衆議院

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第8号 平成19年2月22日(木曜日)

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平成十九年二月二十二日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第六号

  平成十九年二月二十二日

    午後一時開議

 第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件(第百六十四回国会、内閣提出)

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本日の会議に付した案件

 日程第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件(第百六十四回国会、内閣提出)

 特別会計に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件(第百六十四回国会、内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長櫻田義孝君。

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 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔櫻田義孝君登壇〕

櫻田義孝君 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本件は、厚生労働省の所掌事務の円滑かつ効率的な遂行を図るため、越谷市、市川市及び青梅市に社会保険事務所を設置することについて国会の承認を求めようとするものであります。

 本件は、第百六十四回国会に提出され、昨年五月十八日に本委員会に付託され、翌十九日に川崎前厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、二十四日から質疑に入りましたが、今国会まで継続審査となっていたものであります。

 今国会におきましては、昨二十一日提案理由の説明の聴取を省略し、直ちに採決を行った結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 特別会計に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、特別会計に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣尾身幸次君。

    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕

国務大臣(尾身幸次君) ただいま議題となりました特別会計に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 本法律案は、行政改革推進法を踏まえ、特別会計の廃止及び統合、一般会計と異なる取り扱いの整理、企業会計の慣行を参考とした特別会計の財務情報の開示その他所要の措置を講じるものであります。

 以下、その大要を御説明申し上げます。

 第一に、行政改革推進法において定められている特別会計の廃止及び統合をすべて盛り込み、現行三十一ある特別会計を平成二十三年度までに十七とすることとしております。

 第二に、剰余金の処理や借入金規定などの一般会計と異なる取り扱いを整理するため、各特別会計法ごとに個々に定められていた会計手続を横断的に見直し、第一章総則に各特別会計に共通する規定を定め、第二章各節に各特別会計ごとの目的、管理及び経理についての規定を定めることとしております。

 第三に、資産及び負債の状況その他の決算に関する財務情報を、企業会計の慣行を参考として作成、開示することを法定化するなど、特別会計に係る情報開示を進めるための規定についても整備することとしております。

 以上、特別会計に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 特別会計に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山本明彦君。

    〔山本明彦君登壇〕

山本明彦君 自由民主党の山本明彦です。

 私は、自由民主党、公明党を代表いたしまして、ただいま提出されております特別会計に関する法案について質問をさせていただきます。(拍手)

 塩川元財務大臣が、母屋でおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しているのに、離れ座敷で子供がすき焼きを食っていると発言されたところから特別会計改革の議論が本格化し、行革推進法として実を結んだところであります。この行革推進法を受け、今国会に特別会計に関する法律を提出しておられるところでありますが、以下、質問させていただきます。

 第一に、特別会計の統廃合についてであります。

 この法律によれば、まず行革推進法を踏まえ、特別会計の統廃合については、平成二十三年度までに、現在三十一の特会を十七に統廃合するとされております。

 特別会計は、国として行う必要のある事業であり、税ではなく保険料によって年金を給付するといったように、当然一般会計とは区分して経理しなければならない場合に設置されるものであります。もっと減らせ、一般会計一本にしろというような極論を言う人もあるようでありますが、すべて廃止となれば、受益と負担の関係がわからなくなり、私は不適切であると考えますが、行革推進法などの特別会計改革に際し、特別会計の統廃合を行っていく上での政府の基本的スタンスをお聞かせいただきたいと思います。

 第二に、剰余金等の活用による財政貢献であります。

 特別会計には使い道のない剰余金や積立金がたまっているんじゃないかとの指摘がありました。これを受け、行革推進法では、今後五年間で二十兆円の財政貢献をするという目標が掲げられました。行革推進法の審議の際、谷垣前財務大臣は、特別会計の剰余金等の活用に向けた決意として、どら息子に孝行息子になってもらい、そして少し実家のためにも頑張ってもらおうと答弁されたところであります。

 今回の特別会計法によりまして、剰余金の活用が、孝行息子になった、実家の役に立つことになったと考えておられるのか、また、役に立つことになったとすれば、どのような点がこれまでと変わったのか、尾身財務大臣にお尋ねいたします。

 また、実際に、平成十九年度予算においては、今回の法律に定められた剰余金の処理ルールに基づき、どのような特別会計から財政貢献策が講じられたのか、御説明いただきたいと思います。

 第三に、特別会計に係る情報開示であります。

 元来、特別会計は、会計間同士で重複計上するなど、ただでさえわかりにくいものであります。私は、特別会計改革に当たっては、特別会計の情報を国民に十分明らかにすることが特に重要であると考えるものであります。情報公開は、今後、特別会計改革をさらに進め、無駄遣いを少しでもなくしていくためにも、必ずや改革の原動力となると考えます。この点について、今回の法律においてどのように措置されているのか、お伺いいたしたいと思います。

 第四に、無駄遣いについてお尋ねいたします。

 十九年度の特別会計予算の歳出総額は約三百六十兆円でありますが、この三百六十兆円という数字であるとか、歳出総額から重複計上を除いた金額であります百七十五兆円などという数字だけがひとり歩きをし、特別会計というのは一般会計の二倍も四倍もあるのではないか、目が届きにくい上にこれだけ高額の予算が使われているんだから、節約できる金額は膨大なものであるだろうと言われております。実際、どれだけの無駄が省かれているのか、お尋ねいたします。

 いずれにしても、行革推進法で示された方針を実施に移すために、今般、特別会計に関する法律案が国会へ提出されたことは大変意義深いことであると考えております。今後とも、政府は行革推進法に示された特別会計の改革の精神にのっとった適切な運営を行っていかれますようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕

国務大臣(尾身幸次君) 山本議員からの御質問にお答えいたします。

 特別会計の統廃合についてのお尋ねがありました。

 特別会計改革に当たっては、まず、事業の必要性の乏しい特別会計を廃止し、次に、国が行う必要性が薄いものについては民営化または独立行政法人化する一方、区分経理する必要性の薄れた特別会計は一般会計化することとしております。その上で、存続する特別会計についても、事業類型が近似している場合には、行政改革の効果を確実に出すことを前提に、統合するとの視点に立った見直しを行ってきたところであり、今後とも、こうした方針に沿って見直しを行ってまいりたいと考えております。

 特別会計の剰余金についてのお尋ねがありました。

 本法律案では、これまでの四つの特別会計にしか規定されていなかった一般会計への繰り入れ規定を、共通のルールとして、事務及び事業を実施するすべての特別会計に適用することとしております。

 これにより、必要性のない剰余金の財政健全化に向けた活用がより一層図られることとなるものと考えております。

 平成十九年度予算における特別会計の剰余金の活用についてお尋ねがありました。

 平成十九年度予算においては、本法律案に基づき、これまで剰余金の一般会計への繰り入れを行ったことのない五会計を含めた七会計より、合計一・八兆円の剰余金等を一般会計に繰り入れ、財政健全化に向けた積極的活用を図ることとしております。

 特別会計に係る情報開示についてお尋ねがありました。

 本法律案では、全特別会計に対し、企業会計の慣行を参考とした財務書類を作成し、会計検査院を経て国会に提出することを義務づけることとしております。これに加え、特別会計の財務状況を適切に示す情報をインターネットなどにより開示することとしております。

 いずれにせよ、各特別会計に徹底した情報開示を義務づけた上で、その結果把握された問題点等を踏まえ、今後とも特別会計改革を進めてまいりたいと考えております。

 特別会計の歳出削減についてお尋ねがありました。

 平成十九年度特別会計予算において、実質的に見直しの対象となるべき歳出は、特別会計の歳出総額約三百六十二兆円から、会計相互間の重複計上額のほか、国債償還費等、社会保障給付、財政融資資金への繰り入れ、地方交付税交付金等といった、特別会計改革とは異なる見地から別途議論すべきものを除外した約十一・六兆円であります。

 これまでの特別会計の無駄遣いの議論の対象となったものはすべてこの十一・六兆円に含まれており、十九年度予算においては、これを前年度に対し、〇・七兆円程度削減することとしております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 馬淵澄夫君。

    〔馬淵澄夫君登壇〕

馬淵澄夫君 民主党の馬淵澄夫です。

 私は、ただいま議題となりました特別会計に関する法律案に対し、民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)

 冒頭、健全な民主政治の基礎となる我々政治家自身の政治活動に関する問題について一言申し上げます。

 去る二十日、我が党の小沢代表は、みずから事務所費の詳細を公表いたしました。それに対して、安倍内閣の閣僚である伊吹大臣、松岡大臣は、法律に従って適正に処理をしていると繰り返すだけで、自発的な公表を拒否してきました。

 そもそも、政治資金規正法の趣旨は、政治活動を国民の不断の監視と批判のもとに置くことにあります。総務省は形式的な審査をするだけであり、内容を判断するのは国民であります。与党は小沢代表の不動産の問題を殊さらに取り上げていますが、是非は国民が判断するものであり、まず国民の前に明らかにすることが最も重要であります。そして、責任ある閣僚の地位にある方々は、進んで国民の疑念を払拭する説明責任を負っているのは当然であります。

 重ねて、閣僚の自発的な事務所費の公表を強く求め、本法案に対する質問に移ります。(拍手)

 コンピューターつきブルドーザーと呼ばれた田中角栄元総理は、みずからが発案した角栄法とも呼ばれる百二十本余りの法律を成立させ、高度成長期における公共事業を中心とした国づくりの基礎を築き上げました。例えば、道路三法と呼ばれる道路法、道路整備緊急措置法、道路整備特別会計法も、田中角栄氏が発案したものであります。

 特定財源を特定の歳出に充てるために一般会計とは区分して経理するという特別会計の仕組みは、高度経済成長期においては、貧弱だった我が国の社会資本整備を急速かつ格段に進めたこと、また、それに対して極めて有効な手段であった、機能してきたことは事実であります。

 しかし、当時とは社会経済の状況は大きく変わりました。行政のシステムも変革を迫られております。つまり、特別会計の改革は、単なる小手先の会計手法の変更ではなく、行政の仕組みの抜本的な転換であるという認識が必要です。この点、政府の道路特定財源の見直しを見ても、仕組みを抜本的に変えようという強い意思や姿勢というのは全く見られません。

 そこで、まず、特別会計の改革に対する基本姿勢についてお尋ねいたします。

 私たち民主党は、長い議論を経て、昨年、特別会計の改革案をまとめました。民主党では、すべての特別会計を一たんゼロベースで見直し、そして基本的には全廃することとしました。結果的に、資金整理のために必要な国債整理基金特別会計と地方交付税特別会計の二特会については存続としましたが、残りの二十九特会はすべて廃止としました。行政のシステムを抜本的に改革し、特別会計の各所に潜む既得権益を一掃するためには、これくらいの徹底的な改革が必要だと考えたからです。

 一方、政府案では、現行三十一特会を十七にするとしていますが、実際に事業の単位となっている勘定ベースで見れば、現在の六十二を五十に減らすにすぎません。また、統廃合も各省の範囲を超えないものばかりであります。抜本的な改革の意思というのは全く見えない。結局は、勘定を寄せ集め、見かけの特会数を減らしただけであります。

 つまり、ゼロベースの見直しを行おうとする民主党と、これまでの制度の延長線上で見直しを行おうとする政府案とでは、その特別会計の改革に対する基本姿勢が全く異なるのです。これでは、小泉内閣の継承を掲げる安倍内閣は、中身の伴わない、看板だけの改革という手法を引き継いだと言われても仕方がありません。行革担当大臣及び財務大臣の御所見をお伺いいたします。

 改革がこのような結果に終わった大きな原因には、事業自体の見直しが全く進んでいないということがあります。

 例えば、新設される食料安定供給特別会計では、自作農の創設という、終戦直後に行った農地解放を引き継いだ事業をいまだに実施しています。また、毎年度多額の不用額を生じている事業も、そのほとんどがそのまま続けられています。

 特別会計の改革とは、単なる会計の見直しではない。その裏づけとなる事業を見直して、時代に合わないもの、不要不急でないもの、こうしたものを合理化していく、もしくは廃止していく、このことが前提となるはずです。それでこそ、税金の無駄遣いを根絶できる。今回の政府案は、この事業の見直しにはほとんど踏み込んでいないと考えますが、財務大臣の御所見を伺います。(拍手)

 特別会計の問題点の一つに、逆流防止機能というものがありました。特別会計では、不足が生じた場合には一般会計から繰り入れられる。一方で、剰余金が発生しても、特別会計の中にためられて、一般会計に戻されるということはありません。しかし、財政の健全化の観点を考えれば、毎年度発生している多額の剰余金は、できる限り一般会計に繰り入れられるべきです。

 この点、本法律案では、予算の定めるところにより一般会計に繰り入れることができるとしていますが、特別会計の仕組みでは、剰余金は、まず積立金に積み立てるか、もしくは翌年度の歳入への繰り入れが前提となっています。これでは、さまざまな理由をつけて、これまで同様に剰余金を特別会計の中にとめ置かれてしまうおそれがあります。

 特別会計の無駄遣いの廃止と現在の一般会計の危機的状況を考えれば、剰余金は一般会計へ繰り入れることを前提とすべきだと考えますが、財務大臣の御所見をお伺いいたします。

 二つ目の特別会計の問題点、これは会計の仕組みのわかりにくさであります。

 特別会計は、各会計の性格自体がばらばらであり、また個別の法律や独自の会計処理方法で処理が行われてきました。また、特別会計間での複雑なやりくりによって全体像がよくわからないということが再三指摘をされてまいりました。しかし、今日まで見直されることはありませんでした。官僚たちが特別会計を自分たちの別の財布とするために、わざとわかりにくくしていると疑われても仕方がありません。

 この点、本法律案では、特別会計に共通する会計のルールを定め、統一を図っていますが、特別会計をわかりにくくしていた会計間相互の複雑なやりくりについてはどのような解決が図られているのか、財務大臣の説明を求めます。

 特別会計が非常にわかりにくいために、特別会計を安易に官僚が自分たちの別の財布として無駄遣いを行っていた、これが特別会計の三つ目の問題点であります。

 平成十五年二月の財務金融委員会で、我が党の上田清司議員の質問に対し、当時の塩川財務大臣が特別会計の無駄遣いを称して、母屋でおかゆ、離れですき焼きと表現しました。このような特別会計で行われてきたさまざまな無駄遣いについては、我々民主党は国会の中でも厳しく追及をしてまいりました。

 平成十七年二月、予算委員会で私が指摘した労働保険特別会計における勤労者福祉施設、雇用促進住宅、私のしごと館といった箱物事業はその典型であります。

 多額の費用を投じて建設したスパウザ小田原といった保養所は、批判を受けたことによって売却されました。また、もともと炭鉱労働者離職支援として始められ、その社会的使命を終えた後もつくり続けられてきた雇用促進住宅も、批判を受けて新たな建設は中止となりました。しかし、官僚はそのかわりに、労働保険料を使って、採算性を度外視したコスト意識によって、テーマパークのような施設である私のしごと館を新たな事業として始め出しました。

 つまり、特別会計という別の財布があるから、官僚は仕事をつくり、無駄遣いを行うんです。そして、これらの箱物事業は、すべて国民が納めた雇用保険料、労災保険料を原資とした雇用三事業と呼ばれる事業の中で行われてきたものでありました。行革推進法の中では、雇用保険三事業については「廃止を含めた見直しを行う」としていたのではないんでしょうか。

 本法律案では、三事業の存続が前提となっていますが、保険料は将来の保険給付のみに充てるべきであって、その他の目的に勝手に使うことは許されません。厚生労働大臣及び財務大臣の見解を求めます。

 さらに、各省の別の財布という点についていうと、定員についても、特別会計で予算措置されている特会定員というものがあります。一般会計を幾ら抑制しても、特別会計で増員できるということになれば、公務員の人件費は減りません。今回の特別会計の見直しの中で特会定員というものがどのように扱われているのか、財務大臣の御見解をお伺いいたします。

 四つ目の特別会計の問題点、それは、私が離れの地下室と呼ぶ問題であります。

 特別会計では、離れのすき焼きだけではなく、その先に独立行政法人や公益法人があり、官僚の天下り先である法人に特別会計から運営費交付金等の名目で予算が流れています。独立行政法人や公益法人は、政府部内に比べると十分目が行き届きません。つまり、独立行政法人や公益法人は、離れの地下室として私たちの監視の外に置かれてしまうのです。

 平成十七年二月の予算委員会では、私の質問に対して、当時の尾辻厚生労働大臣が、労働保険特別会計から、平成十六年度で六十一法人に対して約三千七百九十二億円が支出され、うち五十一法人に延べ百六十一人が天下りをしている事実を明らかにしました。このような資金の流れは原則認めるべきではないと思いますが、厚生労働大臣及び財務大臣の見解をお伺いいたします。

 次に、個別の特別会計についても伺いたいと思います。

 本法律案では、公共事業関係の特別会計は社会資本整備事業特別会計に統合されることとなっていますが、港湾整備、治水など一般会計からの繰入財源に依存する会計が多く、特別会計として区分経理をする必要性が全く感じられません。道路特定財源については政府自身が一般財源化すると断言しており、やはり特別会計として一般会計から区分する必要性が不明であります。なぜ公共事業関係の特別会計を廃止して一般会計化せずに特別会計として残したのかについて、財務大臣及び国土交通大臣の御所見を伺います。

 特別会計には、多くの不明朗な資金が残っております。例えば、現在、国民年金特別会計の基礎年金勘定には約七千億円の積立金があります。これは、昭和六十年以前の国民年金任意加入者の保険料が原資であり、それが二十年以上にわたり放置されたまま、本法律案でもそのまま年金特別会計の基礎年金勘定に移管されることになっています。また、現在の厚生保険特別会計の業務勘定にも、既に二十年近くにわたり一兆五千億円もの資金が眠っています。これもやはり、本法案では年金特別会計業務勘定に移管されることになっています。

 これらは、本来、年金給付の原資となるべき資金です。にもかかわらず、政府はその実態を明らかにしないまま長い間放置し、年金の被保険者には一切の説明を怠ってきました。厚生年金で毎年巨額の実質赤字が続く中、年金給付に充てるべき資金がなぜほかの勘定で放置されているのか、財務大臣及び厚生労働大臣の明確な答弁を求めます。

議長(河野洋平君) 馬淵君、申し合わせの時間が過ぎましたから、簡単に願います。

馬淵澄夫君(続) 特別会計の規模は、純計でも百七十五兆円という大きな規模に達しています。また、制度自体が複雑なこともあり、審議に当たっては、政府側から資料の提供を受けてこれを吟味することが必要となります。

 国会審議のあり方は国会で決めることでありますが、私は、行政を監視する立場の国会においても、例えば、分科会審議の日程を新たに追加し、それぞれの特別会計について集中的に審議する機会を設けて、分科会での特別会計の集中審議が終わらないと予算案の採決を行わないということにすればよいと考えますが、私の提案に対する財務大臣の御意見を伺います。

 政府は本法案の年度内成立を求めているようでありますが、特別会計に対する国民の信頼を高め、貴重な税金や保険料の使い道を徹底して議論することに与党も異論はないはずです。

 我々民主党は、官僚の別の財布を取り上げ……

議長(河野洋平君) 馬淵君、簡単に願います。

馬淵澄夫君(続) 離れのすき焼きと呼ばれる税金の無駄遣いをとめ、地下室化で国民の監視の目から逃れることがないように、真の特別会計の改革実現のため、委員会での十分な審議時間の確保を強く求め、私どもの意見として代表質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕

国務大臣(尾身幸次君) 馬淵議員からの御質問にお答えいたします。

 特別会計改革の基本姿勢についてのお尋ねがありました。

 本法案は、行革推進法の内容を実施に移すものでありますが、特別会計の統廃合については、行革推進法の制定に当たっては、事業の必要性、国が行う必要性、一般会計と区分経理する必要性、事業の類似性といった視点に基づき、一つ一つの特別会計について抜本的な見直しを行っているところであります。したがって、今般の特別会計改革が看板だけの改革との御指摘は当たらないと考えております。

 今回の法案と各会計における事業の見直しとの関係についてのお尋ねがありました。

 本法律案は、ただいま申し上げましたように、事業の必要性の減じた会計を廃止するなど、徹底した事業の見直しを踏まえ制定された行革推進法の内容を実施に移すものであります。特別会計改革を進めるに当たっては、例えば十九年度予算における雇用保険三事業の見直しのように、毎年度の予算編成過程において、各会計の事務事業の徹底した見直しを不断に行っていくことが必要であると考えております。

 特別会計の剰余金の処理についてのお尋ねがありました。

 本法律案に基づく剰余金の処理については、毎年度の予算において、必要な積立金の水準を定め、歳出に計上される事業を徹底的に見直すことにより、剰余金が不要な積立金や事業に充てられることがなくなることに加え、特別会計の翌年度の歳入に繰り入れることとした方が、翌年度の一般会計からの繰り入れを節約することができる面もあることから、御指摘のように剰余金を一律に一般会計に繰り入れるよりも、本案の方がむしろ合理的と考えております。

 また、十九年度予算においても、本法律案に基づき、これまでに剰余金の一般会計への繰り入れを行ったことのない五会計を含めた七会計より、合計一・八兆円の財政貢献を確保することとしており、剰余金が特別会計の中にとめ置かれるとの御指摘も当たらないものと考えております。

 会計相互間の会計処理についてのお尋ねがありました。

 他会計への繰り入れについては、その使途を明らかにすることなく、これを無条件に認めれば、歳入と歳出の関係を不明確にしてしまうおそれがあります。したがって、本法律案においては、他会計への繰り入れについて、そのすべてを明定するとともに、その使途も明確化することとしております。

 雇用保険三事業についてお尋ねがありました。

 雇用保険三事業については、行政改革推進法等を踏まえ、雇用福祉事業を廃止するとともに、既存の事業を大幅に見直すこととしております。このような大幅な見直しを行った上で、失業等給付の抑制に資する事業については適切に予算措置をしているものであります。

 特別会計の定員の見直しについてのお尋ねがありました。

 十八年度末の特別会計の定員は、国の行政機関の定員約三十三万人のうち約八万四千人で、全体の二五%程度でありますが、十九年度の定員純減数を見ると、全体の純減数二千百二十九人のうち、その約三分の二を占めている千三百九十六人の純減を特別会計で達成しており、特別会計の見直しを行う中で、定員についても厳しい見直しを行っているところであります。

 特別会計からの独立行政法人などに対する財政支出についてお尋ねがありました。

 独立行政法人などに対する財政支出は、交付先における公務員の再就職状況とは関係なく、あくまで政策的な必要に基づいて支出されるものであり、また、各年度の予算編成において、個別の法人や施策ごとに不断の見直しに努めています。

 十九年度予算案においても、例えば、御指摘の労働保険特別会計から厚生労働省所管の独立行政法人に向けた財政支出を、各種事業の廃止などにより対前年度三百二十六億円削減するなど、財政支出の一層の縮減を図っているところであります。

 公共事業関係の特別会計についてのお尋ねがありました。

 道路、治水、港湾、空港、都市の五つの特別会計は、社会資本整備重点計画法に位置づけられた社会資本整備事業に関連する特別会計であります。また、地方公共団体や民間事業者からの負担金、借入金などがあることから、受益と負担の関係を明確にしつつ、事業間の連携を強化し縦割りの弊害解消など無駄を排除するとの観点から、昨年の行革推進法において、これらを統合することとされたところであります。これに従い、今般、社会資本整備事業特別会計を設置することとしたものであります。

 年金特別会計の積立金、資金についてのお尋ねがありました。

 まず、お尋ねの基礎年金勘定の積立金については、昭和六十一年の基礎年金制度の導入時に、それまで国民年金に任意加入していた被用者の被扶養配偶者が支払った保険料に係る積立金について、被用者年金各制度の公平の観点から、国民年金勘定の積立金から切り離し、各制度共通の基礎年金勘定の積立金として管理しているものです。その取り扱いについては、この積立金や運用収益が被用者年金各制度の共通財源という側面も有していることから、被用者年金一元化の検討とあわせて、関係者間の合意形成を図る必要があると考えています。

 次に、業務勘定の特別保健福祉事業資金については、昭和六十一年度から平成元年度までの厚生年金国庫負担の繰り延べ分の返済見合い財源を用いて、平成元年度補正予算において創設されたものであります。現在、その運用益を使って、老人保健制度の基盤安定化のための事業を行っており、平成二十年度の新たな高齢者医療制度の創設も控え、当面存続させる必要があるものと承知しております。

 予算案等の国会審議のあり方についての御提案がありました。

 予算案及び本法律案の国会での御審議のあり方につきましては、立法府である国会の御判断にかかわることでありますので、お答えは差し控えさせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣渡辺喜美君登壇〕

国務大臣(渡辺喜美君) 御指名ありがとうございます。

 特別会計改革に関する基本的な姿勢についてのお尋ねでございました。

 昨年の通常国会で成立した行政改革推進法においては、第一に、特別会計の廃止、統合や事務事業の合理化、効率化等の具体的改革方針を定め、第二に、平成十八年度から五年間で総額二十兆円の財政健全化への貢献という具体的数値目標を掲げ、第三に、民間の企業会計の慣行を参考とした財務情報開示等の法制化をするなど、大胆で具体的な内容を持つ改革方針を定めております。

 このような改革を今回の法律案を通じて具体化していこうとするものであり、政府の改革が看板だけなどという御指摘は全く当たりません。

 簡素で効率的な筋肉質の政府を実現することは重要な課題であり、私としては、行政改革推進法に基づき、改革路線をみじんも後退させることなく、積極的に行政改革を推進してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣柳澤伯夫君登壇〕

国務大臣(柳澤伯夫君) 馬淵議員にお答え申し上げます。

 雇用保険三事業の見直しについてのお尋ねがございました。

 今回の雇用保険の見直しに当たりましては、雇用保険三事業について、失業等給付の抑制に資するものに限定するという観点から雇用福祉事業を廃止することとし、これを盛り込んだ法律案を提出しているところであります。

 雇用保険のその他の事業については、先ほど申したように、失業等給付の抑制に資するものに絞ってこれを継続するということにしておりますが、このことは、雇用保険制度として妥当なものと考えております。

 次に、労働保険特別会計から独立行政法人等への補助金等の支出についてのお尋ねでございます。

 労働保険特別会計におきましては、保険給付のほか、能力開発など雇用機会の増大等を図るための事業を行っておりまして、これらの事業については、国が直接実施するよりも、専門的な経験、ノウハウを有する法人が行う方が効率的かつ効果的である場合がありまして、その際には、各事業の性質に応じて独立行政法人等に交付金等を支出しているところであります。

 今後とも、個々の事業の不断の見直しや運営の効率化につきましては、これに努めてまいります。

 最後に、年金特別会計の資金についてお尋ねがありました。

 基礎年金勘定の積立金につきましては、御指摘のとおり、かつて国民年金に任意加入していた被用者の被扶養配偶者の保険料に由来するものでございますが、昭和六十年改正時に、一定部分を各被用者年金保険者の基礎年金への拠出金の軽減等に充てることとされたところであります。

 ただ、その具体的な取り扱いにつきましては、必要な加入状況等の把握が困難であったことから今日まで決定に至っておりませんが、今般の被用者年金一元化の検討とあわせて、関係者間の合意形成を図っていく所存であります。

 次に、厚生保険特別会計の業務勘定に置かれた資金については、議員もよく御存じだと思いますが、眠っているわけではなく、目下活用されております。すなわち、その運用益を用いて被用者保険の老人保健拠出金負担を軽減する事業を行うことにより老人保健制度の基盤の安定化を図っているものであり、平成二十年度の新たな高齢者医療制度の創設を展望するとき、当面これを存続させる必要があるものと考えているところであります。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣冬柴鐵三君登壇〕

国務大臣(冬柴鐵三君) 公共事業関係の特別会計についてのお尋ねがありました。

 道路、治水、港湾、空港、そして都市の五つの特別会計は、地方公共団体や民間事業者からの負担金、借入金などがあり、受益と負担の関係を明確化しつつ無駄を排除するとの観点から、昨年の行革推進法において、これらを統合することとされたところであります。

 これに従い、今般、社会資本整備事業特別会計を設置することとしたところであり、この統合により事業間連携の強化や共通経費の統合等を進め、事業の効率化を図ってまいりたいと考えております。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣   尾身 幸次君

       厚生労働大臣 柳澤 伯夫君

       国土交通大臣 冬柴 鐵三君

       国務大臣   渡辺 喜美君

 出席副大臣

       財務副大臣  田中 和徳君


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