衆議院

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第5号 平成21年11月19日(木曜日)

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平成二十一年十一月十九日(木曜日)

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  平成二十一年十一月十九日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案(竹本直一君外二名提出)

 議院運営委員長松本剛明君解任決議案(逢沢一郎君外一名提出)


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    午後九時十八分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 竹本直一君外二名提出、財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案(竹本直一君外二名提出)

議長(横路孝弘君) 財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。田中和徳君。

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 財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔田中和徳君登壇〕

田中和徳君 私は、自由民主党の田中和徳であります。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました財務金融委員長玄葉光一郎君の解任決議案について、その提案の理由を御説明いたします。(拍手)

 まず冒頭、趣旨弁明に先立ちまして、一言申し上げたいと存じます。

 私は、先日まで直前の財務金融委員長を務めていた立場であり、この歴史ある国会において大変な重責を担う委員長を糾弾する演説をしなければならなくなったことを、極めて残念に、かつ遺憾に存じます。

 我々自由民主党は、長きにわたり、与党として、与野党や会派の大小にかかわらず、粘り強く合意形成の努力をしつつ、議会運営に対処してまいりました。これは、我が党が、自由活発な議論を重要に考え、また、法案を採決するまでのプロセスにこそ民主主義の真髄があるという信念のもとに国会運営を行ってきたからであります。

 与野党が一致しなかった案件に関しても、昼夜を分かたず野党の皆さんに丁寧に呼びかけ、最後の最後まで、よき結論を得るための最善の努力を尽くしてまいりました。民主党を初めとした現在の連立与党の皆さんも野党時代は我々の呼びかけに応じていただき、与野党が協力のもと、国民のために、国のためにと、さまざまな議案を成立させることができたのであります。

 その民主党を初めとした今の連立与党が、与野党逆転後のこの国会において、突然に、これまでの主張を翻し、議会制民主主義の根幹を忘れたかのような強硬な国会運営を始めたことを、私は、驚きとともに、この裏切られた行為が、いまだに信じられない思いであります。

 私は、民主党を初め与党の皆さんに猛省を促すとともに、この数の力がすべてを支配しようとするこの国会を、一刻も早く本来のあるべき姿に正常化できるよう、力の限り演説をさせていただく所存であります。

 それでは、まず、案文を朗読いたします。

  本院は、財務金融委員長玄葉光一郎君を解任する。

   右決議する。

 以下、その理由を申し述べます。

 解任の第一の理由として、玄葉光一郎君の、そのルールを無視した強権的な委員会運営を挙げざるを得ません。

 財務金融委員長玄葉光一郎君は、今国会冒頭の十一月十一日の委員会において、「公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございます」と、その所信を述べられたばかりであります。

 今般、財務金融委員会に付託された中小企業金融円滑化法案は、中小企業の資金繰りや住宅ローンの負担軽減に関する法案であり、国民生活に多大な影響を与える、今国会の最重要法案と言っても過言ではありません。

 現在の我が国の経済は、GDPこそやや回復基調にあるものの、中小企業などがその回復を実感するにはほど遠く、失業率も高く、依然として国民生活が極めて厳しい状況にあることは、皆さんも周知の事実であります。

 そのような状況のもとで提出された中小企業金融円滑化法案は、当初、亀井静香金融担当大臣が構想を打ち上げてから、政府の内外を問わずさまざまな意見が寄せられ、法案審議の上からも、慎重にも慎重な取り扱いが求められていることは当然でありました。

 この法案の、まず主な問題点を挙げますと、まず第一に、政府が信用保証協会を通じて金融機関の損失の一部を肩がわりしたり、金融機関の財務が悪化した場合には公的資金を注入して支えることになりますが、いずれの場合にも、最終的な負担は国民が担うことになるという問題です。

 第二に、借り手側は、急場をしのぐことはできますが、借金を減らすことにはならず、根本的な経営改善にはつながらない可能性が高いということであります。

 第三に、返済猶予を受けることによって、かえって信用力を失うことになり、新規のニューマネーの借り入れ時に不利になるのではないかと、借り手がちゅうちょし、心配をしてしまう可能性があることです。

 また、政府が民間金融にも重大な影響を与える可能性があるため、中小企業を助ける仕組みのはずが、かえって民間全体の活力を失わせてしまうのではないかとの心配があり、さまざまな報道を通じても、しばしば目にするところでもあります。

 我々自由民主党も、苦労されている中小企業や住宅ローンの借り手の方々を支援する思いは共有しており、国会審議を通じてよりよい法案をつくっていこうと、さまざまな提案をさせていただいておりました。我々が、参考人質疑を提案し、本日は木曜日であり、委員会の定例日ではありませんが、開会に合意したのは、十分な質疑時間をかけて法案の精度を高めようという、十分な与党と野党の合意が成り立っていたからでありました。

 そもそも、参考人質疑の意義とは、私が申し上げるまでもありませんが、国会の外からのさまざまな視点を加えることによって法案等をよりよく磨き上げていくことだと言えます。

 しかし、与党は、昨日十一月十八日の理事会において、突然に約束を破り、参考人質疑の直後の採決を提案したのであります。

 参考人質疑後も参考人の意見陳述を法案に生かしつつ充実した審議を行うものと与党側との約束を信じていた我が党にとって、この非常識な提案は、与野党の信頼関係を一瞬にして失わせるに十分な事柄でありました。また、参考人質疑直後の採決では、参考人質疑の意義そのものを否定し、今後の国会審議のあり方に大きな禍根を残すことにもなりました。

 玄葉光一郎君は、委員長という良識ある国会を守るべき立場にありながら、与党幹部の理不尽な言い分に唯々諾々と従うのみで、一方的に採決日程を決めるという、憲政史上まれに見る、無気力かつ乱暴な運営に出たのであります。

 これは、今国会の冒頭に委員長本人が所信でお述べになった「円満な委員会運営」とは余りにもかけ離れたものであり、国権の最高機関である国会の権威を大きく損なわせる行為と断言せざるを得ません。

 議会に籍を置く者として、多数を背景とした独善的、強権的な今回の委員会運営は、断固として許すことのできない、恥ずべき行為であります。よりよい法案にするための努力を怠り、スピードのみを追い求めることは、議会制民主主義を破壊する行為であると、強く抗議するものであります。

 解任の第二の理由は、玄葉光一郎君は、委員長としての公平性、公正性に著しく欠けるということであります。

 今国会は、総選挙後初の本格的論戦となる国会としては異例ともいうべき遅い召集となった上に、しかも、大変短い会期を設定して始まりました。

 十月二十六日からの会期の間、国会がいわゆる不正常な状態に陥ったことはなく、主権者の大きい期待にこたえるためにも、各委員会でも十分に議論を深めようと円満な協議を進めていたところでありました。

 自由民主党も、かつての、何でも反対の理念なき野党ではなく、国民、国家に対する責任を持ち続ける建設的な野党として、いたずらに日程をおくらせるようなことは一切いたしておりません。

 しかしながら、青天のへきれきともいうべきか、与党は、昨日、突如として、数を背景とした強引な国会運営に踏み切ったのであります。

 さらに、去る十一月十二日に行われた与党国会対策委員長同士の会談でも、臨時国会に提出された法案を会期内で成立させるという方針が確認されたという報道がありました。

 この報道が事実であるとすれば、なぜ十二日というタイミングでそのような方針を出すことができたのでしょうか。この会談のとき、各委員会では、法案の趣旨説明どころか、所管大臣の就任あいさつも行われていない状況でありました。

 連立与党の民主党、社民党、国民新党の国会対策委員長は、一体、どのように審議を進めれば会期内にすべての法案を成立させることができるとお考えになったのでしょうか。そのとき脳裏にあったのが、与野党合意も、国会のよき慣例も、憲法の精神も、すべてをかなぐり捨てて、ただひたすらに一方的に採決を繰り返すというひどい方針であったことは、この財務金融委員会の今般のてんまつからもはっきりと読み取れる次第であります。

 国会法十二条にはこう述べられております。「会期の延長は、常会にあつては一回、特別会及び臨時会にあつては二回を超えてはならない。」つまり、臨時国会は二度まで延長することができることになっております。また、一月の通常国会までには、まだ一カ月以上もあります。政府・与党には、十一月三十日までの会期を延長し、中小企業金融円滑化法案を初め重要法案を真摯に議論するという選択肢がなぜないのでしょうか。

 結論を得ることのみを急ぐ今の与党の国会運営は、我が党の谷垣総裁の代表質問に対する与党第一党の民主党の鳩山総理の、「大いに国会の中で議論しようじゃありませんか」という党首の呼びかけを民主党自身が軽視していることになるのではありませんか。

 それとも、この強行的な国会運営は、鳩山総理自身が承知したものと考えてよいのでしょうか。もしそうであるならば、みずからの公的な発言を鳩山総理はいともあっさりと覆したということであり、総理が国民との契約とまで言い切ったマニフェストの実行も、極めて疑わしくなってくると言わざるを得ないのではないでしょうか。

 民主党のマニフェストと現在の政策をめぐっては、また、閣僚や民主党幹部の発言を見ると、既に首をかしげたくなる状況が随所に散見されます。

 その最大の事柄に、天下りの根絶があります。

 民主党のホームページにあるマニフェストの二ページを見ると、「鳩山政権の政権構想」という項目があります。その中の「五策」という項目に「天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する。」とあります。

 しかし、先日、議院運営委員会に提示された天下りの定義には、天下りとは、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいうと書かれておりました。

 我が党を初めとする野党が、内閣府及び厚生労働省の事務次官経験者である江利川毅氏の人事官への起用や、元大蔵事務次官齋藤次郎氏の日本郵政社長への起用について、天下りを認めたことになるのではないかとの疑問を呈しますと、何と、これらは政治主導による適材適所の再就職などと、政治主導の美名のもとに、国民との契約違反を正当化する発言をただ繰り返すのみであります。極めてけしからぬ話であります。

 つい先日までの野党時代の民主党において、党内のさまざまな立場の方々が天下りに関して発言をされています。特に、長妻厚生労働大臣は、天下り問題について、繰り返し繰り返しその問題点を指摘しておられます。

 長妻大臣は、天下りにはさまざまなケースがあると、平成二十一年二月四日の予算委員会において次のように発言をしておられます。

 もう指定席だから、中央省庁の関与がなくても、OBの間でルーチン化して、どんどん誘って、OBが数珠つなぎで天下っていくというケース。こういうケースは、全然政府は手つかずなんですよ。

 この御自身の発言と今回の政府が示した天下りの定義の間に、どのように整合性があるのでしょうか。

 さらに長妻大臣の発言を続けます。

 麻生総理、中央省庁がかかわっていない、水面下でOB同士でやられる天下りも、そういう趣旨であれば問題であるわけでありますから、ぜひ調査をしてください。

 長妻大臣は、かつて、役所がかかわっていないOB同士の天下りも大問題だという発言をこの国会の場で繰り返しておられたのであります。

 政権交代後の長妻大臣の発言も紹介しましょう。

 郵政社長人事について、この案件については、政治主導で、本当に適材適所という観点で悩みに悩んで決めた人事だと聞いておりますので、私は了解をしたわけでございます。人事官人事については、内閣としてそれを国会に提示しようということでございまして、閣僚全員と総理大臣の決断で提示をしたということでございますので、御理解をいただきたい。

 政治家の発言というのは、かくも軽くなってしまったのでしょうか。

 民主党の皆さんは、政治主導という言葉の響きに思考停止に陥ってしまったのではないでしょうか。それとも、意図的に政治主導という言葉でさまざまな矛盾点を切り抜けようとしておられるのでしょうか。

 政治主導という言葉で国民との契約を次から次へとほごにしていく。これらは、国会での議論、発言を民主党各位がいかに軽視しているかを物語るものであります。これは、このたびの強引な委員会運営を行った玄葉光一郎君にも共通しており、もはや民主党全体の体質なのではないかという思いすら浮かんできております。

 そもそも、極めて短い会期ですべての法案を成立させようという強引な国会運営の裏には、何らかのねらいが潜んでいるのではないかという疑いを持たざるを得ないのであります。

 予算委員会の質疑を通じて、我が党は、鳩山総理の政治資金問題について厳しく追及をいたしました。総理の政治資金問題は、今国会に始まったわけではなく、選挙前から数多く報道されていました。それにもかかわらず、一度の記者会見を開いたのみで、その後は検察庁の捜査への影響を理由に国民や国会への説明をことごとく怠ってきたのは、ほかならぬ鳩山総理自身であります。

 国民が鳩山総理の説明に納得していないことは世論調査などで明白であり、我が党は、事あるごとに国会の場での説明を強く求めてまいりました。しかし、まことに残念ながら、総理や民主党からは、いまだに明確な回答が得られないままになっております。

 ここで、我々の要求に対してなかなか説明に応じてくれない鳩山総理大臣にかわり、いわゆる鳩山献金疑惑について、報道内容等を簡単に紹介させていただきます。

 まず、六月十六日、朝日新聞が、鳩山総理が代表を務める資金管理団体、友愛政経懇話会の政治資金収支報告書の中に、発言は同じコジン献金でも、既に亡くなられたという方々からの献金、コジンのコの文字が違う故人献金があったことを報じ、偽装献金問題が発覚したのであります。

 次いで、六月三十日、記者会見で総理は、当時、総理の公設第一秘書であった会計実務担当者が虚偽記載したことを認め、さらに、この人物が一連の処理を単独で行い、総理にも会計責任者にも打ち明けていなかったと総理御自身が説明しておられます。

 しかし、十一月十日、我が党の西田参議院議員の予算委員会における質問で、秘書が総理の個人資産を引き出していた件について、総理自身が指示をして毎年五千万円の巨額資金を鳩山氏の資金を管理する六幸商会の口座から引き出していたことを認めました。これは、六年間で約三億円という、国民感覚からは余りにもかけ離れた額であります。生活に苦しんでいる国民の皆さんがどのように感じられたでありましょうか。

 これら一連の問題をめぐっては、あろうことか脱税疑惑まで報じられております。

 個人が政治献金をすると、総務省から所得税控除のための証明書類が発行される仕組みになっておりますが、友愛政経懇話会は、総務省へ虚偽の、うその寄附者についても所得税控除のための申請をし、多数の証明書を受けている事実が明らかになりました。

 国税庁には、当然、これらの不適正な控除の申請が記載されているはずであります。国税庁の主管大臣である財務大臣藤井裕久君が指導力を発揮され、鳩山政権への国民の疑惑を一日も早く払拭すべく、友愛政経懇話会の所得税控除に関する記録をすべて調査し、それを早く公表することを強く求めます。

 さらに、鳩山総理をめぐっては、今国会会期中には、新たに六年間で五億円もの所得隠し疑惑が発覚をいたしました。

 十一月二日付で毎日新聞が、二〇〇八年に総理が売却した株式について、七千二百二十六万円余の所得を税務申告していなかったと報じました。その後、さらに、報道機関が株式の譲渡所得の原資、売却した株式の銘柄について質問をしたところ、鳩山氏は、十一月十日、二〇〇二年から二〇〇八年の資産報告書と資産補充報告書を訂正したのであります。

 鳩山総理は、かつて、政治家の秘書が関係した問題が起きた際に、秘書の責任は議員本人の責任であるといった趣旨の発言を繰り返しておられます。今回の一連の問題に関して、総理の秘書であった会計実務者の監督者は総理御自身であり、みずからの責任をどのようにお考えなのか、総理自身の口から即刻すべてをお話をされることがよいのではないでしょうか。

 私は、すべての国民を代表して、鳩山総理が、検察の捜査に協力するとの発言を繰り返し、必死で逃げている印象を国民に与えることなく、司直の捜査に協力するのは当然のこととして、正しい勇気と友愛精神を発揮され、疑惑に関連する資料をすべて白日のもとにさらし、国会の場で説明することを、鳩山首相の人としての良心に訴えるとともに、ここに強く要求するものであります。

 十一月三十日までで臨時国会を閉じる。十一月十八日に開催することで調整されていた党首討論は延期。そして、財務金融委員会における強硬な運営。

 さらに、本日、産経新聞に、民主党小沢幹事長の巨額政治献金疑惑に関する記事が報道されました。小沢幹事長は、その政治資金の問題をめぐって代表を辞任されたわけでありますから、その当時から現在まで、みずからの疑惑に対する説明を、与党第一党のまさしく大幹部でありますから、説明すべきなのに、全く説明をしておられません。

 これらの出来事が意味することは、自分たちの通したい法案のみ会期内で成立させ、総理の政治資金問題、小沢幹事長の政治資金問題を追及される国会は早々に閉じるという御都合主義に凝り固まった国会運営であります。これは、まさに鳩山疑惑、小沢疑惑隠しの国会運営そのものと言わざるを得ません。

 この間、玄葉光一郎君は、財務金融委員長として主体的な判断をされることなく、ただ唯々諾々と与党の国会軽視の命令に従うのみでありました。言うまでもなく、委員長は、国権の最高機関である国会にあり、あくまで中立公正に委員会の運営を行うのがその職務であります。今回のように、与党の一方的な言い分に従って委員会の運営を行うだけであれば、数の力のみが言論の府を支配することになり、委員長職の権威は大きく失墜してしまうことになります。

 玄葉君には、委員長職の権威を守り、国会の権威を守るという気概が全くなく、重要法案を審議する委員長として、その職務を遂行するには不適当であり、速やかにその職を辞するべきであると考えます。

 以上の理由から、ここに、我々自由民主党・改革クラブは、財務金融委員長玄葉光一郎君の解任を強く求めるものであります。

 この国会が、民意を十分吸収する場として、あるべき姿に戻るために、良識ある議員各位の御賛同を心からお願いして、提案理由の説明といたします。(拍手)

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議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。和田隆志君。

    〔和田隆志君登壇〕

和田隆志君 民主党の和田隆志でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案について、断固反対の立場で討論いたします。(拍手)

 まず、玄葉委員長の人格が、清廉かつ温和、高潔かつ謙虚であることは、彼を知る衆目の一致するところであります。

 就任以来、一党一派に偏らず、常に中立公正な立場での委員会運営に努め、誠心誠意職務を全うされている玄葉委員長に対し理不尽きわまりない解任決議案を提出するという暴挙に出た自民党に対し、強く、厳重に抗議するものでございます。

 玄葉委員長が各時点での状況にいかに真摯に対応してきたか、国民の皆様方にも御理解いただけるよう、財務金融委員の一人として、これまでの背景と経緯を御説明したいと思います。

 我が国の経済社会が疲弊をきわめている中で総選挙が行われ、政治の変革を求める国民の怒りの一票一票が大きな山を動かし、その結果として政権交代が実現いたしました。

 新しく国民の信を得た本院において、財務金融委員会は、一刻も早く深刻な状況を改善すべく、意欲に燃えた議員によって構成され、我が国経済の命脈をつなぐ財政及び金融にかかわる案件の審議という重責を担っているわけです。

 特に、この年末を控え、中小企業の資金繰りが厳しくなっていく状況を目の当たりにしているのは、私たちだけではなく、今回提出された自民党の議員各位におかれても同じことでしょう。

 その視点に立てば、本日まで審議してきた中小企業金融円滑化法案を会期内に成立させることは国民経済に必要不可欠であり、自由民主党でも多くの議員各位がこの法案の趣旨には賛成されていると伺っております。

 民主党としては、政権党となったこの国会において、議論を尽くす与野党関係を構築しようと、鳩山総理への代表質問、また予算委員会での質疑等々、前政権時代に自民党が民主党に認められたよりも、はるかに多くの質疑時間を自民党の皆様方に認めてまいりました。

 財務金融委員会においても、玄葉委員長は、限られた日程の中では、最大限の質疑時間を、しかも、野党への配分を手厚く確保する方向の中で委員会を運営されてこられました。自由民主党からは、今になって審議時間が足りないという主張が出てくるようですが、そもそも、議論をしようと何度も呼びかけてきたにもかかわらず、審議入りそのものをおくらせようとしたのは自民党の方ではありませんか。

 また、皆様方、ごらんください。きょうのこの解任決議案の文章の中に、私は一端をかいま見たような気がいたします。

 本日の財務金融委員会の理事会、そしてそれに続く委員会も、そもそも自由民主党が与党時代に多用された強行的な委員長職権で日程を決めたものではさらさらなく、あくまで与野党の話し合いの中で円満に決めた日程でした。しかし、定刻を過ぎても自由民主党からの出席は得られませんでした。

 皆様方、この決議案を見てください。「本日行われた理事会において、慎重審議を求める野党の意見を一顧だにせず」と提案理由に書いてございますが、自由民主党からは理事会にも御出席をいただいておりません。このように、野党という言葉でごまかすようなことを続けておったのでは、そもそも慎重審議も成り立ちません。

 特に、本日は、先ほども話にあったように、私たち議員だけの審議ではなく、御多忙な中で時間を割いてお越しいただいた各界からの参考人の御意見を拝聴し、質疑させていただく、貴重な審議の機会でございました。

 こんな状況の中で、人一倍責任感の強い玄葉委員長は、充実かつ円滑な審議を経て成案を得ることにより国民の皆様方の御期待にこたえようと、最後まで、まさに全身全霊を傾けて対処されていました。参考人各位には、状況を説明され、審議の遅延をおわび申し上げながら、繰り返し繰り返し議員各位に出席を呼びかけられました。しかし、自由民主党からは、全くこれに応ずる姿勢は見られませんでした。

 このような自由民主党の党利党略に基づいた所作は、いたずらな引き延ばし以外の何物でもなく、国民生活はそっちのけとなり、国民が最大の被害者だと言わざるを得ません。

 後に玄葉委員長からは、会期末までの成立日程を考えると、これ以上は先延ばしにすることはできないので、万やむを得ず本日昼の段階での採決に踏み切ったというふうにお伺いしております。

 この経緯をお知りいただければ、国民の中に、玄葉委員長の御判断と委員会運営を支持される方々は多いとしても、非難される方はまずいないと確信する次第でございます。

 皆さん、お聞きください。国民が期待していらっしゃるのは、与野党の駆け引きではなく、真の政策議論でございます。

 以上より、本決議案を速やかに否決すること、そして、それによって速やかに言論の府としての誇りと機能を取り戻し、一刻も早く政策議論、法案審議に立ち戻ることを議員各位に訴えかけ、私の討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 徳田毅君。

    〔徳田毅君登壇〕

徳田毅君 自由民主党の徳田毅です。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました財務金融委員長玄葉光一郎君の解任決議案につき、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 鳩山総理は、今国会の冒頭で、所信表明演説で、真に国民のためとなる議論を力の限りこの国会でぶつけ合っていこうと述べ、代表質問の答弁でも、大いに国会の中で議論しようとおっしゃいました。

 その一方で、与党が今臨時国会の会期を十月二十六日から十一月三十日までの三十六日間という非常に短い会期で設定したのは、鳩山総理の故人献金疑惑や小沢民主党幹事長の西松建設からの献金問題が国会で追及されるのを隠すためではないかとも言われています。特別な理由もないのに、今週十八日の党首討論を受けなかったという昨今の与党側の対応は、これを裏づける一つの事実かもしれません。

 そもそも、政権交代を受けて初めて実質的議論がなされる今臨時国会の会期を十一月三十日までの三十六日間と設定したこと自体が誤りであったのではないでしょうか。議院運営委員会での会期についての議論を交わしていたとき、我々野党は、この非常に短い会期に耳を疑いました。なぜなら、政府・与党が今臨時国会で扱いたいとしていた法案の数が、当初提示されていた本数から、開会直前になって十二本にふえていたからです。それに加え、条約三本、承認案件二本もあります。

 国権の最高機関たる立法府がこれだけ多くの法案について責任ある結論を導き出すためには、当然、一定の審議時間が必要とされます。すなわち、必要とされるであろう一定の審議時間や、優先すべき法案の順番と、それに伴う手続をある程度見込んだ戦略が必須であるということは言うまでもありません。

 しかるに、現政権与党にあっては、それが著しく欠けていたと言わざるを得ません。

 なぜなら、各常任委員会で所信に対する質疑も行われていなかった先週末において、それまで予告もなかった中小企業金融円滑化法案を突然付託してくれと言い出し、あまつさえ、議院運営委員会での採決という、数を頼んだ一方的な強行に及んだのです。鳩山政権になって初めての本会議趣旨説明、質疑が、採決という強引な手法で、いわゆる二階建てとなったということは、憲政史上例のないことであり、十一月三十日までにすべての法案を成立させることを前提とした逆算方式で今後の国会運営を強引に行おうとする与党の思惑が見え隠れしていると言えます。

 この民主党の所業を見ると、全く場当たり的で、戦略性のかけらもなく、政権与党たる民主党の国会運営能力の欠如と慢心が露呈されたと言わざるを得ません。

 これに対し、我々は、意図的な審議時間の引き延ばしは一切しておりません。民主党が野党であったときは、党内手続が済んでいないから審議入りや採決は待ってくれというせりふが常套句でありましたが、責任野党たる自由民主党は、今回の与党による議院運営委員会での暴挙に対して、異例ではありますが、法案審査に入るための党内手続を開始し、その環境整備に努めたほどであります。

 にもかかわらず、民主党は、今臨時国会の目玉法案の一つと言われている中小企業金融円滑化法案を、委員会で、たった一日、七時間の法案質疑、そのうち野党はたった五時間のみをこなしただけで、強行採決をいたしました。我々の誠意に、政権与党たる民主党は、数を頼んだ暴挙をもって応じたのであります。このことは、国会軽視も甚だしい行いであり、真に国民のためになる議論を力の限りこの国会でぶつけ合っていこう、大いに国会の中で議論しようという鳩山総理の発言と、明らかに反しているのではありませんか。

 そもそも、就任当初の亀井金融担当大臣が、この法案の構想を発表したときには、三年間のいわゆる徳政令というふれ込みでしたが、実際に提案された法案の中身を見ると、我々自由民主党及び公明党が昨年来行ってきた連続的、一体的景気・経済・金融対策の域を超えない、わざわざ法案化しなくとも、検査マニュアル、監督指針の条件緩和やセーフティーネットの実行など、運用面で十分対応できるものばかりであります。このような、いわゆる期待外れの内容であるため、この法案は、かけ声だけで、真の金融救済策を望む方々を救う新たな内容は特に見当たりません。

 この法案の新たなメリットが見つからない反面、我々が出席したたった一日の委員会質疑を通じても、問題点が数多く浮上してきました。

 第一に、欧州諸国は、我が自民党同様に、セーフティーネットと市場経済双方を尊重し、特に、本当に困っている資金需要者には、既にセーフティーネットを備えており、その活用と責任を政府が負っております。しかしながら、この法案は、失業率が一〇%を超える米国においても、欧州諸国においても例がない、国家統制による民間金融への見えない圧力となるガラパゴス法案であること。

 第二に、国際経済金融社会における信用下落を招きかねないこと。

 第三に、借り手、貸し手双方のモラルハザードによる国民負担の増大の余地があること。

 第四に、金融機関がこの法案を厳格に遵守しようとした場合、かえって預金者、投資家の損害増加のおそれがあること。さらには、貸し渋りを助長し、中小企業へのニューマネーが滞ること。

 第五に、法案審議初日に各党から再三指摘をされた検査マニュアル、監督指針の中身と適正な運用について、いまだに法案に示されていないままであることが挙げられます。

 我々は、こうした問題点が、ひいては市場経済をゆがめて、今後の日本経済に悪影響を及ぼし、結果的に中小企業の経営をさらに悪化させるのではないかと、大きな懸念を持っております。

 厳しい年末を控えたこの時期に必要なのは、市場経済とセーフティーネットのバランスを考えた対策の実行であり、借り手、預金者、投資家を真に保護するための金融機関の健全化であります。さらに、これらの措置をも含んだ新たな総合的な経済対策を一刻も早く立案し、迅速に実施することが何よりの処方せんだと考えております。

 しかし、鳩山政権は、発足以来二カ月もたちますが、補正はがしばかりに専念するのみで、中小企業を真の意味で救うべく景気対策、経済対策に取り組もうという兆しなく、この国会を閉じようとしています。

 我々は、年末に向けた中小企業救済策のより一層の充実のために、真摯な国会審議を行うべく、与野党の相互の信頼関係を前提として、委員会運営に当たっては、三つの条件を提示いたしました。

 第一は、十分な審議時間を確保すること、第二に、広い見地から法案の内容を考えるための参考人質疑を行うこと、第三に、関連の深い経済産業委員会との連合審査を行うことであります。

 野党が、本日予定されていた定例日外の参考人質疑をあえて一たん了承したのは、この前提をこなしていくためと認識していたからであります。にもかかわらず、与党は、昨日夕刻になって、何の予告もなく、本日の参考人質疑の後の採決を主張し、これを強行しました。我々は、大きな議席を有する政権政党たる民主党にはそれに比例する大きな責任感と良識があると思っておりましたが、それは見事に裏切られました。

 定例日外の参考人質疑の後に直ちに採決を行うという暴挙は、憲政史上前代未聞であります。その与党の暴挙を容認する財務金融委員会の委員長の運営に、断固抗議し、猛省を促すものであります。

 鳩山総理と小沢幹事長の政治資金問題を隠すためと、その国会運営の不手際を糊塗するために十一月三十日までという会期を一方的に設けたこと、そして、この前提のもとで、本来中立的な立場にあるはずの財務金融委員長玄葉光一郎君が、民主党のみの主張を受け入れ、その強引な手法に加担する形で委員会運営を行ったことは、言語道断であります。

 特に、小沢幹事長に関しては、本日の産経新聞、毎日新聞の一面に、ダム工事受注の裏金として五千万を受け取っていたのではないか、青木愛衆議院議員の秘書経験者が小沢幹事長の秘書から給与の一部を寄附するように強要を受けたと証言をしているという報道が出ています。これらを隠ぺいするために与党及び委員長が一方的かつ極めて恣意的な国会、委員会運営をした結果としての強行採決は、中小企業対策のための充実した国会審議を強く望む国民のためにも、とても認めるわけにはいきません。

議長(横路孝弘君) 徳田毅君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡潔に願います。

徳田毅君(続) 与野党の枠を超えて、国民の負託を受けた一人の国会議員としての良識に従うならば、与党の中の見識ある方からも御賛同いただけるものと期待しまして、私からの玄葉光一郎君の解任決議案への賛成討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 石井啓一君。

    〔石井啓一君登壇〕

石井啓一君 公明党の石井啓一でございます。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました財務金融委員長玄葉光一郎君の解任決議案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 財務金融委員会の運営は、昨日昼までは、与野党間で円満、円滑に行われてきました。十一月十七日には、大臣所信に対する質疑が行われ、昨十八日には、中小企業金融円滑化法案の委員会趣旨説明聴取後直ちに法案審議に入るという異例な対応を野党側として承認し、七時間の審議を行ったところであります。

 そして、さらに異例な対応ではありますが、定例日ではない本日の参考人質疑についても、日程が窮屈な中で充実した審議を行うという観点から、昨日の昼の理事会で野党側としても認めたところであります。そして、野党側要求の本日午後の経済産業委員会との連合審査については、与野党筆頭理事間で協議するとしたところであります。

 したがって、野党側としては、意図的な審議引き延ばしなどは一切行わず、むしろ、野党としては異例な対応で、円滑な法案審議に協力をしていたところであります。

 ところが、昨日、委員会終了後の夕刻の理事会において、民主党理事から突如、参考人質疑の終了後に、締めくくり総括質疑、質疑終局、採決を行いたいとの提案が出されました。野党側は強く抗議し、玄葉委員長は、与野党筆頭理事間で十分協議するように指示をされました。

 そして、本日、朝の理事会において、与野党筆頭理事間の協議が調わず、自民党理事が欠席するにもかかわらず、民主党理事は昨夕と同様の日程の提案をし、公明党理事である私の強い抗議にもかかわらず、玄葉委員長は、全体の日程にかんがみて与党提案もやむを得ないとして、委員長職権で本日の日程を決定したところであります。

 この玄葉委員長と与党の委員会運営は、余りにも強引、性急であり、与野党間の信頼関係を踏みにじる暴挙であります。定例日でないにもかかわらず参考人質疑に応じた野党側の善意を逆手にとった、だまし討ちにも等しい行為と言わざるを得ません。

 そもそも、本法案については、公明党として、その趣旨は理解するものの、課題も指摘してきました。

 例えば、借り手側の中小企業にとっては、既往債務の貸し付け条件変更を行うと新規融資を受けにくくなるのではないかとの懸念を持っています。これらの課題への対応は、質疑を通じて明らかにしなくてはならなかったところであります。

 また、法案で、金融機関に義務づけられる体制整備、開示・報告義務の詳細が、省令、金融検査マニュアル、監督指針にゆだねられており、これらの内容がわからなければ法案の賛否の判断ができないと指摘をいたしました。本日、朝の理事会で、それらの案の概要やイメージが提示されましたが、抽象的な内容であり、公明党として要求した内容のレベルからはほど遠いと言わざるを得ません。これらの点について、さらに質疑を深める必要があったところであります。

 また、参考人質疑は、参考人から御意見を伺った上で、それを生かして、さらに質疑を深めるために行います。参考人質疑直後に法案採決することは、参考人に対しても大変失礼なことであります。

 また、そもそも参考人質疑の前提となっていた与野党間の信頼関係は、全く損なわれてしまいました。

 そこで、公明党といたしましては、本来重要な参考人質疑ではありますが、玄葉委員長並びに与党の暴挙、強権的、強圧的な委員会運営に対して強い抗議の意思を示すために、本日の委員会質疑には応じなかったところであります。

 本来中立的な立場である玄葉委員長が、与党側の前代未聞の暴挙を唯々諾々として受け入れ、与党の暴挙に加担したことは、言語道断であります。

 玄葉委員長は、本年三月二十七日付の「玄葉光一郎 オフィシャルウェブサイト」において、「国会改革について思うこと」と題して、次のように主張しております。

 「与党は予算や法案を事前審査して、党議拘束を行い、国会に提出したら、「後は通すだけ」という姿勢を変えなければならない。「通すだけ」の国会ゆえ私もまた国民も最も嫌う「与党の強行採決・野党の審議拒否」となる。その結果、国会から国民を遠ざける結果となる。建設的議論により、よりよい結論を得るのが議会である。熟議による修正は当たり前の慣例を創っていかねばならない。」このように主張したわけであります。

 玄葉光一郎君の野党時代の主張と与党の委員長としての現実の行動は、全く矛盾しております。なぜ、自身が最も嫌う与党の強行採決を委員長として認めるのでしょうか。

 玄葉委員長と与党の強引、強権、強圧的な委員会運営による強行採決は、議会制民主主義をないがしろにする行為であり、到底認めることはできません。強く強く抗議し、玄葉光一郎君解任決議案への賛成討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) 穀田恵二君。

    〔穀田恵二君登壇〕

穀田恵二君 私は、日本共産党を代表して、財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)

 本日、財務金融委員会で採決され、緊急上程されようとしている中小企業金融円滑化法案は、自公政権が退場し、鳩山新政権のもとで最初に審議入りした法案です。その法案処理をめぐって、全党の合意のないまま最初の法案採決を与党の数の力で強行するというのは、余りにも乱暴な運営であり、断じて許されません。

 本日の財務金融委員会の運営は極めて異常です。

 そもそも、本日十九日の委員会日程は、昨十八日の朝の理事会において、法案の政府質疑を踏まえ、十九日は審議の定例日ではないが、参考人質疑だけを行うことを各党が合意して決めたものであります。

 ところが、昨日の夕方、委員会終了後の理事会において、委員会の外からの指令を受けた民主党の理事から、突如として、参考人質疑の直後に、締めくくり総括、採決、緊急上程が提案されたのであります。全会派で合意した日程を踏みにじる余りにも身勝手な提案であり、我が党は、強く反対し、結論を持ち越しました。

 そして、本日、委員会に先立つ朝九時十五分からの理事会で、参考人質疑の直後に採決する日程を提起し、参考人質疑後に各党五分の形だけの締めくくり質疑を行い、民主党だけで強引に質疑を打ち切り、採決したのであります。

 肝心な点は、参考人の意見を聴取する前に採決を決めたことであります。

 参考人質疑は、本来、専門家や学識経験者などの意見を聞き、法案の審議に反映させるために行うものであります。意見聴取を踏まえて、さらに審議を行うのが当然であります。にもかかわらず、参考人の意見を聞く前にその直後の採決日程を決めてしまったのでは、参考人の意見を聞くことは法案採決のための通過儀礼ということになるではありませんか。国民の声を軽んじ、国会運営の常道をないがしろにするものであります。

 我が党は、こうした乱暴な運営を直ちに改めること、すなわち、本法案は財務金融委員会に差し戻し、審議を行うことを強く要求するものであります。

 本法案は、不況にあえぐ中小企業の窮状を少しでも救うための緊急立法という性格の法案であります。だからこそ、全党の合意で審議を進めることが強く求められているのであります。

 以上、新政権の最初の法案審議で強行採決に走り、はなから議会制民主主義をないがしろにするに至った玄葉委員長と与党民主党の諸君に猛省を求め、討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(横路孝弘君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(横路孝弘君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十一

  可とする者(白票)       百四十二

  否とする者(青票)       三百十九

議長(横路孝弘君) 右の結果、財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案は否決されました。(拍手)

    ―――――――――――――

竹本直一君外二名提出財務金融委員長玄葉光一郎君解任決議案を可とする議員の氏名

あべ  俊子君   逢沢  一郎君   赤澤  亮正君   麻生  太郎君

甘利   明君   井上  信治君   伊東  良孝君   伊吹  文明君

石田  真敏君   石破   茂君   稲田  朋美君   今村  雅弘君

岩屋   毅君   江渡  聡徳君   江藤   拓君   遠藤  利明君

小里  泰弘君   小野寺 五典君   大島  理森君   大野  功統君

加藤  勝信君   加藤  紘一君   梶山  弘志君   金子  一義君

金子  恭之君   金田  勝年君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君

河井  克行君   木村  太郎君   岸田  文雄君   北村  茂男君

北村  誠吾君   小泉 進次郎君   古賀   誠君   後藤田 正純君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君

齋藤   健君   坂本  哲志君   塩崎  恭久君   塩谷   立君

柴山  昌彦君   下村  博文君   新藤  義孝君   菅   義偉君

菅原  一秀君   園田  博之君   田中  和徳君   田野瀬良太郎君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

竹下   亘君   竹本  直一君   武田  良太君   武部   勤君

橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷川  弥一君

谷畑   孝君   徳田   毅君   中川  秀直君   中谷   元君

中村 喜四郎君   永岡  桂子君   長島  忠美君   長勢  甚遠君

二階  俊博君   西野 あきら君   西村  康稔君   額賀 福志郎君

野田  聖子君   野田   毅君   馳    浩君   鳩山  邦夫君

浜田  靖一君   林   幹雄君   平井 たくや君   平沢  勝栄君

福井   照君   福田  康夫君   古屋  圭司君   保利  耕輔君

細田  博之君   町村  信孝君   松浪  健太君   松野  博一君

松本   純君   三ッ矢 憲生君   宮腰  光寛君   村上 誠一郎君

茂木  敏充君   森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君

柳本  卓治君   山口  俊一君   山本  公一君   山本  幸三君

山本   拓君   山本  有二君   与謝野  馨君   吉野  正芳君

赤松  正雄君   井上  義久君   池坊  保子君   石井  啓一君

石田  祝稔君   稲津   久君   漆原  良夫君   遠藤  乙彦君

大口  善徳君   神崎  武法君   佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君

坂口   力君   高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君

富田  茂之君   西   博義君   東   順治君   古屋  範子君

赤嶺  政賢君   笠井   亮君   穀田  恵二君   佐々木 憲昭君

志位  和夫君   塩川  鉄也君   高橋 千鶴子君   宮本  岳志君

吉井  英勝君   浅尾 慶一郎君   柿澤  未途君   山内  康一君

渡辺  喜美君   衛藤 征士郎君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿知波 吉信君   相原  史乃君

青木   愛君   赤松  広隆君   東   祥三君   網屋  信介君

荒井   聰君   五十嵐 文彦君   井戸 まさえ君   池田  元久君

石井   章君   石井 登志郎君   石川  知裕君   石毛 えい子君

石関  貴史君   石田  勝之君   石田  三示君   石田  芳弘君

石津  政雄君   石原 洋三郎君   石森  久嗣君   石山  敬貴君

泉   健太君   磯谷 香代子君   市村 浩一郎君   糸川  正晃君

稲富  修二君   稲見  哲男君   今井  雅人君   内山   晃君

打越 あかし君   生方  幸夫君   江端  貴子君   枝野  幸男君

小川  淳也君   小沢  一郎君   小野塚 勝俊君   小原   舞君

緒方 林太郎君   大泉 ひろこ君   大串  博志君   大島   敦君

大谷   啓君   大谷  信盛君   大西  孝典君   大畠  章宏君

大山  昌宏君   太田  和美君   逢坂  誠二君   岡島  一正君

岡田  克也君   岡田  康裕君   岡本  英子君   岡本  充功君

奥田   建君   奥野 総一郎君   奥村  展三君   加藤   学君

加藤  公一君   鹿野  道彦君   海江田 万里君   柿沼  正明君

笠原 多見子君   梶原  康弘君   勝又 恒一郎君   金森   正君

金子  健一君   神山  洋介君   川内  博史君   川口   浩君

川口   博君   川越  孝洋君   川島 智太郎君   川端  達夫君

川村 秀三郎君   河上 みつえ君   菅   直人君   木内  孝胤君

木村たけつか君   吉良  州司君   城井   崇君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   菊池長右ェ門君   岸本  周平君   北神  圭朗君

京野  公子君   工藤  仁美君   櫛渕  万里君   楠田  大蔵君

沓掛  哲男君   熊谷  貞俊君   熊田  篤嗣君   黒岩  宇洋君

黒田   雄君   桑原   功君   玄葉 光一郎君   小泉  俊明君

小平  忠正君   小林  興起君   小林 千代美君   小林  正枝君

小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   小室  寿明君   小山  展弘君

古賀  一成君   古賀  敬章君   後藤  英友君   後藤   斎君

後藤  祐一君   郡   和子君   近藤  和也君   近藤  昭一君

近藤  洋介君   佐々木 隆博君   佐藤 ゆうこ君   斉木  武志君

斉藤   進君   齋藤   勁君   斎藤やすのり君   坂口  岳洋君

阪口  直人君   笹木  竜三君   階    猛君   篠原   孝君

柴橋  正直君   下条  みつ君   城島  光力君   白石  洋一君

神風  英男君   首藤  信彦君   瑞慶覧 長敏君   末松  義規君

杉本 かずみ君   菅川   洋君   鈴木  克昌君   鈴木  宗男君

仙谷  由人君   園田  康博君   空本  誠喜君   田島  一成君

田嶋   要君   田名部 匡代君   田中けいしゅう君   田中 眞紀子君

田中 美絵子君   田中  康夫君   田村  謙治君   平   智之君

高井  崇志君   高井  美穂君   高木  義明君   高野   守君

高橋  昭一君   高橋  英行君   高松  和夫君   高邑   勉君

高山  智司君   滝    実君   竹田  光明君   武正  公一君

橘   秀徳君   玉木  朝子君   玉木 雄一郎君   玉城 デニー君

玉置  公良君   樽床  伸二君   中後   淳君   津川  祥吾君

津島  恭一君   津村  啓介君   辻    惠君   筒井  信隆君

手塚  仁雄君   寺田   学君   土肥  隆一君   道休 誠一郎君

富岡  芳忠君   豊田 潤多郎君   中川   治君   中川  正春君

中島  政希君   中島  正純君   中津川 博郷君   中塚  一宏君

中根  康浩君   中野  寛成君   中野   譲君   中野渡 詔子君

中林 美恵子君   中山  義活君   仲野  博子君   永江  孝子君

長尾   敬君   長島  昭久君   長島  一由君   長妻   昭君

長安   豊君   仁木  博文君   西村 智奈美君   野木   実君

野田  国義君   野田  佳彦君   羽田   孜君   萩原   仁君

橋本  清仁君   橋本  博明君   橋本   勉君   畑   浩治君

鉢呂  吉雄君   初鹿  明博君   鳩山 由紀夫君   花咲  宏基君

浜本   宏君   早川 久美子君   原口  一博君   伴野   豊君

樋口  俊一君   樋高   剛君   平岡  秀夫君   平野  博文君

平山  泰朗君   福嶋 健一郎君   福島  伸享君   福田  昭夫君

福田 衣里子君   藤井  裕久君   藤田  一枝君   藤田  大助君

藤田  憲彦君   藤村   修君   古川  元久君   古本 伸一郎君

細川  律夫君   細野  豪志君   本多  平直君   馬淵  澄夫君

前原  誠司君   牧   義夫君   牧野  聖修君   松岡  広隆君

松木けんこう君   松崎  公昭君   松崎  哲久君   松野  頼久君

松宮   勲君   松本  大輔君   松本  剛明君   松本   龍君

三日月 大造君   三谷  光男君   三村  和也君   三宅  雪子君

三輪  信昭君   三井  辨雄君   水野  智彦君   皆吉  稲生君

宮崎  岳志君   宮島  大典君   向山  好一君   村井  宗明君

村上  史好君   村越  祐民君   室井  秀子君   本村 賢太郎君

森岡 洋一郎君   森本  和義君   森本  哲生君   森山  浩行君

矢崎  公二君   谷田川  元君   柳田  和己君   山尾 志桜里君

山岡  賢次君   山岡  達丸君   山口  和之君   山口   壯君

山崎  摩耶君   山崎   誠君   山田  正彦君   山田  良司君

山井  和則君   山花  郁夫君   山本  剛正君   湯原  俊二君

柚木  道義君   横粂  勝仁君   横光  克彦君   横山  北斗君

吉川  政重君   吉田   泉君   吉田 おさむ君   吉田  公一君

吉田  統彦君   笠   浩史君   和嶋  未希君   和田  隆志君

若井  康彦君   若泉  征三君   鷲尾 英一郎君   渡辺 浩一郎君

渡辺   周君   渡辺  義彦君   渡部  恒三君   阿部  知子君

重野  安正君   辻元  清美君   照屋  寛徳君   中島  隆利君

服部  良一君   吉泉  秀男君   亀井  静香君   下地  幹郎君

松下  忠洋君   城内   実君   小泉  龍司君

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 逢沢一郎君外一名提出、議院運営委員長松本剛明君解任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 議院運営委員長松本剛明君解任決議案(逢沢一郎君外一名提出)

議長(横路孝弘君) 議院運営委員長松本剛明君解任決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。谷畑孝君。

    ―――――――――――――

 議院運営委員長松本剛明君解任決議案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔谷畑孝君登壇〕

谷畑孝君 自由民主党の谷畑孝でございます。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました議院運営委員長松本剛明君解任決議案につき、その提案理由を御説明いたします。(拍手)

 その前に、一言申し上げたいと思います。

 過日の衆議院議員選挙、熱くて長い、私ども与党にとりましても、自由民主党にとりましても、本当に、逆風といいましょうか、厳しい選挙でございました。とりわけ、私は、奇跡の復活にてここに立たせていただき、大変感慨深い思いでございます。

 また、このたびの選挙は……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。また、このたびの選挙は、平成維新とも呼ぶべき大変な大変革の選挙であった、このように思うわけでございます。このことは、国民が国会議員全員に突きつけたものであり、危機的な状況を打破し、希望を持てる国づくりを託したものではないでしょうか。与野党を超えてこの日本の社会の閉塞感を打破していく、こういう国民の願いが今回の選挙の結果ではないか、このように思っているわけでございます。

 だからこそ、与野党を超えてこの国会を大事にしなければならないと思います。まさしく、平成維新を本当のものにするためには、仕分けだけが政治じゃありません。この国会でしっかりと、与野党を超えてこの国をどうするかという議論をしていく、私は、これが非常に大事なことであると思います。

 まさしく、国会は野党のものです。また、国民の声なき声を聞く場所である、私はこのように思っているわけであります。どうか、鳩山総理は、行政府の責任者でありますから、国民の声なき声をしっかりと受けとめていくためにも活発な国会をリードしていただきたい、このように思います。

 また、小沢民主党幹事長の提案によって、党首討論ということで国会が活性化するシステムをつくったわけですから、この国会でぜひ党首討論をすべきだ、私はこう思います。

 この十八日に党首討論が予定されておりましたけれども、まさしく与党は逃げたままで、党首討論をやろうとしない。こんなばかげたことは許せない、私はこのように思うわけであります。国民の皆さんからすれば、鳩山総理を含めて、小沢幹事長の政治資金疑惑隠しのために逃げておるのか、このように国民の皆さんは言っているわけでございます。

 それでは、これから、まず案文を朗読して、

  議院運営委員長松本剛明君を解任する。

 右決議の理由を申し上げてまいりたいと思います。

 解任の第一の理由として、松本剛明君のその強権的な委員会運営を挙げます。

 議院運営委員長は、議会運営全般に対する責任者であり、中立公正にその職務を全うしなければなりません。

 今臨時国会は、政権交代後、与野党が初めて議論相まみえる国会であり、国民は、鳩山内閣がどのような政策を進めていくのか、どのような手法で国会運営を行うのか、多大な関心を寄せているところであります。

 他方、昨年の金融危機以来の経済の低迷もなお続いており、それに対する施策も必要とされておりました。まして、鳩山内閣は自公政権時代の平成二十一年度補正予算の執行見直しを行っており、その経済政策に関して注目が集められておる国会であります。

 今国会の最重要法案の一つが、中小企業金融円滑化法案であります。

 同法案は、中小企業の資金繰りや住宅ローンの負担軽減に関する法律であり、国民生活に多大な影響を与える法案であります。

 GDPなどは回復基調にあるとの発表がされましたが、中小企業などがその回復を実感するにはほど遠く、依然として、年末の資金繰り不安などがささやかれておる厳しい状況にあると言わざるを得ません。そのような状況で提出された金融関連の法案であれば、その審議をめぐっては、慎重の上にも慎重な取り扱いが必要なことは明らかであります。

 我々自由民主党も、中小企業や住宅ローンの借り手を支援する思いは共有しており、国会審議を通じてよりよい法案づくりをしていこうといろいろな提案をしてきたところでございます。

 また、その被害が拡大の一途をたどるインフルエンザへの対応に関するインフルエンザ予防接種健康被害救済法案も、国民の関心が非常に高く、注目法案の一つであります。

 インフルエンザワクチンをめぐっては、その副作用に対する補償や接種者負担のあり方、接種の回数など、いろいろな議論が行われており、政府の方針が二転三転したことで、いたずらに国民の不安をあおってしまいました。

 しかし、松本剛明君は、去る十一月十六日の議院運営委員会において、法案成立という果実のみを求める与党と結託をして、採決により、これら二件の議案の本会議趣旨説明を決めるという暴挙に出ました。

 この強引な委員会運営は、今国会冒頭に委員長本人が述べた公正運営という所信とはほど遠いものであり、国権の最高機関である国会の権威を大きく損なわせるものと言わざるを得ません。議会に籍を置く者として、多数を背景とした強権的な委員会運営は断固として許すことができません。これらの行為は、まさしく、民主党が野党時代に念仏のように唱え、非難してきた理不尽な行為そのものではないでしょうか。

 与野党の立場を超えた合意形成づくりという努力を怠り、ひたすら効率性のみを追い求めるだけでは議会制民主主義を破壊するばかりであることを、この場ではっきりと申し上げたいと思います。

 解任の第二の理由は、松本君は、委員長としての公平性、公正性に欠けるということであります。

 そもそも、今国会は大変短い会期の中で始まりました。十月二十六日からの会期の間、国会がいわゆる不正常な状態に陥ったことはなく、各委員会で議論を深めようと円滑な協議を進めていたところでありました。我が自由民主党は、かつての民主党のごとく何でも反対の理念なき野党ではなく、国家に対する責任感を失わない建設的野党として、いたずらに日程闘争に明け暮れることはいたしませんでした。

 しかしながら、与野党協力して円満な協議をしていたにもかかわらず、与党は十一月十六日の議院運営委員会を境に、突如として、数を背景とした強引な運営を始めました。

 去る十一月十二日に行われた与党国会対策委員長の会談で、臨時国会に提出された法案を会期内で成立させるという方針を確認したという報道がありました。事実であるとするならば、法案の趣旨説明も、ましてや各委員会での大臣所信に対する質疑も行われず、法案を審議する環境が整っていない状況で、なぜ、野党の声に耳を傾けようとせずに早急な方針を出すことができるのでしょうか。政府・与党には、重要法案を真摯に議論するという考えはないのでしょうか。

 重ねて申し上げますが、議院運営委員長は、国権の最高機関である国会にあり、あくまで中立公正に委員会の運営を行い、議長とともに国会の権威を守るのがその職務であります。今回のように、与党の一方的な言い分に従って委員会運営を行うだけであれば、数の力のみが言論の府を支配することになり、議会の運営をつかさどる委員長職の権威は大きく失墜してしまい、ひいては議会制民主主義の破壊にもつながります。

 そもそも、ここまで強引な手法を使ってでも極めて短い会期ですべての法案を成立させようという国会運営の裏には、何らかのねらいがあるのではないかという疑いを持たざるを得ません。

 予算委員会の質疑を通じて、我が党は、鳩山総理の政治資金問題について厳しい追及をいたしました。総理の政治資金問題は、今国会で始まったわけではなく、選挙前から数多く報道されてきました。それにもかかわらず、一度記者会見を開いたのみで、その後は、地検の捜査への影響を理由に、国民、国会への説明を怠ってきたのは、ほかならぬ鳩山総理であります。

 国民が鳩山総理の説明に納得していないことは世論調査などで明白であり、我が党は、事あるごとに国会の場での説明を求めてまいりました。しかし、まことに残念ながら、総理や民主党からは、いまだ明確な回答は得られないままであります。

 さらに、今国会会期中には、新たに、六年間で五億円もの所得隠し疑惑が発覚しました。行政のトップであり、この国のリーダーである総理の政治資金に疑惑が持たれているわけですから、むしろ、積極的に国会の場にお出ましいただき、国民に対し開かれた形で御説明されるのが、責任ある政治家として当然の務めであると存じます。

 十一月三十日までで臨時国会は閉じる。十一月十八日に開催することで調整されていた党首討論は中止。これらの出来事が意味することは、自分たちの通したい法案のみを成立させ、総理の政治資金問題を追及されぬよう国会を早々に閉じるという、御都合主義の国会運営そのものであります。まさに、鳩山疑惑隠しの国会運営と言わざるを得ません。

 また、本日の新聞には、民主党の小沢幹事長に関する収支報告書の新たなる不記載疑惑や、法律が禁じている秘書からの寄附強要に関する証言が報道されています。事実とすれば重大な問題であり、民主党議員の政治と金に対するずさんな対応に国民は政治不信を募らせてしまうのではないかと大いに危惧をしている次第であります。

 顧みれば、連立与党は、その発足当初より国会を軽視してまいりました。

 特別国会は院の構成のみで閉じてしまい、長らく、論戦の舞台となる臨時国会を召集しようとしませんでした。鳩山総理は、我が国の国会において所信の表明もしないまま、米国における国連総会や金融サミットの場において温室効果ガス削減などの重要な政策を独断で提言し、立法府や行政府のみならず、政財界を驚天動地に陥れました。

 自由民主党、公明党、みんなの党は、新しく発足した連立政権がその方向性を国民の前に速やかに提示すべきであると考え、鳩山総理に対する臨時国会召集要求書を衆議院議長あてに提出をし、また、官邸にも強く申し入れました。しかし、内閣の反応は鈍く、内外に喫緊の課題が多くあることを認識しておきながら、国会の召集は十月の二十六日にまでずれ込んだのであります。内閣発足から実に四十日もの放置期間、何という無責任と怠惰でありましょうか。

 ようやく臨時国会が召集されれば、鳩山総理は、五十分の長きにわたる所信表明演説で美辞麗句を並べ立て、マニフェストに掲げた政策を訴えられました。

 政党や政治家が掲げる政策とは、その背景にある理念や哲学が明確でなければ有権者の理解は得られません。そして、国民に約束した政策が、身勝手な理由からぶれたり、なし崩しでほごにされたりしたとき、国民の期待はたやすく幻滅へと変わるものであります。

 例えば、民主党が掲げる脱官僚であります。

 かつて、民主党は、日本銀行総裁の同意人事に関し、候補者が官僚OBで元財務事務次官であることから反対し、我が国の金融の司令塔たる総裁ポストが一時不在となるような異常事態を招きました。

 民主党は、マニフェストに天下り、わたりの全面禁止を盛り込み、内閣発足後にこれを正式に決定いたしました。

 ところが、一たん政権の座についてみると、日本郵政の人事に関して、元大蔵事務次官である齋藤次郎氏を社長として起用し、副社長にも複数の官僚OBを充てるという驚きの人事を実行いたしました。このことは、国民に大きな失望感を生み、各種報道も厳しい批判を突きつけました。大蔵次官だったのは十年以上も前の話といった陳腐な説明が、どれほどむなしく響いていることでしょうか。

 また、さきの人事院人事官に関する同意人事でも、内閣は脱官僚とはほど遠い江利川毅氏を候補者として挙げてこられました。人選の理由につき、鳩山総理は、人事院そのものの存廃が必要なくらいの人事院改革、公務員制度改革をしないといけない、中を知っている人が一人くらいいた方が大胆な改革ができると述べています。

 しかしながら、候補者は、事務次官を二度歴任し、行政実務にはすぐれていても、公務員制度全般にわたる高い専門性を持っているわけではなく、また労使の協議に必要な民間勤務の経験もほとんどなく、内閣が説明する人選の理由と実情に大きな乖離が見られたのであります。

 さらには、議院運営委員会において内閣から提示された天下りとかわたりの定義は、驚くべきずさんなものでした。

 公務員が、法令に違反することなく、府省庁によるあっせんを受けずに、再就職先の地位や職務内容等に照らし、適材適所の再就職をすることは、天下りには該当しない。

 めちゃくちゃなことを申したわけであります。全く、天下りが幾らでもできる、特に大臣、政務官等を含めては、あっせんであればいいんだ、このようなことにもなったわけでございます。抜け穴をつくりかねない重大な欠陥を認める政府見解であったわけであります。

 鳩山内閣は、その方針において一貫性を欠いており、人材活用の手法を変更したと表明するとともに、改めて人事選定の判定基準を明確に提示すべきであります。

 外交や安保政策においても、鳩山内閣は迷走を続けております。

 特に、米軍普天間飛行場に関する総理の発言及び関係閣僚の発言は、くるくると猫の目のように変わり、内外から大きな非難が浴びせられているところであります。

 総理就任前には、基本的には県外、できれば国外と思っていると述べ、先月中旬には、来年は名護市長選と沖縄県知事選がある、知事選までということになると時間がかかるので、その中間ぐらいで結論が必要と述べ、その翌週には、別に名護市長選の後でと言っているつもりはないと変わり、予算委員会においては、日米合意を無視して結論を出すつもりはないと述べ、日米首脳会談後の会見では、できるだけ早く解決すると申し上げた、前政権の日米合意は重く受けとめていると述べたにもかかわらず、その翌日には、オバマ大統領とすれば日米合意を前提と思っていただろうが、それが前提なら作業グループをつくる必要がないとの信じられない発言をされています。

 さらに、発言のぶれは続き、日米合意は重視するが、合意のもとにすべてを決める話であれば議論する必要はない、また、日米合意を重く受けとめている、しかし選挙では前政権と同じではない政策を掲げるとも語っています。

 結局のところ、鳩山総理は、日米合意を無視しないのか、あるいは前提としないのか、はたまた重視するのか、全く理解に苦しむところであります。

 先月末のウォールストリート・ジャーナルでは、鳩山総理につき、国民受けをねらう歌舞伎ショーとの社説が掲げられました。これほどまでに豹変するのは、総理、やはりあなたが君子である証拠なのでしょうか。

 また、国際的に評価の高い海上自衛隊によるインド洋上の給油活動をなぜ中止しようとするのでしょうか。中東に原油輸入の大半を頼る我が国にとって、これ以上に重要な海上交通路はありません。テロとの闘いが続いている中、給油活動にかわる具体的な貢献策も示さないまま撤収することでは、得られる国益は何一つないのであります。

 経済政策においては、みずからが掲げた目玉政策実現を優先する余り、成長戦略を欠いたばらまきが過ぎて、鳩山不況に陥らないかと心配の声が上がっています。我が国の経済がようやく回復に向かっている中で、補正予算の凍結や来年度予算の仕分け作業は、不況で疲弊した地方経済などに致命的な打撃となりかねません。

 概算要求には、マニフェストに盛り込んだ巨額の財源が必要となる政策が並んでいますが、財源がほかの予算の削減であれば、政策の効果は相殺されてしまいます。来年度の国債発行額を四十四兆円以下にするのも不可能と言わざるを得ないでしょう。

 当然のことながら、有権者はすべての政権公約に賛成しているわけではなく、行き過ぎた政策変更が混乱をもたらすのではないかと不安を感じる国民の心情が最近の鳩山内閣の支持率低下の原因となっていることは明白であります。不要不急の政権公約よりも、ここは、経済の本格的回復に向けた成長戦略を描くべきなのであります。

 そもそも、本日、臨時国会がこのような事態を迎えているのは、すべて連立与党の責任であります。

 遅く召集し、十二件の閣法、三件の条約、二件の承認案件を提出し、わずか三十六日間の会期で十分な与野党論戦の時間が持てるのか、私たちは、当初から疑問を呈し、重ね重ね与党側に確認をしてまいりました。

 あらかじめ外交日程や宮中行事があると知っているにもかかわらず、短い会期を議決し、みずからを窮地に追い込んだのは民主党を筆頭とする連立与党であり、自分が決めてしまった判断ミスによるしわ寄せに対し、一方的な議事の強行という形で帳じりを合わせようとする傲慢な政治的姿勢は、断固として容認できません。

 この間、松本剛明君は、議院運営委員長として主体的な判断をされることなく、ただ与党の国会軽視の方針に従うのみでした。多数を背景に少数会派の意見を封殺する松本君に国会の権威を守ろうとする気概は乏しく、国会全体の責任を負う議院運営委員長としてその職務を遂行するのは不適当であり、我々は速やかにその職を辞するべきであると考えます。

 以上の理由から、ここに、議院運営委員長松本剛明君の解任を強く求めるものであります。良識ある議員各位の御賛同を心からお願いし、提案理由の説明といたします。

 長らくの御清聴、ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。鷲尾英一郎君。

    〔鷲尾英一郎君登壇〕

鷲尾英一郎君 民主党の鷲尾英一郎でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました議院運営委員長松本剛明君解任決議案について、反対の立場で討論をいたします。(拍手)

 初めに、松本剛明議院運営委員長は、人格的にも高潔、謙虚であり、その職務に対する高い見識は議会運営に遺憾なく発揮され、就任以来、一党一派に偏らず、議会運営に対して強い責任感を持って臨み、常に中立公正な立場で、誠心誠意職務を全うされております。その松本剛明議院運営委員長に対し解任決議案を提出するという暴挙に出た自由民主党の諸君に対し、強く抗議するものであります。

 我々は、さきの総選挙におきまして、三百八という多くの議席をちょうだいしました。だからこそ、数におごることなく、円満な議会運営を旨として、ひたすら辛抱強く与野党の話し合いを重ねてまいりました。

 この間、臨時会が開かれて、二十三日間にして、議院運営委員会理事会が延べ十一日、休日を除けば、十七日間のうち十一日間にわたって開かれております。ちなみに、自民党政権下の臨時会、例えば第百四十六国会におきましては、四十八日間のうち十八日間となっており、自民党政権に比べていかに松本委員長が慎重に議会運営をされているか、おわかりいただけると思います。

 しかし、自民党の諸君は、残念ながら、政権交代という現実を受け入れることができないのか、国民生活はそっちのけで、審議引き延ばしという旧来型の国対戦術に血道を上げるばかりであります。さすがに立党以来半世紀を超えるだけあって、その手練手管にはさすがと思わせるものがあります。しかし、国民が期待しているのは、与野党の駆け引きに明け暮れる国会ではなく、真の政策論争としての国会であります。

 言うまでもなく、今国会には、インフルエンザ対策や中小企業の貸し渋り・貸しはがし対策など、国民生活にとって極めて重要な法案が提出されています。国民の生命と財産を守るためにも、我々には、一刻も早く政策を実行に移し、国民の負託にこたえる使命があります。

 自民党の皆さん、今からでも遅くはありません。審議引き延ばしという旧来型の国対戦術に血道を上げるという愚かな行為はやめ、政策論争で勝負しようじゃありませんか。ここで国会が変わらなければ、日本の政治を変えてほしいという国民の期待を裏切ることにしかなりません。

 以上を申し述べまして、私の反対討論とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 高木毅君。

    〔高木毅君登壇〕

高木毅君 自由民主党の高木毅であります。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました議院運営委員長松本剛明君解任決議案に対し、断固、断固賛成の討論を行うものであります。(拍手)

 まず、討論に先立ち、一言申し上げます。

 さきの本会議や今本会議でも同僚議員より発言がなされたとおり、鳩山総理と小沢民主党幹事長の政治資金に関する疑惑に対し、いまだ何らの説明責任が果たされていない状況は、甚だ残念であるとしか言いようがありません。

 特に、鳩山総理は、元秘書による政治資金収支報告書のずさんな虚偽記載のみならず、脱税の可能性まで指摘されており、連日のように疑惑に対する報道が続いております。総理は、地検の捜査が進んでいるとして、その全容を国民に語ろうとしませんが、かつて、秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだと潔い主張をされてきた鳩山総理であればこそ、司法当局の捜査とは別に、みずからの言葉で国民に真実を語るべきであります。

 さらに、本日の新聞には、民主党小沢幹事長の収支報告書に関する新たな不記載疑惑や、他の議員の秘書に対する寄附強要の証言が掲載されております。政治と金をめぐって次々と報道される疑惑に対し、これ以上国民の政治不信を招かぬよう、堂々と説明責任を果たすべきであります。

 さて、先ごろ、山岡民主党国会対策委員長は会期延長の可能性に言及いたしましたが、ここに至り、民主党は方針を転換し、残る二週間足らずの会期ですべての法案を成立させようと、強引な議事運営を進めております。

 また、民主党は、私たちの再三の呼びかけにもかかわらず、党首討論を開催しようとしません。御承知のとおり、党首討論は、小沢民主党幹事長がかつて導入に熱心であった制度であり、民主党も野党時代に積極的に開催を要求してきたものであります。

 内政、外交、また自身に突きつけられた疑惑の報告と説明に活用できる絶好の場であるにもかかわらず、党首討論にも、あるいは予算委員会の集中審議にも応じていただけない。政治主導を訴え、政治家同士の議論を実現しようとしている民主党ならば、堂々と受けて立ち、鳩山総理が説明責任を果たす場を率先してつくっていくべきであり、これでは、鳩山総理と小沢民主党幹事長の政治献金疑惑隠しと言われても仕方のない状況であります。

 そもそも、このたびの臨時国会は、温室効果ガス削減など重要な政策につき、国外では発言しておきながら、肝心の国会において内閣の所信を表明しようとしない鳩山総理に対して、自由民主党、公明党、みんなの党から召集要求書を突きつけ、ようやく重い腰を上げたものでした。さらには、会期わずか三十六日間で十分な審議はできないと我々がたびたび指摘してきたにもかかわらず、外交や宮中行事で制限のある日程の中で自縄自縛に陥り、議事を強行せざるを得なくなった責任は、すべて与党の側にあるのであります。

 代表質問が終わり、両院の予算委員会を経て、各委員会の構成及び大臣所信が始まるという国会の通常のルールにのっとり、我々は日程協議を進めてきました。ところが、人事官に関する同意人事の情報が漏えいしたり、天下りとわたりについてあいまいで欠陥のある定義を提示するなど、内閣側の不誠実な対応も、限りある会期をさらに浪費してしまう結果につながってしまいました。

 この間、松本議院運営委員長は、委員長職権をもって十一月十六日の議院運営委員会をセットし、我々の抗議の声に耳をかさず、一方的に、中小企業金融円滑化法案及び新型インフルエンザ予防接種健康被害救済法案の本会議趣旨説明、質疑を決定いたしました。政権交代後初めての法案趣旨説明に当たり、数の力を背景に二件の議案を一度の本会議に付するという運営は、前代未聞の暴挙であります。

 また、これに引き続き、本日十九日の議院運営委員会においては、定例日外に、しかも、参考人質疑の直後の財務金融委員会で強行採決された中小企業金融円滑化法につき強引に本会議緊急上程を決めた行為は理不尽きわまりなく、政府・与党の党利党略に加担する独裁的な手法には驚くばかりであります。

 議院運営委員長は、国権の最高機関である国会にあって、議会運営に責任を持ち、中立公平な立場から国会の権威を守るという極めて重い職務にあります。その職責に反し、与野党の話し合いを無視して議事運営を進める暴挙は、断固として許すことができません。

 今国会は、政府・与党側の御都合主義によって定められた、時間の限られた会期であるにもかかわらず、召集から十日を過ぎても、提出法案の扱いに関する政府・与党からの具体的な提案はありませんでした。

 ようやく議院運営委員会での与野党協議が始まり、今は、各委員会が法案審議に入る態勢を整えるため、その前提となる大臣所信に対する質疑の日程を組もうとしている段階であります。その最中に、多数を持つ与党が政党間の協議を断ち切ることは、言語道断であります。

 さらに、一党一派に偏らず、議会政治の本筋を守るべき立場の松本議院運営委員長が、少数会派の建設的な提案を足げにした行為は、民主党の党利党略に操られた許しがたい暴挙であり、その運営姿勢は解任に値するものであります。国会の権威を失墜せしめる行為に対し、私たちは声を大にして警鐘を鳴らすものであります。

 連立与党の諸君、あなたたちは今、憲政史上に汚点を残そうとしております。私たちが与党であったとき、与野党間の協議を尽くし、しっかりと手続を踏んだ上で議事を進めてきた事案に対してすら、あなたたちは、多数の横暴、数のおごりという言葉をぶつけ、批判を続けてきました。しかし、政権交代を果たした今、実質初めてとなるこの論戦国会において、あなたたちは、協議も尽くさず、法案審議の態勢も整わないうちに、営々と築いてきた議会運営のルールを多数でもって崩壊させようとしているのであります。これこそが、あなたたちがこれまで批判してきた権力の濫用そのものではありませんか。

 言うまでもなく、国会は、会派を基本とした運営に基づいています。それによって多様な民意が反映されていくからであります。そして、議会の生命線は合意形成にこそあるのであって、問答無用の横暴な運営は、国会に対する国民の期待を大きく裏切り、議会政治に対する危機感と不信感を増幅させるばかりであります。

 もとより、立法府は、民主党の附属機関ではなく、国権の最高機関であります。健全な国会運営を求める良識ある議員諸君は、かかる政局のみを念頭に置いたかのごとき事態を容認せず、所属する党派を超え、みずからの良心と正当な判断に従ってこの議院運営委員長解任決議案に賛成をしていただきたい、そう願うものであります。

 以上、申し上げてきた理由から、私は、議院運営委員長松本剛明君解任決議案に賛成をし、この議場に集う議員諸君の圧倒的な賛同を得て、一刻も早く正常な議会運営が取り戻せるよう強く訴え、私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 遠藤乙彦君。

    〔遠藤乙彦君登壇〕

遠藤乙彦君 公明党の遠藤乙彦です。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました議院運営委員長松本剛明君を解任する決議案につきまして、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 そもそも、法案審議は、国権の最高機関としての国会並びにその構成員たる国会議員一人一人に託された最重要の任務の一つであり、特に、法案の内容が国民生活に重要な影響を及ぼす場合には、さまざまな角度から徹底的に吟味、審議の上結論を出すべきことは言うまでもない当然のことであり、議会制民主主義の精神の根幹をなすものであります。

 特に、国会運営の中核をなす議院運営委員会の委員長は、その精神を体現し、各会派の主張に十分耳を傾け、公正中立、円満な議事運営に当たるべきことはイロハのイであります。

 さきの衆議院選挙の結果、政権が交代したのを受け、新たに議院運営委員長に就任された松本剛明君は、かつて民主党の政調会長も務められ、当選回数も四期と、国会議員として議会の常識を十分理解しておられる方と私は認識しておりました。

 松本君は、去る九月十六日の議院運営委員会における就任あいさつの中で、次のように述べておられました。

  このたび、皆様方の御推挙によりまして、議院運営委員長に選任され、その重責を担うことになりました。職責を果たすことができるよう全力を傾ける決意でございます。

  今回の歴史的な総選挙を経て、新たな国会に臨むに当たりまして、国民主権を具現する議会政治の歩みに思いをいたしますとき、国会の運営に携わるその責務の重大さを改めて痛感いたす次第でございます。

  私は、まことに浅学非才の身でございますが、今後、議長、副議長の特段の御指導のもと、議会運営に経験豊かな皆様方の御協力によりまして、当委員会の公正な運営に微力を尽くしてまいりたいと存じております。

これがごあいさつだったんです。

 もし、松本委員長がこの就任あいさつのとおり、その職責の重大さを痛感され、議院運営委員会の公正な運営を尽くしてこられたのなら、本日の本会議において、委員会定例日でもないにもかかわらず参考人質疑が終わるや否や中小企業円滑化法案の採決、緊急上程をするという暴挙を行わなかったはずであります。

 そもそも、今国会は、政権交代後の初めての臨時国会であり、我々は、国民注視の中、鳩山政権の基本姿勢を初めとして、内外の重要政策課題について十分な審議を要求してまいりました。しかし、鳩山内閣は、会期を十一月三十日までの三十六日間という極めて短い日程を決定しました。

 ところが、山岡国対委員長が当初の会期延長やむなしとの方針を変更し、会期延長はしない、法案はすべて会期内に上げるとの強硬方針を表明するや、民主党は、財務金融委員会において、だまし討ちともいうべき強行採決を行い、しかも、本日の本会議に緊急上程することを強行決定したのであります。

 鳩山総理は、所信表明の本会議において、「大いに国会の中で議論しようじゃありませんか、皆さん。」と、胸を張って国民に訴えておりました。しかし、やっていることは全く逆で、党首討論は逃げまくる、鳩山総理を初め民主党幹部の政治資金疑惑に対してはみずから進んで真摯に答えようとせず、さらに、法案審議は与党の多数の議席を頼んで、審議省略、採決強行に及んだのであります。

 本来であれば、こうした民主主義を軽視する鳩山連立内閣のごり押しともいうべき姿勢に対し、中立公正な議会運営に当たるべき議運委員長は制止すべきはずであります。にもかかわらず与党の意向のまま唯々諾々と従ったことは、許しがたい暴挙と言わざるを得ません。

 今、民主党は、国会活性化のためというもっともらしい旗を掲げながら、その実、国会審議の形骸化を進めようとしております。このような強行採決がなぜ国会活性化になるんですか。議会制民主主義の破壊ではありませんか。言っていることとやっていることと全く違うのが、今の巨大与党の民主党の姿ではないでしょうか。

 民主党が野党であった当時、我々与党は、三分の二の多数を持っていても、野党の主張に真摯に耳を傾け、謙虚に謙虚に議会の運営に終始してまいりました。その結果、思い起こせば、衆参両院議長の裁定が野党によってほごにされたという前代未聞の事実すらあったわけであります。

 ところが、民主党が政権をとるや否や、あろうことか、本日、今国会の最初の法案の採決に当たって採決を強行するとは、もはや、あいた口がふさがりません。

 松本議運委員長はこのような民主党の暴挙に一方的に追随するのみで、逡巡や反省の色が全く見られないのは遺憾のきわみであります。本会議緊急上程というものは、与野党が合意の上でなされるというのがこれまでの議会運営の常識であります。与党に一方的に偏り、恣意的運営を行うことは断じて容認できません。

 以上の理由から、議運委員長松本剛明君解任決議案に賛成の意を表明し、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入るのでありますが、時間の関係上、明二十日午前零時十分から本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。

 本日は、これにて延会いたします。

    午後十一時三十三分延会


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