衆議院

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第16号 平成17年4月1日(金曜日)

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平成十七年四月一日(金曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十号

  平成十七年四月一日

    午後一時開議

 第一 環境省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

 第三 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案(菅義偉君外十三名提出)

 第四 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案(長勢甚遠君外八名提出)

 議院運営委員長の年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議要綱についての発言

 日程第一 環境省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

 日程第三 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案(菅義偉君外十三名提出)

 日程第四 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 長勢甚遠君外八名提出、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。

    ―――――――――――――

 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案(長勢甚遠君外八名提出)

議長(河野洋平君) 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。長勢甚遠君。

    ―――――――――――――

 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔長勢甚遠君登壇〕

長勢甚遠君 自由民主党の長勢甚遠であります。

 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合の四党の提出者を代表いたしまして、ただいま議題となりました決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案

  本格的な少子高齢社会の進展の中で社会保障制度は深刻な状況にあり、年金をはじめとする社会保障制度に対する国民の不安・不信は根強いものがある。この事態をわが国社会の将来を左右する重大なことと受け止め、国民の信頼と安心を確保するための改革を実現することが政治の責任である。

  この改革は一刻の猶予も許されないものである。出生率、経済財政情勢、産業構造、雇用構造など時代の大きな変化に適確に対応すべく、過去の経緯などにとらわれず、議論に必要な論点を国民に提示し、あらゆる観点からの議論を尽くし、社会保障制度改革なかんずく年金制度改革について、その実現のため全力を傾注しなければならない。

  本院は、右の認識・決意にたって、国民の負託にこたえ国会の責任を果たすべく、新たに全会派参加による「両院合同会議」を設けることとする。そこでの議論は、議員間の論議を中心に各党の利害を超えて真摯に行い、すべて国民に公開するものとする。また、集中的・効率的に議論し、まず年金制度改革に関して各党が論点・目指すべき姿・施策について提起して議論を進め、今秋までに改革の方向付けを行い骨格の成案を得ることを目指すこととする。

  政府は、この議論が円滑、効率的に行われるよう協力するとともに、この議論を尊重すべきである。

  本院は、この議論を通じ、年金・社会保障制度改革の実現に最大限の努力を行う決意であることを全国民に表明する。

  右、決議する。

以上であります。

 何とぞ議員各位の御賛同を心よりお願いいたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。

 この際、細田国務大臣から発言を求められております。これを許します。国務大臣細田博之君。

    〔国務大臣細田博之君登壇〕

国務大臣(細田博之君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。

 少子高齢化の進展の中で、国民の信頼と安心を確保するため、年金を初めとする社会保障制度改革に取り組むことは、重要な課題であると認識しております。

 政府といたしましては、両院合同会議における議論が円滑、効率的に行われるよう協力するとともにその議論を尊重すべきであるとされたことを真摯に受けとめ、対処してまいる所存であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 議院運営委員長の年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議要綱についての発言

議長(河野洋平君) この際、議院運営委員長から、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議要綱について発言を求められております。これを許します。議院運営委員長川崎二郎君。

    〔川崎二郎君登壇〕

川崎二郎君 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議設置に関し、御報告申し上げます。

 去る三月二十五日、自由民主党、民主党、公明党、日本共産党、社会民主党五党の幹事長・書記局長会談が行われ、両院の議員が合同して協議する場を設けることについて合意がなされ、去る三月二十八日、本件の取り扱いについて、五党から衆参両院議長に対し、申し入れが行われました。

 議院運営委員会におきましては、議長から諮問を受け、理事会等において、ただいまの決議の趣旨を踏まえ、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議の設置につきまして協議を行い、本日の委員会におきまして、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議要綱を決定した次第であります。

 要綱の要旨を申し上げます。

 両院合同会議の目的は、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議に基づき、国民に開かれた国会の持つ機能を十分に発揮し、全党会派の参加による衆参議員の一体的な議論を保障し、各党会派が責任を持って最も適切かつ効率的な議論を行うものとすることであります。

 合同会議は、両院の各党会派を代表する三十五人の合同会議員によって構成し、各党会派割り当ては、自民十三人、民主十二人、公明六人、共産二人、社民二人とすることであります。

 さらに、合同会議の運営は、会長、会長代理及び幹事の協議によって行い、国会法に基づく委員会運営に準じたものとすること、合同会議は公開するものとすること、合同会議の経過及び結果を両院の議長に報告するものとすること、合同会議は、会期中であると閉会中であるとを問わず活動できるものとすること、その他、合同会議の運営に必要な事項であります。

 この両院合同会議が所期の目的を達成できますよう、議員各位の御協力を心からお願い申し上げます。

 以上、御報告いたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 ただいまの議院運営委員長の報告を了承するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、報告を了承することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 環境省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件

議長(河野洋平君) 日程第一、環境省設置法の一部を改正する法律案、日程第二、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環境委員長小沢鋭仁君。

    ―――――――――――――

 環境省設置法の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小沢鋭仁君登壇〕

小沢鋭仁君 ただいま議題となりました両案件につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、両案件の要旨を申し上げます。

 環境省設置法の一部を改正する法律案は、地域の実情に応じた機動的かつきめ細かな環境行政を展開するため、現行の自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所の二系統の地方組織を統合し、環境省に、地方支分部局として地方環境事務所を設置しようとするものであります。

 次に、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件は、ただいまの環境省設置法の一部を改正する法律案によりまして、環境省に地方環境事務所を設置することについて、国会の承認を求めようとするものであります。

 両案件につきましては、三月十四日本委員会に付託され、翌十五日小池環境大臣から提案理由の説明を聴取した後、去る二十九日一括して審査を行い、質疑を終了し、採決の結果、法律案は全会一致をもって原案のとおり可決し、承認案件は全会一致をもって承認すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第三 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案(菅義偉君外十三名提出)

議長(河野洋平君) 日程第三、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長実川幸夫君。

    ―――――――――――――

 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔実川幸夫君登壇〕

実川幸夫君 ただいま議題となりました携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年、いわゆる振り込め詐欺を初めとする犯罪において、プリペイド式携帯電話等が悪用される場合が多くなっていることにかんがみ、携帯音声通信事業者による契約者の管理体制の整備の促進及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止を図ろうとするものであります。

 本案は、去る三月二十三日本委員会に付託され、同月二十九日提出者菅義偉君から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長橘康太郎君。

    ―――――――――――――

 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔橘康太郎君登壇〕

橘康太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、国土交通大臣の認定を受けた計画に係る都市開発事業を行う民間事業者に対する金融支援措置を創設すること、

 第二に、一定の要件に該当する株式会社等を土地区画整理事業の施行者に追加すること、

 第三に、土地区画整理事業等に関する都市開発資金貸付制度を拡充すること

などであります。

 本案は、去る三月二十九日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、同日北側国土交通大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。翌三十日質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣大野功統君。

    〔国務大臣大野功統君登壇〕

国務大臣(大野功統君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律、安全保障会議設置法及び自衛隊員倫理法の一部改正を内容としております。

 平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に整備するとの観点から、統合運用体制の強化、弾道ミサイル等に対する体制の整備、情報部門の改編、陸上自衛隊の混成団の旅団化を行うとともに自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数等を改め、あわせて、防衛庁の職員に対し適用されている一般職の職員の給与に関する法律別表第六イ教育職俸給表(一)について所要の措置を講ずるものであります。

 以上が、この法律案の提案理由であります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、防衛庁設置法の一部改正の内容でありますが、これは後ほど御説明いたします第十四旅団の新編等に伴い、自衛官の定数を千五百九十八人削減するものであります。これにより、自衛官の定数は二十五万千五百八十二人となります。

 また、統合運用体制の強化のため、統合幕僚監部、統合幕僚長及び統合幕僚副長を新設し、その所掌事務及び職務を定める等所要の改正を行うものであります。

 また、高度な情報能力の保有とその十分な活用のため、情報本部を本庁に置く特別の機関とするとともに、その所掌事務を定めるものであります。

 第二に、自衛隊法の一部改正の内容でありますが、統合幕僚長の職務を定める等の所要の改正を行うものであります。

 また、即応予備自衛官の員数を六百二十六人削減し、これにより、即応予備自衛官の員数は八千三百七十八人となります。

 また、我が国に飛来する弾道ミサイル等につき、その落下による我が国領域における人命または財産に対する被害を防止するため、自衛隊の部隊に対し、当該ミサイル等を破壊する措置をとるべき旨を命ずることができるよう所要の改正を行うものであります。

 また、新たな脅威や多様な事態に対応するため、第十四旅団を新編するものであります。

 また、市町の廃置分合に伴い、第四航空団司令部の所在地を改めるものであります。

 第三に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正の内容でありますが、防衛大学校の教授等に対し適用されている教育職俸給表(一)に係る経過措置の規定を廃止するとともに、所要の切りかえ措置等について規定すること等であります。

 その他、関係法律の規定の整備を行うものであります。

 以上が、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

 ありがとうございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中山泰秀君。

    〔中山泰秀君登壇〕

中山泰秀君 自由民主党の中山泰秀です。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 まず、弾道ミサイルに対する防衛について伺います。

 日本で、世界で初めてサリンを使用したオウム真理教によるテロ事件が起きてから、十年が過ぎました。生物化学兵器、特に核兵器等の大量破壊兵器の拡散が、国家のみならずテロ集団にまで及ぶ懸念が国際社会の大問題であり、その運搬手段の高度化、一般化は、弾道ミサイル保有国が四十六カ国を数えるまでに及ぶと言われております。特に、世界初の核被爆国として、地球上の人々の頭上にその災禍が再び及ぶことのないようにと、平和のとうとさを声高に叫ぶ使命を感じるのが私ども日本人であります。

 しかし、私たち日本人と世界の現実とは乖離を始め、特に我が国周辺の安全保障環境を見た場合、北朝鮮はノドン、テポドンを保有し、イランにはシャハブ3、パキスタンにはガウリミサイルを提供するなど、我が国全域を射程とする実力を持つに至っております。中国は百四十個もの核弾頭を保有し、原子力潜水艦を六隻も持ち、その一隻が先般我が国領海を侵犯した事実は、つい最近の出来事であります。

 特に北朝鮮は、一九九八年十二月二日、朝鮮人民軍総参謀部スポークスマン声明を発し、米国の対北朝鮮戦略五〇二七作戦計画を入手したとして、声明文中に、弾よけとして前に立つ南朝鮮と、後方で基地を提供し、アメリカの使い走りをする日本を初め、有象無象が我々の打撃目標になることを知るべきであると公言をしております。

 最速ミサイルは、音速の二十五倍にも達し、私の声が皆様の耳に達する速度の二十五倍で飛来し、命中度を上げるために調整をされても、八分から十分で我が国に到達し、日本は火の海になってしまうと聞き及びます。四分以内に感知し、四分以内に防御するということは、米国におけるTMD計画による実験を見れば、幾度か失敗するといった必ずしも完璧とは言えない状況で、例えれば、発射されたピストルの弾を別のピストルの弾で撃ち落とすほどの不確定な信頼性工学上の問題があるように思えます。

 このような中、我が国は、一昨年十二月、弾道ミサイル防衛システムの導入を決意し、今回の法改正による弾道ミサイル等に対する破壊措置について、その趣旨、目的及び法制度がいかなる効果を発揮するものとなるのか、その間のシビリアンコントロールは、高度の情報と最高の軍事的判断を瞬時に決断を要する能力の点において確保されるのか、防衛庁長官の御所見をお伺いいたします。

 我が国に対する弾道ミサイル攻撃に対し、防衛出動は、自衛隊法七十六条によるものと考えます。これは相手国との間で戦争状態になることを意味すると考えられますが、今回の法改正では、防衛出動の枠組みを広げるのではなく、警察権の行使として、新たな形態を考えたものと聞きますが、対外的な軍事的事象に警察権の行使をする今回の法制と、防衛出動の関係について、防衛庁長官の御説明をお願い申し上げます。

 日本の防衛思想を複雑にしている憲法上の制約が呪縛として脳裏に浮かぶにつけ、世間では常識となっている、米国から与えられたとする日本国憲法に関する秘密は、米国においては永久秘密扱いとされ、通常、米国の情報公開法、情報自由法、年限の経過後公開される原則から除外されているのであります。

 唯一、一九五三年の十一月十五日、アイゼンハワー大統領特使として来日したニクソン副大統領は、日米協会の東京会館で行われた歓迎昼食会における講演の中で、アメリカが日本の新憲法に非武装化、すなわち憲法九条二項を盛り込んだことは、今となっては誤りであったと率直に表明したことがあります。

 環境庁は省になっても、防衛庁はなぜ省にならないのか。思うに、米国の日本占領政策十一項目中、三R・三S・五Dの中の、Dの頭文字で始まる五政策中、ディスアーマメント、武装解除、ディミリタライゼーション、軍国主義排除の二項目の過去の影をいまだに引きずっているのではないかと、理解に苦しむところであります。

 フランス憲法八十九条四項には、領土の一体性が侵害されているときは、いかなる法改正手続も着手され、あるいは継続されないと明記をしています。これは、領土が占領下にあるときの法改正を禁じたものであり、一体性が侵害されているときは、国会も国民も自由に意思を表明することができないからであります。これは、一九一〇年のハーグ条約、陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約を憲法に導入したものであり、占領下の日本国憲法制定はこの条約に明らかに反したものと言えるのではないでしょうか。

 武力の「武」とは「戈を止める」と漢字に書かれ、まさに日本精神を象徴していると思います。中国は、日本の国連常任理事国入りを阻止するため、インターネット上で反対署名を千三百万人現在集めたと報道に流れ、また、先般の全国人民代表者会議で反国家分裂法を成立させています。北東アジア情勢には、憂慮すべき題材が蓄積される一方であります。

 次に、自衛隊の統合運用の強化について伺います。

 陸海空自衛隊の行動に、よりスピードある対応を求められた場合、現在の、原則はばらばら、必要があれば集まって調整ばかりというやり方では、いざというときにこたえられない可能性があります。今回の法制において、その統合運用を強化することとされていることは、我が国の現状を踏まえれば当然の帰結であると考えますが、今般の統合運用強化の具体的内容について、防衛庁長官にお伺い申し上げます。

 最後に、情報本部の改編についてお伺いします。

 先ほど来申し上げているような、我が国を取り巻く環境を考えれば、統帥権者としての内閣総理大臣、防衛庁長官等の政策判断を適切に支え得るよう、同時に情報本部を改編するべきと考えますが、本法律案における情報本部の改編の趣旨を防衛庁長官に確認させていただき、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣大野功統君登壇〕

国務大臣(大野功統君) 中山議員にお答えいたします。

 まず、弾道ミサイル防衛に関する今回の法改正の趣旨、目的及び法制度による効果についてのお尋ねであります。

 今般の弾道ミサイル等の破壊措置は、防衛出動が下令されていない状況のもと、我が国に弾道ミサイル等が飛来した場合に、まず迅速かつ適切な対処を行う、同時にシビリアンコントロールを確保する、このことを考慮し、必要な規定を定めたものであります。

 弾道ミサイル等が現に飛来する場合、破壊する以外には被害を防ぐ方法はありません。今般の措置は、国民の生命財産に対する被害を防止するため、我が国として必要かつ当然のものであります。

 一昨年十二月のBMDシステム導入の決定に加え、今回、法制度を整備することは、弾道ミサイル等に対して実効性のある態勢を構築することとなり、我が国の対処能力の向上につながるものと考えております。

 次に、今回の法制におけるシビリアンコントロールの確保についてであります。

 弾道ミサイル等への対処につきましては、措置の重要性及び政府全体としての対応の必要性にかんがみ、内閣の関与と防衛庁長官の個別の命令を要件とし、さらに、事後の国会報告についても明記いたしました。内閣及び防衛庁長官がその責任を十分果たし得るものといたしております。

 次に、今回の法制と防衛出動との関係についてであります。

 弾道ミサイル対処につきましては、武力攻撃事態が認定されている場合は、防衛出動で対処し、武力攻撃事態が認定されていない場合には、今回の法制に基づき対応する考えであります。

 なお、今回の法制に基づく措置は、自衛権の行使ではなく、自衛隊法上の任務として公共の秩序の維持に該当し、あえて整理すれば、警察権の行使に相当するものと言ってよいかと考えられます。

 次に、今般の統合運用強化の具体的内容についてであります。

 現状においては、御指摘のとおり、陸海空自衛隊が個別に行動することが基本であります。しかしながら、陸海空自衛隊の部隊が一体となって活動するニーズが増大しており、また、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し得る防衛力を効率的に構築することが必要となってきております。

 こうしたことから、新設する統合幕僚長が、陸海空自衛隊を含め、統一的、一元的に部隊運用に関する軍事専門的見地からの長官補佐を実施する体制へ移行することといたしております。

 最後に、情報本部の改編の趣旨についてお尋ねがございました。

 新たな脅威や多様な事態への対応等においては、高度な情報能力の保有とその十分な活用が不可欠であります。

 このため、本法律案においては、現在は統合幕僚会議のもとにある情報本部を長官直轄とし、また、広範に情報の収集、分析が行われるよう所掌事務を定めることといたしております。

 これにより、庁全体の視点から、より広範な情報を収集し、庁内各機関のニーズに応じた総合的な分析を行い、防衛庁長官等に、より迅速かつ的確に報告し得る、防衛庁の中央情報機関としての地位、役割を明確化できるものと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 本多平直君。

    〔本多平直君登壇〕

本多平直君 民主党の本多平直です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)

 私たち民主党は、自民党との間で、イラクへの自衛隊派遣など、対米協力のあり方、程度など、個別の政策では意見が異なることは当然ありますが、専守防衛のための防衛力をしっかりと整備する、日米安全保障体制を維持する、憲法の範囲内でしっかりと国際協力も行うなど、共通の土俵で安全保障を議論できる唯一の政権準備政党です。であるからこそ、今回のミサイル防衛のように我々がいつ運営に携わるかもしれない重要なシステム、法案については、具体的に厳しくチェックし、議論する必要があると考えます。(拍手)

 こうした議論の中で、建設的な提案を行い、日本の安全保障をより確かなものにするために、以下質問いたします。

 初めに、法案の提出方法について質問いたします。

 今回、政府は、ミサイル防衛の手続という、文民統制、シビリアンコントロールのあり方など、極めて重要な論点を含むこの防衛庁設置法の改正案を、陸海空三自衛隊の統合運用、自衛官の定数変更、職員の給与法などと一体として提出してきました。慎重な審議のためにも、少なくともミサイル防衛関連の部分は別の法案として提出すべきだったと考えますが、このような提出方法をとった理由をお答えください。(拍手)

 次に、この法案の前提であるミサイル防衛そのものについて、十一点質問いたします。

 民主党は、さきの総選挙、参議院選挙の政権公約、マニフェストで「弾道ミサイル防衛については、その必要性を踏まえ、費用対効果など総合的観点から検討を進めます。」と述べ、専守防衛の観点から、その必要性については十分認識しています。しかしながら、現在、小泉内閣が進めるミサイル防衛については、自民党の宮沢元総理大臣までもが、昨年末の新聞のインタビューで、海のものとも山のものともわからないと述べられるなど、その実効性、またコストの観点からも、多くの重大な疑念が指摘されています。

 まず、実効性の観点から、日本の全国土をきちんと守れるのかという問題があります。四隻のイージス艦から発射され大気圏外でミサイルを撃ち落とすSM3について、イージス艦には長期の整備期間も必要ですけれども、常に日本全土をカバーできるのか、明確にお答えください。

 また、SM3で撃ち漏らしたミサイルを地上近くで迎撃するPAC3は、三つの部隊のみに配備され、発射を事前に探知し、適切な間隔で発射装置を設置して、ようやく首都圏とあと二つの地域の半径数十キロメートルの範囲を守れるのみです。首都圏以外の二地域はどこですか。中京圏、北九州圏とも想定されますが、明確にお答えください。

 この三地域のみを防衛する理由と、こうした地域の限定について国民の理解を得られるとお考えでしょうか。お答えください。この範囲に入らない選挙区の議員の皆さんも、有権者の皆さんにきちんと説明ができるのかどうか、ぜひお考えいただきたいと思います。(拍手)

 さらに、高速で飛んでくるミサイルに本当にきちんと当たるのかという疑念、どれくらいの迎撃率があるのかという疑問もつきまとったままです。

 先日の本会議で、我が党の前原議員の質問に対して、小泉総理大臣は、どのような兵器システムでも百発百中を保証することは難しいと思っておりますと答弁されました。小泉総理お得意の論点ずらし、開き直りのふざけた答弁だと思います。だれも百発百中なのかを聞いたわけでも、百発百中でなければ導入するなと言っているわけでもありません。兵器の性能には秘密もあって当然ですが、一兆円の国税を導入するシステムです。

 私も読ませていただきましたが、石破前防衛庁長官は、最近の著書「国防」の中で、迎撃率を六、七割以上と書かれています。迎撃率の想定について、この程度の御説明は当然いただけると思いますが、SM3、PAC3、それぞれどれくらいの迎撃率を想定されているのか、明確に数字でお答えください。(拍手)

 その他にも、迎撃を妨害するおとりの物体や同時に多数のミサイルを発射された際の対応など、数多くの問題が指摘されています。これらへの対処はどうなっていますか。

 また、ミサイル防衛は、迎撃をすり抜ける技術の競争となり、軍拡競争を誘発しかねないとの指摘があります。いかがお考えでしょうか。ミサイル防衛システムそのものの輸入や発射情報の提供など、ますます対米依存が深まるとの懸念については、どうお考えでしょうか。

 次に、費用についてです。

 政府は、十年間で八千億円から一兆円と見込んでいます。私は、これにとどまらないのではないかと懸念しています。防衛庁は、過去、戦闘機などの開発において、当初の見積もりを大幅に上回る失敗を繰り返してきました。こうした失敗の責任はだれがとったのですか。また、今回こうした失敗を繰り返さない保証はありますか。

 また、小泉内閣は、既にアメリカと共同で次世代のミサイル防衛システム研究を進めています。このミサイルの部品を米国に輸出するために、武器禁輸三原則の緩和までして開発を推進しています。我が国が共同開発したさらに高性能のこの次世代システムを、我が国が導入しないことは余り想定できません。この次世代システムも導入すると、一兆円に上積みされて、さらにどれぐらいの費用がかかることが想定されるのか、明確にお答えください。

 財務大臣にもお聞きします。

 ミサイル防衛のような極めて高額なシステムの導入を、限られた財政の中でどうとらえているのか。さらに、今述べたような、経費が当初の予定から大幅に膨らんださまざまな過去の経緯も踏まえ、財政再建に取り組むべき立場からお答えください。

 第三に、本法案の中核であるミサイル防衛の意思決定方法について、七点質問します。

 現行のミサイル防衛が開発途上の技術であり、多くの問題点があるにしても、実際の配備に当たり、約十分で飛来するミサイル迎撃の決定について、閣議決定などでは間に合わず、何らかの意思決定の法律が必要なことは理解できます。しかしながら、その手続を定めたこの法案には、幾つかの重大な問題があると考えます。

 この法案では、ミサイル迎撃の意思決定には二つの方法があり、第一の方法は、飛来のおそれがある場合、つまり予測可能な場合は、あくまで総理の承認、閣議決定を得ることとなっています。

 第二の方法は、総理承認、閣議決定のいとまがなくミサイルが飛来する緊急の場合のために、防衛庁長官が事前に命令を出すことができることとしています。シビリアンコントロールと実効性を両立させようとしたのでしょうが、この二つの関係が不明確で、逆にアブハチ取らずになりかねないものとなっています。

 例えば、第一の方法は、シビリアンコントロールの観点からは望ましいのですが、飛来のおそれが予測できた場合、総理承認の段階を踏もうとすることで、その分対応がおくれたり、相手国を逆に刺激したりすることはあり得ませんか。お答えください。

 また、第二の方法、すなわち緊急時のための防衛庁長官の事前命令、これは期限つきとされています。期限があることは、シビリアンコントロールの観点からは理解できますけれども、期限切れ直後にミサイルを発射されるなどの危険はありませんか。逆に、この期限が必要以上に長く設定された場合、常に総理承認が不要となるようなことになり、丁寧な第一の方法が有名無実化しないでしょうか。お答えください。

 また、第二の方法の防衛庁長官の事前命令手続は緊急対処要領に従うこととされていますが、その内容は現時点では全く明らかにされていません。その基本を明らかにし、一部の内容を法律に書き込むと何か不都合が生じますか。お答えください。

 今回の手続は、極めて重要なシビリアンコントロールの仕組みに例外を設けるものです。他の場合より丁寧な、国民の代表、我々国会による事後検証、責任追及の仕組みが必要と考えます。法案が定める国会報告は当然としても、国会での事後承認、事後承諾の仕組みを設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、この法案におけるミサイル防衛は、あくまで自衛権の発動ではなく、警察権的位置づけとのことですが、このようにした理由は何でしょうか。また、現在は技術的には不可能とされていますが、技術の進展等で、他国向けのミサイルを迎撃した場合、集団的自衛権に当たるなど、憲法上の問題が生じかねません。政府の御見解を伺います。

 第四に、三自衛隊の統合運用、情報本部の移管など、法案の残余について、五点質問します。

 三自衛隊の縦割りによる連携不足は、かねてより指摘されてきました。遅きに失したとはいえ、統合幕僚監部、統合幕僚長を設置する今回の改正は評価できます。これまで統合が実現できなかった経緯、具体的には意思決定がどう変わるのか、今後の実際の運営におけるさらなる課題は何か、お答えください。

 また、安全保障において情報収集は何より大切だと考えます。情報本部を長官直轄にすることで、情報能力がどのように向上し、いかに情報の米国頼みを脱することができるのか、お答えください。また、この情報本部は、内閣官房、外務省などとどう連携するのか、官房長官、外務大臣からもお答えください。

 いかなる法律をつくっても、その運用がきちんとできなければ意味がありません。領海侵犯をした潜水艦には、海上警備行動という法的枠組みがあったにもかかわらず、領海侵犯を確認してから三時間もたち、潜水艦が領海を出てから海上警備行動を発令するという、世にも間抜けな対応をしたのは、つい昨年十一月の小泉内閣です。潜水艦ですらこの対応のこの内閣に、空中を高速で飛ぶミサイルを十分単位の時間で本当に迎撃できる危機管理能力があるかは、甚だ疑問です。潜水艦事件の判断のおくれは、内閣官房に主たる原因があったと私は考えますが、防衛庁長官、官房長官から反省の弁と、いかなる改善策を講じたのか、伺います。(拍手)

 備えあれば憂いなしは当然ですが、平和が続き、このミサイル防衛が使われない状態をつくることこそ外交の目標であることは、言うまでもありません。現在のミサイル防衛が完成する十年後まで、現在と同様にミサイル防衛の必要性が高いと感じるような東アジアの状況が続いていたとすれば、政治、外交の怠慢以外の何物でもありません。小泉内閣に、こうした現在の東アジアの状況を変えていく前向きなプログラムはおありですか。外務大臣、おありだとすればお示しください。

 最後に、予想される大規模災害はもちろん、大規模テロなど脅威が多様化している現在、本当に国民の生命と安全を守るには、自衛隊、警察、消防といった縦割り構造を打破することこそすべてに優先されなければなりません。そのためには、民主党がマニフェストで提案する危機管理庁の設置などの施策が早急に必要です。これは、縦割りの官僚をリードできない自民党には絶対にできない政策です。(拍手)

 こうした国民の生命と安全を守る政策の実現のためにも、一刻も早い政権交代が必要であることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) 本多議員にお答えを申し上げます。

 まず、安全保障における情報収集に関する外務省と防衛庁の連携についてのお尋ねでございました。

 外務省といたしましては、安全保障に関する情報収集について防衛庁との間で緊密に協力することが重要であると認識をしております。

 こうした観点から、外務省は、防衛庁との間で日ごろより、在外公館で収集した情報を含めて、安全保障に関する情報や分析の交換を実施しております。

 外務省といたしましては、今後とも、安全保障分野における情報の共有を図るなど、情報本部を初めとする防衛庁と緊密に連携してまいります。

 次に、我が国の東アジア外交についてのお尋ねがございました。

 引き続き不透明、不安定な要素が残されている東アジアにおいて安定と繁栄を確保するために、日本は、日・ASEAN、ASEANプラス3及び日中韓三国協力等、幅広い分野において域内の地域協力を推進しております。特に、安全保障面においては、日米安全保障体制を堅持しつつ、ASEAN地域フォーラム、ARF等の多国間の対話の場において信頼醸成を促進する等の外交努力を行ってまいります。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 本多議員にお答えいたします。

 弾道ミサイル防衛システムの導入について、財政面からどう考えるかということでございます。

 弾道ミサイル防衛システムの整備に当たりましては、現有装備の活用等によって効率的にシステムを構築するとともに、安全保障環境の変化等を踏まえまして、冷戦型の装備、要員の抜本的な見直し、効率化を図ることといたしております。

 これによりまして、弾道ミサイル防衛システムを導入する中で、防衛関係費は三年連続のマイナスとしておりまして、今後とも、限られた財政資金で効率的な防衛力整備に努めてまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣細田博之君登壇〕

国務大臣(細田博之君) 本多議員にお答えいたします。

 まず、防衛庁情報本部と内閣官房との連携についてお尋ねがございました。

 我が国では、防衛庁も含め各省庁が収集した情報のうち重要なものは、内閣情報調査室を通じて迅速に内閣のもとに集約され、総合的な評価、分析を行う仕組みが既に構築されているところであります。今回の法改正で防衛庁の情報能力が強化されることによりまして、政府全体としての情報機能も向上されるものと考えるところであります。

 引き続き、防衛庁を初め各省庁と内閣との緊密な連携に努め、政府全体としての情報収集に万全を期してまいる所存であります。

 次に、昨年十一月の潜没潜水艦の事案についてお尋ねがございました。

 政府としては、先般の事案において、政府部内での認識統一等のため、結果的に海上警備行動発令までに相当の時間を要したという反省に立ち、今後は、関係者の間で早期に情報を共有するとともに、特段の事情が認められない限り、直ちに海上警備行動を発令することとし、これらの点について具体的なマニュアルを定め、政府部内で共有することといたしたところであります。(拍手)

    〔国務大臣大野功統君登壇〕

国務大臣(大野功統君) 本多議員から私に対して、二十問にわたる御質問がございました。

 まず、法案の提出方法であります。

 複数の法律改正を一つの法律案で行う場合には、従来から、法案に盛られた政策が統一的なものであり、趣旨、目的が同じであること、そして、法案の条項が相互に関連しており、一つの体系を形づくっていること、できる限り同じ委員会の所管に属する事項に関するものであることが望ましいことを基準といたしております。

 本法律案に盛り込まれた政策は、いずれも平成十七年度予算に関連する統一的なものであることから、ただいま申し上げた基準に沿って法案を提出させていただいたものであります。

 次に、イージス艦による我が国の防護についてであります。

 イージス艦は、弾道ミサイル対処専用の迎撃ミサイルSM3を用いることにより、半径数百キロメートルを防護でき、イージス艦を二、三隻配備することにより、日本の全域を防護できると考えております。

 現在、海上自衛隊はイージス艦を四隻保有いたしておりますが、イージス艦は、国際任務などの他の任務のほか、訓練、整備、検査等も必要であり、常時日本全土を防護することが困難なことは御指摘のとおりでありますが、日米間の協力を通じて、対応には万全を期してまいりたいと考えております。

 なお、法案第一項の、弾道ミサイル等の飛来のおそれがあると判断された場合には、自衛隊の持てる能力を集中して、対応に努力していく所存であります。

 次に、ペトリオットPAC3による防護地域についてであります。

 ペトリオットPAC3は、政治や経済の中枢地域等のいわゆるねらわれやすい箇所を守る拠点防御のためのものであり、機動的に移動、展開し、状況に応じて最適な位置へ配備するという考えであるため、防護する都市を固定しているわけではありません。

 また、我が国のBMDシステムは、イージス艦との多層防御により我が国全域を防御することとしており、弾道ミサイル攻撃に対する防御については、ペトリオットPAC3の配備数のみをもって考えるべきではないと考えております。

 次に、SM3とPAC3の迎撃率についてのお尋ねであります。

 装備の能力につきましては、我が方の手のうちを明かすということにもなり、また開発した米国との関係もあり、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますので、御理解をくださいますようお願いいたします。

 しかしながら、それぞれの装備の信頼性について、米国での試験結果について申し上げます。SM3は、七回中六回迎撃に成功いたしております。PAC3は、十二回中十回迎撃に成功しているという実績がございます。

 次に、弾道ミサイルのおとりや同時発射への対応についてであります。

 装備の具体的な能力については、お答えを差し控えさせていただくことを御理解くださいますようお願い申し上げます。

 なお、弾道ミサイルのおとり、いわゆるデコイについては、さまざまなものが考えられますが、一概に対応できる、できないとは言いがたいものがありますが、イージスBMDシステム、ペトリオットPAC3システムの双方とも、同時に複数の目標に対処する能力があります。

 次に、ミサイル防衛は軍拡競争を誘発するのではないかというお尋ねでございます。

 我が国が導入するBMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対し、我が国国民の生命財産を守るために純粋に防御的、かつ、他に代替手段のない唯一の手段であります。また、このシステムは、相手国が我が国に対し弾道ミサイルを発射しない限り、実際に活用されることはありません。

 このようなBMDシステムの特徴は、我が国の専守防衛の理念に合致するものであり、軍拡競争を招くとは考えられません。

 次に、BMDシステムにより対米依存が深まるとの御懸念についてであります。

 我が国のBMDシステムにつきましては、平成十五年十二月の官房長官談話のとおり、我が国みずからが主体的に判断して運用することを基本といたしております。

 また、日米安全保障体制のもと、効率的、効果的対処のため、米国との技術面での協力や情報協力などが重要であると考えておりますが、このことにより対米依存が深まるものとは考えておりません。

 次に、過去の戦闘機などの開発における見積もりについてであります。

 御指摘の戦闘機はF2を指すものと思いますけれども、当初、F2の開発を検討した時点では、開発総経費を千六百五十億円程度と見込んでいましたところ、米国との共同開発の枠組みが整備されたこと等に伴い、最終的には約三千二百七十億円の総経費を要したものであります。ただし、開発期間中においては、結節ごとに要求性能や開発経費の妥当性を判断してまいったところであり、F2の開発に問題があったとは言えないと考えております。

 また、他の装備品についても、これまでの開発において、御指摘のような事例はないものと考えております。

 次に、BMD経費の見積もりについてであります。

 現時点においては、日米共同技術研究関連経費を含め、当面八千億円から一兆円程度を要するものであろうかと見込んでおります。

 他方、BMDシステムの整備やさらなる能力向上につきましては、その時々の国際情勢や米国におけるBMDの開発状況等を考慮し、不断に検証、検討していくことが必要であることから、現時点で正確に経費を見積もることは困難であり、最終的には各年度の予算を通じて確定されるべきものであると考えております。

 次に、法案の第一項の総理の承認と相手国への影響についてであります。

 第一項の内閣総理大臣の承認には閣議決定が必要と考えておりますが、閣議決定は実際に閣僚が集まらなくても電話連絡などで可能であり、迅速な対応ができるものと考えております。

 また、BMDシステムは、純粋に防御的、かつ、他に代替手段のない唯一の手段であり、相手国が我が国に対し弾道ミサイルを発射しない限り、実際に活用されることはありません。したがって、第一項の総理承認により、相手国との関係で問題が生ずることはありません。

 次に、法案の第三項の命令の期間についてであります。

 緊急対処要領には、どのような場合が第三項の緊急の場合に該当するか、また、どのような場合に防衛庁長官は命令を発出することができるか等を明記することを考えております。

 また、防衛庁長官は、現実の自衛隊の活動状況等を踏まえつつ、緊急対処要領に従い、合理的な期間を定めて命令を発出することを考えております。

 このように、第三項の命令は、内閣及び防衛庁長官のシビリアンコントロールを十分に確保した上で発出することとなるため、必要以上に長い期間が設定されることはないと考えております。

 なお、この命令は、自衛隊の行動に直接かかわるものであり、従来の命令と同様に非公表とすることを考えており、命令の期間終了をねらって弾道ミサイルが発射されるような事態は生じないものと考えております。

 次に、緊急対処要領の内容を法律に記載すべきとの御意見でございます。

 緊急対処要領の目的や作成の手順につきましては、法案に明確に規定されております。

 また、その内容につきましては、対処措置の対象やその破壊方法、措置を命ぜられた自衛隊の部隊の行動範囲などを記載する考えである旨、国会の御審議等を通じ既に御説明申し上げておりますが、今後とも、可能な限りわかりやすい説明に努めてまいります。

 次に、国会の事後承認等の仕組みを設けるべきとの御意見についてであります。

 今般の弾道ミサイル等の破壊措置は、国民の生命財産に対する被害を防止するための必要かつ当然の措置であります。

 当該措置の特性としましては、落下することによりいずれにせよ損壊するものを破壊するにすぎないこと、相手国の領域や人員を害することはあり得ないこと、防衛出動など国会の関与を必要とする他の行動類型に比べ、国民の権利の制限は極めて限定的であることなどを考慮すれば、事後であっても国会承認等の仕組みを設ける必要はないのではないかと考えております。

 次に、ミサイル等の破壊措置の方法、法的性格についてであります。

 今般の弾道ミサイル等の破壊措置は、防衛出動が下令されていない状況のもと、我が国に弾道ミサイル等が飛来した場合に、迅速かつ適切な対処を行うこと、シビリアンコントロールを確保することを考慮し、必要な規定を定めたものであります。

 弾道ミサイル等が現に飛来する場合、破壊する以外に被害を防ぐ方法はなく、今般の措置は、国民の生命財産に対する被害を防止するため、我が国として必要かつ当然のものであります。

 当該措置は、自衛権の行使ではなく、自衛隊法上の任務として公共の秩序の維持に該当し、あえて整理すれば、警察権の行使に相当するものと言ってもよいと考えられます。

 次に、技術の進展と集団的自衛権の問題についてであります。

 今般の弾道ミサイル等の破壊措置は、我が国に飛来する弾道ミサイル等につき、その落下による我が国領域における人命または財産に対する被害を防止するため実施されることは法案に明記されており、技術の進展等により憲法上の問題が生じかねないとの御懸念は当たらないと考えております。

 次に、今般の統合運用の強化について、三点のお尋ねがありました。

 まず、これまでの統合に関する経緯についてでありますが、欧米諸国と比較すると、我が国はこれまでも統合運用強化のための措置を講じてきましたが、統合運用の経験が浅く、その進展が遅かったのは確かであります。

 しかしながら、陸海空自衛隊の部隊が一体となって活動するニーズが増大し、また、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し得る防衛力を効率的に構築することが必要となってきております。

 こうした時代の要請を踏まえ、今般、統合幕僚監部の新設等により、統合運用をさらに強化することにいたしております。

 二点目は、意思決定の変化についてであります。

 現状においては、陸海空自衛隊の運用に関する軍事専門的見地からの長官の補佐は、基本的に各幕僚長により個別に行うこととなっており、必要に応じ統合幕僚会議で統合調整を行い、長官の意思決定を助けることとなっております。

 今後は、自衛隊の運用に関しては、新設する統合幕僚長が軍事専門的見地から一元的に長官を補佐することとしており、陸海空自衛隊が有機的に連携し、一体的な運用を行うことを基本とした長官の意思決定が、より迅速に行われることになるものと考えております。

 三点目は、今後の課題についてであります。

 新たな体制における統合運用の実効性の確保のためには、教育訓練、情報通信等の各分野において統合運用の基盤を確立することが必要であると考えており、昨年末に閣議決定された新中期防においても、これらに関する事業を行うこととしているほか、統合運用を実効的に行い得る組織等のあり方について、検討の上、必要な措置を講ずることとされております。

 さらなる措置の必要性については、今般の体制整備を含め、統合運用の実績等を踏まえ検討してまいる所存であります。

 次に、本法律案における情報本部の改編と情報能力の向上等についてお尋ねがありました。

 本法律案においては、現在は統合幕僚会議のもとに置かれている情報本部について、長官直轄の特別の機関とし、また、広範かつ総合的に情報の収集、分析が行われるよう所掌事務を定めることといたしております。

 これにより、防衛庁全体の視点から、より広範な情報を収集、庁内各機関のニーズに応じた総合的な分析を行う、防衛庁長官等に、より迅速的確に報告をする、防衛庁の中央情報機関としての情報本部の地位、役割を明確化できるものと考えております。

 なお、防衛庁としては、情報能力の強化のため、このような体制整備に加え、情報収集器材の整備や要員の確保、育成等につき今後とも努めるとともに、アメリカとの情報面での協力関係も強化してまいります。

 次に、情報本部と関係省庁との連携についてでございます。

 既にお答えもございましたが、昨年十二月に策定された平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱にもあるように、各省庁がその特性、得意分野を生かしながら、政府全体として連携して情報の収集、分析に当たるべきことは当然であると考えております。

 防衛庁といたしましても、我が国の防衛等の観点から情報本部が収集、分析した重要な情報について、内閣官房を初め関係各省庁に迅速、適切に伝達し、その共有を図るなど、今後とも情報面での連携に最大限努力してまいります。

 最後に、昨年十一月の潜没潜水艦の事案についてお尋ねがありました。

 政府としては、位置の特定が難しい潜水航行中の潜水艦に対し、慎重に必要な手続を踏んで対処したものですが、このような事案に対しては、迅速に毅然とした行動をとるべきであり、かつ、透明性をもって対応していくべきであると考えております。

 こうした点を反省しつつ、今後は、我が国領海に接近する潜水艦の情報が得られた場合には、これを早期に政府部内で共有すること、我が国領水内で潜没航行する潜水艦への対処は、特段の事情が認められない限り、閣議決定、平成八年の閣議決定でありますが、「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」の要件に該当する旨の認識を統一し、直ちに海上警備行動を発令すること、これらの点について具体的なマニュアル、対処要領を定め、政府部内で共有することといたしたところでございます。

 以上でございます。ありがとうございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 佐藤茂樹君。

    〔佐藤茂樹君登壇〕

佐藤茂樹君 公明党の佐藤茂樹でございます。

 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして、特に弾道ミサイル等の破壊措置に絞って、大きく四点御質問いたします。(拍手)

 まず最初に、我が国を取り巻く弾道ミサイル等の脅威についてお尋ねいたします。

 現在、国際社会は、テロと並んで大量破壊兵器の拡散という新たな脅威に直面しています。その大量破壊兵器の運搬手段となるのが弾道ミサイルであることは、言うまでもありません。中でも北朝鮮は、かねてより弾道ミサイルと大量破壊兵器の開発を進めてまいりましたが、去る二月十日、ついに核兵器を保有しているとの声明を公式に出すに至りました。さらに、北朝鮮外務省が三月二日発表した備忘録で、一九九八年のテポドン発射以降継続しているミサイル発射凍結について、現在いかなる拘束力も受けていないとの考えを示しました。

 かかる声明は、核問題やミサイル問題などに関する日朝平壌宣言の合意を、ともに踏みにじる許しがたい声明であると考えますが、外務大臣に政府の認識を伺いたいと思います。

 特に弾道ミサイル問題につきましては、今までの六カ国協議を初め国際舞台で、どうしても核問題が中心議題に置かれ、余り弾道ミサイル問題が優先的な話題になっている報道がありませんが、一番深刻な影響を受ける日本から、弾道ミサイル問題についても話し合いの場に出し、ミサイル発射凍結と不拡散を強く主張しなければならないと思いますが、外務大臣の見解を伺います。

 また、最近、防衛庁防衛研究所が編集、発行された東アジア戦略概観によりますと、弾道ミサイルについては、北朝鮮はこれまでに、日本のほぼ全域がその射程圏に入る、射程距離約千三百キロメートルのノドンを既に配備しているとし、テポドン1、2の開発に加え、さらに、新型の射程三千キロから四千キロメートルの移動式の中距離弾道ミサイル、IRBMを開発済みであるとの報道も記述されていますが、政府は、北朝鮮の核兵器の開発及び保有の状況、そして、弾道ミサイルの開発及び配備状況がどこまで進んでいると認識されているのか、具体的に御答弁いただきたいと思います。

 二番目に、シビリアンコントロール等について伺います。

 自衛隊法の一部を改正して、我が国へ飛来する弾道ミサイル等に対処するため、当該対処行動を速やかにとるための新たな行動類型を新設することが今般の法整備の一つの柱ですが、つまるところ、迅速かつ適切な対処とシビリアンコントロールの確保をどのように調和し、両立させていくのかということに論点が集約されていくのではないでしょうか。

 そこで、まず議論の前提として、迅速かつ適切な対処についてお尋ねいたします。

 仮に、北朝鮮の弾道ミサイルで射程千三百キロメートルのノドンが約十分で日本に着弾することを想定した場合、弾道ミサイル防衛システムで、発射されてから何分以内でコース及び着弾地点が分析できるのか。また、迎撃可能な時間は、海上自衛隊のイージス艦のスタンダードミサイル3で何分以内、航空自衛隊高射部隊のパトリオット3で何秒以内の余裕しか許されないのか、防衛庁長官に御答弁いただきたいと思います。

 また、その際、万が一に備えて、国民に、弾道ミサイル攻撃のおそれがあることを公表し、避難の必要性を周知する必要があると考えますが、そのタイミングと方法について、政府の見解を伺います。

 次に、シビリアンコントロールについて、三点伺います。

 第一点目は、私ども公明党は、当初の政府案に対し、弾道ミサイルへの対処という重大な事案に、迎撃措置をとっても国会が何の関与もなく、報告すら受けることがないというのは、シビリアンコントロールの観点から問題ではないかとの指摘をしてまいりました。その結果、迎撃後の国会報告が法案に盛り込まれることになり、公明党はその修正を了といたしました。

 シビリアンコントロールは、我が国防衛の基本であり、重要事項ですので、改めてお尋ねいたします。

 シビリアンコントロールの本質というのは、国民に対して、また有権者に対して直接責任を負う人間が物事を決定するということであると考えますが、国会による民主主義的なシビリアンコントロールの意義について、防衛庁長官の見解を伺います。

 第二点目に、シビリアンコントロールは、国会による統制、内閣による統制、防衛庁内における防衛庁長官による統制に大別することができます。確かに、限られた時間内で対処を実施しなければいけないため、発令手続を簡素化する必要があることは理解できますが、今般の法案の第三項の緊急の場合の対処措置において、内閣による統制や防衛庁長官による統制はどこに機能していると言えるのか、政府の見解を伺います。

 第三点目に、シビリアンコントロールでは、責任を伴わない統制というのは、もはや統制に値いたしません。したがって、最終的にはだれが責任を負うのかということが問題になりますが、私は、当然の帰結として、それは内閣総理大臣が負うべきであると考えます。

 例えば、破壊措置が不首尾に終わった場合であるとか、また、迎撃ミサイルを発射したことによって相手国と交戦状態になった場合において、責任の所在を明確化し、その責任を負うということも政治の役割ではないでしょうか。

 今般の弾道ミサイル等に対する破壊措置に関し、シビリアンコントロールとしての責任はだれが負うべきだとお考えでしょうか。政府の見解を伺います。

 三番目に、法案の内容について何点かお尋ねします。

 一点目に、破壊措置の対象物として具体的に何を想定されているかであります。法案第一項に「弾道ミサイル等」とありますが、弾道ミサイル以外に具体的に何を破壊措置の対象と考えておられるのか、お尋ねいたします。

 二点目に、第一項の、弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれがある場合と、第三項の、事態が急変し、第一項の内閣総理大臣の承認を得るいとまがない緊急の場合の違いがわかりにくいという指摘があります。

 第一項の事態と第三項の事態の違いが国民にわかるように、具体的にどういう事態を想定されているのか、御答弁願います。

 三点目に、第三項では、「この場合において、長官は、その命令に係る措置をとるべき期間を定めるものとする。」との規定があります。

 まず、この規定により、長官が、常時命令を出さずに命令の期間を定められるのは何ゆえか、お伺いしたいと思います。

 さらに、このケースは、事前に兆候がない緊急の場合に、長官は弾道ミサイルが飛来することをあらかじめ想定して、期間を定めて命令を出しておくという仕組みになっておりますが、事前に兆候がない緊急の場合であるにもかかわらず、そのことをあらかじめ想定しておくなどという、現実にそんなことが可能であると考えておられるのか、防衛庁長官の見解を伺います。

 最後に、弾道ミサイル攻撃への対応に関する日米協力についてお伺いします。

 日米ガイドラインにおいても合意されているように、我が国のBMDシステムの運用については、主として情報交換、部隊配置などについて、在日米軍を初めとする米国との密接な調整が必要であり、今後、具体的な検討が必要であると考えます。

 今後の在日米軍再編協議の第二段階である日米の役割分担の協議等で、弾道ミサイル攻撃への対応に関する日米協力についても緊密に話し合われるべきであると考えますが、政府の見解をお伺いします。

 中国の易経に、「治にいて乱を忘れず」とあります。平和な世に暮らしていても、乱れることがあるのを忘れないよう、いつも気をつけ、不時の備えを怠らぬという意味であります。平時の今こそ、例えば弾道ミサイルという新たな脅威への対処措置に対しても、徹底して議論して、備えに遺漏なきを期し、日本の平和と安全に責任を負うのが私たち国会議員の使命であるということをお訴えして、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) まず、北朝鮮による核・ミサイル開発についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘の、二月十日付の北朝鮮外務省声明及び三月二日付同省の備忘録において北朝鮮が示した核・ミサイル問題に関する姿勢というものは、日朝平壌宣言に照らして大きな問題でありまして、極めて遺憾であると考えております。

 対話と圧力の基本的な考え方のもと、関係国とも緊密に連携協力しつつ、北朝鮮に対して、日朝平壌宣言を履行して諸懸案の解決に向けた誠意ある対応をとるよう、引き続き強く促していく考えであります。

 次に、北朝鮮のミサイル問題の国際会議等における扱いについてのお尋ねでございました。

 北朝鮮による弾道ミサイルの開発、配備等は我が国の安全保障に直結する問題であることから、我が国は、六者会合等あらゆる機会をとらえて本件を提起してまいりました。私自身も、先般のライス国務長官との会談や李肇星中国外交部長との電話協議の際に、このミサイル問題に関する我が方の考え方、問題意識というものを伝達し、議論もしてきたところでございます。

 次に、弾道ミサイル攻撃に対する日米間の協議についてのお尋ねがございました。

 先月の2プラス2の会合においては、日米両国の共通の戦略目標について確認するとともに、今後数カ月間、在日米軍の兵力構成の見直しとともに、自衛隊と在日米軍の役割、任務、能力についても協議を加速していくことで一致をいたしました。三月十五日にワシントンで行われた審議官級協議においても、これらの諸課題について意見交換が行われたところでございます。

 今後とも、政府としては、自衛隊と米軍が我が国に対する武力攻撃事態等において共同対処する場合や、国際的な安全保障環境の改善のために協力して行動する場合など、新たな安全保障環境のもとにおける多様な課題に実効的に対応するための役割、任務に関する検討を進めていく考えですが、協議の詳細に関する具体の面につきましては、事柄の性質上、お答えすることは差し控えさせていただきます。

 いずれにいたしましても、先般の2プラス2会合で確認したとおり、引き続き、米国との間で、弾道ミサイル防衛に関する政策面及び運用面での緊密な協力や、共同開発の可能性を視野に入れた弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究を前進させることが必要であると考えております。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣大野功統君登壇〕

国務大臣(大野功統君) 佐藤議員にお答えいたします。

 まず、北朝鮮の核兵器の開発、保有状況及び弾道ミサイルの開発・配備状況についてのお尋ねでございます。

 核兵器計画につきましては、断定的なことは申し上げられませんけれども、既に相当進んでいる可能性は排除できません。

 弾道ミサイルにつきましては、我が国のほぼ全域が射程内に入るノドンの配備が進んでいると考えております。また、テポドン1の開発を進めてきたほか、テポドン2を開発中であると考えられます。弾道ミサイルの長射程化の一層の進展が予想されております。

 次に、BMDシステムによる着弾予測に要する時間及び迎撃可能時間についてであります。

 着弾予測に要する時間は、事柄の性質上、詳細にお答えできませんが、あえて申し上げれば、一、二分のブースト段階終了後、極めて短時間で弾着予測地域が計算されます。

 迎撃可能時間につきましても、事柄の性質上、詳細にお答えはできませんが、あえて申し上げれば、イージスBMDシステムではブースト段階終了後数分、ペトリオットPAC3システムでは、当該弾道ミサイルの落下前数十秒程度と考えられます。

 次に、国会におけるシビリアンコントロールの意義についてであります。

 民主主義国家においては、シビリアンコントロール、すなわち政治の軍事に対する優先を確保することは重要であります。我が国におきましても、内閣や防衛庁長官による統制とともに、国民の代表である国会の民主的統制が行われていることは、極めて重要な意義を持つものであると考えております。

 次に、緊急の場合におけるシビリアンコントロールの確保のあり方についてであります。

 自衛隊法改正案第八十二条の二第三項に規定する緊急対処要領は、閣議決定を経て定めることとなっておりますが、これは、一、内閣と防衛庁長官の関係と、二、自衛隊の部隊の対処の基本を明示するものであり、これによりシビリアンコントロールは確保されると考えております。

 また、長官は、緊急対処要領に従い、みずからの責任と判断のもと、期間を区切った命令を部隊に発出することとなります。これを受け、部隊は、弾道ミサイルが我が国領域へ飛来するという事実を確認し、長官の命令を執行することとなり、長官によるシビリアンコントロールは十分確保されると考えております。

 さらに、こうした措置がとられたときは、速やかに国会に報告することといたしております。国会によるシビリアンコントロールも確保されるものと考えております。

 次に、弾道ミサイル等の破壊措置に関する責任についてであります。

 今般の法案は、あくまでも内閣の適切な関与のもと、防衛庁長官の責任と判断により、弾道ミサイル等の破壊措置の実施を部隊に対し命ずるものであります。したがいまして、当該命令の責任は、一義的には防衛庁長官にあります。

 次に、法文におきます「弾道ミサイル等」についてであります。

 法文の「弾道ミサイル等」とは、「弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。」といたしております。その具体的な例といたしましては、弾道ミサイルに類する飛しょう特性を有する衛星打ち上げロケットや制御不能な状態に陥った人工衛星等の人工物が該当するものと考えております。

 次に、法案第一項と第三項の違いについてであります。

 第一項の飛来のおそれは、国際情勢、発射の示唆及び部隊の動き、ミサイルの発射の準備状況といった軍事的動向を総合的に分析、評価し、政府全体で判断するものであります。

 具体的な例といたしましては、意図は不明ですが弾道ミサイルの発射に向けた具体的な兆候がある場合や、諸外国が弾道ミサイルの発射を具体的に示唆した場合などが考えられます。

 他方、第三項の緊急の場合とは、我が国に弾道ミサイル等が飛来するおそれがあると判断していない状況下、事態が急変し、総理の承認を得るいとまがなく我が国に向けて弾道ミサイルが飛来する緊急の場合に限るものであります。

 具体的な例といたしましては、ミサイル発射実験を行うとの情報のもと、イージス艦などのレーダーを用いてその実験を監視していた場合や、ある国の内政が不安定な状態にある場合に、当該国に対し継続的に監視を行っていたところ、弾道ミサイルが我が国に向けて飛来する場合などが考えられます。

 次に、法案第三項の長官の命令の期間についてであります。

 自衛隊のBMD対処は、常時即応態勢をとることが理想でありますが、自衛隊のさまざまな任務や限られた資源を考慮すれば、これは困難であります。このため、警戒監視を行う場合など弾道ミサイル等に対処可能な場合に、その期間を定めて命令を発出することが適切と考えております。

 また、期間を明確に定めておくことは、シビリアンコントロールの確保の観点からも重要であると考えております。

 最後に、法案の第三項に基づく長官の命令の現実性についてであります。

 この命令は、例えばイージス艦が警戒監視を行う場合など、その活動状況を踏まえて発出するものであることから、現実的であると考えております。

 なお、今回の法案で第三項を設けましたのは、事態が急変し、我が国に向けて弾道ミサイル等が飛来する緊急の場合であって、自衛隊の部隊がこれに対処できる体制にあるときに、仮にも制度上これに対処できない事態が生じないよう、法制度として万全を期すべく措置いたしたものであります。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣村田吉隆君登壇〕

国務大臣(村田吉隆君) 弾道ミサイルに対する避難の指示などの国民への周知についてのお尋ねがございました。

 弾道ミサイル攻撃に際して、武力攻撃事態または武力攻撃予測事態としての認定を行うことができる場合におきましては、対策本部長が直ちに警報の発令及び避難措置の指示を行うことになります。また、武力攻撃と認定できない場合におきましても、それに準ずる事態として緊急対処事態の認定を行い、同様の措置を講ずることになります。

 警報及び避難の指示は、都道府県から市町村を通じて防災行政無線などにより住民に伝達され、また、放送事業者である指定公共機関などによりテレビやラジオを通じて速やかに放送されることになります。

 以上であります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣   麻生 太郎君

       外務大臣   町村 信孝君

       財務大臣   谷垣 禎一君

       国土交通大臣 北側 一雄君

       環境大臣   小池百合子君

       国務大臣   大野 功統君

       国務大臣   細田 博之君

       国務大臣   村田 吉隆君

 出席副大臣

       防衛庁副長官 今津  寛君


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