衆議院

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第11号 平成22年3月2日(火曜日)

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平成二十二年三月二日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十二年三月二日

    午後四時三十分 本会議

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本日の会議に付した案件

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)

 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案(内閣提出)


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    午後四時三十三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算

議長(横路孝弘君) 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長鹿野道彦君。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度一般会計予算及び同報告書

 平成二十二年度特別会計予算及び同報告書

 平成二十二年度政府関係機関予算及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鹿野道彦君登壇〕

鹿野道彦君 ただいま議題となりました平成二十二年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 この予算三案は、去る一月二十二日本委員会に付託され、二月四日菅財務大臣から提案理由の説明を聴取し、五日から質疑に入り、基本的質疑、一般的質疑、集中審議、いわゆる地方公聴会、公聴会、分科会を行うなど、慎重に審査を重ね、本日、締めくくり質疑の後、採決をいたしたものであります。

 まず、予算三案の概要について申し上げます。

 平成二十二年度一般会計予算の規模は九十二兆二千九百九十二億円であり、前年度当初予算に対して四・二%の増加となっております。

 歳出のうち、政策的な経費である一般歳出の規模は五十三兆四千五百四十二億円であり、前年度当初予算に対して三・三%の増加となっております。

 歳入のうち、公債の発行額は四十四兆三千三十億円で、公債依存度は四八%となっております。

 特別会計予算については、十八の特別会計があり、会計間の取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は百七十六兆三千八百四十三億円となっております。

 政府関係機関予算については、三機関の予算を計上しております。

 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は十八兆三千五百六十九億円で、前年度当初計画に対して一五・七%の増加となっております。

 審査においては、財政・金融政策、経済・景気対策、外交・防衛政策、子育て支援、公共事業のあり方、農業政策、教育政策、中小企業支援、政治資金問題など、国政の各般にわたって熱心な質疑が行われました。その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。

 かくして、質疑を終局いたしましたところ、自由民主党・改革クラブ及び日本共産党から、それぞれ、平成二十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、谷畑孝君及び笠井亮君から趣旨の説明がありました。

 次いで、予算三案及び両動議を一括して討論に付しましたところ、民主党・無所属クラブを代表して糸川正晃君から政府原案に賛成、両動議に反対の意見が、自由民主党・改革クラブを代表して田村憲久君から同会派提出の動議に賛成、政府原案及び日本共産党提出の動議に反対の意見が、公明党を代表して大口善徳君から政府原案及び両動議に反対の意見が、日本共産党を代表して笠井亮君から同会派提出の動議に賛成、政府原案及び自由民主党・改革クラブ提出の動議に反対の意見が、社会民主党・市民連合を代表して阿部知子君から政府原案に賛成、両動議に反対の意見が、みんなの党を代表して浅尾慶一郎君から政府原案及び両動議に反対の意見が、それぞれ述べられました。

 引き続き採決を行いました結果、両動議はいずれも否決され、平成二十二年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 平成二十二年度一般会計予算外二案に対しては、石破茂君外三名から、三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、その趣旨弁明を許します。石破茂君。

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 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔石破茂君登壇〕

石破茂君 自由民主党・改革クラブを代表して、平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して提案理由を申し述べる。(拍手)

 その前に申し上げておく。

 鳩山政権発足以来、政治資金に関する議論に多くの時間を費やさねばならなかったことは極めて残念であった。

 我が党は、この問題について、集中審議や参考人招致、証人喚問、石川議員の辞職勧告決議案の上程、採決を求めた。これらは予算審議と並行して行うべきである、土日を返上し、早朝から深夜まで審議することも当然であると主張した。しかし、与党はこれらに一切応じなかったため、本来の予算についての議論の多くが削られる結果となったのである。

 鳩山総理、小沢幹事長、そして、昨日、関係者四人が政治資金規正法上の企業・団体献金禁止違反の疑いで逮捕された小林千代美議員、そのだれもが、いまだにそれぞれの疑惑を払拭する誠実な努力を何らなしていない。

 議員石川知裕君は、小沢幹事長が言うがところの検察の厳正公平な捜査の結果、政治資金規正法違反である収支報告書虚偽記載の罪で起訴されている。

 政治資金規正法の目的とするところは政治活動の公正公平の確保であり、道路交通法違反で起訴されたわけではない。政治に携わる者が有すべき価値観の根本に触れる犯罪であり、あれは秘書の時代のことで国会議員の辞職勧告にはなじまないなどといって辞職勧告決議案の採決自体すら行わないのは、政治資金規正法の趣旨を全く理解していないとしか言いようがない。あれは秘書時代のことで国会議員の辞職勧告にはなじまない、そのように本当に考えているとするなら、辞職勧告決議案の採決に応じ、反対討論において堂々とそう述べるべきなのである。

 政治倫理綱領は、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と定める。

 総理初め今問題となっている人たちに、真摯な態度はみじんも感じられない。責任を明らかにする努力も全く行っていない。知らぬ存ぜぬ、それは秘書がやったことと言って逃げ回り、時がたてばいずれみんな忘れてしまうと言わんばかりの姿勢は、国会議員としての見識を疑わざるを得ない。

 多くの良識ある国民は、この状況をじっと見ているのである。政治倫理綱領を冒涜した報いは必ず来ることを、ここに明確に申し上げておく。

 それでは、まず初めに、予算審議の手続に関する問題点について申し述べる。

 民主党は、陳情の窓口をその都道府県連に一本化し、幹事長室がこれを仕分けして政府につなぐとのシステムを構築し、公共事業の箇所づけ問題について、民主党都道府県連から地方公共団体に対し、予算案審議の前に具体的な事業名、予算額が通知されていた。これは、我が国の憲法秩序を根底から覆すゆゆしき事態であると言うほかはない。

 日本国憲法第十五条第二項は、このように定める。「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」、憲法第十六条「何人も、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。」、同第八十五条「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」

 以上、すべての条文について、その趣旨に真っ向から反しているのである。

 陳情を民主党に一本化し、いかなる基準によるかは知らないが、幹事長室で仕分けされたものが政務三役につながれる。

 さきの長崎県知事選挙においては、民主党の選挙を取り仕切る選挙対策委員長が、時代に逆行するような選択を長崎の方がするのであれば、民主党政権は長崎に対し、それなりの姿勢を示すだろうと私は思いますと述べた上で、それが政治であるとまでつけ加えた。民主党幹事長は、民主党推薦候補を知事に選べば高速道路をつくることもできると演説した。

 これが民主主義の否定でなくて何であるか。有権者に対する恫喝でなくて何であるか。利益誘導とは次元の異なる悪質な暴言と長崎県の地方紙が論説で断じていたが、まさしくそのとおりではないか。族議員の排除などというきれいごとを言いながら、民主党は、党全体が族政党と化しているのである。

 さきに述べたとおり、衆議院において予算審議が始まる前から、実質的にいわゆる箇所づけについての情報が地方自治体に知らされていた。これは議会軽視どころではない。議会無視でなくて何であるか。

 予算委員会に提出された資料は、その一部が隠ぺいされるなど、国土交通省から民主党に提出された資料とは異なるものである。前原大臣に対して口頭注意が行われたとの報道がなされているが、これは、前原大臣の責任というよりも政府・与党全体の責任なのである。

 東京都議会議員補欠選挙、長崎県知事選挙、東京都町田市長選挙、そして去る日曜日に行われた沖縄県石垣市長選挙における我が党並びに公明党が支援した候補の勝利は、このような民主党の姿勢に対する国民の厳しい批判がはっきりとした形をとってあらわれたものである。

 政府の対応は不誠実きわまりなく、予算案を提出するそもそもの前提が崩れていることを指摘しておくものである。

 では、本予算の問題点につき申し述べる。

 第一に、本予算案は、国債乱発による財政見通しなき予算案である。

 本予算案の総額は九十二・三兆円。しかし、税収は三十七・四兆円、新規国債発行が四十四・三兆円。ここに重大な歳入欠陥があることは明白である。このような事態は、敗戦直後、昭和二十一年以来で、極めて異常な事態であることをどのように認識しているのか。

 従来ならば予算案と同時に提示をされていた中期の財政見通しがないため、中期、長期の展望に立って財政、税制、政策等のあるべき姿を総合的に国会で議論することはできなかった。政府は、財政が発散することをあえて国民に隠ぺいしているのではないか。借り入れを行う場合、返済計画を立てるのは世間の常識であり、これは国家財政においても基本的に同じである。

 中期財政フレームは五月に示すとのことであるが、これがなぜ今示せないのか。議論を行う前提としても、手続的にも、極めて大きな問題であると言わねばならない。

 鳩山政権は、昨年の総選挙で示したマニフェスト項目、すなわち、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家戸別所得補償制度等につき、経済効果の精査を何ら行うことなく予算化している。当然のことながら、事業仕分けの対象とも全くなっていない。これらは聖域であり、無駄ではないと考えているのだろうか。

 政策目標として、家計の充実、内需主導による経済成長及び少子化対策が掲げられている。しかし、GDPの押し上げ効果はわずか〇・三%との試算もあり、その経済効果は極めて疑問である。

 財源には「コンクリートから人へ」とのスローガンのもとに削減した公共事業分が多く充てられている。公共事業を削減すれば、地方を中心に雇用はさらに悪化する。雇用が失われた状況で子ども手当を受け取って、それで消費が拡大するはずはないのである。フローの節約を前提とする民主党の景気対策には、経済全体を成長させる発想が全くない。このような手法で景気拡大を達成した国など、歴史上どこにも存在しないのである。

 子ども手当に象徴される国から家計への所得移転は、単なる所得の移転であるがゆえに、それだけではGDPは一円もふえないのである。

 そもそも、当初は経済効果を主目的にしたものではなかったはずではないか。何のための政策であり予算であるのかを明確に認識しなければ、意図とは異なる結果がもたらされるだけなのである。

 政府がこれらの目玉事業を選挙目当てのばらまきでないと言うのなら、いま一度その真意を国民の前に明らかにする責務がある。

 一方、財源においても極めて問題が多い。

 民主党のマニフェストでは、これら目玉事業の財源は、一般会計及び特別会計など二百七兆円からの無駄の削減と事業の優先順位の見直しなどにより捻出するとなっていた。

 昨年、鳴り物入りで行われた事業仕分けは、当初から三兆円程度の無駄の捻出しか予定しておらず、それすら九千億円程度にとどまった。公益法人の廃止や国家公務員の総人件費の二割カットなどは一体どこへ行ったのか。天下り法人の補助金カットで十二兆円捻出できるとの試算は一体どこへ行ったのか。

 子ども手当について、政府は、とりあえず平成二十二年度におけるものとの法律案に仕立てているが、では、今後はどうするのか。恒久政策であれば恒久財源が必要なはずであるが、それについては今後の議論と逃げてみせている。これは、選挙前にとりあえずばらまいてみせるという、国民を愚弄する姿勢にほかならない。

 財源の裏づけとなる税制改正についても、例えば揮発油税の暫定税率について、仕組みは一たん廃止するが新たな財政措置に置きかえるという、わけのわからない決着が行われている。昨年、ガソリン値下げ隊なる行動を全国に大々的に展開し、我々が政権をとったらガソリンは必ず下げる、そのように叫んで歩いていたのは一体何だったのか。それを信じて一票を投じた有権者から発せられている、投じた一票を返せとの声にどう答えるつもりなのか。これも国民を愚弄しているというのである。

 我々が提案する予算の組み替え動議は、経済と財政の将来について責任ある姿を示し、市場の不安を払拭する、現状の打開につながる有効な施策を本予算において講じる、景気回復を確実なものにするためのさらなる追加経済対策を講じる、この三点を基本として提案するものである。

 財政の発散を防ぐため、マニフェストに沿った主要施策を抜本的に見直すことで、本年度予算案における新規国債発行額を三兆円減額し、予算規模の健全化を図る。

 さらに、財政責任法の制定により、政府に財政の見通しを示す責務、国会にこれについての十分な議論を義務づけ、国民に対し的確な情報を提供する体制の構築を提案するものである。

 具体的には、まずマニフェスト予算の見直しにより約二・七兆円を節約する、さらに公務員人件費一割削減で二兆円、徹底した無駄の削減で五千億円、計約五・二兆円を確保する。

 この財源を使って、新規国債発行額を三兆円減額した上で、九千億円でその他の財政健全化策に取り組み、さらに一兆三千億円の安心成長重点枠を創設し、政治のリーダーシップの発揮により、より政策効果の高い安心強化、雇用創出、成長投資の分野に絞った財政支出を行うものである。

 先日行われた地方公聴会において、何と、民主党推薦の意見陳述人からさえも、ばらまきはやるべきではない、拙速である、そのような異論が相次いだ子ども手当については、当然、撤回を求める。

 女性の社会進出は、今後も大いに進めていかねばならない。働きたい、子供も育てたいという女性の真剣な思いを社会全体としてどのように支援していくべきなのか、その答えは、効果不明の現金給付では断じてないのである。

 我々は、子ども手当にかわる、真に少子化対策につながる施策として、幼児教育の無償化、保育所、保育士の増加、放課後児童クラブの充実、給食費の無償化の実施を提案する。

 また、基本的な教育に対する理念を欠いた高校授業料無償化についても撤回を求め、これにかわる施策として、合理性の高い、就学援助制度の創設、新たな給付型奨学金の創設、低所得者に対する授業料無料化などを提案するものである。

 さらに、「いのちを守る予算」という以上、自公政権において最優先事業と位置づけていた学校耐震化事業の優先度も下げることがないよう求めるものである。

 持続的な安定財源の確保なくして、社会保障の安心強化はあり得ない。社会保障のほころびの部分を修復し、世代間の不公平感の解消を図らねばならないことは言うまでもない。

 雇用についても、受動的な安全網としての雇用対策だけでは経済成長を妨げかねない。トライアル雇用の拡充、能力開発を行う派遣会社の支援など、個人の自助努力を支援する能動的な雇用対策に転換し、新たな分野の開拓、新たな雇用の創出を目指すべきである。

 農家戸別所得補償制度にも問題が多い。

 消費者負担から納税者負担へとの認識を私は共有するものであるが、今後、主要農産品とはどこまでをその対象とするのか、戸別所得補償と銘打つ以上、生産目標、生産にかかったコスト、幾らで販売されたかなどを正確に把握するための手法もいまだ明らかではない。全国平均の金額をどのように算定するのか、コスト削減や品質向上などの農家の努力を阻害することになるのではないかなどなど、多くの懸念がいまだ全く払拭されていない。

 農業の生産性向上に不可欠な基盤である土地改良予算をその財源の多くに充てるとの手法も誤りであり、意欲ある経営体への強力な支援と多面的機能を評価、支援する、納税者負担に値する精緻な日本型直接支払い制度を創設すべきである。

 公共事業については、「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、一八・三%、約一兆三千億円の減額となっているが、さきにも述べたとおり、多くの地域において公共事業はいまだ地域経済や雇用に大きなウエートを占めており、かかる事実を看過して地方の荒廃を加速させるわけにはいかない。

 そもそも、八ツ場ダムは中止、胆沢ダムは建設続行など、その基準の整合性が全く示されていない。

 将来の経済成長の芽となる内需拡大基盤づくり、地方における雇用の創出、維持などの観点から、真に必要な公共事業は、その根拠を明らかにした上で実施すべきものである。

 鳩山政権が発足して五カ月が経過したが、この間、議会の運営においても、政治と金への不誠実な対応にも、国民生活にとって、あるいは我が国の国益を確保するために死活的に重要な予算案の審議を真剣に行おうという姿勢は感じられなかった。

 普天間基地移設問題についても、予算委員会で、昨年の総選挙直前、普天間基地の代替施設は、国外、最低でも県外に移転することが望ましいと述べたが、鳩山総理は何か具体的な当てでもあったのかとただした私に対し、総理は、沖縄の皆様の感情などを考えたときに、私としては、国外、最低でも県外移設が望ましいとの思いで申し上げたなどと答弁したが、これこそ無責任のきわみである。沖縄県民の感情をもてあそび、唯一の同盟国である米国の強い不信を招き、日米安保がその事態の対象とする極東地域各国には不安が生じている。安全保障をもてあそんだ者は、それにふさわしい報いを受けるのである。

 十分な議論を経ることなく、産業界の意見も徴することなく宣言した温室効果ガス二五%削減に対する具体的方策の欠如など、重要な課題への対処能力の欠如も指摘せざるを得ない。

 要は、予算案を見ても、予算の審議過程を見ても、この日本国をどういう方向に導こうとするのか、まったく明らかになっていないということである。ただ、漠然と感じ取れるのは、社会主義的政策の色彩の濃さであり、これでは、国や国民の潜在力を引き出すことは到底不可能なのである。

 適切な福祉を低負担で実現できるはずはない。総理は消費税は四年間上げないと言い、財務大臣は議論を始めたいと言う。財務大臣は消費税を上げれば行政改革が緩んでしまう旨発言したと伝えられるが、あなた方の政治主導とは、そのようにいいかげんなものなのか。無駄がなくなるまで消費税は上げないと言う人もいるが、すべての人が無駄だ、そのように思うものがあり、それがなくなる日など未来永劫来ないのである。デフレを宣言しておきながら早急に有効な手だてを講じないことは、がんを宣告しておきながら治療法を指示しない医師のようなものである。

 経済の成長と税制改正を含む財政の健全化への道筋を示さなければ、いずれ、財政破綻が招来され、国家国民を不幸に突き落とすことになる。そのときに一番被害を受けるのは、弱い立場に置かれた人々なのである。

 財源の裏づけと理念は、政府の責務として国民に提示すべきである。もし本予算が民主党の選挙目当ての政策であるならば、恥を知るべきである。

 どのような社会を目指すか、それが不明確であるからこそ、友愛、命を大切に、コンクリートから人へなどという抽象的な願望やスローガンをちりばめた、このように不透明な、理念なき政策、理念なき予算しかつくれないのである。

 予算案審議の過程において、総理や何人かの閣僚から、あなたたちに言われたくないとの発言があった。しかし、あなたたちは、状況を十分に承知をした上で、我々なら変えてみせると言って政権をとったのではなかったか。このような子供じみた発言は、今後、厳に慎まれたい。

 政治屋は次の選挙を考える、政治家は次の時代を考えるとの言葉は、私にとって、永遠の悩みであり、課題である。しかし、我が党は、次の選挙さえよければいいとは決して考えない。日本さえよければいい、今さえよければいいという考え方は絶対に誤りなのである。ましてや、次の選挙さえよければいいなどという考え方は、我々は決してとるものではない。

 これを明確に申し上げた上で、本予算案について速やかな撤回を求め、組み替え動議を提出するものである。

 議員各位におかれては、国民の代表としての良識に基づき、これに御賛同賜らんことをお願いし、私の提案理由の説明を終わるものである。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより、予算三案に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。小泉俊明君。

    〔小泉俊明君登壇〕

小泉俊明君 民主党の小泉俊明です。

 まず、大地震の被害を受けられたチリの皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、日本政府に一日も早い支援の実施を要請するものであります。

 また、国内で津波の被害を受けられた皆様にも心からお見舞いを申し上げます。

 それでは、民主党・無所属クラブを代表し、平成二十二年度総予算案に対し、賛成の立場から討論を行います。また、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求める動議に反対の立場から討論を行います。(拍手)

 平成二十一年八月三十日、国民の皆さんの一票の力によって日本の歴史が大きく変わりました。戦後の六十五年間だけでなく、日本の長い歴史の中でも、初めて選挙という民主的な手続により本格的な政権交代が実現し、鳩山内閣が誕生しました。日本の歴史に永久に残る出来事となることでしょう。

 今、政治に課せられた喫緊の課題は、長期的に低迷している日本経済を復活させ、国民生活に安心と活力をもたらすことであります。今回、鳩山内閣が初めて提出をした本予算は、これを実現するための第一歩となる歴史的な予算案であります。

 確かに、六十五年前の敗戦の廃墟の中から歴代自民党内閣が今日の日本の繁栄を築いてきたことは、高く評価しなければなりません。しかし、ここ二十年間、特に小泉内閣以来の約十年間、行き過ぎた市場経済至上主義という世界的にも歴史的にも誤った政策により、日本経済、特に地方経済の衰退と中小企業の疲弊と国民生活の破壊を招いたことは、極めて大きな責任があると言わざるを得ません。

 今回の予算案は、このような日本の弱体化を招いた、強きを助け弱きをくじくという小泉内閣以来の行き過ぎた市場経済至上主義と決別をし、国民の生活が第一との立場から、日本経済を復活させる政策への大転換を高らかに宣言したものであります。

 本予算案には、総選挙において約束させていただいた、子供一人当たり月額一万三千円を支給する子ども手当、高校の実質無償化、年金記録問題への対応、医師不足解消などの段階的実施、農業の戸別所得補償、高速道路の無料化の段階的実施、雇用対策など、今後四年間にわたって実施していくマニフェスト政策が盛り込まれております。

 平成二十二年の税収が前年度当初予算と比較し九兆円も減少する見込みのためマニフェストを満額実施できなかったことは、政府・与党の一員として率直におわび申し上げなければなりませんが、マニフェストに掲げさせていただいた政策を着実に実行していくことこそが、最大の景気対策であり、日本経済を再生する唯一の道であります。こうした鳩山内閣の取り組みは、必ずや結果を出すものと確信をしております。

 なお、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求める動議につきましては、基本的な考え方を異にするものであり、賛成できないことを申し上げます。

 議員各位におかれましては、一日も早く日本経済を復活させ、国民生活に安心と活力をもたらすため、本予算にぜひとも賛成することをお願い申し上げ、賛成討論とさせていただきます。(拍手)

議長(横路孝弘君) 村上誠一郎君。

    〔村上誠一郎君登壇〕

村上誠一郎君 自由民主党の村上誠一郎であります。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、平成二十二年度予算案については反対、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求める動議に賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 日本人は、勤勉でうそをつかない、恥を知る国民であると言われてきました。

 鳩山総理、あなたが、平成十四年以来、お母様から毎月一千五百万円、七年間で十二億六千万円の生前贈与を受けていた平成の脱税王事件の真相は、予算委員会の審議を通じても、その全容解明にはほど遠い内容となりました。

 あなたは、今、ブリヂストンの株三百五十万株、時価五十億円を超える株を所有する大株主です。あなたの年収は、この配当金と議員歳費だけでも一億円を超えています。不動産や株、預貯金等を合わせると、あなたの資産は一体幾らになるのでしょうか。普通であれば、自分の資産と収入だけで十分政治活動ができるはずです。

 鳩山総理、あなたは、私の全く知らなかったことであり、今回の件で私腹を肥やしたり不正な利益を受けたことはないと繰り返すばかりです。サラリーマンの生涯所得の四倍以上の十二億六千万円もの巨額な生前贈与を一体何に使ったのか、何一つ明らかにしていません。一般の人ならば、直ちに逮捕並びに徹底的な取り調べを受けます。法治国家でありながら不十分な捜査で終わってしまったことは、一般国民は納得できません。

 昨年十二月二十四日、総理の二人の秘書が政治資金規正法違反罪で起訴されました。二人は、あなたの罪をかぶったのです。これは、鳩山総理、あなたの犯罪なのです。

 秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだとは、鳩山総理、あなた自身の言葉です。あなたは、かつて、秘書の責任は国会議員の責任だと主張して、我が党の加藤紘一代議士に議員辞職を求めたではありませんか。

 鳩山総理、あなたに一片の良心の呵責があるのならば、あなたもまた恥を知る日本人であるのならば、今なすべきことは、潔く議員辞職をすることです。平成の脱税王のあなたには、徴税の大元締めである内閣総理大臣として国会に予算審議を求める資格はないと強く申し上げたい。

 二月四日には、小沢民主党幹事長の政治資金管理団体陸山会の土地購入をめぐる事件で、政治資金収支報告書虚偽記載罪により、石川知裕衆議院議員ら三人が起訴されました。小沢幹事長は嫌疑不十分で不起訴処分となりましたが、起訴された三人は小沢幹事長の罪をかぶったのであり、これは小沢幹事長の犯罪です。

 小沢幹事長、あなたの潔白さが証明されたわけではありません。自分が潔白だと主張するのであれば、堂々と政倫審等の国会の場に出席し、発言するべきではありませんか。小沢氏の政治資金団体が政治資金規正法を踏みにじる行為を続けていると言わざるを得ません。

 民主党の小林千代美衆議院議員への違法献金事件については、二月十五日に札幌地検が北海道教職員組合本部などを家宅捜査し、その全容解明に向けて捜査が進められておりましたが、昨日、北海道教職員組合幹部ら四人が逮捕されました。

 小林議員は、私は知らないと繰り返していますが、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金規正法違反であり、選挙費用の収支報告を義務づけた公職選挙法違反事件です。小林議員の選対委員長代理は既に有罪判決を受けており、連座制の適用も指摘されていますが、小林議員本人は議員辞職や離党を考えていないと言われています。

 しかし、その姿勢は、起訴されながら辞職もせずに離党で済ませている石川議員や、辞職勧告決議案をたなざらしにする民主党の姿とあわせて、民主党に自浄作用があるのかないのか、厳しく問われています。

 民主党の、労組が選挙丸抱えの体質が今回の小林議員の事件を招いたことは間違いありません。民主党は、企業・団体献金の禁止を唱える前に、労働組合と労組関連の政治団体からの献金について、即刻受け取りを拒否すべきではありませんか。労働組合による特定政党支持の強要はやめるべきだと思います。

 民主党が恐れているのは、小沢幹事長の辞任、石川議員、小林議員の辞職によって、四月の統一補欠選挙が行われ、そこでの敗北が七月の参議院選挙の結果に直結すること。補選から逃げるな民主党と強く申し上げ、本論に入ります。

 平成二十二年度予算案は、終戦直後の昭和二十一年度以来初めて国債発行額が税収を上回った、異常な予算であります。

 目標のない財政運営はありません。中期的な経済財政の運営方針を示さないまま予算審議をする国はありません。中期経済財政見通しと財政再建目標の不在のまま予算審議、税法審議を求めるのは、行政の怠慢にほかならず、返済計画もないまま借金するのと同じであります。

 特に、政府案の問題として、国と地方の借金が二〇一〇年度末には九百七十三兆円に達し、数年後には一千兆円を超えるとされています。その上に、個人金融資産から負債を差し引いた金融資産は一千六十五兆円と言われております。国債増発に黄色信号がともり始めた今、そのようなときに、財源確保のめどが立っていないのにマニフェストの実現のために数字合わせをしているこの予算から、今後の日本の経済回復及び成長の道筋が見えません。そしてまた、財政、金融面における出口戦略も欠如しています。そして、年度の公債発行上限をみずから設定してつじつま合わせを行うということは、財政規律がありません。理念なきばらまきと不透明な政策、巨大な支出です。そしてまた、「コンクリートから人へ」の幻想、すなわち、公共事業一・三兆円の大幅削減が地方経済への悪影響をもたらす。すなわち、仕事をつくらないのであれば、経済効果は期待できません。

 主に以上の点を指摘することができます。

 ローマ帝国は、御高承のように、パンとサーカスによって滅んだと言われています。鳩山政権は、国民にパン、すなわち、子ども手当、高速道路の無料化、農家の戸別補償等をばらまく一方、サーカス、事業仕分け等で国民の目を欺いてまいりました。

 子ども手当については、国民の七割以上が求める所得制限をなぜ設けないのでしょうか。全額国庫負担で賄うとしていたにもかかわらず、地方公共団体や事業主に七千五百億円もの負担を求めています。これに対して、地方負担を新年度予算案に計上しない方針を決定した地方自治体もあります。二月十九日に開催された地方公聴会では、民主党が推薦した意見陳述人でさえも、子ども手当については異論を唱えています。

 子育て世帯や子育て支援団体からは、現金給付ばかりではなく、保育所や学童保育などの充実が求められています。子ども手当のばらまきではなく、子供の医療費の無償化、あるいは幼稚園の無償化、小学校給食の無償化などを実施すべきです。

 高校授業料無償化については、この財源捻出のため、十六歳から十八歳までの特定扶養控除の上乗せ分の廃止によって一千四百億円を捻出するとのことですが、民主党のマニフェストには、特定扶養控除存続が明記されているではありませんか。明らかな公約違反であります。

 また、学校耐震化予算も、概算要求時の二千七百七十五億円から一千七百億円以上も削減され、地方自治体が予定していた五千棟のうち、二千八百棟の耐震化予算は確保できないことになりました。「コンクリートから人へ」の妄想により命を守れない予算がつくられてしまったのは、国民にとって悲劇としか言いようがありません。

 さらに、マニフェスト違反も数多く明らかになっています。

 暫定税率の廃止による二兆五千億円の減税はどこに行ったのでしょうか。年金保険料の流用禁止はどうなったのでしょうか。加入者全員に年金通帳を交付するとの公約はどうしたのですか。国家公務員総人件費二割削減は実現できるのですか。総務省の試算では、天下りせず定年まで勤務するようになると二〇二五年度の総人件費は今より最大二割増加し、マニフェスト違反が明白となっています。また、マニフェスト重点項目の実現に十二兆六千億円もの恒久財源が必要になりますが、総理を初めとする閣僚は答弁をはぐらかすばかりです。このように国民を欺くマニフェスト違反の亡国予算に、到底賛成することができません。

 鳩山総理、あなたは、平成の脱税王から平成の大ペテン師になろうとしているのではありませんか。

 しかし、国民はだまされていません。期待にはこたえていない、非常に甘い算段、拙速、点取り虫、危惧の念を持っている、ばらまきは絶対にだめだ、見通しがない、後世に禍根を残す、これらの発言は、ほかでもない、地方公聴会の意見陳述人の予算案に対するものです。総理、このような国民の声をしっかりと聞くべきであります。

 自由民主党・改革クラブは、財政、少子化対策、社会保障、雇用対策、農業政策、国土インフラ整備、普天間基地移転問題、地球環境問題を重点事項とする編成替えを求める動議を提出しました。

 政府・与党の理念なきばらまきマニフェストに沿った主要政策を抜本的に見直し、国債発行額を減額し、予算規模を健全なものとするために、そして国民の声をしっかりと反映するために、絶対に必要な編成替えです。本当に国民の生活を第一に考えるのであれば、政府・与党の皆さんには、我々の動議の内容を真摯に受けとめ、賛成の意思を示していただきたいと思います。

 最後に、昨年の衆議院総選挙で民主党に投票した人たちは、内政も外交もいいかげんな鳩山内閣に自分の一票を投じたのかと、ほぞをかむ思いの人たちが多いと思います。その上、政権交代によって生まれた民主党政権が民主主義に深刻な危機をもたらしていることも、指摘しておかなければなりません。

 本予算審議を経て見えてきたのは、友愛という名で覆われた政府・与党の利益誘導政治と隠ぺい体質であります。

 我が党議員が予算委員会などで再三指摘したように、箇所づけ情報漏えい事件は、国土交通省の個別事業予算の資料を予算審議前に政務三役が民主党へ、民主党が地方自治体へと流した、利益誘導そのものです。

 さらに、先日行われた長崎県知事選挙では、小沢民主党幹事長みずから、民主党推薦の候補者を知事に選べば、交付金を要望どおりに出し、高速道路もつくれると発言し、その利益誘導の姿勢が有権者に広く知れ渡ることになりました。他の民主党幹部も、そういう選択を長崎の方がするのなら民主党政権は長崎に対しそれなりの姿勢を示すと、恫喝政治、恐怖政治の可能性すらある極めて危険な発言をしています。しかし、長崎県民は、そのような利益誘導、恫喝政治の民主党に毅然とノーを突きつけ、良識を示しました。

 昨日の朝日新聞にも、予算をつけないとおどかされた離島の皆さんの民主党に対する不信の記事が出ておりましたが、これらの国民の声に政府・与党はどうこたえるのでしょうか。

 箇所づけ資料漏えい事件では、鳩山総理も非を認め、国交相の処分を検討せざるを得ませんでした。まことに情けない話であります。

 政府・与党が隠したのは、国交省の資料だけではありません。昨年の臨時国会以来、民主党は、マニフェストや普天間基地問題など、その主張を変節させてきましたが、鳩山総理隠し、小沢幹事長隠しの姿勢だけは一貫して守り抜いています。守り抜くべきものを勘違いしているのではないでしょうか。

 各種選挙でも世論調査でも示されているとおり、鳩山総理と小沢幹事長の政治資金問題に向けられる国民の目線は厳しく、証人喚問や参考人招致などによる真相解明を求める声が圧倒的です。しかし、鳩山総理も小沢幹事長も与党幹部も、その声に決して耳をかそうとはしない。ならばと、国民の声を代弁して申し入れを野党がしても、一顧だにせず、受けられないの一言で片づけてしまう。国民の声が無視され、与野党の協議すら行われないのでは、健全な議会運営とは到底言えません。

 国民の目線を標榜していた政権交代前の民主党の姿勢はどこに行ったんでしょうか。人には厳しく、自分には甘い、自分勝手な御都合主義。みずからの疑惑には口をつぐむ隠ぺい体質。そんな今の鳩山民主党政権が国民からノーを突きつけられる日は、すぐそこまで迫っているのであります。

 そのことを申し上げ、私の討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) 吉泉秀男君。

    〔吉泉秀男君登壇〕

吉泉秀男君 社会民主党の吉泉秀男です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表し、自民党提出の組み替え動議に反対をし、平成二十二年度予算案等に対し賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 皆さん、平成の大合併で千七百八十一市町村が消えました。全体の四五%がなくなったのでございます。そのほとんどが町村でございます。

 全国町村会がまとめた報告書には、財政基盤が弱い町村にとって、合併特例債、これを頼りに余儀なくされたと背景を述べながら、地域における行政の存在感が薄れ、これまで培ってきた行政と住民相互の連帯感が弱体化し、住民の地域づくり活動に支障が生じてきていると報告しています。

 皆さん、皆さんの地域はどうですか。山は荒れ、田んぼ、畑は荒れ、いつかしら若者がいなくなり、夜、自動販売機だけが、こうこうと照らし、寂しそうに立っている、こういう集落が私の住んでいる山形でふえています。町中においても、いつかしらシャッターがおりて、しにせの店が壊されて駐車場に変わってきている、こういう光景が今目立っております。自分自身、町職員の出身、そういう立場でございますから、地域の絆、地域が寂れていく、このことを黙って見ていることはできないのでございます。

 国、地方自治体、国民が、それぞれの役割を担い、生き生きと果たしながら社会全体を構築していく、その姿こそ、目指す日本のあり方である、こう鳩山政権は国民の前に宣言をしたのでございます。だからこそ、今回の九十二兆を超えるこの予算案は、その第一歩として位置づける予算だと言えますし、私自身、賛成するものでございます。

 その一つとして、公共事業費の削減、政治主導、予算編成過程の透明化、このことは、事業仕分けによって、予算編成に対する国民の大きな大きな関心を盛り上げてきたのでございます。そして、具体的には、「コンクリートから人へ」の政策転換、生活再建、地域の再建が、はっきりした形で国民に示されております。大型ダムに象徴される旧来型の大規模公共事業中心の予算配分ではなく、医療や年金、福祉、介護、教育、暮らしの分野に光を当てる、こういう姿勢が明確になっている予算でもございます。

 二つ目として、厳しい雇用情勢の中でも、雇用保険の加入要件である雇用見込み期間の六カ月以上から三十一日以上への短縮、失業後一年間の医療保険負担の軽減、雇用調整助成金の支給要件の緩和、これまでセーフティーネットの対象となっていなかった人たちを救済するものになっています。今月、三月は卒業式の月でございます。しかし、就職が決まらない、進路が決まらない、夢を膨らませている卒業生に社会の窓口を閉ざす社会、こういう社会であってはならないのでございます。

 三つ目として、十八兆円を超える巨額の財源不足に見舞われた地方にとって最大限配慮した予算を目指し、既存の加算とは別枠で九千八百五十億円を加算するなど、自治体が受け取る交付税額は一・一兆円の増額が図られたのでございます。

 そしてまた、ひもつき補助金から、地方が自由に使える一括交付金に道を開き、地域活性化、地方財政の充実強化が図られている予算でもございます。

 そして、皆さん、中小企業の資金関連の円滑化や経営支援、開発支援の充実、戸別所得補償、農業の六次化産業など、中小企業や農林水産業対策に力を入れ、未来を見据えた予算になっております。

議長(横路孝弘君) 吉泉秀男君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

吉泉秀男君(続) 未来の担い手である子供を社会全体で育てていく姿勢、国民にはっきりしております。

 私たち社民党は、一日も早く予算を成立させ、景気の回復、雇用の拡大、創出に向けて、国民の期待に沿うよう全力で頑張る決意を述べて、賛成討論にさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 富田茂之君。

    〔富田茂之君登壇〕

富田茂之君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 以下、反対する主な理由を申し述べます。

 第一には、現下の経済状況にこたえ得るような、経済立て直しに向けた視点を欠く予算であるという点であります。

 鳩山内閣は、マニフェストありきの視点からか、昨年十月、平成二十一年度第一次補正予算を二兆九千億円も執行停止するなど、景気にブレーキをかけてしまいました。公明党は、執行停止の解除が最善の景気対策であると提言しましたが、鳩山内閣は、これに耳をかさず、雇用を初めとする厳しい経済状況の中、やっとのことで二次補正予算を編成しましたが、遅きに失し、規模も不十分なものでありました。

 これまで、予算委員会では、予算案の審議の際、中長期的な経済財政の展望を示して、その年度の予算だけではなく、それをスタートとして、日本の経済財政がどうなっていくかという議論をしていました。鳩山内閣では、こういう議論の前提となる資料すら示されませんでした。二十三年度どうなるか、五年後、十年後どうなるかという議論が大事なのです。

 中長期の成長戦略についても、本予算案の編成終了後、基本方針なるものを示しましたが、具体案の策定は、今後、六月に向けて作業するという、その経済認識と経済政策に関する感度の鈍さは、極めて深刻であります。

 日本経済は、前政権が打ち出した中小企業対策、エコカー補助金、エコポイント制度を初めとする経済対策の効果によって、徐々に二番底の懸念が薄らぐ程度まで持ち直してきましたが、世界経済の動向を含め、なお楽観は許されません。

 雇用は依然と厳しく、今月卒業を迎える新卒者を含め、雇用不安は消えていません。また、地方では、仕事がないとの声が途絶えないのが実情であります。

 本予算案は、景気を押し上げるには物足りず、雇用不安、あるいは今後の経済の先行きへの不安を払拭することはできず、まさに、成長戦略なき先行き不安予算であると言わざるを得ないのであります。

 第二には、衆議院総選挙の際の国民との約束であるマニフェストに違反する予算となっている点であります。

 ガソリン税などの暫定税率の廃止で二兆五千億円の減税とうたっていたにもかかわらず、実質的には、これを維持し、全く減税を行いませんでした。

 子ども手当については、全額国費負担を約束していたにもかかわらず、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の名称が示すとおり、平成二十二年度限りの単年度、しかも地方負担四千六百五十二億円、事業主負担千四百三十六億円を残した形で、恒久的な財源がほとんど見当たらず、事実上、公明党が長年取り組んできた児童手当の拡充になっています。

 高速道路無料化についても、六千億の概算要求が一千億円に削られています。

 マニフェストの主要項目に必要な所要額概算として約七・一兆円と主張していたにもかかわらず、三・一兆円しか確保されていません。

 さらに問題なのは、マニフェストで全く触れられていなかった、十五歳以下の扶養控除について住民税分も廃止するとして約四千二百億円の増税、十六歳から十八歳までの所得税の特定扶養控除の縮小として約一千億円の増税、たばこ税の増税で約一千七百億円の増税等々、合わせて約一兆円の増税となっており、これは国民をだましたものにほかなりません。

 第三には、財政規律を放棄し、編成当初から初めに国債四十四兆円ありきでスタートし、結果として四十四・三兆円もの国債大増発となるなど、財政健全化に向けた道筋もないままに将来への不安を増幅する、国債頼み、埋蔵金頼みの一時しのぎの予算である点であります。

 平成二十二年度予算案においては、景気低迷による税収が大きく落ち込んでいるとはいえ、マニフェスト施策のために一般会計全体の財政規模を九十二兆円超にまで拡大したことによって、結果として、国債の発行が大きく膨らんでしまったことは、紛れもない事実であります。税収より公債費が上回るのは、昭和二十一年度以来、実に六十四年ぶりで、財務省の試算によれば、二十三年度は公債費は五十兆円を超えると予想される状況です。

 税外収入として十・六兆円を計上していますが、うち四・八兆円は財投特会からの受入金です。積立金残高全額の三・四兆円を活用してしまったため、積立金はゼロとなり、二十三年度は受け入れ不可能です。公益法人、独立行政法人等の基金等の国庫返納で約一兆円計上していますが、これは一時的なお金で、二十三年度は全く計上できません。財務省の試算によれば、二十三年度の税外収入は三・九兆円で、二十二年度よりマイナス六・七兆円となります。

 平成二十二年度予算全体が、いわば耐用年数一年限りの土台の上に建てられた仮住まいと言わざるを得ません。こうした場当たり的な財政運営を続けるようであれば、将来におけるさらなる国債の増発あるいは大増税になるのではないかとの不安を増幅させるものと言わざるを得ません。

 第四には、「いのちを守る予算」とは裏腹に、マニフェストの実現を優先する余り、ほかの国民生活にとって重要な予算が削減されるなど、不十分な点があることであります。

 具体的には、高校無償化の財源を確保するために、学校の耐震化など、まさに子供の命を守るための予算を大幅に削減されました。

 公明党は、大地震国である日本において、早急に学校施設などの耐震化の必要性を訴え、これまで適切に措置をしてきました。地方からのニーズも多く、経済波及効果も高いものであり、切れ目なく整備すべきものであり、そのための予算を確保すべきであります。予算委員会の質疑において、地方からの要望のある二千八百棟分、約千七百四十三億円の予算を経済危機対応・地域活性化予備費一兆円から支出する旨の答弁がありましたが、この点の確実な履行を求めるものであります。

 また、社会保障や福祉に関しても、厳しい財政状況ではありますが、特に低所得の方々の医療費負担の軽減のための高額療養費の見直し、さらには、がん対策の拡充、介護の施設など基盤整備の拡充、子育て支援の環境整備などを図るべきであると考えます。

 以上、反対する主な理由を申し述べました。

 最後に、政治と金の問題について指摘せざるを得ません。

 河野洋平前衆議院議長が、同氏を慰労し励ます会で、これだけマスコミの鳴り物入りで登場した新政権が国民の期待にこたえていない、脱税をした人が率いている、納めずに何年もいた、その首相が税金の無駄遣いをなくせと言っている、国民には不平不満がたまっていると述べたとの報道があります。

 不況の中、懸命に働き、まじめに納税されている国民お一人お一人の思いを私たち政治家も共有しなければなりません。

 民主党の小沢幹事長は、政治資金規正法違反容疑で秘書ら三名が検挙されましたが、御自身は嫌疑不十分で不起訴となりました。ある政治家が、限りなく黒に近い灰色だと指摘しましたが、国民も全く同じように感じています。

 昨日、民主党所属の小林千代美衆議院議員の陣営が、昨年八月の衆議院総選挙前に北海道教職員組合から一千六百万円の違法な資金提供を受けたとして、同組合の委員長代理や書記長ら四名が札幌地検に逮捕されました。

 教職員組合が絡む事件は、初めてではありません。二〇〇四年の参議院選挙で、山梨県教職員組合幹部らが、民主党の輿石参議院議員会長支援のために集めた寄附金を政治団体の収支報告書に記載せず、罰金の略式命令を受けました。

 労組丸抱えは、小林陣営だけだったのでしょうか。白鴎大学の福岡政行教授は、今回の事件について、民主党の労組丸抱えの実態を明らかにした点で大きな意味がある、国民は民主党のクリーンさに懸念を持ち始めているのではないかと指摘されております。

 石川知裕衆議院議員について、地元新聞社が次のように報道しています。

 民主党を離党した石川知裕衆議院議員が、一日早朝、音更側の十勝大橋のたもとで約三カ月ぶりにつじ立ちを再開した。道行くドライバーに、政治と金の問題は皆さんにおわびし、反省し、一から出直さなければいけない、今後の政治活動で不信を払拭するなどと訴えていた。石川議員は、午前七時過ぎ、宣伝カーを伴って十勝大橋のたもとに到着。民主党の道議、市議ら五人も応援に駆けつけ、演説は一時間余り行われたと。

 週刊誌のインタビューに応じたり、つじ立ちする前に、この国会で、みずから疑惑解明に努め、国民の信頼を回復するのが先ではありませんか。議員辞職勧告決議案もたなざらしのままで、民主党所属の地方議会議員が応援に駆けつけるとは、まさに偽装離党そのものではないですか。

 政治倫理綱領は冒頭で、「政治倫理の確立は、議会政治の根幹である。われわれは、主権者たる国民から国政に関する権能を信託された代表であることを自覚し、政治家の良心と責任感をもつて政治活動を行い、いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならない。」と規定し、第四項目めで、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と規定しています。

 この政治倫理綱領を定め、これを遵守すべきものとし、さらに、これを実効あらしめるために政治倫理審査会を設置したのは、昭和六十年六月当時、衆議院議院運営委員会委員長を務めていた小沢民主党幹事長御自身です。

 鳩山総理、小沢幹事長、石川・小林両議員、みずから政治倫理審査会に申し出て、政治的道義的責任の有無を明らかにすべきです。

 ところで、国権の最高機関である国会で、まさに予算案が審議中であるにもかかわらず、公共事業予算のいわゆる箇所づけが民主党県連を通じて関係者に公表されるという信じられない事態が起こりました。まさに国会軽視も甚だしく、ひいては国民を愚弄するものであり、要は、民主党政権型の新たな利益誘導、癒着の構造につながるのではないかとの批判は免れません。

 また、さきの長崎県知事選挙においても、選挙期間中に閣僚みずからが予算を盾にして露骨とも言える利益誘導的な発言をするなど、鳩山内閣を初め政権与党が国民のための予算を私物化しようとしている実情が見られました。

 これが政権交代の本質なのでしょうか。であるとすれば、まさに言語道断であります。政治と金をめぐる対応といい、今の民主党の政治姿勢は、国民の期待を全く裏切るものであると指摘するものであります。

 なお、自由民主党・改革クラブから提出された組み替え動議については、鳩山内閣の財政運営、財政政策に対する意見、考え方に関しては認識を共有する部分があるものの、総合的に勘案し、反対いたします。

 鳩山内閣が、謙虚に、そして真摯に国民に向き合って政権運営をなされるよう、強く訴え、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、二〇一〇年度総予算三案、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求めるの動議に、ともに反対の討論を行います。(拍手)

 今度の総予算案は、昨年の総選挙で国民が自公政権を退場させ、鳩山政権が発足したもとで初めて編成されたものであります。それだけに、予算案をめぐっては、政治を変えたいとの国民の願いにこたえ、旧来の政治をどう転換し、国民の暮らしと日本経済をどう立て直すかが鋭く問われているのであります。

 また、鳩山総理、小沢民主党幹事長という政権のトップにかかわる政治と金が大問題となりましたが、政治と金をめぐる疑惑の真相を徹底解明し、その政治的道義的責任を明らかにすることは、国民の政治に対する信頼を回復するため、欠くことのできない国会の責務であります。

 したがって、今回の予算審議には、こうした二つの課題にこたえる徹底審議こそが求められたのであります。

 ところが、民主党は、小沢幹事長を初め関係者の証人喚問には一切応じず、疑惑を解明し、政治的道義的責任を明らかにすることに背を向け続けたのであります。他方、自民党は、そうした民主党の姿勢を批判して審議拒否に走りました。これらのことが徹底審議に水を差したことを厳しく指摘しておきたい。

 しかも、看過できないことは、先週末、民主党が、自民、公明両党との国対委員長間で、三月二日中に予算の衆議院通過を図ることで合意し、前代未聞の確認書まで取り交わし、一連の審議・採決日程を各委員会に押しつけたことであります。かかる身勝手なやり方は、国会の民主的運営を踏みにじり、徹底審議に逆行するものであって、断じて容認できません。

 次に、本予算案そのものについてであります。

 今、必要なことは、経済危機から国民の暮らしを守り、日本経済を立て直すために、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて、雇用、中小企業を守ること、自公政権が続けてきた社会保障削減路線による傷跡を是正するために社会保障の拡充を図ること、軍事費と大企業・大資産家減税という二つの聖域にメスを入れて財源を確保し、庶民増税の不安を解消すること、この三つの転換であります。

 ところが、本予算案は、こうした政治の転換に踏み出すものになっていません。

 第一に、自公政権が続けてきた社会保障削減路線による傷跡を是正するものになっていないことです。

 後期高齢者医療制度は、その廃止を先送りした上に、総選挙後、約束していた保険料の負担軽減策も実行していません。保険料値上げなどによる制度の被害をさらに拡大しようとしているのであります。後期高齢者医療制度は速やかに廃止すべきです。

 障害者自立支援法の応益負担も、中途半端に残すのではなく、医療費の窓口負担を含め、直ちになくすべきです。

 目玉とされる子ども手当も、保育所の待機児童解消や義務教育の完全無償化、医療費の無料化など、子育ての土台を整備することと相まってこそ効果があります。子育てと教育条件の整備を土台から総合的に進めるべきであります。

 本予算案は、生活保護の母子加算復活や公立高校の授業料無償化など、国民の要求と運動を反映した部分的前進も見られますが、全体として、自公政権のもとで改悪された医療、介護、福祉制度をもとに戻し、社会保障拡充へと転換したとは言えません。

 第二は、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて雇用、中小企業を守る予算になっていないことです。

 旧来の経済政策では、大企業が幾らもうけても、企業内部に蓄積されるだけで、国民の暮らしに回りません。このシステムが日本経済を弱くしていることは明らかであり、その転換こそが必要であります。

 ところが、雇用をめぐって、政府が示した労働者派遣法の改正案要綱は、製造業派遣の原則禁止を言いながら、常用型派遣を例外とし、登録型派遣を禁止と言いながら、現行の専門二十六業務を例外としているのであります。これは、原則容認の重大な後退と言わねばなりません。

 予算審議の焦点の一つとなったのが、中小企業への対策です。

 大企業による不当な単価の引き下げ、仕事の一方的打ち切りを一掃するために、大企業と中小零細企業との公正な取引ルールを確立すべきです。日本の宝である町工場を守るために、工場の家賃や機械のリース代への緊急の直接支援に踏み出し、これまでの対策を抜本的に転換する必要があります。

 第三は、財源の問題です。

 鳩山内閣は、無駄を削れば財源はつくれると言ってきましたが、庶民には増税を押しつけ、軍事費や大企業、大資産家への優遇税制は温存、継続したままです。こうした聖域を温存した結果、巨額の公債発行と埋蔵金に依存する、その場しのぎで、全く先の見えない予算となっているのであります。

 これでは、政治を変えたいとの国民の要求にこたえることはできず、本予算案には反対であります。

 なお、自民党の組み替え動議は、旧来の自民党政治への反省もなく、消費税増税まで盛り込んでおり、到底認められません。

 以上、反対討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、石破茂君外三名提出、平成二十二年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 石破茂君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立少数。よって、石破茂君外三名提出の動議は否決されました。

 次に、平成二十二年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(横路孝弘君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(横路孝弘君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百七十四

  可とする者(白票)       三百十九

  否とする者(青票)       百五十五

議長(横路孝弘君) 右の結果、平成二十二年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

平成二十二年度一般会計予算外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿知波 吉信君   相原  史乃君

青木   愛君   赤松  広隆君   東   祥三君   網屋  信介君

荒井   聰君   五十嵐 文彦君   井戸 まさえ君   池田  元久君

石井   章君   石井 登志郎君   石毛 えい子君   石関  貴史君

石田  勝之君   石田  三示君   石田  芳弘君   石津  政雄君

石原 洋三郎君   石森  久嗣君   石山  敬貴君   泉   健太君

磯谷 香代子君   市村 浩一郎君   糸川  正晃君   稲富  修二君

稲見  哲男君   今井  雅人君   内山   晃君   打越 あかし君

生方  幸夫君   江端  貴子君   枝野  幸男君   小川  淳也君

小沢  一郎君   小沢  鋭仁君   小野塚 勝俊君   小原   舞君

緒方 林太郎君   大泉 ひろこ君   大串  博志君   大島   敦君

大谷   啓君   大谷  信盛君   大西  健介君   大西  孝典君

大畠  章宏君   大山  昌宏君   太田  和美君   逢坂  誠二君

岡島  一正君   岡田  克也君   岡田  康裕君   岡本  英子君

岡本  充功君   奥田   建君   奥野 総一郎君   奥村  展三君

加藤   学君   加藤  公一君   鹿野  道彦君   海江田 万里君

柿沼  正明君   笠原 多見子君   梶原  康弘君   勝又 恒一郎君

金森   正君   金子  健一君   神山  洋介君   川内  博史君

川口   浩君   川口   博君   川越  孝洋君   川島 智太郎君

川端  達夫君   川村 秀三郎君   河上 みつえ君   菅   直人君

木内  孝胤君   木村たけつか君   吉良  州司君   城井   崇君

黄川田  徹君   菊田 真紀子君   菊池長右ェ門君   岸本  周平君

北神  圭朗君   京野  公子君   工藤  仁美君   櫛渕  万里君

楠田  大蔵君   沓掛  哲男君   熊谷  貞俊君   熊田  篤嗣君

黒岩  宇洋君   黒田   雄君   桑原   功君   玄葉 光一郎君

小泉  俊明君   小平  忠正君   小林  興起君   小林 千代美君

小林  正枝君   小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   小室  寿明君

小山  展弘君   古賀  一成君   古賀  敬章君   後藤  英友君

後藤   斎君   後藤  祐一君   郡   和子君   近藤  和也君

近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君   佐藤 ゆうこ君

斉木  武志君   斉藤   進君   齋藤   勁君   斎藤やすのり君

坂口  岳洋君   阪口  直人君   笹木  竜三君   階    猛君

篠原   孝君   柴橋  正直君   下条  みつ君   城島  光力君

白石  洋一君   神風  英男君   首藤  信彦君   瑞慶覧 長敏君

末松  義規君   杉本 かずみ君   菅川   洋君   鈴木  克昌君

鈴木  宗男君   仙谷  由人君   園田  康博君   空本  誠喜君

田島  一成君   田嶋   要君   田名部 匡代君   田中けいしゅう君

田中 眞紀子君   田中 美絵子君   田中  康夫君   田村  謙治君

平   智之君   高井  崇志君   高井  美穂君   高木  義明君

高野   守君   高橋  昭一君   高橋  英行君   高松  和夫君

高邑   勉君   高山  智司君   滝    実君   竹田  光明君

武正  公一君   橘   秀徳君   玉木  朝子君   玉木 雄一郎君

玉城 デニー君   玉置  公良君   樽床  伸二君   中後   淳君

津川  祥吾君   津島  恭一君   津村  啓介君   辻    惠君

筒井  信隆君   手塚  仁雄君   寺田   学君   土肥  隆一君

道休 誠一郎君   富岡  芳忠君   豊田 潤多郎君   中井   洽君

中川   治君   中川  正春君   中島  政希君   中島  正純君

中津川 博郷君   中塚  一宏君   中根  康浩君   中野  寛成君

中野   譲君   中野渡 詔子君   中林 美恵子君   中山  義活君

仲野  博子君   永江  孝子君   長尾   敬君   長島  昭久君

長島  一由君   長妻   昭君   長安   豊君   仁木  博文君

西村 智奈美君   野木   実君   野田  国義君   野田  佳彦君

羽田   孜君   萩原   仁君   橋本  清仁君   橋本  博明君

橋本   勉君   畑   浩治君   鉢呂  吉雄君   初鹿  明博君

鳩山 由紀夫君   花咲  宏基君   浜本   宏君   早川 久美子君

原口  一博君   伴野   豊君   樋口  俊一君   樋高   剛君

平岡  秀夫君   平野  博文君   平山  泰朗君   福嶋 健一郎君

福島  伸享君   福田  昭夫君   福田 衣里子君   藤田  一枝君

藤田  大助君   藤田  憲彦君   藤村   修君   古川  元久君

古本 伸一郎君   細川  律夫君   細野  豪志君   本多  平直君

馬淵  澄夫君   前原  誠司君   牧   義夫君   牧野  聖修君

松岡  広隆君   松木けんこう君   松崎  公昭君   松崎  哲久君

松野  頼久君   松原   仁君   松宮   勲君   松本  大輔君

松本  剛明君   松本   龍君   三日月 大造君   三谷  光男君

三村  和也君   三宅  雪子君   三輪  信昭君   三井  辨雄君

水野  智彦君   皆吉  稲生君   宮崎  岳志君   宮島  大典君

向山  好一君   村井  宗明君   村上  史好君   村越  祐民君

室井  秀子君   本村 賢太郎君   森岡 洋一郎君   森本  和義君

森本  哲生君   森山  浩行君   矢崎  公二君   谷田川  元君

柳田  和己君   山尾 志桜里君   山岡  賢次君   山岡  達丸君

山口  和之君   山口   壯君   山崎  摩耶君   山崎   誠君

山田  良司君   山井  和則君   山花  郁夫君   山本  剛正君

湯原  俊二君   柚木  道義君   横粂  勝仁君   横光  克彦君

横山  北斗君   吉川  政重君   吉田   泉君   吉田 おさむ君

吉田  公一君   吉田  統彦君   笠   浩史君   和嶋  未希君

和田  隆志君   若井  康彦君   若泉  征三君   鷲尾 英一郎君

渡辺 浩一郎君   渡辺   周君   渡辺  義彦君   渡部  恒三君

阿部  知子君   重野  安正君   辻元  清美君   照屋  寛徳君

中島  隆利君   服部  良一君   吉泉  秀男君   亀井  静香君

下地  幹郎君   松下  忠洋君   石川  知裕君

否とする議員の氏名

あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君   赤澤  亮正君

秋葉  賢也君   麻生  太郎君   甘利   明君   井上  信治君

伊東  良孝君   伊吹  文明君   石田  真敏君   石破   茂君

石原  伸晃君   稲田  朋美君   今村  雅弘君   岩屋   毅君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   遠藤  利明君   小里  泰弘君

小野寺 五典君   小渕  優子君   大島  理森君   大野  功統君

大村  秀章君   加藤  勝信君   加藤  紘一君   梶山  弘志君

金子  一義君   金子  恭之君   金田  勝年君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   河井  克行君   河村  建夫君   木村  太郎君

岸田  文雄君   北村  茂男君   北村  誠吾君   小池 百合子君

小泉 進次郎君   古賀   誠君   後藤田 正純君   河野  太郎君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君

齋藤   健君   坂本  哲志君   塩崎  恭久君   塩谷   立君

柴山  昌彦君   下村  博文君   新藤  義孝君   菅   義偉君

菅原  一秀君   園田  博之君   田中  和徳君   田野瀬良太郎君

田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君

竹下   亘君   竹本  直一君   武田  良太君   武部   勤君

橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君

谷川  弥一君   谷畑   孝君   徳田   毅君   中川  秀直君

中谷   元君   中村 喜四郎君   永岡  桂子君   長島  忠美君

長勢  甚遠君   二階  俊博君   西野 あきら君   西村  康稔君

額賀 福志郎君   野田  聖子君   野田   毅君   馳    浩君

鳩山  邦夫君   浜田  靖一君   林   幹雄君   平井 たくや君

平沢  勝栄君   福井   照君   福田  康夫君   古川  禎久君

古屋  圭司君   保利  耕輔君   細田  博之君   町村  信孝君

松浪  健太君   松野  博一君   松本   純君   三ッ矢 憲生君

宮腰  光寛君   村上 誠一郎君   村田  吉隆君   茂木  敏充君

森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君   柳本  卓治君

山口  俊一君   山本  公一君   山本  幸三君   山本   拓君

山本  有二君   与謝野  馨君   吉野  正芳君   赤松  正雄君

井上  義久君   池坊  保子君   石井  啓一君   石田  祝稔君

稲津   久君   漆原  良夫君   江田  康幸君   遠藤  乙彦君

大口  善徳君   神崎  武法君   佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君

坂口   力君   高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君

富田  茂之君   西   博義君   東   順治君   古屋  範子君

赤嶺  政賢君   笠井   亮君   穀田  恵二君   佐々木 憲昭君

志位  和夫君   塩川  鉄也君   高橋 千鶴子君   宮本  岳志君

吉井  英勝君   浅尾 慶一郎君   江田  憲司君   柿澤  未途君

山内  康一君   渡辺  喜美君   衛藤 征士郎君

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案とともに、総務委員長提出、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案は委員会の審査を省略して、三案を一括議題とし、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)

議長(横路孝弘君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。総務委員長近藤昭一君。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔近藤昭一君登壇〕

近藤昭一君 ただいま議題となりました三案につきまして申し上げます。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 両案の要旨について申し上げます。

 地方税法等の一部を改正する法律案は、個人住民税における扶養控除の見直し、自動車取得税及び軽油引取税の税率の特例措置の見直し、地方のたばこ税の税率の引き上げ、地方税における税負担軽減措置等の適用状況等に関する報告書を国会に提出する措置の創設など、所要の措置を講じようとするものであります。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方団体が行う雇用情勢等を踏まえた当面の地域の活性化に資する施策の実施に必要な財源を確保するために一兆四千八百五十億円を加算する等平成二十二年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、平成二十二年度における措置として雇用対策・地域資源活用臨時特例費を設けるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため地方交付税の単位費用等の改正を行い、また、公営競技納付金制度及び地方公共団体に対して貸し付けられた旧資金運用部資金等の繰り上げ償還に係る措置を延長し、あわせて、子ども手当の創設に伴い地方特例交付金を拡充する等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、去る二月十六日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、同月十九日原口総務大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十四日、三月一日及び本日質疑を行い、これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、委員会において、地方税財政基盤の早期確立に関する件について決議を行いました。

 以上、御報告申し上げます。

 次に、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 まず、本案の趣旨につきまして御説明申し上げます。

 過疎対策につきましては、昭和四十五年以来四度にわたり、議員立法による特別措置が講じられてきたところでありますが、現行の過疎地域自立促進特別措置法は、この三月末日で有効期限が経過いたします。

 過疎地域におきましては、なお引き続く人口減少と著しい高齢化に直面し、農林水産業の衰退、いわゆる限界集落の発生、地域医療体制の弱体化など、さまざまな課題が生じております。

 しかし、過疎地域が、極めて重要な公益的機能を有していることを思えば、過疎問題の解決を国民全体にかかわる重要課題ととらえ、実効性ある対策を切れ目なく講じていく必要があります。

 このような現状認識にかんがみ、本案を提出した次第であります。

 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、現行法による過疎地域に加え、人口及び財政力に関する一定の要件を満たす地域を過疎地域として追加すること、

 第二に、過疎地域自立促進方針等の策定に係る義務づけ等の見直しを行うこと、

 第三に、過疎対策事業債の対象経費を拡充すること、

 第四に、現行法の有効期限を平成二十八年三月三十一日まで延長すること

としております。

 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。

 本案は、本日総務委員会におきまして、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 なお、委員会において、過疎対策の推進による過疎地域の自立促進に関する件について決議を行いました。

 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 三案中、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につき討論の通告があります。順次これを許します。橘慶一郎君。

    〔橘慶一郎君登壇〕

橘慶一郎君 自由民主党の橘慶一郎です。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表し、地方税法等の一部を改正する法律案には反対、地方交付税法等の一部を改正する法律案には賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 冒頭、税の問題を論ずる上では、鳩山総理の巨額脱税事件にどうしても触れなければなりません。

 総理御自身も、このことについて幾度となくおわびをされ、国民に納税義務の履行をお願いされておられます。しかしながら、国民の多くからは、納得がいかないとの声があり、国のかじ取りをされなければならない立場として、疑問を感じる声ばかりであります。

 総理は、身を粉にして頑張る決意であると発言をされておられますが、国民からは既に赤信号が示されているとの認識をお持ちではないのでしょうか。私も、鳩山総理に適格性なしとする同僚議員と認識を同じくするものであります。

 また、この半年間、暫定税率の取り扱い、基地問題への対応、子ども手当からの給食費控除の可否など、政策の基本方針について総理の発言がふらつく場面が多く、対処の遅さが目立っております。政府全体に言えることでありますが、ぜひ言葉の重みを大切にされるよう、強く求めるものであります。

 地方税制及び地方財政計画は、地方の自立の土台となるものであります。国家財政が厳しい状況に置かれている今日、地方自治体の財政をどのように安定させるか、また、納税者、国民にとってどのような税体系が望ましいのかは、密接かつ重大な課題であります。しかるに、民主党マニフェストは、国全体として政策の実現に必要な財源が確保されていないという大きな欠陥があります。政策規模を縮小するか、あるいは増税による財源確保を図らなければ、日本が重大な状況に立ち至るのではないかと危惧するものであります。

 地方税法等の一部を改正する法律案では、こうしたマニフェストの欠陥が明らかになっております。

 以下、具体的な問題点を三点指摘いたします。

 第一に、政府案は、事実上、子ども手当の財源を確保するために、個人住民税の扶養控除の見直しを行うこととしております。

 昨年七月、個人住民税の扶養控除見直しを指摘した我が党に対し、民主党は、「配偶者控除と扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税は含んでいません。」という抗議文を当時の細田博之幹事長に送りつけました。この抗議文は、今でも民主党のウエブサイトに掲載されております。私どもの指摘はこの政府案によって事実と認められたのですから、民主党は、早急に抗議文を削除、撤回し、謝罪すべきではないでしょうか。

 そもそも、個人住民税の控除は、税制の抜本改革の中で体系的に議論すべき問題であります。政府案は、消費課税を含む税制の議論から逃げ、ばらまき予算の財源確保のために所得控除の廃止を利用する場当たり的なものであり、無責任きわまりないものであると断言せざるを得ません。

 第二に、ガソリン税に連動して、軽油引取税の暫定税率の課税停止を行うこととなっております。

 市場の動向という他動的な要因による減収リスクを一方的に押しつけるばかりでなく、地方の減収をどう補てんするかについても、法律上何も触れておらず、地方は極めて不安定な状況に置かれます。

 加えて、国民生活の面から見ても、課税停止のたびに大混乱が生じることは明らかであります。ぜひ、この規定を置いていただきたかった、このように思うわけであります。

 また、暫定税率を「当分の間」と改めるのは、「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施します。」というマニフェストの欠陥を証明したのも同然であります。この点だけ取り上げても、今すぐにマニフェストを撤回すべきだと言えます。

 第三に、地方たばこ税についてでありますが、十分な検討を行わないまま税率を引き上げることとなりました。

 たばこ税を引き上げる際には、たばこと健康の関係、葉たばこ業者やたばこ小売店への影響などについて、十分な検討を行う必要があります。政府案は、議論が生煮えのまま、数字のつじつま合わせのために税率を引き上げる極めて乱暴なものであります。

 以上、三点を指摘したいと思います。

 地方交付税法等の一部を改正する法律案については、鳩山不況によって厳しい状況に追い込まれている地方財政に一刻の猶予も許されないため、賛成をいたします。

 しかし、地方一般歳出の増加は、子ども手当などの一般行政経費の増額によるところが大きく、地方単独事業が一兆二千億円以上削減されるなど、実質的には大幅な緊縮予算であること、また、地方交付税の法定率の見直しを含む税体系の抜本改正、地方交付税体系の安定化に向けた道筋がいまだ不透明であることの二点を指摘しておきます。

 以上、我が会派の考え方を申し述べさせていただきました。

 日本の各地域がそれぞれのよさを生かし、元気に頑張っていく希望が持てるように、地方税財政の安定的な運営はぜひとも必要であります。そのためにも、国の歳入と歳出のバランスがとれない欠陥マニフェストを撤回すべきであります。

 加えて、この暫定税率をめぐる政策決定の過程では、当初は廃止するという内閣の方針であったのに、小沢幹事長の方針が、年末に、暫定税率の維持に向けてかじを切られると、あっさりと変更されました。

 鳩山内閣では、政策は党に一元化するとされていたのに、あたかも一つの車にハンドルが二つついているかのようであるわけです。鳩山総理には、ぜひともハンドルを一つにしていただき、国民の声に耳を傾けていただきたいと思います。そのことを、政治と金や箇所づけ問題に関して我が党が要求している項目を受け入れることで示すべきではないでしょうか。それが、直近の選挙、長崎知事選によって示された国民の民意なのであります。

 この国の行く末を決める二つのハンドルが、ともに政治と金のためにさびついていることは、大変憂慮すべき事態であります。政治と金に関する我が党の要求は、このさびを取り除くために今すぐ必要な処置であることを申し上げ、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 奥田建君。

    〔奥田建君登壇〕

奥田建君 民主党の奥田建です。

 冒頭、二月二十七日、チリで発生しました巨大地震によりまして亡くなりました皆様方に御冥福をお祈りしたいと思います。さらに、一日も早い救助の進展と国の復興をお祈りし、また、あわせて、日本の国内でも津波による被害を受けられました皆さん方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して、民主党・無所属クラブを代表し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 まず、地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成する理由を申し述べます。

 過去の自公政権は、いわゆる三位一体改革の名のもとで、地方交付税などを約五・一兆円も削減してまいりました。その結果、自治体は厳しい財政運営を余儀なくされて、住民の暮らしに必要な行政サービスさえもカットしなければならない状況となっています。そこに、急激な景気の後退が追い打ちをかけました。

 地方交付税法等改正案に盛り込まれた地方交付税の一兆一千億円の増額は、こうした地方の危機的状況を救う措置であり、地方が待ち望んでいるものであります。地方交付税が一兆円以上増加するのは十一年ぶりのことであり、画期的な措置と言えるかと思います。

 また、単に地方交付税の金額をふやしただけでなく、増額分の配分指標に有効求人倍率やその変化率を用いており、雇用状況が厳しい地域に手厚く配分する算定方式を用いている点も評価できると思います。

 さらに、同改正法案には、自治体が借り入れた公的資金の補償金免除繰り上げ償還を可能とする措置が盛り込まれています。これにより、高金利の地方債の公債費負担を二千四百億円程度軽減することができるようになります。

 これらの措置は、必ずや、疲弊し切った地方の活性化の起爆剤になるはずです。また、自治体が高齢者や障害者福祉、保育や教育などの予算を拡充することができるようになり、国民がより安心して暮らせるようになることも期待できます。

 次に、地方税法等の一部を改正する法律案に賛成する理由を申し述べます。

 鳩山内閣は、これまでの与党の税制調査会と政府の税制調査会の機能を一元化しました。新たな税制調査会は政治家から構成され、政治主導で激しい議論が行われてまいりました。

 その最大の成果の一つが、税負担軽減措置の抜本的見直しであります。

 税負担軽減措置の中には、導入から長い期間が経過し、役割を既に終えていると考えられるものや、特定の業界あるいは一部の企業のみが恩恵を受け、既得権益化していることが疑われているものも含まれています。

 税制調査会で厳格な見直しが行われた結果、今回の見直しの対象とした地方税の税負担軽減措置九十項目のうち、縮減されるものは十項目、廃止されるものはサンセットのものも含めると四十七項目に上ります。

 今般の地方税法の改正によって、既得権益を一掃し、公平、透明、納得の税制に改める改革の大きな一歩を踏み出したと言えるかと思います。

 地方税法等改正案には、総務大臣が地方税の税負担軽減措置の適用状況等に関する報告書を作成し、国会に提出する仕組みが想定されています。これは、民主党がマニフェストで挙げた「租税特別措置の適用対象を明確にし、その効果を検証できる仕組みをつくる。」という公約の具体化です。国民の視点に立った新たな税制を築く改革の推進装置になるものと期待しています。

 また、今回の改正案には規定されていませんが、「新しい公共」を確立するためにプロジェクトチームを設置し、寄附税制の拡充を検討している政府の姿勢も国民の視点に立ったものとして高く評価いたします。

 人は皆、子育てや介護、病気、仕事、勉強など、さまざまな面で何かしら悩みや問題を抱えています。それらを自分の力、みずからの力だけで、あるいは行政サービスを初めとした既存のサービスで解決できない問題といったものも少なくありません。

 鳩山総理が施政方針演説で述べたように、人間が人間らしく幸福に生きられるようにするためには、市民やNPOが「新しい公共」の担い手となり、社会全体で支え合っていくことが不可欠です。支え合いを促す有効な税制改正が行われるよう、エールを送りたいと思います。

 以上、賛成の理由を申し述べました。

 地方の財源を拡充する地方交付税法等改正案、国民の視点に立って地方税制のあり方を抜本的に変える地方税法等改正案は、政権交代、そして地域主権を改革の一丁目一番地に挙げる鳩山政権の政治主導の成果にほかなりません。引き続き、鳩山政権において、ひもつき補助金の廃止と一括交付金化、あるいは義務づけ、枠づけの見直しなど地域の活力を引き出す地域主権改革、さらには、寄附税制の拡充など国民の視点に立った税制改革、これらが着実に推進されるよう要望いたします。

 昨日、バンクーバーでの冬季オリンピックが閉会いたしました。選手の皆様から、私たちは感動と夢を与えていただきました。この国会におきましても、本法案の成立をもって、政治の実りとして、地方に、国民に希望とそして活力を届けられますことを願いまして、私の賛成討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 稲津久君。

    〔稲津久君登壇〕

稲津久君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に反対、地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場で討論をいたします。(拍手)

 雇用不安や景気に対する先行き不安など、現在、我が国は極めて厳しい経済状況の中に置かれており、今まさに年度末を迎えた地方経済の現場からは、仕事がないとの悲鳴にも似た声が上がっております。まさに待ったなしの我が国の地方経済を支えるため、今こそ全力で取り組むことが求められているのです。

 以下、具体的内容について申し上げます。

 初めに、地方税法等の一部を改正する法律案については、民主党が国民に約束したマニフェストを次々と一方的に破棄し、平然と公約違反が行われているという異常な内容であるばかりか、来年度以降の財源に関する裏づけや見通しが全くない、まさに場当たり的、その場しのぎの内容であると断ぜざるを得ません。

 第一に、住民税の扶養控除見直しについては、マニフェストに記述のない控除廃止であり、明らかな公約違反であります。

 政府は子ども手当の創設との関係において扶養控除の見直しを行うとしていますが、子ども手当などの財源は予算の無駄排除で確保できるとの主張は、一体どこに行ってしまったのでしょうか。

 昨年十二月、関係四大臣によって、住民税の扶養控除の廃止等に伴う増収分について、最終的には子ども手当の財源として活用することもあるかのような合意が交わされましたが、財源と無関係なはずの地方税の扶養控除を廃止し、その上、子ども手当の財源として活用するというのであれば、筋違いも甚だしい。

 今回の控除の見直しによって実質的な負担増を強いられる世帯がどの程度なのか。二十三年度以降の恒久的な財源に関する見通しはどうか。これだけの疑問に政府・民主党は全く答えていないというのは、言語道断であります。

 第二に、自動車関連諸税についても同様であります。

 軽油引取税の暫定税率は廃止するとの主張を百八十度方針転換し、実質的に暫定税率を維持したことは、これまでの我が党の考え方にも沿うものであり評価しますが、その経緯及び理由については、国民が納得する説明は何らされておりません。

 本則税率を上回る新たな課税根拠は何なのか。地球温暖化対策とするならば、どの程度寄与するのかとの説明も不明確。また、暫定期間をいつまで継続するのかなども書き込まれておりません。

 また、いわゆるトリガー条項については、年度途中での税収の大幅な減収が生じた際の減収補てんの具体策がなく、発動・解除基準となる小売価格付近で起こり得る不当な価格操作に関する未然防止策もありません。

 このように、多くの課題が残されたままでの見切り発車と言わざるを得ないわけです。

 第三に、たばこ税の税率引き上げについても、国民的な議論の形成を図る努力もなく、計画性のない短絡的な政府の姿勢をあらわしたものであると断ぜざるを得ません。

 安易な財源確保策として用いることは望ましくないとしながら、取りやすいところから取るというような政府の姿勢こそが安易であるとのそしりは免れないでしょう。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案については、地方財政の収支が著しく不均衡であることを踏まえ、平成二十二年度分の地方交付税等の増額を一・一兆円確保するほか、行政経費の財源措置のため地方交付税の単位費用等の改正をするとともに、地方公共団体が借り入れた旧資金運用部資金等の公的資金の補償金免除繰り上げ償還措置を平成二十四年度まで延長し、また、公営競技納付金制度を平成二十七年度まで延長するものであります。

 本法律案は、地域のニーズを踏まえたサービスの提供のための所要の財源を確保するためのものであり、地域経済を支えるために地方の財源の充実を図るものであると考えます。

 以上申し上げて、私の討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長玄葉光一郎君。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び同報告書

 所得税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔玄葉光一郎君登壇〕

玄葉光一郎君 ただいま議題となりました各法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案は、平成二十二年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるとともに、財政投融資特別会計からの一般会計への繰り入れの特例に関する措置並びに外国為替資金特別会計及び食料安定供給特別会計からの一般会計への繰り入れの特別措置を定めるものであります。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案は、支え合う社会を実現するとともに、経済社会の構造変化に適応し、国民が信頼できる税制を構築する観点からの税制全般にわたる改革の一環として、個人所得課税、法人課税、国際課税、資産課税、消費課税、市民公益税制、納税環境整備、租税特別措置等について所要の措置を講じようとするものであります。

 次に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案は、租税特別措置に関し、適用の状況の透明化を図るとともに、適宜適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与するため、適用の実態を把握するための調査及びその結果の国会への報告等の措置を定めるものであります。

 各案は、去る二月十六日当委員会に付託され、十九日菅財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、二十四日から質疑に入りました。二十六日には参考人から意見を聴取し、本日鳩山内閣総理大臣に対する質疑を行うなど、慎重に審査を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、順次採決いたしましたところ、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案はいずれも賛成多数をもって、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。小泉進次郎君。

    〔小泉進次郎君登壇〕

小泉進次郎君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の二法案に反対、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 冒頭、討論に先立ちまして、一言申し上げます。

 まず、最大の問題は、これらの法案が歳入関連法案として国民にさまざまな負担をお願いする法案であるにもかかわらず、その法案を提出する内閣の最高責任者鳩山総理自身が、納税意識に著しく欠け、自分自身の政治資金管理団体に関する偽装献金問題や母親からの資金提供疑惑に対し、何ら説得力のある説明責任を果たさないことであります。

 ばれなければ納税しない、ばれたら納税する、そしてばれても説明しない、そんな鳩山総理の姿勢からは、納税意識や納税道義といったものはみじんも感じることはできません。

 その一方で、厚かましくも、国民に負担をお願いする法案に賛同してくれと言うのは、国民目線とはほど遠い、自分目線じゃありませんか。民主党のスローガン「国民の生活が第一。」、もう一度思い出していただきたいと思います。

 それでは、特例公債法案について申し上げます。

 民主党は、昨年の総選挙のマニフェストで、税金の無駄遣いを徹底的になくす、国の総予算二百七兆円を全面的に組み替えるとか、あるいは、今の仕組みを改め、新しい財源を生み出すなど、聞こえがいい言葉を並べ、マニフェスト実現に必要な財源について、特例公債を発行するということは、一言もマニフェストにうたわなかったのであります。

 鳩山総理も、総理就任後の記者会見で、「少なくとも初年度分七兆円余りでありますが、十分にめどが立つのだと確信をいたしているところでございます。」と述べております。

 しかるに、どうでしょうか。事業仕分けで捻出できたのはわずか七千億円足らず、公益法人等の基金等からの返納金などをかき集めても、その総額は三兆三千億円にしかならず、初年度分七兆円にはほど遠い数字となりました。そのため、背に腹はかえられず、国民との約束も何のその、今回の特例公債発行となったわけであります。その結果、当初予算としては、昭和二十一年度以来、借金が税収を上回る異常事態となっております。

 むちゃな約束を国民に示し、期待値を上げ、答えを迫られて、できないと言う。でも、それでは済まないから、借金でやる。こんな思わせぶりなやり方、国民は許さない。私たちも認めるわけにはいかない。だから、当然反対であります。

 次に、所得税法等の一部改正案について申し上げます。

 本法案は、選挙目当てのばらまきマニフェスト実現のための財源探しであり、税制の理念や整合性、さらには税財源のあり方をも無視、とても賛成できるものではありません。

 また、税制改正プロセスを見ても、ガソリン税の暫定税率の廃止をめぐる混乱ぶりが示すように、議論は全く不透明、政府への政策一元化も名ばかりで、与党幹事長への決定権の一元化がはっきりしただけであります。

 小沢幹事長の一声で暫定税率の維持が決まったり、総理の意見はつぶされる。政府の新税制調査会とは一体何だったのでありましょうか。税制調査会の会長も、小沢幹事長がお務めになった方がわかりやすいのではありませんか。

 特に、暫定税率の廃止は、マニフェスト違反の金メダルと言えます。暫定税率は廃止、当分の間、現行水準を維持という自己満足でしかない結論では、これのどこがマニフェストの実現なのか。当分の間維持される税率の課税根拠はどこにあるのか、国民は全く理解できません。

 そもそも、マニフェストとは国民との約束です。税の技術論より、国民がどう受け取ったか、それが大切なのではありませんか。

 民主党のマニフェストには、「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施します。」と書いてあります。だれが見ても、税率が下がり、ガソリンの値段が安くなる、そう国民は受け取っていたはずです。

 総理、自分目線ではなく、国民目線で見てください。マニフェスト違反をしたことを国民はわかっているんです。国民が総理に期待していることは、マニフェストどおりにやりました、そんな無理な理屈を言い張ることではなく、マニフェスト違反を認め、なぜ違反したのか、納得いく説明を総理みずから行うことではありませんか。

 さらに、マニフェスト違反二つ目の金メダルは、所得税の控除の見直しであります。

 子ども手当の財源とするために全廃するとしていた一般の扶養控除については、十六歳未満の部分のみの廃止に縮小され、配偶者控除の廃止は先送り。一方、マニフェスト上存続させるとしていた特定扶養控除は縮減され、明記されていない地方税の扶養控除は廃止されることとなりました。この結果、例えば、特定扶養控除の見直しについては、何らかの事情で高校等に通学していない子供のいる世帯は高校の実質無償化の恩恵が及ばず、負担が増加する場合もあります。新たな不公平を生むことになり、言語道断です。

 これらは、各種控除の果たしている役割や関連する政策との整合性などを無視したものであり、国民の不安が一層募るのも当然です。

 また、いわゆる一人オーナー会社の役員給与の損金不算入制度の廃止は、財源不足の中、課税の適正化を置き去りにし、マニフェスト優先で行われた項目です。

 さらに、たばこ税の増税は、マニフェストにも書いていません。建前は健康目的、本音は財源確保。まさに苦し紛れ改正と言わざるを得ません。

 このように、税制の理念も整合性もなく、将来展望なき場当たり的改正を行う法案には、我が党としては反対するしかありません。このような法案を成立させるならば、我が国財政は、財政規律もなくなり、今後、再建不可能な状態に陥ることは明らかであります。

 なお、租特透明化法案については、その目的が租税特別措置の適切な見直しを推進し、課税の公平性確保に寄与することであることから、本法案には賛成であります。

 我が党は、責任ある野党として、国家国民のためになる法案、政策であれば、賛成し、協力もいたします。しかし、政府が権力を恣意的に振りかざし、与党が数の力で議会運営を強引に進め、議会制民主主義を危うくするようであれば、我々は、一丸となり、毅然として闘ってまいります。

 以上、申し述べた理由により、特例公債法及び所得税法等の一部改正法案については反対、租特透明化法案については賛成することを表明いたしまして、私の討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 富岡芳忠君。

    〔富岡芳忠君登壇〕

富岡芳忠君 民主党の富岡芳忠です。

 この討論に自民党もエース級をつぎ込んできたから私が選ばれたとは思ってはおりませんが、私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案の三つの法律案につきまして、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)

 昨年のあの暑い夏の総選挙において、国民の皆さんは、政権交代、すなわち、沈み行く泥舟から民主党鳩山丸への乗りかえを決断いたしました。我々は、国民の皆さんとともに、だれもが安心をし、希望を持って暮らせる社会を目指し、新たな船出をいたしました。

 しかしながら、足元の我が国の状況は、これまでの政権の失政の結果として、大変に厳しいということを改めて認識しなければなりません。膨らみ続ける巨額な国の債務、超少子高齢化、セーフティーネットの乏しい格差社会、外需依存のデフレ経済、そして既得権益や利権構造など、克服すべき難題が山積みされております。

 ここで議題になっております法律案は、これら諸課題を克服するための第一歩としての平成二十二年度予算の骨格をなすものであり、国民生活を守るべく、一刻も早く成立を図らなければなりません。

 我が国経済の現状は、最悪期は脱しつつあるものの、依然として、民需主導の成長路線に復帰するための基盤は脆弱であります。平成二十二年度予算は、税収が大幅に減少する中、新規国債発行額は四十四兆円強となりましたが、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させた、命を守るための予算となっております。今後、さらに一般会計、特別会計などの無駄を徹底的になくす作業を推し進める必要があると考えます。

 次に、税制についてでございますが、民主党政権においては、これまでの政府税調と与党税調の機能を一元化し、政治家から構成される税制調査会を政府に新たに設置するとともに、納税者の御理解を十分に得るために、税制改正のプロセスの透明化を図るものとなっております。

 平成二十二年度税制改正は、公平、透明、納得の三原則を基本とし、控除から手当への理念のもと、所得の再配分機能を抜本的に見直すことなど、格差を是正し、支え合う社会の実現を目指すものであり、経済社会の構造変化に対応したものと考えます。

 また、租税特別措置に関しても、大幅な見直しが必要となっております。

 隠れた補助金ともいうべき租税特別措置の適用実態は必ずしも明らかでなく、その正当性の検証も必ずしも十分ではありませんでした。改革の前提として、まずは適用実態や効果を検証できる仕組みを構築することが急務と考えます。

 国民の生活第一、その政策、すなわち、子ども手当の支給、高校授業料の無償化、農家への戸別所得補償などのマニフェストの主要項目を実現するため、三つの法律案による財政措置、税制の改革などをしっかりと行うことが必要不可欠であります。

 同時に、我々は、今日の難局を打開するため、明確な中長期の成長戦略を描き、その実現に向けて取り組んでいかなければなりません。これまでの資源配分をゼロベースで見直し、経済構造の転換を図ることにより、新たな成長の機会を見出していくこと、また、成長を支えるための財政の立て直し、この二つを同時に実現して初めて活力ある社会を取り戻すことができると考えます。

 我が国は、歴史の中で幾多の困難を乗り越えてまいりました。厳しい時代ではありますが、勇気と覚悟を持ってこれに立ち向かえば、必ず道は切り開くことができると確信しております。

 皆さん、大いに夢を語ろうではありませんか。私たちの未来は明るいんだと子供たちが自信を持って言える、そういう日本に私はしていきたいと思います。

 私たち民主党政権におけるそうした国づくりのスタートとして重要な予算関連法案であるこの法律案が、早期に成立し、施行されますことを強くお願い申し上げまして、私の賛成討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 石井啓一君。

    〔石井啓一君登壇〕

石井啓一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の二法案に反対、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)

 まず、特例公債法案について主な反対理由を申し述べます。

 平成二十二年度予算案は、鳩山内閣における中長期的な財政の見通しが全く示されない中で、将来への不安を増幅する場当たり的な予算案となっています。

 我が国の財政は極めて厳しい状況にあり、将来に向けた財政健全化への道筋をきちんと示すことが、時の政権にとって極めて重要であります。しかしながら、鳩山内閣は、財政健全化の議論を五月まで先送りしてしまいました。その結果、平成二十二年度予算案の編成は、当初から財政規律を放棄し、初めに国債四十四兆円ありきでスタートし、結局、四十四・三兆円もの国債大増発となりました。

 鳩山政権が予算編成前に行った事業仕分け等による予算の組み替えの成果は、政府の説明では二兆円、そのうち約一兆円は基金の返納などで、全くの一時的な財源にすぎません。さらには、平成二十二年度予算案では、一時的な財源である特別会計の積立金などのいわゆる埋蔵金に頼り、平成二十二年度でその多くを使い果たしてしまいます。このありさまで、平成二十三年度以降の財政運営をどのようにするのでしょうか。

 こうした鳩山政権の財政運営に対して、市場からも警告が出されております。

 このように、鳩山内閣の財政運営は、理念なし、将来の見通しなしで、財政規律を欠くものであります。したがって、平成二十二年度予算案における四十四・三兆円もの将来の見通しなき巨額の国債発行は到底認められるものではなく、その大宗を占める三十八兆円近い特例公債の発行を認める特例公債法案については容認できません。

 次に、所得税法等の一部改正案について主な反対理由を申し述べます。

 反対する第一の理由は、現下の経済状況を踏まえれば、景気刺激に資する税制とすべきにもかかわらず、中小企業支援や投資促進のための税制面での対応について積極的な姿勢が見られない点であります。

 平成二十二年度予算案、税制改正案の策定では、マニフェスト実現が至上命題とされ、経済対策の視点は影を潜めてしまいました。その結果、税制改正案では、投資を促す新たな施策はわずかで、むしろ、家計に対する負担増を求めるものになっております。経済の司令塔不在の中で、経済対策の上から、ちぐはぐな税制改正となっており、景気刺激の効果は極めて低いものとなっています。

 反対する第二の理由は、マニフェストの財源確保のために、きちんとした説明もなく、マニフェスト違反の増税を実施しようとしている点であります。

 中でも、人的控除については、控除から手当への考え方自体は理解できますが、人的控除のあり方は、税制の抜本改革の中で整合的に検討されるべきであります。単に財源確保のためにつまみ食い的に改正するやり方は、大いに問題があります。

 年少扶養控除の廃止を、所得税にとどまらず、住民税も廃止するとしたことは、明らかな公約違反です。また、子ども手当の支給額が月額一万三千円にとどまるならば、三歳未満の子供が現行の児童手当を受給している家庭では、年少扶養控除の廃止で、かえって負担増になるケースもあり、問題であります。

 特定扶養控除については、国税、地方税とも縮小され、これも公約違反であります。加えて、高校授業料無償化の財源との関連で特定扶養控除を縮小することは、高校授業料無償化の経済的支援の効果を減殺させるものとなります。

 たばこ税については、なぜ一本五円もの価格引き上げが必要か、明確な根拠は見当たりません。また、国民に理解を求める丁寧な議論を経たとは言いがたい中で、このような過去に例のない大幅増税を行うことは拙速であり、安易な大衆増税のそしりは免れません。

 なお、ガソリン等の燃料課税の暫定税率について実質的に暫定税率を維持するとしたことは、環境面での配慮など、公明党の主張と一致しますが、民主党にとってみれば明白なマニフェスト違反です。他方において、公明党は、自動車重量税、自動車取得税は、暫定税率を廃止し、本則税率まで引き下げるべきと考えます。

 以上、国税関係二法案に反対する主な理由を申し述べました。

 なお、租特透明化法案については、税制の透明化の観点から、賛成をいたします。

 最後に、一点申し上げたい。

 今、多くの国民は、確定申告にみずから足を運び、納税の義務を果たしております。鳩山総理は、こうした方々に、徴税の最高責任者である総理として、どのような言葉をかけるのでしょうか。

 国会の場で繰り返し指摘されているとおり、鳩山総理は、みずからへの巨額な資金提供をめぐって、脱税と指摘されても仕方のない対応をしているにもかかわらず、自分は知らなかったと言いわけするばかりであります。

 贈与された資金の使い道を含め、総理みずからが説明責任をきちんと果たしてこそ、納税者、国民の理解、納得が得られることを強く申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後七時十八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  鳩山由紀夫君

       財務大臣  菅  直人君

       総務大臣  原口 一博君

       法務大臣  千葉 景子君

       外務大臣  岡田 克也君

       文部科学大臣  川端 達夫君

       厚生労働大臣  長妻  昭君

       農林水産大臣  赤松 広隆君

       経済産業大臣  直嶋 正行君

       国土交通大臣  前原 誠司君

       環境大臣  小沢 鋭仁君

       防衛大臣  北澤 俊美君

       国務大臣  枝野 幸男君

       国務大臣  亀井 静香君

       国務大臣  仙谷 由人君

       国務大臣  中井  洽君

       国務大臣  平野 博文君

       国務大臣  福島みずほ君


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