衆議院

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第30号 平成22年5月20日(木曜日)

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平成二十二年五月二十日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十九号

  平成二十二年五月二十日

    午後一時開議

 第一 北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、石破茂君外十名提出)

 第二 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、内閣提出)

 第三 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

 第四 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、石破茂君外十名提出)

 日程第二 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、内閣提出)

 日程第三 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

 日程第四 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、石破茂君外十名提出)

 日程第二 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案(第百七十三回国会、内閣提出)

 日程第三 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

議長(横路孝弘君) 日程第一、石破茂君外十名提出、北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案、日程第二、内閣提出、国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案、日程第三、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国土交通委員長川内博史君。

    ―――――――――――――

 北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案及び同報告書

 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案及び同報告書

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔川内博史君登壇〕

川内博史君 ただいま議題となりました三案件につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、貨物検査に関する両法律案について申し上げます。

 両法律案はいずれも、北朝鮮による核実験の実施等の一連の行為をめぐり、国連安保理決議が、大量破壊兵器関連物資の北朝鮮への輸出及び北朝鮮からの輸入禁止措置を決定し、貨物検査の実施等を要請していることを踏まえ、我が国が実施する北朝鮮特定貨物の検査等の措置を定めようとするものであります。

 なお、両法律案の相違点は、題名が異なること及び石破茂君外十名提出の法律案においては自衛隊による所要の措置について定めていることであります。

 両法律案は、昨年の第百七十三回国会に提出及び付託され、内閣提出の法律案については十一月二十日に前原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、石破茂君外十名提出の法律案については同月二十五日提出者金子一義君から提案理由の説明を聴取し、その後、いずれも継続審査となっていたものであります。

 次に、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件につきまして申し上げます。

 本件は、平成十八年十月十四日より本年四月十三日まで北朝鮮船籍のすべての船舶の入港を禁止することとする閣議決定について、その後の我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、本年四月九日に入港禁止の期間を平成二十三年四月十三日まで一年延長する変更をしたため、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、国会の承認を求めるもので、去る五月十一日本委員会に付託され、十八日前原国土交通大臣から提案理由の説明を聴取しました。

 昨十九日両法律案について提案理由の説明を省略した後、三案件について質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決いたしました結果、石破茂君外十名提出の法律案は賛成少数をもって否決すべきものと議決し、内閣提出の法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決し、承認を求めるの件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一、石破茂君外十名提出、北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第二、内閣提出、国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第三につき採決いたします。

 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

 日程第四 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第四、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。経済産業委員長東祥三君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔東祥三君登壇〕

東祥三君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、国際的な資源獲得競争が激化し、資源エネルギーの安定的な供給を確保することの重要性がより一層増していることにかんがみ、我が国企業によるレアメタル等の金属鉱物資源確保に対する支援を強化するため、独立行政法人石油天然ガス・金属資源機構の業務の拡充等の措置を講じるものであります。

 その主な内容は、

 第一に、金属鉱物の鉱山権益に係る資産買収への出資業務を追加すること、

 第二に、政府保証つき長期借入金等を活用できる対象業務を拡大すること、

 第三に、政府の資源外交との連携を図るため、主たる事務所を神奈川県から東京都に移転すること

であります。

 本案につきましては、去る五月十一日本委員会に付託され、十二日に直嶋経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、十九日に質疑を行い、質疑終局後、討論を行い、採決を行った結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第五、児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長藤村修君。

    ―――――――――――――

 児童扶養手当法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔藤村修君登壇〕

藤村修君 ただいま議題となりました児童扶養手当法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、近年の経済情勢や雇用情勢の変化等を背景に、父子家庭においても、母子家庭と同様に、経済的に厳しい状況等に置かれている家庭があることにかんがみ、当該家庭で生活する子供の福祉を増進するため、児童扶養手当について、母と生計を同じくしない児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする父を新たに支給対象としようとするものであります。

 本案は、去る五月十一日本委員会に付託され、十四日長妻厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、昨日質疑を終局いたしました。

 次いで、公明党より、配偶者からの暴力、配偶者の児童に対する虐待等の原因により別居し、事実上離婚状態にある世帯において児童を監護する母または父を児童扶養手当の支給対象とすること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取し、修正案について内閣の意見を聴取いたしました。次いで、原案及び修正案について採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対して附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。農林水産大臣赤松広隆君。

    〔国務大臣赤松広隆君登壇〕

国務大臣(赤松広隆君) 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案の趣旨につきまして御説明申し上げます。

 我が国の農林漁業、農山漁村をめぐる状況を見ますと、農林水産物価格の低迷等により、農林漁業所得が大きく減少し、農山漁村の活力が低下する中で、農林漁業と二次産業、三次産業との融合を図り、農林水産物を初め、農山漁村に豊富に存在するバイオマス、小水力等の資源を有効に活用して、新たな付加価値を生み出す農山漁村の六次産業化を強力に推進することが喫緊の課題となっております。

 このため、政府において、農山漁村における六次産業化を総合的に推進するための第一歩として、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化を促進するための措置を講ずることにより、農林漁業の持続的発展と農山漁村の活性化を図ることを目的として、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化は、農林漁業者の所得の確保を通じて地域経済に活力をもたらすとともに、エネルギー源としての利用など農林水産物等の新たな需要の開拓等により地球温暖化の防止に寄与することが期待されるものであることにかんがみ、農林漁業の六次産業化を促進するため、農林漁業者等が農林水産物等及び農山漁村に存在する資源を有効に活用して主体的に行う取り組みに対して国が集中的かつ効率的に支援を行うことを旨として、その促進が図られなければならないとの基本理念を規定することとしております。

 第二に、農林水産大臣は、農山漁村における六次産業化の推進に関する基本的な事項、農林漁業及び関連事業の総合化の促進の意義及び基本的な方向を明らかにした基本方針を定めることとしております。

 第三に、農林漁業者等が、必要に応じて他産業の事業者の支援を受けつつ、農林水産物やバイオマスを利用した生産とその加工または販売に一体的に取り組む計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けることができることとしております。

 また、民間事業者等が、地域に存在する土地、水等の資源を有効に活用した発電の事業等、農林漁業及び関連事業の総合化に資する研究開発及びその成果の利用を促進するための計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとしております。

 第四に、農林水産大臣または主務大臣の認定を受けた計画に基づく取り組みを進めるため、無利子の農業改良資金の貸し付け、農地転用に関する許可、野菜の契約取引に関する交付金の交付、品種登録に係る出願料等に関する法律の特例措置を講ずることとしております。

 第五に、農林漁業及び関連事業の総合化とあわせて、農山漁村に存在する資源を有効活用した新事業の創出等が、農山漁村の六次産業化を推進し、農山漁村における雇用機会の創出等の農山漁村の活性化に資する経済的社会的効果を及ぼすことにかんがみ、国は、関係省庁相互間の連携を図りつつ、本法に基づく措置及びこれと別に講ぜられる農山漁村の活性化に資する措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めることとしております。

 第六に、国は、この法律に基づく認定を受けた総合化事業及び研究開発・成果利用事業の実施に必要な制度資金や予算の確保に努めることにより、農林漁業者等による農林水産物等の加工、販売、バイオマスや自然エネルギーの利活用、人材育成等の取り組みを支援することとしております。

 以上、農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

     ――――◇―――――

 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。石津政雄君。

    〔石津政雄君登壇〕

石津政雄君 私は、民主党の石津政雄でございます。

 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案について御質問をいたします。(拍手)

 まず、その前に、宮崎県で発生した口蹄疫についてお尋ねいたします。

 去る四月二十日、宮崎県において口蹄疫の疑似患畜が確認されて以降、五月二十日現在、口蹄疫発生状況は、百四十六事例、十二万五千二百六十六頭に及んでおります。これは、宮崎県のみならず、我が国畜産、酪農にとって未曾有の事態であります。

 口蹄疫の発生農家及び関係農家の方々に、心からのお見舞いを申し上げますとともに、日夜懸命に対応に当たっておられる宮崎県、関係市町村、農業団体初め多くの方々に対しまして、深く敬意を表します。

 私は、今回の緊急事態は、政府があらゆる措置に取り組まれることが何よりも重要なことであり、立法府も、与党、野党の違いを超えて、一体となって政府を支援していく必要があると認識しております。

 政府としては、防疫対策とともに、農家への経済的、精神的バックアップ、経営再建への道筋をつけることに万全を期すため、宮崎県と一体となって鋭意対策を実施され、去る十七日には、鳩山内閣総理大臣を本部長とする口蹄疫対策本部を設置、山田農林水産副大臣と小川内閣総理大臣補佐官が現地に常駐し、昨日には対策本部で新たな対策を決定したものと承知しておりますが、対策本部設置の意義と今後の方針について、赤松農林水産大臣にお伺いいたします。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

石津政雄君(続) 加えて、今後の口蹄疫対策推進に向けた赤松農林水産大臣の決意について、現場の苦悩、御労苦に思いをいたし、関係農家、関係地方公共団体、農業団体等に対する支援の力強いメッセージを明らかにしていただきたいと思います。

 では、本題に移ります。

 それぞれの時代において、農政に携わった政治家や官僚は、我が国の農林漁業の発展のために頑張ってこられたと思います。しかし、現在の農山漁村は明らかに衰退しております。現在までの理念なき農政は、私の地元の方言で言えば、ごじゃっぺと表現せざるを得ません。これは、でたらめ、いいかげんという意味でございます。

 農林漁業は、農畜産物、魚介類などの食料のほか、生糸、麻などの天然繊維や建築資材となる木材を供給するなど、衣食住を賄うだけでなく、その生産活動を通じて、国土の保全、水源の涵養、災害の防止等の多面的機能を発揮し、都市住民も含めた国民全体の生命財産の保全に貢献している、まさに国の根幹を支える産業であります。

 また、農山漁村においては、農林漁業の営みの中で、地域の気候、風土を反映した個性ある豊かな文化が形成され、古来より現在まで、連綿とその伝統が受け継がれてまいりました。農山漁村は、まさに我々日本人の心のふるさとであり、後世に伝えるべき国民共有の財産であります。

 私は、農は国のもとなりという言葉を子供のころから耳にし、農業とともに育ちました。さらに、私は茨城県旧大洋村の村長を四期十六年務めさせていただきました。その間、農山漁村を取り巻く環境はますます厳しくなっていることをこの肌で感じてまいりました。

 GDP全体に占める農林漁業の生産額は、昭和五十五年は三・六%であったのに対し、平成二十年には一・五%と大きく減少しております。加えて、農林漁業者の可処分所得は大幅に減少し、過疎化も急激に進展しています。耕作放棄地の増大、森林の荒廃、水産資源の減少など、深刻な状況に直面し、農山漁村の活力が失われております。

 鳩山政権の一丁目一番地の政策である地域主権は、地域社会が持続性を保つことによって成り立つものであります。地方の基幹産業が農林漁業である認識に立てば、その地域社会、コミュニティーを維持するためのツールとして、農林漁業の振興は極めて大切であると考えますが、地域主権を実現するに当たり、赤松農林水産大臣の御決意をお伺いいたします。

 また、都心の子供たちが、例えば、一学級、教員も含めて、農山漁村の過疎の学校で一学期間、農山漁村の子供たちと一緒に教育を受け、地域社会に親しむことにより、農山漁村の持つ多面的機能、つまり、自然環境や一次産業などに直接触れ、豊かな感性、生きる力を養うことは、近未来の日本人に求められる環境への配慮、食料を中心とした生産の大切さを体得する上で大変重要であると考えております。

 私は、これを教育の参勤交代と呼んでおります。子供たちが空気、水、食料などを通じて農山漁村と都市とが表裏一体の関係にあることを認識し、さらには、生産者と消費者に一体感を求めることこそが、中長期的な農林漁業の振興に資するものと考えます。

 また、このような子供たちは、東アジア地域を初め世界を舞台に活躍し、日本を支える人材となるだけでなく、鳩山総理が唱えておられる新しい公共の担い手となっていくものと確信しております。

 以上の点につきまして、赤松農林水産大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

 農山漁村の危機的な状況を打破し、地域社会の活力を創出するため、我々民主党は、かねてより、農林漁業者と二次産業者、三次産業者との融合、さらに農山漁村と都市との連携による新たな業態の創出などによる農山漁村の六次産業化を提唱してまいりました。

 政府においては、三月に閣議決定した新たな食料・農業・農村基本計画において、農業者に対する戸別所得補償制度の導入、食の安全、安心といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換、そして六次産業化による活力ある農山漁村の再生の三本柱を基本に、農政の大転換を図りました。

 政府は、本法律案の提出を契機として、農山漁村の六次産業化を総合的に推進し、農林漁業者の所得を確保するとともに、農山漁村に新たな雇用を創出することにより、疲弊した農山漁村の活性化を目指しております。

 こうした認識に立ったとき、私は、農山漁村の六次産業化を実現するためには、将来的には関係府省の政策体系と組織の再編も視野に入れていく必要があり、今回の法律案はそれに向けたまさに第一歩と考えられますが、赤松農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。

 六次産業化の概念についてお尋ねいたします。

 農山漁村の六次産業化は、私たち民主党が平成二十年十二月に公表した農山漁村六次産業化ビジョンにおいて示したものであります。さきの総選挙におけるマニフェストにおいても、農山漁村の六次産業化を目指す、すなわち、農林漁業者が生産、加工、流通までを一体的に担うことにより、地方を活性化する旨を掲げております。

 農林水産省の試算によりますと、平成十七年においては、我が国の消費者向けの国内産農水産物及び輸入農水産物の生産額の合計は十兆六千億円であります。それが、生鮮食品のまま出荷されたり、食品製造業を経て加工食品となったり、外食産業に供されることによって、最終的な国民の消費額は七十三兆六千億円となり、これはGDP比で一四%という大きな数字となります。

 私は、新たな需要を喚起することにより、最終消費額七十三兆六千億円をさらにふやすことに加え、農林漁業経営を多角化し、流通や加工の分野に農林漁業者が踏み込むことにより、その最終消費額を可能な限り地方、すなわち生産者側に引き寄せることが六次産業化の理念であると考えております。

 そこで、今回の法律案において、六次産業化をどのような概念としてとらえておられるのか、赤松農林水産大臣にお伺いいたします。

 次に、六次産業化によるバイオマスの利活用についてお尋ねいたします。

 我が国は、四季折々、豊かな自然環境に恵まれており、農山漁村には、太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーはもとより、いまだ利用されていない稲わらや間伐材、さらに家畜のふん尿等のバイオマス資源が豊富に存在しております。

 農山漁村において、地域で製造されたバイオマス由来のエタノールやディーゼル燃料、またバイオマスプラスチック等を、農林漁業生産現場、さらには地域全体で積極的に利活用することができれば、農山漁村に新たな付加価値を生み出すことができます。

 また、農山漁村の資源を活用した電力を売却することができれば、化石燃料への依存度を引き下げ、地球温暖化防止に貢献することができます。さらに、農山漁村に売電収入がもたらされるならば、例えば農業用水路の維持管理の費用の捻出も可能となります。さらに、発電施設等の整備、維持管理に伴い、雇用が創出されることも考えられます。

 六次産業化の促進には、これら地域のバイオマス資源を有効に利活用することが重要であると考えておりますが、バイオマス利活用に向けた御決意に加え、本法律案の地球温暖化防止対策への貢献に対する基本的考え方について、赤松農林水産大臣の御所見をお尋ねいたします。

 最後に、六次産業化に関する情報提供のあり方についてお尋ねいたします。

 本法律案に関連する法律は、農商工等連携促進法など、複数の府省にまたがる法律があり、六次産業化に取り組もうとする場合、その事業主体や取り組み内容などにより、活用できる法律も異なってくることが考えられます。

 私の政治信条は、徹底した現場主義です。どのようなすばらしい施策であっても、実際に使わなければ意味がありません。六次産業化を実効あるものとし、農山漁村を活性化させるために、農山漁村の現場に照準を合わせ、農林漁業者が利用しやすい体制を整えることが不可欠であると考えております。

 先ほど申し上げましたように、組織再編等も検討していく必要があろうと考えますが、当面の課題としては、農林水産省が主体となって関係府省間の連携を図り、関連する法制度を含めた窓口の一本化、すなわちワンストップサービス化を積極的に整備していくべきだと考えております。

 また、六次産業化による事業を推進していくためには、全国の先進事例に関する情報が、こうしたワンストップサービスを通じて、それぞれの地域でアクセスできるようにすることが重要であると考えます。

 以上の点につきまして、赤松農林水産大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

 口蹄疫感染地域の農家の皆様方に心からお見舞いを改めて申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣赤松広隆君登壇〕

国務大臣(赤松広隆君) 石津政雄議員の御質問にお答えいたします。

 まず、政府対策本部設置の意義と今後の方針についてのお尋ねでございます。

 農林水産省は、四月二十日未明の発生確認後、同日午前九時に、私を本部長といたします口蹄疫防疫対策本部を開催し、移動制限や殺処分等の防疫措置の的確な実施を指示するとともに、消毒を徹底するなど、宮崎県とともに、迅速に防疫対応を実施してまいりました。

 政府として、一体になって口蹄疫の防疫対策に取り組むため、四月二十八日には関係省庁連絡会議を、これは課長級でございますけれども、開催するとともに、三十日の口蹄疫対策関係省庁連絡会議、これは局長級でありますけれども、これにおいて自衛隊の派遣を検討し、五月一日には自衛隊を派遣いたしました。

 五月十七日、こうした政府としての一連の取り組みや対策をさらに徹底し、政府総力を挙げて口蹄疫の感染拡大防止に取り組むため、総理を本部長とする口蹄疫対策本部を設置いたしました。また、山田副大臣を本部長とする現地対策本部を設置し、小川総理補佐官及び各省担当責任者が常駐して、地元との連絡体制を強化いたしました。

 五月十九日の政府の口蹄疫対策本部において、移動制限区域内のすべての牛、豚を対象として、殺処分を前提としたワクチン接種、接種した家畜の早期殺処分のための殺処分奨励金、経営再開支援金の交付、患畜等の手当金について、これは評価額の五分の四、概算払いの導入や、残りの五分の一の県負担についての総務省における特別交付税措置、あわせて、防疫措置の迅速化のための獣医師約五十名の増員等の人的支援体制の強化を決定いたしました。獣医師につきましては、二百名体制が整ったところであります。

 政府といたしましては、本部長である総理の指揮のもとで、口蹄疫の拡大防止のため、関係省庁が一体となって、総力を挙げて対策に取り組む所存であります。

 次に、口蹄疫対策推進に向けた決意についてのお尋ねでございます。

 口蹄疫の感染拡大を防止し、蔓延を阻止するためには、関係農家、関係する地方公共団体や農業団体などの御理解と、一体となった取り組みが極めて重要です。

 対応としては、発生確認当初から、宮崎県と関係地方公共団体と連携し、防疫措置と関係農家の負担軽減、経営支援に全力を挙げているところであります。

 具体的には、獣医師等の派遣による殺処分等の迅速な実施、宮崎県及び隣接県、大分県、熊本県、鹿児島県における全額国庫負担による消毒薬の散布、手当金、評価額の五分の四の概算払いの導入による交付の迅速化、殺処分家畜の評価額と手当金の差額五分の一について、宮崎県が負担した場合の全額特別交付税を措置するなどを決定いたしました。

 引き続き、できることはすべて行い、口蹄疫対策に万全を期してまいる決意であります。

 次に、地域主権の実現に向けての農山漁村活性化についてのお尋ねであります。

 地域主権を実現していく上で、農山漁村の基幹産業である農林漁業を活性化し、活力ある農山漁村コミュニティーを再生することが重要であります。

 しかしながら、農山漁村は、現在、過疎化、高齢化の進行、農業所得の減少、兼業機会の減少、集落機能の低下等の問題に直面しています。

 このため、今後、戸別所得補償制度による農林漁業の立て直しを図るとともに、農山漁村に活力をもたらし得るよう、これから御審議いただく六次産業化法案に即して、農林漁業、農山漁村の有する資源を有効に活用し、地域ビジネスの展開や新産業の創出を図る施策、中山間地域等の農業生産条件の不利を補正する交付金の交付や、農地、水、環境の保全向上を図る地域ぐるみの共同活動等への支援などを推進する考えであります。

 次に、子供たちと農山漁村との触れ合いについてのお尋ねであります。

 農村の活性化を図るためには、都市と農村の交流を通じ、都市住民の農業、農村への理解を促進することが重要であり、小学生の農業体験活動を進めることは、これに寄与するものであります。

 このため、文部科学省、総務省と連携し、平成二十年度から、小学校の農山漁村における宿泊体験活動を推進する子ども農山漁村交流プロジェクトを推進しているところであります。

 この取り組みにより、子供たちの自然環境保全の意識が向上した、食の大切さを理解したといった評価も得られており、今後とも関係三省の連携を密にし、本プロジェクトの円滑かつ着実な推進に努める考えであります。

 次に、六次産業化の実現に向けた本法案の位置づけについてのお尋ねであります。

 本法案は、農山漁村の六次産業化を総合的に推進するための第一歩として今通常国会に提出したものであり、早期の成立を図っていただくことが必要との考えです。

 今後、関係府省間の連携を図りつつ、他の六次産業化関連の法制度とも協調して、六次産業化に関する政策を総合的に推進してまいります。

 次に、六次産業化の概念についてお尋ねであります。

 本法案においては、六次産業化について、農林水産物等及び農山漁村に存在する土地、水等の資源を有効に活用して、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業の融合を図る取り組みであって、農山漁村の活性化に寄与するものをいうと定義しています。

 農林漁業者による加工や販売への進出を初めとする六次産業化を推進することにより、新たな価値を創造するとともに、付加価値のより多くの部分を農山漁村地域の農林漁業者や関連事業者に帰属させ、農林漁業の発展と農山漁村の活性化を実現したいとの考えであります。

 次に、六次産業化の促進のためのバイオマスの利活用と地球温暖化防止対策への貢献についてのお尋ねであります。

 六次産業化の推進に当たっては、バイオマスや自然エネルギーなどの、農山漁村に存在する再生可能な資源を活用することが重要です。

 このため、本法案においては、六次産業化の対象物にバイオマスを明記し、木質バイオマスや家畜排せつ物を新たなエネルギー源として利用するなど、バイオマスを活用した六次産業化の取り組みを推進することとしているところです。

 また、本法案の基本理念として、地球温暖化の防止への寄与を明記し、農山漁村に存在するバイオマスや農業用水、太陽光等を自然エネルギーとして活用する取り組みなどを推進することとしているところです。

 最後に、六次産業化に関する情報提供のあり方についてお尋ねであります。

 六次産業化の取り組みを推進するためには、農商工等連携促進法を初めとする関連法制度と連携して、総合的かつ効果的に施策を推進することが重要であります。

 このため、関連する法制度や施策について、地方農政局ごとにワンストップで相談を受け付ける窓口を設置するとともに、関係省庁の地方支分部局や関係都道府県との連携体制を構築する予定です。

 また、全国の先進事例に関する情報にそれぞれの地域からアクセスできるよう、ホームページ上でのわかりやすい情報提供を図っていく考えでございます。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 江藤拓君。

    〔江藤拓君登壇〕

江藤拓君 宮崎県、自由民主党の江藤拓でございます。

 自民党・無所属の会を代表して、六次産業化法案について質問をまずさせていただきます。(拍手)

 六次産業化法案は、前政権で推進してまいりました農商工連携を具体的に支援する、そういう策を講ずるというその趣旨は十分に理解ができます。要は、農農連携を進めるということが画期的であるという御説明でありますが、そんなことは、実はこの国では、地域で既に行われてきたことであります。

 農産物は生産者が付加価値を加えて高く売ることが所得の向上に資すること、これは共通の認識でありましょう。しかし、六次産業化というのは、余りにも掲げる看板が大き過ぎるのではありませんか。私は、そういう印象を強く持ちます。

 これまでの農商工連携と六次産業化法案との違い、そしてその効果、さらには予算規模が、農商工連携の時代と、どれほど大きくなったのか、そのことについて大臣にお尋ねをいたします。

 少しでも第一次産業にかかわる人の所得が向上するということであれば、我々自由民主党は、徹底した議論にいつでも応じる準備はございます。

 しかし、今、早急にやるべきことは、このことではないはずではありませんか。

 口蹄疫の発生した地域では、日々恐怖におびえ、耐えがたい不安の中で、将来を絶望する人が、今、この瞬間もふえ続けているんですよ。日本の畜産の将来、さらには国民への食料の安定供給さえも左右しかねない喫緊の課題であります。ですから、これから、残された時間につきましては、口蹄疫について質問をさせていただきます。

 きょうで、口蹄疫発生から、はや一カ月がたってしまいました。蔓延は全くとまりません。五月十八日には東国原知事が非常事態宣言を発動されました。けさの段階で、発生した市と町は五つとなり、発生戸数は百四十六戸に上っております。家畜伝染病予防法に基づいて殺処分をもうしていなければならない家畜の総数は、十二万五千二百六十六頭にもはね上がってしまいました。

 殺処分の現場、埋却の現場、これは、皆さん、筆舌に尽くしがたい修羅場ですよ。まさに地獄であります。作業員の中には、精神的にも完全に参ってしまっている人も多数出てしまっております。みんな、もう本当に、ぎりぎりのところでやっと踏ん張っているというのが今の現状なんであります。どうか御理解ください。

 谷垣総裁には、東国原知事が上京して要請された次の日に、すべての予定をキャンセルされ、急遽、朝の一番便で真っすぐ現場に向かっていただきました。現場にですよ。そして帰りの便も、予定がありましたけれども、すべて日程をキャンセルして、農家の方々から意見聴取をいたしました。すべての意見が出尽くすまで、この会議は続きました。総裁は、御自身でメモをとり、誠実に御回答されておられました。

 また、自民党では、四月二十二日、三十三項目の申し入れを行い、四月三十日には、四十二項目、申し入れを行いました。五月の六日にも追加対策の申し入れを行いました。既に党内に家畜伝染病予防法改正等PTを立ち上げ、急ピッチで改正法案の提出に向けて議論を今進めているところでございます。

 それに引きかえ、そのとき、政府は、特に赤松大臣は、あなたは一体何をしていたんですか。

 大臣が初めて宮崎入りしたのは、五月の十日。現場の皆さんが切実な訴えを直接訴えようと待っていたにもかかわらず、現場から遠く離れた宮崎市までしか足を運ばれませんでした。そのとき川南町では、大きな失望と、国に我々は見放された、そういう声を私はたくさん聞きました。

 五月十一日の農林水産委員会で、私は、赤松大臣が四月三十日から五月の八日まで外遊されたことについて、そもそも行くべきではなかった、そして外遊中に、日々蔓延が拡大する中で、途中帰国することをあなたはお考えにならなかったんですか、そうお尋ねをいたしました。

 私は、大臣から、反省しているとまでは言わないまでも、せめて、今となると、途中帰国を考えるべきであったと思います、そういうお返事が当然いただけるものだと思っておりましたが、大臣の答弁は一体何ですか。私一人がいなかったからといって、いささかも支障があったとは理解しておりませんと。

 対策本部長ですよ。何という責任感の欠如ですか。まさに、開き直り、自己正当化以外の何物でもありません。これでは、現地で苦しんでいる農民は救われません。

 当時の対策本部長であった大臣が、農民や地域の人たちの苦しみを御自身の痛みとして感じることができなかった、そのことが蔓延拡大の大きな原因の一つであったということを私は確信いたします。

 そもそも、民主党という政党は、基本的におかしいと思いますよ。

 BSEが発生したとき、農林水産大臣は武部勤代議士でした。自民党内で、BSE対策会議が開かれるたびに、大臣は、不眠不休の努力を重ねて、対応に追われましたけれども、それでも、自民党の議員から、身内から、毎回毎回厳しい追及を受けました。激しい議論がそこではなされました。それがあったからこそ沈静化に向かったのであります。

 そういった激烈な議論の場は、この民主党にはあるんですか。あるんですか。

 初動のおくれ、蔓延の防止に失敗した、とうとうワクチンまで使わなければならなくなってしまった。二十二万頭の子牛を誕生させた伝説の種牛、安平まで殺処分の対象となってしまったことに対しても、民主党内で問題視する声が全く上がらないことを、私は、極めて不自然で不健全な体質である、そう思います。

 現対策本部長の鳩山総理は、十八日の朝、記者からの質問に対して、国の一定の責任を認める旨の発言をされました。まだ前本部長に比べれば正直かもしれません。

 その後行われた赤松大臣の記者会見は、愕然とするものでありました。初動がおくれたとか、やるべきことをやらなかったことはない、私がやってきたことは、全く、反省するところ、おわびするところはないと。まさに信じがたい発言であります。反省なくして、新たな対策、そういったことを打てるんですか。まず反省に立って、そして対策を見直す、これが基本だと私は思います。

 大臣、今も、そのお気持ちは変わりませんか。お答えください。

 私は、野党の一代議士でありますが、地域の皆様におわびを申し上げながら日々を過ごしてまいりました。それが政治家としての、普通の、ごく当たり前の感覚だと私は思いますよ。

 議員の皆様、大臣の発言を、どのように、正直に、率直に受けとめられましたか。

 この報道を見て、国民の政治家への不信はますます高まるばかりであります。政治家は自己保身のことしか考えていないと。何が国民の生活が第一ですか。自分の身が一番じゃありませんか。

 初動のおくれはないと言われますが、現場に国から消毒薬のクレンテが届いたのは四月の二十八日、ソーダ灰が届いたのは二十九日ですよ。発生から一週間もたってしまっていました。どこが迅速な対応なんですか。三日目からは、ビルコンS、車にかける消毒薬を使いました。これは、町、農協、それから宮崎県経済連、宮崎県畜産協会、こういった方々が現場で東奔西走してみずから集めてきた薬品であります。

 そして、さらに指摘させていただきたいことがあります。今回の初動がおくれた大きな原因の一つに、行き過ぎた政治主導があったのではないかと私は思います。

 十年前に口蹄疫が発生したとき、七百四十頭の殺処分で封じ込めに我々は成功いたしました。とにかく、国も県も自治体も農協も、すべての皆さんが、総力を挙げることを要請し、早急に百億円を用意いたしました。そして、何か不手際があったら、初めてのこと、だれも経験がないわけでありますから、最後にはすべての責任は政治家がとる、そのことをみんなに約束して、一斉に動き出したのであります。だから初動が早かったんですよ。だから七百四十頭で済んだんです。

 今は、何かといえば三役にお尋ねをしなければ、みんな動けないんでしょう。(発言する者あり)

 皆さん、やじもわかりますけれども、どうか、宮崎の苦しみを理解してください。畜産農家だけでなく、その他の農産物や観光を初め、多岐にわたる産業にも大きな影響が出ております。

 私の息子の修学旅行も中止になりました。商店街は、ひっそりと静まり返り、売り上げは七割、八割も下がってしまいました。このままではもう店を閉めるしかないという悲痛な声がたくさん上がっております。全国で有名になりました、「朝ズバッ!」でも採用されましたあの軽トラ市も、もうやれなくなってしまいました。

 現場の人たちは、国が具体的で農家が納得のできる対策を早く示していただくことを望んでおります。

 私は、口蹄疫発生初日から連休が明けるまでの間、毎日のように、自分の目で見て、自分の耳で聞き、感じてきたこと、この短い時間の間ではとても皆さん方にお伝えすることはできませんが、その一部だけでも御紹介させていただきます。

 あるおばあさんは、牛を殺処分するならば私も一緒に埋却してほしい、埋めてほしい、そうおっしゃいました。この牛がいたからこそこれまで生きてこられた、そして、何よりも私たち老夫婦にとっては生きがいであった、子供同然であった、これがいたから子供たちにお年玉を上げることもできた、そういうことをもうできなくなってしまった、そう言って、私の手を握って泣かれました。私も一緒に泣くしかありませんでしたよ。

 このことは、委員会で大臣にお伝えをしましたね。しかし、そのとき大臣の胸には、全く響くことはありませんでした。

 ある酪農家では、最後に、一番うまい最高のえさを与えてやり、体をブラッシングしてやって、乳房をふいてやって、その後、一頭一頭に最後の別れを告げて、その目の前で次々と殺処分されていったんですよ。畜産農家の目の前で倒れていったんです。その気持ちがわかりますか。

 その後、私に電話をいただきました。大臣をこの場に連れてこい、そして一頭一頭、大臣の手で、銃で撃ち殺させろ、そうすればおれたちの気持ちも少しは伝わるだろうと声を震わせておられました。

 養豚農家では、殺処分が決まっても、埋却地も見つからず、獣医も足らず、一週間以上待たされてしまいました。その間、えさを与え、世話も続けてまいりました。

 まだ感染していない農家におきましても、これまで必死に防疫の努力をしてまいりました。

 今回、ワクチンを投与するということが突然飛び出してきて、これまでの努力は一体何だったんだという憤りが宮崎には今たまっております。

 政府は、十キロ圏内の計八市町で二十万五千頭にワクチンを投与した上で最終的には殺処分をするという方針を決めました。

 しかし、現場では、この突然の決定を受けて、大混乱が起こっております。当該する市や町では、農家の同意を得ることは極めて困難であり、標準評価額をもとに支払われるということであれば、さらに理解を得ることは困難だという訴えが私のところにたくさん届いております。

 標準評価額は、牛一頭当たり約六十万円、豚は三万五千円。牛は、生まれたばかりの子牛もいれば成牛もおります。繁殖母牛もおります。優秀な繁殖母牛だったら、二百万、三百万出されたって絶対に農家は売りませんよ。これをすべて一律で標準評価額でやるなどという話をしたら、絶対に同意は得られません。

 豚も、種豚で最低でも三十万円はします。(発言する者あり)知らない人は黙っていてください。

議長(横路孝弘君) 江藤拓君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

江藤拓君(続) 母豚も八万円以上します。これらも子豚と同じ金額なんですか。

 ワクチン接種の同意を得ることがおくれれば、蔓延はますます広がってしまいます。

 疫学的な調査もサンプリングもしないで、十キロ圏内はすべて処分するから対策は万全だと言いますが、現場では、十キロ圏内で本当に大丈夫なのか、その外に出たら一体だれが責任をとるんだという声が既にたくさん上がっております。

 三十二万頭もの殺処分が行われれば、想像を絶するほどの土地が必要になりますよ。これまで見つけた埋却地は、すべて県や町が自分たちの努力で見つけた土地であります。国が示された土地は、使い物にならないものばかり。これのどこが十分な対応なんですか。

 鳩山総理は、十八日の会見で、経済、経営のことはしっかりと政府がやる、そう述べられました。これは、生活の補償、農家の経営再建、従業員の給与、関連産業、地域経済が受けたすべての損失を政府が責任を持って補償する、そう理解してよろしいですね。御答弁を求めます。

 大臣は、五月十日、宮崎に来られました。そのときに、法定受託事務だということを言われましたが、もうその時点で、その限界は既に超えていたんですよ。宮崎県を批判する声がありますが、全くお門違いだと私は思います。

 私は、五月十一日の農林水産委員会で、今、大臣の責任を追及したからといって畜産農家が救われるわけではない、蔓延がとまるわけではない、だから今は休戦をしましょうということを提案いたしました。

 ですから、最後に皆様方に、心を込めてお願いをいたします。一刻も早くこの大惨事を終息させるために、すべての国会議員の皆様方の御理解、お力添えをどうぞ賜りますようにお願いを申し上げまして、私の質問にかえます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣赤松広隆君登壇〕

国務大臣(赤松広隆君) 江藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず、本法案と農商工連携との違いと、本法案の効果及び予算規模の増加についてのお尋ねであります。

 本法案と農商工等連携促進法との違いは、一つには、農商工等連携促進法は、農林漁業者と中小企業の双方の経営改善を目的とするものであり、両者が連携し、相互のノウハウ、技術を活用して行う新商品の開発、販路の開拓等の取り組みを支援するものでありますが、二つには、本法案は、農林漁業者等の農林漁業経営の改善を目的としており、これまで対応する法制度が存在しなかった、農林漁業者による加工販売事業への進出等を支援するものであります。

 このため、本法案では、農商工等連携促進法にはない、野菜契約取引の促進のための交付金対象となる農業者等の範囲の拡大等、生産者側の加工販売事業への進出を促進するための支援措置を規定しております。

 また、本法案においては、農林漁業者の加工販売事業への進出に資する研究開発やその成果を利用する取り組みも支援対象としており、新品種の登録料の減免等の措置を講ずることとしているところであります。

 本法案の効果については、農林漁業者による加工や販売への進出を初めとする六次産業化を推進することにより、新たな価値を創造するとともに、付加価値のより多くの部分を農山漁村地域の農林漁業者や関連事業者に帰属させ、農林漁業の発展と農山漁村の活性化が期待されるところであります。

 なお、予算措置については、六次産業化を総合的、一体的に推進するため、二十二年度から、未来を切り拓く六次産業創出総合対策、百三十一億円を新たに創設しているところであります。

 次に、五月十八日の記者会見での発言についてのお尋ねであります。

 五月十八日の記者会見時における発言は、記者から辞任に関する考え方を問われたため、私は、批判があれば受けとめるが、私自身、農林水産大臣として、状況に応じ、適切な防疫措置及び経営支援対策を講じてきたということを述べたものであります。

 五月十七日、対策に政府総力を挙げて取り組むため、内閣に、総理大臣を本部長、官房長官と私を副本部長とする口蹄疫対策本部を設置いたしました。

 五月十九日の政府の口蹄疫対策本部において、新たな防疫対策として、移動制限区域内のワクチン接種による感染拡大防止対策を決定いたしました。

 また、現場からの御要望にこたえ、手当金の、評価額の五分の四ですが、交付の迅速化、殺処分家畜の評価額と手当金の差額、五分の一について、全額特別交付税を措置することを決定し、しっかりと対応しております。

 引き続き、政府及び宮崎県が一丸となって迅速かつ的確な防疫措置を実施し、口蹄疫の感染拡大防止に万全を期す所存でございます。

 次に、消毒液の配布についてのお尋ねであります。

 農林水産省は、四月二十二日には、宮崎県の実施する宮崎県全域への消毒薬の散布について、全額国庫負担により支援することとしたところです。二十八日には、隣接県全域、大分、熊本、鹿児島県に拡大をいたしました。

 また、同日には、製造・輸入業者等に対する消毒薬の宮崎県等への優先供給を指示し、現場では、口蹄疫ウイルスに効果のある複数の消毒薬が適切に活用されております。

 現地によれば、県内全域への配布決定の翌日である二十三日から、発生が確認されていた川南町から、消毒薬ビルコンS並びに同等の効果のあるクレンテ及びスミクロールの配布を開始したと報告を受けております。

 次に、早期殺処分されたワクチン接種家畜の補償額についてのお尋ねであります。

 昨日、政府の口蹄疫対策本部において、移動制限区域内のすべての牛、豚を対象として、殺処分を前提としたワクチンの接種と、ワクチン接種家畜について早期殺処分するための殺処分奨励金の交付を決定いたしました。

 殺処分奨励金については、殺処分前の家畜の価値が正当に評価されたものになるよう、適切に実施してまいります。

 次に、埋却地対策についてのお尋ねであります。

 埋却場所の確保は、口蹄疫の蔓延防止の観点から、発生農場の敷地内または近隣地への埋却が望ましいけれども、川南町では、発生農場周辺の候補地で、掘削により水や岩が出るなど、埋却地の選定に御苦労されていると承知をいたしております。加えて、埋却場所が遠隔地の場合には、運搬経路及び埋却場所のある自治体、住民の理解が必要であることは言うまでもありません。

 農林省は、宮崎県が負担した埋却地の確保に必要な借地料に対する支援、国有林野を提供しているところであるが、必要な国有地の要請があれば、関係省庁と積極的に調整することといたしておるところでございます。

 当省といたしましては、引き続き、宮崎県や川南町等による埋却地の確保を最大限支援してまいる所存であります。

 最後に、関連産業、地域経済が受けた損失についてのお尋ねであります。

 宮崎県における口蹄疫発生に伴う畜産経営の維持のための対策については、四月二十三日に関連対策を発表し、また、その後の発生事例の増加及び発生地域の拡大に伴い、四月三十日には、さらに追加的な対策を講じることとしたところであります。

 今月七日には、関係閣僚懇談会を開催し、政府を挙げて万全を期していくことで関係閣僚と確認したとともに、十七日には、政府の口蹄疫対策本部を立ち上げ、対応しているところです。

 引き続き、今回の発生地域が畜産への依存度が極めて高い地域であることを踏まえ、政府一丸となって対策を適切に講じてまいりたいと思います。

 以上です。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       厚生労働大臣  長妻  昭君

       農林水産大臣  赤松 広隆君

       経済産業大臣  直嶋 正行君

       国土交通大臣  前原 誠司君

 出席副大臣

       農林水産副大臣  郡司  彰君


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