば、次には都道府県のあり方を見直す必要があると考えますが、これについての御見解をお聞かせください。

 以上となりますが、新しい世紀を迎え、我が国は、経済のグローバル化、産業構造の高度化、少子高齢化、国民の価値観の多様化などが急速に進んでおり、右肩上がりの経済を前提としたこれまでの社会システムは大きく揺らいでいます。欧米へのキャッチアップの時代は既に終わり、護送船団のようにあらかじめ用意された成長モデルをみんなで目指せば事足れりというような時代ではありません。

 今回の合併関連三法案の措置を活用しながら、それぞれの地域が、みずからビジョンを描き、個性豊かな地域社会を築いていくことを強く希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 保坂先生から、四問の質問をいただいております。

 まず、市町村合併の取り組み状況等についてお尋ねがありました。

 平成十六年三月十九日時点で申し上げますと、千九百十九の市町村が五百二十一の法定合併協議会に参加をいたしております。これは全国の約六割を超える数字でありまして、市町村合併の取り組みは急速に進展をしているものと認識をいたしております。

 しかし、今後、さらに地域主権、地方分権を推進していくために、市町村の行財政基盤の強化というものは不可欠であろうと存じます。そのため、現行の合併特例法が失効した後におきましても、引き続き市町村合併を推進していくことが必要であると考えております。

 次に、合併新法におきます合併推進方策につきましてお尋ねがありました。

 合併の新法案につきましては、合併特例債の財政優遇措置は廃止をいたします。しかし、それ以外の合併の障害除去のための特例措置は基本的に存置いたします、残します。さらに、旧市町村を単位として合併特例区を設置できる制度を創設いたしたいと存じます。

 また、総務大臣が定める基本方針に基づきまして、都道府県が市町村合併の推進に関する構想を策定し、知事があっせん、調停、勧告などを行うことができるものといたします。

 これらによりまして、合併特例法が失効いたします平成十七年四月以降も、自主的な市町村の合併は推進してまいりたいと思っております。

 次に、合併特例区制度についてのお尋ねがありました。

 今回創設する合併特例区は、コミュニティーセンターなどの地域の公の施設を効果的に管理すること、また、地域住民の要望にこたえまして旧市町村の名称も住所に残せることなどのために、旧市町村単位で設けようとするものであります。期間は、合併後五年以内の一定期間を置くことができることといたしております。

 この制度を活用することにより、新しい市町村の一体性のある円滑な確立に向けてソフトランディングができるものではないかと期待をいたしておる次第です。

 最後に、都道府県のあり方についてのお尋ねがありました。

 市町村合併の進展によりまして市町村の規模と能力が拡大していけば、御指摘のように、都道府県のあり方というものにつきましては見直す必要があると思われます。このような観点から、今回の地方自治法の改正案の中で、都道府県の自主的合併手続を整備することといたしております。

 また、将来の姿として、道州制の導入も検討の対象になり得るものであろうと思われます。このため、第二十八次地方制度調査会のテーマとして精力的に議論が進められることを期待いたしております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 田嶋要君。

    〔田嶋要君登壇〕

田嶋要君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)

 今、我が国は、大きな時代の節目を迎えています。閉塞感という名の長いトンネルから抜け出すために、この国の形、すなわち市町村、都道府県、国のあり方を大胆に変えていかなくてはなりません。

 しかし、今日の日本の悲劇は、地域の住民に最も密着したところにある市町村が都道府県のもとで自由度を制約され、そしてまた、その都道府県が、最も現場が見えていない国の権限のもとでさらにその自由度を奪われているということでございます。

 その結果、何が起きているか。

 第一に、このような不自由さの重層構造のもとで、欲しくもない行政サービスが次々と編み出され、一方で、本当に必要なサービスが届かないのであります。その結果、税金の膨大なむだ遣いが続いておるわけであります。

 そして第二に、まさに今のこの地方分権改革そのものが、その名に反して、相も変わらず中央集権的な手法によって、思ったように進んでいないわけでございます。

 鳴り物入りで始まった三位一体の地方分権改革は、肝心の地方への財源の移譲、権限の移譲が大胆に行われることはなく、補助金、交付税の削減のみが先行してしまっています。その結果、地方財政がしわ寄せを受け、市町村は、一年後にはどうなるかわからない財政不安と、そして、一年後に迫っている合併特例の期限の間に挟み打ちになってしまっています。

 つまり、小泉政権による現在の改革は、崩壊寸前のこの日本の国の形を立て直すどころか、むしろ再起不能にするためのとどめの一撃と言っても過言ではありません。(拍手)

 現在の地方の現場を熟知されている知事さんたちなどから文字どおり酷評されているこの政府の地方分権改革を全く反省することもなく、ただやみくもに、あめとむちで市町村の合併を推進する。しかも、その合併がうまくいかないとなると、今度はむち振りの役目を都道府県に押しつけようとする。

 総務大臣、あなたは、内閣のこの地方分権改革の責任者として、いや、それ以前に一人の人間として、本当にこの国を今正しい方向へ推し進めていると思っているのですか。その苦しい胸のうちを、まず思い切って吐き出していただきたい。(拍手)

 次に、地方自治法の一部改正案について伺います。

 住民自治の強化のために市町村内に地域自治区が設置できるということでございますが、これで果たして本当に住民の多様な意見を吸い上げることができるのでしょうか。

 具体的には、地域自治区の区長及び地域協議会の構成員は市町村長が選任をするということになっています。しかし、住民自治の強化をうたうのであれば、地域それぞれで、選任をするか公選をするか、その自治の根幹の部分をそれぞれの住民に判断をゆだねてはいかがでしょうか。総務大臣に伺います。

 さらに、このような上からの住民自治ばかりでなく、今既にある町内会、自治会あるいはNPOを活用し、コミュニティーの強化、再生を図ることが考えられるのではないでしょうか。住民主体の自治を草の根から生み出す環境づくりに関して、現在総務省の方で何らかの取り組みがなされているのか、その辺に関して総務大臣に質問をいたします。

 次に、条例による事務処理特例の拡充について伺います。

 これは、都道府県の事務の一部を市町村に処理をさせるための条例の制定を、市町村側から都道府県への要請に基づいてできるようにするものです。いわば、市町村が都道府県の仕事をみずからとりに行く、そういった内容です。トップダウンからボトムアップ、言ってみれば、地方分権の精神にのっとったものと、一見、見えます。

 しかし、実際には、都道府県には市町村と協議をする義務しかありません。これでは実効性を伴うものとは言えないです。本当に大胆な地方分権を目指すのであれば、明らかに分権が妥当ではない、そう判断されるときには、その理由を明確にする義務づけをする、しかし原則は、市町村が分権をしてくれと手を挙げたならば、その要請に都道府県は応じなければいけない、そのようにするべきではないでしょうか。総務大臣、お答えください。

 さらに指摘したいのは、今回の拡充は、都道府県から市町村への分権の話ばかりで、国から都道府県への分権の話には全く触れられていないんです。いかにも中途半端な改革ではありませんか。国民は見ています。目立たない仕掛けで、自分たちの権限だけは少しでも長く温存をしようとする、このような見せかけの改革では、国民の国に対する不信感は高まる一方です。

 都道府県みずからが手を挙げて国の仕事をとりに行ける制度を法律上でしっかりと創設してはいかがでしょうか。総務大臣、お答えください。(拍手)

 不信感という意味では、国の地方に対する不信感も、これは相当なものです。この国がいわゆる官尊民卑の国ということは周知の事実でございますが、卑しめられてきたのは民だけではありません。地方の官も同じでございます。

 私は先日、総務委員会の地方税法の改正に関する質問の中で、法定外税の質問をいたしました。そのときに総務大臣は、地方の首長さん、知事さんたちの資質に関して、「極めて常識的な方ばかりとは限りません」、このような驚くべき答弁をされました。大臣、あなたは一体どういうおつもりでこのような答弁をされたのか、釈明をお願いいたします。

 私は、これは深刻な問題だと思います。改革のこの肝心の第一歩のところで、分権をしようとしているその相手を信じることができなければ、どうして分権などできるでしょうか。(拍手)

 かの福沢諭吉翁は、明治政府の中央集権を批判して、みずからの著書「分権論」の中でこう述べています。分権の要諦は、たとえ心配なことがあっても、思い切って分権をして、権限の使い方になれてもらう、そして学んでもらう、覚えてもらうしかない。小泉改革にはまことに耳の痛い話ではありませんか。(拍手)

 象徴的な例が、この三位一体の改革でございます。全国知事会は八兆円規模の、そして市長会は五兆円規模の税源の移譲と補助金の廃止を訴えているんです。今まで中央がよらしむべしとしていたこの地方がみずから、自分たちにやらせてくれ、自分たちにできる、そのように主張しているのです。にもかかわらず、来年度の補助金の削減は、わずかに一兆円余りです。しかも、財源の移譲に至ってはその半分程度なんです。もっと地方を信じ、そして大胆に移譲をするべきではないでしょうか。

 また、仮に百歩譲って、中央官庁はしょせんそういうものに抵抗するものだとしても、それを一蹴して指導力を発揮して、民間の経営者であった大臣、それがあなたに期待をされている役目なのではないでしょうか。でなければ、あなたがそこに座っている意味がない、そのように私は考えます。総務大臣、ぜひお答えください。(拍手)

 さて、道州制について。権限、財源の移譲と市町村の合併を進めれば、おのずから市町村とそして国の間に挟まれた都道府県の役割あるいはその存在意義というところに話が移ってまいります。現に、今のままの都道府県ではやがて存在意義がなくなる、そのように考えている地方の首長さん、知事さんたちも大勢いらっしゃいます。折しも、小泉総理は、第二十八次地方制度調査会において道州制の検討を指示いたしました。

 そこで、まず伺います。小泉政権の考える道州制とは、その理念とは一体どういうものなのか、また、なぜ今道州制なのか、総務大臣、お願いをいたします。

 私は、道州制は、日本の活力を再び呼び覚まし、そしてこの国の国力を高めるための切り札、手段であると考えています。

 世界第二位のこの経済大国日本は、九州はオーストラリアと、四国はフィンランドと、そして北海道はデンマークと同じ経済規模なんです。アジアの国々と比較をすれば、九州は韓国と、四国はタイと、そして北海道はあの東南アジアのハブ、シンガポールの二倍の経済規模があるんです。目からうろこではありませんか。そんな大きな規模の経済圏がなぜ今でも、はしの上げ下ろしまで国から指図をされ、悶々としてきゅうきゅうとしていなければならないのでしょうか。こんな仕組みは、だれにとってもメリットはありません。そして、だれをも幸せにはしません。

 中央の呪縛から地方を解放すれば、日本の地方は互いによい行政サービスを競い合い、もっともっと潜在的な力を発揮する、しかもグローバル、アジアの視点で力を発揮できるんです。

 現在、民主党内でもいろいろな道州制モデルが考えられております。私は、外交、防衛を初め、どうしても国にしか担うことのできない仕事を残して、ほかはすべて道州に移す、その結果、一国多制度になっていって構わないと考えています。小泉総理も地方にできることは地方にとおっしゃっておりますが、発想が逆なんです。どうしても国にやらさざるを得ないことだけ国に、そのように考えるべきなんです。(拍手)

 今回の地方自治法改正案では、道州制を視野に入れた都道府県の合併の法整備がされようとしております。しかし、道州制には、連邦制的な道州制から単なる都道府県合併のような、幅広い考え方があります。例えば、第二十七次地方制度調査会においての答申では、連邦制的な道州制には否定的な見解が出されております。

 では、総務大臣、どのような道州制を想定して今回の都道府県の合併に関する改正案を出されたのか、そして、この改正案がこれからの道州制にどのようにつながっていくのか、その見解をお聞かせください。

 加えて、道州制のモデルケースとされている北海道道州制特区に関しまして、既に中央省庁の強い抵抗でその動きがとんざをしそうだという報告もございますが、今後、その特区構想をどのように進めていくのか。竹中経済財政担当大臣、総務大臣、それぞれ御説明を願います。

 最後に、もう一度申し上げたい。人を信じよと。民間人や地方を信じることができずに、中央集権化を推し進めてきたこの官僚統制社会は、残念ながら、これからの日本を絶対に幸せにすることはできないんです。日本の将来を憂い、私たちの子供たちの未来を真剣に考えている人々は、地方にも民間にもたくさんいるんです。そういう人たちの本来の力をいかにして引き出すか。そのためには、まず人を信じることです。そして、政府は、みずから大胆に壊し、そしてつくり直す、それこそが今の中央集権型政府の最後の大事業なのです。

 このことを最後に申し上げて、私の代表質問を終わりにいたします。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 田嶋議員から、八問ちょうだいいたしました。

 まず最初に、地方分権に関する基本的な認識についてお尋ねがあっております。

 御存じのように、地方分権の基本は、国がやるべきことは国が専心し、地方にできることは地方にということであろうと思います。そのために、財源の分権として三位一体の改革を進めております。

 それに合わせまして、今回の法案では、分権の受け皿として市町村の行財政基盤を強化するという見地から、引き続き市町村合併を推進していくための方策を盛り込むとともに、地域自治区制度の創設や、一定の市で収入役を置かないことができるようにすることなどの法改正を行うことといたしております。これらによりまして、地方分権の歩みをさらに進めることになるものと考えております。

 次に、地域自治区制についてのお尋ねがあっております。

 地域自治区は、市町村の判断により、住民の意見をより的確に行政運営に反映させる制度として導入しようとするものであります。

 このような見地から、区域内の多様な意見が反映される仕組みとしておりますが、公選で選ばれた市町村長や議会との関係を考えれば、その構成員などは市町村長の選任によることとすることがふさわしいと考えております。

 住民自治の環境づくりについてのお尋ねがあっておりました。

 分権型社会におきましては、住民が主人公となる地域づくりが大切であります。各地でさまざまな取り組みがなされておりますのは御存じのとおりです。今回の地方自治法改正案におきましては、行政と住民や地域のさまざまな団体が協力し合って地域づくりを進める場として、地域自治区の制度を創設することとしたところであります。

 各市町村におきまして、この地域自治区の仕組みを活用していただき、生き生きとした住民参加の取り組みが行われることを心から期待しておるものであります。

 次に、事務処理特例の拡充と国の事務事業の移譲についてのお尋ねがあっております。

 まず、今回提案をいたしております事務処理の特例制度は、法令上都道府県の事務とされたものにつきましては、その一部を市町村に対して移譲することは可能ということにするものであります。

 一方、市町村の規模や能力には大きな差があることから、市町村長の要請があった場合には、十分に協議を行った上で、都道府県知事が責任を持って事務の移譲を行うか否かの判断を行うべきものと考えております。

 また、国から都道府県への権限移譲につきましては、現行の地方自治法におきましては、全国知事会等の全国的連合組織が地方自治に関して内閣に対し意見を申し出る制度や、また、都道府県の加入する広域連合の長が国の行政機関の長に対して権限移譲を要請する制度が規定されているところでもあります。

 次に、先日の総務委員会での法定外税のあり方についての答弁に関してのお尋ねがありました。

 私の答弁は、課税自主権をできる限り拡大することは重要ではありますが、法定外税の新設や税率引き上げは、住民負担の増大に直結するものであり、慎重な検討を尽くすことが必要であるという一般的な認識を述べたものであり、その際に慎重な検討が必要であるという趣旨を申し上げたかったのであり、特定の首長を想定して申し上げたわけではございません。

 次に、補助金改革と税源移譲について指導力を発揮せよとの御指摘があっております。

 平成十六年度には、一兆円規模の補助金改革を行い、このうち引き続き地方が実施をすることになっておるものにつきましては、税源移譲等により一般財源化することとしたところです。このような本格的な税源移譲というものは初めてのことでもあり、今後とも地方分権を進めていくためには、三位一体の改革を着実に推進してまいりたいと思っております。

 道州制の理念についてお尋ねがあっておりました。

 地方分権が進展し、市町村合併が進んでまいりますと、将来的な広域自治体の姿としていわゆる道州制の導入の検討というものも対象となり得るんだと思っております。

 道州制は、地方自治制度の大きな変革であるのみならず、国のあり方にも関連する事柄でもあり、第二十八次地方制度調査会におきまして精力的に議論が進められることを期待いたしております。

 最後になりましたが、都道府県合併に関する改正案と道州制との関係についてのお尋ねがあっております。

 今回提案をいたしております都道府県合併と道州制とは、区域の拡大という点においては共通をいたしております。しかしながら、道州制は、単なる都道府県の合併ではなく、国と地方との役割分担を含みます地方自治制度の変革であると考えております。

 また、北海道道州制特区構想は、将来の道州制を考える上でのモデルケースとして検討が進められているところでもあります。

 総務省としては、第二十八次地方制度調査会における道州制のあり方の審議と並行して、内閣府の対応に協力をしてまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 田嶋議員から、北海道の道州制特区についてお尋ねがございました。

 地方分権の進展に伴いまして、道州制、都道府県合併など将来的な広域自治体につきましても、幅広く議論が深められようとしております。こうした中にありまして、北海道は、その規模、地理的条件などから、こうした検討を独自に先行させることが可能な条件を有しているというふうに考えております。

 北海道が取り組んでおりますこの道州制特区につきましては、昨年の十二月、経済財政諮問会議で、知事からそのアイデアの御紹介をいただいたところでございます。まさに、北海道みずからの個性を生かして特区に関する具体策の検討が進められております。

 政府としましては、内閣府の中に北海道との連絡に当たる担当窓口を定めるなど、支援体制を整備したところでございます。今後とも、北海道と密接な連携を図りまして、具体的な成果が上がりますよう、我々としても努力をしてまいるつもりでございます。(拍手)

    ―――――――――――――

    〔議長退席、副議長着席〕

副議長(中野寛成君) 西村智奈美さん。

    〔西村智奈美君登壇〕

西村智奈美君 民主党の西村智奈美です。

 私は、ただいま議題となりました二法案に関し、民主党・無所属クラブを代表して質問をいたします。(拍手)

 さきの総選挙で当選して四カ月。初めて国会で政策決定過程に係る議論に加わり、緊張感と興奮の毎日です。この間、改めて感じたのは、この国の東京一極集中は想像以上の凝集性を持っていたということであります。

 地方分権とは、もともと地域にあった主権を地域に返す作業だと私は思います。水平的な地方と国との関係を構築し、自主自立の町づくりを行う環境を整えることが、私の議員としての大きな目標の一つです。きょうも、そのような問題意識の下で質問をさせていただきます。(拍手)

 今回提出された法案は、平成十七年三月までに都道府県に合併の申請をし、平成十八年までに合併を行う市町村を対象とした現行の合併特例法の一年延長と、現行合併特例法後の五年間、さらなる合併を促進するため所要の措置を講ずる合併特例新法の二本です。

 各論に入る前に、総論的かつ基本的な質問から始めさせていただきます。

 私は、この二本の法案を読めば読むほど首をかしげることばかりでしたが、行間から確実に伝わってくることが一つだけありました。それは、何が何でも合併を進めさせようという国の姿勢であります。しかし、そもそもなぜ市町村合併を推進しなければならないのかという肝心かなめの理由が伝わってまいりません。総理はもちろん、政府のだれ一人として明確にその理由を述べていないからであります。

 例えば、明治の大合併は小学校の設置、管理のために三百から五百戸を最低基準の目標とし、昭和の大合併は新制中学校を整備するために人口を八千人以上にしようと決めて進められたといいます。しからば、今回の合併推進に当たっては、いかなる目的のために、いかほどの人口規模を目標として進めるつもりなのでしょうか。

 地方制度調査会は総理の諮問を受けて設置され、その答申の内容が今回の立法にも随分反映をされています。また、いわゆる小泉マニフェストでも、市町村合併を促進すると高らかに掲げているではありませんか。

 地方分権にかかわる大原則ですから、官房長官に質問をいたします。地方行財政の受け皿論はもう結構でございます。具体的にお答えください。(拍手)

 以下、法案の問題点について、具体的な質問に移ります。

 まず、合併特例債に関連して質問します。

 私の地元、新潟県では、県内百一の市町村のうち八十四市町村が合併に向けた取り組みを行っており、仮にすべての協議が成就すれば、市町村数は三十五に集約をされることになります。その場合、合計して二十の合併自治体に合併特例債の発行が可能となり、限度額は最高で五千百六十億円と試算をされているそうです。これが全部発行されると、国の交付税措置分は七割で、約三千六百億円。これは新潟県の分だけの数字です。しかも、地方の負担は三割で済むとはいえ、不要不急の公共事業に化けるケースも多々あり、その場合、地方はむだな建物のための債務の返済に苦しむことになります。

 民主党は、現在の合併特例債のように後年度負担が大きくなるような措置を縮小するように主張してまいりました。新法では、政府も合併特例債を廃止する方針を打ち出し、合併特例債の問題点をようやく理解したのだというふうに思いたいのですが、その割には、現行法の延長ということで、この特例債の制度も一年間存続することになっております。

 そこで、質問です。総務大臣は、この合併特例債の制度についてどのように総括をしていらっしゃるのでしょうか。また、現在、合併協議会が設立されているすべての自治体で合併が成立した場合、合併特例債の発行可能枠は最大幾らになるのでしょうか。非常に大事な数字ですので、幾つかの仮定を置いても結構です。逃げずにお答えください。(拍手)

 次に、市町村合併後、旧議員の任期を最長二年延長する在任特例についてお尋ねをいたします。

 現行合併特例法で創設されたこの規定に基づき、各地にマンモス議会が生まれ、議員の保身や財政面での非効率など、さまざまな問題点が指摘をされています。にもかかわらず、この在任特例の規定が新法においても引き続き残っているのを知って、私は唖然といたしました。

 新潟市では、平成十七年三月の合併で編入される市町村の議員全員が辞職をするという大英断を行い、住民から大喝采を浴びました。政府は、議員の顔色ばかりうかがって、住民の気持ちを考えていないようですが、政府がわざわざ在任特例などを用意しなくても、やればできるのです。在任特例が残った理由を総務大臣に伺います。

 次は、市町村合併の進め方というテーマに沿いながら、主に合併特例新法について質問をいたします。

 法案では、都道府県知事が構想に基づき、市町村合併調整委員を任命し、あっせん、調停を行わせることができるとともに、合併協議会の設置を勧告することができる、また、勧告を受けた市町村長が合併協議会を議会に諮った結果、議会が否決したときには、住民が六分の一以上の有権者の署名により、または市町村長が住民投票を請求することができる、さらに、合併推進に関して勧告ができるとしています。合併を強制的に進めたいのだけれども、批判が怖くて、回りくどい方法を考えたものだなというのが私の第一印象です。

 そこで、総務大臣に伺います。

 合併新法は、国が県に対して合併の旗振り役を押しつける側面が大変に強くなっていると思いますが、合併は市町村が自主的に行うというこれまでの基本的な考え方を変更したのでしょうか。また、このことは、県と市町村は対等、協力の関係で地方行政を担うとされる地方分権の理念に沿わないやり方だと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 次に、より具体的に、都道府県知事の構想の前提となる総務大臣の基本方針について質問します。

 まず、この基本方針にはどのような内容を盛り込むのか。特に、市町村の適正規模について、一万人という数字を示すことになるのでしょうか。総務大臣に伺います。

 また、基本方針の内容を法律で規定せず、事実上総務大臣の裁量とした理由についても伺います。

 さらに、基本方針に基づいて知事が構想を策定するということですが、その構想の内容などは知事それぞれの自由裁量にゆだねられるのかどうか、伺います。

 今回の質問に当たって、私は、現在、合併を選択しない、取り組みの動きがない市町村の実情について少し調べてみました。その結果、浮かび上がってきた実像は、以下のとおりです。

 住民意向調査や住民投票で合併反対が多数となり、民意として合併せずに単独で行くとの選択を行ったケース、合併を志向するものの、合併先をめぐって住民の意向が対立し協議に入れないケース、あるいは、さまざまな理由から希望する相手先の市町村から断られたケース、議会と住民の意向が異なり協議に入れないケースなど、市町村、住民とも何らかの取り組みや対応を経て、一定の結論に至っているという実像でございます。

 このような状況の下で、新法の制度による合併が進むのか否か、私は疑問に思っています。それとも、知事の構想や勧告に強制力を想定しているのでしょうか。総務大臣の見解をお尋ねします。

 地方自治法の改正案を含めた今回の合併三法について、私は、市町村合併の全体像、将来像や、合併の基準が全く見えてこないという感想を持っています。それに関連して、総務大臣に二点質問をいたします。

 第一に、合併後の基礎自治体の数として、幾つを目標にしているのでしょうか。与党は千自治体を目標としたそうですが、政府も同様に、千という数を目標としているのですか。

 第二に、合併新法の五年という期限が過ぎた後、合併しないことを選択した人口一万未満の自治体はどうなるのでしょうか。基礎自治体のあり方として、規模が小さく、財政的にも厳しく、住民の負担が高くなる、あるいはサービスの提供に制約が生じても、住民が納得の上で単独の選択をした自治体を認めるのでしょうか。それとも逆に、ナショナルミニマムの水準維持のためには、このような団体の存在は認めず、強制的な合併や、第二十七次地方制度調査会の答申で言うところの特例的団体の制度を五年後に導入する可能性はあるのでしょうか。

 合併推進は、新旧の合併特例法によってのみ進められるのではありません。建前は自主的な合併と言いながら、実際には、交付税の小規模団体に対する段階補正の見直しなどの方法で、財政力の弱い市町村に合併を迫るという構図も最近は明らかになっています。

 それだけではありません。税源移譲を中途半端なままに補助金の削減と交付税の削減を進める小泉内閣の名ばかりの三位一体改革によって、わらにもすがる思いで合併特例債などのあめに飛びつかざるを得ない情勢も見られ、これは、私は、間接的な強制合併に等しいと思います。(拍手)

 市町村にとって、今後の地方交付税と補助金及びそれに伴うはずの税源移譲の動向が合併の進展を大きく左右します。その意味でも、いわゆる三位一体改革の将来像を明示すべきだと考えます。総務大臣の見解を示してください。

 私は、地方分権とは、市民が地域の政府をきちんとコントロールできる仕組みをつくることだと思っています。その点で、政府の合併の進め方について一番危惧をされるのは、何のための合併かを詰めないまま、住民を蚊帳の外に置いたまま、だれも全体像を描くことなく、なし崩し的に合併論議が進められていることです。

 冒頭述べましたように、本院の議員となってまだ日が浅い私ですが、身にしみてわかったことは、東京の一極集中ぶりだけではございません。いわゆる小泉改革なるものの実像が、理念なきがゆえに具体的な内容も欠いているということです。(拍手)もちろん、地方にいたときも薄々感じてはいましたが、今なお、はっきりといたしました。道路公団改革しかり、年金改革しかり、郵貯改革しかり、三位一体改革しかり、そして、この市町村合併への取り組みもまたしかりであります。自治の主役は住民であり、合併を決める主役もまた住民であるという基本的な理念を忘れ去っているのではありませんか。(拍手)

 最後にこのことを申し上げ、小泉内閣と与党に対して猛省を迫りつつ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣福田康夫君登壇〕

国務大臣(福田康夫君) 西村議員から、合併推進の目的についてお尋ねがございました。

 第二十七次地方制度調査会の答申では、地方分権の推進の観点から、市町村の規模、能力の充実を図ることが必要であり、合併新法で都道府県が策定する市町村合併の推進に関する構想の対象となる小規模な市町村として、人口おおむね一万未満を目安とし、その際地理的条件等も考慮すべきこととされております。

 この答申を踏まえて、今後とも、自主的な市町村の合併を推進してまいります。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 西村先生から七問ちょうだいをいたしております。

 まず最初に、合併特例債についてのお尋ねがあっております。

 合併特例債は、旧市町村をつなぐ道路整備など、合併後の市町村の一体性の確立や均衡ある発展のために必要な社会基盤を整備するためのものであります。この特例債は、各地の実情に応じ活用されておりまして、合併の推進に役立っているものと考えております。

 合併特例債の発行額につきましては、平成十一年度からこれまで約九百十億円となっております。現時点におきまして、最終的な合併市町村の見通しが立っておりませんから、合併特例債の発行総額の試算は、目下のところ困難であります。

 次に、市町村議会議員の在任特例に関するお尋ねがありました。

 合併新法におきましては、現行法と同様に、市町村議会の議員につきまして、合併直後の一定期間引き続き在任することができる特例を想定いたしております。この在任特例につきましては、合併の障害を除去する上で必要な制度と考えております。

 ただし、この在任特例をどのように適用するかにつきましては、住民の意向も十分に踏まえ、関係市町村間で協議の上、決定されるべきものであると考えております。

 次に、合併新法における都道府県の役割についてのお尋ねがありました。

 合併新法におきましても、自主的な市町村合併を推進する点につきましては、現行の合併特例法と変わりはございません。また、都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、合併新法におきましても、自主的な市町村合併を推進するために必要な役割を果たしていただくことを期待いたしております。

 また、総務大臣が策定する基本方針についてのお尋ねがあっております。

 総務大臣の定めます基本方針は、第二十七次地方制度調査会の答申を踏まえまして、都道府県が策定をいたします構想の対象となる小規模の市町村として、人口おおむね一万未満を目安とし、その際地理的条件等も考慮することなどを記述するということを考えております。また、市町村合併の状況を見きわめる必要があること等から、総務大臣が定めるものといたしております。

 都道府県が定める構想は、この総務大臣が定める基本方針に基づいて策定するものといたしております。

 また、知事が策定する構想や勧告によって市町村合併を強制するという考え方は全くとっておりません。

 次に、基礎自治体の目標数についてのお尋ねがありました。

 平成十二年十二月一日に閣議決定した行政改革大綱では、与党行財政改革推進協議会における「市町村合併後の自治体数を千を目標とする」という方針を踏まえて、自主的な市町村合併を積極的に推進することといたしておりまして、政府といたしましては、引き続きこの方針に基づき対応することといたしております。

 合併新法期限後の小規模な市町村についてのお尋ねがありました。

 合併新法によりまして、平成二十二年三月までに市町村合併が推進されたとしても、なお小規模な市町村というものは存在すると予想いたしております。

 第二十七次地方制度調査会答申では、そのような市町村につきましては、法令上義務づけられた事務については窓口サービス等その一部のみを処理し、都道府県にそれ以外の事務の処理を義務づける特例的団体の制度の導入についても引き続き検討する必要があるとしておるところでありまして、この制度につきまして引き続き検討いたしてまいりたいと思います。

 最後に、市町村合併につきまして、三位一体改革の将来像というものを明らかにすべきとの御指摘がありました。

 三位一体の改革につきましては、昨年六月に閣議決定した基本方針二〇〇三におきまして、四兆円の国庫補助負担金の改革、基幹税を基本とした税源の移譲、国税から地方税、そして三番目に地方交付税の見直しなど、平成十八年度までに取り組む方針を明らかにいたしております。

 このように、地方団体にも、ある程度先行きが見通せることをお示ししているところでもあり、今後、地方団体に対する情報提供や意見交換にこれまで以上に意を用いるのは当然として、できる限り改革の全体像を明らかにするという方針で今後とも改革を進めてまいりたいと存じます。(拍手)

副議長(中野寛成君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(中野寛成君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        総務大臣    麻生 太郎君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        農林水産大臣  亀井 善之君

        国土交通大臣  石原 伸晃君

        国務大臣    井上 喜一君

        国務大臣    小野 清子君

        国務大臣    竹中 平蔵君

        国務大臣    福田 康夫君

        国務大臣    茂木 敏充君

 出席副大臣

        総務副大臣   山口 俊一君


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