衆議院

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第9号 平成17年3月8日(火曜日)

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平成十七年三月八日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成十七年三月八日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 議員請暇の件

 人事官任命につき同意を求めるの件

 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件

 預金保険機構監事任命につき同意を求めるの件

 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件

 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

 社会保険審査会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 議員請暇の件

議長(河野洋平君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。

 島田久君から、三月九日から十八日まで十日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。

     ――――◇―――――

 人事官任命につき同意を求めるの件

 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件

 預金保険機構監事任命につき同意を求めるの件

 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件

 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

 社会保険審査会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 内閣から、

 人事官

 情報公開・個人情報保護審査会委員

 国家公安委員会委員

 預金保険機構監事

 日本銀行政策委員会審議委員

 宇宙開発委員会委員

 中央社会保険医療協議会委員

及び

 社会保険審査会委員長及び同委員に

次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。

 内閣からの申し出中、

 まず、

 人事官に小澤治文君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

 次に、

 情報公開・個人情報保護審査会委員に橋本瑞枝君、上村直子君及び新美育文君を、

 国家公安委員会委員に吉田信行君を、

 預金保険機構監事に高橋瞳君を、

 日本銀行政策委員会審議委員に西村清彦君を、

 宇宙開発委員会委員に森尾稔君を、

 中央社会保険医療協議会委員に遠藤久夫君を、

 社会保険審査会委員長に大槻玄太郎君を、

 同委員に関野杜滋子君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 情報公開・個人情報保護審査会委員に稲葉馨君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

 次に、

 社会保険審査会委員に粥川正敏君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長実川幸夫君。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔実川幸夫君登壇〕

実川幸夫君 ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、定率減税の縮減、所得譲与税の増額、法人事業税の分割基準の見直し、個人住民税に係る人的非課税の範囲の見直し等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る二月十五日本委員会に付託され、三月二日麻生総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑に入り、翌三日及び本日質疑を行い、これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 討論の通告があります。これを許します。小宮山泰子君。

    〔小宮山泰子君登壇〕

小宮山泰子君 民主党の小宮山泰子です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の地方税法等の一部改正案に対し、反対の立場より討論を行います。(拍手)

 反対の第一にして最大の理由は、定率減税の縮減であります。

 定率減税は、導入された際の経緯からいって、いずれは廃止することが妥当なものではあります。しかし、我が国の経済状況を見れば、一部に回復の兆しを見せつつも、依然として厳しい環境にあります。定率減税の二分の一縮減により、所得税と地方税合わせて一兆六千五百億円の国民負担、さらに年金課税強化、年金保険料、雇用保険料の引き上げ等、国民を取り巻くさまざまな負担増を考えれば、このタイミングでの定率減税縮減は景気後退へのリスクが余りにも大きく、反対です。(拍手)

 そもそも、定率減税の縮減は、施行日が来年の一月とされている改正で、三月三十一日までに成立させる必然性がありません。定率減税の縮減がもたらす景気への影響、家計への影響をかんがみれば、与党・政府の言うように、日切れ法案だからという理由だけで短い審議時間で決着しようというのは余りにも横暴で、国民に対し無責任、不誠実です。

 与党は、予算案を一刻も早く成立させることばかりを重視し、予算関連のほかの法案の審議を軽んじる傾向があります。成立を急ぐばかりに我が国の将来を方向づける議論をおろそかにし、あげく進路を誤るようでは、本末転倒と言わざるを得ません。(拍手)

 定率減税の縮減に加えて、六十五歳以上の高齢者向けの非課税措置も廃止されようとしています。この非課税措置廃止により得られる税収は、約百七十億円です。財務省の十五年度決算資料によれば、歳出の不用額が、一般会計で一兆八百七十四億円、政府関係機関で九千二十五億円もあるのです。まずは歳出の徹底的な見直しこそが取り組むべき課題であるはずです。ここに手をつけぬまま、定率減税の縮減や高齢者への非課税措置の廃止等、国民負担にばかり財政再建の逃げ口を見つけようとする政府・与党のやり方は、到底国民の理解を得られません。

 また、今回の法改正で、所得譲与税として一兆千百五十九億円が地方へ移譲されようとしています。その大半を占めるのが、国民健康保険制度の都道府県負担導入に伴う六千八百五十億円の税源移譲です。しかし、都道府県にしてみれば、税源移譲されたところで使途に自由はなく、むしろ医療費の増加に伴う負担増が懸念されています。地方提案の骨抜き、地方への負担転嫁に終始した小泉流の三位一体改革の典型例と言えます。このような地方の裁量拡大につながりにくい補助金案とセットの税源移譲には賛成できません。(拍手)

 私が埼玉県議会の総務委員長をした経験からも感じておりましたが、地方分権、地域主権にふさわしい財政構造にするには、自主財源をふやすことが不可欠であります。地方分権を形だけでなく実質的なものにするために、三位一体や改革というあいまいな言葉を使うのをやめて、民主党が提案しているように、現実に地方財政の自立に直結する改革こそ推し進めるべきです。

 以上申し上げたように、地方の自由度が高まらない補助金改革と裏腹の税源移譲法案、また、分権に名をかりた増税法案である地方税法等の一部改正案には断固反対であると最後に申し上げ、私の討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。外務大臣町村信孝君。

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 近年、旅券の不正取得や偽変造等の旅券犯罪が増加し、組織的な密入国などの組織犯罪にこれらの旅券が使用されているほか、国際テロリストによる不正旅券の使用も懸念され、旅券の不正取得や不正使用等に適正かつ厳格に対処する必要があります。また、国際社会においても、昨年のシーアイランド・サミットで渡航の安全性向上に関する行動計画が合意されるなど、旅券犯罪を防止し渡航の安全性を向上させるために、各国が協調して取り組むよう求められています。

 この法律案は、以上に述べた状況にかんがみ、旅券犯罪や不法な出入国の防止を強化し、渡航の安全を向上させ、海外に渡航する国民の便宜を図るため、旅券法等の一部を改正するものであります。

 次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。

 改正の第一は、電磁的方法による記録を行った旅券の導入であります。

 国際民間航空機関が定める国際規格に準拠した、生体情報を搭載した旅券を導入することとし、旅券の名義人の写真及び身分事項の一部を電磁的方法により記録した旅券を発給することができることとしました。

 改正の第二は、紛失または焼失した旅券の失効制度の導入及び旅券の再発給制度の廃止であります。

 現在は、紛失または焼失した旅券は、当該旅券にかわる旅券が再発行等されない限り失効しないこととなっていますが、紛失等した旅券の悪用防止を強化するため、紛失または焼失の届け出があった旅券は、当該旅券にかわる旅券の再発行等の有無にかかわらず失効させることとしました。これに伴い、紛失等した旅券の効力を継承する旅券を再発行する現行の再発給制度を廃止することといたしました。

 改正の第三は、旅券法の罰則の整備であります。

 増加、深刻化する旅券犯罪に的確に対処し、また、国連国際組織犯罪防止条約を補足する密入国議定書の国内的実施を担保するため、旅券の不正取得、不正行使等の罪に係る刑の引き上げ、偽造旅券等を譲り渡し、譲り受け、所持等した者の処罰、営利目的事犯の加重処罰、これらの罪の未遂の処罰を行うこととしたものであります。

 改正の第四は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の整備であります。

 先ほど申し上げた密入国議定書の国内的実施を担保するため整備する旅券法上の罪を、同議定書の規定に従い、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の犯罪収益等隠匿罪等の前提犯罪に加えることとしたものであります。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。古本伸一郎君。

    〔古本伸一郎君登壇〕

古本伸一郎君 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、古本伸一郎、ただいまより質問申し上げたいと思います。(拍手)

 議題となりました旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、関係大臣に御質問申し上げます。

 我が国では、旅券が誕生いたしましたのは明治十一年。現在、渡航者は年間に一千六百万人を超え、国民の四人に一人が旅券を持つ時代となりました。

 海外とのかけ橋となる旅券は、身分を証明する公文書であり、その偽変造が後を絶ちません。昨年、旅券の紛失、盗難件数は五万件に上り、不正使用による犯罪も懸念されております。相互にビザ免除を受ける国が五十を超える日本の旅券は、信頼の高さから、犯罪に巻き込まれる側面もあります。

 そこで、外務大臣、我が国が発給する旅券の海外での不正使用の現状と対応についてお尋ねいたします。

 こうした状況下、国際民間航空機関、ICAOでは、電磁式認証によるいわゆるIC旅券の導入を決定いたしました。顔写真等生体情報をICチップに記憶させ、本人照合を行うもので、出入国の時間短縮や、旅券の偽造が難しくなることから、犯罪の抑止にもつながると期待されております。

 外務大臣、利便性が向上する一方、旅券に記憶される個人情報の漏えいや持ち出しに関する防止策についてお尋ねいたします。

 また、住基ネット導入の際、同様の懸念がありました。どのように改善が織り込まれたのか、外務大臣にあわせてお尋ねいたします。

 渡航が身近になり、国民が犯罪やテロの危険性と隣り合わせとなっております。また、その犯罪が巧妙化し、国民を守るための法整備も必要となっております。他方、国際シンジケートが旅券の偽造を行っているとも言われており、その芽を摘み取るべく、国際社会が連携を図るべきではないでしょうか。

 外務大臣、日本は平和国家としてのリーダーシップが問われています。本件を上流でせきとめるその御決意を伺いたいと思います。

 IC旅券導入を契機にいたしまして、国際的な犯罪者情報が供用され、入管の水際で防止できるか、そういう体制になるのか、どうでしょうか。法務大臣に効果をお尋ねいたしたいと思います。

 米国では、九・一一のテロ以降、入国管理を強化するため、指紋の採取、顔写真の撮影が行われております。さらに、二〇〇五年秋から発給の旅券は、IC旅券に限りビザを免除すると発表され、開発や手続が間に合わない関係国では、延期を求め交渉中と伺っております。

 外務大臣、米国との交渉状況と、万一延期されない場合、日本人渡航者への影響につきまして対応をお尋ねしたいと思います。

 法務大臣、入国する際、米国を例に、我が国でも入管での指紋採取等を検討しているとの情報がありますが、議論の方向性につきましてお尋ねいたします。

 郵政民営化等、規制の緩和や産業分野の創出の背景に、米国による年次要求があると言われております。本件もまた、そうではないかとの見方もあります。このことを了とし、国益を主張する日本外交とすべきではないでしょうか。IC旅券を例に、心臓部のデータベース、読み取りシステムなど、我が国の技術が世界の標準、いわゆるデファクトスタンダードとして確立できるよう、国家としても動くべきではないでしょうか。

 外務大臣、ICAOが生体認証の方法として虹彩や指紋等を用いることを認める中、顔写真のみ採用した経緯につきましてお尋ねいたします。

 新世代のエネルギー、水素燃料電池の領域では、日米両国が国家戦略として産業を支援してまいりました。熾烈な開発競争は、国家の支援があればこそ、世界に伍する力を涵養できるのではないでしょうか。

 旅券を持つ人は、統計のある欧米等だけを見ましても約二千五百万人、生体認証技術の他分野への展開も考えれば、大きな芽に育つ可能性があります。当該市場について、経済産業大臣の御所見を伺います。

 また、我が国の生体認証技術は、ATMにおける静脈認証等、世界に先んじた技術が育っています。

 経済産業大臣、IC旅券導入に際し、外務省にどのような働きかけをなさったのか、お尋ねをいたします。

 外務大臣、生体認証の技術育成や支援の観点から、経済産業省と連携されたのか、お尋ねいたします。

 今後、国際機関や条約での取り決めにより、特定の技術分野において、世界標準の果実を他の国が得るかもしれません。

 両大臣、いかにして国益を守るのか、御決意をお聞かせ願います。

 外交は、自国にないものを求めた先達が切り開いた交易のルートでもあります。我が国は、資源を諸国に求め、物づくりで培った技術を提供し、世界の繁栄に平和的に貢献をしてまいりました。

 海底資源をめぐる中国との関係、牛肉をめぐる米国との関係、いずれも資源をめぐる課題ではないでしょうか。付加価値をもって世界に提供する、競争力の源泉となる国内の技術水準が研さんされ、商品の魅力が増し、内需を支える、これこそ自立的発展の連鎖であります。

 領土の画定、会談のおぜん立ては外務省、権益を代表するのは経済産業省との現在の役割分担では、中国の一方的な大陸棚主張のごとく、国益を損ねる可能性があるのではないでしょうか。懸念をいたします。

 経済産業大臣、中国による東シナ海の資源開発問題解決に向けた外務省との連携についてお尋ねいたします。

 ホワイトハウス直轄の通商代表部が窓口となり、交渉をまとめる米国の姿を傍らでごらんになっておられる両大臣におかれましては、だれよりもその必要性をお感じになっているのではないでしょうか。ぜひ一本化を図ってみてはどうでしょうか。

 省庁再編から四年、我が国も、技術や資源といった国益をはぐくみ、交渉し、守っていく機能を一元的に備えるべきではないでしょうか。経済産業大臣、外務大臣の御所見を伺います。(拍手)

 現在、二〇一〇年までに外国人旅行者を一千万人に倍増する、ようこそ日本キャンペーンが国交省の主管で推進をされております。三月二十五日より愛・地球博が開催され、九月までの会期中、多くのお客様が来訪されることを願うところであります。ポスト万博もまた大きな課題であります。海外からのお客様に、ようこそ、そう言える日本でありたいと願うばかりであります。

 日本を訪れる外国人の内訳は、ビザが相互に免除となる欧米諸国が約三割にとどまっている一方で、ビザを要し、一部の都市の団体・観光旅行のみ認めている中国等、アジア諸国がその大半を占めている、底支えをしている実態があります。

 訪日の需要とビザの供給が不整合になっているのではないでしょうか。IC旅券は日本国民にのみ適用され、訪れる外国人の多くは旧来の旅券で入国することとなります。

 法務大臣、外国人の入国審査に際し、旅券のIC化の効果としてどのような便益が提供されるのか、お尋ねいたします。

 外務大臣、査証の相互免除のない国々に対し、ようこそ日本キャンペーンの趣旨に照らし、今後の対応方針についてお答え願います。

 経済産業大臣、EPA交渉を初め、外国人労働者への対応が問われています。外国からの投資は脅威ではないと総理は述べておられます。外資と労働力の是非について、大臣の御所見を伺います。

 外国人が日本に不法残留する問題は、水際が肝要であり、適正に入国し、合法に残留される方は快適に過ごされるよう整備をしなければなりません。外国人が日本を訪れ、観光や勉学、そして労働につかれる、同様の目的で日本人も渡航しているわけであります。

 ようこその精神を醸成する一方で、外国人犯罪の現実もあります。

 各般にわたる法整備との整合性について、各省がどのようにすれば両立を図れるものとお考えでしょうか。総括し、外務大臣にお尋ねいたします。

 次に、行政コストについて伺います。

 民間にできることは民間でとの小泉内閣の考え方は、本気で原価と闘う覚悟があるならば、国民の大声援が聞こえてくると思います。原価を下げる努力が報われる行政の仕組みになっているでしょうか。人、物、金を総合的に査定する機能が行政に備わっているでしょうか。原価と闘える体制になっていないことを、まずは解決すべきではないでしょうか。

 外務大臣、旅券業務も、国立印刷局から民間開放の声が強い窓口業務まで、多岐にわたります。民間委託について御見解を伺います。

 国民が安心、安全に暮らすために、例えば入国審査や空港警備は官が守るべき領域であり、採算性を主張される方は少ないでしょう。日本に住む管理費として税金や社会保険料を納めることは多くの国民も理解をしており、幾多の求めにも、結果として受け入れてくれました。

 しかしながら、政府は、国民に新たな負担を求める前に、採算度外視でもやるべきこと、これは官がやります。採算重視すべき分野は民間に任せるとの決意で歳出査定をされているでしょうか。

 仕組みの構築とあわせ、財務大臣にお尋ねいたします。

 IC旅券の導入費二十五億円は、外務省から予算提案があった時点で、行政側ででき上がっております。議院内閣制の我が国において、行政が立法府の与党と一体となり予算提案をするため、議会としての査定機能にも疑問を抱いております。

 旅券の発給手数料について、十年旅券で見ると、値上げ後は一万四千円になると伺っております。実費に加え、一万円相当分が実は効用分、旅券を持つことで得られる効果の分として別途徴収されることになります。

 外務大臣にお尋ねします。

 旅券の最初のページに、「本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」との記載があります。他国にそれを求める前に、一部公館に対する世論の声を真摯に受けとめ、その効用分に見合った行政サービスを提供すべきではないでしょうか。

 財務大臣にお尋ねいたします。

 効用分として年間で約三百七十億円を別途国民から徴収することについて、費用対効果の意識を持って歳入と歳出査定をなさっているでしょうか。査定段階で仕組みとして確立しなければ、原価と闘うことはできません。財務大臣の御所見を伺います。

 以上の費用対効果をかんがみれば、先般の所得税増税は国民世論が許すわけにはまいりません。なぜなら、増税分の使途は、未納や未加入を看過し、放蕩経営を続け破綻した公的年金財源の穴埋めとして充てられるからです。

 所得税収の七割を支えるのは給与所得者であります。もとより、未納や未加入がないこの層を中心に増税することを、これを不公平と言わずして一体何と言うのでしょうか。(拍手)給与所得者は約四千万人おられます。年収五百万円以下の世帯が約七割を占める現状を見れば、家計に、より厳しくのしかかることとなります。

 過日、脱税一千億円の事件が当局にて摘発されました。たった一人の脱税額で実に四百万人近い所得税の増税分の一年分が、初年度が賄える計算となります。

 日本は、いつから、まじめに働き納税をいたした人が報われない世の中になったのでしょうか。財務大臣の答弁を求めます。

 財務大臣、旅券もしかり、行政には財源が要ります。それを税に求めるためには、議論の入り口に所得の捕捉率の問題があるのではないでしょうか。

 納税者背番号制の導入につきまして、総理も初めて言及されました。所得の捕捉率の問題と今後の対応方針について、徴税責任者として国民への決意を、財務大臣、お聞かせ願いたいと思います。

 行政は、小さなことからコストを引き下げる、その気概と実行する勇気について国民は見詰めているのです。私たち審査する立法府は、その決意と行動が求められていると肝に銘じなければなりません。

 民主党は、受益と負担が公平公正に実現される日本を目指してまいります。

 高潔で潔い政治を、国民の皆様のために尽くすことをお誓い申し上げ、私からの質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) 古本議員から十二問の御質問をいただきましたので、順次お答えを申し上げます。

 まず、我が国が発給する旅券の海外における不正使用の現状と対応についてのお尋ねでありますが、我が国在外公館が外国の警察等より連絡を受けた我が国旅券の不正使用件数は、平成十六年には二百九件に上り、五年前の平成十二年と比べ約二四%増加しています。

 このような現状に対し、これまで偽変造対策の強化等を図ってまいりましたが、今回の旅券法改正案において、さらに高度の偽変造対策が施されたIC旅券の導入、罰則の強化、紛失した旅券等の失効制度の導入を図る等、不正使用防止のための取り組みを一層強化してまいる所存であります。

 次に、個人情報漏えい防止策及び改善策についてのお尋ねですが、住基ネット導入時に個人情報保護の重要性が指摘されたことを受け、IC旅券に記録された個人情報が所持人の同意なく第三者により不正に読み出せない技術を採用し、ICチップ内の情報の不正取得の防止等、個人情報保護に万全を尽くしてまいる所存であります。

 次に、旅券の偽変造に対する我が国の対応についてのお尋ねですが、我が国としては、さきに述べた今回の旅券法改正とともに、今後とも国際社会と緊密に連携し、国際的な旅券犯罪防止に向け努力を継続してまいりたいと考えております。

 次に、米国のIC旅券導入期限延期と日本人渡航者への影響についてのお尋ねでございますが、我が国のIC旅券導入が米国の定める導入期限である本年十月二十六日に間に合わないことから、外務省では、日米規制改革イニシアチブ等のあらゆる機会を通じて期限延長の申し入れを行っております。

 仮にIC旅券導入期限が延長されない場合は、本年十月二十六日以後に発行された旅券の所有者は米国入国に際しビザを取得しなければならず、日本人渡航者に少なからず影響が及びます。外務省では、このような事態を回避するため、米国との緊密な協議を含め、引き続き最大限の外交努力を行ってまいります。

 次に、我が国のIC旅券に顔画像のみを採用した経緯についてお尋ねでございますが、国際民間航空機関、ICAOは、旅券に記録する生体情報として顔画像を必須と定めました。

 御指摘のように、追加的に虹彩や指紋を用いることも認められておりますが、ICAOは現在のところ顔画像についてのみ技術仕様を含め国際標準を策定し、虹彩及び指紋については国際標準が定められておりません。したがって、我が国は今回の旅券法改正において、国際民間航空機関が決定した国際標準に基づき国際的に相互に運用可能な顔画像のみを採用したものであります。

 次に、生体認証技術の育成、支援に関する経済産業省との連携についてのお尋ねでございますが、外務省は、経済産業省を含む関係省庁とIC旅券導入に係る連絡会議を開催し、国際民間航空機関における標準化の動向やIC旅券の技術仕様について協議、情報交換を行う等、適切かつ密接に連携をしております。

 次に、技術分野の世界標準についてのお尋ねでございましたが、国際民間航空機関におけるIC旅券の国際標準策定に当たり、外務省は、関係省庁と連携の上、我が国の技術が適切に反映されるよう右策定作業に積極的に参加してまいりました。今後も、IC旅券を初めとする、国際機関や条約での取り決めに基づく技術の導入においては、関係省庁と緊密に連携の上、国際的議論や標準化作業に積極的に参加する所存であります。

 次に、我が国の産業技術や資源といった国益の確保の機能を一元化すべきとのお尋ねでございましたが、我が国の対外経済外交を推進していくに当たり、我が国の産業技術の保護や資源の確保といった国益確保の観点を踏まえることは当然であります。これまでも、知的財産権の保護や海洋権益の確保といった国内の各方面にかかわる問題につきましては、関係省庁と緊密に連携しつつ、我が国全体の国益を踏まえて、政府一体となって取り組んできております。

 今後とも、かかる基本姿勢のもとで、対外経済上の諸問題に取り組んでまいります。

 次に、査証免除を行っていない国・地域に対する今後の対応方針についてのお尋ねでございました。

 外務省としては、これまでも人的交流の促進の観点から、アジア諸国・地域に対して、累次にわたり査証免除を含む査証手続の簡素化を実施してきています。

 具体的には、昨年三月より韓国人修学旅行生、九月より中国人修学旅行生に対し査証免除を実施しているほか、愛知万博実施期間に合わせ、韓国人に対しては本年三月一日から九月三十日まで、台湾の居住者に対しても本年三月十一日から九月二十五日まで査証免除を実施いたします。

 今後の対応方針については、外務省としては、観光を含む人的交流の促進の観点に加え、出入国管理、犯罪対策等の観点をも考慮に入れ、適切に査証行政を実施していきたいと考えております。

 次に、我が国への訪日外国人受け入れと外国人犯罪との関係についてのお尋ねでございましたが、外国人問題は、御指摘のとおり多岐にわたる問題であり、立法面を含め、各省が緊密に連携しつつ対応する必要があると考えております。

 外務省としても、観光を含む人的交流の促進と好ましくない外国人の入国の未然防止という治安上の観点から、バランスのとれた査証事務に努力してまいりましたが、今後とも、法務省、警察庁等関係省庁との緊密な連携をとりつつ、適切な対応を行いたいと考えております。

 特に、昨今、国民の安全、治安という問題に大変国民の関心が深まっているという、そうした国民心理の大きな動きというものも踏まえて、この査証業務をしっかりととり行ってまいりたいと考えております。

 次に、旅券業務の民間委託についてのお尋ねがございました。

 旅券は、その所持人が自国民であることを証明する重要な公文書であり、旅券の不正取得等の旅券犯罪を防止し、国際テロを未然に防ぐ必要もあります。したがって、旅券発給における身分事項の確認等、旅券の発給管理全般に関する業務については政府が責任を持ってこれに当たるべきものと考えていますが、都道府県旅券事務所の窓口業務等に嘱託職員を採用するなど、既に可能な範囲で民間活力を利用する措置をとっているところであります。

 最後に、効用分に見合った国民サービスの提供についてのお尋ねでございます。

 外務省としては、国民との直接の接点である領事業務の向上を外務省改革の重要課題であると位置づけ、海外における国民の利便を図り安全を確保するための施策の強化を図っております。

 このため、昨年十月の海外交流審議会の答申などを踏まえ、国民の視点に立った領事サービスの強化に取り組んできたところですが、今後とも国民からの御意見や御批判を真剣に受けとめながら、引き続き領事サービスの一層の改善に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 古本議員にお答えを申し上げます。

 IC旅券の市場規模でございますけれども、IC旅券導入は、IC旅券市場のみならず、旅券の発行管理、出入国管理、航空会社の搭乗管理など、さまざまな情報システム市場に波及効果があると考えられます。

 また、海外市場や生体認証技術の他分野への展開があることを考えれば、その市場規模は相当程度大きいと考えております。

 まだIC旅券自体の本格的な導入が始まっていないため、波及効果も含めた全体の市場規模の算出は現時点で困難でありますけれども、仮にIC旅券を日米欧など主要国が採用すれば、旅券だけでも二百億円以上の市場となることが見込まれ、その波及効果も含めれば相当のビジネスチャンスがあると期待されております。

 次に、IC旅券の導入に関しての外務省との関係でございますけれども、経済産業省としては、ICカードの相互運用性に関する我が国のすぐれた技術をもって国内外のIC旅券の円滑な導入を推進するため、e―パスポートの導入・活用に関する関係各省連絡会議における検討を通じ、外務省とも連携しつつ、現在、IC旅券の相互運用性に関する実証実験を行っているところであります。

 次に、IC旅券に関する国際標準と国益についてのお尋ねでありますが、IC旅券に搭載される技術仕様については、外務省が参加する国際民間航空機関が策定を進めておりますが、その具体的な技術の検討に当たっては、国際標準化機構、いわゆるISOにおける国際標準を踏まえて行われると承知しております。

 このため、経済産業省といたしましては、我が国が主導する技術が国際標準となるよう、今後とも引き続き、ISOでの標準化活動を積極的に推進してまいります。

 その上で、国際民間航空機関に参加する外務省とも連携し、IC旅券の技術仕様の確立に向け、国益が損なわれることのないよう取り組んでいきたいと考えております。

 次に、中国による東シナ海資源開発問題の解決に向けた外務省との連携状況についてのお尋ねでございますけれども、中国による東シナ海における資源開発問題については、国益に直結する重要な課題と認識しており、政府一体となって対応に万全を期すべく、これまでも経済産業省として、外務省を初めとする関係省庁と緊密に連携しているところでございます。

 例えば、昨年十月に行われた日中協議に先立ち、私は町村外務大臣とともに、協議に出席する資源エネルギー庁長官及び外務省のアジア大洋州局長に対して、境界画定すべきであるのは日中双方の二百海里までの水域の重なり合う部分であるとの日本の立場を主張するとともに、中国が開発を進めている春暁油ガス田等に関して中国側に十分な情報提供を求めるなど、具体的な対処方針を指示してまいりました。協議では、このような指示に基づき、政府一体として適切な対応が行われたものと考えております。

 このように、私自身、町村外務大臣とは、節目節目で直接連携をとりつつ対応してきているところでございますが、担当部局間においても、昨年八月に内閣に設置された大陸棚調査・海洋資源等に関する関係省庁連絡会議の場はもとより、日々緊密に連絡調整を行っているところでございます。

 経済産業省としては、現在、物理探査船がこの海域での調査をやっているところでございますけれども、本件につき今後とも官邸及び外務省を初めとする関係省庁と連携を密にとり、政府一体となって、国連海洋法条約に基づく我が国の主権的権利その他の権利が侵害されないよう万全を期してまいりたいと考えております。

 次に、我が国の産業技術や資源といった国益の確保の機能を一元化すべきであるとのお尋ねでございますけれども、経済産業省は、設置法において、民間経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展、鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ることを任務としております。

 御指摘の、産業技術や資源の確保といった課題は、経済産業省の中核的な任務であり、国益の重要な一翼を担うものとして、責任を持って政策を遂行しているところでございます。これらの政策を遂行するに当たっては、外交政策を初め、関係府省との緊密な連携協力が不可欠であり、内閣のもと、政府一体となって、国益の増進、確保に取り組んでまいる所存でございます。

 最後に、外資と外国人労働者の是非についてのお尋ねでございますが、外国からの投資については、新しい技術や経営ノウハウの導入、雇用の維持確保、消費者利益の増大に資するような対日直接投資の促進を図ることは、我が国経済活性化のかぎとなるものであります。経済産業省としても、このような認識のもと、関係各府省とともに、引き続き、その促進に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、外国人労働者の受け入れにつきましては、平成十一年八月閣議決定による第九次雇用対策基本計画に示されているとおり、専門的、技術的分野の外国人労働者については、我が国の経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、受け入れをより積極的に推進することとしております。

 一方、いわゆる単純労働者の受け入れにつきましては、国内の労働市場にかかわる問題を初めとして、日本の経済社会と国民生活に多大な影響を及ぼすとともに、送り出し国や外国人労働者本人にとっての影響も極めて大きいと予想されることから、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応してまいりたいと存じております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣南野知惠子君登壇〕

国務大臣(南野知惠子君) 古本議員にお答えを申し上げます。

 まず、IC旅券の導入による水際防止体制の整備に関するお尋ねがございました。

 法務省といたしましては、今般の我が国におけるIC旅券の導入及び諸外国におけるIC旅券の導入の動きに合わせ、今後、旅券の偽変造の発見や旅券の所持者と名義人との同一人性の確認を、正確かつ迅速に行い得るシステムを構築してまいります。

 これにより、関係機関と一層緊密な連携を図り、テロや犯罪に関する各種の情報を生かして、一層厳格な出入国管理を実現することができるようになるものと期待しているところであります。

 次に、上陸審査時の生体情報取得制度に関する議論の方向性についてお尋ねがございました。

 外国人渡航者から上陸審査時に指紋などの生体情報を取得することは、正確かつ迅速な本人確認を通じ、テロリストや不法滞在者の水際防止の対策として極めて有効と考えます。

 他方、それを最も効果的なものとするためには、制度や運用、そして技術などの面から、多角的な研究や検討が必要でありますので、これにつき、法務省としてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、とりあえずの方策として、日本人の渡航者から生体情報の登録を自発的にしていただくことにより速やかな空港手続を行う、自動化ゲート構想の実用化などについても今後検討したいと考えており、生体情報認証技術を厳格な水際管理及び問題のない渡航者の円滑かつ迅速な処理の双方に活用することが肝要であると認識しております。

 次に、旅券のIC化に伴い、外国人旅行者にいかなる便益が提供されるのかというお尋ねがございました。

 今後、世界各国においてIC旅券が発行されるようになれば、旅券偽変造の有無のチェックや本人確認に当たってコンピューター技術を活用することが可能となりますので、結果として、より正確、かつ、より迅速な入国審査が実現でき、旅行者御本人にとっても便利なものになると期待しております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 古本議員から、四つお問いかけいただきました。

 第一は、官民の役割分担と予算編成についてのお尋ねであります。

 我が国の財政状況は、平成十七年度末の公債残高が五百三十八兆円程度に達する見込みであるなど、非常に厳しい状況にありますので、簡素で効率的な政府をつくることは、歳出改革の観点から考えても極めて重要な課題だと考えております。

 そこで、例えば、民間と競合する住宅金融公庫の直接融資の廃止など抜本的な見直しを行うとともに、昨年末に決定いたしました「今後の行政改革の方針」に従い、独立行政法人につき三十二法人を二十二法人に再編して、八千三百人余りの役職員を非公務員化することとしております。

 また、官と民とを対等な立場で競争させ、公共サービスの民営化や民間譲渡を加速化させるための手法として、市場化テストといった仕組みの導入等にも取り組んでおります。こうした取り組みを通じて、官から民への構造改革を予算面からも推進してまいります。

 次に、旅券手数料と予算についてのお尋ねですが、国に納付される旅券手数料については、受益者負担の観点から、旅券事務に要する直接の行政経費と、海外において邦人が事故や事件に遭遇した場合に必要となる在外公館による保護、援護措置等に係る経費を勘案して算定しているところであります。

 外務省予算の計上に当たっては、旅券手数料として国民に負担を求めていることも踏まえながら、邦人保護、援護等の諸活動や旅券事務その他の在外公館事務等が的確に行われるよう、必要不可欠な経費を適正に計上しているところでございます。

 それから、脱税事件に関連して、まじめに働き納税した人が報われないという状況は問題ではないかというお尋ねでありました。

 個別にわたる事柄については、答弁することは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、申告納税制度を基礎とする現行税制のもとにおいては、税務行政に対する国民の理解と信頼を得ることが特に必要なことと考えております。

 このため、国税当局としては、従来から、適正、公平な課税を実現するという観点から、課税上問題があると認められた場合には税務調査を行うなどして、適正な課税の実現に努めているものでございます。

 次に、所得の捕捉についてのお尋ねがございました。

 適正かつ公平な課税の実現は、納税者の信頼の確保のため極めて重要であり、国税当局においては、従来から最大限の努力を重ねてきているところであります。今後とも、課税上有効な資料情報の十分な蓄積のもとに質量とも充実した税務調査を実施しますとともに、相談、広報等、各種の施策を実施することにより、納税意識の高揚、記帳の充実等納税環境の整備を図り、課税の充実に努めていくこととしております。

 納税者番号制度については、仮に納税者番号制度が導入された場合でも、自営業者等のすべての取引を把握することは困難であることにも留意しながら、対象となる取引の範囲や番号利用にかかるコスト、それからプライバシーの保護などの問題について国民の理解を得ながら議論を深めていくことが重要であると考えております。

 以上でございます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣   麻生 太郎君

       法務大臣   南野知惠子君

       外務大臣   町村 信孝君

       財務大臣   谷垣 禎一君

       文部科学大臣 中山 成彬君

       厚生労働大臣 尾辻 秀久君

       経済産業大臣 中川 昭一君

       国務大臣   伊藤 達也君

       国務大臣   細田 博之君

       国務大臣   村田 吉隆君

 出席副大臣

       外務副大臣  逢沢 一郎君


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