衆議院

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第7号 平成17年10月18日(火曜日)

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平成十七年十月十八日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第五号

  平成十七年十月十八日

    午後一時開議

 第一 政治資金規正法等の一部を改正する法律案(松本剛明君外七名提出)

 第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐田玄一郎君外六名提出)

 第三 政治資金規正法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

 第四 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 政治資金規正法等の一部を改正する法律案(松本剛明君外七名提出)

 日程第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐田玄一郎君外六名提出)

 日程第三 政治資金規正法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

 日程第四 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 障害者自立支援法案(内閣提出、参議院送付)及び障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 日程第一及び第二の両案とともに、日程第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、三案を一括して議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第一 政治資金規正法等の一部を改正する法律案(松本剛明君外七名提出)

 日程第二 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐田玄一郎君外六名提出)

 日程第三 政治資金規正法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、松本剛明君外七名提出、政治資金規正法等の一部を改正する法律案、日程第二、佐田玄一郎君外六名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、日程第三、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長遠藤武彦君。

    ―――――――――――――

 政治資金規正法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐田玄一郎君外六名提出)及び同報告書

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔遠藤武彦君登壇〕

遠藤武彦君 ただいま議題となりました各法律案のうち、佐田玄一郎君外六名提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案及び松本剛明君外七名提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、佐田玄一郎君外六名提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案は、政党及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附を、同一の政治団体に対しては年間五千万円以下に制限する措置を講ずるとともに、政治資金団体に係る寄附の方法について、預貯金の口座への振り込みによることを義務づけようとするものであります。

 次に、松本剛明君外七名提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案は、政党及び政治資金団体以外の政治団体のする政治活動に関する寄附を、同一の政党または政治資金団体に対しては年間一億円以下に、政党及び政治資金団体以外の同一の政治団体に対しては年間三千万円以下に制限するとともに、政党または政治資金団体を通じた、いわゆる迂回献金の禁止、政党本部及び政治資金団体に対する外部監査の義務づけ、収支報告書等に記載された事項の検索が可能なデータベースのインターネットによる公開等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、十二日佐田玄一郎君外六名提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案が、十三日松本剛明君外七名提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案が、それぞれ当委員会に付託され、十四日提出者佐田玄一郎君及び笹木竜三君から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、同日質疑を終局し、松本剛明君外七名提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案について内閣の意見を聴取した後、順次採決いたしましたところ、まず、松本剛明君外七名提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案は賛成少数をもって否決すべきものと決し、次に、佐田玄一郎君外六名提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。

 本案は、十四日政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会において賛成多数をもって起草、提出したものであり、その内容は、政治団体の支部が解散したときは、当該政治団体の本部が、当該支部の代表者及び会計責任者であった者にかわって当該支部が解散した旨を届け出ることができることとするものであります。

 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案中、日程第一及び第二につき討論の通告があります。これを許します。近藤洋介君。

    〔近藤洋介君登壇〕

近藤洋介君 民主党の近藤洋介です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案に賛成、与党提出の法律案に反対の立場から討論を行います。(拍手)

 我々政治家にとって、国民の信頼、信用は命綱です。なぜなら、民主政治は政治家と国民の間の約束を基盤に成り立つものであり、政治家はその信用のもと、国民から一時的に権力を預かっているからです。

 議会制民主主義の我が国において、政党そして国会議員が金にまつわる不祥事で信頼を失うことは、その政党、政治家個人の問題にとどまらず、国会全体、国の成り立ちを揺るがす国家の危機であります。信なくば立たずです。

 今回の法改正の契機となったのは、日本歯科医師連盟によるやみ献金事件、自民党議員への迂回献金問題です。二〇〇〇年から二〇〇二年までのわずか三年間だけで、約二十三億円もの巨額な資金が自民党の政治資金団体である国民政治協会や最大派閥の旧橋本派などに流入し、そのうち少なくとも六億円が不透明な形で処理されたとの指摘を受けています。政治が金で買われている現状が改めて浮き彫りになりました。今も多くの国民が不信感を抱いています。

 税金そして医療費を食いつぶすブラックボックスを壊すことが本当の改革です。改革の出発点は事実の把握です。国会は、国民に対する責任を果たすため、事実を究明しなければなりません。

 小泉純一郎総裁を初め自民党執行部は、さきの総選挙を経て非常に強い権限をお持ちになりました。責任政党として、日歯連事件で問題となった橋本龍太郎元首相、青木幹雄参議院議員、さらには検察審査会で起訴相当とされた山崎拓衆議院議員を初めとするすべての関係者の国会での証人喚問を一刻も早く自由民主党は実現すべきであります。我々民主党は、重ねて証人喚問を要求します。改革をとめないためにも、自民党は疑惑から逃げないでいただきたい。(拍手)

 今回の改正で、民主党案、与党案の最大の違いは、日歯連事件で焦点となった迂回献金を禁止するか否かです。

 迂回献金とは、業界団体など、献金する側が政党の政治資金団体に資金を出す際に、そのお金の最終的な行き先を指定する、例えば、国会議員が代表を務める、支部長を務める政党支部や自民党の派閥など、こういった団体に配分するよう求めるやみの献金システムです。

 法改正や制度変更の見返りに、国会議員が多額の献金を受け取る。それがわいろだったとしても、一たん政党の政治資金団体を通過すれば、通常の献金に化けてしまう。不正な金のろ過装置、マネーロンダリングの温床となる迂回献金を放置することは、断じて許せません。

 民主党は、迂回献金について改正案で明確に禁止を規定し、罰則つきといたしました。与党案は、把握することが難しいとの理由で温存しました。やればできると言ったのはだれの言葉だったのか、不思議であります。

 さらに民主党案では、すべての政治団体に対して外部監査の導入を義務づけました。与党案はこの点も見送っています。資金の透明度を高めると小泉首相は答弁されたはずですが、答弁内容と出てきた与党案との差が余りにも大きく、理解に苦しみます。

議長(河野洋平君) 近藤洋介君、申し合わせの時間が過ぎましたから、結論を急いでください。

近藤洋介君(続) 外部監査を明文化したくない事実でもあるのか、与党の法案提出者は委員会質疑で、資金の流れを明らかにすれば不当な介入を招くと珍妙な答弁をされました。上場企業で粉飾決算を行えば、即上場廃止、経営者は責任を問われます。世の中の常識と離れ、身内に甘い与党案では、政治不信は増幅し続けます。

 自民党議員の皆さん、自民党はことし結党五十年と伺っております。一九五五年当時、結党の立て役者として活躍された政党政治家三木武吉氏は、結党を前にした集会で、保守合同の約束を実現するために、このように演説をされています。お聞きください。

議長(河野洋平君) 近藤君、結論を急いでください。

近藤洋介君(続) 私は、政治家である限り、国民をだますことは断じてありません。万一、その言に背いたら、国民の反撃によって野たれ死にするばかりなのであります。

 こうした気骨ある先輩方、議会人が戦後日本の礎を築いたのであります。

 議場内の議員の皆さん、私たちは、国民をだますために、後ろ指を指されるために、政治不信を招くために国政の壇上に上がったのではありません。

 政治に信頼を取り戻す、志のある民主党案に、政治家としての原点に立ち戻り、党派を超えて御賛同いただきますよう申し上げ、私の討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一、松本剛明君外七名提出、政治資金規正法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第二、佐田玄一郎君外六名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。

 本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第三、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長佐藤剛男君。

    ―――――――――――――

 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔佐藤剛男君登壇〕

佐藤剛男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近における風俗営業や性風俗関連特殊営業等の実情にかんがみ、人身売買の罪等を風俗営業の許可の欠格事由に加え、接待飲食等営業及び店舗型性風俗特殊営業を営む者等に接客従業者の在留資格等の確認義務を課し、違法営業行為に対する罰則を強化するほか、少年指導委員の職務に関する規定等の整備を行おうとするものであります。

 本案は、去る十月五日本委員会に付託され、十二日村田国家公安委員会委員長から提案理由の説明を聴取いたしました。次いで、十四日に質疑を行い、質疑終局後、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第五、労働安全衛生法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鴨下一郎君。

    ―――――――――――――

 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鴨下一郎君登壇〕

鴨下一郎君 ただいま議題となりました労働安全衛生法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、労働者の生命や生活にかかわる問題が深刻化していることに的確に対処するため、必要な施策の整備充実を図ろうとするもので、その主な内容は、

 第一に、製造業等における元方事業者による作業間の連絡調整の実施など、事業者による労働災害を防止するための措置の充実を図るとともに、医師による面接指導の実施等により過重労働・メンタルヘルス対策の充実を図ること、

 第二に、労働者災害補償保険制度について、複数就業者の事業場間の移動等を通勤災害保護制度の対象とするとともに、有期事業に係る保険料のメリット増減幅の上限を百分の四十に拡大すること、

 第三に、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法を、全労働者一律の目標に向けた労働時間の短縮を図る法律から、労働者の健康や生活に配慮した労働時間等の設定に向けた関係者の自主的な努力を促進する法律に改めること

等であります。

 本案は、去る十月五日本委員会に付託され、十二日尾辻厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十四日に質疑を行った後、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

中山泰秀君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員長船田元君。

    ―――――――――――――

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔船田元君登壇〕

船田元君 ただいま議題となりましたテロ対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、テロ対策特別措置法に基づき我が国が実施する措置を引き続き実施し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資するため、同法の期限を一年間延長するものであります。

 本案は、十月四日本院に提出され、同月十一日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われました。

 本委員会におきましては、同日細田内閣官房長官から提案理由の説明を聴取した後、十七日より質疑に入り、本日質疑を終局し、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 討論の通告があります。これを許します。達増拓也君。

    〔達増拓也君登壇〕

達増拓也君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりましたテロ対策特別措置法改正案に反対の討論をいたします。(拍手)

 冒頭、九・一一テロ及びさきのバリ島におけるテロを含む九・一一テロに関連する一連のテロの犠牲となられた方々に、深い哀悼の意を表します。

 九・一一以降、アメリカを中心としたアフガニスタンにおけるテロとの闘いは四年間続いており、イラク戦争は開始から二年以上経過しました。その間、残念なことに、スペイン、インドネシア、ロンドン地下鉄同時爆破など、深刻なテロが多数継続しています。

 この法律の延長により、テロとの闘いが今後どう展開していくのか、日本の活動がテロの終わりにどのように役立っていくのか、委員会審議において政府から十分な答弁は得られませんでした。軍事行動の秘匿性を隠れみのに、政府の説明責任に対する我々の要求は一顧だにされなかったと言ってよく、国会が適切に関与してシビリアンコントロールを果たしていく形にはなりませんでした。

 このように、政府が国会や国民に対してまともに説明責任を果たさず、政府の隠ぺい体質は全く変わらない状態のもとで、テロ特措法の延長に賛成することはできません。

 自衛隊の海外活動については、その基本原則、事前承認などシビリアンコントロールの徹底方策、総合的な国際貢献策、武器使用基準のあり方等について、民主党内で準備している基本法のような本質的な立法に着手すべきであるにもかかわらず、政府は、このような本質的な問題にふたをして、漫然と再延長を繰り返そうとしています。

 今、自衛隊が何をしているのかを国民が理解するためには、対象海域、給油対象国、不審船舶への質問、立入検査、行き先変更要請の現状、押収武器、麻薬等禁制品の内容、経費、給油を受けた各国部隊が行っているタリバン掃討作戦の実態、敵味方、民間人の犠牲者数、タリバン側の最近の体制強化、タリバンとイラク反体制勢力の連携の実態等についての詳細な情報が不可欠なのです。

 とりわけ、アメリカとの関係では、米国艦船への給油が、アフガニスタン用ではなくイラク作戦に転用されているのではないかという懸念もあります。米国等によるイラク戦争に反対する国も多い中、アメリカは、イラク作戦とアフガニスタン作戦とを同じくテロとの闘いと位置づけています。詳細な情報が示されない状況では、日本の自衛隊の協力支援がイラク作戦に転用されていないかどうかはやぶの中です。また、政府は、十二月に期限を迎えるイラク特措法に基づく基本計画の延長についても口を閉ざしたままです。

 自衛隊の海外における活動が、原理原則なく、なし崩し的に行われることは、国会として決して許すことはできません。遠く異国の地で使命感を持って任務に当たる自衛官に敬意を払えばこそ、国会としての責任に妥協をすることはできません。(拍手)

 アメリカの国際政治学者ジョセフ・ナイ氏が述べているように、軍事力はテロという政策課題への主要な解決策ではありません。警察、情報、出入国管理、外交、経済協力、それらがテロ対策の基本です。テロを支援する国家や国家に準じる勢力に対し、国際社会が軍事的措置をとるべき場合はありますが、そこには国際的に適正な手続が必要です。また、国際的な軍事的措置に日本が参加するに当たっては、国連を中心とした体制のもとに日本がきちんと位置づけられることが不可欠であり、かかる原理原則が国内法上明確にされるべきです。

 テロは、恐怖という意味です。恐怖を克服するためには、恐怖から目をそらさず、しっかりと見据え、取り組まなければなりません。本法案は、むしろ、日本が恐怖の本質から目をそらし、厳しい現実から逃避してしまうことを促しながら、かえって日本をその恐怖に深く巻き込んでいくという危険で無責任な法案であることを指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 障害者自立支援法案(内閣提出、参議院送付)及び障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、参議院送付、障害者自立支援法案及び山井和則君外五名提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。厚生労働大臣尾辻秀久君。

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 障害保健福祉施策につきましては、障害者及び障害児の地域における自立した生活を支援することを主題に取り組んでおりますが、現在は身体障害、知的障害、精神障害といった障害種別等によって福祉サービスや公費負担医療の利用の仕組みや内容等が異なっており、これを一元的なものとすることや、その利用者の増加に対応できるよう、制度をより安定的、効率的かつ持続可能なものとすることが求められております。

 これらの課題に対応し、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことにより、障害者及び障害児の福祉の増進を図り、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与するため、障害者自立支援法案を第百六十二回国会に提出しましたが、衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。

 しかしながら、制度をより安定的、効率的かつ持続可能なものとするため、今回の改正を一刻も早く実現する必要があることから、ここにこの法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、自立支援給付は障害福祉サービス、自立支援医療、補装具の購入などに要する費用の支給とし、当該給付を受けようとする者は、市町村等に申請を行い、その支給決定等を受けることとしております。

 第二に、自立支援給付の額は、障害福祉サービス等に通常要する額の百分の九十を原則としつつ、利用者の負担が多額となる場合等については、家計に与える影響等を考慮して給付割合の引き上げを行う等、負担の軽減措置を講ずることとしております。

 第三に、市町村及び都道府県が行う地域生活支援事業に関することを定めることとしております。

 第四に、市町村及び都道府県は、国の定める基本指針に即して障害福祉サービスや地域生活支援事業等の提供体制の確保に関する計画である障害福祉計画を定めることとしております。

 第五に、自立支援給付に要する費用は、一部都道府県が支弁するものを除き市町村が支弁し、その四分の一を都道府県が、二分の一を国が、それぞれ負担することとしております。

 このほか、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律を初め関係法律について所要の改正を行うこととしております。

 最後に、この法律の施行日は、障害者支援施設に関する事項など一部の事項を除き、平成十八年四月一日としております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 提出者村井宗明君。

    〔村井宗明君登壇〕

村井宗明君 民主党の村井宗明です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました障害者の自立の支援及び社会参加の促進に関する法律案の提案理由及び概要の説明を申し上げます。(拍手)

 そして、ここにお集まりの、志と良心を持つ国会議員の皆さんに心の底からのお願いを申し上げます。ぜひ、全国の障害者の方々の悲痛な叫びに耳を傾けてください。

 この法案は、民主党にとって前原新代表となってからの対案、第二弾となります。

 私たち民主党は、決して自民党と一緒になって小さな政府競争をしようとしているわけではありません。税金のむだ遣いを徹底的になくすとともに、このような必要な福祉などへの財源はしっかりと充実させる温かい改革が民主党の使命であり、民主党の改革なんです。だからこそ、この障害者自立支援・社会参加促進法という対案こそが、民主党の温かい改革のシンボルである対案の本丸なんです。(拍手)

 さて、障害者が社会参加をすればするほど高いお金を払わなければならないという政府案。この政府案は、本当に障害者の社会参加をふやすことになる法案なんでしょうか。それとも、障害者の社会参加を減らすことになる法案なんでしょうか。

 政府案では、障害者から一割の定率利用者負担を取ることによって、障害者の自立生活や社会参加にブレーキがかかります。私も、富山県内の多くの障害者施設で話を聞いて回りました。多くの障害者から言われました。おらとこは、もうお金ないから、もう来年から福祉サービス受けれないちゃ。そういった全国の障害者の声が、皆さん聞こえますか。

 その点、民主党の対案は、政府案と共通する部分はあるものの、障害者の定率利用者負担を求めずに従来の応能負担としています。障害者の自立生活や社会参加がこれまで以上に進むんです。

 そこで、この障害者の自立を支援して社会参加を促すための法律案の主な内容について御説明を申し上げます。

 民主党は、障害者の自立生活と社会参加を今まで以上に支援します。

 第一に、現状の支援費制度に精神障害者も加えて一体的に拡充します。

 第二に、居宅生活支援、就労支援事業、コミュニケーションや移動に必要な支援事業等の国の財政責任を明確化します。

 第三に、二年をかけて障害者の声をじっくりと聞きながら、あらゆる障害者を対象とした包括的障害者福祉法の制定を目指します。

 なお、民主党案では、精神通院公費、更生医療、育成医療は存続させます。

 確かに、私たち民主党の対案が主張する障害者福祉を実現するためには、政府案に比べて年間二百七十億円の費用が多くかかります。しかし、それは、厚生労働省の総予算二十一兆円とかいう金額の中では、その〇・一三%にすぎないのです。先進国の中で大きく立ちおくれてきた日本の障害者の社会参加を大きく進める。そのために必要な費用なんです。

 ここには、全国から選ばれた良識ある国会議員の方々が集まっています。ぜひ、自分の地元で障害者の方々の悲痛な叫びに耳を傾けてください。障害者の不安を共有してください。今、障害者が望んでいるのは、尾辻厚生労働大臣が言った、障害者自身が定率利用者負担を払うことなのか、そして、お金を払わないと福祉サービスを受けられないということを望んでいるのか、それとも、私が今言っているように、障害者の社会参加を本当に進める法制度なのかを、皆さん、ぜひ地元で確認をしてください。

 ぜひとも、十分な御審議の上、民主党案を可決してくださるようにお願いを申し上げ、私の説明を終わらせていただきます。その際には、つまらない政党の壁や党議拘束などにとらわれることなく、政治家の良心で御判断ください。人間が人間らしく生きるために、助けが必要なところに光を当てる、それこそが本物の政治家の姿ではないでしょうか。(拍手)

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 障害者自立支援法案(内閣提出、参議院送付)及び障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(山井和則君外五名提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。菅原一秀君。

    〔菅原一秀君登壇〕

菅原一秀君 自由民主党の菅原一秀でございます。

 私は、自由民主党、公明党を代表いたしまして、ただいま提出されました障害者自立支援法案について質問をいたします。(拍手)

 まず初めに、私は、生まれながらにせよ、中途であるにせよ、何の罪もない人が障害を持つというこの不条理に対し、政治がしっかりサポートをしていく必要があると考えます。

 我が国の障害者福祉施策は、幾つかの変遷を経て、平成十五年度に導入された支援費制度を中心に運営されており、障害者の自己決定、自己選択という理念において評価すべきものがあります。また、その結果、利用者が大幅に増加していることは大変喜ばしいことであります。

 しかしながら、我が国の障害者に対する給付費を対GDP比で見ると、諸外国と比べてまだ低い状況にあり、また、障害福祉サービスも、支援費制度で拡充されたとはいえ、まだまだホームヘルプサービスが提供されていない自治体があるなど、いまだ発展途上にあると言わざるを得ません。

 そこで、ややもすれば高齢者施策に偏りがちな今の社会保障制度の中で、少子化対策と同様、この発展途上にある障害者施策をどう位置づけ、どのようにしてノーマライゼーションの実現を図っていくのか、まずこの点、厚生労働大臣にお伺いをするものであります。

 今回の法案は、財源の問題について、国の義務的経費に改めることや、これまでの身体、知的、精神という障害種別ごとのサービスから、三障害共通のサービスを行うことになっており、このことに大変多くの関係者から大きな関心と期待が寄せられております。

 しかし、本法案が成立しない場合には、市区町村を初めとする自治体は財政不安を抱えたまま予算編成や事業運営を強いられることとなり、障害者の方々にそのしわ寄せが行くことが懸念をされます。この点については、支援費制度において支給決定手続の透明化や財政基盤の確立を怠った政府に反省を求めるとともに、一刻も早くこの法案を成立させることが必要であります。

 一方で、障害のある方々や関係者からは、法案についてもさまざまな声があり、とりわけ利用者負担の見直しについては大変高い関心が集まっております。

 大切なことは、新たにサービスを利用する人のために、大きく増大することが見込まれる費用をどう賄っていくのかという点について、既にサービスを受けている人も含め、国民全体がみんなで支えていくという建設的な議論ではないでしょうか。

 障害のある方々の中には、自分で負担をし、税金を払い、障害を持ちながらも国民としての社会的役割を果たそう、そう思って頑張っている人もおります。しかし、生まれながらに障害が重いために、働く機会に恵まれず、収入や資産の乏しい方も大勢おられます。それゆえ、今回の一割の定率負担の導入に当たっては、所得の少ない人に対してきめ細やかな配慮措置が必要であり、そのための対応は我々政治に携わる者の担う責務であると言えましょう。

 また、今回の法案は、当初この二月に提出されましたが、いまだこの利用者負担の現実の内容が障害者を初め関係者の方々に十分理解されていないことが、今日の多くの方々の心配につながっております。

 そこで改めて、この法案では、利用者負担については、低所得者の方々に十分な軽減措置がとられているということを再度確認するとともに、これらをどのように周知していくのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 また、今後とも、利用者負担の配慮措置や政省令事項を策定するに当たっては、国は関係者と協議をしながら十分な説明責任を果たすべきであり、この点についてもあわせてお聞かせください。

 次に、重度障害者のサービス水準の問題についてでありますが、現在、重い障害を持ちながら地域で暮らしている方から、せっかく施設から地域へ出てきたのに、この法案が成立をするとこれまでの生活を維持できなくなるのではといった不安の声が寄せられております。

 また、私は、実際に施設から地域に出て、在宅でひとり暮らしを始めたある重度障害の方の言葉が耳から離れません。それは、トイレに行くのに、自分が行きたいときに自由に行ける、人間としてこんな幸せがあったのか、このようなことが幸せであったのかという言葉でありました。

 重度障害の方々が地域で暮らしていくことを当たり前の光景にできるように、今回の法案の重度障害者等包括支援ではサービス水準がきちんと担保されているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

 次に、障害のある方々に対して何よりも力を尽くさなければならないのは、施設から出て地域で暮らすための就労支援であります。鳥に羽があって空を飛ぶように、人には仕事が必要であります。

 この法案では、新たに地域生活の支援や就労支援のための事業を創設したり、規制緩和を進めるとのことですが、障害者の就労支援をどのように強化するのか、新しい制度のメリットについて厚生労働大臣にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。

 あわせて、小規模作業所についても、障害者の自立拠点として、法人化の推進や地域企業との連携など地道な取り組みが必要であり、今後どのような支援を行っていくのか、お伺いをいたします。

 最後に、ただいま提出されました民主党の対案について一言申し上げたいと思います。

 まず、この対案が通常国会に出されずに、なぜ、今この時期になって提出されたのかということであります。郵政民営化法案への対案しかり、今回の解散・総選挙がなかったら幻の対案であったのでありましょうか。これだけ重要だという法案に対し、前国会の衆議院、また今国会で先議であった参議院にも提出せず、国会の議論が相当進んだ今になって対案を出してくるのは、まさに後出しじゃんけん法案と言わずして何と言うのでありましょうか。(拍手)

 また、内容を見ても、民主党の対案は、障害施策の抱える問題点にはほとんど手をつけず先送り、サービス体系の将来像など何ら新しい姿を示さないまま、現行の支援費制度のもとで財源だけは義務的経費化するという、改革案の名に値しないものであります。さらに、現在の支援費制度が抱える問題点の指摘や、介護保険との将来の統合を主張していながら、現在の仕組みをそのまま維持する対案を出してきたということは、論理的一貫性に欠け、単なるポーズにしか映らないのであります。

議長(河野洋平君) 菅原君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

菅原一秀君(続) 一体どちらが本当の改革案なのか、障害者福祉の未来を切り開くのはどちらの法案なのか、この衆議院の場でぜひとも決着をつけたいと思います。

 なお、十月十三日の読売新聞の社説では、「保護から自立への大きな転換」と題し、障害者自立支援法案について、障害者が自立できるよう支援するための制度を整え、そのために必要な財政基盤の強化を図るものであり、今国会で成立させるべきと述べております。

 私も全く同感であり、改めて本法案の今国会における早期成立を求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害者施策の位置づけとノーマライゼーションの実現についてのお尋ねがございました。

 障害者施策につきましては、これまで、身体障害、知的障害、精神障害という障害の種別ごとの施策として、個々の根拠法に基づき実施してきた経緯などから、これは、御指摘もございましたけれども、取り組みがおくれている面もございました。今後、障害福祉サービスの利用者の増大が見込まれます中、高齢者施策や少子化対策といった他の社会保障施策と同様、障害がある方に必要なサービスを安定的に提供する体制を構築することは、重要かつ喫緊の政策課題であると考えております。

 今回の障害者自立支援法案は、障害者施策に係る制度を抜本的に見直し、障害福祉サービスの一元化、支給決定の透明化、明確化、国等の財政責任の明確化等により、障害者の地域における自立した生活を一層支援するものであり、ノーマライゼーションの実現に向けた大きな一歩になるものと考えております。

 まずは、この法案の早期の成立をお願いいたしますとともに、制度の着実な実施に取り組んでまいりたいと考えております。

 低所得者に対する利用者負担の軽減措置とその周知についてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案におきましては、制度を皆で支え合うという観点に立ちまして、一割の定率負担と所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いすることといたしております。

 ただし、利用者負担を求めるに当たりましては、障害者の中には、障害基礎年金のみで生活している方や資産の少ない方がおられることを考慮いたしまして、グループホーム等で暮らす方で、資産が少なく、月額六万六千円までの収入の方については、定率負担をゼロにするなどの各般のきめ細かな負担軽減措置を提案しておるところでございます。

 利用者負担の見直しにつきましては、その趣旨や配慮措置の内容に関しまして、私どもの説明が十分に行き届いていないと思われるところもございますので、わかりやすいリーフレットの作成、配布、都道府県の担当課長会議等を通じた市町村や事業者への周知のお願いなどによりまして、その内容を正しく理解していただけるよう、引き続ききめ細かな制度の周知に取り組んでまいります。

 利用者負担の配慮措置や政省令事項の策定についてのお尋ねがございました。

 今後、利用者負担の配慮措置を含めた政省令事項の策定に当たりましては、国会での御審議も十分に踏まえつつ、社会保障審議会障害者部会のほか、有識者、関係者の方々の御意見を伺いますとともに、パブリックコメントの実施といったプロセスを通じて、関係者と協議しながら検討を進めてまいります。

 重度障害者へのサービス水準の担保についてお尋ねがございました。

 重い障害を持った方でも地域で暮らしたいという願いにこたえていくことは重要な課題と認識をいたしておりまして、法案では、特に重度の障害者の方々を支えるために、重度障害者等包括支援や重度訪問介護といった新たな給付類型を創設することといたしております。これらのサービスの対象者の範囲や報酬基準、国庫負担基準などにつきましては、今後、現在のサービスの利用実態などを踏まえつつ、適切な水準となるよう検討を進めてまいります。

 障害者の就労支援についてお尋ねがございました。

 福祉施設を出て企業で就労したいという意欲を持つ多くの障害者の方々のニーズにこたえていくため、この法律においては、既存の授産施設などを機能に着目して再編し、就労支援のための新たな事業を創設するなど、就労を支援する仕組みを強化することといたしております。

 具体的には、障害者一人一人の能力や適性に応じて支援するため、就労移行支援事業と就労継続支援事業の二つの事業を設けて、利用者ごとの個別支援計画に基づき支援を行うとともに、一般就労への移行など、サービス提供による成果を事業者に対する報酬面に反映するなどの措置を講ずることといたしております。

 小規模作業所の支援についてお尋ねがございました。

 小規模作業所は、障害者の働く場、創作活動の場、社会参加の場として重要な役割を果たしていると認識いたしております。障害者自立支援法案におきましては、より障害者本人の支援につながるよう、既存の施設や事業について、その機能に着目し、就労に必要な能力をはぐくむための支援、就労の機会の提供、地域の特性等に応じた多様な活動の場の提供といった事業への再編や、NPO法人等による運営を可能とすること等の規制緩和を図ることといたしております。

 これにより、良質なサービスを提供する小規模作業所が、都道府県の障害福祉計画に基づき計画的にこれらの事業を実施することができるよう、また、現在小規模作業所を利用されている方が引き続き利用できるよう、適切に支援をしてまいります。(拍手)

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議長(河野洋平君) 菊田真紀子君。

    〔菊田真紀子君登壇〕

菊田真紀子君 民主党の菊田真紀子です。

 本日、民主党・無所属クラブを代表して、初めて本会議場で質問をさせていただきます。(拍手)

 質問に先立ちまして、小泉総理の靖国参拝問題について触れなければなりません。

 先月三十日には、大阪高裁にて違憲判決が出されたばかりであり、政教分離の原則からも慎重でなければならないのに、国民に対しても、近隣諸国に対しても、何ら説明責任を果たさないまま参拝を繰り返す小泉総理の姿勢は、極めて無責任であります。さらに、中国や韓国などアジア外交に重大な影響を与え、我が国の国益を損なう事態を招いていることは大変遺憾であり、猛省を促すところであります。

 さて、私は、平成十五年の衆議院選挙で新潟四区から立候補し、国政に参加させていただき、間もなく二年となります。昨年、私の地元は、七・一三水害や中越大震災、そして十九年ぶりの大雪など、相次ぐ災害に見舞われました。全国の皆さんから、ボランティアや救援物資、義援金などたくさんの温かい御支援と真心をちょうだいし、おかげさまでようやく少しずつ復興の兆しが見えてきたところです。

 この場をおかりいたしまして、皆様に心から厚く感謝と御礼を申し上げます。(拍手)

 この災害が発生したときにも、高齢者や障害者、そして小さな子供たちをどう守るか、大変難しく困難な状況に直面しました。また、いまだに仮設住宅で不自由な暮らしを送っている被災者が多く残されています。特に、生活保護世帯やひとり暮らしの高齢者、寝たきりの老人、精神障害者など、生活再建のめどさえ立たない悲惨な状況です。自己努力と自己責任では解決できないさまざまなハンディを抱えている社会的弱者に対して、思いやりや光が当たる優しい政治を実現していかなければならないと私は改めて決意しているところであります。(拍手)

 それでは、ただいま議題となりました政府提出、障害者自立支援法案及び民主党提出、障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。

 今回の障害者自立支援法案によって、その名のとおり、真に障害者の自立と社会参加が促進されるのでしょうか。この法案をめぐっては、障害者や関係者の方々から、このままの法案では自立できないと切実な訴えが届いております。

 私は、週末、地元へ帰るたびに、たくさんの福祉現場を訪問しながら、何より一番重視されるべき当事者の声を伺ってまいりました。その中でまず感じたことは、この法案は本当に当事者の声や現場の意見を聞いてつくられたのだろうかという疑問です。施設で会った人たちからも、もっとわかりやすくきちんと説明してほしい、私たちの意見も聞かずに勝手に決めないでくださいという言葉を何度も聞きました。

 尾辻厚生労働大臣は、実際に福祉現場を回られ、障害者や家族の人たちから直接意見をお聞きになられたのでしょうか。この法案をめぐって、絶えず不安や疑問を感じている方々に対して、どのような努力を行ったのでしょうか。

 そもそも、支援費制度は、制度発足わずか二年です。支援費が始まり、サービスが利用しやすくなったばかりなのに、なぜ急に変えるのかという疑問の声が上がっています。今までサービスを必要としながらも使えなかった障害者が、ようやく社会参加できるようになり、喜ぶべき状況になったのに、この制度を今すぐ変えなければいけない本当の理由について、明確にお答えください。

 日本の障害福祉関係予算は、他のOECD諸国に比べて極めて低い水準にあります。先進国並みのノーマライゼーション達成のためには、コンクリートから人へ、むだな公共事業をやめ、もっと福祉へ予算を振り向けるべきではありませんか。

 谷垣財務大臣にお尋ねします。所得の少ない障害者に応益負担を求める前に、税金のむだ遣いを徹底的になくするのが先ではないでしょうか。(拍手)

 財務省は、社会福祉や社会保障ばかりをやり玉に上げ、そもそもの予算配分やむだ遣いを正そうとする姿勢が全く見えません。公共事業など他の予算配分を見直し、社会福祉や社会保障の予算を手厚くすることについて、谷垣財務大臣はどのようにお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。

 また、障害者は国内に少なくとも六百万人と言われ、二十人に一人は何らかの障害があることになりますが、障害者施策の予算規模はどの程度が適当だとお考えでしょうか。あわせてお聞かせください。

 次に、応益負担についてお伺いいたします。

 障害者の約八割は、年金だけか、年金と作業所などで得られるわずかな工賃でぎりぎりの生活を送っています。私の地元の作業所では、一カ月の工賃が四千円、五千円というところも少なくありません。このような現状で、日常生活を送るためのサービスを受けるにも、サービスは益だから利用料を払えという発想は、到底納得できるものではありません。

 重度の障害者が、トイレに行くにも、食事をするにも、作業所で働くにも利用料を払わなければいけないとなれば、自立どころではなく、多くの障害者の生活は崩壊してしまうのではないでしょうか。このような発想は福祉の理念に反すると考えますが、尾辻厚生労働大臣はどのようにお考えになりますか、お聞かせください。

 一割に負担が重くなるのに、なぜ自立支援法なのでしょうか。その実は、障害者の自立を阻害する障害者自立阻害法ではないかと危惧しています。どうしても導入するなら、まず、障害者が働ける雇用の場の拡大や、作業工賃をふやすシステムをつくるなど、具体的な施策を先行させるべきではありませんか。就労移行支援の具体的内容及び実施時期について、明確にお答えください。また、この施策によってどの程度の所得が確保されると見込んでいるのか。さらに、施設から一般就労への移行について、具体的な数値目標をお示しください。

 身体、知的、精神、それぞれ抱える障害によって、症状も必要とするサービスも異なります。三障害の福祉サービスを一元化すると説明されていますが、現在の制度からサービスの水準が下がることがないのか、現在の利用対象者が新制度からほうり出されることはないのか、明確にお答えください。

 最後に、民主党案に対して質問いたします。

 さきの国会で民主党は、与党に対し修正要求を行い、与党からゼロ回答だったことを受けて、法律案に反対しました。今国会では民主党としての法案を提出していますが、政府案と民主党案の最大の違いは何であるのかをお伺いいたします。また、民主党案では予算は幾らかかるとお考えですか。さらに、障害者の所得保障や精神通院公費、更生医療、育成医療をどうするのか、お聞かせください。

 最後に申し上げます。

 党派を超えて、障害者自立支援法と民主党の対案に対し、郵政民営化より以上に真剣で活発な議論が展開され、間違っても拙速に採決されることがないように強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害者の方や家族の方たちとの意見交換についてのお尋ねでございました。

 本法案の立案過程におきましては、障害者の方々も参画していただきました社会保障審議会障害者部会で二十回にわたり議論するなど、さまざまな場で御意見をお伺いしてまいりました。

 私も厚生労働大臣就任前から、障害者団体の方々と勉強会を行い、さまざまな御意見をお伺いいたしますとともに、大臣就任後も、施設などを訪問いたしまして、障害者の方々から直接お話を伺ってまいったところでございます。

 今後とも、制度の詳細につきましては、関係者の御意見も伺いながら検討を進めますとともに、障害者の地域生活を支援する改革の必要性について、障害者の方々を初め国民の皆様に御理解いただけるよう努力をしてまいります。

 支援費制度を見直す理由についてのお尋ねがございました。

 支援費制度は、多くの方が新たにサービスを利用できるようになるなど、障害者の地域生活を支援する上で重要な役割を果たしていると評価をいたしておりますけれども、同時に、精神障害者が対象となっていないこと、サービスの地域間格差が大きいこと、障害者の就労支援などのニーズにこたえられないことなど、さまざまな課題があると認識をいたしております。障害福祉サービスの充実のためには、こうした課題が早期に解決されることが必要でありますことから、さまざまな施策を提案しておるところでございます。

 障害者自立支援法案におきましては、精神障害者も含めてのサービスの一元化、地域間格差に対応するための規制緩和の実施や障害福祉計画策定の義務づけ、障害者個々のニーズに応じたサービス体系の再編などの施策を提案いたしております。

 利用者負担の見直しについてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案におきましては、障害福祉サービスを契約に基づきだれもが利用できるものとして、他の契約による制度と同様に、利用者に対し、受けたサービス量に応じた負担と食費等の実費負担を求める仕組みに改めることといたしております。また、障害福祉サービスにかかる費用が増大する中で、その費用を皆で支え合うという観点から、利用者負担の見直しとあわせ、在宅サービスに関する国の負担を義務的なものといたしております。

 ただし、御負担を求めるに当たりましては、各般のきめ細かな負担軽減措置を講じまして、工賃等の収入が少ない方や重度の障害がある方でも障害基礎年金と工賃等の収入で対応できるように配慮いたしておるところでございます。

 これらの見直しによりまして、障害者がみずからも制度を支える一員となりますとともに、必要なサービスを安定的に受けることができる仕組みを実現することが障害者の自立につながるものと考えております。

 障害者の就労支援施策についてお尋ねがございました。

 障害者の就労支援を強化いたしますために、障害者がその能力を十分発揮できるよう、企業が職域開発を進めるよう指導するなど、雇用機会の拡大を図りますとともに、雇用契約によらない就労継続支援事業において目標工賃水準を設定するなどの具体的な施策を進めることといたしております。

 また、新たに創設いたします就労移行支援事業は、一般就労が見込まれる方などを対象に、作業訓練から実習や就職活動までの一貫した支援を行うものでございまして、平成十八年十月から施行することといたしております。

 こうした施策を通じ、どの程度の方が一般就労に移行するかなどについては、御本人の状況や雇用環境などによって左右されるものでありますが、現在の施設利用者の約四割の方が一般就労を希望しておられますことから、今後、こうした障害者の方々の御希望に沿えるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えます。

 サービス水準や現在の利用者への配慮についてお尋ねがございました。

 今般の障害者施策の見直しは、これまで立ちおくれておりました精神障害者施策を含め、三障害を一元化することによりまして障害福祉サービスの充実を図るものでございまして、全体としてサービス水準が向上するものと考えております。

 障害程度区分を初めさまざまな基準の設定に当たりましては、現在サービスを利用されている方々に必要なサービスが確保されるよう適切に配慮いたしてまいります。(拍手)

    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕

国務大臣(谷垣禎一君) 菊田議員にお答えいたします。

 社会福祉や社会保障への予算配分についてのお尋ねでございますが、小泉内閣におきましては、発足以来、財政規律を堅持するという方針のもとで、重立った歳出項目について徹底した見直しを行いました。御指摘の公共事業費に関しては、約四割削減する等、既に十兆円に上る歳出改革を断行したところでございます。

 その中で、社会保障関係費につきましては、高齢化の進展等に対応して毎年増額しておりまして、平成十七年度予算におきましては、一般歳出の四割を超えます二十兆三千八百八億円を計上する等、厳しい財政状況の中におきましても適切に対応しているところでございます。

 そこで、障害者施策の予算規模についてお尋ねがございました。

 障害者施策につきましては、これまでも、その時点時点において必要と考えられる予算を確保してきたところでございますが、平成十七年度予算におきましても、障害者施策については、厳しい財政事情のもとではございますが、七千五百三十二億円を計上いたしまして、これは対前年比八・五%の増額を行っているところでございまして、必要な予算を確保していると考えております。(拍手)

    〔山井和則君登壇〕

山井和則君 民主党の山井和則でございます。

 菊田議員から御質問いただきました点について、園田議員とともにお答えをさせていただきます。

 まず、精神通院公費、更生医療、育成医療についてでございますが、私たち民主党案では、従来どおり存続し、政府案にあるような障害者に一律の一割負担を求める自立支援医療は導入はいたしません。

 その理由は、まず、精神通院公費制度というのはどのような制度かといいますと、心に病を持っておられる方々がどうしても適切な医療が受けられないということで、自己負担を軽減し、クリニックやデイケアに通いやすくして、それによって社会復帰や職場復帰あるいは自殺予防に貢献している、まさに心の病を抱えている方々の命綱と言われる制度であります。これに対して、政府案はカットするということで、短期間に二十三万人もの方々から反対の署名が集まりました。

 御存じのように、日本では七万人を超える、治療が終了したにもかかわらず精神病院から退院できない社会的入院の方々がおられ、三万人を超える自殺者が毎年おられます。そのような方々にとっての命綱のこの公費負担医療をカットするということは、もっと精神病院への入院をふやし、そして社会復帰をおくらせ、ひいては自殺者すらふやしかねない、自立支援医療どころか自殺支援医療であると民主党は考えております。

 そして、更生医療、育成医療についても、まさに難病や心臓病や腎臓病を初めとする、そういう病に苦しんでおられる障害児や障害者の方々に対する大切な公費負担制度、これは民主党は存続させると考えております。通常国会でも、この政府案の前提となる基礎的データが大きな誤りがあったということが明らかになっております。私たち民主党は、このような公費負担制度で障害児や障害者の医療はしっかりとこれからも守ってまいります。

 二番目の質問の、政府案と民主党案の最大の違いは何か、そしてその理由はという質問にお答えいたします。

 公的な国の財政負担を明確にする、あるいは精神を加えた三障害を一体的に整備していく、このことについての方向性は、政府案と民主党案は共通しております。しかし、最大の違いは、定率の一割負担を政府案では導入し、サービス利用にブレーキをかけて、事実上障害者の自立を阻害する法案になっているということであります。民主党では、今までどおり、所得に応じて負担をする応能負担をとっております。

 御存じのように、国際的に見ても、先進国に比べて日本では、知的障害者が施設に入所している割合が数倍、精神障害者が病院に入院している割合が先進国水準の数倍。こういう大きく立ちおくれた二十世紀の日本の障害者福祉の現状をこれから何とかして挽回しようとするやさきに、障害者に一割の定率負担を導入する、このことはまさに福祉の流れを逆行させると言わざるを得ません。(拍手)

 七月五日には、一万一千人もの障害者の方々が、このままの自立支援法案では自立できませんという史上最大規模の要請行動を国会に炎天下の中行われました。そして本日も、この時間、大阪の御堂筋で三千人を超える障害者の方々が、私たち当事者の声を聞かないで私たちのことを決めないでという要請行動を行っておられます。私たち民主党は、このような障害者の切実な声にしっかり耳を傾け、あらゆる障害を対象とした包括的障害者福祉法を制定してまいります。

 皆さん、障害者の社会参加にブレーキをかける政府案か、障害者の社会参加を推進する民主党案か。そして何よりも、最も弱い立場の方々に負担を押しつける政府案か、最も弱い立場の方々を体を張ってでも守っていく民主党案か。これは、根本的な政治理念が問われています。

 一番心配なことが政府案にはあります。来年の四月、この法案が通れば一割負担が導入されます。そのときに、それによって作業所に通えなくなる障害者が出てきます。また、それによって閉じこもりになってしまう障害者が出てまいります。また、それによって家庭崩壊やあるいは自殺や心中事件すら起こりかねません。

 実際、ことしの二月には殺人事件まで既に起こっているんです。神戸で、障害者の息子さんを育てておられたお母さんが息子さんを殺して、自分も自殺を図られました。裁判の公判では、お母さんは障害者自立支援法の動きを知って、障害のある息子さんの前途を悲観して心中を図ったということが述べられております。

 政治とは人の命を守るものです。間違っても人の命を奪ってはなりません。それが証拠に、障害のある方に一割の定率負担、応益負担、つまり障害が重いほど自己負担を重くするというこの制度、世界じゅうで導入するのは今回の政府案が世界初であります。世界の福祉の流れに逆行することは改革とは呼ぶことはできません。これが民主党案と政府案の最大の違いであります。

 最後になりますが、与党は、対案は歓迎だ、正々堂々と議論しようと言うならば、なぜ民主党案に対して正々堂々と質問をしないんでしょうか。正々堂々と質問もせずに批判だけする、これでは、プロレスに例えたら、リングの上で戦おうと言っているのに、そっちだけがリングの下からパイプいすを投げ込んでいるような状況じゃないですか。(拍手)

 なぜ通常国会で対案を出さなかったのか。与党が修正協議をしようと言ってきたからじゃないですか。

 そして、改革の案に値しないということをおっしゃいました。それは障害者の方々が決めることであります。

 しっかりと時間をとって、私たちも対案を出したわけですから、参考人質疑、公聴会もしっかりやって、どちらが本当の改革案なのか、しっかりと障害者の方に決めてもらおうではありませんか。

 質問をして答弁をされたら勝ち目がない、正々堂々とこんな障害者をいじめる法案は壇上では議論できない、だから質問もしない、こんなやり方に断固抗議して、私の答弁を終わります。(拍手)

    〔園田康博君登壇〕

園田康博君 園田康博でございます。

 ルールにのっとって答弁をさせていただきます。

 まず、菊田議員への答弁でございますが、民主党提案の障害者自立支援・社会参加促進法案にかかる予算は幾らぐらいかかるかというお尋ねでございました。

 民主党案の施行に要する経費として、国の財政負担の義務化に伴います経費として約七百五十一億円、障害者の雇用の促進に関する措置に係る経費として約百七十億円、障害者の社会参加の促進に関する措置に係る経費として約三十九億円で、総額平年度約九百六十億円を見込んでおります。

 菊田議員の御指摘のとおり、そもそも我が国の障害者施策の予算配分は極めて低い比率でありまして、政策分野別の社会支出の対GDP比で比較いたしますと、OECD加盟国三十カ国中二十七番目という現状にあり、先ほど自民党の質問者も同じ御指摘をされておられました。

 すなわち、よく支援費制度の財政が問題として取りざたされていたわけでありますが、予算不足による財源問題という以前の問題でありまして、障害者への福祉サービス、医療体制、生活支援やバリアフリーなどの地域基盤の整備、そして就労や教育、安全など障害者施策全般が不十分なまま置き去りにされているという現状を認識する必要があるわけでございます。その上で、今後これらの施策を拡充する方向で努力してまいりたい、そのように思っているところでございます。

 二点目の、障害者の所得保障についてのお尋ねでございました。

 障害のある人に対する所得保障は、障害のある人の経済的自立を図る上で極めて重要な役割を果たすと考えております。我が国においては、障害基礎年金や障害厚生年金などの制度と、障害による特別の負担に着目をして、その負担の軽減を図るために支給されている特別障害者手当など各種の手当制度がございます。

 今後、障害基礎年金、ただいま一級八万二千七百五十八円、二級六万六千二百八円につきましては、年金制度の抜本的見直し論議の中において、さらなる支給額の改定を行う必要があると考えております。

 一方、特別障害者手当、障害児福祉手当、特別児童扶養手当などの各種の手当制度につきましては、昨年成立いたしました特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律と同様に、障害者の精神的、物質的な特別の負担の軽減を図るための福祉的措置の一環として、与野党が合意すればすぐに着手ができると考えております。これは真摯なる御議論を重ねてお願い申し上げておきたいと存じます。

 障害者の社会参加の一つの形として、社会に出てみずからの能力を発揮し、就労を通じて、みずからの生活の糧をたとえわずかであっても得ることができると考えております。民主党は、障害基礎年金等の引き上げや障害手当の引き上げなどを検討していくとともに、さらに就労支援を重要な柱と位置づけております。

 障害の程度によっては、社会のバリアがなくなることによって健常者が送る生活と同様の生活ができるということであるならば、私たちは、その実現へと政策を進めていくべきであると思っております。ワークシェアリング等を通じた採用枠の拡大や障害者の法定雇用率の引き上げなど、政府が本来着手すべき課題に積極的に取り組んでいくことも所得確保策として位置づけてまいりたいと存じております。

 自民党の菅原議員の御発言にもありましたとおり、なぜ今民主党が提出であるのかということでございますけれども、この法律案の審議を契機といたしまして、総合的な検討を行って、慎重かつ丁寧な議論を積み重ねた上で、これまで立ちおくれていた障害者施策の拡充と障害者自身の権利の確立、これに向けて努力していかなければならない、私はそのように思っているところでございます。

 私は、障害者の実態を把握せずに拙速な制度をつくることの方が障害者の心と体を傷つけるものである、そのことを強くお訴えさせていただきまして、答弁にかえさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

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議長(河野洋平君) 高橋千鶴子君。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、障害者自立支援法案について質問いたします。(拍手)

 まずお聞きしたいのは、政府が、さきの通常国会での審議をどう受けとめているのかということです。

 衆議院で三回の参考人質疑が行われました。十九人の参考人のほとんどの皆さんが指摘されたのが、応益負担の問題でした。今回提出の法案も、障害者の皆さんが一番問題にしている応益負担をそのまま柱に据えています。しかも、障害程度区分やサービス報酬基準などの事項が政省令にゆだねられたままで、依然として重要なサービスにかかわる内容は明らかにされていません。これでは、必要なサービスが受けられるのかという障害者の不安は募るばかりです。制度の根幹にかかわる重要事項を示さないまま、負担だけを押しつける政府の姿勢は極めて重大です。

 全国の障害者や家族、関係団体は慎重審議を求めています。今政府がなすべきことは、障害者や家族から出されているさまざまな懸念や疑問に正面から答えることではないでしょうか。そのために、本法案は撤回し、障害者や家族の声を真摯に受けとめ、障害者の真の自立と社会参加のため、障害者福祉施策の抜本的な再検討を行うべきではありませんか。答弁を求めます。

 障害福祉サービスへの応益負担の導入は何をもたらすでしょうか。

 障害者にとって、介護や移動などにかかわる各種サービスは、日常生活を維持する上でなくてはならないものです。障害者の自立と社会参加を保障する不可欠の条件であり、いわゆる利益とは全く異なるものです。障害者の生存権を保障するこの重要なサービスを利益と称して、それに負担を求めることは許されません。障害者の現実に照らせば、所得保障がないもとでは、障害が重くなればなるほど負担がふえることになります。これは、障害者の生きる権利を否定するものではありませんか。

 政府は、減免制度を設け、きめ細かな配慮をしていると言いますが、例えば、通所施設を利用している障害者の工賃は月額平均七千円程度です。ところが、施設の利用料負担はこれをはるかに超えています。先日もこんな訴えがありました。作業所でもらう工賃は六千円、丸々交通費に消えてしまう、それでも利用料を負担しなければならないのでしょうか。これが障害者の置かれている実態です。どうして障害者がこれで自立できるでしょうか。明確な答弁を求めます。

 さらに問題なのは、障害者の公費負担医療にも応益負担を導入することです。

 障害者にとって、医療保障は命綱として特別の意味を持っています。その医療への負担増は、障害者を医療から遠ざけ、健康の悪化を引き起こしかねない、これは明らかです。生命の危機に追いやる重大な懸念すらあります。

 公費負担医療は、それぞれ特性を持っています。長期の治療が必要な腎臓病などの育成医療や更生医療、精神障害者の社会復帰に不可欠な通院公費、これらを一緒くたにして、一律に一割の応益負担を押しつける、余りにも乱暴ではありませんか。

 大臣は、障害者の生命と健康にどのように責任を果たすおつもりですか。

 以上、明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案の撤回とその再検討についてのお尋ねでございました。

 今回の法案は、障害種別間で制度やサービス基盤に大きな格差がありますことや、大きな地域間格差がありますことなど、現行の支援費制度の問題の解決を図りますとともに、障害者の自立した生活に対する支援の一層の充実を図るためのものでございまして、一刻も早い成立をお願いいたしておるところでございます。

 なお、今回の法案の意義や内容につきまして、障害者や御家族を初めとした関係者の皆様の御理解を得られるよう、丁寧に御説明をいたしますとともに、政省令事項などの検討に当たりましては、これらの方々の御意見も伺いながら進めてまいります。

 利用者負担の見直しについてお尋ねがございました。

 障害者自立支援法案におきましては、障害福祉サービスを契約に基づきだれもが利用できるものとして、他の契約による制度と同様に、利用者に対し、受けたサービス量に応じた負担と食費等の実費負担を求める仕組みに改めることといたしております。

 また、障害福祉サービスにかかる費用が増大いたします中で、その費用を皆で支え合うという観点から、利用者負担の見直しとあわせ、在宅サービスに関する国の負担を義務的なものとしております。

 ただし、御負担を求めるに当たりましては、各般のきめ細かな負担軽減措置を講じておりまして、工賃等の収入が少ない方や重度の障害がある方でも障害基礎年金と工賃等の収入で対応できるように配慮しておるところでございます。私は、限りなく応能負担に近づけた、こういうふうに表現をいたしておるところでございます。

 これらの見直しにより、障害者がみずからも制度を支える一員となりますとともに、必要なサービスを安定的に受けることができる仕組みを実現することが障害者の自立につながるものと考えております。

 公費負担医療制度の見直しについてお尋ねがございました。

 障害者の公費負担医療につきましては、公平の観点と制度の安定性、持続可能性の確保の観点から、負担の仕組みを共通にしつつ、費用を皆で支え合っていただくことが必要であると考えております。

 こうしたことを踏まえまして、原則として医療費の一割を御負担いただく制度といたしておりますが、所得の低い方や継続的に相当額の医療費負担が発生する方などにつきましては、所得に応じた負担の上限額を設定するなど、きめ細かく配慮いたすことといたしておりまして、無理のない範囲で御負担いただきたいと考えております。

 また、本法案におきましては、サービスを可能な限り障害種別にかかわらないものに一元化し、障害者施策全体としてその充実を図るため、自立支援医療の制度を設けることとしたものでございまして、現行の公費負担医療の趣旨や目的を変えるものではなく、これまで同様、必要な医療を確保してまいります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十五分散会


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