衆議院

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第18号 平成18年11月28日(火曜日)

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平成十八年十一月二十八日(火曜日)

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 議事日程 第十二号

  平成十八年十一月二十八日

    午後一時開議

 第一 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案(第百六十四回国会、内閣提出)

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本日の会議に付した案件

 日程第一 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案(第百六十四回国会、内閣提出)

 地方分権改革推進法案(内閣提出)


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員藤尾正行君は、去る十月二十二日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 藤尾正行君に対する弔詞は、議長において去る十一月二十四日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに内閣委員長 文教委員長の要職につき また再度国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等藤尾正行君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 日程第一 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案(第百六十四回国会、内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長河本三郎君。

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 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔河本三郎君登壇〕

河本三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、将来の道州制導入の検討に資するため、道州制特別区域を設定し、広域行政を推進しようとするものであります。

 その概要は、道州制特別区域基本方針の閣議決定、道州制特別区域計画の作成、交付金等の特別の措置及び内閣総理大臣を本部長とする道州制特別区域推進本部の設置等について定めることとしております。

 本案は、さきの第百六十四回国会に提出及び付託され、政府から提案理由の説明を聴取した後、継続審査となっていたものであります。

 今国会においては、十一月一日から質疑に入り、参考人からの意見聴取やいわゆる地方公聴会を行うなど慎重に審査を行い、去る二十二日に質疑を終局いたしました。質疑終局後、直ちに討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 討論の通告があります。これを許します。逢坂誠二君。

    〔逢坂誠二君登壇〕

逢坂誠二君 民主党の逢坂誠二でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりましたいわゆる道州制特区推進法案につきまして、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 私は、現下の日本の諸課題を解決し、この国がさらにしっかりと未来に向かって進んでいくためには、中央集権の国家体制から自律分散型の分権型社会への転換が必須だと考えております。しかも、分権は、日本の政治、行政のあり方を根底から見直す改革の本丸であると私は確信をしております。

 本年二月二十八日には、地方制度調査会から道州制のあり方に関する答申が出され、その中で、道州制の導入は地方分権を加速させる可能性があると指摘されました。

 しかし、今回の法律案には相当に大きな欠陥があり、道州制を初め真の分権とは無縁の内容であることをここで明らかにしたいと思います。(拍手)

 本法律案は、広域行政の推進が大きな目的となっています。また、三以上の都府県の合併を一つの条件として、北海道以外の全国に展開できる内容となっております。

 しかしながら、この三以上の都府県の合併は、衆議院内閣委員会での参考人質疑において、厳し過ぎる条件との指摘があり、事実上、北海道以外の地域が道州制特別区域になることは無理であることが関係者によって明らかになりました。

 つまり、北海道以外の全国の他地域から見れば、この法案は、道州制特別区域における広域行政の推進ではなく、広域行政の推進を阻害する法案となっているのです。これは、全国的に見て極めて大きな問題と言わざるを得ません。

 安倍総理は、道州制ビジョンの策定に言及され、いわゆる道州制について前向きな姿勢を示しておられます。その姿勢を担保するためには、全国でさまざまな広域的な取り組みを行い、数多くの知見を得ることも有効なことかと思われますが、本法案はそれを阻害する、まことに皮肉な内容と言わざるを得ません。

 また、この法案は、さきの参考人質疑からも、事実上、北海道への地域限定法と指摘できるわけでありますが、その場合、当然に、憲法九十五条に規定する住民投票の実施が必要となる可能性があります。それを実施しなければ、憲法の趣旨に反するおそれもあるわけであります。

 本法案では、道州制特別区域と銘打っていますが、道州制とは何かについての言及もなく、あえて道州制という言葉を入れ込んだその理念、真意を読み取ることができません。いわゆる道州制の定義やその理念に言及できないのであるならば、単に、特別区域における広域行政の推進法案でよかったはずであります。また、あえて三以上の都府県の合併を条件とする規定も余り意味を持ちません。

 つまり、本法案の実体は、単なる広域行政の推進法案であると指摘することができます。

 この法案が単なる広域行政の推進法案であるなら、既に広域的取り組みを行っている北海道が全国の他地域に先駆けて先行モデルになる意味がありません。これは、さきの内閣委員会の参考人質疑でも指摘をされた点であります。

 もし仮に、本法案が単なる広域行政の推進法案ではないとするならば、なぜ道州制という言葉を入れ込み、都府県をまたぐ広域行政という新たな試みを行う必要のない北海道を先行モデル地域にしたのか、その説明が必要だと思われますが、その点に全く言及がなく、立法の真意が見えないのであります。

 以上を初め、本法案は、地元北海道での論議周知不足、そして地元の思いと政府の立法意図とのずれなどもあり、さまざまな問題を抱えております。

 特に北海道には、市町村など基礎自治体のあり方をどうするのか、逼迫する自治体財政をどう立て直すのか、真の分権型社会の構築をどうすべきかなど、真正面から今まさに早急に取り組まなければならない数多くの課題があります。しかし、それらを内容の不確かな道州制というオブラートにくるむことによって、数多くの課題の本質を見えなくする可能性があるばかりか、さらにそれらの解決を先送りする懸念もあります。

 このように大変課題の多い本法案は到底容認できるものではないことを指摘し、私の反対討論とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

加藤勝信君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方分権改革推進法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 加藤勝信君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 地方分権改革推進法案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 地方分権改革推進法案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長佐藤勉君。

    ―――――――――――――

 地方分権改革推進法案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔佐藤勉君登壇〕

佐藤勉君 ただいま議題となりました地方分権改革推進法案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、旧地方分権推進法等に基づいて行われた地方分権の推進の成果を踏まえ、地方分権改革を総合的かつ計画的に推進するため、その基本理念並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、地方分権改革の推進に関する施策の基本となる事項を定め、並びに必要な体制を整備しようとするものであります。

 本案は、去る十一月二日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、同日菅総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、七日から質疑に入り、十四日には参考人からの意見聴取を行い、十五日にはいわゆる地方公聴会を秋田県及び静岡県において開催し、地元地方公共団体関係者等からの意見聴取を行い、さらに、本日安倍内閣総理大臣等に質疑を行うなど、幅広い角度から慎重かつ熱心な審査を行いました。

 本日質疑を終局したところ、本案に対し、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同により、財政上の措置のあり方の検討を行うに当たっては、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保等の観点から行うものとすること、内閣総理大臣は、地方分権改革推進委員会から勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとすることを内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取いたしました。次いで、原案及び修正案について討論を行い、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣  菅  義偉君

       国務大臣  佐田玄一郎君


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