衆議院

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第38号 平成19年6月1日(金曜日)

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平成十九年六月一日(金曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第三十二号

  平成十九年六月一日

    午前零時十分開議

 第一 日本年金機構法案(内閣提出)(前会の続)

 第二 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)

 第三 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案(石崎岳君外四名提出)(前会の続)

 第四 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 日本年金機構法案(内閣提出)(前会の続)

 日程第二 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)

 日程第三 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案(石崎岳君外四名提出)(前会の続)

 日程第四 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午前零時十三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 日本年金機構法案(内閣提出)(前会の続)

 日程第二 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)(前会の続)

 日程第三 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案(石崎岳君外四名提出)(前会の続)

議長(河野洋平君) 日程第一、日本年金機構法案、日程第二、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案、日程第三、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案を議題とし、前会の議事を継続いたします。

 討論を継続いたします。菊田真紀子君。

    〔菊田真紀子君登壇〕

菊田真紀子君 民主党の菊田真紀子です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 反対の最大の理由は、この特例法案が消えた年金被害者の救済には全くならないということであります。この法案の存在意義はただ一つ、与党に、消えた年金問題に対応しているという言いわけを与えることだけであります。

 今週月曜日の新聞に、安倍内閣の支持率が急低下しているという世論調査の結果が掲載されました。これを見た安倍総理は、実際にすべての被害者が救われるかどうかということは全く考えずに、とにかく何かアリバイをつくりたいの一心で、もともと与党が秋の臨時国会に提出を考えていた時効特例法の今国会提出を指示しました。この経緯を見ても、何のための法案かということは火を見るよりも明らかであります。まさに、政府・与党が一体で霞が関を使って行った選挙対策であり、年金被害者救済ではなく、安倍内閣救済法案なのであります。

 誤った年金給付額を訂正するために、何度も何度も社会保険庁に足を運ばなければならない受給者の方や、裁判まで起こさざるを得ない状態に追い込まれた方もおられます。与党は、このままでは国民から強い批判を受け、参議院選挙を戦えないという焦りから、突貫工事で思いつきの法案をつくったのであります。この法案の作成日数はわずか一日、審議時間はわずか四時間でありました。その上、先週に引き続いて二度目の強行採決に及ぶという、国会史上まれに見る暴挙に踏み切ったのであります。

 本当は、与党の皆さんもわかっているのではありませんか、消えた年金で給付不足に陥っている、陥りかねない国民は数百万人にも及ぶ可能性があるということを。そして、この法案ではこれらの人々の正当な権利を回復することはできないのだということを。これで国民から負託を受けた国会の責任を果たしていると堂々と胸を張れるのでしょうか。

 与党案では時効の適用除外を定めていますが、あくまでもこれは納付記録の訂正が前提となっています。しかし、この記録の訂正こそが被害者救済の核心なのです。ここに関して有効な対策がないのであれば、それは救済策として意味がありません。

 これまで、被保険者等の申し出により、社会保険庁がみずからの記録の不備を認め、記録の訂正に応じたのは、わずか八十四人にすぎません。これに対して、領収書等の証拠がないために記録の訂正に応じてもらえなかった人は、二万六百三十五人にもなっています。すなわち、消えた年金被害者の九九・六%の人は与党案の救済の対象とならないのであります。これで十分な対策を講じたとどうして言えるのでしょうか。単なる与党のためのアリバイづくりを認めるわけにはまいりません。

 記録の訂正について、安倍総理は昨日の党首討論で、繰り返し、第三者機関で調査を行うと答弁していました。しかし、この第三者機関とは一体どのような機関なのか、与党案には具体的なことは全く示されないままに、今採決されようとしています。

 しかも、与党は、民主党はパフォーマンスだ、選挙目当てだと苦し紛れにとんでもない批判をしているようですが、私たち民主党は、年金被害者の正当な権利の回復のみを考え、平成十六年以来ずっとこの問題に取り組んでまいりました。そして、既に去る五月八日、消えた年金記録被害者救済法案を国会に提出しているのです。与党が本気で被害者を救済すると言うなら、既に委員会に付託されている私たち民主党案を正々堂々と審議すべきではありませんか。

 私は、いま一度ここで立ちどまって考え直すことを呼びかけます。ずさんで予算措置の根拠もなく、そして実際には多くの年金被害者を救済することができない、このごまかしの法案を拙速に成立させてはなりません。もう一度じっくり審議をし直し、国会としての責任を果たしていくことを強く求めて、私の反対討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(河野洋平君) 古屋範子君。

    〔古屋範子君登壇〕

古屋範子君 公明党の古屋範子です。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の日本年金機構法案及び国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案並びに石崎岳君外四名提出の厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案に対して、賛成の立場から討論します。(拍手)

 我が国の年金制度は、二十歳以上のすべての国民を対象として世代間扶養を行う仕組みであり、国民生活を支える社会保障の中で中核をなすものであります。

 年金制度については、平成十六年に制度改正が行われました。しかし、その適正な運営を任務とする社会保険庁は、相次いで明らかとなった不祥事や業務運営に関するさまざまな問題により、残念ながら、国民の信頼を失ってしまいました。公的年金は、国民の信頼なくしては成り立ち得ません。制度の安定的な運営を図るために、社会保険庁については、根本的な見直しを行い、新たな組織として生まれ変わらせることが必要です。

 以下、政府提出の二法案に賛成する理由を申し上げます。

 賛成の理由の第一は、年金運営新組織を法人化、非公務員化することにより、社会保険庁の抱える構造的な問題に対応し、その組織体質を一掃できることにあります。

 今回の法律案では、かつての地方事務官制に由来する閉鎖的な組織体質を改めるため、地方組織を都道府県単位からブロック単位へと再編することとしています。また、非公務員とすることにより、身分保障のある公務員制度の制約を離れ、能力と実績に基づくめり張りのきいた人事及び給与体系を徹底することとしています。

 賛成理由の第二は、年金の財政責任、管理運営責任は国が担うという原理原則をしっかり堅持し、ガバナンスを強化していることです。

 日本年金機構は、これまでの独立行政法人や特殊法人とは異なり、厚生労働大臣の直接の監督権限を強化しております。年金事務費の予算も、しっかりと国が精査する仕組みとなっています。また、外部の専門家も参画した合議制の理事会を置き、保険料負担者や年金受給者等の意見を反映させるための運営評議会も置きます。さらに、監査法人による外部監査の導入など、ガバナンスを強化するための措置を盛り込んでいます。

 賛成の理由の第三は、今回の法律案により、早急な改善が求められる国民年金の業務改善が図られることにあります。

 住民基本台帳ネットワークの利用拡大による被保険者等の住所、氏名変更の届け出の廃止、あるいはクレジットカードによる保険料納付の導入等の保険料納付の促進策など、各般にわたる対策を盛り込んでおり、確実に業務の改善を図ることができます。

 次に、法案審議の際の論点について、考え方を申し述べます。

 まず、社会保険庁と国税庁を統合し、歳入庁を設置することについては、年金制度を立案する厚生労働省と、それを実施する組織とが別々の組織になったのでは、公的年金に対する国の責任の所在が不明確になり、問題があります。また、税と保険料では性質が異なるため、保険料の収納率の向上も期待できません。さらに、統合により国民の利便性が高まるのかについても、年金保険料は、口座振替や金融機関等での納付が約九八%と一般的であり、通常、保険料納付のためにわざわざ社会保険事務所を訪問していただく必要がありません。したがって、社会保険庁と国税庁を統合しても、国民の利便性の向上に資するとは考えにくいものであります。

 次に、与党提出の時効特例法案に賛成する理由を申し上げます。

 そもそも、年金の加入記録の問題については、基礎年金番号に統合されていない約五千万件の記録については、大部分は、これから年金の請求までに基礎年金番号に統合するか、あるいは、既にお亡くなりになられたなどにより統合の必要のない記録であり、政府・与党において、しっかりと対応していくための対応策パッケージを明らかにいたしました。これらは、消えた年金ではなく、社会保険庁に記録もあり、基礎年金番号にまだ統合されていない年金記録であり、国民がいたずらに不安に陥らないよう、正しいとらえ方が必要です。

 また、このほかに、ごくまれに、社会保険庁にも市町村にも納付記録がないケースが判明していますが、保険料を納付した領収書がなくても、しゃくし定規な対応をするのではなく、さまざまな関連資料の調査の中で、適切に納付の有無の判断に結びつけることができるよう、丁寧な対応を徹底することといたしました。

 この中では、既に年金を受給されている方々の中に請求漏れがあるケースに対する対応がとりわけ重要です。年金受給者への確認の呼びかけや社会保険庁における記録の突合などにより、早期に明らかにして、未統合の記録が統合されます。

 与党提出の時効特例法案においては、これらの突合などによる結果、年金記録を訂正することにより年金給付額がふえる方に対し、時効によって増額分を受けられないことのないよう法的手当てを行うこととしており、これによって、国民の年金支給を受ける権利をしっかりと保護することができます。

議長(河野洋平君) 古屋君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

古屋範子君(続) また、この法案においては、政府に対し、年金個人情報が正確な内容となるよう、被保険者などの方々の御協力をいただきつつ、万全の措置を講ずることとしており、これにより、年金記録の管理に対する国民の信頼確保をすることができるものであります。

 なお、法案の施行に要する経費としては、現時点で一定の条件のもとで試算した場合、約六十億と見込んでおりますが、法案が成立した場合には、義務的経費として、政府の責任において必要な満額が確保されるものと承知しております。

 政府提出の二法律案につきましては、本国会において十分な審議を行ってまいりました。また、与党提出の時効特例法案については、国民の不安を早急に解消させるため、迅速かつ的確に審議を行ってまいりました。

 改革の目的は、国民生活の基盤となる年金制度を守ることにあります。今後、さらに国民の目線に立った改革を推進していくことを強く表明し、政府案及び与党提出案に対する……

議長(河野洋平君) 申し合わせの時間が過ぎました。

古屋範子君(続) 賛成討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) 笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、社会保険庁解体・民営化法案並びに特例法案について、反対の討論を行います。(拍手)

 まず初めに、年金の特例法案についてです。

 いわゆる消えた年金問題、五千万件を超える年金記録が宙に浮いている問題は、そもそも国民には全く責任はありません。年金記録の管理は国の責任であり、記録の不備で年金が減額された場合、国の責任で、時効を撤廃し、全額補償すべきことは当然であります。

 今回の特例法案と政府・与党の救済策なるものの最大の問題は、本人が申請し、保険料を納めていたことを証明しなければ、年金記録が訂正されず、被害が補償されないという従来の枠組みは全く変わっていないことです。

 委員会審議で、本人が記録の誤りを申請したにもかかわらず、証拠がないとして却下された二万人の再調査について、政府の責任で行うことを厚生労働大臣は否定しました。却下するならば、保険料納付がないという立証責任は国が負うべきものです。被害者本人に保険料納付の立証責任を負わせることは、被害補償など問題解決の道を閉ざすものにほかなりません。

 また、既に時効になった人を救済すると言いますが、その対応は、単に広報や個々に知らせるように要望するという程度にとどまるものであり、権利の回復につながる保証がないことは明らかであります。

 加えて、時効の取り扱いが、社会保険庁ではなく、三年後につくられる日本年金機構に引き継がれることも問題です。採算優先、人員削減の非公務員型日本年金機構には、長期の年金記録の管理ができる保証は全くありません。

 次に、社会保険庁解体・民営化法案についてであります。

 この法案の最大の問題は、五千万件を超える所在不明の記録について解決するめどもまともな方策も示さないまま、社会保険庁を解体、民営化しようとしていることであります。これは国の責任放棄以外の何物でもありません。問題の処理はそれこそ宙に浮き、新たな記録の消失を生み出しかねません。

 本法案の第一の問題は、年金業務を民営化することです。

 既に社会保険庁は、年金の裁定や強制徴収など限られた業務を除いて、ほとんどの業務を外部委託に移してしまっています。しかも、その担い手は、派遣社員などの不安定な雇用にゆだねられています。幾つかの自治体で現に、外部委託した業者がさらに再委託したことで住民基本情報の流出事件が大問題になっています。これを解体、民営化すれば、個人情報の流出、年金記録の管理など、さまざまな新たな問題を引き起こすことは明らかです。民間委託の目的は、人員抑制によるコストの削減にあり、非正規雇用の増大を厚生労働省みずからが後押しすることになります。

 一方、この間の不祥事の責任を社会保険庁職員にすべて押しつけ、分限処分を明記したことは、処分の済んだ事案に新たに処分を科すという二重の制裁にほかならず、認められません。

 こうした一連の重大な問題点についてはほとんど手がつけられていない審議の現状では、年金制度への国民の信頼を到底得ることなどできません。

 第二に、本法案には年金保険料の流用を正当化する規定が盛り込まれています。

 国民の支払った保険料は、原則、保険給付に充てるべきです。ところが、この間、保険料を財源として、グリーンピアなどの大規模施設の建設や福利厚生と称した無駄遣いが行われてきたことに国民の批判が集中しました。

 今後も、これまで同様、福祉施設費という名目で毎年約二千億円の保険料が流用できることになっているのであります。事務費の五割以上を占めるシステム関係費も、特定の民間大企業とその子会社のシステム開発や運用に使われることになります。極めて重大です。

 第三は、制度が異なる年金と健康保険を結びつけて強引な保険料徴収を行い、年金保険の収納を強化しようとする問題です。

 国保保険料を全額払っていても、年金保険料が未納という理由で国保保険証を取り上げて期限つきの短期保険証を発行する、この押しつけが二百万人に及ぶというようなことは決して許せません。直ちに撤回すべきであります。

 その上、保険料と税という全く違う制度まで結びつけ、税務署が乗り出して滞納者から保険料を強制徴収することまで盛り込まれています。このような強引な徴収は認められません。

 最後に、本法案には、年金不信の根本にある年金制度の空洞化を解消する方策が全く示されていません。

 月額一万六千円の高い保険料と、四十年間納めても満額六万六千円にしかならない低い給付の現実。厚生年金に未加入の事業所が三割もあるなど、年金の空洞化は深刻であります。その解決を国民は強く求めています。無年金者の増加も、その背景にあるパートや派遣、アルバイトという不安定雇用の問題の改善も急務です。

 このような問題を放置したまま本法案を強行すれば、国民の年金制度への一層の不信を拡大することは必至であり、廃案しかないことを強く指摘し、討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 阿部知子君。

    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 阿部知子です。

 討論に先立ち、去る五月二十八日、お亡くなりになった松岡農水大臣に心から哀悼の意を表します。今、その霊は、緑の森、清らかな水、そして雄大な阿蘇の山懐、ふるさとの熊本へと戻られました。国政の場にいる私どもは、松岡農水大臣が願った農林水産業の再生と、そして命絶つこととなった政治と金の問題に真正面から真摯に取り組んでまいることを誓いたいと思います。(拍手)

 では、社会民主党・市民連合を代表して、本日議題となりました三法案に対する反対の討論を行わせていただきます。

 年金機構法に反対の理由の第一は、この法案が、国民の最大の関心事であり願いでもある年金の安定運営に関して国の責任をあいまいにし、社会保険庁の看板を新たに日本年金機構にかけかえることによって、本来、社会保険庁のとるべき真の責任を解体させるものだからです。

 世界的に見ても、少子高齢化の進む今日、公的年金の徴収を担当する組織を民間的手法にゆだねる国などどこにもありません。ここには、日本の官僚機構は批判と責任逃れのためなら世界の非常識をすらあえて平気で行い、政府・与党がそれを政治的に支える構造が浮かび上がります。だからこそ年金官僚の利権はしっかり温存され、また年金保険料の流用も恒久化されます。

 思い起こせば、この三年来の社会保険庁をめぐる不祥事の数々はいずれも国会審議の中で野党によって明らかとされ、逐一改善が図られた経緯がありますが、新たな日本年金機構は特殊法人であり、その理事長には国会出席の義務もなく、今後はすべてやみからやみへと事が運ばれることになります。

 年金積立金の運用の問題も含めて、年金運営にかかわる組織に今何より求められるのは、公正性、効率性、そして透明性です。その使命を果たさせるためには、社会保険庁をしっかりと国会と国民的監視のもとに置きながら、とりわけ給付に関するサービスを抜本的に改善していくことが必要です。民間的手法なるうたい文句のもとに行われる大量の業務委託は、大事な年金個人情報の大量流出、組織運営の不安定化を招くのみです。

 反対の理由の第二は、一九九七年の基礎年金番号への統合時から今日に至るまで、約五千万件の宙に浮いた年金記録を放置し続けてきた問題です。

 受給者への情報提供を含め、本来その責務を担う社会保険庁は、この間の国会審議でも一貫してその挙証責任を国民の側に押しつけてまいりました。これだけの膨大な数の未統合の年金記録があることすら国民は今日に至るまで知らされておらず、その上、保険料を支払ったことの証明を国民の側に求めようとするのは本末転倒であります。

 受給に結びつくことなく、このままでは消えてしまう年金をきちんと持ち主に戻すのは国や社会保険庁の責任です。国民に対して謝罪もせず、おためごかしの時効特例立法などで幕引きを図るべきものではありません。

 さらに、反対の理由の第三は、国民年金法改正案には、国民年金の徴収体制の強化と称して、本来制度の異なる国民健康保険にまで制裁措置の片棒を担わせる仕組みが仕掛けられていることです。現在、百二十二万世帯に発行されている国民健康保険の短期保険証が、この法案によってさらに二百四十万世帯に発行される可能性があり、そこに暮らす子供らを含めた国民の医療へのアクセスは著しく遠ざけられます。

 将来の安心である年金への信頼ばかりか、医療の受給権まで奪うこの法案は、命のセーフティーネットまでも崩壊させかねず、断じて認められません。

 最後に、これらの政府案及び政府の対応ではこの間の年金の根本的な問題である空洞化が阻止できないことは、火を見るより明らかです。国民年金はおろか厚生年金においても深刻な未納、未加入問題が発生している今日、全額税方式による国民すべてが受け取れる基礎的暮らし年金と、企業の社会的責任を明確にした所得比例年金から成る抜本的な年金制度の改革が不可欠です。

 真に国民の立場に立つ年金制度の確立に向け、社会民主党として全力を挙げることをお誓い申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一、日本年金機構法案及び日程第二、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(河野洋平君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(河野洋平君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十二

  可とする者(白票)      三百三十二

  否とする者(青票)        百三十

議長(河野洋平君) 右の結果、日本年金機構法案外一案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

日本年金機構法案外一案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   安次富  修君   安倍  晋三君   阿部  俊子君

逢沢  一郎君   愛知  和男君   赤池  誠章君   赤城  徳彦君

赤澤  亮正君   甘利   明君   新井  悦二君   井澤  京子君

井上  喜一君   井上  信治君   井脇 ノブ子君   伊藤  公介君

伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君

飯島  夕雁君   石崎   岳君   石田  真敏君   石破   茂君

石原  伸晃君   石原  宏高君   稲田  朋美君   稲葉  大和君

猪口  邦子君   今井   宏君   今津   寛君   今村  雅弘君

岩永  峯一君   宇野   治君   上野 賢一郎君   浮島  敏男君

臼井 日出男君   江崎  鐵磨君   江崎 洋一郎君   江渡  聡徳君

江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  武彦君   遠藤  利明君

遠藤  宣彦君   小川  友一君   小此木 八郎君   小里  泰弘君

小野  次郎君   小野  晋也君   小野寺 五典君   小渕  優子君

尾身  幸次君   越智  隆雄君   近江屋 信広君   大島  理森君

大塚  高司君   大塚   拓君   大野  松茂君   大野  功統君

大前  繁雄君   大村  秀章君   太田  誠一君   岡下  信子君

岡部  英明君   岡本  芳郎君   奥野  信亮君   加藤  勝信君

嘉数  知賢君   海部  俊樹君   鍵田 忠兵衛君   梶山  弘志君

片山 さつき君   金子  一義君   金子 善次郎君   金子  恭之君

上川  陽子君   亀井 善太郎君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   川条  志嘉君   河井  克行君   河村  建夫君

瓦    力君   木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君

木村  隆秀君   木村   勉君   木村  義雄君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   久間  章生君

倉田  雅年君   小池 百合子君   小泉 純一郎君   小坂  憲次君

小島  敏男君   小杉   隆君   木挽   司君   古賀   誠君

後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君   河本  三郎君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   近藤  基彦君   佐田 玄一郎君

佐藤  剛男君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   佐藤   錬君

斉藤 斗志二君   坂井   学君   坂本  剛二君   桜井  郁三君

櫻田  義孝君   笹川   堯君   清水 鴻一郎君   清水 清一朗君

塩崎  恭久君   塩谷   立君   七条   明君   実川  幸夫君

篠田  陽介君   柴山  昌彦君   島村  宜伸君   下村  博文君

新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君   杉浦  正健君

杉田  元司君   杉村  太蔵君   鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君

鈴木  淳司君   鈴木  恒夫君   関   芳弘君   薗浦 健太郎君

園田  博之君   田中  和徳君   田中  良生君   田野瀬良太郎君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

高鳥  修一君   竹下   亘君   竹本  直一君   武田  良太君

武部   勤君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君

谷川  弥一君   谷畑   孝君   谷本  龍哉君   玉沢 徳一郎君

中馬  弘毅君   津島  雄二君   土屋  品子君   土屋  正忠君

寺田   稔君   とかしきなおみ君   戸井田とおる君   渡海 紀三朗君

土井   亨君   土井  真樹君   徳田   毅君   冨岡   勉君

中川  昭一君   中川  秀直君   中川  泰宏君   中谷   元君

中根  一幸君   中野   清君   中野  正志君   中森 ふくよ君

中山  太郎君   中山  成彬君   中山  泰秀君   永岡  桂子君

長崎 幸太郎君   長島  忠美君   長勢  甚遠君   並木  正芳君

二階  俊博君   丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君   西川  京子君

西川  公也君   西野 あきら君   西村  明宏君   西村  康稔君

西銘 恒三郎君   西本  勝子君   額賀 福志郎君   根本   匠君

野田  聖子君   野田   毅君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君

萩山  教嚴君   萩原  誠司君   橋本   岳君   馳    浩君

鳩山  邦夫君   浜田  靖一君   早川  忠孝君   林    潤君

林   幹雄君   林田   彪君   原田  憲治君   原田  令嗣君

原田  義昭君   平井 たくや君   平口   洋君   平沢  勝栄君

平田  耕一君   広津  素子君   深谷  隆司君   福井   照君

福岡  資麿君   福田  峰之君   福田  康夫君   福田  良彦君

藤井  勇治君   藤田  幹雄君   藤野 真紀子君   二田  孝治君

船田   元君   古川  禎久君   古屋  圭司君   保坂   武君

保利  耕輔君   細田  博之君   堀内  光雄君   馬渡  龍治君

牧原  秀樹君   増原  義剛君   町村  信孝君   松島 みどり君

松浪 健四郎君   松浪  健太君   松野  博一君   松本   純君

松本  文明君   松本  洋平君   三ッ林 隆志君   三ッ矢 憲生君

三原  朝彦君   御法川 信英君   水野  賢一君   宮腰  光寛君

宮澤  洋一君   宮路  和明君   宮下  一郎君   武藤  容治君

村上 誠一郎君   村田  吉隆君   望月  義夫君   茂木  敏充君

盛山  正仁君   森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君

森山  眞弓君   矢野  隆司君   谷津  義男君   安井 潤一郎君

保岡  興治君   柳澤  伯夫君   柳本  卓治君   山内  康一君

山口  俊一君   山口  泰明君   山崎   拓君   山中 あき子君

山本  明彦君   山本  公一君   山本  幸三君   山本   拓君

山本ともひろ君   山本  有二君   与謝野  馨君   吉川  貴盛君

吉田六左エ門君   吉野  正芳君   若宮  健嗣君   渡辺  具能君

渡辺  博道君   渡辺  喜美君   渡部   篤君   赤羽  一嘉君

赤松  正雄君   井上  義久君   伊藤   渉君   池坊  保子君

石井  啓一君   石田  祝稔君   上田   勇君   漆原  良夫君

江田  康幸君   遠藤  乙彦君   大口  善徳君   太田  昭宏君

神崎  武法君   北側  一雄君   佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君

坂口   力君   田端  正広君   高木 美智代君   高木  陽介君

谷口  和史君   谷口  隆義君   富田  茂之君   西   博義君

東   順治君   福島   豊君   冬柴  鐵三君   古屋  範子君

桝屋  敬悟君   丸谷  佳織君   中村 喜四郎君   西村  真悟君

否とする議員の氏名

安住   淳君   池田  元久君   石川  知裕君   石関  貴史君

泉   健太君   市村 浩一郎君   岩國  哲人君   内山   晃君

枝野  幸男君   小川  淳也君   小沢  一郎君   小沢  鋭仁君

大串  博志君   大島   敦君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥村  展三君

加藤  公一君   金田  誠一君   川内  博史君   川端  達夫君

河村 たかし君   菅   直人君   吉良  州司君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   北神  圭朗君   楠田  大蔵君   玄葉 光一郎君

小平  忠正君   小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   古賀  一成君

後藤   斎君   郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君

佐々木 隆博君   笹木  竜三君   篠原   孝君   下条  みつ君

神風  英男君   末松  義規君   鈴木  克昌君   仙谷  由人君

園田  康博君   田島  一成君   田嶋   要君   田名部 匡代君

田中 眞紀子君   田村  謙治君   高井  美穂君   高木  義明君

高山  智司君   武正  公一君   津村  啓介君   筒井  信隆君

寺田   学君   土肥  隆一君   中井   洽君   中川  正春君

仲野  博子君   長島  昭久君   長妻   昭君   長浜  博行君

長安   豊君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   羽田   孜君

鉢呂  吉雄君   鳩山 由紀夫君   原口  一博君   伴野   豊君

平岡  秀夫君   平野  博文君   福田  昭夫君   藤村   修君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細川  律夫君   細野  豪志君

馬淵  澄夫君   前田  雄吉君   前原  誠司君   牧   義夫君

松木  謙公君   松野  頼久君   松原   仁君   松本  大輔君

松本  剛明君   三日月 大造君   三谷  光男君   三井  辨雄君

村井  宗明君   森本  哲生君   山岡  賢次君   山口   壯君

山田  正彦君   山井  和則君   柚木  道義君   横光  克彦君

横山  北斗君   吉田   泉君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君

渡辺   周君   渡部  恒三君   赤嶺  政賢君   石井  郁子君

笠井   亮君   穀田  恵二君   佐々木 憲昭君   志位  和夫君

塩川  鉄也君   高橋 千鶴子君   吉井  英勝君   阿部  知子君

菅野  哲雄君   重野  安正君   辻元  清美君   照屋  寛徳君

日森  文尋君   保坂  展人君   江田  憲司君   鈴木  宗男君

滝    実君   横路  孝弘君

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 次に、日程第三、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案につき採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(河野洋平君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(河野洋平君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十二

  可とする者(白票)      三百三十三

  否とする者(青票)       百二十九

議長(河野洋平君) 右の結果、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   安次富  修君   安倍  晋三君   阿部  俊子君

逢沢  一郎君   愛知  和男君   赤池  誠章君   赤城  徳彦君

赤澤  亮正君   甘利   明君   新井  悦二君   井澤  京子君

井上  喜一君   井上  信治君   井脇 ノブ子君   伊藤  公介君

伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君

飯島  夕雁君   石崎   岳君   石田  真敏君   石破   茂君

石原  伸晃君   石原  宏高君   稲田  朋美君   稲葉  大和君

猪口  邦子君   今井   宏君   今津   寛君   今村  雅弘君

岩永  峯一君   宇野   治君   上野 賢一郎君   浮島  敏男君

臼井 日出男君   江崎  鐵磨君   江崎 洋一郎君   江渡  聡徳君

江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  武彦君   遠藤  利明君

遠藤  宣彦君   小川  友一君   小此木 八郎君   小里  泰弘君

小野  次郎君   小野  晋也君   小野寺 五典君   小渕  優子君

尾身  幸次君   越智  隆雄君   近江屋 信広君   大島  理森君

大塚  高司君   大塚   拓君   大野  松茂君   大野  功統君

大前  繁雄君   大村  秀章君   太田  誠一君   岡下  信子君

岡部  英明君   岡本  芳郎君   奥野  信亮君   加藤  勝信君

嘉数  知賢君   海部  俊樹君   鍵田 忠兵衛君   梶山  弘志君

片山 さつき君   金子  一義君   金子 善次郎君   金子  恭之君

上川  陽子君   亀井 善太郎君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   川条  志嘉君   河井  克行君   河村  建夫君

瓦    力君   木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君

木村  隆秀君   木村   勉君   木村  義雄君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   久間  章生君

倉田  雅年君   小池 百合子君   小泉 純一郎君   小坂  憲次君

小島  敏男君   小杉   隆君   木挽   司君   古賀   誠君

後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君   河本  三郎君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   近藤  基彦君   佐田 玄一郎君

佐藤  剛男君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   佐藤   錬君

斉藤 斗志二君   坂井   学君   坂本  剛二君   桜井  郁三君

櫻田  義孝君   笹川   堯君   清水 鴻一郎君   清水 清一朗君

塩崎  恭久君   塩谷   立君   七条   明君   実川  幸夫君

篠田  陽介君   柴山  昌彦君   島村  宜伸君   下村  博文君

新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君   杉浦  正健君

杉田  元司君   杉村  太蔵君   鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君

鈴木  淳司君   鈴木  恒夫君   関   芳弘君   薗浦 健太郎君

園田  博之君   田中  和徳君   田中  良生君   田野瀬良太郎君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

高鳥  修一君   竹下   亘君   竹本  直一君   武田  良太君

武部   勤君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君

谷川  弥一君   谷畑   孝君   谷本  龍哉君   玉沢 徳一郎君

中馬  弘毅君   津島  雄二君   土屋  品子君   土屋  正忠君

寺田   稔君   とかしきなおみ君   戸井田とおる君   渡海 紀三朗君

土井   亨君   土井  真樹君   徳田   毅君   冨岡   勉君

中川  昭一君   中川  秀直君   中川  泰宏君   中谷   元君

中根  一幸君   中野   清君   中野  正志君   中森 ふくよ君

中山  太郎君   中山  成彬君   中山  泰秀君   永岡  桂子君

長崎 幸太郎君   長島  忠美君   長勢  甚遠君   並木  正芳君

二階  俊博君   丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君   西川  京子君

西川  公也君   西野 あきら君   西村  明宏君   西村  康稔君

西銘 恒三郎君   西本  勝子君   額賀 福志郎君   根本   匠君

野田  聖子君   野田   毅君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君

萩山  教嚴君   萩原  誠司君   橋本   岳君   馳    浩君

鳩山  邦夫君   浜田  靖一君   早川  忠孝君   林    潤君

林   幹雄君   林田   彪君   原田  憲治君   原田  令嗣君

原田  義昭君   平井 たくや君   平口   洋君   平沢  勝栄君

平田  耕一君   広津  素子君   深谷  隆司君   福井   照君

福岡  資麿君   福田  峰之君   福田  康夫君   福田  良彦君

藤井  勇治君   藤田  幹雄君   藤野 真紀子君   二田  孝治君

船田   元君   古川  禎久君   古屋  圭司君   保坂   武君

保利  耕輔君   細田  博之君   堀内  光雄君   馬渡  龍治君

牧原  秀樹君   増原  義剛君   町村  信孝君   松島 みどり君

松浪 健四郎君   松浪  健太君   松野  博一君   松本   純君

松本  文明君   松本  洋平君   三ッ林 隆志君   三ッ矢 憲生君

三原  朝彦君   御法川 信英君   水野  賢一君   宮腰  光寛君

宮澤  洋一君   宮路  和明君   宮下  一郎君   武藤  容治君

村上 誠一郎君   村田  吉隆君   望月  義夫君   茂木  敏充君

盛山  正仁君   森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君

森山  眞弓君   矢野  隆司君   谷津  義男君   安井 潤一郎君

保岡  興治君   柳澤  伯夫君   柳本  卓治君   山内  康一君

山口  俊一君   山口  泰明君   山崎   拓君   山中 あき子君

山本  明彦君   山本  公一君   山本  幸三君   山本   拓君

山本ともひろ君   山本  有二君   与謝野  馨君   吉川  貴盛君

吉田六左エ門君   吉野  正芳君   若宮  健嗣君   渡辺  具能君

渡辺  博道君   渡辺  喜美君   渡部   篤君   赤羽  一嘉君

赤松  正雄君   井上  義久君   伊藤   渉君   池坊  保子君

石井  啓一君   石田  祝稔君   上田   勇君   漆原  良夫君

江田  康幸君   遠藤  乙彦君   大口  善徳君   太田  昭宏君

神崎  武法君   北側  一雄君   佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君

坂口   力君   田端  正広君   高木 美智代君   高木  陽介君

谷口  和史君   谷口  隆義君   富田  茂之君   西   博義君

東   順治君   福島   豊君   冬柴  鐵三君   古屋  範子君

桝屋  敬悟君   丸谷  佳織君   江田  憲司君   中村 喜四郎君

西村  真悟君

否とする議員の氏名

安住   淳君   池田  元久君   石川  知裕君   石関  貴史君

泉   健太君   市村 浩一郎君   岩國  哲人君   内山   晃君

枝野  幸男君   小川  淳也君   小沢  一郎君   小沢  鋭仁君

大串  博志君   大島   敦君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥村  展三君

加藤  公一君   金田  誠一君   川内  博史君   川端  達夫君

河村 たかし君   菅   直人君   吉良  州司君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   北神  圭朗君   楠田  大蔵君   玄葉 光一郎君

小平  忠正君   小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   古賀  一成君

後藤   斎君   郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君

佐々木 隆博君   笹木  竜三君   篠原   孝君   下条  みつ君

神風  英男君   末松  義規君   鈴木  克昌君   仙谷  由人君

園田  康博君   田島  一成君   田嶋   要君   田名部 匡代君

田中 眞紀子君   田村  謙治君   高井  美穂君   高木  義明君

高山  智司君   武正  公一君   津村  啓介君   筒井  信隆君

寺田   学君   土肥  隆一君   中井   洽君   中川  正春君

仲野  博子君   長島  昭久君   長妻   昭君   長浜  博行君

長安   豊君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   羽田   孜君

鉢呂  吉雄君   鳩山 由紀夫君   原口  一博君   伴野   豊君

平岡  秀夫君   平野  博文君   福田  昭夫君   藤村   修君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細川  律夫君   細野  豪志君

馬淵  澄夫君   前田  雄吉君   前原  誠司君   牧   義夫君

松木  謙公君   松野  頼久君   松原   仁君   松本  大輔君

松本  剛明君   三日月 大造君   三谷  光男君   三井  辨雄君

村井  宗明君   森本  哲生君   山岡  賢次君   山口   壯君

山田  正彦君   山井  和則君   柚木  道義君   横光  克彦君

横山  北斗君   吉田   泉君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君

渡辺   周君   渡部  恒三君   赤嶺  政賢君   石井  郁子君

笠井   亮君   穀田  恵二君   佐々木 憲昭君   志位  和夫君

塩川  鉄也君   高橋 千鶴子君   吉井  英勝君   阿部  知子君

菅野  哲雄君   重野  安正君   辻元  清美君   照屋  寛徳君

日森  文尋君   保坂  展人君   鈴木  宗男君   滝    実君

横路  孝弘君

     ――――◇―――――

 日程第四 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

議長(河野洋平君) 日程第四、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長西川公也君。

    ―――――――――――――

 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔西川公也君登壇〕

西川公也君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成十七年十二月に閣議決定された行政改革の重要方針を実施するとともに、地方競馬主催者の連携の促進等を通じて厳しい状況にある地方競馬を活性化するため、競馬法及び日本中央競馬会法について所要の措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る四月二十五日参議院から送付され、五月十七日本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、五月二十二日故松岡農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、三十日質疑を行いました。質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) この際、暫時休憩いたします。

    午前一時二十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十三分開議

議長(河野洋平君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

     ――――◇―――――

加藤勝信君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 加藤勝信君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長七条明君。

    ―――――――――――――

 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔七条明君登壇〕

七条明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るため、所要の法整備を行うもので、その主な内容は次のとおりであります。

 まず第一に、犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度を創設し、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、業務上過失致死傷の罪等の被害者等が、証人の尋問、被告人に対する質問及び事実または法律の適用について意見の陳述をすることができることとしております。

 第二に、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪等の被害者等が、損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用することができる制度を創設することであります。

 第三に、刑事被告事件の被害者等には、原則として、公判記録の閲覧または謄写を認めることといたしております。

 本案は、去る五月十七日本委員会に付託され、二十三日長勢法務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、二十九日参考人から意見を聴取し、東京地方裁判所の視察を行いました。

 三十日、民主党・無所属クラブから、刑事裁判における犯罪被害者等の参加を犯罪被害者等の関与に改めること等を内容とする修正案が提出されました。本日、自由民主党及び公明党の共同提案により、政府に対し、法施行三年後における検討及び被害者参加人に対する弁護士の法的援助に係る努力を義務づける規定を追加する修正案が提出され、両修正案についてそれぞれ提出者から趣旨の説明を聴取した後、本案及び両修正案について質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、民主党・無所属クラブの提案に係る修正案は賛成少数をもって否決され、自由民主党及び公明党の共同提案に係る修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決するべきものと決しました。

 なお、本案に対して附帯決議が付されたことを申し添えて、御報告といたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 討論の通告があります。順次これを許します。上川陽子君。

    〔上川陽子君登壇〕

上川陽子君 自由民主党の上川陽子です。

 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、議題になっております犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案及び修正案について、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 犯罪被害者等の保護、支援については、これまでにもさまざまな法整備等が行われてきましたが、犯罪被害者の方々からは、被害からの回復には依然としてさまざまな困難があることが指摘されてきました。

 このような状況を改善し、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るため、平成十六年十二月、犯罪被害者等基本法が成立し、犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し、及び実施する国の責務が定められたところでございます。

 この基本法に基づき、平成十七年十二月に犯罪被害者等基本計画が閣議決定されました。

 本法律案は、この基本計画に基づき立案されたもので、犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るため、所要の法整備を行うものであります。

 主な内容としては、まず第一に、犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度を創設し、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、業務上過失致死傷の罪等の被害者等が、公判に出廷し、証人の尋問、被告人に対する質問及び事実または法律の適用について意見の陳述をすることができることとしております。

 第二に、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪等の被害者等が、損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用することができる制度を創設することとしております。

 これ以外にも、本法律案においては、犯罪被害者等に関する情報の保護に係る制度の導入や公判記録の閲覧謄写の範囲の拡大など、被害者のさまざまな権利利益の保護のための有意義な施策を講じております。

 今回導入される被害者参加制度は、長きにわたり慎重な議論が積み重ねられた結果、今回ようやく日の目を見ることになったわけですが、その発端は、被害に遭われた皆さんが勇気を持って声を上げたことにあります。

 これまで刑事裁判は、専ら裁判官、検察官、そして弁護人、被告人により進められており、被害者の皆さんは証拠品として扱われているにすぎなかったのであります。被害者やその御遺族の皆さんは、最も切実な利害関係を有する事件の当事者であるにもかかわらず、刑事裁判においては、疑問に思ったことを被告人に直接問いただすこともできない、名誉を傷つけられても抗弁することもできない、ひたすら傍聴席でみずからが被害に遭った事件の裁判の推移や結果をじっと黙って耐えて見守ることしかできませんでした。

 真実を知りたいという被害者やその御遺族の方々の声は悲痛であります。真実を知ることによって初めて、被害から立ち直るきっかけをつかむことができるのです。しかし、その願いがかなわず、刑事手続の中で被害者の皆さんは新たな二次被害を受けて苦しまれておられます。被害者の皆さんの中には、真実を知るためにわざわざ民事裁判を起こす方もおられました。

 こうした被害者やその御遺族の方々の声を受けとめ、政府は六十年余の歴史を有する刑事訴訟法を改正して、被害者参加の制度を設ける法律案を提出するに至ったのであります。この制度によって、被害者の皆さんが被害者参加人として法廷の中に、バーの中に入る権利が認められることになるわけであり、大変画期的なことであると考えております。

 本法律案の被害者参加制度は、被害者の方々の名誉の回復や被害からの立ち直りにも資するものであると同時に、刑事裁判が被害者の方々の心情や意見をも十分に踏まえた上でなされることがより明確となり、刑事司法に対する被害者を初めとする国民の信頼を一層確保するとともに、適正な科刑の実現にも資することになるものと考えております。

 なお、この被害者参加の制度については、これを導入すると法廷が混乱するのではないかなどとの御指摘もございましたが、検察官との間で十分にコミュニケーションをとった上で裁判所が許可して初めて認められるなど、そのような問題が生ずることのないよう十分に配慮された内容となっております。そして、参考人質疑に出席していただいた犯罪被害者の団体の代表からは、被害者参加制度は被害者にとって大変に有意義なことであり、立ち直りにも役立つことになるものであり、今までよりもはるかに被害者にとっては心が救われることになりますとの御意見をちょうだいして、全面的に賛成していただいたものであります。

 一方、本法律案の損害賠償命令の制度は、被害者の方々による損害賠償請求に係る紛争を刑事手続の成果を利用して簡易かつ迅速に解決することを目的とするものであり、その損害の回復を容易にする手段を提供するものとして重要な意義を有するものと考えられます。

 このように、本法律案の内容は、基本法の要請を十分に満たしており、犯罪被害者等の権利利益の保護を図る観点から極めて有意義であるものであって、犯罪被害者等から強く求められている施策を実現するものであります。

 なお、法務委員会に提出された民主党修正案につきましては、刑事裁判における犯罪被害者等の参加を犯罪被害者等の関与に改めること等を内容とするもので、基本法の要請を必ずしも満たしておらず、犯罪被害者等の権利利益の保護という観点からは原案を後退させるものと考えます。

 また、法務委員会において可決された修正案は、政府に対し、法施行三年後における検討及び被害者参加人に対する弁護士の法的援助に係る……

議長(河野洋平君) 上川君、申し合わせの時間が過ぎています。

上川陽子君(続) 努力を義務づけるものとしており、委員会の質疑を踏まえた前向きな修正と考えます。

 権利利益の一層の保護を図るため、本法案の一日も早い成立を強く願うものであり、以上をもちまして、賛成討論といたします。

 よろしくお願いいたします。(拍手)

議長(河野洋平君) 平岡秀夫君。

    〔平岡秀夫君登壇〕

平岡秀夫君 民主党の平岡秀夫でございます。

 私は、法務委員会におきましては、政府提出に係る犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する民主党提出に係る修正案に賛成するとともに、同修正案が万が一否決される場合には、犯罪被害者の方々の権利利益の拡大という基本的方向性が同じであるという観点に立って、数々の問題点はありますが、与党提出に係る修正案及び同修正案の修正部分を除く政府原案に賛成する立場から討論を行いましたが、残念ながら、民主党修正案は本会議に上程されていないため、以上申し上げたような立場に立って、民主党・無所属クラブを代表して、討論を行います。(拍手)

 本論に入る前に、本法案に関する法務委員会での審議の過程で重大な事実が判明したことを皆さんにお伝えしなければなりません。

 それは、松岡農水大臣の関係する事件に関する、二十八日月曜日に行われた安倍総理の発言の問題です。

 その発言は、同日の午後、東京地方検察庁、東京地検が記者に語った発言を引用する形式で行われていますが、東京地検の発言は、松岡農水大臣及びその親族等関係者に対する取り調べの事実はなく、またその具体的な予定もなかったというものでありました。その発言によれば、取り調べの具体的な予定がなかったにすぎず、明らかに将来の捜査の可能性、捜査の発展性まで否定しているものではありません。

 ところが、同日夕刻、官邸記者の質問に答えて安倍総理は、御本人の名誉のために申し上げておきますが、緑資源機構に関しては、捜査当局から松岡大臣や関係者の取り調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行う予定もないと、このような発言があったということを承知しておりますと発言したのです。

 これから取り調べを行う予定もないという発言は、明らかに将来の捜査の可能性や捜査の発展性を否定するものであります。東京地検が事件の捜査について説明することそのものも、これまでの例からいえば極めて異例なことで問題ですけれども、安倍総理が、その発言を引用する形式をとりながら、その内容を改ざんして発言するのはさらに大きな問題です。

 検察庁法第十四条に定める法務大臣の指揮権発動とまでは言いませんが、実質的に検察当局の捜査に枠をはめ、捜査に介入することとなるおそれが大きいのです。

 本日の法務委員会でも、法務大臣、下村官房副長官に対して、総理の発言を訂正するように求めましたが、両者からは拒否し続けられています。

 安倍総理に対し、速やかに自己の発言を訂正するとともに、捜査に介入しないことを言明されることを強く求めます。

 本論に入ります。

 民主党はこれまで、政府や与党に先駆けて犯罪被害者基本法案を提出し、犯罪被害者等基本法制定を主導するなど、犯罪被害に遭われた方々あるいはその遺族の方々の保護、支援に積極的に取り組んでまいりました。政府案は、基本法に基づいて策定されたものであり、その基本的方向は賛同すべきものと考えております。

 しかし、このうち、特に刑事裁判への被害者参加制度については、政府による被害者の方々への十分な意見聴取が行われていないとの批判があるとともに、当事者である犯罪被害者団体の中で意見が分かれ、また、刑事訴訟法学者の間にも有力な慎重論があることが先日行われた法務委員会での参考人質疑などでも明らかとなっております。

 すなわち、同制度に反対する被害者団体の方々からは、政府案の制度設計では被害者がかえって傷つくだけであり、参加できるのは一部の被害者だけだという意見が表明されているんです。

 また、慎重論を表明する学者からは、政府案は職権主義をとるドイツやフランスの被害者参加制度とは似て非なるものであり、被害者は専ら応報感情を満足させる存在として法廷に登場することにならざるを得ず、刑事裁判は復讐裁判と化し、これまでの刑事裁判の構造を崩して機能不全に陥らせる危険を内包しているとの指摘もありました。特に、裁判員裁判制度がほぼ時期を同じくしてスタートすることを考えますと、証拠に基づく冷静な事実審理や適正で公平な量刑が果たして可能なのかという疑問には大いに同意せざるを得ません。

 また、被害者団体からは、被害者の方々の経済的、精神的苦しみを和らげる制度や、被害者の方々が裁判に参加、関与することをサポートするための国選被害者弁護人制度の導入を初め、被害者の方々の実情を踏まえた丁寧な制度設計を求める声も出ております。こうした点について、政府案は十分なものとなっているとは言えません。

 こうしたことを踏まえて、民主党は、政府案の被害者参加制度にかえて、被害者の方々が法廷のバーの中に入らない形での被害者関与制度を導入し、被害者の方々の意見を検察官を通じて適切に刑事裁判に反映させるようにするとともに、資力のない被害者の方々等が刑事手続に適切に関与できるための援助の措置、裁判員の参加する裁判のもとでの被害者関与のあり方についての裁判員制度導入三年後の見直し条項、被害者の方々への損害賠償の国による立てかえ制度を含めた、犯罪による被害の補償に係る制度についての検討条項などを盛り込む修正案を提出したのであります。

 大変残念ながら、民主党のこのような修正案については、与党の諸君の全面的な賛同をいただける状況にはないのもまた事実と言わざるを得ません。また、さまざまな問題点の指摘があるにもかかわらず、与党からは強行採決をちらつかせての委員会運営が行われてきたことも事実なんです。この点を指摘してもなお、政府案の早期成立を求める被害者の方々の声にも真摯に耳を傾けるべきとの観点から、民主党としては、与党提出に係る修正案に盛り込まれている施行三年後の見直しの中で、実際にあらわれた問題点などを十分に精査し、必要な制度改正を行うという条件が付されることになったという状況のもとで、原案に賛成することといたしました。

 参議院においても、以上の懸念を真摯に受けとめた審議がしっかりと行われることを期待いたしたいと思います。

 なお、被害者の方々の権利利益の保護とあわせて被告人の権利も保障される公正な制度運用、被害者団体が求めている被害者の方々の経済的支援、被害回復のための施策の充実、被害者参加人となれない被害者の方々をも含めた被害者の方々への検察官からの十分な情報提供や意思疎通、これらを別途附帯決議で確認させていただきました。

 今回の法案についての見解や立場の違いにかかわらず、今後もさまざまな犯罪被害者団体の皆さんの思いや意見に広く耳を傾け、これらを十分に踏まえながら、犯罪被害者等基本法に定められた目的の実現に向けてともに力を合わせていくことを願い、私の討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       法務大臣 長勢 甚遠君

       厚生労働大臣 柳澤 伯夫君

       農林水産大臣臨時代理

       国務大臣 若林 正俊君


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