衆議院

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第16号 平成22年3月25日(木曜日)

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平成二十二年三月二十五日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第八号

  平成二十二年三月二十五日

    午後一時開議

 第一 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第二 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 第三 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名

 人事官任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 公益認定等委員会委員任命につき同意を求めるの件

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

 日程第一 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第二 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 日程第三 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名

議長(横路孝弘君) 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名を行います。

高山智司君 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、中央選挙管理会委員に

      伊藤 忠治君    伊藤 基隆君

      鈴木 恒夫君    神崎 浩昭君

   及び 鳥居 一雄君

を指名いたします。

 また、同予備委員に

      西川  洋君    尾崎 智子さん

      元宿  仁君    山田 秀樹君

   及び 小宮 修二君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

 人事官任命につき同意を求めるの件

 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件

 情報公開・個人情報保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 公益認定等委員会委員任命につき同意を求めるの件

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件

 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件

 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件

議長(横路孝弘君) お諮りいたします。

 内閣から、

 人事官

 原子力安全委員会委員

 情報公開・個人情報保護審査会委員

 公益認定等委員会委員

 公認会計士・監査審査会会長及び同委員

 中央更生保護審査会委員

 日本銀行政策委員会審議委員

及び

 中央社会保険医療協議会委員に

次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。

 内閣からの申し出中、

 まず、

 人事官に原恒雄君を、

 原子力安全委員会委員に班目春樹君を、

 公認会計士・監査審査会委員に市川育義君、坂本道美君及び八木和則君を、

 日本銀行政策委員会審議委員に森本宜久君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 原子力安全委員会委員に代谷誠治君を、

 情報公開・個人情報保護審査会委員に小林克已君、名取はにわさん、遠藤みどりさん、北澤義博君、伊達規子さん、中村晶子さん、橋本博之君、池田綾子さん及び村上裕章君を、

 公益認定等委員会委員に池田守男君、堀裕君、北地達明君、時枝孝子さん、門野泉さん及び出口正之君を、

 公認会計士・監査審査会会長に友杉芳正君を、

 同委員に廣本敏郎君、引頭麻実さん、櫻井久勝君、淵田康之君、田島優子さん及び根本直子さんを、

 中央更生保護審査会委員に宮本信也君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。

 次に、

 公益認定等委員会委員に海東英和君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

 次に、

 中央社会保険医療協議会委員に牛丸聡君を

任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第一 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第一、農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長筒井信隆君。

    ―――――――――――――

 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔筒井信隆君登壇〕

筒井信隆君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、農業経営に関する金融上の措置の改善を図るため、株式会社日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫が農業改良資金の貸し付けの業務を行うことができることとし、農業改良資金等を貸し付けるこれらの機関に対し政府が利子補給を行う措置を設けるとともに、独立行政法人農林漁業信用基金による融資保険の対象に銀行等の貸し付けを追加する等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る三月十日本委員会に付託され、翌十一日赤松農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、二十三日質疑を行いました。質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第二、国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長川内博史君。

    ―――――――――――――

 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔川内博史君登壇〕

川内博史君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国が管理する道路、河川等の維持管理に要する費用に係る都道府県等の負担金を廃止するため、関係法律の整備を行うとともに、平成二十二年度に限り、安全性の確保等のために速やかに行う必要のある特定の事業に要する費用については、都道府県等から負担を徴収する措置を講じようとするものであります。

 本案は、去る三月九日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、十七日前原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十九日質疑に入り、二十三日質疑終了後、採決いたしました結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第三、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長藤村修君。

    ―――――――――――――

 雇用保険法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔藤村修君登壇〕

藤村修君 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえ、非正規労働者に対するセーフティーネット機能の強化、雇用保険の財政基盤の強化等を図るために所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、一週間の所定労働時間が二十時間以上であって三十一日以上雇用見込みの者については、雇用保険の適用対象とすること、

 第二に、事業主が届け出を行わなかったことにより雇用保険に未加入とされた者について、二年を超えて遡及して適用できるものとすること、

 第三に、平成二十二年度における雇用保険二事業の保険料率については、弾力変更の規定は適用せず、原則の千分の三・五とすること、

 第四に、雇用保険二事業の安定的な運営を確保するために、雇用調整助成金等のために必要な額について、失業等給付に係る積立金を使用することができる暫定措置を講じることとすること

等であります。

 本案は、去る三月十一日の本会議において趣旨説明が行われ、同日本委員会に付託されました。

 本委員会では、十七日長妻厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、昨日質疑を終局いたしました。

 次いで、自由民主党・改革クラブより、平成二十二年度における失業等給付に係る雇用保険料率を千分の八とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取し、修正案について内閣の意見を聴取いたしました。次いで、原案及び修正案について討論を行い、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。これを許します。加藤勝信君。

    〔加藤勝信君登壇〕

加藤勝信君 私は、ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・改革クラブを代表して、反対の立場で討論を行います。(拍手)

 その前に、先日、民主党の小林千代美衆議院議員の選挙に関連して、北海道教職員組合の最高幹部が政治資金規正法違反事件で起訴されました。多くの国民は、鳩山総理の秘書、そして現職の衆議院議員を含む小沢幹事長の秘書、さらにまた、民主党議員にかかわる者が次から次へと政治資金規正法違反で逮捕、起訴されたことに唖然としております。

 さらに、鳩山総理を筆頭に、自分は知らなかったと釈明するばかりで、国民に対する説明責任も、政治的な責任も一切果たそうとせず、また、民主党自身もこうした状況に何ら自浄作用を発揮しようとはされていません。国民の間からは、深い失望感が、そして強い怒りが沸き起こっております。

 本当に民主党の議員の皆さんは今のままでよいと考えておられるのでしょうか。国会が期待される機能と責任を果たすために、小林千代美議員、石川知裕議員、さらには鳩山総理及び小沢幹事長の秘書の証人喚問、参考人招致、そして石川議員に対する議員辞職決議案の採決の一日も早い実現を改めて求め、本題に入らせていただきます。

 支持率の低下がとまらない鳩山内閣のもとで、子ども手当を初め、理念なき、選挙目当ての政策のみがひたすら遂行され、我が国経済は、まさに羅針盤なき航海のごとき、出口の見えない厳しい状況が続いております。

 一日も早く景気を回復し、雇用の安定を図ることこそが喫緊の最重要課題であるにもかかわらず、今回の雇用保険法等の一部を改正する法律案は、不況にあえぐサラリーマンや事業主にさらに追い打ちをかけるとともに、問題の本質的な解決には全くなっていないと言わざるを得ません。

 以下、反対の理由を申し上げます。

 反対の第一の理由は、サラリーマンの給与収入が減少したにもかかわらず、平成二十二年度における雇用保険料率を五割も引き上げることであります。

 厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、平成二十一年の労働者一人当たりの平均現金給与総額は前年に比べて三・八%と大幅に減少し、金額にすると、月額一万二千円、年間約十四万円の減少となっています。

 さらに、平成二十二年度において、政府の経済見通しでは、雇用者報酬はさらに〇・七%減少することが見込まれております。

 他方、雇用保険、健康保険、厚生年金保険及び介護保険の保険料の引き上げにより、年収三百七十万円の平均的なサラリーマンの場合、雇用保険料の増加分七千円を含めて、平成二十二年度の社会保険料負担が年間約四万円も上昇することとなります。また、中小企業を初めとした事業主においてもほぼ同額の負担増となります。マクロベースで見ても、雇用保険で約五千億円、協会けんぽで約八千億円など、二兆円を超える大幅な保険料負担の増加となります。

 給与収入は大幅に減少し、社会保険料負担が増加するということでは、サラリーマン世帯にとって、まさに踏んだりけったりであります。

 そこで、我が党は、厚生労働委員会において、現下の厳しい経済状況にかんがみ、労働者及び事業主の経済的負担の軽減措置を図るため、本法律案に対して、平成二十二年度における失業等給付に係る保険料率を平成二十一年度と同様に千分の八とする修正案を提出いたしました。

 この修正による平成二十二年度の雇用保険料収入は、約六千億の減少が見込まれます。しかしながら、平成二十二年度末の失業等給付に係る積立金の残高は、約四兆円と見込まれております。過去の失業等給付の赤字額は最も大きかった年度でも約一兆円であること、また、政府がこの積立金から雇用保険二事業へ四千四百億円もの繰り入れを行おうとしていることなどを踏まえると、直ちに雇用保険財政の運営が行き詰まるとは考えられません。さらに、国庫負担の割合は、本則の四分の一に対し、平成二十二年度はその約半分の水準に据え置かれています。

 しかし、大変残念なことに、委員会において、この修正案は賛成少数で否決されてしまいました。

 与党の議員の皆さんにおかれては、地元の中小企業の厳しい経営状況や、そこで働いておられる方々が、自分たちの小遣いはもとより、食費までをも削らざるを得ないほどの厳しい家計状況にあることを、本当に理解されておるんでしょうか。積立金として有すべきぎりぎりの水準を見定め、少しでも雇用保険料を引き下げ、国民の負担軽減を図ることこそが、まさに政治の役割ではないのですか。「国民の生活が第一」との民主党の看板、早く撤去いただきたいと思います。

 反対の第二の理由は、平成二十二年度において、雇用調整助成金などの雇用保険二事業に対して、失業等給付の積立金から四千四百億円の繰り入れを行うことであります。

 後日繰り戻しすることとされておりますが、具体的な返済計画は示されておらず、また、雇用保険二事業の現状を考えると、予定が全く立たないというのが実態ではないでしょうか。こうした安易でこそくな手段は、絶対にとるべきではありません。特例的に国庫補助を実施するか、借り入れ規定を設け、それに基づいて借り入れを行うなどの抜本的な対応を図るべきであります。

 これに関連して、反対の第三の理由は、雇用保険二事業への繰入資金には利子が付されないということであります。

 財政融資資金に預託され利子を得ている失業等給付の積立金にとって、その一部を無利子で繰り入れるということになれば、得られたであろう利子を得ることができないことに、すなわち、実質的には失業等給付のための資金が事業主負担とされる雇用保険二事業に流用されることになります。

 年金保険において、保険料は年金給付以外には使わせないとあれほど声高に主張していたのはだれであったでありましょうか。失業等給付は別であるというのでありましょうか。全く理解できません。

 さらに申し上げれば、平成二十二年度予算案において、雇用保険料から一千億円以上が事務費に流用されているのです。同じ強制保険であるにもかかわらず、年金保険料は事務費に流用させないと主張しておきながら、雇用保険料は事務費に流用する、これこそ理念なき政治そのものではないでしょうか。

 反対の第四の理由は、本法律案が民主党のマニフェスト違反であることであります。

 民主党のマニフェストでは「全ての労働者を雇用保険の被保険者とする」としているにもかかわらず、本法律案では、短時間労働者の適用範囲を週所定労働時間二十時間以上であって三十一日以上雇用見込みのある者に拡大する一方で、週所定労働時間二十時間未満の者などは雇用保険の適用除外とされております。そうした方々は労働者ではないと言われるのでしょうか。

 これについて、長妻厚生労働大臣は、民主党マニフェストにおける「全ての労働者」とは、みずからの労働による賃金で生計を維持しているすべての労働者であると答弁しております。しかし、民主党マニフェストには、そのような文言はどこにも見当たりません。適用除外とされた方々は、まさにだまされたと思っていることでありましょう。

 また、民主党は、マニフェストにおいて「雇用保険における国庫負担を、法律の本則である四分の一に戻す」とし、平成二十二年度の概算要求においてもその点を盛り込みました。しかし、結局は、平成二十二年度予算には反映されず、これまた議論の先送りとなっております。

 子ども手当について全額国庫負担すると主張しながら、結局地方に負担を押しつけたように、また、今、普天間基地の移設問題でも見られるように、鳩山政権下においては、期待を持たせるだけ持たせておいて、結局は、現状維持と議論の先送りということが続いております。まさに羊頭狗肉内閣と言わざるを得ません。

 今日、我が国は産業構造の大きな転換が求められており、これに伴い、一時的にしろ失業者が生じることも想定しておかねばなりません。

 また、雇用保険を受給できない失業者に対する生活支援などを内容とする緊急人材育成支援事業を私どもが与党のときに実施しましたが、雇用保険を受給できない失業者も多数存在しています。

 さらに、失業の発生防止に大きく貢献している雇用調整助成金事業ですが、雇用保険二事業の大幅な赤字につながっており、その費用負担を引き続き事業主のみに任せておいてよいのかなどの問題もあります。

 とりあえずは行うがごとき今回のような改正ではなく、まさにこうした問題の解決に向けて、現行の雇用保険制度や雇用政策全般の見直しを速やかに図り、国民の方々が安心して働き、生活していけるようにしていくことこそが今求められているのではないでしょうか。

 最後にこの点を指摘して、私の反対討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣長妻昭君。

    〔国務大臣長妻昭君登壇〕

国務大臣(長妻昭君) 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 我が国の医療保険制度においては、現在、各医療保険者の財政状況が非常に厳しくなっております。その背景としては、昨今の経済状況の悪化により、保険料収入の基礎となる被保険者の収入が落ち込んでいること、高齢化や医療技術の進歩により、医療費が増加していることが主に挙げられます。

 また、市町村国民健康保険に対して講じている財政支援措置が平成二十一年度末で期限切れを迎えるとともに、後期高齢者医療制度において、被用者保険の被扶養者であった方に対する保険料の軽減措置も、多くの対象者について適用期限が切れることとなっております。

 したがって、このままでは、市町村国民健康保険、協会けんぽ、後期高齢者医療制度それぞれの平成二十二年度以降の保険料の大幅な上昇が見込まれるところであります。

 このため、医療保険制度の安定的な運営を図るとともに、現下の厳しい経済状況の中で、できる限り保険料の上昇を抑制するために、必要な財政支援措置等を講ずることとしております。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、国民健康保険制度においては、市町村が運営する国民健康保険の財政基盤の強化を図るため、所得の少ない方の数に応じて市町村を財政的に支援するための制度や、高額な医療費に対して国及び都道府県が補助する事業を継続するとともに、一定の額以上の医療費を市町村が共同で負担する事業について、都道府県の権限と責任の強化を図った上で継続することとしております。

 あわせて、国民健康保険事業の運営の広域化や財政の安定化を推進するため、都道府県が市町村に対する支援の方針を策定できるようにすることとしております。

 また、保険料の滞納により世帯主に被保険者資格証明書を交付する場合において、子供が安心して医療を受けることができるよう、保険者は、当該世帯に属する中学生以下の被保険者に加えて、高校生世代の被保険者に対しても、有効期限を六月とする短期被保険者証を交付することとしております。

 第二に、健康保険制度においては、協会けんぽに対する国庫補助率について、平成二十四年度までの間は千分の百六十四とするとともに、同期間については、毎事業年度における財政均衡の特例を設けることとしております。

 あわせて、被用者保険等の保険者が負担する後期高齢者支援金について、平成二十四年度までの間、その額の三分の一を被用者保険等の保険者の標準報酬総額に応じたものとすることとしております。

 なお、協会けんぽに対する国庫補助率については、その財政状況等を勘案し、平成二十四年度までの間に検討を行い、必要があると認められるときは所定の措置を講ずることとしております。

 第三に、後期高齢者医療制度においては、被用者保険の被扶養者であった高齢者に対して課する保険料の軽減措置について、当分の間、市町村及び都道府県が行う財政措置を延長するとともに、都道府県に設置する財政安定化基金について、当分の間、これを取り崩して、保険料率の増加を抑制するために充てることができるようにすることとしております。

 最後に、この法律の施行期日については平成二十二年四月一日としておりますが、高校生世代の被保険者に対する短期被保険者証の交付や協会けんぽに対する国庫補助率、後期高齢者支援金に関する規定については、平成二十二年七月一日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。よろしくお願いをいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。田中美絵子さん。

    〔田中美絵子君登壇〕

田中美絵子君 民主党の田中美絵子でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、長妻厚生労働大臣に質問いたします。(拍手)

 「命を守りたい」、鳩山総理の施政方針演説におけるこの言葉から、私たち民主党の今通常国会における闘いは始まりました。今度の国会は、昨年夏の総選挙、政権交代によって、コンクリートから人へと税金の使い道を変える、暮らしのための政治を実現する、国民の皆様にお訴えしたこのお約束を予算や法律の形で実現していく大変重要な国会でございました。

 そして、昨日、無事、命を守る平成二十二年度予算が成立した後は、その予算を執行するための法案、命を守る法案を、私たちは次々と成立させなければなりません。本日、私は、その命を守る法案のまさに代表格であります本法案の質疑に立たせていただく機会をいただき、まさに身の引き締まる思いに包まれております。

 さて、私たち民主党は、産科、小児科を初めとした医療崩壊を食いとめ、国民に質の高い医療サービスを提供するとともに、後期高齢者医療制度の廃止、医療保険制度の一元的運用を通じて国民皆保険制度を守ることを掲げ、国民の皆様の信任を得てまいりました。

 鳩山内閣におかれても、診療報酬の十年ぶりのネットプラス改定、本体では前回の四倍の改定を行い、産科、小児科等に重点配分を行うなど、医療の充実に向けてその一歩を踏み出されております。

 しかし、今後も継続して医療の充実を図るためには、各医療保険制度において、その負担に耐えられるよう財政基盤の安定が前提となりますが、一昨年のいわゆるリーマン・ショック以降、各医療保険制度の財政状況は厳しさを増しており、半年前に政権を担うこととなった私たちが直面する喫緊の課題となっております。

 このため、足元の状況を踏まえた緊急の対応として今回の法案が提出されるに至ったものと考えておりますが、このような認識に基づいて順次お伺いしてまいります。

 まず、国民健康保険制度についてお伺いいたします。

 市町村が運営する国民健康保険制度は、被用者保険に加入していない地域住民が相互の助け合いによって医療費の支払いを行う医療保険制度であり、いわば国民の皆様の命を守るとりでであると考えます。

 しかし、他の医療保険制度に比べて、構造的に加入者の平均年齢が高く、また加入者の所得に比例した保険料収入も少ないことから、厳しい財政運営を強いられており、さらに、昨今、職を失った方々の増加などから、その厳しさが増しているものと考えます。

 国民の皆様の命を守るため、国民健康保険制度の財政運営の安定化を図ることは喫緊の課題であると考えますが、国民健康保険財政の現状及び今回の改正による財政支援措置の必要性について、長妻厚生労働大臣にお伺いいたします。

 また、現行の国民健康保険制度は、市町村が運営主体でございますが、小規模な市町村は財政が不安定であり、また、市町村間での保険料の格差が大きいなどの問題があります。このため、その財政規模を都道府県単位へ広域化していく必要があると考えます。

 今後、国民健康保険制度の広域化に向けてどのように取り組んでいくのか、今回の法案での対応を含め、長妻厚生労働大臣にお伺いいたします。

 次に、健康保険制度についてお伺いいたします。

 一昨年来の経済状況の悪化による賃金の大幅な落ち込みにより、特に中小企業のための医療保険である協会けんぽの財政は、急激に悪化しております。協会けんぽの財政収支は平成二十一年度でマイナス六千億円となり、今回の法案がなければ、平成二十二年度の保険料率は現在の八・二%から九・九%と、労使年間で約六・四万円の負担増となる見込みとなっておりました。

 そこで、まず、協会けんぽに対しては国による支援が重要であると考えますが、平成二十二年度予算や今回の法案に盛り込まれた財政再建のための特例措置について、長妻厚生労働大臣の基本的なお考えをお伺いいたします。

 また、今般の協会けんぽの財政再建のための措置は三年限りとなっておりますが、これによって、将来にわたり協会けんぽの財政は安定化することとなるのか、厚生労働大臣の力強い答弁をお願いいたします。

 ところで、今回の法案に盛り込まれた財政再建のための特例措置の一つに、後期高齢者支援金の総報酬割の導入がございますが、国が本来担うべき負担を健康保険組合に押しつけるものであり、国庫負担の肩がわりであるとの批判がなされております。

 また、前政権において、平成二十年に提出されたいわゆる政管支援特例法案では、当時の政管健保への一千億円の財政支援を、それまでの国にかわって、健康保険組合の負担により支援するということが試みられたわけでありますが、今回の法案が政管支援特例法案の再現であるとの批判もなされております。

 そこで、健保組合の財政状況に関する基本的認識と、こうした肩がわりであるとの批判に対する長妻厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。また、今回の法案と政管支援特例法案との違いは何か、あわせてお伺いいたします。

 以上のほか、今回の法案では、後期高齢者医療制度においても保険料軽減措置が講じられておりますが、今回の法案では、全体でどのくらいの人に保険料軽減措置の効果が及ぶのか、また、保険料上昇の抑制効果はどの程度と見込まれているのか、長妻厚生労働大臣にお伺いいたします。

 さて、今回の法案においては、各医療保険制度における財政状況の急激な悪化を踏まえた当面の対応として、各種の財政支援措置が講じられておりますが、私たちは、国民の命を守るという立場から、将来の医療保険制度のあり方を見通しながら、長期的な視野に立った抜本的改革に取り組んでいく必要があると考えます。

 そこで、まず、後期高齢者医療制度についてお伺いいたします。

 私たち民主党マニフェストにおいては、後期高齢者医療制度は廃止すると掲げております。これに基づき、現在、長妻厚生労働大臣の強力なリーダーシップのもとで、後期高齢者医療制度にかわる新たな制度の構築に向けて精力的な議論が行われているものと承知しております。

 後期高齢者医療制度の廃止に向けた長妻厚生労働大臣の決意を改めてお伺いいたします。あわせて、廃止後の新たな制度のあり方についての大臣自身のお考えをお示しいただくとともに、今後のスケジュールについてお伺いいたします。

 また、一昨日、アメリカにおいては、事実上の国民皆保険制度につながると言われている医療保険制度改革法案が成立したところでございますが、間もなく五十年を迎えようとしている我が国の社会保険制度は、世界に誇れる制度であり、命のセーフティーネットとしてさらに力強いものとしていかなくてはなりません。

 私たち民主党は、医療保険制度の一元的運用を通じて国民皆保険制度を守ることをマニフェストで掲げておりますが、医療保険制度の将来の一元的運用に向けてどのように改革を進めていくのか、また、今回の法案との関係について、長妻厚生労働大臣にお伺いいたします。

 そして、私たち民主党は、国民の命を守るという立場から、医療保険を支える医師、看護師の方など医療従事者の皆様と、医薬品の問題にもきちんと答えを出していくべきだと思います。医療保険において、医療従事者と医薬品は車の両輪になって、国民の命を守ってまいります。

 そこで、まず、地域や診療科ごとに偏りが見られる医師や看護師の配置を今後どのように是正していくのか、長妻厚生労働大臣にお伺いいたします。

 また、先日、ジェムザールという肺がん向けの抗がん剤が乳がんにも保険適用医薬品として使えることが承認され、乳がん患者の皆様に朗報となりました。長妻大臣の御尽力には心から感謝する次第でございますが、ほかにも、がん患者の皆さんが待ち望んでおられる抗がん剤がいまだ保険適用医薬品として使えないという現状があります。

 この抗がん剤に限らず、諸外国に比べておくれているという医療保険適用医薬品の承認促進の問題について、国民の命を守る立場から、ぜひとも一層のお取り組みをお願いしたいと存じますが、長妻厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。

 さらに、子宮頸がんワクチンが承認されて、国民の皆さんへの接種が始まりましたが、高額でなかなか普及が進みません。がんは、予防や早期発見で多額の医療費が節約できるとも考えられます。子宮頸がんワクチンなど、がんの予防対策について公費を投入し、もっと国民への普及を図れないものか、長妻厚生労働大臣のお考えをお伺いします。

 国民の命を守り、国民の暮らしを立て直していくためには、医療保険制度はなくてはならない極めて重要な制度でございます。今回の法改正も含め、あらゆる施策を通じて、医療保険制度の安定的運営に全力で、しかし、健康にも十分御留意され、御家族との触れ合いも大切にされながら取り組んでいただきますよう、長妻厚生労働大臣にお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣長妻昭君登壇〕

国務大臣(長妻昭君) 田中美絵子議員にお答えします。

 国民健康保険財政の現状及び今回の改正における財政支援措置の必要性について御質問がありました。

 まず、この法律案は、上昇する医療保険料をできる限り抑えるものであります。全体で約八千万人の国民の皆様の保険料を抑えるものでございます。

 平成二十年度の国民健康保険の財政収支について、一般会計からの赤字補てん分を除いた実質的な収支で見た場合、約二千四百億円の赤字となっています。これは、平成十九年度よりも約一千二百億円改善しているものの、依然として厳しい状況が続いていると認識しております。

 この背景には、加入者の平均年齢が高く、所得が低い方が多いなど、国民健康保険が抱える構造的な問題があると考えております。

 また、平成二十年秋以降の急激な景気悪化の影響により、失業者の加入がふえており、引き続き厳しい財政運営を強いられることが予想されます。

 このため、国民皆保険の最後のとりでとも言える国民健康保険の健全な運営を確保する観点から、今回の法律では、今年度で暫定措置の期限を迎える財政基盤強化策を四年間延長することとしております。

 この措置の延長は、市町村国保を運営する市町村長の皆様から強く御要望いただいているものであり、保険料を急激に上昇させないためにも、必要不可欠なものと考えております。

 次に、国民健康保険制度の広域化に向けた取り組みについてお尋ねがありました。

 市町村が運営する国民健康保険については、保険財政の安定化や保険料の市町村間の格差是正の観点から、都道府県の権限と責任を強化するとともに、都道府県単位による広域化を進めていくことが必要であります。

 このため、今回の法案では、市町村国保の広域化を推進するため、第一に、高額医療費の負担を共有する再保険事業の対象となる医療費の範囲について、これまでは一件三十万円を超える医療費を対象としていましたが、これを都道府県の判断で拡大することができるようにしました。第二に、都道府県が、地域の実情に応じて市町村国保の広域化を支援する、広域化等支援方針を策定することができるようにするといった内容を盛り込んでおります。

 こうした取り組みとあわせて、高齢者医療制度の見直しにおいても、将来の地域保険としての一元的運用を念頭に置きつつ、市町村国保の広域化につながる見直しを行うこととしております。

 次に、協会けんぽの財政再建のための特例措置の基本的考えについてお尋ねがありました。

 協会けんぽの財政状況については、平成二十年秋以降、景気の急激な悪化の影響により、保険料収入が大幅に減少するなど、極めて厳しい状況にあります。二十一年度は、約六千億円の単年度赤字となり、準備金をすべて取り崩したとしても、二十一年度末の累積赤字が約四千五百億円に達する見込みであります。

 こうした状況のもと、平成二十二年度の保険料率については、現行制度のままでは、全国平均で、現在の八・二%から九・九%まで一・七%の引き上げが必要でありました。このような保険料の大幅な引き上げをできる限り抑制するため、今般の法案では、二十二年度から二十四年度までの三年間、協会けんぽの財政再建のための特例措置を実施することとしたものであります。

 特例措置の具体的内容としては、第一に、平成四年度以降暫定的に一三%に引き下げられていた国庫補助率を一六・四%に引き上げること、第二に、単年度収支均衡の原則を緩和し、二十一年度末の累積赤字については、二十四年度までの三年間で解消できるようにすること、第三に、後期高齢者の医療費への現役被用者からの拠出金について、その三分の一を従来の加入者割から負担能力に応じた総報酬割に改め、財政的に厳しい保険者の負担を軽減すること等の措置を講じることとしております。

 これにより、保険料上昇の幅を約〇・六%程度抑制することとしており、景気悪化に伴う給与の急激な落ち込み等といった今年度の特殊な要因による影響をできる限り抑制することができたと考えております。

 次に、協会けんぽの財政再建措置が三年となっていることについてお尋ねがありました。

 今般の特例措置の対象期間については、協会けんぽの財政をできる限り早期に再建するため、平成二十四年度までの三年間としたところであります。

 また、平成二十五年四月には、現在の後期高齢者医療制度を廃止して新たな制度への移行を図る方針であり、現在、私が主宰する高齢者医療制度改革会議において、新制度の具体的なあり方について議論を進めております。

 こうしたことも踏まえ、平成二十五年度以降の国庫補助率については、高齢者医療制度の検討状況とともに、協会けんぽの財政状況、国の財政状況等を勘案の上、二十四年度までの間に検討することを今回の法案に明記しております。

 今後とも、協会けんぽの財政状況を注視しつつ、その財政基盤の安定化を図るために必要な対策を講じてまいります。

 次に、健康保険組合の財政状況、国庫負担の肩がわりとの批判への見解、政管健保支援特例法案との違いについてお尋ねがありました。

 約一千五百の健康保険組合の財政状況については、平成二十年度は、全体の約七割が経常収支で赤字、赤字額は全体で約三千六十億円と見込まれており、二十一年度においても景気低迷の影響を免れないとの認識をしております。

 しかしながら、協会けんぽが四千五百億円の累積赤字を抱え、二十二年度に向けて保険料率を九・三四%へ引き上げなければならないのに対して、加入者の報酬水準や保険料率、積立金の保有状況から見れば、健保組合の財政状況には相当程度の幅があると認識をしております。

 今般、協会けんぽの国庫補助率を一六・四%に引き上げるに際しては、所要財源の半額を国費の純増で賄う一方、残りの半額について、後期高齢者支援金における総報酬割の導入により、財政力の強い保険者に追加的な負担をお願いすることで捻出される国費を充てることとしております。

 今回の措置に関し、健保組合への国庫負担の肩がわりではないのかとの批判についてですが、第一に、総報酬割に伴い生じる国庫負担は、すべて協会けんぽの財政支援強化に充てること、第二に、極めて厳しい国家財政の中で、国費についても可能な限り純増させたこと、第三に、総報酬割は、健保組合の中でも、財政力の弱い約三分の一の組合は負担減になるなど、負担能力に応じた拠出をお願いするものであるということ、以上によって、必ずしも肩がわりとの批判は当たらないと考えております。

 また、これらの点は、シーリング対策のため、政管健保の国庫補助の削減を専らの目的とし、健保組合にはその削減分の負担を求めるだけであった平成二十年のいわゆる政管健保支援特例法案とは大きく異なるものと考えております。

 次に、今回の法案により保険料軽減の対象となる方の数及びその軽減効果についてのお尋ねがございました。

 市町村国保については、財政基盤強化策の延長により、約二千万世帯の約三千六百万人の加入者に対して、一世帯平均年間約一万二千五百円の保険料の引き上げ抑制効果を見込んでおります。

 また、協会けんぽについては、国庫補助率の引き上げ等の措置により、約三千五百万人の加入者に対して、平均的な収入の従業員で、労使合わせて年間二万一千円の保険料の引き上げ抑制効果を見込んでおります。

 後期高齢者医療制度については、財政安定化基金の取り崩しにより、三十一の都道府県で約一千万人の被保険者について、年間約二千円の抑制効果があります。また、剰余金の活用等を含めると、合わせて全国平均で年間約七千五百円の抑制効果を見込んでおり、最終的な保険料の増加率は二・一%にとどまる見込みとなっております。

 また、約百九十万人の被用者保険の被扶養者であった方について、均等割九割軽減の継続により、年間約三万八千円の抑制効果を見込んでおります。

 これらにより、全体では、本来抑制がなされなければ上がったであろう保険料の軽減が図られるというのが、全国民の約八千万人に上るということでございます。

 次に、後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度のあり方や今後のスケジュール等について御質問がありました。

 後期高齢者医療制度については、医療費がかかる七十五歳を別枠の保険にする、高齢者の方々を年齢で差別するものであるなど、大きな問題があり、廃止いたします。

 廃止後の新たな制度のあり方については、昨年の十一月以降、私が主宰する高齢者医療制度改革会議で検討を進めているところであります。

 私としては、今回の改革において、高齢者の方々が本当に安心し信頼できる制度をつくり上げることはもとより、若い方々も納得して高齢者の医療費を支える気概を持てる制度にする、将来の国民の負担が必要以上のものにならないよう、健康づくりや予防等の面で保険者機能が発揮できる仕組みにする、あわせて、長年の課題である市町村国保の広域化に道筋をつけ、国民皆保険をしっかりと守るといったことをぜひとも実現したいと考えております。

 こうした考え方に立って、既に、検討に当たっての六つの原則をお示ししました。

 改革会議において、具体的な制度設計の議論を進め、まず、ことしの夏には後期高齢者医療制度にかわる新しい制度の骨格を中間的に取りまとめた上で、本年末をめどに最終的な取りまとめを行い、来年の通常国会には法案を提出し、平成二十五年四月をめどに施行することとしており、引き続き、高齢者を初め国民の方々の御意見を丁寧に伺いながら、着実に取り組んでまいります。

 次に、将来の医療保険制度の一元的運用に向けた取り組みと今回の法律との関係についてお尋ねがございました。

 国民皆保険をとる我が国においては、加入する医療保険により給付や負担に大きな差が生じないよう、給付の平等と負担の公平を図ることが重要と考えており、民主党マニフェストにも「被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る」と掲げているところであります。

 医療保険制度の改革については、保険者機能との兼ね合い等にも留意しながら、段階的に取り組んでいく必要があると考えております。まずは、後期高齢者医療制度を廃止し、将来の医療保険制度の一元的運用を見据え、新たな制度を構築いたします。

 こうした考えのもと、今議題となっている法案においても、第一に、国民健康保険について、都道府県の判断で市町村国保の広域化についての方針を策定できるようにすること、第二に、被用者保険について、時限措置としてではあるが、後期高齢者支援金に総報酬割を導入することなど、一元的運用の方向性に沿った内容を盛り込んでいるところであります。

 医師、看護師の地域偏在や診療科偏在をどのように是正するかとのお尋ねがありました。

 我が国では、人口当たりの医師数がOECD平均を下回っており、医師の絶対数が不足していることが指摘されております。これまでの政権で医師の数を削りに削ったツケが、今、回ってきているところであります。

 我々は、医師の地域的な偏在、診療科の偏在の問題が生じていると認識をしております。このため、来年度の医学部定員について、過去最大規模であった今年度の定員からさらに増員する予定としております。

 また、地域ごとの医師確保の目標を明確化するため、本年四月以降、都道府県を通じて地域の医師不足の実態を具体的に把握することとし、夏過ぎにはその詳細なデータを公表したいと考えております。この結果を踏まえ、医師の地域偏在や診療科偏在を是正するための対策を全力で推進してまいります。

 さらに、地域の看護師確保対策として、平成二十二年度予算において、第一に、病院内保育所の運営等に対する財政支援の拡充、第二に、出産、育児等により離職している看護師の復職支援研修等の実施などを盛り込んだところであり、今後とも、看護師確保のため、対策を強化してまいります。

 諸外国に比べておくれているという医薬品の承認促進について質問がございました。

 私も、この問題については、アメリカあるいは先進国に比べ大変おくれているという危機感を持って、全力で取り組む所存でございます。

 欧米では使用が認められているが国内では承認されていない医療上必要な医薬品や適応外薬について、その開発を促進し、我が国の医療現場で早期に使用できるようにすることは重要であります。

 昨年六月から八月の意見募集において新たに寄せられた開発要望品目については、まず第一に、本年二月から、新たに、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を設置いたしまして、その中で、未承認薬や適応外薬に関する開発要望について、医療上の必要性の評価を行っております。今後、その評価結果を受け、関係企業に開発を要請するということとしております。

 また、第二に、平成二十二年度の薬価改定において、国が要請した企業にあっては、その開発に取り組むことを条件に、当該企業の新薬の薬価を加算する制度を試行的に導入することといたしました。

 こうした取り組みを通じて、医療上の必要性の高い未承認薬や適応外薬が医療現場で早期に使用できるように努めてまいります。

 最後に、子宮頸がん予防ワクチンなど、がんの予防対策についてお尋ねがありました。

 子宮頸がん予防ワクチンについては、昨年十月十六日に薬事承認され、十二月二十二日より販売が開始されたわけであります。

 欧米においては、このワクチンが効くウイルスが子宮頸がんの原因の八〇%から九〇%を占めておりますが、日本では五〇%から七〇%と限定的であるなどといった論点があり、こうした点を踏まえながら、公費助成のあり方について検討する必要があると考えております。

 このような状況を踏まえ、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会において、今後、子宮頸がん予防ワクチンを含め、どのような疾患を予防接種法に位置づけるかについて議論が行われることとなっております。

 子宮頸がん予防ワクチンのほか、がんの予防対策は重要であり、さまざまな取り組みを今後とも進めてまいりたいと考えております。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 大村秀章君。

    〔大村秀章君登壇〕

大村秀章君 自由民主党の大村秀章であります。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま提案されました国民健康保険法等の一部改正法案につきまして、順次質問をさせていただきます。(拍手)

 その前に、この国会で大変大きな問題となっている政治と金の問題について触れざるを得ません。

 これまで、石川知裕議員を含む小沢民主党幹事長の秘書三人、そして鳩山総理の秘書二人が起訴され、さらに、小林千代美議員に至っては、自身の選対委員長代行の元連合札幌地区会長が公職選挙法違反事件で一審では既に有罪判決を受けております。

 そして、このたび、北海道教職員組合、北教組から違法な選挙資金を受けたとされる事件で、北教組委員長代理と自治労北海道財政局長が政治資金規正法違反で起訴され、団体としての北教組も起訴されました。

 小林議員自身も、札幌地検の事情聴取を受けました。立件は見送られたものの、一連の事件で多くの逮捕者を出し、起訴されたことの政治的道義的責任は極めて重いと考えます。にもかかわらず、小林議員は、みずからの進退について、離党や辞職は考えていない、職責を全うしていくと明言をしております。

 政治の信頼、政治の道義、倫理の確立という点で、責任感はおろか問題意識すら全く持っていないのではありませんか。

 これまで民主党は、鳩山総理、小沢幹事長の件について、本人及び関係者の証人喚問、参考人招致にふたをし、石川議員の辞職勧告決議案をも握りつぶしてきました。今回、小林議員のこうした開き直りとも言える対応について、どのように対処されるのか。議員辞職勧告決議案を我々が出しても、また握りつぶすのか。そんなことで国民の信頼が得られるのか。政治不信がさらに進んでしまうのではないか。国会に身を置く者として、残念無念であります。

 その思いを持って、民主党が民意に反して政治道義、倫理の確立に背を向け続けていることを、これからも厳しく追及していくことを国民の皆様にお誓いを申し上げ、質問に入ります。

 まず、肝炎対策についてお聞きをいたします。

 私は、これまで、この肝炎対策について多くの同僚議員の皆様とともに全力で取り組み、二年前には、薬害肝炎の全員一律救済法を全会一致で成立させることができました。また、昨年十一月、肝炎対策基本法も二年越しに成立をいたしました。多くの関係者の皆様の御尽力に心から厚く感謝を申し上げます。

 こうした中で、今般、全国で行われているB型肝炎訴訟において、去る三月十二日、札幌地裁で和解勧告が出され、原告団は、国が早く和解に応じてほしいと訴えています。

 民主党の多くの関係議員は、野党時代、B型肝炎訴訟の早期解決を訴えておられました。民主党の肝炎対策本部も、菅直人本部長の談話として、一連の訴訟判決を受けて、B型、C型すべての救済対策に取り組むことを表明しております。

 また、鳩山総理は、命を守りたいと何度も国会で述べています。そうしたお考えに変わりはありませんか。

 鳩山内閣の関係閣僚に、順次お聞きをいたします。五月十四日の期日までに、どのように対処する方針ですか。長妻厚生労働大臣、菅財務大臣、千葉法務大臣、そして、この問題の窓口、取りまとめ役となられた仙谷国家戦略担当大臣、明確にお答えをいただきたいと存じます。

 さて、日本が、戦後、世界一の長寿国となり、WHOからも世界一の保健医療水準と評価されることとなった大きな要因は、医療提供体制の整備と医療現場、関係者の皆さんの御努力とあわせて、何といっても、昭和三十六年、我々自民党政権のもとで達成された国民皆保険であります。国民だれもが、どこでも、いつでも医療を受けられる体制を確立したことであります。

 今アメリカが、苦労してこれにチャレンジをしております。五十年も前の高度成長のあのころに導入した先人に感謝しなければなりませんし、我々は、それをしっかり守るべく努力していかなければなりません。

 民主党においても、マニフェストでは、この皆保険を守るとしておりますが、果たして本当にそうなのか、検証をしていきたいと思います。

 私は、先般の予算委員会の審議を通じ、「理念なき民主党の医療政策の迷走 七つの大罪」と題して、その無策ぶりを追及いたしました。

 鳩山総理は命を守りたいと言われますが、実際に行われてきたことは、国民の命をないがしろにするような医療関係予算のカット、カットであります。平成二十一年度の第一次補正予算を、医療関係で二千六百億円も執行停止し、また、事業仕分けでは、医師確保、救急、周産期医療対策の補助金を、概算要求からほぼ半額の二百六十六億円もカットいたしました。その上、これらの財源は診療報酬引き上げに回すと言いながら、平成二十二年度の診療報酬改定の実態は、後発医薬品の削減分をそのままにしたマイナス改定でありました。

 さらに、新型インフルエンザ対策では、一回、二回打ちで医療現場に大混乱を生じさせたあげく、輸入ワクチンが大方余り、一千億円を超える税金の無駄遣いが生じようとしております。

 このような理念のない医療政策の一体どこが命を守ることにつながるのか。命を守りたいというのは、鳩山氏個人の単なる願いであり、総理としての施政方針ではなかったと、謝罪すべきではありませんか。まずは厳しく指摘をした上で、具体的な質問に入ります。

 さて、与党三党の連立合意では、医療費(GDP比)の先進国(OECD)並みの確保をうたい、民主党の公約でも、総医療費のGDP比をOECD平均まで引き上げるとしております。これには約四兆円の医療費の増加が必要です。しかし、その内訳、財源と工程表が全く不明であります。さきの予算委員会でもこの点を厳しく指摘をいたしましたが、まともな回答がありませんでした。

 鳩山総理は、これについて、努力はするが、四年間で確約ができるとは限らないと答弁をしております。そんな無責任なことでいいのでありましょうか。三党連立合意というのは、その程度のものなのでありましょうか。医療費をふやすと言っておきながら、できるとは限らないと言う。無責任ではありませんか。

 改めて、医療費をOECD平均にするのであれば、その内訳、中身、財源、工程表を示していただきたいと思います。

 次に、後期高齢者医療制度についてお聞きをいたします。

 民主党マニフェスト、連立合意でも廃止と明確に掲げながら、実際に担当することとなったら、一から勉強します、これから勉強しますと言う。その間は、我々が講じた負担軽減策をそのまま維持しつつ、ただ勉強すると言う。

 マニフェストに掲げて選挙をしたのではなかったのですか。マニフェストに書いてあったことは選挙目当ての言葉だけだったのでありましょうか。中身は全くなかったのですか。政権ができて六カ月以上もたっているのに、いまだに何の中身も方向も具体的に一切示されていないじゃありませんか。無責任のきわみであり、明確なマニフェスト違反であります。今、直ちにどうするかを示していただきたい。明確な答弁を求めます。

 国民健康保険への財政支援についてお聞きをいたします。

 国民皆保険を守るポイントは、一番財政基盤の弱い国民健康保険。

 市町村国保が崩れれば国民皆保険も崩れます。国保の加入者は、制度発足当初は、七割が自営業者や農林水産業者、しかし、今は、無職の人が五割を超えております。必然的に、財政構造は脆弱。したがって、昭和五十八年の老人保健制度を初め累次の制度改正や財政調整も、せんじ詰めれば、国民皆保険を守るため、この国保を支えようとするものであります。それが、現状は、大幅な赤字で、保険料収納率も最低になりました。

 今こそ、国民皆保険を守るために、追加的に国の財源を投入すべきであります。

 しかしながら、今回の提案は、国の予算は五百二十億円にとどまっております。理念なき医療政策のために削減された国の予算、三千億円ものカットされた予算はどこに行ったのでありますか。子ども手当に回す何兆円ものお金があるのであれば、まず、こうした窮状にある国民健康保険に財政支援をしたらどうですか。

 協会けんぽへの財政支援についてもお聞きをいたします。

 急激な財政悪化で中小企業の従業員等が加入する協会けんぽの保険料率は、過去最大の引き上げ、八・二%から九・三四%を余儀なくされるわけであります。その抑制を図るために民主党政権が用意した新たな財源は、来年度で六百十億円でしかありません。それで協会けんぽの保険料率は、平成二十四年度には一〇%を超えてしまう状況であります。このように瞬く間に二割以上も保険料負担がふえることに、不況にあえぐ中小企業の従業員、事業主の方々は耐えられるのでありましょうか。

 本気で国民皆保険を守っていくならば、協会けんぽに対しても追加的に国の財源を投入すべきではありませんか。お答えをいただきたいと思います。

 次に、保険料率の上限を一〇%から一二%に引き上げることについてお聞きをいたします。

 協会けんぽが一〇%を超えそうだからというなら、むしろ、財政支援して超えないようにすべきではありませんか。また、今平均七・四%の健保組合の料率の上限を一二%まで上げる必要があるんでありましょうか。それとも、その率まで健保組合の負担を引き上げようと考えているのでありますか。上限を今回一二%に引き上げる理由がわかりません。明確にお答えください。

 健保組合等へのツケ回しについてお聞きをいたします。

 今回、後期高齢者支援金に総報酬割を導入することで、国庫補助を削減し、その分の負担を健保組合、共済組合に押しつけることになります。

 この点について、いわゆる被用者保険グループの中での合意は得られているのですか。合意なしで一方的に多くの勤労者に負担を押しつけることになるんでありましょうか。将来の医療保険制度の絵姿、ビジョンも示さずに、その場しのぎで取りやすいところから取るという発想では、関係者及び国民の理解も得られず、今後の日本の医療とこれを支える医療保険の崩壊につながります。直ちに撤回すべきです。明確にお答えください。

 我々は、この総報酬割の導入で健保組合等に一方的に負担をツケ回しする案には断固反対をし、修正案を提出する決意であります。

 なお、民主党が目指す地域保険の一元化では健保組合は存在しなくなりますが、民主党は、健保組合は不要だ、だからツケ回ししてもいいのだというお考えなのですか。健保組合をどう位置づけていくのか、お答えください。

 我々は、健保組合は、日本の医療体制、国民皆保険を担う重要な柱であり、これからもその役割はますます重要と考えております。

 連立政権の政策合意、民主党マニフェストでは国民皆保険を守ると掲げておりますが、鳩山内閣のもとで行われている理念なき医療政策、マニフェスト違反だらけの厚生労働行政を見ていると、到底信じることができません。

 年金問題でも、二年間集中的に取り組むとしながら、二年では全体の三割から四割しかできない。年金通帳をやると言って、やらない。年金保険料を事務費に充てないと言って、二千億円も充てる。歳入庁にすると言って、やらない。月七万円の最低保障年金も、当面何もやらない。医療でも、後期高齢者医療制度は先送りをして、診療報酬を引き上げと言いながら、マイナスの引き下げ。医療、年金という国民の関心が高い分野で、マニフェスト違反ばかりであります。

 鳩山総理は平成の脱税王で、小沢幹事長は不動産王だとしたら、長妻厚生労働大臣はマニフェスト違反の王様、違反王。民主党には王様ばかりなのであります。しかし、国民にとっては、こうした王様はすべて願い下げであります。一刻も早くこうした王様がいなくなるように、しっかりとただしてまいります。

 以上、民主党政権では医療も国民皆保険も守ることができないことを厳しく指摘し、我々自民党は、国民の皆様が安心できる社会をつくるべく、我々がつくった国民皆保険を守り、医療の整備向上に引き続き全力で取り組んでいくことをお約束いたしまして、本法律案に対する質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣長妻昭君登壇〕

国務大臣(長妻昭君) 大村議員にお答えをいたします。

 B型肝炎訴訟の対応方針についてお尋ねがありました。

 今般、札幌地裁から、和解協議の席に着いてはどうかとの打診があったところであります。札幌地裁からの提案については、持ち帰ったところであり、今後、どのように対応するか、政府部内で総合的に検討するということとしております。

 次に、医療費対GDP比のOECD平均並みの引き上げについて、その具体策のお尋ねがございました。

 我が国の医療費は、GDPに占める医療費の割合では、OECD諸国の中でも低い部類に入っており、OECD並みの医療費の水準を目指していくべきものと考えております。

 これまでの自民党政権で、診療報酬ではマイナス改定が長く続き、全国の医療現場が疲弊をしてしまいました。そこで、この政権では、平成二十二年度の診療報酬改定において、第一に、十年ぶりのネットプラス改定、第二に、診療報酬本体は、前回の四倍以上、額として五千七百億円のプラス改定を行うこととしたところであります。

 今回の診療報酬改定を第一歩として、今後とも、OECD並みの医療費の水準を目指し、社会経済情勢や保険財政の状況等を踏まえつつ、適切に診療報酬改定を重ねていくことにより、国民に安心感を与える医療の実現に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度について御質問がありました。

 後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度のあり方については、昨年の十一月以来、私が主宰する高齢者医療制度改革会議で検討を進めているところであります。

 改革会議においては、六原則をお示ししているところでありまして、後期高齢者医療制度の年齢で区分するという問題を解消する制度とすること、高齢者の保険料が急に増加したり、不公平なものにならないようにする、市町村国保の広域化につながる見直しを行うなどなどの六原則でございます。この原則に基づき、検討を進めていただいております。

 こうした中で、委員から四つの具体案も提示され、必要な財政影響試算等も行っているところであります。

 引き続き、改革会議において、具体的な制度設計の議論を進め、ことしの夏にはその骨格を中間的な取りまとめとしてお示しをいたします。そして、本年末をめどに最終的な取りまとめを行い、来年の通常国会には法案を提出します。そして、最終的に、平成二十五年四月をめどに新たな後期高齢者医療制度にかわる制度を施行するということとしております。

 マニフェストにおいても、一期四年の中で後期高齢者医療制度を廃止することとしており、何らマニフェストに反するものではなく、引き続き、着実に取り組んでまいります。

 次に、国民健康保険のさらなる財政支援について御質問がありました。

 今年度で期限を迎える財政基盤強化策については、国民健康保険法の附則では、医療保険制度改革の施行後における国民健康保険の運営の状況及び社会経済情勢の変化を勘案して、二十一年度末までに検討を行い、所要の措置を講ずると定められております。

 今回の財政基盤強化策の検討に当たっては、第一に、平成二十年度の国民健康保険の財政収支は、一般会計からの赤字補てん分を除いた実質的な収支で見た場合、約二千四百億円の赤字であり、依然として厳しい状態であること、第二に、前期高齢者の財政調整が導入されたことなどにより、財政収支は平成十九年度よりも約一千二百億円改善していること、第三に、国の財政状況も厳しさを増していることといった事情を総合的に勘案した結果、今回の法案では、現行の財政基盤強化策を四年間延長することとしたものであります。

 協会けんぽに対する財政支援の強化についてお尋ねがありました。

 今般の法案では、協会けんぽの財政再建のための特例措置の一つとして、平成四年度以降暫定的に引き下げられたままとなっていた国庫補助率を一六・四%に引き上げることといたしました。

 必要となる財源については、その半額を後期高齢者支援金への総報酬割の導入により捻出される国費で充てるとともに、残りの半額についてぎりぎりの財源捻出を行うことで国庫負担の純増を行うこととしております。

 次に、保険料率の法定上限を一〇%から一二%に引き上げる理由についてお尋ねがありました。

 協会けんぽの平成二十二年度保険料率は、三年間の特例措置により、引き上げ幅の圧縮を図り、九・三四%とすることとしました。

 しかしながら、今般の特例措置を前提とした上でも、今後の経済や医療費の動向によっては、平成二十四年度には、現在の法定上限を超える保険料率が必要となる事態も考え得るところであります。

 また、健保組合の中にも、既に法定上限近くの保険料率を設定しているところがあり、現行上限のままでは今後事業運営に必要な費用が賄えないことから、解散を余儀なくされる場合も懸念されます。

 このため、第一に、従来の政府管掌健康保険では、経済や医療費の変動に柔軟に対応できるよう、保険料率のおおむね一割増しの水準で上限が設定されてきたこと、第二に、今後、さらなる経済の悪化が生じた場合においても安定的な運営が図られるようにすることから、都道府県別の保険料率幅も考慮して、法定上限を一二%に引き上げるものであります。

 次に、後期高齢者支援金への総報酬割導入による国庫負担のツケ回しはやめるべきではないかとのお尋ねがありました。

 今般、協会けんぽの国庫補助率を一六・四%に引き上げるに際しては、所要財源の半額を国費の純増で賄う一方、残りの半額については、後期高齢者支援金における総報酬割の導入により、財政力の強い保険者に追加的な負担をお願いすることで捻出される国費を充てることとしております。

 今回の措置に関し、健保組合への国庫負担のツケ回しではないかとの御指摘ですが、以下三つの理由で、必ずしもツケ回しとの御指摘は当たらないと考えております。

 第一に、総報酬割に伴い生じる国庫財源は、すべて協会けんぽの財政支援強化に充てること、第二に、極めて厳しい国家財政のもとで、国費についても可能な限り純増させたこと、第三に、総報酬割は、健保組合の中でも、財政力の弱い約三分の一の組合は負担減となるなど、負担能力に応じた拠出をお願いするものなどであるわけであります。

 最後に、将来の医療保険制度の一元的運用に向けた改革を進める際の健康保険組合の位置づけに関するお尋ねがありました。

 国民皆保険をとる我が国においては、加入する医療保険により給付や負担に大きな差が生じないよう、給付の平等と負担の公平を図ることが重要と考えており、民主党マニフェストにも「被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る」旨掲げているところであります。

 医療保険の一元的運用については、必ずしも保険者の一本化という方法に限らず、保険者機能にも配慮しながら保険者間の助け合いを進めていくという方法も考えられます。したがって、今後、医療保険制度改革を進めていくに当たっては、これまで健康保険組合が健康づくりなどで積極的に保険者機能を果たしてきたという役割にも十分配慮しながら、段階的に進めていく必要があると考えております。

 以上、よろしくお願いをいたします。(拍手)

    〔国務大臣菅直人君登壇〕

国務大臣(菅直人君) 私には、B型肝炎訴訟に関する御質問であります。

 野党の時代にB型肝炎対策本部長をしていたそのころの考え方と変わりはないかという趣旨の御質問でありました。

 基本的には、薬害エイズの問題や、C型肝炎の問題や、また今回のB型肝炎の問題など、原因はいろいろ違うにしても、そうした皆さん方に対してしっかりと政治が対応しなければならないという思いは全く変わっておりません。

 今回の場合は、裁判という形で原告になられた方々以外に、百万人を超すとも言われる感染の可能性のある方がおられまして、そういうことを考えますと、政策的な形も含めてしっかりと考えていかなければならないというのが大きな課題だと思っております。

 そういった意味で、三月十二日に、札幌地裁から和解勧告に入るか否かの検討を求められているわけですが、つまりは、この中は、たしか三百人程度の原告の皆さんが対象になっていると思いますけれども、今申し上げたことは、その三百人の方だけのことではなくて、その背景になっているところをしっかり考えなければならないということを申し上げているわけであります。

 そういったことを含めて、裁判所からの提案については、持ち帰ったところであり、今後、どのように対応していくのか、政府部内で総合的な検討が必要だ、このように考えております。(拍手)

    〔国務大臣仙谷由人君登壇〕

国務大臣(仙谷由人君) 大村議員から、B型肝炎訴訟の対応方針についてお尋ねがございました。

 先ほど菅副総理からも答弁がございましたが、私も、札幌地裁からの今回の提案につきましては、政府として持ち帰ったところでございますので、今後、この問題に対してどのように対応するか、政府部内で総合的、全般的に検討するということにいたしております。(拍手)

    〔国務大臣千葉景子君登壇〕

国務大臣(千葉景子君) 私にも、B型肝炎訴訟の対応方針についてお尋ねをいただきました。

 私は、国に対する訴訟の担当部署をさせていただいている立場でございます。今般、札幌地裁からの和解協議の席に着いたらどうかということにつきましては、訴訟担当の部署といたしましては、政府全体として対応を検討していくという立場で、持ち帰らせていただきました。

 今後、先ほどからそれぞれ答弁がございましたように、政府全体として、適切な対応をとっていくために検討してまいりたいと考えております。

 以上です。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣  菅  直人君

       総務大臣  原口 一博君

       法務大臣  千葉 景子君

       厚生労働大臣  長妻  昭君

       農林水産大臣  赤松 広隆君

       国土交通大臣  前原 誠司君

       国務大臣  枝野 幸男君

       国務大臣  亀井 静香君

       国務大臣  仙谷 由人君

       国務大臣  中井  洽君

       国務大臣  平野 博文君

 出席副大臣

       厚生労働副大臣  長浜 博行君


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