衆議院

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第8号 平成22年2月18日(木曜日)

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平成二十二年二月十八日(木曜日)

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  平成二十二年二月十八日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 予算委員長鹿野道彦君解任決議案(町村信孝君外三名提出)


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    午後一時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 町村信孝君外三名提出、予算委員長鹿野道彦君解任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 予算委員長鹿野道彦君解任決議案(町村信孝君外三名提出)

議長(横路孝弘君) 予算委員長鹿野道彦君解任決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。小里泰弘君。

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 予算委員長鹿野道彦君解任決議案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔小里泰弘君登壇〕

小里泰弘君 自由民主党の小里泰弘でございます。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました予算委員長鹿野道彦君解任決議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。(拍手)

 まず、案文を朗読いたします。

  本院は、予算委員長鹿野道彦君を解任する。

   右決議する。

 以下、その理由を説明申し上げます。

 言うまでもなく、予算委員長は、国会法に定める院の役員であり、予算という国政上の最重要案件を扱う委員会の長であります。公正かつ公平な立場で委員会運営を進めるという極めて重大な任務を負っており、鹿野道彦委員長御自身も、昨年の委員長就任あいさつにおきまして、公正円滑な委員会運営について誓約をしておられます。

 しかしながら、鹿野委員長は、私ども自民党を初めとする野党の主張に十分耳を傾けることなく、委員会運営において政府や与党の一方的な振る舞いを許してきたことは、まことに残念であります。

 傍聴議員のみならず、与党理事、閣僚、副大臣、政務官からも飛び交うやじは、審議促進を図るという政府・与党の立場を履き違えた愚行であるにもかかわらず、鹿野委員長は、これを積極的に整理しようという姿勢を見せなかったのであります。残念であるだけでなく、予算委員会の権威、秩序が失われていくことを大きく危惧するものであります。

 鳩山総理や小沢幹事長の政治活動を支えてきた秘書が五人も逮捕、起訴されました。秘書たちは、鳩山総理や小沢幹事長のために被告人となったのであります。総理や小沢幹事長は、監督責任、道義的責任を感じないのでありましょうか。

 政治資金収支報告書の虚偽記載は、国民を欺く重大犯罪であります。総理の事件の本質は、総理の母親からの資金十二億六千万円を隠すためのものであり、小沢幹事長の事件の本質は、小沢氏からの資金四億円を隠すためのものであります。これは、あくまで総理御自身、小沢氏御自身に係る問題であります。

 鳩山総理も小沢幹事長も、決して嫌疑なしとされたわけではなく、嫌疑不十分であり、疑いは残ったままであります。ましてや、巨額の脱税や不明朗な資金集めなど数々の重大疑惑が関連し、国民の納得のいく説明は全くなされておりません。

 長年にわたり巨額の納税を逃れてきたことは、私腹を肥やし、不当な利益を得る行為そのものであります。まじめに納税してきた国民の気持ちを踏みにじるものであり、今や、日本の申告納税制度が大きく揺らいでおります。

 政権のナンバーワン、ナンバーツーをめぐって相次いだ政治資金に関する事件が、政治への信頼を大きく失墜させました。国民が持っていたであろう透明でクリーンな政治への期待を裏切った責任の大きさは、はかり知れないものであります。

 鳩山総理も小沢幹事長も、知らなかったと繰り返し、すべての責任を秘書に転嫁し、不十分かつ不可解な説明に終始し、疑惑の全容解明にはほど遠く、到底国民の理解は得られない状況であります。

 裕福な家庭に育ったものだから、周りが全部やってくれていたからと、総理は今まで何回も繰り返されました。金持ちだから悪質性はないと言わんばかりの姿勢には、あきれるばかりであります。

 本当に知らなかったとすれば、もっと国民が不幸であります。そこまで浮世離れした人に、国民の暮らしや現場の痛みがわかるのでありましょうか。国民の大事な税金を預かり、運用していくことができるのでありましょうか。総理の言われる国民目線の政治が、むなしく聞こえるのであります。

 国会議員の不始末は、この国会で解明し、責任の所在を明らかにすることが国会の自浄作用として求められるものであります。

 この鳩山総理及び小沢幹事長の政治資金疑惑解明のために、我が党は、小沢幹事長の証人喚問のほか、真相を知る関係者を適切に参考人として国会に招致し、真相究明のために立法府としての役割を果たすことを再三にわたり求めてまいりました。また、関係する一連の書類の提出も求めてまいりました。

 鹿野委員長は、本件に関し、理事会において協議するとしておきながら、真相解明のために重要な証人喚問や参考人招致、資料の提出について一貫して積極的な姿勢を示さず、これは、全くもって、真実を求める国民の期待を裏切るものであります。

 野党が政治と金の集中審議の実施を求めたのは、昨年十一月の臨時国会のことでありました。それから三カ月以上もこれにこたえようとせず、野党のたび重なる要求に与党が屈するように、「鳩山内閣の政治姿勢」というテーマで実質的な政治と金の集中審議がようやく行われたのが二月十二日のことであります。

 この間、与党理事は一貫して不誠実きわまる対応に終始をし、鹿野委員長も、その与党理事の姿勢を正そうとせず、結果として、与党理事の姿勢を追認したのであります。

 政治と金の問題から逃げたい鳩山総理と小沢幹事長の意向を尊重しているがごときこの姿勢は、中立性を甚だしく欠くものと断じざるを得ません。

 また、与党は、本年度予算の審議入りを前にして、国民の重要な予算に係る国家行政の機密漏えいを公然と行っておりました。予算審議を経ずして予算をいかに執行するか発表することは、予算審議を軽視するものであります。無視するものであります。予算委員会や国会に対する冒涜であります。

 国土交通省から平成二十二年度予算の箇所づけ資料が民主党幹事長室へ流され、同党の各県連を通じて地方財政当局や関係者に通知されたということは、憲法違反であるとともに、まさに、公正に使われるべき国民の税金を選挙に利用しようという、なりふり構わぬ利益誘導政治そのものであります。

 我々は、この事件について、関係者の処分を求めるとともに、真相を究明するために、民主党の各県連に渡った資料の提出を再三再四求めてまいりましたが、二月十日の理事会においてやっと提出された資料は、事もあろうに、県連に提出した資料とは異なる資料でありました。

 委員会において前原国土交通大臣は、県連に提出した資料は仮配分だとし、委員会に提出した資料は、より詳細、正確、最新なもので、自治体にも通知した資料であると説明をされましたが、県連要望など問題の核心に触れる記載がなく、要求した資料とは明らかに異なるものでありました。

 十五日の理事会においてようやく要求の資料が提出をされましたが、その中身は想像を超えるお手盛りであり、公正に使われるべき国民の重要な予算を民主党が私物化することは、到底許されることではありません。理事会という正式な場において、要求と異なる資料を平然と提出してくる政府と民主党の姿勢は、予算委員のみならず、国民の国会への信頼を失わせるものであります。

 また、事実の解明、資料の提出、関係者の処分など、この問題に関する政府の答弁は、二転三転した上、事実を隠ぺいしようという姿勢をとり続け、一層事態を混乱させたのであります。

 政府や民主党の姿勢に我々が強く抗議をしたにもかかわらず、積極的に事態の解決を図ろうとすることなく、結果的にこのような状況を放置してきた鹿野委員長にも重大な責任があることは、申し上げるまでもありません。

 さらに、二月十七日、我々の反対を押し切って、職権で予算案採決の前提となる公聴会日程の強行採決を行いました。我々は、決して公聴会の設定を拒否するわけではなく、さきに要求した証人や参考人に対する質疑や資料要求への真摯な対応を求め、経済財政、外交防衛、社会保障問題に関する集中審議など、予算審査に当たっての十分な審議を要求しているものであります。

 審議を急げと一方では言いながら回答をずるずると引き延ばしてきたのは与党自身であって、この態度こそ問題にすべきであるにもかかわらず、与党に対する督促はほとんど行わずに一方的に公聴会開催を議決した姿勢は、極めて公正を欠くと言わざるを得ません。

 平成二十二年度予算案には、六兆円近い公共事業関係費が計上されております。国民は、こうした予算の執行に係る利益誘導による箇所づけ問題について解明を求めております。

 また、政府提出の予算案は、民主党のマニフェスト違反の甚だしさを物語るものであり、十分な予算審査を通して、国民に対して予算の内容を明らかにする必要があります。

 我々も、責任ある野党として予算成立の重要性を認識しておりますが、十分な審議を行わずに予算審議を終了に向かわせることは、予算委員会としての重大な責任をみずから放棄することにほかなりません。

 民主主義の原則を端的に示す次のような言葉があります。私はあなたの意見に反対だ、しかしながら、あなたがそれを主張する権利を私は命をかけて守る。私はあなたの意見に反対だ、しかしながら、あなたがそれを主張する権利を私は命をかけて守ると。フランスの哲学者、ボルテールの言葉とされます。私の、学生のころからの座右の銘でもあります。

 どんな反対意見でも、どんな少数意見でも、それを発言する機会が確保されなければなりません。今、この国会が自問自戒すべき原則であります。

 数の力で、発言する機会を奪ってはいないでしょうか。数の力で、疑惑を覆い隠していないでしょうか。独裁政治の前に、多くの議員が口を閉ざしていないでしょうか。

 今、日本の民主政治が損なわれ、国家の方向性というものを危ういものにしております。この解任決議案は、ひとり鹿野委員長に向けられたものではありません。日本の民主政治を守らんがために打ち鳴らす警鐘であります。議員各位の御賛同を心からお願い申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。岡島一正君。

    〔岡島一正君登壇〕

岡島一正君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました予算委員長鹿野道彦君解任決議案について、断固反対の立場で討論を行います。(拍手)

 鹿野予算委員長は、就任以来、一党一派に偏らず、常に公正中立な立場で委員会を運営されているにもかかわらず、理不尽きわまりない解任決議案を提出するという暴挙に出た自由民主党の諸君に対し、強く反省を求め、抗議するものであります。

 予算委員会は、国民の生活を第一として、予算について、速やかにかつ充実した議論をもってその是非を審議する場です。

 鹿野予算委員長は、常々、我々予算委員会の与党理事に対し、野党の理事の皆様のところには丁寧に丁寧に何度も何度も通って円満な委員会運営をお願いしてくるようにと指示してこられました。そして、我々は、理事会や委員会で長時間にわたり協議を重ねてまいりました。

 鹿野予算委員長は、委員会審議中に野党から要求があればたびたび速記をとめて協議を行うなど、我々与党からすれば、時には誠実過ぎるのではないかと思えるほどの判断をとられています。こうした配慮も、予算審議の担い手として野党の役割に期待しているからこそだと思います。しかし、自民党の諸君は、残念ながら、こうした配慮をも理解できなかったようです。

 十七日の委員会では、鹿野委員長が何度も何度も丁寧に丁寧に質問を促しているにもかかわらず、閣僚の答弁が自分の意に沿わないからといって、何度も何度も質問席に座り続けて、質疑時間をまさに無駄遣いした自民党委員の姿がありました。政策論争としての質問をみずからせずにおいて、委員長解任決議案までも提出するのはお門違いも甚だしいものであります。

 また、国会崩壊とやゆされる混乱を放置したという提案理由も極めて身勝手なものです。委員会質疑に議員が傍聴や応援に行き、適度に拍手やかけ声などをかけることは、いわば委員会審議のスパイスです。質問者と答弁者だけが淡々とやりとりするだけならば、オープンに広い委員会室で多数集まる意味がないじゃないですか。

 また、閣僚が質疑に十分に答えようとするその思いの余りの言動をもって不規則発言とする決めつけは余りにも身勝手です。一方的に鳩山総理を初めとする政権をなじり続けて、誹謗中傷ともとれる発言に対して、閣僚が答弁において釈明や反論を試みることは当たり前のことです。それを不規則発言と決めつけることこそ、言論の府である国会の機能に対する無理解そのものです。

 また、公聴会の設定に関し、鹿野委員長の責任を問うのも、これまでの経緯を踏まえますと筋が通らないものがあります。

 そもそも、自民党政権は長きにわたって、予算委員会の公聴会を単なる予算採決直前のゴールとして通過儀礼におとしめてきました。こうした状況を改革されたのが引退された河野前議長であります。河野前議長の御努力で、一昨年は一般質疑初日に、昨年は二日目に公聴会開会承認要求決議を行い、非常に意義のある公聴会が開催されました。

 それにもかかわらず、自民党の諸君は、今通常国会において、公聴会開会承認要求決議をずるずると引き延ばし、一般質疑五日目となったきのうにおいても強硬に反対するという理不尽きわまりない対応に終始したのです。これに対して、鹿野予算委員長が国民生活のために事態を打開すべく公聴会の決議をしたことは、まさに河野前議長の議会改革の精神に沿った英断そのものであります。

 自民党の諸君に申し上げたい。いたずらに政権与党のイメージダウンを図るために予算審議の場を使い、また、予算内容の是非を問うことなく予算成立の引き延ばしを図り、さらに、引き延ばしの手段として鹿野予算委員長の解任を求める行為は、まさに党利党略そのものです。

 国民不在の政争ばかりの愚かな行為は、もうやめようではありませんか。正々堂々と政策論争で勝負しましょう。それが国民の期待であり、我々国会議員の使命でもあります。

 国民の生活が第一なのです。私は、国民生活のための予算を党利党略におとしめんばかりの予算委員長解任決議などは断固認められないことをここに宣言し、反対討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) あべ俊子さん。

    〔あべ俊子君登壇〕

あべ俊子君 自由民主党のあべ俊子でございます。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました予算委員長鹿野道彦君解任決議案につきまして、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)

 まずは、昨日、十七日の予算委員会におきまして、平成二十二年度予算案について、理事会での合意がないまま、委員長権限で、いわゆる公聴会の開会承認要求に関する件が採決をされたことにつきまして、私は強く抗議をいたします。

 今日までの予算委員会の混乱を招きました責任は、強引な委員会運営を強行いたしました予算委員長鹿野道彦君にあります。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

あべ俊子君(続) 昨日、私は、予算委員会で六十五分間の質問時間をいただきました。一生懸命質問を準備いたしました。私の同期である赤澤亮正先生が、国土交通省における箇所づけの漏えい問題で、内容の精査と処分の必要性、これを訴え続けて二週間、いつまでに結論を出すのかと質問をしたにもかかわらず、全く委員長としての役割を果たさない、おとぼけ運営、不公平きわまりないものでございました。

 委員長の職責を理解していないかと思うような采配ぶりでありました。このような委員長の委員会運営に、私は強く抗議をいたします。

 鹿野君は、昨年九月十八日の本会議におきまして、横路議長によって予算委員長に指名をされました。そして、十月二十七日の予算委員会では、委員各位の御協力をいただきながら、公正そして円滑に委員会を運営してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますと、あいさつで公正かつ円満な委員会運営を公約したはずでございます。

 しかしながら、その後の鹿野君の委員会運営は、政府・与党の数の力に物を言わせて、極めて一方的、強権的な運営を容認するもので、就任時の公約とは大きな違いでありました。質疑者が答弁を指名している以外の大臣を指名してみたり、お行儀の悪い大臣がやじを飛ばしたり、大臣が指名のないまま歩き出したりという、混乱した委員会でございました。与党は、いわゆる野党気分が抜けない、学級崩壊のような状態でございました。

 とりわけ、十七日の予算委員会理事会におきましては、平成二十二年度予算案の採決の前提となる公聴会開会承認要求決議を委員長職権で強行いたしました。このような強引な委員会運営は断じて容認できません。

 以下、本決議案に賛成する理由を申し述べます。

 第一に、本予算委員会の前提として、国民の多くが関心がある鳩山内閣総理大臣及び小沢民主党幹事長の政治資金問題の解明について、積極的な姿勢が全く見られません。

 小沢幹事長は不起訴となりましたが、石川知裕君を含む元秘書は起訴されているところであります。小沢幹事長の政治資金団体が購入した土地の原資について、政治資金なのか、個人の資金なのか、いわゆる説明が二転三転しているところであります。購入原資や相続の際にかかる税金を逃れていたのではないかという疑問も出ています。小沢幹事長が不起訴となったということと疑いが晴れたということは、全く違うことであります。

 また、鳩山内閣総理大臣が母親から資金の提供を受けていた問題でありますが、総理は、全く知らなかったとおっしゃっています。知らなかったら許されるというのでは、余りにも認識が甘いのではないでしょうか。それで総理大臣が務まると思っていらっしゃるのでしょうか。政治とは、税金を徴収し、それをどのように再配分していくか、その制度設計をするところに政治の意味がございます。そのリーダーとなるべき総理が、知りませんでした、ごめんなさいということで、この国は大丈夫なんでしょうか。

 平成十三年以前の資金提供の有無についてもやみの中でございます。我が党としても、いずれもさらに調査を求めてまいります。後から贈与税を納めれば済むという問題ではありません。今、確定申告の時期であり、国民の税に対する信頼を回復するためにも、本問題の全体の解明が必要でございます。

 母が、母がと、まるでお母様が勝手に毎日五十万円を贈与したかのような、六十三歳になられた総理の発言は、総理大臣としての責務を全うできるんだろうか、国民に不安を抱かせるところでございます。

 私たちは、政治と金に関する関係資料の提出のほか、小沢幹事長の証人喚問、関係者の参考人招致など、公平公正な委員会運営を行うことを強く強く要望してまいりました。それにもかかわらず、いまだに実現していないことは、予算委員会が全く機能していないということであり、予算委員長の責任は重大であります。

 第二に、鹿野委員長は、国土交通省の公共事業の箇所づけ問題の真相解明につきましても、政府の立場を擁護するような発言をされました。我々の要求する資料について、政府に対して、いわゆる迅速な資料の提出に関して求めませんでした。

 そればかりか、結果として、要求した資料と異なる、勝手に、頼んでもいない最新資料、問題の所在をごまかそうとする資料提供になったことは、委員長としての怠慢であります。政治主導とは、過去に例を見ない利権誘導型政治を指すのでしょうか。

 国土交通省が民主党に渡した箇所づけの資料は、仮配分の資料として出されています。しかしながら、これは、明らかな箇所づけに係る秘密漏えい、憲法違反、国家公務員法違反、大臣規律違反であります。

 本問題の政府及び民主党の対応は、あいまいではっきりしません。また、委員会で平野官房長官が発言されました関係者の処分について、政府からいまだ何らの方針も示されていません。これらの問題で、委員会審議はたびたび中断し、混乱に陥ってきました。

 自浄作用の全くない、党内だけの友愛、このような政党に日本を任せておけるでしょうか。

 このような予算の執行にかかわる重大な問題の真相を国民の前に明らかにすることは、まさに予算委員会に課せられたいわゆる使命であります。政府の隠ぺい行為を黙認するかのように、さらには、お行儀の悪い内閣の発言を加速させるかのような委員会運営を行うのであれば、まさに委員長としての職務怠慢であります。

 第三に、鹿野委員長は、野党が平成二十二年度予算審議について予算委員会での十分な審議の確保を要求したのに対しまして、職権で公聴会開会要求決議を断行したことであります。これは、国会軽視、さらには議会制民主主義を全く無視した独裁的な委員会運営にほかなりません。

 以上の重要な案件が解明されていないだけでなく、民主党のマニフェスト違反の政府予算案について、個別詳細な審議はまさにこれからであります。

 民主党がマニフェストに基づき、政権交代によってこの国の形を変えると主張されるのであれば、それを体現した新しい予算で十分な審議を行うことが不可欠であります。それによって国民への説明責任を果たすのが当然ではないですか。行き当たりばったりで、選挙目的のいわゆるマニフェストを出したものの、それをパッチワークのように継ぎはぎをしてみたら、この国の方向性が全く見えなくなってしまった。日本沈没の、泥沼のようなこの政権を国民の前に今こそ明らかにするべきであります。それをしたくないから議論を避けていらっしゃるのでしょうか。この予算編成は、次世代に負債を送り継いでしまう財政児童虐待であります。

 このような状況で、予算の衆議院の通過を前提としたかのような公聴会開会要求決議を委員長の職権で求め、採決したことは、まことに許しがたいものであります。予算委員会に対する国民の信頼を失わせるような運営を行った鹿野委員長は、責任が問われます。

 これ以外でも、北海道教職員組合の資金提供問題など、本委員会で解明すべき問題は山積しております。

 ちなみに、先日、あるエコノミストが、日本の景気は回復していると話していました。これは前政権、麻生政権の置き土産でございますので、現政権の功績ではありません。決して勘違いしないでいただきたいと思います。

 以上、鹿野道彦君は、予算委員長として全く不適格であり、解任に値します。

 何とぞ、議員各位の御賛同をお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(横路孝弘君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(横路孝弘君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百四十八

  可とする者(白票)       百三十五

  否とする者(青票)       三百十三

議長(横路孝弘君) 右の結果、予算委員長鹿野道彦君解任決議案は否決されました。(拍手)

    ―――――――――――――

町村信孝君外三名提出予算委員長鹿野道彦君解任決議案を可とする議員の氏名

あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君   赤澤  亮正君

秋葉  賢也君   麻生  太郎君   甘利   明君   井上  信治君

伊東  良孝君   伊吹  文明君   石田  真敏君   石破   茂君

石原  伸晃君   稲田  朋美君   今村  雅弘君   岩屋   毅君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   遠藤  利明君   小里  泰弘君

小野寺 五典君   小渕  優子君   大島  理森君   大野  功統君

大村  秀章君   加藤  勝信君   加藤  紘一君   梶山  弘志君

金子  一義君   金子  恭之君   金田  勝年君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   河井  克行君   河村  建夫君   木村  太郎君

岸田  文雄君   小池 百合子君   古賀   誠君   後藤田 正純君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君

齋藤   健君   坂本  哲志君   塩崎  恭久君   塩谷   立君

柴山  昌彦君   下村  博文君   新藤  義孝君   菅   義偉君

菅原  一秀君   園田  博之君   田中  和徳君   田村  憲久君

平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君   竹下   亘君

武田  良太君   武部   勤君   橘  慶一郎君   棚橋  泰文君

谷   公一君   谷垣  禎一君   谷畑   孝君   徳田   毅君

中川  秀直君   中村 喜四郎君   永岡  桂子君   長島  忠美君

長勢  甚遠君   西野 あきら君   西村  康稔君   額賀 福志郎君

野田   毅君   鳩山  邦夫君   浜田  靖一君   林   幹雄君

平井 たくや君   平沢  勝栄君   福井   照君   福田  康夫君

古川  禎久君   古屋  圭司君   保利  耕輔君   細田  博之君

町村  信孝君   松浪  健太君   松野  博一君   松本   純君

三ッ矢 憲生君   宮腰  光寛君   村上 誠一郎君   村田  吉隆君

茂木  敏充君   森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君

柳本  卓治君   山口  俊一君   山本  公一君   山本  幸三君

山本   拓君   山本  有二君   与謝野  馨君   吉野  正芳君

赤松  正雄君   井上  義久君   池坊  保子君   石井  啓一君

石田  祝稔君   稲津   久君   漆原  良夫君   江田  康幸君

遠藤  乙彦君   大口  善徳君   神崎  武法君   佐藤  茂樹君

斉藤  鉄夫君   坂口   力君   高木 美智代君   高木  陽介君

竹内   譲君   富田  茂之君   西   博義君   東   順治君

古屋  範子君   浅尾 慶一郎君   江田  憲司君   柿澤  未途君

山内  康一君   渡辺  喜美君   衛藤 征士郎君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿知波 吉信君   相原  史乃君

青木   愛君   赤松  広隆君   東   祥三君   網屋  信介君

荒井   聰君   五十嵐 文彦君   井戸 まさえ君   池田  元久君

石井   章君   石井 登志郎君   石毛 えい子君   石関  貴史君

石田  勝之君   石田  三示君   石田  芳弘君   石津  政雄君

石原 洋三郎君   石森  久嗣君   石山  敬貴君   泉   健太君

磯谷 香代子君   市村 浩一郎君   稲富  修二君   稲見  哲男君

今井  雅人君   内山   晃君   打越 あかし君   生方  幸夫君

江端  貴子君   枝野  幸男君   小川  淳也君   小沢  一郎君

小沢  鋭仁君   小野塚 勝俊君   小原   舞君   緒方 林太郎君

大泉 ひろこ君   大串  博志君   大島   敦君   大谷   啓君

大谷  信盛君   大西  健介君   大西  孝典君   大畠  章宏君

大山  昌宏君   太田  和美君   逢坂  誠二君   岡島  一正君

岡田  克也君   岡田  康裕君   岡本  英子君   岡本  充功君

奥田   建君   奥野 総一郎君   奥村  展三君   加藤   学君

加藤  公一君   鹿野  道彦君   海江田 万里君   柿沼  正明君

笠原 多見子君   梶原  康弘君   勝又 恒一郎君   金森   正君

金子  健一君   神山  洋介君   川内  博史君   川口   浩君

川口   博君   川島 智太郎君   川端  達夫君   川村 秀三郎君

河上 みつえ君   菅   直人君   木内  孝胤君   木村たけつか君

吉良  州司君   城井   崇君   黄川田  徹君   菊田 真紀子君

菊池長右ェ門君   岸本  周平君   北神  圭朗君   京野  公子君

工藤  仁美君   櫛渕  万里君   熊谷  貞俊君   熊田  篤嗣君

黒岩  宇洋君   黒田   雄君   桑原   功君   玄葉 光一郎君

小泉  俊明君   小平  忠正君   小林  興起君   小林 千代美君

小林  正枝君   小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   小室  寿明君

小山  展弘君   古賀  一成君   古賀  敬章君   後藤  英友君

後藤   斎君   後藤  祐一君   郡   和子君   近藤  和也君

近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君   佐藤 ゆうこ君

斉木  武志君   斉藤   進君   齋藤   勁君   斎藤やすのり君

坂口  岳洋君   阪口  直人君   笹木  竜三君   階    猛君

篠原   孝君   柴橋  正直君   下条  みつ君   城島  光力君

白石  洋一君   神風  英男君   首藤  信彦君   瑞慶覧 長敏君

末松  義規君   杉本 かずみ君   菅川   洋君   鈴木  克昌君

鈴木  宗男君   仙谷  由人君   園田  康博君   空本  誠喜君

田島  一成君   田嶋   要君   田名部 匡代君   田中けいしゅう君

田中 眞紀子君   田中 美絵子君   田中  康夫君   田村  謙治君

平   智之君   高井  崇志君   高井  美穂君   高野   守君

高橋  昭一君   高橋  英行君   高松  和夫君   高邑   勉君

高山  智司君   滝    実君   竹田  光明君   武正  公一君

橘   秀徳君   玉木  朝子君   玉木 雄一郎君   玉城 デニー君

玉置  公良君   樽床  伸二君   中後   淳君   津川  祥吾君

津島  恭一君   津村  啓介君   辻    惠君   筒井  信隆君

手塚  仁雄君   寺田   学君   土肥  隆一君   道休 誠一郎君

富岡  芳忠君   豊田 潤多郎君   中井   洽君   中川   治君

中川  正春君   中島  政希君   中島  正純君   中津川 博郷君

中塚  一宏君   中根  康浩君   中野  寛成君   中野   譲君

中野渡 詔子君   中林 美恵子君   中山  義活君   仲野  博子君

永江  孝子君   長尾   敬君   長島  昭久君   長島  一由君

長妻   昭君   長安   豊君   仁木  博文君   西村 智奈美君

野木   実君   野田  国義君   野田  佳彦君   羽田   孜君

萩原   仁君   橋本  清仁君   橋本  博明君   橋本   勉君

畑   浩治君   鉢呂  吉雄君   初鹿  明博君   鳩山 由紀夫君

花咲  宏基君   浜本   宏君   早川 久美子君   原口  一博君

伴野   豊君   樋口  俊一君   樋高   剛君   平岡  秀夫君

平野  博文君   平山  泰朗君   福嶋 健一郎君   福島  伸享君

福田  昭夫君   福田 衣里子君   藤田  一枝君   藤田  大助君

藤田  憲彦君   藤村   修君   古川  元久君   古本 伸一郎君

細川  律夫君   細野  豪志君   本多  平直君   馬淵  澄夫君

前原  誠司君   牧   義夫君   牧野  聖修君   松岡  広隆君

松木けんこう君   松崎  公昭君   松崎  哲久君   松野  頼久君

松原   仁君   松宮   勲君   松本  大輔君   松本  剛明君

松本   龍君   三日月 大造君   三谷  光男君   三村  和也君

三宅  雪子君   三輪  信昭君   三井  辨雄君   水野  智彦君

皆吉  稲生君   宮崎  岳志君   向山  好一君   村井  宗明君

村上  史好君   村越  祐民君   室井  秀子君   本村 賢太郎君

森岡 洋一郎君   森本  和義君   森本  哲生君   森山  浩行君

矢崎  公二君   谷田川  元君   柳田  和己君   山尾 志桜里君

山岡  賢次君   山岡  達丸君   山口  和之君   山口   壯君

山崎  摩耶君   山崎   誠君   山田  良司君   山井  和則君

山花  郁夫君   山本  剛正君   湯原  俊二君   柚木  道義君

横粂  勝仁君   横光  克彦君   横山  北斗君   吉川  政重君

吉田   泉君   吉田 おさむ君   吉田  公一君   吉田  統彦君

笠   浩史君   和嶋  未希君   和田  隆志君   若井  康彦君

若泉  征三君   鷲尾 英一郎君   渡辺 浩一郎君   渡辺   周君

渡辺  義彦君   渡部  恒三君   阿部  知子君   重野  安正君

辻元  清美君   照屋  寛徳君   中島  隆利君   服部  良一君

吉泉  秀男君   亀井  静香君   下地  幹郎君   松下  忠洋君

石川  知裕君

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十八分散会


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