衆議院

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第5号 平成17年10月6日(木曜日)

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平成十七年十月六日(木曜日)

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  平成十七年十月六日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 増原義剛君の故議員永岡洋治君に対する追悼演説

 郵政民営化法案(内閣提出)、日本郵政株式会社法案(内閣提出)、郵便事業株式会社法案(内閣提出)、郵便局株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)並びに郵政改革法案(松本剛明君外七名提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 御報告することがあります。

 議員永岡洋治君は、去る八月一日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 永岡洋治君に対する弔詞は、議長において去る八月四日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 議員永岡洋治君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

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 故議員永岡洋治君に対する追悼演説

議長(河野洋平君) この際、弔意を表するため、増原義剛君から発言を求められております。これを許します。増原義剛君。

    〔増原義剛君登壇〕

増原義剛君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員永岡洋治君は、去る八月一日逝去されました。思いもかけぬ突然の訃報に言葉もなく、ただただ今もって信じがたい思いであります。まことに痛惜の念にたえません。

 私は、ここに、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)

 永岡君は、昭和二十五年十二月二十四日、茨城県古河市においてお生まれになりました。

 少年期を故郷の古河で過ごされた君は、六歳のころから剣舞を習い始め、剣舞を通じて、日本人ことに今日の日本を形づくった歴史上の人物の精神を学ばれたと聞いております。日本人としての誇りを持ち、人として世に貢献しなければならないという君の一貫した姿勢は、幼少の折からこうして培われていったものでありましょう。

 その後、地元の中学校から埼玉県立春日部高等学校を経て、東京大学法学部に進まれました。在学中、当時議論されていた世界的食糧不足問題に強い関心を持ち、日本全体の国土、人間、社会を幅広く扱う行政に携わりたいという思いを抱くに至り、昭和五十年、大学卒業と同時に農林水産省に入省されました。そして、在職中、アメリカのハーバード大学大学院に留学、昭和五十七年、修士課程を修了し帰国されました。同じ時期に留学していた同僚議員によりますと、当時より、信念を持った相当の論客であったとのことであります。

 農林水産省では、経済局国際部国際経済課ガット室長、畜産局牛乳乳製品課長等を歴任されました。その間、大臣官房上席企画官在職時には、新農業基本法のベースとなる「新しい食料・農業・農村政策の方向」を取りまとめられ、また、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の妥結に至る最後の一年間を、ガット室長として、その取りまとめに尽力されたのであります。

 申し上げるまでもなく、このガット・ウルグアイ・ラウンド交渉に際しては、貿易立国を国の基本政策とし、多国間における貿易自由化を主張していた我が国にとって、自らの米市場開放を中心とした農業分野における農産物交渉の妥結が、そのかぎを握ると言われておりました。君は、そうした困難な状況の中、アメリカ、EC等の代表者と、直に、厳しくも真摯な交渉を続けられ、その卓越した能力を存分に発揮、見事にガット・ウルグアイ・ラウンド交渉を成功に導いたのであります。(拍手)

 一方、そうした交渉を通じ、従前の縦割り行政のもと、政治不在のまま国益調整なき交渉が行われている実態を目の当たりにし、国益を踏まえた政治の必要性を痛感、自ら政治の道を志すことを決意され、平成七年、農林水産省を退官されたのであります。

 同じ時期、私も経済社会の変化に対応できない政治や行政に危機感を持ち、政治のリーダーシップ、責任をとる政治を求めて、大蔵省を退官いたしました。

 君は、郷里茨城県に帰り、翌年の第四十一回衆議院総選挙に勇躍立候補されましたが、その選挙区は、党の調整で、出身地ではなく、いわゆる落下傘候補でありました。地盤もなく、知名度も低く、しかも逆風の中で、善戦むなしく惜敗に終わったのであります。

 しかし、日本が大きな変革の時を迎えているという認識から、日本の将来を思い、その後も地道な活動を続けられました。

 そうした中で、平成八年に、君の発意により、政治に対する志を同じくする者、我々選挙に落選した者九名が相集い、政策グループ「ミッション日本」を結成、行政や経済界で培った知識と経験をもとに、お互いに切磋琢磨し、日本の指針たり得る新しいビジョンを作り上げていく決意をいたしました。君は、そのグループの幹事として会を取りまとめ、機関紙も発行しました。そして合宿を重ね、経済社会の変化に対応した、国民の常識が生かされる政治の実現をめざし、ともに熱い議論をたたかわせてきたことが、昨日のように思い出されます。

 五年前の第四十二回衆議院総選挙において、我々「ミッション日本」のメンバーは、選挙区を出身地に変えた君を除き全員当選を果たしました。しかし、それに気落ちすることなくさらなる精進を重ねる君の姿を見たとき、その信念の強さに、「初心忘るべからず」と我々自身を戒めたほどであります。

 平成十五年、第四十二回総選挙の補欠選挙において、三度目の挑戦にしてついに見事初当選の栄冠をかち取り、八年に及ぶ浪人生活に終止符を打ったのであります。(拍手)

 君は、衆議院議員として在職すること二年と五月、極めて短い期間でありましたが、農林水産委員会、財務金融委員会、憲法調査会等に所属し、熱心に国政の審議に当たられ、そのまじめな態度とすぐれた見識は、党派を超えて同僚議員から厚い信望を集めていたのであります。

 特に農林水産委員会においては、これからの日本の農業・農政について、数多くの真摯な提言をされました。とりわけ、食料自給率の問題については何度も取り上げられ、国の安全保障、国家の生存権の問題としてとらえるべきであるとし、WTO交渉、FTA交渉においては、そのことを我が国の基本的な交渉の理念、哲学とすべきことを訴えられました。

 昨年三月には、この壇上において、与党を代表して、道路関係四公団民営化法案の趣旨説明に対する質疑をされましたが、その内容は、法案の意義、本質をわかりやすく明快に論じ、国民が納得のいく真の改革たるべしという使命感に溢れたものであり、今でも深く印象に残っております。

 また、自由民主党におきましては、経済産業部会副部会長、国土交通部会副部会長等の要職を歴任され、党の政策立案に寄与されました。

 さらに、昨年一月からの鳥インフルエンザの発生に際しては、養鶏農家の経営の問題のみならず、安全な鶏卵や鶏肉の流通の確保への取り組みのため、自民党養鶏振興議員連盟の設立に参画、事務局長として活躍されました。特に、今年六月末に地元で発生が確認された際には、自ら現地に赴き発生養鶏場を視察されるなど、その感染経路の究明、有効な手法の確立のため、精力的に活動されたのであります。

 現在最大の課題となっております郵政民営化法案では、より明確な修正を求めていましたが、党の最高の意思決定機関である総務会の多数決で決まった以上、それに従うのが二大政党政治、民主主義の原則であると、君らしい明快な判断を示されました。

 君は、元来の専門分野であった農政に加え、経済財政、教育、環境、少子化問題といった、幅広い分野についての深い見識の上に立ったグローバルな発想力を持ち、まさに、これからの日本を背負って立つべき人材でした。また、政治家として、何よりも立派だと敬服しておりましたのは、「政治と家庭を直結」すること、「政治不信、政治への無関心を取り除き、信頼できる政治を確立」することを基本姿勢に掲げ、各種の政治課題についてわかりやすく説明することが政治家の責任とし、これを真摯に実践しておられたことであります。

 よわい五十四歳、君は、いよいよ政治家として今後の大成を期待されながら、志半ばにして忽然と去っていかれました。まことに痛恨やる方ないものを覚えるのであります。今日、国の内外の情勢を思うとき、君のような前途有為の政治家を失いましたことは、本院にとっても、国家国民にとっても、まことに大きな損失であり、惜しみてもなお余りあるものがあります。

 我々「ミッション日本」のメンバーは、この度の第四十四回衆議院総選挙において、党派の違いこそあれ、また全員の当選を果たすことができました。君が存命ならば、再びそれぞれの政治に対する志のもと、日本のあるべき将来について、ともに論ずることができたであろうと思うと、残念でならないのであります。しかし、君の志は、我々のみならず、準備期間が極めて短い中、今回の総選挙で見事当選された桂子夫人によって立派に受け継がれることと思います。(拍手)友よ、安らかにお休みください。

 ここに、謹んで永岡洋治君の生前の御功績をたたえ、その人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、追悼の言葉といたします。(拍手)

     ――――◇―――――

 郵政民営化法案(内閣提出)、日本郵政株式会社法案(内閣提出)、郵便事業株式会社法案(内閣提出)、郵便局株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)並びに郵政改革法案(松本剛明君外七名提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに松本剛明君外七名提出、郵政改革法案について、趣旨の説明を順次求めます。国務大臣竹中平蔵君。

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) このたび、政府から提出いたしました郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の六法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 郵政民営化は、民間にゆだねることが可能なものはできる限りこれにゆだねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資することにかんがみ、内外の社会経済情勢の変化に即応し、日本郵政公社(以下「公社」と申し上げます。)にかわる新たな体制を確立するものであり、地域社会の健全な発展及び市場に与える影響に配慮しつつ、公社が有する機能を分割し、その機能を引き継ぐ新たな株式会社を設立するとともに、一定の期間、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講ずるものであります。これにより、経営の自主性、創造性及び効率性を高め、公正かつ自由な競争を促進するとともに、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上、資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。この郵政民営化を実現するため、これら六法案を提出するものであります。

 それぞれの法律案の概要について、順次御説明申し上げます。

 初めに、郵政民営化法案についてであります。

 第一に、郵政民営化の基本的な理念及び方針並びに国等の責務を定めております。

 第二に、郵政民営化を推進するとともに、その状況を監視するため、政府に、郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会を平成二十九年九月三十日まで設置することとし、郵政民営化委員会が、三年ごとに、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行うこと、郵政民営化推進本部がその見直し等について国会に報告すること等郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会の所掌事務、組織等について定めております。

 第三に、準備期間中の公社の業務について、国際貨物運送に関する事業を行うことを主たる目的とする会社に出資することができる等の特例等を定めております。

 第四に、日本郵政株式会社を準備期間中に設立することとし、日本郵政株式会社に、公社の業務等の承継に関する実施計画を作成させ、この実施計画に関する事項を決定する経営委員会を設置することその他の準備期間中の業務の特例等並びに移行期間中の郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の保有及び完全処分等の業務の特例等について定めております。

 第五に、郵便事業株式会社、郵便局株式会社及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」と申し上げます。)を平成十九年十月一日に設立することとし、その設立及び移行期間中の業務の特例等について定めております。

 第六に、一般の商法会社として郵便貯金銀行及び郵便保険会社を日本郵政株式会社に設立させるとともに、銀行法及び保険業法の特例等として、郵便貯金銀行及び郵便保険会社がそれぞれ銀行業の免許及び生命保険業免許を平成十九年十月一日に受けたものとみなすことを定めるほか、預入限度額、保険金額等の限度額、業務範囲等について適正な競争関係等を確保するための必要な制限を加えるとともに、民営化に関する状況に応じ、移行期間中にこれらの制限を解除し、自由な経営を可能としていくこと、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の定款に議決権の行使に関する事項を定めなければならないこと等について定めております。

 第七に、公社の業務等の日本郵政株式会社等及び機構への承継に関する基本計画、その承継を円滑に行うための税制上の措置その他の所要の規定を設けております。

 次に、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案及び郵便局株式会社法案についてであります。

 いずれの法案も会社の目的、業務の範囲等について定めるものでありますが、まず、日本郵政株式会社につきましては、第一に、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済み株式の総数を保有し、両社の経営管理を行うこと並びに両社の業務の支援を行うことを目的とすることを定めております。

 第二に、政府は、常時、日本郵政株式会社の発行済み株式の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならないことを定めております。

 第三に、日本郵政株式会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社が発行する株式を引き受けるとともに、両社の発行済み株式の総数を保有していなければならないこと、両社の経営の基本方針の策定及びその実施の確保並びに両社の株主としての権利の行使の業務を行うほか、その目的を達成するために必要な業務を行うことができることを定めております。

 郵便事業株式会社につきましては、第一に、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むことを目的とすることを定めております。

 第二に、郵便事業株式会社は、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、お年玉付郵便葉書等及び寄附金付郵便葉書等の発行の業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。

 郵便局株式会社につきましては、第一に、郵便窓口業務及び郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とすることを定めております。

 第二に、郵便局株式会社は、郵便事業株式会社の委託を受けて行う郵便窓口業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に定められた事務に係る業務、銀行業及び生命保険業の代理業務その他の郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。

 第三に、郵便局株式会社は、郵便局の設置について、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならないことを定めております。

 さらに、郵便事業株式会社に関し、第三種郵便物、第四種郵便物に係る業務等であって一定の要件を満たす社会貢献業務に関する規定を、郵便局株式会社に関し、地域住民の生活の安定の確保のために必要であること等の要件を満たす地域貢献業務に関する規定を、それぞれ設けることとしております。また、これらの業務の実施のため、日本郵政株式会社に社会・地域貢献基金を設け、一兆円に達するまで積み立てなければならないこととするとともに、一兆円を超えて積み立てることができること、二兆円まで積み立てる場合には、一兆円までと同じルールで積み立てなければならないこと等を定めております。

 このほか、これら三会社に対する監督に関する規定その他所要の規定を設けております。

 次に、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案についてであります。

 この法律案は、機構が、公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行し、もって郵政民営化に資することを目的とすることのほか、機構の役職員、業務、財務、会計等について定めております。

 最後に、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてであります。

 この法律案は、郵政民営化法、日本郵政株式会社法、郵便事業株式会社法、郵便局株式会社法及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法が施行されることに伴い、郵便貯金法、簡易生命保険法、日本郵政公社法等十三の関係法律を廃止するほか、郵便法について郵便認証司の制度を設けるなど百六十の関係法律について規定の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めるものであります。

 これら六法案は、一部を除き、平成十九年十月一日から施行することとしております。なお、システム対応上の問題がある場合には民営化の実施時期を延期できるよう、所要の規定を設けております。

 以上が、郵政民営化法案等の六法案の趣旨でございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 提出者大串博志君。

    〔大串博志君登壇〕

大串博志君 ただいま議題となりました郵政改革法案につきまして、提案理由及び法案の概要を御説明いたします。

 改革を行うに当たって、その改革が本当に国民のためになるということを確保するためには、まずもってその目的と手段を明確にする必要があります。

 郵政事業の改革を行うに当たっては、何が最も重要な目的なのでしょうか。それは、何が郵政事業における国民の権利であるのかを明らかにして、その国民の権利をしっかり保障し、安心を確保することです。そしてさらに、現在、郵政事業という巨大な官の中に、莫大な、国民の貴重な資産、資金がため込まれ、これが公的部門の非効率な事業に垂れ流されている、この現実を変え、その資金が民の世界へ確実に流れるようにすることです。官から市場への改革です。

 このような目的を達成するための手段として、我々は、郵便と決済サービスを国の責任で全国サービスを提供する一方で、郵便貯金、簡易保険の資金量は民業圧迫にならないように縮小するべきだと主張してきました。

 小泉総理が述べておられる官から民へ、あるいは民間でできることは民間にという考え方については、異論はありません。しかしながら、今般、政府から提出されている郵政民営化法案においては、本当にこのような官から民へという考え方が適切に実現されていくのか、大いに疑問です。(拍手)

 本当に官から民へという考え方を実現するのであれば、まずは官と民との役割を定義し、峻別する必要があります。ところが、今般の郵政民営化法案においては、これに係る定義、峻別が明確にはなされていません。すなわち、何が郵政事業における国民の権利か、これが明らかにはされていません。民営化をすれば、市場が自動的に官の分野と民の分野を振り分けて、それぞれの分野のサービスが適切に国民に提供されるように調整してくれるのか。市場はそのような機能は果たしません。

 さらに、政府の郵政民営化法案においては、郵政事業においてためられた国民の貴重な資金が、民間セクターの真に効率的な事業に回るようになるのかということについても疑問が残ります。それどころか、国民の貴重な資金が、相変わらず特殊法人、独立行政法人などの非効率な公的セクターに流れ続けるおそれがあります。また、さらには、官の関与が長期に残る可能性がある中で、民業を圧迫する形で事業融資などの新規分野への不適切な進出が行われ、そのツケが最終的に国民に回ってくる可能性があります。

 先ほど申しましたように、官から民へ、民間にできることは民間に、これらのスローガンには私も賛同します。しかし、だからすべてを民営化というのは、決して正しい選択肢ではありません。まずは官の分野を明確に確定した上で、それ以外の分野について、民間ができることからは官が手を引き、民間に任せる、そういうことこそが本当に正しい選択だと私は考えます。(拍手)

 このような理念のもと、私たちはここに郵政改革法案を提案します。

 以下、本法律案の概要を申し述べます。

 第一に、国民の暮らしの安心を支え、地域住民の生活の向上を確保するために、郵便及び郵便貯金については、国の責任で全国的サービスを維持することとします。二〇〇七年十月一日以降の経営形態は、郵便は公社、郵便貯金は公社の一〇〇%子会社である郵便貯金会社とします。

 第二に、二〇〇六年度中に郵便貯金の預入限度額を七百万円に引き下げるとともに、二〇〇七年十月一日以降、定額貯金を廃止し、預入限度額を五百万円に引き下げることとします。なお、旧貯金については、郵便貯金会社に特別勘定を設け、公社の委託を受けて管理運用を行うこととします。

 第三に、二〇〇七年十月一日以降、簡易生命保険は廃止することとします。なお、旧契約については、公社の子会社として保険業法に基づき二つ以上の郵政保険会社を設立し、これらの会社との間で再保険契約を結ぶこととします。そして、各郵政保険会社の株式は、二〇一二年九月三十日までにすべてを売却し、完全民営化することとします。

 第四に、郵政改革とあわせ、特殊法人、独立行政法人などの抜本的改革を進めることとします。その一環として、国債と財投債を明確に区別するための措置を講じた上で、公社及び郵便貯金会社、完全民営化までの郵政保険会社による財投債、政府保証債、格付のない財投機関債の購入を禁止することとします。

 第五に、二〇〇七年十月一日以降、公社の役職員は非公務員とするとともに、天下りを制限することとします。

 内閣提出の郵政民営化法案が公的部門のさらなる肥大化と民業圧迫を招くものであるのに対し、私たちの案は、郵政事業における国民の権利を保障し、かつ確実に公的部門を縮小し、民間経済を活性化します。どちらの案が真の改革の名に値するかを私たちは今後の論戦でお示ししていきたいと考えます。

 議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

 郵政民営化法案(内閣提出)、日本郵政株式会社法案(内閣提出)、郵便事業株式会社法案(内閣提出)、郵便局株式会社法案(内閣提出)、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)並びに郵政改革法案(松本剛明君外七名提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。石破茂君。

    〔石破茂君登壇〕

石破茂君 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府提出の郵政民営化法案外関連五法律案並びに民主党提出の郵政改革法案について質問いたします。(拍手)

 さきの通常国会における郵政民営化法案の参議院での否決、廃案を受け、小泉総理は、行財政改革を断行するに当たって郵政民営化は避けては通れない改革の本丸であり、ここで改革の流れをとめてはならないという強い決意のもと、衆議院を解散し、総選挙の結果、与党の議席が過半数を大きく上回るに至りました。郵政民営化を実現し、構造改革をさらに加速すべしとの審判が、まさしく主権者たる国民から下されたのであります。(拍手)

 一日も早く民営化法案を可決、成立させることこそが、国会、なかんずく我々与党の国民に対する責任であり、我が党としても全力を尽くす決意であります。

 まず、竹中大臣にお尋ねいたします。

 今回再提出された法案では、民営化の実施スケジュールを半年延期するなどの修正が加えられておりますが、スピードある改革を重視するならば、これを延期すべきではないとも考えられます。御所見を承りたい。

 総選挙を通じ、郵政民営化に対する国民の支持は明確となりました。しかしながら、郵便局がなくなることに対する不安や懸念は、過疎地などを中心に今なお払拭し切れていないと感じております。私も選挙中、過疎地の高齢者の方々から、我々の近くには銀行も信用金庫もない、農協の支所も廃止されてしまった、我々には郵便局だけが頼りなのだ、そのような切実な声を多く聞き、そのたびに理解を得るべく努めたことを思い出します。

 私どもは総選挙の結果に決しておごることなく、国会審議を通じて、こうした不安や懸念を解消すべくより一層努めることが極めて重要であると考えております。

 郵便局の存続並びにサービスの継続が郵便局株式会社法案、郵政株式会社法案の中でいかに法的に担保されているか、その際、地域の意見はどのように反映されるのか、さらには、現在の公社職員の雇用確保は郵政民営化法案においてどのように担保されているか、改めて御見解を承りたいと存じます。

 次に、民業圧迫に対する問題についてお尋ねいたします。

 民営化後の各社が民間企業と同じ条件のもとで健全な競争を行うことにより我が国経済の活性化を図る、これが郵政民営化の主要な目的の一つでありますが、そのためには競合他社とのイコールフッティングの確保が大前提となります。

 合わせて約三百四十兆円もの巨額な資金を有する郵便貯金と簡易保険が民営化された場合、地方の中小金融機関を初めとする既存の民間金融機関の経営が圧迫されるのではないかとの懸念もいまだに根強いものがあるように感じておりますが、この点について、竹中大臣はどのようにお考えでありましょうか。あわせて、伊藤金融担当大臣の御意見もお伺いいたします。

 最後に、郵便貯金、簡易保険の民営化による国債市場への影響についてお尋ねいたします。

 私は、今回の民営化の最大の意義は、財政規律を確立し、財政健全化への道筋を開くことにあると考えております。民営化とは、経営体の債務を国が保証しないことをその本質とするものであり、債務を国が保証する限り、これは財政規律の及ばない、いわば社会主義的な世界であると言わざるを得ません。

 公社形態を維持し、元本に対して政府保証がついている限り、リスクは直接国民に見えることはありません。市場規律を欠いた資金が安易に使われ、仮にリスクが顕在化して損失が発生すれば税金でこれを補てんするというような仕組みは何としても改めることが必要であります。そして、これは経営責任のさらなる明確化にも資するものと考えます。

 残念ながら、今後も我が国の財政は、相当規模の国債発行が必要な状況が続きます。現在は、過剰な貯蓄により、利回りの低い国債にも引き受け手がありますが、今後、高齢化の進行によって貯蓄率が減少し、国内でカバーできなくなれば、海外からの調達に頼らざるを得なくなります。国債利回りは高騰し、財政破綻が起こり、資金は海外に逃避する、これはまさしく我が国にとって悪夢であります。このような事態を回避するためにも、民営化は急務と考えております。

 他方、郵便貯金、簡易保険によるこれまでと同様な国債購入が期待できないということになれば、長期金利が急上昇し、金融市場、ひいては経済全体に悪影響が生ずるとの指摘もあります。郵政民営化と財政との関係につき、竹中、谷垣両大臣の見解を承りたいと存じます。

 続きまして、民主党提出の郵政改革法案について、提出者に質問をいたします。

 まず、時間的制約があったにもかかわらず対案を示された提出者初め関係各位の御努力には、深甚なる敬意を表したいと存じます。しかしながら、率直に申し上げて、私はこれを見て、さきの国会における審議は一体何であったのかと愕然といたしました。(拍手)

 さきの法案審議において、民主党は、このように主張しておられたと記憶しております。すなわち、公社のままでも改革は可能であり、株式会社化は改革にはならない。三事業一体でなければ、郵政事業、郵便局ネットワークは崩壊する。郵便貯金、簡易保険は国の責務として維持すべきである。十年間で株式を完全処分するのは拙速に過ぎる。公務員身分を失わせるべきではない。そのように主張しておられたのであります。

 それらが、今回提出された郵政改革法案では、すべて覆っているではありませんか。株式会社である郵便貯金会社、郵政保険会社を設立する、三事業は分離する、定額貯金と簡易保険は廃止する、郵政保険会社の株式を五年間で完全処分する、公社役職員は平成十九年十月から非公務員化する、そういう内容であります。

 我が目を疑ったのは、私ばかりではないはずであります。国民の多くが、そう感じているはずであります。何ゆえ、このように変わられたのでありましょうか。

 さらに、これを一読して明らかになることは、これは大まかな方針を羅列したものにすぎず、法案とは名ばかりのものであるということであります。

 例えば、公社業務のあり方について検討を加え、必要な措置を講ずるとありますが、郵便局などで行う事業はどのように変わるのか。郵便貯金会社を公社の一〇〇%子会社としているが、銀行業と郵便事業とのリスク遮断はどのように担保されるのか。公社のまま貯金事業を行うことと実質的に何が違うのか。郵政保険会社を二つ以上設立するとしておられますが、これらはどのような基準によって分割をされるのか。財投債とその他公債とを区別するとしているが、これは具体的にどのような措置を講ずるのかなどなど、主要な点だけ挙げましても、あいまいさが目立つのであります。(拍手)

 具体的に、新会社の経営見通しについて伺います。

 民主党案は、郵便事業については公社形態を維持し、事業に一定の制約を課す一方で、郵便貯金、簡易保険については、定額貯金と簡易保険の廃止、郵便貯金の預入限度額の引き下げ、新保険会社の分割などを提案し、規模の大幅縮小をセールスポイントにしています。まず規模縮小ありきとのお立場のようでありますが、このように進めた場合、新会社の経営はどのようなものになると見通しておられますか。場合によっては公的資金の投入もお考えなのでありましょうか。

 通常国会での審議において、政府側の新会社の経営見通しに関する骨格経営試算や採算性の試算に対し、民主党は再三、見通しが甘い、試算として不十分といった批判を繰り返しておられたのでありますが、民主党案による新会社の経営見通しについて、財政の健全性の回復との関連も含め、ぜひ明確な御説明を賜りたいと存じます。

 私には、規模縮小ありきの前提で設立された新会社に健全経営が可能であるとは到底思われません。民主党案にこそ、郵便局のネットワークは維持できるのか、約二十六万人の常勤職員の雇用の確保が困難になるではないかとの不安を抱くのであります。これらにつき、どのような配慮がなされているのか、あるいはなさるおつもりがないのか、御見解を承りたいと存じます。

 民主党案では、郵便局は公社形態のままであり、発展性は制約されます。郵便、郵貯については多様なサービスの提供が妨げられますし、保険についても、郵政保険会社が強制的に小規模に分割されることから、経営上のリスクが高まる危険性があります。さらには、郵政保険会社の株式をわずか五年間で売却する、公社、郵便貯金会社、郵政保険会社におよそ財投債等を保有させないなど、失礼を省みずにあえて申し上げれば、金融、経済の実態にそぐわない絵そらごととの印象を禁じざるを得ないのであります。(拍手)

 このように、民主党案は政府案と比べてそのスタンスが大きく隔たっているように思われますが、御所見があればお述べいただきたいと思います。

 以上、実際的な制度設計に踏み込むことなく、多々あいまいなところを残している民主党案は、結果として郵政民営化の実現を先送りすることになるのではないかと危惧いたしております。

 何とぞ、民主党におかれましても、総選挙における国民の審判を真摯に受けとめられ、本国会における審議において政府・与党との間で建設的かつ有意義な議論が行われることを心より期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 石破議員から五問の質問をいただきました。

 まず、郵政民営化の実施スケジュールの延期についてのお尋ねがございました。

 議員御指摘のとおり、郵政民営化を早期に実施することは重要でございます。一方で、郵政民営化を円滑に実施することも同様に重要であると考えております。

 民営化の実施にはシステム開発等の準備作業が必要であり、これには一定の期間を要するものでございます。このため、法案の成立の時期が当初の見込みよりもおくれたことを踏まえ、郵政民営化の実施スケジュールを六カ月延期したものであります。

 なお、民営化に向けた準備を着実に進めるため、郵政民営化委員会の設置時期や日本郵政株式会社の設立時期など、準備期間中のスケジュールについては延期をしないこととしております。

 次に、郵便局の存続及びそのサービスの継続についてお尋ねがありました。

 郵便局の存続については、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務づけ、さらに省令における具体的な設置基準として、特に過疎地について、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定することとしております。

 郵便局における郵便サービスについては、郵便事業会社による郵便局会社への窓口業務の委託を義務づけております。貯金・保険サービスについては、代理店契約の義務づけや社会・地域貢献基金の設置、さらには株式持ち合いによる一体的経営を可能とすることなど、民営化後も郵便局において貯金、保険のサービスがしっかりと続くよう、実効性のある仕組みをつくっております。

 また、地域の意見でありますけれども、地域貢献業務計画の策定に際しましては、地域の有識者等の意見を聞いて、郵便局単位のきめ細かい地域のニーズをしっかりと把握し、これを尊重して策定することを義務づけております。こうしたプロセスや個々の郵便局における日々の活動を通じて、地域の意見やニーズが適切に把握され、地域密着型の経営が行われるものと考えております。

 現在の公社職員の雇用確保についてお尋ねがございました。

 公社職員の雇用については、法律により新会社において確実に確保するものとしております。具体的には、公社解散の際に公社に所属する全職員は、承継計画において定めるところに従い、いずれかの新会社の職員となることとしております。

 また、民営化に伴う職員の待遇につきましては、職員に不利益を生じさせないなどの観点から、新会社の職員の労働条件に関する事前の団体交渉及び労働協約の締結を可能とすること、新会社の職員の労働条件を定めるに当たり公社職員の勤務条件への配慮を義務づけること、新会社における退職手当の支給に当たり公務員時代の在職期間を通算すること、民営化後も当分の間、国家公務員共済組合制度を適用すること等の措置を講ずることとしております。

 これらの措置により、職員が安心して意欲的に働くことができる民営化を実現してまいります。

 郵貯、簡保の民営化による民業圧迫の懸念についてお尋ねがございました。

 御指摘の規模の問題について、まず申し上げるべきことは、民営化に当たり、郵貯、簡保の資金を新旧分離するということであります。民営化時点で資金規模の大宗を占める旧契約分は国債等の安全資産に運用することとしており、政府保証つきで集めた巨額の資金をもって貸し付け等の新規業務に進出していくことはありません。そして、この旧契約分は満期到来等に伴い確実に減少してまいります。

 また、新規業務が認められることになる、いわゆる新勘定につきましても、民営化により市場経済の中で厳密な資産負債総合管理、ALMが行われる結果、適正規模に収れんしていくものと考えております。

 それでも、これら金融二社については、やはり規模の問題のほかにも、政府出資による国の信用、関与など競争上の優位性があると考えられますので、法案におきましては、金融二社は一般商法会社として設立し、全株処分によって国の信用、関与を断ち切ることとし、また、株式処分等、国の関与の度合いの低減に応じイコールフッティングを確保しつつ、民営化委員会の意見を聴取の上、段階的に規制緩和していくこととするなど、民業圧迫とならないよう配慮しているところでございます。

 最後に、郵便貯金、簡易保険の民営化による国債市場への影響についてお尋ねがありました。

 今回の郵政民営化関連法案においては、国債市場における予測可能性への配慮等の観点から、民営化前に契約された旧契約の郵便貯金、簡易保険については、新会社において新契約分と一括して運用することとしており、このため、新会社は民営化前と同様の資産負債管理手法を用いることが可能となり、民営化を機に投資行動が一変するようなことはないこと、また、民営化当初は旧契約分が新会社の運用資産の大部分を占めることになるが、旧契約分は引き続き国債等の安全資産に運用することとしており、これにより、極端な資産構成の変化が生じにくいものとなっていること、移行期間中においては新会社の資産運用の見通しについて機構を通じ公表することといった措置を講じております。

 このように、今般の政府案においては、移行期間中に市場へのショックを吸収しつつ段階的に自由度を拡大していくとともに、市場に対する適切な情報提供を行うことにより、国債市場における予測可能性に十分に配慮した制度設計を行っているところでございます。

 いずれにしましても、国債の安定的な消化を図る上では、何より健全な財政運営が肝要であり、二〇一〇年代初頭には政策的な支出を新たな借金に頼らずにその年度の税収等で賄えるよう、歳出歳入両面から財政構造改革を推進することとしております。(拍手)

    〔国務大臣伊藤達也君登壇〕

国務大臣(伊藤達也君) 石破議員にお答えをいたします。

 私にも、民営化による民業圧迫の懸念についてお尋ねがございました。

 今般の法律案におきましては、ただいま竹中大臣から御答弁がございましたように、郵貯、簡保の民営化が金融市場に与える影響等を勘案し、移行期間当初は公社と同じ業務範囲とした上で、民営化委員会の意見を聴取の上、主務大臣認可により、透明、公平なプロセスのもと段階的に業務範囲を拡大していくこととするなど、他の民間金融機関に配慮した慎重な制度設計となっております。

 私どもといたしましては、民間金融機関との競争条件や金融・資本市場への影響といった点を踏まえつつ、民営化後の我が国全体の金融システムがより効率的で利便性の高いものになるよう、金融行政に取り組んでまいります。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 石破議員にお答えいたします。

 郵政民営化と財政の関係についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、郵政民営化は、小さな政府を実現し、子や孫の世代にツケを先送りしない、そういう体質をつくるという構造改革の本丸でございまして、財政健全化への道筋を開くために必要不可欠な改革であります。

 直接的にも、民営化後の新会社が民間企業同様に税金を納める存在となり、また、政府保有株式の売却が国庫を潤すこととなります。

 なお、議員御指摘の国債市場との関係につきましては、現在大量の国債を保有している郵政公社の民営化に伴いまして、国債市場に不測の事態が起こることのないよう、市場関係者の予測可能性等に十分配慮した制度設計を行っておりますことは、先ほど竹中大臣から御答弁があったとおりでございます。(拍手)

    〔馬淵澄夫君登壇〕

馬淵澄夫君 石破議員の御質問にお答えをいたします。

 石破議員は、質問の最後で、建設的かつ有意義な議論をと御発言になりました。しかし、御質問は、一部の言葉じりだけを抜き出し、都合のよい解釈をして批判を加えているとしか思えません。建設的で有意義な議論とはほど遠いものであり、本当に残念であります。民主党が変節したかのような御批判、あいまいで先送りしているとの御指摘は当たらず、国民に大きな誤解を与えるものであり、まことに心外であります。(拍手)

 具体的に申し上げます。

 民主党は、当面は公社のままで改革を進めていくが、将来の事業内容や組織形態についてはあらゆる選択肢を否定しないと申し上げてきました。職員の身分についても、事業、組織の変革に応じて見直すと申し上げてまいりました。一方で、政府案の株式会社化は、民営化の名に値しない、民の顔をした官の特殊会社をつくる株式会社化だと指摘してまいりました。この点において、今回の法律案はこれまでの我々の主張の延長上にあり、御批判は全くの見当外れであります。民主党は、これまでの政策を覆したのではなく、これまでの政策により磨きをかけ進化させたのであり、いささかのぶれもないことをはっきりと申し上げたいと思います。

 その上で、我々は、総選挙で示された民意を真摯に受けとめ、今回、こうして政府案に対する民主党の考え方を法律案として国会に提出し、真に国民のためとなる建設的な議論に臨もうとしています。

 我々は改革競争を訴えます。どちらが真の改革者であるか、これを明らかにしようではありませんか。我々は、改革のスピードを一段とアップし、常に改革の先頭を走り続ける決意であります。(拍手)

 そこでまず、新会社の経営見通しについてお答えをします。

 我々の法律案では、定額貯金の廃止や預入限度額の引き下げにより、郵便貯金の資金量を大幅に縮小することとしています。具体的には、二〇一六年度の貯金量は百兆円程度になるものと見込んでいます。実際、預入限度額が五百万円だった一九八九年当時の貯金量は百三十兆円だったことからも、百兆円という想定は妥当なものと考えています。

 この結果、郵便貯金会社の収益は政府案に比べれば当然ながら落ちますが、郵政民営化準備室による、政府による骨格経営試算と同様の前提条件のもとで行った我々の試算では、二〇一六年度において、郵政公社で三百億円、郵便貯金会社で九百億円、合計一千二百億円程度の経常利益を見込んでおります。

 その先の収支についても、郵便事業がいつまでも一本調子で落ち続けるとは考えられず、さらなる経営合理化や国際物流など、民業圧迫とならない範囲での新規業務を行えば、経営は十分に成り立つと考えます。さらに、二〇一二年九月までに郵政保険会社の株式をすべて売却することから、この売却益も入ります。したがって、公的資金の投入を前提とすることなく、独立採算での経営は十分に成り立つと考えます。

 政府案は、新会社にさまざまな新規事業を行わせ、収益を上げさせようとしていますが、これはまさに民業圧迫であります。新会社は税金を納めるのだから財政にも寄与するなどと胸を張っておられますが、マクロで見れば、新会社が新規事業をやればやるほど民間部門の仕事が奪われ、税収も減るんです。わかりやすく言えば、郵便局が地方でコンビニをやれば、近隣の商店は疲弊し、地域経済は衰退、全体の税収も減るのであります。民間が行うべきことと官が行うべきことをはっきりさせる、これが我々の理念であります。

 次に、郵便局のネットワークと二十六万人の雇用、これを維持できるのかというお尋ねでありました。

 ただいまお答えしたように、郵政公社及び郵便貯金会社は、いずれも公的資金の投入を前提とすることなく独立採算で経営が成り立つと見込まれ、郵便局のネットワークは十分に維持可能であります。雇用についても、我々の試算では、政府の骨格経営試算と同様の前提条件を置けば、政府案並みの人員削減で対応可能だと考えます。

 さらに、我々の法律案は公社形態のままで、発展性は制約される、こういう御指摘がありました。

 私は、このような御質問にこそ、我々の法律案と政府案の基本理念の違いがあらわれていると考えます。すなわち、繰り返しになりますが、民間が行うべきことと官が行うべきことをはっきりさせるべきであり、民の顔をした官である特殊会社にさまざまな新規業務をやらせようというのは、民業圧迫にほかならないということです。官は官が行うべきことに専念し、出しゃばって民業圧迫をすべきではないんです。

 また、郵政保険会社を分割することは経営上のリスクが高まる危険性があるとの御指摘ですが、これも全く逆です。金融の世界では、規模が大きくなるほど、ガバナンスのリスクや金利変動のリスクなど経営上のリスクが高まっていきます。例えて言えば、太古の時代、巨大になり過ぎた恐竜が、環境の急激な変化に適応できずに滅んだようなものであります。巨大な特殊会社、こんなものをつくり出し市場をゆがめる政府案よりも、分割した上でスピーディーに民営化を図る我々の法律案の方がより市場親和性が高いという、さまざまなマスコミ、新聞論説の評価もいただいております。

 郵政保険会社の株式を五年間で売却する、このことが金融、経済の実態にそぐわない絵そらごとであるとの御指摘については、何を根拠に言われるのか全く理解できません。金融の世界では、非常なスピードで技術革新が進んでいます。MアンドAに対する関心が高まっていることも御案内のとおりであります。

 同様に、郵政公社などに財投債を保有させないことが金融、経済の実態にそぐわない絵そらごととの、あわせての御指摘についても、見当違いの御指摘だと言わざるを得ません。

 そもそも、小泉総理が特殊法人の抜本改革に着手し、安易な財投債発行を許さないのであれば、このような規定を設ける必要はないんです。しかし、現実には、小泉総理は四年間で百二十兆円もの財投債を発行し、特殊法人等を温存しています。この背景には、郵貯、簡保が財投債の引き受けマシーンと化しているという事実があるんです。財投債の引き受けを理由に我々の案を非難する前に、まず、徹底した特殊法人や独立行政法人の改革を行い、安易な財投債発行を行わないで済むようにすることが求められているのではないんでしょうか。(拍手)

 金融の世界では、同一の発行体が発行する債券であっても、格付が異なることは十分にあり得ます。例えば、担保つきと無担保では回収リスクに差があります。担保つき債券よりも無担保債券の格付が低いといったことがあります。

 国債と財投債は、国が発行体であるということは同じですが、国債が将来の税収を償還財源とするのに対し、財投債は特殊法人などからの収益を償還財源とすべきものです。したがって、赤字を垂れ流して放置されてしまっている特殊法人が多いことを考えると、財投債の方が明らかに回収リスクは高いと考えます。

 我々の考えは、国債と財投債のリスクの違いを明らかにして、財政規律を働かせることにより、抜本的な特殊法人改革を進めようというものであり、まさに金融、経済の実態を踏まえた改革であります。

 最後に、我々の法律案と政府案は大きくスタンスが異なっているという御指摘はそのとおりだと考えます。民の顔をした官の特殊会社をつくり、民業圧迫を推し進める政府案と、民間が行うべきことと官が行うべきことをはっきりさせる、民間経済を活性化させる我々の法律案のどちらが本当に真の改革の名に値するのか、今後の論戦で明らかにしていきたいと思います。

 ぜひとも、国民にとって建設的かつ有意義な御議論をお願い申し上げます。

 ありがとうございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 笠浩史君。

    〔笠浩史君登壇〕

笠浩史君 民主党の笠浩史でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の郵政民営化関連法案及び民主党松本剛明君外提出の郵政改革法案について質問をいたします。(拍手)

 去る八月八日に参議院で否決された政府提出の郵政民営化法案が、民営化の開始時期を半年延期するなどの技術的な修正を除いて、ほとんどそっくりそのまま我々の眼前にあることに対しては、強い違和感を覚えます。民営化法案が参議院で否決されたにもかかわらず、同法案を可決した衆議院を解散した小泉総理のこの行為は、解散権の濫用とも言えるのではないでしょうか。

 内容的にも、国民の大事な金融資産である郵貯、簡保の三百三十兆円の資金が官から民に流れない政府案では、国民のための郵政改革を目指す我々としては、何十回提出をされたとしても断固として反対をするだけでございます。(拍手)

 総選挙のさなか、小泉総理は、今回の解散は郵政解散であり、郵政民営化の法案への賛否を問う選挙だと繰り返しました。しかし、私が大問題だと思うのは、総理自身も、自民党、公明党の両党も、郵政民営化が改革の本丸だと言いながら、政府案の言うこの民営化がどのような内容で、そして、それがどうして日本全体の構造改革につながるのかについては、国民に具体的に説明しようとしなかったことです。

 例えば、自民党のマニフェストには「郵政民営化に再挑戦」と書かれていますが、その内容たるや、たった一行、「参議院において否決された民営化関連六法案を次期国会で成立させる。」とあるだけです。これで政府・与党の進めようとする民営化の中身を理解しろといっても、しょせんは無理な相談でした。

 なぜこのようなことを言うかといえば、小泉総理の言う郵政民営化法案の内容が、民営化なのか何なのか、いまだにわけのわからないものだからです。

 当初は、政府が一〇〇%出資する持ち株会社のもとに四つの子会社をぶら下げ、郵便と郵便局については将来も持ち株会社の一〇〇%出資、郵貯銀行と郵便保険会社については十年後に株式を全額売却すると言っていました。しかし、自民党内での反発もあって、法案修正などにより、政府が株式を間接保有し続ける道が残りました。

 つまりは、政府案が実現しようとしているのは、政府の関与が残るいわば半官半民会社であるわけです。

 竹中郵政担当大臣、あえてそれを民営化と呼んでいるのが実態ではありませんか。いかがですか、明確にお答えください。これでは、不良品の詰まった箱に封をして、そのふたに優良品と大書して国民に売ったようなものではありませんか。(拍手)

 一方、民主党の郵政改革法案は、我が党の主張である郵貯の規模縮小を具体化し、経営形態についても官と民の役割分担をすっきりとした形で示しています。すなわち、郵便と決済、少額貯蓄は官、保険については完全に民、このように非常に明確になっています。単に民営化なら何でもよいという単純な考え方ではなくて、郵政改革法案の基本理念、この点について具体的に説明をしていただきたいと思います。また、国民にとって安心の法案とうたっていますが、どこが安心なのか、その理由についてもお答えください。

 思えば、民間にできることは民間にが小泉総理の口癖でした。その意味は、裏を返せば、民間にできないことは官でやるとなります。誤解を恐れずに言えば、官と民の役割をはっきりさせ、民がやるべきことは完全に民にやらせるこの郵政改革法案の方が、その境界をあいまいにしたままの政府案よりも小泉総理の考え方に沿っているのではないでしょうか。

 なお、国民の間には、官のやり方にはむだがあり、さらには、効率的な経営ができないのではないかという不安があります。郵便と少額貯蓄を公社や公社の子会社のもとに置くといっても、決して現状維持であってはなりません。この民主党の案では、公社及び公社の子会社で経営する部分の効率化をどのように担保しているのか、法案提出者に質問いたします。

 さらに、保険会社の完全民営化について確認しておきたいことがあります。

 改革はスピードが命です。民主党案では、政府案の十年に対して五年で全株式を売却するとしていますが、その理由について説明を求めます。政府案の場合、株式完全売却に十年もかけ、しかも、その後で買い戻しを可能とする骨抜き条項が入っています。その点をどう取り扱っているのか、あわせてお答えください。

 政府案の最大の問題点の一つは、民業圧迫のおそれが非常に強いということです。先ほどの説明では全くわかりません。大手都市銀行七行分の資金量を持った銀行と、大手生保四社分の資金量を持った生命保険会社が、金融以外の新規業務もどんどんできるようになるわけです。しかも、これらの新会社には国の関与が残ることになり、いわば、国の信用をバックにした巨大な会社が既存の民間マーケットを荒らしまくるといった構図が出現することにもなりかねません。

 そこで、竹中大臣に質問をいたします。

 政府案では、四つの新会社が既存の民業を圧迫することをどうやって具体的にチェックするのか。くれぐれも、政府案は民営化するのだから民営化会社が民業圧迫ということはあり得ないなどという詭弁を弄することのないようお願いいたします。

 政府は、これまでの審議でも、都合の悪い質問をぶつけられると、いつも、民営化委員会で監視するといって逃げているのが常でした。しかし、今現在存在していない、そして、だれが委員になるのかもわからないこの民営化委員会に責任転嫁するなど、無責任も甚だしい話です。政府案の論理が破綻する部分はすべて民営化委員会というブラックホールにほうり投げ、前国会で百九十時間の審議をやり過ごしたのが小泉総理や竹中大臣の実態だったことを、今私は改めて思い出します。(拍手)

 一方、この民主党案では、限度額の引き下げなどによって郵貯を縮小したり、保険業務については分割した上で完全民営化するなど、民業圧迫に対する目配りがきいているように思われます。民業圧迫を回避するためにどのような工夫がなされているのか、保険会社を分割する理由も含め、提出者に質問いたします。また、さきの総選挙中に私ども民主党は、マニフェストに郵貯を半減させることを掲げました。これに対して与党の一部から批判が出ましたが、資金量の縮減がしっかりと実現できるという点についてもあわせて説明をお願いいたします。

 なお、民主党案に記載されている郵貯の預入限度額引き下げについては経過措置が設けられ、現在の郵貯利用者の利便に配慮していると理解しております。また、保険業務についても、既存の簡保の契約に従ったサービスは新会社を通して平成十九年十月以降も受けられること、そして新会社は、ほかの民間保険会社と同じように新規商品を取り扱えることになっていると伺っております。この三点について、利用者に無用の不安を起こさないためにも、きちんとした説明が必要です。提出者にそれを求めます。

 次に、資金の流れの観点から質問いたします。

 郵政改革の最大の目的は、郵貯、簡保を通じて集められた三百三十兆円という巨額の民間資金が特殊法人に流れて、しかも、その相当部分がむだ遣いをされたり国の赤字の穴埋めに使われて財政規律を緩めるなど、この現状を正すことにあるはずです。

 その点、政府案では、いわゆる民営化後の資金の規模やその流れがはっきりしません。特に貯金部分については、政府案では、民営化へ向けて徐々に預入限度額を引き上げ、そして最終的には撤廃することとしています。常識的に考えれば、郵貯銀行は収益拡大のために預金量を拡大していくことになるでしょう。しかも、再三申し上げておりますように、郵貯銀行にしても郵政保険会社にしても、その資本や経営に国の関与が残る可能性が非常に強いために、いわゆる民営化会社は国債の固定的な買い手となるおそれが懸念されます。

 竹中大臣、これでは、幾ら分社化して看板をかえても、資金の流れは大枠において変わりません。これのどこが民営化なのか、具体的にお答えください。(拍手)

 他方、民主党案では、郵貯の規模縮小と簡保の完全民営化によって現在の資金の流れが大幅に変わり、官から民へが実現するものと思われます。この点について、法案提出者に対し、より具体的な説明を求めます。また、各社に対して財投債の購入を禁止していることについても、そのねらいと実施方法についてあわせて質問をいたします。

 次に、この民主党案において、郵便事業を行う郵政公社と金融業務を行う郵便貯金会社の事業性について質問させていただきます。

 民主党案は、官と民の役割分担を明確にしており、郵政公社と郵便貯金会社については国が責任を持つということです。つまり、万一、事業の継続性が危ぶまれるような事態になった場合に、セーフティーネットとして税金投入もあり得るということだと理解をしていますが、それでよろしいのでしょうか。確認をしたいと思います。

 ただし、税金投入はあくまでセーフティーネットでなければなりません。税金投入先にありきでは、国民の納得は得られないばかりか、経営規律も緩んでしまいます。

 そこで問題となるのが、郵政公社と郵便貯金会社の採算性です。民主党案では、二〇〇九年十月以降の両社の採算性、事業継続性をどのように見込んでいるのでしょうか。郵政改革法案の提出者に質問いたします。特に、郵便貯金会社の収益は、その資金規模によって大きく左右されることになります。法案では、十年後の貯金残高が幾らになることを想定しているのでしょうか。また、郵政公社にあっては新規業務を行うことが可能であるのか否かについてもあわせて質問をさせていただきます。

 私ども民主党は、前原誠司新代表のもとで、主要な政策課題について堂々と対案を示し、そして改革競争を挑んでまいります。今回のこの民主党の郵政改革法案は、その嚆矢となるものです。総理は、審議も始まる前から法案修正はしないと言っているようですけれども、今回の選挙で、小泉チルドレンとも称される多くのイエスマンの登場により生まれた巨大なこの与党が、数の力におごることなく、郵政民営化の中身が与野党間で徹底的に審議をされ、そして国民のための真の改革が実現することを多くの国民は求めております。

 十分な時間をとって、真摯に、かつ活発な議論が行われることをここに強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 笠議員から三問御質問があったと存じます。

 まず、政府による新会社の株式保有についてお尋ねがございました。

 郵政民営化は、郵便局ネットワークの確保、郵便のユニバーサルサービスという公共的な役割をしっかりと果たしながら、四機能が、それぞれの市場に吸収統合され、市場原理のもとで自立することを実現するものであります。これが民営化であります。

 そのため、郵便事業を行う郵便事業株式会社、郵便窓口業務を行う郵便局株式会社については、政府が三分の一超の株式を保有する日本郵政株式会社のもとに一〇〇%子会社として位置づけております。郵便貯金銀行及び郵便保険会社の金融二社については、日本郵政株式会社が保有する株式を移行期間中に完全に処分し、民有民営を実現するというものであります。

 なお、完全民営化後の金融二社の株式の取得、保有につきましては、一般的なルールを超えて殊さらに規制を課したり、あるいは優遇することなく、他の民間金融機関と同様の取り扱いをする。民営化の趣旨に沿ったものでございます。

 次に、新会社の民業圧迫のチェックについてお尋ねがありました。

 民営化当初の十年間である移行期間中には、主務大臣による監督がございますが、それに加え、郵政民営化委員会による監視のもとで、郵政民営化が、経営の自由度の拡大とイコールフッティングの確保のバランスを図りながら進められることになっております。

 具体的には、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の金融二社につきましては、株式処分等国の関与の度合いの低減に応じまして、民営化委員会の意見を聞きながら主務大臣が段階的に新規業務を認めていくこととしております。また、郵便事業会社及び郵便局会社につきましては、同種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう配慮する義務を課しております。

 移行期間終了時点におきましては、金融二社についてはその株式はすべて処分されておりまして、民有民営が実現されております。また、郵便事業会社及び郵便局会社については、移行期の十年間に、その事業基盤をみずからの経営努力によって築き上げられたものとなります。したがいまして、四会社と同業他社とのイコールフッティングは確保されていると考えられ、移行期間後、四会社による民業圧迫の問題は生じないものと考えております。

 最後に、政府案では資金の流れの大枠は変わらないのではないかとのお尋ねがございました。

 郵政民営化を実現することにより、郵便貯金銀行、郵便保険会社は、民間企業としてみずからの責任と経営判断に基づきまして、厳密な資産負債管理、ALMのもとで資金を調達することになりますので、資金の規模は市場の中で適正規模に収れんされていくことになります。

 金融二社の資金運用につきましては、旧契約分については、安全性を重視しまして引き続き国債等の安全資産で運用されることになりますが、株式処分等民有民営化の進展に応じて、民営化委員会の意見も聞きながら、主務大臣の認可によりまして段階的に業務範囲、運用範囲の拡大を図っていくこととしておりまして、これによりまして民間へ資金を流すことが可能となります。民間への資金の流れが実現されるということは、専門家の推計によっても既に数字も示されているところでございます。

 このように、郵政民営化の実現によりまして、郵貯、簡保の資金は民間資金に転化し、政府系金融機関の見直し等、出口の改革や財政健全化の改革と相まって、資金の流れが官から民へと転換しまして、国民の貯蓄が経済の成長、発展の源泉として有効に活用されることになると考えております。

 以上、三問お答えを申し上げます。(拍手)

    〔原口一博君登壇〕

原口一博君 笠議員の御質問にお答えいたします。

 まず、民主党の郵政改革法案の基本理念についてでありますが、グローバル化あるいは少子高齢化の中で、私たちは、中央政府の再定義、大胆な改革が必要だというふうに思っています。しかし、この郵政改革においても、それは単に経営形態の議論あるいは財政の要請、これに矮小化されるべきではない。郵政事業における国民の権利とは一体何なのか、そして、その郵政事業における国民の権利を保障するために国の責務というのはどうあるべきか、そこから発想されるべきであるというふうに考えております。(拍手)

 我々の法律案は、郵政事業のうち、あまねく公平にそのサービスが提供されるべき業務、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがある、そういう業務については、国の責務で提供することによって国民の権利を保障するとともに、民間にできる業務は廃止、そして縮小、または民営化する。さらには、公的部門に流れているお金、これは莫大なお金が流れています。国の借金、私たちの子供あるいは孫、ひ孫の時代まで、その皆さんの果実をとっている、これをいかにとめるのか。公的部門に流れている民間資金を官から民へ流すことにより、経済の活性化、財政の健全化に資することを基本理念としています。

 具体的には、郵便と決済、そして少額貯蓄は国の責務で。金融社会権という言葉があります。私たちが地域を回ってみると、大きな道路はもうつくらないでくれと。なぜか。高齢化が進んで、長い横断歩道を渡れない、そういう状況の中で、二カ月で八万円の年金を受け取りに五千円も六千円もタクシーのお金をかけて行く、そんなことが本当に合理的でしょうか。私たちは、お一人お一人の国民の郵政事業における金融社会権、これを保障していきます。少額貯蓄は国の責任で、全国あまねくユニバーサルサービスとして、離島や過疎地、そういったところについてもしっかりと保障する、これが我々の法律案を安心の改革案と呼ぶゆえんであります。

 一方で、定額貯金や簡易保険については、官がやる必要もない。一定の役割をこれまで果たしてきました。しかし、商品設計から販売までも公社としてやる必要があるのか、そのことを考えたときに、この業務は廃止をいたします。

 民間にできることは官が手を引き、民間にやらせる、これが我々の考えです。しかし、単に官から民にというだけではなくて、官から市場に、そこにおいて私たちが中心に置いているものは、あくまで郵政事業における国民の権利である、その保障であるということをまず御理解いただきたいと思います。(拍手)

 郵政公社及び郵便貯金会社の経営の効率化についてお尋ねがありました。

 本法律案では、公社及び郵便貯金会社は一層の経営の合理化に努めることとしています。具体的には、役職員の削減、メルパルクやかんぽの宿など施設の廃止、そして天下りの制限などを定めています。

 政府案では、ファミリー企業の設立などの自由度が増します。実際には、既得権益がさらに膨らむおそれがあります。もちろん、そうなれば新たな利権を生み、新会社は天下りの温床となる。これは、道路公団の民営化においても危惧をされたことではないでしょうか。

 保険会社の完全民営化についてのお尋ねがありました。

 改革はスピードが命、おっしゃるとおりだと思います。我々が提案する法律案は、郵政保険会社の株式は五年以内に完全処分することとし、その後の買い戻しは禁止する旨、明確に定めているところであります。

 一方、政府案は、新会社間の株式の持ち合いを容認することと、これは妥協によって相なりました。すなわち、持ち株会社である日本郵政株式会社は政府が三分の一超の株式を保有する特殊会社、そして郵便事業株式会社と郵便局株式会社はその一〇〇%子会社、郵便貯金銀行と郵便保険会社はそれらと株式を持ち合いするいわば政府系金融機関、これが政府案の実態であります。

 民業圧迫の問題についてお尋ねがありました。

 三十五兆も貸し出し等をする、そういう銀行を中央に置く民間会社、これはいつか来た道ではないでしょうか。我々の法律案と政府案の大きな違いの一つが、ここにあらわれています。

 すなわち、我々が提案する法律案は、その基本理念において、郵政事業のうち、あまねく公平にそのサービスが提供されるべき業務、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施がされないおそれがある業務については、国の責務で提供することとなっています。国民の権利を保障するとともに、民間にできる業務は廃止、縮小、または民営化することを定めているんです。そして、定額貯金と簡易保険については、公社としての業務は廃止するということにしています。

 この結果、三百四十兆の郵貯・簡保資金のうち、かなりの資金が民間部門に流れます。

 簡易保険についても、二つ以上の郵政保険会社に分割し、規模を縮小してから完全民営化することとしています。

 なぜか。これは、マーケットによって大きくなったんじゃないんです。官という中で、国債運用、まさに、BIS規制の中に貸し出しリスクはあります。しかし、国債を保有するリスクはないんです。今の状況の中では規模を拡大すれば拡大するほどまさに利益が上がる、この状況を私たちが国の責任において縮小化する、これが政治の務めではないでしょうか。(拍手)

 もちろん、政府案のように、郵便局に不動産、株式仲介や住宅リフォーム仲介などをやらせるといったことはありません。民間にできることは官はやらない、これが民業圧迫を招かない一番の方法です。

 私たちは、ポストショップを目指すのではありません。公的サービスのワンストップ化など、まさにポストオフィスとしての役割、国民の権利を守るポストオフィスとしての役割をこの中で目指しておるものでございます。(拍手)

 なお、預入限度額を五百万円に引き下げても貯金量は五十兆円しか減らないという批判については、預入限度額が現行の一千万円になった一九九一年以降、郵貯残高がなぜ急増したかという問題を考えれば、先ほど申し上げましたBIS規制の問題、その批判が的外れであることがおのずと明らかだと思います。

 すなわち、一九九二年度の郵貯残高が百六十七兆円であったものが、一九九九年には二百六十兆円に達しました。その要因は、定額貯金という民間に比べて有利な金利と商品内容、そして九〇年代後半の金融不安、そしてゼロリスクの国債で運用する、そこに構造的な原因があったわけです。

 すなわち、民間と比べて有利な貯金を提供するといったことをやめれば、郵貯残高は自然と減少します。

 改革の競争をやりましょう。前向きの競争をやりましょう。ぜひ民主党の案について御理解をいただきますように結びにお願いを申し上げまして、答弁とさせていただきます。

 ありがとうございます。(拍手)

    〔永田寿康君登壇〕

永田寿康君 笠議員にお答えをいたします。

 経過措置についてのお尋ねがありました。

 確かに、この法案では、郵貯の預入限度額を最終的には五百万円に引き下げることを決めています。五百万円に引き下げれば、例えば現在五百万円よりも大きな金額の郵貯の契約を持っている人は、果たしてその先どうなってしまうのか、不安を持つのも無理はありません。

 基本的には、現在お持ちの郵貯の契約は満期が到来するまで有効であります。しかし、その満期が二〇〇七年十月一日以降に到来したものについては、その後、再度預け入れをしようと思っても、上限五百万円までしか預けることはできません。五百万円を超える部分は、お手元にお返しをするのか、あるいは国債を買っていただくとか、そのような方法で個人の判断において新たな運用を行っていただくことになると思います。

 そして、郵貯からあふれたこの資金は、当然、地域の民間金融機関などを通じて地域の中小企業などに貸し出され、そして地域経済の活性化に大いに役立てられることになる。まさにお金が官から民に流れるプロセスであります。

 一方、簡易保険につきましても、基本的には、現在の契約はこの法が成立し施行された後にも有効であります。郵政保険会社は、保険業法に基づく生命保険会社でありまして、保険業法に基づき、設立当初から新規の募集を行うことができるようになっています。しかし、やはり公正競争の観点から、一定の制限は必要だと考えています。郵政公社が保有する郵政保険会社の株式を全株処分するまでの間、加入限度額をその上限を定めるなど、引き続き、提供できる商品には制限を加えていきたいと考えています。

 これらの経過措置を含む必要な措置につきましては、本法案が成立した後に、また関係法案の整備、必要に応じてやっていきたいと考えています。

 さて、郵貯・簡保資金のお金の流れの問題と財投債購入禁止の件についてお尋ねがありました。

 我々の案では、三百四十兆円の郵貯、簡保の資金のうち、相当程度の部分が民間部門に流れることを想定しています。具体的には、二〇一六年度の資金量は百兆円程度になると見込んでいます。

 その根拠といたしましては、何度もお尋ねがありましたけれども、根拠といたしましては、よく聞いてください、現在、通常貯金は五十五兆円、定額貯金が百四十五兆円、定期貯金が十一兆円あること、そして、定額貯金が廃止をされても、民間金融機関の定期預金とよく似通った商品内容である定期貯金は引き続き残ることとされていることから、定額貯金の一部は定期貯金あるいは通常貯金に移るだろうと考えています。

 預入限度額が五百万円だったころ、一九八九年のことですが、このころの資金量が百三十兆円であったことを考えれば、妥当と言える仮定だと思っています。

 そしてまた、郵政公社や郵便貯金会社に財投債や政府保証債あるいは格付のない財投機関債を買わせないこととするのも、まさに特殊法人への資金の流れをとめることが目的であるということを改めて強調させていただきたいと思っています。

 そもそも、やはり政府系金融機関の統廃合など、与党は最近になってようやく重い腰を上げようとしていますが、もっとかなり早い段階からこの特殊法人改革、言われていました。財投改革、言われていました。小泉総理を初めとして与党の諸君がもっと早い段階で本腰を入れてこの資金の出口についてしっかり改革をしていれば、このような財投債の引き受けを禁止するなどという、そういう規定は置かなくても済んだはずであります。

 しかし、現実には、政府には期待ができませんでした。小泉政権は四年間で百二十兆円の財投債を発行し、そして特殊法人を温存しています。天下り先も今でも残ったままです。こうしたことに歯どめをかけるために、我々は、郵政公社や郵便貯金会社が財投債の購入をやめること、これを法律に規定しているわけであります。財政規律が働くことも十分期待できる、まことに妙案だと自画自賛をしておるところであります。

 当然のことながら、国債と財投債を今分けることができません。しかし、これからはその区別を明確にしていくことが必要となりますから、その措置も講じていきたいと思っています。

 税金投入の可能性についてもお尋ねがありました。

 皆様も先ほどから何度も、質問あるいは不規則発言でその疑問を呈しているところでありますが、我々は、定期貯金の廃止や預入限度額の引き下げによって、郵便貯金の資金量を大幅に縮小することを考えています。そして、具体的には、二〇一六年度の貯金量は百兆円程度になると見込んでいます。実際、預入限度額が五百万円だった一九八九年当時は百三十兆円だったわけですから、百兆円は、改めて申し上げます、妥当な想定だと思います。その結果、郵便貯金会社の収益は、政府案に対しては当然、比べればですね、当然落ちることになります。それは否定はしません。

 郵政民営化準備室による骨格経営試算と同様の前提条件で私たちはその点についても試算を行っています。二〇一六年度において、郵政公社で三百億円、郵便貯金会社で九百億円、合計千二百億円程度の経常利益を見込んでおります。

 そして、その先の収支についても、郵便事業がいつまでも一本調子で落ち続けるという、そういう政府の悲観的な見通しのとおりならばいざ知らず、やはりそういうことはあり得ないだろうということを考え、さらなる経営合理化、そして国際物流などの民業圧迫にならない範囲での新規業務を考えれば、経営は十分に独立して成り立っていくものと考えています。二〇一二年九月までに郵政保険会社の株式をすべて売却すれば、この売却収入も入るのです。これを基金として積んでいくなどの工夫をすれば、公的資金の投入を前提とすることなく、独立採算での経営は十分に可能であります。

 その上で、郵政公社及び郵便貯金会社の経営努力にもかかわらず、どうしても独立採算によるネットワークの維持が困難になるという本当に究極の事態が生じた場合には、国の責任でネットワークを守ることも当然としております。ですから、税金の投入もそこでは排除をしないこととしております。

 しかし、ここでぜひ考えていただきたいことがあります。

 政府案のように新会社にさまざまな新規業務を行わせていけば、収益を上げることは確かに可能かもしれませんが、マクロで見れば、当然民間部門の収益をどんどん食っているにすぎません。この場合、新会社から得られる税収以上に、民間部門の既存のビジネスが失われることによる税収減、こちらの方が大きくなります。

 一方、我々の案のように、郵政公社と郵便貯金会社が民業圧迫にならぬように経営を行えば、民間経済が活性化し、民間部門からの税収がふえます。この方がずっとずっと健全な郵政改革だと私たちは確信をいたしております。

 最後に、あしたから郵政の特別委員会で本格的な論戦が始まります。聞くところによると、与党側の質問者、既に決まっている方々の中には、今回の選挙でいわゆる刺客という、まことに不名誉な、気の毒なレッテルを張られた方々も含まれていると聞いています。しかし、皆さん、国会で必要なことは、国会で必要な人材は刺客ではなく論客であります。(拍手)

 どうぞ、手かげんをすることなく、全力で、堂々と論戦を国民の前で展開していただきたく心よりお願いを申し上げまして、私からの答弁、締めくくりたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 桝屋敬悟君。

    〔桝屋敬悟君登壇〕

桝屋敬悟君 公明党の桝屋敬悟でございます。

 ただいま議題となりました関連法案などにつきまして、公明党を代表いたしまして、簡略に質問を行いたいと思います。(拍手)

 さきの衆議院選挙、小泉総理が所信表明で、本当に国民が郵政民営化は必要ないと判断しているのか、直接その意思を確認したいと思い衆議院を解散したと言われたとおり、まさに郵政民営化の是非が問われたわけであります。

 その結果は、自民党と公明党で過半数をはるかに超え、郵政民営化を初め、連立政権による今日までの構造改革への取り組みに対して多くの国民の信任をいただいたわけであります。(拍手)

 さて、その郵政民営化法案が、本日、こうして改めて衆議院の本会議で審議が開始されるわけでありますが、私は、短い期間ではありましたが、猛暑の中、中国五県の津々浦々を走り、多くの国民の皆さんに郵政民営化の必要性、その目指すところを訴えてきたことを今思い出しております。

 総理は同じ所信表明で、国民の間には、民営化によって過疎地の郵便局がなくなるのではないか、郵便局で貯金や保険を扱わなくなるのではないかという不安が存在することを承知している、このようにおっしゃいましたが、確かに、選挙結果を見ると、特に総理が選択肢を用意しなければならないとされた小選挙区においては、自民党、そして我々公明党の全国の得票数は過半数を超えてはいないのであります。

 今、こうして郵政民営化法案の改めての審議に当たり、私は、全国の有権者の皆さんが、このたびの郵政事業の改革について、必ずしも十分な理解をされていないということも厳粛な事実として受けとめなければならない、このように感じているわけであります。

 したがって、限られた審議時間になるかもしれませんが、より慎重に、より丁寧に、よりわかりやすく取り組んでいくことが我々与党に課せられた責務であると感じている次第であります。(拍手)

 初めに、郵便局の設置について伺いたい。

 さきの国会でも幾度となく議論したことでありますが、この本会議場の多くの議員の皆さんが、選挙中に、田舎の郵便局は守ります、都市部においても生活の利便性を守りますと叫ばれたことと思います。私も叫んでまいりました。

 さきの国会では、過疎地においては現在のネットワークを維持する、都市部についても国民の利便性に支障の生じることのないようとの答弁は何度も伺ったところでありますが、あの選挙戦を終えたこの国会で改めて竹中担当大臣に伺いたいのであります。

 私は、あまねく全国で利用されることを旨としてとの意味するところは、農村、漁村、過疎地、そして都市部、いずれの地域においても、郵便局は地域住民の生活環境のかなめであるとの認識が示される必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 このたびの選挙中に痛いほど感じたいま一つのことは、日本郵政公社の職員の皆さんの思いであります。日増しに盛り上がってくる選挙戦、論争の中で、改革の継続か改革の挫折か、こうした言葉の中で、郵政公社の職員の皆さん方が改革を停滞させている象徴のごとき言われ方をされてしまった。恐らく職員の皆さん方にとって、耳をふさぎたくなるような議論も多かったのではないかと感じています。

 もちろん改革しなければならない郵政事業でありますが、法律案に規定されている地域貢献という文言は、紛れもなく、地域の中で地域とともに生きてこられた特定郵便局長さん方の業務理念として培われてきたものでありますし、総理が貴重な国民の資産だと言われたものは、単なる郵便局のネットワークではなく、郵政職員の地域貢献の魂のネットワークこそ私ども国民の資産であると申し上げたいのであります。郵政民営化法案の成立が見えてきた今こそ、竹中担当大臣の改革作業に向かう郵政職員に対する温かいエールの言葉を聞かせていただきたいのであります。

 さて、この国会では、前国会とは大きく環境も変わり、法案の成立に確信が持てるわけでありますが、郵政民営化が確かな流れとなった今、確認しなければならないことがあります。

 先日の報道によりますと、民営化後の早い段階から新規事業への参入が認められるよう日本郵政公社が要望したことを受けて、政府としてこれを尊重し、二〇〇七年十月の民営化の初期段階から新規業務への参入を認める方針を覚書にしたということでありますが、どのような内容のものか、この場で明らかにしていただきたいのであります。

 経営の自由度については、さきの国会でも随分と議論いたしましたが、民業圧迫とのバランスをとりながら、民営化された会社が自立するため極めて重要なポイントであります。

 生田総裁は、さきの国会で衆参の特別委員会にたびたび出席をされまして、民間と同様の義務を負う以上、民間並みの経営の自由度が必要と主張され、郵政三事業のサービスを安定的に提供していくためには新しい収益源の確保が必要とも主張されておられました。

 報道によりますと、官房長官、麻生大臣、竹中大臣の三大臣が署名をされたようでありますが、竹中大臣からお答えをいただきたいと思います。

 日本郵政公社の生田総裁の話で、いま一つ確認をしておきたい。

 さきの国会では、生田総裁から出された要望として税制措置の問題も議論されました。郵便貯金銀行及び郵便保険会社が郵便局株式会社に払う窓口業務の委託手数料に係る消費税については、円滑な移行のためにも免除してもらいたいとの要望であります。

 この点については、参議院の特別委員会で、我が党の草川昭三議員の質疑において、金融が非課税業務になっている中で、新しく設立される郵便局会社の付加価値部分への課税の問題として議論されたところであります。竹中大臣からは、その際、政府の中でもいろんな議論があるけれども、問題解決に向けて政府・与党一丸となって努力していきたいとの前向きな答弁があったように記憶しております。改めてこの本会議場で確認をさせていただきたいと思います。

 税制について、もう一点質問させていただきます。

 社会・地域貢献基金に対する税制の問題であります。この基金は、郵便局会社が民営化後も社会・地域貢献事業を持続する場合、国もそれを支援しようとの趣旨であると考えています。さきに述べました郵便局の設置や金融サービスの継続を行う上で、まことに大事な基金であります。そうである以上、その原資として、子会社の株式を売って得る売却益を利用するとしても、せめて基金の積み立ては非課税扱いとするべきではないかと考えます。

 税制については、参議院の特別委員会の附帯決議において、関係税制の所要の検討を行うことが明記されたところでありますし、これから政府・与党税調で議論を行わなければならないテーマと考えていますが、改めて竹中担当大臣の御所見を伺いたいと思います。

 最後に申し上げたいと思います。

 先日、民主党から対案が提出されました。本日も御出席でありますが、新しい党首のもと、限られた時間の中で対案を作成されたことには敬意を表したいと思いますが、さきの国会で用意されたならば、さらに国民にわかりやすい議論ができたのではないかとまことに残念に思っております。要するに、遅過ぎる、このように申し上げたいと思います。

 同時に、現在の郵政事業の改革に当たっては、冒頭申し上げたように、あまねく全国において郵便局を利用されている国民の不安をいささかも増大させるようなことがあってはならず、単に縮小路線では解決できないということをこの場で申し上げたいと思います。

 具体的に、雇用の問題をどうするのか、改革の実効性が本当にあるのかどうか、今後、委員会審議の中で明らかにしていきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、このたびの衆議院選挙で示された結果を重く受けとめ、二十一世紀の我が国にふさわしい郵政事業改革がスタートすることを祈りまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 桝屋議員から四問質問をいただきました。

 まず、郵便局の設置についてお尋ねがありました。

 全国に張りめぐらされた郵便局ネットワークは国民の資産だと考えておりまして、水道のようなライフラインに匹敵するような重要なものだと考えております。しかし、今ある郵便局がなくなるのではないかとの懸念や不安感が国民の間に根強くあるということも十分承知をしておりまして、法案においては、郵便局のネットワークをしっかり維持し、国民の安心、利便を守りながら、この資産を十分活用するという配慮をしたところでございます。

 具体的には、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務づける、さらに、省令における具体的な設置基準として、特に過疎地について、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定することとしております。また、都市部についても、国民の利便性に支障の生じることのないよう配慮する考えであります。

 もちろん、将来における地域の実情に応じ、合理的な再配置が行われることが否定されるものではありませんが、国民の利便に万が一にも支障が生じないように十分配慮しまして、郵便局ネットワークを国民の資産としてしっかり維持していきたいと考えております。

 議員からさらに、郵政職員についてどのように考えるかというお尋ねがございました。

 議員御指摘のとおり、郵便局ネットワークは国民の貴重な資産でありますが、それは、特定郵便局長を初め郵政職員の皆様が、長年にわたり、地域に根づいてきめ細かなサービスを提供し続けてきた御努力のたまものであると考えております。

 一方、郵政民営化は、郵政事業の経営の自由度を高め、市場原理のもとにおける公正な競争を通して、質の高い多様なサービスの提供を可能とし、ひいては我が国経済の活性化を図ろうとするものであります。

 したがいまして、郵政職員の皆様には、これまで郵政事業を発展させてこられたことに自信と誇りを持ち、地域の皆様に対し、さらに一層魅力ある多様なサービスを提供していただくよう、民営化後も引き続き熱意と使命感を持って職務に精励していただくことを期待しているところでございます。

 新規事業への参入に関するいわゆる覚書についてお尋ねがございました。

 民営化によって経営の自由度を高め、より幅広いサービスの提供を可能とし、国民の利便性の向上に資するとともに、経済の活性化を図るという郵政民営化の趣旨にかんがみれば、業務範囲の段階的拡大を的確かつ円滑に実現することは極めて重要であると認識をしております。

 このため、郵政民営化法案では、経営委員会及び郵政民営化委員会を準備期間中の早期に設置をし、関係会社及び関係行政機関が先行的に検討と準備を進めることができるようにしております。また、これらの組織がその趣旨を踏まえて適切に運営されることが重要であり、議員御指摘の覚書は、その旨を、官房長官、総務大臣及び私の間で確認したものでございます。

 なお、これは本年四月の政府・与党合意の内容に沿ったものであり、郵政民営化関連法案が成立すれば、このような考え方に基づき、政府として郵政民営化を適切に推進してまいりたいと考えております。

 最後に、税制についてのお尋ねがございました。

 消費税については、政府部内で議論を重ねてきたところですが、政府としては、これまでも申し上げてきたとおり、民間とのイコールフッティングの観点から、消費税に関する特例措置は講じておりません。

 また、社会・地域貢献基金に関する税制に関しましても、基金への積み立てについては、持ち株会社の利益の一部を内部留保としてみずからの会社内に積み立てるものでありまして、他の民間企業とのイコールフッティングに反するとの観点から、非課税という特例措置は講じておりません。

 前国会では、「民営化に伴う激変緩和の必要性の有無、四分社化、基金の設置など郵政民営化に特別な論点を踏まえつつ、消費税の減免などを含め関係税制について所要の検討を行う」との御指摘を参議院における附帯決議としていただいたものと承知をしております。

 税制の問題については、さらに必要に応じ慎重に検討してまいりたいと考えますが、先般の参議院での審議において、消費税の問題については与党税調の場で問題提起をするという議論があったところでもあり、まずは与党の議論をしっかりと見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の郵政民営化法案について質問をいたします。(拍手)

 小泉総理は今回の総選挙を民営化の是非を問う国民投票だと位置づけましたが、その結果、小泉政権与党が小選挙区で得た得票は四九%にすぎませんでした。民営化に賛成とした国民は半数に満たなかったのであります。小選挙区制によって多数議席を獲得したことをもって、国民の信任を得たとは到底言えません。しかも、総選挙において、総理は、郵政民営化によって金融サービスが低下し、税金の節約にもならないという真実を語ってこなかったのであります。このことを厳しく指摘をし、質問に入ります。

 第一に、国民サービスの問題です。

 総理は、民間にできることは民間にと言ってきましたが、民間にできないことをやっているのが郵便局です。郵便局はすべての市町村、全国津々浦々、二万四千のネットワークを維持し、民間銀行にできない金融サービスを提供してきました。例えば、郵便局ではATM手数料や口座維持手数料は取っておりません。障害者対応ATMがすべての郵便局に設置をされています。

 こうした金融サービスは、民ではない、公である郵便局だからこそできたのではありませんか。民営化をされれば、ネットワーク維持の法律的義務づけはなくなり、これらはすべて経営の判断にゆだねられ、もうからない国民サービスを切り捨てる経営の自由が生まれるのではありませんか。

 今求められているのは、高齢化社会に向かって、こうしたサービスを一層充実させ、すべての人に保障することではありませんか。答弁を求めます。

 第二に、小泉総理の国民に対する説明です。

 総理が最も強調したのは、民営化で二十六万人の郵政公務員を減らして、小さな政府を実現するということでした。しかし、もともと郵政事業は独立採算で経営されており、一円の税金も投入されていません。民営化で一体幾らの税金が節約をされるというのですか。

 また、総理は、民営化すれば、民営化会社は税金を納めるので、税収はふえるとも強調しました。しかし、郵政公社は、利益の五割を国庫に納付することが決められています。これは、民間の法人実効税率よりも高いものです。公社の方が民営化会社よりも国庫に貢献できるというのが実際の姿であります。総理の選挙中の説明は、全くのすりかえではありませんか。答弁を求めます。

 もう一つ重大なことは、こうした郵政民営化が米国と日本の金融業界の要求にこたえたものだということです。

 昨年十一月の日米財界人会議では、郵貯、簡保が日本国民一般にユニバーサルサービスを提供し続ける必要はなく、本来的には廃止すべきであるという要求を掲げています。ことし三月発表の米通商代表部年次報告では、内閣の設計図には米国が勧告していた次のような修正点が含まれていたと述べ、民間と同じ納税義務を負わせること、簡易保険に対する政府保証を打ち切ることを挙げています。今回の民営化方針がこうしたアメリカの要求に従ってつくられたことは明白ではありませんか。答弁を求めます。

 最後に、私は、日米財界の要求にこたえ、国民サービスを後退させる郵政民営化法案は廃案しかない、このことを強調し、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 塩川議員から三問御質問をいただきました。

 まず、郵便局における金融サービスについてのお尋ねがありました。

 法案においては、まず、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務づけ、さらに省令において、特に過疎地について、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定することとしております。

 さらに、代理店契約の義務づけや社会・地域貢献基金の設置、さらには株式持ち合いによる一体的経営を可能とすることなど、民営化後も郵便局において貯金、保険のサービスがしっかりと続くよう、実効性のある仕組みをつくっております。

 また、金融サービスの内容でありますが、民間銀行において、ATM手数料を無料としている銀行もあるほか、郵政公社の手数料より安いものも含め、サービスの内容に応じたさまざまな手数料が設定されております。民営化後の金融二社につきましても、自由な経営によって創意工夫を凝らして多様なサービスを提供することによって、利用者の利便性が向上することを期待しております。

 税収と国庫納付に関するお尋ねでありますが、議員御指摘のとおり、郵政事業は独立採算で経営されておりまして、税金は投入されておりませんが、業務範囲が限られる等、経営の自由度が制限されている一方で、法人税、固定資産税、預金保険料等が免除されており、民間企業と同一の競争条件とはなっておりません。

 また、郵政公社は、利益を上げることを目的とする法人ではなく、経営の健全性の確保に必要とされる以上の余剰金が生じた場合に、これを国に納付させることとするものが国庫納付金制度でありまして、納付率と税率の比較のみを論ずることは適切ではないと考えております。

 法人税を課す前提となる郵政の民営化は、市場原理のもとで自由な経営を行うことにより、公正な競争を通じて、国民に対し、より高度化、多様化したサービスを提供することを可能とし、将来にわたって郵政事業を発展させるものであります。こうした民営化後の新会社に納税の義務を課すことによりまして、国の税収がふえ、財政再建にも貢献することが期待されるものでございます。

 最後に、今回の民営化の方針とアメリカの要求に関するお尋ねでございますが、今回の民営化の方針が米国の要求に従ったものであるとの御指摘でございますけれども、御承知のように、小泉総理は、米国が郵政民営化について要求をしてくるはるか以前から郵政民営化の必要性を主張してきたところであり、そのような御指摘は当たらないと考えております。

 いずれにしましても、郵政民営化は、小泉内閣における政策判断に基づき、国民の利益を最大限高めるため、改革の本丸として位置づけ、推進しているものでありまして、しっかりとこれを実現していきたいと考えております。(拍手)

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議長(河野洋平君) 重野安正君。

    〔重野安正君登壇〕

重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました政府提出の郵政民営化法案及びその関連法案を中心に質問いたします。(拍手)

 この選挙では、与党の議席は大きく拡大いたしました。しかし、これをもって国民から小泉内閣が正統性を与えられたと受けとめるのは余りにも早計であると思います。

 今回の選挙で小泉内閣が口にしたことは、郵政民営化是か非かに終始した点であります。この点で、この選挙は、与党が多事争論を回避し、シングルイシュー化したこと、しかも、このシングルイシュー化たるや民営化がもたらす市場経済の利便性のみが語られ、郵便、貯金、簡保を日々利用する国民の利便性が将来どのようなものになるのか、具体的には何ら説明されませんでした。これをもって正統性が得られたと考えるなら、それは民主主義の名による独裁と言うほかはありません。

 そこで竹中国務大臣に質問しますが、そうした正統性に重大な疑問符が突きつけられている小泉内閣にあって、郵政民営化推進の中核的閣僚の地位を占められたことにいささかもひるむことはないのか、率直な心情を披瀝していただきたい。

 竹中大臣もまた官から民へと言いますが、その場合の民とは何を意味しているのでありましょう。自由な主体としての個人ではなく、法人の代名詞にすぎないのではありませんか。このことは、日本電電公社や国鉄がNTTやJRに民営化された現在、株主構成がどのようになっているかを見れば一目瞭然ではありませんか。NTTにおいては、二〇%の外資規制があるとはいえ、本年五月現在、金融機関一四・三一%、外国法人一七・五九%と、その他若干の法人を加え、大きく三割を超えております。このことは、例えば規制のないJR東日本を見ればさらに明らかであります。全株式の七六%超が金融機関及び外国法人となっているではありませんか。

 これからうかがえることは、郵政事業、特に郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社も、民営化後、こうした状況になり得るということではありませんか。言いかえれば、明治四年以来国民が築いてきた財産を、民とは名ばかりの法人に売り渡すということではありませんか。ここに、官から民の本質があると言えるのであります。

 小さな政府、自由な経営、膨大な資金を官から民へ流すなどと言いますが、国民の歴史的に営々と築いてきた共有財産を売り渡した後に残るものが郵便事業の荒廃であれば、企業栄えて国民貧すとなるのであります。

 竹中大臣の率直な説明を求め、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 重野議員にお答え申し上げます。

 まず、小泉内閣の正統性及びその閣僚であることに対する考えについてお尋ねがございました。

 議員御指摘の正統性について、今回の総選挙では、郵政民営化が最大の争点となっていましたが、有権者の皆様は、この四年間の小泉政権の改革の成果とこれからの方針についても勘案した上で投票いただいたものと考えております。

 また、郵政民営化に当たっては、市場原理の観点のみならず、必要な郵便局ネットワークの維持等、国民の利便性にも十分配慮する旨、小泉総理を初め与党の候補者は有権者にしっかりと御説明してきたものと考えております。

 したがいまして、小泉内閣の正統性に重大な疑問符が突きつけられているとの御指摘は当たらないと考えております。

 今回の総選挙において、与党は郵政民営化の必要性を訴え、過半数の議席を超える支持をいただきました。この国民の声を厳粛に受けとめ、小泉内閣の一員として、郵政民営化を初めとする構造改革を引き続き着実に進めていくよう、いささかもひるむことなく全力を尽くしてまいる所存でございます。(拍手)

 最後に、郵政民営化によって、企業が栄え国民は貧するのではないかとのお尋ねがございました。

 言うまでもなく、郵政民営化は、サービスを改善し経済を活性化するなど、国民全体にメリットをもたらす改革でございます。また、民営化により、組織形態は公社から株式会社に変わりますが、過疎地を初め都市部においても必要な郵便局ネットワークをしっかりと維持する、日本郵政株式会社、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社を特殊会社とすることなどにより、郵便のユニバーサルサービスを確保するなど、これまで公社が果たしてきた公的な役割は引き続き維持されるよう、法制面できちんと手当てをしているところであります。

 したがいまして、郵政民営化により、国民の財産が企業に売り渡され、企業が栄えて国民は貧するとの御指摘は当たらないものと考えております。国民のための郵政民営化をしっかりと推進したいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣    谷垣 禎一君

       国務大臣    伊藤 達也君

       国務大臣    竹中 平蔵君

 出席副大臣

       内閣府副大臣  西川 公也君


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