衆議院

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第7号 平成20年2月21日(木曜日)

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平成二十年二月二十一日(木曜日)

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  平成二十年二月二十一日

    午後零時三十分 本会議

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本日の会議に付した案件

 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部

  を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及

  び質疑


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    午後零時三十二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

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 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣冬柴鐵三君。

    〔国務大臣冬柴鐵三君登壇〕

国務大臣(冬柴鐵三君) 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 我が国の国際競争力の強化、地域の活性化、安全、安心の確保、環境の保全と豊かな生活環境の創造といった政策課題に対応するため、真に必要な道路の整備を計画的に進めることは、今後とも、我が国にとって重要な政策課題であり、このために必要な財源を、納税者の御理解を得ながら、引き続き確保することが必要であります。また、地方財政が厳しい中にあっても地域間格差への対応や生活者重視の視点から、地域の自主性にも配慮しつつ、地域の道路整備を着実に促進することが必要であるほか、地域の活性化、物流の効率化等の政策課題に対応する観点から、既存高速道路ネットワークの有効利用と機能強化を図ることが必要であります。

 この法律案は、このような状況を踏まえて提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、道路整備費の財源等の特例に関する法律について、法律の題名を道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律に改めることとしております。

 第二に、揮発油税等の収入額の予算額を毎年度道路整備費に充てる措置の適用期間を平成二十年度以降十年間延長するとともに、揮発油税等の収入額の予算額が各年度において道路整備費を上回る場合には、必ずしも当該年度の道路整備費に充てる必要はないものとしております。

 第三に、地方道路整備臨時交付金制度について、都道府県等が行う一般国道の整備事業を交付の対象とした上で、当該制度の適用期間を平成二十年度以降十年間延長することとしております。

 第四に、道路整備事業の地方の負担の軽減を図るため、道路整備事業の地方負担分について無利子の資金を貸し付ける地方道路整備臨時貸付金制度を平成二十年度以降五年間の措置として創設することとしております。

 第五に、高速道路の利用者等の利便を増進し、その負担の軽減を図るため、国土交通大臣が同意する計画に従い、高速道路株式会社による高速道路料金の引き下げとスマートインターチェンジ等の整備を目的として、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の債務を政府が承継することとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、特別会計に関する法律の改正等所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。鈴木淳司君。

    〔鈴木淳司君登壇〕

鈴木淳司君 自由民主党の鈴木淳司です。

 ただいま議題となりました道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、自民党を代表して質問いたしますが、それに先立ち、一昨日発生したイージス艦と清徳丸の衝突事故につき、徹底した救助活動と早期の原因究明を政府に強く求めます。

 まず初めに、昨今話題となっている道路財源の一部不適切な使われ方につき、こうしたことが国民の行政に対する信頼を失わせ、制度自体の本質の議論ではなく、末節な議論に終始させることにつながっていることを厳しく指摘し、適切な予算執行を改めて強く要請した上で、質問に入ります。(拍手)

 初めに、福田総理にお尋ねいたします。

 我が国は、OECD諸国における人口一人当たりGDP比較でもわかるように、ここ十数年来、その経済的地位を相対的に大きく低下させ、かつまた、成長する近隣アジア諸国に比較して、国際競争力も大きく劣後を始めています。

 急速に進行する高齢化と本格的人口減少時代を迎える我が国にあって、活力の維持、国際競争力の保持は、国の存立の根幹にかかわる極めて重要な課題であり、それを支える骨格とも言える基幹的な社会資本整備をないがしろにしては、国の将来はありません。

 一方、国民生活の現場に目を転じれば、地域間格差の是正と地域活性化対策、環境問題への対処、安心、安全の確保等、これまた課題山積であります。

 道路整備の事業量は、ピーク時に比べると今や半減しておりますが、かつて高度成長期に整備した橋などのストックが順に更新時期を迎え、また、本格的な人口減少に入る前のこの十年間こそが基幹的な社会資本整備のいわばラストチャンスとも言える時期であることを考えるとき、これからの十年間は、我が国にとって極めて重大な意味を持つと思われます。

 そこで総理に、今日我が国が置かれている時代環境の御認識と、道路整備の意義、並びに今回の改正で従来の五年間の措置期間を十年としたことの意味をお伺いいたします。

 続いて、国土交通大臣に二点お尋ねをいたします。

 市民生活や地域経済に直結する道路整備に対する地方の期待は、依然根強いものがあります。

 私の地元、愛知においても、地域の骨格たる幹線であり、名古屋大都市圏の環状道路機能をもあわせ持つ県道瀬戸大府東海線のように、期成同盟会が組織されて五十年近くたちながらも、今なお整備未了の道路がありますが、全国至るところでこのような事例は多いものと思います。

 地方自治体は、道路特定財源だけでは足りず、一般財源や地方債を投入して整備を進めているのが実態です。自治体財政も苦しい中、地方が不安を持つことなく、その負担軽減も図りながら、選択と集中のもと、地域が真に必要とする道路整備を進めることができるようにいかなる施策を講じていくのか、お聞かせください。

 次に、道路特定財源の見直しと納税者の理解に向けての取り組みについてお尋ねいたします。

 道路特定財源制度があるから無駄な道路をつくり続けているのではないかとの批判が聞かれ、また、財政状況が厳しい中で、道路特定財源の一般財源化を求める声があります。しかし、他の予算と同様、道路予算もまた厳しいシーリング下にあり、その予算額は年々減少しているのが実情です。

 他方、受益と負担の関係で成り立つ特定財源を納税者の理解を得ることなく直ちに一般財源化することは、税負担の公平性に大きな課題を生ずることになりかねません。事実、JAFや自動車工業会などによる一千万人を超える自動車ユーザーの署名においても、道路特定財源の一般財源化反対、道路に使わないなら減税すべきとの意思が明確に示されております。

 政府は、今、真に必要な道路を見きわめ、その計画的な整備を推進するとともに、それを上回る財源が生じれば、納税者の理解の得られる範囲内で一般財源化することとしており、また使途拡大の一環として、高速道路の有効活用、機能強化を図るための新たな措置も講じようとしています。

 こうした道路特定財源の改革については、国民と納税者の理解が欠かせませんが、納税者の理解促進に向けての取り組みについて、冬柴大臣にお尋ねいたします。

 最後に、社会資本整備の進め方とその財源のあり方は、国家の基本にかかわるものであります。野党には、これをいたずらに政局にすることなく、現実的かつ具体的な制度の対案を示していただき、その中で本国会における有意義な論議が進むように期待して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕

内閣総理大臣(福田康夫君) 鈴木議員にお答えをいたします。

 今後の道路整備についてのお尋ねでございました。

 本格的な人口減少・高齢化社会を迎え、またアジア諸国の経済力がますます高まっている中で、我が国の国際競争力を保持し、アジア、世界で相応の地位を占めていく上で、これからの十年は極めて重要な期間であると認識しております。

 このため、道路政策についても、今般、国民各層の幅広い意見を踏まえ、国際競争力の確保等の政策課題に重点的に取り組んでいく必要があると考えております。

 また、中期計画の素案の作成に当たりましては、二十一世紀を見据えた日本の国土建設という中長期的な視点に立ちつつ、道路整備の事業プロセスに通常は十年程度を要する実情も踏まえ、十年間を計画期間といたしました。

 今後十年間を見据えた道路の中期計画を策定し、重点化、効率化を図りながら、社会情勢の変化に対応した道路施策を計画的に進めてまいります。

 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)

    〔国務大臣冬柴鐵三君登壇〕

国務大臣(冬柴鐵三君) 鈴木議員より私に対し、二点のお尋ねがございました。

 まず初めに、財政状況の苦しい地方公共団体における道路整備への支援についてのお尋ねでございます。

 御指摘のとおり、地方公共団体の財政状況が厳しいことから、道路整備に当たって必要となる地方負担の軽減を図るため、地方道路整備臨時交付金において、地方公共団体の財政状況に応じて国費割合を引き上げる、地方公共団体が負担する道路整備費用の一部に対して国が無利子で貸し付ける地方道路整備臨時貸付金の創設などの措置を講じることといたしております。

 次に、納税者の理解促進に向けての取り組みについてのお尋ねがありました。

 昨年末の政府・与党合意では、真に必要な道路整備は計画的に進めるほか、納税者の理解が得られるよう、地域の活性化、物流の効率化等の観点から高速道路料金の引き下げを行うこと、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収については、納税者の理解の得られる歳出の範囲内で一般財源として活用することなどを盛り込んだところであります。

 今後、納税者、道路整備を切望されている地域の方々などを初め国民の皆様方に政府・与党の方針が十分に御理解いただけるよう誠心誠意努め、これらの取り組みを着実に進めてまいります。(拍手)

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議長(河野洋平君) 後藤斎君。

    〔後藤斎君登壇〕

後藤斎君 民主党の後藤斎でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま提案のありました道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対して、総理に対し質問いたします。(拍手)

 まず冒頭に、一昨日、海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突に関し、現在、懸命な捜索活動が続けられておりますが、今なお行方不明になっている清徳丸の乗員お二方の一刻も早い救出を心よりお祈り申し上げます。

 さて、民主党は、これまで交通基本法案を累次にわたり国会に提出してまいりました。国民の移動の権利を明記し、交通基本計画により総合的な交通インフラを効率的に整備し、重複による公共事業の無駄遣いを減らし、環境負荷の少ない持続可能な社会の構築を行い、地域住民のニーズに合致した交通網の整備を推進するものです。

 我が国は、人口が減少するという有史以来経験したことのない社会人口構造時代となり、今後は年間八十万人ずつ、私の住む山梨とほぼ同一の人口が減少し、三十年後には一億人を切るという予想がされており、国力の低下が危惧をされております。こうした時代に対応する陸海空の総合交通体系が今なお十二分に確立しておらず、縦割りで非効率なインフラ整備が続いています。また、港湾や空港のアジアでの地位は低下をし続けるばかりです。さらに、高齢者や障害者の方々の移動手段も十分に確保されているとは言いがたい状況です。

 今回、五十九兆円の道路予算を確保する一方で、整備新幹線の二兆円の財源確保もままならない、そして港湾整備に十分な予算手当てもできないといった偏った政策が継続して続いております。政策の優先順位も明らかにせず、中央集権的な特定財源制度に裏づけられた道路整備に偏重した構造には大きな問題があります。

 まず、総理にお尋ねをいたします。

 道路特定財源制度がスタートした以降、この五十四年間の道路、鉄道、空港、港湾、河川整備に費やしたそれぞれの税投入の総額を明らかにしていただきたい。その上で、総合交通体系における道路整備のあり方について根本から議論をし直し、その際には、私たちが提案をしている交通基本法案の成立を図るべきと考えますが、総理の御答弁をお願いいたします。

 二〇〇一年の小泉内閣成立以降、政府は年金保険料引き上げ、定率減税廃止など、九兆円もの負担増を国民に強いてまいりました。福田総理は年頭の記者会見で、打破すべきはこれまでの政治や行政のあり方そのもの、これまでの発想ややり方を大きく転換しなくてはならないと述べられました。にもかかわらず、今回五十九兆円の道路整備中期計画がつくられ、国民全員に五十万円の負担をさせ、整備された道路の将来の維持管理費用を加味すると、さらに国民の皆さん方に大きな負担がかかることになります。これでは、総理が発言をしてきた国民が主役、消費者が主役とは全く矛盾をすることです。

 また、道路特定財源の一般財源化は、小泉内閣での政府・与党の合意、安倍内閣での閣議決定事項ではないのですか。総理は、これまでの合意、決定事項を転換するということですか。答弁を求めます。

 民主党の政策を実施すれば、地方に歳入欠陥が生じ、道路建設に支障が出るとの批判がありますが、これは全く当たりません。暫定税率を廃止しても、我が党が主張する国直轄事業負担制度の廃止により地方の財源総枠を確保し、自治体の財政規律を通して必要な道路を必要な規格で整備すれば、道路整備は十分可能です。国土交通省道路局に任せておくと、スーパーゼネコンしか受注できないような規格が高い道路を整備したがるが、地方自治体にお任せをすれば、地元の業者が元請で受注でき、その地域に合ったコストでリーズナブルな道路を整備できることになります。

 暫定税率廃止をてこに、予算を組み替えて、政府みずからが汗をかき、無駄遣いを一掃し、将来にツケを残さないように努力することこそ今やるべきことではないでしょうか。

 道路特定財源を食い物にし、天下り先にとめどなく資金を供給し、遊戯具、マッサージ機を買い、駐車場をつくり、ミュージカルまで開いていた。このようなことを徹底的に洗い直し、道路特定財源を一般財源化し、国民のために予算をつくり直すべきです。総理の見解を求めます。

 我々は、昨年末に税制改革大綱を決定していますが、地方の道路整備にかける総額については、これを確保するという基本原則を貫いています。そもそも、まやかしの三位一体改革によって、地方の一般財源を六兆八千億も削減し、地方を切り捨てたのは与党の皆さん、あなた方ですよ。民主党の政策を批判するのはお門違いです。地方の疲弊は、自民党政治の失政です。

 民主党は、現在の個別の補助金制度を一たん廃止し、これをまとめて地方へ交付する一括交付金制度を確立し、道路特定財源を一般財源化することが地方の自主決定権を高め、真の地方分権に資すると考えております。

 また、ガソリン価格の引き下げ等が現下の厳しい家計、中小企業の負担を軽減し、景気回復に資することは明らかであり、地方を活性化させ、地方における道路整備をより柔軟に行えるような仕組みを確立すべきと考えますが、総理の御答弁をお願いいたします。

 五十九兆円を投入する計画の柱になっている一万四千キロの高速道路整備計画は、八七年に閣議決定した第四次全国総合開発計画と同一の水準です。私たちは、この計画が、将来的な交通量の減少傾向を示した最新のデータではなく、〇二年のデータをもとに作成されたことを国会で取り上げ、計画の見直しを求めていますが、国土交通大臣は、見直す必要はないと拒否されています。

 冬柴大臣は、中期計画では道路整備の基準を費用対効果で一・二以上に引き上げたと強調する一方で、予想交通量が落ちれば一・一に落ちる可能性もあるが、一以上にはなるかなとあいまいな答弁をしています。これでは、中期計画のそもそもの正当性が根本から揺らいでいると言わざるを得ません。

 この法案を審議する国土交通委員会では、国、地方レベルでの公聴会、参考人質疑を十分に行い、コスト削減に努力している自治体や国民の声をもっと十分に聞いた上で抜本的に中期計画を見直す作業に取り組むことは、与野党に課せられた責務だと考えますが、総理の御答弁を求めます。

 さらに、過去五十四年間の道路特定財源の総額、そのうち暫定税率分の総額、国、地方それぞれの道路整備の総額をお聞きいたします。あわせて、提出法案について、そもそも従来は五年間の措置を十年間の措置になぜ拡大をするのか。一般財源化しても、道路整備が重要なら堂々と毎年予算要求をすればよいのではないですか。特定財源に固執するのは国交省に説明能力がないと受け取ってもよろしいのでしょうか。道路整備費への未充当相当額について、翌年度以降の道路整備費に改めて充当可能としていますが、これは安倍内閣の閣議決定違反になるのではないでしょうか。これまで不透明な使い道を含む一兆七千億もの貸付金が使われてきましたが、今後五年間でさらに五千億規模の貸し付けを行おうとしましたが、この必要性についてお尋ねをいたします。さらに、高速道路料金引き下げも盛り込まれておりますが、財源が余っているというあかしではないのでしょうか。その分、税率を引き下げるという選択肢はないのでしょうか。

 以上の八点について、総理より明快なる御答弁を求めます。

 福田総理は、我が国のガソリンの値段は先進国の中でも非常に安いことを強調し、暫定税率は広い意味で環境関連税制という受け取り方をすべきと主張されています。ガソリンだけを見れば、確かに我が国の税率は安い部分もあるかもしれません。しかし、自動車関係諸税という大きなくくりで見れば、OECD加盟国の中でトップクラスであるということを総理はご存じがないのでしょうか。

 民主党は、自動車取得税を廃止し、重量税及び自動車税は一本化し、税収を自動車から生じる社会的負担に対応する地方の一般財源とすること、ガソリン等の燃料に対する課税は一般財源の地球温暖化対策税に一本化するとの将来のビジョンを示しています。政府こそ、環境税などについてどのように取り組むのか明らかにすべきではありませんか。総理の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕

内閣総理大臣(福田康夫君) 後藤議員にお答え申し上げます。

 道路特定財源制度創設以降の道路等の施設への税投入の総額についてお尋ねがございました。

 当初予算ベースでは、道路特定財源制度が設けられた昭和二十九年度から平成十九年度までに、道路に九十兆六千二百九十四億円、鉄道に一兆七千八十億円、空港に四兆八百七十六億円、港湾に十兆三千七百六十七億円、河川に三十三兆七千四百三十三億円が国費として投入されております。

 交通基本法案の成立についてお尋ねがございました。

 この法案は、高齢者、障害者等の円滑な移動の確保や環境負荷の少ない交通体系の形成を柱としているものと認識しておりますが、道路事業においては、これらに対応するために、空港、港湾へのアクセス道路の整備など、陸海空の総合交通体系の確保、改善に努めてきたところであります。今後とも、既存の法律等に基づき、道路と公共交通機関とが連携のとれた交通体系の構築に努めてまいります。

 道路特定財源の一般財源化についてお尋ねがございました。

 道路特定財源については、小泉政権のもとで、一般財源化を図ることを前提として、納税者の理解を得つつ具体案を得るとの基本方針が決まり、続く安倍政権のもとで、この基本方針のもと、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている現在の仕組みを改め、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収は一般財源とすることが決められました。

 今回の政府案は、こうした見直しの方針に沿って法案化したものでございまして、これまでの合意、決定事項を転換したものではございません。

 道路特定財源の使途についてお尋ねがございましたが、国民の皆様からいささかも疑念を持たれぬよう適正な運用に努めてまいります。

 一括交付金制度についてお尋ねがありました。

 地方への一括交付金の御提案でありますが、地方への補助金は、社会保障などの義務的な性格を有するものが多くを占め、また、御提案の一括交付金は具体的な内容等がわかりません。

 また、地方の道路整備の実態を見ると、地方みずからの判断により、特定財源のほかに約一兆七千億円の一般財源が投入されておりまして、御主張の一般財源化は、単に暫定税率を引き下げる以外に実質的な意味を持たないものと言わざるを得ないと思っております。

 道路の中期計画見直しは与野党の責務というお尋ねでございますが、国会の御審議のあり方につきましては国会でお決めになることとは存じますが、政府としては、中期計画の素案により国民に真に必要な道路整備の姿をお示ししつつ、関連法案を国会に提出しております。国会におかれては、国民生活の視点に立つとともに、地域の実情を踏まえて、与野党間で建設的な御審議をいただくことを期待いたしております。

 過去の道路特定財源の総額、暫定上乗せ分の総額、道路整備の総額についてお尋ねがございました。

 過去の道路特定財源の総額は、国、地方合わせて、平成十八年度までに約百四十九兆円、同じ期間に国が行った道路整備の総額は約五十兆円、地方が行った道路整備の総額は約百九十兆円でございます。

 過去の道路特定財源の総額のうち、暫定上乗せ分のお尋ねがございましたけれども、自動車重量税等については、車種区分ごとに税率が異なっておりまして、それぞれの年度ごとに一定の仮定を置いて試算を行う、そういう必要がありますけれども、そういう理由で、一概に申し上げることは困難であります。

 道路整備費の特例措置の延長についてお尋ねがございました。

 中期計画の素案の作成に当たりましては、二十一世紀を見据えた日本の国土建設という中長期的な視点から、道路整備の事業プロセスに通常は十年程度を要する実情を踏まえ、十年間を計画期間としたものであり、これに対応して、法案における財源の特例期間を十年間といたしておるところでございます。

 特定財源への固執についてお尋ねがございました。

 道路につきましては、自動車ユーザーという特定の集団の受益と負担との関係が明確であるため、道路特定財源について、今般もその制度の継続をお願いいたしておるところでございます。

 道路整備費への未充当額についてお尋ねがございました。

 今般の改正法案におきましては、受益と負担の関係にかんがみ、道路整備に充てなかった税収に相当する額は翌年度以降に道路整備に充て得ることとしつつ、翌年度以降も、その年度の道路整備費の予算額を超える額については、第三条第一項により一般財源として活用するものであり、平成十八年十二月の閣議決定違反という批判は当たりません。

 無利子貸付制度についてのお尋ねがございました。

 今回創設する無利子貸付制度は、地方公共団体の財政状況が厳しいことから、道路整備に当たって必要となる地方負担の軽減を図るために措置するものであります。

 高速道路料金の引き下げが財源が余っていることのあかしではないかとのお尋ねがございました。

 今回の高速道路料金の引き下げに係る措置は、地域活性化等の政策課題に対応するため国費を活用する枠組みをつくるものでありまして、高速道路料金の引き下げが財源が余っていることのあかしであるとの御指摘は当たらないと考えております。

 最後に、自動車関係諸税と環境税についてのお尋ねがございました。

 OECDの統計では、我が国の自動車関係諸税を含めて環境関連税制としてカウントされておりまして、その対GDP比はOECD平均を下回っていると承知いたしております。こうした状況をも踏まえれば、道路特定財源の現行税率水準を維持することが、地球温暖化問題への対応の観点からも必要であると申し上げてきたところでございます。

 なお、地球温暖化防止のための環境税については、総合的な検討を進めていくべき課題であると考えております。

 以上でございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 高木陽介君。

    〔高木陽介君登壇〕

高木陽介君 私は、公明党を代表し、道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部改正案について、福田総理並びに冬柴国土交通大臣に質問いたします。(拍手)

 質問に先立ち、千葉県野島崎沖のイージス艦と漁船の衝突事故に関し、一言申し上げます。

 いまだ行方不明の清徳丸の二人の乗組員の救助並びに原因の究明と再発防止について、政府として全力を挙げることを要望いたします。

 本法律案は、今後十年間にわたる我が国の道路整備の規模と財源を決定する重要法案であり、これまで五十年以上続いた揮発油税等の税収の全額を道路整備費に充てる仕組みを改めるという画期的な改正事項が含まれています。

 私も与党の一員としてこの改革にかかわってきましたが、道路特定財源の一般財源化のポイントは、全額充当の制度を改めることと、他方で、道路整備を目的として揮発油税等をいただいている納税者の理解を得ることの二つの連立方程式を解くことです。そうした意味で、今回の道路整備費を上回る税収を一般財源化するという政府案は、両者を満たそうとした案であると認識をしています。

 こうして改められた道路特定財源制度によって、今後十年間の道路整備を進めていくわけですが、その基本となるのが中期計画です。この中期計画では、道路整備の計画期間を五年から十年に延長した上で、その事業規模を五十九兆円としています。事業費と計画期間が国会の論戦の焦点となること自体は当然であり、望ましいことだとさえ思います。しかし、今国会冒頭から野党が、一万四千キロをつくろうとしている、五十九兆円を前提に道路をつくり続けると一方的な決めつけは、非生産的と言わざるを得ません。

 例えば渋滞対策でいえば、九千カ所の要対策箇所を事業効果の高い三千カ所に絞り込んできた結果できたのが中期計画だと理解していますので、中期計画が十年間の予算を縛ったり、個別事業がすべて確定しているということは問題であると思っています。五十九兆円ありきではなく、国民の目線でわかりやすく中期計画を示すことが必要であると思いますが、中期計画をどのように立案してきたのか、今後どのように実行しようとしているのか、総理の基本的なお考えを伺いたいと思います。

 次に、中期計画には高規格幹線道路などの基幹ネットワークが含まれています。そのうち高速自動車国道一万一千五百二十キロについては、国幹会議の議を経て、個別区間の取り扱いが決められますが、一般国道の自動車専用道路や地域高規格道路についてはこうした手続がありません。このことがなし崩し的に建設を進めているとの批判を招いている面があります。これら道路は高速自動車国道を補完するネットワークであり、その重要性を踏まえれば、その手続を行政内部だけで決めるのではなく、相応の客観的な手続が必要ではないかと思います。

 そこで、一般国道の自動車専用道路や地域高規格道路について、計画や整備を適切に判断するための手続を設けるべきではないかと考えますが、国土交通大臣の御見解を伺います。

 ところで、今回の道路特定財源に関する議論を進める過程で、道路特定財源の使い方として首をかしげざるを得ないものが明らかになりました。レクリエーションのためのラケット、カラオケ、アロマセラピー、ミュージカルなどです。また、道路特定財源が公用車の購入費や国土交通省の宿舎費に使われていることにも疑問が寄せられています。

 さらに、駐車場整備推進機構など関係法人との随意契約、国土交通省からの天下りの実態も明らかになり、政策目的があるとはいえ、道路特定財源が国土交通省の関係者のために使われているかのように国民の目には映ります。より透明で公正なシステムが強く求められるところです。

 こうしたことを踏まえて、道路特定財源の使い方については、もう一度道路特定財源制度の原点に返って、納税者の理解が得られるような公正、透明な使い方をすべきだと思いますが、国土交通大臣はどのように改革されようとしているのか、その基本方針をお伺いいたします。

 さきの衆参両院議長のあっせんにより、「各党間で合意が得られたものについては、立法府において修正する。」と与野党が合意をいたしました。国民から見れば、与野党が対立するのではなく、議論を通じて合意することを望んでいるのではないでしょうか。そのためにも、野党の皆さんは具体的な対案、法律案を出して、合意形成を図るべきだと思います。政府としては、本法律案がベストだと思って提出しているのでしょうが、与野党の合意の上での修正について、総理の考えをお伺いいたします。

 最後に、道路整備は、総理のおっしゃる国民の目線に立って行われるべきものです。政府には、このことを強く認識して事業の実施、予算の執行に当たっていただくようお願いして、私の質問を終えたいと思います。(拍手)

    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕

内閣総理大臣(福田康夫君) 高木議員にお答え申し上げます。

 道路の中期計画の立案、実行についてのお尋ねがございました。

 中期計画の素案では、渋滞対策などの政策課題ごとに、今後十年間で重点的に対策を講じる箇所数をもとに、必要な事業量を算出しております。

 財源特例法改正案の成立後、中期計画の閣議決定を行いますが、具体的な事業箇所は、毎年度予算編成において決定することとなります。その際、徹底したコスト縮減に努めながら、厳格な事業評価の実施等により、重点的かつ効率的な道路整備を進めてまいります。

 また、中期計画は、今後の社会経済情勢の変化や財政事情等を勘案しつつ、五年後をめどとし、必要に応じて所要の見直しを行っていく考えであります。

 本法案に係る修正についてのお尋ねがございました。

 政府としては、本法案が最善と考え国会に提出したものであり、税制改正法案と同じく年度内に成立することがぜひとも必要と考えております。

 国会におかれては、国民生活の視点に立つとともに、地域の実情を踏まえて、具体的論点を掲げながら、与野党間で建設的な御審議をいただくことを期待いたしております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたします。(拍手)

    〔国務大臣冬柴鐵三君登壇〕

国務大臣(冬柴鐵三君) 高木議員から二点についてお尋ねがありました。

 一般国道の自動車専用道路や地域高規格道路の手続についてのお尋ねでございます。

 一般国道の自動車専用道路や地域高規格道路については、これまでも、地域の要望を踏まえながら手続を進めるとともに、個別に厳格な事業評価を実施しているところです。

 一方、一般国道の自動車専用道につきましては、高速自動車国道を補完する広域的な機能を有する道路ですが、地域高規格道路については、その機能や役割が地域に特化した道路もあれば、複数県にまたがるなど広域的な機能を有する道路もあります。

 これらの道路のうち、特に広域的な機能を有する道路に関しては、さらにその手続の透明性を向上するため、第三者機関に諮り、適宜国幹会議に報告するなど、制度改正も含め必要な見直しを行っていくべきと考えております。

 次に、道路特定財源の改革についてお尋ねがございました。

 道路特定財源の支出については、いささかも国民の皆様に疑念を持たれることがないように、適正な運用を図ることが必要であり、不適切な支出は国民の目線に立って正していかなければなりません。

 このために、道路関係業務への支出の総点検を行い、今後の改革の方針を検討するための組織を大臣たる私のもとに立ち上げ、さまざまな観点から幅広く、道路特定財源の使途の妥当性を検証するとともに、支出の適正を確保するための方策や道路関係法人のあり方についても、第三者の御意見も伺いながら、徹底的に検討してまいりたいと考えております。(拍手)

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議長(河野洋平君) 穀田恵二君。

    〔穀田恵二君登壇〕

穀田恵二君 私は、日本共産党を代表して、道路財源特例法改正案について質問します。(拍手)

 福田総理は、今回の法案について、一般財源にできることを私の内閣で初めて法律化したものだと述べました。総理は、何をもって一般財源化というのでしょうか。

 法案第三条、ガソリン税は道路財源に充てなければならないという本則は一切変わっていません。その年の道路整備の事業費を上回る分があれば一般財源に充ててもよいというのにすぎません。これは、来年度予算でいえばわずか六%です。しかも、その使途は道路に関係する経費に限られているのであります。その上、一般財源に充てた分は翌年の道路整備費に戻さなければならないのであります。

 これのどこが一般財源化ですか。全くのごまかしではありませんか。一般財源化を偽装する法案と言わざるを得ません。総理の答弁を求めます。

 道路特定財源は一般財源化して道路にも環境にも福祉にも使えるようにすればいい、なぜ道路だけを特別扱いするのか、特定財源として自動的に道路ができていくという仕組みをなぜ変えないのか、多くの国民の率直な疑問です。ところが、総理は、道路の受益者である自動車ユーザーの理解が必要だと繰り返しています。理解を得なければならない自動車ユーザーとは一体だれのことですか。

 わずか一年ちょっと前、安倍内閣のとき、今や八割の世帯が自動車を保有しており、ガソリン税の納税者は国民全体だとして、一般財源化することを政府の基本方針として決定しています。総理はなぜ自動車ユーザーの理解をいまだに強調するのですか。ガソリン税の納税者が国民全体に及ぶと認めないのですか。答弁を求めます。

 もともと本特例法は、一九五三年に道路財源臨時措置法として制定され、以来、三年、五年の臨時、暫定措置をずるずる積み重ね、今日に至ったものであります。このことを全く反省せず、今回の法案は、事もあろうに、今後十年間にわたって道路財源の絶対量を確保しようとするものであります。人口減少や資源の枯渇、地球温暖化など、経済社会情勢がいかに変化しようとも、道路財源だけは聖域として確保する、これは経済政策としても全く道理がありません。答弁を求めます。

 次に、総額五十九兆円の中期計画を初めとする道路の整備計画についてお聞きします。

 この計画の中心は、高速道路のネットワークづくりであります。

 第一の問題は、バブル経済の真っただ中に、右肩上がりを前提に策定された高規格幹線道路一万四千キロの計画が、いつの間にか復活していることであります。

 二年前、小泉総理は、整備区間の九千三百四十二キロを超える部分については白紙だと明言したのに、なぜ復活したのですか。総理は、一万四千キロすべてつくるという考えですか。明確にお答えください。

 第二の問題は、高速道路は一万四千キロにとどまらないということです。

 一万四千キロを補完する地域高規格道路があります。百八十六の計画路線、約七千キロ、さらに百十の候補路線が九〇年代に建設大臣によって指定されているのであります。これには、紀伊淡路連絡道路、東京湾口道路など六本の長大橋道路の計画まで含まれています。すべて合わせれば、実に二万キロを超えます。一般国道の総延長五万キロの四割にも及ぶ高速道路網をつくるということになるのであります。

 政府は、高速道路をネットワークでつなぐことが重要だと言いますが、一体どこまで高速道路をつくり続けるつもりですか。その財源を保障するために道路特定財源が必要であり、暫定税率の維持が必要だということではありませんか。はっきりお答えください。

 こういった無謀な高速道路、大型道路の建設がやめられないのは、まさに道路特定財源があるからであります。

 第三の問題は、この三月に閣議決定をしようとしている国土形成計画の全国計画に、こうした高速道路ネットワークを位置づけようとしていることであります。

 これはなぜですか。今後の日本の国土計画づくりの中心に高速道路建設を据えることは、反省を迫られた過去の全総計画による開発中心の政策をこれまでと同じように続けることになるのではありませんか。過去の開発構想をそのまま推進することはやめるべきであります。

 最後に、生活道路の整備についてお聞きします。

 住民にとって今必要なのは、身近な生活道路の整備や維持補修です。ところが、地方自治体の財政不足で、生活道路の整備もままならない深刻な事態が広がっています。その原因は、国直轄事業負担金など高速道路中心の道路整備によって、地方は借金を押しつけられ、切実な生活道路の予算を削減せざるを得なくなっているからではありませんか。

 政府は、道路特定財源がなくなれば、通学路の整備や踏切の改善ができなくなると言います。しかし、これまで道路特定財源がありながら生活道路予算が削られている現実をどう説明するのですか。生活道路整備費の大半は、地方自治体の一般財源で賄われてきたものです。地方自治体にとっては、道路特定財源を一般財源化してこそ、自治体みずからの判断で、住民のために切実な生活道路の整備にも使うことができるのであります。

 特定財源のもとで自動的に高速道路ができていく仕組みを根本的に改め、その全額を道路にも福祉や医療にも使える一般財源化に今こそ踏み出すべきであります。

 以上、総理の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕

内閣総理大臣(福田康夫君) 穀田議員にお答えをいたします。

 道路特定財源の一般財源化について、ごまかしではないかとのお尋ねがございました。

 今回の法案では、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている現行の仕組みを改め、毎年度の予算編成において、真に必要な道路整備を上回る税収について使途を定めない一般財源として活用できることといたしております。

 今回の法改正により、今後とも、歳出歳入一体改革を継続する中で、道路整備費の縮減とこれによる一般財源の拡大が可能となることから、一般財源化はごまかしとの批判は当たらないと考えております。

 道路の受益者である自動車ユーザーについてお尋ねがございました。

 道路特定財源については、受益と負担の関係を踏まえ、自動車ユーザーに揮発油税等の暫定税率を御負担いただいているところでありまして、一般財源化に当たっては、揮発油税等の納税者である自動車ユーザーの理解を得る必要があると考えております。

 ガソリン税の納税者についてのお尋ねがございました。

 安倍内閣における平成十八年十二月の閣議決定においては、一般財源化を前提とした国の道路特定財源全体の見直しについては、税率を維持しながら、納税者の理解を得ることとの整合性を保つ旨、記されております。この納税者とは、基本的にガソリン税などの道路特定財源諸税を負担している自動車ユーザーであると考えております。

 道路特定財源を十年維持する理由についてお尋ねでございます。

 道路特定財源については、おおむね五年ごとに検討の上、自動車ユーザーの理解を得つつ、また国会においても必要との議決をいただき、継続されてきたものでございます。中期計画の素案では、二十一世紀を見据えた日本の国土建設という中長期的な視点、道路整備に要する期間を踏まえ、今後十年間に必要な事業費を算出し、このために必要な財源として、現行の税率水準維持を国民の皆様にお願いすることといたしました。

 なお、今後におきましては、一般財源の使途について納税者の理解が得られるよう努めてまいります。

 高規格幹線道路と地域高規格道路の整備についてお尋ねがございました。

 高規格幹線道路、地域高規格道路のいずれについても、今回の中期計画の作成に当たって、個別の整備方針を決めたわけではございません。各区間について、実際に整備するか否かは、費用負担を担う民営化会社と地元自治体の意思や、事業着手に先立って改めて行う客観的かつ厳格な事業評価の結果により判断されるものでございます。

 なお、小泉総理が九千三百四十二キロを超える区間については白紙であると答弁された際の考え方に変わりはありません。

 高速道路ネットワーク等の形成のために、道路特定財源、暫定税率の維持が必要なのではないかとのお尋ねがございました。

 ネットワークづくりそのものが国民生活に便益をもたらすものであり、道路特定財源として現行税率を維持することは、地域の自立、活性化に役立つ道路整備や環境対策にも役立つあかずの踏切の解消など、地域、国民生活に根差したその他の課題への対策を着実に実施するためにも必要でありまして、受益者負担の考え方を踏まえつつ、国民の皆様にお願いをすることといたしました。

 国土形成計画における高速道路ネットワークの位置づけについてのお尋ねでございますが、先般、国土審議会の答申を受けた国土形成計画の案では、基幹的な道路ネットワークは、その中でも特に必要性の高い道路などに重点を置いて、効率的な整備を推進することといたしております。

 生活道路予算が削減されていることについてのお尋ねでございますが、我が国の総道路投資については、平成十年のピーク時から事業量の四割以上が削減されておりますが、主に生活道路の整備や維持補修に充てられている地方単独事業の総道路投資に占めるシェアはほぼ一定でありますので、生活道路予算の減少は、厳しい財政状況を反映した結果と考えております。

 地方自治体のためにも一般財源化に踏み出すべきとのお尋ねがございました。

 地方においては、道路特定財源だけでは足りず、道路整備に使途が自由な一般財源を投入している状況でありまして、道路特定財源を一般財源化しても、自治体の予算配分の自由度や他の歳出に使える財源がふえるわけではありません。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 保坂展人君。

    〔保坂展人君登壇〕

保坂展人君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部改正案について、福田総理並びに冬柴国交大臣に質問をいたします。(拍手)

 「みちぶしん」「カントリーチャレンジャー」という国土交通省が仕込んだミュージカルが全国各地で公演をされていました。この財源は道路特定財源、道路整備特別会計であり、目的は道路事業に関する啓発、広報でありまして、平成十六年に道路局国道・防災課の寺元博昭企画専門官は、「情報が溢れる現代社会においては、楽しみの中に正論を忍ばせる工夫もまた重要なこと」「音と光とで繰り広げられるドラマは全国各地で新たな対話と感動を生み出して好評を得ています。多くの「道のファン」が誕生しています」とねらいをあけすけに述べています。

 福田総理、国が公共事業を推進するに当たって、道路特定財源を使って国民の情感に訴えるミュージカルなどの道路事業広報は必要不可欠だったんでしょうか。これはこれからどうするんでしょうか。総理の明確な答弁を求めます。

 さて、冬柴大臣、さきの答弁で、このミュージカルは平成十五年からの三年間で八十五回、総計五億二千万円がかかったということですが、間違いございませんか。また、平成十八年も含めた四年間で計何回、道路整備費を使ったんでしょうか。また、不思議なことに、私がこの問題を質問してから、国土交通省地方整備局等のホームページから次々と関連記事が消えているんです。税金を投入して行政が責任を持って展開した事業なら、堂々とデータを示して議論に応じるべきではないでしょうか。

 八月十日は道の日でございます。全国各地で「みちフェスタ」「道路フェア」などのイベントが、一カ所五百万円から八百万円で広告代理店などと随契で行われております。「道路をまもる!ラジコン体験ゲーム」、人力車体験、セグウェイ試乗会など道路にちなんだもののほかに、コンサートやワンワン大サーカス、いろいろなことをやっています。一体、去年、全国何カ所でこれらの道路イベントが行われたのか、その意義とコスト、財源を答弁していただきたい。

 また、道の相談室なるものが道路行政の出張窓口として全国に置かれて、天下り法人が運営しているようです。全国に一体何カ所あって、年間幾らかかっているのか、明らかにしていただきたいと思います。

 さらには、道路資料館という箱物も存在しているようです。全国で何カ所存在し、建設費、維持管理費にどれだけのコストを払っているのか、その意義と財源は何なのか。

 これらの事例は、道路整備費の名で支出されている氷山の一角にすぎません。道路行政の一般的な宣伝、啓蒙、こんなものは必要なのか、これらの融通無碍な事業支出の見直しは必要ないのか、冬柴大臣、答えていただきたいと思います。

 法案について伺います。

 法案では、税収が道路整備費を上回る場合には、毎年度予算において全額を充てなくてもいい、こうなっていますが、これでは、余らない場合は一般財源には移っていきません。そればかりか、改正法の三条四項では、道路財源が足りなくなった場合まで想定しています。本当に一般財源となる税収が見込めるんでしょうか。

 しかも、余って一般財源化したのに相当する額は、翌年度以降、道路整備費にさらに充当可能なものとして措置をするということになっています。二〇一七年度末に余った部分も二〇一八年度以降の各年度の道路整備費に回すということが規定されていて、これでは結局、十年間で一般財源にした部分はすべて道路に取り戻すということになってしまう中身です。これを一般財源化の偽装と言わずして何と言うんでしょうか。道路利権を守るためなら何でもあり、道路局特定財源堅持の執念を見る思いです。総理の明解な答弁を求めます。

 小泉改革では、日本高速道路保有・債務返済機構は、新会社から道路貸付料を受け取り、四十五年間で債務を完済し解散、その後は高速道路は無料開放することになっていました。しかし、今回、料金の値下げとスマートインターチェンジ等の整備を理由に、保有・債務返済機構の債務を国が承継するということになっています。これは、この間の道路公団改革の破綻を意味するものではないですか。総理の明解な答弁を求めます。

 この間、予算審議の過程で、道路のつくられ方、交通量の需要予測などについて議論が交わされています。日本全国でつくられている高速道路が、いずれは四車線に拡幅していくという暫定二車線方式で何と全国の高速道路工事の八割が行われているという実態も明らかになりました。道路をつくるかやめるかの二元論ではなくて、建設コストの再評価、これは真っ先にやらなければいけないでしょう。

 低価格でつくれるというスマートインターチェンジ、この前宣伝は、実際には百二十億から百五十億もかかる本線流入型工事が次々と企画されて、しかも、五十九兆円の枠外につくった五千億円の道路整備費から捻出する実態もはっきりと見えています。

 福田総理は、道路事業コストを再評価するつもりはないのか、未来永劫この日本型道路建設システムを見直す必要はないのか、再評価の勇気はないのか、総理の明快な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣福田康夫君登壇〕

内閣総理大臣(福田康夫君) 保坂議員にお答えいたします。

 道路事業広報のあり方について、まずお尋ねがございました。

 道路に限らず、公共事業は国民の皆さんの理解と協力が不可欠であり、そのために実施する広報活動のすべてが不適切なものとは考えておりません。しかしながら、厳しい経済情勢のもと、いささかも疑念と不快の念を持たれることがなく、また、無駄との指摘を受けることのないよう、見直すべきものについては見直すことが必要と考えております。

 道路特定財源について、一般財源となる税収が見込めるのか、お尋ねがございました。

 道路特定財源については、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている仕組みを改め、真に必要な道路整備を上回る税収については一般財源として活用することとしております。今後とも、歳出改革の徹底等を図ることにより、納税者の理解を得つつ、可能な限りの一般財源の確保に努めてまいります。

 道路特定財源について、一般財源化した額が後に道路整備に充てられるのではないかとのお尋ねがございました。

 御指摘の規定によりまして、納税者にとっては、いずれ税収相当額の道路整備が進められる一方、真に必要な道路以外はつくらない、すなわち、十年間も、そしてまた十一年目以降も、税収の額によって毎年の道路整備量が決まるという制約は一切ないという内容が実現されることとなり、これまでの道路特定財源制度を抜本的に改め、一般財源としての活用を可能とするものであります。

 次に、料金引き下げのための国の債務承継についてお尋ねがございました。

 道路ストックを活用し、道路利用者にとってより使いやすい道路にするとの視点も重視した施策展開を進めております。今回の措置も、地域の活性化等のため、既存のネットワークを活用して、料金引き下げ等を行う場合に限定して国の道路特定財源を活用する枠組みをつくるものでございまして、民営化会社の経営支援を目的とするものではなく、公団改革の趣旨に反するものではありません。

 次に、道路事業のコストの再評価等についてお尋ねがございました。

 道路事業の建設コストについては、絶えず見直しを行うことが求められており、今般実施した高規格幹線道路の点検においても、完成二車線相当への構造の見直しや、一部既存道路の活用などの規格、構造の見直しが行われております。今後、さらに、道路事業を初めとする公共事業の実施に当たっては、徹底したコスト縮減等に努めることが必要と考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣冬柴鐵三君登壇〕

国務大臣(冬柴鐵三君) 保坂議員からお尋ねいただきました、ミュージカルの上演実績等についてのお尋ねでございます。

 道路事業を円滑に進めることなどを目的とした普及啓発活動の一環として実施したミュージカルへの道路事業費の支出ですが、平成十五年度から十七年度の三年間で八十五件、計五億二千万円、平成十八年度を含む四年間で合計九十五件、計五億七千万円の支出を行っていました。

 道路事業への理解と協力を促すための取り組みに対して道路事業費を支出することは、御指摘のミュージカルについては一切行わないということを決めました。

 道に関するイベントの意義とコスト、財源についてのお尋ねがございました。

 国土交通省では、道路の意義、重要性について改めて国民の皆様に関心を持っていただくために道の日を設け、道路の美化や清掃活動、写真や作文のコンテストなどの実施とともに、いわゆる「みちフェスタ」などを開催し、児童を含む幅広い、親しみやすい形で道路についての関心を深めていただいてきたところでございます。

 これらのいわゆる「みちフェスタ」などの催しにつきましては、平成十九年度は国土交通省の出先機関において二十九カ所で実施し、これらの経費として道路特別会計から約一億円を充てております。

 道路資料館についてのお尋ねがございました。

 道路行政全般のPRを行う、資料館という名称の施設は全国に四カ所あり、一施設当たりの建設費として約三千五百万円、また、平成十九年度には一施設当たり年間運営費として一千四百万円を道路整備特別会計より支出いたしております。

 道の相談室についてお尋ねがありました。

 道の相談室は、国民から電話やインターネット、ファクスなど、さまざまな形で幅広く道に関する相談を受け付け、いただいた意見や苦情に速やかに対応するための窓口として平成十年度より設置しており、平成十八年度には年間約六万件の相談を受け付けています。

 こうした相談に対処するため、現在、全国の地方整備局に電話等の受付窓口を三十六カ所設けております。また、この道の相談室の業務を補佐するために、単独で発注をしている四カ所について、平成十八年度実績で八千七百三十万円を支払っています。その他の窓口については、道路管理等の業務の中で対応しているため、道の相談室の業務のみの契約金額を明らかにすることは困難でございます。

 最後に、道路行政における普及啓発活動のあり方についてのお尋ねがありました。

 道路行政の推進に当たって、国民の皆様の理解と協力が不可欠であります。今後は、こうした普及啓発活動については、国民の目線に立って見たとき、国民の皆様にいささかの疑念や不快感を持たれることのないようにすることが重要であります。その活動内容や支出額について、ホームページ等を活用して適切な情報開示に努めるとともに、新たに立ち上げる私をトップとする改革の組織において、総点検と改革の方針の検討を行ってまいります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十四分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  福田 康夫君

       国土交通大臣  冬柴 鐵三君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官  大野 松茂君

       国土交通副大臣  平井たくや君


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