衆議院

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第4号 平成21年1月26日(月曜日)

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平成二十一年一月二十六日(月曜日)

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  平成二十一年一月二十六日

    午後二時 本会議

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本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)(参議院回付)

 平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)(参議院回付)

 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会協議委員の選挙


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    午後二時三十七分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日、参議院から、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)が回付されました。また、平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号)は否決した旨の通知を受領するとともに、返付を受けました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 この際、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)の参議院回付案及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)の参議院回付案の両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

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 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)(参議院回付)

 平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)(参議院回付)

議長(河野洋平君) 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)の参議院回付案、平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)の参議院回付案、右両案を一括して議題といたします。

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 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)の参議院回付案

 平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)の参議院回付案

    〔本号末尾に掲載〕

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議長(河野洋平君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。山本拓君。

    〔山本拓君登壇〕

山本拓君 自由民主党の山本拓であります。

 私は、自由民主党及び公明党を代表し、ただいま議題となりました平成二十年度第二次補正予算回付案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 今や世界同時不況の中、我が国の経済対策として打ち出された第二次補正予算案は、衆議院本会議でスピード感を持って一月十三日に可決し、即日、参議院へ送付されました。

 しかしながら、参議院においては、多数を占める野党が翌十四日以降審議に応じず、予算委員会は三日間も空転をし、そして、一度合意した採決日程を簡単にほごにし、ようやく本日の採決に至りました。野党の国会運営は、国民不在でぶれまくっており、全く一貫性がないと断言せざるを得ません。

 それだけではありません。修正案には、定額給付金部分を切り離して何に使うのかという具体的な内容が一切ありません。中身のない、ただ反対のための修正案で、無責任きわまりない国会運営をやっているのが野党の姿であります。

 既に本院では、予算委員会で今回の修正案と同じ内容のものは否決いたしておりますが、野党の諸君に再考を促すため、定額給付金の重要性について改めて御説明をいたします。

 定額給付金には、二つの意義があります。

 第一に、定額給付金は、緊急的な生活支援策であります。単なる減税では還付を受けられない方々がおられるため、所得税や消費税を納めておられるすべての国民の皆さんに給付する、実質的な戻し税であります。

 第二に、定額給付金は、景気対策、消費刺激策です。日本だけでなく、アメリカ、フランス、イタリア、オーストラリア、韓国、台湾などでも同様の措置がとられております。先日就任したアメリカのオバマ新大統領も同様の政策を発表いたしております。

 一部マスコミの調査では、給付金を受け取るとの意見が八割を超えております。

 ただ、当初、麻生総理が、給付金を受け取ることに関し、さもしいと発言したことや、それに関連して一部閣僚の受け取り拒否発言などがあり、国民の皆さんの中に不快な思いや嫌悪感を抱いた方々が少なくなく、私も直接おしかりをちょうだいしたところであります。

 私は、ここに、麻生総裁に成りかわり、国民の皆さんに率直に心からおわびを申し上げるところであります。

 なお、私の地元の福井県越前市の市長は、給付金が実現したら、それに対応して独自の地域振興券を発行し、活性化につなげる計画を打ち出しております。ちなみに、この越前市の市長は、以前は県会議員として社民党に所属し、民主党との統一会派を組んでいた市長でもあります。

 このような国民、自治体の声にこたえるためにも、給付金を第二次補正予算案から離すことは絶対にできないわけであります。

 それにしても、民主党は、昨年十二月に、民主党の税制抜本改革アクションプログラムで、給付つき税額控除の導入を進めると、定額給付金と同様の趣旨を国民に約束しながら、今回の給付金に反対するという、全く筋の通らない行動を行っているところであります。民主党は、政策的にもぶれにぶれまくっております。野党でぶれていないのは共産党だけであります。

 参議院における修正案提出者は提案理由説明の中で、定額給付金の二兆円を医療、介護の職員の増員、処遇改善等々に回すと主張しておられますが、そうおっしゃるならば、一体何に幾ら、どのぐらいつけるか、具体的に盛り込んだ修正案を今回示すべきであります。言葉だけで中身のない修正案に対しては、与党として反対するのは当たり前であります。

 以上、回付案に対する私の反対討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) 中川正春君。

    〔中川正春君登壇〕

中川正春君 民主党の中川正春です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十年度一般会計補正予算(第2号)及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)の両回付案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 アメリカでは、オバマ新大統領の就任式がありました。新しいリーダーによってアメリカが変わることをアメリカの国民は確信しています。未曾有の経済危機を克服するために、国民の団結を呼びかけるオバマ大統領の言葉にアメリカ国民が心から耳を傾けている姿が、日本の私たちの心を打ちます。

 一方で、日本はどうか。総理大臣の言葉が国民に届かない。国民の気持ちとかけ離れたメッセージしか出せない総理の言葉は、決して国民の心を打つことはありません。政治空白に日本の国民は憤っています。日本の危機は、経済だけではない、政治空白の危機でもあると私たちは肝に銘じておかなければなりません。

 今回、参議院から回付された法案についても、私たちは、政府から提出された二次補正すべてを否決しようというわけではないのであります。基本的には、未曾有の経済危機に速やかな危機対応をすべきだということであります。また一方で、二兆円の定額給付については、ただのばらまきでしかない、本来の景気対策からかけ離れている、危機対応に資するもっと生きた使い方を考えるべきだと我々は主張しているのであります。

 これが私たちの修正案の意図するところであり、同時に、国民の声でもあります。

 さらに、日本経済の置かれた現状から考えると、もっと大胆で経済回復への確たる信念がメッセージとしてしっかりと国民に伝わっていくような新しい政策が必要なのだと考えております。

 しかし、残念なことに、与党は、このような私たちの譲歩も民意も一顧だにすることなく、強行採決で法案を通してしまいました。このことを予算委員会で追及されると、その答えはますます混乱し、一体何のために二兆円もの資金を使うのか、国民にも理解できない状況であります。国民の気持ちは、完全に白けているのであります。

 そんな状況の中で、せめて総理自身、私も給付金を受け取ってしっかり消費するとどうして明言できなかったのか。自分で出した政策をみずから否定している矛盾に御本人はどこまで気がついておられるのか、理解できないところであります。

 また、閣僚の中でも、甘利行革大臣は受け取らないと明言をいたしました。与謝野経財相、中川財務相でさえ、受け取るのか受け取らないのか明言を避けてきました。閣内でさえこの政策の目的について統一した理解がなされていないのは、これは深刻な問題であります。

 このように、定額給付金については、本院審議を通しても、国民の理解を得るどころか、さらなる不信を国民にもたらしました。もう一度言います。定額給付金は、原点に戻して、その使い方について、与野党が知恵を出し合い、本当に効果のある方法を考えろ、こういうのが民意であります。

 政府は先週末、所得税法等改正案を国会に提出いたしました。その附則には、消費税の引き上げについて規定をされております。総理は、当初、三年後には消費税の引き上げをお願いしたいと明言していました。とんでもない話です。

 我が国は、現在、極めて苦しい状況にあります。我が国経済の大黒柱である自動車、電機などで売り上げが急速に低下し、関連の多くの中小企業が資金繰りに詰まって、倒産のがけっ縁に立っています。多くの人が政治に救いを求めているのです。その中で麻生総理御自身が、消費税を上げる上げると叫び続けているわけですから、これは、ほかにどのような経済刺激策を導入しても、みずからがその効果を否定して歩いているようなものであります。

 最後に、一言申し上げたいと思います。国民の意思は、早期の解散・総選挙であります。

 オバマ政権誕生で日米関係の再定義やアジアとの連携を進める国内のコンセンサスをつくるためにも、そして、今回の経済危機をてこにして、日本の社会や経済構造を再構築していくためにも、選挙によって国民の意思を確定するとき、それが今であります。麻生総理の言葉では国民の信頼は得られないことがはっきりしています。

議長(河野洋平君) 中川君、申し合わせの時間が過ぎました。なるべく簡単に願います。

中川正春君(続) 麻生総理一人の事情であるとか、自民党や公明党の事情だとか言っている場合ではない。総理、国民と向かい合ってもらいたい。解散・総選挙を決断するときであります。

 この法案についても、改めて与党の議員各位の勇気ある賛同を御期待申し上げて、私の賛成討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇八年度第二次補正予算回付案に対し、討論を行います。(拍手)

 第一に、定額給付金を削除する修正には賛成であることを明確にしておきます。

 政府・与党が昨年十月三十日に定額給付金を打ち出してから、三カ月近くがたとうとしています。ところが、それ以来の国民的な議論、衆参本会議、予算委員会等での論戦を通じて、国民は納得するどころか、どの世論調査でも、七、八割が、評価しない、反対の意思を表明しています。

 それはなぜか。そもそも何のための給付金なのか、根本的疑問を持っているからであります。生活支援なのか、消費刺激なのか、いまだその目的ははっきりしません。給付対象などの基本的事項さえ二転三転し、実施するかしないかも自治体に丸投げというありさまであります。結局、公金を使った選挙区対策だと批判されるのは当然であります。

 麻生総理は景気押し上げ効果をしきりに強調してきましたが、二〇一一年度の消費税増税とセットであります。しかも、小泉構造改革以来の七年間の負担増、給付カットは、累計五十兆円にも上るのであります。この負担増政策をそのままにして、何が景気押し上げですか。

 国民は、二兆円もの財源を、雇用や医療、社会保障、消費税の食料品非課税など、もっと有効に使ってほしいと言っているのであります。政府の財政制度等審議会ですら二兆円の使途をもう一度考え直せと言わざるを得なかったのであります。

 この国民の声を真摯に受けとめ、今からでも定額給付金は撤回すべきであります。

 第二に、定額給付金を削除しても、大銀行、大企業支援策が依然として残っており、回付案そのものには反対であります。

 補正予算には、マネーゲームに狂奔して損失を抱えた金融機関を、公的資金を使って救済するための政府保証枠を十二兆円に拡大し、銀行等保有株式取得機構の市中借り入れの政府保証枠も二十兆円に拡大しています。

 さらに、コマーシャルペーパーを買い取る仕組みをつくり、そのために二兆円もの政府保証枠まで設けているのであります。政府関係機関予算と相まって、こうした大銀行、大企業支援策を進める補正予算を認めるわけにはまいりません。

 以上で、反対討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 菅野哲雄君。

    〔菅野哲雄君登壇〕

菅野哲雄君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、二〇〇八年度第二次補正予算案について、定額給付金に係る予算を削減した参議院回付案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 賛成の第一の理由は、何よりも、各種調査で明らかなように、七、八割の国民が望んでいないものであることです。

 第二の理由は、消費税増税とセットであることです。三年後に消費税率を引き上げるなら、財布の引き締めにしかなりません。

 第三の理由は、単なるばらまきで、この間痛みを押しつけられてきた国民の不安解消には全くつながらないことです。

 第四の理由は、不公平を拡大することです。予算上の家計緊急支援対策費といいながら、減税の恩恵を受け、税金で支援すべき必要のない高額所得者や資産家も対象になっている矛盾があります。

 第五の理由は、郵送料、振り込み料など事務費に八百二十五億円もの費用がかかることです。事務費の一部を回すだけで、母子加算の廃止をとめることができます。

 第六の理由は、分権自治に反することです。勝手に自治事務を創設し、都合の悪い部分を丸投げする一方、自治体の自由な工夫を否定するものとなっています。

 私は、二兆円あるならば、学校の耐震化や介護の充実、雇用対策など、命や緑の分野に集中投下するヒューマン・ニューディールに使うべきであると考えます。

 修正部分以外について、クラスター爆弾にかわる精密誘導弾の整備費、コマーシャルペーパーの購入や不動産業界への融資などの大企業支援の拡充、一回限りの子育て応援特別手当など、個別には認めがたいものも含まれていますが、直近の民意である参議院の意思を尊重し、定額給付金部分を削除した回付案に同意すべきと考えます。

 最後に、定額給付金への国民の反対は麻生内閣の不支持率と連動しています。信なくば立たずであり、解散・総選挙で民意を問うべきであることを強く求め、討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

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議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立少数。よって、両案とも参議院の修正に同意しないことに決まりました。

 つきましては、国会法第八十五条第一項により、本院は、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)及び平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号)の三案について両院協議会を求めなければなりません。

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 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会協議委員の選挙

議長(河野洋平君) これより両院協議会協議委員の選挙を行います。

谷公一君 両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略して、議長において直ちに指名されることを望みます。

議長(河野洋平君) 谷公一君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、協議委員は議長において指名することに決まりました。

 直ちに指名いたします。

 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会協議委員

      衛藤征士郎君    鈴木 恒夫君

      佐田玄一郎君   田野瀬良太郎君

      岩永 峯一君    山本  拓君

      小島 敏男君    村田 吉隆君

      西  博義君    富田 茂之君

 ただいま指名いたしました協議委員の諸君は、直ちに議長応接室に御参集の上、協議委員議長、副議長各一名を互選されることを望みます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) この際、暫時休憩いたします。

    午後三時二分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  麻生 太郎君

       総務大臣  鳩山 邦夫君

       法務大臣  森  英介君

       外務大臣  中曽根弘文君

       財務大臣  中川 昭一君

       文部科学大臣  塩谷  立君

       厚生労働大臣  舛添 要一君

       農林水産大臣  石破  茂君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       国土交通大臣  金子 一義君

       環境大臣  斉藤 鉄夫君

       防衛大臣  浜田 靖一君

       国務大臣  甘利  明君

       国務大臣  小渕 優子君

       国務大臣  河村 建夫君

       国務大臣  佐藤  勉君

       国務大臣  野田 聖子君

       国務大臣  与謝野 馨君


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