衆議院

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第11号 平成18年3月2日(木曜日)

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平成十八年三月二日(木曜日)

    ―――――――――――――

  平成十八年三月二日

    午後四時三十分 本会議

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本日の会議に付した案件

 議員永田寿康君を懲罰委員会に付するの動議(逢沢一郎君外三名提出)

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)

 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)


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    午後四時三十二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 議員永田寿康君を懲罰委員会に付するの動議(逢沢一郎君外三名提出)

議長(河野洋平君) 逢沢一郎君外三名から、成規の賛成を得て、議員永田寿康君を懲罰委員会に付するの動議が提出されております。右動議を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。宮路和明君。

    〔宮路和明君登壇〕

宮路和明君 自由民主党の宮路和明でございます。

 私は、ただいま議題となりました議員永田寿康君を懲罰委員会に付するの動議につきまして、提出者を代表し、その趣旨の弁明を行います。(拍手)

 まず初めに、このような懲罰動議が出されたことは極めて残念なことであり、私はこのような現状を深く憂慮いたしております。今回の騒動を通じて、国民の失望は、一議員永田君にとどまらず、政党、国会、政治全体に対する失望につながるからであります。

 永田君を懲罰委員会に付する動議を提出するに至った理由は、去る二月十六日の予算委員会で、永田君は、にせものの電子メールを振りかざして、ライブドアの堀江容疑者が武部幹事長の次男に三千万円振り込めと指示したと決めつけ、一方的に、国会審議という公の場で、お金で魂を売っていると自民党と武部幹事長を誹謗中傷し、さらに、私人である幹事長の次男を、実名を挙げて、民主党の言う疑惑に関与していたかのごとくに断じたことであります。この全く事実無根の誹謗中傷で、民間人である幹事長の次男や、その会社の社員がこうむった損害や傷つけられた名誉は、たとえ謝罪があったとしても、以前のように回復することはありません。

 また、永田君は、根拠となる情報があると言いながら根拠を示すことなく、みずからの説明責任を放棄したばかりか、国会を欠席し、入院までして雲隠れしたのであります。国民がそのような国会議員の姿をどのような思いで見ていたかを思うと、永田君に対する怒りを禁じ得ません。

 こうした行為は、「議員は、議院の品位を重んじなければならない。」とする衆議院規則二百十一条や、議員は「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」と定める国会法第百十九条にも違反することであり、永田君の無責任な発言を容認することは、今後の国会審議の権威を失わせしめ、議院の品位が問われることは必定であり、断じて許されません。

 名誉毀損を平然と行う永田君の態度は、まさに院の品位を汚すものであり、あえて申し上げれば、議員としての資格自体も厳しく問われなければならないと考えます。

 永田君は、これまでにも、十分な裏づけ、事実確認をすることなく、憶測で発言をされた経緯もあり、これまで四回、懲罰動議にかけられております。これに反省の色もなく、今回の五回目の懲罰動議に関する報道陣の質問に対しても全く意に介さないような発言をしていたようであり、国権の最高機関である国会の懲罰の重みを全く理解していないばかりか、これを軽視していると言わざるを得ません。

 永田君が議員としての活動を今日まで続けてきたこと自体、我々良識の府にある議員全体が不明を恥ずべきであります。今こそ、院の品位と権威にかけて自浄能力を発揮せねばなりません。

 憲法五十一条は「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と定めておりますが、言いかえれば、このことは、国民の代表たる議員に最大限の発言の自由を認めていると同時に、品位を持って国会の場で発言すべきことを求めているのであり、これを逸脱すれば、院がその名誉にかけて自浄能力を発揮し、品位と権威を守らねばならないことを意味していると考えます。

 したがって、このような議会制民主主義の根幹を揺るがしかねないような事態を二度と起こさぬよう、永田寿康君を懲罰委員会に付して懲罰を科すべきものと考えます。

 国会の品位と権威は深く傷つけられ、国民の政治不信を招いたことは重大なことであります。国会議員の皆さん、党派を超えて、院の名誉にかけて、今回の事態の明確なけじめを国民に示さなければなりません。

 本来、国会は、国の制度や施策を決定する国権の最高機関であります。いたずらに審議と関係のないスキャンダルをあおり立てることに終始していては、国民に対する重要な責務を果たしているとは言えません。

 今回の問題を機にして、我々議員全員が、絶えず国民が注視していることを自覚し、国民から負託された責務を再度確認し、国会の信頼を取り戻すために一人一人が最大の努力をしなければならないと考えます。

 この動議に対して、議員各位の御賛同が得られますよう切に要望して、本動議の提案の趣旨弁明とさせていただきます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 懲罰の動議は討論を用いないで採決することとなっております。よって、直ちに採決いたします。

 逢沢一郎君外三名提出の動議を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、議員永田寿康君を懲罰委員会に付することに決まりました。

     ――――◇―――――

中山泰秀君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

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 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算

議長(河野洋平君) 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長大島理森君。

    ―――――――――――――

 平成十八年度一般会計予算及び同報告書

 平成十八年度特別会計予算及び同報告書

 平成十八年度政府関係機関予算及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔大島理森君登壇〕

大島理森君 ただいま議題となりました平成十八年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 この予算三案は、去る一月二十日本委員会に付託され、二十五日谷垣財務大臣から提案理由の説明を聴取し、二月六日から質疑に入り、基本的質疑、一般的質疑、集中審議、公聴会、分科会を行い、本日、締めくくり質疑の後、討論、採決をいたしたものであります。

 まず、予算三案の概要について申し上げます。

 平成十八年度一般会計予算の規模は七十九兆六千八百六十億円であり、前年度当初予算に対し三%の減少となっております。

 歳出のうち、政策的な経費である一般歳出については、社会保障と科学技術振興の分野を除き前年度より減額となっており、その規模は、前年度当初予算に対し一・九%減の四十六兆三千六百六十億円となっております。

 歳入のうち、公債の発行額は、前年度当初予算を四兆四千百七十億円下回る二十九兆九千七百三十億円で、公債依存度は三七・六%となっております。

 特別会計予算については、三十一の特別会計があり、歳出総額は四百六十兆三千八百五十七億円となっておりますが、会計間取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は二百二十五兆三千百二十三億円となっております。

 政府関係機関予算については、国民生活金融公庫など八機関について、資金の重点的、効率的な配分に努め、事業の適切な運営を図ることとされております。

 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は十五兆四十六億円で、前年度当初計画に対して一二・五%の減少となっております。

 次に、予算委員会における主な質疑について申し上げます。

 まず、財政・経済関係では、基礎的財政収支黒字化へ向けた財政・経済政策のあり方、歳入歳出一体改革の進め方、国有地の売却等による政府資産の圧縮、格差社会についての政府の認識、デフレ脱却の見通しと金融政策のあり方、構造改革と地方経済など、外交・防衛関係では、アジア外交への取り組み方針、日中関係の現状及び対中外交のあり方、在日米軍再編問題など、米国産牛肉輸入問題では、食の安全、安心の確保の観点から、特定危険部位が混入した原因と責任の所在、米国による輸出プログラムの遵守、再発防止のための調査の必要性など、ライブドア問題では、偽計取引・風説の流布の定義、投資事業組合の問題点、証券取引等監視委員会の機能強化など、耐震強度偽装問題では、真相究明と再発防止、被害者救済のための公的支援のあり方など、官製談合問題では、防衛施設庁談合問題への対応、天下り問題、入札制度改革及び罰則強化など、さらに、公務員の総人件費改革のあり方、皇室典範改正問題、教育改革への取り組み、防犯対策、アスベスト対策、人口減少社会の到来と少子化対策への取り組み、がん対策、障害者支援の促進など、国政の各般にわたって熱心な質疑が行われました。その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。

 かくして、本日質疑を終局いたしましたところ、日本共産党から、平成十八年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、佐々木憲昭君から趣旨の説明がありました。

 次いで、予算三案及び動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党を代表して田中和徳君から政府原案に賛成、動議に反対の意見が、民主党・無所属クラブを代表して松野頼久君から政府原案及び動議に反対の意見が、公明党を代表して上田勇君から政府原案に賛成、動議に反対の意見が、日本共産党を代表して佐々木憲昭君から動議に賛成、政府原案に反対の意見が、社会民主党・市民連合を代表して保坂展人君から政府原案及び動議に反対の意見が、それぞれ述べられました。

 引き続き採決を行いました結果、動議は否決され、平成十八年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本日の委員会において、国会法第百十九条、衆議院規則第二百十一条等に照らし、去る二月十六日の永田寿康委員の発言に対し、委員長として所見を申し述べたことを付言いたします。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。伴野豊君。

    〔伴野豊君登壇〕

伴野豊君 民主党の伴野豊でございます。

 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題になりました平成十八年度予算三案に対し、反対の立場から討論をさせていただきます。(拍手)

 討論に先立ちまして、民主党といたしまして、一言おわびを申し上げさせていただきます。

 本予算案の審議の過程におきまして、去る二月十六日に永田寿康議員が事実の裏づけのない問題を取り上げましたこと、並びに、その過程で御迷惑をおかけしました自由民主党武部幹事長、その御子息に、御次男に対しまして、深くおわびを申し上げます。申しわけございませんでした。

 また、本件に関しまして、国会を混乱させましたことを、国民の皆様方に心からおわび申し上げたいと思います。申しわけございませんでした。

 さて、討論に入らせていただきます。

 格差社会という言葉をよく耳にするようになりました。所得が平均の半分以下の方の割合である貧困率。我が国は一五・三%と、OECD加盟国中五番目に高い値となっております。

 小泉総理は、余裕資産を活用できる証券税制を構築する一方で、酒税、たばこ税の引き上げや、公的年金課税強化、年金、介護、医療と続く社会保障制度改革における負担増、給付減の繰り返しを行ってまいりました。格差が出るのは悪いことだと思っていない、小泉総理はそうおっしゃいました。勝者のみを応援し、弱者には目を向けずに切り捨てる。小泉政権の姿勢や施策が、格差拡大を助長するのみならず、再チャレンジの機会を奪う上、セーフティーネットすら無意味なものにしているのではないかと大変危惧をしております。これ以上格差拡大を放置すれば、国民の不安、不信、不公平感を増大させ、ひいては社会の不安定化、経済の低迷、犯罪の誘発を招きかねません。

 このような事態を打開すべく、徹底的に無駄を除くが、必要なものにはしっかりとお金を投入する、つまりはお金の投入の質、量、方向を変える予算編成が今求められているのであります。

 小泉政権では五回もの予算編成が行われました。小泉構造改革が真の改革であったならば、政策の集大成であり、政権の意思である予算の中身は大きく変化しなければならないはずでございます。しかしながら、実際には、赤字体質、巨額の無駄遣い、省庁間のシェア配分の固定化など、予算の骨格は全く何一つ変わっておりません。小泉改革の看板であった道路公団民営化についても、予定路線九千三百四十二キロの実質全線建設化によって本来の意義を失い、郵政民営化についても、実施前から本来の目的を見失うなど、懸念が大変強まっております。

 以下、反対の理由を申し上げます。

 第一に、定率減税の廃止、つまりはサラリーマン大増税であります。

 一月の給与明細表を見て驚かれたサラリーマンの方々も多いことでございましょう。小泉総理が所得税の定率減税をことし一月から半減したためであります。六月には地方税も上がります。さらには、このたび、定率減税の全廃が措置されれば、さらに来年一月には所得税が、来年六月には地方税がさらに引き上げられることになります。定率減税の全廃は、個人消費に冷や水を浴びせることは必至であり、ようやく回復の兆しの見えてきた日本経済全体の足を引っ張りかねません。

 経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律には、その第一条に、抜本的見直しを行うまでの間、所得税法及び法人税法の特例を定めるものとすると明記されております。抜本改革が行われていない今、これを廃止することは、国民に対する明らかな約束違反であります。

 総理が就任直後から掲げていらした国債発行三十兆円枠。あるとき総理は、公約なんてともおっしゃいました。今回ぎりぎり実現することになりましたが、これは、定率減税の全廃に加え、特別会計のつまみ食い、あるいはNTT事業費の補正予算による前倒し償還など、数合わせ的な小細工や、究極のつじつま合わせとも言えるたばこ税増税などによるものでございます。本来の歳出構造の抜本的改革、無駄の徹底的な排除によって実現されたものとは到底言えないわけでございます。

 第二に、看板倒れの中身の伴わない三位一体改革でございます。

 政府・与党の言う三位一体改革では、地方の裁量が広がらない形で国庫補助負担金の削減が行われました。例えば、義務教育国庫負担金については、三位一体改革の政府・与党合意で、国の負担率を二分の一から三分の一に引き下げるという肩透かしの結論が出されました。仮に、小学校もしくは中学校のどちらかの国庫負担金の全部を廃止するというのであれば、地方の権限を強めるという意味で、まだ一歩前進と言えたかもしれません。しかしながら、今回の合意は、小学校、中学校全体を通じて国庫負担を引き下げるというものでございます。

 国から補助金が出る限り、負担率が二分の一であろうが三分の一であろうが、地方は文部科学省から指示を受けるという基本構造には何ら変化はありません。国の側から見れば、これまで二分の一を負担して行使した権限を三分の一の負担で行使できる、そういったわけですから、従来よりも効率よく国が地方を支配できる、そういったことさえ言うことができます。小泉総理の進めてきた三位一体改革の正体をここに見た思いであります。

 第三に、巨額の無駄が是正されていないことがあります。

 特別会計については、歳出純計額は二百二十五兆円と、一般会計予算の三倍弱の規模となっております。不透明で無駄遣いの温床になっているとも指摘されているこの特別会計、本予算案でも根本的なメスが入れられることはなく、例えば国有林野事業特別会計、都道府県が行う補助治山事業は一般会計で経理することとした上で、国有林野事業勘定と治山勘定の区分を廃止し、経理方法を統一するとしているだけであります。これでは改革の名には値いたしません。

 ほかに、電源開発促進対策特別会計からの一般会計繰り入れ措置、財政融資資金特別会計からの国債整理基金特別会計繰り入れ措置などが講じられておりますが、これらは国債発行額を三十兆円以下に抑えるための数字いじりにほかならないわけでございます。

 昨年十二月に閣議決定した行政改革の重要方針においても、国営土地改良事業特別会計、登記特別会計、特定国有財産整備特別会計、以上三つしか一般会計化がなされておりません。明記もされておりません。大部分の特別会計については、今後検討するとされており、これでは国の予算の大半が依然として不透明なままであります。

 このたび、民主党の要請に基づく予備的調査によって、二万二千人の天下りを維持するために五・五兆円もの税金が投入されていることが明らかになりました。また、民主党の予算委員会要求資料で、政府調達の落札率が異常に高く、いまだに官製談合が常態化していることも明確となりました。政府みずからの調査でも、特別会計に多くの無駄があることがはっきりいたしました。これらは氷山の一角でございます。依然、中央省庁の既得権益の保持のために巨額の税金等が費消されると言っても過言ではないかと思います。

 以上のように、現在の政府予算にはまだまだ巨額の無駄が眠っており、このような状態を放置したままの予算案を到底認めるわけにはまいりません。

 民主党は、我が国の将来像、財政のあり方を示すべく、独自の予算案を示し、そして提案いたしました。

 民主党案では、特別会計をゼロベースで見直すなど、予算の見える化を推し進め、徹底的に無駄をなくしました。その上で、安全・安心が見える十兆円、地域が見える二十兆円、未来が見える三十兆円という三つの理念に基づいた予算配分を行いました。

 具体的には、まず、安全・安心が見える十兆円。アスベスト総合対策やあかずの踏切対策など建物、食べ物、乗り物、子供の安全を守る事業、そして奨学金の貸与など人への投資もしっかりと行う、子供手当などチルドレンファーストの理念に基づく事業、障害者の自立支援など支援の必要な人には確かな支援を行う事業等に重点配分しております。次に、地域が見える二十兆円。税源移譲と一括交付金の創設により、大胆な地方分権を行うとともに、中小企業支援など地域経済の活性化に向けた投資を行うこととしております。さらには、未来が見える三十兆円といたしまして、子、孫に借金をツケ回さないため、国債残高を三十兆円縮小することも予定いたしております。

 このように、民主党は、徹底的に無駄を除くが、必要なものには予算を投入するという予算案を提案いたしました。無駄は削らないが、必要なものは削る、格差が限度を超えて広がり、再びチャレンジの機会を奪うだけでなく、セーフティーネットすら無意味にする社会を助長する。小泉政権とは根本的にお金の投入の質、量、方向が異なるわけであります。

 小泉予算案には、陰を照らす光や暖かさのみじんも感じることができません。民主党予算案こそ、国民の皆様方に春の訪れを告げる唯一の予算案であることを最後に申し上げ、私の討論を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) 玉沢徳一郎君。

    〔玉沢徳一郎君登壇〕

玉沢徳一郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案に対しまして、賛成の討論を行うものであります。(拍手)

 賛成理由を申し上げる前に、予算委員会において起きました問題について、一言申し上げなければなりません。

 今回の予算案審議の最中、真実に基づかない、にせの情報に基づいた誹謗中傷が公の場で行われました。このことによりまして、貴重な審議時間が無駄に費やされただけでなく、国会の品位と権威を著しく損ねたことは、極めて遺憾なことであります。

 権威あるべき国会審議が根拠のはっきりしない情報や風聞等に基づいて行われ、公党や議員の名誉だけではなく、一般民間人のプライバシーや生活にまで影響を及ぼしている現状は、まことに憂慮すべき状況であります。

 もとより、議員の言論の自由は常に保障されなければならないものでありますが、それだけに、発言する者は、その言動に常に責任、倫理観が伴うべきことを自覚すべきであります。

 我々は、国会の審議におきましては、国の主権者である国民が常に注視していることを認識し、国民から負託された責務を自覚し、国会の信頼を取り戻し、国の繁栄と国民の幸せのため一人一人が最大の努力を果たすべきことを改めて強く申し上げたいと存じます。

 以下、予算案賛成の討論に入ります。

 昨年九月に行われた総選挙におきまして改めて国民の強い信任を得た小泉内閣のもと、政府は、これまでの構造改革路線をとめることなく、さらに加速していくとの考え方に立ち、さまざまな課題に対して積極果敢に取り組んでおります。

 とりわけ、今後取り組むべき最大の課題は、極めて厳しい状況にある我が国財政の健全化であります。政府は、本年六月をめどに、歳出歳入一体の改革について、その選択肢と改革工程を明らかにするとしております。十八年度予算案は、そうした財政健全化へ取り組むに当たっての土台となるべき極めて重要な予算案であると考えます。

 以下、賛成する主な理由を申し述べます。

 その第一は、本予算が、歳出改革路線を堅持、強化するとの方針のもと、これまで取り組んできたさまざまな改革の成果を反映するとともに、あらゆる歳出について徹底した見直しを行うこと等により、まさに小泉構造改革の仕上げを行うのにふさわしい引き締まった姿となっている点であります。

 具体的に四点挙げますが、その第一点として、高齢者の自己負担の見直し等の制度改革とともに、診療報酬を全体でおおむね三・二%のマイナス改定とする医療制度改革、第二点として、四兆円を上回る補助金改革と三兆円規模の税源移譲を実現した三位一体の改革、第三点として、合計十三・八兆円の積立金、剰余金を財政健全化のために活用した特別会計改革、第四点として、小さくて効率的な政府の実現に向け、定員、給与両面から行った公務員総人件費改革等々に取り組んだ結果、一般歳出の水準について二年連続で前年度より減額するとともに、平成十三年度予算以来五年ぶりに、国債発行額について三十兆円を下回る水準を達成し、プライマリーバランスが三年連続で改善するなど、二〇一〇年代初頭の黒字化に向け、歳出改革路線を一段と強化したものになっております。

 賛成の第二の理由は、本予算は、あらゆる分野における歳出を見直す一方、科学技術分野や国民の安全、安心の確保のための治安対策など、重要性、緊急性の高い施策に予算を重点的に配分し、めり張りのきいた予算となっている点であります。

 科学技術分野は、我が国の発展や活力ある社会経済の実現のためには欠かせない極めて重要な分野であります。このため、この分野に重点的に予算の配分を行い、例えば、次世代スーパーコンピューターや宇宙関係予算等、国家的な大規模研究開発プロジェクトを推進するとしております。

 また、国民生活の安全、安心確保のため、スクールガードの養成による学校での子供の安全確保や、テロの未然防止、水際対策等、治安対策についても予算の拡充を図っております。

 公共事業につきましては、大都市圏拠点空港、三大都市圏環状道路等の予算を大幅に拡充するとともに、建築、住宅市街地の地震防災対策についての予算を倍増させるなど、防災、競争力強化、都市・地域再生への重点化を図っております。

 このほか、子育て支援のための保育所運営費の増額等、少子化対策関連予算にも重点配分を行うとともに、まちづくり交付金や物づくりを支える中小企業の基盤技術開発の推進等、都市再生の推進や地域経済の活性化にも重点的に取り組んでおります。

 賛成の第三の理由は、徹底的に無駄を排除すべく、個々の積算にまで踏み込んだ見直しを行うなど、予算の質の改善に向けた取り組みを行っている点であります。予算執行実績の見直しの結果として六百六十二億円が反映されているほか、例えば公益法人等の基金の廃止、縮減により千百九十五億円の国庫返納等が行われるなど、会計検査院の検査結果についても適切な反映が行われております。

 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。

 就任直後の二〇〇一年五月の所信表明演説において、小泉総理は、構造改革なくして日本の再生と発展はないという信念のもと、経済、財政、行政、社会、政治の分野における構造改革を進めることにより、新世紀維新ともいうべき改革を断行したい、痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経緯にとらわれず、恐れず、ひるまず、とらわれずの姿勢を貫き、二十一世紀にふさわしい経済社会システムを確立していきたいと強調されました。

 それから今日までの四年十カ月の間、不良債権問題の正常化や郵政民営化などのさまざまな構造改革を断行した結果、我が国経済は民需主導による景気回復の軌道を着実に歩みつつあります。(拍手)

 先般発表されました十七年十月から十二月期のGDP速報におきましては、実質成長率は年率で五・五%となり、四期連続でのプラス成長となりました。名目成長率についても三・五%を記録しております。構造改革を通じた日本の再生と発展との公約は見事に達成されつつあるのであります。

 公約の仕上げとして、二十一世紀にふさわしい経済社会システム確立の大前提となる我が国の財政構造改革について、十八年度予算で築いた財政健全化の土台の上に立ち、しっかりと取り組んでいただきたいと存じます。

 なお、平成十八年度予算案に関しては、予算委員会におきまして幅広いテーマについて活発な審議が行われ、約九十時間もの十分な審議時間を確保したところであります。ぜひとも一日も早い成立を期しつつ、私の賛成討論とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) 赤嶺政賢君。

    〔赤嶺政賢君登壇〕

赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇六年度政府予算三案に反対の討論を行います。(拍手)

 第一の理由は、国民への負担をさらに引き上げ、社会保障改悪を次々進める予算だということです。

 予算案は定率減税の全廃を盛り込んでいます。所得税と住民税合わせて三兆四千億円もの増税です。政府は景気回復を理由にしますが、史上最高の利益を上げ続けている大企業とは対照的に、国民の所得は減り続けており、理由になりません。定率減税は恒久的措置として実施されたものです。同じ法律で措置された法人税率の引き下げや所得税の最高税率引き下げには手をつけず、定率減税だけ廃止するのは全く道理に合いません。

 政府は、本予算案に医療制度改革として、現役並み所得の七十歳以上の高齢者の自己負担を二割から三割に引き上げることや、長期入院の高齢者の食費とホテルコストの負担をふやすことなどを盛り込んでいます。政府は現役世代とのバランスなどを理由にしますが、有病率が高く、受診回数も多い高齢者の実態を度外視するものです。加えて、政府の医療制度改革が、混合診療や保険免責など保険医療の縮小を進めようとしていることも重大です。所得の格差が命の格差につながる社会にしてはなりません。

 第二の理由は、破綻があらわになっている構造改革路線を加速する予算だということです。

 予算審議を通じて大きな論点となった耐震強度偽装問題、ライブドア事件は、市場原理主義、規制緩和万能の立場に立ってきた小泉政治の弊害と破綻を浮き彫りにしました。

 また、社会的格差と貧困の増大も深刻な問題として議論になりましたが、その大もとには、我が党が追及したように、極端な低賃金など、劣悪な労働条件に置かれた非正規雇用の急速な増大があります。これは労働分野の相次ぐ規制緩和によってもたらされたものであり、この放置は日本社会の将来をも危うくするものです。小泉内閣は本予算案を構造改革にめどをつけるものとしていますが、その転換こそが求められているのであります。

 国民の食の安全にかかわる重大な問題である米国産牛肉問題は、アメリカ言いなり政治の姿を示しました。全頭検査など日本と同じ安全体制が確保されるまで輸入再開は行うべきではありません。

 また、予算案が三位一体改革の名で、義務教育費国庫負担金や児童扶養手当給付費負担金などの縮減を盛り込んでいることも重大です。地方分権とは名ばかりで、地方財源の相次ぐ削減に対して、地方自治体から、これは改革と呼べないという批判が出されているのも当然であります。

 第三の理由は、日米軍事同盟と基地の再編強化を進めるものだということです。

 これは、アメリカの世界的な米軍再編方針に沿った先制攻撃態勢づくりにほかならず、基地負担の軽減など全くのまやかしであります。だから、沖縄でも、座間でも、岩国でも、基地を抱える全国の自治体、住民が反対の声を上げているのではありませんか。政府は、この声を真剣に受けとめるべきであります。一兆円とも言われるグアムへの米軍移転費用の分担など、もってのほかであります。

 また、陸上自衛隊中央即応集団を新編し、次世代ミサイル防衛を開発段階に進めようとしていますが、これは、日米が一体となって海外へ軍事介入できる態勢づくりを進めるものにほかなりません。

 政府が、自衛隊のイラクからの撤退についていまだに明らかにしないばかりか、航空自衛隊による輸送活動の継続、拡大をねらっていることは重大です。もうアメリカの顔色をうかがうのはやめるべきです。自衛隊の全部隊の即時撤退を強く求めるものです。

 我が党は、本予算案の抜本的組み替えを求める動議を提起しました。

 軍事費や大型公共事業の無駄と浪費を徹底して削減すべきです。事実上先送りされている道路特定財源の一般財源化は直ちに実施に移すべきです。防衛施設庁の官製談合事件が明るみにした癒着と浪費の構造を根絶するため、天下り全面禁止、企業・団体献金の禁止など抜本的な改革を断行すべきです。

 空前の利益を謳歌している大企業、大金持ちに対する優遇税制にメスを入れる税制改革こそ、今求められています。消費税大増税に走ろうとする政府・与党の姿勢は断じて容認できません。

 以上、予算案を国民の生活支援の方向で抜本的に組み替えることを主張し、反対討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 桝屋敬悟君。

    〔桝屋敬悟君登壇〕

桝屋敬悟君 私は、公明党を代表いたしまして、平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)

 我が国の景気は、基調として力強い回復を続けております。

 小泉内閣発足時は、金融、経済、財政を取り巻く環境は極めて厳しい状況下にありました。

 こうした中で、約五年にわたって金融改革、三位一体の改革、規制改革、歳出構造改革、社会保障制度改革、税制改革等々、どれも極めて重い困難なテーマばかりでありますが、政府・与党は、決して目をそらすことなく、改革をとめない、逃げない姿勢でひたぶるに構造改革を進めてまいりました。

 その結果、民間の活力を引き出すこれらの構造改革がようやく花開き、そして実を結び始め、現在の我が国経済の好転につながっていると強く確信するものであります。

 平成十八年度予算案は、こうした構造改革の流れの中で編成されました、国民生活にとり極めて重要な予算であります。ぜひとも年度内の成立を図り、十七年度補正予算とあわせ速やかな執行を強く望むものであります。

 以下、主な賛成の理由を申し述べます。

 第一には、本予算案は、小泉内閣が進めてまいりました構造改革を加速させ、活力と安心の社会実現に向け、重要な予算であるということであります。

 財政健全化の重要性を十分に踏まえ、官から民へ、国から地方への流れを堅持、強化するなど構造改革を推進するため、徹底した歳出の見直しを行い、無駄を省いて歳出にめり張りをつけております。

 予算全体で見れば、一般歳出は八年ぶりに七十兆円台となり、新規の国債発行も三十兆円を切る規模にまで縮減しました。

 具体的には、三年間をかけて進めてきた三位一体改革は、国庫補助負担金改革約四兆七千億円、国から地方への税源移譲三兆円が実現し、地方分権へ大きく踏み出すこととなりました。聖域なき改革として、公共事業関係費については引き続き抑制、重点化を進め、当初予算比で平成元年度の予算規模にまで縮減。社会保障分野では、診療報酬について本体部分を含め大幅に削減をし、全体でおおむねマイナス三・二%とするなど効率化を図っています。

 一方で、重点配分として、児童手当、保育所、出産育児一時金の拡充など少子化、次世代育成対策の強化を図っております。これは、公明党が進めるチャイルドファーストの考え方が着実に予算、施策に反映されているものであり、高く評価するものであります。

 安全、安心対策として、建物等の耐震化の推進、スクールガードなど学校の安全対策の拡充、がん対策の強化など健康フロンティア戦略の着実な推進などが盛り込まれております。

 また、地域、町の活性化を進めていくため、地域再生交付金、まちづくり交付金を拡充するとともに、地方交付税については、交付税全般の見直しを進め、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税等の一般財源の総額は、対前年度でプラスを確保しているわけであります。

 賛成する第二の理由は、特別会計を含めた予算制度全般の改革を進め、質の向上と効率化努力を進めている点であります。

 無駄ゼロ、効率化への努力として、予算執行調査、予算執行実績を適正に予算に反映し、九百億円余の効率化、合理化を図っております。離れですき焼きとの批判の多かった特別会計の改革も、大きく進展しようとしております。本予算案では、積立金、剰余金を活用し、十四兆三千億円が財政健全化への貢献として活用される道が開かれております。

 いずれにいたしましても、国民の大事な税金を無駄にしないためにも、こうした地道な積み重ねとともに、今後は、この国会に提出される行政改革推進法案の成立を期し、国、地方の事務事業全体について大胆な仕分け作業を行っていくことが重要になるものと考えているものであります。

 賛成する第三の理由は、本予算においては、このような歳出改革努力並びに税収増などの結果、前年度当初比マイナス四兆四千億円と、新規の国債発行額を大幅に抑制している点であります。

 政府としては、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランス黒字化を目指した財政健全化努力を進めておりますが、国の一般会計の基礎的財政収支についても、対前年度プラス四兆七千億円改善する見込みであり、三年連続の改善で財政悪化に一定の歯どめをかけたことは大きな前進と考えます。

 以上、賛成する主な理由を申し述べました。

 ここで、改めて永田問題、メール問題についても言及せざるを得ません。

 平成十八年度予算案を審議する本院の予算委員会において、民主党議員によって、にせものの資料、情報をもとに、民間人を含め個人及び公党の名誉を著しく毀損するような質問が行われました。このことにより、二週間にわたって国会内外が大きく混乱し、国民の皆様に政治への不信を抱かせ、結果として、国会の権威を大きく失墜させてしまうような事態が起きてしまったことは、まことに遺憾であります。

 ライブドア問題は、多くの国民が深い関心を持って見詰めている中で、本院予算委員会においても、企業の粉飾決算の実態あるいは投資事業組合の実態、会計監査のあり方、金融監督庁の指導のあり方など議論が続いていたところ、二月十六日のあの議員永田寿康君の質問、発言であります。一気にライブドア問題が永田問題、メール問題と変質をしてしまった。まことに残念であります。

 先日の記者会見を見ておりましても、何を謝罪されたのか、どう責任をおとりになるのか、聞いている国民には全く理解できないものでありました。当日は衆議院の本会議も欠席されたわけで、一人の国会議員として、そのけじめとしては全く理解できない行為であるということを申し上げたいと思います。(拍手)

 国民の負託を受けた我々政治家は、党利党略ではなく、国民のための政治を行うのだという当たり前の責務について、いま一度確認しなければなりません。すべての改革作業の前に、政治家自身の心の改革こそ、今何よりも強く求められていると考えるものであります。

 議員永田君には、みずからの進退を他人にゆだねるのではなく、おとしめた国会審議の権威、議院の品位を回復させるため、あくまでも、一人の衆議院議員として、みずからの出処進退はみずから決せられるよう強く申し上げたいと思うのであります。(拍手)

 なお、ことしは、例年にない記録的な大雪により、豪雪地域だけではなく日本海側を中心とした幅広い地域で、人命を含む多くの被害に見舞われました。昨年末より、与党及び公明党においても、対策本部を設置し、種々の対策、対応を講じておりますが、予算の執行等においても適宜適切に対処されるよう、政府に対し強く要望したいと思います。

 いよいよ小泉改革は、総仕上げの時期に差しかかってまいりました。政策金融改革、総人件費改革、特別会計改革、政府資産債務改革等々、行政改革の推進、さらには歳出歳入一体改革の推進などの課題が待ち受けております。

 私は、今後もこの構造改革路線の基本的方向を力強く推進していくことが、日本経済の再生、そして活力ある安心の社会構築につながるものと確信するものであり、我が党もその実現に懸命に取り組んでいく決意である旨を申し上げ、私の賛成討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) 日森文尋君。

    〔日森文尋君登壇〕

日森文尋君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、そして平成十八年度政府関係機関予算に対し、反対の討論を行います。(拍手)

 予算を見れば、国がどんな経済社会を目指していくのか、来年度どこに重点を置こうとしているのか、これが浮き彫りになってきます。小泉総理は九月での退任を表明しており、二〇〇六年度予算は、まさに小泉内閣最後の予算になります。

 政府は、そういう意味で、二〇〇六年度予算案を、小さくて効率的な政府を目指した改革の総仕上げ予算と位置づけました。しかし、その実態は、定率減税の廃止、保険料の値上げ、高齢者医療費の窓口負担増などの負担の押しつけと、介護予算や障害者福祉の切り捨て、診療報酬の大幅引き下げなど、福祉、生活切り捨てによって帳じり合わせをしたものであり、改悪の総仕上げ予算にほかなりません。

 しかも、国債発行をできるだけ三十兆円に近づけるという小泉総理の目標の達成は、実は、電源開発特会からの一般会計繰り入れ分を後日、同特別会計に返済するという、やりくり算段のこそくな手段を使った、まさに粉飾予算であると言えるものです。

 加えて、三大都市圏環状道路、スーパー中枢港湾整備などビッグプロジェクトへの重点化を図る公共事業関係費、ミサイル防衛関連予算の増額や陸上自衛隊中央即応集団の新編成など、米軍とともに戦える自衛隊への具体化を進める防衛費、国の責任を放棄し、地方に負担を押しつける三位一体の改革、社会保険庁の年金保険料の事務費流用など、改革とはとても言えない予算と言わなければなりません。

 小泉政権の進める小さな政府は、一面では、国民に対し、あたかも国民負担が軽減されるようなイメージを振りまいています。しかし、耐震偽装問題、ライブドア問題、BSE問題、防衛施設庁官製談合問題、格差問題といういわゆる四点セット・プラス・ワン、これはまさに小泉内閣が進めてきた市場競争万能、小さな政府を目指す構造改革路線の矛盾の噴出と言わなければなりません。

 社民党は、就学援助問題や最低賃金見直し問題、非正規雇用問題、サラ金問題などを取り上げ、予算案の問題点についても追及をしてきました。まさに、小さな政府は国民から見ると冷たい政府であり、大きな格差、大きな負担をもたらすものであることは今や明らかです。

 国民生活の安全、安心を取り戻す立場から、社民党は、例えば特別会計の積立金、剰余金については、単純に財政健全化に回すのではなくて、定率減税廃止の中止や医療負担増の抑制等にこそ活用すべきである、こう提案をしてきました。

 しかし、小泉総理は、いこじにも、格差が出ることが悪いとは思わない、今までが悪平等だった、光が見え出すと影のことを言い出す、チャンスがあったら逃げないで挑戦すべきだなどと強弁するばかりでした。

 この間拡大した貯蓄ゼロ世帯の人々の声、年間三万人を超える自殺者の重み、非正規雇用労働者の涙、私自身も委員会で追及しましたが、生活苦から消費者金融に手を出し、高利のために自己破産を余儀なくされる二十万人を超える人々の痛みをこそ小泉総理は知るべきです。

 メール事件にかかわらず、ホリエモンを改革の旗手、刺客候補として担ぎ出し、弟です、息子ですとまで言った自民党自体の政治責任、説明責任が果たされたわけでは決してありません。貯蓄から投資へと誘導して金融規制緩和を進めたことにもほおかむりをしています。耐震偽装問題の政治家との関係、行政の責任もうやむやのままで、建築確認検査制度の官から民への規制緩和に対する国民の不信、不安にこたえるものにもなっていません。

 今こそ、弱肉強食の格差社会の拡大、サービス切り捨て、負担増による国民生活へのしわ寄せをもたらしている構造改革それ自体の問題点を正さなければなりません。

 最後に、格差を広げ、生活と平和の破壊に傾斜する小泉内閣と厳しく対決していく、その決意を申し上げて、反対討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 平成十八年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(河野洋平君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(河野洋平君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百七十四

  可とする者(白票)       三百四十

  否とする者(青票)       百三十四

    〔拍手〕

議長(河野洋平君) 右の結果、平成十八年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

 平成十八年度一般会計予算外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   安次富  修君   安倍  晋三君   阿部  俊子君

逢沢  一郎君   愛知  和男君   赤池  誠章君   赤城  徳彦君

赤澤  亮正君   秋葉  賢也君   麻生  太郎君   甘利   明君

新井  悦二君   井澤  京子君   井上  喜一君   井上  信治君

井脇 ノブ子君   伊藤  公介君   伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君

伊藤  達也君   伊吹  文明君   飯島  夕雁君   石崎   岳君

石田  真敏君   石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君

稲田  朋美君   稲葉  大和君   猪口  邦子君   今井   宏君

今津   寛君   岩永  峯一君   岩屋   毅君   宇野   治君

上野 賢一郎君   浮島  敏男君   臼井 日出男君   江崎  鐵磨君

江崎 洋一郎君   江渡  聡徳君   衛藤 征士郎君   遠藤  武彦君

遠藤  利明君   遠藤  宣彦君   小川  友一君   小此木 八郎君

小里  泰弘君   小野  次郎君   小野  晋也君   小野寺 五典君

小渕  優子君   尾身  幸次君   越智  隆雄君   近江屋 信広君

大島  理森君   大塚  高司君   大塚   拓君   大野  松茂君

大野  功統君   大前  繁雄君   大村  秀章君   太田  誠一君

岡下  信子君   岡部  英明君   岡本  芳郎君   奥野  信亮君

加藤  紘一君   嘉数  知賢君   海部  俊樹君   鍵田 忠兵衛君

梶山  弘志君   片山 さつき君   金子  一義君   金子 善次郎君

金子  恭之君   上川  陽子君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   川条  志嘉君   河井  克行君   河村  建夫君

瓦    力君   木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君

木村  隆秀君   木村   勉君   木村  義雄君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   久間  章生君

倉田  雅年君   小池 百合子君   小泉 純一郎君   小坂  憲次君

小島  敏男君   小杉   隆君   木挽   司君   古賀   誠君

後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君   河本  三郎君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   近藤  基彦君   佐田 玄一郎君

佐藤  剛男君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   佐藤   錬君

斉藤 斗志二君   坂井   学君   坂本  剛二君   桜井  郁三君

櫻田  義孝君   笹川   堯君   清水 鴻一郎君   清水 清一朗君

塩崎  恭久君   塩谷   立君   七条   明君   実川  幸夫君

篠田  陽介君   柴山  昌彦君   島村  宜伸君   下村  博文君

新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君   杉浦  正健君

杉田  元司君   杉村  太蔵君   鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君

鈴木  淳司君   鈴木  恒夫君   関   芳弘君   薗浦 健太郎君

園田  博之君   田中  和徳君   田中  良生君   田野瀬良太郎君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

高鳥  修一君   竹下   亘君   竹本  直一君   武部   勤君

棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君   谷川  弥一君

谷畑   孝君   谷本  龍哉君   玉沢 徳一郎君   中馬  弘毅君

津島  雄二君   土屋  品子君   土屋  正忠君   寺田   稔君

とかしきなおみ君   戸井田とおる君   渡海 紀三朗君   土井   亨君

土井  真樹君   冨岡   勉君   中川  昭一君   中川  秀直君

中川  泰宏君   中谷   元君   中根  一幸君   中野   清君

中野  正志君   中森 ふくよ君   中山  太郎君   中山  成彬君

中山  泰秀君   仲村  正治君   永岡  桂子君   長崎 幸太郎君

長島  忠美君   長勢  甚遠君   並木  正芳君   二階  俊博君

丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君   西川  京子君   西川  公也君

西田   猛君   西野 あきら君   西村  明宏君   西村  康稔君

西銘 恒三郎君   西本  勝子君   額賀 福志郎君   根本   匠君

野田   毅君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君   萩山  教嚴君

萩原  誠司君   橋本   岳君   馳    浩君   鳩山  邦夫君

浜田  靖一君   早川  忠孝君   林    潤君   林   幹雄君

林田   彪君   原田  令嗣君   原田  義昭君   平井 たくや君

平口   洋君   平沢  勝栄君   平田  耕一君   広津  素子君

深谷  隆司君   福井   照君   福岡  資麿君   福田  峰之君

福田  康夫君   福田  良彦君   藤井  勇治君   藤田  幹雄君

藤野 真紀子君   二田  孝治君   船田   元君   細田  博之君

馬渡  龍治君   牧原  秀樹君   増原  義剛君   町村  信孝君

松岡  利勝君   松島 みどり君   松浪 健四郎君   松浪  健太君

松野  博一君   松本   純君   松本  文明君   松本  洋平君

三ッ林 隆志君   三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君   御法川 信英君

水野  賢一君   宮腰  光寛君   宮澤  洋一君   宮路  和明君

宮下  一郎君   武藤  容治君   村上 誠一郎君   村田  吉隆君

望月  義夫君   茂木  敏充君   盛山  正仁君   森   英介君

森   喜朗君   森山  眞弓君   やまぎわ大志郎君   矢野  隆司君

谷津  義男君   安井 潤一郎君   保岡  興治君   柳澤  伯夫君

柳本  卓治君   山内  康一君   山口  泰明君   山崎   拓君

山中 あき子君   山本  明彦君   山本  公一君   山本  幸三君

山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君   与謝野  馨君

吉川  貴盛君   吉田六左エ門君   吉野  正芳君   若宮  健嗣君

渡辺  具能君   渡辺  博道君   渡辺  喜美君   渡部   篤君

田中 眞紀子君   赤羽  一嘉君   赤松  正雄君   井上  義久君

伊藤   渉君   池坊  保子君   石井  啓一君   石田  祝稔君

上田   勇君   漆原  良夫君   江田  康幸君   遠藤  乙彦君

大口  善徳君   太田  昭宏君   神崎  武法君   北側  一雄君

佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君   坂口   力君   田端  正広君

高木 美智代君   高木  陽介君   谷口  和史君   谷口  隆義君

富田  茂之君   西   博義君   東   順治君   福島   豊君

冬柴  鐵三君   古屋  範子君   桝屋  敬悟君   丸谷  佳織君

今村  雅弘君   江田  憲司君   下地  幹郎君   鈴木  宗男君

武田  良太君   徳田   毅君   中村 喜四郎君   野田  聖子君

平沼  赳夫君   古川  禎久君   古屋  圭司君   保坂   武君

保利  耕輔君   堀内  光雄君   森山   裕君   山口  俊一君

 否とする議員の氏名

安住   淳君   赤松  広隆君   荒井   聰君   石関  貴史君

泉   健太君   市村 浩一郎君   岩國  哲人君   内山   晃君

枝野  幸男君   小川  淳也君   小沢  一郎君   小沢  鋭仁君

大串  博志君   大島   敦君   大畠  章宏君   逢坂  誠二君

岡田  克也君   岡本  充功君   奥村  展三君   加藤  公一君

川内  博史君   川端  達夫君   河村 たかし君   菅   直人君

吉良  州司君   黄川田  徹君   菊田 真紀子君   北神  圭朗君

北橋  健治君   玄葉 光一郎君   小平  忠正君   小宮山 泰子君

小宮山 洋子君   古賀  一成君   後藤   斎君   郡   和子君

近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君   笹木  竜三君

篠原   孝君   下条  みつ君   神風  英男君   末松  義規君

鈴木  克昌君   仙谷  由人君   園田  康博君   田島  一成君

田嶋   要君   田名部 匡代君   田村  謙治君   高井  美穂君

高木  義明君   高山  智司君   武正  公一君   達増  拓也君

津村  啓介君   筒井  信隆君   寺田   学君   土肥  隆一君

中井   洽君   中川  正春君   仲野  博子君   長島  昭久君

長妻   昭君   長浜  博行君   長安   豊君   西村 智奈美君

野田  佳彦君   羽田   孜君   鉢呂  吉雄君   鳩山 由紀夫君

原口  一博君   伴野   豊君   平岡  秀夫君   平野  博文君

福田  昭夫君   藤村   修君   古川  元久君   古本 伸一郎君

細川  律夫君   細野  豪志君   馬淵  澄夫君   前田  雄吉君

前原  誠司君   牧   義夫君   松木  謙公君   松野  頼久君

松原   仁君   松本  大輔君   松本  剛明君   松本   龍君

三日月 大造君   三谷  光男君   三井  辨雄君   村井  宗明君

森本  哲生君   山岡  賢次君   山口   壯君   山田  正彦君

山井  和則君   柚木  道義君   横光  克彦君   横山  北斗君

吉田   泉君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君   渡辺   周君

渡部  恒三君   赤嶺  政賢君   石井  郁子君   笠井   亮君

穀田  恵二君   佐々木 憲昭君   志位  和夫君   塩川  鉄也君

高橋 千鶴子君   吉井  英勝君   阿部  知子君   菅野  哲雄君

重野  安正君   辻元  清美君   照屋  寛徳君   日森  文尋君

保坂  展人君   糸川  正晃君   亀井  静香君   亀井  久興君

滝    実君   野呂田 芳成君   綿貫  民輔君   永田  寿康君

西村  真悟君   横路  孝弘君

     ――――◇―――――

中山泰秀君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長中谷元君。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔中谷元君登壇〕

中谷元君 ただいま議題となりました両案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、両案の要旨について申し上げます。

 地方税法等の一部を改正する法律案は、国から地方公共団体への税源の移譲を行うための個人住民税の税率の見直し、定率減税の廃止等の措置を講じようとするものであります。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、平成十八年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、地方交付税の算定基礎となる単位費用の改正、児童手当の拡充に伴う児童手当特例交付金の創設等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、去る二月十七日本委員会に付託され、同月二十三日竹中総務大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十四日、二十七日及び二十八日質疑を行い、これを終局いたしました。本日、討論を行い、採決いたしましたところ、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、地方税法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されました。

 また、委員会において、地方分権推進のための地方税財政基盤の確立に関する件について決議を行いました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案につき討論の通告があります。これを許します。田嶋要君。

    〔田嶋要君登壇〕

田嶋要君 田嶋要です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案並びに平成十八年度地方財政計画について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 ただいま議題となりました二法案と地財計画は、小泉政権が進めてきたいわゆる三位一体改革と密接不可分の関係にありますが、その根本において大きな問題を抱えています。

 例えば、地方税法改正案は、所得税から個人住民税へ三兆円規模の税源移譲を行うとしています。国から地方への税源移譲そのものは、我々もかねてから主張をしてきたことであり、税率のフラット化とあわせて、方向性としては本来なら正しいものであると考えます。

 しかし、政府案が前提としている国庫補助負担金改革は、国庫負担率引き下げや交付金化という手法を多用するなど、地方が自由裁量を発揮できる余地をふやすものにはなっておらず、そのままうのみに賛成することはできません。

 三位一体改革の羊頭狗肉ぶりを示す代表的な例が、あの義務教育費国庫負担金の改変であります。

 昨年十一月の政府・与党合意では、義務教育費国庫負担金の国の負担割合を小学校、中学校全体を通じて二分の一から三分の一に引き下げるという、いわば肩透かしの結論が出されました。これは改革でしょうか。

 仮に、小学校もしくは中学校どちらかの国庫負担金の全部を廃止するというのであれば、地方の権限を強めるという意味でそれは理にかなっており、一歩前進と言えたかもしれません。しかし、国から補助金が出る限り、負担率が二分の一であろうが三分の一であろうが、地方は文部科学省の言うことを聞かなければならないという、その基本構造には何の変わりもないのが政府・与党合意の結論でした。

 国の側から見れば、これは、これまでの二分の一の負担で行使していた権限を三分の一の負担で行使できるのですから、従来よりも効率よく国が地方を支配できる仕組みをただつくったにすぎません。与党の皆さん、議論の余地がないでしょう。

 このような不十分な、否、羊頭狗肉という地方分権政策を前提にした法案に賛成することは到底できません。(拍手)

 いわゆる三位一体改革の柱の一つに掲げた地方交付税改革に至っては、本質的な議論は何一つ行われず、改革はまさに看板倒れに終わっています。政府が実行したのは、平成十八年度を含む三年間で約五・一兆円という、地方交付税総額の大幅なカットにすぎませんでした。国がみずからの無駄遣いに大胆なメスを入れることなく、赤字を地方へ転嫁することが交付税改革の本論であってよいはずがありません。効率化、合理化の余地のない義務的経費について地方の負担率を上げる一方、一般財源である地方交付税をカットすれば、財政力の弱い基礎自治体が立ち行かなくなることは火を見るより明らかであります。

 地方財政調整制度のあり方を根本的に議論しなかったツケは、今回の地方交付税法にも回ってきます。税源移譲に伴う所得税の交付税率部分への影響緩和のために行われる交付税総額の加算措置は、三年間のみの期限つき措置にすぎません。そしてまた、国税から地方税への移行によって発生する自治体間の財政力格差緩和策も、税源移譲による影響額を基準財政収入額に当面一〇〇%算入するという暫定的なものにとどまっています。

 これでは、地方自治体は、平成十六年度予算のように地方交付税を大幅に減らされてしまうのではないか、貧しい自治体はますます貧しくなるのではないかと、不安を抱きながら財政運営に当たるしかなくなるでしょう。まさに地方にとってはいい迷惑です。

 地方税法改正案に関しては、定率減税廃止、たばこ税の引き上げなど、地方分権の観点以外からも多くの問題点が指摘できます。定率減税廃止、要するに増税、働く者ねらい撃ちの増税ということです。

 そもそも、定率減税は七年前、所得課税のあり方の抜本的見直しが行われるまでの間の措置と地方税法の附則第四十条に規定した上で導入されたものであります。以来七年、小泉総理がこの間に行ってきたこと、何か抜本的な見直しがあったでしょうか。つまり、現時点で定率減税を廃止することは、制度導入の趣旨に反し、法律違反のそしりを免れないのです。

 また、小泉政権は、配偶者特別控除の廃止や年金課税の強化など、個人に対する増税を繰り返し行ってきました。これに加えて定率減税を廃止することになれば、家計を苦しめ、これまで小泉改革で生じた格差社会を一層助長し、日本経済の回復の足を引っ張ることにもなりかねません。格差社会は広がっているんです。もうそろそろ素直に認めたらどうですか。格差社会が広がっていないと言っているのは、一部の学者とあなたたちだけですよ。(拍手)

 さらに、昨年の総選挙の際、定率減税の廃止という国民の家計を直撃する重大政策を小泉内閣はマニフェストには明記しなかった。これは国民に対する背信行為です。まさか小泉総理は、郵政民営化以外は白紙委任されたと開き直っているのではないですか。そのようなおごりに基づいた政権運営は厳に、厳に慎み、そして国民との対話に基づく誠実な政策展開を今の与党に求めることはかなわぬことでしょうか。

 次に、たばこ税増税は、公債費を圧縮するために税金を取りやすいところから取るという、何の理念もない小手先の増収策にすぎません。そこには、たばこが国民の健康を害し、医療保険財政に大きな負担を与えているという問題意識もなければ、肝心の税金の無駄遣いの是正に取り組む姿勢も全く見られません。今表に出ている税の無駄遣い、それが氷山の一角ということは、みんな知っているでしょう。

 以上、るる述べてまいりましたが、本来、税制とは、国の形をつくる基本、日本の国をどういう形にこれからつくっていくか、その出発点です。税制改正にあっては、この国をどういう方向に持っていくか、その理念が必要です。

 しかし、議題となりました二法案は、地方分権とは名ばかりの三位一体改革を前提とし、格差社会に対して思いをはすこと全くなく、そして安易に国民の負担をふやすばかりであります。理念と呼べるものは全く見当たりません。

 このような本法案等には断固、断固反対であることを最後に申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

中山泰秀君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)

 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長小野晋也君。

    ―――――――――――――

 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び同報告書

 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案及び同報告書

 所得税法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小野晋也君登壇〕

小野晋也君 ただいま議題となりました各案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について申し上げます。

 本案は、平成十八年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債の発行の特例に関する措置、電源開発促進対策特別会計からの一般会計への繰り入れの特例に関する措置、財政融資資金特別会計からの国債整理基金特別会計への繰り入れの特別措置及び年金事業等の事務費に係る国等の負担の特例に関する措置を定めるものであります。

 次に、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、最近の特別会計の見直しに伴い、国有林野事業特別会計の治山勘定を国有林野事業勘定と統合するための所要の措置を講ずるものであります。

 次に、所得税法等の一部を改正する等の法律案について申し上げます。

 本案は、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制を構築しようとするものであります。

 その概要を申し上げますと、個人所得課税については、個人住民税への本格的な税源移譲に関し、所得税の税率構造を改組するとともに定率減税を廃止することとしております。

 次に、法人関連税制については、研究開発税制の見直しなどを行うこととしております。

 中小企業関係税制については、中小企業投資促進税制の対象資産を拡充するなどの措置を講ずることとしております。

 また、土地・住宅税制については、所得税の耐震改修税額控除制度の創設などを行うこととしております。

 さらに、国際課税については、非永住者の範囲を見直すなどの措置を講ずることとしております。

 各案は、去る二月十六日当委員会に付託され、二十四日谷垣財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、二十七日質疑を終局いたしました。

 本日、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対し、古本伸一郎君外一名から、民主党・無所属クラブの提案に係る修正案が提出されました。

 次いで、修正案について内閣の意見を聴取した後、各案及び修正案を一括して討論を行い、順次採決いたしましたところ、修正案は否決され、各案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、所得税法等の一部を改正する等の法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案につき討論の通告があります。これを許します。古本伸一郎君。

    〔古本伸一郎君登壇〕

古本伸一郎君 古本伸一郎でございます。

 民主党・無所属クラブを代表し、議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案等三案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 政府は、国民に負担を求める前に、みずから切り詰めるべきであります。借金の返済計画、絞り込んだ結果を、まずは人に物を頼む前に示すべきであります。礼儀を欠く頼み方では、国民は納得をしません。

 公債特例について申し上げます。

 公約の三十兆円も忘却のかなたでありました。増税財源や特別会計の繰り入れによりまして帳じりを合わせたものの、これらは原価改善の成果ではありません。税は人の金、無駄遣いも他人事、その無駄遣いの舞台として、特別会計と天下りがあります。

 サラリーマンやパートの労働者に天下る先はありません。規制の網から漏れた公益法人への天下りは、本省の定員を上回る出向先を確保し、五兆円を超える補助金を持参して出向く官僚の数、二万人余りであります。財源となる国民の血税を何と心得るのでしょうか。財政再建を国家の大計とにらみ、みずからの問題として受けとめていない皆様方の証左であります。

 年金保険料の流用も看過ができません。

 総理は、効率的な予算の執行を図ると約束されました。昨年十二月、人件費や宿舎等は国庫負担とする旨について、担当大臣にて覚書が交わされました。しかしながら、庁舎に二十二億、人件費に五十一億、来年度予算に混在していることが判明いたしました。昨年から増加して、総額一千億を超える保険料の流用、認めるわけにはまいりません。

 民主党は、年金保険料の流用規定の削除など、修正案を提出いたしましたが、残念ながら、与党多数で否決されました。与党の皆さんは、みずから納めた保険料と憂い判断をなさっているんでしょうか。国民は、年金保険料は納めても、庁舎や公用車の費用を納めた覚えは毛頭ありません。

 次に、所得税法等改正案に断固反対の理由を申し上げます。

 大臣は、定率減税の廃止について、サラリーマン増税のそしりには当たらないとされました。所得税は、我が国の基幹税であります。その八割を占める十二兆円が勤労所得であります。ガラス張りの源泉徴収がそのうち九兆であります。所得税を専ら支えているのはサラリーマンであります。これをサラリーマン増税と言わずして、一体何と言うのでしょうか。(拍手)

 所得の捕捉率の問題もあります。

 執行責任者である大臣は、累次にわたる国会答弁で、捕捉率を上げることは技術的に困難と吐露されておられます。国税職員は減少、確定申告などの調査対象は二千六百万件を超える中、職員の皆さんの努力にもかかわらず、調査できた件数はごくわずかであります。

 保育園の保育料から医療保険まで、保険料と給付金はすべて所得で決まります。前提となる所得の把握が職業によってまだら模様であっては、税の負担に格差が生じます。自己防衛のすべのない、パートも含めた源泉徴収の方々の心の叫びが皆さんには聞こえないんでしょうか。

 公示制度の廃止も大変問題であります。

 脱税抑止の役割は終えたのでしょうか。欧米では第三者による通報制度もありますが、我が国では代替案なき廃止となり、残念ながら課題を残しました。

 昨年六月、政府税調の石会長が、増税の支え手としてサラリーマンに頑張ってもらうしかないと御発言されました。その後、与党は火消しに回り、政府税調の考え方はとらないと、御丁寧にも選挙公約にも記されました。

 その総選挙で、ガラス張りで所得を捕捉されているサラリーマンが自由民主党と書いたわけであります。少なくとも、自由民主党と書いた皆さん方に対し、今回の増税について顔向けができるのでしょうか。サラリーマンの味方は民主党である、そう信じてくださった方々からは、少なくとも増税しないでほしい、そうとさえ思うぐらいの話でございます。

 政府税調では、減税廃止の判断に、三兆円規模の減税を見合い財源なく行ってきたと説明をされました。ならば、今年一月から既に着手をしております増税額一兆二千五百億、来年度を加えた三兆円規模での増税分について、この際、見合いで国債発行を抑制されたらどうでしょうか。検討の足跡さえ残っておりません。

 サラリーマンの悲哀を御存じでしょうか。

 たばこ代を小遣い銭からやりくりする姿、健康を憂えたならば思い切った税制もあるでしょう。しかし、目先の帳じり合わせのための、しわ寄せ感だけが残っております。晩酌のビール一杯を楽しみに毎日働く、しかも発泡酒しか飲めない。技術開発も水泡に帰す、後追い増税。庶民の楽しみさえ奪うのでしょうか。(拍手)

 週末、家族とのささやかな外食、年収五百万円の御家庭では、消費性向は八割を超えております。可処分所得の減少が即購買力の低下につながる増税と断じざるを得ません。

 個人消費は底がたいとの政府の見解、一体どこを見詰め、かじを切っておられるのでしょうか。

 日本の御家庭では、新しいスーツを買いたくとも、子供の洋服を先にと遠慮する人がいます。子供と一緒に過ごしたくとも、塾代を稼ぐため、パートに出かける人がいます。その子供が電気の消えた我が家に一人帰る姿を思い浮かべて税制を考えておられるのでしょうか。(拍手)

 減税廃止による税収増は三兆円であります。この財源の使途は、平成十七年及び十八年度の予算・税制に係る合意において、与党政調会長にて取り交わされております。その中で、基礎年金国庫負担への充当が約束されております。その額、既に二千億円を超えております。

 年金保険料は給与引き落としであり、サラリーマンは、もとより未納や未加入はありません。未納や未加入のないサラリーマンから増税し、政府の怠慢で焦げついた年金財源に充てる。そこまで国民から白紙委任を受けておられるのでしょうか。

 年金未納の理由を社会保険庁が調査しております。低中所得層では、経済的な理由を第一に挙げておられます。払いたくとも、先立つものがないのが実態であります。今回の増税は、年金未納の自律的解決をも遠のける、負の連鎖に陥る失政と言わざるを得ません。

 以上、年金財源を見ても、歳出歳入一体改革とは名ばかりで、取りやすいところから取り、その場をしのぐのか、あるいは自律的な回復を本気で図っていくのか、政府の方針が示されておりません。

 定率減税を導入した際、所得税の抜本見直しを行うまでの間、特例を定めると明記をされました。

 どういうモデル世帯、所得層に課税をしていくのか、目指す姿が示されませんでした。我が国のモデル世帯は、夫婦と子供二人の時代は終わったのでしょうか。審議の過程で大臣は、子供たちは将来の税、社会保険料の担い手でありますかとの問いかけに対し、応じてくださいました。

 現在の人口を維持するのでしょうか、あるいは一億人でいいのか、国家の土台、担税者の与件が示されていません。今こそ、税制により国を変えるとの決意が政治に求められているのではないでしょうか。(拍手)

 抜本見直しと称し、人的控除の廃止だけが決まりました。法人税、最高税率の引き下げは手つかずです。法人成りを認める一方で法人成りに税金をかける、会社組織の選択を広くしながら産業育成を阻む、新たな懸念も生じました。政府試算では、増税の影響は五万社程度ともくろむものの、零細事業者からは強い懸念の声が届いております。

 金融所得は、総合課税を視野に入れるのか方針が示されぬまま、株式配当や譲渡益課税に関する特別減税も温存されました。政府の言う消費が底がたい人とは、まずは株式を購入し、配当課税で恩典を受けて、高値で売り抜け譲渡益課税も優遇される、それが日本の消費の源泉なのでしょうか。

 下流社会という言葉が話題となりました。購買力の低下を懸念する内容、これまで一億総中流が日本の発展を支えました。旺盛な消費の主役は、ほかならない、今回の増税が特に身にしみる人々であります。消費不況を回避するためにも、絶対に受け入れるわけにはまいりません。

 現在、連合を初め全国の労働組合で企業側との労働条件交渉、いわゆる春闘が行われております。

議長(河野洋平君) 古本君、申し合わせの時間が過ぎましたから、結論を急いでください。

古本伸一郎君(続) 仮に千円の賃上げができたとしても一瞬にしてかき消される増税は、理不尽きわまりありません。

 以上、所得税の抜本見直しが示されない中、個人消費を底冷えさせる、サラリーマンねらい撃ちの減税廃止法案について、全く賛同できないことを申し上げ、討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する等の法律案の両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後六時二十九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  小泉純一郎君

       総務大臣    竹中 平蔵君

       法務大臣    杉浦 正健君

       外務大臣    麻生 太郎君

       財務大臣    谷垣 禎一君

       文部科学大臣  小坂 憲次君

       厚生労働大臣  川崎 二郎君

       農林水産大臣  中川 昭一君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       国土交通大臣  北側 一雄君

       環境大臣    小池百合子君

       国務大臣    安倍 晋三君

       国務大臣    猪口 邦子君

       国務大臣    沓掛 哲男君

       国務大臣    中馬 弘毅君

       国務大臣    額賀福志郎君

       国務大臣    松田 岩夫君

       国務大臣    与謝野 馨君


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