衆議院

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第18号 平成16年3月30日(火曜日)

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平成十六年三月三十日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十一号

  平成十六年三月三十日

    午後一時開議

 第一 知的財産高等裁判所設置法案(内閣提出)

 第二 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 労働審判法案(内閣提出)

 第四 クリーニング業法の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

 第五 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

 第六 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第七 サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件

 第八 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

 第九 武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 人事官任命につき同意を求めるの件

 会計検査院情報公開審査会委員任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

 日程第一 知的財産高等裁判所設置法案(内閣提出)

 日程第二 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 労働審判法案(内閣提出)

 日程第四 クリーニング業法の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

 日程第五 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

 日程第六 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件

 日程第八 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

 日程第九 武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

 高速道路株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出)、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)及び日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時八分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 人事官任命につき同意を求めるの件

 会計検査院情報公開審査会委員任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 内閣から、

 人事官

 会計検査院情報公開審査会委員

 原子力安全委員会委員

 衆議院議員選挙区画定審議会委員

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員

 中央更生保護審査会委員

及び

 中央社会保険医療協議会委員に

次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。

 内閣からの申し出中、

 まず、

 人事官に谷公士君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

 次に、

 会計検査院情報公開審査会委員に碓井光明君、早坂禧子君及び河野正男君を、

 衆議院議員選挙区画定審議会委員に村松岐夫君、早川正徳君、大石眞君、眞柄秀子君、稲葉馨君及び小田原満知子君を、

 公認会計士・監査審査会会長に金子晃君を、

 同委員に脇田良一君、引頭麻実君、田島優子君、辻山栄子君、平松一夫君及び吉井毅君を、

 中央更生保護審査会委員に山上皓君を、

 中央社会保険医療協議会委員に土田武史君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 原子力安全委員会委員に鈴木篤之君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

 次に、

 原子力安全委員会委員に早田邦久君及び久住静代君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 衆議院議員選挙区画定審議会委員に吉田弘正君を、

 公認会計士・監査審査会委員に高橋厚男君及び中村芳夫君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 公認会計士・監査審査会委員に奥山章雄君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 知的財産高等裁判所設置法案(内閣提出)

 日程第二 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 労働審判法案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、知的財産高等裁判所設置法案、日程第二、裁判所法等の一部を改正する法律案、日程第三、労働審判法案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長柳本卓治君。

    ―――――――――――――

 知的財産高等裁判所設置法案及び同報告書

 裁判所法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 労働審判法案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔柳本卓治君登壇〕

柳本卓治君 ただいま議題となりました各法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、知的財産高等裁判所設置法案は、知的財産に関する事件についての裁判の一層の充実及び迅速化を図るため、これを専門的に取り扱う知的財産高等裁判所の設置に関する必要な事項を定めるものであります。

 次に、裁判所法等の一部を改正する法律案は、知的財産事件における裁判所調査官の権限の拡大及び明確化、侵害行為の立証の容易化及び営業秘密の保護の強化、侵害訴訟と無効審判との関係の整理などの改正を行うものであります。

 最後に、労働審判法案は、個別労働関係事件について、簡易迅速な紛争解決制度として、裁判官及び労働関係専門家が審理し、調停による解決を試みる労働審判制度を導入するため、所要の法整備を行うものであります。

 各案は、去る十六日本委員会に付託され、十九日野沢法務大臣から各案の提案理由の説明を聴取し、まず、知的財産高等裁判所設置法案及び裁判所法等の一部を改正する法律案について質疑を行い、二十三日各案について質疑を行い、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、労働審判法案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案を一括して採決いたします。

 三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 日程第四及び第五は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第四 クリーニング業法の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

 日程第五 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、クリーニング業法の一部を改正する法律案、日程第五、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。厚生労働委員長衛藤晟一君。

    ―――――――――――――

 クリーニング業法の一部を改正する法律案

 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔衛藤晟一君登壇〕

衛藤晟一君 ただいま議題となりました両案について、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 まず、クリーニング業法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、クリーニング業において新しい営業形態の出現やクリーニング業を営む者に対する利用者の苦情がふえている状況等を踏まえ、利用者の利益の擁護を図り、クリーニング業における適正な衛生水準を確保するため、必要な措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 法の目的に、「利用者の利益の擁護を図る」ことを加えること、

 営業者は、業務用の車両に必要な衛生措置を講じるとともに、利用者に対し、苦情の申し出先を明示しなければならないものとすること

等であります。

 次に、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、公衆浴場が住民の健康の増進等に関し重要な役割を担っていることにかんがみ、住民の福祉の向上のため、公衆浴場の位置づけを明確にしようとするもので、その主な内容は、

 法の目的に、「住民の福祉の向上」を加えること、

 国及び地方公共団体は、健康の増進、交流の促進等の住民の福祉の向上のため、公衆浴場の活用について適切な配慮をするよう努めなければならないこと

等であります。

 以上が、両案の趣旨及び内容であります。

 両案は、いずれも去る二十四日の厚生労働委員会において、全会一致をもって委員会提出法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。

 両案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第六 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第六、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。安全保障委員長小此木八郎君。

    ―――――――――――――

 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小此木八郎君登壇〕

小此木八郎君 ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、安全保障委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画において定められた防衛力の合理化、効率化、コンパクト化を進めるとともに、必要な機能の充実等を図るとの観点から、陸上自衛隊の第八師団の改編等並びに海上及び航空各自衛隊並びに統合幕僚会議の情報機能の強化等に伴い、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数を変更するものであります。

 その内容は、防衛庁設置法を改正して、陸上自衛官の定数を二千九十三人削減し、海上自衛官の定数を三人、航空自衛官の定数を七十五人、統合幕僚会議の自衛官の定数を百五十五人それぞれ増加させ、自衛官の定数の総計を二十五万五千四十人から二十五万三千百八十人に改めるとともに、自衛隊法を改正して、即応予備自衛官の員数を千三百三十六人増加させ、九千四人に改めようとするものであります。

 本案は、去る三月十八日本委員会に付託され、十九日石破防衛庁長官から提案理由の説明を聴取し、二十五日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第七 サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件

 日程第八 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

 日程第九 武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件

議長(河野洋平君) 日程第七、サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件、日程第八、児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件、日程第九、武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長米澤隆君。

    ―――――――――――――

 サイバー犯罪に関する条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔米澤隆君登壇〕

米澤隆君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、サイバー犯罪条約について申し上げます。

 情報技術分野の急速な発展により、電子メール等が幅広く普及する一方、コンピューターシステムを攻撃するようないわゆるサイバー犯罪が出現するようになりました。

 サイバー犯罪は、国境を越えて広範な影響を及ぼし得ることから、その防止及び抑制に向けて国際的に協調して有効な手段をとるため、平成九年以降、欧州評議会において本条約の作成作業が行われてきた結果、平成十三年十一月に行われた欧州評議会閣僚委員会において本条約が採択されました。

 本条約の主な内容は、

 締約国は、コンピューターシステムに対するアクセス等の行為が権限なしに故意に行われることを自国の国内法上の犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとること、

 締約国は、自国の権限のある当局に対し、コンピューターシステムによって蔵置された特定のコンピューターデータの迅速な保全を確保することを可能とするため、必要な立法その他の措置をとること

等であります。

 次に、児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書について申し上げます。

 世界じゅうで多数の児童が性産業に従事させられ、児童の売買、児童買春及び児童ポルノによる被害を受けている事態を改善し、児童の権利をさらに促進し及び保護するために、国連人権委員会によって設置が決定された作業部会において、議定書案文が検討された結果、平成十二年に案文が採択され、同年五月に、第五十四回国際連合総会において本議定書が採択されました。

 本議定書の主な内容は、

 締約国は、性的搾取等を目的とする児童の売買、児童買春目的の児童の提供及び児童ポルノの製造等の行為を犯罪とすること、

 締約国は、この議定書に定める犯罪の防止及び捜査、被害児童の身体的回復の援助等のための国際協力を推進すること

等であります。

 最後に、武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書について申し上げます。

 世界じゅうの多くの地域で武力紛争により多数の児童が被害を受けている事態を改善し、児童の権利をさらに保護し及び促進するために、国連人権委員会によって設置が決定された作業部会において、議定書案文が検討された結果、平成十二年に案文が採択され、同年五月に、第五十四回国際連合総会において本議定書が採択されました。

 本議定書の主な内容は、

 締約国は、十八歳未満の自国の軍隊の構成員が敵対行為に直接参加しないことを確保するための実行可能な措置をとること、

 締約国は、自国の軍隊に志願する者の採用についての最低年齢を引き上げること

等であります。

 以上三件は、去る三月十五日外務委員会に付託され、翌十六日川口外務大臣から提案理由の説明を聴取し、十八日質疑を行い、同日質疑を終了いたしました。次いで、二十六日、まずサイバー犯罪条約について討論を行った後、採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決いたしました。次に、児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書及び武力紛争における児童の関与に関する児童の権利条約選択議定書について採決を行いました結果、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第七につき採決いたします。

 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

 次に、日程第八及び第九の両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 高速道路株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出)、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)及び日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣石原伸晃君。

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団につきましては、民間にできることは民間にゆだねるとの原則に基づき、およそ四十兆円に上る有利子債務を確実に返済し、真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設すること等を目的として、平成十七年度中に民営化を実施いたします。

 あわせて、高速国道の整備計画区間のうち未供用区間に係る有料道路事業費を当初のおよそ二十兆円から最大十・五兆円程度にほぼ半減するとともに、高速国道に係る有利子債務は民営化時の総額を上回らないとしました。

 これらの四法案は、道路関係四公団の民営化を実現するため、提出することとしました。

 まず、高速道路株式会社法案につきまして申し上げます。

 この法律案は、道路関係四公団を民営化し、高速道路の建設、管理等を効率的に行わせるため、東日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社及び本州四国連絡高速道路株式会社を設立するものであります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、会社は、有料道路事業のほかサービスエリア等の関連事業等を実施できるとしております。

 第二に、各会社が原則として事業範囲とすべき高速道路を定めております。

 第三に、政府等は会社の総株主の議決権の三分の一以上の株式を保有するとしております。

 次に、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案につきまして申し上げます。

 この法律案は、高速道路に係る道路資産の保有及び会社に対する貸し付け、債務の早期の確実な返済等の業務を行う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構を設立するものであります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、機構は、会社と協定を締結し、貸付料、債務返済計画等を記載した業務実施計画を作成するとしております。

 第二に、機構が会社に道路資産を貸し付ける際の貸付料の額は、債務の返済に要する費用等を貸付期間内に償うものとしております。

 第三に、機構は、民営化から四十五年後までに債務の返済を完了させ、解散するとしております。

 次に、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案につきまして申し上げます。

 この法律案は、道路関係四公団の民営化に伴い、道路関係法律について所要の規定の整備等を行うものであります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、道路整備特別措置法の改正であります。

 従来の公団に対する施行命令方式等を廃止し、会社は、国土交通大臣に事業許可を申請して事業を実施できるとしております。

 また、会社が徴収する料金の額は、道路資産の貸付料及び会社の維持管理費を料金徴収期間内に償うものとし、その徴収期間の満了日は、民営化後四十五年を超えないものとしております。

 第二に、道路法及び高速自動車国道法の改正であります。

 それぞれ、自動車専用道路及び高速自動車国道と連結することができる施設として、サービスエリア等の施設を追加する等としております。

 次に、日本道路公団等民営化関係法施行法案につきまして申し上げます。

 この法律案は、道路関係四公団の民営化等に伴い、さきの三法の施行に関し必要な事項を定めるとともに、関係法律の廃止及び改正を行うものであります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、会社及び機構の設立に関し、所要の手続を定めております。

 第二に、供用中の高速道路については、当該高速道路を事業範囲とする会社が管理及び料金徴収を行うとし、建設中または調査中の高速道路については、国土交通大臣が会社と協議して、会社が建設を行うべき高速道路を指定できるとしております。

 第三に、日本道路公団法等の五法律を廃止するほか、関係法律について所要の改正を行っております。

 以上が、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 高速道路株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出)、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)及び日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。永岡洋治君。

    〔永岡洋治君登壇〕

永岡洋治君 自由民主党の永岡洋治でございます。

 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました高速道路株式会社法案等四法案に係る趣旨説明に対しまして、質問いたします。(拍手)

 冒頭に、今回の道路関係四公団の民営化が、改革と呼ぶに値しない組織いじりに終わることなく、利用者である国民が納得のいく改革となりますよう、切に望むものであります。

 我が国の高速道路は、昭和三十二年の事業着手以来、今日に至るまで、そのネットワークが逐次整備されてまいりました。私の地元であります茨城県県西地区周辺も、東北自動車道が整備されており、地域経済の発展に大いなる貢献を果たしているところであります。

 しかしながら、国全体で見れば、必要とする高速道路ネットワークの整備は、いまだ計画の六割強にしか達しておりません。将来における社会経済活動を活発にし、豊かで安心できる国民生活を実現していく上で、高速道路ネットワークの拡充は必須不可欠であります。具体的には、物流の効率化、救急医療体制の整備、国際競争力の強化等を図るため、国土のグランドデザインの一環として、国が責任を持って取り組むべき、極めて重要な課題であります。(拍手)

 この高速道路整備について、これまでは、日本道路公団が有料道路事業により一手にこれを担い、重要な役割を果たしてまいりました。しかし、一方で、従来の公団による事業に対し、さまざまな批判、指摘がされてきたことも事実であります。

 主な問題点を挙げてみますと、まず第一に、建設費の償還期限を順次先送りし、採算のとれないような路線もプールを拡大することで建設をしていくというように、既存路線の利用者の負担による道路建設に歯どめがないということ。第二に、高コスト体質、道路の建設管理コストを削減するという意識が欠けているということ。第三に、ファミリー企業との関係が極めて不明朗、不透明であることであります。

 小泉総理は就任以来、この三カ年間、構造改革の大きな柱の一つとして、民間にできることは民間にの方針のもと、特殊法人等改革に取り組まれ、道路関係四公団の民営化を最重要課題として位置づけてこられました。

 道路公団改革については、民主党も、料金を税金に置きかえただけの高速道路無料化案を打ち出しておりますが、財源についての実現性や負担の公平等の観点から問題が多いと考えております。(拍手)

 そこで、まず総理に、政府がまとめた民営化法案の意義につきまして、改めてその基本的考え方をお尋ねいたします。

 次に、今回の民営化の目的は、債務を確実に返済すること、できるだけ少ない国民負担で必要な道路を早期に建設すること、民間ノウハウを導入し、多様なサービスを提供することとされております。中でも、債務は事業の採算によってみずから返済していく仕組みとしていることが非常に重要な点であります。

 高速道路としての機能や安全性を確保しつつ、構造・規格の見直しや業務の効率化等によりコスト縮減を図っていかなければなりません。しかし、道路の持つ公共性、公益性が軽視され、過度に採算性、効率性のみが優先されるようなことがあれば、真に必要な道路の整備を心から待ち望んでいる地域の人々に無用な不安を与えることにもなりかねません。

 そこで、国土交通大臣にお尋ねいたします。

 債務の確実な返済を図りつつ、真に必要な道路を着実に整備するという困難な課題を実現するため、その具体的な方策、今回の民営化法案の有する特徴についてお答え願います。

 いずれにせよ、道路関係四公団の民営化につきましては、夜間割引等の多様な料金設定、渋滞の緩和、そしてよりよいサービスと安全性の提供など、安く・早くの国民的期待にこたえられる真の改革と呼ぶに値するものにしていかなければなりません。そして、今回の民営化を通じて、地域再生につながり、ふるさとを残しはぐくむネットワークづくりが実現できるよう、政府の積極的な取り組みをお願い申し上げ、私の質問といたします。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 永岡議員にお答えいたします。

 民営化法案の意義についてでございますが、道路関係四公団の民営化は、行政の構造改革の一環として行う特殊法人改革の中で最も重要なものであり、民営化委員会の意見を基本的に尊重して法案を作成し、国会に提出したものであります。

 この民営化により、九千三百四十二キロメートルのこれまでの整備計画を前提とすることなく、未供用の区間について費用対便益分析等を厳しく実施するとともに、抜本的見直し区間を設定し、これについては、現行の計画のままでは整備を進めないこととします。

 また、徹底したコスト縮減等により約二十兆円の有料道路事業費をほぼ半減するとともに、約四十兆円に上る債務については、民営化後四十五年以内にすべて確実に返済します。

 さらに、民営化までに平均一割を超える高速国道料金の引き下げを実施し、競争原理の導入のため、日本道路公団を三分割することとしています。

 このように、今般の民営化法案は、債務を確実に返済しつつ、真に必要な高速道路を早期に、できるだけ少ない国民の負担のもとで建設するという民営化の原点を実現し、戦後の有料道路制度を初めて抜本的に改革する画期的な案と考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 永岡議員にお答え申し上げます。

 民営化の目的を実現する具体的方策、民営化法案の特徴についてのお尋ねでございました。

 今回提出した民営化関係法案においては、債務の返済期間を民営化後四十五年以内に法定し、これ以上の先送りを認めないこと、国からの一方的命令の枠組みを廃止するなど、会社の自主性尊重のための仕組みを導入することなどを明確にしております。

 さらに、これにあわせて、高速国道については、厳格な事業評価を行うとともに、コストの大幅な削減を行うこと、建設資金を市場から調達することで市場規律を導入すること、高速国道の債務総額について上限を設けること、会社が新たに建設する高速道路の債務はその会社の料金収入から返済することを基本とすることなどの措置を講じております。

 今回の民営化は、民間の経営センス、会社の自主性、市場規律を生かし、債務の確実な返済、必要な道路を最小の負担でつくるという民営化の本来の目的を実現する新しい枠組みを整備するものでございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 岩國哲人君。

    〔岩國哲人君登壇〕

岩國哲人君 民主党の岩國哲人です。

 質問の前に、去る二十六日に六本木ヒルズで起こった、幼稚園を卒園したばかりの六歳の男の子が自動回転ドアに挟まれて死亡するという痛ましい事故に対して、遺族の皆様そして関係者の皆様に対して、深くお悔やみを申し上げたいと思います。

 さて、ただいま議題となりました道路関係四公団民営化関係法案について、民主党・無所属クラブ、そして日本全国の道路を愛する道路族を代表して、内閣総理大臣及び国土交通大臣に質問いたします。(拍手)

 去る三月二十三日、いわゆるまちづくり法案が衆議院本会議で、我々民主党も賛成し、成立いたしました。国土交通委員会の審議の過程において、三月十九日、まちづくりのあり方について質問した際に、石原国土交通大臣は、都市再生の成功例として六本木ヒルズをお挙げになりました。

 私はこれまで、アメリカに十年、ヨーロッパに十年、世界の各地におりましたけれども、長寿高齢社会にふさわしいのは、しっとりと、ゆったりとしたまちづくりという考えを持っていましたので、石原大臣が、建設投資だけで二千九百億円、半年に訪れた人が二千六百万人という数字的、経済的な側面を強調されて、稚内から石垣までというサブタイトルのまちづくり法案における成功例として六本木ヒルズをお挙げになったことに対して違和感を覚えました。さきの六本木ヒルズ事故が起きたのは、ちょうどその一週間後でありました。

 人間らしさを忘れたまちづくりや建物が話題を呼び、人を集める現代の風潮を嘆かわしく思うとともに、新しく成立したまちづくり法の十分意を用いた運用を切に望むものであります。この点について、石原大臣の答弁を求めます。(拍手)

 この道路公団の重要な収入源は料金収入であり、その営業窓口は料金所です。私は、三月十六日に、内閣に対して質問主意書を提出しました。答弁書は十日後の三月二十六日に受け取りましたが、その内容には驚くべきことがありました。

 四公団が所有する千二百十三の料金所に対して、当初設置コストについての回答が、平成十三年設置以降のわずか七十二カ所に限られていたことでした。担当者に問い合わせたところ、過去二年間のデータしか提供できず、それ以前のデータについては廃棄しているものさえあるとの回答でした。

 民間企業では考えられないことです。ほんの五年前の営業収支に関する重要なデータが整備されていない、こんなことで果たして道路公団の民営化ができるのでしょうか。民営化は、絵にかいたもちというよりも、絵にもかけないもちではありませんか。この点について、石原大臣の答弁をお伺いいたします。

 二十兆円から十兆円へのコスト削減と政府は強調しますが、どこのコストが削減されたのですか。コスト削減と言うが、規格を下げただけであって、コスト削減はごまかしではありませんか。石原大臣から、規格を下げずにコストを下げた具体的な路線を挙げて説明していただきたいと思います。(拍手)

 昨年の国幹会議では、新会社による整備、管理が難しいと見込まれる区間がその対象として提案されました。しかし、納税者の視点からは当然のことですが、採算性と利用度の低いD区間からではなく、高いA区間から整備を始めるべきです。この点について、石原大臣の見解を伺います。

 国鉄は、昭和二十三年から企業会計に準拠し、減価償却制度を導入していますが、道路公団については、財務諸表の存在さえも疑われています。こんなずさんな民間企業が将来の上場を目指しているのは、到底考えられないことです。この点は、総理の見解をお伺いいたします。

 民営化法案が提出された今日に至るまで、国土交通省からも道路公団からも、収支見通しについては資料が提供されておりません。これから民営化しようとするときに、シミュレーションもない会社が納税者の信頼を受けられると思うのか。総理に、納税者の立場でお答えください。

 民営会社に対して建設の拒否権を持っていないという点も大きな問題です。不採算路線に対してはっきりとノーと言える枠組みを持っていなければ、道路建設に歯どめはかからず、引き続き不要な道路建設が続くでしょう。この点については、石原大臣の見解をお伺いいたします。

 七二年十月から高速料金のプール制が始まりました。政府は、三十年で返済し、その後は無料と説明し、七七年三月二十二日の衆議院地方行政委員会でも、三十年の間には全部償還をして、そのときには無料開放するという原則は堅持すると答弁しています。その三十年後というのは、二〇〇二年十月のこと。その期限を前にして民営化を小泉内閣が言い出したというのは、民営化という煙幕を張って敵前逃亡することにほかならないと思いますが、総理の答弁を求めます。(拍手)

 この民営化法案を骨なしの法案という批判があるが、四十五年という債務返済の期限を切っているから骨がある法案に間違いないと、自民党の幹部はテレビ討論で発言しました。公団でさえ守れなかった約束を民営会社がどうして守れる保証があるのか。期限があるように見えるだけで、やはり骨なし法案ではないのか。総理の答弁を求めます。

 法案には、不要な道路建設をとめ国民負担を最小化とか、民間企業としての自己責任原則の確立などという本来あるべき民営化の理念が全く見られません。四十兆円の償還という制約は緩められ、建設順位の選択肢は広がり、民間企業への政府保証という資金調達法も与えられ、まさに、おんぶにだっこに肩車、国の財政は火の車。結局は、現在の四十兆の債務をさらに拡大させ、国民負担を増大させるだけであって、名ばかりの民営化で国民を欺くものであり、改革の名にも値しないものです。この点について、総理の見解を伺います。(拍手)

 毎週末のように介護のために長距離高速を使って帰る中高年夫婦が年々ふえていることを総理は御存じでしょうか。しかし、住宅ローンの返済を考えれば、お母さんの介護に帰る回数もせいぜい月一回に抑えなければならない。孝ならんとすれば住ならず、住ならんとすれば孝ならず。どのように公的サービスを充実させようと、家族の親族介護にまさる介護はありません。職を求めて地方から大都市へ、そして、その職を守るためには、その都市に住み続けなければなりません。職を求め、職を守るための都市化現象はとまりません。職を守るか、親を守るか、深刻な悩みです。

 長寿化現象と都市化現象の同時進行に政治がいち早く手を打ち、四十三兆円という高い税金を投じてつくった公共財を、高速道路の「高」の字を親孝行の「孝」の字に変えて、長寿社会にふさわしい「孝速道路」としてなぜ使えないのですか。貧乏人は一般道路を使え、金持ちは有料道路をというのではひど過ぎます。総理の所見をお伺いいたします。(拍手)

 そもそも道路は、ローマの時代から、軍隊を運び、国を他国の侵略から守るためのもの。例えば、日本が侵略された場合、自衛隊をどれだけ早く派遣できるのか、その防衛線に自衛隊が到着するまで一時間で行けるのか、六時間かかるのかでは、致命的な差が生じます。

 道路の役割は、国を守る防衛のためだけではありません。基幹道路は、災害時の人命を守るためにも必要です。九五年の阪神大震災のときに山陽側の道路が壊滅したとき、それを救ったのは山陰側の細い国道九号でした。この国道は九州ナンバーや関西ナンバーの車に占領され、地元の車は横断することもできないほどでしたが、こんな状態をまた繰り返していいものでしょうか。

 国を守り、人を守るのが高速道路の何よりも大切な役割とすれば、それにふさわしい建設優先順位と、それにふさわしい財源のあり方も議論すべきではありませんか。この点について、総理に伺います。

 経済の先進国とか民主主義のお手本と言われるアメリカ、イギリス、ドイツでは全国どこでも高速無料となっていることを見れば、道路を使う人から料金を取るという日本のやり方が異常だということがよくわかります。海外では無料だからフリーウエー、日本は料金が高いからハイウエー。(拍手)

 日本の歴史の中でも、江戸幕府は、道路を整備し、寛永十二年に武家諸法度で通行料を禁止いたしました。道路通行の原則無料が確立したわけです。江戸時代には、大小合わせて全国に五十三の関所しかありませんでしたが、すべて無料で通行できました。ただし、山の中では通行料金を取る人がいました。その人たちは山賊と呼ばれていました。もうそろそろ日本の道路族も、山賊とは違うのだということを無料化を宣言してはっきりさせるべきではありませんか。(拍手)

 高速無料化によって、日本列島の中で最も付加価値の高い、いわば最もおいしい国土の背骨の部分が国民のメニューとして開放されることになれば、特に高失業率とミスマッチに悩む若い世代にとっては、最も働きたくなるような場所が高速道路沿線部分であり、業を起こす起業対策、雇用対策として極めて効果的です。若い人の職場をふやし、子供や孫の就職に悩んでいる祖父母や両親の心配を減らすことこそ、見方を変えれば、国が高齢世代に対して実行できる最大の親孝行ではありませんか。

 国を守り、人命を守り、親孝行のための介護の道を守り、若い世代の職を守るために高速道路を活用し、親孝行の「孝」、「孝速道路」に転換する、それこそが日本の親孝行の道ではありませんか。この点について、総理の所見をお伺いします。

 この民営化法案は、収支見通し、債務返済の期限、将来の資本構成に対する考え方もあいまいであり、国民の大切な財産を委託するには抜本的改革と言うにはほど遠く、問題点が多過ぎます。抜本、抜本と強調される割にはバッテンが多過ぎるバッテン改革ではありませんか。(拍手)

 私だけが厳しい評価をしているのではなく、提案をしている総理自身も、抜本的改革と言いながら、バッテンをつけておられます。岩手県遠野市で行われたタウンミーティングで、郵政は百点、道路は一点という厳しい評価をされました。何が足りなくて九十九点の減点をしておられるのか、御説明ください。

 百歩譲って、総理の一点ぐらいという評価を民主党は受け入れるのにやぶさかではありませんが、民営化推進委員会の迷走、分裂、機能停止という事態を見ると、まさに二転三転、合わせて五点ぐらいの評価はあってもいいと思いますが、総理の意見をお伺いいたします。(拍手)

 内閣総理大臣が落第点をつけている法案を国会に提出し、審議させるのは、国会に対する侮辱ではありませんか。過去に法案提出者がこのように落第点をつけた法案の前例があったかどうか、衆議院議長にお伺いしたいところですが、かわって総理に、御答弁ください。

 次に、石原大臣にもお尋ねします。

 二月二十八日の総理発言以後の閣議で、あなたは総理に抗議をしましたか。石原大臣の評価は何点ですか。あなたは合格点をつけますか。総理と大臣で意見が違う、閣内意見の不一致なら、審議はできません。しかし、不一致でなく、大臣もこの法案について総理と同様に落第点という同じ意見であれば、閣内意見の不一致は解消されますが、そのような法案では、これまた審議に入ることはできません。石原大臣の答弁を求めます。

 この民営化法案が矛盾だらけそのままに提案されているのは、道路に対する哲学に欠けているからです。道路を単に経済的側面や採算性からだけとらえていることが、いわば、つくって何ぼという発想しかなく、使って何ぼという発想がない。そこに、有料制というしがらみから脱却できない原因があります。

 日本経済が大きな転機を迎え、新しい国際競争の中で国民の仕事と暮らしを守っていかねばならないときに、これから四十五年間という長きにわたって五十兆円の公共資産を有料制という鎖につなぎ、千二百十三カ所の料金所で囲い込み、日本の活力をそぎ落とそうとするこの民営化・有料法案に、我々は断固として反対するものであります。(拍手)

 我々民主党は、つくった道路はみんなが自由に平等に使って元を取る、自由・民主を道路で描けばこのようになるということを示す高速道路基本法案を自由民主党にかわって今国会に提出することをお約束して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 岩國議員にお答えいたします。

 民営化会社の財務状況の公開、将来の上場についてでございます。

 道路関係四公団においては、従前より、毎事業年度の料金収入、管理費等の経営状況について把握し、可能な限り公表してきております。また、昨年六月には、民間企業並み財務諸表を作成し、公表したところであります。

 現在、公団においては、政府の方針に基づいて民営化に向けた作業を行っており、民営化会社は将来上場を目指すこととしております。

 通行料金を利用し、結局九三四二キロ全線の建設が可能となるのではないかとのお尋ねであります。

 今後の高速道路の建設に当たっては、すべてを借り入れにより建設するという現行の方式を改め、九三四二キロのこれまでの整備計画を前提とすることなく、未供用の約二千キロを対象として、費用対便益分析等による厳格な評価を初めて実施し、その結果を公表いたしました。この結果に基づき、現在の計画のままで整備を行わない抜本的見直し区間を設定しました。

 また、民営化会社が行う新規建設については、一方的命令の枠組みを廃止して、会社の自主性を最大限尊重する仕組みとするとともに、建設資金を市場から自己調達した上で、完成後、その債務を貸付料の支払いを通じて実質的に返済することにより、市場規律や自主的な経営判断が働く仕組みとしているところであります。

 民営化を言い出した理由についてでございますが、現行の公団方式では将来世代の負担に歯どめがかからないとの批判があったことを踏まえ、私は、民間にできることは民間にとの考え方に基づき、特殊法人改革の一環として、今後の高速道路の整備について、債務を確実に返済するとともに、厳格な評価を行った上で、真に必要な道路を早期に、できるだけ少ない国民負担で建設するという基本的な方針のもとに、道路関係四公団の民営化を行うことを指示したものであります。

 法案においては、債務総額に上限を設け、四十五年以内にすべて返済することとするなど、厳格な歯どめを講じており、民営化が敵前逃亡との批判は当たらないと考えております。

 高速道路の無料化による活用のあり方についてでございますが、高速道路は、全国的な自動車交通網の枢要となる社会資本であり、種々御指摘のあった点も含め、生活や産業を支える最も基本的な公共財であります。その整備に当たっては、厳格な評価を行った上で、真に必要な道路については、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとですることが重要であります。

 しかしながら、財政的な制約があり、特に利用者に受益が多い高速道路などについては、建設費を借り入れする一方、利用者の負担により早期整備を行うための特例の措置として、有料道路制度が設けられているところであります。

 今般の改革では、大幅なコスト引き下げで料金の引き下げを行うとともに、四十五年後には無料開放することとしております。

 さらに、整備の必要性はあるものの採算性が乏しい道路については、国と地方の負担により整備を行う新たな新直轄方式を導入することとしており、今後の高速道路は、この有料道路方式と新直轄方式を適切に組み合わせて整備を行うこととするものであります。

 道路公団民営化の評価を一とすれば、郵政民営化が実現すれば百点以上だと発言した私のことについてでございますが、これは、私は、道路民営化の問題が一とすれば、郵政民営化はさらに大きな改革だということを表現したものであります。道路公団民営化を百点満点として一としたわけではございません。道路公団は、特殊公団の一つであります。郵政民営化の改革は、すべての特殊法人、財政投融資、すべての役所、地方にも金融にも及ぶ大改革でありますから、それに比べれば大きな改革であるということを申し上げたまででございます。

 残余の質問については、関係大臣に答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 岩國議員にお答え申し上げます。

 まちづくり法の運用についてのお尋ねが冒頭ございました。

 今回の都市再生特別措置法の改正により創設することとしているまちづくり交付金につきましては、民主党の皆様方の賛成もいただきました。地域の自主性と裁量性を追求した新たな仕組みだと認識しております。このまちづくり交付金を活用して、それぞれの地域の実情を踏まえた、市町村、地域住民、NPO等の主体的な取り組みが行われることを私も期待しているところでございます。

 道路公団の営業収支に関するデータについてのお尋ねがございました。

 道路関係四公団においては、従前より、毎事業年度の料金収入、管理費等の経営状況について把握し、可能な限り公表してきているところでございます。また、料金所に関する基本データについても、先般、個別箇所ごとの管理費や料金収入等をお示ししたところです。さらに、昨年六月には、民間企業並み財務諸表を作成、公表したところでございます。

 現在、四公団においては、政府の方針に基づいて民営化に向けた作業を行っているところであり、引き続き、円滑な移行が図れるよう指導してまいりたいと考えております。

 コスト縮減の具体的事例についてお尋ねがございました。

 今般の改革においては、九千三百四十二キロの整備計画の未供用区間であるおよそ二千キロを、平成十五年度以降、日本道路公団がおよそ二十兆円の残事業費で建設する方式を改めまして、コスト削減計画によるおよそ四兆円のコスト削減、新直轄方式へのおよそ三兆円の切りかえ、昨年末の基本的枠組みにおいて決定した二兆五千億円のさらなるコスト削減により、有料道路事業をおよそ二十兆円から十兆五千億に半減することとしております。

 このうち、およそ四兆円のコスト削減については、既に国幹会議において御承認いただいたところですが、インターチェンジ、ジャンクションのコンパクト化などの規格変更、トンネル掘削に関する施工方法の見直し、六車線のトンネル部の四車線化などにより行うこととしております。

 このうち、工法の見直しや新技術の利用によるコスト削減を図った具体例といたしましては、近畿自動車道名古屋神戸線亀山―大津間、第二東海自動車道長泉―東海間などのトンネル掘削におけるトンネルボーリングマシンの採用、これは新しい機械でございます、日本海沿岸東北自動車道本荘―岩城間あるいは北関東自動車道足利―岩舟間等における橋げた形式の採用、橋梁の新しい形です、などの採用、規格を変更しないコスト削減についても実施しているところでございます。

 さらに、およそ二兆五千億円の追加的な削減については、民営化によって実現可能となるサービスエリア、パーキングエリアの負担区分の見直し、契約方式の見直し、大胆な大規模改築事業の削減、規格・構造の見直し、ジャンクションの事業区分の見直しなどにより達成するものでございます。これについては、現在、その詳細について、民営化後の制度を踏まえつつ検討を進めているところでございます。

 次に、今後の高速道路整備の優先順位についてお尋ねがございました。

 九千三百四十二キロの整備計画のうち、未供用のおよそ二千キロについては、むだな道路はつくらないとの基本方針のもとで、コストを大幅に削減するとともに、費用対効果、採算性、その他の外部効果から構成される評価基準に基づき、その必要性を厳しくかつ客観的に評価したところでございます。

 その上で、必要性があり、料金収入で管理費が補える区間を有料道路方式、必要性はあるんですけれども、有料の場合のBバイCが一未満、あるいは料金収入で管理費が補えない区間を新直轄方式、この二つの手法を適切に組み合わせて着実に整備することとしたところでございます。

 今後の高速道路の整備は、この評価結果に基づき、関連事業の進捗状況も勘案しながら事業を進めることを原則とし、透明性の高い道路建設を促進する方針です。

 その際、現在のBバイC等を既定のものとせず、不断の見直しにより、さらなる効率化、重点化を図ることが当然と考えております。沿線地方公共団体の皆さんとも十分な意見交換を行い、コスト削減のアイデアをいただくことも期待しながら、地方のニーズに即した構造の見直しを促進していく方針でございます。見直した結果によるBバイCの向上等は、優先順位の決定に反映するものと考えているところでございます。

 道路建設に対する歯どめについてお尋ねがございました。

 今般の公団民営化においては、今後の高速道路の整備について、従来の施行命令や基本計画指示といった国からの一方的命令の枠組みは廃止することとし、会社の自主性を最大限尊重する仕組みを導入することとしたものでございます。

 具体的には、未供用の整備区間については、まず、当該区間を所有する会社が、当該区間の建設費、管理費に加え、機構に支払う貸付料、リース料でございます、会社の料金収入等をもとに、会社として採算性の見通しについて十分検討いたします。この結果に基づき、国と会社が協議します。その結果、協議が調わない場合は、国は他の会社と協議ができます。これがいわゆる複数協議制というものでございます。

 会社との協議が調わない場合、国は、会社が申し出る理由について、社会資本整備審議会の意見を聞きます。その結果、正当な理由があると認められる場合には、国土交通大臣は当該区間の整備を会社に行わせることはできません。したがって、会社は実質的な拒否権を有するものと理解しております。

 仮に、これらの手続を経てなおいずれの会社も建設を行わないこととなる区間が生じた場合には、国は、構造・規格の見直し等さらなる効率化に向けた努力を行うとともに、関係地方公共団体の意見も聞きつつ、新直轄方式による整備も含め、今後の整備のあり方について検討することになると考えております。

 さらに、厳格な事業評価に基づき、コストの大幅な削減、抜本的見直し区間の設定、債務の返済期限を民営化後四十五年以内に法定等を行うことにより、むだな道路をつくらないための厳格な歯どめがかかり、債務の責任ある返済を担保する全く新しい仕組みを構築しているわけでございます。

 総理に、二月二十八日以降、タウンミーティングでの総理の発言について真意を聞いたか、そういうお問い合わせがございましたが、その点については聞いておりません。その辺につきましては、ただいま総理から御答弁いただきましたように、道路公団改革は、財投改革全体の流れでいきますと、出口の一つの機関の改革であります。郵政改革はその源にある入り口の最大の改革であるという意味で総理がそのお話をされたということは、私もまさにそのとおりであると認識をしているところでございます。(拍手)

    ―――――――――――――

    〔議長退席、副議長着席〕

副議長(中野寛成君) 松野信夫君。

    〔松野信夫君登壇〕

松野信夫君 民主党の松野信夫でございます。

 私は、ただいま議題となりましたいわゆる道路関係四公団民営化関係法案について、民主党・無所属クラブ、そして全国民を代表して、内閣総理大臣及び国土交通大臣に質問をいたします。(拍手)

 道路公団は改革の象徴、民営化するのが当たり前だ、計画中の道路建設を凍結し、どういう道路が必要かは国民に議論してもらえばいい、これは、小泉総理が二〇〇一年八月、道路公団などの特殊法人改革について発言したものです。そして、特殊法人改革の小泉七原則なるものを示し、税金のむだ遣いは許さない、無責任な経営は許さない、看板のつけかえは許さないなどと、その中身を掲げました。しかし、今回の民営化法案は、これらの原則を完全に踏みにじるものであります。

 総理は、見せかけの民営化でごまかしながら高速道路をつくり続けるという、看板のつけかえと無責任経営体制の温存を行おうとしております。今回の法案がまやかしの民営化にすぎないことは、政府・与党案に対して、道路関係四公団民営化推進委員会の田中一昭委員長代理と松田昌士委員が抗議の辞任をしたことでも明らかであります。

 また、小泉総理は、五十年、六十年かけて償還するようなことだったらもう切りがない、我々は死んでいる、少なくとも三十年以内で、税金も投入しない形で必要な道路が建設されるような方法はないものかということで方針を出したと述べておられます。これは、小泉総理御自身が、二〇〇一年十月四日の予算委員会で述べた方針であります。このときの方針と今回の法案の余りの落差、豹変ぶり、一体これをどのように説明するか、総理の答弁を求めます。(拍手)

 小泉総理は、民営化委員会の意見の八割は聞いたと述べています。しかし、意見の肝心な部分は、国民に負担をかけずに借金返済を優先するという点であります。この肝心な点を無視し、要は、道路族の言うとおり高速道路をつくり続けるという選択を行おうとしております。こういうのを、換骨奪胎、面従腹背と言うのではありませんか。

 政府の説明では、新会社は民間企業であるから、道路をつくるかどうかは自主的に判断できるとしております。しかし、これは完全なまやかしであります。

 今回の法案のスキームは、新会社が借金をしてつくった道路は、その借金とともに保有・債務返済機構に渡ってしまうという仕組みです。自分が借金をしてつくった道路を自分が所有するのであれば、少しでも安い金利で資金を調達しようとか、建設コストを少しでも下げようとかのインセンティブが働きます。しかし、つくった道路が借金とともに保有・債務返済機構に渡ってしまうというのであれば、赤字を何とかしようと努力する者などおりません。新会社はいつまでたっても保有・債務返済機構の事実上の子会社のままであり、いわば巨大な新ファミリー企業の誕生を容認することになります。

 また、新会社の資金調達については政府保証がついております。金融機関は、新会社にではなく、このバックにいる政府保証を目当てに融資いたします。これでは、新会社が正当な投資判断をするということは期待できません。官僚や道路族がつくれと言うなら、高速道路をつくり続けなければならない。結局、新会社の自主性とか、事業の健全性に対するチェック機能というのは完全に封じ込まれた。

 そして、本法案ではついに、新会社が道路を所有することはないとされています。道路という資産を有しない新会社は、どうやって株式上場を図るのでありましょうか。

 またさらに、通行料には利潤を含めない、主たる業務でこのような枠をはめられた企業は、どう見てもまともではありません。国鉄民営化のときでも、このような枠はありませんでした。本法案の新会社は、まさにえたいの知れないゾンビと言わざるを得ないのであります。(拍手)

 小泉総理、あなたはこのような会社の株を買う気がしますか。がんじがらめに縛られた会社、どんなに奇人変人でも、こんな会社の株は買わないんじゃありませんか。

 私は、民営化委員会の意見と本法案の根本的な違いを指摘いたしました。まさに、似て非なるものの典型ではありませんか。これでも総理は、八割を聞いたと言うんでしょうか。聞かなかった二割というのは一体何なのか、総理の明確な答弁を求めます。(拍手)

 民営化委員会は、総理の肝いりで設置され、第百五十四国会で成立しました道路関係四公団民営化推進委員会設置法という根拠法を持つ政府機関であります。総理みずから選任した委員は、かつて七人の侍と呼ばれたこともあり、国土交通省の交通需要に関するずさんな見通しを暴露するなど、大変熱心な議論を展開しました。

 ところが、意見集約の段階で空中分解、今井敬委員長は委員長を辞任、田中委員長代理及び松田委員は委員を辞任、残っている川本裕子委員らも委員会には出席しないと言明しておりますので、実際、現在では定足数を満たしていない。猪瀬直樹委員と大宅映子委員の二人が適当に懇談会を行ってお茶を濁している。委員会としてはもはや機能していない。

 しかし、この委員会は、意見書提出で任務終了ではありません。委員会設置法第四条には、施策の実施状況を監視することと規定されており、監視業務を行わなければならないからであります。また、第六条には、委員長または委員に欠員が生じた場合は総理が任命するとなっていますが、実際、総理は欠員状態を放置したままであります。つまり、民営化委員会は意見を無視され、また、組織維持そのものも無視されているのであります。

 総理は、こうした異常事態に対してのうてんき、何ら指導力を発揮しないまま放置している。余りにも無責任ではありませんか。

 総理は、この委員会を今後どうするつもりなのか。また、特に、かつては小泉構造改革を支えようと頑張っておられた田中委員長代理や松田委員の抗議の辞任をどのように受けとめているのか、答弁を求めます。(拍手)

 これまでの高速道路が、いかに甘い甘い需要予測に立ち、財政を無視してきたか。これは、本四連絡道路や東京湾アクアラインを見れば明らかです。その反省のもとに民営化委員会が設置され、意見書が提出されたはずです。ところが、その反省はどこに行ったのか。かつて道路建設凍結を叫んでいた石原大臣は、本法案のスキームに従って九千三百四十二キロの高速道路をつくり続けるのか、それを容認するのか、明快な答弁を求めます。

 ちなみに、本四公団では、神戸西―鳴門間は六千五十円という高額の通行料金を取っておりながら、三本の橋の収入は九百億円に届かない。それに対し支出の方は、管理費と金利負担だけで千六百億円。本四連絡道路の交通量については、平成三年の計画に比較して、その実績は半分。東京湾アクアラインに至っては、平成九年の計画に比較して、その実績は四割にも満たない。逆に、総事業費は当初予定の二割以上も増加している。割高な通行料金で通行量は減退という悪循環であります。本法案が採用した民営化の上下分離方式は、アクアラインの大失敗で実証済みではありませんか。(拍手)

 国土交通大臣は、かつて行革担当大臣の時代には、採算性の悪い道路について何度もこきおろしておられました。北海道の道路については、車よりもクマの方が多い、これも言っておられました。ところが、いつの間にか、道路族を擁護して道路をつくり続けるという側にくみするようになってしまった。それは一体なぜなのか、明快な答弁を求めます。(拍手)

 本法案は、料金徴収期間が四十五年、その間に借金を全額返済するとしております。しかし、具体的にどれだけの料金収入をベースにしているのか、貸付料が幾らになるか、年度ごとの債務返済計画はどうなっているか、そういう基本的な内容については全く明らかにせず、ただ根拠不明の四十五年がひとり歩きしております。

 この間、私どもは、国民に負担をかけないで借金を返済させることが最重要である、この観点に立って借金返済に向けた具体的数値を求め続けてきましたが、政府はいまだに検討中ということで、明らかにしておりません。つまり、法案はとっくにできているにもかかわらず、具体的な返済計画が明らかにできない。このこと一つとってみても、四十五年で四十兆円以上もの借金を返すということがいかに机上の空論であるかということが明らかであります。(拍手)

 さきに掲げた小泉総理の方針ではありませんが、今この議場におられる同僚議員の方々のうち、四十五年後に健在でおられる方は一体どれくらいいるでしょうか。そのとき、一体だれが責任をとるのか。将来に余計なツケを回さないためにも、まさに今、確実な返済計画を明示しなければならない。

 日本は二〇〇六年をピークに人口が減ります。交通量の減少も予想されます。新会社が民間企業から資金調達となれば、国債よりも高い金利を払わなければならないし、金利上昇もあります。こうした点も踏まえ、具体的に、毎年どれだけの通行量を確保し、どれだけの料金収入があって、どれだけ返済できるのか、また、変動する金利の負担をどう考えるのか、国土交通大臣に明確な数字を挙げての答弁を求めます。(拍手)

 この肝心な数字が出せないというのであれば、我々は、この法案について到底審議に入ることはできません。我々は、徹底して各路線ごとの具体的な数字を特定されるよう求め続けていきます。また、万一、今、肝心な数字が出せないというのであれば、その理由も明らかにされるよう求めるものであります。(拍手)

 とりわけ採算が悪く新会社ではつくれないような高速道路は、今後、いわゆる新直轄方式として、国と地方が年間六兆円に及ぶ道路特定財源の中から税金を投入してつくると言います。しかし、どの路線が本当に必要な道路なのか、冒頭の小泉総理の方針、すなわち、計画中の道路建設を凍結し、どういう道路が必要かは国民に議論してもらえばいいと述べたにもかかわらず、昨年十二月二十五日の国幹会議、いわゆる国土開発幹線自動車道建設会議では、たったの四十五分で決められてしまいました。これまた、当初の小泉総理の方針に反するものではありませんか。

 結局、小泉総理はうそにうそを重ねるも同然の結果となっております。先ごろ、まあ、うそは泥棒の始まりと言いますからねという国務大臣の指摘を耳にいたしました。私は、今、あえて指摘いたします。うそは政権交代の始まりだ。

 終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 松野議員にお答えいたします。

 私の改革の方針と今回の法案とに差があるのではないかとのお尋ねでございます。

 現行公団方式では将来世代の負担に歯どめがかからないとの批判があったことから、私は公団の民営化を検討するに際し、高速国道については国費の投入をやめるとともに、債務の償還期間について、五十年を上限として短縮を目指すことを前提とするよう指示いたしました。

 これに基づき、国費については、特殊法人等整理合理化計画で、日本道路公団に平成十四年度以降投入しないことを決定するとともに、債務の返済については、今般の民営化法案において、民営化後四十五年以内にすべて返済するとしたところであります。

 公団の民営化については、私は当初から、約四十兆円に上る債務を確実に返済するとともに、真に必要な道路について、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設するとの民営化の原点を達成するよう一貫した方針で臨んでおり、私の当初からの改革の方針を貫いたものであります。

 本法案と民営化委員会の意見との関係についてでございます。

 今般の公団民営化においては、民営化委員会の意見を基本的に尊重し、九千三百四十二キロメートルのこれまでの整備計画を前提とすることなく、未供用の区間について費用便益分析等を厳しく実施するとともに、抜本的見直し区間を設定し、これについては、現行の計画のままでは整備を進めないことといたしました。

 また、徹底したコスト縮減等により、約二十兆円の有料道路事業費をほぼ半減するとともに、その債務については、民営化時点の債務総額を上回らないようにし、民営化後四十五年以内にすべて返済いたします。

 さらに、競争原理を導入するため、日本道路公団を三分割し、一方的命令の枠組みを廃止して会社の自主性を最大限尊重する仕組みとするとともに、民営化までに平均一割を超える高速国道料金の引き下げを実施することとし、会社は将来、株式の上場を目指すものとするなど、会社による道路資産の保有と料金に利潤を含めることを除き、民営化委員会の意見を基本的に実現するものとなっております。

 なお、民営化会社については、建設資金を市場から自己調達した上で、完成後、その債務を貸付料の支払いを通じて実質的に返済するなど、市場規律や自主的な経営判断が働く仕組みとしているところであります。

 民営化委員会についてでございますが、今般の画期的と言える民営化案を決定することができたのは、民営化委員会委員の御尽力のおかげであり、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 昨年末に、理解が得られず、二名の委員が辞任されたことは残念でありますが、それぞれのお考えであり、やむを得ないものと受けとめております。残る委員の中には、なお監視活動に意欲を示されている方々もあると承知しており、その実を上げていただくことを期待しております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

国務大臣(石原伸晃君) 今後の高速道路の建設の進め方、なぜ道路をつくり続ける側へなどについてのお尋ねがございました。

 九千三百四十二キロメートルのうち、未供用のおよそ二千キロメートルについては、費用対効果、採算性、その他の外部効果から構成される評価基準に基づく厳格かつ客観的な事業評価を行いました。この事業評価は、民営化委員会の答申にのっとったものでございます。その結果を踏まえ、有料道路方式と新直轄方式の二つの整備手法に分類し、評価基準を満たしたものをつくると決定したわけでございます。

 また、今回、構造・規格を含めた大幅な見直しを行う抜本的見直し区間として、五区間、百四十三キロメートルを設定いたしました。これらの区間については、事業を一時中断し、必要な調査を実施します。計画が抜本的に見直されない限り、現行の計画のままで建設を進めることはございません。

 先ほども申しましたように、民営化委員会の示された客観的な基準に基づいてすべて判断をしたわけでございます。

 今回提出した民営化関係法案においては、債務の返済期限を民営化後四十五年以内とすること、一方的命令の枠組みを廃止するなど、会社の自主性尊重のための仕組みを導入することなどを明確にしております。

 さらに、これとあわせまして、高速国道について厳格な事業評価を行うとともに、コストを大幅に縮減すること、建設資金を市場から調達することで市場規律を導入すること、高速国道の債務総額について上限を設けること、会社が新たに建設する高速道路の債務は、その会社の料金収入から返済することを基本とすることとしており、むだな道路をつくらないための厳格な歯どめが何重にもかかり、債務の責任ある返済を担保する全く新しい仕組みを構築しているところでございます。

 債務の返済計画についてお尋ねがございました。

 機構の債務返済の詳細な内容は、機構、新会社発足後、機構の業務実施計画の中で示される収支予算の詳細で明らかとなります。さらに、業務実施計画は国土交通大臣の認可を経て確定することとなり、現段階において国土交通省として確定的な内容をお示しすることはできませんが、四公団合計の有利子・無利子債務の全体を一つの側に置かせていただいて、そのもう一つの側に、今後の建設投資を平成十五年度以降およそ十三兆円、これは政府が約束をさせていただいている数字でございます。管理費を対十四年度予算に対して三割削減を基本。料金収入を十六年度認可予算の収入を基本として、総理も申されておりますように、高速自動車国道の料金を平均一割下げる。また、将来の金利を四%などの前提条件のもとで償還できるかを試算いたしましたところ、民営化後四十五年間で償還できる見通しでございます。(拍手)

副議長(中野寛成君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(中野寛成君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十四分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

        内閣総理大臣  小泉純一郎君

        総務大臣    麻生 太郎君

        法務大臣    野沢 太三君

        外務大臣    川口 順子君

        厚生労働大臣  坂口  力君

        国土交通大臣  石原 伸晃君

        国務大臣    石破  茂君

        国務大臣    竹中 平蔵君

        国務大臣    福田 康夫君

        国務大臣    茂木 敏充君

 出席副大臣

        国土交通副大臣 林  幹雄君


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