衆議院

メインへスキップ



第31号 平成20年5月22日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十年五月二十二日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十号

  平成二十年五月二十二日

    午後一時開議

 第一 生物多様性基本法案(環境委員長提出)

 第二 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 第三 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件

 第五 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件

     ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 生物多様性基本法案(環境委員長提出)

 日程第二 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

 日程第三 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件

 日程第五 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件

 少年法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


このページのトップに戻る

    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第一 生物多様性基本法案(環境委員長提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、生物多様性基本法案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。環境委員長小島敏男君。

    ―――――――――――――

 生物多様性基本法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小島敏男君登壇〕

小島敏男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、生物多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則を明らかにしてその方向性を示し、関連する施策を総合的かつ計画的に推進しようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、生物の多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則を定めるとともに、この基本原則に沿って、国、地方公共団体、事業者、国民及び民間の団体について、おのおのの責務を明らかにすること。

 第二に、政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を実施するため必要な法政上、財政上または税制上の措置その他の措置を講じなければならないものとすること。また、毎年、国会に、生物の多様性の状況及び政府が生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関して講じた施策等に関する報告を提出しなければならないものとすること。

 第三に、政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、生物多様性国家戦略を環境基本計画を基本として定めなければならないものとすること。また、都道府県及び市町村は、この生物多様性国家戦略を基本として、単独もしくは共同して、生物多様性地域戦略を定めるよう努めなければならないものとすること。

 第四に、国は、地域の生物の多様性の保全、国土及び自然資源の適切な利用等の推進、地球温暖化の防止等に資する施策の推進、事業計画の立案の段階等での生物の多様性に係る環境影響評価の推進等に必要な措置を講ずるものとすること。

 第五に、この法律は、公布の日から施行すること。

 第六に、政府は、この法律の目的を達成するため、野生生物の種の保存、森林、里山、湖沼等の自然環境の保全及び再生その他の生物の多様性の保全に係る法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

 以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。

 本案は、去る二十日環境委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)

議長(河野洋平君) 日程第二、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長渡辺博道君。

    ―――――――――――――

 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔渡辺博道君登壇〕

渡辺博道君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、大規模な地震その他の災害に対処するため、危険物施設における危険物の流出等の事故の原因を調査する仕組みの充実を図るとともに、他の都道府県に出動した緊急消防援助隊の機動的な活用のための制度の整備等を行おうとするものであります。

 本案は、参議院先議に係るもので、去る五月十六日本委員会に付託され、同月二十日増田総務大臣から提案理由の説明を聴取し、同日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第三、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長竹本直一君。

    ―――――――――――――

 海上運送法及び船員法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔竹本直一君登壇〕

竹本直一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、安定的な海上輸送の確保を図るために必要な日本船舶の確保並びに船員の育成及び確保を図るため、所要の措置を講じようとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、国土交通大臣は、日本船舶の確保並びに船員の育成及び確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本方針を定めること、

 第二に、船舶運航事業者等が基本方針に従って日本船舶・船員確保計画を作成し、国土交通大臣の認定を申請することができることとし、認定を受けた対外船舶運航事業者に対するトン数標準税制の適用等の支援措置を設けること、

 第三に、国内海上輸送に限られている航海命令の範囲を、国際海上輸送に拡大すること、

 第四に、国土交通大臣は、労使協定による時間外労働の延長の限度について基準を定めることができることとする等船員の労働環境の改善のための規定を整備すること

などであります。

 本案は、去る五月八日本委員会に付託され、同月二十日冬柴国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、翌二十一日質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第四 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件

 日程第五 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件

議長(河野洋平君) 日程第四、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件、日程第五、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長平沢勝栄君。

    ―――――――――――――

 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件及び同報告書

 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔平沢勝栄君登壇〕

平沢勝栄君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、ASEAN貿易投資観光促進センター設立協定改正は、昭和五十六年に締結した現行協定を、センターの機能強化のために改正したものであり、平成十九年十一月二十日、センター理事会において採択されました。

 その主な内容は、

 センターの目的及び活動に関し、投資促進及び観光促進の双方向化を規定すること、

 センターの目的及び活動に人物交流を加えること、

 日・ASEAN間の義務的拠出金負担比率を、現行の九対一から七対一に変更すること

等であります。

 次に、日・ASEAN包括的経済連携協定は、平成十七年四月から我が国及びASEAN構成国の間で交渉を行った結果、協定案文について最終的合意に達しましたので、我が国については、本年三月二十八日に署名が行われました。

 その主な内容は、

 我が国及びASEAN構成国の間の物品貿易を自由化及び円滑化すること、

 知的財産分野及び農林水産分野等での協力を促進すること、

 サービス貿易の自由化並びに投資の自由化及び保護について、今後交渉を行うこと

等であります。

 両件は、去る五月十五日外務委員会に付託され、翌十六日高村外務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十一日質疑を行い、質疑を終了いたしました。引き続き採決を行いました結果、ASEAN貿易投資観光促進センター設立協定改正は全会一致をもって、また、日・ASEAN包括的経済連携協定は賛成多数をもって、いずれも承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) これより採決に入ります。

 まず、日程第四につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

 次に、日程第五につき採決いたします。

 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 少年法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、少年法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣鳩山邦夫君。

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 少年法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 少年審判手続において、被害者やその遺族の方々への配慮を充実させることは極めて重要であり、これまでもさまざまな取り組みが行われてきましたが、多くの被害者等にとって、その被害から回復して平穏な生活に戻るためには依然としてさまざまな困難があることが指摘されています。

 このような現状を踏まえ、平成十六年には犯罪被害者等のための施策の基本理念等を定めた犯罪被害者等基本法が成立し、これを受けて平成十七年に閣議決定された犯罪被害者等基本計画には、法務省において、平成十二年に改正された少年法のいわゆる五年後見直しの検討において、少年審判の傍聴の可否を含め、犯罪被害者等の意見、要望を踏まえた検討を行い、その結論に従った施策を実施することが掲げられております。

 また、少年法第三十七条第一項に掲げる成人の刑事事件に、より適切に対処するため、その裁判権を家庭裁判所から地方裁判所等に移管することが必要であるとの指摘がかねてからなされております。

 そこで、この法律案は、犯罪被害者等基本法等を踏まえ、少年審判における犯罪被害者等の権利利益の一層の保護等を図るため、少年法を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。

 この法律案の要点を申し上げます。

 第一は、被害者等による少年審判の傍聴を許すことができる制度を創設するものです。

 すなわち、家庭裁判所は、殺人事件等一定の重大事件の被害者等から、審判期日における審判の傍聴の申し出がある場合において、少年の年齢及び心身の状態、事件の性質、審判の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その申し出をした者に対し、これを傍聴することを許すことができることとしております。

 第二は、被害者等による記録の閲覧及び謄写の範囲を拡大するものです。

 すなわち、少年保護事件の被害者等には、原則として、記録の閲覧または謄写を認めることとするとともに、閲覧または謄写の対象記録の範囲を拡大し、非行事実に係る部分以外の一定の記録についても、その対象とすることとしております。

 第三は、被害者等の申し出による意見の聴取の対象者を拡大し、被害者の心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族または兄弟姉妹をもその対象者とするものです。

 第四は、成人の刑事事件に関し、少年法第三十七条第一項に掲げる罪に係る第一審の裁判権を、家庭裁判所から地方裁判所等に移管するとともに、家庭裁判所が少年保護事件の調査または審判により同項に掲げる事件を発見したときの通知義務について規定した同法第三十八条を削除するものです。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。

 ありがとうございました。(拍手)

     ――――◇―――――

 少年法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小野次郎君。

    〔小野次郎君登壇〕

小野次郎君 ただいま議題となりました少年法の一部を改正する法律案について、自由民主党及び公明党を代表して法務大臣に質問させていただきます。(拍手)

 今回の少年法一部改正案は、犯罪被害者等基本法並びにこれを受けて策定された犯罪被害者等基本計画を踏まえて立案されたものであります。

 犯罪被害者の権利利益の保護を目的として平成十六年十二月に成立したこの基本法は、与野党の議員が協力して立案し、両院においてほぼ全会一致で成立した法律であることは議員各位も御案内のとおりでございます。

 「すべて犯罪被害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」というこの基本法の理念こそ重要であると考えます。

 これに基づき、昨年の通常国会においては、犯罪被害者の権利利益の保護を図るため、刑事訴訟法などの改正が行われました。被害者の方々が法廷のバーの中に入り、刑事裁判に参加することができる制度が創設されるなど、被害者の立場に立った施策が講じられ、着実に成果を上げております。

 一方、少年審判に関しては、既に平成十二年の少年法一部改正において、被害者による記録の閲覧、謄写、被害者の申し出による意見の聴取や審判結果の通知などが創設されました。

 今回は、被害者対策に関する基本法及び基本計画を踏まえて、被害者の方々への配慮の一層の充実を図るため、政府から法改正案として提案されたものであり、これを心から歓迎いたします。

 こうした経緯を見ますと、被害者の方々への配慮の充実を図るという本改正案の趣旨や目的については、今や政党会派を超えて幅広い理解が得られるものと思います。

 したがって、法改正案の立案に当たっての議論は、加害少年の健全育成を図るという少年審判の目的を損なうことなく、いかなる要件や方法によって犯罪被害者の権利利益の実現を図ることができるかという点にあったと承知いたしております。

 この法律案には四つの施策が盛り込まれていますが、私は、その中でも、関係者の関心が高い、被害者による少年審判の傍聴についてお尋ねをいたします。

 まず、この法律案では、家庭裁判所が相当と認めるときに、被害者の方々に傍聴を認めることとしております。しかしながら、被害者の方々には、犯行を行った少年の審判をみずからの目で見たいとのお気持ちが強く、無条件で傍聴を認めてほしいとの要望がございます。

 そこで、このような要望にもかかわらず、今回、傍聴を認めるかどうかを裁判所の裁量にゆだねることとした理由についてお伺いいたします。

 また、この法律案では、被害者の方々が少年審判の傍聴をすることができる事件を、一定の重大事件、すなわち、故意の犯罪行為により被害者を死傷させる罪または業務上過失致死傷罪に係る事件に絞り込んでおります。さらにその中でも、傷害については、生命に重大な危険を生じさせた場合に限るものとしております。これに対し、被害者の側からは、このような重大事件に限らず、広く傍聴を認めるべきであるとの指摘もなされております。

 そこで、対象事件をこのような一定の重大事件に限定することとする理由についてお伺いいたします。

 次に、加害少年の健全育成の観点からお伺いいたします。

 本来、少年審判は、加害少年の健全育成を期すものであることは言うまでもありません。被害者による傍聴を認めることにより、加害少年が萎縮して弁解が封じ込められ、誤った事実認定がなされるのではないかとの指摘も一部にございます。

 被害者に傍聴を認めることによって少年審判に悪い影響があるのではないかという疑問に対して法務大臣はどのようにお考えか、お伺いいたします。

 また、少年法は、「懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。」と少年審判について定めております。この点、現在、家庭裁判所に設置されている審判廷は、被害者による傍聴を想定した部屋の大きさや構造になっていないとの指摘もございます。しかも、この法律案は、公布の日から六月以内の政令で定める日から施行されることとなっており、施行まで比較的間がございません。

 指摘されている問題に対して、少年法の趣旨を踏まえ、少年が萎縮することなく円滑に審判が行われるよう、どのような工夫を考えておられるのか、お伺いいたします。

 次に、この法律案では、犯罪少年だけでなく、十四歳未満のいわゆる触法少年に係る事件もその対象としております。十四歳未満の少年については、精神的にも未熟であるため、自分の主張を思いのままに表現できない場合もあると考えられます。

 そこで、こうした懸念にもかかわらず、十四歳未満の少年の事件についても傍聴を認めることとした理由についてお伺いいたします。

 最後になりますが、現在の少年審判は非公開で行われており、被害者やその御遺族であっても傍聴は許されておりません。

 しかし、自分もしくは肉親が犯罪の被害に遭った場合に、審判で明らかにされる事実及び加害少年の姿をじかに確かめたいと願うのはまことに当然のことと考えます。これまでなぜ認められなかったのか、被害者や御遺族の方々の胸中を思うと不思議でなりません。

 今回の法改正により、被害者の方々の積年の思いが聞き届けられますよう祈念いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 小野次郎議員の御質問にお答え申し上げます。

 傍聴を認めるかどうかを裁判所の裁量にゆだねることとした理由についてお尋ねがありましたが、現行の少年法が審判を非公開といたしておりまして、それは、裁判所が、少年のプライバシーに関する事項を含め情報を広く収集し、適正な処遇選択を図る必要があるとともに、少年の心情の安定に配慮しつつ、その少年の内面に深く立ち入って教育的な働きかけを行い、内省の深化、つまり反省を深めるという意味ですが、内省の深化を図る必要があると考えられたためです。

 したがって、傍聴を認めるとしても、裁判所による適正な処遇選択や少年の内省の深化を妨げることがないように、裁判所がきめ細かくその相当性を判断する枠組みとしておくべきであることから、今回の法律案において、傍聴を認めるかどうかを裁判所の裁量にゆだねることとしたものでございます。

 対象事件をなぜ一定の重大事件に限定したかという御質問ですが、被害者等による傍聴は、犯罪被害者等基本法が基本理念として定める個人の尊厳にふさわしい処遇を実現するものであり、この個人の尊厳の根幹をなす人の生命に害をこうむった場合やこれに準ずる場合に傍聴を認めることとするのが、その趣旨に合致すると考えられます。

 また、少年審判が非公開とされた趣旨からすると、被害者等による傍聴を非公開の例外として認めるとしても、その対象事件は、何物にもかえがたい家族の生命を奪われた場合など、被害者側の事実を知りたいという審判傍聴の利益が特に大きい場合に限るのが適当、そう考えられます。そこで、傍聴の対象事件を殺人事件等の一定の重大事件に限ることとしました。

 少年が萎縮して弁解が封じ込まれるといった傍聴による悪影響に対する考え方についてお尋ねがありました。

 少年の状態や被害者等との関係はさまざまでありますし、本法律案では、裁判所による適正な処遇選択が困難になったり、少年の内省の深化が妨げられることのないよう、裁判所において、傍聴を認めるか否かについて、少年の年齢や心身の状況等の事情を考慮してきめ細かく判断することとし、必要に応じて被害者等に退席してもらうこともあり得るものと考えられます。したがって、御指摘のような問題が生じるおそれはないと考えます。

 現在の審判廷において円滑に審判が行われるための工夫についてお尋ねがありました。

 どのように傍聴をしていただくかについては個別の裁判体の判断による問題でありますが、審判廷は、一般に、刑事事件の法廷と比較して狭いとはいえ、例えば広目の審判廷を使用したり、審判廷の後方で傍聴してもらうなど被害者等の座席位置を工夫することにより、少年と被害者等との間に一定の距離を保つことは可能であると思われます。また、少年と被害者等の間に机などを置くという工夫も考えられるかもしれません。

 いずれにいたしましても、裁判所において、現在の審判廷においても円滑な審判が行われるよう適切に配慮されるものと考えております。

 触法少年に係る事件についても傍聴を認めるその理由についてお尋ねがありました。

 被害者等が受けた被害は、少年の年齢によって変わるものではありません。触法少年の事件であっても、十四歳未満の少年の事件であっても、犯罪少年の場合と同様に、被害者等の心情はやはり同様に尊重されるべきものと考えております。

 確かに、触法少年の場合は、その心情の安定への配慮がより必要ですが、裁判所が少年の年齢や心身の状況等を考慮して、きめ細かく傍聴のよしあし、拒否するかあるいは認めるかを決めるということを判断いたしますので、適切に対応できると考えられます。したがって、触法少年に係る事件についても、傍聴の対象にすることが適当と考えております。

 以上でお答えといたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 加藤公一君。

    〔加藤公一君登壇〕

加藤公一君 民主党の加藤公一でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました少年法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)

 犯罪被害者基本法には、「犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」と明記をされております。このことから、犯罪被害者等に対し一定の場合に傍聴を認めることは十分考慮に値します。しかし一方で、少年審判の持つ特殊性にかんがみれば、傍聴を認める要件や態様については格別の配慮が必要であり、現状の改正案のままでは十分とは言えません。以下、この立場から法務大臣に質問をいたします。

 まず初めに、今回の法改正のねらいと位置づけについて伺います。

 少年法は、昭和二十三年に成立して以来、基本的にその構造を維持したまま現在に至っております。つまり、この間、制定時の理念はいささかも変わっていないと理解できるわけであります。この状況を踏まえて、今回、少年審判において一定の要件を満たす場合に、被害者等の傍聴を認めようとする理由はどこにあるのでしょうか。これまで被害者等の傍聴を認めてこなかったものを、どのような社会情勢の変化を理由にして、傍聴を認めるべきだと判断をされたのでしょうか。具体的な事実をもとにお答えをいただきたいと思います。

 現行の少年法では、その第二十二条第二項において少年審判の非公開をうたっております。しかし、今回の改正で被害者等の傍聴を認めることになれば、この非公開原則に例外が設けられる形になります。

 そこで伺いますが、政府はどのような理念に基づいて現在の少年審判が非公開になっていると認識をしているのでしょうか。

 また、被害者等による少年審判の傍聴を認めることにより、その理念が変化をするということはないのでしょうか。この点も答弁を求めます。

 現在、少年審判では、非行事実の確認と非行の背景を解明した上で、更生に向けてふさわしい処分を決定しております。しかし、被害者等の傍聴を認める本法案によって、この少年審判の目的や性質が変化することはないのだろうかという危惧の声があるのも事実でございます。また、被害者等が審判の場にいることによって、審判廷が責任追及の場に変容してしまい、少年の健全な更生が阻害されることはないのだろうか、このように心配する声も上がっております。これらの意見について政府はどのように考え、どのように認識をしているのか、大臣の答弁を求めます。

 次に、傍聴が認められる要件について伺います。

 本法案では、少年の年齢及び心身の状態、事件の性質、審判の状況その他の事情を考慮して、家庭裁判所が相当と認めるときに傍聴が可能になると規定をしておりますが、この相当性は何を基準に判断をするのでありましょうか。具体的にお答えください。特に、「その他の事情」として考えられるものは何か、加害少年の生い立ちや家庭環境なども含まれるのか、例を示して御説明をいただきたいと思います。

 また、考慮事情として少年の年齢、これも挙げられております。一口に少年と言っても、ほとんど大人と変わらない者から、小学校に入るか入らないかの幼年児までさまざまであります。成長途上の子供においては、たった一年の年の違いが、精神、身体の発達において大きな違いとなってあらわれてまいります。その意味で、触法少年、すなわち十四歳未満で刑罰法規に触れる行為をしてしまったその少年の審判に関しては、特に格別の配慮が必要であると考えますが、法務大臣のお考えを伺います。

 あわせて、心身の状態という考慮事情については、疾病はもちろんのこと、発達段階におけるさまざまな障害の有無についても十分な配慮が求められると考えております。この点について、少年の健全な更生、成長の観点からも、また一方で被害者の心情をおもんぱかる立場からも、特に丁寧な対応が必要だと考えておりますが、大臣の率直なお考えを伺わせていただきます。

 法務省の統計によりますと、傍聴の対象となる主な保護事件の新受人員等は一年間の平均で約三百八十名程度と聞いております。このうち、どの程度の割合で傍聴が認められることになると見込んでこの法案を提出されたのでしょうか。答弁を求めます。

 精神、身体の発達がいまだ十分でない少年については、少年審判の場面において、みずからの能力だけで適切に対応することが難しいという場合も多く、その意味で付添人の果たす役割は大きいと考えられます。したがって、被害者等による傍聴がなされる場合であっても、付添人の意見を聞いた上で、少年の健全な更生、成長を阻害するおそれがないと認められる場合に限ってこれを許可すべきではないかと考えますが、政府としての考え方、認識についてお尋ねをいたします。

 次に、傍聴における物理的な設備、施設についてお尋ねをいたします。

 現在使われております審判廷は、一般の法廷と比べるとはるかに狭いのが現実であります。昨年、私も含め民主党として東京家庭裁判所の審判廷を視察してまいりました。現状では、加害少年の位置と傍聴席、仮に法改正が行われたとしたときの傍聴席というのは非常に近く、このままで本当に順調に審判が進められるのだろうかという疑問を持たざるを得ませんでした。また、全国にはこの東京よりもさらに狭い審判廷も数多く、平均でも約三十平方メートル程度しかそのスペースがないとの説明を受けております。

 このような事情を勘案いたしますと、傍聴を許可する場合には、少年と傍聴人との間に通常の裁判と同程度の距離を確保するなど、物理的な施設の整備も必要になると考えますが、政府はいかがお考えでありましょうか。また、この点を考慮した場合、今後どのように施設の整備を行っていくつもりなのか、具体的な計画をお答えいただきたいと思います。

 審判の状況によっては、被害者の方に傍聴を認めることが難しいという場合も当然あると思います。また、被害者等がみずからそれを希望しないというケースも考えられます。そのような場合に、加害少年に事情を伝えた上で被害者等が審判の様子を別室のモニターで視聴する方法もあり得ると考えますが、この方法について政府はどのように評価をしているか、お答えください。

 本改正案においては、これらモニターなどによる視聴については全く触れられておりませんが、これは、モニターなどによる視聴は不適当であるとの判断があるのでしょうか。それとも別の考え方をお持ちなのでしょうか。御見解をお聞かせください。

 最後に、今後の被害者保護施策についてお伺いをいたします。

 被害者等による少年審判傍聴は、あくまでも犯罪被害者保護の一側面であり、全体としての救済制度はさらなる広がりを持ったものであるべきであります。犯罪被害者等基本法第三条にあるとおり、国は、犯罪被害者等が受けた被害の回復及び犯罪被害者等の社会復帰を支援する責務を有しており、今後さらに犯罪被害者保護のための施策を充実させていく必要があると思います。

 例えば、個々の被害者等が受けたその被害の回復に資する形で、処分決定後、あるいは少年院退院後も含め、被害者等と加害少年との接見、謝罪あるいは和解のプロセスなどを促進するための施策を講ずる必要もあるかと考えます。また、被害者の方々が一刻も早くその被害から回復をして平穏な生活に戻れるよう、経済的な支援のみならず、心理専門職やあるいは医師などによる精神面でのサポート体制をさらに整備するなど、被害者支援制度の充実は急務であります。この点についての政府の方針、計画と法務大臣としての御決意を伺いたいと思います。

 理不尽にも犯罪の被害に遭われた方々の心情を抜きにして罪を犯した少年の処遇については語れません。その一方で、恵まれない家庭環境やさまざまな障害など、本人の力ではどうすることもできない事情も十分に考慮しなければなりません。どのような形で犯罪被害者の方々の思いを生かした制度を設計し、また運用していくことができるか、そして、少年の反省を促すとともに健全な成長につなげ、社会に貢献できる人材を育成することができるか、これらの大変大きな課題の答えを導き出すためには、この国会においても理性的で、なおかつ真摯な議論が求められていると思います。

 私たち民主党は、今後も丁寧な議論を積み重ねることによって、よりよい制度を実現していく、その決意を表明いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 民主党の加藤公一議員にお答えをいたします。

 議員が最後にお触れになりましたように、被害者等による少年審判傍聴はあくまでも犯罪被害者保護の一側面であり、全体としての救済制度はさらなる広がりを持ったものであるべきですとおっしゃられましたが、全く同感でございます。

 我々にしてみれば、犯罪のない、少ない世の中をつくることが最大の目的ですが、残念ながら犯罪がある。そこには加害者と被害者両方が存在をする。今まで、もちろん両方について考えてこなければいけないわけでありますが、例えば、加害者の人権というのもあるだろう、矯正教育というのもあるだろう、そういうことでいろいろやってまいりましたが、基本的に被害者の人格とか尊厳、あるいは遺族のお立場というもの、これらについての配慮がいささか不足していたのではないかという反省で、国を挙げて被害者の立場に立ってもう一度考えてみようというのが現在の改革の一側面だろう、こう考えております。

 被害者等の傍聴を認めることとした理由についてのお尋ねですが、少年が被害者を死亡させたような重大事件において、被害者等から、審判におけるやりとりをみずからその場で直接見聞きして、その具体的な状況について十分な情報を得たい、そういう強い要望が示されているわけでございまして、その心情は、平成十六年に成立した犯罪被害者等基本法の趣旨等にかんがみますと、十分に尊重されなければなりません。このたび被害者等による少年審判の傍聴を認めることといたしましたのは、そういう理由でございます。

 少年審判が非公開にされている趣旨についてのお尋ねがありました。

 少年法が少年審判を非公開といたしておりますのは、少年の健全な育成を期するためには、少年等のプライバシーにかかわる事項を含め広く情報を収集して、適正な処遇を選択し、裁判所が少年の心情の安定に配慮しつつ教育的な働きかけを行うことによって、その反省の促進、内省の深化を図る必要がある、そういう理由に基づくものでございます。

 少年審判の傍聴を認めることによって審判を非公開にした理念が崩れるのではないかとのお尋ねでありますが、少年の状態や被害者等との関係はさまざまでありますし、本法律案でも、裁判所による適正な処遇選択や少年の内省の深化が妨げられることのないよう、裁判所において、傍聴を認めるか否かについて、少年の年齢や心身の状態等の事情を考慮してきめ細かく判断をすることとしておりますから、また、必要に応じて被害者等に退席をしてもらうこともできる、そういう制度にいたしておりますので、非公開にした理念が崩れるものではありません。

 このように、少年審判の傍聴は審判への支障が生じない範囲で認めるものでございますので、審判を非公開にした趣旨が、今までしてきた趣旨が損なわれることはないと考えております。

 傍聴により、少年審判の目的や性質が変化したり、少年の健全な更生が阻害されるのではないかというお尋ねがありました。

 先ほど申し上げましたとおり、傍聴は審判への支障が生じない範囲で認めるものでありますので、御指摘のような問題が生じることはないと思っております。しかしながら、先生御指摘のように、これは十分な注意を払ってやっていかなければならないことと思っております。

 傍聴の相当性の判断基準についてお尋ねがありました。

 本法律案においては、少年の年齢及び心身の状態等を考慮して、裁判所による適正な処遇選択や少年の内省の深化が妨げられたりすることがなく、審判を適正に行うことができると認められる場合に傍聴を認めることとなる、そういう基準で考えていくことと思います。

 傍聴の許否、つまり認めるか認めないかを判断する際の考慮事情のうち、「その他の事情」についてお尋ねがありました。

 「その他の事情」とは、少年の年齢や心身の状態といった例示に含まれないような事情をも広く含むものであって、先生御指摘の少年の生い立ちや家庭環境といった事情も「その他の事情」に含まれ得るものと考えております。

 触法少年に係る事件の傍聴における特別の配慮の必要性についてお尋ねがありました。

 触法少年は、一般的に、精神の発育が十分ではなく、より一層の配慮が必要とされることは御指摘のとおりでございます。そこで、本法律案においては、傍聴を認めるか認めないかを判断する際の考慮事情として少年の年齢が挙げられておりまして、触法少年、すなわち十四歳未満であるかどうか、あるいは触法少年でない一般の少年、十四歳以上、この十四歳という境がありまして、そこについての特別の配慮というのはなされていくものと思います。

 しかしながら、先ほども小野次郎議員の質問にお答えをいたしましたように、被害者の立場から見れば、犯罪を犯した少年が何歳であったかというのは特別意味を持たない場合がありますので、触法少年だからといって傍聴を認めないという制度にはいたしませんでした。

 発達段階におけるさまざまな障害への配慮についてお尋ねがありました。

 少年の心身の状態は、被害者等の傍聴が少年や審判に与える影響を考える上で重要な要素であることから、裁判所において、御指摘の発達段階における障害の有無を含め、少年の心身の状態にかかわるさまざまな事情に十分配慮した上で、傍聴を認めるか認めないかについて適切に判断がなされるものと考えております。しかし、議員指摘されるように、丁寧な対応が必要であると私も考えます。

 次に、対象事件のうち、傍聴が見込まれる割合についてお尋ねがありました。

 被害者等による少年審判の傍聴は新たな制度でございますので、どれくらいの被害者等がその申し出をするかについて、現時点で確定的なことを申し上げることはできない、予測することはかなり難しいわけでございます。傍聴の申し出がなされた場合には、改正法の趣旨に沿って適切に対応をするということでございます。

 次に、付添人の意見を聴取し、少年の更生を阻害しない範囲で傍聴を認めるべきではないかとのお尋ねがありました。

 少年審判においては、いわゆる職権主義的な手続構造がとられておりますので、家庭裁判所が手続を主宰し、形式にとらわれず柔軟に審判運営を行うこととされておりまして、傍聴を認めるか認めないかを判断するに当たり、付添人の意見を必ず聞くこととするという制度にはいたしませんでした。ただし、付添人の意見を聞くことはあるかもしれません。

 そして、本法律案では、少年の健全な育成が阻害されるなどの支障が生じることのないように、さまざまな事情を考慮して、相当と認められる場合には傍聴を認めることとしているところでございます。

 審判廷の物理的な整備についてお尋ねがありました。

 どのように傍聴していただくかについては個別の裁判体の判断による問題でありますが、審判廷は、一般に、刑事事件の法廷と比較して狭いとはいえ、例えば広目の審判廷を使用する、あるいは審判廷の後ろの方で傍聴してもらうなど被害者等の座席位置を工夫することにより、少年と被害者等との間に一定の距離を保つことは可能であり、少年と被害者等の間に机などを置くことも考えられます。

 私、昨日、裁判員裁判が行われるであろう東京地裁を視察いたしましたが、それは、裁判員裁判が行われる東京地裁の法廷だって、もっと広ければいいと私も思います。そういった意味では、与野党力を合わせて裁判所の予算に協力をしていただければありがたいと思います。

 また、今後の施設の整備についてお尋ねがありましたが、この点につきましては、必要に応じ、裁判所において適切に対応がなされるものと考えております。

 審判の様子を別室でモニターで視聴する方法についてお尋ねがありました。

 この方法の当否については、法制審議会において、モニターによる傍聴であっても、被害者等から見られているという点では少年に対する影響に大きな違いはないのではないかという指摘がなされ、多くの委員の賛同を得るには至らなかったところでございます。

 モニターで視聴することについては、ある程度慎重でなければいけない。例えば、モニターという機械を使うと、それが失敗して広がってしまうということもおそれなければなりません。

 被害者に対する支援の充実についてお尋ねがありました。

 犯罪の被害に遭われた方々やその御家族のお気持ちを真摯に受けとめて、その保護、支援を図ることは極めて重要であると考えております。

 法務省においても、犯罪被害者等基本法及び犯罪被害者等基本計画に基づき、例えば、保護観察所において、犯罪被害者等から被害に関する心情等を聴取し、これを少年院仮退院者を含めた保護観察対象者に伝達する心情等伝達制度を実施するなどの取り組みを進めています。

 今後も、犯罪被害者等基本計画に基づき、関係府省とも協力しつつ、被害者の方々のための施策のさらなる充実に向けて努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣  増田 寛也君

       法務大臣  鳩山 邦夫君

       外務大臣  高村 正彦君

       国土交通大臣  冬柴 鐵三君

       環境大臣  鴨下 一郎君

 出席副大臣

       法務副大臣  河井 克行君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.