衆議院

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第17号 平成21年3月24日(火曜日)

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平成二十一年三月二十四日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第九号

  平成二十一年三月二十四日

    午後一時開議

 第一 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案(内閣提出)

 第二 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案(内閣提出)

 第三 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 人事官任命につき同意を求めるの件

 検査官任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件

 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件

 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件

 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件

 日程第一 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案(内閣提出)

 日程第三 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 人事官任命につき同意を求めるの件

 検査官任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件

 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件

 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件

 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件

議長(河野洋平君) お諮りいたします。

 内閣から、

 人事官

 検査官

 原子力安全委員会委員

 衆議院議員選挙区画定審議会委員

 国地方係争処理委員会委員

 宇宙開発委員会委員

及び

 公害健康被害補償不服審査会委員に

次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。

 内閣からの申し出中、

 まず、

 人事官に篠塚英子君を、

 検査官に重松博之君を、

 衆議院議員選挙区画定審議会委員に村松岐夫君、稲葉馨君、大石眞君、小田原満知子君、早川正徳君及び眞柄秀子君を、

 国地方係争処理委員会委員に磯部力君、長谷部恭男君、岩崎美紀子君及び大橋洋一君を、

 公害健康被害補償不服審査会委員に小幡雅男君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 原子力安全委員会委員に久住静代君、小山田修君及び久木田豊君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 衆議院議員選挙区画定審議会委員に吉田弘正君を、

 宇宙開発委員会委員に池上徹彦君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 国地方係争処理委員会委員に篠崎由紀子君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案(内閣提出)

 日程第二 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案(内閣提出)

 日程第三 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 日程第一、米穀の新用途への利用の促進に関する法律案、日程第二、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案、日程第三、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長遠藤利明君。

    ―――――――――――――

 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案及び同報告書

 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案及び同報告書

 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔遠藤利明君登壇〕

遠藤利明君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 米穀の新用途への利用の促進に関する法律案は、米穀の新用途への利用を促進するため、農林水産大臣が基本方針を定めるとともに、米穀の生産者と米粉、飼料等の製造事業者が連携した取り組みに関する計画等を認定し、認定を受けた計画に基づく取り組みについて、農業改良資金の償還期間の延長等の特例措置を講ずるものであります。

 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案は、事故米穀の不正規流通事案の発生を踏まえ、米穀等の食品としての安全性の確保、表示の適正化及び適正かつ円滑な流通を確保するため、米穀等を取り扱う事業者に対し、取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達を義務づけるとともに、米穀の出荷または販売の事業を行う者が遵守すべき事項に関する規定を整備する等の措置を講じようとするものであります。

 三法律案は、去る三月十一日本委員会に付託され、翌十二日三法律案を一括して議題とし、石破農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、十八日から質疑に入り、参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、十九日質疑を終局しました。

 質疑終局後、まず、米穀の新用途への利用の促進に関する法律案については、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 次に、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律案については、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合から、政府が検討すべき事項に、飲食料品の取引等に係る情報の記録の作成及び保存等並びに加工食品の主要な原材料の原産地表示を義務づけることについて、検討し、必要があると認めるときは所要の措置を講ずる旨を追加する四会派共同提案による修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。

 次いで、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案については、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、三法律案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案を一括して採決いたします。

 日程第一及び第三の両案の委員長の報告はいずれも可決、日程第二の委員長の報告は修正であります。三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり議決いたしました。

     ――――◇―――――

 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(河野洋平君) この際、内閣提出、我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。経済産業大臣二階俊博君。

    〔国務大臣二階俊博君登壇〕

国務大臣(二階俊博君) 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 現在、世界的な資源価格の不安定化や金融危機など、国際経済の急激かつ構造的な変化が起こっており、我が国の経済雇用情勢も急速に悪化しつつあります。このため、現下の経済情勢への緊急対応として、中小・小規模企業の資金繰り支援や当面の雇用対策といったセーフティーネットを整備しているところであります。

 しかし、この危機を乗り越え、我が国経済が持続的に発展していけるようにするためには、あわせて、資源や資金、知的財産や技術などの経営資源の一層効果的、効率的な活用を促進し、我が国における産業活動の革新を図ることが必要であります。これにより、現下の経済情勢のもとでの雇用を下支えするとともに、将来に向けた雇用を創出するため、本法律案を提出した次第であります。

 これらの措置は、昨年の九月に閣議決定した新経済成長戦略改訂版を実行に移すためのものであります。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 まず、産業活力再生特別措置法の一部改正であります。

 第一に、事業者の資源生産性の向上を支援します。

 資源価格が不安定な今日、我が国産業をこれに左右されにくい体質へと強化することが必要になっています。このため、事業者がみずからの資源生産性を向上させるための計画や、資源制約のもとでの新たな市場の開拓が見込まれる製品を生産する計画の認定制度を創設します。認定を受けた事業者に対し、設備投資や組織再編等に対する支援措置を講じます。

 第二に、事業者の資金調達の支援を強化します。

 金融危機により事業者の資金調達が困難となりつつあります。このため、本法に基づき計画の認定を受けた事業者に融資や出資を行う金融機関の信用リスクを軽減するための措置を講ずることにより、当該事業者の資金調達の円滑化を図ります。

 第三に、将来の成長の芽となる事業活動に対する支援を強化します。

 今日、成長著しい市場のニーズに対応していくためには、自社の経営資源のみならず、技術や知識など他社の経営資源も有効に組み合わせていくことが重要となっています。また、金融危機によりリスクマネーの供給が大幅に落ち込んでいます。このため、株式会社産業革新機構を通じ、このような事業活動に対しての出資等の支援を行う体制を整備します。

 第四に、中小企業の事業再生支援を強化します。

 経済状況が著しく悪化する中、雇用を初め地域経済を支える中小企業の再生は重要な課題であります。このため、財務状況が悪化している中小企業が、将来性のある事業を他の事業者に引き継ぎつつ再生する計画の認定制度を創設します。認定を受けた中小企業に対しては、営業に必要な許認可の継承や資金供給の円滑化のための措置を講じます。あわせて、中小企業再生支援協議会による支援体制を強化します。

 次に、鉱工業技術研究組合法及び産業技術力強化法の一部改正であります。

 第一に、技術が高度化、複雑化する中、鉱工業技術の分野に限らず、サービスを含む産業技術分野全般において、企業同士で協調して効率のよい研究開発と実用化を行う必要があります。このため、鉱工業技術研究組合法の技術範囲の拡大を行うとともに、技術研究組合の株式会社への組織変更を円滑にする措置等を講じます。

 第二に、産業技術総合研究所等による企業の研究開発の支援を充実するため、企業等との共同研究成果を産業技術総合研究所等が継承した場合の特許料の特例措置などの所要の措置を講じます。

 以上が、我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。

 以上です。(拍手)

     ――――◇―――――

 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。三谷光男君。

    〔三谷光男君登壇〕

三谷光男君 民主党の三谷光男です。

 民主党・無所属クラブを代表して、議題となりました産業活力再生特別措置法等改正案について質問します。(拍手)

 我が国経済は今、深刻な不況下にあります。今三月期末決算では、規模の大小を問わず、業種を問わず、企業の業績は大幅な損益赤字が続出する見通しになっています。残念ながら、今の不況がどこまで落ち込むのか、どこまで続くのか、見通せません。

 こうした危機的状況の中、本改正案では、危機に対応する緊急支援や企業の収益向上に資する措置、企業再生に資する措置など、景気対策のためのさまざまな措置が盛り込まれています。また、中長期的視点から、今後新たな成長を実現し得る産業構造の転換を図るための施策もあわせて盛り込まれています。

 本改正案では、日本政策投資銀行など指定金融機関が支援先企業の再生のために出資を行った場合、日本政策金融公庫が保証を付し、出資先の企業が倒産した場合には同公庫が損失の一部を補てんする措置を導入することとしています。

 これは、直接ではないにせよ、事実上、一般事業会社に対し、公的資金による資本注入を行うことにほかなりません。金融機能強化法のように、貸し渋りを防ぐために金融機関に公的資金を注入する場合とは異なり、一般事業会社への出資につき公的資金を活用する保証は、まさに異例の措置です。

 本来助かるはずの有力企業が一時的な資金繰りの悪化により破綻することになれば、地域経済や雇用、場合によっては経済全体に大きな影響を与えます。今、未曾有の不況のさなかにありますので、可能な限りの手だてを尽くして助けなければなりません。しかし、その基本は融資に係る支援のはずです。なぜ融資ではなく出資の形で公的支援を行うのか、だれもが納得できる理由が必要です。経済産業大臣、だれもが納得できる理由をお答えください。

 加えて、この措置につき、本改正案では、法文には、日本政策金融公庫が指定金融機関の認定企業への出資につき、損失補てんを行うことができるとしか定められていません。損失補てんとはいえ、一般事業会社の資本に公的資金を活用する異例の措置に係ることです。なし崩し的に公的資金が資本注入に使われることがあってはなりません。どのような場合にどのように使うか、法文に定める必要があるのではないでしょうか。なぜ定めないのか、経済産業大臣、お答えください。

 また、支援先企業の決定に当たって、だれがどのような方法で決めるのか、その基準も選定プロセスも明らかにされていません。所管大臣も複数になります。きっと、出資を行う指定金融機関、日本政策投資銀行もその決定にかかわるのでしょう。あるいは、日本政策投資銀行が決めるのでしょうか。

 また、損失の補てんの割合は、五〇%から八〇%で調整中とあいまいです。損失補てんはどのように行われるのでしょうか。出資に係る損失補てんの限度額は、融資に係る分と合わせ約一兆五千億円です。どの程度の出資規模で、どれくらいの支援件数を想定しておられるのでしょうか。特に、本措置の場合、公布即施行となっています。今、既に年度末です。本改正法成立後は、即対処の話となります。

 以上、申し述べてきた本措置についての疑問につき、経済産業大臣から明快な説明、答弁を求めます。

 今申し上げた措置の指定金融機関には、日本政策投資銀行が想定されています。また、危機対応業務として、中堅・大企業への長期低利融資、CP買い取りなど、資金繰り対策においても、指定金融機関に日本政策投資銀行や商工中金がなっています。

 与謝野財務大臣が、三月十日、参議院予算委員会での西田昌司議員との質疑において、商工中金や日本政策投資銀行の民営化を引き合いに出し、政策金融改革について、不況の深刻なものは来ないということを前提にした制度論であって、これは間違いであったと私は思っているという発言がありました。後日、質疑の中で、行き届かなかった、不十分であったと発言を修正されましたが、趣旨は同じことだと考えます。

 本法案にも関係があります。危機対応業務として、中堅・大企業への資金繰り対策などが行われています。日本政策投資銀行や商工中金が指定金融機関になっています。メガバンクなど一般民間金融機関で指定金融機関に手を挙げてくれるところはありません。日本政策投資銀行も商工中金も、昨年十月に民営化され、今、移行期です。移行期だから指定金融機関になってもらうことが担保されます。完全民営化後は担保されません。

 与謝野大臣が、深刻な不況が来ないことを前提にした制度論は間違いであると言われた発言は、私は全くそのとおりであると考えます。

 改めて、与謝野財務大臣、二階経済産業大臣に伺います。

 日本政策投資銀行並びに商工中金の完全民営化につき、見直しをされる考えがありますか、ありませんか。明快な答弁を求めます。また、どのように見直しを考えていくかということもあわせ、お考えを聞かせてください。

 さて、現在の経済危機は、我が国経済の産業構造を強い経済へと変えていくチャンスだと考えなければならないのではないでしょうか。新たなリーディング産業を育てる、あるいは新産業を創出する国家戦略を描き、産業の構造転換を促すことで、我が国経済の競争力を高めることが必要です。中でも、イノベーションの促進により新産業の創出を図ることが重要です。

 本改正案には、株式会社産業革新機構の創設が盛り込まれています。官民共同のファンドにより、埋もれた技術などの経営資源を生かして新たな付加価値を生み出すオープンイノベーションへの取り組みに対し、長期リスクマネーやシードマネーを供給する仕組みです。バイオベンチャーやエレクトロニクス関連技術の結合など、さまざまな形で有用な投資が考えられます。成長の芽を育て、開花させ、成長性の高い市場を獲得するために、大事な試みだと考えます。

 機構の設立に当たっては、国は財政投融資特別会計から四百億円の出資を予定しています。国内外から民間出資も募るとされていますが、現下の状況で、民間出資が容易に集まらないことは明白です。民間出資ではできないあるいは乏しいから、国の戦略として同機構をつくって投資を行うのでしょう。四百億円の出資というのは、余りに小さ過ぎませんか。いかほどのことができるのでしょうか。

 これは、消えてなくなるお金ではありません。天下の愚策と言われた定額給付金に真水で総額二兆円が投じられ、将来の国の富を、新たな雇用を生み出し得る有用な試みに、どうして四百億円の出資しかできないのでしょうか。経済産業大臣、よくお考えください。

 複数年度での出資を考えているとも聞きます。民間出資も合わせ、どれほどの出資規模を考えておられるのでしょうか。また、どれほどの投資件数を想定しておられるのでしょうか。そして、例えばこのケースでは、このような形で、これくらいの金額を想定していると、具体的なケースを交えて御説明ください。

 また、産業革新機構は、民間の実績ある人材、ノウハウを積極的に活用し、民間主導の運営を行うとされています。一番の問題は人材です。我が国には、眠っている有用なシーズを実用化する目ききのできるプロデュース能力のある人材が不足しています。こうした人材の確保について、また育成について、どのように考えておられるのでしょうか、経済産業大臣のお考えを聞かせてください。

 また、本改正案には、中小企業の事業再生について、第二会社方式による再生支援や中小企業再生支援協議会の機能強化など、さまざまな支援措置が盛り込まれています。

 中小企業の再生支援に当たって、ここでも一番の問題は、事業再生に当たる専門人材が圧倒的に不足していることです。中小企業の経営強化や事業再生へのニーズは高まっているのに、強化、再生に当たる人材がいないのです。

 一方、中小企業側からは、系列の外に、中でも販路を海外に求めて拡大していく際に助けてほしいというニーズが高まっています。

 中小企業の経営強化に寄与する人材の育成、確保、そして中小企業の海外事業活動の推進、支援について、本法に規定する中小企業再生支援指針の中に定め、強力にその対策、支援を進めていく必要があると考えますが、経済産業大臣はいかがお考えでしょうか、お考えを聞かせてください。

 さらに、本改正案では、資源生産性の向上に取り組む事業者等に対する税制等の支援措置を導入することとしています。省エネ、省資源は一層取り組むべき課題です。大変好ましい支援措置だと考えています。

 今、米オバマ政権を初め先進各国は、景気対策として相次いでグリーン・ニューディール政策を打ち出しています。もともと、省エネ・環境分野は、我が国に技術的優位性があります。温暖化防止の観点からはもちろんのこと、内需主導の強い経済へと変えていく観点からも最重点に取り組むべき課題と考えます。

 政府は、先般、太陽光発電の新たな買い取り制度の導入を発表しました。世界一の奪還をという威勢のよい言葉とは裏腹に、余剰電力のみを固定価格で買い取るこの新制度では、太陽光発電の飛躍的な普及は進みませんし、新たな需要を生み出す十分な効果はありません。

 民主党は、この太陽光発電を初めとした新エネルギーの導入、普及に係る野心的施策も含め、高い志のもと、内需の拡大や雇用の拡大に資する環境ニューディール政策を打ち出してまいります。

 政府も、今、日本版グリーン・ニューディール政策を検討中と聞きます。どのような施策を考えておられるのでしょうか。環境大臣、お答えください。

 最後に、本改正案だけでも景気対策のためのさまざまな措置が盛り込まれています。それはそれで結構なことだと考えます。しかしながら、現下の未曾有の不況から脱するためには、ねらいを絞って、実効性のある施策を、資源を集中して、大胆に実行していくことが必要です。同じ程度に、あれもやります、これもやりますのちょこまか施策ばかりでは、不況脱却の道筋は開けません。

 今もさらなる追加対策の議論が行われていますが、今の政府・与党では、これまでと同様の施策の羅列が繰り返されることは必定です。むしろ、今の景気をいかにして立て直すかを、与党も、民主党初め野党も、お互いその施策を明らかにし、政権公約の柱に据え、選挙で競い合って、国民からの負託を受けた政権がその公約、施策を強力かつ誠実に実行していくことが、今のこの未曾有の不況から脱却する唯一の道筋だと確信します。

 景気の立て直しをいかに行うか、だれが担うか、早期に衆議院を解散し、国民に信を問うよう麻生総理に強く要請し、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣二階俊博君登壇〕

国務大臣(二階俊博君) 三谷議員にお答えをいたします。

 最初に、出資円滑化のための損失補てん制度において、融資ではなく出資の形で支援を行う理由についてお尋ねがありました。

 世界的な金融危機の影響により、中小企業のみならず、今や中堅・大企業についても資金繰りが厳しさを増しています。政府としては、政策投資銀行や商工中金を通じた総額三兆円規模の低利融資等の対策を講じています。

 しかしながら、今回の危機の影響により、金融機関から融資を受けることが難しい状態にまで自己資本が減少する企業が生ずるおそれがあり、このような企業には、融資以外の方法による資金供給で支援をしなければ効果的とは言えません。

 このため、一定の基準を満たす企業に対し、指定された民間金融機関が行う出資について、仮に損失が生じた場合には、日本政策金融公庫がその一部を補てんすることができる制度を本法案により定めようとしております。

 なお、この損失補てんの制度は、本制度の直接の対象となる企業のほか、当該企業の取引先となっている多くの中小企業にも効果をもたらすことになると考えております。

 次に、出資円滑化のための損失補てん制度の利用要件を法定すべきとの御指摘がありました。

 本法案の出資円滑化のための損失補てん制度の対象となる企業の要件については、詳細は検討中でありますが、その制度趣旨を踏まえた限定的なものとする考えであります。

 具体的には、例えば、世界的な金融危機の影響により、急激に売り上げ等が悪化し、融資だけではなく出資が不可欠であること、一定期間のうちに価値向上が見込まれる事業計画を有すること、雇用規模が大きい企業、またこうした企業に代替困難な基幹部品を供給している企業など、国民経済に及ぼす影響が大きいこと、他の民間金融機関が協調して融資等を行う予定があることといった要件をすべて満たす場合を対象とすることを考えています。

 このような制度利用の要件については、本法案に具体的に規定してはおりませんが、現行の産活法や日本政策金融公庫法と同様に、法律に根拠を持つ大臣告示等において明確に定める予定であります。

 次に、出資円滑化のための損失補てん制度の対象企業の決定方法、損失補てんの割合及び出資規模、件数についてのお尋ねがありました。

 ただいま申し上げたとおり、法律に根拠を持つ大臣告示等で定める一定の要件を満たす企業について日本政策金融公庫が損失補てんを付することができるようになりますが、その損失補てんを前提として出資を行うか否かについて、最終的に、指定された民間金融機関が判断することとなります。

 損失補てんの割合については、具体的には危機対応業務の関係省庁と調整中でありますが、既に危機対応業務の融資に適用されている損害担保契約の基準も参考に、五〇%を基本としつつ、特に必要と認められる場合には、原則として最大八〇%とする考えであります。

 出資円滑化のための損失補てん制度の規模や件数については、どのような案件が持ち込まれるか次第でありますが、現時点では明確に申し上げることは困難であります。対象企業が一定の要件を満たす企業に限定されることや指定金融機関の財務基盤等を勘案すれば、おのずと規模や件数は限定されるものと考えております。

 次に、商工中金の完全民営化見直しについての御質問がありました。

 私は、民営化議論について、災害や貸し渋りなど、いざというときには国の政策的要請にきちんとこたえることのできるようにしなければならないと、再三この主張を繰り返してまいりました。昨年十月一日、株式会社商工中金として開業を開始するに当たり、現下の厳しい状況下でこそ中小企業のための金融機関としてその責務を十全に果たすことが必要である旨、私から申し上げたところであります。

 商工中金については、新体制のもとで、こうした使命を果たす一環として危機対応業務が定められておりますが、昨今の状況を踏まえ、一月末から危機対応業務を本格化させ、既に二千億円を超える実績を上げるなど、中小・中堅企業に対する政府の資金繰りの対策の一翼を担っています。現時点では、完全民営化の方針を云々するのではなくて、まずは危機対応業務の運営に全力を挙げて、借り手の立場に立った対応を行うことが何よりも重要であると考えております。

 次に、産業革新機構への出資規模についてのお尋ねがありました。

 産業革新機構への政府出資金につきましては、御指摘のとおり、平成二十一年度の予算案において四百億円計上しております。全体の出資規模としては、複数年で、民間出資と合わせて二千億円程度を想定しております。

 投資件数や投資額は、機構の創設後に検討される具体的な案件次第であり、現時点において確定的なことを申し上げることはできません。しかしながら、一般的に、民間投資ファンドにおいて、事業化の初期段階で数億円程度、事業の成長段階では数十億円程度、事業の再編段階では数百億円程度というのが平均的な規模の相場観だと承知しており、機構の出資についても、それに沿うものとなると考えております。

 次に、産業革新機構における目きき人材の確保、育成についてお尋ねがありました。

 産業革新機構においては、有望なシーズの目きき、いわゆる具体的な投資判断、投資後の経営支援などを行うに当たって、実績のある民間人材が活用されていくことになるものと考えております。

 機構は、株式会社といえども、オープンイノベーションを通じて我が国経済の将来の発展に資する事業に資金供給等を行うという公的色彩の強い業務を担っており、実績がある民間人材の中にもこうした業務に関心を持つ方はおられると考えております。また、可能な限り民間の類似機関に近い待遇が用意されることなどによって、すぐれた人材が確保されるものと考えております。

 こうした確保された人材を中心に、現場での経験が積み重ねられ、今後の機構の業務を担う人材が育成されていくことを期待いたしております。

 最後に、中小企業再生支援指針に人材育成や海外事業活動の推進を加えるべきとの御指摘がありました。

 議員御指摘のとおり、中小・小規模企業が、現下の危機を脱して再生を図り、将来の成長を確かなものとしていくためには、人材育成や海外事業活動に取り組むことは極めて重要な課題であると認識しております。

 改正産活法案を国会で御承認いただければ、速やかに中小企業再生支援指針を改定することとし、その中で、中小企業の人材育成や海外事業活動に対する支援についても新たに盛り込みたいと考えています。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕

国務大臣(与謝野馨君) 三谷議員の御質問にお答えします。

 日本政策投資銀行の完全民営化についてのお尋ねがありました。

 現在の厳しい金融情勢に対処するため、日本政策投資銀行や商工中金の危機対応業務を含め各般の政策金融を活用した対策を実施しているところでありまして、引き続き企業の資金繰り対策には万全の措置を講じてまいりたいと存じます。

 ただ、政策金融の制度改革を行った際には、現在のような経済危機、世界同時不況を十分には想定しておりませんでした。政策金融のあり方については、さまざまな御意見があることは承知しており、今後とも各方面の御意見をよく伺ってまいりたいと存じます。(拍手)

    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

国務大臣(斉藤鉄夫君) 三谷議員は日本版グリーン・ニューディールという言葉をお使いになりましたけれども、我々は、緑の経済と社会の変革という言葉を使っております。

 緑の経済と社会の変革とは、環境を切り口とした経済社会構造の変革を通じて、あるべき日本の姿を提示し、活力ある日本を取り戻そうとするものでございます。

 その内容は、低炭素社会のみならず、自然共生それから循環型社会の実現にも資する幅広いものにしたいと考えており、再生可能エネルギーの拡大についてもその大きな柱の一つとなります。

 小中学校を初めとする公的施設への太陽光発電パネルの導入やエコポイントを活用した省エネ家電の買いかえ促進など、我が国が世界最高水準の技術を持つ環境分野への戦略的な投資を経済成長や雇用創出につなげていくべく、環境先進国としてふさわしい大胆な政策を打ち出したいと考えております。

 関係省庁ともよく連携しながら、政府全体の成長戦略と整合のとれたものとし、できる限り早く取りまとめるべく検討を進めております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 吉井英勝君。

    〔吉井英勝君登壇〕

吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、産業活力再生法等の一部改正案について質問いたします。(拍手)

 最初にお尋ねいたしますが、この法案提出の背景にある世界経済金融危機は、どこに原因があったのでしょうか。日本は金融危機の被害者であるだけなのでしょうか。

 第二回金融サミットに向け、改めて、今般の世界金融危機を引き起こしたのはだれなのかが問われています。それは、インチキな証券化商品を世界じゅうにばらまいたウォール街や欧米の巨大複合金融機関とヘッジファンドであり、投機マネーと信用バブルを膨張させてきたアメリカ政府とIMFではありませんか。

 日本政府と日銀は、米国の金融政策に追従し、超低金利の資金を巨大金融機関に供給し続けてきました。日本政府は、被害者ではなく、いわば共犯関係にあるのではありませんか。明快にお答えをいただきたい。

 以下、法案について質問します。

 第一は、産活法が貧困と格差をもたらしたことについてであります。

 そもそも産活法の目的は、企業の選択と集中、リストラを支援し、人、物、金の三つの過剰を解消し、株主資本利益率、ROE等の向上を目指す株主配当優先の米国型経営を推進することで経済全体の再生につなげるというものです。我が党は、法制定時以来一貫して、経済再生どころか、大量失業と地域の疲弊をもたらすと指摘してきました。

 政府は、産活法の成果を、リストラの進捗や小泉構造改革の進展により企業は筋肉質になったと評価しましたが、二〇〇二年春以降、大企業は史上空前の利益を上げ、株主配当は三倍になったにもかかわらず、労働者の賃金は下がり続けました。家計、個人消費にその恩恵は全く及ばないまま、大不況に突入しました。

 産活法制定時に通産大臣であった与謝野大臣は、リストラは経済全体では合成の誤謬を生むと発言されましたが、まさに大臣の発言どおりになりました。産活法の目的である株主価値向上とリストラ支援とは、根本的に矛盾するのではありませんか。明確な答弁を求めます。

 また、派遣労働の原則自由化など、構造改革を提起したときの経済戦略会議座長であった学者は、最近、構造改革は今日の貧困と格差の急速な拡大をもたらしたとして、ざんげの書を出しました。与謝野、二階両大臣に反省はありませんか。答弁を求めます。

 今、金融危機を奇貨として、自動車、電機などの大企業は空前の大リストラを実行しています。外需依存と輸出偏重を進めた拡大路線の失敗を、労働者や下請中小企業に一方的に押しつけることは許されません。大企業に対して、蓄積した莫大な内部留保を活用することでリストラ、人減らしをやめさせるよう我が党は求めてきました。政府はその検討を約束しましたが、どのような働きかけを行ってきたのか、両大臣に伺います。

 第二は、一般事業会社に対する政策金融機関による公的資本の注入、損失補てんについてであります。

 法案では、どういう企業が出資の対象となるのか、出資と損失割合の判断基準は何なのか、全く明らかでありません。そもそも、資本注入までして公的に救済される企業の公益性とはどのようなものなのか、際限ない財政負担を招かない歯どめはあるのか、明確な答弁を求めます。

 三月十日、与謝野大臣は、民営化した政策金融改革は間違いであったと明言されました。その民営機関に危機対応業務をゆだねることに根本的な疑問を禁じ得ません。両大臣の答弁を求めます。

 法案には、出資先企業の経営責任、株主責任についての言及がありません。融資とは違い、出資の場合には、受け入れ企業にその返済義務はなく、資金使途も限定されません。公的に出資しながら、その使途について何の監視もしないのですか。

 アメリカ議会とオバマ大統領は、公的資本を注入したAIGが幹部役員に支給した高額ボーナスに対する米国民の批判を受け、没収を検討しています。一方、既に政投銀から五百億円もの融資を受けている日産自動車の役員報酬は、一人平均三億五千七百六十六万円で、業界でも突出しています。カルロス・ゴーン会長の報酬は推定十億円とも言われています。

議長(河野洋平君) 吉井君、申し合わせの時間が過ぎました。なるべく簡単に願います。

吉井英勝君(続) 出資先企業の役員報酬を公開し、制限しますか。また、出資先企業の政治献金について放置するのですか。両大臣の答弁を求めます。

 第三に、産業革新機構についてです。

 機構は産業再生機構の組織を準用したと言いながら、支援決定先の公表規定が盛り込まれていません。情報公開を後退させた理由は何なのか。また、機構の発起人、役員、幹部の人選基準は何なのか。政府、経産省に白紙委任しろというのですか。伺います。

議長(河野洋平君) なるべく簡単に願います。

吉井英勝君(続) かつて基盤技術研究センターは、国費三千億円近くを投入しながら、その九六%を回収できずに大破綻しました。機構がその二の舞にならないという保証はありますか。

 以上について、国会が責任の持てる、納得のいく答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕

国務大臣(与謝野馨君) 吉井議員の御質問にお答えします。

 今般の世界金融危機の原因についてのお尋ねがありました。

 今般の世界的な金融危機は、証券化商品に代表される新しいビジネスモデルが拡大していく中で、市場参加者がそのリスクを適切に管理できず、金融市場が深刻な混乱に陥ったものであります。また、幾つかの先進国においては、規制当局も金融技術革新の速度についていけず、混乱が一層深まったものと認識をしております。

 次に、低金利政策及び過剰流動性のお尋ねがありました。

 日本銀行は、バブル崩壊後のデフレという極めて厳しい経済物価情勢に対応するため、御指摘の金融政策を講じたものと考えております。

 なお、金利水準が投資行動、市場の流動性等にどのような影響を及ぼすかについては、国内外の経済や金融市場の動向によって、さまざまな面が考えられるところであります。

 次に、産業活力再生特別措置法の目的と雇用についてのお尋ねがありました。

 産業活力再生特別措置法は、雇用の安定等に配慮しつつ、事業の選択と集中により企業の体質を強化し、経済の再生を図ろうとするものであり、この目的は現在でも意義あることと考えております。

 しかしながら、ここ数年の状況を見ますと、配当や社内留保が増加する一方、人件費は横ばいで推移しております。また、雇用情勢は急速に悪化しつつあります。

 企業は株主だけのものではないとの認識が重要であり、雇用の安定等に十分配慮した上で、企業体質の強化に取り組んでいただきたいと考えております。

 次に、構造改革に対する認識についてのお尋ねがありました。

 議員御指摘の著書の趣旨は、日本の社会風土など、人間的な要素を考えないといけないという御主張であろうと受けとめております。私としては、市場原理主義的な考え方を無批判に採用するのではなく、弱い立場の人々にも目を向けなくてはならないと考えております。

 次に、雇用の維持確保に向けた働きかけについてのお尋ねがありました。

 雇用の安定は社会の安定の基盤であり、政労使が一体となって雇用の安定に向けた取り組みを行うことが必要であります。このため、昨日、雇用維持の一層の推進等を内容とする雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意が取りまとめられたところであります。

 次に、政策金融機関の危機対応業務についてお尋ねがありました。

 今回の制度は、金融危機の影響があると認められる間に限り、産業活力再生特別措置法の認定を受けようとする企業のうち一定の要件を満たすものに限定して、民間金融機関が行う出資について生じる損失の一部を日本政策金融公庫が補てんする制度であると承知をしております。

 これは、世界的な金融危機の影響により、一時的に自己資本が減少するおそれのある企業への出資の円滑化を図ることにより、現下の金融危機に適切に対処するものであります。

 なお、政策金融の制度改革を行った際には、現在のような経済危機、世界同時不況を十分には想定しておりませんでした。政策金融のあり方については、さまざまな御意見があることは十分承知しております。

 次に、出資先企業の役員報酬についてのお尋ねがございました。

 産活法の改正案は、雇用規模が大きい等の一定の要件を満たす企業に対して民間金融機関が行う出資を円滑化するため、日本政策金融公庫が損失の一部を補てんする制度を設けるものと承知をしております。

 対象企業が本制度を活用する際には、雇用規模等の要件に加え、一定期間のうちに当該企業の価値の向上が見込まれる事業計画を有していること等を事業所管大臣が確認した上で産活法の計画認定を行うことになるものと承知をしております。

 本制度は、一定期間後に価値向上が見込まれるものの、金融危機により一時的に経営状況が悪化した企業の資金繰り対策として講じるものであり、役員報酬のあり方を含め、直接経営に関与することは基本的には想定しておりません。

 また、出資先企業の政治献金についての御質問がございましたが、これについては、政治資金規正法の問題でもあり、まずは政党間の議論にゆだねるべきと考えております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣二階俊博君登壇〕

国務大臣(二階俊博君) 吉井議員にお答え申し上げます。

 最初に、構造改革の反省点についてのお尋ねがありました。

 私自身、小泉内閣の一員として構造改革にいささか取り組んでまいりました。その立場から、構造改革の成果を論評することについては慎重でありたいと考えております。

 現在、この構造改革によって格差拡大や地方経済の疲弊といったひずみが生じているとの声も聞こえてまいります。しかし、そのすべてが構造改革によるものだとは考えてはおりません。

 つまり、構造改革は、不良債権処理を初め、バブル崩壊後の長い低迷から脱却する上で一定の役割を果たしてまいりました。構造改革に光と影の両面があるとするならば、その両面を見た上で評価することが必要であります。

 派遣労働の自由化についても、景気拡大期に雇用の受け皿を広げ、失業率を低く抑えることに貢献してまいりました。人材確保が困難な中小・中堅企業が必要な労働力を確保することに役立ったなど、一定の役割を果たしてきた面があります。

 したがって、私は、これまでの改革を否定するのではなく、今の時代に対応した形にするために、必要な部分を見直しながら、我が国の将来が明るくなるように取り組んでいくことが重要だと考えております。

 次に、内部留保を活用した雇用の安定についてのお尋ねがありました。

 企業の内部留保は、企業の存続、長期的な発展、中長期的な雇用の創出等を実現する上で重要であり、その活用は、各企業の経営判断として行うべきものであります。

 一方で、現時点での雇用の維持確保を図ることも重要であり、我が国企業が人を大切にして強くなってきたことを忘れてはなりません。各企業は、人の重要性にかんがみ、状況に応じて最大限の努力をし、最善の経営判断をしていただきたいと考えております。

 こうした考えから、私自身も、雇用の安定等について、百六十一の経済産業省所管の業界団体等に対して、加盟企業に周知徹底を図るよう要請を行ってまいりました。

 昨日開催されました政労使会合においても、経営側は、雇用の安定が企業の社会的責任であることを十分に認識し、その維持に最大限の努力を行うことなどが合意されたところであります。

 今後、この合意に基づき、政労使一体となって雇用の安定に努めてまいりたいと思います。

 次に、出資円滑化のための損失補てん制度の対象企業の要件や財源負担を抑制するための措置についてのお尋ねがありました。

 本制度の対象となる企業の要件については、詳細は検討中でありますが、その制度の趣旨を踏まえた限定的なものにする考えであります。

 具体的には、例えば、世界的な金融危機の影響により、急激に売り上げ等が悪化し、融資だけではなく出資が不可欠であること、一定期間のうちに価値向上が見込まれる事業計画を有すること、雇用規模が大きい企業、またこうした企業に代替困難な基幹部品を供給している企業など、国民経済に及ぼす影響が大きいこと、他の民間金融機関が協調して融資等を行う予定があることといった要件をすべて満たす場合を対象とすることを考えております。

 このような本制度の対象企業は、一定の要件を満たす企業に限定されることに加え、民間の指定金融機関による適切な金融審査が行われるよう、損失補てんは、出資の一定割合に対してのみ行うこと、一定の補償料を徴求することなどの制度設計を行うことにより、財源負担を可能な限り抑制するよう本制度を運用してまいります。

 次に、政策金融改革と今般の出資円滑化のための損失補てん制度の関係についてお尋ねがありました。

 政策金融改革においては、日本政策投資銀行等の民営化を進めつつも、金融危機等の場合には、これらの機関が果たしてきた政策金融機能が適切に実施され、企業の資金繰りが円滑化されるよう、危機対応制度が設けられています。

 今般の出資円滑化のための損失補てん制度は、世界的な金融危機の影響により、融資を受けることが難しい状態にまで自己資本が減少する企業が生じ、そうした事態を放置することによって国民経済の成長や発展に大きな影響が及ぶことがないよう、危機対応制度の特例として設けるものであります。

 したがって、本制度は政策金融改革の方向にも沿ったものであると認識をしております。

 次に、民間の指定金融機関が出資した企業の資金使途に対する国の監視についてのお尋ねがありました。

 今回、本制度の対象となる企業は、産活法の認定企業であるために、産活法に基づき、定期的に報告徴収を行うなどの措置を通じて、当該企業の事業計画の実施状況について主務大臣が適切に確認することとなります。

 なお、本制度は、金融機能強化法と異なり、企業に直接公的資金を注入するものでないために、国が株主として当該企業の経営を監視する性格のものではありません。

 次に、民間の指定金融機関の出資先企業の役員報酬や政治献金のあり方についてお尋ねがありました。

 先ほど申し上げましたとおり、本制度は、金融機能強化法と異なり、企業に直接公的資金を注入するものでないため、国が株主として当該企業の経営を監視する性格のものではありません。

 また、本制度は、一定期間後に価値向上が見込まれるものの、金融危機により一時的に経営状況が悪化した企業のあくまでも資金繰り対策として講じるものであり、役員報酬や政治献金のあり方を含め、当該企業の経営に直接関与することは想定しておりません。

 次に、産業革新機構の情報公開、人選についてのお尋ねがありました。

 産業革新機構は、我が国経済の将来の芽となる事業活動に対し出資等を行う組織であり、債権者に対し債権放棄を求めた産業再生機構とは機能が異なります。そのため、出融資の機能を中心とする政策金融公庫に倣って、機構の出資等の相手を公表する規定は盛り込んでおりません。

 経済産業省としては、機構において、個別企業の情報の取り扱いに配慮しつつ、積極的な情報公開が行われるようにしてまいります。

 発起人による機構の設立及び取締役等の選解任については、経済産業大臣の認可を定めております。これらの認可に当たっては、法の趣旨に照らして適切に業務を執行する体制が確保されているか、取締役等が業務を的確に遂行する上で必要となる投資等に対する高度な専門性を有しているか等を確認してまいります。

 最後に、基盤技術研究促進センターと産業革新機構の違いについてお尋ねがありました。

 昭和六十年に特別認可法人として設立された基盤技術研究促進センターは試験研究を促進することを目的としていたのに対し、産業革新機構は、試験研究の成果を踏まえた技術やノウハウの事業化プロセスに対して資金供給を行うことを目的としています。

 また、組織形態については、基盤技術研究促進センターが特別認可法人だったのに対し、産業革新機構では、営利性を持たせることによって民間活力を最大限に活用し、投資の収益性を確保できるよう、株式会社形態を採用しています。

 こうしたことを通じ、産業革新機構では、財政資金を損なうことなく、我が国における将来の成長の芽となる事業活動の支援を図ることができると考えております。

 以上です。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣  鳩山 邦夫君

       財務大臣

       国務大臣  与謝野 馨君

       文部科学大臣  塩谷  立君

       農林水産大臣  石破  茂君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       環境大臣  斉藤 鉄夫君

       国務大臣  河村 建夫君

       国務大臣  佐藤  勉君

 出席副大臣

       経済産業副大臣  高市 早苗君


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