衆議院

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第5号 平成23年2月24日(木曜日)

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平成二十三年二月二十四日(木曜日)

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  平成二十三年二月二十四日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙

議長(横路孝弘君) 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙を行います。

小宮山泰子君 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

議長(横路孝弘君) 小宮山泰子さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、国土開発幹線自動車道建設会議委員に鉢呂吉雄君を指名いたします。

     ――――◇―――――

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣細川律夫君。

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。

 子育てに係る経済的支援については、昭和四十七年の児童手当制度の発足以来、これまで順次拡充が行われてきたところでありますが、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律に基づく子ども手当の支給は、平成二十二年度分限りとなっております。

 このため、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するために、子供を養育している方に対し、平成二十三年度分の子ども手当を支給するとともに、市町村または都道府県に対し、子ども手当の支給と相まって、子供の健やかな育ちの支援に資する新たな交付金を交付することとし、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、子ども手当の支給についてであります。

 子ども手当は、中学校修了前の子供を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父もしくは母、未成年後見人または父母等が指定する者等に支給することとしております。

 なお、父母等が別居している場合は、子供と同居している者に子ども手当を支給することとしております。

 さらに、子供が入所している児童福祉施設等の設置者等に子ども手当を支給することにより、児童福祉施設等に入所している子供等に対する支援を行うこととしております。

 また、子供についても国内居住要件を設けることとしております。

 子ども手当の額は、一月につき、三歳に満たない子供の数に二万円を乗じた額と三歳以上の子供の数に一万三千円を乗じた額とを合算した額としております。

 第二に、子ども手当の費用についてであります。

 子ども手当の支給に要する費用については、児童手当相当部分は児童手当法の規定に基づき、国、地方自治体及び事業主が負担することとし、それ以外の費用については、全額を国が負担することとしております。

 なお、公務員に係る子ども手当の支給に関する費用については、全額所属庁が負担することとしております。

 第三に、交付金の交付についてであります。

 子ども手当の支給と相まって、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するため、市町村または都道府県に対し、交付金を交付することとしております。

 第四に、受給資格者の申し出による学校給食費等の徴収等についてであります。

 受給資格者の申し出により、子ども手当を、受給資格者が支払うべき学校給食費等の支払いに充てることができることとし、また、保育料については、市町村長が子ども手当の支払いをする際に徴収することができることとしております。

 このほか、子ども手当について、差し押さえ禁止等の受給権の保護や公租公課の禁止を定めるとともに、子ども手当を市町村に寄附することができることとしております。

 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成二十三年四月一日としております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。郡和子さん。

    〔郡和子君登壇〕

郡和子君 民主党の郡和子です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について質問をいたします。(拍手)

 まず、冒頭、ニュージーランドで被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

 きょう午前中の官房長官の会見によりますと、大変残念なことに、日本人が行方不明となっている建物から、国籍、身元不明の複数の遺体が発見されたとのことですが、最新の現地の状況と政府のお取り組みについてお答え願いたいと思います。

 それでは、子ども手当の支給等に関する法律案について伺います。

 民主党は、子供一人一人の人格を尊重して、社会全体でその育ちを温かいまなざしで見守る社会、また、子供を安心して生み育てられる社会を目指し、チルドレンファースト、子供の育ち、子育てを応援する施策を重要な政策として掲げてまいりました。こうした理念と取り組みに対して、多くの国民の皆様方から御支持をいただいております。これからも自信を持って力強く推進していかなければならないと、決意を新たにしているところでございます。

 親が子供を育てる責任をしっかり果たせるような支援をすることが、政治の大きな役割でございます。

 子育て支援については、現金給付に当たる子ども手当、現物給付に当たる保育サービスの拡充、仕事と育児の両立支援、この三本柱としてあわせて行っていくことが重要です。政権交代後、政府は、子ども・子育てビジョンの策定、子ども手当の創設、待機児童解消「先取り」プロジェクトの実施など、精力的に取り組んでまいりました。子育て施策を総合的に推進するためにも、子ども・子育て新システムの検討も大詰めを迎えて、これからも計画の着実な推進が求められています。

 こうした中で、昨年からスタートした子ども手当の給付をよりよいものに改善することは、大きな意義があります。児童手当で給付がなかったおよそ四百万人の中学生の親御さん、また、所得制限の線引きで給付されていなかった世帯からは、子ども手当は本当にありがたい、財政事情が厳しい折、なかなか表立って言えないが、ぜひ続けてほしいとの声が届いております。

 子育てをしている方々には、遠慮せず、子ども手当を堂々と受け取っていただき、お子さんの健やかな育ち、お子さんのあらゆる可能性への挑戦にぜひ役立てていただきたいと願ってやみません。子供は、未来であり、希望です。子ども手当を初め、子育て支援策を今後どのように展開していくのか、総理にお尋ねをいたします。

 さて、法案の内容について順次伺います。

 私たちは、二〇〇九年の衆議院マニフェストで、一人当たり二万六千円の子ども手当の給付をお約束いたしました。そして、政権交代後の二〇一〇年の参議院マニフェストでは、財源を確保しつつ、既に支給している子ども手当を一万三千円から上積みするとしています。

 政府においては、平成二十三年度の給付について、財源に限りがある中で苦慮した結果、三歳未満のお子さんの給付を二万円に引き上げることを決断されました。年齢を区切って二万円に引き上げることにした理由について、厚生労働大臣にお伺いいたします。

 民主党は、子ども手当には、所得制限を設けず、どの子供にも同じ額を給付すべきと主張してまいりました。しかし、限られた財源を配分するには所得制限を導入すべきだとの意見が上がったのも承知しております。

 しかし、「子どもの貧困」などの著書で知られる国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、所得制限について、社会全体の格差や貧困といった指標を見たとき、給付の多くが普遍的な国は格差が小さく貧困率も低い、選別主義的な国は格差が大きく貧困率が高いと指摘しています。

 平成二十三年度においても所得制限を設けなかった理由について、厚生労働大臣に御説明をお願いいたします。

 昨年の子ども手当給付法案の国会審議において、平成二十三年度以降に検討するとされた幾つかの課題がございました。

 その一つが、親が海外に子供を残して日本に居住している場合も手当が給付されるという点でございました。これは児童手当法での規定を踏襲したものでしたが、本法案では、子供が国内に居住していることを要件とすることが盛り込まれ、改められました。この規定について、厚生労働大臣に御説明をお願いいたします。

 また、施設入所の子供、里親のもとで暮らしている子供で親がいない場合、強制入所等の場合は支給されないことになっていました。一番支援を必要とする子供に給付されないことは余りにも理不尽ではないかとの意見が上がりました。本法案では、そうした子供たちにも子ども手当が確実に給付されるようになったのかどうか、厚生労働大臣にお尋ねいたします。

 さらに、両親が別居している場合に、原則として生計の維持の程度の高い親に給付されることになっていましたが、これでは、子供と一緒に暮らしている親に給付金が渡らないこともあり得ます。今回の法案では、離婚調停中など両親が別居している場合は同居している親に支給されることになるということですが、どのような手続が必要なのか、厚生労働大臣に伺います。

 また、全国各地の自治体では、学校給食費や保育料の未納問題を抱え、苦慮されており、子ども手当からあらかじめ徴収できるようにしたいとの要望が上がりました。この法案ではこうした要望を踏まえた規定を設けていますが、どのような費用が対象になるのか、また、あらかじめ徴収するに当たってどのような手続になるのか、厚生労働大臣に御説明をお願いいたします。

 さらに、子育て支援サービスを拡充するための交付金が設けられます。これは、自治体からの御要望を反映したものであると同時に、民主党の二〇一〇マニフェストに記載した、子ども手当の「上積み分については、地域の実情に応じて、現物サービスにも代えられるようにします」という部分を反映したものであると大変評価しております。この交付金を自治体がどのような施策に活用できるのか、従来の次世代育成支援対策交付金との違いは何なのか、厚生労働大臣の御説明をお願いいたします。

 ところで、一昨日、全国市長会・町村会会長が厚生労働大臣に御要望に見えたとのことですが、どのような御要望を受けられたのでしょうか。先日の予算委員会の参考人質疑でいらした首長さんたちから、一斉に、万一この法案が成立せず児童手当に戻った場合のことを大変に心配する発言が続きました。法案が年度内に成立しなかった場合、どのような問題が生じると想定されているでしょうか。自治体、また子供たちへの影響について伺います。

 子ども手当の費用負担をめぐり、一部の自治体から御批判があったのも承知しています。社会全体で子供の育ちを応援していくに当たり、国や自治体、そして事業主などがどのように負担を分担していったらよいのか、よく協議していくべきだと思いますが、政府として、自治体にどのようにお願いをしているのか、また、平成二十四年度以降の財源に関する協議をどのように進めていくのか、総理にお尋ねをいたします。

 我が国では、子供を安心して生み育てられるよう子育て支援を強化することが急務であるということは異論のないところだと思います。子供一人一人の育ちを社会全体で応援するという趣旨をお酌み取りいただきまして、議員各位の御賛同を呼びかけさせていただきまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

内閣総理大臣(菅直人君) 郡議員にお答えを申し上げます。

 まず、ニュージーランドの地震についてのお尋ねです。

 まず、この地震で被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。

 そして、日本から派遣をいたしました国際緊急援助隊、日本時間で本日の午前七時から、行方不明の日本人がいたと言われる建物に対して捜査、救出活動に入りました。

 午前九時には、現地に派遣している外務大臣政務官徳永さんから電話をいただきました。その報告の中で、その現場から、国籍あるいは身元が不明の御遺体が幾つか発見されたという報告をいただきました。私からは、全力を挙げて、さらに捜査、救出に当たるよう指示をいたしました。

 そして、十時二十分には、現地に入られていたニュージーランドのキー首相と電話で会談を行いました。私からは、キー首相に対して、日本の緊急援助隊をお送りし、そして、それを受けとめていただいたことにお礼を申し上げるとともに、その緊急援助隊とともに救出に全力を挙げていただきたいということを強く要請いたしました。キー首相からは、緊急援助隊についての感謝の言葉とともに、あきらめないで頑張って救出に当たっていきたい、そういう話をいただいたところであります。

 そういった形で、何としても、この被災の中から、我が国ばかりではありません、多くの人が救出されることを強く願っている、祈っているところであります。

 これからも、現地、ニュージーランド政府とも緊密な連携をとりながら、特に被災された皆さんの御家族とも、しっかりと情報を提供しながら、さらにできることがあれば、キー首相にも、できるだけのことはしますから、もし追加的な要請があれば言ってほしいということも申し上げておりますけれども、しっかりとさらなる支援を準備いたしてまいりたい、このように考えているところであります。

 次に、本題の、子育て、子ども手当についての御質問にお答えをいたします。

 まず第一に、子育て支援の今後の展開についての御質問であります。

 御指摘のように、平成二十三年度予算では、子ども手当の増額、保育所運営費など現物サービスの拡充といった措置を講じたところであります。

 今後の子育て支援については、チルドレンファースト、子供が主人公という考え方、そして社会全体で子育てを支える、こうした基本的な考え方のもとに、子ども手当の支給等の現金給付、そして、待機児童の解消など保育サービスの拡充、ワーク・ライフ・バランスの実現など、バランスのとれた総合的な政策を講じることが重要と考えております。

 昨年一月に閣議決定された子ども・子育てビジョンでもこのことを盛り込んだところであり、引き続き、子供を安心して生み育てられる社会の構築に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、子ども手当の地方負担についての質問にお答えいたします。

 平成二十三年度の子ども手当の制度設計に当たっては、地方との協議に努めるなど、地方側の意向も踏まえた検討を行ってきたところであります。

 最終的には、今年度と同様、子ども手当創設前からある児童手当の地方負担分については従前どおりとしておりますが、それ以外の部分については、上積みの部分を含めて全額国費で対応したものであります。また、地方団体からの御意見も踏まえて、保育料や学校給食費について子ども手当から納付することができる仕組みも設けることといたしました。

 政府としては、まず、平成二十三年度の子ども手当の支給が円滑に遂行されるよう、地方に御理解をいただけるような努力を続けてまいります。

 また、平成二十四年度以降における制度設計に当たっては、関係府省と地方公共団体で会議を開催し、十分な協議を行うことといたしており、財源構成についても、この会議の場でよく検討したいと考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 郡議員にお答えをいたします。

 三歳未満の子供について、支給額を引き上げる理由についてのお尋ねがありました。

 平成二十三年度における子ども手当は、ゼロ歳から三歳未満の子供に重点的に上積みを行うこととしたところでございます。これは、子ども手当の実施と扶養控除の廃止で、児童手当のときより実質手取り額が減ってしまういわゆる逆転現象が生じるのが主にゼロ歳から三歳未満の層であること、また、この年齢層の子供に関しては、親の年齢も若く、収入も低いと考えられることに加え、仕事の休止など、出産、育児の負担感が比較的高いと考えられることなど、総合的に勘案をしたものでございます。

 次に、子ども手当について、所得制限を設けない理由についてのお尋ねがありました。

 子ども手当は、社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するという観点から、家計の収入の状況にかかわらず支給をするとしたところでございます。

 また、子ども手当の創設とあわせて、十五歳以下の扶養親族に適用される年少扶養控除を廃止いたしましたが、これは、相対的に高所得者に有利な所得控除から、相対的に支援の必要な人に有利な手当に切りかえる、こういう控除から手当への考え方に沿って実施するものでございます。

 次に、子供の国内居住要件を課すこととした趣旨についてのお尋ねがありました。

 海外に居住する子供への対応については、これまでもさまざまな意見や議論があったところでございます。こうした御意見等を踏まえつつ、平成二十三年度の子ども手当につきましては、次代の社会を担う子供の育ちを支援するとする子ども手当制度においては、国内に居住する子供に支給することがその目的に沿うこと、一方、海外に居住する子供については、基本的には今後も海外に居住し続けるものと考えられ、これらの者に支給することについては適当ではないと考えられることなどから、子供についての国内居住要件を課すこととしたものでございます。

 次に、施設入所等の子供への子ども手当についてお尋ねがございました。

 児童養護施設に入所している子供等で子ども手当の支給対象とならない子供については、平成二十二年度は、安心こども基金を活用して、子ども手当相当額の特別な支援を実施いたしております。

 平成二十三年度の子ども手当では、さまざまな御意見を踏まえ、親がいないケースや親から虐待を受けたケースも含め、児童養護施設に入所している子供等について、施設の設置者に子ども手当を支給することといたしております。これにより、児童養護施設に入所する子供等についても、子ども手当の恩恵を受けることができることになるものと考えております。

 次に、両親が別居している場合の子ども手当の支給手続についてお尋ねがございました。

 児童手当及び平成二十二年度の子ども手当は、子供との同居の有無に関係なく、生計を維持する程度の高い方に支給することとされておりました。

 しかし、平成二十三年度の子ども手当では、子供の育ちを支援するという趣旨を踏まえ、子供と同居している方に支給することとしたところでございます。これにより、例えば、住民票で子供と同居していることが確認できれば支給されますし、DV事例等で住民票の異動が困難な場合にも、子供と同居の事実が客観的に確認されれば、同居している方に支給されるものでございます。

 次に、子ども手当からの学校給食費等の徴収についてお尋ねがありました。

 平成二十三年度の子ども手当では、保育料や学校給食費等について、子ども手当から納付することができる仕組みを設けたところでございます。このうち、保育料については、子ども手当から直接徴収できるようにしております。一方、学校給食費等については、本人の同意により納付することとしておりますが、例えば、学校の教材費や幼稚園の授業料等を対象とするかなど、その具体的な対象範囲につきましては、現在、文部科学省等と検討を進めているところでございます。

 次に、現物給付を拡充するための新たな交付金についてのお尋ねがございました。

 今回の子ども手当法案では、地域の実情に応じた現物サービスを拡充するため、次世代育成支援対策交付金を改組いたしまして、五百億円の交付金を創設いたしました。

 この交付金の具体的内容につきましては、一時預かり事業など従来の交付金の対象事業に加えまして、待機児童「先取り」プロジェクトのうち、最低基準を満たす認可外保育施設への公費の助成や、市町村独自の子育て支援事業のうち、新規事業や既存事業の上乗せ、拡充分への公費助成等を行うことと考えております。

 最後に、年度内に法案が成立しなかった場合の影響と、全国市長会長と町村会長からの要望内容についてお尋ねがありました。

 子ども手当法案が年度内に成立しなければ、児童手当法に基づき、所得制限のある児童手当を支給する必要があります。しかしながら、この場合は、四月分の児童手当を随時払いすることが困難となるほか、最終的に法案が成立しなかった場合には、現金給付の手当が大幅に減額または廃止されます。このため、例えば、四百万人いる中学生への一万三千円の手当は出なくなることになります。また、電算処理システムの整備が間に合わず、六月までに児童手当の支払いができない可能性があるなど、国民の生活に多大な影響を与えることになります。さらに、子供に国内居住要件を設けることや、施設に入所する子供に支給すること、並びに自治体からの要望の強い保育料や教育費の手当からの徴収を可能にすることなど、国会の審議で疑問になった点への改善も行われなくなることもございます。

 こうした中で、一昨日、子ども手当法案について、全国市長会長と町村会長からも、現場に混乱を生じさせないように、そういう対応を講じるようにという御要請をいただいたところでございます。

 厚生労働省といたしましても、年度内成立に向けまして全力で努力してまいります。ぜひ、議員の皆様方におかれましても、年度内成立に向けて御理解をいただければと考えております。

 以上でございます。(拍手)

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議長(横路孝弘君) 田村憲久君。

    〔田村憲久君登壇〕

田村憲久君 自由民主党・無所属の会を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案に対する質疑をいたします。(拍手)

 まず冒頭に、一昨日、ニュージーランドのクライストチャーチで発生した地震で被災された皆様方には、心からお見舞いを申し上げ、また、一刻も早い救出をお祈り申し上げます。

 さて、子ども手当は、言うまでもなく、民主党の衆議院選挙マニフェストの目玉政策です。この国民との重い約束をほごにし、二十二年度に引き続き二十三年度までも一年間の時限立法で行うことは、子ども手当の継続性が疑われるばかりか、国民との約束などただの選挙目当てとの民主党の姿勢が見てとれます。マニフェストにおいては、半額支給の昨年はともかく、二十三年度からは満額の予定であり、単年度にする理由など何もないはずです。

 なぜ、再び時限立法として提出されるのか、納得のいく御説明をお願い申し上げます。

 二十二年度の子ども手当法案でも、財源確保は大きな議論の一つでした。まさか、二年連続で税収より多い四十四兆円を超える新規国債を発行し、格付機関より国債の格下げがなされる中、財源不足にもかかわらず、三歳未満の手当を増額、昨年を大幅に上回る二兆九千億円を給付するとは、あいた口がふさがりません。

 当然、無責任なばらまき政策の菅内閣支持率はついに二〇%を割り、さすがに菅総理も、これではいかぬと、マニフェストにもない消費税増税に言及されています。これに対し、同僚である原口前総務大臣からは、月刊誌で、菅内閣は赤い増税内閣と倒閣宣言される始末です。さらに、小沢シンパの十六名の民主党会派離脱宣言、さらには昨日の松木農林水産大臣政務官の辞任表明などは、身内からのレッドカードも同然です。

 ハトからサギにかわった口先だけのサギフェスト政権にけじめをつけるために、何より日本の国のために、逃げずに、解散・総選挙で国民に信を問うつもりはありませんか。お答えを求めます。

 そもそも、子ども手当を初めとするマニフェストは、無駄の廃止で財源を捻出するものだったはずです。しかし、今回の増額分は、マニフェストにはない給与所得控除や成年扶養控除の縮小廃止等、国と地方を合わせて五千八百億円規模の個人向け増税で賄おうとするものであり、断じて看過できません。内需主導で経済成長という総理の考えとは反するものですが、どのように弁明されるおつもりですか。

 また、子ども手当は、二十三年度には二万六千円の給付を約束したはずではありませんでしたか。しかし、本法案では、三歳未満のみ二万円へ増額となっております。

 所得制限なし、一律二万六千円とは、絵にかいたもちであったのですか。重大なマニフェスト違反を国民におわびし、そして、何よりも解散・総選挙、これを御決断いただきますようにお願いいたしたいと思います。

 最近、岡田幹事長を初め民主党ではマニフェスト見直しがかまびすしいですが、一体、二十四年度以降はどうなるのでしょうか。満額二万六千円支給という約束はまだ生きているのでしょうか。お答えください。

 これは国民との約束、一方的に破ることはできないはずです。約束を守れなかったとき、総理は職を辞す覚悟はおありでしょうか。

 三歳未満の子供に二万円への引き上げを行うのは、年少扶養控除廃止に伴い負担増になる世帯が生じるとの理由からです。しかし、そもそも、児童手当で所得制限がかかっていた年収八百六十万円以上の層では、三歳未満の子供がいても負担増にならないところもあります。それどころか、三歳未満の手当を二万円に引き上げると、年収三百万円の世帯では十一万円の手取り増に対し、年収九百万円の世帯では手取りが十八万円近くふえることになります。

 一体、これのどこが所得の再配分なのですか。これでは、相対的に高所得者に有利な控除から手当へ転換するというマニフェストとの整合性がつかないのではないですか。

 また、年少扶養控除廃止で負担増になる世帯は、何も三歳未満の子供がいる家庭ばかりではありません。例えば三子目以降のいる家庭など、こうした世帯に、なぜ二万円への引き上げを行わないのでしょうか。

 予算委員会において、細川厚生労働大臣は、公明党の坂口委員のこの指摘に対し、何とかそこは勘弁してもらえないかと言われましたが、だれに何を勘弁してもらいたいのでしょう。方便に勘弁、詭弁を弄するのはやめて、明確にお答えください。

 先般、予算委員会に提出された子ども手当の目的を整理した厚生労働省の文書には、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から支給するとあります。約二兆九千億円にも及ぶ手当を、この未曾有の財政難に、何の政策的効果も目的も期待せず今回も支給するのは、公金を使った壮大な選挙買収と言わざるを得ません。

 改めて総理に、子ども手当の目的、また、期待する政策的効果についてお伺いします。次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するという文言は、もう結構です。我々議員を初めとして、国民だれにもわかるよう、この文言の意味を敷衍して説明いただきたいと思います。

 一方、前述の厚生労働省見解文書には、子ども手当は、結果として少子化の流れを変えることに資するものであるとありますが、昨年九月に厚生労働省が実施した調査によれば、約四割の方々が使途は貯蓄や保険料と答え、既に使い道を決めていた方々の中でも約四割が子供のため以外に支出し、子供の数をふやす計画を立てたと考える方々は一割にも至りません。

 この調査結果を前にして、少子化対策として費用対効果が得られると自信を持っておっしゃるのですか。見解を伺います。

 今回、この調査は、複数回答方式が基本であり、今年度の子ども手当一万三千円の使途を具体的に解明するものではありません。アリバイづくりの全くずさんな調査と言わざるを得ません。これだけ巨額な財源を投入する施策である以上、正確にその効果を検証する必要があると考えます。

 そこで、お聞きします。

 本年度の子ども手当一万三千円が家計の中で何に使われたのか、所得階層別に解明できる調査をいつまでに行うつもりですか。お答えを求めます。

 本法案では、我々の昨年の議論を反映したかのように、子ども手当からの保育料と給食費の天引きを認めることとなっています。しかし、給食費は、養護者本人の同意なしに子ども手当と相殺できません。理由は、給食費は私的債権だからとのことです。しかし、給食費を払わぬ親が子ども手当からの天引きに同意するとは考えづらく、結局、実効性のない空文となることが懸念されます。

 親の給食費未納のため、育ち盛りの子供たちが給食を食べることができない事態は、生存権にもかかわる問題です。現在、全国でどれぐらい給食費未納がありますか。また、実際、給食を食べていない子供がいないか把握していますか。

 さらに、学校給食法を改正して強制徴収できる債権としてでも、子ども手当法案で天引き可能とすべきではないでしょうか。文部科学大臣と厚生労働大臣にお聞きします。

 先般の子ども手当の地方負担に反対する市長さんたちと谷垣総裁との懇談会では、地方の声は十分に聞くと言ったにもかかわらず、政府はその約束を十分に果たしていないとの不満が聞かれました。また、予算委員会の参考人質疑で出席された大阪府池田市の倉田市長も、平成二十二年度に続き二十三年度においても地方負担を求められたことに対して、全国市長会を初め、地方団体が決して了解したものではありませんと明言されておられます。

 そこで、総理にお聞きします。

 昨年、何度、どのような形で地方との話し合いを持たれましたか。地方の意見を十分に聞き、納得を得た上で法案を作成したと胸を張って言えるのでしょうか。お伺いいたします。

 地方との十分な話し合いが行われなかった結果、今回の法案でも、五千五百億円を超える地方負担を強いる内容となったのだと私は理解しております。

 民主党マニフェスト、工程表などで明確に子ども手当の所要額を五兆三千億円としていますが、これは全額国庫負担すると民主党がマニフェストで約束していたとの理解でよいのか、同僚の小泉議員の予算委員会の質問に、そうではないと答えられた、民主党マニフェストを全然理解できていない枝野官房長官に御答弁をお願いいたしたいと思います。

 また、仮にそうだったのであれば、二年連続の地方負担は明らかにマニフェスト違反であります。それを認め、率直に国民及び地方におわびすべきではありませんか。

 もし総理が平成二十四年度以降も子ども手当を継続するつもりならば、そのときは地方負担は課さないと言明できますか。明確にお答えください。

 地方負担については、現在、六十五の自治体が拒否し、新年度予算案において地方負担分を計上しないと報道されております。政府への地方の怒りに対してどのように対処するおつもりなのか、お答えを求めます。

 民主党政権は、地域主権を挙げ、ひもつき補助金を廃止し、一括交付金を導入することで、地方に自由度の高い財源を移譲するとしております。しかし、地方の首長からは、住民税に匹敵する子ども手当負担金こそが、ただ配るだけのひもつき補助金であるとの声を聞きます。

 子ども手当は、一括交付金化の流れにも地域主権にも反するのではありませんか。地域主権も子ども手当もマニフェストの一丁目一番地。この矛盾をどう説明なされますか。

 我々は、児童手当と同様に、子ども手当にも所得制限すべしと要求してまいりました。政府は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するとして、所得の多寡にかかわらず、一律の手当といたしました。また、所得制限をしない事例としてヨーロッパを何度も引き合いに出されましたが、そもそもヨーロッパ諸国の趨勢は、国民負担率が、我が国と比較してもはるかに高い高福祉・高負担国家です。ちなみに、それでもイギリスは、財政難のため、所得制限を検討しているとも聞きます。

 総理は、高福祉・高負担国家を目指すつもりですか。お答えください。

 今国会では、税と社会保障の一体改革を中心に我々への抱きつき戦略を考えておられるようですが、民主党の社会保障政策には、特に年金制度の具体的改革内容が示されず、迷惑千万です。

 さて、予算委員会で、与謝野大臣より、子育て対策は税と社会保障の一体改革の議論の対象であるかの発言も聞かれました。

 そこで、お聞きします。

 子ども手当は一体改革の中で検討されるのですか。また、消費税の引き上げ分で子ども手当の増額を行うのですか。端的にお答えいただきたい。

 以上、民主党による子ども手当の欺瞞とインチキに関して質問をしてまいりましたが、あれほど、今まで、いいかげんな政権公約では政治は信頼されない、財源や工程表を示すことでマニフェストは実現可能になると言いながら、結局、民主党は、国民を完全に欺いたこととなっております。

 マニフェストで約束した財源も見出せずに、この国を財政破綻へと導く、政権をとるための方便としてばらまいた子ども手当法案は、財源には疎かったのでと国民の皆さんにおわびし、撤回すべしと助言いたしますが、総理の答弁を求めます。

 我々自民党は、ばらまきより、保育所や放課後児童クラブなど必要な子育て支援策の充実を行うと主張して、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

内閣総理大臣(菅直人君) 田村憲久議員にお答えを申し上げます。

 まず、子ども手当が時限立法である理由についての御質問です。

 平成二十三年度の子ども手当については、平成二十四年度以降の年少扶養控除等の見直しによる地方の増収分の取り扱いについて地方と協議を重ねながら十分検討する必要があるため、単年度の暫定措置を講じることとしたところであります。

 平成二十四年度以降の子ども手当の制度設計については、関係府省と地方団体による会議の場において、現物サービスのあり方も含め幅広く検討し、結論を得てまいりたいと考えております。

 次に、マニフェストと国民に信を問うということについての御質問です。

 マニフェストは国民との約束であり、今日まで、その多くを実施し、また着手しており、今後も引き続きその実現に向けて努力を行っていくことが基本だと考えております。

 そして、現下の喫緊の課題は、そのマニフェストの実行とともに、経済と国民生活に不可欠な二十三年度予算を成立させ、執行することではありませんか。同時に、中長期的に見れば、社会保障と税の一体改革は、先送りできない待ったなしの国民的な最重要課題だと考えております。解散については全く考えておりません。

 子ども手当の増額分の財源と経済成長についての質問についてであります。

 御指摘の増額分は平年度で約二千五百億円であり、これについては、二十三年度税制改正における成年扶養控除及び給与所得控除の見直し、さらに厚生労働省予算の見直しによって恒久財源を確保しているところです。

 子ども手当は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から創設したものであり、短期的な経済成長を目的とするものではありません。

 次に、二十四年度以降の子ども手当等についての質問にお答えします。

 マニフェストは国民との約束であり、子ども手当も含め、引き続きその実現に向けて取り組んでいくのがもちろん基本であります。

 子ども手当については、二十三年度は三歳未満は二万円に引き上げることとしていますが、いずれにせよ、本年九月で衆議院議員の任期の折り返し点を迎えることから、党において、このマニフェスト全体の検証を行うことといたしております。

 次に、子ども手当などマニフェストの修正についての御質問をいただきました。

 マニフェストについては、政権交代以来、その実現に努め、子ども手当、高校無償化、農業戸別所得補償など、多くの事項において既に実施し、あるいは着手をいたしております。

 総選挙マニフェストで月額二万六千円としていた子ども手当については、初年度、月額一万三千円の支給を実現しました。昨年の参議院選マニフェストでは、財源を確保しつつ一万三千円から上積みするとした上で、二十三年度は、三歳未満の子ども手当を月額二万円に増額いたしました。

 一方で、二〇〇九年総選挙以降の状況の変化や国民の声に対応する必要があります。そこで、今年九月で衆議院議員の任期の折り返し点を迎えることから、党として、一度マニフェストの検証を行うことといたしております。検証の結果、仮に見直しを行うこととなった場合には、国民の皆様に丁寧に説明をして、理解を求めていく所存であります。

 次に、控除から手当への転換というマニフェストとの整合性についての質問です。

 子ども手当の創設と相まって年少扶養控除を廃止していますが、これは、相対的に高所得者に有利な所得控除から、相対的に支援の必要な人に有利な手当に切りかえるという、控除から手当への考え方に沿って実施するものであります。

 なお、個々のケースを見れば御指摘のようなこともありますが、一方で、御指摘のケースで年収千五百万円の世帯では手取りが八万円程度しかふえないこと、例えば、中学生を抱える世帯を見れば低所得者の方がより有利になっていることなどについても留意が必要だと考えております。

 年少扶養控除廃止で負担増になる世帯への増額についての質問にお答えします。

 年少扶養控除の廃止により、第三子以降の子供がいる世帯の一部において負担増となることは承知をいたしております。

 しかしながら、平成二十三年度においては、三歳未満の加算、中学生への支給、高校無償化のプラス分も考慮すると、第三子以降の子供がいる世帯では逆転現象は余りない、このように考えております。社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するという子ども手当の理念からは、出生順位に関係なく手当を支給することが適当であることから、平成二十三年度法案においては、上乗せの対象は三歳未満のみとしたところであります。

 次に、子ども手当の目的、政策効果についての御質問をいただきました。

 子ども手当については、子育てや教育にお金がかかり、経済面での支援を求める声も強いことなどを踏まえ、次代を担う子供を安心して生み育てることができる環境を社会全体で整えていくために創設いたしたものであります。

 子ども手当の費用対効果についての質問です。

 御指摘の調査結果は、調査項目では、「子どもの将来のための貯蓄・保険料」、こう書いてあるのでありまして、御質問のように、貯蓄や保険料のという書き方はいたしておりません。この項目も子ども手当の趣旨の範囲内である、こう理解いたしております。また、他の使途として、子供に限定したものが回答の上位を占めております。

 この調査結果は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するという子ども手当の趣旨に沿うものであると考えております。

 次に、子ども手当の使途調査についての質問です。

 子ども手当の使途をきちんと把握することは重要なことであり、二十三年度も引き続き使途に関する調査を行ってまいりたい。なお、その調査方法や調査内容については、御指摘の点も含め、より具体的に把握できるよう検討するとともに、時期についても、二十四年度の制度改正に間に合うよう検討してまいりたいと考えております。

 次に、地方との話し合いについての御質問です。

 子ども手当に関する地方との話し合いについては、国と地方の協議の場において二回にわたって議論を行うとともに、厚生労働大臣を中心として、地方六団体との意見交換会及び各団体の会長等との個別会談を何度も行うなど、精力的に実施してきたところであります。

 地方負担への反発や協議が不十分との御批判があることは承知しておりますが、こうした話し合いを通じてお互いの理解は進んだものと考えており、また、保育料等を子ども手当から徴収する仕組みや子育て支援のための新たな交付金制度について評価をいただいている面もある、このように理解をいたしております。

 次に、地方負担についての質問です。

 子ども手当の創設に当たって地方に新たな負担増を求めていないことは、改めて御理解をいただきたいと思います。その上で、子ども手当に係る地方の財源負担については、昨秋以来、厚生労働大臣に御尽力をいただいた結果、基本的には地方にも御理解をいただいていることについても理解をしていただきたいと思います。

 平成二十四年度以降の子ども手当の国、地方の財源負担については、税制改正による増収効果が同年度以降に本格的に生じることを踏まえ、できるだけ早期に地方との協議を開始し、地方にも御理解いただける形で合意したいと考えているところであります。

 次に、地方負担や二十四年度以降の対応等についての質問です。

 政府としては、まず、平成二十三年度の子ども手当の支給が円滑に遂行されるよう、地方に御理解をいただけるような努力を続けてまいりたい。

 平成二十四年度以降における子ども手当の制度設計に当たっては、関係府省と地方公共団体で会議を開催し、十分な協議を行うこととしており、財源構成についても、この会議の場でよく検討してまいりたい。

 なお、一括交付金については、地域主権戦略大綱上、基本的に、全国画一な保険・現金給付に対するものや地方の自由裁量拡大に寄与しない義務的な負担金、補助金等は一括交付金の対象外とすると整理されており、子ども手当は、一括交付金の流れにも地方主権改革にも反するものではない、こう理解をいたしております。

 次に、社会保障のあり方についての御質問をいただきました。

 子ども手当は、社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するという観点から実施するものであり、家計の収入のいかんにかかわらず、確実に支給されるよう所得制限は設けないこととしたところであります。

 社会保障の給付と負担については、一般論で言えば、多少の負担をしても安心できる社会をつくっていくことを重視するのか、それとも、負担はできる限り少なくして個人の自己責任に任せるのか、大きく二つの道があります。私は前者の道が望ましいと考えておりますが、まずは、あるべき社会保障の姿をしっかり議論し、社会保障制度の安定強化に必要な財源と税制改革を一体的に考えるというスタンスで取り組んでいるところであります。

 次に、子ども手当の財源について御質問をいただきました。

 子ども手当は、社会保障と税一体改革において社会保障のあるべき姿を議論する際には、議論の対象にはなるものと考えております。ただし、マニフェストの主要施策については、マニフェストに記載された、既存の予算の縮減、税制改正等によって恒久的な財源を確保して実施することとしており、子ども手当について、消費税を財源とすることは考えておりません。

 次に、子ども手当法案の撤回についての御質問をいただきました。

 子ども手当については、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から支給するものであり、子供を安心して生み育てることができる社会の構築等に資するものであります。

 御指摘のようなばらまきには当たらず、意義あるものと考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 田村議員にお答えをいたします。

 第三子の上積みについてのお尋ねがございました。

 第三子以降に上積みを行うことにつきましては、平成二十三年度では、三歳未満の加算、中学生への支援対象拡大、高校無償化のプラス分も考慮いたしますと、第三子以降の子供がいる世帯では逆転現象はほとんどないというふうに考えられること、また、社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するという子ども手当の理念からは、出生順位に関係なく手当を支給することが適当であることなどから、平成二十三年度法案では、上乗せの対象は三歳未満のみとしたところでございます。

 先日の坂口委員への私の答弁は、この第三子以降の子供について増額をしないことについて国民の皆様に御理解をいただきたいという趣旨で答弁をしたものでございます。

 次に、子ども手当から学校給食費の強制徴収についてのお尋ねがございました。

 平成二十三年度の子ども手当では、保育料や学校給食費を子ども手当から納付することができる仕組みを設けました。これは、平成二十三年度の子ども手当制度を検討する中で、学校給食費は強制徴収可能な公債権ではないことや実態を踏まえまして、本人の同意により納付する仕組みを設けることとしたところでございます。

 まずは、文部科学省と連携をしながら、実効性が上がるよう、運用面で工夫を講じてまいりたいと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣高木義明君登壇〕

国務大臣(高木義明君) 田村議員から、二点の質問がございました。

 最初に、学校給食費未納についてのお尋ねがありました。

 文部科学省が実施をしました平成二十一年度における学校給食費の徴収状況に関する調査では、学校給食費について、未納者のいる学校の割合は約五五・四%、また、未納者の割合は約一・二%となっています。

 給食費未納のため給食を食べていない児童生徒がいるかという点については、同調査の中で、未納があった場合の対処方法について尋ねており、徴収した範囲の中で学校給食を実施しており、他の予算から一時補てんするなどの回答となっており、実際に学校給食を食べていない児童生徒がいるとの回答はなされておりません。

 次に、学校給食費の天引きについてのお尋ねであります。

 学校給食費は、保育所保育料とは法律上の位置づけが異なっており、強制徴収はできないことから、今回の法案では、保護者の申し出により、子ども手当から徴収できるようにしております。

 学校給食法を改正して強制徴収できるようにすべきとの点については、民事上の契約関係にある学校給食費のあり方、学校給食費と他の教育関係経費との関係など、さまざまな点について十分慎重に検討する必要があると考えております。

 まずは、厚生労働省と連携しながら、実効性が上がるように、運用面での工夫で対処してまいりたいと思います。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣枝野幸男君登壇〕

国務大臣(枝野幸男君) 田村議員にお答えをいたします。

 民主党のマニフェストにおきましては、子ども手当について、平成二十二年度月額一万三千円、平成二十三年度以降は月額二万六千円の給付を行うことについてお約束をし、その所要額が五・三兆円であることはお示しをしております。

 平成二十二年度についてはマニフェストどおりに実施をいたしたところであり、さらに平成二十三年度以降については、昨年の参議院選挙マニフェストで、国民の声と、そして党内の議論を勘案し、月額一万三千円から上積みするとの内容をお示しした上で、平成二十三年度については、参議院選マニフェストにのっとり法案を作成し、予算に計上しているところでございまして、その意味では、国民の皆さんに対する一定の約束は果たしているものと考えております。

 なお、現在御審議いただいている予算等については、基本的に、地方の皆さんにも御理解をいただいているものと考えております。

 財源については、所要額が五・三兆円であるということをマニフェストでお示しいたしておりますが、それ以上の具体的な記載はございません。全額国庫負担とすることが望ましいと考えておりますが、同時に、子ども手当創設にあわせて行った税制改正において、住民税に係る控除の廃止縮減を行っており、これに伴う増収が今後生じることとなっております。この増収分の取り扱い等を含めて、地方とできるだけ早期に協議を開始し、地方にも御理解をいただける形で結論を出したいと考えております。(拍手)

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議長(横路孝弘君) 古屋範子さん。

    〔古屋範子君登壇〕

古屋範子君 私は、公明党を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について質問を行います。(拍手)

 まず、法案の質疑に入る前に、このたびのニュージーランド南部で発生した大地震により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 現地邦人二十六人の安否がいまだ確認されておらず、一刻も早い安否確認を、また、救出のためにさらに全力を挙げるよう求め、法案の質疑に入ります。

 子ども手当は、民主党が二〇〇九年の衆院選挙で掲げた看板政策であり、そのマニフェストに基づいて考えるならば、今般の法案は、平成二十三年度から中学生までのすべての子供を対象に月額二万六千円を全額国費で支給する恒久的な法案となっていたはずであります。

 公明党は、二十二年度の子ども手当法に修正を求め、平成二十三年度以降の子育ての支援に係る全般的な施策の拡充を盛り込みました。二十三年度以降ということは、恒久制度を志向している。時限法はあり得ません。修正条項に反しています。

 さらに、現金給付に対し、保育サービスなどの現物給付は、十分な拡充がなされているとは言えません。バランスが非常に悪い。さらに、またしても単年度限りの法案となっています。これでは子育て世代の安心が生まれるはずはなく、修正した趣旨に反するものと言わざるを得ません。

 このようなその場しのぎの法案を提出した菅政権に対し、反省と責任の所在を明らかにするため、以下、質問をしてまいります。

 まず初めに、本法案は明確なマニフェスト違反だということです。

 一体、民主党が国民と約束した子ども手当の本当の姿とは何なのでしょうか。二万六千円の子ども手当をよもや方便でマニフェストに掲げたわけではないと思いますが、改めて確認をさせていただきたい。

 昨年末の子ども手当の財源確保をめぐる政府の迷走、そして今般提出された法案内容を見る限り、民主党マニフェストの実現はもはや困難と認めるべきではないでしょうか。一から制度設計をやり直すお考えはあるのか、それとも、これまでどおり、出生順位にかかわらず一律二万六千円を支給する考えは変えないのか、簡潔にお答えください。

 また、仮にマニフェストを変更するのであれば、国民への謝罪と説明が必要と考えますが、この点についても、あわせて、菅総理に明快な御答弁を求めます。

 次に、支給額について、三歳未満のみ一万三千円から二万円に引き上げる理由に関して、二点伺います。

 これまでの国会質疑の中で、その理由の一つとして、関係閣僚から、三歳未満の子供を持つ家庭は比較的若い世帯が多く、収入も少ないという答弁がありましたが、これは全く後づけの理由ではないでしょうか。

 三歳未満の児童手当を五千円から一万円に引き上げる乳幼児加算創設の平成十九年児童手当法改正の際、三歳になったら手当が半額に減らされてしまうのは混乱を招く、あるいは、子育てに伴う経済的負担の軽減という趣旨ならば、むしろ負担の重くなる三歳から五歳及び学齢期に厚くすべきなどと言い、法案に反対したのは民主党ではありませんか。当時と考え方が変わったのですか。はっきりと態度を示すべきです。

 三歳未満の子供を持つ世帯の収入が比較的低いことについて、その根拠となるデータを示し、明確な説明を求めます。

 もう一つの理由として、年少扶養控除の廃止により、三歳未満の子供を持つ世帯では、児童手当のときと比べて実質的な手取り額が減ってしまう、すなわち負担増となる世帯が出ることを挙げています。しかし、これは、支給額の見通しも立たないまま増税を先行したために起きた制度設計ミスではありませんか。

 確かに、三歳未満のみ七千円引き上げれば、この年齢の子供を持つ世帯の負担増は回避できるかもしれません。他方、三歳から小学生までの子供を持つ年収八百万円の世帯では、平成二十四年度以降、負担増となる世帯が出てきます。

 また、二月八日の予算委員会で我が党の坂口議員が指摘をしたように、第三子以降の子供を持つ世帯では、今回の措置でも負担増を回避できないケースがあります。

 こうした点を踏まえ、三歳未満のみ支給額を引き上げることの必要性や、税制改正の影響を含めた子ども手当の効果について、改めて検討する必要があるのではないでしょうか。政府のお考えを伺います。

 次に、単年度限りの法案となった理由について伺います。

 昨年の子ども手当法案の質疑において、二十三年度以降の制度設計についてお尋ねしたところ、当時の長妻厚労大臣は、「政府全体で本格的な制度設計に向けて検討し、結論を得た上で、改めて法律案を提出したい」、そう答弁をしています。

 なぜ、本格的な制度設計ができなかったのか、恒久的な法案提出ができなかったのか、総理の明快な答弁を求めます。

 次に、子ども手当の財源について伺います。

 公明党は、二十三年度以降の本格的な制度設計に向けて、恒久財源の確保が必要であることを強く主張してきました。

 まず、二十二年度に行った、中学校修了まで一律一万三千円を所得制限なしで支給する場合、これを全額国費で賄おうとすれば、満年度で二兆七千億円が必要です。この財源について、政府は、所得税、住民税の年少扶養控除の廃止に伴う国と地方の増収額一兆一千億円を恒久財源として充当し、それ以外は歳出削減等で捻出する考えを表明しています。

 しかしながら、この一兆一千億円のうち地方増収分の六千九百億円は、現在までのところ、地方との調整がついておらず、全額子ども手当に充てることが担保されておりません。

 加えて、三歳未満の七千円引き上げには、二十三年度の十カ月分で二千八十五億円、満年度で約二千五百億円の追加財源が必要ですが、これについては、これまで民主党が述べてきた配偶者控除の廃止などではなく、昨年末、突如として、成年扶養控除や給与所得控除の見直しなどで捻出することが決まりました。その決定プロセス等を見ても、いかに民主党の制度設計があいまいだったかがわかります。

 マニフェストで約束した無駄遣いの一掃による財源捻出が極めて不十分なまま、かつ、赤字国債を発行したままに子ども手当を支給していることは、将来世代にそのツケを回すことにつながりませんか。財源の裏打ちもないにもかかわらず支給増にこだわり、早急に必要な子育て支援策も実現できないというのでは、国民の支持は到底得られるものではありません。

 平成二十四年度以降を含め、安定的な財源をどのように確保するのか、国民が納得できる説明が必要です。総理の誠実な答弁を求めます。

 次に、公明党が、昨年、法律の附則に盛り込んだ、子育て支援に係る全般的な施策の拡充について伺います。

 この規定は、現金給付に偏りがちな現政権の子育て支援策をただし、おくれている保育所整備など現物給付の拡充を含めた、バランスのとれた子育て支援を進めるという趣旨で修正を加えたものです。

 そこで伺いますが、平成二十三年度予算案では、現物給付はどこまで拡充される見通しなのでしょうか。子育て支援関連予算について、平成二十一年度、二十二年度、そして二十三年度予算案における現金給付、現物給付の予算額並びに関連予算に占める割合をそれぞれ示し、御説明ください。

 次に、地域の実情に応じた子育て支援サービスを拡充するための新たな交付金について伺います。

 政府は、これまでの次世代育成支援対策交付金を改組し、新たに五百億円の交付金を創設するとアピールしています。しかし、この事業は、もともと予算措置で行われていたものであります。既に二十二年度予算で三百六十一億円が計上されており、アリバイづくりのほかの何物でもありません。現金給付に全く見合った額になっていません。焼け石に水です。一体これで何ができるというのでしょうか。抜本拡充とはとても言えません。

 今般、なぜ、交付金の創設が子ども手当法案に盛り込まれることになったのでしょうか。その理由を明らかにするとともに、従来の交付金とどのように違うのか、わかりやすく御説明ください。

 次に、地方負担をめぐる混乱について伺います。

 読売新聞の調査によると、地方負担の存続に反発し、その負担分を予算計上しないことを決めた、あるいはその方針であるという自治体が二県六十三市町村に上ることが明らかになっております。これは、もともと子ども手当は全額国費で賄うと言っていたにもかかわらず、地方への丁寧な説明、理解もないままに一方的に負担存続を求めた政府・与党の責任です。

 地方負担の存続をめぐっては、一昨年からこうした反対意見があることを認識していたにもかかわらず、その後、十分な協議の場を設けることもなく、一年間、一体政府は何をしていたんでしょうか。こうした混乱を招いた責任について答弁を求めます。

 また、今後も地方負担を存続するのか、あるいはマニフェストどおり全額国庫負担とするかをめぐり、閣僚間の発言に差異が見られます。最終的な制度設計において地方負担をどうするのか、総理に見解を求めます。

 次に、支給額の根拠と妥当性について伺います。

 二万六千円の根拠について、昨年の質疑で当時の長妻大臣は、第一に、子供の育ちに必要な基礎的な費用の相当部分をカバーする、第二に、諸外国の手当制度と比較しても遜色ない水準とするといった点を総合的に勘案して、民主党として国民にお約束した額だと答弁しています。

 しかし、もともとの子ども手当額は一万六千円だったわけであり、直近の現閣僚のあいまいな答弁を見ても、確たる根拠がなかったことを、後づけの理由でごまかしているにすぎません。

 改めて伺います。二万六千円という金額は、西欧諸国と比べてもトップクラスの水準にあります。それを主張した以上、金額の詳細な積算根拠を示すべきです。どのような計算で二万六千円となるのか、明確にお答えください。

 冒頭申し上げたとおり、子ども手当法案は、民主党マニフェストの中でも一丁目一番地と称せられる目玉政策です。それが、二十二年度に続き、単年度限りの措置となった。恒久法となって出てこない。毎年このような場当たり的な法案提出を繰り返していては、子育て世代の安心につながるどころか、制度への不信感はかえって増長することとなります。

 不信感を取り除き、安心して子供を生み育てられる環境をつくるためには、恒久的な子ども手当の制度設計や、子ども・子育て新システムなどを含めた子育て支援の全体像を明確に示すことが政府に求められています。

 昨年の法案質疑において、政府は、肝心なところは年末の予算編成過程で検討するなどとして、あいまいな答弁に終始しましたが、今回は、そのような答弁をやめていただきたい。

 政権交代からわずか一年五カ月、菅内閣の支持率は、鳩山政権末期の一九・一%を下回り、一七・八%。政権交代後最低を記録しました。もはや、国民の菅政権への信頼は地に落ちつつあります。

 民主党は、十九日、全国政策担当者会議を開いたと聞いております。神奈川の民主党の政策担当者からは、子ども手当の地方負担は公約違反だとの意見が出てきております。もはや、国会議員にとどまらず、地方からも公然と退陣要求が突きつけられております。

 子ども手当法案が通らなかったら国民生活が混乱するとしたら、政府・与党の責任です。国民生活をどう守るかは、第一義的に政府・与党がその責任を負うべきであり、政府は責任を持って、混乱がないよう、手だてを考えるべきであります。

 民主党が国民との契約とまで言い切ったマニフェストの破綻を認め、修正するのであれば、総理は国民に対して即刻謝罪すべきではありませんか。

 マニフェストの破綻、支持率の低下、どの状況を見ても、改めて国民に信を問うべきである。このことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

内閣総理大臣(菅直人君) 古屋議員にお答えをいたします。

 まず、マニフェストの、子ども手当についての御質問です。

 子ども手当は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から支給するものです。その結果として、保育所の整備等の現物給付などと相まって、子供を安心して生み育てることができ、少子化の流れを変えることにも資するものであり、これが子ども手当の本当の姿である、こう考えております。

 マニフェストは国民との約束であり、引き続きその実現に向けて取り組んでいくのが基本であると考えております。

 一方、本年九月で衆議院の任期折り返し点を迎えることから、党においてマニフェストの検証を行いたいと考えております。

 制度設計についてお尋ねがありました。

 子ども手当は、家庭に対する現金給付政策であり、児童手当のこれまでの実績を基礎としながら構築してきたものであります。来年度については、三歳未満については一万三千円を二万円に引き上げる案を提示しておりますが、これ以降については、現金給付とともに現物給付をさらに充実させること等が重要と認識しており、野党の皆様の御意見も大いに参考とさせていただきながら議論をしてまいりたいと考えております。

 次に、子ども手当が単年度法である理由についての質問です。

 先ほども述べましたように、平成二十三年度の子ども手当については、平成二十四年度以降の年少扶養控除等の見直しによる地方の増収分の取り扱いについて地方と協議を重ねながら十分検討する必要があるために、単年度の暫定措置を講じたものであります。

 子ども手当の財源についての御質問をいただきました。

 マニフェスト主要施策については、恒久的な財源を確保して実施することとしており、子ども手当についても、既存の予算の縮減、税制改正等によって、恒久的な財源を確保して実施することといたしております。

 平成二十四年度以降の子ども手当の制度設計については、関係府省と地方団体による会議の場において、現物サービスのあり方も含めて幅広く検討し、結論を得てまいりたいと考えております。

 子ども手当の地方負担についての質問です。

 平成二十三年度の子ども手当の制度設計に当たっては、国と地方の協議の場での議論や地方団体の代表者の方と厚生労働大臣との意見交換など、地方との協議に努め、地方側の意向も踏まえた検討を行ってきたところであります。

 最終的には、子ども手当創設前からある児童手当の地方負担については従前どおりとしておりますが、それ以外については、上積み分を含め、全額国費で対応したものであります。

 政府としては、まず、平成二十三年度の子ども手当の支給が円滑に遂行されるよう、地方に御理解をいただけるよう努力を続けてまいりたい。

 平成二十四年度以降における子ども手当の制度設計に当たっては、関係府省と地方公共団体で会議を開催し、十分な協議を行うこととしており、財源構成についても、この会議の場でよく検討してまいりたいと考えております。

 国民に信を問うことについての御質問をいただきました。

 マニフェストは国民との約束であり、今日まで、その多くを実施し、または着手をいたしており、今後も引き続きその実現に向けて努力を行っていくことが基本となっております。

 そして、現下の喫緊の課題は、そのマニフェストの実行とともに、経済と国民生活に不可欠な二十三年度予算を成立させ、執行することに喫緊の課題がある。同時に、中長期的には、社会保障と税の一体改革は、先送りできない国民の最重要課題である。これらに取り組むことが我が内閣のまさに任務でありまして、解散については全く考えておりません。

 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 古屋範子議員にお答えをいたします。

 三歳未満の子供を持つ世帯の収入が比較的低いことの根拠についてお尋ねがありました。

 平成二十一年国民生活基礎調査によりまして、末子の年齢階級別に世帯当たりの平均所得を見ますと、三歳未満の世帯の場合は約五百八十万円である一方、三歳から五歳は約六百五十万円、六歳から八歳は約六百九十万円と、三歳未満の世帯が、それ以上の世帯と比べ、最も低くなっているところでございます。

 このように、三歳未満の子供に関しては、親の年齢も低く、収入も低いという実態を踏まえ、仕事の休止など、出産、育児の負担感が比較的高いと考えられることも勘案いたしまして、三歳未満の子供に重点的に上積みを行うこととしたところでございます。

 次に、三歳未満の子供のみ引き上げることを行うことについてのお尋ねがございました。

 三歳未満の子供に重点的に上積みを行うこととしておりますのは、まず、児童手当のときより実質的手取りが減ってしまういわゆる逆転現象や、親の収入も低く、出産、育児の負担感が高いことなどを総合的に勘案したものでございます。

 また、年少扶養控除廃止で負担増となるのが三歳未満の世帯だけではないということも承知をいたしております。

 しかしながら、三歳から小学校修了前の子供がいる世帯では、子供が三人以上の世帯を除き、平成二十三年度では逆転現象は生じないこと、第三子以降の子供がいる世帯でも、平成二十三年度では逆転現象はほとんどないことが考えられることや子ども手当の理念からは、出生順位に関係なく手当を支給することが適当であるということから、平成二十三年度法案におきましては、税制改正の影響も考慮した上で、最終的に、上乗せの対象は三歳未満のみとしたところでございます。

 なお、二十四年度以降の子ども手当の制度設計につきましては、関係府省と地方団体による会議の場などにおきまして、現物給付のあり方も含めて、幅広く検討したいと考えております。

 次に、現金給付と現物給付の予算額などについてのお尋ねがございました。

 子育て支援関連予算に占める現金給付、現物給付の予算額及びその割合については、補正予算も含めまして、まず、平成二十一年度は、関連予算約八千六百億円のうち、現金給付が約二千六百億円で割合は三〇%、現物給付が約六千億円で割合は七〇%でございます。平成二十二年度は、関連予算約二兆二千三百億円のうち、現金給付が約一兆五千三百億円で割合は六九%、現物給付が約七千億円で割合は三一%でございます。平成二十三年度は、関連予算約二兆八千五百億円のうち、現金給付が約一兆九千五百億円で割合は六八%、現物給付が約九千億円で割合は三二%となっております。

 平成二十三年度で現金給付がふえましたのは、子ども手当の予算が十カ月分から十二カ月分となった影響がございます。三歳未満について七千円上積みをしたことによる増額は約二千百億円でございますが、現金給付も同程度の増額をいたしております。

 平成二十三年度の現物給付につきましては、五百億円の新たな子育て支援交付金の創設、地方財政計画におきまして、子供の現物給付一千億円のための特別枠を拡充するとともに、二十二年度の補正予算により、子宮頸がんワクチン接種の促進のための千八十五億円を計上するなどして、その充実に努めております。

 次に、新たな交付金についてお尋ねがありました。

 今回の子ども手当法案では、地域の事情に即した現物サービスを拡充するために、次世代育成支援対策交付金を改組いたしまして、五百億円の交付金を創設いたしました。

 この交付金の具体的内容につきましては、一時預かり事業などの従来の交付金の対象事業に加えて、最低基準を満たす認可外保育施設への公費の助成、市町村独自の子育て支援事業のうち、新規事業や既存事業の上乗せ、拡充分への公費助成等を行うことを考えております。

 これは、昨年の法案審議の中で、現金給付だけでなく、現物給付を充実すべきとの御意見をいただき、子育て支援に係る全般的な施策の拡充についての検討規定が附則に設けられた点も踏まえ、子ども手当法案の中に位置づけることとしたものでございます。

 次に、二万六千円の根拠についてお尋ねがありました。

 御指摘の二万六千円につきましては、子供の育ちに必要な基礎的な費用の相当部分をカバーすること、次に、諸外国の手当制度と比較して遜色のない水準とすること、我が国の子育てに係る予算の対GDP比は先進諸国の中でアメリカに次いで低い水準であることなどを総合的に勘案いたしまして、民主党において設定をし、マニフェストに盛り込まれたものでございます。

 以上、御答弁といたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 高橋千鶴子さん。

    〔高橋千鶴子君登壇〕

高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給に関する法律案について質問いたします。(拍手)

 貧困と格差の拡大が子育て世代に深刻な打撃を与えています。日本は、先進諸国の中でも子供に関する予算が極端に低く、所得の再分配をしても逆に貧困率が高まる唯一の国であり、子育て支援策の拡充は待ったなしです。

 我が党は、子育てのための現金給付と、保育所の増設など子育ての土台の整備を、車の両輪で進めることが重要であると主張してきました。現金給付については、かねてより児童手当の支給年齢と支給額の拡充を求めてきた立場から、昨年の子ども手当法案に賛成をしました。

 しかし、昨年の子ども手当は、二〇一〇年度限りの制度であって、六月の支給を急ぐ余り、財源や地方負担のあり方など制度の根幹にかかわる部分をすべて先送りしたものでありました。我が党は、そのために理念や目的があいまいでわかりにくい、控除の廃止縮減による増税が抱き合わせであり、財源にかかわる消費税増税が懸念されること、さらに、基盤整備の方向性が見えないことなどを指摘してまいりました。

 総理に伺います。

 今回の法案は、こうした課題をいずれも積み残しにしたまま、再び単年度限りの法案となっています。なぜですか。

 多くの国民が望んでいるのは、持続可能な、安定して給付が受けられる制度ではありませんか。民主党の目玉政策だったにもかかわらず、結局、こうして、明確な姿が示されないまま、つなぎ的な法案が何度も出てくるというのでは、国民の理解が得られないのではないでしょうか。

 続いてお聞きします。

 民主党が掲げた子ども手当創設の原点は、「次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」というものだったはずです。その理念は今も変わっていないのか、お答えください。

 この点で、与謝野大臣は、テレビ番組で、子ども手当については、我々がやっていた児童手当の拡充版と理解しようと自分に言って聞かせている、こう発言をしたようですが、これはどういう意味ですか。ぜひ、大臣のお考えをお聞かせください。

 支給額についてお伺いします。

 二〇〇九年総選挙マニフェストで二万六千円とされた支給額は、今後どうなりますか。また、今回、なぜ三歳未満に限って、なぜ七千円の上乗せをするのか。要するに、年少扶養控除等の廃止に伴う増税と差し引きで負担増にならないようにと、つじつま合わせをしたということではありませんか。細川厚労大臣、お答えください。

 財源の裏づけのないまま二万六千円という数字だけが大きく打ち出され、後から大慌てをし、結局、毎年その場しのぎの法案を出す、これが混迷を深めた最大の原因であります。

 日本共産党は、来年度予算については、子ども手当の上乗せ分は保育所増設など総合的な子育て予算に回す組み替え案を提案しております。子ども手当は、当面、一万三千円に上乗せすることよりも、財源によってぐらつくことのない安定的な制度をつくることを最優先にすべきだと考え、そうした立場で修正案を準備しています。総理の見解を求めます。

 次に、子ども手当の財源について、この間、政府部内から消費税を充てるとの発言が相次いだことは見過ごせません。税と社会保障の一体改革の中で消費税を社会保障の目的税とし、消費税を充てる対象には子育ても含まれるというものです。しかし、これも、閣僚により、あるいは時期によってさまざまな発言がされています。

 はっきりと総理に伺いたい。子ども手当も、保育などの子育て支援策も、充実できるかどうかは増税次第なのですか。お答えください。

 増税つきの手当や子育てサービスでは、結局、子育て世代の家計に負担をかぶせることになるのではありませんか。

 財源を生み出すために、所得税、住民税の控除の廃止縮減が決められ、既にことし一月から、年少扶養控除が廃止され、特定扶養控除が縮減されています。これらの増税に伴って、保育料や公営家賃など四十一の制度に波及することが指摘されてきました。政府内で対応策を検討すると言ってきましたが、実際、これらの制度に波及させないようになるのですか。お答えください。

 子ども手当と地方自治体の子育て支援とのかかわりで質問します。

 地方自治体は、地域の特色を生かした施策を行っています。しかし、子ども手当が創設された際、手当が支給されるならと、子供の医療費の無料化を見直したり、自治体独自のサービスが後退する動きがありました。

 また、低所得者世帯の子供に対する就学援助制度は、準要保護世帯に対する補助が〇五年の三位一体改革で一般財源にされてしまったために、厳密に要保護世帯だけに限るなど、制度が縮小されたということは、当時、文部科学省の調査で判明しました。今回も、子ども手当に絡んで、就学援助を絞り込むということがあったのではありませんか。

 自治体の独自制度の多くは、低所得者世帯への支援策として取り組まれています。子ども手当の趣旨は、そういう自治体独自のサービスと並び立ってこそ生かされるものであります。このような実態をどの程度政府が掌握しているかも含め、総理の認識を伺います。

 今回、保育料を手当から直接徴収できる規定が設けられたことは重大です。

 そもそも、保育料が高過ぎて払えない、こういう声が非常に多くあります。例えば、国が定めている保育料の基準徴収額は余りに高過ぎるため、各市町村は国の基準額の六割から七割程度に保育料を決めています。二万円あるいは一万三千円の子ども手当から天引きされて、まだ手元に残るという家庭はどのくらいありますか。

 保育料は、前年度の収入で算定されるため、リストラや廃業などで収入が減っても考慮されません。保育料の徴収は、このような一つ一つの事情に行政が配慮をして減免を行うなど対応することが必要なのではありませんか。直接徴収は、こうした行政のかかわりをなくしてしまいます。少なくとも本人の同意に基づく規定に改めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 また、学校給食費等の範囲について、教材費や修学旅行費も含める方針だと言われています。具体的にどこまで広げるのか、その範囲をどう考えているのか、見解を求めます。

 そもそも、昨年の民主党のマニフェストでは、給食の無料化をうたっていたはずです。学校給食などを含め、義務教育は、文字どおり完全無償にすべきではありませんか。

 最後に、今後の子ども手当について質問します。

 子ども手当は、二〇一三年度からスタートするという子ども・子育て新システムの中に位置づけられています。二〇一三年度以降の手当の姿は、新システム全体の財源をどうするかとか、政策決定機関である子ども・子育て会議の議論次第で変わるものなのですか。そうだとすれば、また二〇一二年度の子ども手当についても、単年度限りの法案を出さざるを得なくなるのではありませんか。お答えください。

 日本共産党は、保育を市場化し、福祉も自己責任と変質させる子ども・子育て新システムには反対です。今やるべきことは、切実な問題となっている待機児童解消のために国の責任で認可保育所を増設することや、子供の貧困の解消、子供の医療費無料化、仕事と子育ての両立支援など、子育てがしやすい社会を目指して力を尽くすことではないでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

内閣総理大臣(菅直人君) 高橋千鶴子議員にお答えを申し上げます。

 子ども手当が単年度限りの法案となった理由についての質問です。

 平成二十三年度の子ども手当については、平成二十四年度以降の年少扶養控除等の見直しによる地方の増収分の取り扱いについて地方と協議を重ねながら十分検討する必要があるため、単年度の暫定措置を講じることとしたところです。

 子ども手当については、歳出削減や税制改正で恒久財源を確保しており、消費税を財源とすることは考えておりません。

 子ども手当創設の理念についての質問です。

 子ども手当については、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から支給するものであり、この理念は今も変わってはおりません。

 子ども手当の支給額についての御質問です。

 マニフェストについては、子ども手当も含め引き続きその実現に向けて取り組んでいくのが基本ですが、本年九月で衆議院議員の任期の折り返し点を迎えることから、党においてマニフェストの検証を行うこととしております。マニフェストを見直すとの結論を得た際には、国民の皆様に丁寧に説明し、御理解を得ていきたいと考えております。

 なお、子ども手当についても、他のマニフェスト主要施策と同様、既存の予算の縮減、税制の改正等によって、恒久的な財源を確保して実施しております。

 次に、子ども手当の財源等についての質問をいただきました。

 子ども手当についても、他のマニフェストの主要施策と同様、既存の予算の縮減、税制改正等によって恒久的な財源を確保しており、先ほども申し上げましたが、消費税を財源とすることは考えておりません。

 これまで子育てサービスの充実を図っておりますが、社会保障制度改革の中で、子ども・子育て支援の強化を柱の一つに位置づけることとしており、子育て世帯の将来への安心を高めていきたいと考えております。

 次に、所得税、住民税の控除の見直しに伴う影響についての御質問です。

 所得税、住民税の年少扶養控除等の見直しに伴う保育料等への影響については、政府税制調査会に設置された控除廃止の影響に係るPTの報告書において、保育料への影響を遮断するための措置に関する基本的な方向性を取りまとめております。

 現在、関係府省において、この方向性を踏まえた対応を進めているところであり、それぞれの制度において、影響が生じる時期までに対応を完了する予定にいたしております。

 次に、子ども手当創設と地方公共団体の子育て支援についての質問をいただきました。

 子育て支援施策については、現金給付とともに、地方公共団体独自のサービスも含め、現物給付の充実等が重要であると認識しています。

 このため、まず第一に、地域の実情に応じた保育サービスなどを拡充するため、五百億円の交付金を設けました。第二に、保育所受け入れ児童数を約五万人ふやすための保育所運営費の拡充を行いました。第三に、地方財政計画に子供の現物サービスのための特別枠を新たに設け、地方交付税に一千億円を加算しました。こういった対応を講じ、現物給付を拡充して現金給付とのバランスをとるよう配慮しております。

 就学援助や地方公共団体独自のサービスについては、地域の実情に応じ、各市町村において適切に実施されるものと考えております。

 次に、学校給食費等の範囲及び無償化についての質問です。

 今回の法案では、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援する子ども手当の趣旨を踏まえ、本人の同意により、学校給食費等を子ども手当から納付できるようにしております。

 子ども手当から納付できる費用については、学校給食費のほかに、例えば学校の教材費や幼稚園の授業料、修学旅行費を含めるかなど、その具体的な対象範囲について、現在、関係府省において検討を進めております。

 このような取り組みは、学校給食費を含めた子育てに係る費用の負担を軽減することに資するものとなると考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

国務大臣(細川律夫君) 高橋千鶴子議員にお答えをいたします。

 まず、三歳未満に限って七千円上乗せすることについてのお尋ねがありました。

 平成二十三年度における子ども手当は、ゼロ歳から三歳未満の子供に重点的に上積みを行うことといたしております。

 これは、子ども手当の実施と扶養控除の廃止で、児童手当のときより実質手取り額が減ってしまういわゆる逆転現象が生じるのが主にゼロ歳から三歳未満の層であることや、この年齢層の子供に関しては、親の年齢も若く、収入も低いと考えられることに加えて、仕事の休止など、出産、育児の負担感が比較的高いと考えられることから、総合的に勘案したものでございます。

 次に、保育料の子ども手当からの徴収についてお尋ねがございました。

 保育料の額は市町村ごとに定めるものであることから、それぞれの市町村における保育料の徴収の詳細については、承知いたしておりません。

 お尋ねの件につきましては、仮に、国の保育料徴収基準額に基づき算出をした場合には、平成二十二年度において、来年度の子ども手当の支給額より保育料が低い家庭は、約二割となっております。

 次に、子ども手当から保育料を徴収することで個々の事情に行政が配慮した減免ができなくなるのではないかとのお尋ねがございました。

 保育料に関しては、前年に比べて収入が減少したなどの事情によりまして費用負担が困難である場合は、個別の事情に配慮しての市町村の減免を可能とする仕組みとなっております。

 平成二十三年度の子ども手当では、子ども手当からの保育料の徴収を可能にしたところでございますが、徴収方法にかかわらず、個別の事情に配慮して減免を行うことが可能な仕組みであることは変わっておらず、市町村において世帯の状況に応じて適切に対応されるものと考えております。

 次に、二〇一二年度の子ども手当についてお尋ねがありました。

 平成二十四年度以降における子ども手当の制度設計に当たりましては、関係府省と地方公共団体との会議の場において十分協議を行うことといたしておりまして、子ども・子育て新システムの検討との整合性を図りつつ、よく検討をしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕

国務大臣(与謝野馨君) 子ども手当は、児童手当と制度内容において異なる点もございますけれども、児童手当も子ども手当も家庭に対する現金給付施策であり、児童手当を基礎としながら子ども手当制度を構築してきたという認識を述べたものでございます。

 少子化対策担当大臣としては、子ども手当等の現金給付とともに、保育所待機児童の解消等の現物給付をバランスよく充実させていくことが必要だと考えております。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 阿部知子さん。

    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について質問を行います。(拍手)

 長い間、我が国の社会保障政策の中で重点が置かれることのなかった子供施策について、一昨年の政権交代によって、子供たち一人一人の育ちを社会全体で応援する子ども手当が誕生したことは、高く評価したいと思います。しかし、一年を経た今日、国会で繰り広げられる論戦のみならず、国民の中からも少なからぬ批判の声が寄せられている事態を果たして子供たちはどう見ているのか、大変懸念するものです。

 そこで、冒頭、菅総理に、まず、この子供たちにどんなメッセージを送るのか、御自身の言葉で語りかけてほしいと思います。

 次に、本来広く支持されるべき子供への支援策をめぐって、かかる混乱が生じていることの原因は、政府として国民に対しての十分な説明責任を果たしておらず、また、地方自治体を初め関係者との協議やお互いの役割の分担、協力を得る努力が不足していることにあると思いますが、どうお考えですか。

 子供は日々成長し、子育てには継続が大切ですが、政府案は毎年毎年の単年度立法です。子育ち・子育て支援のグランドデザインがないまま、継ぎはぎだらけで来年はどうなるかわからないことに、国民は不安、地方自治体は不信を抱いています。

 ここは、まず、総理として、現実の財政状況の中で、民主党の掲げる満額二万六千円の給付は当面不可能であること、一方、既に給付されている一万三千円は来年度以降全額国の責任において給付することを明言されるべきと考えますが、いかがですか。

 そもそも、昨年度の子ども手当でも、これまでの児童手当のスキームを取り込んで、全額国庫負担をうたいながら地方負担を残すことになったことに、自治体からは多数異論が出されました。おまけに、控除から手当にという方針の中で、本来地方の自主財源である住民税の控除廃止による増収分も国の歳入とすることで、さらに反発が強まったと思います。二十四年度から満額二万六千円にできないなら、住民税控除の廃止は凍結してはどうですか。

 さらに、昨年度の子ども手当法の成立に当たっての附帯決議では、上積み分については地域の実情に応じて現物給付に変えることを約束したにもかかわらず、今回は、三歳未満の二万円への増額を先行させました。別途五百億円の新たな交付金を設けたと言いますが、このうち、新たに地方独自の子育て支援サービスに使えるのはわずか八十億、各自治体に分けると数百万円にしかなりません。三歳未満において要望の強い保育所の増設・運営支援も極めて手薄です。

 子育て支援で大切なことは、現物給付と現金給付のバランスと、地域の実情に応じたきめ細やかなサービスですから、三歳未満の上乗せをするよりも、約束どおり、地方独自の現物サービスの充実に財源を回すべきです。それによって、保育料はもちろんのこと、就学援助費や給食費の支援など、子供の貧困対策をもっと充実できます。総理のお考えを伺います。

 さらに、社民党は、今回の三歳未満の増額のために成年扶養控除の廃止縮減が行われることに強い憤りを覚えます。そもそも、住民税の扶養控除の廃止や今回の成年扶養控除の縮減廃止は、民主党のマニフェストにもなく、家計と家族に与える影響も多大です。

 各種保険料や保育料金などの負担増に加え、五百二十万人に上る成年扶養控除対象者にしわ寄せするやり方は、国民の生活が第一とはとても思えません。見直すべきと考えますが、どうですか。

 目先の給付金額の整合性のみにとらわれ、財源あさりにも等しいやり方では、国民から祝福される子ども手当にはなりません。引きこもりやニートなどの状態に陥る青年は二百万人とも三百万人とも言われ、自立や就労に向けた十分な支援策がないままに、必死に支える家族から扶養控除を外してしまうことは、最小不幸社会や不条理を通り越して、社会的切り捨てにも等しいと思いますが、いかがですか。

 子供政策と若者政策は、一貫した連続性の中に理念と哲学を持って断固として取り組まれるべきものです。まず、一人一人の子ども台帳をつくり、まさにパーソナルサポートとして一人の人間の成長を支える、総理には果たしてその決意がおありですか。

 以上、この国に生まれ育つ子らの世界一の幸せを願って、私の質問といたします。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

内閣総理大臣(菅直人君) 小児科医として、子供にたくさん触れられて、いろいろとかかわってこられた阿部知子議員に、お答えをさせていただきます。

 まず、子供たちへのメッセージということであります。

 昔から、子は、いろいろな意味で社会の宝と言われます。私も、あらゆる生物がそうですけれども、自分たちは、親から自分に引き継ぎ、そして自分たちから子供に引き継いでいくわけでありますので、まさに子供は宝であり、希望であり、未来への力だ、チルドレンファーストという形で、社会全体で子供たちが健やかに育ち、次の時代の担い手となっていってもらいたい、このように考えております。

 次に、自治体や国民への説明責任について御質問をいただきました。

 平成二十三年度の子ども手当の制度設計に当たっては、国と地方の協議の場での議論や厚生労働大臣と地方団体の代表者の方との意見交換など、地方との協議に努め、地方側の意向も踏まえた検討を行ってきたところであります。

 最終的には、今年度と同様、子ども手当創設前からある児童手当の地方負担分については従前どおりとしておりますが、それ以外については、上積み分を含め、全額国費で対応したものであります。

 政府としては、まず、地方自治体などに御理解をいただけるよう、子ども手当の趣旨等についてよく説明をしてまいりたい、このように考えております。

 来年度以降の子ども手当についての御質問をいただきました。

 マニフェストは国民との約束であり、子ども手当も含めて、引き続きその実現に向けて取り組んでいくのが基本だと考えております。

 阿部議員の方からは、二万六千円というのは当面不可能ではないかという御指摘をいただきました。私も、この議論がなされているちょうど小沢代表の当時、この二万六千円ということを聞いたときに一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えております。

 しかし、何とか頑張って無駄な経費を抑えていこうということで、このマニフェストに盛り込み、現実に一万三千円のものを実行しているところであります。そして、来年度については、三歳児まで二万円というところまでやってまいりました。

 今後については、いつも申し上げておりますように、任期の半ばをこの九月に迎えますので、この現物給付のあり方等を含めて検証を行っていく。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

内閣総理大臣(菅直人君)(続) その検証の中では、この子ども手当についても、多くの皆さんの意見を聞きながら、しっかりと検証を行ってまいりたい、このように考えております。

 次に、住民税の扶養控除について御質問をいただきました。

 住民税の扶養控除の廃止は、所得税において扶養控除の廃止が行われることに伴い、税制体系上の整合性や地方団体からの要望等を踏まえ、所得税と同様に廃止することとしたものであり、適切な対応と考えております。

 子育て支援における現物サービスの充実に関する質問をいただきました。

 子育て支援施策については、現金給付とともに、現物給付の充実が重要であるため、地域の実情に応じた現物サービスを拡充するため、五百億円の交付金を設けました。また、保育所の受け入れ児童数を約五万人ふやすための保育所の運営費の拡充を行ったところであります。地方財政計画に子供の現物サービスのための特別枠を新たに設け、地方交付税に一千億を加算するなどの対応を講じ、現物給付を拡充して現金給付とのバランスをとるよう配慮しております。

 いずれにしろ、社会保障制度を抜本的に改革する中で、子ども・子育て支援による未来への投資を基本原則の一つとして、子育て世帯の将来への安心を高めてまいりたいと考えております。

 成年扶養控除の見直しについての質問をいただきました。

 扶養控除の見直しについては、マニフェストに記載しており、成年扶養控除について、本来、成年者が基本的に独立して生計を立てるべき存在であることなどを踏まえ、その対象を見直すこととしたものであります。

 その際、御指摘のように、社会的な切り捨てということにならないように、障害者や、要介護認定者や、その介護をされている親族、高齢者などについては控除を存続し、所得制限についても、平均的な所得を上回る水準に設定するなど、広範な方について、負担増にならないよう配慮しているところであります。

 また、成年扶養控除の対象から外れる方については、求職者支援制度の創設など、自立支援や就労支援等の施策により、きめ細かく対応しているところであります。

 次に、子供のパーソナルサポートについての質問をいただきました。

 子育ての支援については、さまざまな分野の機関が連携して、継続的に子供やその家庭を支援することが重要と考えております。このため、生後四カ月までの乳児がいるすべての家庭を訪問する事業を進めるとともに、地域の福祉や教育などの関係機関が情報を共有し、連携する、子どもを守る地域ネットワークの設置を進めているところです。

 これらの事業を通じて、必要な情報を集積し、関係者が考え方を共有することとしており、今後とも、支援を要する子供やその家族への継続的支援に努めてまいりたいと考えております。

 以上、御質問にお答えをいたしました。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   菅  直人君

       文部科学大臣   高木 義明君

       厚生労働大臣   細川 律夫君

       国務大臣     枝野 幸男君

       国務大臣     与謝野 馨君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官  藤井 裕久君

       厚生労働副大臣  小宮山洋子君


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