衆議院

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第10号 平成18年2月28日(火曜日)

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平成十八年二月二十八日(火曜日)

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  平成十八年二月二十八日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

 運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

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 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案について、趣旨の説明を求めます。文部科学大臣小坂憲次君。

    〔国務大臣小坂憲次君登壇〕

国務大臣(小坂憲次君) 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 資源の少ない我が国にとって、人材育成こそ国家の存立の基盤であります。特に義務教育は、子供たちが社会の一員として将来の日本を支えていくための基礎的資質を培うものであり、政府としては、その充実を目指し、義務教育の構造改革を推進しているところであります。

 また、国及び地方を通じた行財政の効率化を図る観点から、三位一体の改革に取り組んでいるところであります。このうち、国庫補助負担金の改革としては、義務教育費国庫負担制度を堅持するという方針のもと、その国庫負担の割合を改めるほか、公立文教施設整備費について、一部交付金化等の改革を進めることといたしております。

 この法律案は、こうした政府の方針等を受け、公立の義務教育諸学校等の教職員の給与及び施設の整備に係る費用負担等に関する制度を改めるものであります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明を申し上げます。

 第一に、義務教育費国庫負担金の国庫負担率を二分の一から三分の一に改めるとともに、公立の小中学校、盲・聾学校の国庫負担制度と養護学校の国庫負担制度を統合するものであります。

 第二に、市町村立の小中学校等の教職員は、都道府県が給与を負担して任用していますが、これに加えて、現在、構造改革特別区域においては、市町村が給与を負担して教職員を任用することが可能となっております。この措置を全国展開するものであります。

 第三に、公立の義務教育諸学校等の施設の整備に充てるため、学校等の設置者に対し、一括して交付金を交付する制度を創設するものであります。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

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 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小島敏男君。

    〔小島敏男君登壇〕

小島敏男君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案について小坂文部科学大臣に質問いたします。(拍手)

 昨年、国から地方へ、地方でできることは地方にという地方分権の大きな流れの中で、三位一体の改革の一環として、義務教育のあり方が議論をされました。

 特に、義務教育費国庫負担金の取り扱いについては、平成十六年末の政府・与党合意に基づき、中央教育審議会において結論を得るべく精力的な議論がなされました。総会、義務教育特別部会の開催も四十五回に及び、多くの時間をかけて丁寧に議論を重ねた結果、「国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという意味で、現行の負担率二分の一の国庫負担制度は優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである。」とされたところであります。

 政府・与党では、三位一体の改革を進める中でも、この中央教育審議会の結論を尊重しようという考え方に立ち、昨年末、合意がなされたものであり、今回の法案はこれを受けた提案だと認識をしております。

 中央教育審議会の議論の中、中山前文部科学大臣の提案により、スクールミーティングを実施いたしました。文部科学行政に携わる関係者が、教育の現場に足を運び、授業参観とあわせて、生徒、先生、保護者の方々と語り合う企画であります。全国で約三万校ある公立の小中学校等の約一%を目標に、大臣、副大臣、政務官を筆頭に精力的に三百八十校を訪問いたしました。

 私も文部科学副大臣として、人口密集地、過疎地、離島、農村地域それぞれの学校を視察しましたが、異なる環境のもとで力を合わせて頑張っておられることに感銘を受けたと同時に、問題点も数多くある実態に触れてまいりました。

 中でも、我が国の南端に位置するヤマネコで有名な西表島の学校訪問は大変印象に残りました。かつては炭鉱で栄えた島と伺っておりますが、その面影もなく、少子高齢化をまともに受けている場所でもありました。

 上原小学校、西表小中学校、白浜小中学校、船浦中学校と四校を訪問いたしましたが、子供たちの教育環境が非常に厳しいということも理解できました。かつて、二百数十名の生徒が通っていた西表小中学校は、現在十九名の生徒、また、白浜小中学校では全校生徒が出迎えてくれましたが、小学生三名、中学生三名の六名でした。以前は百名規模で、町には料亭も二軒あり、にぎわったところと伺いました。

 日本には、大規模校から小規模校までさまざまな学校があり、また、それぞれの学校が抱える課題も異なっております。当然のことながら、子供たちは、生まれる場所、生まれる時期を選ぶことができません。

 そこで、お伺いいたしますが、日本国民であるならば、どこに住んでいようと、一定水準の義務教育を受ける権利が憲法によって保障されています。現在、将来の国の形を決める市町村合併、道州制の議論が進行中でありますが、国民の教育を受ける権利を最終的に保障する責任は、まさに国にあるものと考えております。義務教育の構造改革が強く求められる中、国はこのような義務教育に対する責任をしっかりと自覚し、取り組む必要があると考えますが、文部科学大臣として、義務教育に対する国の責任をどのように考え、どのように果たしていこうとしているのか、大臣の見解と決意をお聞かせいただきたいと思います。

 また、これからの時代においては、質が問われることになります。義務教育も例外ではなく、国民は質の高い義務教育の提供を期待しているものと考えております。現在行われている義務教育が世界的にも高品質のものなのか、常にチェックしていくことが不可欠であると考えております。

 イギリスでは、二〇〇六年度から義務教育費全額について国が責任を持つこととなりますが、もともと国による外部評価制度も充実されていると聞いております。我が国においても、全国的な学力調査をしっかりと行うとともに、全国的な外部評価の仕組みを整備すべきと考えますが、文部科学大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

 全国津々浦々の学校で、子供たちが生き生きと目を輝かせ、健やかに育つ教育環境が確立することを期待して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣小坂憲次君登壇〕

国務大臣(小坂憲次君) 小島議員にお答え申し上げます。

 義務教育は、一人一人の人格形成と国家、社会の形成者を育成するものであり、その役割は大変重要であります。これからの義務教育においては、国の責任を確実に果たしつつ、学校や地方の創意工夫を生かした教育が実現できるように、構造改革を進めることが必要であります。すなわち、国が義務教育の目標設定や確実な財源保障など基盤整備を行った上で、教育現場の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、教育の結果の検証について、国が責任を持って実施することが求められております。

 このように、国はその責務として、国民がどの地域でも質の高い教育をひとしく受けることができるよう、機会均等、水準確保、無償制という義務教育の根幹をしっかりと保障する必要があります。このため、義務教育費国庫負担制度を堅持するとともに、学習指導要領や教員養成制度の見直しを行うなど、引き続き国の責任を確実に果たしてまいります。

 全国的な学力調査及び全国的な外部評価の仕組みの整備についてのお尋ねでありますが、全国的な学力調査については、子供たちの学力状況を把握するため、平成十九年度に実施いたします。また、学校の外部評価については、学校評価の充実のため、本年度中に文部科学省においてガイドラインを作成するとともに、来年度、ガイドラインに基づく学校評価や、国が委嘱した専門家による第三者評価の実践研究を全国で行うことといたしております。

 これらを通じ、義務教育について、質の保証と向上を図ってまいります。(拍手)

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議長(河野洋平君) 奥村展三君。

    〔奥村展三君登壇〕

奥村展三君 奥村展三でございます。

 ただいま議題となりました法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表いたしまして質問をさせていただきたいというように思います。(拍手)

 憲法二十六条で、ひとしく教育を受ける権利、受けさせる義務、そして無償がうたわれております。しかし、我が国の教育の現状を見るとき、さきの党首討論でも前原代表が指摘をいたしましたように、義務教育段階における学力の低下、モラルの低下、学級崩壊などの困難な問題に直面しております。

 教育は国力のもとであります。小泉政権は、米百俵のかけ声とは裏腹に、教育改革の中身については全く関心を示しておりません。総理自身も、先日の党首討論において、憂慮すべき事項も多々出ていると答弁されているではありませんか。

 いろいろ調べてみますと、我が国の義務教育に対する公的支援は一貫して低調に推移してまいりました。特に、公教育費の財政支出は、対GDP比率二・七%と、OECD諸国で最低の水準であります。

 子供たちの生きる力、命の大切さそのものが、今日、ないがしろにされていると私は感じます。このような状況を考えてみますと、学習意欲や希望が持てなくなったのは、今日の社会背景にも起因していると思われます。

 学ぶ意味、学ぶ意義の教育の充実が求められていると思います。特に、学びの場の再生が必要と考えられます。あらゆる創意工夫を凝らしながら、子供の好奇心をかき立てて、その場に向かわせるための指導と環境づくりこそ、教員や学校、教育政策立案者の責務ではないでしょうか。もちろん、生活習慣改善に向けた家庭、保護者の理解と協力は当然であります。まず、大臣の見解をお尋ねいたします。

 次に、義務教育費の国庫負担率についてお伺いをいたしたいと思います。

 今回の改正案は、義務教育費国庫負担金から八千五百億円を減額するというものであります。

 現在、義務教育費は、国、地方合わせて約十兆円。義務教育の質を向上させるためには、少なくともこの十兆円が確実に確保されて、その上で効果的に使われる必要があると考えられます。しかしながら、今回のこの法律案は、地方の財政が大変厳しい中で、地方の負担分を多くするというものになっております。これは、単に三位一体改革の数字合わせになってしまっているのであります。不安定な制度改正になると私は思います。

 国は、子供たちの成長を支え、人材育成を推進するために必要な資源を確実に提供していかなければなりません。本法案は、制度は堅持されたものの、国庫負担率を二分の一から三分の一に引き下げられております。

 そこで、その理由及び国庫負担率三分の一の積算根拠についてお伺いをいたしたいというように思いますし、また、平成十七年十一月三十日の政府・与党合意による三位一体改革について、「今後、与党において、義務教育や高等学校教育等の在り方、国、都道府県、市町村の役割について引き続き検討する。」とされたわけでありますが、この負担率三分の一は暫定的なのか、あるいは恒久措置なのか、文部科学大臣と総務大臣にお伺いをいたしたいというように思います。

 次に、義務教育に係る地域間格差でございますが、地域によって直面する問題も異なっております。また、地域の特性を生かした学びの場づくりも創造的に進めていくべきであると考えます。権限のないところに責任は伴いません。責任のないところに創意工夫の意欲は生まれてきません。従来、国が学習内容、都道府県が人事権、市町村が学校管理権、設置権と、ばらばらに権限を有してきたことが教育の無責任体制を生んでいるのではないでしょうか。

 我が党は、義務教育の無償を原則とした一括交付金として配分する仕組みを打ち出しております。

 国は、教育内容、人事等には口を出さず、学校現場、設置者への必要な資金の交付を通じて、子供たち一人一人の学習権の実現、学習環境の確保について責任を持つということであります。

 今回の国庫負担率を三分の一に引き下げることによって、子供たちが都市や地方に住んでも、全国一律に義務教育の根幹である機会均等や教育水準を維持させることが本当に可能なのでしょうか。また、平成十六年度から導入されております総額裁量制への影響が心配されますが、このことについてもお伺いをいたします。

 今回の法律案では、市町村がそれぞれ実情に合わせて、教職員を独自に採用することもできるようになっております。しかしながら、今日の市町村の財政力には歴然とした格差があります。市町村費負担職員任用事業のこの全国化は、義務教育における地域間の格差をより以上助長するものと思われますが、大臣の見解をお伺いいたしたいというように思います。

 そこで、教職員給与や小中学校施設の財源確保について、総務大臣にお伺いをいたします。

 昨年十月二十六日の中央教育審議会の答申「新しい時代の義務教育を創造する」では、義務教育の費用負担のあり方について、「現行の負担率二分の一の国庫負担制度は優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである。」、また、「本来は、義務教育費の全額保障のために、必要な経費の全額を国庫負担とすることが望ましい」としております。

 先ほども述べましたように、自治体間の財政力格差によって教育水準の地域格差が生じることが私は心配でなりません。

 総務大臣は、地方交付税改革に積極的に取り組まれていこうとされておりますが、これは地方交付税自体が縮小する方向での改革になるものと考えられます。このような中で、教職員給与費や学校施設費に係る今回の措置により地方が負担する部分について、本当に現行水準どおりの財源が確保、保障されるのでしょうか。総務大臣の見解を求めるものであります。

 次に、小中学校の施設整備についてお伺いをいたします。

 民主党は先週二十三日に、学校安全対策基本法なるものを参議院に提出いたしました。子供たちの安全確保が何よりも重要であり、中でも学校施設の耐震化が喫緊の課題であります。しかしながら、政府の取り組みは遅々として進んでいないのが現状であります。我が党は、学校施設の耐震化推進法等の提出に向けても今検討に入っております。

 今回、学校施設の整備に係る国庫補助負担金についても交付金化を図ると言われておりますが、これによって耐震化の取り組みが本当に進むことになるのでしょうか。大臣の見解を求めたいと思います。

 ゆとり教育について伺いたいというように思います。

 先般、中央教育審議会教育課程部会におきまして、学習指導要領の見直しを行うとする審議経過がまとめられました。ゆとり教育は失敗だという意見もございますが、文部科学省はゆとり教育をどのように評価し、どのような考えのもとに新しい学習指導要領をつくろうとしているのか、大臣の見解をお伺いいたしたいというように思います。

 最後に、高等教育の無償化についてもお伺いしておきたいというように思います。

 我が国におきましては、先ほど述べましたとおり、高等教育、初等教育を問わず、教育への投資が極めて低いとされております。とりわけ、先進諸国では高等教育無償制が一般的である中、我が国では、先ほども申し上げましたとおり、小泉総理は声高に米百俵の精神を唱えながらも、政府として無償化に取り組む意気込みが全く感じられません。就学継続が困難な生徒に対して授業料減免措置を行う高校への財政支援を拡充するなど、幅広く教育全般への投資を充実させるべきであると考えます。

 とりわけ、国際人権規約批准国約百五十カ国中、日本を含む三カ国のみが留保している高等教育無償化条項を批准して、高等教育の無償化を含めた高等教育への投資をも充実させるべきだと考えますが、大臣の見解を求めたいというように思います。

 子供は国の宝でございます。義務教育は将来への投資です。次代を担ってくれる子供たちがどのように育っていくのか、いかにして自立していくのか、それらすべては人間教育にかかっていると思います。

 教育とは、一人一人の人間を育てる非常に重要な仕事であります。子供の教育をないがしろにして、日本の未来はありません。今こそ、我が国の最大の財産である人に対して大胆な投資をしなければならないということを強く申し上げておきたいというように思います。

 トリノ・オリンピックが閉幕をいたしました。期待をいたしましたが、メダルの数は大変少のうございましたけれども、荒川静香選手があのような立派な、フィギュアで優勝をしてくれました。そこには、やはり私は、日ごろから教育やあらゆる皆さんの環境が、応援をしていくものが整っておったからこそ、ああして立派な成績ができたと思います。教育も、まさしく環境を整えながら、愛を持って、心を持って、しっかりと推し進めていかなければならないというように思います。

 私も、今から四十年前には甲子園の監督をさせていただきましたが、やはりそのときに思ったのは、先輩や地域の皆さん、あるいは学校の環境がまさしく整ってこそ、大きな夢が生徒たちと一緒にかなえられたという喜びを今思い起こしております。

 教育も、そしてスポーツも、文化芸術も、そういうような思いで、これからも我々はしっかりと国としてなしていかなければならない問題を訴えて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣小坂憲次君登壇〕

国務大臣(小坂憲次君) 奥村議員にお答えを申し上げます。

 子供を学びの場に向かわせるための指導と環境づくりについてのお尋ねでございますが、子供が学ぶことに意義を認識するなど、動機づけが十分でなく、また、学ぶ意欲や学習習慣が十分に身についていないことは、大きな課題であると認識をいたしております。

 このため、文部科学省としては、子供の好奇心を大切にし、学ぶ意欲を向上させる観点から、実生活を視野に入れて学習や生活の目標を持たせること、少人数指導や習熟度別指導による、わかる授業の実施、体系的なキャリア教育、職業教育等の充実による勤労観、職業観の育成に取り組んでまいります。また、現在も行っておるわけでございます。さらに、学習指導要領の見直しや学校評価や教員評価等を通じて、教育の質の向上に努めてまいります。

 義務教育費国庫負担金の国庫負担率を二分の一から三分の一に引き下げることとしている理由及び積算根拠についてのお尋ねでございますが、今回の措置は、政府・与党として、昨年十月の中央教育審議会答申を踏まえつつ、三位一体の改革を進める中にあって、答申を真摯に受けとめ、広く国民の意見を慎重に聞きながら丁寧に問題に取り組んだ結果、義務教育費国庫負担制度を堅持するとの方針のもと、国庫負担割合を三分の一とし、約八千五百億円の税源移譲を実現することとしたものであります。

 今回の負担率三分の一は、暫定措置なのか、あるいは恒久措置なのかとのお尋ねでございます。

 義務教育費国庫負担制度については、十六年末の政府・与党合意において、中教審答申を得て、十八年度に恒久措置を講ずることとされていました。これを受けて、中央教育審議会において議論が行われた結果、国と地方の負担により教職員給与費の全額を保障する義務教育費国庫負担制度を維持すべきとする答申が出されたところであります。

 このような経緯を踏まえ、昨年末の政府・与党合意においては、義務教育費国庫負担制度を堅持することが確認されたところであり、今回の措置は恒久的なものと認識しておるわけであります。

 国庫負担率を引き下げることによる義務教育の機会均等や水準維持、また、総額裁量制の実施に及ぼす影響についてのお尋ねでございます。

 今回の措置においても、教育の機会均等や水準維持の観点から、あくまでも義務教育費国庫負担制度は堅持され、国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額を保障する仕組みは維持されることとなります。このため、総額裁量制の仕組みにも影響はなく、引き続き、教職員給与費の負担総額の範囲内で、教職員の給与や配置において地方独自の取り組みが行われるものと考えております。

 市町村費負担教職員任用事業の全国化は、義務教育における地域間の格差を助長するものではないかとのお尋ねでございます。

 今回の措置は、国が標準的な規模の教職員数を定め、その給与費を国と都道府県が負担するという基本的な制度を前提とした上で、市町村が実情に合わせて独自に教職員を任用することを可能とするものであります。したがって、教育条件の悪化となるような格差を生み出すものではないと考えております。

 交付金化による学校施設の耐震化の推進についてお尋ねでございますが、今回の法律では、交付金の交付のために、国は学校施設整備のための基本方針を定めることとしております。この基本方針において耐震化に重点を置くこととしているため、地方公共団体における計画的な耐震化の取り組みが一層推進されると考えております。

 また、地方の独自性、裁量度を高めるため、地方公共団体に対して一括して交付金を交付することとしており、このことにより、効率的な事業執行を図り、一層の耐震化の推進に努めてまいりたいと存じます。

 ゆとり教育をどう評価し、どのように学習指導要領を見直すかについてのお尋ねでありますが、ゆとり教育は、教科にまたがる環境や福祉など、そのような学習を充実させていくという基本的なその趣旨において間違いのないものと思っております。

 現在、中央教育審議会で検討している学習指導要領の見直しに当たっては、基礎的、基本的な知識、技能の確実な定着を図るとともに、みずから学び、みずから考えるなど、生きる力を育成するという現行学習指導要領の理念は重要で、その理念を実現するための具体的な手段を講じていくことが必要と考えております。

 具体的には、現在の子供の学習習慣や学習意欲の不十分さなど課題を踏まえた上で、すべての教育活動を通じて言葉や体験を重視した学習や生活の基礎づくり、国語や理数教育の充実、全国的な学力調査の実施など、いわゆるプラン・ドゥー・チェック・アクション、PDCAサイクルによる学校教育の質の保証を重視する必要があると考えております。

 学習指導要領の見直しについては、引き続き中央教育審議会でしっかりと議論をしていただき、学習指導要領の改訂を行いたいと考えております。

 国際人権規約の高等教育無償化条項についてのお尋ねでありますが、国際人権規約の高等教育無償化条項については、高等学校卒業後、社会人として税金を負担している者との公平を図り、学生に適切な負担を求める観点から、留保しているところであります。

 また、高等教育を受ける教育の機会の確保を図るため、奨学金事業や私学助成等を通じた支援に努めてきた結果、我が国の高等教育機関への進学率は先進国の中でも高い水準に達しており、現時点で当該留保を撤回し、無償化の方針をとることは考えていないところであります。

 なお、高等教育を初めとする教育への投資は我が国の今後の発展に欠かすことのできないものであり、国民の期待にこたえられるよう、所要の高等教育の予算の確保にさらに努めてまいります。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 奥村議員から二問、御質問をいただいております。

 最初に、義務教育費国庫負担金の負担率についてのお尋ねでございます。

 義務教育制度につきましては、昨年十一月の政府・与党合意において、その根幹を維持し、国庫負担制度を堅持するとともに、その割合を三分の一とすることとされました。その一方で、義務教育や高等学校教育等のあり方、国、都道府県、市町村の役割については引き続き検討するとされたところでございます。さらに、政府・与党合意においては、地方分権に向けた改革に終わりはないとの立場で、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みを行っていくとされたところでございます。

 国と地方の役割分担のあり方につきましては、道州制の議論も開始されております。今後、義務教育制度のみならず、内政全般にわたり幅広い観点からの議論が行われてまいります。これらに係る負担のあり方につきましても、広く検討が行われていくものと考えているところでございます。

 次に、三位一体の改革に伴う教職員給与費の財源保障等についてお尋ねがございました。

 教職員給与費につきましては、国庫負担率を三分の一とすることといたしましたが、引き続き、義務教育費国庫負担法等に基づき、三分の二の地方負担部分について適切に財源措置を講ずることとしております。具体的には、国において、必要な地方税と地方交付税を確保し、各地方団体に支障のないようにしております。

 また、税源移譲された小中学校施設費については、原則として、従来の補助金相当額について、地方債と地方交付税により確実に財源措置を講ずることとしております。これによりまして、市町村は補助金待ちの状態から解放され、必要な事業を円滑に実施することができることになると考えております。

 いずれにしましても、こうした点も踏まえまして、総務省としては、適切な分権に向け、しっかりと対応してまいりたいと思っております。(拍手)

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議長(河野洋平君) 池坊保子君。

    〔池坊保子君登壇〕

池坊保子君 公明党の池坊保子でございます。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案に関し、質問いたします。(拍手)

 平成十三年五月七日、小泉総理は所信表明の中で、長岡藩の米百俵の精神を取り上げられました。私は、大変力強くも頼もしくも感じました。

 天然資源の乏しい我が国が今日の繁栄を遂げ、識字率九九・八%、世界一を誇ることができるのは、ひとえに先達の人々が、明治五年に官制がしかれる前から、藩校や寺子屋でと子供の教育に力を注いできたたまものだと思います。

 私の住んでいる京都では、明治に入り、突如天皇が江戸に遷座されることになり、京都の市民たちの意気が消沈しているとき、もう一度夢を持って生きるのに何が必要かと考え、明治二年に、町衆の人々が六十四の番組小学校をつくり、将来を担う人づくりをスタートさせました。それほど教育こそが、夢を失い、荒廃した心に大きな希望の灯をともす力となっていくのだと思います。

 義務教育は、子供たちが社会の一員として将来の日本を支えていくために必要な基礎的な力を養う大切な場です。離島にあっても僻地にあっても、ひとしく子供に質の高い教育がなされるしっかりとした教育環境の整備こそが、私たち大人が子供に対してしなければならない最大の責任と考えます。

 三位一体に伴う昨年来の義務教育費国庫負担制度のあり方の議論に、私は危惧感を持っておりました。地方がそれぞれの特色を生かし、その地域でなければできない特色ある教育をしていくことは、地方の時代と言われている昨今、極めて大切なことだと考えておりますが、人件費ぐらい国が持たなくてどうするのかという思いがあったからです。日本のすばらしさは、教育、文化、芸術、スポーツ、科学技術を最も大切にしてきた先達のDNAを、現代に生きる私たちも受け継いでいることです。

 先入観を持たず義務教育のあり方について勉強したいと、地方自治体の長、OECDの調査により読解力一位であるフィンランドの教育事情に詳しい専門家、一に教育、二に教育、三、四がなくて五に教育と言われたブレア首相を持つイギリスの教育の専門家らを招き、毎週朝八時より勉強会を重ねてまいりました。その結果、やはり国が義務教育については責任を持つべきであるとの思いを強く持ちました。

 今回、義務教育費国庫負担金が二分の一から三分の一になりましたが、国が大きく責任を持つ制度堅持にほっと安堵いたしました。なぜなら、地方が責任を持つ時代においても、国は、外交、福祉、教育、防衛に責任を持つべきだと強く思うからです。

 教育の最高責任者である文部科学大臣は、これからも最優先課題として、政府の中においてこの制度堅持を守っていかれる強い御意思がおありかを伺いたいと存じます。

 次に、学校施設の耐震化について伺います。

 今、学校施設の耐震化が大きな課題となっております。学校施設は地域にとっての防災拠点でもあり、子供たちを初めとしてすべての国民の生命を守っていくために、この学校施設の耐震化を早急に進める必要があります。

 そのためには、まず国が、耐震化を初めとする学校施設整備のための財源をきちんと確保することを含め、積極的なリーダーシップをとり、予算の重点的確保や関係省庁間での連携に取り組む必要があります。同時に、実際に学校施設整備を担う地方において、より計画的、効率的に耐震化を進めることが可能となる仕組みを整備すべきであると考えます。

 私たち公明党は、学校施設の老朽化が進行しており、耐震性に問題が生じていることから、これまで、学校施設の耐震化について文部科学省に早急の対応を求めてまいりました。

 その意味では、今回の公立文教施設整備費の改革において、国が施設整備のための財源を保障した上で、地方の自由度を拡大しようとしていることは大変意義あるものと考えますが、知恵を絞り、さまざまな手段を活用して学校施設の耐震化を進めることについての文部科学大臣の御決意を伺います。

 先日、滋賀県で、未来を担うはずのかけがえのない命が奪われました。亡くなったお二方のみたまに、大人たちが守ってあげられなかった深いおわびとともに、残されました御遺族に心からなる哀悼の意を表します。

 無心に戯れる子供たちを目にするとき、私たち大人がどんなに頑張っても果たすことのできない夢や希望を、子供たちはかなえることができる無限の可能性を秘めているのだと、心から抱きしめたいいとおしさを感じます。と同時に、しっかりと子供たちを守っていくのが私たち大人の責務だと強く思います。(拍手)

 学校だけでなく、家庭や地域、警察を初めとした他の行政機関が協力し合ってこそ、初めて子供をしっかりと守ることができるのだと思います。

 私たち公明党は、専門家や地域の方々のお力をおかりしたスクールガード体制を推進し、来年度の予算案では十校に一人のスクールガードリーダーを配置できるように予定していますが、今後とも、スクールガードを初めとして子供の安全確保を全面的に進める必要があると思います。

 登下校も含めた学校における子供の安全確保にどのように取り組もうとしていられるのか、お伺いしたいと思います。

 次に、学校における質の高い教育活動についてお伺いいたします。

 先般、中央教育審議会教育課程部会において審議経過報告がまとめられました。この中では学習指導要領の見直しが指摘されておりますが、我が国における質の高い教育活動の展開に学習指導要領の充実は不可欠だと考えます。文部科学省として、学習指導要領の見直しをどのような方向で進めていこうとされているのか、御見解を伺います。

 学校が子供にとって学ぶ喜びの場、生きる喜びの場となるためにも、学力はもとよりのこと、成長段階に応じてさまざまな体験活動をさせることが重要だと考えます。

 ある教育者は「慈愛、好意、友誼、親切、真摯、質朴等の高尚なる心情の涵養は、郷里を外にして容易にうべからざることや」と述べられるとともに、自然とのコミュニケーション不全は、人間に肉体的にダメージをもたらすだけでなく、人格形成に欠かすことのできない慈愛や利他の心をも壊すと述べられています。

 四季折節に移り変わる美しい日本の自然との触れ合いの中から、生きる力と英知を身につけさせることができる自然体験活動、今や社会問題化し増加し続けているニート、フリーターをこれ以上ふやさないためにも、義務教育段階から働くことの大変さや大切さを実感させる職場体験活動、子供たちが生き生きと夢を持って学び生きることを体得するためにも、感受性豊かな子供の時期にオペラやバレエなど本物の芸術に触れる文化芸術体験などは、学力の充実とともに幅広い素養、教養を養う極めて重要な基本となるものと考えております。

 学校において体験活動を推進していくことについての文部科学大臣の御決意を伺います。

 コロンビア大学の宗教学部長ロバート・サーロン博士は、教育が人間生命の目的であり、教育のための社会の役割を問うべきであると言われております。

 教育は、本来学校にのみゆだねるのではなく、社会全体で担うべき人間の使命です。先を歩む私たちが、次世代の品格ある人材育成を使命を持って担い、教育の目的は真の子供の幸福にあるという根本的な理念を忘れることなく、教育のための社会の一員としての範を示して生きることを願い、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣小坂憲次君登壇〕

国務大臣(小坂憲次君) 池坊議員にお答えを申し上げます。

 義務教育費国庫負担制度の堅持についてのお尋ねでございます。

 義務教育費国庫負担制度は、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域においてすぐれた教職員を必要数確保し、義務教育の機会均等と水準維持を図るために極めて重要な制度でございます。

 昨年末の政府・与党合意においては、「義務教育費国庫負担制度を堅持する。」ということが明記されております。私としても、このことを十分に踏まえ、義務教育の構造改革に邁進してまいる所存でございます。

 学校施設の耐震化の推進についてのお尋ねでございます。

 学校施設の安全性の確保は極めて重要であり、財政状況が極めて厳しい中で、耐震関連予算の確保に最優先で取り組んでおります。また、耐震化の前提となる耐震診断の早期実施については、地方公共団体に対して、国土交通省の補助事業も積極的に活用し、本年中に完了するよう強く要請してまいります。

 今後は、迅速な整備促進の観点から、建てかえ方式から耐震補強改修方式に重点を移すなど、効率的な耐震化の推進に努めてまいります。また、今回の法案で、国が定めることとなる学校施設整備のための基本方針において、耐震化に重点を置くことにより、これを踏まえた地方公共団体の計画的な耐震化の取り組みを一層推進してまいります。

 子供の安全確保についてのお尋ねでございます。

 子供が安心して教育を受けるためには、学校における安全確保を図ることは極めて重要な課題であります。文部科学省では、学校や通学路において大変痛ましい事件が続発していることを重く受けとめ、学校安全の充実に総合的に取り組む子ども安心プロジェクトを推進しております。特に、平成十八年度予算案においては、各学校の巡回指導を行うスクールガードリーダーの全国展開を図るために必要な経費等を計上するなど、子ども安心プロジェクトをさらに推進することといたしております。

 今後とも、警察庁など関係省庁と連携するとともに、国民の皆様の積極的な御協力をいただきながら、あってはならないような悲惨な事件の再発を防止するという決意を胸にいたしまして、子供の安全確保のための取り組みを強力に推進してまいります。

 学習指導要領の見直しについてのお尋ねでありますが、質の高い教育活動を展開する上で、教育課程の基準である学習指導要領の見直しを行うことは重要な課題であります。現在、中央教育審議会で検討を加えているところでありますが、私としては、これからの教育においては、基礎的、基本的な知識、技能の確実な定着を図るとともに、みずから学びみずから考えることなど、生きる力を育成することが重要であり、その理念を実現するための具体的な手段を講じていくことが極めて重要であると考えております。

 具体的には、現在の子供の学習習慣や学習意欲の不十分さなどの課題を踏まえて、すべての教育活動を通じて言葉や体験を重視した学習や生活の基礎づくり、国語や理数教育の充実、全国的な学力調査の実施など、いわゆるプラン・ドゥー・チェック・アクション、PDCAサイクルによる学校教育の質の保証を重視する必要があると考えております。

 学習指導要領の見直しについては、引き続き中央教育審議会でしっかり議論をしていただき、早ければ平成十八年度末までに学習指導要領の改訂を行いたいと考えております。

 学校における体験活動の推進についてのお尋ねでありますが、子供の体験活動は、生きること、働くことの意義を実感する機会を持たせ、生活や学習のよい習慣をつくり、気力や体力を養い、知的好奇心を育てるものであり、極めて重要であると考えます。そのため、自然体験、職場体験、文化芸術体験などの機会をできるだけ設ける必要があると考えます。

 文部科学省においても、長期間の宿泊を伴う自然体験活動などの推進、豊かな体験活動推進事業等を含めて推進をしてまいります。中学生を中心とした五日間以上の職場体験の実施、子供が文化に触れ合う機会の提供、感性豊かな文化の担い手育成プランというものがございます。このような取り組みを実施しており、今後とも、各学校において体験活動がさらに実践されるよう、取り組みの充実を図ってまいります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

 運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣北側一雄君。

    〔国務大臣北側一雄君登壇〕

国務大臣(北側一雄君) 運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 最近の運輸分野における事故等の発生状況にかんがみ、鉄道、航空、自動車、海運の各分野の運輸事業者における輸送の安全を確保するための取り組みを強化するとともに、鉄道事故の約半数が発生している踏切道の安全性の向上、交通の円滑化や運輸の安全に関する国の組織体制を強化する必要があります。

 このような諸課題に対応するため、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。

 次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。

 第一に、輸送の安全の確保を法の目的として追加するとともに、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めることを運輸事業者の責務として規定することとしております。

 第二に、運輸事業者は、輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項等を定めた安全管理規程を定め、国土交通大臣に届け出るとともに、安全統括管理者等を選任しなければならないこととしております。

 第三に、国土交通大臣は、毎年度、輸送の安全にかかわる情報を整理し、これを公表することとするとともに、運輸事業者は、輸送の安全にかかわる情報を公表しなければならないこととしております。

 第四に、国土交通大臣は、安全管理規程のうち輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項に係る報告の徴収または立入検査を適正に実施するための基本的な方針を運輸審議会に諮り、定めることとしております。

 第五に、国土交通大臣は、平成十八年度以降の五カ年間において改良することが必要と認められる一定の踏切道について指定するものとするとともに、国土交通大臣が定める踏切道の改良の方法に歩行者等立体横断施設の整備を追加し、鉄道事業者等に対し歩行者等立体横断施設整備計画の作成等を義務づけることとしております。

 第六に、国土交通大臣は、鉄道事業者等に対し、踏切道の改良に関し必要な勧告及び報告の徴収をすることができることとするとともに、いわゆる連続立体交差事業に係る無利子貸付制度を創設することとしております。

 第七に、海難審判庁は、審判開始の申し立てに至らなかった海難の調査結果等を踏まえ、国土交通大臣または関係行政機関の長に対し、海難の発生の防止のため講ずべき施策についての意見を述べることができることとしております。

 第八に、航空・鉄道事故調査委員会は、航空・鉄道事故に伴う被害の原因を究明するための調査及び被害の軽減のため講ずべき施策についての国土交通大臣に対する勧告または建議を行えることとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。森本哲生君。

    〔森本哲生君登壇〕

森本哲生君 民主党・無所属クラブの森本哲生でございます。

 本日は、河野議長のお許しを得て、初登壇のお許しをいただき、万感胸に迫る思いでございます。この場を与えていただきました皆様に心より感謝を申し上げ、ただいま議題となりました内閣提出の運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案につきまして、質疑をいたします。(拍手)

 ただいまの北側国土交通大臣の趣旨説明によれば、本法案は、最近のヒューマンエラーなどによる運輸分野の事故、トラブルの多発という立法事実に基づき立法対応を行うということであります。

 私は、本法律案が、立法事実に的確に対応した施策体系、施策内容になっているか、特に、種々の業務を行うこととなる事業者にとって対応予測が容易でわかりやすい内容になっているか、法律の施行によって交通サービスに対する国民の安心を取り戻すことができるのかという、三つの基本的な視座に立って議論することが必要だと考えます。

 運輸事業者は、昨今、経営環境が大変厳しい状況にあり、そのことはマクロ的指標で見ると一目瞭然であります。事業者は、原価コストの上昇など外的要因によっても経営環境が大きく左右される中、その上でアウトソーシングの推進による経営の効率化を図っており、さらには労働生産性の向上を目指して競争力を一層強化しなければならないという、厳しい経営判断、経営戦略を迫られていることは周知の事実であります。

 昨年四月二十五日のJR福知山線脱線事故では、百七名のとうとい命が犠牲となり、負傷者も五百名を超えております。そして、今もなお後遺症で苦しんでおられる方がおみえになります。

 昨年九月六日に鉄道事故調査委員会がまとめた建議に従い、自動列車停止装置の機能向上、事故発生時における列車防護の確実な実行等については、JR西日本による改善が行われているところであります。委員会の建議には含まれておりませんが、ラッシュ時でも余裕のあるダイヤを編成すること、乗務員に対する指導監督のあり方を基本的に改革することなども事故の予防策として実行されていることを承知いたしております。

 また、航空分野においては、我が国に限らず諸外国のインシデントを見る限り、より一層高い安全性の向上とヒューマンファクターの防止の目的でコンピューターを多用いたしておりますが、人とコンピューターのインターフェイスが開発途上にあることから、これらを暗示する事故、トラブルが発生するようになってきております。第四世代型の旅客機においても、過去の事故から得た教訓がかなり反映されていることとは思いますが、究極的には同様の問題が当てはまるのではないでしょうか。

 安全管理の徹底に向けた企業努力は、先ほど申し上げた経営環境の厳しい中でも、決して軽んじられることがあってはなりません。

 それでは、このような企業、事業者による安全管理の徹底、事故防止の対策と、政府の権限と責任ということがどのような関係にあるのが望ましいのか、見解を述べさせていただきます。

 市場化テスト法案に象徴されるように、小泉内閣は今、民間にできることは民間にというスローガンのもとで、公共サービスの民間開放を徹底して進められようとしております。しかしながら、他方では、運輸サービスの安全に対するリスクは、このような規制改革の推進が直接的にも間接的にも起因しているということも問題視されるべきではないでしょうか。

 むしろ、運輸サービスにおける事故というリスク、内部不経済を絶対に発生させないためには、官と民がしっかりとしたパートナーシップを組んで、どのように国民全体の安心を取り戻すか、事業者に対する国民の信頼を取り戻すかという真摯な政治姿勢が求められると私は考えます。本法案がこの試金石となると言っても過言ではないでしょう。

 また、本法律案のスキームについて、総論的に問題点を幾つか指摘させていただきます。

 第一に、本法律案の構成についてであります。

 本法律案は、事業者に対し安全管理の責務を負わせる部分、インフラとしての踏切道対策に係る部分、さらには鉄道・航空事故調査会の権能に係る部分と、三つの相異なる政策のユニットから構成をされています。

 あえてこのように一括して本法律案が構成されていることは、各セクトに関する十分な審議をないがしろにするものであり、大いに議論することが必要と考えます。また、立法事実と施策の関係については、人命がかかわる重大な事柄を扱う以上、きっちりと分割して、個別に十分な検証を行うことが当然と考えます。

 第二に、本法律案の形式についてであります。

 本法律案の本則には、政令及び国土交通省令という文字が五十カ所以上出てまいります。この点、憲法四十一条の「立法」を実質的意味の立法ととらえるならば、法律の形式として大きな問題を内在するものと言わざるを得ません。

 安全管理体制の確立に向けて、事業者の対応は、これら命令の具体的内容によって定まります。本法律案はこの点が明らかではなく、実務、現場の問題点を踏まえた十分な検証をすることができないと考えます。

 第三に、本法律案の射程範囲の問題です。

 各事業者法の一部改正という法形式をとっています。対象は、鉄道事業法、鉄道営業法、軌道法、道路運送法、貨物自動車運送事業法、海上運送法、内航海運業法、航空法です。これらはどのような基準で対象が決められたのでございましょうか。先ほどの立法事実にかんがみれば、港湾運送事業法や倉庫業法を含める必要があると考えますが、いかがでございましょうか。

 さらには、平成十四年六月には、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律が施行され、平成十六年現在で認定された運転代行業者は五千六百三十五に上っています。法律の所管は警察庁となっておりますが、サービスの客観的態様を比べれば、これも本法律案の射程範囲に入るのか入らないのか、陸海空のあらゆる輸送モードを所管する国土交通省として、より深く検討する必要があると思います。

 次に、本法律案の各論部分について、問題点を幾つか指摘します。

 まず第一に、安全管理規程と安全統括管理者についてであります。

 事業者は、輸送の安全に関する内部管理規程をマニュアル化し、管理職、従業員に周知徹底をしているところでありますが、今回さらに安全管理規程の作成が義務づけられることで安全性の向上が担保されるでしょうか。単なる屋上屋にならないでしょうか。

 また、法令によって定められる安全管理規程の内容は、事業規模によって差異がないと見られることから、特に中小の事業者にとっては負担になり、安全の格差が生じる危険性があります。安全管理規程が余りにも精緻になり過ぎると、かえって、人間本性に由来する冷静かつ的確な危険回避の判断を失わしめることにもなりかねません。

 さらに、安全統括管理者とは、事業体の中でどのような法的地位を有するのかということも明確でありません。もし、経営の実質的意思決定に参画する職階を想定しているのであれば、身分、職務の独立性の担保が不可欠だと思われます。

 第二に、報告の徴収と立入検査についてであります。

 業種によっては安全管理の部分についてもアウトソーシングは相当程度進んでいますが、検査を受忍しなければならない法律上の義務を負う受託先をどこまでの範囲で考えるのか、基本的指針の内容と関連して、その適正な判断が求められます。

 さらに、近時の目まぐるしい会社法制の改正により、所有と経営の分離という株式会社制度の本質と特徴が一層顕著になり、分社化が進展しています。例えば、阪急電鉄グループや日本航空グループが持ち株会社に移行するなど、会社の所有者と実質的経営主体が異なる現象が見られます。これを単に民事法制上の問題として個別にとらえるのか、本法律案の射程範囲に加え、報告の徴収と立入検査の対象とするのか、検討が必要ではないでしょうか。

 第三に、海上運送に関してですが、船舶の安全航行及び汚染防止のための国際管理コード、通称ISMコードが国際航海に従事する総トン数五百トン以上のすべての船舶に適用をされます。本法律案で新たに適用になる安全管理規程と制度的に重複していないのか、実効性の点でも問題であります。

 第四に、本法律案の適用外である航空管制官のヒューマンエラー防止に関する問題です。

 フライトナンバーの聞き違えによるニアミスによる事故、クローズ中の滑走路への着陸誘導など、再発防止のためにどのような取り組みがなされてきたかということです。この問題も不可分一体で解決しなければ、真の安全は実現しないでしょう。

 第五に、あかずの踏切対策であります。

 平成十七年三月十五日に東武鉄道竹ノ塚駅構内の踏切で発生した事故は、踏切保安係員の重大な業務上の過失により、二名が死亡、二名が負傷をいたしました。

 鉄道・航空事故調査会が事故調査を行わなかったその実質的な理由と当該地区における高架化の見通しについて、現在、国土交通省はどのような見通しを立てておられるのかということを、特に地域住民の方が重大な関心を持っておられます。今後五カ年の踏切道対策としてどのように数値目標を持っておられるのか、それに対応する予算、財源をどこまで考えておられるのか、本法律案の施策とあわせてお伺いをいたします。

 第六に、ただいま触れました鉄道・航空事故調査委員会のあり方であります。

 これについては、アメリカの国家運輸安全委員会と同様に独立した行政機関として、海上輸送と自動車輸送を含めたすべての輸送モードを所管する調査機関と改組することが、本法律案の立法趣旨に沿うのではないでしょうか。

 本法律案はまだまだ幾つかの論点がありますが、以上の点について北側国土交通大臣の答弁をお願いし、私の質疑は終わります。(拍手)

    〔国務大臣北側一雄君登壇〕

国務大臣(北側一雄君) 森本議員にお答え申し上げます。

 まず、本法律案の構成についてお尋ねがございました。

 本法律案は、運輸の安全性の向上を図るため、運輸事業の安全管理面の強化、踏切施設の安全性の向上、国の体制強化等、ハード、ソフト両面に係る対策を一体的かつ総合的に講じるものであることから、関係法律の改正を一本の法律案として扱うことが適当であると考えております。

 安全管理体制の具体的内容に係る国土交通省令への委任についてお尋ねがございました。

 一般に、法律から政省令への委任につきましては、手続的な事項、技術的な事項、事態の推移に応じて臨機応変に措置しなければならないことが予想される事項などについて、従来より行われてまいりました。安全管理体制の具体的内容を記載する安全管理規程の記載内容につきましても、この考え方を踏まえまして、骨格は法律で明示した上で、省令で規定することとしたものでございます。

 本法律案の対象法律についてお尋ねがございました。

 本法律案は、運輸事業における輸送の安全を確保するための規制を定めた法律を対象としております。港湾運送事業法は、港湾運送の秩序の確立や悪質な労務供給事業者の排除を図るための法律でございます。また、倉庫業法は、輸送を業としない倉庫業を対象といたしております。さらに、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律は、利用者の自家用自動車をかわりに運転する役割を提供する事業であり、また、悪質事業者の排除等を図るための法律でございます。したがって、これらの法律については、これに該当しないため、今回はその対象としておりません。

 次に、安全管理規程の作成の義務づけ及びその内容についてお尋ねがございました。

 安全管理規程においては、事業の実態に応じて、事業者において安全管理体制の構築が確実に図られるよう、安全を確保するために必要な事業の実施及びその管理の体制、方法等の事項の記載を義務づけることとしております。また、その内容については、事業規模、事業実態等に応じて、適切な安全管理を図ることができるようなものとしてまいります。

 安全統括管理者についてお尋ねがございました。

 安全統括管理者については、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者で、一定の実務経験等を満たす者をその選任の要件としております。その適正な職務の遂行の確保のため、事業者に対して、安全統括管理者の意見尊重を義務づけるとともに、安全統括管理者の意見に従わず、輸送の安全を阻害している事実があると認められる場合は、国土交通大臣は、事業改善命令等により、事業者に対して是正を命じることができることとしております。

 報告徴収及び立入検査の対象となる受託先の範囲についてお尋ねがございました。

 今回の法改正におきましては、近年のアウトソーシングの進展を踏まえて鉄道事業法を改正し、業務の受託者まで報告徴収等の対象を広げることとしております。この改正は、鉄道事業法上の責任を有する鉄道事業者に対する監督を十全ならしめる観点から、鉄道事業者に対する報告徴収等では把握できない情報を収集するために行うものであり、直接の受託者に対象を限定することとしております。

 なお、航空法においては、整備等の業務の受託者についても既に報告徴収や立入検査の対象としているところでございます。

 いわゆる持ち株会社への報告徴収及び立入検査についてお尋ねがございました。

 事業の適切な運営を確保するためには、当該事業を運営する事業会社に対し、直接法規制を行うことが適切であり、このため、各事業法は当該事業会社を規制の対象としております。いわゆる持ち株会社は、直接事業を行っている主体でないため、今回の法改正においても、報告徴収及び立入検査の対象とすることは考えておりません。

 海事分野における国際基準のISMコードと安全管理規程との関係についてお尋ねがございました。

 外航旅客船運航事業者につきましてはISMコードと安全管理規程が義務づけられることとなりますが、既存の運航管理規程にISMコードの経営トップの安全管理等の内容を付加することで安全管理規程を策定できるため、事業者にとっても大きな負担にはならず、また、安全確保命令等事業法での所要の措置も講じることができるなど、実効性も高まると考えているところでございます。

 航空管制官のヒューマンエラーの再発防止の取り組みについてお尋ねがございました。

 昨年四月に羽田空港において、閉鎖滑走路へ着陸させた件などを受け、情報伝達を確実にするためのダブルチェック体制の導入など、それぞれ必要な再発防止策をとってまいりました。

 こうした個別ミスに対する再発防止策とあわせ、さらなる管制の安全体制を確立するため、全国の管制機関に対して業務監査を実施し、管制の現場でどのような問題が発生しているのか幅広く調査を行い、今般、管制支援システムの整備など、今後のヒューマンエラーの再発防止策の取りまとめをいたしました。

 本法律案は、運輸事業者に対して、輸送の安全を確保するための取り組みを強化させるためのものではありますが、事業者を監督指導する立場である航空局の管制についても、本法律案で事業者に求めているものと同等以上の安全対策を的確かつ着実に実施していく所存でございます。

 竹ノ塚駅構内の踏切事故に関し、航空・鉄道事故調査委員会が事故調査を行わなかった理由についてお尋ねがございました。

 航空・鉄道事故調査委員会が調査を行う事故等につきましては、事故調査委員会設置法及びこれに基づく省令で定められております。

 竹ノ塚駅構内の踏切事故につきましては、死傷者が四名発生するという大変痛ましい事故であったものの、法令で定める調査対象に該当せず、当該事故の原因は踏切保安係の単純な運転取り扱い誤りであることがほぼ明白であること等から、航空・鉄道事故調査委員会の調査対象とはしなかったとの報告を受けております。

 しかしながら、当該事故につきましては、関東運輸局から二名の職員を派遣して現地調査を行うとともに、東武鉄道に再発防止策を検討、報告させたところでございます。

 竹ノ塚駅地区における高架化の見通しについてお尋ねがございました。

 国土交通省といたしましては、あかずの踏切を初めとした踏切への対策を最重要施策の一つとして、抜本対策による踏切除却と速効対策による踏切交通の円滑化を車の両輪として、対策のスピードアップに努めてまいります。

 東武伊勢崎線竹ノ塚駅周辺地区においては、二カ所のあかずの踏切が存在しているところであり、平成十六年六月に東京都が策定した踏切対策基本方針においても、鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられておるところでございます。

 当該地区における昨年三月十五日の踏切事故の発生を受け、まず緊急の対策として、自転車対応の斜路・エレベーターつきの歩道橋の設置や踏切の拡幅などを順次実施してきており、来月末を目途に、その整備を終えることとしております。さらに、昨年の事故後、立体交差化の検討を急ぐよう東京都に対し要請し、六月には、都、足立区、東武鉄道等に国土交通省も参画する形で竹ノ塚駅付近道路・鉄道立体化検討会を発足させ、立体交差の形式や駅周辺のまちづくりについて検討を行っているところでございます。

 国土交通省といたしましては、東京都、足立区に対し、引き続き、検討会等の場を通じて技術的な助言をするなど、立体交差化の具体化に向けた検討が進むように適切に支援をしてまいる所存でございます。

 今後の踏切道対策に関する目標及び予算についてお尋ねがございました。

 現在、道路管理者及び鉄道事業者の協力のもと、全国のすべての踏切を対象に踏切交通実態の総点検を実施中でございます。その結果を踏まえ、あかずの踏切等の緊急に対策が必要な踏切について、道路管理者と鉄道事業者に年度内を目途に五カ年の整備計画を策定していただき、その計画に基づいた対策を重点的に進めていく所存でございます。

 その際、抜本対策といたしまして約一千四百カ所の踏切除却のペースを二倍にスピードアップするとともに、抜本対策までに時間を要するあかずの踏切などの踏切約一千三百カ所について、速効対策により今後五年間で全箇所の対策を進めるなど、踏切対策のスピードアップにより一層取り組んでまいる所存でございます。

 国土交通省では、踏切対策を重点施策の一つとして位置づけて積極的に取り組み、厳しい財政事情のもとにおいても予算を伸ばしてきているところでございまして、平成十八年度予算案では約三千七百億円を計上しているところでございます。

 今後とも、踏切道の改良を積極的に推進するため、必要な予算の確保に努めてまいります。

 最後に、航空・鉄道事故調査委員会のあり方についてお尋ねがございました。

 事故調査機関については、アメリカの国家運輸安全委員会のようにすべての輸送モードを所管する事故調査機関を設けている場合もあれば、イギリスやドイツのように各輸送モードごとに異なる事故調査機関を設けている等、諸外国においてもその形態はさまざまでございます。御指摘の一元的な事故調査機関の設置については、輸送モードごとに事故原因について特徴が異なっていることを踏まえまして、さらに検討を深める必要があると考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    竹中 平蔵君

       文部科学大臣  小坂 憲次君

       国土交通大臣  北側 一雄君

 出席副大臣

       文部科学副大臣 馳   浩君

       国土交通副大臣 松村 龍二君


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