衆議院

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第30号 平成17年6月14日(火曜日)

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平成十七年六月十四日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十七号

  平成十七年六月十四日

    午後一時開議

 第一 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

 第二 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 第三 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

 下水道法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 日程第二 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 日程第三 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 日程第一とともに、内閣提出、参議院送付、下水道法の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 日程第一 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

 下水道法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

議長(河野洋平君) 日程第一、総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案、ただいま日程に追加されました下水道法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長橘康太郎君。

    ―――――――――――――

 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書

 下水道法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔橘康太郎君登壇〕

橘康太郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案について申し上げます。

 本案は、社会経済情勢の変化に適切に対応し、総合的な国土の形成を図るため、

 国土総合開発計画の計画事項を拡充し、その名称を国土形成計画に改めること、

 国土形成計画は、国の定める全国計画と国土交通大臣の定める広域地方計画とすること、

 国土形成計画に係る地方公共団体からの提案制度を設けること

などの措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る五月十七日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、同日北側国土交通大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。翌十八日質疑に入り、二十日参考人からの意見聴取を行い、六月十日質疑を終了いたしました。質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 次に、下水道法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、都市における浸水被害の防止、公共用水域の水質の保全等を図るため、雨水流域下水道の新設及び地方公共団体が共同して終末処理場から放流される下水の高度処理を行う制度を創設するなどの措置を講じようとするものであります。

 本案は、参議院先議に係るもので、去る六月十日本委員会に付託され、同日北側国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、本日質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案中、日程第一につき討論の通告があります。これを許します。松崎哲久君。

    〔松崎哲久君登壇〕

松崎哲久君 松崎哲久でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました内閣提出の総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 まず冒頭、私たち民主党のこの改正案に対する前提ともいうべき立場について説明いたします。

 第一。私たちは、国土のありようを長期的に、かつ総合的に考える計画は基本的に必要であると考えます。しかしながら、本改正によって、我が国が現在直面している巨大な、かつ重要な時代の変化に対応できるものではないと判断せざるを得ません。

 第二に、本改正の提案が余りにも性急であり、拙速であり、法案として十分に成熟度があるとは思えないわけであります。与党の諸氏からは、とかく、反対するなら対案を出せという議論を聞きます。しかしながら、拙速ゆえに反対するのですから、対案は、十分に時間をかけて準備を尽くせということに尽きます。拙速の案に対して拙速の対案を求めるのは、本末転倒、問題のすりかえとしか言いようがありません。(拍手)

 第三に、しかしながら、国会は数の論理が物を言うところであり、私たちが数において劣勢である以上、賛成多数で可決されることを前提に、次善、三善の策を求めることも必要であります。

 私たちは、本改正案の最大の問題点は、国土交通政策を長期にわたって規定していくことになる計画が、国権の最高機関であるこの国会の審議を経ずに策定されてしまう点にあると考えます。したがって、国会の承認を求めることにする修正その他を非公式に申し入れましたが、残念ながら、十分な回答は得られませんでした。

 国会承認を必要としない行政計画に余りに広範に権限をゆだねるという国会軽視のこの姿勢は、政省令に多くをゆだねる郵政民営化関連法案と同様に、議会政党として看過することはできません。よって、私たちが政権準備政党として現実の政策課題に真摯に、積極的に対応していこうとする限り、本案には反対せざるを得ないのであります。(拍手)

 次に、ただいま申し上げたことをいま少し具体的に、事実に即しまして指摘させていただきたいと思います。

 初めに、本改正によって国土総合開発法という法律の題名を国土形成計画法に改めることになっています。国土形成、既に形のある国土を形あるものにつくり上げるというのはどういうことでありましょうか。

 改正後の第二条には、「国土の利用、整備及び保全(以下「国土の形成」という。)」とありますので、法律上は、利用、整備及び保全がすなわち形成ということになります。しかしながら、これは一般に理解されている形成という言葉の意味とは全く違います。

 実は、委員会審議の過程で、民主党の質問者の半数以上が、この題名に違和感を持つという発言をいたしました。また、北側国土交通大臣も政府参考人も、この用語には必ずしもしっくりいっているわけではないという答弁がございました。

 その際の議論をここでは繰り返しませんが、古来、日本は言霊の幸う国と申します。言葉は実体をあらわすのです。実体がきちんとしていれば、それをあらわす言葉、適当にあらわす言葉があるはずです。なければ、探すのです。あいまいな言葉をあいまいのままに使うのでは、中身に対する自信のなさをあらわしていることになります。(拍手)

 ちょうど郵政民営化関連法案において、民営化後に設立される会社が郵便局株式会社や日本郵政株式会社であるように、ただ株式会社を接ぎ木しただけなのと同様であります。

 いずれにいたしましても、世界に冠たると言われた日本の官僚機構の方々の国語や言語に対する感性が衰えているのではないかというふうに感じます。言葉を大切にしない民族は滅びるという箴言、戒めの言葉を考えたら、国土形成計画法などという題名からして、成熟度の低い法律によって描かれる、新しいけれども未熟な計画に対して、暗たんたる気持ちを禁じ得ないのであります。(拍手)

 本改正が実現いたしますと、両三年内に新しい計画を策定することになります。ところが、今私たちは、平成十年策定の二十一世紀のグランドデザインの実施期間中にあるのです。目標達成年は平成二十二年ないし二十七年と言われるこのグランドデザインと新しい計画はどう整合するのか。従来の全国総合開発計画が達成し得なかったものをどう評価し、その責任をとろうとしているのか。

 道路公団、年金、そして郵政と、看板をかけかえて改革と言い募るのは小泉内閣の常套手段でありますが、ここにも問題のすりかえがあるのではありませんか。しかも、このすりかえは、巨大な予算が使われる割には目立たないところでひそやかに行われようとしているのです。私たち民主党が受け入れられるものではありません。

 昭和四十八年内閣提出の国土総合開発法改正案は、曲折を経て廃案。昭和四十九年に、委員長提案による国土利用計画法と議員修正による国土庁設置法の成立という結果になりました。国土庁は総理府の外局として設置されましたから、内閣総理大臣が所管する調整官庁だったのです。ところが、橋本行革に伴う平成十三年の省庁再編で国土交通省の一局となり、計画立案と実行部門が同じ屋根の下に入る結果となりました。

 私たちは、過去の全国総合開発計画の光と影を検証し、新しい時代に即したものにしていくためには、総合的な国土交通体系の形成を模索し、追求するのは、一省庁、一大臣の管轄下における行政計画ではなく、国会による議決が必要な形にしなければならないと思っております。国土交通大臣が計画策定の主体であり、かつ実行者であるということを明確に規定する本改正は、むしろ、従来の全国総合開発計画よりも後退していると言わざるを得ないのです。(拍手)

 新しい時代の新しい計画に要請されることは、地方の主体性をいかに確保できるかにあると考えますが、本改正では、地方分権の視点が十分とは言えません。広域地方計画を策定することにより、一見、地方分権が進むようには見えますが、権限も財源も中央に残したままでは、地方の創意と工夫を生かすことができるわけがありません。これでは、本来地方が担うべき領域に国土交通省の地方整備局を通じて国の関与が強化されるだけであり、結局、一律の、横並びの計画が立てられ、数と量を競って国あるいは地方整備局への陳情合戦が激しくなるだけということが危惧されるのであります。

 分権型社会への道筋は、既に否定のできないとうとうたる流れをなしております。理念を提示し総合調整を行う国の役割は決して必要がなくなるわけではありませんが、広域地方計画の策定主体はあくまでも地方であるべきであり、国の関与がさらに強まるおそれのある本改正は、時代に逆行するものと言わざるを得ません。

議長(河野洋平君) 松崎哲久君、申し合わせの時間が過ぎましたから、結論を急いでください。

松崎哲久君(続) そもそも、長期の総合的な計画とは何のためにあるか。それは、国民の生活を豊かにし、便利にし、心行くまでその人生を楽しめるようにするためのものであります。

 日本の将来をどう見通し、そのためにどういう国土政策、交通政策が必要であるか、それを考えるための改正案に果たして今回の改正案はなっているのか。看板のかけかえだけで内実の伴わない改革ではなくて、真に国民の利益が増進されるような、そういう計画を立案し得る新法を私たちは必要としております。

 民主党・無所属クラブは、本改正に反対します。それは、民主党が総合的な国土交通体系の形成を不要と考えるのでも、その計画に無関心なのでもありません。むしろ真剣に考えるがゆえに、この改正に賛成できないのです。そして、この重要な課題に立ち向かうためにも、近い将来に政権交代を実現して、政権政党として新しいグランドデザインを立案する作業に乗り出すのだということを申し上げて、私の討論を終了させていただきます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、下水道法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

議長(河野洋平君) 日程第二、湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。環境委員長小沢鋭仁君。

    ―――――――――――――

 湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小沢鋭仁君登壇〕

小沢鋭仁君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近における湖沼の水質をめぐる状況にかんがみ、湖沼の水質の保全を図るため、指定地域における規制対象施設を拡充するとともに、農地、市街地等からの流出水に係る対策の実施の推進、湖辺の環境の保護のための措置等を講じようとするものであります。

 本案は、参議院先議に係るもので、六月六日本委員会に付託され、翌七日小池環境大臣から提案理由の説明を聴取した後、去る十日質疑を行い、質疑終局後、直ちに採決いたしました結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第三、学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長斉藤鉄夫君。

    ―――――――――――――

 学校教育法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔斉藤鉄夫君登壇〕

斉藤鉄夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国際的な動向等を踏まえ、短期大学に係る学位制度を設けるとともに、教育研究の活性化等の観点から教員組織の整備を行うものであり、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、短期大学は、短期大学を卒業した者に対し短期大学士の学位を授与するものとすること、

 第二に、大学及び高等専門学校において、助教授にかえて准教授を設けるとともに、助教を新設する等、教員組織の整備を行うこと

であります。

 本案は、六月一日本委員会に付託され、同月三日中山文部科学大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十日質疑を行い、討論の後、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。安全保障委員長小林興起君。

    ―――――――――――――

 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小林興起君登壇〕

小林興起君 ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、安全保障委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律、安全保障会議設置法及び自衛隊員倫理法の一部を改正するものであり、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、自衛官の定数を千五百九十八人削減し、二十五万千五百八十二人に改めること、

 第二に、統合幕僚監部、統合幕僚長及び統合幕僚副長を新設するとともに情報部門の改編等を行うこと、

 第三に、即応予備自衛官の員数を六百二十六人削減し、八千三百七十八人に改めること、

 第四に、我が国に飛来する弾道ミサイル等につき、その落下による我が国領域における人命または財産に対する被害を防止するため、自衛隊の部隊に対し、当該ミサイル等を破壊する措置をとるべき旨を命ずることができるよう所要の規定の整備を行うこと、

 第五に、陸上自衛隊の部隊として、第二混成団を廃止して、新たに第十四旅団を新編すること

であります。

 本案は、去る四月一日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、同月七日大野防衛庁長官から提案理由の説明を聴取した後、翌八日から質疑に入り、二十六日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、本日質疑を終了いたしましたところ、本案に対し、自由民主党及び公明党の共同提案により、自衛隊法第八十二条の二第三項の規定の趣旨を明確化することを内容とする修正案が、また、民主党・無所属クラブから、弾道ミサイル等に対し講じられた措置について国会の承諾を求めなければならないことなどを主な内容とする修正案がそれぞれ提出され、両修正案について提出者から趣旨の説明を聴取いたしました。

 次いで、討論を行い、採決を行いました結果、民主党・無所属クラブ提出に係る修正案を賛成少数をもって否決した後、自由民主党及び公明党提出に係る修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 討論の通告があります。これを許します。松本剛明君。

    〔松本剛明君登壇〕

松本剛明君 民主党の松本剛明です。

 法案の反対討論に先立ち、一言申し上げたいと思います。

 一昨日のテレビの討論番組で、与党の責任ある立場の方が、会期延長を当然として、会期延長反対はレールの上に置き石をするようなもの、投身自殺なら男らしいという趣旨の発言をされました。その後取り消されたようでありますが、到底それで済む話ではありませんし、兵庫県の議員として、私も見逃すことはできません。

 置き石は悪質な犯罪であります。通常国会の会期は、国会法の定めで延長も一回に限られており、大変大切に考えられているものであることは明らかであります。この会期の延長に対して賛否を表明することも当然に認められることでありますが、みずからの意見に沿わないものを人命にかかわる犯罪と同列に論じる人物が民主主義を理解しているとは思えません。(拍手)

 投身自殺は男らしい。肯定的表現として男らしいを用いる感覚もいかがかと思いますが、何よりも、今我が国で自殺者が三万人を超えていることは、政治に携わる者にとってはだれでも片時も頭から離れることのない重い課題であります。悩み、絶望して命を絶った方、残された御遺族の悲しみ、苦しみに思いをはせるとき、政治の使命をどのように考えているのか、無責任では済まされません。(拍手)

 ことしの四月二十五日午前九時十八分、列車事故で百七人のとうとい命が失われ、五百名を超える方々が負傷いたしました。それから一月半、御遺族にはつらく悲しい日々、負傷の方々は今でも体の傷、心の傷に苦しんでおられます。発言の日は事故から数えて四十九日目、冗談にも例え話にする神経が信じられません。

 日曜日、私は地元の兵庫を走りながら番組を聞いていて、飛び込んできたあの発言に我が耳を疑いました。国民の命を守る国政を担う人が、自分の考えに反対する人を中傷するためとしか思えないような場面で命を惜しむ人たちの気持ちを逆なでするようなことを言うとすれば、怒りを覚えます。

 現場に赴いて花を手向ければ、突如人生を中断された多くの人々の無念の声が聞こえてまいりました。発言の主がそこまで行かれたかどうか、私は存じません。しかし、現場まで行かなくとも、そのことを思わずして、心の通った、痛みのわかる政治ができるのでしょうか。政治家としての適格性を問う声が出るのも当然であります。取り消したからといって許せる話ではありません。

 不適切な発言は取り消されるべきでありますが、適格性への疑いを消し去ることはできません。猛省を促し、関係者への謝罪を求めるとともに、そのことをどのようにみずからの行動であらわすのか、国民とともに私たちは注視をしていくということを申し上げて、憤りの言葉といたします。(拍手)

 それでは、民主党・無所属クラブを代表して、議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、反対の立場で討論をいたします。

 まず、本法案に関する真摯な修正協議が事実上のゼロ回答で打ち切られたことは、まことに残念でなりません。

 私たちは、防衛政策は、すべての国民にひとしくかかわる、国民の生命、身体、財産を守る政治の基本であり、さらには、外国とのかかわり、対外的な見地も視野に入れれば、国会で合意を得ることに大きな意義があると考え、取り組んでまいりました。

 委員会の審議では数々の問題点が指摘され、それぞれに十分な答えがあったとはとても言えない状況でありました。それだけに、私たちは修正を求めてまいりましたが、残念ながら与党がこれを受け入れず、多数をもって押し切るなら、立法府の責務を果たしたとは到底言えないと思います。もしも、民主党からの建設的な修正提案に応じることを連立与党のメンツにかかわる問題ととらえたのだとすれば、国を守る安全保障政策に取り組む政府・与党の根本的な姿勢が問われることになります。

 そもそも本法案は、統合運用、ミサイル防衛、情報本部設置など、我が国防衛の根幹にかかわる案件が、予算関連として一くくりに盛り込まれる形で提出をされました。中川秀直現自民党国対委員長がかつて、安易に一括して法案を出すことは国会の審議権を奪うものだ、このような趣旨の発言をされたことが記録に残っておりますが、今回の事案はまさにそれに当たるのではないでしょうか。さらには、本法に関連する重要な法整備の検討が進められているようで、その概要が不明なまま法案の審議を求めることは、審議に対する心構えも疑われます。審議が尽くされなかったことが後々禍根を残すのではないかと、大変憂えております。

 法案の内容についても申し上げてまいります。

 第一に、統合運用に関すること。

 本案では、これまで陸海空に分けていたものを、任務による仕分けを行い、フォースユーザーとなる運用の面は統合し、その他のフォースプロバイダーとしての面は従来どおり陸海空のままとするものです。私たちは、技術の進歩、新たな脅威など安全保障環境の変化から、統合の必要性はしっかり認識しておりますが、同時に難しさもいろいろ指摘されているところであります。

 だからこそ丁寧な検討を進めるべきで、例えば、審議の中で取り上げられた問題に、新設の統合幕僚長と陸海空三幕僚長との関係があります。運用面で三幕僚長の関与をなくすことについて、事務方からは、抽象論に終始し、納得できる説明もいただけませんでしたし、委員会では、大臣の御認識と食い違っているように思えてなりませんでした。現場に当たる現在の統幕会議が出されたレポートとも異なり、諸外国でそういう例があると言えば国情の違いだと切り捨て、あげくの果てには、外国の制度も変わるかもしれない、信じられない説明が続いている状況であります。

 先行して統合運用を進めている諸外国では、試行、改良を積み重ねて進化をさせております。制度をつくるときにベストを求めるのが当然ではありますが、同時に、導入後に検証して、見直す点があれば速やかに改める、これも当然ではないでしょうか。その意味で私たちは見直しを定めることを提案しているのに、何ゆえかたくなに拒絶をされるのか、理解できません。

 第二は、ミサイル防衛、MDに関する点であります。

 私たち民主党は、MDについては、我が国が直面するミサイルの脅威、これから国民の生命や身体、財産を守るための体制として、その必要性を踏まえ、費用対効果など総合的な観点から検討を進め、あわせて、シビリアンコントロール、文民統制を確保することとしてまいりました。

 その中で一つのポイントは、国会の関与であります。私たちは、事態の終結を受けて国会に承諾を求める、このような定めを提案いたしました。そもそも、権力の源は国民にあり、その負託を国権の最高機関の国会が受けています。であれば、基本的に国会の承諾は必要なのであり、不要とするにはそれ相応の理由が要るというのが考え方だと思います。承諾に至らない報告で足りるというだけでは説明になりません。

 また、文民統制の観点から、おそれの認定がなく、緊急対処要領で措置する自衛隊法八十二条の二第三項の規定の扱いについても、同条第一項との関係、期間の設定、発令のケース、そしてその要領に基づく手順の透明化など、まだまだ課題が残っております。私たちは、せめて条文をわかりやすいものとするように整理するよう提案をいたしましたが、残念ながら、これも否決をされました。

 ミサイル防衛は、当然のことでありますが、効果的に国民を守ることに資するものでなければ意味がありません。私たちは、その点から、国民への公表、情報提供ということにこだわってまいりました。残念ながら、これに関する私たちの提案も受け入れられませんでした。国民保護法でカバーするかのごとく答弁もありましたが、国民保護法と今回のミサイルの発射される事態との関係も、答弁ではいまだ整理されていないようでありまして、だれのためのMDなのか、疑問を感じざるを得ないところであります。

 本法案の問題点は、ここまで述べてきた統合運用やミサイル防衛に関連するところでも、そしてその他の分野のところでも、まだまだあります。

 委員会で、与党の議員の方から、これが本当にうまく機能するのかということについて引き続き議論を続けてみる必要がある、私は野党でもないので、これ以上この件については質問いたしませんと。与党の方々が、本音では疑問に思いながら、とめざるを得ないような、このような状況が本法案の審議の実態であります。審議を尽くしてこその国会であるはずであります。上述のように、政府みずから検討中の要素が残っている点を認めておられます。そのような中で、安全保障政策の根幹にかかわる本法案の採決を急がれても、強く異議を唱えるほかありません。

 私たちは、審議で明らかになった問題点を解決すべく修正案を提示し、協議をしてまいりましたが、残念ながら不調に終わった今、問題点を内包する法案に対し、事実上原案のままで賛成することは、将来責任を担う政党としてとるべき態度ではないという結論に達しました。将来への大いなる危惧を持って、本法案に反対をいたします。心ある議員の良識ある判断を心から願って、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

 少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、少年法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣南野知惠子君。

    〔国務大臣南野知惠子君登壇〕

国務大臣(南野知惠子君) 少年法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 近年、少年人口に占める刑法犯の検挙人員の割合が増加し、強盗等の凶悪犯の検挙人員が高水準で推移している上、いわゆる触法少年による凶悪重大な事件も発生するなど、少年非行は深刻な状況にあります。

 このような現状を踏まえ、平成十五年十二月、青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱において、触法少年の事案について、警察の調査権限を明確化するための法整備を検討すること、触法少年についても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の保護処分を選択できるよう、少年院法の改正を検討すること、保護観察中の少年について、遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための制度的措置について検討することが示されたほか、同月、犯罪対策閣僚会議が策定した犯罪に強い社会の実現のための行動計画においても、非行少年の保護観察のあり方の見直し及び触法少年事案に関する調査権限等の明確化について検討することが取り上げられましたが、これらの検討事項は、いずれも、かねてから立法的手当てが必要と指摘されていたところでもあります。

 また、平成十四年三月に閣議決定された司法制度改革推進計画において、少年審判手続における公的付添人制度について積極的な検討を行うこととされました。

 そこで、この法律案は、少年非行の現状に適切に対処するとともに、国選付添人制度を整備するため、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法等を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。

 この法律案の要点を申し上げます。

 第一は、少年法を改正して、触法少年及びいわゆる虞犯少年に係る事件の調査手続を整備するものです。

 すなわち、触法少年の事件について警察官による任意調査及び押収等の強制調査等の手続を、虞犯少年の事件について警察官による任意調査の手続をそれぞれ整備するとともに、警察官は、調査の結果、家庭裁判所の審判を相当とする一定の事由に該当する事件については児童相談所長に送致しなければならないこととし、児童相談所長等は、一定の重大事件に係る触法少年の事件については、原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないこととしております。

 第二は、少年法及び少年院法を改正して、十四歳未満の少年の保護処分を多様化するものです。

 すなわち、十四歳未満の少年についても、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、少年院送致の保護処分をすることができることとしております。

 第三は、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法を改正して、保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置等を整備するものです。

 すなわち、遵守事項を遵守しなかった保護観察中の者に対し、保護観察所の長が警告を発することができることとした上、それにもかかわらず、なおその者が遵守事項を遵守せず、保護観察によってはその改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所において少年院送致等の決定をすることができることとするほか、少年院及び保護観察所の長が保護処分中の少年の保護者に対し指導、助言等をできることとしております。

 第四は、少年法及び総合法律支援法を改正して、国選付添人制度を整備するものです。

 すなわち、一定の重大事件について、少年鑑別所送致の観護措置がとられている場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所が職権で少年に弁護士である付添人を付することができることとしております。

 その他所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。左藤章君。

    〔左藤章君登壇〕

左藤章君 自由民主党の左藤章でございます。

 ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、公明党を代表して質問をさせていただきます。(拍手)

 次代を担う少年の健全な育成を図ることは、二十一世紀の我が国を築くために最も重要な課題であります。

 しかしながら、昨年七月に内閣府が行った治安に対する世論調査においては、最近の犯罪の傾向として低年齢化を挙げた国民が八割と最も高い数値を示しております。また、本年一月に行った少年非行等に関する世論調査においても、重大な事件が以前に比べふえているとする国民が九割を超え、中でも、低年齢の少年による非行がふえている、また、凶悪、粗暴な非行がふえているとした国民はいずれも六割と非常に高い数値を示し、まさに少年非行の現状について大変深刻な状況にあると感じます。

 そこで、南野法務大臣御自身はこの点についてどのように認識しておられるか、お尋ねします。

 次に、少年非行が深刻な状況にあることを受け、これに対する政府の取り組みについても国民の関心が集まっている中で、改正の具体的な内容について伺います。

 非行を犯した少年を更生させるため、まずもって大切なことは、少年がどのような理由でどのような非行を犯したかを明らかにすること、すなわち、事案の真相を解明することであります。非行を犯した少年の更生のためには、みずからが行った行為と犯罪被害者の置かれた状況を家庭裁判所の審判等の手続の中で事実としてきちんと理解させることが必要であり、また、少年に対し最も適当な処遇を決める上でも、事案を解明することは不可欠であります。

 そこで、南野法務大臣にお尋ねします。

 いわゆる触法少年の行為は、犯罪でなく、警察が捜査をすることができないというのが現行法の原則ではないか、また、いわゆる虞犯少年についても、児童相談所や家庭裁判所に送致するかどうかを見きわめるため、調査の名による警察の監視が続くのではないかとの指摘がある中で、今回の法改正では、警察官による触法少年及び虞犯少年の事件の調査手続を整備することが一つの柱とされていますが、これらの懸念にどう説明し、また、これによってどのような効果があるとお考えでしょうか、お伺いします。

 次に、今回の法改正では、十四歳未満の少年の保護処分を見直し、十四歳未満であっても、家庭裁判所が特に必要と認める場合は少年院送致とすることができることとされています。近年、年少者による社会を震撼させるような凶悪事件が発生しており、このような少年に対してどのような処遇を行うべきかについては、国民も関心を寄せています。

 南野法務大臣にお尋ねします。

 大臣は、どのようなお考えで十四歳未満の少年院送致を可能にすることとされたのでしょうか。

 また、今回の法改正では、保護観察についても見直しを図るものとされております。現在は、保護観察官との間で決められた遵守事項を守らなくても何ら措置がとられないため、これを守らず、あるいは、保護観察官や保護司との面接にさえ応じないという例が少なからずあると聞いております。このような場合に、保護観察所の長が少年に対し警告を発し、それでもなお遵守事項を守らず、保護観察では改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所が少年院送致等の決定をすることができることとしていますが、私は、このような措置は当然と考えます。

 そこで、南野法務大臣にお尋ねします。

 今回の法改正に対しては、遵守事項を守らせることを威嚇によって確保するもので不適当ではないかという意見があると聞いています。このような意見に対して、大臣のお考えはいかがでございますか。お伺いを申し上げます。

 次に、少年法上、少年及び保護者は私選の付添人を選任することができることとされていますが、平成十二年の少年法改正により、検察官が少年審判の手続に関与する場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所が弁護士付添人を付することとされたところであります。

 さらに、今回の改正で、検察官が少年審判の手続に関与しない場合であっても、一定の重大事件について、少年鑑別所送致の措置がとられているときに、家庭裁判所が職権で、少年に国費で付添人を付することができる制度を導入することとしていることは、全くよいことと思います。

 最後に、人材を育成することは国家の基盤であります。このような観点から見て、我が国にとって少年法制はまことに重大な意義を有するものであります。我々としては、これからも、慎重かつ十分な議論をしてまいりたいと思います。

 以上で質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣南野知惠子君登壇〕

国務大臣(南野知惠子君) 左藤章議員にお答えを申し上げます。

 まず、少年非行の現状に対する認識についてのお尋ねがありました。

 近年における少年刑法犯の検挙人員総数はおおむね二十万人前後で推移しておりますが、少年人口に占める検挙人員の割合は、戦後最高値を示した昭和五十六年ごろに次ぐ高水準となっております。

 また、殺人や強盗等の凶悪犯の検挙人員も高い水準で推移し、十四歳未満の少年によるものも含め、少年による凶悪重大な事件も発生しており、少年非行は深刻な現状にあると考えております。

 次に、警察による、いわゆる触法少年及び虞犯少年の事件の調査についてのお尋ねがありました。

 触法少年の行為は犯罪捜査の対象とならないとの点につきましては、本法案においてもそのような理解に立った上で、調査の性質に応じ、必要な限度で調査手続を設けることとしたものであります。

 少年保護事件における事案の真相解明は、非行のない少年を誤って処分しないためにも、また、非行のある少年について個々の少年が抱える問題に即した適切な処遇を行うためにも不可欠であり、調査手続を整備することにより、少年保護手続の一層の適正化が図られるものと考えております。

 また、虞犯少年の調査についてですが、いわゆる虞犯事由の有無は警察でなければ調査が困難なものがあることなどから、本法案では、必要な範囲で警察は調査を行うことができることとし、かつ、調査を遂げたときには速やかに児童相談所または家庭裁判所に送致、通告を行うこととしております。したがって、警察が不必要な調査を行ったり、不必要に関係機関への送致等を引き延ばすことはできないものとしております。

 次に、十四歳未満の少年院送致を可能にするのはどのような考えに基づくものかとのお尋ねがございました。

 十四歳未満であっても、凶悪重大な事件を起こしたり悪質な非行を繰り返すなど、深刻な問題を抱える者に対しては、早期に矯正教育を授けることが本人の更生を図る上で必要かつ相当と認められる場合があります。

 そこで、年齢によって一律に区別するのではなく、個々の少年が抱える問題に即して最も適切な処遇を選択できる仕組みとするため、十四歳未満であっても、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、初等少年院または医療少年院に収容できることとするものです。

 最後に、保護観察に付された者に対する措置は威嚇によって遵守事項を守らせようとするもので不適当ではないかという御意見についてのお尋ねがございました。

 この法律案は、遵守事項の重要性を制度上も明確にすることによって、保護観察の対象となっている者に遵守事項を守ろうという意欲を生じさせ、保護観察を一層充実させようとするものです。

 遵守事項を守ることが決められた場合に、その違反に対応するための手当てを設けることが、威嚇によって遵守事項を守らせることにはならないと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 松野信夫君。

    〔松野信夫君登壇〕

松野信夫君 民主党の松野信夫です。

 私は、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について、民主党・無所属クラブを代表して、文部科学大臣、法務大臣、国家公安委員長及び厚生労働大臣に質問をいたします。(拍手)

 まず冒頭、今月の十日、山口県光市の県立光高校で、十八歳の男子生徒が授業中の教室に火薬を詰めたガラス瓶を投げ込んで爆発させ、五十八人をけがさせるという事件が起こりました。この事件でけがされた方々と御家族に心よりお見舞いを申し上げます。

 学校の安全を確保することが大きな課題となっている中でこうした事件が起きてしまったことは社会に大きな衝撃を与えましたが、今回の事件の原因をどのようにとらえ、再発防止についてどのように考えているか、文部科学大臣にお尋ねいたします。

 文部科学大臣は、最近、従軍慰安婦問題についてどうも誤った歴史認識を持っているかのようにお見受けしておりますが、この問題については、ぜひとも正しい事実認識を持って御答弁をいただきたいと思います。

 さて、今回の少年法等の一部改正案は、十四歳未満の少年でも警察の事件調査を可能にしたり、また少年院送致を可能にするもので、要するに厳罰化を目指しております。

 今回の改正は、長崎や佐世保などで発生した十四歳未満の少年による事件について、少年法の甘い処分が問題との誤った認識に便乗して、警察捜査権の拡大をねらったものであります。

 現行少年法は二〇〇〇年に改正が行われ、刑事処分対象年齢を引き下げるなど、既に厳罰化へ進んでいます。いまだその検証がまだなされていない段階で、さらに厳罰化への道を突き進むことが果たして本当に必要でしょうか。

 厳しく対処すれば少年問題が解決するかのように言うのは単純に過ぎます。それは、民間に任せれば郵政はすべてうまくいくと言う小泉政権の短絡的かつ無責任な姿勢と同じであります。(拍手)

 少年法改正においては、少年犯罪をめぐる客観的な事実や背景を踏まえ、また少年法の理念を踏まえた本質的な論議が必要です。

 少年の重大犯罪は一九五〇年代から六〇年代が最多発期で、触法少年について殺人や強盗など重大犯罪の発生状況を十年ごとに検証してみますと、着実に減少しています。十四歳未満の少年の凶悪事件が突然増加したとか、あるいは凶悪化が進んだというような事実はありません。

 次代の子供をどう育てていくかは、まさに国家百年の大計であります。しかし、今小泉内閣が行おうとしているのは、非行少年はけしからぬから警察に調査させ少年院送りにしてしまおうという乱暴なやり方であります。

 小泉総理は、靖国神社への参拝問題でも、内政干渉だ、けしからぬと繰り返すばかりで、なぜ靖国参拝が問題にされるかという問題の本質に踏み込んだ対応をとろうとしておりません。少年問題については、こうした乱暴なやり方を改めて、客観的な事実を踏まえた冷静な分析を行った上で対処すべきと考えます。政府は、少年犯罪の現状をどのように分析し、また、どのような方針で予防に向けて取り組んできたのか、法務大臣及び国家公安委員長に説明を求めます。

 少年院送致の年限の引き下げは、少年院の負担増加という問題だけでなく、児童自立支援施設が担ってきた児童福祉分野の後退という問題ももたらします。

 十四歳未満の年少者の非行は、家庭環境が原因であるとされ、虐待やいじめに遭った者が多いことが報告されております。環境調整こそが年少者の犯罪抑止のポイントです。この点は、これまで児童相談所や児童自立支援施設による福祉的な措置で相応の実績が上げられてきました。

 民主党は、子供を犯罪の被害者にも加害者にもしないということを重要課題にしております。そのために、保護者が子供の問題行動について相談し支援を求めることのできる体制づくりの強化、少年の円滑な社会復帰、復学、就労を支援する保護観察官や保護司の増員、児童自立支援施設の拡充、民間団体との連携協力の強化などの対策を検討しています。しかし、今回の法改正にはこうした視点が決定的に欠落をしています。

 少年の犯罪や非行問題は、民主党が提案をするような総合的かつ福祉的な対応が必要だと考えますが、法務大臣及び厚生労働大臣の所見を求めます。(拍手)

 本法案は、犯罪を犯したわけではないが犯罪に走るおそれのある少年、つまり虞犯少年に対しても警察による調査を認め、街頭補導活動に法的根拠を与えようとしています。要するに、警察権力を拡大し、親子に対する管理強化を図ろうとしております。長崎児童殺傷事件では、加害者の親は市中引き回しの上、打ち首獄門と発言した大臣がおりましたが、そうした思想のもとでは何も生まれません。小泉内閣も、まさかこうした思想を是認しているとは思えませんが、この点について法務大臣の所見を求めます。

 佐世保事件の被害者、小学六年生の女児の父親、御手洗恭二さんは、事件から一年たった本年の五月三十一日に手記を公表し、次のような提言を行っております。

  事件直後の警察の事情聴取は綿密でしたが、それは犯罪行為の立証が中心です。彼女のような低年齢の場合、行為に至る背景を引き出さなければ真の姿が見えません。実際、ある程度時間が過ぎると彼女の記憶が曖昧になり、話さなくなっています。

  ですから捜査とは別に同時並行で、事件直後の「心の変化」を見逃さない適切なカウンセリングが重要です。児童相談所など関係機関にはその機能が求められています。

 この提言は、被害者の声だけに大変貴重であります。御手洗さんは、児童相談所などによる適切なカウンセリングが必要だと指摘をしており、少年の接し方に重要な示唆を与えております。法務大臣はこの御手洗さんの提言をどのように受けとめているか、所見を求めます。

 警察の取り調べによって、少年がありもしない事件の自白をした例は幾つも報告されております。例えば、二〇〇四年の九月、那覇家庭裁判所は、浦添市の連続放火事件で放火未遂などの非行事実に問われた中学二年生男子に、非行事実なしの決定を言い渡しました。この決定は、少年の供述について多くの疑問を示し、録音テープによると少年の供述態度が警察官に迎合的であることなどを指摘し、信用性に欠けるといたしました。この浦添事件では取り調べで録音テープを使用していたため、取り調べの状況がチェックできたわけであります。民主党が既に提出をしている、取り調べの可視化を目指した刑事訴訟法改正の必要性をも示す事例となっております。

 少年事件の取り調べについて、警察、検察としてどのように配慮をしていくのか、国家公安委員長及び法務大臣に見解を求めます。また、取り調べの可視化について、これを制度化するつもりがあるのか、法務大臣に伺います。

 さらに、少年事件の調査については、例えば児童相談所内に設けられた虐待対策班が実績を上げている例などを踏まえ、触法少年対策班をつくることも一方策であるかと考えますが、法務大臣及び厚生労働大臣の所見を求めます。

 最近、懲役三年執行猶予五年、保護観察つきに処せられた者が、その保護観察中にさらに女性を監禁傷害した事件について、保護観察所が約二カ月間、この観察対象者の居住を把握していなかったという問題が指摘されております。しかし、これは単なる保護観察所のミスで片づけるべきではなく、少年も含めた保護観察制度のあり方にかかわる大変重要な問題と見るべきであります。

 保護観察制度は、乏しい予算と人員によって運営をされております。保護観察官は一人当たり百件もの事件を抱えています。また、ボランティアの保護司に依存せざるを得ないのが実情であります。その保護司は定員割れで不足をしており、また高齢化もしております。保護観察制度をどのようにとらえ、どう予算的また人的にも充実をさせていくのか、法務大臣の所見を求めます。

 また、児童自立支援施設などでは、それこそ二十四時間つききりで少年に対する福祉的な観点から教育や指導が行われており、相当の実績も上げています。しかし、現場は過重な負担を負っております。児童相談所や児童自立支援施設の現状をどのようにとらえ、また、どのように充実をさせていくのか、厚生労働大臣の所見を求めます。

 最近の自殺者総数は、六年連続毎年三万人を超え、そのうち経済・生活問題が動機の自殺者、これも毎年七千人を超えており、景気低迷を裏づけております。他方、フリーターは四百五十万人を超え、貯蓄なしの世帯は二三%にもなっております。

 少年問題を本気で解決しようというのであれば、少年法改正よりも、まず、親子ともどもせめて経済的に安心して生活できるような基盤をつくるべきであります。少年問題は、少年をいかにおどしすかしてみたところで、決して解決はいたしません。

 小泉政権は、郵政民営化法案が否決されるならば内閣不信任とみなすとして衆議院解散をほのめかし、まさにおどしすかしで政局を乗り切ろうとしております。私ども民主党には、全くこういうおどしは通用いたしません。しかし、それと同じようなやり方、姿勢で弱い少年たちに接しようというのでしょうか。もしそうであるならば、そのような無責任かつ無力な小泉政権には交代をしていただくしかない、最後にこの点を指摘させていただきまして、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣中山成彬君登壇〕

国務大臣(中山成彬君) 山口県立光高校での爆発傷害事件に関し、原因及び再発防止についてのお尋ねでありますが、山口県立光高校の事件は、生徒が爆発物を使用して多数の生徒に傷害を与えたという極めて重大な事件と認識しております。

 事件の背景等につきましては、現在、山口県教育委員会及び学校において、いじめの問題等を含め詳細に調査をしているところでありますが、文部科学省としては、同種の犯罪等の防止の観点から、都道府県教育委員会等に対し、生徒指導の充実強化に関する通知を発出したところであります。

 今後、山口県教育委員会を通じて情報収集を行うとともに、善悪の判断力やみずからの行為による影響、結果に対する想像力の欠如等の問題に対する指導の充実など、児童生徒の問題行動等の防止に向けた取り組みに一層努めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣南野知惠子君登壇〕

国務大臣(南野知惠子君) 松野信夫議員にお答え申し上げます。

 まず、少年非行の現状に対する認識と対処のあり方についてのお尋ねがありました。

 少年非行の現状は、平成十五年における少年人口千人当たりの検挙人員が十五・五人と、戦後最高値を示した昭和五十六年ごろに次ぐ高水準となっているほか、殺人や強盗等の凶悪犯の検挙人員も、平成九年以降高い水準で推移し、そのような中、十四歳未満の少年による凶悪重大な事件も発生しているなど、深刻な状況にあると考えております。

 この法律案は、このような少年非行の現状に対処をするため、平成十五年末に策定された青少年育成施策大綱及び犯罪に強い社会の実現のための行動計画において取り上げられた事項をも踏まえて立案されたものですが、これらはいずれもかねてから立法的手当てが必要と指摘されていたものでもあり、十分な検討を経て提案させていただいたものです。

 次に、少年非行問題への総合的かつ福祉的な対応の必要性についてお尋ねがありました。

 非行の原因にはさまざまなものがありますので、法務省といたしましても、これに適切に対処するためには、少年院や保護観察所において、それぞれ関係諸機関と連携しながら、多様な施策を講じていく必要があると認識しておりますが、この法律案は、その前提としての非行事実の一層の解明や少年の状況に応じた適切な保護処分の選択を可能にすることなどを目的とする法整備に関するものであり、早急に実現する必要があるものと考えております。

 次に、いわゆる虞犯少年に係る事件について警察による調査が少年及びその保護者に及ぼす影響についてお尋ねがありました。

 少年保護事件における事案の真相解明は、非行のない少年を誤って処分しないためにも、また、非行のある少年について個々の少年が抱える問題に即した適切な処遇を行うためにも不可欠であり、調査手続を整備することにより、少年保護手続の一層の適正化が図られ、少年の更生に結びつくものと考えております。

 虞犯少年についても、いわゆる虞犯事由の有無は警察でなければ調査が困難なものがあることなどから、本法案では、必要な範囲で警察は調査を行うことができることとし、かつ、調査を遂げたときは速やかに児童相談所または家庭裁判所に送致、通告を行うこととしております。したがいまして、いわゆる虞犯少年に対して警察による調査を認めることが、親子に対する管理強化を図るものでないことは言うまでもありません。

 もとより、この法律案は、非行少年の保護者の責任追及を目的とするものでもなく、かえって、保護処分の執行機関の長による少年の保護者に対する指導、助言等の規定を整備することによって、保護者に対する支援等にもつながるものと考えております。

 次に、被害者の御遺族の御指摘を踏まえて、少年に対する調査のあり方についてお尋ねがありました。

 この法律案によって警察による調査手続の整備が図られても、児童や保護者等の状況等を知り、それによって児童や保護者等にどのような処遇が必要かを判断するために行われる児童相談所の調査の重要性が変わるものではないと考えておりますし、また、この法律案は、それを妨げようとするものでもありません。

 次に、少年事件の取り調べに関する警察の配慮についてお尋ねがありました。

 少年事件の捜査のあり方や取り調べにおける配慮につきましては、現在も国家公安委員会規則や通達等において、取り調べの言動に注意する等温情と理解をもって当たるべきことや、少年の心理、生理その他の特性に関する深い理解をもって当たるべきことなどが定められているものと承知しており、今回の改正案をも踏まえ、今後とも適切に行われるものと考えます。

 また、いわゆる取り調べの可視化については、司法制度改革審議会意見においても、刑事手続における被疑者の取り調べの役割との関係で慎重な配慮が必要であることなどから、将来的な検討課題とされており、慎重な検討が必要であると考えています。

 次に、少年事件の調査のあり方についてのお尋ねがありました。

 警察による調査手続の整備は、児童相談所の調査を否定するものではなく、また、警察の調査結果の利用により、児童相談所の調査について一層の充実が図られることとなり、少年の健全育成を期する上で望ましいことと考えております。

 現在でも、非行の内容等については警察の調査が重要な役割を果たしているところであり、警察による調査手続を整備することは必要と考えております。

 最後に、保護観察制度の充実についてお尋ねがありました。

 我が国の保護観察は、保護観察官と民間の篤志家である保護司とが協働して実施することを制度の根幹としており、保護観察官につきましては、数多くの事件を取り扱い、その内容も複雑化、困難化し、処遇上特別な配慮を要する事案が増加している上、直接かつ強力な処遇が強く求められております。

 したがいまして、保護観察官と保護司とが、それぞれの特徴を生かしつつ協働して、きめ細やかな処遇を実施していくためには、保護観察所の体制の充実を図る必要が極めて高く、鋭意努力してまいりたいと考えております。

 保護司につきましては、近年、地域の連帯が弱まり、保護司の職務が困難化していることなどから、保護司に適任者を得ることがこれまでにも増して厳しくなっている実情にあり、今後は、各界各層から保護司の適任者を得ることができるよう、地域のさまざまな関係機関、団体と連携して保護司にふさわしい候補者を開拓する方策を鋭意検討してまいりたいと考えております。

 保護司の活動に対しましては、職務に要する費用の一部を支給しているところですが、その一層の充実を図ることを含めて、保護司の活動を支援するための方策について幅広く検討を行い、保護司の御労苦に少しでも報いることができるよう、法務省といたしまして努力を尽くしてまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣村田吉隆君登壇〕

国務大臣(村田吉隆君) 少年犯罪の状況の分析と予防に向けた取り組みについてお尋ねでございますが、最近の少年非行情勢は、人口当たりの検挙人員で見ますと、少年は成人の約七倍でございまして、戦後最悪の昭和五十年代後半に近い水準で推移しております。また、少年による社会の関心を集める重大な事件も続発しており、依然として厳しい情勢にあるものと認識しております。

 この背景には、家庭や地域社会の問題、教育の問題、大人社会における規範意識の低下など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられるところでございます。

 少年非行を防止し、その健全な育成を図るためには、地域社会が一体となった総合的な取り組みを推進することが重要であり、警察では、悪質な少年犯罪に対しては厳正、的確に対処するとともに、関係機関・団体、ボランティアとの連携を強化して、街頭補導活動の強化、少年を取り巻く環境の浄化、地域ぐるみの健全育成活動の活性化などを重点に取り組んできたものと承知しております。

 次に、少年事件の取り調べにおける配慮についてお尋ねでございますが、少年事件の捜査等に当たっては、少年の健全な育成を期する精神をもって当たるとともに、規範意識の向上及び立ち直りに資するよう配慮することとしているところでございます。

 また、取り調べに当たっては、少年の特性にかんがみ、言動に注意するなど温情と理解をもって当たり、少年の心情を傷つけないよう努めているものと承知しております。

 今後とも、少年事件の取り調べについては、少年の特性に深い理解をもって当たるよう督励してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 少年犯罪や非行問題への対応についてお尋ねがございました。

 少年非行の背景には、議員御指摘のとおり、非行少年の生育歴や家庭環境が大きく影響していることが多く、児童福祉の観点からのかかわりは重要であると考えております。

 こうした中、これまでも児童相談所においては、非行相談を含む児童相談に幅広く対応してきておるところでありますけれども、本年四月より施行されております改正児童福祉法に基づき、住民に身近な市町村においても児童相談窓口の役割を担うこととしたところであり、市町村及び児童相談所における非行相談への対応力の強化が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

 また、児童自立支援施設の拡充につきましては、これまでもその機能の拡充を図ってきたところであり、今後とも、家庭的な雰囲気のもとで子供の自立や立ち直りを支援するため、自立援助ホーム等の民間団体とも連携しつつ、ケアの充実に努めてまいりたいと考えております。

 少年事件の調査についてのお尋ねがございました。

 これまでも児童相談所においては、児童福祉の観点から、非行の問題に対し、相談や調査、それに基づく指導など、必要な対応を図ってきているところであります。こうした児童相談所による調査等につきましては、今回の改正により、触法少年等に対する警察の調査権限が明確化されることによって否定されるものではないと理解をいたしております。

 また、児童相談所の調査は家庭環境などの調査が中心である一方、警察の調査では非行事実の存否に関する調査が中心になるなど、児童相談所と警察の調査とでは、その手法や視点がそれぞれ異なりますことから、警察の調査を参考にすることにより、児童相談所における子供に対する処遇の適正な決定に資するものと考えております。

 今後、児童相談所といたしましても、要保護性の高い困難事例を中心に対応することとしておりまして、専門性の強化を図りつつ、必要に応じ警察の調査内容も踏まえながら、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

 児童相談所、児童自立支援施設の現状及び今後の充実についてのお尋ねがございました。

 児童相談所では、急増する児童虐待、少年非行など複雑、深刻化する子育て家庭の抱える問題に日々対応しておりますし、また、児童自立支援施設では、開放処遇のもとで、家庭的な雰囲気で子供たちと接しておられます。現場ではいろいろ御苦労されておると認識をいたしております。

 このため、昨年の児童福祉法の改正により、児童相談所に集中していた役割を市町村にも分担する見直しを行ったところでございます。また、昨年末に策定いたしました子ども・子育て応援プランに基づき、児童相談所の機能強化を図ってまいりたいと考えております。

 また、児童自立支援施設におきましては、被虐待児個別対応職員等の配置や小規模グループケアの導入など、その充実を図っているところであります。非行少年に対する福祉的なアプローチは引き続き重要であり、今後とも、児童自立支援施設の機能の向上に努めてまいりたいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       法務大臣   南野知惠子君

       文部科学大臣 中山 成彬君

       厚生労働大臣 尾辻 秀久君

       国土交通大臣 北側 一雄君

       環境大臣   小池百合子君

       国務大臣   大野 功統君

       国務大臣   村田 吉隆君

 出席副大臣

       法務副大臣  滝   実君


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