衆議院

メインへスキップ



第16号 平成18年3月23日(木曜日)

会議録本文へ
平成十八年三月二十三日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十一号

  平成十八年三月二十三日

    午後一時開議

 第一 独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 第二 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

 第三 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 児童手当法の一部を改正する法律案(小宮山洋子君外四名提出)

 第五 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第六 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案(内閣提出)

 第七 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案(内閣提出)

 第八 工業再配置促進法を廃止する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

 日程第三 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 児童手当法の一部を改正する法律案(小宮山洋子君外四名提出)

 日程第五 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第六 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案(内閣提出)

 日程第七 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案(内閣提出)

 日程第八 工業再配置促進法を廃止する法律案(内閣提出)

 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出)、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


このページのトップに戻る

    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長遠藤乙彦君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔遠藤乙彦君登壇〕

遠藤乙彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成十七年度末に中期目標期間が終了する文部科学省所管の独立行政法人について独立行政法人に係る改革を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、独立行政法人国立特殊教育総合研究所等十二法人について、その役職員の身分を非公務員へ移行するため、関係規定を整備すること、

 第二に、独立行政法人国立青年の家及び独立行政法人国立少年自然の家を解散した上で、その組織及び業務を独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターに統合し、その名称を独立行政法人国立青少年教育振興機構に変更する等の措置を講じること、

 第三に、政府は、土地建物等を独立行政法人国立美術館及び独立行政法人国立博物館に対して追加出資することができるものとすること

などであります。

 本案は、三月十三日本委員会に付託され、同月十五日小坂文部科学大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十七日質疑を行い、討論の後、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

議長(河野洋平君) 日程第二、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長中谷元君。

    ―――――――――――――

 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔中谷元君登壇〕

中谷元君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本件は、日本放送協会の平成十八年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。

 収支予算は、一般勘定において、受信料等の事業収入六千二百十七億円、国内放送費等の事業支出六千二百十七億円となっております。

 また、事業計画は、改革・新生に向けた三カ年計画の初年度として、視聴者の信頼を取り戻して受信料収入の回復を図るとともに、デジタル時代にふさわしい公共放送としての役割を果たすとしております。

 なお、本件には、これらの収支予算等について、「やむを得ない内容と認める」などの総務大臣の意見が付されております。

 本件は、去る三月十四日本委員会に付託され、十七日竹中総務大臣から提案理由の説明を、橋本日本放送協会会長から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑を行い、討論、採決の結果、本件は賛成多数をもって承認すべきものと決しました。

 なお、本件に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第三 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第三、宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長林幹雄君。

    ―――――――――――――

 宅地造成等規制法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔林幹雄君登壇〕

林幹雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、宅地造成が行われた土地等の安全性を確保するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、都道府県知事は、造成済みの一定の宅地の区域を、造成宅地防災区域として指定すること、

 第二に、同区域内の宅地所有者等は、宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置を講ずるように努めなければならないこと、

 第三に、都道府県知事は、同区域内の宅地所有者等に、災害防止のため必要な措置を勧告または命令することができること、

 第四に、耐震性が確保されていない一定の危険建築物の居住者等に対する住宅金融公庫融資の特例措置を講ずること

などであります。

 本案は、三月十三日本委員会に付託され、十四日北側国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十七日質疑を行い、採決いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 児童手当法の一部を改正する法律案(小宮山洋子君外四名提出)

 日程第五 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第四、小宮山洋子君外四名提出、児童手当法の一部を改正する法律案、日程第五、内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長岸田文雄君。

    ―――――――――――――

 児童手当法の一部を改正する法律案及び同報告書

 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔岸田文雄君登壇〕

岸田文雄君 ただいま議題となりました二法案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、内閣提出の国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、平成十八年度における国及び地方公共団体を通じた財政改革のため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、児童手当及び児童扶養手当について、国、都道府県等の負担割合を見直すこと、

 第二に、児童手当の支給対象を小学校修了前までに引き上げること、

 第三に、基礎年金の国庫負担割合を引き上げること

等であります。

 次に、小宮山洋子君外四名提出の児童手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、児童の養育に係る経済的負担の軽減を図るため、子ども手当を支給するもので、その主な内容は、

 第一に、十五歳までの児童を監護している父母等に、子ども手当を一人につき月額一万六千円支給すること、

 第二に、子ども手当の費用は全額国庫負担とし、所得制限は設けないこと

等であります。

 両案は、去る三月六日本委員会に付託され、十日提案理由の説明を聴取し、同日から質疑に入り、十四日には参考人から意見を聴取するなど審査を行い、二十二日に質疑を終局いたしました。次いで、内閣の意見を聴取した後、両案について討論、採決を行った結果、小宮山洋子君外四名提出の法律案は賛成少数をもって否決すべきものと議決し、内閣提出の法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第四、小宮山洋子君外四名提出、児童手当法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第五、内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第六 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案(内閣提出)

 日程第七 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案(内閣提出)

 日程第八 工業再配置促進法を廃止する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第六、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案、日程第七、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案、日程第八、工業再配置促進法を廃止する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長石田祝稔君。

    ―――――――――――――

 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案及び同報告書

 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案及び同報告書

 工業再配置促進法を廃止する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔石田祝稔君登壇〕

石田祝稔君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案につきましては、中小企業がものづくり基盤技術の高度化に向けて行う研究開発及びその成果の利用を促進するため、経済産業大臣が、中小企業の目指すべき将来ビジョンたる指針を策定するとともに、中小企業がその指針に沿って行う研究開発等について支援を行うとともに、中小企業信用保険法に係る特例等その他所要の措置を講ずるものであります。

 次に、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案につきましては、これらに基づく産業基盤施設の整備が着実に進捗し、一定の成果も見られることから、その役割がほぼ達成されたことにより、法の附則に規定する廃止期限の到来に伴い、これらを廃止するものであります。

 次に、工業再配置促進法を廃止する法律案につきましては、昭和四十七年に制定された工業再配置促進法について、我が国経済をめぐる諸情勢の変化等に伴い、これを廃止するものであります。

 本委員会においては、去る三月八日三法律案に関し二階経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案について参考人から意見を聴取するなど、慎重な審査を行い、昨日質疑を終了したものであります。質疑終局後、三法律案につき、それぞれ採決を行った結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案を一括して採決いたします。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出)、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣中馬弘毅君。

    〔国務大臣中馬弘毅君登壇〕

国務大臣(中馬弘毅君) 初めに、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 国際化及び情報化の進展、人口構造の変化等、経済社会情勢が大きく変化する中で、我が国の国際競争力を強化し、国民が豊かで安心して暮らすことのできる社会を実現するためには、民間の主体性や自律性を高め、その活力が最大限に発揮されるようにすることが不可欠となっております。

 このため、政府は、簡素で効率的な政府の実現を喫緊かつ最重要課題の一つとして位置づけ、昨年十二月二十四日に行政改革の重要方針を閣議決定するとともに、これを着実に実施するため、ここに本法律案を提出する次第であります。

 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。

 第一に、基本理念として、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革は、政府及び地方公共団体の事務及び事業の透明性の確保を図り、その必要性の有無及び実施主体のあり方について事務及び事業の内容及び性質に応じた分類、整理等の仕分けを踏まえた検討を行った上で、国民生活の安全に配慮しつつ、政府または地方公共団体が実施する必要性の減少した事務及び事業を民間にゆだねて民間活動の領域を拡大すること並びに行政機構の整理及び合理化その他の措置を講ずることにより行政に要する経費を抑制して国民負担の上昇を抑えることを旨として行われなければならないこととするほか、国及び地方公共団体は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革を推進する責務を有することとしております。

 第二に、政策金融改革については、平成二十年度において現行政策金融機関を再編成して新たに一の機関を設立することとし、その機能は、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援する機能、我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を支援する機能等に限定することとしております。ただし、国際協力銀行の政府開発援助に係る機能は国際協力機構に担わせることとしております。

 また、商工組合中央金庫及び日本政策投資銀行は完全民営化し、公営企業金融公庫は廃止することとしております。

 第三に、独立行政法人の見直しについては、国の歳出縮減を図る見地から、組織及び業務やこれに影響を及ぼす国の施策のあり方を検討することや、融資等業務の見直しを行うこととしております。

 第四に、特別会計改革については、平成十八年度から平成二十二年度までの間を目途に計画的に推進すること、財政の健全化に総額二十兆円程度を寄与することを目標とすること及び本法律の施行後一年以内を目途として特別会計の廃止及び統合等を盛り込んだ法制上の措置を行うこととしております。さらに、各特別会計の廃止、統合、事務及び事業の合理化等を行うとともに、特定財源についても見直しを行うこととしております。

 第五に、総人件費改革については、国家公務員の年度末総数を今後五年間で五%以上純減することを目標として、これを達成するため必要な施策を講ずることとしております。

 給与制度の見直しにつきましては、職務と責任に応じた給与の体系、民間における賃金との比較方法のあり方についての人事院における検討の状況を踏まえ、必要な措置を平成十八年度から順次講ずることとしております。

 さらに、地方公共団体に対して、職員数の厳格な管理を要請するとともに、独立行政法人等における人件費の削減に向けた取り組みを行うこととしております。

 第六に、国の資産及び債務に関する改革については、将来の国民負担を極力抑制するなどの財政運営原則を盛り込むとともに、国の資産の圧縮や資産及び債務の管理のあり方の見直しを行うこととしております。

 第七に、公務員制度改革、規制改革、競争の導入による公共サービスの改革、公益法人制度改革、政策評価の推進との連携を図ることとしております。

 第八に、行政改革推進本部を設置し、これらの改革を総合的に推進することとしております。

 以上が、本法律案の趣旨でございます。

 次に、公益法人制度改革に関する三法案、すなわち、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 現行の公益法人制度については、主務官庁の許可主義のもと、法人格の取得と公益性の判断や税制上の優遇措置が一体となっているため、法人設立が簡便でなく、また、公益性の判断基準が不明確であるなど、さまざまな批判、指摘がなされてまいりました。一方で、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施を促進して、活力ある社会を実現することが重要となっております。さらに、官から民への流れの中で、こうした民間の団体の発展を推進することは、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の実現にも不可欠なものであります。

 そこで、現行の公益法人制度を改め、法人格の取得と公益性の判断を分離することとし、これら三法案を提出するものであります。

 それぞれの法律案の概要について、順次御説明申し上げます。

 まず、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案は、剰余金の分配を目的としない社団及び財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、設立の登記をすることにより簡便に法人格を取得することができる一般社団法人及び一般財団法人の制度を創設し、その設立、組織、運営及び管理について定めようとするものであります。

 次に、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案は、社団法人及び財団法人の設立の許可及びこれらに対する監督を主務官庁の裁量により行うこととしていた現行の制度を改め、公益社団法人及び公益財団法人としての認定及びこれらに対する監督を独立した委員会等の関与のもとで内閣総理大臣または都道府県知事が行う制度を設けようとするものであります。

 最後に、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴い、中間法人法を廃止し、民法その他の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。

 以上が、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案等三法案の趣旨でございます。

 以上でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出)、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松本剛明君。

    〔松本剛明君登壇〕

松本剛明君 民主党の松本剛明です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、いわゆる行政改革推進法案、公益法人改革関連法案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。(拍手)

 まず、行政改革の目指すところについて、本法案では「簡素で効率的な政府」とありますが、昨年の行政改革の重要方針では「小さくて」でありました。簡素は無駄を省くこと、小さくなら政府の担う範囲を狭めることになります。範囲は政治の使命から考えるべきで、私たちは、その観点から、今国会を安全国会とすべきだとも主張してまいりました。単に小さくなら、私たちと見解を異にします。本法案は国民生活に配慮とする一方、与党からは小さな政府を目指すという声も聞こえてまいります。

 総理は、私たちの政治の使命を重視する主張に御賛同いただいたのか、御所見を承ります。

 政府において無駄を削ることは当然でありますが、政治の使命も果たさなくてはなりません。私たちは、温かみのある政治を目指して、まず、子供、食べ物、建物、乗り物の安全を守り、国民の八七%が格差拡大を実感している現状を憂え、機会の平等の確保とセーフティーネットの再構築が必要と考えます。

 行政改革の理念としての政治、政府の役割、本法案で何を簡素で効率的にするのか、ぜひとも総理に御説明をお願いいたします。

 本法案で取り上げる政策金融、独立行政法人、特別会計、総人件費、国の資産及び債務の改革はいずれも重要ですが、なぜこの五つなのか。小泉改革とは、総理がお好きなものを思いつくままに取捨選択してきたようにも見えますが、政権の総仕上げがそうだとすれば、これは国民にとって悲し過ぎることになります。総理の真意を御説明ください。

 本法案で、行政に要する経費を抑制して国民負担の上昇を抑えることとしているのは当然のことで、私たちも強く求めるところでありますが、本気で無駄を削るのであれば、何よりも天下りと談合の問題に取り組むべきであります。

 防衛施設庁をめぐる問題で、背景に天下りがあることは総理もお認めになりました。天下りのために官製談合や随意契約が横行している実態が次々と明らかになってきていますが、さらに広範に行われている疑いもぬぐえません。

 防衛施設庁の談合だけでも百億円単位の税金が消えたとの試算があります。広く談合がはびこっているなら、どれほどの税金が無駄になっているのか、想像すれば、とても国民に顔向けができません。

 官製談合については、民主党提案の後を追って与党から案が出てまいりましたが、本法案にはこの問題の根幹を改革する規定がありません。事業発注や天下りのあり方について根本的に取り組む決意はないのか、総理に承りたいと思います。

 真の政府の改革を進めるためには、政府が担う範囲を定め、業務の仕分けを行うことが第一であります。民主党はマニフェストで、行政刷新会議を設立し、あらゆる事務事業、天下り、公務員制度、入札制度から省庁のあり方まで、広範かつ深く速やかに改革を行うことを宣言しております。

 本法案でも、必要性の有無及び実施主体のあり方について事務及び事業の内容及び性質に応じた分類、整理等の仕分けを踏まえた検討を行った上で行政改革を行うとしていますが、その仕分け、検討は、だれがいつまでに行うのか、行政改革推進本部の所掌事務に含まれているのか、他方で、既に本法案で定めている各改革との関係はどうなっているのか、総理に説明をお願いいたします。

 民主党の政府改革では分権が大変重要な地位を占めていますが、本法案からはその視点がうかがえません。それどころか、公立学校の教職員などについて、政府及び地方公共団体は、児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数の純減をさせるための必要な措置を講ずるものとして、地方公共団体にもいわば責務を負わせているわけでありますが、これは、教育だけでなくて地方分権への姿勢も問われるものではないかというふうに考えております。

 これからは、個性を生かす、多様なニーズに適合する、住民の参加意識を高める、住民の行財政監視を強めることが重要であり、国の関与により地方とダブる無駄の排除のためにも、思い切った地方分権が必要であります。

 三位一体改革では、税源移譲を行ったものの、実態は、補助金、地方交付税の削減から税源移譲分を差し引くと、地方への負担の押しつけであります。他方で、地方の自由度は一向に上がっておりません。

 分権を本法案で正面から取り上げなかった理由、今後の取り組みに対する方針について、総理の御所見を伺います。

 法案について伺ってまいります。

 本法案には、「検討する」「留意する」、内容、方向性が不明確な「措置を講ずる」といった、あいまいな表現の条文が数多く見られます。政府の姿勢がまず責められるべきでありますが、私たちは審議入りのために、我が党の馬淵澄夫君が質問主意書を提出して、その内容をただしています。ところが、与党はこれを内閣に送付しようとしておりません。総合的かつ逐条の問いでありますけれども、そうなったのは法案に原因があります。ぜひ早急な対応を求めたいと思います。(拍手)

 本法案には、今後個別の法案提出を必要とするものが少なくありません。予定される法案は何なのか、その場合に具体化が今後の法案にゆだねられるなら、本法案では何が決まるのか、他方で、本法案だけで動き出すものは何なのか、行政改革担当大臣に答弁を求めます。

 特別会計改革については、民主党はかねてから無駄遣いの問題を取り上げてまいりました。そして、現在三十一ある特別会計のうち、三つを除きすべて廃止をすべきだというふうに考えております。

 他方、政府は、行政改革の重要方針のポイントや総理のメールマガジンでは、今後五年をめどに特別会計の数を半分から三分の一程度に大幅に削減するとしてきましたが、本法案を見ると、この目標がなくなりました。ほとんどの条文で、検討するものとするというあいまいな文言になりました。総理は、総論賛成、各論反対を排して改革を進めているとおっしゃられますが、このままでは実態が伴わないことになります。

 なぜ半分から三分の一が法案になくなったのか、なぜまだ方向が不確定なままの特別会計改革を国会に提出されたのか、総理の真意を伺いたいと思います。(拍手)

 民主党のプランでは、公共事業関係の特別会計は、一般会計の依存割合、予算全体の総合的な視点に加え、何よりも国民、国会の目の届くようにして無駄を排除すべく、すべて一般会計に統合いたします。一方、政府案では五特別会計が統合され、国土交通省各局別のような状況は変わりますが、引き続き省内にとどまっています。同じ公共事業関係でも、農林水産省の国営土地改良事業特別会計は役所が別で統合の対象とならず、取り扱いを異にしています。

 なぜ行政改革推進法案の中でも縦割りのままなのか、一般会計に統合しないのか、その理由を伺うとともに、将来、あるいはこの法案を修正して一般会計統合に踏み込むおつもりがあるのか、総理に承りたいと存じます。

 道路特定財源については、総理の御発言はあるものの、いまだその方向はよくわかりません。法案は、一般財源化を図ることを前提としつつと言いながら、具体案はまた先送りをしています。

 そこで、本法案の特定財源制度には、運用上の特定財源の自動車重量税や地方の軽油引取税、自動車取得税なども含まれるのか、また、特定財源制度を廃止して揮発油税等の税収を一般財源とすることは既に決定したものなのか、現在考えている一般財源化の具体的な内容は何なのか、総理にお聞きをいたします。

 独立行政法人については、通則法で中期目標期間終了時に見直し、検討を行い所要の措置を講ずることとなっているところへ、本法案で、国の歳出縮減を図る見地からという視点を加えています。しかし、現状は大変大きな問題を抱えています。

 過日の国会審議でも、厚生労働省関連の独立行政法人化により職員が増減したのかをただすと、計算のベースをずらした数字を用い、結果として、増加を減少と大臣に誤った答弁をさせることになりました。

 年金・健康保険福祉施設整理機構は、無駄な年金施設等の処分のためだけと言ってもいいものが昨年設立されたわけでありますが、これは不要との指摘を私たちもしていたのに、わざわざ新たな組織をつくり、しかも巨額のコストをかけて、そして赤字が出る可能性があるというものであります。今国会の法案審議に関連しても、非公務員化して運営費交付金がふえるという事例もあります。

 このように、独立行政法人の管理、設立についてチェックが極めて緩い実情にかんがみれば、現行法制のベースではなくて、ガバナンスを強化し、より透明で効率的な運営に資する抜本的な制度改革をすべきであります。ぜひ総理にも、また今例に挙げた法人を所管される厚生労働大臣にも、実態を直視してお考え直しをいただきたい。答弁を求めます。(拍手)

 財政再建のためには、国の資産処分、債務縮減を進めるべきであります。ただし、政府・与党には、この膨大な借金は自民党の長年の積み重ねの上に小泉政権下での大幅な積み増しにある、その責任をぜひ自覚をしていただきたいと思います。

 歳入歳出一体改革の方針はいまだ提示されておらず、本法案には、本質的な課題である財政再建に対するビジョンが含まれておりません。公務員宿舎の一部処分も否定をいたしませんが、現状はパフォーマンスだけでは済まされません。

 本法案が、行政改革の看板を大きく掲げて増税への扉をあけるものとは思いたくありませんが、総理に、一体改革の方向性、財政再建への所見を、消費税等の増税に対する考え方も含めて伺います。

 いわゆる公益法人改革関連三法案について、行政改革担当大臣にお伺いをいたします。

 民が公の役割を担う、そういう非営利の分野で多くの人が大いに活躍できる社会基盤を確立する、そのために非営利の法人の制度は大変大切なテーマであります。

 ところが、この法案はそういう基本的、総合的な視点が欠けています。特定非営利活動法人と税制面でずれが生ずるとの指摘もあります。非営利の法人制度について総合的に取り組む考えはおありかどうか、伺いたいと思います。

 また、本来民の領域であるものが、なぜ行政改革関連なのか。今の実態は官の下部構造に近い、そういう実情がありますけれども、これを是正するのではなく、引き続きいわば官の枠内にとどめようとしているのか、答弁を求めたいと思います。

 加えて、実質的な問題である税制はどうなるのでしょうか。税制の具体的内容が盛り込まれなかったそのわけ、そして政府が考える新たな公益法人に付与する税制上の措置について、御説明をお願いいたします。

 国会では、きょうから、行政改革という大変重要で大きなテーマが審議をされることになります。ところが、場外では、まだ国会にも提出されていない教育基本法などの動向が取りざたされ、さらには、これに絡めて会期延長にまで言及される向きがあります。教育の課題は国民とともに議論すべき重要なものであること、これは言うまでもありませんが、こういったものを政局絡みでもし扱うとすれば、それは許されないことであります。総理は、政策より政局が得意と言われたことがかつて伝えられたことがありますけれども、ぜひこの国会は政策本位で進めたいと思います。

 今後の政府の法案提出の予定と考え方を伺って、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 松本議員に答弁いたします。

 行政改革の意義についてでありますが、私は、国の役割を見直し、国が行う必要がないのであれば民間にゆだね、無駄を徹底的に省くことにより、民間の主体性や自律性を高め、その活力が最大限に発揮されるようにする環境を整えることにより、我が国の経済を活性化し、国民が豊かで安心して暮らすことができる社会を実現することが大切であると考えております。

 このため、私は、このような簡素で効率的な政府の実現を喫緊かつ最重要課題の一つとして位置づけ、その旨をさきの施政方針演説でも申し上げたところであります。今般、この方針を実現するため、政策金融改革、特別会計改革、資産・債務改革、総人件費改革などを内容とする本法案を国会に提出したものであります。

 なお、どうしても一人でやっていけない方々に対して、政府として、セーフティーネットを用意し、支援の手が差し伸べられるようにするということは必要であります。このため、国民生活の安全に配慮しつつ改革を進めるという考え方も本法案に盛り込んだところであります。

 民主党も、このような趣旨の本法案に速やかに御賛同いただきたいと思います。

 行政改革推進法案のテーマでございますが、簡素で効率的な政府を実現するためには、官から民へなどの観点から、資金の流れを変え、仕事の流れを変え、人と組織を変えることが必要であります。

 このため、本法案では、喫緊の課題として、民業補完の原則を徹底する政策金融改革、財政健全化への貢献を目指す特別会計改革や資産・債務改革、事務及び事業のあり方を見直す総人件費改革、その他独立行政法人の見直し、公務員制度改革、規制改革など各般の改革を重点分野として掲げており、これらの広範な改革を推進することにより、簡素で効率的な政府への道筋を確かにしていこうとするものであります。

 事業発注や天下りについてでございますが、いわゆる天下り問題と談合問題に対する国民の厳しい批判があることは真摯に受けとめなければならないと考えております。

 このため、私は、与党に議員立法である官製談合防止法の強化を指示し、罰則の強化などを内容とする改正案が取りまとめられ、今国会に提出されていると承知しております。

 また、談合排除の徹底を図るため、一般競争入札の拡大と総合評価方式の拡充を柱とする入札契約の改善に全力で取り組むとともに、公益法人等との間の随意契約の緊急点検等の措置を講じ、その透明化、適正化を図っているところであります。

 また、本法案においても、退職管理の適正化については、公務員制度改革でできる限り早期に具体化を図っていくべき事項として位置づけたところであり、その具体化を図るべく調整を進める必要があると考えております。

 これらにより、行政及び公務員に対する信頼の確保を図っていく考えであります。

 事務事業の仕分けの進め方でございますが、行政改革推進法案においては、基本理念及び総人件費改革、特別会計改革、市場化テストなどの各改革分野において、事務事業の仕分け及びそれを踏まえた検討を行うと規定しています。

 仕分けの具体的な作業は、行政改革担当大臣を中心に、各改革を具体化する過程で行われるものであり、例えば、総人件費改革については、民間人から成る行政減量・効率化有識者会議の意見も踏まえながら、事務事業の要否や実施主体の仕分けについて検討を行い、六月までに行政改革推進本部の議を経て政府としての方針を決定することとしております。

 法案において、地方分権の姿勢、また教職員等の純減についてのお尋ねでございます。

 分権については、法案において、国の事務事業について実施主体も含めた仕分けを行うこととしており、この過程において、現在国が実施している事務事業の地方への権限移譲も含めた見直しに取り組むこととしております。

 また、教職員については、地方公務員のうち大きな割合を占めるところであり、昨今の厳しい行財政状況のもと、国、地方ともに聖域なく人件費改革に取り組む必要がある中、純減に取り組むことが必要と考えております。

 義務教育の教職員については、全国的な義務教育の水準を確保するため、現在も配置基準を法律で定めておりますが、今後、児童生徒数の減少が見込まれることから、その減少に見合う数を上回る教職員等の純減を確保すべきと考えております。

 今後の地方分権に対する取り組みでございますが、小泉内閣では、地方にできることは地方にとの方針のもと、三位一体の改革を進めてきた結果、三兆円の税源移譲、四兆七千億円の補助金改革などを行うこととなり、地方からも画期的な改革であると評価されていると承知しております。

 地方分権に向けた改革に終わりはありません。平成十八年度までの改革の成果を踏まえつつ、さらに地方分権を推進し、国、地方を通じた行財政改革を進める観点から、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みを行ってまいります。

 民主党が提出している行政改革推進法案に関する質問主意書についてでございますが、お尋ねの主意書については、現在、衆議院の議院運営委員会理事会で取り扱いが検討されていると聞いており、政府としては、その結果を踏まえて適切に対応したいと考えております。

 特別会計改革でございますが、資金の流れの透明性の確保、業務の効率化等の効果を確実に出すなどの観点から、三十一の特別会計について一つずつ個別具体的な検討を行い、その数を現行の半分から三分の一程度に削減することにいたしました。

 本法案には、特別会計一つごとに統廃合などの具体的な改革の方向性を盛り込んだところであり、このため、改革の結果として特別会計の数が幾つになるかを法案に盛り込まなかったところであります。

 公共事業関係の特別会計でございますが、道路、治水、港湾、空港、都市の五つの特別会計は、社会資本整備重点計画法に位置づけられた社会資本整備事業に関連する特別会計であり、地方公共団体や民間事業者からの負担金、借入金などがあることから、受益と負担の関係を明確化しつつ、事業間の連携を強化し縦割りの弊害解消など無駄を排除するとの観点から、これらを統合することにしたものであります。

 また、国営土地改良事業については、一般会計で経理される他の農業施策と密接な関連があることから、特別会計を廃止し、一般会計に統合することとしたところであります。

 特定財源制度の対象でございますが、自動車重量税は、法律上の道路特定財源ではありませんが、創設時の経緯等から、運用上、その一部に相当する額が道路整備財源に充てられており、従来から、事実上は道路特定財源として取り扱ってきており、今回の法案においては道路特定財源の見直しの対象としております。

 また、地方分の道路特定財源についても排除されているものではありません。

 道路特定財源の見直しについてでございますが、昨年、私が財務、国土交通大臣に指示し、この結果、現行の税率水準を維持する、特定財源制度については、一般財源化を図ることを前提とし、納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ、具体案を得ること等を内容とする基本方針を政府・与党一体となって取りまとめたところであります。

 今般、この基本方針の内容を法文化したところであり、今後、この法案に基づき見直しを行ってまいります。

 独立行政法人制度につきましては、中期的な目標を設定した上で業務実績を第三者により事後評価することなどにより、業務の効率性を確保するとともに、法人の長による経営責任を明確にしていくことが重要であり、中期目標期間終了時の業務、組織全般にわたる見直しなどを通じて、適切な制度運営を図っているところであります。

 さらに、今般の行政改革推進法案においては、国家公務員に準じて五年五%以上の人件費の削減に取り組む、十八年度以降に初めて中期目標期間が終了する独立行政法人について、国の歳出の縮減を図る見地から、その組織及び業務のあり方等について検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるなど、より効率的な運営を促すための取り組み方針を定めたところであり、こうした方針に沿って改革に取り組んでまいります。

 財政再建への所見でございますが、私は、財政再建に当たっては、まずは徹底した行財政改革に取り組むべきであると考えておりますが、他方で、膨大な債務残高を抱え、また基礎年金の国庫負担が平成二十一年度までに二分の一に引き上げられることになっていることに加え、今後、少子高齢化の進展により社会保障にかかる経費の増加が見込まれるという厳しい財政事情のもとでは、歳出削減だけでは基礎的財政収支の回復は困難であり、多くの方々に負担をお願いしなければならなくなることも出てくると考えております。

 このため、税制改正の議論は大いに今後も進めるべきであると考えております。しかし、徹底した行財政改革に取り組むことにより、増税しなければならない場合にも、その幅は少なくて済むだろうと考えております。

 今後の課題は、引き続き簡素で効率的な政府を目指して徹底した行財政改革を行うとともに、持続的な経済活性化を実現していく上で財政がその足かせとならないようにするため、将来に向けた財政健全化の道筋を示していくことであると考えております。

 このため、本年六月を目途に、歳出歳入一体とした財政構造改革の方向についての選択肢及び改革工程を明らかにし、改革路線を揺るぎないものとしたいと考えており、経済財政諮問会議を中心に検討を進めております。

 なお、税制については、歳出歳入一体改革の取り組みの中で、公正で活力ある社会にふさわしい税制の実現に向け、消費税、所得税、法人税、資産税など税体系全体について、国民的な議論を深めたいと考えております。

 教育基本法を含めた今後の法案提出でございますが、教育については、今日、社会状況が大きく変化し、道徳心や自律心の低下などさまざまな課題が生じている中、根本にさかのぼった改革が求められております。

 このため、教育基本法について、中央教育審議会答申や与党における議論を踏まえ、速やかな改正を目指し、精力的に取り組んでまいります。

 なお、その他の法案につきましても、関係方面と調整しつつ、適切に対応してまいります。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣中馬弘毅君登壇〕

国務大臣(中馬弘毅君) 今後提出が予定される法案についてお尋ねがありました。

 本法案は、各重点分野における改革について、その基本方針その他の重要事項を定めるものとなっております。今後、本法案に示された方針や重要事項に基づき具体的な改革を進めるに当たって、個別政策金融機関の統廃合や個別特別会計の統廃合など法律の制定が必要なものについては、順次必要な法案の検討を進めてまいります。

 非営利の法人制度について総合的に取り組むことについてのお尋ねがありました。

 今般の公益法人制度改革は、公益法人制度をめぐる諸問題に対処するとともに、民間が担う公益的活動の健全な発展を促進するため、民法に定める公益法人制度について見直しを行うものであります。

 特定非営利活動法人などの非営利法人制度は、それぞれ特別の理由に基づき特別法において設けられた法人制度であり、今後、社会経済情勢が変化する中で、必要に応じてそれぞれ検討がなされるものと考えております。

 公益法人制度改革関連三法案と行政改革との関係についてお尋ねがありました。

 公益法人制度改革関連三法案は、行政部門や民間営利部門では満たすことのできない社会のニーズに対し多様なサービスを提供し得る民間非営利部門の活動の健全な発展を促進するための基礎的な法整備を行うものであります。

 これにより、官から民への流れを加速し、簡素で効率的な政府を実現するための民における行政の事務事業の受け皿を整備するという意義を有するという点において、今回の行政改革の重要な一翼を担うものであり、行政改革関連と位置づけられるものと考えております。

 公益法人制度改革に対応する税制上の措置についてお尋ねがありました。

 今回の法案では、新たな公益法人が行う公益的な活動の重要性を踏まえ、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関し、所得税、法人税等の課税についての必要な措置等を講ずる旨を規定しております。

 その具体的内容につきましては、新たに設計される制度上の枠組み等を前提とした専門的な検討が必要なことから、三法案を踏まえ、新制度施行までの間に所要の措置を講ずることとしているものであります。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣川崎二郎君登壇〕

国務大臣(川崎二郎君) 独立行政法人に対するガバナンスの強化等についてお尋ねがありました。

 現行の独立行政法人制度においても、大臣が指示した中期目標を達成するために各法人が策定した中期計画を、厚生労働省独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、大臣が認可するとともに、各法人に対して中期計画の公表が義務づけられております。

 さらに、各法人の事業の実施状況は、毎年度、評価委員会において外部有識者による実績評価を行った上で公表されているところであり、各法人の個別法に定める目的に沿った効率的な業務運営が図られているものと考えております。

 なお、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構については、民間の知見を最大限活用しながら年金福祉施設等を短期間で効率的に売却するため、独立行政法人として設立されたものであり、五年間に限られた法人であり、適正に事業運営がなされると考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 渡辺周君。

    〔渡辺周君登壇〕

渡辺周君 民主党・無所属クラブの渡辺周でございます。

 民主党・無所属クラブを代表して、松本政調会長に引き続き、政府提出の行政改革推進法案の各論について、その問題点を指摘し、質問させていただきます。(拍手)

 まず、政策金融改革について伺います。

 民間金融機関が巨額の不良債権を抱え、貸し渋りや貸しはがしに走るという事態を受け、政府系金融機関は、セーフティーネットとして一定の役割を果たしてきました。政策金融については、官と民の役割分担を明確にし、官にしかできない業務のみを、効率化を前提に存続すべきと考えております。

 本法案第四条では、平成二十年度において、現行政策金融機関を新たに設立する一の政策金融機関に統合するとしておりますが、その目的、理由は明らかにされておりません。どのような現状認識、いかなる理由で現行政策金融機関を統合するのか、総理の答弁を求めます。あわせて、中小企業や零細事業者に対して民間企業が提供しない融資をどう担保するのか、お尋ねします。

 また、民間並みの企業会計原則を適用する用意があるかについても答弁を求めます。

 第五条で、新政策金融機関の経営責任者は、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されないよう十分に配慮するとしています。そもそも、重要な機能を担う新政策金融機関の経営責任者に、経営に携わったことのない官僚出身者が登用されること自体あってはなりませんが、この規定は、特定の省庁から続けて選任されないようにするという意味なのか、それとも、官僚出身の経営責任者の後任は民間人にするという意味なのか、明快な答弁を求めます。

 次に、総人件費改革について質問いたします。

 政府は、本法案で示した総人件費改革を行い、国家公務員を五年間で五%以上純減するとしています。五年五%の中身を説明できない状態で本法案を提出し、審議に付そうとしている政府の姿勢そのものを、まずもって問題にしなければなりません。

 といいますのは、昨年十二月に閣議決定された行政改革の重要方針によれば、五年五%の具体的な中身は平成十八年六月までに決めるとなっています。しかし、六月では通常国会は終わっております。その中身を明らかにしないで審議するというのでは、有意義な議論になりません。国会審議の活性化のためにも、数字の根拠を衆議院での審議中に示すべきと考えますが、総理の所見を伺います。

 本法案では、今後十年間で総人件費の対GDP比を、十七年度対比二分の一にできる限り近づけることを長期的な目安とするという文言が織り込まれています。できる限り近づける、目安というあいまいな表現が羅列されているだけでも、政府の自信のなさが伝わってくるようですが、この目安の中に公務員型の独立行政法人の非公務員化や郵政公社の民営化が含まれているのですから、これでは、何のための目標数値かと首をかしげざるを得ません。

 総人件費改革というからには、政府支出、国民の血税が使われることを一円でも抑えることを意味しています。しかし、郵政公社は、現在独立採算で運営されており、政府からの財政支出が基本的にないことは周知の事実であります。また、公務員型独立行政法人の役職員を非公務員化へと看板をかけかえても、税金である運営費等交付金が削減されぬ限り、国の財政支出削減にはなりません。

 そこで、お尋ねをいたします。

 GDP比十年で半減という目安になぜ郵政民営化や特定独法の非公務員化を含めたのか、そのわけ、また、国から独立行政法人に対して平成十七年度で約一兆六千億円の運営費交付金がつぎ込まれていますが、この交付金に削減目標を掲げる意思があるのか、総理に重ねて質問いたします。

 次に、政府の法案が、地方公共団体に対して今後五年間で公務員を四・六%以上純減することを要請している点についてお尋ねします。

 地方分権の観点からすれば、要請の形であっても、国が地方に数値目標を示すのは不可解な話であります。それに加え、地方制度調査会が道州制も含めた分権型社会像を提言しているように、時代の大きな流れを無視したものと言わざるを得ません。

 地方公務員の数は、地方政府の担うべき事務量によって大きく左右されますが、その際、地方分権の進展に伴って国から地方へと権限と財源を大幅に移譲し、人的資源を再配分することを念頭に入れておく必要があります。

 法案第四十七条にも、「地方支分部局の統合、廃止及び合理化を推進するものとする。」とし、同条の第一項、第二項で地方公共団体への権限移譲を書いておりますが、その結果も待たず、四・六%以上と数字が設定されていることに矛盾を感じます。国から地方へどの程度の事務権限が移譲されることを前提にした数字なのでしょうか、お答えください。

 政府の総人件費改革案が小粒のものにとどまっていることは、小泉政権の地方分権政策、三位一体改革が挫折したことと大いに関係があります。中央省庁は、国の補助金負担率を引き下げるという手法を多用し、補助金そのものの廃止に猛烈に抵抗しました。その結果、多くの補助金そのものが維持されたため、関連する事務も人員も大幅に削減するという話になっておりません。

 私たち民主党は、地方分権推進こそが行政改革の本丸であると考え、国と地方の事務と権限をゼロベースで洗い直し、国の仕事を大幅に地方に移す抜本的行政改革に取り組めば、さらなる国家のスリム化が図れると考えます。

 政府の総人件費改革には、地方分権の視点で、ダイナミックに行政組織を変革し国家公務員を減らしていくというビジョンが見られません。大胆な地方分権のビジョンに基づく、行政改革を超える国家改革を打ち出すつもりはありませんか。また、三十三万人の一般職国家公務員のうち二十一万人いる地方の出先機関、地方支分部局には二重行政との指摘もありますが、総理並びに、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会という私的懇談会を設置されている竹中総務大臣、どのような認識を持っているか、答弁を求めます。

 さて、政府の総人件費改革には、全く触れられていない部分があります。それは、非常勤国家公務員の人件費についてであります。

 昨年七月一日時点の総務省の調査で十三万四千人いるとされる非常勤国家公務員について、私たちは、現在、洗い出しを行っております。

 人数は総務省で把握しているものの、その人件費はベールに包まれておりました。なぜなら、約二万一千人の事務補助職員、いわゆるアルバイト職員のほか、およそ二万人もいる審議会委員や顧問、参与等の職員、技術補助職員、技能職員などは定員外であり、部局ごとに採用され、非常勤職員手当や委員手当のみならず、事務機器など備品と同様に庁費などの名目から支出しているからであります。本省全体でも実体をつかんでいなかったのであります。

 非常勤公務員への支出の一例を挙げますと、厚生労働省でおよそ四百五十億円、国土交通省で約百五十億円に上ります。業務の詳細を見ると、国家公務員でなくとも、地方自治体や民間、地域住民に任せられる仕事もあります。

 国民の税金から支出されている以上、非常勤公務員の業務内容と賃金実態を徹底的に明らかにし、必要のない部分は大胆に削減すべきでありますけれども、総理並びに行革担当大臣の見解を伺います。

 なお、本法案で……(発言する者あり)目をつぶって寝ていたじゃないか。目をつぶって寝ていた方が悪いのでありまして、質問を続行させていただきます。なお……(発言する者あり)大事な法案の審議であります。続けさせていただきます。

 なお、本法案で人事院勧告の基礎となる給与の官民比較のあり方を見直すとしていますが、これは、民主党が昨年の百六十三回特別国会において提出した国家公務員法の一部改正案を後追いしたものであります。これまで人事院が官民比較の対象としてきたのは、企業規模百人以上かつ事業所規模五十人以上の比較的大きな企業であり、必ずしも民間の給与実態を的確に反映しているとは言えません。民主党案は、民間賃金の実態を的確に把握するため、人事院の給与勧告等の基礎となる民間給与調査を幅広く行うようにする内容でした。先鞭をつけた民主党案の提出者として事実を指摘しておきます。

 次に、公務員制度改革について伺います。

 本法案では、公務員制度改革についてわずか一条の規定にすぎません。その中身は、あいまいきわまりなく、政府が改革に取り組む意欲がみじんも感じられません。参議院予算委員会で行革担当大臣は、公務員制度改革に関する法案を今国会に提出したいと答弁していますが、自民党には、二〇〇三年の総選挙の際に、公務員制度改革法案を二〇〇四年の国会に提出するとしながら、ほごにしたいきさつがあります。

 小泉総理と行革担当大臣に伺います。公務員制度改革に関する法案を今国会に提出するのか、提出するのならば何を柱とするのか、明確にお答えをいただきたいと思います。

 さて、公務員も労働者であり、民間の労働者同様、基本的には労働基本権が保障されるべきだと考えます。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど多くの国では国家公務員に団体交渉権が原則として保障されており、我が国は国際労働機関からILO条約の規定に違反していると是正勧告を受けており、労働基本権の回復は国際的にも重要な課題であります。

 にもかかわらず、公務員の労働基本権について、本法案では単に検討事項としているにすぎません。先般の連合との政労協議で、基本権を付与する公務員の範囲について検討の場を設けるとのことですが、基本権のあり方について、中馬行革担当大臣、川崎厚生労働大臣の答弁を求めます。

 このほど、防衛施設庁では早期勧奨退職を自粛するとの報道がありました。これは一連の官製談合事件を受けての措置であり、早期勧奨退職という慣習が天下り、談合とセットになっていることをみずから認めた証拠であります。

 他の省庁も含めた公共事業を対象にしたある調査では、OBを受け入れた業者の受注額は二〇〇〇年から二〇〇四年の五年間平均でおよそ二百五億円、受け入れていない業者の平均は五十一億円。受け入れ企業の受注額は四倍に当たり、その優遇は明らかです。繰り返し申しますが、早期勧奨退職と天下り、官製談合はセットであり、公正な社会のためには、まず勧奨退職制度を是正するしかありません。

 この防衛施設庁の問題が明るみに出た後も、国土交通省地方整備局が天下り社団法人に四千件以上、約七百五十億円の業務すべてを特命随意契約で発注しており、中には専門性のない新聞スクラップやコピーとり、清掃業務などに百十六億円支出していたと報じられました。また、同じく地方整備局と北海道開発局は、OBが事務局長を務める任意団体から七万七千冊の本を七千百万円もの公費で購入していたことも報じられました。これら個々の問題については特別委員会の場で議論しますが、天下り・談合による高コスト、癒着・なれ合いによる公費の無駄遣いは挙げれば切りがありません。

 総理、あなたも知らない公金のやみにメスを入れ、この高コスト、無駄をなくすことこそ納税者の求める真の改革であります。早期勧奨退職制度の禁止とあわせて、総理の決意を伺います。

 これまで当たり前のように行われていた官業をなるべく民間開放するという、民間委託の前提となっている市場化テストについて伺います。

 この市場化テスト、どこまでが官の行うべき業務で、どこからが民が手がけることが妥当なのか。サービスを受ける住民側にとって、今までどおり利便性は確保できるのか。国民にとって最も大切な安全が損なわれるおそれはないのか。多くの国民が当然抱く不安について、民間でできることは民間にというワンフレーズでなく、丁寧に説明いただきたいと存じます。

 あわせて、厚生労働大臣に伺います。

 市場化テストの対象には、国民年金の収納業務が盛り込まれています。国民年金の未納が深刻な社会問題となっている中で、収納率の向上にどうつながるのか、考え方を伺います。

議長(河野洋平君) 渡辺周君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

渡辺周君(続) 結びでございます。

 安全、安心、信頼という公共でしかできない分野には質の高い公共サービスを惜しまず、だぶついた政府、ぜい肉のついた行政組織を許さず、良質な行政サービスは身近な自治体が効率的に行うことを理想の社会とし、改革の痛みはまず税金を使う側からでなければなりません。

 我々民主党は、納税者の視点で、胸のすく建設的な提案を交えながら本法案を議論していくことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 渡辺議員に答弁いたします。

 政策金融改革についてですが、私は、資金の流れを官から民へ改革することが、国民の大切な資産が民間部門で活用され、経済の活性化につながるとの一貫した考えのもとに、郵政民営化等の改革を進めてきたところであります。

 政策金融改革についても、経済全体の活性化を考えれば、必要な政府の関与は残しておきながら、民間にできることは撤退していくという方向で、民営化や統合により一の政策金融機関を設立することとし、これにより効率的な政策金融機関の経営を追求していく考えであります。

 中小零細企業に対して民間金融機関が提供しない融資については、政策金融における民業補完の原則を徹底していくという方針のもとに、借り手側の視点にも立ち、新たな政策金融機関に中小零細企業の資金調達支援の機能をしっかりと残すこととしております。

 また、民間並みの企業会計原則を適用するかどうかについては、今後、政策金融改革に関する詳細な制度設計を行う中で、新たな政策金融機関の会計経理のあり方について検討してまいります。

 新政策金融機関の経営責任者についてですが、私はかねてから、特殊法人、独立行政法人の役員の人事について、固定的に、事務次官だからトップになる、そういう時代ではなく、官民のいかんを問わず、必要と認められ得る識見及び能力を有する者のうちから適材適所で経営責任者を選任していくとの方針を示してきたところであります。法案においては、新政策金融機関について、こうした趣旨を法律上初めて明らかにしたものであります。

 総人件費改革についてですが、国家公務員の五%以上の純減については、簡素で効率的な政府を実現し、政府の規模を大胆に縮減するため、これまでの純減実績に比べて高い目標ではありますが、厳格な定員管理と業務の大胆かつ構造的な見直しにより実現すべき目標として設定したものであります。

 具体的な方策については、六月までに成案を得ることとし、一月に発足した行政減量・効率化有識者会議の知見も活用しながら、業務の大胆かつ構造的な見直しを行いつつ策定を進めることとしており、精力的に取り組んでまいります。

 対GDP比十年で半減という目安、独立行政法人の運営費交付金についてでございますが、総人件費改革は、簡素で効率的な政府の実現に向け、公的部門全体で取り組んでいくべき課題であることから、郵政公社職員や特定独立行政法人の職員などを含めた上で、国家公務員の人件費の総額を対GDP比で見て今後十年でおおむね半減させるとの長期的な目安を提示したものであります。

 また、独立行政法人については、本法律案において、国家公務員に準じ五年五%以上の人件費削減を基本とする取り組みを行う、平成十八年度以降に初めて中期目標期間が終了する独立行政法人については、中期目標期間終了時に、国の歳出の縮減を図る見地から、その組織及び業務のあり方並びにこれに影響を及ぼす国の施策のあり方についてあわせて検討を行う旨を規定したところであり、こうした基本方針に沿って、組織、業務全般にわたって必要性等を厳しく見直すことにより、運営費交付金等の抑制に努めてまいりたいと考えております。

 地方公務員の純減についてでございますが、地方公務員総数について、今後五年間に四・六%以上の純減を図ることとしているのは、過去五年間の純減実績である四・六%を考慮し、現下の厳しい行財政状況を踏まえ、設定したものであります。

 国の事務事業について、地方でできることは地方にとの観点から引き続き見直しを進める中で、地方公務員の総数について純減を確保するよう取り組んでいくこととなりますが、地方公務員の配置に関し国が定める基準を見直すなど、政府は地方公務員の増員をもたらすことのないよう努めることとしてまいります。

 地方分権と地方支分部局についてでございますが、地方分権の推進については、地方にできることは地方にとの方針のもと、平成十八年度までの改革の成果を踏まえながら、市町村合併の推進など、国と地方を通じた行財政改革を進め、道州制の検討など、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みを行ってまいります。

 また、地方支分部局はさまざまな業務を行っておりますが、五年五%以上純減を行う中で、民間にできることは民間に、地方でできることは地方にとの観点から、事務事業を国が直接行う必要性を見きわめ、抜本的に見直しを行い、簡素で効率的な政府の実現を目指してまいります。

 非常勤職員についてでございますが、非常勤職員の職務は、審議会の委員から事務補助職員までさまざまであり、その給与については、一般職給与法で基準が定められているところであります。

 非常勤職員は、各府省の予算の範囲内で、個別の業務の必要性に応じて採用されているところですが、その業務についても、無駄の排除の観点から、徹底した見直しをしていく必要があると考えております。

 公務員制度改革でございますが、能力・実績主義の人事管理の徹底と退職管理の適正化を柱として、人事評価の取り組み状況等も見ながら関係者との調整を進め、できる限り早期に具体化を図ってまいります。

 公共事業の談合、不透明な随意契約、早期勧奨退職制度の是非についてでございますが、談合等の不正行為は決してあってはならないことであります。このため、私は、与党に議員立法である官製談合防止法の強化を指示し、罰則の強化などを内容とする改正案が取りまとめられ、国会に提出されていると承知しております。

 また、談合排除の徹底を図るため、一般競争入札の拡大と総合評価方式の拡充を柱とする入札契約の改善に全力で取り組むとともに、公益法人等との間の随意契約の緊急点検等の措置を講じ、その透明化、適正化を図っているところであります。

 さらに、早期退職慣行については、その是正が必要であるとの観点に立って、幹部職員の勧奨退職年齢を五年間かけて段階的に平均三歳以上引き上げることなどを基本方針として、政府一体となって今後とも取り組んでまいります。

 市場化テストについては、民間にできることは民間にゆだねるとの考え方に基づき、民間の意見を踏まえ、民間の創意工夫を反映することが期待できる公共サービスを適切に選定した上で、官民競争入札等を実施することにより、公共サービスの質の維持向上とコストの削減を実現するものであります。

 今般提出した法案においては、市場化テストの実施に当たり、確保されるべき公共サービスの質を明確化した上で、民間人から成る官民競争入札等監理委員会の議を経て公正にサービスの実施主体を決定することとしつつ、その後の業務の実施状況を国が適切に監督できる仕組みとしており、御指摘の安全の観点を含め、国民、住民に対して今まで以上に質の高い公共サービスを提供していくことが可能となるものと考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣中馬弘毅君登壇〕

国務大臣(中馬弘毅君) 非常勤公務員の削減につきましては私にもお尋ねがございましたので、お答えいたします。

 非常勤職員については、各府省の予算の範囲内において、それぞれの個別の業務の必要性に応じて採用されておりまして、その業務についても、予算の不断の見直し等を通じて適切に対応されるべきものと考えております。

 なお、非常勤職員の給与水準については、一般職の職員の給与に関する法律の規定に基づき、常勤職員との権衡を考慮し、予算の範囲内で給与を支給することで適切に措置されております。

 公務員制度改革についてお尋ねがありました。

 公務員制度改革については、職員の意欲と仕事の成果を引き出し、能力・実績主義の人事管理を徹底するとともに、退職管理の適正化を図ることが必要であると考えております。

 法案の提出については、連合等から、労働基本権の問題についてもあわせて検討すべきとの要請があることも考慮しつつ、人事評価の試行の取り組み状況等も見ながら、精力的に調整を進めてまいります。

 政労協議についてお尋ねがありました。

 労働基本権のあり方等については、国民意識も十分に踏まえ、現実的な姿勢で検討していく必要があると考えております。

 このため、労働基本権についてニュートラルに検討する場を設けることとしたところであります。検討の場のあり方等については、今後関係者と調整してまいる所存であります。

 この場においては、公務と公務を担う公務員の範囲、あり方等についての総合的な検討を踏まえ、基本権のあり方を論議することとしておりまして、予見を持つことなく、幅広い観点から検討がなされることが必要と考えております。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣川崎二郎君登壇〕

国務大臣(川崎二郎君) 公務員の労働基本権についてお尋ねがありました。

 中馬大臣の御答弁のとおり、先般の政労協議では、労働基本権を付与する公務員の範囲について検討する場を設けることで、政労間での意見の一致が見られたところであります。私の立場から申し上げれば、今後、ILOに対し、情報提供などについて、政労で共同歩調で対応するとしたところでございます。

 国民年金保険料納付率向上についてお尋ねがありました。

 国民年金保険料の未納問題は、公的年金制度に対する国民の信頼という面から、極めて重要な問題であると認識しております。

 このため、強制徴収などの権力性の強い業務は官が行う一方、電話や戸別訪問などによる納付勧奨業務は民間を活用し、官と民の組み合わせによる効率的な収納対策を進めることとしており、その一環として平成十七年度から市場化テストのモデル事業を実施しております。

 さらに、今般の市場化テスト法案を踏まえ、民間のノウハウを活用すること等により、官と民との組み合わせによる、より効率的な、効果的な業務の推進を図り、納付率向上に最大限努めてまいります。(拍手)

    〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕

国務大臣(竹中平蔵君) 渡辺議員から、地方分権のビジョンに基づく改革について、及び地方支分部局の改革についてお尋ねがございました。

 今後の我が国の構造改革をさらに進めるに当たっては、地方分権はそのキーワードであります。これまで三位一体の改革を進めてきたところでありますが、今後さらなる分権を進めてまいる所存であります。

 目下、私のもとに地方分権二十一世紀ビジョン懇談会を開催しておりますが、明確なビジョンをお示しし、国、地方を通じた改革を大胆に進めてまいる決意でございます。

 次に、地方支分部局でありますが、地方支分部局はさまざまな業務を行っております。五年五%以上の公務員純減を行う中で、民間にできることは民間に、地方でできることは地方にとの観点から、事務事業を国が行う必要があるかどうかを見きわめ、抜本的な見直しを行い、簡素で効率的な政府の実現を目指してまいります。

 いずれにしましても、総人件費改革における地方支分部局改革の重要性は十分に認識しておりますので、しっかりと改革を進めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

    〔議長退席、副議長着席〕

副議長(横路孝弘君) 吉井英勝君。

    〔吉井英勝君登壇〕

吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、行政改革関連法案について質問します。(拍手)

 小泉総理は、本法案を構造改革の総仕上げとして提案してきました。この五年間の小泉構造改革は、国民生活に一体何をもたらしたでしょうか。

 医療費の大幅負担増、年金や介護保険の改悪など社会保障の連続的な改悪、リストラ応援による雇用破壊と賃金破壊など、国民には痛みを強要し、その一方で大企業には減税を行い、まさに強者を助け弱者をくじく政治を行ってきたのであります。

 耐震偽装問題や相次ぐ公共交通機関の事故は、国民の安全をないがしろにする規制緩和路線の害悪を示したものであります。リストラや派遣労働など、労働法制の規制緩和を最大限に活用して、トヨタなどの大企業が過去最高の利益を上げているその一方で、多くの国民が職を奪われ、不安定雇用にあえいでいるのであります。こうした格差の拡大をもたらした責任をどう考えているのですか。総理の答弁を求めます。

 以下、法案に即して質問します。

 第一に、公務員削減の問題です。

 法案は「簡素で効率的な政府を実現することが喫緊の課題である」とし、総理は小さな政府を強調してきました。

 ところが、昨年、政府が出した経済財政白書は、日本はOECD諸国の中で政府支出も国民負担も小さな国、政府の規制の強さは平均以下としています。総務省の調べによれば、日本の公務員は、人口一千人当たりの数においても、人件費のGDP比率においても、主要国の中で最低の水準です。総理は、この事実をどう認識していますか。答弁を求めます。

 本法案は、公務員の一律削減を求めています。国家公務員は五%、地方公務員は四・六%純減するというのであります。仕事の内容や実態を無視した公務員の純減が国民に一体何をもたらすでしょうか。

 労働の現場では不安定雇用と無権利状態が拡大しており、労働基準監督行政の強化は焦眉の課題であります。また、住民生活に密着した地方公務員の分野では、消防職員は国の指針の七五・五%しか配置されておりません。児童福祉司について見れば、国の配置基準を満たす自治体は四割にすぎません。今でも不十分な人員をさらに削減して、どうして国民の安全を守り、暮らしを支えることができますか。国民の安全や暮らしを支えているのは、まさにマンパワーではありませんか。答弁を求めます。

 教職員の削減も重大です。法案は、児童生徒の減少を上回る教職員の削減を求めております。これは、国民の声にこたえて自治体などが取り組んでいる少人数学級実現など、教育の充実の努力を踏みにじるものではありませんか。米百俵どころか、日本の教育と未来の削減であり、許すことのできないものであります。答弁を求めます。

 第二に、政策金融の統廃合についてであります。

 法案は、商工中金を民営化し、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫などの政府系金融機関を統合した上に、貸出残高の継続的な縮小を求めているのであります。これでどうして、地域経済を支え、日本経済の柱である中小企業を守ることができますか。まさにセーフティーネットを縮小させるものではありませんか。

 小泉内閣は、銀行に不良債権早期処理を迫ることで、中小企業には貸し渋り、貸しはがしを押しつけて、倒産と失業を増加させました。さらに、地域金融機関に大銀行向けマニュアルによる査定を行って、一年間に全国で五十六の信用金庫、信用組合を破綻させました。そうした中、政策金融機関は、セーフティーネットとして中小企業を支え、民間銀行が相手にしなくても、技術力や誠実な経営姿勢に着目をして中小企業に融資をして、経営を支えてきました。その政策金融機関を縮小すれば、中小企業と地域経済を一層困難な事態に追い込み、日本経済を危うくすることは明瞭ではありませんか。答弁を求めます。

 第三に、特別会計についてであります。

 道路特定財源の一般財源化は、総理がみずから公約してきた問題であります。ところが、法案は、道路特定財源制度について、一般財源化を図ることを前提とし、平成十九年度以降の歳出及び歳入のあり方に関する検討とあわせて具体的な改正の案を作成するとしています。これは、問題の先送りではありませんか。一体何年度から一般財源化を実行するのですか。明確な答弁を求めます。

 また、特別会計の無駄遣いも問題です。例えば電源開発特別会計では、ラピカ、マリンパルなどの原発関連の大きな無駄遣いが行われてきました。こうした無駄遣いにメスを入れるべきではありませんか。答弁を求めます。

 第四に、天下り問題です。

 この間の防衛施設庁や道路公団の官製談合事件は、天下り官僚受け入れに応じた企業に公共工事の受注を配分していたものであり、官庁ぐるみで進める天下りが官と業の癒着を生み出している事実を示したものであります。

 総理は、事件が起こると天下り規制を口にしますが、実際の対応は省庁任せで、制度としての天下り規制強化に何ら手をつけていません。小手先のやり方では何ら再発防止にならないことを、一連の不祥事が事実で証明しています。大量の天下り官僚を受け入れ、天下り企業へのトンネル機関となり、公益より官益を優先する公益法人に対し、天下りの規制を抜本強化するべきではありませんか。

 また、公益法人日本歯科医師会が、組織的にも金銭的にも一体化した政治団体である日本歯科医師連盟、日歯連をつくり、汚職事件、やみ献金事件、迂回献金疑惑を引き起こしたことも、見過ごすことはできません。政官業の癒着の根源である企業・団体献金の禁止を強く求めるものであります。

 最後に、天下り禁止など国民が求める改革を行わないで、国民の安全、安心、暮らしを削減して、だれが利益を得るのかという問題です。

 財界、大企業は、国や地方自治体が行う国民への公共サービスを官製市場と位置づけ、民間開放を要求し、推進してきました。政府の規制改革・民間開放推進会議の議長を宮内義彦オリックス会長が務め、日本経団連が数々の規制改革要望を提出してきたのであります。そして、今回の法案は、奥田碩日本経団連会長ら経済財政諮問会議の四人の民間議員がその原案を作成したのであります。

 財界が、みずからのビジネスチャンスを拡大するために推進してきたのが今回の法案ではありませんか。答弁を求めます。

 日本共産党は、民間労働者と公務員を分断し、国民の間に対立を持ち込み、本来公務が果たすべき国民の安全と暮らしを支える大事な役割を削減、縮小させる政治に反対して、国民の連帯した取り組みで安全や暮らしを守るルールある社会の実現に力を尽くすことを表明して、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 吉井議員に答弁いたします。

 格差の拡大についてですが、所得や資産の格差の問題については、私は、言われているほど日本は格差が拡大しているということは統計データからは確認できないという報告を受けているというふうに申し上げております。

 私は、企業も地域も個人も、みずからを助ける精神とみずからを律する精神を大切にし、努力すれば報われる社会を目指していくことが大切であると思っております。ただし、どうしても一人ではやっていけない方々に対して、お互い助け合いながら、支援の手が差し伸べられるということは必要だと思います。また、勝ち組とか負け組に固定せず、常にさまざまなチャンスが与えられるという社会が好ましいと考えております。

 このため、これまで、景気の回復を図り、雇用、中小企業のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、新規起業の促進策、構造改革特区や都市再生など地方の意欲や挑戦を尊重した地域経済の活性化策、持続的な制度の構築に向けた社会保障制度改革などに取り組んでまいりました。

 さらに、将来の格差拡大につながるおそれのあるフリーター、ニート等若年層の非正規化や未就業の増加といった最近の動きには注意が必要であり、政府としては、ニート、フリーター対策の充実などに努めているところであります。

 引き続き、景気の回復を図るとともに改革を進め、地域や多くの国民が持っている潜在力が自由に発揮され、国民一人一人が将来の夢と希望を実感できる活力ある経済社会の構築に向けて、全力で取り組んでまいります。

 政府支出の規模等、公務員の数等の国際比較についてですが、GDP比で見た政府支出の規模、潜在的国民負担率や規制の強さがOECD諸国の中でも低い水準にあること、また、人口千人当たりの公的部門における職員数やGDP比で見た政府支出のうちの人件費が主要国中最低な水準にある現状については、認識しております。

 しかしながら、我が国の公的債務の水準は既に国際的に高い水準にあり、今後、少子高齢化の進展によって政府の支出規模や国民負担が増大していくことが見込まれることを考えれば、将来の国民負担の上昇を抑えるため、無駄を徹底的に省いていくことが必要であり、総人件費改革を含め各般にわたる行政改革を推進していく必要があると考えております。

 公務員の一律削減は問題じゃないかというお尋ねでありますが、総人件費改革は、行革推進法案の基本理念にあるとおり、国民生活の安全等に配慮しつつ進めることとされております。また、具体的な方策の策定についても、一律に削減を行うのではありません。事務及び事業の要否や主体のあり方についても検討を行うこととしており、真に必要な行政需要には増員を含め適切に対応しつつ、事業の大胆な見直しを行い、純減を確保することとしております。

 また、公立学校の教職員その他の職員を対象として、今後、児童生徒が減少すると見込まれることに見合う数を上回る純減を確保することとしております。その際、公立学校における教育の質の低下をもたらすものとはならないよう配慮してまいります。

 政策金融の統廃合でございますが、政策金融改革については、経済全体の活性化を考えれば、必要な政府の関与は残しておきながら、民間にできることは撤退していくという方向で改革案を取りまとめたところであります。

 具体的には、借り手側の視点にも立ち、中小企業金融公庫や国民生活金融公庫が担ってきた中小零細企業の資金調達支援の機能は、新たな政策金融機関にしっかりと残すこととしております。

 また、商工組合中央金庫については、所属団体中小企業向けの金融機能を行う機関として完全民営化することとしているところであります。

 道路特定財源については、平成十九年度予算において特定財源税収が歳出を大幅に上回ることが見込まれていることもあり、十九年度予算において見直しを実施する必要があります。

 今後、歳出歳入一体改革の議論の進捗を踏まえ、また、納税者の理解を得るよう努めつつ、できるだけ早く結論を出すよう努力する考えであります。

 特別会計については、今般の行政改革推進法案において、積立金、剰余金の縮減等により、今後五年間で合計二十兆円程度の財政健全化への貢献を目指す方針を定めるとともに、御指摘の電源開発特別会計について、電源開発促進税が特別会計に直入される構造を見直し、一般会計から必要額を特別会計に繰り入れる仕組みとすることにより、財政需要が生ずるまでの間、財政資金の効率的な活用を図ることとするなど、個々の特別会計の改革の方向性を定めたところであります。

 十八年度予算を第一歩としつつ、個々の特別会計について十八年度から逐次法律改正を行うなど、法案に定めた方針に沿って今後着実に改革を推進してまいります。

 いわゆる天下り問題についてですが、公務員出身者の公益法人への再就職については、これまでも、透明性の確保に努めるとともに、理事のうち所管官庁出身者を三分の一以下とすることとするなどの取り組みを行ってきたところであります。

 しかしながら、今回の防衛施設庁の談合問題についていわゆる天下りとの関連が指摘され、国民の厳しい批判があることを真摯に受けとめなければならないと思います。

 この問題については、天下り問題を含め、再発防止のための抜本的対策を検討しているところであり、二月二十四日に、建設工事の発注業務に関与していた幹部職員について、退職後五年間、建設工事の受注実績を有する企業への再就職について自粛を要請する、防衛施設技術協会への職員の再就職について、全面的に自粛を要請する等の対策を公表したところであります。

 さらに、今回の問題を契機に、公益法人等への再就職も規制すべきとの御意見もいただきますが、職業選択の自由との関係や官民の人材交流の面も考慮して、早期退職慣行の是正に取り組みつつ、総合的な検討を行っていく必要があると考えております。

 行政改革推進法案及び公共サービス改革法案についてですが、行政改革推進法案及び公共サービス改革法案においては公共サービスの民間開放を進めておりますが、これは、民間にできることは民間にゆだねるとの考え方に基づき、民間の創意と工夫を生かして、広く国民一般のために公共サービスの質の維持向上とコストの削減を図ることを目的としたものであり、財界がビジネスチャンスの拡大のために推進しているとの御指摘は当たらないものと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(横路孝弘君) 菅野哲雄君。

    〔菅野哲雄君登壇〕

菅野哲雄君 社会民主党・市民連合の菅野哲雄です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表し、行政改革関連法案について、小泉総理並びに関係閣僚に質問をいたします。(拍手)

 総理は、民間にできることは民間にという考え方に立って国の仕事を見直し、簡素で効率的な政府を実現させることで国民の皆さんの税負担を軽減するかのようにおっしゃっています。

 しかし、小泉改革が社会の二極分化、格差拡大をもたらしている中、簡素で効率的な政府を目指すことは、民間企業にもうけ先を提供する一方、公共サービスは切り捨て、国民に自己責任を強要し、国民生活破壊を進めることになりはしないでしょうか。福祉は削られ、国民の財産は売り払われ、やがて政府も、ここまで努力したんだからと、消費税率のアップを含めた増税を強要する、その下地づくりに思えてなりません。総理の見解を伺います。

 さて、改革が必要だというならば、現場の労働者やサービスの受け手である国民に真摯に向き合うべきだと考えますが、法案には意見反映の機会も保障されていません。しかも、法案が通ってしまえば、あとは行政改革推進法に基づいて改革案をつくりましたとなってしまい、立法府の審議権も大きく制約されます。このことはファッショ的な政治手法と言わざるを得ません。総理、いかがですか。

 改革の基本理念では、国際競争力の強化のための改革だということが明示されています。しかし、世界経済フォーラムの発表した二〇〇五年世界競争力ランキングでは、一位はフィンランド、三位はスウェーデン、四位はデンマーク、九位にノルウェーと北欧諸国が上位に連なる一方、日本は十二位に下がりました。簡素で効率的な政府ではなく、福祉に力を注ぐことで競争力を高めていく道はあると思います。総理はこのランキングをどのように受けとめておられますか。

 国の資産と総人件費の削減について、数値目標だけが先走っています。公務員数の国際比較で、日本は先進国の中でも最も低い数字です。定員の削減を自己目的化するのではなく、国、地方の行政の役割や業務のあり方をどのようにしていくのかという議論が先だと考えます。

 まず、ILOの国際労働基準に基づく労働基本権を公務員に付与するとともに、天下りの禁止、政官業の癒着構造の打破など、透明で民主的な公務員制度への改革こそ進めるべきであると考えますが、総理の見解はいかがですか。

 市場化テストのモデルとされるイギリスのサッチャー政権が実施した官民強制競争入札制度は、サービスが悪化したため、サービスの質や公正労働の確保の重視、市民参画を進めるベストバリューというシステムに改革されています。日本は、何周もおくれて、本家から何も学ばずに制度を導入しようとしていると言えます。

 特に、日本の場合、実際の官民競争は、賃金、労働条件の切り下げ合戦になることが予想されます。まずILO九十四号条約を早期に批准し、公正労働基準を遵守して雇用継続と均等待遇を実現する制度設計をすることが先決だと考えますが、総理、いかがですか。

 内閣府の政策効果分析では、医療、訪問介護、保育所について、民間の方が高い生産性を生むと試算しています。じっくりと一人を診察するよりも、流れ作業的な三分診療が評価される、たくさんの子供を詰め込んで長時間預かると生産性が上がるとされているようですが、これはサービスの受け手からすると、サービスの質の低下にほかなりません。

 コスト削減だけがサービスの評価として優先される心配がある以上、サービスの決定・評価プロセスへ当事者が参加できるようにすべきだと考えます。これらの点について行革担当大臣はいかがお考えですか。

 昨年十一月に内閣府が発表した規制改革・民間開放に関する特別世論調査では、半数の人が規制改革、民間開放の成果に疑問を呈しています。

 今、耐震構造設計偽装やライブドアの証券取引法違反、さらには米国産牛肉の危険部位混入問題など、規制緩和で採算や効率性だけを追い求めてきた政治の誤りが表面化しています。行政サービスの向上のためには、競争や民営化の推進ではなく、国民の安全と安心を何よりも優先し、利用者の意見をよく聞いて、ニーズを把握することから始めるべきではないでしょうか。

 規制改革、民間開放に疑問や疑念が示された調査結果について総理の認識を問うとともに、格差拡大は構造改革のせいだという多くの国民の声に真摯に耳を傾けるよう最後に訴え、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 菅野議員に答弁いたします。

 今回の行政改革は増税の下地づくりではないかというお尋ねでありますが、全く逆であります。国民の負担の上昇を抑制し、国民が豊かで安心して暮らすことができる社会の実現に不可欠と考え、この法案を提出したものであります。

 行政改革推進法案が立法府の審議権を制約するのではないかとのお尋ねでありますが、そうではありません。国会での活発な御審議が行われることを期待しております。

 簡素で効率的な政府ではなく、福祉により競争力を高めていく道があるのではないかとのお尋ねでありますが、今回の法案は、行政改革によって国民の負担をできるだけ軽減し、社会保障制度を持続可能なものにしていくものであります。

 公務員制度改革でございますが、簡素で効率的な政府の実現のためには、公務員の総人件費の削減、国の資産、債務に関する改革等の断行が不可欠でありますが、あわせて、行政運営を担う公務員に係る制度についても、能力・実績主義の人事管理の徹底、退職管理の適正化の観点からの改革を推進することが重要であると考えております。このため、できる限り早期に具体化を図るべく、関係者との調整を精力的に進めてまいります。

 なお、公務員の労働基本権については、その地位の特殊性と職務の公共性から一定の制約がなされており、国民意識や給与制度改革の進捗状況等も踏まえ、十分に検討を行うべきものと考えており、検討の場を設け、幅広い観点から検討を進めてまいります。

 市場化テストでございますが、イギリスの事例について御指摘がありましたが、公共サービス改革法案では、諸外国の経験にも学びつつ、公共サービスの質の維持向上とコストの削減を実現することを目的として、サービスの質の確保のための所要の措置を盛り込んでおります。

 また、ILO第九十四号条約について御指摘がありましたが、我が国では、賃金等の労働条件に関しては、それが国や自治体との契約に基づく労働であるか否かを問わず、労働基準法等の関係法令に反しない限りにおいて、個々の労使当事者間で取り決められるべきであり、政府が介入することは適切でないとの考え方に立っており、批准は困難と考えております。

 いずれにしても、官民競争入札等の結果、公共サービスの実施を担うこととなる民間事業者における労働者の労働基準についても、労働基準法等の関連法令に反しないように取り決められるべきことは当然であると考えております。

 規制改革、民間開放についてでございますが、これまで、国民からの要望を受けつつ検討を進めてきたところであります。この結果、医薬品の一部をコンビニ等で買えるようになり、また会社の設立が容易になるなど、消費者、利用者による多様な選択と民間による創意工夫を促し、経済社会の活性化につながっているものと考えております。

 御指摘の世論調査においても、六割以上の方が医療、教育分野などを中心に規制改革をさらに進めるべきと回答しており、規制改革、民間開放を初めとする構造改革をさらに積極的に進めてほしいというのが多くの国民の声であると認識しております。

 今後とも、医療や教育の質の確保など、国民の安全、安心に留意しつつ、国民の要望に合った規制改革を積極的に推進してまいります。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣中馬弘毅君登壇〕

国務大臣(中馬弘毅君) 市場化テストについてお尋ねがありました。

 公共サービス改革法案は、民間にできることは民間にという構造改革を具体化すべく、具体的に選定された公共サービスを官民競争入札に付することによって、公共サービスの質の維持と向上、経費の削減とをともに実現することを目的とするものであります。

 このため、同法案においては、サービスの受け手である国民、住民のニーズを踏まえた質の高い公共サービスが提供されることとなるように、まず第一に、官民競争入札等の対象とする公共サービスの選定に当たっては、民間事業者の意見も踏まえ、内閣総理大臣が関係大臣等との協議を行い、閣議決定する制度としています。

 第二に、また、公共サービスの質の維持向上を確保するため、コストだけではなく質を十分評価する落札者の決定、国による監督などに関する具体的な規定を置いております。

 第三に、このような対象公共サービスの選定や落札者の評価、決定に当たっては、各界の有識者から構成される官民競争入札等監理委員会において厳正に御審議いただくこととしております。

 このように、公共サービス改革法案は、コスト削減だけをサービスの評価として優先するのではなく、むしろ、限られた財源の中で、サービスの受け手である国民、住民のニーズを踏まえた公共サービスの質の向上を実現することを可能とする法制度となっているところであります。

 以上であります。(拍手)

副議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  小泉純一郎君

       総務大臣    竹中 平蔵君

       文部科学大臣  小坂 憲次君

       厚生労働大臣  川崎 二郎君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       国土交通大臣  北側 一雄君

       国務大臣    中馬 弘毅君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官 長勢 甚遠君

       内閣府副大臣  山口 泰明君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.