衆議院

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第8号 平成16年11月4日(木曜日)

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平成十六年十一月四日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第六号

  平成十六年十一月四日

    午後一時開議

 第一 民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百五十九回国会、内閣提出)

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本日の会議に付した案件

 議員辞職の件

 日程第一 民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百五十九回国会、内閣提出)

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(仙谷由人君外十六名提出)の趣旨説明及び質疑

 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 議員辞職の件

議長(河野洋平君) 議員都築譲君から辞表が提出されております。これにつきお諮りいたしたいと思います。

 まず、その辞表を朗読させます。

    〔参事朗読〕

    辞職願

                    私儀

 一身上の都合により衆議院議員の職を辞したくご許可願います。

   平成十六年十一月二日

          衆議院議員 都築  譲

  衆議院議長 河野 洋平殿

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 都築譲君の辞職を許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、辞職を許可することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百五十九回国会、内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長塩崎恭久君。

    ―――――――――――――

 民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔塩崎恭久君登壇〕

塩崎恭久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年の社会経済情勢の変化等に伴い、民事関係手続を国民がより利用しやすいものとするとの観点から、その手続の一層の迅速化及び効率化等を図るため、民事訴訟法等の見直しを行おうとするものであります。

 本案は、第百五十九回国会に提出され、本年四月五日本委員会に付託され、六月一日野沢前法務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、継続審査に付されていたものであります。

 今国会では、去る十一月二日提案理由の説明を省略し、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(仙谷由人君外十六名提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び仙谷由人君外十六名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。国務大臣細田博之君。

    〔国務大臣細田博之君登壇〕

国務大臣(細田博之君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨説明に先立ちまして、一言申し上げます。

 本法案を初めとする四法案に条文の形式的な誤りがあったことにつきましては、まことに遺憾であり、深くおわび申し上げます。

 政府としては、法案の条文誤りを防止するため、政府全体のチェック体制の強化などに取り組んできたところでありますが、今般、法案に誤りが生じたことにつきましては、まことに申しわけなく、重ねておわびを申し上げます。

 今後、内閣法制局及び各府省における取り組みを改めて点検するとともに、これまでの取り組みのさらなる徹底を図り、全力を挙げて防止に努めてまいる考えでありますので、よろしく御理解いただきますようお願い申し上げます。

 引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法については、平成十四年の一部改正法に係る衆議院経済産業委員会の附帯決議におきまして、独占禁止法違反行為に対する抑止力強化の観点から、課徴金、刑事罰や公正取引委員会の調査権限のあり方を含めた違反行為に対する措置体系全体について早急に見直すこととされております。

 また、政府は、平成十三年に閣議決定した今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針において、談合・横並び体質からの脱却と市場の活性化を図るため、競争政策の積極的な展開が求められているとしており、かかる観点から、本年三月に閣議決定した規制改革・民間開放推進三か年計画では、独占禁止法の措置体系の抜本的強化策の早急な実現を図ることとしております。

 今回は、これらの閣議決定等を踏まえ、独占禁止法違反行為に対する措置を強化するために、不当な取引制限等に対して課せられる課徴金の算定率を大幅に引き上げることとし、あわせて課徴金減免制度を創設するとともに、審判手続等に係る規定の整備、犯則調査権限の導入等を行うため、ここにこの法律案を提出した次第であります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、課徴金の算定率は、製造業等については現行法の六%から一〇%に引き上げ、小売業と卸売業についても、それぞれ三%、二%に引き上げることとしております。また、企業規模の小さい事業者に対しては、製造業等について現行法の三%から四%に引き上げるなど別に率を設定することとしております。また、課徴金適用対象については、その範囲を明確化し、また、他の事業者の事業活動を支配する私的独占等にも拡大することとしております。

 第二に、みずからの不当な取引制限行為について公正取引委員会に対して報告等を行った事業者に対する措置として、課徴金を減免する制度を創設することとしております。

 第三に、一層の適正手続の保障等を図る観点から、審判手続等に係る規定を整備し、また、犯則調査権限を導入することとしております。

 なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。

 御審議のほどよろしくお願いいたします。(拍手)

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議長(河野洋平君) 提出者海江田万里君。

    〔海江田万里君登壇〕

海江田万里君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。

 経済社会における公正かつ自由な競争の実現に向けて、経済憲法とも言われる独占禁止法の機能を高めていくことの重要性は言うまでもないところであります。これまでも、民主党は、政府・与党に先駆け、公正取引委員会の内閣府移管法案、官製談合防止法案、下請代金支払遅延等防止法改正案など、独禁法に関連する幾多の法案を提出し、多大の成果を実現してまいりました。

 今回の独占禁止法改正の問題が提起された後も、私たちは、独占禁止法を抜本改正し、カルテル、談合などの違反行為を抑止し得る制度を実現すべきであることを強く訴えております。

 しかるに、政府の改正法案の取りまとめは、課徴金の大幅引き上げと措置減免制度の導入を性急に進めようとする公正取引委員会と、制度のゆがみの是正が先決だとして課徴金引き上げ等に反対する経済界との間で議論がかみ合わないまま迷走を続け、政府・与党は、自民党の二〇〇四年中に国会に独禁法改正案を提出するとの公約を形式的に守ることのみを優先させ、理念も哲学もない場当たり的な内容の独禁法改正案を提出するに至りました。

 民主党は、この政府案は多くの矛盾と欠陥に満ちたもので、適正かつ効果的な独禁法の制度実現に逆行するものと考え、急遽、学界、経済界その他多くの有識者から意見を聴取した上、脱談合社会の確立、二十一世紀型経済憲法の制定を視野に入れた独自の対案をまとめることといたしました。

 日本の経済社会において公正な競争を拒んできたのは、官主導の経済構造であり、その典型が官製談合です。今回の独占禁止法の制度改正は、まさにこのような構造の抜本的是正を目標とすべきです。そのために、私たちは、課徴金と刑事罰の併用による制度のゆがみの是正、透明で適正な手続の確立、官製談合に対する抑止力の強化という三つの理念に基づき、法案を策定いたしました。

 以下に、政府案と異なる点に重点を置いて、本法律案の要旨を申し上げます。

 第一に、制度のゆがみの是正に関して、政府案は、課徴金と罰金の関係について罰金の二分の一を課徴金から控除するという理論的根拠を欠く妥協的な調整を行おうとしていますが、本法案では、罰金の全額を課徴金から控除することとし、課徴金に罰金と同様の制裁的性格を明確に認める行政制裁金を導入します。

 政府案でも違反事実の申告による課徴金の減免を導入しようとしていますが、本法律で導入しようとする行政制裁金では、それに加えて、企業の法令遵守体制の整備や調査協力の程度によって最大五〇%までの制裁金の軽減を行い、その一方で、過去十年以内に、一回に限り違反行為をしたことのある事業者は五〇%、二回以上違反行為をしたことのある事業者は一〇〇%を超えた算定率を適用します。これにより、制裁金の額は、企業が違反行為の防止のためどれだけ努力しているかに応じたものとなります。

 第二に、適正で透明な手続の確立のため、審判官の定員を五名から必要に応じて最大で二十名まで増員できるものとし、過半数を法曹有資格者とします。

 さらに、制裁金の減免に関しても、政府案では、課徴金の減免に関して証拠収集や事実認定を行う公正取引委員会の審査当局の不当な裁量が働くことを防止する措置が全く講じられていませんが、本法案では、法曹資格者を中心とする行政制裁金減免調査官が審査当局から独立した立場で制裁金減免について判断を行う制度を新設することとしています。

 第三の、官製談合に対する抑止力の強化のため、違反企業の官製談合構造の解明への協力のインセンティブを高める制度を導入し、民間企業だけが悪者にされ、官側の利権が温存される官尊民卑の構造を正します。

 そのため、発注官庁職員の談合関与行為を申告するなどして官製談合構造の解明に協力した者には、他の軽減に加えて行政制裁金を二割減免します。

 刑事告発のため、犯則事件の調査権限導入、確立した排除措置命令に違反する法人等への罰則強化行政制裁金の適用範囲を、価格カルテル等から、価格、数量、シェア、取引先を制限するカルテル・支配型私的独占、購入カルテルに拡大することなどについては、政府案と同様であります。

 本法案の附則では、法律の施行後二年以内に、行政制裁金に係る制度のあり方、審判手続のあり方等について検討することに加え、法律施行後一年以内に、入札談合等に係る事件の発生に関する状況、入札談合等の実態等を勘案し、国等の職員が入札談合等に関与する行為の排除及び防止のための制度のあり方について検討を加え、所要の措置を講ずることを規定しています。また、不当廉売など不公正な取引を制限するための効果的な措置についても、必要な措置を講じてまいります。

 以上が、本法案の提案理由及びその要旨であります。

 本法律案は、自由で公正な経済社会の実現に向けた法体系・体制の抜本的改正へ道を開くものであり、法案成立に向けた強い決意を持ってこの国会に提出した次第であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(仙谷由人君外十六名提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。鈴木康友君。

    〔鈴木康友君登壇〕

鈴木康友君 民主党の鈴木康友です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出及び政府提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案につきまして、法案提出者、関係大臣に御質問させていただきます。(拍手)

 自由で公正な競争は、新しい知恵と市場を生み、活力ある産業をはぐくみ、経済を成長させる原動力となります。しかしながら、全国各地に蔓延する官製談合に代表されるように、我が国は、先進国に類を見ない規制・談合体質を温存しています。バブル崩壊後の失われた十数年、いまだ低成長の続く中で、自己責任原則に立脚した規律ある市場経済社会を築くことは、日本再生にとって喫緊の課題です。

 競争を促す政策にとって最も大切なことは、官が支配する癒着行政から、民間の活力を引き出す市場政策への転換です。市場監視、行政監視のシステム構築が求められる中、独占禁止法を柱とする競争政策の確立が不可欠であり、政府、民主党ともに、この国会に独占禁止法の改正案を提出しました。しかしながら、政府が今般提出した改正案は、法案作成の過程が不透明であるとの指摘を受け、最終案が固まるまでに迷走を続けてきました。

 独占禁止法は我が国の経済、産業のあり方を大きく左右する経済の基本法であり、そこが経済憲法と言われるゆえんでもあります。四半世紀ぶりの大改正と言われる今回の改正に当たり、それぞれの改正案がいかなる哲学、理念に基づくものなのか、さらに、それによって目指すべき経済社会の姿はどのようなものであるのかをまず明確にしなければなりません。また、改正の前提として、先進国の中で最悪とも言われる談合社会を築いてしまった責任の所在も明らかにすべきです。官房長官、民主党の法案提出者に答弁を求めます。

 次に、今回の改正の柱となっている独禁法の措置体系である違反事業者に対する課徴金についてお伺いします。

 政府はこれまで、課徴金の根拠について、違反事業者による不当な取引による利得、すなわち不当利得を剥奪するためと説明してきました。現行法では、大企業の製造業の場合、その商品、事業の売上高の六%を課徴金の算定率としています。政府の改正案では、この算定率を大企業の製造業で一〇%に引き上げておりますが、景気の低迷が長引く中で企業の利益は全体として減少する傾向にあり、明らかに不当利得の幅を超えています。課徴金の根拠はいつから制裁に変わったのか、あるいは不当利得の剥奪という根拠のまま数字だけを引き上げたのか、それとも根拠不明の改正なのか、官房長官にお伺いします。

 現行の独禁法は、独禁法違反事件の対象法人に対して課徴金と刑事罰が併科されるという、先進国に例を見ない二重処罰の構造を温存しています。

 政府案においては、課徴金と法人刑罰併科の際には、前者から罰金額の二分の一の額の控除を認めることとしていますが、なぜ二分の一を差し引くのか、根拠が不明です。これで課徴金と刑事罰の関係が調整できると考えているのなら、理解に苦しみます。理念なき改正の妥協の産物としか受けとめられません。憲法で禁じている二重処罰を今回の改正で公式に認めたのでしょうか。仮に二重処罰でないとすれば、なぜ三分の一でなく二分の一なのか、官房長官の答弁を求めます。

 民主党案では、性格のあいまいな現行の課徴金を改め、制裁との措置を明確にした上で、事業者の自己申告や法令遵守の度合い、繰り返し違反などに対し、柔軟に制裁金を減らしたりふやしたりする行政制裁金を導入するとしています。企業の捜査協力の度合い、法令遵守に応じた制裁金の減免制度も設けています。すべてにおいて中途半端な政府案と比べ、民主党案は、措置の体系について根本から見直す方向をはっきりと打ち出しています。新たな制度の効果について、民主党の提案者のねらいをお伺いします。

 次に、官製談合の問題についてお尋ねします。

 公正取引委員会と独占禁止法は、公共調達をめぐる談合、とりわけ官公庁が関与する談合の防止、抑止については、これまで全く機能していませんでした。独禁法違反事件の刑事告発権限は公正取引委員会のみに与えられているにもかかわらず、ほとんど告発されていないのが実態です。

 先日、新潟地検が、新潟市の幹部職員と建設会社の社長を刑法の偽計入札妨害罪容疑で逮捕しました。この事件は、公正取引委員会が独禁法違反で調査していたにもかかわらず、刑事告発を見送った案件です。官製談合に対する公正取引委員会の機能不全は明らかです。

 政府の独禁法改正案では、民間企業への制裁だけは強化されていますが、談合にかかわる官の側への厳正な対処が見られません。自民党と官製談合は表裏一体とも言われております。今回の独禁法改正を主導してきた与党自民党の姿勢は、談合社会から抜け出せないその体質を改めて浮き彫りにしています。また、かけ声だけは立派でも、内容のない制度見直しを繰り返す小泉政権の特徴が、ここにも如実にあらわれています。官製談合の防止に向けて抜本的な対策を講じる覚悟がおありになるのか、あるのならば、具体的な時期、その方策について官房長官にお伺いします。(拍手)

 民主党案は、発注官庁職員の行為を申告した者には行政制裁金を追加的に二割減算すること、さらには官製談合防止法等の見直しについても附則に明記されており、政府案より大きく前進した案と受けとめています。捜査当局と公正取引委員会のあり方など、官製談合撤廃に向けた決意と取り組みについて、民主党の提案者にお伺いします。また、予算執行や公共調達制度全体のあり方についてもお答えください。

 さらに、公共調達に限らず、産業政策の観点からも、独禁法を中心とする経済司法の役割は、今後一段と重要になります。そこで、公正取引委員会の体制の見直しなどの基本的な考え方をあわせてお答えください。

 次に、審判手続の見直しについて御質問いたします。

 現行制度では、課徴金の対象となる違反行為に対する措置は、排除措置勧告あるいは命令が出された後、課徴金納付命令が下されるという二段階になっています。さらに、排除措置勧告、課徴金納付命令は独立した別の行政行為とみなされているため、両者の審判手続は別々に行われています。

 法の実効性を高めるためにも、公正な審判手続は不可欠です。しかしながら、今回の政府案では、排除措置命令と課徴金納付命令を同時に行うこととしており、これでは、審判手続を経ることなく、双方に効力を生じさせてしまいます。政府案は、現行の事前審判手続による慎重な行政処分方式を規制側の一方的な行政処分方式へ転換するものであり、改悪と断ぜざるを得ません。

 したがって、政府案は一たん白紙に戻し、再度慎重に検討すべきと考えます。官房長官、民主党提案者のそれぞれの御所見をお伺いします。(拍手)

 透明なルールを確立する上でも、開かれた議論が必要です。次に、改正に臨む政府・与党の姿勢についてお伺いします。

 前回、昭和五十二年の大改正の際には、審議に二年以上の年月をかけ、最終的には五会派の賛成を得て改正案が成立いたしました。独禁法は経済の基本法、経済の憲法との認識に立てば、国会という開かれた場において、慎重かつ真剣な議論が必要です。

 ところが、今回、与党の皆さんが質問に立たないというのは、どういうつもりなのでしょうか。あえて質問に立たないというのは、欠陥法案である政府案に対して、恥ずかしくて質問すらできないのではないかと判断せざるを得ません。今後、論戦の場は経済産業委員会に移りますが、与党議員の皆さんの真剣な取り組みを望みます。(拍手)

 同時に、今回の改正の重要性にかんがみ、委員会においては、所管大臣の官房長官、経済産業大臣を初めとする関係閣僚全員の出席のもとでの審議を求めます。この点について、官房長官、民主党提案者の見解をお伺いします。

 また、今回の改正案では、政府案、民主党案とも二年後に改正を予定しています。今回、意欲ある事業者にチャンスを広げる意味で、不当廉売の問題にも対処すべきでした。こうした積み残しの課題を含めた見直し作業は、今後、どこで、どのような手順を踏むべきなのか、民主党提案者の見解をお伺いします。

 最後に、経済憲法である独占禁止法を真に二十一世紀にふさわしいものとするためには、国権の最高機関である国会の改革、そして何よりも政権交代が必要であることを改めて強調し、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣細田博之君登壇〕

国務大臣(細田博之君) 鈴木議員から、六問、質問をいただきました。

 まず、改正法案について、その哲学、理念及び我が国における談合社会を築いてしまったことに係る責任の所在についてお尋ねがございました。

 これまでも累次の法改正及び厳正な法執行に努めてきたにもかかわらず、カルテル等が引き続き、かつ繰り返し行われていることは、まことに遺憾であります。今回の改正法案は、競争政策を推進し、市場メカニズムをより機能させることが重要であるとの理念のもと、談合、横並び体質を一掃するためには現行の措置体系では十分ではないと考え、これを抜本的に強化するものであります。

 次に、課徴金の考え方についてお尋ねがございました。

 見直し後の課徴金制度は、不当利得相当額以上の金銭を徴収する仕組みとすることで行政上の制裁としての機能をより強めたものではありますが、これまでもその法的性格は、違反行為を防止するために行政庁が違反事業者等に対して金銭的不利益を課すというものであり、この点は今回の見直し後も変わりはなく、課徴金という仕組みを残すことが適当であると考えます。

 次に、課徴金と法人刑罰併科の際の二分の一調整についてのお尋ねでございます。

 本法案における課徴金と刑事罰の併科は、基本的には二重処罰の問題が生ずることはないと考えますが、両者は違反行為を防止するという機能面で共通する部分があるため、併科する場合には、この共通する部分に係る調整として、罰金相当額の二分の一を課徴金額から控除することが政策的に適当であると判断したものでございます。

 次に、いわゆる官製談合についてお尋ねがございました。

 官製談合に関しては、政府としては、官製談合防止法の積極的な運用に努めているところでございます。一方、与党においては、議員立法により制定された同法の見直しについて検討がなされていると承知しており、政府としても、骨太の方針二〇〇四において、発注機関側に談合への関与があった場合の制裁の厳格化を検討するとしたことを踏まえ、同法の積極的な運用に努めつつ、できるだけ早く所要の検討を行ってまいります。

 次に、公正取引委員会における審判手続についてのお尋ねでございます。

 本法案では、排除措置命令と課徴金納付命令を出すに当たっては、事前に事業者に通知して意見申述等の機会を付与し、さらに、当該命令に不服がある場合は各命令について審判を行うこととするものであり、審判手続について一層の適正手続の保障を図ることができると考えております。

 最後に、所管委員会における関係大臣の審議出席についてお尋ねがございました。

 委員会の審議における関係大臣の出席については、所管委員会において、従来の慣例にかんがみ、その必要性等を踏まえて御判断されるものと考えております。

 内閣としては、委員会における御議論を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。(拍手)

    〔原口一博君登壇〕

原口一博君 鈴木議員にお答えします。

 民主党は、経済回復の足を引っ張り、そして我が国の経済を根本から腐らせている談合社会、これに終止符を打ち、古い依存と分配の政治、官僚社会主義、これを排除したい、二十一世紀にふさわしい経済憲法を確立すべく、独禁法改正案を提出いたしました。

 ルールにおける競争が国際競争の本質になっています。私たちは、一刻も早く、確固たる戦略のもと、経済、司法の大改革に踏み出さなければなりません。趣旨説明でも申し上げたように、第一に、明確で公正なルール、そして第二に、透明な手続、審判、そして第三に、官製談合の撤廃、この三つを大きな理念といたしております。

 私たちが目指す経済社会のビジョンでございますが、日本は今、官僚主導の保護主義、画一主義、そして、もたれ合い、癒着の構造が行き詰まり、時代の変化に対応できていません。構造改革というのだったら、ここが一番の構造改革ではないでしょうか。(拍手)旧来の思考と利権構造から抜け出せない旧体制を打ち破り、当面する諸課題を解決することによって、ゆとりと豊かさの中で人々の個性と活力が生きる、新しい経済社会を創造しなければなりません。

 民主党は、だれもが創意工夫と努力で自分が選択する市場に参入でき、それが新しいビジネスを生み出し、経済発展と雇用を生む経済社会の構築を目指して構造改革に取り組みます。そのため、公正な市場のルールの確立を求めていきます。ただただ罰を重くすればいい、そういう問題ではありません。経済的規制は原則撤廃、自由と人間の尊厳を守る、この社会的規制は、私たちはしっかり保障をしていきたいと思っています。

 市場ルールに基づいた自由、自己責任、透明性を原則とする経済への転換を図ります。企業が法令を遵守すること、コンプライアンス、これを支援することを経済政策の柱と位置づけ、独禁法の遵守、株式公開企業の情報開示、社内監査制度の強化、企業役員の責任の明確化などを支援する政策を講じてまいります。

 鈴木議員の御指摘のとおり、先進国でも最悪と言われる、ぬえのような談合社会を築いてしまった責任の所在を明らかにすることも必要です。省庁の縦割り、政官業癒着の構造の弊害を乗り越えて、政治主導で大胆な改革に取り組む必要があります。

 民主党は、これまで既得権益の構造から排除されてきた人々、まじめに働き税金を納めている人々、困難な状況にありながら自立を目指す人々の立場に立ちます。今独禁法の改正に際しましても、主権者、殊に納税者、そして消費者の視点でこの独禁法の改正に取り組んだことを付言いたしておきます。

 続きまして、新たな制度の効果についての御質問でございます。

 従来、課徴金制度は、不当利得の剥奪を論拠としてきたために、個々の事件の重大性、悪質性に対応できない硬直的、固定的な制度でした。他方で、刑事罰との関係があいまいなままで、接ぎ木的に法改正が繰り返され、実体は異質な経済法となっていました。その結果、違反行為に対する抑止力の効果は小さかったと受けとめています。告発指針が発表されて以来、七回の告発です。大きなカルテルや、あるいは談合といったものは見過ごされてきたのではないでしょうか。

 課徴金を行政制裁金に改め、事件の重大性、悪質性の程度に応じて課徴金の額を加減算する仕組みとしております。結果として、最大、当該商品の売上高の二〇%の制裁金が科される内容となっており、悪質な事犯に対する抑制効果も大きいものと考えます。これは、消費者、納税者の要請にこたえるものです。

 他方で、措置減免制度におきましては、政府案に盛り込まれていない調査への実質的な協力、独占禁止法違反を防止するための体制など、企業の法令遵守、コンプライアンスへの取り組みが課徴金の量定において正当に評価される制度を講じることとしています。

 さらには、課徴金と刑事罰との調整方法につきましても、前者から罰金額の二分の一に相当する額を控除するという、あいまいで目的も不明な政府案と違って、行政制裁金から罰金額の全額を控除するという制度を盛り込みました。将来的には、事業者に対する制裁は行政制裁金一本にして、刑事罰は行為者個人のみを対象とする措置体系の見直しに筋道をつけるものであり、諸外国の独占禁止法とも整合性のとれたものであると確信しております。

 新たな制度の効果についてとの御質問でありますが、以上の諸点にかんがみれば、私たちの法案は、重大かつ悪質な独禁法違反を抑制するとともに、他方で、独禁法を遵守する事業者の取り組みを支援するものになる、そういうふうに考えております。結果として、産業競争力の強化、中小企業、ベンチャー企業の新分野への参入を促進し、自由で公正なルールの確立に資するものと考えております。

 よろしく御審議をお願い申し上げます。(拍手)

    〔近藤洋介君登壇〕

近藤洋介君 民主党の近藤洋介です。鈴木康友議員の質問にお答えします。

 公正な競争を実現する法体系と体制を整えることは、自由主義経済を標榜する国家の基本戦略です。この中で、公正取引委員会は市場の番人という重要な役割を担う行政機関です。しかしながら、過去において、そして現在においても、公正取引委員会は本来の機能を発揮できずに来ました。このことは、我が国の産業の再生にとって、そして雇用の拡大にとって、大きな足かせとなっています。

 小泉内閣は発足以来、表看板として掲げている官から民へのスローガンとは裏腹に、実際には不透明な行政介入による産業政策、そして金融の再建劇を繰り返してきました。最近の代表例は、大手流通企業のダイエー再建であります。同社幹部を一時的に拉致したとも伝えられている経済産業省の動きは、行政指導を柱とする旧来型の産業政策への先祖返りであり、その姿はある意味こっけいですらありました。(拍手)このような政権のもとで提出された今回の独占禁止法政府改正案が数多くの矛盾と欠陥を抱えるのは、ある意味で当然のことと受けとめています。

 鈴木議員が指摘をされた審判手続の変更は、政府案に盛り込まれた最も重大な欠陥であります。審判手続を経ることなく課徴金納付命令の効力を生じさせる制度の導入は、適正手続の保障に著しく反するものであり、強く反対いたします。単に、反論や証拠提出の機会を与えただけで行政処分を発してそれに従わせようとする政府案は、時代錯誤的な官尊民卑の発想そのものであり、事業者の権利に対する著しい侵害であります。

 審判の迅速化が必要であるからといって、適正な手続を無視してよいというものでは決してないのであります。民主党といたしましても、現行の審判手続には改善の余地があるとは考えておりますが、現在は、審判官の法曹資格者の登用といった対案で十分に対応できると考えます。

 自由で公正な競争は、民間の創意と工夫を促し、新たな市場と産業をつくります。一方、競争のない閉鎖的な市場にいる企業は衰退いたします。独禁法の適用を除外されて、行政指導のもとで不況カルテルを結び、役所のシナリオに従って設備廃棄や企業再編を行ってきた産業は、ほぼ例外なく国際競争力を失ってきました。

 昭和三十年代に財閥系企業が当時の花形産業として資本力と人材を傾注した石油化学産業が、欧米企業に惨敗をし続けてきた経緯、近年では、バブル崩壊後の我が国の金融界の衰退がその代表例であります。最も成功した社会主義国家とやゆされた我が国の構造を立て直す意味でも、業者行政から真の意味で決別すべきです。独占禁止法を柱とする競争政策は、我々民主党が考える新たな産業政策の根幹であると考えます。

 市場での競争が激しくなればなるほど、その参加者に規律を求める独禁法の改正において、透明な運用、そして執行体制が何よりも重要です。民主党案は、審判官の資質を見直し、さらには、公取委の裁量が不当に行使されることのないよう行政制裁金減免調査官の設置を盛り込みました。さらに、審査部門と調査部門に厳しいファイアウオールを設けることを目標に、具体策を講じております。

 また、複雑化する経済取引、経済犯罪に対応するため、現在は、公正取引委員会、証券取引等監視委員会など、政府部内にばらばらに置かれている市場監視部局の再編成も検討課題と考えます。同時に、公正取引委員会からの審判部門の分離・独立も視野に置き、総合的な経済司法体制の確立が必要と考えます。

 続いて、官製談合の撤廃に向けた民主党案の考え方についてお答えいたします。

 国、地方の政府が一年間に発注する公共調達の規模は、一年間に約六十五兆円とされています。国内総生産の一割を超える巨大な市場です。公共工事に限らず、文房具からコンピューターシステムに至るまで、公共調達をめぐる不公正な取引や談合の疑惑が相次いで指摘されております。政官業の癒着構造の温床であり、この構図が現在の自民党政権を支えております。(拍手)

 発注官庁の職員が入札談合に関与するいわゆる官製談合は、やる気と能力のある企業のチャンスを奪い、国内の市場を大きくゆがめています。同時に、税金を食い物にする、いわば納税者に対する背信行為であります。民主党案は、官製談合の撤廃を今般の改正の目玉と位置づけ、公共調達に関する制度を刷新するための橋頭堡といたします。(拍手)

 官製談合防止法の改正では、入札談合に係る不当な取引制限を唆した官公庁の職員を刑事罰対象とする、いわゆる唆し罪の規定を創設すべきと考えます。その具体化に向け、早急に作業を進めております。

 また、捜査当局と公正取引委員会の連携も重要です。今回の法案には含まれておりませんが、検察、警察当局の公正取引委員会に対する協力義務につきまして、別途条文を取りまとめております。二年後に控えた第二次改正に盛り込む考えです。

 鈴木議員の御指摘のとおり、独占禁止法の制裁の強化だけでは、官製談合は根絶できません。入札契約制度の見直しを柱とする公共調達の抜本改革が必要です。同時に、現在の単年度主義の予算・会計制度の見直しも急務であります。発生主義会計の導入、情報公開制度の充実も含め、会計制度を根本から見直すべきです。さらに、国会と国民が行政を監視、評価するため、国会内に行政監視院を設置すべきです。

 民主党案、政府案とも、二年以内の見直し規定を設けております。しかしながら、政府案は、官製談合の問題に一切触れておりません。政府には、現状を改正しようとする意思も感じられません。道路公団の改革など、小泉内閣が打ち出してきた数々の自称改革路線と同様に、その場を取り繕うアリバイ工作を重ねています。

 民主党による今回の改正案提出は、脱談合社会の実現に向けて着実な一歩を踏み出し、税金の使い方を透明にし、公正で自由な市場を活用することで日本再生の展望を切り開こうとする、不退転の決意に基づくものであります。

 最後に、独占禁止法の改正に当たり、民主党と政府では、その志、手法と姿勢、目指すべき姿が全く異なる点を強調して、答弁といたします。(拍手)

    〔吉田治君登壇〕

吉田治君 鈴木議員の御質問にお答えを申し上げます。

 二点ございます。

 まず一点は、委員会におきまして、関係閣僚の議員の出席を求めるというもの。

 まずは、本日のこの本会議において、与党議員が質問に立たなかったことは極めて遺憾であります。この法案は、経済憲法とも言われる大変重要な法案であり、健全な議会制民主主義の発展のためにも、与野党で論戦を闘わせていくことは当然のことと考えます。(拍手)

 さて、御質問の、今後の経済産業委員会における審議におきまして、所管の官房長官は出席を当然とし、付託される経済産業委員会所管の経済産業大臣も、経済憲法の審議でありますから、当然、常時出席をすべきものであります。また、司法制度、公共工事との関連性にかんがみますれば、法務大臣、国土交通大臣、その他の大臣も極力出席をして、政府としては内閣を挙げて審議に取り組むべきものと考えます。

 特に、鈴木議員の指摘のとおり、昭和五十二年の大改正の際は、審議に二年以上の歳月をかけ、全会一致で法案成立にこぎつけております。経済憲法たる独禁法の大改正となれば、そのくらいの時間をかけ、国会の総意としての成立を図るのは至極当然のことであります。

 そして、全国民的な論議を呼び起こしていくためには、参考人の意見聴取は最低限必要であり、中央レベルはもちろんのこと、地方でも公聴会を開催して、幅広く国民の意見を聞くことが望ましいと考えております。

 さて、二点目の質問でございます。

 二年後の改正を、政府案、また民主党案も予定をしております。しかしながら、この二年後の改正を私ども民主党が入れざるを得なかったのは、最初に法案を政府が二年後の改正として提出したからであります。特に、排除措置命令制度、課徴金納付命令制度、審判並びにこれらの手続について、問題、課題があると言わざるを得ません。まさに欠陥法案という言い方が当てはまると言っても言い過ぎではないと思います。

 さて、不当廉売の問題であります。

 鈴木議員御指摘のとおり、私たちも不当廉売の問題にも厳正に対処していきたいと考えております。不当廉売や差別対価につきましては、過去二十年を見ても、一件の審決も下されていないという状況にあります。民主党の改正案におきましても、行政制裁金の適用範囲を不当廉売にも適用できると考えておりますが、さらなる法改正も視野に入れて、今後の課題として取り組んでまいりたいと考えております。

 具体的には、不当廉売等に関連し、複数回にわたって注意や警告を受けるような累犯的な行為に対しては、行政制裁金を導入することを検討していく所存であります。さらには、行政制裁金の適用範囲を排除型の私的独占にも広げていくことについては、その是非も含めて論議を深めていきたいと考えております。

 一部の大型店、量販店による不当廉売、チラシの不当表示等が中小小売店の経営を圧迫しているという声も聞いております。とすれば、独禁法本体の改正は当然のこととし、不当景品類及び不当表示防止法、すなわち景品表示法のあり方についても検討していく必要があると考えております。不当表示の問題は、消費者が不利な扱いを受けることにもつながることであり、重要な問題として位置づけるべきと考えております。

 質問にもございましたように、政府案、民主党案とも二年後の改正を予定しておりますが、政府案に比較すれば、民主党案の方が見直しの骨格をはっきり打ち出していると自負をしております。繰り返しにもなりますが、私たちの案では、事業者に対する制裁は課徴金に一本化し、刑事罰は行為者個人のみを対象とする措置体系の見直しに道筋をつけていること、政府案では全く触れていない官製談合防止法の見直しにも触れていること、公正な審判制度の確立に資する措置が盛り込まれていること等、将来の改正に向けた明確なビジョンが示されております。

 今回提案した民主党の独禁法改正案の成立に向けて全力を尽くすとともに、第二弾の独禁法の改正並びに官製談合防止法の抜本改正に向けて努力を傾注してまいる所存であります。

 以上の決意をもって答弁とさせていただきます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、独立行政法人日本原子力研究開発機構法案について、趣旨の説明を求めます。文部科学大臣中山成彬君。

    〔国務大臣中山成彬君登壇〕

国務大臣(中山成彬君) 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案について、その趣旨を御説明いたします。

 特殊法人等改革につきましては、平成十三年六月に成立した特殊法人等改革基本法にのっとり、同年十二月に特殊法人等整理合理化計画が策定されたところであります。

 この法律案は、特殊法人等整理合理化計画の実施の一環として、特殊法人である日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構を解散した上で統合し、新たに原子力に関する研究開発を総合的に実施する独立行政法人日本原子力研究開発機構を設立するためのものであります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。

 第一に、本独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。

 第二に、本独立行政法人の役員として、理事長、副理事長、理事及び監事を置くこととし、監事を除く役員数を現在の役員数と比較して大幅に削減することとしております。

 第三に、積立金の処分方法、権利義務の承継、主務大臣等について定めるほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。青木愛君。

    〔青木愛君登壇〕

青木愛君 青木愛でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表しまして、本日提出されました日本原子力研究開発機構法案に関し、原子力開発にかかわる若干の問題点と、日本原子力研究所と核燃料サイクル機構の統合にかかわる幾つかの疑問点について質問いたしたいと思います。(拍手)

 まず、この統合問題について触れる前に、政府の原子力エネルギー政策について、その基本的姿勢を改めてお尋ねいたします。

 原子力開発政策、とりわけ核燃料サイクルについては、いまだ、その安全性や経済性について議論が尽きず、今日に至っても十分な国民的コンセンサスが確立しているとは言えない状況にあります。しかし、現実には、青森・六ケ所村で核燃サイクル施設が、また北海道・幌延町には高レベルの放射性廃棄物の処理に係る施設が整備されるなど、最終処分の見通しも立たないまま、事態が進行しております。

 私は、ここで核燃料サイクル政策については、もっと多様な角度から専門的な吟味が必要ではないかと感じていますし、もっとオープンな形で国民的な議論を呼び起こしていくことも重要ではないかと思っております。(拍手)

 核燃料サイクルの現実は、既に高速増殖炉を前提とした構想が事故で中座し、いま一つのプルサーマル方式への切りかえもその進展のめどが立っているとは言えない状況です。その上、最終処分も含めたコスト面での難題があることも発覚いたしました。当面、無理な再利用を避けて、中間貯蔵の整備に力を入れるべきだとの専門家の声も出ております。

 にもかかわらず、国の原子力委員会は、先ごろ、使用済み核燃料の再処理政策の継続を決定したと報道されています。なぜ、それほどまでして先を急ぐのでしょうか。政府は、このたびの原子力二法人統合問題を処理するに際して、まず、これまでの核燃料サイクルについてどのような自己点検を行い、そして、今後の核燃サイクルのあり方についていかなる検討をされたのでしょうか。

 日本の原子力政策は、内閣総理大臣の諮問機関である原子力委員会の長期計画に示され、核燃料サイクルについても、この中でその推進がうたわれております。また、閣議においても、当面の核燃料サイクルの推進について全閣僚の了解を得ております。つまり、その直接の事業主体が何であろうと、日本の核燃サイクル事業は国策に基づいて推進されているわけです。

 青森・六ケ所村では、核燃サイクル施設の稼働については、地元のみならず、専門家の間でも強い異論や懸念が出ていることは政府も御承知のとおりです。この施設の事業主体は民間の日本原燃株式会社でありますが、政府が青森県との間で核燃サイクル協議会を開き、その着実な推進について合意しておりますとおり、国はその重要な責任主体として機能をしているわけです。

 先ほども申しましたが、国の原子力委員会は、先ごろ、使用済み核燃料の再処理政策の継続を決定し、この六ケ所村の再処理工場の操業を延期すべきだとの声があったにもかかわらず、あえてその推進を改めて表明したと報道されています。間もなく着手する六ケ所村の再処理工場の稼働時期に合わせて、このたびの方針を発表したのではないでしょうか。これからゼロベースの見直しをしなければいけないというときに、事業の推進だけしか考えようとしていない、そうした姿勢が露骨に示されていると感じます。

 原子力政策における政府の役割は、焦らず、冷静に、五十年、百年の単位で物事を推しはかり、将来世代に対しても責任の持てる判断を下すことだと思いますが、一体、政府は、六ケ所村で核燃サイクル施設の稼働が開始されようとしているこの動きについて、どのように評価され、判断されているのでしょうか。ぜひ、明快にお答えをお願いいたします。文部科学及び経済産業両大臣の答弁を求めます。(拍手)

 さて、本件の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の二つの法人統合は、それぞれに、原子力開発という共通する課題を有しているとはいえ、その事業目的や事業内容が全く異なるものであり、原子力開発それ自体の必要性から生じたものとは思えません。今回の処置は、もともと、九八年に成立を見た中央省庁改革基本法及び二〇〇一年の特殊法人等整理合理化計画に基づくものであり、単なる行政改革の遂行にすぎないのではないかと思われます。

 私は、行政改革の必要性そのものを否定するものではありませんが、そもそも、何のための統合なのか、今後の原子力エネルギー政策の目的とどう関連をするのか、このことが明確でなければ、せっかくの行革もその真の成果を果たすことはできないと考えます。(拍手)

 先ほども申しましたが、核燃サイクルの確立は、いわば国家のエネルギー戦略にかかわるものであって、国の責任において取り組むべきものであります。政府は、これまで旧動燃、現在の核燃料サイクル開発機構を通じて実際の事業を推し進めようとしておりますが、果たして、この国家戦略に係る重要施策を推進する仕組みとして、独立行政法人という自律性、経営性の確保が求められる仕組みがいかなる理由で合理的だと判断されているのでしょうか。我が国の核燃料サイクル政策に係る実際の事業をどこがどのように推進するおつもりなのかとあわせて、その理由についても具体的にお答えをお願いいたします。

 ここから先は、文部科学大臣の答弁をお願いいたします。

 私は、今後の日本の原子力政策に係る研究開発の重点の一つは、新たに核燃サイクル施設を増設すること以上に、現在稼働している五十二基の原発から大量に出される放射性廃棄物や廃炉に伴う廃棄物、そして再処理によって生まれる高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する技術開発であると思っております。

 しかも、その研究開発はいまだ十分に進んでいるものとは言えない上、その実際の処理処分には膨大なコストがかかるとも言われています。特に、日本は国土が火山性地帯に覆われ、安定した地層に乏しいと言われております。単に原子力研究ばかりでなく、その処理処分に必要不可欠な地層学的、地質学的研究などを含めた研究開発の充実が求められているのです。

 仮に原子力二法人を統合するにしても、こうした目標を明確にし、かつ、これらの分野に新たな専門家を育成し、国民の将来に対する不安を払拭していくことが何よりも求められているのではないでしょうか。原子力研究にかかわる人材育成に関する基本方針と、新たに創設される日本原子力研究開発機構の位置づけについての政府の答弁を求めます。(拍手)

 ところで、もともと、原子力研究所と核燃サイクル開発機構の設置法では、いずれも文部科学大臣による理事長の任命に際して原子力委員会の同意を要するとしていますが、このたびの日本原子力研究開発機構法案においては、この同意は不要とされ、その意見を聞くだけでよいとなっております。

 また、原子力研究所の業務の実施は、原子力委員会及び原子力安全委員会の議決を経て、文部科学大臣が定める基本計画に従って実施されなければならないとされているにもかかわらず、本法律案では、基本計画に関する規定は設けられておりません。

 さらに、その役割、機能を継承すると思われる中期目標の策定に関しましても、原子力委員会の意見を聞くこととされるにとどまり、原子力安全委員会の関与は全く定められていないのであります。

 これは、内閣府のもとに置かれた原子力委員会及び原子力安全委員会の監視下にあった研究開発、応用技術開発が所管省庁のコントロール下に置かれることを意味し、まさに、国家戦略としてのエネルギー政策の確立とは逆行するものであると言わざるを得ません。一体どのような判断からこうした結論を得たのか、政府の明確なお考えをお尋ねいたします。(拍手)

 さて、原子力政策は、政府が原子力委員会を通じて策定する長期計画に基づいて遂行されることになっています。さまざまな事故の続発や原子力開発にかかるコスト計算の相次ぐ修正などにかんがみるとき、今必要なのは、計画と実施状況に大きなずれが生じたときにどこも責任を持たないという無責任な目標設定ではなく、放射性廃棄物の最終処分までを含め、技術的、社会的にも実行可能性が高く、信頼度の高い技術と管理システムに裏づけられた、しっかりとした長期計画を打ち立てることだと思います。

 その長期計画の見直し作業がおよそ一年後に控えているというときに、行政改革を理由として拙速に新機構の立ち上げを急ぐ理由は一体どこにあるというのでしょうか。本統合については、新たな原子力長期計画に基づき、そこで示された基本方向に沿ってそのあり方を構想すべきであると考えますが、いかがでしょうか。改めて政府の見解をお尋ねいたします。(拍手)

 民主党は、今後の原子力エネルギー政策を推進するに際して最も重要なことは、何よりもまずその安全を確保することだと主張しております。しかるに、本法案は、事業推進のための研究開発を強調するものの、この肝心の「安全」の文字が法律の目的に登場してはこないのであります。

 原子力による被害は、余りにも深刻で悲惨なものです。それは、直接の被害者の健康を損ねるばかりでなく、子々孫々に至るまで、取り返しのつかない被害を及ぼすことにもなるのです。安全に対する配慮は、どれほど尽くしても尽くし切れない、最優先の課題だと考えます。そのために要する研究開発やシステム設計に係る問題をなぜ正面から取り扱おうとはせずに、ひたすら事業の推進を強調するのでありましょうか。私には理解できないのでございます。

 この安全という重要な目標をなおざりに、核燃サイクルの推進を前面に押し立てるこの法案には、致命的な欠陥があると考えますが、いかがでしょうか。政府の御見解をお示しください。(拍手)

 日本は今、新しい世紀を迎えて、どのような国づくりを進めていくのかという大問題とあわせて、地球環境や生態系のあり方を見通した新エネルギー政策を大胆に推し進めていかなければならないときを迎えております。専ら原子力開発にかかわる政府の姿勢をお尋ねしてまいりましたが、政府に今求められているのは、原子力のみならず、水素エネルギーの開発利用、風力や波力などの自然再生エネルギーの活用など、多様な分野に及んでいます。

 政府は、この多角的なエネルギーの開発、とりわけ自然再生エネルギーの開発と利用について、我が国のエネルギーバランスの確保の中でどのように位置づけ、推進しようとしているのか、経済産業及び文部科学大臣にその基本的考えを最後にお尋ねしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣中山成彬君登壇〕

国務大臣(中山成彬君) 青木議員にお答えいたします。

 まず、六ケ所村の核燃料サイクル施設の稼働に対する評価、判断についてのお尋ねであります。

 原子力長期計画やエネルギー基本計画にあるとおり、エネルギー資源に乏しい我が国としては、原子力発電による長期的なエネルギー安定供給の確保等の観点から、核燃料サイクルの確立は重要であると考えております。

 文部科学省としては、民間における核燃料サイクル事業についても、これら原子力委員会等の方針に沿って適切に進められるべきものと考えており、核燃料サイクルの研究開発を担当する立場から、事業の円滑な推進に寄与すべく、今後とも努力をしてまいります。

 核燃料サイクル確立という重要施策を推進する仕組みとして独立行政法人を選択した理由、及び実際の事業をどこがどのように推進するのかについてのお尋ねであります。

 独立行政法人は、公共上の見地から実施が必要な事業を、国が定める業務運営の目標にのっとり、自主性を持って、効率的かつ効果的に実施することを任務とするものであります。したがって、核燃料サイクル確立に向けた研究開発という国の重要施策を実施する枠組みとして適切であります。

 また、新機構が中心となって核燃料サイクルにかかわる研究開発を推進し、その成果を民間事業者に移転し、実用化は民間事業者が主体となって行うものと認識しております。

 次に、放射性廃棄物の処理処分などの原子力研究にかかわる人材育成についてのお尋ねであります。

 原子力の研究開発利用を安全かつ着実に進めていくためには、放射性廃棄物の適切な処理処分等が必要であり、このための優秀な専門家等の確保が必要であると認識しております。新機構法においては、原子力に関する研究者及び技術者の養成及びその資質の向上を業務として明確に位置づけており、人材養成事業を着実に実施させるとともに、新機構による大学等の教育研究に対する協力を推進してまいります。

 次に、理事長の任命及び中期目標の策定について、原子力委員会の意見を聞くと定め、原子力安全委員会の関与を定めなかった理由についてのお尋ねであります。

 新機構については、我が国の原子力の研究開発体制における特別な位置づけと、独立行政法人制度の趣旨である主務大臣への責任の集中及びその範囲の明確化という要請との整合性を確保するため、理事長の任命及び中期目標の策定に当たっては、同意の形式はとらないものの、原子力委員会についてのみ、その方針の計画的遂行を担保する等の観点から意見を聞くものとし、その最終責任が主務大臣に帰属することを法律上明らかにしたものです。

 なお、文部科学省としては、新機構における原子力研究開発利用活動が、これまでと同様、原子力両委員会の方針に沿って安全確保に万全を期しつつ行われることについて、何ら変わりはないと認識しております。

 次に、原子力二法人の統合は新たな原子力長期計画に示される基本方針に沿って構想すべきではないかとのお尋ねでございます。

 現在、原子力委員会において新しい原子力長期計画策定の議論が行われておりますが、核燃料サイクル確立のための研究開発は、原子力発電による長期的なエネルギー安定供給等の観点から重要なものであり、今後とも着実に実施していく必要があると考えております。

 他方、特殊法人等整理合理化計画に従って、効率的かつ総合的な原子力の研究開発機関を設立するため、今国会に本法案を提出したものであります。本法案が成立した場合、新機構の中期目標の策定等に当たっては、原子力委員会の意見を聞いて適切に対処してまいります。

 「安全」の語が法律の目的に登場しておらず、安全という目標をなおざりにして核燃料サイクルの推進を前面に押し立てておりまして問題ではないかとのお尋ねでございます。

 文部科学省といたしましては、安全の確保は原子力の研究、開発及び利用を進めるに際して守るべき何より重要なことと認識しております。このため、新機構の目的に、「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づき、」と規定し、同条にある「安全の確保を旨として、」との基本方針にのっとり新機構が業務を行うべきことと明記したところであります。

 最後の質問でございます、自然再生エネルギーの開発と利用について、我が国のエネルギーバランスの確保の上での位置づけと推進に関する基本的考え方についてのお尋ねであります。

 原子力に関する研究開発同様、いわゆる自然再生エネルギーにつきましても、平成十五年十月に閣議決定されたエネルギー基本計画に基づき関係省庁において推進されており、多様なエネルギーをその特性に応じて開発導入及び利用していくこととされております。

 また、同基本計画は、太陽光発電、バイオマス等の新エネルギーを、当面補完的なエネルギーとして位置づけつつも、地球温暖化対策に資する等の長所に着目し、コスト低減等の技術開発を積極的に行い、長期的にはエネルギー源の一翼を担うことを目指し、施策を推進するとしており、文部科学省といたしましても、このような観点から必要な研究開発を推進してまいります。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 青木議員にお答え申し上げます。

 六ケ所村の核燃料サイクル施設の稼働開始につきましてのお尋ねです。

 昨年十月に閣議決定されたエネルギー基本計画に基づきまして、核燃料サイクルを推進することを国の基本的考え方としており、そのプロセスの一つ一つに着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、本年六月以降、原子力委員会において、これまで十七回、四十時間以上にわたり、すべて公開のもと、各方面の専門家の英知を結集して核燃料サイクル政策について集中的に議論が行われました。これまで、全量再処理、全量直接処分等四つの基本シナリオを、経済性、エネルギーセキュリティー等、十項目の視点から総合的に評価を行っており、前回十一月一日の会議においては、現行の再処理路線をベースとする案を支持する意見が大勢を占めたものと承知しております。

 今後とも、核燃料サイクル政策の意義について、一層国民の御理解が得られるよう、原子力委員会で十分に議論が尽くされることが重要だと認識しております。

 六ケ所村の再処理施設につきましては、核燃料サイクルの中核となる施設であり、当省としては、これら議論の動向等も踏まえつつ、安全の確保を大前提に、御地元を初めとする国民の御理解をいただきまして、操業に向けた取り組みが着実に進められることを期待しております。

 次に、核燃料サイクル政策をどのように考えているかというお尋ねでございます。

 現行の原子力長期計画におきましては、国の基本的役割は、原子力研究開発利用に係る基本方針の明確化、安全規制等の法的ルールの設定とその遵守の徹底、長期的観点からの基礎的、基盤的な研究開発の推進と必要な人材育成などの所要の措置を講じることとされております。同時に、民間事業者に関しては、安全の確保を大前提に、原子力発電、核燃料サイクル等の事業の円滑な推進が図られるよう、積極的な取り組みが期待されるとされております。

 今回設立が予定されております日本原子力研究開発機構は、国の行う原子力関連の研究開発の中核を担うこととされております。こうした公共上の見地から実施が必要な事業について、国の定める業務運営の目標にのっとり、自主性を持って効率的かつ効果的に実施することを任務とする独立行政法人が行うという枠組みは適切であると考えております。

 経済産業省といたしましては、文部科学省を初め関係各省と緊密に連携し、核燃料サイクルの確立に努めてまいります。

 最後に、自然再生エネルギーの開発と利用についてのお尋ねでございます。

 太陽光発電や風力発電、バイオマスなどの新エネルギーを含む先生御指摘の自然再生エネルギーは、エネルギー源の多様化という観点のみならず、エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策に資する貴重なエネルギーであります。このため、政府としては、我が国の重要なエネルギー源の一つと位置づけ、財政上の支援、法律上の措置等、さまざまな措置を通じ、その推進を図ってまいります。

 特に、高コスト等の課題を抱える新エネルギーにつきましては、研究開発への支援や設備導入の補助、法律による電気事業者への利用の義務づけ等各般の措置を講じ、その導入の推進に努力してまいりたいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       法務大臣    南野知惠子君

       文部科学大臣  中山 成彬君

       経済産業大臣  中川 昭一君

       国務大臣    細田 博之君

 出席副大臣

       文部科学副大臣 小島 敏男君

 出席政府特別補佐人

       公正取引委員会委員長 竹島 一彦君


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