衆議院

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第22号 平成17年4月26日(火曜日)

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平成十七年四月二十六日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十六号

  平成十七年四月二十六日

    午後一時開議

 第一 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第三 国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案(内閣提出)

 第五 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 憲法調査会会長の憲法調査会報告書についての発言

 日程第一 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第三 国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案(内閣提出)

 日程第五 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 証券取引委員会設置法案(原口一博君外四名提出)

 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 障害者自立支援法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。

 第三百四十九番、福岡県第二区選出議員、山崎拓君。

    〔山崎拓君起立、拍手〕

 第四百三十八番、宮城県第二区選出議員、秋葉賢也君。

    〔秋葉賢也君起立、拍手〕

     ――――◇―――――

 憲法調査会会長の憲法調査会報告書についての発言

議長(河野洋平君) 憲法調査会会長から、去る十五日、議長に提出された憲法調査会報告書について発言を求められております。これを許します。憲法調査会会長中山太郎君。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔中山太郎君登壇〕

中山太郎君 憲法調査会は、去る四月十五日にこれまでの調査の経過及びその結果を取りまとめた報告書を作成し、同日河野議長に提出をいたしました。

 その報告書につきまして、提出の経緯並びに概要を御報告申し上げます。

 まず、本報告書に記された内容を端的に申し上げますならば、現行日本国憲法については、その基本的な原則を今後とも堅持しつつも、施行後この五十八年間に生じた憲法と現実との乖離を解消し、また、憲法施行後の国内外の諸情勢の変化等に対応するため、少なからぬ条章について明文による憲法改正が必要であるとする意見が多く述べられたということであります。

 すなわち、まず、日本国憲法の基本的な三つの原則や象徴天皇制については、今後もこれを維持すべきであるとする意見が多く述べられました。他方、自衛権及び自衛隊については、何らかの憲法上の措置をとることを否定しない意見が多く述べられました。国民の権利及び義務の分野においては、環境権その他幾つかの新しい人権を憲法に明記すべきであるとの意見が多く述べられました。このほか、憲法裁判所の設置、私学助成、地方自治の充実強化、非常事態などの事項に関しても、明文による憲法改正が必要である旨の意見が多く述べられました。

 本調査会で議論された広範な論点のうちには、現行憲法における立法措置により対応できるものも多くありますが、以上のような複数の論点において明文による憲法改正を是認する意見が多く述べられたということは、特筆すべきことであったと思います。

 憲法調査会は、日本国憲法について広範かつ総合的な調査を行うため、第百四十七回国会の召集の日である平成十二年一月二十日に本院に設置されたものであります。

 調査会は、その設置の趣旨に沿って設置当日から直ちに調査を開始し、本年の四月十五日に至るまでの五年三カ月の間、総計四百五十時間を超える精力的な調査を行ってまいりました。この間、平成十四年十一月一日には中間報告書を作成し、同日、当時の綿貫議長に提出いたしております。

 そして、去る四月十五日、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党、賛成、日本共産党及び社会民主党・市民連合、反対の賛成多数をもって報告書を議決し、同日、これを河野議長に提出した次第であります。

 本報告書は、第一編「憲法調査会の設置の経緯」、第二編「憲法調査会の設置の趣旨とその組織及び運営」、第三編「憲法調査会の調査の経過及びその内容」、第四編「資料」から成っております。このうち、調査の内容をまとめました第三編第三章がその中核的な内容をなしております。

 この第三編第三章においては、五年三カ月の調査の中で表明された委員及び参考人等の多様な発言を、基本的に日本国憲法の各条章に沿いながらそれぞれの論点ごとに分類整理しつつ、特定の立場に偏ることなく公平に要約するとともに、多く述べられた意見については、その旨を記しております。

 このような整理は、この五年三カ月の間の調査会の議論がどのようなものであったのかを国民に対して正確かつ平易に説明する責任を全うする観点から、極めて適切かつ必要なことであります。

 次に、本報告書に記した議論の中から、幾つか特徴的な議論について御報告を申し上げます。

 まず、特徴的な議論の一つに、科学技術の進歩と憲法が挙げられます。

 戦後の目覚ましい科学技術の進歩は、国家の法制度に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、クローン技術が乱用された場合の倫理面や環境面への弊害は予測できないものがあり、これは翻って、日本国憲法の最高価値である個人の尊厳に重大な影響を与えかねない問題であります。

 また、高度情報化社会における個人のプライバシーの保護が従前にも増して緊要性を増すとともに、国民の情報アクセス権が議論されるようになるなど、情報通信技術の進展が社会や法制度に及ぼす影響もはかり知れないものがあります。

 また、産業革命以来、生産技術の進歩、生産工程の自動化等がもたらした大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムが環境を破壊し、水質汚染、大気汚染、土壌汚染を招き、生態系に影響を及ぼしてきております。我が国において公害関係訴訟は、今日でも年間百数十件提起されています。このようなことが、環境権あるいは環境保全義務という憲法論を生み出す契機となっております。

 このような科学技術の進歩に伴って生ずる紛争の処理を担う人材は、約三千人いる裁判官のうち理工系出身の裁判官が八人しかいないことに象徴されるように、十分なものでないということについても議論が行われました。

 さらに、安全保障の分野についても、我が国を取り巻く安全保障環境も大きく変化をしております。そうした中で、安全保障の概念が、国家の安全保障から地域の安全保障、人間の安全保障と大きく変貌しており、我が国も安全保障及び国際協力の両面において多様な取り組みが求められておりますが、調査会では、このような点に関し、さまざまな意見が述べられました。

 他方、国内の変化に目を向けるならば、近年における凶悪な少年犯罪の増加や学力水準の国際比較における低下が見られます。憲法問題に関して、特に教育問題に関して、教育基本法の見直しを求める声があると承知しております。また、少子高齢化社会の進展のもと、社会保障の負担と給付の問題がさらなる重要性を持ってまいります。さらに、自由貿易協定の締結を含む多角的貿易体制の構築や、地域安全保障の形成等を通じてアジアとの結びつきがさらに進展することに伴い、海外からの外国人労働者の流入による外国人の人権保障の問題が切実なものとなってまいりますが、このような点に関する議論も多くの委員から述べられました。

 憲法に関する議論の特徴のもう一つとして、憲法と現実との乖離をどう考えるかということがありました。これまで論じられてきた九条の問題や私学助成と八十九条の関係だけでなく、二度にわたり行われた裁判官の報酬引き下げと裁判官の報酬引き下げを禁じた七十九条、八十条の裁判官報酬の減額禁止規定との関係は、その典型的な事例でありましょうし、他方、憲法の規定が現実に生かされていない種々の問題も挙げられます。

 また、最高裁判所が行政にかかわる違憲訴訟について憲法判断に消極的で、憲法上の争点について公権的判断が的確に得られていないことも、国民にわかりにくい法の解釈、運用を許す原因となっており、これは、憲法に対する国民の信頼の喪失をもたらしかねない重大な問題であろうと考えております。

 また、これまで五度にわたり実施いたしました海外調査では、諸外国において幾たびかの憲法改正が行われていることを相手国から説明を受けてまいりました。平成十三年の海外調査では、イスラエルを訪問して、首相公選制の導入及び廃止の経緯、これに対する評価等について詳細な調査を行いました。調査会においては、その調査結果を踏まえて、首相公選制を導入すべきではないとする意見が多く述べられたことを申し添えておきます。

 また、昨年の海外調査の際、欧州の法律家が、欧州憲法条約の制定理由の一つが、市民にもっと密接に向かい合うことにあるとしておられたことは印象的でありました。憲法調査会は、この五年三カ月の間、常に、憲法は国民のものであり、憲法論議に与党も野党もない、常に全国民的立場から論議しなければならないとの理念のもとに運営されてまいりましたが、これに通じるものがあったと認識しております。

 この点、五日間にわたる中央公聴会及び全国九カ所における地方公聴会においても、憲法は国民のものという考え方に基づき、一般公募を含む公述人や意見陳述者の方々から、我が国がいかにあるべきか、憲法はいかにあるべきかについて、国民の考えを積極的にくみ取るように心がけてまいりました。

 特に、沖縄及び広島で開催した地方公聴会は、感慨深いものがございました。

 国内唯一、地上戦闘において住民が巻き込まれ、約十二万人の住民が生命を失ったことで、沖縄の方々がまことに大きな犠牲を払われたということを改めて認識いたしました。

 昭和二十一年四月十日の衆議院議員の総選挙に際して、沖縄県民の選挙権は停止され、県民代表を制憲議会に送ることができませんでした。昭和二十七年四月二十八日のサンフランシスコ平和条約発効までの間も、行政分離覚書により日本国政府とは切り離され、直接軍政下に置かれたため、沖縄には日本国憲法の適用はなかったのであります。

 また、サンフランシスコ平和条約発効後も、同条約三条の規定により、沖縄は米国の施政権下に置かれたため、日本国の潜在主権は及ぶこととされたものの、日本国憲法の実効的な適用はなく、米国民政府のもとに設けられた琉球政府による間接統治がなされておりました。

 このように、沖縄に日本国憲法が実効的に適用されるようになるためには、昭和四十七年五月十五日の本土復帰を待たなければならなかったのであります。

 なお、昭和三十二年に設置された内閣憲法調査会の地方公聴会も、四十六都道府県で行われましたが、本土復帰前の沖縄では行われませんでした。今なお、沖縄の人々は、米軍基地が集中するという特殊な状況のもとで、大きな負担を強いられておられます。

 このような歴史にかんがみるとき、沖縄の地で憲法に関する地方公聴会を開催したことは、実に大きな意義があったものと存じます。

 また、原子爆弾の投下によって一瞬にして多数の人々のとうとい命が落とされた広島の地で開催した地方公聴会においても、被爆者の方を含め、平和への願いを共有しつつも立場を異にする方々のさまざまな意見を聞くことができ、意義深いものがございました。

 このように、設置以来五年三カ月の間、憲法調査会においては、人権の尊重、主権在民、再び侵略国家とはならないという三つの理念を堅持しつつ、全国民的見地に立って、憲法に関する広範かつ総合的な調査を進めてまいったのであります。

 この憲法調査会の活動は、会議録の概要を英訳した上でホームページに掲載するとともに、さきに述べた中間報告書はその全文を英訳して、各国政府や国立国会図書館に送付をいたしております。

 思うに、今年で施行後五十八年を迎える日本国憲法が制定された当時の世相と現在の世相を比べると、まことに隔世の感があります。日本は、昭和二十年八月にポツダム宣言を受諾することによって、連合国側に無条件降伏をいたしたのであります。日本占領に関して実質的に最高権限を有するGHQによる間接統治下において、昭和二十一年三月に、GHQの起草に係る総司令部案をもとにした憲法改正草案要綱が政府案として発表されたのであります。

 衆議院は前年の十二月に解散されておりましたが、現職議員にも及んだ公職追放などで、昭和二十一年四月に衆議院議員総選挙がようやく行われました。この総選挙後に召集された第九十回帝国議会において、この憲法改正草案要綱を条文化した帝国憲法改正案が提出され、衆議院では賛成四百二十一票、日本共産党所属の六名を含む反対八票で修正議決され、貴族院でも圧倒的多数をもって修正議決されるなど、衆議院及び貴族院において実に濃密な審議がなされております。この結果、同年十一月三日に日本国憲法が公布され、翌昭和二十二年五月三日に施行されたのであります。

 当時の社会状況を見ると、空襲によって親を失った多くの子供たちが、一面の焼け野原に孤児となってあふれておりました。また、海外からの引揚者が、伝染病が蔓延する町に、帰る家もなく暮らしておりました。経済は危機的状況に置かれ、インフレがしょうけつしておったのであります。まさに国破れて山河あり、城春にして草木深しの感がございました。

 今日、そのような憲法制定時には予想もつかなかった新たな問題が次から次へと発生してきております。この間、日本人の努力によって、我が国はG7のメンバー国となったのであります。そのような新たな問題に関する骨太な憲法論議の緊要性を痛感する次第であります。

 これまでの調査の集大成ともいうべき本報告書を提出するに当たって、我が国の憲法論議はいよいよ新たな段階に入っていくものと存じます。

 その憲法論議の一つとして、憲法改正手続法、すなわち、憲法改正国民投票法の問題が挙げられます。九十六条が予定する憲法改正国民投票制度が憲法制定後六十年にわたって整備されなかったのは、憲法に係る国民の主権を事実上制限しているのではないかという趣旨の意見がございましたし、立法の不作為行為であるという意見もございました。

 憲法改正国民投票法については、去る二月十七日の調査会において、民主党の枝野、中川両議員から、「政権を担う意思のある政党はどちらが政権についても、今後、国政運営の共通のルールを憲法で定める合意形成を進める必要がある。憲法改正国民投票法についても、幅広い国会の意思で早期に制定することが望ましく、他の政党と協議をする意思がある」とする旨の発言がなされ、同月二十四日の調査会において、自由民主党及び公明党から、これに呼応する趣旨の発言がなされました。あわせて、本調査会では、憲法改正国民投票法を早期に制定すべきであるとする意見が多く述べられたことをここに御報告いたしておきます。

 最後に、本報告書をこのように無事に取りまとめることができましたのは、現在の委員各位のみならず、歴代の会長代理を初め、この議場におられる憲法調査会の委員でおられた方々、そしてまた、さまざまな理由により議席を離れられた方の御努力のたまものであり、本報告書には現在及び過去のすべての憲法調査会委員の息吹が込められておるのであります。ここに改めて、憲法調査会長として、深い感謝と敬意を表する次第でございます。

 と同時に、今後とも、国民代表機関であるこの国会においては、引き続き、憲法に関する議論をより一層深めていくことが重要であると痛感いたします。

 以上、御報告を終わります。ありがとうございました。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案、日程第二、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長山岡賢次君。

    ―――――――――――――

 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山岡賢次君登壇〕

山岡賢次君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案は、効率的かつ安定的な農業経営を育成するため、担い手への農地の利用集積を促進する措置を拡充するほか、構造改革特別区域制度の全国展開として、農業生産法人以外の法人への農地貸付事業を創設するとともに、体系的な遊休農地対策の整備を行おうとするものであります。

 次に、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案は、構造改革特別区域において認められている市民農園の開設のための特例措置を全国展開しようとするものであります。

 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案は、四月五日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、同日本委員会に付託されました。

 また、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案については、同月六日本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、七日島村農林水産大臣から両法律案の提案理由の説明を聴取した後、十三日から両法律案の質疑に入り、参考人からの意見聴取、現地視察を行うなど、慎重な審査を行いました。

 二十一日質疑を終局し、まず、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案について討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 次に、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第三、国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長斉藤鉄夫君。

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 国立大学法人法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔斉藤鉄夫君登壇〕

斉藤鉄夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国立大学法人における教育研究体制の整備及び充実を図ろうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、富山県内に所在する国立大学法人富山大学、国立大学法人富山医科薬科大学及び国立大学法人高岡短期大学の三法人を統合し、新たに国立大学法人富山大学を設置すること、

 第二に、視覚障害者、聴覚障害者のための高等教育機関である筑波技術短期大学を四年制大学化し、国立大学法人筑波技術大学を設置すること、

 第三に、国立大学法人政策研究大学院大学の主たる事務所の所在地を神奈川県から東京都に改めること

であります。

 本案は、四月十三日に本委員会に付託され、十五日に中山文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、十八日に現地視察を行い、二十日から質疑に入りました。二十二日に質疑を終局し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案(内閣提出)

 日程第五 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案、日程第五、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長河上覃雄君。

    ―――――――――――――

 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案及び同報告書

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔河上覃雄君登壇〕

河上覃雄君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律案につきましては、核燃料サイクルの根幹をなす使用済み燃料の再処理等に要する費用を確保するため、実用発電用原子炉設置者に対して、毎年度使用済燃料再処理等積立金の資金管理法人への積み立てを義務づけるとともに、積立金を管理する資金管理法人に対する経済産業大臣の監督等その他所要の措置を講ずるものであります。

 次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、原子力事業者等に対して、国が定期的に行う核物質防護に関する検査を受けることを義務づけるとともに、原子力施設の廃止措置に関する安全規制の一層の充実及びその解体等に伴い発生する廃棄物等を適切に処理するための制度を整備するものであります。

 本委員会においては、去る三月二十三日両法律案に関し中川経済産業大臣から提案理由の説明を聴取し、同三十日より質疑に入り、四月二十二日質疑を終了したものであります。質疑終局後、討論を行い、両法律案につき、それぞれ採決を行った結果、賛成多数をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長実川幸夫君。

    ―――――――――――――

 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔実川幸夫君登壇〕

実川幸夫君 ただいま議題となりました特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年、いわゆる迷惑メールが悪質化及び巧妙化している状況にかんがみ、電子メールの利用についての良好な環境を確保するため、特定電子メールの範囲を拡大するほか、架空電子メールアドレスによる送信及び送信者情報を偽った送信の禁止について、所要の規定の整備を行おうとするものであります。

 本案は、去る四月二十日本委員会に付託され、翌二十一日麻生総務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。本日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案、内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

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 証券取引委員会設置法案(原口一博君外四名提出)

 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案、内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長金田英行君。

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 証券取引委員会設置法案及び同報告書

 証券取引法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔金田英行君登壇〕

金田英行君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、原口一博君外四名提出の証券取引委員会設置法案について申し上げます。

 本案は、内閣府設置法に基づき、内閣府の外局として、証券取引委員会を新たに設置するとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めようとするものであり、以下、その概要を申し上げます。

 第一に、証券取引委員会は、証券取引及び金融先物取引の公正を確保し、有価証券の投資者及びこれに準ずる者の保護を図るとともに、有価証券の流通等の円滑を図ることを任務とすることとしております。

 第二に、証券取引委員会は、その任務を達成するため、国内における証券取引及び金融先物取引に係る制度の企画及び立案に関すること並びに証券業を営む者及び金融先物取引業を行う者等の検査その他の監督に関すること等の事務をつかさどることとしております。

 第三に、証券取引委員会は、委員長及び委員四人をもって組織し、委員長及び委員は、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとしております。

 次に、内閣提出の証券取引法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、最近の証券市場をめぐる状況等の変化に対応して、公開買い付け制度や企業情報開示制度の信頼性を確保すると同時に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図ろうとするものであり、以下、その概要を申し上げます。

 第一に、公開買い付け制度の信頼性を確保する観点から、公開買い付け制度の適用対象となっていない証券取引所の立ち会い外取引のうち、相対取引に類似した取引については、買い付け後の株券等保有割合が三分の一を超える場合に公開買い付け制度を適用することとしております。

 第二に、企業情報開示制度の信頼性を確保する観点から、子会社が上場会社であって、親会社が上場していないこと等により、親会社の企業情報が開示されていない場合について、その親会社に対して情報の開示を義務づけることとしております。

 第三に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図る観点から、外国会社等が、本国等において適切な開示基準に基づいて英語による開示を行っている場合等には、日本語による要約等の添付を前提として、外国会社等に英語による有価証券報告書の提出を認めることとしております。

 両法律案は、去る四月十九日当委員会に付託され、同日伊藤国務大臣及び提出者鈴木克昌君から提案理由の説明を聴取した後、翌二十日より質疑に入り、本日質疑を終局いたしましたところ、証券取引法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案に係る継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入等を内容とする修正案が提出されました。

 次いで、証券取引委員会設置法案について内閣の意見を聴取した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、証券取引委員会設置法案は否決され、証券取引法の一部を改正する法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

 障害者自立支援法案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、障害者自立支援法案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣尾辻秀久君。

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 障害保健福祉施策につきましては、障害者及び障害児の地域における自立した生活を支援することを主題に取り組んでおりますが、現在は身体障害、知的障害、精神障害といった障害種別等によって福祉サービスや公費負担医療の利用の仕組みや内容等が異なっており、これを一元的なものとすることや、その利用者の増加に対応できるよう、制度をより安定的かつ効率的なものとすることが求められております。

 これらの課題に対応し、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、障害者及び障害児の福祉の増進を図り、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与するため、今般、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、自立支援給付は障害福祉サービス、自立支援医療、補装具の購入などに要する費用の支給とし、当該給付を受けようとする者は、市町村等に申請を行い、その支給決定等を受けることとしております。

 第二に、自立支援給付の額は、障害福祉サービス等に通常要する額の百分の九十を原則としつつ、利用者の負担が多額となる場合等については、家計に与える影響等を考慮して給付割合の引き上げを行う等、負担の軽減措置を講ずることとしております。

 第三に、市町村及び都道府県が行う地域生活支援事業に関することを定めることとしております。

 第四に、市町村及び都道府県は、国の定める基本指針に即して障害福祉サービスや地域生活支援事業等の提供体制の確保に関する計画である障害福祉計画を定めることとしております。

 第五に、自立支援給付に要する費用は、一部都道府県が支弁するものを除き市町村が支弁し、その四分の一を都道府県が、二分の一を国が、それぞれ負担することとしております。

 このほか、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律を初め関係法律について所要の改正を行うこととしております。

 最後に、この法律の施行日は、自立支援医療に関する事項など一部の事項を除き、平成十八年一月一日としております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 障害者自立支援法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中根康浩君。

    〔中根康浩君登壇〕

中根康浩君 民主党の中根康浩です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました障害者自立支援法案につきまして質問をいたします。(拍手)

 まず、質問に先立ちまして、昨日、JR福知山線尼崎―塚口駅間で、列車が脱線し、数多くの死傷者を出す悲惨な事故が発生しました。

 亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族に哀悼の意を表すとともに、けがを負われた方々の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。

 また、現地で必死の救命活動に当たっておられる方々の御苦労に対し、心より感謝を申し上げます。

 民主党は、今回の事故に関して対策本部を設置し、徹底的な原因究明と抜本的な安全対策の確立に向けて全力を挙げてまいる所存であります。

 今回のような悲惨な事故が起きないよう、事故の原因を徹底的に究明し、抜本的な安全対策を確立すべきであると考えますが、国土交通大臣の見解をお伺いいたします。

 さて、本題に入ります。

 二〇〇三年四月から、利用者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスを提供する支援費制度がスタートいたしました。

 ところが、ホームヘルプの利用増加や知的障害者のガイドヘルプの増加もあり、初年度からいきなり約百二十八億円の財源不足となりました。二〇〇四年度になっても、ホームヘルプ、ガイドヘルプの利用は増大し続け、最終的に約二百五十億円の財源不足となりました。

 なぜ予算不足となったか。

 まず第一の理由は、厚生労働省が利用量の増加を読み誤ったことにあると考えます。厚労省が読み違えたのは、それまでホームヘルプやガイドヘルプのニーズが潜在的に存在していても利用できずに、厳しい状況を強いられてきた障害者や、その家族の生活の実態に正面から向き合うことがなかったということを意味しているのではないでしょうか。

 サービスが過剰に利用されたのではなく、必要でも使えなかった人たちがいかに多くいたかということですし、まだ全国には、サービス提供者が少なく、サービスを使えないでいる多くの障害者がいます。これからやっとニーズが安定してくる支援費制度を、より充実させていくべきだとの声もあります。

 支援費制度を成功と見ているのか失敗と見ているのかを含めて、導入以来二年間の支援費制度をどのように総括しているか、尾辻厚生労働大臣にお尋ねいたします。(拍手)

 提案されている障害者自立支援法案は、支援費制度が財源難に陥ったことから、同様に先行きの財政状況が厳しい介護保険との統合を前提に、国と都道府県に費用負担を義務化する一方、新たに利用者に原則一割の定率応益負担を求めることが柱となっている障害者福祉のグランドデザインを取りまとめ、法案にしたものと理解しています。

 支援費の補助は、国二分の一、都道府県四分の一でしたが、ともに予算の範囲でしか出せない裁量的経費で、不足分は市町村が負担することになっています。

 今回の自立支援法案の最大の問題の一つは、支援費制度の財源不足を解消するために国と都道府県負担が二分の一と四分の一ずつの義務的経費化されたことの裏腹に、現行の、利用者は収入に応じて負担する応能負担であるものを、利用するサービス量に応じて原則一割を負担する応益負担を強いることになっていることです。

 応益負担を導入する理由について、厚労省は、障害者みずからも制度を支えるべきだと説明しています。

 二級障害年金で月六・六万円、作業所、授産施設、一般企業で働いている障害者の八〇%は年間収入十万円未満という調査もあるように、障害者の就労状況、所得状況は非常に厳しく放置されたままです。この状況での応益負担の導入は、厚生労働省の障害者政策の怠慢を障害者に責任転嫁するものと言わざるを得ず、決して納得できるものではありません。(拍手)

 当然、応益負担では、サービスを多く必要とする障害の重い人ほど負担が重くなります。反面、障害程度の重い人ほど、働く機会は少なく、収入も少ないというのは自明です。

 そもそも、障害者がサービス利用によって自立と社会参加するための基本的な行動の自由を得ることは、益という考え方になじまないのではないでしょうか。社会の側が合理的配慮を怠れば、それはむしろ差別に当たるというのが国際社会においても共通の認識になっているのではないでしょうか。

 応益負担化は障害者施策に不適切であると考えますが、尾辻大臣の御認識をお伺いいたします。(拍手)

 既に、障害当事者や家族からは、新制度で大幅に負担増が強いられるのなら、サービス利用を減らすしかないというあきらめの声も上がっています。これでは、自立支援どころか、自立阻害法と言われても仕方ないのではないでしょうか。それとも、もともとサービス利用の自己抑制がこの法案のねらいということでしょうか。

 障害者施策の歴史で、一九八一年の国際障害者年以降展開されてきたノーマライゼーションの理念推進、一九九三年の障害者基本法、一九九五年の障害者プラン、二〇〇〇年の社会福祉法における、自己決定、施設から地域へ、自立と社会参加という方向性などの障害者福祉の歩みを逆行させるものと言えるのではないでしょうか。尾辻大臣の御見解をお伺いいたします。(拍手)

 また、この法案をめぐって、政府は、自立という言葉を、介助を必要とせず、一人でできるようになるという意味で使っているようにも思われます。だから、サービスを利用したければ、国に頼らず自分で稼げという理屈になるのでしょう。

 障害者が求めている自立とは、施設を出て、地域でその人らしく、人間らしく生きるということです。図らずも今回の法案によって、自立という考え方に、政府と障害当事者の間に大きな溝があることが浮き彫りにされたようです。政府の考える自立とは何か、その定義を明確に御答弁願います。(拍手)

 応益という考え方、自立という理念について、障害当事者とかけ離れた考え方を持つ政府に、障害者の生活を白紙委任することなど到底できません。サービス共通の尺度も明らかではなく、よって障害程度区分もわからない。それぞれの区分の支給時間数は市町村にゆだねています。自分の障害はどのように認定されるのかもわからない。住んでいる場所で他の市町村と格差なくサービスが受けられるのかもわからない。これでは、障害当事者は不安でたまったものではありません。

 これらの事柄は、審議に際して明らかにされるのか、尾辻大臣にお伺いいたします。

 あわせて、今回法案で対象となった三障害以外の障害者に対する支援はどうするのか、お伺いをいたします。

 財政基盤の弱い市町村では、経費の四分の一を負担するのを嫌い、審査会が事実上の給付調整機能を果たしてしまうことになるとの心配があります。

 国、都道府県の補助は義務的経費になったといっても、算定根拠は、標準的なサービス量(時間数)掛けるその地域の程度区分ごとの障害者数であり、もし算定を誤れば、支援費の財源不足の二の舞となりかねません。義務的経費としながらも、上限額超過分の負担、すなわち算定の責任を市町村に押しつけています。そのツケは、結局障害者に押しつけられてしまうことになりませんか。このような危惧は当たらないのか、尾辻大臣にお伺いをいたします。

 自立への第一歩は、家族への依存からの脱却です。その意味で、支援費制度では、扶養義務者の範囲は親、兄弟を除く配偶者と子に限定されたのに、自立支援法案では、扶養義務者の負担は廃止すると言いながら、低所得者の負担限度額の決定や減額措置に際して、親、兄弟を含む生計を一つにする家族の負担を勘案することになっています。結局、世帯収入を合算して自己負担額を決めるということに、支援費以前に逆戻りという指摘があります。

 自己負担決定に際しての扶養義務負担を撤回し、勘案する家族の範囲を見直すよう求めますが、尾辻大臣の見解を伺います。(拍手)

 移動介護サービスは、障害者本人の社会参加の根幹をなすものであり、支援費制度においても利用が激増したところです。行動援護、重度訪問介護、日常生活支援以外の人の移動支援は、自立支援給付でなく、市町村の地域生活支援事業となるようです。

 もともと個別性が強く、現行の支援費で居宅サービス体系に入っていた移動介護が、なぜ切り離されて地域生活支援事業になったのか。障害者基本法第一条の目的に明記されている、自立及び社会参加の支援策として不可欠な移動介護は、個別給付を原則とすべきと考えますが、尾辻大臣の御見解をお聞かせください。(拍手)

 地域生活の場として、施設から地域への移行のための社会資源として大切な役割を果たしてきたのがグループホームです。

 障害者本人がだれとどこで暮らすかは、本人が選択すべきです。しかし、法案では、現行のグループホームを障害程度によって輪切りにし、重い人はケアホーム、中軽度の人はグループホームなどの新体系に、五年程度かけて移行することとされています。現在、障害程度が異なるグループホームの利用者は、引っ越しを迫られるのでしょうか。

 また、ケアホーム、グループホームの入居者へのホームヘルパー派遣も、一律にできなくするのではなく、個別の必要性に応じた利用は認められるべきと考えますが、尾辻大臣の御意見をお聞かせください。(拍手)

 精神障害者は、現行の支援費制度では枠外に置かれてきました。それだけに、福祉サービスの一本化でおくれを取り戻すチャンスとの期待感もあります。

 しかし、三障害のサービスを統一することで、精神障害者の通院医療に関する公費負担制度が見直され、自立支援医療に一本化し、利用者負担の仕組みの共通化が図られ、原則一割負担、所得によっては三割負担とされそうなことで、期待が失望に変わっています。

 外来通院している精神障害者の医療制度は、精神保健福祉法により所得に関係なく一律五%の自己負担とされ、服薬治療を長期にわたって継続しながら、地域で暮らすことを支えてきました。受診抑制が余儀なくされるこの医療費自己負担増は、入院中心の精神医療から地域社会での生活支援を目指してきたこれまでの厚労省の方針と矛盾することになるのではないでしょうか。尾辻大臣の御見解をお願いいたします。(拍手)

 障害者虐待につながる規定を盛り込み、市町村の責務としていることは評価できます。

 尾辻大臣、今後、実効性ある虐待防止策をどのように行っていくか、お示しください。

 障害者虐待の実情の深刻さを見るとき、障害者虐待防止法の必要性を痛感していますが、いかがでしょうか。(拍手)

 この法案には、負担増による財政的抑制論ばかり目立ち、目指すべき社会像がまるで見えてきません。グランドデザイン発表からわずか四カ月で法案化され、この間、当事者の意見を聞く機会も十分とは言えませんでした。

 政府は、私たちのことを私たち抜きで決めないでくださいという当事者の声を、どのようにお受けとめになっておられるのでしょうか、お聞かせください。

 小泉政権では、ごまかし、骨抜き、看板倒ればかりで、冷たい弱肉強食的競争社会が助長されています。

 養護学校へ行ってみてください。だまさない、出し抜かない、ねたまない、純粋な子供たちばかりです。この子らが幸せになれるかが政治の試金石です。努力する国民が正当に報われる共生社会をつくることが私たちの願いです。

 知的障害を持った子供たちを見ていて、この子らはだれ一人戦争を始めようとはしない、この子たちは、もしかしたら神によって選ばれ、そして、知恵がある、力がある、地位があると思い込んでいる人々の傲慢さを打ち砕き、一人一人違って、みんないいと教えてくれる平和の使者であり、人間社会の天使ではないかと感じています。(拍手)

 民主党は、障害者が暮らしやすい国やまちはだれにとっても優しく温かいものになるとの思いで、障害者政策を推進してまいります。そして、そのことこそが改革の真髄であると信じています。

 今、私たちが変えなければならないものは、人間観や価値観かもしれません。純粋な人間、物や金や地位によっては得られない真心や温かさが大切にされる社会づくりが必要なのではないでしょうか。(拍手)

 この点からも政権交代の必要性を強く訴え、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣北側一雄君登壇〕

国務大臣(北側一雄君) 昨日発生をいたしましたJR西日本福知山線における列車脱線事故に関しまして、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、事故で負傷された方々の一刻も早い御回復を心からお祈り申し上げます。

 安全は運輸サービスの基本中の基本でございます。安全性の確保こそが利用者に対する最大のサービスと認識をしております。今回、このような多数の死傷者が生じる重大事故が発生したことは、まことに遺憾でございます。

 政府といたしましては、この重大事故に対しまして、今懸命な取り組みを行っております。昼夜を徹しまして、消防、警察、自衛隊の方々等、被害者の方々の救出、救援に今も全力で取り組んでいるところでございます。

 また、官邸を中心にいたしまして関係省庁が一丸となりまして、被害を受けられた方々の救助を最優先とした事故への対応を行っているところでございます。

 私自身も、昨日、事故現場に行かせていただきました。現場でJR西日本の社長に会いましたので、直接、社長に対しまして、次の二点を申し上げました。一つは、被害者の方々への対応に誠実かつ万全を期してもらいたい。もう一点は、事故調等の調査が入りますので、原因究明に全面的な協力をしてもらいたいと強く要請をいたしました。

 また、国土交通省といたしましても、公共交通機関に係る安全対策の徹底を図る観点から、昨日、公共交通事業者に対しまして、安全対策の徹底を強く要請する文書を発出したところでございます。これに基づきまして、交通機関の安全を確保する取り組みをさらに徹底してまいります。

 また、航空・鉄道事故調査委員会は、昨日、委員二名と調査官五名を派遣しておりますが、本日、さらに追加で委員二名を派遣し、総勢九名で全力を挙げまして事故原因を調査しているところでございます。まずは、被害を受けられた方々への対応に万全を尽くすのはもちろんのこと、事故原因の徹底究明、さらには、今後の事故再発の防止に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 支援費制度についてのお尋ねがございました。

 支援費制度は、施行後多くの方がサービスを利用できるようになるなど、障害者の地域生活を進める役割を果たしていると評価をいたしております。

 しかしながら、同時に、利用者が急増していく中で、現在のままでは制度を維持することが困難となっていること、精神障害者が対象となっていないこと等の課題もありまして、障害者の自立した地域生活の支援を一層推進するため、今回、障害者自立支援法案を提案させていただいたところでございます。

 利用者負担についてのお尋ねがございました。

 障害者の自立と社会参加の推進のため、今後とも必要なサービスを確保できるよう、増大する費用について、福祉サービスの利用者の方々を含め皆で支え合っていくことが必要と考えております。

 今回、利用者負担をお願いするに当たりましては、サービスの利用量のみならず所得にも着目した費用負担の仕組みといたしますとともに、障害者の在宅サービスに関する国、都道府県の負担を義務的なものとすることとしており、これにより、障害者の地域生活を支える基盤が強化されるものと考えております。

 利用者負担の見直しが障害者福祉の歩みに与える影響についてお尋ねがございました。

 我が国の障害者施策は、ノーマライゼーションの理念に基づき、障害の有無にかかわらず、だれもが普通に暮らせる地域社会の実現を目指して推進されてまいりました。障害者自立支援法案も、障害者の地域生活支援の基盤を強化することにより、その一層の推進を図ろうとするものでございます。

 今回の利用者負担の見直しは、今後も増大するサービスを確保するため、利用者も含めて皆で制度を支え合うという観点から行うものでございまして、所得の少ない方に対して減免の仕組みを設けるなど、きめ細かな配慮をしてまいります。

 障害者の自立についてお尋ねがありました。

 障害者の自立とは、障害の程度や種別にかかわらず、障害者がみずからの選択に基づき、居住の場を初めとするみずからの生き方を決めていくことであると考えております。

 障害者自立支援法案は、このような考え方に基づき、障害者の自立した生活を支援し、だれもが普通に暮らせる地域社会の実現を目指すものでございます。

 政省令事項等についてお尋ねがございました。

 今回の法案では、制度の骨格は法律上明記した上で、支給決定やサービス内容、利用者負担に関する実務的な基準などは政省令に委任されております。

 政省令の内容については、今後、基本的な考え方等について、できるだけ早期に明らかにしたいと考えております。

 また、本法案は、精神障害者を含む三障害の方々に対して一元的に福祉サービスを提供する体制を整備するものであり、より普遍的な仕組みへの大きな一歩であると考えております。

 今後とも、支援を必要とするすべての方が適切に支援を受けることができる仕組みにしてまいります。

 国の義務的経費の上限額についてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案においては、必要な福祉サービスを確保するため、在宅サービスについて国が義務的に負担する仕組みに改めることとしております。

 国庫負担の具体的な基準等については、市町村が適切にサービス提供を行う場合に国が公平に国庫負担することができるよう、サービス提供の実態等を把握しながら、今後、十分検討をしてまいります。

 扶養義務者についてのお尋ねがございました。

 利用者本人の負担につきましては、その限度額を定めるに当たり、介護保険制度などと同様、生計を一にする世帯全体で負担能力を判定することを提案しております。

 しかしながら、障害者の自立という観点から、本人の所得のみに基づいて判定すべきとの意見があることは承知をいたしております。一方で、医療保険制度や税制面において、被扶養者などとして事実上の経済的な恩典を受けている場合に、本人の所得のみに基づくことに国民の御理解が得られるか等の御意見もございます。

 今後、生計を一にする世帯の範囲については、これらの意見を十分踏まえ、検討をしてまいります。

 移動介護についてお尋ねがございました。

 外出時の支援を行う移動介護につきましては、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態での実施が可能になるよう、市町村の地域生活支援事業に位置づけております。

 その際、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業とするとともに、その費用について、国、都道府県が補助することができる旨の規定を設けております。適正に事業が実施されるよう、十八年度予算において必要な予算が確保できるよう最大限努力をしてまいります。

 なお、重度の行動障害を有する方等については、移動の支援や身体の介護等をパッケージとして行う個別給付のサービスを創設することといたしております。

 グループホームについての御質問がございました。

 障害者自立支援法案においては、現在のグループホームを、介護が必要な方にふさわしい支援を行うケアホームと、就労している方等を対象とするグループホームに分けることとしております。

 グループホームやケアホームについて、議員御指摘の、さまざまな障害の程度の方が同居しておる場合の取り扱いや、ホームヘルプなど外部のサービスを活用する際の取り扱いについては、利用される方に良質なサービスを事業者が責任を持って提供するという観点から、具体的な条件について検討をしてまいります。

 精神障害者の公費負担医療制度についてお尋ねがございました。

 今回の見直しにおいては、精神障害者の通院医療など、障害者に係る公費負担医療制度について、低所得の方などに配慮して、医療費のみならず所得にも着目した負担の仕組みとすることとしております。

 これとあわせて、これまで立ちおくれてきた精神障害者に対する福祉サービスの提供体制を抜本的に強化することとしており、今後とも、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づき、精神障害者が地域で安心して暮らせる社会づくりに向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。

 障害者の虐待防止についてお尋ねがございました。

 人間として尊厳を持って生きていく上で、虐待はあってはならないことであります。

 このため、本年二月に有識者から成る「障害者虐待防止についての勉強会」を立ち上げ、障害者虐待防止法の必要性を含め、具体的な虐待防止策の検討を進めております。

 今後、さらに幅広く議論した上で、対応可能な虐待防止策から順次速やかに講じる努力をしてまいります。

 法案の検討過程についてのお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案の提出に当たりましては、障害当事者代表の方々も参画していただいた審議会で御論議いただくことを初めとして、さまざまな機会を通じて、改革の方向性を議論する段階から御意見を伺ってまいったところでございます。

 今後とも、さまざまな機会をとらえて関係者の御意見をお伺いし、よりよい制度となるよう努めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 古屋範子君。

    〔古屋範子君登壇〕

古屋範子君 公明党の古屋範子でございます。

 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました障害者自立支援法案について、厚生労働大臣に質問してまいります。(拍手)

 議題に先立ちまして、昨日発生いたしましたJR西日本福知山線列車脱線事故によりお亡くなりになり、図らずもとうとい人生を奪われてしまった方々、そして御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、事故に遭われた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。

 鉄道事故として過去四十年間で最悪の大惨事となってしまった今回の事故に対して、自民、公明両党は、昨日、事故発生直後、直ちに緊急対策本部を設置し、いち早く現地調査団を派遣し、事故現場を調査いたしました。政府と一丸となって、一日も早い原因究明、復旧に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 政府におかれましても、国土交通省を中心に、目下、不眠不休の懸命の救援活動を展開されておりますが、引き続き、関係省庁が連携し、迅速かつ的確な復旧、万全な対応を講じられますよう強く要請いたします。

 初めに、今回の事故原因の徹底究明と再発防止について、北側国土交通大臣の御所見をお伺いいたします。

 では、障害者自立支援法案について質問いたします。

 現在、世界で例を見ない速さで我が国の少子高齢化は進行しており、多くの国民が社会保障制度の将来に不安を抱いている中で、公明党は、立党の原点である福祉の党という理念を堅持するとともに、将来にわたって国民の安心を確保するための道筋を明確にし、着実に改革を進めていく必要があると考えております。そして、だれもが、障害や疾病の有無にかかわらず、生涯にわたって安心して生活することのできる社会こそが私たちの目指すべき社会であると考えます。

 障害者の施策について、公明党は昨年十二月、尾辻大臣に要請を行い、その中で、障害の種別を超えた普遍的な制度の構築などを目指すべきと提案しております。また、障害者福祉施策の抜本改革では、地域的なばらつきがない一定の水準が確保できるよう求めてまいりました。

 障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、これまで縦割りだった身体・知的・精神障害の福祉サービスを一元化する本法案は、市町村を主体として国と都道府県が重層的に支える仕組みを整え、障害者が地域で生活するための基本的な枠組みを構築しようとするものであり、画期的な法案であると評価できるものと考えます。

 そこで、障害者の福祉施策全般の向上を図るものとして注目されている本法案について、これまでの流れの中での位置づけ、重要性についてお尋ねいたします。

 また、今回の自立支援法案は、障害者別ごとに対象者を定めている既存の法律を前提として、その対象となる方々に対して一元的にサービスを提供する新たな法律となっております。従来から法体系の谷間に置かれている障害者の方々の存在を考えますと、昨年の臨時国会で発達障害者支援法が成立しておりますが、この発達障害を含め、将来はより包括的な制度への転換が要請されるものと思います。

 そこで、今後どのように障害者保健福祉施策を改革していくべきなのか、目指す方向性について、尾辻厚生労働大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、法案の中身についてお尋ねしてまいります。

 まず、利用者負担の見直しについてお伺いいたします。

 本法案では、公平な費用負担と配分の確保を図るため、これまでの応能負担から、サービスの利用量に応じた定率負担の導入を盛り込んでおり、低所得の方が多いとされる、障害者福祉サービスを利用する障害者の方々に大きな影響を与えることが懸念されております。

 そこで、利用者負担の見直しに当たっては、障害者の所得実態を踏まえた十分な配慮を行うとともに、就労支援策の一層の充実を図るなど、所得保障を確立するための方策を一体的に進めるべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 また、低所得者の負担上限額の設定や減額措置については、世帯単位の収入に基づくものとなっておりますが、これについては、扶養義務の撤廃の趣旨を踏まえ、障害者本人の所得を基本としつつ上限設定、減額措置が図られるよう検討すべきであると考えますが、きめ細やかな御配慮をお示しいただきたいと思います。

 さらに、就労支援策の推進は障害者施策の大転換となるものであり、働く意欲のある障害者の方々からも期待されている大変評価できるものであると思います。一方で、福祉工場などで働いた場合にも利用料が自己負担として求められるという問題も指摘をされております。

 そこで、雇用型の就労継続支援事業については、雇用という一般企業と同様の関係があること等を踏まえ、事業主の負担による減免措置の導入を検討するなど、障害者の就労促進の観点から十分な配慮を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、自立支援給付の支給決定のあり方についてお伺いいたします。

 市町村がサービス量等を決定する際の評価尺度、基準については、障害者の多様な特性とニーズを踏まえ、障害者の地域生活を可能とする適正な基準の設定が重要であります。

 そこで、市町村審査会のあり方については、その客観性、公平性は確保した上で、障害種別や特性の知識を有し状況を判断できる者を審査会委員に任命するなど、障害者の心身の状態や生活状況が十分反映されるよう配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、最重度障害者については、長時間介護サービスの確保など、支援水準が低下しないよう配慮されるべきでありますが、御見解をお伺いいたします。

 次に、自立支援医療についてお尋ねいたします。

 今回の改正で、精神障害者通院医療費公費負担制度の利用者負担については、定率負担の見直しが行われることとなっております。この制度については、現在、自己負担分についてそれぞれの都道府県単位では補助の仕組みをつくるなど柔軟な対応をしております。

 そこで、精神障害者の所得の実態や、地方自治体の行っている単独事業の実態も踏まえ、低所得者に十分な配慮を行うとともに、継続的に医療費負担が生じることから利用者負担に上限が設定される、重度かつ継続に該当する疾病等の範囲についても、実態に応じ弾力的な対応をお願いしたいと思いますが、きめ細やかな取り組みについて具体的にお聞かせください。

 また、精神障害者の社会的入院の解消、地域生活の具体化を早急に図るため、必要な法整備及び社会資源の整備を行うことが重要となっておりますが、この点についてのお考えもあわせてお聞かせください。

 次に、移動介護サービスについてお伺いいたします。

 移動介護サービスについては、今回の見直しの中で基本的に地域生活支援事業の中に位置づけられることとなっており、適切な給付の確保が心配をされております。

 そこで、移動介護サービスが障害者の地域生活や社会参加を促進するために重要な役割を果たしている実情を踏まえ、サービス水準の後退や市町村格差が拡大することのないよう必要な財政措置を講ずるべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 今まさに、国全体としても、年金、医療、介護、子育てにわたる社会保障制度の一体的な見直しが極めて重要な問題として論議をされておりますが、私は、この中で、障害者が自立して地域生活を送るための福祉と雇用の連携、就労支援策の充実を大きな課題として位置づけ、政府が一丸となって取り組むべき問題であると思います。

 本法案は、当事者の方々にとっては厳しい要素も含まれており、運用の面できめ細やかな配慮を必要とするものが多くありますが、障害を持つ方々が地域社会において胸を張って生きる、自立と共生のまちづくりに寄与するものとなり、地域で普通に暮らすための第一歩になることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣北側一雄君登壇〕

国務大臣(北側一雄君) 昨日、JR西日本福知山線におきまして、甚大な被害を生じる列車脱線事故が発生をいたしました。

 多くのお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみ申し上げる次第でございます。また、重体となっている方々も大勢いらっしゃいます。負傷された方々の一刻も早い御回復を心からお祈り申し上げる次第でございます。

 安全は運輸サービスの基本でございます。安全性の確保こそが利用者に対する最大のサービスであります。今回このような甚大な被害が生じる事故が生じたことは、まことに遺憾であると言わざるを得ません。

 政府といたしましては、この重大事故に対しまして、今懸命な取り組みを行っているところでございます。現在も、昼夜を徹しまして、消防、警察、自衛隊また医療関係者の方々等、被害者の方々の救出、救援に全力を挙げているところでございます。

 また、官邸を中心に関係省庁が一丸となりまして、被害を受けられた方々の救助を最優先とした事故への対応を行っているところでございます。

 昨日、JR西日本の会長また社長に対しまして、私から直接、被害者の方々への対応に万全を期すこと、原因究明に全面的に協力すること、この二点を強く要請したところでございます。

 また、国土交通省といたしましても、公共交通機関に係る安全対策の徹底を図る観点から、昨日、公共交通事業者に対しまして、安全対策の徹底を強く要請する文書を発出いたしました。これに基づいて、交通機関への安全を確保する取り組みをさらに徹底してまいりたいと思います。

 私自身、近々、航空事業者も含めまして、主要な公共交通事業者のところに出向きたいと思っております。こちらから安全総点検の指示をしているところでございますが、どのような対策をとっているのか、どのような活動をしているのか、報告を現場で直接受けさせていただきたいと思っております。

 また、航空・鉄道事故調査委員会は、昨日、委員二名と調査官五名を派遣しておるところでございますが、本日、さらに追加で委員二名を派遣いたしまして、総勢九名で全力を挙げて事故原因を調査しているところでございます。

 事故原因につきましては、予断は排さないといけないと思っております。徹底した客観的な事故原因の調査をしてもらいたいと思っております。事故原因の調査には少し時間がかかるかと思いますが、適宜、国会の議員の皆様に御報告をさせていただきたいと思っているところでございます。

 今後は、まずは被害を受けられた方々への対応に万全を尽くすのは当然でございますが、事故原因の徹底究明、さらには事故再発の防止に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害保健福祉施策の今後の目指すべき方向性についてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案は、支援費制度の自己決定と自己選択や利用者本位の理念を継承しつつ、これまで制度の対象となってこなかった精神障害者も含め、障害の種別にかかわらず、一元的にサービスを利用できる仕組みを構築するなど、障害保健福祉施策の抜本的な見直しを行うものでございます。

 本法案は、包括的な制度への大きな一歩になるものと考えております。

 利用者負担の見直しと所得保障の確立についてのお尋ねがございました。

 今回の制度改正においては、サービスの利用者がふえ、増大する費用を皆で負担し支え合うという考え方のもと、国の負担を義務的なものとするとともに、サービス量と所得に応じた負担をお願いすることとしております。

 その際、所得の低い方がおられることに配慮して、各般の利用者負担を減免する仕組みを設け、きめ細かく配慮することといたしております。

 また、障害者の所得保障につきましては、福祉と雇用が連携した就労支援を進めますとともに、今後とも所得保障のあり方について検討してまいります。

 利用者負担についてのお尋ねがございました。

 利用者本人の負担につきましては、その限度額を定めるに当たり、介護保険制度などと同様、生計を一にする世帯全体で負担能力を判定することを提案しております。

 しかしながら、この点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、本人の所得のみに基づいて判定すべきとの御意見があります一方で、被扶養者などとして事実上の経済的な恩恵を受けている場合には、本人の所得のみに基づくことに国民の理解が得られるかなどという意見もございます。

 今後、生計を一にする世帯の範囲については、これらの御意見を十分に踏まえながら検討してまいります。

 就労継続支援事業における利用者負担の減免についてのお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案においては、就労継続支援事業を含め、障害福祉サービスの提供を受けた場合には、利用者負担をお願いすることとしております。

 しかしながら、議員御指摘のように、雇用関係にある就労継続支援事業につきましては、他の福祉サービスと異なりまして、事業者と利用者が雇用関係にありますことから、事業者の判断で事業者の負担により利用料を減免できる仕組みを導入したいと考えております。

 市町村審査会についてのお尋ねがございました。

 今回の改革におきましては、市町村の支給決定がより透明で、客観的かつ公平なものとなるよう、障害者の保健福祉に関する専門的な知見を有する中立、公正な第三者から成る市町村審査会を設置することとしております。

 こうした趣旨を踏まえて、市町村審査会の委員は、障害者の生活実態などにも詳しい中立、公正な方が市町村に任命されるよう、地方自治体に助言をしてまいります。

 最重度障害者の支援についてのお尋ねがございました。

 最重度の障害者を含め、障害者を適切に支える体制を整備することが重要だと考えております。

 このため、今回の改革におきましては、地域で暮らす重度障害者を対象に、サービスを適切かつ柔軟に確保する仕組みとして、重度訪問介護、重度障害者等包括支援等のサービス類型を設けることといたしております。

 こうした重度障害者への新たなサービスの具体的な内容や基準につきましては、ばらつきがあると言われている現在のサービス利用の実態を把握しつつ、今後、必要なサービスを効率的に提供する観点から検討してまいります。

 障害者に係る公費負担医療についてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案におきましては、障害者に係る公費負担医療につきまして、自立支援医療として再編し、必要な医療を確保しつつ、費用を皆で支え合う制度とするため、医療費と所得に応じた御負担をお願いすることといたしております。

 その中で、低所得の方や、障害の程度が重度でかつ継続的に医療費負担が生じる方など、家計への影響の大きい方については、所得に応じた負担の上限額を設定し、配慮することといたしております。

 また、重度かつ継続の範囲については、臨床実態に関する実証的研究結果を踏まえ、対象の明確化を図ることとしており、結論を得たものから順次実施してまいります。

 精神障害者の地域生活支援についてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案におきましては、住民に身近な市町村が中心となって障害福祉サービスを障害の種別を超えて一元的に提供する仕組みといたしますとともに、各都道府県は入院患者の退院促進に向け、社会資源の整備を含め、施策を総合的、計画的に進め、精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援を抜本的に強化することといたしております。

 今後とも、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づき、この新たな仕組みのもとで、精神障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指して取り組んでまいります。

 移動介護についてのお尋ねがございました。

 外出時の支援を行う移動介護につきましては、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態での実施が可能となるよう、障害者自立支援法案では、市町村の地域生活支援事業に位置づけております。

 その際、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業とするとともに、その費用について、国、都道府県が補助することができる旨の規定を設けております。適切に事業が実施されるよう、十八年度予算において必要な予算が確保できるよう最大限努力をしてまいります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    麻生 太郎君

       文部科学大臣  中山 成彬君

       厚生労働大臣  尾辻 秀久君

       農林水産大臣  島村 宜伸君

       経済産業大臣  中川 昭一君

       国土交通大臣  北側 一雄君

       国務大臣    伊藤 達也君

 出席副大臣

       厚生労働副大臣 西  博義君


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