衆議院

メインへスキップ



第9号 平成21年2月12日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十一年二月十二日(木曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十一年二月十二日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件

 裁判官訴追委員辞職の件

 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙

 裁判官訴追委員の選挙

 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙

 国土審議会委員の選挙

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

 鳩山総務大臣の平成二十一年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑


このページのトップに戻る

    午後一時三分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員上田哲君は、昨年十二月十七日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 上田哲君に対する弔詞は、議長において去る五日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに沖縄及び北方問題に関する特別委員長の要職にあたられた正四位勲二等上田哲君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件

 裁判官訴追委員辞職の件

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 裁判官弾劾裁判所裁判員川端達夫君から裁判員を、また、裁判官訴追委員船田元君及び前原誠司君から訴追委員を、辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙

 裁判官訴追委員の選挙

 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙

 国土審議会委員の選挙

議長(河野洋平君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員及び裁判官訴追委員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、日本ユネスコ国内委員会委員及び国土審議会委員の選挙を行います。

谷公一君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

議長(河野洋平君) 谷公一君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に土肥隆一君を指名いたします。

 次に、裁判官訴追委員に

      園田 博之君 及び 古賀 一成君

を指名いたします。

 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に松本龍君を指名いたします。

 次に、国土審議会委員に池田元久君を指名いたします。

     ――――◇―――――

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣中川昭一君。

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案について御説明申し上げます。

 第一に、平成二十一年度予算におきましては、歳出歳入両面において最大限の努力を行ったところでありますが、なお引き続き、国の財政収支が著しく不均衡な状況にあり、特例公債の発行の措置を講ずることが必要な状況となっております。

 本法律案は、こうした状況にかんがみ、平成二十一年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとする特例措置を定めております。

 第二に、世界の金融資本市場が百年に一度とも言われる危機に陥る中で、今年度からの三年間のうちに景気回復を最優先で実現するため、集中的な施策を実施することとしているところであり、平成二十二年度までの臨時の措置として、財政投融資特別会計の積立金を活用し、これらの施策及び基礎年金の国庫負担の追加に伴い必要な財源に充てることとしております。

 本法律案は、このため、平成二十一年度及び平成二十二年度において、特別会計に関する法律第五十八条第三項の規定にかかわらず、予算で定めるところにより、財政投融資特別会計から一般会計に繰り入れることができることとする特例措置を定めております。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。

 本法律案は、現下の経済財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、住宅・土地税制、法人関係税制、中小企業関係税制、相続税制、金融・証券税制、国際課税、自動車課税等について所要の措置を講ずるものであります。

 以下、その大要を申し上げます。

 第一に、住宅・土地税制について、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限を延長した上、最大控除可能額を大幅に引き上げるほか、長期優良住宅の新築等に係る所得税額控除制度の新設、平成二十一年度及び平成二十二年度に取得した土地等の長期譲渡所得の特別控除制度の創設等を行うこととしております。

 第二に、法人関係税制について、エネルギー需給構造改革推進設備等の即時償却措置の創設等を行うこととしております。

 第三に、中小企業関係税制について、中小法人等の法人税の軽減税率を引き下げるほか、中小法人等への欠損金の繰り戻しによる還付制度の適用を可能とする等の措置を講ずることとしております。

 第四に、相続税制について、非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度を創設するほか、農地等に係る相続税の納税猶予制度を見直す等の措置を講ずることとしております。

 第五に、金融・証券税制について、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る軽減税率の特例を延長する等の措置を講ずることとしております。

 第六に、国際課税について、外国子会社からの配当について益金不算入とする制度の導入等を行うこととしております。

 第七に、自動車課税について、一定の環境性能を有する自動車に係る自動車重量税を免除する特例の創設等を行うこととしております。

 第八に、附則において、税制の抜本的な改革に関する検討の規定を設けることとしております。

 その他、住宅用家屋に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の特例措置の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、既存の特別措置の整理合理化等の所要の措置を講ずることとしております。

 以上、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案(内閣提出)及び所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。江崎洋一郎君。

    〔江崎洋一郎君登壇〕

江崎洋一郎君 自由民主党の江崎洋一郎でございます。

 私は、自由民主党並びに公明党を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に御質問いたします。(拍手)

 現在、世界経済は、百年に一度とも言われる金融危機の真っただ中にあり、金融資本市場の混乱は信用収縮等を通じて実体経済に悪影響を及ぼし、世界的な景気後退が発生しております。我が国においても、輸出や生産が減少し消費も停滞しており、雇用情勢が急速に厳しさを増すなど、景気は急速に悪化しております。

 例えば、自動車産業を見てみますと、十九年度に日本国内で生産した千二百万台の自動車のうち七百万台と、半分以上を輸出しています。現在、世界的な自動車販売の不振の直撃を受け、自動車産業は大幅な生産の調整を余儀なくされております。

 このような外需依存型の経済構造では、米国など他国の景気回復を待たなければ日本の景気は回復しません。したがって、今、日本の景気回復を図るためには内需主導にすることが不可欠であります。二十一年度予算や税制改正においても、内需主導による景気回復という考え方が反映されていると考えます。

 麻生内閣は、今年度からの三年間のうちに景気回復を最優先で実現すべく、生活対策及び生活防衛のための緊急対策を策定し、二十年度第一次補正予算、第二次補正予算、二十一年度当初予算と、切れ目なく連続的に施策を実施しています。特に、二十一年度当初予算は、総理がおっしゃっている生活防衛のための大胆な実行予算であり、これまでの対策の総仕上げに当たる極めて重要な予算であると考えます。

 先ほど御説明いただいた財源確保法案は、二十一年度予算に盛り込まれた、国民生活を守るための医師確保・救急医療対策、雇用対策、出産・子育て支援、日本経済を守るためのセーフティーネットや将来の成長の芽を育てるための施策の財源を確保するために、必要不可欠なものであります。特に、二十一年度予算に盛り込まれた経済対策の主要施策の意義と、そのための財源法案である本法案の重要性につきまして、改めて、中川財務大臣の見解をお聞かせください。

 私は、この財投特会の金利変動準備金の活用という思い切った施策は、まさに異例の対応であり、やむを得ないものであると考えております。しかし、こうした財源は一時的なものにすぎません。

 我が国の財政は極めて厳しい状況にあり、二十一年度予算においても、厳格に政策の必要性を精査することなどにより、徹底した無駄の削減を図っています。例えば、公益法人向け支出について、十八年度支出実績比で約四割の削減を行ったほか、特別会計の見直しの対象とすべき事務事業の歳出予算額について、二十年度十一・二兆円から一・二兆円削減しております。

 今後も不断に行政改革を実施しつつ、中期的な財政責任を果たすべきであります。同時に、社会保障に対する国民の安心強化を図っていくことが最優先課題であると考えます。中川財務大臣の今後の財政健全化に向けた意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

 税制改正につきましては、先ほど申し上げたとおり、内需を刺激する大胆な減税措置を早期に実現することが極めて重要と考えております。かかる観点から、第二次補正予算に盛り込まれた定額給付金につきましては、もともと定額減税に端を発するものでありますが、定額減税ではカバーされない世帯についても広く対象としており、受け取る方々にとってみれば、いわば麻生流の給付つき税額控除とも言え、高く評価できるものであります。

 平成二十一年度税制改正におきましては、総理のリーダーシップのもと、地方税と合わせて総額一兆円を上回る規模の減税が取りまとめられました。具体的には、住宅投資の活性化、中小企業の支援、成長力強化に向けた設備投資の促進等の観点から、大胆かつ広範な減税措置が取りまとめられています。こうした減税措置の意義及び効果につきまして、総理の言葉で、国民にわかりやすい言葉で御説明をお願い申し上げたいと思います。

 新たな成長を実現するためには、我が国が世界に冠たる技術力を持つ環境分野のような、成長性が高く、すそ野の広い産業に対する投資を戦略的に促進することが重要であります。米国のオバマ大統領は、環境分野での我が国のリードを認めた上で、環境産業への集中的な投資を目指すグリーン・ニューディールを、今般提案した総額約七十兆円を超える経済対策の重要な柱の一つとして打ち出してございます。我が国は、いっときの優位に慢心せず、むしろリードをさらに広げるために一層の取り組みを図るべきであります。

 平成二十一年度税制改正におきましては、省エネ・新エネ設備投資の全額を即時償却する措置や、環境性能にすぐれた自動車に対する減税など、環境を通じた成長力強化という観点から大胆な減税措置が盛り込まれていると考えますが、こうした観点からこの平成二十一年度税制改正をどのように評価されるか、二階経済産業大臣のお考えをお伺いいたします。

 一方、短期的な経済金融面の危機にこたえるのみが与党の責任ではありません。我々与党は、あわせて、中期的な財政責任を明らかにし、社会保障の将来に対する国民の不安を払拭することこそが肝要と考え、与党税制改正大綱の取りまとめから中期プログラムの策定に至るまで、一貫して税制抜本改革の道筋や基本的方向性を明示することに努めてきました。

 その成果が、今般提出された税制改正法案の附則第百四条でございます。この条文は、次世代に負担を先送りしないとの不退転の決意のもと、与党内の自由闊達な議論の上に取りまとめられたものであり、税制抜本改革の前提条件、スケジュール、各税目の検討の方向性がすべて書き込まれたことは画期的であります。この附則は総理のリーダーとしての責任感のある対応であると考えておりますが、今般の附則の意義につきまして、改めて、総理の言葉でお考えをお伺いしたいと思います。

 今般、百年に一度の金融危機と言われている中で、あらゆる政策を総動員して内需を支え、景気回復に向け難局に取り組む決意が必要でございます。そのためにも、今回の財源確保法案及び税制改正法案は、景気回復の実現に資する施策の実施やその財源確保に必要不可欠であり、二十一年度当初予算と一体のものとして、年度内の早期の成立が期待されるものでございます。

 総理、内需拡大のための政策総動員の一助として、我が国の個人金融資産千五百兆円にもっと注目してもよろしいのではないでしょうか。統計によりますと、千五百兆円の個人金融資産のうち、五二%、約八百兆円が現金、預金であります。この資産を活用し、消費性向を上げることは考えられませんでしょうか。

 例えば、八百兆円の一%強が動くことにより、補正予算並みの資金が消費市場に環流する可能性もございます。住宅、教育、生活必需品に消費がかさむ世代に資産移転すること、すなわち世代間の移転の実現により、今次減税策もさらに生かされ、内需を喚起し、景気回復への相乗効果も期待できるのではないでしょうか。

 以上で、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) 江崎議員の質問にお答えをさせていただきます。

 まず最初に、平成二十一年度税制改正における減税措置の意義及び効果についてのお尋ねがあっております。

 今般の税制改正におきましては、国、地方合わせて約一兆円を超えます大胆な減税を行うことといたしております。御指摘のとおりです。これは、国民の暮らしや企業活動を支えるため、幅広い分野にわたっております。

 具体的には、住宅ローン減税の大幅な拡充並びに延長、環境対応車、そういった新しい技術への自動車重量税・取得税の減免、中小企業の法人税の軽減税率の引き下げ、中小企業の雇用を維持し、事業を継承した場合における相続税や贈与税の猶予などを行うことといたしております。また、農地に係ります相続税の納税猶予制度につきましては、農地の有効利用の促進に資する貸し付けの場合においても、これを適用対象とするなどといたしております。

 これらの施策は、我が国の内需を力強く刺激し、早期の景気回復の実現に資するものであると考えておる次第です。年度当初からこれらの施策を円滑に実施できますよう、税制改正法案の年度内成立に向けて、議員各位の御理解と御協力をお願いいたしたいと考えております。

 次に、平成二十一年度税制改正法案の附則の意義についてのお尋ねがあっております。

 景気対策として大胆な財政出動を行うからには、財政に対する中期の責任をきちんと示さなければならないと存じます。これは、責任ある政府・与党の原点であると考えております。また、社会保障に対する国民の不安というものも払拭しておかなければならないとも考えております。このため、平成二十一年度の税制改正法案の附則におきましては、消費税を含む税制抜本改革の道筋というものを盛り込んだところであります。

 具体的には、経済状況を好転させることを前提として、遅滞なくかつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、二〇一一年度までに法制上の措置を講ずることといたしております。その実施時期は、経済状況をよく見きわめて判断をしなければなりませんが、私としては、二〇一一年度に向けて、景気が回復するよう全力を尽くす所存であります。

 また、この附則では、社会保障の安定財源確保のほかに、格差の是正といった我が国が直面するさまざまな課題に対応する観点から、所得、消費、資産などの税体系全体の見直しの基本的方向性というものを示そうといたしております。これらは、今後の税制抜本改革の具体化に向けて、画期的かつ重要な意義を有するものとも考えておる次第です。

 最後に、内需拡大のための一千五百兆円、これは個人金融資産のことだと思いますが、お尋ねがありました。

 議員の御指摘のとおり、約一千五百兆円の個人金融資産を有効に活用し、個人の経済活動を活性化させるということは、内需主導の経済成長を実現する上でも極めて重要な視点だと考えております。

 こうした観点から、政府は、定額給付金の実施、過去最大の住宅ローン減税の実施、また上場株式などの配当、譲渡益の軽減税率の三年間延長を内容といたします、総額七十五兆円に上ります経済対策を取りまとめたところでもあります。

 これらによりまして、個人の消費や投資を活性化し、自律的な経済成長を実現してまいりたいものだと考えております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 江崎議員の御質問にお答えいたします。

 平成二十一年度予算に盛り込まれた経済対策の意義と法案の重要性についてのお尋ねでございます。

 二十一年度予算は、国民生活と日本経済を守るための施策を大胆に実行する、いわゆる生活防衛のための大胆な実行予算であります。雇用対策などの国民生活を守るための施策に加え、雇用創出等のための地方交付税の一兆円増額、一兆円の経済緊急対応予備費の創設など、日本経済を守るためのセーフティーネットや地域の底力の発揮、成長力の強化などの施策も盛り込んでおります。

 上記のような重要施策を盛り込んだ二十一年度当初予算は、歳入の三分の一に当たる約三十兆円を特例公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰り入れに依存しており、これらの措置の根拠を規定する財源確保法案は同予算と一体不可分のものであることから、本法案の一日も早い成立をお願いいたします。

 次に、今後の財政健全化に向けた意気込みについてのお尋ねでございます。

 我が国財政は厳しい状況にあり、将来世代へ負担を先送りする構造となっております。今後、人口減少や少子高齢化に伴い、一層の社会保障費の増大が見込まれる中で、持続的な経済成長を図り、持続可能な社会保障制度を構築するためには、中期的には財政再建に向けて改革を着実に進める必要があります。

 このため、不要不急な経費の削減を初めとする徹底した見直しを行うなど、歳出改革の取り組みを継続してまいります。

 また、社会保障を安心なものとし、子や孫に負担を先送りしないため、経済状況を好転させることができたならば、遅滞なくかつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うこととし、このため、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講じてまいります。(拍手)

    〔国務大臣二階俊博君登壇〕

国務大臣(二階俊博君) 江崎洋一郎議員にお答えをいたします。

 環境を通じた成長力強化の観点からの税制改正の評価についてのお尋ねがありました。

 我が国は、太陽光発電や電気自動車など、国際競争力のある環境技術を多く有しており、環境分野は新たな市場と雇用の創出につながる戦略的な成長分野だと考えております。

 政府としては、新経済成長戦略改訂版を基礎としながら、できるだけ早い機会に新たな市場と雇用を創出する大胆なパッケージを示すことといたしております。この中でも、低炭素革命は重要な柱の一つである、これは総理の強い御指示でありますが、我々は、このことを最重点と考えて取り組んでまいりたいと思っております。

 平成二十一年度税制改正においては、環境分野に関しては、省エネ・新エネ設備投資の全額の即時償却、電気自動車など環境対応車に対する自動車重量税・取得税の減免、そして、自己資金で太陽光発電装置を含む省エネ住宅改修を行われる場合の減税など、これまでには、かつてなかったような積極的な措置を講じようとしておるところであります。

 江崎議員が御提唱になりました、我が国の強みを生かし、現在の状況をチャンスに変えて、低炭素社会の実現と成長力の強化をともに達成することにつなげていきたいと考えている次第であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 和田隆志君。

    〔和田隆志君登壇〕

和田隆志君 私は、民主党の和田隆志でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)

 冒頭、本日の議事が与野党間での協議が調わないまま職権で立てられたこと、質問通告など正規な手続も経ることもできないままこの場に立たざるを得ないこと、与党の数の横暴に起因することを指摘させていただき、厳重に抗議させていただきます。

 また、さらに残念なことですが、今までの議事においても多々起こりましたとおり、法案の審議において麻生総理の御発言がかくも大きくぶれるようでは、私たち、何を相手に質問をしたらよいのかわからなくなってしまいます。

 そのため、本日用意しました質問は、平成二十一年度予算案の提出責任者である麻生総理の真意を確認させていただくためのものであり、すべて麻生総理御自身から御答弁願います。

 なお、真意が理解できない場合、十分な御答弁をいただけない場合には、再質問をさせていただく所存でおりますことを申し添えさせていただきます。

 それでは、質問に入ります。

 まず、先ほど申し上げたとおり、麻生総理御自身の今までの発言、またこれからの発言に向けるその姿勢のあり方を問うてまいりたいと思います。

 立法府である国会においては、各国会議員、自分の言葉が国民の考えを代弁している重みをかみしめながら、また、その言葉によって国民各層がどのような心情になられるか、どんな影響を及ぼすか、そうしたことを熟慮して発言される必要がございます。内閣総理大臣ともなれば、なおさらでございます。

 しかし、これまでの麻生総理、場当たり的に発言内容を変更、修正されたり、あのときは十分説明できなかったといって後日になって発言を補われたり、本当にこういったことが頻繁に起こり過ぎます。

 さらに言えば、先般、郵政民営化について、国民の中では四分社化まで知っていた人はほとんどいなかったとおっしゃいました。評論家ならいざ知らず、当時、総務大臣として国民の理解が進むよう説明を尽くすべきであった方がおっしゃってよいことでしょうか。国民の皆様方に失礼だと思われませんでしょうか。

 ずばり申し上げたいんですが、政府・与党内でも、また与野党の協議の中でも、意見集約を進め成案を得る過程において、現段階の最大の障害要因が紛れもなく麻生総理御自身の御発言にあるように思うわけでございます。

 総理は、御就任以来、今は政局ではなく政策をしっかりやれというのが国民の声だとおっしゃってまいりました。もし当初そうだったとしても、現在の麻生政権の支持率を見る限り、政策遂行責任者、総理御自身への国民の皆様方の不信任が突きつけられている状況ではないでしょうか。

 百年に一度の危機に対処するためにも、御自身の発言の今までの非を認められ、二度と国民に誤解、不信を与えるような発言はしないと約束なさるか、もしくはみずから身を引かれるか、それとも、非はないとおっしゃるのであれば、御自身の政権の正統性につき、正々堂々と国民に信を問われるべきではありませんか。いかがでしょうか。

 みずからの発言を振り返っていただき、現在の心境を御答弁ください。

 さて、それでは、所得税法等改正案についての質問に入ります。

 第一に、中期プログラムを受け、附則に記された今後の税制改革の方向性についてお尋ねします。

 安倍政権下では閣議決定骨太方針二〇〇七において、また福田政権下では閣議決定骨太方針二〇〇八において、いずれも、それぞれの次の年度に消費税を含む税体系の抜本的改革を実現するだとか、さまざまな抜本的改革のフレーズが躍っておりました。

 しかし、今に至るまで、抜本的な改革は実現していないと言わざるを得ない現状でございます。今、この過去の閣議決定は、麻生政権によってまたほごにされるのでしょうか。総理の御認識をお答えください。

 今回の法案の附則を見ますと、「遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずる」「当該改革は、二千十年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とする」とされています。

 従来の閣議決定での表現と今回の法律の附則での表現と、法的な位置づけの上でどのような違いがありますでしょうか。今回は、閣議決定でなく附則で表現することにされたのはなぜでしょうか。お答えください。

 この文言を読む限り、過去の政権よりも、さらに表現があいまいで後退している感さえ覚えます。消費税を含む税制の抜本的改革ということと必要な法制上の措置を講ずるということ、この二つの内容を同時に進めるおつもりなのか、それとも、平成二十三年度までには必要な法制上の措置を講ずるということが担保されているのであり、消費税を含む税制の抜本的な改革はその措置を講じた後の時期になるのか、これさえ判然といたしません。

 この表現に関する政府・与党内の調整局面において、事態が揺れ動いたように承っております。そのため、この法案の審議に入るきょうの時点で、この点こそ将来の国民負担増加の規模とペースを我々自体が認識した上で取りかかる必要がございますので、総理の本当の真意を確認したく、必要かつ十分な表現で明確に御答弁ください。

 また、附則といえば、もう一つ、基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げる年度について、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までのいずれかの年度を定めるとした年金制度改正法附則第十六条を想起いたします。

 今回は限りのある財源によって国庫負担引き上げを手当てするわけですから、この附則をほごにしたとしか言いようがないと考えますが、今回の措置と年金制度改正法附則第十六条との関係をどのようにお考えか、また、そのお考えの根拠について御答弁ください。

 第二に、租税特別措置についてお尋ねいたします。

 まず、麻生総理、租税特別措置とは何のために設けられた制度でしょうか、総理の御認識をお伺いいたします。

 経済的な恩典を及ぼす目的であれば、これだけでなく、補助金の制度もあるわけでございますが、政府は、どのような場合に租税特別措置を使い、どのような場合に補助金という制度を使うのか、どういうふうに使っていらっしゃるのか、お答えください。

 また、租税特別措置、補助金、いずれの制度も、予算編成の大枠を決めていくのに大きな要素となってまいります。今回の予算編成の際、これらについて現状の規模がどれぐらいで推移しており、それが適正だとお考えなのかどうか、また、今後、これらについてどのように推移させていくおつもりなのか、お答えください。

 第三に、道路特定財源についてお尋ねします。

 今回、政府・与党は、道路特定財源を一般財源化したと主張しています。その内容は、特別会計への直入をやめる、地方道路整備臨時交付金を廃止して、地域活力基盤創造交付金を創設するものです。

 しかし、実際には、新交付金の使途のほとんどが道路整備に充てており、肝心の地域の声は無視されているような状況ではないでしょうか。その他の財源の大半も、社会資本整備特別会計に繰り入れられた後、結局は道路整備に使われるのであり、ほとんどが道路整備でございます。

 この結果を受けまして、麻生総理は、特別会計への直入をやめたことをもって一般財源化したというふうにおっしゃっておられますが、この発言も、一般の国民の皆様方の常識からはかけ離れているように思います。

 多くの方々は、常識的には、一般会計への歳入になるだけではなく、その財源が道路整備以外のものにも自由に使われるということになって初めて一般財源化されたというべきだとおっしゃっているわけでございます。この声を聞かれてもなお、あくまで道路特定財源を一般財源化されたという御認識か、お伺いいたします。

 また、この際、総理の日本の道路予算制度そのものについての御認識もお伺いしたいと思います。

 日本の道路予算制度は、何ゆえに長年この道路特定財源制度とされてきたのでしょうか。道路を建設する必要が高かったのであれば、そのときそのときに国民の皆様方にその旨御理解を求め、各年度の予算の相当額を道路建設に充てるということを決議すれば、それで事足りてきたのではないでしょうか。それなのに、なぜ特定財源制度として形成する必要があったのか、御答弁ください。

 最後に、公債及び財政投融資の特例法案についてお尋ねします。

 今回、財政投融資特別会計の金利変動準備金について、いろいろと以前と比べて変革が起きているようでございます。まず、何のためにこの金利変動準備金は必要なのか、そして、今まで目標値として設定してきた総資産の千分の五十という数値はどのような性格のものなのか、これまでこの目標値をどのように取り扱ってきたのか、そして最後に、今回、これを今後どのように取り扱おうとされているのか、これらについてお答えください。

 以上、幾つかの財政運営上二度とぶれていただきたくない論点について質問させていただきましたが、これらについて麻生総理の明確な御答弁をいただけないようであれば、もはや麻生政権は、諸問題の解決能力自体も、また、改革を本来後押ししてくださるはずの国民からの信用をも有していないと言わざるを得ません。

 結びに、次回総選挙の後には、民主党が政権を担った際、麻生政権では対処できなかった諸課題に対し、納税者の立場に立った真の税制抜本改革を実現することをお約束して、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) すべて私に対する御質問でありましたが、質疑通告は事前に全くあっておりませんので、突然のお尋ねですので、答弁は極めて困難だと思いますが、できる範囲で答弁をさせていただきたいと存じます。

 まず、私の発言についてのお尋ねがありました。

 私は常に一貫した主張をしてきておると存じておりますので、いろいろ誤解があるようであれば、今後、誤解のないように努めていきたいと思います。

 過去の閣議決定における税制抜本改革という話がございました。

 平成二十一年度税制改正法案の附則と従来の閣議決定の関係ということだと存じますが、かねてから、従来の閣議決定の趣旨を踏まえて、経済状況の好転が消費税を含みます税制抜本改革を行うための前提であると申し上げてきておったと思いますので、昨年末に閣議決定された中期プログラムもその旨を規定していたところだと記憶をいたします。

 日本経済は全治三年と申し上げておりますので、まず、事業規模七十五兆円の大胆な対策を打つことによって、今年度を含む三年以内の景気回復に最優先で取り組むことといたしておるところであります。

 他方、大胆な財政出動を行うからには、中期の財政責任を明確にしなければならないと存じます。とりわけ、社会保障を安心なものとし、子や孫に負担を先送りしない、そのためには、安定財源確保に向けた道筋を従来以上に明確な形で国民にお示しをする必要があろうと存じます。

 このため、平成二十一年度税制改正法案の附則につきまして、消費税を含む税制抜本改革の道筋を盛り込んだところであり、画期的な、重要な意義を有する規定と考えておるところであります。

 消費税を含む税制の抜本改革と必要な法制上の措置を講ずるとの関係いかんという内容の質問だったと思いますが、大体質問の意味は合っていると思いますけれども、違っていたら首だけ振ってください。

 税制の抜本的改革の進め方についてのお尋ねがあっておりました。

 今般の附則では、経済状況の好転を前提として、遅滞なくかつ段階的に消費税を含む税制の抜本改革を行うため、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講ずることとしております。

 また、基礎年金の国庫負担の割合の引き上げなどの財源についてのお話もあったと思いますが、平成十六年の年金制度改革におきまして、国庫負担の割合の引き上げにつきましては、所要の安定財源を確保する税制抜本改革を行った上で、平成二十一年度から基礎年金国庫負担割合を二分の一へと引き上げるとされております。

 したがいまして、今般、世界の金融市場が百年に一度とも言われる危機の中にあって、今年度から三年間のうちに景気回復を最優先で実現することといたしております。

 こうした中で、平成二十一年度及び平成二十二年度におきましては、財政投融資特別会計の一般会計への繰り入れによって臨時の財源を確保し、基礎年金の二分の一を国庫で負担することとしたものであります。

 今後、公的年金制度を維持可能なものにするため、二〇一一年度に向けて景気を回復するよう全力を尽くし、経済状況を好転させることを前提に、遅滞なくかつ段階的に消費税を含みます税制抜本改革を行うことによって、安定財源を確保した上で、基礎年金国庫負担割合の二分の一を恒久化する必要があると存じます。このような内容の法律案を去る一月三十日に国会に提出したところであります。

 租税特別措置の意義についてということだと思いますが、意義についてのお尋ねがありました。

 租税特別措置は、税負担の軽減などによって特定の行政目的を実現するというためにこういった措置があるんだと存じます。国が決定する補助金とどう違うのかというお尋ねだったと思いますが、こちらは歳出の方、租税措置の方は歳入の方だと存じますが、要件を満たす納税者が一律に利用できます租税特別措置との違いを踏まえつつ、予算編成が行われる経緯の中で適切に規模などを決定しているというように理解をいたしております。

 道路特定財源を一般財源化したとの認識かについてのお尋ねがありました。

 重ねてこれもお答え申し上げますが、道路特定財源の一般財源化とは、揮発油税などの歳入を道路整備に使うという義務づけをやめる、これが一般財源化ということであります。この意味で平成二十一年度から道路特定財源はすべて一般財源化されているものと、そのように認識をいたしております。

 道路予算が従来特定財源制度であった理由についてというお尋ねだったと思います。

 これは、戦後の荒廃から脱却するため、その後急速な自動車というものの普及、モータライゼーション、いろいろ表現がありますが、進展に対応するため、日本の経済発展の基盤となります道路整備というものを進めるということが急務だったと存じます。これは、私らの世代にとっては、特にそのように感じております。

 このため、受益者負担の考え方に基づいて、自動車利用に道路整備などの負担を求める道路特定財源制度を創設し、これにより建設国債の発行を抑制し、国家財政に基本的に負担をかけることなく必要な道路整備を進めることができたんだ、私はそのように認識をいたしております。

 財投特会の金利変動準備金の取り扱いについてのお尋ねもあっておりました。

 財投特会におきましては、今後の金利変動に伴う損失に備えるため、毎年度利益が生じた場合、金利変動準備金として積み立てる仕組みになっておりますのは、和田先生よく御存じのとおりであります。

 総資産の千分の五十という準備率の上限につきましては、中長期的な観点から、その水準まで積み立てておけば、将来の大幅な金利変動に対しても財務の健全性を保つことのできる水準として政令によって設定されることになっております。御存じのとおりです。

 他方、今般の金利変動準備金の取り崩しは、百年に一度と言われます世界的な経済金融危機の中にあって、生活対策などの財源を確保するため、臨時的、特例的な措置として行うものであります。

 いずれにせよ、財投特会につきましては、引き続き、基本方針二〇〇六における資産・債務改革に沿って、財投特会の総資産の圧縮に努めるとともに、利益が生じた場合には、これを金利変動準備金に積み立てることにより金利変動準備金の確保に努めてまいりたいと考えております。

 以上であります。(拍手)

議長(河野洋平君) ただいま議場内交渉係が協議中でございます。しばらくそのままお待ちください。

 和田隆志君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。和田隆志君。(発言する者あり)

 先に、内閣総理大臣から答弁を補足したいとのことであります。これを許します。内閣総理大臣麻生太郎君。

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) 最初に、発言についてのお尋ねだったということだと存じますが、これも先ほど御答弁を申し上げたと思いますが、私は、先ほども申し上げましたが、質問につきまして、また答弁につきまして、私にとりましては、今後慎重に発言をしてまいりたいと思います。そうお答えしたと思います。それが一つ目のお答えだと存じます。

 次に、租税特別措置は何のためのということについての御質問、これもさっき答えたと思うんですが、租税特別措置につきましては、税負担の軽減などというものによりまして特定の行政目的というものの実現を図るためのもの、当たり前のことだと思います。国が交付先などを決定いたします補助金とは、これはおのずと性格が違います。要件を満たす納税者が一律に利用できます租税特別措置との違いを踏まえつつ、予算編成のプロセスの中で適切な規模などを決定してきているということだと理解をいたしております。

 道路特定財源のその正当性につきましてということでしたけれども、道路特定財源というもののその正当性というのは、一般財源化したことについての正当性ということなんだと思いますが……(発言する者あり)そう聞いてねえじゃないかよ。道路特定財源の正当性というものですが、道路特定財源というものにつきましては、戦後の荒廃した時期の中にあって、道路特定財源というものをきちんとして対応していくというのが我々の主張であって、長い間、それなりの効果があったと思っております。

 今、新たに道路特定財源というものは一般財源化するという御質問だったので、一般財源化をするということは、道路特定財源を一般化いたすということは歳入の話ですから、歳出の話だとは考えておりません。

 財投特会の準備金の目的、千分の五十の性格ということでありました。

 これも、先ほど正確にお答えしたと思いますが、財投特会というものの金利変動準備金というものは、今後の金利変動に伴う損失というものに備えるために、毎年度利益が生じた場合、金利変動準備金として積み立てる仕組みになっております。もうよく御存じのとおりですよ。

 総資産の千分の五十という準備率の上限につきましては、中長期的な観点から、その水準まで積み立てておけば、将来の大幅な金利変動に対しても財務の健全性を保つことのできる水準として政令によって設定をされているものであろうと存じております。

 以上です。(拍手)

議長(河野洋平君) 和田隆志君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。和田隆志君。

    〔和田隆志君登壇〕

和田隆志君 ただいまの麻生総理の御答弁を聞きながら、答弁漏れと言いたいところでございますが、あえてもう一回質問させていただきましょう。

 まず、麻生総理の御発言について、ここは大事なところでございます、傍聴者の皆様方もぜひお聞きください。国民の皆様方に対して、この分社化を理解していなかった方がほとんどであったとおっしゃられたこと、国民に対して失礼と思われないかどうか、明快に御答弁ください。

 次に、租税特別措置についてですが、今、租特と補助金についてそれぞれのお考えになっているところが述べられました。しかし、それを今までの政府はどのように使い分けてこられたのかということをお聞きしております。そして、さらに申し上げれば、今回の予算編成上、こういったものにどれぐらいの額が適正規模と考えられて編成されたか。これらについてお答えください。

 そして、道路特定財源についてももう一度お聞きいたします。

 先ほど、総理の御答弁の中に、この特定財源を一般財源化したことの正当性を述べよと聞かれたとおっしゃられましたが、私はそのように聞いておりません。一般財源化したという認識を、今でもこのような状況の中でお持ちかということについては、もう了解いたしました。私たちと見解が異なります。国民の皆様方とも異なります。

 しかし、さらに御質問します。

 道路特定財源制度が三十数年間の歴史の中で道路予算制度の根幹をなしてきたその理由を問うております。各年度ごとの予算でなぜ措置することができない、先ほど総理は、受益者負担の原則を持ち出されて御説明なされました。もしその受益者負担の原則が代々の政権によって守り継がれていて、きっちりと措置されていたのであれば、逆も真なりでございます。負担をした地域にはきちっと道路が整備されていかなければならないのです。受益者負担の原則は、負担した方のところにきちっと受益がこうむられてこそ初めて原則が守られたと言えるわけでございます。この点について、今までの予算措置、道路の整備の現状、これらをどのように考えておられるか、お答えください。

 また、先ほど私自身がお聞きし漏れました。

 租税特別措置につきましては、現在、私どもが、本当に現在の租税特別措置、補助金の関係、二重になっていることも認識いたしております。

議長(河野洋平君) 和田隆志君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

和田隆志君(続) その点について、総理の御認識をお伺いします。

 以上です。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) 四分社化に関する私の発言についてということでしたが、前回の総選挙の主な争点は、郵政民営化を実現するかどうかであったと理解をいたしております。四分社化することにつきましては、民営化法案に明記をされておりました。しかし、総選挙の争点は、幾つに分社化するかということより、民営化するかどうかであったということを私が発言したものだと理解をいたしております。

 補助金と特別措置との使い分けのお話は、それぞれの政策について、方法と効果を考えながら選んできたものだと、私は、歴代の総理がそうやってきておられたんだと考えております。

 道路特定財源につきましては、いろいろ御見解が違うようですが、総体におきまして、道路整備水準というのを引き上げることに極めて効果があったと、私はそう思っております。(拍手、発言する者あり)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 佐々木憲昭君。

    〔佐々木憲昭君登壇〕

佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、所得税等改正案、公債発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例法案について麻生総理に質問します。(発言する者あり)

議長(河野洋平君) 御静粛に願います。

佐々木憲昭君(続) 初めに、この本会議が与野党の合意のないまま強行されたことに強く抗議するものであります。

 昨年来の米国の金融危機は、急速に世界じゅうの景気を悪化させ、日本経済は深刻な事態を迎え、いまだ出口が見えない状態であります。

 初めに、基本認識を伺います。

 総理は、金融危機について、米国のサブプライムローン問題に端を発するものと、対岸の火事のような言い方をしました。しかし、原因は米国にのみあり、日本には一切責任はないと言えるのでしょうか。

 今回の金融危機の原因は、金融の自由化、規制緩和のもとで、金融の証券化が進み、投機的な売買を通じて金融バブルが膨らみ、それが崩壊したことが原因であります。しかし、その原因をつくったのは米国だけではありません。日本もEU諸国も、金融の自由化、金融のビッグバンを競うように進めてきました。

 日本銀行は、低金利政策のもとで、市場に資金をじゃぶじゃぶ供給し続けました。この低金利資金が、円キャリートレードなどを通じてアメリカの過剰流動性を増幅させ、国際的な投機資金を膨らませてきたのであります。政府と日銀は、その責任をどう感じているのでしょうか。

 今日の深刻な事態を増幅させたのは、小泉内閣以降推し進められてきた構造改革路線であります。それは、市場原理と競争によって弱肉強食の社会をつくり、弱者を排除する一方で、大企業には優遇税制など手厚い支援を進めてきました。法人税率の連続的な引き下げ、連結納税制度の導入、研究開発減税の拡大、欠損金繰越期間の延長など、至れり尽くせりの大企業優遇税制が実行されてきたのであります。(発言する者あり)

議長(河野洋平君) 御静粛に願います。

佐々木憲昭君(続) 本法案においても、引き続き大企業減税が拡充されました。外国税額控除の見直しであります。

 本税制改正案では、間接外国税額控除制度にかえて、外国子会社からの配当を益金不算入、つまり配当を非課税とする制度が導入されています。海外に工場など子会社を持つ大企業に極めて有利な減税措置であります。

 政府は、本制度のねらいについて、海外子会社がため込んでいる内部留保金を国内の投資に還元させるものと説明しています。しかし、その保証はどこにあるのでしょうか。

 日本機械工業連合会等のアンケート調査では、本制度により日本法人への配当が増加と回答したのは、たった一三・五%の企業です。その大半が、影響は小さい、わからないと回答しているのであります。

 何を根拠に、海外の内部留保が国内に還元し国内投資がふえると言えるのでしょうか。また、どの程度の国内投資の増加を見込んでいるのか。具体的にお示しいただきたい。

 政府の至れり尽くせりの優遇政策の結果、自動車、電機を初め輸出関連産業の大企業は史上空前の利益を上げてきました。大企業は、潤沢な内部留保を抱え、役員報酬、株主への配当を急増させたのであります。しかし、労働者の賃金はかつてなく抑え込まれ、家計を冷え込ませたのであります。これが今日の格差拡大を招いたという認識は、総理にあるかどうか、伺いたいと思います。

 次に、金融・証券税制についてお聞きします。

 二〇〇八年度の税制改正で、源泉所得税及び配当益に対する一〇%の軽減税率は、二年間の経過措置の後、原則廃止と決められました。にもかかわらず、またまた本法案により軽減税率の延長が図られています。そもそも、昨年の原則廃止は、大資産家優遇を是正する目的で導入したのではなかったでしょうか。そもそも、上限の規制もない、海外に例を見ない軽減税率は大資産家へのとてつもない減税となっているとの認識を麻生総理はお持ちでしょうか。

 このような優遇税制でなく、投機的売買が横行しない公正公平な証券市場を整備することこそ、政府のやるべき仕事なのではありませんか。

 大企業、大資産家には減税を行いながら、なぜ庶民に増税を押しつけるのでしょうか。

 本法案の附則では、二〇一一年度までに消費税を含む税制の抜本的な改革を行うための法制上の措置をとることが盛り込まれました。しかし、国民の多数は、たとえ社会保障の財源であっても消費税の増税に反対の意思を表明しているのであります。雇用がますます不安定になっている中で麻生内閣が消費税の増税を打ち出したことは、不安を一層増幅させています。総理は、国民の声をどう受けとめているのでしょうか。

 今重要なことは、輸出依存、外需頼みから、家計を中心とする内需主導に経済の基本を転換することであります。

 ある経済学者は、国内総生産に対する個人消費の比率は五五%、輸出の比率は一六%です、だから、消費を一%ふやせば輸出が三%落ち込んでもカバーできる、消費を三%ふやせば輸出が一〇%落ち込んでも大丈夫と指摘しております。つまり、個人消費を直接支えることが内需主導の持続的成長に決定的な効果があると説いているのであります。

 例えば、三割強しか消費拡大に寄与しない定額給付金と違って、消費税の食料品非課税措置を行えば、そのまま消費拡大に回るのであります。総理は、なぜ、検討結果を国民に提示することもなく、消費税の減税は適当でないと一方的に決めつけるのでしょうか。

 総理、どうしても消費税を増税したいというなら、衆議院を解散して国民に信を問うのが当然ではありませんか。

 最後に、埋蔵金の流用について聞きます。

 公債発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例法案では、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる財源として、二〇〇九年度、二〇一〇年度について、財政投融資特別会計の準備金から財源を手当てすることになっています。これは、二〇一一年度の消費税増税までの間、いわゆる埋蔵金で基礎年金拠出金の財源を確保しようとする考えから来ているのではありませんか。

 昨年、福田前総理も認めたように、自民党、公明党は、定率減税の縮減、廃止の増収分を、基礎年金拠出金に対する国庫負担の割合の引き上げに充てると説明してきました。

 定率減税の廃止に伴う年間二兆八千億円もの増税は、一体どこに消えてしまったのでしょうか。明確な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) こちらも事前通告があっておりませんので、少々順番等々違っているかもしれませんが、あらかじめお断りしておきます。

 今回の金融危機についてのお尋ねが最初だったと存じます。

 今回の世界的な金融危機というものにつきましては、米国のサブプライムローン問題に端を発するものであって、日本の金融システムは欧米に比べて相対的に安定をしているということは事実で、世界じゅう皆同様に言っております。しかし、この危機は、グローバルな金融市場というものを通じて世界じゅうに拡大し、世界の景気後退、実体経済、実物経済に関して景気後退というものをもたらしております。

 したがって、現下の危機というものを克服し、金融市場というものを安定化させるためにも、世界経済の成長を回復するとともに、各国に共通の責務があるのではないかと認識をしておるところであります。

 次に、低金利政策及び過剰流動性についてのお尋ねがあったと存じます。

 日本銀行は、バブル崩壊後のデフレという極めて厳しい経済、物価情勢に対応するため、御指摘の金融政策を講じたものだと考えております。一九九〇年代前半の話です。

 なお、金利水準が投資行動、市場の流動性にどのような影響を及ぼすかについては、国内外の経済や金融市場の動向によってさまざまな面が考えられるところだろうと存じます。

 外国子会社から受けるいわゆる受取配当の益金不算入制度の趣旨についてのお尋ねがありました。

 日本の経済の活性化の観点から、日本企業が海外市場で獲得する利益につきまして必要な時期に必要な金額だけ国内に戻せる制度を整備することは、日本のいわゆる経済にとりましても重要なことだと考えております。

 このため、今般、外国子会社からの配当を益金不算入とする制度を導入することとしており、本制度が導入されることにより、国内に還流されます利益というものが、日本企業の設備投資、また研究開発、もちろん雇用を含めまして、そういう幅広い分野で多様な利用が図られるものだと期待をしておりまして、我が国の経済の活性化につながるものだと理解をいたしております。

 海外子会社からの配当を益金不算入とすることによって国内投資がふえるかという御質問もあっておりました。

 昨年、経済産業省が実施しておりますアンケート調査によれば、この制度を導入すれば、半数を超える企業が、海外子会社の内部留保について、配当による国内還流を増加させると回答しております。また、国内還流した場合は、その資金については、半数以上の企業が国内投資に振り向けることになるだろうと回答もいたしております。

 なお、具体的にどれだけの金額を還流、投資させるかにつきましては、為替や金利の状況もあろうと存じまして、こういったものに依存しておりますので、事前に正確に予測するということは困難であろうと思います。

 今日の格差拡大についてのお尋ねがあっております。

 私は、所得格差というものが大きな社会問題になっているということは、これはゆゆしき事態なのであって、大変憂慮すべきものである、これは大前提として申し上げておきたいと存じます。

 その上で、日本では、一九八〇年代から、いわゆるジニ係数、所得の格差を示す指数、よく御存じのとおりですが、徐々に上昇してきております。これは、明らかに、年齢の高い層が、若年層に比べ、相対的に所得格差が大きくなりますので、高齢者の比重が高まってきているという点もひとつ理解をしておいておかないといかぬのではないか、いわゆる独居老人を含めまして、そういったことになってきておるのではないかなという面も否定できないのではないかと思っております。

 証券税制についてお尋ねがありました。

 平成二十一年度税制改正法案では、現下の厳しい経済金融情勢を考えて、金融市場を活性化させるその目的から、現行の軽減税率を三年間延長を行うことといたしております。ただし、その後は、金融所得課税の一体化を推進するという観点から、本則税率に戻したいものだと考えております。

 いずれにいたしましても、金融所得課税につきましては、個人投資家が投資しやすい環境を整備する観点から、簡素でわかりやすい税制を構築することが重要ではないかと考えておる次第です。

 公平公正な証券市場の整備についてのお尋ねがあっておりました。

 今般の金融市場におきます世界的な混乱というものを考えた場合、金融市場におきましては、いわゆる一定の規律づけというものが必要ではないか、特に、これは日本だけではなく、国際的に見て。

 平成二十一年度の税制改正法案における金融・証券税制の措置というものをあわせまして、市場の公正性、透明性というものの確保など、国民が安心できるような環境整備に引き続き努めていかねばならないものだと考えております。

 平成二十一年度税制改正法案の附則と消費増税についてのお尋ねがあっておりました。

 私は、かねてから日本経済は全治三年と申し上げてきております。まずは、事業規模七十五兆円の大胆な対策を打つことにより、今年度を含みます三年以内の景気回復に最優先で取り組むことといたしております。

 他方、大胆な財政出動というものを行うからには、中期の財政責任というものを明確にしなければなりません。とりわけ、社会保障を安心なものとして、子や孫に負担を先送りしないためには、安定財源確保に向けた道筋を国民にお示しする必要があろうと存じます。

 したがって、平成二十一年度税制改正法案の附則について、消費税を含みます税制抜本改革の道筋を盛り込んだということであります。

 消費税の食料品非課税措置についてのお尋ねがありました。

 社会保障制度を将来にわたり持続可能で安心できるものにすることは、国民の不安を払拭するというために大きな意義を有するものであります。消費税は慎重な対応が必要ですけれども、極めて重要な役割を果たしているものであると認識しております。

 したがいまして、こうした中で、今、事業者の事務負担や減収規模などを勘案すれば、将来はともかく、ただいま現在、食料品につきまして、非課税措置を講ずるというのは適当ではないのではないかと考えております。

 いずれにせよ、消費税の税率構造のあり方につきましては、今後、税制抜本改革の中で検討してまいりたいと考えております。

 次に、消費税を引き上げる前に衆議院を解散すべしとの御指摘がありました。

 今国会は、消費税を含む税制抜本改革の道筋を盛り込んだ法律を提出させていただいております。実際の税制改革には、個別税目に関する具体的な改正の内容を別に法律で定める必要がありますのは御存じのとおりです。その際に、国会で税制の具体的な姿というものを審議していただくことになります。

 来る総選挙におきましては、税制改正だけでなく、社会保障制度のあり方、財政責任のとり方などを問うことで、国民生活に責任を持つのはどの党であるかというものをきちんと競いたいものだと考えております。

 基礎年金国庫負担割合の引き上げの財源についてのお尋ねもあっておりました。

 今般、世界の金融市場が百年に一度と言われる金融危機に陥る中で、今年度から三年間のうちに景気回復を最優先で実現することを目的といたしてやっております。

 こうした中で、平成十六年年金制度改革の柱の一つである基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げを実現するため、昨年十二月に閣議決定された中期プログラムにおきまして、中期プログラムに従って行われる税制抜本改革により所要の安定財源を確保した上で恒久化する、平成二十一年度及び平成二十二年度の二年間は、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰り入れによりまして臨時の財源を手当てし、基礎年金の二分の一を国庫で負担するということにいたしております。税制抜本改革の実施に当たって、予期せざる経済変動に対応する、そういう場合には、それまでの間につきましても、臨時の財源を手当てすることにより、基礎年金の二分の一を国庫で負担する措置を講ずるものとしております。

 以上でありまして、このような内容の法律案を去る一月三十日に国会に提出したところであります。

 定率減税廃止による増収分はどこへ消えてしまったのかという御質問です。

 平成十七年度及び十八年度の税制改正における定率減税の縮減、廃止に伴う平成十七年度予算から平成十九年度予算における所得税の増収分約二・六兆円につきましては、三二%、約〇・八兆円は、地方交付税法に基づきまして、地方交付税に充てられております。

 残余の約一・八兆円、国の取り分につきましては、使途が決定されていない一般財源でありますので、厳密に特定することは甚だ困難でありますが、与党における御議論を踏まえて、定率減税の縮減、廃止に関連づけられた歳出項目として、これまでの基礎年金国庫負担割合の引き上げに充てられた金額は約〇・三兆円となっております。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 保坂展人君。

    〔保坂展人君登壇〕

保坂展人君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、国税二法案について質問します。(拍手)

 冒頭、本日の本会議が、与野党合意なき、職権で強引に立てられたことに強く抗議をいたします。

 まず、かんぽの宿疑惑について緊急に聞きます。

 小泉政権時代の官から民へというかけ声は、官僚の既得権と過剰な規制でがんじがらめとなった社会を、自由で風通しのよい国民本位の社会に変えていこうというイメージで受けとめられました。しかし、実態はどうでしょうか。かんぽの宿は二束三文で売り払われ、国民の財産を特定の企業がぬれ手でアワのように手に入れて転売をし、高笑いをしています。

 麻生総理は国会で、郵政民営化には反対だった、当時の担当大臣は竹中さんですよなどと無責任な発言を繰り返していますが、今回の問題には、間違いなく、後からぬれぎぬなどと言わないように、しっかり答弁をしていただきたいと思います。

 日本郵政は、かんぽの宿を競争入札で譲渡先を選定したと説明してきました。本来、この手続に当たっては、簡易保険を原資にした国民の財産を慎重かつ丁寧に扱うという姿勢が必要です。ところが、次々と明らかになる入札経過は、鳩山総務大臣をして、疑惑だらけ、暗雲が立ち込めると言わせるものであり、日本郵政の説明も二転三転しています。最終入札の後、世田谷レクセンターが譲渡対象から外れ、最後に譲渡先として価格を示したのはオリックスただ一社でした。

 総理は、このずさんなかんぽの宿をめぐる経過と国民の怒りの声、しっかり答弁を求めたいと思います。

 郵政民営化の騒動で、簡易保険の余剰金で建設されたはずのかんぽの宿、保養センター、加入者ホームなど多くの施設は、かんぽ生命に引き継がれることなく、日本郵政が売却処分を前提に管理をすることになりました。本来なら、売却益は簡易保険の旧勘定に還付をされ、幾らかの配当がされるのが筋ではないでしょうか。また、かんぽ生命が民間の保険会社となるのであれば、福利厚生施設を持ってはならないという扱いにも疑問が残ります。

 西川社長は国会で、この手続は一般競争入札ではありませんと明言しましたが、日本郵政の契約規定は、一般競争、指名競争、そして随意契約の三種類しかありません。一般でも指名でもないのなら、随意契約ではありませんか。しかも、最終入札の後、七千五百坪もある世田谷レクセンターを取り除き、また、十二月三日にはオリックス不動産しか価格提示をしていないにもかかわらず、あたかも二社で競合したかのような架空の入札額を平然と国会で語るなど、国民の財産を扱う資格を疑わせるものです。

 国民注視のかんぽの宿などを慌ててたたき売りしかねない日本郵政株式会社法の附則を削除あるいは変更することで、冷静で合理的な判断をするべきではないかと考えますが、以上の三点について総務大臣の見解を求めます。

 さて、本題に入ります。

 まず、総理、三年後の消費税の引き上げについてですが、昨年末の中期プログラムのときに議論されていた、社会保障の安定財源確保のために二〇一〇年に法案を成立させ、二〇一一年から消費税を増税するとの方針と附則との関係がどうなっているのか、御説明を願います。

 所得税法の附則にある、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うために二〇一一年までに必要な法制上の措置を講ずる、二〇一〇年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立するとは、一月十六日の経済財政諮問会議の中長期方針と十年展望の試算結果に書かれている、消費税を二〇一一年から一五年にかけて税率五%の引き上げとの記述を前提にしているものではないですか。

 景気回復、経済状況の好転との指標は一体どのようなものなのか、国民にしっかり提示、説明すべきではありませんか。また、名目GDPなのか実質GDPなのか、大企業中心の外需なのか内需なのか、また、国際経済の動向にはどんな指標で見ようとしているのかを明確にしていただきたいと思います。

 また、個人所得課税について、各種控除や税率構造を見直すとされていますが、九八年以前の最高税率五〇%、こちらの水準まで戻すという理解でいいのでしょうか。各種控除の見直しでは、給与所得控除に上限を設ける、こういう理解でいいのか。また、法人税の実効税率の引き下げの水準は具体的にどのように考えているのか。

 庶民には増税、法人税は減税では、国民の納得は得られないのではないか、法人税も九八年以前の水準に戻すべきではないかと考えますが、以上、総理の見解を伺います。

 昨年十二月の政府の経済見通しでは、〇九年度は実質GDPで〇・〇%としていますが、甘くはないでしょうか。IMFの世界経済成長率の一月見通しではマイナス二・六%と厳しい数字が出ています。なぜ〇・〇%という見通しになるのか、明確に説明すべきではありませんか。総理及び経済財政担当大臣の答弁を求めます。

 税制改正において住宅ローン減税が目玉とされています。しかし、大きな恩恵を受けられるのは、多額のローンを組むことができる富裕層に限られます。中堅層の住宅取得促進のためには、控除額の引き上げより、控除期間の延長の方が効果的ではないでしょうか。また、借家人には何の恩恵もありません。富裕層に温かく、借家人には無関係という不公平税制ではありませんか。

 証券優遇税制についてです。

 本則税率のままであれば、〇三年以降十兆円規模の税収が見込まれ、財政再建にも貢献をしていたはずです。さらに、金融所得課税は、勤労所得課税よりも、源泉分離課税、一〇%の軽減税率と二重に優遇されています。証券市場の活性化を大義名分とした金持ち優遇税制であり、格差拡大と税収減を招くものだと思います。直ちに本則に戻すべき、資産家優遇の金融所得一体課税はやめて、総合所得課税を目指すべきではないでしょうか。

 所得税の最高税率を引き上げる場合に、相続税の税率も引き上げる考えはあるのでしょうか。また、現在、与党において検討されている無利子国債は、国債の利子を払わないかわり、相続税を軽減、免除するものと承知していますが、このような国債の発行は相続税の適正化をうたうこの法案の趣旨と矛盾をしていないかどうか。

 以上、総理に伺います。

 いわゆる埋蔵金が歳出の財源として次々と利用されていますが、これまでの、埋蔵金はない、この説明と矛盾してこないでしょうか。結局のところ、埋蔵金は幾ら存在をするのか。財政の透明化を図るとともに信認を得るためには、その全容及び金額を今明らかにすべきではないでしょうか。

 いわゆる埋蔵金は一度使えば消失する一過性のものと説明をされてきましたが、財投特会から一般会計への繰り入れは、二十年度第二次補正、二十一年、二十二年とほぼ恒久的に使われており、もはや臨時異例とは呼べないのではないか。金利変動準備金が過去に使われたのはたった三回だけと聞いていますが、それぞれ幾ら支出したのでしょうか。合計額は幾らになっているのでしょうか。もはや金利変動準備金千分の五十という基準は意義を失っており、直ちに廃止すべきではありませんか。

 基礎年金国庫負担の引き上げのため恒久財源を確保する法整備ができない場合にはどのように対応するのか。財務大臣は二月四日の予算委員会で、臨時異例の安定財源をどこからか確保する、こう答弁していますが、具体的に臨時異例の安定財源とは何を指して、何を考えているのか。明確に答弁を財務大臣から求めたいと思います。

 以上、私の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) 保坂議員の質問にお答えをいたします。

 まず最初に、かんぽの宿の一括売却に関してのお尋ねがあっております。

 かんぽの宿の譲渡に関しましては、およそ国民に疑念を持たれないようにしなければならないと考えます。当然、本件に関しましては、担当総務大臣において適切に対処してもらいたいと考えております。

 税制改正法案の附則と中期プログラムの関係についてのお尋ねがあっております。

 かねてから、経済状況の好転が消費税を含む税制抜本改革を行うための前提であると申し上げ続けてきております。昨年末に閣議決定されました中期プログラムもその旨を規定しておりますのは、御存じのとおりです。今般の附則は、関係者の御議論を踏まえ、これまで私が申し上げてきた考え方や中期プログラムの趣旨をより明確にしたものだと考えております。

 改正法案の附則と「経済財政の中長期方針と十年展望」の比較試算との関係についてのお尋ねがあっております。

 今般の附則は、昨年末に閣議決定した中期プログラムを踏まえ、消費税を含みます税制抜本改革の道筋及び基本的方向性についての規定を設けたものでありまして、具体的に、実施のあり方につきましては、今後検討を進めてまいります。

 他方、御指摘のありました「経済財政の中長期方針と十年展望」の比較試算は、あくまで経済財政諮問会議における審議のための資料として、もしくは参考として、経済及び財政に関するさまざまな想定を置いた上で、多様な試算をお示ししたものであります。したがって、この試算につきましては、今般の税制改正法案の附則や具体的な税制改正の姿を前提としているわけではありません。

 税制抜本改革の実施に係る係数、指標についてのお尋ねもありました。

 経済状況の好転とは、一般的に、経済が悪化しております状況から持ち直して、改善していこうとしている状況を指し示すものだと考えております。

 消費税を含む税制の抜本改革の実施時期に関しましては、景気回復の過程で、日本経済が本来持っております成長力というものを十分に発揮できるようになったと見込まれる段階が一つの判断基準と考えております。

 附則に基づく個人所得課税や法人税の見直しの内容についてのお尋ねもありました。

 今般の附則におきましては、個人の所得課税の基本的方向性として、格差の是正や所得再配分機能の回復の観点から、最高税率や給与所得控除の上限の調整などにより、高所得者の税負担の引き上げを検討することといたしております。

 また、法人課税につきましては、国際的整合性の確保及び国際競争力強化の観点から、課税ベースの拡大とともに、法人の実効税率の引き下げを検討することといたしております。

 これらの具体的な改正の内容につきましては、こうした基本的方向性に沿って今後検討した上で、別の法律案を提出し、国会にお諮りすることになろうと存じます。したがって、御質問のような税制の具体的な姿について、現時点でお答えする段階にはございません。

 政府経済見通しについてのお尋ねがありました。

 平成二十一年度の政府経済見通しでは、世界的な景気後退が続く中で、当面は内需、外需ともに厳しい状況が続くこと、一方、原油価格の低下によります交易条件の改善などが次第に効果をあらわし始めていることなどが予想されまして、平成二十年度の実質成長率をマイナス〇・八%と見込んでおります。

 平成二十一年度につきましては、交易条件の改善に加え、政府の経済対策の効果が本格的に発揮されることにより、年度後半に民間需要が持ち直し、不況を脱していくことが期待されております。そうした観点から、平成二十一年度の実質経済成長率を〇・〇%と見通している背景であります。

 他方で、足元の経済状況が急速に悪化をいたしております。世界の金融経済情勢の悪化によって景気の下降局面はさらに厳しくなっていると、私もそう思います。また、長くなるリスクが存在していることにつきましても十分に認識をしております。

 政府といたしましては、当面は景気対策を最優先し、七十五兆円規模の経済対策の実施など、不安の連鎖の阻止に向けた大胆な対応を図ってまいります。

 住宅ローン減税についてのお尋ねもありました。

 今般の住宅ローン減税の改正では、現下の厳しい経済金融情勢において、住宅取得に係ります初期負担を軽減することにいたしております、これは十年間。すなわち、最大控除可能額の引き上げにより、早期に住宅取得に係ります支援効果を発現させつつ、住宅投資の活性化による経済全体への波及効果を通じて景気回復を最優先で図るためのものであります。

 また、今般の改正では、所得税から控除し切れない額につきましては、さらに個人住民税から税額控除できる仕組みというものも新たに創設をしたところでもあります。これによりまして、中低所得者にも減税効果が幅広く及ぶようになり、不公平税制であるとの御指摘は当たらないのではないかと考えております。

 証券税制についてもお尋ねがありました。

 平成二十一年度税制改正法案では、現下の厳しい経済金融情勢を考え、金融市場を活性化させる観点から、現行の軽減税率を三年間延長を行うことにしております。ただし、その後は、金融所得課税の一体化を推進する観点から本則税率に戻したいものと考えております。

 いずれにいたしましても、金融所得課税につきましては、個人の投資家が投資しやすい環境を整備するとの観点から、簡素でわかりやすい税制を構築することが重要だ、私もそのように考えております。

 相続税についてのお尋ねがありました。

 平成二十一年度税制改正法案の附則では、消費税を含む税制抜本改革における相続税の見直しの基本的方向性を盛り込んでおるところです。その中で、格差の固定化の防止などの観点から、税率構造などを見直し、負担の適正化というものを検討することといたしております。具体的な見直しの内容につきましては、こうした基本的方向に沿って今後検討してまいりたいと存じます。

 なお、御指摘のいわゆる無利子国債につきましては、現在さまざまな議論が行われているということは承知をいたしております。

 いずれにいたしましても、そうした議論を含め、現下の金融経済情勢のもとで、家計などの資産の有効活用を図るため幅広く議論や検討を行っていくことが極めて重要だと考えております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 保坂議員の御質問にお答えいたします。

 いわゆる埋蔵金の全容についてのお尋ねがありました。

 埋蔵金と呼ばれるものは、いろいろな考え方があるようでありますけれども、何を指しているのか明確ではございません。仮に特別会計の積立金等を指すとするならば、これらは財務諸表等がすべて公表されているので、埋蔵金と言われるようなものでないと考えております。

 特別会計の積立金は十九年度決算後で約二百五兆円でありますが、これらは特別会計法に定められたそれぞれの目的のために積み立てられているものであり、法律の目的を超えて自由に一般会計に繰り入れて財源とできるものではありません。

 今般、財政投融資特別会計の積立金を一般会計財源として活用することとしておりますが、これは、百年に一度とも言われる危機的な金融経済情勢に対応するために必要な施策等の財源に充てるため、臨時的、特例的な対応として立法措置を講じた上で行うものであります。

 特別会計につきましては、特別会計財務書類を各省において公表しており、今般、特別会計法に基づきこれを国会にも提出したところでございます。そのほか、各省ホームページにおける記述の充実を図る等、一層の情報開示に取り組んでいるところでございます。

 次に、財投特会の金利変動準備金についてのお尋ねがありました。

 今般の金利変動準備金の取り崩しは、百年に一度とも言われる危機的な金融経済情勢に対応するために必要な施策等の財源に充てるため、二十年度二次補正予算、二十一年度及び二十二年度予算における臨時特例的な対応として立法措置を講じた上で行うこととしているものであり、これにより、金利変動準備金の額は大幅に減少することになります。したがって、金利変動準備金を恒久的な財源として用いているわけではありません。

 他方、準備率の上限である総資産の千分の五十という水準につきましては、中長期的な観点から、その水準まで積み立てておけば、将来の大幅な金利変動に対しても財務の健全性を保つことができる水準として政令により設定されているものでございます。したがって、実際にはこの水準を下回っていても、引き続き総資産の千分の五十という準備率の設定は必要と考えております。

 なお、財投特会においては、昭和四十七年度に七十六億円、昭和五十三年度に二百七十五億円、昭和五十四年度に二百八億円の損失を計上し、積立金を取り崩しております。これらの合計額は五百五十九億円となります。

 次に、基礎年金国庫負担割合の引き上げのための財源についてのお尋ねでございます。

 基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げは、平成十六年年金制度改革の柱の一つであり、これを実現するため、昨年十二月に閣議決定された中期プログラムにおいて、中期プログラムに従って行われる税制抜本改革により所要の安定財源を確保した上で恒久化する、平成二十一年度及び平成二十二年度の二年間は、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰り入れにより臨時の財源を手当てし、基礎年金の二分の一を国庫で負担する、税制抜本改革の実施に当たって、予期せざる経済変動に対応する場合には、それまでの間についても、臨時の財源を手当てすることにより、基礎年金の二分の一を国庫で負担する措置を講ずるものとするとされており、この方針に従って対応することとしております。

 したがって、景気を回復するよう全力を尽くし、経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく税制抜本改革を行うことが基本であると考えております。

 仮に、予期せざる経済変動に対応するため、平成二十三年度以降も臨時の財源を手当てする場合には、そのような可能性が明らかになった時点で具体的な財源について検討してまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 保坂議員より三点お尋ねがありました。

 日本郵政の施設の承継についてであります。

 郵政民営化により新たに設立される日本郵政を初めとする承継会社は、健全な経営を確保するためということで、それぞれの中核的業務に特化することとしたものでございます。

 そこで、旧簡易保険加入者福祉施設については、かんぽの宿等でございますが、譲渡または廃止することとして、譲渡または廃止するまでの間に生じると見込まれる損失の処理や、譲渡または廃止する際に雇用に配慮する等の観点から、グループ全体で対処する必要があるため、各社からの配当収入を得て、グループ全体の経営管理を行う日本郵政が暫定的に承継するものとしたと存じます。

 なお、保険業を営むかんぽ生命保険は、保険業法の適用も受けますので、宿泊事業をすることはできないとされております。

 次に、かんぽの宿の売却手続についてであります。

 今回のかんぽの宿の譲渡手続は、昨年四月一日の日本郵政株式会社による公募時には競争入札としていました。また、西川社長が私のところにお見えになったときにも、公正な競争入札であると言っておられました。それがゆえに、私は、各新聞の社説で、三カ所か四カ所かわかりませんが、公正な競争入札の結果に大臣や政治家が口を挟むというのはとんでもないことだという批判を受け続けたわけでございます。

 ところが、最近では、西川社長のおっしゃることが変わりまして、価格競争と企画提案の審査の混合であるとわけのわからぬことをおっしゃっておられます。

 また、実は、保坂議員からも既に御提示された、問題は、入札参加希望者に対してメリルリンチが配った資料があるんです。それは、私もちょっとうろ覚えの部分がありますが、必ずしも譲渡は確約できない、いつ譲渡をするのをやめるかわからない、そういう場合も理由は言わない、その単独の意思によって本件譲渡の対象となる施設等の範囲は勝手に変更するから覚悟しろ、こういうことです。

 それでは、もはや入札などというものではないでしょう。入札というものは、対象が決まっておって、この仕事を引き受けますかとか、これを買いますかというのが入札なんですよ。それを、勝手に変えても、理由は言わないし、文句も言うななどというのはとんでもない話でございまして、メリルリンチがアドバイザリー契約の中でどうしてそういうことが言えたのか、私にはよくわかりません。

 したがって、入札の途中で、保坂議員御指摘のような、目玉物件である世田谷レクセンターを取り除くなど、国民共有の財産であるという観点から、果たしてこれが、入札だか随契だか、ぜひ渡したいところに渡したいのか、国民が疑念を持つのは、私が疑念を持つんですから国民が疑念を持つのは当然のことと思っております。

 なお、私は現在、日本郵政株式会社法第十五条に基づいて、会社に報告徴求、報告を求めているところでございまして、その回答を吟味してから、さらに調査を進めてまいります。やむを得ない場合には、立入検査もいたします。

 それから、最後に、日本郵政株式会社法の附則の削除についてであります。

 現在郵政民営化委員会において行われている三年ごとの見直しというのは、私にとってとても重要なものでございまして、これは、国営に戻す以外は、郵政民営化のいいところは大切にして、悪いところというか、影の部分はこれをなくしていくという観点で行われるものでございますので、聖域なき見直しをしていかなければならないと思っております。

 したがいまして、かんぽの宿等を五年以内の譲渡または廃止という部分についても見直しの対象にはなります。(拍手)

    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕

国務大臣(与謝野馨君) 保坂議員から政府経済見通しについてお尋ねがありました。

 総理から既に答弁をされておりますので、重複部分は省略をさせていただきます。

 政府といたしましては、景気の底割れを防ぎ、国民生活を守ることが我々政府の使命であると考えております。一方、最近発表された各種経済指標は国内外とも悪化の傾向を明確に示しておりまして、このことを前提に、今後経済対策を進めてまいりたいと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 糸川正晃君。

    〔糸川正晃君登壇〕

糸川正晃君 国民新党の糸川正晃です。

 私は、国民新党・大地・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣総理大臣及び財務大臣に質問いたします。(拍手)

 冒頭、本日の本会議が与野党の合意なしに開会されたことに対し、抗議をさせていただきます。

 さて、急速に悪化する経済情勢のもと、日々の生活や将来の展望に対し不安を抱く国民に向かって希望を見出せるよう呼びかけることは、政治の責務であります。また、このような難局の中にこそ、光明を見出すべく、我々政治家が先頭に立って、国家そして国民の未来像を描き、語り、真に必要な政策を実行していかなければなりません。

 このような観点から、法案に関連する事項、特に麻生内閣の財政運営を問いただしたいと思いますが、答弁においては、議場だけでなく、広く国民にこたえるよう心がけていただきたくお願い申し上げます。

 まず、公債発行・繰入れ特例法についてであります。

 法律案の第一条では、「最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況」であるとしていますが、そもそも財政収支が著しく不均衡な状況となったのはなぜか、総理大臣及び財務大臣の御見解をお伺いいたします。

 特に、平成二十一年度当初予算における公債依存度は三七・六%と、平成二十年度当初予算の三〇・五%に比べて大幅に悪化しています。国債残高も平成二十一年度末で五百八十一兆円程度と見込まれ、国、地方を合わせた長期債務残高は八百兆円を超えるとされています。累次の経済対策による財政支出の増加により、確実に財政状況は悪化していますが、これは、これまでの政権が責任ある財政運営の確立を果たさず、放漫財政を繰り返してきたことによるものと考えますが、総理大臣及び財務大臣の見解を伺います。

 公債の発行について、まず建設公債の健全性についてお伺いいたします。

 建設公債は、公共事業費、出資金及び貸付金の財源としての発行が認められていますが、本当に見合い資産が確保されているのでしょうか。また、その検証はどのように行われ、責任の所在がどこにあるのか、明快にお答えください。

 加えて、もし、見合いの資産が確保されている場合、その資産の耐用年数等が技術の発達等により長期化しているのなら、公債の償還期間を延ばすことも可能ではないかと考えますが、政府の見解を伺います。

 また、特例公債の発行について、本法律案により、二十五兆七千百五十億円まで公債を発行することが可能となりますが、そもそも特例公債は、財政法の例外措置であることから、実際の発行額は最小限にとどめることが望まれます。特例公債の発行枠の意味と実際の発行における方針について政府の見解を伺います。

 これに関連して、特例公債の償還ルールは、建設公債と同様、六十年償還ルールを基本としています。将来世代の負担を考慮するならば、より負担となりやすい特例公債については、早目に償還することを義務づけるルールを設けることによって、逆にその発行の抑制を図り、財政の健全化を制度的に促すことも可能と考えます。これらの公債発行に関する提案について財務大臣の見解を伺います。

 次に、財政投融資特別会計からの繰り入れについて何点かお伺いいたします。

 平成二十一年度予算において、財投特会の金利変動準備金の取り崩しにより、四兆二千三百五十億円を一般会計に繰り入れることとし、この結果、二十一年度末の準備金は六・五兆円、準備率は三・五%と見込まれています。まず、そもそも財源に財投特会の金利変動準備金を選んだ理由をお教えください。

 この金利変動準備金は、金利の変動による損失の備えのために計上されているものでありますが、貸付金の回収時期と財投債の償還時期にずれが残り、年度別の資産と負債の間にギャップがあることから、依然として、一定の金利変動リスクが存在するものと思われますが、これについての政府の見解を伺います。

 また、平成十八年度に十二兆円、平成二十年度に九兆八千億円を国債整理基金特別会計に繰り入れていますが、これは、これまでの積立金の水準が特別会計の財務の健全性を確保するために必要な水準を超えて積み立てられてきたことの証明とも言えますが、今回は、逆に、準備率の上限である五%を割り込んでいます。これは適正な水準と言えるのか、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会も、準備率の上限基準を維持するべきであり、早期に回復の道筋を持つべきと指摘をされております。これについて麻生総理の認識を伺います。

 金利変動準備金を、平成二十年度当初予算のように、国債の償還ではなく、年金財源に活用した理由をお聞かせください。財政制度等審議会も、国の債務残高を実質的に増大させるものと指摘していますが、財政運営上の観点から、麻生総理の見解を伺います。

 そもそも、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げは、安定財源確保のための税制抜本改革とセットで行われるべきではなかったのでしょうか。

 そこで、改めて確認いたします。

 税制抜本改革は行われたのか。政府として法律の附則に書かれた国民との約束を守ったのか否か、明快にお答えください。また、今回の金利変動準備金の繰り入れは安定財源と言えるのか、麻生総理の見解を伺います。

 所得税法等改正案についてお聞きいたします。

 住宅ローン減税や中小企業減税の拡充、低公害車の自動車諸税の減免など減税策が並んでいるにもかかわらず、国民の将来への不安は全く消えていません。税制面で経済を活性化させることは必要でありますが、政策減税をただ寄せ集めただけでは、この経済が悪化していく状況を改善することはできないし、時限的な減税ばかりでは、中長期的に経済を下支えする土台になることもないと考えますが、今回の税制改正の意図について麻生総理の見解を伺います。

 このようなときにこそ、フロンティアスピリッツをかき立てるような、何かを生み出す新しい税制が必要なのではないでしょうか。例えば、新エネルギーの導入促進や新しい産業分野の開拓の支援など、将来の需要拡大につながる税制を打ち出すべきではなかったか、麻生総理の見解を伺います。

 証券優遇税制については、株式の譲渡益、配当の税率を二〇一一年末まで一〇%に据え置くこととしています。この制度自体は投資の促進に資するものと評価できますが、一方で、個人の金融資産の有効活用につながるとされる金融所得の一体課税は遠のいた感があります。個々の政策だけでなく、税制のグランドデザイン、あるべき姿を描かなければ、その効果を最大限に発揮することはできないと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。

 税制のグランドデザインと関連して、麻生内閣の経済財政運営について何点か質問いたします。

 まず、麻生内閣総理大臣にお聞きいたします。

 三年後の我が国の経済状況が好転していたとき、消費税を引き上げるのか、明確にお答えください。そして、好転とはどのような状況なのか、麻生内閣の三年後の経済面での目標は何かということを示すことでもあるので、今の時点でこの点を明らかにしてください。

 また、骨太の方針二〇〇六に基づく財政再建路線によって、社会保障関係費の増加により、地方や教育、科学技術などが犠牲になっているとの指摘があります。そして、他分野を削ってもなお、社会保障制度に対する国民の信頼は回復せず、国民の生活を守るべきセーフティーネットは危機に瀕しております。社会保障関係費を二千二百億円一律削減するという方針について、現時点での総理の見解をお聞かせください。

 これらに加えて、プライマリーバランスの黒字化目標の後退など、骨太の方針二〇〇六の財政運営方針は、麻生内閣の財政運営と現実的に離れたものとなっています。財政再建路線の継続と累次の経済対策による財政支出の増加との整合性がとれないことも含めて、麻生内閣は骨太の方針二〇〇六の財政運営方針を転換したのではないかと考えますが、総理の見解を伺います。

 最後に申し上げます。

 政府が閣議決定した中期プログラムの中に、社会保障の機能強化として、年金、医療、介護、少子化対策を位置づけ、その費用について安定財源を確保することとしていますが、ここに、なぜ生活保護や雇用保険が含まれていないのでしょうか。総理の明快な答弁を求めます。

 急速に悪化している雇用環境の中で、生活に苦しんでいる国民へのセーフティーネットがないがしろにされている現状に抗議の意を唱え、私の質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

内閣総理大臣(麻生太郎君) まず、財政収支が不均衡になった背景についての御質問がありました。

 これは、もう御存じのように、一九九〇年代、いわゆるバブルの崩壊と言われた土地バブルの崩壊、株のバブルの崩壊等々急激に起こった後、いわゆる財政の運営、法人税収等が著しく落ちました、それに対応して適切な財政運営が必要、加えて、少子高齢化に伴います社会保障費の急激な増大などなどに対応するために、税収の低迷などにより公債残高が急激な勢いで累積していったということ、これが一番大きな背景だったんだと思っております。

 これはなかなか難しい話だと思いますので、両方一緒に、土地価格が特に暴落して企業の債務超過というものが一番大きなその背景だった、私自身はそう思っております。

 消費税の引き上げ及び経済状況の好転についてお尋ねがあっておりました。

 私はかねてから、経済状況の好転というものは、消費税を含みます税制抜本改革を行うためにはこれはもう大前提だということを申し上げてきております。経済状況を好転させることを前提として、遅滞なくかつ段階的にいわゆる消費税を含みます税制抜本改革というものを行うために、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講ずるということを申し上げてきております。

 ところで、この経済状況の好転ということについてのお話があっておりましたが、一般的には、経済が悪化している状況から持ち直して改善しつつあるという状況を指しているものと考えておりますが、消費税を含む税制の抜本改革の実施の時期というものに関しましては、これは景気回復の過程で、日本経済が本来持っております潜在成長力、いわゆるポテンシャリティーとかいうものですけれども、この成長力を十分に発揮できるようになったというのが見込まれる段階でやるべきなのが一つの判断基準だと思っております。しかも、景気が上がって次またそこから先は落ちることになりますので、上がりつつある、そういったときが時期なのではないかと思っております。

 いずれにいたしましても、税制抜本改革の実施時期につきましては、経済状況などをよく見きわめて判断することになりますが、私としては、二〇一一年度までに景気というものが回復するように全力を尽くすというのが目下私に与えられている責務だと考えております。

 平成二十一年度の予算におきましては、概算要求基準に基づき一定の基準を確保させていただきましたが、いわゆる二〇〇六の社会保障政策の二千二百億円の抑制方針などなど、もはや限界に来ているので撤回すべきではないかということなんだと思いますが、私どもは、一定の財源を確保した上で、二千二百億円の足らざる部分におきましては後発医薬品の使用促進を行うなどということにしたところであります。

 しかし、日本の財政が極めて厳しい状況である中で、これは傍ら、医者の確保、看護婦の確保、救急医療、いろいろありますので、必要な対応を行いつつ、歳出改革の基本的方向性というものは維持することは必要なんだと思いますが、他方、今後とも少子高齢化というのは、これは多分避けがたいと思っております。したがいまして、社会保障がふえていきます。増大することは確実。そこで、安定財源の確保というものと並行をして、社会保障の機能強化ということも考えなければいかぬのではないか。中福祉というけれども、かなりほころびが出ているのではないかということだと思います。

 したがって、コストの削減、給付の重点化など、効率化を進めていくことは確実にやらねばならぬことですが、同時に、社会保障というものを安心できるものにしていく、そういった努力というものもあわせて行わなければいかぬのではないかと考えております。

 基礎的財政収支の黒字化目標などの財政運営方針というものに関するお尋ねもあっておりました。

 私は、短期は大胆に、中期は責任と申し上げてきました。大胆な財政出動というものをやって当面の景気回復を図る上には、これは中期の財政というものに責任を持たないと極めて無責任なことになりかねない。基礎的財政収支の黒字化というのは、過去に前例がないような今回の不透明な景気状況、経済状況というものに弾力的に対応しませんと、日本全体がおかしくなりますので、したがって、景気対策で、とにかく目先、これに対応するということを私どもはやらねばならぬと思っております。

 しかし、こういった極めて流動的な、先行きが見えないような中では、先行きどうなるのかということをある程度の確度を持って見通すということは極めて難しいと思っております。

 したがいまして、当面、財政規律というものの観点から、現行の努力目標を掲げつつも、景気回復を最優先させて財政健全化の取り組みもしていかなければならないのではないかというように整理をさせていただいているところであります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させていただきます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 糸川議員にお答え申し上げますが、質疑の通告が直前だったものでございますから、総理の御答弁と若干重複する部分もあるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。

 まず最初の、財政収支不均衡について、なぜ公債残高がふえたのかということでございます。

 これは、バブルのときには大変税収も伸びていたわけでございますけれども、バブルが崩壊し、そして企業収益が急速に悪化したことによる税収減、そしてまた、これに対するいろいろな対策、百兆円を超える財政出動をやらなければいけなかった。これは、緊急的な、バブル崩壊の後の十数年にわたる長い長い回復への対策として、どうしても財政赤字に頼らざるを得なかったというふうに理解をしております。

 続きまして、建設公債は見合い資産が確保されているのかということでございますけれども、建設公債の償還期間の長期化についてのお尋ねでございます。

 建設公債につきましては、その対象資産が平均的に効用を発揮し得る期間について以前試算した結果等から、六十年をかけて全体を償還する仕組みとなっておりますが、機械的に、実際の資産の耐用年数と一致しているわけではございません。そして、それを特に検証するといったことは行っておりません。

 いずれにいたしましても、財政規律の観点から、現時点においては、六十年償還ルールを維持することが適当と考えております。

 次に、特例公債の発行枠と発行方針についてのお尋ねでございます。

 特例公債は、財政法の例外でございまして、発行額は最小限に抑えることが望ましいと考えております。発行枠は発行可能な限度額を定めるものであり、実際の発行額は可能な限り抑制していきたいと考えております。

 特例公債の償還期間についてのお尋ねでございます。

 特例公債についても、国債管理政策上、建設公債と同様に六十年償還ルールを基本としております。これを維持してまいりますが、ただ、可能な限り、できるだけ速やかに償還に努めることも当然でございまして、法律中にもその旨を明記してございます。

 財源に財投特会を選んだ理由についてでございます。

 財投特会につきましては、金利変動リスクに対応するために、金利変動準備金を保有しております。今回、対策等の財源として赤字公債を増発することは国債市場への影響等が懸念されること、財投特会におきましては、当面は、過去の比較的高い金利の貸付残高から利益を生じていること等を勘案いたしまして、臨時的、特例的な措置として財投特会の金利変動準備金を財源として活用することとしたところでございます。

 財投特会の金利変動リスクについてのお尋ねがありました。

 財投特会につきましては、今後の金利変動に伴う損失に備えるために、毎年度、利益が発生した場合、金利変動準備金として積み立てる仕組みとなっております。

 平成十九年度で郵貯、年金に対する預託金払い戻しがおおむね終了し、主として財投債による資金調達を行うことになったことで、財投特会の調達と貸し付けの期間は合わせやすくなっておりますけれども、貸し付けが元利均等償還型のキャッシュフローであるのに対して、財投債が満期一括償還型であること等から、現時点においても一定の金利変動リスクは存在していると考えております。

 次に、これは総理への御質問ということでございましたけれども、金利変動準備金の上限水準についてのお尋ねでございます。

 金利変動準備金の準備率の上限、総資産の千分の五十につきましては、中長期的な観点から、その水準まで積み立てておけば、将来の大幅な金利変動に対しても財務の健全性を保つことができる水準として政令により設定されているものであります。

 他方、今般の金利変動準備金の取り崩しは、百年に一度と言われる世界的な経済金融危機の中で、極力赤字国債の発行に依存せずに生活対策等の財源を確保するため、臨時特例的な措置として行うものでございます。

 今般の取り崩しにより、金利変動準備金は総資産の千分の五十の水準を下回ることになりますが、当面は、過去の比較的高い金利の貸付金残高から利益を生じることから、財投特会におきまして、金利変動準備金が取り崩されて債務超過となる可能性はかなり低いというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、財投特会においては、引き続き、基本方針二〇〇六における資産・債務改革に沿って財投特会の総資産の圧縮に努めるとともに、利益が生じた場合には、これを金利変動準備金に積み立てることにより金利変動準備金の確保に努めてまいりたいと考えております。

 金利変動準備金の活用は国の債務残高を実質的に増大させるとの御指摘でございます。

 確かに、国の純債務という観点から見れば御指摘のような面がありますけれども、世界的に金融市場が混乱に陥る中で、税収減等に対応した赤字国債の増発に加えて、さらに対策等の財源として赤字国債を発行することは、市場にさらなる増発圧力が加わることになり、その結果国債市場に対する影響も懸念されることから、臨時特例的な対応として金利変動準備金の活用を行うこととしたところでございます。

 続きまして、基礎年金国庫負担の引き上げの財源についてのお尋ねであります。

 平成十六年年金制度改革においては、基礎年金国庫負担割合の引き上げについて、所要の安定財源を確保する税制抜本改革を行った上で、平成二十一年度から基礎年金国庫負担割合を二分の一へ引き上げるとされたところでございます。今般の世界の金融市場が百年に一度とも言われる危機に陥る中で、今年度から三年間のうちに景気回復を最優先で実現することとしております。

 こうした中で、平成二十一年度及び平成二十二年度におきましては、財投特会の一般会計への繰り入れにより臨時の財源を確保し、基礎年金の二分の一を国庫で負担することとしたものであります。

 今後、公的年金制度を持続可能なものとするため、二〇一一年度に向けて景気を回復するよう全力を尽くし、経済状況を好転させることを前提に、遅滞なくかつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うことにより、安定財源を確保した上で基礎年金国庫負担割合の二分の一を恒久化する必要があります。このような内容の法律案を去る一月十三日に国会に提出したところでございます。

 二十一年度税制改正における減税措置の意図についてお尋ねでございます。

 今般の税制改正においては、国、地方を合わせて一兆円を超える大胆な減税を行うこととしております。これは、国民の暮らしや企業活動を支えるため、幅広い分野にわたっております。

 具体的には、住宅ローン減税の大幅な拡充、延長、環境対応車への自動車重量税・取得税の減免、中小企業の法人軽減税率の引き下げ、中小企業の雇用を維持し、事業を承継した場合における相続税や贈与税の猶予などを行うこととしております。また、農地に関する相続税の納税猶予制度につきましては、農地の有効利用の促進に資する貸し付けの場合も適用対象とすることとしております。

 これらの施策は、我が国の内需を力強く刺激し、早期の景気回復の実現に資するとともに、将来の我が国の新たな成長を切り開くものであると考えております。年度当初からこれらの施策を円滑に実施できるよう、税制改正法案の年度内成立に向け、議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 証券優遇税制についてお尋ねがありました。

 平成二十一年度税制改正法案では、現下の厳しい経済金融情勢にかんがみ、金融市場を活性化させる観点から、現行の軽減税率の三年間の延長を行うこととしております。ただし、その後は、金融所得課税の一体化を推進する観点から、本則税率に戻すこととしております。

 いずれにしても、金融所得課税については、個人投資家が投資しやすい環境を整備する観点から、簡素でわかりやすい税制を構築することが重要であります。

 このため、平成二十一年税制改正法案の附則において、個人所得課税の基本的方向性として、金融所得課税の一体化をさらに推進することをお示ししたところであり、この方向性に沿って検討を進めてまいります。

 以上でございます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

 国務大臣の発言(平成二十一年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、平成二十一年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣鳩山邦夫君。

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 平成二十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。

 まず、平成二十一年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。

 極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額し、これに合わせて、地方団体が雇用創出等を図るとともに生活者の暮らしの安心や地方の底力の発揮に向けた事業を実施するために必要な経費を計上しております。

 また、基本方針二〇〇六等に沿って、歳出全般にわたり見直しを行い、その抑制に努めるとともに、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額を確保することを基本としております。

 引き続き生ずる財源不足については、適切な補てん措置を講ずることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。

 以上の方針のもとに、平成二十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十二兆五千五百五十七億円となり、前年度に比べて八千四百五十七億円の減となっております。

 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 現下の経済財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、個人住民税における新たな住宅借入金等特別税額控除の創設、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る個人住民税の税率の特例措置の延長、土地及び住宅に係る不動産取得税の税率の引き下げ措置の延長、平成二十一年度評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、環境への負荷の少ない自動車に係る自動車取得税の税率の引き下げ等の特例措置の拡充、軽油引取税等の一般財源化等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 平成二十一年度分の地方交付税の総額につきましては、雇用機会の創出等に資する施策の実施に必要な財源を確保するために一兆円を加算すること等により十五兆八千二百二億円を確保するとともに、単位費用の改定を行うほか、平成二十一年度及び平成二十二年度における措置として地域雇用創出推進費を創設し、あわせて、自動車取得税の減税に伴う市町村の自動車取得税交付金の減収額の一部を埋めるために地方特例交付金を拡充することとしております。

 また、地方公共団体の一般会計における長期かつ低利の資金調達を補完するため、地方公営企業等金融機構の貸付業務を拡充し、その名称を地方公共団体金融機構に改めるとともに、公営企業、第三セクター等の抜本的な改革に伴って必要となる一定の経費に充てるための地方債の特例を創設することとしております。

 以上が、平成二十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 国務大臣の発言(平成二十一年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。原口一博君。

    〔原口一博君登壇〕

原口一博君 民主党の原口一博でございます。

 冒頭、職権でこの本会議が開かれたことに強く抗議します。

 また、鳩山大臣、中川財務・金融担当大臣におかれましては、基本的な質問をいたしますので、答えが不十分であれば再質問させていただきます。(拍手)

 ただいま議題となりました三法案について質問させていただきますが、まず、四つの柱でこの欠陥を指摘したいと思います。

 十七日連続で休みをとらなければならなかった、手取りが半分になった、そして雇いどめになった、派遣切りを受けた。政府・与党の皆さんには、働く人や職を失った人たちの悲痛な声が聞こえていないのでしょうか。三割、四割生産が減るということは、その企業はキャッシュフローがなくなっているということであります。まず、どこまでこの危機の共有がされているのか、鳩山大臣に基本的な認識を伺いたいというふうに思います。

 先ほどもお話しになったように、地方財政計画、マイナスではないですか。厳しい地方財政、そして厳しい危機と言いながら、どうしてマイナスにしているのですか。明確なお答えを求めます。

 景気・経済対策のこのスピード感のなさ、そしてピント外れ。麻生総理は、景気対策のポイントはスピードだと言っていました。金融機能強化法、このときもスピードだとおっしゃっていましたね。しかし、この金融機能強化法に基づき手を挙げた金融機関、どこがあるんでしょうか。

 ことしになってやっと出てきたのは、定額給付金のような的外れな政策であります。

 鳩山大臣に伺いますが、与謝野大臣は、もらうかもらわないかについては、人の心に踏み込むべきではないというお話をされました。見識だと思います。しかし、麻生首相は、高額所得者はもらうべきではないと、心の中に踏み込んでいるではないですか。内閣不一致ではないですか。このことについてどのようにお考えになるのか、これのどこが自治なのか、まず伺いたいと思います。

 さて、政府の現状認識の甘さ、経済成長見込みの前提の崩れた予算であるということを指摘しておきたいというふうに思います。平成二十一年度予算案は、前提が崩れている欠陥予算なんです。

 鳩山大臣、二十一年度の実質GDP成長率について、IMFはマイナス二・六です。日銀はマイナス二・〇なんです。皆さんは〇・〇だというふうにおっしゃっています。この根拠はどこにあるんですか。公需が〇・六寄与しているとおっしゃっています。驚くことに、民間の住宅関連投資がことしは前年度比マイナス四以上ですよ、鳩山大臣。マイナス四以上なのが、来年度は四・七に成長するというんです。こんな楽観的な予算を組みながら、本当に私たちの経済、社会を立て直せると思っていらっしゃるのか。

 また、最近は毎日のように決算が発表されておりますが、二社に一社が赤字決算になるのではないかと感じるぐらいの厳しい状況なんです。法人税は約十・五兆円、地方法人事業税は約三兆円と政府は見積もっていますが、さらに落ち込むことは必至なんです。

 この内閣が一日も長く続けば、私たちは、使える政策資源さえなくなるのではないか、このように思いますが、中川財務大臣と鳩山総務大臣に、それぞれ所管の税について答弁するように求めます。

 さて、政府が出してきた平成二十一年度予算案は、いわばデフレ予算なんです。デフレ予算ですよ。平成二十年度の第二次補正後と比べてもマイナスの三千六百三十二億円です。未曾有の危機と言いながら、閣僚の中からもまた補正の話が出るじゃないですか。

 皆さん、本当にこの予算で万全の予算だと思っておられるんですか、本当にこれでいいと思っているんですか。これだけ厳しい中でデフレ予算を出してくる。政府の中からも、予算成立をしたら補正を組むべきだという声が閣内からも上がるほどのていたらくではありませんか。このようなデフレ予算で深刻な不況に対抗できるのか、中川財務大臣から明確なお答えを伺いたいと思います。

 さて、第四ですが、地方交付税も不十分です。二十一年度予算案と同じく、デフレ型だということであります。

 麻生総理は、大げさに地方交付税を一兆円増額と喧伝して、いかにも地方に配慮して大盤振る舞いをしたとでもいうような態度であります。しかし、実態は、単なるつじつま合わせの措置にすぎません。地方の自由になる財源を一兆円移すと言ったものの、道路特定財源が一般財源化されず、そのかわりに地方交付税が増額されたと言っています。

 しかし、一兆円も偽装なんです。実際は、国税の減収に伴い、地方交付税の原資である国税五税の法定率分も減額するなどしたために、地方交付税の純増は四千百四十一億円の増額にすぎません。平成二十一年度の地方交付税額は、今より景気がよかった平成十八年度の水準すら確保できていないんですよ。

 鳩山大臣、明確なお答えを伺いたいと思います。三位一体の改革で疲弊し切っている地方が現在の苦境を乗り切るのに十分だとお考えですか。国税五税の算定率を上げるべきじゃないですか。明確な答弁を求めます。

 今は、百年に一度の危機、経済の危機と言いますが、百年に一度の政治の危機だということを申し上げておきたいと思います。

 一般財源化の偽装についてもそうです、道路特定財源の虚構。

 地方税法の一部改正案には、自動車取得税や軽油引取税等の使途制限を廃止する規定が盛り込まれています。しかし、政府はいまだ道路整備の財源を確保するために一般財源化を偽装しようとしていることを厳しく指摘しなければいけません。

 鳩山大臣、地方の使う側から見ての一般財源化をしましょうよ。自由な予算を地方に交付する、これが大事ではないでしょうか。鳩山大臣の明確な答弁を求めます。

 また、民主党は、直轄事業の地方の裏負担をなくせと言ってきました。橋下大阪府知事を初め地方も、直轄事業の裏負担は国の押しつけだと言っています。いつまで直轄事業の裏負担を地方に一方的に払わせるんですか。鳩山大臣に答弁を求めます。

 最後に、政府が景気対策に悪乗りして、旧態依然の中央集権型のひもつき補助金、交付金を温存しようとしていることを厳しく指摘しておきます。

 例えば、地方活力基盤創造交付金、これはひもつき補助金です。政府・与党は、その他にも景気対策としてさまざまな事業に使える交付金の創設や拡充をしたと豪語しています。しかし、それらの交付金も、従来のひもつき補助金と同様、地方が国にお伺いを立てなければいけない、そういうシステムなんです。ひもつき補助金が持つ中央集権システムそのものを変えることが改革なのではないですか。鳩山大臣、基本的な認識を伺います。

 こうした問題を解決するためには、交付金も含めて、ひもつき補助金を全廃して、国にお伺いを立てなくても財政力や財政需要等を反映する指標を用いて配分される一括交付金に改めるべきであります。

 鳩山大臣にお尋ねします。

 民主党の副代表をやめてまでも行った改革が、これですか。補助金、交付金の増額ですか。中央集権の強化なんですか。あなたが副代表をお務めのときにまとめたこの一括交付金制度に対してどのようにお考えなのか、大臣の答弁を求めます。

 自公政権が幾ら的外れな景気対策を実行しても、道路をつくり続けたり、ひもつき補助金を地方にばらまいたりする旧態依然の予算編成を繰り返しても、地方を再生し、日本を変えることなどできません。

 私たちは、緑の分権改革を主張しています。地域から富を奪う仕組みそのものを壊さなければならないんです。

 くしくも、きょうは、鳩山大臣、ダーウィンの誕生日です。環境の変化に対応できたものが生き残るという、まさに世界の見方を変えた研究でした。

 政治の世界も、急激な変化に対応する対応力が問われていると思います。二回連続の政権の投げ出し、迷走しっ放しの麻生政権。首をすげかえて目先を変えようと思っても、もう無理です。皆さんが選んだ首相、選んだ責任を問う総選挙をやるべきであります。解散もしたくない、予算も通したい、政権も維持したい、こんな虫のいいことができるかどうか、鳩山大臣に基本的な答弁を伺いたいと思います。

 先ほどの答弁を聞いて唖然といたしました。かんぽの宿の問題というのは一体何なんですか。これは、鳩山大臣、公社時代だけの問題ですか。今の民営化された会社そのものが持つ問題なのではないでしょうか。そして、あなたがそこまで入札がおかしいと言うのであれば、あなたは西川社長を罷免する気があるのか、そして与党の皆さんはこの方を社長にした責任をどうとられるのか、質問をして、お答えをまちたいと思います。

 ありがとうございます。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) まず、糸川議員の御質問に追加をさせていただきます。

 中期プログラムにつきましてのお尋ねでございます。

 中期プログラムにおきましては、急速に進む少子高齢化のもとで、国民の安心を確かなものとするとともに、国民が広く受益する社会保障の費用をあらかじめ世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税の全税収は、確立・制度化した年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策の費用に充てることにより、すべて国民に還元することとしております。

 生活保護や雇用保険の財源につきましては、その時々の経済雇用情勢に柔軟に対応するため、毎年度の予算で適切に措置していく必要があると考えております。

 原口議員の御質問にお答え申し上げます。

 まず、平成二十一年度の実質GDP成長率について、IMFはマイナス二・六%、日銀は二%だが、政府は〇%と見込んでいるけれども甘過ぎるのではないかということでございますが、平成二十一年度経済見通しでは、世界的な景気後退が続く中で、内需、外需ともに厳しい状況が続くものの、累次の経済対策の実施や交易条件の改善による効果が見込まれるとともに、年度後半には民間需要の持ち直しなどから低迷を脱していくことが期待されるとして、平成二十一年度の実質成長率を〇・〇%と見通しているものと承知しております。

 他方、足元の経済状況は急速に悪化しており、世界の経済金融情勢の悪化によっては、景気の下降局面がさらに厳しく、また長くなるリスクが存在することについても認識をしております。

 政府といたしましては、七十五兆円規模の経済対策を実施することにより、三年以内の景気回復を最優先に図ってまいります。

 そのため、一連の対策の裏づけとなる平成二十年度第一次補正予算、第二次補正予算、平成二十一年度予算と、切れ目なく連続的に執行していくことが不可欠であります。平成二十一年度予算につきまして、ぜひとも年度内成立をお願い申し上げます。

 二十一年度の法人税収についてのお尋ねでございます。

 平成二十一年度の法人税収は、直近の課税実績や企業収益の大幅な悪化等利用可能なデータを踏まえ最善の見積もりに努めた結果、平成二十年度当初予算から六・二兆円減の十・五兆円と見込んだところであります。

 法人税を含む税収の確保につなげるためにも、総額七十五兆円となる一連の経済対策の裏づけとなる二十年度第一次補正予算、第二次補正予算、二十一年度予算と、切れ目なく連続的に執行し、できるだけ早く景気の低迷から脱するよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 次に、二十一年度予算による不況への対応についてのお尋ねであります。

 麻生内閣では、百年に一度とも言われる危機的な世界の経済金融情勢下に対応するため、第一次補正予算、第二次補正予算、二十一年度予算と、合わせて総額七十五兆円程度の経済対策を行うこととしており、これらを切れ目なく実施することが日本経済の回復のために重要であります。

 平成二十一年度予算は、三段ロケットの総仕上げに当たる極めて重要な予算であり、国民生活を守るための施策として、雇用対策、医師確保・救急医療対策、出産支援、防災対策などを実行することとしております。また、雇用創出等のため地方交付税を一兆円増額したほか、一兆円の経済緊急対応予備費を創設するなど、日本経済を守るためのセーフティーネットや地域の底力の発揮、成長力の強化などの施策も盛り込んでおります。

 なお、二十一年度予算の一般会計歳出が二十年度第二次補正後を下回るとの御指摘につきましては、補正予算については、高速道路料金の引き下げ五千億円、これは二十二年度まででございます、雇用創出のための基金四千億円、二十三年度までであります、三十兆円規模の緊急保証枠とセーフティーネット貸し付けを行うための信用保証制度等の基盤強化九千四十五億円など、二十一年度にも効果が及ぶ施策も含まれております。

 なお、デフレ予算という御発言がございましたが、デフレ予算という意味については、私は理解をしかねております。二十年度本予算あるいはまた一次、二次の二十年度全体の予算と二十一年度の当初予算を単純に比べて多い少ないと言うのは、意味のない議論だと思っております。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 原口議員にお答えを申し上げますが、質問の御通告が遅かったものですから、私が自分で書き取った御質問もかなりありますので、もし誤りがあったら御指摘をください。

 まず、今の危機という状況でございます。

 これはもういろいろな答弁がなされていると思いますが、百年に一度と言われる危機の中で、私の役割は、とりわけ、それが地方を直撃いたしておりますけれども、少しでもその緩衝材になれればという思いがございまして、一次補正の二百六十億円のいわゆる安心実現の特例交付金とか、あるいは現在関連法案の成立待ちの生活対策の臨時交付金、こうしたものは徹底して、本当に困っているところに多く行くように、つまり、財政力指数の弱いところ、あるいは一次産業の就業者割合が高いところに多く行くとか、そういうことで、しかも、その六千億の生活対策臨時交付金は、雇用にも、障害者にも、耐震の診断あるいは耐震の工事にも、あるいは、定額給付金と同時にプレミアム商品券を発行した場合のプレミアム分の自治体の負担とか、そういうことで、今が大変な危機であるという認識は十分持っておりますが、それの地方への波及の仕方が少しでも弱くなるように頑張るのが私の仕事かと、こう思っております。

 地方財政計画の総額がマイナスではないかという御指摘なのでありますが、これは、まさに経済が直撃をいたしまして、東京とか名古屋のような不交付団体の、いわゆる基準財政需要を上回る収入があったところがどんと減ったわけでございまして、いわゆる交付団体だけで見れば、あらゆる指標は少しでもプラスという形になっているわけでございます。

 また、原口議員からおっしゃられた、個人事業税約三兆円という見方は大丈夫かと。

 これは、これからも注視していかなければならないのは間違いありません。ですが、二十年の計画当初で五兆八千二百六十五億円と見たものを今度は三兆円と見ておるわけでございますから、半分近くに減るというふうにかなり厳しく見ておりますので、これがさらに割り込んで減収対策債を発行するようなことにならないように、あらゆる国の施策で全力を尽くしていきたいと思っております。

 一兆円の増額といいながら四千百四十一億円しかふえていないではないかという問題でございますが、これは別枠で一兆円乗せました。もし乗せなければ、もちろんマイナスはかたかったところでございます。

 それは、先生御指摘のように、いわゆる国税五税がどんと減ったわけですから、さまざまな加算をいたしましても、どうしても地方交付税の総額がマイナスになってしまう。地方交付税の総額というのは、御承知のように、三位一体改革のときからずっと連続してマイナスで来て、二十年度で、今年度ですね、初めてちょっとプラスになった。今度は、四千百億、何とかプラスに持っていった。これが、頑張ってやっとここまでだというのが私の気持ちでありますけれども、一兆円ふえないのは、ほかが減っていますから、一兆円の純増にならないのは、先生、十分御理解いただけることと思っております。

 原口先生のおっしゃる、三位一体の影響とかいろいろあるだろうと。

 私は、正直言って、それはあると思います。三位一体改革のときに、補助金を四兆七千億削りながら税源の移譲は三兆円しかしなかったわけですから、それだけで一・七兆円という計算になりますし、交付税も、実質的には五・一兆円と言われるような減が急激に行われた。あのころは地方税収が割かし伸びているときだったものですから、そのときはまだ衝撃は軽かったのかもしれませんが、今のような経済状況になると、やはりあのときの三位一体は、急激にやり過ぎたということであります。

 原口議員おっしゃったように、それならば地方交付税の、これは法律にも書いてありますが、いわゆる算定率ですね、法人税の何%、こういうこともそろそろ検討すべき時期に入ってきていると思いますし、中期プログラム等で地方消費税、これは偏在性が非常に少ないわけでございますから、私も経済財政諮問会議のメンバーでありますが、いわゆる地方消費税の、つまり、消費税を上げるならば、その中で地方消費税が大きな割合で上がっていくようにしませんと地方は救われない、そういう思いがございます。

 それから、公共事業への直轄負担金の問題でございまして、これは確かに余り評判のいい制度ではないと思っております。

 ただ、現在の国と地方を通じた役割分担あるいは財政状況の中で、地方に三割とか三分の一負担を負わせるということが起きているわけでございまして、これは国と地方の権限配分の問題としても根本から考え直していかなければならない事柄であると思っております。

 それから、道路特定財源の問題でございます。

 これは、皆様御承知のように、いわゆる臨交金というのが六千八百二十五だったか、忘れましたが、あった。それから、いわゆる補助国道等に五千五百八十一億円使われておった。合わせると一兆三千億ぐらいのもの、これが道路特定財源という中であった仕組みで、これが全部なくなって、今度は地域活力基盤創造交付金という新しい制度になったわけでございます。

 それは、もちろん、揮発油税等の国税、軽油引取税等の地方税や地方譲与税の歳入を道路整備に使うという義務づけはやめたわけでございますので、それぞれの地方の御要望を踏まえて、地方の道路整備や財政の状況を配慮して、道路以外の関連インフラの整備やソフト事業にも使えるようになっておりますので、地方の発意や企画力が物を言う、そういうお金になってきていると考えております。

 それから、ひもつき補助金という話でございますが、これは、かつて民主党の幹事長様が本会議で質問をされたときの資料がありますが、あのとき十九・一兆円という金額が示されていると思うのであります。

 補助金を全部自由にというのは一つの発想だと思いますが、高齢者医療、市町村国保、生活保護、介護保険、児童扶養手当、障害者自立支援、児童手当、義務教育あるいは公共事業の国庫負担金というので、かなりいっぱいになっております。これを完全に自由にした場合に、例えば、幼稚園就園奨励費は出さない、あるいは私学助成は出さないという地方自治体が出ては困るわけでございますので、完全に自由にすると、ある特定の今まで出ていたお金が全くその地域に出なくなる、そのことが教育や福祉に響くということがないようにしなければならないと思いますので、実現の可能性には疑問を持っております。

 それから、定額給付金をもらうかもらわないか、与謝野大臣は一つの見識を示しておられるということでございます。

 私は、これを、地方自治体にさまざまな要請をし、準備をしていただいている立場の者としては、これは、とにかく全国民がにこにこと受け取っていただいて使っていただくというふうに望んでおります。すべての閣僚に使ってもらえるように私は望んでおります。

 それから、かんぽの問題についてでございますが、これは今報告徴求をいたしておりますので、その結果を待って、さらに調査を進めていこうと思っております。

 きょうはダーウィンの誕生日であるというお話でございますが、ダーウィンとかドフリースとかさまざまな進化論を述べ立てた方が大勢おられますが、私、昆虫の研究家として申し上げれば、ダーウィンやドフリースが言ったよりも生き物はさらに進化の力は強い、つまり、突然変異ですとか適者生存なんというものではなくて、もっと進歩しよう、もっと進歩しようという力が非常に強く働いておるわけでございますので、そういう昆虫に負けないような政治の進化、進歩というものをみんなで頑張っていきたいと思っております。

 それから、私が民主党時代に補助金の一括化に絡んだようなお話がありますが、私はそういうことは仕事で接しなかったと思います。私は、民主党時代に、民主党が完全なる環境政党になることを強く望んで努力いたしましたが、努力が実らなかったので、今はこちらにおります。(拍手)

議長(河野洋平君) 原口一博君から再質疑の申し出がありますから、これを許します。原口一博君。

    〔原口一博君登壇〕

原口一博君 四問、再質問をいたします。

 デフレ予算であるということがわからないということですが、では、住宅投資、どうして四・九ふえるんですか。日銀は、二・〇ではないですよ、財務大臣、マイナス二・〇と言っているんですよ。IMFはマイナス二・六。こういう状況の中で全く甘い見通しをしているのはどこなのかということを聞いているので、お答えになっていません。

 それから、鳩山大臣はもう民主党時代のことはお忘れになったんですね。とても悲しいです。

 私は、責任を問うたんです。この西川さんを任命したのはだれですか、西川さんを選んだのはだれですか、その責任をどう考えているかということを伺いました。そして、その責任があるというのであれば、やめていただくようにお願いをするのが鳩山大臣の責務じゃないですか。

 また、地方交付税の総額確保についてもお答えになっていません。三位一体の改革というのは失敗なんですね。そして、その三位一体改革を取り戻す、国税五税の算定率を上げるべきではないかという質問についてもお答えになっていません。

 また、定額給付金の問題については、私は閣内不一致ではないかという重い質問をしているんですよ。人の心の中に踏み込んでいる麻生首相の発言は、まさにそのものではないですか。

 私は、この二大臣に誠実な答弁を求めて再質問といたします。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 原口議員にお答え申し上げます。

 まず、質問通告がない中で、突然質問をお聞きしながら、そして、その中でお答えするというのは今までに例のないことだと思うということで、その中で、今必死に原口議員の御質問を聞きながら答弁をしたつもりであります。

 IMFの予想ではマイナス二・六、日銀はマイナス二という数字が出ている、それなのに政府の方は〇%で、前提が崩れているのではないかという御質問だと思いますが、もう一度繰り返して答弁をいたします。

 平成二十一年度経済見通しでは、世界的な景気回復が続く中、内需、外需ともに厳しい状況が続くものの、累次の経済対策の実施や交易条件の改善による効果が見込まれるとともに、年度後半には民間需要の持ち直しなどから低迷を脱していくことが期待されるものとして、〇・〇%と見通しているものでございます。

 他方、足元の経済状況が急速に悪化しており、世界の経済金融状況の悪化によっては、景気の下降局面がさらに厳しく、また長くなるリスクがあることも認識をしているところでございます。

 したがいまして、第一次補正予算、第二次補正予算、平成二十一年度本予算と、切れ目なく連続的に執行していくことが、この七十五兆円の対策によってゼロ成長というものを何とか達成できるというふうに考えております。

 繰り返して答弁をさせていただきました。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 国税五税の算定の率の話でございますが、私は、先ほど申し上げましたように、三位一体、これは失敗の部分がある、地方をここまで苦しめているのは、三位一体改革が必ずしも正しくない部分があったと考えております。

 そういう観点からいえば、中期プログラムでいわゆる地方消費税のことも大いに議論してもらわなければなりませんし、国税五税の算定率を上げて、地方交付税の基本的な額が少しでもふえるようにしなければならないのではないかという議論が始まってもいい時期ではないか、こういうふうに考えております。

 それから、定額給付金の受け取りでございますけれども、これは麻生総理の、すべて決まってから考えるという御発言も、与謝野大臣の、人の内面のことは何とかという答弁も、私は、これを内閣不一致だとは思っておりません。

 ただ、私のような、これを市町村にお願いする立場からいえば、すべての日本人、それは麻生総理も与謝野大臣も日本人でございますから、すべての日本人ににこにこ受け取ってもらいたいとつくづく思っているということでございます。

 また、西川社長の任命責任の問題でございますが、これは、確かに日本郵政は一〇〇%国が株を持っているわけですから政府にその責任はありますが、先ほど申し上げましたように、現在報告徴求をいたしておりますので、その答えを見てから判断をしたいと思っております。(拍手、発言する者あり)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(横路孝弘君) 谷口隆義君。

    〔谷口隆義君登壇〕

谷口隆義君 公明党の谷口隆義でございます。

 私は、自由民主党と公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十一年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、鳩山総務大臣に質問をさせていただきたいと思います。(拍手)

 大恐慌の再来さえ感じさせるような、世界的な金融危機でございます。このような危機に伴いまして、我が国の経済も、かつてない景気後退に直面をしておるわけでございます。昨年九月以降、輸出も鉱工業生産も垂直落下状態となっております。景気の後退による経済と雇用への打撃は、全国どの地域においても見られますが、特に、従来から経済が疲弊をしておりました地域において、より深刻になっております。

 このような、かつてないピンチのときこそ、危機的状況をチャンスに変える発想が必要であり、地方の底力を発揮できるよう、地方が自由に使える財源を確保することが必要であります。

 そのために、政府としても、地方と一体となって、地域の危機的状況を克服するためにも、何としても、一刻も早く万全の措置を講ずるべきであります。

 今回の地方税法及び地方交付税法の改正案では、これまで政府・与党一体となって検討してまいりました経済・雇用対策に基づきまして、地方を元気にとの観点から、充実した支援策が盛り込まれていると考えておりますが、その内容について質問をさせていただきたいと思います。

 最初に、今回の地方税制改正の内容と地方分権時代にふさわしい地方税改革の方向性について、総務大臣にお尋ねをいたします。

 先ほど述べましたとおり、現在の景気は非常に厳しく、雇用状況の悪化を含め、地域経済への影響は日を追うごとに深刻となっております。

 このように景気が急速に悪化する中で、今回の地方税制改正につきましては、国民生活、特に景気や環境に配慮した改正となっておりますが、今回の地方税制改正が国民の皆様にとってどのような恩恵が及ぶのか、わかりやすい御説明を総務大臣に求めます。

 地方税のあり方について考える場合に、地方分権の観点を踏まえる必要があることは論をまちません。

 麻生総理は、日本は時代の変化を乗り越え、その目指すべき社会を、世界に類を見ない高齢化を社会全体で支え合いながら、世界的な課題を創意工夫と技術で克服する、安心と活力ある社会と位置づけられたわけであります。地域の安心と活力なくして国家の安心と活力がないことは、当然のことであります。このような地域の安心と活力こそ、今まさに求められているものであり、与野党問わず、この認識は一致するものと信じておるわけであります。

 地域の安心と活力を高めていくためには、それぞれの地域が、その地域の実情に応じた施策を展開することが必要不可欠であり、そのためには、裏づけとなる権限と税財源を確保することが極めて重要であります。

 そこで、地方分権時代にふさわしい地方税体系を今後どのように構築していくのか、総務大臣の御見解をお伺いいたします。

 次に、地方財政についてお尋ねをいたします。

 まず、地方交付税の総額確保であります。

 以前行われた三位一体の改革におきましては、平成十六年から十八年までで実質的な地方交付税が約五・一兆円減少しておるわけであります。先ほど鳩山総務大臣の方からこれについて言及されたわけでありますが、国と地方の財政の健全化のためには避けて通れない改革であったとは思いますが、余りにも急激で、特に小さな規模の地方自治体からは悲鳴にも近い声が上がっていたのも事実であります。

 平成二十一年度におきましては、地方財政の窮状を踏まえてどのような対策を講じたのでありましょうか。総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 また、急速に悪化している雇用情勢等に早急に対応するようにと公明党として従来から主張してまいりましたが、このたび、生活防衛のための緊急対策に基づき、来年度の地方交付税におきましては、特別枠として五千億円の地域雇用創出推進費を設けられることになったわけであります。雇用に着目して地方交付税を増額することは過去に例のない取り組みであると考えますが、総務大臣に、この地域雇用創出推進費を設けた基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。

 次に、地方公共団体金融機構についてお伺いをいたします。

 昨年十月に決定をされました生活対策の中の地方公共団体支援策により創設をされたものでありますが、地方自治体にとっては大きな意義を持つものであります。今回の金融機構は、一般会計にも長期、短期の資金を融通するということになったわけでありますが、これは地方の長年の念願であり、今日の金融市場の大混乱の中、地方の資金調達の不安を解決する極めて時宜を得た施策であると考えられます。

 そこで、改めて、現行の地方公営企業等金融機構の仕組みを見直しして、地方公共団体金融機構とする趣旨について、総務大臣にお伺いをいたします。

 さらに、平成二十一年度より地方公共団体財政健全化法が全面施行されるわけでありますが、この中で、第三セクター、また地方公社、地方公営企業の経営の問題についても積極的な対応が求められております。

 第三セクターなどの整理合理化は、以前より指摘をされてまいりましたが、実質的な改革はなかなか難しいといったような実情があったわけであります。そのような中、今回の法案では、改革に必要な資金を手当てするため、新しく地方債の特例を設けることとされておりますが、今後の第三セクター等の抜本的な改革の進め方についてはどのようにお考えなのか、総務大臣にお伺いをいたします。

 また、地方公共団体財政健全化法に呼応いたしまして、各自治体に、民間会計を反映した地方公会計を要請されておるわけであります。これは連結ベースになっておりまして、ディスクロージャーの観点からも、財政健全化法と相まって、自治体の財政健全化、透明化に資するということになると考えられます。総務大臣の所見をお伺いいたします。

 最後になりますが、麻生総理初め政府が一体となって、なりふり構わず全力で尽力し、この経済の難局を乗り切っていくために、全国の地方自治体と住民の方々の理解を得て、それにより、地域の雇用を守り、地域経済の振興に取り組むことが何よりも肝要であります。

 今現在、まだ二次補正予算の関連法案も成立しておりません。このような二次補正予算の関連法案を成立させ、今回議題となっておりますこの法案を一刻も早く成立させ、各地域での取り組みが、その基盤を支えるこれらの法改正により、大きな成果を上げることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 谷口先生からの質問にお答えしてまいります。

 まず、地方税制改正の内容についてお尋ねがありました。

 今回の地方税制改正においては、現下の経済情勢を踏まえて、個人住民税における住宅ローン特別控除の創設、ハイブリッド車など環境への負荷の少ない新車に係る自動車取得税の軽減措置、これは、自動車取得税が四千億ぐらいのうちで千三百億ぐらいが減税になるわけですから、相当なものだと思います。そうしたことなど、景気や環境に配慮した減税措置を講ずることとしております。

 地方税改革の方向性についてのお尋ねがありました。

 地方分権を推進するためには、地方が、みずからの支出をみずからの権限、責任、財源で賄う割合をふやしていくことが重要でございます。税制抜本改革や地方分権改革を通じて税源配分の見直しを行い、まずは、国と地方の税収比一対一を目指して、地方税の充実を図ってまいりたいと思っております。これは、中期プログラムの中で地方消費税等の増額を図っていきたいとも考えております。

 その際には、地方分権の推進と、国、地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を図るなど、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築することが重要かと思います。

 地方交付税の総額確保についてのお尋ねがありました。

 地方公共団体が雇用創出あるいは地域の元気回復に向けた取り組みを積極的に行うことができるように、地方財源の充実確保に取り組んでまいります。

 平成二十一年度においては、極めて厳しい地方財政の状況を踏まえ、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額して、国税五税の大幅な減収の中で、前年度を四千百億円上回る十五兆八千二百億円を確保することができたのでございます。これに臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は、前年度を、前年度というのは今の二十年度のことですが、二十年度を二兆七千三百億円上回る二十兆九千七百億円を確保したところでございます。

 地域雇用創出推進費を設けた基本的な考え方についてのお尋ねでございます。

 百年に一度と言われる経済危機の中で雇用情勢が悪化をしてきた。国民生活の不安を解消し、地域の雇用を守らなければならないという中で、総理の特別の決断もあって、一兆円別枠で地方交付税を増額いたしました。その半分の五千億円は、二十一年度、二十二年度と二年間、雇用創出の特別枠、地域雇用創出推進費としたところでございまして、この五千億は、都道府県に二千五百億円、市町村に二千五百億円、先ほども御答弁申し上げましたが、条件不利なところ、例えば有効求人倍率が低いところ、そうしたところにより多くのお金が行くように工夫をいたしておるところでございます。そういう形で、地方公共団体がみずからの創意と工夫によって積極的に取り組んでくださることを望んでおります。

 次に、地方公営企業等金融機構を改組して地方公共団体金融機構とする趣旨についてのお尋ねがございました。

 これはもともと公営企業金融公庫と呼ばれておったものでございます。これが、公営企業ではなくて、一般会計にも貸し付けることができるようにするためには、仕組みを変えなければなりません。それが新しい組織への生まれ変わりであり、名称の変更でもございます。この一般会計への貸し付けを可能にするということは、地方公共団体にとっては大変大きな意味を持つものと考え、地方公共団体が長年要望されてきた懸案がやっと実ったということでございます。

 第三セクター等の抜本的な改革の進め方についてお尋ねがありました。

 第三セクターの抜本的改革については、先送りをすることなく、早期に取り組んで、将来的な財政負担の明確化と計画的な削減に取り組むことが極めて重要だと思っております。そのため、第三セクター等の抜本的改革に伴って必要となる一定の経費に充てるための地方債の特例を創設したい、そのような所要の改正法律案を提出したところでございます。今までは第三セクターに充てる地方債はなかったわけで、その特例をこれから設けようというものでございます。

 地方公共団体財政健全化法が平成二十一年度から全面施行されますと、第三セクターについてもさまざまな基準が当てはまっていくようになりますので、第三セクターの改革は集中的にやっていただけるよう地方公共団体に要請してまいります。

 それから、谷口先生が大変専門としておられます公会計の整備についてのお尋ねがありました。

 公会計では、いわゆるフロー、現金主義ではとらえられないストック情報等が把握できるために、今申し上げました地方公共団体財政健全化法の取り組みとあわせて進めることで、地方公共団体の財務会計の透明性の一段の向上につながると考えております。

 例えば、地方公共団体が保有する土地の価格等ストック情報が使われるようになる、あるいは、施設の減価償却費とか将来支払う退職手当の引当金等が計算に入っていくことが極めて重要であると思っております。

 総合的な財政健全化に向けた対策が可能となり、規律ある財政運営の実現に資することになると考えておりますので、公会計の整備は進めていきたいと思っております。

 以上でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(横路孝弘君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、地方財政計画外二法案について質問します。(拍手)

 地方自治体の基本的役割は、住民の福祉、暮らしを守ることにあります。

 昨年来、景気悪化が深刻化し、失業と貧困が急速に拡大している今、地方自治体には、住民の生活支援、雇用確保、地域経済の下支えなど、まさに住民の生活と福祉を守る役割が痛切に求められています。

 しかし、現実には、多くの自治体が、求められる役割を果たすどころか、財政的困難のもと、地方の疲弊に陥っています。

 その原因は、この間、自民、公明両党の政権が進めてきた構造改革路線と、いわゆる三位一体改革によって地方財政を圧迫してきたことにあります。地方への補助金、交付税五兆円を削減し、地方財政を切り縮めたことが、住民の暮らしを守る自治体の後退を招いていることは明らかではありませんか。

 先ほど大臣は三位一体改革には失敗の部分があると述べましたが、失敗の部分とはどこでしょうか。三位一体改革によって地方の疲弊と困難を生み出した政府の責任をどう認識していますか。お答えください。

 麻生内閣は地方重視を言い出しましたが、それなら、構造改革路線を根本的に転換し、地方財政削減、地方行革の推進を決定した〇六年骨太方針を撤回すべきであります。

 また、国による市町村合併の押しつけが、地方の自立を進めるどころか、逆に、住民の暮らしを守る自治体の機能を掘り崩してきたことも重大です。住民に最も身近な基礎自治体が強引な合併と人員削減によって住民から遠くなり、住民サービスの後退をもたらしているのであります。

 鳩山大臣は、合併はこれ以上やるべきでないと言いましたが、そもそも、地方交付税を削減する一方で合併特例債というあめで合併に追い込んできたことをどう反省するのですか。合併がいいものを壊してきたというなら、直ちに市町村合併の押しつけの仕組みをやめるべきではありませんか。また、新たな合併押しつけをやらないことを政府の方針として断言できますか。お答えください。

 次に、来年度地方財政計画について聞きます。

 地方財政計画は、〇六骨太方針に沿って引き続き歳出を抑制するものとなっており、地域に必要な一般行政経費や地方公務員二万四千人を削減するものです。これは、住民サービスを一段と低下させることになります。

 地方交付税を一兆円増額したと言いますが、そのうち五千億円は二年間の暫定措置にすぎません。総務大臣、交付税の復元を懸命にやるというあなたの答弁には余りにも遠いものではありませんか。答弁を求めます。

 また、地方財政の財源不足が十四年連続して生じていることも重大です。

 地方交付税法は、財源不足が三年以上連続して生じた場合には、地方行財政制度の改正か交付税率の変更を行うことを求めています。

 地方債の増発など、地方行財政制度の改正での対応は限界です。その場しのぎの対策ではなく、交付税率の引き上げこそ行うべきです。その際、消費税増税で手当てするのは許されません。答弁を求めます。

 道路特定財源の一般財源化は当然のことです。国が地方の財政を縛る仕組みこそなくすべきです。公共事業への自治体の直轄負担金は、廃止を含め、根本的に見直すべきではありませんか。

 次に、崩壊の危機に直面している地域医療、公立病院問題についてです。

 政府は、地域医療の充実を求める世論と運動に押されて、産科、小児科、救急医療と公立病院について一定の地方交付税措置を行いましたが、地域医療の崩壊に歯どめをかけるには全く不十分です。現に、公立病院の縮小、廃止、救急窓口を閉鎖する動きは後を絶ちません。

 地域医療の中核を担うべき公立病院を経営の効率化で縛りつける公立病院改革ガイドラインを撤回すること、公立病院に対する交付税措置については病床単価を抜本的に拡充すること、さらに、診療報酬の改定、医師不足を解消する緊急対策を行うべきであります。

 次に、雇用と貧困の問題です。

 大企業が大幅な生産減と大量の首切りを行うもとで、自治体は、税収が落ち込む一方、失業者への緊急生活支援策などで大幅な財政負担を強いられています。大企業は、企業誘致では自治体の世話になりながら、その負担を住民と自治体にツケ回しをするだけです。地域社会に対する企業の責任を厳しく問うべきであります。同時に、企業立地の促進を地方財政措置などであおってきた国の責任も問われなければなりません。

 大量の失業者が生み出されているもとで、セーフティーネットの機能は極めて重要です。住所が定まらない人でも生活保護の対象となることをすべての自治体に周知徹底し、国と地方の協力で一人も路頭に迷わすことのないようにすべきであります。

 学業保障のための就学援助を受ける子供は、この十年で二倍に急増し、百四十二万人に上っています。この急激な増加に対して、準要保護の所得基準を引き下げる自治体が相次いでいます。私の地元の埼玉県内でも、所沢市、鳩ケ谷市、さいたま市、富士見市、狭山市、川口市などが準要保護の基準を引き下げ、この六市だけで約九百人の子供たちが対象から外されました。

 文科省に、改めて、今日の状況のもとで就学援助の基準の切り下げや支給実態の調査を要求します。就学援助の基準をもとの水準に戻すため、国として必要な財政措置をとるべきではありませんか。

 また、日系ブラジル人など定住外国人は、景気悪化を理由に真っ先に解雇され、言葉の壁で再就職も難しく、教育費が負担できずに子供たちの就学も困難になっています。定住外国人に対しても、生活保護制度を周知し、公立学校への就学支援、ブラジル人学校などへの支援を抜本的に強化すべきです。定住外国人に係る自治体の負担に対応した交付税措置を拡充すべきではありませんか。

 最後に、郵政民営化の破綻は今や明らかです。そもそも政府は、郵政民営化の目的として、利便性の向上を一番に挙げてきましたが、この数年間、簡易郵便局や局外ATMの閉鎖が相次ぎ、集配郵便局の統廃合、各種手数料の値上げなど、サービスは後退させられ、過疎地などの地方を直撃しています。郵便局の看板で進めた投資信託が大暴落し、国民に損失を与え、安心も崩されています。アメリカと日本の金融業界の要求に基づいて進められた郵政民営化の行き詰まりは明白ではありませんか。

 麻生総理がこうした郵政民営化の誤りを率直に認めるなら、今からでも、四分社化の見直し、三事業の一体経営、金融のユニバーサルサービスの義務づけなど、郵政民営化を一から見直すべきであります。

 この間の郵政民営化をめぐる総理発言は看過できません。郵政担当大臣であったにもかかわらず、当初は民営化に反対だったと言い、さらには、国民は民営化の内容をよく知らなかったなどと言うに及んでは、何をか言わんやであります。一国の総理、政治家としての資格はないと言わなければなりません。

 以上、関係大臣の答弁を求めて質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 塩川議員からの第一問は、地方の疲弊についてお尋ねでありました。

 先ほど原口議員から再質問を受けました三位一体の改革についてでございますが、失敗の部分があると申し上げましたが、私は、三位一体すべてを否定しているわけではありませんで、例えば、四兆七千億円の補助金を切ったが、三兆円税源移譲はされた、これは、国税が地方税に税源が移譲されるなどということは当初はなかなか考えがたいことであったから、そういった意味では、地方財政改革の第一歩であるというような評価はいたしております。

 ただ、これは、郵政民営化も似ているところがありますが、いい部分が大きければ、また影の部分も強くなる場合があって、光と影の関係というのはあるわけで、結局、地方の税収入という意味で非常に苦しくなった面があるということを申し上げた次第でございます。

 三位一体改革や累次の基本方針に基づく地方歳出の抑制は、国、地方通じて極めて厳しい財政状況である中で、財政健全化を進める上でやむを得なかった面があると思っております。

 また、三位一体改革は、補助金改革や三兆円の税源移譲などを実現し、地方の自主性、主体性を高める、また、国、地方を通じた財政健全化を進めるということでも貢献はしたと思います。地方税財政改革の第一歩であったのは間違いありません。

 しかしながら、地方交付税の削減が結果として急激に行われたことがあって、財政力の弱い地方公共団体等には非常に厳しい影響があったわけでございまして、このため、平成二十一年度においては、既定の経費とは別枠で地方交付税を一兆円増額したということでございます。

 基本方針二〇〇六についてのお尋ねがありました。

 我が国は、いわゆる国、地方を通じた債務残高八百兆円、こういうふうに言われているわけでございまして、これを将来世代にすべて先送りするというのは決してやってはならないことでございますから、財政健全化とか行政の改革、効率化というのは、いつの時代でもやっていかなければならない、避けて通れない課題だと思っております。

 税収の回復なくして財政の再建は困難であることも踏まえて、当面は景気対策に力点を置きつつ、中期的には財政健全化を進めるということで、国と地方と歩調を合わせて、歳出改革の取り組みを引き続き進めてまいります。

 市町村合併についての考え方と方針でございますが、現行の合併新法は自主的な市町村の合併の推進を目的とするものであって、合併新法の期限である平成二十二年三月末も見据え、地域の将来について十分議論し、納得の上、合併に取り組んでいくことが必要だと考えております。これからも、自発的に規模の利益を求めて合併をしようということは大いに結構だと思っております。

 そして、今後の市町村合併を含めた基礎自治体のあり方について、第二十九次地方制度調査会に今審議いただいているところでございます。

 私がいろいろなところで講演をしたり申し上げておりますのは、無理な合併はすべきではない、合併は強制させるものではない、それぞれの地域に根づく文明、文化をかえって消し去るような無理な合併は望ましくないということを申し上げているわけでございます。

 地域雇用創出推進費でございますが、これが暫定措置ではないかということですが、今のところ二年間の暫定ではございます。

 これは、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額したときに、その半分を特別枠、地域雇用創出推進費としたわけでございまして、地域雇用創出推進費については、生活防衛のための緊急対策に基づいて、臨時的、特例的な対応として、財政投融資特別会計の金利変動準備金を活用して、平成二十二年度までの二年間の措置といたしております。

 先ほど申し上げましたように、五千億の内訳は、都道府県に二千五百、市町村に二千五百。都道府県においては、有効求人倍率の低いところに優先的に振り向ける。市町村については、有効求人倍率という統計がございませんので、一次産業比率の高いところに多く行くように工夫をいたしております。

 それから、財源不足の補てんは交付税率の引き上げで対応すべきではないかと。

 塩川議員御指摘の地方交付税法第六条の三第二項というのは、要するに、地方の収入が非常に下がってしまう、地方交付税の額が不足していく場合には、地方行財政制度の改正や地方交付税の法定率の引き上げを行うことが必要だという条文でございまして、現在は確かに、十数年連続で地方交付税の額が不足しているわけでございます。

 国も大量の国債発行をする厳しい財政状況にあることなどを考慮しますと、先ほどもありました法定の算定率を直ちに引き上げることは、現実的には困難でございます。したがって、地方交付税の特例的な加算や臨財債の発行で財源不足を補てんしているわけではありますが、中期プログラムとの関係も含めて、私は、そろそろ地方交付税の算定率についても、与野党を問わず、御議論を始めていただいてもいい時期ではないか、そう考えております。

 直轄事業負担金の見直しについてのお尋ねですが、これは、直轄事業が地域に及ぼす便益に見合って地元公共団体にも応分の負担を求めている、三分の一とか三割、こういう負担を求めているわけでございまして、国と地方の役割分担の問題と直結をしてまいります。補助金、交付税、税源配分の見直しということとの一体的な検討を進めております。

 現在、地方分権改革推進委員会の方から勧告が出て、国と地方の役割の分担、あるいは、国の出先機関、義務づけ、枠づけの抜本的な見直しというテーマで議論をして、工程表もつくっていくわけでございますので、その点との絡みにおいて考えていかなければならない問題と存じます。

 公立病院については、安定的に必要な医療を供給するために、平成十九年末に提示したガイドラインに沿って、各地方公共団体において公立病院の改革に取り組んでいただく必要があるものと考えております。したがって、公立病院に関する地方交付税の措置は、二十年度は二千九百三十億ですが、七百億円増額をして、これを公立病院に充てることといたしたわけでございます。

 やはり、公立病院の場合は、不採算だからすぐやめてしまうというわけにいかない。非常につらいことがあります。ですから、もちろん、医師不足の問題とか診療報酬の問題とか、これはすべて解決をしなければなりませんが、公立病院については、できるだけ地方財政の面で面倒を見る必要があると考えておりまして、例えば、病床当たりの単価につきましても二割程度の増額を図っているところでございます。

 企業立地についての国の責任でございますが、企業立地の問題については、地域経済を活性化し、地域の雇用を創出するために、地方公共団体が企業誘致に努めていくことは当然だろうというふうに思います。そのような取り組みに対して地方財政措置を講じてまいりました。現在は、雇用情勢の急激な悪化に伴って、雇用創出のために多くの施策を実施しなければならないわけでございます。

 地方財政に関しては、過去最大の四千億円の基金を設置する。これは都道府県に設置をします。既定の加算とは別枠で五千億の地域雇用創出推進費も出します。そういうことで、地域の雇用の創出に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。

 就学援助の問題。

 準要保護児童生徒に係る就学援助については、地方の事務として定着しておりますが、平成十七年度に従前の国庫補助金を一般財源化し、現在は、準要保護児童生徒の就学援助は地方交付税措置を講じているところでございます。

 これらの地方公共団体において円滑な事業の実施が図られるように、文部科学省とも協議しながら必要な地方財政措置を講じてまいりたい、この点でもなるべく優しく援助すべきだと考えております。

 定住外国人対策についてでございますが、定住外国人の対策は普通交付税により措置しておりまして、これに加えて、外国人の増加が著しい市町村を対象に、日本語理解講座開設や外国人相談窓口設置等に要する経費は特別交付税で措置していこうと思っております。

 平成二十一年度からは、昨今の雇用情勢を踏まえ、一月三十日に内閣府において取りまとめられた「定住外国人支援に関する当面の対策について」の一環として、経済上の問題により外国人学校での就学が困難となった外国人子弟に対する支援、これは授業料軽減等ですが、そうしたことを実施する地方公共団体も特別交付税で面倒を見てまいります。

 郵政民営化でございますが、これは、簡易郵便局の一時閉鎖とか、いろいろな影の部分については御指摘をいただいているところでございます。

 私といたしましては、郵政民営化委員会の最初の意見がこの三月末に出るわけでございまして、それを踏まえながら、影の部分でどういうところを改善すればいいか一生懸命考えてまいります。先ほども申し上げましたように、国営に戻すということは全くあり得ないことでございますが、民営化の影の部分を見直すという意味では、聖域なくやっていくべきだと考えております。(拍手)

    〔国務大臣舛添要一君登壇〕

国務大臣(舛添要一君) 医師不足対策、診療報酬改定についてお尋ねがございました。

 我が国の医療においては、救急医療、地域医療の問題、産科・小児科医の不足など、さまざまな問題に直面しており、短期、中期、長期にわたる積極的な取り組みが必要でございます。

 そこで、来年度の大学医学部定員を過去最大の八千四百八十六名にふやしたほか、昨年成立した一次補正予算に続き、二次補正予算、来年度予算等を通じて切れ目のない施策を実施していきたいと考えております。

 特に、来年度予算案においては、産科、救急、僻地などの現場で働く医師に対する支援を行うとともに、医師不足で困っている地域に医師を派遣した医療機関に対して財政支援を行うこととしております。

 二十年度診療報酬改定におきまして、勤務医の過重労働など、厳しい医療環境にこたえるべく、千五百億円の財源を病院の勤務医対策に充てました。

 また、医師確保対策を一層強力に推進するため、文部科学大臣、総務大臣など関係閣僚で構成される、地域医療の機能強化に関する関係閣僚会議を新たに設置いたしました。

 引き続き、国民が安心と希望を持てる医療体制の構築に向け、全力で取り組んでまいります。

 住所が定まらない方々に対する生活保護制度の周知についてお尋ねがございました。

 食と住居を失い生活に困窮する方々については、雇用施策や福祉施策により、就職、住居、生活などの支援を全力で行っているところでございます。

 これらの支援を行ってもなお困窮する方々については、住所のない方も含め、引き続き、最後のセーフティーネットである生活保護によって適切に支援していくこととしております。

 最後に、定住外国人に対する生活保護制度の周知についてお尋ねがございました。

 定住外国人の方々の支援については、内閣府に定住外国人施策推進室を設置し、政府全体として取り組んでいるところであります。

 また、厚生労働省としても、職を失い生活に困窮する方々については、定住外国人の方々を含め、雇用施策や福祉施策により、就職、住居、生活などの支援を全力で行っているところであります。

 これらの支援を行ってもなお困窮する方々については、引き続き、最後のセーフティーネットである生活保護によって適切に支援していくこととしております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣塩谷立君登壇〕

国務大臣(塩谷立君) 塩川議員からの質問にお答え申し上げます。

 最初に、就学援助の調査についてお尋ねがありました。

 就学援助につきましては、学校教育法の規定により、市町村において実施されておりますが、支給実態については、対象人員は、要保護及び準要保護者合わせて約百四十二万人となっておりまして、就学援助総額は約九百二十億円となっております。

 また、準要保護児童生徒の認定基準の変更の有無等については、全市区町村教育委員会等に対して、現在、平成二十年度の調査を行っているところでございます。

 文部科学省としましては、実態を踏まえて、義務教育の機会均等を図る観点から、準要保護者に対する就学援助について適切に行われるよう、都道府県等を通じて促してまいりたいと思っております。

 次に、定住外国人の子供への就学支援についてのお尋ねでございます。

 文部科学省は、従来より、外国籍の子供を公立義務教育諸学校に無償で受け入れ、日本語指導教員の配置を行うとともに、就学手続等についてまとめた就学ガイドブックを、ポルトガル語を含む七言語で作成して配付をしております。

 また、平成十九年度以降は、帰国及び外国人児童生徒受け入れ促進事業において、バイリンガル相談員を教育委員会に配置し、就学案内、就学相談を行っているところでございます。

 これらに加えて、今回の景気悪化を受けて、文部科学省としましては、省内にプロジェクトチームを設置しまして緊急対応策を決定し、定住外国人子ども緊急支援プランとして今策定し、実行に移しているところでございます。

 ブラジル人学校から公立学校に転入する者が円滑に就学できるように、初期指導教室の実施や、外国人がわかる支援員等の配置による日本語指導の補助などの事業を行うモデル地域に対しての追加支援を実施することなどの措置を取りまとめたところでございます。

 また、先ほど総務大臣からも御答弁ありましたが、ブラジル人学校等の子供たちの授業料軽減のための助成については、特別交付税措置により支援をする予定でございます。

 今後とも、このような取り組みを強化してまいります。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(横路孝弘君) 日森文尋君。

    〔日森文尋君登壇〕

日森文尋君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の地方税法等の一部改正案、地方交付税法等一部改正案、二〇〇九年度地方財政計画について質問いたします。(拍手)

 小泉政権以来拍車のかかった構造改革路線のもと、平成の大合併を通じて、自治体の効率化のみを求める再編が進められました。

 また、税源移譲、国庫補助金、地方交付税の三位一体改革は、地方が割を食う負担のツケ回しに終わり、分権自治、福祉の基盤である地方財政は、ますます深刻な危機に直面しています。

 結局、地方の真の自立、住民自治を高めるための改革ではなく、国の財政再建のための改革、地方に行革を強いるための改革であったことは明らかです。

 こうした中、自治体現場では、安全、安心の住民サービスの切り捨てや負担の転嫁の形で改革のひずみが現実化しています。また、大型ショッピングセンターやアウトレットモールがにぎわいを見せる一方、中心市街地の商店街はシャッター通りと化しています。人口減少の本格化に伴って、地域格差は、今後、今以上に拡大していくことが心配されます。

 私は、地域を切り捨て、格差を広げたのは政府・与党の進めてきた政策の帰結であり、改革の影の部分をどうしていくのかが問われていると考えています。

 先ほど鳩山大臣は、三位一体改革に否定的な評価をなさいました。そこで、まず、平成の大合併についての評価、三位一体改革について具体的に何が失敗であったのか、改めてお聞きをするとともに、今、地方の疲弊をもたらしている原因と対策について、大臣の見解をお尋ねいたします。

 道路特定財源の一般財源化についてお尋ねいたします。

 そもそも、一般財源化とは、無駄な道路建設の温床である特定財源を社会保障や環境対策などに有効に使うことではなかったのでしょうか。ところが、今回の一般財源化は、使途の特定が外れるだけで、実質的にほとんど道路に使われるものとなっており、福田前首相が打ち出した生活者財源でも、麻生首相が明言した地方が自由に使える資金でもなくなってしまったと思います。総務、財務、国土交通大臣のそれぞれの受けとめ方について、お聞きをしたいと思います。

 地方譲与税についても、名称を改め、使途制限を廃止したといっても、引き続き、道路の延長、面積を基準にするのであれば、実質何も変わりません。配分基準を抜本的に見直し、人口等の客観基準で配分すべきだと考えます。鳩山大臣、いかがでしょうか。

 地域活力基盤創造交付金について、地方から、法律で定めないのであれば、地域の実情に応じて使用できるようにとの声が上がっています。金子大臣の見解を伺います。

 道路特定財源の一般財源化によって、特定の歳入を特定の歳出に充てる必要がなくなったのですから、財政法上、十三条第二項の趣旨にかんがみ、社会資本整備事業特別会計の道路整備勘定は不要であり、廃止すべきと考えますが、中川大臣の見解はいかがでしょうか。

 自治体の担う公共サービスを維持充実させるためにも、自由に使える交付税の復元、増額が求められていました。麻生総理も一兆円の増額を指示した結果、いろいろと迷走はありましたが、雇用創出推進費五千億円を含む交付税の一兆円の特別加算が行われました。

 私は、介護、少子化、医療、教育、森林、環境、農業など、地域の未来を切り開くような、いのちとみどりの公共事業に数兆円規模の雇用創出推進費を継続実施すべきではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

 一方、交付税そのものの増額は四千二百四十二億円にとどまり、地方財政計画の規模も前年度より縮減されています。地財計画の縮小は地方全体の行政サービス水準の低下につながるものであり、基本方針二〇〇六を撤回するとともに、地方財政計画の縮減をやめるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 今回、財源不足額は五・三兆円増の十・五兆円にまで拡大しました。地方交付税十五・八兆円に対し、公債費は十三・三兆円に上っており、実に交付税の八四%が借金返済に消えているとの試算もあります。

 財源不足額についての対応は、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」という地方交付税法第六条の三第二項に立ち戻るのが筋であると考えますが、改めてお考えをお聞きしたいと思います。

 また、総務省は、交付税と臨財債を合わせた実質的な地方交付税の総額の増加をもって、三位一体改革による交付税等の減収分は回復したとしています。しかし、赤字地方債である臨財債という借金による補てんであり、後年度に交付税の基準財政需要額に算入されるとはいえ、一般会計からの加算の法定がされているわけではありません。

 問題なのは、臨財債の償還自体が臨財債依存となっており、将来の交付税財源の先食いにすぎないということです。臨財債を実質的に交付税にカウントすることの是非も考え直すべきではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

 自治体に長期、低利の資金を融通できる地方共同の金融機構として、地方公営企業等金融機構が改組され、地方公共団体金融機構となります。これは、地方六団体の悲願であったし、社民党が社会党時代一貫して求めてきた自治体銀行につながるものでもあり、評価をしております。しかし、今回の貸付対象の拡大に当たり、新機構の経営基盤の強化について特段の措置がとられておりません。鳩山大臣、経営基盤の強化を図る必要はないでしょうか。

 今、多くの自治体で、地域の生命線である公的医療の放棄やサービス提供の中断が現実のものとなっています。七百億円程度の自治体病院に対する財政措置の拡充は評価できますが、安定した地域医療の提供と医療基盤の充実に向け、さらなる公立病院への支援の強化を図るべきだと思います。鳩山大臣の見解を具体的にお聞きしたいと思います。

 自治労の調査の推計では、臨時・非常勤等職員は全自治体職員の約三割、六十万人に上り、自治体行政の重要な実質的な担い手となっているわけです。しかし、総務省の、地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会の報告書は、残念ながら、自治体及び臨時・非常勤等職員のニーズ、悩みにこたえるものにはなっていません。臨時・非常勤等職員の雇用安定と均等待遇の実現を図る法制度について抜本改革することについて、鳩山大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

 さて、地方六団体は、昨年十一月の決議で、「三位一体の改革に際し、分権の趣旨とは無関係に五・一兆円もの地方交付税が削減されたことにより、多くの地方公共団体では、地域活性化のための独自施策を断念せざるを得ないばかりか、もはや歳出の削減努力だけでは住民の暮らしを支えることさえ困難になっている。」と表明しています。

 地方制度調査会の専門小委員会でも、町村には国に合併を強制させられたという意見が多い、小さな町村でもやっていける、多様な自治体が存在するのが日本の姿だなどと、平成の大合併に対する否定的な評価が出されています。

 こうした地方の声に真摯に耳を傾け、これまで国が進めてきた地方行財政に対する構造改革の押しつけから、分権自治、地方税財政の充実強化へと、大胆に政策の転換を図るべきではないでしょうか。最後に鳩山総務大臣の決意を伺って、質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣中川昭一君登壇〕

国務大臣(中川昭一君) 日森議員の御質問にお答え申し上げます。

 まず、道路特定財源についてのお尋ねでございますが、道路特定財源の一般財源化とは、揮発油税等の歳入を道路整備に使うという義務づけをやめ、さまざまな政策に使い得るようにするということであります。この意味で、平成二十一年度から、道路特定財源はすべて一般財源化することとしております。

 他方、一般財源化に際し、平成二十一年度予算案における歳出面の改革について申し上げますと、道路整備につきましては、地域活力基盤創造交付金を含めた地方向け支出を増額する一方で、国の直轄事業は減額し、めり張りのある予算編成を行っております。

 また、地域活力基盤創造交付金につきましては、これまでの地方道路整備臨時交付金とは異なり、道路以外の関連インフラの整備やソフト事業などにも使える、使い勝手のよいものとしております。これは、与党におきまして御議論をいただき、地方からの強い要望も踏まえ、地方の道路整備の必要性や財政の状況に配慮したものであり、地方からも評価されているところであります。

 さらに、予算編成過程において、社会保障財源について約六百億円を確保したところであります。

 このほか、地方対策としても、別枠として地方交付税を一兆円増額しております。

 このように、道路特定財源の一般財源化の趣旨は、歳出面でも十分に生かされていると考えております。

 次に、社会資本整備事業特別会計についてのお尋ねがありました。

 道路整備だけではなく、河川や港湾の整備等の社会資本整備につきましては、社会資本整備事業特別会計を設けて区分経理を行っております。これは、国からの資金のみならず、地方公共団体からの負担金等も含めた歳入について、歳出との対応関係を明確にするとともに、事業全体のコストと成果を明確化するという観点から区分経理を行っているものであります。

 このため、道路特定財源を一般財源化したからといって、特別会計を設けて区分経理する必要性がなくなるとは考えておらず、財政法第十三条の趣旨にも沿ったものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣金子一義君登壇〕

国務大臣(金子一義君) 道路特定財源の一般財源化についてお尋ねがありました。

 一般財源化とは、揮発油税等の歳入を道路整備に使うという義務づけをやめることであり、このため、平成二十一年度からこの義務づけを廃止する法案を今国会に提出しているところであります。平成二十一年度以降の道路予算の財源は建設国債で賄うと聞いており、これはまさに一般財源化と言えるものであります。

 地域活力基盤創造交付金については、地方からの要望も踏まえ、道路特定財源の一般財源化に伴い廃止される地方臨時交付金にかわるものとして新たに創設するものであります。

 この交付金は、道路以外の関連するインフラ整備、ソフト事業等、地方自治体の要望にこたえて使えるようにする方針であります。これまでの地方道路臨時交付金に比べ、はるかに使い勝手がよくなるものと考えております。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 平成の大合併と三位一体改革でありますが、平成の大合併により、合併市町村においては、組織の専門化など一定の行財政基盤の充実強化が図られたと考えております。

 また、三位一体の改革は、補助金改革や三兆円の税源移譲などを実現して、地方の自主性、主体性を高めるとともに、国、地方を通じた財政の健全化を進めることができた部分がございまして、地方税財政改革の第一歩であったと考えております。

 しかし、先ほど申し上げましたように、当時は地方税収が比較的伸びていったわけでありますが、今回、急激な財政の悪化等がございますと、地方交付税の急激な減少というものが響いて地方がなかなか厳しい状況に置かれている、こういうことだろうと思っております。だからこそ、平成二十一年度において既定の加算とは別枠で地方交付税を総理の決断によって一兆円増額して、雇用創出や地域の元気回復に充てることといたしたわけでございます。

 道路特定財源の一般財源化についてでありますが、一般財源化とは、今、金子大臣が話されたように、国税では揮発油税など、地方税では軽油引取税などを、あるいは地方譲与税の、そうしたものの歳入を道路整備に使うという義務づけをやめるということでございまして、この意味で、二十一年度から道路特定財源はすべて一般財源化することとしております。

 こうした中で、地方からの要望を踏まえて、地方の道路整備や財政の状況を考慮して地域活力基盤創造交付金を創設することとしておりますが、これは、道路以外の関連インフラの整備やソフト事業などにも使える、地方にとって使い勝手のよいものになったと考えております。

 地方譲与税の配分基準についてのお尋ねでございます。

 これは、地方譲与税というのは三つあるのかと思いますが、その各税の負担と道路等の行政サービスからの受益には引き続き対応関係があるわけです。一般財源化しましたけれども、それはやはり、ガソリンに係るもの、あるいは自動車重量税のように自動車の重さに係るものと、道路の関係というのはあるわけなので、配分する場合の基準として、道路の延長や面積を基準として譲与することが適当だと考えております。

 しかしながら、一般財源化したわけですから、道路の延長や面積を基準にして、もらう自治体も使い方は全く自由で、地方団体の自主的な判断によるわけでございます。

 それから、地方財政計画の特別枠、地域雇用創出推進費については、生活防衛のための緊急対策に基づいて臨時的、特例的な対応として、財融会計の金利変動準備金を活用して、二十一、二十二年度における措置といたしております。政府としては、平成二十二年度までに、景気回復を優先で取り組んで、雇用情勢の改善を図りたいと考えております。

 平成二十三年度以降の地方財政については、中期プログラムに基づく税制の抜本改革や基本方針二〇〇六に基づく歳出改革が平成二十三年度までとされていることを踏まえて、新しい局面に入るわけでございますが、その際に地方の安定的な税財源を確保できるように検討してまいりたいと考えております。

 基本方針二〇〇六を撤回したらどうかということでございますが、行財政改革や財政の健全化のために無駄を排するということは、これは永遠の課題でございまして、そういった意味では、基本方針二〇〇六は二十三年度まででございますが、この方針に合わせて取り組んでいかなければなりません。国、地方を合わせて債務残高八百兆円ということ、これを将来世代に送ることがないように頑張っていかなければなりません。

 税収の回復なくして財政の再建は困難であることも踏まえて、当面は景気対策に力点を置きながら、中期的には財政健全化を進めることとして、国と地方の歩調を合わせて、歳出改革の取り組みを引き続き進めてまいります。

 地方交付税法第六条の三第二項の規定で対応すべきではないかと。

 これは、先ほどの御質問にもありましたが、地方交付税の総額がどうしても法定で算定しただけでは十分でないという状況を想定した条文でございまして、そういうときには地方行財政制度の改正や地方交付税の法定率の引き上げを行うことが必要だという条文なのでございます。

 ただ、国も大量の公債を発行する厳しい状況にあることを考えますと、法定率を直ちに引き上げることは現実には困難であると思っております。しかしながら、現在のような厳しい地方の財政状況であるならば、そろそろそのような法定の算定率について計算し直すというようなことも議論に乗っていいのではないかというふうに考えております。

 臨時財政対策債については、従来の交付税特別会計借り入れによる補てん方式、これができなくなりましたので、特例地方債により財源不足を補てんすることとしたわけでございます。したがって、その性格は、まさに地方交付税の代替財源でございまして、地方が自由に使えることができます。

 ただ、臨時財政対策債の元利償還金については、その全額を地方交付税の算定に用いる基準財政需要額に算入して償還財源を保障しているわけでございますから、自由に使えますが、将来の交付税の先食いという意味合いは否定できないわけでございまして、したがって、臨財債を発行してこれを償還しなければならないときに、さらにこの地方交付税の総額がふえていくような、そういう財政運営に心がけていきたいと考えております。

 地方公営企業等金融機構が改組された件でございます。

 政策金融改革において地方共同の資金調達団体として創設されたわけでございまして、地方財政の状況を踏まえて、今回の見直しに際しては、国及び地方公共団体に対して新たな出資や政府保証は求めないことといたしております。

 これは、貸付規模について、今回、地方の一般会計への貸し付けを始めますが、貸付規模が拡大するわけではございませんので、市場からの信認について十分留意して対処をする必要がありますが、経営基盤の強化を直ちに図る必要はないと考えております。

 公立病院についてでございます。

 これも先ほど御答弁申し上げましたように、地方交付税総額二千九百三十億円を七百億円も増額をして、不採算である過疎地、産科、小児科、救急部門などの医療に充てていただこうということでございます。

 こうした財政措置も踏まえて、一般会計において適切な経費負担を行いながら、平成十九年末に提示したガイドラインに沿って公立病院の経営改革に取り組んでいただく必要があります。

 今後とも、関係省庁と協力して医師確保対策を推進するほか、各公立病院の経営改革についてきめ細かく助言を行ってまいりますが、先ほど申し上げましたように、病床当たりの単価も二割アップしたところでございます。

 地方公共団体の臨時・非常勤職員の処遇についてお尋ねがありました。

 地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会の報告書において、臨時・非常勤職員について職務の内容及び責任に応じて適切に処遇を決定すべきこと、それから、本格的業務に従事することができる任期付短時間勤務職員制度等について活用拡大を検討すべきことなどが指摘されているところでございます。

 総務省としては、本報告書の内容も踏まえて、地方公共団体における質の高い効率的な行政サービスの充実に資するよう、制度及び運用の改善に努めてまいります。

 最後に、三位一体改革と平成の大合併について大胆に政策転換すべきではないかと、最初と同じ質問が繰り返されたわけでございますが、市町村合併については、自主的な合併の推進を目的とする合併新法に基づいて、各市町村において、地域の将来について十分議論し、納得の上、合併に取り組んでいくことが必要と考えてございます。

 三位一体改革については、地方交付税の削減が結果として急激に行われたことが地方財政の厳しさに輪をかけたのは事実でございますが、ゆえに、平成二十一年度には地方交付税を一兆円増額するなど、地方財源を充実確保したところでございます。

 地方の発展なくして国の発展はありませんので、地方の声に真摯に耳を傾けて地域の元気回復に努めていくのが私の役割でございます。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(横路孝弘君) 下地幹郎君。

    〔下地幹郎君登壇〕

下地幹郎君 私は、国民新党・大地・無所属の会を代表して、平成二十一年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。

 四十万人の派遣労働者が三月までに解雇される、そんな危機的な雇用情勢が業界団体から発表されました。そして、そのことを裏づけるように、毎日の新聞紙上において大手企業の雇用調整が発表され、私どもの統計では、もう十五万人を超えております。まさに、麻生総理みずからがおっしゃった、百年に一度の金融危機であります。

 しかし、麻生総理は、みずからのこの百年に一度の金融危機という表現を否定するかのように、まだ他の国に比べれば日本は危機的状況ではないと講演でおっしゃる。もう、他の国との比較論ではなく、日本経済は危機的な状況なのだということを、麻生総理も、国会も、そして国民も、認識を一つにして今の経済危機を乗り切るべきではないでしょうか。

 麻生総理、麻生総理の危機感こそがこの国の経済回復の大きなエネルギーになることを決して忘れてはなりません。そして、これ以上日本経済が悪化するようなことがあれば、麻生内閣による人災だという国民の指摘になるでしょう。

 今、この厳しい経済環境の中で一番苦しんでいるのが地方であります。

 それは、小泉政権以来、地方交付税と公共工事合わせて四十七兆円もの大きな予算が地方から削減されたからであります。その結果として、国、地方の税収は大幅に落ち込み、平成二十一年度の地方財源における財源不足は十兆五千億円と、昨年の五兆二千億円から倍増し、さらに大幅に拡大する見込みであります。三位一体改革は失敗だった、これは地方自治体の首長と地方議会の皆さんの率直な声であります。

 麻生総理、麻生総理がおっしゃる、日本が元気になるためにはまず地方が元気にならなければいけないということを本気で実行するには、まず、地方へのこれまでの予算削減分四十七兆円を復元して、十分な住民サービスとセーフティーネットを確保していくことが必要であります。

 そこで、質問いたします。

 今回の地方交付税を別枠で一兆円増加しておりますが、果たしてこの程度の予算規模で本当に地方は元気になるとお考えでしょうか。日本経済が全治三年とおっしゃるならば、三年以内に四十七兆円を地方へ戻すということを明確に国民に示すべきではありませんか。鳩山総務大臣のお考えをお聞かせください。

 本年四月には地方財政健全化法の全面施行を控え、経常収支比率や実質公債費比率など、地方の財政状況は極めて厳しいものとなります。今、国会において、道州制の論議がされ、地方分権社会をどう構築するかという建設的な意見が渦巻く中において、実体の地方財政は厳しさを増すばかりであります。このような厳しい地方財政の背景には、政府が地方財政の健全化に対する努力を怠ってきたことが原因であると言わざるを得ません。

 このような財政環境の中、地方財政健全化法が施行されると、多くの地方自治体は、財政健全化が最優先の政策課題となり、住民サービスのさらなる低下を加速させることが懸念されます。安全、安心な社会をつくるということを実現することと地方の財政の健全化は、今の日本の経済の現状と我が国の財政状況では両立することはできません。その意味においても、先般の中期プログラムにおいて、政府は、プライマリーバランスの黒字化の目標について、事実上先送りを判断いたしました。

 私は、このような地方財政の厳しい現状を踏まえ、地方財政健全化のあり方をいま一度仕切り直す必要があるのではないかと思います。

 麻生総理のおっしゃる、日本の経済の回復は全治三年と目標を持たれているのと同じように、地方財政の財政健全化には、明確に数字を示し、中期プログラムをつくり直すべきであると思いますが、総務大臣のお考えをお聞かせください。

 私ども国民新党は、かねてより、郵政民営化後の株式の上場は凍結をして、一〇〇%株式を政府が保有するべきだと主張してまいりました。郵便貯金は平成十二年三月以来八十兆円、簡保保険額は平成十四年以来四十九兆円が失われております。これらの貯金、保険をいま一度郵便局に安心して預けられるような環境づくりを行い、資金を確保し、政府資金として地方の活性化と中小企業の支援に充てていくべきと考えております。

 現在、ゆうちょ銀行の資産状況を見ると、八〇%が国債、地方債は三・五%であり、金額にすると七兆円規模であります。このような資金規模では絶対に地方の経済は活性化させることはできず、資金規模を二十兆円にふやし、積極的な地方支援を行うことで、元気のある地方をつくる大胆な足がかりにすべきであります。

 今回の地方財政対策においては、五千億円の地域雇用創出推進費を創設すること、また、地域医療の確保についても従来約三千億円だった措置額を平成二十一年度以降には七百億円程度増額することの二つの政策を政府は予算の目玉だと言っております。しかし、現在の地方の厳しさを考えれば、この程度の措置では焼け石に水であることは明白であります。

 先ほど申し上げた四十七兆円の地方予算の減額の影響を考えれば、数百億円、数千億円といった場当たり的な対応では、到底、地方経済の元気を取り戻すことはできません。郵貯の資金等を活用し、いま一度三兆円から四兆円規模の対策を打つべきだと考えますが、総務大臣のお考えをお聞かせください。

 続きまして、今回の政府による減税措置についてお伺いします。

 政府は、昨年十月三十日に生活対策を取りまとめ、国民生活と日本経済を守るための政策展開を図るとしており、この生活対策において、政策減税を中心とする各種税制上の措置を実施するとのことであります。

 今回提出された地方税法等の一部を改正する法律案では、新たな住宅借入金等特別税額控除等の創設や自動車取得税の時限的な軽減措置など、全体で減収一兆円と見込まれております。

 しかしながら、政府が打ち出したこれらの減税措置は、すべて、お金を持っている人を対象とした消費刺激策のための減税措置であり、国民生活の安心、安全を守るといったセーフティーネットに主眼が置かれた減税措置は一つもありません。急速に景気が悪化し、失業者が大幅に増加している今、真に必要な減税措置は、国民生活の安心、安全を守るためのセーフティーネットに主眼が置かれた減税措置であるべきです。

 イギリスでは、今回の世界的な金融危機を受けて、昨年、消費税の減税を実施しました。逆進性の高い消費税の減税は、まさにセーフティーネットとしての減税であります。

 私は、我が国においても、食料品を初めとして、医療、教育といったような生活に欠かせないものに対しての非課税化を時限立法でも図るべきだと考えていますが、総務大臣のお考えをお聞かせください。

 最近、地元のおじいちゃんやおばあちゃんと話をする機会がありました。そのときの話の中で、人生が成功か失敗かは老後の生活で決まる、若くて元気なときは、さまざまな苦難があっても自分が頑張る気持ちがあれば何度でもやり直せる、しかし、体が動かなくなり、介護を受けるようになり、精神的にも不安を感じるようになったとき、本当に安心できる医療や介護がしっかりとしていれば、人生はよかったということになるかもしれない、人生の最後の時間が安心できることが大事なんだとおっしゃっていたことが印象的であります。私は、この言葉に今の政治に必要な政策が集約されているのではないかと思います。

 特に、東京から遠ければ遠いほど安心できる医療・介護制度をつくらなくてはならない、地方における医療・介護制度の重要性を私たちはもっと感じなければならないということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕

国務大臣(鳩山邦夫君) 下地議員にお答えをいたします。

 近年の地方歳出の抑制は、国、地方を通じて極めて厳しい財政状況のもと、財政健全化を進める上ではやむを得ないものであったと存じます。

 しかしながら、三位一体改革による交付税の抑制が結果として急激でありましたから、特に財政力の弱い地方団体を中心として、大変厳しい財政運営を強いられたケースが多くあったというふうに思います。

 今回も、地方財政計画で、平成二十年度は財源不足が五兆二千億であったものが、平成二十一年度は十兆五千億、下地議員御指摘のとおり、倍の財源不足となったわけでございまして、これが、百年に一度の金融、経済の大恐慌のような形のものの影響だと思っております。

 このため、平成二十一年度においては、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額して、これに合わせて、地方財政計画の歳出の方にも、雇用創出、地域の元気回復として一兆円。一兆円特別に地方交付税を積みましたから、歳出の方にも一兆円積んだ、こういうことでございます。

 この結果、地方の政策的経費である地方一般歳出は、前年度を四千六百億円上回る六十六兆二千二百億円となりました。また、国税五税の大幅な減収の中で、前年度を四千百億円上回る十五兆八千二百億円の地方交付税総額を確保するとともに、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は、前年度を二兆七千三百億円上回る二十兆九千七百億円を確保したところでございます。

 地方財政は引き続き厳しい状況にありますが、極めて厳しい環境の中で、地方公共団体からも一定の評価をいただける対策ができたと考えております。

 今後も、地方の発展なくして国の発展はないとの観点で、地方公共団体が地域の元気回復を初めとする諸課題に対応できるよう、地方税財源の充実確保に努めてまいります。

 地方財政の健全化についてのお尋ねがありました。

 経済情勢が極めて流動的、不透明な中で、一定の確度を持って将来を見通すことは困難であることから、当面は、国、地方を通じたプライマリーバランスを平成二十三年度までに黒字化するという現行の努力目標のもとで、景気回復を最優先としつつ、財政健全化の取り組みを進める必要があると考えております。

 そして、中期プログラムの中で、これからまた議論が進んでいくと思いますので、偏在性の小さい地方消費税もふえていくような、そういう形になると地方の財政の安定度は増すと考えております。

 いずれにいたしましても、国と地方と歩調を合わせて歳出改革にも取り組みながら、そして地方税財源の充実確保に取り組んでいきたいと思っております。

 郵貯資金を活用した地域対策についてお尋ねがございまして、ゆうちょ銀行やかんぽ生命が地域経済に貢献することは、民営化の趣旨からして非常に重要なことでございます。

 私は、郵政の文化というのがあると思います。特に地方の特定局長さんたちは地域の中小企業やその実情に最も詳しい方々ばかりでございますから、そうした郵貯の資金が地域経済に回るという考え方は非常に有効なものと思っておりますが、これは、金融庁の認可も要りますし、私総務大臣の認可も要るわけでございますが、かんぽの宿の売却と違って、私が認可する確率ははるかに高いだろうと考えております。

 消費税についてでございますが、国、地方を通じた社会保障制度を将来にわたり持続可能で安心できるものとすることは、国民の不安を払拭するために極めて重要であり、消費税は重要な役割を果たすものと認識いたしております。ですから、今のような状況の中で消費税の減税を考えることは適当でないと思っております。

 しかしながら、中期プログラムというような考え方の中で、仮に消費税率が高くなっていくようなケースでは、イギリス型のような複数税率を考えるというのは意味のあることだろうと思っております。

 以上でございます。(拍手)

副議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  麻生 太郎君

       総務大臣  鳩山 邦夫君

       財務大臣  中川 昭一君

       文部科学大臣  塩谷  立君

       厚生労働大臣  舛添 要一君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       国土交通大臣  金子 一義君

       国務大臣  与謝野 馨君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官  松本  純君

       総務副大臣  倉田 雅年君

       財務副大臣  竹下  亘君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.