衆議院

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第20号 平成20年4月10日(木曜日)

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平成二十年四月十日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十号

  平成二十年四月十日

    午後一時開議

 第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案(内閣提出)

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本日の会議に付した案件

 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案(内閣提出)

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長平沢勝栄君。

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 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔平沢勝栄君登壇〕

平沢勝栄君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、外務省における組織の合理化及び海外における物価、為替の変動等の諸事情を踏まえ、総領事館の新設や在外基本手当の基準額の改定等、所要の改正を行うものであります。

 その主な内容は、

 第一に、在青島及び在ナッシュビルの各日本国総領事館を新設するとともに、これらの総領事館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めること、

 第二に、在マカッサル日本国総領事館を廃止すること、

 第三に、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額及び研修員手当の支給額を改定すること、

 第四に、外務公務員の子女教育手当及び住居手当の支給要件を改定すること

であります。

 本案は、四月三日外務委員会に付託され、翌四日高村外務大臣から提案理由の説明を聴取し、九日質疑を終了いたしました。質疑終了後、自由民主党及び公明党から施行期日に関する修正案が提出され、提出者から趣旨説明を聴取いたしました。次いで、採決を行いましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第二、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長東順治君。

    ―――――――――――――

 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔東順治君登壇〕

東順治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、中小企業において、代表者の死亡等に起因する経営の承継がその事業活動の継続に影響を及ぼすことにかんがみ、中小企業における経営の承継の円滑化を図るため、遺留分に関し民法の特例を定めるとともに、中小企業者が必要とする資金の供給の円滑化等の支援措置を講じ、あわせて、平成二十年度中に相続税の課税について政府が必要な措置を講ずること等を定めるものであります。

 本案は、去る三月三十一日本委員会に付託されました。

 本委員会においては、四月二日甘利経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月四日質疑に入り、昨日質疑を終了したものであります。質疑終了後、採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。環境大臣鴨下一郎君。

    〔国務大臣鴨下一郎君登壇〕

国務大臣(鴨下一郎君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 地球温暖化は、地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、その対策は人類共通の課題であります。IPCC、気候変動に関する政府間パネルの報告書によれば、地球温暖化の進行は疑いようがなく、ここ数十年間に、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があります。気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき採択された京都議定書が平成十七年二月十六日に発効し、世界の地球温暖化対策は新たな一歩を踏み出しました。そして、本年から、その京都議定書の第一約束期間が開始されています。

 また、我が国は、クールアース推進構想に基づき、地球全体の温室効果ガス排出量の早期のピークアウトと二〇五〇年までの半減を目指し、北海道洞爺湖サミットの議長国として世界の議論をリードしていく必要があります。

 しかしながら、我が国の温室効果ガスの排出量は、平成十七年度には基準年度に比べ七・七%の増加となっています。国際約束の達成はもとより、世界の議論をリードするためには、国内における排出削減に加えて、京都メカニズムの活用、森林の整備等により、京都議定書の目標との差となる一三・七%を埋めることが喫緊の課題です。この中でも、特に国内の排出削減のための対策努力が必要であり、特に温室効果ガスの排出量が伸び続けている業務部門や家庭部門における対策を抜本的に強化することが必要です。

 このような状況を踏まえ、京都議定書の六%削減約束の確実な達成を担保するために必要な、国内における排出削減対策の追加的措置を講ずるため、また、京都議定書の第一約束期間以降を見据え、さらなる長期的かつ継続的な排出削減のための基盤を整備するため、本法律案を提案した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、都道府県、指定都市、中核市及び特例市は、地方公共団体実行計画の中で、その区域の自然的社会的条件に応じた温室効果ガスの排出の抑制等のための施策についても定めることといたします。また、都市計画などの策定及び実施に当たっては、地方公共団体実行計画との連携を図りつつ温室効果ガスの排出抑制に配意することといたします。これにより、今後、地球温暖化対策を念頭に置いた地域づくりが各地で進められることが期待されます。

 第二に、事業者は、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出の抑制に資する設備の選択など、必要な措置を講ずるとともに、国民の日常生活における排出抑制の取り組みに寄与する措置を講ずるよう努めなければならないことといたします。国は、こうした措置の適切かつ有効な実施を図るために、排出原単位の望ましい水準などを示した指針を策定、公表し、必要に応じて助言などを行ってまいります。

 第三に、温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度について、事業者単位、フランチャイズチェーン単位の算定、報告の仕組みへと変更いたします。これにより、業務部門を中心に、温室効果ガス排出量のカバー率が大幅に拡大することになります。

 第四に、現行の都道府県に加え、指定都市、中核市及び特例市においても、地球温暖化防止活動推進センターの指定や、地球温暖化防止活動推進員の委嘱を可能といたします。また、地球温暖化防止活動推進センターの業務内容も見直し、地方公共団体実行計画の達成のために行う施策に必要な協力をすることも業務内容に加え、国民に一層身近な形で対策の推進を図ります。

 第五に、CDM事業のうち、途上国における植林により吸収源を強化する活動から発行されるクレジットについて、その森林が滅失した場合などに求められる国際合意に基づく補てん義務を履行するため、その主体、当該義務の履行方法などを定めることといたします。また、国は、クレジットの事業者による自主的な取得及びその国への移転などが円滑に進められるよう配慮することといたします。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。北川知克君。

    〔北川知克君登壇〕

北川知克君 自由民主党の北川知克でございます。

 ただいま議題となりました、いわゆる温暖化対策推進法に対し、自由民主党を代表して質問いたします。(拍手)

 全国各地から桜の便りを聞き、改めて日本の四季の移ろいを感じ、我々が非常に恵まれた環境の中で暮らしていることを実感しつつ、近年の気候の変化に危惧を抱くものであります。

 北海道洞爺湖サミットを七月に控え、また、この四月から京都議定書の第一約束期間が始まる中、京都議定書で定められた六%削減が非常に厳しいと言われております。本法案は、今世紀の人類の大きな課題である地球温暖化防止を図り、国際社会で我が国が役割を果たす上においても重要であります。また、世界の国々から信頼を得るためにも、温暖化対策推進法に基づく京都議定書目標達成計画が確実に実行され、温室効果ガス排出の六%削減が図られることが必要であります。

 そこで、今回の法改正と三月に改定された京都議定書目標達成計画によって六%削減が達成可能となるかどうか、環境大臣にお伺いいたします。

 次に、地球温暖化問題は、IPCCの第四次報告書にもあるとおり、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高いと指摘されております。人為起源、すなわち私たちの生活や事業活動を含む社会活動全体と密接不可分であると言えます。つまり、地球温暖化防止は、私たち一人一人が日々の活動の中で考えなければならない課題であります。

 今回の法改正においても事業者の排出抑制や国民生活における排出削減の取り組み促進などを掲げておられますが、具体的にどのような取り組みを推進されていくのか、環境大臣にお伺いをいたします。

 次に、政府や地方公共団体は、社会活動全体が温暖化を防止する方向へ変わり得るような対策を幅広く総合的に整備する必要があります。法律、政省令、条例の制定や法律に基づく税の徴収と配分によって、社会全体の意識や行動をよりよい方向に導いていくことが重要であります。法律と税制が車の両輪のごとく相まって機能してこそ、活力ある調和のとれた社会が構築されると考えます。

 昨年政府が策定した環境立国戦略の中で示した低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現による持続可能な社会とは、真に長期的な視点に立ち、活力ある調和のとれた社会を目指すものであると考えます。今回の法改正においての今後の目指すべき社会の方向性と地方公共団体の役割について、環境大臣の御所見をお伺いいたします。

 さて、最近の原油高、食料品の高騰や安全性の問題に接するとき、我が国が直面するエネルギーや資源事情全体にもかかわる問題でもあり、早急にこのような原油高等の影響を受けにくい社会構造に移行していくべきであると考えます。

 また、二十一世紀は、地球環境を守りながら、エネルギー、食料、水を世界の国々がどのように確保し、分かち合っていくかが一つの課題であります。

 その中で我が国が果たすべき役割は、国内の温室効果ガス排出削減はもちろんのこと、省エネ技術などのすぐれた環境力による世界への貢献であると考えますが、環境大臣の御所見をお伺いいたします。

 地球温暖化防止が世界の共通課題の今、我が国の政治の責任は重大であります。今国会で議論されてきた道路特定財源暫定税率については、国や地方の財政全体に与える影響やCO2排出の助長を考えるならば、国民が喜ぶからといって暫定税率を撤廃するだけでよいのかどうかを真剣に考える必要があります。将来にツケを回すべきではないと考えます。

 また、地球環境が主要な議題となるサミットの議長国として、国の内外に誤ったメッセージを発信すべきではありません。一刻も早く暫定税率をもとに戻し、議長国としての良識を世界に示すことが必要であると考えますが、鴨下環境大臣、いかがでございますか。

 最後に、地球温暖化問題は、いわば慢性的でかつ地球全体の健康をむしばむ病のようなものであります。今生きている我々の使命は、地球の健康を守り、次の世代へよりよき環境を引き継いでいくことであります。そのためには、政府の一貫した施策と断固たる決意のもと、継続的な取り組みと国民各界各層の理解と協力が不可欠であります。

 昨今の風潮として他に求め過ぎることが多い中、福田内閣が基本理念として掲げられた自立と共生こそ、これからの国づくり、また地球温暖化防止にも必要であるということを申し述べて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣鴨下一郎君登壇〕

国務大臣(鴨下一郎君) 北川議員にお答えを申し上げます。

 京都議定書の六%削減目標の達成の見込みについてのお尋ねがございました。

 ことし開催される北海道洞爺湖サミットなどの場を通じ、我が国が国際的にリーダーシップを発揮するためにも、京都議定書の六%削減目標を必ず達成することが必要であります。

 このため、あらゆる分野において対策を強化すべく、三月に京都議定書目標達成計画を改定し、さまざまな追加対策を盛り込んでいます。

 具体的には、自主行動計画の強化、業務用エアコン、電球型蛍光灯等のトップランナー基準の強化、自動車の燃費のさらなる改善などの対策を盛り込んでいます。また、一人一日一キログラムCO2削減チャレンジ宣言や排出量の見える化を通じた国民運動の強化も盛り込んでいます。

 加えて、今般提出した地球温暖化対策推進法改正案においては、事業者に対する排出抑制等指針の策定や、地方公共団体実行計画の拡充などの措置を盛り込んでいます。

 今後、経済活動の活発化などにより目標達成が困難となることも考えられるため、適宜適切に計画の進捗状況の厳格な点検と機動的な見直しを実施して、必要な対策の追加、強化を行い、六%削減目標を確実に達成してまいります。

 また、事業者や国民生活における排出削減の促進についてお尋ねがありました。

 事業者については、まず、みずからの事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制のため、できるだけ排出量の少ない設備を導入したり、適切な方法で設備を使用したりする取り組みが求められています。また、事業者は、国民生活における排出抑制に寄与するため、CO2の排出の少ない製品を製造したり、使用に伴う排出量などに関する正確でわかりやすい情報を提供したりする取り組みが求められます。

 一方で、国民には、事業者が提供する情報を活用しつつ、エネルギー効率のよい製品を使用することや、日々の節電等により、CO2排出量の削減等の取り組みが求められます。

 今回の法改正に当たりましては、このような取り組みに関し、導入すべき設備や国民に対する情報提供の方法などに係る具体的な指針を策定することとしています。あわせて、事業者の行う情報提供の技術的手法に関するガイドラインの提供等の支援を行うことによって、事業者及び国民の排出削減の取り組みを促進してまいりたいと思います。

 今後の目指すべき社会の方向性と地方公共団体の役割についてお尋ねがありました。

 今回の法改正においては、CO2排出を減らす技術や製品が経済活動や国民生活において十分に活用されるよう、排出抑制に関する事業者の責務を定め、具体的な指針を策定することとしています。これによって、CO2排出を減らす技術や製品が市場において評価を受け、環境保全と両立しながら豊かな生活と経済成長が確保できる社会づくりに結びつくことが期待されます。

 また、地域の特性に応じた取り組みを進めることが重要であり、地方公共団体にはその中心的な役割を果たしていただく必要があると考えています。このため、改正法においては、特例市以上の地方公共団体に対して、循環型社会の形成や緑地の保全等についての施策を含めた、地域の総合的な計画の策定を求めています。

 このような施策を通じて、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現による持続可能な社会を目指してまいります。

 省エネ技術等の環境力を活用して世界へ貢献すべきとの御指摘がございました。

 御指摘のとおり、我が国には、国内の温室効果ガスの排出削減を行うのみならず、得意分野である省エネ技術等の環境力を活用して、アジアまた世界への貢献が求められていると認識をしております。

 そのため、昨年閣議決定されました二十一世紀環境立国戦略では、我が国の公害克服の経験と知恵を生かしてアジアや世界への環境技術の展開を図るため、クリーンアジア・イニシアチブを提唱しているところでございます。

 具体的には、公害対策等と温暖化対策との相乗的、一体的な対策であるコベネフィット対策などの環境国際協力をアジアの国々と進めているところであります。

 今後は、五月に神戸で開催されるG8環境大臣会合、十月ごろにベトナムで開催される東アジア環境大臣会合の場などで国際機関などと協働し、環境力による世界への貢献を進めていく所存でございます。

 ガソリン税の暫定税率についてお尋ねがありました。

 世界では、地球温暖化問題への対応として、ガソリン消費の抑制効果を勘案してガソリン税を引き上げる傾向にあります。また、我が国は、環境・気候変動が主なテーマの一つである本年七月の北海道洞爺湖サミットを目前に控え、議長国として世界をリードする役割を果たさなければなりません。

 そのような状況で我が国がガソリン税を引き下げることは、世界に誤ったメッセージを与えることになりかねません。ガソリンなどへの燃料課税は、地球温暖化対策上一定の役割を担っていると考えられ、暫定税率の税率水準の維持が必要と考えております。

 以上でございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 末松義規君。

    〔末松義規君登壇〕

末松義規君 民主党の末松義規です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対して、関係大臣に質問します。(拍手)

 今、地球温暖化問題は重要な節目を迎えています。まず、日本にとり、今月、この四月が京都議定書第一約束期間の最初の月であることを重く受けとめ、日本が国内外に約束した六%削減目標を確実に達成するために全力を尽くしていく必要があります。

 一九九七年の京都会議で日本は議長国を務め、大きな役割を果たしました。昨年末、主要排出国が参加して二〇一三年以降の枠組みについて交渉する道筋を定めたバリ・アクションプランが合意されていますが、本年七月の洞爺湖サミットにおいては、まさにこの地球温暖化問題が最重要課題となることは明らかであり、議長国としての日本の力量が世界的に注目されています。

 しかし、最近の日本政府や与党の取り組みを見ていますと、国際的リーダーシップを発揮しようとするどころか、消極的で、後ろ向きの姿勢が目立ちます。

 まず、バリ会議において、日本政府は、京都議定書において先進国が国別に温室効果ガスの削減目標を持っていることには言及せず、セクター別のアプローチや官と民の協力ばかりを強調して、京都議定書を発展させるどころか、これをないがしろにしようとしているとの疑念を国際的に惹起させました。

 さらに、日本政府の発言に対する強い反発はその後もやみませんでした。例えば、国際NGOが会議で最も足を引っ張った国を不名誉な化石賞として表彰する制度がありますが、日本はその化石賞の第一位、第二位、第三位を独占してしまったのです。

 また、ことし一月に開催されたダボス会議では、地球温暖化問題について、福田総理の講演後の質疑で、ブレア前英国首相から洞爺湖サミットではどのような合意が得られそうかと問われると、総理は、議長として各国の御意向を取りまとめるのが役割だとだけ応じ、会議場内を白けさせたと言われております。

 今のままでは、洞爺湖サミットで議長を務める日本の総理は、地球環境問題で見識あるリーダーシップを発揮して各国を束ねていくことが本当にできるのでしょうか。一縷の望みと大きな懸念を持ちながら、質問させていただきます。

 まず、京都議定書第一約束期間における温室効果ガスの排出削減に対する我が国の取り組みについてお尋ねします。

 京都議定書は、二〇〇八年から一二年までの五年間の平均で温室効果ガスの総排出量を、基準年の一九九〇年に比べて六%の削減を日本に課しています。しかし、基準年に比べて、二〇〇六年は六・四%も温室効果ガス排出量が増加しております。約束の六%削減を果たすには、この六・四%の増加分を合わせて、一二・四%削減を達成する必要があります。京都議定書目標達成計画を三年前から実施しながら、基準年の水準にも達していない現状の責任をどう政府は考えているのか。まず、この点からお伺いしていきたいと思います。

 次に、今回の政府提出法案は、温室効果ガス算定・報告・公表制度の見直し、排出抑制指針の策定、国民生活における温室効果ガス排出抑制のための取り組み促進、地方公共団体実行計画の充実などが柱となっていますが、要は、小粒なメニューの寄せ集めに終始しているというのが率直な印象です。

 全く財政措置もなければ、京都議定書CO2削減量との関係も皆目わかりません。削減量達成の道筋が全く見えてこないのです。空疎というイメージそのものです。具体的に、同法案施行によってCO2削減のやり方がどのように変わり、どの程度の削減効果が見込まれることになるのか、環境大臣、お答えいただきたいと思います。

 ここで特に重要なことは、CO2削減のプロセスを国民の皆様に実感してもらうことです。電気、ガスなどの伝票、企業の有価証券報告書などにおいて二酸化炭素の排出量を一つ一つ表示して見える化し、ふだんから国民の皆様に自分が一日に何キログラムのCO2を排出しているのか自覚してもらうことが必要です。そのような自覚を持っておられる議員がこの議場に一人でもおられるのでしょうか。恐らく、手を挙げられる方はおられないでしょう。民主党は、修正案として、このような実効的な考え方を含めた案を準備中です。こうした提言にどうこたえられるのか、環境大臣、経済産業大臣、金融担当大臣の御所見を求めます。

 次に、ポスト京都議定書に向けた新たな国際的枠組みの構築と日本の責務についてお尋ねいたします。

 米国について言えば、共和党のマケイン、民主党のクリントン、オバマのどの大統領候補も、地球環境問題に積極的に取り組むことを公約しています。昨年末、オーストラリアでは、地球環境問題での保守党政権の無策ぶりを批判し、京都議定書の批准を公約に掲げた労働党が勝利し、当時の首相も落選するという劇的な政権交代が起こりました。時代は着実に前進しています。

 一方、途上国は京都議定書での排出削減の義務を負っていませんが、議定書に規定がない二〇一三年以降の枠組みを決めるポスト京都交渉では、排出抑制を求めるのは当然と考えます。中国、インドなど目覚ましい経済発展を遂げる新興国は、生活水準の向上と環境対策を両立させていく責務があります。

 ここで重要なことは、日本がみずからの目標を示さず、手本を示すことなくして、温暖化問題を語る資格はないということです。

 第一に、中長期的削減目標という観点から、日本政府は二〇五〇年までに世界でCO2を半減するということを提唱しましたが、日本国内の総量目標はいまだ設定しておりません。民主党は既に、日本国内においては一九九〇年比で二〇五〇年よりも早い時期にCO2五〇%削減、二〇二〇年に二〇%削減を表明しています。

 お聞きしますが、サミット直前である今、我が国の二〇五〇年における長期的な総量目標の設定値を今こそ表明すべきではないでしょうか。

 さらに、政府としては二〇二〇年の中期目標も明示すべきです。

 また、日本政府は最近になって、一九九〇年基準年の変更を打ち出しました。これは突然のルール変更だと批判が出ています。いずれにせよ、この基準年をいつにするのか、はっきりとお答えください。

 これらの対応を踏まえ、洞爺湖サミットで総理が国際的にどういうリーダーシップを発揮していくのかについてもお答えいただきたいと思います。

 第二に、各国の国別目標設定という観点から、最近の国際会議において日本政府は、セクター別に削減可能量を積み上げて各国別目標を公平な形でつくると主張していますが、そのような各国別目標によって、二〇五〇年世界排出量半減のために必要十分な削減量が本当に確保できるのでしょうか。また、確保できない場合はどうするのでしょうか。

 さらに、国際的に、このセクター別アプローチで本当に各国がまとまると考えているのでしょうか。特に、途上国は反発を強めているようですが、見通しについて、環境大臣、お答えください。

 民主党として、日本が京都議定書における第一約束期間における温室効果ガスを着実に削減し、ポスト京都も見据えた地球温暖化対策において世界をリードしていくためには、日常生活における国民各層の努力はもちろんのこと、主要な二つの基本施策に取り組む必要があると考えます。

 第一は、CO2国内排出権取引市場の創設です。CO2削減努力が報われるようなインセンティブがある効果的なやり方であり、大規模排出源をカバーできる制度です。

 民主党は、総合的な効果が上がるような制度設計を行い、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出権取引市場の創設を早くから提言しています。欧州などで先行し、米国やオーストラリアなどが予定しているCO2排出量取引制度も、日本では、一部産業界などの強い抵抗から、導入の検討が全く進んでいません。

 私は個人的に、この排出権取引市場が国際的な広がりを持つと、取引そのものに若干の手数料を付加して、その資金を先進国から途上国への環境技術移転の支援原資にもできるのではないかと考えています。

 第二は、地球温暖化対策税の創設です。具体的には、国内排出権取引制度とのポリシーミックスの中でCO2排出量に着目し、課税する仕組みを早急につくるべきです。

 英国においては、産業界の大きな抵抗があったものの、揺るぎない英国政府のリーダーシップのもと、粘り強い対話と説得を続け、排出権取引制度や環境税を早期に導入することができました。この英国の事例は大いに参考になりました。これとは対照的に、政府が改定した京都議定書目標達成計画においては、国内排出量取引や環境税については、いつものことながら旧態依然として、単に速やかに検討すべき課題と位置づけられているにすぎません。これは先送りとしか考えられません。今こそ政治がリーダーシップを持って、産業界ともじっくり話し合い、これらの制度の導入に向けた道を確立すべきときです。環境大臣、経済産業大臣の答弁を求めます。

 特に経済産業省は、この国内排出権取引制度については、一部産業界の意向を受け、同制度の研究そのものにも門前払いをしてきたと聞いています。これでは産業界の言いなりと言われても仕方なく、リーダーシップの欠如だとの評価がなされていますが、経済産業大臣の答弁を求めます。

 さらに、これら二つの重要課題では、環境、経済産業両省の対立を解決すべく、総理や官房長官が早くから将来を見据えたリーダーシップを持って調整に入るべきであったと考えますが、官房長官の答弁を求めます。

 次に、地球温暖化対策とも密接に関係するエネルギー政策について質問します。

 民主党は、環境対策技術開発の推進と、省エネ技術をさらに発展させるとともに、天然ガス、石油、石炭、原子力に加え、再生可能エネルギーや燃料電池など未来型エネルギーの普及開発と、エネルギー供給源の多様化を促進することで、総合的なエネルギーのベストミックス戦略を確立することを提唱しています。

 特に、風力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーの一次エネルギー総供給に占める割合を重点的に高めるべきです。中でも、太陽光の発電量においては世界の先頭を走ってきた日本は、ついにドイツに首位を奪われるなど後退も目立ちます。固定価格買い取り制度なども視野に入れて、再生可能エネルギーを積極的に支援すべきだと考えますが、経済産業大臣、環境大臣の答弁を求めます。

 また、経済産業省が最近示した長期エネルギー需給見通しは、二酸化炭素など温暖化ガスの排出予測とその削減費用を試算しています。日本は、今後五十二兆円もの巨額を投じて省エネなどに努めても、二〇二〇年の段階で一九九〇年比三%しか温暖化ガスの排出を削減できないというのがその内容です。

 投資によって生じる利益については触れておらず、経済産業省による五十二兆円負担論は、国民へのおどしとも受け取られ、京都議定書の否定とも受け取られかねないものですが、その意図するものは一体何なのか、経済産業大臣より詳細かつ丁寧な国民に対する説明を求めます。

 最後に、日本政府や与党の温暖化防止対策を通じて強く感じてきたことは、温暖化を絶対に食いとめるぞという政治の確たる決意が感じられないこと、国民や経済界を引っ張っていく気迫や気概がないことです。このため、我が国の方針がいつまでも決まらず、諸外国のイニシアチブに流されていく、いつもの情けない姿が浮き彫りになっています。

 聞くところによると、自民党は、何と二日前に温暖化対策推進本部ができ、昨日初会合が開かれたばかりということです。サミット直前のこのような時間感覚では、とても世界を相手にする環境戦略やリーダーシップがあるとは思えません。そのような政党とは一線を画し、我々民主党政権を誕生させ、世界に対し日本の強力な環境リーダーシップを実現させていくことを心からお約束申し上げ、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) 末松議員にお答えいたします。

 まず、これまでの温室効果ガス排出量の増加の責任についてのお尋ねがございました。

 二〇〇六年度速報値では、温室効果ガス排出量が、基準年である一九九〇年度に比べ六・四%増加しております。これは、京都議定書目標達成計画を策定した二〇〇五年度の排出量に比し一・三ポイント減少はしているものの、依然として高い水準にあり、六%削減は決して容易ではない状況にございます。

 そのため、政府としては、先月末に京都議定書目標達成計画を改定し、考え得る限りの取り組みを盛り込み、目標達成への道筋を示したところであります。今後、計画の進捗状況の厳格な点検と機動的な見直しを行い、必要に応じて対策の追加、強化を早急に行うことにより、確実に目標を達成していきたいと考えております。

 次に、日本としての目標及び基準年の設定についてのお尋ねがありました。

 我が国は、クールアース推進構想に基づき、二〇五〇年までに世界全体の温室効果ガスを半減させること、今後十年から二十年の間に排出量のピークアウトが必要であることを世界に呼びかけているところであります。

 このような目標達成のためには、すべての主要排出国が責任ある形で参加する、実効性のある国際枠組みを構築することが不可欠であります。そうした枠組みの一環として、我が国は、他の主要排出国とともに、公平性の観点から、セクター別の積み上げ方式による国別総量目標を掲げて排出削減に取り組む決意を明らかにし、各国際会議等でもその主張をし、国際的にも次第にその理解が深まっているところでございます。特に、これまでこの問題についてはどちらかというと否定的であったEUが積極的にこの積み上げ方式というものを評価するようになってきているという大きな変化もあらわれているところでございます。

 現在、国内で、我が国の国別総量目標の設定に向け、目標年や基準年も考慮しつつ必要な作業を進めているところであります。また、数値をいつ提示するかは、すべての主要排出国の参加や公平性の確保を原則に、全体を取りまとめるサミット議長国としての立場も考慮しながら、最終的に結論を出すこととされている来年末COP15を念頭に置きながら、交渉状況を踏まえて適切に判断してまいりたいと考えております。

 北海道洞爺湖サミットでは、議長国として積極的にリーダーシップを発揮し、実効性ある枠組みづくりを進展させるような成果を上げるべく、我が国の考え方や取り組みについても各国の理解が得られますように、今後も建設的に議論を進めていきたいと考えております。

 次に、国内排出量取引や温暖化対策税の検討についてのお尋ねがございました。

 民主党提案の詳細については明らかにされておりませんので、コメントすることは困難でありますけれども、国内排出量取引や環境税については、総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部で取りまとめられました改定京都議定書目標達成計画において、総合的に検討すべき課題の一つとして位置づけられ、検討が進められております。

 総理の主導のもとで設置された地球温暖化に関する懇談会におきましても、国内排出量取引や環境税など排出削減を進めるための政策手法について、政策手法分科会を設置して、専門的な観点を含めて検討することとしております。

 なお、環境税の重要性に関して御指摘がありましたが、そうであれば、ガソリン税の暫定税率を引き下げよとの民主党の主張がなぜ正当性を持つのか、まことに理解に苦しむところでございます。

 ちなみに、リットル当たりの税負担額は、暫定税率が二十五円引き下げられた今日、日本は三十五円であります。イギリスは百五十七円、ドイツは百四十二円、フランスは百三十四円と、日本の四倍前後の高さになっております。また、OECDの資料によれば、日本のガソリン税は、既に環境関連税制として国際的にも分類をされていることを御承知おき願いたいと存じます。

 環境重視の観点から、ぜひ末松議員にも、また民主党の皆さん方にも、暫定税率の復活に御理解を賜りたいところであります。

 いずれにしても、今後とも、最も重要な環境問題である地球温暖化対策の推進につきましては、さまざまな手段を活用して、政府一体となって取り組んでいく決意でございます。(拍手)

    〔国務大臣鴨下一郎君登壇〕

国務大臣(鴨下一郎君) 末松議員にお答えを申し上げます。

 この法案による排出量の削減手法、削減効果についてのお尋ねがございました。

 今回の法律においては、算定・報告・公表制度を企業単位、フランチャイズチェーン単位に見直すこと、排出抑制等の指針を策定し、公表することなどを規定しているわけでありまして、事業者や国民が自主的、積極的に環境に配慮した活動等に取り組むことを強化するものであります。

 また、京都議定書目標達成計画の見直しにより示された各対策は、個別に削減効果が見込まれていますが、今回の法改正は、業務部門における算定・報告・公表制度のカバー率の拡大など、目標計画の各対策を確実に進める効果があると考えております。

 二酸化炭素排出量の見える化についてのお尋ねがございました。

 今回の改正法において、指針を策定し、事業者による国民への適切な情報提供を進めるとともに、算定・報告・公表制度の拡大により、温室効果ガス排出量の可視化をさらに進めることとしております。

 民主党の御提案の内容は、私も詳細存じておりませんので、これにお答えすることは今はできませんけれども、国民一人一人の理解と協力を得て排出削減を進めるためにも、わかりやすい情報の提供が重要であると考えます。

 我が国が提案しているセクター別積み上げ方式についてのお尋ねがございました。

 我が国としては、セクター別の積み上げ方式を活用することにより、十分な排出削減が可能と考えています。国別総量目標の設定に当たり提案しているこの方式につきましては、今後のその方法論を国際的に議論する、こういうことにしておりまして、その結果を踏まえて、削減量の確保を図ることとしたいと考えています。

 国際的にも、先週バンコクで開催されました次期枠組み交渉特別作業部会において、セクター別アプローチは、公平な目標設定のために有効な手段であること、国別総量目標を代替するものではないということ、先進国と途上国に一律の基準を当てはめるものではないということ等を説明申し上げまして、先進国から異論は出ておりません。途上国からも、現段階ではセクター別アプローチを評価することには慎重な意見が出ていたことは事実でありますが、議論をさらに行い、理解を深めていくことに大きな反対は出されませんでした。

 こうした点を踏まえまして、引き続き、建設的な議論を進めていきたいと考えます。

 国内排出量取引制度と環境税の導入についてお尋ねがありました。

 国内排出量取引制度については、環境省としては、今後の温暖化対策の有効な選択肢の一つであると認識しております。二〇〇五年から自主参加型の国内制度を実施して、知見や経験の蓄積を進めています。

 環境省としましては、産業界や学識経験者から成る検討会を設置しておりまして、国際的な動向も踏まえつつ、我が国の実情に合った排出量取引制度の具体的な制度設計のあり方についての検討を、関係者の理解を得ながら加速させてまいります。

 環境税については、地球温暖化対策全体の中での具体的な位置づけ、その効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、諸外国における取り組みの現状などを踏まえまして、総合的に検討を進めてまいります。

 また、省エネ住宅改修やバイオ燃料に対する減税、自動車税制のグリーン化などの温暖化対策のための税制も幅広く推進していく必要があると考えております。

 再生可能エネルギーの促進策についてお尋ねがありました。

 京都議定書目標達成計画に定める再生可能エネルギーの導入目標達成のためには、その拡大に向けた対策の加速化が不可欠と考えております。

 そのため、環境省では、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーについて、民間企業が行う新たな技術開発、設備整備に対する支援などのさまざまな導入拡大施策について取り組んでいるところでございます。

 また、改正された京都議定書目標達成計画においても、再生可能エネルギーの導入促進に向けた抜本的な対策強化について検討を行うこととしております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 電気やガス料金の伝票に二酸化炭素排出量を記載すべきとの御指摘についてでありますが、毎月の検針票にはその月と前年同月の使用量を記載しておりまして、増減の傾向を把握できることから、各家庭での自主的な省エネに寄与するものとなっております。

 二酸化炭素は、電気やガスだけではなく、灯油などの消費によっても発生をするために、電気やガスの検針票に記載するだけでは全体の排出量が計算できないわけであります。電力会社などはホームページで、各家庭みずからが二酸化炭素排出量を計算できる仕組みを提供しておりまして、各家庭の自主的な取り組みの促進に役立つものと考えております。経済産業省としては、このような事業者の取り組みを促してまいりたいと考えております。

 環境税の導入についてのお尋ねがありました。

 経済産業省といたしましては、国民に広く負担を求めることになるため、地球温暖化対策全体の中での具体的な位置づけ、その効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、諸外国における取り組みの現状などを踏まえて、国民、事業者などの理解と協力を得るように努めながら、総合的に検討すべき課題であると考えております。

 国際的な動向も踏まえ、キャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度を導入すべきとの御指摘であります。

 国内排出量取引制度につきましては、自主行動計画による大きな削減効果などを十分踏まえた上で、産業活動や国民経済に与える影響、国際的な動向等の幅広い論点について総合的に検討していくべき課題と考えております。

 経済産業省といたしまして、同制度や環境税を含む経済的手法についての検討会を先月省内に設置したところであります。今後とも、このような場を通じて検討を深めてまいります。

 再生可能エネルギーの導入政策についての御指摘であります。

 再生可能エネルギーの普及は、地球温暖化対策やエネルギー源の多様化の観点から重要であります。現時点では、コストが高い、出力が不安定であるといった課題があることも事実であります。

 そのため、技術開発や設備導入支援、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法でありますが、これの着実な推進などに取り組んでいるところでありますが、電力事業者に対しまして再生可能エネルギーにより発電した電力を高価格で購入することを義務づけるという固定価格買い取り制度につきましては、電気料金の恒常的な値上げにつながるとか、発電事業者のコスト削減インセンティブが働きにくいといった課題を有していることは事実です。

 こうした課題を受けまして、昨年、国際エネルギー機関、IEAは、固定価格買い取り制度を導入したドイツに対しまして、本制度が市場をゆがめているものであり、見直すべき旨の勧告を出しております。

 いずれにせよ、再生可能エネルギーのさらなる普及を図るべく、速やかに総合的な検討を行ってまいります。

 最後に、長期エネルギー需給見通しについてのお尋ねがありました。

 今回の長期エネルギー需給見通しでは、高コストであっても実用段階にある技術が最大限普及すると想定した排出量を見通すとともに、それに要する社会的コストを示しました。これによりまして、企業や家庭で必要となる取り組みについて国民的議論を深めていきたいと考えております。

 本見通しにおいて、二〇二〇年のエネルギー起源CO2排出量は九〇年比マイナス三%でありますが、これからの努力を示す二〇〇五年比ではマイナス一三%となっております。また、二〇一〇年時点につきましても、森林吸収、代替フロン、京都メカニズムのクレジット等、エネルギー起源CO2以外による削減を勘案しますと、京都議定書上の目標をしっかりと達成する見通しとなっております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣渡辺喜美君登壇〕

国務大臣(渡辺喜美君) 有価証券報告書などにCO2の排出量を表示する取り組みについてのお尋ねがございました。

 現在でも、有価証券報告書では、各企業が、CO2排出量を含め環境問題に対する取り組みを自主的に記載することが可能となっております。また、社内に環境委員会を設置し、その活動を情報開示したり、環境報告書を作成したりする企業も出てきております。

 金融庁としては、引き続き、環境情報の自主的な開示の動向や投資家のニーズを注視してまいりたいと考えております。(拍手)

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議長(河野洋平君) 田端正広君。

    〔田端正広君登壇〕

田端正広君 公明党の田端正広です。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に関して、関係大臣に質問いたします。(拍手)

 かけがえのないこの地球環境を健全な姿で我々の子孫に残すことが、私たちにとって最大の使命であります。近年、ヒマラヤ氷河の融解や海面上昇など地球温暖化の影響が世界じゅうに広がり、我が国においても猛暑や集中豪雨などの異常気象が続いております。一刻も早く地球温暖化の進行を食いとめ、持続可能な社会を構築することが、現代に生きる私たちの喫緊の課題と言えます。

 我が国の京都の名を冠した京都議定書の第一約束期間が始まりました。二〇〇八年から二〇一二年の五年間の温室効果ガス排出量を、年平均で基準年比六%削減しなければなりません。しかしながら、二〇〇六年度では基準年比で逆に六・四%ふえており、一二・四%の削減が至上命題になっています。責任あるCOP3の議長国として、また今夏の洞爺湖サミットの議長国として、政府のかなめである官房長官の現状認識と今後の決意を伺います。

 次に、業務その他部門を中心とした事業者の排出抑制を進めるための施策について質問いたします。

 年度末に改定された京都議定書達成計画について、中央環境審議会と産業構造審議会合同会議で合意できなかったのが、経済的手法である国内排出量取引制度と環境税の導入であります。

 排出量取引は今や国際社会の潮流であり、我が国としても、導入時期や対象ガス、オークションなど具体的な制度設計が必要だと考えます。現在、地球温暖化問題に関する懇談会で議論されていますが、日本型排出量取引制度の導入に一歩踏み込むべきだと考えますが、官房長官の見解を求めます。

 あわせて、環境税の導入も温暖化防止の大きな抑止力になると考えます。

 ガソリン税をめぐって全国的に混乱していますが、民主党の思惑どおり、ガソリン一リットル当たり二十五円と軽油一リットル当たり十七円の暫定税率が失効しました。暫定税率の失効によって、第一約束期間冒頭から、ガソリン税が下がり、車の利用が大きく伸びることが予想され、国立環境研究所の試算では、年間にして八百万トンのCO2がより多く排出されるといいます。この八百万トンとは、国土交通省がインフラ対策によって二〇一〇年までに削減を目指す年間の数値目標に当たります。

 欧州の主要国は、環境に配慮し、ガソリン税を段階的に引き上げており、イギリスやフランス、ドイツでは、ガソリン一リットル当たり課税額は百三十円から百五十円の間で、税負担率は六〇%台であります。今回の失効により、日本の課税額は三十五円となり、税負担率は二七・六%と欧州主要国の半分以下になりました。

 今回の暫定税率の失効は、国際社会、いわんや地球温暖化防止の流れに逆行しており、諸外国からの信頼を損なっています。一日も早い暫定税率の復元に期待するとともに、これを機に環境税の論議を開始すべきだと考えますが、官房長官の見解を求めます。

 また、本法案では、地方自治体による計画的できめ細かな対策が実施されることになります。環境省は、昨年度末に自治体の温室効果ガス削減実行計画の策定状況をまとめました。これによると、四十七都道府県が計画で掲げる数値目標を達成すれば基準年比七・三%の削減となる見込みであり、これら自治体の実効性のある削減措置を国も支援すべきだと考えます。

 一方、地域の実行計画を策定していない自治体や、削減目標を明記していない自治体もあります。環境省としてしっかりと通達を行い、さらに自治体名を公表するなどの措置をとるべきだと考えますが、環境大臣の見解を求めます。

 六%削減に欠かせないのが、国民生活における取り組みです。二〇〇六年度の温室効果ガス排出量は、家庭部門で基準年比三〇・四%も増大しています。まずは、身近なことから取り組める、例えば、歯磨きや洗顔、ひげをそるときに水を出しっ放しにしない、冷暖房の設定温度は夏は二十八度以上、冬は二十度以下にするなどの節電、節水、節約の国民総運動、いわゆるもったいない運動を大々的に展開すべきだと考えます。あわせて、取り組んだ人にはエコポイントなどで還元するような環境行動促進事業を早急に普及させるべきだと考えますが、環境大臣の見解を求めます。

 私は、二〇〇〇年に、リデュース、リユース、リサイクルのスリーRを推進する循環型社会推進基本法の制定を促し、二〇〇二年には自然との共生を目指した自然再生推進法の制定にもかかわりました。つまり、低炭素社会とは、循環型社会と自然共生社会との三位一体であり、その総合的政策の結集が地球温暖化防止につながると考えますが、環境大臣の見解を求めます。

 また、クールビズのように、私たちの暮らしを根本から考え直す機会を国民に提供すべきだと思います。公明党の提案もあり、本年、環境省は、六月二十一日の夏至の日から洞爺湖サミット開催初日である七月七日まで、全国のライトアップ施設やネオンサイン、各家庭の明かりなどを一斉に消灯するライトダウンキャンペーンを実施すると発表しましたが、この七夕の日をクールアースデー、地球温暖化対策の日と位置づけ、国民啓発の記念日にしてはいかがでしょうか。あわせて、国民生活部門の排出を削減するための意識啓発について、環境大臣の見解を求めます。

 次に、二〇一三年以降の新たな枠組みについて伺います。

 本法は、二〇一三年以降の中長期目標が明示されていません。特に、世界全体で二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を半減させるとの目標を実現するため、日本としての中長期目標を早期に明らかにして、しっかりとしたビジョンを示すべきだと考えます。そのためには、二〇二〇年を目標年として、この年をピークアウトの年にするという理念法、基本法的なものが必要かと思いますが、官房長官の見解を求めます。

 さらに、二〇一三年以降の国際的枠組みをどう構築するかがかぎと言えます。まずは近隣の中国と韓国との連携協力を強め、東アジアとして二〇一三年以降の国際的枠組みづくりに先駆的な役割を日本が果たし、欧米各国へもつなげていくことが大切であり、日本の役割と責任は非常に大きいと言えます。

 我が国は、水銀中毒による水俣病や、カドミウム汚染によるイタイイタイ病、また大気汚染による四日市ぜんそくなど、四十年前には、水質汚濁や大気汚染による公害で悩まされました。それを見事に克服し、今日の環境と経済の発展をもたらしました。

 今、中国は、この水や大気の環境汚染で悩んでいます。日本にはこれら公害を克服した経験と技術、人材があります。つまり、日中の環境技術協力によって、中国が公害問題を解決することができて初めて地球温暖化防止への取り組みにもつながるわけで、両方に寄与するコベネフィット事業を進めることが最も重要と言えます。その意味でも、公明党が以前から提唱してきました日中環境基金の創設をぜひとも進めていただきたい。特に、胡錦濤国家主席が五月に来日されるときがチャンスだと考えますが、今後の見通しと決意を外務大臣に伺います。

 韓国は、もはや経済発展をなし遂げ、いわゆる先進国の集まりであるOECDの加盟国であります。我が党の太田代表が先日訪韓の折、李明博大統領に二〇一三年以降の新しい枠組みに参加するように要請したところ、李大統領は、前向きに準備しているところだと参加への意欲を表明されました。今月二十日の大統領来日に向け、積極的に働きかけてほしいと考えますが、外務大臣の見解を求めます。

 また、サミットの際に開催されるアフリカ支援を討議する拡大会合では、気候変動問題とともに、人間の安全保障の側面から支援していくという枠組みづくりが重要であると考えますが、外務大臣の見解を求めます。

 ともあれ、日本は先進国と新興国の橋渡しをし、国際社会が一致して地球温暖化問題に立ち向かえるような実質的なリーダーシップを発揮することを期待して、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕

国務大臣(町村信孝君) 田端議員にお答えいたします。

 まず、京都議定書の目標達成についてのお尋ねがありました。

 G8北海道洞爺湖サミットを初め、地球温暖化問題について国際的リーダーシップを発揮していく上で、足元の六%削減目標を達成することは大前提でございます。

 六%削減目標は決して容易な目標ではありませんが、政府としては、先月末に京都議定書目標達成計画を改定し、自主行動計画の推進、強化、太陽光など新エネルギーの導入、省エネ家電への買いかえの促進、クリーンエネルギー自動車の普及、住宅・建築物の省エネ化を初め、考え得る限りの取り組みを盛り込み、目標達成への道筋を示したところであります。

 今後、計画の進捗状況の厳格な点検と機動的な見直しを行い、必要に応じ、対策の追加、強化を早急に行うことにより、確実な目標達成を期してまいりたいと考えます。

 次に、国内排出量取引制度の導入についてのお尋ねがございました。

 国内排出量取引制度につきましては、先日閣議決定した京都議定書目標達成計画において、「他の手法との比較やその効果、産業活動や国民経済に与える影響、国際的な動向等の幅広い論点について、具体案の評価、導入の妥当性も含め、総合的に検討していくべき課題である。」と位置づけております。

 内閣としては、二月に地球温暖化問題に関する懇談会を設置し、低炭素社会の実現に向けたさまざまな課題について議論を開始したところであります。国内排出量取引制度についても、先ほど甘利国務大臣が御答弁を申し上げましたけれども、排出削減を進めるための政策手段の一つとして総合的に検討したいと考えております。

 次に、ガソリン税の暫定税率と環境税についてのお尋ねがありました。

 世界では、地球温暖化問題への対応として、ガソリン消費の抑制効果を勘案して、ガソリン税を引き上げる傾向にあります。その水準は、先ほど末松議員にお答えしたとおり、日本の現在の三十五円水準は、ヨーロッパの主要国と比べて、ヨーロッパの方が四倍ぐらい高いという状況にあるわけであります。

 そのような状況で、我が国がガソリン税を引き下げることは、環境・気候変動が主なテーマの一つである北海道サミットを目前に控え、日本は環境問題を軽視しているという誤ったメッセージを世界に与えることになりかねません。このような状況を踏まえ、暫定税率の復活というものが必要であると申し上げてきたところでございます。

 また、御指摘の環境税につきましては、地球温暖化対策全体の中での具体的な位置づけ、その効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、諸外国における取り組みの現状などを踏まえて、総合的な検討を進めていくべき課題であると考えております。

 最後に、日本の排出量に関する二〇二〇年の目標についてのお尋ねがありました。

 我が国は、クールアース推進構想に基づき、二〇五〇年までに世界全体の温室効果ガスを半減させること、今後十年から二十年の間に排出量のピークアウトが必要であることを世界に呼びかけております。このような目標達成のために、すべての主要排出国が参加する仕組みとすることが不可欠であります。そうした中で、我が国として、主要排出国とともに、国別総量目標を掲げて取り組んでまいる所存であります。

 現時点では、御指摘のような二〇二〇年目標を法的に定めることについて、今直ちに定めるタイミングではないのかな、こう思っておりますけれども、貴重な御意見として受けとめさせていただきたいと存じます。(拍手)

    〔国務大臣鴨下一郎君登壇〕

国務大臣(鴨下一郎君) 田端議員にお答えを申し上げます。

 自治体の実効性のある温室効果ガス削減措置についてお尋ねがありました。

 地域の実行計画を策定した自治体に対しては、先進的な省エネ設備や太陽光発電などの導入に対する支援を行うこととしております。また、実行計画の策定が進むよう、策定状況の一覧の公表や通達等の措置を講じていきたいと考えております。さらに、適切な実行計画の策定が行われるよう、わかりやすいマニュアルの作成や説明会の開催などを行ってまいります。

 地球温暖化防止に向けた国民運動についてのお尋ねがありました。

 京都議定書に基づく我が国の温室効果ガス六%削減を達成するために、総理大臣がチームリーダーとなり、地球温暖化防止に向けた国民運動、チーム・マイナス六%を展開しております。

 チーム・マイナス六%では、冷暖房の温度調節や水道の使い方、電気の使い方、レジ袋の削減などの六つの具体的な行動の呼びかけを行っており、引き続き、これらの取り組みを推進してまいりたいと考えます。

 また、省エネ家電の買いかえ促進等を一層進めるための切り札として、エコポイントの普及を推進してまいります。具体的には、平成二十年度のモデル事業として採択した全国型と地域型のエコポイント事業の実施を通じ、早急にその普及を進めてまいります。

 低炭素社会、循環型社会、自然共生型社会の関係についてのお尋ねがございました。

 昨年六月に閣議決定された二十一世紀環境立国戦略においては、持続可能な社会の実現に向けて、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の三つの側面を統合した取り組みの展開が重要であるとされています。

 また、低炭素社会づくりについては、中央環境審議会において、低炭素都市のイメージや実現のための戦略などの検討が行われ、四月三日に結果を公表しております。その中には、バイオマスの利用や森林の整備、保全など、循環や共生にもつながる対策も盛り込まれております。

 環境省としては、これらの検討結果も踏まえまして、低炭素社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。

 国民の地球温暖化防止に向けた意識啓発についてのお尋ねがございました。

 地球温暖化対策の推進に当たっては、国民一人一人の関心を高めることはもちろん、行動の見直しにまで結びつけることが重要であります。議員の御提案も参考にしつつ、七月七日に始まる北海道洞爺湖サミットが将来にわたる国民運動の出発点になるようにしていきたいと考えています。

 また、チーム・マイナス六%における取り組みなどを通じて、地球温暖化防止に向けた普及啓発活動をより一層推進してまいります。(拍手)

    〔国務大臣高村正彦君登壇〕

国務大臣(高村正彦君) 日中環境協力についてのお尋ねでありますが、中国の環境問題は、我が国のみならず、アジアひいては世界の環境に影響を及ぼし得る重要な問題であります。今後、戦略的互恵関係の重要な分野として、環境・省エネ分野における日中の協力をさらに推進してまいります。

 そのために、現在、近年の経済発展が著しい中国との間でいかなる協力関係を築くことが、環境対策上、最も効果的であるかを探っているところであります。そのような観点から、昨年十二月の福田総理の訪中時には、今後、環境関連情報の共有や人材育成、技術移転、共同研究などの協力を進めていくことで一致をいたしました。

 御指摘の基金についても、さまざまな角度から検討を行っているところですが、まだ結論を得るには至っておりません。政府としては、引き続き、我が国の有する高い技術、知見、経験を最大限活用した、有効な協力の方途を探っていく考えであります。

 二〇一三年以降の枠組みに関する韓国への働きかけについてのお尋ねでありますが、すべての主要排出国が参加する実効性のある枠組みづくりのため、韓国もその能力と国際的地位に応じた対応をとることを期待しております。

 我が国としては、気候変動問題を含む環境問題を、日韓両国が国際社会にともに貢献する日韓新時代にふさわしい協力分野として位置づけ、韓国に対し、我が国とともに実効性のある枠組みづくりに取り組むよう、さまざまな場を通じて積極的に働きかけていく考えでございます。

 北海道洞爺湖サミット初日の七月七日に開催予定のアフリカ開発に関するアウトリーチ会合についてのお尋ねがありました。

 同会合でどのような論点が首脳レベルで取り上げられるかは予断できませんが、我が国は、アフリカ開発支援において、人間の安全保障の確立を引き続き重視していく考えでございます。(拍手)

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議長(河野洋平君) 笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、地球温暖化対策法改正案に関して質問します。(拍手)

 まず、地球の気候変動の重大性についての政府の基本認識をただしたい。

 国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第四次評価報告書は、このまま進めば、温暖化が突然の回復不能な結果をもたらす可能性があると警告しています。イギリス政府の求めに応じてまとめられたスターン報告も、気候変動は極めて深刻な地球規模の危機であり、世界規模での対策が今すぐ必要であると指摘しています。今後の気温上昇を産業革命前に比べて二度以内に抑えることは、人類にとって至上命題であります。

 こうした危機をつくり出した根源には、環境破壊を顧みず利潤追求第一主義に走ってきた巨大資本の活動があります。そこに焦点を当てた対策こそ求められているのであります。

 温室効果ガス削減は、やれるところまでやればいいという問題ではなく、巨大資本の横暴を規制して、必ずやり切らなければならない課題なのであります。このことなしに、先進国の間で合意されている、二〇二〇年までに先進国全体で一九九〇年比二五%から四〇%の排出削減という共通の課題が達成できるでしょうか。答弁を求めます。

 第二に、最大排出国アメリカの問題です。

 アメリカは、温室効果ガス削減に最大の責任がありながら、京都議定書を離脱し、その実行に困難をつくり出してきましたが、日本政府は、これに明確な批判をしてきませんでした。重要なことは、アメリカに最大排出国としての責任をとらせることであります。とりわけ、米軍の排出量は莫大であり、戦争こそが最大最悪の環境破壊をもたらすものであります。

 日本政府は、アメリカの許容する範囲での行動に終始するのではなく、きっぱりとアメリカに最大排出国の責任を果たすよう求めるべきであります。

 次に、今問題になっているセクター別アプローチについてです。

 日本政府は、中期目標の設定で、主要排出国がセクター別の削減量を算出し、それらを積み上げて温室効果ガスの国別総量目標を設定するとしています。さきのバンコクでのCOP作業部会でも、その立場に立った意見書を提出しています。

 この提案は、全体に削減の枠をはめることがまず必要だ、先進国の削減義務を放棄した提案などと各国から厳しい批判を受けているのであります。それなのに政府は、国別総量目標にかわるものではないと言いながら、なぜこんな提案に固執するのですか。

 そもそも、このセクター別アプローチは、国際鉄鋼協会が提起し、日本経団連が全面的に支持しているものです。これは、原単位当たりのエネルギー消費量を指標に、生産量を見通して削減量を設定するもので、鉄鋼業界など多量に排出している産業界にとっては都合のいいものです。政府は、これで公平性が確保できると言いますが、それは鉄鋼業界など産業界に対して公平なのであって、全体の削減目標を低く抑えることにしかならないのではありませんか。

 途上国からはまた、先進国と同様の責任を負わせるものではないかと反対の声が上がっています。政府は、共通だが差異のある責任という原則は守ると苦しい言いわけをしました。しかし、国際鉄鋼協会は、既に最先端設備で極限近くで操業している、排出を大幅に削減することは不可能に近いと言っているのであります。結局、先進国の鉄鋼業などの排出はそのままにして、途上国だけに責任を負わせることになるのではありませんか。経済産業大臣、明確にお答えください。

 この提案では、電力、エネルギー、運輸も含む八分野ごとのエネルギー消費量、今後の追加的削減対策、生産活動の見通しを業界が明らかにしない限り、いつまでも国別総量目標は設定されないことになります。産業界の意向のままに、国別削減目標をあいまいにし、目標の設定を先送りするものではありませんか。こうした目標策定のやり方を根本的に見直すことを強く求めます。

 外務大臣は、洞爺湖サミットでの実効ある枠組みづくりに向けて国際的議論を主導すると述べています。そうであるなら、G8の議長国として、今こそ先進国日本が、みずから求められている高い国別総量目標を明確にし、法的拘束力のある数値目標を持つべきではありませんか。

 その上で、私は、以下三つの具体的手だてについて政府の見解をお聞きしたい。

 第一は、政府が産業界との間で温室効果ガス削減のための公的協定を結ぶという問題です。

 先月閣議決定した京都議定書目標達成計画は、排出権取引制度や環境税の導入を検討課題と先送りし、日本経団連の自主行動計画頼みと京都メカニズムの大規模な活用という内容になっています。これでは、日本の六%削減の国際的約束は何ら担保されません。削減目標を必ず達成するため、ペナルティーも盛り込んだ産業界との公的な削減協定を締結すべきではありませんか。

 第二は、再生可能エネルギーの活用を大胆にふやすことであります。

 海外からの化石燃料の依存を大幅に減らし、風力、太陽光、バイオマス、小水力などの再生可能エネルギー活用を抜本的に強める戦略を立てるべきであります。

 現状では、風力発電の設置は進まず、設備量は二〇〇四年の世界第八位からことし十三位にまで後退し、太陽光発電もドイツに首位の座を明け渡してしまいました。今こそ、自然エネルギー電力の固定買い取り制度の導入に踏み出すべきではありませんか。

 第三に、排出削減を促す経済的措置をとることについてであります。

 今、欧州を初め、国際的にも排出権取引の導入が進み始めていますが、日本の電力業界や鉄鋼連盟などの業界が否定的です。我が国でも、二酸化炭素の排出をコストに反映させる排出権取引制度や、排出量に応じた環境税の導入を図るべきではありませんか。

 私は、去る三月、欧州の地球温暖化対策に関する日本共産党調査団長として、ドイツ、イギリス、EU本部を訪れ、それぞれの取り組みを調査してまいりました。そこで痛感したのは、現状よりはるかに強い切迫感が必要だ、こういう立場に立って、政府と産業界が協定を結び、排出権取引や税制も組み合わせ、この問題に国民とともに取り組んでいることでした。イギリス議会では、削減を公的に義務化する世界初の気候変動法案の審議中で、ドイツ議会でも、この五月を目途に総合的な法制化が進んでおります。

 我が国においても、中長期削減目標を明確に盛り込んだ気候変動の法制度をつくるべきであります。環境大臣の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣鴨下一郎君登壇〕

国務大臣(鴨下一郎君) 笠井議員にお答え申し上げます。

 二〇二〇年までの先進国全体での排出削減に係る共通認識についてのお尋ねがございました。

 御指摘につきましては、京都議定書に基づくアドホック・ワーキンググループのバリでの結論文書において、IPCCのシナリオに基づいた場合、先進国がグループとして削減する必要がある幅を二〇二〇年までに一九九〇年比で二五から四〇%の範囲まで削減する必要があると指摘していることを認識するとして記載されております。この認識を踏まえまして、今後国際交渉が進められることとなりますが、国別の目標は、本ワーキンググループの交渉の成果そのものであると考えております。

 セクター別アプローチは削減目標を低く抑えるのではないか、こういうお尋ねがありました。

 我が国としては、セクター別の積み上げ方式を活用することにより、十分な排出削減が可能と考えております。国別総量目標の設定に当たり提案しているこの方式については、今後、その方法論を国際的に議論することとしており、その結果を踏まえて削減量の確保を図ることとしたいと考えています。

 国別削減目標の設定の先送りをしているのではないか、こういうようなお尋ねがありました。

 削減目標については、負担の公平性を確保する観点から、セクター別に削減可能量を積み上げて主要排出国間で比較、分析するという方法を検討するというようなことになっておりまして、目標の合理的、客観的な相場観を形成することが可能と考えます。

 我が国の国別総量目標については、国内で必要な検討作業を精力的に行っているところでありまして、すべての主要排出国の参加や公平性の確保を念頭に、国際交渉の状況を見つつ、適切な段階で明らかにしてまいりたいと考えます。

 自主行動計画の協定化についてのお尋ねがありました。

 自主行動計画については、審議会においてフォローアップを行い、目標の引き上げを初めとする自主行動計画の拡大、深掘りを進めてきたところであります。この結果、昨年度は、産業・エネルギー転換部門の二十一業種が目標の引き上げを行ったほか、業務部門を中心に、これまで自主行動計画を策定していなかった業種が新たに策定するなどの成果を上げています。引き続き、政府による厳格なフォローアップを通じて、事業者のさらなる努力を促してまいります。

 国内排出量取引制度や環境税の導入についてのお尋ねがありました。

 二酸化炭素の排出削減に当たっては、自主的手法、規制的手法、経済的手法等あらゆる政策手法を総動員して、それらの特徴を生かしつつ、有機的に組み合わせる必要があると考えます。

 国内排出量取引制度については、今後の温暖化対策の有効な選択肢の一つであると認識しており、二〇〇五年から自主参加型の国内制度を実施して、排出量取引についての知見や経験の蓄積を進めています。

 また、環境税についても、市場メカニズムを通して低炭素社会を実現する極めて重要な政策手段であり、地球温暖化対策全体の中での具体的な位置づけ、その効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、諸外国における取り組みの現状などを踏まえて、総合的な検討を進めてまいります。

 日本の排出量に関する中長期削減目標を盛り込んだ法制度についてのお尋ねがありました。

 我が国は、クールアース推進構想に基づき、二〇五〇年までに世界全体での温室効果ガス半減をさせる、今後十年から二十年の間に排出量全体のピークアウトが必要である、このことを世界に呼びかけているところであります。

 このような目標の達成のためには、すべての主要排出国が参加する仕組みとすることが不可欠です。そうした中で、我が国として、主要排出国とともに、国別総量目標を掲げて取り組む所存であります。

 御指摘のような中長期削減目標を法的に定めるということは、現時点では考えておりませんが、我が国の目標については、すべての主要排出国の参加や公平性の確保を原則に、全体を取りまとめるサミット議長国としての立場も考慮しながら、交渉状況を踏まえて明らかにしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

国務大臣(甘利明君) 四点のお尋ねがありました。

 まず、先進国全体の排出削減目標についてのお尋ねであります。

 御指摘の数字は、IPCCの報告書における、一定のシナリオに基づいた場合の、先進国全体としての削減する必要がある幅について言及したものの一つであります。先進国の各国の目標につきましては、国連における将来枠組みの交渉プロセスの中で議論されているものであり、今後、交渉を通じて目標が設定されていくものと考えております。

 次に、我が国が提案するセクター別アプローチについてのお尋ねであります。

 これは、国別総量目標の策定に当たって、エネルギー効率などを鉄鋼等を含むセクター別に割り出し、今後活用される技術を基礎として削減可能量を積み上げることで、削減負担の公平、公正さを確保するものであります。また、途上国にとっても、導入すべき技術が明らかになり、削減に向けた道筋が見えやすいという点で、効率的な技術移転を促進するものであります。

 御指摘の鉄鋼セクターにつきましては、生産のエネルギー効率には先進国間においても一、二割程度の差があり、セクター別アプローチを通じて先進国においても相応の改善努力が促されることになると考えております。

 続いて、自主行動計画の協定化についてのお尋ねであります。

 自主行動計画は、産業界の自主的な取り組みにとどまらず、京都議定書目標達成計画上も明記をされた政府の施策、制度であります。

 経済産業省としても、今般の目標達成計画の見直しに当たり、自主行動計画の拡大強化を働きかけてまいりました。その結果、二〇〇六年度及び二〇〇七年度において合計二十二業種が目標を引き上げ、その削減効果は約二千百万トン、すなわち我が国総排出量の約一・七%の追加的な削減効果が見込まれております。

 このように、自主行動計画には自主的、積極的な目標引き上げ等を可能とする柔軟な制度であるというメリットがあり、その効果も着実に上がっています。計画を公的協定とすることは、このようなメリットが生かせなくなるおそれがあるため、現時点では考えておりませんが、今後とも厳格な評価、検証を通じまして、産業界のさらなる努力を促してまいります。

 最後に、再生可能エネルギーによる電力の固定価格買い取り制度導入についての御指摘であります。

 御指摘の固定価格買い取り制度は、電気料金の恒常的な値上げにつながる、発電事業者のコスト削減インセンティブが働きにくいといった課題を有しております。このため、我が国では、審議会における議論も踏まえまして、固定価格買い取り制度ではなく、電気事業者に一定量以上の新エネルギー等電気の利用を義務づける、いわゆるRPS法を採用いたしております。

 なお、先ほど申し上げましたが、IEA、国際エネルギー機関もまた、固定価格買い取り制度を導入したドイツに対しまして、本制度の課題を指摘し、本制度を見直すべき旨の勧告を出しております。こうしたことから、政府といたしましては、まずはRPS法の着実な施行等によりまして、再生可能エネルギーの導入拡大を進めることが適切と考えます。

 いずれにせよ、現在開催中の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の議論を踏まえまして、再生可能エネルギー対策の抜本的強化策を検討してまいります。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣高村正彦君登壇〕

国務大臣(高村正彦君) 温室効果ガスの排出削減の数値目標の達成についてお尋ねがありました。

 二五%から四〇%という御指摘の数字は、バリ気候変動会議の結論文書の一つに記載されているものであります。これは、IPCCの報告書における、一定のシナリオに基づいた場合の、先進国全体として削減する必要がある幅について言及したものの一つでありますが、各国の間で将来の目標として合意したものではありません。

 先進国の各国の目標については、国連における次期枠組み交渉プロセスを通じて議論されるものであり、今後、この交渉プロセスを通じて目標が設定されていくものと考えております。我が国としては、世界全体としての排出削減の実現を目指し、この交渉に建設的に参加してまいります。

 アメリカへの温暖化対策強化の働きかけについてお尋ねがありました。

 地球規模の温暖化対策を進める上で、世界の主要な温室効果ガス排出国である米国の参加は不可欠であり、米国のイニシアチブで開始されている主要経済国会合は、同国の気候変動問題への積極的取り組みの一つとして評価をしております。我が国としては、この会合での建設的な議論に貢献していく所存でございます。

 我が国としては、引き続き、米国を含む主要排出国が参加する実効性のある国際的枠組みの構築に向けて、あらゆる機会を通じて最大限の努力をしてまいります。そのために、米国に対しても、引き続き緊密な連携のもとに、建設的な対応を促してまいります。

 セクター別アプローチの提案についてのお尋ねですが、我が国は、世界全体としての排出削減を実現する枠組みづくりのためには各国間の削減負担の公平性を確保することが重要との観点から、セクター別の積み上げ方式による国別総量目標の設定を提案しております。先週バンコクで開催された国連の気候変動会合においても、この考え方を説明し、その有効性を主張した結果、セクター別アプローチに関する検討を継続することの重要性が多くの国で共有されたと考えているところでございます。

 国別総量目標の設定方法についてのお尋ねがありました。

 世界が今後長期にわたって一致協力して排出削減の取り組みを推進、継続するためには、各国間の負担の公平感を確保する必要があります。

 こうした観点から、国別総量目標の設定に当たっては、セクター別アプローチを活用し、エネルギー効率や今後活用される技術など、科学的かつ透明性の高い尺度を用いた積み上げ方式による作業を進めることが有効であると考えます。

 我が国の国別総量目標についての数値をいつ提示するかは、すべての主要排出国の参加や公平性の確保を原則に、全体を取りまとめるサミット議長国としての立場も考慮しながら、交渉状況を踏まえて判断してまいります。

 我が国としての国別総量目標の明確化についてのお尋ねがありました。

 北海道洞爺湖サミットでは、議長国としてリーダーシップを発揮し、世界全体としての排出削減の実現に向けた議論に弾みとなる成果を上げたいと考えております。

 このためには、すべての主要排出国が責任ある形で参加する実効性のある枠組みを構築することが何よりも重要であります。我が国は、公平性の観点から、他の主要排出国とともに、セクター別の積み上げ方式による国別総量目標を掲げて排出削減に取り組むことを提案しており、引き続き、国際社会に対して、こうした基本的な考え方についてまず共通理解が得られるよう、建設的な議論を進めていきます。

 我が国自身の国別総量目標については、現在、国内で必要な作業を進めているところであります。この具体的な内容については、すべての主要排出国の参加や公平性の確保を原則としつつ、交渉状況を踏まえて判断してまいります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       外務大臣  高村 正彦君

       経済産業大臣  甘利  明君

       環境大臣  鴨下 一郎君

       国務大臣  町村 信孝君

       国務大臣  渡辺 喜美君

 出席副大臣

       環境副大臣  桜井 郁三君


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